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26回国会参議院1957/07/10

商工委員会 閉会後第3号

発言数
34
登壇者
11
会派数
3
開催日
1957/07/10

会議録

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) これより委員会を開きます。  本日は中小企業金融を議題として調査を進めます。  本日は特に金融の実情を聴取するため、参考人として全国銀行協会連合会専務理事水田直昌君、全国地方銀行協会専務理事吉橋鐸美君、商工組合中央金庫理事加藤八郎君、中小企業金融公庫理事江崎千準君の四名の方々の御出席をわずらわしました。  参考人の方には御多忙のところ、まことにありがとうございます。  そこでお諮りしますが、まず参考人の方から中小企業における金融逼迫の実情及び各金融機関でとっておられる対策について御説明を願い、それを中心として委員から質疑を行なったらどうかと思いますが、それでよろしゅうございましか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) それではまず銀行協会の水田さんからお願いします。恐縮ですが、大体十分くらいでお願いしたいと思います。

水田直昌全国銀行協会連合会専務理事

○参考人(水田直昌君) 私ただいま御紹介にあずかりました全国銀行協会連合会の水田と申します。東京銀行協会の方も兼ねてやっております。  中小企業の金融についての逼迫の状況ということでございますが、銀行としましての中小企業に対する関係は主として今日御列席の吉橋さんが非常にまあ重大な関係をお持ちでございまして、私、全国といたしまして、参考書類をお手元に差し上げておきましたが、それにつきまして大づかみのところを一応簡単に申し上げてみたいと思います。その四月末現在でございますが、中小企業に対する全金融機関の貸し出しが大体二兆四千五百億ということでございますが、そのうちで銀行として貸し出しておりますのが一兆四千八百億余、大体全体の六〇%前後ということになっておりますので、相当なまあウェートを持っておりますからこれはやはり関心を持たなければならないことは当然でございます。その六〇%前後を占めておりますが、それに対するいわゆる都市銀行と地方銀行との関係はどうであるか、こう、申しますと、差し上げた書類でごらんいただきましたる通り、都市銀行は全体の貸し出しの約三〇%前後が中小企業向けになっておりますが、地方銀行は全体の貸し出しの約二八%前後というのが中小企業に対する貸し出しに向けられておるのでございます。それで最近金融逼迫でどういうような貸し出しの状況になっておるかということでございまするが、お手元に差し上げました全国銀行総貸出金中に占める中小小業向け貸し出しの割合、これについて見ていただきますると、われわれいつもこの前の引き締め、つまり二十八年、九年当時のあの引き締めのことをいつも頭に置いておりますが、二十八年の九月末、これがこの前の引き締め直前の状態でございます。この九月末の現在で見ますというと、貸出総額が二兆五千億でございました。それに対する中小企業向けの貸し出しが九千二百何がし、割合としまして三六・九%、これが中小企業向けに出されておった金でございまするが、自来二十九年、三十年引き締められ、ことに二十九年が引き締めの一番ひどい影響の現われた年でございまして、その年には絶対額においてはちょっとふえておりますが、ほとんど横ばいということでパーセンテージは減っております。相当まあパーセンテージの減を見せております。自来三十年、三十一年というふうに資金が相当緩慢になって参りましたので中小企業向けの貸し出しも相当な伸びを示してきております。で、計数のまとまりがおそうございますので、四月末現在しか全国としては現在はできておりません。最近の数字としましてこれで見ますと一兆五千二百五十六億というようなことになっておりまして、前年の同期から比べまして三千数百億というものの増加になっておるのでございまして、絶対額としましては一応四月末までとしましては順調な伸びを示しております。ただし、この一月以降、実は引き締めの警告が発せられたのが御承知のように五月八日でございますが、われわれとしましてはもう一、二月ころから為替関係は非常に悪いというようなことで、関心を持っておったわけでございますが、それが貸し出しの面に現われてきますのはまだそれほどでもございません。それで四月は三月に比べまして計数においては中小企業の貸し出しが一億五千二百何がし、これは四月末でございます。三月末は一億五千三百何がしということで、ちょっと四月に減っておりますが、これは実はいつも三月が決算期で相当ふえまするので、今われわれの見ますところではこの数字はまず横ばい程度ではないかと、かように考えております。それでこの前の例を見ますると、引き締めを本格的に行われてから、中小企業に対して影響がいつごろ現われるかと、これは手形の不渡りの関係が一番よく示すのでありますが、それによりまするというと、二十八年の十月から本格的な引き締めが行われたのでありまして、それが実際に影響を現わしましたのが大体四カ月ないし六カ月後に手形の関係を見ますると出ておるのでございます。  それで貸し出しの点も二十九年の一月から三月までは現実に中小企業に対する貸し出しが二百七十四億あのときは減っております。二十九年の四月から六月までの三カ月で三百六十一億減るというような数字になっておるのでございまして、まあわれわれとしましてはこれから引き締めの影響が相当出るのじゃないかというふうに見まするので、この数字、つまり中小企業に対する貸し出しが何と申しましても総体的に減るということは、これは間違いがないと思いまするが、絶対数におきまして相当心配りをいたしまして、この前の総資金量に対する減り方、これをにらみまして今後は総資金量に対する減り方、絶対の減り方をそう多くないようなふうに持っていかなければならぬじゃないかと、かようにまあ心がまえをいたしておるわけでございます。  それで現在の、今大蔵省並びに日本銀行からおしかりといいますか、注意しろと言われているのはコールがレートが五銭、六銭で、これは国会でも必ずや御注意しておられることと思いまするが、この窮迫状態と申しますか、これは都市銀行、これはコールをとったのは都市銀行ばかりなんでございますが、三十一年度は輸出入貿易と同じような状態でございまして、預金の増加は割合にようございました。大体八千二百億くらい、三十一年度ふえておりますが、つまり輸入が非常にオーバーした。同じように貸し出しが非常に事業家に需要が多うございまして一兆四百億というようなことになりました関係上、日銀からのオーバー・ローンをかなり押えましても二千三百億ふえておる。  ところが今年になりましては預金を各事業家が引き出して使う。従いまして都市銀行では預金の減が四月から六月まで八百億になっております。地方銀行の方では四百数十億の増、差引いたしまして三百何がしの預金減ということになっておりますが、それに対しまして貸し出しを極力押えることをやりましても、なお依然といたしましてある程度の増、千五百億ばかりふえておりますが、それで銀行としましては逆ざやで今長期が二銭五厘ないし二銭八厘で、短期は二銭四、五厘で貸しておりますが、五銭、六銭というのはまさに一日三銭くらいの逆ざやで損をしつつ貸しておる。こんなばかなことはございませんが、そうしませんと事業は……これ以上ば御推察いただくことになりますが、そういうような窮迫した資金状態になっておるわけでございますが、まあしかしその中におきましても六月の中旬に全国銀行に中小企業対策委員会というものがございまして、そこでまあいろいろ議しました結果六月の、当時はまあ三月までの数字しかわかっておりません。三月までの数字で見れば、まあ大したことはない、中小企業は順調にいっているけれども、今後影響があるということを当数覚悟しなければならない。従って中小企業に対してはこの前の例もあり、事、輸出に関連する中小企業については、相当目をつぶって出すべきじゃないか。  それから支払いの促進、いわゆる大企業の支払いの促進であるとか、質のよくない両建預金の自粛、そんなような点はお互いに監視してやらなければならないというようなことを申し合せをして流したわけでございますが、今後も前例によりまするというと、四カ月ないし六カ月でこの不渡りの面に出てくる。今度はどのようなことになりますか、ただいまのところ不渡りの関係その他計数的に見ますると、まだ序の口でありますので全国的にこういう数字に、こういうようになっているということを申し上げるまでの何にはなっておりませんが、今後、おきまして大いに監視しなければならないのじゃないかと、かように考えておる次第でございまするが、何と申しましても、今コールを五銭、六銭で何しておりますのは、ちょうど百キロのスピードで走っているのを、これだけの期間の間に二十キロにスロー・ダウンしろというようにして、非常なブレーキをかけられておりますので、ブレーキと車輪との摩擦がぎいぎいいっているというのが、コールが五銭、六銭ということだろうと推察するわけでございまして、もう少しとにかく期間を置いていただければ、この摩擦も非常に少くて済むのではないかと察せられますが、しかしこれは国際対策の関係』、そういうわけにも参りません。銀行としましてはこの影響ができるだけ中小企業に及ばないように、それで実はほんとうに何を締めなければなりませんから、ある銀行ではたとえば一億の貸し出しを締めるのに、都市銀行の中小企業向けの貸し出しの平均は大体二百万円になっております。二百十何万円ということになっておりますが、二百万円の一億締めて金を少くするということになりまするというと、五十軒締めなければならんのでありますが、五億の貸し出しのものに対して、一億云々、まあ二割ということで、二割締められないが、そのうちの一割締めても、大きなものを二軒締めればいい、小さなものを二十軒も三十軒もやるのは相当手数がかかるわけであります。方針としてそんなことを支店長会議で言っている銀行もございます。しかし、中には中小企業に対しても、こういうわけでなかなか締まるのだから、やはり今はこうであるけれども、二、三カ月先にはこういうことになるのだからその覚悟でやってくれなければならぬということを言っておる銀行もあるわけでありますが、中小企業庁の方などから承わりますと、そういうことを言ってくれると非常に不安におびえるから、その点をよく心してくれという御注意もあったわけでありますが、何と言いましても急にブレーキをかけて業者が倒れるというようなことがあっては、これは相済まないというこれは銀行全体の立場と申しますか、考えなんでございます。時間の関係もございまするが、私、東京銀行協会としまして、先ほど不渡りのことをよく世間でもう五月、六月引き締めが不渡りに出ている、こういうことをよく新聞で申しておりまするが、実際の数字から見まするというと、まだそれほど出ておりません。ぼつぼつこの六月ごろに少しずつ出てきているように見えまするが、まだ御説明申し上げるほどにはなっておりません。ただ中小企業として、不渡りの面から見まして、六月にある程度前月に比べて増加したなと思われるのは、繊維類と、これは織物並びに衣服及び身回り品の繊維業者、それから機械類の部分品の業者。それから卸、小売を見ますと、やはり卸の方が五月に比べまして若干不渡りの面から見て多くなっております。他面不渡りで減っておりますのは料理屋及び興行面でございまして、これはやはり消費の方がほとんど何と申しますか、むしろ消費面から見たならば順調という言葉を使っては何ですけれども、これはちょっと不渡りの面から見た一つの現象であるというふうに私ども注意しておるわけであります。  それからお手許に差し上げました都市銀行として金融相談所というのを東京と大阪と名古屋の三カ所に持ちまして、それぞれ支店長級の主任者がおりまして相談に応じておるのでございまするが、この五月はまだ引き締めの影響は出ておりませんが、六月の実績をつい二日ごろ前にまとめたのによりますというと、大体資金の使途別では、設備資金の相談が相当減っております。運転資金の相談が相当ふえております。それから金額は前月と大した変りございませんが、件数が五月に比べて三〇%とぐっと減っておりまするので、それは窓口で聞いてみまするというと、景気の下降がこれは一体どういうふうなことになるのですか、とにかく相当不安な面もありまするので、今ちょっと、しばらく相談を見合せようというのが相当あるやに窓口では申しておるのでございまするが、この相談所は東京で十七カ所、大阪で十九カ所、名古屋で十四カ所都市銀行として設けまして、じみではありまするが相当やっておるわけでございます。まあこれは割合によく利用されまして、紹介もそれぞれ国民金融公庫、相互銀行、信用金庫、地方銀行と相談にくる方の実力に応じてそちらの方面にもあっせんをいたしておりまして、大体成立いたしますのが、相談に見えた中で件数で五〇%、金額で二七%というようなことになっております。これは宣伝が下手で足りませんからでありますが、知られておる方面ではよく利用せられておる状況でございます。  はなはだ雑でございまするが、要するにこれから本格的に相当こういう方面に現われてぐるのじゃないかと考えております。それに対しては、われわれといたしまして、先ほど申したような心がまえで処することにいたしたい、かように考えておる次第でございます。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ありがとうございました。  次に全国地方銀行協会専務理事吉橋鐸美君にお願いいたします。

吉橋鐸美全国地方銀行協会専務理事

○参考人(吉橋鐸美君) 私、全国地方銀行協会専務理事の吉橋でございます。金融引き締めの影響が地方銀行の窓口にどんなふうに移ってきておるか、特に中小企業金融についてどうか、こういうお尋ねでございますが、結論から先に申しますと、ただいま水田参考人が御説明申し上げましたように、ただその影響はそれほど取り立ててどうというほどはっきり出て参っておりません。従ってこの席で計数的に今こういうふうだ、こういうふうな御説明を申し上げる段階に至っておりません。  その理由といたしましては、水田参考人のお述べになったように、引き締めの影響が大体半年くらい、地方産業なり中小企業なりに半年くらい期間を要する。もちろん地域によって、東京、大阪のような大都市、あるいはその周辺ですとこれはそれが四カ月とかというようなことで影響がありますが、大体地銀の営業基盤であるところにはまずならして半年くらいであります。それが引き締めの前の段階の、いわゆる資金需要の浸透とでもいいますか、昨年の夏ごろから秋、ことしの初めにかけて非常な大企業を中心にした資金需要が非常に旺盛だ、それが半年くらいたったこの二、三カ月ごろからぼつぼつ地方の方に浸透を始め出したところで引き締めにぐっと転じたわけであります。従って、資金需要自体が、大企業と同じような資金需要は地方の中小企業なり、地方の虚業には出かかったところでそれが頭を抑えられて、それがしぼんだといいますか、考え方がかなり変ってきたそういうことが一つ。従って、大企業における資金需要と金融引き締めとの衝突というほどのフリクションが地方産業なり、中小企業にはそれほど切実な形では出てきて今のところいないように思います。それから引き締め自体の影響ももう少し先、まず九月以降出るとすれば、そのころから計数に上ってくるのじゃないかと思います。それから具体的な姿としては、もういつも言われておりますように、現金で支払われておったものが手形に切りかわる、そういったことは再々耳にしております。それから手形のサイトが六十日が減って、九十日、あるいは百二十日がふえてきている、こういったこともごらんになっておると思います。東京商工会議所の御調査に計数で出ております。大体あれと同じようなことはわれわれ耳にいたしております。従って、地方銀行の、取引先についても、今の段階で影響は何かと、こうお闘いになれば、手形サイトの延長に伴う運転資金の需要増、こういう形で出てきております。現在の段階では従来の取引先に対しては、それをどうにか今まかなって手をつくようなことにはなっていない。今の段階ではこういうふうにお答えできるかと思うのであります。  それから影響としましては、そういったところでございまするが、地方銀行として一体どういう考えで中小企業なり地方産業なりに融資態度できているか、こういうことについてごく簡単に御説明申し上げます。大体昨年の三十一年度を通じまして、金融緩慢の苦い経験ももちろん影響を来たしております。地方銀行はやはり地元産業なり、中小企業、これが地方銀行の商売をやっておる基盤なんだから、これをしっかりここで足をつけて仕事をやっていく、そういうことを地方産業なり中小企業を深く耕やす、深耕対策、深耕政策、こういったような言葉でわれわれ申しております。一年間かなりみっちりやってきたつもりであります。それがお手元の資料にも計数でちょっと出ておりますが、またあとでごらんいただきたいと思います。三十一年度中に地方銀行の貸し出しが二千三百億増加いたしました、全体としてですね。そのうち千五百億、大体六八%を中小企業に貸し出しておるわけであります。残高といたしましても、ことしの三月末で約全体で一兆一千億貸し出しておるうち、七千億を中小企業、六〇%ちょっと余ということになっております。これが一時六〇%を割って、五八とか七とか、そういう比率にまで下ったことがありますが、昨年度一年を通じまして、とにかく中小企業なり、地元産業を中心にという政策をとって参りました結果、そういった形になっております。現在の段階といたしまして、今後やはり中小企業なり地元産業についても引き締めのしわが漸次出てくるかと思うのであります。しかし、それに対しては、方針として、従来の方針をそのまま踏襲して、そして中小企業なり地元産業、これをまかなって、余力があれば、あるいは新しい、たとえば都市銀行と従来取引をやっておったけれども、選別融資を受けて金融の道がつかない、そういうお客さんに対しても、従来の取引の方をまかなった上で、力があればおつき合いをしていく、あくまでも従来の取引先、これを中心に考えていく。もちろん大企業に対する融資なんかにつきましては、これはもうよほどのことがなければ従来の中小企業なり地元の産業を手薄にして、そして大企業にそれを向けるというようなことが絶対にないようにということは、地方銀行全体として戒心をいたしておるところでございます。従って、金利の同順たんかにつきましても貸出金利の引き上げについてまあ市中金利は二厘引き上げる、こういった線が一応出ておりますが、今の段階では大体規制内と規制外というふうにいっておりますけれども、規制内の金利について一厘の引き上げが大体終り、規制外の一厘引き上げがぼつぼつ始めている、つまり、規制外は長期の金とかそういったものでございますが、先般定期預金の金利が引き上げられたのに関連して一厘上げる、従って、三厘引き上げということが公けにはさまっておりますけれども、現在の段階では、まだおしなべて一厘引き上げの段階もまだ完全にはいっていない、こういったことで、でき得る限り金利面においても影響を少く、それから融資の面においても手三をつかせないように、こういうふうに努力いたしているつもりでございます。大体概要だけ御説明申し上げまして御質問があればお話申し上げたいと思います。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 大へんありがとうございました。  次に商工組合中央金庫理事加藤八郎君にお願いいたします。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) それでは私から商工中金の最近の状況並びに三十二年度の資金計画と、これに伴いまするお願いとを申し上げたいと存じます。  すでに全国銀行協会、地方銀行協会の皆様方から引き締め後の状況について御説明ありましたので、重複した点はなるべく避けて申し上げたいと存じますが、商工中金といたしまして、まあ影響を考えられますことは二つございます。  一つは、この引き締めによりまするしわ寄せが中小企業に寄りまして、それに伴いまする資金需要が商工中金の方に最近増加して参っている、こういう点と、もう一つは、このわれわれの資金獲得の方法として債券の発行をしておりまするわけでございますが、この債券の消化が鈍化いたしまして、計画通りの調達は困難であるというような状況になってきていることでございます。さらにこの前段の資金の需要が増加したという点を申し上げますと、これはすでに皆様方からお話あるように、まだほんとうに本格的な需要というものは今後にあるのじゃないかと思うのでございますが、しかし、商工中金の窓口を通じて見ますると、その影響がかなり現われて参っておりまして、新需要が前年の大体三〇%ぐらい増加しているような状況でございます。もちろん経済の拡大に伴いまする自然の増というものもございまするけれども、これはまあせいぜい一二、三%、多く見ても一五%程度でございまして、あとの残りの、三〇%のその差額は、これは一般のこの引き締めによる影響による資金の需要増加ということでないかと思うのでございます。それで窓口におきましていろいろお取引先から承わってみますると、どういう点からその資金の逼迫を来たしているかということでございまするが、そういうことを聞いてみますると、まあその金融機関の選別融資の強化に伴って、なかなか借り増しとか、あるいは新規の借り入れが困難であるというようなことをいっているのがございますが、さらにまた従来いろいろ商社等から金融をめんどう見てもらっておるメーカー等が、いわゆる問屋金融とでも言いましょうか、そういう生産金融まで商社に依存しておるものもございますが、それが商社金融の引き締めによって、そういうめんどうを見てもらえないというようなことを訴えております。それから中小企業のメーカーには非常に下請が多いわけでございますが、その親企業からの支払い条件の悪化、すなわち今まで現金であったものが手形になる、また手形にいたしましても手形の期間がだんだん長くなるというような状況で、支払いの条件の悪化によって資金が詰まってくるというようなことを申すのでございます。それで一般に中小企業者は、手形の量が増大して参っておるのでございますが、しかし資金量が一般に少うございますから、これをかかえて資金化できないというところに悩みがあるようでございます。中金の取引先を見ますと、大体商工中金を主力銀行としておるところもございますけれども、一般の金融機関に資力をお願いして、足らないところを中金に資金を求めるというのが比較的多いわけでございますが、そういうところにおきましては、一般金融機関で調達できないその限界すれすれのその調達ができなければ倒れるというような状況にあるような緊迫した資金の需要がございますので、われわれといたしましては、一般の金融機関が引き締めておるのに、中金がそれをへたにそのしりをぬぐうということでは引き締めにならないじゃないかというような御批判もございますが、もちろんわれわれとしてもそういう力もございませんし、またそういう考えを持っておるわけではございません。ほんとうに倒れてしまうというような状況の場合には、できるだけの資金の融通を申し上げるというふうに考えておるのでございます。そんなことで資金の量は、中金といたしまして、現在持っておりまする資金量ではどうしても今後足らないのじゃないかというふうに考えまして、いろいろ政府の方にもお願い申し上げておるような次第であります。  それでお手元に差し上げてございまする一枚の半ぴらの資金計画がございますが、これで申しますると、当初年度初めにおきまして、商工中金として考えました金額は、貸出金——固有貸し出しといたしまして百億円の増加、それから中小企業金融公庫の代理貸しとして新し二十五億のワクをいただきましたので、これを合計いたしまして百二十五億というのが商工中金の貸し出しの計画であったのでございます。それが最近になりまして総合対策として政府から資金をいただいたのもありまするし、また一方債券の消化が思わしくないために、その計画を減少するというような状況でございまして、結論を先に申しますると、固有貸しの方で百五億、それから公庫の代理貸しの方で四一億ということで、百四十五億の資金計画を持っておるのでございます。なおこの内容につきまして若干御説明を申し上げますると、資金の調達の面から申しまして、出資金でございますが、これは三十二年度の財政投融資計画で政府から十五億円の出資をいただきまして、まことにありがとうございました。この十五億円のほかに組合といたしましても五億円の増資をしようということで、合計いたしますると、二十億円の資金が出資金によって増加するわけでございます。それから債券の発行でございまするが、当初の計画におきましては八十億円の発行を計画いたしまして、そのうち七十億円は利付債券の増加、それから十億円は割引商工債券の増加、かように考えまして、さらに利付債券の増加七十億のうち二十億円は資金運用部のお引き受けをお願いするというふうに計画しておったのでございます。ところがその後市中の五十億の消化ということはなかなか困難な情勢にございまするので、これを三十五億円に改訂いたしまして十五億円を減少いたしたのでございます。しかるに一方資金運用部による利付債券の引き受けは先般の総合対策といたしましてさらに二十億円をふやしていただいたのでございますので、資金運用部による引き受け額は四十億というふうに増加いたしたのでございます。しかしながら先ほど申し上げましたように、市中消化は十五億減っておりますので、債券全体といたしましては五億円の増加ということに計画を変えたのでございます。それから預金、借入金の点につきましては当初計画と異同ございませんが、最後に中小企業金融公庫の代理貸しのワクの増加でございますが、これは当初二十五億円のワクをちょうだいいたしたのでございますが、このたびの総合対策の一環として商工中金の代理貸しのワクを十五億円ふやしていただくことになりましたので、合計四十億円というふうにワクを増大することができたのでございます。この結果結局百四十五億円の貸出計画ということになるわけでございまするが、昨年の三十一年度の貸し出しの増加は年間百三十五億円でございましたので、今後の資金需要の増大ということを考えますると、これではとても足らんじゃないかということでございまして、ただいま政府の方にお願い申し上げておりまする点は、この利付債券の四十億というのをさらに十億ほどふやしていただきたい、と申しますのは、市中消化が三十五億できますると資金運用部資金法の規定によりまして、四対六の比率で、資金運用部が引き受けていただく余裕がございまするので、大体五十二億ほど資金運用部の方にお願いできる余裕がございますので、すでにお認めいただきました四十億との差額、まあ十二億でございますが、それをまるくいたしまして、十億ほど利付債券の消化を一つ資金運用部といたしまして増加をお願いしたいという点と、それからさらに足らぬ部分につきましては政府からできますれば指定預金ということをお願い申し上げたいのでございますが、指定預金はいろいろ大蔵省の御都合でなかなか困難なような事情もございます、会計検査院からあの制度は会計法の違反の疑いもあるというようなことを言われておるので、さらにこれをふやすということは困難であるというようなお話もございまするので、しからばそれは割引商工債券の資金運用部による引き受けといたしまして年間五十億程度のものを一つお願い申し上げたい、こういうことをお願いしておるのでございます。そういうことがお認めいただげるようになりますれば資金もだいぶふえて参りまするため結局二百億にもなろうということになりますので、大いに助かるのではないかと考えておるのでございます。簡単でございますが……。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 大へんありがとうございました。  次に中小企業金融公庫理事江崎千準君にお願いいたします。

江崎千準中小企業金融公庫理事

○参考人(江崎千準君) 私どもの窓口から見ました最近におきまする中小企業の金融状況につきまして簡単に御説明いたします。  今月の初めに支店長会議を開催いたしましてその報告を徴したのでございまするが、その報告を総合いたしまして結論を簡単に申し上げます。金融引き締めの影響はまだ徐々に現われているという程度のようでございまするが、地域的に見ましてかなり違いがあるようでございます。特に大都市の方に対しましてはきつく現われて、中小の都市に対しましてはまだおくれておるという傾向でございます。この間国会、政府その他の団体の方々から中小企業に対する不当なしわ寄せをしないようにという御警告が前からございましたので、かような警告がかなり心理的な効果を及ぼしているようにも考えられまして、今後総合施策の進行状況等も見なければならないのでございまするが、総合いたしまして、七月を境といたしまして引き締めの影響がかなり表面化してくるのではないかという心配があるように思われます。引き締めの受け取り方につきましても地方によりまして実質的な影響よりも心理的な影響に左右せられておる面がかなり多いように見受けられまして、たとえば北陸地方のごとく人絹織物産業の不振な地区におきましてはかなり悲観的な見通しが強いのでございまするが、一方北九州等の石炭の景況がまだよろしい地区におきましてはそれほど影響も強くないように考えられました。金融機関への影響は地方銀行あるいは中小金融専門機関よりも都市銀行において顕著に現われておるのでございまして、従いまして都市銀行の資金の圧迫は、金融引き締めの影響が中小企業の中でも都市銀行の対象となるような部面に強く現われているということがうかがわれるのでございまして、特に大阪地方におきましてかような傾向が見られたのでございます。各支店とも中小企業者の私ども中小公庫に対する資金の需要は依然として衰えを見せていないので旺盛でございまするけれども、内容的に分析して見ますると長期運転資金の増加の傾向が六月以降だんだんふえてきておるというふうに考えられます。しかしながら設備資金につきましても設備の合理化の出おくれを取り戻すために中小企業者の中には依然として設備投資の意欲が底がたいものがあるように考えられまして、公庫の資金の需要は依然として旺盛であるように見受けられるのでございます。以上が大体の私どもの窓口を通じまして見ました最近におきまする金融引き締めの影響の簡単な御説明でございます。  中小公庫といたしましては金融引き締め政策がとられまして以降特に政府の御施策もありまして第四・四半期からの繰り上げによりまするところの貸付計画の変更をいたしまして、六月には十億円の借り入れ増によりまして、その他回収金等を含めまして第一・四半期全体といたしましては当初百二億の貸付計画でございましたけれども、百二十一億の貸付の実行ができました。差引いたしまして十九億円の増加でございます。第二四半期につきましては資金運用部から特に三十七億円の貸付増を認めていただきました結果当初の計画九十億円の貸付計画に対しまして五割増しの百三十五億円の貸付計画を立てまして目下実行中でございます。第三・四半期につきましては、当初百三十億円の貸付計画でございましたけれども、これでは第二・四半期に比べましてあまりにも少うございまするので、今後政府にお願いいたしまして、第四・四半期の借入計画の中から十億円を繰り上げていただきまして、その他の資金を合計いたしまして百四十六億円の貸付計画、当初計画に比しまして十六億円増の貸付計画を立てていきたいというふうに考えまして、特に金融引き締めの影響の現われる心配がありまする第二・四半期につきましては以上申しましたようなかなり私どもといたしましては大幅な増額をいたすということにいたしました次第てございます。  なお公庫といたしましては今年度の当初、年間を通じましての借入金額が二百億円ときめられておるのでございまして、そのうち第四一四半期には五十七億円を借り入れる計画でございました。今回の金融引き締めの措置に伴いまする政府の対策とされましても、公庫といたしましては精一ぱいの第四・四半期の借入計画の全額でございまするところの五十七億円を六月ないし第三・四半期の間において繰り上げていただくという措置でございまして、これは予算総則に縛られておりまする公庫の運営といたしましてはまことに手一ばいという状況でございます。なおその他回収増等の数字につきましてもできるだけ計算いたしまして、これを新たな貸付に向けて行きたいということにいたしました結果、ただいま御説明いたしましたように、年間を通じましては当初四百十五億の計画に対しまして四百四十二億、差引二十七億円増と、こういうことで進んでいきたいというふうに考えます。なお貸付につきましてはかような金融情勢でございまするので、第二・四半期以降につきましては特にこの金融引き締めによりまして影響を受けました中小企業者に対する緩和のために長期運転資金の貸し出し、資本構成是正のための長期運転資金の申し込みに対しましては優先的に取り上げていくようにというふうにいたしまして、各代理店にも特に通知を出しましたような次第でございます。設備資金につきましても輸出産業等緊要なものは特に優先的に見るつもりでございまするけれども、不要不急の設備資金の需要に対しましては若干繰り延べの措置を講じていただくように御相談いたしたい。こんなふうに考えておる次第でございます。  なお今回政府でおきめになりました六十億円の繰り上げの資金につきましては、主として中小金融専門機関に配分をしろという御趣旨に従いまして商工中金、相互銀行、信用金庫、信用組合等の中小の専門金融機関と、地方銀行を含めまして、これに重点を置きましてこの追加資金の六十億円につきましては配分いたしました。できるだけ中小企業に対する悪い引き締めの影響の現われないように公庫といたしましても精一ぱいの措置を講じていきたいというふうに考えて実行しておるような次第でございます。簡単でございまするが以上をもちまして私の陳述を終ります。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 大へんありがとうございました。  それでは参考人の御意見は一通り拝聴いたしましたので、これより質疑に入るわけでございますが、政府側からは今井中小企業庁振興部長、馬郡企業局産業資金課長が出席されておりますが、なお追って銀行局長も出席いたす予定になっております。参考人あるいは政府当局に対して御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  なお、委員長から各委員並びに参考人の方にお願いいたしますが、時間に非常に制約されておりますので、御質疑御答弁をできるだけ簡潔にお願いいたしたいと思います。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 私はまず第一に水田参考人にお尋ねをいたしたいのでありますが、今回の国際収支の赤字に伴うこの経済界の混乱と申しましょうか、金融界の混乱と申しましょうか、この点は確かに事実は事実なんでありますが、先ほどもどなたかのお話の中に、へなり神経的なものもあったというようなこともお話の中に出ているのでありますが、これはまあ率直に申し上げまして、相当そういう黄味において私どもは政府のやり方自体を見ると、実孫以上に何か騒ぎ過ぎているというような点も見受けるのでありますが、そういう点がかなり金融山場等への影響というものにも大きく響いている、こういうような見地から見まして、これはあなたから率直に言いにくいこともあるだろうと思いますが、特に一つこの日銀当局、大蔵省等に対しまして、この窮状打開について、こうされてはどうかとか、あるいはあなたの率直な御意見を、お差しつかえない限り一つ御開陳願いたいと思うのであります。

水田直昌全国銀行協会連合会専務理事

○参考人(水田直昌君) 神経的な点があろうかということですが、これはやはりある程度私どももそういうふうに考えまして、なろべく神経的な影響を与えないようにということを第一番に注意いたしているわけであります、  それからなお国際貸借の関係はこういうことでありますので、五月八日におやりになったあの措置に伴って、できるだけやれと、それからなお日銀のいわゆるオーバー・ローン、これは先ほどちょっと触れましたように、現血で四千数百億になっておりまするので、こんな関係からして、市中銀行に対する日銀の方の貸し出しももうまかりならぬということになっているわけでありますが、この間に処して、銀行、ことに都市銀行は努力いたしているのでありますが、今大蔵省の方にそれについてお願いをしておりますのは、この政府の財政資金の支払い、引き揚げ支払いの問題でございまするが、この第一・四半期だけで一千七百七十億でございますか、計数は若干あれでございますが、その引き揚げがございますので——その引き揚げも、輸入の増加による引き揚げは、これはとにかく札が揚げられることは、これは変りありませんが、これについてはやはり日銀等からそれについての貸し出しをするということは、これは慎しまなければならぬものだと思いますが、税その他によるいわゆる引き揚げ超過、この分については何とか——会計法の関係もございましょうし、いろいろ御都合もありましょうが、何とか市中にこのいわゆる引き揚げ超過というのは何とかとめていただくような措置はないものかなと、いうことにつきまして、今懇請いたしているわけでございます。  昭和三十一年度の引き揚げ超過が一千六、七百億ございましたか、この第一・四半期だけで。昨年度一カ年間に相当数揚げ超ということになっておるようであります。これはだれが悪い、いいという問題は別にしまして、何とかこれも緩和願えれば、その程度においてまたやりくりができる、かように思いまして大蔵省の方にも寄り寄りお願いをいたしている次第でございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 いま一点お尋ねいたしますが、先ほど産業別についてちょっとお話があったのでありますが、金融機関からごらんになりまして、今一番大きな問題になっておりますのは、大阪一の繊維関係、それから東京を中心にする鉄鋼業とか、あるいは機械工業、こういう問題が非常に大きく取り上げられ、また倒産者も特に大阪の繊維関係は多いようなんでありますが、まあ今後いろいろ悪い影響と、いうものが今後出てくるだろうと思うのでありますが、その今の機械、あるいけ繊維というような問題は、これは相当今まで輸出に貢献をした大きな産業なんでありますが、その他概略大きくつまみまして、どういうような産婆に今後影響が出てくるかという点を、あなたの立場から一つ御開陳願いたいと思います。

水田直昌全国銀行協会連合会専務理事

○参考人(水田直昌君) この点は過去の、どういうことになったかというのを見るよりほかございませんが、繊維関係のお話でございますが、われわれの見たところでは、昨年の一月から五月までの借り入れ一千万円以上で倒産したのは八十数社で、合計三十何億かと、昨年記憶いたしておりますが、ことしの一月から五月まででは、二百二十何件、約三十件、金額にしまして百一二億という、約昨年に比べて三倍程度というふうに聞いておりますが、これは引き締めというよりも、むしろ設備の過剰、並びに値段、つまり昨年の春に相当羊毛なり、綿花なり、輸入が多うございまして、その影響がむしろ多いのじゃないかというふうに専門家は見ておりますので、御質問の、先ほど私ちょっと機械工業云々に触れましたが、これはごく小部分の部分品のものでございまして、まあ小さな面についての影響を申し上げたわけでありますが、将来のことにつきましては、これは政府の御方針もあり、いやしくも輸出に関係するものについては、大企業及び中小企業はもちろんでありますが、できる範囲で努力しなければならないというようなことになっておりまするし、かつ日本経済界に与える影響から見まするというと、どの産業はつぶしていいというのは、これはなかろうと、こう——強いて申しますれば、いわゆる消費産業、これはもう不要不急の面で、もうわれわれ今日は日歩五銭、六銭で借りて、おるのは、もうそちらの方に出す余地は絶対にございません。将来どういうふうなことかと、こう御質問になります、どういう産業はつぶしていい、またつぶれるであろうということは、ちょっと一つ御容赦願うようにお願いいたしとうございます。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 これは吉橋さんか、あるいは水田さんからもお伺いしたいと思うのですが、いろいろ特に地方の金融の逼迫には、従来政府の、たとえば米価の決定がおくれたために、予約買付の問題がおくれて、だいぶ資金還付というようなものも見たというようなことも非常に影響していると思うのですが、そのほか、この政府なり、あるいは地方機関が、特に先ほど水田さんのお話の中にも、昨年はああいったような順調な形でいって、それだけ税金の方はきちっと取られる。それに伴って、いろいろ財政投融資なり、何なり、予算の執行がいろいろな関係で今年おくれたというようなことから、特にこの政府の支払いの債務といいますか、そういうものも何となくこうおくれているために、非常に一つ金融を梗塞しているのじゃないかという気がするのですが、そこいらの御事情はどうなんでしょうか。

吉橋鐸美全国地方銀行協会専務理事

○参考人(吉橋鐸美君) 地方銀行の窓から見ますと、ただいま御指摘の、米価の決定がおくれたから、米の概算金の出るのが例年よりも二十口以上おくれた。これは確かに地方の中小金融に間接の影響はあると思いますが、直接の影響としては、主としてこの金は農協を通じて農中に上ってくる金です。それがまた一般金融の方に流れていって、間接に……、しかし影響は確かにコール市場なんかにはあったと思います。  それから田晦金の関係は、どちらかというと、支払いが、金融市場の状況なんかを見て、最近かなりこまかく配慮せられておるようでございます。一例を申しますと、地方交付税交付金の繰り上げ支払い、こういったことが再々最近行われておりますので、直接政府支払いの遅延からくる金融梗塞ということは、取り立てて感じておりませんです。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ちょっと申し上げますが、大蔵省からは銀行局長が出席困難とのことで、ただいま大月財務調査官が出席されました。御質疑のおありの方は御発言を願います。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 私は商工中金の加藤理事にちょっとお尋ねしたいと思うのですが、一年ほど前に私の知り合いのもので、かつて商工中金から融資をいただいたものが支払いが困難で焦げつきになっているものについて、適当な方法によってできるだけこれを納めて何とか問題を解決したいという案件について私どもがお願いに出まして、当時非常に商工中金がそういうものに対してはケース・バイ・ケースで善処してきたという事態を私自身もよく知っておるわけです。ただこういうふうに金融難がひどくなって参りますと、政府の出資した金等を効率的に使うためにこの種の不良貸し付けというものに対してはできるだけ回収をしなければならないという状態に置かれていると、かように考えるわけです。問題はそうかといってあまり冷酷にもやれないというようないろいろな悩みがあると、こう存じますが、現在そういう問題はどのような状態に置かれており、またどんな見通しでございますか、御参考までに承わってみたいと思います。

加藤八郎商工組合中央金庫理事

○参考人(加藤八郎君) 延滞等になっておりまするいわゆる管理債権に対する取扱いの方針というようなお尋ねであったと存じますが、商工中金といたしましては、昨年あたりの好況の影響を受けまして、管理債権の内容も非常によくなってきておるのが一般的でございまして、今まで滞っておられた方々が再び納めていただける、あるいは利息等もお払いいただけるというような状況が現われておったようでございます。しかし今回のまた引き締めによりまする影響がだんだん深刻になって参りまする、優良な企業でさえもなかなか困難なことになってくるときでございましょうから、すでに悪いというような企業はますます困難であろうと考えられます。それで、そういうものをわれわれといたしましていわゆるつぶしてしまうというようなことは全然考えておりません。なるべく再び更生のできるように持っていきたいという一般の方針でございまして、それぞれ個々の取扱いについてはいろいろまたニュアンスが違ってくるかもしれませんが、一般の方針はさように考えておるわけでございます。それでこの期間等もなるべく無理のないように、支払い期間を延ばしてやるとか、あるいはその据置期間を延ばしてやるというようなことで納めやすくしていこうじゃないかというようなふうに御相談の上に取り計らっておるような実情でございます。

西川彌平治自由民主党

○西川彌平治君 振興部長にちょっと伺いますが、最近の私金融の引き締めの問題はどうもかけ声が非常に強くてそのためにかなりおびえておるような感じがしておるのでありまして、大企業がかなり下請に対して支払いを考慮しておるような点が見受けられるのでございます。すなわち今までの手形で払わない、現金払いをしておったもりが手形払いをする、それから手形の六十日のものは九十日、九十日のものは百二十日というように手形のサイト期限が非常に長くなっておるように私聞き及んでおるのでありますが、これは大体においてあまり評判が大きくなり過ぎた関係でおびえているような点が私はあるようでありますが、実際の状態をお調べになっておりましたら、ちょっとその中小企業に対する支払いの問題でご、さいますが、一つ伺います。

今井善衞中小企業庁振興部長

○説明員(今井善衞君) 中小企業に対する親企業の支払いはどういうふうになっておるかというお話でございますが、私どもも実は実情がどの程度であるかというはっきりした調べはないわけでございまして、ただ先般東京商工会議所でもって調査いたしましたその調査によりますと、相当今まで、たとえば親企業が、現金と手形と分けて支払っておりましたものを、現金の部分というものはうんと減らして、そうして手形に乗りかえている。あるいは手形取引で今まで六十日払いのものを九十日、あるいは九十日のものを百二十日にしておるというふうな資料が出ておるわけでございます。また各金融機関の窓口から聞きましても、さような状況があるわけでございまして、これは私どもとしては非常に残念なことだと考えております。これは先ほど水田さんからもお話がございましたように、都市銀行が中小企業に貸し出します場合に、これは相当締めておるわけでございますが、最近まあ都市銀行の方でも中小企業の重要性を再認識されまして、非常に慎重な態度で中小企業に対して貸し出しをせられておるわけでございますが、その反面、今度は大企業に対する都市銀行の貸し出しは非常に窮屈になっておる。そういたしますと、大企業の下請にありまするものは、どうしても大企業からの支払い条件が非常に悪くなりつつあるということでございまして、現にかような傾向が相当顕著に出ておるとわれわれ考えるのでありまして、先般も公正取引委員会とも相談いたしまして、公正取引委員会と連盟をもちまして、親企業のいろいろな団体に対しまして、下請条件を不当に悪化させないようにというふうに実は通知し、お願いした次第でございます。

西川彌平治自由民主党

○西川彌平治君 これは銀行協会の方に伺いたいのですが、最近の地方銀行は、おのおのの銀行のいわゆる内容がいろいろございましょうが、大体において地方銀行は預金その他の関係がふえてきておりまして、オーバー・ローンのような傾向はない模様でございますが、しかも最近におきましては、もうこの十日から米の予約の金が入ってくる、それから繭の売掛の代金が入ってくるというようなことで、やや農家あたりが金は入ってくる時期になっておるので、資金もだんだんと潤沢になりつつあるような傾向にもあるのでありまするが、まあ地方銀行は非常に今引き締めを強くやろうとしておるのでありますが、聞くところによりますと、銀行協会の方でこの引き締め方針が何かを通達しているのか、あるいは日銀の方でやるのであるか、大蔵省の方でそういうことをまあ指図するのであるか、それは私ちょっとわかりませんが、かなり地方銀行はおびえ切っておられるような気持で引き締めをやっておるのでありますが、こういう点について行き過ぎのあるような点はないでしょうか。一つちょっとはなはだ変な質問でありますが、伺っておきます。

吉橋鐸美全国地方銀行協会専務理事

○参考人(吉橋鐸美君) 地銀はこれからだんだん預金がふえてくるだろうに、非常に強く引き締めして、おびえておるような傾向はないか、こういう御質問でございますが、御承知のように、あの地方銀行は今までの段階としましては預金のふえる範囲内で貸し出しをやっていけということをかなりまじめに受け取って、それを実行して参っております。で、おかげでまあどうにか預金の方も順調に伸びてきております。貸し出しの方も最初に御説明申し上げましたように、まずそんなに締めが強くいってですね、非常な不平が出るというようなことはないようにやっておるつもりでございまするが、その点については具体的な問題として私の耳に入ってくる限りそのままなおざりにせずに直接電話で地方の銀行に聞きまして、最近もここにいらっしゃる今井振興部長の方からやはり繊維関係で何々県、何々県の織物の組合でこういうことを言っておるがどうなんだというお話で、すぐ連絡いたしましたらそういった事実はございません。で、これはまあ地方の金融というとすぐ地方銀行と、こうとってですね、そしてひどく引き締めておると、私の感じではまずまだ今の段階ではそこまではないだろうと思いますが、具体的な事案でもまたお耳にお入りになりましたら、私調査いたしまして、よく調べた、いと思います。  それから預金の関係は、地方銀行は大体六、七、八とは貸し出しがふえまして、預金はふえない。六月も二百三十億貸し出しがふえたに対して、預金は百五十億からふえない。それから大体九月以降米の関係で少し潤沢になります。そんなふうでございまして、預金の範囲内でという線はもうちょっと守れるかどうかというような、この八、九の勝負で、がすかすのところへ来ておりますが、地元もとにかく長いおつき合いのところには手をつかせぬようにということをやかましく言っておりまするので、そういったことのないように注意をいたします。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 委員長からお諮りいたしますが、委員の方々にはまだ御質疑があろうかと思いますが、時間もございませんので参考人に対する質疑はこの程度で終りたいと存じますが、いかがでございましょうか。    「異議なし」と呼ぶ者あり〕    〔海野三朗君発言の許可を求む〕

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ごく簡単に……時間がない。三時からありますから。

海野三朗日本社会党

○海野三朗君 下請工場でありますが、みなこの下請をやっている人たちが大きな親会社の方で支払わないものですから、この支払わないということを言うと親会社の方では今度仕事を与えないというので、これも言いたいけれども言われないでみなかぶっておるわけですよ、こまいものが。で、そういうふうな現象は非常に危険な状態であると思うのですが、それに対してはあなた方のお四人のうちどなたでもよろしいですから、どうすればいいかというお考えを一つ伺いたい。それから政府当局はどういうふうにこれを見ておられるか。この下請工場はみな困っているのです。これを言うとその親会社の方から仕事を与えられなかったり何かしまするので、言ええなくておる現状をどういうふうにして、いけばいいか。ちょっとそれの御所見を承わりたい。

吉橋鐸美全国地方銀行協会専務理事

○参考人(吉橋鐸美君) きめ手の対策は持ち合せておりませんけれども、今おっしゃったような点非常にむずかしい点でございまして、そういったことが耳に入って参りまするのと、下請企業を保護するためのあの法律がございましたですね。あの法律で受取ったという証明をやはりつけることになっております。だからその証明がほんとうのものならばちゃんと大企業から下請へ金が流れるはずなんですけれども、どうもそのまあ判は押してそしていくけれども、果してそれがほんとうに金が流れているかどうか、疑問なわけであります。これは結局力関係で、きめ手はこれというようなものは、われわれ非常にそういうことのないようにと思って——直接影響するのでございますから、地方銀行なんか——なかなか名案というものを持ち合せておりません。

今井善衞中小企業庁振興部長

○説明員(今井善衞君) 先ほども申しましたように、先般私どもさような傾向に対しまして親企業に対しまして警告を発したのでございますが、非常に不当に支払い条件を悪化させておるという場合には、下請代金支払遅延防止法、あれによりまして法律の勧告をすると、政府並びに公正取引委員会におきまして法律上の勧告をするという手もございますので、従いまして私ども、あるいは公正取引委員会としましても十分その点は気をつけて運用したいと思います。  なおその親企業自体が融資を受けられないという関係で、まあ親企業の金繰りが非常に困っておるという場合におきましては、結局今度は下請企業の方でたとえば今までの現金払いが手形払いになったと、あるいは手形の支払い条件が延びたという場合におきましては、下請企業自体でもって銀行に手形の割引のワクというものを増加してもらわなければならぬわけでございますが、さような場合におきましては下請だけで下請協同組合というものを作りまして、そしてたとえば商工中金等と話し合って、できるだけその手形割引のワクをふやすということもできると思います。かような方向で努力することが妥当じゃないかと思います。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) それでは参考人に対する質疑はこの程度で打ち切ります。  参考人の方々にはわざわざ当委員会のため、お時間をおさき下さいまして御説明を願い、ありがとうございました。厚くお礼申し上げます。  速記をやめて。    〔速記中止〕

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) じゃ速記を起して下さい。

相馬助治日本社会党

○相馬助治君 ただいま長時間にわたって参考人の意見等をお聞きいたしました結果、この際当委員会として中小企業金融対策に関する決議案を議決したいと、かように存じて、以下決議案文を読んで諸君の賛成を得たいと思います。    中小企業金融緊急対策決議   政府は、最近の金融事情にかんがみ、中小企業に対する金融面のしわ寄せを極力防止するため、左のごとき対策を緊急に講ずべきである。  一、中小企業金融公庫並びに国民金融公庫の貸出額を大幅に増加するよう適切な措置を講ずることとし、商工組合中央金庫については、その資金需要激増の現状にかんがみ、その資金源確保のためその債券(利付債及び割引債)の資金運用部引き受けを大幅に増加するとともに、日本銀行の中小企業別枠制度を復活すること。  二、市中金融機関については中小企業金融の急激な引き締めを避けるよう有効適切な指導を行うこと。  三、政府及び政府関係機関の代金支払いを促進するとともに下請代金の支払い促進につき万全の措置を講ずること。  以上です。

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) ただいま相馬君から中小企業金融緊急対策について、案を付して本委員会において決議を行うことの動議が提出されましたが、相馬君の御提案通りこれを本天員会の決議とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本決議につきましては、委員長から通商産業大臣及び大蔵大臣に対し、決議文を送付することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

近藤信一日本社会党

○委員長(近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らうことにいたします。他に御発言もなければ本日はこれにて散会いたします。    午後三時三分散会

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