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26回国会参議院1957/02/21

逓信委員会 第3号

発言数
47
登壇者
6
会派数
2
開催日
1957/02/21

会議録

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) ただいまより委員会を開会いたします。  本日は、郵政事業の運営に関する調査、特に昭和三十二年度郵政省関係予算に関する件を議題といたします。  御発言を願います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大臣は当分出席できないのですか。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) お答えします。もうだいぶおよろしいようですから、来週は大丈夫じゃないかと思うのですが、今週だけ静養したいとのことでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私はどうしても大臣に承わらなければいけない事柄があるのですが、この質問については、後日再度大臣に質問をするということで、事務次官及び政務次官、おいでになっていますから、とりあえず事務次官及び政務次官からお答え願いたいと思います。  その第一は、二月の七日に平井大臣が所管事項の説明ということで行われましたこの資料の内容であります。二ページの前段でありますが、「かねてから万全の措置を整えておったのでありますが」、こういったように言われておりますが、この「万全の措置」とは具体的にどういうことをいうのか、この点を最初にお尋ねいたしておきます。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) お答え申し上げます。毎年の例でありますが、郵便事業におきましては、年末年始にかけまして年中の最繁忙時を迎えるわけであります。そういった繁忙時に対する取扱い物数の趨勢がどのようになるかというような想定をいたしまして、それに定員事情等を考慮いたしまして必要なる賃金要員の確保等の計画をいたしまして、大体そういった定員に必要なる計画上の賃金要員をもって措置いたしますと、予想いたしました取扱い数量の取りさばきに遺漏はないであろうというような諸般の計画を立てるわけでありまして、ただいま御指摘の大臣の所管事項に述べてありますることは、このようなことをさしておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今小野次官が言われた賃金要員、こういう問題についてでありますが、例年こういう措置が行われてきたことはわれわれも存じております。しかし実際問題として、年末の繁忙時期に少くともあの賃金要員として採用されている人たちを見てみますと、たとえば学生でありますとか、あるいは全く経験のない者、少くとも要員としてのその任務が果し得る人であるかどうかということは、かなり疑問であります。こういう一つの事例を摘出して万全の措置を講じたとは言い得ないと私は考えるのでありますが、そのほかにもっと具体的に、少くともこの中に言われているような、いわゆる万全の措置を整えておったにもかかわらず、全逓の闘争がこのことを否定するような、あるいは混乱せしめるような状態に発展をしたという、こういう受けて立つような状態にはどうしても私は考えられません。もう少し具体的に述べていただきたい。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 賃金要員の問題につきまして御答弁申し上げたわけでございますが、御指摘のごとく、ひとり賃金要員のみをもっていたしますと、これは大体理想的に申しますと、年間を通じて使役を必要としないものであります。事業の取扱い量の多寡によりまして、そのピークの際に常在員をもってしてはそれができない、それかといってそういう要員を平素から配置をいたしまして訓練をいたしますには非常に不経済であるというようなので、臨時に雇いあげるわけであります。従いまして、御指摘のごとく常在員のごとく直ちに間に合うというのにはかなり事前訓練をいたさなければならないのでありますが、賃金要員の年末時期における問題は、特に学生のアルバイト、そういった面の要員が非常に多いわけでありまして、非常に専門的なまた訓練を要する方面の仕事に直ちに間に合うとは申せません。従いまして、この賃金要員のみが年末首の繁忙対策の全体ではないのでありまして、これには常時やっております常在従業員の、非常に事業に明るく、訓練を積んでおります常在要員の超過勤務、こういう面にも期待をいたしておるわけであります。これはもちろん闘争時におきましては、協定がございませんと、労働法の建前から超過勤務を命ずることはできないわけでありますが、何しろ年末年始、ごく半月余の非常に短かい期間に、年間の一番多忙な時期に集中いたしますので、闘争等の関係におきましても、これは組合の当然労働条件改善のための闘争は、適法の範囲内においてなし得るわけでありますが、われわれといたしましては、この年末首の異常繁忙を乗り切りますためには、そういった闘争は、時期的には少くとも十二月の十五日までには妥結を見ませんと、いかに臨時要員を多数に採用いたし、どのような措置をいたしましても、人力に依存する度合いの多い郵政事業といたしましては、やはり事業上の混乱を来たす結果に相なるわけでありまして、そういう面は、今の「万全の措置」の中には、少くとも時期的に十五日までには労働関係が妥結を見て、完全な平常服務に復帰するということを期待をいたしておるわけであります。こういう期待も、その措置の中には気持として入っておるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうしても私は納得できません。つまり私の言わんとするところは、郵便事業が混乱した責任を、結論的に全逓の闘争によるものである、こういったような表現がこの中に十分うかがえるということでございます。従ってその主張としては、万全の措置を講じていたけれども、全逓の闘争によるものである、このようにいたしまして、何かしら全逓の闘争が事業の混乱の主たる原因である、こういったように言われておりますので、「万全の措置」とはどうか、こういう質問をした。ところが、それは要員を配置した。私は、そういう要員は単なるこれは期間的なものであり、技能未熟なものをもってして事足りないではないか。また一般職員の超過勤務ということが言われていますが、この超勤にしても、実勤に対する超勤の支給が行われていない、額としては。従って、これは非常にあいまいなことなんですよ。ある意味では、私は率直にいって、郵便事業が混乱をした責任は、実は省の万全の措置と言いながら、不完全であるもの、不完全さを全逓の闘争に転嫁をして、国民に対して、郵政省は、すべてこれは労働組合の責任である、このように言わんとするのではなかろうかと判断をしますので、もう少し具体的に説明して下さい。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 大臣の所管事項の説明の中にるる述べてございます事柄の趣旨は、森中委員、多少われわれの本旨とは違う観点からおとりになったように考えられるのであり直すが、これは必ずしもどちらに責任があるというような責任問題を論じておるのではないのでありまして、御承知のごとく、今年の年賀郵便の取扱い、あるいは歳末の小包郵便物の取扱いにつきまして、いろいろ国民の批判を受けましたことは、これは事実でございます。公共の大切な事業を扱います郵政省といたしまして、国民の非難に対しまして、権威ある国会の当委員会におきまして陳謝を申し上げるということが本旨でありまして、組合に責任を転嫁するとかどうとかいう意図の説明ではないわけでございます。もちろんそういった非難を、国民の非難を受けるに至った経過等は、年末の闘争の状況等に触れてはございますが、大臣の御説明のお気持、またその意のあるところは、いろいろ各新聞紙上あるいはその他個々な直接抗議、申告、こういったような面を通じまして、非難を受けましたその事柄に対する陳謝を申し上げる、こういう趣旨のものでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大臣の説明をとり違えたのではないか、こういったあれでありますが、大臣はこれを棒読みしただけですよ。注釈は何ら加えていない。従って捧読みしたということであれば、われわれもまたこの文章通りに受けとらざるを得ない。従って私は事務次官が、国民に対する陳謝を権威あるこの委員会でしたいと、こういうことでありますが、その陳謝はよろしい、しかし陳謝の場合に、前段に原因が述べられている、その原因が当を得ていない、こういうことであります。私はもっと申し上げるならば、要するに万全の措置の前に——万全の措置と私は言いたくはないが、その前に郵政事業が過重な仕事を少し背負い込んだのではないか、こういうことを指摘したいと思うのであります。つまり昨年の秋口であったと思いますが、省議の決定として、いわゆる年賀郵便の大体決定をされております。その決定を全逓になされおる。全逓はそれを了承したかどうかは別でありますが、大体昨年度と同様のものならば、現在の稼働人員で、しかも省の言われる万全の措置ということを一応肯定をしたとしても、大体乗り切れるであろう、こういうように私は当時の情景から判断をするのでありますが、その後省議を撤回をして、つまり四円も五円も相当これは大幅に増大をして、一方的に決定をして仕事を扱っている。こういうことはどういう工合にお考えですか、つまりですよ、最初の省議の決定の際における万全の措置と、それから四円あるいは五円が増刷をされて売り出されたその差についての万全の措置はどういうことなんです。そうしてそれは全逓側に了承を得たものかどうか、この点をもう少し的確にお答えを願いたい。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 年賀郵便の発行部数につきまして、省議で決定した数とその後実際に、現実に発行いたしました数とにそごがあるではないか、しかも省といたしましては、当初付議できめましたある数を予定して、それに対する措置をとっておったのではないか、それをもって万全の措置と考えておったのではないか、従ってそういった面と現実の発行部数との間にギャップがありますが、そういうギャップが、やはりこういった万全の措置に欠くるところがあったのではないか、こういう趣旨の御質問と考えるわけですが、省議で当初寄付金つきのもの三億枚、四円はがきのものを三億枚、こうきめましたことは、これをもって年賀郵便発行のマキシマムと決定したわけではございません。年賀郵便の、特に景品つきのはがき発行につきましては、在来いろんな経過があったわけでございますが、ひとまず当初におきまして、四円のものに対しましても、昨年までやっておらないことでございますが、寄付金つきのものと同様に景品をつけてやる。そこでその比率をどのようにしていくかということは、いろいろ郵政審議会等にも諮りまして、従来の実績を参酌して、これは枚数のあんばいをすべきであると、こういうような答申を得ているわけでありますが、それをひとまず両者とも同数の三億枚、これはひとまずの用意であります。これをもとに発行枚数をどういうことにしたらいいかということは、その答申を十分に検討いたしまして決定をいたさなければならないわけでございまして、その後そういった答申に基きまして検討いたしました結果、従来の実績をやはり尊重するように枚数のあんばいをいたしまして、昨年寄付金つきのものを五億二千万枚発行いたしておりますが、大体その実績は尊重いたしまして、五億枚ぐらいを限度として寄付金つきのものは枚数を用意する、こういうような決定をいたしております。従ってそういった最後的なる発行枚数を前提におきまして、いろいろ賃金要員あるいは超勤の計画、そういった点に対する措置をとったわけであります。それをわれわれは万全の措置と称しておるわけでありますが、現実には寄付金つきのはがきの発行は、御承知のごとく五億枚も発行いたしておりません。売りさばき可能な限度を見きわめつつ、五億枚見当のものの実績を尊重する発行の態勢を整えたわけでありますが、現実にいたしましたのは四億一千五百万枚ぐらいになりますか、あるいは四億二千万枚ぐらいでございますか、大体これはわずかの売り残しを残しただけで消化をいたしておりますが、そういった面で発行いたしておるのでありまして、これをかれこれ合計いたしますと、年賀はがきといたしましては七億二千万枚ぐらいになっております。これは前年の実績等から見まして、多少の増はありますが、私製はがきが非常に少くなったというような面から考えますと、年賀はがき自体といたしましては、平常並みの、いわゆる利用増は見られるのでありますが、必ずしも飛躍的な、驚異に値するような増加ぶりではございません。われわれいろいろ年末対策としてとっておりました措置をもって、通常であれば処理し得る限度内のものであったわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私は、暮れに衆議院及び参議院、この衆参両院の逓信委員会で、年賀はがきについては相当問題になったはずであります。実際の発行部数は今事務次官が言われた通りであったにしろ、省議の決定をはるかに上回っておる、しかも上回らざるを得なかった理由として、厚生省あるいは日赤あるいはまた中央共同募金委員会、こういうところの一つの圧力によって、郵政省はこういう限界が一応省内における物の消化の限界であるということを承知をしながら、その圧力に屈しておる。これは私は率直に言えると思う。従って限界を越えたものを了承したところに、やはりここに言われているところの、いわゆる事業の混乱の一端があったと思うのでありまして、この点をもう少し明確にしてもらわないと、国民に陳謝をしたいというけれども、その陳謝の原因が、全逓の闘争によるものであるという内容では、どうしてもこれは私は受け取れないのであります。もう少し詳しく説明して下さい。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 発行枚数につきましては、当初森中委員が省議で決定した線と申されました寄付金つき三億枚、寄付金のつかないものを三億枚、計六億枚、これが発行の最大限度であるとは考えておりません。しかもこの省議に諮りました当時は、時期的にもまだ八月早々くらいな時期でありまして、これをもって年賀はがきの発行の、いわゆる現在の人的、物的施設をもってさばく最大限度とは測定いたしておらないのであります。前年の例から見ましても、六億枚は非常に低きに失する数であろうと思います。そういった面で必ずしもその省議できめた線が最大の限度であって、その後いろいろな方面の要望なり圧力に屈して、無理な枚数を発行したために、年賀郵便の混乱を招来せざるを得なかったということは、事実と相当違っておるわけであります。必ずしも外部の圧力に屈し云々というようなことはないわけでございまして、郵政省独自の立場におきまして共募等の、もしくは慈善事業への努力の必要等とも考え、また部内におきまして、この物を処理し得る能力等とも勘案いたしまして、その能力等を限界において、当初の三億を変更いたしたのでありまして、決してこのために異常に年賀郵便の混乱を来たした、こういう関係では実はないと考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、ここに言われておる「万全の措置」というものは、今事務次官の言われるように、どの程度が限界であるかという確信はなかった、こういう御答弁でありますから、結局非常勤を配置した、あるいは若干の施設を拡大した、こういうことは単なる、いわゆる現業の第一線に働いておる人から言わせると、デスク・プランと、こういうように表現ができましょうし、あるいは学者や評論家に言わせると、単なる形式主義あるいは官僚主義、こういうそしりを免かれない。私はそういうことをつじつま合わせ主義と、こういう工合に言わなければならぬのです。そういう観点から立てば、いわゆる国民に陳謝をする、それはいいとして、その原因に、この全逓との関連をここに引き合いに出されるというのは、いささかこれは筋違いではないかと、こういう工合に考える。従ってこの「かねてから万全の措置を整えておったのでありますが」以降「遺憾に存じております。」、ここまで私は取って、修正をして、率直に国民に対するいわゆる省の態度というものが表明されてしかるべきものであると思う。この項目は私は変えてほしい。どうですか。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 先ほど大臣の所管事項説明の真の意のあるところは申し上げたわけであります。この文章が必ずしも組合を誹謗したものとおとりに相なりますことは、非常に事実と相違し、われわれ意とするものと相違するものでありまして、現実にただいまの年末時期における年賀郵便の処理を通じて国民の非難を受けました原因が闘争にあったことは、これは事実であります。それをもって直ちに組合を誹謗する結果にはならないわけでありまして、先ほど申し上げましたようないろいろ万全の計画を立てましても、その中には年賀郵便の処理に必要なる時期的な限界としては、少くとも十二月半ばまでには完全な平常服務状態に復さないと、いかなる措置をとりましても、需要の制限でもしない限り、これは混乱を来たすということは事前に見きわめ得るわけでありまして、そういった期待が入っており、しかも現実はその期待通りにいかなかったという点に国民の非難を受ける結果を招いたわけでありまして、それに対する陳謝の意味で申し上げておるわけでありまして、この字句を取り消す云々というようなことには相なるまいかと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それでは、これはもう少し先を言わないとこの結論が出ないと思いますので、私は五ページに、「次に、労働問題について申し上げますと」という、ここの内容であります。これを少し解明して今のところに返りたいと思うのでありますが、ここに「このように多くの闘争目標をかかげて闘争を組織したために、その闘争は十一月十日から十二月二十一日までの四十一日間の長期にわたり、」以下云々とありますが、これは私は、全逓というものに対する省の見方が少し私どもと違うのであります。何となれば、要するにこの経過を見ていますと、八項目の中に賃金確定の問題、これを除けばほとんど各分科会に入って、きわめてスムーズに省と全逓との交渉は進められておったわけであります。従って多くの闘争目標をかかげたためという、この一つの理由づけがどうしても納得できない。むしろ当時の全逓の闘争の中心目標は、賃金確定であったと私どもは聞いております。それだけに全逓と省の間には分科会では非常に円満になっている。にもかかわらず十四日でありましたか、あれ以降省側では賃金の問題と年末首の繁忙手当、それから年末手当、この三つの問題を一緒に解決しなければ交渉に応じない、こういうことで一方的に全逓に対する交渉を打ち切っているではありませんか。そこで、その後三日間というものは完全に空白状態にたっておる。全逓は両三度にわたって、一日も事態の収拾をはかりたいと申し出たにもかかわらず、三つの問題を一緒に解決しなければ交渉に応じないということで交渉を中断させた。その結果ついにA号という、ああいう闘争に入ったのであります。これを限局して考えていくならば、郵政省はむしろ全逓を扇動したというような批判を受けても仕方がないではないか、こういう工合に思うのであります。従って交渉を中断した理由、それをもう少し具体的に説明してもらいたいと思います。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 交渉の具体的な経過内容につきましては、直接この衝に当って参りました人事部長から御説明があろうかと思いますが、私から総括的に申し上げますと、今御指摘の三日間の全然交渉のない空白状態があったではないか、しかも妥結を一日も早く出さなければならない時期において、そういった面で省側の方で交渉を打ち切った、このように申されたのでありますが、この面におきまして、組合といたしましてはいろいろな獲得したい目標はあったおけでありますが、どこまでも調停案第一項の確定問題を最重要と考え、この問題以外の面につきましては、いわゆる給与関係の問題につきましても交渉には応じない。まず第一項の確定段階を先決するのだ、こういうような気持であったことは事実のようであります。従いましてわれわれといたしましては、先ほど申し上げましたような、いかなる年末対策をとりましても、時期的に十二月半ばには完全な平常服務状態になりませんと、年賀郵便の処理の万全を期し得ない、こういう心配もありましたので、しかも財源といたしましては、第一項の確定問題でありましょうと、また例の年末手当、期末手当のプラス分でありましょうと、年末首固有の繁忙に対する手当でありましょうと、財源は、出るところは一つでありますので、そういう面でいろいろ原資配分の問題等において、それぞれ別個に扱われることは非常に困るわけであります。しかもわれわれとして、決して出し惜しみをいたすわけでなく、財源の許す限り従業員の待遇の向上の面につきましては、全部を出しきる気持と用意もありましたので、そう一つ一つをとっぱずさないで、出る財源は一つなのだから、そういう財源全体の問題として、一括して一つ交渉しようではないかという気持を持ったことも事実であります。そういう面がわれわれの意図するところに従って、そのように流れなかったところに問題があるのでございますが、われわれの聞きましたところでは、そういう第一項の問題に、給与問題であれ、年末首固有の繁忙手当、あるいは期末手当の一般公務員の〇・四の差に対するフラス分であろうと、こういう難物を入れることは困るということで、組合の方でそういう交渉には応じない、打ち切りだというように経過はなっているように聞いております。詳しいその当時の経過につきましては、直接その衝に当られた人事部長からお答えを願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうも抽象的でよくわかりません。私はこれは多分に、何かの聞き違えであれば幸いと思いますが、こういうことを聞いております。十四日の夕刻に、三つの項目を一諸にしなければ交渉に応じないということで、一方的に交渉の決裂を宣言し、直後少くとも三日間の空白の期間において省議が行われた——正確に省議であるかどうかわかりませんが、少くとも政府の首脳部が参集をされて、こういうことが論議になっていると聞いております。その一つは、全逓はA号を打てないであろう、そうして組織が壊滅をするであろう、こういう二つの結論を出して、いましばらくこの問題は遷延をすべきである、交渉に応ずべきでない、こういうような省の態度が決定をされたかに聞いているのであります。このように考えて参りますと、国会が法律を制定して公労法を作った、あるいは労働基準法を作った、いろいろな法律を作るということは、全逓の中間本部である、あるいは国鉄や電通や、そういう中央におけるいわゆる戦術指導であるとか、闘争指導をやる人のために法律は制定をされてはおりません。問題は労働者全体のために、その人たちの利益を擁護するために法律は制定されておるにもかかわらず、あたかも中央における指導者のみを相手にして、戦術がどうだこうだというようなことで労働問題に対処するところに、そもそも法律に対する解釈を誤まっていると言わなければなりませんし、またそのことを考えていくならば、全逓の要求をした年末手当の二カ月分、あるいは調停案一項の確定、こういう問題は中央におけるごく少数の指導者のものであるという認定をしているという気がして仕方がないのであります。かように考えて参りますと、もう少し私は省内における二十二万の職員諸君の生活の実態、あるいは要求の本質というものに対して、郵政省はどのようにお考えであるか、その点をもっと詳しく御説明を願いたい。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 労働問題を処理いたします基本的な省の気持といたしましては、森中委員のただいま申されました従業員の勤務の実態、また生活の実情、こういうものに沿いまして、財政の許す限り、できるだけ向上をはかるべきである、かように考えているのでありまして、決してこれを戦術的にかれこれ技術を弄する態度は毛頭持っておりません。またこの問題に対する省議の状況等も申されましたが、省議の内容が漏れるはずもございませんし、いろいろこれは憶測が入っておる。また具体的に省議でそのような観点を主体といたしまして、いわゆるかけ引き上の省としての方針を論議したことは事実ありません。財源状態その他から見まして、いわゆる他との権衡等から見て、許容し得る最大限度の待遇の問題の処理につきましては、誠意をもちまして常にその見地から討議をいたしておるのでありまして、過半の年末のこういった問題につきましても、実にそういった見地から何回か省議で取り上げておるわけであります。決してこれを組合の分裂とかあるいはかけ引きの具に供しまして、そういう見地から給与問題を検討するというようなことは毛頭考えておりません。もとより組合としての考え方といったようなものは、もちろんいろいろ参酌する要は大いにあろうかとも思いますが、それはほんの参考資料でありまして、本体は、どこまでも待遇の向上の面において、事情の許す限りの最大限度の努力をいたしたいというような立場で臨んでおるわけであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私は、事務次官のそういう良識ある答弁を実は信じたいのでありますが、実際問題として、先刻も事務次官が言われたように、少くとも年末の闘争というものは、十五日までにはこれは終了すべきである、こういうことでありました。ところが一番大事な時期が十五日でなくして十八日になってしまった。三日間の空白をどういった説明をされても、私はどうしても——今、小野次官は労働問題に対して技術を弄する、あるいは取引を弄するということはなかったと言われるのでありますけれども、現実はそうとらざるを得ないのであります。なぜ三日間の空白を置いたか、そうして全逓をそういったように引きずって、一つの歴史が、この年末に当って最初三百円という手当を出して、さらに三百円、さらに六百円、こういったように小刻みに出してきて、要するに闘争をやれば金が出るのだというような、こういったようなことで、どんどん引きずり込んできて、結果的には十四日で打ち切って、しかも一方的に十四日に交渉を決裂せしめておいて、三日間の間に郵政省は何をしたか。一番大事な時期が十五日までということを次官が言われるならば、その後三日間の間に何をしておりますか。ここに出席されておる経理局長は、この三日間の間に欠席しておるではありませんか。一番大事な郵政省の経理を握っておる経理局長が欠席するような、登庁しないような状態で、交渉が片づくとは私はどうしても思いません。従いまして全逓が闘争目標を多く掲げたからこの年末闘争が長引いた、こういう理由のような私はこの報告はどうしても受け取れません。こういうことでありますので、この三日間の空白を置いたというこの責任と、その間に郵政省はほんとうに事業を混乱させないようにどのように対処されたか、もう少し克明に説明して下さい。

大塚茂郵政大臣官房人事部長

○説明員(大塚茂君) 十五日から十八日まで交渉の空白があったという問題につきまして、私から当時の事情を御説明申し上げます。先ほど事務次官から申し上げましたように、十四、十五日を解決の山と見ておったことはわれわれ確かでございます。そこに解決の山を置きまして、何とか解決をしたいということで努力をいたして参ったわけでありますが、十五日の明け方になりまして、われわれの方から提示しました条件について、組合側におきましては、問題にならないというようなことで、組合側から交渉の打ち切りを宣言されたわけであります。そこでわれわれとしましては、次の解決について新たに再検討しなければならぬというようなことになりまして、その後、解決の条件あるいは解決の時期、あるいは情勢の分析というものを検討いたしまして、組合の方から打ち切りを宣せられておりますので、できれば組合側からもう一ぺん交渉の申し入れがあれば、ということを待ち、まあ、大体十五日を逸した以上は、A号戦術に入る直前というのが、また解決の山ではなかろうかというふうな見方をいたしておったのでありますが、十七日は組合内部で何か打ち合せその他の会議も持たれるというようなことを聞きましたので、十八日になって組合側からの申し出がありませんので、私の方から交渉再開を申し出まして再開をいたしたというような事情でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと年末に最終的な妥協の額ですね、つまり〇・二でしたか、それと二月に支給される一千円、年度末の精算、この三つの条項ということは、大蔵省と折衝を必要としましたか。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) これは、その当時におきまして大蔵省にこの問題を折衝いたしましても、大蔵省といたしましては、御承知のごとく国鉄の〇・一六の問題を中心といたしまして、調停案の扱いにつきましては、閣議で非常に紛糾をいたしたわけでございます。そういった面で大蔵省といたしましては、たまたま当時、人事院の公務員給与改善に対する勧告が出ておりまして、これと見合いまして三公社五現業官庁におきまして直ちにそれに準ずる指貫をとられることは、人事院勧告の表現が、一般公務員は三公社五現業官庁と比較いたしても給与が劣悪である、従って改善の余地があるということもうたっておりますので、それをやられたのではイタチごっこになって困るというような見解が強かったわけであります。従って、そういった意味合いにおける調停案の内容実現のためのベース・アップの含みのある解決は、絶対に賛成いたしかねるという立場を堅持いたしておりましたので、当時大蔵省に折衝しても、これはとうてい相手にならぬ問題でございますし、またその当時におきまして大蔵省とかれこれ折衝する必要も絶対的のものではない。われわれの腹におきましてこれはやってしかるべき問題でありますし、当時といたしましては、全然大蔵省の事前了解を得るというようなことではなく、郵政省の腹において措置いたしたわけでございます。従いまして、これが承認等の問題は今後に残る問題に相なるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 だといたしますと、財源の問題をめぐって大蔵省に特別に折衝する、あるいは交渉の必要がないということであれば、十四口のあの一つの決裂の場面において〇・二あるいは一千円、年度末精算、こういったような提案ができなかったのですか。

大塚茂郵政大臣官房人事部長

○説明員(大塚茂君) 交渉にはいろいろ交渉のテクニックといいますか、やり方等もございますし、またわれわれとしましては、年度末というようなこともある程度考えなければならぬ、昨年度、年度末に相当出しておるというようなことも考え、その間に、いかに考え得る原資を配分をするかというようなことについて考えておったわけでございまして、その配分の仕方について、情勢の変化によって多少考え方を変えたという点はございますが、原資としては、初めから同じ原資をもって操作をやっておるというわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうも事務次官と人事部長の話が食い違うような気がするのですよ。先刻事務次官は、交渉にはテクニックはない、取引はない、こういったように言われて、少くとも私は省の良識を信じたのでありますが、今、人事部長は、交渉にはテクニックがある、こういったようなことだと、いよいよこれは郵政省が闘争を引き延ばして、十九日まで引き延ばしていって、少くとも全逓の闘争を延引せしめたような印象を非常に濃厚に受けるのであります。こういうことでありますから、特別に大蔵省と財源の折衝をする必要がないということであれば、しかも事務次官が言われるように、交渉に取引もない、テクニックもない、そういうことであれば、もっと早く全逓が納得するような三つの条件を出して、最終的な妥結をはかれる、十五日までには、私は交渉は当然成立をしておったのではないか、このように考えるのであります。三日間の間には何もしていない。そういう点人事部長、交渉のテクニックというものはどういう意味ですか。

大塚茂郵政大臣官房人事部長

○説明員(大塚茂君) テクニックというような言葉を使いましたので、あるいは誤解を受けたかと思いますが、何も権謀術数といったような悪い意味ではございませんで、まあ全逓としても、全体を納得しやすいやり方といいますか、組合として割合にまとめやすいというようなふうにわれわれの方から出し方を持ちかけるというような点等は、当然話をまとめようという以上、考えなければならぬ事柄だと考えております。そういうふうな意味におきまして、いろいろ金額の割り出し等についても、先ほどお話があったようでありますが、あまり大きな期待を組合員が持っておられるという場合に、あまり期待が多過ぎては、これはむずかしそうだというような感じを最初に与えるというような行き方も、話をまとめる場合の行き方として考えなきゃならぬ問題ではなかろうかといったような、そういうふうな事柄をさして申し上げた次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私は、全逓本部が闘争をもてあそんでいる、こういう工合にはどうしても解釈できません。おそらく二十二万の代表である本部の諸君が一日も早く事態の解決をはかりたい、しかも暮れの貨幣価値と申しましょうか、一日早いのとおそいのでは大へんな違いであります。こういうことで全逓本部の諸君は、おそらく省が示された〇・二と一千円及び年度末の精算、こういう問題を十四日の日に出したならば、おそらく事態はもっと早く解決したのではないか、このように考えるのであります。今、人事部長の言葉を私の解釈からすれば、あまり早く投げ出したのでは全逓のおさまりがつかぬだろう、だから少し引き延ばしてこれで精一ぱいだというところまでの認識をさせたいというような気持にも私はとれるのであります。そうしますと、権謀術策は弄しない、こう言われるが、そのことがかりに親心であったにしろ、私は最善の措置とはどうしても考えることはできません。それも先刻から何回もお伺いして一向に答えが出ないのでありますが、三日間の空白をどうしたのか、これが全然答えが出ておりません。もう少し的確に事務次官からお答えをいただきたい。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 先ほどの大塚人事部長の御説明と私の申しましたことと食い違いがあるような御印象を受けられたようでありますが、これはそうではないのでありまして、私からいささか人事部長の表現を補足いたしたいと思いますが、決してそういった技を弄したわけではないのであります。当時の情勢といたしましては、先ほど申し上げましたごとく、組合といたしましては、調停案第一項の問題を第一次問題として掲げておったわけでありまして、従って自余の問題については、この問題をまず片づけないと入れないというのが実情であったのであります。われわれの方といたしましては、財源は出所は一つであります。そういうために財源を全部吐き出して措置するということが望ましかったわけであります。ところが、これはなかなか両者の気持が一致いたしませんで、組合としては、二カ月分要求のことはいずれ後日要求するのだ、年末繁忙手当については、これは今はわからない、これはむしろあとの問題である、まず調停案一項、これが原資がどれだけ出るか、はっきりした額を確定しろ、これを一歩も譲らなかったわけでありまして、人事部長としては、技を弄したわけでなく、組合もそのような面で非常にやはり警戒と申しますか、憶病ならざるを得なかった、そこで思い切って全額をぱっと出すというようなところまで、どうしても踏み切れなかったというのが実情でございまして、そういった年末首に際しましていろいろ色分けをすれば、あるいは調停案一項の確定問題、期末手当の問題、年末首プロパーの繁忙手当があるわけでありますが、一体財源はどれだけ出せるかというようなことに両者の気持が一致すれば、少くとも十四日あるいはもっと前に、財源があるだけ出し得たと思っておりますが、これはなかなか組合がその通りに応じて来られなかった。まず調停案一項の確定がどれだけ出るか、二カ月分の要求あるいはプロパーの問題は自後の問題として要求するのだ、こうなってきますと、人事部長としての立場といたしまして非常につらいわけでありまして、財源全部を吐き出すわけにはいかないような、このような面で非常に、事われわれの本旨に沿わない面があったような実情であります。  三日間空白の問題につきましては、徹夜交渉その他人事部長が直接当って参りましたので、人事部長からその辺のいきさつは御説明があると思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 その前に、呼吸というような言葉が出たのでありますが、まあ言葉じりをとるわけではないのですが、チャンチャンバラバラやったあとでないとこれは呼吸が合わぬということはないと思う。おそらく野上執行委員長初め四十数名の本部の諸君は、そうかたくななもののわからない本部の諸君だとは思っておりません。ほんとうに話し合いの中から、省の財源はこれこれだというような、全逓本部を納得せしめ得るに足るような交渉の席上における説明を加えられるならば、身ぶりよく、A号ならばA号を打ったあとでないと交渉はまとまらない、こういうような気持は本部にはなかったと思う。いわんや六千数百名に上る犠牲者を出してまでも、この闘争をやろうという気持は実は本部にはなかったと思う。やはりそこに郵政省として交渉の席上における説得のしようが足りなかった。あるいは説明のしようが足りなかった。少くともこの三日間の空白というものを作らざるを得なかったというのは、私は自然の成り行きだとけどうしても考えられないのであります。それですから、先刻も申し上げましたように、A号を一つやらしてみろ、それで組織が壊滅するのじゃないか、こういったように省が二つの結論を出して、三日間の空白を意識的に作ったということは、客観的に見て私はあり得ないことでもなかろう、こういう工合に思えるのであります。ところが、A号をやると、こういう全逓本部が決意を持ったときに、あわててそれでは〇・二を出そう、あるいは一千円を出そう、年度末精算をしょう、こういった態度に省はにわかに変ったのではありませんか。お答え願います。

大塚茂郵政大臣官房人事部長

○説明員(大塚茂君) 交渉のあとを振り返ってみますと、われわれとしても反省を要する点もあり、また外部の方々からごらんになりますと、もっとこうしたらよかったのじゃなかろうかというようなお考えも一つあろうかと思います。しかしわれわれとしては、当時情勢のさなかにあって最善と思う、また最大のできるだけの努力をして参っておるわけでありまして、まあいろいろおっしゃられる点等も、今後のわれわれの反省材料にしていきたいと考えておりますが、当時われわれが最善を尽したということだけははっきり申し上げられると思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それはもうこれは打ち切りだといえば、人事部長の言われることは私は了承してよろしい。しかし、少くともこれを一つの参考として将来のために資していきたいというようなことでは、どうしてもまずいと思う。それは電通あるいは国鉄が早く妥結をしました。その後相当長期に全逓だけがこういう工合になったということで、しかも省の報告では、あたかも全逓の闘争目標が多過ぎた、何とはなしにがんこ過ぎて、省側との歩み寄りができなかった、こういうことで委員会に報告して、国民に了承を求めようというところに私は問題があると思う。つまり当然回避し得る問題を回避できなかった省の責任をどうするのか、こういうことを私は言っておるのである。もう少し的確にまとまった答弁をしてほしいのですがね。

大塚茂郵政大臣官房人事部長

○説明員(大塚茂君) A号戦術が避け得たものであったか、不可避であったかという点については、いろいろ見方があろうかと思っております。私たちの見方で参りますと、全逓としてはA号戦術というものを打つか打たぬかということは非常に長い間の懸案でありまして、いつかはそれを打たなければならぬというような情勢にもあったのじゃなかろうかというふうにも考えられます。それから秋季、年末闘争の前の、全逓で行われましたいろいろ中央委員会その他の空気を見ましても、とにかくやるところまでやらなければならぬというような空気が強かったようにも考えておるのであります。そういった全逓内部の情勢、また要求十項目についてもいろいろ問題がありますが、この要求十項目を掲げまして、それを一つずつ解決しなければ、次の問題の交渉に移らぬという行き方等については、その後行われた全逓の中央委員会において、全逓内部におきましても闘争の組み方について、相当批判があったようなふうにもわれわれ聞いておるのでありまして、十項目を次々に片づけなければ、次の問題に移らぬという行き方が闘争を長引かした原因であるという点は、私どもだけでなしに、全逓内部でもある程度の批判があったように聞いておるのであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ここは全逓との交渉じゃありませんからね。当の相手方を何とはなしに論評を加えるようなことは、私は避けてもらいたいと思うのですよ。下手するとこれは不当労働行為になりますよ。ここの中にもそれに似たようなことが言ってあります。健全な労働組合の云々というのですが、こういう労働行政をつかさどるのは労働省のはずであります。ただ郵政省は公労法なり、あるいはその他の法規を現場に当てはめてみて、正当かどうかという判断をするのが郵政省の仕事で、労働運動が健全であるかどうかということの論評は、これは郵政省は下すべきじゃない。いわんや大塚人事部長が、全逓の内部がこうであった、ああであったと言うに至っては、私は少し行き過ぎではないかと思うのです。そこでどうしても私がもう一つお聞きしたいのは、私どもここで三日間の空白をどういったように善処し、努力をしてきたか、この内容が納得できるような説明がまだ行われておりません。この点をもう少し、省議を開いてこうしたとか、あるいは相手方にこういうような話し合いを進めてみたがだめであったとか、少くとも具体的に年末の闘争を妥結に導くような具体的な内容の答弁を願いたいと思うのであります。

大塚茂郵政大臣官房人事部長

○説明員(大塚茂君) 交渉の内容につきましていろいろ触れますと、結局相手側の全逓の内部的な情勢その他にも触れない、十分な御説明にならぬということになるのでありますが、またそれに触れますとしかられますので、どの辺を御説明したらいいかということがむずかしい問題でございます。十五日から十八日までの間の空白と申されますが、われわれはその間拱手傍観しておったというわけではもちろんございません。十五日の朝方、一たん交渉打ち切りということになりましたので、その状況を省議において報告をし、相談をしたということは、これは当然のことでございます。その一方、全逓内部におけるいろいろな情勢等をもそれとなく探るといいますか、等もいろいろ考えまして、われわれとして妥結するためにはどういうふうな出方をしたらいいかというようなことを研究もし、いろいろ具体的に申し上げるのははばかりますが、裏面において打診といいますか、当ったりなんかのこともやっておったわけであります。その結論といたしまして、結局われわれが考えておるような条件で全逓と妥結をいたしますためには、A号に入る直前に、これこそかけ引きなしで洗いざらいの金を投げ出しまして、これで一つ行こうという態度に出るよりほかに解決の方法がない。それより前に同じような条件を出してみたところで、それではちょっとむずかしい。いよいよぎりぎりとなったときに一か八かという態度で全部をさらけ出していくよりほかに解決はむずかしかろうというような結論に達しまして、A号戦術実施の前日において、われわれが考えておった条件を全部出して交渉に当ったという経過でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この問題はまあいずれ大臣が来られてもう一回やり直したいと思っております。どうしても一番最初の、私が指摘しました、要するに年末における事業の混乱というものを全逓の闘争に原因を持たしてしまった。これはこの文書をそのまま朗読をされた大臣の所管事項の説明からして、そのように取らざるを得ません。そこで果してその原因がそうであったかどうかということは、三日間の空白についての確実な答え、そうしてまた私の質問に対し納得するような答えが出ませんから、これは私はどうしてもここで釈然と大臣の説明を了承するわけにも参りません。そこでやはり一番最初に申し上げた、年賀郵便を相当増刷をした、それと全逓の闘争、この二つが事業を混乱させたというような、この比率をもう少し具体的に説明いただきたいと思います。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) その辺の比率分析というようなことになりますと、非常にデリケートな問題でもありますし、非常に技術的にも不可能ではないかと思いますが、発行の部数につきましては、先ほど申し上げましたごとく、寄付金つきのもの、また寄付金のつかないもの三億枚ずつ、合計六億、これは省議でそのような話し合いを一度いたしましたことは事実でありますが、決してこれが郵政省の人的、物的な能力の限界であるという立場に立っての発行部数の限界と考えておったわけではないわけでございます。ひとまず今年度におきましては新たに、従来やっておりませんでした四円のものにも抽せん券をつけよう、そうするとかなり需要があるであろう、前年までは大体一億枚くらいしか刷っておりませんが、抽せんをつける以上は、一億枚ではとても足りないであろう、まあ少くとも三億枚ぐらいは発行いたしたい、そうなってみると、全体としての取扱い部数の面とも関連いたしまして、幾らでもというわけにはもちろん参りません。ひとまずそういった面から、まず第一に、印刷に早く着手しなければならないというような時期的要請もありましたので、その際の一応の印刷にかかるときの発注の第一着手といたしまして、寄付金つきのものは、前年五億二千万枚発行いたしておりますが、ひとまず三億枚発行してみよう、そこで、そういった前年までにない両者に抽せん券がつくというような状況になりますと、寄付金つきのものに対する発行枚数は、いろいろ正確なその後の需要の見きわめをつけて発行いたしませんと、発行枚数の上におきましても、非常にむだが生じますし、いたしますので、一応の措置といたしまして、三億、三億、合計六億ときめたわけでありますが、これをもって——くどいようでございますが、マキシマムとは考えておりません。その後の需要の状況の推移を見まして、必要な限度の増刷は、能力の許す範囲内において考えようということであったわけでございます。従いまして、これは非常に含みのある決定でございまして、その後の状況の推移によりまして、寄付金つきのものについて、五億枚では足らない、まだ消化可能であろうということで増刷をいたしたわけであります。そういった面で、終局的に、発行いたしました四円のもの三億枚、寄付金つきのもの四億二千万枚、これは大体そういった需要を見て発行いたしておりますので、両者とも大体完全な消化に近い消化を見ております。しかもその数量は、現在の郵便の機能の状況から見まして、決して取りさばきに無理な状況ではないというように考えたのであります。もちろん、そこの取扱い上可能な限度であるといううちには、先ほど申し上げましたような、毎年のことでありますが、あります年末闘争につきましても、この妥結の時期、いわゆる平常の労務状況に復する時期は、十二月十五日ごろにはもうそういった常態に復するであろう、また復さなければならないと、こういうような期待が入っておったわけであります。その期待に現実のそごがありました点、そういう面で年賀郵便の配送等におきまして、当初予期のごとくはかどらなかったというような結果に相なったわけであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 限界壁が明確になっていなかった、あるいは非常に確信の持てる計画でなかった、こういうことをずっと以前に事務次官が答弁をされて、大体それに似たようなことが今までも言われてきたのでありますが、そうでありますと、やはり事業の混乱ということは、なるほどデリケートであるかもわかりません。微妙であるかもわからない。しかしそういうことであれば、ここに冒頭に指摘をし、かつ労働運動の中で指摘をされているように、全逓の闘争がそのように結果的に原因をしたというような割り切った説明ということは、私は非常に一方的ではないか、こういう工合に考えるのです。それでもう少し、確信がない、あるいはまた計画自体の限界壁がはっきりしなかった、こういったようなことで、ずっと今まで郵政省は事業の経営に当ってこられたのですか。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 先ほど申し上げましたごとく、来たるべきいろいろな諸条件を勘案いたしまして、そういった想定に基く事態に対しましては、万全を期して参ったつもりであります。今回の年賀郵便の処理に当りまする混乱等につきましても、いろいろ見方はありましょうが、必ずしも私ども御説明の趣旨は、全逓のみを誹謗しておるわけではございません。その間の経過を説明しつつ、生じました、国民に対する迷惑をかけました点、国民から非難を受けました点につきまして、陳謝を申し上げておるわけでありまして、闘争自体につきましても、もとよりいろいろ時期的には、いつ妥結しなければならないといったような限界があろうと思います。そういった面等もあわせ考えてみますと、闘争のあり方についても問題もございましょうし、またそれのみをここで指摘しているのではないのでありまして、先ほど人事部長が申しましたごとく、省側といたしまして、団体交渉その他労働問題解決のために当る点につきましても、われわれ非常に万全を期して参ったつもりではありますが、これが完璧であるとは申しておりません。いろいろ反省もいたさなければならない事柄もあろうと思います。そういった点で、あわせて将来のそういった問題の処理に当りましては、できるだけ誠意と完璧を期しつつやって参りたいということを、陳謝しつつお約束申し上げている次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 私、発言するつもりではなかったのですが、ちょっと食い違いがあったように思いますので、関連して質問したいと思いますが、答弁を聞いておりますと、次官は、郵政事業の最繁忙期を切り抜けるためには、どうしても紛争解決は十五日ごろにめどをおいてやらなければならないということを言われているのですが、それは私たちもその通りだと思うのです。しかし人事部長の答弁を聞いていると、やはり全逓の内部事情、中央委員会の状況やA号戦術の行使の問題にからんで、どっちみちA号戦術であろう、だから打つ前にほんとうの腹を出してもだめなんだから、打ったあとに解決のめどを求めたというように私はとれるのです、強く言って。そうでないと、十四日ですか、十五日ですか、よくわからないのですが、十五日ごろから十八日までの間のブランクというものが三日あったということですが、その間、いわゆるそういう判断のもとに立って、一つの労務対策というものを考えるとするならば、これは私は郵政省は確たる労務政策というものはないということになると思うのです。私は、全逓労働史を皆さん読んでいただいたと思うのですが、かつての日本共産党に指導された労働運動から、少くとも事業とともにわれわれの生活条件を守ろうといういわゆる思想に生れたのが全逓労働組合だと思うのです。その組合が、百、しからずんばゼロの手を打つとは考えられない。そうであれば、労使間においては、私はほんとうに腹を割って、年末には省側としては、年間の収入からして限られた財政の中に、しかも年末手当〇・一五ふえた、その関連からして年末手当はここだ、調停案についてはこれだという、ほんとうの腹を割って納得させるだけの努力をしたとは私は思えないのです。途中において一つの考え方がぐらついておったというように私はとれるのです。そうであっては、私は今後も労使間の紛争解決ということは、非常に問題があると思うのです。われわれはストライキを打つ場合には、いろいろな相手方の経営の状況も分析をして、経営者がうそを言ったと思ったときに打つのです。まだ出せるという自信があるときにわれわれはストライキを打って、そうして反省を促して取っていく。しかし、経営の状況が赤裸々になり、われわれがストライキを打つことによって会社がつぶれるというときには、ストライキを打つべきではないと思っている。それには、問題は労使がほんとうに腹と腹を出し合って話し合いをしていくということが一番要諦なんです。そこに私は労務管理に対してきわめて、途中においてぐらぐらしたと思うのです。大臣以下どういうふうに政策をとられたかしりませんけれども、一つの信念を提示したならば、それによってやはり納得できるだけの最終案を出すべきなんです。それがさき申し上げたように、人事部長の話によると、どうもA号戦術を打たなければおさまらないだろうというようなことから、そういうふうにされたというふうに私は受け取らざるを得ない。そうであれば、あなたが、次官が十五日に解決をしようという信念、それとは違うじゃないですか。しかもそういうことであるならば、あなたの方も全逓の事情を了承して、あえて十八日なりあるいは二十日まで戦術を延ばさざるを得なかったということであるならば、その責任は私は全逓労働組合にはないと思う。あなたのおっしゃっているように、当然相互間に責任があると、そういう結論にならなければそうだと思う。ところがあなたは、この表現の方法が国民に両方とも陳謝していると、こういうふうに言われておりますけれども、私たちは頭も悪いかどうかしれませんけれども、普通に日本文を読んでみると、明らかに省側は完全な措置をとったが、全逓が闘争を打ってそのために郵便がおくれた、年賀郵便配達がおくれた、その責任は組合側にあるんだと、こう言っていますよ。それよりほかにもしとれるならば、どういうふうにとるのですか。私は普通の常識ある日本国民であれば、日本文、日本語を解せる人であるならば、私はそうとるであろうと思う。だからそういう点が、私は、今度大臣がかわられて概況報告の中に、労使問題について取り上げられたことは特色だと思います。だがしかし、その取り上げ方がこういうふうなことであっては、次官が言ってるようなことにはならぬと思う。もしあなたがそういうことであるならば、同僚森中君が言っているように、これは変えてもらわなければ、われわれは受け取れませんよ。次官が言っておることと内容が——書かれておるのと食い違いがあるものを、私たちは少くともこの委員会で聞いてそうですかというわけにはいかぬと思う。私はそういう点が最終的に出てくると思う。この点は、まあ大臣もおられないので、私は今すぐお答えができるかどうかしりませんが、できるならば大臣が出席した上でこれは明確にしなければいけないと思うのです。ですからあなたの言ってる——食い違いがないと言っていますけれども、私たち冷静に聞いておれば、明らかに人事部長との間の食い違いがある。その中には今申し上げますような二つの点について、やはり一つは、要するにその情勢を省側で了承をしてやっておったんだ、こういうことにとれるし、そうでなければ明らかにその責任は省側にある。それを全逓信従業員だけを、六千名ですか、不当に処分をして、そうして天地に恥じないというような、そういう省側の態度については、われわれは納得できないということになると思う。その点の食い違いが明らかにありますよ。次官その点どうですか。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 労働問題の処理に当ります労使双方の基本的な態度といたしましては、鈴木委員ただいま申されました御趣旨全く同感であります。寸分の相違なく私どももその通りに考えております。またそういった立場でいろいろ組合交渉にも当っておるわけであります。われわれもそうであります。全逓といたしましてもそういう気持で当っておられると思います。そこにいろいろな立場がございまして、決して組合が一方的に悪いんだと決して言っておるわけではございません。将来のあり方といたしましては、こういった国民の非難を受けるようなことを、公共事業としては極力避けるべきでありますので、最高の努力を双方尽しまして、国民に負託された郵政事業の円滑な運営を期して参りたいということが本旨でありまして、年末首における闘争の経過は多少触れてございますが、決してこれは組合が悪いということを断定しておるのではございません。またいろいろ交渉の過程等におきまして、その交渉に臨んだ気持、態度、方法等におきまして私と人事部長との間に食い違いがあるようにお感じのようでございますが、これもそういったことはないのであります。いろいろ表現上の多少の食い違いはあるかもわかりませんが、気持といたしましては同様でございまして、少くともA号戦術を避けるためにどうこうというようなことは、基本的な問題とは考えておりません。今日のわれわれの組合に許されましたるいわゆる労働権の範囲といたしましては、A号戦術のごとき、いわゆる事業の麻津を来たすようなそれは法によって禁じられておるはずでございまして、こういった問題をもちろん採用しないことを望むわけでありますが、このA号戦術を避けるという、そういった局限された問題のみによって交渉の妥結がおくれたというようなことではないと私は考えております。基本的な問題は、やはり調停案第一項の確定問題とその他の給与関係の問題、いずれも給与関係の問題でありますが、同一財源から出る金額はどうしぼってみても、三つを別々にしても一緒にしても、これはもう何らそこの金額に差はないのでありますから、これを早く一本で出し切るものは出して妥結をはかりたいというのが、われわれの気持ちであったわけでありますが、全逓といたしましては、当時の対国鉄の関係、電電公社の関係、その他の関係等からみまして、一番重要なるウエートを調停案一項の確定に置いておったわけであります。こういう面で、これも無理のないことではあったと思うのでありますが、調停案一項の問題にのみ固着して、ここに非常に両者の食い違いがありまして、予想外に長い時日を要した、しかも調停案一項の問題といたしましては、当時具体的に国鉄の問題をきっかけに非常な、政府部内におきましてもかなりきびしい見方があったわけでありまして、そういった微妙な面におきまして、これのみを中心に考えるのではわれわれといたしましても非常に苦慮いたしたわけであります。そういった面がむしろ闘争の予想外の長引きということに原因したわけでありまして、A号戦術に対するわれわれの技術的なこれに対する対処のかけ引きと、こういったようなことで遷延したものではないのであります。これが当時の実態であると考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 次官はそうおっしゃるけれども、人事部長の御答弁は、要するに一つの戦術が行使されて、それが妥結する時期があるわけです。その戦術の中で二日目になるか、三日目になるか、それが一たん解決しないで次の戦術を行使することになると、入る前が妥結の時期だというように人事部長おっしゃったようじゃないですか。私は、森中委員のおっしゃった考え方に対して、そういうふうに御答弁になったと思うのです。私は調停案第一項についても、年末手当二カ月分についても、あなたは大臣や政務次官と違って逓信省の飯を長く食った人だと思うし、また経理局長にしても人事部長にしても、そうだと思う。私も二十八年勤めたのですが、やめてみても、わずかに退職金を五十万もらって、今日自分の子供の教育さえできない。自分の住むうち一軒も建たないという状態です。しかしその労働の中で、その事業のために邁進しようというのでは、やはりその企業に即したところの賃金というものを考えてやって、その人が将来やめられても安定した生活ができるところまでぜひ持っていきたいというのがわれわれの念願であるし、また事業の中に携わっている人はみんなそうです。今日電電公社が三十年勤続して表彰状を総裁にもらってみても、実際には五人家族があると高等学校へやれないのです。まだ自分でうちを作っている人は幾らもいない、そういう立場におかれておる。だから私は調停案第一項にしても、年末手当二カ分にしても、そのこと自体が無理な、要求とは一つも考えていないのです。少くとも法的な手続をとって調停案が出ているのですから、私は一つも反対しないのです。年末手当二カ月分についても、今日は神武以来と言っているが、もちろんこれは足りないところもあるでしょうが、どの産業を見ても企業の能力に応じては四カ月なり、相当に年末手当をもらっておる。そういうことを考えたときに、決して無理な要求はしていない。そうであるならば、これに対する万全の対策を立てたとおっしゃるが、しからば十四日か十五日の妥結の日に省は最高首脳部会議を開いたと思うのです、大臣を含めて。そうして今度の十五日の年末繁忙の時期とあわせて何とか収拾したいという最善の努力を尽したと思う。その省議ではどういう結論を出したのですか。それがこの闘争の中で変っているじゃないですか。現実にそれは最善の、最高のあなた方の考え方でなかったということになるでしょう。私はそういう判断をせざるを得ないのです。経理局長も経理を担当しておられるのですから、郵政の収入の内容はどのくらいあるか、そうして今日出せる範囲はどのくらいあるかということを、一番当事着は私は真剣に考えたと思うのです。そういう問題を中心にして、一つの私は結論が省議の中で出たと思うのですが、それが戦いの中で変っていったということは、やはり私が最初に言ったように、ほんとうにこの事態を収拾しようという熱意が省側にあったかどうかということを疑うのですよ。もしそのときにきめたことは、たといどんな戦術をとっても何ら動かないということであるならば、A号戦術をとろうが何をとろうが、変っていなかったと思うのです。われわれは最高の万全な措置を講じていると思いますが、非常勤職員をもって年末対策を切り抜けることも一つの方法でしょうが、問題は、全逓が何を要求しておったか、そのことを集約したのが、あなたが言っている万全の措置だと、私はこれを読んだのです。もしそうであるならば、その辺に対する省のほんとうの正直な気持が全逓に通じておらなかったと思いますが、現実に変更したということはどういうことですか。万全の対策が万全でなかったのじゃないですか。もし万全の対策であるならば、しかも全逓という組合は、先ほど申し上げたような性格の組合であり、私は健全と思っておる。問題は、そういう紛争が起らないようにやることが管理者の責任ですよ。昔、共産党が戦いをする場合に、これは戦いであるから、どんな妥協が出てもけ飛ばして、水を飲んでも戦うのだと言ってきたが、そういうことではない。私どもはあなた方のほんとうの腹がわかれば、そこで妥結をしていこうという腹がまえを持って妥結をし、闘争をしているのだ。そういう点について明らかに食い遣いがありますよ、次官。明確に私は答弁を要求するとすれば、じゃ、十四日に決裂したときに、ほんとうの最善の腹というものを——なぜそれではA号戦術のときに妥結したのですか。妥結したときにまたどうして変ったのですか。もしそういう余裕があるとすれば、なぜその前にそういう腹を出さなかったか。それが大塚さんの言っているように、要するに戦いの段階からしてかけ引きがありました。相手のことも考えてやらなければならぬ、こういうことをおっしゃっている。明らかに私はあなたがおっしゃったような考えと違って、一つのかけ引きとして、A号戦術に入ってから一つの妥結を出そうという第二段階の案を持っていたというふうに判断せざるを得ない。そういうことであっては私は非常に困ると思うのです。これからもますます紛争を強化して蔓延させることになると思うので、その点は確たるやはり信念を持って労務対策を立ててもらわなければ困ると思う。あなたは違いがない、違いがないと言うのだけれども、はっきりわれわれはあると言うのだ。それは言葉の表現方法が違うとかなんとかじゃない。それは人事部長は具体的にそういう説明をしておるじゃないか。それをそこでちょっとごまかそうとしても、われわれはその手には乗らない。どうですか。その点ははっきり違うのですよ。

小野吉郎郵政事務次官

○説明員(小野吉郎君) 将来の労働対策のあり方としましては、鈴木委員がただいま申されました点と同様に考えております。ただ現実の過般の年末闘争のいろいろな交渉の経過等から見ますと、気持としてはその通りに相違ないわけですが、具体的な問題としましては、将来やはりお互いに改善をして参らなければならぬ点があるように痛感いたしてはおります。そういった面で交渉が非常に長引きましたことにつきましても、その間の非常に回数の多い交渉に人事部長も直接当りまして、いろいろ苦慮したわけであります。組合といたしましても、もちろん早期妥結を願って、いろいろ真剣に努力されたと思うのですが、残念ながら調停案一項、これを確定といったような、当時一般政府部内におきましても、きわめて微妙な取り扱いにくい困難な問題等も伏在いたしましたので、そういった面が通常の場合とは違って、年末期のいわゆる労働対策具体化の問題の面につきましても、遺憾な点があったことは率直に私も認めるわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 議事進行に関連があるようでありますから……。小野次官の言われたことでは納得ができない。それを食い違いがない、食い違いがないと言っておる。今もそらしちゃっておるのですよ。これは重要な問題ですから、次回にさらに大臣の御出席のもとで、大臣も当時の経緯は、直接担当でなかったから詳細に御存じないかと思いますが、少くとも責任ある判を押しておる以上は、私たちは明確にしなければならぬと思いますので、私はこの質問はさらに次回に譲って、私はきょう関連質問としては、これで終ります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 視察の関係もあるということですが、私はここでこの問題について決定的な結論はちょっと出しかねる、こういう工合にも考えますので、あらかた五つの項目について、次回の委員会に正確に統一された省の態度を表明されたいと思います。  その一つは、事務次官が言われたように、要するに年末の取扱いの物については、省議で一回きめた、そうしてそのあと中央共同募金委員会あるいは日赤、厚生省、こういう諸般の客観的な関係もあって増刷をせざるを得なかった、こういうような経緯でありますので、一体郵政省としては、現在の定員配置及び施設の状況、あるいはまた賃金要員をその一環として対策を立てた場合、一体どの程度の物量が現在の省における最大の取扱いの限界であるか、それを正確に答弁してもらいたいと思います。それはやはり省として事業を経営していく上においては、そのことはたとえ微妙であろうと何であろうと、正確に一つの限界を持たないような省の運営はあり得ない。またそういうような運営を国会としては承認するわけには参りません。従ってこの点を正確にこの次には出してもらいたいと思います。  それからこの中に言われておる「万全の措置」ということでありますが、昨年の非常勤の配置の状態、これをここ三カ年来の実績に照らして、そうしますと大体年々の最高の取扱いの物数というものはわかっておりますから、それをわれわれは一応基準に検討を加えたいと思います。  もう一つは、それに関連して、全逓の闘争によって生じたいわゆる事業混乱の比率、それと物の増加による混乱の比率、これを出していただきたい。  さらに、三日間の空白を置いた理由、そうして三日間の間に省は何をしたか、私は、大臣が、十二月二十日の通常国会の召集の前には閣僚が辞職をするということは、あらかた省内においてはわかっていたはずである。一省の大臣がもう最終の時期に来て、責任ある仕事をされるとは思いますが、こういう一種の政治的な空白を迎えるということを承知していながら、一体事務当局としては、どういうようなこの労務対策についてお考えであったか。この三日間の内容を克明に統一あるお答えを求めます。  さらに、先刻鈴木委員が言われたように、全逓のみが犠牲をこうむって、郵政省は一切責任を感じていないようにも考えます。ただ、国会にこの報告書を出す、国民に陳謝をする、これで事足りると私は思っておりません。もしも、そのことをわれわれが承知するとするならば、単に行政権のみの尊重であって、労働権というものが否認をされる、こういう結果になります。私は管理運営権、行政権、同時に労働者諸君が有する労働権というものは、均等に法律上保障されるべきものであると思いますが、労働権と行政権、この二つの関連について一体郵政省は、この年末闘争に対し具体的に責任をどう感じ、どのようにとらんとするのか、それをお答え願いたいと思います。  さらに、これは単に杞憂であればいいのでありますが、全逓の闘争の途中及びその妥結のあとにおいて、二、三の新聞は、郵政省内に派閥の対立がある、抗争がある、その結果が全逓の闘争に暗影を投じた、こういうような論評を見たことがありますが、省内における派閥とはどういうことか、だれとだれがどうしようとするのか。そして具体的にこの年末闘争にそのためにどのような暗影を投じておるのか。  この五つのことを、私は次回の委員会において、省内の統一ある、しかも正確なお答えを願いたいと思います。きょうはこれで私は打ち切ります。

横川正市日本社会党

○横川正市君 時間がないですから、私の方から次回にさらに具体的に質問をするということで、個条的に問題だけ提起しておきます。  それは、郵政大臣のこの全逓の労働問題について申し上げます項のやつを要約すると、こういうふうになるのじゃないかと思うのです。年末手当二カ月分を獲得するためと、それからそのほかに八項目の要求が出た。それが原因になって、ひとり全逓信従業員組合のみが闘争が一番最後まで残ってしまった。そのために小包引き受けを制限しなければならなくなったような事態が出てきた。結果的には、組合に対しても自重を要望して、健全な労働組合運動をこれからしてもらいたい。これがまあ大体国民に、全逓の内部事情等を含めて年末の始末に対する、私は省側の釈明の内容であったというふうにとれるわけです。私は、こういうようなことは将来あってほしくないことでありまして、まあ労使関係のことでありますから、要望は非現実的でありまして、非常に現実的な問題としては、紛争はさらにさらに深刻化するであろうというふうにも思いますが、私は、省の対策として、年末始ないしは夏季等の繁忙というものの、ものの考え方でありますが、ことに十二月十五日にさえ闘争が終ればすべて対策はできるんだというような安易感をもって、この最繁忙期における事業推進の対策を立てるということは、非常にこれは安直なものの考え方だろうと思うのでありまして、その点から特にこの次の問題として私どもから提起申し上げたいと思うのは、一つとして、今度の紛争の原因になっておりますのは、賃金の第一項確定の問題が年末の大きな問題になっておりますし、あるいは春の闘争の問題になってきておるのでありますから、この賃金確定の問題を、一体省は今年どう解決しようとされておるのか。これはもう私は具体的に労働問題をとらえた場合には、当然その処置として私は報告を必要とする項目だったと思うのであります。去年の年末、これだけ迷惑かけたんだが、そのおもな問題は賃金確定にあったのだ、その賃金確定の問題にあわせてさらに春季闘争というものが起ってきておる。この春季闘争を国民に迷惑をかけないような解決をするためには、省はこのようにいたしますと、この報告が欠けたということは、私は非常に片手落ちな労働事情報告ということになっておると思うのでありまして、この点について、明確に次にただしておきたいと思いますから、御準備願いたいと思います。  さらに問題の第二は、昇給昇格並びにこの定員関係の問題等を含めまして、ことに昇給原資等は、今年も聞くところによりますと、四%ということになっておるようでありますけれども、大蔵省の説明によりますと、三・九%程度のものを固定し、一%程度のものをこれを弾力的に使いたいということを言っておりますが、私は郵政当局が前に八八協約を結び、昇給面については、今後紛争を起さないという建前に立って調印をいたしておるという経緯から考えまして、今年度予算は、一体これで足り、しかも昇給昇格その他の問題についてまで、どう労使間の問題で解決しようとしておるのか、この点をお聞き印したいと思います。  それから第三の問題は、私は何と言っても郵政省の事業経営の中で独立採算制であるという建前を、これを十分に認識して、独立採算制の取り得るような経営内容に変っていかなければならないのではなかろうか、そのために二、三原価計算の問題、小包その他三種を含めまして原価打算の問題についても準備をお願いしたいと思います。  さらにもう一点は、年賀はがきの四円の売り出しの問題です。私は、労使の紛争というのは、これは先ほど事務次官から過重であるとかないとかいう、卓上での計画で解決するのではなしに、少くとも郵便事業であっても、郵便はがきを四円で売り出すのでありますから、四円で売り出すということは、国民にそれだけの支出負担をかけないという、あるいは事業経営上に問題があると思いますけれども、一年じゅう、どこの人でもみんな朝寝をして休んでおる時期に、夜中から起きてきて、そして、夜中まで働かなければならないという仕事をかかえておる特殊事情から行くならば、少くとも一時間とか二時間の超勤をもって解決するくらいの事務量というものが、これは当然考えてしかるべき問題と思う。こういうふうな当然の年末年始における慣例になっております年賀はがきの取扱い、その他の問題等について、単にこれにのみ収入を当て込んで、この際できるだけたくさんな収入を上げていこうというような考え方を私は捨てて、もっと適正な、もっと事務壁その他においても従業員の納得する部数というものを新たに作るべきではないかと、こういうふうに考えておりますので、この点について、まずこの四円のはがきというものは、私は何のためにこういうふうに低廉な取扱いをしなければならぬかということについては全くわからないのでありまして、これは当然はがきの五円、しかも社会事業に奉仕しようとするならば、別途方法を講じて社会事業奉仕の方法というものを立てるべきである、こういうふうに考えておりますので、この点についても一つ明らかにしていきたいと思いますし、独立採算制の建前からするならば、当然これは、私はこのしわ寄せを、一般会計のいわゆる援助をもらって経営するということはこれはできませんので、当然利用者負担によってこれは行わなければならない問題だと思いますが、その点について省側の考え方を明らかにしていただきたい。  次に、料金その他値上げの問題については、一般の何といいますか、物価に影響する問題とか、あるいはインフレに関連する問題等で、いろいろやかましく言われておりますけれども、この点について、郵政省は料金の独立採算制の建前から、原価計算をし、利用者負担をするという、こういうふうな建前に立った場合の現在の郵便料金というものは、一体適正であるのかないのか、この点についても一つ相当資料をとって、次の質問のときには十分答えられるようにしていただきたいと思います。  それから第四の問題でありますが、これは衆議院の逓信委員会でもまだ十分明らかにされておらなかったようでありますが、中国との郵便約定の問題であります。私はまあ中国の郵便事業というものについての、精神的の意味でも、実質的な意味でも非常に高い水準をもって運営されてるというふうに聞いておりますし、日本の郵便事業のあり方も、いずれのものにも支配されない、阻害されないものとしての郵便事業の建前というものはとっておると思いますので、単に外交ないしは国情等によってのことで約定が制限されるということは、非常にこれは両国民にとって迷惑なことであろうと思いますので、その点で御質問申し上げたいと思いますので、これも一つ御準備願いたいと思います。  大体以上申し上げまして、私の方からの要望を申し上げたわけであります。

剱木亨弘自由民主党

○委員長(剱木亨弘君) 本日は、これにて散会いたします。    午後零時十九分散会

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