大蔵委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/06/28
会議録
○委員長(豊田雅孝君) これより委員会を開会いたします。 議事に入ります前に一言ごあいさつを申し上げます。 私先般本委員会の委員長に選任いたされたのでありますが、何分微力の者でございまするので、委員の皆さま方の御協力によりまして、職責を完弔いたしたいと存じておる次第でございます。何とぞ格別の御支援をお願いいたします。 閉会中、きのうまでの委員の異動につきましては報告を省略いたします。 それではまず、租税及び金融等に関する調査を議題といたしまして、最近の金融情勢及びその対策等につきまして、政府当局より説明を聴取することにいたします。
○説明員(酒井俊彦君) ではただいまから、最近の金融情勢等につきまして、ごく簡単に御説明申し上げたいと思います。そしてそれに続きまして今回発表になりました総合対策につきまして、大体どういうふうに進行しておるかというような点を申し上げてみたいと思います。資料といたしましては、お手元に六、七枚の印刷物がお配ばりいたしてございます。 最近の金融情勢といたしまして、資金の需給の実績でございますが、これは表の第一表にございますように、四月五月で財政資金におきまして相当の揚超がございまして、これは当初の予定よりも相当多額になるのでございますが、その原因といたしましては、そこにございますように、外為会計の揚超というのが非常に大きく響いております。その結果、財政資金におきまして四月は二百五億の揚超でございましたが、これはカッコの中にありますのが前年同期でございまして、前年は五日五十八億の揚超に対して二百五億、五月が前年四百五十四億に対して九百二十六億という多頭の揚超になっております。これはさっき申し上げましたように、大体外為会計の揚超が非常に多いということは、つまり外為会計におきまして相当の輸入超過になっているということでございまして、これは後ほど申し上げます。こういうふうな相当の引き揚げがございましたために、これを補充いたしますために、日本銀行の貸し出しは、四月におきましては、昨年の八十九億に対して三十七億と割合落ちついておったのでありますが、五月に入りましてから、前年四十五億のところが五百十六億というふうに伸びております。例年、五月は相当通貨が減少する月でございますのにかかわらず、かように貸し出しがふえましたことは、やはり財政資金の面における、特に外為会計における引き揚げが相当強かったということを反映しているものと思います。で、日銀券の発行高は、三十二年度四月が六千八百三十七億、前年の五千八百四十七億に対しまして、約千億増加になっております。五月の数字は六千三百九十億でありまして、前年の五千六百十四億に比べますと、これも七百数十億の増になっております。なお、六月二十五日現在でこの数字を申し上げますと、日銀券の増が十六億でございます。これは月末までにまだふえるわけでありますが、前年同期の二十五日までの増が八十六億でございまして、ふえ方はだんだん落ちているということでございます。 それから財政資金につきましては、六月一日から二十五日までに八百九十七億揚げております。これは前年同じく百八十六億でございましたから、六月もまた非常な揚超になっております。で、その主体はやはり外為にあるということは申し上げられるかと思います。銭貸し出しは六月一日から二十五日までで九百八十四億ふえておりますが、これほ前年は百二十九億増でございましたので、これが相当ふえているということは、一般財政で相当に昨年より揚げたその穴を埋めていったということでございます。それから日銀券の発行高は二十五日現在で六千四百七億でございまして、前年の五千七百一億に比べまして七百億の増になっております。これはパーセンテージから申しますと、七百億程度でありますから一一、二%の増加でありますが、現在のところ生産なりあるいは国民所得の伸び方のぺースが大体一〇%先から二%あるいは一%近くいっておりますところからみまして、銀行券の残高といたしましては、この程度は経済の動きにマッチしたやむを得ないものじゃないかと思うのであります。こういうこと反映いたしまして、日銀の貸出残高は結局最近非常ふえまして、六月二十五日現在で四千二百十七億、四千億の台を突破するようなことになったわけでございます。 それから第二枚目の表でございますが、これは全国銀行の預血使命の状況でございますが、預金残高におきましては、四月は七百三十一億の減、これは前年同期は四百五十四億の減、いつもこの期は三月の年度変りを反映して減る月でございますが、昨年よりやや減り方が多い。それから五月に登りましても、前年九百二億ふえましたものが五百八十七億、相当に減少いたしております。これは銀行別にいたしますと、都市銀行が非常に預金が減っておりまして、地方銀行は相当順調に進んでおりますが、そういう関係で銀行預金は減っております。 それから反対に貸し出しの方につきましては、四月が二百六十三億ふえて残高が四兆三千二百七十五億ということになっております。それから五月が六百二十六億の増、これも昨年のぺースから比べますと幾らか多い日になっております。これはやはり昨年来の投資を中心とする景気の上昇あるいは生産の上昇というものに見合って貸し出しがふえていっておるということを表わしておるものだと思います。 それから、そういうふうな工合でございまして預金が割合に伸びない、貸し出しは非常にふえておる、財政の揚超は相当に予定以上になっておる。そこで結局その資金の穴を埋めますために各金融機関がコールを相当利用しておるのでありまして、特に最近に至りましてコールの需給状況が非常に変調を呈して逼迫して参っております。五月の初めくらいまでは、つまり第二回目の公定歩合の引き上げのありますころまでは、大体二銭三、四厘あるいは二銭五厘というようなところで落ちついておりましたコール・レートも、現在では四銭七厘あるいは場合によっては五銭程度というような、中心が五銭程度というようなものも見えて参りまして、その残高におきましても千億という非常に大きなコールが出ております。これはやはり財政、つまり為替収支の方から来ます資金の圧迫、そういったようなものによりまして、非常に日本銀行におきまして窓口で相当金融引き締めをやったというその結果、コールの額が、コールに依存する率が非常に多くなってきた、かような結果かと思いますが、これはまあある程度やむを得ないところもありますけれども、しかしこういう姿になりますことはノーマルでございませんので、今、量はともかくといたしまして、コール・レートの引き下げにつきまして各金融機関に御協力をお願いしております。おそらく来週の月曜日か火曜日早々に関係の金融機関がお集まりになりまして、新聞に出ておりましたので御承知かと思いますが、大体三銭くらいのところへ持っていこう、これでみんなが協力して自粛して、そういう金利のところに下げていこうという努力をされておると思うのでございます。 それからさっき申しました財政の揚超のおもな原因でございます外国為替の受け払い状況でありますが、これは後ほど為替局の方から御出席がありますので、その際の御説明に譲りたいと思いますが、昨年の暮ごろまでは、為替といたしましては相当に堅実な歩みを続けてきたわけでありますが、ことしに入りましてから、だんだんその収支のアンバランス、赤字の額がふえまして、五月などこらんをいただきますと、収支で貿易外を合せて九千七百万ドルというような大きな払い超を来たしたわけでございます。もっともこれは原因は昨年の秋ごろ、スエズ以降いろいろ信用状の開設がふえた等のこともございましたでしょうし、そういうわけで昨年相当外貨予算の追加をいたしたのでございますが、そういうものが主として今ここで為替に表われて落ちてきておるということでございまして、去年すでに組んだ予算を使ったしりがここに表われておるというのが実情だろうと考えております。 それから次に輸出入信用状接受及び開設状況という表でございます。輸出、輸入につきまして、それぞれ数字が載っておりますが、大体におきまして昨年の秋ごろまでは、輸出入の信用状からみましても、大体収支均衡がとれるような、問題のない姿になっておりましたが、十月以降非常に輸入信用状の方がふえまして、この勢いは今日まで衰えておりません。もちろん輸出の方も相当好調でございまして、二億二千万円ないし二億三千万円というべースで信用状がきております。これは前年に比べましてやはり一〇数パーセントの増加でございまして、輸出の伸長ということは明らかな事実でございますけれども、それ以上にさっき申し上げましたようないろいろな原因が重なりまして、国内の投資需要あるいはスエズ以降の原材料の補てんのため、あるいは投資活動に伴う限界的な輸入性向の増大というようなことも重なりまして、輸入の方が輸出以上にふえたために、今日のような状況になったわけであります。その点は詳しいことは後ほど為替局の方から御説明があると思います。 そういう情勢に対処いたしまして、一応今年の三月末に第一次の日本銀行の公定歩合の引き上げ一厘アップということをいたしまして、それで大体今後の金融調節の円滑に行われますようなベースを作ったわけでありますが、なかなかこの輸入の増勢というのがとまりそうもございませんし、先ほどごらんになりましたように、五月にやはり三億二千万ドルの信用状がきておるということは、これまあ多少ズレますかもしれませんが、この数字がやはり八、九月……八月ごろまでに為替収支の方に影響してくる。やはりそのころまでは相当輸入が高率ではないかというようなこともございまして、結局こういう国際収支の赤字を何とかして解消しなくちゃいかぬということになりまして、御承知のように五月の初めに、第二次と申しますか、第二回目にさらに日本銀行の公定歩合の引き上げを二厘アップというのをいたしまして、各金融機関もそれに応じまして一斉に貸出金利を上げたわけであります。 要するに問題は国内の経済におきまして、少し国際収支とアンバランスになって伸び過ぎた。その主因はどうも投資にあるのじゃないかというようなことが言われるわけでありますが、そういう国内需要を圧縮いたしますために、公定歩合引き上げを二度にわたって行なったのでございます。しかしながら、それだけでは依然まだ状況はよろしくございませんので、今回国際収支改善のための緊急対策というものを閣議でおきめ願ったわけでございます。 これは大体御承知のことと思いますから詳しいことは申し上げませんが、一応その対策の内容を申し上げますと、国際収支均衡の回復ということを、大目的といたしまして、すでに実行しつつある金融の引き締め及び輸入の抑制等を強化するほか、急速に次のような対策を総合的に実行したいということであります。 一つは財政面の施策であります。これにつきましては、やはり相当に国内投資が国民経済の相応の力以上に膨張しておるということでありますので、国内需要を削るということが必要なのでありまして、財政投融資といえども、これをある程度切るということをいたしませんと、なかなかその民間だけの投資を切ってバランスを回復するというようなことはむずかしいと思うのであります。まあ現在個々に見ますと、卸売物価、小売物価とも落ちついておるじゃないか、生産は順調に伸びておるじゃないか、雇用情勢も去年に比べて目立って改善しておるじゃないか、そう悪いんじゃないじゃないかということが言われるわけであります。基本的にはそうだと思いますけれども、しかし日本経済の発展というものを考えます場合に、やはりそこに日本としては非常に大きな制約条件がございまして、一つは私の考えではおそらく国際収支問題、これはどうしても日本経済にとって宿命的な大きな制約条件だと思います。 第二は、投資、貯蓄のバランス、ひいてまた物価の問題ということになるのでありまして、そういう制約条件を考えてその面で頭がぶつからない程度にやはり各種の生産が適度な伸びを示し、適度な国民所程の増が現われるということが一番必要でございまして、これを性急にやりまして、国際収支の壁にぶつかるあるいは投資、貯蓄のバランスをくずして、物価がはね上るということは、やはり長期的にみても非常にまずいことだと思いますので、それが今日国際収支という制約条件にぶつかっておりますので、早急にこれを直すためには単に直接の窓口である為替等をいじるだけでなくて、これをへたにそこだけいじりまして、実態を変えませんとさっきの貯蓄投資のバランスがくずれましたり、いろいろいたしますので、根本的にやはりベースを輸出入バランスに合せていくという意味におきましては、財政面でも相当の措置をする必要がある、もちろん民間の不要不急需要その他、やはりたとえ隘路産業といえども、少し需要が伸び過ぎておるという場合には、徹底的にこれを削減するということが必要でありまして、もちろんそういう民間側の投資削減を期待いたしますと同時に、財政だけは切らない、財政投融資だけは切らないのだというようなことでは、とうていその需要の圧縮という目的を達せられませんので、一応財政投融資の運用に当りまして、ある程度繰り延べを実行していただくということになったわけであります。繰り延べの実行に際しましては、なるべく経済効果の現われることがおそいものから繰り延べていく、ここですぐに効果が現われるというようなものはなるべく繰り延べないで、何年か先になってようやく効果があるものをなるべく繰り延べていきまして、また事態が回復したならばそこで手をつけて少しあとを急ぐといったような弾力的な考えで繰り延べを実行しようということになっております。なお、使用いたします資材が輸出との競合あるいは輸入依存度の大きいようなものというものについても繰り延べをしていただきたいというふうなことで案をきめまして、目下関係方面と折衝中でございます。 何といいましても、今日ただ消極的に輸入を減らすというだけでなくて、結局根本は輸出をどうして伸ばすか、輸出を伸ばすことによって、国際収支のバランスを回復することが一番大切なのでありまして、その意味ではあまり国内で需要が多くなりますと、ものにもよりますが、国内で売った方がもうかる、従ってなかなか輸出をしようという意欲が出てこないというようなことが多く見受けられますので、そういう点も考えて繰り延べを実施したいということであります。 ただ、財政投融資を繰り延べると申しましても、その結果非常に、財政投融資のみならず、一般の産業資金の圧縮をするという場合に、どうも今までの傾向からいきますと、下請の中小企業にだんだんしわが寄ってくる、今まで現金払いであったやつは、手形にする、手形の期限が長くなるというようなことで、どうも中小企業に対してしわよせということがおそれられますので、この方面に、中小企業関係に対する資金につきましては、別にこれを増額するという措置をとったわけであります。これは後ほどまた多少詳しく申し上げます。 それから今の財政投融資でありますが、やはり財政投融資のみならず、一般会計、特別会計あるいは政府機関というようなもの等を通じまして、公共事業等につきましても、物資需給の状況を勘案し、あるいは工事の実情に応じて、その施工時期を調整するというようなことで、特にあまり急ぎません官庁の庁舎あるいは各特別機関、特別会計のこれに準ずるような施設は、できるだけ繰り延べる、計画を打ち切るということでなく、できるだけ繰り延べて、来年度、再来年度に持ち越していくというような考慮を払っております。 それから次に、金融面の施策に入りまして、まず信用膨張を抑制いたしまして国内の需要を圧縮していくというために、これはもうだいぶ前からやっておられることでありますが、日本銀行の貸出の増加を極力抑制していく、圧縮していくということで、これは日本銀行においてすでに前から窓口でそういう方針でやっております。 それからもう一つは、資金運用部資金の短期運用として、昨年実行いたしました公社債、金融債七百億円を資金運用部で買い上げて保有するという措置をとったのでありますが、まあ今度の総合政策の立場から申しますと、これはそう一、二カ月で効果が現われて、国際収支がすぐに改善するというものでなくて、相当長期にわたって腰を抑えてじっくり対策をとっていきませんと、なかなか経済の実態がそこまで回復するということはむずかしいと思います。この七百億円につきましては、まあ今後国庫収支の揚げ超が減少しあるいは散超となる時期、つまり九月の半ば以降だんだん散超に転じて参りますから、そういう時期にこれを売り戻しをしまして、第三・四半期の散超がさらにその金融を緩めていろいろな投資需要等に向かわないように、七百億円はそこで売り戻しをして資金を回収しようという計画でございます。これを実際に何月に幾らやるかということにつきましては、まあそのときの財政の散超状況その他金融市場の状況等をもにらみ合せて実行しなければなりませんが、まあぼつぼつ案を考えておりますが、一応年内には七百億円を売りまして資金を引き揚げたいと思っております。 それから先ほども申し上げましたように、金融引き締めの中小企業に対する影響、しわ寄せを極力防止いたしますために、次のようなことをやりたいと思っております。一つは中小企業金融公庫及び国民金融公庫に対しまして、第四・四半期に借入予定の政府資金を繰り上げまして、それを大体第二・四半期、つまり七月から九月ぐらいの間相当苦しい間にその期間を中心にいたしまして、大体百三十億円程度、両公庫を通じて、百三十億円となりますが、これの貸付増加を行う、そのための資金繰りとして第四・四半期に資金運用部等から出ることになっておりました命をできるだけ早く出したいということを考えております。ただ毎月と申しますか、毎期の貸付計画と資金繰りをどうするかということについては、非常にこまかい計算が要るものでございますから、目下両公序と御相談してこの実行案を作りつつあります。いまだ成案を得るに至っていないので、こまかいところまでは申し上げられませんが、とにかく両公庫を通じて百三十億程度を貸付増加な行う予定であります。 その次に、商工組合中央金庫――商中につきましては商中値の資金運用部引き受けが、今年二十億の予定だったのでありますが、これを増加いたしまして四十億円といたしまして、大体第二・四半期を中心に資金量をふやしていきまして、なお、商工中金につきましては、これは金額はどの程度になりますか、十五、億になりますか、二十億になりますか、その程度までは中小企業金融公庫の代理貸しということで、代理貸しの資金もふやしていきたいと考えております。 以上が財政投融資関係の中小金融に対する措置でありますが、そのほかの措置といたしまして、民間の金融機関に対しまして、この際金融引締はしっかりやってもらうのだけれども、そのしわが中小企業に寄らないように、各銀行とも十分見てくれということはしつこくお願いいたしております。 そのほか、これは制度的に今組織を考えているわけでございますが、もし現在相互銀行及び信用金庫が各府県の信用保証協会といったような信用保証制度を利用して、中小企業向けの融資を行うということをやりました場合には、その中小企業向けの金を出しました金融機関の持っております金融債を資金運用部で買い上げて、そうしてその貸付の資金を補充するという政策をとろうと思っております。大体の金額は二百億ぐらいになるかと思うのでありますが、こまかい資金計算方法等につきまして、ただいまどうするかということについて、目下研究中でございます。これも大至急成案を得まして、来月早々からこういうことができるように考えたいと思っております。 それから次に、先ほども申し上げましたように、やはり国際収支改善という場合には、今輸入が多いから輸入を打ち切るというだけではいけないので、やはり木筋はもっともっと輸出を伸ばす、輸出を拡大して輸入力をうけることによって、経済の発展率がそれだけ大きくなるわけでありますから、できるだけ輸出金融について円滑化をはかるように措置したいということでございまして、このために輸出金融につきましては優先的に取り扱う、つまり輸出金融のために銀行の貸出がふえたというような場合におきましては、日銀信用の増加を抑制するということをしないで、増加の原因が、一般的には日銀は金融を締めていくわけでありますが、しかし輸出の増加によってその貸出のために日銀の信用援助を求めなくちゃならぬというような場合には、日銀はこれを抑えない、できるだけ輸出に必要な金は貸していくということをやっております。それから同時に、輸出前貸手形の金利を一町下げました。これはほかの金利が全部上っているというときに、これまで据え置いておりました輸出前貸手形の金利をさらに一キログラム引き下げるということによりまして、かえって輸出の意欲を多少刺激する、多少輸出をふやしていくために、そのような措置をとりたいと考えております。 それからこまかいことでありますが、輸出金融の手続につきまして、銀行あるいは日本銀行等におきます手続上の問題、あるいは添付書類の問題等で、やや複雑でわずらわしいものがありますので、これらも改善いたしまして、手続上十全たらしめるということを考えております。 もう一つは、外国為替引当貸付制度というのがございますが、これのG・P・A・Dといいますか、LCでなく支払いと申しますか、日本語では現地払い支払いといっておりますが、これが現在中南米については行なわれておるのでありますが、この適用地域を少し広げるというようなことによりまして、輸出金融に相当力を入れていきたい、かように思っております。 それからその次に、やはりさっき申し上げましたように、この経済の実態を改善していきます場合に、投資と貯蓄のバランスを失しないようにする必要がある。従って、投資の方は今申し上げましたようなことで大いに押えているわけでありますが、やはりこの際国民貯蓄の増強ということに相当力を入れなくちゃいかぬと思っております。その一躍といたしまして、定期性預金の預貯金利子の引き上げを行うことにいたしました。これは、前回は貸出金利等だけに手をうけて、あるいは日歩預金等の問題だけで片づけたわけでございますが、こういう情勢になって参りましたので、一応定期預金にも手をつける。ことに定期預金のうち六ヵ月もの、三ヵ月ものというのは、課税の関係で以前より少し一年ものに対して不利になった点もございます。それらを勘案いたしまして、六カ月毛のは今、年利五分でございますが、これを五分五厘に引き上げ、三カ月定期は今四分でございますが、これを四分三厘に引き上げるという措置をとりまして、きょう政策委員会で御決定になるだろうと思います。昨日金利調整審議会で関係者皆さん異議なくこれは御承認いただいております。ただ、中小金融機関の主としてやっておりますところの定期積金とか、あるいは相互掛金というようなものにつきましては、これを上げますと、やはり中小金融機関の貸出金利等にも響くというようなこともありますし、今回は――今回はといいますか、一応これは手をつけない。金利政策としてはこれで終りということにいたしたわけであります。 それからその次に、やはり同じような見地から、社債発行条件の改訂、これは利回りの引き上げを考えております。これは目下実は銀行団の方でお考え願っております。もちろん大蔵省としてもいろいろ折衝はいたしておるのでございますが、理財局の所管でもございますので、ただいまどういうことに相なりますか、はっきり申し上げられませんけれども、社債の金利を引き上げる、利回りを上げるということを考えております。で、社債の利回りを上げますと、これとバランスをとりまして、やはり金融債、それから貸付信託といったようなものの手直しも必要かと思うのでございますが、これは社債の条件のきまり工合を見てから措置いたしたいと思っております。 それからあとは、私の方の関係になりますものとして、さっき申し上げました国内の投資需要と申しますか、産業面の需要を減らしていくということはどうしても必要なんでありまして、そのためには、重点産業、たとえば鉄鋼、石炭、電力というような隘路産業といえども、やはりこの際延ばしていただきませんと、実はそういう資金だけで投資資金の六五%程度を占めておりますので、その辺をやはり多少繰り延べをしていただきませんと、繰り延べの実が上がらないというような点もございまして、そういう面も含めまして、全般的に資金計画を再検討していただく。これは目下経済企画庁、あるいは通産省その他御関係の方面に御研究願っておるのでありますが、そういうものを作りますとともに、金融機関の側におきましては、現在御承知のように、投融資委員会とか、自主規制委員会とかいうのがございます。それらの委員会を定期的にひんぱんに会合してもらいまして、具体的に投資計画をどういうふうにして削減していくかというようなことについて、特に強力にやっていただくと、私どももそういう委員会に出まして、いろいろ政府の意見も申し上げ、なるべくスムーズに銀行側に協力していただくように配慮いたしております。 それからその次に、これは同じようなことでございますが、最近多少下火にはなっておりますが、やはり東京、大阪あたりでもビル建築といったようなものが相当盛んに行われております。これらは、こういう事情になって参りますと、やはり不要不急と申しますか、どうしてもこういうものが要るという事情は非常に少いのでございまして、こういったようなものはなるべく工事を延ばしていただく、新規の着工というのはもちろん、ある程度着手しておるものにつきましても、何らか話し合いでビル建築等は延ばしていただくというようなことはどうだろうかと考えております。同時に、さっき申し上げましたように、これと同じようなことを官庁営繕あるいは特別会計、政府機関等のやはりビル建築というようなものも全面的に御協力を願って繰り延べをするというようなことが必要かと思っておりまして、今そういう面の具体的なやり方等について研究いたしております。 なお、銀行局の関係といたしましては、こういう段階になりますと、先ほども申し上げましたように、貯蓄奨励ということが非常に重要な課題になって参りまして、御承知でもございましょうが、現在夏のボーナス期を中心にいたしまして貯蓄増強期間というのをやっております。この総合対策に協力する意味で、国際収支の改善にはどうしても貯蓄を増強して貯蓄、投資のバランスを回復することが必要なんだということをさらにつけ加えまして、なおさらに、先ほど申し上げました定期性預金の金利の引き上げというような施策も同時にあわせまして、国民運動を展開していきたいということを考えております。 それから、主計局の事項になりますが、これは国の施策として考えたことでありますが、地方公共団体に対しましても、各種の今まで申し上げましたような措置に準じて自主的に協力することを期待しておるのでございまして、そういう点は別途また主計局の方からお願いしておると思います。 大体今回の総合緊急対策を中心にしまして今われわれの考えておりますところは以上のようなことでございまして、この引き締めの影響がいつごろ出るかということは、これはなかなか判定が困難でありますし、その過程におきまして中小企業等にある程度しわがいくというようなことも考えられますので、そういう中小企業等に対する影響等につきましては、さっき申しましたような措置を機動的にすみやかに発動しまして、できるだけ悪影響のないようにして、全体の経済を適当な水準に持っていって国際収支を改善したいと、かようなことを考えておるわけでございます。
○西川甚五郎君 ちょっと為替局長にお願いしたいのですが、この国際収支の、ことに為替関係でありますが、これの今日までの経過並びに今後の方針、そうしてどういうように調整されるという最後の点まで御説明を願いたいと思います。
○説明員(石田正君) 銀行局長の方から一部為替の問題にも触れられたようなふうに聞いておりますので、あるいは重複するような点もあるかと思います。 今、西川先生からもお話がありましたのでありますが、国際収支の見通しというようなものは、本来非常にむずかしいものでありまして、われわれの方でいろいろ予測を立てておりますが、なかなかその予測が実際問題とうまく合ってこないという点で始終悩んでおる問題でございます。 大体最近の国際収支の状況を大ざっぱに申しますると、大体昭和三十一年末までは比較的順調な推移をたどっておったということが言えると思うのであります。三十一年の十二月までの数字から申しますると、大体国際収支は均衡に近い状態で推移して参ったということが言ええると思います。しかるに昭和三十二年に入りましてから、国際収支の逆調が現われまして、為替統計の方で申しますると、三十二年の一月は千四百万ドルの赤字でありました。それから二月は六千三百万ドル、三月は五千四百万ドル、四月は五千七百万ドル、五月は九千七百万ドル、こういうふうな状況でございまして、概して申しまして、だんだんと国際収支は悪くなるということが続いて、現在に至っておるような状況でございます。われわれの方といたしましては、こういうふうに国際収支が悪くなって参りまする前兆といたしまして、心配いたしましたのは、やはり為替の決済に現われて参りまするところの現段階の信用状の数字がどういうふうに推移してくるかということでございます。これは大体三十一年中の十月、十一月ごろまではそういう大きな悪化の前兆も見えなかったのでありますが、十二月に至りまして大きな数字が出て参りました。三億ドルを越すところの信用状の開設というものが十二月に現われたわけであります。これを数字の上で申しますると、十一月の数字は信用状が二億三千四百万でございましたけれども、十二月になりまして一躍三億七百万というような数字が出て参ったわけであります。 その点からわれわれは、これが必ず国際収支の為替の面に現われて参りますもので、そのころから心配いたしておったわけでございます。ただそのときの状況といたしまして、御承知のように昨年スエズ地帯におきまして国際紛争が起ったわけであります。そうしてその当時といたしまして、この紛争がどういうふうに処理されるであろうかということにつきましては、なかなか見通し困難でございました。物資の獲得その他がなかなか困難になるのではなかろうかというふうなことから、やはりこの際は、早く物を買い付けた方がいいというような気持が一般的に動いたのだろうと思います。その効果が大体十二月ごろから現われてきたようにわれわれは感じたわけでございます。そこでこの国際収支の赤字というものの中には、スエズ問題というものが相当影響しておるのではなかろうかというふうに考えております。そうしてそういう問題でありまするならば、やはりあれは十月、十一月の問題でございますが、やはりそういうものの影響は数カ月続くであろう。そこでそのスエズの問題というものは、今年の三、四月ごろまで続くのではないだろうかというような工合に考えたわけでございます。 そういうことで、われわれの方はその問題も含めまして、国際収支の成り行きを見ておったわけでございますが、他方におきまして一般的な経済活動あるいは設備投資の状況、消費の状況というふうなものが、わが国の外貨獲得力という点から申しまして少し強くなりすぎておるのではなかろうかという心配もその間においていたしたわけでございます。しかしながらまだその当時の為替の方から見ました状況から申しまして、果してそういうものがスエズ関係を中心とする一義的なものであるか、それとも国内経済活動が活況過ぎるために国際収支にその尻が端的に現われてきたというふうに断定すべきか、実は迷っておった次第でございますが、先ほど来申し上げましたような数字が為替で示されるごとく、これがずっと二、三月ごろから四月ごろにかけまして減らず、むしろ増大いたしていくというような状況になりましたならば、これは一義的なものと見ることはできないのでありまして、やはり判断としては、国内活動が一般的に活況に過ぎるためであって、国際収支の均衡を回復するためには、その面において手を打っていただかなければならない、かように考えて参りました次第でございまして、そういう認識のもとで、いろいろと国内の政治的な政策がとられるようになりまして、この点は銀行局長の方から説明願ったことだろうと思うのであります。 それからわれわれはこの国際収支の均衡回復をどういうふうに考えているかという点につきましては、われわれは為替管理を現在施行いたしておるわけでございまして、その面から強力に為替のバランスを揃えるということは必ずしも不可能ではないと思っております。しかしながら一般の経済情勢というものを無視して、為替の面だけでもってバランスをとるというやり方をするのは、これは大局的にいいことではない。やはり国内経済の動き、それからまた輸出の見合いにおきまして、自然に国際収支が均衡をするという方途を講ずべきであろうというふうに考えておる次第でありまして、従いまして国内の金融政策というような問題、あるいは財政投融資というような面につきまして、要するに国内需要というものを縮小することによって、輸入需要のもとが、ちょうど国際収支がバランスするところの程度まで締めていただくということが正直であろうというふうに考えておる次第でございます。そういう方向におきまして、国際収支が均衡せられるに至ることを期待いたしておるわけでございます。 先ほど銀行局長からもお話がございましたが、それではそれらの措置というものがいつ効果をあげるかという問題、それからどの程度に効果があがってくるかという問題でございますが、これが国際収支に現われてくるのにやはり時期的なズレがございます。それからまたこういうふうに国内措置をやったから、こういうふうに国際収支に現われてくるというふうに端的に計算ができるわけのものではございませんけれども、われわれはまあ大ざっぱに申し上げまして、数カ月の間にはその効果というものがだんだんと現われて参りまして、それに応じて国際収支は均衡を回復していくのではないか、かように考えておる次第でございます。 一応御説明を申し上げた次第であります。
○委員長(豊田雅孝君) これより質疑に入ります。
○土田國太郎君 銀行局長にお伺いしたいと思います。今の金利政策について先にお伺いいたします。私が申し上げるまでもなく、御承知だろうと思いますが、コール市場が五銭だ五銭二厘だという高利率で、しかもそれが一流銀行が取っておるというようなこの変態状況、こういうようなことはちょっと知らぬ人が見まするというと、経済恐慌でも起きているのではないかというようなふうに外国あたりでは心配されるところもあるであろうし、またわれわれ日本人といたしましても、非常な変態なる、五銭何厘というようなコール・ローンに対しては不安の念がある、今御説明を伺いますと、日本の経済界内部については何ら不安はない、ただ国際収支に難点があるという結論のように銀行局長の御説明があったのですが、それにしてはいかにもコール・ローンが、五銭といえば一割八分何厘につく有利ですがね、こういうような高利が白昼公然として行われて、これが経済の指標であるという市場のコール・ローンとしてははなはだ解せないのでありまするが、こういうような高いコール・ローンがどこか世界市場にまだあるのかどうか、またこれらのように暴騰いたしました原因は那辺にあるか、先ほどあなたは来月にでもなりましたならば銀行で三銭ぐらいまでには持っていく考えだとおっしゃったことはけっこうですが、ずいぶん四銭、五銭というのは長期間にわたって行われておって、政府はこれに手をつけなかったということは、私は非常にその点について不満を感じておる。特に地方銀行は日銀の世話にならない銀行はだいぶあります、有力銀行で。こういう銀行は地方の中小企業に貸し出しするよりもコール市場へ放出した方が非常な利益になるということで、従来の貸し出しを引き締めてしまって、これはもう政府が引き締めろということであるからというようなふうに便乗もできる立場にあるのでありまするが、そういうことをしてまでもコール市場へ放出して金もうけをしているという銀行もあるように私は承わっておるのであります。また事実私は見ておりまするが、そういうことを政府はなぜ早く手をつけなかったかということと、今のこの原因は何であるかということと、世界市場にこういうようなばかげたことがあるのかどうかという、この三点について銀行局長にお伺いいたしたいと存じます。
○説明員(酒井俊彦君) まず初めに、今の御質問で日本経済が基本的には健全だというふうな認識じゃないかというお尋ねでございましたが、これは表面上生産が伸びておる、あるいは物価は落ちついているではないか、あるいはまた雇用情勢もいいではないか、個々にとりますという現象は相当にある、しかしながらやはり日本の国民経済の発展にとりましては、貯蓄、投資のバランスをやはり保っていかなくちゃならぬ、それからそれによって国際収支の均衡ということを考えていかなくちゃいかぬ、その制約がありまして、この点が破れればやはりこれは経済の進み方としては健全ではない、私が申しましたのは、長期的に見まして、日本経済が発展する力を備えておるということは、私、確信しておるのでございますが、ただそういう面でやはり行き過ぎがある、現在の状況は必ずしも健全でなくて行き過ぎがあるというふうに考えているという意味で申し上げたわけであります。そこでそれが一つはコールの問題になってくるわけでありますが、これは御承知のことで私どもから申し上げるまでもございませんが、なぜこういうことになってきたかと申しますと、やはりコールというのは、資金の需要供給の強弱できまってくるのが基本的なことでございまして、今日までのように銀行としては従来の行きがかり上非常に締めたいと思ってもなかなか締まらぬ部面がある、日銀の方は大いに信用金融を締めていく。そうしますと、どうしても立場として、取り手の方が弱いという立場が出まして、従ってコール・レートはだんだん高騰していくということになるのでございますが、しかしこれも程度問題でございまして、現在のように五銭というようなものが出ることは、おっしゃるように、はなはだ不可解と申しますか、めちゃくちゃなことだと思うのであります。この点につきましては、すでに今月の初めに、御趣旨のようなことで、コールが高いからといって、そっちに運用して、本来やるべき金融をつめておる。まあ地方銀行等がその地場産業のために貸しつけるべきものを、もうかるからといってコールの方に出し、そっちに金を出さないということは、はなはだけしからぬから、それはぜひ直すようにということを厳重に通知を出しまして注意をいたしております。しかし実際問題といたしまして、コールの出し手というのが今日いろいろな方面にわたっております。従ってこういう連中と一つ一つやはり話し合いをつけて、自粛をして、きめたからには守るという線に持っていく必要がございますので、この間から大蔵大臣もそのことは非常にやかましくおっしゃいまして、金融審議会の席上でもそういうふうに申されました。私といたしましても、各関係の金融機関の協会等を通じまして、どうしてもこれはアブノーマルだから、何とか措置をとって下げろということでお願いしております。相互銀行、地方銀行等も、やはり心よく、それは少しおかしい、五銭というようなのは幾ら何でもおかしい、ほどほどにしたいということで、非常に積極的に御協力下さいまして、関係各方面を一つ一つお歩きになって、そういうことのないようにしようじゃないかということを今やっていただいております。何分にも、きめましても破るものがありますと、どこかでそれがくずれて参りますし、出し手自身がソースがいろいろなところがございますので、その辺を十分気をつけまして、変な今のような高いコールにならないようにやりたいと思っております。銀行協会初め、来週月曜日ぐらいにはそういう決意をなさって、自粛して、そういう高いものはとらぬという態度をおきめになるはずであります。 それから世界的にこんな高いコールがあるかというお尋ねでございますが、これは御指摘の通り、私も全部の国を知っておるわけではございませんけれども、まあ英米等のりっぱな国等ではこういうコール・レートというものはおそらく行われていないだろうと思います。その点からみましても、あるいは資金のコストの点からみましても、現在のコールが非常識に商いということは御指摘の通りでありまして、これを何とか正常化するように、目下一生懸命努力しておる最中でございます。
○土田國太郎君 日録の市中銀行なり地方銀行に対する超過貸し越しですね、これに対する罰則的の面金利があるわけですね、大体その比率にもよりましょうが、大体どんなところですか、超過貸し出しに対する罰則金利ですね。
○説明員(酒井俊彦君) 大体日歩三銭ぐらいでございます。たしか第一次の高率で二銭七、八煙になると思いますが、二銭八厘でございます。
○土田國太郎君 それより高いものがあるわけですか、その貸し出しが超過した場合。
○説明員(酒井俊彦君) 日銀といたしましては、大体二銭八厘ということになっております。ですからそれに比べましても、コールが非常に高いということがあてはまると思います。
○土田國太郎君 先ほどあなたの方の貯蓄奨励の説明についてですね。私は結局貯蓄奨励は、これは鳴りもの入りでただどんがどんがやっても、だれも貯蓄いたしません。実質的に金利を引き上げていただかなければ、これはだれも預金したがらない。ほかの有利な方に投資するということは当然であるのでありまして、今の現状からいって、特に貯蓄奨励が一番の最大急務だと思っております。政府もそうお思いになっておるから先ほどの御説明があったのでありまするが、先ほどの御説明によると、六カ月ものが五厘の引き上げ、三カ月ものが三厘の引き上げ、こういう説明で、一年ものについては今のところないようでありまするが、当然これは長期債に比較いたしましてきめらるべきものであるか、全然これはもう一年ものは租税待遇上優遇を受けているのだから、必要がないというお考えで、これに手をつけないのであるか。もし長期債の方をどの程度上げるか、私まだ聞いておりませんが、長期債の方についての利上げも相当に私は上げなければ、長期債の応募者がないと思うのです。先月あたりです、五月か、今六月にかけて、各一流の事業債も売り出しになっておるのだが、非常に評判が悪いのですが、どの程度売れ残っておりまするか、そのパーセンテージを伺いたいということと、今中しました大事な、しかも長期の安定性ある預金について、一年という長期のものに対して手をつけないということは、私は貯蓄奨励の趣旨に非常に違反しているんじゃないかということに考えるのですが、これをもって金利政策は終りであるという、さっきの局長の御説明は、私は実はふに落ちないのでありまするので、長期債と見合って相当に私は引き上げなければ貯蓄奨励にならんと思いますし、長期債もこれは貯蓄なんでありますから、それから巷間伝えるところによりますと、一厘上げるぐらいだろうということも確か新聞なんかに書かれておるようでありますが、一厘ぐらいの、長期債の引き上げをしたって、だれも、よほどの金があり余っている人なら別でありますが、普通の人ならここで七分三厘五毛ですか、その程度で一厘上げてもらっても、何ぼでもきくものではないのですから、その点の意味合いというものも、大蔵省でしっかりかかってもらわなければ、貯蓄奨励でなく、貯蓄退歩に陥る心配があると思いますが、それらに対する、一年もの、長期債の金利に対するお考えをもう一ぺん伺いたいと思いますが。
○説明員(酒井俊彦君) 事業債の件につきましては、これ、実は所管が理財局になっておりまして、今関係の方が来ておりますから、そちらから御答弁申し上げるかと思いますが、一年ものの定期をなぜ手をつけないかということでありますが、これは御承知のように、二十六年に定期預金の金利をきめまして、その際に六分、五分、四分という系列ができておったのです。ところが最近に至りまして、まあそれに一年ものは無税に据え置くけれども、六カ月もの、三カ月ものには一割の税を課するということになりましたので、従来の笠利のバランスからいえば、多少六カ月毛の、三カ月ものに対して不利になっておる。その不利のなり方でありますが、これはまあ五分でありますと四分五厘に下げられたという格好になるわけであります。そこで今回はそういう点で多少バランスを回復するという面も持っておりますが、同時に過去の、六分、五分、四分というふうになった前の金利を調べて参りますと、大体三カ月ものと六カ月ものの金利の間差と、六カ月ものと一年ものの金利の間差とは、三カ月から六カ月の方が二、六カ月から一年が一、大体そういうバランスできておるようであります。これは貯蓄の一つの形でありますが、債券の消化層と預金者の層とこれは全然別のものでございます。従いまして、今のところ六分というのが多少ほかの金利に比べまして、バランス上優遇されておる。そのためかどうか、最近一年ものが著増いたしまして、大体五割以上ふえております。それから六カ月ものに至りましては、三〇何パーセント減ってきております。三カ月ものは微増という程度で、あまり変っておりません。そういうバランスを考えますと、一年ものをさらにこれを優遇するというふうなバランスは考えなくてもいいじゃないか。もちろん社債あるいは銀行預金も投資の一形態で、非常に重要でありますが、投資の層が違っておりますし、考え方が非常に違っておりますので、従来の預金金利のバランスを回復する、完全にというわけではありませんが、そういう意味も含めまして、一年ものは現在すでに無税でございますから据え置く、それから六カ月ものは五分五厘に一割かかって、実際の利回りが四分九厘五毛になる、それを修正をすると。今のあれでございますと、五分ですから、四分五厘になるわけでございますが、それを四分九厘五毛程度のところへ、昨年程度のところへ回復したいと、そんな考え方で金利を見ておるわけでございます。
○土田國太郎君 今の局長のお話は、一年もののお客さんと社債の七年とお客さんが違うという御説明ですが、私どもの見るところでは、今日は一年預金するような人は、この社債についても手をつけております。それは何となれば、これも七分何厘で無税である。しかもこれを現金化するとなれば、すぐ現金化してくれます。社債を今百万円持っておって、これを現金化してくれと言って四大証券へ持っていくと、時の相場で買ってくれます。一年の定期預金よりもむしろ有利に、利息は高い、即時現金化するというふうになっております今日でありますから、私はお得意先が違うんだという見方は、これは保険会社であるとか、あるいは銀行であるとかいうことを称するだろうと思いますが、最近は六分だ、五分だと言うよりも、七分何厘の社債の方が利益になり、現金化することも自分が必要なときにできるという便宜もありますので、だいぶん民衆化してきているように私は承わっておるのですが、そういうことを考えますというと、貸し出しはばかに高くしてしまう、預金の利上げは微々たるもので、これに今申し上げる応募者についての今あなたの御説明がなかったのですが、社債についてどの程度、何パーセントくらい五、六月はなっておるかということを私はお聞きしたいが、こんなことを考えますというと、私は一年ものを放っておいて、貸し出しだけ高くする、これでは預金は少いのだ、預かるときは安く、貸すときは高くするのは、ただ銀行の盤持ちをするだけでありますから、そういうことを当然考慮に入れる必要があるんじゃないかと私は思っております。でありますから、今の社債のあれを一つ理財局から御説明を願いたいと思います。
○説明員(酒井俊彦君) 先ほど御説明が足りませんところがございましたので、補足して御説明さしていただきます。それはさっき申し上げましたように、預金金利は昭和二十六年にきまりまして、そのときに一年ものは六分、六カ月ものが五分、それから三カ月ものが四分、こういうバランスできたわけです。当時の事業債の条件といたしましては、一年債におきましては応募者利回りが八分九厘であった。これがその後ずっと下りまして今七分三厘幾らというところまで下っております。貸付信託等についてもやはりうんと下っております。そういうふうに事業債その他証券投資の形をとりましたものはどんどんその脚に下げてきたのであります。その閥、一方預金金利はすでに六年間も下らない、据え置きになっているという状況でございますので、まあそういうことから見ましても、現在非常に長期預金の金利がほかのものに対して優遇されているということは言えるんじゃなかろうかと、私はそういうふうにも感じまするので、ちょっと補足をさしていただきます。 では理財局の国庫課長からちょっと説明いたします。
○説明員(鈴木秀雄君) 事業債の消化状況につきまして、私直接の主管ではないのでございますが、政府の保証債の関係の保証事務をやっておりますので、若干知っておりますのでお話しいたしますが、消化状況というのは非常につかみにくいものでございますが、一応政府保証債等につきましてはシンジケート団というのがございまして、結局光れ残りといった事態は起らないわけでございます。地方債についても大体同様な状態にございます。 それから、事業債につきましては、証券会社が引き受ける、いわゆるアンダーライティングをしまして、その引き受けで、これも現実には必ず消化はされるという格好にはなるわけですが、その際、証券会社が、自分の手持ちに残ったというものを普通消化ができなかったというような格好でいっております。これもしかし消化ができないのではなくて、ただ証券会社が自分に抱きかかえた、こういったようなことでございます。で、五月におきましては、ちょうど事業債の発表が公定歩合の引き上げの前日に行われました関係で、その起債量が百十三億ほどございました。それで公社債につきましては、公定歩合が発表されました後に起債の量を調整いたしました関係で、公社債及び地方債でございますが、これにつきましてはもちろん売れ残りはございませんでしたが、事業債につきましては、百十三億のうち証券会社が終局的に発行日までに売れなかったという格好のものがたしか七、八億あったはずでございます。 それから先月でございますが、これはそろそろ巷間長期金利の引き上げがあるという評判もございまして、非常にそういった関係で起債をしぼりまして、電力関係のみを新規起債としてはのせまして、あとは全部借りかえでいったわけでございます。それで今月――六月の起債につきましては、二十五日の締切日ではたしか証券会社の手持ちに残った事業債というのは二億程度ではなかったかと考えております。これも最終的にはあるいははけたかもしれませんが、私が二十三、四日ごろに聞いた話ではそういった状況でございます。で、公社債、事業債につきましては、消化のできなかったものはございません。これはやはり、この数カ月間長期金利が引き上げられるという評判がございましたので、一般の個人消化等につきましては確かに悪かった ことは事実でございます。
○土田國太郎君 そうしまするというと、銀行局長に伺いまするが、一年ものは手をつけないということを確認してよろしゅうございますか。
○説明員(酒井俊彦君) 一年ものは手をつけないというふうに考えております。
○土田國太郎君 銀行局長にお伺いするのですが、先ほど中小企業に対しましては特段なる考慮を払うという趣旨のもとに、この両公庫の第四・四半期のものを今度繰り上げて貸付を百三十億される、こういう御説明であったのですが、この繰り上げすると、今度は四半期に穴があくのですが、それは当然穴埋めをすべきものと思うが、それに対する考えはいかん。もし穴埋めをするというならば、これは財政投融資からしなければならぬと思いますが、それは繰り延べを六百億とか六百五十億とかしなくちゃならぬのだから、そこに難点がありはしないかと思いまするが、大蔵省のお考えはいかがですか、その点は。
○説明員(酒井俊彦君) その第四・四半期のやつを繰り上げますために穴があくじゃないか、どうするのだということでございますが、これはそのときの情勢によって幾らかかるということはまあ検討を要しますけれども、そういう穴があきました処置につきましては、次の国会で処置したいと考えております。
○土田國太郎君 先ほど御説明になりましたこの中小企業向けの金額は合計何ぼになりますか。
○説明員(酒井俊彦君) 繰り上げ額は、中小企業金融公庫と国民公庫と、これが合せて百三十億、これが繰り上げをいたします。それから中金関係で……。
○土田國太郎君 これは二十億増ですね。
○説明員(酒井俊彦君) 債券の引き受けを二十億増というふうにいたします。それから一般の金融機関に貸し出す中小企業向けの融資であって、信用保証制度を活用しておるものについては、その資金源を補充するためにそれに見合うだけの金融債――これは約二百億を予定しておりますが――それを買い上げる。大体それくらいのことを考えております。
○土田國太郎君 合計三百五十億になりますが、これはまあ御承知のように中小企業というのは大きな人数でございますから、とても三百や五百億の金融でこの難関を切り抜けるということは、これは夢みたいな話でありまして、とてもこの程度では、私は、政府が国際収支の改善という政策は、これは短期決戦体制ならばこれは別でありまするけれども、国際収支が改善されました、それでは引き受けましょうといえば、またもとの木阿彌に返るので、当然引き締め政策は長期にわたるのではないかというように考えられまするが、政府は短期決戦体制か、あるいは長期にわたってこれをやり続けて、そうして国際収支を根本的に改善するか。この二つの案がありましょうが、どういう面をおとりになるか、それを一つお聞きしたい。
○説明員(酒井俊彦君) まず第一に中小企業に対する措置でございますが、今申し上げましたのは、特にそういう措置をするというほかに、一般金融機関に対して現在でも相当中小企業向けの融資はやっております。で、その中小企業向けの融資につきましては、これはできるだけ見てやってもらいたいということで、これは銀行方面も了承しております。資金量としてはもちろんこのほかにそういうものがたくさんあるわけでございます。ただ、中小企業といえども、不要不急の設備をするとか、そういうような場合にはやはりこれはとどめていただかなきゃならぬ場合ができるかと思うのでありますが、要するに金融引き締めのしわが寄って非常に困難なことにならぬようにということで、金融機関にも御協力をお願いしておりまして、ですから三直五十億のほかにもそういうことでだいぶいけるのではないかと考えております。 それから短期決戦か長期決戦か、これは新聞あたりでいろいろ短期決戦か長期決戦かということを言われておりますが、これは言葉の問題でございまして、そう一、二カ月で改善するようなわけのものではございません。やはりどちらかといえば、腰を据えて日本経済の実態自体を改善していく、これにはやはりある程度時がかかる。これはまあどのくらいを長期というか、どのくらいを短期というか、これは言葉の問題でございますから、この夏ごろにはどうにかなるというような、そんなような考え方で考えておるわけじゃございません。
○土田國太郎君 あなたは今三百五十億のほかに銀行が融資してくれるから心配ないというような御説明ですが、最近の中小企業の状態は、銀行へ行きますとほとんどが締め出しです、これは。貸してくれないのです。あなたはそういう御指示をなすっても、地方銀行は実際においてこれは貸してくれないのですよ。これはあなた方銀行検査官を地方へ回してごらんなさい。よくわかります。これは冗談でなく、貸し出のをくれないから中小企業は今目を回しておりますよ。そこでそのしわ寄せが今いう金庫とか中金とかいう方面へこれが流れていっているんです。それでこの三金一庫、公庫が今度はその面で今困り出しておる。わずか三百五十億くらいの金でもって日本中の中小企業をまかなえるはずがない。二面銀行は貸し出しをせんという状態であるので、今困っておるような状況なんで、地方の銀行の身がわりとして地方の金庫あるいは信用組合、こういうものが今度は貸し出しの対象にされるわけなんだが、その面あなたが今おおせられたような僅少の金額であるということで困っておるのですが、どうかその点につきまして、もっとよくお考え直して――実際に地方銀行が面倒々見ないということは、これは事実なんでありまするから、その点よく御監督を私お願いいたしたいと思います。 それについて具体的に御意見を拝聴いたしたいのですが、この中小企業金融公庫の代理貸しを行なっておりまする商工組合中央金庫あるいは信用協同組合及び国民金融公庫の代理貸付制度をこれをどうしても拡大してもらわなくちゃならないという立場になってきておる関係上、信用協同組合の中小企業金融公庫代理店を増加するお脅えはありませんか。これは今まで金庫や銀行がやっておったんですがね、これを組合の方へ……。
○説明員(大月高君) 今回の対策の結果、中小企業金融に相当しわが寄る。その対策として三百五十億程度では足りないというお話でございますが、その程度の数字でもって満足しているわけではございません。政府関係及び商工中金という、若干政府の関与いたしております機関としてそれだけございます。全体としての現在の中小企業金融の実数を御参考のために申し上げてみますと、問題になっております中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金、これだけを合せまして、中小企業金融に対する百分比は大体七%から八%くらいの割合でございます。それから相互銀行、信用金庫、信用組合といって、おりますものの割合が大体三〇%程度でございまして、結局残りの六〇%の残余が銀行にかかっているというような格好になっております。従いまして政府としても具体的な資金源の補充はいたしますけれども、全体の銀行その他の金融機関において中小企業に対する金融を考えなければ効果は上らないと思うわけでございます。で、具体的には現在地方銀行はオーバー・ローンになっておりません。自己資金でまかなっておるわけでありますし、相互銀行、信用金庫、信用組合等もやはりそういう格好であります。資金の蓄積もこれらは比較的順調に進んでおります。で、結局、この今度の金融引き締めの具体的にしわが寄って参りますのは、主として都市銀行になってくる。オーバー・ローンになっている都市銀行であろうと思います。そうなってきますと、心配せられますことは、その都市銀行の取引先である中小企業が都市銀行から締め出されるということが、どういうような格好で起るかということでございますが、従来の取引先である地方銀行以下のものにつきましては特に心配する必要はないだろう。そうすると、都市銀行の方から、かりに、締め出されるという問題がありましたら、そこのところをできるだけカバーするということでいいだろうと考えておるわけであります。 それから具体的な、中小企業金融公庫の代理店を信用組合の面においてふやすかというお話でございますけれども、先般若干の増加をいたしましたあと、特に数をふやすということは考えておりません。
○平林剛君 議事進行について。大蔵大臣はこの委員会に見えますか。その点委員長においてはっきり来られる時間等を考えまして適当に議事進行をお願いしたいと思うのです。
○委員長(豊田雅孝君) 大蔵大臣は決算委員会が午後一時からあるために、それに出席しまして、大体この委員会の方へは、二時ごろには出席ができるのじゃないかという、今なにです。それでここでしばらく質疑を続けまして、そのあと休憩後再開して、接収貴金属関係を先へやっているうちに、大蔵大臣の出席ができるかと思います。さようなお含みでお考え願っていいと思います。 速記ちょっととめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(豊田雅孝君) 速記を開始して。
○土田國太郎君 次にお伺いしたいことは中金の発行しまする割商ですが、これにつきまして一つ従来より資金を増加する意味におきまして、一方から三百五十億しか出ないのですから何とかして捻出しないと困るだろうと思いますので、この割商の引き受け増加それから資金運用部資金の貸し付けをはかるというようなことはいかがですか。
○説明員(酒井俊彦君) ただいまのところ、先ほど申し上げましたように、二十億ふやす、これで一応あと模様を見まして、もし、どうしても必要だという場合には、また関係方面と相談してみることにいたします。
○土田國太郎君 そうすると、いよいよ困難な場合には考慮する、こういうことですな。
○説明員(酒井俊彦君) とにかくこれで一応やってみまして模様を見たい、こういうことでございますので、御了承願いたいと思います。
○土田國太郎君 しかし、やってみて悪かったならどうするかということを聞いておるのです。悪い場合の話を聞いておるのです。これを見てどうしても足りないという世論がやかましくなった場合に、どうするかということを聞いておるのです。
○説明員(酒井俊彦君) そういうふうな状態をとりまして、真にやむを得ないというような状況でございますれば、またそのときに関係方面と協議するということはあり得るかと思います。
○土田國太郎君 考慮するということですな。 それから、中小企業の零細金融の重要性にかんがみまして、信用協同組合の資金源を確保するということが緊要であるということは先ほどから私申し上げておるのですが、信用協同組合の全国機関でありまする全国信用協同組合連合会に対して資金運用部資金の導入をはかる措置を講ずるために、指定預金的のものを公庫あるいは中金を通じて何とか融資する方法をお考えになりませんか、それをお伺いしたい。
○説明員(酒井俊彦君) 指定預金につきましては、だいぶ前からやった実例はございますが、これは会計検査院で指摘されたようなこともございまして、ちょっと法制上むずかしいと思います。そういうことは考えておりません。
○土田國太郎君 道府県地方共同体に対しまして、商工組合中央金庫とそれから全国信用協同組合連合会に預託を奨励するようなお考えはありませんか、地方団体ですよ。
○説明員(大月高君) その関係は政府の関係ではございませんので、まだそういう問題は考えておりません。
○土田國太郎君 それを奨励する考えはあるかないか、政府の考えはどうだ、こう聞いておるのです。続けて申し上げますが、銀行に地方民が入れたものを還元できないような銀行に預けるよりも、この商工金庫というようなものを通じて預託さしたら一番いいじゃないか、還元利用ができるのじゃないか、こういう建前からお伺いするわけです。
○説明員(大月高君) これはそれぞれ各県の事情もございまして、大蔵省から特に干渉することは適当でないと思っております。
○土田國太郎君 日本銀行の中小企業のワクを今取り払われましたね、特別のワクを。それをもう少し今度は事情が変ってきて、中小企業が困難の状況になってきておるのですから、そのワクをまたもとのようにするお考えはありませんか。なるべく一つこれはワクを設定してもらいたいという希望なんですけれども。
○説明員(酒井俊彦君) ただいまのところ、そういうことは考えておりません。
○土田國太郎君 それから、今私申し上げたことなんですが、今の地方銀行がまた、両建であるとか歩積みとかいうものを始めたらしいのですが、これは厳重にお取締り願いたいと思いますが、政府の措置はどうですか。
○説明員(酒井俊彦君) この点につきましては、しばしば警告も発しておりますし、また最近でございますが、通牒も出しており、それからまた金融機関資金審議会の席上等でも、金融機関の方にお願いし、また私自身も個別に協会長等にお会いをして、そういうことのないようにということを申し上げてございます。銀行といたしましても、そういうことはもちろん望ましくないことであり、できるだけ自粛するということを言明されております。
○土田國太郎君 先ほど地方公共団体の問題が適当でないという御説明があったのですが、これは事務当局とすれば、そうおっしゃるよりしようがないと思うのだが、一つお帰りになりましたら、大蔵大臣や主計局長とも御相談下すって、何とかお考え下すって、これは私、内容の悪い金融機関に預けるのでなく、内容のしっかりしたものがあれば、地方の組合なり金庫なりが預金しても差しつかえないと思いますがね。そうすれば、また還元できるのでありまするから、そういうところを一つ事務当局もお考え下すって、高等政策として一つ遂行できるように私要望したいのですが、一つここで回答を迫りませんから、適当でないということでなく、一つ相談してみよう、その上回答するということに御修正願いたいと思うのですが、いかがですか。
○説明員(酒井俊彦君) お話は伺いましたが、まだそれに対してどうするかということはちょっと申し上げられません。一応研究だけはいたしてみます。その結果どうなりますか、これはまた別問題でございますけれども。
○木内四郎君 ちょっとさっき非常にコールの高いものがあって、それを解消するためにいろいろ努力しておるということ、けっこうだと思うのですが、ところがこのコールの取り手いかんによっては、あるいは使い方いかんによっては、こっちから一片の通牒を出しても、どうしても集められないものがありはしないかと思うのです。そこで、私はおくれてきて大へん申訳ないのですが、あるいは御説明があったかもしれませんが、高いコールを取る取り手は一体どういう人なのか、そのコールを取った資金は一体どういう方面に使われておるのかということをちょっと参考のために、勉強のために聞かしていただきたい。
○説明員(酒井俊彦君) まあ大体申し上げますと、やはり取り手は大銀行がおもでございます。それから出し手は地方銀行、相互銀行、それから投資信託の余裕金のもの、いろいろなものをかき集めて出ております。
○木内四郎君 目的……。
○説明員(酒井俊彦君) これはやっぱり一般的な資金の補充ということだと思います。そこで、さっきもお話し申し上げましたように、少し非常識に荷過ぎますので、方々歩いて、これを適正のところに持っていくように努力しております。きめただけで、それが守れなければ仕方がございませんので、守れるようにするということを合せっかく研究中でございます。
○木内四郎君 そこで私実はお伺いしたいのだが、証券金融とか何とか、従来高い、日証金なんか高い方面、違った方面からとにかく市中の大銀行がとる、しかも高いのでとる、それを一般資金に使うというのでは、ちょっと好ましくないというだけでなく、そろばんの上からいっておかしいと思うのですが、それをそうさせなければいかぬほど日本銀行の貸し出しというものを押えなければいかぬのか。何かそこに非常に大きな弊害が出てくるのじゃないか。商いコールを取って一般の資金に回すというその裏には、いろいろなものがあるとか何とかいうことはありませんか。今度はその資金を借りる方の人において非常に弔い負担がかかるというふうなことはないのですか。
○説明員(酒井俊彦君) おっしゃるように、借り手の方からいいますと、ああいう高いコールが相当採算に影響するだろうと思います。従って、取り手の方としても自粛をして、何でもかんでも高いやつでもむちゃくちゃに取るということでなしに、お互いに申し合して適当なレートのものを取るというようなことをやっていただこうと思っております。
○木内四郎君 私が二番目に伺ったのは、取った銀行がやっぱり貸すのでしょう。今度は資金として借り手の方が何か裏で悔い負担をするようなことはないのですか。
○説明員(大月高君) 今のお話でございますが、取り手は主として都市銀行でございまして、結局、金利の面から申しますれば、預金その他の資金と込みで計算いたしますので、特にコスト上大きく響くということはないのじゃないか。それで、コールを取ったものとツーツーで貸し出しの金利に響くかという御質問かと思いますが、このコールは、全体としての資金繰りに役立たしておるわけでございますが、特にひもがつくというものではございません。その心配はございません。
○木内四郎君 特にひもがつかなくても、コストは平均すれば下るだろうけれども、高いものを取っておるのだから、今度貸す人に特別の負担をさせるということはないのでしょうね。
○説明員(大月高君) そういう特殊な事情はございません。
○委員長(豊田雅孝君) ちょっと土田委員のに関連いたしましてごく簡単なことを委員長から質問しておきたいと思います。先ほど土田委員から質問せられたことに関連するわけなんでありますが、地方公共団体の預託の質問などが出たゆえんのものは、要するに、金融対策として中小企業関係全般に手を打たれたけれども、それのタイミングが一番問題だと思うのですね。御承知のように、両公庫百三十億、商工中金二十億、合せて百五十億という手は打たれたけれども、先ほど銀行局長からの説明によりますと、まだその成案はできておらぬ。要するに、繰上融資はきまったけれども、成案がきまっておらぬ、それから信用保証づきの貸し出しについて地方銀行の手持ちの金融債を政府で肩がわりするというけれども、これの成案はまだ作成中だ、ところが、中小企業はどんどん今金融引き締めのしわ併せで倒産に追い込まれている、こういう状態だと、政府は手を打っても、これは絵に書いた餅、あるいは間に合わぬということになるおそれが多分にある。また、おそれじゃない。現実にそういう問題があるのです。従って、今土田委員から質問のあったごとく、急速に、すぐ効果の出るように、金額のいかん、あるいは方法のいかんを問わず、極力手を打って行かなければならぬじゃないか、そういう点では、地方公共団体に黒字の出ておるようなところは商工中金等に対する預託の増額等をやって、そうしてそのうちに政府の方で成案を得れば、それが間に合ってくるという行き方になるじゃないかということだろうと思うのですが、要するに、成案を早く急がれなければならぬというわけですが、先ほどでは信用保証づきの貸出し分についての金融債肩がわりのものなども、来月から実施するというようなことですけれども、これなどもう実行ができておるかとわれわれは思っておったし、そういうことではちょっとタイミングが非常に問題です。まあ、両公庫の繰上融資などでも、まだ成案ができておらぬということでは非常に問題だと思うのですが、この点をどうするか、これに関連して、土田委員の指摘せられた地方公共団体の預託なども、緊急措置としてこれは暫時の間やらせるというような方向へ向けてしかるべきじゃないかと思うのですが、この点はどうか。 それからさらに、第三点といたしましては、商工中金に債券の引き受け増額二十億を求めたのでありますが、さらにこれは、場合によれば、やむを得ないときには増額するというような答弁も先ほどありましたが、この際割商を引き受けの対象に取り上げる意思はないか。これもやはり短期資金が非常に今詰っておる。この短期資金のしわ寄せが一番来ているのは商中なんです。この商中に対して、自治債のみならず、割商を引き受け対象にしていいじゃないか。 それからもう一点といたしましては、債券の引き受けのパーセント、これを民間と資金運用部では四対六とかいうことになっておりますが、これを三対七にでも引き上げて、そうして緊急対策の実効を上げて行くような意思はないか、そういう点をこの際具体的に伺っておきたい。
○説明員(酒井俊彦君) 先ほどの中小企業金融公庫、国民金融公庫に対する繰り上げでございますが、第一四半期にやろうという分については六月に実行いたしております。それから来週から第二・四半期に入るわけでありますが、第二・四半期の計画につきましても、これはまあ今明日中に大体きめられると思うのです。ただ、その全貌、全体をどういうふうに持って行くか、第三・四半期、第四・四半期、これについてまだ多少研究すべき問題が残っておりますが、これも大至急研究するつもりでございます。 それから資金運用部の関係で、今金融債の引き受け比率を四・六を三・七にできないかというお話でありますが、これは法律上四・六になっておりますので、どうも法律を改正しない以上不可能じゃないかというように考えております。それから資金運用部の資金源につきましては、先ほど御答弁申し上げたようなことで御了承をいただきたいと思います。
○委員長(豊田雅孝君) 割商を引き受けの対象にこの際するという行き方についての御意見は……。
○説明員(酒井俊彦君) 資金運用部が割商を引き受けることはいいかどうか、その辺のことは目下研究いたしております。とりあえず商中債、利付債の方を急ぎますので、とにかく出すということで一部実行いたしております。
○委員長(豊田雅孝君) 割商を引き受け対象にすることは、ぜひ一つ実現するように弾力性を持たすということを希望いたしておきます。 それでは、午前中は一応この程度にとどめまして、午後二時まで休憩いたします。 牛後零時五十二分休憩 ―――――・――――― 牛後二時三十三分開会
○委員長(豊田雅孝君) 休憩前に引き続き委員会を開きます。 最近の金融情勢及びその対策等に関する件について質疑を続行いたします。 御質疑のおありの方は御発言を願います。
○栗山良夫君 ちょっとお尋ねいたしますが、最近の手形の小渡り状況につきまして、なるべく最近のところまでわかっていれはお知らせを願いたいと思います。
○説明員(大月高君) 最近の不渡り手形の発生の状況でございますが、これはお手元に資料としてお配りしてございますものがございます。これによりますと、大体われわれが指標として見ておりますものは、枚数におきまして交換局に対してどれくらいの。パーセントがあるかということを見ておるわけでございます。これによりますと、最近はここにございますように、三十二年の一月が〇・九八、これはパーセントでございます。一%未満、二月が〇・九四、三月が若干ふえまして一・〇五、四月が一・〇一、それから五月がふえまして、一・一こういう数字でございます。ごく最近の六月の二十六日までの分を、六月の月初来の平均をとってみますと、これは〇・九八という率になっております。若干これは下っております。これはもちろん月末がまだ入っておりません。それと速報でございますので、必ずしも今月の全体の計数を表わすわけではございませんが、一応例月並みの程度のところだと思います。それで最近の年間におきまして、不渡りの率の非常に高かった時期は、この前の金融の引き締めを実行いたしましたときの昭和二十九年でございます。この二十九年の数字を見ていただきますと、この表の一番上の方のところにございまして、一・一という数字になっております。これが近来では最も高い年になっております。三十年は従いまして一・〇〇というふうになっておりますし三十一年中は〇・九六、こういうふうにまた下っておるわけであります。なおこの二十九年の中の、最近、ちょうど上半期あたりの数字がどうなっておるか、あのころは引き締めが相当強かったころでございますが、参考のために申し上げてみますと、二十九年の、月は丁二六%でございます。それから二月が一・〇九二%、三月は一・一九%、それから四月が一・一八%ずっと水準が高いわけでございまして、五月が当時の最高で一・三三という数字でございます。この五月をピークにいたしまして、六月が一・一〇、七月が一・〇四と逐次下っております。こういうことでございます。当時の物価の情勢から考えまして、ちょうどこの五月は、小売物価が初めて下り出しました月でございまして、その当時の引き締めが相当強く響いてきておったときだと思います。従いまして、相当強い意味の指標として一・三三という数字をごらん願っていいのじゃないか、そういうふうな感覚からいたしますと、最近の不渡りの状況は特に非常に多いのだというふうなことではございません。 それから業種的に見ますと、やはり最近の経済の実態を反映いたしておりまして、繊維の関係が多いようでございます。それから鉄、非鉄金属、そういうような商社の関係が多い、そういうことでございますが、これは今のように平均的に見まして、特に経済界に対して大きな影響があるというような数字ではございません。
○栗山良夫君 今の御説明を承わりますと、三月予算を審議しましたときの経済の見通しというものについて、その不渡り手形の発生状況から分析をされているあなたの御意見によりますると、大して大きな情勢の変化というものはなくて済むのだ、この程度のことで二十九年も五月をトップにして漸次減少してきたのだ、そういうような状態に行くのだ、こういう一応の見通しと承わってよろしゅうございますか。
○説明員(大月高君) ただいま申しました一月、二月、三月というものと、ことしの一月、二月、三月、それがパラレルだという意味でではございませんけれども、二十九年の金融の引き締めも、ずっと締って参りました大体の底のところが五月、六月である。そういう段階に比べまして、今年の措置をとって参っておりますこの今の段階を考えまして、そう強い影響が今出てくるわけでもない。それから今後も、そう特に二十九年に比較いたしまして、強い影響が出るとも考えておらない、こういうことでございます。ただ一般的に申しますれば、こういう金融引き締めをやった結果、どうしても経済の上昇カーブというものが鈍ってくる。傾向が変ってくるということになれば、不渡り手形の問題も相当慎重に見守っておらなくてはいかんだろう、こういうことでございます。
○栗山良夫君 手形の不渡りの発生状況というものは、経済の動きのある面をきわめて鋭敏に現わすものだということは、私が申し上げるまでもないことであります。そういう観点からして、ただいまのお話を参っておりますと、これはあとで大臣がおいでになったときにお話を承わりたいと思いますが、今われわれが非常に金融引き締めで経済界に波乱がきそうになっているというので心配をしておりますけれども、その心配はある意味ではこのような、そう大きな心配は必要でない、こういう私は結論になるように思いますが、大蔵省、特に銀行局当局としてはそういう程度のことでお考えになっておりますか。重ねてちょっと伺わせていただきたいと思います。
○説明員(酒井俊彦君) 小渡り手形の実情につきましては、ただいま大月君からお話し申しあげたような状況でございますが、まあ私も二十九年当時のことをよく覚えておりませんが、二十九年当時は、実は商社等の会社の実態というのが今日とだいぶ違っておりまして、かなり実態的に弱いものであった、というようなことは事実であったと思います。それから今日これまでのところいろいろ不渡り等が出ております。たとえば繊維などという業種につきましては、昨年来非常な供給超過の問題があったというようなことがありまして、そういうあおりと申しますか、そういう点もやはり一部原因していると思うのであります。もちろん、金融引き締めにつきましては、まあ今回総合対策をとりまして、これから徐々に効果が出て参りますので、今日のところのこの指数だけをもってまあ安心だというわけにはいかぬかと思います。やはり今度の引き締めの措置がどういうふうに現われるか、それがまた不渡り手形の発生状況にどういうふうに響いてくるかというようなことは、今後やはり注意深く見守っていかなければならぬと、かように考えております。
○栗山良夫君 私が知りたいのは、たまたま手形の不渡りを問題に今しておるわけなんですけれども、要は、今政府が行なっており、さらに強化しようとしておるこの金融の引き締め政策というものが、日本の経済にどういう影響を将来持ってくるかという考えをある程度まとめたいために申しているわけです。だからこの程度の金融の引き締めをやっても別に経済界にそう大して混乱がこないと、こういう見通しでおられるのか、あるいはある程度の波乱がくるということを見通しておられるのか、ここが非常な私は問題だと思うのです。金融の引き締めの主たる目的は、国際収支のバランスをとるということでしょうから、これはもう全然別なことなんです。国際収支のバランスはとらざるを得ないからとる。その場合に国内の経済の波乱をある程度避けていこう、その方法についていろいろ研究をされておるだろうと思うので、従って二十九年度のときの実績からして、まあそんなに心配する必要はないということであればまた手の打ちようも違う。心配をしなければならぬということであれば、またそれに相応した手を打たなければならぬ。だからそこのところの明解な大蔵省としての見解を承わらないというと、私どもとして頭の固めようがないわけです。その点を私は承わっておるわけなんです。 で、先ほどのお話を承わっておると、けさ午前中、土田さんがだいぶ質問しておられましたが、またけさの新聞にもきのうの自民党の対策が何か出ておりました。一五%の引き締めに対して中小企業だけ別にふやす必要はなかろうし……。そういうところに、今の御説明だけではちょっと私理解し得ない点がある。その点をもう少しこまかく聞かしていただきたい。
○説明員(酒井俊彦君) けさほどもお答え申し上げましたのでございますが、結局現在の日本経済を見ますと、少し発展テンポが早過ぎた。従ってその早過ぎたことによって国際収支のバランス、あるいは貯蓄投資のバランスに破綻がきたということだろうと思います。従いまして、やはり国際収支のバランスを国際収支面だけの直接の手で直そうと思ってもこれは直らぬのでございまして、やはり日本経済全体が適正な成長率に戻るということが必要だろうと思います。その意味から申しますと、生産その他若干スロー・ダウンをするということになります。その過程においてまあ全然問題がないかというと、それは発生するかもしれませんが、とりあえず一番予想されます中小企業等に対する手はまず一応打って、その対策に臨むというようなことをいたしております。できるだけ波乱のないようにスムーズに持っていきたいということを考えております。まあ全然それじゃ混乱がなくて、このまま痛くもかゆくもないという程度で済むかというと、それは実際の経済がどう動きますか、その辺は注目いたしまして、弾力的に対策をとっていく必要があると思いますが、ただ、まあさっき申し上げましたように、二十九年度当時の商社なりその他会社の実態というものは内容が非常に弱かった。今日はそれが相当に会社の内容も充実しておりますし、あのときのようなひどい混乱は起らないであろう。しかし全然問題がなく、スムーズにいくかどうかというと、それはまた何度も申し上げるようですが、これは今からちょっと断言はできないので、予測できる中小企業等へのしわ寄せ、一番弱いものに対するしわ寄せの点を十分考慮いたしまして、混乱ということがたといあったにしても、最小限度にとどめていきたい、こういうふうな気持であります。
○栗山良夫君 三月の予算を審議しましたとき、野党としての日本社会党と政府との間の主たる論点はどこにあったかと申しますと、あの拡大予算というものがインフレを起しはしないかという社会党の主張に対して、自民党は起さないと言う。しからば物の裏づけがない場合には起すであろう。それはその通りだということ、従ってインフレーションを回避するためには極力輸入をする、物資の輸入によって、この拡大予算のインフレーションを防ぐのだというところが三月予算の議論の焦点だったと思うのです。ところがそういう非常な自信に満ちた政府の御答弁というものが、わずかこの二、三カ月を出ない間にどんどんくずれてしまった。特に物質を輸入することによってインフレーションを回避するという前に国際収支のバランスがくずれてしまう。そうして宇田審議庁の長官あたりが、日本経済の伸びを、まことにわれわれとしてはちょっと想像できないほどに喜んで謳歌されたわけですね。それを今度スロー・ダウンで押えようとする。全く当時の考え方というものがくずれてしまっているように私思いますが、その点は大蔵省当局としては、金融面ではどういう工合にお考えになりますか。
○説明員(酒井俊彦君) 実は、はなはだ申しわけございませんが、私最近着任したばかりでございまして、予算委員会当時の論議というものはあまりつまびらかにしておりません。むしろそういう点につきましては、後刻大蔵大臣が御出席になることと思いますのでで、大蔵大臣の方にお尋ねいただいたらいかがだろうと思います。
○栗山良夫君 いや、私は大蔵大臣にこのことはお聞きしようと思っておりますよ。思っておりますが、大蔵大臣を補佐せられる大蔵省の事務当局としてはどういう工合にお考えになっておるかということを、やはりお聞きするのは決してむだではありませんからね。それでお聞きをしておるわけなのです。
○説明員(酒井俊彦君) この問題は大蔵省の全体の問題でございまして、一部局である銀行局、しかも最近私こちらへ参りましたのですが、ここでその当時の考え方と今とどういうように変ったのか、その理由はどうだということをちょっとお話し申しあげにくいのでございますが、御了承願いたいと思います。
○栗山良夫君 じゃこれはまたあとに譲ります。それから先ほど土田議員からでありましたかね、御質問の途中に、コールの話が出ておりましたが、コールの金利の高いものというのはおそらく非常に短期なものだと思います。大体何日物くらいのところへ集中しておるわけでございますか。
○説明員(大月高君) 最近のコールの状況は、まあコールの中には翌日物、無条件物、それから月越し――最近長いもので月越しというのがございまするけれども、やはりこれの長さは特に昔と変っているようでもございませんので、やはり無条件物を中心にして動いております。で、ただ最近やや特色的に現われておりますのは、月越し物というのが割合ふえているということだと思います。それは今後大体金融が詰まってくるだろうという見通しから、なるべく先の資金の手当をしておきたいということで、先のものをとっておいて、それで余裕があればまた短期へ出してつないでおく、こういうような感覚になっておると思います。その他、特にどれが中心かというような問題は顕著な現象としてはないかと思います。 それから取り手、出し手の問題でございますけれども、主として都市銀行が取り手に回っておりまして、出し手は地方銀行を主力にいたしております。その他たとえば長期信用銀行であるとか、あるいは信託、相互銀行、信用金庫、生命保険、それから証券会社という、つまりその他という金融関係の部類で大体出し手を占めておる、こういうふうに御了解を願いたいと思います。
○栗山良夫君 今のこのコールの中で信用金庫はあまり大したウエートになっておりませんか。
○説明員(大月高君) 信用金庫は以前に比べますればふえておりますが、具体的な計数から申し上げますと、全体が東京の市場で約千億べース、千億べースのうちでは相互銀行と信用金庫を合せまして二十七日の計数で八十四億程度でございますから、コール市場における全体のウエートとしては比較的小さい。ただその数字は以前に比べれば相当出ておる、こういうことだと思います。
○栗山良夫君 実はこれはまあ銀行局の仕事なのですが、最近われわれが耳にするのは、信用金庫ではありません。相互銀行ですね、相互銀行の金利の計算の仕方がきわめて複雑なために、一体最終金利というものはどれだけになるのかわからない。まあずいぶん高いものを借りておるんだというばく然たる勘ですね、融資を受けた人々の中にあるわけです。で、これはちょっとチェックしてみましても、ずいぶん高利貸しになっておるようですが、一番庶民金融をやっておる、中小金融をやり、中小企業の中に入っておる相互銀行としてはもう少し、ああいう複雑な計算では、ちょっとしろうとでは、幾らで借りておるのかわからないような状態にして営業を続けていくよりは、銀行局の指導によって、もう少し最終金利というものがはっきりわかるようなそういう指導の仕方をなさることが必要ではないかと、私はこのごろ痛感しておりますが、この点についてのお考えはいかがでございますか。
○説明員(大月高君) 相互銀行の貸し出しにつきましては、例の相互掛金契約というのがございまして、一定の金銭を毎月定期にかけて参りまして、借りる金が必要な場合には、あらかじめ借りる前にかける、落す、こういう方式で金融を受けておるわけでございます。その結果、全体の複利計算面から実際の負担がどのくらいになるだろうということが実際わかりにくいということは仰せの通りだと思います。それで大蔵省は、相互掛金契約の全体の掛金表というものについて認可をいたしております。この精密な計算による金利から申しますと、最高四銭五厘から四銭という二種数の掛金の表がございまして、そのいろいろな方式がございますので、その方式に応じて任意に相互銀行で採用する。ただ四銭五厘という金利は、いかにもわれわれとしても高いと思っております。従いまして業界におきましても、ほかの金融機関との競争上も不利なわけでございまして、金利がどうしても高くなっておれば借り手が少くなってくる。こういう競争上の不利がある。全体の中小企業という立場から考えましても適当でないので、逐次指導によりましてこれを下げさすということをやっております。ただ掛金契約の方式をやめるかどうかということになりますと、そもそも相互銀行になりましたのは無尽会社から発足しておりまして、相互掛金契約を中心として無尽の一つの特色、相互銀行の特色を形成しておるのでございますので、これ自体をやめることは本質的にむずかしい。そうすれば外部に対してなるべくわかりやすく、しかも実態は監督官庁としての大蔵省としてよくにぎり、両建で逐次改善を進めていくというよりほかないかと思っておりまして、今の金利が高いという点につきましては、われわれも非常に重大な関心を持って、常に指導いたしておるつもりでございます。
○栗山良夫君 大体お考えわかりましたが、その金利が高いということは、ばく然とわかっているんですね。借り主は。で、おそらく今おっしゃったような最終金利というものが四銭五厘にもなっているということであれば、これは毎日掛金をしながら相当まとまった融資を受けられるその利便も、もちろんありますけれども、それとは別個にやはり考えることがあり得ると思うのです。そういう意味では、今おっしゃったその金利が高いということについて、行政指導によって下げるというような措置をするということも、もちろんやっていただかなければなりませんが、それぞれ契約の方式が違うわけですから、その契約の方式に従って、こういう契約のものはこの程度の最終金利になるのだということが、町の八百屋さんでも、あるいはまたうどん屋さんでもわかるようにして上げるということが、私は親切な道ではないかと思う。これがどうもできていない。全国的にあちこち見て歩きましてもできていないので、それを一つ緊急に銀行局としては取り上げていただいて、実現するようにお骨折りを願いたい。
○説明員(大月高君) 今の御趣旨ごもっともでございまして、どういう方法にすればそれが実効が上るかということを研究してみたいと思います。実態については、先ほど申し上げましたように、こちらで監督しておるつもりでございますが、借りる人に率直に何銭何厘になるかということを知らせる方法は、掛金表でも作って、それにこれは幾らになりますというふうな数字でも書き入れて、それを相手に渡すような方法にでもすればいいのかと思いますが、いろいろ手続の問題もありましょうし、われわれも実は率直にわからない点もございますから、研究いたしたいと思います。 それから掛金の業務が非常にコストが高くなって、金利が高くなってくるという事情は、御承知のように、非常に手数がかかるわけでございます、経営者として。相手としては非常に便利でございますけれども、足で集めて歩くというふうな一つの特色があるわけでございます。必ずしも金利の面からだけで論ぜられない面もあるかと思いますが、十分研究してみたいと思います。
○委員長(豊田雅孝君) このままでちょっと休憩いたします。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(豊田雅孝君) 速記を始めて。それでは再開いたします。
○平林剛君 午前中、政府の方から国際収支の関係について若干の説明がありまして、昨年の秋から赤字が出て、昨年の末で十四億、この一月から四月までさらに三億ドル、五月で九千七百万ドルと、こういう工合に収支の面で悪化の状態が続いて参ったという御説明があったわけでございます。きょういただいた資料を見ましても、輸入の先行きを示す輸入信用状の設定から見ますと、赤字はまだ当分続くのではないだろうか、こういうことが想像されるわけであります。最近政府から国際収支改善の緊急対策が発表せられましたけれども、これが効力を現わすまでには相当期間がかかる。そうすると外貨の手持ちは、結局緊急対策が成功しないうちに底をついてしまうのではないだろうかという心配が一般からせられておるわけであります。この見通しについてあなたから御説明を願いたいと思います。 それからもう一つ、現在の外貨の手持ちは幾らになっているか、その二つを一つお答えをいただきたいと思います。
○説明員(佐々木庸一君) 最初の御質問の先行き国際収支の見通しを、信用状面からだけ触れたときどうであるかという御質問でございますが、確かに最近の信用状は異常に高いと思っております。この高いうちには先行き輸入がしにくくなるということを考えまして買付を急いだものもあろうかと考えます。われわれは、この今の高い三億ドルの信用状ベースというものが今後も続くものとは必ずしも考えなくていいことではないかと思っております。若干銀行の見通し、六月中には幾らぐらい出す予定かという見通しなどを聞いてみますというと、この数字よりまだかなり落ちる見通しをもってきておる節もあるのでございます。金融的にだんだん引き締められて参りまして、その効果が出て参りますれば、輸入はかなり落ち得ると考えております。二十九年におきましては、金融引き締めの効果が出ました九月ごろにおきましては、一億ドルを割りました信用状発行額であったのでございます。それは三月ごろでありました一億八千万ドルという数字に比べますと、ほぼ半分くらいに落ちたことを示しておったのではないかと思われますが、それほどまでに下るように期待していいかという問題につきましては、なお先のことですから申し上げかねる点もございますけれども、かなり減り得ると考えておる次第でございます。片方、輸出の方は二億台のところ、二億程度のところを続けておりますし、この先行きにつきまして、外貨の枯渇するというふうな状況は避け得るのではないかと考えておる次第でございます。 次に現在の外貨の保有額についての御質問でございますが近ごろ非常にわかりにくい状況にございますので、ちょっと時間をかしていただきまして、はっきりいたしました数字を御説明申し上げたいと思いますが、大よその見当のところは、卒林委員も御存じの通り、新聞などに出ておるところでございますけれども、確定数字につきましては、若干外国銀行等の証明みたいなものを取りましたりいたしますので、少しお待ち願いたいと思います。
○平林剛君 時間をかしてもらえば外貨の手持ちについては私の方に説明をすると、こういうお話ですね、そんならまあそういうふうにお聞きしておきます。 そこで、まあ現在手持外貨がどのくらいあるかということは、一般の人にはわからない、私どもにもなかなか正確なことをつかむことはできないでおるわけです。それで一般にいわれておるものを基礎にして私はお尋ねをするわけでありますけれども、現在この五月、いや、今月に入りますというと、すでに手持外貨は十億ドルを下回る、こういわれておる。しかもそれだけではなくて、この中にはインドネシアや韓国に対するこげつき外貨が二億八千万ドルあるといわれておるわけであります。また大蔵省の手持外貨が、東京銀行や外国為替銀行その他に預託して、すでにその銀行から外国の出先商社に貸して、その商社はその外貨を使って羊毛や綿花、いわゆる物に変えてしまりておる。こういうところからいきますというと、あなたは、先行き輸入を抑制することによって底をつくような心配は多分あるまいというお話を言われましたが、実質的に使えるという外貨は、今のようなことで大へん心細いのではないだろうか、そしてまたそのことが今後の輸出振興等に重大な影響を与えるのではないか、とう思われるのであります。そこであなたからお聞きすることができたら、こげつきの外貨の実態は一体どういうものか、もう少しこまかいところを説明をしてもらいたいと思うのであります。
○説明員(佐々木庸一君) こげつきと申しますと、やや常識的になりますが、その常識的な概念に基きましてお話を申し上げようと存じます。大体こげつきと申されます債権というのは、オープン勘定における出超累積債権であります。御説明を申し上げるまでもなく御存じだろうと思いますが、インドネシアに対するもの及びアルゼンチンに対するもの、韓国に対するものが大部分を占めておる。若干過去のオープンの残りというものは、非常に小さい数字でございますけれども、それを除外いたしまして、まあアルゼンチン、韓国、インドネシアを御説明申し上げるべきだと思いますが、ところでインドネシアに対する債権は幾らであるかという問題につきましては、これは毎日動いておりますので、はなはだばく然としたことを申し上げますが、一億七千万ドル程度と申し上げてはなはだしき間違いはないかと思います。最近のところまで、かなり一億七千七百万まで上っておりました債権が、減って参りましたのでございますけれども、インドネシア側が日本からの輸入を再開いたしました結果、だんだんふえつつあると考えております。アルゼンチンに対しましては、おおむね五千万ドルの債権が残っております。それから韓国に対しましては四千五百万から四千七百万、若干動いておりますが、その程度の債権が残っておるわけでございます。インドネシアのこの出超累積債権の処理につきましては、向う側が賠償問題とある程度の関連を持たせて考えておるということでございますので、なかなか処理は時間がかかろうかと考えております。アルゼンチンにつきましては、漸次解決されていくものと考えております。韓国につきましては、日韓の一般の問題との関係で、一般の問題が解決せられなければ、これはなかなか解決がむずかしいかと存じておるところでございます。
○平林剛君 もう一つ、大蔵省の手持外貨が東銀その他に預託されて、出先で物に変っておる、結局使える外貨というものは、その分だけ少くなっておる、こういうことが指摘されておるわけであります。また政府の手持の外貨を計算する場合に、健全経理の観点からいうと、こういうものは、むしろ除外すべきだという説さえある。ところが大蔵大臣は、こういう点は何か事情があるんでしょう、だいぶ強気なことを言っておられて、最近そのおもなものは東銀から引き揚げてしまったし、あるいはほかのものについても漸次引き揚げつつあるという説明をされておるわけであります。しかしすでに物に変ってしまっておるものを引き揚げるわけにいかないわけです。そういう意味で、一体どの程度引き揚げたか。その前に、大体大蔵省の手持外貨が、今私が指摘したように、預託されておるのはどの程度あって、今のいろいろな緊急対策から、どの程度引き揚げが可能なのか、その割合はどうかという点について、一つ参考のために聞かしていただきたい。
○説明員(佐々木庸一君) そのような数字は準備して参りませんでしたので、数字を申し上げることはちょっとごかんべん願いたいと思います。私ども筋を申し上げたいと思います。日本の為替銀行に対しまして、こういう関係になっております。これは銀行の御記のつけ方みたいな問題でございますけれども、日本の銀行に対して政府が預けております外貨を、そのまま保有外貨として載っけておるかというふうな疑いを持たれておるわけでございますけれども、私どもその点については違っておると申し上げたいのであります。政府の外貨が、たとえば十二億ドルありますと、こう申し上げますときに、平林先生の御指摘になりましたもののうち、一部は落してあるわけであります。と申しますのは、私ども日本として幾ら外貨があります、こう申し上げますときに、銀行が持っております外貨につきましては、こういう勘定をしておるわけであります。銀行のバランス・シートにおいて、資産と負債がどういう関係になっておるか、資産が超過しておれば、その超過分だけを銀行の持っておる外貨として計上しょう、こういう考えでございます。その資産として考えるもののうちに、どこまで資産として考えるかということに技術的な問題があるように思われます。平林先生の御指摘になったうち、政府から預った外貨で、もう輸入してしまったというような場合におきましては、銀行の勘定におきましては、片方に債務側に政府の預金というものが立っておりまして、資産側にはほんとうは預金に見合、現金があるべきところを輸入手形が入っておるわけであります。ところがその輸入手形を資産の面から一応落す方式を採用しております。つまり手形はもう現金ではないという御点から、われわれはこれを資産に計上しないで、銀行の為替の持高というものを計算しております。その結果は、例月銀行の為替持高というのは赤字になっておるわけであります。金を預かりまして、それを使ってしまっておるわけでありますから、手形か何かになっておるものでありますから、日本の為替の銀行の為林持腐というものはマイナスの持高であると、こう申し上げております。その数字は大体一億三千万から一億五千万であります。従いまして三億ドル穴があいておるというような説をなされました方がありますけれども、その点で私どもは正確でないと申し上げたい。ただ御指摘のような点が若干残っておるということを申し上げなければならない部分があるように思うのでございます。それは日本の為替銀行が、外国におきまして、その土地にあります日本の商社等に現金の貸付をしている場合でございます。これは、日本木からの輸出に貸し付ける場合もあり、日本への輸入に貸し付ける場合もあるということで、非常に動きますので、しかも短期の貸付でございますから、これは一応区分がむずかしいから、現金と同じように見よう、こういうふうにいたしまして、この金額は一番ピークのところで一億ドルにほぼ近づいたところもあります。最近はもっと減っているはずでございます。この数字につきましては、見ようによってはそれはもう現金じゃないじゃないかと言われる一面があるかと思います。もう輸出に使われている部面がありますから、その輸出がほんとうに済みますというとまた現金になるという説明もできる面もあると思います。正直に申し上げまして。それは二割か三割であろうかと思いますが、この面におきましては御指摘のように若干問題は残ると思いますが、ただ非常に理屈を申し上げろようでありますが、外貨という金の形で持っていなければいけないか、物の形で持っておったのでは工合が悪いかということにつきましては、いろいろだ目方があるかと思います。輸入物資の形で持っておっても、現金の形で、持っておっても――輸入物資の形で持っている場合におきましては、ほかの物の形に変らないという意味において非常に拘束を受ける。また、およそ輸入しなければならぬということであるならば、それは現金の形であろうと、物の形であろうと、大差ないであろうという考え方も成り立ち得ると思いますが、私はこれを強調する考えはございません。(笑声)その点から申しますというと、そう三億ドル穴があいているというような説をなされますについては、非常に反対をしているわけであります。
○平林剛君 私の質問した数字についてはお答えがなくて、筋の方だけ大へんよく説明してくれましたから、もう一つだけあなたにお聞きをしておきます。 結局、日本経済の現在の状態を切り抜けるためには、輸出の振興、その他総合政策も関係がありますけれども、特に輸出の振興の進展いかんにかかっている。この場合、国際収支というものがやはり何といっても急所になるわけであります。そこで、大体どの程度の外貨があれば、今後の経済政策をやっていく上によいか。まあ事務当局として考えるところを述べていただきたいと思うのであります。まあ昨年十数億ドルあって、政府の方は少し強気になって積極財政を打ち出したのだが、結局あの程度の手持ちでは、今回やった自由民主党の政策でもうだめになってしまう。さっきだれかが、日本経済は相当強靱だなんということを言っておりましたけれども、この二十六国会を通じての論議と、今日の状態を見ればですね、それがどの程度のものであったかということはお互いによくわかったはずなんです。そこで私どももこうした問題については門外漢であって、一部の人の判断に誤まりがあれば、今日のような状態になるわけです。これはお互いに幾らあればいい、悪いという議論はありますけれども、その楽観説あるいは悲観説によって、一部の人たちの考えで、結局国民全般が迷惑を受け、いろいろな影響を受けるということになりまして、今日国民はこのことについて大きな関心を持っていると思うのです。大臣などに聞くと、なかなか正直に答えないので、あなたに一つきょうはそのことについて御意見を聞かしていただきたいと思います。
○説明員(佐々木庸一君) 平林先生、非常にむずかしいことをお聞きになったと思っておりますが、幾らの外貨を持っていたらいいのだということは、数年来われわれの局におきまして宿題であることであります。しかし、結論を出すに至っていないわけであります。 ただ申し上げなければならぬと思いますのは、幾らあったらいいという数中が、一時的に出てくるものではないはずであります。つまり国内の経済の状態はどのように動いておるか、それからもっと私どもの為替の仕事に近づけたところで、一体輸入をどの程度自由にするつもりであるかという、その輸入の自由化の程度等をきめませんというと、必要な、適正な外貨の保有量という問題はなかなかきめがたい問題と思います。先生よく御存じでありますように、完全雇用政策に近づけるために、いろいろ投資をふやさなければいかぬという経済の場合と、いや、今のままで静かに回っておればいい、循環しておればいいという経済だという場合と、いろいろ数字の計算が違ってくると思っております。(「それはもちろん当りまえだよ」と呼ぶ者あり)ただその伸びていく経済においては、かなりな外貨が必要なはずだとは思っております。いろいろな経済界や何かで、適正な外貨の保有量は十億ドルであるとか、最小限度七億ドルは必要だというような数字を出されたところもあるわけでございます。私どもは、ある意味においてはそれは間違ってないと思います。しかしいつまでも、いつの状態においてもその数字が適合するものである、正しいものであるとは申し上げにくいと思います。従いまして、これは国内的にどういう政策をとられますか、その投資を進めなければならぬという時期であるから、投資を促進すべき政策、促進すべしとする政策をおとりになるか、非常に輸入外貨予算というものは詰めたってかまわないというような観点から経済を持っていくという政策がとられまして、その前提でやるのだということになりますれば、これはまた非常に少い外貨でもって足りるということになります。イギリスのように、これはどういう計算かわかりませんけれども、年間輸入量の半分の外貨を持っている必要があるという見方もあるようでございます。そういう考えに立ちますというと、外貨の保有量は、今の日本にとって言えば、実際政策の上からはあまり参考にならない程度の大きなものになり過ぎてしまうという問題であろうかと思います。私ども適正保有外貨量の問題は、そういうふうに条件の立て方によって非常に動くもので、条件をもし仮定して作るとしても、それは現在の政策の上に非常に利用しがたいものだと思っております。現実のわれわれ考えます場合に、その趨勢を問題にすべきではないかと思っております。月に一億ドルづつ減るという趨勢であっては、これは非常にやはり工合が悪いものじゃないでしょうか。若干少い量でありましても、漸次ふえつつあるという状況ならば、これは非常に心強い状態じゃないかと考えるべきじゃないか、こういうふうに思っておるのでありますが、はなはだばく然としたことを申し上げましたが、事柄自体が非常にそういうつかみがたい問題じゃないかと思っておりますが……。
○土田國太郎君 ちょっと総務課長さんにお伺いいたしますがね。為替に自動承認制というやつがありますね。過般も何かの新聞に、通産省の通商関係のある局長が、自動承認制の為替に不足を生じた場合にはなんぼでも追加すると考えるということを発表されておるのですがね。自動承認制はまあ相当の私はワクもあると思うし、また品物についても指定があるのじゃないかと、まあこれはしろうとで私わかりませんが、当然そうなくちやならぬように考えておるのだが、不足の場合にはなんぼでもあとは加算してやるというようなことは、今日の外貨事情からいって、そういうことを大蔵省の方は承認できるものかどうか。またこの自動承認制の性格ですね。簡単でよろしゅうございますけれども、この二つの点をもちょっと御説明願いたいと思います。
○説明員(佐々木庸一君) 自動承認制の中身はこういうことになっておりますが、買いたいと申し出る人がありましたならば、幾らでも外貨を割り当ててやるという趣旨であります。従いまして、この品物については何億ドル、何千万ドルの限度までしか割り当てませんと言っておりますまあ割当制度とは、そこのところが筋が違うのであります。ところが、この自動承認制につきまして、これはいつでも買えるのだから、必要なとき費えばいいというふうにしておくのが、政策的には一番大半なことであります。最近関西方面あたりでいわれております思惑というものは、自動承認制というのはやめになるかもしれないということだったそうでございます。そのために、今買わなければ損だというので、自動承認制による予算の割当――と申しますのはちょっと語弊があるのでございますが、予算をどんどん使うという格好であります。これはこの制度がそのうちとめられるかもしれないという思惑から出たもののように思います。そこで通商局長は、いや、幾らでもつけると、こういうことを言われたのであります。私、そう言われる必要があったと思います。そう言わなければならぬと思います。ただその言われた結果、ほんとうに幾らずつでも伸びて外貨が足りなくなるということになるかということについては、そう通商局長が申されれば皆さんお買いになりませんから、追加を必要としても大して追加は要らぬことになる、ないしは追加をしなくても済んでしまうというようなことになるのではないかという感じであります。自動承認制が一口八百万ドルから九百万ドルにも及んだ日がございました。現在のところ、二百万ドルを割っておる次第でございます。言われたことによる心理的効果はかなりあって、そう言われたがために、かえって追加しなくて済むような情勢が作られつつあると考えておるところであります。
○委員長(豊田雅孝君) 大蔵大臣が見えましたから、御質疑のある方は御発言を願います。
○栗山良夫君 きょうは、大蔵委員会で、最近の金融、財政のいろいろな動きについて大蔵大臣に御所信を伺うことになっております。私は実はことしの三月の予算委員会におきまして、隘路産業の建て直しを中心にしまして、いろいろなお尋ねをいたしたことを、はっきり覚えております。その中で、一千億減税、一千億拡大政策について幾多の疑問を持っておりましたが、それを非常に端的にお尋ねをいたしたのであります。と申しますのは、積極財政をやりまする場合には、どうしても通貨量がふえて参りまするから、従って物の裏づけがなければインフレーションになるのではないかと、物の裏づけの御自信がありや否や、この質問をいたしました。そういたしますと、大蔵大臣は、これは宇田長官もあるいは水田通産大臣も全く同じ御見解でございましたが、そういう物の裏づけがないためにインフレーションになるということは絶対にあり得ないと、政府は外貨を保有しているのであるからして、物資の輸入によってそういう事態が絶対に起きないように回避したい、そこに発展していく日本経済の安定があるのだ、こういう話であります。で、われわれは多大な疑問を持っておりましたが 一応そのお説を承わって参りました。ところが、予算が実行に入りまして数カ月を出ないうちに、現に輸入を抑制しなきゃならぬ、こういう、ある意味においては、三月の金融、財政の政府の所論とは全く相反する現象が出てきたわけです。 そこで、今若干、日本経済は国内的に動揺もし、ある一部においては非常に困った現象になっておりまするから、そこで二、三の点について大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一に、国際収支のバランスを回復するために、大蔵大臣といたしましてはどういう方法でおやりになろうとしておるか、この点を伺いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 国際収支のバランスは、輸出の奨励と輸入の抑制、また輸出入以外の、貿易外の収入の増加と支出の減少、これよりほかにございません。従いまして、ただいまのところ、幸いに輸出は予定通りいっておりまして、二十八億ドルは確保できると私は思っております。あるいは努力によりまして、もっとふやされるのではないかという気持を持っております。ただ片一方の輸入の状況が、私はこの前も申しておったと思うのでございまするが、どうも原材料の輸入が、一月、二月、三月、ふえて参り、四月、五月、六月ぐらいから相当減ってくると見込んでおったのでございまするが、何分にも昨年の幕のスエズ問題によりまする緊急輸入のあとがずっと引いてきておりますし、また一部の思惑と申しまするか、あるいは将来の景気の予測ということを予想せられましてか、われわれが想像した以上の輸入がありますので、この輸入を国際収支改善のためにある程度チェックしよう、こういう方向で国際収支のバランスに向って努力しておるのであります。ただ問題は、十分な外貨保有量でございませんので、国際収支の赤をやり繰るために外資の借り入れ等を計画いたしまして、早急に国際収支がバランスするよう、そうしてまた今までの赤字によりまして支払手段に困ることのないよう外資の導入を計画いたしているのでございます。
○栗山良夫君 先ほどもちょっと事務当局にお尋ねを同僚議員がいたしておりまして、はっきりお答えが願えなかったのでありますが、現在の日本の経済規模で日本が必要とする最小限の手持外貨、使い得る手持外貨というものはどれくらい用意すべきであろうか、こういう話がありまして、明確にはお答えがいただけなかったわけでありまするが、大蔵大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(池田勇人君) 新聞雑誌等では適正な外貨の保有量ということを議論せられていると思いまするが、私は、これはなかなかきめられぬ問題だと思います。多いに越したことはございません。しかし外貨がこれだけあるが、輸出に向うべき原材料は非常に少いという場合におきましては、外貨の大きいことをもって安心はできないのでございます。従いまして、適当な外貨保有量ということは、私はいろいろ議論せられまするが、日本においてこれだけだということはだれも言い得ないと考えております。
○栗山良夫君 いや、それは多いに越したことはないとおっしゃった、その通りですが、従って、私は最小限の必要外貨、しかも経済が動くからとおっしゃいますから、現在の日本経済を運営していく上においてという前提条件のもとに私はお尋ねをしているわけであります。問題を非常にしぼっておりますから、その道のオーソリティであられる大蔵大臣であれば、もう少し端的なお答えが私はあってしかるべきだと思っております。いかがでございますか。
○国務大臣(池田勇人君) 大蔵大臣だから言えないのであります。いろいろな方が新聞雑誌で議論して意見を述べられておるようでございまするが、私は大蔵大臣としてでも言えませんし、また個人としてでも私はそういうことはあまり議論にならないのじゃないかと思っております。要は日本の信用でございます。私は、今は五月末で十億ドルちょっと割っておりまするが、十億ドル割ったような状態になりましたときに、そうしてまた今後六月、七月、八月輸入が相当出てくると思います。それにつきましての外貨の状況、そうして、そういう場合におきましての外貨の補充につきましては考えております。
○栗山良夫君 そういたしますと、大蔵大臣は議論にならないとおっしゃいましたが、これは議論をしない、大蔵大臣としてはしたくないということでありましょう。したくないが、今のお言葉を承っておりますというと、一応十億ドル、十億ドルというところを一つの目安にしておいでになるように私は受け取れるのですが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(池田勇人君) それは非常な誤解でございます。それは五月末に十億ドルを割りました。そうして六月、七月、八月と、相当輸出より輸入の増加が期待される。そういうところを見合いまして、私は外貨の準備をしていると、こう申し上げたのでございます。十億ドルが今あなたのお考えになっておる適正保有量とは全然考えておりません。
○栗山良夫君 そういたしますと、それを御否定になるとすれば、実際どれくらいなんですか。
○国務大臣(池田勇人君) それはわが国の信用でございます。ちょうど、たとえて申しますると、商売をいたしまして、預金を持っておる、そうし、商売をしておる。その預金が減って仕人口が多くなった。しかし、あるいは人によっては当座貸し越し、借金をしてでも商売をしておる人があるのであります。国際的にはそこまでは参りませんがもやはり要は日本の信用であるのであります。外貨をすぐ落さなくても、ユーザンスその他の制度があるのでございます。こういういろいろなファクターがありますときに、これは責任ある地位にある人がこれだけの外貨が最小限度だということは、どこの国でも言わないと思います。ただイギリスのごとく、昔からの何で、ユナイテッド・キングダムとして経済をやっていく上に幾ら要るという数字はあることはある。あのスクーリング地域の中心地であるイギリスにおいて二十億というものを一つの目安としておるということは、何も大蔵大臣が言ったわけでもないし、英蘭銀行の総裁が言ったわけでもありませんが、自然にそういうことがいわれておるという事例はございますけれども、私は、フランスにいたしましても、これだけがフランスの最小限度だというふうなことを言った大蔵大臣はないと思います。
○栗山良夫君 それでは日本経済の国際的信用の問題だとおっしゃいましたが、私もその通りだと思います。問題は三月の予算可決のときと現在のときと、あれしまして、日本の経済信用というものは、これはあるいは同等かもしれません。あるいは同等以下になっておるかもしれませんが、とにかく経済信用が三月の当時より高まっておるということは私は絶対あり得ないと思います。大蔵大臣としてはどうお考えになっておりますか。
○国務大臣(池田勇人君) 相手の考えでございます。相手方の考え。私は、日本の経済の基調は外国人がそう心配しているとは思っておりません。また最近の状況から見まして、日本がずっと伸びていく場合において、ある程度外貨の不足ということも考えられるだろう、こういうような気持はアメリカにおいては相当持っておるようでございます。従ってIMFにおきましても、きょうは満場一致で日本へ一億二千五百万ドルの供与を決議したというのが、ただいま電報が来たような状況でございまして、その他のいろいろな感触を見ましても、日本の経済の基調が非常に危殆に瀕しているというふうな説は、私、聞いておりません。
○栗山良夫君 そのアメリカから、国際基金からの一億ドルの借入金、借款をいよいよ用意せられるということになったことは、やはり日本の外貨事情が悪いので、ある程度手当をしなければならん、こういう御所論の結果がこうなってきているのではないか。先ほどのように、日本の信用状態というものは決して悪くなってはいないと思う、輸出も伸びているのだ、そういう三月当時と同じお考えであれば、若干外貨が減ったところで、こういう外国に依存度を非常に高める借款など、そう急にあわててする必要がなかろうと私は思いまするが、そこにあなたのお考えと、少し私どもといたしましては、理解できない矛盾を感ずるのですが、いかかでございましょうか。
○国務大臣(池田勇人君) これは、外貨の減少、増加ということは常に起ることでございます。昭和二十八年には三億ドルの減少がありました。しこうして二十九年の地固めで逆に二、億ドルの黒字、三十年度におきましては五億ドルの黒字ということになってきたのであります。国内に設備投資その他の投資が非常に盛んでございまして、われわれは先ほど来申し上げましたごとく、三月くらいで頭を打って、四、五月ごろからだんだん減ってくるだろうと思っておったのでございますが、減ってきません。従いまして緊急措置をしたのであります。従って五、六、七、八と相当やはりまだ赤字が出ますので、これの手当をすることが大蔵大臣として当然の責務でございますので、支払い手段に困ることのないように手当をいたしたのでございます。もちろん五月末におきまして九億七、八千万ドルの外貨は一応持っておることに相なっておるのでございます。
○栗山良夫君 今の支払い手段に困らないようにするために急いで借款をしたのだと、はっきりほんとうのことをおっしゃったのでありますが、もし、因る、困らないという判定をしようと思えば、日本が持っておる外貨というものは、僕は、大蔵大臣は、はっきり御承知になっているはずですから、それで調べて、困らないようにこれだけ措款の用意をしておかなければならぬということになれば、これはもう中学生でも、その数字だけ与えてやれば、そのそろばんをするでしょう。そういうものじゃありませんか。要するに、必要外貨というものはどの程度大蔵大臣は頭の中に描いておるのか。そういうことがおそらくわかっておるのじゃないかと思います。たとえば十億ドルをちょっと切れているとおっしゃるけれども、その中には焦げつきの外貨もあるでありましょう。それもおよそ、その見当はついておられますから、それを差し引いていば、今ある日本の勅かし得る外貨はどのくらいあるか、しかもそのうちに支払い手段に困るから一億二千五百がドルを借款したということになれば……外貨がなければ当座をしのいでいけないと、こういうことになるわけではないですか。
○国務大臣(池田勇人君) そういうような算術の問題じゃないのでございます。たとえば今申し上げましたごとく、当座貸し越しをしていますけれども、定期預金がどのくらいあるとか、いろいろな点があるのであります。国として外貨を持ち、向うの銀行に預けておるという場合におきまして、あるだけ銀行の方を引き出すことをすればいいじゃないかといっても、そこはなかなかユーザンスその他の関係でいかないのであります。だから、そろばんとしてこれだけあれしたらいいということには参りません。しかも今申し上げましたように、六、七、八相場輸入がまだございますから、そういう点を考えながらやっておるのでございます。その一億二千五百万ドルのIMFの借り入れだけでいいかといったら、私は、こういうときでございますから、ある程度ほかの方面からでも借りておきたいというのでやっておるので、では今一億二千五百万ドルのIMF借り入れだけでこれでいいか、これだけにいかない。またやはり借りる場合は定期預金もしておきますので、また当座貸し越しもしようし、こういうことであるのであります。洗いざらい外貨を積んでおいて、これがこれだけあるというものでは、国際収支というものはいかないのでございます。
○平林剛君 ちょっと大蔵大臣に、栗山委員の質問に関連してお尋ねをしたいのでありますが、私、先ほど事務当局に、国際収支の赤字のことに関していろいろお尋ねをしておったのでありますが、そうして一体今日の経済危機が国際収支のところからきて、国民はえらい迷惑をしておるけれども、今日の手持ち外貨は一体どのくらいあるのか、というところまで責任が及んでいったのでありますが、お答えがなかった。今、栗山委員からその点についてお尋ねをいたしたわけでありますが、大蔵大臣としては言えない、日本の信用にかかわるからごもっともなことだと思います。しかし同時に、国民としては、この問題について深い関心を持っていることも事実です。それで私はこの席上において、大蔵大臣が議員の質問に対して答えられないといたしましても、国としては、絶えず現状において外貨の手持ちが幾らであったらいいかということは、検討していなければならぬはずだと思うのです。一体こういうことの検討はどこでしておるのですか。私はその点がわかりません。言えないということは、大臣のお話で、一つの考え方としてはあり得ると思いますけれども、今度の場合でも、こういう事態にまで追い込められるまでほっておいた、これは語弊があるかもしれませんけれども、ここまできてしまった。こういうことの判断は一体どこでしたらいいのか、私はこの点が疑問に感ずるわけなんです。大蔵大臣としてはいかようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(池田勇人君) 誤解があってはいけませんので……。外貨がどれだけあるかということは大蔵大臣として言えないといったのじゃございません。外貨は先ほど申し上げましたように、五月末で九億七、八千万ドル、こういうことになっておりまして、これは大蔵大臣としてはっきり申し上げます。そしてその内訳につきましては、それは世間で言います焦げつき債権、インドネシア、韓国、アルゼンチン二億七千万ドル、これは世間で言っておりますが、われわれは外貨のうちに入れて考えていない。保有外貨の内訳は、日本銀行に売って本銀行が外国銀行へ預けたものもあります。大蔵大臣勘定として持っておるものもございます。外貨の総額はこれは発表して何ら差しつかえございません。ただ栗山さんのお話では、日本として外貨はどれだけ持っていればいいか、こういうものについては、これは商売の関係でございますから、幾ら幾ら手持資金があったら商売ができるのだというふうなものではございませんと、こういうことを申しておるのでございます。次の、こういう状態になったということほ、われわれはこういうこともあり得るかもわからぬということは想像しておりました。それは御承知の通り、外貨予算を昭和三十二年の上期の外貨予算として二十二億三千万ドル組みました、これは御承知の通り。そうすると、三十二年の上期に二十二億三千万ドル組んだ、そうすると三十一年度でどれだけ組んだかと申しますると、相当組んでおります。二十二億三千万ドルの外貨予算を三十二年の上期として組んだ場合において、三十一年度におきましてもなお十数億の繰り越しがございます。しこうして輸入が三十二億ドル、こういっておるわけです。そうすると、AA制その他についてはこれは自由にいきますが、割当にいたしましても相当の外貨予算を組んでおるわけであります。輸入計画の六、七割増しぐらいのものがある、そこで外貨予算を使う場合において、銀行が信用状を出すときに、十分いろんな点を考えてやって下さい。そうしてまた割当物資については、通産省で割当をされるときにも外貨の状況を考えてもらうような建前になっております。大蔵大臣としては外貨予算には関係いたしますが、どれだけAA制のもの、あるいは割当のものをどれだけやったということは、銀行の信用状の置き方によって帰納的にわかってくるわけです。で、信用状の発行状況を見まして、われわれは、これは輸入が相当多くなるぞと、こう申しておるのです。信用状を発行したからといって、実際品物が入ってくるのは三カ月、四カ月あるいは五カ月後になる場合がある。最近のこの状況で申しますと、今一番輸入の多いのは、石油、それから鉄鋼関係等でございます。これが昨年の十一月のスエズ問題によりまして相当緊急輸入したのがこの四、五月ごろに入ってきておる。また鉄その他で、免税が九月一ぱいでなくなりますので、五月に相当信用状が出た、いろんな点がずっときて輸入が相当多くなってきておるのでございまするが、建前としては外貨予算で一応押える格好になっております。そうして外貨予算で割り当てられましたものをやっていく、そうして信用状が出、そうして国際収支の方にそれが現われてくる、三カ月後、五カ月後現われてくる、こういうことになるわけでございます。
○平林剛君 まあ私も、決して幾らあるかということよりも、幾らあったらいいかということの判断を一体だれがするのだという疑問を出したわけであります。ただこれに対しては、大臣が総ワクでお答えになったから、それぞれ判断をするわけでありますけれども、やはり今日の経済危機を乗り切るためには、相当、国民、特に産業界の協力ということが必要である、そういう意味では、もっと日本の事情、特に今日の事態に入ったならば、この事態を国民によく理解させて、そうしてその理解の上でこの経済危機を乗り切るということがなければ、なかなか困難じゃないだろうか、そこで私は、やはり政府としても、特に日本の信用がどうであるとかこうであるとかいうことでなしに、われわれの目標は少くともここだという目標を示して、そうしてそれに向って産業界あるいは国民全般がこれに協力するという態勢をとらなければいかぬじゃないか、それを、大蔵大臣が言うように、幾らあったらいいかということを言うことは、外国との信用にかかわるから、それも一つの考え方かもしれませんけれども、むしろこの時期においては、私の考えのように、国民全般の協力を求めて切り抜けるという事態ではないでしょうか。私はこの点もう少し大臣の見解を聞きたいと思うのであります。
○国務大臣(池田勇人君) これは私はいろいろ考え方があると思います。日本の経済の基調が、昭和二十二、三年ごろの状況等のようなことはないと、私は相当力がついてきまして、そうして、このままでいけば健全な発達が期待できると、こういう考えを持っております。しかし今の輸入の状況から申しますると、輸入が非常に多過ぎる、だからこれをチェックしよう、これをこのままでほっといたならば、これは憂慮しなければならぬ状態になるというので、輸入を押えようといたしておるのであります。で、御承知の通り輸出も伸びていっておりますし、生産も伸びていっておりますし、物価はおおむね安定でございます。ただ遺憾なのは非常な輸入の増加でありますので、これを押えていく。で、私はこういうことを防止するために、財政演説で申し上げましたごとく、政府においては健全財政で借金をせずに収入の分でいっておる、また過去の収入増の分も蓄積しておる。それから風聞においては資金の蓄積、黄金の増加の範囲内で、設備並びに仕入れをしてもらいたいということを胃っておったのでございまするが、なかなかそうはいきません。で、世間では金融を押えて金を貸さぬようにしておると申しまするが、日本銀行の貸し出しは、昨年の今ごろは三百億円が、今日では四千二百億円、四千億円の貸し出し増になっておるのであります。だから、私は、こういう事例を言って銀行家にも反省を促し、いろいろやりましたけれども、なお私はこの際の措置としては、民間に設備投資を押えて縮小してもらうためには、政府みずからもある程度の財政投融資の方においてスロー・ダウンすることが、民間の協力を得られるゆえんと考えまして、先般来、総合緊急対策でやっておるのであります。見方によりまして日本は非常に危機だと、こういうふうに強くお考えになる人があるかもわかりませんが、私は経済の流れとしては大体予想通りいっておるけれども、ただ一時的に非常な輸入の増加があってはいかぬ、それを押えさえすれば健全な発展ができると、こう私は考えておるのであります。そうすると、いかにも大蔵大臣は楽観しておる、こういうふうに思われるかもしれませんが、決して楽観しておらない、こういう健全な状態を続けていって、そうして行き過ぎを押えるということにつきましては、楽観どころか、だれよりも私は心配して、行き過ぎのないようにやっておるのであります。
○平林剛君 今日の経済の状態が危機であるかそうでないかということは、もう少し時日がたつに従って判明をすることになると思いますが、それはきょうはあまり議論をしなくてもいいと思いますけれども、しかし輸入が多過ぎるということは、結局これからの状態を見て、困ったことだという大蔵大臣のお話でありますが、結局これはどこからきたかと言えば、政府みずからの政策、積極財政の指導が根本となって現われている。で、大蔵大臣が預金の範囲内で一ついろいろな設備投資その他をやってくれと言われましても、それが銀行の方に責任を転嫁しているということで、最近は大蔵大臣は銀行筋からも評判が悪いという話を私は聞いてきたわけであります。結局まあこれはいろいろの見方もありましょうけれども、私はいま一度外貨問題に返りまして、こういうような多額の外貨の流れ、あるいは今の見通しから見ても、政府が緊急対策を打たなければだめだというような事態になるまで、その前になぜこれを押え得なかったか。緊急対策をぶたなくたって、もう少し大蔵大臣の今までの説がその通りであるならば思う通りになっていたはずじゃないか。そこのいき得ないところに、大臣の考え方にも若干見通しの誤りがあるのじゃないだろうか、私はそう思うのであります。なぜ今日まで緊急対策を打たなくてもいいような外貨の流れを抑え程なかったか。この点について、今までの経過から見て、大臣の率直なお考えを聞かしていただきたいと思うのであります。
○国務大臣(池田勇人君) 経済の見通しにつきまして、いろいろの見方がございましょう。しかし、今、日本で外貨予算を組みながらやっておりましても、今、先ほど来申し上げましたように、予算というものが非常にワクの広いものでございまして、実際において割当をそう一々押えるということもまた物価に非常な影響を与えますし、そうしてまたずっと前からの押せ押せがありまして、なかなか思うようにいけぬことは、過去の実例を見ましてもわかっていることでございます。従いまして、情勢を見ながらその都度々々私は手を打っていくよりほかにない。それが遅れたかと申しますと、私はそう遅れてはいない、こう考えております。だから今あなたがおっしゃったように、これからの実績を見ていけば、今が危機であるかどうかということにつきましてはおのずから判断できると思いまするが、私は最近の物価事情、そうして政府の財政投融資をこういうふうに一応相談してみるということによりまして、大体安定していくのじゃないかと考えております。ただいろいろな事象に目がくらむということはよくないことで、やはり十分いろいろな点を見ながらその都度々々手を打って、そうして行き過ぎを抑えていく。また縮まったときにはこれを伸ばしていく、これが経済政策のやり方じゃないかと思います。
○平林剛君 まあ経済問題をわずかの期間でもって判断をすることが適当でないということはわかりますけれども、しかし最近の事情は、これはそうばかり言っていられないのじゃないか。大蔵大臣も三十六国会でいろいろ国民の代表に対して説明をされておりましたけれども、どうもそれらの点、いろいろなことを考えますというと、大蔵大臣の言う通りにはなっていない。一つや二つならいいけれども、どうもいろいろな説明がことごとく最近はくつがえっているような事態であります。国際収支の面でもかなりいろいろな議がありましたけれども、一時的のものだ、こう説明をされておりましたけれども、どうもそうでないようであります。きょうも事務当局からも説明を聞いたのでありますが、相当長期の気がまえが必要である、こういう意見も聞かれました。それから今日までの輸入増加の面が、今の御説明ではスエズの影響で石油や鉄鉱あるいは買付を急いでいるものの増加だと、こう言われました。前にも大臣は今日までの輸入は主として原材料であるから、生産が拡大すれば経済に影響ないと、こう言われましたけれども、今日では逆に、政府が今まで奨励してきた設備投資を抑制せざるを得ない、もっとどんどんやれという勇気があるならば、私は大臣の説明は理屈が通るので聞きますけれども、最近では、政府が奨励していた設備投資さえも押えなければならぬと、明らかに指導対策が転換をしておるわけです。こういう点から見ても、単なる時期の短かい期間に判断するのは適当でないというだけでは済まされないものがある。三月の公定歩合の引き上げのときにもそうでした。私どもは大臣に対して、これをいろいろお尋ねをしたところが、これは警戒信号ではない。ところが五月には再び二度目の公定歩合の引き上げをやる。最近では定期預金にまで手をつける。今度は緊急対策だということで、総合的な外貨の改善政策がぶたれていく。この傾向を見ておりますというと、一歩々々政府の手がおくれて、経済を動かすのでなく、経済に動かされる。大蔵大臣は様子を見ていて手を打てばいいと、こう言われますけれども、むしろその逆にいかなければならない。もっと積極的に手を打たなければならないのじゃないだろうかという感じは、どうしてもぬぐい去ることはできない。まあこれは大蔵大臣と、お答えを聞きましても水かけ論になるかもしれませんが、一般の国民はそう見ておるのじゃないでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 政府は設備投資を奨励したとおっしゃるが、私は設備投資を奨励した覚えはございません。設備投資は、それは近代化、合理化はしなければならぬけれども、蓄積の範囲内にしてもらいたい、こういうことは言っておるわけです。そうして今の金利の問題につきましても、私はこう三月に言っております。将来弾力的金融政策を行う素地を作るのだ、こう三月には言いました。そうして輸入がどんどんふえるし、設備はだんだんふえるものだから、五月の八日には金利を上げている。いわゆる弾力的措置をとったわけであります。そうして、その後におきましても、あるいはユーザンス期間の短縮とか、あるいはキャッシュの積み立てとか、こういうことは民間の方で行き過ぎがあった場合におきましては、力以上にものが行われたときには、いつでもやられるような制度になっておるのであります。だから、これは私は生きものを扱うのだから、こういうことをやるのが財政経済政策の重大なる変更というところまでは、まだ行っていないと思います。で、設備関係におきまして財政投融資をここで一応スロー・ダウンするのも、あるいは実行予算を組めという議論があるかもわかりませんが、私はただいまのところ一割五分程度のスロー・ダウンで、そうして思惑輸入があるとすればこれも抑えられるだろうし、そうして設備の過剰の分があれば、これもまたスロー・ダウンをしていくが、だから、今、日本の物価の動きも、私が前に予想しておりましたごとく、大体横ばいでいくだろう、生産も伸びるだろう、こういうふうにいって、輸入の増加の点以外におきましては、私は大してあなたの言われるような危機だとは考えておりません。しかし油断のならないことは十分承知しております。
○平林剛君 それは確かに設備投資のことに関しては、大臣が言われるように、産業の合理化や企業の改善等については貯蓄の範囲内ということをつけ加えることを忘れていなかったとは私は思います。しかし一般の産業界や民間においてそれを越えて過剰設備投資をしたというのは、政府の積極財政ということが災いをしたとはお考えになりませんか。私はやはり政府の政策が結局大きな民間の今の傾向を生み出したものであるし、それから大蔵大臣初め、政府の閣僚が非常に経済の先き行きについて楽観的なことを唱えていたことが、今日の事態になってきたのだと、こう思うのであります。まあこれは大臣だけの責任ではございません。岸内閣全般の責任だと思いますけれども、大臣に関係することで一つお尋ねをいたします、 政府の国際収支改善緊急対策の説明を聞いたわけでありますけれども、これによりますと、財政、金融、産業、貿易、貯蓄奨励の総合政策についての緊急対策が盛られております。従来は、大蔵大臣としては、金融を中心にして経済の調節をはかろうとしておりましたのに、この幅が変ってきておる。特に、財政投融資まで、一五%とありますけれども、手をつけましたことは、これは今までよりも事態の緊急性を認めたことに私はなると思うのであります。これは岸内閣の積極財政を手直ししたものと判断をせられるわけでありますけれども、そう理解してよろしいかどうか。極端に言えば、デフレ政策への転換と見ていいだろうか。大蔵大臣は、先般も朝日新聞の座談会で、稻葉秀三、河合良成、堀田庄三などの座談会におきまして、財政投融資は絶対動かすべきものでないと考えている、こう述べております。ところが、今度の国際収支改善緊急対策によりますと、ここまで手をつけておる。これは、池田大蔵大臣が今までお話になってきたことよりも、もっと深刻化したもの、こうみんな国民は受け取っているわけであります。いかがでしょう。
○国務大臣(池田勇人君) 大蔵大臣の立場でいろんなことは考えておりますが、その場合に、全部言うことと言えないことがございます。やはり生きものでございますから、そのときの情勢その他を見ながらやるので……。で、緊急施策というものをいつやるかという問題でございまするが、いろんな点を考えて、そのときどきに手を打っていけはいい、初めから政策をみんな言うものじゃない。あのときにおいて、たとえば、五月の輸入信用状の状況を持ってきても、上旬、中旬二十日間で一億七千万ドルしかなかったものが、五月の下旬十日間で一億五千万ドルにもなってくるというふうなことになりますると、あるいはそれがなかったならば緊急施策もまた先へ延ばし得たかもわかりません。それから、輸入の場合におきまして、キャッシュを積ますものにつきましても、一応、ぜひどうしてもなくてはならぬものでないというものにつきましては、二五%のあれをやりました。現金積み立てを信用状発行のときにやりました。これだって二段がまえにいたしておるのであります。こういうふうなことを初めから、これは二十九年のときにはやりました。だから、二十九年のときのようなことをやるんだということは、あのときには言えないわけであります。言ったら非常に信用状の発行が殺到しますから。ですから、財政投融資をこのときはやるんだというようなことは、言う時がございます。うそを言う意味じゃございません。しかし、政策というものは、相手を見ながら徐々にやっていかなきゃならない。お医者さんに、これはどうでしょうと言ったときに、まだまだ大丈夫と、言うこともありましょうし、あるいは、ここで大へんな心配だと言うこともありましょう。ですから、やっぱりそれは結果を見て、相手がどんな出ようをするかということによって考つきましても、われわれは、初めは日銀総裁と私の間では、定期預金その他には手をつけない、こういうので行っております。だから、手をつけませんでした。情勢によって手をつけるようなことがあったならば、自分が節を変えたということよりも、国が大事でございますから、だから手を打っていくことはございます。だから、補正予算は組みませんと言っておっても、水害があったりいろんなとがあると、補正予算を組まざるを得ないようなこともあり得る。(「水害は別だ」と呼ぶ者あり)だから、こういうことはやはりよほど考えなきゃいけない。
○栗山良夫君 私は、今の大蔵大臣の説に、はなはだ承服しがたいものを覚えます。それは、なぜかというと、経済は動いているんで、その都度その都度手を打っていかなけりゃならない、しかも、その都度その都度打つ手は、経済のことであるからして、あまり前もって公表すべきものでない、こうおつしゃいますが、それは私わかります。わかりますが、少くとも大蔵大臣として、岸内閣として、国会を通じて国民に責任をおとりになるところの経済政策というものは、ただいまで言えば、二十六国会において可決決定になったあの予算案を誠実に実行するということでなければならぬと思うのです。これにもし御異論があれば、承わりたい。しかも、その誠実に実行していく上においていろいろとテクニックを使わなけりゃならぬ点があれば、それは行政措置としておやりになることは大蔵大臣の権限の範囲内でしょう。しかし、二十六国会で可決決定になった予算案そのものを動かすようなことをおやりになれば、これは当然責任問題として臨時国会を召集して、そうして新しい政府の政策というものを国会を通じて国民に示されるか、何か政治的な手を打たれなければならんと思います。今、私は静かに大蔵大臣のお話を承わっておれば、大蔵大臣は非常に楽な気持でいろいろなことをおっしゃいましたが、それは私はあまりにも行き過ぎな御議論ではないかと思います。この点についてまず承わっておいて、それからあと私の感ずるところがまだ一、二ありますので、その具体的な問題についてお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) さきほど申し上げましたごとく、一般会計その他につきまして仕事を打ち切ったという意味じゃないのでございます。今までの行政上の措置で、あるいはこういう問題のないときに支払い予算その他について手かげんを加えたこともございます。ただ、問題が輸入その他の関係が相当広範囲にわたっておりまするから、さきほど来申し上げましたごとく、施行上において手心を加える、スロー・ダウンして行く、こういうことであるのでございまして、われわれは御決定をいただきました予算をこういうふうに年度内に変える、こういう意味ではないことを御了承願います。
○栗山良夫君 いや、二十六国会で可決決定になった予算案を誠実に実行して行く義務が岸内閣にあるということは、原則としてお認めになりますか。
○国務大臣(池田勇人君) よろしゅうございます。
○栗山良夫君 そこで私はあなたにお聞きしなければなりませんことは、四月より輸入が漸次減少して行くという見通しの上に立ったのが、減少しなかった、これに対して手を打つんだとおっしゃいましたが、これは当時の議論でもはっきりしておりまするように、岸内閣の見通し誤まりです。これはもう繰り返し繰り返し予算委員会で議論をして、あなたのほうはそうはならないんだということで押し切られたわけです。これがまず一つ。これが原因になって今の公定歩合の引き上げから金融梗塞の措置がとられたのでありますから、これについても当然これは臨時国会ものだと私は思います。 さらに第二に、もっとより以上にひどいことは、一五%の繰り延べの問題です。やめたのじゃないんだ、繰り延べたんだとおっしゃいましたが、現に、けさの新聞で、国民はどう受け取っておるでありましょう。庁舎の建築は一年間延期するとはっきり書いてあるじゃありませんか。本年度内にはやらないと書いてある。これは中止です。そこまでもおやりになることが事実であるとするならば、これは予算の誠実な実行ではないのです。 そこで私は二つに問題を分けて伺いますが、まず第一に、国際収支のバランスを回復するために公定歩合の引き上げを通じて金融を締めておいでになりましたが、これを締めることによってかりに輸入が抑制できるとするならば、その輸入は、総花的な引き締めになります。総花的な輸入抑制になる。そうするというと、これは、弱肉強食という言葉がありますが、そういう格好において輸入抑制が行われると見なければならんと思います。政府はそういう格好で依然として輸入の抑制ができてもやむを得ないとお考えになるか。そこに若干の重点度を置かなければならんと思いますが、そういう重点度は置けない今の場合で行けば、金融のほうから締めて行くわけでありますから、これは弱肉強食です。強い者は依然として輸入の力を持つでしょう。そうしてその場合には、今の日本経済にとって不必要な輸入が入って来るかもしれない。そういうもの力のある者は入れて行きます。そういうことについて政府はどういう工合に措置をせられようとしておるか、これを承わりたい。
○国務大臣(池田勇人君) 輸入の抑制につきましては、だいたい輸入手形につきまして各銀行におきまして十分審査するように指導しております。その前において輸入割当で、AA物資はあれでありますが、――AA物資につきましても、通産省で相当指導していただいておると思います。それ以外の割当物資につきましても、割当の場合に十分注意をして参りまして、そうしてまた信用状を発行する場合におきましても、キャッシュの積み方につきまして区別をいたしております。必要物資また在庫品等を考え、通産省におきまして割当につきましての措置をしますし、またそれができました場合におきましても、輸入手形の処理、保証金の積みようにつきまして、行政措置のできるようにいたしております。
○栗山良夫君 そうしますと、AA制、自動承認制の制度が現在日本にあっても、今度の輸入抑制措置を行政指導によって銀行筋を動かし、または通産当局もおやりになるかもしれませんが、そういう行政指導によって、AA制でない、いわゆる為林管理と申しますか、為替チェックをおやりになる、こういう御決意であると伺ってよろしゅうございます令
○国務大臣(池田勇人君) よろしゅうございます。
○栗山良夫君 もしそういうことであれば、私は前回の委員会のときにお尋ねをしたはずでありますが、まず輸入抑制を、金融の面からだけでなくて、質的な血からも政府はやっていくということに受け取りまして、そう了承いたします。 そこで第二の問題として、私は、財政投融資の繰り延べの問題がありますが、このうちで一番問題になりますことは、隘路産業に対する資金の削減をお考えになっておるようでありますが、開銀融資を初めとして、隘路産業に対するものについても、資金の繰り延べ、削減等をお考えになっておるようでありますが、この問題については、私は予算委員会においても、当時非常にきびしい言葉で水田、宇田長官並びにあなたにも私の意見を申し述べてお尋ねをしてありまするが、これを一体どうなさるおつもりか。たとえば現に石炭とか電力とか、あるいは鉄鋼だとか交通だとか、こういう問題は、発展していく日本経済の将来を考えまするときには、非常に長期の計画を持っております。五年なり十年なりの長期の計画を持って、そして仕事を続けていかなければ必ず盲点が出てきます。たとえば本年度の電力事情がこんなに悪い、夏でもきょうやっと雨が降ったから息をつかないでおりますが、大へんなことになる。七月、八月ですら若干消費規制をしなければならぬという状態に、東京、電力初め全国的にこういう事情になったことは何かというと、電源開発法ができて以来、五、六年の間、電源開発審議会の議がぐれんぐれん動いて、せっかくきめたのに財界の都合によって削減する、また延ばしていく、こういうような長期計画で安定して伸ばしていかなければならないものを、経済の動きにつれ、て、あるいは延ばしたり締めたりしたしわが、昭和三十二年度にきておる。こういうことは、はなはだけしからぬじゃないかということを私は追及いたしまして、今後はそういうことはしない、安定してやるのだということをおっしゃいました。現に電力だけを例にとりましても、昭和四十年ごろまでには、今の日本の経済がそのまま伸びていけば、今の計画をそのまま開発に移していっても余剰電力は出ない計算になる。そういうものについても削減することになると、その盲点に必ず何年か先に出てくる。一つの組織体でも、人間を採用する場合に、景気、不景気によって学生を入れたり入れなかったりしてごらんなさい、必ず人的構成においてポケットが出てきます。ちょうど今でも、戦時中、平和産業という名前のもとに学生の採用を政府によって、拒否された産業というものは非常に若返った。ところが一ぺん当時押しつけのようにして採用して参りました大きな会社はずっと人的配置が工合よくいっております。これと同じような現象が必ず起きてくる。従ってこれはおそるべきことだと思いますが、政府は隘路産業に対する考え方というものはどういうふうにお考えになるか、これは通産大臣にも宇田長官にも来ていただいて、大蔵大臣と、ニ人にお伺いしたいと思いますが、特に財布の口を締めておいでになる大蔵大臣の御見解というものを、ここではっきりと伺っておきたい。隘路産業に対するところの考え方を伺いたい。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほどの輸入抑制につきましての措置は、所管が通産大臣でございますから、私はただいま申し上げたような方針で通産大臣もやっておられることと思います。 それから財政投融資の隘路産業の問題について考えなければならぬ、こういうお話、私はもっともな意見でございまして、たとえば開発銀行にりきましても六十億円、それから電源開発の方で四十億円を見ておりまするが、お話の電力関係は二千七、八百億円の計画なんです、電力全体といたしましては。そこで電源開発の方でこれだけの四十億円のあれをしたならば、どこがどう切られるかということを検討してもらわなければいけません。こうして、当座の問題でございますから、全体の二千七、八百億円からいえば微々たるものでございますが、水力と火力の問題をどうやっていくかということも、もう一ぺん考えていかなければならぬと思います。だからお話の点は今度の削減につきましても十分考えておる次第でございます。全体、一割五分と申しましても、私は実際事業計画の一割ぐらいを標準にしていっておる。ただ繰り越しがあるものについては、大体同じ程度の繰り越しを三十三年度にも繰り越してもらいたい、こういう格好でいっておりまして、個々の産業につきまして、やはり各関係省と見通しをつけながら、あなたのお考えのような点を十分頭に入れて調整していきたいという考えであります。
○栗山良夫君 私は今電力を例にとったが、たとえば国鉄のごとき大幅に削られるそうです。従って、もしあれが実行に移されれば、国鉄の五カ年計画というものは相当の狙いを生じてくるでしょう。石灰においてもそうです。縦坑開発を今進めておりますが、その資金の需要が頭を打てば長期計画はくずれてくる。特に私どもが今心配しておりますことは、ただ単に政府の財政投融資がしぼられただけじゃないのでありまして、民間会社においても社債の募集難にさえ陥っております。予定社債の十分の一くらいしか集まらない。銀行は引き受けない。こういうことでありますから、表からも裏からも金融が引き締められて、そうして予定の開発計画が実行に移し得ないということになれば、これは将来相当禍根を残すと思います。この点については、大臣は今の自分の政策を説明する上においていろいろおっしゃいましたが、それと同じようなことがかつて政府からいわれて、そうして理由づけをされてきておる。その結果現実に盲点がたとえば三十二年度の電力にきておる。現実にそうなっておるのですから、この点、率直に、過去のそういう現象というものを認められて、少くとも日本の産業の根幹をなす基幹産業に対する長期計画の実行に当って支障を来たさない、そういう手当を特に私は強く望みたいと思います。この点についてちょっともう一度大悟の所信を伺っておきたい。
○国務大臣(池田勇人君) 今国鉄等の例を引かれました。御承知の通り昨年は五百五十億円が今年は千五十億円、大体私は合百億円程度の繰り延べをやってもらう、そうすると昨年に対して八割増し程度に相なります。これを考えましたゆえんのものも、もちろん車両の増設、電化の必要もございますが、翻るというわけではない。車両の注文を一結にぱっとやると車両の輸出に毛影響しますから、ある程度徐々にやってもらいたい、そういう気持でいっておるのであります。従いまして、財政投融資の方におきましてもそういう点を考えまして、大きく削る方は道路とかあるいは住宅の方に相なってくると思います。輸出入銀行につきまして一つも削減しなかったという点も、輸出振興のこと考えたわけでございまして、開発銀行あるいは電源開発の方の減らし方の少かったのも、これは繰り越しその他もありませんし、大体一割程度にとどめたわけでございますが、これも個々の関係機関と十分打ち合せしまして、金の使い方のタイミングの問題でございますから、あなたの御心配になるような、これが三年後、四年後支障の起らないよう十分考えていきたいと思います。
○栗山良夫君 もう一点だけ。そこで僕は、この前の委員会のときにおきましても、自由経済であるがゆえに、不要不急の投資が行われておる、たとえばビルディングをごらんなさいという例をあげてあなたにお尋ねしたときに、それはそうだけれども、国としてはそこまで手を打つ法はないのだと、こういう工合におっしゃいましたが、今度の緊急対策によりますと、何かそこが少し歯がゆいのですが、やらなければならないようににおわしております。そうして役町の建物は約一年間やめて、民間はこれに見ならえというような非常に回りくどい体制をとっておいでですが、やはりこの際は、積極的に事態をお認めになるならば、先ほどの輸入においても、AA制に対してチェックをするというお考えを述べられて、私も一応それで了承いたしますが、そういうことを、国内の自由奔放にやられておるところの投資に対しても、やはり政府はチェックをされるべきであると私は考えます。で、そういう意味から、先ほど輸入の減少が見込みはずれであって、金融操作をせざるを得なくなった点、さらに第二は、それでも足りなくて財政投融資の繰り延べ等を行わなければならないという点、さらに第三は、外貨の借款をしなければならなくなったという点、こういうような、重要な点が二十六国会後わずか二カ月余りの間に起きて参りました。それからおそらく岸総理大臣も、間もなく重要な外交問題の対米折衝の成果を持って帰朝されると思いますが、そういうことをかれこれ考えてみるというと、岸内閣の重要閣僚である大蔵大臣にお尋ねすれば、これは重要閣僚としてお尋ねするわけでありますが、この際なるべく早い機会に臨時国会を召集いたしまして、この二十六国会後における政局の動き並びに経済のいろいろな動きについて、いろいろと国会を通じて国民に所信を明白にせられるということは、きわめて必要なことではないかと私は考えますが、この点については池田大蔵大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(池田勇人君) 官庁営繕を一年間ストップをする、こういうことはきめておりません。私の腹では、外務省の庁舎は昨年来やっておりますが、今地ならし工事ですが、三十二年度で四億六千万円でございます。これを全部ストップする気持はございません。やはり工事はある程度進めまして、一億五、六千万円の工事の範囲内でやっていく、情勢を見ましては予算通りやっていくかもしれない。それからほかに寸ほどあげておりますが、やはり一千万円以上の工事で、しかも来年度、再来年度に続くようなものだけを選んで、三十二年度で完成するものは予定通りやります。一千万円以下のものも予定通りやります。それから独立官庁、国会とか裁判所等につきましても、右へならってある程度繰り延べをしてもらう、一年間ストップするということまでは考えておりません。しかしこうするゆえんのものは、やはり民間の方のビルを自主的になるべく延ばしてもらいたい、この問題につきましては大がい銀行に関係しておりますから、銀行で自主規制委員会というものを設けまして、銀行家の連中で相談する、そうしてそれによって指導していこうと、こういう気持を持っておるのであります。 それから所管外でございますが、総理が帰られまして、外交問題その他につきましていろいろお話になりたい点もあると思いますが、私の経済に関する限りにおいては、臨時国会を開いて御相談しなければならぬ段階にまだいっていないと私は考えております。
○平林剛君 先ほど私の質問に対して、大蔵大臣から、病人の前で死期は告げられないということから関連質問が始まったわけであります。どうも私もその点は、もし経済政策についてでも今のような御発言であれば責任政治ということはあり得ない、そういう意味では大蔵大臣の答えとしては受け取られない、こういうことだけを申し上げておきます。時間がございませんからこれ以上は申し上げませんけれども、結局大蔵大臣のかなり楽観的なことが、今日の事態について次々手を打たざるを得なくなっているのじゃないだろうか、私はどうもそう思います。一つの例でありますけれども、今栗山委員からお話になったこともそうです。大蔵委員会で今日の情勢では、ビル建築などのものについては考えたらいいじゃないかということについて、大蔵大臣はきわめて消極的で、そういう必要ないという程度の答弁をされておりましたが、今度の国際収支の均衡をとるための緊急対策の中では明らかに盛られている。議員の発言が政府の対策の中に盛られることについてわれわれはいけないというものでありません。ただ一つの例として、大蔵大臣があまり強気過ぎるのじゃないだろうか、こういうことだけは言えるのじゃないかと思います。 そこで今度の政府の総合政策についてみましても、財政投融資の繰り延べ一五%がはかられておりますけれども、これは当面の対策としては間接的効果をねらうものにしかならないのじゃないかと思うのであります。そこでむしろ民間において年間九千億以上もあるといわれる設備の過剰投資について、現在は自主的な規制にまかせているが、一体こういうことでいいのだろうか、こういう疑問が述べられているわけでありますけれども、この点は大蔵大臣はどういう見解を持っておられるか。また病人の前で死期は言えない式の答弁では困りますけれども、現状でいいのだろうかということについて、大臣のお考えを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 今民間の設備投資が八千五百億とかあるいは九千億とかいわれております。しかしこの数字というものは、相当の大会社が入っておりまするが、こういう計画をしたい、ああいう計画をしたいというので出ているのでありまして、希望的点があるのであります。従いましてわれわれといたしましては、銀行家の間におきましてある程度相談し合って、過剰投資にならないように指導願いたいということを申し入れております。で、これはいろいろな説がありまして、たとえば二十七年から二十八年にわたっての過剰投資が二十九年、三十年、三十一年の輸出の非常に上原因をなしたという説もあって、これが過剰投資でない、このくらいはやっておく方がいいのだという考え方もなきにしもあらずでございます。しかしそれは結果からいってそういう議論も立ちますが、しかし当座の場合、輸入その他が非常にふえるという場合におきましては、私はある程度ここで押えておく方がいい、ものには、事柄自体はいいのですけれども、程度がある、こういう気持で指導はいたしております。この意味において政府も財政投融資を一割五分押えることにいたしましたが、これが前年度の三十一年から三十二年度に繰り越したのも相当額に上っておりますので、三十二年度のあの予算で三十三年度に繰り越し得る金額は相当あると思います。こういうことを考えますと、大体一割五分という案で各省と相談していけば、これが民間の投資意欲の抑制にもある程度なる。すべて切り放しではございません。そういうところでもうしばらく踏みとどまってお考え願いたいということを民間に言っている状況でございます。私は最近の鉄の値下り、あるいはまた石炭も下半期には五十円くらい下るだろう、等々いろいろな状況を見ながら、適正な措置をとっていきたい、ここで政策の大転換というところまではいっていないと考えておるのであります。
○平林剛君 その点で、この間私与党の、西川議員と一緒に、大阪方面の経済界の人と懇談会を持って、当面の事情についていろいろお話を用いたりしたりしたことがございます。そのとき民間の過剰投資についての抑制に、今の政府のままで真剣に考えるだろうかという点が一つの話題になったのであります。今度の政府の総合政策を見ましても、財政投融資の繰り延べ一五%とはいうものの、例年の借り入れもありますから、実質的にはこれより下回ってしまう。そうすると、当面の事態について、また悲観落観の同説がありますけれども、この程度でいいのか、こういうことは、これからもいろいろ検討がされるものと思います。私どもそういう意味で、きょうは大蔵大臣にお尋ねをしておるわけでありますが、そのとき大阪の経済界の各員とお話をしたときに、一体政府がどういう手を打ったら、あなた方が真剣になって政府の、言い分を聞いて協力するのか、あるいはこの事態を深刻に考えて、過剰投資などについて、今までの政府の奨励にかかわらず考えてくるのかと質問いたしましたらば、やはり政府が外貨の割当に手をつけたときに初めてこれは深刻になったなと考えた、こういうお話があったわけであります。そうずると、私は今政府が打たれている総合対策だけでは、特に関西を中心とする財界はまだぴんとこないのじゃないだろうか、この経済の危機を乗り越えるために、それはど真剣に政府に協力をしないのじゃないだろうか、こういう点を心配をするわけであります。そういう意味で政府は外炎の割当等についても積極的に手をつける意思があるかどうか。そうでなければ、まだまだお互いに経済は少き物だ、先を見てから手をつけるのだというようなことになってしまいはせぬか、いかがでしよう。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど輸入の抑制につきましていろいろやっておるということは、日本銀行で現金を積ます。そうして、その積ます率を考える、こういうふうなことでございまして、外貨予算をこれから削減する、こういう措置はとる考えはございません。外貨予算を少くする、こういう考えはございません。
○平林剛君 もう時間もありませんから、最後に今度は国際収支の改善策に関連して、対米借款の問題について少しお尋ねをしておきます。最近の一時的な外貨の減少に対しまして国際通貨基金からの借款あるいはワシントン銀行からの借款などは、二億ドル余の借款ができる、あるいはするということが伝えられ、総理大臣もアメリカにいかれていろいろお話をされ、最近の情報によりますというと、これも成立をした、こう伝えられておりますけれども、この実情について説明を願いたい。 もう一つは、この借款は本日議論をいたしました外貨手持ちの勘定にし入って操作をされるのか、そういう場合については、その使い道について何か条件がついてはいないか、借款のときの条件がないか、こういう点を疑問としておりますので御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 外貨の借り入れにつきましていろいろな方法がございまするが、IMFからの借入金一億二千五百万ドル、これはただいま申し上げましたように、日本時間でけさの六時のIMFの理事総会で満場一致可決したという電報でございます。これは御承知の通りIMFの方へ日本が二億五千万ドルの持ち分を持っております。これは各国ともやる手でございます。イギリス、フランス、みな入っております。これは済みましたからなんですが、これは何も条件がございません。日本政府で勝手にできることでございます。それから、その他の方法につきましては、世界開発銀行、いわゆる世界銀行というのがございます。これは大蔵大臣も世界銀行の理事になりまして、日本も参加しております。これからの借り入れ方法は今庄ででも、たとえば八幡製鉄その他の鉄鉱会社、川崎製鉄等が借りておりまするが、これは政府あるいは開発銀行の保証が要りまして、磁力会社も借りておりまするが、そうして、この世界銀行から借りる場合におきましては、やはり政府の保証が要る関係上、国会の承認を得なければなりません。従って当座の間には合わない。私は先般世界銀行のブラック総裁が参りましたときに、やはり電力、鉄鉱、道路につきましては、相当将来借りたいというので、鉄鉱会社あるいは電力会社あるいは道路等につきまして、いろいろプロジェクトを出しました。こういう計画でおるということは言っております。これは来年からのことでございます。これにつきましても、私は新聞でいつか言ったと思いまするが、大体三億ドル程度のものは将来二年から三年くらいのちには借り入れられるのじゃないかという気持を持っております。それから、その他の方法ではアメリカの品物を輸入してその代金の延べ払いというのがございます。これは今まででは六千万ドルの綿花借款をしております。綿花借款六千万ドル、これは五、六年前、私よりもずっと前の大蔵大臣のときに一時八千万ドル……六千万ドル借りておりますが、これは期限がございます。九カ月か一年ぐらいの期限、しかしこれは借りかえ借りかえで、それぞれいっております。輸出入銀行からの金を借りる方法がございまして、今まで綿花借款以外に他の事業会社、たとえば製鉄とか電力会社等も相当申し込んでおります。これは今までの例としては大体政府あるいは開銀の保証がないのが通例で、割に借り方が楽でございます。しかしこれは、あるいはまた借りる金額は、向うのものをこっちへ持ってくる、こういうことでございます。アメリカの輸出入銀行でございますから、アメリカのものを日本へ持ってきた場合の借金延べ払い、これには例の問題のインパクト・ローンという問題はなかなかあり得ない、われわれが輸出入銀行の方からの借り入れのことも今折衝いたしております。私は、ここでは発表できませんが、相当自信を持っております。その金額本申し上げられませんが、六千万ドルの従来の分よりも相当多いということは言い得ると思います。それから、これが普通の道でございまするが、たとえば道路なんかにつきましても、たとえば世界銀行が貸すということになれば、向うのある会社なんかも債券を引き受けていい、こういうふうなことも言っておりますし、またいろいろな政府関係の金融会社もありまして、東南アジアの開発ということにつきましては、ある程度考えるという意見もございましょうが、いずれにいたしましても、私ここ二、三カ月、ブラックとの話し以後、あるいは大蔵省の財務官等、それについていろいろ折衝いたしておるところによりますると、日本の経済の基礎からいって一時不足するだろう、しかしそれはわれわれの方でめんどう見よう、こういうことを言ってくれておりまして、割に有望でございます。ただ輸出入銀行から借りる場合におきましては条件がございます。それはアメリカの船をどれだけ使うかということでございます。従いまして借りる場合におきましての船賃のたくさんかかるものはなるべく借りたくない、こういうこともございます。また船も日本の船をできるだけ使わしてくれというふうないろいろな条件がございますが、これは個々の折衝でやらなければいけませんし、またこの点は向うの余剰農産物以外の方法でございますが、いろいろな種類その他につきまして、やはり国内的にいろいろ検討しなければいけませんので、借りるワクは相当借りられると思いますが、さあそれならば品物を何によってどうしようかということになりますと、将来また検討しなければならぬ点が多々あるかと思います。だから幾ら幾ら借りるといっても、銀行別に期限別に、いわば世界銀行からの分は政府保証が要りますから、本年度内ということは言えません。で、ブラックとの話では早急にどこからか金融して政府保証がついたら、そのときに肩がわりしようかという話もありましたが、今申し上げましたように割に借りいいと申しまするか、貸そうという気持が相当あるものでございますから、そう無理はしなくともいけるのじゃないか、だといって借りられればうんと借りて置こうという考え方もございません。やはり情勢を見ながら適当な措置をとっていきたい。
○平林剛君 先ほどいろいろ大臣からお話を伺いましたが、私どもとしては今日までの情勢から見まして、もう少し政府は日本の経済の緊急性を国民にもよく知らせて、その協力のもとでいろいろな総合政策を打たなければ、結局あとをあとをと追うことになってしまう、根本的建て直しがないのじゃないか、そういう意味では、一段と政府は今日この事態にある責任を痛感をして、総合的な対策の充実を期してもらいたい、こういうことを、要望しておきたいと思うのであります。特に私どもとしては、大蔵大臣はまだまだきょうの段階でも幾らか楽観的なことをおっしゃっておりますけれども、やはり昭和三十二年度予算全般にわたって実行予算を組むかどうかということについて毛検討しなければならぬ、むしろそれを組む必要があるとまで考えておるわけであります。貿易の政策等につきましても、今政府が掲げたような程度で根本的な切り抜けができるかどうかということも、かねがね主張しておった通りでありまして、今日経済政策が明らかにその性格を漸次変えつつある段階でありますから、先ほど栗山委員が言われたように、近い将来に臨時国会を開いて、そして国民全般に及ぼす影響の深刻化々防ぐための対策を共に協議をすべきだ、こういうことを強調いたしまして、私の質問は終っておきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 誤解があっては何でございまするから申しあげておきますが、私は決して楽観はしておりません。非常に心を砕いて、そうして日本の経済の健全な発達と国民生活の安定向上、これをねらっておるのでございます。決して楽観をしておるのじゃございません。だからいろいろな手を打っておるわけでございます。総合対策をあれしましたのも、その意味でございまして、何とかこれを切り抜けていこうということでございます。いろいろ心配してやっております。私がこれは心配だ心配だと言うほどのものじゃございませんので、心ではいろいろ施策を講じて、そうしてみんなのためになるように、そうして犠牲者の少いようにということを望んでいるわけであります一
○栗山良夫君 それだから私は先ほどから申し上げたのです。一億減税、一億積極財政というものは、とにかく姿を相当変えたことだけは事実なんです。冬着が合着になったか夏着になったのか知りませんが、相当姿の変えたことだけは事実なんです。それだから内閣の一人とされて一刻も早く臨時国会を通じて、外交、防衛の問題もありましょうが、大蔵大臣所管の経済、金融財政政策についても、ここに率直に国会を通じて国民に所信を表明せられて国民の協力を求められるということが、今一番重要なことじゃないか、ただ大蔵大臣が内心非常に心配をしてあの手この手をこそこそお打ちになっても、これは国民になかなか徹底しない、疑心暗鬼を生むだけでありますから、堂々とおやりになったらいかがかということを私は申し上げたのであります。先ほどは、こと金融財政についてはその必要はないとおっしゃったが、やはり内心大へん心配しているとおっしゃっているでしょう。どうか一つ一刻も早く臨時国会を召集せられて、その心配を一つ国民にげたを預けてもらいたいという工合に強く要望いたしておきます。
○土田國太郎君 一言総務課長にお聞きいたしたいと思います。さっき大蔵大臣が見えましたから、皆さんに御迷惑をかけてはどうかと思って差し控えたわけでありますが、それは為替の自由承認制の問題で、この自由承認をする場合には、通産省の局長個人の計らいですることはできないと思う。それぞれの機関にかけ、最後には閣議の決定までも要するのじゃないか。また大蔵省もこれに賛成する場合もあろうし、反対する場合もあろうし、この協議に参加するのでしょう。でありますから、先ほどの説明の通産省の局長一人の考えでは承認するとかしな、ということは僕は言い得るはずはないと思いますが、その点についてあなたに質問申し上げたのですが、その点については触れられなかったような気がしますが、その自由承認制の性格及び方法について説明を……、要点だけでけっこうですから、時間がないから。
○説明員(佐々木庸一君) 制度的に申しますと、もし外貨予算が自動承認制について足りなくなりました場合においては、閣僚審議会の承認を得て、閣僚審議会の決定によって予算を追加するわけでありますが、閣僚審議会の構成員になっておられます方は大臣でございますから、通商局長にないことはお話の通りであります。しかしながら三十二年度の予算を作りまして、これを実施します際の各省の申し合せといいまするか、閣僚審議会に対しましての各省の考え方は、自動承認制というものはとめませんというふうに申し上げたのであります。これはとめますとむしろかえっていろいろな思惑が生じますから、そういうふうに申し上げたわけでございます。そこで了承を得ておりますので、その了承されましたことに従って、通商局長が言われましたことについては、越権の問題なんかはないはずだと思います。
○土田國太郎君 そういたしますと、閣僚審議会の決定を経ないで、局長がそういうことを公表したということは、それは行き過ぎだと僕は見られるのですが、あなたはそうじゃないという意見なんですが、その点おかしいですね。最後の責任は閣僚審議会なり総理大臣なりの決定に待つべきものじゃないのですか。局長自身の考えで増減はできないでしょう。
○説明員(佐々木庸一君) 三十二年度上期の予算の実施上においては自動承認制は絶対にとめませんというふうにきめられております。そのきめられておりますことを、きめられております状態においておっしゃったわけでございますから、私どもおっしゃったことについて、これを否認すべき問題は私はないものと考えております。
○土田國太郎君 私は自動承認制の予算のワクがあるわけだ。それが足りなくなった場合には何ぼでも追加するからということを局長が声明したのですよ。そういうことは局長が単独にされることは越権じゃないのか、こういう意味合の私は質問をいたしたのですよ。それに対してあなたはなんだか別な御答弁をなさっておるんだが、私の質問の要点はわかりましたか。今年の自動承認に対するワクでまだ足りなかった場合には何ぼでも追加するぞということを通商局長が言ったのですよ。そういうことができるのかとこういう質問を私は申し上げたわけです。本年の自動承認のワクを言うたのじゃないのですよ。それが足りなくなった場合にあとは追加しますと言うたことについての質問なんですよ。
○説明員(佐々木庸一君) 私は三十二年度上期――今実行されております予算についての実施上の基本の考え方できめられておりますところを申し上げたわけで、およそ自動承認制について、これは足りなくなったらいつも追加するものであるかという問題だろうとしますと、これは制度上聞趣はないことはございません。およそ予算のワクというものが初めきめられておる関係上、法律的問題としてはおっしゃるようなところが残るかもしれません。しかし通商局長がおっしゃいましたことは、今年度の今実行されておる予算についてでございますから、その今年度の今実行しております予算についてどうやるかということの閣僚審議会における決定を考えますれば、ひどいことを言われたということには当らないと考えておる次第でございます。
○土田國太郎君 あなたはわからぬですよ。本年のワク以外に追加を要するような場合ができた場合に、局長一人でできるのか、これを聞いているのですよ。本年のワクは当り前じゃないですか。これは実行するのに局長の責任においてやるのは当り前の話ですよ。それに必要が生じた場合にこれが増加するぞということを発表されておるから、そういうことができるのかとこれを聞いておるのですよ。あなたの答弁は全然見当違いですよ。
○説明員(佐々木庸一君) 私の申し上げ方が少し不足だったと思うのですが、その意味は予算を追加するということでございます。当初閣僚審議会においてきめられました方針と申しますのは――従って通商局長が予算の追加をおやりになるわけではもちろんございませんけれども、そういう決定に従って発言せられたものと思って、おります。
○土田國太郎君 それでそういう本年のワクが足りなくなった場合にあとは追加するということを閣議決定になっておりますか。
○説明員(佐々木庸一君) 閣僚審議会における説明では、そういたしたいと事務当局から各大臣にも御説明申し上げまして、了承を得てあると記憶いたしております。
○土田國太郎君 それは聞違いありませんね。
○説明員(佐々木庸一君) 念のためにもう一回書いたもので調べてみます。
○土田國太郎君 それは間違いなく委員会宛に報告して下さい。私は事務的の問題としてこれを処理し、これを聞いておるのです。ところがあなたの答弁には、通商局長がこれは何ぼでも追加するぞと、こう言われたために――非常に減って七億もあったのが今は二億ドル台になったんだ、実にそれはえらいものだというような賛辞を通商局長に呈しておる答弁をされたのですよ。そういうことは一事務官たるあなたが言うべき筋合いのものじゃないでしょう。これは局長以上の、大臣の言う言葉であって、一下僚官僚たる課長が、政策的にそういうことを述べることは越権と思いませんか。もし越権でないということであるならば、私為替局長に談判しますよ。はなはだ越権ですよ。あなたなんと考えます。答弁しなさい。
○説明員(佐々木庸一君) 実績の数字を申し上げたつもりでございます。それで評価を申し上げた点は言い過ぎでありますればおわびして訂正いたします。
○土田國太郎君 取り消すならばよろしいが、それを突っぱるなら為替局長に談判するということなんです。
○栗山良夫君 今の問題ですね。裏から御質問いたしますがね、たとえば自動承認制でどんどん外貨が出る。その場合に外貨予算のワクは別問題です。自動承認制ですからきたものについては通商局長はどんどんとこれを認めていかなければならないのじゃないですかね。そういう建前でしょう。外貨予算のワクがある、そこまでそろばんを毎日入れておって、自動承認制ですから、それまできたら、ぴしゃっとやめる権限を、通商局長は持っている。外貨予算が満額になったら、これで満額になりましたから、これからは自動承認はだめですよと、こういって抑える権限は持っていますか。通商局長は。
○説明員(佐々木庸一君) 自動承認制の法律的解釈の中には、そういうことが、予算がなくなったから、それで終りますというふうに言えるようにはなっております。しかしそうはしてはならないというふうに運用している立場からは、通産省並びに閣僚審議会等では考えておられるわけでございます。
○栗山良夫君 それが今法樺でいわれておる通りに、ワクのところまで満額になれば、もうそれから先はいけませんよと言い切って、それが行政的に実行されておれば、こんな外貨の赤字は出てこないはずです。今自動承認制で入っているのは、相当赤字になっているでしょう。実際問題として外貨予算に比較すれば。
○説明員(佐々木庸一君) 今実行しております予算と申しますのは、四月から実行しております……。
○栗山良夫君 去年でもいいですよ。
○説明員(佐々木庸一君) 去年はちょっと不足を生じまして、追加をいたしたと記憶しております。ちょっとはっきりいたしませんが、たしかそうだと思います。
○委員長(豊田雅孝君) ほかに御質疑がなければ本件の調査は一応この程度にとどめます。ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(豊田雅孝君) 速記開始して下さい。
○杉山昌作君 委員会の今後の開会に関連して、一つ申し上げたいと思うのですがね。前の国会で政府及び社会党両方から提案された、たばこ専売法の一部改正、あれは不幸にして両方とも審議未了で廃案になったのですが、最後の委員会におきまして、わざわざ社会党の江田議員の発言があり、これに対して大蔵政務次官の発言があったのだが、それは要するに廃案にはなったけれども、この問題は一つ休会中にでも、十分に調査研究を進めて、そしてできれば、意見が一致するならば、その意見をもとにして、もし意見が一致しなければ、その論議を頭へ入れて、政府はあらためて、案を出してくる、こういうのがあのときの趣旨であったと思うのです。従って委員長としては今後この会を開かれるに当っては、この問題についても調査研究というふうなことが当然案件に上ってくると思いますが、御承知の通りにただ問題が割合特殊な問題です。従って三十人もの委員全部お出かけ願って、いろいろ暑いのに、御用があるのにやるということもどちらかと言えば無理じゃないかと思います。そこで少数の、小委員といいますか、特別委員といいますか、そういうものでも設けて、江田君が言われ、大蔵政務次官が確認されたような方向で、みっちり勉強するというふうなことにされたらと思いますがいかがでしょうか。
○平林剛君 今の杉山委員のお話につきまして、第二十六国会にたばこ専売法の一部を改正する法律案を提出した一人として申し上げます。 私としては、先般提出いたしまた法律案が耕作者全般の待遇改善にもなりますし、専売事業の今後についてもよい影響を与えると思いますから、できれば御賛成を得たいと思っておりますけれども、しかし今日では政府案が提出せられ、自由民主党からもたばこ耕作組合法案が提出されておる段階でありますから、この際は、この情勢に基いて何らかの話し合いをするということについては賛成であります。ただ杉山委員がお話のように、小委員とか、特別委員ということよりは、むしろ懇談会というような形式で運営せられるように希望いたしまして、その取り扱い方については委員長と理事とにおまかせを願ったらどうかと、こう思っております。
○西川甚五郎君 私も平林君の説がいいと思います。小委員会というと木部の方の関係もあるし、懇談会形式でやった方がいいと思います。それで僕の方から二人と、あなたの方からも出て、懇談会をやったらどうですか。
○杉山昌作君 別に特別委員とか、小委員とか、格好をつけなければいかぬという意味ではないので、実質的に調査研究が進めばいいのですから、懇談会というような格好でけっこうと思います。ただこれは全然プライベートな、委員各自のプライベートな打ち合せということになると、議事の進行上、あるいは将来そこで論議されたものを委員会の資料とするときには、若干そんなプライベートな話はということにもなるかと思いますので、そこらがある程度筋目をつけて、むろんそんなにきっちりしたものではないのですから、そこで論議された結論そのまま委員会で、というのはどうかと思いますが、多少筋目をつけて、その点都合のいいように、そこらは委員長と事務局で招集その他のお世話を願うというようなことでけっとうです。
○委員長(豊田雅孝君) 御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(豊田雅孝君) それではただいま杉山委員提案、並びにその後の発言のごとく、懇談会でいくということにいたしまして、奉賛長、事務局適当にこれを処理することにいたします。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(豊田雅孝君) 速記をつけて。 本日はこの程度で散会いたします。 なお、次回の委員会につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じます。 午後五時十七分散会