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26回国会参議院1957/02/28

逓信委員会 第4号

発言数
87
登壇者
13
会派数
2
開催日
1957/02/28

会議録

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ただいまより委員会を開会いたします。  まず、参考人についてお諮りいたします。  去る八日、本委員会に付託されました放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を審査いたすに当り、日本放送協会会長永田清君、副会長小松繁君、理事溝上けい君、同稻葉駿作君、同池田幸雄君、経理局長首藤憲太郎君、以上六名の諸君を、右の件の審査中、参考人として説明を聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題といたします。  まず政府より説明を求めます。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。

伊東岩男自由民主党郵政政務次官

○政府委員(伊東岩男君) ただいま議題となりました日本放送協会の昭和三十二年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由と、これらに対する郵政大臣の意見書の提出につきまして御説明申し上げます。  この収支予算、事業計画および資金計画は、放送法第三十七条の規定によりまして、国会の承認を受けるため協会から提出され、郵政大臣はこれに意見を付することになっているのでありますが、郵政大臣といたしましては、この収支予算、事業計画等につきまして、放送法の趣旨、放送事業の現状、聴取者の要望等、各方面からこれに慎重な検討を加えました結果、お手元にお配りいたしました通りの意見書を付して、国会の御審議をお願いすることになったのであります。  これら収支予算等につきまして、大略御説明いたしますと、昭和三十二年度における事業計画につきましては、その主眼を、ラジオについては難聴地域の解消、老朽設備の改善、放送番組の内容充実等に、また、テレビジョンについては、岡山、熊本、鹿児島の完成ほか八局の建設、福岡の増力及び既存設備の改善整備並びに放送番組の内容充実においております。  次に、収支予算におきましては、ラジオ関係については、支出総額百二十七億千百余万円とし、これに対し、収入百二十六億千百余万円、前期繰越収支剰余金一億円を予定しております。これを昭和三十一年度に比べますと、総額において八億九千四百余万円の増加となっております。  また、テレビジョン関係については、収入、支出ともに総額を、二十九億千二百余万円と予定しております。これを昭和三十一年度に比べますと、それぞれ十億四千七百余万円の増加となっております。  なお、本年度の事業計画、収支予算においては、受信料をラジオ及びテレビジョンともに、昭和三十一年度と同額のラジオ月額六十七円、三カ月二百円、テレビジョン月額三百円として、それぞれ計画されております。  次に、資金計画につきましては、本事業計画に基きまして、年度中における資金の出入に関する計画を記載してございます。  以上、日本放送協会の事業計画、収支予算等は、協会の経営が、ラジオについてはほぼ安定段階にあり、テレビジョンについては発展段階にある趨勢のもとにおいて、国民負担を最小限度にとどむべき必要と協会財政の事情、経営能率の向上の必要等を勘案した場合において、おおむね妥当なものと認められます。  これをもちまして、私の説明をひとまず終りたいと存じますが、何とぞすみやかに御承認を賜わりますよう、よろしく御審議のほどをお願いいたします。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 次に、日本放送協会より補足説明を願います。

永田清日本放送協会会長

○参考人(永田清君) ただいま議題となっております日本放送協会の昭和三十二年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その大綱を御説明いたしたいと存じますが、それに先だちまして、本日このような機会をお与え下さいました御配慮を厚くお礼申し上げます。  昭和三十二年度におきます事業運営の基本方針といたしましては、公共放送としてのNHKの使命達成を期しますため、まずラジオの分野におきまして、全国あまねく受信できるように難聴地域の解消、老朽設備の改善、新型技術機器の整備並びに報道、教養、慰安放送及び地域社会に直結する放送番組の内容充実をはかりますとともに、業務の合理的運営に努めることといたしております。次に、テレビジョンの分野におきましては、できるだけ早く全国の農山漁村にまで普及するよう放送局の建設、増力を推進いたしますとともに、テレビジョン番組の社会的影響力に特に考慮を払って、公正な情報の提供、教育・教養番組の強化拡充、健全、明朗な慰安番組の充実に一層の努力を注ぐことといたしております。  次に、国際放送の分野におきましては、国際文化の交流、貿易の振興に資するため、広くわが国の実情を紹介して、諸外国の理解を深めるよう番組の拡充強化に努めるとともに、新しくソ連向け放送、東ア向け放送を開設して、国際社会におけるわが国の地位の向上の一助といたす所存でございます。また、協会の使命に照らして、特に重要な技術並びに番組の研究につきましては、わが国放送文化の進歩、発達をはかるため一そう拡充をはかる計画でございますが、特に、現在最も必要な第三放送及びテレビジョンによる教育放送の実施に備えて、番組その他所要の調査研究を進める計画でございます。  次に、ただいま申し上げました基本方針に基く諸施策のうち特に重要な計画につきまして具体的に御説明いたしたいと存じます。  まず第一は、ラジオにおきまする難聴地域の解消についてでございます。この問題は、協会が放送法に基く新法人として再発足しましてから、その使命の最も重要なものとして取り上げ、一日も早く、全国あまねく受信できますよう放送施設の建設改良の長期計画を立てまして、年々中継放送局の建設、第二放送施設の整備、放送電力の増力等の計画を促進し、全国百パーセントの良聴化を目ざして施設の拡充をはかって参りました結果、三十一年度末には、良聴区域が第一放送におきましては九九・二%に、また第二放送におきましては、九五・三%に達する見込みでございまして、御配慮をわずらわしておりました難聴地域解消の既定計画の遂行はあと数局を残して完了に近づいたわけでございます。  しかしながら、御承知のとおり、最近外国電波による混信が国内の各所に発生しまして、これによる聴取困難な区域が拡大して参りましたので、これが対策につきまして検討を進めておりましたところ、昨年六月周波数割当の再編成が行われまして、東京、大阪等主要局の百キロワット増力、静岡、防府、秋田等必要な地域におきまする一ないし三キロワット増力等が大幅に認められましたので、この機会に、これらの増力計画等を含めた新しい計画を推進してゆかねばならないと存じております。  すなわち、三十二年度におきましては、既定の計画による中継放送局五局の建設、第二放送四局の整備、札幌大電力増力継続工事の完成、高知十キロワット増力継続工事の完成のほか、尾道一キロワット増力等、小電力局五局の増力、静岡、防府、秋田名三キロワット増力工事の着手等を加えまして、従来の年次計画に対し、ほぼ二倍の予算を計上して積極的にこれが施策を講ずることといたしましたので、明年度におきましては、良聴区域は、第一放送におきまして九九・七%、第二放送におきまして九七・〇%まで広がる見込みでございます。  次に、番組の編成についてでございますが、公共放送の使命にかんがみまして、広く国民の要望にこたえ、わが国文化の向上に寄与するために、青少年教育放送、社会、婦人、農事、産業等の教養放送、迅速正確な報道放送、健全明朗な慰安放送につきまして、その内容を充実するよう多年にわたって努力いたして参りましたが、三十二年度におきましては、さらにこれの充実に努めるのみならず、一そう高い水準の学術、教養、芸術番組の編成を行いまして、国民文化の向上に資するため、第三放送の実施について積極的に調査研究を行う計画でございます。  次に、ラジオ受信者の普及についてでございます。受信者の普及は、三十二年一月末で、総数千三百八十四万余、そのうち、有料が千三百三十六万余――学校とか、病院とか、罹災家族その他を無料といたしまして、これが四十七万余ございます。総計しまして千二百八十四万余となっておりますが、全国総世帯に対し七七・一%に達しておりますが、明年度におきましても、一そう受信者の加入開発を積極化して、新しく四十五万の受信者の増加を目標といたしております。しかしながら受信の普及がこのように向上して、八〇%にも達することとなりますと、未加入世帯の数も僅少となり、またその世帯も経済的に受信機の設置を許さぬような恵まれない方々が多くなるので、受信者の開発は非常に困難となっており、現状をもってしては今後の事業の拡充、発展の基礎となる収入の増加が将来期待しにくいこととなり、ひいては財政の将来に対しても大きな問題となりますので、その根本的対策を検討しておりますが、さしあたり三十二年度におきましては、調査員制度の活用による受信者の獲得、雑音障害の防止及び除去対策、受信機改善対策、受信者に対するサービスの向上等をはかる計画でございます。  次に、国際放送についてでありますが、御承知の通り、戦後、昭和二十七年二月に再開しましてから、この二月で満五カ年を経過いたしました。この問、当初の五方向、一日五時間送信、二カ国語使用という微々たる状態から各方面の御助力によりまして、年々規模を拡大し、現在では十三方向一日十三時間、十六カ国語使用という状況になっておりますが、最近におけるわが国の国際的地位の向上に即応いたしまして、明年度はさらに国際放送の拡充強化を要請されて参っておるような次第でございますので、新しくソ連向け放送、束ア向け放送おのおの一時間の送信を開設いたしますとともに、番組内容の充実をはかって、わが国固有文化の紹介、国際親善の増進、貿易の振興等に寄与したい所存でございます。  次に、研究活動の強化についてでありますが、放送の将来の発展のために、技術及び番組の基礎的並びに実用的研究の拡充強化をはかることが、事業の公共的性格から見て最も重要な点でありますので、三十二年度におきましても、事業計画の重点をここに指向し、技術の研究面では従来からの継続として放送音質の改善、機器の能率化、施設の自動化、受信機並びに受像機の簡易低廉化、カラーテレビジョン用三色受像管の国産化、テレビジョン撮像管の研究、光増幅器の研究、UHF帯テレビジョンの研究、新型機器部品の試作、国産化の研究等を積極的に実施する一方、カラーテレビジョンの実験研究を行なって実用化に備えることといたしております。また、現段階において特に必要な第三放送の実施を考慮して、さしあたり東京、大阪にFMによる実験設備を設置して、技術、番組の両面にわたって調査研究を行う計画であります。放送文化の研究面では、科学的世論調査の実施、放送番組の研究、放送博物館の整備等に主眼を置いております。これらの研究の成果については、広く内外に公開して、わが国技術水準の向上と放送の進歩発達に寄与しようという計画でございます。  次に、テレビジョンについてでございます。テレビジョン事業は、本年二月一日をもちまして事業開始四周年を迎えましたが、この間全国普及を一日も早く達成するよう置局を進め、京浜地区を初め京阪神、名古屋、福岡、広島、仙台及びその周辺等国内の主要地域をカバーし、昨年十二月の札幌局の開局によりまして、国土を縦貫する放送網を一応完成いたした次第でございます。さらに、本年度中には、現在工事を進めております小倉、函館、静岡、松山等の各局を完成する見込みでございますので、全国カバレージは総世帯の四五%に達し、国民の半数に近い人々がテレビジョン文化を享受し得ることとなる予定でございます。三十二年度におきましても一そう置局の推進に努めることとし、本年度から継続の岡山、熊本、鹿児島テレビジョン局の開局、福岡五キロワット増力工事の完成等を行いますほか、既定長期計画による置局順位、電電公社マイクロ・ウェーヴ拡充計画の進展等を勘案いたしまして、金沢、長野、新潟、防府、盛岡、福島、高知、旭川または室蘭の各地にもテレビジョン局の建設を行うことといたしております。従いまして、これら各局の工事が完成の暁には、NHKテレビジョン放送網カバレージは五九%に達する予定でございます。  テレビジョン番組につきましては、マス・コミュニケーション・メディヤとしての特殊性を考慮して、公共放送としての協会の特色を十分発揮できますよう教育・教養放送の拡充、健全明朗な慰安放送及び公正迅速なニュースの提供、劇場・スポーツ中継、その他のスペシャルイベント放送等に重点を置きますとともに、ラジオとテレビジョンとの兼業の妙味を発揮して、両者の有機的連繋を一そう深め、豊富多彩な番組を編成いたしたいと計画しております。また、テレビジョンを国民の生活文化財として真に役立たせるため、現在教育、文化等各界から期待されておりますテレビジョンによる教育放送の実施に備えて、これが実施を担当するのは、あらゆる観点から見てNHKでなければならぬとの信念のもとに、番組その他について、総合的な調査研究を進めることといたしております。この点につきまして、先般「テレビジョンによる第二放送用周波数確保に関する要望書」を提出いたしまして、近い将来において、NHKがテレビジョン第二放送を全国的に実施できますよう必要かつ良好な周波数を確保していただくべく要望いたしましたが、協会の意のあるところをおくみ取りいただいて、格別の御配慮をお願いする次第でございます。  次に、テレビジョン受信者の普及開発についてでございますが、メーカーその他関係方面の努力がやや実りまして、良質安価な受像機の量産化が進みますとともに、経済情勢の好転、国民所得の向上等により、テレビジョンに対する需要の増加が見られました結果、受信契約者数も、すでに本年度当初の見込みをこえて、一月末をもって三十六万六千、うち有料三十六万五千で、無料が、ラジオで先ほど申しましたのと同じようなもの一千、この無料を加えまして三十六万六千と、こうなっておる次第でございます。さらに、三十二年度には受像機の生産見込みともにらみ合せて年間三十万の純増を予定いたしておりまして、テレビジョン事業の将来は大いに期待できる状況となりました。従いまして、今後の受像機の普及対策といたしましては、量産による価格の低廉化が特に要望されるところでございますので、関係方面の御協力を期待する次第であります。また、受像機の維持の面においては、テレビジョン技術指導、修理技術者の養成、受信障害、雑音防止対策等の実施等について強力な施策を実行する計画を持っております。  最後に経営管理の面でございますが、三十二年度におきましてもできる限り事務の簡素化と業務の合理化を行いまして事業の運営を一段と能率化する所存でございます。しかしながら、さきにも少し触れました通り、ラジオ財政においてはテレビ財政の将来の発展性とは逆に最近事業の拡充に見合うだけの受信者の増加が見込まれませず、財政収支の均衡を保つことがかなり困難となってきているため、三十二年度予算の編成におきましても事業の各分野にわたって必要経費の縮減を行わざるを得ない状況でありまして、経営全般にわたって抜本的な合理化策を講じておりますが、協会といたしましては、今後ますます国民の負託にこたえるため、各般の拡充が十分考えられますが、受信者の今後の増加傾向を考慮いたしますと、財政的な見通しはますます困難となりますので、その対策については慎重に検討を加えたい所存でございます。  また、従業員の待遇の問題につきましては、先国会においても申し上げましたように、職員の素質の向上と生活の安定を通じて、将来にわたる放送事業の健全な発展を期するため、経営の許す範囲内におきまして待遇改善を行うことといたしまして、さしあたり三十二年度は定期昇給分の増額と月額七百円の調整原資を見込んでおります。しかし、従業員の待遇は職員の素質、学歴、年令、勤続年数、家族構成等を考慮いたしますとまだ十分とは申せませんので、今後とも一そうの努力をはらい、能率の向上による企業経営により、極力増収、節約をはかって待遇改善に努めたい所存でございます。  また、資金計画としては、放送設備の建設資金中、置局・増力等に要する分については、ラジオにおいて放送債券五億円、借入金二億円をテレビジョンにおいて放送債券五億円、借入金一億円の発行を予定し、またテレビジョンの事業資金の不足に対しては借入金一億七千万円を予定しております。  以上が昭和三十二年度の事業計画等の大要でございますが、公共放送として重大な使命を負っておりますNHKの事業運営について、委員各位の格別の御理解と御同情を賜わりまして、何とぞすみやかに御承認下さいますよう、切にお願いして御説明を終りたいと存じます。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 以上で一応説明を終ります。質疑は、次回以降にしたいと思いますが、御異議ございませんか。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 ちょっと一般的に聞いておきたいことが一つあるのですが、NHKでは放送が終ってから君が代をやっておられるということですが、ほんとうですか。

稻葉駿作日本放送協会理事

○参考人(稻葉駿作君) 終りに君が代の放送をいたしております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 会長の話の中に、至るところに公共事業だという文句が出ているのですが、この前に日曜娯楽版をやっておったころに、われわれ聞いているところでは、ある方面の圧力でこれをやめられたということを聞いているのです。この君が代をやっておられるということは、どこからこれは依頼されてやっておられるのですか。どういう目的でやっておられるのですか。

稻葉駿作日本放送協会理事

○参考人(稻葉駿作君) どこからの依頼もございません。われわれが自主的に番組を組みましていたしております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 君が代は、今とかく学校でも歌わすとか歌わさないとかいって相当問題の種になっているのです。公共事業というのは、あらゆる国民のためにやるのが公共事業である。とかく問題になっているものを公共事業であるNHKがやらなければならないという根拠はどこにあるのですか。

稻葉駿作日本放送協会理事

○参考人(稻葉駿作君) 君が代が国歌として認められておりますので、われわれはその放送をすることが正しいと信じましてただいま放送しておる次第でございます。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 国歌として認められていても、学校で歌わすことでも問題が出ているのです。私はこれが悪いとは言わないのです。しかし、政府の方とか、またある一部の方からは紀元節復活とか、あるいは君が代を歌わすことについて、とかく問題が生じているのです。だからそういうことになると、一方的に大体ある方面からの圧力によってそれがなされているとしか国民感情として思われないのです。そういう問題のあるものをやらなければならないかということについては、私は会長からお伺いしたいと思います。

永田清日本放送協会会長

○参考人(永田清君) 私が就任する前から国歌が放送されておったのでありますが、これについて、一応自分は自分なりに考えてみたのであります、今お話のことについて。しかし、これはそう大して意味があることではなくて、国際的な観念におきまして、まあ御存じのように、放送はアメリカを除きましてはほとんど全部が公共放送であります。アメリカだけはいわゆる商業主義でやっておりますが、そのかわり大きな財団があって――国力が豊かですが、そういう財団で当然公共放送が果すべき任務を行っておる、こういう状況なんでございます。そういたしますと、別にこれは国歌がどうとかということではございませんで、公共放送でやっておる国としましては、たとえば高い芸術番組とか、その他イタリー・オペラというようなのが国民文化使節で参りますと、その演奏の前には必ず両国々歌を歌うというのが慣例になっております。BBCでもそういうことになっております。一応慣例として、公共放送という形で、せっかく国民が作り、国家が認めておる以上、一応国家的な体面と申しますか、そういう意味で、別に深い理由ではなくて、慣例的にそうすることがよいのじゃないか、すなわち、国民のもの、こういうような意味での国歌という程度のことであって、今お話のような何か趣旨があるわけではなく、一応慣例というようなことに考えております。まあ御意見があれば十分伺いたいと思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 慣例で外国がやっておるから日本もやるのだというお話ですがね、先ほどから何べんも繰り返しておるように、私は君が代を悪いと言っておるのじゃないのです。ないのですが、まだ小学校でもあまり歌わしていない、あるいは歌わすことに文部省から通達を出されても、まだ国民感情として、これをいろいろな場合に歌うというところまで至っていない。そういう場合に、公共放送である放送局が一方的にこういうことをやられるということは、私どもとしてはまだ納得ができないわけです。それでそれの監督官庁としての郵政省の考え方はどうなんですか。

永田清日本放送協会会長

○参考人(永田清君) 郵政省は、放送法規によりまして、放送番組の内容については干渉できません。自主的にやっております。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 別に、番組ではないのですよ、番組が済んだあとにやるのだから……。

永田清日本放送協会会長

○参考人(永田清君) いやいや……

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 これは番組に入りますか。

永田清日本放送協会会長

○参考人(永田清君) 全体の番組編成の、広い意味に入るのですがね。

横川正市日本社会党

○横川正市君 今の関連で申し上げたいのですが、今までなら放送の内容でこうやっておると言われた説明の、たとえば国営劇場というようなものとか、あるいは相撲のような国技として国民一般に親しまれておるものであるとかというようなものと、それから君が代の持っております私はメロディの問題ではないと思う。これは確かにメロディは国民にある程度聞きなれておりますし、非常に親しみを持たれておるものだと思いますが、その持っております本質の問題がとかく問題にされておるのが最近の私は世論ではないかと思います。ですから、単に外国にあるような例をもって君が代がただ何となしに最後にやられておるということは、私はいささかうかつな添え物であったというように感ずるわけですが、そういう意味からいって、今、会長のお話からいきますと、まことに意味のないということで慣例に従ったということでありますが、将来において、この点についてもっと検討してみたいという意思を持ってるかどうか、この点を一つお伺い申し上げておきたいと思います。

永田清日本放送協会会長

○参考人(永田清君) 今お話がありましたが、あの君が代はメロディだけしか送っておりませんから――言葉は入っていないのであります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 メロディとしてはあれですが、その中に持っております意味というものについて、放送協会は一般に与える影響をどう考えているのか、またそれを考えた場合に、将来これについて検討する意思を持っているかどうか、この点を一つ。

永田清日本放送協会会長

○参考人(永田清君) 御承知のように、一つの国をなす以上、その国民感情を端的に披瀝する国歌というのがあるのは当然なんでございますね。またその問題がいまだに論議されているということで、できれば早く決定することが望ましいのでありますけれども、しかし、NHKとしては公共放送であり、国際的な関係も強く持っておりますので、私は国の体面を十分に持たなきゃならない、そのメロディがどうであるとか、あるいは言葉の内容がどうであるとかいうことは、まさに政治的問題であります。私どもは、公共放送という一つの形がありますから、いつまでもそれが乱雑な形ではいけないというふうな考えに立っておるだけであります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、確かに国歌というのはそうたびたび変るものでもないし、またその持っております性質そのものが与える影響力というものも種々多面に及ぼすものでもない、これは一つの目的を持ってやられているものだというふうに思うのであります。そういう意味合いからオリンピックで日の丸があがった、同時に君が代が歌われる、これはまあこういった感情の問題からいくと、私はあながちこれを否定するという気持を端的に表明することはこの際ですから差し控えたいと思うのです。ただ、君が代というメロディの持っております歌詞ですね、これはまあ今私はいろんな意味で問題にされていると思うのです。ですから、これに対する的確な判断が国民全般の問題としてきまったときには、私は同時にメロディもこれはまあ一般国際的なものとして非常に大きな価値を持つものだろうと思うのですが、その歌詞そのものに相当大きな疑問を持って世論が百出している中で、ただメロディだからということで国際的な意味を持たせようということは、私は少しこれは内容的にもずさんじゃないかというふうに思うのです。ですから、何かもっと違った意味で、いかに公共放送であっても、おそらく民間放送ならばもっとユーモラスな、あるいは大衆受けのするものを放送することになるでしょうし、あるいは感銘を与えるメロディを放送するということにもなるでしょうが、NHKだから君が代を、というふうに私は結びつけて考えられるところに、いささかもう少し検討する要があるんではないだろうか、こういうふうに思うわけなんです。今会長の言われているような趣旨で国際的な高まりを、ということも私は思想的にあるということは、これは否定することはできませんから、会長の立場そのもので私は判断するということになってしまって、結果的には多くの人に及ぼす影響というものを考えないということになることを非常におそれるわけですよ。そういう意味で検討する用意があるかどうか、こういうことをお聞きしたわけなんです。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ちょっと御質疑中でございますが、政務次官、ただいま衆議院の方の採決になりましたので、ちょっと席をはずされますから……。

永田清日本放送協会会長

○参考人(永田清君) 先ほどお話しいたしましたように、私の就任前からそういう慣例になっておったわけであります。これについては、まあ御承知のように放送法の規定によって、NHKは公衆の要望にこたえなきゃならないということになっておりますし、従っていろいろな世論調査その他を厳密に行なっております。この方法は非常に進んだ統計学の技術を使い、迅速に結論を出す必要がありますので、今レミングンランドの非常に新しい機械で着々集計をしつつあります。そういったことで公衆の要望は何であるかということをわれわれはつかまなければならない、私どもそういう気持が強いのであります。要望にこたえるということが中心でありますが、君が代の問題は今お話のような趣旨のこともございますけれども、一方聴取者からの声として、放送が終って静かに国を思い、国の発展を願うということで大へん感銘も深いと、新しい国を作っていこうという感銘も深いと、こういった投書もあるのでありますから、十分公衆の気持ということで問題を考えてみたいと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 これは私は、私の年代の者の考え方でいけば、私も率直に言って、君が代のメロディはまだ感激をする要素というものを多分に持っておるわけです。今会長の言われておる、非常にメロディを聞きながら国を思い、国の将来の問題にいたしてこの一ときを持つという意味合いにつながることは、私は非常に危険なものがあるということを一般世論は察知して、君が代是非論というものが非常に盛んに私は論議されるものだろうと思っておるのです。私たち自身は危険にさらされることを極力警戒する意味で、非常に肉体的にも感情的にも、自分の中にある君が代というものを、これをもっと違った甘木の新しい国作りのための方向にどこで結びつくかということが、私たちも迷っておるのですから、そこでいろいろ論議が百出しておるものだろうと思うのです。そういう意味でどうもやはりたくさん問題があるということを知りながら、なおかつ、その古いしきたりというようなもので流されておることについて、私どもはやはり危険を感じますので、この点は、この際ですから、是非論を論議してここに黒白をつけるということについては非常に早計でありますので、差し控えたいと思いますが、ぜひこの点はNHKでも考えていただいて、ことに日本の国の将来というようなものに思いをいたして、という瞬間を持ちたいというならば、また別途私は公共放送としての立場から何らかの方法というものを見出すことができるのではないかと、こういうふうに思いますので、御要望申し上げておきたいと思います。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 さっき会長が公衆の要望だと言われましたけれども、君が代をやっていいかどうかという統計をおとりになりましたか。

稻葉駿作日本放送協会理事

○参考人(稻葉駿作君) いろいろな投書とかその他のものを日常われわれが見ておりまして、そしてそういう結論を出しておる次第であります。

光村甚助日本社会党

○光村甚助君 投書というのは、これは一部でしょう、さっき会長が教養ということを言われましたね、NHKだけ公共事業で、独占事業なんです。われわれは聞かないからと言っても、民間放送だけ聞くと言っても二百円払っているのです、あなたの方で規格にはまった教養をやられては迷惑するのです。放送というものは、もう一つ言いますと、何の干渉もないと言われますが、日曜娯楽版をやめたということの裏には、りっぱに干渉があったということを当時の新聞で、言っているのです。こういう国民の要望であるものをやめて、そして政府側の言っているような紀元節ですか、最近の子供は紀元ぶしと言っております。こういう場合に、ただいきなり君が代をメロディに流しておいて、国民の教育をするという考え方は、あなたの方の一方的な教育だと思うので、そういう規格にはまった教養とかあるいは健全娯楽というものを、あなた方だけの頭だけでこういう教養をされては国民は迷惑だろうと思いますから、今後、こういうものはさっき会長が言われたように、番組を作ったり何かいろいろな機関があるのですから、ぜひ民主的に、偉い人だけの階級でこういうものを作らずに、一般の市民階級あるいは労働階級だとか、あるいは学校の先生だとか、あるいはお母さんだとかお父さんだとか、そういう方面の人たちからもたくさん人を入れて番組を作るという方面にも大いに今後研究してもらいたいと思うのです。以上要望しておきます。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 ただいまの会長の御説明のうちに、こういう御説明をされたので、この点を詳しく今度御報告願いたいと思うのです。最近受信者がふえない、それで財政の収支のバランスがかなり困難になっている、「三十二年度予算の編成におきましても事業の各分野にわたって必要経費の縮減を行わざるを得ない状況でありまして、経営全般にわたって抜本的な合理化衆を講じておりますが、」というその「抜本的な合理化策」というものをどういうふうに講じられたか、今度の委員会で御報告願いたいと思います。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ほかにございませんか。

山田節男日本社会党

○山田節男君 このNHKの三十二年度の予算案について今説明があり、また数字的な要綱が示されているわけですが、これは審議の過程においていろいろ資料を各委員から提出を要求されるだろうと思うのですが、大体今ここに出ている資料以外に、今前田委員の言われたような問題にも関連し、その他こちらから要求しなくても、これは一年を通じこの予算審議ですから、具体的に数字以外のものも資料をむしろNHKから積極的に、自発的に当委員会審議の過程に拠出していただくように、委員長からNHKの方に御要求願いたい。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 今山田委員の御要望がありましたような資料、できるだけ積極的に御提出願います。   ―――――――――――――

山田節男日本社会党

○山田節男君 今のよろしゅうございますか。  私は、実は今問題になっておるテレビジョン放送用の周波数の割当計画の基本方針について、昨年二月に基本方針が定められて、一年ならずしてさらにその一部が修正されたということについて、これは郵政大臣にも御出席願って御質問したいと思ったんですが、本日郵政大臣は御病気で御出席になっていない。大臣に対する質問は後日に保留することといたしまして、きょう郵政省の電波監理局長、次長等も見えておられますし、またこの周波数の割当についてNHKの責任者も見えておられますので、むしろ技術的といいますか、そういう見地から若干の質問をしたいと思います。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは濱田管理局長が就任されて以来のことでありますから、責任者である濱田局長に一つ率直に御答弁を願いたいのですが、昨年の二月にテレビジョンの放送用の周波数の割当計画の基本方針が発表されて、当委員会にもこれは提出された。しかし、さっき申し上げたように最近この周波数の割当の基本方針が一部修正された。私はこの修正案を見まして、この電波三法の一つである、ことに放送の憲法である放送法の制定に当時われわれは国会議員として参与した関係上、いろいろな私は問題があるのじゃないかと思うのです。第一点は、こういう今回のこの修正案のようなテレビジョンの周波数の割当をやるということは、現行の放送法から見て、これは放送法の違反じゃないか、少くとも現行の放送法の精神からすれば、あまりにこれは拡張解釈じゃないかという疑点が第一点、この点をこの修正案を作るに当って考慮されたかどうか、なぜこういうような修正案を作らざるを得なかったか、こういう点ですね、これを一つ、これはわれわれにも理由書として出してありますが、一つ局長から簡単でよろしゅうございますから、その骨子だけを一つ御報告願いたいと思います。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 山田委員の御質問は、今回審議をお願いしてありまするテレビジョンのチャンネル・プランは現在の放送法に抵触する傾向はないか、何かそれについて考慮を払ったかという御質問でありまするけれども、私どもの考えでは、現在の放送法に違反するとか、あるいはこれに差しさわりがあるとか、そういうことはないのでありまして、なぜかような修正案を提案したかと申しますのに、日本のテレビジョンの今後十年、十五年後までを考えまして、今日私どもが使っておりまするところのVHF帯――超短波帯におけるテレビジョンの波の割当をどうしたらいいかということにいろいろ思いをいたしましたあげく、第一に考えますことは、このチャンネルでは足りないだろう、国際的に認められました六チャンネルでは足りないだろう、これをもっと増す必要があるだろうということを考えまして、いろいろ国際的な配慮調整等をいたしましたあげく、十一のチャンネルに増すことも可能であるということに結論が得られましたので、それでこの修正をいたそうという決心をいたしたわけで、テレビジョンはなるべく早期に全国津々浦々にまでこの恩恵に浴せしむるようにこの電波の割当あるいは中継局配置計画等を進むべきである、同時に放送法第四十四条にもございますし、またただいまNHKの会長が申されましたように、NHKの場合におきましては、広く大衆の要望にこたえることが第一の問題でありますけれども、同時に日本の文化水準を上げるようにしなければならない、そういう意味におきまして、この二つの観点からなるべくたくさんの局が日本全国に配置せられるようにする、しかも電波が国民に広く解放せられる、言いかえまするならば、NHKにもそれから一般の放送事業者にも、両方相待って放送の健全な発達が実現しますように、そういう配置を考えなければいけないのではないかという観点が一つでございます。これが第一。第二には、文化水準の向上にもっともっと努むべきであるという考えから、そういうような数量的にもなるべくたくさん全国に普及するように、それから質の向上、文化水準の向上をも考え、質の向上等も考慮し、そしてそういう意味において、昨年の二月に出しました一つの基本方針を一部修正することが必要であろう、そう考えましてこの原案を提出した次第でございます。大体理由はそういうところでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは申すまでもなく、二十五年に制定しました放送法の発足した当時は、これは国会における審議の議事録を見ておりますと、テレビジョンという問題につきましては、隣におられる新谷委員が一言これに触れられておるだけで、ほとんどテレビジョンというものは、実用化ということも考えていなかったのであります。それから、あの法律全般を見ましても、一般放送事業等については、第五十一条一カ条しか定められていない。その当時の審議の議事録を見ましても、これはもう明らかに現行放送法は、日本放送協会、公共放送を主体とした法律である。それでありますから、その立法精神からいえば、今回のようなテレビジョンの周波数の割当について、修正案に示されているような追加事項として載っているテレビジョンの並立問題、あるいは教育専門の放送をやるとか、しかも商業放送を公共放送とほとんど同列にこれを扱う、こういうようなことが、これは私もはっきり申し上げますが、現行の放送法からすれば、これは拡張解釈いたしましても、放送の憲法である放送法に違反してないか。これは当時村上郵政大臣と濱田局長は、この点は十分審議された結果に違いないと思いますが、なお電波監理審議会におきましてもこういう点に論議された結果だと思いますが、しかし、われわれ立法者の立場からすれば、これはあまりに拡張解釈過ぎるのじゃないか。むしろ今日の放送法の立法精神からすれば、今のやり方というものは少し行き過ぎじゃないか。と申しますのは、ことに昨年の二月にテレビジョンの六チャンネルのチャンネル・プランが発表されて以後におきまして、特に民間放送方面のテレビのチャンネル要求の申請が続々として出されて、また今回こういったようなチャンネル・プランの修正が行われる。しかもそういうような事態はますます、ことに民間放送方面においてはテレビジョンのチャンネル・プラン要求の運動がまことにこれは暗躍鳴動のありさまです。大阪しかり、東京しかりというようなことで、これまた、こういう状態を招来さすということが今のような修正案の、一そう放送法の趣旨にもとると解さざるを得ないのです。そこでこれはむしろ郵政大臣としての答弁を願いたいのですが、今の御説明だけでは、この放送法の精神にこれはもう決して抵触するものではないということの御説明としてはどうも私は納得しかねる。これはまた私は大臣からもこの点について御答弁願いたいと思いますが、ことに今度の修正案で、まだアメリカの駐留軍が使用しており、また他の通信業務等にも使われておるチャンネルに対しても割当をするということは、しかも、これに対して免許を与えるべく電波監理当局はこれに対して準備しておるということは、これはますます私は放送法の趣旨からいってもとるのじゃないか、かように考えるのですが、こういう点について修正案の作られる過程において必要に迫られてやったのか、あるいはまた濱田局長の言われたように、あくまで政府としてこれは自発的にこのチャンネル・プラン、テレビジョンのチャンネル・プランはこうあるべきだ、こういう方針で立てられたのか、どっちが実態なのか、これは率直に一つわれわれに御報告願いたいと思います。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 先ほど申し上げましたように、現行の放送法につきまして、今回のチャンネル・プランが差しさわりがあるかどうかということにつきましては、一応考えてみましたけれども、広義な、あるいは拡張的な解釈をすることによって少しも差しつかえないだろう、そういう結論に達しましたので、そういう提案をしたわけであります。でございまするので、もしこういう点が明瞭に悪いではないかというところがございましたならば、またこれを直すことにやぶさかでない、そういう考え方を持っているわけでございます。  それから駐留軍が使っております電波について割当等を考えてはどうかというお尋ねでございまするけれども、これにつきましては、毎度駐留軍の代表者と折衝をいたしております。もはやこれを割り当てる準備をしても差支えないだろう、そういう了解が得られましたので、それで一応この問題の中に取り入れて話を進めるようにもっていったわけでありまして、少しも私は差しさわりはない、そういう判断でやった次第であります。大体そういうことでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これはなぜこういうことを申し上げるかと言いますと、過去五年間、民間ラジオ放送の状況を見まして、この人口九千万と言いながら、きわめて領域の小さいこの日本において公共放送、加うるに三十九社の民間放送会社があるということが、日本の経済から見てこれが果して妥当であるかどうかというわれわれ見方をしなければいかぬ。国民の公共福祉というけれども、今日民間資本が、民間商業放送に投資されている資本というのは非常に莫大なものです。またスポンサーという名義で、いわゆる広告費としてこの民間放送に払われる金額も莫大なものだ。これはことに民間放送については、結局はこれは国民の消費物資に対する価格に転嫁される、こういう経済構造を全然考えないで、いたずらに表面的な理由を設けて、民間放送を、野放図もないああいう電波を与えて、今日は全く無政府的な状態と申してもいい。しかも、これは経済的に見ますと、非常に大きな浪費を招来しているのじゃないか、この点をわれわれは常に痛感しております。しかるにテレビジョンになりますと、ラジオ以上のスポンサー料金が高いわけであります。それに民間放送がたくさんできるようになった場合、これは国民の消費生活に直接間接重大な関係を及ぼす、こういう経済的ファクターを考えて、こういうチャンネル・プランを考えているのかどうか。これは私は、あなたにそういうことを責めるのははなはだお気の毒ですが、これはむしろ自民党政府自体がそういうことを考えたかどうかということを私は聞きたい。こういうような民間放送の苦い経験を見て、今度はテレビジョンになりまするというと、私どもの外部から見るものにとりましては、テレビジョンのチャンネル・プランを獲得しようとする一種の闘争は、これは一つの利権屋の闘争にすぎない。こういう自体をかもしてきているということは、これはあなたは今おっしゃったような気持でこのチャンネル・プランを立てられたと言われますけれども、われわれからいえば、こういう激烈な獲得競争を、一種の利権運動の、この事態は一に政府の責任なんです。この点私はもうあなたにこれ以上の追及をしませんけれども、この今日の憂うべき状態は、村上郵政大臣のときにこれは作られたものと思いますけれども、自民党政府のきわめて軽率といいますか、これの及ぼす経済的効果というものを考えないやり方ではないかということを非常に憂うるものです。ことに私は、今朝十一時からテレビジョンをやっているスエーデンのイングヴァール・リンデン国務相、それからデンマークのハンセン外務大臣兼総理大臣、それからノルウエーのランゲ外務大臣に会いまして、たまたま話がテレビジョン放送に行ったところが、スエーデン、ノルウエー、デンマークはすでにテレビジョンをやっておるのですが、これらの大臣諸君のテレビジョンに対する考え方は非常に謙虚です。やはり自分の国の国柄、人口、経済というものを非常に考えておる。さらに私は感にたえたことは、ランゲ外務大臣が、ノルウエーはおそらく五年たたないとテレビジョンの放送が普及しないだろう、ということは、日本の国と同じように非常に山が多い、ポイント式に放送しなくちゃいかぬので、非常に金もかかるし、人口も少いしするから、各国のいわゆるテレビジョン放送のいいところをとって、しかも自分の国情に合うようにしたい、その研究が今後五カ年要するのだ、こういうお話があった。私はこういう言葉を聞くにつけても、今日政府がテレビジョンのチャンネル・プランをこういう修正の仕方をするということは、これはチャンネルの浪費ということよりも、単にテレビジョンの民間放送の需要というものに対して政府がウェートを置き過ぎるものじゃないか、チャンネルをそういうふうに浪費していいものかどうか、こういう私は疑いを持たざるを得ない。これは濱田局長として上司から命令を受けて強制的にこういうものを作らされたんじゃないかと想像せざるを得ぬほど、非常にこれは心配する問題である。  そこで、こうして発表されておることに追加されたこの修正点の部分について、私は一、二点質問したいのですが、この人口稠密な場所において公共放送と並立して民間のテレビジョンの放送もやらすべくチャンネルを与えるということになっており、さらにこの特に意義が認められる重要地域においてはこの並立を可能にする、いわゆる公共放送、民間放送あるいは民間放送の複数のものを設定する、その理由としては、放送内容を豊富ならしめ、そして放送内容をますます向上せしむるようにしたいのだと、こういう表面的理由になっておりますが、特にその意義を認めるというようなことは、具体的にどういうことを意味するのか、一つお示し願いたい。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 常識的に申しますれば、人口稠密な世帯数の多い産業の盛んな所と、そういう意味だと思います。あるいは大学その他の教育施設等が比較的たくさん置かれているような地域、そういうのを重要な地域と、そう目したわけであります。たとえば東京、大阪、名古屋あるいは福岡地区あるいは札幌なども入るかもしれません。世帯数は非常に多くなくてもその地方の中心であるという意味、そういう所を重要地域と目されるのは常識的に首肯される、こういうわけであります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 そうすると、まあそういう趣旨でこれを修正されて、さらに教育放送専門の放送のためのチャンネルをもこれを作ると、こういうふうな修正をやられたようですけれども、これはどういうわけですか。教育放送専門のチャンネルもそれに一つ割当をきめておられるだろうと思うのです。これはどういう意味ですか。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) その教育的効果を目的とした局の設置という問題でありますけれども、これは非常に論議の多い、また非常にむずかしい問題でありまして、これにつきましては、多数の方々の御意見を拝聴してそして決定すべきものだと、そう考えております。当方の最初の考えといたしましては、先ほど山田委員が申されましたように、テレビジョンというものは非常に重大なものである、国家といたしまして。経済的に金のかかるものであるのみならず、その影響たるや実に深刻なものであることは、どなたも御承知の通りであります。これにつきましてテレビジョンの効果を、特に教育的な効果をこの際において発揮するようにそれを配慮しなければならない。テレビジョンの放送局を作るのに多額の金がかかる、またこれを受けるのに多額の金がかかる、数百億、数千億という金がやがては要るでありましょう。それでありますがゆえに、なおさらこの効果について、われわれは配慮しなければならないと思うのであります。今日われわれが感じましたことは、今番組の批判をここで申し上げるわけではございませんけれども、娯楽が過剰であるとか、あるいは低俗な番組が多いとか、青少年に与える影響について寒心すべきものがあるとか、いろいろな意見が諸方で聞かれるのでありまして、これにつきまして、もっともっと科学技術の精華であるところのテレビジョンの効果を、国の将来についても十分思いをいたし、この教育的な効果を発揮し得るような番組をやる放送局の設置を、もはや日本としても考えるべきではないかという、そういう考えが修正の中に入れました条項の動機でございます。  ついでに申しますが、アメリカにおきましても、多年もう十年、終戦以後このテレビジョンの番組につきましては非常に批判が強かったのであります。御承知のごとく、今日では三十局ぐらいの教育専門のテレビジョン放送、いわゆる教育テレビなるものが設置されまして、ますますそれが発展するような途上にあるのであります。それによって青少年の堕落を防ぎ、またかような消極面のみならず、商業を盛んにする、あるいは国民の士気を高揚せしめる、あるいは健全なる社会生活を助長するとか、いろいろなことがありまして、いろいろな重要な役目をテレビジョンは持つべきである、そういう意味におきまして、もはやこのVHF帯におけるテレビジョンのチャンネル・プランをやるときに当って、かような提案をしてそうして広く国民の世論に訴えてこの結論を得よう、そういうのが動機であります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 教育放送のためのテレビジョンのチャンネルの割当ということについて、現在郵政省に対していろいろそういう目的で申請を出しておる。これはNHKの公共放送も出しておるやに伺うのですが、そういう場合に商業放送で教育放送をしていいのかどうか、これはアメリカでは一九五一年にワシントン、ニューヨーク教育放送という問題が相当やかましく論議されて、たとえばワシントンで見ますと、ワシントンの教育委員会で教育放送をやろう、教育放送ではスポンサーのついた教育放送というのは限界があると思うのです。ですから今の教育放送のためにもチャンネルを割り当てるのだ、そういう基本方針を追加修正されるについて、経営態勢について、ほんとうの教育放送の目的を達するにはそういったような委員会式のもの、これは相当金が要りますけれども、アメリカだけでやり得るのであって、日本ではやり得ないといえば、これまた議論になりますが、私はそこまで修正案というものは具体的に注意が払われてないということ、私は非常にこのものについて危惧の念を抱かざるを得ない、これはまた大臣の御出席のとき御質問いたしますが、こういったように今回六チャンネルに五チャンネルを加えて十一のチャンネル・プランを割り当てるということになりますと、このVHFのチャンネル周波数バンドが一体他の目的のために用いられるバンドというものの余裕がどのくらいあるのか、これはここで御説明できなければ、あと何か割当表のようなものでもよろしゅうございますが、その余裕があるのかどうか、これは私はしろうとだからよくわかりませんが、VHFの周波数バンドというものは、これはテレビジョンばかりでなく、今後広告通信その他いろいろな場合にこれを使われるということになれば、単なる放送事業だけに大半の、ほとんど余裕がないまでに周波数バンドを使用するということが、周波数行政から見て賢明であるかどうかという考えを、もちろんこれはVHFなり、UHFなり、技術が進歩すれば、余裕が幾らでもあると言われておるが、教育放送においても、VHFにしてもUHFにしても、これは政府としてむしろけちなほどこれに対して慎重な態度をとらなくちゃならないと思う。一体今度のような十一チャンネルもテレビジョンの放送に割り当てていくとなれば、あとまだバンドが残っているのかどうか、しかもいいものばかり先に割り当てて、割合によくないものばかりをあとに残すということは、これは国家的見地から見ると、これまた非常に私たちは心配せざるを得ないのです。そういう点に関しては、どういう方針で電波監理局長、おやりになっているかお示し願いたいと思います。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 山田先生が仰せられますように、今回の十一チャンネルに使いまするVHF帯の部分は、非常に大事なまた手ごろな部分でございます。でありまするから、私どもも非常に考えたわけでありまして、この大事なところを全部使ってしまっていいかどうかということは、やっぱり私どもとしてもかなり考えたわけでありますけれども、しかし、今日の段階において、この一番いいところを日本国民のためにテレビジョンとして使うのが最善であろう、そう判断したわけであります。それ以外のVHF帯におきましては今回の十一チャンネルの下のバンド、FM放送に使えるところがあります。FM放送、これがまだ決定はいたしませんけれども、FM放送に使うバンドを十分とってある、それからその他のいろいろの通信に使うバンドも相当あると考えておりますので、一応この十一チャンネルを使って差しつかえない、そう判断したわけであります。しかしながら、仰せられますように、ますます電波の需要は急を告げて参ること必然であります。ここ数年のあとどうなるかわからない、どんなに需要が増すかもわからないのであります。これは今、今日ここで申し上げるのは多少早いかもしれませんけれども、将来はUHF帯を活用すべきである、あるいはUHF帯に、今日われわれが使おうとしているVHF帯のテレビジョンその他の用途もUHF帯にだんだん寄っていくべきである、そういうような時代が遠からず来るだろうということを私は想定しておるのであります。そういう意味で、何も今私はVHFは今に不要になるとか何とかいうのじゃなく、今はきわめて重要であります。その重要なところにテレビジョンを割り当てます。しかしながら、やがて天然色テレビジョン、あるいは今日われわれの亨受しておるようないろいろの、一般的のテレビジョン以外に、先ほどのお話の教育放送とか、あるいは産業放送とか、その他いろいろなたくさんのテレビジョン、あるいは関連した電波の応用が盛んになってきて、このチャンネルの需要が増した場合には、そういう場合におきましては、現在のテレビジョンをUHFにおいてやるのがいいのではないかというふうに考えておりますので、万一、VHF帯において十一チャンネルを使うために困難が生ずるという他の重要目的に困りやしないかと御質問なのでありますけれども、そういう場合においてはUHFを使うという手があります。全体としてUHFに移行せしめるという考えもあるのでありまして、私はそう心配をする必要はないと楽観しておるわけであります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これはまあ濱田君のような大専門家がそう保証をされれば、これは私は安心するわけですが、今ここに示されておる十一のチャンネル・プランを見まして、全部でバンドが七メガとってあるのじゃないか、七メガサイクルでとってあるのでしょう。これは九十メガサイクルから九十六メガサイクルと、これは数で数えると七メガサイクル、これはどうなんですか、これは別に、普通の数字と読み方違うのですか。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) 六メガサイクルの幅でとってあるわけです。

山田節男日本社会党

○山田節男君 九十から九十六と、九十、九十一、九十二、九十三と、七つになる。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) いや、六つです。

山田節男日本社会党

○山田節男君 これは私はしろうとだから心配するのかもしれないけれども、このチャンネルの割当プランのあれを見て、もう少し私は経済的に、これはもちろんこの放送の送受信機の技術ということの進歩が許すかどうかわかりませんが、今アメリカ方式、六メガサイクルでやっておるのですが、チャンネルのプランの割当をする場合のいい悪いももちろんありましょうが、国家として考えれば、今申し上げたようにUHFのまだ余裕がしゃくしゃくとしてあるのだと、こうおっしゃればこれは日本のこういう機械を作る産業がまだまだこれは発達しなければいかぬと思う。これは将来のことだ。現実の問題として、ここ二、三年の問題とすれば、私はこのチャンネル・プランをこうしてお立てになる場合に、ことにテレビを放送に使うという場合に、もっと経済的にやるというような一つの私はポイントがあるのじゃないかと思うのですが、今あなたのお作りになっておるチャンネル・プランというものが、これはもう最高だ、しかも最も経済的なものである、こういう確信でこういうチャンネル・プランをお作りになったのか、その点をお伺いしたい。

濱田成徳郵政省電波監理局長

○政府委員(濱田成徳君) その問題はもちろん考慮したのでありまして、あるいはその十一チャンネルの中で、たとえば下の方の第七か第八のところで六メガサイクルの幅を作らなかったために、一つの波につきましては……、ところが、今度のチャンネルでは全部、どれでも完全に六メガサイクル、このバンドで与えられることができないところがあるのでありまして、あるところは二メガサイクルが重なったところがあるのであります。そういう細工をやったところもあるくらいでありまして、非常に経済的に考慮してあるのであります。  先ほどUHFのお話が出ましたが、経済的にこのテレビジョンの機械を作ることにつきましては、もう世界各国どこでも熱心にやっておるのでありまして、日本の電波産業界においてもだんだんこれに近づきつつあります。低廉な良質の送受像機ができつつあります。UHFにつきましても、VHFに劣らないほどの技術的進歩が見られるのでありまして、むしろある方面ではUHFの方がいい、UHFは遠い先の夢だということは、そういうほどのことでもありません。こういう意味で、私どもは経済的な見地からチャンネル・プランにつきましては相当論議をかわし、ともかくこれが日本で得られる最良のものであろう、そういう判断に立ってやったわけでありまして、これがまあ今後VHFを使う場合には、十年、十五年間はこれで大丈夫だと、そういう判断でやったわけでございまして、御了承を願いたいと思う次第であります。

山田節男日本社会党

○山田節男君 もう一つよろしうございますか……。これは郵政大臣が御出席願ったときに、私重ねて政府としての見解を聞きたいと思いますので、局長に対する御質問はこれで私やめますが、NHKの方で教育放送を、いわゆるテレビジョンの第二放送を始めて、それは教育放送専門に使うというような御意向があるやに伺っておるのですが、その御趣旨も私はわかるのですけれども、今日の一日のNHKのテレビの放送時間が約八時間のように思っていますが、この教育放送の種類にもよりますが、現在のチャンネルの番組を有効に使えば、さらに第二放送をする必要は当分はないのじゃないか。しかしこの点は、今も申し上げたように、民間のテレビジョンの放送業者が免許申請を盛んにやっておるので、おくれをとってはいかぬというような御心配があるんじゃないかと私は思うのですが、しかしこれは現行の放送法からいえば、公共放送に優先的にこれを扱うということは、これは当然なことであって、私はそういう心配は要らぬのじゃないかと思う。しかし、あえて永田会長が今日テレビジョンの第二放送を作るということ、これは私は公共放送の建前から、先ほど申し上げました国家経済という立場から考えれば、やはり民間放送と同じようなものの考え方をしなくちゃならぬと思うのですが、教育放送のためのテレビジョンの第二放送のチャンネルを要求されるということについて、これはいずれ明年度の予算案の審議のときにも、いろいろ各委員から御質問も出るだろうと思いますけれども、ただいまの政府のチャンネル問題に関連して、NHKとしてどうしてテレビジョンの第二放送というものを急がれるのか、その点を一つお伺いしたい。

永田清日本放送協会会長

○参考人(永田清君) 教育放送の問題につきましては、BBCその他のことは山田委員十分御承知でございますから、私から重ねて申し上げるようなこともございませんが、NHKで考えております教育放送というのは、ただに学校放送というだけじゃなくて、教育のかなり広い分野に入る、さればといって一般教養という意味とは少し違う次第でありますが、教育からいえば、学校教育、社会教育、家庭教育、技術教育、職業教育、あるいは成人教育、そういう諸般の部面のことを体系的にこれは考えなければならないというわけでございます。私も長らく教壇におりましたので、教育体系がどうあることが望ましいか、そして実際にこれほど電波の問題が技術的に進歩して参り、実際に先ほど御説明いたしましたように、テレビにいたしましても、かなり急速調に普及しつつあるということでありますと、これが何か社会のお役に立つことが望ましいんじゃなかろうかというふうに考えておる次第でございます。重ねて、テレビも含めまして、NHKの公共放送の役割というものは、もとより健全な娯楽と正確な報道と、そして教養一般、願わくば重ねて高い教養、ちょうどBBCのサード・プログラムに相当するものも実施したいというので、いろいろ努力しておる次第でございます。ただ、ラジオにつきましては、中波では第一、第二しかございませんので、FM放送を使ってそういうふうな責任を果して参りたいと存じておるのでございますが、ことに、テレビにつきましては、現在まだこれは満四周年を経過した程度で、十分な経験を積んでおりませんけれども、先ほどもお話がありましたように、これをできるだけ有効に利用する、国民がせっかくNHKという公共放送を作っており、その使命としまして、国民の福利の増進、文化の向上、公衆の要望にこたえるという放送法の規定に基いて仕事をし、またわれわれにはそういう責任が与えられておるわけであります。ただ、現在の余った時間でこれを利用するということにつきましては、これはむろん考えておりまして、先ほどもお話がありましたように、電波をむだに使うことはいけませんので、十分これを利用したいと考えておりますが、一方またこれを受ける方の立場がありまして、放送の波を出すことは放送担当者としては自由にできますけれども、しかし、それがどういうふうな社会的効果、どれほど大衆が喜んでいただけるだろうか、どういうふうに利用していただけるだろうかということが目標になる次第でございます。そういたしますと、おのずからこれを聞く側の立場、聞く人たちの生活構造なり、あるいはそれが農村であるとか、あるいは産業労働者であるとか、あるいはまた家庭婦人であるとか、そういったいろいろな生活構造なり経済態勢が聴取者の側にあるものでありますから、それを十分考えて、一番効果が発揮できるような道を考えなければならない。ちょうどこれは国際放送の場合と同じでございまして、国際的に波を出すことはこれは出しておるわけでありますけれども、それが有効にどう聞かれておるかということも精密に調査してやりませんと、放送の問題は、放送を出す方とこれを受けて利用される方の全く協力態勢の上にその目的が達成せられるわけであります。従って、学校放送並びに一般教育体系を立てて、公共放送としてそういう教育的な役割を果すことの責任がわれわれにあると、こう自覚し、そう信じ、そう行動しておるような次第でございます。それで問題の焦点は、要するに余った時間でというお話でございました。それも十分考えまして、これを利用したいと思っておりますが、そうしてそれもまた実際に進めていくように、経理その他の関係から時間の利用を考慮しておる次第でございますけれども、ただこれ御承知のように、BBCの場合でも、教育放送につきましては、非常に長く研究し、かつシステマティックに進めて参りませんと、ただあいている時間だけを利用すると、教育体系としてのシステムができ上りませんし、あいている時間を第一で埋めるだけではその使命はしょせん果されないと、こういう関係にございまするので、そうしてまた、実際娯楽的な放送がなかなか多いわけでありますので、当然公共放送の責任として、教育放送が一般公衆の要望であり、特に農村関係とか、その他に必要であろうと、そうなりますと、勤労者大衆からいえば、むろん昼間働いているわけでありまして、そうして働いてなお技術教育や職業教育がこれでできるということが社会的に非常に重要でありますし、まあ学校に行ける人は学校でそういうものをやればよろしいのでありますが、学校に行けない人は、やはりこういう公衆の、公けのものとしての電波の利用によって、昼間は働きながら夜は技術の習得もできる、こういった社会が、まさしく福祉国家の真の姿ではなかろうかということをかねがね考えておりますので、そういう意味で一応体系を作ってやる。ところが、今お話のように電波は割り当てられてしまいますと、これから三年、五年後にそうしなきゃならぬという事態が来ましても、すでにもう国際的に割当範囲がきまった形で問題が終ってしまっておりますので、非常に困難になる、そういう状況にございますので、NHKとしては、その職責上こういうことを考えておりますということを申し上げている次第で、これはまさに社会的に、国家的に御決定になることでございます。ただわれわれの職責を一つ明らかにして、十分その内容についても申し上げておきたい、こういう所存であったわけでございます。

山田節男日本社会党

○山田節男君 永田会長の気持はよくわかりますが、あれもやりたい、これもやりたいと、いろいろその熱心な気持はわかりますが、先ほど濱田局長にも私の質問の際に申し上げているのですが、まあ現行法の放送法は、これは日本放送協会法のようなものなんです。ですからチャンネル・プランは今受けておかないとあとはもらえぬぞという、そういう不安は、私は政府においてもさすべきものじゃないと思います。それよりかやはり放送法の第七条に定めたNHK最大の第一の任務である、いわゆる、いかにあまねくこれを、カバレージをふやすかということが、ラジオにおいてしかるがごとく、テレビジョンにおいてもしかりです。先ほど大臣の説明によると、明年度においてテレビジョンに対してはわずか十億四千七百万しか支出がふえていない。三十億円足らずの金ですべての会計がまかなわれているわけです。それで、そういった点考えますと、むしろNHKとしては、そういうチャンネルの割当を心配しても、これは政府からも割当を保証せぬことにはできぬと思う。それよりかむしろテレビジョンの放送のカバレージをいかにしてふやすかということが第一任務であります。それに私は十億五千万円足らずの明年度の予算支出の増加は少きに失するのじゃないかぐらい私は思っておる。いわゆる安かろう悪かろうということよりも、公共放送としては、やはり仕事の順序というものがある。それでこの一段階のあまねく普及せしめるという段階が全うした場合においては、もちろん第二放送も考えるべきじゃないか。ですから私はこういう点について、明年度の予算に対して御質問申し上げたいと思いましたのですけれども、チャンネル・プランに関係してはそれほどあせる必要はないのじゃないか。これは私の意見になりますが、濱田局長にお伺いしますが、今のように放送法の立法精神からいえば、商業放送の、いわゆる一つの企業体として教育放送をやりたいからチャンネル割当をしてくれというような申請も出ておるやに私は伺うのでありますが、政府としては、やはりこの本質の、放送法の精神からいえば、そういう教育放送を企業としての、営業としての商業放送がいいか悪いか、これは私は、本質問題としてさらに私はもっと謙虚に検討する必要があるのじゃないかと思います。地方の教育委員会もそういう財源がないじゃないかと、そういう単なる簡単な結論でもって教育放送というものを商業放送の企業体にこれをまかせると、これは国民教養の点からいっても危険きわまることだと思う。そういう点で私はここに保証をとってはおりませんが、申さなくても、私はNHKに対するチャンネル・プランの、これは一チャンネルぐらいのものは公共放送に向けるべきである。何も今日他の商業放送と競争して今取っておかなくちゃ、あと困るというような不安をNHKに持たせるということが、こういったような無理もさせるかと私は思うのです。私はかようの解釈で、これは大臣に申し上げることでありますけれども、公共放送が第一主義であります。ことに、日本の今日の経済情勢から見てラジオにおいて過剰な商業支送をやると大失敗をする。テレビジョンにおいてかなりそういうことがある。これは私は、日本の現状からいえば、ゆゆしき問題になる。単なる放送技術という方面から周波数の割当を考える、しかもこれに政治的な解釈を与えようというような疑いがあるような今回の修正案を出されたから、私はこの点を憂えて以上のような質問をしたわけでありますが、この来月の、三月上旬ごろになれば、電波監理審議会の答申に基いてまた公聴会を開き、いろいろな世論の動向を見て、このチャンネル・プランを決定されるというのでありますけれども、これはわれわれ国会としても重大な関心を持っているわけでありますから、早急にチャンネル・プランの割当を決定するということは、現在のような非常に競争の激甚なさなかにおいてこれを決定することは、まことにこれは危険きわまるものだと思います。以上のように私は考えざるを得ない。ですから、これは一つ、郵政大臣にもこの点を一つ強く諌言されて、そうしてあせってはいけないというように私は思いますので、大臣にも一つその点を後刻御練言を願いたいと思います。  NHKの永田会長にもう一つだけお伺いいたしますが、今申し上げましたように、教育放送、第二放送ということ、公共放送でテレビジョンの第二放送をやっているということは、私は寡聞にしてまだ聞かないのですけれども、こういう例があるのかどうかということと、それから教育放送、第二放送、まだ四十万足らずの視聴者の中で第二放送で教育専門の放送をやるということが、今会長がおっしゃったように、効果というものは、これは数字からいえばきわめて私は範囲が限られていると思います。それよりもむしろラジオにおいて第二放送の、たとい聴取率が現在のNHKの放送の一〇%以下であっても、これはラジオの第三放送は教育専門放送で意義があると思います。テレビによる教育放送は、これはむしろ早いのじゃないか、するべき仕事はもっと他にある、NHK本来の使命からいって、カバレージを広げるということにまず専念する、それがためには十億や十五億ではむしろ少な過ぎるのではないか、さように私は考えておりますので、一つこの点は、ことに永田会長としてここに示され、先ほど前田委員からも質問がありましたように、画期的なものにしようというこの御熱意に対して、われわれは十分協力する用意をいたしているわけでありますから、もう少し、何といいますか、企画を、公共放送らしく落ちついて長い目で一つ国民の福祉を増進するという見地でさらに御検討願いたい、こういうことを私は抽象的でありますが、御注文申し上げて、大臣が見えたら委員長には、チャンネル・プランについてもう一度一つ質問することをお許し願いたいということをお願い申し上げて、質問を終ります。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 承知いたしました。   ―――――――――――――

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 簡易保険事業のことについて御質問したいのですが、現在、簡易保険事業で診療所であるとか、あるいは老人ホームであるとか、そういうようなああいう加入者のいわゆる福祉施設のために、どの程度の予算といいますか、三十一年度で、また三十二年度でどの程度の予算をお組みになっているか、その点お伺いしたい。これは保険事業全体の経費において何%であるか。

成松馨郵政省簡易保険局長

○政府委員(成松馨君) 前田先生から予算の点をお聞きになったのでございますが、簡易保険事業としての福祉施設の事業といたしましては、現存老人ホームといたしまして二カ所、簡易保険診療所として二十カ所をやっているのでございますが、その金額については、ただいまちょっと数字の持ち合せがございませんので、後ほどお答え申し上げたいと思います。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 大体の、およそのめどといいますか、大体加入者の福祉施設には保険事業全体の経費のうちで何%ぐらいというようなおよそ常識があると思いますが、その点の見込みというものはどんなものでございましょうか。

成松馨郵政省簡易保険局長

○政府委員(成松馨君) およその見当といたしましては、戦前には事業費の百分の二程度を考えておったのでございまするが、今のところは、まだその段階に来ておりませんし、あるいは保険事業の実態も変ってきておりますので、果してどの程度まで考えていいかどうかということについては、なお十分に検討したいというふうに考えております。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 それでは郵政省当局では、今後加入者の福祉施設をさらにもっともっと拡充していこうという御意思をお持ちですか、どうですか。

成松馨郵政省簡易保険局長

○政府委員(成松馨君) 簡易保険事業といたしましては、加入者の福祉施設、あるいは保健施設を可能な限り拡充することが、一つの使命として重要なことであろうと、このように考えておるのでございますが、やはりそのときの保険事業の経済状態とも見合せて考えていくのが至当であろうというふうに考えております。さしあたっての考え方といたしましては、先ほど申し上げましたように、加入者の老人ホームというものは二カ所しかございませんが、でき得れば、これは規模の大小でいろいろございますでしょうけれども、各郵政局に一カ所ずつは作りたい、また簡易保険診療所等につきましても、もう少しふやしてもいいのではなかろうか、このように考えております。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 まあ、保険事業の本質からいいまして、加入者の保健の管理といいまするか、そういう施設に力を入れるということは、これは当然だと思います。聞くところによりますと、郵政御当局で診療所をふやすと、あるいは巡回診療車をふやすというような御計画であるというようなことを聞いておるのですが、現在簡易保険局で、加入者の健康保険、あるいはヘルス・センター、そういうもののためにどういうふうなことをやろうとしておる御計画があるか、その点、具体的に、たとえば診療所でいえば何カ所、自動車何台というように、一つお示しを願いたいと思います。

成松馨郵政省簡易保険局長

○政府委員(成松馨君) 簡易保険診療所について申し上げますと、現在簡易保険診療所につきましては二十カ所を考えておりまして、その二十カ所のうち、すでに土地建物を入手いたしまして、現実に、名実ともに簡易保険診療所として活動しておりますものと、なお土地を購入中のもの、それから土地は入手したけれども、まだ建物は建てていないもの、これは数カ所ございますが、しかしながら実行問題といたしましては、簡易保険診療所は、その所在地の居住者の診療行為をすると同時に、その診療所所在地を基地といたしまして、無医村もしくは非常にへんぴな所の人たちに対する巡回診療をやらせようということを目的といたしておりますが、かりに建物の土地がなくとも、郵便局に医者あるいは自動車を預けておきまして、診療行為をやっておるわけでありますが、その診療行為をやっておるのは、二十カ所全部がそういう巡回診療行為をやっておるわけでございます。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 それでは一つお伺いしたいのですが、診療所の診療の形態といいまするか、患者が参りましてこれを診察する、そして料金をちょうだいすると、そういうような診療所における診療行為の実態というものは、普通にお医者さんが一般の患者を見るのと変りはないわけですか。

成松馨郵政省簡易保険局長

○政府委員(成松馨君) 診療所の建物における診療行為それ自体につきましては、ただいまのところ一般の医師における診療行為と変りはございません。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 それでいいというふうにお考えでしょうか、どうでしょうか、その点を一つお聞きしたいと思います。実はこの問題につきまして、私は別に医師会の代弁をするわけじゃないのですが、非常に医師会から猛烈な反対があって、現に簡易保険の診療所における診療費の点数といいますか、これは非常に安い。健康保険よりもまだ安い。それで実は簡易保険の診療所が隣近所にできると、もう周囲の医者はたまらない、逃げなくちゃいかぬというような事態に追い込まれている例が、私の知っているところでも二、三カ所あるわけです。これは別に私は医師会の意思を代弁して言うのじゃありませんけれども、また加入者のそういう保険は、できるだけわれわれは健康の保持ということに力を入れなくちゃならぬことはよくわかるのですが、どうも私はこのままの姿において簡易保険の診療所を全国至ところに二十カ所、三十カ所、さらに五十カ所と、至るところに許す限りにおいてふやすということになると、将来必ずや医師会との衝突の問題が起ってくるだろう、この間も実は私どもの郷里の医師会の会長が参りまして、この点は猛烈に反対をしている。事実私の方で、これは和歌山ですが、診療所を設置するということに対して、地元の医師会が反対の決議をしている、そういう状況であります。元来ならばぜひお越し下さいと言って喜んで行ってもらうところを、非常にいやな気持で行かなければならないのは、それはどういうところに問題があるかといいますと、結局診療所の診療の実態といいますか、大体普通の医者と同じようなことをやろうとするから、そこに問題があるのじゃないか。もう少し構想を変えたらどうかと思うのですが、その点は保険局長いかがでしょう。

成松馨郵政省簡易保険局長

○政府委員(成松馨君) 今までの診療所の運営をながめておりますと、大体において普通の医院と同じような診療行為をやっているわけですが、この診療所それ自体として、総合的に完備した病院施設のようなことはやっていないために、もし重症患者が来るとすれば、ほかの適当な医者に紹介するということもあると思いますが、現在までの段階では、診療所の運用についての非難、不平というものは聞いていないわけであります。ただ具体的な問題といたしましては、ただいま前田先生がお話しになりましたように、せっかく土地を購入し、地方の巡回診療行為を行いながらも、地元の医師会の方でかなり反対があるために、その調節をうまくやりたいという点で、いまだに建物の建設それ自体がおくれているところが一カ所あるようでございます。ただそういう問題をいつまでも感情問題として残しておきたくないという見地から、いろいろ地元郵政局方面では、医師会の方へも話しかけ、了解を願ったというようなふうにも聞いておりますが、また一方加入者の方では、すでに土地ができているのに、なぜ早く診療所を作らないかといったような声もございますが、何にいたしましても、こういうような問題は感情を刺激しないで、できるだけ円満に解決するようにするのが一番いいことでございますので、なおその方面についても努力してみたいと考えております。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 それで結局、この診療所における診療の実態といいますか、仕事の実態、重点の置き方を、そういうふうな普通の一般のお医者さんと同じように、患者が来ればそれを見、そうしてそれに薬を与えるというふうなやり方、これもある程度やむを得ぬと思いますが、それよりももっと予防医学といいますか、できるだけ巡回して、そうして病気にかからぬように、かぜを引きそうなときは、そういうようなことがないように、かぜを引かないように注意して回るとか、いろいろ例があると思いますが、そういうように予防医学といいますか、疾病にならないように、そういうふうな点に重点を置いて、診療所の運営というものをやっていこうとするようなお気持はございませんか。

成松馨郵政省簡易保険局長

○政府委員(成松馨君) ただいまの前田先生のお説は、非常に私どももそうあらねばならぬと考えているものでございまして、現在までの段階では、今までも医院における診療行為と同じような診療によってかなり加入者から好評を博しているように考えておりますが、将来医療行為というものに対して、国家的にも社会的にも遊歩をする場合に、あるいはまたその数が多くなる場合に、この簡易保険診療所をどのように運営してゆくかといったようなことは、やはり十分考えなければいけない問題だと、こう思うのでありまして、そういう角度から考えますと、予防医学的な方面にも十分注意しなければいけない、こういうお説はまことにその通りでありまして、私どもも向後の問題としては、そのように考えてゆく面も大いにあると考えております。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 しかし、保険局長は今診療所は皆さんの非常な歓迎を受けていると言うけれども、それは確かに診療所というものがなかったという当時に比べると、ある方がいい。これは多々ますます弁ずです。しかし大都会の、たとえば大阪あたり、内科、外科、小児科みなあわせて一人のお医者さんがやるというような診療所ができても、それが大阪のような所とか、東京のような所とか、りっぱな総合病院があり、それぞれ専門医がたくさんおる、そういう所に内科、外科、あらゆるものを一手販売というようなお医者さんができましても、私はそれほど歓迎を受けているとも思わないのです。もう少し仕事の重点の置き方があるのじゃないかと私は思うのです。その点について、さらに私は御質問することは避けたいと思いまするが、ただいまの保険局長の御答弁のように、この診療所の仕事の運営の仕方という点について、もう少し工夫をいただきたい、考えていただきたいと思うのであります。時間がありませんから、これで……。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 関連質問です。私は、今の前田委員のおっしゃったことは、きわめて偏見な見方であると思うのです。もともと簡易保険制度ができて、加入者に対して特別なサービスといいますか、そういう意味から簡易保険の診療所が私はできたと思うのです。ですから、その診療所がただ単に予防医学的な行為だけに終ったのでは、これは私はいけないと思うのです。むしろ国全体がもっと安く病気のときに済むような施設を拡充していく段階が来たらいいと思いますけれども、なるほど、まだ国民健康保険も全部が入ってないというような段階において、簡易保険に入れる人たちはきわめて、階層からいえば、勤労階級とか、そういう人たちが多いのです。そういう人たちが万一病気になったときに、簡易保険に入っているがために、こういう恩恵が受けられるということから、一つの簡易保険事業の発展のためにとられた措置でありますから、時代が変って世の中が全般的にだれでも安く医療機関の恩恵に浴せるときが来れば、そういうことは考えてもいいのですが、現状においては、まだまだ国全体としての健康管理の面についても、医学の面についても、不十分な段階でありますから、私は今簡易保険局長がおっしゃったように、これをただ単なる予防医療行為的にやっていくということについては、大きな疑問があるのです。むしろ今の体系を堅持していっていただいて、全般的な社会施設が確立されたときに、そういう方向に切りかえていくということでなければ困ると思うのです。だから、今の保険局長の答弁はちょっとおかしいと思うのです。その点もう少し私は聞いておきたい。

成松馨郵政省簡易保険局長

○政府委員(成松馨君) 先ほど前田先生がお話しになりましたことは、簡易保険健康相談所の医療行為について、今後考えたらどうかという御質問であったと思うのでありまして、その際私も、国もしくは社会全体の医療行為がもっと進歩すれば、そのときに簡易保険の診療行為自体についても、予防医学方面について考慮しなければいけないということをお話し申し上げたつもりでございますが、言葉が足らないために、あるいはそうでないようにとられたかもしれませんけれども、私の考えとしましては、ただいま申し上げた通りでありまして、現在の段階といたしましては、今までの診療行為を続けていっておりますが、今後、国もしくは社会の医療行為自体のあり方によって、簡易保険相談所の運営の方法も考えていきたい、このように考えております。

手島栄自由民主党

○手島栄君 皆さんの意見がずいぶん分れたようですから、参考のために、簡易保険の相談所というものが昔あって、そしてそれがどうしてなくなったかということを申し上げたいと思います。もともと簡易保険の医療関係は、相談所という名前で、診療行為は行わない、健康の相談にあずかるということが建前であった。それが戦争中に、ちょうど私が責任者のときに、あの制度を変えていったのでありますが、それは簡易保険の健康相談ということが診療の方まで入ってきて、非常にたくさんの経費を使ったのであります。まあこれは余談になりますが、ロンドンの消防隊というのは、一番初めに火災保険会社が作った。火災を少くするというので作った。ところが、それが市営になって、市の方でそれをやることになって、保険会社の方はやめてしまった。簡易保険の被保険者の健康を維持するために相談施設というものを置いて、少しでも寿命を延ばそうということで始めたのが、だんだん国民全般が簡易保険の加入者に変ってゆき、国家が健康保険の施設をだんだん増してくるような時代になりましたのが、ちょうど戦争中なんです。そうすると、簡易保険のような小さな世帯で国民全体の診療施設をやるということは行き過ぎだ、むしろ一般会計の国家の施設にだんだん変えてゆく方がいいということで、当時厚生省と私と約束をしまして、国家施設として他にそういう施設ができた場合には、健康相談所はだんだん滅してゆくということにして、切りかえてゆく方針を当時立てたのであります。その後、また簡易保険が新しく今度診療所というものを作るという話しになりましたときに、いろいろ私聞いたのでありますが、その当時簡易保険の人の話では、健康相談所を昔のまま簡易保険が抱いておったら、おそらく破産しておりましたろうということを簡易保険の責任者が言っている。それほどこの簡易保険の医療施設というものは、一般にはもちろん都合のいいことでありますが、一面においては、小さな簡易保険の特別会計でまかなうということは、ある限度を考えなければいかぬということは明瞭であります。従いまして、私の考えでは、現在無医村とか何とか、そういう非常に不便な点が多いのでありますが、そういう所で国家の一般施設が行われない所を簡易保険の目標にしてやる程度がいいので、全般的な医療施設が整ったというような所まで、特別会計、加入者の積立金を食って行う簡易保険の診療所なり相談所なりというものが非常に大幅に行われるということは、簡易保険事業のためにもあまり芳ばしいものではないと思うのでありますが、そういう点で、もう一ぺん保険局長の意見を聞きたい。

成松馨郵政省簡易保険局長

○政府委員(成松馨君) ただいまのお話はたいへんごもっともなお話でございまして、私どもといたしましても、加入者の福祉施設あるいは保健施設を考える場合にも、やはり一定の限度においてのみしか許されない、このように考えております。その限度をどこにおくかということにつきましては、まだ私は確たる考えがないのでございますが、そうむやみやたらにふやすことばかりいたしましても、それはむしろ国家あるいは社会全体の施設として考えてゆくべきであって、簡易保険の診療所は単にその一部にすぎない、いわば被保険者の福祉施設を考えるといたしましても、その裏にはやはり簡易保険というものに対する周知宣伝と申しますか、そういう要素も取り入れての要素がかなり多かるべきはずだ、このように考えております。従いまして、現在やっております内容について、診療という言葉を申し上げましたが、戦争前の簡易保険相談所と異なりまして、巡回診療行為というものに重点を置いてやっているわけでございまして、現在の診療所の半分は、手島先生がお話しになった通りのことをやっていると思うのでございます。なおこの数をふやすかどうか、あるいはどの程度までふやすかという問題につきましては、お話のように、他に被保険者に対する還元を考えるべきであって、一定の限度に押えてゆくことをモットーとして考えていきたい、かように考えております。

前田佳都男自由民主党

○前田佳都男君 先ほど鈴木委員からの御意見がございまして、私も大衆保険としての簡易生命保険の社会保障的な使命、そういう使命に決して反対するものではございません。その点は一つ誤解のないように願いたいと思うのであります。ただ、先ほども御質問のとき申し上げたのでありますが、ことさらに私は医師会のちょうちん持ちをするわけではないという前提のもとに質問したのでありますが、どうも現実の問題としていろいろ問題があるわけでありまして、その点それぞれあらゆる情勢をよく御判断なさって、しかも簡易保険の社会保障的な使命というものが抹殺されぬように考慮しつつ、なおかつ現実にきわめて円滑に行けるように、あるいは患者のいかんによりましては、これを一般の病院にも送らなければならない、あるいはほかの医師にも送らなければならぬ場合もあるわけでありまして、できるだけ円滑に、円満に物事を解決するように、一つ郵政当局において、総合的な立場から御考慮を願いたいと思うのであります。ことに健康保険が全国民に普及しようというような構想が今あるわけでありまして、それらに関連をいたしまして、全体の社会保障としての医療体系のうちにおいてこの問題をよく勘案して考えていただきたいということを特にお願いをいたしまして、私の質問を終ります。   ―――――――――――――

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は郵政の人事部長に御質問申し上げたい。それはもうだいぶ話は旧聞になっておるのでありますが、郵政当局の、本院における前会の質問者に対して回答をしたその回答の通りに事が運んでおらない。そこで、その問題を明らかにいたしていきたいと思うのでありますが、それ郵政職員の全体が公労法適用職員としての労働一般法規を取得いたしまして、その後に今の電波行政を担当いたしております職員が郵政省の内局として統合されて、結果的に本来ならば、電波職員の労働一般問題をやっていく建前からすれば公労法を適用されるのが当然であったと思うのでありますけれども、その時期がそごいたしましたために、そのまま身分上の問題としては一般職に据え置かれたという内容であります。これは昭和二十八年、それから二十九年、それぞれ本院で永岡委員から質問をいたしましたときには、当時の大臣の塚田さんは、十分行管委と相談をいたしましてその要望に沿いたいということを表明されております。さらに、この問題が現在の人事部長の大塚さんに移りましてからも、問題点の一つは行管委あるいは労働省というようなところに問題があるけれども、要は電波監理局の幹部の考え方がいずれにあるかによって変るものであるからということが話されまして、その後の本問題解決のためには、電波監理局長と職員側とが相当いろいろ話し合った結果、管理局長も賛意を表するという、こういう経過を持っておるわけであります。ところが、その一番困難だと目されておりました電波監理局の幹部の方々の意思が賛成というふうに変ったのに、なおかつ、人事部長の確約されておりましたこれらの問題が実現をしない。私はそれには当然行管委あるいは公労法の一部改正という問題等に関連のあることでありますから、確約したから即できるというふうには思わないのでありますけれども、相当日時を経過いたしておりますので、本日は、確約をされた項目に対してのその後の経過について、まずお聞き申し上げたい、かように思うのであります。

伊東岩男自由民主党郵政政務次官

○政府委員(伊東岩男君) ただいま電波職員の問題について御質問がございましたが、ちょうど私は今から十五日ぐらい前でございます、九州の都城に電波監視所がございます。そこで現地を見たのでございまして、そうして職員の心から出た陳情を受けたのでございます。そのときに私はこう感じました。同じ庁舎の中に国家の公務をとっておる人たちが待遇に差異があるということはこれはよくないと考えました。ところで、いろいろ法制的にこれを研究してみると、現在の法制下ではこれは可能でないというわけでございます。そこで帰りますと、この問題について、一体どうなっておるのかということをお聞きしたのでございまするが、お話のように、長い間のこれは経過をたどって、すでに三代あるいは四代以前の郵政大臣が大体やろうという約束をしておるようであります。そこで、私はこの実感から今お尋ねをされたことを呼び起しましてどう感じておりますかというと、これはやりたいことはやまやまだが、今の法制ではできないとしても、これはやはり何とかして救済しなければならぬという、私は非常な責任を感じたのでございます。一体できないことを、事実それが公平でない、事実不公平だとするならば、それを正しくすることが政治でございますから、私はやはりこれはやらなければいかぬと、こうただいま考えております。しかし、その実行については、非常に重大な問題でございます。皆さんたちの意見も十分尊重いたしまして、こういった問題はやはり直すべきものだと、こういうふうに私は所感の一端を申し上げてお答えいたします。

横川正市日本社会党

○横川正市君 経過について、部長から伺いたいと思います。

大塚茂郵政大臣官房人事部長

○説明員(大塚茂君) ただいまの横川委員の御質問に対しまして政務次官の申されました通り、郵政省としましては、何とか待遇についてはこれを同じようにしたいという線で今まで努力をして参っておるわけでございます。私もできることならば、その線は人事管理の面からしても同一にすることが望ましいということを申し上げたことは確かにございます。ただ待遇だけを同一にするということが、法制的に見て不可能であるというようなことがはっきりして参りまして、結局公労法を改正して、公労法を全部電波職員にも適用しなければ、その待遇の均衡是正といいますか、もできないというような法制的な問題がはっきりしましたので、その後、関係方面と協議をいたしたのでございますが、何といいましても、公労法といいますのは国または公共企業体の経営する企業の職員にだけ適用するという建前でできております。従って、電波監理行政というものが企業だという定義づけができるならば、公労法適用にしてもよかろう、郵政省はその点について自信をもって電波監理行政というものが企業体だと言えるかというようなことになりまして、問題がデッド・ロックに乗り上げておるというのが現状でございまして、理論的には、はなはだこれを解決することはむずかしいと思っておりますが、先ほど政務次官のおっしゃられましたように、情におきましては、同一省内にあって差があるということは、理論を越えてなかなか納得しがたい問題があるというようにも考えられますが、なお一つ努力を続けていきたいというふうに考えております。

横川正市日本社会党

○横川正市君 私は、政務次官の答弁の中にありました非常に本問題に対して賛意を表されて解決のための熱意を持っておられるという点については、これはもう私どもとしてまことにありがたいことなのでありますが、これはもうこの問題を提起することに、おそらく感情的には、こういうようなものは今政務次官の言われたような答えをだれしもがする問題ではなかろうか、しかしそれが非常にこの事務処理の面に入っていきますと、大へんむずかしくなってくる、このむずかしくなってくるのを一体どうしたらいいかということは、私は、今大塚人事部長からの答弁を聞いてみて、率直に言って不満を感ずるのは、解決の方法をなしとしない問題ではないかと思うのに、遅々として進んでおらぬという点なのであります。ことに、この公労法適用職員が企業職員でなければならないという原則は、これはやはり法の建前上、私は当然の条項としてあったと思うのでありますが、これは実施する段階にあって千差万別な業種にこれを適用することが可能なように実際私は拡大されていると思います。ことに郵政の場合は、私は、本省から一番末端の現業までこれは現業なんだと、こういうふうに言うことに賛成を表するわけでありますが、しかし、部分的にこれを検討いたしますと、必ずしもそういうような一概にいかない点があったのではないか。しかし、それを公労法適用職員としようというときには、相当無理をして指定官職以下は公労法適用職員としてこれを含めたわけであります。でありますから、その後、内局として電波職員が入ってきたということは、もちろんこれは電波行政、いわゆるこの電波の監視、監督等をそれぞれの職員が行うのでありますから、この場合であってもいろいろと問題の起ることは当然なのでありますけれども、しかし、部分的にこれを各職ごとに検討してみると、必ずしも全体の職員がいわゆる企業といわれないということではなしに、郵政本省の職員と全く同一職務を行う建前の人たちが相当たくさんいるだろう、そういうことから、当然除外するとすれば指定官職以上を除外するということ、ないしは部分的にその官職の中で一般的にいわれております行政職とは違った監督面を持っております部分についてはどうかと思いますが、そういったものを摘出して、なお全体の大部分の者に公労法を適用させる、このことによって職員の労働条件、給与一般、待遇問題について有利にさせていく、こういったことが最も熱意を持って行われることが必要なのではないだろうか。その点がどうもやはり郵政内部のことならば何とか片づけられるけれども、一朝これが公労法改正ということになれば、労働省と折衝しなければいけない、あるいは行管委と交渉を行わなければならないということになりますと、とかくそのものの進め方に消極的になっていく。この消極的な態度の結果が、もう年来の職員の強い希望であり、しかも内部的には、おそらく電波監理局ないしはこの電波監理の建前から企業だというふうに言えないものだから、理論的に反対をしておったのではないかと思うのですが、この人々もある程度のそういった問題を克服しながら賛成をしたという問題で、内部的にはもうすでに問題がなくなってきている。しかし、これが解決されないということは、これはやはり相手が内部でなくして、外部の各省と折衝するようになると問題が出てくる。ここにこれを解決することができなかった原因があるのではないか、こう思うのであります。そこで、今の人事部長の答弁では、折衝をしてみたんだけれども、ということなんでありますが、もう少しどことどういうふうに折衝されて、相手側の意向がどうであったのか、この点について、いま少し一つ御説明をいただきたい。私はこれを深く責任を追及する気持は全然ないのでありまして、今日この問題を提起いたしまして、できるだけすみやかに省側で熱意を持って、今伊東政務次官の言われたような方向で問題を一日も早く解決してほしい、こういう気持を持っておりますので、この点をつけ加えて、再度御質問を申し上げたいと思います。

大塚茂郵政大臣官房人事部長

○説明員(大塚茂君) 先ほど概略申し上げた通りでございますが、関係方面としましては、公労法の適用につきましては労働省労政局、それから事業という規律の仕方をし、それが郵政事業の中へ入るというようなことになりますと、特別会計法の改正も必要になってきます。これについては大蔵軒と、それから給与特例法の改正というようなことにまで及ぶとしまするならば、これまた大蔵省といったような方面にいろいろ関係があるわけでございまして、そういった関係方面といろいろ相談をしてみたのでございますが、先ほど申し上げましたように、あくまで企業という点が暗礁になりまして、先ほど横川委員の仰せられたように、郵政事業にはいろいろ付帯的な委託をされた仕事等もありまして、それらのものも適用されているではないかというような御趣旨のようにも承わったのでありますが、それらはいずれも同じ官署の中で郵政事業と一緒に行われておるという、まあはっきり申し上げますと、郵便局の中で一緒に行われているという点でございますが、電波事業は御承知のように本省は一緒でございますが、地方機関は全然官署も別になっておるというような点もございまして、必ずしもそういった付帯的な仕事と同一視できないというような議論もあるわけでございます。従って、これを機構的に改正して、地方の電波監理局も郵政局の中に入れる、末端の監視所も郵便局と一緒にするというならばまたというような議論もあるわけでございます。それから公労法適用ということになりますと、問題が給与という点だけに限定をいたされませんで、御承知のように団体交渉権、団体協約権というようなものまで当然認められるという形になってくるわけでございます。監督行政をやっておる職員が、そういう団体交渉権といいますか、団体協約権のごときものを認めるという点にもいろいろ問題が出るのでありまして、なかなか、先ほど申し上げましたように、話が進行しないという状況でございます。なお一つ御了承をお願いしたいと思います。

横川正市日本社会党

○横川正市君 まあ問題のこの内容に非常に困難があるという点については、私どもも十分承知をしておったわけなんです。しかし、これは不用意に私は言われた言葉だとは思わないのでありますが、ただ理解としては、先ほど伊東政務次官が言われたように、陳情を受けてみると、なるほどこれは不合理だというふうに直感的に感ずるということも私はあるとは思いますけれども、しかし、それほど私は答えをされたそれぞれの大臣ないしは人事部長の責任ある立場というものは簡単に考えておったんじゃないだろう。もちろん私どもも当初から、電波職員からの要望があったときにも相当困難な問題だということを感知しながら、なおかつ、これは一般労働運動の建前からいきましても、給与上の差別の問題を解決しようとする問題からいきましても、早急に解決したいという意思で、最近までこの問題について、たび重ねて関係の向きに私どもはそれぞれ要請をしてきたわけでございます。でありますから今部長の言われておりましたように、当然これ、はもう適用されれば団体交渉権の生まれるのは当りまえでありますし、それから行動権の出てくるのは当然でありまして、それがために給与その他が郵政職員と同じようになって差別が解消する、これを職員が切に願っておる、こういうことなんでありまして、私はまあこれは問題を提起したときに、当然出てきた問題だろうというふうに思っておるわけであります。今ここでその困難な問題点を羅列されることについて、私は決してそれじゃといってこれを放棄することはできないのでありますし、またそういうようなことは当然省側としても、十分考えた上で今まで対処されて来ておった問題だと思いますので、本日は、これ以上私の方から質問することはやめますが、できるだけすみやかに機会を求めて、先ほど伊東政務次官の言われたような結果になるように、きょうは強く一つ御要望申し上げまして、私の質問を終りたい、かように思います。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) いかがでしょうか、大体これで……、では、本日は、これにて散会いたします。    午後三時五十二分散会

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