内閣委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/07/08
会議録
○委員長(藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の変更について御報告いたします。本日付で相馬助治君及び小林孝平君が辞任され、その補欠に松本治一郎君及び野溝勝君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(藤田進君) それでは、国の防衛に関する調査のうち、国防計画に関する件を議題に供します。本件について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○永岡光治君 この防衛計画は、きわめて重要な案件でありまして、去る通常国会の開会中におきましても、当委員会におきまして、政府の考え方というものをしばしば追及して参ったわけでありますが、特に長期防衛計画あるいは予定されておりました三十工年度寸での防衛計面、こういう問題がどういう内容になるのか、しばしば質問を行なったわけでありますが、内容を、言を左右にいたしまして、明確にしてもらうことができなかったわけであります。そうこうするうちに、岸総理の外遊ということが明確になって参りまして、特にアメリカに参ります際に当りましては、当然防衛計画というものに触れられるであろう、そうなりますれば、一体岸内閣として、どういう防衛計画を持っているかということで、これも追求をするつもりでありましたが、依然として明確なる態度を示してもらうことができなかったのであります。これはきわめて残念であります。いよいよ国会が終るまぎわになりまして、大体岸総理の外遊日程もほぼ明確になりましたから、この点も明確にしようと思いまして、追求いたしましたが、これも残念ながら明確にすることができませんでした。 国会が終了いたしまして、先月の十四口になりまして、一応防衛計画というものがきまつたようでありますが、十五日に岸さんがアメリカに行くと、その前の口の十四日にきめられたということについても、かなり私たちは、疑惑の念を持って見なければならぬと思う。そういう点もありまして、ぜひ十五日には、岸さんに当委員会に出席を求めまして、休会中ではありましたけれども、国民の関心の非常に強い問題でありますので、ぜひ出席をして、政府の所信を明確にしてもらいたいということで、委員会を開き、岸総理の出席を求めましたが、これも残念ながら出席がありませんでした。きわめて遺憾であります。 特に、その後話を聞いてみますと、財界その他の懇談会には出ておりますが、肝心かなめの、この最高権威を持っております、議決権のありますところの、しかも国民の意思を代表しておる本国会における委員会に出席しないということは、きわめて私は、国会軽視もはなはだしい態度だということで、追求をしなければならぬと思うのであります。そういううやむやな形で渡米した。その裏にも何かくさみをやはり感じないわけには参らないのであります。もちろん、財界へのあいさつも大切でありましょう。党の長老にあいさつすることも大切でありましようし、あるいはまた、新聞記者等の会見も大切でありますが、それよりも、国民が知りたい内容を国会を通じて国民に知らしてもらうというこの委員会の開会に当りまして、出席できないというのは、何としても承服できないのでありますが、しかしながら、この点については、ここで防衛長官を責めてみたところで、その補佐の責任はあったにいたしましても、私は、直接にはどうこうする、追求することは他日に譲りたいと思うのでありますが、しかし、その後アメリカに参りまして、新聞が報道するところによれば、かなり突っ込んだ話し合いもしているように承わっております。帰りましてから直ちに委員会を開催するように、当委員会におきましても、いろいろ理事等の打ち合せをしたわけであります。従いまして、この六日と八日には、いろいろの組閣等の問題もありましょうが、ぜひこれは出席できるものと、与党の皆さんにも御尽力を願って、委員会を開会することにしたわけでありますが、その六日の日に至りましても、これは岸総理が出られぬ、いまだに箱根に陰にこもって組閣を行なっているようであります。きわめて残念であります。 そこで、六日の日にも、防衛長官は出ていただける、こういうことで、私たちも期待をしておったわけでありますが、遂に防衛長官は六日の日にも姿を見せなかった。これは、まさに国会軽視もはたはだしいと言わざるを得ないと思うのでありますが、今承われば、防衛長官も留任するようなうわさもありますので、そういういきさつもあったのかもしれませんが、きわめて残念であります。 きょうはやっと出てきたわけでありますが、一体その六日の日に出てこられなかった理由はどういうところにありますか。これは、国会軽視もはなはだしいと私は言わなければならないと思うのでありますが、そのへんのいきさつを、この委員会を通じまして、国民に釈明をしてもらいたい。
○国務大臣(小滝彬君) 六日におそくなりまして、十二時過ぎましてこちらへ参りまして、もう散会になったというのは、非常に遺憾千万でございます。これは、速記をつけてこういうことを申し上げていいか悪いかわかりませんが、これは私の誤解であったかもしれませんが、砂川問題を質問をされろということで、防衛については、岸総理大臣が出ていないというと、結局実のある質問もで罪ないだろう、午前中は出席する必要はないだろうというある向きからのお話があり、それは、当然藤田委員長との話もあって、私は午前出席しなくてもいいというような好意的なお言葉であったというように了解いたしまして、それなら私もそういうようにいたしましょうと言つたのが真実のところでございます。はたはだ申しわけないと思って、ここでお詫びいたしておきます。
○永岡光治君 どういう話があったか知りませんけれども、しかし、事実あなたは官房長の連絡で、あれは十一時四十五分ですか、四十五分までには必ず来るという連絡があった。そうしてまた、それの連絡も何回もしてもらったわけです。それで、きわめて私は、そういうあなたの今おっしゃったような弁解は弁解にならぬと思うのです。これをこれ以上追及しても、時間がもったいないですから、私は先に進めたいと思います。 そこで、この十四日に決定されました防衛計画の内容ですね。これはどういう内容か、しさいにわたって御説明いただきたいと思う。一応刷り物はいただいておりますけれども、討論の経過もありましょうが、詳しくこのいきさつを説明してもらいたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) この公表いたしたものにもはっきりさせておりまするように、決定いたしましたのは整備目標の大綱でありまして、これをきめまするまでには、いろいろ議論もございましたが、しかし、とにかく決定といたしましては、整備目標を決定したにすぎないのでありまして、細部については、引き続き検討を進めることになっておるというようにうたっておりまする通り、いろいろ細部に議論も国防会議の中ではありましたけれども、決定いたしましたものは、皆様にお目にかけておる程度のものでございます。
○永岡光治君 まず、その細かい説明に入る前に、私は、詳しくというその経緯を尋ねたのは、国会の開会中にもしばしば質問をいたしましたが、なかなか明確にならない。そこで、岸総理が、十六日ですか、出発される。十五日には、ぜひ私たちはその意味で、まあ意向を確かめたいという気持で委員会を開いたわけです。その前の日に、十四日にきめられたというこのいきさつですね。これは、何かあわててというよりは、故意に延ばしたのか、十四日の発表に故意に延ばしたのか、それとも何か十六日に間に合せるために、何でもこれはきめておかなければ工合が悪いということなのか、いろいろ疑惑を持って見られておりますので、その辺の事情をまず私明確にしてもらいたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) なるほど総理が立たれるときの一日、二日前になりましたことは遺憾でございます。平素から申し上げておりまする通り、やはり中期的、長期的な一つの目標もないというと、なかなか防衛計画の年次の計画を立てるにも困難がありますので、一日も早くこれを決定いたしたいと思っておったのでありまして、私、就任いたしましてからも数回、単に正式の国防会議のみならず、国防会議の議員の懇談会も開いた次第でございます。しかし、なかなかいろいろ議論がございまして、はっきりしたものはできない。しかしながら、岸総理もアメリカへ出ていかれますというと、その間にまた、これが審議が中絶するということにもなり、また、これは私ども直接聞いたことじゃございませんけれども、新聞などにも、内閣の改造があるとか、いろいろこれが出ておりますので、漏られましてからも、いろいろ御多忙だろうというようなこともありますので、私は、この問題を担当いたしておりまする責任大臣として、できるだけ早く大綱でもきめてもらいたいということを主張し、そのようにお願いして、審議してもらったわけであります。これは、決して十四日前にできておったわけじゃございません。その日の国防会議でいよいよこれを決定いたしまして、そうしてその日の閣議にかけまして、その了解を得たという次第でございまして、なるほど総理が渡米されるので、その間、間隙を生ずるということもございましたが、今申しましたように、一日も速く大綱だけでもきめようという趣旨から、だんだん延び延びになっているのを、総理が行かれるのを機会に、その前にようやくこうした決定に到達したという次第でございます。
○永岡光治君 その防衛計画を日本が決定して、そうしてアメリカに岸さんが渡られる、その際に、一応日本でこういう案も持っているというようなことを新聞に発表されまして、アメリカで非常に好感をもって迎えたという記事も、これはどこの新聞でありましたか、載せているくらいでありまして、これは無関係ではない、当然考えられますから、これはどのように弁解されましても、確かに十四日に間に合わせようという、そういう空気、あるいは前にきまっておっても、なかなか、その前に委員会等で追及されることを拒否するために、そういう日程を選んだものと、私はどうしても解釈せざるを得ないのでありますが、ところで、その内容ですが、そこに、お手元にあるものでございますということでは、これでは私了解できないんですが、もっと詳細にわたって説明してもらいたい。
○国務大臣(小滝彬君) この目標といたしましては、三十五年度を目途とし、ただし海空については、三十五年度までに発注しても、結局完成するのは三十七年度になるものもあるという意味で、一部は三十七年度に完成することを目標として、大体三カ年についての防衛力の整備計画を策定するという考えから、その次に書いておりますこの目標を決定いたしたのであります。それは、陸上自衛隊については、今の十六万を十八万にする、海上自衛隊については、今九万トン余りでありますけれども、これを艦艇のトン数にして十二万四千トン、これは三十五年度ではござません。三十七年度にたってわれわれの計面通りにいけば十二万四千トンになる、この十二万四千トンという目標を決定し、航空自衛隊についても、一部は生産の関係上で三十七年度に延びますけれども、その際には一千三百機を持つようにいたそうという、この目標をきめたわけであります。しかしながら、これは実は、皆様もすでに防衛庁試案としてこれまで御承知のことでありまして、この目標そのものは何も目新しいものではございません。しかし、私どもは、目標は目標といたしまして、今後さらに細部については検討いたしますけれども、特に新式兵器については、大いにこの三年間に研究開発の方に力を注ごう、質的増強の点を十分考えて、その後において装備等についても改善をはかり、その基本を作ろう、こういうことを考慮に入れつつ、今の目標を決定いたしたのであります。ただ、こういう目標をきめましても、全部日本の自力でできることが望ましいのでありますけれども、実は、日本の工業技術の水準から考えて、日本だけではまできないものもありまするし、また、財政的な考慮もありまするので、この目標に到達するのに、全部日本の予算でまかない、日本の工業力だけでもってこれを達成することは困難でありまするので、そういう点については、米国からの供与ないし援助を受けようということも、この目標を作成する上に頭に持ちながら、これを決定いたしたものでございます。このように、目標はきめましても、これを達成するのには、もちろんすでに国防の基本方針として申しております通り、民生を安定するというような点が非常に重要でありまするから、そうした面について十分考慮して、財政事情を勘案して、そうして年次別の増勢を検討しなければならない。従って、これは絶対に動かすことのできないところのものというのではなくして、これが達成するのには、弾力性を持たせていかなければならぬ、こういう考え方ももちろん前提として考えたものでありまして、今後これが達成に当りましては、そうした面も十分勘案して、ただ防御力の増強が必要であるからというので、他に圧迫を加えるようなことがあってはならない、あくまでも均衡のとれた予算を作らなければならないし、今後の経済力の伸び、あるいはまた、財政規模というような点も考慮に入れて、無理のないものにしなければならない、こういうことを前提として考えたものでありまして、従いまして、これらの細部につきましては、今後も国防会議におきまして検討して、あやまちのないようにいたそう、こういう考え方であります。 なお最後に、この防衛産業の整備についても、所要の措置を講ずるという、この考え方は一応きめたのでありまするが、しかし、防衛産業の血につきましては、何らまだ具体的な決定には到達いたしておりません。これにつきましても、今後国防会議において検討いたしまして、その上で閣議に諮って適切な措置を講じたい、こういう考えでございます。
○永岡光治君 表面ずらのずっと説明を聞いたわけでありまするが、いずれ詳細にわたっては、この委員会において、さらに明確にしなければならぬと思うのでありまするが、問題は、私の聞きたかったのは、そういう関係はもとよりでありまするが、むしろそれよりは、これがアメリカにどういう形で持ち込まれ、どういう話し合いになったのか、これは岸さんが行かれて帰ってからの話をあなたを通じて開くわけでありますが、そういうこともありますから、事前に何らかの、そういう意味での、たとえば今お話の中にありました、アメリカの経済の、あるいは工業力の援助も受けなければならぬだろうというような話もありましたが、そういうような細部にわたってのやはりこっちの意志というものはあったはずだと思うのです。また、防御の協力態勢はどう岸内閣としてしたいのだとか、これについては、どういうふうにアメリカの援助を受けたい、こういうものはこういうふうに、たとえば核兵器の問題もあるでありましょうが、これはどういうふうに日本はしようとしておったのか、そういう問題は当然に検討されたと思うのですが、そういう一つの構想があって、初めてこれはダレスさんとの話し合いがあったものと私は思うのでありまするが、そういうまず行く前の国内のそういう問題についての具体的な、何といいますか、構想といいますか、それがあったはずだと思うのですが、それは全然なくて、ただ、今あなたが説明されたようなばく然としたものできめて、岸さんはこれを持って行ったものとは私は考えられない。そういう点をもう少し詳細に説明してほしいと思うのです。
○国務大臣(小滝彬君) 御質問の趣旨がよくわからないのですが、アメリカとの関係のことだろうと思いますが、アメリカとの関係について、核兵器は持ち込んでもらっても困るし、自衛隊としても打たないということも、岸さんが再々申しておられる通りでありまして、その点ははっきりしておると思いますが、ただ、先ほど御説明申し上げました際に、アメリカからの供与ないし援助を期待するということを申しましたので、これについては、相当な話し合いがあるのじゃないかという御趣旨かと思います。これまでも、人体年々日本の金額に換算いたしますと、五百億円程度のものの供与を受けております。今後も、まだ二、三年のうちは、そうした供与は続くものと期待いたしておりまするし、個々の問題につきましては、始終顧問団と防衛庁の方でも話がございまして、たとえばF86、あるいはT33につきましては、これまで第一次第二次協定があったけれども、さらに第三次協定をして、これについては、技術の面及び資金の面についてもお手伝いをしようということになっておりますし、また、船をとりましても、大体駆逐艦のようなものは、二等程度は供与するというような、始終連絡によりまして情報を交換しておりまする関係上、また米国としてはできるだけのことを、日本でできないようなものについては供与しようというふうに申しておりますので、たとえば潜航艇に対する対潜兵器であるとか、あるいは日本で困難であるような火器等についても、アメリカの方で供与しようという意思を従来表則しておりますので、それを一応考慮の上に置いて作った目標でありまして、それについては、必ずどこまではどうするという約束をとっているわけではございません。年々予算によりまして、アメリカ側の制限を受けまするから、各年度について考えなければならぬ。大体の方向として、この程度のことはできるだろう、この程度のことはどうしても日本でできないとすれば、それは供与していかなければならぬというような意向の表明がありますので、そうした点を考慮に入れて目標を作った次第でございます。
○野溝勝君 関連して、永岡委員の質問は、最も聞かんとするところを突いて質問されておるのに、防衛庁長官の答弁に要領を得ないところがあるのは心外だと思う。特に予算の問題については、あなたは均衡のとれた予算を計上しなければならぬと言っておきながら、すでに今回岸総理がアメリカに行って、日本の防衛力については、大体三百億くらいは増額しなければならぬかしらんということを発表しておるのであります。これは新聞に出ているのですから、この点の、具体的でなくても、およその動きというものは、あなたと岸さんの問に、あるいは国防会議で話が出ていなければならぬはずです。だから、永岡君は聞かんとするのは、大体の輪郭なり構想なりをお伺いしようとしておるのでございますから、その点は小瀧さん、率直に話されたらいいじゃないですか。私もそれを聞きたいのです。
○国務大臣(小滝彬君) 決定したことは発表するようにしておりますが、個々のいろいろのやりとり、だれがどう言ったとかこう言ったとかいうことは、私は差し控えたいと思います。ただ、財政問題に関しての議論は確かにございましたが、ただ、問題に出ているように、一・八%を二%にするというような議論は別にいたしておりません。今までの数字から見るというと、この日本の国民所得の伸びがこれだからこれだけに当るということは、話の途中でございましたが、それではこれでやるというと、今後国民所得に対して幾らになるとか、あるいは財政規模からいってどれだけになるということをこまごま話して、大体それについては三百億ふえるとか、あるいは二百五十億ふえるというようなことにつきましては、全然決定いたしておりません。大体この目標の中においてどうまかない得るか、それはお説のように、三百億ふえるということになれば、防衛分担金が百億から百五十億だけの増加になるでありましょうが、しかし、同時にまた、いろいろ恩給の関係、あるいは行政費の自然増の関係、いろいろつついてみると、むずかしい問題もあるというような点は、大蔵省あたりからも発言がございました。 そこで、それではそれを国防会議で一々検討して、それでは、これは来年はどうするか、こうするといっても、これは国会できめることでありまするし、一応の経済力の伸び、また税収の自然増というものについても、来年度五百億に見るか、一千億に見るか、いろいろ議論がありました。そこで、結局まだ修正された経済五ヵ年計画も出ていないし、そこまで確定的な話し合いをするのは無理であるというところで、さっき申しましたような大体の目標というものをつけたのでありまして、それらの細部につきましては、今後さらに検討すべき問題でございまして、これまでのところはそういう議論はございましたけれども、それでは岸さんがそこで三百億といわれたかしりませんが、おそらくアメリカ側はそんなことを言ったはずはないし、考え方によっては、あるいはそういう数字にもなるかもしれませんが、これもまた、予算の見方いかんによるのでありまして、そうした面は、財政のなにかはっきりいたしておりません。
○野溝勝君 関連質問ですから、もう一点だけ関連した点をお伺いいたします。 小瀧さんの答弁は、まことにこちらから見るというと要領を得ないのですが、大体あなたの御答弁の中に、アメリカから年々五百億くらいは援助を受けておる、さらに今後三年くらいは、この援助を受けたいものだという意思表示があったわけです。さらに防衛整備目標を見ますると、特に自衛隊あるいは艦艇あるいは航空兵器、そのほかに、第四の点で、新式兵器の研究開発の促進というのがある。おそらく新式兵器の研究開発という意味は、核兵器を含めたものと考えております。この点についてお伺いすると同時に、私は、それほどまでに対アメリカとの予算関係なり、あるいは国防充実に関する予算援助を希望しておりながら、国防計画に関し大体の方向なり、そして国防予算の検討なりが行われておらなければ、ただ抽象的に五百億というものを今後継続していきたい、あるいは援助を受けたいというような見解は、どうしても論理一貫しないですよ。ですから、この際小瀧さんから大体明らかにしていただきたい、こういうのが私の気持なんです。その点に対する御所見はいかがでございますか。
○国務大臣(小滝彬君) 四のところに、科学技術の進歩に即応して、新式兵器の研究開発を促進いたしたいという点を述べておりまするが、これは決して核兵器などというものを考えておるわけではございません。この点は、政府として再三声明しておりまするのみならず、実際問題として考えましても、作戦的に見ても、そういうことが日本として必要であるかどうかということに疑問を待ちまするし、旧民感情もあり、またそういうものは、ただ兵器がありましても、電子工業というようなものが相当発達していなければできないものでありまして、私どもは新式兵器の研究開発といっておりまするが、主として最近人間があやつるところの飛行機にとってかわりまして、誘導兵器というものが使われるようになっておりまするので、これも、日本で三年や四年のうちにできるものじゃございません、けれども、各国で検討せられて、スイスでもイタリーでも、あらゆるところで、フランスはもちろんのこと、イギリスなどでもやっておりまするが、こうした誘導兵器について大いに技術研究所などを督励いたしまして研究させよう、そうして適当なものがあれば、それは日本でも開発するような方策を講じようという趣旨に出たものでございます。なお、アメリカからの供与について、私は金額で申しましたので、かえって誤解を生じたものかもしれませんが、私どもは、金額でどれだけのものを受けようというものではなくて、さっき申しましたように、航空機についても、日本だけではできないのであり、それについて技術の提供を受けて、また一部生産費の負担をしてもらうとか、あるいは陸上の自衛隊について申しまするならば、榴弾砲とか、高射砲の火器とか、レーダーの機器とか、あるいは海上自衛隊については、先ほども申しましたような対潜機あるいは練習機、爆雷というようなものについて、品物として供与を受ければ、あるいは艦艇を持っても、それに必要な装備品がこの供与によって一体として動かし得るようになるという考えでございまして、全額的にアメリカからどれだけもらうというようなことではなくて、これを金に換算すればこの程度に、従来の実績から申せばなっておるということを申したのでありましてあくまでこれは、この目標を達成するために必要なものであって、日本の工業力でこなし得ないものをつけ加えてもらうようにする、こういう趣旨でございます。
○永岡光治君 今の答弁を開いておりましても、きわめてばく然でありまして、これはまあ、ここに表面に表われているようなことを若干あやをつけて説明しておるだけです。そういう程度のものをそれじゃなぜ十四日の日に、岸さんが行かれる直前までのときにきめなければならないのか、私はやはりそこに問題があると思うのです。 それから、そういうことでなしに、もうちょっと、おそらく詳細にわたった対アメリカとの関係の防衛問題を十分検討されて、そうして作ったものと思うのです。そうでなければ何にも意味がないのですよ。そうでしょう。だれが考えてもそうでしょう。あなたの言うように、目標は大体これくらいになる。細部にわたってはこれから検討する。アメリカはどれだけ応援してくれる、なぜ十四日の日にきめなければならない問題があるのですか。それじゃ岸さんが帰ってからゆっくり話していい問題なんです。私は、やはり岸さんが行く以上は、こういう防衛問題について話し合いが事実またなされておるわけでありますが、そういう問題があればこそ、十四日まであなた方結論を出したと思うのです。そういうばく然たることでなくして、もう少し真剣に、国民に経緯を明確にしてもらいたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) 私は、大体の大綱なり目標をきめておきましても、それをもとにして細部に入り得るのであって、そらした大綱だけでも、一日も早く決定した方がよろしいという考えを持っておったものでございます。もう一つは、まあ政治的に申しまするならば、率直に申し上げまするならば、アメリカへ行って話をしてきめるというのでなしに、日本が自主的にきめて、そうしてアメリカで協力できるなら、それを協力してもらおうという態勢、あくまで自主的にこうした大綱をきめていくということは、独立した日本の当然の態度であり、そういうことは帰ってきてから、向うの意向を聞いてからきめるというのでなく、あくまで日本側の立場において十分検討して、細目についてはさらによく検討して、それが決定を逐次続けていくというようにした方が正しい考え方であろうというつもりで、こういう決定を急いだわけであります。
○永岡光治君 この点は、また時間もありますから、私は後ほど述べたいと思うのです。そこで、この防御計画を持って向うに渡られた、主として日米関係の防衛問題ですが、どういう話し合いになったのか、その詳細にわたっての説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) この話し合いにつきましては、御承知のように、共同声明を出しておりまするが、日本がこういうように自主的に防衛計画を決定するという態度に対しては、歓迎の意を表しておるわけでありますが、しかし、それについて詳細な議論が行われたことはないようであります。総理からもいろいろ承わりましたが、また、その点は、いずれ総理が国会で直接説明せられることと思いまするが、これに関連してきめられたと申しまするか、先方側の決定的な意向の表明がありましたのは、日本におる駐留米軍の撤退、特に陸上部隊については、もう明年中に戦闘部隊は全部撤退するという意向の表明があったわけでありまして、そのほか安保条約、これに間接的に関係のあるものについては、安保条約に関係するような事項については、新たに両国の政府間の委員会を作って、そうして検討を進めていこうというような決定もあったのでありまするが、直接の問題といたしましては、駐留米軍の撤退ということの話があり、かつ米国としては、こうした日本の態度にかんがみて、できるだけ協力したいという、きわめて総括的な話があっただけでありまして、専門家間における細かな託し合いというようなものは全然なかったものと私は了解し、そのように承わっております。
○永岡光治君 その答弁は、全く木で鼻をくくったような答弁で、きわめて不満であります。それはまあ、岸さんの考えなり、また話し合いの経過については、いずれまた委員会でも明確にしておきたいと思うのですが、あなたはやはりいやしくも防衛庁長官です。うわさによれば、留任だといううわざもありますから、当然あなたはそれを知らなければならぬはずなんです。ただ、在日米軍の来年度中の引き揚げの問題は、新聞紙上等でも言われております。これはもう、今始まったことではない。すでにアメリカは、そういう方針を前にきめておって、昨年も一万八千ですか、一万二千でしたか、数は明確に記憶はありませんけれども、それに従って順次撤退をしておるわけです。そういうことでは私は了解ができない。岸さんのみならず、あなたは……向うのアイゼンハウアーと会ったのは、岸さんとごく少数かもしれません。しかし、その後それぞれのまあ要職の方々とも話し合っておるはずです。しかも、莫大な国費を使って、大勢行っておるわけなんです。そんな簡単な話し合いでは私はないと思うのです。また、そんな簡単な話し合いに莫大な経費を使う筋合いのものでもないと思うのです。ですからあなた、ここでその言を濁さずに、もうちょっと明確に、詳細にわたっての報告をしてもらいたいと思うのです。
○国務大臣(小滝彬君) これはまあ、随員の諸君一人々々に当られてもわかりまするが、決してそういう具体的な話をしたものではないと聞いておりまするし、私はそのように確信いたしております。なるほど大ぜいついて行ったかもしれませんが、それは何も、政府を代表する資格の人々ではないし、こういう問題は、ここに顧問団もありまするし、大使館もありまするので、具体的な問題は当然現地で話さるべきものであり、岸総理あるいはその随員の人がそういうこまかな詳細にわたって話し合いをするということは、私どもの常識から言えば、あり得ないことであり、事実、いろいろ行った人の話も聞きましたが、そういう話し合いはなかったもののようでございます。
○永岡光治君 それじゃあ明確にしてもらいたいのですが、話し合った項目は――もう一回明確にあげて、それはどういう話し合いになったということだけ明確にしてもらいたい。
○国務大臣(小滝彬君) 今のお話は防衛に関係する……、
○永岡光治君 そうです、そうです。
○国務大臣(小滝彬君) 防衛に関係することについては、このアメリカ側で世界の軍事情勢を説明いたしたのでありまして、それが防衛に関する第一の点であります。それからその次には、(永岡光治君「どういう分析をされたのですか。」と述ふ)私は、それはまた聞きしたんですが、(永岡光治君「また聞きでいいです。」と述ぶ)世界両陣営が対抗していて、大体その状況というものを説明されたようでありまするけれども、これをかいつまんで申しますれば、全面戦争の危険はある程度減退してきたが、国際共産主義は依然として大きな脅威であるというのでありまして、この点については、双方で意見が一致いたしたようであります。まあそこで、自由諸国はその力と団結を引き続いて維持すべきであるということについても意見の一致を見た。そして自由世界の戦争阻止力がここ数年間、極大と世界を通じて、公然たる侵略を阻止するため有効なる働きをしてきたことが従来の経過に証明されておるというのでありまして、私は、向うの説明の詳細については承知いたしておりませんし、またそれは、ここで発表すべき限りではないと存じます。
○荒木正三郎君 私も、長期防御計画に関して二、三お尋ねをしたいんですが、先ほど永岡委員から質問があったように、今度の、長期防衛計画は、岸首相がアメリカへ行くために早急に作られたものだと、どういうふうにわれわれまあ見ておるわけなんです。これは非常に、われわれ国会に議席を持っておる者として不満です。社会党は、しばしばこの院を通じて言っておったように、防衛計画というものが国会に示されないで、アメリカにその前に示されると、こういうやり方はいけないのだということをしばしばわれわれは言っておる。ところが今度は、この岸首相が渡米される前に、長らくこの国会が開かれておった。ところが、その国会に何ら示すことなく、渡米直前早々にこの防衛計画というものを決定して、アメリカへ持っていって、そしてこれをアメリカ政府に示しておる。こういうやり方は、これは国会を軽視しているばかりではないのです。これは、日本の国民をばかにしている。なぜそのアメリカに示す前に国会に示し、国民に示す、そういう態度をとらなかったかということです。あるいはそれまでにできなくって、ようよう十四日にできたという話でありますが――ということをおっしゃるかもしれません、しかし、これは了承できない。なぜならば、先ほど長官もお話になったように、これはすでに防衛庁の試案として前からあったものだ、それを単にきめたのだと、こういうふうにおっしゃっておる。そういう性質のものであるならば、しかも長期にわたる計画をした場合に、これは国会に示す十分な余裕があったと思う。特にわれわれは、五月十五日でありましたか、いや六月十五日でありましたか、渡米直前に内閣委員会の開会を要求して、アメリカへ防衛計画を持っていくなら、その前に国会に示せ、十四日にきめて十五日というのは示し得るはずなんです。この防衛計画というのは、これは非常に重大な問題であります。われわれも重大な関心を持っておる問題であります。渡米直前に委員会を開いて、国会に示せと言ったけれども、それも示さない。もしほんとうに国会に示し、国民にも示すという、そういう態度があるならば、十五日の委員会に出席してやるべきである。防衛庁長官も出て来ないし、岸首相も出て来ない。これは、全く国民を愚弄しておると思うのですが、そういう点について、はっきり答弁を聞きたいと思う、まず第一に。
○国務大臣(小滝彬君) これはまあ、早急にきめたとおっしゃいますけれども、何回にもわたって審議をいたしたものでありまして、唐突として六月の十四日にきめたものではございません。ただ、なるほど国会の委員会を通じてお示しする機会がなかったのは遺憾でありまするけれども、この決定を見まするや、早速「防衛力整備目標について」というので、国民にこの内容を発表いたしたのであります。また、アメリカにおいて、何も詳細なこの内容を話した次第ではなくして、アメリカ側は、この公表によりまして、決定された内容は承知しておったという次第でありまして、これは、特にアメリカに行ってこれを説明するという態度で岸首相が会談に臨んだのではございません。 それから、この内容につきましては、これは、荒木さんも御指摘の通り、その内部の考え方、今後の新事態に対処する今後の研究というようなものを除きまして、この数字の面などにおきましては、大体これまで防衛庁試案として再三国会で説明して参ったところでありまするし、また、質的増強の考え方、防衛政策との関連においてのいろいろな考慮というような点も、さらに国会中しばしば申し述べてきたところでありまして、この決定いたしましたものは、私がこれまで国会で説明申し上げました点をはっきり政府の意思として決定したという次第でありまして、特に新しいものがこの国防会議において決定せられるというわけではございません。その意味におきまして、これまで正式な決定として説明し得なかったのは遺憾でありまするが、その内容は、従来私の申し上げておる通りのものと御承知を願います。
○荒木正三郎君 防衛庁の長官は、私の質問をずらしておられると思うのですが、アメリカに示す前に、なぜ国内に示さなかったか。公表しているというのですが、これは、新聞に発表しているだけなんです。われわれは、直前の十五日に委員会を開いて、総理並びに防衡庁長官の出席を求めて、そうして防衛計画についてただそうとしたわけです。ところが御出席がない。それは、国民に知らさないでアメリカに知らせると、こういうことになるじゃないですか。それを私が言っておる。それからまた、アメリカは、岸さんが行って説明したわけではない、公表を見て云々、そんなばかな答弁はないと私は思います。日米共同声明の中にも、米国は日本の防衛整備計画に歓迎の意を表した。日本の新聞に出て、それで歓迎の意を表した、そんなばかなことがありますか。これは、今度の日米会談の最も重要な問題になっておったと私は思うんです。ですから、そういう点て、日本政府が公表したからアメリカがどうこうしたと、そういうものじゃないと私は思うんです。ですから、私が言っているように、なぜ、われわれはそういう機会を作っておるのにもかかわらず、政府側がこれを拒否して発表しなかったか。それが私の質問の第一点です。これは答弁願いたい。 それから第二点は、先ほど野溝委員からもお話がありましたが、従来私ども聞いておるところでは、国会でも若干発言があったんですが、従来、アメリカは、日本に地上兵力三十六万を要請てしおった。これは国会でも、アメリカはそういう意見を持っておったということを政府の方から表明されたことがあります。そこで、今度防衛計画では、地上兵力十八万です。この計画をアメリカが歓迎したというんです。そうすると、相当そこに開きがある。それで、私ともここに非常に疑問に思っておるのは、先ほど野溝委員から質問があったように、日本の防衛計画を見ると、やはり科学技術の進歩に応じて新式武器の研究開発促進に当る。この問題は、私は岸首相の今度の渡米の際に相当論議されておると思うんです。で、この問題について、先ほど長官は、これは誘導兵器を考えているんだと。しかし、長官、誘導兵器ということは、核兵器ということを切り離して今日誘導兵器ということは考えられないと思うんです。この点をまず、長官の考え、自衛隊当局の考えを私は明らかにしてもらいたいと思う、政府の考えを、誘導兵器というのは、核兵器ということを考えないで今日考えておるのは大して意味ない。この誘導兵器ということの今後の開発をはかっていくということは、将来において核兵器という問題を考慮していくということが十分想像されると思うんです。こういう点をどういうふうに考えているのか、一つ明らかにしてもらいたいと思うんです。今日、世界のいずれの国においても、誘導兵器がその弾頭に核兵器をつけるということによって研究され、促進されている。日本のみが核兵器と切り離して誘導兵器を考えるということはあり得ないと、常識上私は考えておる。そういう問題と関連をして、今度の十八万の長期防衛計画をアメリカが了承したという中には、日本が核兵器の問題について意思表示をしておる、特に、この前の国会で問題になったように、憲法解釈上で、非常に政府は曲げて解釈をして、そうして、自衛のためなら若干の核兵器は持ってもいいんだというふうな重大な発言をせられて、国会で非常な論議の中心になった。そういう点から考え合わして、岸首相は、今度の渡米に当って、核兵器の問題について、将来においてある種の了解を与えておると私どもは見なきゃならぬと思うのですね。そうしなければ、この長期計画とアメリカの従来からの態度というものが了解されない。そういう点について、こういう機会にやはり率直に説明さるべきだと思うんです。あまりぼやかして、先ほどの答弁では、新聞以上には出ない。それじゃなしに、きょうはせっかくここで内閣委員会を開いておるんだから、こういう問題について、率直に長官はお話しになった方かいいんじゃないか、こういうふうに私は考えるわけです。それが第二点です。 第三点の問題は、ちょっと残します。
○国務大臣(小滝彬君) 出発前に時間がなくて、総理がこの委員会を、通じて皆様に御説明できなかったことは非常に遺憾とし、私どももまことに残念に存じまして、おわびいたします。 さて、十八万というような目標をきめたにかかわらず、これで満足しているというのはおかしいじゃないかという御意見。なるほどそういうように考えられるかもしれません。これまで、三十二万五千くらいは必要であるというようなことを申したということも聞いております。しかし、今度の防衛計画ができたのに対して歓迎の意を表したというのは、日本のほうで自主的にこうした労力をしようという意欲を示して、そうしてとにかく、それが十分でないまでも、これを政府の確定した見解として発表した、こうした進み方について先方が満足したというように私は開いておりまするし、さっきも申しましたように、岸さんは何も詳細こうした計画はこうこうとあるというようなことを説明したことはなかったというように聞いております。この数字くらいは言ったようでありまするが、何もそういう討議に入っておりません。あるいはその数が必ずしも十分でなくても、今ちょうど国際紛争が足りそうもないとすれば、まあまあこの方向に進んでおるのだからという意味で、満足を表したりではないかと私は想像いたしておるのでございます。 なお、核兵器について何か了解を与えなければ、こういう教字で満足しようはずはないじゃないかとおっしゃいまするが、今度の会議につきましては、これは総理が直接説明された方がけっこうでありまするけれども、しばしばいろいろな席でも申しあげておりまする通り、米国側からの提案というものは一つもなかったんだ、日本側からいろいろ申し出たについて、アメリカはできるだけ協力しようという意向をもってこの会議に臨み、そうして、あるいは日本側から見れば、不満足な点もあるかもしれませんが、とにかく日本側が提起した問題について、それぞれ好意を示したのであって、絶対に核器の問題などは出ておらないということを繰り返し述べておるのでありまして、私もその通りであっただろうと信じております。事実また、今度は反対に、誘導兵器を研究するんだったら、結局は原子弾頭のようなものを使わなければ意味がないじゃないかという御議論もありまするが、しかし、日本としては、とにかくそういうものは絶対に使わないんだという意向で進んでおりまするし、事実ヨーロッパ諸国において研究されておるところの誘導兵器というものも、何もすべて原子弾頭を使うものではなくして、そういうものを使えば、必要以上の大量殺戮の結果にもなるし、この言葉もしばしば皆さんから御質問を受けまするけれども、いわゆる戦術的な用に使う際には、普通の爆薬で事足りるわけでありまして、日本として、核兵器を持とうといたしても持てないのであるし、また、政府としては、あくまでもそういうものは使わないのだという意向で終始一貫いたしておりまするので、この核兵器は、たとえば、今十月ごろ入ってくることになっておりまするスイスのヘリコン社の作っておるヘリコン型のあの誘導弾のようなものでありまして、今御懸念になっているようなものを想定してやっているものではないというふうに御承知を願いたいと存じます。
○荒木正三郎君 私は、はっきりしておきたいと思いますが、それでは、政府としては、誘導兵器の研究はやるけれども、原子弾頭をうけるような核兵器のことは全然考えておらぬ。そうならば、私はこの機会にはっきりしてもらいたいのですが、この前の国会でも、憲法解釈で非常にあいまいな、非常にあいまいというよりも、憲法解釈を非常に曲げて解釈して政府は意見を発表している。この際そういう誘導弾兵器について、原子弾頭をつけるようなことは憲法違反であるからということをはっきり言ってもらわないと、政府はときどきによって憲法解釈でも左右して、吉田首相の時分には、原子兵器というようなものは絶対できないんだ、こういうことを言っておられた。ところが、岸内閣になってから、自衛のためならある程度のものはいいんだ、そういう解釈、憲法解釈すらだんだん変えてきておる。だから、この際こういうものは憲法違反であるということをはっきりここで言ってもらわなければその場限りで、終ってしまう、その点を私は確かめておきたい。
○国務大臣(小滝彬君) 憲法違反だから使わないというのではなくして、政府の方針というものは何も憲法に縛られるからこういうことをしようというのではなく、政治的判断において、また国情というようなものをよく考えまして意思決定をするのでありまして、これは憲法で絶対にどんな発達したものでも、核兵器と名のつくものは絶対にいかぬという解釈からするのではなくして、いろいろ先のことを考えまして、核兵器というものは日本においては使わないという決定をいたしております。
○永岡光治君 時間が大へんなくて、あと基地関係の問題がありますが、私は一応この程度で賛同は次に譲りたいと思いますが、今の等分の中で明確にしておきたい点が三点あるわけです。これは非常にあいまいですから、いずれとことんまでの追求は岸総理の出席を求めなければ無理かと思いますが、しかしあなたは現在防衛庁長官です、そういう意味で明確にしておきたいと思うのでずが、岸総理との話し合いの中で明確になったことは、在日の戦闘部隊をアメリカに全部引き揚げる、こういうことを言った。その戦闘部隊でない部隊とはどんなものか、それが第一点。もう一つは在日という日本は沖縄を含むのか含まないのか、私は当然沖縄は日本と考えるが、その点を主張したのかどうか、これが第二点。第三点としては先ほど荒木委員からも賛同がありましたが、当初アメリカは三十六万程度の陸上部隊を要求しておったわけです。それを一応十八万で歓迎の意を表したという裏は、兵力の種類と申しましょうか、内容といいましょうか、それは変更されたと見ていいのかどうか。つまり今出ました誘導兵器とか核兵器、そういう科学兵器に重点を置いた、そういう方向に切りかえる方針であると、こういうふうに解釈していいのかどうか、その三つの点を開催にしてもらいたい。
○国務大臣(小滝彬君) 戦闘部隊のほかには後方関係のいろいろ調達関係をやっておる、アメリカ人の言うロジスティックにつくものがおるはずであります。いろいろ兵器の調達とか物資の調達などに使う部隊でありまして、それを除いては他の今知られておる、たとえば海兵師団であるとか、あるいは第一騎兵師団というような戦闘関係のものをいう意味でありまして、その残りの補給関係、後方関係のものが残る可能性のあることを言っているものと了解いたしております。 沖縄、小笠原の問題については、総理が小笠原への帰島の問題とか、沖縄についての行政権の問題などは提起せられたようでありますが、軍事関係につきましては、これは今御指摘になりましたような問題とは別個の問題であって、行政権あるいは帰島の問題、あるいは日本人として国籍も持っておる日本人に対する処遇の問題などを提起せられたものでありまして、今の部隊の撤退の問題とは別個のものであると私は了解しております。
○永岡光治君 沖縄は日本じゃないのか、在日だから……。
○国務大臣(小滝彬君) 沖縄については今中しましたように、日本の潜在主権のある所については、特にその行政に関した問題を提起せられましたので、あるいはその発表文の用語が正しかったか正しくなかったか、今原文を持っておりませんが、少くとも地上部隊を全部撤退するというのは、今日本が現実に立法、司法、行政権を持っておる地域から撤退するという意味であって、沖縄は含んでおらないものと了解いたしております。 それから三十六万も要求しておるのを十八万で満足したというのはおかしいじゃないか、兵力の種類について考え方が変ったのではないかとおっしゃいますが、この新しい兵器の研究、開発というようなものは、それがかりに誘導弾であれ、また新しい対潜兵器であれ、そういうようなものはこの三年間、この目標年度までは実際の装備品として作ろうというのではなくして、その先において可能になった際それを装備として編入しようという考え方でありますので、現在のわれわれの考えております十八万については、もちろんできるだけ機動性を持たせ、火力を持ったものにしたいということは努力はしておりますけれども、すでに在来持っておるものが質的に変ったから、かつては三十二万必要であるといっておったのを十八万で満足したというのではなくして、さっき荒木さんに申し上げましたように、日本がこういう努力を傾けておるということについて満足したものであるというように私は了解しておる次第であります。
○永岡光治君 そうすると陸上部隊十八万というもので一応これはおしまいだというのか、将来また増強の計画を持っておるというのかどっちなんですか。
○国務大臣(小滝彬君) 私は何日間防衛庁長官をしておるか知りませんが、これはとにかく三年間という計画は今持っており、これを目標として努力するということになっておりますが、その先については今何ら計画もございません。現在の私の考え方ではその十八万というところがてっぺんでありますが、今後どういうふうになるか、その辺は今日の防衛庁長官である私としては何とも申し上げかねます。
○荒木正三郎君 それではもう一点だけお尋ねをしておきます。それは日米共同声明の中身にある、日米両国間の安全保障に関する現行の諸取りきめについて討議が行われた、米国よるその軍隊の日本における配備及び使用についてできるだけ協議することを含み、安全保障条約に関して生ずる諸問題について検討するために日米政府間の委員会を設置するという問題ですね。これは岸首相が渡米する前にこの委員会でも意見を述べられたのですが、現在アメリカ軍がどういう兵器を日本に持ち込んでおるかということは、必ずしも明確でないというようなお話があった。これはどうしても明確にする必要があるという御意見であったわけですが、そこで私はアメリカの日本で駐留しておる軍隊がどういう装備を持っておるか、それからどういうふうな兵力配置をしておるのかという点は、これは日本にとって非常に重大な問題であります。先ほど防衛庁長官は核兵器は持たないのだ、日本の自衛隊は持たないのだ、こういうお話。しかし駐留しておるアメリカ軍がその海軍におきても空軍においても核兵器をだんだん持ってきておる、こういう状態では日本が持っておるのと何ら変わりはないと思う。そこで今度の政府間に作られる委員会においてどういうことを相談するのか、その内容についてこの共同声明の中では軍の配備及び使用について協議する、しかしできる限り協議すると書いてある。そういうあいまいな表現がありますが、これはアメリカの駐留軍が日本に持ち込む兵器については、日本と協議をしなければ勝手な兵器は持ち込めない、こういうことが了解されておるのかどうか。この共同声明の意義、その点を明らかにしてもらいたいと思うのです。私の質問の要旨がわかりますか。アメリカの日本に駐留しておる軍隊が持っておる装備、それらは日本と協議をした上で持ち込むのだ、こういうことがはっきり今度は相談されるのだ、そういう意味の内容であるかどうか、その点を明らかにすることと、それからこの委員会はその他にどういう問題、安保条約改訂についてどういう問題を協議することになっておるのか、その他のないようについて、一つだけここに示されてありますからわかりますが、その他の問題について伺いたい。この委員会はいつごろ発足し、どこで持たれる考えであるか、そういう将来の問題についてもこの際明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(小滝彬君) この配備及び使用について云々と書いてありますので、当然兵器のことも含まれるものと考えます。これまでもその点が国会等で議論になっておりましたから、岸総理もおそらくその点を考えられておると思いますので、その点は当然今後の議題になるものと考えます。できる限りと書いたのは、念に何か突発事ても起った際のことを考えたのではないかと考えまするので、今申しましたような平時における兵器の種類とか、あるいは配備というようなことは、これは当然協議ざれなければならないものであり、また非常時についてもすでに行政協定の二十四条にもございますので、そういう意味で、この点が特に強調されているものと考えます。その他にどういう問題があるかということは、これはむしろ日本側の言い出したことでありまして、皆さんがよく御指摘になる安保条約の年限の問題であるとか、一方的であるとかいろいろ議論がありますので、そういうあらゆる問題を検討しようという考え方でできたもののようでございます。ただしかしいつ作るとか、あるいはその内容をどう限定するかということについては、私の岸総理に伺いましたところでは、決してそういう制限的なものでなくして、両政府間のできるだけ高い地位の者の間に委員会を作って、そうした安全保障に関する一切の問題を討議しようということであって、今後これを作って、どういうふうに運営するかということは今後の問題であり、ワシントンにおける会談におきましては、そうした基本的な考え方について一致があったというわけであって、新聞では、アメリカでは何とか大使とか中将が必要になると出ておりますけれども、そういう話は実際は出なかったようであります。でありますから、そうした安全保障に関する一切がっさいの問題を、日本側の希望があればできるだけ多くを含ませて協蔵するということも可能であり、いつ発足するかということについては、できるだけ早くしてほしいというのがわれわれの方の希望でありますが、これは今後岸総理が、内閣改造がありましたならば、できるだけ早くやろうという考えでおられることと私は推察いたします。これは東京で開くことになっております。
○荒木正三郎君 ほかの方の質問がありますから、私はこれでやめます。
○委員長(藤田進君) 皆さんにお諮りいたしますが、多くを岸総理に相当譲られた部分がありますし、それから他に基地問題についてただしたいという委員もあるわけでありますから、場合によれば国防問題とも関連するでしょうから、ここらあたりで基地問題にも入っていただくということでいかがですか。(「けっこうです」と呼ぶ者あり) それでは基地問題について亀田君。
○亀田得治君 それでは私砂川問題につきまして若干質問をしたいと思います。 私もけさ八時まで現場にいて、政府のやり方等を実地にいろいろ見て、この委員会に間に合うように帰ってきたわけでありますが、最初にまずお聞きしたいのは、本日測量にかかる、何も問題が起らない当初から、大規模な武装警官を動員されて仕事をおやりになったのですが、この今朝動員された警察官の数ですね、その責任者とか編成とかそういうことが、防衛庁長官なり調達庁の方でわかっておればまずその点を明らかにしてほしい。本日は先ほど委員長にもおくればせでしたが警視総監を呼んでもらいたいと思いましたが、一昨日はまだこういう事件が起きておらないときでしたから、そこまでは考えなかったわけですが、質問をする本日の段階で実際にそういう事態が起きているわけですから、しかしこれも防衛庁なり調達庁とは無関係に出ている警察官ではありませんから、あなたの方で知っている限りのことはここで明らかにしてもらいたい。そういう意味でまず今申し上げた警察官の動員の数、責任者、編成、そういう点を明白にしてほしいと思います。
○説明員(磯淳爾君) 御質問の本日出ました警察官の数、責任者……。
○亀田得治君 ちょっと、委員長、どなたですか。
○委員長(藤田進君) 調進庁の連絡調査官磯君ですが、今担当の調達庁長官代理の丸山君が見えておったのですが、ちょっと席が空いておりますから……。
○亀田得治君 まだほかにも関係がありますから、すぐ呼んでもらいたい。
○説明員(磯淳爾君) ただいま御質問の警察官の数、編成並びに責任者の氏名というお話でございますが、この点につきましては私の方では詳細なことがわかっておりませんので、調べまして御返事を申し上げたいと思います。
○亀田得治君 詳細なことがわからないということばないでしょう。あなたの方の関係の仕事で警察官が出ている。一体この警察官の出動はあなた方が要請して出ているわけでしょう。その点からまずそういうことをおっしゃるなら聞きましょう、どうなんです。
○説明員(磯淳爾君) 今回の測量に関しましては、私の方では、警察の方に警察官の出動を要請はいたしておりません。警察は独自の立場において、判断のもとでやられるというふうに聞いております。
○亀田得治君 そういうことが常識的に考えられますか。それじゃ、調進庁はいつどういう仕事をするということについては警視庁に連絡をとっているのでしょう。その点はどうです。
○説明員(磯淳爾君) 警備上の責任は今回の調査につきましては警視庁、警察庁の方で持っておられる。従いましてわれわれの方といたしましては、ただいま申し上げますように調進庁側から警察官の出動については要請はいたしておりませんが、こういったような調査をやるのだということにつきましてはあらかじめ連絡はいたしております。
○亀田得治君 その連絡がすなわち要請でしょう。そんなことは言葉のあやに過ぎないです。しからばその連絡はいたしたのです。だれがしたのです。相手はだれです。
○説明員(磯淳爾君) 在来砂川の測量の場合におきましては、事態を見て警察官の出動を、要請した事実が過去においてはございますが、今回の場合にはその要請はいたしておりません。今回の調査の計画につきましては、東京調達局長の方で警視庁の方と連絡をいたしております。
○亀田得治君 要請のことを言っているのじゃない。あなたは連絡をしたと言うから、その連絡はいつだれがだれにしたか、その点を明確にしてもらいたいということを言ったのです。それを要請と解釈するか、単なる連絡と解釈するかは、これは第三者が判断したらいい。あなたは連絡をしたと言っているから、そのことについて具体的に聞いている。従来のことなんかもうどうでもよろしい。
○説明員(磯淳爾君) 東京調達局長から警視庁の方に連絡をいたしております。
○亀田得治君 いつ。当事者をはっきりして下さい。
○説明員(磯淳爾君) その日にちは調べまして、さっそくまた御返事申し上げます。
○亀田得治君 いやしくもそこへおすわりになるなら、それくらいのことはちゃんと知っていなければだめです。 それから、けさの警察官の服装を見ると、昨年と同じように鉄かぶとをかぶって警棒を持っている、こういう問題については調達庁が関係がないとおっしゃるわけですか。これはもう警察の独自の判断でやったことだということでしょうか。
○説明員(磯淳爾君) 御指摘の通り、警察の方でその情勢を見て判断しておやりになったものと私は思います。
○亀田得治君 まあ、あなたでは足らぬから、あと次長が来ましたら若干もう少しこの警察の点については質問することにいたします。 防衛庁長官に聞きたいのですが、私けさも警察官の行動を見ていて非常に憤慨した一つのことがある。それは午前四時五十分ごろ調査を始めた、測量を始めた。ところが、ちょうどそれと同時に機動隊をどんどん入れている。この測量に反対の諸君はこちらの方で何もしておりません。無抵抗の抵抗で、反対の意思表示はもちろんこれははっきりしております。一体そういう仕事のやり方ですね、あなたは報告を受けているかどうかしりませんが、何か調達庁の諸君がやってそれが抵抗にあら、今回の場合にはそういうことにならぬはずなんです。なるかもしれぬとおっしゃるかもしれぬが、しかし、初めからもう警察官を多数入れている。その数も私の概算ではおそらく千五、六百名出ているのじゃないかと思うのですが、そんな大げさなことを一体どうしてする必要があるか。こういう仕事のやり方は、そのことはあなたはそれは筋が通っていると思いますか、担当大臣として御所見をまず聞きたい。
○国務大臣(小滝彬君) けさ五時十五分ごろからこの測量を開始したと報告を受けております。その際、御指摘のように警察官が区域内で不祥事態が起らないようにという警戒をしたことも聞いておりますが、これは私、警察の専門家でないのでわかりませんけれども、これまでの経験にかんがみ、あの棚をもしまた倒して中へ入るというようなことがあるとお互いにおもしろくないから、そういうことが起らないようにというので警察側で配慮したものではなかろうかと考えます。新聞報ですけれども、何千人が集まって大いにどうとかされるということもあったので、あるいは警察側で心配しすぎたのかもしれませんが、万全を期するという意味において、そういう不祥事態の起らないように予防措置としてやったものじゃなかろうかというふうに想像しています。
○亀田得治君 警察を動かすというような予防措置というものはそう簡単にとるべきじゃないのです。何か予想される一つの予断をもってそういう検察関係のものは断じてこれは動かすべきでない。捜査もそうでありますが、警備それ自体だってそうであります。何千人というようなことを今おっしゃったが、そんな数はありませんよ。だから、こういう問題を起しておいて、いまだ正確に双方の数等も判断つかんでおらないというようなこと自体が、やはりこういう警察が動くという問題についての重要性ですね、そういうことをやはり軽く考えておると思うのですね、あなたの頭の中、担当大臣がそういうふうに軽く考えるから、下の者も簡単に警察というようなものを使う。 そこで私は本論に入りますが、今回の測量ですね、これは御承知のように、地元なり支援団体の方で非常に大きな反対を言うておる。なぜあれだけの反対が起きているのかということを大臣はどういうふうに、これ解しておりますか。
○国務大臣(小滝彬君) この八人の方が反対されていることは私もよく承知いたしております。もちろん自分の所有地であり、また、これらの方は、こういうものを飛行場に使うということは認めがたいというので、この飛行場の使用についても苦情を提起しておられることも、承知いたしておるのでありまするが、何分にもすでに飛行場内の滑走路面等にこれまで当事者の同意を得て使って参りましたので、今直ちにこれをお返しするということもできないというような国家的な要請もございまするので、庁といたしましては、この関係をはっきりさせたいという趣旨でこうした行動をとらざるを行なかったわけてありまして、反対のあること、また、それにはいろいろ理由もあるでありましょうが、これは個人々々考えも違うでありましょうから、概括的には今申しましたような考えで反対しておられるもの考えます。
○亀田得治君 これは単に八名の地主が自分の土地を基地として貸したくない、それだけでこの反対運動が起きているのではないのです。これはもっと問題は、政府のこの問題の扱い方自身に実は問題を大きく含んでいるのです。それでこれがこじれているのです。それは相当大臣もよく御任じだと思うのですが、その点私から、じゃ端的に申し上げて、もっと突込んだあなたの考え方を聞きたいのですが、この八名の地主は、これはもうすでに契約期限が昨年の三月三十一日で切れた。従ってそれ以上は契約の切りかえはしません、こう言うて訴訟を越しているわけですね、土地返還の訴訟を。ところがあなたの方の政府は、なるほど契約書は一年々々切りかえているのですが、これは単なる財政法、会計法上の形式上の問題なんだ、この土地の提供を願うときに、ここに基地がある限りはそれを使用させてもらう、そういうもっと基本的な契約があって、あとは単なる形式的な手紙に過ぎない、そういうものだから昨年の三月三十一日限りで契約の書きかえをしないといっても政府は明確に使用権を持っているのだ、こういうふうにあなたの方が、これは裁判所においても明確にこれははっきりおっしゃっているわけなんです。それはどちらが正しいかは今裁判所で争われておるわけですね。ところが、今度はあなたの方が、昨年の八月にこの土地に対して使用権を強制的に獲得するという、収用法の発動をやってきたわけです。それでこの収用はおかしいじゃないか、こうなってきているわけなんです、経過は。政府自体自分に使用権がある、そんな疑わしいような断言じゃない。訴訟記録で明確にしている。あなたの方は、そういう自分の使用権があるものにさらに強制的な使用権、こういうダブったやり方というものは許されぬじゃないか、おかしいじゃないか、これが地元の人たちの考えなんです。だからほんとうに強制収用を考えというのであれば、それは政府の考えですからおやりになるのも一つの自由でしょう。しかしその場合には一方で主張なさっておる使用権があるのだ、こういう主張は撤回してからやりなさい。こう言っているわけなんです。そのかわり、そういうふうになる場合には、これは完全に土地の所有者としての立場というものを八名の方には認めてもらわないと困る。収用が完了するまでには、収用法の手続が完了するまでは土地所有者の権利、立場というものを認めてもらいたい、こうわれわれは言っている。私はこれはちっとも無理な主張じゃないと思っておる。それを政府はどっちともつかぬようなあいまいなことを言っているものですから、所有者としては納得できない。基地内の問題がなぜとこまでもめておるかというのは、政府自体の態度からこれはきておる。そうじゃないですか。もっとはっきり言って下さい。なぜこれがもめているか。
○国務大臣(小滝彬君) ただいま御指摘のような点はこれまでも亀田委員から再三承わりまして、私は法律のことはそう詳しいわけでもありませんので、いろいろ検討もさせました。なるべく平和的にこれを片づけたいという気持て私としては努力をしたつもりでありまするが、しかし今の法律的な考え方につきましては、まあ亀田委員のお説はお説といたしまして、私どもは多少異なった考え方を持っておるのであります、昨年の二月三十一日以後更新ができない、そこで訴訟になっておるのでありますが、御指摘のようにわれわれは駐留軍の用に供する目的をもって提供されておるものであるから、駐留軍が撤退するとか、この目的が変るという際には、基本的に考え直さなければならぬかもしれないが、この目的に供されている限り、われわれの力に使用権があるということを主張しておりますが、同時に、いやこれはこの文面を見ても一年ごとに、更新するようになっているじゃないかという相手方の主張もありまするので、すなわち私法上における使用権というものについては論争点がある。そうして今裁判にかかっておるわけでありまして、この裁判はあるいは控訴、あるいはさらに上告というようなこともあり得るでありましょう。相当長きにわたってこの私法上の使用権については不確定な事態が生ずるのであります。こういうように考えられますので、私どもはその点についてはわれわれはわれわれの主張を続けるけれども、しかしながらこれはなんとしてもただ単に安保条約第三条に基くところの、いわゆる基地提供について日本側が義務を負っているというだげでなしに、日本の国防の立場から考えましても、また今後民間航空という立場から考えましても、これはぜひ必要な場所であると考えますために、公法上の使用権を確定しておく方が至当であるという考え方に基きまして、ただ単に砂川だけではございません、他の基地についても同様な据置をとって参った関係もございますので、昨年の八月これを土地収用法に基いて収用委員会にかけるということにいたしたのであります。すなわち総理大臣の認定を得ずして、そうしてそれに基く必要な措置を一年内にとらなければならぬ、実地側量の措置をとらなければならないというところから、結局こういう事件が起って、遺憾千万でありまするけれども、そういたさざるを得ないという私どもの法律上の立場からこうした措置に及んだ次第であります。
○亀田得治君 この所有者の諸君は、収用法を発動するのであれば、政府の私法上の使用権というものを放棄してもらいたいと、まずそう言っているのです。ところが政府の方はなかなかそうは言わない。実際はどうもこれは使用権がないんじゃないかというふうに、腹の中じゃ思っているようですがね。……いやあなたはそういうふうに笑われますが、たとえば六月十八日に立川の調達事務所長石井君が新聞でこういうことを言っております。「無契約のままいつまでも使用することができないので、土地収用委員会にかけるための書類作成の測量である。」これが本心なんですよ、実際は。この立場なら地元の諸君は了解するんです。そのかわりその公法上の手続が完了するまでは所有者としての立場を認めてもらいたいと、これなんです。ところがあなたの力は公けになると、いや、おれの方は使用権があるのだ、こういうことでもう突っ張っている。この収用の問題においてもそのことを言っておる。但しこれはいろんな事情から念のためにこういうことをさらにやるんだと、こういうことなんです。そこで他の場合にもこういうことをやっていると言われますが、これはおそらく松本委員の、九州の板付飛行場のときも実はこういうケースになっている。こういうこと自体がこれは聞違いなんですね。そして、方訴訟で所有権、使用権かあると言って争っているんでしょう。これがずうっと最後の段階までゆけばいいんですよ。何年かかるかわかりません。その間あなたの方の立場として、あすこは使用してゆけるわけですからね。実際問題から言ったって何も差支えがないんです。それをいやしくも収用というような立場をはっきり出してくるのであれば、今後所有者としては、それはちょっと待って下さいと、単に私法上の問題として裁判上で争っている、そうのんきなわけにゆかないと、こうこちらが出てきているわけなんです。 それからもう一つは、この土地収用法の建前というものは、これは強制的に人の権利を国がやはり取るわけですから、これはもう必要最小限度の止むを得ざる立場においてやられるわけなんですね。これは当然なことですよ。それを国が必要だからと言ってどんどん拡張する、そんなことは絶対許されません。そういう立場から考えれば、自分が正しい契約上の権利を持っているというものについて、どうしてあなたそんなことを、同じ使用権なのに収用法を用いて取ると、こんなことができましょうか。収用法を発動したって結果においてはやはり契約関係になるんですよ。取り方が公けになるというだけであって、取った結果の法律的な性格というものは、これはやはり賃料も払わなければいかんのです。やはり一つの契約関係なんです。これはそんな同じものが重なるということだけであって、そんな法律の専門家じゃなくたって、常識的に考えても何だか割り切れないのです。常識の発達している人ならそう思うのは当り前で、そんなことを幾ら納得せいと言っても、純朴な農民であればあるほどそんなことを納得できるものじゃないんですよ。それを私は言っておる。そういうあなたは、一体どのような考えで収用法の発動をどんどんやっておるのですか、あなたの方はほかにも例があるというのは、私は松本治一郎さんの板付の飛行場についで同じようなことがやられておる。これは前例であっても、はなはだ悪い前例として、私どもは実は攻撃しておる問題で、それ以外にももっとあるということなら、これをお示し願いたい、これを機会に私どももそういうものはないようにするようにもっと努力しなければいかぬです。どなたがこれは政府になったって、これは立場の問題じゃない、一つの人権、権利の問題なんです。基本的な権利の問題なんです。いやしくも国がこういう安易なやり方で私権を処理しちゃいかぬですよ。ほかの例を一つ示してもらいたい。
○国務大臣(小滝彬君) 私は決して安易な気持でこの収用法などを適用するものではなくして、できるだけ円満に話し合いをして解決しようという気持で、これまでも調達庁を指導して参ったつもりでございます。しかし一方ぜひ国の立場から使わなければならない土地について、どうしても話し合いもつかない、そしてこの目的の国家的の要請を満たすために、やむを得ざる措置として土地収用法の適用というものを考えざるを得ない、というところに追い込まれてくるのでありまして、その例とおっしやいましたが、私はこまかなことは存じませんけれども、たとえば大阪ドルとかあるいはアーニー・パイル劇場というようなものについても、こういう例があったはずでございます。 それから今おっしゃいますととは、なるほど私は亀田委員の法律的な考え方について、全面的な否定的のことを申しあげる点もございませんが、しかし一方非常に私法上の問題としては不確定な状態が長続きするということはおもしろくないので、こうした絶対に必要な所、それも必要最小限度のことでありまして、今拡張の問題と離れて現に使っておる所の土地の問題でもありますので、この不確定的の状態が長く続くということはよくない、これを公的の立場からぜひ必要であるからしてこれを確定しようというので、こうした措置をとったわけであります。さらにもっと掘り下げてざっくばらんに申し上げますなら、今亀田委員の御指摘のようなやり方によりまして最後まで待って、そうしてこれは法律問題でありまして、いろいろ御議論もあるでありましょう。かりにその際私法上の使用権というものは認めがたいというようなことになりました際、それじゃその際にこの土地収用法を適用したらいいじゃないかという御議論、これは一応わかりますけれども、そうなればその間に間隙を生ずる、その際もうすでに飛行場になってしまった所であるから、これはやむを得ず使用せざるを得ないということで使うということになれば、国がある意味においては違法行為をするということになるおそれもありますので、絶対必要なものである以上、そうしてすでに飛行場内の土地としてこれまですでに使用が継続されておる以上、そうした事態の生ずることのないようにするためには、この公法上の使用権を確立するための措置をとらざるを得ない、こういうように私は考えておるものでございます。
○松本治一郎君 関連質問。私はなるたけ質問を避けたいと考えておったのですが、どうもあの親にはこの子ありで、岸さんの子分は岸さんらしいですね。質問された人たちの答弁に対しては、質問された同僚議員でも満足はいっていないと思う。本人も言われるように私は法的知識はない、もっともだと思う、答弁を聞いてわかる。私が今お尋ねしようとするのは、さっき亀田委員から私の問題を話された、私の土地は無契約、無承諾、無賃で飛行場に使用しているが、私は所有権をたてに訴訟した、その訴訟は勝訴しております。ご承知になって降りますか。そこで政府の方としては控訴をしておる、控訴をしながら収用委員会にかけ収用しようとしておる、こんな乱暴な無茶なことがありますか。それが控訴さえしていなければ、控訴権を捨てて、そうして何かやってくるならばやられていいと思う。私もまた受けて立ちます。両方を持ちかけて仕事をやる。岸内閣でなければやらぬような仕事のように考えられる。あなたはそれに対してはどう考えられますか。
○国務大臣(小滝彬君) この問題で控訴しておりますのは、さっきも申し上げましたように私法の問題としてわれわれの見解は異なっているのでありまして、私法上の使用権という立場から駐留軍の使用の目的に使っている以上、これは当然継続し得る立場がありますので、控訴しているという関係でありますが、どのみち政府側としてはこの法律関係を一日も早く確定したい。それにはこうした法的手続には、実際問題として時間も要しますので、そして政府としては、どうしてもとの使用は継続せざるを得ない政府としての責任もありますので、公法上の使用権を確定するための措置をとったというわけでございまして、あるいはそこに矛盾があるとおっしゃれば、あるいはそういうこともあるかもしれませんが、私の力では、そういうわけで、どっちもつかないと申しますか、ある一期間においても間隙を生ずるというようなことになったら大へんだという立場から、御指摘のように法律的にあるいは皆さんの御理解しがたいと申しますか、皆さんの御異論のあるところもあろうと思います。そういう実際上の関係から処置をとっているものと御了解願いたいと思います。
○松本治一郎君 そういう考えをもって処理されたのでは国民が迷惑です。不幸です。もう少しはっきりした立場で仕事をしてもらいたいと、こう思うのであります。私の勝訴した土地ばかりでないのです。もう六年前からほかの土地にブルトーザをかけて地下にガソリン・タンクを作っている。所有権が私にあったから拒んだ。それが収用委員会にかかって決しないでいる。ところが周囲にいろいろのものが作られている。このごろは収用委員会は少し開会が遠のいて開かないでいる。要らない土地も返還しないで、収用委員会で何とかしようとするようなけちな考えをもってやっているように考えられる。要らないものなら捨ててくれと、私は言うている。それはどういうふうに考えられますか。まだ必要があるのですか。
○国務大臣(小滝彬君) 私まことに申し訳ございませんが、詳細について存じません。ちょうど本日は不動産部長も参っておりませんので、その具体的な問題について明確にお答えすることができないのを遺憾に思います。かりに要らない所を捨てないで使っているということであれば、これはもちろんよく検討しなければならぬ問題でございますので、その点については不動産部長に早速調査させたいと思います。
○松本治一郎君 もう一つお尋ねしておきたい。これは三日前の西日本新聞の記事ですが、「掘れない?板付基地の下」という題で、これは鉱業権と地上権の問題です。これは調達庁と通産省との間に食い違いがあって、激論が行われておるこの土地は今炭鉱として採炭をやっておるわけです。その鉱区の坪数が三十七万坪、それを出しぬけに停止命令を出しておる。その中で幾坪が掘っていいのか、幾坪が掘ることができないのか、その坪数の分け方ですね、それから採炭することのできない地域の坪数の中にだれだれの土地がどれだけあるかということを調べてもらいたいと思います。約束できますか。
○説明員(磯淳爾君) 今御質問のありました点は調べまして先生の方にまた御報告申し上げます。
○委員長(藤田進君) その点は調べましてというけれども、今具体的にしっかり約束できるのですか。他の不動産部長なり何なりを呼ぶ必要があれば呼んだらどうですか。この委員会はまだ継続をいたしますから。
○説明員(磯淳爾君) もしもそういう調査の問題ではなくして基本的な問題でございますれば、不動産部長を呼んでいただければ……。
○委員長(藤田進君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤田進君) 速記を起して。
○松本治一郎君 もう一点、核兵器は使わない、入れない、こういう約束でございましたね。核兵器はもう板付に来ておるというのです。砂利と砂の大きい山が二つもある。その砂や砂利が数日の間になくなってしまった。その仕事に日本人を使わない、アメリカ人だけでやった。そういう所にどんなものがあるかということは地方の人は知っておる。知らないのはあなた方だけでしょうかね。知って知らぬふりをされておるのか。何もかも入っておるというのがもう地元の人たちの声なんです。そういうことをお聞き及びになったことがありますか。
○国務大臣(小滝彬君) そういう点は存じません。
○亀田得治君 いろいろこの砂川の問題は非常に問題点がたくさん出ておる。ですが、どうも政府の悪いくせとして、若干でも公けという名前さえつけば個人の権利とかこういうものを非常に軽く見るくせがある。これはもう絶対直してもらわぬといかぬ。この砂川の測量問題はきょうはああいう武装警官を動員して押し切ってやっておりますが、何もあとの収用法上の手続はまだまだいろいろあるのですから、これはもっとこの過程においてほんとうに相手の立場になってものを考えてみてほしい。そんなような考えでいったら、役所の方が都合が悪いからと、そんなことを言ったってそれは通るものじゃありません。権利は権利、そういう権利を無視するようなことをやっていると今度はまたいろいろな問題が派生的に起きてきます。よく私どもも、たとえば二つの相反した主張をすることがあります。第一の主張がだめならば第二の主張、こういうことはありますよ。あるけれども、たとえばそれが判決の場合であれば判決を書く場合にはどれか一つを選んで判決をするわけです。争っておる過程においてはあれもこれもつけ足したらいいでしょう。判決にはそういうものを、いやしくも具体的な行動に移るという場合には一そうこれが一つでなくちゃいかぬわけです。あれでもいける、これでもいけるなんてこんなばかな行動はないですよ。行動に移る前の口だけの段階においてそれは言える。そういう妙な理屈を純朴な農民の方にのみ込ませようと思ったってすなおな人ならのみ込めるものじゃありませんよ。 そこでいかに所有者の立場が無視されておるのかのもう一つ具体的な例としては、先月の二十七日から予備測量と称するものをおやりになりましたね。これはどういう法的根拠に基いておやりになったのですか。説明して下さい。
○国務大臣(小滝彬君) この予備測量というのは特に法的性質というような、特に法律に規定されておるからやるといろのではなくして、事実正式に測量する際の準備的な意味において、できるだけそれを便宜に行われるようにいたそうというので、大体の目標をつけておるのです。そういういろいろな問題でもめて長く時間がかかるよりも……。そうした点は従来の慣習としてもやっておるようでございますので、そういう意味で特にどの規定によってやったという性質のものではなくして、実際的な行為としてこれまでの慣習に従ってやったという種類のものでございます。
○亀田得治君 そういう慣習をどんどんおやりになっておるならばこれは非常な間違いです。収用法というものは、この閣議の収用認定前における準備的な測量というものは法律で規定してある。準備測量もしないで閣議の認定を求めるわけにはいかないので、およその測量をして閣議の認定を求める。それ以後は土地測量の公告をして本測量をするわけです。それしかないわけです、規定は。だからあなたのやっていることは全く法律に規定しないことをやっておるのです。しかも実際におやりになっていることは本測量の内容なんです。これは私はもう予備測量の状況も目で見たのです。今日の本測量と称するものも見てきたわけです。本測量の方が時間が短い、予備測量の方が長いのです。 ちょうどあなたたとえがいいか悪いかわかりませんが、一つの例がどろぼうに入る、どろぼうが蔵の中まで行くには廊下を通ったりいろいろしなければなりませんね。そうでしょう。それであなたのおっしゃる理屈だと、蔵の中をずっと、廊下を通って蔵の中へ入って物をつかんだ瞬間にこれはどろぼうです。それまではどろぼうではないのだから、そんなことは事実上の行為であってとやかく言われる必要はないと、こんなことですよ。たとえがはなはだ適切かどうかわかりませんが、そうじゃないですか。予備測量と称してくいをちゃんと打っておるのです。人の所有地にくいを打ってそしてこの所有者が指をくわえて見ているわけがない。本測量であれば所有者は立ち会いができるでしょう。ところが本測量でないというものですから今度はその立ち会いすらもあなたの方は排除してやっておる。こんな脱法行為があるのですか。もっと堂々とやりなさい。ほんとうに本測量をやるにしてもそれはむずかしいとか何とかいろいろ事情はあるでしょう。そういうことは別ですよ。もっとあなた政府自体というものは法律を厳守してもらわなければ困りますよ。こんなあなた予備測量というものを、どこでもやっておるのですか。所有者の反対を排除して――所有者自体がそれを認めておる場合はいいですがね――所有者が反対しておっても、こういう予備測量、しかも実質は本測量につながっておる。そういうことをほかでもやる、ほかでもやっておるからいいようなことを、先ほどもおっしゃって、今でもおっしゃるのですが、そんなにほかでもやっておるのですか。実例をもう少しあげて下さい。そんなことは私はないと思うのですね。
○説明員(磯淳爾君) 二十七日に行いました予備作業は、ただいま大臣から御説明がありましたように、収用法の条項によりまする法律事項として扱ったものではないのでございまして、あの土地は昭和二十一年の九月に軍から調達命令が出まして、民有地を提供いたしたわけであります。提供いたしました土地が、すでに今では滑走路になり、誘導路になり、原形をとどめていないというので、われわれの方でいろいろ苦心をいたしまして、そうして法による正式な測量並びに立ち会いということについていたします前に、準備作業として二十七日にいたしましたのは、その当日の作業であり調査であったのであります。なお、この土地につきましては、そういったような事情でいたしたもので、今回の立ち会いを要請しておる測量の、基本的な単なる予備作業でございます。
○亀田得治君 そういうへ理屈みたいなことを聞いておるのじゃないのですよ。そんな理屈の言いわけは、農民などは飽き飽きしておるのです。事実上本測量と同じことをやっておって、それを予備測量と称して、本測量であれば、立会人の必要があるのに、名前を予備というだけによって、法律的な要件まで排除してしまって、そうして仕事をやっていく、こういうことが、だんだん、だんだん積り積っていくから問題が起るのです。よく考えておいて下さいよ、けさはあなたの方は押し切ったつもりでいたって、まだまだたくさん手続が残っておるのですから、ほんとうにこの問題は、本質的に考えて下さい。そんな理屈なんかで納得するものではございません、そんな程度の理屈だったら、私反駁します。そんなものを反駁してみたって、事実関係が大事ですから、これはここで事実関係を提示して……。それは純朴な農民の立場からは、そんなことは納得できぬのじゃないかということを言っておる。これはそういう属僚ではわかりませんよ、大臣、長官といったような立場の人が、やはり相手方の気持になって、これは真剣に考えてもらいたい。これは中間の段階ですから、絶対に今後こういうことのないようやってほしいと思います。まあこれは一つ希望しておきます。 それと、当初に言いました警察官の使い方ですね、むちゃですよ、相手側は必ずどろぼうするだろう、一つここへなにを連れて来ておくというよろな感じです、そんなものじゃないでしょう。どろぼうがいいとは私何も申しません。しかし、そういうような考え方で武装警官を並べるというようなことは、非常に大きな問題です。運用上は、警察官がそんなことでいい気になって抜き打ちを食わしてやったとか、押し切ってやったとか、そんなことを思っていたら、大へんな間違いです。この点を一つ忠告をして私の質問を終ります。
○野溝勝君 この機会に、二三お伺いしておきたいと思います。 今朝政府が奇襲作戦によって測量を開始したということを聞きました。測量は日の出から日没までということになっておるにかかわらず、日の出ないうち、五時前後日の出ないうちからさような措置の行動に出たということは、政府みずからが、非合法的な暴力行動であって、この措置を認めていることでありまして、かような点に対し、行政長官としてのあなたは右の行動をとったことが正しいのか正しくないのか、御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) 現在は日の出が四時半ということになっているのでありまして、本日行いましたのは五時十五分でありまして、日の出から日没までに行うという政府の表明した見解に矛盾したものとは、私どもは考えておりません。
○野溝勝君 これは小瀧君、あまり形式的な答弁に終始しようということでなくて、お互いが一つの常識の定義、それがすなわち法律となって出るのですから、政治家としても常識を活かさなくちゃいかぬと思う。たとえば五時ということになっておりましても、あるいは四時何十分に日が出るといたしましても、今日のごとく梅雨ないし台風の時期におきましては、日の出というものは時間的にも少しズレるのですから、あくまでも四時何十分が日の出の時間であるから差しつかえないというようなことは、あまりにも愚答だと思うのです。しかし、これも私はあなたの常識を疑ぐるのでありまして、これ以上その問題については、一つ省略することにいたします。 次に、私は小滝長官に、予備測量当時から今日砂川の測量に対する中止方を強く要請して参りました。と申すのは、今、岸総理がアメリカに参りまして、特に防衛計画なりあるいはその他再軍備等の問題につきまして、アメリカと折衝中であるから、まだその結論の出ないうちに早まることは、一つ差し控えてもらいたいということを、何回も小滝長官に要請したわけでございます。しかるに、予備測量であるから差しつかえない、もし本測量となる場合は、予備測量であってもかように紛糾があり、動員されまして大きな動きを示しているのでございますから、本測量の場合は、細心の注意を払うというお話がございました。私は小滝長官におきましてもっともなるお話、御意見と思いまして、非常にその考え方の正しいことを私は認めました。特にそれに加えまして、あなたは、これは重大な問題であるから、岸総理が帰りましたならば、あなたは、相当な決意をもって岸総理と相談し、本測量に当っては慎重を期するということを、私に同等されました。この慎重を期するということは、奇襲作戦によって本測量をやることでございましたか。その点を一つお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) これは決意をもって云々というのはちょっと……、実は私はそういうことを申し上げたつもりはございませんが、しかし、野溝さんの御意向は、私は私限りの気持としてはわからぬというわけでもなかったので、ぜひ慎重に検討させようというので、次官会議、いろいろ法制局とかあるいは法務省あたりとも、また関係各省に集まってもらって検討さしたのであります。慎重と申しましたのは、何も奇襲的にやろうというのでなしに、もっとほかに違った方法で目的を達成し得るなら、ごたごたを起きないようにやるようなやり方はないかということで、いろいろ専門の向きにも相談し、何とか方法を立てたいという気持で、よく検討をいたしますということは約束いたしたのでございます。そうして、事実私は検討させたのでございますけれども、どうも全然測量をやらないでやるというわけにもいかない。または他の方法でも、結局いろいろ検討しても、方法がないというような結論を得ましたので、先ほどからまことに申しわけない次第でございますが、申し上げておりますように、私は法律の専門家でもないので、そうした専門的にこういうことを検討している向きの意見に従わざるを得ないと思いまして、この測量を実行させるということになった次第でございますので、そういうように御了承を願います。
○野溝勝君 私は、小滝長官が御答弁になりましたその気持のほどはわからぬわけではないのでありますが、しかし、そのやったことに対しましては、行政長官である以上は、責任を持たれるし、また持たなければならぬと思うのです。予備測量当時から、小滝長官にお目にかかって申しあげたときに、さような真相は僕は知らなかったということを小滝長官も申された。しかし、いやしくも前年来から問題があり、特に同じ民族が血で血を洗うようなあのおそろしい悲劇、すなわち国際的な悲劇まで起したあの砂川基地事件におきまして、今日またおそるべき事態が直前に起っておる。この問題に対して、小瀧さんはその真相を知らぬというようなお話だったのでございます。しかし、さような事実に対して、長官が真相を知らないというようなことが、一体行政上あり得べきことかどうか、私は、その後におきましてまた小滝長官とお会いしたときに、いろいろ聞いてみたが、実際僕はよくわからぬのだというようなことがございましたが、今日この砂川における問題は、単なる地主八人の反対者に限られておるという問題ではないのでございます。それは長官自身よく心の中には刻み込んでおると思うのでございます。これは台湾における射殺事件、あるいは相馬ケ原の射殺事件、そうした事件もさることでございますが、この砂川の基地問題は、一そう深刻なるものを私は持っておると思います。それだけに、一体かような行政上の重大な問題が、部下と長官との間に意思の疎通を欠いて、それでもあえてこれを実行しなければならぬというこの長官の心境変化といいましょうか、大きく変った気持に対して、この際お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) 当時よく知らなかったことも遺憾でありますが、ただ、行政官庁におきましては、いろいろたくさんな仕事がありまして、一々個々の問題について担当大臣のところへ持ってこないというのが、まあ実際の姿であります。ところが、この問題は基地を拡張するというような問題と違って、基地内のことであり、すでに昨年の八月総理大臣の認定も受けておって、どうせ八月の中ごろまでにはやらなければならない問題であるというような事務当局の考え方から、このルーティーン、日々の仕事をやるという意味におきまして、関係者の方にも通知を出した。その際に、あるいは認識不足であったかもしれませんが、とにかくあらかじめ私どもの方には通知がなかったので知らなかったのであります。 しかし、野溝さんもいらっしゃいますし、亀田さんもいらっしゃいまして、これはなかなか大へんである。それだったらただ単なる日常の、普通の仕事を従来の予定に従ってやるというような考え方では困るから、一つよく検討して、何かそういう不祥事件が起るおそれがあるとすれば、別な方法も考えられないだろうかということで、いろいろ専門の人に集まってもらって検討させたわけであります。そうして申し上げましたように、岸総理にも相談いたしたのであります。しかし、結局この法律関係を徹底するためにこうした措置をとらざるを得ないという政府の考えでありまして、また、それが結局今、亀田さんの御指摘の中の法律論とは違いまするけれども、とにかく政府側の法律的な考え方としては、これをやらざるを得ないという結論でございましたので、遺憾ながら実行せざるを得ないということになった次第であります。
○野溝勝君 私は、予備測量当初から、防衛庁長官小瀧さんに陳情いたしたその当時から、小滝長官が純真で、かつまた意見に傾聴して、砂川の測量などについては非常に慎重を期してくれるというように解釈をしておりました。しかし、今お話の中で、私は新しい情報を得たのでございますが、それは岸総理とも連絡をとったという答弁を得ました。これについて、私は以下また質問をしてみたいと思う。 今、長官が、砂川の予備測量は、これは当然なことであって、基地拡張というような問題ではないから、あまりそう問題にしなくてもいいように考えたというお話でございました。しかし、この砂川といい、新潟といい、小牧といい、あるいは板付といい、これらの基地は、すでに鳩山内閣当時における防衛分担金を削減するその代りに基地拡張が条件になっておるわけであります。これは小満さんといえどもよく御存じだと思う。それだけに、地元民はもちろんでございますが、日本国における平和を願う国民大衆は、この砂川の基地の問題については大きな関心を持っておったのでございます。それが予備測量の名においてやろうと、あるいは本測量の名においてやろうと、この関心を放棄するわけにはいきません。特に防衛庁長官がこの関心に無定見であるとは申されぬのでございます。かるがゆえに、重大と考えたがゆえに、あなたは岸総理と連絡をとったと思うのであります。その総理と連絡をとったのは、どこの場所でとられましたか。その当時は訪米中でございましたから、電話ないしはその他の方法をもってやられたと思うのでありますが、その内容について、一つこの際お答えを願いたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) お答えする前にちょっと申し上げますが、これは基地内のことであるからそれほど問題にならないだろうという観測は、実は私がしたというのではなしに、事務当局でそういうふうに考えておったから、あらかじめ連結がなかったということの説明で申し上げたのでございます。 再三お会いいたしましていろいろの動きも察知できましたので、もちろんこれは私が担当大臣として最後の決定をしなければならないところでございますが、しかし、それには法律家の意見も聞いて、関係省にもいろいろ関係のあることでありまするからその意見も開き、結局これは実行せざるを得ないということになりましたので、私は、岸総理が帰国せられましてから、こういろ事態であって、もう測量を実行せざるを得ないことを、岸総理に東京で報告いたした次第であります。
○野溝勝君 私の今の質問の過程は、まだ予備測量当初における小滝長官に対する会見当初からの経緯でございまして、その質問中、あなたは岸総理にも話をしたということでございましたから、訪米中であったと考えたのでございますが、それは本測量に……。
○国務大臣(小滝彬君) そうです。
○野溝勝君 そうですか。しかし、岸総理はハワイにおける新聞記者会見におきまして、すでに砂川の基地の測量は予定通りやるということを声明されました。で、私は今、小滝長官が御答弁になりました意見を総合いたしますると、予備測量当初における動きを、国際電話で連絡をとって、それがたまたまハワイにおける記者会見の際に、岸さんから発表になったものと、こう解釈したのでございますが、そうではないのでございますか。
○国務大臣(小滝彬君) 予備測量と申しまするか、予備作業で問題が起ったことがアメリカにもニュースとしてキャリーされて、それに関連して総理がそういうような発言をせられたのではないかと思います。少くとも予備測量は皆さんが私の方へお見えになりまして、結局翌日とか翌々日やるという段取りになっておりました。その際にも関係者を集めて話をしたのでありまして、その際は、そう急ぐ必要もないし、また総理の方に連絡したことは絶対にございません。
○野溝勝君 それではその問題に対する経緯は、いずれ岸総理が本委員会に参った節にお伺いすることにいたしたいと思います。私は、むしろさような措置をとられたことが、非常に小滝長官として正しいやり方であると、こういうふうに解釈しておったのでございますが、その点が不明でございますから、あとに譲ることにいたします。 先ほど来、法理論的に亀田君の質問がございました。これに対しまして、小滝長官から御答弁がごさいました。しかし、かような重大なる政治問題を、法理論的な結論といいましょうかが、解釈もでき得ない不確定なあいまいなうちにおいて行政的措置をとろうということは、行政長官として、政府としてどういうものでしょうか。これが軍閥時代とかあるいは官僚時代なら別でございますが、今日の時代におきまして、不確定なる法理論的に確定でき得ない問題が提起されておる際に、あえてこれを遂行しようというその行政的措置は、正しいものでしょうか。どうですか。あなたは正しいと信じてやったに違いないと思うのでございますが、これに対する一つ結論といいましょうか、あなたの見解を一つお伺いしたい。
○国務大臣(小滝彬君) 法律的な面から亀田さんの御意向もありましたので、法律的な面について、そうした専門家の方にも調べさせましたし、これはただ単なる法律問題だけでなしに、いろいろ国家の要請あるいは今後他に及ぼす影響とか、いろいろ考えなければならない問題がございまするので、そうした面、すべてを総合的に考えまして、そうしてあるいは反対論は法律的にあるかもしれないが、少くとも政府の見解がはっきりとしておるとすれば、こうした措置をとらざるを得ないというので、いろいろな関係を総合的に考えて返事をしたという次第でございます。
○野溝勝君 小瀧さん、私はあえてこの際小瀧長行の失言をとらえようというようなけちな気持で質問をしておるのではないのでございまして、私はむしろ法理論的よりは、むしろ政治論的に見ても深刻に考えていただかなければならぬと思うのです。とにかくあなたの御答弁の中を発ても、法理論的には決定的な御意見ではございません。政治論的にあなたの意見をこれを私が取り上げるならば、むしろアメリカの駐留軍の意思代弁の、比重を強く取り上げて、日本人民としての声を過小評価しておると思うのです。特に問題は、七月の二十日、第一回の公判には一応ある程度の法理論的に結論というものは出るのではないでしょうか。それを七月二十日まで待てなんて、不確信のもとでなぜ一体かような本測量をしなければならないのですか。特に本測量をするに当りましても、日本の国防分担金削減を理由に、基地拡張する一つの条件の場所ではないでしょうか。さような場所であるだけに、一そうたとえば地主八人といえども日本の人民でございます、たとえ一人といえども法律的に変りはないと思います。それが訴訟を提起しておる。この結論も待たずして、政治的に、あるいは国家の方針として強行することは永久に問題を残します、先ほど来あなたの御答弁を聞いておりまするというと、駐留軍の意思尊重というようなことを二度言われておりますが、何ゆえ日本人民のためにと言わないのですか。かようなことが政治論的に運ばれますならば、独立国家としてあるいは主権を守るという日本の人民は、このままで沈黙をするということはあり得ないと思います。かような点に対し、法理論的からも、政治論的からも、小満さんは今後この基地問題に対し、砂川ばかりではありません、特に基地問題に対して、深刻に再検討しょうという意思はおありですかどうですか。あるいは岸総理が帰国早々でございますから、まだ深刻に話をされたかどうかはわかりませんが、この上とも深刻に話す意思があるかどうか、私はそれをお聞きして、私の小瀧さんに対する質問を打ち切りたいと思うのでございますが、その点に対する、民族として、日本の独立国家としての行政上長官として、あなたの御所見を真剣に私はお伺いしたいと思うのでございます。
○国務大臣(小滝彬君) 米軍の意思を尊重してやったというようなことをおっしゃって、しかも私がそういうようなことを言ったかのようにおっしゃいますが、私は、安保条約なり行政協定についての基本的ないろいろな御議論はあるでありましょうが、いやしくも外国との間に条約によって国家が約束したことは、これは実行しなければならない。国際法上の義務は果さなければならないという点があるということを指摘し、同時に、そういう問題を離れて考えましても、日本にもある程度の飛行場を持つということは、これは民間航空のためにも必要であり、また日本の独自の防衛という立場からも必要であるので、そういう点を考えて、また他にもそういう同じような種類の問題もなきにしもあらずでありますので、こうした決定をせざるを得なかったということを申したのでありまして、これはあくまで政治的な立場から考えなければならぬ問題であるということを申し上げたつもりでございます。 七月二十日にある程度結論がつくのじゃないかとおっしゃいますが、これは第一回の公判でありまして、私は七月二十日になったら特に新しいものが出てくるというようには判断しかねた次第でございます。 今後、基地の問題については根本的に考え直す意向がないかどうか、岸総理と話し合うつもりかどうかということにつきましては、私は遺憾ながら野溝さんの期待せられるような答弁はでき得ないと思うのであります。 今、民族独立ということをおっしゃいましたが、私どもは、独立国家としては、今後外国の駐留軍なんかにたよることなく、できる限り日本の力によって日本の独立も守り通したいというように考えておりまするので、そうした見地からいたしましても、日本の防衛という立場からいたしましても、特に必要やむを得ざる飛行基地については、これを整えざるを得ないという気持で進んでおるものでございます。
○野溝勝君 私はこれ以上議論を進めようと思いません、小滝長官は政治的に固執しておるような傾向があるのでございますが、この事実をありのままにお話し申して、また、その現象形態から受くる感じ、今日の世界情勢等々からのまた受くる感じ、これらを総合して、私は一つ小滝長官に申し上げるのでありまして、十分この点は一つよく分析されまして、日本に大きなおそるべき事態の起らぬように、一つ今から冷静になって検討されんことを、特に要望いたします。 それから、今お話の中に、日本の独力によって――独力けっこうでございますが、基地は独力ではないのでございますから、こういう基地などを持っておりながら、その基地の拡張を是認走るということは、これは日本の独力でないことも是認することになりますから、この点は一つあなたの大きな誤謬だと思っております。 それから、今一つ申し上げておきたいことは、この基地のために何十万町歩というものが日本では壊滅しております。その結果食糧もまた自給自足はできません。そうして農民はこのために農業経営も不安でできません。たえず脅かされております。こういうような点に関し、今後の食糧の自給自足の態勢からいっても、重大に考えなければならぬ問題でございまして、あらゆる面から、十分なる検討を願い、さらに岸総理が帰国早々ではございますけれども、あなたとしては、この際深刻に考え直さなければ後世におそるべき歴史を残すことになりますので、その点、強くここで警告して、私の質問をこれで打ち切ります。
○委員長(藤田進君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤田進君) 速記を起して下さい。
○亀田得治君 法務大臣にジラードの事件に関して御質問したいと思います。まあこの一件は法務大臣としてはずいぶんよく努力をされて、結果につきましても私ども非常にうれしく思っております。ただ、お互い承知のような事情で、この問題の今後のなり行きが、相当やっぱり微妙な状態になっております。こまかいことをいろいろ質疑をする必要もないと思うのですが、私は、一番この問題でこういう状態になってくると、大事な点は、やはりジラードの行為が公務中の行為であったのかないのか、やはりここへ集約されてくると思うのです。アメリカの地方裁判所の判決を見ても、あるいは最高裁にアメリカの政府なりあるいは弁護人等が出しておるものを見ても……。そういう意味で、五月十六日の日米合同委員会で日本側の裁判権を認めた際に、日本側は、これは公務中ではないと言う、米側は公務中だと言う。この考え方が対立したままで、そうしてこのC項ですか、一番けつの方の条文で、事実上あちらが裁判権を放棄するから日本側がこの事件を扱う、こういう一種の政治的な考慮が払われて、この結論が出された。私どもあの当時は、結論がそうなればまあまあと思っていたのですが、やはりそこをあいまいにして、そういうふうな扱いをしたことから、やはり問題が非常に重要になってきた、こういう感じがしているのですが、そこでお聞きしたいのは、この五月十六日の日米合同委員会で、日米双方の主張は対立したままということに表面上は報告されておりますが、腹の中では米側の代表者は、これは公務中の行為でないというふうに大体認めて、しかし米側の従来の面子もあるから、一応公務中だという主張はそのままおいておいでくれと、私は、またそうでなければ簡単にこれは譲るものでもないと思うのですが、そういうことだったのかどうか、その辺のところを一つお聞きしたいと思います。これは法務大臣よりも、むしろ直接そこに出席された秘書係長の方がより適切かもしれぬと思うのですが、法務大臣としても報告を開いておるでしょうから、そこが非常に私は大事な問題になってきておると思いますので、まずその点をお聞きしたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 亀田委員の御指摘の通りだと思います。両方の主張は、結論的には、主張としては譲歩していないということになっておりますが、アメリカ側が、結果的に譲歩して、日本の裁判権に服することに協議を取りきめましたということは、日本の、公務に関したものでないという主張に多分に分のあるものという考え方で譲歩されたものだと思うのです。向うが日本の主張には理由は毛頭ない、自分らの公務に関したものなりという従来の主張があくまで正しいとするなら、譲歩するはずがない、譲歩した以上は、そういう腹づもりに立っておるものと、私どもは考えております。
○亀田得治君 そういたしますと、私も非常に希望が持てるような感じがするのですが、もう一つお聞きしたいのは、五月十六日の日米合同委員会までに数回協議をされておるわけですが、その間において、例のアメリカ陸軍通達二十二号の一号という規定ですね、これはちょっと読み上げてみますと、「公務中の時間だからといって必ずしも公務を執行しているとの解釈は成り立たない。公務中とは公務の執行を要求されて行為を本質的に行なっている場合だけに適用されるものであり、本質な公務の行為から離れたものは公務中というよりむしろ公務外の行為というベきである。」こういうまあアメリカの陸軍の通達ですね。これは私は、相手側が、自分がこういう通達を出しておるということは、非常に日本側としては有力な根拠になると思うのですが、この通達自体は、この日米合同委員会でどういうふうに論議の対象になったものでしょうか。これは、このままアメリカ側が自分が出した通達だから、これはもう間違いだと言わぬでしょうが、この通りだということになれば、はなはだ問題は、私はもうこの通達自体から明瞭になってくると思うのですから、そこをお聞きしたわけですが、その辺のところはどうでしょう、実情は……。
○説明員(津田實君) ただいまのお話の点でございますが、通達二十二号でございますか、これにつきましては、ただいま御指摘のような内件がございますことはもちろん、従いまして、この通達が、行政協定十七条の公務の解釈を示しておる一つの表われであるというふうに考えられるわけでありまして、行政協定十七条の公務に関する解釈は、先般も当委員会で申し上げましたように、公務期間中ということではなくて、そのやった行為自体が公務の遂行の過程においてなされたものでなければならないという解釈であるということなしでございますが、その解釈が、アメリカ側においても採用されておると思われる一つの資料として、今の通達があるというふうに考えられるわけでございます。で、これはあくまで内部の通達でございまして、これを論拠にしてやりとりをするということは、必ずし本筋ではございませんので、直接論拠として論議をしたことはございません。しかしながら、十分そこは解釈の一つの資料であるということは指摘してございます。
○亀田得治君 そういう状態でありますと、私はこの問題は公務中の行為で。ないということを、アメリカ政府にもう一度はっきり再確認させるということが非常に大事なんじゃないかという感じがする。そうしてまた、今のような合同委員会の内容であれば、それはできるのじゃないか、一応先方の面子を立てて、ああいう政治的な解決をしたのですが、問題がここまでこじれてくるのであれば、そのこと自体をもう一度検討して、これは公務外の行為ということを、はっきりアメリカ政府をして出さすべきじゃないかと思うのです。アメリカの地方裁判所で結局ジラードの問題についてアメリカ政府と反対の方向の結論を出したやはり一番大きな有力な根拠は、アメリカ政府はジラードを日本側に渡してやれとこういっておりますが、しかし、アメリカ政府から出てくる文書には、これはやはり公務中の行為と、こういうふうになっているわけですね、アメリカの裁判所に出るものには。そうすると、アメリカの裁判所はそれを形のまま受け取って、何だアメリカの政府自体が公務中と言っているなら、これはやはり行政協定のC項といったようなものでなしに、やはり基本的人権との国連の問題もあるから、やはり原則に従って、これは強く解釈すべきじゃないか、こう出ておるのがやはり地方裁判所の態度、これはやはり私は一つの立場だと思うのです、そういう考え方も。ところが、アメリカ政府自体が、実際は形は公務中ということで裁判所に出しておるが、腹の中は公務外なんだと、どうも大統領のいろんなしゃべり方等を見ていても、やはりそういう感じがするわけです。そこをやはりこの際一ぺん合同委員会を開き直してですよ、実はこういう経過でこういう結論になっているが、本質的には実は公務外だということを、もう一度確認するということが大事だと思うし、できると思うのですがね。そのことがやはりアメリカの裁判所に対しても大きな影響を持つし、アメリカの間違った国内世論に対しても非常に大きなやはり役割を果すと思うのです。そういう方向に一つ努力することが非常に私はいいと思うのですが、その点はどういうふうにお考えでしょうか、
○国務大臣(中村梅吉君) この問題につきましては、アメリカ政府としては、日本側の裁判によることが妥当であるという考え方を堅持しておりまして、裁判に臨むに当りましても、その主張を一貫しておるようであります。 なお、これは私ども直接のことでありませんが、窮するところ、アメリカの政府としては、そういうような問題が起きた場合に自由裁量権というものは、取捨選択をする裁量権は、安保条約を基本として行政機関である政府に一任されておる。その一任されておる権限に基いて日本との合同委員会において取りきめをしたのだから、これは違法でないと、こういう趣旨を貫いておるようでございます。これに対しては相当確信を持っているように見受けられますので、まあ私どもの日本側としましては、しばらくその推移を見守っている方がいいであろう、こういう建前に現在のところなっております。
○亀田得治君 しかし、私の言うようなことが合同委員会で再確認できれば、それにこしたことはないでしょう。その点どうでしょう。
○国務大臣(中村梅吉君) 再確認できればもちろんそれにこしたことはございませんが、両国の主張が明確になるということについては、ただ両方の主張だけでなく、おそらくこれは事実のあり方はそのときにどうであったのだというおそらく事実審理をしなければ正確にはどちらもその確認ができないことで、ただ両方の立場において、日本はこういう事実を認定してその上に立ってこういう主張をしておる、アメリカは別個の考え方で今まで主張しておったと、しかし両国がそういう主張をし合っても仕方がないからということで、御承知のような結論を得たのでありますから、その結論を得たことが、両国の制度上違法でない、合法的であるということならば、おそらく裁判所においても、日本側のわれわれとしては、アメリカの裁判所のやることはそれはアメリカの国内問題であって、国際的に影響を及ぼすものではないと、こういう主張と考え方に立っておりますが、アメリカの裁判所においても、おそらく最終的には政府の考えておられるような結論に落ちつくのではないだろうかという多分の期待を持っておりますので、あらためてそういうような行動を起すことがいいか悪いかについては、非常に慎重を期する必要があるのじゃないか、かように考えております。
○亀田得治君 私は、アメリカの最高裁判所の結論に対しては、今のままでいけば、やはり非常に悪いのじゃないか、日本側に。そういう実は感じがいたします。なるほどアメリカ政府は、日米間で約束したことだからそれに対してはこれはもう行政府としての自由裁量の範囲のことだから、そこまでの適否というものを裁判所は審理すべきではないといったような主張をやっておりますが、しかし、やはり裁判権云々という問題、これはやはり一つの基本的人権に関する重大な問題ですよ。そういう問題については、政府といえども勝手に本人の了承を得ないであっちへやったりこっちへやったりはできないのだという、やはりもっと基本的人権という問題については強い考え方を持っていると思います。私は、そのこと自体は非常に大事なことだと思うのです。従って、このままでいけば、そういう話し合いがあるから、信義上一つ何とかしてくれというふうなことだけではいかぬというような感じがするのですね。そこで、先ほど申し上げましたような合同委員会をやり直して、一つこれは実は公務外なんだということがきわめて明確だというようなことが確認できればいいと思ったのですが、しかし、法務大臣は若干様子を見たいということですから、それも一つの行き方でしょうが、そこで、非常に今後の問題として気になることが二つあるわけです。それは、アメリカの最高裁が地方裁判所と同じ結論を出した場合ですね。これは日本政府はそれはアメリカの国内事情だといっても、実際上はアメリカの軍も政府もそれに拘束されます、事実問題として。それが一つ。そういう場合があり得る。それからもう一つは、米軍の引き揚げの問題が起きておりますね。ジラードは、何か聞くところによると、これも徴兵期間も十月の二十七日までぐらいだし、そうしてクリスマスまでに三万の陸軍は全部引き揚げるといっておりますが、米側の裁判の結果あるいはそういう陸兵の引き揚げというふうな、これが延びておりますとそういうことにからんできて、実際上、日本が裁判権を行使できないという事態になるかもしれぬと私は思うのですね。その場合、法務大臣は、今度は改造でどういうふうになるのかわかりませんけれどもね、私は絶対にそういう危険性はないという段階じゃないと思いますね、これは。ところが、そういう結論か出てしまったあとですと、これはなかなかこういう問題であるから処理がしにくい。そういう点に対しての対処、そういう場合にどういうふうに処理するおつもりでおられるのか。まあ普通は、先のことはそのときになってからといいますが、そのときになってからでは、これはどうもにっちもさっちもいかぬような感じがするのですが、そういう点どういうふうにお考えでしょうか。
○説明員(津田實君) 第一の最高裁の判決が原審を維持した場合いかが相なるかという問題でございますが、ただいま大臣も申しました通り、アメリカ国内の裁判によりまして国際関係は左右せられないという立場、これはそのまま堅持していく上につきまして、いかなる場合にいかなるトラブルが起ってくるかということは、必ずしも今から予測できませんし、また予測のもとにそれに対する対策というようなものを公けにするのはいかがかと存じますので、その辺は申し上げにくいのであります。 それから第二の引き揚げの問題でございますが、これは従来ともに当該被告人あるいは被疑者を出しておる部隊が捜査中あるいは公判中に引き揚げるということはしばしばあった。その場合は、引き継ぎ部隊というのがおりまして、そこが引き継いで参りまして、その被疑者なり被告人は日本の裁判なり捜査が終るまで日本国内におることになっております。これは厳格に実行されております。かつてあやまって引き揚げた者がございました。それはこちらからの申し入れによって、直ちにアメリカ本国から連れて参りました。従いまして、もしも陸軍全体が将来ある時期にいなくなるといたしましても、空軍の地上部隊その他は残るわけでございます。その点の措置は十分できると、かように確信しております。
○亀田得治君 先のことはあまり言わぬ方がかえっていいかもしらぬから、この程度にしておきますが、この件に関連して一時ずいぶんいろいろな、日本で裁判をした場合には刑の量刑等がどうなるかといったような問題が、ときどきニュースに出ておりました。それで、たとえば六月の九日でしたか、アメリカの上院議員のラッセル、この人が、日本側で裁判をすれば厳罰にしない大体の了解がついておるような、そういうことも言っているのです。これは本人の主観的な見通しを言ったのか、あるいは正確にはどういう表現をしたのか、よく私どもそこまではキャッチしておりませんが、しかし、これは法務省としてはきわめて重大だと思うのです、こういうことを言われるのは。それで、はっきりこの機会にお聞きしたいのは、何か五月十六日の日米合同委員会で、最後の結論を出すときに、裁判権は日本側に渡す、そのかわり、そこは一つ適当にやるとか、まあどういう言葉にしろ、何かそうラッセル氏が言うのも無理がないと思われるようなことを若干でも言っておるのかどうか。そういうことがないならないと、これは一つ明確にしておきませんと、はなはだ疑惑を起す問題だと思うのです。その点はっきりとお答え願いたい。
○説明員(津田實君) ただいまの点でございますが、事、裁判の内容あるいは結果に属する事柄でございますので、全然さようなことについては話をいたしておりません。従来とも在日米軍当局は、日本の裁判に十分信頼をいたしておりますし、また信頼をするということをしばしば申しております。裁判の内容自体については、何ら今まで申し入れを受けたことは一度もございません。従いまして、それらの点については日本の裁判は十分信頼されておるものと確信しております。
○亀田得治君 アメリカの陸軍法務局のデッカーという人が先月来られました。そしてジラードのためにてきるだけのことをしたいというふうなことをおっしゃっておるようですが、いろいろ動いているのだと思いましたが、このデッカーさんが来て直後に、ジラードと一緒にその場所にいたニッケル下士官ですね、その人がきわめて重大な供述書を出したということがニュースに載っていた。その内容は薬莢を投げたのは実は自分だと、こういう意味の宣誓供述書を出しておる。これはデッカー氏が来てすぐなんです。何かそこに異常な結びつきがあるように思うのです。で、直接薬莢を投げたのはジラードではなく、ともかく他人だったというようなことになりますと、ジラードの行為が非常に、これはアメリカ側としては歩哨に立っておったというのですから、公務中の行為になりやすくなってくるわけです、その行為だけをだれかほかの人が分担してくれたということになると。あるいはきわめて重大な点について突然とこういうデッカー氏が来て、ニッケル下士官がこういう宣誓供述書を出す。私もそういう方面のいささか専門家なものですから、ぴんときたのですが、この件は、だれでも専門家は、今ごろになっておかしいと思っておられると思うのですが、これは法務当局としては、この点、何かああいうニュースでお調べになったかどうか。なっておれば、真相はそこがどういうふうになっておるか、わかっておる限り一つお知らせ願いたいと思います。
○説明員(津田實君) ただいま、デッカー准将が来ましてから、かような宣誓供述書が出たというようなことは、新聞で承知しております。実はそのことはすでに二月二十日からわかっておることであります。二月二十日にニッケルは大体その趣旨のことを検察官に供述いたしております。従いまして、その趣旨を十分考えた上、先回当委員会で御説明申し上げましたような検察側の結論を出しておるわけであります。事新しい次第ではございません。ただ、証言の内容にわたることでもございますので、当時は申し上げることを差し控えておいた次第であります。
○亀田得治君 当時わかっておったことかもしれませんが、ことさらに宣誓供述書という形式をとってあらためて出す。捜査の過程においてわかっておることなら、これはすでに裁判にかける段階になっておるわけですから、私はそれでもいいと思うのですよ。それをことさらに宣誓供述書という厳格な形式をとつて、そうして出されてきたというところに、この事件についていろいろな、米政府としては一応統一的な見解に立っておるようですが、どうも国務省関係と、それから直接軍側の関係と、何か食い違いがあるような感じがするのです。デッカーさんもできるだけのことをするというが、どうもこういうところに現われておるような気がしてならぬ。あなたはそういうふうには思わぬでしょうか。わかっておることなら要らぬことですからね。
○説明員(津田實君) どういう趣旨であの時期にかような供述書の内答が公けにされたかは私もわかりません。かなり不可解には思っておりますけれども、何ら捜査過程においてわかっておりましたこと以外の新しい事実というわけではありませんので、別に何ら検察当局その他においては問題にしておるわけではない次第であります。
○亀田得治君 大体この程度で終りたいと思うのですが、そこで最後的に一つ聞きますが、この件はすでに前橋地検が起訴をして、前橋地方裁判所で、もう担当の裁判官もきまって開廷するばかりになっておるわけですね。それが事実上、弁護人の解任の問題など、いろいろ起きて、進めることができない状態です。こういうふうに停頓しておること自体が、私どもの立場から見ると、やはり日本の司法権に対する侵害になっておると思うのです、停頓しておること自体が。もちろんその裁判を開くについての弁護人側の準備とか、そういうことで延びることは、これはまあ当然のことなんですが、この場合はそうじゃなしに、弁護人すら何か宙に浮いたような格好で、そういうことで停頓をしておるのが現実なんです。こういう問題で、これはいつまでもほっておけぬことですが、最終的にはどういうふうにこれを処理しようというふうに今の段階においてお考えになっているのか、この辺一つ。これは国民は非常に関心を持っていると思うのですね。アメリカ側は、いろいろな世論とか、国会あたりでもずいぶん的がはずれた議論を根拠にしていろいろなことを言っておる。そういう意味で、法務大臣の最終的な扱い、どういうふうにお考えになっているだろうかということは、非常に大半だと私は思うのです。一つこの機会にざっくばらんなところをお示し願いたいと思います。
○説明員(津田實君) 公判期日がいまだきめられておらないということは、私もさように聞いております。ただ、新聞等であるいは御承知かと思いますが、検察側におきましては、公判に対する準備は完了しておるというふうに新聞等に出ております。私どももそういう報告を受けております。問題は、弁護人側の準備あるいは弁護人側との期日の、何と申しますか、それを受ける日の適当な日というような事柄から延びておるというふうに私どもは聞いておりますし、新聞もさように報道されておるようでございます。それ以上の事柄につきましては、これは事、裁判に属することでございまして、検察側といたしましては、何どきでも公判期日を指定されても差しつかえないということを、裁判所に非公式に述べてあるにすぎない、かような段階であると思います。
○亀田得治君 その弁護人の問題ですが、林弁護人の今地位というのはどういうふうになっているのですか、お調べになってあるでしょうか。
○説明員(津田實君) これは確実には申し上げられないわけでございますが、一応まだ解任の届けは裁判所には出ておらぬ、かように聞いております。それ以外のことは何もわかりません。
○亀田得治君 それならば、裁判所としては当然三者がそろっているわけですから、期日をきめて、そうして通知をするというやはり手続を一応すべきじゃないかと思うのですね。いや、そういう裁判のことは、内容はもちろん、進行自体についても、三権分立で、干渉はできないのだというふうにおっしゃるかもしれんが、これはちょっと事柄が私は違うと思うのです。この問題の処理は、やはり裁判所だけではできない、処理自体は。だからそういう問題なんですから、そういうふうに、形式上進められるようになっておるのに、待っておること自体が、やはり私は米側にとってみれば、日本側も大して強い希望でもないのだなという印象を与えると思う。やはり二回でも三回でも期日をきめて。相手がどう出るか、これは別の問題、やはりそういう態度をとることが私はこの事件としては正しいんじゃないかと思うのですね。やはり一つの促進になると思うのです。そうでないと、一般の国民の受ける印象は、やはり遠慮して押されているのだ。きょうも群馬県の方が、ずいぶん署名が今なされているそうです。私、何か十万名くらいの署名が集まるのだというようなことをちょっとお聞きしましたが、群馬県じゃ地元ですから、やはり非常な大きな関心を持っている。群馬県だけじゃないですよ、これは。だからその辺のことをよく考えて、もう少し積極的に裁判の干渉にならないような方法で、やはり推進することを考えてほしいと思うのですが、これは一つ大臣に直接考え方を聞きたいと思う。
○国務大臣(中村梅吉君) これは申すまでもないことでございますが、裁判につきましては、行政府がタッチすべきことでもございませんし、また、国際的にも何らの圧力があるわけではありませんが、裁判所のもっぱら都合によって期日指定が遅れておることだと私どもは思うのです。できるだけ早く期日が指定されて、裁判が進行されることがいいとは思いますが、裁判所としましては、聞くところによりますと、林弁護人を呼び出しまして、いろいろ裁判の確め方等について打ち合せをした事実もあるようであります。その結果、まだ期日の指定が行われておりませんようでありますから、これは何らか裁判所の都合か、あるいは裁判所と弁護人と打ち合せた結果、弁護人の部分等も加わっておるかもしれませんが、とにかくそういうような事情で、まだ期日の指定がないようでありますが、しかしながら、行政府として、裁判事務に対してかれこれ干渉することはできませんから、ただ私ども、今申し上げたような期待と、何らかの事情があるものと実は推察をいたしまして、すみやかに裁判の進行されることを期待しておるような次第であります。
○亀田得治君 ちょうど岸総理がアメリカに行かれたときにも、この問題は絶えずずっと新聞等をにぎわしておったのですが、私はこの問題については、何か非常に、こう新聞の報ずるところでは、岸さんがこの問題に触れることをアメリカにおるときに遠慮された印象を受けるのですが、むしろそうじゃなしに、これほど明確な事実関係に立っておるわけですから、そういうことをざっくばらんにはっきりおっしゃった方が、問題解決にずいぶん促進になったと思うのですが、そういう点、法務大臣としては、おそらく遺憾に思っておられると思うのですが、何か総理がお帰りになってから、そういう点についてお確めになったでしょうか。
○国務大臣(中村梅吉君) どういう機会に話が出たかわかりませんが、会談の過程において話が出たことは事実のようであります。そこで岸総理としては、アメリカ政府は、裁判には必らず勝つという非常な確信を持っておるというようであるということだけを私は承知いたしております。
○野溝勝君 ジラード問題について一つだけお伺いしておきたいと思います。 私ざっくばらんに申しますると、今の政府で、主権のある行政措置をとられた代表的なものといたしましては、当然のことのようではございますが、ジラード問題に対する裁判権が日本にありという態度を表明されました中村法務大臣の見解に対して、当然のことのようではありますが、国民は納得をいたしました、この点だけは。おそらくほかの問題についてはもう納得いたしませんが、これは今申した通り納得した。ところが、以来遅々として進まず、今お話のありましたごとく、依然として公判が開廷にならぬ、こういうようなわけで、非常に国民は疑問を持っておるわけでございます。特に私は二月三十一日、このジラード事件に対する現地調査をいたし、全国の電車基地の代表責任者といたしまして告発をいたした一人でございます。さようなわけで、この告発者である私に対し、このジラード問題の行方につきまして、国民の方々からいろいろと聞かれるのでありますが、あいまい模糊としておるような今の動きに対しまして、非常にもの足りない感じをこの上とも与えて行くことはよろしくないと思うのでございます。よって私は、本日特に委員の更迭を願いまして、たまたま法務大臣がおられることを聞きまして、この点に対する見解、さらに見解というよりは、むしろ決定した方針に対し、アメリカ当局のいろいろの動きもありますけれども、この既定方針を完全に貫くという点を、さらにこの委員会を通しまして再確認を願っておきたいと思うのでございます。この点に対する大臣の所見を一つお伺いしたしと思う。
○国務大臣(中村梅吉君) しばしば委員会におきましても申し上げておりますように、日本側としましては、公務に関する事故でない、非公務の事故であると確信をいたしておりますので、将来とも既定方針はあらゆる方法によって貫いて行きたい、かように考えております。
○荒木正三郎君 私はシラド問題ではないのですが、旅券の査証の問題について法務大臣に再考を求めたいと考えております。非常に緊急を要しますので、きょうの委員会で、相当時間がたっていますが、一つお答え願いたいと思う。 というのは、七月二十八日にモスコーで世界の青年婦人の平和友好会議がございます。その会議に日本からは五百名が出席をするということで、すでに用意万端を整えて、五百名の人が全部東京に集結している今日事情にあります。この問題について、政府は旅券の発行を非常に渋っておるというふうに聞いておるわけなんですが、しかし、その理由がわれわれにはわからないわけです。これは政府として、旅券の発行を渋る理由は私はないと思う。大体の事情については、私から申し上げるまでもなく御承知だと思うのですが、いわゆる自由ブロックと言われる国々、フランスとか、あるいはイギリスとか、あるいは西ドイツ、そういう国々からも、この会議には千名から千五百名の人々が参加するということになっているわけです。日本から参加する五百名というのは、必ずしも多いというわけではないわけです。ところが、あんまり人数が多過ぎるので減らしてくれぬか、こういうことで旅券の発行を差し控えている、こういう事情にあるのですが、これは、はなはだ私は遺憾なことであると思うのです。これについては、すみやかに旅券を出すように政府としても考慮してもらいたいという点が策一点です。 それから、わけても非常に奇怪に感ずるのは、この五百名の中には、公務員関係の人も相当おるわけです。ところが、次官会議の決定か何かで、公務員については直接旅券の査証を抑えるということができないので、休暇を取る場合にこれを許可しないという方法で、一つ旅券の査証を実質的に押えて行こうと、こういうことをきめて、地方庁に対して指示をせられたということを聞いておるわけです。これも全く不可解なんですね。そういう事実があるのかどうか、ここで私ははっきりおっしゃっていただきたい。それは第二の問題ですが、やはり第一の問題として、もうすでに集結をして、この十三日であったと思いますが、敦賀から船に乗って行くことになっているわけですが、まだこの問題が解決しないので非常に因っているわけたんです。早急に一つ全員に対して査証が出るように御考慮を求めたいというのが私の趣旨であります。
○国務大臣(中村梅吉君) ただいまのお話の点は、御承知の通り、外務省が所管をしておる事項でございますが、外務省としては、私どもの聞き及んでおるところでは、人数をしぼりたいということのようであります。しかし、各地から出発用意をして東京へ来ている人が、だいぶもう出てきておられるようでありますから、できるだけすみやかに、この各関係団体と外務省との間に調整ができて、話し合いのできますことを私どもは期待をいたしておる次第でございます。私どもがここで、所管外のものとしてどうするということを実は申し上げかねるような次第であります。
○荒木正三郎君 しかし法務省、法務大臣として、従来から出入国については、やはり関係ないと私は言えないと思うのですが、そういう点で、今度の問題についても、外務省が所管ではあるけれども、法務省もこの問題については関与する立場にあると私は思います。全く関係のない部外の大臣というふうには私は考えていない、そういう意味で私はきょうは質問をしているわけであります。ですから、法務大臣としては、との青年婦人会議に全員出席できるように一つ尽力を願えるかどうかという点になるわけであります。
○国務大臣(中村梅吉君) 御承知の通り、私どもの方としては、治安関係上、出国あるいは入国が適当であるかどうかという意見を述べる立場にあるわけでありますが、それらのことは、もうすでに何と言いますか、作業済みの事項であります。ただ、そこで外務省としては、いろいろな事情から人員を五百名希望されているが、できるだけしぼりたいということにあるようでありますから、私どもとして、全員ということについて外務省に進言するということは今ここで申しかねますが、できるだけすみやかに関係団体と外務省との間に調整が行われ、話し合いの完了しますことを私どもの立場としても期待をいたしているということを申し上げておきたいと思います。
○荒木正三郎君 そうすると、法務大臣としては、この五百名行くということについては別に異議を持っているわけでない、こういうことですか、何か調査済みとか、何かそういうお話しですが。
○国務大臣(中村梅吉君) それは法務省としましては、出国あるいは入国等が日本の治安上どういう関係を及ぼすかということについて研究をし、意見を述べるのが任務でございますから、その仕事はすでに完了している、こういう意味を申し上げた次第でございます。
○荒木正三郎君 外すから、そういう点を横付をして、五百人行くということについて、別に治安上その他の点について何ら支障はないという結論でおられるのかどうか。
○国務大臣(中村梅吉君) これは人員でなく、個々の人について検討でありますから、人口については私どもの方で発言権があるわけではございません。
○荒木正三郎君 たびたび質問しなくてもいいように、そこのところは一つ御答弁願いたいと思うのでありますが、それじゃ個々の五百人について、個々の人についていろいろ調査検討をせられたということになりますが、工合が悪いというふうな人が若干でも出てきているわけですか、出てきているとすれば、どういう人たちで、どれくらいの人数になっているか、御答弁願いたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 実は具体的の点につきまして私ども承知をいたしておりません。もし必要がございましたら、その関係部局の人を呼びまして御説明することにいたしたいと思います。
○荒木正三郎君 それではほかの委員の方の御意見もあろうと思いますので、私としては、きょう中に、委員会でなくても、あとでも関係の人に来ていただいて、そうして私詳細に聞いておきたいと思うんです。いいですね、委員長にその取り計らいをお願いいたします。
○委員長(藤田進君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤田進君) 速記をつけて下さい。 別に御発言がなければ、委長会はこれにて散会いたします。 午後二時十二分散会