P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
26回国会参議院1957/10/11

農林水産委員会 閉会後第12号

発言数
81
登壇者
11
会派数
4
開催日
1957/10/11

会議録

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) それでは、ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  イルカ漁業の件を議題といたします。  この件については、千田委員から発言を求められておりますから、この際御発言を願います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 この問題は、すでに前国会において十分討議し、そしてまたこれに対して農林省としても十分考えておられると思うのでありますが、明年度予算の編成期にも来ておるし、さらにまたこのラッコ、オットセイの回遊時期があと半年に迫っておる今日でありまするから、早く処置をしまして、国際間の条約に基くところの日本の立場をはっきりしなければならない。こういう点からいたしましても、すでに水産庁としても十分な処置の方針が定められたものと私は考えておるのでありますが、その間の経緯と、水産庁としましての今後の指導方針について、長官から一応お伺いしておきたいと思います。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) イルカ漁業者の転換に関しましては、前国会におきましてオットセイ条約の批准をお願いいたしました際に、いろいろ御説明を申し上げた次第でございます。水産庁といたしましては、前国会で御説明いたしました通りに、イルカ漁業者の転換に対しまして、廃船交付金及び新しい漁船の建造補助金、さらにモウカザメ、延縄漁業の漁区の補助金といたしまして、約五億円の金を関係漁業者に交付するという方針を堅持いたしておるのでございまして、これに関しまする予算は目下、明年度予算に計上するべく、大蔵省に対して要求をいたしておるところでございます。  前回御説明申し上げました後におきまして、イルカの転換の問題につきましてはいろいろな雑音または新しい要請も出て参ったのでございます。すなわち、前回御説明いたしましたのは、水産庁といたしまして県及び警察に照会いたしました、猟銃によってイルカの漁獲をいたしておりまする漁業者、その漁船の隻数を百七十一隻と、こういうふうに押えまして、その中で廃船いたしまするものは、これは三十トン未満の漁船約百三十隻ばかりのものにつきまして廃船の交付金、及び三十トン以上の新船の建造に対しまする補助金というふうな計画を樹立いたしましたのでございます。ところが、その後あの調査の中に漏れておったのだ、自分たちもイルカをとっておった実績があるのだ、こういうふうな申し出が千葉、茨城、青森等から出て参っておるのでございます。そこで水産庁といたしまして、それらの申し出及び関係漁業者の陳情等をそしゃくいたしまして、いろいろ対策を考究いたしておったのでありますが、過般国会においても御説明申し上げました方針を堅持するという決心をもちまして、今月の四日に関係県を招集して、具体的にイルカ漁業者の転換計画を作成することを指示をいたした次第でございます。  イルカ漁業者の転換計画の内容として考えておりまするものは、過去におきまして猟銃によるイルカ漁業の実績を持っている者、すなわち前回国会で条約の御批推をいただきましたその前の年から、これについての実績を持っている者、それを押えまして、そしてイルカの猟銃漁獲によりまして、その漁業によって主としてその漁期間におきまする生業をささえてきた者と、こういうものに絞りまして転換の措置を講ずるということにいたして参りたい、かように考えておるのでございます。具体的にはまあいろいろ新しい要請が出て参っておりますが、過去におきまする猟銃漁獲等の年月日、あるいは許可を受けておりまする猟銃の許可の名儀、さらにその猟銃の口径及び長さ、火薬の使用量等を詰めて参りますれば、先ほど申し上げました真にイルカの漁業者として、これによってイルカの来遊する漁期間に従業しておった者というものを絞り出して選定し得る、かように考えておる次第でございます。  一方におきまして予算的な措置を講じますとともに、他方におきまして、これに対しましては農林漁業金融公庫からの漁船の建造に対する融資をいたさなければならない事態であるのであります。これにつきましては、今年度の漁船建造のワクの中から十分今年度支払いを要する分はカバーし得る、かように考えておるのでございまして、目下転換計画が具体的に定まりますとともに、公庫におきましてもこれを取り上げるように打ち合せをいたしておりますところでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 だたいま長官の御説明でよくわかりましたが、私は二点だけ特に要請しておきたいと思います。  その一点は、少くとも当委員会並びに本会議、あるいは予算委員会等におきまして、政府当局として長官並びに農林大臣がわれわれの質問に対してお答えした百七十一隻ということは、あそらく水産庁は、国際的問題のこの条約批准に際しまして、国会の承認を得るに際して、あなたがたが十分それを説明したはずでありますから、その後に起きた問題がかりにあるとするならば、それはあなたがたの調査不十分といってわれわれは追及せざるを得ないのであります。今の御説明にありましたように、イルカ業者というものは全国にたくさんおります。しかしながら、北海道から三陸沿岸にかけて潮流に乗じて来遊するラッコ、オットセイを、イルカ漁のかたわらそれを捕獲しておったというものは、すでに百七十一隻と、私はさよう考えるのでありまして、その後において、政府が建造資金その他に対して、漁業転換等に対して援助するというような声を聞いて、便乗するような方向に相当動いておるというような雑音も、われわれは聞くのでありまして、そういうことは断然やはり排除しなければならぬ。あなたがたがこの問題を国会の批准において国際条約を結ぶに際して、その国内的措置に対していかにすべきかということについては、すでに声明され、かつまたわれわれに対して報告した通り、それを厳然として守って遂行すべきものだと私は思惟しておるのでありまして、その点は間違いのないように一つ長官は推進していただきたい。  もう一つは、金融公庫その他においては、すでに本年度のワク内において、政府の所信がきまったならば、直ちに建造資金を貸し出しておるものを、ワクを用意しておるにもかかわらず、未だに水産庁の処置方針がきまっておらない、そのためにせっかく取ったワクをほかの建造資金等に回さざるを得ないという情勢に立ち至っておる。これはやはりあなたがたの方の処置がおくれればおくれるほど、そういう問題が起きてきます、いずれ。今長官の御説明のなすったような立場において、一日もすみやかに決定するというお考えであるならば、これはけっこうでございますけれども、遅延するようなことがあるというと、そうした面においてもひびが入ってくるし、雑音も入ってくる。でありますから、当初当委員会並びに予算委員会等において声明された方針に従いまして、一日も速やかにこの処置を完成されて、国際条約を守る日本の立場を堅持していただきたい。この点を要請しておきます。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 水産庁といたしましては、百七十一隻の中に包含されておりまする、主として岩手、一部千葉、福島あたりの漁船のみならず、今回新しく仲間に入れてくれと、こういうふうな要請のありました千葉、茨城、青森あたりの船につきましても、先ほど申し上げましたように、イルカの来遊期におきまして、イルカ漁業を主業として営んでおった、こういう事実を、同一の基準に基きまして審査をいたしまして、そうして本来この転換の趣旨が取り上げられましたその目的に従いまして、善処をいたして参りたい、かように考えておる次第であります。  ただいま公庫その他の関係において処理を急がなければならないではないかということにつきましては、われわれといたしましても、まことに同感と存ずる次第でございまして、今月すでに水産課長を関係県全部取り集めまして指示をいたし、さらに通牒を最近出しましたような次第でありまして、具体的に転換計画をまとめますことを推進いたしたい、かように考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それはその通り実行していただきたい。雑音はなるたけ排除しなければならぬ。水産庁の方針がぐらつくというようなことであっては、せっかくの名案を立てても意味がなくなる、またわれわれも追及したくなるのでありまして、これは既定方針に向って十分に完璧を期していただきたいということを要望いたします。  もう一つ、水産問題について二つの大きな問題があると思うのであります。水産行政の点において、われわれは長い間待望しておりましたところの汚水に対する、水質汚濁に対する防止法案、こういうことをしょっちゅう言うておるにかかわらず、この原始産業を守る立場に立ってのみならず、環境衛生の立場からいっても、水質汚濁の防止は当然行わるべきものであるという建前で、長年の間当委員会で研究しておるし、また農林省当局も考えておるはずである。にもかかわらず、最近の情勢をうかがうというと、どうも近代産業であるところの人絹であるとか、あるいは製紙業、そういうような面からの強い圧力によって、水産業者の立場から、農林水産行政との対立があるがごとくにうわさされております。これはまことに遺憾なことでありますが、われわれ農林水産という立場、しかも日本の主産業という立場ある意味においては原始産業である、いわゆる継承されたところの日本民族の基礎的の産業として、農林水産漁業を守るためのこの水質汚濁法案というものは、いまだ出されておらない。出そうとすると、通産官僚並びにそれをめぐる国会議員の圧力によって、十分出せないというような風評まで伝わっておる。これは水産庁としましてはまことに、漁民の生活を守る点から見ましても、非常な決意をもってこの問題を処理していかなければならないと思いますが、水質汚濁防止法案というものを出す考えがあるのかないのか、この点はどういうふうにお考えになっておりますか。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 水質汚濁を防止いたしますことに関連いたしました法律案は、次の通常国会に提出するという予定をしまして、目下経済企画庁が関係のありまする各省の意見を調整をいたしておるところでございます。一応の段階が終りましたので、この問題をさらに推進いたしまするために、関係省の局長会議を開く、こういうことに相なっておるのでございますが、いずれ近々にその会合によりまして各省の間の調整案が成立する、かように考えておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 その際、これが骨抜きにならないように、今までの問題が、いつでもこういう問題が出てきますというと、閣僚の間においても、いわゆる業界の代表をしておる閣僚もあれば、あるいは農林水産のために健闘する閣僚もある。閣僚間においても対立し、あるいは各省間においても対立されておるというような格好で、今日まで進んできておる。少くともこの問題は、やはり大乗的な立場に立って日本の水産業を守り、同時に、将来いずれを排撃するということなしに、日本の産業を両方とも守りつつ、産業に従事するところの国民生活の安定ということを考慮に入れて考えなければ、これはできない問題であろうと思いますので、骨抜きにならないように、一つがんばっていただきたいということを要求します。  最後に一点お伺いしますが、それは、これまた一つの重大な問題でありまして、日本の水産業は、御承知の通り、非常に不安定な面にかんがみまして、保険的なものを考えてやらなかったなら漁家経済が成り立たない。漁船保険、あるいは漁具あるいは漁獲に対しての保険というものを裏づけしていかなかったならば、これはいつまでたっても漁業というものは発展していかない。こういう面から水産庁としてもいろいろ制度を立案しておるようでありますが、予算の面に見ましても、今度の、一昨日ですか、官房長が説明した予算の面からいいましても、漁業共済保険等に対する案もありたようであります。これに対しては予算がまだ明確にされておらない。しかし、必ず出すということを言っておりますが、この点についてはどういう所信で臨まれるか。同時に、魚価の安定政策をどの点によって行なっているか。この点について、水産行政における最も根本的な問題でありますから、長官の所信を示していただきたいと思います。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 魚価が御承知のごとく安定をしておりませんために、漁業共済に関しましては、その他の共済あるいは保険と同様に、物的な損害に対する共済というふうな形では組み立てにくいのでございます。従いまして、経常費の何%かの収入があがらなかった場合に、その差額に対して共済金を交付する、こういうふうな経営保険的な考え方での共済の構想をとらざるを得ない状況にあることは、非常に残念な次第であるのであります。  そこで、それだけに、漁業共済ということについてはいろいろむずかしい面もあるのでございまするが、とにかく今年全水協に対しまして、去る五日付をもちまして試験実施の委託をいたしたのでございまして、これによりまして、沿岸の約十八道府県につきまして、共済事業がまさに発足しようといたしておるという状況にあるのでございます。そこで水産庁といたしましては、この試験実施の着手を見ました共済事情を漸次軌道に上せていく、そういうことのために、いろいろな検討もいたしておる次第であったのでございまして、明年度の予算の上におきましても、これに関しまする具体的な結論を織り込みたい、かような観点に立ちまして、目下追加概算の重要なる一つの項目としての検討をいたしておる次第でございまして、魚価の問題に関しましては、従来間接的な魚価対策、すなわち輸送を世話するとか、あるいは製氷、冷凍施設を拡充するとか、あるいは場合によれば大衆魚の出回り期に大会社の冷凍母船を乗り出させるとか、そういう非常に間接的な魚価対策しか行われていなかったということは、これは非常に残念なことであったのであります。これに関しまして民間におきましては、農産物価格安定法を適用して政府でかす類等の買い上げをすべきではないか、こういう見解も強く主張されておるのでありますが、商品の性質及びこれが管理スタッフ等の関係から考えてみますれば、国の会計においてこれを買い上げるという方角に一挙に踏み込むことに対しては、慎重に検討しなければならない、かように存ずるのでございます。しかしながら、とにかく協同組合及び同連合会の活動を促進いたしまして、特に出回り期において価格の暴落を来たしまするイカ及びサンマの価格の支持に寄与するということのために、スルメ及びサンマのかすというものにつきまして、協同組合、同連合会におきまする製品の保管を推進するという方角において、明年度何らかの具体的な対策を実施したい、こういうことで、目下大蔵省と予算の折衝をいたしておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それでは、よくわかりましたが、この漁業共済保険は、御承知の通り、農業の保険とは違って、国が支払いの再保険という義務までになっておらないという点に非常に弱体なんですが、これに対しては何らかの措置を講ずる、たとえば再保険的な一つの性格を持った施策をやるというお考えを持っておられるということで、予算に計上する、こういうことですか。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 漁業共済につきましては、保険理論に基きました共済のシステムというものは、これはなかなか損害保険について形成されておりまする現在の保険理論の立場に立ちましては困難であろうか、かように思うのであります。そこで、あくまでも経営保険としてこれを実施しながら、漸次その内容を修正し、軌道に上していく、こういう進め方をいたさざるを得ないのでありますが、その進め方といたしましては、民間の自主的な共済事業ということによって、とにかくこれを発足させるということが、今の段階において必要であろうか、かように存じ、そういう方角への踏み切りをいたした次第でございます。  そこで、本年は試験実施として、その実施する内容についての、またいろいろな現場に当ってのデータを取り上げまして、いろいろその内容を完成するということに努力をしていかなければならない段階にあるかと思うのでありますが、しかし今後事故が偶然多発いたしました場合の支払準備金の問題等につきましては、予算の上におきましても何らかの対策を具体的に講じなければならないのではないか、かように存じて、目下検討いたしておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 最後に、今の問題は十分に考慮して、実行していただきたいと思いますのは、農業は農業災害補償法に基いて、支払いに対して政府が再保険という一つの恩典を与えて助成している。漁業の方はそこまでいっておらない。各組合員のいわゆる出資に基いて、そうして真剣にこの漁業保険にたよって、そうして今後の漁家の経営の安全をはかろうという、そういう意欲がせっかく出てきておるのですから、政府は十分にこれに対して応援する考えをもって実施していただきたいということを要望しておきます。  それから魚価安定対策については寄り寄り研究中という、こういうことでありますが、これもけっこうなことでありますけれども、農業におけるところの農産物の価格安定法に基くようなところまで進んで、政府が買い上げその他の措置までやっていこう、これだけの決心をもって進んでおりますか、どうなんですか。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 商品の性質上、また商品の管理技術上、農産物価格安定法を今これに適用するということについては、いろいろわれわれとして慎重に研究をせざるを得ない、かように考えておるのでございまして、今の段階におきまして、むしろ実際的なこの問題の解決方法といたしましては、先ほども申し上げましたように、協同組合及び同連合会の共同販売及び保管事業というものを強力に推進するための手を打っていくという方角にあるのではないか、かように考えておる次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それでは、私はこれで終りますが、十分研究されたら、もう一度当委員会において研究の結果についてを御発表願いたい。われわれとしての考えもあるし、また御助言する点もあるし、あるいは知らない点については、あなた方からさらに知識を得たいと思いますので、それはあらためて次の機会において、十分に案を練ったならば一つ御発表を願いたい。以上御要請申し上げて、私の質問は一応打ち切ります。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 私はこの機会に、せんだっての水害に対する措置についてお伺いしたいと思いますが、長崎県を襲いました異常の豪雨によりまして、陸上のいろんな災害に対しましては、いち早く政府は手を打っていただきまして、着々復旧に邁進しておることはわれわれも非常に感謝しておるところでございますが、同時に、海の方の災害について、これは陸上と違いまして、非常に混濁した状態に当時はありましたために、しばらくその災害の状態がわからないで、それがわかったのはだいぶおくれてわかってきております。御承知の通り、有明海は主として養殖事業が盛んなところでありまして、その漁場に流れ込んできた埃土というものが養殖場をすっかりおおってしまって、貝類等の養殖地が荒れてしまっております。また一方、そこへ石であるとか、あるいは材木等が流れ込んできて、漁業ができないといったような状態になっておりまして、漁業者は、十四カ組合の漁業者が非常に困っておるのであります。これに対して政府の措置を要請して参っておるのであります。水産庁としても適当な措置はいたしておると思います。が、どういうふうに、これが復旧に対して措置をされておりますか、この際お伺いしておきたいと思います。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 有明海の西部におきまして、過般の台風によりまして土が流れて貝類の漁場が埋まったという連絡をいただきましたので、水産庁といたしましては、目下その実態を一方においてつかみまするとともに、その対策を研究いたしておる次第でございます。この実態につきましては、海の中のことでございますので、いかなる施策を政府部内において持ち上げますにいたしましても、しっかりとつかんでおかなければいけないと、かように存じまして、県に対しましても調査を依頼するとともに、一方有明海の漁業調整事務局に対しまして、その調査に具体的に協力するように指令をいたして、目下調査を進めさしております次第でございまして、その実態がつかめますれば、どういう方法で排土をいたしまするか、さらに検討をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 水中のことですから、なかなか調査も思うようにいかないと思いますが、これは時期の問題もございますので、農業といたしましては明年度の作付に困らないように措置をするというので、一生懸命やっておるのです。水産の方もそういう意味で、これを非常に急いでいただきませんと、せっかくの御努力もあまり効果をもたらさないようなことになるのじゃないかと思いますが、一方また、これが復旧の措置につきまして、地元の団体あるいは町村が措置をする場合に、やはり資金の問題が一番の難点でありますが、そういう際にやはり融資の措置を考えていただけるかどうか、そういうこともやはり考慮のうちに入れて御調査を進めておられますかどうか、お尋ねしたいと思います。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 実態をつかみました上におきまする対策といたしましては、一方において、ただいまお話のございましたような融資の措置のみならず、具体的に排土を進めるにつきまして、ブルドーザーを使ってやれるところと、その以外にブルドーザーでやれない部分をどういうふうにして排土をして利用できるようにしていくかというような点にわたって、考究いたしまする場合においては、当然何らかの財政的な措置もあわせて講じなければならないのではないかと、かように考えて、実態をつかむことを急いでおる次第であります。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 今の融資のほかに補助の問題ですね、これは当然地元としては期待をしておるのでありますが、こういうところの排土をする、あるいはそこに入ってきておる材木をのけるとか、あるいは石を取るとかいったようなことに対する補助の道がございますか。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 現在におきましてはその補助の道はございませんので、新しく予算措置を講じなければならないかと、かように考えております。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 それは、予算措置さえつけばできる問題でございますか。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 予算措置がつけば実行可能ではないかと、かように考えております。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 おそらくこれは災害復旧ということでなしに、増殖の奨励とかいったような意味からの措置じゃないかと思うのですが、これはいずれにしても、その名目は問うところではございませんが、何しろ非常に打ちひしがれた状態にありますので、漁村と申しましても、純養殖ばかりやっておる人もありますけれども、また農業関係をやっておるものもある。陸の方は陸の方でひどくやられて、海の方もやられて、財政面も非常に困っております。従って、融資だけではなかなかいけないと思いますので、金額にしては現在のところ、陸上に比べますと非常に少いのでありますが、何分にもそういったような零細な業者でありますので、これに対する助成補助の道と、それからいよいよやることになりました場合の融資の道をぜひ考えて、一日も早く彼らが仕事につけるように、この上ながら一つ御努力をお願いして、私のお尋ねを終ります。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 水産関係で、他に御質疑ございませんか。——それでは、本件はこの程度にいたしておきます。   —————————————

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 次に、乳価の件を議題にいたします。  過般、乳価安定対策が決定いたしましたので、この問題について当局の説明を聞くことにいたします。関係資料はきのうお配りしておったはずでございますが、まず政府当局から説明を聞くことにいたします。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) お手元に閣議の了解事項と、それから農林大臣のそのときにお話ししました大体の要旨をお配りいたしておきましたが、大体この前の委員会にもいろいろ御議論があったわけでございますが、大カン練乳の課税を免除いたしておりました措置がことしの六月末をもって打ち切られることに相なっておったわけであります。ところが、今年度におきまする牛乳の生産量と消費の状況を勘案いたしますというと、何らかの対策がありませんというと、この砂糖消費税の免税措置を打ち切ることも影響が甚大である、こういうような問題があったわけでありまして、それでいろいろと国会でも御議論をお願いいたしまして、九月末までに大カン練乳の免税措置を延長したような次第であります。そこで、九月末まで大カン練乳の免税措置が延長されたわけでございますが、それを十月一日から砂糖消費税を税の立場からとるということにも相なっておりますし、また、たまたまこの機会に、現在非常なる勢いで伸びておりまする酪農の生産と消費の関係に、ときといたしまして需給のアンバランスが生ずることが考えられますので、しかもその需給のアンバランスが、こういう商品の特殊性、あるいは非常に多数の農家によって生産されておるというような関係から、一時的なアンバランスというものの影響はかなり深刻のものも予想されますので、そういうようなことを勘案いたしまして、この牛乳の乳製品の需給調整の対策を講じたわけでございます。農林省といたしましては、酪農審議会にその対策を諮問いたしまして、その答申を得たわけでございます。そういうような経過を経まして、この場におきましてさしあたりきめておかなければならない重要な点につきまして、さる二十七日の閣議の了解を得まして、それぞれの手続をとっておるような次第でございます。従いまして、閣議了解をいたしました以外の問題につきましては、来年度の予算等におきまして、あるいは必要のあるものは立法措置を講じて参る、こういうような形におきまして、漸次体制を整えて参りたいと思っておる次第でございます。  閣議の了解を得ました案件は、まず一つは、学校給食といたしまして牛乳を供給する、こういう考え方でございます。これは大体今明年におきまする需給の推算をいたしまして、さようにいたしまして、大体通常の状況よりも過剰であると認められるもの、ミルクにかえまして約三十万石のものを、本年度、つまり来年の一月から来会計年度にわたりまして三十万石のものを学童給食等に供給いたして、政府は一合について四円を補助して参る、こういう決定でございます。これは飲用牛乳が主体になるわけでございまするが、学校側が希望いたしました場合には、乳製品の給食も考慮いたしております。具体案の詳細につきましては、目下案を練っておりまして、早急にそれぞれの関係県の方にも通達をいたしたいと、かように考えております。  第二点は、酪農振興基金の設立でございます。適正な牛乳取引を履行せしめますためにも、需給の不均衡が生じた場合におきまして、その乳代の遅払いでありますとか、あるいは牛乳の受け入れ拒否というようなことを防ぐ必要があるわけでありますが、そういうために、乳業を行なっておりまする者の必要といたしまする融資資金の債務保証を、基金を作りましてやっていこう、こういう考え方でございます。  この振興基金の資本金は十億を予定いたしておりまして、五億を政府が出資いたします。これは設立当初に出資をいたしまして、民間の方では、設立当初に一億、農地年度の分割払いの形をとりまして、総計十億という基金を予定いたしております。この民間の出資をいたしまするものは、乳業を営んでおりまするそれぞれの事業主体、また、乳業を営んで、施設を持っておりまする農業協同組合等を予定いたしております。農業協同組合の中で、施設を持っておりませず、あるいは通常の生乳の共販等をいたしておりまする農協につきましても、出資の希望があればこれを受け入れる態勢になっております。これらの民間の出資に関しましては、すでに民間の各社あるいは農協等と一応の話し合いは終っておりまして、大かたの賛同をすでに得ておる状況でございます。  なお、基金は、現在のところ、運転資金に関しまする融資ということが主体になるかと思うのでありますが、大カン練乳の設備の切りかえというような問題も重要であろうと思いますので、これらの設備転換のために必要といたしまする資金の借り入れにつきましても、一定の年間を限りまして融資保証をするように考えていきたい、かように考えておる次第であります。  この基金は、当然法律を要するわけでございますが、できるだけ早くやって参って設立をいたしたいと考えておりますので、おそくとも昭和三十三年度、来年度当初にこれが発足いたし得まするように、法律その他の準備をいたしたいと考えております。  それから第三点に、乳製品の保管でございますが、酪農振興基金の業務開始が、そういう事情ですぐこの場に間に合わずに、若干おくれて参りますので、その間のいろいろの資金の融資のあっせんを現在、それぞれの機関に話をいたしまして、いたしておりますが、そのほかに乳業者あるいは農業協同組合等が大カン練乳等の乳製品を保管いたしました場合に、国はそのために必要な保管料でありますとか、金利でありますとかいうものの相当額に対しまして助成をいたして参って、乳製品の需給均衡をはかる方針でございます。これは大体三千万円程度を予定いたしておりまして、この十月の二十日から発足いたし得るような準備を現在進めております。数日おくれることがあるいはあるかもしれませんが、十月の下旬には発足いたしたいと、かように考えております。この場合におきましては、特にやはり農協あるいは中小企業等の行いまするところの共販体制というものを優先的に考えて参りたい、かように考えております。  上述いたしましたような点が、とりあえず閣議の了解を経た案件でございますが、これらの問題を通じまして、今後来年度の予算あるいは法案を提出するというようなことが必要になって参りますが、その基本的なものの考え方といたしまして、農民と乳業者との間におきまする生乳取引を合理化する方法を講じて参りたい、かように考えております。  学校給食の実施でありますとか、基金の運営等につきましても、乳業者の団体の行います共同販売、あるいは団体協約というものの強化をいたしまする方向において、これを使って参りたい。あるいは都道府県に酪農委員会というようなものを設置して参りたい。これらは法案を提出しなければならないと思いますが、そういう考え方に立って仕事を進めて参りたい。かような考え方で現在進んでおります。一部はすでに実施の段階に入っておる、かような状況であります。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) ただいまの説明に対して、御質疑はございませんか。

関根久藏自由民主党

○関根久藏君 振興基金は十億円というのですが、それの何倍くらい保証するのですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) これは今までも、いろいろと農林省関係にも債務保証の基金がございますが、大体基金総額の五倍程度のものが通常のように思っております。大体その程度のものを考えております。

関根久藏自由民主党

○関根久藏君 五十億が保証できるのですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) そういうわけです。

東隆日本社会党

○東隆君 この対策の効果は、実はもう少し早く現われるといいと思いますけれども、これの効果がずっとおくれて参りますと、もうすでに乳製品業者、それから地元ですね、生産農家との間に、価格の引き下げの交渉を始めておる。それでこれらの経過ですね、わかっている範囲で一つ教えてもらいたいのです。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 今年は少し乳価の交渉等がおくれておる形があるかと思いますが、大体普通の状況で申しますと、夏分にはミルクの需要が旺盛になるのでありますが、夏乳価というものは大体通常よりも高いのであります。それから、それが秋になりまして、いわゆる冬乳価と称しておりますが、それは夏乳価よりも下ってくる、こういうのが通常の乳価の状況のように思います。  今年の状況は、夏分に大体二、三円がらみ、これは各地によりまして状況が違いますが、二、三円がらみ一升について値上げが行われております。で、現在のところ、秋乳価につきまして、この夏分の値上げをいたしましたその乳価相当額、あるいは若干それにつけ加える程度の額が、値下げの要求が乳業者の方から出ております。そこで、各地で農民との間にそれの交渉が行われておる、こういう現在段階であります。これは原料乳地帯と市乳地帯によっても違いますし、また地帯によりましてもそれぞれ状況が変っておるようでありますが、大体今のところはそういう形になっておるように存じます。

東隆日本社会党

○東隆君 これがちょうど大カン練乳の砂糖消費税の免税の廃止に関連をしておりますので、だいぶ各地とも先鋭化しておるのじゃないかと思いますが、それに対する何か特別な手を打つことをお考えになっていないのですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 現在行われておりまするいろいろな交渉につきましては、特に私たちの方でどうということを考えてはおりません。これは先ほど申し上げましたように、やはり生乳取引のある程度長期的なものが確実に文書その他によって行われる、ここのところが必要になってくるのだと思います。これはすでに、農業の共販あるいは団体協約というような形が一部行われておるわけでありますが、その価格改訂等につきましては、なお非常に浮動性の多い形になります。そういうものを今後適正な形で行われるように指導していく必要があると思います。これは現在乳価の交渉をやっておりますものを、すぐに、それではこちらの方から積極的にどうということにはならないと思いますが、すでに今年の四月以来いろいろと私たちの方で通牒等を出しまして、この団体協約あるいは共販の態勢を促進するようにいたしております。これが法律等の改正によりまして酪農委員会の設置等ができますれば、また一段と進歩する、かように考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 この政策の一つとして、学校給食の問題が出てきましたがね。しかし、学校給食は、義務教育の六・三の六の学校、全国全部の学校にやるということはできないですね。ことに酪農地帯における小学校で給食をやっておる学校というのは、どれだけあるのですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 今全国で給食をやっております学童数が、大体八百万近くあります。学童及び中学校等を入れますと、千二、三百万人の人数になります。現在脱脂粉乳の形におきましてやっておりますのは、約八百万人足らずになっておる。この脱脂粉乳による数はふえていく状況であります。それで私たちの、この生乳の給与をいたして参ります場合の予定は、人数的には一応二百万程度を考えておるわけでございます。  それで、酪農地帯におきまする現在の学童給食をしておるのはどの程度あるかというお尋ねの点につきましては、ちょっと私、はっきりした数字を現在持っておりません。私たちの考えておりまする生乳の学童給食になりますと、やはり大カン練乳等の問題からも来ておりまするしいたしまするので、やはり酪農地帯を主とした形がまず先へ来るのではないか。もちろん、これは学校側の希望にもよるわけでございますから、そのほかの大きな都市等にももちろん行くことがあるかと思います。考え方といたしましては、酪農地帯の学校というものがまず第一の順位になっておる、かような考え方で進みたいと思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 せっかくの名案ではありますが、あるいは酪農地帯を背景とした農村、そういうところが、非常に酪農地帯と密接な関係にあるところにこの給食を実行しておれば、やはりけっこうなんです。ところが、御承知の通り、赤字財政の自治体では、なかなか、当初学校給食を盛んにやったけれども、最近はやめておる学校が多い。それで、果して、これは名案であるけれども、東京都なり、あるいは横浜とか阪神地区とかいうところでは、多いに学校給食をやっておるところがあるけれども、われわれの県の酪農地帯などで学校給食を十分にやっておるというところは、そう多くないのですね。せっかくの名案が、それじゃ実際にやれるかどうか、この点はどうなんですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) これは、実は私たちも初めての試みなものですから、確信がどの程度あるかということになりますと、いろいろやってみまして、いろいろ出てきます事態があると思っておりますが、すでに数府県からは、現実にやりたいということで話が参っております。結局問題は、一合四円という国の補助をいたしました場合に、一体父兄負担はどのくらいになるかというような問題になるのではないかと思います。今二、三の府県からすでに話がありますものでは、だいぶ私たち自信を持っておるわけでございますが、しかし、これは二百万の学童ということになりますと、初めての仕事としては相当大きな数字になっておりますので、やって参ります上にはいろいろと問題があろうかと思います。

東隆日本社会党

○東隆君 今の問題で、新しく酪農地帯の学校に普及をさせるというような、そういうような措置を講ずる考え方があるのですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) これは、特に新しくどうするという意味の考え方は別にございません。新しくやるけれども、特にやるという意味のことではないのであります。やはり乳製品にいたしまして、そしてそれが過剰になっておるという状況が現在の状況でございますので、できれば農村のその地帯の学童が飲んでくれるということになれば、非常に需給の関係から見ても都合がいいし、またそういう地帯の学童がこういうミルクを飲み、何をするということにだんだんとなれてくるということも大切だと思いますので、非常に希望がありますような場合には、そこらを私たちとしては指導的にまず優先をしたいと、かように考えておりますが、特にその間に財政的な問題その他における加減をいたそうというふうには、今のところ考えておりません。こういう事情であります。

東隆日本社会党

○東隆君 私は、都市のいわゆる市乳地帯は、変なことをすると、かえって市乳を高くするおそれがあるし、それから逆に、生産地帯では乳価を下げるおそれがある、こんなふうな心配がありますので、市乳地帯ですね、都市の場合における給食は生乳を与えるということではなくて、たとえばバターを使うとか、カゼインのかわりにバターを使う、こんなような道を講ずる。それから酪農地帯には生乳を飲ませる。そうしてできるだけ外国から入る脱脂乳を押える。こんなような考え方をやはりとるべきじゃないかと思います。それで、予算はもちろん全乳の形ですけれども、それをミルクでもってある程度変えてゆくという考え方、そういう考え方でないと、生産地帯における乳の余ったものを有効にはけさせるという方法にはならぬと思います。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) これは、私たちの考え方としましては、生乳を主体に考えておりますけれども、学校側の希望によりますると、生乳以外のたとえばバターでありますとか、全脂粉乳でありますとか、あるいは大カン練乳がどの程度入るか疑問でありますけれども、やはり大きなものは全脂粉乳あるいはバターというものになろうかと思います。これは私たちの方も学校側の希望があればそういうことにいたしたい、かように考えております。  それから、おそらく、大きな都会でやりまするような場合には、結局乳代自体が相当高いものになろうかと思いまして、いわゆる父兄負担というものがどの程度になるか、それから生乳を給与するよりも、全粉乳の形において給与した方が割安になって、今の脱脂粉乳よりもずっと栄養もあるしうまいというようなことで、大都市等におきましては、全粉乳の形のものがある程度考えられるのではないかと考えております。  それから生産地帯におきまする乳価を下げるか下げないかという問題でございますが、これはその父兄負担の問題、あるいは市町村等がどの程度に考えるかというような問題、いろいろございますので、これは私たちの考え方としましては、生産地帯においてこれで価格を下げるという形にはならない、むしろこういう形において新しい需要が開けることにおいて、かえっていい結果が出る、かような考え方を持っております。

上林忠次緑風会

○上林忠次君 私、まだ内容をはっきり知りませんので、しろうとの質問でございますけれども、これは何でしょう、今の学童給食の状況を見ると、ほんとうに学校給食のパン食をみんなが好んで食ってるかどうかということがもとで、これが出てきたのじゃないかと思います。もとの起りがですな。もっとうまく粉食を子供に食わせて、何年か後には粉食の需要が相当ふえるのだと、この際これで日本の米食をパン食に転換をするのだと。それには今の子供が喜んでそれを食ってるかどうか——みんな余して帰ってくる、そうして余したやつは犬に食わせる、これでは粉食の奨励になっておらぬ。将来の食生活の転換ということから考えると、せっかく学校でやっていることが何にもならぬじゃないか。もっとうまく食わせるようにして、そうしてそれが栄養になる、国民体位の向上になるような施策をしなくちゃいかぬじゃないか。食わずに帰っているような、しかも家で二食一ぺんに食うというようなことでは、今の学校給食は役に立っておらぬじゃないか。何とか考えなければいかぬじゃないか。それには粉食の、今の学校の脱脂乳の粉、これがガンで、これを金がかかっても何とかせねばいかぬ。国庫で補助しながら、これをうまく食わせるということを考えなければいかぬ。国民の体位の将来から考えても、昼飯をみな強制的にどんどん粉食であてがって、あとから帰って飯を食っているようじゃ困るじゃないか、もっと徹底的な処置を講じなければいかぬじゃないかということが、みんなわれわれ痛感しているところであります。  それでは、脱脂乳のかわりに、なるべく全乳の生乳をやろうじゃないかということから出てきて、それじゃ、その値段はどうするか、また牛乳の生産者の関係をどうするのか。値段の一部は国で補助してやろうじゃないかというようなことにもなっている。砂糖の税金も引こうじゃないかというようなことにもなっているのじゃないかと思いますが、全乳の生乳を配給するということになると、砂糖には関係がない。結局ここで余っているのは全乳の練乳ですね、脱脂乳じゃなしに。それに対する砂糖の税金を引こうじゃないかということになっておる。そういうようなことから考えると、食生活の将来の転換という大きな方針に沿うような準備工作としての小学校の給食というものを考えるが、何とかうまく食わせるということが大事で、そのためには全乳にかえてもらうのはありがたいし、またなまの乳がなかったら、全乳の練乳、これもけっこうです。けっこうですが、ジャムのような、最近ジャムを食わしたり、あるいは人造ジャム、アルギン酸の、ペーストしたジャム、これにも砂糖が相当要る。とにかくうまく食わせる、粉食に対する執着を持たせるためには、そこまで考えてやらなければいかぬじゃないかと思う。砂糖が要るなら、その砂糖は補助するなり、あるいは税金はもちろん引いてやるということまでやらなければいかぬじゃないか。  今のここで出ている問題は、ただ牛乳を少しでも安く、こちらの政府の補助でもって安く提供してやるというような、全乳の数量的な配給の問題、ただ大カン練乳の砂糖の税を引いてやるという点でありまして、やり方は手ぬるいじゃないか。もっとうまく食わせる手があるならば、それに対する砂糖の供給をどうするかということまで考えなければいかぬじゃないか。とにかくうまく食わせる、しかも栄養になるものを供給するということが目標でありまして、ただ、今の閣講決定だけではちょっとなまぬるいのじゃないかと考えておるのであります。そんな大ざっぱなことですけれども、私は実際は知りませんけれども、畜産業者とそれから学校給食の関係をおもに取り扱っておりますが、将来のこの来からパン食というところの大きな転換を控えての学校給食をどうするかということを、もっとうまく食わせるのだという点に、農林省は、これは厚生省とも問題が関連してきますけれども、両方で徹底的にやってもらわないと、今の状態では、これはもうパン食は伸びないというような関係になっておりますから、その点をどういう工合にお考えになっておりますか。何か末端的なほんのさまつな問題だけを扱っておられるような感じがする。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 実は学校給食自体をどうするかという問題は、ちょっと私たち、文部省等の考え方もあるかと思うのですが、私たちの方で考えておりますのに、あの小学校のところで栄養分の高い畜製品、乳製品等を飲んでくれるということは、これは将来の国民体位の上から考えましても、非常に私たちの方の立場から考えて、それが新しい需要がほんとうの意味で拡大されてきますことに、大きな期待を実は持っているわけであります。現在御存じのように、学校給食は全部といってもいいのですが、アメリカのグラント、あるいはそのほか買ってもおりますけれども、非常に安い脱脂粉乳の供給によって行われており、それで日本の酪農というものは急速に伸びてはおりますけれども、実はまだそれだけの数量をまかなうほどには数量が残念ながらないわけでございます。とりあえず、これは需給推算をいたしまして、三十万石という数字を出して、これを実施するということにきめたわけですけれども、このこと自体が、あまり実は多くのものを学校給食の方に回しますと、一般の市価の引き上げという問題が実はあるわけであります。そこらのにらみが両方必要なわけでございますので、はなはだ見たところちゃちな格好になっておりますけれども、今の段階では、今明年の段階では、やはりこの程度のものではないだろうか。もろちん、まだ私たちの準備その他の問題とか、なまのものでございますので、初めてのことでございますから、そういう問題から来る制限も十分ございますけれども、やはり今のところはこの程度のものではないだろうか。もちろん、これが今後どういうふうに発展していくかということは、そのときのミルクの需給状況と学校当局のこれに対応する形というものによって決定されると思いますけれども、私たちの酪農の今後ともに伸ばしていきたいと思っております考え方の中には、やはり一般の消費増大というものも当然に、生産の増と並行しまして、非常な勢いで伸びていくということを考えながらやっているわけでございまして、ただ、それがズレが生じた場合における問題をどうするかということは一つあると思います。もちろん学校給食の方はこれはそんなに需給の観点からだけやられては困る、これは当然なことだと思います。やはり全体の需給のバランスを見ながら、一般の消費価格をこのために引き上げるということのないような形におきましてやって参りたい。はなはだ当初の行き方としましては、従いまして、用心深い格好になっておりますので、御指摘のように、もう少し思い切ってやれという御意見があるいは出るかと思いますが、まずこれをやってみましてから、いろいろな点を考えていく必要があるのじゃないか、こんな考え方で現在やっているような次第であります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 粉乳で給食やっている。今度、一合について四円の補助金をやって生乳を給食することは、父兄の負担はどれだけ違いますか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 現在のところ、アメリカの脱脂粉乳でやっております。これはグラント等がありまして、非常に安いのでありますが、一合当り大体一円五十銭見当の父兄負担になっております。それで、これはただアメリカ以外から粉乳等を入れて、若干入れておりますが、そういうものの経費等を考えますと、そういうものの相場は大体二円五十銭平均くらい、二円、五、六十銭のものになるというふうに考えます。  このミルク一合四円の補助を出しました場合において、どの程度の父兄負担になるかということでございますが、これは地帯によって私はかなり変ると思いますが、たとえば六円五十銭で供給ができるということになりますと、二円五十銭が父兄負担——父兄と申しますか、市町村でやる場合もございましょうが、父兄負担、七円ということになれば三円ということに相なると思います。七円見当のところに行きますと、これも地帯によってその乳価をどう見るか、いろいろあると思いますが、相当大都会でも七円ならば少くとも全粉乳なら十分やれる、かような考え方を持っております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そうするというと、現在農家から乳業会社その他に渡しているところのものは、現在七円以下、六円か五円、四円五十銭くらいじゃなかったのですか。そうすると、四円五十銭くらいの値段で売るということの仮定のために、四円というものが出てくるのですか。こういうふうにするのは、会社に売るところの値段より幾ばくか高くしようというようなことで、算定してあるのですか。その点どういうふうに算定の基準を置いてありますか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) この四円というものと、農民の方の手取りをいたします価格というものとは、必ずしも私たちの方では関係をつけて実は考えておるわけではないのであります。今のところ、農民が乳業をやっております会社等に納めます原料乳の地帯では、これは最近の乳価の交渉でだいぶ変っておりますけれども、やはり一升四十五円から高くて五十円くらいのところが、原料乳地帯……。五十円の原料乳はそうないと思います。でありますから、四円と農民の手取りの価格とは関係がないのでありますが、要するに、四円というものと父兄負担なりあるいは町村その他でどの程度にめんどうを見るかということと、それとが関係があるということだろうと思います。処理をいたしますのに、一合びんに入れるというようなことになると、また相当よけいな金がかかると思いますが、大きなカンで消毒するということになると、かなり経費もはぶけましょうから、所によれば、いろいろあると思いますが、六円五十銭なり、その程度、七円も見ればもう大丈夫じゃないか、かような考え方をいたしております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そうするというと、従来の脱脂粉乳で給食をやったのと、大体において父兄の負担は変らないように、四円の補助金を出せばなる、こういうふうに見ていいのですね。大体からいえば。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) これは現在のところの平均が、先ほど申しましたように、一円五十銭だと思います。これは脱脂粉乳でございますが、これはアメリカのグラントの無料で贈与を受けているようなものも中に入って、そのような価格になっております。オランダ物でありますとか、デンマーク物でありますとかいうものを入れて参りました場合の脱脂粉乳は、二十二グラムを一合と換算しておりますが、それによりますと、平均二円五、六十銭になろうと思います。まあそれに、脱脂粉乳の場合と乳の場合とでは、栄養分も違いますし、味その他の問題も違いますので、父兄負担が二円五十銭ないし三円程度持ってもらえばいけるのじゃないか。従いまして、現在あります父兄負担脱脂粉乳一円五十銭よりも、これは現実には高くなって参ります。が、その程度のところで落ちつくのじゃないか。もちろんこれは東京都等で非常に乳価等の高い地帯になりますと、父兄負担がもう少し高くなる可能性は生ずるであろう。しかし、それも全粉乳の形でがまんするという格好であれば、やはり全部で七円なりその見当のところでやれるのじゃないか、そういう考えでおります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そうすると、三十万石の予算措置はどうされるのですか。予備費から出されるのですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) これは来年度になりますものは、当然に一般通常予算になると思います。今年度一月以降にやります場合は、これは大蔵省の方と交渉いたさなければならぬ、必要があれば予備費で出していただく、かようなことに考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 それから三の「経費の一部」というのは、大カン練乳を「保管するときは」ということであるが、保管料と金利と両方の……。一部というのはどのくらいの割合という意味ですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) これは金利は全部持つというわけにはちょっといかぬだろうと思いますが、半分くらいのことを考えております。保管料でありますとか、あとの入庫、出庫等のものは、これは大体全部持っていこう、こういう考え方でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 その金額が、さっきお話しの三十万円ですね。  それから十月から大カンの練乳の砂糖の消費税の免税が廃止になるというと、そのためにどのくらいの金額が収入増になるのですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) これは大カン練乳の生産の問題になりますので、それから逆算して考えてみますと、三十一年度は約十一億程度のものになるだろうと思います。今年度におきましては、こういうふうに免税措置の問題等がいろいろありましたので、生産が少し通常の場合と違った思惑の生産もある程度あったと思いますが、これは従いまして、はっきりした数字をこの三十二年の今後の問題も含めて議論いたしました場合は、少し数字が狂ってくると思いますが、おそらく十三億、十四億程度のものになるのじゃないかと思います。ただし、今後どの程度作れるか、これは問題はあると思います。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そうするというと、大体において収入増になったところのものは、補助金その他で出していって、乳製品あるいは酪農の振興をはかる、こういうふうな意味でございますか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 必ずしも税額とこれとは関係がないわけでございますが、ほぼこれをやりますと、五億の振興基金、それから先ほどの一合四円としまして、三十万石だと十二億くらいの金になると思います。そのほかにいろいろの若干の経費を要求いたしておるわけであります。この問題だけについて申しますと、ほぼ似通った数字、あるいは若干これより多いということになると思います。しかし、これは私の方は、それだけで酪農の経費を、大蔵省にそういう意味で削減されると困ると思いまして、ほかのいろいろな経費も当然要求すべきものは要求したい。これと必ずしも関係づけた議論を大蔵省にしているわけではありません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ちょっとお伺いしますが、生乳取引の合理化のための酪農振興基金、それから取引関係、これを一つの法律として出す、こういう考え方を引っくるめたもので一つの法律を出す、こういう考え方でございますか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) この基金でありますとか、いろいろなこういうものと今の取引とを、一本の法律でやるかどうかというのは、ちょっと私たち研究中でございまして、結論も実は出ておりません。と申しますのは、酪農振興法というのが現在ございます。酪農振興法の一部改正という形をとるか、あるいは基金の問題は単独の基金ということも考えられますので、そこらのところは、むしろどっちかといいますと、酪農振興法の一部改正という形の方が生乳取引の合理化の方では適当じゃないか、こういうふうにも考えられますけれども、そこらの点はまだ今研究しておりまして、結論には達しておりません。  ただ、よしんば一本の法律であろうと、あるいは別個の法律になりましても、基金を運営いたしまする場合にやはり、何と申しますか、生乳の取引等において、文書の契約でありますとか、あるいは価格等もある程度長期の価格という格好で安定したような、そういうような取引をいたしておるものを優先的に扱うような方法を講じていく必要がある、こういう考え方で進んで参りたい、かように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それから、取引の交渉の場合の団体協約ということを言われておるのだが、これは酪農の協同組合とか、これが団体協約の対象になるのですか。それとも個人といいますか、そこまで引き下げて交渉の対象に考えるのか。そこはどうなんですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 団体の協約とここで書いておりますのは、農協法の中に、何条でございましたか、団体協約の規定がございます。それを申し上げておるのであります。たしかあれは、団体協約をいたしますと、組合員が各個に会社とやりました契約の中で団体協約の線よりも不利なものは、団体協約の線によってきまる、こういうことでなかったかと思います。そういう趣旨であろうと思いますから、従いまして、共販の方がいいか、団体協約がいいか、これは進んでいった場合には共販の方がより優れているかもしれませんが、いろいろな実態がございまして、共販あるいは団体協約という形で一本に言い切らない方がいいのじゃないか、こういう考え方でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それから次に、飼料の問題をちょっとお伺いしたいのですが、夏の乳価の高いときは草を食べさしている、ところが、秋から冬にかけての乳価が安くなってくるときに飼料を食わせるという、逆の現象が出てきている。その場合における飼料というものが、今草だけではとてもやはり養いきれないのが現状でございます。ところが、この飼料の傾向を見ていると、最近相当ふすまというようなものも高くて、飼料という問題についての対策というもの、価格面についても、どういうふうに考えておるのでありますか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) これは結局は安い飼料を用いることが根本であろうと思いますが、それには農業組合との結びつきから考えまして、牧草でありますとか、自給飼料の面を強く入れていくということが根本問題ではなかろうかと思いますが、御指摘のように、夏分はもちろん草があるわけでございますけれども、乳価が高いと、実は農家としましては、少しでも余計に乳をしぼりたいという格好から、むしろ濃厚飼料を与えて牛を酷使する形が生じて参ります。乳価が高い場合には、むしろそういう形が出てくるのではないか。従って、必ずしも冬分にどうというふうに割り切れない問題がそこにあろうかと思います。むしろ夏分は草その他が、畠が表作としてほかのものが作ってありますから、かえってそこに飼料が足らない地帯も、おかしな話でありますが、夏分生じてくるということも考えられるのであります。これは年間に、サイロでありますとか、そういうような形で、やはり年間平均してできるだけやれるような格好で指導して参りたい。  それから、ふすまの値段が問題でございましょうが、これは実は飼料需給安定法でできるだけ需給の安定をはかるように努力を現在いたしておるわけでございますが、海外からふすまを買って参りまして、国内のふすまの価格が上ろうとします場合に、それを冷やして参っておるわけでございます。これは御存じのように、今のところ、海外のふすまというものを入れまして国内でそれを冷やします場合に、大ざっぱにいいますと、ふすま一トンについて実は一万円損をしながらやっている、こういう格好になっております。これはずいぶん無理な話であろうと思います。国内におきまするえさの資源というものを拡大していく、あるいはふすまにかわるえさというものがないというようなことが、現在私たちの問題になって、そういう方向に進めていっております。たとえば、すでにそういう新しい工場が、大きな工場ができ上ったわけでありますが、パルプ廃液等を回収いたしまして、それに酵母等を入れまして、そして水質を汚濁から防ぐと同時に、それを濃厚飼料として整理をする。これは現在愛知県の大山の東洋紡等が、すでに大きな工場として始めております。あるいはアルコール廃液から、やはり同様な理由によりまして、飼料を作る。あるいは尿素を適当な量与えまして、そしてこの牛の反すういたしまする胃の中に入りますバクテリアで、それを蛋白源にさせるというような形のところに、漸次新しい飼料として持っていく必要があるだろうと思います。しかし、何と申しましても、そういう手を打つほかに、一番多く私たちが進めて参らなければなりませんと思いますのは、飼料の自給度をもっと高めて、農家の中で、安くてしかも外界の状況にあまり変動を受けない安い飼料を、うんと作らせるという方向に、重点的に指導をして参りたい、かように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それからもう一つ、今生乳を学童給食にする。従って、乳製品がだぶついちゃっている。こういう問題で、何か北海道で今乳製品を賠償物資に一つ使ったらどうかというのが出ておる。東南アジアの方の賠償物資として使ったらどうか。こういうことが検討されたかどうか。  それからもう一つ、乳製品にいい乳というのは脂肪分の乳であるということで、ジャージー種をずいぶん入れている。それで、脂肪はずいぶん高いわけだけれども、それよりも今望まれているのは、いわゆる蛋白源の乳がいい、生乳で飲むならそっちがいい、こういうことが言われている。そうすると、今ジャージーを盛んに奨励して入れて、ジャージーは飼いやすいし、中級で非常にいいということでやったことが、乳製品の今後の需給の状態を考えると、これは大していい方法じゃないのではないかという感じがするのです。その点について、一体畜産局として、今後の品種の入れ方といいますか、そういうことについてどういう考え方を持っているか。非常にジャージーがいいような宣伝を盛んにされているが……。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 御指摘のファットの問題、脂肪の問題は、酪農の問題で非常に重要な問題だと思っております。現在の状況では、ファットがむしろ余っておるじゃないかということだと思いますが、これはしかし、マーガリン等の代替物があるということにもよると思いますが、これはしかし、日本の現状で果して、まだ、脂肪が余る、バターが余る、摂取の量から見てよけい過ぎるという段階ではない。むしろまだまだ足りないのではないか、考え方として足りないのではないかというふうにも私たちは考えるわけであります。もちろん、外国の例等で、脂肪過多で困るので、蛋白質をとって脂肪はなるたけ少いようにしろという議論が確かにございます。御指摘のように、ジャージーの場合には、非常に含有しております脂肪率が高い牛であることは事実であります。しかし、それだからといって、その面だけから果してジャージーがまずいものであるかどうか。これは御存じのように、非常に飼いやすくて、しかも粗食に耐えます。そして、それだけの脂肪の優秀なものを出してくる、こういう格好でございますので、確かにバターの問題は問題ではございますが、考えようによれば、日本の段階ではまだそう心配をしなくとも、安くさえすればもっと食べるのじゃないかというふうな考え方もできるのではないかと思います。ジャージーは、現在までに輸入いたしましたものが約六、七千頭になっておりますが、大体私たちの考えでは、輸入を全部で二万頭くらい輸入したい。その程度ございませんと、ジャージーの牛といたしましての血統と申しますか、そういうものが分散いたしまして、消滅いたしてしまう形がございますので、その程度のものは入れてみたい、そういうことで、全体の牛の将来の形といたしましては、一割程度のものをジャージーでもっていこう、こういう考え方でジャージーの問題をやっておるわけでございます。いろいろジャージー問題につきまして、ことに脂肪問題で問題があるかと思いまするけれども、まだ十分に、安くさえして宣伝さえすれば、非常にうまいミルクだ、まだまだはけるのじゃないかと、そういう考え方であります。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 乳製品のストックが多くなり、また生乳の利用ということを考えるという点から、学校給食ということが急速に強化されようとしておりますが、そこで、これについて国家負担がなされるとすると、今まで学校給食その他で恵まれなかった、たとえば山間部におけるところの乳牛を多く飼っているところにおいては、これは急速に発達するのではないかと思います。その一番発達する方法としては、たとえば今の大きな会社における低温殺菌における処理方法より、熱処理による簡単な煮沸でもいなかの学校では事済むということになると、これは非常に簡単にできるのではないか。しかも私の県などでは、栃木県ですが、一合五円十銭のやつが四円九十銭にまで下げられてしまったので、四円九十銭ということになりますと、四円補助がある。あとは九十銭ですから、ほんとうに父兄負担というものは、政府で考えるような二円とか三円じゃなくて、私はこれは急速に発達して、山間部においてなお酪農というものが発達するのじゃないか。今山間部は想像以上に大森林を持っている森林財閥の圧力のもとに、仕事がなくて、農民というものは非常に苦しんでいる。一番困っていることは、やはり乳製品のはけ口と、もう一つは飼料獲得、安い飼料を得るということなんですから、そういうことを農林省はどういうふうに考えておるか。これをほんとうにただ業者の方、危機に立っておる業者を救うという観点より、日本の酪農をどういうふうに発達させるか、しかも山間部のような非常に困った地帯においてどうやって対策を練っていくかということを、具体的に私は考慮して当るべきだと思うが、農林省は当然この問題に対しての腹案もあるかと思いますが、その見解を承わっておきたい。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 山村地帯におきまする問題は、やはり都市周辺よりも山野の利用というものが非常にあるわけであります。これは、そこの草を改良して非常に栄養の高い牧草というようなものを普及していきますれば、十分に伸びていく余地があるだろうと思います。ただ、そういう山間地帯におきましては、大都市から離れておりますために、乳価の問題では逆に、市乳地帯でないために損をしておるということになるわけでありますが、従いまして、そういう地帯でやります場合には、何といいましても、コストの安い飼い方のできるように、その土地の条件を十分利用した、草地の利用というものを十分に考えてやらなければならぬと考えております。それと、その土地で生乳で飲まれるという格好ができますれば、これは非常に強い形で発展していくと思います。もしもこれが、農家がミルク自体を自分の主食にまで持っていけるということになりますれば、これはその経営の中から牛が抜けられなくなるほど、しっかりした格好に入ってくると思うのでありますが、現在のところ、逐次農家がミルクを飲むことがふえてきておりますけれども、その点についてはまだまだ私たちの方も努力をいたさなければならぬと考えております。  ただ、こういう原料乳の問題になりますと、やはりある一定の量が集まりませんというと、これは工場に持っていきます場合におきましても、いろいろな問題で合理的にいかない。従いまして、一定数をできるだけ濃密に飼う、しかも、それによって協同組合等の生産者の組織と工場との関係を合理的に進めていく、こういうことが重要な問題になるのではないかと、かように考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 協同組合と工場の問題ですが、私は山間部に局限して御質問しますけれども、とにかく町の方の工場へ持っていくことよりも、村で学校給食を契機として、私は山間部における酪農が伸びる一つの道は、簡単な熱処理で学校給食ができるような方式が学校に設備されれば、問題は農民も、そういう保証がされていくのですし、それから山間部におけるところの栄養蛋白資源その他非常に足りないことは、だれでも知っておるのですが、それは問題は金の問題でいつもできない。北海道なんか去年の冷害の視察に行きましたときに、所によっては、三円台で値が叩かれておる所もずいぶんあります。そういう所が、国家補償が四円なされるとするならば、学校給食の面でもずいぶん私は安定してはけると思うのです。  そういう形で、前にも農林委員会でずいぶん問題になりましたけれども、日本の牛乳屋というのは、おもに中小企業というものは低温殺菌の何によるところの大企業の圧力のもとに、しかも大企業と政府が作り上げるところの法制に制約されて滅んでいったのです。これをほんとうに山間部のようなところにおいて、一般のと別に、山間部の特殊事情を考慮して政府の方でそういうことでもよろしいということになると、あのときも大体よろしいということになったと思いますが、はっきりしていないと思いますが、その点どうなんですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) いわゆる高温殺菌の問題だと思います。これはこの前の二十九年、三十年に問題が起きましたときに、いろいろと議論があった点であります。高温殺菌でよろしいという方針はいまだに変っていないと、私たちはさように考えております。ただ、問題は、高温殺菌、低温殺菌の問題のほかに、かなり学校当局等が給食をいたします場合に、慎重な形をとられる、それがどの程度に衛生措置と、それから実態に合った操作でやれるかというところなどが、今後問題になる。ここらのところは、私たちの方でも十分衛生当局の方とも関係を保ちながらやっていきたい、こう考えております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 衛生的な角度からこれは慎重にやらなければならないというのは、これは了承しますが、それをなくして、おもに大体そういうことが事実上できないような取締りをやることによって大企業を擁護するというのが、今までの大体政府の小役人の役割だったのです。それがどのくらい日本の農民をいためつけておるかわからないのです。こういうところを十分政府の方で気をつけていただきたい。  それから一方、先ほど局長は、飼料の問題で、山間地帯においては牧草の改良等を強めていくということですが、現在隘路になってきておることは、何といっても牧草地がないということです。勢い山林行政との結びつきということなしには酪農というものは考えられない。私は昨年スイスと西ドイツを見たときにも、その問題を中心として見たのですが、スイスなんかは日本より山岳の国ですけれども、とにかく国の五二%までは主として牧草地なんかを中心とした農耕地ということになっておる。日本はわずかに一七%。それは、スイスでは山岳酪農が発達しておるからです。日本においてこういう段階に来たならば、当然山林行政の建前からいうと、大体保安林とかなんとかいう口実のもとに——治山治水の口実です、どこまでが保安林でどこまでが治山治水に必要だということは、もっと引き締めてやれるのです。牧草だって森林地帯の山の方を牧草地に開拓することは、スイスやドイツの例を見ても不可能じゃない。日本じゃ政府が、山林地主なり国有林の不可侵の何か迷信のもとに、拒んでおる。こういう点に当然メスを入れなければだめです。サイロもだいぶ伸びてきたようですが、夏の間に、大体に近間の牧草は、山間地帯においてもスイスではサイロに入れたり乾草にしたりして貯蔵しておき、夏の間はむしろ山の上の草を食わして、そこで牛を飼うという方式を取り入れている。日本においても当然これを取り入れなければならないのだが、これはあなたのような酪農に非常に熱心な、多少勇気のある局長があるときに、これは前例を作っていかなければ私はできないんじゃないか。この酪農の方で一つのぶつかった今度の問題が起きているんですから、この問題が起きたときに、その問題を考慮していただきたいと思うのですが、そういうことに対してはどういう考えをお持ちですか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 実は非常に、今御指摘の点は問題の多い点だと思っておりますが、現在山林行政と牧野の行政との問題で、現実の問題は、今まで日本の牧野というものは、山の方にありますものは大多数、馬あるいは和牛という形の牧野でございます。ところが、乳牛という形のものになって参りますと、牧野の草自体も非常な変化がございまして、それで新しい観点からの牧野の行政というものが必要になって参るのだと考えます。現在の日本の農家の飼っております酪農といいますのは、これはほとんど舎飼いでございまして、放牧という形式を持っておるものは非常に少い状況でございます。これはいろいろな理由があろうと思いますが、共同放牧地というものは、それにかなり手を入れた草を入れなければならないという格好になりますと、かなり個別的な形式がその中に入ってくるようにも思われます。これはどういう形がいいかということは、非常に実は私たちも研究するのに苦慮しておる問題であります。なるたけ農家に近いいわゆる里山のあたりをまずりっぱな草にする、これを牧草を入れたりっぱなものにするというのが、酪農の場合においてはまず第一の順序でないかと考えます。しかし、そのほかに、今御指摘がありましたような、夏分奥山に放牧する形のものも、これは当然に考えなければならない形態であろうと思いますが、今のところ、乳牛をそこへ持ってゆくという例は割合少いような状況であります。  これは実は、来年度の要求に大蔵省の方に折衝をいたしておるのでありますが、この放牧形式によりまする草地の改良という形において、従いまして、乳牛の育成あるいは乳がかれましたいわゆる乾涸牛というようなものが、まず対象になろうと思いますが、それを奥山に持っていって、強力な管理のもとにやってゆく方式で考えてみたらどうか。つまり牧場を県というような割合に管理能力の強いものに管理権を与えまして、そうして今申しましたような、乳牛におきましても、育成あるいは乾涸牛のごときものをそこに上げて、そうして適切な放牧形式をとることによって、草地自体を改良してゆく、そういう形のものをやっていったらどうか。そうでなければ、現在は奥山の草というものはあまりよくございませんで、そしてまたそれが逆に過放牧な形になっておるのが、むしろ多いと思います。そういう形のものを考えていったらどうか、かように考えております。御指摘の点は、非常にいろいろな所有権の問題でありますとか、いろいろな問題があると思いますが、それ以前の問題としても、現在の日本の酪農形式というものは果して、共同放牧の形にまで思い切って広げ得るかどうか、しかも共同放牧でも里山ならできますが、奥山の場合はかなりテスト的な面が多いのではないか、まずそういうものを数カ所テスト的に来年やってみたいと、大蔵省の方と予算を折衝いたしております。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 私は最後に一点だけ質問します。今の局長の考え方はよくわかりますが、里山の牧草地の問題は、政府の方でそういっても、実際に乳牛の何をやっている人たちは、そこでぶつかってしまって、動きがとれないのです。題目だけは唱えているけれども、実際の山林地主なんというのは、そういうことに対して譲歩していないのです。何らかの法律的な制約なり何なりで片づけなければ、この問題はそんな考え方ではとても片づかないむずかしい問題になっているので、むしろ遠距離のようだが、私は奥山を政府において開拓して、スイスのように大規模な形において、夏はそこに連れていってやるというふうなことをすべきだと思いますが、まあ一番問題なのはやはり飼料の問題ですが、飼料の問題を、もっと……。今飼料が高いというので、みな弱っているのです。河野君なんかずいぶんうらまれている。河野君なんかもやはりやっているのではないかというふうにだれでも言っているので、政府も農林省も結託してやって、飼料が高いのじゃないかと、これはだれでも常識的にそう見ている。ほんとうに河野君にお気の毒ですよ。河野君の誤解をとくためにも、農林省でももっと善処しないと、今度の選挙で破れてしまうと思う。やはりこの問題に関連して、飼料の問題に対してはっきりしたやはり政府は線を出してこなければならない。  それから飼料の栄養の問題でも、何でもアメリカですら、学校は全力をあげて研究をしております。日本の菌の研究から、菌の問題については科学的な研究が進んでいますが、飼料の問題は科学的に進んでいない。アメリカの大学等は日本からのデータをとって、農民にわかち与えている。日本の大学は、ずいぶん駅弁大学といわれるほどできておりますが一つも動いていない。それから政府自体が、研究調査と実態の結びつきに対する熱意を持っていない。これはお役所仕事だ。そういう点を私はもっと工夫して破っていかなければだめだと思う。  酪農奨励というのが題目だけでぶつかっているものがいろいろありますが、とにかく飼料の問題については政府はもっとはっきりしたことを立てないと、政府並びに河野君の誤解されているような点をとくような対策を早くこしらえていただきたいと思うのですが、そういうことに対してどういうふうに考えておられますか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) えさの問題は、これは先ほど申し上げましたように、やはり自給飼料の分野を非常に多くすることが根本ではないかと思います。現在大体自給度が、平均いたしますと、四割五分ぐらいの自給度になっております。私たち、酪農地帯におきましては、やはり七割ないし八割程度は飼料を自給していく、牧草あるいは飼料作物によって自給していく、こういう指導をいたしておる状態であります。これは地域的にいろいろ問題があると思いますが、現在ありますような栄養障害というような状態になりましたものも、やはり今言ったようなえさの問題、あるいはそのほかの、舎内のためによる運動不足というふうな問題が大きな原因にあげられておりますので、えさ問題の解決としましては、やはりどうしましても、今言った飼料の自給度を高めていくということが一番大切な問題ではないかと考えております。  それから、あとの購入飼料をどうするかというような問題でございますが、日本の主食はどうしても米でございますので、従って、糟粕類のえさということになりますと、実は米ぬかになるわけでございます。ところが、米ぬかでは油分があり過ぎまして、まずいのでありまして、これを脱脂いたしませんと適切な毛のになりません。従って、粉食が多くなればなるほど、実はふすまの供給量は増大して参るわけでありますから、そこらのところに一つの問題があるのではないか。ふすま自体から違うえさの方に逐次持っていく必要があるのではないか。しかし、やはり従来からの慣習もございましょうし、また事実組成の均衡のとれたえさとしてのふすまの需要が非常に高いのでありますので、飼料自給安定法等によりまして、海外からふすまを入れまして、国内の需要をある程度満たしておる事情でございますが、ふすま自体を海外から入れるということは、やはり相当考える余地もあるだろうと思います。運賃その他の状況から見ましても、必ずしも適切なものではないのでございますが、しかし、そういっておりましても、急場では間に合いませんので、そういう形をとって外国からふすまを入れておる状況でございます。  先ほどのような、新しいふすまに代わる蛋白源としてのえさを漸次作って行く必要がある。それは今のような尿素の飼料化でありますとか、あるいはアルコール廃液、あるいは魚等を溶解いたしましてやりますフィッシュ・ソルーブルの利用等を高めて、こういうような形におきまして新しい飼料源を見つけてゆきたい、かように考えております。御指摘のように、日本の飼料の分野は近年かなり進歩しておりますけれども、その飼料を牧草というような面にまで広げて考えてみますと、まだ非常に実は開拓の余地が多いのでございまして、今後ともそれらの点につきましては、私たちも努力を続ける必要があると存じております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 もう一点、これは乳価と直接関係はないのですが、ジャージーでも何でも輸入して来る場合ですね、これは一頭一頭検査して持って来るのでなく、集団で何千頭ということで買って来る。そうして長途の輸送の中で非常に疲れる。そういうことで農家に行った場合に、これが一番困るのは、驚死をしたり、不妊の乳牛が入って来たりするようなことが、往々にしてこれはあるわけです。これは数は少いでしょうけれども、それに当った農民は実にみじめだ。これはだれでも経験して、非常に文句を言われる。それに対しては、まあ家畜共済などありますけれども、政府が買って来て、技術者を派遣して買って、それを持って来たものを渡して、それが不妊の乳牛をもらったんじゃ、どうにもこうにもならない。それに対して政府は何らですね、考えていない。もらったものの、それに当ったものは損というか何というか、どうにも方法がない。非常に困っておるのですがね。  こういう実態について私は、やはり輸入したものについて、ある程度疲れて来るのですから、農家へ行ってすぐ、しかも未熟な農家へ行って、そういうよたよたな乳牛を何カ月か、半年か一年かかってようやっと乳が出るように仕上げる。それも技術がいいところに行くならいいが、しろうとの農家にぽーんとそういうのが入ってくると、大変なことになる。そういうのが実態として非常にあるのです。だから、これはやはり、あれで二千頭なり何なり買って来た場合には、これはやはり政府として、相当しろうとの農民に行っても喜ばれるような、もう少し親切なやり方をしないというと、農家経営を安定するために行ったやつが、そのために破産するというようなことが起ってくる。こういうことはですね、これは非常に困ったことなんで、何とかして国としてそういう不妊の牛に当った場合なんかにおける、政府としてあちこち責任をなすりつけないで、やはり政府で責任を負うというような、これは判定は非常にむずかしいでしょうけれども、病死なんかの場合には判定はむずかしいでしょうけれども、やはり政府として親切みのある行政というものが必要じゃないかというふうに感じておるんですがね。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) ジャージーの輸入につきましては、今御指摘のような問題が従来ございました。それで、ことしからは購買官に獣医の専門の職員をもう一人つけまして、向うへ出しております。ただ、毎年二千五百頭ずつ入れるわけでございますが、やはり二千五百頭の牛を買うということになりますと、一万頭以上の牛を見るわけでございまして、極力そういう問題の起きないように努力はいたしておりまするけれども、まま不妊等の問題が生じるわけでございます。この不妊の問題は、ある程度飼い方の問題によっても実は解決できる問題があるわけでありまして、しかし、どうしても不妊でならないというようなものは、従来いろいろ問題がありましたものは、それぞれ取りかえましてやっておる状況になっております。ただ、今後これをどのところまで保証するかということは、これはなかなか実は技術的にむずかしい問題でありますから、今後とも研究はいたしたいと思いますが、従来ありましたものは、それを県の種畜場等に入れまして、そこでていねいな管理をしていく。かわりに違う牛がそっちへ行くというような形をとってやっております。牛がいい牛か悪い牛か——はらむかはらまないかの問題は別でございますが、いい牛か悪い牛かということの差は当然あるわけです。どの程度のことになるか。機能的に不妊というようなもの、これはもうもちろん問題にならないと思いますが、今後ともこれは検討をいたしたいと思っております。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 今飼料の問題がしきりに論議されたので、私もかねて少し気になっている点がありますので……。実は私は水産の面からですが、農村の経済改善というような意味から、今度のいろいろな政策のうちにも、漁村に養豚をやらせるといったような項目があるんです。この問題は水産庁が立案をしておりますが、畜産局の方と御相談になっておきめになった問題でしょうか、水産庁だけできめられたものでしょうか。

谷垣專一農林省畜産局長

○説明員(谷垣專一君) 実は沿岸漁民に対しまして何か適切な家畜を飼わせる方法はないかということを、私たちの方で水産庁と相談をいたしたわけでございますが、まあいろいろ私たちの方でやるのがよいか水産の方がよいかという問題はあると思いますが、まあ現実の問題といたしまして、ほんとうの漁村部落というものに養豚がどの程度入るか。農村地帯の中には入るという問題はあるだろうと思います。御存じのように、非常に立て込んだところに住んでおる純粋な漁村部落というものについては、いろいろ問題があると思いますが、鶏等の入る余地はかなりあると思います。それからイモの地帯——島嶼にはイモの地帯がかなりありますが、ここらのところは、漁村であると農村であるとを問わず、相当豚を入れる余地がまだあるので、それらに対しての何らかの方策をとる必要がある、こういう考え方で、来年度の予算等につきまして大蔵省と折衝いたしております。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 今漁村で非常に行き詰まっておる零細漁家というものの実態を見ますと、ほんとうに専業漁家が困っておるのです。専門にやっておる、農業の権利を持たないところですね、いわゆる土地も何もないほんとうの漁村というものは困っておる。農村と兼業でやっておるところは、まあどうにかやっていけるのです。そういうところに養豚を持っていく、あるいはほかの家畜を入れるということもある程度可能かと思うのですが、さもないところには、一体えさをどうするかということですよ。これはわれわれ初めえさに苦労しておるのですが、漁村においてえさをどうしてとるか。これは買うて食わせておったのでは、とても話にならぬ。農村ならイモの端っ切れでも何でも、野菜でも食わせることができますけれども、漁村ではとても買うてくるようなことはできない。だから、私はかねがねそういうことに打ち込んでおるけれども、水産庁と十分の御相談があってのことであろうが、この普及率はあまり望むことはできないのではないかという感じがしておるのですが……。鶏にしましても、えさの問題があるわけですね。まあ大体わかりました。そういうふうな構想で御相談になっておれば間違いはないと思うのですけれども、下手に、ただ計画したものだとすると、ちょっと損がいかぬかと思いましたので……。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 本件は、この程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時四十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗