大蔵・運輸委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 181 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/04/03
会議録
○委員長(廣瀬久忠君) これより大蔵委員会運輸委員会連合審査会を開きます。 揮発油税法案を議題として質疑を行います。
○早川愼一君 昨日、伊能委員から大澤委員の質問に関連しましてお尋ねがあって、大蔵大臣のお答えがございましたが、その点につきまして若干不明の点がございますので、一応明らかにしておきたいと思うのであります。それは、大澤委員の質問は、たしか地方財政の上に欠陥が生ずるというようなことの質問に関連しまして、大蔵大臣から自然増収があるというお答えがあったようでありまして、あたかも自然増収が期待できるかのごとき御答弁があったようでありますが、その点をもう一度明らかにしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 昨日の御質問のうちに、大澤委員よりガソリン税法の通過がおくれて本年度に入りましたために、一日分どれだけの収入減があるかという御質問でございました、私はそのときに大体六千万円程度とお答えいたしたのでございます。私の六千方円と申しますのは、これは結果は誤まりでございまして、即座に私はこういう計算をいたした、それは昨年のガソリン税の収入が三百数十億、今年は五百三億、こう申しますと百七、八十億の収入増がございます。これが全部増税による収入増だとすれば、三百六十五日で割りますと、六千万円近くになるわけであります。しかるところ、よく計算してみますと、この百七、八十億円の収入増というものは、増税による収入増と、昨年よりも今年の消費増による収入増と、二つあるわけであります。百八十億円の収入増というものは増税による収入増ばかりじゃございません。自然増収による収入増もある、従ってその自然増収による収入増を引かなければ増税による増収は出ません、増税による増収というものは百億円程度ございます。百億円程度で、しかも七十五日の徴収猶予がございますから、三千八百万円ぐらいになると、こう言ったのであります。自然増収による増というものは、三十一年度と三十二年度の三百九十万キロふえたその増収分の収入と増税分の収入、これが百八十億になりますので、それを育ったのでございまして、三百九十万キロについて自然増収があるとは全然考えていない。自然増収という言葉を使ったのは、三十一年度に対して三十二年度の三百九十万キロリッターのうちに自然増収がある、こういう意味でございます。
○早川愼一君 どうもはっきりしませんのは、本年度の分はやはり三百九十万キロリッターというものを基礎にして税収をお考えになったと思います、ところが、自然増があるから、自然増収というものは三百九十万キロの中に入っておると私は解釈しておるのですが、そのほかになお自然増収があるかのごとき御答弁のように承わったのですが、その点どうですか。
○国務大臣(池田勇人君) 三百九十万キロを基準にいたしまして、三十二年度において自然増収があるとは毛頭考えておりません。今言ったように、三十一年度に対しまして、三百九十万キロある、そのふえた分と、増税による分との合計が百八十億円程度になる。しかして一日の施行のおくれます場合の計算には、三十一年度と三十二年度との自然増収分の増収と、そうして三百九十万キロに対しましての増税分の増収、こういう二つが加わっておるわけであります。これは、私は自然増収の分、すなわち三十一年度に対しまして、三百九十万キロに対して自然増収の分は増税による収入ではないのであります。一日の増税による収入の分は自然増収を引かなければなりません、それを言ったのでございます。速記をごらん下されば、それは、はっきり出ておると思います。
○早川愼一君 なお、三百九十万キロの基礎について、いろいろ議論があると思いますが、どうも私どもの印象としましては、なお三百九十万キロが年年の増加率からみて、何か大蔵大臣に一つの自然増収の頭がおありになって、そういう歳入の欠陥は補てんできるという御答弁のように承わった。どうもはっきりまだ私ども理解できないのですけれども、これ以上は、あとでまたいろいろ質問があると思いますから、この程度にとどめておきます。
○戸叶武君 政府にお尋ねいたしますが、参議院における運輸委員会は、昨年末の十二月四日にこの問題に関しては決議案を作っております。その内容は政府においても御承知と思いますが、「最近わが国の産業、経済は発展の一途を辿り、一方輸送力は限度に達し、その発展に支障を与えている現状である。政府においては、これが対策の一環として、道路の整備強化を図るため、その財源を揮発油税の大幅増徴に求めんとしているやに聞くが、揮発油の大口需要者たる自動車運送事業は既に税負担能力の限度に達しておると認められるので、揮発油税の大幅な増徴は自動車運送事業の健全な発達を阻害し輸送力の増強に支障を及ぼす虞がある。よって道路の整備強化には一般財源にもこれを求め、揮発油税の現行以上の増徴は絶対に避くべきである。右決議する。」この決議を参議院の運輸委員会では通しております。衆議院の運輸委員会も同様だと思うのでありますが、この立法府におけるところの、衆参両院における運輸委員会で、しかもこの決議を通しておるのに対して、政府は、行政府としていかなる配慮を行なったか、それを大蔵大臣から承わりたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 衆参両院の運輸委員会におきまして、こういう御決議があったということは聞き及んでおります。しかし、今の道路計画の点から申しまして、どうしてもこれを早急に整備いたしますためには相当の財源を要するのでございます。当初建設省の方から大体九百億円程度の予算要求が出たのでございます。これをいかにまかなうかということについて苦慮いたしましたのでございまするが、何分にも一般財源からこの方面に多額を出すことは困難でございまして、そうしてガソリンの負担税率を各国と比較いたしてみますると、まだ引き上げの余地があると考えます。主としてガソリン税の増徴に頼り、そうしてできるだけ一般会計からも負担することにして、今御審議願っておるような案にいたしたのでございます。道路の舗装整備という急速なるまた強い要求のために、やむなくこういう案を立てたのでございます。
○戸叶武君 その点で、政府側の見解とわれわれの委員会の見解とは、まっこうから対立しておるのでありまして、政府の今の御答弁によると、相当の財源を要する、特に建設省から九百億からの予算要求が出たから、それでこれをいかにしてまかなうかというのに苦慮した結果、引き上げる余地ありという見解の上に立ってこの引き上げを断行した、できるだけ一般会計からも取ることにしたと言っていますが、われわれと見解の違う点は、引き上げの余地ありという見解と、もう一つは、一般会計からも取ると言っているが、その率が非常に当初から見ると異なっておる点であります。そういう問題に関連しまして、特に今度の、昨日の論議においても重要な問題になっておるのは、ガソリン消費数量の見込数童の問題が一番重要だと思うのでありますが、原主税局長は昨日の御答弁で、大蔵省が基礎的数量とした消費数量は、通産省の三百九十万キロリットルを破った言っております。これに対して運輸当局は、運輸省としては、十一月の資料、それが現実においては八月までの資料を基礎として算定したときには同様な見解の上に立ったが、その後九月以降の輸送力の伸び、それは車両数及び大型化による積載量の伸び等を基礎として計算した場合に四百二十一キロリットルとなったと言明しております。ここに二つの数字が、通産省から押し出されたのと運輸省から押し出されたのとありまして、政府案におきましてはこの通産省の数年を取った、しかもそれが閣議決定まで持ち込まれたという点に力点を置いておるようでありますが、数字の権威というものは、閣議決定であろうと何であろうと、それが科学的な基礎の上に立っておるかということによって数字の権威というものが保てるということは、数字を好んで使われる大蔵大臣が一番理解しておると思うのです。昨日における質疑応答を聞いている限りにおいては、私は、大部分の人たちが、運輸省側の説明の方が納得がいく、科学的な基礎があるというふうに私は大部分の人が判断したと思われるのであります。 そこで、きょうは、私は通産大臣並びに運輸大臣から、そのおのおの出したところの数字に対して、その根拠を私はしっかり説明をお願いしたいと思います。特にきのう、運輸当局の自動車局長でしたが、これはすでに閣議決定だとか、大蔵大臣の前に出ると、少しおびえておるような形で、遠慮がちな説明になっておりまするけれども、事、審議に必要なるところの審議資料を立法府が提出するときに当って、ごうまつも、ちゅうちょするところないんですから、いずれが正確なものであるかということが十分論議されなければ、この委員会における論議ということは意義がないのですから、その点しっかり説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 十二月における両院の運輸委員会の御決議は、ただいま大蔵大臣からもお話し申し上げた通り、政府としては十分尊重しなければならないこと当然であります。しかるに三十二年度の予算の編成に当りまして、御承知の通り道路整備に一そう重点を入れる……。おそらく私、拝察いたしまするに、十二月初句における御決定は、従来の三十一年度の道路整備の状況から推して委員会においてそういう御決定をなされたことと思うのであります。政府はこれにほとんど倍加する道路の整備計画を三十二年度においてその後立てましたので、それを遂行いたしまするには、どうしてもある程度の増税に待たなければならない。こういうことで、やむなくそういう道路をとった次第であります。 しかしてただいまの閣議決定の基礎となりましたガソリンの消費量は、閣議決定の当時において、通産省の案により、それを基礎として決定した次第でありますが、運輸省の案は、その後におきまして輸送力の旺盛な事情から、増大しておる事情その他から推察いたしまして、その後における資料の収集によってこういう結果を得ましたので、これは運輸省としてこのたびの当委員会初めその他に重要な御参考の資料として、参考資料として差し上げた、こういう次第であります。
○戸叶武君 通産大臣からも御説明願います。
○国務大臣(水田三喜男君) 私の方の計算は、揮発油の需要量が昭和二十八年から二十九年に幾ら伸びた、二十九年から三十年にどのくらい伸びた、三十年から三十一年にどのくらい伸びた、この三つの伸びを見まして、それから推定して三十二年度はどのくらい伸びるであろうかという数字を推定したのでございます。これは御承知の通りいろいろ計算の仕方がございまして、いわゆる最小自乗法、直線法とか曲線式とかあるそうですが、私の方は大体直線式で見るのが正しいだろうというようなことで、いろいろなそういう計算方法を用いまして、大体本年度の伸びは一六%前後と見るのが妥当だろう。これは御承知のように政府では一応経済計画を立てておりまして、この計画によっていろいろな物資の需要量がことしはどうであるかという統一した計算をやっておりますが、鉱工業生産の伸びとかいろいろなものから見まして、大体この数字が均衡がとれた適正な数字だろうということで、この需要量の見通しを立てたのでございますが、それによって前年度の一六%増の三百九十万キロリットル、ここらがことしのガソリンの需要量としては大体適正な数字だろうと、こういう算定を行なったわけでございます。
○戸叶武君 通産省の数字も苦心して出されたのでしょうが、はなはだ残念なことは、この数年間の実績におきまして一度も推定が当ったことがない。特に経済の動きに対する動的な把握というものが官庁における統計技術には欠けておりまして、あとからつけた理屈でもって、政治目的に数字がマジックに使われる傾きが、特に最近における閣僚の詭弁の道具になっている。それが証拠に、この四、五年来の統計が一度も推定が当ったことがない。これは経済界の好況に支配されるとか、あるいは輸送力の増強によるとかいうけれども、そういうことの総合的推定に立って経済統計というものは出さるべきであって、その能力がないことが明らかに示されている。これはだれが見ても、通産省と運輸省とを比較するならば、運輸省の方がとにかく緻密な材料を基礎としての推定で、この方が正確であるということは、私は正確に近いものであるということは判定がつくと思う。これはやはり私は政府においてもこのことを配慮しなければ、この問題の解決はなかなか困難だと思います。特に大蔵大臣は別に通産省がガソリンを、取り扱っているからということに、少しきのうあたりの答弁だと重きを置いておるようですが、運輸行政は運輸省がつかさどって運輸省が一番よくわかっておられるんですが、従って数字も運輸省の出しておる方のものを私たちは信じてよいと思うんです。この問題を中心として、今後他の委員からも私の質問が終ったあとで質問がいろいろ集中されると思いますが、どういう見解を大蔵大臣は持っておられますか。
○国務大臣(池田勇人君) ガソリンの消費見込みにつきましては、いろいろ見方がございましょう。また戸叶委員が今まで政府の統計で当っておるものはほとんどない、こう言われるのでございまするが、実際日本の今までの経済の伸びというものは、ことに昨年のような状態は、何人もあそこまで行くとは想像しなかったほどの伸びであるのであります。従いまして、私の見るところでは、昨年度は予定以上に鉱工業生産も前年度に対して二一%伸びました。ガソリン消費量はやはり前年度に対して二六%伸びました。鉱工業生産が二一%増した、ガソリンの方も二六%伸びた。しこうして昭和三十二年度の経済活動はどうかということにつきまして、政府全体としていろいろ研究の結果、三十二年度は三十一年度に対して大体一二・五%の伸びだ、昨年の二一%まで行かなくて、昨年度非常に急激な増強の上に二丁五%しか伸びない。これは暦年で申しますと三%でございまするが、一・五%しか伸びないという断定を下したわけでございます。しかるにガソリン税はどうかと申しますると、私は通産省の言われるように生産の伸びが二一%から一二・五%ということになれば、ガソリンの消費量も大体前年の二六%増に対して一六%ふえる。一二・五%に対しては二八%くらいの伸びを見るのがほんとうである、こういう私は結論に立ちまして通産省の見方に賛意を表しておるのであります。で、経済計画全体が今年どうなるか、いろいろ議論はございましょう。議論はございましょうが、私は昨年の二一%の鉱工業生産の伸びに対して一二・五%の伸びを見るのが適当であるという判断でいろいろな予算を作っておるわけでございまして、しこうして予算ができたあと、最近の状況によりまして、去年の二六%の伸びと同じような伸びをするという運輸省の見方につきましては、私はある程度疑問を持たざるを得ません、こういう関係で、通産省の統計にあれしたのであります。だから、運輸省の話も、こういうことも可能であるという数字を私は言っておられるのであって、これだけ伸びるのだということを、全体的の日本の経済の立場から判断してやられておられるのじゃないと思う。私は昨年の二六%に対して、今年は一六%の伸びが適当である。それだけ鉱工業生産の伸びも伸びてはいきまするが、伸び方が少くなると見ておるのであります。
○戸叶武君 この問題はあとから、各委員から十分検討されると思いますが、通産省の統計が確かで、運輸省の統計が、単なる、こういうこともあるという程度にすぎないというような大蔵大臣の言い方には、私は間違いがあると思うのです。少くとも、仏の顔も三度までという言葉がありますが、三年のうち一度ぐらい当るくらいの統計を発表する能力のない今までの官庁が、昨年の例だけしか大蔵大臣も遠慮して引けなかったようですが、そういう統計しか出していないところにおいて、動的な推定を、官庁統計を、私はそれほど特に通産省を重視してみる必要はないと思うのです。 それで、次に私自身としては移りますが、大蔵大臣は、揮発油税を目的税的性格に持ち込んだのは自分で、それは昭和二十七年の閣議決定の際に自分が推進者となったということを率直に述べておりますが、昨日も明らかになったように、原主税局長は、かつて国会におきまして、この種の目的税は好ましくない税であるということを述べております。それに対して、大蔵大臣は下僚を庇護する立場から、非常に弁解までしておりましたが、時の流れの変化によって、心境の変化というものも来るのかもしれませんが、池田大蔵大臣は、やむを得なくてこういう目的税を設けたのか、それともこういう目的税が妥当と思うのか、その点の見解を明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(池田勇人君) 財政理論、租税理論から申しますると、目的税というものはあまり賛成のできないというのが、これは定則でございます。だから私自身も、昔はこの目的税に対して反対しておりました、しかし、日本の道路を急速にやりますためには、こういう問題について例外的に目的税的の考え方で進むことが適当であると意見を変えてきたのであります。で、私はその結果、やはり大体において目的を達し得つつある、こう考えております。しからば今後いろいろな問題で目内税を創設するかと申しますると、私はガソリン税以外に目的税を創設することの重要性のものは、例はないと考えております。
○戸叶武君 池田蔵相は、この目的税はやむなく設けたものであり、またガソリン税のような形における目的税は他に及ぼしたくないというような見解のようでありますが、この目的税としての性格を持っているガソリン税が、従って、受益者の立場からすると、道路整備以外の面に揮発油税が使われているということは、非常な私は不満だと思うのです。目的税といいながらその目的に使われないで、他の方面に流用されている。三十一年度のごときは、揮発油税の税収総額三百三十一億円のうち、その三分の一は本来の目的以外に分散流用されているという事実があるのでありますが、それに対しては大蔵大臣はどういう御見解をお持ちでありますか。
○国務大臣(池田勇人君) ガソリン税が目的税であるという前提に立ちまして、しからば、ガソリン税が目的の対象である道路の補修改良に使われているかと、こういう問題でございますが、私は使われていると考えております。ただ、その使い方にいろいろの他の目的が加わる場合はございます。それが今の臨時就労対策等、あるいは今年におきましては積雪地の道路補修に使われている十億円、これが戸叶さんの御質問になる点だと思います。しかし、この臨時就労対策とかあるいは臨時失業対策におきましても、これは道路の補修改良にこういう人を使っているというので、やはり道路整備五ヵ年計画の遂行にやっているのでございまして、私は道路に使っているといって差しつかえないと思います、ただ、能率がどうこうという点がございますので、われわれはそういう点を考え、ことに今年は積雪寒冷地の道路ということも入って参りましたので、一般会計からの分をふやしていこう、こういう方針で進んでいるのであります。
○戸叶武君 道路整備の財源は、原則として一般会計並びに道路公演によるべしというような意見も非常に多くて、原則的には目的税は廃止すべきであるというような主張がありますが、現状のもとにおきましては、まあ現行税率の据え置きを最大限として、一般会計より揮発油税と回顧以上を計上するのが適当な措置ではないかというのが、一般の見解として押し出されているようでありますが、大蔵大臣はこれに対していかような御見解をお持ちですか。
○国務大臣(池田勇人君) 道路整備費にガソリン税を目的税として使うか使わぬかということは、ずっと前からの議論でございます。それが四、五年前に、目的税的なものの取扱いをした方がいいというので、変ってきた。今度目的税になりますと、また今度一般会計から多く出した方がいいという議論の起ってくるのも、時代の流れでやむを得ぬかもわかりませんが、私は、今の状態におきましては、現行の目的税的の考え方、道路を補修した方がいいと考えているのであります。道路の施設改良にガソリン税がどれだけの役割をしているかということは、昨日主税局長が申し上げた通りでございます。一般会計からも出したいという気持がいたしておりまするが、ガソリン税その他自動車に対しまする課税総額と、道路の施設改良費との比較をしてみますると、わが国なんかはまだ、ガソリン税の負担が少い、イギリスなんかは、もうガソリン税の四分の一、ガソリン税その他自動車に対する課税額の四分の一くらいしか道路の補修改良に使っていない、こういう状況の国もあるのでございます。私は今しばらくただいまの制度を持続した力がいいと考えております。
○委員長(廣瀬久忠君) 運輸大臣が十一時半過ぎからやむを得ざる用事があるという申し出がございました。皆さんに御報告申し上げておきます。
○戸叶武君 今も大蔵大臣は、イギリスの例を引きました、きのうも大蔵省の者は各国の例を引用しましたが、池田さんにいつも私はお尋ねしたいと思うのですが、問題は、その統計の生れる社会的な基盤の条件というものを無視して、数字だけを浮き上らせたのでは、統計は生きてこないのです、私も長い間イギリスに住んでおり、大体世界中歩いておりますが、池田さんが昨日引用したところの統計の背景というものは、日本の常識と全然違うのです、イギリスなんかは、もう三十年も的から自動車道路はほとんど補修の必要がないほどまで徹底した、アングロサクソンの政治は土木事業から始まっているというほど、上海でも工部局というと行政運営の中心であったような性格を持っているので、日本の場合と全然違うのです。アメリカの場合でも違うのです、自動車におきましても、アメリカの自動車はみな自家用自動車で、大部分の自動車が、労働者といえども自動車を持っているのです。工場の敷地よりも工場の隣りに労働者が乗って来た自動車を置く置場の方を広くとっていなければ工場が成り立たない。デパートでも今日においては、日本の運輸行政の欠陥のような民衆駅だとか東京駅のような醜態は過去の遺物であって、デパートに自動車がつかなければならないというので、たとえばサンフランシスコ近くのスタンフォード大学のそばにあるところのデパートを見てもわかりまするように、野っ原のまん中へ自動車が幾らでもたまるようなところにデパートを設けるような段階にきているのです。そういうふうに、ロスアンゼルズなら、三百万の人口の中において、ロスアンゼルスの付近が二百万の自動車数があるのです。一家において主人が自動車に乗って行く、あとの主婦がもう一台の自動車をもって買物に出ていくというふうに、下駄や靴のような生活の一部になっているという、そういうところへガソリン税をかけても、全体の国民の利益を擁護するという立場からの施設にいろいろなものを使っても一向差しつかえない。私はその数字の基礎が全然違っている。道路が発達している西洋諸国と日本と同じような錯覚に陥られる危険性があると思うこと、そういう統計の使い方は今後をつけてもらいたいと思うのです。特にたとえばこの一般会計から支出しなければならないという例を見るならば、大蔵大臣も御承知でしょうが、ドイツのアウト・バーンの建設に当っては、その準備のために三カ年間に国家予算が約二十億マルク出されております。以後三年間に毎年二十億マルク一般会計から出されております。その国次財政におけるところの比率というものは、その当時、ドイツにおいては国家予算が百二十億マルクです。その六分の一があの自動車道路に投げ込まれたのです。これを見てもわかりまするように、立ちおくれているところの国における道路整備に対しましては、一般予算から、国家財政をそこに重点的に投げ入れてしなければならない。しかも今日の日本の段階において、昨年の各官庁の統計においても明確に示されたように、生産の隘路が鉄鋼、電力、輸送力といわれておったが、集約的には、最終的には緊急を要するものは輸送力だと言われておる。そのときに国家財政が重点的に道路整備の建設に投げ込まれなければならないのに、池田さんの今日行なっているところのやり方というものは、全くそれと違うように思われるのですが、なぜそういう異なった立場を強調していかれるのか、その立場を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の点が、ガソリン税によらずに、あるいは一般会計の租税収入の増加によるべしと、こういう御意見のように承わって御返事してよろしゅうございますか。
○戸叶武君 いや、それとも違います。私の質問したことに対して答弁して下さい。
○国務大臣(池田勇人君) 御質問の点が、ドイツは一般会計から出しておった、日本もガソリン税によらずに一般会計から出すべしと、こういう御意見、私がまた例に数字をどうこう言うことはございません。日本の道路をよくする場合においてどこからその財源をひねり出したらいいかという問題でございます。そのときに、各国のガソリン税の消費の、税率の状況、あるいは自動車に対しまする課税の状況、そうしてその自動車の関係から取り上げる税と道路整備費とを比べました場合において、日本はまだまだ自動車関係の方面の増収をはかって道路の改良に向け得る余地がある、こう考えたのであります。しかして一方では、それでは一般会計の方からどれだけ出せるかという問題になりますると、これは私は今度の財政方針で申し上げましたごとく、今の所得税はあまりに荷過ぎるから、これはまず減税しなければならぬ。この減税を先にいたしまして、そうして余った金をどういうふうに振り向けるかということを考えたのであります。で、いろいろ御批判は受けておりますが、義務的の経費の増加が相当ございますしそれはもうやむを得ません。従って、その残りのものを割り振る場合において、道路には、もちろん十分ではございませんが、今後一般会計からの負担はふやしていこう。ことにガソリン税の方を上げるのだから、一般会計の方もふやしていこうというので、いっておるのであります。で、ドイツにおきましては道路の必要性を感じまして、それは売上税等をやりまして、相当の増収を増税その他でやっておりましょう、しかしわが国におきまして、今、売上税というようなものを置くこともできませんし、まだまだ税金が高いのでございまするから、よそに比較して賢いところの分を上げてがまんしていくよりほかにない、こういうことでいっておるのであります。
○戸叶武君 その点は議論になりますから避けますが、とにかく大蔵大臣は、安いからもっと取ってやるのだという御見解のようですが、当委員会においてはそうでない。この見解の対立がそこに、はっきりあります。特に大蔵大臣が輸送力の増強の問題で国鉄に対しては独立採算制を建前として一割三分の運賃値上げで、そうして大衆から税の、間接税の収奪を行なっている。またこの道路整備の問題では、やはり自動車道路建設整備の目的税の名のもとに、ガソリン税によって結局は大衆からこの税の収奪をやっている。他の方法によって幾らでもこのようなことはできるので、そのことはわれわれと大蔵大臣の見解の相違でありますが、私は最終的に次の二つの点を御質問いたします。 それは、この法案が成立した場合に、おくれて成立するのですが、これを施行する際に、法案が通る、通ったと同時に施行するか。それとも徴税技術その他のこと。それから小売商人におけるところの混乱等を避けるために、二、三日あるいは幾日かの猶予期間をそこにおくか、その点が一点。 もう一点は、これは衆議院においては政府原案の欠減量三・七%を一・五%、半分以下に修正して、数字を合せてきておりますが、それは見込量の問題で押せなかったかと思うのでありますが、この目減りの点でありますが、政府原案におきましては三・七%、それが衆議院修正においては半分以下の一・五%になっておりますが、こういうふうに修正されても一向差しつかえないものかどうか。また政府側のこの原案に対する欠減量の数字の基礎、それを御説明願いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 衆議院の修正に伴いまして、だんだん、修正議決ばかりではございませんが、これを御審議いただいて、いつから施行するかということは、やはり法律にはっきり書いていただかないといけません。なるべくわれわれは早くいたしたいと思うのでございまするが、これは法律に書かないといかぬことになっております。 それから欠減の三・七%の根拠並びに一・五%についてやっていけるかどうかという問題につきましては、主税局長より答弁させます。
○政府委員(原純夫君) 三・七%という数字は、かつて石油配給公団が仕事をしておりました時分に得ました経験から、この数字が出て参っております。その後、この数字がいろいろ多過ぎるという御議論がたびたびございましたが、なかなか的確なデータがない、しかしどうも多過ぎるようだ、これは今回は私ども、相当の増税になりますから、そこまで手を触れるのはと思っておったのでありますが、衆議院ではこれを削るようにという御趣旨でお直しになったのであります。お直しになる場合には、法律は率は政令に譲っておられますので、政令の方でそういう手当をするということに相なると思います。
○戸叶武君 目減りの点で衆議院が修正を行なったとき、もちろん政府は半分以下に切り捨ててもこれに応ぜざるを得ないでありましょうが、この問題は消費量の推定の数字であります。この問題は私は、参議院において今後各委員から十分に、与野党を問わず、衆参両院において決議も前にされておって、政府側と、この点は意見の若干の違いがあるので、政府はとにかくまだまだ税金をかぶせてやってもいいという見解だし、われわれは、ある限度にきている、少くともその間をとるにしても、ただ単に目減りの技術的な措置だけじゃなくて、消費量の推定の問題に対しての論戦をかわされて、それによって決定的なものが出てくると思いますが、参議院において、もちろんそういうふうな推定量の結論が政府側と異って運輸省の見解に近いような数字が出たとき、当然政府はそれに応ぜざるを得ないのですが、それに対しても衆議院における目減り問題を中心としている修正に対して、政府は謙虚な態度で応じているがごとく、謙虚な態度でこれまた応ぜざるを得ないと思うのですが、それに対する政府側の心境をお聞きしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 衆参両院の御決議が出てから考えたいと思います。
○村上義一君 私は今回提案になりましたガソリンの増徴は、軽油税の増徴とひとしく、どうしても納得できないのであります。そこで政府当局に二、三のお尋ねをしたいのであります。で、ただいま戸叶委員長からお話がありましたごとく、運輸委員会におきましては、衆参とも昨年末に、ガソリン税の増徴は絶対に反対である、絶対に避くベきであるという決議を超党派的に満足一致でなされましたことは、すでに今も大蔵大臣がよく承知しておるというお話でありました。その理由とするところは、要するに自動車業界はもう税の負担の限界に達しておる、限界をあるいは越えておると見られる。従ってこの上、税を過徴することは自動車界の発達を阻害する、同時に輸送力の増強を非常に阻害する結果になるという理由であったのであります。この両院の運輸委員会の会員一致の決議を無視して今回提出されたにつきましては、よほど確固たる動かすべからざる根拠が、理由が必要であると思うのであります。ただいま戸叶委員長の質問に対してお話になりましたことは了承しまするが、それだけではどうも納得がいかないのでありまして、のみならず鮎川道路調査会にしましても、あるいは全国道路利用者会議にいたしましても、さらに日本商工会議所の税制調査会にいたしましても、ひとしく同様の意見を発表いたしておるのであります。しかるに反対に増徴が適正なりというような意見は、私は不敏にしてまだ耳にもせず目にも見ないので、ありまして、全く世論の動向がここにあると私は信じておるのであります。さらにまた政府の基本方針と申しますか、この一千億の減税、拡大経済の推進ということは、基本政策として強く各般の措置に織り込まれておるのであります。この経済拡大につきましては、ただいまも触れられましたごとく、輸送力は鉄鋼なり電力とともに非常に隘路になっておるということで、諸般の施策をこれまた政府は講じておられるのでありまして、さらにこのガソリン税について考えますると、一方において一千億の減税、これに相背馳する措置であると思うのでありまして、さらに他のもう一つの基本政策である経済の拡大推進につきましても、また隘路を一そう深からしめるという結果になると思うのでありまして、つまり政府の基本政策と矛盾する案であると考えざるを得ないのであり、繰り返して申しますれば、両院の運輸委員会のあの決議を無視し、世論の動向を尊重せず、さらに政府の基本政策と矛盾するというふうに私は信ずるのでありまして、この点について政府の御所見、特に大蔵大臣の御所見を伺いたいと思うのであります。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほどお答えしたところを繰り返すようでございまするが、衆参両院の御決議の点は知っております。しかし道路の早急なる整備ということは急務中の急務でございます。従いまして、五カ年計画の中途でございまするが、今後大々的にこれをやっていこう、これが日本の経済増強の基本であるという考え方で、われわれは臨時税制調査会におきましてもこの点を諮問いたしたのでございます。で、臨時税制調査会におきましては、道路整備の緊要性等から見て、その実施計画に対応して相当の増徴をはかる必要があるという答申を得ておるのでございます。しこうして、この千億減税と国鉄及びガソリン税の引き上げの矛盾というお話でございますが、私は先ほど申し上げましたように、所得税はあまりにも高すぎる、これはどうしても合理化しなければならぬ、この観念は動かし得ませんので、皆様方の御賛成を得まして引き下げることにいたし、四月一日から施行しておるのでありまするが、片一方での国鉄あるいは揮発油につきましては、国鉄について申しますると、私はやはり独立採算制がいいのだ。私は昔、大蔵次官をしておったときに、取引高税というものを設けまして三百数十億円の税金を取った、そしてこれを国鉄の方にほとんど同額を出しておった。私はこういう制度はよくない。やはり取引高税はやめて鉄道運賃を上げるべきだという議論に立ちまして、初めて政界に出ましたときにそれを主張してきたのでありますが、やはり税金を取って国鉄の赤字をまかなうことは不自然だという考え方で、取引高税をやめ、鉄道の運賃の引き上げをやったことは、皆さんが御承知の通りでございます。こういう趣旨を通していって、やはり国鉄は国鉄の独立採算制のもとにやっていこうという考え方でいっておるのでございます。これまた皆様方の御賛成を得まして施行することにいたしたのでございます。 最後のガソリン税につきましては、これまた繰り返すようでございまするが、道路の整備が非常に早急に必要であるというときに、この財源をどこから出すかという問題につきますると、今のお話では、税をして、片一方は増税するというのはどうかと、こうこうお話でございますが、私は、減税はぜひやらなければならない。しこうしてその財源をどこから求めるかということになって参りますと、一般会計の方からできるだけ出したいと思うのでございまするが、何分にも歳出面でこれに多くを期待することができない、しからば急に差し迫った道路整備は、やはりガソリン税に相当たよらざるを得ない、こういうことから、やはり道路の補修も各国の例のように自動車関係の税でできるだけまかなう、そして今後におきましては、一般会計からも相当出していくことにしよう、そして十カ年計画を完成しよう、こういう気持でおるのでございまして、減税と、国鉄あるいはガソリン税の増徴は、一見矛盾するようにお考えになるかもわかりませんが、私の趣旨としましては、国鉄の独立採算制、そうして道路の補修は、ガソリン税の増徴、加うるに一般会計からのできるだけの歳出の増加、これでいきたいという考えで、こういう案を出した次第でございます。
○村上義一君 ただいま大蔵大臣から、るる懇切な御答弁がありましたが、どうも私としては、なおかつ納得がいかないのであります。しかしこれは繰り返しておっても仕方がありませんから、次に移りたいと思いまするが、昨日の質疑応答にかんがみましても、また本案の提案理由の御税明によりましても、受益者負担ということが、いわゆる目的税的のガソリン税によるということに関連しまして、受益者負担ということを非常に強く打ち出しておられるのであります。受益者負担という観念は、これは私は正しいと思うのであります。しかし自動車関係者、特に自動車業者に対しまして、受益者負担という今日の適用方法と申しますか、これが筋が通らぬと私は思うのであります。今日三十二年度の道路費に対して、ガソリン税は五百四億、一般財政からわずかに四十四億ということに相なっております。しかしながら自動車界におきましては、ガソリン税以外になお八種目ほどの税がいろいろ賦課されておることは御承知の通りであります。衆議院の会議録を読んで見ましても、主税局長が全体の自動車からとっておる税額は八百四十億に及んでおるということを説明しておられます。おそらく事実でありましょう。で、この五百四億と、昨年度はさらに三百何億かの数でありましたが、八百四十億との、この差額の大部分は地方公共団体に収納せらるべきものでありましょう。しかしなお国庫に納入されておる金額はかなり大きいものがあると思うのであります。で、わずかに三十二年度におきまして、四十四億だけ一般財政から道路費として支弁されるという予算がすでに決定したのであります。非常に私はこの額が少いと思う、しかし今日の道路の現状と国民の要請とを考えますれば、今後道路整備の事業費は非常に大きいものがあると思うのであります。今建設省で持っておられます整備十カ年計画というものは一兆七千億の総額に達しておるように承わっておるのであります。現在の要請にかんがみまして、まことに適当であると思うのでありますが、しかしこの受益者という観念が非常に間違っていやしないかということを思いまするのは、かりに十年間に今日、国民、国家の要請する道路を改修して完璧なものになると仮定いたしますと、三十二年度における業者はその利するところはきわめて微々たるものであると思うのであります。いろいろ工事のために一そう車をこわすとか、あるいはまた回り道をせんならんというようなことすらも、現実においては認めざるを得ないのであります。しかも税金は十分の一を完全に納付せんならんということに相なるのであります、特に十年で完成するものと仮定しますれば、十一年目に営業する自動車業者はもう完璧な利益を受けるのであります。しかもそのときには税は要らないと、理屈としてそういうことになると思うのであります。ちょうど米国や西ドイツのガソリン税の税額が三〇〇%、あるいは四〇〇%になるということは、今の事例で言えば、日本でも十一年目、十二年目にはそういうことにならざるを得ないのであります。そこに、この受益者負担の観念が正しく適用されてないということを思わざるをえないのであります。この点について政府の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 国家行政の点から申しますると、村上さんのおっしゃるような点が非常にあるのでございます。国がいろいろ施策をいたします場合に、建設の途中においては十分利益を得ない、しかし建設した場合にはそのときに負担した人はいなくなる、こういうことでございまするが、そういうのは、長いと短かいとにかかわらず、いろいろあるのでございます。受益者負担ということは、これはそれを利用する人の負担という意味でございます。たとえばお酒で申しますと、飲む人の負担と、こういうことになっておるのでございまするが、受益者はわれわれはあくまで国民だと考えておるのであります。決して業者ばかりだというふうに考えておりません。従って早くとにかく道路をよくし、そうして道路がよくなった場合におきま出しては、これはガソリン税はどうするかという問題は起ると思いまするが、おもに十年計画をいたしましても、十一年目からもう道路の拡充はないとも限らぬと思うのでございます。従いまして、こまかい計算になりますとそうでございまするが、長い目で国をどうして持っていくかという場合におきましては、私はやむを得ない次第と考えておるのであります。
○村上義一君 ただいま大蔵大臣からお話がありました、今事例をお引きになりました酒の税金のお話であります。これのごときはその年に作ってその年に大体飲んでしまう量を作るのであります。で、その年の飲む人が負担する、これは適正な課税方法であるということは言い得ると思うのであります。ところが、お説のごとく、これは第一次十年計画というものではとうてい満足すべき結果は得られぬと私は思います。おそらく続いて第二次十年計画というものを実行せんければならぬだろうと想像いたしておるのであります。そうすれば、この事業に対しては十年でかりに完成すると仮定しますれば、十年を一期とした考え方を持つ必要があると思うのであります。で、さらにその後これを利用される業者、自動車の所有者に対してのことを考えますれば、二十年、三十年を一期として考えなければ非常に不公平であると信ずるのであります。もちろん、ただいま運輸委員長からの質問に対してお話もありましたし、また昨日の質疑応答についても、この点に触れられたのでありまするが、相当長期にわたっての方策をおそらく練達堪能な大蔵大臣はお考えになっておると私はお察しするのでありますが、大体どうしてもこういうものは長期にわたって、一会計年度とすることはできませんでしょうが、今の予算の国家財政の按配のプリンシプルに適合するように長期の道路公債等を発行する、そうして特別会計にして、自動車関係の諸税をその特別会計の収入にすることはもちろんのこと、相当額の一般財政からの繰り入れも収入に立てることも必要であるでありましょうし、とにかくそうしてその特別会計で工事を遂行する、つまり一面において道路整備の財源を確保していくと同時に、他面においてその利子及び長期の償還金額を自動車に負担させるということになってこそ、初めて利用者負担と申しますか、受益者負担と申しますか、この観念が徹底するのではないかと思うのであります。この点についておそらく大蔵大臣はいろいろお考え中のことと思いまするが、願はくは一つ露骨にお考えのところを話していただきたいと思うのであります。
○国務大臣(池田勇人君) まことにごもっともな御意見で、私といたしましては村上さんのような気持で進んで行っておるのであります。道路公団を設けました気持もそこにあるのであります。しかし今一般会計の方から直ちに公債を発行してどうこうというわけにはなかなか参りません。国といたしまして公債の在り商というものは、もう各国に比較いたしまして、日本は問題にならぬほど国債が少いのでございます。アメリカのような持てる国でも国民所得と匹敵する国債を持っております、日本で言えば八兆くらいの国債を持っている。アメリカと同じように、イギリス、フランスは国民所得よりもうんと上回っている国債である。こういう点から申しますると、日本の財政は国債の点からすれば非常によろしゅうございます。外債を入れましても、長期の国債は五、六千億程度でございまして、賠償が相当額に上りましても、国債という点から申しますと少いのでございますが、しかし国債が少いからと言って、今直ちに日本の道路を公債によってやるということは、これは非常な一つのインフレーションの原因になる。従いまして、窮余の一策といっては言葉が過ぎるかもわかりませんが、道路公団によって、民間の資金で一つ直していこうというところまで進んできておるのでございます。何分にも日本の道路は根本的にやりかえなければならぬ。それには非常に金が要りますし、その金はみんなが力を合わせて出していかなければならない。これは国民全体の務めであり一業者だけの問題ではないと考えます。で、私はガソリン税の引き上げによって国民お互いに負担し合って、早急にこの道路を直すという考え方からきておるのでありますが、先ほど申しましたごとく、食糧増産も必要だ、社会保障制度も必要だ、いろいろな必要な点がございまするが、それにも劣らない道路の改修の必要がありますので、今回はガソリン税の相当の増徴の案を立てて皆さんに——業者を初め国民に非常な迷惑をかけておるのでございまするが、今後におきましては、経済活動の進展に伴いまして、一般会計からもできるだけの繰り入れをしよう、また道路公団の方の業務の拡張をやっていって、とにかく非常に隘路である道路を根本的にやりかえるという気持で進んでいきたいと思っておるのであります。
○村上義一君 このガソリン税を初め自動車業者の負担している諸税のみによって、今後の一兆七千億に達する道路整備計画を実行していこうとした、これは、しょせん私は不可能だと思うのです。これは大蔵大臣、百も御承知だと思う。結局道路整備十カ年計画、あるいは第二次十カ年計画ということは計画のみであって、画餅に帰してしまうということを私は心配しまするがゆえに、今のような質問を述べたのであります。で、現段階において大蔵大臣はこういうことを考えておるということをお話できないのでしょう。大蔵大臣としては抜本的な、これに対応する道路を抜本的に道路らしい道路に整備するということなんであります。その財源については、もちろん抜本的なここに方策を財源について樹立せんければ、どういう計画も画餅に陥ることは明らかなんであります。すみやかにそれを樹立、考案していただきたいということを強くお願いして、もう一点、他の問題についてお尋ねしたいと思うのであります。 それは、今も早川委員、また戸叶委員長からもお話があり、昨日もお話があったのですが、三百九十万キロリッターの想定がどうも納得がいかないのであります。一面におきましては、もとより外貨予算あるいは輸入方針という点から、ガソリンの輸入、重油の輸入ということは大体見当のつくことはもちろんであります。しかしながら私が製油技術家から聞いておるところによりますと、重油からガソリンを抽出する場合に一割前後はどうにでもなるということを聞いておるのであります。それは一般の需要のいかんによってあるいは石油をふやす、軽油をふやす、いろいろ需要をマーケットをながめて抽出量率を変えていくということを承わっておるのであります。おそらくこの三百九十万キロリッターというものは最も安全率を見ておられるのじゃないかと思います。需要によって、マーケットの需給関係によってガソリンの供給量を変えられるという製油技術者の意見を前提として考えますると、どうしても今後の自動車数の増加ということに消費量は、重点を置かなくちゃならぬのじゃないかということを考えまするので、戸叶委員長からもるるお話もありましたごとく、過去の数年間の実績に徴しましても、大体四%半ないし七%半という分量がなお消費量がふえるのじゃないかということを考えるのであります。しかしながらこの点をお答えを望みましても、おそらく今までお話を伺った通りの御返事だろうと推測するのであります。別に私は御返事を望みません。しかし私はどうしても三百九十万キロリッターが全消費量だ——もとより減耗率も含んででありますが、ということはどうも納得がいかないということだけを述べて、私の質問を終りたいと存じます。
○大倉精一君 きのうから質問をして、各委員の質問、それから当局のお答えを聞いておりましたが、どうしても納得のいかない個所が数々あるので、あります。その中でやはり一番問題になって私が釈然としないのは、消費量の問題であります。今、村上委員は答えはいいとおっしゃいましたが、問題はこの問題がはっきりしない限りは、どうもガソリン税の増徴に対するこの法案についてわれわれは賛成することができない。でありますから、この問題についてさらに一つ——われわれしろうとでございますから、しろうとにわかるように御説明をお願いたいと思います。先ほどから説明を聞いておるというと、十分に研究をして慎重に審議をしてこれが適当であるといってきめたのである、こういう工合に大蔵大臣が答弁なすっておるんですが、慎重審議をした結果、一万円から八千円に下り、八千円から六千五百円に下り、六千五百円から五千三百円に下った。これが慎重審議の結果だということでありまするが、どうも私しろうとで考えてみるというと、政府案が三百九十万キロ、それから政調会ですか、あなたの方の政調会、これが四百二十一万キロというふうに出しておる。それから値段が、六千八百円から五千三行円、どうも政調会の方でいきますというと、四千円ぐらいでいいという話になるのですが、われわれしろうとから考えるというと、どうも六千五百と四千円と足して二で割るとちょうど五千三百円になる。どうも米価もそういうようなことをおやりになったのですが、そういう気がして仕方がないのです。どうも二つ足して二で割ってこれで一つ妥協しようじゃないかというようなことを言った、どうもそういう気がするのでありますから、もう少し、重要な点でありますから承わりたいと思います。そこで年間消費量をどういう工合に算定するか、これはしろうとでわかりませんが、一つ一つお聞きしますから、一つわかるようにお答え願いたいと思うのだが、三十二年度の原油の輸入見込みはどのぐらいになっておりますか。これはどなたか専門家にお聞きしたいと思います。
○政府委員(森誓夫君) 三十二年度の需給計画としましては、輸入原油が千五百五万二千キロということになっております。
○大倉精一君 そこで国内の生産額はどのくらいになりますか。
○政府委員(森誓夫君) 国産原油の生産は二十五万キロとみております。
○大倉精一君 そういうことになるというと、ちょっと勘定が合わなくなる。千五百万キロというお話ですが、さらにあと数字が千四百六十万キロという数字もあったようですが 一応千四百八十万というまあ平均——まん中を一つあなたにならってとってみて、それで国内原油が三十五万キロということになると、千五百十五万キロになる。そこで大体原油からガソリンをしぼり取る率はどのくらいのものになりますか。何パーセントぐらい取れますか。
○政府委員(森誓夫君) ガソリンの御率はその年年の各石油製品の需給の状況によって変っておりますが、過去三、四年の実績についてみますると、最高が大体二八%一六、それから最低が二五%五というようなことになっておりますが、三十二年度は大体二六・五%前後という想定をもって計算をいたしております。
○大倉精一君 これもまた最高から最低まであってややこしいのですが、ちょっと私にはわかりかねるのです。かりにそのまん中よりちょっとし上をとって二七・五%としますと、ちょうど四百十六万キロになる。そこで製品の輸入は大体五万キロであるとみていきますと、ちょっと運輸省案と政調会の案の四百二十二万キロという工合になるが、これはどうでしょうか。四百二十一万キロでいけないのでしょうか。
○政府委員(森誓夫君) 原油の輸入量は、それを全部つぶすということにはなっておりません、最近のいろいろな国際情勢による石油製品及び原油の供給の不安定なことを考えまして、三十二年度は在庫量を相当ふやすということを計算に入れて輸入量を算出しておるのであります。
○大倉精一君 在庫量をあんばいしてみたり、それからしぼり取る率をあんばいしたり、あれやこれやあんばいしてみるとどうにもなるということになるのですが、そうしますと、大蔵省原案の三百九十万キロというものはこの計算方式でいって、輸入はどれだけとみて、国内産はどれだけとみて、それから原油量の得率はどれだけと見て、製品輸入はどれだけと見て、それから在庫はどれだけと見るか、これを一つ説明してもらいたいのです。そうして、三百九十万キロが出た経過を説明してもらいたい。
○政府委員(原純夫君) 大蔵省案のお尋ねでございますから申し上げますが、それはただいまお話しのような点について、通産省で計画されました数字の結論をちょうだいしてやっておるわけであります。ただいまお話しの原油の輸入、それから得率というものを通して出てくる、つまり原油の輸入が一定量あるということが絶対必要だという問題でなくて、通産省のお考えは、三十二年度揮発油の消費がどれだけ必要か。もちろん、そのほかの石油製品の消費も合せて考えておられるわけでありますが、そのためには幾らの原油が要るかという計算をしておられるように伺っております。従いまして、数字はただいま鉱山局長の言われた通りであります。ただその数字は、三百九十万キロからスタートして原油の輸入が出たわけで、ありますから、逆にそうやって原油の輸入を固定して、その次の得率を動かして、三百九十万キロを変えるということには相ならないように承知いたしております。
○大倉精一君 そういう答弁によりますというと、私どもしろうとにはわからんことになるので、要するに、われわれがなるほどそうなるかという工合に説明を願いたいというのが私の注文であるわけです。ですから、通産省は通産省でけっこうですから、輸入はどれだけで、国内産がどれだけで、それからこれの原油からの得率をどれだけかけて、それから製品の輸入がどれだけで、国内消費量がこれだけだから、これだけ国内在庫量を持つ。こういう工合に説明をしてもらわないと、われわれは納得できないわけです。
○国務大臣(水田三喜男君) ちょっと私から申し上げますが、私の方の計算は、御承知の通り外貨予算をきめなければなりませんので、外貨予算の算定の基礎として、一応今年度の需要量を想定する。で、さっき村上委員からお話しがございましたが、一応三百九十万キロ需要量が必要だと申しますと、得率で割って、そうして、どれだけの原油を入れればいいかということをきめて、原油の輸入をするわけですが、その原油量あるいは需給の状態によって、得率を一%増して、そうして現実に国内でこれ以上多く作るか作らんかということは無関係で、実際においてはそういうことがあり得ると思います。三百九十万キロの需要と私どもが想定しても、業者が四百万キロ作ったり、四百十万キロ作るということはあり得ると思いますが、私どもの方の計算は、外貨予算をどう組むかということのために、その基礎を算定するということでございますので、これは先ほど申しましたように、たとえば昭和二十九年度におきましては、私どもの見込みは二百四十万キロリッターでございましたが、実績を見ますと、二百三十二万三千キロ、少し当初計画の方を私どもは石油について多く見ておった。三十年度になりますと、二百六十八万キロリッターの需要があるだろうと私どもは当初計画では想定しましたが、実績を見ますと、二百六十五万七千キロ、これはほとんど当初計画と実績が合っております。先ほど戸叶さんが合ったことがないと言われましたが、ほかの方はあまり合いませんが、石油の見込みだけは合った、三十年度は、さっき大蔵大臣が御説明申し上げましたような事情で、急速に伸びて二六%ということでございましたが、これを過去のこういうことから傾向の伸びを一定の方式で、算出した結果、一六%増の三百九十万キロで、これをもとにして外貨予算を決定しておりますので、これによって輸入された量から得率を若干動かして、国内で多く産出されるだろうというような問題とは別でございますので、これを御承知願いたいと思います。
○大倉精一君 統計の合っていないことは、これは戸叶さんが特別の事情があることを知っておられますから、あとから御発言があると思いますが、それは抜きにしまして、そういうことになるというと、いわゆる消費見込みが三百九十万キロ、これから逆算したというのですが、これが私は問題にしている焦点なんです。そこで運輸の専門の省であるところの運輸省、これが四百二十一万キロというそろばんをはじいておる。それから自民党の政調会の中にもたくさん運輸関係のベテラン、専門家がおると思います。これも運輸省の統計に同調をしておる。その通りだと書っておる、ひとり大蔵省ががんばっておる。そこで私は、聞きたいのは、先ほど大蔵大臣は、運輸省は運輸省として、そういう可能性があるということを書っておるにすぎない。全般をあたかも見ていないようなことを、まあ私はそういうニュアンスを受けた。全般を見ておるのは大蔵省である。こういう工合なニュアンスを受けたのですが、政調会は質問の対象にならんと思いますが、運輸省の力は、全般を見ずにこの四百二十一万キロというのを、大体運輸省独自の独立した立場でもってそういう算定をされたのか、その点について運輸大臣見ませんから、局長からお伺いしたいと思う。
○政府委員(山内公猷君) 昨日来御答弁申し上げておりますように、運輸省といたしましても三百九十万キロリッターの推定を正式にいたしております。その理由といたしますことは、昨年の予算編成時に、各部との連絡によりまして割り出した数字であります。従来このガソリンの推計につきましては最小自乗法を使いまして推計をいたして参っておるわけでございます。そうなりますと、三百九十万キロリッター、通産省の言われるようなふうになるわけでありますが、年度に入りまして、特に政調会方面からその推計が少し辛すぎるのではないかというお話しがございました。これも昨日御説明をいたしましたように、三十一年の四月、五月あたりから車の伸びが異常にふえて参ったわけでございます。それは統計的にわかるわけでございますが、大体九月くらいまでは非常に——わかりやすく御説明申し上げますと、月間の車の伸びが一万両くらいであったわけでございますが、九月以降が非常に伸びが大きくなりまして、二万両あるいは二万二、三千両というものが、月々に車の伸びがふえて参ったわけでございます。それでいろいろの委員会で問題になりましたように、最小自乗法というものが、いわゆる長期の見通しをするものでございまして、短期の見通しをしたならばどうであろうかという試算をいたしましたために、参考のためにこういう考えもあるという計算を政調会に示したものでございます。それによりまして、いわゆる短期の数字をとりまして、その当時やりましたのは、十一月までの数字がわかっておりましたので、それから半年くらいさかのぼったものを基準にいたしまして、その平均増加割当を見て、そういう輸送の実勢が続くという想定のもとにやった数字が四百二十一万キロリッターということでありまして、昨日も申し上げましたように、これは輸送の伸びが果して続くかどうかということは、経済の規模をそのように拡大していくかどうかということに非常に関連するわけでございますが、運輸省としても、これはでたらめでないということは、われわれ事務当局として考えておりますことは、輸送あるいは車両の生産というものが、これは御了承のように一般経済から半年くらいずれて現われてくる状態でございます。それで昨年のいわゆる経済の伸びが、四、五月ごろから一応アップ・カーブをとってきたということは、われわれの方の作業の数字からも出るわけでありまして、たとえば、営業用貨物自動車、普通車に例をとって見ますと、昭和三十一年の一月から二月には百三十九両減っております。二月から三月には千三百九十四両減っております。三月—四月は二十八両減っております。減り方がなだらかになって参りましたのが、四月から五月には百四十八両ふえまして、五月から六月には三百五十四両ふえ、九月—十月には九百二十八両ふえ、十月から十一月には五百四十九両ふえておるというアップ・カーブを示しております。それで、そういう点で考慮いたしまして、いわゆる短期にそういう輸送の見通しをしたならば、三十二年度の輸送の姿はどうであろうかということでございまして、われわれの方といたしましては、御承知の通り、輸送の隘路を叫ばれておりますために、この輸送の需要に応じますためには、いかに自動車輸送を伸ばすかということを、毎月あるいは三カ月というように輸送の見通しをやっておりまして、短期の見通しも試算として常にやっておるわけでございます。そういう見解をとれば、少くとも半年ぐらいはこういう情勢が続くということの基礎の上に今われわれの方の試算をいたしたものをお示しいたしたわけでございまして、これは、経済の実勢が解決する問題でございますので、経済官庁である役所の見通しがはっきりすれば、運輸省もそれによってまた輸送を考えるということになるわけでございます。
○大倉精一君 何かもやもやした答弁ですが、もう少し自信のある答弁をしてもらわなければ困ると思う。あなたの言われることは、結局輸送の伸びがどうなるかということによってというお話でありますが、運輸省としては、輸送の伸びについて、トラックあるいはハイヤー、タクシー、そういう自動車の伸びについての見通しはどうも自信がないようなお話ですが、これは非常に遺憾だと私は思う。もうすでに、言われたように、四月から五月までは百四十八両、それから三百五十四、七百二十六、五百四十九両、あるいは九月以降急に伸びておる。しかも、来年度以降は七百万トンくらいのものはどうしても海上輸送に鉄道貨物が移譲しなければならぬというような、転稼しなければならぬというような情勢にある、だれが考えても、トラック、ハイヤー、タクシーが伸びるにきまっておるとするならば、これは、いわゆる三百九十万キロよりもむしろ四百万キロ、これをとるというのが常識のように思うのです。そこに何か大蔵省という一つの強い力があって、これにどうも押されてきたような気がするのですが、運輸省としては、もう少し自信を持った答弁をしていただかぬというと、われわれ判断に非常に迷うわけです。今あなたの答弁で見ると、大蔵大臣がさっきおっしゃったように、経済の全体の問題はおれの方だということになって運輸省は、あたかも経済全体の問題のワク外におって、あなた方独自で勝手な数字をあげておるような印象をわれわれは受けるわけですが、そういうことではわれわれ納得ができない。今の大蔵大臣、あるいは運輸省、あるいは通産省の御答弁から見ると、なかなか私は足して二で割った感じが抜けきれないのです。ですから、この問題は、これはまた各委員からいろいろ追及があると思うのですが、これは大事な問題でありますから、この連合審査が終りましたならば、大蔵委員会において、この問題についてさらに小委員会等を設けて、再検討されるということが至当だと思うのですが、これは大臣に伺っても仕方がないですな。(笑声)そういうことが私はいいと思います。そこで、この際お伺いしておきたいのですが、健康保険の問題が衆議院から参議院へ上って参りまして、そうして、参議院では、いわゆる内閣委員会に小委員会を設けて再検討をして修正可決をいたしました。でありますから、ガソリン税におきましても、こういうような問題がある。いろんな内部で明確を欠いた問題がある。従って、やはり参議院の一つのあり方としまして、衆議院が通ったんだから丸のみするということでなくて、こういう疑問があれば十分にその問題について小委炭会を設けるなり、あるいは研究をして、そうして適当な格好に修正をする、こういうことが可能であると思うのですが、こういう問題について大蔵大臣のお考えを承わりたいと思う。
○国務大臣(池田勇人君) まず第一、三百九十万キロの問題でございまするが、例年非常にこれが問題になることにかんがみまして、次官会議でも一応検討願ったのでございます。もちろん、運輸次官も参加せられまして決定をみたのでございます。三百九十万キロに各省異存はございませんでした。閣議におきましてもそういうふうに決定いたしたのでございます。私は、今自動車局長の話を聞きまして、いまだかつてない日本の好況が具現した昨年の四、五月ごろからずっと九月、十月までのあの数字を曲線的に伸ばしていったならば四百二十一万キロになり得る可能性がある、こういうふうに私は説明を聞いておるのであります。これに異存があったら、自動車局長の分を私自身聞いてもよろしゅうございますが、通産省の過去の実績をもとより見ながら、最近の数字を見て、これを曲線的に伸ばして、運輸省の分は最も好景気であった四、五月ごろから十月、十一月ごろまでのあの伸びをそのまま続けて行くものとお考えになった場合、これは運輸省で決定的に考えられたものじゃないらしいですが、こういうような見方もあるということでお出しになったと思うのですが、それは私はちょっと危険ではないか、昨年の五、六月ごろから十一月までのあの生産の増強の伸び等を見まして、それをそのまま持って行くということは、歳入の確実性を期する上からいって非常に危険ではないか、こういう意味から、私は通産省の分をとったわけでございます。これは大蔵省がとったというのではございません。次官会議、閣議でとった次第でございます。 次の健康保険の問題等につきまして、いろいろお話がございましたが、これは国会でおきめいただくことでございますので、大蔵大臣からとやこう言う筋合のものではないと思います。
○大倉精一君 まあ、この問題は、これは水かけ論になるのですが、大事なことは、やはり道路が整備されていく、車がふえる、これは当然の成り行きであって、現在貨物自動車、ハイヤー、タクシーにしても自家用車にしても、自動車の需要がふえております、ただ、これを運輸省が抑えているだけなんです。でありますから、自動車の増加趨勢というのは時代の必須の流れであって、これは否定するわけには行かないわけであります。であるから、道路をどんどん整備しなければならぬ。でありますから、委員会といたしましては、観点を変えまして、先ほど大蔵大臣が自動車の受益者負担の問題に対しまして、一般の所得税は非常に高いから、どうしてもこれは軽減をしなければならぬ。半面に、自動車の方はまだ税負担の余地がある。であるから、これに対して負担をしてもらうのだというような説明をなすったんですが、果して自動車には負担能力があるかどうか、私は、ここに大蔵省の主税局が出した資料がありまするが、これをめくって見て非常に奇異に感じましたことは、たとえば、自動車のコストの問題でありまして、走行費の原価という参考書がここに来ておりますが、この中のたとえば普通乗用車のところを見てみますというと、大体キロあたり燃料費、特にこの資料と、それから全国乗用自動車協会あるいは東京旅客自動車協会、ここから出ておりますところの資料、と比較対照してみますというと、たとえば走行キロ一車当り一日平均の走行キロは業者の方は三百六十キロというキロが出ております。ところが大蔵省の方の資料では大体百キロというような資料が出ておるのでありますが、大蔵省のこの一日走行キロ百キロというキロはどこから出されたのか、ちょっと伺ってみたいと思うのです。改装舗装自動車道路百五十キロ、改装済み道路百キロ、こう出ております。
○説明員(吉国二郎君) ただいまお持ちの資料は、多分昨年の十月主税局で作りました「揮発油税引き上げに関する増加負担と道路改善による走行比減少との関係」、この資料だと存じますが、この資料の計算は当時こういう計算をいたしておりました一番権威のある鮎川委員会の計算基礎の数字をちょうだいしてやったのでございます。
○大倉精一君 この走行キロの数字の違いというのはこれはハイヤー、タクシーあるいはトラック業者の実態の把握に非常にそごがあると思うわけです、現在東京都内を走っているハイヤー、タクシーはおそらく三百五十キロから四百キロ、警視庁の方はスピード違反で血眼になっておりますが、ここに統計があるように三百五十キロか四百キロ、こうなりますというと、一時間時間待ちを入れて二十五キロ走らなければならぬ。当然これはスピード違反、法律違反をしなければやれないというのが今の実態だと思うのです。百キロ、百五十キロと抑えて、こういう認識のもとにいや負担能力があるのだ何々があるのだということになると、非常に大きなそごがあると私は思うのです。そこで先ほど負担力があるというお話しがありましたが、この業界から出ました資料——これは確実かどうかわかりませんが、この資料によりますというと、他の産業のいわゆる租税公課負担率が、全産業負担率が一・八七五%になっておるのだが、ハイヤー、タクシー、これが八・四六三%、トラックが八・二一〇%、バスが七・〇四三%となって非常に高率の負担をしておるようにこの表には載っておるのですが、こういう点につきましてはどういう見解を持っておられますか。
○政府委員(原純夫君) ただいまお話しの数字は同じペースでものをごらんにならないで、自動車の場合だけ見方を変えておられるように承知いたしております。つまり何と申しますか、料理屋で遊興すると、遊興飲食税がかかる、お酒に酒税がかかる、それからずっとこの酒屋さんの法人税が幾らだと、それまで入って言っておられるので非常に大きくなっております。私どもが法人企業統計によりまして承知いたしておりますところでは、昭和三十年度について申しますと、全産業で租税負担割合は一・九四%、これは収入に対する負担割合です。自動車運輸業のみの場合は一・九〇%、これは同じ方法を使って計算いたしますとそうなるので、ただいまの数字は基礎がどうもそろっておらないというふうに承知いたしております。
○大倉精一君 むろんこれはしろうとの統計でありますから、あなた方の細かいむずかしい統計とは違いまして、われわれはこの統計を基礎にして、これは高いと思うのはこういう数字があるから。が、しかしながら実際問題としまして、今ハイヤー、タクシーの人人やあるいはトラック業者、そういうような人々がこれだけ税金をとられる、上げられるというとやっていけない、やっていけないと言って大騒ぎをしておられるのですが、この現象はどういう現象なんですか。これは数字の問題は別にしまして、現実の問題としまして、これだけ上げられては困るやっていけないのだと、こういって大騒ぎをしておる。そういう大騒ぎは、これは少し大げさに過ぎるのか、あるいはどういうことなのか、この現象についてのあなたの見解を一つ伺いたい。
○政府委員(原純夫君) 確かにこのガソリン税が増徴になりまして、ガソリンの値段が上ってお困りになることであろうと思います。問題は昨日来いろいろ御議論ありましたように、道路整備の必要とそれにからんでこのガソリン税の現在の負担がどうか、増徴の余地はないかというような判断、それから業界への道路整理による利益、将来の発展というようなことを総合的に判断しておきめになることであろうと思います。ただ実はスエズ問題でガソリンの値段がずいぶん動きました、あれでもずいぶんお困りになっただろうと思います。またその後は、若干落ちついてきておる。そういうガソリン税だけでなくって、他の波動もございますから、その点も合せて、そうして総合的にお考えいただいて道路整備の必要のためにこの程度やむを得ないかどうかというふうに御判断いただく問題ではなかろうかというふうに思います。 なお、自動車業者への影響につきましては、昨日もちょっと申し上げましたが、一つには若干転稼がある、それから走行比が下る、これはもちろん初めの年から普遍的にはなりませんが、だんだん続けて参りますれば下って参る、その受益が一度には出て参りませんけれども、とにかく数年いたしますれば、数年間の道路整備による利益というのはかなり顕著に出て参るということがございます。それらが差っ引きの要素になりますが、かりに全体を自動車業者の収益にかぶるといたしましても、法人、企業統計によります営業収入に対する利益の割合、三十一年上期が七・二二%となっておりますが、この七・二二が二前後減ってくるという程度に全体としてはなる。おっしゃる通りこの小さいところがより苦しむというような問題が出て参る面はあるかと思いますが、全体負担いただくとしても、その程度で転稼ないし受益が出てくるというような面で、それが若干薄まって参るというふうに考えております。
○大倉精一君 運輸省が出した調査によりますというと、バスが収入率現行で〇・九四七八%、ハイヤー、タクシーが〇・九三六八%、 トラックが〇・九八二二%、これが今度揮発油税、地方道路税を含んで一キロ当り一万九千一五百円、軽油引取税、一キロ当り九千円、かりにこういう工合に増すとしますというと、バスの方が〇・九七二四%、それからハイヤー、タクシーの方が〇・九六七%こうなりまして、トラック業はすでに一万円の損になる、赤字になる、こういう統計資料を出しておられるのですが、運輸省としては今の大蔵省の答弁のようにやはりガソリン税の値上げによる負担力は十分であるという工合にお考えになっておるのか。それはこういう統計をお出しになっておるのですから、トラックはすでに赤字になるという統計をお出しになっているのですが、そういう観点から一つ御説明を願いたいと思う。
○政府委員(山内公猷君) トラック業者が特異な形態をとっておりますことはただいま御説明をいたした通りでございます。現在トラックにおきましては公定価格を割っている向きもあるわけでございます。その関係は、結局トラックというものがなかなか運賃を十分にカバーできない形態であるためでございますが、それで今われわれの方の所管しております事業といたしましては、トラック事業が一番業績の悪い事業でございます。今回のガソリン税の値上げ前にすでに原価を割りつつある状態でございますので、ガソリン税の値上げを業界が全部負担をすれば、数字上は赤字になるということは明らかでございます。これに対しましては、われわれといたしましても、昨日申し上げましたように、運賃もまだ幅がありますので、業界においてその運賃の幅一ぱいに取るように業界自体自主的にそういう不正競争をしないという議論になりつつありますし、またそういう業界間の話し合いも進んでおりますのと、それからそれでもどうしてもいけなければ、やはりしばしば大蔵省当局からもお話がありますように、一般の利用される方にも負担をしていただかなければならない、かように考えるわけであります。業界自体といたしましては、まだそういう点に対する意思表示がありません。この運賃は、道路運送法八条に示しておりますように、適正な原価と適正な利潤を得るような運賃をいただくということになっておりますので、申請があれば当然この法律に従いまして運賃値上げは認めざるを得ない。その場合にはガソリン税の値上げ率も原価に算入し計算することは当然でございます。
○大倉精一君 値上げ可否の根本論はこの際やめにしましても、一言だけいうならば、鉄道運賃が上る、ガソリンが上る、電気が上る、ガスが上る、バスが上る、あらゆるものが上っても、大蔵大臣は迷惑にならぬという広言をしておられる。これは一つ結果を待って大いに論議をしたいのだが、こういうように先ほど大蔵大臣の答弁からいいましても、受益者負担といわれても、受益者は国民です。こういうことの裏には当然運賃に転嫁をする。こういうふうな前提に立っておられると思うのですが、きのう私が申しましたように、トラック業者から運賃改訂の申請がないとおっしゃるのですが、運賃改訂の申請ができない態状にある。今いわれても定額料金がきまっておる。超過料金がきまっておる。きまっておるが、そのきまっておるだけを取ったのでは商売にならないから、どんどん割って、そうして競争しなければ商売にならぬ。ハイヤー、タクシーもそうだ。汽車賃の下ったためしはありませんが、ハイヤー、タクシーの料金というものは下っておる。下げてやらなければ商売にならぬという、そういう業界の状態なんです。これは今ここで私は運輸委員会の論議をしようと思いませんが、ただ単に業者の努力と協力と自覚を待ってという精神的な面だけではいけない問題がある。根本問題の政治問題がある。これはいずれ運輸委員会において十分論議するとしまして、ただここに一つ大蔵省に認識をしてもらいたいことは、最近におきましてハイヤー、タクシーあるいはトラックによるところの事故件数が相当ふえておる。これはなぜふえておるか、これは大きな社会問題です。あなた方は、やはりこういうこまかいところまで気を配って、ガソリン税の値上げにしろ何にしろお考えにならぬというと、その面から非常な問題が出てくると思う。いわゆる事故がなぜ起るか、スピード違反をなぜやらなければならぬか、これはさっき申しましたように、業者から出ておるところの資料によりまして明らかなように、一日三百五十キロあるいは四百キロも走らなければ今の仕事がやっていけない。これは経営者も労働者も同じなんです。しかも同定給としましては、運転手諸君は三千円から五千円の固定給しかもらえない。あとは全部出来高給なんです。そうして責任額を負わされるから、むきになって、いわゆる神風攻隊のように走らなければ食えない。(笑声)、そうすると、事故を起して罰金を取られる。そこへもってきて免許証も取られる。それで今度はそれをカバーするために翌日一そう無理をしなければならぬ。そこで事故が起るという悪循環が起る。これはガソリン税を取れらて、だんだん経営が苦しくなるというと、今度は車の取りかえもできない、修理もできない、ボロ車を走らせる。こういうふうになってきますというと、ますます交通ひんぱんになって非常な交通不安がかもし出される。これは私はガソリン税に直結した大きな問題だと思う。あなた方が安易にこの際はまだ担税力があるのだ、道路によって利益を得るのだからこれくらいのものは当り前だというようなことでもって簡単にやられるというと、そういうところに私は大きなそごが出てくると思う。こういういわゆる交通の事故不安等につきまして、運輸省としてはどういう工合に御認識になっておるか、運転手が横着であるのか、あるいは経営者が無理を言うのか、あるいはやむを得ざる事情がどこかにあるのか、こういう問題に対しまして大蔵省としてどういう認識を持っておられるか、この際承わっておきたいと思います。
○政府委員(原純夫君) どうもこの方面は私どもはあまり専門でございませぬので、合致した……(大倉精一君「何をいってるのか、大蔵省は」と述ぶ)意見というものもございませんが、いろいろそういうようなお話は伺っております。とにかくガソリン税の引き上げということは御迷惑なことではあろうと存じますが、道路整備のために、ぜひ力を合せるという意味でお願いいたしたい。まあ道路が整備されるということは、何と申しますか、税は重くなるが、やはりただいまの問題についてもこれはプラスの面ではなかろうかというような考え方、すべてそうやってだんだん末広がりになっていきたいというようなつもりでやっておるような次第であります。
○大倉精一君 そういうことはよく知らぬということでは非常に困る。国民が困る。それで道路が整備されればいいだろうとおっしゃるけれども、それは十年か十五年先のことだ。(「三十年先だ」と呼ぶ者あり)今行ってごらんなさい。今東京都や区の予算が使い切れずに、年度末になるというと、あっちでもこっちでもどこへ行っても道路整備が始まっておる。お蔭で自動車は大騒動。当面は大へんな問題なんだ。道路整備によって大へんな迷惑をしておる。その迷惑も一々がまんしなければならぬということになる。そういった一般大衆に不安を与えるようなことに対しまして大蔵省は、所管事項でないからそれは知らない——これではどうも筋が通っていないと思う。あなたは、さっきも大蔵大臣が言ったように、日本の根本を見て何でも知っておられるはずだ。(笑声)そういうことも十分知っていないで、この予算の策定をするということになると、非常なそごが出てくる。たとえば国鉄関係でもそうだ。八千三百三十三人の当局の人員要求に対して、大蔵省はそれを蹴っておる。聞くところによれば、この前も人員要求があったが、それを蹴っても、ちゃんとやっておるじゃないか、だから今度も合理化によってやれというようなことで蹴ってやっておられる。国会としてはそれでいいが、それは大蔵省としては決して圧力は加えませんでしたということになりますが、それは私は必ずしもそうじゃないと思う。そういう面からいっても、最も大きな問題になるべきところの交通に対して起ってくるところのいろいろな現象というものを、大蔵省としてはしっかり把握してもらわないと、これは単に所管が違うからということだけでは私は済まされない問題だろうと思うのであります。この点も十分一つお考えを願って、ガソリン税を単に受益者負担ということの考えをやめて改めていただきたい。今からでも決しておそくはない。(笑声)予算は通りましたが、さっきもいったように、マジックのような数字のひねくり回しによって幾らでも減すことができる。だから政調会も言っておる、運輸省も言っておる、四千円くらいならいけないことはない。でありますから、そういうこともこの際面子にとらわれずに考え直す必要があると思います。これは当然国会でやることでありますから、大蔵委員会としても大いにがんばって修正をしていただきたい。 そこでもう一点だけお伺いをいたしておきたいのですが、このガソリン税の問題は、まあおそらく道路の建設計画も計画通りにはなかなか進まないだろうと思います。でありますから毎年これは国会のあるたびごとにガソリンの方へしわが寄ってくる。なぜかというと、これは一番取りやすい。簡単にいうと、国鉄の運賃とか電車賃とかガソリン税とかいうものは一番取りやすい。国鉄運賃を上げたら、これは怪しからぬ、汽車に乗ってやらぬといっても歩くわけにはいかない、いやでもおうでも乗る。(笑声)そういう工合にしてガソリン税とか運賃とかというものは、これはいやでもおうでも出さなければならぬ。国会において運輸省も業界も社会党も緑風会も反対しておるが、頭数が多いから通るだろう、委員会で適当な答弁をしておれば、時期がくれば通っていくだろうということになると思うのですが、しかしながら、これはやはりそういうような問題については、将来十分に考えてもらわなければならぬのですが、どうでしょう。これは非常にこういう質問は変だと思うのですが、ガソリン税について、来年度もやはり同じような問題が起る公算はありませんか、これは運輸省が少し腰が弱いかもしらぬ。何かというと、みんな運輸省の方に減税のしわが寄ってくるのですが、大蔵大臣、一つそういう弱いところにしわ寄せしないように特に御注意に願いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 来年度のことを申しますと、また笑われるかもしれません。(笑声)私は過去の例をみましても、ガソリン税が上ったのは昭和二十九年、その前が二十六年、従いまして、私はこの法案が御決定になれば、相当目に見えるほど道路の改修は進んでいくと思います。昨日も建設大臣に言ったのでございまするが、来年度の計画は、私は一応聞いておりまするが、地図でもかいて、ここがこうなるんだと、こういうのをお出しになったらどうかということを申しました。(「それはいいことだ」と呼ぶ者あり)それはやはり建設省の方でも非常によくなると言っておりますし、この法案が通りますれば、画期的に道路の補修が進んでいくと考えております。
○大倉精一君 要望だけしておきたいのですが、私はこれは反対で、全部やめちまおうと思うのですが、それは別にしまして、どうも多数で通るかもしれませんが、その場合要望しておきますが、せっかくこういうような国民の血の出るようなものでやるのでありますから、少くともこれは、政策的な、政治的な、そういうものによって建設計画というものを左右しないように、ぜひともお願いをしたいのです。これは鉄道でも同じことなんです。地方道でも同様であります。私がある地方へ参りまして、一つの道路を走って行くというと、ある部分はアスファルトがやってある。ある部分は舗装がしてない。聞いてみると、舗装をしていないところは市会議員が出てないところであります。舗装してあるところは市会議員が出ているところなんです。こういうようなことが今後やられるとするならば、これは大へんな問題になる。いために、一年間ほったらかして置いて、一年たって開通の段になってみれば、草ぼうぼう、レールは赤さびて、これをまた直すためにたくさんの日雇い人夫を使って、会計検査院から指摘されている。そういうようなことがこんりんざいないように、特に厳重なる監督と御指導を要望いたしまして、私の質問を終ります。
○柴谷要君 私の要求しておりました大臣がおみえになっておりませんので、あらかじめ皆さんにお願いしておきたいと思うのですが、私は先ほどから先輩、同僚委員のガソリン税に対する御質問をじっくり聞いております。これに対する政府からの御答弁もじっくり聞いておりましたが、私は経験が浅いせいか、どうも納得がいかないところが多々ございます。そこで委員長にお願いしたのは、どうも私、相当時間をいただかなければどうもなかなかこれを解明していただくわけにはいかぬ、かように考えますので、大へん時間が過ぎておりますから、ここで昼食をとらしていただいて、午後再開をぜひお願いしたいのであります。私ばかりでなく、また同僚議員も多数発言があるようでありますので、一応一つおはかりの上、この要望をお聞きとりいただきたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○委員長(廣瀬久忠君) 委員長はなるべくこのまま継続しまして終了いたしたいと思います。なお、御質疑がある方は、また大蔵委員会において一つ御質疑願いたい、こう思います。ぜひこのまま御継続願いたいと思います。
○柴谷要君 温厚なる委員長のお言葉でありますけれども、どうも時間が来ますると、私どもは朝早いものでありますから、どうも腹にこたえがない。そこで発言が苦しくなりますけれども、同僚の皆さん方の御理解をいただいて、少し時間が長くなるかもしれませんが、お許しをいただきますならば、これから続けていきたいと思いますが……。
○委員長(廣瀬久忠君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけて。
○柴谷要君 運輸大臣がお見えになっておりませんので、昨日要求いたしておきましたので、早急に御出席を手配願いたいと思います。 それでは御質問をいたしたいと存じます。昨日から本日にかけまして一番問題になっておりました点は、何といっても需要量の問題かと思います。この需要量をめぐりましての見解が、大蔵省としては三百九十万キロリットル、これは先ほど通産省の計算でこういう額が出ておる、こういう御説明がありまして、それはよくわかりました。ところが、これに引きかえまして、運輸省は四百二十万キロリットルの需要量がある。それから自民党の交通部会の皆様方が計算しておりますのが、四百二十一万キロリットル。それから石油業界の協会の皆さんのお考えは大体四百十八万キロリットル。こういうふうに出ておる資料を私は幸いに入手することができました。私は国会の経験が浅いものですから、非常に不審に思いましたことは、とにかくガソリンの使用というものについて一番の専門家はどこか、こう考えてみますと、どうしても全国石油協会と称するような国体が非常に正確なデータを持っているのじゃないか、こういうふうに考えます。それから衆議院の審議の過程を私も多少検討してみましたが、先ほど通産大臣が言われましたように三百九十万キロリットルを算定するに当っては直線方式をとった。ところが学者の説では長期のものについては直線方式がいいだろう。しかしどうもあまり長い年数でないものであるならば、曲線方式をとるべきだ、こういうことになる。この学者の説をとってみますというと、どうも運輸省の案なり、自民党交通部会の皆さん方の出された数が正しいように思う。ましてや、この石油協会のは正しいと思う。こうなってくると、ひとり大蔵省と通産省の考え方だけで三百九十万キロリットルを押しつけているような感じがいたしますので、これはどうも私がひが目でもってかく申し上げるのではなくて、事実が、数字が示しておりますので、こういう算定をいたしました政府としては大事に大事をとってきて、こういう数字を出されたか。それとも今回は二千億の増収がある。その中の一千億は減税をして、一千億はとにかく積極財政だ、こういう積極財政ということになってくるというと、どうも三十一年度より三十二年度は何か飛躍するような感じがする。そうすると、この考え方と、この需要量の決定した考え方とは相反するような私は気がするわけです。ここも一つ大蔵大臣から克明に御説明をいただきたいと思う。確かに国の財政をあずかる大蔵大臣でありまするから、慎重の上にも慎重を期せられることは、まことに国民として喜ばしいことでありますけれども、さてその反面多くの課税をされて苦しむ多数の国民がいるということも一面考えていただいて、この多くのところから出ておりますような数字に改正できるならば、今国会審議中のことでありまするから、改正する用意があるかどうか、この二点について明快なる御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど来申し上げた通りで、特につけ加えることはございませんが、私は運輸省の調査は一つの参考資料にはなりましょう。しかしお話がありましたように非常な好景気でも、まれに見る好景気であった昨年のうちの数ヵ月をおとりになっている、一番いいところをおとりになっているので、これは私はそういう考え方もあるかと思いまするが、各省集まりまして次官会議できめた数字に大蔵省は頼るはかはないのであります。しかし次官会議できめましたものを大蔵大臣としてはそれを再検討いたしまして、もちろん積極財政の方針でいっているのでございますが、昨年は前年度に比べまして二六%、それは鉱工業生産が二一%ふえたときの二六%であるのであります。われわれは昨年の二一%の鉱工業生産が今年度ふえることはふえるが一割二、三分のふえだろうと見ておりますから、ガソリン税の方にいたしましても、一割六分程度の増加が思い切った見方じゃないか、こう考えておるのであります。当初大蔵省、通産省は三百七十八万キロリットルと初め計算したのでございます。その後いろいろ考えました上に三百九十万キロリットル、これが一番正確なものとして言ったので、私はあらゆる状況を考えまして、通産省の意見を聞き、これを各省の事務次官会議にかけ、そうしてそこで意見が一致した数字によるよりほかにないと思っております。
○柴谷要君 大臣の御答弁は昨日から終始一貫しておられるわけでよくわかりましたけれども、重ねてお尋ねいたしたいと思うのは、自民党の交通部会の三月二十一五日の資料として出されたものを見たのでありますが、これによりますと、四百二十一万キロリットルということで大蔵省より多く見ておられる。この問題をどう党内でお取り上げになっておられるか。また政府自体としてはこれを有力な資料としてお使いになったか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 業者は四百十八万キロリットルとおっしゃっておるようでありますが、石油連盟の方はやはり政府とほぼ同じような三百九十万キロリットルと見ております。政府は三百九十万キロリットル、石油連盟は三百九十一万キロリットルでございます、それから自由民主党の交通部会のお話もございましたが、私の知るところでは、自由民主党の政調会並びに党議といたしましては、大体三百九十万キロリットルと、政府と同じ見解をただいま持っております。
○柴谷要君 どうも他党のことでありますから、うがったことを申し上げて大へん恐縮でありますけれども、交通部会の出したのが四百二十一万キロといいますから、交通部会といえば、交通に関係したエキスパートのお集まりで、最も正しいような感じがするわけです。それから、先ほどからお尋ねをしておりますと、運輸省のやつはどうも信用が置けない、はっきりは言われておりませんけれども、どうも運輸省には何かうさんくさいものがある、こういうような大蔵大臣の、言外にそのようなことをにおわしているのでありますが、私はそれでは運輸省に一つお尋ねをしたいと思う。 運輸大臣がおいでになりませんから、しかるべき責任者から明快にお答えをいただきたいと思うのであります。と申しますのは、昭和三十一年十月に、「揮発油税増額に対する意見」というものを、りっぱな冊子として運輸省が出されております。この見解をまず一から順次お尋ねをしていきたいと思います。「わが国の揮発油税の税率は、国民所得を考慮に入れて比較すれば、世界各国に比して高率である」こう示してある。そこで私のお尋ねしたいことは、この第一に掲げられました税率が非常に囲い、しかも「国民所得を考慮に入れて比較」をすると非常に高い、こういわれておるのですが、この資料は一体何のためにこの第一項を掲げられて運輸省が出されておるのか、この真意並びに内容を克明に一つ御説明いただきたいのであります。
○政府委員(山内公猷君) これは、まだ政府の原案のきまる前に、臨時税制調査会に対しまして運輸省の意見を申し上げたときの意見書でございます。当時、臨時税制調査会におきましては、わが国の揮発油税の税率が諸外国に対しまして低い、もっとかけられるという御意見がありましたので、ただ、それは数字だけで見るということもどうか、結局税金を払います場合には、いわゆる高額所得者は高額のものを払いますが、低額所御者は低額のものしか払えないのと同じように、日本の国民の所得が少いので、各国のやはり所得と比べてそれは見てもらいたい、そういう趣旨で、「国民所得を考慮に入れて」、そうい税率もお考え願いたいという趣旨で出した意見でございます。
○柴谷要君 まあ経緯はわかりましたけれども、しからばこのような考え方をどのように政府に反映をしたか、いわゆる運輸省としては、政府の一環である運輸省でありますから、こういうような考え方に立って、どこまで政府がこれを取り上げるような措置を、努力されたか、この点を一つ明らかにしていただきたい。
○政府委員(山内公猷君) この問題は、いわゆる自動車業界の負担の問題、もう一つ、わが国の道路をいかにして整備していくかという、二つの、いわば相反する要請があるわけでございます。運輸省当局といたし、ましては、このわれわれの方の業界が公定価格をとっておりまして、国民のいわゆる交通費が安ければ安いという一つのまあ理由があるわけでございます。別途、また、道路がよくならなければ、自動車と道路というものは唇歯輔車の関係にあります。その点非常に調整がむずかしいわけでございますが、当時、われわれの方は、臨時税制調査会にそういう意見を申し述べますとともに、大蔵省にもそういう点についての説明をいたしました。
○柴谷要君 この第二項のただいまお尋ねいたしましことについては、今でもあなたのお考えは あなたといいますか、運輸省の考え方は、これを堅持されておるかどうか、この点をつけ加えてお尋ねします。
○政府委員(山内公猷君) 閣議におきまして、揮発油税の額がきまりましたので、運輸省も閣議の、いわゆる政府の政策通りに考えております。
○柴谷要君 それでは第二の質問に移りたいと思いますが、「道路交通事業にかかる租税公課は重複課税されており他産業に比し著しく過重である」、こうきめつけております。過重であるということは、これ以上のものをかけてはいかぬという逆な理論があるのではないか、それを特に第二項に強く掲げられておる理由、それから、これが果してどのように政府に反映をしたか、並びに、運輸省としてのただいままでの見解、こういうものについて詳しく一つお願いします。
○政府委員(山内公猷君) いわゆる道路交通事業、自動車を運行する、ことによりまして営業しております事業につきましては、非常に高い税金がかかっておるということは、周知の通りでございまして、これは、ただ、ガソリン税であります揮発油税あるいは地方道路税、それから軽油引取税というものだけではないわけでございまして、そのほか、自動車税または受益者負担金、あるいは道路改修協力費というように、税金でないものまで、道路を作るときに業界が徴収されておるということは、周知の事実でございます。この点、各業界から運輸省に対しまして、揮発油税を払いながら、そういう負担、特別な受益負担金というものが苦痛であるということをしきりにいっておりますので、この点も掲げたわけでございまして、そういういろいろの税の総計が業界にかかって参るわけでございます。これは自動車事業の特異の課税でございまして、そのほか一般の民間の法人税であるとか、あるいはそのはか、かかる以外にかかって参りますので、こういう点についてさらに考慮していただきたいということを、常に大蔵当局あるいは自治庁当局にも要請をいたしておるところでございます。
○柴谷要君 確かにあなたのおっしゃる通り、ガソリン税初め、幾多の税がかかっておるということは、私どもも承知をするわけですが、特に運輸省が「過重である」と、かように表現をされている以上、大蔵大臣はこのようなことをどうお考えになっておられますか。一言お尋ねいたします。
○国務大臣(池田勇人君) これは税金はみな重い重いといわれるのでございまするが、昨年来各国の……自動車並びにその運営に要しまする経費は、相当各界とも負担しておる状態でございます。従いまして、私は別に軽いとは思いませんけれども、この程度並びに今回の増税分は、お引き受け願えるのではないかと考えております。
○委員長(廣瀬久忠君) ちょっと速記とめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(廣瀬久忠君) 速記をつけて。 三時まで休憩いたし、三より再開いたします。 午後一時十八分休憩 ————・———— 午後三時十七分開会
○委員長(廣瀬久忠君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 揮発油税法案についての質疑を続行いたします。
○柴谷要君 休憩前に引き続きまして運輸省に対し質問をいたしたいと存じます。 運輸省の見解の第三点でありますが、「道路交通事業は公益事業として低率なる収益を得るに過ぎない」、もとより道路交通事業は公益事業でありますから厳重なる運賃料金制度下にあることは御存じの通りでありまして、なるほど低率な収益しか上げておらないということはよくわかるのでありますけれども、この際ガソリン税が大幅に引き上がることによって、なお一そうこれがはなはだしくなってくると思うが、この考え方に運輸省としては変りはないか、それとも大幅にガソリン税の値上げによって収益どころか大いなる赤字が出ると、こう予想されておりますか、この点についての運輸省の知る範囲の一つ御説明を願いたいと思います。
○政府委員(山内公猷君) その意見書に出しておりますように、営業収入に対する営業費の割合、三十年度の数字を出しているようでありますが、バスにつきましては九四・七八、ハイヤーにつきましては九三・六八、トラックにつきまして九八・二二、こういう非常に低率の収益をあげております。特にトラックにおきましては、本委員会におきましても、いろいろ問題がありますように、ほとんど原価を割っている状態でございまして、これ以上負担をかけるということは非常に困難なわけでありまして、これが対策といたしましては、一応やはりそういう法的な負担は消費者に持って——全部とはいいませんが、ある程度適切なる配分によりまして持っていただかねばならないわけでありますが、まあわれわれが非常にそれをむずかしいと申し上げておりますことは、いわゆる独占企業におきます運賃料金でございますれば、ある程度これが第三者に転嫁させるということも可能でございますが、先ほどから申し上げておりますように、特にトラックにつきましてはいろいろな場合が中小企業に属するものであり、荷主との力関係におきまして現在の公定価格もなかなか維持し得ないという事情がございまして困難であるということを申し上げておるわけでございますが、まあ最近の情勢におきましては、ある程度上向いておりまして、その上向いておるということは、荷物のいわゆる自動車の稼働率も画期的にふえてきているわけでございます。まあどちらかといいますと、業者の立場も相当強くなっておるので、公定価格にまで持ち上げるというようなことにつきましても、業界、われわれ一致してやっておりますので、ある程度のそういう、何といいますか、カバーも可能かとも考えられますが、元来が今申し上げましたように九八・一二%という、ほとんど三十年度の決算を見ましても赤字に近いものでございまして、これが健全な営業をやりますために、運賃値上げが必要であり、またそれが可能であれば、われわれも考えていかなきゃなりませんが、その点は十分今後も慎重に考慮していきたいと思っております。
○柴谷要君 そこでまあ低率な収益をあげておるような状態、ましてや最近は特に、まあ上昇傾向をたどっておるけれども、相当困難な実情であるということが明らかになったようでありますが、運輸省としてはそのような見解の上に立って、こう第五番目にきめつけております。というのは、「揮発油税の増徴は、運賃値上げを招来し、一、五〇〇億円から二、〇〇〇億円の加重負担を国民全体に課することとなる」、こういうふうに出ている。そうしまするというと、この法律案を提案した説明の中にもありますように、これはまあ担税能力があって、このくらいなことは忍んでもらわなければならぬという大蔵大臣の御説明もありました。これは国会できまり、実施ということになれば、当然国民の義務として果してもらわなければならぬことは当然でありますけれども、これが転嫁をされて国民の負担になってくる。こういうことになってきますというと、政府の考えております基、本線が非常に違ってくると思うのです。やはりこれは運輸省がこうきめつけておりますだけに、まさしくこれは運賃値上げということになってくると思う。ところがその運賃値上げは、先ほど同僚大倉委員からもいわれたように、特にトラック業界においてはきめられた運賃さえも守り得ない。はなはだしい競合のために、ある程度料金を引き下げて対抗しなければならぬ。こういったような場面があって、運賃値上げは名目的になってしまう。こういう形になってくるわけです。こういう事実の上に立って、運輸省はガソリン税を値上げをしたらば、これは運賃値上げしてやれば業者には大して負担はないのだ、こういうふうに考えられて第五項にきめつけられているのかどうか。これを明らかに、今後の交通政策にも重大な影響があるようでありますから、ぜひ運輸大臣が来られたようでありますから、大臣から責任ある御答弁を願いたい。
○国務大臣(宮澤胤勇君) ただいまおくれて参りましてはなはだ申しわけございません。このたびの増税が、初めからすればだいぶ緩和せられてきたのでありまするが、これがやはり終局において、需要者の、消費者の方に響かないというわけにはいかないと思うのでありますが、ただ長い目で見ますと、このガソリン税によって道路を整備するということは、もうむろん御承知の通り、長い目では道路の整備によって、ガソリンの使用量、車のいたむのがなくなってくるから、結局これは戻ってくるものだ、一度税として納めても業者に戻ってくるのだという建前ではありますけれども、それがその通りに公平に戻るか。公平というか、出した人にその通り戻るかということは、むろんこれは問題のあるところでありますし、それからまた現在の段階では、私しばしば申し上げました通り、まあトラック業者、それからタクシー、ハイヤーの業者は自分の負担になる。転嫁はなかなか今のところは困難である。バスの業者につきましては、これは従来通り、その経営の内容、もしくは申請によりまして、適当なものは値上げを許可しておりますが、それがこの増税によってどの程度現われてくるかということは、今のところはまだ現われておりません。むろんそれは増税もきまっていないのですから、あれは今後に起ってくると思うのであります。ただ今日、午前中にも各委員の方と大蔵大臣と非常な真摯な応答がありまして、実態は私大体皆さんのお考え方の、御質問の御趣旨と政府の答弁とは、そこに十分現われておったと思うのでありますが、将来の負担をここ一両年の業者が負担をするというところに相当な問題があると思うのでありますけれども、日本全体の経済の伸びていく方、今の人々がやはり後世の後世というほどでもありませんが、まあ後世のために、そういうある程度の犠牲は払われても、それは業者として業界に報いてくるし、すべて国家経済の上に、国民生活の上に報いてくるというような点に考えておるわけでありまして、ただ技術的な面にここ一両年のやり方というものには議論があることと思うのでありますが、大局においてさように考えまして、本案による予算の編成をいたした次第であります。
○柴谷要君 道路がよくなることは国民全般が望むところでありまして、確かに道路がよくなる。それによって利益を受ける人はたくさん出てくるわけです。その御説は運輸大臣言われた通りと私は思うのでありますけれども、ただその受益者をどのように扱うかというところに私は今議論の問題があろうかと思う。 そこで私が次にお尋ねしたいことは、揮発油税の増徴による税負担は、道路整備による受益を超過することとなる、こう運輸省は見ている。ガソリン税を増徴することは、利益を受けることよりもむしろ超過したものだ、こういうふうにきめつけられたのだから、そのきめつけられた額くらいはなんとかわれわれは考えていかなければ、これは利益を受ける側としてもなかなか納得がいかないのじゃないか。そこで私の特に申し上げたいと思いますことは、これはまあいろいろ見方はあろうと思いますけれども、特に国会に議席を持っております鮎川先生の所で調査会のようなものを持ってやっておりますが、そこの資料を見さしていただきますと、道路がよくなって利益のはね返りというものは大体自動車関係では三四%乃至は三五%、こういう数字が出てきておる。この数字は私どもは今のところは信頼をおける数字かと思う。ところがそのパーセンテージから見ますと、道路整備の金を全部ガソリンから出させるということはどうも少し苛酷のような気がする。そこを運輸省がお認めになっておって、こういうようなりっぱな冊子の中にそういうことを盛り込んでおられると思う。ここで特に運輸大臣にこの点をお尋ねしたいと思うことは、こういう事情であるから一つ今の政府は最初は一万円なり、あるいは八千円というものをお考えになったわけでありますが、実際の法案となって出てきたものは六千五百円でありますから、この六千五百円を中心にして私どもは議論をしておる、そういたしますと、この六千五百円が今言うように受益を超過したものである、こういう結論になると、これは少しまけてもらわなければ、出す方もなかなか納得しないだろう、こういうことになると思う。この私の申し上げる論拠に運輸大臣は御反対はなさらぬと思いますが、この見解について、大臣の見解を一つお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 六千五百円というものを政府において決定して出しましたことは、先ほどからも大へん御議論がありましたが、政府の決定としては、やはり三百九十万キロリットルを基礎として計算しておる。運輸省が四百二十一万キロというものは、ただその後の情勢を見る見通しの御参考に供したにすぎないわけでありまして、これは将来に対する一つの行き方の運輸省の見た指針として皆様に御参考に供したにすぎないようなわけでございます。ただこれが限界を越えるか越えないかということは、これは議論のあるところだと思いますけれども、政府といたしましては、この決定によって、一つ今押していって道路整備の資金としてこれを進めていくことが適当だ。午前中大蔵大臣からもお答えいたしました通り、無理のないように一つ将来もやっていく、こういう考え方でありますから、一つさように御理解を願いたいとおもいます。
○柴谷要君 大臣は大へんこれを出されたことを後悔されながら答弁しておるような感じがするわけですが、そうではなくて、運輸省の見解は全く正しいと私どもは見ておる。この運輸省の正しい見解が、なぜ政府をしてこれを実現させなかったか、またこれは端的に申し上げますれば、今、国民の要望しておることをそっくり運輸省が代弁しておるというふうに私は考えられる。そこでもっとこれを運輸大臣として十分に世論の上に立って政府にこのようなことを十分さしていただけなかったか、非常に残念に思っております。 そこで次の問題をお尋ねしたいと思いますが、揮発油税は道路整備の目的税として、大蔵大臣の言葉で言いますというと、目的税、こう言っておりますが、まあ的でもけっこうだと思う。「本旨を充分に達成したものとは認め難い点がある」、こういうふうに第六項で言っております。その点に関連をいたしまして、私がお尋ねしたいと思いますことは、道路整備財源は、一応合計して五百四十八億、揮発油税の収入は五百四億となっておる。現行税率でいきますというと三百七十六億、それから増税分が百二十八億と見込まれております。一般財源から十一倍ということで、政府はえらい、一般財源から、清水の舞台から飛びおりたという気持で四十四億計上したということを言っておられますが、これを指して言っておられるのではないかと思う。この中の、特に支出の面において日本道路公団補助金三十億というのが出ておる。それから臨時就労対策費が七十四億、特別失業対策費十五億、積雪寒冷地帯の道路交通確保補助金十億、これを合計いたしますると百二十九億、いわゆる増税分の百二十八億より一億上回るわけでありますが、こういう事実をもってこの第六項にきめつけておるように、「目的税としての本旨を充分に達成したものとは認め難い点がある」、こういうふうに私は言っておると思う、そこでなるほどりっぱなことを言っておられる。私ども同感です。そこで考えられますことは、この増税分の百二十八億、それと目的の違うところに使います百二十九億、ここに問題があると思う。特に日本道路公団補助金というような性格のものは、これは運輸大臣並びに大蔵大臣にお尋ねするのでありますけれども、独自的な性格だと思うので、産業特別会計こういったような方面から出していけなかったものかどうか。あるいは臨時就労対策費とか特別失業対策費、こういうものは一般会計、いわゆる四十四億にプラスをして出せるような情勢ではないか、こういうふうに考えてきますると、現行の税率の上に増税分を取りつけた百二十八億は消えていくという形になる、こういう考え方ができてこそ、初めて運輸省も指摘しておりますように、また国民の要望しているような税体系が出てくる、こう思うわけでありますけれども、これらの点に対して運輸大臣並びに大蔵大臣の御見解を承わりたいと思う。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 決して弁解して申し上げるわけではありませんが、運輸省の見解というものも、昨年の十一月でありまして、ちょうど衆参両院の運輸委員会の御決定と、考え方を同じゅうした当時であると思います。三十二年度の予算編成ということは、御承知の通り二千億の自然増収をもって一千億円の減税を行い、一千億円の施策をするということは、日本経済において少くとも画期的な転換をした予算であり、日本経済であり、日本の財政であると思います。その出発に当りまして、一つ新しい構想のもとに政府は考え方を相当変えていったという点も一つあわせて御了承願いたい。
○国務大臣(池田勇人君) ガソリン税を道路公団の方に持っていくこと、あるいは臨時就労対策、あるいは特別失業対策の方に使うことは行き過ぎではないかというお話でありますが、これは昨日来たびたび申し上げておりますごとく、道路公団の計画も、特別失業対策その他についての支出も、もっぱら五カ年計画において予定されております道路の整備に使うものでございます。私はガソリン税の趣旨から申しまして、従来もやっておりますし、今回もそういうふうな判断によってやったのでございます。
○柴谷要君 前からの関連で、大蔵大臣は行き過ぎではないかということにおとりになったと思いますが、私は行き過ぎではなくて、そういうような方法で、予算を組まれたりすれば、今国民が要望し、かつ自動車関係の諸君らも非常に喜ばれる、こういうことだから、お考えにならなかったか、こういう質問なので、決して大蔵大圏行き過ぎだなんて詰め寄ったわけではございませんので、この点だけ明らかにしておきたいと思います。 そこで重ねてお尋ねをいたしますけれども、これはもとに戻りまして需給量の問題ですが、大蔵省が三百九十万キロにきめたことによって六千五百円という数字が出てきた。ところがこの一歩前に通産省なり大蔵省では三百七十五万キロリッター、こういう案で八千円案だか一万円案だかお考えになったということを聞いているのですが、大筋は通産省によって率を下げる、金額を下げることによって、三百七十五だか何だか知りませんが、だんだん数字が上ってきたというふうに聞いておるのですが、これらの見解について、事実通産省はそうわずかの間に十五万キロずつもぼんぼんと上に上ってくるものかどうか、これをお尋ねしたいと思う。それが事実とするならば、先ほども申し上げましたように、これは四百万キロリッター、あるいは四百二十万キロリッターというのがすぐ上ってくると思う。こういう操作について、通産省と大蔵省は厳密に計算をした上に、こういうものが出てきた、こういうような御説明でありましたけれども、実はもっと低い需給量が計算をされたというようなことも聞いておるのですが、この点について明らかに一つ率直に、十分審議の材料にしたいと思いますので、克明に一つお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(原純夫君) 予算の政府原案で、税率を中央、地方を合せて八千円と見ましたときの数字は、消費見込みが三百七十八万キロリットルという前提で計算をいたしております。それがただいまお話のように三百九十万ということになってきておるわけでありますが、その間の事情はこうであります。原案作りましたのは去年の暮でありますが、その時分通産省での御意見、実は強い方の数字と低い方の数字と二様あったというような段階があったんでございます。私ども税収を見積る場合に、そういう場合にはやはり大事をとっておかなければいかんというようなこともあって、三百七十八万キロリットルという数字をとっておりました一それがだんだん予算の話が煮詰まって参りまして、一月の下旬に最終の政府原案がきまったわけでありますが、その際には何とかそういう数字をぎりぎりまでいけないかというようなことで、通産省とも御相談し、かつ各省御相談して、それじゃ三百九十万というのを正式の政府の計画としてそれによろうじゃないかということになって参ったわけでございます。これは取引とか何とかいうものではなくて、中年の十二月ごろにおける通産省の立案の過程におけるお考えのニュアンスというものが三百七十八万キロリットルに出て、それがだんだん煮詰まって、政府原案が確定いたしました。一月の下旬においては三百九十万キロリットルというので、政府部内一致してそれに落ちついたという次第でございます。
○柴谷要君 これからの質問は少しこまかくなりますので、本日は避けて、大蔵委員会で十分御見解を承わりたいと思いますが、最後に、実はこの法案がかかりましてから、関係者の方からたくさんな陳情が関係議員のところへきておりますし、また政府にも届けられていると思うのでありますが、私は陳情書というものをたくさん受け取って、内容を十分検討いたしますけれども、今ほど悲壮な陳情書を受け取ったことは初めて、これ読み上げますので、これ一をどう大臣はお考えになるか、この気持に沿うような対策を立てられるかどうか、一つ読み上げますので、お聞き取り願いたいと思います。「こんな弱い者虐苛酷な増税が今日私共のみに課せらるるならば、一体私共に何をせよと云はるるのか、敢て政府に問はんとするものであり、唯々天を恨み、地に伏して泣くのみであります。」こういう陳情書がきております。このことは私はまあ大へん決意をされてこういうことをお書きになったと思うので、この心情は十分察することができると思う。そこでこういう陳情書を書かさないような一つ政治というものが大事ではないか。そのためには、政府は今日真剣になって私どもの質問に対して御答弁をいただいておりますけれども、その答弁の真剣さを私ども十分汲み取ります。その熱意をもってこういうような関係者に十分政府が説明をされ、納得をさして、私はその税金のごときものは取っていくのが最も正しい行き方だろうと思うわけであります。こういうような字を通して陳情書に書き込まれている気持を察しますときに、大蔵大臣は、特に日比党の自民党の大会で、慎重に一つ国民の声も聞いてやるし、おれはうそは言わん、できるだけやるんだということを天下に声明されて、私どもは非常に心強く思ったわけです。これは大臣に言わしめますならば、二割五分に当るところの業者だ、わずかな数だ、こうお考えになろうかと思いますが、かりに一人でもこういうような気持になり、「天を恨み、地に伏して泣くのみ」だという感情を持たせることは、政治としてやはりおもしろくないと思う。そこで、これは大蔵委員会に場を移しますけれども、このことは非常に重大な問題であろうと思いますので、どうか大蔵大臣においても六千五百円あるいは五千三百円、こういう線で強く推し進めようとする気持でなしに、どうか一つこういう人たちがたくさんいるということを念頭に置かれて再考慮する、こういう気持にぜひなっていただきたいと思っておりまするから、これはゼロにこしたことはありませんけれども、今日、すでに予算が通ってしまった以上は、重大な予算に影響を与えるようなことはこれはできないと思う、率直に申し上げて。でありまするから、とにかくこれらの人たちが十分納得のし得る線まで一つ政府としても折り合いをつける、こういう気持で一つ今後真剣に考えていただき、そして参議院の大蔵委員会において結論の出せるように政府においても努力される、かつ、われわれ与えられた責任をもってこの問題に取っ組んでいきたいと、こう考えておりますので、最後にこのようなことを御披露申し上げて、大臣の心境を一つ承わって、私の質問を打ち切りたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 私は政治家のまあ未熟な一人といたしまして、全体の国民のよくなることを念願いたしておるのであります。そのために、ある程度しわがどこかに寄ることはこれは考えなけりゃなりません。しかし、できるだけそのしわを少くし、耐え得るようなものにしていかなけりゃならんことは政治の根本でございまして、そういうことを念頭に置いて、今までも不十分でございますがやって参りましたし、今後もそれでいくつもりでございます。
○相澤重明君 大蔵大臣に一つお尋ねをしておきたい思うのですが、あなたの、揮発油税等に関する大蔵省の資料の中で、昭和二十九年度以降の道路整備五ヵ年計画事業、これを作られた当時、大蔵省は国会においてガソリン税というものをそう増額を今後する考えがないというように私どもは承わっておったのでありますが、このいわゆる五ヵ年計画を作る当時に、大蔵省はどういう見解を持っておったのか、あるいはまた今日はそれを修正される、こういう考え方でおるのか、その点をお尋ねいたしたい。
○国務大臣(池田勇人君) その当時大蔵省には関係しておりませんでしたが、思うに、五カ年計画が御審議になるときに、大蔵省としては、この程度のガソリン税で間に合うんじゃないかと考えておったのでございましょう。しかし、今となりましては、五カ年計画も不十分でございます。今後十カ年計画でやっていこうとしておるときでございます。ことに日本の経済が二十九年に想像しておった以上の広さになって参りました、そこで、そのときの考え方と今とは変らざるを得ぬようになったのが情勢だと思います。あの当時の生産力、輸送力と比べまして、今の生産力、輸送事情というものは格段の相違がございます。あのときから考え方を変えなければならぬような状態に相なったと私は考えております。
○相澤重明君 当時の国民に対する考え方というものは、やはり時期的に一年一年と変ってくる。これは政治のあり方、あるいはまたその時の政策の作り方によって変ってくると思うのですが、少くともこういう点については責任体制、政治の責任体制というものを常に私は明確にしておかなければならぬだろうと、こう思うのですが、今、池田さんのおっしゃったように、当時の関係者の立場でないと言われてしまえばそれまでですが、私どもとしては、大蔵省のそうした資料というもの十分検討されて、そして五カ年計画というものを立てる、こういう際には責任政治の立場から作ったと思うのです。この点については、議論の問題ですから、あなたの御答弁で一応済ませますが、そういたしますというと、今、通産大臣もおらぬのですが、今回私は運輸委員会でも宇田企画庁長官といろいろ議論をしたのでありますが、国際収支の決済については、あなたはどのように見込んでおられるか、この点についてお尋ねをいたしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 大体三十二年度におきましては、輸出二十八億、ドル、輸入三十二億ドル、特需を大体六億ドルと見、貿易外収支を考えまして、大体国際収支にはあまり大して赤字も黒字も出ぬ、こういう見通しを持っております。ただ上半期におきましては、昨年のスエズ問題以来、相当輸入が旺盛でございまして、その余波がやはり四月、五月、六月ごろくらいまであると見ております。従いまして、上半期におきましては、私は一億ドルくらいの赤字でいくのじゃないか。しかし三十一年度におきまする輸入原材料の非常な増加、三十二年度四、五、六におけるやはり輸入の増加がもととなりまして、下半期くらいから黒字に変って、年度を通じましては、いわゆるとんとんということじゃないかと思います。
○相澤重明君 池田大蔵大臣からまた、宇田長官のとんとんの言葉だけれども、それは一応の見通しですね。いわゆる、非常に世界的な景気というものは好景気を持続するもの、こういう見通しで政府の考えを立てられておると思うのです。ところが、一昨々日ですか、新聞に出されたのは、政府の何か見解を出されておったのは、二十六億四千万ドルというようなことが記事にちょっと載っておったと思うのですが、それはあなたの方では別にそういうことは全然発表しないで、新聞記者だけがこれを書いたものですか、いかがでしょう。
○国務大臣(池田勇人君) 二十六億ドルという数字は、何の数半でございましょうか、私は今記憶はございません。何の数字を二十六億ドルと言っておるのか。
○相澤重明君 収支の決済の、今あなたの言ういわゆる二十八億ドルを一応政府としては——これは宇田長官も言われておったのです。ところが、それが新聞によると、二十六億四千万ドル、こういうふうに出されておったわけです。これは私が運輸委員会で経済企画庁長官に聞いたときには、今あなたのおっしゃったように、二十八億ドルと記憶しておるわけです。ところがわずか二日か三日のうちに、そういうような発表があったので、実はあなたにお尋ねをした。お聞きしてみると、やはり二十八億ドルと書っておる。やはり大蔵省としては、そういう点については何ら発表したことはないわけですか。
○国務大臣(池田勇人君) 二、三日前の問題だとしますと、やはり外貨予算が組まれまして、上半期における輸入の割合の金額と、貿易外の金額とを合せますと二十六億くらいになるのじゃないか。たとえば、物資の輸入割当が、一億五千万ドルの予備金を入れまして、二十二億三千六百万ドルでございまするから、そうすると四億ドルということになると、ちょっと貿易外収支が多いようでございまするが、それを入れますと、二十五、六億になるのじゃないか。しかし、私には二十六億ドルという数字は頭にはございません。
○相澤重明君 それから、これは大蔵省、もちろん運輸省、通産省の関係にもなると思うのですが、そうした外貨の点については、明るい見通しが一応考えられる。そこで自動車についても、外車を輸入するという空気がだいぶあると思うのですが、一体、外車の輸入というものをどの程度今お考になっておるか。これは関係者に一つお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 国際収支については、明るい見通しがあると楽観しておるというふうにお取り下さいますと、まことにこれは心外でございまして、昨年の今ごろは十四億ドル余りあったのが、この四月の初めには十二億ドル艦艇に下ってきておるのであります。ただ他面、輸入の原材料が非常にふえておりまするから、悲観はいたしておりませんが、私は決して国際収支を楽観しておるものじゃございません。従いまして、今の自動車につきまして、外車の問題も極力大蔵省としては抑えておるのであります。できるだけ国産にしてもらいたい。少くとも大蔵省は、外車は過去数年間買っておりません。今私の乗っておるのも、昔大蔵大臣をしておったときのに乗っておるのでございます。これを極力抑えております。で、問題は、輸入する場合においての外貨の割当はほとんどいたしません。そうして、もちろん関税も物品税も取っております。それから駐留軍が売り払う分につきましても、納税証明書その他がなければ番号をやらない。それから引っ起し荷物で来ます自動車につきましても、これは一年以上自分で使っておったというふうな証明がなければなかなか許さん。これは資格によってある程度違いますけれども、そういうふうに、年とともに非常に厳重にいたしまして、今も極力これを押えておる状況でございます。
○相澤重明君 まあ、政府が、国民生活もだいぶ向上するし、あるいは国民所得も上げ潮になっておるというようなお言葉の中で、今、大臣が、あまりとんとん拍子にいくというようなことについては警戒説をとられたことは、財布を持っておるいわゆる担当大臣としての言葉であって、私どもも力強く思うわけであります。そこで今の国際収支の中で、若干でも健全財政をとっていく場合に、見通しの中に、今あなたのおっしゃったように、国内の自動車の生産というものはどのくらい伸びておるのか。昨年の実績と、今年度一体どのくらい国内の自動車というものは生産ができるのか、こういう点についてお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 私の考えでございまするが、私の知っておるところを申し上げることにいたします。トラックとかバスの製造は、外国に比べまして、その能力は劣っておりません。これの伸び方は、まあ相当やはり伸びておりまするが、問題は、日本の小型乗用自動車でございます。これは四年ほど前に物品税に差をつけまして、大型と小型につきましては差等を設けた等も関係があるのでございましょう。これは飛躍的の伸び方でございまして、毎年幾何級数的に伸びるとまではいかんかもわかりませんが、少くとも驚異的伸び方をいたしております。日本の今の各製造業の中で自動車製造業の売り上げが一番だと私は聞いておるので、非常な伸び方であり、これは伸ばしていかなければならない。二、三日前も観光のために外車を入れるということを聞きまして、私はおもしろくないと思ったら、外人が、日本の観光に国産自動車を使わずに外車を使うなんておかしな話だということを言っておったという話でございまするが、これなんか大いに参考にして、できるだけ国産車でまかなわすべきが、私は観光の目的である。やはりアメリカの車を使っている国は一流国でなくて、二流国、三流国に行きますとキャデラックとかアメリカの車が非常に多い。国産をもってやることが一流国のシンボルだ。国産自動車を今後も進めていなければならぬと思います。
○相澤重明君 大蔵大臣のお考え方は、まあわが国の各業者に対して非常な熱意を示された問題だと思うのです。しかし具体的に、私はいわゆる三十一年度に行われた日本のこの自動車製造のいわゆる飛躍的な計数というものから、三十二年度というものがどうなるかという見通しも一応ほしかったわけです。これはまあ本来ならこの自動車の関係については運輸省なりあるいは経済企画庁なりが、これは発表をしてもらえるものだと私は考えておったのですが、この点はいかがですか。
○国務大臣(宮澤胤勇君) この外車の輸入に関しましては、私も今の大蔵大臣の答弁と全く同様に考えております。ただ観光のことで残念なことは、乗用車中の大型車ができない、今のトヨペット程度の小型ですと、外人はひざがつかえてだめだ、乗っておるとひざがつかえてどうしても乗れない。そこで観光程度の外車をどうしても輸入しなければならぬということをこの間も聞きまして、実に残念に思った。それから製造業者の力に、ひざのつかえない大きな車は日本でできないのか、トヨペットからもう半メートルも大きければひざがつかえない。ひざがつかえてどうしても日本の乗用車には乗れないのだ。そこでひざのつかえないものさえ作りさえすれば、今大蔵大臣の言った通り外車に乗らなくていいわけであります。そこでわずかながら輸入してもらう。今、観光客の日本での収入が五千万ドル、そのうち自動車に乗って払ってくれるのが千二百万ドルですから、その千二百万ドルのうちから、まあ三分の一くらい自動車を買って、外車を観光だけに外人用にする。その間に、一両年のうちにすねのつかえない自動車さえできれば、それでもう国産で十分だと、そういう次第でございます。
○相澤重明君 大蔵大臣に。ただいまの運輸大臣の答弁とあなたの答弁とは若干違うので、これはまだ閣内では意見が統一されておらぬのですか。運輸大臣は、外人の足が長いので、いわゆる自動車に国産では乗れない、こういうことで観光客を、いわゆる観光シーズンを迎えこういう観光客を大事にするためには、やはり外車も若干必要である。あなたのおっしゃったのは、いわゆるまあ国内の業者を伸ばすために、外国から来るお客さんに、国内で作った自動車で一つ御案内もし、乗ってもらおうじゃないか、こういう私お考えであると思う。あなたの考えは大へんよかったと、こう思ったのだけれども、今同じ閣僚である運輸大臣と大蔵大臣との答弁の食い違いはどうしたことですか。御答弁願います。
○国務大臣(池田勇人君) これは閣議できまったわけではございませんが、大蔵大臣としては、外貨予算を持ち、いわゆる国際収支の担当の大臣でございますので、できるだけ日本のものを使ってもらいたいというあれでございます。まあいろいろ、議論はいたしませんが、大蔵大臣としては、私はそう答えるのがあれだと思います。私もある省で相当の外車を入れたいということは聞いておりますが、大蔵大臣としてはそう答えざるを得ないのでございまして、それは足が置きどころがないというところもございましょう。いろいろな点はございましょうが、とにかくよその国へ行ってみましてもあれですし、外人もまた、日本の人力車に乗るのもある。おそらくいろいろな点を考えて、国際収支の面からいえば、できるだけ国産車でがまんしていきたい。これも一つの観光客に対する日本の実情示すものだといえるかと思います。
○相澤重明君 まあ大蔵大臣と運輸大臣との若干の考え方の相違というものはわかりました。やはり所管が違うとそれほど違う、こういうことになると思うのですね、そこで、しかし国策としては、これはまあ本日は連合審査だからといって、ばらばらであっていいということにはならぬので、これはできるだけ早く意見を統一をされて、これは私ども国会議員に示してもらいたいと、こう思うのです。 そこで運輸大臣にそれでは再度お尋ねをしたいのですが、先ほど大蔵大臣の言われたのは、国内の自動車の生産についてはできるだけ一つ援助もしたい、努力もしたい、こういうお話であったと思うのですが、あなたの場合はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(宮澤胤勇君) もう国産車でいきたいことは、私も大蔵大臣と同様でありまして、私自身が、まあ役所の自動車は昔からの古いのですが、自分個人の自動車は国産車のトヨペットを使っておるというわけでありまして、どうしても国産車でいきたい。先ほどのお話しもひざのつかえない国産車を作りたい、こういうことでありますから、その点については財政をあずかる、外貨の何をあずかる大蔵大臣ではありませんけれども、私の立場もその点は全く同一に考えております。
○相澤重明君 今年度は自動車業界の努力によってかなり生産が伸びるということは、政府も、またわれわれも見通しておるわけですが、具体的ないわゆる自動車の製造が伸びる、こういうことについて数字があるならば見通しを一つ出していただきたい。
○政府委員(山内公猷君) この点につきましては通産省の所管になっておりますが、私の手元にありますので、これは運輸省がきめたわけでもございません。われわれの方で持っておりますのは、業界の生産計画というものをとりまして、いろいろの資料にいたしておりますので、それを御紹介申し上げますと、まあいろいろ車種別に分けてありますが、ガソリン車のトータルで申し上げますと、生産計画といたしましては六十万二千百九十九両、三十二年度の生産計画をいたしております。うち輸出計画が三万六千八百九十両でございまして、その結果、国内向けの生産といたしましては五十六一万五千三百九両となっております。また軽油車につきましては生産計画が二万一千五百五両、これはトラックでございます。トラックの生産計画が二万一千五百五両、うち輸出向けが千五百両、国内向けが二万五両、バスにつきましては土産計画が八千五百六十五両、うち輸出計画が五百両で、国内向け八千六十五両。こういう数字になっております。
○相澤重明君 そろそろ核心に入ったようですが、そういたしますと、いわゆる今度政府が国会に提案をしておるところのガソリン税の増徴についてそうした伸びというものを見ておったのかどうか、つまり、もちろんその中には新しく生産をされる自動車の台数と、また古くなった車の廃車あるいは修繕、こういうことももちろん見込まれるわけでありますが、こういうとにかく非常に大きな国内生産量の増加ということが見込まれる。作った車は別にたなへ載せておったり、あるいは倉庫にしまっておくというものじゃない。これはやはりそれだけ町に出てこれは動くものである。こういうふうに私どもは思うのでありますが、政府はその両数というものを見込んでおるかどうか、この点はいかがですか。
○政府委員(原純夫君) 昨日来御検討していただいております。三百九十万キロリットルのガソリンの消費量込みの数字を出されます際に、通産省は過去の実績から延ばしておられますが、その裏にこの自動車生産台数というものが資料として御検討になったことはもちろんであると思います。
○相澤重明君 そういたしますと、ただいまの原主税局長の言うのには、まあこれは大蔵省が通産省から聞いたことだと思うのですがね、いわゆるこのガソリン税を増徴する場合の基本的な考え方として今まで出されたのが運輸省の一つの考え方だ、あるいは自民党の政調会における考え方、あるいは業界における石油部会の考え方、あるいは財政部会における考え方、こういうようないろいろなデータがあったと思うのですが、先ほどから御答弁になっておるのは、いわゆる国会に提案をする前の一つの参考資料というのが、運輸省のいわゆる四百二十一万キロというのに対する御答弁であったと思うのです。そこでこの各省なり、あるいは、これは池田さんにお尋ねをするのですが、いわゆるあなたが政府の中のである以上、こういう各関係の各省におけるところのそういうデータというものを一応参考にされたと私は思うのですが、その点はいかがなものでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 一応も二応も参考にいたしまして、三百七十八万キロから三百九十万キロになりました。これも大蔵省、通産省だけできめたのではございません。各省の次官で相談をした上できめたのでありまして、運輸省もそれを承認しておられるのであります。しこうして予算を作りましてから後に運輸省が重要な参考としてお出しになったのです。その運輸省の案に対しまするところの考え方は、全般の予算の組み方、日本の経済の見通し答から見まして、これは今でも重要な参当、資料でございましょうが、自分としてはちょっと危ないくらいに思っております。だから運輸省もこれが一番いいのだとはおっしゃっておらない。やはり閣議決定、次官会議の決定に一応従っておられる次第でございます。
○相澤重明君 そういたしますというと、今の大蔵大臣の御答弁では、重要な参考資料として運輸省のデータについても考えておる。あるいは各方面のそういった資料もそろえた、それを参考にして次官会議あるいは閣僚会議、そして政府の方針として国会に提出をされた、こういうことになろうと思うのです。そうしますというと、政府の提出をしたいわゆる予算というものが、衆議院の段階において、修正をされた、この衆議院の段階において修正をされたことに対するあなたの見解はいかがでしょう。
○国務大臣(池田勇人君) 予算をきめます場合におきましては四百二十一万キロリッター、これは二月の半ばごろ参考として出てきたのでございます。しこうして衆議院を通過する場合におきましても、三百九十万キロリッターということにつきましては動きはなかったのでございます。これを基本にいたしまして、納期の延長をどうするかということと、欠減ということについて衆議院の方がお考えになったのであります。三百九十五キロについては変更はなかったと私は了承しております。
○相澤重明君 衆議院のいわゆる大蔵委員会なりあるいは関係の審査をする段階においていろいろな案があったのではないかと思うのですが、それは最終的に衆議院として与党の方も野党の人もいろいろ御討論を経てこうした三百九十万キロ、あるいは金額にしては、五千三百円という案を出されてきたと思うのですが、そういうことはなくて、最初から、いや、政府は、衆議院の与党の諸君がいわれたからそれでずっといったんだ、こういうことですか。
○国務大臣(池田勇人君) 私は大蔵委員会にはあまり出ませんでしたが、連合委員会におきまして四百二十一万キロというものが出ました。いろいろ議論がございました、ここと同じように。しかし衆議院におきまして修正案の説明のときには、三百九十万キロは動かさないのだ、これでいっておるのであります。議論は相当ございました。
○相澤重明君 そういたしますというと、大蔵大臣のおっしゃるには、いろいろ議論はあり、各データも出されたけれども、財布を握ってる以上危い橋は渡りたくない。できるだけ健全な財政というものの確立をはかっていきたい。こういうことでいわゆる政策的に三百九十万キロというものが出てきたと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 危ない橋を渡りたくないというだけではございません。橋は確実な橋を渡らなければけがするといかぬ、こういう意味でございまして、何も政策じゃないのです。一つのみんなの予定した限度というものがあるものでございます。で、三百九十万キロで議論はございましたが、結局するところ三百九十万キロでいくということになったと思うのであります。それは修正の論拠が、三百九十万キロを基本にいたしまして、そうして欠減、納期の繰り延べを計算しておるのでありますから、いろいろ議論のあげく、三一九十万キロという数字に皆さんが同意なすったと思うのであります。
○相澤重明君 まあ池田さんは非常に堅実財政をとっておられるのでそういうことになったと思うのですが、今の岸内閣としてはすでに石橋を渡って岸に到着しておるわけです。(笑声)従って、このいわゆる岸に到着してみると、今あなたのおっしゃったいわゆる三百九十万キロという考え方については、やはり私は議論があると思う。まあここであなたとの取り合いの中で議論しても今では結論が出ないから、おそらく参議院の大蔵委員会の中では相当に慎重に検討しなければ、この数字というものを私はそのままうのみにする、これは石橋から落ちることはないと思っても、すでに石橋はなくなって岸に着いておるわけですから、一つこの点は議論のあるところと、こういうふうに私は思うわけです。 そこでいわゆる三百九十万キロの中に、先ほどの通産省が一応考えておるところの新車——新しく国内で生産される車両も見込まれておるということでありますが、これはその通りですか。原主税局長は、先ほど通産省がみ込まれておると、こうおっしゃったが、それはその通り確認してよろしゅうございますか。
○政府委員(森誓夫君) 三十二年度の揮発油消費量一三百九十万キロを策定する場合には、主として過去の三年間の需要の伸びを中心に考えたのでございますが、一方保有車両の増加数とガソリンの消費税との関連ということも注意をしてみたわけでありますが、これは率直に申しますと、非常に関連がつきにくい結果になっております。過去の三年間ぐらいの保有車両の増加数とガソリンの消費量、その計数をとってみますと、どうしても関連の正確なものがつかない。従って三十二年度の自動車の生産見込みというようなものを考えたにいたしましても、これがぎりぎりの結論を導き出すための有力な動因として働いておるということは遺憾ながらいえないのであります。そういうわけで、主としてわれわれは過去のガソリンの消費量の伸びの傾向を中心にして数字をきめたということであります。
○相澤重明君 鉱山局長の今の答弁と原主税局長の答弁とだいぶ食い違いがある。そこでこれは通産大臣の御出席の土に私は明らかにしたいと思うのです。だから私は午前中に通産大臣におってもらいたいと実は希望しておったのですが、所要のためにどうしても出席できなかったということで、ありますが、やはり通産省は国内のそうした産業経済の問題につきましては十分把握されて、政府の中においてもこれはそういうデータというものも私は作ってもらいたいと思う。やはり確実ないわゆる過去の実績を持って、そうして今後の経済の伸びというものを、あるいはまた生産の計画というものを見通しておかないと、これは単にその場当りの、行き当りばったりの政策になって終ってしまう。だからこそ三百七十万キロあるいは三百七十五万キロという一つの線を出してみたり、あるいは三百九十万キロを出してみたり、あるいは四百二十一万キロであったり、四百二十万キロであったわけです。こういう点について私はやはり責任ある答弁というものを実は求めたいわけなのです。この点については専門家ではないのですから、この点は私は保留いたします。 次に、いわゆるこの予算案が政府のお考えでは年度内に成立をするというお考えであったと思うのですが、その点は池田大蔵大臣はいかがでありましょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 年度内に成立することを熱望しておりました。
○相澤重明君 せっかく政府が年度内に成立することを熱望されておったけれども、残念ながら国会の意思は年度内に成立するような段階になかった。これはなぜそういうふうな情勢にあったか。いわゆるガソリン税値上げというようなものは、国民の中では一部の者であるという考え方を政府は持っておるかもしらぬけれども、これは決して一部の者ではない。やはり、単に業界の者ばかりではなくて、働く多くの人たちがこの中におるということを私は忘れてはいけないと思うのです。いわゆる労働者がどんなにかこのガソリン税値上げのために心配をしておるかということが、私は一番大きなやはり問題だと思うのです。この点について大蔵大臣はどんなふうに今まで、そういう点をお考えになったか、あるいはお聞きになっておったか、この点をちょっとお尋ねをしておきたい。
○国務大臣(池田勇人君) 私も未熟でございまするが、いろいろな事情はできるだけ検討してやっておるのであります。御承知の通り、自動車が今年度は百八十万台になろうとしておるのであります。自動車一台に運転手一人がつくと、そういうこともないかもわかりませんが、少くともこの自動車に運転する人を考えればそれだけの人があるわけです。しかもその家族やいろいろな点がございますが、やはり日本の経済をよくし、生活を安定向上させるとすれば、この程度はやむを得ないと決心してやった次第でございます。
○相澤重明君 大蔵大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、今このハイヤー、タクシーに勤めておる従業員の人たちが、どのくらいの給料をもって生活いたしておるだろうか、そういうことは、おそらく大蔵省ですから、こまかくデータをそろえておると思うのですが、ちょっと御発表願いたいと思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) 私は各人のものは知りませんが、都会といなかではかなり変っておると思います。それからまた円タクと申しますか、都内の乗合自動車につきましても会社によってよほど違っておると思います、給料の出し方が、基本給と一定の超過分の歩合制度その他がございますが、ちょいちょいそういうものに乗って聞きますと、この正月、二月ずっと今年に入りましてからかなり収入がいいようでございます。昨年の一月、一昨年に比べますると、大体私の見るところでは三割余り上ではないか、一万円をこえる場合も和相当あったように聞いておるのであります。非常に会社によって違いまするが、非常に伸びている会社もありますし、伸びてない会社もございます。ちょいちょい私は乗って聞いておるのでございます。そういう状況であることをやはり頭に入れてやっておるのでございます。
○相澤重明君 私もあなたのように乗ることもあるのだけれども、あなたの方は別にこまかいデータがないと思うのです。これは監督省として運輸大臣どうですか、自動車局長なり運輸大臣……
○政府委員(山内公猷君) バスあるいはトラックというような事業の従業員におきましては、ほとんど固定給、それから超過勤務というもので行われております。ハイヤー、タクシーにおきましては、固定給と、それからかせぎ荷により比例いたしました収入であるというように、賃金体系がだいぶ達っておるわけでございます。その点におきましてこまかい資料は今持っていないわけでございますが、労働省調べの旅客運送業という三十年度の資料によりますと、年平均——これはいろいろそういったものが入っておりますが、一万七千六円という数字が出ております。
○相澤重明君 自動車局長にさらにお尋ねをいたしたいと思うのは、三十年度の旅客運送業ですか、労働省が調べたという一万七千六円というのは、何時間働いて、一体一カ月にどのくらいでそうなったか、これは監督官庁だからおわかりでしょうね、ちょっとそれを御説明願いたい。
○政府委員(山内公猷君) この調査は御承知の通りある程度の業態の企業体をもちまして調べておるわけでございまして、この内容の中には、時間でございますとか、そういうものは含まれない、ほんとうに支払ったものを業界の報告によりまして集めたのが、ただいま申し上げました旅客運送業につきましては一万七千六円、貨物運送業につきましては一万四千六十三円というのが公表されております。
○相澤重明君 これは少くとも運輸行政は、そういうように調べてみたけれども数字がわからんというようなことじゃ困るわけです。要するに国家の輸送全般……私は運輸委員会でも言ったのですが、総合交通政策というものの中に、一体自動車の受け持つ分野というものはどういうものなのか、一体そこで働いている従業員の人たちはどういう生活態度で、どういう待遇を与えなければならぬのか、こういう考え方を私は運輸省自体が持たなければならぬと思う。そういうことについては、あなたはお考えになったことがあるのか、お尋ねしたい。
○政府委員(山内公猷君) その点につき決しては、交通の安全の面から、やはり交通業に従事をいたします、特に危険な仕事に従事いたします運転手諸君につきましての生活の安定という面からも関心を払っておるわけでございまして、たとえば、昨年問題になりましたいわゆるタクシー業の、ただいま御指摘になりましたような待遇で働いておる状態ですので、労働省といろいろ協力いたしまして、現在八時間労働制の実施をみるようになったわけでございまして、運輸省におきましてその点関心がないというわけではございません。
○相澤重明君 所管監督官庁の運輸省がどのくらいの実態であるかということをやはり調べてもらう必要がある。そういうことでなければ、幾ら政府が笛を吹いても実際には施策というものが行われない。特に私は交通事故というものが今非常に大きな関心を持たれておることは、あなたは御承知だと思う。運輸省の所管の問題の中でやはり何と言っても鉄道にしろ、あるいはバスにしろ、自動車にしろ、やはり事故をなくするということが一番大きな問題だと思う。そうしてその事故をなくするには一体どうするのか、こういう点が私どもとしてはやはり国会の中でお互い再検討して明らかにしておかなければならぬと思う。自動車局長は市政がどのくらいあるかということを、あなたはそこに数字を持っていると思う。一つ発表して下さい。
○政府委員(山内公猷君) 手元に詳細な事故の数字を持っておりませんので、後刻調べて申し上げます。
○相澤重明君 少くとも連合審査に出席するのに、関係の大臣や局長が資料がなくて答弁ができないというのはどういうことなんです、一体。そういうことだから事故なんてものはなくすることができない。 そこで、私は一つ大蔵大臣にお尋ねをしたいと思うのだけれども、これは今よく町で言われる神風ハイヤーということ言われる、あるいはタクシーと出言われるというほど、あなたもいわゆるわれわれ一般の働く者の声というものを、あるいは声なき声かもしれぬ、こういうことをあなたは御存じだと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 神風ということは私は聞きませんが、自分が乗りまして、昨年の秋ごろでございましたか、運転手の隣りに娘を置きまして、そして後へ私乗っておりました。衝突いたしましてガラスが割れた。とても乱暴なと申しますか、大胆と申しまするか、非常に急いでやって、僕はけがをしたかと思うくらいのことも体験いたしております。ほんとにあの状態ではちょっと乗るのもこわく感ずることもあるのでございます。こういうことは、やはり交通の整備、運転手の良心、そしていろんな経営形態の改善、こういうことをやらなきゃならぬと思います。
○相澤重明君 おそらく警視庁の前にあなたがおいでになれば、一日何件の事故、一カ年間は幾ら、いつが一番危い時期、こういうことを、やはりお互いに事故をなくするために努めていこうということが出されておると思う。それはなぜかというと、やはりハイヤー、タクシーの人たちがもうそれだけ、今あなたのおっしゃったように、やはり無理をしなければ食えないんですよ、食えない。やはり少しはまあ無理をしても、自分がからだの疲労を乗りこえても働かなければ食えない。いま一つは、この自動車を持っておる人たちが、持主が働かさなければ自分がやっていかれない、こういう現状なんですよ、だから、これはむしろこの法案がもし最初の政府の考えておるなり、あるいは政調会でお考えになった一万二千円も上るなんて……あなたは警視庁の前へ堂々と表彰されますよ、というのは事故防止でなくて事故をこれだけふやしたという堂々になってしまう、私はそれがなかったからいいと思うのですが、それほどやはり実際にこれらの従業員の人たちは無理な働き力をしておる。あるいは業者の人たちは、無理に働かさなければ自分がやっていかない、こういうことを私は忘れてはいけないと思う。今あなたが端的にお話しになったように実際経験をされたんですから、その貴重な経験というものを、今後ないように一つ私はお努め願いたいと思う。この点は同感だと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(池田勇人君) 警視庁の前に死者何人、負傷者何人と毎日出ていることも知っております。そしてまたアメリカの新聞にも、アメリカ合衆国全土で何人死んだ、何人負傷したということが出ております、これはまあ原因が違うかもわかりません。しかし自動車の多いところには事故が必ずつきまとう。道のいい悪いにかかわらず、また料金のいかんにかかわらずあるということは知っております。しかし日本におきまして、アメリカほど自動車があるわけじゃございませんが、道は非常に悪い、しこうして、今のあなたのようなお話は、何も自動車経営者、運転手ばかりでございません。中小企業その他にもいろんな点があるのであります、しかしこれを徐々によくしていくためには、やっぱり経済全体をよくして、みんながお互いに一緒に上るような格好をとらなきゃいけない。私はこういう考えのもとに今回はやむを得ずガソリン税の値上げ、そして道路をよくし、事故の少いようにということを念願しておるのであります。
○相澤重明君 さすがやっぱり池田さんです。だんだん非常に御答弁は謙虚であるし、私ども非常にありがたいと思っておるのですが、その中でもうほんとうならば上げたくない、こういうのが大臣のほんとうの心だと思うのです、ですからせめてその気付を私はこれらの業者の人や、あるいは働いておる従業員の諸君に示されたらいいと思うのです。その示す場合は、この参議院の段階だと思う。衆議院はすでに通過をしたんですから、そこで参議院であなたがほんとうに、自分としては苦しいのだ、やむを得ず上げなければならぬ、こういうお考えだと思うので、参議院において、これはおそらく参議院は、政府の皆さんが非常に努力をされると思うけれども、つまり工作はされると思うけれども、私ども運輸委員会なり大蔵委員会なり関係の委員会の人は与党も野党もありません。みんなあなたのおっしゃるように、これは困ったものだ、こういう気持なんです。ですから、おそらく大蔵委員会においては名大蔵委員長の廣瀬さんがとっておりますから、おそらくこれは衆議院よりもっと、あなたのおっしゃるように困ったものだから何とかしたい、こういうことになると思うのです。その場合はあなたは国会の意思に沿うことでありましょうから……、お尋ねをしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 私は何も好き好んでこんなに上げたわけではございません。やはりいろんな事情を考えて、これだけは上げてもらって、五百三億円のぜひガソリン税の収入を持ちたい、そして道路をよくしたいということで言っておるのであります。五百三億円はどうしても確保したいという念願に燃えております。その次のことは、もう答えなくてもおわかりと思います。
○相澤重明君 大へん大蔵大臣も努力をされるということでありますから、私ども国会の意思でできるだけあなたの期待に沿うように、安くできるようにしていきたいと思うのです。そこで一つ、今度はガソリンの問題に火をつけてみたいと思うのです。今回のいわゆる見込みですね、原油の見込み量というものはどのように査定をされておるか、この点をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(森誓夫君) 三十二年度の外貨予算におきまして原油の輸入量をどういうふうにしてきめたかを申しますと、大体原油の輸入量は、ガソリンの需要量をきめまして、それを得率で逆算をしまして、そして所要の原油量を算出するわけであります。石油製品としましては、ガソリンのほかに、重油という重要なものがございますが、どちらの需要量を基礎にして原油の輸入量をきめるかということをいいますと、従来はガソリンの需要量を基礎にしてきめておるわけであります。そして不足の重油の輸入をつけ加えてきめるというやり方をやっております。もしこれを逆に重油の需要量を基礎にして原油の輸入量をきめますと、非常に大量の原油を入れることになりまして、ガソリンが供給過剰になる。ガソリンの輸出ができない限り石油製品の需給のバランスがとれない、こういうことになりますので、ガソリン・ベースで原油の輸入量をはじいておるのでありますが、三十二年度の原油の輸入量はガソリンの需要量が三百九十万キロリッターであるということが中核になっておるのでありますが、そのほかに在庫量の増強ということもあわせ考えておるわけであります。そうしまして、原油の要輸入量は、実は午前中申し上げました数中とほんのちょっぴり変っておりますが、これはお許し願いたいと思います、これから申し上げるのが最終ですが、輸入量が一千四百九十九万一千キロリッターということになっております。午前中は一千五百万ちょっとこえるように申し上げましたが、御訂正を願います、これの輸入をしまして、実際の原油、そのほかに国産原油の生産が三十五万キロリッターあるということでございますが、ほかに三十一年度末の在庫がございまして、その三つを加えて全体の供給になるわけでありますが、このうちから千五百九万四千キロリットルの原油を実際に処理する。そうして残りは在庫に回るわけでありますが、在庫量は大体三十一年度末に比べまして、二十五万キロ程度概数にしまして増加することになっております。 つまり、言いかえますと、原油の輸入量のうち、一部が年度末在庫を補強するために二十五万キロ使われることになっているということで実際に処理する原油は千五百九万四千キロリットルでございます。そうして得率を二六・五%といたしますると、揮発油が四百ガキロリットル出ることになります、これの四百万のうちで、実際の需要に充てられるのが、内需に充てられるのが三百九十万キロリットル、残りの分は、一部輸出、それから約十万キロリットルは在庫の補強ということになるわけであります。で、在庫量が原油も揮発油も三十一年度末に比べて増加いたしておりますが、これは需給の数字がふえていくに従いまして、それを円滑に操作するためには、在庫量も当然絶対量としてはふやしていかなければならぬという事情によるのであります。
○相澤重明君 今こまかい数字の段階に入ったわけですが、午前中のお話では千五百一五十二万キロと聞きました今度は千四百四十九万一千キロですか、そうすると、これが最終の一番正しい数字というわけですか。
○政府委員(森誓夫君) 午前中には輸入の量を千五百五万一千キロと申し上げたと思います、それが千四百九十九万一千キロリットルというわけで、ほんのわずかな違いでございますが六万キロリットルぐらいは輸入量が減った。きわめてわずかな違いであります。これは在庫量が当初予定していたものよりも年度末在庫量が少し多かったというので、輸入量をそれだけ削ったということになるのであります。
○相澤重明君 そうしますと、これがきょうの、いわゆる通産省が今までいろいろ数字を言われておったけれども、昭和三十二年の四月の三日の午後四時何分かに発表されたのが一番正しい数字である、こういうことになるわけですね。 そこで私はお尋ねしたいのですが、先ほどもお話しになっていたこの原油よりガソリンをとるのに、二八・一六%のものもあれば、二五・五%のものもある。そうしてそれを平均してみた場合に二六・五%、こういうふうに言われたと思うのですが、これはやっぱり二六・五%ということであなたは計算をされておりますか、最終的な数字を一つ御発表願いたいと思います。
○政府委員(森誓夫君) 年によりまして差異があるのでありますが、午前中に申し上げた通りであります。しかし三十二年度は二六・五%という得率を予想して原油の所要量を算出いたしております。これはきわめて正常な事態を考えてやったのでありますが、二五・五%というのが昨年、三十一年度の数字ですけれども、これは昨年度は重油の方に非常に需要が多くなって、そちらの方の得率を上げた関係でガソリンが少し落ちた、こういうことが出ております。大体正常の事態を考えまして、二六・五%という得率を予定したのでございます。
○相澤重明君 そういたしますと、今の御答弁の中でうかがえることは、これは実際問題としてやはり業界の考え方、あるいはまた作業の仕方によってはこれが若干伸びる。つまり二八・一六%あるいは二八・五%ということにもなり得ると理解をされるのですが、今通産省の見込みとして二六・五%、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
○政府委員(森誓夫君) 三十二年度におきます得率が現在現実にどういうことになっていきますか、これは必ずしも二六・五%で落ちつくものだという断言もできないわけでありますが、しかし、もしこの得率に変動がありますならば、当然原油の輸入量を調整すべきものと考えております。やはりわれわれの作業の前提は、ガソリンの内需が三百九十万キロリットルである、これから作業をしていくべきだと考えております。
○相澤重明君 わかりました。いわゆる政府の考えている、通産省の考えているところが、事務当局としては一応三十二年度は二六・五%と見込んでおる、もしそれが二八・五なり、あるいは二八・一六なりということになれば、輸入量というものを調整する必要がある、しかし私はここで、それでは一つお尋ねをしたいと思うのですが、国際的な石油競争の中において、今政府もやはり輸送確保、あるいは輸送路の隘路を打開し、できるだけコストを下げた製品を作ろうという中では、やはり造船という中のタンカー、大型タンカーというものを私は考えられると思うのでありますが、これは運輸大臣に一つお尋ねをしたいと思いますが、タンカーの場合に、今までの二万五千トンなり三万トン級のタンカーで、やはり日本が将来国際競争の中にいくのか、それとも今、英米各国が進めておるところの七万トン、八万トン級のタンカーを考えていくのか、この点について運輸省の所見を一つ承わっておきたい。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 現在の段階でいわゆるスーパー・タンカーという三万トンから四万トンですが、これが六万トン七万トンと大きくなっていく傾向にあります。
○相澤重明君 そういたしますというと、もし運輸大臣の御答弁のようにスーパータンカーがジャイアンツ・トウにだんだん大きくなっていくとい考え方に立つならば、これは同じ一つ船、あるいは人間も大してふえない、あるいはまた航海の日数もそう変らないということになれば、輸送する量というものがふえてくる、こういうふうにわれわれは理解ができるのでありますが、そのように考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 一そうで輸送する量はふえると思いますが、結局輸入する分量は、全体としてつまり外貨の方からきまってくると思います。
○相澤重明君 まあ公式な答弁で、公式論から言えばそういうことになろうかと思うのでありますが、おそらく私は、業界の諸君が考えておることも、やはり日本が国際競争に負けない、一人前にお互いに一つ業界も伸びていこうという考え方に立てば、やはり今のスーパータンカーというものをだんだん大きくしていくことが予想される。そうした場合には、できるだけ日本もこの輸送量というもののコストを下げる、こういうことにもなろうかと思う。従ってこれは政府が無理に抑えなければ輸入量というものは私はふえてくるのが当然だ、そう思うのでありますが、これは議論の問題でありますから、特に申し上げませんが、そういう点も含めまして、私はさっきのこのガソリンのいわゆる見込み量というものが、政府の考えている三百九十万キロリットルに固定したものだ、こういうふうには必ずしも見ておらない。そこで三百九十万キロリットルが少くとも四百あるいは四百二十万キロリットル、四百十五万キロリットル、こういうような数字が私は出てくる。その場合に今の値上げ額というものを、先ほど申し上げたように衆議院で一応五千三百円という修正が出されましたけれども、私はこの際、もし業界の人たちなり、あるいは参議院の良識に訴えて、そうしてこれらの検討を進めた中で、これはもう若干でもできるだけ利益与えることができる、あるいは下げることができ得るという見通しに立った場合に、全部をなくするわけにはいかぬと思うけれども、軽油引き取り税というものはなくする考えがあるかどうか、この点をお尋ねしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 輸送のうちにおきますスーパー・タンカーの問題から軽油の減免税になりましたが、私はスーパー・タンカーに向っていきつつあることはもう認めざるを得ません。日本におきましては三万四千トン級がもう効き出しておるわけです。しかし、それだからといって軽油を減税する、免税するというところにはいかないのじゃないかと思います。従って、ただいまとしましては、輸送賃の下ることによって減税の問題は直ちにこぬと思います。
○相澤重明君 それではほこ先を変えて一つお尋ねしたいと思うのですが、どうしてもいわゆる地方譲与税の問題にしろ、今言ったこのガソリン税の値上げをしなければならない、こういう政府の確固たる信念で御提案をされておると思いますが、先ほども各委員からいろいろ意見が出されましたように、少くとも今は自動車の道路を整備する、こういうことで、今度の増徴というものはお考えになったと思うのです。ところが現実には、むしろ自動車がこわれるのは道路が悪いからだ、こういうことはわれわれが自動車に乗ってみればよくわかるわけです。がたがたと揺れて通るというのがほんとうの事情じゃないか。そうすると私は少くとも国策として輸送路の隘路を打開する、あるいは今、建設省が十カ年計画のいわゆる修正をした建設計画というものを持つ場合に、これは国策として取り上げたと思うのですが、この場合の考え方はいかがでしょうか。国策としていわゆる今までの道路建設五カ年計画というものを修正をされて、十カ年計画を今考えておると、こういうふうに私どもは理解をしたいと思うのですが、その点いかがでしょうか、大蔵大臣。
○国務大臣(池田勇人君) ちょっと聞き漏らしましたが、十ヵ年計画が変ったならば、ガソリン税の税率をどうこうするかと、こういう問題ございますか。
○相澤重明君 ガソリン税の問題に入る前に、つまりいわゆる輸送路の隘路ということが一番国策の中では重要な問題だ。そこで今までは五カ年計画という道路建設を政府は行なってきたわけです。ところがその一五カ年計画というのは来年でこれは終るわけですね、本来ならば、ところがその来年で終る前にことし新たに十カ年計画というものを立てられた。その十カ年計画というものは急激に、池田大蔵大臣が運輸委員会なり、本日もまたお話しになったように、昨年は急激に日本の経済というものは伸びておる。そういう意味で、今何としても運送力を増強しなければならぬというのは、一番大きな政府の施策である。こういう中で、どうして今までの計画では間に合わぬからここに十カ年計画というものを立てた、こういうふうに理解してよろしいかどうか、こういうことであります。
○国務大臣(池田勇人君) その通りでございます。ただ十カ年計画を立てたのじゃなしに、立てつつあるというところでございます。
○相澤重明君 そういたしますというと、いわゆる政府の国策として十ヵ年計画を立てつつある。しかもその第一年度として三十二年度の予算の中で、どうも予算というものが思うように配分ができない。そこで受益者負担という名目をとって、今度はこのガソリン税の増徴をお考えになってきた、しかし本来の考え方に立てば、国策という重点主義にお考えになるならば、当然いわゆる通路建設費あるいはまた補修費というものは一般経費の中で出すのが当然ではないか。しかし今金がないから出せないのだ、こういうふうに私は政府の答弁の中からうかがえるのでありますが、そういうことでよろしゅうございますか。
○国務大臣(池田勇人君) この当委員会で私は受益者負担、受益者負担ということが非常に響くのでございまするけれども、これはものの言い方だと思います。これは国民全部が一応、受けるのでございます。しかし、そのときに道路の修理、補修をなぜだれが主としてやるかというところに目的税になってくる。目的税だからといって全部これだけでやろうというのじゃなし、だから他の機会に目的税的と私は言っておりまするが、だから国民全般が道路をよくして、経済基盤をつちかい、発展をみていこうという場合に、受けるものは国民全般でございます。ただしかし、当然の場合と申しまするか、さしむきそれじゃだれが負担するかというときには目的税的、ガソリン税の本来からいって、それをお使いになる自動車の所有者並びに自動車の営業者、そうしてまたそれにお乗りになり、それをお使いになる一般国民が、受益者でございます。だからそういう考えでいきまして、私は片一方ではそれを利用せられる人、ガソリンを利用せられる方が負担する、そうしてまたでき得るならば一般利用者ということよりも、全般の国民として一般会計から出していこう、こういうことでございます。
○相澤重明君 まあ日本語ですからなかなかこの解釈がむずかしいので、目的税的ということなんですが、それも一応理解をいたしまして、単に業者ばかりでなくて、やはり受けるものは国民の皆さんであると、こういうまあ大蔵大臣のお話だと思うのですね。そうしますというと、私はここにお尋ねをしたいのは、政府は一千億の減税をはかるということは、少くとも勤労階級に対するできるだけサービスをし、勤労階級のいわゆる税というものを低くしてやりたい、国民の生活を向上させたい、こういうお考えで私は政府はこのたびの措置をとられたと思うのです。そうしますというと、今のガソリン税を値上げすることは、ひるがえってこれをまた一千億という減税を、実はこの自動車関係の業者なり、あるいはそこに働いておる労働者諸君に転嫁をしたものである、こういうふうに考えられるのでありますが、その点は違いますか。
○国務大臣(池田勇人君) その点は違います。この点ははっきりあなたとは違うのです。改正前の税法によりますると、あまりに一部の人の負担が多過ぎるので、これは税金がこんなに上ってきたときには負担者に対しまして減税をするのが、これが政府としての責務でございます。だからまず非常に過当な負担につきましてはこれは減税しよう、そうしてそれで余っ分につきましてはこれを一般の施策にしよう、こうしておるわけでございます。で、一般会計から社会保障もいたしましょうし、あるいは政府の義務的なものも出しましょうし、公務員の給与も上げましょうし、地方交付税もふやしましょうし、いろいろなことをしたわけであります。そうして昨年は四億円であったのが四十四億円になったわけであります。しかし、片一方のガソリン税の引き上げというものは、昭和二十八、九年からの目的税ならば、目的税といえばその財源で仕事をやるのが目的税、そればかりではいけませんから、目的税的なやり方でいっておる、的の字を加えておるわけでございます。それはやはり道路の補修自体から考えていったのであって、減税せずに道路の補修費に千億円持っていくという考え方は、それはおありかもしれませんけれども、私はそうは考えません。やはり減税はまずやって、そうして適当な税負担にして、そうして歳入の余ったものをどこに振り向けるとか、そうしてそのときに余ったものを、社会保障をせずに、公務員の給与も上げずに、賠償も払わずに、道路に持っていくということになりまするが、それは私はとれない。こういうことであります。
○相澤重明君 五時になってしまったので、質問がたくさんあるのですが、できませんので、これは一つ大蔵大臣の言われることもよくわかりました。そこで運輸大臣にお尋ねをしたいのですが、今度のいわゆるガソリン税を値上げすることによって、自動車一台に対するところの負担というものはどのくらいになりますか、お尋ねをしたいと思うのです。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 今、政府委員からお答えをいたさせます。
○政府委員(山内公猷君) 自動車一台という数は、別にとっていないわけでございますが、事業の収支率は、先ほど申し上げましたようにバスにおきまして九六・一八%、乗用車におきまして九六・二九%、トラックにおきまして九九・四九%という数字が出ております。
○相澤重明君 これはもうやはりこの委員会で全部答弁をしろといったところで、なかなか資料がないと思います。これは私が突然質問するというと、準備をさしておかないことですから、それは運輸省は神様でないから、全部そうというわけにいかないから、これは小委員会で十分そういう資料を出して慎重に御検討をされて、各委員の人に納得してもらう、これがやはり大事だと思う。政治の要諦というものはお互いによく話し合って納得することだ。そして国民の皆さんも疑惑を持たれないで、なるほど政府のやることに協力をしよう、われわれも一生懸命に働こう、こういうことが、私は一番大事なことだと思います。そこできょうのそれらの、一体自動車一台当りのどのくらいの負担になるのか、あるいはそのためには中小企業の人たちはどういう立場に追いやられるのか、こういうことも実はお考えにならないと政治にはならないわけなんです。ですから、私は今御答弁を特によけい求めようとは考えておりません。きょうは時間もありませんから、大体五時ですから、なお、あと同僚の委員とも審議をすることにしましょう。きょう私一応保留しておきます。
○委員長(廣瀬久忠君) 他に御質疑ございませんか。 御質疑もないようでありますから、本連合審査会は本日をもって終了することといたしたいと存じますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(廣瀬久忠君) 御異議ないと認めます。よってさように決しました。 これにて散会いたします。 午後五時四分散会