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26回国会参議院1957/06/08

農林水産委員会 閉会後第3号

発言数
154
登壇者
15
会派数
3
開催日
1957/06/08

会議録

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開催いたします。  漁業に関係している問題で、特に国際問題に関係のある件を議題といたしまして、かねて委員会の問題になっております日韓漁業問題の件、第三繁栄丸の件、北海道近海漁業安全操業及び底びき漁業に対するソ連の操業妨害の件、さらに最近問題になっております千島列島居住漁業者更生の件、亜庭湾におけるソ連の日本漁船抑留の件を、順次問題にいたします。  議題がたくさんございますので、なるべく質疑は簡単にお願い申し上げたいと存じます。  まず、日韓漁業問題の件を議題にいたします。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 この日韓問題は大へん長い問題でありまして、岸総理も渡米前には必ず解決すると、こういうふうにおっしゃいまして、いろいろ当局でも折衝が重ねられているかに聞いておりますが、昨日金大使と岸総理がお会いになって、相当突っ込んだ話し合いまでできているかに聞き及んでおりますが、一応その経過について御説明していただきたいと存じます。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 日韓間の問題、主として李ラインをめぐりまして、日本の漁夫が抑留されておりますが、この八百名以上にすでになっております漁夫の方をできるだけ早期に日本に帰国するようにして差し上げたい、この問題につきまして、御指摘のように、交渉がすでに一年以上も続いておりまして、いまだに解決しないのははなはだ申しわけないと思っておるのでございます。  これは、御承知のように、先方の交渉当事者がかわったというような事情もありまして、ちょっとおくれたのでございますが、その後新しい金大使が見えまして以来、岸総理ともすでに三回ほど会っておられます。なお、岸総理が東南アジアを旅行しておられる間には、石井外相代理及び大野事務次官、また外務省の事務当局と先方との話し合いが、引き続いて行われていたのであります。その前に、金公使と事務当局で話しておりましたところをそのまま引き継ぎまして、新しい大使との間に話が継続しておるのでございます。問題がまだ解決し双方の意見が合わない点が二つほどあるのでありますが、この点につきましては鋭意折衝いたしましておる結果といたしまして、若干向う側の態度も変ってきた面もあるのであります。  昨日、岸総理が金大使と会われたのでございます。これは趣旨は、金大使が最近本国に帰っておりましたのが、一昨日帰って参りました関係上、そのあいさつということで昨日会われたのでありますが、その際の会談の模様といたしましては、双方から従来の経緯、これは数年間にわたる従来の経緯に必ずしもこだわることなく、友好裏にこの漁夫の問題を早く解決しようじゃないかということについては、再び意見の一致を見たのでありますが、結局具体的な文書の案の整理という問題につきましては、さらに外務事務当局と先方の代表部との間に事務的な話を続けるということになったのであります。事務的な話は昨日もいたしましたし、さらに来週月曜日にも引き続きするということになっております。できるだけ、総理が渡米されるまでに、本問題について目鼻をつけたいという気持で、努力しておるのでございます。先方との関係もありますので、はっきりした目測はいまだつけられないのは遺憾でありますが、そういう方向でできるだけの努力をしておるということを、御承知願いたいと思います。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 その意見の合わない点が二つあるという、その二つの内容はどういうものでしょうか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) これはすでに相当長い間の問題でもあるのでありますが、漁夫の釈放を実現する、引き続いて約一カ月の後には日韓会談を再開する、第四次会談を再開するということで話を進めたのであります。で、根本原則については、もちろん異存はないのでありますが、具体的にどういう形で、どういう方式でということで、書いたものでその点をはっきりしようということで、書いたものの交渉がこの二月以来行われておるのであります。その書いたものの話し合いもほとんど全部妥結しておるのでありますか、二つの点につきまして、まだ意見が必ずしもつかない点がある。  二つの点と申しますのは、結局、今度向うから漁夫が帰ってくるということになるわけでありますが、その帰ってくる漁夫の人たちが韓国側の国内法による刑を終えた人で、今大村に抑留されておる者というような字句や使うか使わないかという点が、一つの点であります。第二の点は、将来再開される会談におきまして議題となるこの財産権の問題につきまして、この点についてどういう表現の字句を使うか。これは内容にまで立ち至っておるわけではありませんけれども、財産権の問題を今後の会談で協議するというこの書き方についての点と、この二つの点で、われわれの気持としては、将来の会談を開いて根本的に懸案を解決する際に、少しでも日本側の不利になるようなおそれのあるような字句は、この際一切使わないというような基本的な考え方でありましたので、少しでもそういう疑いのあるような字句の表現は避けたいというような気持から、そういう二つの点につきまして向うと折衝中の点があるのであります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 その字句の点といえば、大筋はすでに解決できておるけれども、字句の点で解決がつかないということであれば、どちらかが歩み寄っていけば、早急に実現できるということになりますか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 問題となっておりますのは字句の表現の点ではございますけれども、表現の仕方によって、もし将来の正式会談の際において取り上げられて討議される内容について、若干でも影響があるようなおそれがあるような字句は使いたくないというのが、こちらの基本的な考え方でありますので、その点について、従って、簡単といえば簡単ではございますけれども、できるだけ悪影響のないようにするという考慮から、折衝しておるわけでございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 私、時間を節約したいと思いますので、締めくくりの大事な点だけお尋ねしたいと思います。  そうしますと、岸総理が渡米前に解決できるとおっしゃいました内容は、この二つの問題点が解決できてくれば、十七日に渡米なさいますが、その際には釈放という現実、事実にまで持っていける意味での解決、こう解釈してよろしいですか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 十六日と申しましても、あと一週間でございますので、その間にこの二つの字句の問題点をできるだけ解決したい。そうしますと、彼我の間に意見の一致を見るわけでございまして、文書の交換ということが行われると思います。文書の交換が行われれば、できるだけ早く、すぐにでも日本の漁夫の方の、抑留されている人たちの釈放を実現したい。またそうする運びになっておりますので、もしかりに十五日に話がきまりますとすれば、具体的な釈放が実現いたしますのは、十六日以後にこれはならざるを得ません。従って、総理の渡米後ということになりますけれども、いずれにせよ、話し合いだけはそれまでにきめておきたいというのが、ただいまの考え方でございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうしますと、政府の腹、あなた方の腹は、いろいろ将来の日本の立場もおもんぱかって御相談になると思いますが、大体少々のところは譲っても解決して、岸総理が、これは岸総理のはっきりした声明でもありますので、大かた十中のものは九分九厘まで、十六日までに釈放という段階まで来るであろうということの確信は、当局としては持てるのではないか、こう思いますが、その辺はどうでしょうか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) われわれも、ぜひ抑留漁夫の方を一日も早く帰国できるようにして差し上げたいと思う心で一ぱいでございますので、単なる少々の字句とか、形式にこだわるつもりは少しもないのでありますが、もしもかりに、将来実質的な李ライン問題でありますとか、そういう実質的な問題に悪影響を及ぼすおそれがもしありと考えられるような字句であるとすると、これは相当重大なことでございますので、そういうことのないような内容で、これを一日も早く実現したいという考え方で進んでおるのであります。これは日本側と韓国側と、両方の考え方が寄って初めて解決できる問題でありますので、われわれだけの一方的な考え方だけで、果して十六日までに必ず、十中九までできるということは、実は申し上げかねると思うのでございます。先方も十分の誠意をもってこれに当ってくれれば、これは必ずや片づくものであると考えております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 今の御答弁では、私はやっぱり心もとないと思うのですよ。そういう手で、今まで何回か抑留者の留守家族にも、私どもも説得さしてきたわけですね。現に、きのうも上京されました。十日には、大挙して上京されるのですよ。今度は、私が岸さんと同県であるとか、あるいは下関で岸さんがあれほどはっきり言明しておられたという意味で、私がその責任を負うているわけじゃないけれども、党派をこえて、やっぱりこの問題は、岸さんのためにも——ためにというのは何ですが、自分たちは党が違いながらも、よくないと思うのですよ、そうたびたびうそをつかれては。それで、十日には、私は一応留守家族の方に、今度は間違いありませんと、こうお答えしなければならない羽目に追い込まれているわけですがね。どうですか、その点。私、これは岸さんも同じだろうと思うのですが、まだやっぱりどうかわからぬというような答弁では、困るのですよ。大丈夫と答弁してもいいでしょう。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 現在交渉している内容から申しますと、今韓国側がこういう字句で書いてくれといっておるそのことを、そのまま日本が承認するということは、私どもは正直のところ、将来の交渉を考えまして、適当でないと思っておるのであります。従って、韓国側と事務的な交渉を続けておるのでありまして、その点について韓国側の態度がある程度好転すれば、これはもちろんすぐにでも片づけたいと思っております。しかしながら、今向うの言う通りの字句を使って、それではこれを片づけるべきだということになりますと、必ずしもそれは、将来のことを考えて、適当でないように思うのでありまして、従って、これは先方とできるだけさらに頻々と会いまして、折衝して、何とか日本側としても後顧の憂いなく話がつけられる形で話をつけたいというのが、ただいまの考え方でございます。従って、十六日までに必ずできるということを申し上げるということは、やはりこれはちょっと、この際言うのは適当でないのじゃないかと思っております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 それじゃ、今度は言いますが、それじゃ、それも明るい見通しじゃなくて、はっきり答えられない。私も、責任を持って答えられないということを向うさんに言うてもいいですね。それじゃ、そう言うより仕方がないですが、それでいいですか。そういうことになるですね。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) できるだけ十六日までに片づけるように、政府としては一生懸命努力しておるということである、というふうにお答え願いたいと思うのであります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 よろしいです。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ちょっと、今の日韓問題について。今の中川局長のお話であるというと、岸総理が渡米前に一応片をつけたい。新聞でも発表しております。ただいまのお答えにも、そういうふうに伺っておりますが、あれによると、同時釈放ということを言っておりますね。釈放に関しては、今まで不法監禁した問題については、もう全部御破算、何ら両国とも、大村収容所におった者も、また向うに抑留されておった者に対しても、別にそれに対しての補償であるとか、そういうような問題は全然両方とも考えずに、同時釈放ということで、まあ進んでおるということですか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) お互いに、たとえば日本から申しますと、大村に今朝鮮の人が入っておるのは、日本の国内法に基いて正当の措置として入っておるのであって、これは向うが言ってきたからといって、釈放すべき理由は、法律的な理由はないというのが、われわれの正式な態度であります。韓国側から言わすと、日本が大村に入れているから、また釜山でも抑留して帰さないのだ、日本側に責任があるのだ、原因があるのだというようなことを言っておるわけでありまして、お互いに自分の合理的な立場を主張しておりましたのでは、との問題は片づきませんので、そういう点は一応はずしまして、現実の人道的な見地から、理外の理として、この際同時釈放をやろうということになったのでありまして、従って、これによって補償とか、そのようなことは、双方とも、ただいまのところは考えていないわけでございます。一切のこれの根本的解決、今後の措置というようなものは、全部再開される第四次日韓会談で協議してきめようという考えでおるわけでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 大村に収容されておるところのいわゆる韓国人というものは、出入国管理令に基くところの違反者のみならず、国内において犯罪を犯して退去命令を受けておる者も含んでおると思いますが、出入国管理令に基く問題は、一応それは大した問題じゃないとしましても、日本国内において凶悪なる犯罪等を犯した者に対しても、これは何ら、無条件で釈放するという考えで外務省は進んでおられますか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 国内で犯罪を犯しました朝鮮人は、一応はもちろん刑法によりまして罰を受けるわけでありまして、刑務所に入る場合には、刑をおえた者は釈放されるわけでありますが、釈放された者はやはり日本に置いておくことが好ましくない外国人ということで、その中で情状が重い者は、出入国管理令の条章に照らしまして、強制退去処分に処するわけであります。従って、それが大村の収容所に入るわけでございます。一方、日本に密航して入国する者も相当多いわけでありまして、これらの人も、これは密航者としてやはり出入国管理令によって退去されるわけであります。これらの二つのグループの者が大村にいるわけでございます。今回の措置は、日本の国内法に基く強制退去措置であるけれども、出入国管理令によりましても、たとえば仮釈放の措置でありますとか、あるいは強制収容を免除する措置であるとか、そういう規定がございますので、そういう規定を当てはめまして、これは国内において釈放しようというのが今回考えている措置であります。従って、これは無条件と申しますか、出入国管理令の条項に従って、これを内地においてあるいは仮釈放、あるいは釈放しようというのが、考え方でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 韓国における今まで抑留された日本漁夫が、日本としては、それは一つの韓国の法律を犯した者という観点を持っておられるのですか。これは将来日本の国際法に基く大きな問題であり、われわれ少くとも農林水産の議員としましては、やはり彼らが勝手に作った李承晩ンラインというものは、国際法の通念からいえば、とうてい認容し得ないところのラインであり、それが当然公海の自由の原則のもとに漁師が漁をして、いるものに対して、一方的に国内法をもってそれを取り締るということになるというと、かりに今度は釈放されたとしましても、残る問題は国際通念から来るところのいわゆる領海の問題になると思います。それに対しては、外務省としてはどういう観点に基いておられるのですか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 韓国としては一応、国内法でいわゆる平和ラインと称するものを作って、ここに入る者はつかまえて罰するという国内法があることは事実でございましょう。しかし、そういう国内法は公海の自由という国際法の大原則のもとに違反している国内法であるというのが、われわれの基本的な立場であります。従って、いわゆる平和ラインというものを設置しました韓国側の布告、あるいはそれに伴う国内法というものにつきましては、われわれは機会あるごとにこれに対して抗議をしているわけであります。従って、韓国側の措置というものを日本側は、やはり国際法上不法な措置である、かような考えで一貫して進んできているわけであります。日本としては、国際法上認められました領海の範囲以外の海域は、これは自由にここで航海もし、あるいは魚もとれるというのが、われわれの考え方であります。   —————————————

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 次に、第三繁栄丸の件を議題といたします。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 まず、例のインドネシアに抑留されておった第三繁栄丸の措置につきまして、その後の状況を承わりたいと思います。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) インドネシアに不法に一カ月も抑留されまして、非常な物心ともに損害を受けました第三繁栄丸の件、すでに一年半以上にわたる問題でございますが、いまだに最終的な解決をみないということは、まことに申しわけなく思っているのでございます。当委員会の累次の御注意もございますので、われわれといたしましては、鋭意インドネシア側に交渉を続けてきているのであります。一時インドネシア側は、いろいろ検討調査した結果、第三繁栄丸を調べたインドネシア側の措置というものは、インドネシアの国内法上、またインドネシア全水域が戒厳令下にあったというようないきさつから見て、これは合法的な行為である。従って、それに伴う損害については補償の義務がないということを、一ぺん回答してきたのであります。四月ごろであったと思いますが、回答してきたのであります。その回答に対しましては、こちらはそういう理屈にはとうてい承服できない、人道上の見地からインドネシアの漂流した漁夫を救って、しかも通報してインドネシアの港に入った船を調べるということ、単に調べるだけでなく、一カ月もこれを抑留しておいたということは、これはどう見ても正当化することはできないのであって、あらゆる責任はインドネシア側にある、それによって一応損害は全部インドネシアに補償の義務があるということを、再度強く向うに申し入れたのであります。その結果といたしまして、先月の末に先方から返事が来たのでありますが、その返事は、インドネシア側としては第三繁栄丸に対する措置というものを不法であったというふうに認めるわけにはいかない、しかしながら気の毒な事情ということは十分わかるので、何らかの形で見舞の金は出したい、その金額について交渉したいという申し入れがあったのであります。その申し入れに対しまして、われわれといたしましては、これはそういう形でのインドネシア側の行為というものは承服できない、やはりインドネシア側としては責任がある、補償の責任がある、単なる見舞金というのではなくて、実損害をやはり補償するということにしてもらわなければ困る。その具体的な金額も、水産庁と御相談いたしまして、四百三十六万円余であったと思いますが、これだけの実損害ということを再度重ねて先方に申し入れたのであります。今先方の回答を待っておるところでございますが、そういう状況になっております。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 ようやく一歩くらい進んだような感じがいたしますけれども、一昨年の七月でありますから、もう二年になるわけです。その間、当委員会でもしばしば質問もし、また督促といいますか、鞭撻もしてきたわけでありますが、今の御報告によりますと、向うも大体従来のようなひどい、突っ張りはせぬ。しかしながら、みずからの非は認めていない。ただ気の毒だという考え方では、これは外務省当局と同様に、われわれも納得がいかないのでありますが、この見舞金であるとかあるいは補償問題というとで、またもみあっておって、いつまでこれがかかるか、このまままた、今までの経過からしますというと、まことに心もとない話でありまして、先般の委員会においてアジア局長からお話もありましたように、これはどうも、いつまでもぐずぐずするようであれば、特にこちらから人を派遣してでも解決するというお話があったのですが、今日の段階においてそういったようなお気持はありませんか。今のような、ただ文書で行ったり来たりしておったら、またどれだけかかるかわからない。局長も、いろいろお話を聞きますと、いつまでもとどまっておられないようなお話もありますし、これを手がけておる方が当っていただきませんと、また問題は新しくなりまして、さらに延びる気がするが、この際思い切って、外務省からどなたか行ってもらったらどうですか。この間倭島公使が帰られたときに、なぜ倭島公使が交渉されなかったかということをお尋ねしましたところが、倭島公使は賠償問題に限られておって、一般問題に触れることはできないのだという、われわれはちょっとおかしい感じがしたのですが、御答弁がありました。また、そういうことで、実際上この問題にタッチしていなかったならば、これはまたやむを得ませんが、いずれにしましても、金額等について、あるいは事は小さいようでありますけれども、問題がわれわれとしては人道上の問題から発しておるのであって、当然感謝をもって迎えられるべきものが、罰をもって迎えられたということについては、非常な私は不満と憤激を感ずるわけです。一面から申しますと、日本の国威にも関する問題であると私は考える。従いまして、その問題の大小にかかわらず、重大視してもらわなければならぬと思いますが、この際一つ思い切って外務省から人を派して、この問題を早急に解決していただく御意図はございませんか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 秋山委員から御指摘の点、まことにごもっともでございまして、私も、人を派して交渉することも考えたいということは、確かに申し上げた経緯があるのでございます。その後、人を派するに至らなかったゆえんのものは、いろいろ研究いたしてみますと、ここの総領事というものを通じて強力に押すことが、これが案外きき目があるのじゃないかというような判断から、この総領事を通じましての交渉をやりましたために、人を派すということがまだ実現しなかったのでありますが、幸い向うの態度にも若干の歩み寄りの兆が見えておりますこの際、こちらから人を出しまして、またインドネシア木国政府を強くつっ突くということは効果があるのではないかと、私も思っております。幸い今回インドネシアにおきます公使の更迭がございまして、新任公使が、今度は総領事と兼任の資格をもって新任の公使は行くはずでございます。近く任命になりまして赴任するはずでございますので、今回は前任の倭島公使の場合と違いまして、あらゆる事務をその公使が同時にするという格好になりますので、この公使が赴任する機会をとらえまして、この繁栄丸の問題につきましても、賠償問題と同時に、まず第一に着手すべき仕事として、この公使にこの問題を推進してもらいたいと思っておるのでございます。  従来のやり方からでは、総領事と公使というものが別建てでございまして、公使は賠償問題及び国交回復問題だけを交渉する、この目的のために特派された公使という格好になっておりましたので、先ほど倭島公使から秋山先生にお話があったような説明になったと思うのでございますが、今回の新しい方式によりまして、公使がみずから強力にこの問題の解決に当るという態勢になりましたので、そんなようなことを手配しております。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 それは公使として行かれるのでございますね。それはいつごろ赴任される見通しでございますか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) おそらく来週早々は正式任命になると思います。そうしますと、やはり二、三週間以内には赴任すると思います。三週間の間には赴任いたすと思います。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 そういたしますと、かねて局長からお話のありましたように、特派——特派といっちゃおかしいが、特別に人を派遣するということまで及ばなくても、そういったようなことも兼ねたことと思うので、大へんけっこうだと思います。しかし、これは公使の立場からいいますと、今までの倭島公使が持っておられました使命と、それから一般の問題とを兼ねた権限を持って行かれるということでありますから、今度の問題ももちろんタッチできると思いますが、ただ、問題が比較的小さく考えられるおそれがあるのです。けれども、事は決して私は性質からいって小さい問題じゃないと思う。その点を、この国交の回復あるいは賠償問題という大きな問題の陰に隠れてしまわないように、特に一つ国会、特にこの参議院農林水産委員会として御承知の通りの強い意向を持っておるわけでありますから、この点を十分新公使に伝えられて、そうして早急に、これをまっ先に解決してもらうようにしていただきたいと思います。  私ども、機会がありますならば、その新公使が任命されると直ちに、この国会においでを願って、さらにわれわれもこの実際の状況を申し上げたいと思いますが、その機会が果してあるかどうかわかりません。あれば、委員長を通じてお願いをすることになりはせぬかと思いますけれども、もしないといたしましても、特に派遣するという意思まで持たれたのでありますから、別途派遣にかわる交渉ということで、強力に一つ推進されるように、外務当局から指示していただきたいと思います。この点を要望して、私は質問を終りますが、もう何回となく同じことを言うのも、私どもはなはだ苦しいのでありますけれども、事が口を切ってから一つも解決しないということになりますと、解決するまでまたやらなければならぬということになりますので、どうか一つ、今度は向うも多少意が動いておるようでありますから、ぜひ早急に解決するように、御尽力を重ねてお願いいたしておきます。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 今秋山委員から御注意の点、まことにごもっともでございまして、私も全く同感でございまして、新任公使に対しまして十分その点を打ち合せまして、秋山委員御指摘の通りの措置をとりたいと思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今、秋山委員と中川局長の質問応答を聞いておるというと、やや前進の感のように聞えますけれども、昨年以降今日に至るまで、まだ解決しない。しかも、倭島公使と今度の何とか新任の公使とは違うから、だいぶ解決に近づいてくると。しかし、これは相手のあることですから、私は中川さんが今そういうことをおっしゃっても、これは今すぐに、ことし中に解決するかどうかということは、私は疑問に思うのですよ。あなたが責任をもってそういうことをことし中に解決するという自信がありますか、どうですか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 先方の態度も、従来から見ますと、一つの進展をしてきておりますので、金額の問題で相談したいということを言ってきております。われわれとして、すぐ金額の問題ということで相談に応ずるということは、どうもやはり適当でないと思いまして、やはり根本問題として、実損害を補償するということからいこうじゃないかということに、押し返しておるわけでありますが、しかし、一歩先方も踏み込んできておりますので、ここ数カ月中に必ず片づくという見通しを申し上げましても、またあとでおしかりを受けるというようになっては、はなはだ申しわけないわけでございますが、相当その可能性は出てきておるのではないかというふうに感じております。鋭意交渉に努力いたしまして、片づくようにしたいと思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私は、局長とか水産庁の次長にお伺いしても、鋭意やるというお答えしか得られないと思いますけれども十分政府全体として考えなくちゃならないことは、あの遭難船を救った場合におけるところの指示が、外務省の返電に基いて寄港をしたと、それによって相手国から罰せられる。こういうことはおそらく世界列国の中でまれに見るケースであって、これこそ金の高の問題でなく、日本の外交、自主外交からいって、どこまでもやらなければならないことです。  同時にまた、これが時日が遷延するとするならば、その被害者は非常な迷惑をこうむっておる。これに対して外務省も水産庁も、政府一体として、その被害者に対して、解決を見るまでの間は、何か方途を講じなければならない。ところが、水産庁の考え方からいたしまするというと、どうにか金融か何かによって辛うじてつないでいくと、こういうことでは、僕は、われわれ農林水産委員会としては、ほかの方はどうか知らぬが、私は納得できないのですよ。しかも、政府の手を通じて、かりに公庫から借りるとしましても、それは利息のついた金である。しかも、そういう国際道徳を守って相手の国民を無事に送り届けた、それが向うから、誤解かどうかわからぬけれども、拿捕されて、そうして苦しい目にあって、船が破損する、そういうようなことは、やはり国と国との間である以上、国内的の処置は別個に考えて、そうした被害者を救う方途を作らなければならない。私はその点についてはなはだ不満の意を表するのでありますが、外務省及び水産当局としましては、この問題の解決が遷延すればするほど、被害者は苦痛を増すものである、これに対してどういう方途を講じようとしておられるのか。水産庁としては、外務省の解決を待つまでもなく、まあつなぎ融資で利子のつく金を回してやって、それを救うということであったら、それはほんとうの救いじゃないと私は思います。どういう方途を講じてこの被害者をある程度納得いかしめるか、この方策は何かありますか。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 水産庁といたしましては、船主の希望も伺いまして、融資の問題について、これから申し上げるように、目下措置をいたしておるのでございます。で、船主の方も百トンばかりの船に、現在私の記憶があるいは数字が違うかもしれませんが、千七、八百万円の金を借りておるのでございまして、従って、これ以上新しくその船について融資を受けることは希望しない。しかしながら、現在借りておりまするものの条件の緩和についてぜひ善処をしてもらいたい、こういう希望もございましたので、直ちに農林中金との間に話し合いをいたしまして、農林中金といたしましては、その問題を支所から本所の方に上げてくれれば、十分御希望を参酌をして条件緩和について善処したい、こういうところまで参っておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 実質的にはどういうことなんです。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 条件緩和と申しましても、債務の切り捨て等は困難であろうかと思うのでありまして、結局履行期の繰り延べ、こういう形に相なろうかと思うのであります。  一方におきまして、これから外務省とインドネシア側との間に固めていただきまする損害の補償につきましては、これは当然利子分はこれは加算してもらうと、こういうことに相なるかと思うのでありまして、従いまして、この問題のおくれることによって実損は債務者に、船主に対して来たさないように相なろうかと、かように考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今水産庁次長のおっしゃるのには、これ以上時日が遷延した場合においては、金融機関から借りたその金額に対しての利子という問題は、外務省の折衝においては四百三十万円に対して、さらにプラス・アルファというものがついてインドネシア側に請求されるということになりますが、それの解決の見通しがつきますか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 今水産庁から御説明しましたインドネシア側に対する損害補償の中に利子を加算するということは、おそらく損害額に対する利子の加算のことであろうと私は解釈しておるのでありますが、その意味での利子の加算は、すでに先方に原則的にも申し入れ、現実の数字におきましても、当初は四百一万円でありましたものを、その後一年ばかりの間の利子を計算いたしまして、四百三十六万円という新しい数字を出しておるのでございます。これが解決がおくれればおくれるだけ、またその利子が加算されるわけでございまして、そういう点は十分先方に折衝の中で織り込んで折衝したいと考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それでは水産庁次長に伺いますが、今あなたと中川局長のお話で大体見当がつきますが、その利子の、加算する利子の取り立てば、外務省と、いわゆる日本国政府とインドネシア政府との間の解決がつくまでは、利子の支払い等に対しては要求しないということですか。これを要求されたら、被害者は困るのですよ。利子がついておったとしても、それを取り立てられるということは非常に苦しい。だから、両政府の間で解決をみるまでは、利子は利子として認めるけれども、その支払いは解決つくまで待ってやる、待たしてやるというだけの、あなた方の方としては手を打っているのですか、どうですか。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 農林中金との間の話し合いにおきまして、履行期を先にずらすということにして、支所から書額をぜひ上げるようにしてくれ、こういうことであるのでありまして、従いまして、これは元本及び利子の双方を含んでの事味である、かようにわれわれも考え、そういうふうに今後も具体的な条件の内容については推進をいたして参りたい、かように考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 だいぶお伺いしましたが、今のこの状況を農林大臣に話しておりますか。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 第三繁栄丸の問題は、国会で何度も取り上げていただいたのでございまして、その都度農林大臣に対してはこの問題のありどころを十分連絡をいたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 外務大臣はどうですか。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 外務大臣に対しましても、問題がどういう問題であるかという点につきましては、御説明してあるところでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それで何ですか、両方ともそれに納得していられるのですか、外務大臣も農林大臣も。いやしくも総理大臣までが予算委員会で口を切って、何とか善処しましょうということは、交渉は交渉だが、それが長引く、はっきりした見通しがなかったならば、国が何とかしてやろう、こういうことだとわれわれ解しておるのですから、何とかしようということを、どういうところだか、この間合同委員会のときその点をはっきりさしたいと思った、けれども、時間がなくてとうとうできなかったのです。いやしくも予算委員会ではっきりと総理大臣兼外務大臣が、農林大臣と相談をして何とかしましょうということは、交渉を待ちましょうということではないと私は解釈しております。あなた方はどう考えておられるか、その点をまずお伺いします。

中川融外務省アジア局長

○説明員(中川融君) 総理大臣、農林大臣と御相談いたした結果、農林事務当局でいろいろ研究いたしまして、ただいま奥原次長の御説明されましたような案に、今一応なっておるのでございます。この程度では十分でないというお気持、われわれもまことにその点はある意味で同感でございますが、いろいろ国内法制その他の建前から、ただいま水産庁が申されましたようなところが、一応われわれとして今やり得るぎりぎりの線であるということで、承知しておる次第でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それで何ですか、水産庁の方とお話ししていると、農林大臣はその範囲で一応おさめて、こういうお話ですか、ここをはっきりしておきたい。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) まあ一応おさめてというと、はなはだ僣越な申し分になるのでありますが、農林大臣も、今の段階におきまして、国自身がこの漁業者に対しまして損害を補償するということは、これは困難である。そこで融資条件等についてできる限り善処をしていくということについて、御了解をいただいておる次第でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 まああなた方に言ったってしょうがないと思うけれども、どうも総理大臣が言われた言葉というものは、おそらく私はこういう意味合いではないと思うのであります。現段階においてはこれよりほかないということは、法律がなくて何とか出せない、こういうことなんですか、今の方法というものがないというのは、補償等の道が法律がなくてできない、こういうことなんですか。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) こういう漁船の拿捕についての損害を救済いたしまする政府の措置といたしましては、御承知のごとくに、特殊保険の制度をしいておるのでございます。しかしながら、この船は残念ながら特殊保険に加入をいたしておらなかったのでございます。そういたしまして、国の財政措置でこの船に対して補償するということは、まあ船主の気持としては、そういう御希望をわれわれも国民の一人として十分わかるのでございますが、制度的には現在そういうふうな道が全然ない次第でございます。さように御了解いただきたいと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 この前ビキニの福龍丸ですか、問題がありましたときは、何か臨時措置で、あれとは別でしょうけれども、一応これを補償になる前に、救済策を閣議か何かできめて、出されたでしょう。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 外国から、その責任を認め、補償金または見舞金を払うということについての確約が取りつけられました場合において、外国から入って参りますものを、政府として時間的な制約からこれを立てかえまして支払いをするということは、これはビキニの場合の例が示しておる通りでございます。しかしながら、本件につきまして、ただいま私が現段階においてはというような表現を使ったと存じますが、まだ今の段階におきましては、そこまでデータがまだ固まっておらないのでありまして、従って、われわれとしましては、外務省が急速にこの補償の問題についてのお話し合いをお進め願うことを、常にお願いを申し上げておるのでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 私は、このあとどうこういうことはないから、これでやめますが、全く不満にたえませんことは、もっと早目に見通しをはっきりして、一年半もかかるものなら、あるいは二年かかるかもわからないのだから、相談してくれれば時限立法するかもしれないので、そのくらいのことを実は考ておったのですよ。いや、人を派してどうしてくれとか、いや、もうそれはやめたかわりには、総領事が中心になってやっているからというような、同じようなことを積み重ねられているから、しまいには一年半もかかってしまう。これはどうも話をつけるのは困難なんだから、少しばかり手間をかしてもらわなければならぬということなら、相談のしようが別にあったのです。別な方法で、こんなことを言わぬでよろしいのですよ。全くその点は不満に思うのですが、この点で質問を打ち切っておきます。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 今の奥原次長のお話の中に、特殊保険のお話だから誤解のないようにしてほしいということですが、あれはかりに特殊保険に加入しておったって、政府に支払う義務はないでしょう、一カ月くらいで帰ってきたのだから。

奧原日出男水産庁次長

○説明員(奧原日出男君) 特殊保険に加入しておりまして拿捕が一カ月こしました場合におきましては、その加入した保険、船価に見合います保険金額を支払う。そしてその船が帰ってきました場合においては、さらに元の船主に売り払いをする、こういうようなことに相なっておるのでありまして、ただ本件の場合におきましては、抑留期間がおそらく一カ月すれすれであった、かように考えるのでございます。

秋山俊一郎自由民主党

○秋山俊一郎君 ですから、これは加入しておったって、それはもうもらえなかったと思うのです。従って、そういうことを頭においてこの問題を解決されると、いけないと思うのですよ。これはまあ別の問題でもらえないのだから、私としては、前にも申しましたように、普通の商売をしておって取られたのじゃなしに、非常な好意を持って行ってこういうことになったのでありますから、特別のケースで考えたらどうか、考えるべき性質のものじゃないかということを、この前も申し上げたのでありまして、金融措置では、先ほどからお話のありましたように、相当の借財をしているのであるから、この上に金を借りて利息まで払ってということは、船主としては非常に辛いのでありますから、いずれ外務省が国の力をもって交渉しているのであるから、でき得べくんばその一部でも、ビキニのときにとられた措置のように、政府の立てかえ払いをしておくということが、非常にわれわれとしては好ましいのでありますけれども、今日までその措置がとられなかったことを非常に遺憾に思います。それが今の特殊保険と関連するようなお話がありましたから、それは別である、それは考慮に入れるべきではないということを申し上げて、もしさらに今後の措置が考えられるならば、そういう意味において一つ考えてもらいたい、こういうことを申し上げておきます。   —————————————

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 本件はこの程度にいたしまして、次に、北海道近海漁業安全操業及び千島列島居住漁業者の更生の件を議題といたします。

青山正一自由民主党

○青山正一君 北海道近海漁業に関する問題について、一括して御質問申し上げたいと思いますが、日ソの国交が領土問題の未解決のままに回復されたので、歯舞、色丹とか、あるいは択捉、国後の周辺の漁業を営んできた島民なり、あるいは根室を中心とするこれらの周辺の住民が非常に窮迫している。そうしていろいろな問題が起きている。たとえば漁業問題について申し上げますと、この領土問題を切り離して、暫定的な漁業協定の締結が強く要望されている。問題は、いつ交渉を開始するか、その方法はどうかということにしぼられておろうと思いますが、たとえば歯舞、色丹の周辺においては零海里——これは歯舞、色丹は当然将来日本の領土となるべきでありますからして、これは零海里、それから国後、択捉は三海里で漁撈ができるような、そういう暫定的な協定ができるのじゃないか、こういうふうに考えておりますが、この点について外務当局なりあるいは水産当局の御所見を承わりたいと思います。それから第二点に承わりたいことは、終戦後ソ連側に拿捕されている漁船は、先ほど韓国の問題が出ておりますが、もちろん船は返されておろうと思いますが、その数は四百五十隻になっている。それから乗組員も、韓国側よりもこれは非常に多いわけでありますが、四千人に達している。もちろんそういう人間もどしどし帰されているわけでありますが、そういうふうになっておりますが、この日ソ国交の回復後の今日も、依然としてその領海侵犯を理由として拿捕されている。この実情を見て、今後どう処置するか、その点を承わりたいのです。これは外務当局なり、それからもちろん水産当局の御意見も承わりたいと思います。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) ただいまの御質問に対しまして、歯舞、色丹周辺の近海漁業並びに南千島の近海漁業、この問題は領土問題とも関連して非常な機微な問題でありますが、漁民の非常な生活問題と関連いたしますので、外務当局といたしましては、至急この問題をソ連側と話し合いまして、解決をいたしたいと思っております。この問題に関しましては、先方の意向に関して打診的な話し合いは従来しておりました。公式には、今回六月の三日に門脇大使に訓令をいたしまして、むしろ人道的な立場からこの問題を考えてくれるようにということを申し入れてございます。  それから拿捕船の問題でありますが、先ほど御指摘になりました数字は、拿捕された船で、その後返された船がたくさんございます。私の方の現在の数字は、国交回復前に拿捕されて今なお捕まっている船が九十三隻、国交回復後に捕まりましたのが二十二隻、抑留船員は国交回復前の者が二名、国交回復後の者が三十四名となっております。この件に関しましても、去る六月三日に門脇大使がグロムイコ外相と会見いたしました際に、強く船と人員の即時釈放を申し入れております。

青山正一自由民主党

○青山正一君 今度は問題の角度を変えて。先ほど水産庁の方にも、何か暫定的な漁業条約というものを結ぶ用意があるかどうかという件についていろいろお話を承ったわけなんですが、どうなんでしょうか。

岡井正男水産庁長官

○説明員(岡井正男君) 暫定的といいますと、おそらく歯舞、色丹あたりの、俗にソ連側で十二海里、日本側で三海里と言っておる食い違いのある漁場の暫定的な操業を円満にやれるようにという意味のお話かと了承いたしまして、お答えいたしたいと思います。もとより今の零細な漁業者が墓場のある所へ帰って漁業したいという熱意は、われわれごもっともだという気がいたします。しかしながら、今領土と非常に微妙の関係のあるこの種の問題につきましては、やはり国として将来大きな手を打つ場合にどういうふうな持って行き方をすることが妥当かという問題は、事務当局の判断のみでは割り切れぬと思いまして、外務省とも横の連絡は十分いたしつつ、こういう問題についてどういうふうに持っていくかということを、慎重に考えておる次第であります。

青山正一自由民主党

○青山正一君 問題の角度を変えましてお聞きしたいと思いますが、ただいま水産庁長官からお話のあった国後、択捉、歯舞、色丹、こういうところに住んでおった島民、そういった島民自体が一万二千人もおったわけでありますが、これはほとんど漁民というて差しつかえないと、私はそういうふうに解釈しておりますが、こういうふうな島民が、船も漁具もすべて島に残して、長い間抑留生活の上、裸のまま帰っておる。そうした気の毒な島民に対して、他の外地から帰還した者と同様に、何らかの保護の道を講じておるかどうか、ほとんど講じていないのじゃないか、その点を一つ承わりたいと思います。  それから第二点に、水産当局に承わりたいと思いますが、これらの島民に今まで一隻も許可船も与えていないように私は思うわけなんですが、たとえば歯舞、色丹の返還まで、底びき網あるいははえなわを数隻、臨時的に許可を与えてもいいじゃないか、こういうふうに私考えるわけなんですが、それとも、もしソ連との話し合いがなりまして、返還の実現が可能になった際に、優先的に海草の採取権、これはもちろん今まで持っておったわけなんですが、海草の採取権も専用漁業権として与えてもいいのじゃないかと、こういうふうに考えておるのですが、その点承わりたいと思います。  それから最後に、外務当局に承わりたいと思います。これは今日の新聞にも載っておったようにも思うわけなんですが、この択捉、国後返還の交渉が、これはなかなかはかどらぬと思いますが、こういった島民あるいは漁業者の墓地の整備とか、あるいは慰霊祭に代表を派遣する用意があるかどうか、それがまた近日そういう機会があるのかどうか、その点を一つ承わりたいと思います。

岡井正男水産庁長官

○説明員(岡井正男君) まず最初の千島列島からやむなく引き揚げてきた人に対する待遇関係あるいは優遇措置について、差別があったかなかったか。これは決して差別待遇いたしておりませんので、あまねく、外国におって日本へ帰ってきた人たちに対しましては、かつて漁業をしておったようなものについて、許可を必要とするものは特に優先的に考えるというような、一律的なそういう人たちに対する行政措置をとりました際に、歯舞、色丹の方からは格別該当漁業の申し出がなかった。樺太の方はありまして、底びきの……。当時は道庁許可をあの辺は要するのでございまして、政府側からもそういうものは適確にやれというようにして措置いたしましたのですが、歯舞、色丹は不幸にして底びきとかその他許可漁業に該当するものはなかった。ところが、最近になりまして底びきの試験操業の許可をしてくれぬかという申し出がございました。しかし、これは北海道周辺並びに東北地方における底びき漁業が、沿岸に対する資源的な摩擦が非常に多いので、底びきは厳選方針をとっております。特に北海道においてその感が深いわけです。従いまして、それと非常に矛盾を来たすような底びきの試験操業許可ということはどうも困るということで、お断わり申し上げましたのでございまするが、たとえばタラ漁業であるとか、あるいはその他格別私の方で大きな規制を加えていないようなものについては、できるだけ御援助したいと思うが、なおよく地元の道庁とも具体的に御相談になってきてほしいというようなことを申し上げて、御了解を得てお帰りを願ったわけであります。  なお二段目のお尋ねの、そういう人たちに対する今後の考え方といたしましては、歯舞、色丹は当然日本に返ると思いますが、そういう場合の漁業権の設定その他につきましては、奄美大島の例もございます。できる限り墓場を持つ昔の人がそこに帰って、昔ながらの漁業に依存して生活したい、こういう御意思については、できる限り沿うように措置いたしたいと思っております。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) 御質問のありました南千島の原住民の方々が墓参とともに慰霊祭を行うためにあの地に行きたいという御希望は、私のところにも、大野次官のところにもございましたので、すでに門脇大使に対しまして、この住民の方々の引き揚げられたときの事情というようなものを強く先方の記憶を喚起いたしまして、少くともこの要望がかなえられるように要求することを、訓令済みでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 欧亜局長にお伺いいたしたいのですが、これは水産庁長官も当時の日ソ漁業の委員会に御出席になっていると思いますが、先ほど欧亜局長のお答えの中に、今までしばしばこの問題については打診的に話し合いを続けておる、こういうお話ですが、ずうっと日ソ漁業条約を通じまして見ましたところによると、大体は北洋のサケ、マスという問題に重点を置かれておって、こういう問題についての両国側の話し合いというものは、われわれは残念ながら知ることができない。一体ソ連側としましては、この問題に対しては、今までの経過から見て、どういう考えを持っているのか、その点を伺いたいと思います。もう一つは、現在拿捕されている船の船名は全部わかっているかどうか、この二点だけをお伺いしたいと思います。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) 歯舞、色丹の近海漁業について、打診程度の交渉はしておると。交渉という程度の強いものではありません。ただ、ソ連大使館の者に原住民であった漁民の方々の窮状を訴えて、先方の反応を見るという程度のものでありまして、向う側の出方がどうであるかという問題について、こちらの腹づもりをするために、公けの交渉ではございません、私的な接触をしただけでございます。  それから船名がわかっているかという御質問でございますが、これは全部わかっております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 そこで、僕は、後段のことは別として、前段の、一応の打診は、相手の腹を探る程度のことじゃなく、われわれとしましては、やはり北洋漁業という一つの大きな、大資本あるいは中小漁業の動き方と同時に、かつての島民であった者あるいは北海道に近接した沿岸の、海草をとったりしている早い話が零細漁民ですね、こういう人たちの生活というものはやはり考慮の中に入れて、ある程度の了解に進むべきじゃないか。これは外務当局としては、今からでもおそくはありませんから、この問題についてはある程度の了解が進むまでの話し合いをつけてもらいたい、これを私は要望いたします。  もう一つ、今船名が全部わかっておるというのでありますが、そこで一つ。全然不明な船が一そうありますので、これは水産当局にお願いしたいのですが、これを調べていただきたい。外務当局にも調べていただきたい。それは、本年の一月十日気仙沼港を出帆いたしました恵比寿丸、四十四トン七三七、登録番号がFS二万一千四百二十三号、船主は福島県磐城市小名浜町古港小野義夫、これが五月四日塩竈の海上保安部に出頭しててんまつを報告しておりますが、これはタラのはえなわ漁に従事しておりましたけれども、ソ連側に拿捕された形跡があるというだけで、全然行方不明なんであります。この点を一つ調べていただきたい。  今申し上げました前段の件につきましては、重ねて私は、特に外務省としまして、ソ連側から日本に外交機関も設置されておるときでもありますので、零細漁民のこうした要望をある程度達成させるために、了解にこぎつけるまでに一つ話し合いを進めてもらいたい。これは特に要望しておきます。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) ごもっともな御要望でありまして、外務当局といたしましても、でき得る限り、この交渉が成功いたしますように努力いたす考えでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 簡単な質問ですが、この間ウラジオ沿岸沖合いで問題になりました北陸の試験操業のその後の経過はどうなんですか。ソ連に抗議をしたとかいうことだったが、あのあとどうなったか、お伺いしたい。

岡井正男水産庁長官

○説明員(岡井正男君) 第一回のときに、ソ連の方から帰れというようなことで、日本が帰った。次に、試験操業をやるかどうかという前に、外務省ともよく連絡いたしまして、なぜソ連の方が日本へ帰れと言ったかという理由を外務当局を通じて確かめていただいたわけであります。外務省の方から確かめられた結果といたしまして、機雷がまだ相当あの地区には残っていると、従って非常に危険だと思うので帰したというような意味の、ソ連側の回答だったのです。ちょうど地元の方の関係業者の意向も、あえてしかし危険を冒してまで行くというような意向であるか、あるいはまた資源的に見て時期がずっとおくれましたので、試験操業をあえてするだけの価値があるかどうかというような総合的な判断を求めたのであります。地元の方においても、一部では少々危険でも行きたいというのもあるし、中には行っても万一再び帰れというようなことがあり、あるいはまたそういうことがなくても、魚そのものが非常に沿岸へ寄り過ぎて、自分らが操業する地区ではとれないというようなことがあっては困るというような、ためらう向きも相当あるわけです。二回目は、主として府県の意向あるいは業者の意向をそんたくいたしまして、二回目の操業をやるかやらぬかというのは決定したいと思いますが、今の段階では、もう期時がおそいから今年はやめて、やれば秋にでもやるかというようなことを今考えておるわけです。

東隆日本社会党

○東隆君 実は、先ほどお話があったのですけれども、根室近海の漁業は非常に不安定で、戦々きょうきょうとやっておるのですが、そこでこれに対して、先ほど、拿捕されたものその他についての交渉をおやりになったようです。これのみによっては、決して安全操業なんということはできない、これが現実の状態なんです。そこで私どもは、正式な交渉を一つ開始してほしい。それはこの前の北洋漁業の委員会、協議会ですね、あれに一つ提案をしてやってもらいたい、こういうふうな要望を実は当時非常な要請もありましたのでやったのでありますが、しかし、これは一つも取り上げられなかったのです。そり後においても、一つも漁業の安定操業に対する道が全然作られておりません。ただ、拿捕されたものだけ返せと、こういう交渉をされておるのですね。一体安全操業に対してどういうような心組みでおられるのか、外務省当局としてですね。それから交渉をやるとすれば、どういうふうなチャンスをつかむのか、こんなことを一つお聞きしたい。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) 御承知のように、漁業協定は公海における問題を審議したのでありまして、歯舞、色丹近海の操業問題はそれに入らない。従いまして、別に交渉しなければならないわけなんです。それで、すでに先ほど申し上げましたように、門脇大使に訓令いたしまして、交渉はすでに開始されております。

東隆日本社会党

○東隆君 交渉を開始をされる場合に、どういうような問題を、中心にして進められておるのですか。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) 安全操業と申しましても、たとえば貝殻島にございます燈台の点燈問題とか、あれがついておらないために、漁船は非常な危険にさらされておるわけでございます。そういうような問題も含めまして、十二海里はもちろん三海里以内にも、日本の漁船が入って操業し得るように申し入れております。

東隆日本社会党

○東隆君 私はまだ、先ほどのいろいろ領海の問題だの何だの、そういうような問題とかね合せて、非常に膨大なものがあろうと思いますが、そういうようなものがありますから、この根室近海の漁業の安定ということを中心にして、正式な交渉、こういうようなものをもちろんやり、会談もやはり進めるべきではないか。これがやはり、平和宣言後における平和条約を早く結んでいくやはりこれが段階になるのじゃないか、こういうふうに考えますが、この点から何とかチャンスをもう少しつかむべきではないか。今想定しておるところのチャンスは、どんなチャンスですか。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) モスクワで申し入れましたことに対して、ソ連側からまだ返事が参りません。向う側の返答によりまして、これからこの問題に関してどういうふうに近めていくか、領土問題とも関連して非常に機微な問題ではありますから、この交渉の進め方等についても、先方の返答を待ってきめたいと思っております。

東隆日本社会党

○東隆君 第二回の漁業委員会ですね、北洋漁業に関する、これが今度ソビエトで開かれると思うのですが、それまでに準備をされて、これに持ち出して一つ十分にやるべき機会だと、こう考えるのですが、その考えはどうですか。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) 先ほどお答えいたしましたように、この条約に関する会議は、公海における、特に魚の種類もきまっておりますし、その問題を取り上げまして、むしろこれは別に考えた方がいいのじゃないかと考えます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 関連して。これは日本政府、ことにまあ金山さんにお伺いするのですが、各国との領海の慣例がはっきりしない。たとえば国際通念からいえば、領海三海里説を唱える国が数多いのですが、中にはソ連のように、十二海里説を唱えるものもある。あるいは韓国のように、李ラインと称して勝手な領海を宣言する。いずれにしても、この問題は将来の国際紛争をある程度繰り返して巻き起すおそれがあるので、国際連合等において領海の決定という問題が起きないかどうか。あるいはむしろそういうことでないとするならば、日本のように、しょっちゅうそういう問題に苦しめられておるところの犠牲的立場にある日本側が、むしろこういうことを主張して、明確にすべきではないか、私はそう思うのですが、外務省等の意見は何かありませんか。たとえば十二海里説をとってみましても、歯舞、色丹のように、日本の北海道のみさきの先端から向う十二海里、こっちは三海里ですが、かりに日本側が十二海里を主張したとすると、接合するところが出て問題が起る。こういうことは将来の国際紛争の種になると思いますが、日本の態度をある程度明らかにすべきだと考えますが、あなた方はどう考えておられるか、この点を一応お答え願いたいと思います。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) この公海の問題は、最近大陸棚とか李ラインとか、それからソ連の主張、いろいろなものがありまして、非常な問題であります。明年、海の法律に関する国際会議が開かれるそうであります。私は専門でありませんので、責任をもってお答えすることができませんが、この領海の問題に関しましても、外務省の条約局が中心になりまして、学者の意見もまとめ、日本側の主張を貫徹するように、また国際間に行われております議論とも照らし合せて、わが方の対策を講じるように現在準備中であると聞いております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 この日ソ漁業条約に基く四十海里説というものは、ソ連側の都合によって、サケ、マスにだけ適用するというのですか、将来ともこの四十海里というのは北洋漁業に関する限りソ連側があくまで主張しよう、こういう段階に入っておるのですか、どうなんですか。

岡井正男水産庁長官

○説明員(岡井正男君) これは、ことし日本で開かれた場合にも、双方の合意によってのサケの規制区域でございます。従いまして、両方の科学陣営がそれぞれ研究して四十海里の必要はないということになれば、来年また相談によって三十海里にするか、あるいはまた極端にいえば、もっと縮めるか、また逆に五十海里の方が双方のためにいいという場合もあり得るかもしれません。これは双方合意によって、資源的な見地から動かし得る線であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それはあくまで、その国の領土権、領海権という原則、こういうものは、原則として認めての上での両国におけるその漁業に関する一つの都合上の暫定措置としての条約と、こういうふうにわれわれは見ておるのですが、それで差しつかえないですか。

岡井正男水産庁長官

○説明員(岡井正男君) 双方が取りきめている漁種、この場合はいわゆる鮭鱒でございますが、鮭鱒について現在のところは四十海里、四十海里離してやるという沖合、漁業のあり方が、双方とも合意されておるわけでございます。従いまして、先ほど申し上げたのを繰り返すようになりますが、鮭鱒の保護上四十海里までも必要ないのじゃないかというような日本側のデータ、並びに向う側の方の資料に基いても何ら反駁する資料がないということに相なった場合には、日本の主張が通るということもあり得るわけであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それは鮭鱒の保護上ですか、それとも将来紛争の起る可能性があるところの予防的措置ですか、どっちなんですか。

岡井正男水産庁長官

○説明員(岡井正男君) 鮭鱒の保護上でございます。

青山正一自由民主党

○青山正一君 先ほどの清澤さんの質問に関連して申し上げたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 時間もだいぶたっておりますので、これで暫時休憩いたしたいと思いますが……。ほんの十分ぐらいのことでしょうか。

青山正一自由民主党

○青山正一君 簡単に一まとめにして聞きたいと思いますから……。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) なるベく時間もたっておりますので、端折ってお願いいたします。   —————————————

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) それでは、今までの件はこの程度にして、次に、亜庭湾におけるソ連の日本漁船の抑留の件を議題に供します。

青山正一自由民主党

○青山正一君 先ほどの清澤さんの質問にも関連あるわけですが……。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) あわせて質問をお願いいたします。

青山正一自由民主党

○青山正一君 沿海州の操業ですね、あれは国が立案して、計画をしたわけなんです。それで予算措置も、国が予算措置をされたわけで、この試験操業を実施する前に、外務省と農林省との間に十分なる連絡なり、あるいは協力を保たれるようなその事前措置を講じておったかどうか、問題なんです。私の聞いた範囲内においては、農林省の担当官が、この試験操業を実施しようということで、外務大臣なりあるいはソ連の方へ一つ通知していただきたいというふうなことで、農林大臣から外務大臣あての要請状を起案した。ところが、農林大臣と水産庁の方で決裁を受けた上で、事前に外務省の欧亜局のあなたの部下の第三課か第六課か知りませんが、こうこうこういうわけで公文書を出すからよろしく頼むと依頼したところが、その課の課長が、公海でやるのだからそんな必要はないと、非常に協力的でなかった返事をなすった。そこで、専門の外務省が必要がないと言うからは、これはソ連に対して事前通告の必要はなかろうということで、水産庁の上司とも相談の上、せっかくのソ連側に対する事前通告はさたやみになった。そこで、そういう事実から考えても、この日ソ国交のなったのにもかかわらず、少くとも沿海州し試験操業に関して外交交渉を一つもなされなかった、そう言うても差しつかえないわけですが、そのために関係した県当局なりあるいは漁業者の受けた損害は非常に大きいわけであります。外務省はこの事実を認めるかどうか、少くとも外交交渉をなされなかったということは、これは事実だろうと思います。外務省はその事実を認めるかどうか。  それから、これは水産庁にお伺いしたいと思いますが、この事件によって受けた漁業者なり新潟県の県庁、あるいは石川県の県庁、これは自分の試験船を出しているのに、この県なり漁業者の受けた損害は非常に大きいわけであります。その損害に対しては、これは当然国家が補償すべき筋合いのものだろうと思いますが、その点についてお伺いしたいと思います。  それから、これは問題は別でありますが、ソ連の方では、ソ連の巡視船は、不幸な事件を受けるためにこの区域から退避するように提議したが、書類提示の要求も、いかなる威嚇も、日本への帰港提議も行なわなかった。その点から考えて、本件について日本政府の抗議は根拠あるものではないというふうに発表しております、ソ連政府は。この点について外務省なり水産庁の御意見を伺います。  それから、これは別の問題でありますが、これは一括してお聞きしたいと思いますが、五月中旬に樺太の亜庭湾で日本漁船が二十一隻、ソ連官憲によって拿捕されておる。この事件に対して外務省の見解を一つ承わりたい。これは一括してお聞きしたいと思います。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) おそらく、外務当局が交渉する必要がないと申しましたのは、公海における操業であり、その必要はないというふうに考えて、そうお答えしたのだと思います。ソ連相手のことでありますから、慎重の上にも慎重を重ねてやるべきだったと思いますので、もしその点に過誤があれば、もちろん将来は改めるようにしなくてはならないと思います。ただ、公海における操業でありますので、それにソ連側の了解を求めることは差しつかえないと思いますが、許可を求めるというような態度をとるべきではない、(「許可は必要ない。了解は求める必要がある」と呼ぶ者あり)はあ。その了解を求める必要がないというふうに考えたのではないかと思います。  それからソ連側は、根拠あるものではないと言っております。先ほどお読み上げになった通りであります。ソ連側の回答は、しかし、公海に、戦後十一年にしてまだ機雷があるということでございます。それによって、ここら辺で操業しては危ないから帰ってくれということを申したのは、事実のようであります。ですから、私は、ソ連側がわが方の抗議が根拠のないものであるということは言えないと思います。この点は門脇大使から、その会談の席上において強く先方に言っております。  それから亜庭湾の沖合いにおきまして、日本の漁船がまたつかまりました。この問題は、六月の三日に、訓令は二十四日に出ておりますが、六月の三日に執行されております。なぜこんなに長引いたかと申しますと、門脇大使が、一般的な問題として、この相次ぐソ連側の日本船拿捕というものが根本的な問題として重要である、従来は次官に会って話していただくようなこともあったのでありますが、この問題はぜひグロムイコ外務大臣に会って話をすべきであるというふうに考えられて、グロムイコが非常に多忙であったために会見がおくれたような次第でありますが、この問題については、門脇大使の抗議申し入れに対して、先方はまだ返事をしてきておりません。グロムイコは、理由のないものはつかまえない、領海侵犯とか、密漁とかいう理由があったに違いないということを申しております。この問題に関しましては、先方の回答を検討いたしまして、あらためて、これは船の返還を強く要求しておりますが、ぜひ早急にこの船と人が帰って参りますように、交渉に努力いたしたいと考えております。

岡井正男水産庁長官

○説明員(岡井正男君) ああいうような結果になったら国の方で補償してやるのがほんとうじゃないかという御質問でございまするが、今のような結果、悪い結果を見るとは予想せなかったのではございまするが、当初において、円満に操業ができても漁獲が非常に思わしくない場合、あるいは天候その他で試験に出たものが不慮の損害を受けたような場合、あれやこれやを考え合せまして、国の方からは若干の助成はいたしまするが、しかし危険分散は各協力してくれる府県なり業者なりも分担してもらうようにという意味で、あの種の新漁場試験はやっておるわけであります。当初に府県を呼んでよく懇談し、業者にもその意味をよく府県を通じて了解してもらうようにいたしまして、立ち至ったわけでございますので、今のところ国は予算計上もいたしておりませんし、損害補償というような点までは考えていないわけであります。

青山正一自由民主党

○青山正一君 私は、この補償の問題を持ち出したのは、これは先ほどの亜庭湾と同じように、これは外務省の責任である、こういうふうに僕は解釈するわけなんです。なぜならば、外務省は、これは公海の操業であるから何もソ連に通達する必要はないと、こういうふうに御解釈なさっておられるわけなんですが、ところが、そういう心配があるからということで、新潟県の知事なり、あるいは石川県の知事、その他の各府県の知事が、いろいろ農林省へお伺いして、何とかそういう間違いのないように、一つ手配を願いたいということを、文書でもって相当数回にわたって御陳情なさっているという事実があります。それに対して外務省は、そういう公海の操業であるから、そういうものは了解を求める必要はない、こういうふうに一方的に解釈なすって、そうしてソビエトにそういう点を通達しなかったために、こういう問題が起きた。しかも、それは試験操業とはいえ、国家の予算でもって出したこれは試験操業であり、しかも農林省はそういうふうにして指導、指図した試験操業であります。そこでそういうことを、すべての県あるいは漁業者がそういう心配があるからして、数回にわたって農林省へこういう点、手落ちがないかどうかというふうなことを申し入れて、その申し入れを、農林省は立案した。立案したけれども、外務省は言うことを聞かなかった。そのためにこういう問題が起きた。こういうふうに解釈してしかるべきだと思う。私はそういうふうに思います。そこで、補償の問題が起きるのじゃないか、こういうふうに考えます。いかがですか。

岡井正男水産庁長官

○説明員(岡井正男君) 外務省が悪いと言われるのですが、悪い方からいえば、外務省がよしんば公海の許可は要らぬじゃないかと言うても、原庁である水産庁からも、そうはいうものの、もっと突っ張れ、突っ張れと言わなんだというような面もあるということを考えると、私たちもいささか責任があるわけでございますが、しかし、これが結果が悪いから、青山先生がそういうふうに御叱責になったわけなんで、かりに成績がよかった場合には、私らの方は先んじて危険を冒していただいたような府県に対しては、許可措置において十分に反対給付的に考慮するという腹づもりはいたしておったものでございますから、若干まあ運の悪いというような点で御了承願いたい、かように思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 どうも、さっきからの問題で、また従来われわれが実態を知る場合においても、しばしばそういったあれが、領海侵犯なり、いや領海侵犯じゃない、どうのこうのという問題が繰り返して行われております。それで、これははなはだ好ましくないことでありまするが、日本政府としましては、こういう不祥事件を防ぐ意味からいって、その役目をやっているところの海上保安庁、そういうところで命じて、ある程度この危険を防止するという方法を講ずべきではないか。また、あるいは行っておったかもしれないけれども、実際将来に国際問題が起きた場合においても、実証をだれがやるか。この問題、どうも外務省でもはっきりわからない、水産庁もはっきりとわからないとするならば、それの哨戒の任に当るところの海上保安庁なりあるいは農林省なりから、特にそういう危険が起る、危険があると認められる方向に対しては、何かそうした船でも派遣して、ある程度指導していく以外に手はないじゃないか。それでなければ賠償だ、賠償じゃない、損害だ、損害じゃないということを繰り返す。こういう問題については両省とも考えておりませんかどうか。将来考えるべきではないかと私は思いますが、どうですか。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) この領海に関して、三海里と十二海里、これは両者が譲らない問題でありますが、公海の操業に関して、向うが主張している十二海里、紛議を避けるためにこれには近づかないようにということは申してあるわけでございます。  それから、先ほどのウラジオの問題でありますが、先方は、機雷があったから、帰ってくれるようにむしろ好意的に勧告したんだと言っておりますが、当方は、門脇大使がそこですぐに、その機雷が存在するということはソ連の責任である、けしからぬということを言われると同時に、将来日本にとって重要な漁場でもってまた操業をやるような場合には、つまらぬ干渉はするなということを申し入れております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今のお言葉は、その通りで、国際法から見ましても、条約が決定した場合においては、公海におけるところの障害物は当然敷設したその国が取り除かなければならない。これは言うまでもないことであります。だから、それは門脇大使の抗議は当然でありまするが、しかし、ソ連という国を相手にして操業する場合に、しばしばこういう問題が起きるとするならば、先ほど私が申し上げました通り、ある程度の指導をして予防すべきじゃないか。水産庁は通達したと言うけれども、なかなか漁船はそうはいかない。そういう問題が起るおそれがある場合には、政府として何らかの予防措置を講ずる必要があるのではないかと、その点を私は言っておるのでありまして、その点を十分考えていただきたいと思います。

岡井正男水産庁長官

○説明員(岡井正男君) 先生方のおっしゃることは一々ごもっともに思いますので、今後外務省とよく連絡をして、新漁場の試験操業というようなのが、国際的に不安であると思われる海域に出す場合には、われわれも監督船、あるいは海上保安庁とも連絡して、漁民にまかせきりにしないで、国の方でも積極的に保護しながら試験操業の目的を完遂するように、十分注意いたしまして、自今再びかようなことが現場でないように努力いたしたいと思います。

青山正一自由民主党

○青山正一君 外務省はどういう御意思ですか。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) 岡井長官の答弁と全く同一でございます。

青山正一自由民主党

○青山正一君 課長さんにもよく徹底さして、はっきりさせておかぬと、この次またこういう轍を踏むと困りますから、そういうことのないように、はっきりしておいていただきたい。

金山政英外務省欧亜局長

○説明員(金山政英君) 承知いたしました。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) これにて暫時休憩いたします。午後は、少し時間が足りませんが、一時半から再開いたします。    午後零時五十三分休憩    —————・—————    午後二時三十三分開会

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 午前に引き続き、委員会を開会いたします。  農林水産基本政策の件を議題にいたします。  この件については問題が多岐にわたりますので、委員長において適当に選択して、御質疑を願うことにいたします。  まず第一に、南九州の農作物の雨害の件を議題といたします。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 南九州地区の本年の天候は非常な雨量のために、麦においても菜種においても、各方面に減収を見、かつまたとれたところの品物も、品質不良のために政府の買い上げに応ずることができないような状態であったのであります。かてて加えて、本月の五日の大雨のために、ちょうど麦は収穫の最盛期であったのが雨でやられたために、ますます品質が悪くなったというような状況であるのであります。今例をもって申し上げますというと、鹿児島県の一例でありますが、麦については、今回の豪雨の前の統計でも約六〇%くらいの被害であるのであります。また販売予定数量を具体的に申し上げてみますというと、十万石の予定であったのが八五%が等外であると、こういうふうな状態であるのであります。そういたしますというと、ほとんど全部のものが政府の買い上げの対象にならない、こういうふうな状況になるのでありますから、政府においてはこれら被害農民の実情を御考慮下さって、農産物の検査法に基く検査基準の品物を定める際においては、等外に対して特別の等級を作って、その等外の分も買い入れると、こういうふうな措置が講ぜられたいと思うのでありますが、これについての御意見を拝聴したいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) ただいま、南九州における不順なる天候のために、農作物被害が広範にわたっておりますることを、私どもも承知をしておる次第でございます。そこで、これに対する措置としてはいろいろございましょうが、ただいまお示しになりました等外麦買い上げ等につきましては、よく現地の実情とも照らし合せまして、適切な考慮を払いたいと考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 等外麦の買い上げについては、過去においても数度その実例があるのでありますから、九州の特別な今回の被害について考慮をしていただいて、検査規定に基く基準の決定の場合においては、適当なる基準を設けて、一定の等外麦は政府が買い上げると、こういうふうなことにしていただきたいと思うのであります。  次に、菜種の実例を申し上げてみまするというと、これも麦同様に、六〇%ぐらいの減収の見込みになるのであります。また、その品質の悪いということを一例をもって申し上げますというと、鹿児島県下の主産地である川辺郡の一町の例を申し上げてみますれば、五月一日に食糧事務所と県と県の農業会議の三者が立ち会って検査をしてみたところが、出荷数量が八十八俵であったのが、四等が三十八俵、規格外が三十八俵、再調製をしたのが十二俵で、現在の農産物価格安定法によって政府の買い上げの対象になるものは一つもないのであります。こういうふうな状況であるといたしますならば、菜種の耕作農民は非常な損害をこうむるのであります。でありますから、これも農産物の検査法に基く検査規格の基準の決定の際においては、四等と規格外との中間に等外の規定を設けて、現在買い上げの対象になっていないところの四等と等外も、あわせて麦と同様に買い上げられるような措置を講じてもらいたいと思うのでありますが、この点についてもお伺いしたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 菜種につきましては、買い上げの対象は三等というふうに従来相なっておるわけであります。従いまして、被害地の御要望に沿いまするためには、特段の工夫が必要であろうと思うのでありまして、等外といったようなものについては、あるいはなかなか支障がありはしないか、こういうふうにも存じますが、麦と同様に、十分に検討をいたしたいと考えます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 四等は考慮するというお話でありますが、ただ規格外四等、たとえて申し上げてみますというと、今例をとった八十八俵のうち三十八俵が四等であって、残りは規格外、こういうようなことであったならば、ほとんど大部分のものは政府の買い上げの対象にならない、こういうふうなことでありますから、実情を御調査の上に、規格外のものも一定の品質のあるところのものは等外の特別なものとして、買い上げの対象にしていただきたいと思うのであります。  次には、こういうふうな状況であるのでありますから、菜種及び麦の耕作農民は非常に資金面にも困っておるような状況であるのであります。また肥料の代金の支払いというような方面にも、次の営農資金にも、非常に困っておるような状況であるのでありますから、こういう事情の際に救済するために、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法ができておるのでありますから、この法律によって善処していただきたいと思うのであります。この点についてお伺いしたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 被害農林漁業者に対する営農資金の貸し出しにつきましては、御指摘のように、いわゆる天災融資法がございまするので、これが発動し得るように処置をいたしたいと考えております。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次には、以上申し上げましたような麦及び菜種の状況でありますから、麦及び菜種について、鹿児島県その他でできたところのものは種子にならないというような状況であります。でありますから、種子の確保については特段の配慮を払わなければならないのでありますが、これは凍霜害の場合、その他の場合と同じように、菜種及び麦の種子の確保については、特段の考慮を払っていただきたいと思うのでありますが、この点について大臣のお考えを承わりたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 御趣旨の線に沿いまして、善処いたす所存でございます。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 次には、一般の麦の問題でありますが、いよいよ麦は収穫がだんだんとでき上って、政府の買い上げの要求が出てくるだろうと思うのでありますが、麦の買上価格はいつごろ決定の予定であるか、これをお伺いしたいと思うのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの目途といたしましては、六月中にはこれを決定いたしまして、七月一日から発足し得るように、そういうような目安で進んでおります。   —————————————

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 本件はこの程度にいたしまして、次に、大罐練乳砂糖消費税免税の件と澱粉買い上げの件について、合せて議題といたします。

東隆日本社会党

○東隆君 第一番目の大罐の練乳用の砂糖の消費税の免税のことについては、先般質問いたしましたところが、農相からだいぶいい返事が出たのでありまするが、河野謙三君が別な角度から質問をされましたので、少しあいまいになって参りました。河野さんの住まわれている所は神奈川県でありまして、従って、市乳を中心にしている所でありますから、おのずから違った考え方が出てくるのは当りまえだと思います。そういうような関係で、七月から切れることになるので、この問題についてその後どういうふうに進んでおるか、これの実現についてどういうような方向に進んでおるか、お伺いいたしたい。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 先般当委員会においてお答えをいたしました通り、近時非常な勢いで乳牛がふえ、かつ、ミルクが増産になっておる際でございまして、これを考えますると、やはり大罐練乳に対する砂糖消費税の免除は、従来通り続けていくことが至当と考えるわけであります。従いまして、その線に沿うて財政当局とも逐次打ち合せをしておるのでありまするが、なおもうしばらく時をかしていただきまして、努力を傾注いたす所存でございます。

東隆日本社会党

○東隆君 次に、今お話しがございませんでしたけれども、地方競馬……。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) それについてはあとで……。

東隆日本社会党

○東隆君 先日この委員会で畜産局長と御相談の上に御答弁を願うようになりましたので、一つ御答弁をお願いいたします。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 先般、東委員の御質問に対してお答えを留保しておりましたが、この機会に申し上げたいと思います。  地方競馬制度につきましては、現在公営の建前をとっておるのでありますが、従来ともこれが改正について、民営の形に移すべし、こういう御意見のありますことは御承知の通りであります。しかしながら、公営が是か民営が是かということは簡単に結論づけることもできませず、また中央競馬との関連もございますことで、これが調整の問題もありまするから、政府といたしましては、慎重な態度で研究を続けておる次第でございます。さりながら、検討にあまり長時間を要するということのみでは、制度の改善に忠実なるゆえんではないと考えまするので、この際、より一そうの努力を払いまして、できるだけ早目に結論を得たいと考えております。要は、万人の支持が得られるような公正明朗で、しかも時勢に適合した能率的な運営形態を作り上げることが眼目でありますことは、申すまでもございません。また広く一般大衆を対象とする競馬の性格にもかんがみまして、独善を避けて、広く識者の御意見等にも耳を傾けて参りたいと考えておりますので、いずれ機会を得ますれば、調査会というふうな形のものでも持ちたい、こういう所存でおります。

東隆日本社会党

○東隆君 第三の問題は、澱粉対策の問題でありますが、この場合、私は、澱粉の買い上げだけにしぼって質問をいたします。  それは、澱粉の第一次の買い上げは、カンショ澱粉が五百万貫、それから馬澱が百万貫、これが第一次であります。その結果多少の成果を見たようでありますけれども、依然として澱粉の値段は下る一方でございましたが、そのうち馬澱は多少の維持を見ておったわけであります。しかし、大口に共同販売をいたしております北海道における情勢では、穀物市場における相場は、これは現物を対象にしたものでございませんが、これは政府の買い上げを意図しておりましたので、多少の値段が出ておったのであります。現物を扱う面においては次第に下降していく、こういうふうな現象である。それで、第二次として七十万貫を買い上げたのですが、その結果、政府の買い上げをあらかじめ含んでできておったところの価格でありますから、買うことが決定すると同時に非常に大幅の値下りをする、こういうような結果が生まれてきたわけであります。従って、この際第三次として、少くとも北海道のバレイショ澱粉に関する限りは百九十万ないし二百万貫、これくらいの買い上げをしてもらわなければ収拾ができないのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。この要求は決して無理な要求ではございません。第一次の買い上げ、それから第二次の買い上げ、そういうようなものをお考えになりましても、この要求は決して無理なものでない、こう考えます。ことに、澱粉の買い上げの期間は六月一ぱいでありまするから、早急に決定をされて、お買い上げをきめていただきたい、このように考えるわけであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 三十一年産澱粉につき、ましては、既応において二回これを買い上げて参ったのであります。ただいま東委員から第三次これを買うべし、こういう御意見でございます。われわれといたしましても、数量の点は今ここで明確に申し上げることは差し控えますが、その予定で財政当局とも交渉をいたし、六月中には何らかの目鼻をつけていきたい、かように考えております。

東隆日本社会党

○東隆君 お買い上げになることは、これは決定をしておるようでありますが、一つ数量は、これは最後でありますから、従って効果が上るように、これは要請通り一つぜひお買い上げの措置をとっていただきたい、こう思うわけであります。甘澱その他の関係を考えてみましても、今までの買上数量その他から考えても、最後の成績を上げるためには、百九十万貫以上、これはどうしても買わなければ効果が上らぬように私は考えます。  そういうような考えと、それからもう一つお考えを願いたいのは、北海道においては北連が共販態勢の確立をいたしております。この確立をしておることによって、相場の低落その他を非常に防いでおる。そういうような大きな力を持ちながら、なおかつ下げております。しかし、甘澱の場合はそれほど強化をされておらないのでありますけれども、そういうような見地からも、私は強力に施策を施していただきたい、こう考えるわけであります。重ねて強く要望いたしますので、これにこたえていただきたい、こう考えます。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 十分に承わって、努力いたしたいと思います。   —————————————

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 次に、日韓漁業の件を議題といたします。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 大臣にお尋ねと同時に、お願いしておきたいのでございますが、けさほどアジア局長から日韓会談に関する経過報告を聞きまして、私は非常に期待を持っておりましたところが、必ずしも明るい見通しという段階にはなっていないという事実がはっきりしたわけでございます。いろいろの経過報告の中での要点を申しますと、これは大臣は十分御承知のことと思いますが、簡単に申しますれば、とにかく、岸総理が渡米前にすべての問題を、わけても抑留者の釈放については解決ができると、こう言い切って、いわゆる岸総理の公約ともいうような態度で今日まで推し進めてこられた。ところが、昨日お会いになってのお話の中では、それは渡米前に釈放という段階に到達するかどうかということは確信が持てない。十日には、たくさんの留守家族が上京して陳情に参るが、今まで幾度も、今度は今度はといって、まあ解決できるというふうにだまし続けてきたというのが、正直な今までの経過であったと思うのであります。しかし、この段階に来ますと、もうだますということはできなくなって、そこで、一体解決できるか、釈放できるかと、こう申しましたら、二つの問題があるので、この問題が解決しなければまだ釈放できますという答弁をしてもらっては困る、こういうようにアジア局長はおっしゃっておられるのですが、大臣はこの問題についてどういうふうな御報告を聞いておられますか、またどういうお考え方を持っておられるか、お尋ねしたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) この問題につきましては、私も憂慮しつつ今日に至っておるのでありますが、今朝も実は現地の抑留者の家族の代表の各位がお見えになりまして、いろいろと心打たれる陳情に接したのであります。岸総理は、ことにこのことに留意せられまして、東南アジアへ旅行をされまする前にも、いろいろと手を打たれたのでございます。帰られてからも、さっそく金大使と懇談を続けるというような工合に努力を払っておられるのであります。渡米前に必ず相互釈放だけは実現をいたしたい、こういうことでただいま鋭意努力をされておる、こういう事態であろうかと存ずるのであります。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 それでは、農林大臣は当の責任者です。この漁業者のためには、岸総理もそうでありましょうが、直接の責任者はあなたでありますので、もしあれほど言い切っておられる岸総理の発言がまたほごになるということにでもなりました際には、あなたはどういう措置をとられる覚悟でいらっしゃいますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) これは、政府の責任と申しましょうか、外務大臣のみならず、これは私以下も一体となってこの問題に取り組んでおる次第であります。今おっしゃいますようなことのないように、力の限り努力をしておるさなかでございます。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 そうしますと、午前中の中川局長の発言では、非常に危惧が持たれるわけです。と申しますのは、必ずしも日本側が望んでいるような条件を、すなおにのんではくれない、相手があることだからということでございましたが、この中川局長の発言は、農林大臣の積極的な努力によって完全に取り消し得るという確信がおありなんでございますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 中川局長がいかがの発言を当委員会でされましたか、まだ私それをつまびらかにいたしておりません。もしお示しをいただきますならば、伺いまして、さらに善処をしたいと考えております。

安部キミ子日本社会党

○安部キミ子君 もう一点、これで最後です。こういう質問をあなたにいたしましても、これを解決なさるのは、直接の交渉者は外務大臣と思います。その責任は。それで、総理大臣も渡米で大へんお忙しいと思いますけれども、午前中のような発言では、私は十日に再び留守家族の人たちに安心なさいと、岸総理が責任をもって釈放しますと言われたという自信のある答えは、私はよう言わないのです。それでどうしても、今度こそこの国民をだまさぬように、それはただ岸総理の発言がほごになったというのじゃなくて、党派をこえて、私どもは国会議員としての責任を感ずるわけです。国会議員というのはうそばかり言うのだと、これで何回うそを言うのだと、こういうふうに留守家族の人は言っておるわけです。あなたも御承知の通りに、言っておるのです。こういうことになりますと、私どもは至って遺憾だと思いますので、今度こそ、岸総理が言い切っておられるように、ぜひとも実現していただきますように、さらに農林大臣も、あなたの責任において岸総理に十分、何といいますか、ハッパをかけるといえば大へん失礼ですけれども、それは国会の権威にもかかわることでもありますから、ともに早急に解決をして下さるように、重ねて私はお願いしたいのであります。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 安部さんの御趣旨はよく体しまして、さらに力を傾けて対処いたしたいと存じます。   —————————————

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 次に、愛知用水公団の件を議題といたします。

千田正無所属クラブ

○千田正君 時間もだいぶたちましたので、私はこれは一応経過を伺う程度にとどめたいと思いますが、もし質問があれば二、三質問しますが、現内閣は当初三十二年度の予算の中に特定ダムを打ち出して、さらにこの問題は切り離して、開銀もしくは世銀から一応の融資を受けて、そうしてこうした大きな問題は達成したい。これは、岸総理大臣並びに池田大蔵大臣の財政方針の中にもそれがありましたが、最近この愛知用水公団の事業が進むにつれまして、農民からの声は必ずしも当初計画したような状況ではない。あるいは、今考えておるような行き方でいくならば、農民の負担が相当過重になるじゃないか、こういう非常な杞憂を持ってきておる。その点について非常に、私はそういう杞憂を持つ一人なんでありますので、農林省といたしましては、この愛知用水公団の事業の実施に当って、農民の受益負担の点についてどの程度に考えておられるか、並びに今後開銀もしくは世銀の金がこの完成に融資された場合において、国としての負担並びにその末端におけるところの受益者の負担が、どういうふうな割合において負担しなければならないのか、この点、一応お伺いをしておきたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 詳しいことは担当の農地局長から申し上げるとよろしいのでありますが、私ごく大ざっぱにお答えをしたいと思います。  愛知用水公団の事業は、申し上げるまでもなく、三百億に余る、日本の農業土木事業の中のまさに画期的なものでございます。それがために、特別の公団という方式をもって発足をいたしたわけでありますが、何といたしましても、非常に膨大な事業でございますので、調査その他に時日を要しまして、だいぶ遅延をしたという御批判も受けるほどに、慎重を期して今日に至っておるわけであります。  これは特定土地改良特別会計とは別建てでございまして、余剰農産物の見返り円資金を導入する、あるいは一部世銀の借款をこれに充てるというふうなことで、まあ比較的低利の金を使い得るというところに大きな特徴があったわけであります。しかるところ、第三次余剰農産物の受け入れは、これを見送るというふうなことに相なりましたがために、資金計画の面に若干の狂いを生じて参りましたことは、御指摘の通りであります。そこで、極力内部の検討を加えまして、あるいは事業費、事務費の節約というふうなものも試み、またこの農民負担を増高せしめないために中間の府県の負担というふうなものもお願いする、また大蔵省からも、預金部資金を使いまする場合には六分五厘の金利と相なるのでありまするが、その場合、補助金に当る部分をできるだけ早めに出してもらうというふうな工夫をこらしまして、できるだけ負担がかさまないような配慮をただいまいたしておるわけであります。  そこで、実施計画を告示いたす段階でございまするが、今申しましたような点に念を入れて問題を検討しておりましたがために、いささかの遅延をいたしましたものの、大体それぞれの面に了解もついて参りましたので、そう遠くなく告示がなされ得ると、こういう段階に相なっております。  世上、農林省と公団との間に見解の相違があるのではないかというふうなことも伝えられましたが、これも先般来調整をいたしまして、御承知のように、農林省はどちらかというと原則論の立場に立ちまするし、公団は実施機関としての実際論の上に立つというふうなことから、若干意見が異なる部分もございましたが、これが調整をせられまして、まあ目下円満裏に進んでおりますることを御了承願いたいと思います。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 議事進行。愛知用水の問題に関しては、まあ委員長、これから何時までやる考えかどうかしらぬけれども、僕はこれはあらためてとっくり一つやる必要があると思うのですが……。しかし、これを継続する必要がないとは言いませんがね。そういう意見も取り入れたらどうでしょう。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今、重政委員からお話しがある通り、これは私は、今の経過を聞いたのは、来月でなければこの委員会は開かれない。しかし、現実において農林省と公団側の話し合いがついて、まさに結論がついたので、実施の段階に入っておる。その経過を伺うと同時に、私どもはもう少しこの問題についてはよく研究してみたいと、かように思いまして、私はこれ以上はお尋ねいたしませんが、資料がありましたら、この間までの経過を、結論でよろしいですから、一応私どもに出していただきたいと思うのです。  もう一つ、一点だけ。世銀からかりに借りるとしますと、この間大蔵大臣と世銀の総裁との間にいろいろ折衝を重ねておられるようでありましたが、あれは年限からいっても、十年以上になるのか十五年以上になるのか、それによって世銀の利率というものがありますが、その利息の加算というものは農民の方に一応の負担になるのか。あれはもう国において負担するのであるから、農民の受益者に対しては負担をかけないという次第で進んでおるのか、その点も私は明確に知らないので、研究したいと思いますから、あわせてお願いします。  以上で私の質問を終ります。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 もう一つ。もし実施計画書が当初のものとは異なったら、今度の計画書並びに今の千田委員の言われた農民の負担、前の計画と今度の計画との負担の比較というようなものを一つ、この次の委員会までに資料としてお願いします。

北村暢日本社会党

○北村暢君 一点だけ。今農林省と公団との間で円満に話がついてということでございますが、この計画は五カ年計画で、すでに二年たっているわけです。そして今告示の段階に入っても、本年度に着工してやるということは、技術的にいってなかなか困難な問題があるというふうに私どもは聞いておるわけです。それで、本年着工しないということになれば、もう三年ほったらかして、そしてあとの二年で工事をやるという結果になるわけです。従って、これは公団は、愛知用水公団だけじゃなしにほかにもあるわけで、いろいろな事情はあるにしても、そういうふうに延びてきたという事実は事実として、厳然としてあるわけです。従って、これが当初計画した五カ年計画でやるのか、それともその空費した期間を先に延ばしてやるのか。そうなってくれば、すでに、ただ人間がおるわけじゃないのですから、二年間も発足以来職員がおりまして、事務人件費等も毎月々々食っておるわけですから、そういうふうなものについて私ども考えれば、そうでなくとも間に合うか間に合わないかということを聞いておるのだが、そういうことをさらに期間が延びるということになれば、これは採算のとれないような事業になる可能性がますます出てくるのじゃないか、こういうようなことを心配するわけです。従って、これは円満裏に話がついているということは、その計画が変更されて、完全な事業ができ得る見通しがついたのかどうか。そこらのところは、円満に話がついたということはどういうことなのか、その辺お伺いしておきたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○国務大臣(井出一太郎君) 御心配ごもっともでありますが、あれだけの大事業でございますので、これはやはり相当に基礎的、根本的調査というものが必要であるということは、御了承をいただけると存じます。決して、役職員を擁してただ徒食をしておるというのではなくて、それぞれの部署において調査なり設計なりにかかっておるわけでございます。そこで、これは河川に関係がございますから、渇水期、豊水期というふうな時期に制約をせられる点がございます。従いまして、この冬の渇水期あたりが、事業を突貫工事のような工合で進捗させる時期でございます。それには十分間に合うような手はずがついておりますので、さよう御了承をお願いしたいと思います。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 本件については、当委員会の御希望もございますし、やがて農林省から資料も出ることでございましょうから、それらの資料に基いて、次回の委員会において真剣に御検討願うことにいたしたいと存じます。  本件は、本日はこの程度にとどめておきます。  ちょっと、速記をとめて。    午後三時十六分速記中止    —————・—————    午後三時三十四分速記開始

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 速記を始めて。

藤野繁雄自由民主党

○藤野繁雄君 昭和三十二年産米の生産者価格等に関する決議をしたいと思うのであります。決議案を朗読いたします。    昭和三十二年産米の生産者価格等に関する決議(案)   昭和三十二年産米の政府買入条件及び買入価格等については、農業団体の要望を斟酌し、これが決定に遺憾なからしめ、特に既に行われて来た各種奨励金及び加算金についても特段に配慮し、以って米の生産の確保とこれが集荷の完遂を期すべきである。  右決議する。   昭和三十二年六月八日       参議院農林水産委員会  送付先は内閣総理大臣、農林大臣、大蔵大臣であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)

東隆日本社会党

○東隆君 懇談の席上で、どうもこちらの方が旗色が悪いのでありますが、(笑声)一応私どもが考えておりましたところを申しますと、実は基本米価は、これはパリティの関係でもって上ることは、これは上ることは必定だろう。そこで奨励金であるとか、加算金、そういうようなものはこれはプラス・アルファと考えましたときに、生産米価の農家としての手取りが決定をするわけでありますから、その奨励金であるとか、あるいはその他の加算金についてだいぶ整理をするような、そういうような考え方がありますので、私どもとすれば、基本米価と、それから加算金とを分けて、そうしてはっきりさして、そして前年とあまり変らない形でもってやるようにしてもらいたいと、こういうことを強く要望をしようとしたわけであります。そこを明らかにしただけでありまして、決して強い言葉で表現をしようとは考えていなかったのでありますが、その辺を与党の諸君が非常に心配をされて、そしてこのような案に妥協をしたのであります。従って、その点をよく一つ御了承をお願いをいたすわけであります。(「了承々々」「賛成さ」と呼ぶ者あり)  さらに私は、米価の決定に当って、やはり農林省と大蔵省との関係に、私は非常に折衝の余地が多分にあると、まさに今その機会であろう、こういうふうに考えまして、できるだけのものを抽象的であるけれども強く言おう、こういうようにいたしたのであります。これがいれられなかったことは残念なのでありまするけれども、次善の決議案といたしまして賛成を表します。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今この案が出て、社会党、緑風会、自由党の御賛成を得まして、もちろん私も賛成しますが、東さんの考えておることは私も念頭に入れておると思います。決議をわれわれが申し入れても、とかく今までの行政機関はこれをめったに実行しない。そこで委員会としては、ことにわれわれ農林水産委員会は、農民の立場を堅持しなければなりませんので、決議を一応申し入れて、さらに次の機会において大蔵省、あるいは農林省等の意向をもう一度確かめて、なお聞かなかった場合には、大いにまたここで鞭撻する、激励する、そういう方向に持っていくことにされて、きょうのこの案に対しては一応賛意を表します。

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 他に御発言もなければ、ただいま藤野委員から提案されました昭和三十二年産米の生産者価格等に関する決議案を当委員会の決議として、内閣総理大臣、農林大臣、大蔵大臣に送付することに決定いたしまして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀末治自由民主党

○委員長(堀末治君) 御異議ないと認めます。それでは、さように決定いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十九分散会

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