大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/02/14
会議録
○委員長(廣瀬久忠君) これより委員会を開会いたします。 まず食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案 補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案 施業投資特別会計法の一部を改正する法律案 とん税法案 特別とん税法案 以上いずれも予備審査の五つの法律案を便宜一括議題として、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
○政府委員(足立篤郎君) ただいま議題となりました食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案外四法律案の提案の理由を御説明申し上げます。 最初に、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。 この法律案の内容は、食糧管理特別会計法第四条ノ二の規定によりまして、食糧管理特別会計の負担に属する証券、借入金及び一時借入金の限度額が三千五百億円と定められておりますのを四千四百億円に引き上げようとするものであります。 この会計の負担に属する借入金等の額は、例年の実績を見ますと、おおむね十二月中に最高額に達しておりますが、昭和三十二年度におきましても、この会計の収入及び支出の状況を勘案いたしますと、例年と同じく、十二月中に最高額に達することが予想されるのであります。 すなわち、昭和三十二年十二月末現在の借入金等の見込額は、昭和三十一年度から持ち越す借入金等の見込額が約三千四百二十億円、昭和三十二年十二月末における借入金等の増加の見込額が約三百七十億円、計約三千七百九十億円と推定されるのでありますが、これに、収入及び支出につきまして変動のある場合を予想して若干の余裕を見込みますとともに、過去の実績から十二月末日と十二月中における借入金等の最高類に達する日の借入金等の差額を見込みまして、この会計の借入金等の限度額を四千四百億円にいたしたいと存ずるのであります。 次に補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 政府は、国の財政の健全化等の目的から、補助金等の整理につきまして、昭和二十九年度以降予算において所要の措置を講ずるとともに、法的措置を講ずる必要があるものにつきましては、補助金等の臨時特例等に関する法律により所要の措置を講じて参ったのでございます。 政府といたしましては、補助金制度の合理化につきましては、従来に引き続きなお今後も調査検討を進めて参る計画でありますが、昭和三十二年度予算の編成にあたりましても、この建前から各種補助金等の整理につき検討の結果、同法による特別措置につきましては、国立公園法に基く補助金に関するものを除くほか、昭和三十二年度においてもなお引き続き同様の措置を講ずることが妥当であると考えられますので、今回、右特例法につき国立公園法に基く補助金に関する規定を削除いたしますとともに、その有効期限を昭和三十三年三月三十一日まで延長いたしますため、この法律案を提出した次第でございます。 第三に産業投資特別会計法の一部を改正する法律案について提案の理由を御説明申し上げます。 産業投資特別会計の産業投資の財源は、御承知のように、貸付金の回収金及び利子、余裕金の運用利益金、特定物資納付金処理特別会計からの受入金、前年度の歳計剰余金等をもってこれに充てることになっております。しかしながら、これらの財源はきわめて弾力性の乏しいものでありますので、今後、これらの財源のみをもって投資の需要を充足して参りますときは、将来において経済の情勢に応じた適時適切な投資を行う上に財源の不足が見込まれることもあるわけであります。従いましてこのような場合に備えまして、この財源の不足を補てんするための補てん資金をあらかじめ財政の事情が許す時期において準備しておき、この資金をもって将来そのつどの財政事情にとらわれることなく、産業投資財源の不足をみた場合これを弾力的に補うこととすることが財政経済の調整を推進する考え方からいたしましてきわめて必要かつ適当であると認められます。昭和三十一年度におきましては、相当の自然増収が見込まれる実情でありますので、補正予算をもちまして三百億円を産業投資特別会計に繰り入れて右の資金に充当し、先に申し上げましたような将来の必要に備えることといたし、ここに産業投資特別会計法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。 次に、この法律案の概要を申し上げますと、改正の第一点は、この会計にさきほど申し上げました資金を設けること及び昭和三十一年度において一般会計から三百億円をこの資金に繰り入れること、第二点は、右の資金の経理は、資金の設置の目的から歳入歳出外として整理し、投資を行う際これを投資部門の歳入歳出に計上することとしたこと、第三点は、この資金は投資に使用しないときは、資金運用部に預託して運用し、その利子は資金に組み入れることとしたことでありますが、以上のほか規定の整備について所要の改正を行うこととしております。 最後にとん税法案及び特別とん税法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 これらの法律案は、今次の税制改正の一環として、従来のとん税の税率を引き上げるとともに、別に法律で定めるところによって市町村等に財源を譲与するため、外国貿易船の開港への入港について新たに特別とん税を課することを目的とするものであります。 以下、改正の内容について簡単に御説明申し上げます。 まず、とん税法案におきましては、諸外国の例等にもかえりみまして、その税率を、現行の純トン数一トンまでごとに五円(一年分を一時に納付する場合は十五円)から純トン数一トンまでごとに八円(一年分を一時に納付する場合は二十四円)に引き上げるとともに、とん税の納税義務者、納期、非課税の範囲等につきまして、実情に応じて規定の整備を行うこととしております。 このとん税の税率の引き上げにより、昭和三十二年度におきまして、約一億七千万円程度の増収が見込まれているのであります。 次に、特別とん税法案におきましては、別途考慮されております外航船舶の固定資産税の引き下げ措置とも関連いたしまして、開港所在の市町村等に財源を譲与するため、外国貿易船の開港への入港につきまして、その純トン数一トンまでごとに十円(一年分を一瞬に納付する場合三十円)の特別とん税を課することとするとともに、特別とん税は、税関がとん税を徴収する際にあわせて徴収することとし、その納税義務君、納期、非課税の範囲等についてはとん税の場合と同様としております。 この特別とん税の創設による収入といたしましては、昭和三十二年度において約五億八千万円程度が見込まれておりますが、これは別途法律で定めるところによりまして、開港所在の市町村等に譲与することになっております。 以上が食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案外四法律案を提出した理由でございます。 何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。
○委員長(廣瀬久忠君) ただいま説明を聴取いたしました法律案の内容説明及び質疑は後日に譲りますが、資料の御要求のあります方は、この際お述べを願いたいと思います。
○野溝勝君 理事会で、この質疑についてはあとにすることにして、きょうは提案理由の説明だけということで話し合いが済んだと、委員長の宣告があったと思うのですが、食糧管理特別会計の額面がふえたということについて、ただこれだけのことではわからぬので、特に食管の問題については始終問題もあったことでございますから、食管特別会計の内容について、一つこの際、詳細にその運営及び経理の事情等についての資料を出していただきたいと思います。
○委員長(廣瀬久忠君) ただいまの資料の御要求は一つ当局におかれてしかるべくお願いいたします。 —————————————
○委員長(廣瀬久忠君) それでは次に、昭和三十一年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案を議題といたしまして、大蔵省当局より内容の説明を聴取いたします。
○政府委員(原純夫君) 最初の、昭和三十一年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案、これは三十一年産米穀につきましていわゆる予約売り渡しによって売り渡しましたものについて、平均いたしまして行当り千五百円、これが早場米の時期別に価格差がついておりますが、これを収入金額に算入しないという特例を設けようとするものであります。同様な立法は、その以前において年々やって参ったこと御存じの通りであります。そしてこの種の特別措置について、だんだん経済が正常化してきますに伴なって、税の公平論から議論がありまして、先ほど臨時税制調査会の答申でも、これは廃止するようにという答申が出ているものでございますが、なお、政治的にこれを存続したいというような見地から、にわかに答申の通りには参りにくいということになっておる件でございます。ただし本件はすでに三十一年産米に関するものでありまして、昨年の春、これをどうするかという問題が出ました際に、政府側として申告期に間に合うように特例法案を出すということをお約束しておる分でございます。 内容につきましては前年の特例法案と相違するところはございませんので、ただいま申し上げました程度のことで詳細は省略させていただきます。これによりまする減税額は大体三十億円ということに計算いたしております。平年作ベースで三十億円、近ごろのようにふえて参りますると若干ふえて参りますが、平年作ベースで三十億円ということに考えております。 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案、これは……失礼いたしました。それではごく概略それで。
○委員長(廣瀬久忠君) それではただいまの所得税の臨時特例に関する法律案について質疑を行います。
○野溝勝君 簡単に御質問いたしたいと思います。この法律案は、これは当然のことでございまして、われわれは了承できるのでございます。ただいま提案理由の説明の中で、調査会の方の答申によると、これは廃してはどうかというような意見もあったが、諸種の事情から残すことにしたという御説明でございますが、まことに私は定見のない御意見だと思うのであります。特に三十一年産米になっておるのでございますが、しかしこの制度は、私はこれは米の価格決定に当って、生産費を保証するような価格でないという点に非常な問題点があると思うのであります。そうした点、さらに農村の経済事情等から勘案し、さらには食糧の需給関係等から奨励の意味も考えて、かような制度ができたわけなのでございます。でありますから、もし調査会の答申のごとく当局が考えるとするならば、その際は全体に米価の事情、農村経済事情等々の点を勘案して考えるべきであって、その点に対する見解をこの際一つ原さんからお承りしておきたいと思うのであります。
○政府委員(原純夫君) この制度は、米穀の管理が、需給も非常に窮屈であり、従って管理が非常にきつかったというかなり前の時代に創設されまして、だんだん推移して参ったのであります。おっしゃるような食糧の確保のために、また一面で農家の経済というようなことも考えられてきている制度でありますが、同時に半面でやはり税というものは公平でなくてはならんという見地から考えますると、まあはっきり収入金額であるものでありまするから、その一部をはずすということについては、公平の観点から言うといろいろ議論がある、それが農家と農家以外との間の公平論ということばかりでなく、農家の中におきましても、あるいは地域的にあるいは階層別に税負担が違ってくる、それが税の公平論、農家内部における、農家のグループの中における公平論から言いましても、妥当かどうかというような問題にもなってきているわけであります。そういうような角度から、いろいろ議論がなされ、これは廃止さるべきものだという答申があったわけで、私どもも税の観点からすれば、まことにそうだと考えます。同時に最初に申し上げましたような、また野溝委員御発言のような角度での要請がある、それらを引っくるめてどういう結論を出すかという問題であろうと思います。三十一年分については、そういう先ほど申しましたようなことで、すでにお約束のことでもありまするし、また制度全体として、冒頭に申しましたように政治的な考慮をなお加えて参らなければならないという考えからやっておりますわけです。つまり両者の間をそのときどきの時代に最も妥当に判断して結論を出していくべきものだというふうに考えております。
○野溝勝君 一言、私はむしろ質問より、この際大事なことでございますから、特に金融制度あるいは財政制度調査会等の方々は場合によってはかわることがあるのでございますが、事務当局はそう簡単にかわるわけではございませんので、特に私は原さんがその関係の当局におられるだけに、強く一言申し上げて、今後の施策の上に十分御配慮を願いたいと存じます。と申すのは、今お話しのありましたごとく、税の公平というこの問題ですが、きょうあえて私はあなたと税の公平論について論戦をしたいと思いません。しかし税の公平論をする場合には、一応私は、単に農村の面だけでなくて、税というならば、全部あらゆる産業に対しても、やはり総合的な検討を加えていかなければならぬと思うのであります。してみると、今日まで日本の財政の面から見れば、大体租税収入がどのくらいあって、それがどういう方面に使われておるかというような点をさらに分析しなければならぬし、そうしてそのまた経済効率の点から、あるいは経済効率の面ばかりでなくて、たとえば日本の国民生活に必要な点からも見ていかなければならぬ、そういう産業もあると思うのであります。単なる私は経済効率だけじゃないと思う。そうなるというと、今のように、国民生活に必要な食糧が、まだ自給自足の態勢ができておらぬ。御承知のごとく二千三百万石の供出でどうかこうか、その他外米あるいは外国の食糧を入れて、そこをカバーしているという状態です。してみるというと、外国から食糧を入れなくてよろしいという自給自足の態勢になった場合には、考え方はおのずから違うと思うのであります。しかしそうでなくて、依然として外国から食糧を受け入れておるという状態の下におきましては、まだ日本の食糧事情というものは自給自足の態勢に立ち至ったということは言えないと思います。そういう点から私は考えてみると、どうしても農家が生産意欲を落すようなことがあってば相ならぬ。せっかく物を作って、経済が困る、たとえば税金が多い、あるいは生活に事を欠くというようなことがあるとするならば、やはりこれは生産上に大きな影響を持つのでございます。こんなことは一つの常識でございます。でありますから、どうかそういう点を私は十分考えてもらいたい。具体的に申しまするならば、農村には農林中金という金融機関がございますが、これは足立次官も御承知のごとく、資金の運営はどうですか、預かるものは三分ないし四分くらい、今度は農村が借りる場合はこれが一割だ。そうして中金の資金利用面がどういうようになっておるかというと、このうちの約三割くらいは農村以外に出ているのです。これは原さんが十分おわかりだし、大蔵当局はその点について十分検討されておると思う。たとえば国家資金の利用の面におきましても、そういうように実際、農民は恩恵に浴しておらないのです。この点からも私は不公平だと思うのです。これは一つの面です。その他あとでまたいずれ質問をいたしますけれども、租税特別措置法の内容などを見ても、単なる生命保険の面だけが一般国民的な免税になっておる点でありまして十二種目あるうちで、完全に一般大衆的のものというものは、私どもとしては見受けられません。これは一つの財政金融の面からの都分の見方でございますが、その他、まあいろいろの点において非常に農村は収奪をされてきておるのでございまして、前年度よりは今年度は一戸平均三万近くの収入減になっておるのでございます。これは経企庁の統計にも出ております。こういう点から見て、私はこの時期別奨励金の免税の点については、今回だけということでなくて、今後かような問題が提起された場合におきましては、あらゆる角度から検討されまして、農村経済がやっていけるような事情の下において考えられるということについて、特に強く私は希望を申し上げて、この問題に対する質問を打ち切っておきたいと思います。
○青木一男君 一点だけちょっとお伺いしたいのですが、事前売り渡し申し込みに基いて米を予約した場合に、この特典があるという点に非常な特異性があるように見えますが、事前売り渡し申し込みを超過して余分に売った場合、あるいは事前売り渡し申し込みに基かずして売った場合に、この特典を与えるのかどうか。それからこういう特典がもし事前売り渡し申し込みということが条件ならば、初め割合に多く申し込んでおいて、事実少く売り渡した場合にどういう不利益を受けるのか。特典だけあって不利益がないとすれば、この事前売り渡し申し込みというのは非常に不確実性を帯びてくると思うのですが、その両者の関係を説明していただきたい。
○政府委員(原純夫君) 第一の点につきましては、事前売り渡し申し込みに裏づけされない売り渡しにつきましてはこの特例の適用はございません。 それから第二の点でございまするが、予約をいたしまして、まあ、しいてよけいということもございませんでしょうが、よけいに予約して、それが実行できなかったという場合につきましては、これは税の方ではもちろんその分は収入が立たないわけでございまするから、別段の問題はございません。従って不利益な扱いはございません。予約の代金を二千円でございますか、春、農民が受け取るわけであります。それを返す段において、私は、詳細は記憶いたしておりませんが、あまりに度がひどいと、それについて金利相当の額をつけて返す。返しますということは、実際にはそういう農家も全然供出しないのじゃなくて、売り渡しをいたしますから、最初に売り渡す米の代金からさっ引かれる形になるわけでありますが、そういうような、考えようによっては当然のことでありますけれども、乱に流れないようにという意味では、そういう方法をとっておるわけであります。もともと米穀管理の態様が推移しまして、こういう予約売り渡しという制度になりました際に、それの奨励と申しますか、そういう意味もからんで、この特例ができておりますので、若干そういう事態が起りましてもあまりに過度のものについて、ただいま申しました程度の、不当な利益がないということを確保するという程度でよろしいのではないかということでやっておる次第でございます。
○左藤義詮君 これは農林水産委員会の問題だと思いますが、ただいまの野溝さんの御質問に対して主税局長から地域的に税の公正というお話がありましたから、大蔵大臣がいられませんから、まあ政務次官にお伺いしておきたいと思うんですが、早場米に対していろいろな事情からこういう格差をつけた。ところが早場米の恩典に浴するのは東北、北陸が主でありまして、西日本の方ではほとんど恩典を受け得ない。しかし西日本の方では硬質米というか、つき減りの非常に少い、量よりも質で、相当今まで酒米その他格差のあるものが、非常に不利に……。これに対して相当の格差をつけてほしいということをいつも農林省の方から要求しても、大蔵省でいろいろ御反対があるようですが、この問題に対してやはり少しでも良賢なものをだんだん奨励していく意味において、大蔵省として地域的なそういう公正という観点からも御考慮にばる余地があるかどうか、従来の経緯、また今後のお見通しをこの際伺っておきたい。
○政府委員(足立篤郎君) 実は私も米価審議会委員を数年勤めさしていただきまして、今左藤先生から御指摘のような点、あるいは先ほど野溝先生からも御説のございましたような点、いろいろな経過のありますこともよく承知いたしております。特に今左藤先生のお話のつき減りの点、特に西日本の米のまあ優位性といいますか、というような点を考慮して価格差をつけるべきだという御主張を伺っております。大蔵省内におけるこれらの問題についての判断につきましては、私もまだ突き詰めて事務局と話し合っておりませんので、今ここで直ちに責任ある御答弁を申し上げることはできません。ただ本日問題になっております税の問題につきましては、平均千四百円と押えましたのは、先ほど来お話がありましたような従来の奨励金を米価に繰り入れましたので、これに対する手当と申しますか、まあ当然減税すべきであるということで、その要素が含まれておるわけでございます。なおまた、米価審議会の答申による石当り百円の特別加算金、ないしは実質手取りを百円程度引き上げるべきだというような等申の趣旨を尊重いたしまして算定いたしますと、従来やって参りました平均千四百円になるということでございまして、先ほど野溝先生からも御指摘がありましたが、まあ米価を正しく算定すれば、こういう特別な措置を講じなくてもよいんじゃないかという議論も私よくわかるわけでありまして、理想としてはさようなことにいたすべきものだと私も長年考えて参ったわけでございまして、税の公平論から言えば、今主税局長が申し上げた通りこういう特別な措置を特殊な農家にだけ講ずるということは確かにおかしいんでありますから、今回消費者米価値上げ等の問題とからみまして、御承知の通り内閣に調査会もできますので、食管制度全般について再検討される際に、あわせてこういった今左藤先生からの御指摘のあったような点も含めまして、総合的に解決されることを私どもとしては期待をいたしておるような次第でございます。左藤先生から御指摘の点につきまして的確にお答えができませんでまことに申しわけございませんが、私の感じております点を申し上げて御了解を得たいと思います。
○左藤義詮君 政務次官は米価審議会で多年非常にこの問題に触れておいでになり、今度たまたま大蔵省にいらっしゃったわけでありますので、今度の調査会ができますについても、この問題に対して大蔵省があまり積極的な障害にならぬように事務当局とも十分御検討いただいて……。長い間の問題であります硬質米の問題、ただいま地域的な格差ということで税の問題でもお話があったんですけれども、米価については特に質ということを食糧問題は考えてかからなければならぬと思います。その点についてできるだけ早い機会に大蔵省の御意向をおまとめ下さって、また御答弁いただくことを期待いたしております。
○政府委員(足立篤郎君) ただいま申し上げた通り、別に私どもの責任のがれをして、できる調査会に全部おっかぶせるわけでもございませんが、左藤先生も御承知の通り、この食糧管理特別会計の内容をこの際徹底的に洗って、食管制度全般についてまあ再検討してもらう、特に行政管理庁あたりもことしは特に食管に重点を置いてやろうということでございますので、私どもはこの際、食料管理方式といいますか、今までやって参りましたいろいろ継ぎ足し継ぎ足しやって参りまして、説明も何もつかぬようにさえなっておるようなわけでありますから、こういう点を全部洗ってもらおうと思っておるのでありますから、その際にどういう方向に向うかということによって、今までのようなやり方でやっておれば、左藤先生おっしゃるような、何といいますか、効果の広い米といいますか、それだけの価値のある米をその価値に応じて政府が買い上げるべきだという御主張ごもっともと思いますが、そういう点も全部含めて調整をはからなければならぬというふうに考えておりますが、お説の点を十分考慮いたしまして善処いたします。
○委員長(廣瀬久忠君) 別に御質疑はございませんか——御質疑もないようでありますから質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言はございませんか。御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 昭和三十一年産米穀についての所得税の臨時特例に関する法律案を衆議院送付案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(廣瀬久忠君) 全会一致であります。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の、手続は先例により委員長に御一任願いたいと存じます。 それから、多数意見者の御署名を願います。 多数意見者署名 西川甚五郎 平林 剛 天坊 裕彦 青木 一男 岡崎 真一 左藤 義詮 塩見 俊二 苫米地英俊 宮澤 喜一 大矢 正 栗山 良夫 椿 繁夫 野溝 勝 魚川 義介 —————————————
○委員長(廣瀬久忠君) 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題として、大蔵省当局より内容の説明を聴取いたします。
○政府委員(原純夫君) 御説明申し上げます。 租税特別措置法の第九条の二というのに、新築家屋等に対する登録税の軽減を規定いたしております。その一項に昭和二十七年四月一日から三十一年十二月三十一日までの間に新築した家屋で命令で定めるものの所有権の保存登記について、常則では千分の六の税率の登録税がかかりますものを千分の一とするということが規定されております。住宅政策のためにいろいろと税の面でも御協力申しておるわけで、そのほかにもいろいろな項目がございますが、これが昨年の十二月三十一日に切れるというのを、なお、住宅政策が強く推進されなければならないという事態に応じて、さらに一年間効力を延ばそうというために改正をお願いするわけであります。ところが若干仕事に手違いがございまして、これはまあ調査会で特別措置全般につきまして議論があり、当初相当強い整理も考えられた時期もあった等のことからおくれまして、できれば臨時国会中あるいは暮の通常国会の初めにと思ったわけでありますが、ついついおくれまして、この時期にお願いするということになり、まことにその辺遺憾であったと思います。そのためにこの一月一日からこの改正法が施行になります日までの間は、法律的には常則の千分の六かかるようになっております。もちろんこれも暮の時分から腹をきめておりましたから、行政的には登記所を通じ、あるいは公庫、公団等を通じまして、それぞれ所管の省からお話を願いまして、まあ保存登記でありますから、金融をつけるとか何とかいう特別な場合以外はしばらく待たれて、改正法案ができたらというふうにお願いしてあるわけでありますが、いろいろな関係でどうしても登記が要るという分につきましては、その間の分がさかのぼって特別な税率になりますので還付しなければならぬというので、附則にこの還付の請求ができるということになっておるようなわけであります。大体この措置に伴いまする減収額は年額にしまして二億五、六千万というふうに見込んでおります。なお、還付の手続につきましては、なるべく還付が少いように、ただいま申しましたように手を打ってございますが、実際に登録税を納めた人につきましては、漏れのないように還付できるようなことを関係の各省と一緒になって努力いたしたいと考えておる次第でございます。 これで説明を終ります。
○委員長(廣瀬久忠君) 質疑を行います。どうぞ御質問のある方は……。
○平林剛君 今御説明がありまして少し触れられておりましたけれども、この法律が昨年の十二月三十一日で切れておった。当時は臨時国会、通常国会もあったわけです。もっと早くこの法律が提出をされてよかったのではないか。臨博税制調査会の審議が継続されていたということはわかりますけれども、少し政府としては手落ちがあったのではないかと思える。なぜこういうふうに中間を置かなければならなかったのか、その点をもう少し詳しく説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(原純夫君) おっしゃる通り政府の手落ちがございましたことをお詑びいたします。幕の間にも実は簡単な法案でございまするし、ぜひお願いしたいと思ったのでございますが、暮は例の首班指名、その後議事なしというようなことになりまして、まあそれがどこの責任だというのでもございませんが、残念ながらお願いできなかった。もっと前に、臨時国会でもというお話がございますれば、まあそこまでやっておけばよかったなという気もいたしますが、実は暮の通常国会に望みを託したのがああいうふうに政局が非常に大きく動きまして残念ながらお願いできなかった、おくれた、もっと見通しよく早くやっておけばと今思っておるのでございますが、まあこういう事態になりましたので御了承願いたいと、こう思います。
○平林剛君 今の国税当局はそうでなくても忙しいときです。それにもかかわらず、いろいろな事情があったにしても、こういう結果になって、このために手続もよけい煩瑣なことが行われなければなりません。大体あなたの方では還付額についてはどれくらいになるかというふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(原純夫君) 先ほど申し上げましたように、年間で減税額が二億五、六千万のものでございますから、これが通りまして、もう通ればすぐ施行になって、それまでの間の分でございますから、まあ審議を予定するのもなんでありますが、早くお通しいただけるだろうと思いますので、そうすると正月が入っておりますから、おそらくまあ一月平均の、一月分にも及ばないだろう。なお、その上先ほど申しましたように若干おかしな形かもしれませんが、登記を急がないという場合には、じき改正になりますからというような話を一般の方に周知していただくようにしておりますので、おそらくその何分の一かであろうというように思います。従いまして千万円台には上らないのではなかろうかと思います。これはごく概略のものでございます。
○平林剛君 これは大体法律の改正の見通しを立てて、登録するのを控えておりますから、実際の額は少いだろうと思いますが、これは別にして、臨時税制調査会において、この登録税法について検討したときに、増資登録税の問題については別ですけれども、きょうの問題としては、不動産関係の登録税まで含めて、全面的に再検討を加えて新しい情勢に即する適正なものにすべきである、こういう答申案があるのです。増資登録税はきょうの議題外でありますが、不動産関係の登録税も含めて新しい情勢に即する適正なものにすべきであるという御意見は、大体今後どういうふうになっていくのでありましょうか。あなたの方の検討したものがあったならばお示しを願いたいと思います。
○政府委員(原純夫君) ただいまお話の答申案の文句は、増資登録税の軽減を廃止するということについていろいろ議論が行われました。増資については増資配当分を免税するという大きな免税と、それから登録税の軽減がございますが、配当分は特例を廃止するにしても、登録税の方は残したらどうかという御議論もございました。それかこの登録税が戦前に比べてだいぶ、重い、だいぶといいましても、これは何倍もということではございませんが、というようなことから御議論が出たのであります。そこで私どもこの戦前に比べて重いのは不動産関係等を含めて全般がそうなっている、それはまあ税負担全般が重くなっている、その中でやはり登録税も一翼をになっている格好になっているのだ、そういう見地で、増資の分だけを軽くするということにいたしますと、他とのバランスが破れる、現実に新設の場合どうするかというような問題になる、それも軽くしなければならぬ、そうすると、不動産との関係がどうなるかということで申しましたのが、その答申の文句になりまして、やはり全般のバランスがある、増資だけを下げるわけにはいくまい。下げる場合には全般だ、しかしそれをやりますとすぐ三、四億の税収減になるということから、全般の歳入とにらみ、他の税とのバランスを見て、根本的になお検討してほしいということを言われたわけであります。そういう見地で私どもなお、研究いたして参りたいと思っておりますが、ただいまのところまだこれをどうするというはっきりしためどは立っておりません。
○平林剛君 そうすると、新築家屋が、まあ今回の特別措置法できめられるところの家屋、新築した家屋ですね、これらの問題について何か特別に何検討をして、さらにかえていくというような意味の討論ではなかったのですね。
○政府委員(原純夫君) 特別措置は非常に数が多くありますので、調査会として取り上げましたものでも二十三、四、あるいは、二十近くあったかと思います。そのほかにまた何十という……。
○平林剛君 このことだけは……。
○政府委員(原純夫君) これは調査会が取り上げた事案ではございます。ただ割合に額も小そうございますし、だんだんとかなりきびしい線から、やはり政策目的の上位のものはもう文句なしに残そうというようなふうに、だんだん審議の進むにつれてなって参りましたので、これについて議論が湧いて、ぜひやめろという議論と、残せという議論が相拮抗して、結論としてこうなったといことではございません。まあ住宅はやはり特に必要だという気分が支配的であったであろうと思います。
○平林剛君 そこでちょっとお尋ねしますが、御承知のように先般新潟であるとか、それから秋田であるとか、ひんぴんと地方の都市に火災が起きました。火災が起きて、その都市はすぐ復興の準備にかかった。焼けた家屋も店舗も復興されるということになりますが、これらの都市においてはこの租税特別措置法の一部を改正する法律案をみんな待っていることは疑いがありません。ただこれは大火にあった都市、あるいはそうでない都市との区別がなくて、そのまま一律に千分の一にする、こういう法律であります。そこでこれらの大火にあった都市の住民たちの間におきましては、特別の場合であるとか、さらに登録税を減免をしてもらえまいかというような意見がきておるわけです。こうしたことについて何かあなたの方のお考えをお聞きしたいのです。
○政府委員(原純夫君) 災害がありました際には、それの手当いたしますために、われわれ略称で災害減免法と申しておりますが、そういう法律がありまして、減免の関係は、この所得税で減免をいたすということにいたしております。他の税はやはり消費なり流通なりというふうな面にかかります税でありますから、それもそのまま負けてくれという気持はわからぬではございませんが、たとえば、そこで他の砂糖とか、あるいはみんな税が入っているわけですね、そういうのも減免の要望が……、登録税にしましてもある程度わからぬことではないのですが、やはりまあ災害減免としては、所得に応じてある程度以下の人は、災害で家財が半分以上やられたとか、家がやられたというような場合に、これを二分の一とか、全部負けるとかいうような制度でここでまとめていたす。他の税に対しては、やはり消費があり、まあ流通の事実があるといえば、一般と同様に納めていただく。ただし納めるのに一時金繰りが苦しいような場合に徴収猶予をするというようなことで法の体系ができております。登録税が徴収猶予に入っておるかどうか、私ちょっと記憶いたしませんが、そういうような体系でいたしておりますので、ただいまのところ、その体系をやって参ってよろしいのではなかろうかと思っておりますが、よく加わっておきます。
○平林剛君 私は住宅建設を促進する意味で、今回の登録税に対する特別措置に特別に異議を差しはさむものではありません。ただ、今の大火にあった場合の都市と、一般の新築した家屋ということでは、それぞれ条件が違うわけでありますから、そういう意味で政府においても、はなはだしい大火があった場合いろいろな援助措置を講じますけれども、こうしたことも私えられるのではないか、将来において一つ政務次官も十分御検討を願って、何らか適切な措置が打てる場合には一つお考えを願いたいと、そういうことを要望して私の質問を終ります。
○栗山良夫君 非常に小さなことですが、一点お伺いしておきます。それはこの法律案が昭和三十三年の十二月三十一日までの期限延長になっております。こういうことになりました理由はどこにあるのでしょうか。
○政府委員(原純夫君) これは一応そういう期限にいたしておりますので、非常にはっきりと住宅政策で何年計画の末期がそれに来るというようなものではございません。その時期にまた住宅政策、あるいはこの特別措置全般の様子を考えて態度をきめたいというふうに考えております。とりあえず三十三年末といたしましたのは、住宅について他にもいろいろと特別償却とか、その他の特例が設けられております。これらが大体三十三年一ぱいというようなことになっておりますので、一応時期を切るとすればこの辺かということで、そういう期限にいたしたわけでございます。
○栗山良夫君 まあ他の特別措置の体系の振り合いからも、一応三十三年十二月三十一日までとした、こういうふうにおっしゃったのですが、期限延長の理由は、「住宅建築の現況にかえりみ、」というのがこれが一番大きな理由になっております。そうするとこの「住宅建築の現況にかえりみ、」ということをもう少し具体的に理由づけるならば、ただいま住宅が非常に払底をしておる。その払底をしておる住宅を緊急に建築するために、税の面においても国はしかるべく支援の措置をとろう、こういう私は趣旨であろうと解釈をしております。そういうことであれば、もう少し期限を大幅につけておいても、いささかも私は支障はなかろうと思います。また、先ほど平林同僚議員からお話がありましたように、こういうまだ相当長期にわたってでなければ、一応住宅の建築が完成し得ないという今日の状況からしまして、法律の期限延長の不手ぎわが出てきて、途中に断価ができるというようなこともできるわけですから、もう少し思い切ってこの期限の延長をしておかれ、途中でもちろん税体系の全般からいって、もっとほかに格段のいい方法があれば、そのときに法律をまた改正すればいいわけでありますから、もう少し思い切って期限の延長をやられてもいいと思うのでありますが、この点はどういうことでしょうかね。
○政府委員(原純夫君) 一つのお考えだと思います。私どもこういうふうに特に期限を切っております考えは、千分の六という一般のこの負担というものが本則であり、これはそれを一にするわけでありますから、非常な優遇であるというような意味から、やはりそのときどきの事情、税全般の事情も見、そうしてまた、今回も議論になっておりますように、もろもろの特別措置の設けられ方、あり方、そういうようなものとのバランスも見て検討するというような態勢にあることも必要ではないかというようなことから、こういうような特例はやはり何年間かを切ってやっております。おっしゃるように、それを相当長くというのも御意見だと思いますが、大体こういうものは二年あるいは三、四年というような期間で通例やっております。それでちょうど二十七年から四年ばかりになりまするが、この際延ばすという際に、ちょうど他の住宅関係のいろいろ特例がございます。そういうものが二年先だから、まあ見ようによっては短いかもしれませんが、そのときそれらともやはり相互に、特別償却と登録税というようなものとも相互に関連を持ちますので、あわせてその際検討するというようなことにするのが、そのときの立法のやり方としてもよろしいのではないかとも考えあわせて、別段他意はございません。特に短かくするというようなことはございませんので、そのとき十分御趣旨の点は体しまして検討いたしたいと思います。そういうような経緯でここにこういうものを御提案しておるのであります。
○宮澤喜一君 技術的な小さなことでございますから主税局長にお聞きいたします。 この附則の二項の「還付を請求することができる。」という規定でございますが、これによって還付請求権という権利が納税者に与えられた、こういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(原純夫君) 権利といいますか、本文の方で十二月三十一日、三十三年まで延ばされますから、税が安かったんだということになるわけです。ですからそれに基いて返さなければならぬ。その返す請求の期限をあまりいつまでもやってはいかぬから、三月以内にお願いしますと、こういうことでございます。
○宮澤喜一君 この法律が成立しますと、措置法の九条の二というのは、昭和二十七年の四月一日から昭和三十三年の末までこの特別措置ができると、そういうふうに読みかえることになると思いますが、そうしますと先刻お話の、ギャップの期間に納められた租税というものは、この三項では過誤納とみなすとありますけれども、それで、実は納税義務者に納税義務がなかったのでありますし、国には実は徴税権がなかったことに当然なるだろうと思うのです。そうしますと還付を請求することが実はできるのではなくて、国が不当に徴税をしたことになる、この改正が成立しますと。そうすれば還付をしなければならないという国に義務があるので、つまり徴税権のもとになるその法的な基礎がないわけですから、還付をしなければならないのであって、「還付を請求することができる」のではないのじゃないかと思うのです。いわんやそれを三カ月で切るというようなことは、はなはだしく考えによっては権力主義的な不当なことであって、国が実はこれは返さなければならぬ、取る権限がないのですから、法律の考え方としても、「請求することができる」という考えは間違っていやしないかと思いますし、いわんやその期間を三カ月に限るというようなことは、これは行政府あるいは国会の、先刻もお話がありましたから、立法府も責任があるのかもしれません。かりに共同責任でもよろしいのですが、その誤まりによって納税者に不当な迷惑をかける、こういう書き方というものは、それを三カ月に限るというようなことは、どういうふうに御説明なさいますか。
○政府委員(原純夫君) これはあらためて申しますれば、いろんな経緯がありますが、できなかった、切れちゃったというので、通常税について遡及効を持たす立法をするというのは例外であります。特に増税するとか、利益を奪うというのは、絶対遡及効を与えるべきではない。減税の場合は遡及効を与えてもよろしいけれども、先ほど御審議を願った米の場合のように、まだ申告期はこれからだというような場合はそれで行ける。これは実は非常にそういう意味では困るケースなのであります。ですから通例は、これはもう改正したらその切れた分はしょうがないと思うのが通例だと思います。ただ、どこがどうということではございませんが、こういうようなことになってきて、そのあれをそのまま置いておくというのもいけないから、その前のも安かったことにしよう。ついてはまあおっしゃる通り気持は、こっちがお世話して何するということでなくちゃいかぬと思いますが、納税者の方から請求は出していただく。これは法律としてこういうふうに書いてございますが、国としても個々の納税者に十分周知徹底できるように、先般も衆議院でもそういう御質問がありまして、あらゆる手を尽すというつもりでおります。まあいろいろな経緯でこういう空白期間ができたので、みんなでそれをうまく押さえていこうというつもりでおりますので、お話のような権利がどうというような気持でなしにやっておるつもりで、御了承いただきたいと思います。
○宮澤喜一君 もう少しこまかくなってなお恐縮でございますけれども、この法律が成立いたしますと、措置法そのものの九条の二が、二十七年の四月から三十三年の十二月末というふうに書き改められるわけです。そこでそのギャップの期間に、今納税者が納税をした、そのとき現在においては納税者に納税義務があった、それは私はその通りだと思うのです。しかし、この法律が成立した後にその納税者がそれについて争うといたしますと、かりにこの附則の規定がなかったとした場合に納税者が争うことにしまして、自分は一月何日には納税義務があったが、その後法律がこう変りました。その変った法律によれば、二十七年の四月から三十三年の末までは自分のこれは当然減額されるべきであったのですから、今や自分にはこういう義務はありません。こういう訴訟を起した場合に、主税局長は、いや、あなたはあのときには法律規定で義務があったのだ、その後法律の規定はこう改まりましたが、今なお義務があるのです、こういうふうに御主張なさるわけですか。
○政府委員(原純夫君) さかのぼってその税率は安くなるわけですから、それは安い税しか納める義務はない、しかし印紙を張ってもう納めてあるわけですから、返してもらわなければいかんわけですね。返してもらいたいと言ってほしいということをこの附則に書いてあるだけでございます。
○宮澤喜一君 この法律が成立しますと、従ってその納税者に納税義務がなかったということになるだろうと思います。この法律を遡及して適用するということを附則に書くと書かないとにかかわらず、その問題は離れて、遡及させなくても、これはどうしてもそういうことにならざるを得ない、本法が変るのですから。そういたしますと、納税者は当然これは返してもらわなければならぬし、国は当然返さなければならぬ。それは請求がないから、わからなくて返さぬというような事実上の問題を離れれば、法律的には国は完全に不当な徴税をしたのであって、返還の義務がある、国が徴税をする根拠の法律はないのでございますから。そのときになりますとそういう建前であるべきものを、これを国の義務の問題としてではなくて、納税者の権利の問題として掲げて、それをしかも三月に切るなどということは、はなはだしく私は不当だと思うのですが、かりに……、そこまで言うと言い過ぎですが、どうお考えになります。
○政府委員(原純夫君) 他の場合に、不動産の登記に間違って印紙を張られたという場合に、これも義務がないわけですね、国がそれを進んで返さなければならぬ——精神論としてはわかりますけれども、それを手続として、税法なり税の関係の法律で規定してあるものはないわけです。この場合も、請求をしていただいて返すという一つの手続をとるということは、私は一つのやり方ではなかろうか、まあ非常に冷やかにやれば、もうこういうめんどうはしないでということもやり得るのですが、なるべく登記を延ばして下さい、やむを得ずどうしても必要だからしてしまったという場合にも、一人々々にわかるようにしようということにすれば、請求を出していただくということでいけるんじゃなかろうかというふうに、私ども思っております。
○宮澤喜一君 議論になるかもしれませんが、もっと冷やかなやり方をすればできるのだとおっしゃいましたが、私はそう思わないので、それならそれでよろしゅうございますから、この付則二項以下全部削りましょう、そういう御親切がましい処置は要りません、私どもはそう申し上げたといたします。この付則二項以下みんな落ちるわけです。そうすると何ですか、国は還付の義務はない、こういうふうにおっしゃるのですか……私はそうじゃないと思うのです。
○青木一男君 今の答弁非常に法律上重要だから、ちょっと速記をとめて下さい。私違った意見を持っているから、懇談でしたいと思います。重要なことになるから。
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬久忠君) それでは速記を開始します。
○青木一男君 先ほど宮澤委員と政府委員の質疑応答を伺っていて少しはっきりしない点があったのですが、この立法の趣旨は、昭和三十二年一月一日以降この法律を施行するまでの間は特別措置法の特別措置の効果がなくなって、原則の千分の六に戻っておる。それをこの法律によってさらに今後、三十三年十二月三十一日まで延長するとともに、その過渡期において千分の六を納めた人に対しても救済措置を講じよう、こういうまあ立法だと思うんです。それはこの改正の趣旨から見て妥当な措置と思いますけれども、では法律観念としては、一応当時の納税者は法律に基いて適法に納税したものであるのであって、この改正の趣旨にかんがみて、さかのぼって救済するにすぎないと私は思うのであります。そうでないと、先ほど宮澤委員の言われたような、三カ月以内に限って返すということが、非常に不合理になるわけですから、その点の法律解釈をどういうふうに大蔵当局は解しておられるか、はっきりしておきたいと思います。
○政府委員(原純夫君) 先ほど来いろいろ申しましたが、ただいま青木先生の言われた通りに解釈いたして参りたいと思います。これによって還付の権利を与えるということに考えます。
○椿繁夫君 この附則二項の適用の範囲を、「大蔵省令で定めるところにより」、こうなっておるんですが、お尋ねしたいのは、住宅の新築の場合にのみこれは適用されるんですか、中小の商店などの店舗と住宅と、なかなかこうはっきり区別のしにくいようなところがあると思うのですが、そういう点については一体どの程度の坪数から、減免の措置をお考えになっておるのか。それから都市における都市計画法に基く工事施行によって移転増築の場合など、これは適用の範囲に入るのかどうか、こういう点についてちょっと明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(原純夫君) ただいまの第一点は、ただいま政令の方で、もっぱら住宅の用に供するものというふうに書いてございます。御質問の、この大蔵省令で定めるというのではなくて、どの程度の住宅ということかということですが、それは政令で、もっぱら住宅の用に供するという、もっぱらというので、たとえば普通のしもたやで、張り窓を出してたばこ屋の内職をやっておられる、こういうものはもっぱらからはずれるのかというと、そうではなかろう。が、宿屋で家の方が住居しているというようなもの、これはもっぱら住宅とは言えないだろう。これは両極端でありますが、その間でも、もっぱらというのは何割という表現はちょっとできませんけれども、まあそういう住宅であろうというものを、もっぱら住宅として考えるというふうにいたしております。それから増築の場合につきましては、先ほど申し上げました九条の二で、増築の場合につきましてもこの利益を与えるということになっております。
○椿繁夫君 どんな大きな邸宅であってもこの概念を適用するというお考えですか。
○政府委員(原純夫君) その点につきましては、ただいまのところは政令は制限いたしておりません。が、実は今度これで延ばします際に、やはりその点をあまり大きなものまでということにしないように一定の限度を設けたいと思っております。
○椿繁夫君 その限度をこれまではどういうふうに……まあ限度がなかったので、大きかろうが小さかろうが、登録されたものについては徴税しておられたのですが、今度実際に適用する場合に考えたいということですが、どのくらいにお考えになっておるのですか。どの程度の、坪数でいいますと、どういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(原純夫君) その点は他の住宅関係の特例について、大体三十坪以下というような限度を設けております。それにならうか、あるいはこの分はただいままで限度がありませんので、どうするか、いなかの場合は都会地の場合よりもだいぶ面積が広いということもいわれますので、若干余裕をとって、もう少し上のところ、五十坪ぐらいというところを出したらいいかということをただいま考慮中です。
○椿繁夫君 いなかの場合を特に例を引いてお考えになっているようですが、中小の商店などにつきましても、その程度まで解釈を広げて、この適用範囲に定めたいというお考えはございませんか。
○政府委員(原純夫君) かりに五十坪といたしますれば、片一方でもっぱら住宅の用に供するという条件をどうするか、こういう問題があります。五十坪はまちやの商店にも適用になる、その際商店という場合になりますと、住宅との割合がどうかということになります。千分の六を一にするわけでありますから、相当大きな軽減であります。たとえて申して、下が全部店舗なり倉庫なりで、二階に住宅がのっかってるというようなものに、それをこのまま規定を当てはめるということはいささか問題だと思います。従いまして、もっぱら住宅の用に供するというのを若干緩和するといたしましても、やはり主として住宅の用に供するものに限るというふうにいたしたいと思っております。 ただ別に、近ごろ住宅政策の一環と申しますか、不燃建築で三層、四層のものを建てて下は店舗に使うが、上は住宅にして貸すというようなことは、特に都会地あたりの住宅建築について一つの柱になっております。そういうような場合には、割合も総体からいいますと、店舗部分が三分の一とか四分の一とかいうようなことになって参ります。そういうような場合については、できるだけ突っくるめて恩典を与えるというような感覚で参りたいと思っております。
○椿繁夫君 都市計画法に基いて移転をする、その場合に増築をする、そういう場合、増築部分について課税を考える、こういう御見解ですか。
○政府委員(原純夫君) ただいま申しましたのはげたばき住宅と申しますか、公庫の融資の一つに足貸しというのがございます。ただいま申し上げたようなコンクリート建で、上の二層なり三層なりを住宅用に供するというふうに建てるなら、下の店舗の分も貸すというようなことですね。従いまして、これは増築という何でなくて、新築の場合を頭に置いて申しております。増築の場合よいというのは、すでに本法に、増築の場合には、増築の部分が政令の何によるということであればその部分について軽減措置をする、政令の条件によるということは、ただいままでは面積の制限はありませんが、今後は作る、それからその部分が主として住宅の用に供するといいますか、そういうような条件が要るということになるわけでございます。
○委員長(廣瀬久忠君) 他に御質疑はございませんか。——御質問もないようでありますから、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。 御意見のおありの方は賛否を明らかにして御意見をお述べを願います。 別に御発言はございませんか。——御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 租税特別措置法の一部を改正する法律案を衆議院送付案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(廣瀬久忠君) 全会一致であります。よって、本案は可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続は、先例により、委員長に御一任願いたいと存じます。 それから、多数意見者の御署名を願います。 多数意見者署名 西川甚五郎 平林 剛 天坊 裕彦 青木 一男 岡崎 真一 左藤 義詮 苫米地英俊 宮澤 喜一 大矢 正 栗山 良夫 椿 繁夫 前田 久吉
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬久忠君) 速記を始めて。 本日の委員会は、これにて散会いたします。 午後零時二十八分散会