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26回国会参議院1957/02/22

農林水産委員会 第9号

発言数
152
登壇者
16
会派数
4
開催日
1957/02/22

会議録

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  前回に引き続いて、農林水産基本政策の件を議題といたします。  ただいま御出席いたしておりますのは、大臣以下、それぞれ出ておりますから、どうぞ御質疑をお願いいたします。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 前回、内閣に置かれる調査会の問題で質問をしておったのですが、先般来の衆議院予算委員会等での審議の状況で見ますと、三十年度の食管の赤字については本年度補正を出すということでございますが、三十一年度の百四十一億に対しては、これは今国会で補正を出す考えはないというふうに言われておるようでありまするが、所管大臣としてはやはりその方が望ましいとお考えになっておられるのですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 先般衆議院の方の予算の審議の際に、今御指摘のように三十年度の赤字三十四億円、これは三十一年度補正で補てんをいたしますと、これは明確になっておると思います。それから三十一年度の分につきましては、まあ財政上の都合等もございまして、これを補てんするということは明らかになっておりますが、いつこれを行うかということについてはまだ明確になっておらないわけでございます。  右お答え申し上げました。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そういうふうになって、将来まあこの赤字を補てんするとしても、その際農林大臣としては、消費者にそれをしわ寄せさせないということを明言しておられますが、それはその通りでございますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) その通り御了承をいただきたいと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうしますと、衆議院でも論議になったことを繰り返すようで非常に恐縮ですが、三十一年度の百四十一億という赤字については、やはり三十年度の赤字三十四億を補てんしたような、そういう手続で将来補てんしていくと、こういうことになるわけですね。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 決算確定ということを大蔵大臣申しておりますが、まあ若干の数字の動きはあるかもしれませんが、大体三十年度の赤字の処理と同じように、時期はまだ明確ではございませんが、始末をつける予定でございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 ところが、大蔵大臣の御説明では、その百四十一億というものが、本年七月までの間に調査会その他の考え方がきまってくれば決算額が動いてくる、だから、それを見た上で補てんしたいという説明をされている中で、百四十一億が多少動くといっておりましても、政府が当初考えられたようなやり方で、消費者米価が値上げになるとするならば、八十億くらいというものは消費者の負担になる、そうして赤字が小さくなってくるというようなお話のようですが、そういう論理をたどっていくと、農林大臣の言われるように、消費者に三十一年度の赤字についてはしわ寄せさせないという前提がくずれてくるように私は聞き取る。百四十一億が三月二十一日現在で保有しているものを、四月以降評価がえすることによって益金が出る。で、赤字が小さくなるということになれば、結果は消費者負担になるわけですから、大臣のお考えと食い違ってくるのではないか、私はそう思うのです。それで、もしもそうだとすれば、ただ時期的に、百四十一億の赤字を埋める時期をおくらせるだけなんであって、何ら内容的に変動を見ない結果が出てくる。だからこういう点、どうして今国会に補正予算を出さないのか理解に苦しむわけです。これはどういうことなんですか。消費者に負担させることを考慮の中に入れておるから、今国会で補正予算を出さないというのがほんとうの腹ではないか、こういうふうにわれわれは思うのですが、この点はどうなんですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 評価の時期というふうなものが技術的に問題になるかもしれませんが、原則はこのほど来申し上げておりますように、三十一年度の赤字を消費者にかぶせるということはいたさない、これは政府の統一した方針でございますので、さよう御了承をいただきます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、七月以降の補正で百四十一億を埋めるという場合に、三月三十一日持っておった繰り越し米について評価がえをしたということになれば、その利益金は三十二年度の食管にぶち込んで、形式上は、昭和三十一年度の赤字は百四十一億なら百四十一億として補てんしていく、こういうふうな手続をとられるわけですか。技術的にはどういう手続をおとりになるのですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) その技術的な問題はもう少し検討をさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、三十一年度に生じました赤字を消費者に転嫁することはいたさない。この時期をいつということはまだ私から明示を申し上げるわけには参りませんが、原則はその通りである、さよう御承知おきを願いたいと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 それで、農林大臣がそういう御主張をなさるならなさるほど、早く年度内の赤字は年度内に始末をするという、そういう形で、第二次補正を出すというのが正しいのではないか。今度はそう正面切ってわれわれ主張したくなる。あなたのおっしゃるようなことを固執されるならば、どうせただ時間的な問題だけですから、あと何ら根拠も理由もないのです。そうして三十一年度には金もあるのですから、もう第二次補正で、三十一年度、本年度の赤字は本年度の赤字として処理していくということをなぜやらないのかと、また聞き直したくなるのですね。所管大臣としては、その方を御主張になるのが正しいのではないですか、どうなんです。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) その点は財政上の問題でもございまするし、せんだっての衆議院の予算委員会において、大蔵大臣からお答えいたしました通りと御了承をお願いいたします。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 ですから、この食管の三十一年度赤字の補てんのやり方については、農林大臣は大蔵大臣に押し切られるというか、大蔵大臣の言いなりになっておるということではないかと、まあ疑うのですね。あなた自身その方がいいという根拠があったならばお示し願いたい。大蔵大臣が、ただ単に金繰りなり、面子上の問題として、あとで始末するのだと固執しておることに、あなたは追随させられておるのではないか、そう思われるのです。いや、そうでないというならば、消費者には負担させないのだ、そうなれば、百四十一億というその欠損はこれはほとんど動かないのですから——多少といったってほとんど動かないのですから、事務的には早く処理してもらっておく方が、食管の実際の金繰り上からいっても、所管大臣としては得なはずだと思うのですね。どうしても延ばさなくちゃならぬという根拠が別にあるならばお示し願いたい。そうでなければ、大蔵大臣に追随したと思わざるを得ない。どういうことなんですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) その問題については、政府部内でもいろいろと話し合いをいたしたところでございます。まあ予算上、資金上と申しまするか、財政的な観点から、ただいまのところ政府は、先般衆議院の予算委員会で申し上げましたような線に統一をいたしたわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 財政上という理由は何ですか。財政上の理由で延ばすということは、どういう内容をいっておるのですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあこれは、政府会計における収支のバランス等をいろいろ検討いたしました結果、そういうことに相なったという意味でございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 産投会計にあれだけの金をぶち込める余裕があって、それでまあ財政上あと回し、三十二年度の会計で始末するんだというと、将来に問題を残すということが財政上必要であるということは、私には考えられない。年度内のものを、年度内に始末をするということが原則なのであって、翌年度まで引っかかりを持つような、そういう財政運用それ自身の方が望ましくない話なんですから、それをやることが根拠だということは受け取りかねる。私は根拠が薄弱だと思う。社会党から、今後石橋総理不出席その他の問題にからんで、この食管の赤字を本年度中に始末せいと、将来において熾烈に要求されても、絶対にあなたは来年度の会計で始末した方がいいということで、あくまで反対しますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) いろいろと政府部内では議論がございましたが、結論は今申し上げた通りでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 じゃあその信念は、政治情勢がいかように展開しようとも、将来にわたって変りませんか。決して変更になりませんか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 現段階においては、申し上げました通りに御了解いただきたいと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 別な問題で……。昨日でしたか、運賃の値上げに伴う肥料の値上り問題について、本年の七月まではそういうことは絶対させないように、これはもう見通しははっきりしていると言っておられますが、そうすると、その後はやはり肥料価格に運賃というものの値上げが影響されるということを肯定しておられるのですか。もしもそうだとすれば、大蔵大臣が再三答弁しているように、この運賃の値上げその他は、企業の中で吸収するんだと、物価には影響を与えないのだということと矛盾してきますが、しかもまた、七月以降変動があるとなれば、三十年秋作以降の一切の農家の生産物については、それぞれ値上りを示してくる。まして米価の問題は改訂によっていくということになれば、どうしてもこれは上ってくる、そういうようなことをまあ常識的に予想されますが、七月以降はどうするのか、政府の考えと矛盾なくやるためには、この肥料の価格はどうされるのですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあ七月までは据え置くということは、昨日も申し上げた通りでありますが、その余の問題は、肥料需給安定法に基きまして、明年度の生産量等も勘案をいたし、原価計算にメスを入れまして、企業努力その他によって吸収できる分もおそらくはあるでありましょうが、なるべく物価に大きな影響のないよう、適切な配慮をいたしたいと考えております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、合理化その他で企業内で、吸収していくということについては、一部行われるように、努力はするが値上げはしないということには自信はない、こういうことですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは法律に基くコスト調査をしなければなりませんが、それからの問題で、今ここで明確に全部吸収できるかいなか、私どもとしては、これはもうなるべく肥料価格を上げたくないのでありまして、そういう努力を企業家にも要請をするつもりでございますが、今この場合の問題としてでなく、おそらく七月以降の改訂期の際にそれが明確になるのではないか、こう存じております。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 そうすると、政府が一般的にいうておる貨物運賃の値上げが諸物価の高騰には影響がないという言明とは、これは内容としては矛盾したことになる。やはり諸物価に影響を与えるということになると思いますが、そう了承してよろしゅうございますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは運賃の値上げがどういう程度にはね返るかということは、厳密に申しますると、その場合になってみませんと、明確ではないと思います。われわれのただいまの見方からいたしますると、この経済循環の中に吸収をされて、一般国内物価の上にさほど大きな影響は与えないであろう、こういう見通しに立っておるわけでございます。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 じゃ、そういう見通しを持たれている根拠になる資料を経済局の方から出していただきたい。影響がないなら影響がないのだという資料を出してもらいたい。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 農産物に対する運賃の関係でありますが、特に肥料について申し上げますと、まず硫安につきましては、来肥料年度の価格をこの六月ごろに肥料審議会にかけてきめることになります。その際に、肥料の原価計算をいたしまして、今度の運賃一六%基準値上りがどの程度はね返るかということは、そのほかの原材料の関係、あるいは生産の合理化の関係、あるいは生産量が増してきておりますから、運送経路の合理化、そういうもの、いろいろの要素をかみ合せまして出てくるのでありまして、その際に十分検討を加えていきたいと思います。ただ、運賃を上げましてから直ちにその全部が製品の価格にはね返るということは言えないと思うのでございます。ただし、それがどの程度はね返るかということは、もう少し検討しなければ出てこない、こう思います。その他の肥料につきましても、それに準じて処置いたしたいと思います。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 先ほどからの大臣の、ああいうなるべく値上げは避けたいというお考えを持っておられるとすれば、経済局長としては、国鉄と運賃問題で交渉している当面の責任者ですから、肥料の運賃がこうなれば、これはこういうふうになっていくぞという根拠をお持ちになって交渉なされなければならぬと思うのですね。それがそのときになってみなければちょっとわからぬとか、六月以降の肥料審議会に諮ってみなきゃめどが立たぬ、全部は値上げということにはならぬが、どの程度そっちにしわ寄せになるかはわからぬということは、どうも専門家の御答弁としては私は聞きとれないのですが、もっとはっきりしていないのですか、どういう影響があるかということよ。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 原価構成の要素はいろいろありますが、運賃だけ取り上げて申しますれば、プラスのファクターの結果になります。しかし、そのほかにマイナスのファクターがどれだけ出るか、それをにらみ合せなければ出ないのでありまして、大勢から申し上げますれば、企業の合理化がだんだん進んでおりますから、運賃の少々の値上げは吸収すべきものと、こういう考えに立っておりますが、しかし、ほかのファクターとのかみ合せで結果が出るわけでありますから、運賃だけの分を取り離して結論を申し上げるわけにはいかない、こういうことを申し上げておるのであります。

小笠原二三男日本社会党

○小笠原二三男君 その問題はその程度にいたしますが、そんなら、肥料は一部は値上げになるということは避けられないようでございますが、そうなってくると、肥料を使っておるあらゆる生産物の価格が上ってくると私は思いますが、そうでないのだ、肥料は上るけれども、その上った分も農家が吸収して、生産物の価格は上らないのだ、諸物価には影響がないのだと、あなたは技術的に見て、そう言い切れますか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) それは出た額によると思います。たとえば私の方で、今硫安について一六%の値上げをすると、約三円から五円の計算が出てくるわけです。しかし、原価計算上は、実際の各社の運賃支払の実績、鉄道運賃の輸送距離を査定いたしまして、一定の二百三十キロの運賃しか原価計算の中に織り込んでおりません。ということは、先般国鉄の方から話のあった交錯輸送でまだ合理化の余裕があるじゃないか、あるいは工場立地と生産量の関係から見て、その量と消費の量を合せますると、このくらいの距離に見ておけばいいじゃないかということから立っておるわけでありまして、それがそのほかのファクターでもっと減ってくるということになれば、各段階において吸収できることになれば、一般物価の値上げにはならないし、それが吸収できないということになれば、ほかの方に対する影響が出てくる。従いまして先ほど申し上げましたように、私の方で十分原価を計算しまして、そしてその結果によって判断する以外にはない、こういうふうに考えます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の国鉄運賃の値上げが諸物価に影響がくるのはまずないだろう、企業内でやられるだろう、こういう答弁に対して私はまだ納得がいきません。さらに私は、農産物、林産物、水産物、これが特に遠距離逓減というものが今度の場合、これの制度を変えて、国鉄の運賃の値上げだけでなしに、制度を変えることによって遠距離逓減というようなことから、農産物については、一般に言われておる運賃値上げよりも、今度の値上げを契機として、大幅に農産物にしわ寄せがくる、こういうふうに言われておるし、また考えられているということが、はっきり出ておるわけでございます。これに対して、農林大臣としては、この実態を認めるつもりなのかどうか、その腹を一つお伺いいたしたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 遠距離逓減撤廃という問題が、農林水産物の上に、他の物資よりも一そう深刻な影響をもたらすということは、しばしば当委員会においてもお取り上げをいただいたことでございますが、この従来の制度が撤廃されるに当って、特別割引という方式を各物資に適用をすることによりまして、できるだけ緩和をいたす措置を講じておるわけでございます。従いまして、今言われまする点等につきましては、こまかな具体的な問題は局長から申し上げるといたしましても、まず遠距離逓減制の代りとなるべき特別割引制度で、大体カバーできるのじゃないか、こういうふうに考えます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 特別割引でもって、遠距離逓減の分がカバーできる、こういうふうにおっしゃられておりますけれども、今までもらった資料を見ますと、なるほど今までより安くなるものはあるわけです。あるわけですが、しかし大部分のものについては、これは上るというデータがはっきり出ておるのだが、その点について、大臣の言われることは納得がいかない。今まで出されておる資料から見ますと、特別割引でカバーできる。従って大臣の言を返して言うならば、遠距離逓減の問題が、八百キロが五百キロになっても、今までの農産物——特に農産物が非常に多いわけですが、それに与えられておる特別措置の効果というものが失われないというふうに聞えるけれども、そういうふうにはならないように私どもは資料で拝見しておる。非常にその点、言われることと資料と違うのだが、その点をもう一度説明願いたい。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 先般私の方なり、国鉄の方からお配りしておる表は——ただいま大臣が申し上げました遠距離逓減の改正に伴う特別割引で計算した表は、差し上げていないのじゃないかと思います。それはあの表を見まして、これじゃとてもだめだという当委員会のお話もあるし、私どももそう考えまして、こんなものは関係省として了承するわけにいかないということで、委員会の決議等もたてにとりまして交渉しました結果、基本料金の値上げ一六%で、遠距離五百キロ、それ以上のやつについて各段階別に特別割引をつけまして、そこで五百キロから八百キロ、八百キロから千キロ、千キロから千二百キロ、あるいは物資によってその刻み方を変えまして、大体一六%をほとんど上回らないように、高くても一七%程度でとどまるように、これは段階を刻みますから、中の数字で計算しますと、上下で過不足が出てきますので、一律に全部一六%というわけにはいきませんから、そういうことで、今後一つ一つの物資について検討していって、遠距離逓減の影響が主要農林物資については出ないようにしよう、こういう話を進めていっておるわけであります。その作業がまだできておりません。今私どもだけで計算ができませんから、運輸省の方で計算してもらっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私はどうもわからないのですが、その遠距離逓減の八百キロを五百キロにして、実際的に運賃の上るものについては、物資ごとに特別の割引をする、なぜそういう繁雑なことをわざわざしなければならないのか。同じ運賃で据え置く努力をなされるというならば、八百キロを五百キロにする理由は何にもないじゃないか、そういったところに、一体なぜそういう繁雑なことをあらためてしなければならないのか、そういうことは大臣としていかように考えられるのですか、これは。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) それは先般お話がありましたように、遠距離逓減の変更によって影響を受ける物資は、農林関係の物資だけでないのでありまして、それぞれの物資担当庁で、それぞれの見方で処置されているのでありまして、少くとも農林省の関係の物資については、こうしてもらわなければ困る、その目的が達せられれば、運輸省は運輸省としての建前があるわけですから、その建前を尊重して、具体的に効果が出ればいい。こういう考えで交渉しているのでありまして、お話のように、どちらのウエートが多いかによって、原則と例外が出てくるわけでありまして、運輸省の方としては、遠距離逓減を変更することを原則にしてもらいたい、しかし結果的には、農林物資については、先ほど申し上げましたように、おもなものについて影響がほとんどないようにしたい、こういうのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは私は、やはり逓減を、八百キロを五百キロに切るということ、こういう原則はとろうということについては、特別の割引ということでありますから、将来やはりこの特別割引というものが、私は特殊な場合ですから、だんだんこれは原則に近付けられていくという可能性は出てくる、こういうふうに思うのです。従ってこれは、今暫定的に一気に落すわけにいかないから、だんだん小刻みにやっていく、邪推すればそういうふうに受け取れるのですよ、ですから私はやはり、それでは現在の農林水産物に対する輸送については、今まで農産物なり水産物の特殊性から認められている逓減の措置というものは、やはり農林省としては、この際がんばって残さなければならない、これは私やはり大臣が、閣議の席上でも何でも、この特殊性というものは、やはり訴えてやるべきである。そうでなければ、実際に今の問題については非常に不安になっている、物価に影響を及ぼさないといっているけれども、これはもうとたんにその問題が出てきて、すでにもう物価に影響してくるということは、業者自身が言っているのです。とても企業内でこれはまかなうことができない、特に木材であるとか、水産物であるとか、農産物であるとかというようなものは、その肥料は大きな企業の中でやられるから、企業内である程度のことはできるかもしれないけれども、農産物直接のものなどは、企業内でできるようなことじゃないので、現実には赤字を出しているような企業がたくさんあるのですよ、それを企業内でまかなうといったってできない話なんです。ですから、これは必ず物価に影響してくるのです。私はそういうものが、特に農林水産物に多い、こういうふうに考えられる、従って農林水産物に対する特殊性というものは特にある。木材にいたしましても、前々から言われているように、木材の需給の関係からいって、北海道なり九州なりというところに非常に大きく生産というものは片寄っている。そして消費地は東京なり大阪というところが圧倒的なんです。船腹はとても輸送に耐えられないという実態です。こういう点からいけば、どうしたってこれはそういうふうに言われただけでは、経済は生きておるのですから、そういうことは私は真に受けるわけにもいかないし、切実な陳情としてもう数限りなく出てきているのですから、この点は大臣の責任において、最後まで私は一つがんばってこの問題について善処をしていただきたい、こういうことを要望申し上げたい。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 関連して。肥料運賃の問題で、七月以降の問題でちょっと私は大臣にはっきりただしておきたいのですが、七月までは特別割引で現行の運賃で扱う、従って肥料価格は現在の据え置きだ。七月以降の問題は、まず第一に政府で考えておられるのは、運賃の値上げにはなるけれども、これは企業努力で大いに吸収させようと、こういうことだと思う。もしその政府の希望、期待というものが満たされなくて、一部どうしても運賃の値上り、その他コークスの値上りとか、重油の値上りとか、そういうもので肥料価格を上げなければならぬという事態になったときに、それは小売価格といいますか、消費者価格を上げるということですか。それとも引き上げる部分は別の政府の施策においてそれを吸収して、依然として肥料価格というものは八月以降においても現行価格を据え置きにすると、そして国際農産物の肥料価格において彼我の肥料価格の開きがたださえ大きくなっているのに、せめて農業資材につきましては、肥料その他を現行に据え置くために政府は最善の努力を尽すと、こういうことなんですか。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 議事進行。この農林委員会の議事のやり方についてちょっと委員長に御注意と言っちゃ悪いですけれども申し上げます。  河野農林大臣当時はさっぱり農林委員会に大臣がやってこないで非常に審議に支障を来たしたのですけれども、井出農林大臣になりましてから非常に長時間にわたって出席されまして、われわれはまあ非常に喜んでいるのです。ところが、いかに井出農林大臣といっても無制限に出るわけにいかぬと思うのです。だから大臣が来たときは大臣に質問を集中し、通告順に従って委員長は発言を許したらいいと思うのです。関連質問というのは無制限に関連——私らもずいぶんありますけれども、がまんしているのです。そこで委員長は良識をもってみんなの委員が満足するように運営をしないとこれは困りますよ。まあ今の河野さんの質問はきわめて適切な御質問ですから、これはいいでしょう。いいでしょうが、こういうことを無制限にみんなやっていたら困りますから、こっちも差し繰りして出ておるのですから。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 御忠告ありがとうございます。お聞き及びの通りでありますから、きょうは小笠原さんが済んで、清澤さん、続いて藤野さん、小林さん、堀本さん、なお安部さんと、こういう順序で御質疑を願うことになっております。さようなことでございますから、なるべくきょうお申し込みの方々が円満に御質問が終りますよう、皆様方の御協力をお願い申し上げます。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) ただいま河野さんの御質問でございますが、七月まではこれは現行のままでいく見通しはついたわけでございます。引き続いて、自余の肥料価格の問題でありますが、政府といたしましては、鋭意企業内部の合理化、あるいは企業努力、その他を通じまして、肥料価格の安定に努力をいたしたい、かように存じます。

河野謙三緑風会

○河野謙三君 御承知のように、肥料の生産行政は通産省がやっておるわけですね。だから、農林省なり、農林大臣としては、今の国際農産物物価の関係からいって、肥料を初め農村資材につきましてはこれを絶対に据え置くということが条件であるという態度で、生産を担当しておる通産大臣なり、通産省に臨まなければ私はだめだと思うのですよ。だから、そこで七月までのものは話がついたけれども、八月以降においても値を上げていってもいいんだというのではないのだ。企業努力を求めてなおそれができなければどうするか。その場合には、たとえば、フランスなりドイツでやっているように、政府のいろいろ援助なり補助によって肥料価格の値上りを吸収するという道は、米なり麦にいろいろ食管の赤字を一般会計並びにその他の方法で埋めているのと同じなので、右の手で与えるか、左の手で与えるかということなのです。政府全体の財政政策から関係ないのです。私がお願いしたいのは、農林大臣としては、通産省に向って八月以降といえども肥料の価格の高騰は絶対に農林行政を担当する農林大臣としては容認できないのだという態度は、ここではっきりとこの委員会を通じて言明されると同時に、そういう強い態度で私は通産省に臨んでいただきたい。こういうことを私は期待しているのです。それでよろしゅうございましょうか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) その心構えで努力をいたします。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 大臣にちょっとお伺いしますがね。十九日の日に衆議院で、旧地主の人に、解放農地の補償十万円ですかに対してはこれは補償しない。これはあなたばかりでなく、河野農林大臣もしばしばその点は、予算委員会その他において表明されておることですが、それで翌二十日の日には、これらの団体が最近三つに分れておりましたのが一つにまとまってなお強力な運動を展開しようとしておる。こういう情勢下にありますので、そこで補償せずという言明の裏づけとして新聞等で拝見しておりますと、非常にぼやけておりますので、補償しないでよろしいのだ、こういうことをもっとはっきりした線を打ち出して御説明願いたいと、こう思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 農地解放が、戦後行われました非常に大きな施策の一つとして、日本の農村の民主化、あるいは農業生産力の増進、これに寄与をいたしましたことを私は大きく評価をしているものでございます。従いまして、その基本法規である農地法、これを尊重し守って参りまする職務は、これは農林大臣に課せられておるのでございます。その観点から考えまするときに、いやしくもこれを逆行せしめたり、後退せしめたりするということがあっては相ならない。その考え方のもとに、衆議院であのようなお答えをした次第でございまして、御了承を願います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 私のお伺いしているのは、旧地主にはそういうものを補償しない。これはあなたばかりではない、前の大臣もさっき申し上げた通りやはり補償をしない、そういう言明をしておられる。従ってその言明の裏は、何を基本にして補償しない、こうはっきり言っておられるのか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 農地価格の問題につきまして昭和二十八年ですか、最高裁判所の判決も出ているわけでございまして、それを目安にして申しておるわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうすると、もし政治力等が加わって補償するような場面がかりに出て参ったとしまするならば、これは結局は日本の憲法の保障した一つの行為に対してまで補償をやるのである、非常な不当な行為である、こういうことを今からはっきりされておいても差しつかえないわけですが、そう言い切れますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあこの戦争犠牲者と申しましょうか、これはまあその範疇はいろいろあるかと思います。これに対する救援の手を伸ばすべきだという主張が一方においてありますことは、これは清澤さん御承知であろうと思います。まあ少くとも私に関する限りは、事農地については先ほど来申し上げた見解を堅持しておる次第でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 結局すれば、あの最高裁の判決からいきますれば、結局買い上げの手段は合憲的であり、従って価格も正当のものであった、こう判決しておるものです。だから補償することは要らないのだ、こう言い切れるのですか、そこをはっきり一つ。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) その通りでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それはそれとしまして、そこでただいま農林大臣は、この農地改革による自作農制度は、日本の民主化のためにどこまでも農林大臣としては責任を持って農地法を守ってこれをやっていくんだ、こうおっしゃいましたが、最近の農政の上に現われておりまする農業団体の持ち方並びに今われわれの手元に来ておりまする農業委員会法の政府提案の一部改正、これはまあたまたま衆議院におきまして自民党との協調のもとに一応の修正はできておりますが、こういうような傾向並びに中間においてこれは抹殺せられましたが、農業団体の再々編成等々をわれわれが観察しまするとき、この中に盛られた一つの行き方は、日本の農村の民主化を進めていくという方法ですな、これを何かしらボスの手にまた引き渡すような方向に改悪せられておる。こういう線が非常に見えます。この点についてまず農林大臣はどう今お考えになっておるか。ことに聞きますと、今申しました通り、農業委員会法が政府原案ができており、それに修正案が出ておる、そのほかにまだ政府から新たに農地委員会法等の提案があるような説明が新聞にぽつぽつ見えておりますが、きのうの経済局長の農林予算の説明の中にはそういうものは出ないようにまあ私は受け取っておりましたが、そうなりますと、結局すれば、先般継続審議になっておりまする衆議院における修正案ですが、それ自身が政府としてはお気に召さぬのじゃないか、こうすると、非常な農村の民主化というものを妨げる一つの方式があるいは中央農業会の形において、あるいは農業会議の形においてとられつつある、こういうことがはっきり見えるのですよ。そうすると、今の農林大臣が、農地解放を中心にして農地を守って農村の民主化を基本的に進めるのだということとちょっと矛盾しておると思うのですが、この点少しも矛盾をお感じになっていないのかどうか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 私はあえて矛盾という気持はございません。それは以下申し上げればおわかりいただけると思うのですが、まあ世にいわゆる農業団体再編成というふうなことが伝えられましたが、これは現段階においてそういった機構をいじくるというふうなことでなくて、もっとこういうふうな団体問題等にはピリオドを打ちまして、基本的な農村なら農村という問題と取り組まなければいけない段階だと思っておるのであります。従いまして今衆議院の方で継続審議になっておりまする農業委員会法、しかもこれは衆議院農林委員会において超党派的に修正案が出されておるのでありますから、これをどこまでも尊重してやって参るということでございまして、今清澤委員から伺いましたような、別途に政府がどうこうという考えは、これは持ち合わしておりません。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 私の言うのは、幸いにしてあの案が自民党の御賛同を得て修正することができましたから、修正しなかったならばあれは大へんな、農村におけるボスがはびこるというか、ばっこを容易ならしめる一つの線になると同時に、最近せっかく解放せられたる農地がだんだん小作として取り上げられたり、また現に出ておりまする農地解放連盟というものが、一部においてはもう補償は取らないのだ、補償は取らないのだ、だから補償は表の看板であって、その実は小作地の取り上げに便利にし、あわよくば農地法を改悪して、そうしてなくしちゃって、旧地主制度を復活したい。これまでの考え方がはっきり種々の会合などに出ます議案等に出ておる。そういう動きのある中で、それを守る形をとるべき農地委員会法というようなものが、農地委員というようなものがなくなりまして、そうして農業委員会に吸収せられて、ある段階から上はほとんど任命制になっておる。そうしてほとんど今土地を守ろうとしておる、解放を受けた農民の直接の参加が拒否せられておる。こういう状態になっておる。そういうものができ上りつつある。中央農業委員会ができ上りますれば、直ちに強制加入が決定せられたり、自由脱退が抑圧せられたりして、そうして農村の民主化というものをそこに抑えるものが逐次出てきておるのであります。なお、最近におきまする、共済組合法の共済制度のいろいろな欠点がある、だからそれを改正するという上から、監察制度を設けるとか、こういうようなふうなものが出て、これは今問題になっておるそうでありますが、だんだんと農民自身が民主化されて、それがおのれのもの、おのれのものとして征服するという形がくずされて、どうも便宜主義的な形にでき上るのじゃないか、こういう傾向が出ておるのじゃないか。まあこれは他県では知りませんが、現在起きておりまする農地改良の問題にしてみましても、方々にできておりまする土地改良区等の団体を中心として、幾多の疑獄、それから幾多の農民の脱退が——ある程度飲食遊興等に費消せられ、無用の金がかかり、負担金が増大するから、これに対しまして一部脱退したいとか何とかというようなものが、もう新潟県だけでも毎日の新聞をにぎわしておる。おそらくは全国的な傾向ではないかと思われる。これらがやはり私は農業団体の編成の仕方、これの誘導の仕方がそういったようなものの活躍の便利なようにできておるからだ、こういうものになるのではないかと思う。今土地改良をやろうとするに際しまして、一人の農民といえどもこれを希望せざる者はない。農地改革を行なっていきまする際に、数団体がきょうもあそこで脱退する、ここで脱退するというようなものがどんどんと現にできつつありますることは、これは何かそこに欠陥がある。その欠陥は、私は農村の民主化を基盤にすべき農業団体の持ち方がくずれてきているのじゃないか、そうするとだんだん持ちくずされて、そうしてそれが食いものになりつつあることを証明しておるのだ、こう私は見ている、そういう点に対して農林大臣はどういうふうに今お考えになり、それらの点に手をつけていま一度再検討するとか何とかいう考えがあるのかないのか、こういうことです。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 御質問の御意図を私が今十分把握できない点もあったのでありますが、要は、農村の民主化が妨げられておるような現象が目につく、こういうことであっては相ならぬというお考えには同感でございまして、もし農林行政の指導の面その他で不都合な点があったといたしますならば、これは十分是正してやって参る所存であります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 くどいようですが、ちょっと私の申し上げておることがくどくなってお聞き取りずらいかもしれませんが、たとえば、農地委員会というようなものがなくなった、それを農業会議等というようなものに編成がえされた、そうしますと、もう県段階にはほとんど農民の手は届かない、これこれこういうものが役員になるのだ、こういう形をとってきておる、今度の改正の原案を見ましても、町村長が推薦するのだ、こういう形に考え方がなっている、これはだんだん地方のボスを出すことであって、農民自身が自分の代表を出して、自分のものを守り、よくしていくという形がくずされているのじゃないか、これは言い切れると思うのです。あるいは中央農業会なるものを作って、これが指導農協にかわるのだとしましても、これがやはりこれとこれが入るのだ、こうちゃんと法律にきめてあるわけです。農民の手がそこまで届かない、だから考えてみますれば、わずかの人が取引をして、農民とは関係ない者が何人でも農業委員会、県の段階にがんばってしまう、こういうものができ上る、これでは農村の民主化というものはほんとうに進まぬのじゃないか、下の方はずんずん進んでおります。少しぐらいの障害があってもその民主化を進める上に、指導をしそうしてこれを完全なものに育てていく、ちょっと間違いがあったらどれに対してどこまでも抗議を申し込むような権限を与えて参りますれば、これはだんだんよくなる、そういうものがだんだんできないようにしておいて、民主化をやるのだと言ったところで、これはできない話だ、徹底的に私はそういう点は改正していかなかったら農村民主化というものは変なものに終りはしないか、こう考えられるがどうか、こういうことです。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 御趣旨は大体わかりました。清澤さんのお示しになりましたような方法を十分尊重してやって参りたいと存じますし、また、具体的な問題としては、今の農業委員会法の改正に関しましても、衆議院の与野党を含めての修正案という線を尊重してやって参るつもりでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 農業改良事業に対しまする土地改良協会等の持ち方等につきましては、十分農地局長等によくお伺いしていきたいと思いますが、参考までに申し上げておきますが、これはほんの昨年の十二月から今年の二月までで一件、二件、三件、四件、五件、六件、七件、八件、九件、脱退もしくは不正事実として指摘せられておるものがあります。このほかにまだたくさんあります、小さいものが。これは私は新潟県だけの情勢ではなくて、全国的な情勢ではないかと思います。それがひいては会計検査院の指摘条項になったりしている、こういうふうなものができてくる。  私は最近中共におけるラジオ放送などで、新しく燃え上る中共のいわゆる合作社が、一、二、三段階において逐次進められていく方法等を見ますると、こういうような工事に対しては農民自身が全部参加しているじゃないか、あるいは准河の治水にしてみても、黄河の治水にしてみても、全く人海戦術で、人をもって万里の長城を築くと同じ形をとっている。なぜにそれが燃え上る組織をどうして作られないか。何かそこに私は重大な欠陥があるのじゃないか、組織上。こういう点は、一つ新しい若い、われわれの最も敬愛する井出農林大臣が、精力を傾注して一つ御検討していただきたいということをまずお願いしてこの点はこれでやめます。  そのあとでお伺いしたいのは、農林大臣の施政方針も、前の河野農林大臣の施政方針も、ほとんど基本的には同じものと見ておりますが、いろいろこれに対する施策等をお伺いして、まことに一応ごもっともである、こう申し上げておきたいと思います。  そこで問題になりますのは、こうやってできました生産品が、これが流通過程を通って消費者に渡る際における中間マージン、これが非常に農民でも問題にしておりますれば、消費者も問題にしておる。これを一体どう調整して、どう持っていこうかということが、これが重要問題だと思います。畜産などを盛んにやられる、やられるが、果して大資本を擁する明治、森永を向うに回して、地方で一部分的な処理ぐらいをやって、やっていけるかやっていけないか。私の経験におきましては絶対やっていけない。せっかく農民が意欲を燃やして酪農に投資をしてみましても、一ぺん失敗しましたら二へん飼わない。そうしてみますれば、これらの大資本に対抗し得られるような施策がそれこそ農協等を通じて大きく取り上げられなければならない、私どもはこう考えておる。ところが、きのうの経済局の御説明を聞きますと、こういった流通部門に対しまする予算というものが、全くわずかなものである。中央市場の整備拡大、これは当然やらなければならない。これでやってもごくわずかである。それから証券取引所の監視を少し強化するというようなことで少しやっておいて、あとは通産省が中心になる。そして中小企業安定法というようなもので、農民のやっている今の加工生産というようなものまでそれに吸収していこう、こういうような建前をとられることになると、これは私ども考えておりますところからみますと、これは全く別な方に追い込められてしまう。大企業の食いものになるという方式が出てくると思う。私は集約酪農法ができましたときも、このやり方であったらこれは乳業者の方へいってしまって、酪農の法律じゃない、こう私は解釈しておった。結局は大きな乳業者がそれを集めて、だんだん仕事をしていく上に楽になるかもしらないが、酪農自身が大企業の上で盛り立てていって、そうしてそれが一応の独立をはかり、昔の雪印のごときまでに進んでいけるかどうか非常に疑問をもっておる。そこまで持っていってやらなかったら実際やれません。すべての農産物がそういう形で私は進んでおるのじゃないかと、こう思われるとき、中小企業の中に追い込んでしまって、それで放置せられて果して今計画せられておる農業転換に対しまして、農民の経済生産を拡大するのだ、米ばかり作っているのじゃないんだ、従って適地適作でやる、こういう御趣旨とは全く別なものができ上って、しまいには何とも仕方がないものができ上るのじゃないかと思いますが、その点どうお考えになりますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあ生産と消費との間を結ぶ流通の面において施策が非常に貧困である、予算的にもそういうものに力点を置いた点が見えないじゃないか、こういう意味の御指摘だったと思うのでありますが、確かに酪農を一方で推進する、そうすると、それはむしろ家畜商に奉仕をしてしまうというような現象は、従来ままあったと思います。これに対しましては、これはやはり農民の自主的な経済組織でありまする農協というふうな、この系統の力を強めて、そうして農民の手でもって農外資本にも対抗し得るような力を養っていく。これはやはり私は基本施策でなければならぬと思うのであります。まああるいはこの予算等に表面出ておりまする点、もの足りない部分もございましょうが、私どもの意図するところは、今申し上げましたような方向で農政を推進して参りたい、このように存ずる次第であります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 まだほかにたくさんありまするが、大体これ一つでやめますが、これは農民もだいぶ利口になりましたから、中央市場や、あるいは各地の市場等を視察したり、それに向って一つの試みなどもやっている。これは一つの例ですが、今年一の月、新潟県の牛を二百ばかりですか、農民自身が持ってきて、それで芝浦で二日間特定なせり市を立ててもらって、そうしてそこでせりをやった。まあ予定価格よりは約三割高く売れたと、非常に喜んでいた。果してその次、それができるかというと、決して今の芝浦の市場としても、そういう農民のものを直接持ってきて、農民の前でせりをやっていくということはやれない、やれないということになっている。市場の人に私もそのときに聞いたが、毎月こういう試みというか、それをやれるかというと、それはどうもと、首をかしげている。やるかやらぬかわかりません。これは特殊なんで、一ぺんどうしてもやってみてくれというのだったからやったので、もうそこまで片方は進んでいるにもかかわらず、そういう点は一つも改正せられないで、そうして今までの習慣をもっている商取引の方法が資本家によって行われている。こうなりますれば、農民はだんだん抑えられていくことになるのです。この大消費都市において進駐軍が出てきて、そうして戦後たまたま各地にできました露天商等に、いろいろ暴力団などがこれを牛耳りました関係もあったと思いますが、日本の民主化を妨害するなどというので、夜店、朝市というようなものをとめてしまった。これらも私は非常な生産農民から見たらマイナスになってくる。と申しますことは、結局、小売商と中央卸売市場だけを結んで考えますと、持ってきたものが、どうしてもその日のうちに売れなければ、これは全部生鮮野菜はだめになる。そうすると、ロスというものを見ますから、結局すれば農民から見れば、三倍くらいの値段で消費者は買わなければならぬ。それでもそのままでは合わない。それが朝市があり、夕市があれば、抜き買いして持ってきて売ってくれる人もありますが、そういう商人は、余った場合に市に出して、そうして安く売り払って、そして残ったものは夕市に持ってきて売り払うのですから、そういう自信がつきますから、価格も非常に安くなる、こういうものができ上る。そういったものを全部なくしておいて、ただ作れ作れだけじゃ、これは結局は私はしばしばこの委員会の席上で言うのでありますが、もう農林省がものを作れといい出したら、あれはやめなければならぬ。タヌキを飼えばタヌキの皮算用になってしまう。キツネを飼えば化かされてしまう。豚を飼えばブーブーいうわけであります。どこへ行ったって農民はそう言っている。農林省が奨励するときは、もう手を締めんければならぬ。必ず生産過剰になって損する、こういうようなものははっきり出ているんです。それを根本的に直す意図のない計画を進められても、これは失敗するだけで、私は何にもならぬのじゃないかと思います。結局は売ってもうけることでしょう。作るだけじゃ問題じゃないんだから、そうしてみたならば、それを損なしに売れるという価格安定とともに、そういう機構もまた作ってやらなければならぬ、指導してやらなければならぬ。ところが、さらにそういう傾向は見えない、どこにもそれをやってくれるという傾向は見えない。たまさか牛を一村で五十か三十も飼えば、直ちに処理場を作って隣の村と競争する、これでは無用な投資をやって、無用な失敗を目前に控えてだまって見ていると同じことになる。もっと計画的な、もっと大がかりのものをどんどんと農林省が中心になって、農協の尻をたたいてやっていただくことがほんとうじゃないかと思います。こういうものを一つも見ていないじゃないか、中央市場を幾ら突っついてみても、農民の品物を高く買うということは保証できません。この点に対して農林大臣は、今急にいわれても、どうこうという御返事もできますまいが、まあ一つ心がまえだけでも聞かしていただきたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 現在の農村の経済機構の中で、流通面が非常に弱い、こういう御指摘だったと思うのでございまして、いろいろお伺いさせていただきました点は、十分に施策の上に参考に供して、反映せしめたいと考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 まあ結局、食管の今度の調査の問題とか、あるいはそれと並んだ予算米価、まあこの間も小林君が問題にしました米価審議会等の関係等についてもちょっと伺いたいと思いますが、だいぶん並んでおられますようですからやめますが、残りますれば、あとでさしていただきます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 二月の五日に、農林大臣から、農林水産行政の根本方針を承わったのでありますが、この点の二、三の問題についてお尋ねしたいと思うのであります。  第一は、新農山漁村建設事業であります。これは大臣の御努力によって、前年度よりも十五億増額になったということは、まことに喜ばしいことであって、大臣の労に敬意を表する次第であるのであります。しかし、新農山漁村の建設ということは、現在実施しておられるのは、また現在地区として指定せられておるのは、優良なる地区を指定されておるような気がするのであります。それであるから、優良な所はますますよくなるが、指定されないところのものは、悪い所が指定されないということであったならば、不良な所はいつまででも更生ができない、そういうふうなことであったらば、いい所はますますよくなるし、悪い所は五カ年間には指定するというようなことであるのでありますけれども、いつまででも立ち上ることができないというようなことでは、どうもおもしろくないんじゃないか、こういうふうに考えるのであります。従いまして私のお尋ねしたいのは、新農村の建設計画を指定せられる場合においては、現在ではどういうふうな標準で進めておられるのであるか、将来においてはどういうふうな方針で指定せられる考えであるか、これをお尋ねしたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 新農村の建設計画は、昭和三十二年度において、第二年目として、従来よりもこれを拡充したい所存で取りかかるわけでございます。ただいまおっしゃるような優良なる地域と、しからざるところとの間に非常なアンバランスができるではないか、こういう御指摘でございまして私どもも実はそういうことがあっては相ならぬということを非常に心配をしているのでございます。当面は、これは条件の具備したと申しましょうか、比較的指定の標準にのっとった村々ということに相なるではございましょうが、といって、そういった先進地だけをとって、あとへ後進地域が残るというふうなことであっては相ならぬこと、もとよりであります。ですから、まあ最初はあるいは一つのモデル・ケースというような、そこにまずサンプルを作り上げる、こういうことで、比較的条件のよいものが選ばれるでございましょうが、五カ年間のまあ年次計画をもちまして、その他の地域というものは順次準備をする、そういう心がまえでいていただく、かようにいたしまして、一方において建設ができるものが一つの刺激を与える、彼此影響し合うことによりまして、後進地域といわれるものも引き上げられていくのではなかろうか、こういうまあ考え方のもとに、アンバランスをできるだけ少く食いとめたいという考えでいるわけであります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 現在の指定地域の事業——特別助成に事業を指定せられる場合において、あまりにも画一的であって、地方の特色を発揮することができない、こういうふうなうらみがあるのでありますが、私などは、地方の実情に応じた計画を立てるのが最も適当である、こう考えるのでありますが、現在のような画一的の基準を、将来においても残される考えであるか、あるいは将来はできるだけ地方の特色を発揮されるようにして、その補助率のようなものも一定のワクに当てはめるのではなく、地方の実情に応じて補助率も、各地区が与えられたるところの金額の範囲内であったならば、自由に裁量ができるというようなことにされる意思がないかどうか、お尋ねしたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) この建設事業は河野前大臣の着想のもとに始められたわけでありまするが、御案内のごとく、地方の盛り上る意欲というものに大きな期待を寄せて始めたわけであります。従って、それぞれ地方々々の特徴というものを十分に生かすところに意味があるものと思うのでございます。まだ手をつけて一年——初年度でありまするから、その間の経験を、あるいは教訓をもとにいたしまして、是正すべき点はこれは当然是正をして参らなければならぬと思うのでありまして、大体御趣旨の線に沿うたような、適地適作をもととした、それぞれ特徴あるものを生かして参りたい、こういう考え方に立っておるのでありまして、今のワクの問題をどうするかというふうなことも、一つ十分に研究をさせていただきたいと考えます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次は農林漁業金融問題であるのであります。  農林中金が設立した当時の状況と、現在とは全く違っているのであります。農林中央金庫ができた当時の構想は、農村には資金が欠乏しているから、中央に大きい金のタンクを作って、そのタンクから地方に金を流すようにする、こういうふうなことで、農林中金ができ上ったのであります。しかるに、現在はどうであるかというと、農林中金はタンクから地方に流すのじゃなくて、地方の金が中金にたくさんあり余るように集まっておるのであります。しかるに、一方の方においてはどうであるかというと、農林漁業金融公庫というものができて、このタンクには政府の安い金が集まってきているのであるから、この公庫を通じて地方には金が流れているのであります。別な言葉で申しましたならば、農林中金ができた当時の構想は、農林漁業金融公庫で実際行なっているのであります。そういたしますというと、設立当時の農林中金の構想と、現在の状況が違っているといたしましたならば、今後農林漁業金融公庫と、農林中央金庫との金融上の操作をどういうふうに改めていかれる考えであるか。農林漁業資金の根本方針になるのでありますから、この点お伺いしたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 農林中金なるものが系統金融の一番頂点に位をして、最初は、藤野さん御指摘のように、欠乏しておる農村資金に対するタンクというような意味のものを中央へこしらえて、これからパイプを地方へおろしていく、まあこういうことででき上りました点は、これはまあ長い組合関係の経験を有せられる藤野さんのよく体験として御承知になっておるところでございましょう。今日は公庫というものが一方にできて、いわば二本立の形に相なっておる。一体こういう二元的な機構というものでは、非常にむだも多いわけであります。むしろこれを一木に統一をして、地方の金融というものは、農協にも力がついて参った段階でありますから、それぞれ府県の信用連というようなものも活用したら事が足りるではないか、まあいろいろこれは御意見はあろうかと思うのでございます。しかしまあ、今日中金というものは系統金融の総木山ということでございまして、主として運転資金の面に活動分野があるわけであります。公庫は比較的低利の国家資金の投入等を得て、これによって設備資金を主としてまかなうという機能を持っておるわけでございましょう。まあこれを一本に統一したらどうかという御意見も、確かにわれわれは伺っておるところでございまして、この金融のあり方というものは、さらに一方系統金融のこの段階性が災いをしておるというふうな点もございましょうし、これらをひっくるめて、もう少し研究、検討の時間的余裕をお与えをいただければ仕合せだと思います。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今の問題は、十分に一つ御検討を願いたいと思います。  次には、農業改良資金制度の問題です。大臣の説明によるというと、資金の規模並びに債務保証対象事業の範囲を拡大し、また、新たに利子補給に必要な補助金を支出することとし、本制度の円滑な運営を所期しておる、こういうふうなことで、まことに喜ばしいことであるのであります。しかし、現在の状態から申しますというと、最近の数字は存じないのでありますが、まだ都道府県と信連との間に委託事務が締結せられていない府県があるのじゃなかろうかと思うのであります。もし果してそうであるといたしましたならば、せっかく政府が構想し、また、資金があってでも、これが実際の運用に供することができないのであります。従いまして、大体の傾向でよろしいのでありますが、事務委託の進捗状況がどういうふうな状況であるか、また、改良資金の補助金がどういうふうな状態に流れておるか、交付の大体の状況を承わりたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) もし事務的に詳しくということでございますれば、政府委員もおりますが、私からごく大ざっぱに申し上げます。改良資金の制度は、実はこのスタートがいろいろな関係で少しおくれたということもあり、あるいはこの府県当局との話し合いに手間をとったというふうなことがございまして、昭和三十一年度においては全般的に少しおくれて参っておりましたことはまことに遺憾であります。しかしながら、ただいまの状況を申し上げますると、貸付並びに債務保証事業は、県費の予算化でありますとか、あるいは事務委託費等の事務的な準備もようやく軌道に乗って参りまして、最近の報告によりますると、本年度内に当初事業計画をおおむね達成できるものと思われるのでございます。私先般の御説明において三十二年度の事業計画を申し上げたわけでありまするが、これにおきましては、新規の事業を十三追加いたしまするとともに、特に施設資金につきましては、その需要の実績にかんがみまして、前年よりも約二五%の増加を予定しております。なおまた、新たに利子補給金を八百五十一万円予算に計上いたしたようなわけでございまして、三十二年度においては、この軌道に乗りました勢いをもって一そう躍進をいたしたいと考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そういたしますというと、私のお伺いしたいのは、農業改良資金助成法というものは、これは改めなくても、現在の法律で完全に実行ができるというお考えであるかどうか。自治庁といろいろと協議しておられるのでありますが、もし、この法律を現在のままでできないということだったらば、どこを何とか変更、改正せなくてはならないというようなことをお考えであるかどうか。法律改正の必要ありやいなやという点でお尋ねしたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは大体現行法のままで達成ができる見込みでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次に農業団体対策ですが、これは大臣の説明によって見まするというと、農業委員会法の一部を改正する法律案はすみやかに通過成立することを切望しておる、こう述べておられるのであります。しかるに、農業委員会と相対立しているところのものは、同時にやっていかなくちゃならないものは、農協再建整備法の一部の改正であるのであります。同じ大臣が所管しているところのものであって、一部はすみやかに通過成立を希望する、一部はそのままにして、何とも施政方針でやれないというところの理由はどこにあるか。あるいは、これは議員提出の法律案であるから政府は関するところでないという意見でこれを方針として述べられなかったのであるか、その相違の点をお尋ねしたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは協同組合の再建整備と、農業委員会法の一部改正法律とはうらはらをなしておることは私も十分承知をいたしておるのでありますが、今御指摘のように、議員提案であるという関係をもちまして、先般の私の説明にはあえて触れなかったわけでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次は、第二次余剰農産物協定による見返り円融資の継続事業の対策であります。これは大臣の、あるいは政府の御方針によって、第三次余剰農産物は受け入れない、そうするというと、第三次余剰農産物の見返り円によって計画を立てておったところのものに支障を来たすのであります。支障を来たすのでありますが、その場合においては、三十二年度の財政投融資計画でその目的を達成する、こういうふうになっているのであります。私は本委員会から、山口、高知の二県を視察したのでありますが、下関の漁港についてこの問題が陳情されたのでありますが、昭和三十二年度の財政投融資計画で、第三次の余剰農産物の見返り円と同じようなことをするというようなことであれば、その財政投融資によるところの資金は、余剰農産物の関係と同じようにその利率は年四分で、償還期限は二十カ年くらいでやられるという財政投融資計画であるかどうか。その利率と期限と金額についてお尋ねしたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 第三次の余剰農産物受け入れば、ただいま仰せられましたように、政府はこれを見送りました関係上、この見返り円資金を予定いたしまして、愛知用水でありますとか、その他の事業を計画しておるのであります。これに対する資金の裏づけは、御指摘のように、政府の財政投融資でもって補いをつけたわけであります。今の漁港のお話がございましたが、この中に同様の意味において、財政投融資計画の地方債の項目の中に入っておるわけであります。問題の、金利をどうする、あるいは貸付年限をどうするのか、こういう点につきましては、財政当局と話し合いを続けておるわけでございます。われわれとしては従来の条件がくずれない、こういう見通しのもとに折衝を続けておる最中であります。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 そういたしますというと、三十二年度の財政投融資計画では、余剰農産物の見返り円でやったと同様な方法でやるべく努力するということでありますが、ぜひ従来の計画の通りに、たとえば下関漁港というようなものを例にとってみますれば、所要資金が五億五千万円、利率が年四分、償還期限が二十カ年ということで計画しているのでありますから、その他も同様なことであろうと思いますから、どうぞそういうふうに一そうの御努力をお願いしたいと思うのであります。  次は甘味料対策であります。それはどういたしても私は、砂糖その他の甘味料の需給度をましていかなければならない、こう考えるのであります。それについて政府はテンサイ糖の増産計画をどうやられるお考えであるか、また、カンショ等の増産計画をどうやられるお考えであるか、また、毎年々々問題になる澱粉を原料とするブドウ糖の対策をどう考えておられるのであるか、これは詳細なことは要りません。ただ、どういうふうな方針で進んでおるという方針だけを承わりたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 砂糖につきましては、日本の需要量のほとんど大部分を外国に仰いでおるこの現状からいたしまするときに、国内で増産が可能でありまする以上は、テンサイ糖というものに対して十分なる関心を寄せ、なおかつ、この増産をはからなければならぬことは当然でございます。従いまして、私今回、寒冷地農業の振興対策という形のものを打ち出しましたゆえんのものも、その一環といたしましては、テンサイ糖に大きな重点を置いておるわけでございます。さらにカンショの問題、これは当然澱粉の問題とも相なるわけでありますが、これはまあ当面、安定法によって価格支持をいたしておりまするものの、根本的にはこの消費面の増大、打開、これが必要に相なってくるわけでございます。従いまして、結晶ブドウ糖というふうな新しい用途を考究することによって、その一翼をになわしめたならばいかがかということで、寄り寄り研究をいたしておるわけでございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 今、テンサイ糖問題あるいはブドウ糖問題については検討中であるということでありますから、すみやかに結論を得るように御努力をお願いしまして、この問題が早急に解決することを希望いたしまして、私の質問を終ります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 食糧管理の問題と農地関係の問題をちょっとお尋ねいたします。  最初に食糧管理の問題でありますが、その前に、三十二年度の政府買上米の価格ですね、一万円になっておりますが、この算出基礎の詳細なる資料を一つ御提出願いたいと思うのです。  大臣にお尋ねいたしますが、最近余剰米対策ということは、前からも言われておりますが、強く言われております。これについて、この余剰米対策というものをお認めになるつもりですか、どうですか。この余剰米対策というのは、代表者供出というものとは違うのですか。今後やるように方々から要望されております余剰米対策というものを認められるおつもりかどうか、お尋ねいたします。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 何でございましょうか、御質問の御趣旨は二月の初めから実施をいたしました例の匿名供出制度……。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そうではないのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) そうではないのでございますか。ただいまのところは、二月の初めから実施いたしました、今申し上げた制度によりまして、これはまあ従来やって参った経験もあるものでありまするから、この制度をもって、なお農村その他に在荷してあるとみられる米を集める、こういうことにいたしておるわけであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 今方々で非常に米の配給辞退があるんです。この配給辞退というものは、相当地方に米が余って、そして配給価格よりそう高くないか、所によれば配給価格より安い値段で買える、こういう状態になっているから配給辞退というものがあるんです。そこで大臣は、余剰米対策については当分やるお考えはないと言われましたけれども、余剰米対策をやるかやらぬかという前提になるこの配給辞退をどういうふうにお考えになっていますか。  その前に事務当局にお伺いしてもいいんですけれども、配給辞退の実態はどういうふうになっているか、それをまずお伺いします。

小倉武一食糧庁長官

○政府委員(小倉武一君) 配給辞退の状況についてのお尋ねでございますが、これは基本配給と希望配給と、両方によりまして違いますし、また、生産地と消費地という地域的な関係によっても違います。  基本配給、希望配給の点から申しますと、基本配給は大体、配給辞退が少く、九四、五%のところに従来なっておりまするから、配給辞退の方としては五、六%、こういう割合であります。それから希望配給につきましては、これも月によってだいぶ動きがございますが、半分近くが配給辞退になっております、ワクから申しましてですが。それから消費地と生産地という工合で非常に違っておりまして、特に希望配給につきましては、生産地につきましてはむしろ配給辞退の方が原則的であるというふうな県が若干ございます。そういう状態になっております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 今大臣お聞きの通り、こういうふうに基本配給においては少いというけれども、それは絶対量が多いから、その五、六%というものは相当なものなんです。それから希望配給に至っては半分、生産地においては大部分、こういうような状態でありますが、これは今現実にやみ米が相当はんらんをして、やみというよりももう半ば公然のやみなんです。もうやみというような言葉ではちょっとおかしい。そういうのがはんらんしているから、こういうふうになっているんです。こういう状態ですけれども、それでもあれですか、余剰米対策というものをやる必要がない、今のままでいい、こういうふうにお考えなんですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 食糧庁長官から配給の現状を今御説明を申し上げましたが、確かに希望配給につきましては、相当な辞退量がございますことは、現実その通りなんであります。そこでまあ何らか余剰米対策の手を打たなければなるまい、こういう御指摘なのでありますが、一部にそういう私案をわれわれのもとへ示してこられる向きもございます。けれども、何ぶんにも直接の政府管理から離れましたところの民間流通米というようなものを認めるというふうなことに相なりますと、これは管理制度の基本に触れる問題でございまして、予約制度との関連を十分に考えなければならないような点もございまして、なお、制度的あるいは技術的には幾多検討すべき余地があるんでございまして、軽々しくは、これはなかなかやりにくいのであります。そこでまあ当面は先ほど申しましたように、二月の初めから臨時匿名集荷制度と代表者売り渡し制度とをまあ用いまして、極力余剰流通米を把握いたしたいと、こういうことでありまして、まあ何らそれじゃあ芸がないじゃないかと、もう少しやりようがありそうなものだという仰せだろうと思いますが、この点はもう少し一つ研究をさしていただきませんと、今にわかに軽々しく行なってはいかがかと、こういう考え方をいたしております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 この余剰米対策というものをやるということは管理の根本に触れるからやらない。ところが、今のようにかまわぬでおけば、実際もう統制はくずれているんですね。今後管理制度というものはこのままにやっておけば実体がなくなるんじゃないかと思うんです。すでにある程度なくなっているような状態です。先ほど申し上げたように、やみ米というけれども、これはもうやみというより、もっと新しい言葉を考えなければならないような米がはんらんしているわけなんです。こういう事態に遭遇して今の匿名供出、代表者供出というようなことでお茶を濁していていいものかどうかということは非常に問題だろうと思うのです。そこで大臣は軽々しくそういうことはやっちゃならぬとか、慎重にとかおっしゃいますが、この間からあなたの御答弁を聞いてますと、お意見を尊重して、御趣旨に沿って、御趣旨ごもっとも、慎重に検討ばかりですよ。根本的な御答弁は——この私の質問だけでなくて、全部に通じてこういう御答弁になっておるのです。まあこれは大臣の御答弁としては大体こんなものですけれども、私は農林行政についてこの間も申し上げたように、ほかの大臣なら申し上げません。あなたが長年農政の権威として衆議院に活躍されて、そうしてこの長い間あなたは農政について一つの考え方を持っていられるだろうと思うのです。大臣になったときにはこういうふうにやるとお考えになったに違いないと思うのです。ところが、なってみたら今申し上げたようなことじゃ困るじゃないですか。私は井出一太郎として、あなたの感想をお聞きしたいんです。この間からこんな答弁ばかりをされているが、これで今後もやっていくのかどうか。これは私だけじゃないと思うのです。これはあなたが農林大臣になったとき、多くの人があなたに期待を寄せられたんです。さっき清澤さんはあなたに敬愛していると言われましたけれども、私はそれほどじゃありませんけれども、ともかくこんなことをあなた言ったんじゃあ、代議士なんていうものはふだんは偉そうなことを言っても、実際自分が施策をやるときは何ら具体的の政策を持っていないということになりはしないかと思って、私は国会議員の権威のため、あなたにお尋ねしているんです。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) いやどうも、大へん御期待をいただいて恐縮に存ずるわけであります。なかなか実際の場面に臨みますると、ことに農業のようなテンポのおそい産業でございまするし、また、事態も非常に複雑でありまして、当面の食糧管理の問題にいたしましても、この奇想天外の妙手というふうなものは容易に見出しがたいのでございます。まあまだ就任日も浅いわけでありまして、その辺も御容赦をいただいて、ただいまの問題等につきましても、何らかの一つ方途を見出したいと、このように考える次第でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は少しくどいようですけれども、そういうことでは納得できません。これは就任してから、あなた農林大臣になられてからもう二カ月になるんです。おそらくあなたの農林大臣になられたとき、すでに新聞記者があなたのお宅を訪ねて、あなたの農政に対する意見をあなたに問われたろうと思うんです。就任のときから、みなあなたがどういう農政をやるかということを期待しているのです。二カ月たってまだ今後勉強するなんということじゃ、そのうち内閣つぶれちまうじゃないですか。どうなんです。そんなことでいいのですか。この政党政治というものはそういうものかどうかということを私はお尋ねしたいのです。あなたは大臣になられる前にそういうことを党の農政通として十分研究されているはずだろうと思うのです。今もことし、やらなければ、この管理制度はこれからもうじき問題になってくるのですが、今やらなければ、もうことしはだめなんですよ。それをこれから研究してやる——研究しても奇想天外の手はないのです。ないから、私はふだんから考えて大臣になったらやらなければならぬ、こういうことを申し上げているのです。今後あなたに御質問しても、先ほど申し上げたような御答弁では、これはだめだと思うのですね。ですから今後もそういう方針であなたおやりになられるのかどうか。私今後非常にあなたにいろいろ御質問を、きょうではありませんが、したいと思っているのですが、あなたがそういう今後も答弁をされて、数カ月研究しなければならぬということなら、もう質問はしません、むだですから。こっちもいろいろ準備がありますから、はっきりその御答弁を願いたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) どうもまことに恐縮でございます。  この余剰米対策は先ほど来申し上げますように、その影響するところも非常に深刻なものがございまして、いかにも無策であるというお叱りでございますが、かえって取り返しのつかないあやまちをいたすようなことになっても相なりませんので、まあ十分慎重に当って参る所存でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は御参考までに申し上げますが、この余剰米対策についてお尋ねしましたけれども、これは管理制度を今後どうするかということでお尋ねしておるのであって、今一部に言われている余剰米対策を実施したらどうかという積極的の意見を申し上げているのでないのですから、御参考までに念のために申し上げておきます。  まあこれ以上まあ勉強しておられないというのですから仕方ありませんが、それならばもう一つお尋ねしますが、この消費者価格の値上げの問題です。これは大臣は就任直後値上げを決意されまして、そうして閣議決定までもっていかれまして、この内閣の重要なる政策として取り上げられたのですけれども、これはこの前申し上げたように、私たちは立場は違いますけれども、これはこれなりに非常に意義もあり、また、自由党として、今の政府としても重要なる決定をされたものであると考えるのです。そこで、私はこの問題についてお尋ねをいたします。大臣はこの前も、ある程度の消費者価格の値上げというものはやむを得ないという考え方を持っておる、こういうお答えでございますので、やや仮定でございますが、お尋ねしたいのですが、この今回きめられました消費者価格の値上げは相当な地域差があったと思うのです。具体的の数字は私はちょっと忘れましたが、従来もこの希望配給については、東京と新潟の差は——というよりも、消費地と生産地の差はあったわけです。ところが、今度は基本配給について地域別に甲乙丙丁ですか、というように相当の幅をつけられたのです。こういうことはどういう根拠に基いてやられたのですか。今後も、あなたは消費者価格の値上げをやむを得ないと考えておられるというのですが、これはやや仮定に近いですが、どういう根拠に基いてこういうことをやられたのか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) この前、小林委員の御質問にもお答えいたしましたが、ただいまの段階は、御承知のように、臨時調査会の検討をいただいた上ということに相なっておりますが、当時、私がそういう考え方に立ったゆえんというのは、やはり生産地、消費地、それぞれ需給の実態というものが異なっておりまするので、そういう観点から地域差を設定すると、こういう考え方に基いた次第であります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは今お話あったように、コストの差ではないのですね。需給の実態に基いてやる、こういうふうにお答えになっておるのですが、こういうコストの差でない、需給の実態に基いて価格をきめるということは、どういう根拠に基いてこういうことをやるのですか。こういうことをやって、それは差しつかえないのですか。私は、また、差しつかえがないというより、こういうことでは国民は納得しないと思うのです。どういう根拠に基いて、需給の実態に基いて価格をきめるということができるのですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは経済学的にも、あるいはいろいろ問題はあろうと思いますが、価格政策の一つとしまして、いわゆる需給均衡価格と申しましょうか、こういった実際のものに近づけるというような考え方があると思うのであります。大体、そういう立場に立って構想を練ったわけであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは、今自由に米がなっているのじゃないのですよ。統制して、非常にゆがめられて、地方別の価格というものができてきているのですね。そういうとき、そのゆがめられた価格に合わせるように配給するということは、それはおかしいです。これは、大きくいえば憲法違反です、こういうことは。どういう根拠に——ちっともまだ具体的な説明がされていないのです。これは閣議決定までされたのですから、相当根拠があるのじゃないかと思います。これは取りやめになりましたけれども。これはどういう根拠に基いてこういうことをやられるのですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 閣議決定と仰せられましたが、この最終価格ないしは実施の時期というものにつきましては、閣議はまだ必ずしも最終段階にまではいっておらなかったのであります。憲法違反というふうなお話もございますが、私どもとしましては、先ほど来申し上げる需給均衡価格に近づける、こういう立場で構想を練った次第でございまして、今日では、一応その問題は、調査会の御検討にまかせるということに相なっておりまするので、その結論を待った上に処理をいたしたいと考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 こういうことは、これはまた後ほど十分御検討しておいて下さい。これは私またお尋ねいたします、あらためて。そういうお答えでは満足はできませんし、閣議決定までいかなかったとおっしゃいますが、閣議決定になったものでもひっくり返るのですから、大したことはないでしょう、どちらでも。とにかく、こういうことをやろうとされたのですから、お尋ねしたことです。これはやがて、やっぱりさっきの余剰米と同じに統制と関連するんです。みんな、こうやってこんなことをやっていけば、今にも統制の実体がなくなって、もうどうにもならぬ、こうなってくるんです。大臣は、統制をもうすみやかに解除するというお考えなら、それでいいですけれども、大臣はそうでないようですから。こういうことをおやりになること、それからさっきの余剰米の問題、すべて統制に関連しますから、お尋ねしておるのですが、一つ、この次まで十分御検討していただくことにいたしまして、この点は、食糧管理の問題は、非常に問題がありますが、また、あらためてお尋ねいたします。  次に、農地の問題についてお尋ねいたします。先ほど清澤委員の御質問に対しまして、大臣は、この農地改革の成果を非常に堅持していく、こういうお考えを述べられたのですけれども、それに関連いたしまして、一つお尋ねいたしますが、今後、政府は干拓いたしまして、大規模の干拓をやりますと、地元負担を二〇%でしたか、とることになったらしいのですが、そこの事情を、一つ事務当局からどういうふうなことになっておりますか、お答えいただきたい。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 今回予算で、特定土地改良事業特別会計を政府の案として編成しまして、御審議をいただいておるわけであります。できるだけすみやかに、不日、これの特別会計法と若干関係のある規定についての土地改良の改正を御提出して、御審議いただきたいと思っておるわけであります。予算におきまする特別会計におきましては、それが政府案でございますが、補助干拓を除きまして、干拓は、国営直轄及び国営代行事業を含めまして、二割の事業費——特別会計における事業費と申しますのは、国が従来負担しておりましたものに、さらに二割の負担をしていただくことを予定いたしまして、それに照応する資金運用部資金を借り入れまして投入した事業費でございますが、その事業費の二割の負担を地元の受益者において負担していただきたいと思っておるのであります。すなわち、言いかえますと、土地改良法の特別会計に基きまして、申請によらないで国営の干拓事業を行なっております場合に、県、受益者という対象に対しまして、負担金を徴収し得る規定がございます。その規定に従いまして、二割の徴収をお願いしたい、地元の協力によりお願いしたい、こういうふうに思っております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは、こういうふうにして国営の干拓をやった跡は、大体また払い下げをされるわけですか。その受益者、たとえば、一町歩分のその事業費を負担すれば、その人に一町歩払い下げをするということになるんですか。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 従来は、農地法の関係の規定によりまして、干拓の素地のわけでございますが、公有水面埋立法等によりまして、造成した土地、また肥培管理をせず、農耕には将来利用できる土地であるわけでございますが、これを売り渡しして適当な価格がございませんので、規定に従いまして、近傍類地の価格を参考にして対価をとっておったわけでございます。もちろん御指摘のように、でき上りましたものは開拓財産、国の財産でございますから、これを処分いたさなければなりません。干拓地、正確にいえば干拓素地に入植をしていただく方に対しまして所有権を渡す、その渡す規模等につきましては現行規定、現行制度にのっとりまして大体一町五反、西の方でいえば一町二反、東北、八郎潟等でいえば未定でございますが、約二町五反とか、そういうふうに対価なしに譲渡をしようと思っておるわけでございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 従来政府の、そういう干拓地等の払い下げは反当大体どのくらいでされていたのですか、売買……。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 平均的には、現実は反当り約一万二千円ぐらいの平均になります。各地によって多少違います。また近傍類地の土地の価格を参考にしてきめることになっておりまして、明確な類似の土地というのがなかなか農業的見地では立たぬという部分が多少あります、正直に申しまして。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そこで大臣にお尋ねいたしますが、今事務当局からお話があったように、従来の政府の土地の払い下げ価格は大体一万二千円、政府の土地の売買というものは大体一万円ぐらいで行われていたと思うのです。そこで今度は、今までは一万二千円で払い下げられておる干拓地が、今度は今農地局長が説明されて大臣お聞きになった通り、地元負担が二割とすれば、干拓をやるのに大体反当十万円から三十万円ぐらいかかるのじゃないかと思うのです。そうすると、二万円ないし六万円の地元負担をやらなければならない。今までは一万二千円で払い下げておったものが、二万円ないし六万円も——この数字ははっきりしませんが、非常な負担が大きくなると思うのです。この大きくなるのは、私はまあ大きくなる点はここに問題がありますけれども、それは別として、こういうふうに大きくなるということが、この農地法との関係で非常に問題になると思うのです。それは今の小作料の統制との関係ですね、小作料は大体政府の土地の払い下げ価格、政府の土地の売買価格約一万幾らというものを基準にして、これとバランスをとるようになって、この小作料の統制が行われていると思うのです。そうすると、こういうふうに今度政府の払い下げの土地が大体二万円ないし六万円ということになれば、この小作料との統制はどうなるのです、将来小作料の引き上げをされるのですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 小作料は、農地法によりまして自作収益方式によって算定いたしました最高額というものが統制を受けておるわけでございます。従いまして干拓素地というものは、この干拓素地の地元負担と小作料というものは関係がない、こういうまあ立場に立っておるのでございまして、農地法には抵触をしないわけであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 それは表面上の説明はそうですけれども、理論的に一つずついけば、この小作料の統制は、従来政府の払い下げ価格、土地の価格というものに大体バランスをとるようにしてやられている。ところが、今度は一方では干拓地の払い下げは政府の一般の土地の払い下での価格と同じにやってきた。それは従来一万二千円だったものが、今後実質的に二万円ないし六万円になる、こういうことになれば、これはだんだん小作料の統制とも関係してくるんじゃないですか。これは慎重に検討しているとそういうことになるんじゃないかと思うのですな。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 私でよろしゅうございますか。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 ちょっと、これは局長にお尋ねしているんじゃなくて、大臣に……。これは非常に重大な問題なんです。あなたは先ほど清澤さんへの御答弁がいつになく非常に明快だったものだから、私はこういう御質問をしているのです。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) さような次第でございまして、これは干拓素地の売り渡し価格と小作料とはまあ別個に考えておるわけでございまして、それとこれと直接関連を持っておらぬという考え方に立つわけでありまして、農地法には抵触をしないと、先ほど申し上げた通りでございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 農地法に抵触しないけれども、将来こういう考え方を推し進めていくと、だんだんこれが一つの理屈になるのじゃないですか。現在のところはそうでも、だんだんそういうことになりはしないかと思います。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) お許しを得まして、小林委員の先ほどの大臣に対する御質疑の補足をまず申し上げます。大臣のお答えになりました通りの解釈でもちまして農地法の運営をしたいと思いますし、あわせて今後は、土地改良法に基く負担を地元の協力を得てお願いをしたいと考えておるわけでありますが、御指摘の小作料の最高額を統制いたしておりますのは、農地ごとに小作料の最高額を定めることにいたしておりまして、公有水面埋立法等に基いて新たに造成を農林大臣がいたしましたものは、農地法の各条章にもございますが、例を申しますと、六十二条と政令の九条等に「売り渡すべき土地で開発して農地として利用すべきもの」という、農地として見得る前の素地で従来も行なっており、今後も行うつもりでございます。  そこで何が望ましいかといえば、ちょうど小林委員のおっしゃるようにやるのもいい方法であり、また、干拓造成に国費を非常に多分に要する、また、未墾地を買収して開拓者に渡しまして、そうして畑作開拓農地の上に営農を営んでいただくという場合との均衡についても考えまして、その三者を合せて考えるのも一つの方法であるというので、今般は事業促進をまず狙いまして、特別会計において借入金も入れると同時に、負担も地元受益者の負担に耐え得る程度に協力をお願いして負担をしていただきたい、こういうふうに思っておる次第でありまして、結論としましては、農地に関する法律である農地法、また、その農地の小作料の統制法規にはそのように解釈をしまして、運営には遺憾がないように、準経済的に見ますと影響が全くないとは言えないかもしれませんが、その程度の影響は断固として小作料統制には響かせない、こういう運用と法規でやる、こういうつもりでございます。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 簡単にお尋ねをいたしたいと思いますが、コカ・コーラ類の飲料水が許可されることに相なりまして、この輸入につきましては、再三反対をいたして参りましたし、また世論もこれが支持を得ておったとわれわれ記憶をいたしておるのでございます。しかるに、政府はいかなる理由か、外貨の割当を強行されるに至りまして、われわれ国内産果汁との関係から、はなはだ遺憾に存じておるのでございます。そこで、先般これにつきまして資料の御提出を願ったのでございますが、その資料の提出によりまして、販売先でありますとか、販売方法でありますとか、あるいは価格並びにこれに関しまする宣伝内容等の資料の御配付がございまして、一応了承をいたしておるのでございます。  ところが、最近これが輸入に伴いまして起ってくる現象をつぶさに調査をいたしますと、非常にイミテーションといいますか、模造品といいますか、というようなものが市場にはんらんをいたして参っております。また、その製造が非常に活発になってきておるのであります。私が申し上げるまでもないのでありまするけれども、この国内産の果汁は、非常に零細な規模によりまする営農条件としての農村工業としてこれが経営をいたしておるのでございまして、従って、非常に経済力の薄弱な土に立って、相互の生産者が出し合って、この果汁の経営をいたしておるのでございます。私が思いまするのに、外国農産物を輸入しようという処置に対しましては、少くとも、国内農産物の各般にわたっていかなる影響を及ぼすかということをまず調査してかからなければならないと思うのでありまするが、この輸入許可によって与える影響がしかもきわめて甚大な様相を呈して参っておりまするので、これに対しまする将来の考え方を伺い、なおかつ、それが非常に悪い影響を及ぼすということならば、大臣はこの輸入許可をお取り消しになるお考えがあるかどうかを、まず伺いたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) コカ・コーラの問題が国内産の果汁と競合関係に立つということは、私もかねがね承知をしておったところでございますが、ごく一部分が許可されたという理由は、まあおそらく外国人の観光客でありますとか、そういった訪来が増加をいたしましたし、その関係から、特定のホテルでありますとか、あるいは在外公館などで、外人向けという一定の条件のもとに認めるという程度のものでございまして、私どもといたしましては、まずこの程度ならば、日本の清涼飲料や果汁に対して悪影響はあるまい、こういうことにただいま考えておるわけであります。輸入条件をきびしく規制をいたしまして、厳に、影響を防ぐような監督は十分講ずるつもりでございまして、今堀本さんの言われる、国内産へ現実に影響が出ておるという段階でまだないと思いますので、その辺は御指摘もありますので、少しく経過を見さしていただきたい、こう考えます。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 これは、すでに現象が現われておると私は思っております。これはもう輸入許可という段階とその風説によって、模造品、イミテーションが非常にはんらんをいたしております。そして、一定条件のもとにという、要するに外人向けである、たとえば船着場であるとか、ホテルであるとか、ゴルフ場であるとか、そういうものを指定して許可されたというのでありまするが、それならば、一定条件というものを守るためにいかなる方途を講ぜられるかということなのであります。これは、言うことはごく簡単に言えるのでありまするけれども、実行は非常に困難な問題が伴うのではなかろうかと私は心配をいたしておるのでありまするが、その点についてお答えを願いたい。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 先般も御質問がありましてお答えしましたように、外国人専用ホテルとか、あるいは外国人の学校、外国の公館、空港、それから入港する外国の船舶等に、直接許可をした者から流すということにいたしておるのでありまして、昨年の暮に四万ドル弱許可しましたが、まだ現物は来ておりません。  ただ、お話の点は、従来からありました、何といいますか、外国から入って来たものでない原料で外国的な名前をつけた清涼飲料は、非常に出ておるのでありまして、この点は、日本の従来のラムネ、サイダー等と外国式のいわゆる占領軍が持って来ました式のものとの競争ということになっておるのでありまして、私の方で直接許可します外国人専用のものが、お話のように、一般的に間接的な影響をもたらしてくる、こういうふうにはすぐはとれないのじゃないかと思いますが、清涼飲料、果汁の関係につきましては、全般的に、これはさらにアイスクリームその他との関係もありまして、ある程度、何といいますか、生活の安定とともに需要がふえる、それからまたその嗜好も変ってきておりますから、いろいろな問題が派生すると思います。少くとも、ただいま大臣が申し上げましたような私の方で許可しました外国人専用のものにつきましては、厳重に取り締るようにいたしております。なお、それによって出てくる超過利潤等も政府に納入することになっておりますから、このものにつきましては心配の点はないと思います。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 ただいま、輸入許可が直接の圧迫の原因にはならないというような条件をおあげになったと思うのでありまするが、私はさようは考えません。しかし、一応当局のさような御配慮を尊重いたしましてさように考えますが、しかし、これが誘因になろうといたしております。たとえば、外国品が入らないときには、いかにイミテーションといえども、これは模造品であるということを直ちに確認し得る状態であるのでありまするが、輸入をするのだという現実が現われて参りましたときには、必ずそれが誘因となってさような模造品がはんらんをいたしますることは、これは当然でありまするし、世の常識からもさように考えられるのであります。そこで、今言う取締りをするということにつきましては、どうぞ十分に取締りをしていただきまするようにお願いを申し上げたいのであります。  そこで私は、最近の事情を大臣に申し上げておきたいと思うのでありまするが、新農村建設計画がだんだんと進捗するにつれまして、一体新農村とは何を求めておるのかというのでありまするが、三千年来の長い伝統を持ちましたこの原始産業が、直ちにこの新農村建設計画を立てて農村の姿が変るようなことには相なりません。これは御了承の通りであります。そこで最も活発に論議をされ計画をされまする問題は、畜産と柑橘類の増産なのであります。これは最も、政府といたしましても、かくのごとき方面へ急速に振興をされるように希望しておられると思うのであります。ところが、この零細な業者がわずかの金を持ち寄りましてできた農村工業というものを、これによって圧迫して、しかも倒産の方向へこれが導くというようなことになり、新農村建設計画によってこれらの生産を、農産物を旺盛にすることによって果汁にしようと試みておりますところのこの計画をすら、むだなことにいたしまするが、要するに、もう一度申し上げますると、農村振興対策に対して反対の立場をとり、また協同組合事業として農村工業を興さなければならない段階で、また反対の立場をとらなければならぬとの結果が生まれてくるのではなかろうかと、私は心配をいたすのであります。  そこで、これからは希望でございますが、この結果が非常に悪い結果がありましたならば、もう理論は抜きにして、理屈はわかっておるのでありますから、これは取り消していただきたい、こういうことを私は要望いたしておきたいと思うのであります。  もう一つは、これは直ちにお答えを願えるかどうかは問題でありますが、一本について六円五十銭の差額金をおとりになることになっておると思いますが、計算が違うかもしれませんがおそらくそうであろうと思うのでありますが、そうしますと、一千万本許可にされているということになりますると、六千五百万円になるのでありますが、この金は少くとも果汁生産者に直接響いて参りまするので、他の飲料水等もございましょうけれども、それは商業上これをやっておるのでありまするが、農村の今の実態から考えますると、農村の果汁生産者に対して還元ができ得るような処置にこの金を使っていただきますることを、まず私は希望を申し上げておきたいのであります。  第二点の希望を申し上げますると、この果汁が、これは農林規格の規定によりまして、パーセンテージが二五%以上の自然果汁を含有いたしておりまする製品につきましては、物品税の免税をするとか何とかの裏打ちをしてやって、これが一面奨励になり、一面保護をしてやるという対策を講ずる必要があるのではなかろうかと、かように考えるのであります。もう一つ申し上げますると、粗悪品がずいぶん出回っております。たとえば果汁、ジュースという名前をつけておりましても、真に自然果汁が一〇%以下であって、果汁が含まれておる部分が一割に足りないというようなものは、たとえばその果汁という名称をつけさせない、何かそういうことも必要が起ってくるのではなかろうかと、かように考えられるのであります。  その他、融資の面でありますとか、現に融資を相当受けておるのであります。これはもう非常な御高配をいただきまして、長期短期の融資を受けておるのでありまするが、今の現状が続きますと、私はこの輸入許可によってこれが支払い能力等にも影響を来たすのではなかろうかと憂慮をいたしておるのでございます。従いまして、これらについての期間の延長でありますとか、あるいはまた利子の軽減等についても御配慮を願いたい、かように存ずるのであります。  その他ございますが、長くなりますので……。ただ、二五%の果汁含有の製品につきましては相当の処置をとってやるということ、あるいは差金につきましてはこの柑橘その他果樹の造成について裏打ちをしてやる、保護政策をとるということが必要ではなかろうか。これにつきましてお考えがあれば、伺いたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 果汁問題につきまして堀本さんから種々お聞かせいただきまして、確かにこれは柑橘地帯の農村工業の非常に有望な一つでございましょうし、今おっしゃるもろもろの点は私どもとして十分に検討をして配意いたします。

堀本宜実自由民主党

○堀本宜実君 まことに誠意ある御答弁を承わって感謝にたえません、どうか、ほんとうに誠意ある、好意ある裏打ちをしてやらなければ、新興農業であります柑橘造成、農村振興の立場からも非常に問題が起きると存じますので、どうぞ、今の誠意を疑うおけではございませんが、現実にやっていただきますように、この際お願いを申し上げて、終りたいと思います。    〔田中啓一君発言の許可を求む〕

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 関連ですか……。なるべく簡単に一つお願いいたします。

田中啓一自由民主党

○田中啓一君 今のコカ・コーラに関連するわけですが、その中に、とにかく差金をお取りになって、その差金をもって国内産の果汁生産あるいは流通消費等の奨励に充てたらどうか、こういうのが含まれておりまして、今大いに努力しようというお話でありました。  戦後一時非常に食生活の改善ということが熱心に朝野に叫ばれ、またその一環として、また教育本来の目的とあわせて、学童給食というものが非常に進んできて、牛乳生産というものが今日これまで伸びてきまして、農業生産面におきましても、あるいは経営におきましても、非常に好影響を持っておることは言うまでもないと思いますが、実は農林行政というものは、戦争を境といたしまして内容は変りまして、それまではもっぱら農林水産の生産面だけをやっておりましたものが、徹底的に、生産から食料、飲料等の消費まで、農林省の所管ということになったのでありますから、実はその生産を興しても、消費がむしろこれに先行して、需要の方がどんどん進んでこなければ、農業生産も興きないわけなんです。でありますから、この予算の補助金を見ましても、あるいはその他の財政投融資等を見ましても、生産とたかだか輸出の振興、ここまでしか行っておりませんで、ただすったもんだいうて、学童給食の差額負担金が十三億何がしくっついておるというだけのように思う。あとは食生活の改善として、農民の食生活の改善の方の普及事業をやっておられるそういうことでありますが、実は国民全般の少くとも食関係の行政は農林省の所管で、これはどうしてもいい消費を増すようにして、そうして国民の栄養を高めていくことは、農林省の所管だと私は思う。衛生取締りの面から、厚生省というものもむろんいろいろ見解もあり、協力も、援助も、あるいは場合によっては制限もいろいろ出てきましょうが、本体は農林省だと思うのであります。でありますから、私考えますのに、コカ・コーラにいたしましても、いかぬいかぬと、とめる方だけ考えておらぬで、もっとうまいものを国内産で作ったらいいのじゃなかろうか。そういうコカ・コーラに類するものを飲むということが一番いい。むずかしくないと思う。  トマト・ジュースにしても、日本だって非常にできておると思いますけれども、いまだにこの生産技術はアメリカに及ばぬで、この食堂にありますトマト・ジュースはアメリカ産だ。とても日本産のものではこんな味は出ませんから、だめだと言っております。その方面も一つ適当な試験場等でやっていただくと、私は……。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 簡単に。

田中啓一自由民主党

○田中啓一君 委員長から簡単にという声がかかっておりますので、まあ言わんとすることはわかっておりましょうから、もうこれ以上申し上げませんから、どうか一つ。私も生産を興すことは熱心でありますが、今日のこういった流通、自由経済では、消費を起さなければ生産はやれませんのでありますから、その方面に一つ大いに力を入れていただきたい、こう実は特に注文かたがた御質問いたしまして、御見解を伺えればまことに幸せだと存ずる次第であります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) よく承わりました。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 昨日の当委員会で、日韓問題に関する質問をいたしましたら、さっそく問題解決のために大臣が御尽力下さいまして、まことにありがとうございました。その後の経過報告をお聞きしたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 実は昨日承わりまして以来、岸外務大臣とさっそく連絡をとりました。今日も外務大臣、本来ならばこの席へ伺うべきでありますが、臨時代理の仕事もございまして、私から代弁を申し上げておいてくれということであったのであります。  日韓問題は、これはまあ非常に広範な部分にわたりまするが、当面一番急ぎますととは抑留漁夫の送還でございます。この件につきましては、金公使が戻られて外務当局との間に折衝を続けておりますことは、けさの一部新聞等でも多分ごらんだったと思うのです。その見通しは、非常に大きな希望が持てると、こういう方向に運んでおるのでございまして、まあ問題はいろいろからむ問題がございますので、まだ今日の段階で一切を申し上げることはむずかしいと思いますが、ともかく抑留漁民の問題と、大村収容所におりまする韓国人釈放の問題と、これを相互に見合いまして、近く解決の見込みが立って参っておる、これだけ御了承をいただきたいと思います。  それからもう一点、例の明石丸事件のことについて申し上げておきますが、去る一月二十五日に韓国警備艇に拿捕連行されました船員のその後の状況につきましては、調査中でございますが、現在まで得た情報によりますと、抑留漁夫は全員無事で、身柄は刑務所に収容されて取調べを受けておる模様でございますが、これは政府側の取得しました情報を申し上げるわけでありまして、この件もなおあわせて事態解決のために努力をいたす所存でございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 問題が問題だけに、いろいろと大臣の方でも政治的配慮がありまして、全部詳しくこの席では御報告できない点もあるかと思います。私もそれは了承したいと思います。ただ、大臣が水産行政の最高責任者としておられますにつきまして、この問題を解決する根本的な理念といいましょうか、そういうものを要点だけ申していただきたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) この抑留漁民の問題は、もちろん外交交渉の中に含まれるわけでありますけれども、何と申しましても、これは人道問題でございます。この見地に立ちまして、あくまでも零細漁民の立場を代弁しなければならないと、こういう私の使命にかんがみて、格段の努力を払う所存でございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 さきに参議院の本会議で、外務大臣が施政演説の中で、こういうふうなことを言っておられます。簡単に要点だけを申し上げますが、特に八百名に上る——今日ではこの八百名が九百四十三名になっているのですね。そのうち行方不明者があるという非常に悪い事態になっておりますが、この八百名を訂正いたしまして、九百四十三名に上る同胞が、引き続き韓国に抑留されている事態は、人道上の問題として、他の諸懸案と切り離して、早急に解決さるべきであると考え、昨年来これが釈放に努力しておりますと、こうおっしゃっているのですね。それで諸懸案と切り離してこの抑留者の問題を先に、大村の収容所の問題の話し合いの中で解決したいという岸外務大臣の見解と、農林大臣の見解と、同じでございますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) その通りに御了解いただいてけっこうでございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうしますと、けさのラジオで、三月一ぱいにはこの問題を解決できるだろうというようなことを放送しておりましたが、見通しはいかがなものでございましょうか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 明確な日時を申し上げることもいかがかと思いますが、きわめて近い機会に解決の見通しがつくことと思います。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 実は、大臣も御承知のように、昨年も大挙留守家族が上京いたしまして、たしか二月だったと思いますが、二月に外務大臣やそのほか責任者の方にお会いしたときに、六月までには必ず解決できるとおっしゃった。また六月に上京したときには、九月までにとおっしゃった。九月に来たときには、今度の臨時国会のうちには解決できるとおっしゃった。そうしてとうとう年内にも、昨年の年内にも解決ができなかったというのが、実情なんです。そこで私は、今大臣がきわめて近い機会にと、こうおっしゃいますけれども、非常に楽観しておいでになるのじゃないでしょうか。なるほど人道上の問題として諸懸案から切り離して話し合いを持っていくというのが、今大臣がおっしゃいましたように、日本政府の基本的な態度かと思われますけれども、果してそういう行き方で向うさんが納得するかどうか。問題の糸口が見つけられて正式会談まで持っていけるかどうかということについて、御答弁いただきたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) まあ、楽観的と言われましたが、ともかく、もう長い懸案でございますから、政府としては、他の問題とこれは切り離して、一刻も早く解決をいたす所存でございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 もしこれが解決がおくれるとか、あるいはまた不成功に終った過去の歴史を見ましても、三回ももう決裂しているのですね。そういう過程から推測いたしまして、もしこれが決裂するとしたならば、どういう問題が解決を妨げるとお思いになりますですか。これは外務省でないとわからないかもしれませんが……。それでは外務省なり、水産庁の方は今までの経過から見解が出せると思いますが、御答弁いただきたいと思います。

奧原日出男水産庁次長

○政府委員(奧原日出男君) 非常に微妙な外交折衝の問題でございますので、端的に具体的にお答えすることは、私も差し控えなければならないと存じますが、韓国側の情勢が変らざる限りにおいては、円満に近いうちにこの問題が解決し得ると、かように考えております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 その韓国側の情勢が変らざる限りですか、そうしますと、今の李承晩が政治をとられて、大統領であって、そうして政治諸情勢ないしは国内国外の諸情勢が今のままであれば、解決できるという、こういう見通しなんでしょうか。

奧原日出男水産庁次長

○政府委員(奧原日出男君) 私はそういうむずかしい情勢を申し上げておるのではございません。韓国側が持ち出しておりまするいろいろな条件につきまして、その全部がほとんどほぐれて参っておる、こういうことを申し上げたのでございます。ただ、今までは韓国側から、解決の段階へ参りまして、新しい話がよく出て参ったのでございますが、今回はもうそんなことも万々なかるべし、かような意味を申し上げたのであります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうしますと、正式会談まで持ち込める可能性がある、こういうふうに御推察しておられるのでしょうか。

奧原日出男水産庁次長

○政府委員(奧原日出男君) さようにわれわれは期待をいたしております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 農林大臣はまだ日がお浅うございますので、水産行政のこと、ことに日韓問題については十分御理解がないようでございますので、詳しいことをきょうは、時間もありませんから、突込んではお尋ねいたしませんし、また時期も時期でありますので、差し控えたいと思います。ただ、今までの経過からして、アジア局長、そういう事務折衝のような形だけでは、私は解決がむずかしいのじゃないか。わけても、農林大臣が水産行政の責任者としておいでるのですから、大臣も一枚加わって、積極的に、岸大臣と見解も同じだとただいまおっしゃいましたのですから、おやりにならないと、要するに日本側のあらゆる形での誠意がやはり向うにも認められなければ、正式会談には持ち込めないのじゃないか。いろいろ向う側の要求しておりますことも複雑で、たくさんございます。私どももこの問題は、日本人として、日本としてのみ込めないと思うような事態もありますけれども、やっぱりこちらが熱意を持ち、誠意を持ち、そうしてほんとうに親善友交という基本的な善隣関係を持ちたいというあたたかい気持がなければ、この問題は解決しない。しかも相手が李承晩大統領のことでありますので、ただ議論やなどでは押せない相手であると私は考えております。どうしても感情のほつれが問題を解決する一つの大きなかぎじゃないかと思いますので、いろいろ私は希望もございますけれども、そういうことは今差し控えたいと思いますけれども、個々のことについては差し控えますけれども、どうかそういうふうなものの考え方で、引き続き積極的に農林大臣も、岸大臣と御相談して、早期に解決していただきたい、こういうふうに思いますが、大臣の所信をお伺いいたします。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) よくわかりました。岸さんとも十分相談をして、いたします。

千田正無所属クラブ

○千田正君 時間がありませんから簡単に伺いますが、先般の農林大臣の御方針の中に、一点、私が聞き漏らしたのか、あるいは大臣の方でおっしゃらなかったのかもわかりませんが、海外の移民政策に対しての御見解が私伺っておらないような気がするのですが、というのは、御承知の通り、終戦後におけるところの国内の農土も狭くなってきた、農村の二、三男対策が非常に急迫を告げておる今日、あなたの方では新農村建設であるとか、あるいは農村青年のいろいろな教育強化の予算等をとって、施策をいろいろ考えておるようでありますけれども、私はそれはそれとしましても、日本の人口増加に伴う国内調整という意味からいたしましても、海外の農業移民というものは農林省で扱わなくちゃならない一つの重大な政策の一つである、私はそういろ観点に立っておるのであります。  ところが、最近の情勢を見ましても、海外移住協会、あるいはその他の協会等ありまするが、遅々として進んでおらない。先般も私の友人のある公使から私あての私信として来ましたのに、中南米の方においては、ドイツ、イタリア等の、かつての日本と同じ状況にあった国々の移民が続々と押しかけてきておる。残念ながら日本側からそれほど積極的なそうした移民政策が行われていないじゃないか、こういうことで、特に農林大臣あるいは外務大臣においてこの問題を解決してほしいという、私は私信をもらっているのです。かつて、昨年でしたか、瀬戸内海のある町が全町民をあげて移民したというような問題もあります。とにかく、この国内の施策が行き詰まれば行き詰まるほど、海外移民というものは必要になってくる。  この問題について私は、ずっとこの予算の内容を調べてみましても、十分なる予算も請求しておらない。農林省の一体庁内において、しからば海外移住問題を取り扱っている局は何か、農林省振興局であると思います。これに対する予算の請求なり、またそれによって実施予算は幾ら確定したのか、または今後の方針として、こういう問題はそう関心はないのか、そういう点について農林大臣の御方針を承わっておきたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 海外移住問題についてのお尋ねでございますが、決してこれを軽視しているようなわけではございません。先般の私の方針を御説明いたしました際、言葉としては海外移住の問題も取り上げておるのであります。  実は新農村建設計画の中で、青年対策等を強調しておりますゆえんのものも、国内の建設はもとよりでありますが、同時に青年の研修等を通して海外への関心を濃くする、認識を深める、こういうことも考えておるわけであります。一方カリフォルニアへ派遣をいたしまする農村青年の諸君なども、これはまあ長くは向うへ住まうわけに参りますまいが、内地で受け入れるものもありましょうし、またアメリカ以外の地域へパイオニアとして、こういう人々をその任に当ってもらうということも考えられるわけでございます。まあ従来移民行政というものを、外務省との管轄をどうするかというふうな問題がございましたが、事農業移民に関する限りは、これはやっぱり何といっても、農林省が監督しなければならぬ性質のものでありまして、この辺は実は外務大臣とも話し合っておるわけでございます。お説のように、何としても、この狭い国土で、これに溢れる農村の人口を、もちろん移民だけで解決をするわけには参りますまいが、移民というものも大きな方向の一つである。そうして特に青年諸君の世界大の希望といいましょうか、こういうものを満たされる努力をいたさなければならないと考えております。あるいは予算面に直接そういう経費が現われておらぬという御指摘もあるかもしれませんが、先ほど申し上げました青年対策費のようなもの、あるいは委託費のようなものも用意をしてあるのでありまして、そういう面で鋭意御期待に沿って参りたいと考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 どうもこの問題、しょっ中われわれは論ずるのですが、そのたんびに外務省と農林省の管轄の争いで、セクショナリズムが常に災いしているのじゃないか。少くとも農業移民に対しては、事務的には外務省は、海外との折衝ですから、やるとしましても、国内的な要請、並びに向うへ行ってからの生活の安定等に関する問題は、農林省が熱意をもってやっていただかないと、これは進まないんじゃないか。こういう点を真剣に考えていただきたい。国内におけるところの農村対策もさることながら、年々ふえていく人口の処理という問題は、日本にとっては重大な問題だろうと思うのです。その基礎的な問題をキャッチしても、やはり農林省が主体になってやっていただかないと、とうていこういう問題は解決しないんじゃないか。まず第一の、井出農林大臣の腕だめしに、海外へ向って窓をあけていただきたい、こういうことについて一つ強調していただきたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) だんだん移民に対する御熱望、よくわかりました。さような線に沿って参りたいと考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 農林省でこれはどの面で取り扱っておりますか、振興局の中にあるところの拓植課ですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) ええ。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これ一課くらいでは、この問題はできないのですよ。予算の請求などももう少し堂々とやってよろしいと私は思う。どうかこれは真剣に取り上げていただきたいということを重ねて要請しておきます。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 本日は、これにて散会いたします。    午後四時三十四分散会

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