逓信委員会 第20号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/05/17
会議録
○委員長(剱木亨弘君) ただいまから委員会を開会いたします。 昨日に引き続き請願の審査を行います。 第千四百三十三号、電気通信臨時作業員の待遇改善に関する請願、森中守義君紹介。
○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。 電電公社の臨時作業員の待遇はきわめて不合理であるから、まず身分を保障すること、二千五百円の賃金アップをすること、労働条件を改善すること、社員並みの諸手当を支給することなどを即時実施してもらいたいという趣旨でございます。
○委員長(剱木亨弘君) 政府側の御所見を伺います。
○政府委員(松田英一君) お答え申し上げます。 臨時作業員は電気通信業務の臨時的必要等に対処するために雇用するものでありますので、これらの者と業務運行の中核をなす一般の職員とは処遇上におのずから差異があってしかるべきものと思いますので、御要望の一ないし四については、今後次の通り対処したい考えでございます。 一、身分を保障することについては、臨時作業員は元来必要に応じ、期間を定めて雇用されるものでありますので、身分の保障は原則としては考えられないのでありますが、昨年十一月以降、臨時作業員を雇用目的、作業形態等により分類し、これらのうち相当長期間にわたり雇用を予定するものについては、一時的負傷、疾病のみによっては直ちに解雇しないこととする等の処置を講じております。 二番目の二千五百円の賃金アップをすることにつきましては、臨時作業員の賃金には、基本賃金と諸手当とがございますが、基本賃金は臨時作業員の種別によって、職員の初任給——この中には勤務地手当を含みますが、計算に準じて算定した賃金日額を支給する者と労働省の日雇い賃金表を基準として定めた賃金表を基準とする賃金日額を支給する者とがありますが、前者については、職員の初任給が改訂されればその賃金も改訂されます。また後者につきましては、労働者の日雇い賃金表が去る四月四日改訂されましたので、近く公社においても賃金表を改訂する予定でございます。 三番目の労働条件を改善することにつきましては、公社における臨時作業員の処遇は、他企業における場合に比較して、全体的に見て不合理かつ不当とは認められず、特に臨時作業員のみの労働条件の改善をはかることは不適当であると考えられますが、作業形態の実情を考慮して、今後もなお改善に努めたいと思っております。 四番目の社員並みの諸手当を支給することにつきましては、諸手当のうち時間外手当、深夜手当、宿日直手当につきましては、職員と同様に支給し、その他の手当についても、臨時作業員の種別及び手当の性質により職員と同様または二分の一程度のものを支給しているものもありまして、すべての臨時作業員について職員と同様の諸手当を支給すべきであるということは、その雇用目的及び作業形態等から見て適当とは考えられません。 以上の通りでございますので、現状において臨時作業員は著しく不合理あるいは不当な処遇を受けているとは考えていない次第でございます。
○委員長(剱木亨弘君) 本件を採択することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次に、千六百九十五号、電話加入権の担保制度確立に関する請願、木暮武太夫君紹介。
○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。 中小企業者の金融打開の一助とするために、公衆電気通信法第三十八条第四項を削除して、その電話加入権に質権設定を認めてもらいたいというのがその趣旨でございます。
○委員長(剱木亨弘君) 政府側の御所見を伺います。
○政府委員(松田英一君) 中小企業の金融難解決の目的のための電話加入権の担保制度につきましては、金融機関の特定、担保制度の存続期間の限定等について、関係各省と協議をいたしておりますが、なお検討を要するところがございますので、今後とも協議を重ね、その結論を待って直ちに必要な措置を講じたいと存じております。
○鈴木強君 本請願につきましては、前回の臨時国会においても出されておったのですが、私たちは電話加入権の問題とも関連して、この三十八条において、現に質権を目的とすることはできないと、こういうふうに禁止されていることは、事が公共事業でありますから、自分の確かに所有権ではありますが、そのことを勝手に譲渡したり、あるいは質権を設定したりすることについては、やっぱり問題があるということで、公衆電気通信法の第三十八条が設定されていると考えます。従って、そういう意味からこれは慎重に考えなければならないということで保留になっておるのでありますが、公社当局並びに郵政省当局においては十分検討されて、その後さらに今のような見解が表明されたのでありますが、どうかこの点につきましては、一面中小企業の金融緩和ということも当然考えなければならないと思いますが、私は、本筋としては中小企業自体がもっと大きく国の政策の中で金融難緩和の道を開くのが妥当な道であって、こういう公共事業である電話の加入権を質権に設定するというようなことは、これはやっぱり邪道だと思うのです。ですから、そういう意味では国自体としても、中小企業の育成にもっと積極的に協力を尽していただくと同時に、かりに、これはまあ百しからずんばゼロではいけませんから、これを認めるとしても相当問題がありますので、今の御回答のように。金融機関を特定なものに限るとか、あるいは担保期間を限定するとか、そういう厳重な一つ制約の中でやっていただきませんと、今後問題が残ると思いますから、そういう点十分御配慮いただくことを特に申し上げて、採択したらどうかと思います。
○委員長(剱木亨弘君) 本件を採択することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。 次に、千七百八十九号と千九百二十九号を一括して議題といたします。 千七百八十九号、合併市町村における電信、郵便等の集配区域調整に関する請願、松澤靖介君紹介。千九百二十九号、高知県後免町の電話通信機関統合等に関する請願、塩見俊二君紹介。
○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。 この両号は、おのおの通信機関の統合に関する問題でございまして、昨日御審議のありました四百三十一号と同趣旨のものであります。千七百八十九号は、一般的に統合の必要を請願いたしておるものでありまして、千九百二十九号は、高知県の後免町には二つの電話局がある、しかも、両局間の通話は市外通話となっておる、その上交換には一、二時間を要する実情である、すみやかに統合してもらいたいというのであります。
○委員長(剱木亨弘君) 政府側の御所見を伺います。
○政府委員(松田英一君) 千七百八十九号のものにつきまして、まず電信電話関係のものについて申し上げます。 町村合併に伴う電話サービス改善対策といたしましては、局間の距離おおむね六キロ以下の局は統合その他により市内通話サービスを提供し、局間距離が六キロをこえる局につきましては、市外回線を増設して市外通話サービスの向上をはかることといたしておりますが、改善を要する同数は全国で六千六百局の多きに上り、そのため約七百六十億円の多額の資金を必要といたしますので、昭和三十年度以降極力努力しておりますが、資金その他の事情によりまして、現在のところ、一部の局についてしか実施できない実情でございます。 なお山形県内の合併町村で二つ以上の電話局があるものが四十一でございますが、このうち三十年度計画によって局の統合または市外回線の増設を実施した町村の数は十九でございまして、その他の町村につきましても、今後引き続き年々の予算の許す限りできるだけ早い年度に電話サービスの改善をはかっていきたいと考えております。 郵便関係の方は郵務関係から申し上げます。
○説明員(千葉三男君) 郵便関係について申し上げます。 町村合併に伴いまして、同一行政区を分割して二以上の郵便局で郵便物の集配を受け持つようになりまして、区分、運送上困難を生じております向きにつきましては、地況などの関係を考慮しまして、できるだけこれを整理統合することといたしまして、逐次郵便集配受け持ち区域の調整方を取り運んでおります。
○政府委員(松田英一君) 第二番目の高知県の後免町の問題でございますが、これも先ほど申し上げましたのと同様のことで、公社としては考えておるわけでございますが、後免と領石の二局は、局間の距離がその統合の基準をこえておりますので、同局の統合を実施することは、現在のところ遺憾ながら困難でございますが、相互の市外通話サービスにつきましては、できれば本年度に市外回線の増設を行なってサービスの改善に努力したいと考えております。
○委員長(剱木亨弘君) 本件を採択することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定します。 次に、千九百六号、宮崎県延岡地域の電話線ケーブル化等に関する請願、平島敏夫君紹介。
○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。 宮崎県においては、電話線のケーブル化による通信網の整備と長距離市外通話の即時化、及びテレビ受像のためのマイクロウエーブの建設など、近代生活に最も必要な諸施設がはなはだおくれておるので、非常に県民は不自由、不便を感じておるから、すみやかに、なかんずく延岡方面のケーブル化と宮崎を中心とする付近のマイクロウエーブ施設をすみやかに実現してもらいたいというのであります。
○委員長(剱木亨弘君) 政府側の御所見を伺います。
○政府委員(松田英一君) 宮崎、延岡地方につきましては、御承知のようにサービスの改善並びに風水害等に対する対象を考慮いたしまして、伝送設備の拡充整備を行う必要があり、これが対策といたしましては、ケーブルとマイクロウエーブとが考えられますが、種々の点から考えて、マイクロウエーブがより適切であると考えられますので、公社といたしましては、マイクロウエーブを設置して今年度完成する予定の福岡—熊本ルートを逐次大分—延岡—宮崎と延長していきたいと考えております。
○委員長(剱木亨弘君) 本件を採択することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定します。 次に、最後の二件でございますが、千九百五十四号と二千百三十号を一拍して議題といたします。 千九百五十四号、マイクロウエーブ及び電話網の整備促進に関する請願、堀本宜実君紹介。二千百三十号、徳島、松山上区間のマイクロウエーブ施設工事促進に関する請願、剱木亨弘君紹介。
○専門員(勝矢和三君) 御説明いたします。 愛媛県におけるマイクロウエーブ及び電話網設備についての要望は実に切実なるものがあるのであり、政府並びに日本電電公社当局においては、昭和三十二年度においてこれが実現をするようにしてもらいたいというのであります。 二千百三十号は、従来マイクロウエーブ並びに電話網の整備についての徳島県及び愛媛県地方における住民の要望はまことに切実なものがあるのであるから、政府及び電電公社は、同じく三十二年度において徳島—松山区間のマイクロウエーブの建設工事を完成してもらいたいという請願の趣旨でございます。
○委員長(剱木亨弘君) 政府側の御説明を伺います。
○政府委員(松田英一君) 内方とも同じ趣旨でございますので、一括して申し上げますが、マイクロウエーブ施設につきましては、今年度大阪—高知間の建設に着手し、引き続き松山まで延長する計画になっております。完成の時期は大体三十四年度になる見込みでございます。なおNHKの松山におけるテレビの放送は、さしあたり広島の放送波を受けて行う予定でありますので、右のマイクロウエーブ・ルートの完成とは関係なく松山におけるテレビの放送は行われるわけでございます。 次に、市外通話サービス改善につきましては、待合時間の長い区間につきましては、今後市外回線の増設等により一そうサービスの改善に努力いたしますとともに、松山局の自動改式が三十四年度初頭に完成する見込みでございますので、三十四年度以降松山局を中心として県内主要都市に対する通話の即時化を逐次実施していく考えでございます。また松山から広島、大阪に対する長距離通話も三十四年度以降できるだけ早い機会に即時通話といたしたいと考えております。
○委員長(剱木亨弘君) 本件を採択することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 以上、決定いたしました請願の本会議における口頭報告につきましては、委員、長に御一任願います。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。 ただいまより郵政事業職員等共済組合法案を議題といたします。 順次御発言を願います。
○新谷寅三郎君 法律案を提案されましたので、発議者に対してとりあえず二、三の基本的な問題について御意見を伺っておきたいと思います。 私がかつて内閣委員のときに、三公社の共済組合法案、これに賛成者ないし提案者として署名をし、協力をして参りました。それは申すまでもなく、それぞれの公社法において、これらの公社職員に対する退職手当その他の共済的な施設については、別に法律をもって定めるという規定があったにもかかわらず、三年ないし五年の長い間、政府がこの特別法律を提案しなかった。これでは当初考えておった公社法の精神の一部が生かされてないということで、私どもも極力協力をして参ったのであります。この法律案も内容的に申しますと、なるほど電信電話事業というものと非常に似通った仕事であり、あるいは環境その他あらゆる勤務条件等が非常に近似しておりますので、提案者のそういう意味においての趣旨は、一応私もわかるのでありますが、ただ不幸にして、今この郵政事業の関係の職員というものは国家公務員という地位になっております。従って、一般国家公務員の共済組合に関する規定の適用を受けておるのでありまして、特に法制上は、現在のところ、三公社のように別にこれをきめなくちゃならないというような制度にはなっておりません。そこで、この法律案について、これを提案者が御提案になりますのに、その点について、どういうふうなお考えを持っていらっしゃるのか。つまりもっと具体的に申しますと、いずれこれはこの共済組合法案を施行するに必要な細目規定というようなものを、別の法律にしてあわせてお出しになるのだろうと思いますが、そのほかに、この郵政事業関係の職員は制度的に見てこういうものである、一般国家公務員であるけれども、特別にこういうふうな身分、あるいはこういうふうな地位を与うべきものであるということか、あるいはただいま三公社と申しましたが、その三公社と同じような意味において、何らか特別の企業形態というふうなものを考えておられるのか、まだ十分にその関係法律が出そろいませんので、その点がよくわからないのでありますが、そういう基本的な問題について、どう考えておりますか。あるいは今の一般国家公務員という地位のままにしておいて、しかもこういう特殊の共済組合法を制定したのか、どういう御趣旨でございますか。その辺の基本的なお考えをまず伺っておきたいと思います。
○委員外議員(永岡光治君) ただいまの新谷委員からの御質問でございますが、確かにこの形式の上から申し上げますと、一般国家公務員の範疇にあるわけでありますので、その点では国家公務員共済組合法あり、恩給法ありこういうことで、特に他の一般公務員と特別に分けるということについては、表面のこの国家公務員という上からは確かに問題があるかと思うのであります。しかしながら、御質問の中にもございましたように、他の三公社と大体同様な企業形態を持っておる。つまりこれは単なる現業ということでもないし、言うならば、一つの企業であるわけでありまして、しかも、人員から申し上げましても、二十六万を算するという膨大な組織であります。そういう点から考えますならば、単に国家公務員という範疇で、このままそういうことだけで一律に規制していいものかどうかということに私たち大きな疑問を持っておるわけであります。従いまして、主として待遇改善の問題が取り上げられておりますから労働組合の運動についての適用の法規も、三公社同様、公共企業体等労働組合法というものが適用されていることも、その理由のあるところを雄弁に私は物語っているものではないかと思うのであります。もとより、それでは五現業との比較の問題も、当然他の五現業の問題も出て参りましょうが、同じ企業あるいは現業といえども、組織の大きさなり、あるいは、言うならば、これは保険制度の一つの形でありますので、そういう点から考慮いたしまして、必ずしも二千名、三千名という小さい組織を持っている他の現業と同一にこれを規制することもどうかと考えられるのであります。そういう意味で最近におきましても、やはり仲裁裁定を見ましても、三公社一現業という形で、大体三公社並みに取扱いを郵政は受けていると、世間的には見ているわけでありまして、もっともだと私たちも感ずるわけでありますが、そういうまあ本質上の問題がありまして、特にこの法律を作る必要があったわけであります。従いまして、まあ国家公務員という範疇では非常に無理があるというところで、そのワクの中でこういう方法も講ぜられるということで、退職金の問題について、あるいは年金の問題について、一つのこういう法律を提案してその独自性を生かしたいと考えたのであります。 さらに、お尋ねの問題は確かに国家公務員という身分上の問題はさることながら、もうちょっと変った独自のあり方という問題をどう考えるかというような御質問のように承わりましたので、この際、私どもの、私見ではありますけれども、考えておりますことを申し上げますならば、やはり同じ国家公務員にいたしましても、先ほど申し上げました他の三公社と同様の性質を持っておりまする限りにおきましては、やはり公務員の特例と申しますか、何と申しますか、同じ公務員でも特別なまあ扱いを受ける公務員だという問題が、一つの問題として考えの対象になるのではないかと考えております。同時に、まあ企業の形態でありますが、完全なる国家事業ということでそれはいいのかどうかという問題にも、御質問の趣旨があったかと思うのでありますが、この点はきわめて重大なる問題でありまして、今早急に、これがたとえば公社のような制度でいいのかということになりますと、まだ私どもも結論は得ておりませんが、ただ言えることは、今日のような企業のあり方でいいのであろうかということについては、相当検討の余地があると考えているわけでありまして、今ここでお答え申し上げるほどのはっきりした結論を持っておりませんが、しかしながら、これは郵政当局におきましても、郵政事業のあり方というものについて、特にお考えいただきたいということで、御検討もお願いをいたしておる状況でございますが、やはりこの際、企業のあり方についても、現業官庁といいますか、企業官庁としての特質を生かせるような、そういう点も十分検討して、できればこれと並行的にそういう案ができれば非常に幸いだと考えておる次第でございますが、大体、私たちの考えていることは以上のようなことでございます。御質問の趣旨に十分お答えできたかどうかわかりませんですが、大体そういうことでございます。
○横川正市君 ちょっと私の方から……。提案いたしております法律案の六十四ページの付則に、それぞれ新谷委員の言われておりました、いわゆる施行に対する具体的な細目について、同時提案を実はしているわけでございます。ただこれは議員立法という形で出しましたので、具体的に郵政職員の実態に即して、その動きというものを十分とらえた上で法律案化されたかという点については、いささか不備の点があるのです。それは先ほど、公社関係では、すでに公社法によりまして、恩給に対する一時停止、すみやかに退職年金法を制定しなければならないという事情のもとで三年、五年という日限を経過いたしておりましたから、その意味では、昭和二十八年以降、非常な膨大な調査力をもって下部の実態を調査しており、それに対して、郵政当局は今までほとんど見るべき調査をいたしておりません。ことに、この本案を提起いたしましてから、私の方も資料の提供をお願いいたしましたが、具体的な資料を実は私ども入手することはできませんでしたので、そういう関係で、いささか実態とこれが完全に適合しているかどうかについての照合をされた場合に、確信あるものというふうには言われない点があるわけであります。しかし、大体この法の建前が三公社と同一企業でありますし、それから職員その他の状況も、たとえば男女別職員構成であるとか、平均年令であるとか、あるいは勤続年数であるとか、家族構成であるとか、こういったものについては、いささかその類似点と、また相違点というものがあるわけなんですけれども、その点を相当程度勘案いたしまして、この施行に対するところの具体的な、いわゆる本法に対する細目を実は決定したわけでありますが、私はその意味では、そう大きな差異が生ずるという工合には考えておらないわけでございます。そういう意味で六十四ページ以下をぜひ一つ御参照願いたいと思います。 それからもう一つは、この法律案の最も問題点になろうかと思われます国家公務員であるという建前が、郵政の場合に、独自の共済組合法を持つことはどうかという考え方でありますけれども、もうすでに国家公務員の年金制度あるいは恩給制度については、昭和二十四年からたびたび問題になり、勧告されておりますと同時に、公務員制度調査会では、その案を制定いたしまして政府に答申をいたしておるわけであります。そういう関係からいたしますと、現業的労務に従事する郵政の場合には、当然これは他の今度制定いたしました共済組合法と内容的には類似する、それから実際上の恩給的あるいは年金的性格は、もっと金額的にも高い保障をする、こういうものに私はなってきたのじゃないかと思うのです。ところが、それが一向に提案をされない、そのために私どもの提案になったわけでありますが、その結果から来ますと、給付率については、全体の二割程度の給付率を加算するにとどまりまして、しかも、それを実施するためには非常にたくさんな日常の運営上の問題で、たとえば金利の引き上げを行うとか、あるいは若年停止を行うとかという、非常な忍ばなければならない問題をたくさん忍びつつ実はこの提案となったわけであります。さらに三公社の法案が審議されている中で、最も強い反対として出て参りましたのは、これは財政上の問題でありまして、私はあまり、この現業的労務に従事するもののそれぞれの性格を種別いたしまして、適用するしないという反対意見というのはなかったというふうに考えております。その中でもことに大きな問題は、大蔵省の反対意見でありますけれども、この反対意見は、私は含蓄すべき内容を実は持っていると思うのであります。ことに、この三公社の共済年金制度というものが制定されれば、このことは、国家公務員とか地方公務員を同等に引き上げなければならないという現実が生まれてくるからというのが第一の反対の理由であります。そういう反対の理由が、後に大蔵省の藤枝政務次官がこの法案に必ずしも反対の意思を生じなくなりましたのは、これは均衡上の問題とは別個に、少くとも政府としては、社会保障制度の建前から、この程度のものが必要であろうという考え方に変ってきたというふうになっているわけでありますから、そういう建前からいたしますと、私は根本的にはこれはそう政府として反対する理由がないのではないか。身分的な差があるからといって反対する理由がないのであります。そこで問題になりますのは、いわゆる共済が持っております財政上の問題で、収支決算償うことができるかどうかという点でありますが、たとえば大蔵省の場合には、国鉄の支出金については、これを実施することによって約百億近い財源が必要である、しかも、その財源をまかなうためには、運賃の値上げ等というような悪結果が招来するだろうという見通しの上で反対いたしておりましたが、法案が成立の直前に至りましてから、これが意見として変ってきております。そして現在の共済制度を適用しておる恩給と年金との二本建で、国庫が負担する額が一定年次をこえることによって、さらに国庫負担金がふえるという結論には至っておらないのでありまして、ある年次を過ぎることによって、国庫負担金は逐次これは減少していると、こういう建前のもとで、企業の財政的負担については、その点を大蔵省が認めておるわけであります。そういう関係からいたしますと、私ども郵政事業の内容におきましても、必ずしもそのあげられました例というものを全然別個な形で検討しなければならないほど企業の内容は違っておらない、こういうふうに考えておりますので、このたびの提案となったわけであります。
○新谷寅三郎君 ただいまの提案者の御説明をもう一度繰り返してお尋ねしておきたいのですが、私の勉強が足りないためであったかもしれませんが、この法律の施行に伴って、いわゆる関係法律の整理という法律的なものは、そうするとこの付則に書いてあるので別に出す必要はないのだ、こういうことのようですね。そうしますと、これはそれでけっこうですが、よく拝見いたしますが、さっき永岡さんがお答えになっておりましたが、やはり一つの大きな問題としては、国家公務員という立場、その法律上の地位というものが基本的な問題になるだろうと思います。それについて、これに並行して、提案者としては、今のところ郵政事業特別会計で俸給を受けておる職員について、法制上、制度上何らかの別の提案をするというお考えはないというふうに考えてよろしゅうございますか。
○委員外議員(永岡光治君) これは研究の課題としてはもちろんあるわけでありますが、またここで御答弁申し上げる以上は、やはり責任ある答弁をしなければならぬ関係もありまして、この時点におきましては、私の方ではっきり、たとえばこういう内容のものであればぜひ出したい、そういう結論を持っていないということでありまして、ただ私の答弁の中にもございましたように、郵政事業の形態のあり方なり、あるいは身分というものを、果して国家公務員という、そういう形だけでいいのかどうか、同じ国家公務員の範疇といえども、なおかつ特別な特例を設ける必要があるのではないかという気はいたしておるのでありますが、そういう態度が今日の時点でございまして、もちろんこの法案の審議の過程におきまして、種々この法案の成立する上において、こういう方法がやはり本質的にも当然だという結論がおのずから明確になる段階もあるいはあるかとも思うのでありますが、その際においてはあらためて私たちもこの点についての態度を決定して参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。
○新谷寅三郎君 それではその問題は、だいぶ含みのある御答弁でありますから、この程度にしておきます。 これも私の不勉強からくる質問かもしれませんので、間違っておりましたら御指摘をいただきたいと思います。第一条で「郵政事業特別会計において」云々というふうに、郵政事業特別会計というもののみを対象にしておられるようにも考えられる。郵政省——われわれが郵政省と言っております中に、たとえば簡易化命保険特別会計というようなものもあるわけですが、そういうものはこれとどういう関係を持つのでございますか。郵政専業特別会計というものの中には、簡易生命保険関係の会計から俸給を受けておる職員は入らないように思うのですが、それは別個にお扱いになるのですか。
○委員外議員(永岡光治君) これも御指摘されれば、少し表現があるいはまずかったかと、今になって気がついて参ったのでありますが、郵便事業特別会計あるいは簡易保険事業特別会計、郵便年金事業特別会計等々の一連の郵政で扱っておる特別会計があるわけでありますが、そういう全般を包括的にこういう表現でいたしたのでありますが、ここで今郵政省で扱っておる事業のうちで除かれるものと——むしろそれを除いたものを明確にした方が明らかになろうかと思うのでありますが、たとえば電波監理関係であるとか、あるいは電気通信に対する監理関係、そういう特別なもの以外は、電波関係のものは大体全部を総称するつもりでこういう表現をいたしたのでありますが、従いまして、簡易事業で申し上げまするならば、郵便事業、保険事業、貯金事業、年金事業全部を含む、こういう考え方であります。もちろん委託業務関係電信電話事業の関係もあるわけであります。こういう考えに立った表現でありまして、正確に法規上、これが果して郵政事業特別会計ということで包括したことによって誤解を招くということであれば、明示されなければならない、かように考えておる次第でございます。
○新谷寅三郎君 わかりましたが、そういたしますと、結局現在の郵政省の所管する事業の中で、電波関係の職員を除いた他のすべての職員を対象としておるというふうにお考えになっているのでしょうか。
○委員外議員(永岡光治君) さようでございます。
○新谷寅三郎君 それからもう一つ伺っておきたいと思います。これはあるいはまだ資料が十分整ってないという御答弁があるかもしれませんが、ごく概略でよろしいです。これによりまして、国からの何と申しますか、国の負担金、それから組合の掛金というものもふえてくるわけでございます。これは会計はそれぞれ違いますから、どういうふうにお尋ねしたらいいのですか、かりに郵便事業特別会計について申しますと、郵便関係で国の負担金を支払っていくために、金額にして年間に、平年度どのくらいの負担金が要ることになるでしょうか。それが現在の郵便事業特別会計における——私は予算のことはよくわかりませんが、たとえば人件費なら人件費というものから見ますというと、どのくらいに該当するのかということは——端的に私の心配していることを申し上げますが、必要があれば私はそこに手をつけることも増えられますけれども、そういうことのために郵便料金の値上げをしないと赤字が出て困るのだというような事態にまでなるのかならないのか、それを実は検討したいために質問しているわけです。ごく大ざっぱな概数でよろしいのでございますから、郵便事業でどのくらいの負担額になるか、おわかりでございましょうか。
○横川正市君 実はこれは全く、御質問の趣旨に詳細答えられるといいのでありますが、概数しか握っておらないのであります。ことに、掛金の比率が四・三対五・二というふうに、国と、それぞれ組合員との負担料を決定いたしております。さらに、実際運用上から出てきたつじつまを合せるための施策として、金利の引き上げの問題とか、それから先ほど言いましたように、若年停止の問題とか、そういう方法を実はとるべきはずであったのでございますが、資料の不備から、実際上他の郵政会計との関係というものを同比率に見なければならなかったという、非常に提案としては弱点が実はあるわけであります。 そこで、この掛金の内容を見てみますと、大体国鉄では、組合員の俸給年額のうち三十四億円、それから国庫負担金が四十一億円というふうにその比率が出ておるわけでございます。私どもの場合には、やはり国の負担金は、そういうような掛金と国庫負担金等との関係からいきますと、国鉄が四十五万、それから郵政が二十六万というような比率によって金額が出てくるのじゃないか。ただ年令構成が私の方が低い、それから女子職員が多いというような関係から、いささか国鉄より任官者が多いという事実はありますけれども、掛金それ事態にはあまり問題はない、そういうふうに考えまして、大体まあ法案で提出いたしましたのは三十億、こういうふうに概略国庫納金を考えております。ただその恩給関係の職員は、積算された準備金を持っておらないわけであります。そういう関係から、別途国庫として共済組合に負担をしなければならない面がある。これは国鉄の場合には六十四億というふうに踏まれて、電電の場合は十四億というふうに踏まれておりまして、私の方では大体四十七、八億、これをそれぞれの方式によって国庫から組合へ納金しなければならないわけでありますけれども、大蔵省の意見では、大体この完全積立方式というもので国庫から組合へ納入するという形になりますと、非常に大きな負担額がかかってきて、それで料金、値上げ、その他の問題に響くのじゃないか、こういう意見を持っておったようであります。しかし、最終的には修正付加方式というので、相当長年月組合員の異動というものを考えまして、逐次国庫納金というものを行なっていくという長期見通しに立ちますと、その負担金というのは、必ずしも大きな国庫に対する負担にはならない、こういう結論に達したようでありまして、その点で最終的な賛成の意見に変ってきた、こう見ていいと思うのであります。私どもの場合にも、大体同方式でこの積立金方式をとっていきたい、こう思っておるわけであります。
○新谷寅三郎君 これもあまりまだ詳しい資料ができていないかもしれませんが、今のに関連しまして、国鉄、電電、郵政、それぞれにいろいろ人的な構成が違うだろうと思うのです。そこで、たとえばこの共済組合が相当長い間たちまして、五十年なら五十年たった先を見ると、相当綿密な保険数理によって計算をされていった場合には、これは収支償ってやっていけるとか、多少赤字が出るとか、黒字になるとかいうようなことは、見当つくだろうと私は思います。しかし、こういう共済組合の発展途上でどこでも問題になると思いますのは、非常に現実の構成というものは、そうなだらかに理屈通りに行っておりませんために、国鉄は国鉄、電電は電電で、それぞれの特殊事情があって、たとえば初めのうちは非常に困って、他からの借り入れをしないとどうしてもやっていけない。初めのうちは余るのだけれども、二十年先になるとやっていけなくなるというような事情が生じてきがちだと私は思うのですが、それにはいろいろな要素がございますが、それを一々ここでお尋ねをする意図もございませんし、資料も大へんだと思いますが、ごく概括して、郵政職員については、その見通しは、たとえば初めのうち十年なら十年は非常に苦しいとか、あるいは、たとえば中堅層がどうなっておるのかというようなことによりまして、二十年間は苦しいだろうが、二十五年目くらいからは相当楽になるとかいうようなことが、大体見当がついておられるのじゃないかと思うのですけれども、そういう点は何かお調べになっておりますか。
○横川正市君 実は、郵政の現在の任官者と、それから非任官者との人数の種別は、大体十一万ないし十一万五千、それに対して十三万五千ないし十四万と、こういう比率になっておるわけであります。ですから、恩給適用職員の方は他の官庁に比べますといささか多くなってきております。そこで、これは大体見通しの上に立った考え方なんでありますが、郵政の任官をする平均年数というのは、今のところ、十二年以上という勤続年数を必要とするわけであります。十二年までは共済組合関係で年金の掛金をするわけであります。それからその以降、恩給の掛金をするわけでありますから、私は、法が制定されましてから大体十五年というのが、その内容を変革する一つの年輪ではないかと見ているわけです。ただ、それが終りましてからでもなお退職後の保障と、それから本人死亡後の遺家族年金という形で残っておりますから、その影響力というのは、それほど極端な形になっては現われてこないであろうけれども、大体十五年を一つの年輪として、それまでは逐次苦しくなっていくんじゃないか、財政的には苦しくなるのじゃないか、それ以後において逐次緩和されてくるのじゃないか、こういうふうに概略立てて考えておるわけであります。もちろん共済組合法を制定するときに、三公社のいろいろな審議の経過をよく調べてみますと、やはり国鉄は国鉄、電電は電電、専売は専売というふうに、それぞれの企業の性格によって退職年金のいわゆる給付率、掛金等々がきめられるのではないかというような意見が出てきておったようでありますから、これは審議の過程では私はさもあらんと思っておる。ことに、一律に三公社が三公社の共済組合を適用したと言われること自体に、私は企業を比べてみて、いささか無理がある企業と、それから相当楽な企業に分けていいのじゃないか。ことに、国鉄の場合には、退職年金を決定するには相当程度の無理をしなければならないと思うのですが、しかし、電電のように発展途上にある企業では、もう少し年数がたつともっと有利な年金法を制定してもかまわないのじゃないか。専売の場合には、これは益金そのものが必ずしも企業の収益じゃありませんから、専売の場合には、その二つの企業に類したものにはならぬと思いますが、ただ、その企業その企業の持っております内容によって、相当程度運用上いろいろなアンバランスというものがあると、こう見ていいのじゃないか、こう思います。ただ郵政の場合に、料金的に言いますと、非常に政策的な料金でありますし、ことに文化保護というような面を郵便は受け持っておりますし、それから保険なんかの場合にも、そう民間保険のようにその利潤だけを追求するような経営もできません。また、貯金の企業も、これはいわば低利で国に奉仕するという企業でありますから、そういう政策的にきめられた中で支弁する金額の問題を考えましたときには、これは必ずしも楽な会計だというふうには考えないのであります。 ただ私は、まあ逆説になるかもしれませんけれども、一千百億以上の年間予算のうち、七三%人件費になっているという郵政企業のあり方が、人件費として支出することは苦しいということには変りないのでありますけれども、七三%人件費に要しているというところに、私は企業の非常に、いわゆるあまりへんてつのない永続性というものを見出して、相当長年月計画を立てて退職年金を制定することができるのではないか、こういうふうに考えて、将来の収支については希望を持っておるわけです。
○新谷寅三郎君 大体私はこの程度です。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて。
○山田節男君 これは、ちょっと質疑しながらこういうことを聞くのは、ちょっと前後した質問でありますが、郵政省の当局にちょっと私聞きたいのですが、この提案理由の説明の中に書いてあるように、現在約二十六万名の職員の中で、十二万名は任官者で恩給法による、他の十四万名が共済組合法による、二本建になっておる。そうして一方においては、国家公務員共済組合法による共済組合がある、そうして今度ここに提案されたような郵政事業職員等共済組合法案というものを出されて、一面からいえば、これは非常に屋上屋を重ねるという感じがするのですけれども。それから今るる説明があったように、すでに公共企業体職員等の共済組合法が出ているわけです。これらが出れば当然現業の方においても、ことに郵政事業においては、議員立法をするまでもなく、政府がこれは相当考えなければならないのだ、なぜこういう議員立法をさせるように、裏からいえば、要するにこれに対して積極的でなかったその結果ではないかと思うのですが、郵政省ではこの法案に対してどういったような考えを持っておりますか。この法案の内容についても十分御存じであろうと思うが、この点に対しての郵政当局の意見を伺いたいと思います。
○説明員(大塚茂君) こういう法案が郵政従業員についてできますということは、いろいろ郵政従業員の待遇について御心配いただいておることでありまして、当然われわれとしても考えなければならぬことであり、まあそれにかわってやっていただいたということに感謝をいたしておるわけでございます。ただ、何といいましても、これは相当長い期間にわたりまして、相当の財源を必要とするということになるのでありまして、その点について、まだわれわれとしては基礎的な計数表の作成その他調査が完全にできていないという状態で、これがやれるかやれないかというようなことに、はっきりした結論を見出しがたいという状態にありますので、当然提案もできなかったということでございますし、また本法案に対して、ここで決定的な郵政省としての意見を申し上げかねるというような現状にあるわけでございます。
○山田節男君 郵政当局が望ましいか望ましくないかということは、この法案をここで、国会で通過せしめるか通過せしめないか、これは重要な根拠だと思う。今のお話では、感謝もしているが、あるいはありがた迷惑でもある、どういうふうになるか危惧しておる、こういうようなニュアンスの言葉ですが、それは私は労務管理の立場からいうならば、当然政府が、すでに公共企業体職員について共済組合法というりっぱなものがありますから、これをサンプルにして、統合して、むしろあなたの方でイニンアチブをとるべきではないか。ことに、共済組合はたしか郵政大臣が会長をやっておると思いましたが、当然政府がイニンアチブをとってやるべきであり、議員立法でやるということ自体が、私は前後転倒しておるように思う。今の人事部長のお話では、この法案全体からいえば、ありがた迷惑の点もあるという、そういう御意見ですね。
○説明員(大塚茂君) ありがた迷惑ということは決して申し上げていないので、ありがたく感謝いたしておりますが、ただ、はっきりここで結論を申し上げるには、資料と計数が不足いたしておるということで、まことに残念でありますけれども、結論ははっきりするまでに至っていないということでございます。
○山田節男君 この問題は、こうして調査能力からいっても、こういう議員立法の法案の土台というものは、今あなたのおっしゃったように、あやふやというほどはいかなくても、相当危険性を持っている、現在もすでに共済会があり、恩給法もやっておるのですから、むしろそういったような調査は政府が、議員立法の形でやるならば、懇切丁寧に団体交渉でなくて、ほんとうに客観的な合理的なものを作るように私は協力するのが当然だと思うのです。そういうことをなぜやらないのか。これを見るといかにも経営者側でもってこういうものに応じないがためにやむなく議員立法と、こういう形になる。こういう官業において、現業の労使間というものがそいうものでは私はいけないと思うのです、理想として。ですから、こういう機運があれば、むしろ進んでいかに合理化するか、それからあなたは経験もあり、データもあるしするのですから、より完全なものにこれができるわけです。それを議員立法にしておいて、これをただ傍観しておるというようなことは、これは少し私は不満です。これは小野次官もおられるが、これは政治的に考えるのじゃなくて、これは政府が率先してやらなくちゃならぬと思います。最初国鉄から職員の共済組合法を出しましたそのときにも、国鉄の吾孫子局長が進んでわれわれ議員に個別的に体当りで熱意を持ってやってきた。しかるに郵政省当局においては、いまだかつて私はそういうことを寡聞にして聞いたことがないのですが、もう少し誠意を持って、この議員立法というような出し方をしないでやることが、労務関係の方面からいっても望ましいと思うのです。これはどうですか。郵政大臣はおられないけれども、小野次官から、こういうきわめて不自然な出し方を、しかも、議員立法としてやるということは、国会の立法権というものから申しますれば、むろんこれはできますけれども、私はもう少し政府当局は現業員に対して好意を持ち、親心を持って福利施設をやるということであれば、こういう事態は出てこないのじゃないかと思いますが、小野次官、どうですか。
○説明員(小野吉郎君) お説ごもっともと思います。ただ、先ほど新谷委員からもいろいろ御指摘がありましたけれども、この基本調査は一朝一夕にはできないのでありまして、相当の期間を要するわけであります。現に、現在こういった状態になっております。三公社におきましても、このような結論に達するまでにはずいぶん長い期間をかけておるようでございます。 それといま一つ、私どもといたしまして、るる山田先生の御指摘のそういう気持は持っておるわけでありますが、法案提出の主管庁といたしましては、郵政省ではこの法案はないのでありまして、大蔵省というようなことになります。そうなって参りますと、郵政省側のいろんな要望がありましても、いろいろ現在公社形態でない郵政事業の現状から申しますと、いろいろ一般公務員の問題として、大蔵省としては検討せざるを得ない。そういうことになって参りますと、いろいろ政府提案のいわゆる法案提出のやり方等におきましても、郵政省の思う通りにはなかなか運ばないというような面もございまして、まことに先生の指摘されるような状況になっておることは遺憾でありますが、そのような事情等もございまして、現在のように相なっておるわけでございます。
○山田節男君 もしこの法案が法制化された場合には、これはもう政府としては、いわゆる既定事実としてこれによって善処する、こういうおつもりですか。
○説明員(小野吉郎君) いろいろ先ほどからの御質問に対しまして人事部長もお答えいたしましたごとく、この法案がこのままで今かりに成立いたしましたといたしましても、どのくらいの財源を要するか、またいろいろ基本的な、やり遂げなければなりません調査も残っておりますし、提案せられた方面におきましても、そういう面の、まだ具体的な正確な、これでいくのだ、これでいけるのだというような御資料もないような状況でございまして、しかも、これは相当な予算を伴う立法に相なりますので、現在のあるいは郵政会計の実情から申しまして、円滑に実施し得るかどうか、これはいろいろな計算を立ててみませんと、結論的には申し上げかねるわけでございますが、その辺に対する結論まではっきりと申し上げかねるような状況でございます。
○山田節男君 これは発議者にちょっと質問いたしますが、今の郵政省の当局の発言は、これは今お聞きの通りです。いやしくも国会に議員立法として出すからには、もちろんこれは精密な調査をされた結果である。それからそれの財政上の基礎は、もちろんこれは分析し、調査し、自信があって出されたことだと思う。こういう点に、どうも発議者の方の御説明と政府のあれが、私は食い違いじゃなくて、根本的にそこに一つの大きなギャップがあると思うのですが、この点について、郵政省の当局にこの法案提出の事前において十分私は論議もされ、そうして協議の上とまではいかなくても、ある程度の精密な検討の上で自信を持って出されたと思う。ことに、この現業官庁としては、労務行政、労務管理、労務者の福利ということについては、これは積極的にやるべきことである。政府当局も、これは極言すれば、非常にこの法案に対して冷淡な、冷たいような印象を受けるのですが、これに関して立法者側において、郵政当局とこれは相当折衝があったと私思うのですけれども、この法案を出して通過した場合に、十分自信がおありだからお出しになったのだろうと思うのですが、の過程でこれは一つの重要な課題になるのだから、その点一つ率直に御説明願いたいと思います。
○横川正市君 提案までの私どもの根本的な作業の必要な問題としては、今言われた点が一番必要な、しかも、根本的な問題としてあったわけです。ですから、私どもは今郵政当局が現状の状態における、いわゆる三十二年度成立の現状の状態においてこれを実施しようとしても、今事務次官と人事部長の答弁をした結果になることは、これはやむを得ないと思うのであります。ただその現状においてこれを制定された場合にどうかという実は私質問をいただいておるのではなしに、もっと根本的な問題ではないだろうか、こういうふうに考えますから、その点では違った形での答弁が、私は議員提出をした側の期待としては実は非常に大きく持っておったということを率直に言えると思います。先ほど新谷委員から御質問があったときにも私の方からお答えいたしましたように、郵政企業の企業内容それ自体に、私どもは必ずしも年年ゆとりのある財源というものを生むことができるか、生ましめることができるかどうかということについては、その点については非常に期待は薄い、しかし、郵便会計と、それから保険会計、貯金会計、それから委託というこの四つの柱を動かしておりますそれ自体が実はあまり、極端なあれから言いますと、特別な企業能力を必要としない企業でありますから、そういう企業の中で政策的に縛られ、政治的に縛られる、そういうような縛られている企業のあり方というものに、もう少し積極的な考え方というものを入れていけば、運営上は必ずしも困難ではないのじゃないか、こういうふうに実は考えておるわけであります。ですから、現状維持ではなくて、現状をある程度踏み越えてもらおう、こういう考え方なんです。そこで、先ほどの答弁にありましたように、現状を踏み越えるというふうに答弁できないという立場というものを了としますが、その点では非常に、私はもっと何とか違った答弁というものがあってしかるべきだ、こういうふうに実は期待しておるわけであります。そこで、この法案を提出するまでの私どもの考え方なんでありますが、これは必ずしも私は郵政企業だけが特別に、しかも、新規な問題として起提した内容ではありません。たとえばこの法律と同系統のものでは私立学校の教職員共済組合法とか、市町村職員共済組合法とかというような同一形態を持つ内容のものがあるわけであります。さらに昭和二十八年以降、三公社の公共企業体等に対する共済組合法の成立をみたわけでありますから、しかも、前に十分参考とする内容を持っておって実はそれを土台として考えたのでありますので、この収支その他については、自信を持って運営することもでき、郵政共済組合の内部においてこれを運営することは、いわゆる計数上収支がどうかと言われればまかない得るというふうに実は考えておるわけであります。しかも、そのためには四分五厘の金利を五分五厘に回すとか、若年停止をするとか、職員にとっては最も不利な条件を甘んじてのんでおる、こういう吐き出しの財源も入れて運営上の安定をはかっていきたい、こういうふうに考えておるものでありますから、必ずしもこれは郵政の一方的国庫負担を背負わせて、今でさえ払えないものがそれだけ払えるかという形のものではなしに、職員側も相当程度の犠牲を背負って、そして企業そのものを運営する、こういう建前でありますので、その点では私はより積極的ないわゆる経営上の問題としては、郵政当局ももっと見通しのある答弁というものがあってしかるべきであったのじゃないか、こう思うのであります。ただ、先ほどのいわゆる積算方式でいくか、付加方式でいくかというこの方式は、国鉄の厚生局長ですかの吾孫子さんの意見を聞いてみますと、明らかに国鉄のように他の公社と比べてみて必ずしもよくない経営の中で、しかも、年金制度は、国鉄の場合には必ずしもこれは現在の経営は楽ではなかったという状態等も勘案いたして、その中でさえ年令、家族構成、それからもちろん勤続年数、こういった点からいきましても、相当郵政とは比べもののない高い状態である。ただ、任官者の数が幾らか少いというだけで、この退職年金法の運用ができるという結論に、しかも、まだ決定されてから日が新しいのでありまして、そういう建前からすれば、郵政の場合にはこれは運用ができるという結論になるのが当然だと思います。議員立法でありますから、いろいろと問題が将来にわたって資料上出てくるかと思いますが、その点については、さらに私どもは用意もして十分お答えするようにしていきたいと思っております。それからこの法律の形態も内容も大体三公社の形態内容等を私どもはそのままとっているわけでありますから、その点では、すべての点で十分説明は事前に国会等でもされておったのじゃないか、こういうふうに思いますし、私どもはその建前で検討した分野についてのお答えをしていきたいと思います。 最後に、実は私は提案者でありますから、こういうことを提案者として申し上げるのは、実はあまり当を得ないかもしれませんけれども、国鉄の場合も、電電公社、それから専売の場合も議員立法で、その議員立法を通すために当局が相当苦労をされているようであります。ただ私は、今までのこの私どもの議員立法をめぐっての郵政当局の考え方は、残念ながらその期待を実は十分受けることができませんでした。実は、私は自席からその点について、広範な質問を行なって、資料の要求をいたしたいというふうに思っておりますが、何分にも国鉄が、あるいは電電が着手いたしましたときに、もうすでに着手しなければならなかったものが全然着手されないで、現在まだ国鉄あるいは電電並みの資料を持っておらないという点については、これは私はできるだけすみやかに、しかも、早急の間にその資料の調製を、必要に従って提出できるように準備願い、そのことが、私どもが他の職員の構成を土台にして郵政当局のこの法律案を考えたものと一分一厘違わないということは、実は私は自信を持って言えませんが、ある程度、九分までは間違いないという建前に立っておりますので、郵政当局の作られる資料と突き合せて、さらに皆さんの審議の便に供したい、こう思っているわけです。 いろいろとまだ非常に不備な点がたくさんありますが、ぜひ一つ審議されて、郵政職員の現状——この退職年金法を待っております状態というものは、一日もゆるがせにできないような非常に差し迫った状態になっておりますので、そういう意味で、できるだけすみやかに私はその職員の要望にこたえるようにしていただきたい、こう思っております。
○山田節男君 この法案の内容は、ことに公社職員等の共済組合法が現存する限り、私はむしろおそきに失するものであって、当然これは実現すべきものだと思うのですが、他の現業官庁もこれはやはり同じような事情があるだろうと私は思うのです。これは公社も結局国家の代行機関であって、本質においては現業官庁であるということに何ら変りない。そこに差別があるということは許すべからざることであって、現業官庁が当然自発的にこういう問題を取り上げて、しかも、横に現業官庁の密接な連絡を保って、むしろ政府提案——が他の現業官庁にも適用されるような、これは最大公約数のものになるかもしれないけれども、しかし公社の職員の共済組合に準ずるものを作るのは、これは政府がやるべきものだと思う。ところが、それができなくて議員立法しなければならぬということは、まことに残念な事態だと思うのです。そこで、私は政府、郵政省の当局にお願いしますけれども、本法案の取扱いが今後どうなるか、本委員会でいずれきめられることであると思いますけれども、いずれにしても、これは重要な問題でありますから、政府も単なるこれは客観的な態度をもってみているというそういう態度でなく、もう少しこれの裏づけをされるようなことについて、たとえば、今郵政当局の言われた財政的な部面をいかに合理化し、これを成立せしむべきかというようなことも、私は郵政省としても何かこれに対する協力をし得る部面があるのじゃないかと思うのです。ただ、われわれは知らぬと、こう言うのでは、私は事現業に対する重大な問題だけに、そういう態度は、私らとしては、まことに残念に思う。今後のこの法案の審議の過程、今後継続してやるということになれば、私は政府も、この公社の職員の共済組合に公社当局が示した熱意を、あたたかい気持をこれは当然持ってもらいたいと思うのです。これは希望になりますが、どうかこの法律が今後さらに慎重審議を重ねることになれば、その過程において、私は政府からも、これに積極的ないろいろアドバイスなり、あるいは従来の経験によってのこういう点はこうすべきだということを、一つわれわれの審議の過程において、御協力を私は強く要望しまして、この問題に対する質問を終ります。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(剱木亨弘君) それじゃ速記を始めて下さい。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十四分散会