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26回国会参議院1957/02/12

商工委員会 第3号

発言数
86
登壇者
12
会派数
4
開催日
1957/02/12

会議録

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) それでは商工委員会を開きます。  先ほど、開会前に委員長理事打合会を開きまして、今週及び来週の日程につきまして御了承を得たわけでございます。お手元にお配りしてあります日程で運んでいきた心と存じますが、具体的に申しますと、木曜日は、日本石油精製の問題と日産自動車の工場を見学するということでございます。十五日は、委員会を開きまして、経済企画庁及び科学技術庁を中心とする政策及び予算の問題について説明を聴取し、質疑をするということでございます。この点御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 異議なければさように決定いたします。  本日は、大臣が見えまして、政策大綱に関する説明、施政方針の説明がございまして、その後、官房長から予算に関する説明、それから企業局長から財政投融資の問題についての説明、それから提出予定法案の進行状況に関する説明を聞きまして、質疑をいたしたい、かように相談いたしましたので、これも御了承願いたいと存じます。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) それでは、ただいまより通産大臣水田三喜男君から説明をお願いいたします。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それでは、昭和三十二年度における通商産業省の施策について申し上げます。  わが国経済は昨三十年度以来二カ年間にわたり、輸出貿易の増大を基軸といたして、生産、投資、雇用の各分野にわたり、めざましい発展拡大をとげて参りました。今後の経済政策の基調は、このような経済発展の成果を基盤として、さらに健全な経済拡大を積極的に推進し、完全雇用の達成と、国民生活水準の向上を期することにありますが、今後の通商産業政策も、このような基調に沿いながら総合的かつ重点的に展開すべきであると考えるのであります。  これがための政策の最重点はまず貿易の振興におくべきことはいうまでもありません。ここ数年のわが国の貿易はきわめて好調に推移しており、本年度の輸出も二十四億八千万ドルと前年度を約四億ドル上回る見通しでありますが、一方、輸入も経済の拡大に伴い、約二十九億ドルと七億五千万ドル上回り、国際収支全体としては、六千万ドル程度の黒字が出る見通しであります。引き続き昭和三十二年度の輸出見通しにおいては、二十八億ドル程度を期待しておりますが、最近の米国を始めとする日本品の輸入制限傾向、西欧諸国の輸出競争力の強化等を考えますとき、海外市場の動向は必ずしも楽観を許さないものがあります。また他面、経済の拡大に応じた輸入の確保は経済安定のため欠くべからざる条件であることを考慮しますと、国際収支の維持改善の見地からも、輸出振興の責務は、今後ますます重きを加えてくるものと考えられるのであります。  およそ、輸出振興の要諦は、輸出品の対外競争力の強化と安定した海外市場の維持拡大をはかり、一時的な海外市況の変動に左右されない強固な輸出力を培養することにありますが、最近の実情を見ますると、将来輸出貿易の中核を担うべき重化学工業品の対外競争力が弱く、反面、比較的競争力のある軽工業品に対する海外諸国の反発的傾向が依然根強いものがありますので、今後の輸出振興策は、この面に焦点を合わせて実施して行く必要があると考えます。  これがための輸出振興方策としましては、基本的には、わが国経済の安定確保と基礎産業・輸出産業の合理化、近代化に待たなければならないことはいうまでもありませんが、より直接的な対策としては、まず第一に、経済外交を強力に推進し、通商航海条約の締結促進、賠償問題、関税問題、輸入制限問題等の適時適切な処理、通商協定の改善等、貿易の基本的条件を整備することに特段の努力を傾注する方針であります。  次にプラント機械類を中心とする安定した輸出市場と原材料の安定した輸入源を確保するため、東南アジア、中南米及び中近東諸国等の諸国に対し、その開発計画を支援しつつ海外投資、技術協力の促進をはかることが最近ますます重要度を加えつつあることにかんがみまして、極力これが促進をはかる方針であります。これがため、まず日本輸出大銀行の運用資金につきましては、ブラント輸出の促進とあわせ考慮し、本年度に比べ百四十四億円を増加し六百九十二億円を確保しますとともに、その業努範囲の拡大についても所要の措置を講じたい考えであります。  また、現行の海外投資保険制度につきまして、担保危険の範囲拡大・填補率の引き上げ等制度の改善拡大をはかりますとともに、新たに、海外投資利益送金保険制度を創設する方針で、輸出保険法の改正を準備している次第であります。  さらに、従来手薄であった海外投資、技術協力を行うための基礎調査、情報の整備及び海外技術指導者の養成につきましては、来年度は予算措置を充実してその拡充強化をはかりたい考えであります。  次に、輸出振興の常道である海外市場の開拓維持につきましては、今後さらに努力を重ねる必要が痛感されますので、来年度予算案におきましては、日本商品の海外紹介宣伝強化に一億三千八百万円、海外見本市への積極的参加のために二億八百万円、貿易あっせんの充実に一億八千五百万円、重機械技術相談事業の育成に一億八千万円、中小企業輸出振興の助成に六千五百万円をそれぞれ予定し、貿易振興予算総額としましては、本年度に比し約一億二千万円を増加し十二億円を計上し、万全を期しておる次第であります。  言うまでもなく、以上の海外市場の開拓に当りましては、わが国商社間の無用の競争と往々にしてみられる粗悪品輸出は、厳に戒むべきものと考えますので、輸出秩序の確立と輸出品の品質向上のための諸般の措置を講ずる方針であります。特に粗悪品の輸出に関しましては、従来の自家検査制度を廃止し、検査は原則として国または指定機関の強制検査によることとするとともに、その最低基準の引き上げを行いまして、その根絶を期する考えで目下輸出品取締法の改正を準備中であります。  次に、対共産圏貿易につきましては、政府としては国際的協調のもとに極力その増大をはかる方針であります。特に中共貿易については、輸出入組合を中心とする取引態勢の整備、取引品目の増加等により、最近ようよくその活発化をみておりまして、本年度においては、昨年度の二倍約六千五百万ドル程度の輸出を見込んでおりますが、今後その伸張にさらに一そうの努力を払う方針であります。  また日ソ貿易については、先般の国交回復を機として、通商協定の締結等により、従来の取引上の不便を除去しつつ極力その発展拡大をはかる考えでありまする  以上の措置に伴いまして、貿易振興の最も重要な基盤たるべき国内経済の安定、物価の安定を確保するため、貿易面においても、幸いに豊富な手持外貨を活用して、必要な原材料、食料等は十分輸入する従来の方針を堅持する所存であります。  次に、わが国経済の自立達成のためには、以上述べた輸出の振興と同時に産業基盤をさらに強化拡充することが必要であります。  最近の産業活動は、輸出の好調、投資活動の活発化に促されてきわめて活発裏に進展し、本年度の鉱工業生産は、前年度に比べて二割以上の増加を示すものと推定されますが、一方、電力、鉄鋼、輸送等の基礎産業部門に供給力の不足が生じまして、経済拡大の隘路になりつつあり、さらに他面、わが国産業の対外競争力が欧米諸国に比べていまだかなりの遜色があることを考慮すれば、産業の合理化、近代化をさらに徹底的に実施し、産業基盤の強化をはかる必要があると考えるのであります。  これがため、まず第一に、当面問題となっている電力、鉄鋼等の基礎産業部門に対し、総合的な対策を実施して、今後の経済の順調な発展を期する方針であります。すなわち電力については、最近の電力需用の増加傾向に対処して、先般改訂をみました長期電源開発計画の目標たる昭和三十一年以降五カ年間八百十万キロワットの開発を達成するため、昭和三十二年度においては、約二百万キロワットの開発に着手することといたし、これに必要な財政資金を重点的に確保する方針であります。これがために、昭和三十二年度財政投融資計画におきましては、電源開発会社関係としましては百億円の出資を含めて四百四十六億円、九電力会社関係としましては開発銀行融資二百五十億円、合計六百九十六億円を予定はしておりますが、これは本年度に比べまして約二百七十四億円の増加に相当するものであります。  特に電源開発会社に対する政府出資の増加は、開発資金コストの高騰を抑制し、電気料金の安定に寄与するところ大なるものがあると考えるのであります。  次に鉄鋼については、昨年需給逼迫により市中価格の急騰をみましたが、幸い鋼材の緊急輸入、生産の増大、輸出の自主的抑制、鋼材あっせん機能の強化、鉄屑確保対策の推進等の一連の緊急対策が効を奏しまして、一応需給の緩和に向いつつあります。しかしながら、来年度においては、経済の上昇拡大に伴い鉄鋼需要はさらに増大するものと予想されるので、さらにその生産の増加をはかり、あわせてこれに必要な鉄くずの確保を期するとともに、来年度においても本年度同様相当量の輸入を行う方針であります。またさらに長期的な対策としましては、高炉及び転炉を中心とする製銑設備の拡充・東南アジア、インド、中南米等の海外投資による鉄鉱石の確保、鉄鉱石専用船の建造等の方策を強力に実施する方針であります。  なお、わが国の鉄鋼価格の変動が諸外国に比べかなり大幅であり、これが関連産業のみならず、経済一般に与える影響がきわめて大きい点にかんがみまして、鉄鋼の需給及び価格の長期安定を主眼とした鉄鋼需給安定法案を本国会に提出する予定で準備中であります。  次に産業の合理化方策としては、従来実施してきた設備の近代化をさらに一層促進するため、特別償却制度の充実合理化、設備耐用年数の短縮等税制面の改善を行い、他方開発銀行の資金運用等にさらに一段の工夫を加えるほか、生産分野の確立、生産技術水準の向上等各産業の合理化を目的とする業種別対策について特に重点を置く方針であります。これがため、すでに所要の立法措置を講じまして、石炭、機械、繊維の各産業については、法律の施行を通じて所期の成果をおさめるよう全力を尽すとともに、他の重要産業部門についても、要すれば、それぞれの業態に応じた立法措置を講じたいと考え、目下慎重に検討中であります。さらにわが国産業の体質改善に画期的意義を果しつつある生産性向上運動については、わが国産業の生産性が欧米諸国に比して比較的低位にある現状にかんがみ、労使協調のもとにこれが一層の推進をはかる方針であります。これがため、海外との技術交流事業、国内の啓蒙宣伝、近代的な生産経営技術の普及等日本生産性本部を中心とする諸活動を更に強力に展開することとし、これがため来年度予算案においては、日本生産性本部に対する助成を大幅に増額し、その活動の活溌化を期している次第であります。  さらにまた、従来とかくその重要性が閑却されてきたため、最近産業の合理化と経済規模の拡大の大きな障害となっておる産業立地条件につきましては、これが整備近代化を強力かつ計画的に推進する必要が痛感されますので、来年度予算案においては、道路港湾等産業関連施設の飛躍的増強をはかるため、公共事業費の重点的投下を行う方針のもとに関係事業予算を大幅に増額計上しておる次第であります。  また、本年度から布設の助成に着手した工業用水道につきましては、本年度の継続工事を進めるほか、新たに北九州等の地区に事業を拡帳することとし、その助成のため、本年度に比し一億二千万円を増額し三億円を計上することとしているのであります。  次にわが国資源の有効利用をはかり、輸入の節減と雇用の増大に資するため、国内の各種未開発資源の総合的開発を促進する必要がありますが、特に石炭、石油、天然ガス等のエネルギー資源につきましては、経済の拡大傾向に伴い、これらの供給確保の問題が生じつつある情勢にかんがみ、長期的視野のもとにその総合的開発を推進する方針であります。これがため来年度予算案においては石油資源会社に対する政府出資を増額するとともに未利用資源の探査に対する補助を一層強化することとしているのであります。  また、国内資源の活用策にも関連して、石油化学、合成繊維、合成ゴム、電子工業等の新規産業を積極的に育成するとともに、石炭化学、木材化学等将来性のある新技術の企業化を促進し、将来のわが国産業構造の近代化に努力する方針でありますが、これがため、税制の面に格別の考慮を払うほか、開発銀行の機能を極力活用することとし、その融資条件の緩和、出資機能の賦与等について研究を進めている次第であります。  なお、資源開発の問題に関連し、石炭採掘に伴う石炭鉱害の復旧問題について述べれば、従来農地、農業用施設及び公共施設に限られていた臨時鉱害復旧法の対象を、昨年十月の当委員会の決議の趣旨に沿うよう家屋にも拡大することとして、これに必要な予算措置を講ずるとともに臨時石炭鉱害復旧法に所要の改正を加えるよう目下備準中である。  以上に述べました産業の合理化、資源の開発、新規産業の育成等一連の産業基盤強化策の基礎的条件として、産業技術の革新と向上が特に重要であることはいうまでもありません。欧米諸国の産業術の進歩は最近まことに目ざましいものがあり、わが国はこれに非常に立ちおくれている感があり直すので、新技術の研究とその成果の活用、普及に関し、総合的な施策を実施して、産業技術水準の向上を期したい所存であります。これがため、国立試験研究機関の充実と産業界の試験研究に対する助成の強化をはかるとともに、技術研究に関する政府と産業界との有機的連係を強化して技術研究の合理的運営を図る方針であります。  昭和三十二年度予算案におきましては、このような見地から電子技術、生産加工技術、高度分析技術等の新規重要課題を中心に、当省所轄国立試験研究所の研究費を大幅に増額し、特別研究費については、本年度に比し一億三千万円増の五億四千二百万円、原子力関係研究費については、本年度に比し二億七千二百万円増の四億八千六百万円を確保したほか、民間の鉱工業試験研究に対する助成として四億円を計上しておりますが、特に新技術として画期的意義を有する電子技術については、国立試験研究所の研究費、民間の電子機器試作助成等、約三億四千万円の予算を計上し、その飛躍的振興を期している次第であります。  なお、最近における科学技術の飛躍的進歩とその利用の普遍化に伴いまして、特許、実用新案の重要性がますます増大し、特許行政の責務が最近とみに重きを加えてきたことにかんがみ、審査審判能力の増強、事務の能率化等特許行政の運営に鋭意工夫をこらし、その改善をはかる方針であります。  次に中小企業問題でありますが、最近のわが国経済の好況の波は、漸次中小企業にも及びつつあるとはいうものの、多くの中小企業は依然困難を脱却するに至っていない状況にあります。中小企業のわが経済に占める重要性にかんがみ、この際中小企業の特質に応じた振興策を強力に講ずる必要がありますので、昨年末行われた中小企業振興審議会の答申の内容を尊重して諸般の施策を講ずる方針であります。  まず中小企業の組織化の問題については、従来の事業協同組合、信用組合及び企業組合の制度を改善強化するほか、中小企業者が調整事業及び共同経済事業をともに行い得るような組合の結成を促進し、さらにこの組合に対して強力な員外者規制措置、団体交渉機能等を与えることによって、中小企業の組織の強化をはかる方針であり、これがため本国会に中小企業団体法案を提出する予定であります。  次に中小企業の金融問題については、中小企業の旺盛な資金需給を充足するため、来年度は中小企業金融公庫及び国民金融公庫に対してそれぞれ二百億円の資金を資金運用部から融資し、運用額において本年度に比し、それぞれ百十五億円及び百六十億円の増加をはかる予定であります。また商工組合中央金庫については、来年度は十五億円の政府出資及び二十億円の資金運用部による債券引受を行う予定でありますが、これにより現在割高な貸出金利の引き下げが相当程度可能となりますので、中小企業金融の改善に資すること大なるものと考える次第であります。  さらに零細企業金融の円滑化に重要な役割を果している中小企業信用保証制度については、その整備改善をはかるため諸般の措置を講ずる考えでありますが、特に最近の地方財政の状況にかんがみまして、信用保証協会の機能強化には特段の考慮を払う必要がありますので、来年度予算においては、あらたに十億円を中小企業信用特別会計に繰り入れ、これを信用保証協会に融通することによりまして、その保証能力の拡大をはかる方針であります。  次に中小企業の体質改善をはかり、その経済的競争力を強化するため、中小企業の合理化をさらに促進する必要がありますので、共同施設の設置及び設備の更新近代化を引き続き助成するとともに、経営の健全化、技術の向上に関する診断指導事業を一そう改善強化する方針で、来年度予算においては、本年度に引き続き設備近代化補助四億円、協同組合共同施設補助一億円、中小企業相談所補助五千二百万円、中小企業診断指導費補助六千七百万円等所要の予算措置を計上しておりますが、さらに特産的輸出品を中心とする中小企業製品の輸出振興をはかることが、輸出振興の見地のみならず、中小企業振興策の上からもきわめて有意義と考えられますので、輸出適格企業の指導を強化してその品質及び技術の向上、デザインの改善をはかることとし、中小企業輸出振興費として六千五百万円を充てることとしている次第であります。  最後に、中小企業の税制問題については、中小企業の置かれている困難な立場を考慮しまして、今回の税制改正において、特に中小企業に対する税負担の軽減については特別の配慮を払うこととし、現行法人税の軽減税率の適用範囲を拡大するほか、地方税おいても、個人、法人を通じて事業税の軽減を行う方針でありますが、さらに中小企業の設備近代化を促進するための特別措置を講じたいと考えまして、その具体策を鋭意検討中であります。  以上今後における通商産業省の施策の概要を申し述べましたが、本委員会に対しては当省より今後種々の法案を提出することになりますので、その際は何とぞよろしく御審議あらんことをお願いする次第であります。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) それでは引き続きまして、通商産業省の三十二年度予算についての御説明をお願いいたします。

松尾金蔵通商産業大官房長

○政府委員(松尾金蔵君) お手元にお配りしてございます三十二年度概算要求重要事項査定表という表がございますが、これについて、三十二年度の予算計上額として特色の点を中心として御説明を申し上げたいと思います。  まず第一に、貿易振興対策に関する予算でございますが、この関係の合計額は、三ページ目のまん中ごろに出ておりますように、本年度十億七千九百万円に対しまして、来年度十二億円を支出するわけでございます。その増加額は一億二千万円に相なるわけであります。この貿易対策関係の予算はその大部分がジェトロを中心といたしまして、たとえば、ここにございますように、日本商品の海外向け紹介宣伝でございますとか、国際見本市参加の助成でございますとか、あるいは海外市場調査、貿易あっせん事業の助成、こういう各項目の仕事を実施して参るわけでありますが、いずれもジェトロを中心として、これに補助金を出して仕事を進めて参るわけであります。これらの各項目は大体本年度実施をしております各項目を、来年度引き続き、大部分は拡充強化していくわけでございます。  来年度の関係で、新たに加わりました点は、一ページ目のまん中ほどにございますブラッセル博覧会の参加費といたしまして一億六千二百万円を計上いたした点であります。これは御承知のように、三十三年の春にブラッセルにおきまして、国際博覧会が開かれる予定のもとに参加をするために、来年度、その準備のための費用を計上いたしたものであります。  次にもう一つの特色と申しますかの関係といたしましては、先ほど大臣からの重点施策の御説明の中にもございましたように、輸出検査につきまして、来年度特に拡充強化をしたいという意味の予算を三ページ目の上のところにおきまして輸出品検査改善強化費といたしまして、六千四百万を計上いたしております。本年度に比べまして千七百万円の増加をみておりますが、この中には登録検査機関の設備改善費として、一千万円を新たに計上している次第であります。  なお来年度におきまして、この貿易関係の各項目に、特に明示されてはおりませんけれども、中共貿易の関係におきまして、これは一枚目のまん中ほどに、国際見本市参加等補助として、一億九千六百五十万円を掲げているのでありますが、このうち約六千万円ほどは、中共見本市の参加を予定して組んでいるわけであります。  以上が貿易振興対策として、来年度比較的新しい項目であります。  次に鉱工業技術対策という項目が載っております。それは三ページ目のまん中から以下のところに掲げてあります。ここにございますように、本年度十一億二千百万円の予算額に対しまして、来年度十二億六千百万円、差引一億四千万円の増加を計上いたしてあります。この関係は、ここにございますように、まず民間の試験研究に対する補助といたしまして鉱工業技術試験研究補助といたしまして、四億円を計上いたしております。この四億円の中には、来年度の問題といたしまして、特に電子工業の関係の試作費補助といたしまして、電子工業の促進をいたす意味で、約一億三千万円がこの中に含まれているわけであります。これは民間に対する試験研究補助の中で、一つの特色といえるかと思います。  それから国の試験研究の関係は、その次にございます国立試験所研究費といたしまして、八億一千四百万円を計上いたしているのでありますが、この中で特に試験所の重点研究、特別研究、この関係で五億四千二百万円を計上いたしまして、本年に比べまして一億三千四百万円の増加をみているのでありますが、この研究項目といたしましては、やはり電子工業の関係でありますとか、生産加工技術でありますとか、あるいは分析技術の研究等を、おもな新しいものとして含んでいるわけであります。  次に四ページ目に参りまして、中小企業対策であります。この関係は、このまん中ほどにその集計が出ておりますように、本年度の七億四千二百万円に対しまして、来年度十八億四千八百万と、約十一億の金額の増加をみているのであります。この十一億の金額増加をみますと、一番大きな原因は、ここにございます中小企業信用保険特別会計の基金といたしまして、十億円の増加を一般会計から繰り入れるのであります。これは先ほど大臣からの説明にございましたように、信用保証協会の基金を援助して強化するための予算措置でございます。  中小企業対策といたしましては、ここに掲げております各項目とも、大体本年度の予算項目を踏襲しておるのでありますが、その中でも中小企業の設備近代化の補助につきましては、ここに掲げておりますように、本年度の三億四千万に対しまして四億円と、約六千万円の金額増加を計上いたしております。なお新しい項目といたしましては、中小企業の総合基本調査費といたしまして三千九百万円を計上いたしておるのでありますが、これは中小企業の実態調査について、ここで新たに総合的な基本調査をやりたいという意味のものであります。  次に、産業基盤強化の項目といたしまして、ここに本年度の三億四千四百万円に対しまして、来年度六億五百万円を計上いたしまして、約二億六千万円の金額増額をみております。この中で最初の生産性向上対策費補助は生産性本部に対する補助金でございますが、本年度に対しまして三千五百万円を増加いたしまして、一億一千万円を計上いたしております。  さらにその次の工業用水道の事業費補助、これも先ほど大臣からの御説明にありましたように、工業用水に対する補助は本年度に比べまして一億一千七百万円を増額いたしまして、三億百万円を計上いたしております。これは、従来地盤沈下を防止する意味も合せた意味の工業用水の対策のほかに、それ以外の工業用水の確保を含めまして、三億円を計上いたしたわけであります。  なお、その下の方に新鉱床探査の補助といたしまして、もっぱら中小企業の関係の新しい鉱床探査の補助を中心とするものでありますが、これは本年度に比べまして三千万円を増加いたしまして、五千万円を計上いたしておるわけであります。  次に、以上貿易振興の関係、それから鉱工業技術対策、中小企業対策、産業基盤の強化、これが来年度の大きな政策の柱を中心として予算を組んだものでございますが、なおそのほかに最事後のページに参りまして、特許行政の促進といたしまして八千二百万円を計上いたしておるのでありますが、これは特許事務の停滞しておるものに対しまして、処理の速度を早めるための設備等の費用でございます。ここには計上されておりませんが、別途新規増員として、新たに百人の人員増加を予定しておるわけであります。  なおその他の項目に参りまして、防衛生活の特定設備管理補償費といたしまして、七千万円を計上いたしておるのでありますが、これはこのための法律の提案を予定をして予算を計上いたしておるのであります。  なお鉱害対策といたしましてここに掲げておりますのは一般鉱害の対策費でありますが、先ほどの御説明にもございました家屋復旧を来年度特に加えるという意味をもちまして七千三百万円を計上いたしております。本年度に比べまして七千万円の金額増加でありますが、なお通産省以外の他省の予算の中に計上されておるものが、そのほかに四億九千万円ほどあるわけであります。  以上が大体通産省関係の予算のおもな、特色のある項目でありますが、なお最後に原子力関係の研究費といたしまして、このプリントには確定が少しはっきりいたしませんので印刷が落してありますが、原子力関係の研究費といたしまして、来年度三億三千七百四十九万七千円を原子力関係の予算から通産省に移しかえられて来年度予算の運用をする予定になっております。なおその予算の三億三千万円のほかに、一億四千九百十四万三千円が予算外契約として原子力関係につきますので、原子力関係といたしましては四億八千六百六十四万円が来年度の通産省関係の予算に相なるわけであります。  このように見て参りますと、来年度の予算は総額におきまして百一億二千七百十五万五千円と相なるわけであります。これを本年度の予算と比べてみますと、本年度八十二億二千二百万から原子力関係の二億一千三百万円を差し引いた八十億七百三十四万四千円に対し、約二十一億二千万ほどの予算の増加に相なるということになるわけであります。   —————————————

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) ちょっとお諮りいたしますけれども、開会前の委員長理事打合会で、過般中国班として御出張になりました委員の方々の報告にありまして、各方面非常に問題となっておりました江川開発の問題に対する地元の陳情者の方が見えられました。その陳情を簡単に適当の機会に聞こうではないかというふうに決定いたしました。ただいま地元から大ぜい見えておりますので、簡単に陳情を聞くことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) では、さように取り計らいます。速記をとめて。    午後二時十九分速記中止    —————・—————    午後二時三十三分速記開始

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 速記をつけて。  次に財政投融資の問題につきまして企業局長から説明を承わります。

徳永久次通商産業省企業局長

○政府委員(徳永久次君) お手元に一枚刷りの三十二年度通産省関係財政投融資計画という資料がございます。それによりまして御説明をいたします。  通産省関係のもの全体といたしまして、明年度は本年度に比べまして財政資金の増加及びそれぞれの機関の自己資金の増加によりまして、総額約六百億の増加に相なっておりまして、なかんずく出資の額も大幅に増加したというようなことから各公庫等の計画におおむね支障のないようにできるというような状況であろうと思います。先ほど大臣からの御説明もございましたので簡単に申し上げたいと思うのでございますが、便宜上、下の方から簡単に御説明申し上げたいと思います。  日本生産性本部は昨年限りの臨時措置でございますので本年は何もございません。  次の石油資源開発につきましては昨年度の財政出資の七億に対しまして、倍以上の十五億になりまして、これに合せまして民間からの資金の協力を得まして、おおむね所期の計画を遂行できるものと考えております。  電源開発につきましては、先ほど大臣からお話がございましたように工事量としても能力一ぱいのものができまするし、また資金コストの上昇にならないように百億の出資というものが確保できまして、資金コストおおむね四分一厘で事業が遂行できるというふうにみております。  その次の商工組合中央金庫につきましては、これは金利引き下げ対策をもっぱら目標といたしまして、出資の原資をふやしてもらうということに問題があったのでございますが、この出資予算上の十五億と、このほかに当金庫に預けられておりまする国庫余裕金をおおむね現在通り当分引き上げはやらないという了解が大蔵省との間にできておりますので、実質的には二十億の出資が確保できたと同じような効果になりまして、貸付金利が一割を切るということが実現できることになる予定でございます。  それから次の中小企業金融公庫につきましては、金利は御承知の通り九分六厘でございますので、公庫におきましてはもっぱら原資の量をふやすということを目標にいたしたわけでございまするが、前年度の三百億に対しまして四百十五億でございまして、おおむね四割の資金源がふえるということに相なりまするので、相当程度中小企業の金融対策に前進をみるというふうに考えておりますわけであります。  それから輸出入銀行につきましては、御承知の通り造船、船舶その他のプラント輸出のための低利資金の確保ということを機能といたしております金融機関でございまするが、資金の見積りにつきましては、過去におきまする契約及び明年度の新規契約を目算いたしまして、おおむねここに計上しております額によりまして、融資に窮屈を感ずるところはないというふうに見ておりますわけでありますが、貸付条件といたしまして従来通り四分の金利で貸し、それから市中と当銀行との融資割合につきましては、船舶関係につきましては七対三、それからその他のプラント輸出につきましては、八対二という現在の融資割合をそのまま引き続き明年度もやりたいというふうに考えておりますわけでございます。  それから日本開発銀行につきましては、大幅に本年の三百六十億から六百億にふえたことに相なっておりまするが、この六百億の内訳といたしましては、造船関係百八十億、それから電力関係二百五十億、それからその他のもの百二十億、予備五十億ということに相なっておりまするが、全体の資金のうち電力関係につきましては、電力が目下隘路産業と相なっておりまして、電源開発を強力に推進しなければならない事情及び市中におきまする金融のある程度の窮屈な事情から見まして、電源開発資金を大幅な社債、借入金の増加というようなことから、二百五十億で若干窮屈じゃないだろうかというような感じもしないわけではないのでございまするが、今後の金融情勢の成り行き、それから当銀行の原資にいたしておりまする預金部資金等の見通しの状況によりまして、財政全体、ある程度預金部資金には手固く見積りをしてございまするので、特に余裕が出ました場合には場合により開発銀行に対しまする融資を増額するとか、あるいは預金部資金によりまする金融債の引き受けというようなことによりまして資金の調達に事欠かないというふうにしたいというふうに、ある程度の政府部内の話し合いもできておりますので、おおむね支障なく推移し得るのではないだろうかというふうに考えております。かような次第でございます。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 次に提出予定法案に関して松尾官房長から。

松尾金蔵通商産業大官房長

○政府委員(松尾金蔵君) お手元に国会提出の予定法案の一覧表を差し上げてございますので、この順序で御説明を申し上げます。  ここに表に掲げておりますように、全体で二十一件の法案を一応予定をいたしておるのであります。ここに掲げておりますように表が大体順序といいますか、現在進捗しておる程度の順序がほぼこういう順序になっております。  第一の特別鉱害復旧臨時措置法の一部改正は、特別鉱害復旧の法律は本年の五月で大体失効の予定になっておるのでありまするが、特別鉱害復旧工事の一部に若干の残工事がございますので、法律をさらに一年延長をするという延長の改正法律案でございます。これは予算の上では特別の予算措置は必要としないのであります。  それから次の輸出検査法案は現在ございます輸出品取締法におきまして輸出検査の規定をしておるのでありますが、従来の検査の建前がやはり等級表示あるいは自家検査ということを大体の建前としておったのでございますが、そういう形では輸出検査の実際問題として支障がございますので第三者検査または最低の基準を定めるような検査というような強い輸出検査の方向に持って行くための改正案でございます。  この三つはすでに法案の条文審議も内部では終っておりますので、早急に提案の運びになろうと思います。  次の自転車競技法の一部改正以下3、4、5の三つの法案は御承知の自転車競技法の臨時特例に関する法律が本年の三月末で失効いたしますし、また自転車競技に関しましては国会の決議の次第もありますので、その線に沿って法律の改正をいたしたいと存ずる次第でございます。  これは内容等につきましてはほぼ成案を得ておりますが、若干なお検討の余地がございますので、提出の時期はややおくれるかと存じますが、二月中には提案の運びにいたしたいと思っております。  次のページに参りまして第六の防衛産業施設臨時措置法案でございますが、これは銃弾設備、またそれに伴う火薬設備がいわゆる特需などの激減に伴いまして現在相当優秀な設備が遊休状態にあることは御承知の通りでございます。現状で直ちに国内の防衛上利用ということにもいきかねまするので、特別のいい設備だけ国の補助で維持管理をしようという法案の内容であります。これも大体成案を得ておりますので早い機会に提案をできることになろうと思います。  次の商工組合中央金庫法の一部改正は、商工中金に対しまして十五億の政府出資増額に伴う改正でございます。これも成案を得ておりますので近く提案できると思います。  次の信用保証協会法の一部改正、この第八のところに「信用保証協会資金融通法案(仮称)」というふうに相なっておりますが、この内容は先ほどの説明にも出ておりましたように、信用保証協会の資金の援助をして、強化をするための十億の資金融通に伴う法律措置であります。これはその後の法律技術の検討の結果、こういう特別立法をしないで、現在ございます信用保証協会法の一部改正でいけるということになりましたので、この部分は恐縮でございますが、御訂正を願いたいと思います。信用保証協会法の一部改正案ということに相なるのでございます。これも大体準備を終っておりますので、早急に御提案ができると思います。  その次の第九の中小企業信用保険法の一部改正でございますが、これは現在の中小企業信用保険につきまして、利用者の便宜をはかるための一部改正であります。これは内容につきましてはすでに大蔵省等との話し合いも済んでおりますので、早急に法文化して提案の運びにいたしたいと思います。  その次の臨時石炭鉱害復旧法の一部改正でありますが、これは先ほどの予算説明のときにもございましたように、家屋復旧を加えることが主たるねらいであります。予算も伴っておりますし、すでに法制局の審議も終っておりますので、これも早急に提案ができると思います。  その次の中小企業等組織法案でございますが、これはこの内容については相当まだ若干問題が残っておりますし、法律の名前も、あるいは名称も若干あるいはかわることになるかもしれませんが、内容としてはすでに御承知と思いますが、現在の協同組合法と中小企業安定法を統合した中小企業の組織の基本法に相なる予定であります。これはまだ条文整理等につきまして、若干の時日を要すると思いますので、提案はややおくれると思います。  それから次に参りまして、輸出保険法の一部改正でございますが、これは海外投資保険の拡大を主たるねらいとするものでありますが、海外投資保険はすでに前々国会で、この制度が法律に加えられたのでありますが、さらにその改善、拡大をして参りたいという内容のものであります。これも大体内容的には大蔵省その他と近くほぼ妥結の域に入ると思いますが、提案はややおくれると思いますが、早急に提案いたしたいと思います。    〔委員長退席、理事近藤信一君着席〕  その次の鉄鋼需給安定法案は、これは先ほど大臣からのお話の中にもありましたような内容のものであります。これにつきましてはここにございますように、現在の独禁法との関係等がございまして、今公正取引委員会等と意見調整中でございますが、終り提次第案の準備をいたしたいと思います。  以上のところが大体比較的内容もほぼ確定をいたし、あるいはすでに法文整理も終っているというような関係で、大体二月中にはここまでのところは法案の提案ができるという見込みでおるのであります。おそくも二月中にはできると思っておりますが、十四以下の各法案につきましては、まだ現在内容につきましても相当検討を加えなければならない点もございまして、その各法案の内容はこの注釈でほぼ概要をうたってあるのでありますが、提案は二月中にはあるいは無理かもしれないと思いますけれども、できるだけ早く準備を進めて参りたいというふうに考えております。  なお最後のページの欄外にありますのは、これは工業品検査所が従来丸亀に出張所があったのでありますが、これを高松市に移転をしたいという内容のものであります。これは四国の通産局が丸亀から高松に移転しましたのに相伴いまして、工業品検査所の出張所も高松に移転をしたいというのであります。これは地方自治法の規定によりまして国会承認を必要とすることになっておりますので、国会承認の手続を現在とっておりますので御了承願いたいと思います。

近藤信一日本社会党

○理事(近藤信一君) 一応大臣なりその他の関係の方々の御説明が終りましたので、質疑に入るわけでございますが、御質問のおありの方は順次発言をお願いいたします。  ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕    〔理事近藤信一君退席、委員長着席〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 速記をつけて。  それでは今までの慣例通り適宜に、ワクをはめたり、人を制限をしたりするようなことをしないで適宜御発言願います。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それでは今日御説明になったことを中心として質問せよというお話でしたが、予定表を見ると、私が質問しようとするのは十九日にエネルギー対策というのがあるので、たった一つだけお聞きしておきたいのですが、私ども近畿地方へ委員長のお伴をして視察した場合に関西電力とか、関西電力の尼崎発電所等を見たときに石炭がなくて電気がとまるというようなお話を聞いて来ましたので、大体現在の石炭の状態と電気の状態、来年度というよりも現在どうなっているかということをまずお聞きしておきたいと思います。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 阿部君の御了解の通り十九日エネルギー対策というようなのがありますから緊急の問題で質問なさるならばどうぞ……。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 それでは緊急の質問ということになるかもしれませんけれども、今月の初めに関西地方視察に参ったときに関西電力会社その他神戸製鋼、三菱新重工等においては電力会社の場合においては石炭の入荷がない、従ってもう二十日間たてば電気がとまるという最悪状態に入る、あるいはまた造船工場、製鉄工場等においては石炭の輸入が先決問題であって、石炭が入って来ないために工場が作業を制限しなければならない状態だというような話があったのですが、現在どういうことになっているかお伺いしたいと思います。

讃岐喜八通商産業省石炭局長

○政府委員(讃岐喜八君) こまかい数字的な問題でございますので私から申し上げたいと思います。  本年度の石炭の需給計画は昨年十一月に合理化実施計画を改訂いたしました。出炭で四千八百万トン、消費面では四千七百五十万トン想定した次第でございます。年度半ばを過ぎまして需給の計画を改訂いたしましたので、当時の事情といたしましてはその計画で年度末まで円滑に実施できる予定であったのでございますが、十一月に入りまして御承知のように異常な渇水が生じたわけでございます。それでちょっとこまかく申し上げますと、電力用炭の消費でございますが、これは年度八百万トンを予定いたしておりました。それで昨年の十二月までは大体消費のベースで六十万トン平均でありますが、十一月になりまして八十八万トンをたくというような事情でございましたので、十二月になりまして百三十五万二千トンという大量の消費になったわけであります。それから電力を除きます電力以外の消費でございますが、これも年度間を通じまして大体十月までは三百三十万トンベースで、それ以下のベースで消費いたしておりましたのが、十二月になりまして急に三百八十四万二千トンという消費になりました。これは電力面では異常の渇水による消費でございまして、一般その他の産業等におきましてはこれほどの消費はないと予定したのがそんなにふえたということは、これも実は天候のためでございまして、自家用発電所が一斉に稼働を始めた、こういうことじゃないかというふうに考えております。そういうわけで、十二月末の電力貯炭が百二十七万六千トン、それから電力以外のその他の消費者の貯炭が二百三万六千トン、こういう状況になって参りまして、これは当初私どもの予定しましたよりも非常な消費の増でございまして、十二月の生産が四百二十九万トンでございました。ただいま申し上げました消費の数量を合計して申し上げますと百五百二、三十万トンになるのでございまして、生産と消費の関係が百万トンくらいの開きを生じた、こういうことでございます。ちょうど現地でごらんになった事情がその当時のことじゃないかと存ずるのでありますが、そういうわけで通産省といたしましては本年の一月十四日に石炭業界から大手、中小の代表を通産省に出頭を求めまして、電力用炭が非常に危ないということから、電力に優先して配炭するように要請をしたわけでございます。その後炭鉱側におきまして電力用炭を中心に優先して出荷しているような状況でございます。そこで電力面におきましては最近相当雨が降りまして出水もよくなりました、やや峠を越した感があるのでございますが、お話のように電力以外の消費面では相当窮屈になっているということはわれわれも十分認識いたしておるのでありまして、今後その対策をどういうふうにもっていくかということは検討中でございますが、大体一月の出炭が四百四万ということになりまして、二月、三月、四百あるいは四百三十万トン程度の出炭が予想できるということでございますので、突発的な異常がなければ、出水の関係もだいぶよくなって参りましたので、窮屈ではございますがこのまま何同とか推移できるのじゃないかというふうに考えておるような次第でございます。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 そうしますと、この状態でいきますと、石炭関係によって節電とか何とかという問題は起きないということですね。

讃岐喜八通商産業省石炭局長

○政府委員(讃岐喜八君) 電力におきましては石炭のための制限ということはまずあるまいと存じます。これはしかし確定的には申し上げられませんので今後の天候の状況等もありますから……。

阿部竹松日本社会党

○阿部竹松君 あとは十九日に譲るとして、最後に一つ、本年度入って来た外炭と、それから今通産省が外炭輸入を計画している内容だけお知らせ願いたいと思うのですが。

讃岐喜八通商産業省石炭局長

○政府委員(讃岐喜八君) 電力用炭の以上のような状況にかんがみまして、一月になりましてから緊急に石炭の輸入の措置を講じたわけであります。今日までで三月末までに大体入着予定のもので合計約十万トンでございます。それ以外のものといたしましてはソースをあまり明瞭にはいたしません。どこから輸入するということを明瞭にはできない状態でございますが、三十万トンの一般炭を輸入するということで地域といたしましては多分台湾かあるいは中共炭が中心になるのじゃないかということでございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 私は貿易の問題につきましてお尋ねをいたしたい。ことに一番当面の大きな問題であります共産圏、そのうち中共の貿易の問題につきましてお尋ねいたしたいのでありますが、御承知の通り昨年の夏以来非常に中共貿易が好転の機運に恵まれたことは事実のようでございますが、しかしながら本年に入りましてから、御承知の昨年の東欧の問題あるいは中近東というような問題が関連して参りまして、いわゆる世界情勢というものが当時、昨年の夏時分の中共貿易が好運をきざした当時から見ますと情勢が逆転をしたというような関係からいたしまして、中共貿易にも相当な影響を来たしておる。こういう点から考えまして私は多年中国の問題、ことに貿易の問題につきましては多少の経験も持っておりますのでお尋ねいたしたいのでありますが、多少私は同僚議員の方々との見解を異にするのでありまして、よく中共貿易は政治は政治、経済は経済でいけるのじゃないか、こう言うのでありますが、実際私どもがやってみまして、これはなかなか政治は政治、経済は経済という工合に中共貿易、ことに共産圏の貿易というものは事実上いかないのでありまして、私の経験によりますと一九五〇年のいわゆる朝鮮事変の始まります前までは対中共貿易というものは非常に自由にいけたのであります。私自身がたくさんの代表を招きまして、そうして大幅の自由貿易を当時やったのでありますが、しかしこれが五〇年の六月の例の朝鮮事変というものを契機にいたしまして、いわゆる連合国からは中共は侵略国という大きな烙印をつけられた。こんな関係から禁輸の問題、いわゆるココム、チンコムという問題ができまして、今日まできておるわけなんです。そういう点から考えまして、どうしても対中共貿易を見るときに当っては非常に背後の政治的な動向、これを非常に重要視しなければならないわけであります。で、まあ私どもの観察から参りますというと、幸いにいたしまして毛沢東という人はどちらかといいますと、チトー的ないわゆる民族共産主義の指導者であって、こういうような立場から決してソ連一辺倒という立場をとっていなかった、ことに東欧の問題ができたときには、この毛沢東の考え方というものががぜん全面的に展開せられるというような状況下にあったわけなんです。それで私どもは非常にこの中共の内部にも自由的な民主的な空気が出て参りまして、それに並行して貿易というものが非常によく、対日貿易というものが進んできたというので、まことにわれわれは春が来たという感じを持っていた。ところがまたまた今度の周恩来のいわゆる東欧行きの問題、いわゆるポーランドあるいはソ連との共同宣言によってその大きな政治的な立場をとられた。こういうことから実際問題におきますというと、中共の内部の言うところの毛沢東並びに劉少奇並びに周恩来、ことの三つの流れというものがまたがぜん出て参りまして、ことに最近御承知と思いますが、非常に粛清問題が再び出てきた、せっかく民主的になりつつあり、そうして貿易というものも多少自由化された中共の中に再びそういう政治的な動向によって、そうして粛清が起き、そうしてまた非常に統制的な幅が大きくなってきたというようなことが最近の対中共貿易にも非常な影響を来たしておるのじゃないかと、私はこういう工合に実は考えておるのでありますが、どうも日本の役所を初めといたしまして、それから各関係機関の人たちもそういう何といいますか、政治的な見方、これは現実の問題であって、理想は私はいろいろ持っておるのでありますが、これは貿易は毎日々々やっておることなんでありまして、そういう現実的な問題の上からいって、政治的な見通しというものを大きく持っていかないというと、われわれはなかなかできないのじゃないかと、こう考えておるのでありますが、どうもこの内閣、が、石橋総理と、それから岸外務大臣のお話などもそういう意味において多少中共貿易に対しましては大きな食い違いがあるようにわれわれ感ぜられるのですが、そういう点について大臣の御所惑いかがでごさいましょうか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今のところ政府部内にそういう問題の食い違いはございません。ただ過日外務大臣が例の指紋の問題で特別の権限というものは民間代表には与えられない、日本の国法からこうだということを言ったということで何か前内閣時代の石橋さんの方向と違うような印象を与えたと思うのですが、実際はそういうことは現在ございません。で、従来の方針通り中共貿易は民間ペースでどんどんふやしていくという方針は全然違っておりません。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 次にお尋ねいたしたいことは、中共の貿易をやるに当りまして、これは一九三六年という年が中国が一番経済が正常化しまして、同時に日本と中国の貿易というものがクライマックスに達した、従って輸出の面から見ますというと、一八%四というものが算せられる。こういう工合で、ことにこの中共貿易の性格というものは、御承知の通り当時ございました三井、三菱というような大財閥によって独占をせられたものでなくして、中小貿易業者というものが大いによくせられた、こういう観点からゆきまして中共貿易が再開をされるということに当って旧来の中小貿易業者が立ち上る、これはまあ当然だろうと思うのであります。ところが当時は輸出市場でごさいました中共というもの、ことにその中小貿易商が多くよくせられたものというのは御承知の通り雑貨工業というものが中心になっていったわけなんでありますが、ところが最近御承知の共産圏に大きなつながりを持った中共というものはコストという問題についてはこれはもうほとんど度外視をする、それからまたモスクワを中心にするいわる謀略貿易というようなものも時にはやられる、こんな関係からいたしまして、かつての日本の雑貨市場であり、輸出市場であった中共市場というものが必ずしも輸出市場ではない、ことに逆の意味から言いますならば、東南アジアに対しましてそのコストの非常に低いという点から考えまして日本の商品を駆逐するというような状況で、昨年のこまかい統計は詳しい資料を私はここに今持っていませんけれども、一昨年あたりの例を一つ見ましても、たとえば今まで中共としては香港から非常にたくさん物を買っていた、香港から買っているということは、これはいろいろな各国のものを、禁輸以外のもの、また禁輸も含めて多少密貿易の点もあったんでしょう、たくさん買っていた。ところが一昨年の状況を見てみるというと、逆に香港を通じて東南アジアに出しておる金額から言いまするというと、米ドルで一億三千万ドル、それから香港からわずかに三千万ドルというようなことで逆転をしてしまった。しかもその品目というものはどういうものかと調べてみるというと、ほとんど日本の中小貿易業者が扱うところの雑貨工業が多くたとえばわれわれは万年筆などというものは、これは日本の輸出の独壇場であった、東南アジアに対しては。ところが一つ見てみまするというと値段はむろん安いんであります。まあ十八金かなんかの四百八十円か五百円で買えるというようなことは、これはもう細工はちやちでありますけれども、また東南アジアにはごく向く。ミシンのごときはバンコックである華商が一日に中共のそのミシンを二千台も一売り払ったという、こういうこともあるわけなんです。こういうことを考えてみますると、まあ先ほども大臣の御説明の中にありました商品展示会ですか、即売会というようなものが非常に中共でも好評を得ておるわけです。これはまあ自由を押えられておる国において珍らしいものが自由に買えるのでありますから、持っていったものがたとえ何億円であっても、これは売れるのが当然でありまして、そういうものが売れたからといって中共に多くの今後の雑貨の市場があるとお考えになるのは非常に間違いだと、そういう意味で昨年はおそらく一昨年の私がただいま申し上げた以上のものを東南アジアに中共は出しておるんじゃないか、こう考えているのでありますが、これについて御見解いかがでございますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 中共がそういう方向をとっておるということは間違いございませんが、しかし私どもの見るところでは最近の中共は、今度は相当中共のいろいろな建設のために国内でいろいろな物資、生産財物資だけでなくて消費物資の需要というものも非常に多くなってきて、そうしてこれを自国の生産だけにたよれないで、日本の工業にある程度依存したいというような、国内的ないろいろな問題がございますので、私どもはやり方によってまだまだ中共貿易の拡大の余地、日本からいろいろ物を輸出する余地というものは非常に多いと、またここ相当中国はそういう消費需要というものをだんだんに拡大していく傾向にあるんだろう、こういうふうに見てわれわれは相当の希望、期待を持っておるという現状でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 ちょっと関連して質問いたしますが、今中共貿易の問題が出ましたが、大臣の説明では、中共に対する輸出だけを主張していて、六千五百万ドル程度の輸出が見込まれると、こういうことや言っておられますが、貿易の場合には相手からの輸入ということをまず考えなければできないと私は思うのです。特に共産圏においては輸出超過ということも非常に考えておられるようでございます。そうなれば日本は中国からどれだけの輸入をしたらいいのだと、そうしてその見返りとしてどれだけの輸出をしたらいいか、六千五百万ドルというのはどういうところから割り出したということがはっきりしなければだめだと思います。そういう点について大臣の御所見を伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように輸入の方はいま八千万ドルをこえておると、輸出の方は六千万ドルをこえておるという状態ですが、これはまあバーター制でやっておりますので、向うへ売ればそれだけ向うからこちらは買わなければならぬと、貿易を両方の輸出入を均衡させるという立場でやっておりますが、今までは日本が輸入するばかりたったのをこの二、三年の間に急に輸出が伸びてきたわけですが、これ以上伸ばすためには向うから買うということを考えなければ輸出は伸びないというところにぶつかっておりますので、その点で非常に私どもも困って、最近は海産物とかあるいはバナナとか、そこまで日本が買うと、買う物を作ってやってそして売るというような措置もとっておるのですが、しかし今のように分類されてその中の商品のバーターというだけでは、これ以上うまく向うから物を買ってこっちから出すということができませんので、ここでやはり今までの協定を変えて、そして相互バーター制に持っていくというような改善策をとらなければ今後の輸出入を伸ばすということはむずかしいというところにぶつかっておりますので、今そういう方向をまず変える新しい協定ということを期待して、政府もそれぞれいろいろな指導をやっておると、こういう状態でございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 まあ貿易でございますから、結局お互いが相互扶助的な立場に立たなければこれはやれないわけなのでありますが、今同類物資の交換の問題があるのでありますが、私どもはこれに一番大きな悩みを持っておるわけであります。しかしこれを解決をするというのは、やはり何といいますか、政治的にお互いがほんとうの了解をし合わないとなかなかむずかしいのであります。たとえばわれわれが対台湾との貿易を見るときに、多いときは片道一億ドル、まあ昨年が七千万ドル減って七千万ドルでありますが、この中に四百五十万ドルというバナナを買った、バナナというものは御承知の通り最近では一つの奢侈品でありますが、しかしこういうものを日本が買わなければ向うが困るのでありまして、従ってこういうものを買って、そこに日本の雑貨工業の貿易ができる、そこに貿易の妙味というものが実はあるわけであります。ところが中共貿易というものを見るときにおきましては、何か政府にいたしましても、それから民間にいたしましても、これはまあ貿易でございますから向うも必要だ、こっちも輸出入ともに必要な面がぶつかってきて初めて貿易ができるに違いないけれども、何か日本側に上下あげて卑屈の態度があまり多過ぎる。それから同類物資の交換の方を見ましても、これを固執をいたしておりますのは、どちらかと申しますと中共側の方が非常に固執しておる、そういうような点でたとえばこの前の石橋通産大臣のときにも警告的な質問をいたしたのでありますが、商品見本市をやったあのとき不正品があった、それは確かに不正品が悪いから処罰をするのは当然だけれども、これはわずかに三件か四件で、中には五十円の万年筆の使い方を知らなかったものがこれを不正品だといって訴えたことを中共側が弁明している、しかるにもかかわらず日本の閣僚はあげてあの問題を日本の雑貨工業というものがほんとうに全部が悪いのだというような印象を与えるように大騒ぎをやった。これは私は当時通産大臣に警告をいたしたのでありますが、こういうことで一事が万事何か卑屈になり過ぎているというような点があるのでありますが、これはもう少し堂々と、たとえば今の石炭を入れなければならぬという場合についても向うが乙類に日本が入っているもので甲類に匹敵するものはたくさんあるんですね。そういうようなことについて何かもう少し、ただこれは政府が直接関与するということは今の建前でできないんだそうでありますが、何かそういうことについて具体的なことをおとりになる考えはないか、この点を一つお尋ねしたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 向うが国営貿易をやつておるのに対してこちらがそういういろいろ交渉する態勢がうまく整っておったかと申しますと今までは整っておりません。そういう点もまずあらためてかからなければ本格的なそういう話し合いもうまくいかぬということになりますので、従来ばらばらにやっておったあのいき方をやめて、なるたけ今できている輸出入組合を中心として統制をとってやっていく、そういうこちら側の態勢を整えるという仕事も当面急務だろうと思いますので、そういう方向へ行政指導をもっと強くするという考えで現在おります。これは輸出入組合強化の立法でもできるならこれはいいとまで私どもは考えておりますが、なかなかそれがむずかしいとすれば、これを中心としてこちらの統制をとって強く向うと渉交できるような態勢を行政措置で当面やっていこうかというふうに考えております。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 一九五四年の八月に例の禁輸品目のうちの二百六十品目から大体百七十品目になったわけですが、数量統制品目はさらに百品目から六十品目に減らされた状況になったわけでありますが、その後御承知の通り残っておりまするいわゆる主要輸出品の銅塊とかアルミニウム材料とかあるいは鋼板とかあるいはその他あるのでありますが、こういう点についてさらにココムに向いまして政府は強硬に解除の交渉を続けているいきさつはないのでありましょうか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今まで努力してきて大体西欧並みのところまで貿易がこれからやれるところまでこぎつけてきましたが、今後としましてはさらに禁輸の問題について私どもは努力すると、関係国と一緒にこれは努力するつもりですが、今やっているところはそれだけの努力を強くやっているというよりも特認の制度の活用とかいうような方向で貿易を伸ばすことにむしろ力を入れていまして、最近でも特認を求めておるという事例はたくさんございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 最後にいま一点お尋ねいたしますが、これは全体の対中共貿易とのワクの中に入ることと思いますが、先ほどエネルギーの問題で質問が出たのでありますが、御承知の石炭が非常に不足をしておる、それから大体来年度が電力関係だけでも需要が千二百五十万トンですか、そのうちに大体国内でまかなえるものが一千万トンと、こういわれているのでありますが、二百五十万トンのうちに百万トンくらいまでは重油を使うにいたしましても、相当量輸入をせなければならないのでありまして、そんな点から考えても、今の世界好景気の状況からいって、まあ遠い所からちょっと今簡単に石炭を持ってくるわけにはいかない。樺太にありましても、御承知の通り樺太は需要期には大がい凍結してしまって、これは輸送がきかぬということになると、狭められて、どうしても中共の撫順炭とか、開らん炭とかいう問題になるわけでありますが、これについて何か特別な御計画といいますか、これは輸出全体のワクの中にむろん入っていることだと思いますが、特に大きい問題でありますので、最近石炭の問題について、電力業者の代表が現地に行かれるということも新聞等で聞いているのでありますが、これについて何か役所でおまとめになったものはないでしょうか。

讃岐喜八通商産業省石炭局長

○政府委員(讃岐喜八君) 来年度の石炭の需給計画の問題でございますが、出炭を五千二百万トンと押えまして、それで需要がまかなえるかと申しますと、ただいまお話のように電力用炭だけで千三百万トンの必要がある。そのうち重油で補給するものを除きまして、千百万トンの石炭の需要があるのでございますが、それに対して国内炭でまかなえる分は千万トンということになっております。あとの百万トンは大体輸入するということになっておりますが、これはお話のように樺太なり中共から輸入することが望ましいというふうに考えておりますが、どこから何トン輸入するかということはまだ具体的に計画をされておりませんので、実は国内炭を五千二百万トンと申しますのは、五千三百万トン掘れるという業界の意向もございます。なお今後も研究いたしまして、もし百万トンの輸入をするといたしますればどうするかということは、今後の問題として検討いたしたいというふうに考えております。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 先ほどの問題に関連して一、二御質問申し上げますが、大臣も言われましたように、輸入が八千万ドルからあるけれども、さしあたってバナナ等の必要でないものまで入れておいて、そうして輸入をふやしておいて輸出を進めるんだ、広げるんだ、こういうお話があったと思うんですが、現在中共から入れているおもなものはやはり鉄鉱石、あるいは石炭、あるいは米、大豆、農作物、こういうようなものだろうと思うんです。そういたしますと、たとえばただいま石炭の問題も出ましたが、五千二百万トン出るか、あるいは五千三百万トン出るか、これは今後の問題ですが、かりにこれが出なかった場合に、新聞では百万トンなどと出ておりますが、さらに中共に対しても、近い所でもあるし、間に合うから百万トンすぐ送れといったところで、おいそれとこれは掘り出せるものではない、鉄鉱石もその通り、そうなってきますと非常に場当りである。向うは国でやっている、日本は商社、いわゆる輸出入組合ということを言われましたが、こういうものが中心になっている。あるいはその他いろいろな組合がやっている。そうして政府はこれを規制するといっておりながら、中共を認めておらないので、だから国として何もできない。だから場当り的にそのときそのときの必要なものを、日本に必要でなくても、向うで余っておるものを買うことになる、こういうことになってくれば、非常に見通しが立たない。今世界的な好況の波に乗っておるから、中共との貿易も伸びるんだ伸びるんだと言っておるけれども、それではほんとうに計画性のある貿易の計画を立てられておるかということになってくると、そういうものはない、そういう点についてどういうものを考えておられるか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今たとえば粘結炭のようなものは三百万トン外国から買っている、このうち中共から四十万トンも現在買っておるので、今後これはもっと買わなければならぬ状態になるということを大体予想しています。同時に国内の石炭の増産が間に合えばいいのですが、足らなければ百万トン外国から買わなければいかぬ、買う場合に、中国からどのくらい大体買おうかというような問題は、結局今の貿易方式ではなかなかうまくいかない。それから決済方式も同様ですが、この二つを変えることからやらないと、こちらが計画的に貿易を進めるというわけにいきませんので、当面の問題はやはり貿易方式と決済方式を変える協定を新たに作ることに成功するかどうかという問題にかかっていると思います。ところがこれも御承知の通り日本側の都合じゃなくて、向う側がいろいろ主張していることですから、まず向う側にこの協定についていろいろ譲歩を求めなけりやいかぬという問題もございますので、これを今いろいろ民間の力で折衝させておる、こういう段階でございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 次に問題を変えて御質問申し上げたいと思います。大臣のただいまの御説明の中に、輸出貿易の増大を基軸として、まあ目ざましい発展拡大を遂げてきた、これを基調にして完全雇用の達成ということをうたっておる、これは現内閣の非常な大きな旗じるしであります。これは本会議でも論争されておりますが、もう少し、ここでは所管委員会でございますので、掘り下げて御質問もいたしたいし、御説明も願いたいと思っております。  そこで完全雇用の達成ということをただばく然と言われておるが、これについては計画があると思うのです、で、本会議で説明された分は私承知しておりますから、それ以上掘り下げたものの御説明を願いたい、かように思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは政府部内には掘り下げたものはございますが、これはこの次どうせ企画庁関係の御説明があると思いますので、企画庁長官から詳しく聞いていただいた方がいいのじゃないかと思っています。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 企画庁長官がお見えになった場合には、またお聞きいたしますが、それでは現在どのくらいの失業者がおって、そうしてこれをどのくらい吸収していくんだ、こういうことは一応通産省としても考えておられると、完全雇用のためにこれだけの経済を発展させていくんだということになってきますと、これは通産省自体の考え方が私はあるものと思っておる。これは個々の問題につきましては労働省所管の方が多いと思います。で、通産省の考え方として、現内閣の一枚看板で打ち出しておる完全雇用の問題でございますから、通産省の考え方をもう少し詳しく御発表願いたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今大体失業者を私どもは六、七十万人とみていますが、この問題は今後の労働人口の増加が年々どのくらいになるかという想定のもとに、この労働人口を完全に就業させるためにどういう計画をとったらいいかということを中心に、今度のこの雇用計画ができておりまして、それによりますというと、一応どういう計画が立てられても今程度の失業者はずっと持ち込んで行くという数字になっています。で、今後の労働人口の増加に対するものとしては、結局この生産拡大をやっていって吸収するで一次産業だけじゃなくて、日本の特殊性から相当このサービス業というここへ相当多数の人口を吸収するということも考えなければなりませんし、そういう問題の計画と、それから産業のやはり基盤を強化するという仕事を今後相当期間、計画的にやっていかなければなりませんので、その段階でどれだけの人を就業させるか、こういうような一連の計画で、私どもの方のもっぱら担当するのはそれに見合った生産をどう拡大させるかという問題で、あの計画通り産業拡大をうまくやれるかやれないかはわかりませんが、一応今できている計画では今後十年間かかれば大体日本の完全雇用というものは達成されるのじゃないかと、こういうまあ見通しです。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 それ以上は企画庁あるいは労働省に御質問することにいたしまして、これもエネルギー対策は別にございますが、先ほど阿部同僚議員からも説明があっておりましたが、通産省の指導方針がどこにあるかこれをお伺いしたい。たとえば先ほどの讃岐局長のお話を聞いておっても業者は五千二百万トンと言う、あるいは五千三百万トン出るかもしれない、こういうあやふやなことではこれはそう石炭が出るとは思われない、だから通産省としてはどれだけは出していただきたいんだ、そのためにはどうするんだという政策があるはずだ。わずか二年前には石炭が余るからそれでこれを買い上げるのだ、そして石炭山をつぶすんだ、こういうことをはっきり打ち出しておられるのであるから、で、今そういうあいまいもこたることでなくて五ヵ年計画は、政府の考え方はくずれた、実際は今年は四千二百万トンでよかったのであるけれども、これは五千二百百万トン以上要るようになった、そうすればどうするんだという指導性がなかりせば、計画がなかりせばいかぬと思う。それをどういうふうに計画されているか、御説明願いたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) その指導をするためにはやはりこちらが計画を持たなければなりませんので、今エネルギー源に関する総合計画というものを一応立てております。それによって石炭の増産をどういうふうにやって行くか、重油の輸入を年々どれくらい見込んでいくか、さらに電力をどう開発していくかというこの計画に基いてこの石炭の増産対策を立てようということですが、そこでむずかしい問題は何といっても計画はあってもこの計画がほんとうに見通しに合った計画であるかどうか、今までの計画を見ても、これは政府側の計画もそうですし、またこの計画を作るときに参加した民間の業界の見方、これも当然参考にして作ってあるのですが、そういう計画でうまく合ったためしがございません。で、御指摘の通り、石炭の中小炭鉱の買いつぶしという案を作ったのは、まだ一、二年前ですがあのときに実はその問題が出まして、私どもはおそらくこの法律ができて動き出すころには石炭が非常に不足してそんな余地がなくなるような状態になりはせぬかというので、あの法律を作ることについてはずいぶん政党側として渋ったのですが、あの当時先を見通して、いや石炭がそういうときにくることは当分ないのだ、この法律がなければ石炭の合理化はできないのだという意見がとにかく強くて、国会の委員会ですらそれを認めてあの法律をきめたというようなことから見ましてももう一、二年たってこの見通しは狂っておる。そうしますというと、今石炭の増産計画をまたここでヘタに立てても、一、二年たったら逆にまた石炭が要らなくなっていくというようなことになっては、これはそういうふうに不動性を与えるようなことはいけませんので、私どもは今石炭が足りないからといってすぐに重油政策へ切りかえてどうこうするというようなことはしないので、大体業界が安定するように無理をしない計画を立てて、しかもそれだけは安心して民間でも増産態勢ができるようにという配意が必要だと思いますので、石炭につきましても、たとえば電力業者がどれだけ要るかという一応の計画が立てば、何としてもそれだけはやはり買って、石炭業界の安定をはかるということのためには、豊水期になって買わないということを言ったり何かしたのじゃ困りますので、石炭業界が安心して増産態勢ができるように、しかもそうめちゃくちゃにも石炭にばかりたよってそういう態勢をとらせて、あとからこれを非常な不安に陥れることのないようにという点を見合って、大体今のところ無理のないエネルギー総合対策を立てて、この線でやっていくという方針ですから、まあ去年に比べて今年五千二百万トン程度の増産対策を業界に立てらせるということは現在可能ですし、それがまた将来決して不安定にしない、大体適当な計画じゃないか、それならば三十三年度にいってはどうというのも、一応今言ったような立場に基いて無理のない計画を立てるというふうに今後指導していくつもりでおります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 大臣の考えはよくわかりましたが、大臣の考えておられるように、この石炭業者にあっては朝鮮ブームで非常に人を入れてたくさん石炭を出したところが、あのあとは急転直下、山を閉山しなければならないような結果になった。そうすれば、今また五千三百万トン要請されているが、そのためには設備も拡充しなければできない、人員もふやさなければできない、そうしたあとでまた不況がきたらこれは大へんだということで、金はほしいし、おっかなびっくりで増産をやっている、私はこういうふうに思うのです。そういうように非常に自信のない、不安のある経済状態であるから非常にうまくいかない、そこは政治的に何か考えなければならない時期になってきているのじゃないか。雨が降らなければさあ電気がとまる、雨が降ったら石炭が余って海に捨てなければできない、こういうようなことではできない。これは国で一つの統制をしなければできない。そういう一つのスプリング的なことをやって、大きな組織の力において、石炭が余った場合には国がこれをたくわえて置く、あるいは足りなかった場合にはこれを吐き出してやるというような考え方をしなければ、今のように一企業にそのまま日本の基幹産業を置いておったのじゃ、これだけの調査網を持っている政府すら一年半先、二年先のことはわからない、国会でも今おっしゃったようにわからない、そういうことであるならば非常に不安で出る石炭でも出ないようになってくる。また必要でない重油を入れてこなければならないようになってくる。こういう結果になると思うので、これは基本的に一つ考えてみなければならない時期に来ておるのではないかと思うのですが、その点はいかがですか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 将来の問題としては、そういう問題についても、基本的に考えなければいかぬだろうと思っていますが、ここ一、二年ぐらいの間は、そういう方向じゃなくて、今の政府の立てた三十六年度までの経済計画から見ましても、まだまだ増産対策に追われるという方向でございますので、将来の問題としては、そういう根本的な対策もわれわれは考えたいと考えますが、この一、二年はまだその心配は今のところなかろうと考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私は、もう時間があまりございませんから、若干の質問をいたしますが、中小企業の問題について二、三御答弁願いたいと思います。  中小企業の対策につきましては、石橋内閣の重要な政策の一つでございまして、これに対しましては、全国の中小企業者が非常に大きな期待を持っておったのでございます。ところが、中小企業者にとって一体どれだけの施策が今度講じられておるかそういう点を考えてみますると、なるほど従来中小企業の金融の面というものが非常に窮屈でございました。ところが昨年は、神武以来の景気だといっておりますが、そういうような関係で、中小企業も若干の金回りはよくなってきた。しかし、三十二年度におきましては、これらの中小企業者の金融の面を何とか打開しなければならぬという点から、政府は若干の増額をやられまして、この点では、国民金融公庫にいたしましても、中小企業金融公庫にいたしましても、昨年からうんとふえてきておりますので、この金融の面では若干の成功だというふうにもいわれておるわけでございます。さらに来年度は、政府が現在予定しておりまする中小企業組織法その他の法律案、こういうものが提案される予定になって、中小企業に対するいろいろな御考慮が払われておるようでございますが、しかしこれは現在の中小企業が、融資が若干ふえたが、また組織法ができていろいろと中小企業の組合の面が規制される。そういう関係で、果して中小企業というものが、将来の見通しの上から発展するかどうかこういうことを、考えた場合に、この点は、若干の融資が増したところで、そんなに中小企業としては好転するとは私は考えられないのでございます。その点大臣は金融の面だけで、将来の日本の中小企業の振興というものがなされるというふうに考えておられるるかどうか、この点一つ御所見をお願いいたします。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは、日本の中小企業のやはり実態をよく調査し、つかんで、それに対応するあらゆる政策を総合的に施していくというよりほかにしょうがないと思いまして、今度そういう調査費を今年の予算に計上したということは、さっきお話しした通りでございますが、もともと日本の中小企業が今まで悪かったということは、戦前の中小企業を見ますれば、やはり貿易ということに依存して、中小企業のそのあり方が一応きまっておった。その後戦争に入ってからは軍需工場の中へいろいろな系列化することによって、中小企業がそのあり方を保っておったというようなことで、戦時中に日本の中小企業の実態というものは、戦前に比べて再編成が事実上はされておったのですが、これが戦争が終って、貿易は一挙になくなってしまうし、日本の軍需工場というものが一挙につぶれてしまうということになりましたから、中小企業振興策、振興策といっても、実際においてこれを有効に振興する政策がなくて今日まで来たというのがこれは実情だと思います。しかし、日本の産業がここまでよくなってきて、中小企業も大体今自分のあるべき姿を一つずつみな見つけ出して、ところを得ておるという傾向になってきましたので、ここで中小企業の組織化だとか、金融だとか、あらゆる助成手段というものを打ちながら、根本的にもっと大きく日本の輸出産業を振興させるというようなこと、それからまだ日本に防衛生産というものは起っておりませんが、将来日本の自衛力を自分の手でまかなうくらいの工業というものは持たなければならぬと、こういう産業の育成も私たちはやりたいと思っておりますし、さらに、新規産業の育成を中心にして日本の産業規模を拡大するとか、この本筋の仕事をやることによって、中小企業が初めてところを得た正しい姿に戻ってくるのではないか。この政策がほんとうにできるのでしたら、中小企業は今のようじゃなくて、もっと振興された姿になると思いますが、そこまで来るまでのいろいろな措置として応急的な措置を考えてやっていくという考えから、一方産業拡大政策というものを大きくやっていくと同時に、中小企業対策については、実態に応じたあらゆる手を打つ、一つの手で有効だという手はございませんので、さっき申しましたような、中小企業に対しては、小さいこそくな手段であるかもしれませんが、これが中小企業の育成に役立つのだという限りは、それだけの手を全部総合的に打ちたい、こういう考えでございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ただいま大臣がもう言われましたように戦後の中小企業の立ちおくれ、こういう点から考えまして、今一番問題になりますのは、中小企業の賃金と大企業の賃金との賃金格差の問題、この賃金格差の問題が、いつもこれは中小企業の労働組合等においても論議される問題なんです。一体そういう点はどこから来ているか、こういうことを考えますると、やはりこれは現在の中小企業——中小企業といっても、特にこれは零細の方に所属する企業、この中小企業並びに零細企業の労働者と大企業の労働者の賃金の開きというものは非常に大きい。これを何とか格差を縮めなければならぬというのが、中小企業に働く従業員の考え方なんです。ところが、機械設備やその他の面において非常におくれておる。従って、生産手段も非常に幼稚である。特に零細企業等におきましては、手工業的な生産方法を現在まだやっておるところもある。こういうふうに考えていきますると、これはやはり中小企業におけるいわゆる合理化対策といいますか、こういうものを考えなければならぬ。ところが、三十二年度の政府の方針からいきますと、こういう点が非常に予算措置というものが少い。もうほとんどゼロに近い。こういうことでは、現在のそうした立ちおくれた中小企業の振興、合理化なんということは、とうていできないじゃないかと、こういうように私は考える。この点について政府はもう少し合理化対策に対して、何らかの打つ手はなかったかどうか、この点一つお尋ねいたします。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは設備近代化の予算が、あまり多くなかったということに関連してる御質問だと思いますが、今まで近代化、合理化のために補助金を出してやった件数を見ますと、対象が千三百という数でございますが、圧倒多数の中小企業に対して、全部にああいう補助金を出してやっていくということはむずかしいために、業種を十五なら十五、大体選んで、そのうちの代表的なところにまず合理化をやらせてみる。それを同業者がみんな見て、非常にこの合理化はよかったということになると、自分もやろうというふうに考えてくるんで、そういう機運になって合理化を促進するんなら、これは私どものねらいに合うわけですから、この設備近代化の補助金というものは必要だ。しかし必要ではあるが、全種目にわたって、全部の中小企業にこれをみんなやっていくということは、これはむずかしいことですから、予算のめどがどのくらいあったらいいかということは、実際には査定するのにむずかしいことだったんです。ところが政府部内でも大蔵省とそういう方面は、ようやくそういうふうに中小企業が合理化されなきゃいかぬ、設備を近代化そうという機運が出てきて、それに対する自主的な資金の需要が最近非常に多くなっている。三十年から三十一年度へかけて、そういう方面に中小企業が金を使ったのが一年間に千五百億円もふえている。こういう趨勢になってきたんだから、補助金政策で設備の近代化を進めた方がいいか、それともそういう自力で一つ合理化をやろうというものについて金融で助ける方が有効かという問題になると、ここで相当金融で助けるという政策をとるべしだというのが政府部内にも意見がございました。それを折衷した形で設備の近代化は従来通りやる。で、今までの回収金が八千万円もことしございますから、大体四億円予算を盛れば、去年の三億四千万円に比べて五割増しということになるから、この政策はそのくらいの程度で続けていくと同時に、今度は零細企業も含めて金を借りやすくするというために同じ十億の金を使うなら半分は各地方の信用保証協会に貸していく、保証能力が十五倍までいくんですから、百億以上保証能力を拡大することはできるんだ。だから補助金で一億出すのがいいのか、保証能力の何十倍か広げて助けるのがいいかといういろんな問題を考えまして、両方でいくか、で、ことしは十億保険の特別会計の中へ融資勘定を設定して、それで保証能力の拡大をはかるという形で、中小企業に百億以上の金が貸せるような態勢をとろうというので、予算は多くふえませんでしたが、そういう意味をもって、別の予算を加える工夫をした、こういうことで、今後もこの合理化態勢を進めるということについては、今までよりもっと積極的にやっていきたいと思います。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 私ども、過日の中小企業の視察に行ったわけでございます。そこで感じましたことは、機械にいたしましても、技術にいたしましても、大企業といわゆる零細企業との相違というものは非常に大きい。大企業ではオートメーション式な機械でじゃんじゃんといく。ところが、小さな零細企業では、昔の手工業的な方で、がっちゃんがっちゃんやっている。こういうことでは、生産の面においても非常に立ちおくれであるし、何とか中小企業の工場主などは、技術の面で何とかこれを補っていかなければならないという要望は非常に強いわけなんです。そこで特に通産省におきましても、三十二年度は中小企業の技術水準の向上ということに非常に本腰を入れられて、そうして技術指導費とか、また、診断専門機関の設置費とか、技能者養成補助費、こういうふうなものを要求しておられたが、新規対策に対してはほとんどこれが認められなかった。こういうような状態で、非常に技術指導対策としては政府並びに各都道府県でも、これは非常に今日力を入れて、各都道府県においてはそれぞれの研究所を持って非常に努力をしておるわけななんで、そういう点から考えますると、今後の生産の設備の問題はやはり技術の指導と、それから技能者の養成、こういうところに重点を置いて、そうして将来の方針を立てなければ、いつまでたっても、これでは立ちおくれを克服することができないと思うのです。こういう点について政府はどのようにお考えになっておられますか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 全く同様に考えておりますが、その点では、確かにことしの予算はあまり十分でなかったと思っております。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 全く同様に考えておりますが、その点では、確かにことしの予算はあまり十分でなかったと思っております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 特に中小企業は資本を持っていない。ただ、問題は技術だけに頼ってそうして生きていかなければならぬ、こういう点が非常に私は考えられる点で、将来これは国なり、国がまたさらに都道府県等にも強力な指示をして、そうしてこういう点を重点的に考えていってこそ、初めてこの零細企業においても中小企業においても、技術面において向上していく、それが生産の面に現われてくる。それでこれが輸出振興の面にも大きな影響を生じてくる。先ほど大臣の御説明にもございましたように、輸出品に対しましては、今度国の検査ですか、検査所か何かを設けて、強力な検査をして、そうして不良品の輸出のないようにする、こういうような御意見でございましたから、こういう点も十分に将来考えていただかなければならぬと思うのであります。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) まさにその通りでございますが、これを実際にそういう活動を強化しようとしますと、どうしてもやはり予算の裏づけがなければできない。ところが、私が通産省に来てみますと、そういう種類の予算を取るということが、非常にむずかしいことを感じたのですが、これはどういうわけかと申しますと、農業方面については、これを振興するためのいろいろな立法がある。この立法に縛られて、予算を自動的につけなければならぬというふうになっておる面が非常に多うございますが、中小企業の振興に対する立法というものは非常に少いために、今、法に基かなくて事実上やっておるという仕事ばかりが多い。しかも、これをもっと伸ばして積極的にやるべしだと思うことでも、都道府県がやっておるのに、政府が義務でなくて、こちらからもそれに助成金を——若干涙金をつけてもっとしっかりやってくれという激励する程度のものになっておりますので、従って今おっしゃられたようなことを効果的にやるとするなら、やはり中小企業の振興に対するいろいろな国の立法の裏づけがあることが望ましい。そういうようないろいろな考慮をいたしまして、今、省内でも中小企業振興に対する立法化というようなものを今準備しておりますので、これができ次第、この委員会にまたお世話になると思っております。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) ただいま零細企業の資金のことで近藤君からお話があったのですが、昨年の暮、衆議院及び参議院で、中小企業に対する年末金融の問題を満場一致決議いたしました。その一つのねらいとして、零細企業に対する資金という問題を政府に考えてもらいたいということをうたっていたのであります。この問題につきまして、なるほど中小企業金融公庫と、商工中金ということにつきましては説明がございましたけれども、零細企業に対する資金をどういうふうにしてワクを広げ、貸付を容易にするかという点について、言及がなかったように思うのです。なるほど中小企業信用保険特別会計に十億繰り入れて、これを百億くらいの効率を持った資金として貸し付けるのだというお話がありましたけれども、零細企業はなかなか窓口銀行の信用も十分でありませんし、かつ、そのために府県、市の信用保証協会に頼みにいくと、調査料であるとか、あるいは保険料であるとかいって、相当高額な資金を借らなければならないということで困難をしているようでございます。特に零細企業に対する金融的な措置として、政府の考えておられる点を、一つこの際明らかにしていただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 昨年この委員会の議決もございましたので、いろいろやっておるつもりでございますが、まあ国民金融公庫とか、そのほかの中小企業関係の金融機関の運用額は非常に多くふやす、そして政府からの財政投融資も多くしているという一連の措置と、それから特に考えましたのは、商工中金から新しく信用組合を通じて、これを代理店として零細企業へ貸し出させるという処置を去年の末にとって、この代理店の指定も七十行いましたし、一定金額以下はもう資金の使途についても、信用組合に一任するという措置によって、今までなかなかむずかしくて銀行から金を借りられなかったというような零細企業方面に、相当この措置によって便宜が与えられるのではないか、この措置を一つとりましたことと、それから商工中金の資金量を増加するために、中小企業金融公庫から相当額を中金を経由して融資させるという方法もことしからとることに大体考えております。  それから今申しました信用保証能力の拡大ですが、これもやはり相当零細企業の金融にこれが役立っていくだろうと私ども考えています。  それからこれは中小企業でも比較的大きい規模の方だと思いますが、今の日本の現状では、まだまだこういう中小企業関係の金融機関から貸す金と、市中銀行から中小企業へ貸している金の額を比べたら問題にならなくて、市中銀行側が中小企業のめんどうを見ている額の比重というものはまだ多いということでございますので、そういう点から見ますというと、やはり信用保証という制度をもっと活用していく、今度は通産省としてはできませんでしたが、この金を多くすれば保証団というようなものを作りたいという構想を持っていますが、こういうものを中央に作っていくという形によって考えれば、ひとり中小企業関係の機関だけでなくて、一般の市中銀行から借りるときに、これがほんとうにものを言ってくるだろうと思いますので、そういう方法もとりたいというふうに考えています。なかなか金融というだけで、この中小企業というものを助けるということは、どうしても零細の方にいけばおこぼれがあってむずかしい点もありますので、そういう意味から今度の税制改革で所得税についても、零細をも含めて一定の所得以下はこうするというようなことを中央、地方税を通じてやりましたので、こういう点によっても、相当中小企業が今度は助かるんじゃないかと思っています。今まで私ども考えた処置というものは大体その程度でございます。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 地方にある企業組合ですね、現在……この企業組合なり協同組合で、まあルーズな組合もあるが、比較的しっかりした組合もたくさんあるわけです。これを私ども視察に行きまして、懇談会を持っていろいろと聞きますると、いわゆる融資を、現在個人単位になっておるが、これを何とか企業組合、協同組合単位で融資をしていただけないだろうか、こういう要望がずいぶんあるわけなんだが、将来これをどのように考えておられますか。御所見をお伺いしたい。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) 現在におきましても、商工組合中央金庫からこの協同組合に対しましても相当額貸し付けをいたしております。私どもの方としましては、やはり組合を、一面におきましては強化すると同時に、中金等から組合に対する融資もだんだん獲得して参るというふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 これは国民金融公庫も、中小企業金融公庫も、団体単位で貸しておりますか。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) 国民金融公庫におきましては、協同組合に対して、現在のところは直接貸しをするということは大体いたしておりません。これは大体零細企業者に対しまして、個々別々に金を貸しているというようなことになっておりまして、やはり商工組合中央金庫が中心になりまして、組合金融はいたしておるわけであります。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 この零細企業の方々が寄って、協同組合を作っておられるわけなんです。そこで、零細企業の方々が個人に借り入れの申し入れをする場合に非常に複雑であり、困難である。そこで協同組合単位で借りて、そしてこれを組合の責任において各零細企業の方々に貸し付けると、こういう方法を講じたいというふうな希望があるわけなんですが、将来、こういう点についての何らかの方策がありますか。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) 私どもといたしましては、やはり現在の協同組合というのを強化することと、それからまた、企業組合も協同組合に参画して、そしてその協同組合を通して零細企業者が貸し付けを受けるというようなことを、もっと強く拡大していくというふうに考えております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 最後に一つ税制の問題でございますが、ここの説明書にもございますように、「中小企業の税制問題については、中小企業のおかれている困難な立場を考慮し、今回の税制改正において、特に中小企業に対する税負担の軽減については特別の配慮を払うこととし、現行法人税の軽減税率の適用範囲を拡大するほか、地方税においても個人、法人を通じて事業税の軽減を行う方針であるが、更に中小企業の設備近代化を促進するための特別措置を講じたいと考え、二の具体策を検討中である。」と、こう説明がございまするが、その具体策の検討中のところを一つお聞かせ願いたいと思います。どの辺まで御検討しておられるか。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) 現在中小企業の機械、設備、そういうものについての特別な償却ということが、これがその恩典に従来浴していないのですが、今川中小企業につきましても、設備なり機械なり、そういうふうなものについて特別な償却を施すようにということに大体大蔵省との間にも話が進みまして、現在どういう方法でそれをやるかということを、両方で具体的に検討中でありますが、まだ結論的には出ておりません、具体的には。ただどうしてもそれを行わなくちゃならぬということは、きまっておるわけでありまして、具体的にどうするかということを今相談しつつあります。  それからもう一つは、再評価の問題につきましても、中小企業については、まだ十分あやかっていないのですが、やはりこの際第四次の中小企業に対する再評価を行うべきであるということにこれもきまりまして、その方法につきましては従来非常に複雑な手続なりになっておりましたので、もっとこれを簡素化して、そうして再評価が十分できるような措置を講じたいということで、現在いろいろ相談をいたしております。これまた、具体的にどうするということにはまだ至っておりませんが、この国会中にははっきりそれはきめまして、そうしてこれを決定していただくことになっております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 ただいまの御意見でございますると二十六回国会開会中には、目鼻をつけて何とかする、こういうふうな御意見ですが、そう解釈してよろしいですか。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) これは、来年度からこれを実行すべく現在具体的に大蔵省と相談をいたしております。

近藤信一日本社会党

○近藤信一君 特に中小企業者は、特に零細企業者は、この税制問題について非常に大きな悩みを持っております。それは先ほど私が申し上げましたように、生産の面におきましてもうんと劣っておる。そこでまあ生産の面が劣っておれば、利潤というものもそこで薄いわけなんです。ところが税金の面はびしびしと来るので、その点税制問題については、非常に大きな悩みを持っておる。三十二年度に政府が売上税の新設やら物品税その他の間接税の増徴というようなことがにおっておりましたが、幸いにいたしましてこれが中止になって、中小企業の方々は非常に喜んでおるのではなかろうかというふうに考えますが、いろいろと税制問題については、特に中小企業の方々は大きな悩みを持っておりますので、これらの問題を何とか一つ解決していただくように私希望いたしまして質問を終ります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 日中貿易の協定が、大体この五月ごろには満期になりまして、今改訂期に入ろうかという段階にあるようでありますが、これについて前回はまあ日本に来て協定をやったのでありますけれども、今回は向うへ行ってやるのか、あるいはこちらへ来てやるのか、あるいはまたどういう形でやるのか、特にどういう形に今回なるかということについて、大臣の御意見を伺いたいのでありますが、と申しまするのは、御承知のように従来は国際貿易の促進協議会、さらに日中貿易の促進議員連盟、この二つが協定に当っておったのでありますが、そこべその後輸出入組合が御承知のようにできたのでありまして、今では日中貿易関係というと、この三つのものが三人四脚の形でいくと、こういう三人四脚の形でいっておるような点が、御承知のように先般の見本市に伴う不良品騒ぎ、また、その騒ぎが実際以上にいろいろな食い違いから喧伝せられ、これが日本の対外的商品の信用を落したというのは大へんなのだと思うものでありますが、要するにそこにいろいろ原因もあろうと思いまするけれども、輸出入組合、それから国際貿促、さらに日中貿易の促進議員連盟、この三人四脚の形でいっておる、そこにいろいろと弱点、欠陥が出てきたところが、ああいうような不当な対外的信用失墜の一つの原因になっておるというふうに考えるのでありまして、そういう点から見ましても、今回改訂をせんとする日中貿易協定については、政府が中共との間においての、まだ国交回復はしないのでありますけれども、もちろん、表に出るというわけにはいかぬでありましょうけれども、実質的には相当政府、がこれにタッチをしている。そうしていわゆるこの窓口の一元化等も背景にして、協定というものによほど従来とは異なったしっかりした態度でお進みにならぬといかぬのじゃないだろうかという感じがいたしますので、これについて特に大臣の御見解を伺っておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 全く同感でございますが、今のところこちらから今度は協定に向うに行くというふうに考えていますが、その具体的な問題については、通商局長からお答えにいたします。

松尾泰一郎通商産業省通商局長

○政府委員(松尾泰一郎君) 御存じのように、現在の日中民間通商協定が五月の初めに期間が切れますので、どうしても四月の末ごろまでに、新しく協定を作らなければならぬわけであります。ただいま大臣からも言われましたが、政府が表に出られません関係もありまして、若干隔靴掻痒の感はあるのでありますが、今のところは、こちらからできれば三月の末ごろ、あるいは四月の初めごろに向うに代表団が行かれまして交渉をされるというふうに聞いております。で、今も御指摘のありましたごとく、協定の格好と申しますか、形でございますが、確かに理論的に申しますれば、向うも一つでありまするので、こちらも一本で協定ができることが望ましいと思うのでありますが、これは従来のまあいわば歴史的沿革とでもいうようなものがあります関係上、急に一つの団体でということは、ちょっとむずかしいのじゃないかと私は承知いたしておるわけでありまして、御存じのように議員連盟とそれから国際貿易促進協議会と日中輸出入組合、三者で相当やるのじゃないかと思いますが、この日本側の三団体におかれましては、十分連絡を密にされているように拝承しておるわけでありまして、われわれ間接に今度の協定の具体的な内容につきまして、改正すべき点につきましてはわれわれも意見を申し上げてもおりますし、また、その点をかように改正していただく方がいいんじゃないかというふうな点も申し上げ、また相談にも応じておるような次第であります。今度はできるだけ円滑な運営のできるような協定が締結されることを期待しておるような状況でございます。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 貿易は大体どちらかというと、常に大企業本位になって、中小企業というものが片隅に寄せられるようなことになる傾向があるのでありますが、従来日中貿易については、中小企業の関係は非常に御承知のように古くから強かったわけなんでありますが、今後の日中貿易からいいましても、先ほど大臣からもお話がありましたように、いろいろなこまかいものまで入れる、支那料理の材料まで入れるというようなことになれば、正そう中小企業関係というものは、輸入の場合についても、輸出の場合についても、見返りの関係等から、いよいよもって関係が深くなると思うのであります。すでに過去の日中貿易の協定に当っては、中小企業関係を非常に尊重したのでありますが、次の協定の際にも、中小企業関係を十分に尊重して、その主張なり利害関係が協定の上に反映し得るような機構、行き方というものをお考え願っておきたいと思うのであります。これらにつきまして、一つ大臣から御意見を伺うことができれば、けっこうだと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御趣旨のように、こちらから裏で指導するつもりでおります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 ありがとうございました。それでは次には、本日予算を詳細御説明を受けまして、それに関連いたしまして商工関係の予算、それから農林関係の予算、これのアンバランスというものを、ひしひしと見せつけられたのでありますので、この際特に大臣から農林関係及び商工関係の予算が、今後の日本としていかにあるべきかというような見地から、思い切った一つ御意見を拝聴したいと思うのであります。お承知のように、農林関係は水産まで入れましても、経営者として大体六百万といわれておるのでありますが、商工関係は大体経営者は三百万、ほとんどそれが中小企業なり零細企業ということは言うを待たんのでありますが要するに農林水産に比べて半分の経営者というものがある。これからいきますと、農林の予算の半分はあってもいいのじゃないかということになると思うのでありますが、年々歳々予算を見ますというと、通産省の予算は、農林省の予算に比べれば、これは半分だとか、三割だということじゃなくて、全くけた違いなのであります。今回ようやく通産の予算も百億をこえるようになったのでありまするけれども、農林関係の予算は、一般会計だけでも三十一年度すでに八百億をこえておるのでありまして、八百対百というようなことであります。いわんや、これを中小企業と農林水産業を比べてみるというと、全くお話しにならん状態でありまして、中小企業関係は今回十八億の予算になったというものの、このうち信用保証協会に貸し付けるところの十億を取り去ると、ほとんど八億でありまして、昨年度の予算とあまり変らんのであります。ところがこの中小企業に匹敵すべき農林水産の方には、ただいま申しますように、一般会計だけでも八百億からの予算になる。食管会計などは八千七百億もの予算をかかえて、まるで日本の国のほかに、もう一つ予算的には独立国があるというような状態であります。その食管会計の人件費だけでもかれこれ九十億、今回やっとこさっとこ上下あげて努力されましたその予算百億と、とんとんくらいのものを食管会計の人件費だけでちゃんと予算が取れておるというようなことでありまして、それにはよってきたるところは、それぞれあるでありましょうけれども、あまりにも開きがひどいようであります。一体これでは、今後輸出の振興だの中小企業の振興だのいろいろ言いまするけれども、果してできるのかどうか。ここらで予算の取り方といいまするか、考え方というものも全然一変してかからんといかんのじゃないか。今までの行き方であっておったのじゃ、年々は十億くらいふえてくるというわけでありましてとうてい農林と商工のバランスはとれぬ。これを一体どういうふうにしたらいいかというわけなんでありまして、世の中じゃ、日本は商工立国になってきておるとか、あるいは輸出重点主義になっておるとか言いまするけれども、実際は依然として重農政策に予算から、はっきりなっておるのでありますが、新進気鋭といわれておりまする水田通産大臣をここにお迎えをしたわけでありまして今までの考えから、ころっと変ったところで、これからこうなるというところを一つ、ここは商工委員会のことでありますから、忌憚のないところ花伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 通産省というところは、今までずっと役所の性格が大体監督行政を中心とする官庁ということで実施管庁という色彩をあまり持っていませんでした。そういうところで農林省あたりとは、役所の性格が変っておるので、従って予算規模も、もう格段に違っておったというのだと思います。ところが今度通産行政というのは監督助成行政だけでは済まなくて、やはり、中小企業庁などは特にそうですが、実施官庁的な色彩をもっと強く持って出るのでなければ、その機能が発揮できないだろうと考えますので、今後はそういう方向に持っていくつもりでおりますが、予算は、私の力ではどうも前年度の三割増くらいのところまではがんばったんですが、それ以上はあまり十分でなくて申しわけないのですが、今後の役所の行き方をそういう方向に持っていく。従ってそれはやはり立法的な若干の根拠を持たないといけませんので、そういう立法の整備も、この国会に準備して出したいと思っております。  それから工業用水の問題は、これは委員会で御存じだと思いますが、今まで上水道、下水道、工業用水で各役所のなわ帳り問題でもめて、今まで解決しませんでしたが、今度きれいに解決しまして、工業用水の行政は、一切通産省が専管事項として担当するというふうにはっきりきまりましたので、こういうものも今度は私どもの方がいろいろな実施官庁としての性格を持ってくると思いますので、そのほかもそういう方向に今後持っていって、やはり日本の産業拡大に、通産省は単なる監督助成行政じゃなくて、自分自身がそれについて実施官庁であるという性格を強めたいと考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 ただいまお話のありました方向でお進め願えば、まあ漸次よくなるかと思うのでありますが、ことに大臣の言われます、法律が少い、これの裏づけをまず作っていくというのは、非常に私はいいポイントだと思うのであります。それと同時にもう一つは、従来この通産省の予算編成に当っては、都道府県庁と一体化していくという点において、少し農林関係と比べてみると欠ける点があるのじゃないか。県と連繋をとり、そうして県の最も欲求する予算をねらって、これを全国都道府県にまんべんなくやるということになれば、自然、予算は必然的に大きくなってくると思うのでありまして、こういう点でも今後非常に御研究を願わなければならん点があろうかと思うわけであります。その一面において、予算が従来非常に少いにかかわらず、御承知のように、税金関係だけは実にまたけた違いに取られてきておる。所得税、法人税のほかに、特に商工業が事業税、それからものによってはさらに物品税、かように三重課税になっておるのであります。今日の御説明でも、事業税の二%引き下げが出てきておりますが、一方、農業等に事業税をどうしてもかけないのだということになるならば、商工業もかけないようにしたらいいのではないか。そうしてすべてが公平な税で取るものを取るようにしたらいいのではないかという議論が出てくるのは当然だと思うのであります。そういう点で、農業に対しての事業税は、軽いものにせよ、かけた方がいいというふうにお考えになっておりましょうか。あるいは、これは農業にはかけられぬ、しからば商工業についても事業税はやっぱり撤廃すべきものだというふうにお考えになっておるのでありましょうか。その点。  それからもう一つ、物品税という三重課税の一つがあるのでありますが、これについての御見解。それからもう一つ、概算所得控除を、ようやく中小企業の中でも、零細企業に対しまする特別控除制の一つとして、かつてこれを獲得したのでありますが、今回は遺憾ながらそれが廃止になっておるのであります。この点なども租税特別措置法の改正に当って、中小企業にはむしろしわが寄ってきておるというようなことなんでありますが、これについての御見解はいかがなものでしょうか。

徳永久次通商産業省企業局長

○政府委員(徳永久次君) ただいまの税関係のお話しでありますが、農業関係の事業税を取らないならば、商工業関係の事業税は取らなくてもいいだろう、これは税制調査会でもいろいろと論議されましたのであります。二年来の研究もなされましたわけでございますが、その結論といたしましても、相当紛糾いたしましたわけでございます。それだけに、日本の国情から見まして、いろいろと非常にむずかしい問題があるということであります。政府としましても、今度の税制改正の際には、こういう問題は、税制調査会の間でも、もめるといいますか、問題があるということで、実施が困難だろうということでございます。  それから、物品税につきましては、御承知のように、税制調査会では、中小企業者に負担をかけるとか、そういう意味ではなしに、税体系の、直接税を軽減しながら、いろいろ個人の消費を、物品税の過程といいますか、その面で必ずとらえていくという、所得を直接税一本やりで公平に把握するということは事実上不可能なところがありますから、そういうものを間接税で補完する、そういう思想から物品税を引き上げたらいいのではないかというのが、税制調査会の意見というわけでございます。しかし、物品税の実質的な負担の意味合いというものは、税制調査会で考えられたようなことばかりでは済まない。今豊田先生がおっしゃいましたように、実質上中小企業者に対しまする負担の過重になるというような面もございますし、現在あります物品税においても、若干そういうこともありました。ましていわんや、税制調査会の意見のように、現在の物品税をさらに品目を拡大し、あるいは課税最低額密下げるということは適当でないであろうということで、新内閣では取らないということにきめていただきました。この点、中小企業関係としましても、非常にほっとしたような状況にありますわけであります。  概算控除の点につきましては、これは私十分の数字的な説明として、ここでただいまちょっと資料を欠いておりますけれども、今度の所得税の大幅減税との見合いにおきまして、実質的に、概算控除によりまする中小企業者の減税といいますか、ある程度の恩典、それをはるかに越えた所得税の減税がなされた、しかも、それが所得の低い人に大きくいい影響を持つような形になりましたので、その面から、総体的に見て、概算所得控除という従来の制度をはずしてもいいじゃないかというのが実質的な理由でございます。さらに、概算所得控除という仕組みそのものにつきましては、大蔵事務当局としましては、税の仕組の問題としまして、いろいろな理論的な難点といいますか、というようなこと、これはまあ議員立法でなされましたのでございますけれども、その点の税体系上の議論というものもございまして、この際大幅な減税の際に、この制度はやめたいということになりました。これは税制調査会でも研究の結論はさような線であったかと思います。実体的には、最初に申しました、今回の税制改正による実質的な大幅減税が、概算控除をはるかに吸収する程度の内容になっておるということから廃止ということにきまり、政府案はその線を踏襲しておるという事情であります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 事業税関係については、将来、通産省といたしましては、この商工農林の業者の公正な扱いのできるように、今後根本的な主張を続けてもらいたいと思うのでございますが、それと一方、お話しの物品税関係でありますが、これは、企業局長も指摘せられたように、間接税であるというけれども、間接税というのは、消費者に転嫁ができるということで初めて間接税の長所が出てくるのでありますが、御承知のように、日本では中小企業者が非常に多い、しかも零細なるものが多い。従って、大企業から転嫁せられてきても、これを消費者に転嫁はできない。いわんや、中小のメーカーに物品税をかけられた場合には、消費者に転嫁ができない。名は間接税であるけれども、実際上は弱い中小企業者、零細企業者がかぶるんですからこれは結果においては直接税の増徴と同じなんです。そこに、日本の中小企業、零細企業の特殊性というものを、大蔵省が非常に見逃がしておる。これが専売品などの販売であるならば、税率を上げていけば、これは消費者に当然転嫁される。もし転嫁されなくても、安売りしたならば営業許可を取り消されるということになるわけであります。これは当然転嫁せられるのですが、どうも大蔵当局の考え方は、専売品をしょっちゅう扱っておるものでですから零細企業、中小企業の製造するものに物品税をかけていった場合も、専売品と同じような錯覚を起しているじゃないか。ことに外国のように中小企業の強いところでは転嫁もできるでしょうが、外国の事情と日本の事情は違うということも、やっぱり錯覚を来たしておる点じゃないかと思うのであります。そういう点で、今後中小企業がほっとしたというふうに企業局長言われたのですけれども、かけられそうであったものがかけなくなっただけのことで、現在かけておる物品税がそのままで行くのであって、しかも、現在かけておる物品税の中に御承知のようにいろいろなアンバランスがある。免税点からいって、それから税率からいっても、非常にアンバランスがあるわけであります。三割のものがあるかと思えば、五分のものがあって、免税点も相当高いものがあるかと思えば、低いものがある。同じ化粧品でも支離滅裂なんです。しかも戦時中のように物の足らぬときだったら、みんな転嫁ができるのですが、現在のような平時になれば転嫁などはできないのですから、そういう時の変化、それから外国と日本の相違、それからまた、専売品と自由品との相違、そういう点に立って、今後通産省から強い大蔵当局に、私は反省的な要請をしてもらいたいと思うのであります。それから概算所得控除、これはむしろ零細企業中心に、御承知のようにこの百分の五までの、所得の百分の五までのものとか、あるいは一万五千円までのものは、まあ保険に入れないとか、かけておらぬとかあるいはまた医者の費用といっても、どの程度ということがはっきり帳簿上実証もできぬとか、雑損があってもそれは明らかにできぬとか、そういうふうにやはり零細企業の実情を尊重して、そして一万五千までの一種の基礎控除をやるということになったのでありまして、これは非常な当時の善政であったのでありますが、今回これを廃止してしまった、改悪なんでありますが、この点についても一つ十分に御研究願って、次の機会にもとへ戻すということを、強く一つ大臣にも御努力を願いたいと思うのであります。  それから次には、法律関係でありますが、今回いろいろな法案をお出しになるようでありますが、その中でこの中小企業の組織法、これが政府案で出るとか、あるいはそうでないとかいういろいろうわさがあるようでありますが、きょうの資料等からみますと、政府案で出そうというふうに見えるわけでありますが、そういう方向に向いておるのでありましょうか。その点……。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 政府案で出したいと考えております。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 政府案でいきまする場合に、あるいはこの団体法案というふうな名称にでも変えようという意図があるのでありましょうか。もしもこれを変えようということになりますと、中小企業については、組合以外に御承知のようにいろいろの団体もあるのでありまして、その団体までも規制するかのような誤解を第三者に与えるので、名称として政府案でお出しになる以上、ちょっと団体法じゃどういうものかなあという感じがするのでありますが、その点いかがでありましょうか。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) この名称の問題につきましては、まだ私どもの方としては、はっきりきめておりません。一応やはり中小企業組織法というので考えておりましたが、まあこれは団体法というのも一つの考え方であるというような意見もありまして、まだはっきりこういうふうな名称でいくということは、実はまだ決定いたしておりません。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 特に政府案で出される以上は、実態に合うような名称をこれは何でもいいですが、お選びになって、あまりあらゆる団体を規制するかのような感じを出すと、さなきだに今回の法案はいろいろ規制、力が強過ぎるということで、いろいろ議論が出ておるのでありますから、あらぬ誤解のないように実態に即するような名称をお選びになることをこの機会に希望をいたします。それと同時に小売商振興法案がだいぶんうしろの方に、順番からいうと出ておるのでありまして、場合によると、いうと出さぬのじゃないかというような懸念すら与えるのでありますが、どうも中小企業振興助成法案についても同様でありますが、これは御承知のように中小企業振興審議会は中小企業界の総意を結集したものでありまして、しかも、あの中の消費生活協同組合あるいは購買会、共済組合との調整であるとか、あるいはこの大企業の小売分野への進出を調整する行き方であるとか、あるいはこの大企業が中小企業の適正分野に入っていくことを調整しようとかいう画期的な行き方が盛り込まれてあるわけでありまして、今日これに対する待望はもう非常に強いのであります。これがもしも今国会に提案にならぬとか、あるいは提案になったが、時間きれぎれで通らぬとかいうことになると、この中小企業界、またまたこれが一種の政治問題化するおそれがあるわけでありまするので、この際ぜひお出しになり、しかも必ずこの国会で通していくという決意を伺いたいのでありますが、いかがでございましょうか。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ただいまそのつもりでこの内容を検討中でございます。それで今順序としては組織法の方が準備が進んでおって、あとの二法案はおくれてはおりますが、今国会中にこれを提出するという考えで今急いでおります。

豊田雅孝緑風会

○豊田雅孝君 もしも問題の点が、小売商振興法案なり、あるいは中小企業振興助成法案にありましたならば、どちらかというと、枝葉末節と言っちゃ語弊がありますが、すぐ即効の現われぬようなものは除いてでも、ただいま申しますように中小企業の適正分野を必ず守ろう、他からの不当進出を抑制しようという点だけでも、これはぜひまとめてお出しになり、通過させるようにおはからいを願いたいということを希望いたします。  それから最後に、これは大蔵省の提案で出てくるやつでありますが、中小企業の共済保険、これを法制化しようという案が出てくるようでありますが、これがもしも現在の中小企業の共済保険を一つのワクの中にはめ込んでしまう、要するに監督一点張りの立場でいこうというものであるならば、私は通産省なり、特に中小企業庁は当然反対せらるべきだと思うのであります。すべて中小企業関係は要するに育成強化していく点に、ねらいどころがあってしかるべきだと思うのであります。ぜひその線で行ってもらいたいと思うのでありますが、聞くところによると、農協関係のものは除外をする、要するにこの辺にも農業関係にはえらい遠慮して、強い方には遠慮する、弱い、これからというて、そろそろ伸びかけているやつの方は、一つたたき込んでいこうというようなことが現われるので、実はこれは思想上はなはだおもしろくないと思うのです。そういう点でもちろん農業もよくせんならんが、それはけっこうである、同時に中小企業もバランスのとれるように常に考えるということが、私は税の上でも、予算の上でも、それからこの法律の上でも必要だと思うのでありますが、かりに、農協だけ除外して、中小企業関係だけワクにはめ込むというようなことはないと思いまするけれども、あっちゃ大へんだと思うのでありますが、これについて大臣に伺えればありがたいのですが。

川上為治中小企業庁長官

○政府委員(川上為治君) 共済保険の問題についても、大蔵省の事務当局の一部でそういう考えを持っておるということも、われわれ聞いておりまして、この問題につきましては、さっそく事務的には大蔵省といろいろ折衝をしておりまして、私の方としましては、やはり特にその零細規模のものについては非常に問題でありますので、これを法律化することについては、きわめて慎重にやってもらいたいと同時に、また特にこの零細規模のものについては取りまとめてもらいたいということで、今いろいろ話し合いをしておる段階でありまして、まだ大蔵省の方ではっきりと提案をすることにきまっておるわけではないのでございます。

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 速記をとって。  この際お諮りいたしますが、前回の委員会におきまして、藤田委員から御要望がありました江川の開発を中心とする電源開発の実情に関する調査につきましては、来たる二月二十一日木曜日、午前十時から開会の委員会において調査、審議することに、本日の理事会でも意見の一致をみたのでありますが、当日は、前回藤田委員から御要望のありましたように、関係政府当局から、大臣、政府委員の出席を求めますとともに、参考人として電源開発株式会社総裁内海清温君、中国電力株式会社社長島田兵藏君、及び電気事業連合会専務理事松根宗一君、以上三君、またはその推薦する代理者の御出席を願うことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松澤兼人日本社会党

○委員長(松澤兼人君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時七分散会

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