逓信委員会 第13号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/11
会議録
○理事(手島栄君) ただいまより委員会を開会いたします。 本日は、まず、日本放送協会昭和三十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたし、質疑を行います。
○山田節男君 三十年度の業務報告書を見ての印象と申しますか、所感を申し上げたいのですが、御承知のように民間ラジオ放送、テレビ放送が非常に発達してきて第二年度、三年度に入っている三十年度のNHKの事業の概観を見て、私はやはり公共放送の建前として教育・教養の方に非常に重点を置かれておるということは、これは私は了とするのみならず、非常な努力が払われておるということを十分認識するものですが、従来民間放送の発達の状況を見ますと、東京市内において今日民間放送が短波放送を入れて五つある。そのプログラムを見ただけでも、かなり同類同系のプログラムが多いわけなんです。ただ、これをいかに公共放送らしくするかということは、これは非常に技術的にむずかしい。その点についての苦心のほどもわかるんですが、私はやはり公共放送が民間放送と競争するんじゃなくて、放送のあり方ということを、常に一つの指標を与えるということと、それからやはり聴取料を払っておる、視聴料を払っておる受信者に対する、民間放送と比較していかなるものを要求するか、こういうことについて根本的な調査をやられたことがあるかどうか、またどういうような見地で研究しておられるのか、そのことについて、これは三十年度、三十一年度、三十二年度となれば、ますますその必要性があると思うのですが、そういう点については、特にどういう点に重点を置かれておるか、こういう点を一つお伺いしたい。
○参考人(小松繁君) ただいまの山田委員の御質問に対してお答え申し上げますが、御承知のように、私どもNHKにおきましては番組の聴取率、また番組に対する嗜好についての調査を年じゅう継続的に行なっておりますが、NHKの番組に対する調査のほかに、重要地区につきましては、民間放送に対する調査もあわせて参考として行なっております。たとえば京浜地区、あるいは京阪神地区、名古屋地区、そういうふうな重立った所につきましては、NHKとあわせて調査を行いまして、その結果を比較して、NHKと民間放送との単なる数の問題だけでなくて、NHKに対する総体的な要望、あるいはまた民間放送との比較においての批評というようなものもあわせて調べておるわけでございます。私どもはその調査の結果によりまして数字も持っておりますが、民間放送の聴取率につきましては、これは発表する必要もありませんので、今申し上げましたように参考にする程度にとどめておりますが、われわれとして一番大切なことは、NHK自体の聴取されております数と同時に、NHKに対して国民が、受信者がどういうふうな印象を持ち、またどういう要望をしているかということでございますので、国民の信頼を受けるような番組にするということもあわせて考慮に置きまして、今申し上げました受信に対する世論調査の結果を参考にして番組を組んでおる次第でございます。
○山田節男君 それから番組の内容も、各いろいろ内容がありますが、大まかに見てニュース、それから娯楽、それから教育・教養、まあこういったような、ごく大まかに国内放送を分けてみて、そうしてこれは商業放送と並立する立場からくれば、公共放送としてはやはり特色を表わすものはニュース、それから次には教育・教養番組、それから娯楽も、これは一般商業放送の娯楽、これは非常に私は実際問題としてむずかしいと思いますが、番組にしても音楽、演芸その他いろいろありますが、公共放送としての、これは金のかかる場合も——高い芸能者を出演せしめるという意味じゃなくて、そうでなくてほかの意味でかなり高くつくような番組でも、これは商業放送でできない部面がある、こういう方面に重点を置かれていくのが私は、公共放送の娯楽番組としての特性を発揮することになるんじゃないか。なぜそういうことを申し上げますかというと、BBCの月間番組を見ますと、あそこは商業放送はありませんけれども第一第二、第三と分れておりますが、第三は別として、第一、第二の放送を見ましても、番組は日本に比べれば非常にかた苦しいほどいわゆる娯楽番組が少い。これはBBCの放送業者が、政府の監督もあるが、イギリスの特質としてそうげすなものをやらない。少くとも放送という一般公共的なものに対してやらせないというイギリスの国民性がよくわかるんですが、私は、少くも公共放送の娯楽番組ということについては、これはむしろ保守的と言われるくらい僕は、何といいますか、一方においては日本のいい芸術、これの保存、発達をはかる、それから商業放送——スポンサーがつかないような、しかも、国民の要望している番組はどういうものがあるかということを根本的に研究していただいて、そういうようなものをむしろ公共放送として国民に見たり聞いたりさせる方が番組としての価値が出てくるんじゃないか、こういうふうに私は平素考えておるんですが、この点については、私は十分努力をされておられると思うんですが、一体三十三年度、これはやはり民間放送の漸次発達する段階への私は努力をされた点を伺いたいんですが、ことに娯楽部面と教育部面は、そういった方面に意識的に、これは幾ら金をその方面に使うかということは、私は今ここでせんさくしませんけれども、漸次そういう方面に教育放送、あるいは学校放送の費用はふえ、それから娯楽部面に対する番組に対しては、そういう点を留意されていかれるべきだと私は思うのですが、こういう点については、これは当局の意向、将来のそういう何といいますが、方針と申しますか、そういうものについて、どういうふうな考えを持っておられるか、この点をお伺いしたい。
○参考人(小松繁君) 公共放送としてのNHKの番組のあり方につきましては、ただいま山田委員が一端をお漏らしになりましたような、全く同じ考え方、同感でございます。またそういう方向にわれわれ考えて番組を組んでおる次第でございますが、なお、その基礎になりますものは、あくまでも今申し上げました受信者全体の意向というものを大前提といたしておりますので、全国的な、あるいはまた地域的な世論調査を行いまして、組織的にこれは行なっておるわけでございますが、その結果に基いてやっておるわけでございますが、方向といたしましては、ラジオ、テレビジョン両方通じまして、娯楽面を減らすと申しますよりも、教養的番組の内容を充実いたしまして、特にテレビジョンにおきましては教育・教養放送の番組を時間的にも、内容的にも充実いたしまして、番組全体の比率はだんだんに高くなっていく方向にわれわれ考えて進めておるわけでございます。
○山田節男君 先ほど申し上げたように、公共放送としての、今日一般の受信者の傾向だというように判断するのですが、NHKの放送の中で一番聴取率の高いのは、これは特殊の場合があるかもしれませんけれども、全体的に言うとニュースというものを一番よく聞いているのじゃないかと思う。朝七時、それから夕方の七時——ことに午後の七時の場合においては、録音放送を除いて十五分間の放送があるのですが、これは私、常に考えることは、AFRSの九時のニュース、これが二十分間やっております。この二十分間のニュースを聞くと非常に内容が豊富で、項目が多くて、日本国内、それから外国の放送の内容が実に多種多様にわたって、しかも、われわれが新聞でもろと見たいようなものを大体AFRSで聞くと、時事の国際問題がわかるというくらいに力を人れている。このAFRSの午後九時の二十分間のニュースは、これはおそらく日本語に直しますと三十分でもまだ放送し切れないような内容です。これは言葉の相違ですから、そういうふうになってくると思うが、NHKの一般受信者の重点を置いているものは、これはテレビの場合でもそうですが、ニュースに非常な信頼を持っておる。ですから非常に聴取率は高いと思いますが、そうすれば、今の番組の毎日の二ュースの時間を総計してみて、民間放送のニュース放送と比べると、なるほどNHKの方が時間も長いし、内容もいいのですが、私は、今申し上げたような、国民の国際的な関心がなくては生活できないといわれるようになっておる今日においては、少くとも午後の七時か、あるいは午後の九時ぐらいには十五分じゃない、倍くらい、少くとも二十分間くらい、ラジオにおいては二十分間くらいの放送で、一日一回ないし二回やる。これは経費のこともありましょうが、そこにまた民間放送の発達してきている今日において、NHKはこういうことは十分考えるべきじゃないか。それからテレビも、これは私、毎日見ているわけじゃないけれども、注意して見ていますけれども、やはりスポンサーのついている商業テレビの方のニュ−スと、NHKのニュースと比べると、これはNHKの方が断然いい。これはお世辞じゃなく、非常な苦心のほどが仏われていることがわかるのだけれども、しかし、ラジオにおいてしかるべく、テレビにおいてもニュース放送というものは、今申し上げたような観点から、もう少し努力せられるべき分野じゃないか、私はかように感じます。これはもう全国にいろいろ放送記者、あるいは各放送局それなりに記者もおられますから、取材の点については十分なネットワ−クができているだろうと思う。ことにテレビにおいては、ラジオとは違って、やはりキャメラを持っていかなければならぬということでありますから、人員の点においても、費用の点においても、それは増大する費用をもつてまかなおなければならぬということになりますが、これはやはりNHKとして将来——将来じゃない、年々この点について一つ重点主義でやってゆくということが、これまたNHKの特性を生かす道じゃないかと思う。これは三十年のテレビ、それからラジオのいろいろ広告を見てみて、努力のほどは、三十年度に比べて重点を置かれているということはわかりますけれども、この点は一つ十分、これこそ金と人をかけて公共放送のニュースというものは、ラジオ、テレビにおいてでぎるだけ国民にサービスするということをやってもらいたいと思う。そのラジオ、テレビにおけるニュースというものは、大体今日の限度以上これを拡張するということは費用の点でできないかどうか、この点をちょっとお伺いしたい。
○参考人(小松繁君) ニュース放送に関しましては、もう山田委員のお考え、の通りわれわれも考えているわけでございますが、ただ、番組全体の比率から申しまして、なかなかニュースの放送を今直ちに時間的にふやすことは、ほかの番組を圧縮することになりますので、この点につきましては、今すぐ方向づけなり、ある程度結論めいたものを持っておりませんが、内容の充実また内容の正確さということを期する意味では、さらに全国的に協会の報道陣を、みずからの報道陣を充実する方向にぜひもっと進めたいといろ考え方ほ持っております。金の問題よりも、むしろ時間的の余裕の少いことから受けている制限の方が多いと考えられるというふうに思いますが、テレビジョンにおきましては、現存の扱っておりますフィルムによりますニュース以外に、場合によりましては写真、あるいはまた場合によりましては、言葉だけのニュースの時間を作るべきではないか、もっとニュースとしての内容を充実したものにすべきじゃないかという考え方もありまして、今その点につきましては検討している次第でございます。テレビジョンに関しては、もちろん大前提といたしまして、ニュースの時間も命の問題が許ぜる範囲で充実していきたいというふうに考えている次第でございます。
○山田節男君 最後に、欧州総局それからアメリカ総局を設置しておられるのですが、これに対する人件費あるいはその他の費用を含めて、三十年度においてどのくらいこれに支出をしているか、すぐわかればちょっとお示し願いたい。
○参考人(池田幸雄君) 海外総局及び特派員の取材でございまナが、経費は総局関係が二千九百九十二万五千円ほど使っております。そのほかに必要な事件に対して派遣させました経費が千三百三十五万円ぐらいになっております。
○山田節男君 三十一年はどのくらいの見込みですか、概算か。これはどのくらいふえているかということはわかりますか。
○参考人(池田幸雄君) 三十一年は、派遣と総局関係を合せまして、七千四百万円ぐらいにふくれ上っているように思います。これは御承知の通り、オリンピックが入っておりますので、その点御了承願いたいと思います。
○山田節男君 三十年度で約四千三百万円ばかりですね、三十一年度はオリンピックがあったというので特別の支出があるということはわかりますが、私はどうも、これは私の考えですが、こうして三千万円、四千万円あるいは年々上ってくるかもしれない——金額からい ばNHKの経済としてそう大した金じゃないと思うが、私は、今のようなアメリカ総局とか欧州総局というようなものを設置しておくととがいいかどうか、また、そうしなくても取材その他の方法については、私、方法があるのじゃないかと思うのです。それよりかむしろ、これは私は外務省にもこのことを話しておいてありますが、むしろ主要な大使館の所在地にアタッシェとか置く方法があると思うのです。ですからVOAとかBBCとか、これはこちらから派遣をされて、給料は向うが出すのでしょうけれども、いろいろな、実際からいえば、やはり交換ですから、そういうような方法で私は金を惜しむというのじゃなくて、もう少しそうしてかなり多方面にそういう人の——オルグといいますか、NHKの取材記者を駐在をせしむるという方法が別にあるのじゃないか、こう思うのです。こういう制度を、金額はこれはまあ一昨年が四千三百万、これももし年々ふえていくということになってくれば、私はこのNHKの海外総局設置ということは、その発端はよく知りませんけれども、しかし、こういう点は私はもう少し再検討されて、ほかの方法で実績を上げる、海外からNHK特派員の放送、これはありますけれども、これも一つの権威あるものには違いないけれども、もう少し私は、やり方があるのじゃないか。そうして欧州、アメリカばかりじゃない、東南アジアとか、あるいは将来国交を回復すれば、共産圏においてもやはりそういったことが必要になってくると思うのです。そうすると、この総局制というものを存置して拡張されれば、これは南米にも行って莫大な費用になってくるのじゃないか。また、そうしなくては今の総局制度を欧州、北米だけでは——これはやはり今日の東南アジアの状況からいえば、それだけでは困る、十分じゃないと思うのです。ですから、実績は私はよく知りませんけれども、第三者から見て、百五十億ぐらいな年間の予算でまかなうことで総局を置くほどの必要性があるかどうか。今日のような通信、交通の非常に迅速になっている今日、この点は一つ、私は再検討すべきものじゃないかと私はそう思うのですが、NHK当局としては、これを存置しなくちゃならぬ何か特別の理由があるかどうか、この点お伺いしたい。
○参考人(池田幸雄君) お説の通り、私たちももう少し能率的な方法をとりたいというふうに考えております。今山田委員の仰せられましたように、ほかの経費で、たとえばVOAへ派遣しております三人の者はVOAで払っていただいております。BBCへ派遣しております者はBBCで払っていただいております。それで、ことしは人をふやしませんで、実はもうすでに、この前のソビエトのモスクワには今通信員を、うちの職員を派遣いたしております。欧州総局、アメリカ総局という考え方でなしに、同じ人でモスクワにも常駐させなければならない状態でございますので、それを人を回していって通信制度にする。ただこれは通信だけを回しておるのでございませんでして、実は欧州、たとえばパリだったら番組の交換のテープをお互いに送りっこしているというようなことで、ただ通信だけでないという目的を持っておりますので、通信だけでしたら、御承知のように、外国通信もほとんど私の方で買っておりますので、幾らでもニュースのネタはございますのですけれども、それ以外の技術の研究、そういったもの、あるいはまた番組の交換というようなことをやらしておりますので、通信関係の方はそういうふうでカバーしまして、もう少しことしは、同じ人数でモスクワとそれから東南アジアのどこかへ回していきたいというふうに考えておりますので、できるだけ能率的にお説のように使っていきたいというふうに考えております。
○山田節男君 そうしますと、やはりこの総局制度はNHKとしては存置し、将来まあ拡張するということになるわけですか。
○参考人(池田幸雄君) 総局という名前につきましても検討いたしておりまして、まだ結論を得ておりませんが、むしろ総局を廃止して派遣の関係にしたらどうだろうか、と申しますのは、一方では海外に特派しております人間のドル・ワクの問題で、そうふやしてもいただけませんので、今のお説のように能率的に使うということになりますと、むしろこれだけの人数ではとうてい世界的なニュースを取材することは不可能でございますので、必要な所へ必要な方法で特派員の形に変えなければならないのじゃないかということが、今真剣にわれわれの間で議論されております。ただドル・ワクをいただきました場合に、総局だと何人、特派員だと一人というようなワクでいただいておりますので、今でも取材が非常に困難なんでございますので、その辺の点を十分金点能率との面から検討さしていただいておる次第でございます。
○山田節男君 今の私が申し上げた構想は、これはちょっと私はつけ加えることを忘れたから申し上げますが、たとえば南米にしても北米にしても、それからヨーロッパ、英国、フランスあるいはドイツ——西ドイツにしましても、日本にいた人で、しかも、相当な教養を持ち、また何といいますか、放送の経験のある者もこれは探せばあると思うのです。たとえばニューヨークにしても、バリにしても、ロンドンにしても、日本人で戦争中放送局へ徴用されて現在使われているような人もあると思うのです。ですから、ちょうど外務省で名誉領事を置くような意味で、むしろ地元でよく日本の実情も知っており、日本語もわかり、しかも、向うの人間である、こういうような人がかえってむしろ取材とか、あるいはそういうニュースの交換というようなことについても、日本人が幾ら語学ができても、これはもうとても半年や一年でもって私は十分な活動ができないと思うのです。むしろそういう名誉領事的なものを置いてやれば、そういう人はこれはそういうことをむしろ名誉にして喜んでやる人もあると思うのです。 それから運搬の問題ですが、これは私は決してそんなにむずかしいようなことを申し上げるわけじゃない。たとえば各国の外交官、たとえばイギリスの大使館のごときは、これは毎週二回定期に、あってもなくても——大体ありますけれども、文書だけでもキャリアを送って、飛行機をきめて毎週二回こちらへ来ておる、こういうものに委託すれば、それはフィルムとかテープぐらいのものならば、NHKの公共放送という立場ならこれはできないことはないと思うのです。ですから、実際安くやろうとすれば私は方法があると思う。ですから全部の場所でそういうような名誉領事式のものはできない、もちろんそうでありますが、できる所はそういうものを利用する、それならば南米でもアフリカでも東南アジア諸国でも、そういう人は私は探せばあると思うのです。そういう方面に私は努力が払われていないのじゃないかと思うのです。私はこれを感じるものですからお話し申し上げておきます。 それから特派員を置かれるにしても、パリになぜ置かれたか。ヨーロッパの中心だからという意味だろうと思いますけれども、なるほど、今日の国際外交からすれば、ロンドン、パリあるいはまたベルリンにしても、むしろこれは第二次大戦後においては、その中心じゃないということは言えますけれども、その配置の方法がロンドンよりパリがいいという理由がわからない。のみならず今後、日ソの国交が回復し、またポーランドとも国交回復して、共産圏のニュースも、ラジオだけじゃなくて、相当入ってくると思いますが、同じ特派員を置くならば、むしろ西ドイツのボンに置いた方がいい。そうすれば両方のニュースが、比較検討して正確なニュースが、共産圏のニュースあるいは自由諸国の、ヨーロッパ諸国のニュースというものもボンへよけい集まってくる。あるいはミュンヘンがいいじゃないか、こういうことを私は十分検討さるべきだと思うのですがね。ですから、この問題は金額のいかんにかかわらず、NHKの公共放送として、世界にそういう特派員を置くということは決して悪いことじゃない。むしろ私は望ましいことだと思います。実績を上げるのに、今申し上げたようなことも、これは根本的な私は再検討の必要があると思う。私はかように平素考えておるわけなんです。ですから、これは私、要望じゃありませんけれども、意見として申し上げておきます。これで終りたいと思います。
○参考人(池田幸雄君) 今の御意見に対して、実は私たちも同じことを考えておりまして、パリには、たとえて申し上げますと、コメールさんにお願いしまして——うちの放送員としてパリ在住のコメールさんにお願いしております。それからブエノスアイレスにそういう方を置いております。それからモスクワにも、実はそういう方がいるかと思ってずいぶん探しましたのですが、おりませんものですから、一人特派員を出しまして、それからボンと香港は、今、山田先生のおっしゃる通り、通信員の形で置こうとして、今、人を選択している最中でございます。
○鈴木強君 今三十年度の決算報告を見せていただいたわけですが、協会の皆さんが非常に予算執行上努力を尽されておることについて、私はまず感謝をささげたいのですが、二、三質問をしてみたいと思います。ちょっと、しろうとですから、ピンぼけなことを言うかもしれませんが、その点は親切に答弁してもらいたいと思うのです。 まず第一番に、放送法第四十条に「協会は、毎事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を作成し、当該事業年度経過後二箇月以内に、郵政大臣に提出しなければならない。」「郵政大臣は、前項の書類を受理したときは、これを内閣総理大臣を経て内閣に提出しなければならない。」「内閣は、前項の書類を会計検査院の検査を経て国会に提出しなければならない。」というのですが、これは三十年度ですね、今は三十二年になるのですが、これはどういう解釈になっているのですか。協会では二ヵ月後ですね、三十年度ですから、三十一年の四月に終るわけでしょう。そうすると、それから五月、六月と、二ヵ月後に出しているわけですね。ちょうど一ヵ年おくれるように思うのですが、この点は会計検査院の手続や何かで、これは郵政省の大臣の方の関係になると思いますが、これはどういうふうになるのですか、四十条との関連においては。まる一年おくれていると思うのですが。
○参考人(池田幸雄君) お答え申し上げます。三十年度の決算は、大体三十一年の五月末に郵政大臣のところへ提出いたしまして、二ヵ月のぎりぎりのところで提出させていただいております。 それからこれの会計検査院の検査でございますが、私たち実地検査を受けましたのが、七月から八月にかけて二カ月にわたって、東京並びに地方の局を重点的に実地検査を受けました。そしてわれわれとしては、講評をいただいて、そのとき済みましたら、さっそくわれわれとしては検査の講評を受けて、それから、だから九月ごろから、会計検査院の検査は終了していると思うのです。それからあと、こっちから出てきたというふうに、そこはちょっと私たちは−−。
○鈴木強君 今度の国会にも当初に提案ずればできるわけですね、こんなにおそくなくとも。これは郵政政務次官に伺いたいのですが、どうですか。もっと早く出せるのでしょう。つい、この前の委員会に説明を受けたのですが、われわれは。私は三十二年度の予算をもうすでに承認を与えておるのです。ですから、できるならば三十二年度の予算を承認する前に、三十年度の決算というものを報告を受けて、その内容についてわれわれが検討を加えて、問題があれば指摘して、三十二年度の予算を上げたかった。たまたまそのときも話が出たのですが、おくれておったのです。だから、九月ごろ会計検査院が済んでおるとすれば、それ以上残されておる手続は、印刷にするぐらいのことだと思うのですが、どうしてそんなに時間がかかったのですか。
○参考人(池田幸雄君) 私の関係でないかもわかりませんが、お手元に差し上げております説明書の、財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにそれに関する説明書にございますように、会計検査院から内閣総理大臣にあてておる日付が、三十二年二月五日になっておりますので、だから、これは郵政省がお受けになった日付じゃないかというふうに考えておるのであります。
○鈴木強君 答弁できなければ、次に郵政省から聞きますからいいです。二月にしたって、もっと早く出るはずです。どうしておくれたか、また、あとでお伺いします。 次の質問ですが、ちょっとこまかいのですが、三十二年度の収支予算の中で、協会の周知宣伝費というのは大体どの程度になっておるのですか。ちょっと、いただいたこれだけではわからぬのですが、パーセンテージにして何%ぐらいを周知宣伝費に充てておるのですか。
○参考人(池田幸雄君) 周知宣伝費総括いたしまして、これは集金の経費の方も入っておりますが、八億五百二十二万円となります。予算として御承認をいただきましたのは八億二千万円、全体の事業支出が御承知のように九十二億四千万でございますから、大体一割——九%ぐらいになると思います。
○鈴木強君 九%ですか。この九%はちょっと多いと思うのですがね、僕は。それはどうなんですか、これでも足りないのですか。
○参考人(池田幸雄君) これはこの中に集金の経費も入っております。
○鈴木強君 集金の何ですか。
○参考人(池田幸雄君) 集金人が集金していく経費も一緒になっております。
○鈴木強君 それを除いたらどのくらいですか。
○参着人(池田幸雄君) 純粋の宣伝費だけですか。純粋の宣伝費はその中で、今私、八億五百万円と申し上げましたが、そのうちの約一億二百万円ぐらいと思います。はっきりした数字はちょっと手元にございませんので、何でしたら後ほど確定額をお出しいたします。
○鈴木強君 そうすると、八億というと、一%——いや、一億、純粋の宣伝費が一億二百万ぐらいだとすると一%ぐらいですか。
○参考人(池田幸雄君) さようでございます。
○鈴木強君 僕はそれじゃ少いと思うのですがね。大体三%くらいは必要じゃないかと思うのですが、執行してどうですか、その点は、意見として。
○参考人(池田幸雄君) お説の通りでございまして、実はその後三十年のときには、その方の係を私やっておりますが、ポスター一つ作りますときにも、自前のポスターを作れなかった。というのは、経費の節約で、タイアップ広告というような形をとってやっていくというふうな形で、実際の仕事の量は、これらの経費で、NHKだけのポスターを作るということはとうていできません。しかし、そういった宣伝というものは、経費だけじゃなしに、多少頭を使います事業でございますので、そういった方法はできると思います。
○鈴木強君 この点は今から言ってもしようがありませんから、次に、三ページにある流動負債の方ですけれども、御説明によると、九千六百六十一万円の増になっております。トータルが四億八千二百六十六万円ですが、この流動負債の主たるものが未払金の増だと、こう書いてあるのです——説明を受けてるのですが、これは未払金の内訳はわかりますか。
○参考人(池田幸雄君) 未払金が四億三千、一百四十三万九千六百四十円でございます。そのうちで一番未払金が大きいのは、放送債券の未償還の放送債券、それが九千六百八十九万、簡単に申し上げますと、期限が来ておりますが、取りに来ない方が約一億足らず、それからそれの利子をお取りにならないのが千三百万と、それから経過しておってもまだ取りに来られないのが三千三百万、それで約四千六百万、それから郵政委託の事務費で未払い、月越しましたものが九百六十三万、それから放送中継施設の専用料でございます。それが六百四十六万、これは月を越しております。それから、その他はパンフレットとか、そういうもので、月末にちょうど放送記念日がございますので、月末の分が少し残っております。それは数になりません。大きいのは今申し上げましたようなものでございます。
○鈴木強君 その放送債券の期限が来て取らないというのに対する、何か協会としての親切な周知はしているのですか。故意に取らないのですか——故意というか、その点はどうなんですか。
○参考人(池田幸雄君) 実は、このときは放送債券の償還が二月末のと三月末のが多かったのでございますから、もちろん公告いたしまして、できるだけのことはやっておるのでございますが——放送でも新聞でもやっておるのでございますが、ちょうど三月の末でございますので、四月になって取りに来るのもある、期の途中だったらこういうことは絶対にありません。
○鈴木強君 その次、国際放送費ですが、事業収入の中に交付金収入というのが予算承認額が五千五百万円くらいあるのですね、三千万円ばかり増額になって、予算額合計九千万円になっておりますが、実際にこれはどうなんですか。これだけではよくわからないのですが、政府交付金とそれから協会の負担をして、実際に国際放送をやった類ですね、これのトータル、トータルはわかると思うのですが、内訳をちょっと教えてもらいたいと思うのですが、政府交付金と協会負担分……。
○参考人(池田幸雄君) 国際放送の総経費は、三十年度は一億二千八百万円でございます。そのうちで政府の交付金が八千三百万円いただいております。これは御承知の通り、当初の予算では五千四百万円でございますが、いろいろと国会、政府で御心配いただきまして二千万円、これは途中で追加していただきましたので、八千三百万円になっております。
○鈴木強君 そうすると、約四千万円近いものは協会で負担しておるというわけですね。
○参考人(池田幸雄君) 四千五百万円。
○鈴木強君 四千五百万円ですが、これはこの前の質問でも申し上げたのですが、結局海外に特派される方々の費用とか、それは大体向うで見ておるような場合もあるわけですね、おもにあれですか、四千五百万円のお金というのはどういうふうに使われるのですか。
○参考人(池田幸雄君) これは海外に特派しております経費は国際放送費では一切払っておりません。これは東京から毎日出ております放送の総経費でございます。だから政府からいただきましたほかに、前にもここで御意見がございましたように、その放送の前後につきます紹介とか音楽とか、そういう経費になっておりまして、これは東京におります者の方のものです。
○鈴木強君 それから次に技術研究費ですが、これは予算額から見て支出の方が少いですね。それで差引額欄のところに、備考に「海外渡航取止めによる減」として四百万円ですか、それからその下に「特殊中継局設置繰延その他による減」というのがあるのです。海外渡航取止めの方はこれは了解できるんですが、特殊中継局設置繰り延べが——繰り延べのために、これだけ八百万円の金が浮いてきているのですけれども、これは技術研究という立場に立つと、設置が延びたから減るというのはおかしいじゃないですか。むしろ、この研究が足りなくて延びているのだということになると、金はよけいにかかるんじゃないですか、そうじゃないですか。
○参考人(池田幸雄君) これは、実はブースター・サテライト局の設置の研究——実際に設置して研究します経費でございます。三十年度の間にそれを完成いたしまして、実際に置いてみて、やれなかったのでございます。研究が途中で完成いたしませんでしたので、実施が三十一年度に延びました。それでこんな金額になったのでございます。
○鈴木強君 これは特殊な中継局を作って、そこで研究したわけですか、設置をするための研究をしておったわけじゃないのですか。そうすると、結局研究をしてそれを中途でやめたということは、どういうことなんですか、ちょっと理屈が合わないと思いますね。
○参考人(池田幸雄君) これはブースター・サテライトの方式を、このときはいろいろ研究いたしまして、結局これはどうするか申しますと、機械を作りまして、そうして実地にするわけなんですが、その研究の方式がいろいろと検討中でそのままになりましたので、それの機械の実物を作る経費が繰り延べになったわけでございます。
○鈴木強君 三十一年度にはもうでき上ったのですか。
○参考人(池田幸雄君) これは今やっておりますのは、海南でやっておりますが、それから長野と呉に——長野の方はもう完成いたしております。呉は少しずれておりますが、これはまだ電波は出ておりませんが、私どもの方の都合で少しおくれました。
○鈴木強君 最後に、決算の対照表ですね。この中で、予算額の所に承認予算額と増減額と書いてトータルが出ているのですが、もちろん予算の決定については、経営委員会の承認を得ることになるわけですね。しかし、そういう点はどういうふうになっておるか、私初めてですからよくわからないのですが、承認予算額というのは、国会の承認を経たやつなんですね。あと実行上経営委員会の承認を経て、こういうふうに協会でおやりになるわけですね。これはどうなんですか。
○参考人(池田幸雄君) お説の通りでございます。経営委員会で議決しますことと、それから予算総則に書いております、たとえば国際放送の増収振り当てとか、駐留軍放送の増収振り当てとか、そういうような予算総則によって各費目に自動的に振り当てさしていただいております。それから繰越収支剰余金の振り当てとか、増収の振り当ては、経営委員会の議決を経て各費目に振り当てさしていただいております。その二通りなのでございます。
○鈴木強君 それからもう一つ、私勉強が足らなかったのですが、宣伝費の中で、集金の費用に約七億なんぼという金が使われているのですが、これは集金屋さんに何か手当を還元しているのですか。そういう金なんですか。私、その制度をちょっと知らないものですから、教えてもらいたいと思います。
○参考人(池田幸雄君) 大体集金の方は、御承知のように、契約と収納と二つに分けておりまして、契約の方が約二億、それから収納の方が四億八千万円ちょっと——五億に少し切れる金でございます。これは内訳がいろいろございますが、うちの直接集金、それから郵政省に委託をお願いいたしております委託集金、そういうすべての経費を含んでおります。
○鈴木強君 それでは、私はきょうはこれで質問を終ります。
○新谷寅三郎君 大体今度は、三十年度予算につきましては、決算報告も会計検査院の批難事項もないようですから、大した問題もないようですが、二つほど伺いたいと思います。それは、御提出になった資料の収支予算決算対照表、これの三べージの減価償却費が決算額が多くなっているのですね。これは備考欄に「償却対象資産価額の増による償却費の増」とあって、これは私は原則としてはけっこうだと思うのです。方針としては決して反対するものではないのですが、しかし、これはどういう内容ですか。つまり、別に新しい機器をお入れになって、その償却費がふえたという意味ではなくて、従来の資産の評価を変えたとか、あるいは償却年限を短縮したとか、そういう意味の増加でしょうか、どういうことなんでしょう。
○参考人(池田幸雄君) 機械の中で耐用年数をこの年に改訂いたしました。音響関係、光学関係、測定関係、試験機械の全品目を、十年でございましたのを五年にいたしました。それから自動車を、四年を三年にいたしました、大体おもなものは。それによってふえました。
○新谷寅三郎君 自動車は別としまして、そういう機器類の耐用年数を短かくして、そうして結局それは早く新しい機器と取りかえ得る準備をするというのですから、けっこうですが、これはまあラジオ関係ですね。テレビジョン関係についても同じようなことが言えると思うのですが、そういう点はまだ御研究になっておりませんか。むしろこれは、多少テレビジョンの方は減少になっているのですね。
○参考人(池田幸雄君) テレビの方は、実は予定しておりました工事ができ上らなくて、三十一年度に繰り延べたために、減少いたしました。
○新谷寅三郎君 まあ方向としては、私は決算を審議するに当りましても、NHKのような公共機関が、やはり国民の大衆を対象にして放送事業をおやりになるわけですから、できるだけ償却年限も短縮をして、新しい機器を人れて、よい放送をおやりになるというのが筋だと思うのです。そういう意味で、さらに御検討をいただきたいと思います。それからこの機会に、さっき鈴木委員から御質問がありました問題について、ついでにお伺いしたいのですが、それは昭和二十九年に放送料金の——放送料金といいますか、聴取料の値上げをしたときに、私非常にこれは強く要望した点がありました。それは集金の問題です。当時経費を切り詰める、合理化するという一つの方法として、集金の費用を極力軽減するのがいいのじゃないかということを申し上げたつもりです。それには、あなた方が独自の方法であなた方だけでやろうといっても急には困難である。一例をあげれば、たとえば電気料金あるいは水道料金、ガス料金というようなもの、これは都会に限るわけですが、電気料金のごときは、いなかまでみな同じだと思う。今日各世帯はほとんどラジオの受信機を持っておる。従って、その集金が行われるわけです。そういうふうな公企業と結びついて、何かの集金に便利な機関を考えてみたらどうか。そうすれば、それぞれのそういう公的な企業が、それぞれに集金をして、むだに費用を使わないでも済むのじゃないか、ということを私案として提案しておいたのです。その当時、一つ真剣に研究してみようというお話があったのですが、今日まで、そういうことについては御研究にならなかったでしょうか。また、どこかと何か相談をされた結果、どうしてもそれは工合が悪いのだという結論になったのでしょうか、お伺いします。
○参考人(池田幸雄君) これは実は検討してみまして、モデルで作ったこともございます。一つの村で、ラジオ、電気、それから税金とか、そういうものをやってみましたのですが、どうも思うようにいかないのです。やはり廃止防止とか、そういう点でなかなか思うようにいきません。むしろそれよりは、われわれ能率を上げる方法で、コストを下げる方法は、郵政委託はもちろんお願いしておりますが、そのほかに、個人委託と申しますか、たとえば、集金しておりまして定年になりました者がございますが、そのうちで、非常に健康な人、その方に、個人に委託する。そうすると非常に能率も上る。コストも職員でないものですから安くあがる、そういうものを採用してみたのです。これはやはりもち屋はもち屋でございまして、非常に能率は上ってきております。これは定年でやめられた方すべてにいきませんですが、まだ健康でやりたいという方に、各地でやっていただいております。これはおかげで能率がよく上っております。そういう方法で、ほかの事業体の集金にかぶせる方法は、テスト的に考えてやってみましたが、どうもその点うまくいきませんでした。
○新谷寅三郎君 郵政省はきょうは局長だけですか。——それでは私の質問はこれで終ります。
○山田節男君 この三十年度の損益収支決算によると、ラジオ関係では一億四千百三十一万円余の雑収入が出ているわけです。それからテレビジョンの方では、雑収入が四百二十万円余、これは三十二年度の今度の予算を見ますと、ラジオの事業収入の雑収入は四千百万円であって、テレビジョンの雑収入は八百五十四万円余、ラジオの方では、三十二年度の雑収入はほとんど三分の一以下に減っておる、テレビにおいては倍以上に増加しておる、こういうようなことになっているのですが、これは、ラジオの雑収入一億四千万円の内容は、どういうものが一番おもなものですか。それからなぜテレビジョンにおいてはふえ、ラジオにおいては、三十一年度においては三十年度の決算よりも三分の一以下に見積っておるのですか。その理由はどういうことですか。
○参考人(池田幸雄君) 三十年度のラジオの雑収入が一億四千万円になっておりますが、これの大きいのは、御承知のように韓国語放送が予算に組んでおりませんでして、途中から韓国語放送ができて、予算に組まないで、後にいただいたものがほとんど大きな問題でございます。
○山田節男君 韓国語放送は、金額は幾らですか。
○参考人(池田幸雄君) 五千四百十七万円であります。そのほかの大きいものは、預金の利息が四千六百十四万円であります。
○山田節男君 雑収入というわけじゃありませんが、NHKは、もちろん今日ラジオ、テレビジョンの独占放送じゃありませんが、やはり一般の放送を受信する人々の一種の何といいますか、教育といいますか、周知宣伝を含めて、NHK新聞とか、あるいは教育放送とか、放送文化ですか、そういったものを出しておられますが、これはNHKとしたらば、こういったような方面の出版という、放送に関する国民に周知宣伝、それから教育、その他ラジオ、テレビジョンの報道によって、よりよき利益を得るようにせしむるようなことをみなに知らしめるということと、それから放送の内容ですね、これもやはり若い青年男女にとっては、この次にはこういったような放送があるのだということの解説を出す。これはBBCあたり盛んにやっておって、ことにBBCの予算、決算を見ますと、出版収入というものが非常な比重を占めておる。なかなかばかにならない収入をあげておる。私、前に申し上げたことがあると思うのですが、NHKでは技術研究所を持っておる。技術的なもの、あるいは放送文化に関するものは、独占企業体でなくても、全般の民間放送の聴取者を含めての利益になるような出版の企画というものをすべきじゃないか。ですから、これはもしわかれば知らしてもらいたいのですが、おそらく今のNHKの放送出版協会ですか、外郭団体でおやりになっておるけれども、赤字か黒字か知りませんが、NHKであれば、むしろ損をしてもやるべきだ。それから今出ているものも、これを街頭で売っているのを私は見まして、これなんか編集の工合によったらば購読者がふえるのじゃないかと思う。私は、おざなりとは言わぬけれども、もう少し積極的にやっていく、かように当局の御研究を願いたい。それからもう一つは、民間放送、ことに地方の商業放送局は、ほとんど八割までは中央の民間放送の番組のテープあるいはレコード板、こういうようなものによって番組を実施しているわけですが、NHKは公共放送でありますから、もし地方の民間商業放送がNHKのある種の番組に対してこれを使わしてくれということになれば、これは私は必ずしも拒絶すべきものじゃないだろう。公共放送だから民間放送にそういうものは貸しちゃいけない——これはただでやる必要はない、やはり何と申しますか、借り賃という言葉が語弊があれば、何といいますか、免許料といいますか、認可料、そういったような、何がしかの料金を取ることも、公共放送の建前からいっても、私は決して不当じゃないと思うのです。そういう方面の開拓も、今日、中央の民間放送が地方に対してそういうものを貸すことによっての収入というものは、これは従来非常に安くやっておったけれども、最近値段を上げて、その収入の全体は莫大なものになると思います。ですからNHKとしても、民間放送がある特殊な番組についてこれをやらしてくれといえば、むしろ喜んで貸す、そのかわり料金を取る。もう少しビジネスライクの方面もあっていいのじゃないか。従来、民間放送に対してNHKから番組のテープ・レコード、あるいはその他の方法によって、そういう民間放送に対して番組を貸与した実例があるかどうか、この点を一つお伺いしたいと思います。
○参考人(小松繁君) 協会の業務に関しての出版に関しては、大体においてわれわれの考え方といたしましては、関係者の研究という意味での出版は相当各部門についてやっているようなわけでございます。なお、技術関係につきましては、できるだけその研究成果を外部に公表するという意味での研究成果の発表という、また出版物ももちろんあることは、あるいは前に委員会でもお話し申し上げた通りでございますが、この問題については、今、山田委員からお話がございましたように、われわれとしては、経費の許す範囲ではできるだけ積極的に進めたいというふうに考えております。 それからNHKの協会の番組を民間放送に利用させる点でございますが、すでに御承知のように、昨年オリンピックの番組なんかも、希望者についてはNHKの番組で断るというクレジットをつけることによりまして認めてきまして、これについては、一応経費はわれわれとしては考えないで、無料でこれは提供したわけでございます。なお、最近NHKの番組につきまして、民間放送側からぜひ番組の再放送を許してほしいという話が幾ら計画として出てきております。これらに対しましては、一応原則的には協会はこれに対して拒否する考え方は全然ございませんでして、できるだけ協力する態度をとっておりますが、金を、実費をもらうという点につきましては、現存は研究問題として、われわれとしてもいろいろ各面から検討しておる段階でございます。なお、出版物でもやはり同じでございまして、これは営業としての考え方ではこれはできないという解釈をわれわれとっております。 それからもう一つ、これは別問題になりますが、技術研究成果の公開ですが、外部から指導を受けに来た場合の協力態勢をとっておりますが、これももちろん営業的な行為ができないことは事実ですが、この問題につきましては、実費をいただくということにおいて、どこの事業体から参りましても、その会社がどういう性格のものでありましても、われわれとしては差別しないで、協力する態勢でおります。
○山田節男君 今、小松副会長の最後に言われた技術研究所の問題、これも私は質問しようと思ったのですが、濱田局長の新任当時であったと思うのですが、当時すでに民間放送業者から、NHKの技術研究所を開放しろという強い要望があり、あえてそれを開放する、拒まぬという強い言明があったはずです。これなんかも、やはり今聞くところによると、実費を取る、これは非常にいいと思いますが、なお一歩進めて、やはり共同研究——ただ単にあそこに入って特殊なものをやるにおいても、そういう民間の方で特殊な研究項目を持っている場合においては、やはりこれは共同研究ということもあると思います。これは、私は共同研究であるからして当然実費は取るべきものだ。そのことによって、民間の者が敷居が高くなく研究所に出入りする、どうも開放されたといいますけれども、民間放送業者から言わせると、どうもNHKの技術研究所は非常に敷居が高い、こういうわけです。ですからそこはビジネスとして実費はもちろん出させるということにすれば、勢い入りやすくなってくるのじゃないか。 なお、もう一つは、NHKは何としても一つの施設を持っておられるのですから、研究所の成果というものは、何も特殊の場所をとれと言いませんから、NHKの中でいいから、そういう最近の研究の成果については、NHKの本社のビルディングのある一画に、やはり何といいますか、ディスプレイとしてみんなに見せる、これは今でもやっておりますが、RCAが、アメリカで特に最近の電子工学を応用した電気通信工学を、パテントをとっておるようなものを、日活のビルディングの中に教室を占領してそこで見せ、そうして学生なり、あるいは技術者に十分にこれをそこへ行って見せる、とれの設定についてこういうことをやっている。これはビジネスの一つのデモンストレーションをやっていることに違いありませんけれども、しかし、それによって、産業家以下学生などに至るまで、全くそこに押しかけていって、非常な寄与を受けているわけです。私は、NHKとしたらば、そういう技術の成果は努めて公開する、そうしてよりよく民間もそれによっていくのだということまで一歩出てもらいたい。ですから、技術研究所を、もう少し親切に、単にラジオ関係者ばかりでなく、一般によ見せる、これは私は大した金は要らぬと思うのです。ですから、これは、技術研究所の開放を徹底するということをさらに一歩進めれば、そとまで私は公共放送としてするべきじゃないかと思う。ですから、それがためには、やはり少しでも金を節約する意味ならば、技術研究所においても実費は原則として取るということが当然さるべきだと思う。 それからうも一つ、今のラジオやテレビの番組を貸与した場合の有償か無償かという問題。ここに電波監理局長がおられますが、これは、放送法から見ても決して違法ではないと思う。今度の放送法の改正が通れば……。それと、従って、従来の番新企画権ですね、それの著作権としての効果がまだ日本じゃ十分ではないと思うのです。それがために、商業放送、民間放送の番組が似たようなものが入り乱れて、聴取者に対して非常な混乱を来たしておる。ですから、放送法の改正が出たらば、この番組の企画権というものは、これを著作権と同等に扱うという面から大幅に現行法として保障されているわけですから、番組の整理についても、放送の開始においては、そういったことは十分留意しなければならぬと思いますから、テープの貸与あるいはその他の方法によってプログラムをこれにやらせるということは、これは私は有償で妥当なものであり、公正なものであれば決して法は禁じないと思う。これは一つ、電波監理局とも相談されて、これもやはり公共放送が民間放送に対して、ことにに地方の貧弱な放送機関に番組や豊富ならしめる——これはあなたの方も地方に放送局がありますが、それで、それでもなお民間放送としてこれを使いたいとなれば、これはむしろ喜んでやらすべきだ。それには有償でやらせる。私はそういう意見を持っておる。この点は一つ十分研究していただいて、番組の開放、技術研究所の開放については、むしろ積極的な方法をあなたの方で進めていただきたい。かように私お願いいたして、質問を終ります。
○理事(手島栄君) では、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十分散会