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26回国会参議院1957/09/12

大蔵委員会 閉会後第3号

発言数
218
登壇者
20
会派数
3
開催日
1957/09/12

会議録

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) これより委員会を開会いたします。  本日はまず租税及び金融等に関する調査を議題といたし、国際収支その他財政金融一般問題について、大蔵大臣に対する質疑を行うのでありますが、一萬田大蔵大臣、坊、白井両大蔵政務次官より発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 今度私、大蔵大臣を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。若干この機会に、今問題となっております国際収支の見通しということについてお話を申し上げたいと思います。どういうふうな計表をさし上げてあるか、私、存じませんが、大体三十一年度の会計年度末、三十二年三月末の外貨の保有は約十二億というふうに押えてもらっていいと思います。そうしてその当時において使い得る外貨の量は約五億ドルとお考え願っていいと思います。そういう状況下におきまして、輸入決済は累月増加している。七月末では、四、五、六、七というふうな月で、すでに御承知のように三億五、六千万というものが赤字になっておる。そうしてみますると、ほんとうに使い得る金額というものは、七月以降はきわめて少くなっておるということが判断できるわけです。そういう状況でありましたので、五月でしたか六月ごろから、国際収支の改善に関する総合施策を実施するに至ったのであります。その後これらの総合施策が効を奏しまして、国際収支に関しまして、輸出入の信用状設定高は六月以降近接をいたしました。八月の輸出入信用状設定高を見ますると、一応均衡を得るに至っている、若干黒になったかと存じますが、そういう状況です。が、しかし、この状態は、輸入を特に抑制をしておるという事柄からきておるのが多いのでございまして、日本の経済自体が均衡を回復して、その結果国際収支が均衡を保つに至ったというのではありません。逆であります。むしろ為替面から日本の経済の均衡をはかるように働きかけておるという意味において、まず為替面において均衡を取りもどしつつある。これはむしろ政策的と考えてよろしいのでありまして、従いまして今申しましたように、日本の経済自体が均衡を回復して、国際収支が自然の形において均衡を得るのには、やはり今後努力を要する。総合施策を、特に金融引き締めという施策をやはり続けていかなくてはならない。単に為替面で収支が合ったからそれでいいのだという安心はできないのであります。いわんや今後におきまして、年末において為替の収支がとんとんになる。来年度に入って黒字になっていくというにいたしましても、差しあたりは巨額の債務を今回のことにおいて負ったわけであります。国際通貨基金を初めとして、輸出入銀行と、相当の債務をこれを払わなくてはならない。これは第一当面の問題でありますが、さらに従来のように相当の外貨の手持ちもいたさねばならん、こういうこと、それで初めて日本の通貨も安定し、日本の経済が国際的に信用を回復できるということになるのであります。ですから、これはそう今後努力を要する。まあしかし、さようにして参りますれば、国際収支に関する限りにおきましては、私は応来年に入りまして、若干ずつの黒字を見るに至るだろう。そうして三十三年度において今申しましたような情勢をよく認識をいたしまして、朝野あげて冗費を抑制をいたしまして、そうして輸出増大に努力をするということになりますれば、私は今後日本経済が、徐々ではありますが、日増しに堅実性を取りもとしていくということを確信いたしておる次第であります。簡単でありまするが、これだけにいたします。

坊秀男自由民主党大蔵政務次官

○説明員(坊秀男君) 貴重なる時間をちょうだいいたしまして、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。  先般はからずも大蔵政務次官を拝命いたしました衆議院の坊秀男でございます。何分ふなれ不行き届きで、この重大なる責務を果し得るかどうか、大へん心配しております。いずれにいたしましても、本委員会におきましては、特に御寛大なるお取扱いと御厚情ある御指導を賜わりまして、重大責務を果したいと考えておる次第であります。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

白井勇自由民主党大蔵政務次官

○説明員(白井勇君) 私も坊政務次官に引き続きまして、八月一日付をもちまして政務次官に就任いたしました。一生懸命やるつもりでおりまするが、皆様御承知の通り至って、微力なものであります。かつて当委員会におきまして御厄介になっておりました当時の御交誼以上今後は何かと御鞭撻御指導を特にお願い申し上げる次第であります。どうぞ、よろしくお願いいたします。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) それではこれより質疑を行います。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 大蔵大臣に一点だけお尋ねしたいのですが、この間の来年度の予算編成についての閣議決定を行われた、その新聞に発表されたものを見ますと、はっきりしているようでもあるが、しかしその後のいろいろなものを読んでみると、何かこうアクセントをどこに置くかということでどうでも解釈できるのだというような説もあったりして私どももどうつかんでいいのか理解に苦しむ点があるのであります。そこで私がお伺いしたいのは、ただ一点だけでして、三十二年度の予算に比べ歳出の実質的増加を厳に抑制する、こう書いてあることは、これは数字に翻訳すると一兆一千三百億円程度の予算だ、こう解釈してよろしいのですか。どうですか。その点だけです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私はおおよその目標として今お話のような考えを持っておりまするが、これはしかし、たとえばどうしても当然増がありましょう。それから三十二年度の節約はどうなるか、これらによって差異をいたして参ります。今、量的にどうというふうなことを申し上げかねるわけであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 何かそういう含みを持たされる、含みがあるということは当然ですよ。常識的にそんな数字というものが今から伺ってつかまえられるわけのものではありませんけれども、しかし、今の大臣の答弁でも、聞き方によって、アクセントの置きどころによると、これはどうでもなるようなことになってくるので、くどいようですけれども、私はもう一ぺんお伺いしておきますけれども、大体一兆一千三百億円という三十二年度予算規模を大してはずれることはないのだと、これだけは言えるわけですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 今、私がここで責任を持って申し上げ得ることは、歳出の増加についてほんとうに厳に抑制をする、こういう決意を持っておるということを今の段階では申し上げる。それ以上金額が幾らということは申し上げかねる。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 だから、今のあなたのおっしゃるのは、今、私が申し上げた閣議決定の文章の中のしまいの方だけを言われたわけですね。実質的増加を厳に抑制するということだけを言われるのだが、厳に抑制ではなくして、私が聞きたいのは、三十二年度予算に比べてあまり動かないものになるのかという、その上の方を聞いておるのです。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) その文面には歳出の増加について厳に抑制しと書いてあるわけです。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 増加を厳に抑制するということになると、三十二年度の予算規模と大して変らないものだという私の解釈でいいわけですね。減ることはあってもふえることはないでしょう。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) そういうふうに厳格に……先ほど申し上げましたように、これにつきましては、三十二年度の歳出自体について厳重な再検討を加える。さらに先ほど申しましたように、一方では当然増というもの——たとえば人口増による経費増——当然増というものを考えなければならん。それからまた重点的であるが、新しい経費というものも考える。それらを勘案して初めて全体の数字的な規模がきまるのでありますが、ただそういうふうなことをきめる場合において、歳出の増加は厳に抑制する決意を持っておるということを、これは閣議決定として政府よりそういう決意を表明しておるわけです。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 それから、私どもとあなた方とは見解は違いますけれども、たとえば米軍が撤退した事態に伴うて自衛隊の規模を拡大するという問題が出てくる、あるいは恩給の問題が出てくる、そういうことは、今のあなたのお話からいくと当然増ということになるのですか。そういうことについても、三十三年度予算規模全体が三十二年度とあまり変らないものになるような範囲内でかりにおやりになるとしても、その範囲内でおやりになるということですか、どうですか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいまの時期におきましては、予算編成に関しまする基本的な考え方、構想ということにとどまっておるのでありまして、これに基いて具体的にどういうふうに按配していくかは今後にかかる問題であります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 今、私が聞いているのは、具体的に、何を幾らにするかということではなしに、そういうふうにあなた方が今まで放送されたところによると、ふえると予想されるものがある。しかし、そういうふえると予想されるものがあったところで、総体の規模においては、三十二年度の予算規模が大きく変ることはない、増加は厳に抑制する、支出的増加を厳に抑制するということになれば、大きく変ることはない、そうしか解釈できぬのですが、そういう私の解釈は違っているのですかどうですか。それだけ答えてもらいたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 繰り返しての答弁でありますが、大体おわかり下さったと思うのでありますけれども、私は、今、どれほどが三十三年度の歳出の現額であるか、そういうふうには申し上げ得る時期ではない、言いかえれば、たとえば、歳入自体にしても、厳格な意味で言えば、まだ三十三年度についてはわからない。推測を加えれば幾らもあるかもしれませんが、ですから、同時に、歳出についても検討を加えなければならないものが多いのでありますから、規模というものを今ここで言えというのがむしろ無理なので、そういう規模を今後作っていく上において、どういうふうな態度でいくかということが今日の問題である、そういうような意味において、ああいう構想を閣議決定したわけであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 大臣の答弁は、政府部内のいろんな諸情勢等と政府との関係、党内の情勢といったようなことを考えれば、私ども、同情と言っては失礼でございますけれども、あなたに同情なんかしたってしょうがないのですが、理解できる点がないとは言いませんけれども、しかし、ほんとにおやりになるのなら、もう少しこのあたりできっぱりした態度をとられないというと、今のような、右顧左眄せられて、一つのことを、腹の中ではこう思っておっても、それをはっきり出されないというようなことでは、今度の予算編成ということは大へんむずかしいことになる、国民の期待を裏切ることになるのではないかと考えるのですが、これ以上やったってコンニャクにもならぬ問答になりますからやめます。

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 ただいま大蔵大臣から、国際収支悪化防止につきましての御説明があったのでありますが、全くそういうふうに運んでいただかなければならぬのでありますが、それに関連いたしまして、国際収支の悪化を防ぐ手段として、輸入の抑圧という御説明であったのでありますが、その結果として、内地の物価が高くなりはしないか、物価騰貴を抑圧する自信をお持ちであるかどうか、これは、一番私は大事な問題であると思うのでお伺いすることが一点と、それから、この経済情勢によりまして、一番大切なのは、預金、貯金の増強、これであろうと思いますが、どうもこの春以来、貯金、預金の増加ということについて、もう少し、昨年の減税の程度から見て、ふえてもいいのじゃないかと考えられるのですが、どうも私どもの考えでは、そう増加率もはかばかしくないようでありまするが、来たるべき国会において、これらの点につきまして、何らかの処置に出でられるお考えがあるかどうか、まず、この二点についてお伺いしたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 一点は物価の点であったようでありますが、これは御承知のように、最近の日本の経済が非常な急テンポの成長をした、言いかえれば、これは非常に物の需要を喚起した、そうしてむろん輸出も伸びたが、内需において一そうの伸びを来たした。それで、物価を上げない必要からも、それだけではありませんが、一つの方向として、輸入がふえた。ところが、その輸入力というものは、もはや限界に来ておる。そこで、どうしても日本の経済の活動、これを抑制しないと、輸入でカバーができませんから、今後は物価騰貴の情勢を招くおそれがある。それで、内閣においては、前内閣からでありまするが、総合施策、いわゆる国際収支改善に関する総合施策を強く打ち出して、日本の経済の伸び過ぎるというところを押えて、そうして、いわゆる経済の内部における不均衡を是正して、均衡の方策を立てる、物資の需給にバランスをとらせる、こういう方向で参ることになったのであります。それで、他面、経済が大いに成長したこの期間において、日本の生産力は飛躍的な増大をしておる。そこに、今度需要が押えられて、特に、総合施策によってできるだけ内需を抑えて、輸出を増大させる方策をとる限りにおきまして、私は、今後物価は下る傾向にある、こういうふうに考えておるわけであります。  それからいま一つの貯蓄でありますが、これも、結局輸出の増大ということに中心がある。輸出が伸びないと、なかなか資本の蓄積というものも日本の経済では困難である、そうしてまた、その根本にあるのは、輸出についても、あるいは貯蓄についても、物価が安定をしておる、国際水準において安定をする、ということがやはり必要になるのでありますが、先ほど申しましたように、今後は、輸出の増大、輸出を大いに伸ばすことに全力を上げる政策、先ほど政府で発表いたしました三十三年度の経済の見通しによりましても、三十二年度において輸出がおおよそ二十八億ドルというのに対しまして、三億五千万ドル増の三十一億五千万ドルをぜひ一つなしとげよう、こういうようにいたしております。それですから、これだけの輸出増大が国内に蓄積になりますように、そこで私としましては、国民みんなの御協力を得まして、この事態に対処して、できるだけ貯蓄できますように、むろん先ほど申しましたように、物価の安定をいたしまするが、同時に、生活態度として、貯蓄ができますように御協力を願いたい。また同時に、貯蓄をしやすいようにいたします政策はできる限りとりたい、それで、各方面に対しまして、今貯蓄を増大する具体策の立案をお願いしておる次第であります。これができ次第よく検討を加えまして、適当と思うものについては、あるいは立法化もいたしまして対処いたしたい、かように考えておるわけであります。

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 もう一つお伺いしたいことは、現在の間接税でありますが、これは、非常に不公平、不均衡になっておることは御承知の通りでありますが、これを来国会あたり是正のお考えはございませんか。そのお考えを。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 間接税につきましては、ただいま臨時税制調査会にお願いをして検討を加えていただいておりますが、成案を得ますれば考えるということにいたしたいと思います。

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 最後に、中小企業の現況について御意見を伺いたいのでありまするが、政府の総合施策の結果、引き締め面が中央の大企業あるいはその関係したものに非常に影響が大きかったのでありまするが、最近に至りまするというと、この影響が地方にも強く出て参りまして、次第に金融難が中小企業の方にも、これは中央といわず地方にもこの悪影響が出てきておるのでありまして、従来現金払いであったものが、手形に切りかえるとか、手形で三十日のものが六十日になり、百二十日になり、ひどいのは台風手形と申しまして二百十日というようなものもある。これは中小企業が非常に困っておることは私が申し上げるまでもないことでありますが、ついては、昨日も三公庫の参考人においでを願いましていろいろ御説明を伺ったのでありまするが、この二公庫及び中金あたりでも、ぜひともこの年末の金融の金繰りが困難であるから、何とか財源がほしい、こういうような申し出もあるのでありまするし、また私どもといたしましても、この春の大蔵御当局の説明によりまするというと、三百五十億の財源を与えたからまあ大丈夫だろう、もし、それで不足のような場合にはまた考慮してもいいからという御説明が、六月の本委員会においても実はあったのでありまするが、この三百五十億のうち大体百三十億というものは、これは両公庫の貸付金に相なりまするので、大体中小企業の設備投資に回る金と私は想像しておるので、実際の手形の切りかえとか商品の支払い等に充当するものは、わずか中金の二十億程度ではないかと、こういうように考えられます。そのほかに二百億の金融債の問題があるのでありますが、昨日も大月さんの御説明によりますると、七月から始まったことでもあるから、今のところ十五、六億程度の金融債が消化しただけだということでありまするので、三百五十億もらったのはいいが、現在においては中金の今申し上げた二十億程度と、それから金融債の十五、六億程度が消化されただけで、約半分以上のものはまだ絵に描いたぼたもち式のもので、中小企業の手に入らない状況である。同時に今申し上げましたように、大企業の支払いを怠っておりまするために非常に困難で、この十二月のやりくりについて皆非常に不安を感じておるようなわけでありますので、先般も産業機械工業の某会社に対しましても、公取の方から支払い促進の警告を発したというような話も聞いておるような状態でありまするので、どうか一つこの年末のやりくりの財源を、これは地方銀行とかあるいは相互銀行、信用組合、信用金庫というものを御督励下さって、大体そういう方面が中小企業の金融の大宗をなしておるものですから、一段の督励を願えるかどうかという一点と、これも絵に描いたぼたもち式ではなくして実現をしてもらいたいということと、それと今の三公庫に対しまする実際に使える金というものはわずかしかないので、これでは中小企業の方がやっていけないという説明も昨日ありました。また、第四・四半期の分も、すでにもう政府の御了解によりまして使用済みになっておりまするので、これが穴埋めをしなければならぬ。そのほかに三公庫におきましては増額を是非してもらいたい、こういうことで、きのうもお話があったのです。それについて一番大切な問題は、この金融の措置のタイミングでありますが、これが適当の時期を失しますとこれは何にもならないのでありますので、この点、大蔵省におきましては、年末の資金繰りについてどう考えられておるか。この中小企業はこれは全く政府の政策の急激なる変化によっての影響を受けたのでありまして、だんだんそのもとを探って見れば、政策の変化とでも申しましょうか、多分にこれは政府の方にも中小企業に対しましては、大企業と違いまして設備もそう大して使ってもおりませんし、実際目の前の手形の切りかえ、手形の支払いというものに困難を生じておりまして、神武以来の不渡手形を先々月も先月も出しておるような情勢、加うるにこの十二月を目の前に控えておりまするので、これはどうしても十一月までに準備しなければ暮の支払いには間に合わないのでありまするから、この点、何とかしてもらわなければならぬと思いまするが、この点どういうお考えでありますか。大蔵大臣の実際のところをお伺いいたしまして、本会議はないのでありますから、当発委員会を通じて、中小企業でありまする方々に安心を与えたいと思うのでありまするが、この点お伺いいたしたいと存じます。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 中小企業に対します金融につきまして概括申し上げますと、第一点は、今度の問題の点はいわゆる投資景気であったのでありまするから、設備の拡大、それはいろいろな方面で行われておりますが、やはり大きな分量を占めるのが大企業であります。これに対応しているのが中小企業、こういうふうな関係にあると私は思います。それで、この大企業が今度設備をスロー・ダウンすることをいたしておるのでありますが、その結果、それをほんとうに思いきってやらずに、しわをだんだんと関係産業に移していくというのでは、はなはだおもしろくありません。それで個々の、今、実は大企業と申しましても幸いにこれは数的にもそうたくさんではありません。ですからこれらの会社の個々につきまして、よく相談して、一般的にある程度の事業計画の繰り延べをお願いするとともに、さらに個々の会社につきまして、その実施状況、その後における金融状況等をよく話し合いまして、その結果、いやしくも他に迷惑を与えないようにということを一つは基本にしております。言いかえれば、その結果から中小企業等にしわを併せないということが私の第一の考えであります。がしかし、そう言っても実際はなかなかそうはいかないということも当然考えられるのでありますから、中小企業については、特別な金融の配慮をするという態度を政府としても当初から明らかにしているわけであります。それで具体的には、第三・四半期と申しますか、十、十一、十二、ここに来ますると、御承知のように供米代金が集中的に大巾に出回りまするから、総体として金融市場は相当楽になることは考えられると思います。同時に、先ほどちょっと申しましたように、国際収支も大よそ均衡を得まするので、いわゆる転入による円資金の引き揚げということもほぼ終息をする、こういうふうな金融事情が考えられるのであります。それでも、そうだからといってすぐに中小企業の金融がよくなるという早合点もできません。それで政府としては、政府の中小企業関係の金融機関の動員をいたしまして、第四・四半期の融資に充てておる資金を繰り上げて融資をするという繊度をとっております。  それから民間の地方銀行並びに先ほどからお話があった相互銀行あるいは信用金庫等にも注意をしまして中小企業に特に配慮をするというふうに申しております。それからもう一つ、今、私が検討を加えさせておるといいますか、自主的にそういうことも考えておるのでありますが、たとえばコールの金利が高いということが、やはり地方の資金をともすると中央に集中しやすい誘惑になるおそれもあります。これらの金利をある程度もう少し適正ならしめる。これを一つみんなで相談してやったらどうか、こういうような措置もとっております。そうしまして、つぶさに中小企業金融については、具体的にも困難性についてみておりますと、いわゆる黒字であるのに一時の決済の不均衡から破産をする、すぐあと受取手形があるのだが、支払手形が集中しておるために倒産する。そいうことを起さないように万全の措置をして、注意深く年末金融についても安心の行くようにやって行きたい。私はかように考えております。

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 よく大臣のお話は了承いたしまして、まことにけっこうなわけなんでありますが、私の一番心配しておりまするのは時間の問題でありまして、ただいまお話にありました第四・四半期分も繰り上げて貸付に回っているようなわけで、この穴埋めのほかに両公債及び中金も増加を要望しておるわけなのであります。これをどうしても十一月中に用意しておきたい、こういうようなお話があるわけです。それで御承知のように、公庫の財源増加は、これは補正を要するようなことになりまするので、この点を、政府にとってはどういうお考えでありまするか。また中金の財源につきましては、預金部資金の関係もありますが、これは国会の関係は何もないでしょう。ワクの修正は国会で願うというようになるのではないかと考えられるのですが、そんなことでもし補正が政府の御都合が悪いというようなことになりまするというと、財源の増加ということも不可能に陥るのですが、そういうようなことが実現されて、そして中小企業が非常に年末に困難のようなことができると、これは日本経済として重大問題でありまするが、この点について十分の御考慮をおはかり下さるお考えがあるかどうか。それを伺って私の質問を終りたいと思います。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 私の方からも関連して質問をしておきたいと思うのでありますが、今、土田委員から、るる申されましたことを要約しますと、繰り上げ融資を、中小企業金融公庫、国民金融公庫がしたことの穴埋めを、いつするかという問題になるのであります。商工中金についても、もちろん同じことがあるわけでありますが、特に公庫の関係は、ワクの拡大は国会の承認を御なければいかぬという関係でありまするので、いつの国会にかけるかということが一番問題になってくると思うのでありますが、御承知のように通常国会だということになりますと、十二月開会、まもなく自然休会になりまして、一月中句まではほとんど開店休業の形になるのでありまするので、第四・四半期、ことに年末金融のゆとりをつけるという考え方から、この際、中小企業金融措置をやるということになりますると、臨時国会あたりにこれをやっておかないと、あとの祭になって、結局絵に描いたもちに終ってしまうという傾向があると思うのでありますが、その時間の問題を特に土田委員もやかましく言っておられるのでありまして、補正は大体しなければならぬということは、昨日大月調査官も明言せられておったのでありますが、やるのならば臨時国会でやらないというと効果がなくなるという点につきまして、大蔵大臣の御意見をあわせて伺っておきたいと思うのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほどから申し上げました中小企業金融に対する対策を、これはひとり政府だけでありませんが、民間金融についても強く打ち出していくことによりまして、公庫等の繰り上げ融資したその穴埋め補正は、私は通常国会でやっていって差しつかえない。それまでは別に年末金融に支障を与えずしてやっていきたい、かように考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 ただいまの中小企業金融に関連してのお尋ねなんですが、きのうも、国民金融公庫は七十億、それから商工中金は二百億の金融債発行のワクをもらっておるが、まだ十七、八億しか資金化されていない、これの促進、それから中小企業金融公庫は一億の資金ワクを何とかしてもらいたいというお話があったのです。ただいま大蔵大臣のお話によりますと、そういうことについての話は別であるが、第三・四半期分を第二・四半期で繰り上げ融資することを認めた、その穴埋めは、通常国会でもいいのじゃないか、年末融資の方には差しつかえないというようなお話なんですが、きのう公庫の関係者のお話では、これは、すみやかにやってもらいたいという重ねての要望が強くあったのです。で、臨時国会でそういう措置をとる御準備があるのならやられませんと、年末に間に合わぬように思うのですが、どういう具体的な措置をお考えになっておるので通常国会でも差しつかえないというお考えなのでしょうか、ちょっとお尋ねします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私は大体公庫の資金の第四・四半期分の繰り上げ融資、それをやりまして、先ほど申しました民間の方面の中小企業向けの資金を豊富にし、かっこれを円滑にやらせることで、年末は十分しのいでいけるという考えでありまして、そういう点について事務当局に命じまして資料も整えさせまして、研究をいたしたわけであります。大体よかろうと私は考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 これに関連してでありますが、ただいまのは政府関係の金融機関の話なんですが、一般の市中銀行、地方銀行でございますね。こういう所において、一つの企業に対して、銀行の資本金並びに準備積立金の額を上回るような集中融資をやっておる。こういう銀行の運営が中小企業の金融をますます逼迫せしめておるように私ども思うのです。直接のこれがすべての原因だとは申しませんけれども……。そこで大蔵大臣は、そういう巨大企業に対して、しかも特定の会社に対して、銀行の資本金や準備積立金をはるかに上回るような集中的な融資を、これは何らかの方法で制限される必要が私はあると思うのです。そういう措置を講ずることによって中小企業の深刻な金融難を緩和するような方途を考えていく必要があると思うのですが、この市中銀行、地方銀行に対しては命令権がございますまい、政府は。しかし行政指導は私はできるように思うのですが、この深刻な中小企業の金融難緩和のために、全国銀行に対して中小企業融資ワクを設定させていくというふうな指導をやってもらいたいと思うのですが、そういう点についてお考えを承わりたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 日銀取引先に対します貸し付けの限度と言いますか、それにつきましてのお説は、私も大むね賛成であります。ただ問題は、長い間の慣行もあり、また日本の金融産業の特殊的な邦画の関係もありまして、そういうことを急速にまたやると、今度は産業が資金に非常に混乱を生じるということもあります。それで、ずっと前からそういう方針で徐々に、やはりこれはある程度時間がかかっても、徐々にそういう方向に持っていく。そしてある一定のところに来たら、これを制度化するというのがよかろうというような方針で、実は進んで参っておりまして、これは私はお考え方として異論はありませんが、ただ実際問題としていろいろな支障が起るものですから、それらを十分、勘案をしていくべきである。経済に急激な変化を与えないようにいたしたい、かように考えております。これだけでよろしゅうございますか。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 もう一つ、市中銀行への中小企業の……。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 市中銀行に対して中小企業向けの資金のワクをしようというところまでは行きませんが、実はこれは極力私は進めてもいいのではないか。押し過ぎるかもしれませんが、こういうふうな考え方で、従って、今後市中金融等がなるべく安心して中小企業に金融ができるように、そういう一つの施策も今後は考えてみたいと今思っております。問題は、やはりほんとうに銀行金融なんかに乗るものはそれほど支障はないのですが、まあそれ以下に、昔でしたら問屋金融というものもありまして、あの人間がやるのなら大丈夫だというような意味合いで、私はずぶん金融ができておったと思うのです。そういうことが今はありませんと言ってもいいでしょう。そういうふうなことが、私は、中小企業の金融について、なんだか素朴なような考えではあるが、やはり大へん実際的なポイントではないかと思っております。そういう、今後は、よし、おれがやってやろうというような勇みはだのようなわけにもいきませんから、制度の上において、融資をしてもあやまちがない、そういうことならば、まあ、ああいう従来の実績を示しておるのだから、担保はそれほどないけれども、まあやってやろうというようなことも開けるような道もいいのではないか、というふうに考えております。できるだけワクを——ワクをと言いますか、融資の量をふやすことに私も努力いたします。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 集中融資を抑制する方法については明らかにされませんでしたが、大体主張に対しては同調していただいたようですから、これは一つ銀行法の改正などを行うか、いろいろ方法があるだろうと思いますが、一萬田大蔵大臣の御任期の間熱心に一つ促進をお願いいたしたいと思います。  それから今の市中銀行に対して中小企業向けのワクをきめるということはできないが、何とか方法を考えてみようということですが、これは大へん急ぐと思うんです。至急に一つお考えをいただきたいと思います。これは要望をしておきます。  それから政府関係の金融機関で金を借りておるところの事業について支払い遅延が起っております。検収をおくらせる、そのあげくに長期の手形を出す、こういうことのために下請が非常に困っております。こういうことは厳に一つやらないようにということを何らかの方法で徹底をさしていく必要があると思います。  それからこれは大蔵省とは直接関係ございませんけれども、中小企業の融資が非常にこの緊急な対策を必要とする一助としてこれはお願いをしておきたいんですが、国鉄でありますとか政府関係のたくさんの企業において発注をしております、こういうところにおきましても、その下請——国鉄の注文をもらっておるその会社が下請をさしておる、さらにそれがよそにいっておる部面につきましても、政府部内において中小企業の逼迫しておる現況にかんがみて、そういう指導を強力にやっていただきたいとこう思うんですが、大臣の所見を承わりたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 全く私も同感でありまして、了承いたします。できるだけそういうふうにやっていきたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私からは、昭和三十二年度における税収の見込みについて、政府の見通しをきょうはお尋ねしておきたいと思います。  最近の金融引き締めその他によりまして経済界にいろいろ変動がございます。そのために、今後の税収見込みがどうなるだろうかということは、私ども関心を寄せておるところであります。同時に、政府が明年度の予算をいち早くその大綱だけにいたしましても検討を始めている段階でありますが、その前提として税収がどうなるかということの見きわめが大事なことは言うまでもありません。大蔵大臣として、今年度における税収の見込みをどういうふうに立てられておるか、その点を一つ最初にお尋ねをいたしたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これは数字にわたりますので、主税局長が見えておりますので、主税局長から……。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 本年度の税収が幾らになるかということを、現在数字をもって幾らということはまだ申し上げにくい段階だと思っております。わかる限りのことを申し上げます。  ただいまわかっております数字は七月末の収入実績でありますが、四、五も六、七と四カ月の収入の実績がわかっております。これをもとにして、それと前年度との比較というようなものが一応の手がかりになるわけでありますが、七月末の一般会計の収入総額が、租税、印紙収入での収入総額三千三百八十八億となっております。前年の同期の収入が二千八百八十四億でありますから、差引五百四億だけ本年の方が多いということになっております。前年の実績と本年の予算がちょうど同額であれば、前年毎月入ったのと同じ額が年度初めから終りまで入ればちょうど予算が入るということになりますが、大体申して、前年の実績額と今年の予算額は三十億ばかり少いということでありますから、まあ前年の実積通り毎月入っておれば十分予算が達成できるということが言えると思います。そこで、それだと四カ月で九百億もふえておるのだから、十二カ月に直せば非常に多くなるじゃないかというようなことになりますが、なかなかそうは参らない要素がいろいろございます。現にこの五百四億の増にいたしましても、四月、五月、二カ月で前年に対して四百十四億ふえているのでございます。で、六月、七月の二カ月ではわずかに九十億しかふえていないという状態でございます。これらにはいろいろ特殊なそのときの情勢もございますが、やはり年度初めの分は大減税のある前の高い税率での源泉徴収での税金が一月分あるいはそれに若干加わる程度入っておりましたり、そういう時期的な影響もあったりしますので、単純にこれを伸ばすというわけには参らないというふうに患われます。そこで今後考えます場合に、どんな要素が特に大きいかといいますと、まあ一番大きい問題はやはり九月期の法人の決算がどうなるかということでございます。これが引き締め政策がだんだん効果を及ぼしてきておりますので、どの程度影響がくるかというようなところが大きな問題、それからもう一つは、年末のボーナスがどのくらい出るかというのが大きな問題になります。とても去年のような調子ではございませんから、ボーナス関係では相当大きな響きがくるのじゃなかろうかというふうに思います。なお申告所得税では、来年の三月十五日に確定申告ということで全体の決算がされますが、これは御承知の通りやはり中小企業の多い営業者の税は、その時期において、前年の非常によかった神武景気のときと比べますと相当問題があるのじゃなかろうか。同様のことは、法人におきましても、これは中小法人が、九月の決算は大法人についていろいろ言われますが、中小法人のは、なかなか時期がもう少したちませんとわかりません。中小法人はこういう時期に相当あおりを食らうといいますか、減収が立つというのが従来の例でもありますので、それらが、何分この基礎的な条件が非常に大きく動いているときでありますので、年度としても幾ら増収になるかという数字は、ただいまのところ見当がつきかねると思う。が、それらの数字をもとにして御検討をお願いしたいというふうに思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 現在ではなかなか見当がつかないということでは、やはり予算編成の大綱を早目にきめるということと矛盾してくるのじゃなかろうかと私は思うのであります。私の今持っている資料では今の御説明と少し違う。七月末の決算で三千四百七十四億百万円になっておる。昨年の決算から比較いたしますと、五百八十九億八千六百万円増加を見ておるという数字を私は持っておるのであります。あなたのお話ですと、結局七月末で五百四億だ。私の数字だと五百八十九億になっておるわけであります。この点の食い違いはどういうわけなんでしょうか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) ただいま私が申し上げましたのは、一般会計の分というふうに申し上げました。ただいま平林委員のおっしゃいました数字は、一般会計のほかに、地方譲与税——特別会計に入りますところの、地方に行く入場税、地方道路税等を含めました数字はおっしゃるような数字になります。先ほど来お話の出ました一兆一千三百幾らという国の一般会計を考えます段での数字と、本日の会議の様子をお察しして、一般会計における租税、印紙収入を申し上げたわけですから、数字としては私の申し上げた数字であります。あなたのおっしゃっておるのは、それに一般会計に入らないで税の整理基金というのがありますが、それから地方譲与税特別会計に入ってしまって一般会計に入らない、地方に通り抜けてしまう分を加えますと、おっしゃるような数字になります。

平林剛日本社会党

○平林剛君 もう一ぺん数字でお尋ねしますが、そうすると、今あなたは四月、五月の自然増加の数字に比較をして六、七月は非常に少くなっておる、だから今後の増収見込みも自然増においてはそう去年並みのような工合にはいかないのじゃないか、というようなお話がありましたが、今一般予算以外のものを含めると、四月、五月に比較して、六月、七月は、あなたの説明だと四十億程度しか増加がないと言うが、私の持っておる資料では百七十四億増加になっております。そうすると、その他の分の税収は案外伸びておるというふうに理解していいですか。これはどういう工合になって比較的多くなっておるのですか。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 地方に通り抜けて、譲与税特別会計に入って地方に参ります分は、さしずめ本日の御論議は一応国の一般会計ということでありますから、それは抜いてお考えになった方がよろしいのではなかろうかと思います。ただいま一般会計以外のものもちょっとチェックしてみますと、私が申し上げましたのは、一般会計においての四、五、六、七の実績のふえ方を振りかえってみますと、四、五で前年に対して四百十四億だ、それから六、七で九十億だということを申し上げたわけです。お話しのは、おそらく地方に参ります入場税等の分も入れると、お話のような数字になるというお話であろうと思いますが、一般会計だけでありますと、そういうことで、初めの二月にうんと入って、次の二月はごく少い。それは私が、四カ月で五百億だから十二カ月では三倍の千五百億だ。そういう計算は用をなさぬわけであります。そういう計算は危険であるということを申し上げるために申したことと、それからやはりその中に経済の状況も若干入っておるだろうということを感じたわけですが、その数字を分析いたしてみますると、いろいろな何が出てくるわけであります。たとえば六、七月の、特に六月には、六月のボーナスの分が相当影響が来ております。六月のボーナスの分は大減税の影響が非常に固まって出るところでありますから、大きな減収がその間には出てくる。ほかに増収が出てくるけれども、そういうので減収が立つ。そういういろいろな季節的な問題がありまして、それで今後お考えを願う場合の季節的な問題ということを先ほど四つ、五つ申し上げたというような次第でございます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 八月末の決算の状況は御説明がありませんでしたけれども、まだできていないのですか。できるならば、いつ大体見当がつきますか、その点が一つ。  それからもう一つは今後の見通しですけれども、六月、七月の法人税等に滞納が多くなったということを、私、聞いておるのでありますが、これはやはり、まだ金融引き締めのために金融難、そのために税金を滞納しておるというものもあって、税収から見た場合には案外伸びるのではないか。それから政府の今後の政策が、先ほど大蔵大臣が説明したようになりますと、大体いろいろでこぼこはあっても順調に伸びていくのではないか、まあ大体予定通りにはいくのではないか。所得税においても、これは中心の源泉課税が大きな動きがないし、それでも若干ずつふえていきます。それからボーナスにおきましても、先ほどいいましたように、減税等の関係もあって、所得税の今後の趨勢を左右するほど大きな変化にはなってこないことになりますと、大体七月末に約五百数十億円の自然増があるならば、腰だめで、もうそろそろ来年についてはどのくらいだということをお答えになっていただいていいのではないか。別にそれで責任をとってもらうというわけではないのですから、大体のところどうなるかというお答えを数字でいただければ、私はこの質問についてはもうこれでおしまいにするつもりです。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 八月の税収はただいま各署各局から集めておるところでもう四、五日たたないと数字がまとまりません。  それから今後の見通しについて、数字をもって何かいえというお話でありますが、先ほど申しました通りの事情であります。先ほどは本年度の見通しについて申し上げたわけでありますが、さらにそれを来年度に延ばして見通しをつけるということになりますると、引き締めの効果が、これは本年の九月期よりも来年の三月期に、よりフルに出て参る。来年の九月期にもその何がおそらくフルに出て参る。九月期のころに若干また変った情勢があるかもわかりませんが、そういうような意味で、相当大きな事件の変動についてはっきりした判断をつけるのには、まだ条件が熟しておりません。特に申し上げておきたいのは、法人税収入というものは、こういう景気といいますか、全体が締ってくる場合、あるいはゆるんでくる場合に、その締り方ゆみる方よりも非常に大きく増減があるということでございます。これはもう皆さんも当然御承知のことでありますが、値が上るときには商売は仕入れたものよりも高く売れるというようなことから、たださえもうけが出る。賃金というようなものは、上る場合でも、そう比例しては上らない。逆に落ちていきます場合には、仕入れたものより安く売らなければならぬということ、賃金は、もう値が下ったら下げるというようなことはなかなかできない。カーブが法人税収に相当大きく出て参ります。その大きく出る程度はどのくらい出るかということが、何か公式でもあって簡単に出ると楽なんでありますけれども、非常にそれはむずかしい。たとえていえば、商売をやる人がこれはもうかるぞといって買い込んだ。それが一体幾らもうかるかということが、相当そういう時期にはギャンブリングなものですね、それと同様に、物価がどう動く、賃金がどう動く、輸入がどうなる、輸出がどうなるということが、もうかなりぴんぴんと大きく響いてくるわけであります。そういうような意味で、来年度の法人税収は相当慎重に読んでみなければいけない。おそらくほかの各税はおっしゃる通り若干ずつ伸びていくだろうと思いますが、法人税はやはり本年の実績よりも減収になるだろうと私は思います。それらが小さな費目の税で、その程度も大体見当つくなら何ですけれども、まだただいま申し上げたようなわけで、とても見当つけるだけの条件が整ってないというこでありますので、もう小し勉強さしていただいて、条件が読み得るということになった場合に申し上げさしていただきたいと思います。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 申し上げますが、大蔵大臣は十二時二十分ごろから他に約束がおありのようでありますから、大蔵大臣の質問を一つ、そのお含みで願います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 そこで大体自然増の傾向が、はっきりはわかりませんけれども、現在でも五百数十億円ある、おそらく、私は責任のない立場だから少し気楽に言いますけれども、このままでいけば、やはり七百億や八百億円はある。そういうことになりますと、やはり明年の予算編成をする場合でも、政府が政策を打つ場合でも、当然自然増をどう取り扱うかということに関心が向けられてくると思うので、大蔵大臣としては、この自然増をどういうふうな考えで予算編成の中に生かしていくつもりであるか、この点についてのお考えを一つお聞きしたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私の基本的な考え方は、三十三年度の予算におきましては、かりに歳入があっても、そのまま歳出には充て得ない。要するに、今日、国際収支の改善を目ざして、日本経済の再建というわけですか、日本経済の従来の行き過ぎを是正をして、そうして均衡を得さして、そうして三十三年度はどうしても三十一億五千万ドルの輸出は実現するということでありますが、その立場から予算規模というものを考えていきたい、かように思っております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 歳入があっても歳出に向けないかというのは、新聞その他で大体承知しているわけです。具体的にそれをどう取り扱うというお考えがまとまっているのかどうか。まとまっていなければけっこうですが、そのことを私はきょうは一歩進んで聞きたいと思ったわけです。  それからもう一つは、これは結局いろいろ各方面から議論がありまして、歳出には使わず、同時に景気の調整のために役割を果すべきだという議論がかなり強く行われていることを承知しているわけであります。減税についてはどうお考えになるか。これはなぜこんなことを言うかというと、前の大蔵大臣の池田さんが、つい先ごろ、かなり前になりましたが、関西へ出かけていって、明年度も減税をやるというお話をされておりました。新しい大蔵大臣、どういう事務の引き継ぎを行われたのか、そういう点を一つ聞きたい。まあ常識になるかどうかわかりませんけれども、今日直ちに七百あるいは八百億円緯度の自然増収があっても、それを先回行なったような大減税を行えというような声は、まあ、ないとは思います。しかし税の制度の中においても、かなり今後検討すべき問題があるし、国会においても小さな減税についてはかなり要望が強くなっていることは御承知の通りです。私どもがさきの国会に提出をいたしました物品税法の改正におきましても、あるいは勤労者に対するボーナスなどに対する特別の減税等についても、あるいは最近大蔵委員会でも議論せられている入場税等についての再検討などいろいろある。政府の方は次の国会に輸出に対するところの免税を考えておられると、こういうわけでありますが、減税については、大きい、小さいいろいろありますけれども、何かお考えになっていることがありますか。この二つをお聞きしたいのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほどからいろいろ申し上げたことでおわかり下さっていると思うのでありますが、今、日本の経済の現状、それから国際経済の今日のありさま等から勘案をいたしまして、いわゆる歳入が余ったから、たとえばすぐ何に使う、減税というふうにすぐに持って行くのには、私は時期的に見てもこれは慎重な考えを要するのではないか。それで今はそういうふうな減税等については、実は私は何も触れていないというふうな表現を申し上げた方がよろしかろうと思うのであります。そこでこの際は、そういうふうな財源は、一に今後の景気調整の財源として保留しておく、そして今後の日本経済の推移を見守って処理をするというふうな考え方でございます。

苫米地英俊自由民主党

○苫米地英俊君 大臣にお伺いするのですが、先ほどから輸出振興のことをお話になりましたが、輸出を振興する上においては、やはり、新聞で見るというと、輸出振興のための減税をやるというようなお話が新聞に出ておる、これは必要だと思うのです。と同時に、こういう時期でありますから、これは新聞でもそういうふうに見えておりましたけれども、貯蓄を増進するための減税ですね、これも真剣に考えて下さい。多分新聞の伝えるところでもそういうお考えのようですが、その点についてこの委員会を通じてはっきりお伺いしたいと思います。  もう一つこれは減税という問題に少しはずれて、関連には少しはずれますが簡単ですからついでにお伺いいたします。それは、新聞にこれも大臣のお話として伺ったんですが、手持ちストックに対する金融はやらない、こういうお話があります。これは貿易にやはりよほど関係がございますから、現在実情を見てみますと、手持ちストックが持ち切れなくなって、投げ売りをやっておるのであります。投げ売りをやったものはほとんどすべて輸出にいかないで国内消費に行く、こういうふうに見られるのです。従って手持ちストックに対する融資をやらないと、これはそこのところは多少の手加減が要るのですが、それが貿易増進のために必要な政策かと考えるのですけれども、これついてもちょっとお考えをお聞かせ願いたい。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 第一点の貯蓄の増強につきましては、今各関係者にいい案を考えてほしいということを要請しております。このうちから本当に役立つと思われるものをとりまして実行したいと思います。その際に、もしも採用すべき案が租税の特別措置を必要とするということであれば、これも私は考えてよかろうという決意をいたしております。  それからもう一つにストックの問題、これはストックという意味が非常に内容があるのであります。ただストック金融はしないということは、これは多くの場合に、金融の基調はゆるめない、金融引き締めという態度はゆるめないというように一応はとれるのであります。いわゆるストック金融ということに藉口して、金融の緩和を要請するという場合がある、これには応じられない、がしかし、それにはストックといううちでも、ストックというよりもそのものの需給がずれておる、本当はそれは欠乏物資だ、しかしたまたまあるときにそれがたくさんある、しかしそれを手放せば、その次の瞬間からすぐにたとえば輸入をしなくてはならぬというようなのがある、これは私は必ずしもストックというわけにはいかぬのではないかというふうな考えを持っておるのでございます。こういうものについては、そう安売りをさせる必要はないので、それはある程度価格は……、程度はありますが、そうかといって高値にそのまましておくわけにいかない。適当なる価格においてこれをストックすることは、私は差しつかえないと思う。がしかし、たとえば繊維類、こういうものは今日非常な設備拡張の結果もありまして、生産超過であります。これは幾ら金融をつけても追いつかない、作れば作るほど業者の競争があって、値段は下る一方であります。ですから、どうしてもこういうものについては、金融の前に生産調整をしなければいかぬということを強くいっている。そうして生産調整をして、一定の価格に安定をして、その目安のもとにおいて金融というものは考えていかなければならぬのじゃないかと、いうふうに今いっております。生産調整ということ、これが今日業者で私は生産調整……、これは少し別のことでありますが、皆さん方にも考えていただきたいのですが、生産調製というものがほんとうに利害得失のある業者で今日できないのです。これをやると公取にかかる、ところが公取はこれはほんとうを言うと利害損失がない。そうしてここには国際、国内の物の需給関係なんかをほんとうに身を休して、感じているわけでもない。で、常に事後においてするということ、いつもこれは手おくれです。だから私などは、こういう場合には、これはまた、いろいろな社会的な考え方の問題を含んで、おりまするが、しかしやはり業者において生活調整ができるという組織を復活した方がいいのじゃないか。そうしてそれが行き過ぎれば、あるいは公益に、反すれば、公取で取りまとめてもいいでしょうし、いろいろ勧告する、そういうふうなところに今後持っていかないと、これは余言になりますが、私はそういうことを今後のいわゆる滞貨金融とかいろいろ滞貨という問題について考えておりますから、ご参考に申し上げておきます。滞貨金融といいましてもいろいろありまして、決して今日無理をしているのではありませんということを申し上げておきます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 先ほど歳入があっても歳出は考えないということは、減税には触れていないのだというお話がありましたが、きょうはその程度で私は理解をしておいて、もしもかなり大幅な自然増があるときであれば、やはり国民感情から見て、減税についてもかなり考慮をする必要がある。大幅なことができないにしても、最近はいろいろ政府は国民に人気の悪い政策ばかり打っているわけですから、物品税の撤廃のようなことはこの際善政の一つとして考えていいのじゃないだろうか。また、大蔵委員会でも議題になっております入場税等につきましても、合理的に解決するために、すでに衆議院も通過した法律もあることでありますから、政党政治の、責任において、何らかの結論を見なければならぬということから、十分検討していただくことを要望しておきたいと思うのであります。  そこで問題は、この政府の予算編成方針の大綱の中で私一番感心をしたのは、既定経費について再検討し、節減に努めるということ。これは文字通り行われるということ、私はかなり今後の経済等について失敗を再び繰り返さないということに役立つだろうと思うのであります。しかしこれが話だけに終りますというと、何のこともないということになります。私は、この既定経費の再検討を、節約に努めるということを具体的に果すために、政府はどういう考えを持っておるか。たとえばろ話し合って予算の折衝をやって、そうしてこの方針に従って削りとっていくようにするのか、あるいは欠陥を指摘して直させるとかいうようなやり方をとるのか、それとも言葉通り、何か特別の委員会でも作って、ほんとうに今後の経済のことを考えて強力な節減に努めるようなことをやるのか。これをやるというと政府は大へん人気が悪くなりますけれども、大蔵大臣としてはそのくらいの決意をもって経済建て直しに当られると思うのであります。何か具体的な方式なり構想によってこの大綱ができ上っているものかどうか、いかがでしょう。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいまは、この経費節減につきましてどういうものがあるか、その三十二年度の歳出の、具体的歳出について検討を加えて、その資料を今整わせております。それを見た上で一つお話のようなことも考えてもいてのじゃないか。要するに、今回はそういうような点にもほんとうに強い決意を持って当るということは申し上げられます。どうぞお力添えを切にこの機会にお願い申し上げます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 時間もないから、これ以上この問題について触れません。ただどうせ話だけの大綱にしないためには、やはり具体性をもってやる決意がなければ、やはりおざなりになってしまうということだけを申し上げておきたいと思います。  最後に大蔵大臣に一つだけ私は説明を求めたいことがあります。それは五千円札の発行のことであります。先般大蔵委員会においてはこういう付帯決議をいたしました。高額紙幣を発行する場合は経済事情とにらみ合せて慎重に取り扱う、こういう付帯決議がなされまして、大蔵大臣は政府を代表いたしましてその決議に忠実に従う、こういうお答えがあったわけであります。この際、大蔵委員会に対しても何らかのごあいさつがあるべき性質のものであります。特に今後政府の政策にもよりますけれども、最近おやりになっているいろいろな政策から見、るとどうもまたインフレ傾向になるのではないかという心配をしておるわけであります。その中におって断固五千円札の発行に踏み切られたということは、これはなかなか、相当の見通しに立っての上のことであろうと思われます。一つ大蔵委員会に対してその見通しをどういうふうに立て、かなり反対があったにもかかわらず踏み切りをつけた、将来についても責任を負いますという御見解をおききしたいのであります。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) この前、百円、硬貨の御審議を願った場合に、今お話のような御決議があった趣旨は存じております。しかし今回五千円札を発行しようと決意いたしましたのは、実は当時の経済事情とは趣きを今日異にいたしておると私は考えます。当時はやはり好況であったと思います。今日は好況とは申しがたいのであります。いわんやこの総合施策は強く今後もとっていかなければならない、そして三十三年度には三十一億五千万ドルの輸出をどうしても達成をするという見通しにあるのでありますが、インフレといような状況下においてそう輸出ができることはとうていあり得ない。やはり経済は私は今後安定をしていくという見通しであります。従いまして実は高額紙幣を出すことについては非常に従来私も慎重にしております。私が前大蔵大臣をしておったときの御質問でも、非常に慎重にこれは考えておる、私は繰返して申しておったのですが、しかし今日の情勢では、五千円札程度を出してもそう心理的影響を与えることはない。これはひとり私ばかりではありません。非常にそういう点についてきびしい感じを持つ日本銀行においてすらも、けっこうです、これは日本銀行の政策委員会において決定をしたわけでありまして、非常に中立性を持ち、冷静に経済の推移を考えているところにおいてもそうでありますから、これは差し支えないと私は考えるのであります。どうぞ御了承をこの機会に得たいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 この一万円札を一ぺんに出すこと、今度のような情勢になったときに五千円札を出すということの心理的な影響というものは、御説明のようにかなり違うと思います。また五千円札を発行したからと言って、すぐそれでそのことが原因でインフレになるというようなことも言い得ないことであります。しかし将来あなたの見通しと違って、これは思いがけない状態になった場合に、やはりこのことも一半の責任を負わなければならんということに相なろうと思います。私ども今直ちにこれに反対であるとか賛成であるというようなことは申し上げません。しかし少くとも私どもが絶えずこれに反対をして参りましたのは、日本経済に与える影響と同時に、やはり一般小市民の感情というものを考慮してもらいたい。金融引き締めや、あるいは低物価政策、あるいは緊急予算等で、国民の生活はますます百円札を大事にするというような時代に入るわけですね。高額紙幣、まあ五千円札においてもそういう人たちの感情というものをよく考慮してもらわなければなりません。かりそめにも将来、インフレや、あるいは経済が見通し通りいかないというような場合に、これも二つ影響していたのだと私どもに言われないように十分注意していただきたい。これだけを要望いたしまして私の質問は終ります。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 簡単に私は二点だけ、一萬田さんにお伺いいたしまして、私の質問を終りたいと思います。同僚の委員の方々からいろいろの角度から質問がありましたが、私はこの際、大臣が十月十日に国際通貨基金の総会に御出席になるということを新聞で見たのですが、おいでになられますか。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ええ、参ります。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 そこで、この通貨基金の総会に参られるのに、一体どういう意図と言いますか、お考えを持って行かれるか。いろいろと沙汰されておりますが、大体私どもの考えといたしましては、今のドル不足に対する通貨基金のあっせんというふうに考えておるのでございますが、しかし大臣のお考えはまだほかにあるかもしれませんので、この際、その総会に出席するに当ってどういう考えを持っておられるか。一つこの委員会に御所見を御発表願いたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 大体この国際通貨基金は、正式の会議といたしましては、御承知のようにこれは総会でありまして、大体国際通貨基金並びに世界銀行が一年中にどういうことをやったかという報告であります。それについて、出ている者がいろいろと、双方の当局者に対して要請と言いますか、希望を述べる、こういうふうなことであります。御承知のように今回特に私が、打ち明けて申しまして国内的ないろいろな事情があるにかかわらず出かけますゆえんは、今日非常に国際的に問題が多いのであります。そしてその責任者がみな集まりますから、そういうふうな正式の会合以外におきましていろいろと接触を必要とすると思いましたから、あえて出かけるわけでございまして、具体的に今お示しになったドル不足、これは結局各国の通貨安定、あるいは為替相場の安定というためには、一体アメリカはどういうふうな世界政策をとるべきか、そしてこのドル不足解消にいかに処すべきかということも、これも一つの大きな問題に違いありません。これについて私も意見を述べようと思います。さらに私は、日本並びにアジアに関係することが多々ありますので、それらの問題についてそれぞれの関係者と話し合ってみたい、かように考えております。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 大臣の御所見で大体輪郭がわかったのでございますが、しかしこのドル不足が中心だと思います。東南アジアの開発の問題も世界銀行との関係もあると思います。しかし当面日本といたしましては、六月を契機とする日本のドル危機が発表されて以来、国内は非常な問題を起しております。特に中小企業などは先ほど来お話がありました通り、非常に困難に際会しておるわけであります。当然私は、第一のこのドル不足の問題について、あなたが相当に通貨基金機関に対していろいろと主張されると思うのです。また私は主張されてしかるべきものだと思います。しかしその際、問題は一体その国際通貨基金もドル不足の状態なんですね。してみるというと、この際、その問題は私は非常に見込み薄というふうに考えています。しかしそれは何としても、あなたの努力によってはどういうことになるかわかりませんが、特に私の心配するのは、非常な危機を伝えられておると同時に、先般あなた方の閣議において明年度の経済運営に対する基本態度というものが発表されたのです。それによると、先ほどの大臣の御説明の中にもありましたごとく、非常に楽観的なんですね。輸入の抑制と為替操作によりましてこの危機の突破はできると申されております。しかし私はそれは淡い展望でございますが、これは河野君とあなたによる二人の検討の結果閣議了承ということらしいのでございますが、私はそれにはあまりにも考え方が非常に過大に評価されてはいはせぬかと思うのです。こういう点について、たとえば一萬田さんが国際通貨基金の総会に臨む場合に、たとえばドルの問題に対する融資の点を訴えてみても、お前の方は展望でこういうふうによくなっているじゃないかというようなことを、先般の閣議決定の態度によって逆襲されるということになりゃせぬかと思うのです。この点に対する大臣の御見解は一体どういうふうに考えておられるか、承わってみたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私はこの三十三年度の経済言いかえれば三十一億五千万ドルの輸出を可能ならしめるその施策は非常に楽に行く、施策というかその目的は楽に達成せられる、従って施策も大してそうきびしくなくてもいいじゃないか、そういうふうなことは毛頭考えておりません。これは非常な国民の努力と適切な施策、あらゆる努力をして実現が可能になる。しかもそれをやらないと日本の経済はむしろ縮小していくというような状況、非常に雇用が悪くなる。何としてもこれは私は実現をしなければいけない。それがゆえに三十三年度の予算につきましても、歳入があっても使えない、経済を刺激するわけにいかない。ここで経済の伸び過ぎを是正して、そして均衡を得た安定経済、そしてその安定した経済が将来に持続して伸びていく基礎条件を作っていかなければならないという考えであるのであります。私は、私のこの考えは、アメリカは非常に好感をもって迎えることを確信している。こういうことをするがゆえに、かりにアメリカに借款を申し込んでもアメリカは貸してやろうかという気持になってくるのだと思う。私は、特にいろいろとお話があると思いますが、問題にしているのは、アメリカが今日貿易において、私の今の推算では年間三十五億ドルの受取超過になるだろうと思うのです。そうすると、アメリカの対外援助を差し引いてもアメリカが受取超越になりはせぬか。これでは世界の経済というものがうまく行くわけはありません。金持ちがますます金を占めてしまうということになる。そうすると各国の経済がいよいよ困難な問題にぶつかる。そうすると経済が安定をしない、動揺をする。そういうふうになっていけば、日本の貿易も思うにまかせぬじゃないかというようなことを強く心配します結果、今度行く上において、そういう点を一つ腹をたたいてみよう、こういうふうなことでございます。これは少し付け加えたことになりましたが……。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 御自信のある御意見でございますが、私は今日は、あなたと金融問題あるいは経済問題について論戦をしたりしたいという考えはありません。ただしかし一萬田さん、あなた方もそう大きなことを言えないんだ、実際のことを申すと。あなたはやはり日銀の総裁であり、日銀の総裁というものはそう内閣のかわるたびにくらくらするものでは私はないと思うのです。ところが、その日銀がこのドル不足の危機を知らなんだというだらしのないことは、これは全く問題なんでして、そういうような点については、むしろ私は、一萬田さんによって自由党の政策が急に違った、池田氏によって自由党の政策が急に違ったということはり得ないと思う。その点は私は、むしろこういう失敗を起したことについては自民党の私は責任であると思う。これも責任であるといってそのまま知らぬ顔をしているわけにはいかぬ。それを立て直そうというのですから、その決意のほどは私は大いに賛成なんです。そこで国際通貨基金に対する考え方については、時間の関係から私は省略しますが、ただ私は大臣のお説の中に矛盾の点が幾つもありますが、一つだけ申し上げて、これを検討していただきたいと思うのです。それは、ほかではありません。輸入抑制、為替操作はけっこうなんです。しかし日本の生産というものは、大体大臣も御承知のごとく、資源が少いのでございますから、大体原料は輸入に待たなければならぬと思うのです。これはよくわかります。これによって再生産を起すことはよくわかります、そうして輸出の増加をはかることは、よくわかります。しかしそこに輸入抑制といっても、どうしたものを一体抑制していくのかということを聞かなければならぬ。今日はこれは省略しましょう。ただ問題は、私は日本の再生産に必要な原料の輸入ということは了承できるのですが、たとえば余剰農産物のごとき、一体、綿花については日本にないからよろしいが、ほかの米だとか麦だとか、なぜ一体そういうものを輸入するのですか。輸入の抑制といっても、そういう点について日本の農民が今日食糧の増産に懸命の努力を払っている。そうして今年も大体天候はよろしい。このときに、ドル不足の、そうして再生産に必要でないようなものに対して、なぜ一体大蔵当局はこの余剰農産物の輸入の抑制をしないのか。こういう点について、聞くところによると、新聞紙上を見るというと、大体内定した、決定したということでございますが、私は、大臣は非常に注意を払われ、日本経済の再建のために、それから自民党政策の国民的信頼を失墜したものをこれを立て直すためにも、非常に努力を払っているという点については、私は反対党といえどもけっこうだと思うのです。非常にいいと思うのです。だがしかし、そういう一つの政策的な矛盾、輸出入等に対する矛盾、そういう点について、私は一点だけを今申し上げて、大臣がどういうふうにお考えになっておるか、この点を一つ承わりまして、きょうはこの程度で私は質問を打ち切りたいと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 承わっておけばよろしいのですか。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 いやいや、そのお答えを。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私は、これはもう率直に申します。悪ければお叱りを受けます。この余剰農産物につきましては、私はそう賛成でありません。ただ、外貨が欠乏しまして、もしも農産物が——まあ台風が来るかわかりませんし、もしも農産物が不作という場合を考えまして、外貨を持っておれば……。あれは二十八年でしたか、私が銀行におったときにそうでしたが、あのとき緊急輸入を二億ドルばかりしたと思うのです。二十八年の不作のとき、凶作と言いましたか、二十八年か九年だったか、ありましたですよ。今度はそういうふうなのが、大蔵当局として外貨の関係ですから、そう敏速にいくかという……。それで、ある限定された農産物は、ある程度しておいて、もしも不足のときに、申し込んでもよいという方向に置いたらよかろうという、これは一つの政治的考慮から実は賛意を表したわけであります。ですから、何にも、お前、豊作じゃないかと言われれば、それはそうですが、しかし台風はまだ吹かぬとも限りませんので、私はやむを得ないと思います。

野溝勝日本社会党

○野溝勝君 私は、これ以上は後日に譲りますが、それは一萬田さん、今の考えは軽卒ですよ。台風が来るから備蓄というのですが、そういう考えはけっこうなんです。しかし日本において生産も相当できておるし、それから、これから以上、土地改良なり何なりして、一そう増産できる。それは、政務次官が農村関係だから、その点は一つ政務次官の補佐も必要ですよ。そこで私は、そういう今の大臣の考えもよろしいですが、それなら、こちらから今度は輸出して、日本の経済提携のできるような——今のアメリカの貿易など、どんどんアメリカの方面の輸入が多いのですから、日本の方が輸出するものは少いのですから、ですから、それよりもむしろ、東南アジアの方と貿易提携のためにやるというなら、まだまだ日本の経済再建に大きな役立ちをするわけです。この点は、大臣は農林関係については御専門ではないが、経済関係についてはエキスパートでございます。金融関係については特にそうである。これは私などはほんとうに、むしろ大臣の、そういう点については教えを乞わなければならぬ点も数々あると思う。けれども、そういう点は、静かに私は考えていただきたい。ただ通り一ぺんの答弁で笑わしてお茶を濁したと……、これは済んだということにならぬ。特にきょうは事務当局のそうそうたる諸君がおります。大臣の良心的な人格に——私はこの際は質問を打ち切りまして、私の気持を一つ善処していただきたい。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 非常に外貨の状況の悪いときに御就任になりまして、その後適切な施策を今日までおとりになっておるようにお見受けをしておるわけで、外貨が悪くなり始めたころに、これがじきにとまるだろうというような、国民経済の正常な在庫の量なりから考えまして、そういう議論が一方にあったり、いろいろ解釈がありましたが、結果としてはなかなか改善されなかった。ああいう御施策をおとりになるようなことになったのですが、どうしてああいうことが起ったか、これはもちろん責任論とか何とかいうことじゃありませんで、大臣の長い御経験なり御知識なりから御判断になって、一体なぜこんなことになっただろうか、それはただ学問的な分析という意味でありませんで、これが相当世界的な生産構造のリノベーションと申しますか、もしそういうことに関係があるといたしますと、引き締めの政策は、これはやむを得なかったとしまして、それからしかし必ず何かのハンディキャップが出てくることもまた間違いのないことだろうと思いますので、それは輸出力がそれだけ損われるということもおそらくあると思うのです。そういう意味で、どうしてこういうことが起ったかという点について御所見を承われればと思います。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これはまあ経済が——政府の考え方、たとえば企画庁のあの五カ年計画というものがありましたが、あれも当時年率の成長率を五%くらいとみておったのですが、そのときでも、そうそんなに伸びるかというような状況でやっておったのですが、それが御承知のように、二年くらいで五年分伸びてしまった。何にそれがあるのか。これはやはり経済の伸びですから、まあおそらく当時外貨の手持ちが少しもなかったとすれば、やはり違った方向をとっておったろうと思うのです。そこで外貨のああいうふうな手持ちをどういうふうに使用するか、あるいは使用する限界というものはどういうのかというのがあればいい。それは結局、もう少し正確な経済の計画というものがやはり必要である、こういうふうに思うのです。せんじ詰めてごく概観すれば、私はこの景気現象に対して、どうも日本の国民とか、あるいはそれぞれの当局者が、どっちかというと敏感に適応をしていく習性がやはり若干欠けておるのじゃないか。同町にまた、そういう景気現象を確実に把握するいろいろな統計とか、あるいは機構とかいうものが、はなはだ不完全じゃないか。もしもそういうふうなことが比較的に完備して、それにそういうふうな景気現象か何か起った場合に、適切に適応していくということになれば、比較的安定した経済が伸びていくというふうになるのじゃなかろうかと思う。これは、アメリカあたり、あれほど大きな経済力を持っておりましても、何か景気現象がちょっと変だと思うと、やはり中央銀行の方で歩合の上下をきわめて厳格にして、早めにぽんぽんやっていくというふうな行き方、ああいうふうな点が、私はどうも今後日本としては考えていかなければならぬじゃないか。まあいろいろ日本の経済の構造的変化があれだから、それでああいう経済の伸びがなかなかとめにくい、またとめれば将来何らかの影響がある。それはその通り私も思います。しかしそれだからといって、一時にあまりに急な伸び方をすると、どうしても限界が来てまた縮めなければならぬ。この例は、フランスが今非常に困っておるのです。あれは非常に大きな経済の伸びを計画してやった結果が中共でもおそらくそうです。——中共でも非常に経済の伸びがある。あれは年率二十数%の伸びを来たしたように聞いておりますが、ことしは四%か何%しか伸びないとうようなことで、どうしてもやはり伸び過ぎると、それ自体がよくても、今度はどうしても小さくならざるを得ない状況になる。そこで私はどうしても景気現象をよく把握して……これは下手に把握して、そればかりで誤診していると、とんでもない方に行きますが、できるだけそういう方面をキャッチするようにして、それに適応して敏速な施策を立てるということが、将来の対策じゃないかと思うのであります。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 私の伺い方が実は十分でなかったのですが、どうしてわからなかったかという意味ではなかったのでございます。伺いたかったのは、将来の輸出力に必ず、無理に輸入をとめましたから、全く外貨をむだに使っておったという種類の輸入じゃありませんから、何かの影響があるかと思いますが、先刻もおっしゃいました来年度の輸出目標というようなものをお立てになるときに、先刻おっしゃいましたように、たとえば国際的に言えば。ポンドがかなり不安な状態にあるのじゃないかと思います。これはお考えいかんによってはあるいは御答弁がないことを予期してもよろしゅうございます。スターリングの切り下げということがあり得るというお考えで、あの目標をお立になりましたか、つまりあのときにスターリングの将来をどうお考えになられておったか、もし変化があるとすれば、それに応じて日本の円というものをどうするということをお考えであったか、あるいはなかったか、ことに貿易業界には相当弱気な見解もあるわけでございますが、もしお差しつかえなければお答えをいただきたい。お答えがないという場合もあることは十分予期いたします。

一萬田尚登自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ちょっと違った角度から申し上げてみたいと思います。それは外貨を使った、あれはいかにも浪費されたように、むだに使われたかのように思うことは大へんな間違いです。これは要するに生産の増大に役立つために使った、これは設備になっておるか、あるいは設備の拡大になっておるか、設備の合理化に使われておると見てよろしいんです、設備に関する限りは。急に一度にやったということに問題があるだけで、それ自体は将来日本の輸出力の源泉になるんです。ですからこれは将来輸出が相当伸びるためのものになっているということができると思います。それからまたストックも入っておる、三十二年度に外貨がストックに変っておるものが非常に多い。だから三十二年度にもし三十二億ドルの輸入をしたとすれば、このストック分何億ドル分がプラスされた輸入を行ったと同じ結果となるから、そういう面からも輸出は伸びるというふうに考えてもいいのでありまして、私どもがそれだけを、大体基本的なそういう点を把握して、これは大いに輸出奨励の施策をとる、そうして国際水準の物価の安定策を確立してゆけば、これはやれるということで、その他のことは何も考えておりません。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 他に御質疑がなければ、本件の質疑はこの程度にとどめます。午後一時半まで休憩いたします。    午後零時五十三分休憩    —————・—————    午後一時五十分開会

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 休憩前に引き続き、委員会を開きます。  租税及び金融等に関する調査のうち、塩業対策に関する件を問題に供します。  本件に関し塩業組合中央会会長、平野亮平君、及び兵庫県塩業組合連合会会長沢田豪一郎君に参考人として御出席願っておりますが、両君には御多用のところおいでをいただき、まことにありがとうございました。本委員会におきましては昨日来、国内塩の需給に関し審議を行なっておるのでありますが、両君の御意見をこの際伺いまして、今後の本件審議の参考にいたしたいと存ずるのでございます。よろしくお願いを申し上げます。  なお、御意見の開陳は大体十分程度にお願いいたしたいと思います。それではまず平野君にお願いいたします。

平野亮平塩業組合中央会会長

○参考人(平野亮平君) 私中央会の平野でございます。  御承知の通り国内の塩田は瀬戸内海の沿岸十州地方に集中いたしておるのでありまして、大体四千五百町歩の塩田が十州地方に集中しておるのであります。その塩田は従来入浜式という方法によりまして塩を作っておったのであります。入浜式と申しますと、海水を塩田に導入して参りまして、塩田の上に砂をまいておりまして、その砂に海水を含まして、その砂をかき集めて、さらに海水をそれに注下して、そうして辛い塩水を作りまして、その塩水を工場に送って塩を作る、こういう塩田法、入浜式塩田法、こういう方法をとっておったのでありますが、昭和二十七年以来、この方法によりますと浜労働のためのコストが非常に高くなりまするのと、また生産数量も十分伸びないというような欠点がありますので、この方法を改めまして、流下式方法と申しまして、同方法は塩田に非常にゆるい傾斜をつけまして、緩慢な傾斜をつけまして、その傾斜の塩田の上を海水を二回、三回と繰り返して流しまして、そのうちに空気及び日光の関係で、だんだん水が濃くなるのでありますが、その濃くなったところの海水をさらに枝条架と申しまして、枝条は枝という字に一条二条の条の字に、架というのは加えるという字の下に木ですか、枝条架と申しまして、ちょうどやぐらの大きいのを塩田の上に立てまして、それに竹の枝をからめてあって、その枝条架の上にさらに塩田で濃くなった水を流すのであります。そうするとそれが流下してくる間に、さらに塩水が濃くなりまして、そうして相当濃い鹹水ができましたところを工場へ持って参りまして、それを塩に作る。その工場は昔は平釜とか蒸気利用というか、ごく簡単なものでありましたけれども、今日ではまあ真空式、バキュームを用いて塩を作る、こういう方法になっておるのであります。その塩田の、流下式の塩田をいたしますについて、つまり塩田の改良工事には金がかかるのでありまして、一ヘクタールあたり三百五十万円くらい金がいるのであります。金がいるのでありまするけれども、この方法によりますというと、さっき申した入浜式に比べまして、コストもだんだん下ってくるのでありますし、浜労働の賃金が少くなります。それと一方において、生産量が非常に多くなりますから、非常に塩業者はこの方法に向って極力努力いたしまして、そうして今日では流下式転換が、ほとんどだんだんとそれに代って参りまして、八割五分くらい、九割くらい流下式になったのであります。  そういう塩田の改良工事が近年非常に急テンポに進んだために、塩の生産数量が非常に急激に増加したのであります。昭和二十八年、二十九年ごろまでは四十五万トンくらいしか土産ができなかったのでありまするが、三十年になりますとこれが一躍五十九万何千トンというような生産増加となりました。それから昨年は七十万トンには達しませんが、六十七トンというように生産がだんだん増加してきたのであります。そういうふうに塩の数量が増加いたしまして、この勢いをもって進んで参りますというと、今年度の予算では内地塩の生産は八十五万トンと計上しておるのでありますが、それをはるかに超過して九十万トンにも近い数字が出るというような見込みになっております。もっともこの塩田のほかに、一昨年以来機械製塩と申しまして、海水から直接塩をとる方法が専売公社の小名浜工場において試験済になって、それに準じたような海水直接の製塩工場も一昨年以来だんだん出て参りましたが、それらを合せますと九十万トン以上の生産が今年はできるという、こういう情勢になって参りまして、御承知の通り、昭和二十五年に閣議の決定で、国内の食料塩だけは全部自給する方がよかろうという閣議の決定がありまして、その閣議の決定に基きまして、増産々々で、公社当局の方針も増産一点張りで進んでおりまして、塩業者もまたその増産のために努力をいたしまして、ようやくその結果が昨今になって現われておるような状況になったのであります。  しかし、かように急激に内地の塩が増加いたしまして、三十二年度は九十万トン、三十三年度には百万トンにも達するというような状況になって参りまするというと、国内の食料塩の目標でありますところの百十万トンという目標が近き一両年のうちには達するような状況になったために、公社当局におきましてはどうしてもこの状況をそのままにしているというと、将来非常に塩が過剰になるおそれがあるから、ぜひこれは何かの方法によってこれを制限するというような方法をとらなければならんと、こういうようなことになりました。昨年、ちょうど一年前まではもう幾ら作ってもいいと、こういう情勢であったのでありまして、われわれはそのときにこれは流下式の方法によるというと非常に塩がどんどんできるようになる。国内の在来の三百年以来やっておる塩田だけでも食料塩の百万トンくらいはできるから、新しい製塩をやることはやめてもらいたいという決議をいたしまして、それを当局に要望したのであります。それと相前後して、当局の方におきましても、今まで許したところのものはいたし方がないけれども、今後は新しい製塩は許さないということになっておるのであります。しかしながら一昨年以来許可になりました機械製塩と今の塩田製塩の年を追うて非常に増加する関係からいたしまして、塩が将来余ってくる、こういうことになっておりまして、前に申しましたように、生産制限をしなければならんじゃないかという状況になっておるのであります。  業者の方といたしましては、国内の食料塩の自給のために非常な犠牲を払い、努力を払い、今日、塩業者の借入金も百八十億に達しておるのでありまして、その百八十億のうちで約九十億円は市中の銀行から高い利息で借りておるような状態であります。その他は農林中金とか農林漁業とかいう方からも出ておりまするが、とにかく多額の負債を塩業は背負って、そうして改良転業をやって今日そういう結果に至った、こういう状況であるから、願わくは、公社の方でそういう全体の計画からお考えになるのはごもっともな次第でありますけれども、塩業者の立場から言いましても、きのうまでは増産で進んで参りまして、一トンでも多く作りたいということに進んでおるやさきになって、すぐこれを生産制限をするということをやられるというと、金利償却等の関係においても非常に困るから、ぜひこれは生産制限ということはやめてもらいたい。    〔委員長退席、理事西川甚五郎君着席〕  また一方において収納価格——政府の収納価格が、内地塩は一トン現在一万三千円であります。一万三千円でありまするが、これは昨年までは一万三千六百円でありましたのを、六百円公社が引き下げまして現存は一万三千円になったのでありますが、公社の方の考えとしては、この収納価格もだんだん下げると、こういうような御意見と承知しておるのでありまするけれども、昨年の収納価格を御決定になり、下げられた当時と今日と比べてみまするというと、人件費におきましても石炭におきましてもみな騰貴しておる。業者側から申しましても、生産制限は困る。その上もし生産制限をされ、さらにその上収納価格を引き下げられるということがあっては、どうもこれは死活問題であるから、どんなことがあっても、この収納価格を下げてもらっては困る。もちろんいつまでもわれわれは現在の価格をそのまま維持して、それを無理を言うわけではない。この一両年の間が非常に金利償却の点から見ましても、塩業経済にもっとも苦しいときであるから、この問題だけはぜひ一つ収納価格は据え置いてもらいたい。その先になったらば、公社の要望に応じてだんだんと値段は下げていくと、こういうことをわれわれは昨年から始終申しておるのでありますが、このところはどうしても値段を上げてもらわなければいかぬのであって、下げるなんということははなはだ心外の話である、こういうような要望をいたしまして、本年の六月塩業者の大会を東京で開きまして、強くそのことを当局へ申し入れておるような次第であります。  さような状況に今日はなっておるのでありまするから、何とかして業者の要望をおくみ取り下さいまして、国会方面でも御声援を願いたいと存ずる次第であります。  なお、いろいろこまかいことは、兵庫県の沢田さんもおりますし、また私で答え得ることは何なりとお答えいたしたいと思います。  十分というお話でございましたので、一応これで……。

西川甚五郎自由民主党

○理事(西川甚五郎君) 平野君に対する質問はあとにいたしまして、兵庫県塩業組合連合会長の沢田君にお願いいたします。

沢田豪一郎兵庫県塩業組合連合会会長

○参考人(沢田豪一君) 一般的のお話は先刻平野会長から申し上げた通りなんですが、どういう点を申し上げましょうか。特に予期せざる増産ができた、こういうことについて申し上げてみたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。——重複するようなことになりますと……。

西川甚五郎自由民主党

○理事(西川甚五郎君) いかがですか。    〔「異議議なし」と呼ぶ者あり〕

西川甚五郎自由民主党

○理事(西川甚五郎君) それじゃけっこうでございますから、それで足らぬ点はあとから御質問申し上げますから。

沢田豪一郎兵庫県塩業組合連合会会長

○参考人(沢田豪一君) 私どもこの流下式に転換しました当事は、ヘクタール当り百五十トンくらいなつもりで出発いたしました。その後だんだん成績が上って参りまして、公社は百八十トンという線を出されましたのですが、実際やってみますると二百五十トンあるいはそれ以上越すと、こういうことになって参りました。なぜそういうことになったかということなんですが、それは作業が上手になったということ、それからこの枝条架等の位置、それからその風の風向、そういうものについての構造の形式がいろいろ研究されてきたということ、それから原海水海からとる水の度数、これを濃くなるように判断をしましたこと、そういったようなことが重なりまして予期以上の成績を示したこと、こういうことになっておるわけなのでございまして、    〔理事西川甚五郎君退席、委員長着席〕  実はとりかけましたものの、その処置にうれしい悲鳴をあげるというような状態に立ち至っておるような次第でございます。今後はそれがどうなって参りますか、今制限の問題等も出ておりますが、流下式の粘土盤の完成しましたところと、なおやっているところとがございますが、これが修理等の関係がどういうことになっていくかということはまだ未知数でございます。それから電力等の使う状態もどうやっていくかということも未知数でございます。それから作業等におきましても、いわゆるオートメーション式にやっていかなければならないといったような問題も出てくるのでないか。かれこれ考えますと、その百八十トンとか二百トンとかということを考えておりましたのは、実は甘い考え方であったということを今に至って気がついておるようなどうもおかしな結果に陥っておるような状態であります。  それからまあ一般のことにつきましては、ただいま会長の申し上げましたようなことでございますので、今も申しまする通りに、初めの予定とならば、何がゆえにそんなにふえてきたかという点についてちょっと申し上げたようなわけであります。  なお、御質問がございましたら一つ……。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) それでは両参考人及び専売公社当局に対し質疑を行います。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 今の兵庫の方にお尋ねしますが、百五十トンくらいの目標で出発をしたところが、二百トンもあるいはそれ以上もとれるようになったということになると、結局ようもうかったということになるわけですか。

沢田豪一郎兵庫県塩業組合連合会会長

○参考人(沢田豪一君) ようもうかったということの計算は、それだけとるのにつきましてはいろいろ準備……そういうことはのけにしまして、準備をする、準備費とか、建設費とか、そういうものがたくさんかかっておりますから、そういうことは一応度外視して百五十トンというものができたのでございます。ところで、だんだん欲が出て参りまして、この海水濃度を濃いくするとか、あるいは枝条架の位置を、向きを変えるとか、そういったようなことに投資をしていきました。それが順次こういうことになっていっているわけなのであります。ですから百五十トンになったから、前が百トンであったから、たとえば百五十トンになったその五十トン分はその割合でもうかっているのかということにはならない。それにつきましても借入金が相当ございますので、これを償還財源に充てなきゃなりません。そういう関係で初めの入浜当時とならば、この入浜当時でございましたらとても問題になりませんが、入浜当時のことを考えれば経済状態は幾らかよくなっている、こういうことは事実であります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 そうすると、百五十トンと最初計画したときよりはずっと数量はふえたが、しかし設備投資というものが百五十トンを目標にしたときとはうんと違ってきたのだ。しかしまあ実質的にはそれだけ生産数量が上ってくればトン当りのコストはやっぱり下ってはおるということなんですね。

沢田豪一郎兵庫県塩業組合連合会会長

○参考人(沢田豪一君) トン当りのコストと申しましても、借入金の償還償却等を一応考えなきゃなりませんので、これが済めばうんと下って参ります。それをやる間は、下るというよりもまあ上ると、私の方を一例にとりますと、昭和三十六年度がピークになっております。昭和三十六年度以降になりますと下って参ります。そういう状態であります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 まあそうすると、あまりもうからぬということになりますが、まあもうからぬもうからぬと、言う話だけでも、何だろうと思うのですが、そこで今、本年及び今後の問題につきまして、公社の方から、あなた方の方に一つの対策が諮問されているわけなのですが、それに対しては、これは会長にお尋ねいたしますが、連合会としてはどういう態度をおとりになっているのですか。

平野亮平塩業組合中央会会長

○参考人(平野亮平君) お答えいたします。先刻申したような状況でありまして、公社の方としては、公社の一案として、こういうことを示されておるのであります。塩田の一ヘクタールの生産量は二百トンをもって制限したらどうかということが一つの条項であります。その他、余った塩をソーダ業にもっていくとか、いろんな条項がありますけれども、今の制限の方について申しますと、塩田については、たとえば、三百五十トンとれるような所であっても、これは勝手にとるわけにはいかない、それは、そう野放図にとればどんどん塩が余ってくるから、塩田に対しては二百トンで一応線を引いて、それまでは食料塩として買ってやる、それ以上になっては、これはソーダ工業として買うよりほかしようがないという一つの案が公社から示されております。それから、価格の点につきましては、これは、公社の方で非常に精細なる生産費調査をして、その結果によりますれば、相当下る余地がある、トン当り六百五十円くらいの余地があるように思うから、これはぜひ下げなければならないと、こういうことが、生産制限に関する数量方面、価格の方面についての一つの公社の案であります。それに対して、私どもの方では、そういうふうに、二百トンというような線を引かれては非常に困る、すでに平均して二百七十トンもとる所もある。多い所は、三百トンも三百五十トンもとるような所もある。現に、岡山県とか香川県には事実あるのでありますから、そういう低い線を引かれては、とうていやっていけないということが事実でありますので、この線はこのままには承服できませんということをお答え申しておるようなわけでありまして、今御相談中であります。それから、収納価格の問題につきましても、公社の方は、下げる余地がある、こういうふうにお考えであるようでありますが、われわれ業者の方にとりましては、とうていそれではやっていけない。これも御承知と思いまするが、塩の収納価格は全国一本の価格になっております。なるほど、その所によっては、改良事業に早く手をつけた所とか、あるいは資金の余裕が相当ある所とかいう方面の人たちは、若干の余裕があることは、これはもちろんのことでありますけれども、全体で申しまして、非常に困っておる所もあるのでありまして、地方的に申しますと、山口県とか大分県とか、広島県とか、兵庫県の一部とかいう方面においては、非常に現在の収納価格では困っている所があるのは事実でありますから、私どもとしては、どうしてもこれは一つ引き上げていただきたいという要望をいたしておる次第であります。なお、将来のいろいろの国策の問題につきまして、たとえば、今までは食料塩というものは自給という方針であったけれども、余ったものはソーダ業の方にも持っていくというようにするとか、その他いろいろの問題がありますが、今の制限に関する問題について二点だけを申し上げたのであります。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 公社の方にお尋ねしますが、今の、業界へあなたの方で諮問されておる内容というのはどういう内容なのですか。これはすでに業界へそういうものをお出しになっているというなら、いずれ印刷物があると思うのですが、そういう印刷物をお配りしてもらう親切はございませんか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 先般来業界の方に示しまして、あらかじめ折衝を重ねておりまする要点は、今平野さんから申された通りでありまして、その他にこまかい三、四の点がございますが、これは大きな問題ではないわけであります。この業界に示した案につきましては、いずれ資料として当委員会にも提出する用意をいたしております。

平林剛日本社会党

○平林剛君 その資料について、私は、委員会が開催される一週間か十日前に請求をしておいて、委員会にも御提出願おうということを要求してあるわけです。ところが、口頭で申し上げるというお話があったから、何かいろいろ今後の折衝に差しさわりがあるのじゃないだろうか、そう思いまして、私は、それならば口頭で説明をしてもらおう、こう思っていたわけです。ところが、自由民主党の塩業対策小委員会には、すでにそれがプリントで渡されている。そうして、専売公社の諮問と自由民主党の塩業対策小委員会のこの問題に対する決定が対比としてプリントにまでなっている。これは少し片手落ちじゃないか。私は、専売公社の御都合もあろうと思いましたから、今日まで黙っていたわけですよ。黙っていたところが、与党に対しては示されておる。そうして野田試案とか、いろいろなことがあります。あなたの言葉を信用して、私はあなたの都合を考えてやったんですけれども、こういうことをやられては困る。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) ただいま申しました通り、業者に示した案につきましては、御要求があれば、ここでくわしく御説明いたす考えでおりまするし、また、資料として書いたもので出せということであれば、その御要望に沿いたいと思いまするが、今お話の、自由党の小委員会に正式に書面で出したということは実はないのでございます。あるいは、その他の方面から提出されておるというようなことがあるかもしれませんですけれども、私の方では、まだ公社の案というものは小委員会には正式にはお出ししてないわけでございます。その点は御了承願いたいと思います。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 これは、平林委員から、前から要求しておったものでしてね。そういうものが、どこからどうなったのかしりませんけれども、要求しているのに、一向出して来られない。しかも、そういう公社案といわれるものが、そういう肩書きをつけられたものが、あなたの方でお出しになったのかどうかしりませんが、配られておるわけですね。あなたの方が配ったんじゃないということですけれども、そうなってくると、何だかばかにされたような気を持つのは私は当然だと思うのでして、平野会長の方から話があった、要点はそのくらいのものだ、あとは大したものじゃないといっても、私はそうじゃないと思っております。ただ二百トンまでを云々とか、あるいは将来の問題とかいうことをだけでなしに、一体これだけの大きな転換をするということになると、塩業政策全体を一体どうするかという非常に重要な問題であって、平野さんが今おっしゃったようなことが重点だということだけでは私はないと思うのです。そういう点、きのうのたばこのときにもちょっと申し上げたんですけれども、公社というものが、何だか非常な専売事業という権力を持っているだけに、イージー・ゴーイングな、居眠りをしておらなければ、あぐらを組んでいるということになりましょうが、そういう態度について、私どもは、縦本的に今後公社の態度というものを改めてもらわなければならぬと思うのですが、そこで、そういうことはまあよろしい、よろしいが、公社の案というのは一体どうなっておるのか、詳細に示してもらいたい。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) ただいま塩業者にお示しいたしております公社の案を、御希望がございますので説明さしていただきたいと思います。いずれ、書いたものにして後刻提出いたすのは別といたしまして、一応私から御説明申し上げます。  公社の今回の案は、先ほど平野会長からお話があったと思いまするが、昭和二十五年の閣議決定におきましては、食料塩の全量自給ということを一応の目標にしておりました。今日まで公社が努力いたして参りましたのも、この方針に沿ってでございます。これは昨日も私から申し上げた通りでございます。これを今回の場合には食料用塩の全量自給の上にさらにつけ加えまして工業用塩の一部を国内で自給する。これを今後の基本方針にいたしたい、かような考え方でございます。  この考え方に基づきまして昨日も御説明いたしましたように、一応昭和三十六年度におきまする国内食料用塩の需要を百十万トンといたしまして、この百十万トンに見合う食料用塩を確保するために、塩田につきましては一ヘクタール当り二百トンを一応の線といたしましてこの点までを食料用塩として買い上げる。それから塩田をもっておりません海水直煮その他の製塩につきましては、現在許可いたしておりまする能力を一応食料用塩の限度といたしまして、食料用塩の価格で収納する。かようにいたしまして、それをこえたものは工業用塩として収納する。つまり従来の収納価格は一本の収納価格でございましたが、これを食料用塩の価格と工業用塩の価格と、この二段に区別いたしまして、それぞれの数量に応じてそれぞれ区別した価格でもって収納する。これが基本の考え方でございます。そうしてその両方の収納価格の目標といたしましては、食料用塩につきましてはトン当り一万円以下にするということを目標にいたします。それから工業用塩につきましては、五千円程度ということを目標にいたしまして、この目標に向って順次引き下げていきたい。かような考えをもっております。  そこでこの二百トンの制限と、それから百十万トンの食料用塩の需要量とをマッチさせるためには、現在ございます塩田がすべてヘクタール当り二百トンの生産をしたのでは、百中万トンよりも生産が余りますので、そこのところを百十万トンの需要と合せるためには非能率塩業というものを一部整理するということを考えなければならない。その方法といたしまして、公社の案は二つの考え方をとっておりまして、一つは能率の悪い塩業を優秀な企業に統合するという表現にいたしてございます。この場合には統合いたしました塩業に対して、統合されました塩業の、いわば従来の生産量というものがございまするので、それの幾分というものを、大体これは半分と一応予定いたしてございまするが、つまり半分の生産量だけは先ほど申しましたヘクタール当り三百トン、あるいは機械製塩の場合等には従来の許可商にプラスいたしまして、これは食料用塩として買い上げる限度のワクをそこまで広げるという考え方でございます。こういうふうな考えをとりましたのは、ヘクタール当り二百トンの制限量というものが、全国的にみますと全国統一した限度といたしましては、私ども二百トンということを考えたわけでございまするが、一部の優秀な地帯におきまして、今日の二百トンという制限は確かに低過ぎると考えた次第でございます。しかしその二百トンも低過ぎるというの、でありまして、その二百トンを一律に緩和したのでは非常な食料用塩の需要以上に生産が出て参りますので、そこでそういう優秀な企業におきましては、能率の悪いところのいわば権利を買い取りまして、その権利を買い取った場合には、その半分を二百トンの基準量にプラスをしてあげる、こういう考え方をいたしたのでございます。  もう一つ付け加えて申しますれば、ただいま申しました結果は、現在三百トンまでとれておりません塩田ももちろんございますが、そうした塩田は二百トンまでは今後もあるいは必要があれば改良を加えて生産の増加することを認めるのでありますが、二百トンをこえておりまする所は——現状すでに二百トンをこえております場合には、その状況を抹殺するわけに参りませんので、従来通り生産は継続してもらうのでありますが、ただそのままにしておけば、二面トンをこえたものはすべてソーダ工業用塩の安い価格で買われることになりますので、その塩業としてそろばんをとりまして、権利を買ってきて他の弱少企業を統合するということになりますれば、それに応じた基準量の拡張が認められるわけでございまして、個々の塩業としてはそろばんをはじいて、二百トンをこえたものは将来は五千円程度の値段で買われる方が得か、それとも金を出して権利を買って参りましても、二百トンにプラスしてもらって、その分は一万円で買ってもらう方が得かということを、そこのところはそろばんをはじいて、それぞれの考え方でやってもらってよろしい、こういう考えといいますか、二百トンの一律の制限という弊を除去するための緩和手段を考えたのでございます。しかしこのような業者間のいわば権利の売買、これはちょっと言葉は悪いと思いますが、権利の売買によりまして、弱少企業の統合をはかりましても、まだその全体の生産量が百十万トンをこえてしまうという場合もあり得ると考えまして、塩業者が希望する場合には整理を考える。その場合にはやはり国家補償と申しまするか、一定の補償金を出して整理をいたすことも考えなければならない。この弱少企業の優良企業への統合とそれから国家補償による整理、この両方をやりまして、食料塩の生産量は百十万トンの需要に見合うようにいたしたい、かような考え方をいたしたのでございます。  それから一方では今後におきまして、内地の生産塩なりあるいは鹹水なりというものをソーダ工業に利用いたさなければなりませんので、そのための研究等に対しましてはできるだけの助成措置を考える、また海水の総合利用工業の発展につきましては適当な助成措置を考えまして、塩業をそういう面から多角経営というような点への助成を十分いたしていきたい、こういう考えでございます。  こういう措置を前提といたしまして、つまり将来の収納価格を考えれば、二段価格制というような新しい体制をとるわけでありますが、これは来年度から実施することにいたしまして、来年度から食料用塩の価格とソーダ業用塩の価格を作りまして、初めはできるだけその開きを少くいたしておきまして、それをだんだん下げていくと同時に、その両方の価格の開きをだんだんと大きくして参りまして、昭和三十六年度を目標としておりまするが、昭和三十六年度には二万円、五千円といった目標価格に到達したい。そうして今年度は一応従来通り一本の価格で食料用とソーダ用とに分けませんで一本の価格にして生産費の低下の実情、すでにいろいろとお話がございまするように、非常な増産が行われておりまするので、その増産の結果生産費が低下いたしておる。その低下いたしておる実情に基いて収納価格を引き下げた。で、詳しい計算をいたしまして、トン当り六百五十円程度の引き下げは可能と認めておりますので、一トン当り六百五十円の引き下げ案を示しておるのでございます。  それからもう一つは、従来真空式の製塩につきましては九三%以上という基準を設けてございまするが、蒸気利用式につきましては八八%、それから平釜式につきましては八五%以上というのが収納基準になっております。しかしこれは非常に甘いと申しまするか、非常に低過ぎる基準でございまして、こういう塩は現在すでに元売り、あるいは小売店では売れなくて困るということで非常に苦情が出ております。公社といたしましてもこういう質の悪い塩の始末に困っておりまするので、これをこの蒸気利用式につきましては八八%を九〇%、それから平釜式につきましては八五%を八八%に引き上げたい。ただしこれは即時実行するのは非常に気の毒でございまするので、この引き上げに応ずるいろいろな措置をいたす必要も考えまして、適当な猶予期間を置きまして実施いたしたい、かように考えております。  そうして以上のような手を打ちました後にも、なお新規の製塩の許可が申請されて参ったり、あるいは全く従来とは違うような他の新しい方法でもって塩を作りたいというような申請がありました場合には、現在すでに工業用として五千円程度の目標価格以下の塩ができるんだという場合には、その製造を許可いたしまするけれども、それ以外の場合には今後の新規許可はいたしがたい、かように考えております。そのことを項目として明示いたしたわけであります。これは考え方によりましては他の工業用塩をだんだん下げて参るのであるから、それに応じて下げられる限度で、今後のソーダ工業の新規の許可もしていいじゃないかという考え方もございますけれども、従来新しい許可申請に対しましてはみな、何と申しまするか、非常に甘い計画を出して参りまして、それを許可いたしました後に状況が変化した、物価が上ったというようなことでなかなかコストが下らない。現在の機械製塩がすでにそういう状況でございまするので、今後はその点を厳格に考えまして、即時に五千円以下の塩ができるというような計画でなければ許可いたさないようにしようという考えでございます。  以上が生産の対策でございまするが、次に販売の対策につきましては、主として販売価格の問題でございまするが、塩業者の方面からは、この点につきましては現在御承知のように塩の会計は昨年度におきまして十億円以上の赤字が出ておるような現状でございまして、これの改善のためにも収納価格の引き下げということをわれわれは言っておるのでありますが、収納価格をできるだけ下げぬで販売価格を上げることによって収支の均衡をはかったらいいじゃないかという非常に強い御意見が出てくるのでありますが、私どもはその点につきましては最も謙虚に考えまして昨日も申し上げましたように、販売価格の引き上げというようなことは、安易にこれは考えてはならない、まあ従来塩の種類の間にも多少価格の均衡のとれてないようなものがございまして、これを是正するといったような方面でできれば、上質塩を多少上げる、そして白塩を引き下げるといったような塩の種類の間での調整ができるならば、その限度でしか考えられないのではないか、塩価の引き上げ、販売価格の引き上げということは不用意には取り上げるべきではないというふうに、この点については対策を示しておるのでございます。  それからもう一つ現在の塩の販売価格の点につきまして、法律で認められております特別価格制度というものがございまして、これはソーダその他の工業用に使いまする塩と、それから魚の塩蔵用に使いまする塩とにつきましては、特別価格で塩を売り渡してよろしい、つまり安く売ってよろしいということになっております。この点をできますれば、輸出増進というような見地から、直接間接に輸出に役立つような場合に使われる塩については特別価格を適用して安く売る。その他の国内向けの塩につきまして特別価格をもうこの際積極的に存置する必要はないのじゃないかといったような考え方をいたしまして、できますれば、この輸出用の特別価格制度というものを将来の重点に持って参りたい、これはもちろん法律の改正を要しますので、いずれまた御意見も伺って実行するとすれば御協力を得なければならない問題でありますが、一応の考え方としてこの現在の特別価格制度の再検討ということを考えました次第でございます。  こういうような措置をとりましてその上に公社の経費あるいは中間の配給機構に要しまする経費等の節約をも十分に行いました上で、将来は塩事業会計の収支の均衡がとれるようにいたしたい。大体昭和三十七、八年ごろになりますれば、私どもの計算でも収支のバランスがとれるようになるのではないか、それまでは相当の塩事業会計に赤字が出るということになりますが、これだけの各方面にいろいろと御協力を願って、塩業の将来の方策を新しく立て直そうという時でありますので、公社もある程度までは赤字をしのびまして、財政当局にもこの点のお認めを願いまして、そうして将来収支の均衡がとれるようなところまで持って参りたい。かようなことを最後につけ加えておきます。  大体以上が塩業者に示しました案の大要でございます。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 聞いていますと、これはなかなか大へんな問題を含んでおるわけで、いわば塩業の一つの革命とでも言うべきものだと思います。そういうことをわれわれが資料を要求しても一向にお出しにならぬ、そうしてただ業者の方とだけ話をされて、おそらく業者の方との話という場合には、従来の専売公社の権力をかさに着たところの態度がよろいの下に出てくるだろうと思うのですけれども、これはちょっと容易なりません。それであまり問題が大きいので、簡単に取っ組めんようなことになるのですが、あなた方が今の業者の方のお話を聞きますというと、生産は百五十トンを目標にして、それがずっと目標数字を上回ってきた、しかしそれは最初の設備投資の額が違うのだから、そうもうかってはいないのだという話が出ておるのに、今部長のお話では、昭和三十六年を目標にして工業塩は五千円程度を目標にし、あるいは食用塩は一万円以下にするんだということになると、これはちょっとあまりにも話が違い過ぎるわけなんですが、実際こういうことができるのですか、それはあなたの方の目標は従来の食糧塩の全量自給だけでなしに、工業塩の一部も自給におくんだと言うけれども、これじゃさっきの業者の方のお話を聞いておるというと、増産になるのではなしに、日本の塩業をつぶすのだということになってしまうと思うのですが、そういうことが実際あなたの方は三十六年までにここへ持っていくという自信があるのですかね。それをもう少し聞かして下さい、あんまり話が違い過ぎるのですよ。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) きのうも御説明いたしましたように、現在の塩業をそのまま放置いたしまして、塩業者自身がいろいろと計画しておられる増産をすべて完了いたしますると、昭和三十六年度におきましては、百四十五万トン、これは百四十九万トンという数字も出ておるのでありますが、きのうお示ししました数字には百四十五万トン、そのくらいになります。そうなれば、きのうもお話しましたように、百十万トンをこれるものが四十万トン近く出て参る、こういう状況になりまして、そいういう状況であれば、その四十万トン近くのものを工業用に消化する以外には手がない、こういうことになります。ただいま申しました施策をかりに公社が考えておりまする程度に実施いたしました場合には、一応私どもといたしましては二十万トン程度の余剰が出てくるのではないか、つまりこの場合の食料用以上に生産される数量は、大体二十万トン程度が余りまして全体の生産量は百二十万トン程度にいたせるのではないか。今後は従来のような増産はこの辺でストップをかけまして、現在もうすでに計画中のもの、あるいはすでに能力が相当のところまで達しておるものは、そのまま生産を継続してもらいまして、それ以上のものは、先ほど申しましたように、単位当り一再トンというところで生産をとめてもらいたい。しかし二百トンで生産をとめましても、経営の合理化、塩田方式の改良によりまして一万円までは下げられる。また現在すでに能力を持っておりまするものは二百トンをこえまして生産いたしましても、その超過分は五千円程度で引き合う。つまり全体としては八千円なり八千五百円なりというような平均価格で生産されるのであれば、その企業としては十分にそろばんがとれる、かように考えておるのでございます。従来食料用塩自給ということで増産増産ということでやって参りましたから、百八十度転換ということになるのでありまするけれども、しかし食料用塩の全量自給が目標でありましたのですから、全量自給がもう一、二年のうちに達成されるという今の時期に、やはり従来とは方針を変えまして、この辺で将来の対策を立てなければならぬ。ただし、現在すでに今申しまするように百十万トン以上にできそうな態勢にございまするので、その部分はできるだけ押えまするけれども、できてしまう塩については、そろばんのとれる値段でもって買い上げてそれをソーダ用に振り向ける、かような考えで立案いたした次第でございます。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 従来の食料塩の全量自給ということが、さらに工業塩の一部自給まで拡大された、そういう方針が変ってくるということは、これはわかります。けっこうです。けっこうですけれども、今まであなた方はいろいろ増産の奨励をしてこられた、指導をしてこられた、それはおそらく業界の方方は将来合理化が進むに従って多少の値段は下るということは予期しておったであろうけれども、それが昭和三十六年になると、今の一万三千円が八千円程度になるのだというのでは、これはあまり違い過ぎて、どんな業界だってそんなに急激に値段が変ってくる、しかもそれはアズキのような投機の対象になるものは別ですよ、国が専売事業として権力的な運営をして、そうして指導し奨励をしてきておったものが、わずか三、四年先になるというと一万三千円が八千円平均になる、こんな指導というものが実際あり得るんでしょうか。しかもあなたの方は、きのうも話を聞いているというと、ごく最近に至ってこういう情勢になったというのだけれども、そんな説明は塩脳部長通りますか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 昭和三十六年度におきまして塩の収納価格を一万円に下げたい。これは公社でもかねがね考えておりましたし、塩業者自身もすでにその点につきましては用意をいたしまして、塩業者自身が計算した生産費の見通しというものもございまするけれども、これはやはり昭和三十六年度におきましては一万円近くになるということを塩業者自身が従来考えて、それに努力してきているわけであります。今回変りましたのは、今までは三百トンとってもあるいは四百トンとっても一万円に買ってもらえるのだという点を塩業者は考えておったかと思いますが、その点は一定の合理的な線までは、一万円で買うけれども、それをこえたものは安くなる。しかしそれは乱暴にそろばん勘定かまわずに安くするというのではなくて、そういう企業は優秀な企業であります。すでに設備もできているというような企業でありまするから、この企業のコスト計算をしてみれば、そういう優秀な企業については超過した部分だけは五千円くらいに計算しても昭和三十六年においてはそろばんがとれる。しかしそれも年々下げていってそこまで下げさせるということなんであります。相当の時日をかけてそこまで持っていくということなんであります。全体の塩の生産費を八千円に下げるとか、あるいは七千円に下げるとかいうことを申し上げているのじゃないのです。一方では先ほども話がありましたように、一昨年の塩の生産は五十万トン弱であります。去年は六十万トンでありました。ことしはすでに九十万トンもとれようという状況であります。ほかの産業でこれほど短かい期間にこれほどの増産が実現できているものは私はあまり例はないのじゃないか。それだけの大増産ができていれば、それに伴いまして生産費が下ってくるというのは当然であります。またそれが期待できるからこそ、今まで公社としたは多額の補助金を出し、国家資金を投入して生産費を下げようという考えでやって参ったのであります。生産費が下ってきた実情に応じて塩業者も将来の目標としては一万円にできますといって努力しているのを受けて、こちらも今後の塩の価格を下げて参るという計画でございますので、決して私はこの計画は実現不可能ではないというふうに考えております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 平野さんにちょっとお尋ねしておきますが、公社の方は将来は一万円程度になるのだ、こういうことで指導してきたというのですが、業界の方ではそういう形で公社の指導を受け、そうして業界の方々はそういう指導に基いて拡張なりあるいは改良工事というものをなさったのかどうかということなんですね。もしそうでありますならば、私は業界の方々がこれは考え方を改めてもらわねばならぬ。

平野亮平塩業組合中央会会長

○参考人(平野亮平君) ただいま塩脳部長からお話がありましたが、大体国内塩業の価格は漸次下げていかなければならぬということは、これは大方針でありまして、これは塩専売以来の問題であったと私は思っているのであります。われわれとしてもだんでん下げていくということについては何らの異存はないのであります。ただし現在においては、非常なる改良事業をやりまして、それがために非常に多額の経費を、借金をしてやっているのでありますから、単に増産ということの一点だけをみて、物の値段というものは増産によって下るものであるというようなお考え方については、私どもは反対しているのであります。  それからもう一つ、これは公社当局に対して私は批評のようなことになりますが、大体この問題が起きましたのは、塩専売会計が赤字である。この赤字をどうしても消さなければならぬということが根本になっているように私は始終思っているのでありますが、収納価格というものは生産費をもととしてまず決定されるのが当然であって、業者側としてはそれをやってもらいたいということをしきりに主張しております。御承知の通り塩の専売は最初においては一千万円の国庫収入を得るために、日露戦争後の財政措置として始められたのでありますが、大正八年に高橋さんがなくなられたときに、塩のごとき日常生活品からもうけをとることはよくないから、これは収支とんとんにすべきものである、こういう方針がきまりまして、今日は塩の専売は公益専売であります、でありますから、理想をいいますと、収支とんとんでいくのが当り前でありますけれども、ときによりますと、運賃が非常に暴騰するとかいろいろな情勢の変化によって塩専売が赤字を出したことはしばしばありまして、そのたびごとに、これは専売の納めます金は専売益金として納まっておるのでございますから、あるいはたばこの方からこれを補給するというようなことでずっとやってきておったのであります。また専売公社になりましてからも、ずっと塩専売会計は、これは何も生産者の努力ではありません。生産方面の努力ではありませんけれども、黒字をずいぶん続けておりまして、たしか八十九億ぐらいの黒字を国庫に塩専売会計として納めておるのであります。そういうような関係もありますから、かような塩田の革命において非常なときに当って、その改良工事の途中において収納価格を下げるというようなことは、業者の生産意欲を非常に阻害し、非常な悪影響を及ぼすから、せめてこの改良事業の終了するまで待ってもらいたいということをたびたび、昨年来申し上げておるのでありますけれども、これは生産コストから見ても下るのである、あるいは塩専売収支の会計の赤字が出るということは塩専売会計としてどうしても余儀なからざることであるとの一点張りで、それを復唱される点において、私どもなかなか不満に思っておるのであります。  それから今もう一つお話がありました一万円の問題でありますが、これは将来の目標としては一万円程度にしなければならぬということは公社もこれを言い、業者の方もそうしなければ、何しろ外国塩が非常に安いからという意味において、私どもは賛成を表しておるのであります。これは将来の問題にかかってくるわけで、現在の収納の価格の問題ではないのであります。そのことを申し上げておきます。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 業界の考え方もわかりましたが、塩脳部長さんのおっしゃることも私は非常に独断が多いと思うのですね、たとえばあなたの話によるというと、三十一年度六十数万トンであった、それが今度は百万トンになるのだ、これだけ大きな飛躍をする業界が一体どこにあるか、このことを考えてもコストの引き下げはできるはずだと言われますけれども、しかし同時にあなたの方は生産費調査をやってみて本年度一ぺんに三十万トン以上のものがふえているという状況の下においても、あなた方の一方的な生産計算によってもわずかに六百五十円しか下げる余地がないのでしょう。一体一万円といったところで平均すると、工業塩と平均すると、あなたは八千円ぐらいと言われます。一万三千円から八千円まで、五千円ですよ。この一年間に六百五十円下った、ところが三十三、三十四、三十五、三十六までにこれを五千円下げるというようなことが、こんなことが一体、あなたが生産の増強から見てもそのくらいのことはできるのじゃないかと言われますけれども、私どもはこれは納得できませんよ。従ってあなたの言われるところの生産費調査というものを出して下さい。これをちょっと仔細に検討してみたいと思います。  それからさらにもう一つお聞きしたいのは、一体あなたのお話を聞いておっても、今後塩専売の方では若干の赤字を覚悟しなければならぬということでありましたが、そういう赤字は今までの計画を進めていくということになるというと、今後年々どのくらいの赤字ということを見込まれておるのか。  それからさらにもう一つお伺いしたいのは、何年でありましたか、例のソーダ工業塩の輸入をこれははずされました。そういうようなソーダ工業塩の輸入を専売からはずしたということは、私は非常な、ことここに至ると専売業に大きな混乱が出てくると思うのですが、先ほどの対策の中にはそのことは一つも触れておられませんが、このことは一体どう考えておられますか。

木内四郎自由民主党

○木内四郎君 関連質問。さっき塩脳部長からお話があった、六百五十円ですか、下げる可能性があるということをお話になったようです。これはまあ塩の買い上げの価格は全国一律である点を考慮してのお考えじゃないかと思うのですが、そこで私の伺いたいのは、しかも今日問題になっておるのは、あなたの方で指導された流下式ですか、枝条架式ですか、それの収量がずっとふえたというところに問題があると思うのですが、そこであなたの方が初め指導されるころは一ヘクタールあたり百五十トンという計算で指導をして、そしてそういう計算で設備費が幾らかかる、国庫の補助をどうする、資金の融通をどうする、それでそれに対する運転の資金もどのくらいかかるというようなことを計算されておやりになったのだろうと思う。そこで問題は、そこに集中してきていると思うのですが、それは最後の結論はともかくとして、あなたの方でヘクタールあたり百五十トンということで指導された。そのときの設計図、設計図というか、見積りでやったところが、多少電力その他の資金はかかったにしても、百五十トンの見込みのものが二百トンとれ、二百五十トンとれたときの計算は、何千円下げ得るかという計算が、すぐそこに出てくると思うのですが、そこを一つの例にとって、当初の指導のときに百トンの計画でとんとんだった、一万三千円だった、それが二百トン、二百五十トンとれたときにそれが六千円になるか、七千円になるか、八千円になるかという計算を一つ見せてもらいたい。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 江田先生の言われた現在一万三千円のものを数年の間に八千円に下げるということは乱暴ではないか、まさにその通りであれば、これはもう乱暴と批評されてもいたし方ないと思うのでありますが、先ほど来しばしば申し上げているように、公社が現在考えておりますのは二百トンまでの生産を全体の塩業については確保したい。その場合にはこれはもう一万円というのが目標でありまして、現在一万三千円のものを何とかして一万円に下げたい。目標は三十六年度に一万円でありまするけれども、それは今後の状況によってはあるいはその完成年次が多少ずれるといったようなことは当然あり得ると思いますけれども、一応目標としては三十六年度に一万円に下げたい。それで先ほど申しましたように現在すでに相当設備を持ち、優秀な成績をおさめておるものは、二百トンを越えたものは五千円に収納されることになりますから、そういう優秀な企業については全体のコストが八千円かそこら辺の見当に下ってくる。これは優秀な企業とそうでない企業とのコストの開きとしては……十分その程度のものは期待できると私どもは考えております。現にこれは私から申し上げるのは多少いかがかと思いますけれども、塩業者の方でも昭和三十六年度には一万円に近い生産費になってくる。一万八百十五円という生産費の計算をいたされております。もちろんこれは私どもに言わせれば、まだ甘い計算でありますけれども、それでも一万八百十五円にはなり得るのだという計算をしておられるわけでありますから、こういうことを私が申し上げるのは、あるいはいきすぎかもしれませんけれども、実はそういう点も私どもとしては参考といたしまして、決して目標としての一万円は不可能ではないというふうに考えております。  それから木内先生のお尋ねの点はまことにごもっともでありまして、今手元に的確な資料を持っておりませんので、あらためてそういう資料をお出ししたいと思いますが、先ほど沢田参考人からも言われましたように、当初の流下式転換の目標生産量は百五十トンであった。従来の入浜塩田の全国の平均は大体百トンと言われております。ところによりましては百三、四十トンぐらいとっておったところもありますが、また低いところは六十トン、五十トンというところがありまして、平均は百トンと言われております。これが流下式に転換いたしまして五割の増産ができれば、これは大へんな塩業革命であるという考えで実は始めたわけです。それが現在では三百トンを越えているようなところも出て参っている、これが実情であります。これは現に三百トン以上とっているところもある。百トンが三百トンになるというのは、これは三倍の生産量ということでありまして、容易ならざる増産であります。そうであれば、多少そのために設備費がかかる。もちろん鹹水がたくさんとれますから、鹹水だめもたくさん要りますし、その他の設備もよけいに要りますから、それに応じまして建設費はよけいにかかる点もございますけれども、しかし単位当りのコストというものは百五十トンと予定したものが三百トンとれれば、それに応じて下ってくるのが当然でありまして、私どもが初めに考えました以上の生産費の低下というものが、現に優秀な産業においては実現されておるのだ、これは否定できない事実だろうと思います。その実情につきましては、木内先生のお話のような資料を調製いたしまして提出いたしたいと考えております。  それから自己輸入の問題でございますが、自己輸入の点につきましては、昨年度は実は公社といたしましてはこれに賛成でなかったのでありますが、政府の方針といたしましては、戦前の自己輸入の制度を再開するということで方針がきまりまして、私どもも昨年の下期からそれに従っております。ただ自己輸入制度は戦前、御承知のように長いことこれを実行いたしまして、それによりましてソーダ工業を育成して参ったのでありまして、やはり基幹産業としてソーダ工業をできるだけ育成するという政府の方針は、現在でも継続されておるのであります。そのために一方では工業用塩の特別価格制度というものも認められておるのでありまして、私どもといたしましても、政府の方針がきまりました以上は、これに従っていかなければならぬ。ただ従来公社が輸入をいたしておりましたときと、それから現在の自己輸入のときと比べまして、別に公社がソーダ工業用塩を輸入していたためにもうけておった、つまり食料用塩をソーダ工業用塩にかぶせておったということは実はないのであります。従来のやり方でも工業用の塩の価格はときどき変更いたしましたが、それは平均の輸入価格をもとにいたしまして、できるだけそれに近い価格で売り渡しまして、その実際の平均輸入価格と公社の売り渡し価格との差額あるいは差損というものは、あとで調整するということで大体はやって参りました。従って公社はソーダ工業を扱うことによりまして別に利得を得ていたわけではないのであります。従いまして現在自己輸入を認めまして、公社はやはり形は公社輸入でございまして、塩船が入って参りますと、それを検査し、量目をはかり、分析をする。そして買い入れと売り渡しの手続をとるというようなことで、公社の仕事もやはり残っておりますので、その経費といたしまして、トン当り四十円を徴収いたしまして、それをソーダ工業に売り渡すということになっておりますので、ソーダ工業の何と申しまするか、全体の計算では自己輸入前とあとで大した違いはないのであります。それから将来五千円程度の工業用塩が公社で収納されるときをとってみますれば、公社で五千円で収納いたしまして、それに必要の経費を加算いたしました価格でもって、その塩をソーダ用に売るわけでありますから、ソーダ工業用としてはやはり収支がとんとんになる。食料用は食料用の方で収支はとんとんになる。従って公社はいずれの場合につきましても、収支のバランスがとれるようなことにいたしたい、これが理想でありまして、ソーダ用でもうけるとか、あるいは食料用で損をするとかいう考えはないわけでございます。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 さらに公社の方で赤字をどういう工合に見るかという御答弁がありませんでしたが、それはあとでもよろしいが、とにかく今のお話を聞いても、われわれはなかなかこれは納得できませんよ。われわれも直接塩業を営んでいるものではないからわかりませんけれども、しかし業界の主張とあなたの方の主張とは非常に開きがあるし、あなた方は業者の見方は甘いのだと言われるけれども、一体あなた方にその資格があるのかということになるのです。突如としてこういうような大転換を持ち出すようなことをするあなた方に、タバコを例にとってみれば、減反案を持ち出すようなあなた方に、一体専売公社副総裁はその資格があるかどうかということなんです。その点まず資格審査からしていかなければならぬと思うのですが、そこで一体いつまでにおきめになるのか。私はそういうおきめになるまでに、今私が申し上げましたような生産費の調査、これは木内さんの言われたような、そういう意味の調査というものも必要であります。それからあと国家補償というような問題がありましたが、国家補償ということについて、公社の場合に国家補償というものの具体的内容はどういうことか。さらに、これからこのコストの引き下げをやっていくということになると、これは相当の設備を改善しなければ、ほっておいてはできるわけのものではないのでありまして、そういうことのために、あるいは金融措置なり、あるいは補助の措置というものをどういうふうにとっていかれるのか。そういうことなしに業者独自の考え、あなたは八千円になるのじゃない、一万円、一万円と言われるけれども、しかし平均単価を見ても、八千円ということもまた根拠のある数字であります。一万円でも八千円でもいいけれども、そういう大きなコスト・ダウンをするためには、設備の改良資金を一体どこから引き出してくるかということが問題になる。そういうことを聞いてみなければならない。  それから今の工業用塩の輸入問題につきましても、なるほど工業用塩の輸入で、あなたの方でもうけるのでもなし、損をするのでもないということは、そうでしょう。しかしながら、これほど大きな塩業革命をやるということになるのなら、あるいはソーダ工業というものにも負担の余地があるのじゃないかということを考えざるを得ないわけなんです。もちろんソーダ工業というのは基幹産業であるし、そうして現在の経営状態というものも、むしろ関連産業ということによってカバーしておるという面があることも、私どもは知っておりますけれども、それにしても、これだけ大きな転換をやるなら、これはやはり専売事業の一環の中に、専売の方へもとのように取り入れて、そこで全体の計画を立てていかなければならないのじゃないかということを考えなければならぬ。最近の神武景気がくずれたというような問題についても、国内の資源開発なしに高度の経済の成長をはかるということが、どんなにおそろしいものかということがはっきりしてきたわけでありますから、そういう点ではやはりソーダ工業のようなものも、国内の資源開発ということについては、もっと本気で考えていかなければ、とんでもないところでまた外貨危機というような問題も出てくるわけなんでありまして、そういうような点から私は言うのであって、何もすぐに今損をするとか得をするとかいうことを言っておるのじゃない。  そこで、まだほかにいろいろな問題がありますが、これは委員長にちょっとお尋ねし、委員長から一つはっきりしていただきたいと思うのですが、公社の方がもし早急に、現在業者との話し合いをしておる問題を解決しようというのなら、私はそれまでに今申しましたような資料をあらためて公社の方から出してもらって、そうしてこの話をつける前に、もっとわれわれの納得のいくように、この問題を今後検討しなければならぬと思います。あるいはその時期が延びるのでありますれば、そうしてその間にもう一ぺん委員会を開かれるというのでありましたならば、今の予定では来月の二、三日ごろとかいうことでしたね、そういうころまでにこの問題はまだ最終的結論に至らぬで、最終的結論に至るまでに、われわれがもう一ぺんこの問題を扱うというチャンスがあるならよろしいが、そうでなかったら、さらにこの委員会を開いていただかなければならないと思いますので、この点は委員長から公社の方に向ってはっきりお確かめになって、私の希望がかなえられるように取り計らっていただきたいと思います。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 承知いたしました。  昨日来すでに今江田君から発言のあったようなことは、公社の方も看取をしておられると思いますが、公社側からはすみやかにやるというお話がありました。すみやかにという経度の問題ですが、すみやかが、ここ一カ月足らずの間にやるということのすみやかというようなことになれば、これは委員会としては、その前に委員会を開き、さらにそれまでの問に資料の提出を求めて、詳細検討しなければならぬということになると思いますが、すみやかという程度は、どの程度のことでありますか、あらためてお伺いいたします。

舟山正吉日本専売公社副総裁

○説明員(舟山正吉君) 公社の立場といたしましては、この状態を続けますと、それだけ赤字がふえるわけでございますので、できるだけ早く解決したいという希望を持っておる、これは公社の立場として一つ御了承願いたいと思うのであります。そこで先ほど塩脳部長から申し上げましたような案を業界にお示しいたしまして、意見も伺っておる最中でございます。そこで当委員会の御審議に御必要な場合には、先ほど来御指名になりましたような資料は速刻調整できまずから至急御提出申し上げたいと考えております。

江田三郎日本社会党

○江田三郎君 そこで委員長にお願いするのは、われわれがこの次の委員会に来てみたらもうとうに問題は業者に押しつけられて、不合理な形で解決ついてし去ったということでは困ると思うので、それを一つ委員長からお願いいたします。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) その点きのうは塩脳部長からすみやかにと、きょうは副総裁からできるだけ早くということで、やっぱりはっきりしないのですね。大体どれくらいの日取りであるのか、今お聞きの通りです。次回の委員会は十月の二、三日に開こうというのですが、その間は何事もないのかどうか、そこのところはどうなんですか。

舟山正吉日本専売公社副総裁

○説明員(舟山正吉君) この問題がこういうふうに国会の問題になりました以上、業界の方々も公社の圧力に屈して早く御賛成になるようなことは考えられませんから、ただいまの御質問のようなことはその心配はないのじゃなかと考えます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 大体今のお答えでいつごろまでにまとめるかということはわかりました。たぶん本委員会の要望についてもごしんしゃくになると思います。ただそれをどうやってきめるかということがあとに残ると思います。私はその点について専売公社側の考えを聞いておきたい、どうやってきめるか。先ほど私は資料の問題で遺憾の意を表しましたが、もう一度申し上げます。大体私がこの資料を要求いたしましたときは一週間ばかり前で、そうして総裁もこれは私の方に出すと約束されたのに、あなたが口頭で申し上げるということを言っておる、それじゃ私が理事として委員の要求があったときに、今日のような事態になるわけです。やはり自民党の方でも十分検討しておるのでありますから、そういう資料くらいは社会党の方にも出してもらいたい、それを要望しておきたいと思います。これを言わないと虫がおさまらないからもう一皮申し上げます。そこでどうやってまとめていくかということになるのです。今日私が専売公社の動きをずっと見ておりますというと、業者との間に当然話し合いをなされた、九月九日までにその回答を寄せられるという方式でおやりになっておる、もしこの間で業者が納得されるならば、この間で解決したかもしれない。しかしなかなか納得できる問題でもないし、塩業界全般から見れば、大転換を遂げるわけですから、政治問題としても当然発展をして全般の塩業政策を議論しなければならない段階に来ておると思う。そういう意味から今後これをどうきめるかということはかなり政府でも慎重に考えなければならぬ要素を含んでおると思います。ただ私は大蔵委員として確かめておきたいことがある、たとえば第二十六国会に、政府は塩専売法の一部を改正する法律案を提出をされたことは御承知の通りであります。そしてこの法律案によって今後塩の値段については審議会を設けて、この審議会の建議ですか、あるいは諮問でありますか、とにかくそこで検討してきめるという考え方を明らかにして議会に法律案を御提出になったわけであります。これはその他の法律との関係で審議未了に終りましたけれども、この精神というものは時代の進展に従って当然取り入れなければならない性質のものであります。ところが今専売公社が試案として業界に示されたものも、少くとも昭和三十七年までに塩の値段はどうする、こういう予定の計画が立てられておりまして、年次ごとに塩の収納価格は大体その線できまるということに相なろう、いろいろ紆余曲折はあるでありましょうが、ともかく関係方面と了解が達せられ、政治的にも困難な問題が解決せられるとすれば、昭和三十七年あたりまでは少くともその計画に従って塩の生産をはかり、収納するということに相なろうと思います。そうすると疑問が起きてくるのは、塩専売法の一部を改正して塩の収納価格審議会をきめる意義というものが失われてくるということになる、少くとも大半の意義というものは失われて参りますね、そういうことに私どもとしては疑問にぶつかるわけでありますが、この塩専売法についてはどうするおつもりか、これをお答え願いたいと思います。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) お話の塩専売法を改正いたしまして塩の価格の審議会を設けられることについては、公社の考えは現在も変っておりません。次の機会にはぜひこれを提出させていただきたいと考えております。従って今後のさしあたりの収納価格は別といたしまして、少くとも明年度以降の収納価格につきましては、その審議会ができました上で、その審議会に諮問いたしまして決定していただく、これは審議会の十分御検討を願った上できめるということに考えております。お話の一応の収支を算定する必要上明年度以降の価格をかりにこういうふうに下げますれば赤字はこの程度になりますということを計算いたしましたので、これはそういう必要も……どのくらいの赤字を公社は一方では確定するつもりかというような問題もございますので、かりに明年度以降の価格をこういうふうに下げてゆけばこの程度の赤字になりますということを申し上げましたので、決してこれでもって収納価格審議会を縛ろうとか、あるいは収納価格審議会の存在を無にしてしまおうという考えはございませんので、その点はお含みを願いたいと思います。  それから資料の問題でございますが、今お話がございました総裁にお話がございまして、総裁が御承諾なさったということは私は初耳でございまして、私がいろいろ出過ぎたことをしたと思いますが、私が昨日この委員会にお出ししました資料につきましては、それぞれ御相談をいたしまして御了解を得て、昨日はあの程度でよろしいということで提出いたしましたので、決して御要求があった資料を私拒否するというような考えは持っておりませんので、念のために申し上げておきます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 私も念のため申し上げておきます。九月の三日の日に総裁はその案を私の方に提示してもよろしいということがあったんでございます。念のために申し上げておきます。そこで今塩専売法改正案にからんで今後の見解を明らかにされたのでありまするけれども、今日の問題については臨時国会もない、通常国会もないということで、それらの審議会の審議をなくしてきめられるというような情勢にあると思うんです。元来こういうやり方はどうなんだろうと、つまり先ほどからお聞きしておりましても、塩の値段が三十七年までに八千円になるか、ならないかという議論であるとか、一体塩業者はどの程度の採算があるのかというようなことで、それぞれ思惑があると思う。私は塩業者だって今あなたのお話のように予定しておった百五十トンですか、それを三百トンにでもなるということであれば、値段についてもかなりの含みを持っておる、業者だって商売ですから。そういうことも予想せられるし、またそのことがそうでなくして逆の場合であっても、業者は不当に専売公社の権力行政に泣かされなければならぬということもあり得るでしょう、それを今のように業者の意見を聞いて、そうしてやるというようなやり方でこの重大な転換期に当っての決定を進めるということは適当ではないんじゃないか。これはよろしく塩専売法の一部改正案を出してきた精神にならって、国家が認めた一つのそういう機関で検討して、そうして塩業政策全般について万遺憾のないような措置をとるのが、政府としての責任ではないかと私は思うのであります。そういう意味で、今回の取りきめ等についても、ただ大蔵委員会で質疑をして、それにあるいは問答をし、そうしてまた業者との間に話し合いをする、そういう進め方で最後の取りきめをするのでなく、やはり何らかの機関というものを作ってやるべきだ、こう思うのであります。これはまあ私の意見になりますけれども、皆さんの方でもそういう程度の慎重な態度をとって取りきめられていきませんと、そうでなくても専売公社の権力行政が批判になりましたり、あるいはその取りきめ等において正規を失するというようなことがないとは限らない。だからその点については慎重に、また先ほど江田委員から、委員長からもお話があったように、私どもの意向をしんしゃくして取り運んでいただきたいということを要望いたしておきます。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 念のために、ちょっと申し上げておきますけれども、現在はまだ法律がございませんので、私どもは、法律で予想いたしましたような塩収納価格審議会を実質上すぐ設けまして、それにかけるということはいたさなかったのでございますけれども、ほかに葉たばこ収納価格審議会というのが、総裁の諮問機関として内部的に設けてございますので、その方の構成にならいまして、今回は塩業者の代表を正式に公社に招致いたしまして、これにいろいろと——諮問というような形式ばったことではございませんけれども、案を示しまして、いろいろと意見を交換し、懇談をいたしまして、そうしてできるだけ歩み寄って、満足のできるような結論を出したい、こういうことでただいまやっているわけでございまして、まず私どもといたしましては、相手方の塩業者と懇談することの必要を認めたわけでございます。もちろん塩業者が、お話のございましたように、あまりに一方的な結論だけを出しました場合に、これにどこまでも公社が盲従するということは考えておりません。できるだけ公社といたしましては、各方面の利害というようなものを調整いたしまして、全体的な立場に立って、理想にかなったような結論を出したいとは考えておりますけれども、しかしやはり当面の塩業の問題につきましては、できるだけ塩業者と相談して参りたい、こういう考えで進んでおりますので、ただいま両先生からお話のありました点は、今後の運びにおきましても十分に気をつけて参りたいと存じております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 すでに御説明があったかもしれませんけれども、ちょっと先ほどのお話の中で閥きたいことがありますが、塩の小売価格は一体どうなんですか。どうされようとしているんですか。昨日の新聞を見ますと、日本経済には、来月から値上げというように響いてあるし、朝日新聞には逆に値下げというふうに響いてある。一体これはあなた方はどういうふうにされるおつもりですか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 販売価格につきましては、塩の種類の間の価格がかなり均衡を失している面がございますので、そういう点を調整したらどうかということを考えているのであります。それは、つまりあるものについては下げ、あるものについては上げるというようなことができますれば、いわば品質に応じた価格体系というものが考えられる。そうして全体としては、国民に新しく負担を求めるというようなことでなしに参りたいということで、まだその点的確な結論が出ておりません。新聞でもいろいろと断片的に、値下げと書いたのもございますし、値上げと書いたのもございますが、その通りでございまして、公社といたしましては、その点は、慎重に検討を重ねて、その上で結論を出したいと思っております。現在まだ的確な結論を出しておらない、実情でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 先ほどの御説明の中に、この小売価格について値上げをすべきであるという意見もある、こういうふうにおっしゃったのは、それはだれが言っているんですか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) これは主として塩業者の方面でございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは公社の中にもあるのじゃありませんか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 公社といたしましては、値上げ、値下げ、いろいろと価格問題を検討しているわけでございまして、もちろん値上げをしたらどうかという意見も研究いたしております。値下げをいたしたらどうかという意見も研究いたしております。まだその結論を出してないということを申し上げておきたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 先ほど言われたように、値上げ、値下げとも新聞に書いてある通りだ、こうおっしゃるから、そうすると公社としては、実質的に値上げをするということも考え、値下げをするということも考えているのですね。あなたが、品種によって価格のバランスが失しているのを直すというだけでなく、新聞に書いてある通りだというのだから、実質的に値上げする案と値下げする案と両方考えているのでか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 繰り返して申しますけれども、品種間の品質に応じた調整ということになりますと、あるものは上げるということも出て参りますし、あるものは下げるということも出て参ります。従って値上げも値下げも両方あり得るのでありますが、その点について研究いたしておるということを申し上げたわけであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そうすれば実質的に各個人の家庭一戸当りの購入する塩の値段については変化がない、そういうふうになるのですか、結論はどうです。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 結論はまだ出てないということを申し上げるわけであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 先ほどから、私は大蔵委員会であなたの御答弁を初めて聞きましたが、非常に長く答弁をされ、非常に懇切丁寧のように答弁をされておるけれども、結論はいつもあなたのははっきりしませんよ。そんな答弁ではおかしいと思うのです。今、先ほどわずか一分くらい前には、実質的に負担をさせないとこう言って、今は、どうなるかわからぬ、そういうことじゃ困ります。私は、このあとまだ審議事項がありますから、くどいことは要らないのです。値上げをするかしないかというように、はっきり言ってもらえばいいのです。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 結論が出てないということを……。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 結論は、あなた先ほどは上げないと言ったのですよ。品種間のあれは調整をするけれども、実質的には値上げにならないと、こう言われたのです。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 値上げにならないようにいたしたいということを今研究しておりますけれども……。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 何を言っているんです。そういうふざけた答弁じゃ因ります。しませんと言ったじゃないか。それを今度はするかしないかわからぬ……。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) もう一ぺん繰り返しますけれども、品種間の調整をいたしまして、国民に新しく負担を求めるようなことはしないようにしたいということを先ほど申し上げましたので……。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 答弁中ですが、そういう子供だましのような答弁をしてはいけませんよ。値上げをするかしないか考えているというのなら、それでいいのです。先ほどからのあなたの答弁は、すべてそういう答弁です。もう少しまじめに答弁して下さい。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 私はまじめに答弁しているので、これ以上申し上げようはありませんので……。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 冗談言っちゃ困る。まじめであるかもしらぬけれども、言っていることはわからぬ。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) つまり結論が出ていないからおわかりにならないのでしょうけれども、公社としてはまだ研究の段階でございまして、はっきりしたことを申し上げられないのです。従って御趣旨にかなわないようなお答えしかできないわけです。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 あなたはそういう言い方をしてはいけませんよ。僕は最初に、値上げをするのかしないのか、昨日の新聞に値上げをすると出ているのもあるし、しないと出ているのもありますが、どうですかと聞いたら、品種間のバランスをとるようにやりたい、その結果は実質的に値上げをしないようにいたしますと、こう言っているのです。それから、そういうふうないろいろの考慮をしているから、値上げをすると書いたのもあるし、しないと書いたのもある、そのいずれもほんとうだと、こう言っておるのです。あなた、そういう答弁の仕方では、そんな答弁なら……。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) あとで速記録でごらんいただきたいと思いますけれども、念のためにもう一ぺん全体の答弁を繰り返しておきますると、公社といたしましては、販売価格につきましては、現在値上げをするとも値下げをするとも、まだ結論を出しておりません。しかし公社の考えるところは、この品種間の価格の調整を行いまして、国民の負担を増さないような方向で何とか価格の調整をいたしたい、しかしその結論は出てないわけでございまして、その検討の段階におきましては、値上げ案も検討いたしますし、値下げ案も検討している。従って、その値上げということをつかまえて書いた新聞もあるし、値下げというところをつかまえて書いた新聞もある。しかしそのいずれもまだ公社の結論ではないのでありまして、十分に慎重な検討を遂げた上で、この点につきましては結論を出したい。もちろん価格の問題の重要性を私も十分に承知いたしておりますので、その点、公社の慎重な検討の御猶予をいただきたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 三井さん、あなたもちょっと不親切ですよ、そういう答弁をなさっておるのは、やはりあなたは結論を出していないと、言われますけれども、たしかに今委員会の要望で、私どもが重要な問題だから、十月二日、三日に委員会がある、それまでには結論をつけないように各方面の慎重な態度を糾合して結論をつけてもらいたい、というように答弁をなさったから、結論としては、ついていないということはその通りです。しかし専売公社としては諮問したものがあるじゃありませんか。これはやはり専売公社としては一応の結論ですよ。そうでしょう。たとえばですね、いろいろな塩の値段については価格の調整を行うということも、方針、目標としてはきめておられるし、そうして、上質塩については、これは今度は全国的に販売をして、そうして品質に応じトン当り四千円の引き上げをはかるということを一応専売公社の方針としてきめたじゃありませんか。同時に白塩についてはトン当り千円の値下げを行うということを大体の方向としてきめているわけですね。だからその発表がまちまちに報ぜられるから。新聞に値上げだとか値下げだとかいうように議論されて、一方で報道されておる。明らかに上質塩についてはトン当り四千円の引き上げをすれば、これは塩の値上げですよ。どういう質を販売するか私どもまだ承知はしておりませんけれども、明らかにトン当り四千円の引き上げになる。それから白塩についてはトン当り千円の引き下げをするということになっているのだから、やはりその程度は議員の質問に対しては明らかにしてもらわないと、あまりその場当りの答弁になって不親切になるのじゃないか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 実は私、思い違いしておりまして、小林先生、私の先ほどの説明をお聞き下さったのだと思いましたけれども、それをお聞き下すっていないとすれば……。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 聞いていますよ。聞いてもわからないから……。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) そうすると、一応の案としては上質塩の値上げと白塩の値下げということで、品種間の価格の調整を行なって、そしてその結果は国民の負担を増加しないように数母等の調節をしたい、こういうことで一応の案を作って今検討をいたし、あるいは御相談をいたした、こういうことを申し上げたわけです。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私、今度は副総裁にお尋ねしますが、そういうような、私はさらに具体的な資料でお尋ねしますけれども、いろいろ検討して上質塩の値上げ、品質の一悪いものの値下げ、そういうことをやった結果、全体の国民の生活には影響のないことになるのですね。一般家庭の家計には全然影響はないのですね。

舟山正吉日本専売公社副総裁

○説明員(舟山正吉君) 全体として国民の経済生活に影響のないようにしたいと考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 したいといっても、具体的にそういう数字が出れば、これは影響があるかないか、具体的に値上げになるか値下げになるか、わかるでしょう。

舟山正吉日本専売公社副総裁

○説明員(舟山正吉君) したいと申しましたのは、そういう結論に持っていきたいということでございまして、この問題の全般におきまして、公社としては、収納価格の引き下げによって公社の赤字も減らしていきたいと考えておるのでありますが、これについていろいろの御議論もある。そういうことがきまって参りませんと、この販売価格をどうするかというようなことにつきましても的確に結論が出てこないわけであります。今は公社の方策ということではなくて、公社の一応の案と申しますか、考え方という程度であるということを御了承願いたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私はこういうくどいことを聞いたことはないのだけれども、なぜ言うかというと、昨日からのこの資料をもらっても、こういうふうにまるで計画が変ってくる。こういうところは何か公社のいろいろの計画に不十分な点がある、見通しに誤まりがあるのじゃないか。また多くの委員の諸君の考え方もそうなんです。そこで今のこの価格の問題一つ聞いても、先ほどはこの収納価格と別個に話されているのです。今度は収納価格がどうなるかによって変ってくると、こういうふうにまた副総裁の御答弁は変っているのです。今までの話は、収納価格とは分離してお話になっている。だからその分離した公社の案では一体上るのか、下るのか。どうするつもりなのか。この間、新聞が全然別のことを書いているのです。こういうことは例がないだろうと思う。この委員会においてあなたたちが説明すると同じようなことを新聞記者に言ったり、外部に発表したりするからで、この朝日と日経の記事が全然反対のことを書いているというようなことになると思うのです。これはここだけでない。絶えずあやふやなことをしゃべって歩くから、こういうことになるのじゃないかと思います。副総裁にお尋ねいたします。

舟山正吉日本専売公社副総裁

○説明員(舟山正吉君) 新聞の記事が、どこで取材してくるか、私どもも責任は持てないのでありますが、まあそのうちの一つの朝日新聞の記事は、公社は収納価格の引き下げを企図している。そうすれば、収納価格が下れば、販売価格も下るであろうと、こういう結論を出したもののように読んだのでございます。もう一つは日本経済でありますけれども、これについてはいろいろのことを申し述べているので、私にはその真意はちょっとわかりかねます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 その日本経済の記事が、真意がわかりかねるとおっしゃるけれども、日本経済の記事は、「食料用塩、来月から値上げか、袋入り三十円に」と、こういうふうにはっきり書いているのです。真意をはかりかねるとか、ばかに回りくどい御表現になりますけれども、これは、はっきり書いてあるのです。私はこういうことをお尋ねしているのです。

舟山正吉日本専売公社副総裁

○説明員(舟山正吉君) 来月から食料塩の値上げというようなことを考えておりません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは収納価格と、それならば、今度の食料塩の値上げという、価格の決定は収納価格と結びついて考えられるわけですね。

舟山正吉日本専売公社副総裁

○説明員(舟山正吉君) これは収納関係と販売関係と別個の問題じゃないかというような御指摘もありましたけれども、これら合せまして一つの公社の営業に対する政策なんであります。それで先ほど塩脳部長からも全体について御説明申し上げておるのであります。これらが相まちまして公社の赤字問題と結びつき、将来どう持っていかなきゃならぬかという問題につながっておるのであります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 要するに収納価格に変化があった場合には、食料塩の価格も変化がある。変えられるわけですね。

舟山正吉日本専売公社副総裁

○説明員(舟山正吉君) その点は先ほど塩脳部長から申し上げましたようにこの塩種間の調整すなわち収納塩の中に含有されております塩化ナトリュームの純分に応じてこの価格をきめていくことが合理的であろう。しかし現在必ずしもその通りになっておらぬから、塩種間の価格というものは、あるいは再調整の必要があろうということを、塩脳部長から申し上げたのでありますが、全体としてこの価格の引き上げということは避けるべきであろう、こういうふうに考えておるのであります。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 小林君いいですか。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 またあとで。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 塩脳部長にお尋ねいたしますが、先ほどから江田、平林両委員といろいろお話をなさっておられるのを伺っておったのですが、それで非常に奇妙なことを伺うのですが、現在、塩を専売にしておられる目的は何ですか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 塩専売法にあまり的確な言葉もないようでありますが、なかなかむずかしいお尋ねで、私も即座に的確なお答えができるかどうか疑問でありますが、私どもが従来承知しておりますところでは、塩専売の終局の目的はいわゆる公益専売ということであります。一口に申せば公益専売でございまするが、この公益専売ということをもう少し砕いて申しますると、その内容は三つ、四つくらいになってくるのじゃないかというふうに存じます。一つは、国民に対してできるだけ安い塩を供給する、これはもちろん食料塩も工業用塩も含めまして、できるだけ安い塩を供給するということであろうと思います。それからもう一つは、その塩の供給を、何といいまするか、できるだけ確保する、つまりそのときの事情によって塩が非常に不足して十分な塩が配給できないとか、あるいはときによっては非常にゆるやかになるとかいうことではなしに、必要の限度におきましては常に配給を確保する、こういうことが一つの目的であると思うのであります。それから一つは、内地塩業の保護ということであります。これは、やはり不可欠の生活物資を生産する、内地塩業というものを必要の限度におきましては十分に保護いたしまして、必要な塩の生産を確保してもらう、こういうことであろうと思うのであります。おもな塩の専売の目的は、大体その辺に尽きるのじゃないかと思うのであります。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 そうすると少くとも目的がいわゆる財政専売ではない、これは先ほど平野参考人がおっしゃったのですが、それは一つそうでないということがわかった。そうすると、二番目に上げられました需給関係でいいますと、戦争というような事態を考えない限り、目先、非常に供給が足りなくなるということはそう考えなくていいので、むしろその反対で困っているはずです。そうすると残ったものは、国民に比較的安価に塩を供給するということと、国内の塩業を保護するということ、この二つが当面の問題として残るわけです。それでお伺いをするのですが、専売をやって国民に廉価に塩を供給するというのならば、今かりに専売をおやめになりますと、塩の値段は上るというふうに考えられますか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) むずかしいお尋ねなのでありまするが、現在即時に専売をやめました場合にどうなるだろうかということは、実は私どももときどき研究してみるのでありますけれども、なかなか的確に予想心がつかないのでありますが、一応考えますのは、塩の輸入の方を自由にしておけば、どんどん外国から安い塩を輸入して参りまして、それを再製あるいは加工して食料用塩を作りまして、その再製、加工費というようなものを相当かけましても、内地の塩の生産費よりはずっと安い塩が供給されることになると思いまするので、そのまま手を加えませんでおきますれば、内地塩業はほとんど全部つぶれてしまうのではないかという状況が予想されます。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 それはもちろん外国から輸入すればそうなることは明らかなんですから、そういうことでなくて、外国から許可なしに輸入ができるわけではありませんから、外国からの輸入は、今のままの数次を一応コンスタントなものをとりまして、それ以外について伺っておるのです。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) しかしお話の、専売をやめてしまうということになりますと、これはやはり生産も輸出入も自由であるということになるのであります。それはやはり塩を輸入したい人は、外貨の割当さえ受ければ自由に輸入できる。もちろん外貨の割当では、あるいは関税政策とか、そういう方でいろいろ手を加えることは新しく考えられるかもしれませんけれども、ただ専売制度をやめてしまう、やめっばなしにしてしまうということになると、私が申し上げますような状況が直ちに起ってくるのじゃないかということを私どもは考えておるのであります。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 こういうことがつまり伺いたいのです。専売をなぜやっておるかということは、消費者に廉価に塩を供給するということが一つの目的である、そうしますと、普通、物の価格というものは、普通でいえば、需給関係の落ちるところにきまるわけです。そのもとには生産者のコストというものがあるわけです。そこで専売で消費者に比較的安く供給しようということは、だれの犠牲でそういうことができるのか、それを伺いたい。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 結局こういうふうに申し上げたらどうかと思うのでありますが、塩を安く国民に供給するということと、それから内地の塩業を保護するということが、先ほど申しますように両立しなければならない。極端な場合を考えますれば、内地の塩業は全部つぶして、全部輸入して、安い塩を供給すればいいじゃないか。それから極端な場合を考えますれば、輸入を全然しないで、内地塩がどんなに高くても、それを供給したらいいやじないか、こういうことになる。その中間の場合で、一定の部分は外国から輸入し、一定の部分は内地塩を生産して配給する、これが現状——ただいまの状況だと思うのです。その場合に、さらにこの現状からどっちに進んだらいいか。つまり全部国内で供給する方がいいのか、全部輸入にした方がいいのかということが問題になるのでありますが、今私どもの考えておりまするのは、内地の塩業を助長して、相当安い塩が供給できるという見通しがあるのであれば、やはり内地塩を建前にした配給体制というものを考えるべきじゃないか。もう一つ申しますれば、それを、安い塩を供給するという方を主にして、現在の輸入量をそのまま維持するとか、あるいは輸入量をもう少しふやすとかということになりますと、内地の塩業というものは、先ほどから問題になっておりますような、相当強い生産制限を受けなければならない。ほうっておきますれば相当増産されるような状態にあります。それを生産制限をしなければならない、あるいは極端な場合には、塩田を整理しなければならぬということになると思います。かりに塩田を整理いたすことになりますと、その金が当然要ることになると思うのでありまして、その塩田整理に利用する金は、全然別のふところから出てくるのであればいいのでありますけれども、結局やはり国民の上にはね返ってくる、専売事業の上にはね返ってきて、配給の塩価にかぶさっていくということにならざるを得ない。そういたしますると、あまりたくさんの金を出して塩田整理をするということも、これはいけないのであります。できれば一番いい方法は、内地の塩業をできるだけ使い塩が生産できるところまで引き下げていって、それが食料塩の需要に見合うのであれば、食料塩は全部内地の塩でもって供給する。つまり、ただいま考えておりまするような方向に持っていくのがやはり一番いいのじゃないか、これがそれ以上に安く塩が供給できればいいのでありますけれども、その点は、国民にも負担していただきまして、できるだけ安い程度のところでもって満足していただく、そして、内地の塩業もあまり過度な増産は避けるとしても、できる程度の生産は確保してもらう、そういうところに持っていきたい、こういうふうに考えているので、私どもも、現状におきましては、その程度の行き方が一番適当なところじゃないかというふうに考えております。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 物を作って売る方の立場から考えると、価格というものは、コストを幾分か上回らなければならぬということになると思いますが、塩の収納価格というのは、そういうふうに考えてきめられておるものですか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 御承知のように、現在の収納価格は、塩の生産費を詳しく調べまして、過去の公定価格、いわゆるマル公を設定する場合には、大体そういうふうな方式をとるものが多かったと思うのでありますが、七・五%のところで大体バルク・ラインを引くという建前になっております。従って、バルク・ライン以下のものは、これは赤字が出ざるを得ないのでありますが、バルク・ラインをずっと上回る業者は、バルク・ラインとの差額、つまり専売公社の収納価格と実際の生産費との差額が余裕になってそこへ入ってくる、そういう建前となっております。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 そういたしますと、一番初めに言われました、消費者に低廉な塩を供給するということ、国内の生産者を保護するということ、その二つの目的とも、そういう考えでは、両方とも達していられないことになりませんか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) ちょっとお尋ねのあれがわかりませんが、つまり七五%のバルク・ラインということは、塩の生産の状況がだんだん能率化して参りますと、一番上と一番下との幅が縮まってくるということになると思います。従って、かりに七五%のところで線を引きましても、一番極端な、一番いい生産者をとりまして、その生産者の生産価格と収納価格というものの開きはごくわずであります。それをできるだけ安いところへ持っていって、そのまた一番成績のいい塩業者に与える利潤もできるだけ安くして、安くすることによって塩の収納価格をできるだけ安くする。それによって、配給価格の方もできるだけ安い塩を配給するようにいたしたい。従って、そういうやり方で、私は、当初申し述べました二つの目的は、完全に達成できるとまでは申せないかもしれませんけれども、ほどほどのところでもってやって参れるというふうに考えております。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 そうですから、そういうふうにやっておられるということは、これは、塩を作っている人の犠牲においてやっておられるのじゃありませんか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) その点は、先ほど来申し述べておりますように、いかに収納価格を下げるとは申しましても、それを絶対にそろばんがとれないような収納価格に持っていくということは考えておりません。どこまでいっても、一定の生産をしているものについては、少くとも収支が償うというところで持っていっているわけでございます。いつまでなりましても、たとえば七五%の生産者は収支が償う、またその場合、二五%のはみ出す生産者があるということは、これは否定できませんけれども、大部分の生産者は、これで収支が償っているということでありまして、従って、大部分の生産者の犠牲において安い配給価格を確保するという考え方ではないのであります。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 外国からの輸入は、為替の許可がありますから、自由にできるということは考えなくていいと思いますが、その数字をコンスタントにして専売というものをやってしまった場合に、今バルク・ラインの上の方の人たち、この人たちの利益というものは縮めるために専売をやっておられるのだから、それをはずせば、もう少しよけいもうかるということになるのでしょう。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) これは、現状でもって輸入を抑えられる、つまり永久に為替統制というようなものが行われて、現状以上には絶対に輸入をふやさないということでありますれば、まあお説のようなこともあるいは可能かと思いまするけれども、われわれといたしましては、やはり内地塩である程度安い塩が確保できるのであれば、それをやはり国内配給の塩としたい、輸入塩はどこまでも第二義的である。どうしても内地で足りない塩は輸入いたします。少くとも食料につきましては、足りない塩は輸入いたしますけれども、内地で生産できるのであれば、それを食料塩として供給したい、こういうふうに考えております。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 もう一ぺん、非常に簡単に伺いますと、専売をやって、低廉に塩を消費者に供給するということが可能であり、実際それをやっておられると言われるのでありますが、それは、だれかの犠牲でやっておられるに違いない。それは、専売公社の犠牲であるということは、十億円程度そうであるかもしれません。極端に抽象的に言いますと。それ以外は、だれかの犠牲でなければならぬ。それは、やはりバルク・ラインより上の生産者の犠牲だということになりますか。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) その点、私ども考えておりますのは、生産量がふえない場合に、無理やりに収納価格を下げていく、あるいは経営の能率化ということが全然不可能な場合に、無理にこの収納価格を下げていくということにすれば、それは塩業者の犠牲においてそれが行われるということになると思いますけれども、私どもが考えておりますのは、数量をふやして、それからさらに、今後におきましても、経営の能率化ということを行なって、それによって、その生産費が下ってきた度合に応じて収納価格を下げていこうというのですから、私は、そういう方法が生産者の犠牲において行われるのだというふうには考えていないわけであります。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 塩の会計に赤字が出るということは、それは出ない力がいいことは確かですが、さっきのような財政専売でない、それ以外の公益専売の目的でやっておられるとすれば、これはむしろ黒字が出たり、もうかったりするのが不思議なわけですが、赤字が出るということは、まあどれだけ出てもいいとはもちろん申し上げている意味じゃありませんが……。

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) もちろん公益専売は収支とんとんということが目標でありますから、赤字はできるだけ減らさなければならぬということで、たまたま過去に黒字が出ておる年度もございますけれども、これは、主として塩の輸入価格との関係で出て参りました黒字で、本来の塩事業によって黒字が出てきたという面は少いのであります。また、黒字がほんとうにそういう専業面に出てくるということであれば、販売価格をさらに下げて、黒字を出さないようにすべきだと思います。黒字を出すということは目標でないわけであります。

宮澤喜一自由民主党

○宮澤喜一君 公益専売というのは、収支とんとんということが目標ならば、それは一文も金を使わないで公益としてやっているということになるのですか。(江田三郎君「それはあんたが答弁するのじゃないんだよ、大蔵大臣に聞いてもらえと宮津君に言いなさい」と述ぶ)

三井武夫日本専売公社塩脳部長

○説明員(三井武夫君) 今は、補助金を出し、農林漁業資金をつぎ込んでおりますけれども、これは、永久にこういう状況を続けているつもりはないのでありまして、将来は、補助金も要らなくなり、あるいは国家資金をつぎ込むということもなくなるのが、私どもの期待いたす状況であります。まあ、あなたの言われた、一文も金を使わずという意味はよくわかりませんですけれども、それに近いような状況に理想としてはなり得るじゃないかと、こう考えております。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 速記をつけて。他に御質疑がなければ、本日は、本件の調査はこの程度にとどめます。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 昨日来中小企業の金融難打開のためにいろいろこの審議がなされたのでありますが、この政府の大蔵大臣の答弁をお聞きいたしましても、なお一段と努力をしていただかなければ、この現状を打開することは困難のように考えられまするので、ここに決議案を上程いたしまして、政府の緊急なる善処を要望いたしたいと思うのであります。  案文を朗読いたします。  何とぞ満場一致の御賛成をいただきたいと思います。

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 ただいま椿委員の御提案に相なりました決議案でありまするが、昨日来の会議の状況から見まして、まことに妥当なる御提案だと存じまするので、ここに賛成の意を表しまして、政府の善処あらんことを要望しておきます。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) ただいま椿委員より御提案になりました決議案を本委員会の決議とすることに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。よってさように決しました。  なお、ただいまの決議の大蔵大臣に対する送付方につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 次に、入場税法の一部を改正する法律案を議題として、質疑を行います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 現在、本委員会で継続審議中の入場税法に関する一部改正の法律案について、二、三今日の状態についてお尋ねをしておきたいと思います。継続審議中の法律案における問題点は、第二十六国会の末におきましていろいろ議論をせられました。今日における問題点は、この法律中に書かれておる純演劇という言葉とそれから一般演劇と一体どういうふうに区分をするのか、こういう議論がありまして、問題点の一つになっております。もう一つは、純演劇、もしくは演劇全般の税率を改正した場合に、国庫収入に与える影響がどういうようになってくるか、これがあまりに大きいことでありますと、議論の対象になってくると思います。そういう点が一つ政府においても十分検討をしなければならぬ問題点であります。もう一つ、三番目に問題になるのは、入場税法の全般についてその税率が今日の状態において権衡を保たれておるかどうか。そうして今日その権衡をとるために、この際それも加えて改正するかどうかという議論もありました。とにかくこういう三つの点が問題になったことは事実であります。しかし、私どもは一方において、衆議院を通過して参りました入場税法の一部を改正する法律案があります。そして、これは政府与党である自由民主党で賛成せられまして、本委員会に送付をされてきておるのでありますから、公党の立場からいたしますと、これはそのまま参議院においても通過成立をせしめるということが、いろいろ議論があるかもしれませんが、道理だろうと思うのであります。しかし先ほどあげましたような問題点がありましたから、私も休会中にいろいろな角度からそれを検討をしてみたのであります。しかし前にも申し上げたように、純演劇という言葉が法律上適当ではないという意見もありましたけれども、一方においては、すでに純音楽という法律用語もございまして、前の法律に眼をつぶられたのでありますから、こういう意味では差しつかえないのではないか。厳格にいえばいろいろ議論があるかもしれませんけれども、それではその厳格な言葉からいって、現在の純音楽という法律用語も変えるかとなりますと、これまた、はなはだ重要な影響を与えて参りまして、そう厳格なことばかりも言っていられないのじゃないかと、私はそういう結論に達したわけであります。  それから常識的に見まして、演劇全般について、それでは現在の課税が妥当であるかどうかという点について、いろいろ各国の例なども比較いたしまして検討してみますと、どう考えても、演劇に対する課税というのは高きに失するのではないか。政府が、現在施行中の法律について、高いとか安いとかいうことはなかなか言いがたいかもしれませんが、政務次官は、常識的にいえば高過ぎるものだという私の説に対して肯定をなさったこともあるわけであります。原局長も、入場税全般について検討を加えて、次の国会には提出をしたいという御希望もされたわけでありますから、その後、政府としてもある程度進展をしているものと期待をいたしておるわけであります。今日の時限におきまして、大体どういうような進展を示しておるのか、一つ参考のためにお伺いしておきたいと思うのであります。なかなかむずかしい問題でありますから、早急に結論をつけることは困難だと思いますけれども、もしそうであるとすれば、私どもが各委員と御相談をして、出発点に戻っても、何とか結論をつけなければならないと思います。税の専門でありますあなたに、各問題点なども加えまして、どういうような進展を示しておるかというお答えをいただけましたら、大へんけっこうだと思いますから、一つお考えをお聞かせ願いたいと思います。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) お話の通り、前回継続審議になります際の御審議におきまして、私の方から問題を政府としても取り上げて、原案を考えるように努力したいということを申し上げてございます。その筋に従って今いろいろ勉強いたしておりますが、これにつき、まず最終案を得るためには、なお御案内の税制特別調査会、これにも諮問いたし、かつやはり、この関係の向きがいろいろあることでございますから、その調査会においてそういう向きの意見も十分出していただいて、その上で結論を出したいというふうに考えております。  なお、この入場税ばかりではなく、ただいまお話の中に出ました入場税にいたしますれば、他の間接税との関係で根本的な税率をどう考えるか、負担をどう考えるかという問題もあるわけでありまして、この面におきましても、先般の国会における衆議院大蔵委員会の決議の次第もあり、そういう面の勉強が要るということで、これも税制特別調査会で近く勉強に入っていただくという考えにいたしておりますが、この方は相当勉強の要る事柄でもありまするし、また、経済情勢全般にそういう大幅な措置がとれるかどうか、かなりまだ年限を要する情勢でありますので、とりあえずのところとしては、先般提案され、継続審議になっておりますポイント、及びこれに関連あるポイントを考えるというオーダーで問題を考える。これは少くとも次の国会までに何とかしたいという考えでおります。その際、演劇全般にいくか、あるいはお話の通り、あまりめんどうに考えずに、純演劇ということでいくか、また先般の法案では、三百円をこしますと純音楽、純舞踊と違うようなことになっておりますが、その辺のバランスをどうするか、この辺のあたりのところが一番大きな問題だろうと思っております。ただいま私どもとして、どうしたいというまでのところに参っておりませんので、なおそれらについて十分各方面の御意見を伺いながら検討して参りたいと思いますので、さよう御承知願いたいと思います。

平林剛日本社会党

○平林剛君 税制全般になりますと、はなはだ複雑で、検討といいましても、そう早くできるものではない。そういう意味で、大きな根本的なことは臨時税制調査会や、その他の機関で十分御検討願うということについては、私ども大いにけっこうなことだと思います。ただ、今、局長の言われたように、この際は先に衆議院を通過した法律案を中心に考えるというお答えがいただけましたので、私としても大へん満足いたす次第であります。私もいろいろ検討してみたのでありますけれども、先般の法律案を中心にして、いろいろの議論を調整をして、一日も早く結論が得られるようにお願いをいたしたいと思います。きょうも午前中の大蔵委員会で大蔵大臣に対し、本年度の税収見込み等から考えて、もし、かなり大幅な自然増が期待せられるというようなときでもあれば、入場税等についても検討を願いたいという要望をいたしたのに対し、肯定的な態度をとられておりましたので、一段と私は進展をすることを期待いたしておるわけであります。  ちょっと数字的になりますけれども、もし、かりに純演劇もしくは演劇の税率が、現在提出をせられておるような程度の税率になりましたならば、国家の税収入に対する影響等については、一体どの程度の影響を与えるであろうか。私はやり方によっては、あまり影響を与えないで済むのではないかという計算もしたのでありますけれども、政府においてはどういうような数字を御検討になっておるか、もしおわかりでしたら一つお答えを願いたいと思うのであります。

原純夫大蔵省主税局長

○説明員(原純夫君) 入場税の三十二年度の予算額は百七十七億円でありますが、そのうち演劇関係がどのくらいであるかといいますと、三十一年度の実績で、総税収入のうち約八%弱、七・五%くらいになっております。絶対額をいうと、百五十九億、約百六十億のうち十二億になっております。それが、総体が百七十七億にふえておるわけでありますから、十三億から四億の見当だろうと推定いたしますが、これが先般の法案でどれだけ減収になるかということにつきましては、いろいろな計算ができますので、確実ではないのですが、御提案の御説明では、たしか平年度二億の減収、初年度一億二千万円というような御説明があったと思います。計算のしようで若干の尾ひれがあると思いますけれども、また演劇の範囲をどの程度に見るかということでも変ってきますが、そのオーダーの数字であろうというふうに考えます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 きょうはこの程度で質問を終ります。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 他に御質疑がなければ、本案の審議は一応この程度にとどめます。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 次に、租税及び金融等に関する調査のうち、租税行政に関する件を問題として質疑を行います。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 渡邊さんにお尋ねをするのですが、三十一年度の自然増収が約二千億ということで、本年度の予算の編成ができておるわけですが、国税徴収の事務分量というものが、相当これは膨大にふくれているのじゃないかという気がいたしますが、それに対して税務職員などの定員というものは、そのままでもこれはいいも一のですかね。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 三十一年度の自然増収、これは当初予算に比べまして、当時その後に補正でもって五百三十億増加をさせました。そしてその補正予算に比べまして決算額の上に現われた自然増収は七百億であります。従いまして当初予算に比べますと千二百三十億ふえました。それから三十二年度の減税その後における税収の見積り、これはお話しのように約二千億が三十二年度におきましては、三十一年度の当初予算に比べましてふえる、こういったような見積りの基礎に立っていることはお話しの通りです。  税務署の仕事全体を見て参りますと、特に三十二年度と三十一年度と比較してみますと、個人の納税者は、これはそれほどふえてはいません。まあ基礎控除が多少上ったゆえもありまして、マイナスの要素もあるわけです。ただ、われわれの方で一番問題としてクローズ・アップしてきておりますのは、いわゆる法人成りと申しますか、個人でやっていた方が会社になってくる。同じ一人の納税者でありましても、会社になります場合は、だいぶ帳簿とか、いろんな組織も完備して参りますから、税務署といたしましてもこれを調査する場合において、かなり個人の場合の調査よりも丁寧な調査をしなければならない。こういった問題で、そういった意味から相当仕事のボリウムは、従来と同じやり方をやっておれば、これは確かにふえております。従いまして、われわれの方も明年度においてやはり相当の定員増加というものも主計局の方に今話を持ち出しております。それから一面におきましては、ただ、まあ現状におきましてなかなか定員の増加というものがそう簡単な問題でないということも、政府部内としても考えなければならぬ問題もありますし、同時に定員増加をお願いする前提としては、まずもって部内においてその仕事の多少とも減ってきた面があれば、その面の人員をふえた方の面の人員に回していくといった部内における調整ですね、これもまず前提として考えなければならぬ、こういったようなこともいろいろ工夫いたしまして、同時に現在の特に帳簿その他の仕事ですが、そろばんとペンでやっておるこの仕事を、何とかして機械化の方へいけないか、こういったようなことも実は前提的に考えております。それは定員を減らすという意味、人をなくすという意味じゃなくて、なかなか定員の増加ということはそう簡単にいかない。従って、まずもってそういった面の機械化によって能率を上げ、そして少くとも外部事務の充実の方へ人手を回したい。三十二年度もそのための経費を相当額いただきましたが、さらに明年度におきましても同じような方向で進んでいきたい。仕事のボリウム全体としましては、結局やり方が従来と同じであれば、これは当然定員増加の原因は出て参ります。ただ問題は、税務の仕事をどの程度に要するにやっていくかという点についてはいろいろ議論があろうと思っております。たとえば間税の仕事などになりますと、密造取締りというやつを一つの理解しやすい例としてあげておきますが、これは非常に密造が多い。これに要するに何人かけるか、これをほんとうになくそうと思えば、相当膨大な人間が必要である。もちろんこれをなくしていかなければならぬけれども、しかもその場合において、どの程度の人間をこれに充てるかというような問題もあるわけです。それから税務署の調査の問題にしましても、法人の調査にしましても、実施調査をどのくらいやるか、全部の会社を実施調査する、これも相当期間を長くかけてやる、これは非常に時間がかかる。しかし現在与えられておる定員で仕事をしていくとするならば、おのずから実地調査の件数を整理し、あるいはかけるところを適当にする、この辺のかね合いの問題が一つあろうと思っております。私は税務行政のほんとうの課税の公平を期するという面からいえば、それはもっともっと定員を実はふやしていただく。同時にぜひ必要なものはふやしてもらうように努力したいと思っております。同時にそう税務官吏の数をふやすということも、なかなかこれは新任の人でもってすぐ間に合うわけもありませんし、いろいろな問題がありますので、片面においては、いかにして仕事をカットするべき仕事はないか、あるいはある程度不満足な点があっても、まあこの程度でがまんすべきものではないか、こういったような点で、税務行政の仕事というものは非常に、私は仕事のやり方にはかなりの弾力性があるのではないか。そうかといってあまり手を抜きますと、これは警察なんかと同じで、そこに出てくる弊害は、その当座はわらなくても、だんだん累積すると恐しい弊害が出てくる。そこにやはり当然考えらるべき定員の一応の上の方のリミットもあれば、下の方のリミットもあるのではないか、かように考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 ただいまのお話だと、去年が千二百五十億、今年度二千億。それで相当仕事はやはり膨大になっておるから、来年度は定員増を要求しておる。一体これはどのくらいふやせば大体公平な課税並びに徴収ということが可能であるかというふうにお考えなんでしょうか。  それから、今お話を聞いておってもわかりますが、三十年度の定員のままで去年も今年もやっておるわけだから、現在の職員で相当な労働強化が行われておるのではないか。長官自身さえも定員増を政府と折衝しなければならぬとお認めになっておるのでありますから、その分量を現在の定員でこなしておるわけですから、今年も相当な現在員に対して労働の強化が私はあることを語っておると思うのですが、そういう点についてはどういうお考えでございましょうか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) どの程度の人員を定員増加として要求しておるかという点につきましては、ないしどの程度の人員があったら満足な税務行政ができるか。これも正直にいいまして、満足の標準がどの程度のものかというので、かなりフレキシブルなものがあるというふうに思っております。現在われわれの方でもって予算要求書を出しましたが、いろいろ今後の折衝の過程もございまして、まだ正確に何人要求したということはちょっと今実はここで記憶しておりません。労働強化が相当あったのではないか。私は税務職員の諸君が相当熱心によく働いてくれておる、これはおっしゃる通りだと思います。ただ先ほども申しましたように、仕事が非常に膨大であればあるだけに、カットする余地もないわけではないわけです。従ってそれをあまりカットし過ぎますと弊害が将来は起る、こういう問題に私は考えております。最近の事情から見ますれば、私は勤務時間内において税務職員の諸君が相当熱心に働いておる、これは私も認めます。ただ超過勤務をどの程度やっておるかということになりますと、それは繁忙期と閑散期と違います。しかし従来見られたような、二十八、九年ごろ見られたような非常に無理な、来る日も来る日も時間外勤務をやったというような事態は現状においてはないと、こう考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 長官として定員の増員要求をしておるけれども、正確な数字はどれくらいですか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 今、正確な数字は記憶いたしませんが、最近におきまして、何と申しましても滞納件数が減ってきておる。滞納件数が一時に比べまして。これは最近また景気の曲りかどにきておりまして、少しふえ方がふえかかっておるような徴候があるので、われわれも心配しておりますが、しかし一時総滞納千億以上あった滞納が、あるいは執行停止を抜かしたあとの数字が七百億程度あった滞納が、現状におきましては、一応総滞納でもって七百億弱だと思いました。それから純滞納でもって四百六十億、こういうふうな減り方をしております。そんなこともございますので、徴収面の方の人間はある程度これを減らすことは、いろいろ準備を要しますが、これをある程度減らしても、よそへ回してもいいのじゃないか、あるいは所得税の調査の人間はもう少し手を抜いて、法人税へ回してもいいじゃないだろうか、こんなようなことも考えながら、同町に法人税の仕事、それから入湯税等の消費税の仕事、これが相当増えております。それから物品管理法といったような法律ができまして、その方のいろいろな庶務的な仕事もふえております。彼此相殺して、一応われわれの方が主計局へ要求した数字として、われわれの方で積算したものは、たしか千五百程度の数次だと思っております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 他の官庁職員に比較して結核罹病者が大へん多い、国税庁職員には。私の何では、全国で一四%くらい、国税庁の職員には。それから一番高いのが、たしか大阪局管内だったと思いますが、これは一七%くらいになっております。これは税務製の職員は特にからだの弱い人をよってとったわけじゃないでしょうから、こういう罹病者が他の官庁職員に比較してはるかに高いというのは、これは労働強化が原因になっておるように思うのですが、長官もそういうふうにお考えになりませんか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 国税の関係の職員の結核間者の罹病率が一三%の時代がございました。それで、そのときわれわれも、他の官庁に比べまして相当高いというので非常に心配いたしました。かなりその方の、たとえば療養所を建てていただくとか、あるいは医療施設を作るとか努力をいたしました。最近の数字は一一%くらいに一応減ってきております。順次減ってきている。同心に片一方の面から見ますと、医療施設といいますか、お医者さんなども相当充実して参りまして、従来の数字に載らなかった患者も数字に載ってきておるのじゃないか、それでなおかつ数字が減りぎみになってきておる、いろいろな意味において改善はされてきておる。確かに三、四年前までかなり激しい労働がありましたし、それから一つ特色としましては、現存五万の職員を持っておりますが、終戦直後に、二十三、四、五年くらいまでの間に、相当大量に定員がふえまして、同心に人間もふえておる。そのとき、やはり採用の場合における体格検査なども現存ほど厳密な県さがなされていなかったといったようなことも原因の一つにあるのじゃないかと思っておりますが、とにかく一応全体として労働強化という問題が、やはりわれわれとしても反省しなければならぬ、そういう問題もございまして、ここ二、三年といいますか、一、二年は、かなりわれわれの方でも配属をしておりまして、今言ったように、順次ではありますが、結核の罹病率もだんだん減ってきている、こういう姿が出ている、こういうふうに思っております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 他の官庁の職員に比較して、国税庁関係の職員の罹病率というのはまだまだやはり高いのです。最近、日曜には休む、土曜日には半日で帰る、定時間で退庁する、保障されている年間の有給休暇を、二十日ですから、これをとって、こういう罹病率の高くならぬようにやっていこうという運動が職員の組合の間であった。これに対して何か当局は、大へん無理解な態度をとっておられるやに見受けるのでありますが、今後もやはりその休みはとらぬ、日曜にも出てこいというような態度をとっていかれるおつもりですか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 今のお話伺いますと、私の方が日曜には出てこい、土曜日も休まさぬ、有給休暇も二十日もとらせぬというふうな態度をとっているというふうにお聞き及びのようですが、われわれは、それはもう全然考えておりません。われわれが組合との話し合いにおきましても、それは、日曜は休むのが原則、土曜日は半日が原則、有給休暇は、一応これが二十日が権利であるか権利でないか、これは私は議論があると思っておりますが、一応二十日とり得る、与えることができることになっているのだから、従ってわれわれとしては、できるだけこの二十日の休暇をとるように、われわれの方も考えるべきことはしていい、これは言っております。同時に下部にもその趣旨で流しております。ただ要するに、同じ日曜であっても事務の忙しい時期があります。たとえば確定申得の申告の時期である三月十五日の前後ですね。そういったような一年の中である特定なそうした繁忙期において、これはやはり超過勤務をしていただく、あるいは日曜を出ていただく、こういうことは、これは税務という仕事が、なかなか正直いいまして、一年中われわれはできるだけ仕事をイーブンに持っていきたいと思っておりますが、しかし申告所得税といったような一つの形態の税がありますと、なかなかこれはイーブンには仕事がなりません。どうしてもやはり三月十五日の申告期を中心にして仕事がかたまります。従ってそういう一番忙しいときを標準にしての定員というわけにも参りませんから、どうしてもやはりそこのときには、それは時間外勤務をやってもらうことを考えざるを得ないと思いますし、現にやってもらっております。しかし日曜、祭日あるいは七曜日半休、これは休むのが原則だ。そういうことはわれわれはわかっているつもりですし、その線に沿って仕事はしているつもりでございます。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 それで大体わかったのですが、特に繁忙期ですね、繁忙期など超過勤務をさせるような場合には、やはりこれは話し合いで、納得ずくでやられる慣行というものを私は打ち立ててもらいたいと思う。それをやはり命令的にやりますと、これはどうしても内じ仕事をするにしてもいや気がさすものです。ですから現場でやはり話し合いで納得の上でこれはやってもらうということを原則としてお認めになってそういう慣行を私は末端の現場ででも確立するように一つ御指導を願いたいと思うのですが、どういうお考えでしょうか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 公務員といったような建前からいいましては民間の会社との関係とも違いますし、ある、公社との関係とも迷いますから、話し合いでなければ命令ができないといったような性格のものとは思っておりません。しかしそれはいわば形式的な話でして、実質的にはやはり職員の諸君がこういうような時期にはどうしてもやはり超過勤務をしなければ仕事がやれないのだ、間に合わないのだという点はよく納得してもらって超過勤務をやってもらう、こういったようなことは、私はそういった意味において職員の諸君の理解を求めるということは、われわれとしては努力しなければならぬ、かように思っております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 中央でも地方でもそうなんですが、組合と官側との、今の問題は一つの例なんですが、団体交渉を何か拒否しておるところがあるように聞くのですが、そういうことが、私はやはり納得の上で業務についてもらえない原因をなしておるように思います。長官がそういう御方針でないのなら、中央も組合から団体交渉の申し入れのあったときは、これは素直に応じていただく。地方においても、今の御趣旨を生かす意味から申しましても、組合との話し合いというものを通じて当局の御方針を理解せしめる、職員には納得をしてもらう、こういう慣行を上から下までぴしっと立てる必要があると思うのですが、そういう点については長官のお考えを一つ承わりたいと思います。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 私は中央で全国税の諸君としばしば会っております。私長官になりましから、全国税の諸君から交渉といいますか、申し入れがあったときに拒否した記憶はございません。もちろん、全国税の諸君がたとえきょうやってきて、あした何町からやってくれ、それはそのままの時間をわれわれの方で都合のつく場合もあります。都合のつかぬ場合もあります。従ってあしたはだめだからあさってとか、しあさってにしてくれ、こういうことはあります。しかしそれはやはり、つまり予備交渉の段階において向うが一方的に都合を言ってくる。われわれの力の都合もいい、それはいつにしよう、これは私は交渉を拒否したことにはならぬと思います。それから時間ははっきりきめます。何心から何時までやろう、これも向うの了承を得て町同をきめ、やっています。それから交渉の人員ですが、これもあまり人数がふえるということも困る場合もあります。通常は大体中央執行委員が十三、四人出ているのが普通であります。年末などになりますと、何の都合か知りませんが、黒十名くらい来ますが、まあその程度の三十名以下の人員であるということをわれわれの方としては一応の最大限にしまして、そして今まで何回か交渉をしてきております。それで、私は同じような気持で、上下部においてもやはりそれと同じような気持でやるようにということで指導をしております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 どうもあなたのただいまお話のようなことが下部に徹底していないうらみがございますから、これは一つあなたのお考えそのままが地方に徹底するように、一つ至急に措置を講ぜられんことを希望しておきます。  それから職場大会というのですがこれまで大した問題にならなかった慣行が、国税庁にも他の官庁にもあるわけですが、最近何か特に窮屈になったようですが、どうなんですか。職員が組合を作って、そしていろいろ自分たちの待遇のこととか、職務の執行についていろいろ相談をする職場の会合を禁止したり、妨害したりするような措置はおとりにならぬ方がいいように思うのですがね。どうも最近、国税庁特別にやかましくなって、これまで認められていたことが、あなたになってから、というよりも、去年あたりから特にやかましいといってぶつぶつ言っていますよ。これはどうなんですか。慣行があるのですからお認めになって、職場大会はやはりやらしておくということで指導されたらどうなんでしょうか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) われわれは職場大会というものの、これを別に干渉はしておりません。問題は、時間内に職場大会をやられる、これは私の方は厳格に取り締っております。たとえば、しばしばあった例は、土曜日などですね。これは午後幾らでもやるなら崎町があるのです。これを要するに朝時間内に食い込んだ職場大会をやる。それから、あるいは平日なら昼の休みが一時間あるのですから、休憩時間、昼食時間合せて一時間の休みがあるのですから、その間に職場大会をやる。これはわれわれの方は認めております。これをやったからといって文句は何も一言っておりません。ただ時間内の職場大会ということになりますと、これは税務署のような役所の特質も私は考えていいと思いますが、これはやはり、それは厳格にいかぬという線を守っていただかなければならぬ、かように考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 時間内にやることを公然と認めなさいという、主張を申し上げるわけじゃないのですが、休憩時間内に、あるいは土曜日の午後にやっておる。たまたま平日の日にちょっと時間に食い込んだというようなことがこれまでは認められてきておるのに、そうしゃくし定木に、もう一時になったから、これは時間内の職場大会だから認めるわけにはいかぬというような厳格な何を特に最近やられるというのは、どういう情勢の変化があるのでございましょうか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 私が国税庁長官になりましたのは、昨年の七月でして、いつごろどういうふうな慣行があったか、私よく知りませんが、私が長官になりました当時は、もうすでに今の慣行というものは知りません。やはり時間内に職場大会をやるということは、公務員の仕事の性格から見まして、あるいは税務署の仕事の性格からいいまして、これは禁じられていることでもあり、おもしろくないことでもありますので、これはいかぬ、この方針は私はしばしば組合の方にも申し、そして組合にそれを守っていただくことを強く希望して参ったわけであります。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 この間、八月の二十一日でしたか、だいぶ処分されましたですね。私はこれは不当処分だと思うのですが、こういう結核罹病率が他の官庁職に比較して多い。しかもそれは、先ほどから申しますような自然増収等が事務分量を増大し、しかも定員の増員のないまま強行されているところに、この国税庁の組合の人たちがいろいろ相談をしておるものだと……。その結果がああいう大量の処分ということになるのは、ちょっと気の毒だと思っております。ですから、これは不当処分だと思っているのですが、その当局の理由の中に、納税者に迷惑をかけたりなどしておるという一項がございましたが、この間、この処分が発表になりました翌々日でしたか、ちょうど私大阪の国税庁に行っておりましたがね、東税務署で、官側の方が門を閉ざして、そして、納税者の方に申し上げます、きょうは都合が悪いですからお帰り下さいと言って、官側の方で納税者を追い返しておるという話を聞きましたが、この組合の方が、私はそういう事実が全国のどこであったか知りませんが、とにかくそういうことをやっちゃいかぬということで、この間の処分を出されているのですから、それに八月二十四日の大阪東税務署のごときは、官の方で納税者を追い返しているのだな。これは私はどういうことでそういうことをされたのだろうと思ってあとで調べてみたら、何か二十一日の不当処分に関連して、署長さんに対していろいろ組合側の方で話がある。で、その話をするについて、相談の集まりを待つというようなことが、税務署の方で大へん行き過ぎた、過大な心配をされて、表門を閉めて、納税者を入れないというふうなことになったという、ふうに伺っておるのですが、組合の力でそういうことをやったなら、それは大へんなことだと思うのだが、官側の方でそういうことをやって、てんとしておられる。こういうことは、まことに了解のできないことなんですが、どういう報告が来ていますか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) お答えいたします。二十四日の日に、東税務署へ大阪の国税の職員と、それから他の地方の職員ですかね、相当数がやってくるという話が前日くらいに入ったようです。この東の税務署というのは、これはその前に実は一ぺんピケをやられまして、そしてその場合もやはり国税職員と、そして他の応援の組合の人たちでしょう、相当数がピケを張りまして、そして登庁してくる職員を、その登庁を阻止し、そしてその場でもって時間内職場大会を開いた。こういう問題がそれ以前にありまして、そのためにわれわれの方で処分者を出したという税務署の一つであります。で、同じような事態が起るということが予見というか、一応心配されたんじゃないかというふうに思います。で、その日は職員は普通に登庁でき、全部執務していたらしいのですが、しかし相当数の人が税務署へ、やはり前回と同じような状態に押しかけてきた。そこで税務署の者が大きなとびらを閉めて、そして小さなとびらだけは一応開けてあったそうですが、結局まあそこから他の人たちが無理に入ろうというふうな人たちもあったものですから、いわば職員の者がそこで納税者に対しましては、こういう状態だからきょうは一応お帰り下さい、あとから税務署で御用を伺いに行きますと言って分れた。当時、すぐその最中に、大阪国税局の総務課長が、その状態を見に東税務署に行きましたならば、それは国税職員か、他の組合の人たちか知りませんが、入室を阻止されてしまった、こういう報告が入ってきております。われわれの方としましては、そういう一応のおそれがあるとしても、官側でもって、その税務署というまあ公けの機関が、自分でとびらを閉めて、そして納税者の出入を拒んだ、できないようにした、その措置は非常におもしろくないことだ、自後こういうことのないように厳重に気をつけろということは、私から局長を通じて注意はしておきました。ただ、まあ税務署の立場としますと、かなりまあそういった姿になったものですから、いわば過剰な心配のもとにそうしたことをしたことと思いまして、それは私は、行き過ぎであり遺憾であるというふうに思っております。ただまあまわりに集った人の中には、これも国税職員のようですが、窓からマイクを向けて——これはガラスは故意にこわしたとはわれわれの方は見ておりませんが、マイクをたまたま窓の外から室内の職員に呼びかけようとして、それがあやまって窓ガラスをこわした。しかしそのこわれた窓ガラスのところから盛んにマイクでもって、中に執務しておる職員に呼びかけた。こういうふうな事実があったようでした。かなり騒然とした姿であったということは、われわれの方は想像できます。それにしましても、税務官庁の方で執務時間中に閉めてしまう、これはおもしろくないことでございます。今後こういうことは絶対にないようにということは厳重に注意をしておきました。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 この間の東税務署の問題のごときは、大阪では新聞に写真まで入りまして、これは税務署が門を閉めて納税者を追い返したという見出しで書いておりました。私もそれで、どういうことでそういうことになったのだろうと思って、ちょっと調査いたしましたが、表へ行ったというのはわずか二十数人です。それに税務署がおびえて、門を閉めて、納税者も近づけない。私が参りました大阪国税局は、行ってみたところが、警視庁の機動部隊がいるのですよ。二、三台に一ぱい入っておる。これはどういうことだろうと思って聞きましたら、これも、何か組合がやるだろうということで、あらかじめ警察に連絡をして、警察を当局の方から呼んでおられる。ところが大阪国税局では、組合の方でその日は何の計画もない。ちょっと近ごろ国税局どうかしておるのじゃないですか。何にもないところへ警視庁のあの機動部隊を——私は見たのは三台だったが、まだおるかもわからない。そういう計画も何もないのにやたらに警察を引っぱり込んで、そうして職員組合に対して威圧を加えておるのではないかという気が、私現場で見たものだからしたのですが、どうも組合の話を聞いてみますと、全国至るところでそういう何がどうもあるようなんです。そういうことはおもしろくないと思うのですが、長官、これからそんなことはあまり軽々やらさぬように一つ指令されたらどうですか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 今のお話は、あるいはそういうことがあったのじゃないか、あるいわいわば心配のし過ぎといいますか、いささか鳥の羽音ぐらいで驚いて騒ぎ立てたというきらいがあったのかもしれませんが、一番初め組合が今度のようなピケ、それから職場大会といったようなことをやりましたのは、五月の十八日に京都の上京税務署でやりまして、たしか土曜日じゃなかったかと思いますが、国税の職員と、それから他の応援の組合の職員の人たちとやってきた。それで上京税務署は完全に取り巻かれまして、そして中と外との連絡がほとんど切れてしまった。それで相当長時間、昼前まで、十一時近くまでその状態が続きまして、それで警察の方からもなかなか応援もなくて、いわば半日ですが、署の執務時間とすれば一日です。完全に税務署の機能がとまってしまった。それで組合の方が、受付というようなものを出しまして、そうして納税者が来ると組合の者が受付といいますか、そこで会っていろいろな話をする、こういうような事実がありまして、その後東の税務署、あるいは金沢、旭川各所でいろいろな姿があったわけです。そういったようなこともあったものですから、おそらく東の税務署は二回目だったせいもありましょう。多少大阪の国税局も神経過敏になり過ぎていたのかもしれません。しかしそれは、こういったようなことが、ああいう実力行使がなされ、そうしてわれわれが処分する、そういったことだけで問題が解決するものとはわれわれは全然思っておりません。しかしああいうことになりますと、われわれの方としては、やはりそれ相当の措置を講ぜざるを得ない。われわれとしましては、そういったようなお互いの、まあ処分する、処分反対闘争をやる、また処分する、処分反対闘争をするといったようなことの繰り返しによって問題が解決するとはわれわれは思っておりませんが、従ってそういったような姿でなくて問題を解決したい、こういうふうには思っておりますが、しかしまあ現状におきましては、多少その後は一応落ちついておりますが、処分反対闘争ということになりまして、時間内職場大会、あるいはそうしたピケの実力行使というようなことになりますと、税務官庁という性格からいいましても、私としてはさらに秩序を維持すべきだ、それでなければ、われわれの大きな責任は果し得ないのじゃない、かように考えております。

椿繁夫日本社会党

○椿繁夫君 議事進行の動議も出ておりますが、これ以上やっておりますと、超過勤務を渡邊長官にしてもらうことになりますから、多くは申しません、次回に譲りますが、私はやはり前回の処分は、これは十分一つ組合と御相談の上、首切ったのだからお前らともう話はせぬのだというような強硬な態度をとって、いたずらにこれを刺激するというようなことは、これは賢明な労働政策じゃないでしょう。ですから、その処分の撤回についても、一つ長官としても十分御考慮を願っておきたい。同時に、まあ役所だからということですけれども、役所だからこそ法律を守っていただかなければならぬと思うので、労使対等の原則を一つ忘れぬように労務対策を一つ確立さるべきであるということを申し上げて、きょうはこの程度で一応打ち切っておきます。

平林剛日本社会党

○平林剛君 椿委員は一応打ち切られたけれども、しかし今お話のような事態が国税庁の職員、あるいは国税局管内で起きているということはまことに、憂うべき状態であります。渡邊長官もきわめて円満な人格でありますから、あなたが長官になれば、その労使の関係については多少緩和されるものと大いに期待をしておったのでありますが、ますます激しくなる。これはやはりどこに欠陥があるかということを私どもとしても慎重に考えなければならぬことです。しかし今のお話を聞いておりまして、私は一方だけではわからないと思います。国税当局の考えの中にも、やはりある程度岸総理大臣が言ったように、労働組合と対決するなんというそんな考え方があって、そうしてその政策が結局国税庁の機構の中でも実行に移していかなければならぬということから、ますます、そうでなくても一強い組合に刺激を起して、衝突を起しておるのではないだろうか、こういう心配をするのであります。私は今のお話を聞いておりましても、そういうようなことが起きてくる最大の原因というものは一体どこにあるのかということを疑問に思う。常識から考えみて、国税庁の職員五万の労働者が全面的に悪いということは言えないと思うのであります。そこには何かの事情があろうと思います。ですから、私は長官もどうか今、椿委員の質問に対してお答えがあったように、処分をして、あるいは押えつけて解決のできる性質のものではないと思う。虚心たんかいに、職員が一体何を言っているか、そういう要望や希望等についても、具体的にひざをつき合せて、そうしてその解決のために誠意を持ってやるということがあわせて行われないと、いつまでたっても今日の状態が続くのではないだろうかと思うのであります。きょうは時間もありませんから、渡邊長官からこれ以上お答えをいただかなくてもけっこうでありますが、私どもとしてはそのことを強く要望して、この機会に何か誠意を持ってあなたの方も出られて話し合いをしてみる。それでもだめだという場合には、また私どもも考える。一たん処分をしたのでありますから、同時に職員側が何か言っている、希望しているということについても、あなたの方で何かの解決をしてやるという誠意を示すべきではないか。処分問題についても、今、椿委員の指摘をされたように、情状を考えなければならぬ点があるならば、その機会によく話し合ってもらうということを希望いたしまして、きょうは時間もありませんから、私は質問を差し控えますが、どうか一つあなたの円満な人格でもってうまく解決するように努力をしてもらいたい。

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 ちょっとお願いしたいのですが、地方税務署に行きますと、署長と総務課長ですかが、私どもは人事院規則なんというものは存じませんけれども、組合外で、あとは全部組合員になっておるようですが、そういうような規則はやはり人事院規則にきめてあるのですか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 人事院規則では、職員は一応だれでも組合員になれる。

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 署長でも……。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 一応署長でも組合員になっても、人事院規則には抵触しないのです。ただ要するに、税務署の中で署長まで組合員にしちやいますと、おそらく税務署の組合は話をする相手がなくなっちゃうのかどうか知りませんが、組合の規約でもって、現在においては、局によっていろいろ違いますが、署長と総務課長だけは組合員にしない、それであとは要するに組合員になり得るわけです。で現実の事実は、他の課長で組合に入っていないのもありますが、まあ組合に入らないことによって他の職員との関係を、入らなかった場合の関係を憂慮しての場合の話かもしれませんが、大部分の税務署におきまして、組合のあるところにおいては、署長、総務課長以外は一応組合員になっている、これが現在の実情であります。従いまして税務署の交渉などになりますと、まあいろいろ何といいますか、署長、総務課長だけが官側ということになりまして、かなり問題がむずかしくなってくる場合もあるという点は私ども見ておりますが、人事院規則の上からいってそれがいいとか悪いとかいう問題ではないようであります。

土田國太郎自由民主党

○土田國太郎君 そうしますと、署長、総務課長、これは署長、課長の方で入らないのですか、組合の方で入れないのですか、その実情はどうなんですか。

渡邊喜久造国税庁長官

○説明員(渡邊喜久造君) 組合規約で署長はおそらく——これは私どもの方の組合の制度は各国税局単位の単組がありまして、国税東京とか国税関信越とか、それで、それは各税務署がみんな支部になっているわけであります。それから、その連合体のような格好で全国税というのができているわけであります。今現在におきましては北九州だけがそれがありません、福岡の管内だけは。名古屋の管内は数カ月前まではありませんでしたが、最近できまして、そうして入っている支部の税務署は、名古屋は四十幾つのうちで十一、二だけと思いますが、それが一応国税東海を作っている。それぞれ単組の規約は大体似ておりますが、必ずしも全部が全部同じというわけでもありません。従いまして今の点につきましても、各単組の規約で必ずしも一致しておりませんが、しかし大体一般的にいえば、署長は組合員から組合規約でもって除外しております。それから総務課長も組合規約か、実情は知りませんが、大体除外されております。それから直税課長、あるいは所得税課長、法人税課長、あるいは間税課長、徴収課長、そういったような者は、大部分は組合に入っている、こういうような状態であります。

豊田雅孝緑風会

○委員長(豊田雅孝君) 他に御質疑がなければ、本件の調査は一応この程度にとどめます。  次回の委員会は、十月二日、三日に開会することにして、審議案件は、委員長、理事に御一任願いたいと思います。  本日は、これにて散会いたしたいと思います。    午後五時十四分散会

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