地方行政委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/07/12
会議録
○委員長(本多市郎君) これより委員会を開きます。 まず派遣委員の報告の件を議題に供します。当委員会におきましては、先国会において成立いたしました地方行政関係諸法律の実施状況及び一般地方行財政、税制に関する諸問題の実情調査のため、去る六月北海道、北陸及び九州に三個班の委員派遣を行いました。よってこの際各班より調査の結果について報告を聴取いたします。まず第一班の北海道班にお願いいたします。
○伊能繁次郎君 私ども占部秀男君、加賀山之雄君、不肖伊能繁次郎三名が北海道班として地方行政事情調査の御報告を申し上げます。 われわれは六月二十日から二十八日まで九日間にわたりまして、北海道におもむいて、今回の委員派遣の目的たる地方行財政上の諸問題についてその実情調査を行なって参りましたので、以下その概略を御報告申し上げます。 今回の調査は往復に要しました日数を除けば、正味わずかに五日間の短期間でありまして、かけ足とでも申しますか、道内を飛び回って数個所を瞥見いたした程度でありまするので、特に深く問題を掘り下げて検討するだけの時間的余裕に乏しい上に、地方行政の問題はその範囲が御承知のようにきわめて広範であり、ことに北海道はその面積広大で、東北六県に新潟県を加えたような広きのものに匹敵すると言われるほどでありますので、一斑をもって全豹を推すきらいも免れないかもしれませんが、以下項目別に簡単に調査の結果を御報告申し上げます。 まず地方行政関係について、北海道は前述の通り面積きわめて広大でありまするが、中でも今回われわれが実地に見聞いたしました釧路地方は支庁管内の面積が釧路市を含めて六千平方キロ、これは山口県あるいは三重県に匹敵する面積に及び、管内の標茶町だけで一千平方キロという広きであります。しかもこの地方は見渡す限りの一面の原野が広がり、一時間程度自動車を走らせてもほとんど人家、人影を具ないほど広漠たる景観を呈しております。われわれは従来しばしば北海道関係の人々からこのような話を聞かされておったのでありますが、今回特に北海道の奥地ともいうべき釧路地方、その他を少し回ってみて、その実感を深くした次第であります。 北海道においては、北海道開発庁によって総合開発が進められ、すでに昭和二十七年より昭和三十一年度の第一次五カ年計画を終って、本年度から第二次五カ年計画の段階に入っております。この開発計画については、世上いろいろ論議をかもしていることは御承知の通りでありますが、この際われわれは北海道の総合開発計画と地方行政のあり方との関係について、十分問題を掘り下げて検討すべき必要があるとともに、現行制度のもとにおいても北海道の面積広大、積雪、寒冷、いわゆる未開発後進性等の特殊事情を十分認識した上で、これに即応した特別の考慮を払うべき問題、たとえば町村合併における町村規模の標準、地方交付税法上の基準財政需要額の算定についてのいわゆる未開発補正の仕方等々が、少くないことを痛感した次第であります。 次に地方財政関係について、北海道は昭和二十七年度以来赤字財政となりまして、二十九年度までに赤字は累積して三億五千万円に達し、三十年度におきましては、これに現年度不足見込額六億六千万円を加えて十億円をこえる赤字が予想されるに至ったので、道においては三十、三十一両年度にわたり財政健全化計画を立てて自主的に財政再建に努力した結果、三十一年度末決算見込みではほぼ赤字解消の目的を達成しております。札幌市は十年来黒字財政を続け、釧路市は二十九、三十両年度で自主的に一億三千万円の赤字を克服して、三十一年度決算においては千五百七十万円の黒字財政であります。胆振支庁管内の蛇田町、その他の四カ町村は、いずれも地方財政再建促進特別措置法に基く財政再建団体でありますが、三十一年度決算見込みではそれぞれ黒字を出しておりまして、財政再建計画が順調に進んでいることがうかがわれます。以上二、三の事例からもうかがわれるように北海道におきましては、各地方公共団体を通じて積雪、寒冷、交通不便等の困難の中にいたずらに泣き言を言わず、ひたすら地方財政の健全維持あるいは再建のために一心に努力している熱意がうかがわれ、道内おしなべて地方財政について大体明るい希望が認められることは喜ばしいことであります。 次に税制関係について、函館市においては、現市長が選挙に出馬した際の公約を実行して、本年度予算によれば前年度約二億七千八百万円に対し、三千六百万円の減収をきたすにかかわらず、市民税の課税方式を従来のオプションにただし書きから第一課税方式に切りかえを断行しております。そのほか今回の地方税法の改正によって市町村民税の第二、第三課税方式による場合の準率が定められたのに伴い、負担の不均衡緩和と地方財政上の要求との間の調和をはかって、準率の線に沿いつつも、実際には条例において税収の激変を避けるための調整に苦心した町村当局の経験談を幾つか聞いたのであります。以上はほんの一例にすぎませんが、これらによって地方団体の当局が複雑な地方税制をよく研究し、これを消化して、地方の実情に沿った運営に努めていることがうかがわれ、心強く感じました。 以上のほか各地でそれぞれ地元にとっては、きわめて切実な各種の問題について数多くの陳情に接したのであります。その内容はきわめて多岐にわたっております。いずれも直接間接に地方行政に関連する事柄でありますから、今後十分検討を要するものと存じまするが、ここではその詳細については説明を省略いたします。 なお以上概略申し上げましたほか、各地別の細目的調査その他を別に文書報告に取りまとめておりまするから、委員長においてこれを委員会の議事録に登載方のお取り計らいをお願い申し上げて、私の調査報告を終了する次第であります。
○委員長(本多市郎君) 次に第二班の北陸班にお願いをいたします。
○吉江勝保君 私は白木委員とともに去る六月二十三日より二十九日まで七日間にわたり富山、石川両県下において地方行財政に関し現地調査を行なったのでありますが、ここでは特に感じました二、三の点について御報告申し上げ、詳細につきましては計数資料を含めて別に文書によりまして提出しておきたいと存じまするので、御了承願いたいと存じます。 最近府県制度の改革問題がやかましいのであります。富山、石川両県はともに人口百万内外ということでありまして、これは人口では全国の大体百分の一、面積等の点から申しましても、むしろ小さい部類に属すると申してよろしいと思います。従いまして両県の行政財政の内容は、府県制度を検討いたしますのにつきましても、大いに興味あるものと存じて見て参ったのであります。 第一、まず両県の財政であります。この点は昭和三十年度以降当委員会の御努力等の関係もありまして、地方財政の特別措置以降一連の措置、特に交付税率の引き上げ等のこともありまして、地方財政はほぼ均衡を得ることのできる財源措置をなすことができたと言われているのであります。富山、石川両県は過去において若干の赤字をかかえていたのでありますが、緊縮方針を採用いたしまして、漸次これを解消し、再建の指定を受けていないのであります。また両県ともに非常災害のようなものも少く、従って国の財源措置の適否は、その県の財政に数字的に割合にはっきりと出てくるのではないかと思うのであります。特にこの点に注意して参ったのであります。 最初に県の財政について、次に市町村の財政について申し上げます。 まず富山県は実質収支で二十六年度四億、二十七年度二億三千万円の赤字、二十八年度以降、方針といたしまして徹底的の節約をすることとし、三十年度におきましては単年度、一億七千万円の黒字、三十一年度では過去の赤字を解消して二億円余の黒字となる見込みとのことであります。 石川県におきましても大体似たような状況でありまして、二十七年度五億二千万円の実質赤字であったのでありますが、三十年度決算の実質収支は赤字一億九千万円となり、三十一年度の実質収支は少額ではありますが、三百六十三万円の黒字ということになっているのであります。このような結果となりましたことにつきましては、県の財政建て直しの非常な努力と相まって、国の財源措置が大いに効果を発揮していると思います。そして、この程度の比較的小規模の地方自治体に対しましての財源措置の良否が、直接的に影響するものであることをよく説明していると思われたのであります。詳細な計数は省略いたしますが、この点につきましては石川県の財政白書が率直に結論を申し述べているのであります。その中に次のごとく述べております。 「昭和三十一年度において黒字決算となりました主なる原因といたしましては、 (1) 地方交付税の税率引き上げ、軽油引取税の創設、入場譲与税の譲与方法の改正、国庫補助負担金制度の改革等、国の地方財政制度に対しまする改善措置がなされましたこと。 (二) 最近の経済好況を反映して税収、特に法人関係の県民税、事業税の増収が得られたこと。 (三) 前年度に実施しました一般職員の行政整理の結果人件費の節減がなされましたこと。 (四) 旧債の借りかえとしての起債が認められ一時的にではありますが、三十一年度公債償還の負担が軽減されましたこと。」としておるのであります。 三十年度決算によりますと、道府県の歳出合計は六千八百億内外、人口一人当り大体七千円内外ということであります。三十一年度もこれに近いと思いますが、富山、石川両県ともにこの数字を上廻っております。おのおの八千円ないし九千円となっておるのであります。税収は三十一年度の財政計画では府県分は、普通税千六百五十六億、譲与税二百三十一億、目的税二十四億、計千九百十二億、大体人口一人当り二千円内外となると思います。三十一年度税収は富山県は普通税だけで二十億あり、これは県民一人当り約二千円、石川県は三十一年税収見込額十五億でありまするので、一人当り千五百円内外ということになります。昭和二十七年度の数字では、税収全国平均一人千七百円に対しまして富山、石川ともに千二百円であったのであります。 次に市町村の財政状況につきましては、富山県では十市町村、石川県で四市町村が再建法の適用を受けておるほか、両県とも数ヵ町村が自主再建を実施しておりますが、昭和三十、三十一両年度におきまする国の財政制度改善措置と関係団体の赤字解消努力との結果、一般的に著しい好転を示しております。 赤字要因としましては、他の赤字団体と大同小異でありますが、合併に伴う引き継ぎ赤字や、学校施設等の設置費の増高によりまする赤字が相当に見受けられるようであります。これらの団体のうち富山県の氷見市は、旧町村の大部分が純農山漁村のために財政力は苦しく貧弱であり、その再建期間も十一年という長期に及んでおりまするが、投資的経費は極度に削減されておりまして、最近行政水準の維持も困難な状況にあるようで、特に新市町村建設助成対策の強化を要望しております。富山、石川両県ともこのほか財政問題に関連いたしまして、地方交付税算定上の単位費用の補正につきまして土木費、学校施設費等において多雪、多雨の寒冷地帯の特殊性を認め適当な補正を要望しまするほか、公債費の元利補給の措置、合併町村のいわゆる持ち込み赤字に対する特別措置等についても実情を訴えられ、早急実現について強い要望がありました。 なお地方税法の改正に伴いまする住民税の準率につきましては、農業所得の激減等によりまして、昭和三十二年度では採用しがたい状況にあり、逆に減収対策についての要望がありました。青色申告とそうでないものとに対する住民税の課税が著しく不均衡であるので、青色申告による特例を認めないようにされたいとの要望が至るところにありました。この点につきましては、当委員会におきましても検討の要があろうかと存じます。石川県町村会からは大規模償却資産税を交付税方式で配分するようにされたいとの意見もございました。 以上両県の財政面につきまして報告申しましたが、次に行政面について感じました二、三の点を申し述べきしていただきます。 (一) 市町村職員の研修。 市町村職員に行財政事務の基礎的知識と実務要領を修得せしめる目的をもって、富山県におきましては県と市長会及び町村会が共同して、昭和二十九年以降市町村職員研修会を催し、また新市町村においては、合併前に比し事務能力のある職員を確保する必要上、市町村職員を一定期間県庁各課または解に勤務させ、日常執務を通じて事務または技術の熟達をはかっておるのでありまして、おもしろいやり方だと思いました。富山県庁の部課長の間には活気があふれているように観察されました。 (二) 勤務成績評定の実施。 富山県並びに富山市におきましては、地方公務員法第四十条第一項の規定に基づきまして、公務員の指導監督の指針、その他人事取扱い上の参考資料とすることを目的といたしまして勤務成績評定を実施いたしておりまするが、知事部局の職員を初め、教育委員会におきましても全県下の教員にこれを実施し、いずれも昭和三十二年の最近の成績を評定しておりました。 (三) 準職員制度の創設。 石川県庁におきましては、本年四月一日より準職員制度を創設し、臨時職員六百名につきまして県人事委員会の行いまする試験を受けさせ、これに合格した者三百五十名を準職員として採用、将来定数条例に定められました職員に欠員を生じました場合昇進の道を開くこととしております。これらの準職員につきましても、給料表を定め、また勤務成績の評定をも行うことは正規職員と同じであります。石川、富山両県とも公務員の質の向上、人事管理に特段の努力を払っておりますることは、地方自治体の運営の上にまことに適切な措置であると思われました。 (四) 町村合併につきましては、富山県は町村合併促進法施行前から、県の指導によりまして合併が推進せられ、全国的にも最も早く進捗したのでありますが、最近では長期にわたる分離紛争問題があり、これが解決に苦心しておる状況であります。石川県でも合併進捗率は良好でありますが、目下市制施行問題で紛糾しておるところもあります。合併の結果につきましては、石川県の松任町などは最も顕著な成果をあげておりまするが、一般的にはまだ明白でありませんために、一部では合併は町村に赤字のみを発生せしめ、住民の期待を裏切つたという非難の声も聞 いたのであります。 (五) 新市町村建設計画。 国の新市町村育成のための諸措置は適切なるものではありますが、これらの諸措置が多元的であるため、その経済的効果が十分に上っているとは言えない面があります。たとえば新市町村建設計画と新農山漁村振興計画との調整のごときであります。富山県氷見市のごとき一町十七ヵ村の合併によりまする一郡一市の新市でありますが、ほとんど全町村が農山漁村であって、その新しい姿は新市建設計画でありますが、その内容は新農山漁村振興計画であります。この二つの計画が完全に矛盾なく一定の総合的計画の中に取り入れられることによりまして、氷見市としての繁栄が持ち来たされるのであります。市役所におきまして市当局、及び市議会議員並びに農林漁業関係者一同の会合を求め、新市建設のために総合行政を行う市に、あらゆる団体が協力せられんことを切望したのでありますが、自治庁におきましても十分農林省と連絡し、また当地方行政委員会も農林水産委員会と緊密なる連携をとる必要があるとも思うのであります。 (六) 公営企業について。 金沢市は消費都市でありまして、税収入に伸張性が乏しい。従って市当局としましてはガス事業、水道事業等を公営して、その収入をもって財源に充当しようとしております。市当局の言によりますれば、ガス並びに水道の両事業とも成績を上げておりまして、拡張を望んでおるのでありまするが、起債が抑制されて市民の要望に沿えない実情にあり、その苦心を披瀝されたのであります。採算のとれまする公営企業につきましては、積極的に起債を認めることが望ましいと痛切に感ぜられました。 また金沢市におきましては、一般乗合旅客自動車運送事業の経営に関します調査も完了して、事業免許の申請をしたのでありますが、運輸審議会におきまして、地方自治体に理解が乏しく、いつも握りつぶしに会っているとの切なる訴えがございました。今日バス事業はほとんど独占的に地方自治体が最も深い関係を持ちまする道路を使用しているのであります。その路線の設定につきましても、経営につきましても、住民の関係がこれほど緊切なものはないのでありまして、運輸審議会等には地方自治体側の意向が反映される必要があると信ずるものであります。 以上富山、石川両県を初め市長会、町村会並びに個々に調査しました富山市、氷見市、金沢市、七尾市並びに松任町、森本町、押水町の調査の結果は資料とともに別に報告いたすことにいたしまして、以上不十分でございますが、口頭報告を終らしていただきます。
○委員長(本多市郎君) 御苦労さまでした。次に第三班の九州班にお願いいたします。
○成瀬幡治君 私は本多委員長とともに去る六月四日から十一日まで大分、福岡、佐賀各県下にわたり県、市町村の行財政の実態、特に再建計画実施状況及びこれに関連する教職員整理問題、その他警察に関する事件等について調査を行なって参りましたが、その詳細につきましては別途報告書を提出する予定でありますので、本日はとりあえず口頭によりまして問題点の概略について御報告いたしたいと存じます。 まず財政関係について申し上げますと、福岡県は比較的税財源等に恵まれて健全財政を維持していますが、大分、佐賀両県はともに累年の赤字に悩み、大分県は三十年度末実質赤字約四億八千万円を、昭和三十一年度から八年度間において自主再建により、また佐賀県は二十九年度末赤字八億四千余万円を、三十年度から十一年度間にわたり再建法の適用を受けて、それぞれ再建計画を立て、目下赤字解消に努力している状態であります。赤字の状況は他の府県と大差なく、一般財源の伸び悩みにもかかわらず、給与改訂に伴う人件費の増加や公債費の増大等のためでありますが、これに加えて二十八年度災害による復旧事業費の増加及びこれに伴うつなぎ融資の償還費の増加が一そう拍車をかけておるものであります。筑後川沿岸の田主丸町、善導寺町等の再建団体や佐賀県の赤字市町村につきましても、若干の実質赤字を包含しながら形式的には黒字でありましたのでありますが、災害のため赤字が急増し表面化したものであります。なお災害復旧事業に対する国庫補助金の査定や交付が著しく遅延するため、起債許可を受けることができなかったり、また無用のつなぎ融資に高額の利子を支払ったりいたしまして、赤字の原因となっているので検討の要があろうと存じます。 再建計画の実施状況につきましては、消費的経費の節減、事業費の圧縮に努めました反面、国の財政措置の拡充や税の自然増等によりまして、三十一年度の決算見込みではいずれも計画を上回る増収を見、大分県では八千五百万円余の単年度黒字となり、佐賀県でも五千万円余の繰り上げ償還をする見込みであります。ただ計画の実施に当り大幅に経費の削減を行なっておりますので、行政水準の維持向上をどうするかが今後の問題として検討を要すると存じます。従いまして関係団体では、計画外増収は、これをすべて事業費等に充当するとともに、さらに再建期間を延長するよう強い要望がありました。 次に財政再建に関連して大分佐賀両県では教職員の整理問題が相当紛糾したのでありますが、その概況を申し上げますと、まず大分県では人件費節減のため二百八十七名の教員整理計画を立て、一定の整理基準の下に退職の勧奨を行なったのでありますが、基準概当者で最後まで勧奨に応じなかった者八名に対し、地公法第二十八条による免職発令を行なったのでありますが、これは全国初めてのケースでもありますため、県教育委員会と組合との間に紛争を生じまして、県人事委員会にも提訴されたのであります。右の地公法第二十八条の発令や退職金の割増支給等により、希望退職は予定より多く三百七名に及び、一応整理の目的を果したのでありますが、教育委員会としましても直ちに発令を取り消すわけにもいかず、また欠員補充についてもこの紛争のため大分大学学芸学部新卒者を一名も採用することができない状態でありました。その後県議会のあっせん等もあり円満に解決を見ているようではあります。 次に佐賀県では四百八名の整理計画に対し、教員組合が体暇闘争を行い、幹部の検挙事件が起ったのでありますが、この問題はすでに本委員会において論議した問題でもありますので、省略さしていただきます。佐賀県におきましてもその後計画変更による教員定数の増加等により円満に解決されつつあるようであります。さらにこの教員整理の結果、実質的にはPTA等で費用を負担する市町村採用教員が急増し、大分県の例では現在百六名、今後ますます増加の傾向にあるとのことでありますが、これは地方財政上の欠陥が最も端的に現われている点であり、財政的にも職員の身分的にも検討を要すると思われます。 このほか財政関係におきましては、地方交付税について単位費用の算定上、面積の要素を重視すること、教育費の算定上実体学級数を尊重すること、未開発地帯補正を拡充すること等の要望がありましたが、佐賀県では県民は比較的富裕であり、行政水準も比較的高いため、未開発地帯補正のみでは救われないので、税制改正により自主財源の強化をするよう特に要望がありました。また佐賀市等有明海沿岸地帯ではクリークが多く、多湿のため建物等の耐用年数が非常に短いこと、及びクリークの維持管理が多額であること等から特別交付税で考慮されたい旨の要望もありました。 次に市町村税については、このたびの地方税法改正により住民税の第二、第三課税方式に準率が定められましたが、法定された以上はおおむねこれによらざるを得ないが、そのときは昨年に比し二、三割の減収になり、これに加えて農業所得等の減収も相当額に上るものと予想されますので、これらの不足財源については特別交付税等で十分措置するよう強い希望がありました。 次に佐賀県の有明海沿岸の市町村においては、海岸堤防の直轄工事費の分担金を納付していますが、これは工事の性格上全額国庫事業とすべきではないか、検討を要すると存じます。 次に町村合併及び新市町村建設関係でありますが、三県ともに合併進捗状況は良好でありますが、現在勧告中の未合併町村の合併は早急には望みなく、また各県ともに数地区の分離問題をかかえこみ、解決に苦慮している状況であります。特に大分県のごときはつい最近まで住民投票の執行について、県選管の代執行問題で紛糾した湊川村分離問題で悩んでいたのでありますが、このような問題の解決について最後的きめ手となる法的手続きを設ける必要がないか、検討の要があると存じます。また新市町村建設の関係では、学校施設の整理統合に対する補助金、起債等の増額について、強い要望がありましたが、これに関連して新農山漁村振興対策事業との調整の問題があり、大分県では両者の事務を統合して振興課を設けているようでありますが、検討の要があると存じます。 次に福岡県の歳計現金預託事件につきましては、目下司法当局で審理中であります上に、預託金も一応返済されておりまして、個人的責任問題が残っているのみでありますが、制度上の問題としてはこの際検討を要すると存じます。すなわち出納長は地方自治法上知事から独立する機関として、歳計現金の保管、運営の責任を有することとされているのでありますが、無制限に認めておくことが適当かどうかということであります。ただ金庫、銀行以外のものに対する預託については、知事の決済を要することとされていますが、これも知事の責任とはならないのであります。従いまして一定金額をこえる場合または特殊な相手方に預託する場合等は、あらかじめ議会の議決を得たものの範囲内とするといった点、その他監査委員制度を強化していささかもゆるがせにしないようにするとか、検討する要があると存じます。また金庫制度にいたしましても、単に出納長の命令に基く出納事務のみを行わず、チェックする機能を与えることはどうかについても検討してみる必要があると存じます。 次に福岡県下の特異な問題について申し上げますと、第一に福岡市他三町村におきまして、戦時中に貯蔵したと推定される四エチル鉛が地下水に混入し、井戸水を汚染したため死亡者並びに発狂者を出しているのであります。この対策といたしましては早期処理と国家賠償、上水道の早期施行等が考えられますが、現在の地方財政の状況では国として補助金なり起債なりあるいは特別交付税で措置する要があろうかと存じます。 第二に瀬高町の用水埋め立て問題でありますが、一部の有力者が議会の議決等を無視して用水を埋め立て、ために一部住民が溢水の危険にさらされているというのでありまして、関係者がそれぞれの立場を固執してことの解決を遅延させているように見受けられました。この問題に対してはまず町議会の運営について検討の要があろうと存じます。すなわち会議録もなく、開会したかどうかわからない状況で行なった議事を根拠に、議論しているような実態であります。 最後に大分県警察本部に関係する問題といたしまして二件ありますが、菅生事件はすでに本委員会で相当議論された問題でありますので省略させていただき、別府博覧会開催に伴い発生いたしました暴力事件について申し上げますと、無警察状態と非難されるほど、防犯上消極的であったようにも見受けられますが、別府博の推移とも考え合せますと、慎重に事を運んだための誤解とも考えられます。関連して警察制度上検討を要すると考えられますことは、まず別府市のような移動人口の多い特殊地帯に対する警察官の配置が過小ではないかということであります。大分県警本部でも九州の平均より相当多く配置しているようでありますが、全国的に検討する必要があろうと存じます。次に、暴力事件を起す危険性の大きい応援団体の集結等をあらかじめ防止するための法的措置は必要ではないかということについて検討を要すると存じます。 以上はなはだ概略でありますが、調査についての所見の一端を述べて御報告といたします。
○委員長(本多市郎君) ただいまの各班の御報告につきまして、派遣委員、または政府に対し質疑がございましたら御発言願います。……別に御発言もなければ、本件につきましてはこの程度にいたします。各班の文書による報告書は参考とする意味におきまして、本日の会議録の末尾に掲載いたします。 —————————————
○委員長(本多市郎君) 次に、福岡市における四エチル鉛の問題に関する件を議題に供します。まず厚生省当局より現地の実情について説明を聴取いたします。
○説明員(山口正義君) 今回の福岡市における四エチル鉛による井戸水の汚染状況につきまして、概況を御報告申し上げたいと存じます。 本問題が現実に取り上げられるようになりましたのは三月末でございましたが、去る六月十日の参議院の社会労働委員会で取り上げられまして、そして参議院の社会労働委員会から現地に調査班が派遣されまして、私それに随行して参りまして現地の状況をつぶさに視察して参りましたので、そのときの状況、並びに書面その他によりまして報告を受けております状況を御報告申し上げたいと存じます。 四エチル鉛によりまして、井戸水が汚染されております範囲は、現在のところ福岡市内の南部でございまして、地域にいたしまして約十一平方キロメートル、その中の人口が約二万人ございます。このことがわかりました発端と申しますのは、その地区の中に含まれております福岡市野間本町という所に居住しております人が、一月に新しく井戸を堀りましてそしてその井戸水を飲用いたしておりましたところ、三月の末になりまして家人が手足がしびれる、関節がしびれるというような訴えが出て参りました。それで井戸水の検査をしてもらいましたところ、最初はアンモニアが検出されて、飲用不適だというようなことを言われたのでございますが、さらにそれを県の衛生研究所で調べてもらいました結果、その家人の訴えから考えまして、ただいま視察議員の御報告にもございましたように、福岡県下においては過去において数件四エチル鉛の中毒事件がございましたので、県の衛生研究所では疑いを持って鉛の検査をいたしましたところ、鉛が検出されました。それで過去の事件と同じような問題ではないかというので、とりあえず、そこの井戸の飲用を禁止して、そして応急給水をすると同時に、付近の井戸の検査を始めたのでございまして、検査能力が、これは非常に技術的にみてむずかしい検査方法でございますので、そう早急には進まなかったのでございますが、だんだんと抜き取り式に範囲を広げて検査をいたしましたところ、現在までのところ、先ほど申し上げましたように、約十一平方キロメートルの範囲内の井戸水から、濃度においていろいろ差はございますけれども、四エチル鉛が検出されたというような状況でございますが、四エチル鉛は非常に人体に猛毒でございます。それでとりあえずそれらの地区の井戸水の飲用を禁止して、応急給水をすると同時に、さらにその地区の井戸水の検査を進めているというところでございますが、現在までの報告によりますと、大体区域はその程度からもう広がらないであろうというような報告を受けているわけでございます。それでとりあえず応急給水といたしましては、そのすぐ近くまで水道の栓が行っておりますので、その水道の消火栓からでありますがそこから水をとりまして、市の消防自動車あるいは自衛隊の給水車、それから急いで作りました給水車というようなもので給水を開始し、それから非常に広い範囲にわたっておりますので、各地区に急造の水槽を作りまして、そこへ給水車で運んでそこから各家庭に配給するというような措置をとっているわけであります。現在までのところ、まだその給水車の製造状況、それから水槽の配置がまだ十分行われておりませんので、大体一日一人当り七リットルくらいの水を配給するという状況でございますが、近いうちに大体一人当り一日十五リッターだけ配給できるというような目途で進んでおるわけでございます。 それからこれは応急的な措置でございますが、これらの井戸水に四エチル鉛が浸透しておりますので、これを濾過しようとも、どういう措置を講じようとも、飲用に供するということは不適当でございます。幸いにそのすぐ近くまで水道栓がいっておりますし、また那珂川から取水いたしまして措置いたしおります。そして水源地がすぐその近くにございまして、その水源地の給水能力が一日一万トンでございますが、現在のところ使っておりますのが八千トン程度でございます。とりあえず二千トンばかりの余力がございます。従いまして二万人に対して一日百リッターといたしますと二千トンあればいいわけでございますが、それでとりあえずとにかく水源は間に合う。従って配水管を整備すれば、その地区に対して上水道の給水ができるというのでございます。それで市としては全体の長期計画としての水道計画は持っておったのでございますが、この当該地区は非常に丘陵地区でございまして、住宅地区が散在しておるわけでありますが、住宅地区ごとのいわゆる簡易水道式のものは持っておったのでございますが、とりあえずそれで間に合せて、すぐ水道を布設するという計画はなかったのでございます。しかし事態がこのような状態になりましたので、市全体の水道計画の一環としてそこに急いで水道を布設するというようなことも市当局としては計画をしたわけでございます。それでその水道布設計画について、厚生省にも申請があり、厚生省といたしましては水道計画、布設計画を検討いたしまして、自治庁、大蔵省と打ち合せをして、とにかく事態がそういう状態で水が飲めないのでございますから、水道布設工事を始められるように、財源的に関係各省でいろいろ心配をするということを了解していただいて、工事に取りかかるということをやってもらったわけでございます。それで、すでに現地においては水道の布設工事を一部開始しているわけでございます。主要な配管は大体九月一ぱいで終る予定でございます。末端まで参りますのにはやはりことし一ぱいかかるだろうというような状況でございます。その間は応急的な給水を続けていかなければならない、そういうふうに考えているわけでございます。 それから汚水源につきましては、これがおそらくガソリンのオクタン価を高める四エチル鉛でございます。原因がそれでございますので、軍が使用したものがどこかに埋蔵されておって、それが年月のたつに従ってその管がこわれて地下水に浸透していったのであろうという想像はできるのでございまして、当時の状況、いろいろ聞き込みとか、それから現地の状況などから考えまして、四カ所ばかり汚水源と思われる所を推定して、掘り出したり、ボーリングをやったりしておったのでございまして、現にその防空壕のつぶれた跡のような所を取りこわしている現場も見て参ったのでございますが、防空壕がすでにすっかりつぶれてしまっておりまして、汚水源と思われる所を見つけ出しましても、現在の状況で汚水源を除去してしまうということは不可能だ、というふうに私どもは考えてるわけでございます。まだここが汚水源であったというふうにはっきり確認される所はどこも出ていないわけでございます。単にそういう発掘とかボーリングということだけで汚水源を見出すということは、なかなかむずかしい状況でございますが、九州大学の地質学の教室の応援を得て、地下水の検査をして、そしてその地下水の流れ工合によって汚水源をつきとめようというような調査が現在始められておるそうでございますが、現地の状況から見まして、汚水源をつきとめることが今回の場合はなかなかむずかしいのではないかというふうに推定されるわけでございます。応急給水、あるいはその前のいろいろな諸検査、それから水道の布設に要しまする費用につきましては、六月十七日から二十日まで福岡市において臨時に議会を開会しましてとりあえずの予算を決定したのでございますが、応急給水並びに検査等につきましては、すでに予備費として九十九万一千円出しておりましたが、そのほかに二千七十二万一千円、それから上水道の布設に要します費用として八千八十万円を市議会において議決したということでございます。それらに要します費用をどういうふうに今後取り扱ってもらうかということにつきましては、私どもの方にあるいは自治庁の方にも、大蔵省の方にもいろいろ陳情があるのでございますが、これは関係各省よくお打ち合せした上で処置をしていただかなければならないというふうに考えております。 それから患者の状況でございますが、これは今回の福岡市の四エチル鉛の汚染によりましては、不幸中の幸いでございますが、現在まで患者と確認されておりますのは二名だけでございまして、しかも症状は非常に軽いというところでございまして、先般私が現地に参りましたころは、八名ばかり容疑者があったのでございますが、六名はそうではないというふうにその後確定されたということでございます。なお、市当局においては全能力をあげて健康診断を実施するということを続けているわけでございます。現在までのところ私どもの方に参っております報告ではそのようなことでございます。きわめて簡単でございますが、概要を申し上げました。
○委員長(本多市郎君) ちょっとお諮りいたします。ただいま山口局長から実情の説明がありまして、続いて質疑に入るわけですけれども、福岡市から陳情のため見えていますから、この間暫時速記をとめまして陳情を聞いて、そのあと質疑を続行したいと思います。が、いかがでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本多市郎君) それじやさよう取り計らいます。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(本多市郎君) 速記をつけて。
○中田吉雄君 財政部長の小林さんにお尋ねしますが、いろいろ給水したり検査したり、ただいま当局から陳情があったりしているようですが、それは交付金の特別分の対象になって措置されるのですか。それは八千八十万円ですか、起債がどうせあるのでしょうが、もう大部分一応各府県、市町村に配分の内示をされたような段階だと思うのですが、こういうことは緊急の事態にどう対応されるのですか。その二点について。
○説明員(小林與三次君) お答えいたします。今お話の通り問題が二つございます。あとの起債の話から申し上げますと、これはどうしても水道を敷かざるを得ないところだと思いますので、とりあえず必要な仕事はもうやるようにと、あとは起債は必要な金額を審査して認めると、こういう方針で現地に仕事の施行はやっていただくように申し上げてある。現に進捗中だと思います。 あとの起債の問題につきましては、私の方では継続分のワクはもうきめまして、新規のものはまだ残っておりまして、この問題はそのワク内において考えたいという気持でおります。これも急ぐ問題でございますので、ほかの新規の前に、少くとも福岡の問題は早く事務的に審査をして、必要な金額は認めなくてはなるまい、こういうので準備を進めております。それでございますから、今の金額はどのくらいになりますか、できるだけ金は入れなければならない。ただ福岡自体の水道会計のかね合いの問題もございますので、そういうものを総合的に勘案して早急にやりたいと考えております。 それからいま一つの応急のそれができるまでの措置として、金を貸すということも事実だろうと思います。これにつきましては、われわれといたしましては、問題は、市が全部責任を負うべきものなのか、あるいは国の方で考えなくちゃならぬものなのか、そこらの問題が一つあり得ると思うのです。それで、どうせ市が全部背負わなくちゃならぬものならば、これは市の財源だけじゃさばきがつかぬから、当然特別交付税の問題としてしかるべき措置を最後にしなくちゃならぬと、こういうふうに考えております。ただ、そこの基本の問題をどうするかという問題が、われわれとしてもなお問題としてこれは残していきたいのでございます。
○中田吉雄君 生命に関することですから、できるだけ地元の要望に沿っていただきたいということは、当委員会のなにですが、起債ですね、府県の段階はもう確定したんじゃないですか、まだですか。市町村でも内示された段階だと思うのですが、ただいまの御発言のように、水道会計とのかね合いで許可されるのでしょうが、かなり高額で、何とかそのほかの方にあまり波及せぬように福岡の方の御要請に応ずるというような措置はあり得るものですか。その点が、特に今回の五十八億というような措置もあり、非常にその点を心配するのですが、それはどうですか。
○説明員(小林與三次君) 水道は今まできめましたのは継続分でございまして、新規は全然今まできめておりません。新規の問題につきましては、今の繰り延べの問題等、いろいろ御心配はございましょうが、これはほかのものとかかわりなく要るものはやらざるを得ない、こう考えております。ただこの問題は、今の福岡の水道会計等その他の問題を考えて、必要なだけはほかのワクが少いからどうこうという問題じゃなしにつけよう、こういう考えでおります。
○小林武治君 今の問題はむろん緊急を要し、どうしても政府の善後措置を必要とするわけでありますが、先般自治庁の田中長官も現地を調べて、そしてこれらの財源措置その他について相当確約されてきたということも聞いておりますが、そういう向きについては、事務当局には指示があったかどうかということと、今の問題について、要するにとりあえずの給水その他の処置に対する費用、この費用を特別交付税等に持っていくか、あるいはどういうふうにするか、こういうふうなこととそれから起債の問題と、これらは政府部内の取扱いとしては、どういうふうな範囲において相談をされれば結果が出るか。要するにできるだけ早く結論を出さなければならぬ問題であるだけに、そういうことをちょっと聞いておきたい。
○説明員(小林與三次君) 大臣もこの問題に関連して現地に行かれたことと承知しております。大臣も必要な措置をする趣旨のことを現地でも仰せられたはずでございますから、今とりあえずの起債の問題は、今早急に大蔵省の方と話をしておるようでございまして、早急に実際必要なものは考えるということできめたいと存じております。それからなおこのあとの臨時応急の経費の跡始末の問題は、これは最後に始末をつけるとなれば、先ほど申し上げたように、市町村で見なくちゃならぬ。国が見る必要がないということになれば、全部これは交付税のワク内の問題で措置せざるを得ないであろうと、これはそういうふうに考えておりますが、これは国に責任があるかどうかという国家補償の問題が一つあるわけでありまして、この問題は関係省と相談してよくきめなくちゃならない、そういうふうに考えております。そこでそういう福岡市の財政で始末のつかぬところは、当然特別交付税の算定の基礎として計算しなければならない、そういうふうにわれわれとしても心得ておるのでございます。
○小林武治君 国家補償の問題を財政部長にお聞きするのは少し筋違いかもしれませんが、何か福岡の郊外で今の問題があって裁判上の結果も出ておる。こういうことがありますが、補償は個人に対する補償問題もあれば、それから自治団体等が経費を要したらそれに対する問題、二つ出てくると思うのですが、自治団体に対する問題は、補償の問題ということで、政府における協議で大体考え方が出ると思うのですが、それから個人に対しては別に法律問題であろう、こういうふうに考えますが、その二つの問題が起きてくる、そういうふうにお考えになるでしょうか。
○説明員(小林與三次君) その二つの問題がむろんあり得ると思います。大体そういうことには相なろうと思います。ただ、この問題はそんなら国の補償が当然あるのかないのか、まだそれぞれ議論の最中でございまして、われわれまだ結論を出しておりません。
○小林武治君 そうすると、今のたとえば応急措置のために約三千万円ぐらいの金が要る、これは最終的にはどこが負担するかという問題がありますが、さし向き資金的の措置がどうこうということもあると存じますが、それはどうなって参りますか。
○説明員(小林與三次君) これは資金的な措置は大福岡市ですから、必要なものは、国の方で心配してやる必要はないのじゃないかと思います。どうしても必要があるということになれば、もちろん預金部等でつなぎの心配もしなくちゃならぬと思いますが、現在のところはわれわれのところに、そういう必要だという情報が入っておりません。現地でしかるべくやっております。
○小林武治君 結論的に希望を申し上げておきますが、水道を布設するということはやむを得ないことであって、それからそれをこういう臨時的の経費は都合つくまい、できるだけ全額起債でやるということは、それは当然でありますから、その向きのことは一つぜひ至急自治庁として結論を出していただきたい、こういう希望だけ申し上げておきます。
○鈴木壽君 今のことに関連してですが、山口局長さんにお聞きしたいのですが、まだこれは原因がどこにあるかという、四エチル鉛についてはわかっておると思いますが、汚染源がどこにあってどういう経過でこういうことになってきたかということはわからないという話ですが、これはもし旧軍隊があの終戦のどさくさあたりにやったとすれば、これは国として当然賠償なり補償なりを考えなければいけないと思うのですが、それは今の小林部長のお話では話し合いがつかないのだ、こういうことなんですが、かりにそういうふうな結論が出たとすれば、当然そういうふうになると思うのですが、いかがでしょうか。今の四エチル鉛、軍隊が使用していろいろな処分なり、あるいは何かの始末のためにこういう事態が起ってきたということになれば、今私の言ったようなことになるのじゃないかと、こう思うのですが、見解はどうですか。
○説明員(山口正義君) その問題は非常にむずかしい問題でございまして、私もその国家賠償法の問題はあまり専門でございませんために、あるいは間違った申し上げ方をするかもしれませんが、もし間違っておりましたら、あとで訂正きしていただきたいと思います。 当時の状況から考えまして、現在のその汚染源であろうと推定して掘っております地区が、当時の飛行場から相当離れた所にございまして、むしろ丘陵地区で山の高いような所になっておりまして、現在すでに民有地になっておりまして、上の方は整地されておるというような状況でございます。それで、どういう経路で、だれがそこへ持っていったか、あとの管理をどういうふうにしたかというようなことをもう少し突きとめませんと、なかなかはっきりした結論が出ないのじゃないかという状況でございまして、私どもの方で、引揚援護局の方に当時の軍関係の人もおられますので、その人たちの方から、当時福岡地区の飛行場に駐屯しておった部隊の人たちの大体名前はわかっておるそうでございますが、それを今あちこち問合せ中だということでございまして、そういう当時の状況がもう少しはっきりわかりませんと、ただいまおっしゃいましたように国家賠償の適用になるかならないかということが、これは決定しにくいのではないかというふうに、私ども伺っておるのであります。
○鈴木壽君 先ほどから問題になっている、新たに水道を布設するための費用、起債の問題、これは先ほどの小林部長のお話でけっこうだと思うので、ただ問題は、現在まで使った、あるいはこれからも使うでしょうが、いわゆる応急対策のための費用、これをどこでどういう形において負担するかということが、おそらく地元の人たちにとっても一番の問題だと思うのです。これは自治体で負担すべきものとすれば、先ほどこれも小林部長は当然特交で見てやるべきだ、こういうことになると思うのですが、これは果して、今調査の過程ですからにわかにどこに責任があるということはもちろん言えませんが、大体私ども、土地の方々からいろいろお話をお聞きしたりなんかしますと、どうもやっぱり当時の軍隊のそういうことじゃないか、何かこの四エチル鉛というものは、そうざらにあるものじゃないとすれば、使うとすればオクタン価を高めるために使ったものじゃないか、まあ常識的にはそう考えられるのですから、そういうことになりますと、当然やはり国において何らかの形において見てやるべきじゃないだろうか、こういうふうに考えるわけなんです。そういう場合にこれらの問題の解決に当って、どうもおそらくこういうケースはあまりないと思うので、従来こういう広い区域にわたってのこういうものはあまりないと思うので、先例があるとかないとかいうことで何かこううやむやにされるのじゃないか、その責任、責任といいますか跡始末の全部を市町村に背負わされるというような格好になるのじゃないか、こういう問題が実は心配されるわけなのでございます。先ほども申しましたように、原因探求の過程でございますから、今さらどうにも結論は出せないと思いますけれども、これはできるだけ早く原因の探求をされまして、それによっての当然のやはり措置は早急に講じなければいけないだろうと思う。特交といってもこれはずっと年度末になりますし、いろいろその間においての自治体の心配もございますし、また金の実際の支出の面においても、いろいろの問題が出てくるのじゃないかと思いますので、できるだけこういう問題の早期の解決のために最大の努力をしていただくように、これは要望でございますけれども、しておきたいと思うのでございます。
○成瀬幡治君 大蔵省お見えですね。これは国家賠償法を最終的にしぼってくると、大蔵省が何かきめるわけですか、自治庁と共同解釈になるのですか、どういうことになるかよくわかりませんが、一応あの四エチル鉛の災害があったことは、きょうが初めてじゃなくて福岡県においてはすでに二、三ヵ所あるわけです。そのときに、おそらく、国家賠償法というのが問題になったかどうかしりませんけれども、問題になるのは当然であろうと思うのです。しかも第二条で「公の」と、こう書いてございます。軍が持っておったものは、私は、公けのものであってそれのいわゆる保管といいますか、あと処理が悪くてこういうことになったということも言えると思うのです。だから当然国家賠償法の第二条の解釈によって、国家賠償すべきだと、こういうふうに考えておる、が今までの話し合われたことで、今後、まだ結論が出ないと思いますけれども、一応大蔵省はどういうふうに考えておるか承わりたいと思うのです。
○説明員(堀口定義君) 実は私地方資金課長でありまして、法規的な問題についてちょっと申し上げかねますので、なお、きょうそういう御質問があったということを、法規課なり総務課の方に十分伝えて、研究させておきたいと思います。後日また機会でもございましたらお呼び出し願いまして、質問していただきたいというふうに考えます。
○成瀬幡治君 まあ恒久対策として水道が引かれる、ところが個人負担というものは当然起きて参るでしょう。そうすると市当局としては、起債等をもらって水道ずっとやって参りますが、結局市当局と今度は水道を引いてもらった個人との間に自己負担をどうするか、今まで私のところは井戸があったのでそれで十分であって、それに対して水道を引けば余分に水道の費用がかかるし、今後水道費というものも払っていかなければならないから、非常な私は、個人にとっては負担だと思うのです。確かに衛生的によくなったとかいろいろ理屈がありましょうが、払う身になれば、このことがなかったら何も水道云々ということはないのだ、こういうことになって、市とその住民との間に紛争が起きてくると思うのです。ですから、私はこういう問題については、十分住民の立場に立った解釈をしてもらって、いささかも個人と市との間にトラブルの起らないような措置を講じていかなければならぬと思うのです。そういうことに対しては、自治庁と大蔵省はどんなふうに考えておるか、一応御見解を承わりたい。
○説明員(山野幸吉君) 今これは自分の家庭に引いてくる分の配管等の経費をどういう工合にするかという問題でありますが、まあ普通の場合は自己負担の分はあるわけでございます。そういう点で全然自己負担なしに水道を引くことがいいのか、あるいは可能なのか、そういう点については、これはまあ福岡市自体の水道会計の状態を考えなければいかぬと思いますが、私どももよく検討してみたいと思います。しかし、まあできるなら普通の自己負担はしていただく方が妥当じゃないだろうかという工合には考えております。
○説明員(堀口定義君) これも実は私見になりますのであれですが、おそらく通常の場合ですと、水道局の方は通常の水道なみの料金ですると思うのです。それに対して今の法律問題が起りますと、場合によって訴訟問題というようなことになるかもしれない、その場合に初めて法律問題で国が賠償すべきであるという結論が出た場合には、国の賠償金によって個人の損害が補償さるというふうな格好になるのじゃないか。で、それがどっちになるかということにつきましては、実は私法律関係しろうとでございますし、事実についてもおそらく非常に複雑な問題があると思います。今ここで申し上げることができませんので御了承願いたいと思います。
○成瀬幡治君 私は国家賠償の立場に立って今のことを言ったわけで、あなたのおっしゃる一般論としてはわかるのですよ。水道を引けば一つの個人の財産になる、だからそれに対して負担しろというのはわかるのです。わかるのですが、実際に水道を引く方の側、現に四エチル鉛が井戸水の中に出てきた。その原因は、軍のいわゆる四エチル鉛の保管、いわゆる処理のし方が悪かったためにこうなったのじゃないかと、おそらくあなたでも言われると思うのです、自分の所に入ってきたら。そして、これはどうしてくれるのだ、こういうことは当然おっしゃると思う。だから、住民の立場に立てば当然そういう問題が起きてくる。従って、お聞きしていると、何かその場合に損害賠償の訴訟か何か起ってきて、そこで議論されたり、裁判ざたになって初めて見解が表明されるということではなくて、もう起きてくることは当然予想される。少くとも住民の側に立って処理しようと思えば、私は当然国家賠償等が成り立つのじゃないか。だから、そういうような国のやり方が悪かったために、そのしわ寄せが市当局に来るということは、非常に迷惑なんです。住民も迷惑なんですよ。ですから、そういう側に立って、私はしかもこの法解釈からいって、公けのものの保存が悪かったということから当然第二条というものが適用されてしかるべきじゃないかと考えておるのでありますが、これは意見が入るから……あなた方がこの際自己で一つ負担しようじゃないかと言えば、私らは黙ってそうですがと言っておられないから言ったわけです。
○説明員(山野幸吉君) これはあとの国家賠償の問題は当然起きると思います。従いまして、私の申し上げましたのは一般論として申し上げたので、御了承願います。
○占部秀男君 ちょっと局長にお伺いしたいのですが、それは年末まで給水をやって、その間をつないでいこうというわけですが、これはわれわれ体験したところでも給水問題非常にむずかしいですよ。それからまたやかまいしのですね。このつゆだとか夏、秋にかけて衛生問題が起きるだろうし、非常に問題があとあと起るのですね。それで今ちょっと御説明を聞いてみると、人口二万の所に給水するので、水道線が近くあって水源地もある。水も二千トンばかりあるのだと、こういうことになると、われわれ従来の経験からみて、どうも年末までかかるというのは、少し事業が、ちょっと僕は時日がかかり過ぎやせぬか、これはもっと切り詰められるのじゃないかという感じを持つのですが、何か国家補償の問題やむずかしい問題その他があって、市の方としての事業の計画が、そういうことに影響されて延ばされているような部面があるのじゃないかというような感じを持つのですが、もしもそうだとしたら何とか早く問題を解決して、これはもう最短距離で、こういう問題はやはり解決つけるようにしなくてはいかぬと思うのですが、その点はどういうふうなお考えですか。
○説明員(山口正義君) 先ほど申し上げましたように、メイン・パイプは大体九月一ぱいということでございます。あとの末端が全部整備しますのに一応十二月一ぱいということでございます。最初私が聞きましたときには、あれだけの工事をするのに一年くらいかかるだろうというようなことを、最初地元の水道局長が来られたときに伺ったんです。しかしもう事態がそういう問題でございますので、とてもそんなにゆうちょうなことは考えていられない、とにかく突貫工事をやってほしい、必要とあれば水道の工事に必要な人員の応援を、私どもの方で応援しようということを、資材も現にそうでございますが、海外へ出す予定であったのを急に回してもらってやるというようなことでやっております。決して御指摘のような、資金のために故意におくらせているというようなことは私はもう絶対にないと思うのでございます。現地の要望が非常に熾烈でございますので、ただ地形が非常に山になっておりますので、工事自体が非常にむずかしいということ、それから応急給水自体も非常に困難を感じるということは、現地に行ってみてはっきりわかったわけでございまして、御注意のございました夏季に向っての伝染病の問題は、これは私どもも一そう注意いたしております。現にこの間参りましたときは、給水車で運んで参りましたのを、オープンのかめにためてそれをパケツでくみ出すということをやっておりました。それは即日やめてもらいました。そして、閉鎖しましたヒューム管を使ってそれに栓をつけて、そして手を触れないようにしてやる。それから末端で水道の残余塩素が一P・P・Mございますが、消火栓から取りますので5P・P・M入っておりますので、その消毒能力も非常に強うございます。かえって飲む方の人がいろいろ苦情を訴えるという程度でございます。ただいまの御注意の点は十分私どもも気をつけてやっております。
○吉江勝保君 局長かあるいは地元の方に少し実情の方でお聞きしてみたいと思うのですが、この問題が一応暫定的に処理されていきましても、あと賠償の問題になりますとすれば、結局究極どういうところに根源があったかということを突きとめなければならぬと思うのでありますが、そういう面につきまして現在どういうような程度に進んでいるのか。まあこれはしろうとが考えるところでありますが、ある場所で検水というのですか、水を調べられたときに、その中の濃度というものが、当初出ておりました濃度が、最近に至りましてはあるいはますます濃くなりつつあるのか、あるいはある程度希薄になりつつある、あるいはその濃度というものが、地域の中ではどういう地点では一番濃度が高くなっているのか、地下水の流れ等もあろうと思うのでありますが、そういうような今調べておられる点を、できるだけ安心できるような程度に御説明を願いましていずれそれがはっきり根源がつかめれば、あるいは軍の施設であったとかいうこともわかろうかと思うのでありますが、そういう点について今どういう状況になっているのか、地方行政の問題でないかもしれないのですが、一つ事情をお話を願いたいと思います。
○説明員(山口正義君) 御指摘の点ごもっともだと存じますが、この地域内でおよそ調べなければならないと推定されます井戸の数、これはなかなかはっきりわかりませんが、三千以上あるのじゃないかというふうに考えられます。とりあえず市では二千だけ調べようということで始めているわけでございます。最初に申し上げました通り、この測定は普通の無機塩と違いまして有機塩でございますので、測定方法が非常に複雑でございまして、最初は県の全能力をあげて一日に五件とか十件というような調子でございましたが、最近は近くの大学の応援なども得て一日五十五件、またそれを近く増強するというような状況でございますので、同じ井戸を何べんも繰り返して調べるというところまで手が伸びませんので、とりあえずその全体の範囲をきめるということが先でございますので、同じ井戸を何べんも繰り返してその状況がどうなるというところまでは調べておりません。一応全部網をかけるというような調べ方をしております。ただ、先ほど申し上げましたように、九州大学の方の応援を得て地下水の流れ方の調査をいたしております。それから別にまたボーリングをやるというようなこともやったり、発掘をやったりというようなことをして汚水源の探求に努めているというような状況でございます。
○吉江勝保君 今の個所につきましてはある程度濃度の希薄というものはあろうと思いますが、そういう濃い所はある程度、こんなことは釈迦に説法でしょうけれども、なるべく早く突きとめられるように、こういうことを非常に努力をされて、原因が確かに軍の施設であったということを、市当局が早く突きとめられる、その努力というものはどうなんですか。
○説明員(山口正義君) 私先ほどお答え申し上げるのを忘れましたが、井戸によって出てくる濃度が違うのでございまして、そういうところからも参照しまして、一応四ヵ所ぐらい汚水源があるのではないかという推定でやっているのでございます。
○委員長(本多市郎君) お諮りいたします。本件についてはなお引き続き審議することといたしまして、本日のところではこの程度にしておきたいと思いますが、いかがでしょう……それではさよう決定いたします。 午後は一時半より再開することといたしまして休憩いたします。 午後零時九分休憩 —————・————— 午後一時五十二分開会
○委員長(本多市郎君) 委員会を再開いたします。 まず、御報告いたしたいことがございます。休憩中、委員長及び理事打合会を開きまして、協議いたしました結果、静岡市における市職員組合と、市当局との間の紛争問題につきましては、調査室の職員を派遣して、その実情と原因経過等について、実地調査を行わせることに意見が一致いたしました。本件につきまして、理事会打合せ通り取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本多市郎君) 御異議ないと認めまして、きょう決定いたします。 —————————————
○委員長(本多市郎君) 次に、奄美群島の復興措置に関する件について、小柳委員より質疑の要求がございましたので、この際この発言を許可いたします。
○小柳牧衞君 本年の一月に、私どもが奄美大島の振興状況の視察に参りまして、現地よりいろいろ要望事項等も承わって参りました。また、私どもも実地を視察いたしまして、私どもの意のあるところをそれぞれ報告を申し上げました。これに対して当局は、十分に検討の上善処するというお答えをいただいておったのであります。また一方、自治庁より振興課長を現地に派遣されまして、振興状況を親しく視察したと聞いておりまするが、その報告等も合せて、現状、すなわち振興の状況を承わりたいと思います。
○説明員(藤井貞夫君) 奄美群島の復興の問題につきましては、先般小柳委員その他の委員が現地について親しく御視察をいただきまして、その結果に基いて、私どもにいろいろ御要望もあり、また御注意もあったのでございます。一々ごもっともの点が多いわけでありまして、われわれといたしましても、その線にできるだけ沿い得るような形において、本事業の達成をはかって参りたい、かように考えまして、その後もいろいろ調査研究を続けておるような次第でございます。小柳委員も御承知のように、当初奄美群島の復興計画については、五ヵ年計画を立てまして、目下その実施に入っておるのでございまして、本年度すなわち三十二年度は、その四ヵ年度目に当るわけでございます。ところが、いろいろ国の財政の都合あるいは現地における事業消化能力その他いろいろな問題がからみ合いまして、三十二年度をそのまま予算を消化するということになりましても、まだ全計画百五十億余に対しまして半分にも達しないというような現況に相成っておるのでございます。三十二年度におきましては、委員各位の御支援等もございまして、おかげをもって前年度、前々年度に比較いたしまして、さらに予算が上回る成果をおさめ得まして、その結果は、十二億二千万円という額に上りまする予算をちょうだいをいたしたような次第でございます。この点につきましては、目下実施計画を策定をいたしまして、現地の事情に合うように、それぞれ施行をいたしておるのでございます。ところが問題は、先刻も申し上げましたように、あと五ヵ年計画でもって残っておりまするのは、三十三年度一ヵ年度ということに相なるわけでございます。で、三十三年度一ヵ年度で残余の事業というものを全部消化をするということは、これは、国の経費の関係もございましょうし、また、地元における消化能力あるいは一挙に膨大な仕事をやりましたあとにおいて、その以後公共事業等が削減になってしまう。全部終ってしまうということになった場合における現地の就労状況その他を考えまする場合におきましては、残余を全部一ヵ年度にやるということは、これはとうてい不可能な事柄でございます。そこで、どうしても計画改訂ということを考えて参らなければならない段階に来ておるというふうに考える次第でございます。さきに、奄美群島復興審議会がありました際に、この点も問題になりまして、各委員の方々からもいろいろ御意見があったのでございます。その結果、まだ本式の決定ではございませんが、いろいろの情勢を勘案をいたしまして、この計画自体というものを相当程度延長するという措置を講ぜざるを得ないのではないかという大体の方向が打ち出された次第でございます。奄美群島の復興の臨時措置法は、御承知のように、三十六年の三月三十一日まで効力を持っておるということになっておりまして、五ヵ年計画に対しまして、法律自体は若干の余裕を見て、七ヵ年間有効であるという建前になっておるのでございます。で、それらの点をにらみ合せまして、私たちといたしましては、この計画に実効性を持たせ、突如として事業等の打ち切りによりまする摩擦を避けまする意味をも含めまして、事業計画を来年度あたりになりましたならば改訂をいたしたい。で、われわれの希望といたしましては、大体十ヵ年くらいを目途にいたしまして、最も着実なる復興計画を立てていってはどうかというふうに考えております。従いまして、現在ございまする五ヵ年計画を、さらにあと五ヵ年間延長するというような措置を講ずべきではないかというふうに考えておるのであります。法律自体は、三十六年三月まで効力を持続いたしまするので、次の通常国会等において、この法律を改正をするという意図は持っておりませんですが、適当な機会におきましてへこの法律等においても延伸をする措置を提案を申し上げて御審議をいただきたい、かように考えておる次第でございます。いずれにいたしましても、本年度の実施計画自体も、将来計画自体が延伸をきれるという見通しのもとに、新しい事業もなるべくとり入れていく、また継続的な仕事というものは、それぞれ完成を目途にして進めていくということで、五ヵ年計画に一応あまりとらわれずに、もう少し弾力性のある方途から、この間、本委員会におきましても、小柳委員、加瀬委員等から御発言のございました趣旨等も十分に組み入れまして、本計画の改訂に当って参りたい、かように考えておる次第でございます。 で、目下今申し上げました大体の方針に従いまして、地元鹿児島県におきまして寄り寄り、計画自体について検討を続けておるのでございまして、大体目途としては、今月一ぱい中に地元の計画については大体の構想をまとめまして、これに基いて、われわれの方と十分に打ち合せをいたしました結果、最も現地に適した方策というものを樹立をして参りたい、かように考えておる次第でございますので、この点御了承をたまわりたいと思います。
○小柳牧衞君 ただいまの御説明によりまして、復興計画を再検討して、場合によってはさらに年限を延ばして、新しい計画を立てるということは、まことに急務であると私どもは思っておりまするが、ただ、その計画を立てる際に、どういうことを基本の考えとして御立案になるのか、その点について承わりたいと思うのでありますが、第一、従来の復興計画が予定のように進捗しなかったということについては、いろいろ理由があると思うのであります。事務的につきましても、予算を実行する時期が当を得なかったというようなこともありますし、また、地方としてそれを消化し切れない請負業者その他の関係の業者の関係等もあるように思われますが、しかし、これらのことはそれとして、第一この計画自身の基本方針が、従来は、御承知のように、鹿児島県の一般水準によるというようなことをねらいとするとか、あるいはまた、戦前の奄美大島の現状に達することをもって復興とする、こういうようなことに基準を置いておるように見受けられますが、現地についての島民の生活状態を考えまするというと、全国的に見ましたら、非常に私は地位が低いのではないかと思うのでありまして、それは、鹿児島県を基準として考えるということに、まず第一に私は再検討してもらわなければならぬと思うのであります。また、戦前のようにするということも、一応の目標ではありましょうけれども、日本の国策の見地から申しまするというと、戦前の奄美大島と、亜熱帯の領土を失っておる現状から考えまするというと、奄美大島の使命というものは相当違ってきておるのではないかと思うのです。こういうような見地に立って、新しい復興計画を立ててもらいたいのでありまするが、そういうような意味合いにおきまして、私どもは、復興計画というようなことでなく、いわゆる振興開発の計画を立ててもらいたいと思うのであります。こういうようなことについて、計画の基本方針はどこに置かれる当局のお考えでありますか、承わりたいと思います。
○説明員(藤井貞夫君) お説のように、奄美群島の復興の当面の目標をどこへ置いていくかという点でございますが、これは、当初は、なるほど奄美群島が日本への復帰が非常におくれた、その空白というものを何とか埋めなければならない。そのためには、積極的に国の施策を通じて個々に当って参らなければ、とうてい地元の自発的な能力ということでは、そういうような目標の達成は不可能であるという見地から、この復興事業というものが一つの大きな国の施策として取り上げられることになったものだと考えているのであります。その場合に、私も、御指摘のように、ただ単に奄美群島の生活水準、所得水準等を戦前並に復帰するというようなことは、これは非常に消極的であり、また大して意味のないことである、こういうふうに思うのであります。当面のやはり目標は、一応水準ということは、なかなかむずかしいわけでございますけれども、常識的に割り出されます一つの水準というものがございますので、その水準としては、やはり一応のめどは、鹿児島県というものを目途にしながら、個々に近づけていく努力というものをやって参りたい、こういうふうに考えているのあります。幸いにいたしまして、水準自体は、復興計画の推進が軌道に乗って参りますに従いまして、漸次その効果が現われて参りまして、戦前に比較いたしますると、三十一年度の終りにおいて、大体九四%というところにまで復活を見つつあるような現状でございまして、三十二年度を経過いたしまするならば、もちろん戦前をオーバーするという見通しに立っているのであります。しかしながら、小柳委員がお示しになりましたように、もう少し積極的な意図というものをこの計画の中に加味すべきではないか。すなわち大きく言って、日本というものが南方の関係のいろいろな資源等を十分に入手しがたいというような状況になっておりまする今日におきましては、奄美群島が占めているそういう資源的な面というものを十分にこれは活用していくという見地を取り入れるということは、これはきわめて必要なことであるように思うのであります。国全般としての総合計画、総合開発ということが戦後特にやかましく叫ばれるように相なっておりますので、奄美群島の復興自体というものも、もう国の大きな資源開発、あるいは総合開発の一環に組み込むというふうな努力というものが、これは当然払われてしかるべきではないかというふうに考えるわけでありまして、この点については、私も全く同感でございます。今度の計画改訂自体の方針につきましては、基本的なものを今検討中でございまして、まだここでお示しをいたしまする段階に相なっておりません。この問題につきましては、さらに現地の計画改訂の構想というものも聴取いたしまするとともに、審議会にも諮りまして、いろいろ議を尽しました結果において、一つの方針を打ち出して参りたいと考える次第でございますが、私たちといたしましては、やはり単に、ただいまお示しになりましたように、奄美群島の復興ということだけではなくして、もう少し大きな見地から、奄美群島自体を国全般の立場から総合的に開発していくという方途を一つ強い一つの方針として取り入れていくという方向に向って努力してみてはどうかというふうに考えておる次第でございます。
○小柳牧衞君 ただいまの御方針は、私どもとしても大体ねらっておるところではありますが、もう少し掘り下げてこれを研究していただきたいと思いますることは、なるほど地理的の関係、また歴史的の関係から、鹿児島県を標準としてやるということは、一応もっともと思うのでありまするが、しかし、奄美大島自体の日本における使命というものは、鹿児島県の立場とは相当違っておる点もありまするし、また、鹿児島県を標準としてやる場合には、いつでも鹿児島県以下であるということに事実なるのでありまして、いろいろの行政面を検討しまするというと、すべて鹿児島の中等位におけばよろしいというようなことを理想としておりまする関係上、実質的には鹿児島県以下でいつでもあるということに堕するのであります。そういうようなことでありまするから、行政の面から見ましても、この際鹿児島県ということを忘れることはできないとしても、もう少し日本的にこれを考えるということが必要ではないかと思うのでありまして、行政の系統から申しましても、鹿児島県のもとにおくということは、いまのような結果に堕するおそれがあるのであって、たとえば各種試験場のごときは、地方の開発上根本的の重大な機関としてあると思うのでありますが、鹿児島県に本庁があり、分場が奄美大島にあるということになると、幸い人事権だけは分場に持たせてあるようでありまするけれども、大体において、すべての方針が鹿児島県から指令される。また実際の人事と申しましても、まあ露骨に言ってはどうかと思いまするけれども、鹿児島県では、あまり上等でないというものが事実やられるというような節があるのじゃないかということを思うのであります。でありまするから、このごろ北海道とか、本年はまた東北開発というような制度が取り入れられて参ったときでありまするから、そういうことを考える必要があるのではないかと思うのでありまして、これに対しての御見解を承わりたいと思います。
○説明員(藤井貞夫君) 御指摘の点は、先刻も申し上げておりまするように、趣旨といたしましては、私どももそういう少くとも心組みで推し進めて参らなければ、そうでなくても非常におくれております地方でございますので、なかなかこれをレベル・アップせしめますことは困難な事態ではないかというふうに考えるのであります。事実いろいろ試験場の関係その他から申しましても、今お話がありましたようなことが全然なかったとは言い切れない面もあったのではないかというふうに想像をいたしておるのであります。ただ、それかと申しましても、やはりこれは、鹿児島県の管轄下にあるところでございまするので、県庁の手を全然離れてやって参るというわけにも参りません。その点におきまして、それぞれ行政機構の面におきましても、もう少し奄美大島自体の独自性といいますか、日本における一つの地域的特殊性というものが十分一つ発揮ができまするように、行政指導面におきましても、できるだけの努力をして参る必要は十分あるのではないかというふうに考えておりまして、われわれといたしましても、それらの点について今後なお一そうの一つ努力をいたして参りたいと考えております。
○小柳牧衞君 もう少しお尋ねしたいと思うのですが、先ほどもちょっと触れましたが、戦前並みにするということだけではずいぶん気の毒ではないかと思うのです。先般も申し上げたのですが、堀立小屋の学校なんというものは、日本にはそうないと思うのです。あそこには、今もって四十校もあるのです。それから米作にしましても、一石二、三斗というような反収なんというものは、日本ではずいぶん私は低い方と思うのです。それに達することをもって復興だというのでは、まことに情ないと思うのでありますが、戦前ということに標準を置かず、もっと、もっと日本の国策上必要なことをねらいとして計画を立ててもらいたいと思うのであります。それにしましては、どうしても私は、試験場というようなもの、また産業教育というものが非常に必要だと思うのですが、試験場のごときは、地方の要望もありましたように、主要な産業等については、国立の試験場でも置くのがよろしいのではないかというふうに考えられるのであります。きょうに、戦前ということをねらいとしておかずして、もう少し飛躍するような振興をはかるため、制度の上において十分考えていただきたいと思うのであります。 さらに、今までの復興計画において相当成績をあげておるので、最近では古仁屋の岸壁ができまして、相当大きな漁船がそとに横づけするようになったということは、漁業の振興の上に非常に喜ばしいことでありますが、さらに計画に基いて、倉庫であるとか、あるいは冷蔵の設備であるとか、そういうようなものができますれば、なお一そうよろしいと思うのですが、しかし、いずれにいたしましても、これを利用する人がなければ、これは宝の持ちぐされだと思うのです。私どもは現地に着いて、漁業らしい漁業、あるいは漁船らしい漁船、漁夫らしい漁夫をほとんど見なかったということは、非常に私は心細く思うのですが、これらりっぱな漁港ができるということは、他府県の人が利用するということになりはしないか、もちろん他府県の人が利用しても、日本の国策から申しますれば、これもけっこうなことだと思うのですが、できるならば、またこれを利用する島民も非常に多くあるということを期待するのでありますが、これらの水産の振興については、試験場についてもほとんど聞くことができなかった。また組合等についても、ほとんどそういうことについて聞くことができなかった。これは偶然であったかもしれませんが、とにかく私どもは、ついに漁業については、漁業者あるいは試験場からこれらの問題について聞くことができなかったのでありますが、こういうようなことについては、どういう方針で将来進まれるおつもりであるか、あるいは所管から多少はずれておるかもしれませんが、一応お聞きしたいと思います。
○説明員(藤井貞夫君) 奄美大島の水産の振興という点につきましては、これは、従前ほとんど放置して顧みられなかったというのが実情であったように考えられるのであります。この点については、何とかもう少し地に足のついた振興方策というものを考えて参らなければならぬ必要があろうと思うのでありまして、それの一つの試みといたしまして、最近地元の協同組合等が中心になりまして、遠洋漁業を行いまするために、そういう遠洋漁船というものの入手をいたしたいというようなことで、融資あっせんその他の措置も努力をしておるのでありますが、ただ問題は、遠洋漁業というようなものが地元の協同組合等において行われました場合において、荷さばき地というものが、後背地というものが少いものでございますので、奄美大島関係に入っても、これはなかなかだめだというような点もございまして、今問題になっておりまする協同組合等で考えておりますのも、やはり荷揚げをいたしますところは、興津あたりまで持ってこないことには商売にならないのじゃないかというような話もあるのであります。また事実、採算面から見ますると、そういうようなことにしなければだめだ、しかし、それ自体といたしましても、結局地元で行う仕事でありまして、それによって利潤が得られますれば、それが直接間接的には島民の所得水準の向上には役立ち得る、そういうものを通じて、だんだんと経済水準というものが上ってくるというふうには考えられるのでありまするが、しかしながら、もう少し、たとえば遠洋漁船としても、これが島に荷揚げをして、しかもそこで冷蔵施設なり、あるいは冷凍会社というものが大規模にできて参りますれば、それとタイアップして、カン詰工場を作るとか、そういうような方策も、もっとやはり真剣に考えれば考える余地というものがあるのではなかろうかというふうに思っているのでありますが、まあ私自身も、そういう総合的な、いろいろ専門的なことになりますると、まだまだしろうとでございまして、大した識見も実は持ち合わせておりませんですが、こういうような点については、やはりそれぞれの専門家の意見等も十分参酌いたしまして、参考にいたしまして、地元の意見との調整もはかりまして、できるだけの措置を一つ講じて参りたいというふうに考えておりますが、今までのところは、根本的に申して、とにかく小柳委員が申されるように、奄美というものを国家資源の面から重視して、これを積極的に開発するという意図がありませんでしたために、いろいろな面において後進性というものが目立つ状況になってきているのではないかというふうに考えられるのであります。それらの点を根本的に考え方自体を改めていくことによって、おのずから全体の施策というものがもう少し積極的になされる余地というものが生れてくるのではないか、その考え方自体をはっきりと確立いたしまして、その方向で物事を検討するということが第一の前提条件ではないかというふうに考えている次第でございます。
○小柳牧衞君 計画を実行されるということは当然なことでありまするが、しかし、今もお話があったように、各種の失対事業がつまりこの計画を実行することによって行われているというのでは、臨時の処置としてはけっこうですが、はなはだ心細いのであって、この計画が実行し終ったときには、また失対事業を新たに起きなければならないというようなことでは、非常に心細いのであって、もう少し計画の裏付けを培養することが必要であると思うのでありまして、漁港ができたけれども、漁港を使う人を作っておらなかったというようないろいろな、道路ができてもトラックが通らないというようなことでは、ほとんど意味をなさないのではないかと思うのでありまして、従来の計画は、ただ復興復興ということにとらわれて、振興とか開発ということを第二義に置いたということがこういう結果に陥るような状況になったのではないかと思うのですが、どうしてもこの計画の裏付けをやる。すなわち、民力という言葉を使うならば、民力の培養ということが同時に行われなければならぬ、かように考えるのでありますが、それにつきましては、先般もちょっと希望として申し上げておったと思いますが、あそこの主要産業でありまする黒糖の価格保証の問題とか、あるいはまた、砂糖消費税の撤廃であるとか、台糖輸入の制限とか、これはしばしば請願陳情等もあって、国会の議にもなったと思いますが、これらについては、どういう処置をとられましたか、お尋ねいたしたいと思います。
○説明員(藤井貞夫君) 地元の非常に特異な、しかも主要産業でありまする黒糖の栽培の問題、これにつきましては、向うでは、特異な産業といたしましては、大島つむぎに並びまして黒糖の問題があるわけであります。この点については、何らかもう少し積極的な振興の方策というものを講じて参る必要は十分にあり得るのではないかと思うのであります。ただ、黒糖自体が、私といたしましては、もう少し用途というものを新たなる分野に広げていくということになりませんと、なかなかその点について、ほかの普通の砂糖がどんどん入ってくるというようなことになりまする場合におきましては、需要の面におきましてもなかなか伸びていかない、黒糖は多くなりましても、結果において生産過剰というような問題にぶつかりますと、これまた非常に困った事態に相なるわけであります。それらのにらみ合せの点から、黒糖産業自体を何とか保護育成をするという点につきましては、考えて参らなければならない面はたくさんあると思います。今御指摘になりましたような、普通の砂糖の輸入の制限であるとか、あるいは税金の問題とか、そういうような点も一連の手続として考えられ得ると思いまして、この点につきましても、各省との間に打ち合せは今までもやってきておるのでありますが、事柄は税金関係あるいは貿易の根本的な問題にも触れて参りまして、なかなか黒糖の保護というような見地だけに立ちまして、適切なる解決策が今のところまだ発見をされておらないというのが正直に申しまして実情でございます。
○小柳牧衞君 今の御答弁は、すこぶる私は不満足なんですが、実は黒糖の問題は、仰せのように、あそこの主要産業であります。従って私どもも、糖業者について、黒糖というものを全体諸君はどう考えておるのか、今後の市況はどういうふうになるのか、そういうようなことを聞いたけれども、自分が作っておりながら、どんなふうにそれがなるというようなことについては、だれも知らないのです。これは、私どもは知らないのだから、政府に聞いてくれというような、こういうようなことなんです。これは、糖業者の心がまえとしても、私は決して喜ぶべきことでないと思うのですが、しかし、砂糖のように、世界的の商品であるようなものの将来の見通し等については、狭い島の糖業者のみにこれはまかしておくべきものではなく、国としてこれを十分に研究して、相談すべきものだと思うので、今もってその問題について何も研究していないということは、不親切きわまる、また怠慢きわまることと思いますが、しかし、自治庁だけの問題でもないでしょうから、極力関係各省について早急にこれらの見通しをつけて、そうして島民に向うところを知らせるということは、自治庁としてなすべき当然のことと思うのでありまするが、一段と御努力をお願いいたしたいと思います。 それから、この金融機関についても、この前に申しましたのですが、折角金融についていろいろ施設をしておりますが、いろいろの支障がありまして、思うように利用されないということであった。そのことを申し上げたのですが、これについて何か処置されましたですか。その後の方法をお聞きしたいと思います。
○説明員(藤井貞夫君) この点につきましては、隘路が全然まあ克服されたわけではございませんですが、しかし、信用保証協会ができまして、これの貸し出しというものが漸次軌道に乗って参りました。昨年の下半期ごろから基礎が固まって参りまして、本年度に入りまして、かなり順調な成績を遂げておるように承知いたしております。ちょっと私資料を本日持って参りませんでしたので、具体的に数字をあげて説明を申し上げるものがございませんですが、この面からかなりの改善が行われておるというふうに考えておる次第であります。
○小柳牧衞君 こういうようなことを申し上げると、数限りなくあるようでありまするから、余計は申し上げませんが、要するに、計画を実行するということになりましたならば、その成果を上げるということに十分の努力をしてもらいたいと私は思っております。従来、これは大へん遠い所であるという関係もありましょうし、また、鹿児島県というものが一つここに介在するということもありましょうが、計画を立っても、実際の効果を上げるということについて、政府なり地方庁の協力が非常に私は足りなかったのじゃないかと思うのであります。私は、あそこへ行きまして、一番痛切に感じましたことは、結局中等社会というものが非常に力弱いということであると痛感したのであります。中等社会を健全にするということが何よりも必要であります。これには、もちろん一つは産業教育が必要であり、また試験機関が必要だということは、申すまでもありませんが、その産業教育にいたしましても、卒業した人は、ほとんど台湾なり朝鮮に行くというんじゃあ、地方の開発には資することができない。試験場にしましても、その土地に即していないものをやっているというだけでは、これもどうも一向よくならぬと思うのでありますが、この中等社会、地方の中堅となる階層を強くすると、また一そうその活動を促すということについては、どういうお考えを持って将来進まれるつもりでありますか。これをお伺いしたい。
○説明員(藤井貞夫君) 大島は、御承知のように、戦前戦後を通じまして、人口がほとんど動いておりません。この点は、結局地元の地方なり、その他の経済力というものが人口増加を吸収し得ないということによって生じておるのでありまして、今お話にもございましたように、地元の人でちょっと技術を身につける、あるいは学校を卒業するということになりますると、これが大部分の者が他府県にまあ流れてしまうというような状況になっておることは事実でございます。この点につきましては、こういうようなことでは、やはりほんとうの郷士意識というものも出て参りませんですし、また、真に有能な青壮年というものを地元にとどめ置いて、それらを郷士の振興に挺身をせしめるということになりませんと、結局大島自体のほんとうにまあ着実な復興というものはあり得ないと思うのであります。こういうような点から見まして、どういうふうにすればそういうような状況の改善が行われるかということになりますると、これはきわめてむずかしい問題でありまして、なかなか急に参りません。今やっておりまする復興、振興計画を通じて、いろいろ公共事業の執行も行いますると同時に、これに応じていわゆる民力の涵養をはかっていく。経済力、経済振興、経済的開発というものをこれと並行して行なって参りますることによって、全体としての島民の所得水準、経済水準というものを総体的に高めていく、こういうことに対して地道な努力を続けて参りますることが島民の福祉につながるゆえんであり、また、御指摘になりました、いわる中産階級というものを土地に落ち着けて、仕事を伸ばしていくゆえんではないかというふうに考えておるのであります。別に私自身としても、今、あすからでもよくなるというような妙案は持っておりませんですが、今の復興計画を中心にして、先刻来御指摘になっておりまするような点も十分加味して、これを日本全体の資源開発ということとからみ合せて、その一環として、もう少し積極的に開発、振興をはかっていくというような面の施策を総合的に講じていくことによって、結局おのずから次第に民力というものが高まることによって、所期の目的が漸次達成されて参るのではないかと、かように考えておる次第でございます。
○小柳牧衞君 一つ、おしまいです。 新たにこの復興計画を立てるということは、ぜひやってもらいたいと思うんですが、それには、先ほど来申しておりまするように、ただ戦前並みとか、あるいは鹿児島並みというようなことを標準とせずして、復興にあらずして、開発、振興であるということに十分な重点を置いて計画を立てていただきたいと思います。せっかく何十億あるいは何百億という金を出しましても、その金を出したということがそれだけのただ効果を上げるというだけでは、ほんとうの私は国策としての治績ではないと思うんです。百五十三億を出して百五十億の橋ができた、道路ができたというだけじゃいかぬのであって、それによってほんとうに地方が振興する、開発するということがねらいでなければならぬと思うのであります。単に予算の数字を並べ、それを実行に移したということだけでは、私は真の復興計画でもなし、もちろん振興計画でもないと思う。もう少しいわゆる民力を十分培養するということを常に考えて、それに即応して各種の施設をなし、計画を立てられんことを切にお願いをいたしまして、私は質問を打ち切ります。 —————————————
○委員長(本多市郎君) それでは次に、財政投融資の繰り延べに伴う地方起債の延伸措置等に関する件を議題に供します。 まず、自治庁当局及び大蔵省当局より説明を聴取いたします。
○説明員(小林與三次君) 財政投融資の繰り延べに伴いまして、地方債の問題をどうするかという問題につきましては、いろいろ新聞にも出ておったのでございますが、今、大蔵省の方と事務的に折衝を続けておるのでございます。自治庁といたしましても、地方債は、ほかの財政投融資と性質が違うという面は、もちろんこれはあることなのでございますが、一面におきまして、国がそれぞれやるこの緊急な施策につきまして協力すべき部面につきましては、地方も国の施策に準ずべき面も当然これはあろうと思うのでございます。それで、大蔵省の方から、御案内の通り、地方債につきまして、五十八億円を明年度に繰り延べるような申し入れがあったのでございます。これにつきましては、いろいろ検討すべき問題もあるのでございますが、従来のいろいろ経験に徴しましても、起債が許可になりましても、借り入れがおくれておる部面も、これもあるのも事実でございまして、われわれといたしましても、そうした実情も勘案をして問題を考える必要がある。国において官庁営繕等を繰り延べる措置をとっておられる以上は、それに準じたような仕事を地方にやる場合には、やはりこれも、ある程度それに準ずる措置を考えるのが至当であるというふうな問題もあるのでございます。ただ、われわれとしましては、地方債計画は、これは財政計画の基礎にもなっておりますし、地方の事業運営計画の土台でありますので、この地方債計画を削減するとか何とかいう形になっては、これは、地方財政の運営が根本からくずれていきますので、そういう措置には賛成することができないのでございまして、それで、まあいろいろお話し合いを進めております結果、仕事の性質等によりまして、地方債の計画は、もちろんその通り執行することにいたしまして、ものによっては、借り入れをしばらく事実上抑制する措置をとっておくらかす、そういうことによって、国全体の投融資計画の運営に協力することを考えるべきじゃないかと、基本的にそういう考え方を持っておるわけでございます。地方債計画のワクには影響を与えぬことにいたしまして、できれば今年度内に必要の起債の許可をする。しかし、実際の借り入れにつきましては、あるものは一つ延期することにして、そうして事実上明年度に借り入れをあるものについて繰り延べることによって、そうして問題を合理的に処置をしたらどうかと、こういうふうな考え方を持っておるのでございます。 それで、大体五十八億円という金額の問題が一つありまして、これにつきましては、なお公共事業全体の施行の調整という問題も一方にございまして、それに伴うて、公共事業分に伴う負債の始末をどうするかという問題もほかにもあり得るということになっておるのでございますが、われわれといたしましては、大体まあ全部突っ込みにして、五十八億円程度というものをめどにおいて、事実上の借り入れをものによって延期するという措置を考えたらどうか。しかし、起債計画としては、本年度通りやることにいたしまして、起債の許可も全部年度内においてやる。この時期、方法を調節しよう、こういうふうな考え方をとって、大体お話し合いを進めておるのでございます。 もう一つの問題は、それならどういうものについてそういうことをするのかという問題が一つございまして、これは、最初いろいろ大蔵省の方からも、申し入れのときには算定の基礎などがございましたが、これはむしろそれぞれ具体的にお話し合いをいたしまして、あまり一般の市町村の仕事についてそういうことをするということは、われわれも適当だとは思えません。やっぱり、相当大規模な庁舎の営繕とか、そういうふうなものなどを中心にいたしまして、実際の市町村の仕事の運営に支障のないものを中心にし、従来から実際許可になっていても、借り入れが事実上おくれているものもありますので、そういうものを頭におきながら、具体的に話を進めていったらどうだろうか、こういう考えでおるのでございます。それでございますから、一般の事業につきましては、影響があまりないようにいたしたい、こういうふうに考えておるのでございます。 なお、細目の問題につきましては、今なお具体的に話し合いを続けておりますので、いさい申し上げるわけにもいきませんが、大体大筋はそういう考え方で、自治庁としてでも協力すべきものは協力しよう、こういう考えでおるわけでございます。 これに関連しましてもう一つ、基本的に大蔵省と話がまとまっておらぬのでございますが、公営企業金融公庫の公庫債の発行が七十億限度で認められておるのでございまして、この七十億分のうちまあ少しばかりは、他の公社、公団債の発行を抑制するに伴うてつき合いをしてもらいたい、こういう申し出が実はあるのでございます。これにつきましては、公営企業金融公庫の公債は、まったくほかの公社債、公団債と性質が違っておるのでありまして、一般の市町村について認められた公募債の消化を、いわば市町村にかわって消化してやるというところにこの公庫の問題があるのでございまして、特に最近の金利情勢その他のようなことで高くなる場合には、一般の市町村がいろいろ困るのでございまして、こういうときに公庫が働かなければ、作った本来の趣旨も達成いたしがたいのでありまして、この問題は、これは普通の公団などとは全く性質が違うし、扱いを別にしてもらわなくちゃいかないというわれわれの考え方で、なお大蔵省と十分折衝を進めたい。この点は、実は意見がまだだいぶ食い違っております。その事実だけを申し上げておきたいと思います。 大体そういう経緯でございまして、普通の問題につきましては、そう支障のないように取り運びたい、こういうふうに存じております。
○委員長(本多市郎君) それでは次に、大蔵省堀口地方資金課長。
○説明員(堀口定義君) ただいま財政部長の方から御説明がありましたところに、特につけ加える点もないのでございますけれども、全体の経済といたしまして、私たちが当初想像いたしていた以上に三十一年度の国際収支もよくない、また三十二年度に入りまして、急速に国際収支が悪化いたしまして、現在の情勢でいきますと、五億ドルをこえるような赤字になるかもしらぬ、手持外貨も、この前緊急的な措置をやりました二十八年から二十九年にかけての状況よりかもさらに悪化しておるというような状況でありますので、この財政投融資関係をまず総額四千九十一億に対しまして六百四十九億五千万円、一五・八%ばかり繰り延べようじゃないか。この一五%という数字は、緊急施策のときに閣議の了承を得た線でございまして、そういうふうな計画ができております。そこで、地方債につきましても、ほかとのつり合い上何か考えざるを得ない。実のことを申しまして、地方財政の一端をやっております私たちから見ますれば、当初の計画を途中において何か繰り延べするというようなことは実はやりたくない、本心においてやりたいというような問題ではないわけですが、いずれにしましても、国民経済の状況が非常に悪くて、全体の施策の一環として、何とか切り抜けなければいかぬ。ついては、やはり地方財政につきましても、地方債のほかとのつり合い上の繰り延べ程度は、何とか御協力いただきたいということで、お願いしておったわけでありますが、全体といたしましては、自治庁の理解ある御協力をいただけるような見通しがつきまして、われわれも非常に感謝しておる次第であります。 つきましては、内容のどこをどういうふうに繰り延べていくかというふうな問題、その他大きな規模の角度からなるべく繰り延べようじゃないかというような点につきましては、なるべく地方の実態に即しまして、自治庁の御意見を尊重して、支障のないように進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。 それから、もちろんさっき申しました五十八億という線は、公共事業費の繰り延べの分が入っておりませんので、公共事業費の繰り延べ約百二十億程度を実施することになりますと、これにつれてある程度の影響がくるのじゃないか。この点についても、まことに情においては忍びないところでありますけれども、そういうことが確定しますと、ある程度の御協力をお願いせざるを得なくなるのじゃないかということを自治庁にも申し上げておる次第でございます。 それから、公営企業金融公庫の公募債の問題につきましては、やはり北海道開発公庫その他三〇%から四〇%くらい最初の資金計画をずらしておりますので、それあたりとのつり合いもございまして、全体の資金がずれるとした場合には、その中におきます公募債の公庫の受け持つ分野につきましても、全体の均斉をとるべきじゃないだろうか、また、一般金融の中における公庫の活動といたしまして、どこからか資金を吸い上げることになりますので、そういう問題も考慮いたしまして、何とか一部の繰り延べに御協力をお願いできないだろうか、こういうふうに申し上げておるわけでございますが、現在のところ、まだ了解に達しておりませんので、事実だけ御報告いたしておきます。
○委員長(本多市郎君) この点について御質問のおありのお方は、御発言願います。
○中田吉雄君 小林部長と堀口課長のお話聞いたんですけど、ちょっと何だかはっきりしない点があるように思うんですが、五十八億という繰り延べにやはり賛成されたんですか。何か堀口課長は、理解ある御協力をいただいて、非常に感謝しておるということですし、われわれは、その点についていろいろ問題があるんですけれども、その点は、小林部長どうなんですか、ちょっともう少し、何かこう希望を述べられたりしたような、そこら適当に支障なくやれるというのですか。どうなんですか、その辺。どうもだいぶん、注意して聞いたのですけれどもね。
○説明員(小林與三次君) だいぶ注意して申し上げたつもりなんですが、実は今、大蔵省の方からもお話ありましたが、金額の問題に、またほかに新しい問題が出てくるのじゃないかということが一つございます。それは、今五十八億という数字を出されましたのは、要するに一般の財政投融資の繰り延べに応じて、地方債でもこういうものとこういうものについて繰り延べができないかという御注文、そのほかに公共事業プロパーの繰り延べという問題が別にございまして、これは、繰り延べされるかされぬのか、私もよく知っておりませんが、公共事業については、施行の時期を調整するという趣旨の閣議の決定が実はあるわけです。そこで、それに伴いまして、公共事業について、今お話のように、百四十億かについて今各省と御折衝中のようでございます。そういたしますというと、公共事業の繰り延べ、それに伴いまして、地方のそれに対応する地方負担分の起債額というのがございまして、それがまあ概算すれば八、九億から十億ぐらいになる。その金額がもう一つ出てくるぞと、こういう趣旨のことを今おっしゃられたわけでございます。これにつきましては、われわれは、全体の起債計画から見れば、五十何億の上にさらに十億前後もプラスになっていくということは、これは、地方の財政計画の全般の上から見て無理があるだろう。まあ、一つ五十八億限度程度を目途にして、そこで何か協力する線が考えられぬかという、こういう問題が一つ。ここは一つ食い違いがあります。そこで、協力という意味が、もう一つは、従来からも事実上起債を許可してでも借り入れがおくれるものなぞが、現に大きな事業等について相当あるのは事実でございます。事実でございますから、そういうものも頭に置いておいて、五十何億について、起債の許可は本年度にみんなやるが、借り入れが事実上おくれるものを頭に置いて、その借り入れの時期をずらすように許可その他の運営方針を考えて、そして、実施上今年度内の金融行政に協力をしよう。許可はするが、借り入れを少しおくらすことを考えたらどうか。そういうことが一つの基本的な考え方で、そういう形ができるものならば、われわれとしてでも一つ協力をしたらどうか。そういう意味は、そいつをしないということになると、結局起債のワクを来年度削っちまうということになっちまうんで、そいつはわれわれとしてはとうてい承服いたしがたい。率直に申しまして、起債は、許可はするが、借り入ればある程度ずらすように協力をしよう、こういうことが一つ。それからもう一つは、それならば、どういうものについてそういうことをするかという場合に、今、大蔵省からお話がありました通り、一応計算の基礎として向うから示されましたものがございますが、そういうものに必ずしもこだわらずに、全体の運営上支障のないものを中心にして、そうした事実上の借り入れを抑制する、ずらすという措置を考えよう、そういう条件で自治庁としてでも協力をしたらどうだろうかと、これがわれわれ事務当局の考えで、そういうことを申し上げたのでございます。
○中田吉雄君 これはまあ、予算委員会、あるいは国会が開かれれば、本格的にやるべき問題だと思うんですが、どうも小林部長の話を聞くと、五十八億を繰り延べるということにどうも了解しておられるようだが、地方自治に携わるわれわれとしては、非常に問題がある。それは、堀口課長が言われたように、外貨事情を中心とする日本経済の悪化で、財政投融資の繰り延べを含む総合対策を立てて外貨事情を建て直す、こういう基本原則については、私たちも、予算が通ってからまだ二、三ヵ月出でずしてそうなったということに対することは別にして、そういうことには賛成なんです。しかしそれを、新聞なんかでいろんな記事を見ると、地方債についても例外を許さぬというようなことで、それでは、どんな法律だってただし書きのない法律はないんで、それはやはり財政投融資六百四十九億、五十億減らしても、少くとも六百五十億繰り延べしても、昨年の水準はほぼ保てるわけなんです。ところが、地方債がたくさん累積しているので、そういうこともからんで、非常に大幅な千七十億に減らしておるんです。そういうことで、さらに五十八億繰り延べするというようなことになると、それに追い打ちを食わせて、非常にしわが寄るんじゃないか。私も、一兆数百億の地方財政ですから、相当協力すべきだと思うんです。しかしそれには、政府も一兆四千億というような貯蓄の増強計画を立てておられますし、そういうのは、どうしても知事や市町村長が先頭に立って、やはり購買力を吸収し、資本蓄積をやらせるというようなことで、そういう面で協力すべきで、他の一般財政投融資と十ぱ一からげにされるのでは、これは昨年と本年度の当初計画とつり合わんじゃないかという点と、やはり特殊な事情があるのだから、不要不急の経費を削る、あるいは国産品を愛用するとか、特に一兆四千億の増加所得を貯蓄へ向ける、貯蓄を増強して外貨を節約するというようなスローガンに沿わせるには、何としたって知事や市町村長がやらんで、おたくの財務当局だけではどうにもならんので、私らは、むしろそういう面で協力さして、昨年よりたださえ少いこういうものに対してやらんほうがいいのじゃないかと思うんですがね。そういうことはどうかという点と、小林部長、五十八億はやはり了解されておるのですな、どうも自治庁として。それでは特殊性に対する主張は少し弱過ぎるのじゃないか。どうですか。
○説明員(小林與三次君) 今、中田委員おっしゃいました通り、地方団体として政府の施策に協力すべき問題として、貯蓄の奨励とか、国産品の愛用とか、その他の問題につきましても、これはまあ当然せんといかんと思っております。それとともに、財政投融資そのものについてどういう形でわれわれとして対処するか、こういう問題につきましては、われわれは、地方債計画は、普通の公社や公団債と違って、国自体の仕事と同じものだと実は考えておるわけでございます、起債であるか一般財源であるか別として。そこで、国みずからがある程度自分自身の仕事を抑制し、押えようという方針をとるんなら、それに準ずる措置は、地方における同じものについてはやっぱりとらざるを得ぬのじゃないか。国自体の仕事をどうせられるかということは、われわれとしては申すべき筋合でございませんが、きまればやるべきじゃないか。たとえば、国が官庁営繕などを全部抑制する、全部じゃございませんが大規模のものを一部抑制しようということになれば、それに見合うような地方における仕事も、やっぱりそれに準じて措置すべきじゃないか。国が抑制しているのに、地方は別だというわけにいかん。一般の市町村の役場までとやかく申し上げるつもりはありませんが、そういうことはやっぱり考えざるを得んじゃないか。それからさらに、国が公共事業をほんとうに抑制するんなら、その率と対応して、やっぱり地方だって、ある程度の大規模の仕事は抑制するということを考えざるを得んじゃないか。われわれとしては、そういう基本的な考え方を持っておるのでございます。そこで、五十八億がいいか悪いかという問題は別問題で、要するにそういう考え方で、おおよそのしかしこれはめどというものはありますから、そのめどにつきましては、今大蔵省とまたいろいろ議論がありますが、そういうものを一つめどにして、今申しましたような計画をしたらどうだろう。この繰り延べというのも、繰り延べといいながら、実質的削減という問題が実は一つございまして、そういうことは、われわれとしては絶対にこれは同意するわけにはいかない。それでありますから、削減になるような繰り延べは絶対に承服いたしておりません。その言葉の使い方の問題もございますが、そういう意味で、そういうものにつきまして、実施上の運用につきまして、ぜひその実が上るように協力をしたらどうかというのがわれわれの考えでございます。
○説明員(堀口定義君) さっきの中田先生の御質問ですが、地方債も例外じゃないというような言い方は非常に工合が悪いので、おそらくそれは、新聞の題目だと思うのですけれども、大蔵省といたしましては、あくまでも、ほかとの関係もありますので、御協力をお願いしたい。ことに現在の金融情勢から見ますと、財政投融資は一五%程度をめどにしておりますけれども、実情をよく聞いてみますと、民間の投融資におきましては、やはり放っておいても、今の金融情勢ですと、一割五分というような線ではとどまらないのではないか。場合によると二割なり三割とい削減になる可能性もあるというようなこともありますし、その際におきまして、まあ政府の施策の一環として、地方債だけが例外になるということになりますと、やはり精神的にも効果が薄くなりますので、何とかその点、申しわけないけれども、一つ御協力をお願いしたいというふうな程度で、初めから大蔵省はお願いしておった次第でございます。
○中田吉雄君 いろいろな新聞の大蔵省発表というのを見ると、地方債も特例を認めぬというのが、どの新聞も、よく読んでみてもまさにそうなんです。しかしそれは、やはりどの法律だって、ただし書きなり例外のないものはないので、実際上過大投資を抑制して、そうして外貨事情を中心にする経済危機を突破するには、まあ総合的にやって、私は、むしろ知事が、こういう情勢だが、特に住民に直接接触する地方公共団体の起債については考えるから、一つ貯蓄奨励、特に私はその面が、ドイツ等を見ても、減税には必ず貯蓄の問題をひっかけてやっており、ことに一兆四千億の貯蓄をやろうというような場合には、何といっても知事と市町村長の協力がなければ、とても財務部、日銀の出先当局がやっても……、もっとその効果の方が大きい。心理的な影響もさることながら、私はそういうことを期待したいわけであります。堀口課長にはその点を強く申し上げて、将来また私申し上げたいのですが、一つその程度にして……。 小林部長には、それでは五十八億というものは、どうも政府機関として、そういうわけにもいかぬから、協力するということのようですが、それは、言葉の正しい意味で繰り延べで、カットではないですね。
○説明員(小林與三次君) その通りでございまして、削減はもう絶対にわれわれとしても同意しがたい。それでございますから、全部許可をすることにして、許可の時期とかやり方について調節をしたらどうか、そういう条件で話を進めておるわけでございます。
○中田吉雄君 そうすると、比較的大きいもので、市町村に悪い影響のないようにということですが、主として県ですかどうですか、実際対象は。
○説明員(小林與三次君) これは、今新規事業のお話も出ましたが、新規、継続を問わず、まあ継続、むしろ継続で、今まで起債を許可したものの方が大規模のものが実は多いわけです。ですから、県などもありますが、市あたりでも、大規模水道とか、その他電気などの問題もありますし、大きな交通の問題もございますし、そういうものを中心に考えて、従来も、事実上三十一年度の起債で、三十二年度に相当ずれておるものが現にあるわけです。そういうものとにらみ合せてぜひきめたい、こういうふうに考えておるわけです。
○中田吉雄君 そうすれば、三十二年度と三十三年度の境ごろにはこなせるのですか。一応繰り延べはどういうことになるのですか、繰り延べの限度は……。
○説明員(小林與三次君) これは、非常にこまかいところまではまだきめておりませんが、起債の許可といたしましては、本年度中にそういう前提で全額やる。そこで、起債の許可の時期をものによっては一部ずらす、年度末の方にある程度ずらすか、あるいは起債は許可しておいても、実際の借り入れをさせないように行政指導する、そこらは、いろいろ方法があろうと思います。そこらの問題は、事務的に大蔵省とも話を進めて、年度内に許可することは基本条件として、事実上借り入れをある程度ずらすという運用で事が済むように始末しよう、こういう意味では、ある程度協力すべきであるという前提でございます。
○中田吉雄君 堀口課長にお尋ねしますが、小林部長の説明でも、公営企業公庫の方はまだ話がついていないということですね。これを三割から四割やるということですが、いろいろ見ますと、なるほど農林漁業金融公庫が百億円、それから愛知用水公団は二十億円、森林開発公団は五億、住宅金融公庫が九十億、住宅公団が百三十億というふうになっておるのですが、ところが、一々昨年度の本年度への繰り延べを見ますと、たとえば農林漁業なんか、七十億すでに今年度に持ち越しておる。それから、森林開発公団は六億で、六億繰り越して、五億円カットされても、なお前年度より大きいのです。それから、住宅公団なんかは、もう資金量においては問題ないので、宅地が隘路になっておるというような面があって、三割ないし四割切られても、実際他の部面はすでにしにせであって、そういうふうなそれぞれの、本年度への繰り延べをさせられたくらいは大体持っておる。森林開発公団が一番ひどくて、それだけ切られても、昨年の資金量よりもなお多くなるというようなこともあって、この公営企業金融公庫は、地方団体の多年の要望でもあり、本年度当初に出発されたものが、七十億のうち三十億もやられるということでは、そういう出鼻をくじかれて、そうして繰り延べ額をそれぞれ相当繰り延べ量に匹敵するほど持っておるものと十ぱ一からげにやられると、すでに基礎の固まっておるものはいいが、非常に実態に即せぬように思うのですが、大蔵省の御意向もわかるのですが、その点はどうですか。
○説明員(堀口定義君) 中田先生の仰せのような点は、事実あるのでございまして、それらの資金の毎年の繰り越しというものができるということについて、これは公共事業でも同じことなんですが、それは非常にいけないことである。なるべくこれは解消するようにという方向で毎年努力して参ったわけでございます。公共事業等につきましては、いろいろ法律まで作って、促進しておるわけでございまして、これらの額につきましても、今年度は、相当程度機構の充実その他によりまして、そういう繰り延べを解消しようじゃないかという方向に向っておりましたけれども、従来通りの繰り延べを見、さらにその上に、おのおの新しい計画の一〇%を繰り延べたわけでございます。それは、先生おっしゃられたようなことは事実なんでございますけれども、そこに非常にいやな面も実はこの繰り延べの中にはございますので、新しい公庫だけを切るのはということもごもっともでございますが、ほかについても、非常にいやな面が多分にあるということを申し上げておきたいと思うのでございます。
○中田吉雄君 これは、地方制度調査会にこの問題が数年前に出ました当時、おたくの河野さんが大蔵省代表で、最後までこの成立に強く反対され、なかなか旺盛な闘志で、多数決でついに押し切られるというようなことまでされて、そういう大蔵省の伝統的な考えというものが繰り延べに名をかりて、そこでチェックして行けというようなことはないのでしょうね。その辺はどうですか。
○説明員(堀口定義君) それはできるまでの過程におきましては、いろいろのことがあったと承知いたしておるのでございますけれども、現在は共管でありまして、大いに基礎を固めてやって行かなくちゃならぬということになっておるのでございますから、少くともそういう意図は毛頭ございませんので、その点はあしからず御了承願いたいと思います。
○小林武治君 今の関連ですが、公営企業金融公庫の公募債を減らすということは大した意味がないように思うのですが、これは公募債としては二百億が全体あるのですね。その関係はどうなんですか。その全体の二百億と今の金融公庫の七十億、七十億は二百億の一部だと思うのですが、それで金融公庫の方を減らすというのはどういう意味なんですか。
○説明員(堀口定義君) 仰せの通りでありまして、計画の中におきまして、一般金融機関から公募するか、公庫から出るかということでありますから全く関係がございません。ですから大蔵省の方としてお願いしておりますのは、そういう面からでないのでありまして、やはりさっきからの繰り返しになりますけれども、政府金融機関としましての、ほかへのお付き合い、また現在の金融情勢から見てのいろいろの問題点というような点からお願いしておるわけでございます。
○小林武治君 そういうことで、金融公庫は、何もいわゆる公募をしなくても縁故募集もできるだろうし、だから、われわれとしては、先ほどからお話のあるように、この公募というのは、公募債を出すから意味があるので、出発早々どういう方法においても今の金融公庫としては七十億の債券が出せるように、こういうふうにぜひしたいと思います。ほかの面でどうするかということは問題を別といたしまして、金融公庫の面で二十億なら二十億減らすという、こういうふうなやり方は、われわれも納得しがたい、こういうふうに思っておりますから、その点はっきり申し上げておきたい。
○鈴木壽君 先ほど小林部長のお話の五十八億という額を了承したようなしないような、もう一つは、カットするとか、しないとかいうような問題、これについては、堀口さんどうですか、あなたの方の態度としては、小林さんがおっしゃったようなことでいいのですか、この点一つ、これは大事な点だと思いますから。
○説明員(堀口定義君) 削減かどうかという問題ですが、これはほかの財政投融資におきましても削減という言葉は使っておりません。あくまで現在の一般の投融資を相談するという意味におきまして時期的に調整したいということでお願いしているわけでございます。従いまして、この運用の方法につきましては、さっき財政部長からの御要望もあったようですから、そういうことを十分打ち合せまして、なるべく尊重して行きたいというふうに考えております。
○鈴木壽君 来年度になって事実上カットになるようなことを考えていらっしゃるのじゃないのですか、あなたの方では。
○説明員(堀口定義君) 現在の起債の許可は、実は三月三十一日づけで相当あとまでずれているわけでありまして、その年度のワクを削減しようという了解がない限りは、現在までそういう削減をしたことはございません。従いまして、繰り延べる以上は、やはりワクとしては存在するというふうに申し上げてよろしいと思います。
○鈴木壽君 私お聞きしたいのは、もっと突込んで、来年度のワクを小さくすることによって事実上のカットになるのだというようなことも言えると思います。形の上では、ここは今年のやつだ、来年はまた来年だ、こう言えます。今年のやつを繰り延べをすることによって、しかも来年度のワクを小さくすることによって、事実上カットの形になるのじゃないか、こういうことが心配されるわけですが、この点どうですか。
○説明員(堀口定義君) その点につきましては、来年度の新しい予算なり、それから地方財政の計画なり、地方債計画の問題になりますので、今からはっきりしたことは申されないわけでございますが、やはりそのときにおきます経済の全体なり、地方財政の需要なり、そういう面を全体的に考慮して組まれるものであるというふうに申し上げるよりいたし方ないのでございます。
○鈴木壽君 これはお話のように、今から来年度のことを言うのは変なものだし、はっきりどうのこうのと言えないと思いますが、その通りだと思うのですが、ただこういう格好が繰り延べすることによって、果してそれじゃ今回の国際収支の悪化に伴う日本経済のこういう問題が、単なる時期的に多少ずらすことによって、あといいのだ、こういうふうには私見られないと思うのですから、むしろ私心配するようなことが事実として現われてくるのじゃないか、こういうことになる。しかし今申しますように、これは来年度のことですから、どうのこうのといっても始まらないと思いますからやめておきます。 それからいま一つ、これは私根本的な問題だと思います。自治庁にも実ははっきりした態度で臨んでもらいたいと思うし、大蔵省としても考えていただきたいと思うのですが、国際収支の悪化に伴う、いわゆる総合的な財政投融資の問題ということと、今おそらく当面問題になっている、いわゆる地方債の問題との間に、そんな、何と言いますか、これを押えなければならないというふうな必然的な関係があるかどうかということなんですね。私はその点一つ問題があると思うのです。むしろ起債全体のワクからは昨年度よりずっと減っている。ほかの方にどういうふうな投融資が出ているかもしりませんけれども、知りませんというと無責任な話で、ふえてはおりますが、むしろ地方債においては昨年のワクより減っている、形としてではですね。そこでこういう問題が、しかも金の使われる対象からいっても、今騒いでいる国際収支のどうのこうのということとは全然関係ないとは言えないけれども、非常に関係する度合いというものは、私薄い性質の仕事に向って行っているのじゃないか。それを何か付き合いだからやむを得ない、こういうふうな考え方、あるいはこれも付き合ってもらはなければいけないというような考え方で、一つの大きな地方財政計画の支柱になっている。これをまあ事実上の、私は言葉はいろいろあると思うのですが、将来これはカットされるようなことになるのじゃないかと思うのですが、それはともかくとして、こういう格好で向うへ押し寄せられて行って、計画の変更を余義なくされるということは非常に残念なことだと思う。私考え方において一つ納得できないものがあると思うのですが、そこら辺の、私どもに納得できるような関連性なり、必然性なりというものを一つ両方からお聞きしたいと思うのです。これは大事な問題だと思うのです。
○説明員(小林與三次君) これは鈴木委員のお話でございまして、そのまず第一番の問題、大蔵省の方からはっきり答弁されませんでしたが、この繰り延べがどういう形で行われるか知らぬが、この問題と来年度の地方債計画との関連の問題、これはもう全然別問題であって、これによって来年度の地方債計画にはいささかの影響があってもならない、また、あらしてもならない、これだけははっきりといたしておきます。性質は別問題。それだから、つまりそういう形でこの問題を始末しなくちゃならぬから、本年度内に起債の許可もして、借り入れその他を事実上調整する、そういう意味の技術的な方式で、事実上本年度の資金が繰り延べられるような方策で協力すべきじゃないか、こういう考え方でございます。 それからもう一つの、それにしたって、そもそも地方債の仕事が一体国際収支を改善するためのいろいろな大きな問題にそれほど意味があるのかということになれば、私はやっぱりその点では、今おっしゃいました通り、普通の仕事については、私は率直に申しましてあまり意味があろうとは思いません。逆に言えば、地方の仕事、特に市町村の仕事にしたって、県の仕事にしたって、いわば私に言わせると、中小企業を対象にしている仕事じゃないか、仕事の性質も小さければ、これを扱っている業者も普通小さいです。片一方では今度の措置によって中小企業に圧迫があっちゃかなわぬというので、これをむしろ助長、育成しようという施策がされておるのであって、そういう意味では、こういう一般の、いわば大きな目から見ればガラクタのような仕事については、むしろできるだけ延ばしてやる措置があってしかるべきである、そういう意味で非常に質的に違いがあると思います。それから百パーセントそうかと言えば、そうでもない仕事も、これもあり得るじゃないか、そういう気がいたしますので、そして国自体としてでも、こういう仕事を少し持たせるから、地方も協力してくれということになればともかくも、国もそういう措置をとる以上、それと全く似たようなことは、地方側も協力するのが、地方としてでも当然考えるべき問題ではないか、こういうようにわれわれとしては考えておるわけでございます。それとともに、大蔵省の方もいろいろ考えておられますが、民間に強く要求するのだから、国とか、公共団体だって、ある程度やっぱりそういう態勢を示すべきじゃないかというお気持も私は誤りじゃないだろうと思います。そういう点につきましても、われわれとしてでも考えるべきものは考えていいのじゃないか、それと実際上の運用と、そういうものと全部からみ合せまして、自治庁として協力すべき問題は最大限に協力したらどうだろうか、しかし納得できぬものはどうしてもこれはがんばらなければならぬ。実際の公募債の問題などは、どうおっしゃいましても、われわれとしては、その理屈も筋もよくわからぬので、これはどうしてでも大蔵省の方で考え直してもらわなければいかぬ、こういうふうに存じておるわけでございます。
○説明員(堀口定義君) こういうような措置が一体今の国民経済の是正にどの程度役立つかというような問題でございますけれども、実は民間投資が三十年に比べまして三十一年は約三割増大しております。それから三十二年の予想を見ますと、約七割増大しています。従いまして、実を言えば非常に民間投資の旺盛な増大ということは、やはり今度の経済の、ことに国際収支の悪化に相当大きな原因になっているのじゃないかということは指摘されている通りでございまして、ただし、この方につきましては、政府は直接金をコントロールしておりませんので、やはり金融的措置による以外には方法がございません。従いまして、そちらの方は公定歩合の引き上げであるとか、あるいは輸入資金については担保率の引き上であるとか、できるだけの措置はとったのでございますけれども、やはり政府が握っている金について、あるいは政府がある程度左右できる金について、なぜ政府は何もやらぬかという意見につきましては、非常に痛いところでありまして、ことに近代の国家でありますと、やはり資本主義的な社会においては経済をコントロールする手段としまして、金融と財政と投融資くらい、あるいは輸出入の管理程度の手段しかございませんので、やはりそこに問題を持たざるを得なくなる、そうすると、政府の左右できるような金にある程度しわが寄って施策が求められるという点、避けられない面がございまして、そういう意味から、やはり政府が率先して公共事業的な仕事を経費の調節面に使うということは、各国で最近やっている方策でもございますし、やはり全体の世論といたしましても、そういう強い要望もありますので、まず財政投融資について政府のはっきりした態度を示し、従いまして、それにつれて、いろいろの事情はございましょうけれども、一環といたしまして、地方債につきましても御協力をお願いしなければならぬというふうなことでございまして、計数的にこの程度の削減が国際収支にどう影響するかということにつきましては、なかなかむずかしい問題でございますけれども、少くともその政策の態度なり、国民に与える影響という面から見れば、相当大きな影響があるのではないかというふうな考え方から御協力申し上げておる次第でございます。
○鈴木壽君 これはお互いに意見みたいなこういう討論をやっておっても始まらないと思いますが、私極端に言えば、現在までの政府のやり方が、財政投融資の面も多少ありますし、それから民間の問題に対する施策がここに一つづつくずれて行って、そのしわ寄せがちっぽけな台所の方にまで今行っておるのだ、こう言いたくなるわけでありますが、あまりそんなことをここでやっておってもしようがないと思います。 そこで問題となるのは、私はさっきも言ったように、私も全然これは無関係だとは言えない。政府のいわゆる総合対策の一環として、いろいろの面についての措置がとられなければならないということも理屈としてはわかります。しかしそれがそうだからといって、たとえば先ほどから問題になっております五十八億の繰り延べをするのだ、こういうふうなことで、話はこれからどういうふうに決定されるかわかりませんが、おそらくこれは大蔵省としての変らざる態度であるように、私どもは新聞その他によって承知しておりますが、またあなた方の先ほどの話からいっても、この数字というものは大体動かないものじゃないかと感ぜられるわけでありまするけれども、こういうふうにやってくるためには、私どももっと今の対策の本質的の問題に関連するところを一つ突きつめての上の数字でなければいけないと思います。ただ八%やるとか、六%やるとか、あるいは公共事業一五%やるというような形においてはじき出されておる数字であっては、私は先ほどから何べんも言う通りの関連性の点から考えて、不合理なものが出てくるのではないか。私どももほんとうに不要不急のものであり、また育成されるべき性質のものであるとするならば、これはこういうところで大きな問題にならぬとは思いますけれども、また自治体であっても、これはまたやむを得ないと思っておるかと思いますが、そうでない部面まで実際はしわ寄せされるのではないかという今心配があるのでございますから、これは今後の話し合いで、まだ決定されておらないようでございますから、金額、あるいはいかなるものをどういう形において繰り延べなり、そういう措置をなされるかということについては、十分一つ検討していただきたいと思うわけです。
○説明員(小林與三次君) 今のお話は全くごもっともでございまして、前の田中大臣も、ただ単独事業で何パーセントとか、一〇%とか、何とかという式ではとてもいかぬとおっしゃいました。今おっしゃったと同じ気持でありまして、大体のめどをそこにおき、具体的にそれぞれの事業を考えて、そして具体的に積み上げて話を進めたい、こういう考え方でございます。こういうことで大蔵省と事務的に話し合いをして、具体的にまあこういうものはやむを得ないじゃないかということで話を積み上げて行きたい、こういうふうに存じております。
○鈴木壽君 お二人にお聞きしますが、今の小林さんの御態度はそういうようなことで行っても、しかし最後に五十八億という数字についてはどうなさるのですか。あなたのような考え方で積み上げて行った場合に、かりに三十億なら三十億にした場合、これで大蔵当局がオーケーを言うかどうか、こういう問題が一つあると思うのですが、いかがでございましょう。
○説明員(小林與三次君) これは先ほどもちょっと申しましたが、このほかに公共事業の繰り延べをかりに各省においても行われるとすれば、それに伴うものが十億前後あるのじゃないかという問題があろうと思うのです。われわれといたしましては、大蔵省の方は率直にいって、この上にさらにその程度のものを足したものであるというお気持でございましょうが、しかし私どもはもう全部引っくるめて、この程度をめどにして問題を始末いたしたい、こういう考え方でおるのでございまして、この点はまた率直に申しまして話が合っておりませんが、ぜひそういうところで大蔵省に御了承を願いたいと存じておるわけでございます。
○鈴木壽君 堀口さん、あなたつらいと思いますが、上からおそらく何をすると思いますが……。
○説明員(堀口定義君) なかなかむずかしい御質問なんですが、われわれといたしましても、実は地方財政の一端をやっておるものといたしまして、途中で削減するということは仕事もやりにくいし、ほんとうに必ずしもやりたいことじゃないのです。ただし一般公共事業の方を百二十億削減するということになると、どういう意味でそれならそれに伴う地方の負担が減らないのか、従って地方債に影響がないかということになりますと、やはり非常にむずかしい問題でありまして、これは実は一般公共事業の方は各省に大体の線を申し上げまして、計数等につきまして協力して資料を出していただくように主計局で計らっておりますので、それが出てきてから、問題点につきましてもう一度自治庁の御当局としっくりお話し合いをいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○中田吉雄君 堀口課長に。さきに民間投資が非常に旺盛なときには政府の財政投融資をコントロールする、これは実はわれわれ予算委員会のときに言ったことで、今それを言われるというのはちょっと問題なんだが、われわれは民間投資がとにかく旺盛な際には、ケインズ理論を待つまでもなく、政府が一千億の積極予算を組み、財政投融資を六百億もふやせば、これはもうインフレになるにきまっているじゃないかという際に、外貨が十四億ドルもあるから、ふんだんに輸入したらいいといっていたが、今外貨事情が逼迫したので云々というのは、それは予算審議のときに言うべきだ。しかし、今でもおそくない、そういう理論を悟られることはけっこうだと思いますが、公営企業金融公庫の問題で、その点一つすっきりして、先に小林委員の言われたように、私の言った点とからんで、私は既設の、すでに基礎が固まった前年度の繰り越しがあるもの、繰り延べのあるものと、当初出発したものとを同じ考えでやることはどうかという点と、もう一つ、小林さんが言われたように、これはその起債計画のワク内でやるので、私はむしろ起債市場が、金融市場が悪化すればするほど、低利長期の安定した資金を調達してやるという面からいっても、むしろなおさら必要ではないか。そういう面では私も大蔵省の立場には原則的には賛成です。一兆一千億もの地方財政ですから、何らかこの外貨市場を建て直すために協力する、冗費を節約するというような面はあっても、一つむしろ低利かつ安定した長期の資金を有利に調達してやって、地方財政の健全化をはかるという面では、まあ地方団体の長い間の要望できたので事情はわかるが、一つ己の点は特別な配慮をいただきたい。幸いわが党だけでなしに、小林委員も言われているので、おそらくこの委員会の一致した要求だと思うので、御事情もよくわかるのですが、悪くなればなるほど、むしろ考えてやってもいいじゃないかと私は思うのですがどうなんでしょう。
○説明員(堀口定義君) 第一の理論の問題につきましては、お説の通りであります。今さらお答え申し上げるまでもありませんが、第二点の公営企業の問題につきましては、先の小林先生なり、中田先生の御意見もあるようですから、なお帰りましてわれわれも相談いたしますし、自治庁とも、なおもう少し御相談を申し上げてみたいというふうに思います。
○委員長(本多市郎君) この問題につきまして、皆さんの質疑、御意見等総合して委員会の意思表示を決議でいたしたいと思います。 決議案を理事の方と相談して取りまとめたものがございますので今配付いたします。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(本多市郎君) 速記を始めて。 それでは、ただいま御相談を申し上げました決議案文を朗続いたします。 決議案 政府は国際収支悪化の傾向に対処するため、財政投融資資金計画を変更し、その一環として地方債計画を圧縮し、併せて公営企業金融公庫債発行額の削減を考慮中と伝えられるが、これは折角均衡の緒についた地方財政を混乱せしめるとともに、公営企業金融公庫創設の趣旨を没却するおそれがある。よって政府は右二点につき当初の計画を尊重すべきである。 右決議する。 それでは、ただいま提出いたしました決議案は、これを本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本多市郎君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。 委員長より各関係政府当局に対し、本決議文を手交し、善処方について要望いたします。 —————————————
○委員長(本多市郎君) 次に、地方公務員の給与の切替の措置に関する件を議題に供します。 昨日に引き続いて質疑を行います。質疑のおありの方は御発言を願います。
○占部秀男君 小林財政部長さんに一つお伺いしたいのですが、その前に委員会の方に、静岡の問題でどうも食い下ったような形で、非常に申しわけないのですが、適当に御処置をしていただいたということを厚くお礼を申します。 実はきのうの行政部長の報告によりますと、今度の給与改訂の問題で、現在までに改訂の条例を議決している県は、岩手、新潟、福井、長野、岡山、このくらいが報告になっておって、七月から八月、特に九月にやるのが大半であろうというような情勢の報告があったわけです。市町村の方もこれと大体変りはなくて、八月、九月の方にかけて、今言った本ぎまりの形がとられるのではなかろうかという、こういうような全国的な趨勢であるようでありますが、これは従来、給与改訂をやります場合に、国の方がきまりますれば、それから間もなくこれはその次の議会、たとえば県議会、市議会でほとんどきまったような状態であったわけでありますが、それに比べると今度の切りかえ状況が、暫定措置が遅々としておるというような形があるのではなかろうかというふうにわれわれは見ておるわけです。その原因は、財政部長の小林さんには非常に申しわけないのですけれども、どうも地方の、自治庁の指導のやり方の中に、そういう遅らせる一つの原因があるのじゃないかということをわれわれは考えざるを得ないわけなんです。というのは、この前の国会のときに、田中長官は、これは郡長官と変つちやってあれなんですけれども、田中さんは、今度の切りかえについては六・二%の基準の問題については動かせない、しかしあとの表の問題、格づけの問題、その他の問題については、地方の自主性を一つ認めてやって行こう、国家公務員の場合はこれは政府がきめるのだけれども、地方公務員の場合は、これは当然法律的に言っても地方がきめるのだから、その基準については、これはこわされては困るけれども、その他の点については自主性を持って、なるべくやって行くようにしたい、こういうような言明があったわけです。それに従って行政部の方から六月一日に、きょう配られましたような、こういうような地方公務員の給与制度等の改正についてというような、こういう切りかえのいわば、何といいますか、通達が出たわけでありますが、この通達は、田中さんの言明されたところに、十分とは言えませんけれども、われわれから見たときには、ある程度地方の弾力性を生かして行く形で作られておると思うのですが、それと同時に、実は小林さんの方から出た給与改訂等に伴う財政再建計画の変更の暫定措置についてという通達、あるいは三十二年度の地方財政の運営についての通達、そうした通達で、からめ手からしばって行くような形があるのではないか、そこで各県市では切りかえ作業をするために、この二つの通達の矛盾に悩んで、ことごとくに小林さんの方にお伺いを立てなければならぬというようなことが相当起きて、なかなか進捗しないのではないかということを、われわれは心配しておるわけです。そこでお聞きいたしたいのですが、先ほど申しました給与改訂等に伴う財政再建計画の変更の暫定措置について、財政部長から出ている次長名の通達があるのですが、今度の給与制度の改訂に伴う変更は、地方公務員の給与制度等の改訂についてという通達に基いて行う場合に限って変更を認める、こうゆうようになっておるわけですが、この地方公務員の給与制度等の改訂についてという行政部から出した通達に基いて行う場合に限るというのは、どういうような意味合いを持っておるのですか。たとえばこの地方公務員の給与制度等の改訂についてという通達のワク内で、あくまでもその通達そのものと同じようにぴったりとできていなければ、これはその再建計画の変更というものを認めないのかどうか。あるいはまた、それにある程度準じて重要な参考として、そういう筋で行っておる、これは級別あるいはその他のワクを広めるというような点については、それぞれの特殊性を生かしたという、頭打ちのないようにしたり、いろいろの作業をしておるわけですが、そういうような作業はこれは六・二%という基準、それから政府の様式全体に一応ならうというような意味においてするということ、幅は認めて当然やらせなければならぬと思うのですが、そこまでしばるというような考え方でこういう通達を出されたかどうか、その点をまず最初にお伺いいたしたいと思います。
○説明員(小林與三次君) 自治庁の再建団体の給与改訂等の措置についてのお尋ねでございますが、これは特別な意味は持っておるわけではございません。この給与改訂の問題につきましては、これはいろいろ議論があったわけでございますが、その一つの問題は、つまり給与の切りかえを行うに際して、従来いろいろ給与上問題があったものを解決したいという、まあ両様の問題がいろいろ出て論議になっておりましたので、とりあえずの措置として再建計画の扱いの問題といたしましては、給与全般の調整をやろうというような問題は、むしろ再建計画全体の根本的変更の際に、これは考えてもらわなくちゃいかぬので、それまで待たずに、とりあえずの給与改訂をやる場合におきましては、切替措置だけを一つ前提にやってもらいたいという考えでございまして、それにつきましては、この公務員関係から出ております給与改訂の通牒によって行なってもらいたい。そうなれば特別の計画変更の大きな問題は、とりあえずそれによって行われる範囲内のものならば、これはもう簡単に始末をしようじゃないか、こういう措置でございます。そこでその場合に、それならば給与改訂の通牒から出ておるいろいろ基準か、準則か知りませんが、一つの参考資料がございますが、参考資料に百パーセント一致しておらなくちゃいかぬのかどうか、こういう問題につきましては、百パーセント一致していなくちゃならぬというところまでは、これは私は言っておるわけでもないと思います。ただこの給与改訂の趣旨によって行われるということが前提であるということと、もう一つは、給与財源の問題につきまして、公務員の給与水準における六・二%分の財源だけの措置がしてあるのだから、それを頭において、その範囲内において行うものならば、この計画変更の問題は暫定措置によって簡単に始末をしよう、これだけのことが書いてあるのでございます。
○占部秀男君 そこで、現実の問題として、今、小林さんの言われたような趣旨で、この地方の自主性を認めるという形でやられているならばいいのですが、現実の問題としては六・二%の基準は、これはもちろんその通りやっておる。しかし各等級のこの号俸を、たとえば国家公務員の表、あるいは自治庁の表、それはそのままやったんでは当てはまらない。頭打ちの人が出てしまう。そこでこれはやはり地方の同じような次長の通牒の中に流れておる趣旨に従って、地方の実情に合わせるために号俸を延ばしている。こういうような場合、延ばしているからというので、だいぶ再建課の方で監視して、しかも知事や議会方面まで、これは当然号俸を延ばさなければならぬということをやっているにかかわらず、なかなか再建課で承知しない。そのためにある県は、再建課の方で承知をしないままに議会にかけてこれを決定してしまった。こういうような事実もある。私はこの際に望みたいことは、六・二%という基準をはっきりさして、しかもこの自治庁の地方公務員の給与制度についての改訂についてというこの通達の趣旨に浴った流れの作業をしておって、どうしても現実に調整をしなければならぬというような場合には、これは調整できるというふうに改訂についての通達にも出ておるのです。払ういう幅はもう再建課の方で認めていただく、知事なら知事、あるいは市長だって、決して今どき給与のあれを打ちこわすような考え方でやるのではないので、そこでこれは認めていただくと、そこの県議会なり、市議会が決定したようなものについては、もちろんこれは認めていただかなくちゃならぬ、こういうように考えるのですが、その点についてはっきりした一つ、何と言いましょうか、あれをいただきたいと思います。
○説明員(小林與三次君) これは今のお尋ねでございまして、われわれもこの給与についての通牒につきましては、今おっしゃいました通り、大体この基準を書いておきまして、なお特別な場合においては必要な調整を加えることということを、これは書いてあるのでございまして、地方の団体の状況によっては、この通りはなかなかやりがたいという事情は、これは初めから前提にいたしておるのであります。しかしながら、初めからこれは前提にしておりますが、それならばどういうようにしてもいいかというと、これはそうは参らぬだろうと思います。そこはおのずから限度というものがあり得るのでございまして、ことに地方の公務員の給与につきましては、団体によって事情は違っておりましょうが、給与自体はある程度調整、合理化しなければいかぬという団体もあることは、また事実そういうところはやはりこの基礎になる号級表をどうきめるかということによって問題が解決される場合と、現在の不合理がさらに将来倍加される場合と、これはあり得るのでございまして、そこで、そこはやはりほどほどの線というのが私はあるだろうと思うのであります。そこの問題が一点、どれがほどほどであるかということは、全体の各府県その他の振り合い、それぞれの団体の職員構成等も考えざるを得ないと思います。それからもう一つは、再建課がとやかく申しておりますのは、主としてやはり財源の問題でございまして、ほんとうに六・二%の範囲内において切りかえができるかと申しますというと、できるものもあるし、できぬものもある。むしろできぬものの方が実は多いのです。とりあえずの切りかえだけはとてもできないところも多い。そういうところは七・何パーセントまで行かなければできないところがあるわけです。われわれの考えは、とりあえずの切りかえとして、かりに七・何パーセントだろうが、これは認めざるを得ない、こういう前提でおるわけです。しかしながら、号級表になってきますと、将来かりにそれがベースになって、給与がただもう背伸びになって行くという態勢になってはいかぬから、その制度は、今年の再建計画の運用とともに、明年以降の再建計画の影響をおわせて考えるべきであり、それを無視してきめてはいかぬのじゃないか、そういう意味で再建課の方で、この来年度以降の再建計画の変更とからみ合わせて、調整すべきものについては一応の意見は私は申し上げておるだろうと思うのであります。その点だけは一つ御了承願いたいと思います。
○占部秀男君 しつこいようですが、そこのところが問題なんです。現地の実情に合わせるという場合に、おのずから限度があるということはわれわれもよく知っております。また現地の知事も市長も、今申しました再建で苦しいのですから、決してその限度を離れて浮いたやり方なんか、幾ら組合が突つこうが、これはなかなかせぬのです。やはりある程度の見通しをつけてやっている限度なんですから、そういう限度については、やはり現地の知事、市長の、この程度まではいかぬじゃないか、これはこの程度までは現地の調整、あるいは現実に即した調整が必要ではないか、こういうことがきまったら、そのことは一つ認めてもらうようにしてもらわぬと、一々どうも自治庁が難くせをつけてぶちこわす、こういうような印象を与えることは非常にわれわれとしても残念であると思う。小林さんのような明敏な部長さんをいただいて残念であるというふうにわれわれは考えているのです。やはりそういうところは知事、市長のある程度の常識にこれはまかしてもらう、こういうことをしていただきたいのですが、その点重ねて、どうも済みませんが。
○説明員(小林與三次君) これはまことにごもっともでございます。私の方で不本意ながち申し上げているのは、再建団体だけの問題でございまして、再建団体以外のことにつきましては、私の方で実はとやかく申しておりません。公務員課の方で、相談があれば、技術的な意見は申し述べていると思います。ただ財政当局の方といたしましては、これはやはりどうしても再建計画というものの将来への影響というものだけは、これは考えざるを得ない。私は率直に申しまして、本年度は一般財源も相当伸びておりますので、今年だけならば、どこの県でも、かりに六・二%が七・二%に行ってもできると思います。特に切りかえをやれば昇給はある程度延びますし、やれると思うのです。ですから、今年できるじゃないかということで何でもいいというわけに私はいかぬと思うのです。そういう意味で、それぞれの団体によっては、いまだに再建計画で認められたワク内ならば、今年は格好がつけば何でもいいんじゃないかという考え方は、場合によってはそれは考え直してもらわんならぬとか、来年がどうなる、再来年がどうなるということをあわせて考えてもらわぬと、これは知事さんや議会の方々は、もちろんそういうことを百もお考えになっておきめになるんでしょうが、われわれの目から見るというと、少しまだ考え足らぬところが、率直に申しまして見受けられる場合には、こういう点を考えてやってもらわぬと困るということは申し上げざるを得ないと思うのです。そこの点だけは一つ御了承願いたいと思います。 それともう一つは、その意味は、とりあえずの問題と、それから再建計画の根本的変更の際にもう一ぺん考えたらどうだという行き方、この二つを持っておるわけです。とりあえず、お急ぎになるところならこの程度でやったらどうだ。もっと大きな問題になるなら再建計画全体の変更として考えたらどうだ。それを今すぐ何でもかんでもやるとすれば、それは無理と言わざるを得ないじゃないか。ほかのたとえば指定事業の全貌もわからずに、あるいは今の交付金の全貌もわからずに、一応の今の見当だけでやるのは危険じゃないか、そういう意味で申し上げているのでございまして、一つ全般的な計画変更の際には、計画が合理的に行われる限りは、そう私は無理なことは申すつもりはありません。ただ、ほかの団体よりも不均衡だから非常にどうこうというような場合には、やはり考えてくれということは言わざるを得ぬだろうと思います。その点だけは一つわれわれの立場も御了承を願いたいと思うのでございます。
○占部秀男君 今の点、また具体的な問題が起きたら具体的問題が起きたとして一つやっていただきたいのです、そういう趣旨に従って。それからなお今度の給与改訂に従って、給与改訂の問題とは別ですが、たとえば今まで延伸があった、そのために非常に迷惑をこうむっている。従って国家公務員の給与よりは高くはない、もちろんそれは延伸のために低いのだ、こういうような場合に、自然増があったならばこの延伸を直そうじゃないかという約束がお互いにできておるというような場合に、今度の場合と引っからめて、その延伸の問題を出したときに引っからめて、何かごしょごしょして出したというふうにとられて、三十二年度の例の財政通達の中の何とかで、給与基準を今までせっかくできたものを破壊してはならないという立場から、こういうまじめな延伸のものまで押えられることになると困る、復元の問題まで押えられると困るので、その点については一つ念を入れておきたいと思うのですが。
○説明員(小林與三次君) これは従来非常にまあ不当に低い、不当に低いということはいいか悪いかわかりませんが、ともかくも国家公務員に比して低いところにあって、財政上のゆとりも生じたから元へ戻そうじゃないか、こういう要求があり得ることは私は当然そう思います。そういうものにつきましては、そこでそのものの扱いをどうするかという問題につきましては、これはわれわれの方でもいろいろ考えたのですが、結局それは何も給与切りかえとは直接の問題じゃない。要するに低い月給を上げるか、上げぬかという問題で、そいつをやろうとすれば、むしろ再建計画全部の変更を前提に考えなければいかぬので、だから今すぐやるというところに、むしろ時間的にも技術的にも無理があるのじゃないか、だからそれは一つ根本的な変更の際に、その問題は取り上げてもらいたい。根本的な変更というのは、まあ大体九月で、それまでには交付税もきまるし、指定事業も皆きまってしまうだろうから、その際に計画を根本的にもう一ぺん作りかえたらどうか、それまで待ってもらいたい。しかしそれまで今度の給与の切りかえを延ばすということは僕は実情に合わぬだろう、役人がすでに暫定的に上っているのですから、それだったら地方だってそれくらいの手当をしたっていいじゃないか、切りかえだけは急いでやればいいじゃないか、われわれの根本的な考え方はそれなのです。それだから切りかえだけをはずしてやったらいいじゃないか、その際も一々計画変更に事前協議や何かをやっているとめんどうくさいから、一定の基準を示して、このワク内でやれるなら切りかえをとりあえずやりなさいというのがわれわれの考え方なんです。それからもう一つは、一般の府県につきましては、われわれが思っておったほど切りかえ措置が行われておらぬのですが、せめてその基本方針は、この条例が制定になってきますと、組合との間に折衝がいろいろあるものですから、これはおくれると思います。それならそうで、とりあえず暫定切りかえをやるという方式を考えていいんじゃないか、それで、とりあえず内輪のことからやって行く、基本的な条例なら条例のきまったときにやったらいいじゃないか、そういうことも、われわれといたしましては再建団体にもそういう話を実はいたしておるのでございまして、できるだけ、さしあたりの切りかえは円滑にやって、それから根本的なその給与の是正という問題になれば全般の問題として一つ根本的に検討しよう、ぜひともそういうことで御協力願いたいと思います。
○占部秀男君 そういう場合に切って離すというよりは、私は下の方は金がないのでほしいものだから、どうしても一緒にやってくれという声が強いのです。これは別に、今時間がないのであれしますが、本格的な計画変更の場合には、そうした正しい復元の問題は認めるという方針に立って自治庁としてはやっていただけるということになりますね。その点ははっきりしていただきたい。
○説明員(小林與三次君) それは、それでこの表現はどうだ、こうだと組合の諸君も言っておられたのですが、それが将来の財政運営に悪影響さえなければ、それは悪影響のあるものを何ぼ低いからといって私の方でいいということもできませんから、そのところは一つお許しを願いたいと思います。
○占部秀男君 ただその問題を念を入れておきますが、知事、市長が、これは将来のことも考えてやるので、それは自治庁のケースもありましょう、しかし知事、市長には現場のケースがある、現場のケースというものは第一番に尊重されなければならない。それが議会で議決になるという場合には、自治庁はこれは尊重してもらわなければ、これは委員長であろうとも、私はそれはそうだと思う。その点ははっきり一つお願いをしておきたいと思う。これはあなたのところの問題ですから、一つよろしくお願いしたいと思います。 ただ問題が二、三まだあるのですが、時間がないと言われるのであれしますが、特異のケースとしまして、今、神奈川で表を使う場合に、単純労務の関係に、これは藤井さんの方ですが、第二表を用いようとしてどうしても聞かぬ、それで第二表を用いた場合は、法律違反として訴えるというような変な形の問題が起きておるのですが、こればもちろんこの指導要項には、これは例の単純労務関係は公企関係で団体交渉の対象になっておるのですから、そういうような指導のないようにこれはやってもらわなければいかぬと思うのですが、行政部長の見解を一つ承わりたい。
○説明員(藤井貞夫君) 単労の取扱いについては累次いろいろな席上で申し上げた通りであります。われわれの方針は変っておりません。その通達にもはっきりその点を申し上げておりますし、なお累次の人事課長会議その他におきましても、その方針を申し上げておるんであります。ただ単労との団交その他によりまして、いわゆるたまたま第二表というものが適当であって、あれを内容そのまま採用していいんじゃないかというような話し合いがあれば、これは別にそいつをいかぬということは必要ありません。ただ形式上は、二表と同じものを便宜上使ったというだけのことですから、その点については、もし何かそういう問題があるようでしたら、私、神奈川県の場合まだ具体的に聞いておりませんが、そういう方針については別に変更もあるわけではございません。
○占部秀男君 もう一つ問題は、市町村の場合に、県によっては市町村の今度の給与の切りかえに際して、給与条例を今まで作ってないところが相当ある。そこで給与条例を作れということを指示しておる。これは自治庁の指導に従ってという前提でもってやっておる。ところがその内容が、われわれはまあ地方公務員は国家公務員に準じてやるというのですが、そうではなくて、現在の市町村の国家公務員よりもはるかに低いところの給与ですね、あるいはいろいろな諸手当その他で、この際それを前提としてそのまま給与条例化しようという動きが相当あるのです。この点についてはあとで具体的に例を示します。これはまあ藤井さんの方に示しますけれども、こういうようなことが行われますと、われわれは国家公務員の給与をそれに準じて地方公務員の給与という法律で定められたものとは別個に、今度の問題で何かプライベートでもないでしょうが、私設条例のような形で変なものができてきて、しかもその内容は非常に低い現在の状態で固定化して固着するような形であれしてしまうということになると、これはわれわれとしてはとても容認できない問題だと思いますが、こういうような点が一つ具体的に起きてきておるので、そういう点についての情報を知っておるかどうか。それからまあそういう点がなければ、そういうことのないように指導してもらいたいと思うのですが、その点いかがですか。
○説明員(藤井貞夫君) 市町村関係のそういう情報はまだ具体的にはわれわれの方に入っておりませんが、給与条例の制定を勧奨するというのは、これはわれわれの方からもそういうふうに言っております。と申しますのは、現在におきましても、市町村は従来の建前から申しても条例を作らなければならなかった。その点府県の場合は、条例ができない場合においては、これは国家公務員の例によるということで違法の問題はなかったわけです。市町村の場合は条例は作らなければならない、そういう建前になっておりましたのにもかかわらず、条例が制定されておらなかったというところもあることは事実でございます。そういう点については、やはりはっきりさせるために給与条例の制定ということをするべきが当然であるということで、地方課を中心としてその指導に当らせておるということでございます。ただ、その場合におきましても、もちろん建前としては市町村職員につきましても、これは国の場合に準じてやられるということに建前はなっております。われわれといたしましても、その方針で行きたいわけでございますが、ただ率直に申しまして、今までの市町村は、ところによって非常に違いますけれどもも、特に町村あたりでは非常に平均給が低うございます。低くなっておる原因につきましては、これはいろいろのことがございまして、合理的ならざるものも多分に含まれております。それかと言いまして、たちまちにして、いわゆるそういう非常に低いところを国家公務員のべースまで上げるということも、それは現実問題としてむずかしい問題ではないかと思うのであります。その点は全体の財政状況なり、類似団体との関係とにらみ合わせて、一つあまり無理のないような点でやって行く。われわれとしては、別に非常に低いところで、今までもそうだったからといって押えつけて行くという気持は、これは特に私の立場としては毛頭持っておりません。ただ一ぺんに一般のペースまで行くということは、現実問題としてなかなかむずかしいのではなかろうかというふうに考えております。
○占部秀男君 今の点、実は低い要因がいろいろあるわけですけれども、中には、今、藤井さんの言われたような、これは除去しなければならない要因も相当あるわけです。それで、今町村の方では町村の職員自体が非常に目ざめている。特に町村合併以来、昔のような村、昔のような町じゃなくて、市に類似するような機構がだんだん整備したような形で出てきておる。そこで給与の問題について、やはり国家公務員に近いような給与をもらいたいという形で、今その仕事の方の質を高めると同時に、給与の問題も、そういう形が全国的に起ってきているわけです。そこへ持ってきて、今言ったような、くぎづけのような形でこの際作れというような指導をされてしまうと、上昇しかかっているものが押えられてしまうというような危険性が非常にあるわけなんです。僕は今度の給与の改訂にひっかけて、そういう条例を、今までなかったのですから、無理に今の固着したような条例を作らせないように私はしてもらいたいと思うのです。やはり作るならば、これはやはり国家公務員、機械的なことは言いませんが、国家公務員なら国家公務員に準ずる条例を作らせるように指導することが、私は自治庁としては建前じゃないかと思うので、そういう方向の作らせ方ならいいのですけれども、そうじゃない、現在のままを固着するような形のものは、やはりこれはむしろもう少し条例を待っても、指導してもらうのが正しいのじゃないかというふうに考えるのですが、この点いかがですか。
○説明員(藤井貞夫君) この点は非常に紋切り型のお答えになって恐縮でありますが、条例はそもそも制定しなければならぬという建前になっておるわけです。そういう意味で、地方課としても指導をいたしておると思います。ただ現実問題といたしましてはへ従来も条例化されておらなかったというものについて、地方課がいかにやりましても、そう一ぺんに無理やりにというわけにはいきません。議会もあることでございますし、そういう点について、あまりそういうひどい無理の起らないようには配慮をしてもらいたいと思いまするし、また一般の建前といたしましては、やはり市町村職員といえども国家公務員に準じてやるというのが、あくまで御指摘になりましたような建前は建前であります。しかし、それは急に一度に持って行くということは、なかなかいろいろな事情もございまして、むずかしいと思います。しかし方向といたしましては、市町村合併で、やはり町村というものも、かなり執務内容その他についても都市並みになってきたというようなところもございますので、そういう方向に向いては、やはりある程度均衡のとれた方向に向って持って参るような指導方針は、これは一つとって参りたいと、かように考えております。
○占部秀男君 率直に言いますと、引き上げる方向で、業務の質の上昇に従って引き上げる方向で指導しておる、こういうふうに言っていいわけですか、一言にして言えば。一挙に国家公務員並みにはもちろんいかぬことはわれわれもよく承知しておりますけれども、固定化せずに引き上げる方向に持って行って指導してもらっておるのですか、それとも、そういう点は全然指導の中に入っていないのですか、その点が一番重要なんです。
○説明員(藤井貞夫君) 市の中ではおしろ国の場合よりも高いところがあります。だから一がいにこういう点は言えないと思うのでありますけれども、しかし法律の建前自体がやはり国に準じてということになっておることは事実でございまして、指導いたします場合は、頭から現在のものを低くしろとか、あるいはくぎづけにしろとかいう方向で指導すべき筋合いのものではないというように考えております。
○占部秀男君 それは大事なところですから。ところで今言ったところは、高いところはもう条例があるのです。低いところに条例がないのです、小さな町村というような形で。だから条例を作る場合にも、高いところは条例を作っちゃっておるところですから、だから低いところは現状を固着するような形の条例の作り方ということはとってもらいたくない。やはり低いところは国家公務員に、たとえ百円でも二百円でも上げるような形で条例を作るように指導してもらえば、これはわれわれとしてもまた考えようがあるのですが、そうでない指導の仕方が行われておるので、これはまた具体的には私が実例を持って行きますから、そういうことについては御考慮願いたい。
○委員長(本多市郎君) 本件はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(本多市郎君) 次に、町村合併の処理状況に関する件を議題にいたします。 本件については、自治庁当局より最近の合併状況、合併に伴う紛争の処理状況につきまして説明を聴取し、質疑の予定でございましたが、成瀬委員より資料要求がございますので、成瀬委員の資料の要求をしていただきまして、説明並びに質疑は次回に延期いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(本多市郎君) 御異議ないと認めます。それでは成瀬委員。
○成瀬幡治君 資料として御提出願いたいのは、法律の定めに従って知事勧告が行われて現在未合併でおるところが一つ。第二点として、法律に基いて合併はしたけれども、問題があるからいわゆる調整に付せられておる、その原因なんですが、おそらく分村と申しますか、分離だと思いますけれども、とにかくそれが第二点。第三点として、これは表には上ってこないかもしれませんが、一つ御調査願いたいと思うのですが、調整にも付せられずに、住民の意思がふみにじられて現在捨て置かれておるという、そういう問題になっておるところがあると思います。それが第三点。第四点として越県合併、これも片っ方の知事が議会等で握りつぶされておれば、何にも表に出てこないから、住民は泣き寝入りだと思いますが、いわゆる越県合併、そういうものがどのくらいあるか、あとの三点、四点申し上げましたところは、特に法律の不備と申しますか、何としても住民の意思が反映できないのですから、なかなかあなたの方では御調査がやりにくいと思いますが、御調査願って、どういうところに問題があるか、あわせてこういう問題について、今後自治庁としてどういうふうに考えたらいいかということを、若干の意見を付せられた資料を出していただければ幸いだと思います。 —————————————
○委員長(本多市郎君) この際、郡国務大臣より、自治庁長官御新任のごあいさつのために発言を求められております。これを許します。
○国務大臣(郡祐一君) 私、郡でございます。このたび、はからずも自治庁長官を拝命いたしまして、当委員会に御審議を願います事項はきわめて重要であり、かつ、いろいろ多くの問題があることでありまして、当委員会において、地方行財政の発展のために、従来も一方ならぬ御協力を自治庁としてもいただいておった次第であり、私どももまた国会の御活動に対しまして、十分誠意を披瀝いたしまして事に当って参り、また今後も当委員会と一体となりと申しまするか、相ともに手を携えまして、今後の国家と地方の発展のために献身の努力を傾けて参りたいと思います。深い御協力と御後援をお願いいたしまして、ごあいきっといたします。(拍手)
○委員長(本多市郎君) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十一分散会