農林水産委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1957/06/07
会議録
○委員長(堀末治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、大阪中央卸売市場の件を議題にいたします。 この件については、かねて青山委員からの質疑の御要求がありましたので、この際御質疑を願います。
○青山正一君 それでは御質問申し上げたいと思いますが、最近大阪の中央市場におきまして、青果の方面、それから水産物の方面、こういったその荷受会社とか、あるいは仲買人の動き方というのは、今まで休みを一月に三日間とっておったやつを今後五日間にしよう、つまり週休制にしよう、こういうふうな動きが非常に活発に動いているわけなんですが、そこで問題は生産者、つまり農作物をとる、生産する方面においても、あるいは漁獲物を処理する、いわゆる生産する方面においても、非常に額に汗しちゃって、そうしてとって、それを大都市に送るわけなんですが、そういった方面のことも考えず、あるいは消費者に、とにかく週休制になるというふうなことになるとすれば、それだけ悪い品物を一般国民大衆の食前に供するということになりますから、そういうふうな面も実際に考えずに、ただ一方的に市場でこういうふうにきめていこうというような動きが相当あるようにも承わっておるわけですが、そういった点について農林当局では御承知になっておるかどうか、その点を一つ承わりたいと思います。これは経済局の方面、あるいは水産庁の方面、両面から一つお聞きしたいと思います。
○説明員(富谷彰介君) ただいまのお話でございますが、そういううわさを聞きましたので、担当の企業市場課の方から大阪市場の開設者の方に連絡いたしました。ところが、市場の開設者の方にはまだそういう話は出ておらぬ、開設者の方にまだ申し入れがない、しかしそういう動きがあるという風評は聞いておる、こういう話でございます。私どもといたしましては、ただいまのお話の通り、今まで月に三日の休みが週休になりますと、その間生産者の出荷あるいは輸送関係、さてはまた消費者の方へ及ぼす影響がなかなか大きい問題でございますので、これは簡単に週休制というふうに踏み切っては困るということで、市場の方へは注意をいたしております。
○説明員(奥原日出男君) 大阪の中央卸売市場におきまする週休の問題につきましては、ただいま農林経済局よりお答えのありました通りに、私たちとしても承知をいたしております。そこで私たちといたしましては、漁業者の生活というふうな問題ときわめて重要なる関係のある次第でありますので、休暇をふやすということにつきましては、絶対に慎重に善処をしていただかなければ困るという建前で、農林経済局にも密接に連絡をいたしております次第であります。
○青山正一君 この問題は非常に重要な問題でありまして、おろそかにはできない問題であろうと私は考えておるわけなんですが、東京の中央卸売市場におきましても、仲買人なりあるいは荷受会社の方で相当その動きが活発のようにも思われるわけなんですが、まあいろいろ労働基準法とか、そういった問題から考えてみましても、あるいはもっともなところがあるかもしれませんが、しかし例をとって申し上げますと、魚をとるにしましても、生産者はこれは非常に努力を払ってとっておる品物を送ってくる。送ってきたやつが一日とめ置きになると、そのために鮮度が落ちる、落ちたやつを生産者は値段がたたかれる、しかし消費者の方にはそれは安い値段で売られておるかと言うたら、逆でむしろ高く売られておるというふうなことになりますからして、むしろ戦前におきましては一月に一回であった、ただその会社とかあるいは仲買いの内部において、きょうはこの会社のだれそれが休みであるというようなふうであって、仲買いもその仲買いの内部において、きょうはだれそれが休みであるというふうなことで進んでいくならば、これはけっこうでありますが、月に五回なり六回なり休みをとるということになるとすれば、生産者に及ぼす影響とか、あるいは国民大衆、消費者に及ぼす影響というものは非常に多いわけなんですからして、むしろ逆にこの休みをその内部に処理していくというふうなことで、何か方法を講ずるというようなことで僕は進んでいった方がよかろうと思うのです。それに対する一つ見解を承わりたいと思います。まだ時期が尚早じゃないかと、こういうふうにも考えますが、それについても御意見を承わりたいと思います。
○説明員(富谷彰介君) 東京の市場におきましても、その話が出たのでございますが、これはやはり小売商あるいは消費者の方から非常に反対が出まして、いまだに従来通り行われておるというようなわけでございます。ただいまの先生の御意見、そういう方法による休日制ということが、もし労働基準法その他の関係でどうしても休日をふやしたいという要望があるならば、そういうような方法も解決の一案ではなかろうか、かように考えております。
○青山正一君 これでよろしゅうございます。
○委員長(堀末治君) この件について御質疑ございませんか。
○河野謙三君 この件ではないけれども、市場のことでちょっと聞いていいですか。
○委員長(堀末治君) いいです。
○河野謙三君 ちょうど経済課長さんの顔を見ましたから、私かねがね考えていることですが、最近全国的に温室の花卉栽培、それから路地の栽培、花卉の栽培が非常にふえましたね。ところがその花卉栽培をやっておる農家の取引状況をみますと、非常にこれは農家が代金の回収に困り、また代金の回収不能になっておるという状態が多いのですね。これにつきましては、花卉栽培が今後ますます広範にわたって非常に盛んになってくると思う。その場合に私は花卉栽培も、花卉も市場法の適用の範囲外にいつまでも置いていいかどうかということに疑問を持っているのですよ。特に前段に申しましたように、現在花卉栽培をやっている農家が非常に取引の不明朗なために被害が多いんです。何かこれに対して立法措置を講じて、この花卉栽培の農家を保護する、取引の公正化をはかり、価格の適正をはかるということが必要じゃないかと思いますが、そういうことについて御研究があったら一つお示し願いたいと思います。
○説明員(富谷彰介君) 実は今初めて先生に承わりましたので、早速関係者の方で調べてもらいまして、次回の委員会のときまでに実情を御報告申し上げたいと思います。
○河野謙三君 できたら、当然調査される場合には現在の取引の実態等もお調べになると思いますが、中間経費がどのくらいになっているか、またどのくらい代金回収が不能に陥っているものがあるか、そういう実状もよく御調査の上、できましたらその資料もいただきたいと思います。
○田中啓一君 私もついででありますが、この前中央卸売市場法を改正しましたときに、だいぶ力こぶを入れておった問題に枝肉の取引の問題があるわけであります。あれからだいぶ日がたちましたが、東京も大阪もとんと枝肉の部面を開設したという話を聞かないのですが、一体どういうふうになっているのですか、それを伺いたいと思います。
○説明員(富谷彰介君) 先生、これは畜産局の方になりますので……。私の方は市場法の一般的監督だけでございまして、私実は今のお話、内容を存じませんものですから、いずれ調べましてから……。
○田中啓一君 それは知らぬではいかんでしてね、今の中央卸売市場法による卸売市場で枝肉取引の開設をする、こういうことで実はあるのです。私はなるほど肉そのものの流通については畜産局であるかもしらぬけれども、とにかく卸売市場という入れものなり場所なりを借りなければやれないはずなんです。でありますから、それはどうしても卸売市場の方を持っておられる経済課というものも一はだ脱がぬことにはでき上らぬだろう、こう思うから、実はどうなっているか伺ったわけなんです。でありますから、一つ今まで無関心に当該の主管課がおられたということははなはだ遺憾なのでありますから、一つ取り返すようにやっていただきたい、希望を申し上げるのでありますが、やっていただけますかどうでありますか。
○説明員(富谷彰介君) 河野先生への御回答と一緒に次回までに準備いたします。
○委員長(堀末治君) 本件についてはこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(堀末治君) 次に東京湾における廃油によるノリの被害の件を議題にいたします。 この件についても、かねて青山委員から質疑の御要求がありましたので、この際御質疑を願います。政府は水産庁次長と生産部長の坂村君、海上保安庁の警備救難部長の砂本君が見えております。
○青山正一君 これはちょっと古い話でございますが、昭和三十一年二月、千葉県の君津郡の富津町より君津町に至る地先において、これは非常にノリ養殖場として日本においてはまあ一二と言われておるところでありますが、その付近一帯に多量の油が流れてきた。当時はその油がノリに付着いたしまして、そして推計約一億四千万円に達する被害を受けた。ところが当時は参議院の選挙が行われまして、当委員会にも陳情があったわけでありますが、ちょうどその選挙の真最中であった。しかも参議院の選挙後委員会というものは結成されずに約十カ月間というものは空費されておった。そこでせっかく国会に陳情はあったけれども何ら手の打ちようがなかった。海上保安庁ではいろいろこれをこの付近の漁業者が大挙していろいろ陳情を行なったわけでありますが、それをこれは米国の船がやったんだとか、その船は現在いないんだというようなことで、全然補償の道も何も考えずにそのまま置きざりになっており、当委員会にも前国会においていろいろ陳情がありましたのですが、何分これは古い事柄であるからして、どうにもこれはしようがなかったというふうな実情にあったわけでありますが、これはそのまま放置してあるわけなのですか、どうなのですか。その点について海上保安庁なり、あるいは水産庁についていろいろ御意見を承わりたいと思います。また私の質問ではこれはわからぬ面が非常に多いと思いますからして、一つ事情をいろいろ説明しつつ私の質問に御返答願いたいと思います。
○説明員(奥原日出男君) 三十一年の二月に君津郡の沿岸約八キロの海上にわたりまして、ノリの漁場が油のために汚染されたということがあったのでございます。で、これに関しましては、第三管区海上保安本部にお願いを関係者がいたしまして、目下原因の捜査をしてもらっておるのでありますが、まだ原因はつかまれておらない次第でございます。以上お答え申し上げます。
○説明員(砂本周一君) ノリの被害につきましては、大体先ほどお述べになりました通りでございますが、海上保安庁といたしましては、その当時あらゆる方法をもちまして、この汚濁の根源を究明することに努力をして参ったのでございます。その結果容疑者として浮びました者が若干ございましたので、さらにその犯罪の立証方法につきあらゆる努力をして参りました。なおそれにつきましては係属中でございますが、これが刑事々件としての犯罪の立証方法は事実上非常に困難でございます。困難でございますが、それを困難として放置しておるわけでございませんが、その面につきましてもさらにいろいろ手を尽しておりますが、いまだ結論に到達いたしません。ただ港則法違反といたしまして、廃油を港則法に規定されました範囲内において投棄した事実はつかみました。この件につきましては、三十一年八月十六日横浜地検に送致をいたしております。従って横浜地検におきましては、被疑者のお名前を申しますと、石井武というのでございますが、これは廃油を投棄したと思われる第一東邦丸の船長でございます。また同じく第三海栄丸船長、この二人を港則法違反容疑といたしまして、横浜地検に送致いたし、地検におきましては、その後いろいろ取り調べ中だと、こういうふうに承わっております。大体私どものその後のとりました措置の概要でございます。
○青山正一君 今砂本警備救難部長からの御説明であったように、このできごとはですね、昭和三十一年二月のできごとであると、先ほど奥原次長からも御説明があったようにいまだにこれが解決していない。しかしこの今保安庁の説明のあった通りに被疑者がわかっておる。たとえば第一東邦丸の船長とあるいは第三海栄丸の船長であると。ところがこういった東邦丸とか海栄丸とかで流した廃油によって一億数千万円の被害を受けた。そういったその被疑者に対して補償でき得る能力が、力がないというようなことになるとすればですね、一体こういった関係のものをどういうふうな手配を考えていくか、その点について一つ承わりたいと思います。
○説明員(奥原日出男君) この問題は、まず第一は予防の問題とそれから事後の救済の問題と二つに分れるかと思うのでございます。予防の問題といたしましては、油による汚染が小規模な場合におきましては、関係の漁業者が一斉に努力をいたしまして、これを回避するということは可能な場合もあるのでございます。しかしながら相当大規模なものにつきましては、残念ながらこれを予防する措置はなかなか講じ得ない次第であるのであります。で事後の措置といたしましては、まあ水産庁としましては、そういう直情も浅海増殖等の予算の配分に当りまして、一つの事情として勘案はいたして参っておるのでございます。しかしながらこれは正面から補償をするということではないのでございまして、人工採苗、ノリの漁場造成等によりまして、そういうことによって非常に大きな被害を受けたものについての事後の便益を供与するという間接的な対策にとどまるのでございます。正面からこういう事態によりまするノリの減収という問題についての今後の問題といたしましては、今年開始いたしまする農業共済事業の実施案を目下練っておるのでございますが、これについてノリ漁場についても、その減収に対して共済事業としての救済を与え得る対策を織り込んで、検討するように部内において今構想を打ち合せをいたしている、こういう状況にあるのでございます。そこで現実の補償の問題といたしましては、中央においてそういうふうなことを措置いたしておるのでございますが、他方において県として何らか総合的な対策を樹立して、中央と協議してくれと、こういうことをわれわれとしましてはふだんに指導いたし、そういう案の提出されるのをわれわれとしても御協力申し上げる、こういう態勢でおる次第でございます。
○青山正一君 委員長に申し上げたいと思いますが、七月十一日に本委員会が幸いにしてこの東京湾内の海洋観察とか、あるいは漁場視察のためにその方面へ行くわけなんです。一つその船には水産庁の次長なり、それから海上保安庁の方から一名乗っていただいて、そして現地の船なり組合長さんなり皆さんのお話を承わっていただいて、一つ再認識していただいて善後処置を講じていただくように、特に希望いたしたいと思いますが、その点十分お取り計らい願いたいと思います。
○千田正君 千葉県のこの問題は前にもありまして、当時は海上保安庁という問題より、海上自衛隊との問題でありましたが、証拠物件をめぐって、被害者側と千葉県とそれから当時の防衛庁との間にいろいろ論議を尽しましたけれども、十分な話し合いがつかなかった。参議院の当時の水産委員会といたしましては、極力この問題の解決に当りましたが、最終的には杉原当時の防衛庁長官、増原次長、千葉県知事、また当時開会中でなかったものですから、私ら一応立ち会いまして、最終的には見舞金という程度で一応格好がついた。そうして今後そういうことのないように、お互いに注意しようという話し合いがついておったのですが、ここで三十一年の二月この問題が再発してきたわけなんです。水産庁といたしましては、ただいまお話を承わるというと、予防処置という問題と、そういう問題が発生した場合における事後措置としては、共済組合等においてある程度救っていくという問題もあるでしょうが、事実損害が発生したならば、その損害の具体的調査に乗り出して、漁民の立場を十分に保護するのは当然であろうと思うし、その点の処置はやられておるかどうかということと、また今度のこの問題は相当期間が経ておりますけれども、千葉県庁からもその当時当委員会に陳情があったわけであります。ただ油の質の問題について調査中であるという話でありましたが、こういう問題を総合的に調査されて、そうしてこの問題の解決に当ってもらいたいと思いますが、水産庁自体としましては、何かこの問題について調査されておられますかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
○説明員(奥原日出男君) 水産庁といたしましては、水産庁本庁からは直接人を派しておりませんが、県の水産試験所の専門家に特に水産庁から委嘱をいたしまして、現地の調査をさせましたような次第でございます。実はこの件に関しまして、県からは総合的な事後の対策についての案をまだ出して参っておらぬのでございますけれども、われわれとしましては、こういう被害がある、しかもこれに対する救済というものがなかなか困難であるということは、まあ一つの事情といたしまして、今後東京湾、ことに千葉県におきまするノリの増殖の推進という問題についていろいろ考慮いたしたい、かように考えております。
○千田正君 海上保安庁にお伺いするのですが、これはまあ今私が申し上げました通り、防衛庁の海上部隊なんかもかつてそういう問題を起しておるし、かつまた方々においてこういう問題が起らないとも限らないのでありまして、この点に対しては何か指導方針なり、そういう問題については明確にあなた方の方としては徹底させておられるかどうか、その点をはっきり伺っておきたいと思います。
○説明員(砂本周一君) 大体同じ場所で、同じケースが二年も続いて参りました。こういう大きな事実もございますので、その後引き続き私の方といたしましては、何ら取締規則そのものが、非常に関係の規則は多々ございますけれども、事態がむずかしいだけに規則も徹底していないということで取締りが非常にむずかしい面もございます。それから御承知のように、非常に油というきわめて微妙なものと、海という関係で、その当時非常に多くの人の協力を得まして専門的検討を加えましたけれども、その根源とノリの汚濁の関連をつかむことが残念ながらできませんでした。そういう事態は今も同じでございますが、私どもの方としては、まず東京湾には一番大きな部隊がございますので、特にこまかいことを申すようでございますが、東京湾海水汚濁状況日誌というのを基地なり船艇に備えさせまして、特にそれに関心を持たして、日常いろいろな業務に付随して動きますとき、あるいはそれ自体目的のために航空機、船艇を出して、東京湾におけるいろいろ汚濁状況を調査しております。 それから、これはやはり非常に広範囲に流れ出る可能性もございますし、とても船艇だけで陸の施設なり、海上の状況を常に把握することができないので、一般関係者の協力を得て、多少汚濁の状況はなるべく早くやっていく。それからこれは水産庁にも関係ございますが、特にノリの業者自体も自衛的な観念をやはり強くしていただきたい。そうして多少そういう汚濁について、何かあれば、お互い業者間の御連絡をよくしていただくとともに、われわれに対してもいち早く連絡していただく、こういった方面にお願いなり、御指導をしております。大体今実際にやっておりますことは以上の点でございますが、これは全国的に大体そういう指示をしております。 それから、これはまだ具体化しておりませんが、関係官庁間におきましても、水質汚濁規制に対する具体策についてよりより研究をしておりますので、私どももそれに参加して、私どもの考えなり、あるいは知識経験を提供して、何とか実際に役に立つ、しかも私どもの立場といたしましては、規則ができる以上はそれが励行し得る形でなければいけない、こう思うのでございます。しかしこれはなかなか非常にむずかしい問題でございまして、相当総合的な研究調査を前提としてやらなければならぬ、こういうように考えております。
○千田正君 それは一つのあなたの方としての方針はきわめておられるでしょうが、問題は停泊中、あるいはこういう東京湾のような早く言えば、大きな海から見れば限られた海であり、しかもその限られた中にノリのような、あるいはカキのような零細漁民がやっておる仕事に影響しないようなところにおいて廃油を放棄するというような方向を考えなければいけないのじゃないか、私はそう思うのですね。あなたの方の細部にわたる御注意はもちろんけっこうですが、同時に私は廃油を流すという場合においては、洋上はるかへ持って行って、なるべく内水面の近くでない、沿岸の漁民や何かに迷惑を及ぼさないところに廃棄させるというような指導方針が必要じゃないかと思うのですよ。そういうことはやっておらないのですか。
○説明員(砂本周一君) これは日本だけの問題でございませんので、もう世界各国が非常に関心を深めておるところでございます。一九五四年には日本政府も参加しまして、海水汚濁防止のための国際条約案も決定しております、それには今お説のように放棄場所、たとえば今の原則的には陸岸から五十海里沖でなければ捨ててはいけない。それから捨てる場所の指定だけでは満足でございませんので、各船の廃油処理に対する施設、それから船ばかりでなくて、基地において、廃油を容易に捨てる場所を受け入れる、これはなかなかこれを実際面にやります上には、非常な経済的な問題も非常に大きく響きますので、今国際条約がせっかくできておりますが、まだ発効までに至っておりません。日本も参加して署名はしておりますが、これはやはり国内にいろいろな事情もございますので、国会その他の協賛を経て事実上の加盟をすることになるでございましょう。そういう非常に大きなむずかしい問題があるようでございます。従って御指摘の海上保安庁の権限をもって各船に放棄場所を指定するということは、今のところむずかしいようでございます。
○千田正君 そうなるというと、われわれは、あなた方に対して、あるいは船舶の持主等に対しまして罰則を設けて、あるいは損害賠償の保障をさせるとか、あるいは見舞金とか、いろいろな面において、被害者に対して提供させる方途を考えなくちゃならないし、またそういう金を支払うだけではむだなものがあるとするならば、むしろこの国際法が発効するような方向に向って指導していった方が、はるかに両方ともけががなくて済むのじゃないか、私はそう思うのですが、それでどうも徹底しないからということであれば、われわれはやはり漁民の味方に立って、あくまで損害補償の要求か、あるいはそれに準拠すべき方針を立てて、漁民の人たちを救わなければならない。ですからそういう問題を、単に具体的な問題ばかりじゃなく、実際におけるそういう問題も総合的に研究して、この問題の解決に当らなかったならば、毎年交々繰り返すだけである。しかもあなた方の方にしましても、防衛庁の方にしましても、国民協力がなかったならば、お互いの仕事の遂行はできないという一つの大きな原則のもとに立って、こういう問題を考えていただきたいと思います。この点は強く要望しておきます。
○清澤俊英君 ただいまの保安庁の方のいろいろ調べた結果、容疑になる船が二つか三つかあって、それを検事局に告訴しておられると言われるが、容疑というのはどういう点が流したのじゃないかという疑いを持たれる点になりますか。
○説明員(砂本周一君) 先ほどもちょっと触れましたが、港則法と申しますのは、港則法だけにこの捨ててはいけない地域を指定してあるわけでございますね。その捨ててはいけないというその範囲の中で捨てた事実を、私どもは捜査の結果わかったわけでございます。それで私どもの捜査の範囲におきまして、ある地点に違反して流した事実を認めましても、その油が現実に汚濁しましたノリとのつながりについては、これはなかなか犯罪としての立証がむずかしい、こういう二つの問題、それで港則法の違反としましては、いろいろ調べて証拠も上りましたので、完全な事件として送検することができた、こういうことでございます。
○清澤俊英君 そういうばっとしたことはわかりましたが、もっと詳しく港則法によって、たとえば流したという、流した場所を見たということくらいのことはわかるでしょうから、そういうような場所をもっとはっきりさしていただきたい。ノリの関係があるなしは別として、どういうわけで、どういうことをやったものだからそれで告訴した、こういうふうに御説明願いたい。
○説明員(砂本周一君) これは詳しい調書もあるのでございますが、運搬船長富丸というのが二月十二日十二時三十分ごろ、第一海堡の北々東四マイルの地点、幅約三十メートル、長さ相当長い、そういうふうに簡単に書いてございますが、これはそういう情報を得まして、一つの先ほど申しました、流した船のそういう犯罪事実としての証拠を固めるためにいろいろ情報をとったのでございますが、この詳しい調書をとっておりますから、あとはっきりしたものを文書で差し上げていかがでございましょう。
○清澤俊英君 地図をつけて、海堡の北々東何メートルの場所ぐらいしるしをつけまして、そこで幅何メートルとわかるようにして文書にしてお願いします。
○説明員(砂本周一君) それは一つ詳細に……。
○委員長(堀末治君) 本件について、他に御質疑がなければこの程度にとどめてよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(堀末治君) それじゃ次に漁業用燃油の件を議題にいたします。 この件については、過ぐる二十六国会中、四月二十五日の委員会の問題となって、政府の善処が求められたのでありますが、今日はその後政府においてとられた処置について説明を求めます。なお政府から出ておられる方は水産庁の次長と通産省の鉱山局長森君が見えております。
○説明員(奥原日出男君) 漁業用燃油に関しましては、前回当委員会において御審議をいただきました、その後の進行状況を御報告申し上げます。 漁業用A重油に関しましては、燃油のスエズ以来の値上りを押えて、必要な数量の供給を確保する、こういうことのためには共同購買事業を推進するということが最も望ましい、こういう観点に立ちまして、通産省との間にいろいろお話し合いをいたしたのでございますが、ただその確保をいたしまする具体的の方法といたしまして、全漁連の取り扱うものに対しまして原油輸入の外貨の割当をする、あるいはまた精製工場が全漁連に対して渡しましたものに対して外貨のメリットをつけていくと、こういうふうな方式によりますやり方は、通産側といたしましては、全体の石油の配給行政という観点から実行困難である、こういう強い御意見もございましたので、行政指導によりまして、必要なる価格及び数量で供給を確保する、こういうことに両者の見解が一致いたしたのでございます。 そこでその具体的なやり方といたしましてまとまりました点は、国内の精製工場から精製価格で精製いたしました油を全漁連に対して供給をしていく、全漁連はそのほかに製品の輸入をいたしましたものを輸入価格で会社から買っていくのでございます。その両者の割合は半々になるように常にその比率を考慮していく、そして通産当局は国内精製のものの供給の確保について精製会社側に対して行政指導をしていく、こういうことにいたしたのでございます。 次に、しからばどれだけの数量を全漁連に対して与えていくかと、こういう問題でございまするが、これに関しましては、全漁連の取扱い量の実績の伸びに応じて、あるいはまたこれが縮む場合があればその縮みに応じて、次の期におきましてその二分の一の国内精製工場からの精製油の供給を行政指導していくこういうことにいたしたのでございます。その期といたしましては半年間をとる、こういうことにいたした次第でございます。 次に価格の問題に関しましては、原価がこの一—三月の実績から計算をいたしますれば九千九百円、こういうことに相なるのでありますが、その上に利潤及び営業費をどれだけ加えていくかということにつきまして、いろいろ通産側とお話をいたしたのでございます。利潤といたしましては六%の六百円というものを加え、営業費につきましては間接費の営業費、工場渡しでございますので特約店で渡します場合の直接費の営業費はこれは必要ない次第でございますが、税金あるいは利子、減価償却、修繕費、あるいは給料等々の間接費の営業費として千九百円の価格を要するのでございますが、精製工場渡しでございまするので、その中で五百円だけを、これを加算する、こういうことで一万一千円を、これをこの四—あとはその前の四半期におきます原価の推移に応じましてそれぞれスライドをして行く、こういうふうなことにいたしましたのでございます。もういろいろな問題が九五%ばかりはA重油について片づいておるのでございまして、残っておりまする一つの問題につきましても、近々両者の話し合いが妥結いたすのではないか、かように考えておる次第でございます。B重油に関しましては、価格の協定をいたしまして、その価格で全漁連が油会社との間に購買の契約をして行く、こういうふうな行政指導をやって行くのでございますが、その価格の計算に関しましても、ある程度両者の間の話し合いが詰まって参っておりまして、これもA重油の残っておる一つの問題を解決いたしまするのと、ほとんど時を同じくして結論に到達し得るのではないか、かように考えておる次第でございます。
○千田正君 そうしまするというと、年間通じてどれくらいの数が全漁連に割り当てられる予定になっておりますのか。それともこの半年間とりあえずただいま妥結した結論としての半年間の全漁連に割り当てる数量はどれくらいですか。
○説明員(奥原日出男君) ただいま御説明申し上げましたように、基本的な考え方は共同購買事業の実績に応じて次の取扱い量を考えて行く、こういう考え方であるのであります。そこで昭和三十一年におきまする全漁連のA重油の取扱い量は、正確に申し上げますと、たし十四万三千キロリットルであるのでありますが、大体大ざっぱに申し上げまして十五万キロリットル、そこで三十二年の上の半年間におきます四万キロリットルというものを行政指導によりまして供給を確保する、こういうことにいたしたのでございます。従って三十二年の上におきましては、全漁連の取扱い量は国内精製が四万キロリットル、輸入ものが同量の四万キロリットル、こういうことで一応予定をして出発をいたすのでございますが、さらに取扱い量がかりに伸びるということに相なりますれば、結局それだけ輸入ものをふやさなければならない次第でありますが、その輸入もののふえた分だけが今度は下期におきます国内精製の行政指導によります供給量に相なる、こういう方式でございます。
○千田正君 それでは上では大体国内と国外とのあれを合せまして八万キロリッターというわけですか。
○説明員(奥原日出男君) はい。
○千田正君 そうすると、大体下においても、昨年の実績でいいますと、昨年は十五万キロリッターとして、実績が昨年よりよければ伸びる。まあ弾力性を持たしていこう、こういう結論ですね。
○説明員(奥原日出男君) 上におきまする実績が八万キロリットルよりも伸びれば、下期における行政指導によりまする国内精製もののあっせん量といいまするものが、それだけ伸びてくると、こういうことに相なるのでございます。
○千田正君 昨年の上と下とは、どういう工合になっておりますか。
○説明員(奥原日出男君) ちょうど今詳しい具体的な数字を手元に持っておりませんが、大体今までの動きを見ておりなすると、下期がやや取扱い量がふえるという傾向があります。これは著しく食い違いはございませんけれども、若干下期がふえる、こういう傾向にあるようでございます。そういたしまして、大体五分々々ということで、まあ大ざっぱに出発することが許されるのではないかと、かように考えております。
○千田正君 きょうは水産庁次長、それから通産省からは鉱山局長さんが見えておられますが、これは今年きりの申し合せで、暫定措置としてやられるのですか、それとも来年もこの方式にのっとってやろうと、こういうお考えですか、どちらなんですか。
○説明員(森誓夫君) この制度は、輸入ものの重油が国内精製のものに比べて非常に高価であるというところから出発しておるものであります。従ってそういう事情が続く限りは、われわれとしては続けていきたいというふうに考えております。別に今年限りという考えは持っておりません。
○千田正君 全漁連の要求は、ただいまおっしゃられた十五万キロリッターというのは、昨年の外貨の事情その他によってこの程度しか取り扱えなかったが、実際全漁連の内部の整理、それから環境その他の組織が強化されていけば、相当伸びるんじゃないかと私の方では観測しているのですが、伸びれば伸びただけ、この量は増すということに承知してよろしいのですか、どうですか。
○説明員(森誓夫君) そのように御承知願ってけっこうだと思います。
○上林忠次君 今の半年に四万キロリットル、これがあてがわれたが、残り足りぬ分は輸入ものでカバーしていくというお話ですが、今お話を聞きますと、輸入ものは割高、A重油は割に高い。それならば漁業の方の今の話の輸入で補っていくという部分は、ほかの一般用の内地精製の分でまかなうということはできませんか。値段が高いですから、わざわざそんな輸入もので補うなんていうことをやらなくても、ほかの一般油でまかなうということはどうですか。
○説明員(森誓夫君) ただいま奥原次長から御説明願いましたのですが、この制度の根本的な考え方は、全漁連の販売する数量の半分は国内精製で充てる、半分は輸入で充てるということが根本的な考え方になっております。従って前の半期で輸入ものを、たくさん販売量がふえたために輸入量を増加せざるを得なくなったという場合には、次の半年間で国内精製のものをそれだけ補充して、一年間を通じて見ますと、輸入分と国内精製分とは五分五分になるように押しつけていこうという、こういう構想でございますが、その根本になります国内精製のものと輸入ものとを五分々々にするという考えは、しからばどこから出たかということですが、これは現在の日本全体の重油の供給量がそういう比率になっておるわけでございまして、そういう平均的な姿を水産関係でも受け取っていただくという考え方であります。従来の姿を申し上げますと、水産関係には輸入分が非常に多い、購入先の関係から見まして、輸入分が非常に多いのであります。それが五分々々というところになっただけでも、相当価格の低下は実現されるというふうに考えております。
○上林忠次君 日本の精製設備が足らぬので輸入をするということになっておると思いますけれども、どうして日本の精製工場のキャパシティをふやさぬのか。この点はどういう工合な状況になっておりますか。常に輸入は半分程度ある。そのくらいしか日本の供給能力がないのだ、精製能力がないということなんですか。どういうことになっておりますか、その点。
○説明員(森誓夫君) 精製能力につきましては、十分にあるわけでありますが、現在の日本の原油の輸入計画は、大体ガソリンの所要量を基礎にしまして、これを全部自給するという建前で、原油の輸入量をはじき出しておるわけであります。そういたしますと、その原油から出まする重油は、国内の需要を全部まかなうというわけにはいかない。これは石油の成分、あるいは半面からいいますと、得率といいます言葉がありますが、成分の方からいいましても、どうしてもそういうことになるわけであります。不足分の重油は輸入しなければならないという姿になります。それで大体一番理想的な姿をいいますると、揮発油を日本が外国へ輸出するという工合にして、国内の精製の原油の量をふやしていきますと、この重油の国内の精製による充足率も高まるわけであります。われわれは将来そういう方向へなるべく持っていきたいと考えておりますが、現状ではまだそこまでいっていないという現状であります。
○東隆君 水産庁の次長さんに伺いますが、この漁業の方で使うのは、上期の方が少いのですね。下期の方が非常に多いということになると、この原料は、一体四万キロの原油、これは何を尺度にされてきめられたのですか。
○説明員(奥原日出男君) 昨年あたりの全漁連の取扱い量なんかを見てみましても、上期と下期との間におきまして、非常に顕著な差はございません。毎月上期が一万キロちょっと上回る、下期が一万、それよりも一千キロぐらい多い、少し多いというふうな程度の差でございます。そこで、ただいま四万キロをどういう考え方できめたかという点につきましては、四万キロリットルをどうしてきめていったかということにつきましては、ただいまも申し上げましたように、全漁連の取扱いの実績を次の行政指導上における取扱いの予定量として見ていく、こういう原則に立った次第でございます。すなわち昨年度におきまして、約十五万キロリットルの取扱い量がA重油についてあった。そういたしますると、まあその二分の一が国内精製、二分の一が製品輸入ということに相なるのでありますが、そうしますと、その四分の一、三万七千五百キロリットルが、上期におきまする行政指導上の国内精製もののあっせん量、こういうことになるのであります。それに若干の伸びを見まして四万キロリットル、こういうことにいたしたのであります。
○東隆君 そこで、その四万キロですね、四万キロを計算するときに、どういう計算をされるのですか。その四万キロを計算をするときに、その始まりから終りまで、その期間ですね。
○説明員(奥原日出男君) 冒頭に私が一点問題が残っておると申し上げましたのはその点であるのでございます。この問題が両省の間で妥結いたしましたのは、先月の終りでございまして、そういたしますると、六月から半年間をとり、さらにこの問題が軌道に上りましてから、暦年なりあるいは会計年度なりに合わして切りかえをしていくというふうなことでいったらどうかというふうに一応話し合いをいたしておるのでございますが、全漁連側におきまして、四月からすぐ開始をしてくれという要請がございまするので、その要請に応じまするのにどういう障害が一体あるか、その障害を何か乗り切れる方法はないものだろうかというふうな点を通産省と私との方におきまして、今相談をいたしておる最中でございます。
○東隆君 鉱山局長さんに伺いますが、この四万キロというものを上期でもって計算をしなければ、下期の扱いその他において計算上に非常に常に基礎を六月なんかにとられておりますね、下期の計画も立ちませんし、いろいろな問題が起きてくると思う。従って四月から始まっての上期の計算をはっきりやられた方がいいと思うのですが、六月にされる理由ですね、そういうことを主張されておるその理由はどういうところにあるのですか。
○説明員(森誓夫君) 上期で四万キロをきちんと割り当てなくても、次の期に割り当てたってもこれは別に仕事の上で差しつかえはあるまいと考えております。割り当てがずっと続いていきますし、また上期と下期の間でそう数量上の大きい変化もございませんので、ずっと続いていくと考えていいと思うのであります。ただ私の方で四月からさかのぼってやりますと、もう現在すでに精製業者は四月、五月分の油はこれは売ってしまっておるわけでありまして、それをさらにこの制度に焼き直していくということは非常に不自然な結果を起すわけであります。そこでこの制度がきまってからすべり出していくということが一番自然な姿であると考えて、そういうことを希望いたしておるわけであります。
○東隆君 私は、業者の場合も非常に不便があるかもしれぬけれども、全漁連も年度内の計画その他を立てる場合においても非常に困難があると思う。従ってこの四万キロというのは、四月一日からの上期のはっきりした計算を基礎にしてやれば、実績上のいろいろなものはこれは問題でないと思うのですが、あと六月から始まって、二カ月あとに残してその数字を計算して、そして四万キロの差額を出してみたってこれは問題にならぬと思う。それよりも四万キロという数字を取扱いその他の数字から出されて、そして計算をされた方がいいんじゃないか、どうなんですか。全漁連との間のいろいろな関係をやって、そして四万キロという数字をもし生かすならば、この数字をはっきり生かされて、そして輸入超過分について下期において生かしていく。こういうようにして業者の方もあらかじめ計画を立てて輸入をする、そういうふうな問題も起きましょうし、そいつを年度途中でもって、やられたら仕事の計画なんかも非常に困難になるんじゃないか。上期、下期を分けてやるやつを一致させなければ、そういう問題が常に起きてくると思うのです。
○説明員(森誓夫君) その点はただいま私が申し上げましたように、上期下期といいましても、割当量はそう変るものではないのでありまして、それで従って上期できちんと四万キロなんかやるようなことをした方が業界の方も都合がいいということは別にございませんです。次の期に一部が移ってもこれはけっこうであると考えております。それでさかのぼってやりますと、現在全漁連に売っておりますのは、四、五社であります。ところが今度の制度では、全業者からこれを供出させてそうして全漁連に納めさせよう、こういうことになっておるのですが、従って従来全漁連と取引のなかった業者は、その油をほかへ売っておるわけでありまして、それを戻すというわけにもいかぬ、あとの期間に集中してこれを納めさせるということになりますと、また他の需要家に対しても非常に強い影響を与えるということになることをわれわれはおそれるわけでありまして、とにかく期の区切りがいいから、上期で四万キロをやるようにしろということには、そう私は痛切な必要は感じていないわけでありまして、この制度がきまってからあと六カ月というふうに区切っていって支障はないと考えます。
○東隆君 今の問題でこういう問題が起きてくると思うのですが、六月から始まって、そして上期——その期間の実績というものは、それがかりに四万キロを超過するものが——もちろん四万キロ超過の分もできてくると思うのです。それでその場合に十一月かそれくらいになりましょうね。九月からあれですから、十一月までの実績をあらかじめ前提におかなければ、九月から始まるものには計画が出てこないわけですね。そこでどういうことになるかというと、業者の方の都合によって全漁連の分についての計画が立てられる、こういうことになるわけですね。逆に全漁連の分によって業者の方が計画が立てられるというわけに相ならぬわけですね。その点は需要者の側で非常に迷惑になるのじゃないですか、業者には都合がいいかもしれぬけれども、非常にその点で問題があると思うのですがね。そこでどうですか、その新しい計画を十一月までの数字を基準にしてその実績、それを基準にしてそして下期の分を計算をするときに、今度は十月から計算されるのですか、九月から計算されるのですか、どういうふうになるのですか。全漁連の方は、下期の超過分の計算は。
○説明員(森誓夫君) これは上期と下期とのつながりの場合には、上期の終りの月がすぐ下期の最初に月につながる関係で、上期の実績というのが十分わからないうちに下期が始まるから、下期の計画が非常にやりにくいのじゃないかという御質問だと思うのですが、違いますか。
○東隆君 十一月まで延びるのでしょう。こっち側の計算は、全漁連の側の方として十一月まで延びるわけですね。そこで問題はどういうことになるかというと、下期の方の全漁連の配給分というのは十月から始まるわけですね、そうでしょう。十月から四万キロ。プラス・アルファの形でもって出てくるのじゃないですか、そうじゃないのですか、やはり十一月からあとというのですか。
○説明員(森誓夫君) これはまだ水産庁と今話し合いをしておるわけでありまして、結論的なところを申し上げられませんが、私の方の構想としましては、それは制度がきまってからの半年をもって第一の区切りとするというのでありますから、いわゆる下期的なものは、ことしはもし六月から始まるとすれば十二月から始まるということになるわけであります。やり始めて半年たってから次の段階だということになります。別にこれまでの上期、下期という線に今年はとらわれない考えでいきたい、半年区切りでやっていきたいという考えであります。
○千田正君 これは通産省にお伺いしたいのですがね、あなたの方の指導しておる外貨の割当なり製油計画なりというものは、一応会計年度の四月から始まって三月に終るという制度をとって指導しておるのじゃないですか。
○説明員(森誓夫君) そうでございます。
○千田正君 そうだとすれば、全漁連のこうした割当の制度もやはりあなたのそうした今までの指導方針にある程度のっとって将来やらなければならないと思うし、もう一つは、かりに六月からとしまして、四月以降全漁連ですでに契約をして取引を開始しておる問題等があると思うのですが、そういう問題の調整はどういうふうにして行なっているのですか。それを六月からすっぱりと切って新しい法式でいくというのですか。それは上期だというと全漁連の方では上期のつもりで四月からの取引を開始しておる、そういう問題は上期に含んだ一つの結果としての仕事として認めておると、こういう制度ですか。
○説明員(森誓夫君) 実質的に言えば、私がこれまで申しましたように、たとえば外貨予算が上期、下期というふうに切られておりましても、この制度がきまってからのち半年を実質的な上期として扱っていっても差しつかえないというふうに考えますが、しかし、なるべく形式と実質とを合わすように持っていく方がいいと思います。そういう意味でいつかは、たとえば切りかえのときにはそういうふうに一致させるようにしていきたいと思っております。また上期の場合につきましても、ただいま水産庁といろいろ話し合いをしておるところでございまして、私の方でまだ最終的な結論を出しておるわけではございません。これはなるべく便宜上、外貨上の上期、下期の区切りに合わせるようないい方法があれば、研究してみたいと思います。
○千田正君 先ほど東委員からいろいろ御質問があったのですが、数字的に、計数的に一つの割当をやるというなら、やはり会計年度に区切ってやってもオーバーした分についてはその次の年に調整できるのですから、そういう一つのあなたの方で根本政策があるとすれば、その根本政策に準拠してやった方が一環としての制度としていいのじゃないか、私はそう思うのですね。それで同時に、私が今申しましたすでに四月、五月等において契約済みであったもの、あるいはすでに予定された取引上の問題はある程度それはそれに見合った調整をしてやって、流通過程においてあまりいろいろな障害が起きないような方途を講じてやる方がむしろ親心のあるやり方ではないかと思うので、私は先ほどから主張しておるのですが、善処する考えがありますか。
○説明員(森誓夫君) 私は流通過程になるべく自然に合うようなやり方でいきたい、そういう考えでやっておるわけであります。そういうわけで過去の取引をくつがえすことのないように、なるべく自然の流通の形に一致するようなやり方にしたいと思っております。
○河野謙三君 ちょっとお伺いしますがね。この全漁連の割当を受けた分ですね、これと工場との結びつきはだれがきめるのですか。
○説明員(森誓夫君) これは石油業界でまあ団体がございますが、そこで話をさせて、各社の分担量をきめさせよう、こういうふうに思っております。
○河野謙三君 全漁連の意思でなくて、一方的に製油業者の団体で工場を指定する、こういうことですか。
○説明員(森誓夫君) 取引の実際の窓口はそう多くあってはこれは複雑で困るのであります。従って窓口をどこにするかということにつきましては、これは全漁連と石油連盟とでよく話し合いをしてきめるようにいたした方がいいと考えております。
○河野謙三君 私がお伺いしたいのは、これは工場渡しになっているでしょう。着渡しの価格できまっているんならば問題はないけれども、工場渡しになっておりますから、全漁連の方では買手の方で、ある工場を指定するという一つのその権利が留保されておりませんと、非常にこの全漁連の中の加盟団体の中でも、割当工場が非常に遠距離のために高い油を買う、またある漁連は非常に立地条件がよくて近いところのために安い油を買うという不公平が起ってくるのでありますから、全漁連とこの油の団体との間で、双方で五分と五分で協定をしてきめるということでないと、非常に価格の上にアンバランスが出ると思いますが、それはそういうふうになっているんですか。
○説明員(森誓夫君) おっしゃる通りでありまして、そのこまかい話につきましては、われわれ官庁側があまり深く立ち入ることはできませんが、これからその両者で五分と五分で話し合いをさせて、お互いに都合のいいようにきめるようにもっていきたい、われわれはそういうふうに今後も指導していきたいと考えているのであります。
○河野謙三君 それは官庁がタッチしなければだめですよ。その油の団体と全漁連の間で双方で勝手におきめになるということになりますと、今私が心配するような問題が私は起ってくると思うんですよ。そこで原則はまあどこの工場に何キロというようなことでなしに、地区別にはたとえば関西地区とか、関東地区とか、北海道地区とか、そういう地区別に、全漁連のものはこのくらいの割合で引き受けようということで、あなたの方であっせんしなければうまくいかないのじゃないのですか。
○説明員(森誓夫君) 私が深く立ち入ると申したのは、そういう工場と工場の結びつきを、役所が頭の中で考えてそれを押しつけるということはいたしたくないというのでございまして、一応両者でよく話し合いをしてもらって、その上で話がどうももつれるようでございましたら、われわれももちろん乗り出して、これを適当に裁定をいたしたいというふうに考えております。
○河野謙三君 そういいますと、水産庁にしろ、通産省にしろ、せっかくこういう措置がとられた以上、全国的にどこの漁連といえども大体同じ価格の油が入手できるというような結果になるようにあなたの方は責任を持つわけですね。そういうふうに了承していいですか。
○説明員(奥原日出男君) 全漁連といたしましては、一方におきまして、製品輸入のものをこれを自由に輸入価格で買い進んでいくことができるのでございまして、全漁連自身もまた歩み寄ってもらいまして、そうしで、製品輸入のものの購入計画の策定等については、まあ通産御当局が石油業者側との間でいろいろ御苦労なさっている線にも一歩み寄っていただいて、そうしてとにかく全体をプールにすれば、同じ価格で石油が県連に渡るように操作をしてもらいたいと、かように考えております。
○河野謙三君 これは全漁連でプールするのですか。そうじゃないのでしょう。
○説明員(奥原日出男君) プールと申しましたのは、製品輸入のものとそれから国内精製のものと、これは五分五分で供給されるということによって価格がプールされるということを申し上げたのでございます。それで理想論としましては、全漁連が末端に配給する場合において価格のプールをするということが望ましいことでございますけれども、現在の操作はまだそこまでは参っておりません。そこでできるだけ需要の実態に合うように精製品の工場渡しの計画も立ててもらいまし、ようし、また同時に製品輸入のものの購入についても、ある程度従来の取引慣行等も尊重しなければなりませんが、ただ、また一方的にそればかりにとらわれることなしに、ある程度歩み寄ってもらいたい、こういうふうなことによって円滑に全体が進むのではないか、こう考えております。
○河野謙三君 奥原さん御存じでしょうが、国内の油の輸送費というものは非常に高いでしょう。だからそれが工場と消費地とがうまく結び付いておりませんと、せっかくこの措置をとりましても、油の価格は工場渡しできめておるのでありますから、着渡しの油の価格にすると、漁連によって非常な段階ができるということが想像されるんです。せっかくここまでおやりになったのなら、両省でよく相談されて、そういう着渡しの油の価格にアンバランスが出ないというようなところまでやらなければ、ほんとうに役所の親切じゃありませんよ。それをお考えになっておられると思いますが、具体的にはどういうふうな全漁連と油の会社との間に立ってあっせん措置をとられるかということなんです。さもなければこの全漁連と油の工場との間に工場割当がきまった、きまったものは通産省なら通産省の承認を得るということにでもなればいいんです。そうなっていないでしょう。承認を得るというようなことにされたらどうですか、そうしたら公平なあれができるでしょう。
○説明員(森誓夫君) 全漁連としては、全国の水産業者に有利に油が渡るようなことを中心に考えていろいろな計画をされると思います。そういう意味で石油連盟と全漁連との話がうまくつけば、これはりっぱなあれができたと思います。話がつかなければどうせわれわれのところへ問題が持ち込まれますから、われわれが適当な指導をしていきたいというふうに思います。従って承認を受けるとか何とかいう、そうわれわれもかた苦しい形をとる必要はあるまい、どうせ問題が起ればわれわれとしてはじっとしておれなくなり、当然調停に乗り出さなければならぬというふうに考えております。
○河野謙三君 いや、これは私の非常にひがみかもしれませんけれども、そういうふうに両者の話がつかない場合には、通産省はえてして従来油の業者の味方をするんですよ。だから私はそういうことを心配しておるわけです。それが過去の実績においてそういうことがなくて公平無私でいっておれば、これはあなたの場合じゃないですよ、あなたの前任者の場合ですよ、(笑声)それは心配しない。これを一つ特にお伺いします。それからついでにもう一つお伺いしますが、製品輸入品と原油の輸入ですね。全漁連の場合はわかりましたけれども、半分々々……。日本の市場全体の場合はどういう率になっておりますか。
○説明員(森誓夫君) これは重油でも油の種類によって違うわけでありますが、A重油につきましては、ただいま申しましたように大ざっぱに言って五分五分です。こまかく言いますと、輸入分が五三%になっておりますからちょっと半分より多いというところです。それからB重油につきましては、輸入分が一割ないし一割五分くらいを占めております。
○河野謙三君 製品輸入が……。
○説明員(森誓夫君) はあそうでございます。大体そういう姿でございます。
○河野謙三君 私もそういうふうに聞いておるんですが、製品輸入がA重油に限って特に実績が高いんですね。ということは輸出国から見ればA重油というのは非常にもうかる、ドル箱なんだな、製品輸出というものは。そこで向うがこれにしがみついてずっと来たということなんです。日本の国から見れば、向うのもうかるものはなるべく減らして、こっちの都合のいい製品輸入をふやした方がいいと思いますが、今すぐこれをゼロにしろというわけにはいかぬでしょうが、通産省としては国内の製油能力等もあるでしょうが、一つの三年なり五年の計画として、三年なり五年先に製品輸入をゼロにしていくというような目的を立ててやっておられるのですか。どこまでも向うのドル箱に引きずられる必要はない。特にA重油の製品に限って半分である、ほかのものは一割、二割でしょう。それは向うがもうかるからです。ということは私の聞いていることとあなたの言うことと間違ってない。それをだんだん減らしていかなければならない。そういう計画、何か通産省にありますか。
○説明員(森誓夫君) 油というものは、同じ原油からいろいろな種類のものが出てくるわけでございまして、従って油の種類別の需給計画を立てるということは非常に困難なわけでございますが、全般的に今後も重油の需要はガソリンに比べましてだんだん伸びていくわけでございます。そういう意味でわれわれとしても、今後重油の国内精製による供給量をふやすように努力をすべきであると考えております。このためにはどうしてもガソリンの生産過剰になった分を海外へ持っていくということをやらなければならないのでありまして、現在われわれとしてはそういう点について、適正な一つ促進的な効果を持つようなことを研究いたしておるわけでございますが、従ってあまり具体的に何年計画というものは立てておりませんけれども、今後はそういう方向に向って努力をしていきたいというふうに考えております。
○河野謙三君 もう少しこの問題は具体的に一つ、なければあなただけの構想でもいいです。たとえばことしは五分五分だ、来年は四分六分だ、再来年は七分三分だと、何か一つのあなたの目標はないのですか。ただ向うにかせがれているのをそのままで惰性でやっているのだったら、これは行政も何もありはしない。何かあなたの方でありませんか。私は一日も早くこれを知らせてもらいたいと思う。それに従って今後全漁連のことしの五分々々というのは、製品輸人は来年は四割に、再来年は三割に、逆に片方は六割とか七割にするということだと思うのですがね。
○説明員(森誓夫君) 私自身の構想をお聞き下さいましたが、まことに申しわけございませんが、そういうふうに来年は幾ら、再来年は幾らということはお答えすることはできません。まあ今後御趣旨に沿うよう大いに努力をしていきたいと思っております。
○河野謙三君 私最後にもう一ぺん伺いますが、過去において、じゃ去年はどうでした、おととしはどうでした。おととしはこの製品輸入はやはり五分でしょうが。製品輸入と原油の関係はあまり変っていないでしょう、ここ二、三年。変るくらいなら私が何も聞かなくても、変ってくることだと思いますが、今までほとんどコンスタントにずっと来ておるのでしょう、五分五分で……。だからこのままじゃいけない、こう言っておるのですよ。
○説明員(森誓夫君) おっしゃる通りでございまして、重油の需要が最近非常に全国的にふえて参っておりまして、その需給率というものはあまり改善いたしておりません。これはどうしても原油の処理量をふやしていくしかこの需給率をあげる手はないと思いますが、それがまた海外の国際資本と競争して海外市場の争奪をやるというところまでいかなければ、この問題は十分な解決は得られないと思うのであります。それだけに問題がむずかしいのでございますが、しかし今後はそういうことに努力をしていきたいというふうに考えます。
○河野謙三君 これは農林委員会ですから、通産委員会じゃありませんから、この程度にいたします。
○上林忠次君 私聞きたいのは、先ほど河野氏が質問されてほとんど尽きておりますが、大体四万キロというのは、どうしてこういう四万キロという数字を作ったのか。今話を聞きますと、大体全体の消費が半分程度は輸入に待っておるということを聞きましたけれども、それじゃなぜもっと日本の設備をふやさぬか。もっとも先ほどの話では、このA重油、B重油だけにクラッキングするのでなくて、同時に軽油もガソリンも出るのだ、ガソリンの輸出まで日本がやらぬ限りは、にわかにこの重油の生産だけを目標に精製量をふやすわけにいかぬということを今聞きましたけれども、日本のそれなら軽油は、ガソリンの方は輸入していないかというと、実際また輸入しているじゃないか。どんどんそうしたら重油クラッキングをやって、副産物として、あるいは主製品として出てくる軽油分、ガソリン分、こういうものは日本で使えるじゃないか、設備はふやしたらいいじゃないか。また本年において漁業に十五万キロも使うというなら、何も半期四万キロでがまんしなくて、この漁業だけでももっと数量をふやしたらいい、国内情製のものをふやしたらいい。なぜ四万キロくらいのもので押えているか。全体の平均がそうなっているから、漁業もその通りでいけるというところに解せぬところがある。大体のことは今伺いましたけれども、もう少し何とかできぬか。しかも向うの輸入分よりも内地情製の分が安いということになりますと、もっと考えなければいかぬじゃないか。もう少しこまかいこのクラッキングの関係ですね、これは輸出がない限りは生産をふやすわけにはいかぬというような点がありましたから、もう少しこまかいところをお願いしたいと思います。
○説明員(森誓夫君) ただいまガソリンの輸入があるというお話でございましたが、たとえば今年度の計画でいいますと、ガソリンの内需は三百九十万キロリッターでございます。そのうち輸入するものが十万キロリッター以下です。六、七万キロリッターだろうと思います。これは全部航空揮発油でございまして、これはわが国では技術的に生産できませんが、実は本年度はその所要量の半分くらいは生産することになっております。今後航空揮発油の生産設備が完成いたしまするならば、やがてこれは一、二年のうちにこの輸入もなくなるわけでございまして、ガソリンの輸入はないわけでございます。わずかな輸入をしておるくらいのことでございますが、いずれにしろ、そういうわけで、ガソリンは全然輸出しないような格好で原油を輸入しておるものですから、根本的にいって、それからできる重油の量が特に激増しておるが、最近の重油の需要に合わなくなってきておるわけでございます。まあこの問題を解決するための策としましては、ただいま申しましたような原油の処理量を全体としてふやすということが根本的な問題であろうかと思ますが、若干効果があると思われますることは、なるべく重油のよけい取れるような油を持ってくるような努力をすることだと思います。現にそういう方向に動いておる会社もございますが、そういうふうな努力はわれわれも一緒になってやりたいと思っております。まあ重油が、これは国際的に見て、今ガソリンよりも需要の伸びが大きくて、将来はガソリンよりも重油の方が高くなるんじゃないかというふうに言われておるくらいに重油の価値は認められておりますが、そういう大勢に応じて、やはりわれわれも重油の供給量を増加するというふうな方向に今後やはり研究もいたし、努力もいたさなければならないというふうに考えております。
○東隆君 この問題ですね、こうなんでしょう。A重油は、これはAA制になったわけですね。従ってAA制になった製品の輸入を全漁連としてはできるだけ少くして、そうして原油生産分をふやしていくことがコストを下げる唯一の方法なんです。そこで四万キロの基準というものを決定をされて、四万キロはこれはどうしても精製したものを輸入しなければならぬ。そうでないと、今後におけるものはふやすことはできない、こういう問題ですね。それ以上輸入しなければ——非常に限度がどちらかというと、おかしなことになるのじゃないですか。常に尺度が、まあうしろの方にずれているわけですから。先ほどいった問題はいつもずれてくるわけです。何かその全漁連の方に考えておることを実現させることを一つも考えていないで、石油業者の方ばかり、輸入業者あるいは精製業者の方の側ばかりを考えておられるというより仕方がない。そこで四万キロとやはり何かはっきりきめたらどうなんですか。そっちの方を尺度にされないで、将来においてもA重油の輸入というものをできるだけ減したいのですがね、減して、そして原油生産分をふやしたいのですから。その場合にA重油の製品輸入を限度において、そうしてそいつがふえればふやしてやるという、こういうふうなやり方は、これは何だか知らぬけれども、考えようによると、非常に不愉快なものを尺度にされて、そうして進められているように思うのですが、そこでやはり四万キロというものを、これは何もこいつを制限をおくだの何だの、そういうものじゃなくて、どうですか、原油の生産分がふえていく分ですね、これを計画的に上昇していくような、先ほどの河野さんからもお話がありましたが、そういうようなことをやっていかないと、製品がふえれば原油はふやしていくんだ、そういうやり方は、これはいつも何だか知らぬけれども、おかしなものになってくるんじゃないか。そういう点と、それからもう一つ、先ほどの四月から始まって九月までの計算をするという、そういうようなことで、しかも価格を計算するときには、これで四月から六月の分は一万一千円、こういう計算をして、そうしてあらかじめ計算をされているのですが、ですからそういうふうに計算ができるものですから、何もそんなにここのところにこだわって、そうして延ばしていく必要はさらにないと思うのですが、これは必要に応じてどうしても必要ならば、製品輸入の分をとめられれば、ふやしていけるかもしれない。製品輸入の方はしかもAA制になっておるのですから、なおさら都合がいい。原油を輸入してそうしてそれからとった方が希望するでしょう。外貨の割合はしないんだとこういうのですから、そういう何を一つちゃんとつかまえていって、あくまで業者の側における採算でやっていこうというところに、需要者の側における今後の開拓する余地というものは、非常に狭められてくるわけです。コストを下げる方法は、常にじゅんぐりじゅんぐりにおくれてくるわけですね。そういうやり方をしなくてもいいんじゃないですか。計画的に原油の生産量をはっきりと四万キロなら四万キロというものをちゃんとおやりになって……。
○説明員(森誓夫君) ただいまのお話ですが、国内精製の分と輸入の分と五分五分にしているという姿が、あまり将来に希望を持たせないという点につきましては、これはまあさしあたりの国内のA重油の供給量の内訳は平均的にそういう姿になっておる。五分々々になっておるわけですが、もし将来重油の国内精製分が非常にふえまして、その比率が改善されましたならば、当然この制度につきましても、同じような角度で改善をされるべきものだと考えます。それから次の出発の時期、あるいは期の区切り方につきましては、水産庁とよく相談をいたしまして、できるだけ扱い上の無理のないようにきめていきたいと考えておりますから、御了承をお願いしたいと思います。
○委員長(堀末治君) これにて、暫次休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 —————・————— 午後一時五十七分開会
○委員長(堀末治君) 午前に引き続き、委員会を開会いたします。 昭和三十二年産米麦価の件を議題にいたします。 この件については、きのうの委員会で食糧庁長官から一応の説明を聞いたのでありますが、さらに農林大臣に対して御質疑の向きは御質疑を願いたいと存じます。
○小林孝平君 政府はことしの予算編成に当って、消費者価格の値上げを閣議決定をいたしまして、これが与党の内部においても非常に問題を起し、また国会外の世論の反撃を受けまして、これを一応白紙に戻して、一切をこの米価の決定に当っては食糧調査会の結論待ちという態度をとってこられたわけであります。そこでこの調査会ができるに当りまして、この調査会はどういうことをやるのか、非常に性格、権限が不明確であったのでありますが、井出農林大臣は、この委員会あるいは予算委員会において、私たちの質問に対して、この調査会の結論をもって大体政府の原案として、それを米価審議会にかける、こういうことを言明されているのであります。それでこの考え方はいろいろ問題があり、また疑問でもありましたので、いろいろ各委員から質問をいたしましたけれども、大臣はそういう答弁を繰り返しているのであります。そこで政府は、農林大臣のみならず、大蔵大臣も予算委員会において米価については一切白紙である、政府の考え方は全然ない、一切をこの調査会の結論待ち、こういう態度をとってこられたのでありますから、今、食糧調査会の結論が昨日ほぼ成案を得る運びになって、十一日には最終決定をみる段階にきているのでありますから、私はこの調査会の結論というのは、一体どういう結論が出るのか、おそらく今まで政府の御答弁によれば、生産者価格幾ら、消費者価格幾らという結論が当然出るべきはずだと思うのであります。そういうことがいいか悪いか別として、今までの政府の御説明によれば、そういう結論が出なければこの調査会を設けた意味は私はないのじゃないか、一切の国会における答弁を拒否されて、食糧調査会の結論を待つという態度をとられてきた政府の立場からすれば、それは当然だろうと思う。そこで農林大臣にお尋ねいたしますが、この調査会の結論というものは、生産者価格幾ら、消費者価格幾ら、こういう形においてなされることになるのかどうかということをまず一点お尋ねいたします。念のため。これはそうなるはずなんですけれども……。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま御指摘のように、臨時食糧管理調査会の結論を待ちまして、政府としては米価の決定をいたしたい、こういうふうにお答えをいたしたつもりでございます。調査会はその後本委員会をたしか七、八回、小委員会を五、六回にわたって開かれてきたと思いますが、来たる十一日に最終的な結論を示されるであろう、こういうふうに予想せられるのであります。その答申は今小林委員の言われますように、明確な数字を入れて御答申があるのかどうか、その辺は答申をいただいてみないとわかりませんが、答申をいただいた上は、これを十分に尊重をしてきめたいと考えております。
○小林孝平君 これは非常におかしいのです。私は農林大臣が今さらそういうことを言われるのはおかしいので、この委員会ではっきりと私たちがお尋ねしたのに対して、この調査会の結論を政府の原案として、米価審議会にかけるということを言われたのです。僕らはそういう調査会にそういう権限あるいは性格を与えていいかどうかということは、疑問があるということを繰り返しお尋ねしたのに対して、そういう態度をとってこられたのです。だからこれはわれわれ委員はもちろん、国会外においても一非常にこの調査会の審議を注目しておったのです。いよいよ最後のどたんばにきたらどういう結論が出るかわからないと、十一日には結論が出るのに、どういう結論が出るかわからない、こういう御態度はちょっと私はおかしいと思うのです。しかも最初の政府の態度からいけば、むしろ積極的にこの調査会に働きかけて、政府は、政府の原案にすべき答申を得られるようにすべきはずだったろうと思う。また現にこの調査会の委員の人選に当っては、農林大臣のみならず、大蔵大臣も積極的に従来の各種の委員の選定とは異って、特段の熱意を示されて委員の人選をやられたはずです。これは政府の方針に沿うように委員の人選をされたかどうかは別として、ともかく相当の関心を払われて委員の人選をやられたのです。ところが今に至ってこの調査会の結論が何が出るかわからぬというのじゃちょっとおかしいじゃありませんか。これは私は、あなたは三時半においでになるというのだから、これはほんとうは長くやらなければならぬのだけれども、これはまたあなたの政治的な政治責任、並びに政府の予算委員会、農林委員会における答弁の食い違いについて追及は別にいたしますが、もしそういう——かりにあなたの今の御言明を是認したとしても、政府は一貫して米価の問題については白紙である、大蔵大臣も強くまたそういうことを言われておった、今もそういう態度だろうと思う。ところがこの十一日には食糧調査会の結論が最終的に出る、こういうことになっておる。一方ではあなたは衆議院において、この中旬以降すみやかに米価審議会を開く、こう言っておられる。そうしますと、あなたの御言明からいけば、一週間ぐらいの間に政府の原案を作らなければならぬ、こういうことになるんです。そうすると今全然あなたは、農林大臣のみならず政府は、米価問題には白紙であるという態度をとってこられたのに、この調査会の結論がどういうものが出るか全然わからない今の状態で、一週間ぐらいで結論が出るのか、出るんですか、また出るのはおかしいじゃないですか。そんなことが出るぐらいなら、今まで国会において答弁を拒否されておったということが私はふに落ちない。少くとも一週間ぐらいで結論が出るぐらいなら、今大体農林省はどういうことを考えているか、生産者米価については一万一千四百円という米価にきめますというぐらいのことは言えるんじゃないかと思う。どうです、その点。
○国務大臣(井出一太郎君) 従来申し上げて参りましたこととさほど変っておるとは思いません。やはり食管調査会の結論を待った上で、これを十分に尊重をして、政府としての態度をきめる、こういうふうに申し上げて参ったことは変っておらないと思うわけでございます。そこで十一日に答申をいただきますれば、鋭意取り急ぎまして、この答申を十二分に尊重をいたして、そして政府の腹がまえを作りたい、こう考えておるわけであります。
○小林孝平君 それは私は、この問題は本日は追及しないことにしようと思っておりましたけれども、あなたがそういうことを言われるから言わなければならないことになるんですが、どういう答申が出るかわからない、その答申が場合によれば極端に言えば白紙に近いものが出るかもしらぬ、あるいはどういう解釈もできるような答申が出るかもしれない。それをこのわずか一週間か何かの間に政府の原案を作るということは、これは容易なことじゃない、それならばあなたの職責から言えば、当然従来の政府の態度から言えば、この調査会に、政府がとって原案とするに足る結論を出すようにお願いしなければならない。そういうことをやられたんですか。またやられてないとすれば、私は国会における政府の答弁は非常に不まじめであった、国会などはそのときいいかげんなことを答弁しておけば、あとはみんな休会になれば集まってこないだろう、また忘れているだろう、こういうことで答弁されておるんじゃないかと思うんです。私は非常にまじめな井出さんがそういう態度をとられるということはおかしいと思うのですが、どうなんですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 決してさにあらずでございまして、政府は調査会に対して御要求のありまする資料等の提出、その他所要の御要請にこたえることはいたしましたが、ある一つの意識を持って米価をどういう方向に持って参るというふうなことはいたしておりません。調査会において十分に検討を遂げられた上の結論をちょうだいしまして、それに準拠して政府案をきめたい、こう存じておるわけであります。
○小林孝平君 私はその政府が調査会にある結論を出すように誘導したかどうかということを聞いているんじゃないんです。また、すべきはずだということを言っているんじゃないんです。あなたがこの委員会あるいは予算委員会——あなただけでなく、政府全体として、あの重大な問題となった米価問題を白紙に還元して、そうしてこの調査会を作ってこの結論を政府の原案にすると言われたんだからですね、政府はこの調査会の結論というものは、少くとも直ちに政府の原案にするに足るべきものを出されるように、あなたは少くとも懇請なり、あるいはそういうことを求められるのが当然だったんだろうと思うんです。われわれは当然そういうふうになっておるんだろうと思って、今日まで政府にいろいろお尋ねするのを控えておったんです。ところが、今になってみたら何が出るかわからぬ、それをできるだけ尊重しますということは、これは非常に政府の態度としてはおかしいんじゃないかと、これを追及しなければならぬけれども、先ほど申し上げているように、あなたはそういうふうにぬらりくらりと御答弁なさって時間が経過するから、本日はまあ、またあらためてやりますが、私はあなたがそういうことを言われるなら、この調査会はどういう結論が出るか知らないが、それを尊重して政府の原案をきめられるというのでありますから、私は根本的にこの際、あなたにお尋ねしたいのは、米価というものをですね、農業政策との関連においてあなたはどういうふうに考えておられるのか、今の日本の農業政策をあなたが担当されておる立場からいってですね、米価というものに対してどういう考え方を持っておられるのか、具体的にはこの農業政策の中における米価の占めるウエートとか、そういうものをどういうふうに考えておられるのか、またどういうふうにしようとしていられるのかということをお尋ねしたいと思います。また、それに関連してあなたの食糧政策のあり方について、私はお尋ねをいたしたいと思うんです。一体、こういうふうに米価を幾らにきめようとか何とかということは、食糧の管理制度と関係があることなんです。ところが、今の政府並びにあなたの政府の与党は、食糧政策については確たる方針を示しておいでにならぬ。一方においては、この制度を断固守り抜くという強い気魄が見えないわけです。現にやみ米は公然と流通している。やみ米も、食糧管理法というものはあってなきがごときものであり、無視された法律の最もよい例になっているような状態です。こういう際に、あなたはこの食糧政策をどういうふうにしてやっていかれようとしておるのか、これに関連して、米価の問題についつもあなたの——先ほど申し上げた点と関連して、あなたの基本的な態度をまずお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 日本の農業の上におきまして、米の占める地位というものが非常に大きいことは、小林委員御指摘の通りでございます。従って、米価が農業所得の面におけるこれまた大宗であることも論を待たないのであります。従いまして、それがためにはいかにして適切なる米価を求めるか、こういうところに苦心を払っておるような次第でございまして、これらも調査会の結論を参酌をいたしまして適正にきめて参りたいと思うのであります。また食糧管理制度の現状について御批判がございました。まあ確かに管理制度が欠陥を包蔵しておることも事実でございましょう。しかし、これはまあ国会中予算委員会、農林委員会等を通じて申し上げて参ってきたことでございますが、これを今直ちに自由にするというふうなことは容易ならない問題でありまするし、これらをもあわせて調査会で、御検討を願っておると、こういう状況でございます。
○小林孝平君 私は、今の御答弁は普通のときならその程度でいいと思うのです。ところが、今その米価を現実にきめなければならぬ、そういう段階に来て、そういう抽象的なことをお聞きしてもこれは何にもならぬのじゃないか。具体的に米価をきめる際に、あなたは私が最初に申し上げたように、農業政策との関係で米価をどういうふうに考えるかという、米価のウエートというものを農業政策の上でどういうふうに考えるかということがきまらなければ、私は生産者価格も消費者価格もきまらないのじゃないかと思うのです。こういうふうにして、あなたが非常に農業政策の上においてこの重要な地位を占めるから慎重にやると、そんなら、米価を非常に農業者の要求する米価にあなたはすぐできるかといえばできないのじゃないですか。またそういう農業政策の上において非常にこれを重視されておれば、いろいろの障害を克服して、政府として農業者の要求する米価というものを、生産者米価というものを設定されるだろうと思うのです。だから、どういう程度に米価というものを考えるかということがきまらなければ、抽象的な問題を言われても解決できないのじゃないか。今のあなたのような態度であれば、この調査会の結論が出てきても、それをもって直ちに米価を決定できないのじゃないかと思うのです、まじめにやれば。しかし、今あなたにそう言っても、これはなかなかこれ以上御答弁がないと思いますけれども、私は、本日あたりはこういう問題について、農林大臣の確たる見解をお示しになるのが私は必要ではないかと思うのです。またそういうことをやらなければ、こういう委員会にわざわざあなたからおいでを願ってお話を聞く意味がないのじゃないかと思うのです。そういう点について、あなたはそういう態度でいいとお考えになっておるのか、またそういうことが全国のこの一われわれ委員を満足せしめないだけでなく、全国のこの米価について関心を持っておる農民に満足を与える態度であると考えられるかどうか、一つあなたの御見解をお尋ねいたします。
○国務大臣(井出一太郎君) まあもう少し具体的なものをお示しできまするならば、これは小林委員の御満足も得られるかと存じますが、ただいま来申し上げておりまするように、米価の重要性にかんがみましてできるだけ適正な米価を設定したい、かように考えておるような次第で、今数字を明確に申し上げにくいことは大へん遺憾に存ずるわけであります。
○河野謙三君 今日の段階まできて依然として政府は新しいこの生産者価格、消費者価格については白紙である、それは一に調査会の答申を待ってこれを尊重してきめると、こういうことのようですが、まあ調査会の方は具体的に答申は出ていないのですが、大体調査会の方向としては、生産者価格も何分かの引き上げはやむを得ない、消費者価格も同様に値上げはやむを得ない、こういうふうなことですがね、まあ生産者価格の値上げというのは、これは値上げじゃなくて、既定の算定方式によってやれば上ることは当りまえなんです。消費者価格の方も上げると、こういうのですが、もしそういう答申が出れば、とにかく政府は生産者価格、消費者価格を、何十何円ということは別として、とにかく上げるということの御方針は間違いございませんか。
○国務大臣(井出一太郎君) この方向といたしましては、ただいま河野委員の言われましたような感触に受け取っておりますが、いずれにせよ、調査会の正式結論を待ちました上で、取り急いで政府の最終的な結論を出したい、こう考えております。
○河野謙三君 原則論ですよ。調査会の方で、消費者価格はかような理念に基いてかような計算方式によって上げるべきだという、具体的な数字は出なくても、値上げという答申が出ますね、その場合には、その値上げという答申に基いて計数をはじいて、農林大臣というか、政府は値上げの態度に出るということを決定しておられるかどうかということなんです。
○国務大臣(井出一太郎君) まだ最終的な段階には参っておりませんが、答申をいただきました上は、これをできるだけ尊重して参りたい、こういう考え方でおります。
○千田正君 関連して。さっき小林委員から質問されたのに対して農林大臣のお答えは、まだ審議会の結論も出てないからそういうことはお答えできないというのですが、先月の新聞紙上では一斉に、井出農林大臣語ると、三十二年度の産米の生産者価格が一万百六十六円と決定したがごとく放送もされ、新聞にも記載されておりますが、あれは大臣はそうするというとむぞうさに発表されたのですか、何らの根拠のない、あなたの一つの希望価格なんですか、あれは。
○国務大臣(井出一太郎君) 今千田委員のおっしゃいます新聞報道でございますが、今おっしゃいますような数字をあげて私が発表したということはございません。
○千田正君 どうもわれわれは、あの新聞発表を見るというと、あなたがいかにも一万百六十六円と、昨年よりも百円ちょっと少いけれども、生産者の立場を考えてそういうふうにきめたいと、きめたがごとく新聞紙に発表されていますというと、少くとも全国の農業生産に携わっている者は非常に惑わされるのですね、ここにあなたがいらっしゃる前に各種団体側の陳情がありましたが、これは容易なことじゃないじゃないかと、そこで、私自身は、今小林委員とあなたの応答を承わっておるというと、農林大臣としての決意はまだきめておらないと、それから米価審議会の答申も結論が出ておらないと、ああいうことを発表されるということは、私は、いやしくも農林行政に携わっておる主管の大臣としては非常に軽率じゃないか、もしあなたがそういう発表をしたとするならば。そこで、私が今あなたにお伺いしたら、あなたはそういうことはやっていない、それじゃ新聞が推定してああいう報道をしたと、こういうふうにわれわれは認めがたいのですが、あなたは何か新聞記者会見において、三十二年度の生産米価に対しての一応の何か御希望か、あるいは何かのアイデアを御発表になったのと違いますか。
○国務大臣(井出一太郎君) あるいはパリティの上昇というふうな問題が話題になったかと記憶いたします。まあそういうところからそういう推測記事が出たのではないかと思います。
○清澤俊英君 昨日調査会が終りまして、それから十一日までに答申が出るというが、その間、調査会はあるのですか、事務当局の方から。つまり、あるのかないのか。
○説明員(小倉武一君) 調査会の本会議は予定しておりませんが、小委員会はその間一、二回あろうかと存じます。
○清澤俊英君 あろうかと言われると、こういうことも考えられるのだ。非常に、今御答弁を伺っているというと何にもまだわからない、答申が出るまではわからないと言うが、昨晩から今朝へかけてのラジオ放送並びに新聞等を見ますと、大体十一日までには小委員会で答申をまとめると、こういうことになっておる。そうして、大体の答申の内容はこれこれということをゆうべからけさにかけて発表しておる。大体の見当はついておるのじゃないかと思う。見当もつかないのだということになると、何ら、ここでやってみても、聞きたいことは山ほどあるけれども、小林さんの言いぐさじゃないけれども、これは問題にならない。そういうことは、もっと正直ということはおかしいかもしれないけれども、率直にこうこう内容の項目ぐらいのものはあったのだ、それに対してどういう方針だくらいのことは、もう腹きまっていていいものだと思う。わしはそうだと思うのです。どうもまだ、十一日が来なければ質問もできなければ何にもできない。また十一日から農林委員会を開くのかということになって、これはまことに迷惑千万だと思うのだ。それはどうなんです、その点の様子は。そこからきめていかなければこれはどうしようもない。どうなっていますか、その点のいきさつは。
○国務大臣(井出一太郎君) 今長官からもお答えを申し上げましたように、さらに小委員会が一両回予定をされるようでございます。これは調査会のおやりになることでございまして、その最終的なものを十一日に政府の方へもたらされる、こういう手はずに相なっておりまするので、私の方としては、それを待った上、こういう考え方でございます。
○清澤俊英君 それはあんまり事務的な言い方じゃないか、こう思われるのだ。事務的な言い方というよりはむしろ機械的な言い方じゃないかと思う。実際委員会を持って大体の意向はまとまってあとの答申案を成文化する委員会を二、三回持つこういうふうにわれわれは解釈しておる。骨子というものは今ちゃんと出ておるのだ。昨日骨子が出ておるのだ。その骨子は新聞やいろいろなもので放送されている。放送があったり新聞に出たり、けさの新聞を見たって堂々と出ている、数項目にわたって。読みましょうか。——読んだって変な答弁じゃ何にもならぬから。そんなこともうわかっておると思う、結論は。それをどう成文化して文句に出すか出さぬかということがあと一、二回できまするということじゃないかと思われるのですが、そうじゃないんですか。そこのところをお伺いしたい。まだ審議すべき何ものかが残っておるのかどうか。
○説明員(小倉武一君) 調査会の審議会の内容につきまして、ごく要点を昨日の当委員会で御報告いたしたわけでございますが、いろいろ問題がございまして、なお重要点について意見を調整しなければならぬ点もございますので、新聞紙等に報道されているのがそのまま正確なものであるというふうには私ども思えないのでございます。はっきり申し上げまして、実質的に結論が出るのはもう少しかかる、こういうことでございます。
○河野謙三君 まず、私が食糧問題でお尋ねする私の態度を一つ御了解願いたいのですが、大臣御承知のように財政法の第何条かにありましたがね、国民の生活に重大な影響を及ぼすものは、すべて国会の審議を待つべしというたしか条項があるはずです。従って、米のごときは、鉄道運賃、電気料金とともに、国会のこれは承認を得るというのが原則だと私は思うのです。けれども、米価決定の時期その他が国会の開会とも合わないから、そこで、米価審議会というようなものが私は便宜置かれておる。従って、われわれ国会議員は、この問題については積極的に意見を述べて、積極的に質問をすべきものだと、こういう態度でおるのでありますから、はなはだ出過ぎるようでありますけれども、その点は御了解をまず願っておきます。 さっき農林大臣は、調査会の答申を尊重してと、こうおっしゃいましたが、ところが、調査会の答申は、もう出る一歩手前なんです。すでに出ていると同じだと思うんです。この調査会の答申は、具体的に、消費者価格、生産者価格何十何円とは出さないでしょうけれども、一応、調査会の答申の文面の裏には、私は数字があると思うんです。なぜかというと、調査会の審議の基礎になっておるものは、食管の経理の現状というものをこの調査会の委員は基礎にして審議しておるんです。たとえば、本年度で言うならば、百四十何億かの赤字を生む、この赤字を克服するためにはいかなる措置をとったらいいかということが、調査会の全部じゃありませんけれども、重要なる課題なんです。この百四十何億かという赤字を机の上ににらんで、これを埋めるためには消費者価格をどうしたらいい、生産者価格をどうしたらいい、中間経費をどうしたらいい、ということなんです。それがただ数字の上で百四十二億というものが出てこないだけであって、この消費者価格、生産者価格、中間経費というものを、こういうふうな方針でやれば百四十二億が埋まると、こういう数字は、私は裏にあると思うんですよ。それを言って差しつかえないじゃないですか。なぜ言わないんですか。ただ、調査会がそういう答申をして、それを今度は政府が、政府の責任において、消費者価格をそう上げるといったって、そうはいかぬから、財政負担をもう少しふやそうとか、中間経費をもう少し積極的に減らそうとか、これは政府として手直ししていいと思う。また、すべきだと思うんです。だけれども、調査会の答申には、現われた字の陰に、調査会の答申によると、消費者価格は幾ら上って幾ら赤字が埋まる、中間経費が幾らどうなる、生産者価格をどう上げたらどうなるという数字があるはずだと思う。ないはずは絶対ないと思う。これはあなたたちが出した資料なんです。この資料に基いて調査会は長時間をかけて今まで結論を急いだんですから、これは、大臣、あなたでなくてもいいと思うんだ。長官はそれは御答弁できると思うんだがね。そうでなく、百四十二億も、食管経理の現状も何にもこういうものは基礎に置かないで、ただ理論をもてあそんだというような、私はそんな無責任な調査会じゃないと思う。出るんじゃないですか、それは。
○説明員(小倉武一君) お話のように、本年度の特別会計の損益の問題といたしまして、百四十二億というものが予算上の赤字でございまして、この赤字についての部門別なり、あるいは事項別の要因というのを一わたり調査会で御検討になりまして、そういう諸般の事情を頭に置いて議論がされておるということは、これは御推察の通りでございます。ただ、調査会といったような会議形態でございますので、個個の項目について一々数字を詰めて、その結果、価格はどうだとかいうふうに、具体的な数字をまじえての作業までには至っておりません。そういう数字は頭に置きながらではございまするけれども、出てくるものは、そう数字的な、具体的なものではございませんので、御了承を願いたいと、こう考えます。
○河野謙三君 どうもその点が納得いかぬのですがね。やはり、この中間経費、生産者価格、消費者価格、こういうものはいろいろ手直しして、その結果答申に基くと百四十二億なり百四十億なり、これが埋まってくるんだと、こういう数字が、小倉さん、ないはずないと思うんだがね。また、あなたたち、それを調査会の答申に要求しておられると思うんです。それで、これはまあ、まだもうちょっと待てと言われればそれまでだけれども、今までの調査会の小委員会なり何かの審議の過程において、今の、消費者価格を手直しする、中間経費を手直しする、生産者価格を手直しする、こういうことでこの、百四十二億がどこでどのくらい埋まっていくかという、ごくラフな数字は出ませんか。消費者価格をたとえば二十円上げたら、それで幾ら埋まる。中間経費で幾ら埋めていく。中間経費のごときは、今までごく抽象的に極力節約してというようなことを言っておられますが、中間経費のごときは、調査会の論議においてはどのくらい埋まるという数字は出ているはずだ。そういう数字が出してありませんか。
○説明員(小倉武一君) 数字的な問題につきましては、主として予算上の数字を基礎にしてやっておりまするので、予算上の数字と違った数字というものが特に出してございませんし、その点についてもちろんいろいろ御議論はございました。御議論はございましたけれども、そこをそう大きく動かすという客観的な事情がまだ本年度に入りましてからごくわずかでございまするので、そこまで大胆に修正をしてみてどうだということにはなっておりませんのです。お話のように、中間経費につきましても、個々の項目について非常に具体的に詳細に御検討になったわけでございますが、節約政策をとるということについてはだんだんと意見がまとまりつつありまするけれども、その結果どれくらいの節約ができるかということになりますと、これはなかなか数字を出すことはまだ困難な段階でございます。従いまして、数字として具体的に当てはめることは非常に困難でございますが、かりに、たとえば予算通り生産者米価が一万円である場合にどうだ、あるいは予算米価方式によりまして四月のパリティによって直しました一万百六十六円であればどういうことになるかと、こういう計算は実はいたしております。そういう範囲を実は出ていないのでございます。
○河野謙三君 大臣に伺いますがね、調査会の答申というのは、一つの数字ではないけれども、アイデアですね、そのアイデアに基いて政府が今度数字を作るわけですね。その政府が作る数字というものは、百四十二億の赤字というものを埋める数字ですか、それとも、さらに今後予想されるところの百七十億なり八十億の新しい赤字を埋める数字になるのですか。
○説明員(小倉武一君) それは、一応百四十二億というのを頭に置きまして、その上で特に非常に影響があると考えられまする生産者米価、それから麦の買入価格、これも同様。パリティによって当然上るということが歴然といたしておりまして、計数的にもすぐはじけるものでございますので、そういう要素を繰り入れてどの程度の赤字の増となるか。米についてみますと、百六十六円上りまするので、約四十四億赤字が増になります。それから麦についても同じくパリティが上るものでございまするので、買い入れる量が非常に推定になりまするけれども、ほぼ計画のようなことでございますれば、やはり十億余り増になります。従いまして、合せまして五十数億というものが価格だけの関係で赤字の増の要因になります。従いまして、百四十一億にそれが加わりまするので、二百億近い赤字、これをどういうふうな措置でカバーするかということになりますると、消費者価格の値上げの問題もございまするけれども、かりに消費者価格が上るという仮定をとりましても、そういうふうな赤字を埋めるというだけの上り方はおそらく不可能に近いだろう。もちろん外麦の益等によって一部埋めますけれども、埋めてもなお距離が遠いだろう、こういうだいたいの検討をいたしておる次第でございます。
○河野謙三君 赤字を埋めるもう一つの方策として、買入価格の品種別の格差をいろいろ考えておられるですね、価格差を。陸稲、水稲とか、硬質米、軟質米とか。これによって、ある程度食管が従来と計算を変えたことによっていわば黒字を出すというようなことも考えておられるようですがね。それはほんとうにそうですか。
○説明員(小倉武一君) 今の陸稲、もち等の格差の問題につきましては、直接それによっての損益を期待して論じておる次第では必ずしもございません。もちにいたしましても、陸稲にいたしましても、量的には水稲の率に比べまして非常に量が少い。そういうわけで格差の開き方にもよりまするけれども、損益に大きく響くという要素にはならないと存じます。ただ近年の需給の状況から見まして、いかにも質が違う、最も的確に、物理的にも歩どまりが違うというものを同じ価格で買うのはいかがかと、こういう点、それからまたいろいろ食管的な問題もございますけれども、そういう点もございまして、陸稲についてしかるべく価格差をつけるのが妥当であろう、こういう考え方のもとでできておりまするので、必ずしも損益ということが直接の原因ではございません。 それから今の軟質米、硬質米の歩どまり格差の点は、これは加算するか、あるいは本来の字義の通り格差にするかという問題がございますが、かりに格差ということにいたしましても、これは損益には全く関係ございませんし。平均価格からというだけでございますので、そういうことをねらっての措置ではございません。
○河野謙三君 それなら、そういうことをねらっていないならば、かりに価格差をいじることの是非の問題は残っております。残っておりますけれども、それはそれでおいて、買い入れの方でそういう価格差をつけていくならば、それがストレートに消費者の方の価格にいかなければ、消費者の方の価格については今までと同じようなことをやっておって、買い入れの方でいろいろ手直しをしたということでは、結局あなたの方の経理に黒字が出るんじゃないですか。
○説明員(小倉武一君) ごもっともな御質問でございますが、すでに陸稲は値下げしてと申しますか、水稲よりは安く売っております。その意味では水稲以上に陸稲は損しているということになりますが、それから歩どまり格差、軟質米、硬質米の格差を買入価格につける以上は、当然御承知のようにそういう措置をすべきでございますし、現在もやっておる次第でございます。
○河野謙三君 水稲、陸稲はすでに消費者の方には格差をつけておる、これは既成の事実なんですね。先に今年度の米については格差をもっと開きをつけるのだからという条件で、今までやっておるわけじゃないでしょう。だから、それは既成の事実ですよ。既成の事実に対して、今度あらためてそういう制度をやるということは、食管がやはりこの際苦しまぎれにいろいろあれやこれや考えて、少し私は芸がこまか過ぎると思うのですが……。
○説明員(小倉武一君) 芸がこまかいとおっしゃれば確かにそうでございますが、だんだん消費者の嗜好が非常に戦争中なり終戦直後と変って参りましたので、やはり食糧管理の立場からいっても、そこに事務的に可能な範囲においては差をつけるということが至当ではないか、もちろん最終的に陸稲の価格が家庭の消費者まで現在安く行っているわけではございません。これは政府の売却価格のときだけでございますので、必ずしも末端までそうではございませんが、今後は末端まで陸稲は下げるということを当然考慮してしかるべきじゃないか、もちろん損益の問題は別にいたしましても、また考えられてしかるべきじゃないかと考えておるわけであります。もっともこれは米の需給全体がどうなるかということと関連をするわけでございますが、方針としてはそうあってしかるべきではないか、こういう気持でおるのでございます。
○河野謙三君 ほかにまだ大事な問題がありますから、一ぺんやめますが、今の問題でちょっと……。そうすると小倉長官の、これは小倉長官だけの気持として私は受け取ってけっこうですが、小倉長官の気持としては、消費者米価、あなたの方が米屋に売る値段ではない、米屋が消費者に売る値段、この場合も、価格差が買い入れの方とずっとストレートでこの気持が通ずるように手直しするべきである、改正すべきである、従って、その作業も試みにいろいろやっておられる、こういうふうに承知していいですか。
○説明員(小倉武一君) おっしゃる通りでございます。ただその範囲をどの程度にやるかということについては確信がございませんけれども、非常に顕著なものについては、そうしたらばどうか、こういう気持で検討をいたしておる次第でございます。
○佐藤清一郎君 関連。
○委員長(堀末治君) 簡単に一つ。
○佐藤清一郎君 ただいま小倉長官の答弁を聞いておると、陸稲やあるいは軟質米、硬質米等の格差もやるというような印象を深く受けるわけですが、農家はすでにもう陸稲の作付もちゃんとしてしまった、そうして本年の農家収入の計画を立てているわけです。で、これが昭和三十三年の米価等について論議するならばとにかく、計画してしまった農家に対して、そうして非常な損害をさせるような計画を今から、あとからやるというようなことははなはだ不親切な、無理なやり方ではないかと私は考えるのです。一体、今日までの農家所得というものが、いわゆる神武景気というような他の一般第二次産業に比べて非常な見劣りをしておる、農林省から出したあの資料から見ても、昭和二十五年に比べて農家の収入というものは一二〇何%にしかなっておらぬというような現状において、農家収入というものが他の産業に比べて非常な所得の増がきわめて見劣りするような現状から見て、そういうふうな、もう計画して作付してしまったものに対して収入減になるようなやり方をすることは、農民に対して農林省としてはなはだ不親切きわまるものであると考えるのですが、これが来昭和三十三年度で今度はもう陸稲が一般の嗜好に合わぬから、それだけの価格差をしても仕方がないのだというふうに布告をしておいてから農家の収入を個人々々の農家経営の面からも打ち出されるような親切なやり方をするならばとにかく、今になってから、もう栽培してまき付けしてしまってからそういうことを、算定方式をすることはまことに遺憾に思うのですが、どうなんですか。長官はどういう考えを持っているのですか。一つやるつもりでおるのですか、それは。
○説明員(小倉武一君) お説ごもっともでございまして、抜き打ち的に農家に経済的な打撃を与えるようなことは避くべきであることはもちろんでございます。従いまして、私どもといたしましても、理論的に割り切って出たところの数字でもって当然やるべきだということを申し上げておるわけではございません。あらかじめ政府として予告したところで、すっきりした、割り切ったような措置を直ちにやるということにしたらどうかと実は私どもも考えております。もちろん政府として閣議等において正式に決定した上での話ではございませんけれども、陸稲の格差の問題については、私ども去年の秋ごろから、そういう趣旨のことは関係者あるいは農業団体等にはお話は、そういう気持の趣旨はお話をしておるのでありまして、黙っておりましてやるということは必ずしもないことを御了承願いたいと思います。
○小林孝平君 もう少し基本的な問題を一つお尋ねいたしますが、先ほど私は農林大臣に農業政策と米価との関連をお尋ねしたのです。それは私があなたに申し上げるのは釈迦に説法のようなものであるけれども、農業政策の上において米価をどういうふうに考えるかということによって米価のきまり方は変ってくるわけです。非常に米価というものを重く見れば、生産者米価というものは農民の希望する米価に近くなるであろうし、あるいは米価というものによって全部の農業政策を解決するというようなことでなくして、ほかの方法でもって解決するということになれば、米価はある程度押える、こういうことになることは私がここで申し上げるまでもないのです。ところが、あなたは、さっき私は何か結論、私の考え方を申し上げたのではないけれども、あなたは一方的に、私が非常に米価を農業政策の上に重く考えているかのごとく独断されて、まことに御説ごもっともである、私は米価をそういうふうにきめたいと思いますと、こうおっしゃいましたが、そういうことであるならば、あなたがそういう態度をとられるならば、おそらく今の調査会ははっきりした数字を示さないで、あいまいなぼんやりした答申をされることだろうと思いますから、私は具体的にお尋ねいたしますが、あなたはそういう御意見であれば、この米価というものはおそらく農民の希望する米価に近くきめなければならない、少くともあなたはさめようというお考えを持たなければならないと思うのです。そこで、お尋ねいたしますが、今全国の農業関係の団体が一万一千四百円の米価をきめてくれと、こういう熾烈なる要求を出しておるわけなのです。あなたはこの要求を、この米価を政府の原案として取り入れるお考えがあるかないか。おそらくあなたの今までの態度なら、それはもっともだと、それを原案にしようと、こういうことを言われると思うのですが、念のためにお尋ねいたします。
○国務大臣(井出一太郎君) 米価が農家収入の上に非常に大きらウエートを持っておるということは先ほど申し上げた通りでありますが、同時に農業政策は価格政策のみに限定せられるものではないということも明らかでございます。そこで、農業関係団体が、今お説のような生産費及び所得補償方式というような基礎の上に御要求をわれわれの方にも持ってこられております。まあ私どもとしては、この方式自体にも必ずしも全然同感を申し上げ得ない点もあるのでありまして、そういう御趣旨は十分に承わりますが、同時に、政府は政府の考え方の上にそういう御要請をも考慮しつつ決定をいたしたいと存じております。
○小林孝平君 井出さんの御答弁は、先ほど私お尋ねしたのは、そういうように農業政策は米価だけで解決できないという考え方もあるから、あなたは一体どういうふうにお考えになるか、こういうことを聞いたのに対して、非常にあなたが一方的に米価の重要性を強調されたのです。今度は、それもそうだけれども、それだけでは解決できないという非常に矛盾した御答弁をされております。あなたのお考えは絶えずそういうふうに動揺するので困りますけれども、まあそれは御性格ですから申し上げませんが、政府はいまだ一貫して米価については白紙であると、こう言っておられたにかかわらず、一万一千四百円は検討をしてのむことはできないというのはどうなんです。非常にこれは矛盾があるじゃありませんか。終始一貫米価については白紙である、調査会の結論によってやるというのに、一万一千四百円については具体的に検討されてこれはのむことはできない、こう言われるのはどうなんです。いかなる根拠に基いてこれだけは検討されたのですか、おかしいじゃないですか。白紙の人が具体的にこれだけは……。実に政治的にわれわれは政府の責任を追及しなければならないというのはそういう点なのです。こまかい点をわれわれは申し上げておるのではありません。これはその前の調査会の設置の当時からそうなんです。私は繰り返して何べんも申し上げましたけれども、消費者米価の値上げという問題は、われわれと立場を異にするけれども、それなりに筋が通っておる意見である。政府は閣議決定をされたならば、それを断行されたらいいのです。それを党内派閥のあおりを食ってできなくなった。そうして非常に混乱したものだから、今度は調査会というものを作って、調査会の結論に待つのだということでその政治責任をのがれようとしたのがあなたの、政府の態度だ。われわれはこれを追及してきた。それならそれで筋を通して、調査会の結論を待って政府の態度を作られればいいのに、今度は調査会の結論があいまいもことしたものであるから、この長い期間を費して、そうして多数の人を動員してやった調査会が結論ができないでぼんやりしたものである。政府はみずから結論を作らなければならないような段階に来ている。それで、今の段階では、まだ政府は白紙であると言いながら、この一万一千四百円については検討されたのは、どうして検討されたのですか。非常に矛盾しているのじゃないですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 調査会がお出しになる結論を尊重して、政府の態度をきめるという考え方は先ほど来申し上げている通りであります。また農民団体からの御要望は、これはまあ御要望として十分承わるにやぶさかではございませんが、そのほか算定方式というふうなものに触れて実は私の見解を申し上げたにすぎないわけであります。
○小林孝平君 だから、それが一貫して、従来ずっと国会を通じて白紙である、昨日からの当委員会における答弁、衆議院の農林水産委員会における答弁を白紙であるという態度でありながら、この一万一千四百円だけは検討して、これはのむことができない、こう言っていることは、あなたは非常に矛盾している、あなたの態度は一貫しておらない、こういうことを申し上げている。 次に、もう一つ申し上げたいのは、最近米価の決定について、大蔵省は農林省に相当の圧力を加えているかのごとく新聞に伝えられております。私がこう申し上げれば、そんなことはないとおっしゃるかもしれないけれども、これははっきりした事実だろうと思う。われわれ過去のことは問いませんが、今後の政府の原案を作るに当って、相当大蔵省は赤字の問題とも関連して農林省の意見に圧力を加えてくるだろう、私はこれは大蔵省の権限としては明らかに越権であると思う。それでまず第一は、そういう大蔵省の態度は越権であると考えるかどうか、あなたにお尋ねします。 もう一つ、この前の消費者米価の借上げの際に、閣議決定をして、これがひっくり返って白紙になった。あの際、あなたが池田大蔵大臣の要求をがんとしてはねつけて、あの要求に応じなければこういう混乱は来なかったと思うのです。たまたまあなたは就任早々であったもので、心臓の強い池田さんに押しまくられて、はなはだ御同情にたえない次第であったのでありますが、今後再びそういうことがあった場合は、今度はあなたは断固として大蔵省の圧力に屈することなく行動されるかどうか。そういう際には責任をあなたはとられるかどうか。具体的には農林大臣をおやめになるかどうか。内閣改造も七月行われると伝えられているのですが、あなたはおそらく留任されるだろうと思いますけれども、その前にそういう事態が起きたら職を賭してでもがんばられるかどうか。おそらくこれがあなたの農林大臣としての最後の働き場所じゃないかと思うのです。そのときも相変らずのらりくらりと、善処しますというようなことでおやりになるかどうか。ここで一つはっきりと、今度はあなたの、あまり長くはなかったけれども、就任中はっきりしたことは一つもないのです。これくらいはっきりされたらどうですか。そういう際にははっきりと責任をとって農業政策を守り抜くという立場をとられるかどうか、その二つをお尋ねします。
○国務大臣(井出一太郎君) 小林さんから大へん叱吃激励を受けましたが、大蔵省が米価問題に対して、今御指摘になりましたような決定をしたというふうなことは私どもの関知しないところでございます。まあ今春の予算の際にも、今言われまするような経過がございました。これは大蔵、農林というふうな立場を越えた内閣一体の考え方でやった次第でございまして、今回といえども、その点は内閣として一体にものを考えて参りたい、こう存じております。
○小林孝平君 そういう抽象的なことをお聞きしているのじゃない。現実に今問題が出てきておるのです。それは内閣全体としてやられるのは当然だけれども、現実として農林大臣の主張と大蔵大臣の主張と対立することがある、当然じゃないですか。その際にあなたは最後まで守り抜かれるかどうか。たとえば、具体的に申し上げれば、この前も環境衛生法という法律が出まして、非常に農林省の設置法にも抵触するような条項がその中にあった。それが通ってしまったけれども、あなたは何ら責任を感ぜられない。今回も、これは内閣の責任だからというので、あれと同じ態度をとられるのかどうか。今度はちょっと事の重要性が違うと思うのです。だから、この際、そういう際があったら、私は職を賭してもがんばりますということくらい言ったらどうですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 大へん激励をちょうだいしておりますが、米価については、生産者、消費者、それぞれの立場を考慮して一体的な適切な線を持ち出したい、このために私としては、あらゆる努力を惜しまない、こういう次第でございます。 それから、今環境衛生法の問題が出ましたが、これも、その際は当委員会において非常な御尽力をわずらわした次第でありました。ただいまあの善後措置を十分に考究しておりますることを、この機会に申し上げる次第でございます。
○清澤俊英君 今大臣が答弁せられるが、消費者と生産者のことを考えて、これからのことはよくきめる、こう言われるが、どうも腹のおさまりがついていないんじゃないかと、こう思われるのです。というのは先ほども河野君が言われる通り、この特別審議会を設けられるというのは、ちゃんと議題にあなた方が出しておられる通り、巨額の赤字を持っておるということが前提であって、同会計の全般にわたって検討を加えるが第二で、可能な限りの健全化をはかることを必要としておる。そのためには消費者米価その他米麦の価格体系、米麦等の中間経費云々、こうなっておる。結局、答申したことは何をどうするかということが中心になっていることははっきりわかっている。それをごまかしているのですが、ほかの話が出ていると、それをそらして生産者と消費者のことを考えると言われるから、これは見当がつかなくなってしまう。一体どこにほんとうの話し合いをしているか。私はこの審議会を作って答申案なるものを、食糧管理特別会計の健全化をはかるための基本的方針いかん、こういう諮問案を出しておられる、これが基本じゃないかと思うのです。そうすれば、単に消費者とか生産者だけのことを考えるということは言われないはずだと思います。そこをはっきりできないだろうかどうかということ、それが第一点。それから第二点は、さきに河野さんが言われる通り、いろいろ政府ももちろん人まかせじゃあるまいと思います。ここでは答申によってなにをきめるために自分らは白紙におると言われるが、それにまかしたのじゃないと思います。政府は政府なりの責任のある一つの方策と方法を考えておられると思います。そうすると、それともし大きな食い違いがあったときには、あくまでも白紙でやっておって、それを基本にしてやるという考え方かどうか。どんな食い違いがあっても、それに従ってやるのかどうか。第三点は、米価審議会とその方針との食い違いがあった場合には、いずれを重しとして考えられるのか、第三点として、この三つについ、はっきりした御答弁をお願いしたいと思う。
○国務大臣(井出一太郎君) 臨時食糧管理調査会の使命は、ただいま清澤委員がお読みになりましたような考え方に基いておるわけでありまして、赤字のことももとよりでありますが、同時に、これは価格体系にも及ばざるを得ないのでありまして、そういう点から、やはり米価問題についての答申があるわけでございます。これを尊重いたす建前でおるわけであります。また、政府はもちろん政府の責任においてこれを処理しなければならないのでございまして、答申をいただきました上において、これを十二分に尊重しつつ政府の態度をきめる、こういうことでございます。そうして、米価審議会に対しましては政府の責任において作りました案をお示しをいたす、こういうことでございますから、調査会と米審を、いずれを重しとするというふうなものではなくして、そういった比較のものではなくして、政府が最終的な結論を出しました以上は、これは米審に対しては従来と少しも変りのない対処の仕方で臨む、こういうことでございます。
○河野謙三君 重ねて伺いたいと思うのですが、農林大臣、今御心配なすっているのは、目先の米価ですね、生産者、消費者をいかにするかという問題と、合せて今年の一体作況はどうなるか、それから今年の下期から来年の春にかけて、一体消費者の台所に消費者に安心のいくような米が届くか届かないかということは、一体今年が、政府が意図しているように、二千七百万石ですか、米が集まるかどうか、やみの価格が一体どういうふうな推移をたどるかというふうな、それらのことを心配しておられると思うのです。これが一番大きな問題だろうと思います。 そこで、これは伺いたいのですが、一体、今の政府の手持ちの工合、また農家の手持ち米の工合、これから勘案して、やみの価格というものは、一体どういうところに落ちつけようと思っておられるのか、これを伺いたいと思うのですが。昨日も長官にも言いましたが、やみの価格が政府が意図するようなところに落ちつきませんと、予約集荷は私はできないと思います。予約集荷というものは、豊作という条件があって、政府に相当の手持ちがあり、やみ価格が非常に低いところに落ちついたというところに、予約集荷の制度というものがあぐらをかいているわけですね。ところが、この条件がそれぞれ今くずれつつあると思います。その上で予約集荷なんというものは私はできないと思います。二千七百万とか二千五百万とか私はできないと思っておりますが、一体どういう見通しを持って予約集荷を今後続けていかれるつもりか、これを一つ大きな数字でいいからお示し願いたい、見通しを……。
○国務大臣(井出一太郎君) 数字の点等につきましては、御必要がありますれば、詳しく長官から申し上げますが、私はごく大ざっぱにお答えをいたしたいと存じます。この本年の作況がどういうふうな経過をたどるであろうかということは、これは何と申しましても自然条件に支配を受けるわけでありますが、まあしかし、近代農業技術の進歩というふうなものも勘案いたしまするならば、健苗育生対策にせよ、あるいは近時著しい農薬の普及というようなことにいたしましても、戦争以前にございましたような極端な凶作というふうなものに対しては、だいぶ条件が違ってきておるかと思うのでありますけれども、これはまあ先のことであるから、何とも申し上げかねますけれども、まず平年作を期待するという想定の上に数字の勘案をいたしておるような次第であります。 それから最近やみ米が非常に高騰をしておる。このことは地域的に非常な差異もあるようでありまして、西の方の農家が案外手持ち品薄であったというようなことかもしれませんが、政府のただいま考えておりまする経済的な見通し、こういったものから申しますると、輸入の抑制でありますとか、その他景気の変動に対する対処策等も講じておりまするので、まあやみ米の推移というものもそれほど極端な、今日よりもさらに高勢をたどるというようなことはなくして推移できるのではないかというような見通しの上に立っておるような次第でございます。
○河野謙三君 たとえば、昨年に例をとりますと、十月、十一月のころは、消費地におきましてのやみ米が百二十円、生産地におきましては百円ちょっとしか出てない、そういう条件のもとにおいて予約集荷というものは政府の企図するように行っているわけです。やはり政府の方で本年の十月なり十一月に、やみ米の価格を少くとも百二十円前後のところにまで引き下げるという、あらゆる施策が講じられて、それが達成しない限り、予約集荷というものは、予約だけはできても、実際に米が集まらぬという結果に私は必ずなると思うのです。米が集まらぬからといって、予約したからといって、まさか権力をもって農家を縛り上げるわけにはいかぬでしょう。この段階に来たら権力による集荷というものはできませんから、やはり経済的な条件をすべて満たしてやらなければならないと思うのです。そういう点において、どうも今やみ米がここで上ったのは仕方ないとして、これから十月までの間にやみ米を引き下げるためにどういう今方途を講じておられるかということについて、私は具体的に一つ伺いたいのですが、これは私が伺いたいのじゃなくて、これから政府に予約の申し込みをしようという農家にもそれだけのことは明らかにしておく責任があると思うのです。その点はどうですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 長期の予測でございますから、なかなか的確にこの出来秋を消費地百二十円に押えるというふうな計画的な——必ずそこにおさめるというふうな問題はむずかしいと思いますけれども、まあおっしゃるような方向におきまして、たとえば外国食糧の手当なども安全感をはかるようにこれを確保する、その他もろもろの手段を考究いたしまして、予約制度が崩壊することのないように万全の措置を講じたいと考えておるわけであります。
○河野謙三君 予約制度を続けておやりになることはきまっておるのですが、予約制度を続けておやりになるというならば、やみ米を今私が申し上げるような価格に引き下げるということは絶対条件だと思うのです。この条件一つ満たされなくても予約集荷の制度というものは崩壊すると思うのですよ。過去において予約制度を実施しなかった二十八年、二十九年は、生産地においてさえやみ米が百三十円、百四十円、百五十円しておった。でありますから、予約集荷というものはできなかった。その当時にもいろいろ意見はあったけれどもできなかった。やはり予約集荷が現在のように行われて、今後も行われるというなら、絶対に百二十円を前後、する、もしくはそれ以下になるようなやみ米の価格というものが生まれてこなければ私はできないと思う。 それからもう一つ、私はぜひこれを具体的に伺いたいのは、やみ米を引き下げる一つの手段として、希望配給ですね、これは今日希望配給日数は減らされましたが、今後政府の手持ちの工合だけを考えて、希望配給の日数をさらに減らすつもりか。極端にいえば、希望配給というものはある一定の時期が来れば、これをまた昔に戻して全廃するつもりなのか。希望配給というものは、恒久的な措置として今後ずっと、本年から来年続けるつもりか。この希望配給の日数を減らしたりふやしたり、特に減らすということを勝手にやられては困ると思う。希望配給というものを今後どういうふうに扱われるか、これを私は伺いたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 希望配給の問題は、昭和三十年、三十一年と、この豊作の結果非常に手持ちも楽になりましたし、あるいは食管の経理というようなことも考えられて行われた次第でございますが、この出来秋の模様あるいは政府の集荷能力、こういうものにも当然関連を持つ次第でございますが、ただいまの見通しといたしましては、現在程度のものを持続をする、こういうことは手持ちその他から勘案をいたしまして十分まかない得るのではないか、こう考えております。
○河野謙三君 そうしますと、現在の希望配給日数というものは、秋までは減らしもしない、ふやしもしない、現状の希望配給の日数を本年の生産期までは持続するということは、はっきりと御方針がきまっておるわけですね。その後においては、本年の作況いかんによって希望配給の日数を減らしたり、まあふやすことはないでしょう、減らす場合もある、こういうふうに承わっていいですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 出来秋までは継続をすることはもちろん可能でございます。そうして、仰せられますように、作況あるいは集荷の工合によってはまあ増減、増ということも場合によればあります。そういう考え方でおります。
○河野謙三君 先ほど佐藤委員からお尋ねがありましたように、陸稲と水稲の関係で、本年すでにまきつけまでしておるのを、ここで格差をいじるのはひどいじゃないかという御質問に対して長官から、それは、その御意見ごもっともだ、まだきめているわけじゃない、十分検討する、こういうことでありますが、この問題について、調査会の答申にもあると思うのですよ、私は。調査会の答申でこの陸稲、水稲の格差をもっと直してしかるべきだと思う、こういう調査会の答申があったときは、調査会の答申を尊重される農林大臣は、すでにまきつけを終った農家の利害いかんにかかわらず、それよりも優先して調査会の答申を尊重して、調査会のこの答申を採用してやられますか。その場合は、調査会がかりにどういう答申をしようと、現在すでにまきつけを終った、またまきつけをしつつある農家に対して、本年については前年同様の方針でいくという御方針じゃないかと思うのですが、調査会の答申を、あまり尊重心々とおっしゃるから、その場合はどうかと……。
○国務大臣(井出一太郎君) まあ陸稲の問題については、実は私もいろいろ陳情を承わっております。これは考えようによりましては、昨年あたりからすでに問題にもなったことであり、ある程度の事前にサゼッションは行き渡っておるというような感じもいたすのでありますが、同時に、すでにまきつけを終った、こういう実情も考慮しなければなるまいと思うのであります。確かにこの食味の点、歩どまりの点等陸稲が水稲に比べて優遇されておるといいましょうか、バランスが失しておるということは事実ではないかと思うのであります。まあその辺御意見もございますので、さらにつめて検討をして処置をいたしたいと考えております。
○河野謙三君 すると調査会の答申いかんにかかわらず、大臣は独自の立場でこの問題は善処すると、こういうことでございますか。
○国務大臣(井出一太郎君) はい。
○堀本宜実君 本年度の米価は生産者にとりましても、消費者にとりましても非常に重要な段階に来ておるように思うのであります。ことに長い間続けてきた食糧政策というものに根本的な変革がもたらされようとしておるように思われます。そこで、いろいろ本委員会での先ほどからの御質問その他答弁等を伺っておりますと、結局調査会待ちであるというふうなお答えで終始されておる。が、予約集荷については、もうすでに打ち出されておると思いますが、予約集荷はやはりやられる御方針でございますか、その点から伺いたいと思います。それには間違いないかという点。
○国務大臣(井出一太郎君) 予約集荷を本年も継続いたす所存でおります。
○堀本宜実君 それは調査会のいかんにかかわらず、そういうことなんでございますか。
○国務大臣(井出一太郎君) そのつもりでおります。
○堀本宜実君 その予約集荷、先ほど河野委員からもお話がありましたが、ことしの作況あるいは今までの予約集荷がかなり好成績に運営されたということが、今までの二年間の豊作というようなことが非常によい機会を与えたということであのような結果が生まれたと思うのでありますが、調査会の結論がまだ出ておらないのに、かようなことを想像して憶測して議論を立ててはどうかと思うのでありますが、たとえば、予約集荷を行う場合にはいろいろな条件がございます。たとえば予約奨励金あるいは時期別価格差あるいは歩どまり加算あるいは減税の処置あるいは二千円の概算払い、こういうことがあると思う。この問題についてまず今からお話を伺っておいて確かに実行ができると思うものは、たとえば概算金の二千円、これは当然大した問題ではないのじゃないかと思いますが、その点。それからもう一つは、税の減免の処置でありますが、まずこの二つから伺いたいと思ますが、農林大臣はどういう考えでおられますか。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいまお話のありました前渡金の問題は、これは従来通り踏襲をする所存であります。それからそのほか予約に伴ういろいろの特典というふうなものが従来ございました。それらは調査会がどういうふうな感覚を示してくるか、まだ未定でございますので、それを待った上にいたしたいと思いますが、私どもも予約を完遂せしめまするためには、できるだけの農民に対する期待にもこたえなければならないという点を勘案しつつ考慮をいたしたいと考えます。
○堀本宜実君 どうも、先ほどから伺っておりまして、主体的な農林省として農民に対してこうあるべきだ、あるいはこういうふうにしてやりたいという親心がどうもなさそうな、事務的なお答えだけのように受け取れてならないのでありますが、せめて農林省においてはこうすべきである、こうやりたいと思うというような、少くとも、強い希望というもののひらめきがなければならないのではなかろうかと思われるのでありますが、その点はなはだ遺憾に思う。そこで、歩どまり加算、あるいは時期別価格差等は非常に圧縮されるといわれておりますが、これは根本的な経済の問題等とも非常に関連性が多いと思いますので、お答えはすでにお伺いしなくてもわかっておりますので、この点は省略いたしますが、この約予奨励金の問題でございますが、これは元来統制に関しまする過去の歴史から援用されて参ったところの奨励金でございますので、この奨励金等もなくなるということになりますと、言葉の魔術か、新聞その他から伺いますところによりますと、奨励金はあるのだ、しかし、予約しないものはそれだけ価格を安く受け取るのだと、こう言っておりますが、その結論から申し上げますと、やはり基本米価の中にそれが織り込まれておるのである。結果論としてはそういうふうになると思うのであります。予約集荷というものはもう十分今まで私は伺いましたし、今お答えをいただいた範囲内においては、私は予約集荷というものは今年は非常にむずかしい、むずかしいというよりもむしろできないのではなかろうかというふうにさえ考えるのでありますが、これは今後の大きな問題でありますので、そういう点について、予約の奨励金等については、どういうお考えを持っておられますか、伺いたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 堀本委員の予約に対する御心配は私どもといたしましても、十分に気をつけなければならない点であろうかと思うのであります。これにつきましては、調査会によって米価の価格体系をすっきりしたものにしたいというふうな考え方を従来漏れ聞いておったのでありますが、その答申等も相待ちまして十分に考究をいたしたいと考えております。
○堀本宜実君 もう一点、先ほど大臣のお答えによると、一万一千四百円の生産者の団体、要するに農業団体でございますが、これは生産費及び所得の補償方式によりまして、かつて、米価対策審議会においても米価算定委員会等小委員会が設けられまして、バルク・ラインによる八〇%の生産費補償方式を取り入れるがよかろうというようなことがかつて答申されたことがあると思うのであります。しかるに、米審においてはこれを採用いたしましたけれども、政府においてはこれを採用いたしませんでした。結局一応の議論として終って、ただその気持を政治の上に表わしたというようなことは、結果としては過去にあったと思うのでありますが、そこで、一万一千四百円という補償方式による米価の建て方というものについて、ただいまはパリティ指数による計算方式だから、それにはよらないという先ほどのお答えであったと思うのでありますが、私は今のような他産業と農業との対比所得といいますか、所得の対比が非常に違って参りまして、この農村、農業は非常に低所得であることは御承知の通りでございます。ことに、食管法の中にも再生産の確保をしなければならないというようなことが条文の中にも出ておりますが、これから考えますると、単にパリティだけで米の値段をきめるのだという考え方を農林省当局がお持ちになるということは、私は非常に不思議なように思うのでございますが、かつても、単にパリティ方式だけでなしに、あるいは農業、農村の所得ということを、つまり経済条件、政治米価とでもいいますか、というようなものを加味して、米価をきめて、今日まで参ったのでありまするが、そういう点についての将来のお考えはどういうふうにお持ちなのでありますか。
○国務大臣(井出一太郎君) 生産費及び所得補償方式でございますが、もちろんこれにも今堀本さんの申されるような根拠もあるかと思うのでございます。その場合バルク・ラインをどこで引くかというような問題ともからみ合せまして、なおかつ限界生産費に近い農家は、それでは救われないのではないか、こういう欠点も出てくる。あるいは平均生産費というものから見るならば、バルク・ラインの八〇とか八五というものは、非常に高いものになるのだという点があろうと思うのでございます。さらにまた構成要素となるべき労賃の評価の問題、あるいは地代をどういうふうに織り入れるかというような問題、なおかつ相当に検討を要する部分もあるわけでございます。そこで、従来はパリティによって参ったわけでございますが、しかし、同時にプラス・アルファというような考え方も導入をせられてきておりますので、そういう点で従来御納得をいただいてきたのではないか、こう私どもは存ずる次第でございます。従いまして、先ほども申し上げましたように、それぞれ方式に一長一短はございましょうけれども、まだパリティの方が無難であろう、こういうふうな考え方の上に立っておるわけであります。
○重政庸徳君 今農林大臣は陸稲の問題で、陸稲と水稲の質の差はとにかくあるし、しかし、これを差別的待遇の点においては、とにかく大臣としては善処すとるいうふうにお答えになっておるように私は承わっておるわけですが、おのおの陸稲地帯あるいは硬質米地帯、あるいは早場米地帯、こういうふうに地帯が分れておるので、そこで、非常なむずかしさがあると思うのですが、早場米地帯、あるいは硬質米地帯のものは、理論的にこれが自由販売になった場合においても、とにかくそこに私は大きな格差がある、価格の点においても従来から格差があってきたのは御承知だろうと思う。ところが、硬質米地帯の立場において私はここで申し上げるのですが、硬質米地帯は御承知のように、一昨年はそういう理論的な格差があるにかかわらず、とにかく政府がもうけておった、その格差というものを認めておらなかったのだが、とにかく長い間の主張によって、ようやく昨年からわずかな格差というものを認めて、この点はよく私は、理論的におのおのの地帯が違うのだから、陸稲の場合をどうこうというのではない、これははなはだけっこうなことですけれども、硬質米地帯の立場において、しかも、よく理論的に考えて、私は善処せねばならぬ、こういう理論的に思うのですが、その点はいかがですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 硬質米地帯を中心に考えますると、御所論のような御意見が出るでございましょう。ただこれをしからば、そのまま外ワクで加算をするとか、そういういい米は上積みにするが、質の落ちるものは頭を引っ込む、こういうふうな考え方もあるわけでございまして、まあ御意見は私よく承りまして、対処したいと思っております。
○重政庸徳君 意見も意見ですが、私がこういう理論的に、硬質米及び早場米、こういうものの統制になる以前から、あるいは統制をはずせば、おのずから質によって格差というものは、大きな格差が生じてくる、その点はおわかりだろうと思うのです。しかも、従来の経過も御承知だろうと思う。いろいろな団体の主張も私は当然であろうと思う。この格差を百円にせよというような主張があることは、これは私は当然だと思う。金は百円にせられるか、せられないかという、そういうことはここで御質問しませんが、その理論的な格差というものは十分大臣は認識になっているかどうかということを、簡単にお答え願います。
○国務大臣(井出一太郎君) その点は十分認識をしているつもりでございます。
○東隆君 前にもいろいろ質問の中にもあったのですが、価格体系に関係がある、こういうお話でありましたからお伺いをするのですが、調査会の結論ですね、それをどういうような様式でもってお出しになるか、それについて農林大臣の方の、何かこういう様式でもって出してほしいというようなことを言われておりますか。 〔委員長退席、理事重政庸徳君着席〕
○国務大臣(井出一太郎君) これは先ほどもお答えをいたしましたが、かようかくかくな方式で出してほしいというようなことは、決して申し上げておりません。
○東隆君 そうすると生産者価格、それから消費者価格そのものについては、的確な数字は出ないわけですね、抽象的にいろいろなことを並べた結論が出ると思うのですが、そういうようなものが出た場合に、農林省の方はどういうふうにお取り扱いになるのですか。というのは、米審にお出しになるのははっきりしたものをお出しになるはずですから、従って、その場合に、やはり農林省が具体的なものを決定しなければならない、そこで、調査会の結論を待ってと、こういうお考えでありますか。しかも様式を指示されておりませんから、従って、調査会は具体的なものではなくて、おそらく抽象的な結論をお出しになるのじゃないか、従って、その抽象的な結論によって、農林省は具体的なものを作り上げなければならぬ、そういう問題になろうと思うので、そこで、その場合に農林省はどういうふうに原案を作成をされますか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 調査会の答申がいかような形になりますか、まあ御指摘のように、大体の方向を示す——具体的な数字にまでわたってということは、まず万なかろうと私も思うのであります。その場合は何と申しましょうか、一つの限界のようなものはおそらく示されるのではないかと存じますので、そのまあ額をできるだけ尊重いたしまして具体的な計数を政府においてあんばい、決定をする、こういうことになろうかと思うのであります。
○東隆君 その場合に、農林省のお考えは基本価格、あるいは裸の価格と申してよいかと思いますが、それとそれからいろいろな条件ですね、そういうようなものに分けられて、そうしてお示しになりますか。
○説明員(小倉武一君) 米審に対する諮問案の形というただいまのお尋ねでございましたが、これは基準米価と申しますか、三等ございますが、それを基礎にいたしまして具体的な金額をお尋ねするわけであります。若干条件的なものは参考といたしましてそれにつけ加えられるのが例になっておるようであります。
○東隆君 その際に、基準価格と申しますか、まあ基本価格ですね、裸の価格というものは、これはパリティが上っておるようでありますから、その基本価格が上ることも私は確実じゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○説明員(小倉武一君) お説のように、パリティ方式をとります場合に……。
○理事(重政庸徳君) 速記をとめて。 〔速記中止〕 〔理事重政庸徳君退席、委員長着席〕
○委員長(堀末治君) 速記を始めて。
○説明員(小倉武一君) ちょっと途中だったものですから……。結局常識的に申し上げまして、パリティ方式をとる以上、一応パリティが上れば出てくる価格も上るということは当然のことでございます。
○東隆君 基本米価の方は上るのですが、それと同じように、私は消費者米価の場合にも同じような条件でもって上るいろいろな要素があると思う。そこで、この消費者米価が上る要素ですね。それはもちろん生産者価格を上げる要素に関連をして参るのでございますから、そういうふうに考えてきたときに、私はこのあとの条件、切り離した条件ですね、こういうようなものがかりに前年よりも非常に補正をされた、その他いろいろなことでもって減額をされたり、そういうようなことになりますると、価格というものが、手取りというようなものが非常に少くなってくる。従って生産者価格は、これは基本米価とプラスのアルファの形で農家が納得をしているのですから、従って、基本価格プラス・アルファが前年と同じでありますと、アルファの価格が非常に少くなってくるわけですね、それは基本価格が上るのですから……。そこで、そのアルファがどういうような形になるか、この点が問題になろうと思う。このアルファが減ってくると、中身が減ってくると、これは問題になると思う。そこでアルファの方はどういうふうにお考えになっておるかと、こういう問題になるわけです。そこで、先ほどいろいろお話があった場合に、前年通りのものもあるようでありますが、非常にこの問題は考えなければならぬと、こういうふうに予想をされている条件ですね、そういうようなものはどういうようなものがございますか。
○説明員(小倉武一君) 米価審議会にお伺いします具体的なものは、今の基本と申しますか、基準といいますか、そういうものと、全体の手取り米価といいますか、実質的には両方になるわけでございます。片方は基準でございますけれども、いろいろのものがつきまして全体としてどうなるか、両方が実質上の審議の対象になろうと思います。そこで、どういうものがあるかというお尋ねでございますが、先ほど御議論がございましたような格差の問題、それから早場の問題、あるいは等級間の格差、こういったような問題、そういうものがあると思います。
○東隆君 今おっしゃったいろいろなことで、なぜそれを廃止をしたり、あるいは減額をしたりしなければならぬか、その理由がはっきりしないのですが、その理由はどういうような理由ですか。たとえば価格差の問題、時期別価格差を廃止しなければならない、そういうような問題、あるいはそれを変えなければならぬその理由、それからほかのものについても理由があると思う。その理由を一つ納得のいくように……。
○説明員(小倉武一君) これは一つ一つの事情が違いまして、切り離して御説明をすべきだと存じますが、おしなべて申しますれば、この最近の食糧管理の実情に照らして妥当な形に米の価格形成も持っていくということが基本的には通ずる問題だと存じます。その中の一つ、早場の問題でございます。早場につきまして、なぜ早場奨励金をつけておるのだ——奨励金というものが適当であるかどうかは別といたしまして、奨励金をつけておるかということにつきましては、一つの理由は統制前、食糧管理前のときでも早場、ほんとうの意味の早場はあるかと存じますが、若干格差的のものがあったのではないか、それから食糧の需給というものが非常に逼迫しておった時代は、新米で食いつなぎするというようなことから端境期の操作というようなこと、これは次の一つの理由にあったと思います。それからもう一つは、これは食糧管理の建前から申しまして、できるだけ早い機会に大量のものを一つ政府の倉へ入れまして、やみ等へ流れるおそれがないようにいたしたい。需給操作、そういうものの自給力を増したい、これがまた次の一つの理由だと存じます。それから全然食糧管理という面と違った面からいたしまして、早場地帯の農家経済という点、以上のような点が早場奨励金がつく理由だと存じます。従いまして、どの程度のものをつけるかということにつきましても、以上のような三つ、四つの事柄が勘案されて、そのときの必要性いかん、こういうことになろうかと存じます。 それから格差の問題につきましては、品質の格差が主でございますが、食糧が米麦等あわせまして、絶対的に不足であるというときと今日とはだいぶ様相が違っておりますので、配給の面、あるいは消費の面から見まして、若干のゆとりがありますれば、そういう方面の要請も入れて格差をつけるのが妥当である、これまでついていなかったわけですが、去年あたりからは若干そういう点も入ったわけでございますが、そういう意味で現段階に即していえば、格差をつけるのが至当ではないか、もっともこのつけ方なり、その程度ということについては、いろいろ議論があろうと思いますが、それから等級格差、これは大体そのときどきによっていじるべき性質のものではございません。これは歩どまり、その他規格上の差異が主でございます。そういう次第でございます。
○東隆君 早場地帯における問題は、例の単作地帯に関連をするのですが、従って、そこは軟質米が非常に多い。こういう関係と関連をして、格差をつけることは、私は一向差しつかえございませんが、その軟質米と硬質米と格差の開きが出てくるわけです。同時に、時期別の早場地帯は、そいつがなくなると、これは二倍の大きな開きが出てくる、そこで、格差をつけることは、これは将来の統制経済を、米の統制をなくする場合には、これは自由市場における一つの形態として、私は政府がこれを重視する理由は、やはり統制経済をはずすという点から考えて、この点は相当政府の意図はわかるのです。しかし、今の情勢から考えて、先ほどからお話があったように、予約集荷の場合において、非常にいろいろ条件がある。従って、この早場地帯における時期別の奨励金、こういうようなものはこれは絶対に廃止すべきじゃない、こういう考え方を持ちますし、それから全体の価格、手取り、そういうようなものを考えるとしたときに、これは非常に大きな問題を起すのじゃないか。それから国内におけるところの米の需給関係からいって、供給面の非常に大きな地方というのは、これは早場地帯が非常に大きなウエートを握る、こういうような点を考えてくると、政府が今考えておるようなことをやりますれば、これはもうとんでもない結果になってくるのじゃないか、こういうことを予想するのですが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
○説明員(小倉武一君) お説のようにそういう問題も取扱い方いかんによりましては、農家経済はもちろんのこと、食糧管理の面についても、非常に大きな影響を受けることは御指摘の通りでございまするので、そういう趣旨を十分取り入れて検討すべきだというふうに私ども存じております。本年の産米についてどうするか、まだ、先ほど米価そのものについても大臣からお話があったような次第でございますので、決定は見ておらない次第でございます。われわれの気持から申しますれば、従来非常に抑制価格という色彩が——無理に押えた価格があった、食糧管理なり、消費者のために押えた価格がある、こういう思想でできておる時分と、最近のように需給均衡価格と申しますか、ある程度そういう色彩が加わってきた場合の価格の形成のときと若干そこにはやはり考え方が違って参るのではないか、先ほどの格差の点も、そういう点から必要性が是認されるのではないか、食糧管理の同じ立場に立ちましてもやはり考えるべき段階に来ているのではないかと存ずるのであります。これは食糧管理を将来撤廃するというための一歩としているということではなくて、現在の実情に即して考えればそういうことが考えられてしかるべきではないかというのが、まあ最近の考え方であった次第でございます。
○東隆君 今のことは非常に重大で、撤廃をするという考え方は、これは少くとも早場米の地帯、軟質米を生産する地帯におけるこれは手取り、その他によって非常に大きな変化を及ぼすのですから、この点は再考してもらいたいと思う。 それからもう一つ、予約米に対する減免の措置ですね、あの減免の措置は私は一千四百円でしたか、それを全額減免をするという考えはございませんか。というのは、これによって政府に納める税金、所得税というのは全国で約六十億から七十億くらいの金額だと思います。その金額をかりに減すことによって、おそらくたくさんの数量を供出するものは政府に非常に容易に供出せられるのじゃないか、従って、やみに流れないで、そうして政府に供出するということになろうと思う。そういう考え方で予約米の履行が非常に困難だ、こういうふうな議論もだいぶ出ておるようでありますから、そこで、減免の措置をこの際一千四百円というのを全額控除をする、こういうような考え方でもって考えてみますと、これは予約米を集荷するのに非常に政府は容易にやり得るのじゃないか、この議論は実のところを申しますと、昨年自由民主党の内部においてもこの議論は出ておるはずであります。そういうような関係でお考えになった節もあろうと思いますが、その点どんなふうにお考えになっておるか。
○説明員(小倉武一君) 予約米につきまして、所得税を全免するというふうな御趣旨であったように承わておりますが、そういうことは考えておりません。もちろん御承知のように、相当大きな大規模の農家につきましては、その点には非常に恩恵が厚くなりまして、供出意欲が鈍ると申しましても、予約申し込みなり、その意欲が出てくるということはお示しの通りであると思いますが、現在の行当りの一千四百円の減税自体についても、いろいろ財務当局といいますか、税務当局の方から異論が出て参っております。今の程度でも非常にこう減税の恩典が農村でアンバランスになっているという指摘もございまして、まだ決定を見てないような状況であります。御承知のようなことになればそういう弊害がさらに拡大するということになりますが、非常にむずかしい問題だと存じます。
○島村軍次君 だいぶ時間も経過しましたから、端的に伺ってみたいと思います。概算金については大臣は今はっきりどうも御答弁がなかったようですが、政府の腹としては一体どうされる つもりですか。
○説明員(小倉武一君) これは私どもとしては従来のようなことで処置をするつもりでおります。もちろん政府としてどうかということで御質問になりますれば、その点については閣議の決定を見ているというわけではありませんので、ほぼそれは間違いがなかろうと、こう考えております。
○島村軍次君 それから緊要な問題だと思うのですが、農業団体から一万一千四百円の申し出をしたのには一つの基礎がある、その差額の点はパリティの計算の仕方じゃないかと思うのです。そこで、パリティ指数の前年のたしか一二〇・九二ですか、というのと、農業団体側で一一八とかいう見方をしているようですが、この差額が出ているところの理由をはっきり一つ説明していただきたいと思います。
○説明員(小倉武一君) 農業団体の一万一千四百円と、パリティ指数の差額の理由でございますが、これは基礎が全然違いますので、どこがどう違ってそうなっているということをちょっと申し上げかねると存じます。団体の方の調査は、まあ調査の対象農家もそう多くなくて、たしか三、四百だったと思いますが、そういうことでありますとか、あるいは労賃の見方でありますとか、そういうことについていろいろ問題があると存じますけれども、その問題は別にいたしまして、パリティ指数とどこがどう違ってという内容分析的な御説明はちょっと至難なことであると存じます。なおパリティの上昇そのものにつきましても、お尋ねのように現在の五月が一二四・三五でございまして、ただいまのお話の数字は一二〇・九二というような近い数字がたしかあったと存じますが、それは今年度の予算米価をはじくときの数字でございまして、昨年の十一月でございます。それから一一八という数字も、今お尋ねの中にあったかと思いますが、これはたしか昨年の米価をはじくときのことでございまして、昨年の四月、それが一一八・九、こういうことでございます。
○島村軍次君 そこに一つの問題があると思うのですが、年によってパリティの計算の分母になるところが、最後の押えるときは一定であっても、分母の押えが、たとえば昨年の基礎は一一八・九であって四月であります。それが予算米価のときのは一二〇・九二でこれは十一月、それから今度の一万百六十六円の基礎は五月が一二四・三五そういうことになりますと、一万百六十六円というのは政府で試算された計算の基礎だろうと思うのです。しかるに、昨年のそれが、しかも十一月であったものと、四月との開きというものが時期的に差が出てきておる。ここに問題があるのじゃないかと思うのですが、この点は理論的にどういう説明をしたらいいのですか。
○説明員(小倉武一君) 先ほど一二四・三五というのを五月と申し上げたかもしれませんが、それは四月の誤まりでございます。昨年の米価も四月をとっておるのであります。予算で十一月をとっておりますのは、当時は十一月が最近のものでありまして、それ以後のものは数字がなかったというだけの理由でございまして、米価をきめるできるだけ近い期間ということで、最近は四月をとっておるのでございますので、それはまあ当然の変更でございます。パリティの数字自体が違っておりますのは、去年の十一月からことしの四月にかけてパリティが上昇した、こういうことでございまして、農家の経営あるいは家計費に、属する諸物価には、今お話の数字の示すような上昇を示しておる、こういう実情でございます。
○島村軍次君 そこで、同じ時期に、四月の同じ時期をとったとすれば、分母になるところは一一八・九がほんとうじゃないのですか。
○説明員(小倉武一君) これは方式の問題でございまして、いろいろ意見が分れるところだと存じますが、予算米価ではじいております考え方と申しますと、米の去年の価格で実現いたしましたものは、裏年の生産費、それから生活費をまかなっていくという考え方で、昨年産米に照応する期間をとるのが相当である。ある一月だけをとるのは妥当でないという思想で期間をとっておるのであります。
○島村軍次君 これは、この数字が果して正確であるかどうかわかりませんが、分母にとっておるのを一二一・三〇でとってある、そうでしょう。それと一一八・九との差がある、ここに問題があるのです。今の説明で大体はわかりましたが、一体それを、今までの方式は、つまり同じ時期のものでパリティ方式をとるなら二八・九に相当するものが分母にならなければならないのではないか。そういうとり方であったのではないか。しかるに、本年の分母のとり方が議論の分れるところだというので、分母の一二一・三〇という数値が低くなるような数字をとったのは一体どこに理由があるかと、こういうことがこれは農家に対しても私ははっきり説明される必要があると思う。それはいかがですか。
○説明員(小倉武一君) それを先ほどちょっと申し上げたのですが、昨年産米による手取り米価をもちまして経営をやり、また生活をするということでございますので、それに照応する期間をとるのが妥当であるわけでございます。そういたしますれば、従来の方式から申しましても七月から翌年の六月ということになるわけでございますが、六月の数字、五号の数字がございませんので便宜七月から四月までを分母としてとる、こういう考え方であるわけでございます。
○島村軍次君 これは意見はありますが、一つその程度にいたしまして、さきの答弁中にありましたこの労賃の問題、それと地代の問題ですね、これは農業団体からの希望もあっただろうと思うのですが、特にこの地代の上昇というものは最近は非常な大きな動きを示している。売買価格はもちろんのこと、それから昨年でありましたか一般の小作料というものが上ってきた、こういう点からこれは計算のうちへ入れてあるのですか。計算のうちへ入れてあるといえば語弊があるのですが、そういう点はどういうふうにお考えになっているか端的にお聞きしたいのですが。
○説明員(小倉武一君) 生産費計算でございますれば、もちろん地代が当然入るわけでございまして、この地代の見方を公定でやるか、あるいは土地収益でやるか、類地小作料でやるかいろいろあるところですが、当然入ると存じます。パリティでありますれば、農家に支払ういろいろの買ったものの価格、あるいは支払ったサービス料ということで計算をやっておりまして、たしか地代はその中に入っていなかったと思います。利子の点その他はあったと思いますけれども。
○島村軍次君 その考え方はまあわかりますが、しかし、やはりパリティの上にも私は相当の影響があるべき筋合いじゃないかと思う。それが一つと、それからいま一つは、やはり基本米価というもののパリティに準拠してこれを基礎に置くという考え方をはっきり今度の答申にあるのかどうかしらぬけれども、そういう点を明瞭にしておきませんと、今申し上げたような問題が、生産費の昨年あったいわゆるアルファのうちに、あるいはまた米価審議会に出たバルク・ラインの問題なんかに関連をもってはっきりした私は説明をされる必要があるのではないかと思うのです。特にこのうちではやはり労賃とそれから地代の問題が私は一番大きな問題になってくる。だからしてアルファは絶対に加味せぬということを、この際、昨年の方針を変えて、この際はこういう問題については加味せぬのだというふうなことをはっきり言明されますか、どうですか。
○説明員(小倉武一君) 実は先ほどからいろいろ御質疑もございましたが、本年産米について、同じパリティ方式と申しながら、どういう方式でやるかということについては、まだ決定を実はいたしておりません。そこで、予算米価方式についてのお尋ねでございますのでお答えいたしますが、あの方式は、必ずしも従来やっておりましたアルファないしアルファ・ダッシュを完全にやるという趣旨ではないのでございます。昨年のことがベースになっておりますから、昨年と本年の間に、理屈をいえば、アルファ・ダッシュのものが出てくるはずでございますけれども、本年どうなるかということは、これはわかりませんが、従来とも一年前のことでやっておるわけでございます。従いまして、昨年をベースにする限りには、よるべき資料がないと、こういうことであります。従って、たとえて申しますれば、来年さらに三十一年をベ—スにするということであれば、当然資料の関係から申しまして、アルファないしアルファ・ダッシュということはまた生きてくる、こういうことでありまして、当然にそれをやめたというふうに割り切って予算米価の方式をきめたわけでは必ずしもございません。
○島村軍次君 まだこれに関連して、ほかにお聞きしたいこともあるのですが、一つ希望を申し上げておきます。本年の生産者米価にしても、消費者米価の問題についてはもうきょうはあまり意見が出ませんようであったようですが、答申のいかんにかかわらず、政府はある点は事情を加味し、ある点は省くというような政治工作が、へんぱな政治工作が行われるというようなことがあることを、一般では非常に危惧しておると思うのです。そこで、少くとも食糧庁としては、そういうことはないと思いまするが、今度の調査会の答申によって、そうしてこまかいところまで理論的にして、しかも、納得のいく理由をつけて、消費者価格でも、あるいはまた生産者価格でも決定をされると同時に、発表に当っては、そういう問題を明瞭にしていただきたいと私は希望しておきます。
○説明員(小倉武一君) まことにごもっともでございまして、適切な御注意だと存じますのでできるだけそういうふうにして心がけたいと思います。
○委員長(堀末治君) 本日は、これにて散会いたします。 午後四時十九分散会