内閣委員会 第35号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/05/16
会議録
○委員長(亀田得治君) これより内閣委員会を開会いたします。 委員の変更について御報告いたします。本日付植竹泰彦君が辞任され、その補欠として泉山三六君が選任されました。 —————————————
○委員長(亀田得治君) まず、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件を議題に供します。まず、本案提案の理由について御説明を願います。
○政府委員(秋田大助君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し国会の承認を求めるの件について、その趣旨を御説明いたします。 原子力の平和利用に伴う放射線障害の防止対策といたしまして、政府は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律案及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律案を作成し、放射線障害の防止について法的規制を講ずることとし、別途御審議を願っているのでありますが、他面放射線障害の予防、診断治療及び放射線の医学的利用に関する調査研究並びに関係技術者の養成訓練を行うため、科学技術庁の附属機関として放射線医学総合研究所を設置することとし、さきに科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を今国会に提案いたし、また、これに必要な予算を計上して、それぞれ御審議をお願いいたしました結果、御賛意を得まして、去る四月二十三日、同法律の制定公布を見、本年七月一日から施行される運びとなったのであります。 同法律は、科学技術庁の附属機関としての放射線医学総合研究所の設置、その業務等を規定しておりますが、その設置場所につきましては、用地取得の手続等の関係上、最終的結論を見ていなかったことから、内部組織とともに政令でこれを定めることとされたのであります。 その後さらに検討を重ねました結果、茨城県那珂郡東海村の国有地約六万一千坪を本研究所の建設川地に充て、三カ年計画でその整備をはかることといたしました。本研究所の業務、土地の立地条件その他から、同地は設置場所として適当と思われますので、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基きまして国会の承認を仰ぎたいと存ずる次第であります。 以上が本件の趣旨でございます。何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。
○委員長(亀田得治君) 本案の審議は、本日はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(亀田得治君) 次に、恩給法第十一条第一項等の金融機関を定める法律案を議題に供します。まず、発議者から、提案理由の説明を願います。
○田畑金光君 ただいま議題となりました恩給法第十一条第一項等の金融機関を定める法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 恩給法による恩給、戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金等につきましては、これが受給権者の生活の保障を目的とするものであることにかんがみまして、その権利を譲渡しまたは担保に供することが原則として認められず、ただ、国民金融公庫に対してのみ、これを担保に供することが法律上認められていることは、すでに御承知の通りでございます。 労働金庫は、労働者の福利共済活動を促進し、その経済的地位の向上をはかるため、昭和二十五年岡山県に勤労者信用協同組合として初めて発足したのでありますが、その後昭和二十八年に労働金庫法が制定されるに至り、益益健全なる発展をとげ、現在、その数全国で四十六金庫を数え、その総預金高は百八十数億円に達する状況であります。しこうして、労働金庫は、他の金融機関と異なり、労働者等の消費生活に直接結びついた金融を行う営利を目的としない自主的組織でありまして、過去における貸付内容を見ましても、生活費、福利共済費、賃金遅欠配対策費、医療費、高利債肩がわり資金等が貸付の大部分を占めております。 かような金融機関としての性格から申しますと、労働金庫は生活資金の供給を目的とする恩給担保金融を行うのに最もふさわしい性格を具備していると考えられるのでありますが、現行法のもとでは、国民金融公庫をのぞいては、これを行うことは許されていないことは、ただいま申しあげた通りであります。 さて、国民金融公庫における恩給担保金融の状況を見ますと、昭和三十二年度において予想される資金需要額が約百二十億円に達する見込であるのに対しまして、これに対応する国民金融公庫の恩給担保金融関係の貸出予定高は、わずかに六十億円にすぎず、恩給、遺族年金等の受給者の大部分を占める戦没者の遺家族等は、その生活資金を高利貸金融に依存せざるを得ない実情であります。かくては、国家が恩給、遺族年金等を支給し、かつその権利を保護して受給権者の生活の安定をはかろうとする趣旨は全く没却せられることとなるのでありまして、はなはだ憂うべきことであると考えざるを得ないのであります。 以上述べましたような状況にかんがみまして、今回、この法案を提出し、労働金庫もまた国民金融公庫と並んで恩給等の担保金融を行い得ることとし、その公正な融資を通じて遺家族等の福祉の増進とその経済的地位の向上をはかり、あわせて労働金庫の健全な発展をはからんとしたのであります。 これが本法律案を提出したおもな理由であります。 以下、法律案の概要を御説明申し上げます。 まず第一に、恩給、遺族年金等は、労働金庫に対しても、これを担保に供することができることといたしております。しかして、ここに恩給、遺族年金等には、恩給法その他の法令による恩給、戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金その他の給付、公共企業体職員等共済純合法による給付、国家公務員共済組合法、市町村職員共済組合法及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法による年金である給付を包含することといたしております。 第二に、国民金融公庫が行う恩給担保金融に関する法律を改正することといたしております。 同法律は、国民金融公庫の行う恩給担保金融の円消化をはかるため、国民金融公庫が恩給等を担保として貸付をする場合におけるその担保の効力に関する規定を設けているのでありますが、労働金庫につきましても、その行う恩給担保金融の円消化をはかるため、同様の法的措置を認めようとするものであります。 以上がこの法律案の概要でありますが、何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いいたす次第であります。
○委員長(亀田得治君) 本案の審議も、本日はこの程度にいたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(亀田得治君) 速記を起して。 —————————————
○委員長(亀田得治君) 次に、国の防衛に関する調査のうち、相馬ヶ原演習場事件に関する件を議題に供します。 まず、本件に関するその後の経過について御報告を願いたいと存じます。
○国務大臣(中村梅吉君) いわゆる相馬ヶ原事件の裁判管轄の問題につきましては、日本側としては、かねてから日本側に裁判権があるという主張を続けまして、その主張の貫徹を期すべく今日まで努力をして参りましたが、なかなか両国間の意見の一致を見ませんでしたが、しばしばの会合の結果、本日最終的の裁判権分科委員会のメンバーと午前中に会合がありまして、そこで大体の結論を得まして、午後引き続いて両国合同委員会が開かれまして、結局例のウィリアム・ジラード三等特技下士官は、相馬ヶ原における日本人坂井なかさんの射殺事件に関して、日本当局の裁判に服するということに意見の一致を見まして、そういうような結論を得ました次第でございます。 かねてから、この問題につきまして熱心に御討議をされました当委員会にさっそく御報告をすべきであったのでありますが、ここに委員会が開かれましたので、御報告を申し上げます。
○委員長(亀田得治君) 本件について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○八木幸吉君 本件に直接関係ありませんが、一言法務大臣に伺っておきます。
○委員長(亀田得治君) それじゃちょっと、本件について、委員長のきょうがもう最終でありますから——明日ですか——最終になりますから、一つ最後の質疑として、ちょっとお聞きしておきますが、この昼、秘書課長からいただきました報告書によりますと、日本側と米側との見解は完全に一致しておらない。相変らず管轄権に対する見解は、米側は米側にあるということを、法律的な解釈としてはそういう立場を固持しておるのだが、何といいますか、政治的に問題を解決するという意味かどうかわかりませんが、見解はしてないが、管轄権は日本側に一応渡すと、この問題については。どうもそういうことのようでありますが、若干その辺割り切れないものを感ずるのですが、その点どうなんでしょうか、実情は。
○国務大臣(中村梅吉君) この点は、日本側としては、公務中でない、いわゆる非公務中の事件である、こういう論拠に立ちまして、日本側に裁判権がある、こういう主張を堅持して参っておるのであります。ところが、アメリカ側の方では、いろいろな関連の機関がありますそうで、それらの関連の機関の意見が、日本側の主張するように、非公務のでき事であるということに完全な結論に到達しないのだそうであります。しかしながら、でき事が起きましてから、だんだんそういうような折衝に日を費しまして、かなり日時が遷延をいたしましたので、いずれにしても被害者は日本人でありますし、公務中とか公務中にあらざる時間であるとかいうことのために、その裁判進行が滞っておるということは遺憾であるから、まあその問題は別として、とにかく日本側の裁判に服する、要するに日本の管轄権を認めると、こういう結論だけ本日出ましたような次第で、ただいま委員長から御質問のように、若干割り切れない点はあるのでございますが、結論としては、先ほど申し上げたような結末になった次第でございます。
○委員長(亀田得治君) 行政協定の十七条の第三項の(C)によりますと、第一次裁判権を持っておる国が自分の裁判権を行使しない意思表示をした場合には、相手国といいますか、この場合には、米軍の立場からいったら、日本が裁判権を行使する、こういうふうな規定がありますが、米側の立場としては、この規定に基いてそういう処理をするということなんでしょうか、具体的に条項に即して言いますと。
○国務大臣(中村梅吉君) きょう私も、法務委員会に先ほどまでなにして、引き続き本会議に入っておりまして、直接の担当者から院内で聞いた程度でございます。そこで、津田日本側の裁判権の分科委員長が参りましたので、声援の担当者から一つお聞き取りを願いたい。
○説明員(津田実君) ただいま委員長が御指摘の通りでございまして、アメリカ側は、第一次の裁判権を有するという見解は捨てておりません。従いまして、アメリカ側によれば、この十七条三項(C)の前段の手続によりまして、みずから裁判権を行使しないことに決定したということを日本側に通知して参った。日本側の見解によれば、日本側は、本件は非公務犯罪であって、第一次裁判権は日本側にあると主張しておりまして、その主張は変えておりません。でありますが、本件の解決方法といたしまして、この十七条三項(C)の前段の手続によりまして、アメリカ側のこの裁判権を行使しないという通告を日本側にする。さようにいたしますと、日本側の見解によって本件を起訴いたしますならば、本件は、第一次裁判権が日本側にあるものとして日本側の裁判権に服するという見解できております。それをアメリカ側で見ておれば、あるいは第一次裁判権不行使の決定をして通告をいたしたから、日本側がそれによって裁判権を行使しておるものというふうにアメリカ側では理解することになろうかと思いますが、そういうことによって解決をいたした次第であります。
○委員長(亀田得治君) これは、前例等にもなるかもしれませんので、相当見ようによっては重要な問題だと思いますが、そういう扱いをすることについては、何か文書でも作られておるわけでしょうか。
○説明員(津田実君) 手続といたしましては、日米合同委員会の裁判権分科委員会におきまして、本日合同委員会に対しまして、このそれぞれの立場による裁判権の見解はそのままとして、アメリカ側は日本側に裁判権の不行使の通告をするというのがしかるべしと、こういう結論を合同委員会に勧告したわけでございます。それを合同委員会が承認をした。これは本日の午前中に全部片づけたもので、それによって本件が解決したと、こういうことでございます。
○委員長(亀田得治君) 大体明瞭になりましたが、そうすると、結論としては、アメリカ側のその法律的な見解を日本が了承したというふりうことには、文書の上においても、記録等の上においても、なっておらないわけですね。
○説明員(津田実君) その通りでございます。双方はそれぞれの見解を維持するということは、はっきりうたっております。
○委員長(亀田得治君) そうなりますると、これは、非常に国民が関心を持っておる事件でありますが、どこの裁判所で取り扱われるように起訴等の手続はされる予定でしょうか。してまた、するとすれば、できるだけ早い方がいいわけでしょうが、いつごろ起訴するものか。大体そういう方面の段取り等ができておりましたら、この際、一つ御発表願いたいと思います。
○説明員(津田実君) この件につきましては、さっそく前橋の地方検察庁に連絡をいたしまして、起訴の準備をいたすことにいたしております。おそらく早ければ一両日、おそくとも数日のうちには、前橋の地方検察庁の方から前橋の地方裁判所に起訴するということになると思います。
○八木幸吉君 会期が切迫しておりますので、ほかに伺うチャンスもないと思いますので、この委員会としては伺うのが妥当かどうか、私も実は疑問があるのですが、簡単に伺います。あっせん収賄罪が今問題になっております。それを単独立法にするか、刑法の改正にするかということをお考えになっているようですが、その法律を成文化する上においての難点のおもなるポイントをちょっと伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) これは、御承知の通り、あっせん収賄といいしましても、収賄罪をどの点で線を引くかということが非常に問題で、また、立法技術上も、どういう表現でそういう犯罪の構成要件をうたい込むかということが非常に問題なわけで、戦時中の戦時刑法等には、官公吏のあっせん収賄罪が規定されておった例もございますが、果してそういうように……今では一律に公務員といいますが、常勤の公務員のみにすべきか、あるいは直接選挙によって公選をされた公務員も含めるか、こういうような問題が学者の間でも相当議論があるわけであります。たとえて申しますならば、公選をされた公務員、お互いのような議員であります場合におきましては、民意をできるだけ行政面に反映せしむるのが議員のまた一面における任務で、これは、ひとり開会中の会議を通してのみでなく、日常におきましても、民意を行政部門にいろいろ反映させるということは、議員のこれは非常に重要な部分であるという見方もできるわけであります。そこで、そういったようなことまで全部あっせん収賄罪の範囲に含めるかどうか、非常に大きな問題だと思うのであります。現在、社会党の方から国会に提案になっておりますあっせん収賄罪は、あっせん収賄罪というよりは、もっと範囲が広くなっておるようでございまして、公務員が他の公務員の職務に関する事項についてあっせんをしまたはと、こうありまするので、あっせんをしただけでも犯罪になるような構造になっております。これらの範囲をどういうふうに限定をすべきかということ、それから立法技術士の問題、こういうことが非常にむずかしい問題であるわけであります。しかしながら、汚職の一掃という面から、世論も相当あっせん収賄罪については深い関心を持っておるようでありまするから、法務当局といたしましては、鋭意一つその結論を——従来から研究したものもございますが——得るように努力いたしたいと、かように考えております。
○八木幸吉君 ありがとうございました。
○委員長(亀田得治君) 本日の委員会は、これにて散会いたします。 午後五時三十一分散会 —————・—————