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26回国会参議院1957/01/21

内閣委員会 第2号

発言数
67
登壇者
7
会派数
3
開催日
1957/01/21

会議録

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) これより内閣委員会を開会いたします。  委員の変更について御報告いたします。本日永岡光治君が委員を辞任されまして、その補欠として横川正市君が選任せられました。   —————————————

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) 国家行政組織に関する調査を議題といたします。  まず宮内庁当局から、宮内庁の業務運営の現状について御説明を願いたいと存じます。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 宮内庁の業務運営の概要を御説明申し上げたいと思います。  まず宮内庁の機構、所管事項というようなことを骨子といたしまして、御説明申したいと思います。現在宮内庁は、総理府の外局になっておりまして、宮内庁の長官は、内閣総理大臣の下についている総理府の外局という形になっておりまするが、以前の古い宮内省、旧宮内省は、ご存じのように、政府の機構とは別個の機関として、皇室令によって設置をされておりまして、皇室一切の事務を所掌しておったのであります。その昔の宮内省の状況から現在に変ってきておりまする状況を比較いたしまして、まず最初に御説明申した方がわかりやすいかと思いますので、御説明申します。  お手元に機構定員比較表を差し上げてございますが、これをごらんになりながら、説明をお聞きを願いたいと思います。  終戦当時の機構といたしましては、宮内大臣のもとに官房のほか内局が十二局及び外局十三局がありましたが、日本国憲法の実施によりまして、皇室財産が国庫に帰属する等の事情その他の事情で、仕事の範囲がぐっと狭くなりました。そこで機構と人員の縮減をはかりまして、あるいは帝室博物館、帝室林野局のようなのが政府機関に移りました。この表の上のずっと左の方の端に書いてあります、そういうところをごらんいただきたいのですが、この中の、今申しましたように、帝室博物館、帝室林野局と、こういうのは政府機関の方に移す、博物館は文部省の関係、林野局は農林省の関係に移っております。それから皇宮警察、ここに警衛局と書いてありますが、終戦の当時は警衛局といっておりました。そのうちに皇宮警察を含んでおりますが、そうした皇宮警察のようなものは、まず最初に警視庁に移し、ついで警察法ができました。この機会に国家警察に移っております。それからなお、そこに書いてありまする学習院、これは財団法人として独立をいたしまして、普通の私立学校と同じような、財団法人として独立したのでございます。そのほかの点、ここに皇族付とか李王職付とかいうのがあります。こういうのも、皇族の三宮以外は普通の国民になられたので、こういう点がなくなっております。李王職ももちろんこれはなくなっております。そういうような関係のものはなくなっております。  その他の内部の部局につきまして、日本国憲法発足の当時には宮内府長官のもとに官房ほか七局としたのであります。この表の第二段目にあります、これでございます。そういうふうになりましたが、昭和二十二年の末に、当時の占領軍の司令部からの要求もありまして、さらに人員の大削減をいたしました。部課も縮小をする等の処置をいたしまして、昭和二十四年の六月以降、総理府の外局たる宮内庁となりました。この表の三段目から下に、宮内庁に変ってきておる状況を書いております。その間に貞明皇后さんが崩御になられまして、その際に、皇太后宮職というのが廃止になりました。従って、そこで一部局が縮小いたしております。それからこの間におきまして、さらに人員におきましては、終戦時の定員の六千三百十五人というものは、現在九百五十六人となっております。特別職が二十四人、一般職が九百三十二人ということで、合せまして九百五十六人となっております。先ほど申しました、他に移管をしたり独立をした機構の分を除きまして、宮内省本体の定員を見ましても、終戦のころに、この本体のところが二千七百八十人でありましたが、現在は、先申しました九百五十六人で、約三分の一ということになっておるわけであります。  宮内庁の現在の組織をずっと申し上げたいと思います。この宮内庁の機構図というのがございますが、この表をごらんいただいてもよろしゅうございます。では、現在の組織はどういうふうにして、各部局はどういう仕事をしておるかという概要を御説明したいと思います。  内部の部局としましては、長官官房のほかに侍従職、それから東宮職、式部職、書陵部、管理部と、こういうふうに分れておるのであります。長官官房には秘書課、総務課、主計課、用度課、この四つの課があります。秘書課は、これは普通の役所の秘書課より仕事の範囲がやや広いのでありまして、普通の役所の文書課的な仕事をここでやっております。たとえば国会の、こういうような場合に、いろいろ書類の準備をいたしましたり、連絡をいたしたりいたすのが秘書課であります。それから皇族関係の事務をつかさどっております。秩父、高松、三笠、三宮家のこの宮家の方の関係の事務をつかさどっております。内廷にある、つまり皇太子殿下とか、義宮殿下、清宮殿下、そういうようなのはこれは別のところでありますが、三宮家の方のことは秘書課の方でやっておるわけであります。それから、これはこの組織令にありますから、宮内庁の組織令の方を見ていただいた方がいいかと思いますが、宮内庁組織令の第二条、最初に秘書課、今申したことが、ずっと概要を申したことが書いてありますが、その次が総務課、総務課では行幸啓に関する事務、それから御差遣に関することというのがございます。これもお見舞なんかの関係でお使いなされること、それから賜与及び受納に関すること、これは風害、水害とか、その他の災害の際にお見舞をされます、そういうような費用、あるいは特別の方がなくなられた場合に供物をお出しになります。そういうのがこの賜与でありますが、そういうことをいたします。それから受納、受納は献上品などを受けられる、こういう場合に、総務課がその事務を扱う。献上品のことは、ついでに申し上げますが、憲法の第八条で賜与及び献上を受けられるという点については、国会の議決に基かなければならないというふうになっております。そこで、一々細かいのを国会の議決を経ていても煩雑だというので、皇室経済法によりまして金額を一応きめられて、この賜与の方は年額三百七十万円の範囲であれば、一々国会の議決を経ないでもいい、それからこの献上を受けられる方、これは年額で百二十万の範囲ということが皇室経済法できまっております。そうしたワクがございまするから、特に献上なんかのことで、よく地方からこういうものを献上を受けてほしいというお話がありましても、現在は原則としてお受けにならない、しかしながら、地方の特産品等で、それを受けられることによって産業奨励のためにも寄与されるというようなときには、地方の長官を、知事を通じて受けられるという建前をとっております。そうしたことは総務課の事務であります。その他ここに、第三条の四に御陪食に関すること、これは外部の方の御陪食ですが、外交関係以外の関係は、総務課で招待状を出したり、その場所を作ったりするのであります。報道に関することは、宮内庁に関する発表事項、その他報道機関との折衝というのは総務課の所管事務になっております。それから奉仕作業に関すること、これは勤労奉仕のことであります。勤労奉仕は、国内の各地方から毎日二、三百人の方が皇居に見えられて、主としてお掃除の方のことをやつておられるわけであります。そうした方の希望を受け付けて、それじゃ来て下さいというように許可証を出したり、奉仕に来た方の世話をするというのが総務課の仕事であります。こうしたことを総務課でやっております。  それから次は主計課、主計課は、これは経費及び収入の予算、決算及び会計に関すること、皇室経済会議に関すること、会計の監査に関すること、これは普通の役所の主計課と名前のあるところのやっておることと変ったことはありません。  その次は用度課、用度課は、物品の管理及び検査に関する事務をつかさどる。用度課というのが別にありまするが、これは、普通の役所で机を新調したり、あるいはその他の器具を新調したり、消耗品を買ったりする、そうした事務ももちろんでありますが、その他皇室で特に儀式なんかの場合にお使いになるようなものについては、格別の配慮が要るのでありますが、そうしたものについて特別の配慮をして事務を進めておるというような点では、普通の役所の用度課とは内容が特質を持っておると存じておる次第であります。  それからその次がこの侍従職、侍従職は、天皇、皇后陛下及び内廷にある皇族の側近の事務、秘書的な事務をやるのであります。  それから東宮職は皇太子殿下の侍側の事務、いわゆる一般でいういわゆる秘書的な事務をつかさどっておるわけであります。  その次が、式部職、式部職は、宮中のもろもろの儀式、それから外国との交際、それから外国との文書の往復のために必要な翻訳、それから宮中の舞楽——雅楽といっております。特に雅楽の関係をやっております宮中の舞楽、そういうようなことをつかさどっておるのであります。式部職の諸儀式、これは、御存じのように、新年のもろもろの儀式、それから天皇誕生日のもろもろの儀式、それから総理大臣とか最高裁長官なんかの任命式あるいは認証官の認証式とか、それから外国の大公使の信任状の捧呈式とか、そういうような儀式のほかに、その他たとえば立太子礼があればそういう儀式、あるいは成年式があればそうした儀式、なお園遊会もまあ儀式に準じたものとして、やはり式部職が扱っております。そうしたもろもろの儀式を扱っております。それから外国交際、これは外国の元首から日本の象徴である陛下に対して、事ある場合、あるいは新年ですとか天皇誕生日、そういう場合に祝電があります。そうしたことに対して、こちらからもまた外国の方へ相互的に祝電を出されるとか、そういうようなこと、それから国賓が見えますると、国賓の接待、そういうようなことがあります。それから大公使が新たに見えます。また大公使が日本を離任される。そういうような場合に、何人かをまとめられてでありまするが、天皇陛下が午餐会をなさいます、そうしたときの世話でありますとか、それから外国からいろいろ貴賓が見えまして、天皇陛下あるいは皇后陛下にお会いしたいという場合の謁見のお世話とか、そのほか外交団の人を招待してのカモ猟でありますとか、あるいは三里塚に花のころに招待をするとか、そうしたようなことはこの外国交際の中に含むので、いろいろ仕事はあるのであります。それから宮中の舞楽——雅楽でありますが、雅楽の方の関係は式部職に属しておりまして、これは特別の古い伝統を持っておりますもので、その方の事務をやっております。  それから次は書陵部であります。この書陵部という名前は、ちょっと見て何だろうという方がありまするが、この組織図をごらんになりますると、一番上のところに諸陵寮、図書寮というのがありまして、その諸陵寮というのは陵墓の方の事務をやっておったところ、図書寮は皇統譜とか、それから皇室伝来の図書、記録の保管、出納、歴代の天皇及び皇族の実録の編修とか、そういうようなこと、いわゆる図書という言葉が現わす事務でありますが、その諸陵寮と図書寮とありましたのを、機構を簡素化します際に、図書寮の書と諸陵寮の陵をとって書陵部となりましたのであります。この書陵部には、以前の諸陵寮、図書寮でやっておりましたことのほかに、正倉院の事務もここでやっておるわけであります。  それから管理部は、皇室用財産の管理、営繕、それから宮中でのお客をされる場合のお料理の調進、いわゆる大膳といっておりまする関係のこと、それから車馬等のことをつかさどっております。で、昔の宮内省の組織でいきますと、内匠寮、主馬寮といっておった、この両方の事務がここへ入っておるわけであります。  それから付属機関としては、次の二つがあります。正倉院事務所、それから下総御料牧場、一番下の欄の一番左の方に書いてありますが、これは出先の機関として正倉院に関する事務、下総御料牧場に関する事務をやっておるわけであります。  それから地方支分部局として京都事務所があります。この下の欄の管理部の次に書いてありますが、これは京都にありまして、宮内庁のつかさどっておる事務のうちで、京都地方の事務の一部を分掌をしておるのであります。  以上の通りでありますが、なおこのほかに、皇室のお祭りの関係のことは掌典職というのがつかさどっておるのでありますが、これは公務員ではございません。憲法上そうしたお祭りのことを公務員がやることは建前上いけませんので、そこで公務員でない、陛下の直接の使用人、内廷の使用人ということで、掌典がおりまして、そのお祭りをつかさどっておるのでありまするが、それが掌典職、これは国家公務員ではなくて、陛下の内廷費の中で、直接私的にお使いになっておる人がつかさどっておるのであります。  また、参考までに申し上げますと、皇宮警察の点でありますが、皇宮警察は、現在では機構上は宮内庁とは関係はないのであります。警察庁に属しておるのであります。同じく皇居の中にあって、陛下、皇族の警護をやり、なお皇室用財産の警備をいたしておりますが、これは以前と違いまして、警察庁に属しておるのであります。ただ同じような所で、時によると相関連性のある仕事をしておるのに、全然命令系統の別個の組織であるという点に不便はないかというような疑問もありまして、昨年の六月、宮内庁法が改正になりました。その機会に営内庁法の第二条の三項が加わったわけであります。「長官は、宮内庁の所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、皇宮警察の事務につき、警察庁長官に対して所要の措置を求めることができる。」で、宮内庁の機構の中にはないのでありまするが、宮内庁の所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、皇宮警察の事務について警察庁の長官に対してこういうふうにしてもらいたい、ああいうふうにしてもらいたいという「所要の措置を求めることができる。」というのが加わったのであります。  ただ、皇宮警察は宮内庁の機構とは別個でありまするが、その中に、皇宮警察の職員の中で、宮内庁を兼任している人は何人かあるのであります。皇宮警察の本部長というのは、宮内庁長官官房勤務と総理府事務官を兼任をいたしております。  それから両陛下、皇太子殿下の側近の護衛をしておる護衛一課、護衛二課という、その課員の大部分は宮内庁の方のうどねりを、要するに内舎人と書きますが、兼ねております。これは、警護のほかにちょっちょっとしたことで、雑務と言ったらなんでしょうが、事務をお願いするような場合に、そうした兼任でやった方がいいというので、そういうふうになっておりますので、そういうような関係で、両者の関係を密接に結びつけて仕事を進めておるということであります。  これが、機構の概要を申し上げながら、その中でどういうようなことをやっているかというようなことを申し上げたのであります。  次に、現在の宮内庁の所管というのは、大きく言ってどういうことかといいますと、これは宮内庁法の第一条にありますが、「宮内庁は、内閣総理大臣の管理に属し、皇室関係の国家事務及び政令で定める天皇の国事に関する行為に係る事務を掌り、御璽国璽を保管する。」というのが、宮内庁の事務を大きく言った場合の所掌でございます。この「政令で定める天皇の国事に関する行為」というのはどういうことかと申しますと、政令できめられておりますのは、憲法の第七条第九号、「外国の大使及び公使を接受すること。」というのが憲法第七条第九号にあります。そのことと、それから第十号の「儀式を行ふこと。」この二つを指しておるのであります。  ですから、根幹になる宮内庁の事務は、この「外国の大使及び公使を接受すること」「儀式を行うこと」ということ、そこがこの法律からいきますと根幹になりますが、なお「御璽国璽を保管する。」ということも書いてありますが、これは天皇の御璽、それから日本国の国璽というのを宮内庁で保管している。これは、部局といたしましては侍従職が保管しております。内閣から書類を持って来られて、その判を押してほしいという場合に、その判を押すということでございます。しかしこれは、どういう場合に押すということは、内閣の方で持って来られるものについてやるわけでありましてただ保管をしておるということだけであります。その他は、この条文にはっきり出ておりませんが、この「皇室関係の国家事務」という中に、いろいろ皇室に関しての事務をやるのでありまして、先ほどずっと各部局の説明の際にいろいろ申し上げて参りましたようなことをいたすのであります。  以上が大略を申し上げたのでありまするが、宮内庁の所掌事務の特質というようなものをちょっと申し上げてみますが、皇室関係事務は、その性質上、皇室の私的御生活に密接しておりまするので、勤務もこれに伴いまして、二十四時間勤務と言っていいと存ずるのであります。その執務の時間によって一律に勤務し得る事務とは違いまして、御生活に伴う諸種の事項を絶えず遅滞なく処理される必要があるのであります。従って職員の勤務態様は、他官庁とかなり違った観点から見る必要があろうかと存じます。そうした点が特に顕著にあるのは、侍従職とか東宮職とかいうような、側近の事務をするところには、特にそうした顕著な点があるわけであります。  それから次に、予想されるところであろうと存じまするが、職員の任免について、多くの者は、必ずしも一般の国家公務員のように、普通の事務能力のみによってその職員の採用、不採用をきめるということがむずかしい点があります。皇室の事務をとるのに、その性格、環境等について適応性があるかどうかというようなことも考えていかなければならない点があるということであります。  それから次に、政府との関連でありまするが、宮内庁は総理府の一外局となりましたけれども、しかし現在、天皇は政治には関与されないという憲法上の建前でありまするので、そうした点から、この皇室の事務をつかさどる宮内庁が、政府の変更によりまして変動を受けるというようなことのないのが望ましい。特に宮中からまた政府に対して何らか政治的な影響を与えるということもないようにしなければならないのであります。つまり宮中府中の別ということ、これもある意味においては保たなくてはいけないと思っております。そういうふうな、外局にありますが、政治によって動いたり、また政治に働きかけたりするようなことのないように心がけていくということが必要だろうということでございます。  最後に、終戦後の機構の改変によりまして機構が非常に簡素化され、人員がぐっと削減をされた結果、大きな行事がございますると、宮内庁の職員だけでは足らないということが出て参るのであります。将来あるいは即位、あるいは大葬というような、そういうふうな大きな儀式がありますると、相当他の官庁から応援をお願いしないとやりにくいという点がございます。貞明皇后さんがおなくなりのときも、他から応援を頂いて行事をやったというような点が——人員は、平素においても、これはやはりそう人がたっぷりいるわけではありませんが、特に大きな行事がありますると、昔と違って、中だけではやりにくいという場合があるということであります。なお、それじゃ宮内庁の職員は、ほかの役所から比較すると、終戦のときに比較して、同じような仕事をしておったものが三分の一にも滅っておって、それではいかんじゃないか。定員の増加をもっと強く要望すべきじゃないかというような御意見も一部にはございます。しかしこれは、現在各官庁とも定員をふやすということはやらないという建前をとっておられまするので、まあ大蔵省あるいは行政管理庁あたりへ、時によってはわれわれの方から、事務的には部分的にこうしてほしい、ああしてほしいと言ったことはございまするが、一般のその原則を破ることもおもしろくない点もありまして、部内の人のやりくりで、現在なんとか仕事を進めているという実情でございます。将来定員をふやしてもいいようなことがあれば、ふやしていただきたい点はあるのでありますが、しかし、現在のところは部内の人のやりくりで、なんとかやって参ろうというふうに思っておる次第であります。  以上は、機材、所掌事項等の概要をざっと申し上げたのでありまするが、その次に、予算の関係、宮内庁関係の予算、三十一年度の予算の概要を刷ったのをお上げしてありまするが、その宮内庁予算の皇室費として、まず第一のは内廷費であります。これは三千八百万でございます。これは内廷で必要な経費、要するに昔のお手元金のようなものでありまするが、これは両陛下の御生活をなされる経費で、あります。しかしこの中には、普通の食費のほかに、御静養なんかに行かれる、那須とか葉山においでになるような場合の、そういうような経費もありまするし、なお皇太子殿下方の内廷の宮様の、いろいろ学問をなされるのに必要な経費等もこの中に含んでおりまするし、先ほど申しました内廷だけで職員を使用しておられる掌典職等の経費も人件費としてその中に入っておる。あるいは地方の災害等の際にお見舞を出されるというような場合も、この中から謹賀が出ておるわけであります。それから宮廷費が一億三千七百万、この内訳はこの下の方に別の科目別内訳というところで書いてあります。それから皇族費が八百五十五万、これは秩父、高松、三笠、三宮家の方に上げまする歳費であります。それを合せまして二億八千四百万。そのほかに宮内庁の行政部費として三億三千二百万ありますが、これは宮内庁に勤務しておるわれわれ等の職員の人件費がおもでありまするが、人件費そのほか財産の管理の経費と、普通のいろいろな経費が入っております。この内訳はあとの方に書いてあります。ですから、現在宮内庁関係の総予算といいますと、三十一年度は六億一千六百万、約六億ということであります。  この点についてよく御質問を受けるのは、以前から見てどうなんだという前との比較をよく聞かれることがありますので、終戦前との比較を申し上げますると、終戦前は国庫から毎年四百五十万というのが皇室費として出ておったわけです。そのほかに御料林を持っておいでになりましたから、林野から上る収入、その他の財産収入というものが昭和九、十、十一あたり三年間の平均でいいますと六百八十万くらい、合せますと千百五十万くらいであります。そういうような収入によって運営しておったわけです。その金は現在の金に直しますと約四十億であります。でありますから、以前に比較いたしますと、現在の経費はその一五%、一割五分というふうになっておるわけであります。しかし、まあその仕事の範囲で先ほど申しましたように減っておる面もありまするから、そういう点も考慮する必要がありまするけれども、おおむね昔から比較すると二割ぐらいになっておるということであります。  なお、皇室の財産のことをよく御質問を受けるのでありますが、皇室の財産どれだけあるのかというようなことを御質問を受けるのでありますが、これは先ほどちょっと申しましたように、憲法によって、皇室は財産を持たれないということになっております。憲法の八十八条では、「すべて皇室財産は、国に属する。」というふうにありまして、その当時の皇室財産はすべて国に属するということになりまして、なおそれに引き続いて、「すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。」というふうにあって、要するに財産収入なんかを持たれないという建前になりましたので、従って皇室では現在は財産はお持ちになっておられないわけであります。終戦後こうした変動を受ける過程のことをちょっと申しますと、昭和二十二年の三月の末に皇室財産に財産税というのがかけられるということで、その当時の皇室財産は当時の評価で約三十七億、そのうち三十三億は財産税として国に納められたのでありまするが、その後さらに憲法の改正によりまして、昭和二十二年の五月三日新憲法の実施に伴って、憲法の八十八条によって皇室財産は全部国に属するということになりましたので、その残りの四億ばかりも全部国の方に返還になった次第であります。ですから、現在皇室用財産と言っておりまするのは、国有財産であって皇室の用に供する財産という意味で、皇室所有の財産ではない。国有財産であるが皇室の用に供する財産というのが、皇室用財産というように言っているのであります。そういうのであって、一般に皇室財産は皇室で所有しておられるように解しておりますが、そうではないのであります。従って、そうした皇室財産の中から収益が上れば、大蔵省の方の歳入になるわけであります。不用になりまして一般に払い下げました場合にも、一般の国庫の歳入になるわけであります。  以上概略御説明を申しましたのですが、何かまた御質問に応じましてお答えを申し上げたいと思います。

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

井上清一自由民主党

○井上清一君 ちょっと次長に伺いますが、下総の御料牧場というのは特別会計になっているのですか、宮内庁費の中に入っているのですか、どういうことになっているのですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) これは宮廷費の中に入っているわけで、特別会計ではないわけであります。

井上清一自由民主党

○井上清一君 そうしますと、これは大体どういうことなんですか、収支の状態は。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) それではそれを申し上げましょう。下総の御料牧場の関係の収支でありますが、その前に下総御料牧場で現在飼養いたしておりまする家畜を申しますと、馬が六十六頭、乳牛が五十三頭、豚が八十六頭、緬羊が五十八頭、それから鶏が五百六十五羽、そういうようなことで、なおそのほかに農地で野菜、こうした家畜に対する飼料を作るとともに、また皇室でいろいろ御陪食、饗宴等に使われる野菜なんかも作っております。そういうものもあります。それで収入の関係は家畜及び農産品の払い下げをしますのが、昭和三十年度のことですが八百九十万、不用品の払い下げが三十八万ぐらい、それを合せますと現金として入ってくるのが九百三十万ぐらいですが、そのほか宮中関係で直接お使いになるというものもいろいろ値段に換算をするというのが、これは見積りによっていろいろ違いますが、二千数百万ということであります。一方事業費の方は千五百万、営繕費が二百万、人件費が二千二百万、支出の合計が四千万、収入の方は九百万に二千数百万ですから、二千九百万と一応書いてありますけれども、二千九百万といいますと一千八百万ですからまあちょっと赤字でありますけれども、しかしあそこではいろいろ宮中の饗宴等に使われるものを、あそこで特に工夫をして改良したものを使うことにいろいろ意義がありますし、またあそこでいろいろ工夫改良することが、他のそれを業としておる方に対する参考にもなるわけで、試験場的な意味も含んでおります。またあそこの下総御料牧場は外国との交際にも使われておる。右の花の咲くころは各大公使館の人を三組ぐらいに分けまして、あそこに招待し、あそこで馬に乗ったりして花を見てもらう外交上のそうした使命も果しております。定例のそうしたことのほかに、外国からお客が見えた場合に、あそこへ行って馬に乗って静養するというような場合にも使われることもございまして、そういうような別の役目もいたしておりますから、必ずしも黒字じゃなくてもいいわけです。こう思っております。

井上清一自由民主党

○井上清一君 次長からいろいろ御説明があったんですが、従来下総の御料牧場というのは日本の馬匹の改良と、乳牛の改良のためには相当貢献をしてきたと私は思うのですが、現在そういう方面でどういう働きをしておるかということをちょっとお伺いしたいと思います。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 馬の関係ではあそこに雄の種馬二頭、雌の種馬十四頭というのもおりまして、いい馬を生産をする、その馬の中には乗用馬とそれから農耕馬もありますが、その乗用の分について、あそこの馬について旧下総御料牧場の馬は一応牧場の中では相当評価をされているように思って去ります。乳牛の関係はこれは現在のホルスタイン、ジャージー両種類のものですが、その方は特別に牛の品種改良に貢献しているというほどのこともありませんが、正直に言って。しかしいろいろあそこからしぼってくる乳については、またその肉については相当いいものだというふうに言われておりますから、他の刺激にはなっておるだろうと思うのです。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 この予算の執行について質問をいたしまが、この予算は大体皇室費とそれから総理府所管の費用と二つに分かれておるのですが、この予算の執行はどういう工合になっているんですか。総理府の所管の予算は宮内庁でやることははっきりしているんですが、その他の皇室費の予算の執行はやはり宮内庁でおやりになるのですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) これはやはり全部宮内庁であります。予算の建前で総理府の関係から出ている予算のほかに別に皇室費となっておりますけれども、両方とも経理は宮内庁、先ほど御説明申し上げました主計課、用度課というところがいたしております。なお皇室費のうちの内廷費については、この皇室経済法に、「内廷費は、天皇並びに皇后、太皇太后、皇太后、皇太子、皇太子妃、皇太孫、皇太孫妃及び内廷にあるその他の皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるものとし、別に法律で定める定額を、毎年支出するものとする。」それが三千八百万円ですが、「内廷費として支出されたものは、御手元金となるものとし、宮内庁の経理に属する公金としない。」こういう条文がありますが、しかしお手元に直接帳簿を持って陛下が使われるということは実際問題としてできません。これはやはり主計課、用度録の要するに宮内庁の会計をやっておる方の人がさらに内廷会計を委嘱されまして、帳簿を別にしてお世話をしておるということになっております。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 私は事情をよく知りませんが、予算を総理府関係の所管とそういうふうにしないで、全部両方合せて宮内庁関係の予算として計上することはできないのですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) お答えしますが、事実上も宮内庁で大蔵省などに折衝いたしますときには、全部一応一まとめにいたしまして折衝するのですが、そのうち総理府所管の方の関係は、これはここにありますように、人件費等が主で、皇室の御活動の内容に直接のものでなく間接的なものですが、そこで一般の役所並みの経理、ですからこれは総理府の外局として、総理府がいろいろそのなかに官庁を持ったりするのと同じように、それをまとめてみられる。皇室費の方は皇宮独持の経費でありますので、これはやはり項目を別にしておいてやった方がいいということ。特にその予算の関係で、皇室費と総理府所管の行政費とは別になっておりますから、総理府所得の一般行政の経費に皇室の方を流用して使うというようなことはできないことになっております。そういうふうにきちっと分けておいた方がいいという建前でこういうふうになっておると思います。

井上清一自由民主党

○井上清一君 そうすると、たとえば宮廷費の交際費と宮内庁費の交際費との違いですね、これはどういうふうに違うのですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) お答えしますが、宮廷費の方の交際費は、宮廷の直接の交際の経費という意味ですが、大公使あたりの関係ですね、これはそれに対する交際費。一方の総理府所管の方は一般の行政官庁にあるような普通の交際費というものであります。しかし交際費の関係の内訳になりますと、その点は画然としないようなことで、それじゃこの点は必ず皇室費でなければいかぬ、この点は宮廷費でなければいかぬということもないし、金額もごくわずかなもので、それほど画然としたものでないということになるかもしれません。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 それで今、井上委員から質問があったのと同じような趣意なんですが、宮廷費のなかに諸謝金、六番目ですが、それから報償費、職員旅費、庁費、それから総理府関係も諸謝金、庁費とかいうのがあるのですね。同じような性質になるんじゃないかと思うのですがね。これは内容はどう違うんですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) やはりその費目は、名前は同じでありますが、内容は違って参ります。たとえば皇室費の諸謝金といいますと、ここには二百七万とありますが、具体的に申しますと、たとえば報償費の方から申しますと、報償費二百五十七万とありますが、総理府の方にはありません。謝金のうちで宮廷皇室の直接の仕事についての謝金、たとえば宮殿あたりの装飾に必要なものをやってもらいますと、普通の経費よりもずっと幾割も安くやってもらう。これは宮廷費の関係でやってもらう。その場合に、御苦労であったという場合にはこれは営廷費の関係、あるいは行幸の関係で謝金を出されます。これも宮廷費の方の謝金から出ます。そういうようなのでありますが、総理府の方の謝金ですと、たとえば陵墓——地方に陵墓がありますが、陵墓の監視の専任の職員が非常に少いですから、その他の人に援助を頼む、そういう人に幾らかずつお礼を出す、そういうふうに普通の事務に関連した方の謝金というふうになるので、内容についてはやはり違っておる。その流用はお互いにきかないというのが費目の関係からしてよかろうということでございます。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 同じようなことは、九番、庁費それから各所修繕と、こういうのがありますが、宮内庁費にも庁費というのがありますね。同じ役所じゃないですか、中は違うんですか、これは。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) たとえば皇室費の各所修繕を申しますと、皇室用財産についての修繕はこの皇室費の方でまかなう。それからそうでない公用財産、職員がおるわけですが、公務員宿舎の方、そういうような方の皇室用財産でない方、普通の公用財産である方の修繕は総理府所管の方で出しておくというようなこと。それから庁費の内容につきましても、皇室費の方の関係は、宮殿、仮宮殿あたりの椅子をどうするとか、あるいはじゅうたんをどうするとか、そういうようなことは、これは皇室費ですが、そうでなくて、われわれの方の事務室の方の関係になりますと、この総理府の方の所管の庁費というふうに分けてある。そういう点が分けておいた方が……。といいますのは、事務費の方の庁費とかそういうのは、普通の役所と同じく、大体坪これくらい要ればこれくらいという標準がありますから、それによってやっております。宮廷の方の関係は、それと同じ関係によりますと格が低いものですから、別に組んでありますが……。

荒木正三郎日本社会党

○荒木正三郎君 そうすると九番の各所修繕というのは、皇室財産の修繕ですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 前の方の自室費はそうであります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 ことし——暦年のことしですか、皇太子の婚約があるだろうといったようなうわさがありますが、そういうことについて予算上にも関係があって措置がしてあるのか、あるいはどういう工合に考えておられますか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 皇太子妃の内定がいつごろになるかということはまだはっきり予定が立ちませんので、予算には組んでありません。必要な場合にはさらに予備費でお願いするとか、あるいは補正予算でお願いするというようにしようということであります。今のところ、いつというような目当てがはっきりいたしませんので、予算には組んでおらないのであります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 関連してちょっと伺いますが、ことしの正月、小泉信三氏との対談が、放送あるいは新聞等であったかのようでありますが、こういう点について、宮内庁としてはどういう態度でありますか、伺いたい。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) ラジオの方からそういうような対談のような録音をされて、それを元日にもし放送できれば、一般国民との親近感も深めるし、いいのではないかというお話があって、年の暮にそれではそういうふうにやろうかなと言っておりましたら、小泉さんが最近はやっている流感になられてずっと年末まで休んでおられた。それでそれができなかった。そこでことしに入ってから録音をされまして、それが成人の自に放送されたという、そういう経緯になっておるのであります。

吉田法晴日本社会党

○吉田法晴君 かつて宮内庁法の改正に関してでしたか、お尋ねをしたこともございますが、放送それ自身をそうかたく私ども取り上げようとは思わぬのですが、国民に親しみあるものとして駐太子を取り上げたものでしょうか。それとも別な意図で取り上げるのか、その辺の宮内庁としての気持と申しますか、あるいは心組み等について、どういう態度でおられるのか、あわせて承わりたい。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 別の気持という点はちょっとわかりかねるのでありますが、放送を通じて一般国民の方にそれを聞いていただくということによって、普通写真だけとか、あるいは記事だけよりも、肉声を聞かれることによって、皇太子殿下はどういう方だということの認識を深めていただけるし、また親しさもそれで深まるのではないかというので、こちらからお願いしたわけではありませんが、放送局の方で——これはNHKも民間放送も一緒になって——そういうことをやらしてほしいというお話がありましたので、それを受けまして、先ほど申したように、意義のあることだというので、取り運んだのであります。ただし、お話の内容についてはあまり差しさわりのないような話というようなことで、御洋行になったときの話とか、魚のお話とか、スポーツのお話とか、かるたのお話とか、わかりやすい話をということで、された次第であります。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 この宮廷費の中の各所修繕一億一千九十五万三千円となっておりますが、相当額の修繕費が計上されているわけで、大きなものはどういう内容なのですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) この三十一年度で大きな点を言いますと、仮宮殿、今もとの宮内庁の三階が仮宮殿になっておりまするが、仮宮殿が今普通のスチームはありましたが、冷房装置がなかったわけであります。それで夏国賓が見えますと、皆汗をかいておられて、どうも今のままでは国賓を迎える場所としてどうもこれはいけないということで、冷房装置をしたいという、これが三千数百万円かかっております。そのほかあるいは皇居の中の乾門からずっと入ってくる所が砂利道になっておりますけれども、自動車が入ってくると非常にほこりがたつ。舗装した方がいいんじゃないかということで舗装いたしました。そういう経費が八百万でございましたか。それから池、あすこの皇居の中の方の池がずっとカヤが茂っておって水が見えなくなっておる。人が入って来るのに、池なのに水がないのはおかしいというわけで池を浚渫する。池を浚渫するのにも相当金がかかる。そういうことでありまするとか、それから葉山の方の海岸のお茶屋が非常にいたんでいる。そういう所を直すとか、あるいは東宮仮御所のじゅうたんが非常にいたんでしまっている、それを入れかえる。そうしたいろいろの経費が合わさってそういうことになっております。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 そういうものを入れても、これは一億三千九十五万という額には、今のお話の内容ではなりませんが、とにかく戦災で皇居内が焼けて、いろいろ外国の国賓を接見する等については支障があるというようなことも承わっておるわけです。新しく宮殿を新営するというようなこともときどき聞くわけでありますが、こういう点についてはどうなんですか。宮内庁としてはそのような計画寺もそろそろ実行に移したいというような気持でもおありになっておるのですか。それとも、あるいは政府部内等に対してそういう御意見等を出しておられるのですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) お答えします。  新しい宮殿を作ったらどうかというようなことは私の方というか、政府部内でもう少し積極的にやったらどうかというような御意見もありまして、現在毎年三十万円ぐらいの調査費、これは外国の例を、書類を調べたり、過去の宮殿の構造を研究したりしている謝金の程度のものでありますけれども、その程度ではいけない、もう少し調査を進めたらどうか。いつ作るかということについてはまだ何もどうということは方針はきまっておりませんけれども、調査をもっと積極的に進めたらどうだろうかと、特にその話が出ましたのは、去年エチオピアの皇帝が見えまして、仮宮殿で接待したわけですけれども、どうもだんだんいろいろ大事な国賓が見えるようになると、ああいう所をそのままにしておいて、新しい適当なものを考えないということは不適当であるということで、調査をさらにもっと進めてやろう、で調査費等を三十二年度には今までの三十方でなくて、もっと多い金を大蔵省の方へ要望をしております。それは確定ではないのでありますけれども、そう大きな金ではありません。二百数十万であります。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 その調査費というのは、宮内庁自体で調査を進められるわけですね。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) そうでございます。ただし宮内庁自体といいますか、宮内庁の中の職員だけというわけじゃない。外部の専門家、特に建築なんかの専門家に委嘱してもっと積極的に外国の事情を考えようという意見があるわけですね。で、古い記録、昔の外国の宮殿の記録は、本があったりなんかしますけれども、最近の儀式のやり方、外国のお客を接待するやり方、特に報道関係の人も毎日ある程度その場所がわかるように、いろいろ新しい考慮が要るわけですけれども、そういう新しい考慮をした上の外国の例を、もう少し調査してもらうというような経費が三十二年度のおもなる経費であります。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 今、国会図書館を新しく作っておりますが、あれができ上った場合、あのあと等については、やはり国賓を接待する、あるいは接見する場所にしよう、というような計画もあるのじゃないですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) お答えします。  これは政府の方でそういうふうにお考えになっているようにも聞いておりますですが、しかしあの場所が、それじゃ新しい宮殿を作らずにあれを使ったらどうかというような関係については、適当ではないということであります。しかしそれを迎賓館的に政府の方で使ったらどうかというような意見を出しておられるので、われわれの方でもこれは国賓を迎える場合になりますると、単に宮内庁だけの関係でなくて政府の方が主になるわけでありますから、宮内庁としてもその意見には別に反対をしておらないわけであります。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 この間エチオピア皇帝が見えられたとき、お泊りになった所から皇居内に行かれる節に、五頭立てかしらぬが、馬車でおいでになっていたようです。非常に古風な感じがしたのですが、イギリスの王室なんかもああいうような形を今なお続けておるようですけれども、何ですか、ああいう場所でお迎えをする、あるいはお送りをするというようなことは、何かやはり皇室の伝統としてああいうような場合にはああいうような形をとるようになっておるわけですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 公式に来られる場合には、まあ以前から宮廷馬車を使っておったのですが、戦後大公使の信任状奉呈で見える場合、国賓が正式に陛下に最初にあいさつに会いに来られた場合は、馬車を出すということをやってきておりました。で、昨年エチオピアの皇帝が見えました節には、その普通の大公使や国賓なんかの場合に出すより一段上の形というので過去の例も調べて、ああいう形をとったのであります。しかしあれ第二公式のやり方で、あるいはもっと多い馬を使うというようなのもありますけれども、まあしかしそれはやめましてあの方式によったのであります。これは英国など王室のある所でやっておられて、訪問して来られた方が、ああした馬車でお迎えに行って皇居に来てもらいますと、印象も深くて、俗な言葉で言うと喜ばれるものですから、客をもてなすには喜ばした方がいいだろうというようなこともあるわけであります。

田畑金光日本社会党

○田畑金光君 それから最近のでき事としてこれは宮内庁とは直接のかかわりもないようですけれども、学習院に起きた問題、孤独の人という映画の問題で、いろいろ起きておるようですが、ああいうような点については、宮内庁当局は別段かかわりはないといえばそれまででしょうけれども、どういうような見解を持っておられますか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) お答えします。  学習院のあの問題については、今全然かかわりはないわけでありますけれども、まあ、ああした映画の出ることに対しましてもわれわれとしても別に何も相談を受けたわけでありませんし、実はかかわり合いはないわけであります。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 書陵部のことを伺いたのですが、書陵部陵墓管理官付というのは何人ぐらいですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 陵墓管理官付でございますか、数名でございますけれども、正確な数は……。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 陵墓管理官というのは何名ですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 陵墓管理官というのはいろいろの地方に行っているのを合せますと百数十名おります。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 この前の、終戦当時の諸陵寮というのは三百四十七人、非常に減っているのですが、各地の陵の管理は、その定員で十分であるわけですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 十分という点はなかなかですが、現在のところ、その以前から見ますと少い人員でできるだけ努力いたしまして整理をいたし、お粗末にならないようにいたしておるのでありますが、まあわれわれも出張いたしますときには陵を見て回りますが、まずそう荒れた感じは出てないと思うのでございます。特に去年の四月から陵墓関係の職員が二十五人ふえました。増員という点ではむずかしかったものですから、皇宮警察の警備というので陵墓の関係の人が二十五人あったのですけれども、その警備の関係は、二十五人くらいがたくさんの陵墓にばらばらになっておってもそれほどの効果がないから、普通の陵墓の管理官にかえて、警備の関係は一般地方の警察にお願いすればいいのじゃないかということで、皇宮警察の二十五人を陵墓の職員の方へ振りかえてもらいました。二十五人振りかえてもらったことで、だいぶ助かっております。  なおそのほかに、先ほど謝金のときに申し上げましたが、それでも御陵の所に必ず一人ずつ陵墓管理官がついておるというわけにはいかないものですから、そこでその地方の篤志家の方にお願いをしまして、その陵墓について見てもらっているのでございます。これは天皇御陵あたりはそうありませんが、親皇御陵あたりそういうのがございます。そういうのに対しては謝金として幾らか出している。これは篤志でやってもらっているのですが、謝金をもう少し上げなければいかんのではないかというようなこともあって、昭和三十二年度はそういうような謝金をふやしてもらうように大蔵省の方にお願いをしているという現状でございます。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 もう一点伺いたいのですが、正倉院関係なんですが、正倉院の近所に観光道路ができて、御物が相当汚染されるということが一昨年来ですか、相当問題になりましたが、私らも予算委員会なんかでも伺ったことがあるのですが、あの問題は宮内庁の方で満足すべき状態で解決しておるのでありますか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) これは文化財保護委員会の方の主たる事務でありますが、宮内庁も関係がありますので、文化財保護委員会の方と打ち合せをしながら、この問題に対処をしておるわけですが、いろいろ調査をいたしまして、あそこへ道路をつけない方がいいが、もしつけても、それによって害を正倉院の御物に及ぼさないようにする予防方法を十分講ずることによって、害悪をほとんどないようにしようという点を主にして相談を進めておる。で舗装をする、あるいは舗装をしない場合の撒水をするとか、あるいは道路のところへ木を植えるというようなこと、なお正倉院の方の側といたしましては、それを防ぐようにまた工夫をして、従来棚にあったのを部屋の中に置くあるいは毎年曝涼の機会にそのちり、あるいは虫、あるいはガス等についての害を防ぐように、科学的な措置を講ずるというようなことも研究して、合そういうような線で話が進みつつあるのでございます。文化財保護委員会の方でわれわれの要望を聞かれて、その関係の方面と話をしておられるという状況でございます。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 この前予算委員会で、文化財保護委員会の委員長においでを願って、私の伺ったときには、宮内庁の方が、あの辺の地面のことについては、何と申しますか、発言権が強いのだというふうな御答弁であったように私記憶するのですが、宮内庁の関係は、御物とそれからその近所の地面の関係がありますか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) あそこの道路を許す許さぬの関係は、あそこの道路のついておりますところが旧東大寺の構内で、史跡となっております。その史跡に勝手に道路を作れば、史跡変更というようなことが問題になってくるのであります。しかしそれが同時にこちらの方の正倉院の近くですから、正倉院の御物に影響がある。従って宮内庁は十分な関心を持つというようなことで、法律的な根拠でいきますと文化財保護法の史跡保存というところにいきまして、直接正倉院が出てこない。しかし実際は非常に正倉院に影響があるというので、われわれの方もいろいろ意見を言っておるのであります。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 土地の関係はどこの管理ですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) あの道路の土地はいろいろの人の所有地があるようでございますね。必ずしも東大寺の所有権には、あの道路のついております所はなっておりません。それをあの道路をつけられた方が、その土地の所有者と話をしながらつけられた。建設省の方の道路工事としての何か打ち合せばある程度あって、建設省の方はよかろうとか言われたとかいう。ところが史跡保存の関係の話がつかぬままに道路をつけてしまったというようなところに問題が出た。しかし正倉院に対するほこりの影響は、あの道路だけではないのでありまして、現在奈良は非常に観光客が多いものですから、奈良全体が非常にほこりが多いのです。あそこの道路によって幾らかそれが増すかという点はあるのでありますけれども、いろいろ検査すると、あの道路だけによって特に著しい影響があるとは言えない点があるわけであります。ところが奈良はああした観光都市でありますし、そう人がたくさん来ちゃいけないというのも、これは現在の社会情勢に合わないわけであります。だから観光都市としての使命も考えながら、一方正倉院御物には弊害を及ぼさないように工夫をするということをわれわれは考えております。現在の話の通りに業者の方が実行をされていくならば、なお宮内庁側としても御物保存についての一そうの工夫をするならば、まあほとんど弊害はなかろう。全然ないと言えないかもしれないが、ほとんどなかろうという大体の観測をいたしております。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 だいぶ期間がたっておりますので、多少記憶に間違いがあるかもしれませんが、あそこを科学的に調べたらガソリンなどの正倉院の御物に対する影響度、つまり空気の汚染度は、大都市の住宅地区以上の汚染度を持っておる。だからこのままでいけば相当大きな影響を御物に与えるのだというようなことが、新聞紙なんかでよだいぶやかましくいわれて、当時の文化財保護委員会の委員長の話では、科学的なあらゆる研究をしているのだというふうな御答弁があったのですが、宮内庁の長官がここへ見えられたときも、私は予算委員会なんかでたしか伺ったのですが、どうも宮内庁側の方が、御物を管理している宮内庁側の態度としてあの問題に対する関心が、われわれ民間の者から見れば弱いように思うのですね。もう少し積極的に、強く、今、奈良市全体が観光都市だというお話もありましたけれども、あの観光道路そのものによっての正倉院御物の汚染度というものは、かなり新聞紙等の報ずるところによれば、ひどいというふうに上れわれは印象づけられているわけなんです。あの道路のつけられていること自体が、相当無理をして、営利的にあつかましくつけられたというふうに伺っているのですが、あの問題についての宮内庁側のもう少し突っ込んだ調査の結果を私は報告していただきたい。今直ちにここで答弁を求めるわけではありませんが、もう少し関心を強く持って、そうしてどうすれば一番いいのだ……、私から申すまでもありませんけれども、千数百年たっている世界的なあれは宝物なんですから、ただ観光道路が一つや二つあって、そのために非常に影響する、それも受動的に、ただこれを保護するあらゆる方法を講ずるのだということでなしに、観光道路をやめればもっといいということならば、観光道路をやめさせるという手もあるのじゃないか。そういう強い態度でもう少しお臨み願いたいということを、この機会にお願いをして、かつ調査の資料を適当な機会にお出しを願うことを、委員長を通じてお願いしたいと思います。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) お答えします。  この影響に関しまして、文化財保護委員会の方と宮内庁の方とで、昨年の春以来ずっと調査をした材料を私ども握っておるのでございますが、それは、あるいは文化財保護委員会の方から、あるいは文部委員あたりの方へお話しになったのじゃないかと思いますけれども、それによりますと、新聞の方で騒がれているほどの影響のデータがあるのかなあというようなわけで、その点非常に疑問なんですね。はっきりこういう影響があるというところまでは、そういうふうな科学的な調査では、そう強いものは出ていない。幾らかはあるという程度のことなんです。そこで、それに対する防衛策を講じていけば、それは業者の方もやるし、われわれの方もやるしすれば、まず御物を保存する上に支障がないのじゃないかというようなことで、新聞等で受けられる印象ほどのことはないと思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 調査資料を出していただけますか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) お答えします。これは主として文化財保護委員会の方にありますけれども、それを取り寄せてお出ししてもよろしゅうございます。文化財保護委員会の方にも相談してみなければわかりません。主として文化財保護委員会の方で調査したわけです。私の方は付随的にやったというのですから、文化財保護委員会の方へ話してみます。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 正倉院御物を管理する責任官庁としての宮内庁の見解を、資料として出していただきたい、こういう要求なんですけれども、いかがですか。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) その点は、これは書陵部の方の所管で、書陵部の方でいろいろ調べておりますから、その調べた結果を適当に申しあげてみたいと思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 書類として出していただきたい。

瓜生順良宮内庁次長

○説明員(瓜生順良君) 書陵部の方へいきまして、文書で特に御要望があれば、それは文書を作ってもよろしゅうございますけれども。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 要望いたします。

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) この点は、ほかの委員の方も要求があるようですから、委員長からそういうふうに取り計らいたいと思います。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 ほかに、この機会に、資料の要求で一般的なものはしてもよろしゅうございますか。

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) どうぞ。

八木幸吉第十七控室

○八木幸吉君 今度石橋内閣が新しくできましたが、その各国務大臣の私企業等の関係に関する一覧資料を要求いたします。  それから、これはまた違うことでありますが、各省の地方支分部局の機構並びにその定員の一覧表を、行政官庁に、これはかつて作られたことがありますが、最近のものがあれば、それを一つ要求します。

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) 委員長の方で適当に取り計らいます。ちょっと速記をやめて。    〔速記中止〕

亀田得治日本社会党

○委員長(亀田得治君) 別に御発言もなければ、本日の委員会はこの辺で散会いたします。    午後零時十五分散会

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