社会労働委員会 第31号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/05/13
会議録
○委員長(千葉信君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動を報告いたします。五月十三日付をもって、藤原道子君、木下友敬君、鈴木万平君、野本品吉君、西岡ハル君が辞任され、その補欠として、椿繁夫君、久保等君、西田信一君、斎藤昇君、佐野廣君が選任されました。 —————————————
○委員長(千葉信君) 公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 〔委員長退席、理事高野一夫君着席〕
○理事(高野一夫君) ただいまの議案に対して、まず提案理由の説明を求めます。
○千葉信君 公共企業体等労働関係法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 郵政、国有林野、印刷、造幣、アルコール専売の各事業を行う国の経営する企業に勤務する一般職に属する国家公務員は、国有鉄道等三公社の職員とともに公共企業体等労働関係法の適用を受け、その労働条件につきましては、労使間の団体交渉により決定する建前になっておりますが、公社職員とは異なり、これらの職員は政治的行為をしてはならないことになっております。 五現業職員が他の一般の公務員と異なり、団体交渉によりその労働条件を決定することが認められるに至りましたおもな理由は、その業務の性格、職務の実態が他の行政事務と著しく異なり、民間の企業等に近い内容をもっておるからであります。しかるに、五現業職員はその身分がたまたま国家公務員であることを理由として、その職務等の実情を無視し、政治的行為を禁止されているのであります。 ちなみに申し上げれば、地方公務員たる地方公営企業職員については政治活動が許されております。 五現業職員の職務の内容は、民間等においても同様に行われているところのものでありますから、これら職員が政治活動を行うことによって行政的中立性が失われるとは考えられず、また、公社職員との取扱上の権衡の問題等をあわせ考慮いたしますと、現行の法制はまことに不合理でありまして、これを是正する必要があると思います。 以上のような理由によりまして、今回、公共企業体等労働関係法の適用を受ける五現業職員について、政治活動の制限をはずすことが適当であると考え、この法律案を提案いたした次第であります。 次に、改正のおもな点について御説明申し上げます。 改正の第一点は、五現業の職員であって管理監督等の地位にある者以外の者に対して、国家公務員法第百二条の適用を除外することにいたしたことであります。国家公務員の政治的行為については、人事院規則に詳細な規定がありますが、本改正により五現業職員についてはこの規則の適用はないことになります。ただし、職務専念義務に関する同法第百一条及び他の事業または事務の関与制限に関する第百四条の規定の適用については現行法と変りありません。 改正の第二点は、公職選挙法における立候補の制限に関する同法第八十九条を改正し、ただいま申しあげた五現業の職員が公職の候補者として立候補できることといたしたことであります。 現行法においても公社の職員及び地方公営企業職員は立候補が制限されておらないのでありますが、これらの職員と同様に取り扱うことといたしたのであります。 以上、本法案の提案の理由及び法案の要旨について御説明申し上げましたが、慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○理事(高野一夫君) お諮りいたします。審査の都合上、本案に対する質疑は、次回後にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(高野一夫君) 御異議ないものと認めます。 〔理事高野一夫君退席、委員長着席〕 —————————————
○委員長(千葉信君) 次に、労働情勢に関する調査を議題といたします。
○片岡文重君 私はこの際、先日行われました公労協職員に対する不当処分の問題について、二、三労働大臣にお伺いしたいのです。先日の委員会では、労働大臣は、名古屋における談話の内容は雑談的なものであり、その内容についての責任は持てないということでありましたが、その際発表せられました数字が、この二、三日前に行われました、いわゆる公共企業体関係の労働組合の幹部に対する処分として現われたわけです。その結果から見ると、多分に政治的な配慮のもとに組合を無力なものにしようとする意図のもとになされたのではないかと思われる点が多分に看取されます。一体この処分はどういうところを目途としてと言いますか、対象として行なったものなのか、まずそこから一つ労働大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(松浦周太郎君) 答弁の前にちょっと釈明を申し上げます。去る八日分当委員会におきまして私の出席の御要求がありましたちょうどそのときに、岡田さんの予算委員会において私に対する質問があったのでありますから、それに対し答えておりまして、それで吉田さんが中へ入られて一ぺん行ってもいいということになったけれども、それはまたいかぬということになりまして、こっちへ来ることができなかったのです。そのことが、当委員会の議事の進行に非常に御迷惑をかけました点は、まことに遺憾でございます。この機会に一言釈明をいたしておきます。 ただいまの御質問に対しましてでありますが、三日に名古屋で新聞記者会見が終ってからの雑談がついにああして大きく取り扱われましたことは、私の不注意の点でありまして、この点まことに遺憾にたえないことでございます。ただいま御指摘でございますが、そういう政治的な意図があったのではなく、公共企業体の経営者諸君が、大体その準備が完了したという御報告を受けましたので、関係閣僚及びわれわれが集まりまして、そり報告を受けたのであります。数字その他に対しましては、それぞれの事犯の内容と法を照らし合せまして、企業体がそれぞれ行なったものでありまして、われわれの方からこれだけの数をこうせよなんということは一言も言っておりません。
○委員長(千葉信君) この際、大臣に御注意申し上げておきますが、先ほど大臣が、前回の委員会における不出席について釈明されました事実は少し内容と違っております。これは大臣が御承知ないとなると、ますます問題であって、大臣の部下である労働省の責任ある地位の方々の人がその事実を十分知っているはずでございまして、社会労働委員会で問題になりました大臣の不出席の件は、当委員会において労働福祉事業団法案を審議するに当りまして、大臣の出席を要求し、労働省側から正式に総務課長が、ただいま閣僚懇談会を開いて、そこに出席中であるから、その閣僚懇談会に出席後直ちにこちらの方へ出席をするからという連絡がありまして、当社会労働委員会はそれを了として、法律案の審議に入って、労働大臣の審議中における出席を待ったのでございます。ところが、その法律案の審議が進みまして、あらためて労働大臣に連絡をとらせましたところが、労働大臣は予算委員会に出席してしまった。従って、こちらの方の委員会に来るわけにいかないというので、社会労働委員会の委員諸君が非常にこれを不満として、このような労働大臣の態度である限り、労働福祉事業団法案については、当分の間審議を停止せざるを得ないという委員会の決定になったわけでございまして、この点は労働大臣の釈明が事実と違っておりますから、委員長から御注意申し上げておきます。
○片岡文重君 政治的意図はない、こういう御答弁でありましたが、先日の委員会でも申し上げました通りに、大臣は名古屋においてはあるいは四十人と言い、あるいは三十一人と言い、十八人と言い、数字をあげて言っております。しかもこれは固まっておらない。そういう三案があるということで、処分者の数字をあげておるところは明らかにその政治的な意図なり、あるいは組合に与える影響等の事情を考慮して、処分を受ける者の行為そのものについてではなくて、諸般の情勢による判断で、また、政府のためにするがための処分を行なったものであると言わざるを得ません。特に当局から十数名程度にとどめたいという要望が政府に対してあったはずです。それに対して、政府はそれでは少いということで、結局当局の申し出を退けて政府において決定をしておる。これはかねがね労使の紛争については、介入しないと言っておった労働大臣の従来の声明にも反するし、その処分が、行為に基くものではなくて、政治的意図に基いた不当弾圧であるという意図はあまりにも明らかであると思う。もしそうでないというならば、この数字の相違について、どうして生まれてきたのか、その点を一つ御解明いただきたい。
○国務大臣(松浦周太郎君) 委員会の出席の問題については、今委員長からいろいろお話がありましたが、当時閣僚懇談会等が長引きまして、参議院の方の予算委員会から非常に強い出席要求があったものですから、ついそっちに出たようなことで、そのような次第です。一つ御了承を……。 今の問題でありますが、われわれは政府の方から何人処罰しなければならぬということは一度も通告は出しておりません。これはやはり先ほど申し上げました通り、企業体がその法に照らしてその事犯によって、それぞれの軽重はありましょうけれども、ああいうような発表をいたしたのであります。
○片岡文重君 事犯に基いてということになれば、現にその実力行使を行なった際に、病気で長らく病床にあって、その実力闘争の計画にも参画しておらなかった者がどうして処分の対象になったのです。そういう者を引っくるめて処分の対象にしておることは、明らかに政府が行なった事犯に基いたものではなくて、政治的な意図に基いてなされたことは歴然としているじゃありませんか、そういう一事をもってしても。この点はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(松浦周太郎君) 今の問題は、それぞれの企業体の経営者が自発的にそれぞれの法を調べてやったことでございますから、そういう病気などで寝ておって、全然関係のない者をやっているなどと考えておりませんが、もしそういうようなことがあれば、それは事犯を起さない者に罪を着せたのですから、それは裁判において明らかになることじゃなかろうかと思いますが、全然そういうことは存じません。
○片岡文重君 現に一昨々日でしたか、一昨日でしたか、発表の直後に、広島等においては、その組合役員等の抗議によって当局があわててこの処分の変更をしている事例もあります。一、二にとどまらないのです、そういうことは。政府からワクをはめて、これだけの処分者を必ず出すようにというきついお達しに基いて、当局ではやむを得ずそれらの者に当てはめていったからそういう問題が起ってきたのです。従来の経過から見ても、しばしば政府は当局の申し出についてその数字の変更を命じ、そうして一定のワクを強要している。これはいろいろな問題から明らかなことだと考えます。まあその点については労働大臣は知らないというのです。その不当な、不当と言いますか、休んでおった者が処分されたことを知らぬのでしょうが……。まあその他の問題についても、今までの労働大臣の答弁では納得するわけには参りません。参りませんが、この点についての押し問答をしておっては次の問題に入れませんから、次に進みます。 まあ一体こういう事態になったことについては、政府としても十分にその責任を痛感すべきである。特にせんだっての予算委員会等においても、労働大臣は、宮澤運輸大臣、大蔵省との間における意思の疎通を欠いた点については十分認めておられる。しかし、それらに対する責任者は一人として処分を受けておらない、責任者が出ておらない。そうしてそれによって起った問題はことごとくこれを労働組合の責任に負いかぶせている、これは権力を持っているということの座に立って、一方的に力を及ぼすことはできるということであって、問題の責任を明確にしようとしない労働省の卑怯なやり方じゃないかと私は思うのです。労働省としては、この事態を惹起するに至った責任をどういうふうにつぐなわんとするのか、国民に対してどういうふうにその責任を負わんとするのか。また、その責任者の処分に対してはいつごろ、どういう方法で発表されようとするのか、その点を明確にお示しをいただきたい。
○国務大臣(松浦周太郎君) 広義の解釈において、現政府の手落ちで多数の国民の迷惑するような輸送状況になりましたその道徳的な責任は、政府も、勤労者も同一に負わなくちゃならぬと思いますけれども、具体的に法を犯して、その法によって裁かれるということは、その犯した人が受けるべきものであると思います。 同時にもう一点、二十三日分、具体的に申し上げるならば、業積手当を大蔵省の差しとめによってやったから、大蔵省が責任を負わなければならぬのじゃないかというようなお問いでございますが、これは私ども今日も午前中その問答をいたしておりまして、大蔵大臣の言及び宮澤運輸大臣の言を総合いたしまして、政府には責任はないと私は思っております。
○片岡文重君 政府に責任がないということは、どういう点をもって言われるのかわかりませんが、少くとも正常なる団体交渉において、労使の間で妥結をした問題を、政府内における手違いから、それが実施できなかった、そうして不当に労働組合に迷惑をかけている。それで政府に責任がないとは、一体どういうことなんですか。
○国務大臣(松浦周太郎君) 今日の押し問答を聞いておりまして、直接私がお答えする方がいいか、大蔵大臣がするのがいいか、あるいは運輸大臣がするのがいいかわかりませんが、今お問いですから申し上げますが、今日の質問応答を聞いておりますと、そういう業績手当を受ける場合には、大蔵大臣の承認を受けなくちゃならない。その手続及び検討がおくれたということは認めているようです。しかし、二十三日の午後五時までに払うという言明をいたしておって、努力して、努力して三時四十分とかに払ったのだから、政府には責任はないと言っておられるのです。私はその二十三日に払うということの約束が、団体交渉において成立しているものを、二十四日の朝に払われたならばいけないと思いますが、その日のうちに払われて、しかも五時ごろであれば、まだ在勤しておられるときでありましょうから(「土曜日だ」と呼ぶ者あり)それほど責任があるとは思っておりません。
○片岡文重君 二十三日という日にのみあなたはこだわっておられますが、十五日以前に団体交渉で妥結したのです。そうしてその妥結した条件は、早くしないと二十三日の土曜日の午前中に支払いができないからということで、十五日以前の交渉によってこれを妥結をしておるのです。従って、これは政府、国鉄当局もこれを十分にその点を了承してさっそく手続をとるべきであった。しかもとっておるのです。それを運輸省なり、大蔵省なりの間で、詳しく言えば運輸省としては努力をしておるようです。しかし、結果としては、運輸省、大蔵省との間に手違いがあって、円満に妥結をしたその協定事実が行えなかったということは、これは明らかに政府の責任であり、労働省としては、労使の円満なる労働慣行の樹立を常に考えておるのだということを今までもしばしば言明しておられたのですから、そういう考え方に真実おありになるとするならば、やはりこの政府のとった手違いについては、政府の犯した手違いについては、労働大臣としては、公平な立場から十分にその非を追及して、やはりその非を認めるべきものは認めなければならないし、労働大臣はこれを認めさせなければならない。しかるに、一方的に労働組合に対してだけはその責任を負わせなきゃならない、法を犯す者は処分をしなければならない、しからば政府はどういうことをしてもいいのかということになってくるでしょう。この手違いに対して、一体労働大臣は、あくまでも政府は責任がないということであるならば、もっと私は詳しくこの事実を申し上げなければならないが、予算委員会等においてもしばしば繰り返されておる。公平にこの事実を聞いておれば政府に責任なしとは言えないと思うのです。労働大臣は、この責任をそれでもまだ責任がない、政府に手落ちはないということを言われるのですか。
○国務大臣(松浦周太郎君) 二十二日の夜おそくまでかかって、業績手当の内容を検討したということを先ほど大蔵大臣は言っておりました。それで翌日九時からかかってまたそれを続けてやった、そして話がなかなかむずかしそうで早く解決がつかぬような内容の部分は、おそくも午後五時までには片づけるということを午前中に宮澤運輸大臣は通告しておるということです。でありますけれども、それはそんなことを言って延ばされるのじゃないかというような感情も勤労者の方がお持ちになったと思うのですけれども、政府の方としては、とにかく午後五時までに払おう、こういうことでその折衝を続けておったようでございますが、その直接の内容を私は取り扱ったものではございませんから、よくわかりませんけれども、今日いろいろ伺っておることから言えば、処罰して責任をとらせるほど、その職責の責任をとらせるほどの問題ではない、時間がおくれたことは、これは午前中に払われるものが午後まで延ばされたということは、それはまずいでありましょうけれども、それが重大な犯罪行為として責任をとらせるほどのものではないのじゃないか、その点は私はこれ以上もう申し上げることはできないのでありますが、私は責任なしと予算委員会でも答えましたから、ここでも申し上げます。
○久保等君 関連して、今の御答弁の中で、午後の五時まで、しかも在勤中に出されたのだから云々という御答弁があったのです。しかし、三月の二十三日は御承知のように土曜日です。しかも国鉄という大きな企業体、従業員も四十万をこえる大勢の従業員をかかえておる企業体として正常な状態において業績手当を支給するということであるならば、私はおそくともその前日の二十二日中には、全国のそれぞれの所管の方に二十三日の業績手当は支給してよろしいという指示が参らなければ、これは正常な支給は不可能だと思うのです。非常に関心を持ち、重大視しておる一般の従業員からみれば、三月二十二日中に中央からそういう指示がくれば、これはもう二十三日に当然支給せられるであろうという期待が持てますが、しかし、前日にはついに終日何らの指示がなされない。しかも情勢は、大蔵当局はその業績手当の支給の問題についていろいろと文句をつけておったという実情であってみれば、これは私はそれに対して非常に大きな不満と、それからまた、それに対する不安を感ずるのはこれは当然だと思うのです。ましてや、それが支給当日の三月二十三日といえば土曜日ですよ。土曜日の状態において朝になってもまだどうもはっきりしない、わからないという情勢になれば、これは私はその日の十二時までに支給せられるべき業績手当というものは、支給せられないという判断をして、それに対して何とか一つ直ちに支給してもらいたいという行動を起すのはむしろ当然だと思う。しかも結果的に見ても、二十三日の午後に至ったということになるならば、これは明らかに勤務時間外に支給されるという結果になっておる。そうだとすれば、それによって組合なり、従業員なりが、それに対する対抗的な行動をとるというようなことは当然だと私は思う。従って、二十三日の問題について抜き打ち職場大会とかなんとか言う政府は、非常に強腰でおるが、これは政府そのものがこのことに対して非常に、結果的に見れば、これは無用の混乱であったということかもしれないが、無用の混乱を引き起した本家、本元、本山というものは、やはり政府当局並びに国鉄当局であるということが、これは客観的にながめればはっきり言えると私は思う。 それで、特に労働大臣がその衝に当っておらないので、こまかい点については御承知ないと言われるが、それはやはりそういう立場であればあるほど、むしろ客観的に冷静な立場で両者のいろいろなその間における経緯というものを勘案して御判断を下せると思う。従って、労働大臣としては、少くとも二十三日分正午までにやりたい、しかも結果的に支給できたということであれば、結局杞憂にすぎなかったじゃないかと言われるかもしれぬが——お前たちのやったり言ったりしたことは杞憂にすぎなかったじゃないかと言われるかもしれないが、しかも勤務時間をこえて五時に至ったということは事実です。そうだとすれば、そういうことによって混乱を起したとするならば、政府に少くとも一番多くの責任があるのはこれは自明の理だと思う。従って、それに対する責任についても、一体政府はどう考えておるか。また、具体的にどういう責任をとろうとしておるのかという質問を今片岡委員からなされておると思うが、やはりそれに対して政府は何らの責任がないというような少くとも言明なり答弁というものは、質問に対する誠意のある答弁とも受け取れない。また、少くとも誠意あるまじめに考えている政府当局の態度ではないと私は思うのです。労働大臣はいかにお考えになりますか。
○国務大臣(松浦周太郎君) この責任問題については先ほどお答えした通りでありますから、先ほどのお答えをもってあてたいと思います。
○久保等君 今事実の上に立っての答弁を……。
○国務大臣(松浦周太郎君) 今いろいろお話がありますが、それは政府は四時間ばかりおくれたのですから、そのおくれたところの責任があるから、だからやったのだと、こういうお話ですけれども、それは多数の勤労者ですから、なかなか高度の考えに引き戻すこともできないかもしれないけれども、そのことのもとをやっている、もとの指導権を握っている人々は、相当高度の道徳のもとに旗振りをされたらよいと思う。ただ単に公共企業体というけれども、独占事業です。その独占事業がとまるということになるならば、国民生活に至大な影響を及ぼします。それが時間の一時間や二時間おくれたことによって、大体争議は二時から始まっておるようです。そのおくれたことによって、あの国民に重大なる影響を及ぼすことについては、これは指導者の方もお考えになることがいい。ただ政府が悪い、政府が悪いといって政府を追及すれば、それで責任は、おのおの立場がよくなるというだけでは、国の政治はよくならないと思う。でありますから、この公共企業体、独占事業、この事業なくしては国家の輸送はできない、そのものをわずかの手違いのことから感情ではあったでありましょうけれども、全部とめてしまうというようなことは重大なことだと思う、そこに問題がある。だから私は今度の報復ストにおきましても、このほかのことならばいいけれども、国民生活に非常に影響を及ぼす、この社会福祉を擁護すべき立場にある各指導者がやはりその点をほんとうに考えなければいけないと思う。それが私どもの念願するところでございますから、まあ政府も間違った点がありましようけれども、よくしようと思ってやっていることなんでありますから、一つよく御協力下すつて、そういう点があったならば、皆さんの方から政府も努力しているからちょっと待てということになる方がほんとうじゃないかと思うのです。どうかそういう意味において御協力願いたいと思います。
○久保等君 御答弁になっておらないと思うのです。で、顧みて他を言うという言葉がありますが、もう全く今の労働大臣の答弁は、少くとも責任を政府は労働組合に対してとらしているのです。これは明らかに処分という形で……。それならばそれで、政府は政府で一体責任をどうとろうとしておるのかという質問なんです。しかも二時ごろに指令を出したとか何だとか言っておられるが、少くともその状況のもとにおいてはやはり支給されておらないということも事実なんです。そうだとすれば、私は先ほども申し上げたように、一対一でもってただ給料袋を一人々々に手渡せばいいという問題じゃないのです。少くとも四十万全国各地に散在する組合員に、土曜日の日の正午になっても出ないということになれば、きょう必ず出ますという一体確信がどこから出てきますか。少くとも私はその当時非常に大きな不安を持っていることは当然だと思うのです、少くともその当時の情勢からいって。しかも結果から見れば、勤務時間内に出なかったということも事実なんです。しかも労働大臣は非常に公共企業体の重要性ということを強調しているのですが、そんなことは強調しなくても当りまえなんです。だから重要であればあるほど、私はそういう混乱の起きない措置を政府としてもとらなければならない責任があるのじゃないか。少くともそれについて混乱を起した責任は政府にある。そういう重要な事業であればあるほど、労働大臣が声を大にして言わなければならぬほど重要な事業であればあるほど、従業員が不安な気持をもって事業に携わることのないように、また、約束をしたなら約束をしたようにすっきりした形で出すべきですよ。それが約束した勤務時間内に出ないということになれば、それについて非常に不安を持つのは当然じゃないですか。しかも政府は労働組合に対する一方的な責任の追及は行なっているが、みずからは何も責任がないと言っている。私は少くともそういう国鉄当局の直接の責任者でないと言う労働大臣は、よけい客観的な立場で国鉄当局なりあるいは運輸当局に対して、労働行政の観点から私は厳正なる立場で指示を与えるべきだし、また、責任問題についても、今度のこの問題については私は特に政府全体が負うべき責任が具体的にあるのじゃないかということを申し上げているのです。何も企業体の重要性だとか何だとかいう問題、そんなことでもって私の質問に対する答弁になっておるとは私は思わないのです。少くとも政府は政府としての責任があるのじゃないか。従って、政府はどういう責任をとろうとしておるのか。また、責任をとったと言うなら、どういう点で具体的にとったかという質問を申し上げておるのです。だからそれに対する御答弁を願わなければ、これはもう何かのれんに腕押しみたいな、答弁になっていないと思うのです。大臣どうですか。
○国務大臣(松浦周太郎君) 支払い時間のおくれたことについて、同日中のしかも五時に払っておりますから、私は支払い云々の問題については責任はないと思っております。
○片岡文重君 労働大臣は少し誠意をもって聞いて下さい。私は政府ばかりが責任を負うべきものじゃない、労働者もともに責任をもって労使のよき慣行を樹立しなければいかぬじゃないか、この点については、これは同感です。しかも労働組合は、特に今日の労働組合は決して皆さんがお考えになるように破壊的なことを考えているわけじゃないのです。いつもまじめに建設的な方法でその労働者の権利と生活を守ろうとしておるのです。従って、政府もやはり労働組合の今日考えておる考え方を善意と友情をもって見ていかなければいかぬのですよ。特に労働省の責任は、その労使の間に立って双方のよき理解者であり、援助者となって橋渡しをしてやるのが私は仕事だと思う。そこで私は申し上げたいのですが、二十三日の給料というものは土曜日です。従って、十時に支払いを開始して少くとも十二時までには終らなければならないのです。それがどうも五時になったり、七時になったのでは、これは二十三日に支払ったということは言えないのです、実質的には。特に三月二十三日というのは、皆さんは労働者の家庭経済というのを御存じないでしょうけれども、一年の間で子を持つ親たちが最も期待する勘定日なんです。この日にもらう給料や業績手当を当てにして、四月に入る子供のランドセルを買い、進学するところの子供の参考書を買い、レイン・コートを買う金になるのです。この金を土曜日の午前中に支給を受けて、午後から子供らが待っているところに帰らなければならない。帰りには買って帰らなければならない。それを三時から五時にもらったからといって、もらったうちに入らない。 それからもう一つは、三時間や五時間おくれても、二十三日に払うと言っているのだからということで信用すべきだと言いますけれども、政府がこれまでに労働者が信頼するに足るような言明を守ったためしはないじゃないですか。公労法に示されているところの仲裁裁定も完全な実施をしておらないじゃないですか。労働大臣は、この委員会においていつか十何件かを実施していると言っておられました。政府の調べた、また、この仲裁委員会の事務局で出しているのを調べてみても、政府が完全に実施したというのは一体ないじゃないですか。こうして法律に定められている仲裁裁定ですら政府は実際には守っておらないのです。そういう政府の言うととはどうして信用することはできるのですか。しかもこの三時なり、五時になって支払われたので、十時、十二時までというこの午前中に支払うべき給料日に支払いをしなかった、しかもそのときにはまだ支払われない状態にあったので、払ってくれるかくれないかもわからないのです。当然困っているその人が実力行使に訴えるのはやむを得ないじゃないですか。その実力行使に入ったからこそやむを得ず支払いに至ったじゃないですか。それをもって不信行為ということは言えないでしょう。まあこれは労働大臣御自身のことになって恐縮ですけれども、何か伺うところによると、労働大臣は非常に熱心なクリスチャンであるということを伺っております。私はよく知りませんけれども、たしか聖書の中には「なんじらのうち罪なき者これを打て」という言葉があったはずです。真実に政府が責任なしとあなたお考えになれますか。そういうクリスチャンの立場からいって、従来も仲裁裁定をじゅうりんし、公労法をじゅうりんしてきておきながら、しかもその最も具体的に明瞭に政府の不信行為を暴露したあの二十三日の事実をもってして、しかも責任なしとあなた言い切ることができるのですか。当然それが善意の過失によって生じた手違いであったとしても、その起った事態については、政府はやはり良心をもってこれに対する何らかの、少くとも釈明くらいはあってしかるべきです。それを一方的に処分だけをしておいて、免れて罪なしというその態度は常識では考えられないじゃないですか。国民の政治をあずかる政治家としての態度じゃないと私は思う。特に名古屋におけるあなたの放言の態度というものは、残忍な資本家的根性をそのままにさらけ出しているでしょう。この際労働大臣は、静かに労使今後のあり方についていかにあるべきかをお考えになって、そのためには、まず今日置かれている労働者の政府に対する不信を一掃すべきだと思う。労働大臣は、これからの労働組合の信頼をまず得ることが私はこの際必要だと思う。一歩譲って、労働大臣が言われるような事態で二十三日をお責めになるとしても、今後の労働行政を行なっていく上に、勤労者の信頼を労働大臣が得るということが最も必要なことだと思うのです。労働大臣は、一体どういうふうにして今後しからばこの勤労者の信頼をかち得ようとするか、岸内閣に対する信頼を労働者諸君から与えられようと考えているのか、さらにその点、一点お伺いしておきます。あなたは、詳細な点については大蔵省、運輸省とのやりとりについては承知をしていないと言っておられる——そのメモは答弁に必要なんですか、そうでなかったら、とにかく私が発言をしておるんですから、慎重に聞いておっていただきたい。労働大臣は、この大蔵大臣、運輸大臣との間における詳細な取引については承知しないと言っておられる。これは私は聞き捨てならない一言だと思うのです。ほんとうに労働大臣が、今まで言われるように、親心を持って労働者に対しておるということならば、労働組合を処断する前に、そのよって来たる原因というものについては、可及的に詳細にその状態、事情というものを知悉すべきではないですか。しかるにあれだけの騒ぎになったその根本の原因となったことについて、詳細に調査しておらないということは、取りも直さず、一方的に労働者のみを責めて政府の立場を擁護せんとする立場にほかならないでしょう、どうして詳細な調査はできなかったのですか、どうしてこれを詳細に調査しなかったのですか。一方の事情を詳細に知らないで、そうしてその相手方だけを一方で処断をしようとする、これはどういうところからそういう考えになられたのか、その点も聞いておきたいと思います。
○国務大臣(松浦周太郎君) 今度の責任問題については、先ほども申しましたように、これはあれだけのことを国民の生活の上に及ぼした以上は、政府も勤労者もともに責任を負うべきものと思います。しかしながら、法を犯した者の処断については、これは私は政府の責任はないと思います。それぞれ政府は公共企業体に対して、公共企業体がそれぞれ行なったことでございますから、私どもはその責任はないと思います。 もう一点の大蔵大臣と運輸大臣との折衝を知らぬことははしからぬ、こう言われるのでありますが、普通閣議その他懇談会で話し合いのことはよく知っております。最後の究局についてのどういう話が、こまかしいことは私よくわかりませんから、お問いになるならばお二人をここへお呼び出しになって、そのお二人にお聞きになったらいいと思うのです。午前中の質疑応答の、予算委員会における質疑応答の点から見るならば、私は責任がないと、かように思っておる次第であります。
○片岡文重君 労働大臣が一方だけをお責めになるという態度でないならば、これはやむを得ぬのですよ。しかし、労働大臣という立場におられて労使双方の間に公平な立場にあり、かつあたたかい友情を持って双方の円満なる将来を築こうとお考えになるならば、あれだけの事態を起した一方のその原因となるべき問題について詳細に調べないということはないじゃないですか。予算委員会やその他の委員会においての答弁を通してみても、公平な立場に立ってお聞きになれば、明らかに手落ちがあったことは事実でしょう。二十三日に支払うという前提に立って交渉を妥結しておるのです。その交渉を妥結した支払いが、その約束した当日に支払われなかったということになれば、少くとも当局か、運輸省か、大蔵省か、いずれにせよ、労働組合側でないということだけは明らかでしょう。この点認められますか、大臣、どうです。
○国務大臣(松浦周太郎君) それはこの折衝が、大蔵省と運輸省との間の折衝が早くできなかっただけの問題でありますから、そこの中にどういう数字が、どういう話し合いで、なぜそんな時間がかかったということも私はわからないのです、その点は。それは二十二日の夜、徹宵してやったけれど、話がつかぬので、翌朝九時からまたやったのです。九時から午前中かかって話がつかぬものですから、十二時ごろですか、あるいは午前中であったかわかりませんが、五時まで待ってくれ、五時までに必ず払うということの通告をしたと宮澤君が言っておりますから、それで三時半に払った、こういうのでありますから、私はそういう時間的の問題については責任はない、かように思っております。
○藤田藤太郎君 私は先ほどから労働大臣の答弁を聞いていると、労働省の所管業務というものはどういうものかということを私は疑いたくなる。仲裁委員会、公共企業体仲裁委員会、調停委員会も労働省の所管である、労働者の保護や労働者に対するサービス、あらゆる労働関係の実態というものを労働省はよく把握して、その立場から労働行政というものは行われるべきだと私は思う。今きわめて深刻な争議状態を生み出すような重大な問題があるのに、労働省は知らなんだというような、調査もしていないような、実態をつかんでいないというような答弁のあり方じゃ、われわれはこれは聞いても納得できませんよ。だからもう少しだな、労働行政の立場か円明らかにその点は答弁してもらいたい。
○国務大臣(松浦周太郎君) 今、今まで申し上げている以上のことは私は存じません。もう時間的の問題のやりとりなんですから、時間的の問題については、先ほど来、二十二日から徹宵してやって、九時から始まって昼前に話がつかなんだ。だから五時まで待ってくれと言ったんだ、それを三時半に払っている、こういうんですから、三時半には事実運輸大臣の指令は出ているようです。でありますから、その時間の問題については責任なし、かように言っておるのであります。
○藤田藤太郎君 関連して、今あなたはそうおっしゃった、先ほど答弁を聞いていると、国鉄の労働者と当局と、運輸省と大蔵省との関係がどうなっていたか、私にはわからぬ、わからぬから、運輸大臣やその他の話を聞いていると、政府の責任はない、そう言っているかと思うとだな、このような事態の起きたのは労働者にも当局にも、政府にも責任があるのだ。そこで、当局や、政府の責任という問題についてはあとほど一切触れないで、労働者の法を犯した云々ということだけで責任を処理する、こういうものの考え方が、労働省の所管事項としての労働者の給与一切、仲裁委員会その他をまかなっているその所管大臣としての言でありますね。私はそうは理解ができないんです。もう少しあの事態をどうしたらよかった、結果的にあの事態はどういうところに問題があったということを明確に労働大臣としてはすべきじゃないですか。この際、この際じゃなしに、この問題を通じて、そういうことを明らかにするのが労働大臣の所管上からいく私は任務でないかと思う。そこのところをはっきり一つしてから、次の質問に進んでもらいたいと思う。
○国務大臣(松浦周太郎君) 大局的な問題を先ほどから答弁しているんです。しかし、大蔵大臣と運輸大臣との詳細なことを言えと言われるから、そういうこまかしいことはわからぬと言っている。大局的のことは終始一貫変らぬけれども、時間的の責任はないと言っている。(「でたらめ言うな。」、「委員外はやめい。」と呼ぶ者あり)
○委員長(千葉信君) 御静粛に願います。
○片岡文重君 労働大臣、お互いに悪意をもって事態を紛糾せしめるということは私はやめたいと思うんです。やはり将来のよき労使の慣行を樹立するためにお互いがやはり努力すべきだと思う。特に当委員会においてなされるべき仕事の一つだと私は思う。従って、悪意でなしに善意な一つ問題の解決に当っていきたいと私は考えます。二十三日に五時という約束をして、三時半に支払ったからその責任はないという今答弁であった。しかし、労使の間で約束をされたのは二十三日のノーマルな支払状態を約束したんです。決して三時なり、五時という約束をしたのではないわけです。しかもそう延びたのは、政府の内部における運輸省、大蔵省との間の取引が順調にいかなかったということなんです。しかし、その取引を始めるに至った時間が、そもそもそういう見通しを誤まった点、ゆっくりし過ぎた点、いろいろあるはずです。こういうことはしかしながら、善意に解釈をしてみてもですよ、これは政府部内における事情なんです、あの事態に至ったのは。その政府部内におけるところの事情をもってしてです、かっこの二十三日までにおけるところの、公労法が制定されてから今日までにおける数々の政府の行なった不信行為等によって労働者側に植えつけたところの不信感、こういうものを土台に考えてきて、このノーマルな支払い時間に支払いのできなかった事態を考え合せれば、これは組合の動揺するのは当然です。しかし、その問題は別としてですよ、この二十三日における三時半——五時までに至ったということは、明らかに労使の間で妥結をしたその約束を履行し得なかったことは事実でしょう。それはお認めになるでしょう。二十三日に支払うということはですよ、二十三日のそういうアブノーマルな支払いをするということじゃなくて、二十三日に支払うということは、二十三日の正規の給料支払い時間、手当の支払い時間に支払うということが約束の内容であるということだけはお認めになるでしょう。それを三時半——五時に支払ったということは、その他の一切の実力行使とかあるいは何が手間どったとかということは別としても、とにかく正規の時間に支払っておらないということはお認めになるでしょう。どうですか。
○国務大臣(松浦周太郎君) 二十三日中に払えば問題は私はないと思うんですよ。しかもこのランドセルの問題、オーバーの問題もありましたが、それはもちろん親として買ってあげたいことは十分でありましょうけれども、それは普通の給与は当りまえに払うんですから、つまり業績手当の分だけが二、三時間おくれたということでございますから、それはまあずいぶん追及は激しいのでありますけれども、私はそれほどの問題ではないと、こう思っている。それが同日中に払われた、約束の時間中に払われたのですから——翌日に延ばした、また、三日にも四日にも延ばしていくということになればともかくといたしまして、同日中に業績手当の分だけがおくれたということでありますから、これはまあそのくらいのことは御了承願いたいと思うんです。
○片岡文重君 土曜日の日の給料の支払いが十時ないし十二時までの間に支払われるということは、これは常識でしょう。これは鉄道ばかりじゃないんですよ。どこでもそうです。その十時ないし十二時までの間に支払うべき内容を約束としてその交渉は妥結しているんですよ。それをその約束通りに支払いができなかった、これはお認めになるでしょう。それも認められないんですか。
○国務大臣(松浦周太郎君) まあ何べん話しても同じことでございますが、まあ協定の文章をこまかしく言うと、二十三日に支払えるように手続をするという約束になっているんですよ。けれども、この手続をするんじゃなくて、二十三日に承認をとるということにわれわれは、運輸大臣は努力したと思うんです。(片岡文重君「当然のことですよ。」と述ぶ)でありますから、二十三日中に、しかも五時という約束を三時半にやったんですから、しかも全額を延ばしたんじゃなくて、業績手当の分だけが延びたんですから、その点御了承を願いたいと思います。
○片岡文重君 あなた、たとえばですよ、きょう一つ来て下さいという約束をしたなら、少くともあなたがお休みになる前ということを意味するでしょう。あなたがお休みになった夜中の十二時に来て、きょうという約束ですからと言ってお伺いする者もないでしょうし、また、心ある人はしないでしょう。ことに給料の支払いです。約束の時間を、しかも十二時までに払わなければ、これは三時半になり、五時になったのでは、あきらめて帰っておるんですよ皆がね、受け取っておらない者があるんですよ。これは政府の手落ちによって払わない。あなたはどうしてもこのノーマルな時間に払っておらないということをお認めにならないようだが、私はどうしてもあなたの常識を疑いたくなる。これだけ明々白々な事実をどうしてあなたは肯定できないのですか。とにかく三時半から五時までの間に払ったということは言っている。あなた自身が言っているのだから、十時から十二時までの間に、つまり正規の時間に支払わなかったということを認めているのじゃないですか。それをなぜそうだと言わないのですか。そういう悪意に満ちた考え方でこの問題に対しようということ自体が私は大きな誤まりだと思うのです。
○国務大臣(松浦周太郎君) 私は先ほどから何べんも言っているように、二十三日の午後になってから交渉を始めて、それでおくれるから待てと言ったのじゃなくて、(「経過を聞いているのじゃない」と呼ぶ者あり)二十二日の未明まで折衝したのだと、それで片づかぬので、この二十三日の九時から大臣室でやっておりました、私は九時に出席しましたから。やっておりましたが、そういうふうに努力して努力して、そうして時間がおくれるということは、前もって通告しておやりになったのですから、それを全額でなくて、業績手当の分の部分だけが延びたのですから、それは御了承を願いたいと私は言っておるのであります。
○片岡文重君 まああなたの、とにかく私は常識的にどうかしているのじゃないかと思うのだが、どうしてもその点は十時から十二時までということを認められない、あなたがイエスと言わないでも、この三時半から五時までに延びたということは言っておられるのです。努力をしたかしないかは——もちろん努力はされたでしょう。努力はされたでしょうが、その努力をされ、二十二日から二十三日に延びたということは——あまり時間ばかり気にしないで下さいね。二十二日から二十三日にかけて努力をした、いいですか、努力はしたでしょうけれども、とにかく延びた。その努力をしたとしても延びた。この延びた理由としては、運輸省と大蔵省との間の円満な取引ができなかった。そういう事情はしかしこれはあくまでも政府部内の事情であって、約束をした一方側の事情であって、その一方側の事情をもって約束の相手方にその責任を転嫁するということはできないでしょう。やはりその約束を円満に履行し得なかった、その責任だけは負わなければならぬでしょう。
○国務大臣(松浦周太郎君) だから、その時間のおくれたことは全額じゃなくて、一部なんですから、それは一つ御了承を願いたいと言っているんですよ。 それからまあ先ほどからそう申し上げようと思ったのですけれども、かえって皆さんがいろいろ議論が長くなるといかぬと思って言わないのですけれども、かりに政府が一日おくれたと、そのためにああいうことが起ったというにしても、この法を犯したものはやはり法を犯したことなんですよ。それによって酌量はされるかもしれない、裁くときに。けれども、どういう原因があっても法を犯した者は法を犯した者なんですよ。それはやはりそれぞれの公共企業体が法に照らして処断をしたものであろうと思うのでありますから、そのことは政府の責任があるからといって、一方のものは軽くならないということは前提に申し上げておきます。
○片岡文重君 労働大臣、私の質問に一つお答えして下さい。その労働組合を処分をしたことはどうかということを今言っているのじゃない。今私が聞いているのは、よろしいですか、労使の間で円満に交渉が妥結をした、そうして約束をした、その約束を守り得なかった。あなたは守ったと言われたのだけれども、少くとも慣習による——よろしいですか、土曜日という日における午前中の支払いが約束の対象となっているにかかわらず、内容となっているにかかわらず、その約束を実行することができなかった。そのできなかった理由というのは、労使との間の紛争によってできなかったのではなくして、約束をした使用者側並びにその監督者である政府部内の事情によってこれが実行できなかったのです。従って、この実行できなかった方にも一部の責任があるのではないか、それをお尋ねしているのです。もちろん政府が責任を負ったからといって、あなたの言を借りてそのままに言うならば、法を犯した者は軽くならないということをおっしゃるけれども、そういうことを今私聞いているのじゃないのです。かりに重くなろうが軽くなろうがは別問題として、やはりそういう事態に陥れた、あるいは惹起せしめた一つの動機となっているところの支払い延期、この問題は政府部内の事情によって起ったのですから、そういう事態に立ち至った政府としては何らかの責任があるのではないか、それをお考えになりませんかということをお尋ねしているのです。
○国務大臣(松浦周太郎君) 先ほど申し上げましたように、国鉄と勤労団体との話し合いは、二十三日に支払うように手続をするという文面になっているのです。支払うように手続をするという文面になっているのです。でありますから、二十三日に払えるように大蔵省との間にずっと事前からやっておったらしいのですが、二十二日は十一時までかかった。翌日また九時からやって、それでも話し合いが十分つかぬものですから、十二時ころに、五時まで待ってくれということの通告をして、三時半に払っておるのでありますから、私は政府の方に責任はない。これはもう予算委員会でもそう答えておりますから、政府の方には責任ないという前提に立っております。
○久保等君 一つ最初にお聞きしたいことは、やはり今回の処分問題に関連してですが、何か昨日赤羽の駅でもって信号手六名が、国鉄当局でもって、その信号手は全然非番である人らしいのですが、この六名を午前十一時から午後の八時半ころまで、飯も食わさないでもって、あたかも刑事犯の容疑者であるかのような取調べを行なったというような事実が何かあるらしい。私は、少くとも、こういう扱い方は、政府が何か非常に、すべて先ほど来答弁せられておるような、事を特に何か荒立てて、しかも、労働行政という問題は、私はとれは少くともよくお考えをいただかなければならぬ問題だと思います。警察当局なら、もうこれも多少立場上の問題もあるかもわかりませんが、労働大臣が、私はこういう問題については、特に御留意願いたいと思うのだけれども、昨日事例は、今申し上げたように、六名の、しかも何らの業務命令によらずして、勝手にある一室に軟禁状態にしておいて、取り調べたという事実があるらしい。私は、このこと自体が一つの具体的な事例でありまするが、非常に重要な問題だと思うのです。少くとも、こういった方針を、何か労働省そのものが指示されたのかどうなのか、これを一つお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(松浦周太郎君) そういうようなことは私は現在まだ聞いておらないのですから、十分に調べまして、こちらの方から挑発したり、そういう誤まったことのないようにしたいと思っております。
○久保等君 私は今度の処分の問題を見ても、先ほど来のまた御答弁をお聞きしても、やはりもう少し労働行政というものには弾力性のある、しかもまた、単に法に触れたからという、一片の、それだけの事由をもって、簡単に事を片づけることが、果して一体国民に対する迷惑をより減少していく方向に進むかどうかということも、一つのこれは生きた人間の社会ですから、これは労働大臣あたりのところで、十分に一つお考えを願わなければならぬ問題だと思います。従いまして、この問題についても、労働行政を担当する部門としては、特に私はその点の御配慮を願って、でき得る限り、少くとも、それこそ混乱を事前に防止するという方向で、事態の収拾に当ってもらいたい、このことを申し上げまして、時間が何かないようですから、簡単に仲裁裁定問題についてお伺いをしたいと思う。 すでに御承知のように、参議院における予算委員会も、ほぼ審議を終了するというようなところにまできておるのですが、この当委員会に先月の四月の二十日の日に政府の仲裁裁定の議決案件が出て参って、それぞれ実は提案理由の説明があった。これは四月の二十日以来、この問題について労働省そのものは一体どう考えているのか。特に公労法の十六条第二項に基く議決案件は、提案理由の説明にも書かれてありますように、国会としての御意思の表明を願いたい、慎重に御審議を願って、できるだけ早い機会に御意思の表明を願いたといという提案理由の説明があった。ところが、今日に至るも、仲裁裁定の議決を求める案件は、衆議院の社労委員会にかかったまま参議院に回付されてこない。通常、法律案等の場合には、その審議可決のため、政府は積極的に当該委員会に懇請し、要請するのが通常である。にもかかわらず、今日に至るまで、この議決案件に対して、労働大臣は一体どういう努力をせられたか。申すまでもなく、今度国会に出されております予算と仲裁裁定の議決案件とは、これは衆議院における御答弁をお伺いいたしましても、表裏一体をなす非常に重大な関係のある案件だという御説明があった。ところが、議決案件については、一体労働大臣として私は端的に御質問をいたしますが、これについての審議の促進をはかられたかどうか、議決案件について一体参議院に回されることについて、早く回付してきて、参議院でも審議できるような形に労働大臣として努力をせられたかどうか、この点を一つまず最初にお伺いしたい。
○国務大臣(松浦周太郎君) こちらの方には、衆議院に提案しますと同時に、翌日だったと思いますが、日にちははっきりわかりませんけれども、そう長い時間を置いたのじゃなくて、翌日出しまして、御審議を願っておるわけでございます。
○久保等君 私のお尋ねしているのは、それは私が今申し上げたことなんです。提案趣旨はお聞きしました。しかし、少くとも普通法案が出された場合には、会期その他の関係等も考慮しながら、普通法案を出された場合には、労働大臣初め事務当局においても、それの議事の進行なり、あるいはまた、衆議院から参議院への回付の問題について、いろいろと努力をせられて、審議の進捗をはかられるのが普通なんです。ところが、この案件については、一体そういう努力をせられたかどうかということをお尋ねしておる。
○国務大臣(松浦周太郎君) 衆議院におきましては、議決案件の審議は相当長時間行いました。参議院の方の呼び出しがなかったものですから、出席がなかったと思います。
○山本經勝君 今の久保委員が質問している目的は、先ほど大臣が言われた、つまり国民大衆の生活に重大な影響を及ぼす紛争があるのだ、紛争になっている国鉄その他三公社五現業等における要求が解決つかぬために、そういう状態であるからというお話であって、その通りだと思う。ところで、その問題は、国鉄従業員の四十万は国民の足を預かっておるのですから、ところが、国民の足を預かっている四十万の国鉄の従業員の皆さんが給与の要求をして紛争が起っているのであるから、国民に迷惑をかけないということのために必要な政府の措置としては、まず問題は、その紛争そのものの解決にあるのか、今度の事態を見ますというと、処分が目的なのか、国鉄の組合の幹部の、実に一千名になんなんとする多数の従業員、あるいは組合幹部の処分を目的とされているのか、あるいは国民の足を守るために必要な根本問題の解決を求められているのか、それに対してどう大臣が努力をなすったのか、こういうことに尽きていると思うのです。仲裁裁定の問題のお話に触れて参りましたが、問題は仲裁裁定が現在衆議院の社会労働委員会において審議中であるという名でとまっている。ところが、たった一時間半ばかりの審査が行われただけであって、実は審査はせずにたな上げになっている。その理由が、予算が通過すればこの承認案件をあらためて審議する必要はないという解釈の上に立っておられると聞いておる。そうしますと、根本問題のいわゆる四十万の国鉄の従業員、すなわち国民の足を預かった皆さんの切実な要求と、その要求に基く紛争の原因とは、その基本問題にあると思う。ところが、そのことは今仲裁裁定に集約されておる。その集約された仲裁裁定が解釈上の問題はともあれ、そういう形で引き延ばすことによって根本問題が解決つかない。そうすると、今日の結果は、もう一度申し上げますと、問題の解決をするという誠意ではなくて、国鉄の幹部の首切りを、あるいは停職処分にし、あるいは全逓、全電通、全専売等の多数の組合の幹部の皆さんを、いわゆる弾圧によって押えつける目的のごとく、どうも見えてならない、その間の関連を大臣からはっきり解明されないと、今の久保さんの質問の要旨には触れてこないと思います。
○国務大臣(松浦周太郎君) 山本委員の御説明よくわかりました。今度の紛争に対しまして、われわれは当初から仲裁裁定は誠意をもって尊重する。しかし、法を犯したものについては身をもってその償いをしてもらいたいということは、政府は当初からこれを考えて参りました。しかし、その実行に当っては、政府の方針はそうでありますが、これを一々実施するのは、それぞれの企業体が行うのであります。ところが、その仲裁裁定が出ましたものでありますから、仲裁裁定が出ましてから、公労法によって十日間にもし移用、流用、すなわち予算上、資金上行われるというものは、国会に提案する必要はございませんけれども、もしそれが行えないで、補正予算が必要であるというような場合には、議決案を提案しなきゃならない。ところが、広範にわたる三公社五現業、そのうちの三公社一現業は、これはどうしても予算上、資金上、国会の承認を得なけりゃならない、補正予算を出さなきゃならないという結論になる。あとのものは移用、流用でできることになるのでございますから、それは撤回の決議をいたしませんけれども、通告によって、つまり従来の慣習によって通告によって、これは自然に案件からはずされたのであります。その後、これによって補正予算が提案せられまして、この補正予算が通過するということは、ただいま御指摘のありました紛争解決の給与に対する面は、一応これで解消したことになるのでございますから、わが政府、いわゆる岸内閣の考え方といたしましては、この議決案は、予算が通過するならば自然消滅という建前の上に立っております。これに対する詳細な法理論に対しましては、一つ法制局長官をお呼びになってお聞きいただきたいと思います。
○山本經勝君 もってのほかです。そのことを私は実は伺っているんじゃないんです。あなたは労働担当の政府の責任者として、日本の千数百万に上る多数の労働行政を担当なさっておる。そうして、今度の問題では、公共企業体等労働関係法による所管者として、問題の処理に当られているものと思う。そうしますと、私の申し上げておるのは、四十万人の国鉄の従業員は、九千万の国民の足を担当した重要な業務に携わっている。そこで、それらの人々が、一部幹部の問題じゃなくて全体の問題として、給与の改善を要求して、それが紛争になっている。ところで、その紛争の問題点となっているものは、不満ではあるけれども一応仲裁裁定に集約されている。そのことが明確になるということが、まず前提であるんですよ。ところが一方、そのことの未解決の状態の中において、すでに処分は発表され、強行しようとしておられるが、そうすると、問題の根本的な解決ではなくて、いわゆる処分が目的であったごとく見えるが、一体、処分をすることが目的なのか、紛争の本来の解決を求められておるのか、いずれかはっきり、簡単でけっこうですから、御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(松浦周太郎君) もちろん、御指摘になりましたように、紛争の基礎である給与改善というところに重点を置きまして、これは、仲裁裁定を完全に実施したと確信いたしております。これと同時に、法を犯した者は身をもってその償いをしてもらいたいという立場をとっておるのであります。
○山本經勝君 今の大臣の御答弁を伺うというと、完全実施したと言われる。まあそのことの争いは、この場合やめておきましょう。先ほど、大臣は、予算が通過すれば、承認案件として提出してある仲裁裁定については審議が必要でなくなり、自然消滅であると、こういうことを言われておる。そこで、私は、大臣の責任のある解釈を求めておきたいのは、少くとも、この条文を見ますというと、十六条の第二項に明確に書かれている、期間を切って書かれておる、国会の承認を求める案件になっておるんです。国会の承認とは一体何をさすんですか。私はそういうあなたの言われたようなルーズなものではないと思うんです。衆議院の社会労働委員会に付託をされて、そこで審査をされているが、現在審査中であると言われている。事実は審査しておらぬのですが、私はそのことは触れまい。とにかく、審査中であると言われた。といたしますというと、参議院のこの社会労働委員会は、国会の一環をなしておると思うんですが、そうすると、同時に並行してもいいのですし、予算が審議されている過程でも、当然私は審議されるべき案件ではないかと思う。この点は、衆議院の社労委員会の自民党側の理事の皆さんといえども非常に手落ちがある。あるいはまた、法の不備もあるということをみずから認めておる。ところが、労働大臣の意見を聞いておるというと、全くそういうことはなきがごとく聞える。このことはきわめて重要なのです。国会の承認を求めることは、とりもなおさず、衆議院並びに参議院だと思う。私はその点では、あとで法制局長官に来てもらって聞くなり、何なりいたしますが、ここでは労働大臣の明確なお答え願っておきたい。
○国務大臣(松浦周太郎君) 御指摘になりましたように、二院制度の今日でありますから、衆議院、参議院ともに審議しなければ法案は成立しないと思います。
○委員長(千葉信君) 案件審議の日程がございますので、本件等につきましては、また、その質疑について理事会等で御相談申し上げることにいたしまして本日の調査はこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(千葉信君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(千葉信君) 次に、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律案を議題といたします。 なお、この機会に申し上げておきますが、先ほど地方行政委員長本多市郎君がこの部屋に参りまして、正式に地方行政委員会において決議をしたというお話で、その決議文を持ってとられましたので、ここで朗読いたします。 決議 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律案は、その内容を見るに、地方行政に関係する事項につき、同業組合の設立単位を都道府県に限るとともに厚生大臣の権限を知事にのみ委任することができるものとしているが、さきに地方自治法の改正により、五大市については、知事の権限を大幅に市長に委譲された経緯にかんがみ、これと歩調を合せた取扱いを考える必要はないか等の点について十分検討を要するものと認める。 右決議する。 以上でございます。 それでは本案に対し御質疑を願います。
○山下義信君 若干の質問をいたしたいと思いますが、ちょっと委員長に伺いますが、本会議との関係はどうなっておりますか。
○委員長(千葉信君) 本開議につきましては、大体予定の時刻は午後三時からということでございましたが、私こちらの委員会に入りまして、その後実際の予算委員会における審議の状態、あるいは本会議の開会についての議運の理事会等の模様等についても一切承知しておりませんが、ただ午後三時から予算委員会で討論が始まるから、その討論に立ち合うために出席してくれという連絡が労働大臣に参りまして、そこで先ほど審議しておりました調査案件の質疑の状態をいろいろ考慮を加えまして、そして労働大臣の退席を認めるという方法を講じたわけでございます。
○山下義信君 よくわかりました。
○椿繁夫君 ちょっとその前に、聞くところによりますと、本法案の審議に当って、農林委員会の方から連合審査の申し入れをしておると言われたのか、しようとしておるということであったのか、何か農林委員会の方から、ただいま地方行政の方からのような、こういうような申し入れか何かございますか。
○委員長(千葉信君) それは、農林委員会における各会派の方々の一致した結論として、社会労働委員会と連合審査をしたいということがきめられて、私の方にその連絡が参っておりますが、これはこの法律案の審議の過程で、その日程について理事会で後刻検討したいと思います。
○奥むめお君 この法案と中小企業団体法の法案と非常に内容が似ております。法文も大へん似たところがあるし、また、ある業種によりましては、どっちの方の法律によって組織をするのかという不明な点も多々あると思うのでありますが、私こういう重大な大衆生活に重要なこの法案は、ぜひ商工委員と一緒に審議する必要があると思いますが、そういうことはいかがでございますか。そういう提案は出ていなかったか、向うから提議されていないかということをお聞きします。
○委員長(千葉信君) お答え申し上げます。まだ商工委員会の方からは、何らの連絡もございません。
○山下義信君 私の質問は数項目にわたるのでありますが、本日時間の範囲内でどの程度質疑をさせていただくかわかりませんが、未了の部分は他日の機会にさせていただくということを、あらかじめ御了承願います。 第一点は、言うまでもなく、環営法と中小企業団体法との関係であります。この関係が明確になりませんと、本案の審議に非常に支障を来たします。支障を来たすというよりは、本案の審議の重要部分は両者の関係であるといっても過言でないと思うのであります。そこで全体的な質問、あるいは政治的な質問をいたします前に、法体系の上から、両法案の関係につきまして若干伺いたい、こういう趣旨でございます。 環営法と中小企業団体法とは、一体両法案はどういう関係に置かれてあるのかという点であります。なお、御答弁いただきますについては、一つには、何がゆえに中小企業団体法のほかに、本法案を必要とするか、こういう点を簡明率直にまず御答弁を願いたいと思います。
○衆議院議員(亀山孝一君) ごもっともな御質問でありまして、衆議院におきましても、その問題は委員会及び小委員会においてこまごまと論議をせられた点でございます。御案内のように、この環営法は、いわゆる公衆衛生立法である、もちろん経済立法ではありますけれども、公衆衛生の面、すなわち環境衛生の面に重点を置いたという点において差異があると思います。 第二点は、この中小企業団体法の方は、大企業に対する中小企業の保護育成の法律であります。環営法はその点もありますけれども、それよりむしろサービス業としての方に重点を置いております。 それから第三点について申し上げたいと思いますのは、私どもの見解では、中小企業団体法の特別法としてこの環境衛生法を制定していただきたい、かように考えておるのでありまして、押し詰めたところ、御案内のいわゆる書かれておりますところの業種は、厚生大臣の所管になっております。この点をまとめていくのがいいのではないか。従いまして、法案の立て方につきましても、中小企業団体法と似ておる点がありますけれども、よくごらんになっていただきますと、立て方が違っておるという点は、以上のような理由に基くのでございます。
○山下義信君 両法案が、それぞれ目的の主要部分を異にしているから法律が二つになっているということはわかるのであります。しかし、目的が異になっておりましても、内容が非常に同じ部分と言いますか、共通な部分があるといたしますと、目的が異になっているというための内容の相違点はごく一部分になりまして、そこで両法律案の関係に多くの疑問点が出でくるということになるのであります。目的が異になっておって、従って、その法律の内容が異になっておりますれば、名実相伴いますから問題はないのでございます。目的を異にしておると言いながら、異にしておる部分はごく一部分であって、大部分が両法案に同様の部分がありと共通の部分があるということであって、そこでその共通の部分、相違の部分について伺わなければならぬことになるのであります。今お言葉の中に、この環境衛生法と中小企業団体法とは、一般法と特別法、一般法とはおっしゃらなかったようでありますが、環営法は特別法だとおっしゃった、中小企業団体法は、環営法に対しては、それでは一般法になるのですか。一般法と特別法という関係にあるとおっしゃったのは、どういう意味でありますか。この両法案の上で、一般法である、特別法であるということは、どこをもって中小企業団体法は一般法であり、環営法は特別法であるということを、どこをもっておっしゃるのでありますか、その点を伺いたいと思います。
○衆議院議員(亀山孝一君) 御案内のように、中小企業団体法もサービス業という字を表わしております。そこでその点につきましては、両法ともお話のように同じ範疇に入るごとくみえるのであります。ところが、もう私から申し上げるまでもなく、先ほど申し上げましたように、中小企業団体法は、中小企業というものをその対象といたしております。環営法は、その大部分は中小企業でございますけれども、中にはしからざるものも含んでおりまして、共通点があると申し上げたのは、経済立法であるという点、つまり中小企業育成と同じ趣意において、環境衛生業者の方は保護育成という面において、非常に共通点は持っております。けれども冒頭申し上げましたように、これが環境衛生に対する組合であり、公衆衛生に関し、しかも国民の生命に関するサービス業でありますだけに、その点は近似ではありますけれども、別個に立法いたしたわけであります。私がわかりやすく申し上げたので、厳格な法律の意味から言えば、中小企業団体法は一般法にして、これは特別法、特別と簡単に言い切るわけにいかぬと思いますけれども、サービス業という文字が中小企業法にありますが、その点との話し合いは、商工次官と厚生次官との間に覚書をかわしております。その範囲を明らかにいたしております。法の上にかかっておるということで、経済立法であるという点の見方をすれば、一般法、特別法のような関係になるのではないか、かように考えておるのでございます。
○山下義信君 私も法律のことは専門でありませんから詳しくはないのでありますが、しかし、一般法と特別法との関係があるとおつしやれば、中小企業団体法にずっと規定してある——環営法が特別法であるというならば、中小企業団体法の中に規定してある以外の規定が、言いかえれば、中小企業団体法に規定してない部分が環営法に特別に与えられ、あるいは中小企業団体法によって保護せられたる、その保護と言いますか、権限と言いますか、それ以上のものが環営法に与えられてあつてこそ、一般法と特別法の関係が私は成立するものだろうと思う。しかるに、一般法といわれる中小企業団体法に規定せられたものより、どれだけ環営法の方にすぐれた規定があり、あるいはそれ以上に法律が、あるいは権限を与え、あるいは便宜をはかつてありといったような、特別の規定がどこにあるのかということを伺わなければなりません。つまり中小企業団体法と環営法を比べてみて、環営法が特別法の関係に置かれてあるとかりにするならば、私は法律の上ではそういう関係を見ることはできません。今御答弁の中には、両省で覚書があると、こういうことでありますが、それはあとでまた伺いますが、そういう覚書があるからといって、法律の建前は動かすことはできぬのであつて、法律の上で両者の関係が、一般法と特別法の関係に置かれてあるということが、法律上明確にならなければその関係は成り立たぬ。そこで、環営法が中小企業団体法と比べてみて、どれだけ特別な規定が置かれてあり、どれだけ、まあ言いかえれば、言葉使いが悪いが、すぐれておるかということを御指示を願わなければならぬ。
○衆議院議員(亀山孝一君) 全くごもっともな御指摘でございますが、これはもう山下先生もおわかりと思いますが、中小企業団体法はできておるわけではございません。今審議中であります。政府案でございます。また、この法律案は議員提出の法律案でありまして、この前の国会より提案してございまして、そこで調節をいたしまして考えますというと、お話のように、中小企業団体法と同じ規定が、あるいはすでにできておりますものとしますれば、この法律に引用すればよかったのです。その点はなかなか立法上むずかしい問題もありますので、別個に同じ趣旨の規定があることは、これはやむを得ないと思います。その点は先ほど申し上げました経済立法、主として租税の減免、融資等の点であります。しからばすぐれた点はどこだ、これはどうもなまいきにすぐれた点は申し上げられませんけれども、違います点は、中小企業団体法の方は、強制加入の点をある程度考えておりますが、この法律、この環境衛生は、その性質上これは強制加入でございません。同時に、中小企業と違いまして、これは過度の不当競争をある程度阻止しよう、そうして環境衛生の見地から、これらの業を守ろうとするのでありますので、従いまして、環境衛生適正化規程あるいは環境衛生審議会というようなものを設け、ことに環境衛生審議会におきましては、これを利用される方々の御意向を十分参酌してこれが運用を期するという、こういうような点が、私がしいて申せば、我田引水かもしれませんけれども、この法律の美点だろう、かように思っておるところであります。
○椿繁夫君 関連して……。中小企業団体法はまだ成立していない。で、この環境衛生関係の法案は、昨年の通常国会に上程になって、継続審議されておつて、今国会において衆議院で成立を見たものである。従って、中小企業団体法が、もうすでにできているのなら、これとちぐはぐな点があれば、調整することも修正することもやぶさかではない、こういうお話でございましたが、この環境衛生法、これをずっと見まして、これを作られた当時から後に、他の法律などによって直さなければならぬ点がこう二、三あるように思うんですが、そういう場合、この修正をすることについては御異議はございませんのですね。そういうふうにぜひあつてほしいと思うんですが。
○衆議院議員(亀山孝一君) 先ほど山下委員に申し上げましたのは、中小企業団体法のできる前に、われわれがこれを立案し、そうして継続審議になりました。その後これはもう申し上げるまでもないと思いますが、小委員会におきましては、日本社会党及び自由民主党、ともに一致してこの案になりましたわけで、共同提案となりましたことも御案内の通りでございます。で、中小企業団体法のその後の経過を見まして、特にこれを修正する点はございません。中小企業団体法との関係においては、修正を必要とせぬと思います。ただお言葉にあります通り、今言われております、ちょっと伺いますと、五大府県、いわゆる指定市の問題あるいは食肉販売営業に関する農林関係の議員の方々の御意見もあるようであります。これは一つわれわれ十分衆議院において論議をしたことをお聞き願いまして、その上で一つ皆さんの御判断に従い、ごもっともであれば、われわれとしてもこれを修正するにやぶさかでございません。けれども、今日の現段階におきましては、小委員会においては、無修正で一つお願いしたいということを、社会党の諸君もわれわれも、ともに言って参りましたことですから、私、自由民主党としては、社会党の方の御了解を得ぬ限り、ここで修正するなんということを申し上げる権限を持っておりませんから、その点は一つ御了承を願います。
○奥むめお君 今、亀山衆議院議員は、中小企業団体法との関係においては修正するところはないと断言しておっしゃいますが、ここで、日本の国では、二院制度があります限り、参議院がその自由なる意思で私たちがこれを審議するということを、あなたは何と思っていらっしゃいますか。答弁を伺います。
○衆議院議員(亀山孝一君) 私は、今、奥委員のおっしゃるような、この修正に対するただ私どもの衆議院の考えを申し上げただけでありまして、それは先ほど申し上げたように、社会党及び自由民主党の小委員会において、このままでいこうじゃないか、こういうことをきめたということを申し上げたのであります。同時に、この中小企業団体法との関係においては、私どもはこれを修正する点はないんじゃないだろうかという私どもの意見を申し上げたのです。
○山下義信君 今問題の入口にさしかかっておるわけです。中小企業団体法と環営法との関係で疑義を明らかにしていこうということの入口にさしかかっておるわけです。結局疑問とするところは、端的に申しますと、この法律を見ますと、そこで解釈が非常に大切なんですが、法律を見ますと、営業者はどっちの法律でも組合の組織ができる、言いかえれば、どっちの法律によることもできる、こういうふうにその法律が見えるんです。そうはできないんだということを、法律上どちらの法律でもよろしゅうございますから、環営法の方でもよろしいし、中小企業団体法の方でもよろしいし、どちらかの法律の上で、両法によることができないんだ、つまり二重に加入することはできないんだという点を、法律上明確にしておかなければなるまいだろうと、こういうふうに、まあ私は意見でありませんけれども、伺つておる。それで二重にその組合組織ができるのかできないのかというところを、先ほど何か両省で覚書云々とおっしゃったが、そういうことでなしに、それも伺いたいが、法律上何か明確になっておる点があるか、そういう点を一つ伺つておきます。一般法と特別法とおっしゃるならば、それが明確になっていなければならぬのですが、それが一般法とおっしゃる中小企業団体法の中にはないのです。こちらの環営法の中にも特別法だと名乗つているところも条文にないのです。その二重に組合員が作れないか、作れるかという点を明確に伺いましょう。
○衆議院議員(亀山孝一君) 率直に申し上げて、この法案の最も痛いところを実は御指摘になりましたのです。その点は、衆議院の小委員会におきましてもいろいろ論議されたことでございまして、ただ当時の事情から申しますと、中小企業団体法もまだ審議中でありまして、こちらの方がきまりましたので、その際でもありましたけれども、いろいろ論議されました。結局私どもの方が一般法、特別法というような言い方をせざるを得ないのは、実はその点に一つあるわけです。これを中小企業団体法の方から環境衛生に関するものは除くと書くか、あるいはこちらの方で中小企業団体法の適用をこの条文で排すると書くか、運悪く両方並行しておるものですから、ここに非常な困難性がある。とりあえず先ほど申し上げましたように、通産次官とそれから厚生次官との間に覚書によりましてその問題は解決しよう、これはまあこの法案の両方の進行状態をごらん下さいますと、ある程度お察し願え、また、やむを得ざるものと御了承願えると思いますが……。
○山下義信君 私は法律の解釈を行政措置で解釈するということはできないと思います。法律の解釈はあくまでも法理上正しくなくちゃならぬ。行政措置をどのようになさつても、それによって法律の解釈を曲げることはできないのでありますが、しかし、重要なお取扱いでありますから、今お述べになりました両省次官の間に交換されました覚書を、それでわれわれが納得できるかどうか、一応簡単ならここで伺いますが、簡単でないのならば資料としていただきたい、いかがでしょうか。
○衆議院議員(亀山孝一君) 一応これは重要問題でありますから、朗読いたしまして、しかる後にこれを資料として差し上げたいと思います。それは、 覚 書 中小企業団体法の施行に関し、厚生省と通商産業省との間において次のように了解する。 記 中小企業団体法(以下「団体法」という。)と環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律(以下「環営法」という。)とは、法律の内容である規制方法に関して経営の安定をはかるということにおいてほぼ共通するものであるが、団体法の目的とするところが一般的に中小企業者その他の者に対して経営の安定をはかることにあるのに対し、環営法は、その対象となっている企業者が主として中小企業者であるという一般的な性格のほかに衛生措置を順守するという特殊な性格を有するものであり、従って法目的も経営の安定を手段として公衆衛生の増進及び向上をはかるというところにおかれている。 従って、環営法の対象となっている企業者に関する限り、その扱い上、団体法が一般法であるのに対し、環営法が特別法という考え方で運用することとし、これら企業者を環営法の対象としてまかせるものとする。 ただし、事業協同組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合に対する環営法関係の企業者の関係は従前通りとする。 昭和三十二年四月三日 厚生事務次官 通商産業事務次官 あと比較表がございます。いずれこれは資料として御提出申し上げます。
○山下義信君 私はただいま申しましたように、両法律案の関係を、行政措置によってこれを勝手に解釈することはできないのでありまして、法律上両方の関係は混乱を来たさないように、明確に規定しなければならぬと考えるのでありますが、この点は問題をあとに保留をしておきます。 両法律案の関係についてわれわれが伺いたいと思いますのは、両法律案の中に示されてある、すなわち組合、それぞれの法律において規定された組合の権限と言いますか、機能と言いますか、そういうものの相違点というものを明らかにしておかなければならないと思います。それらの相違点というのは、言いかえるというと、組合の機能の優劣であります。もし両法律案にそれぞれの機能の優劣があるということになりますると、私はそこに問題があると思うのです。そこで具体的にだんだん伺いますが、私どもの見るところでは、環営法に規定されたる同業組合は、中小団体法に規定されてある組合、商工組合よりは非常に権限が弱くしてあるように思う。これはどういうわけで弱くされたのでありましようか。すなわち、具体的に言いますと、環営法の中には、組合交渉というのはありません。俗にいう団体交渉というものの権限が与えられておりません。どういうわけで環営法の組合には団体交渉、すなわち組合交渉という権限を与えなかったのであるか、これを一つ明らかにしていただきたい。
○衆議院議員(亀山孝一君) 今お言葉にありました団体交渉の問題も衆議院では議論になりました。けれども実際において、どういうことを一体団体交渉として考えられるか、結局はその業者と従業員との関係になるかもしれません。あるいはその中の、中小企業団体法のごとく大企業に対する団体交渉というように問題は考えられます。これに対してはそういう点はございません。しかしながら、結局に申しますと、中小企業団体法よりもとの法が何となく弱く見えるというお言葉でありますけれども、これはもう山本先生御存じの通り、これらの業種はそれぞれその営業に関する法律がきめられておりまして、それぞれ厚生大臣の許可なり、届出監督を受けております。いわゆる中小企業団体法と趣きを異にしております。ですから、一面においていわゆる官庁の方のいろいろの問題もありますけれども、むしろ業者の自主的な基盤、運営によってこれらの適正をはかることが最も妥当と思いますので、それにしてはこの組合はいわゆる自主、自制の傾向の強いという点において、お言葉のように弱いという感じをお持ちになつたかもしれませんが、かように思います。
○山下義信君 提案者のしばしばお言葉の中にありまする、衆議院の方でも十分論議したとおっしゃっているのでありますが、衆議院の御論議がどういうふうになされたかということにつきましては十分つまびらかにいたしておりませんので、重複いたしておりましたらお許しを願いたい。また、本院は本院として同様の点についても当然触れていかなければならぬのでありまして、その点は御了解願いたいのでありますが、私はこの環営法で規定されてあるこの業体には、言うまでもなく、やはり原料資材を用いまする業種もある。いわゆるメーカーとの関係もあるのです。生産者との関係もあるのです。大資本家、大企業との関係のある業種もあるのです。一向そういう関係はここに規定してあるものには全然ないのだ。つまり企業としてのいわゆる上部企業との関係もない、大企業との関係もない、全然左右上下とも他の企業には一向関係がないのだという御所見はどういうわけでございましょうか。私は、やっぱしここに規定されてありまするこの業種にも、そういうような生産者とも関係のありあるいはいろいろ原料関係の企業とも関係のある業種がずっとあるように思うのでありますが、一向そういうことは関係がないから、企業としての団体交渉をいろいろメーカーとしたりあるいは卸商としたりあるいは生産者としたりする必要はない、この業種に一向ないんであるということは、どういうことでしょうか。
○衆議院議員(亀山孝一君) 今お話しのように、かりにこの環営法であげておりまする業種のうちで、原料と申しますか、親企業と申しますか、そういうものとの関連を考えれば、映画でございます。映画館の問題でございます。けれども、これらは、先ほど申し上げましたように、中小企業団体法のごとく純然たる経済立法ではございません。環境衛生の面からでございますので、その点はこれには表わしておりません。ことに、今申し上げたように、映画の配給会社と映画館の問題、あるいは食肉、氷雪販売業とこれらのメーカーあるいは卸売との関係等につきましては、なかなかむずかしい問題でございまして、これはむしろ環境衛生関係から言うと、これによってあるいは世論と申しますか、環境衛生審議会の方で十分これを論議してその方に当る方がより強いのじゃないか。中小企業団体法の方にはこういうような団体は明確にまだ私はなっておると思いませんから、そういう意味で今申し上げたようなやり方をしたわけでございます。
○山下義信君 本法が経済立法を主としたものでないと、こうおっしゃる。これはせんだっての公聴会でもいろいろ批判が出たのでありますが、そう言いながら、この法律の中の非常に大きな部分が、経済関係の条文があるんです。しかし、それが主でないのだから、おれの方は環境衛生の方が主であるから、経済関係の条文は十分してないんだといろならば、その不十分の点は中小企業団体法の方によらざるを得なくなりますが、いかがですか。
○衆議院議員(亀山孝一君) 私は環営関係を除く他の中小企業のごとく、お話のように、中小企業団体法のごとき強き経済立法を必要としないと、かように考えておるのでございます。
○山下義信君 その点は所見を異にいたしますので、これは他日に譲ることにいたしますが、中小企業団体法の中の第五十五条には、主務大臣が加入命令を出すことになっておるのでありますが、環営法の方にはその加入命令というものが省かれてあるのは、どういうわけですか。
○衆議院議員(亀山孝一君) それは、冒頭に申し上げた組合の性質からでありますが、環営法の場合は強制加入をいたしておりません。けれども、いわゆるアウトサイダーがこれらの環境衛生同業組合の適正化規程に反する場合には、知事の権限としてあるいは五大市長の権限としてこれらの規程に従うことを命令することができるようにしております。これによりまして強制加入と同じような機能を発揮したと、こういう考えでございます。
○山下義信君 それではその点は、アウトサイダーの取扱い方をどうするかということは両法で相違点がありますから、また、そこに参りまして伺うことにいたしまして、中小企業団体法の方では生活協同組合に対する扱い方をいろいろに規定されてあるのでありますが、つまり言い換えるというと——いろいろ規定されてあるじゃない、組合交渉の対象にもしておりませんし、また、加入命令等のあるいは規制命令等の対象にもしてありませんし、言い換えると、除かれておる。この環営法の方におきましては、生活協同組合はどういうふうな扱い方になっておりますか。私どもの見るところでは、生活協同組合をやはり組合員として掲げておくようにこの環営法の三条はうかがわれるのでありますが、この点はどういう御立法の意思でありますか、伺いたいと思います。二条、三条に関係してですね。
○衆議院議員(亀山孝一君) 今お話しの生活協同組合関係のこの問題につきましては、衛生措置とかあるいは営業方法には技術上二つの道はないのでありまして、その部分についてはこの法律の適用を受けるようになっております。
○山下義信君 ただいまの御答弁は、こういうことですか。技術上のことはこの環営法の適用を受ける、また、営業上のことですか、経営上のことですか、何かそういうことは適用を受けないと、こういう御趣旨でありますか。もう一度明確にしていただきたいと思います。
○衆議院議員(亀山孝一君) その点は、非常に重要な問題でありますので、われわれの考えていることを環境再生部長から説明をさせますから、お許しを願いたいと思います。
○政府委員(楠本正康君) 先ほど来、提案者の亀山先生からるる御説明がごさいましたように、この法律は、団体法とは異なりまして、二つの柱が立ってございます。第一の柱が衛生措置の徹底あるいは営業方法を整然とさせることによって社会的ないろいろの問題を除いていこうということが第一の柱でございます。それを達する手段といたしまして経済行為が含まれて参るわけであります。従って、経済行為は第一の柱となるわけでございます。ところが、この経済行為を除きました第一の柱、つまり衛生措置はかくあるべきものである、整然とした営業方法はかくあるべきものだという最小限の基準というものは、これは当然生活協同組会その他の協同組合の業に適用されてしかるべきものと存じます。ただし、この場合、後の料金等につきましては、これはその本来の趣旨から十分幅をもって考える必要があるのであります。つまり、市価主義を必ずしもとらせる必要はないのではないかということを、まあこれは政令の段階でございますが、考えておる次第でございます。
○山下義信君 あなたの方のおっしゃることに対する賛否は別として、お心持はわかる。お心持はわかるのですが、私が伺いますのは、この環営法の法律の建前を見ますと、法律の表面を見ますと、生活協同組合が含まれるのか含まれないのかということが明確でないんです。それで伺いましたところろ、今のようなお話で、技術の点はこの法でカバーしていくつもりだ、また、営業等についても、また、料金等についても、やはり一連の対策は考える気持だ、こういうような、楠木部長の御答弁と亀山議員との御答弁を総合しますと、そういうふうに受け取れるのでありますが、法律の上でどういうふうにそれを解釈していくのですか。私は法律の字句ではまだ質疑に移りたくないのでありますが、大筋を伺つているつもりなのでありますが、第二条に「この法律は、次の各号に掲げる営業につき適用する。」ずっと七号の営業が掲げてある。そうすると、たとえば理容業、美容業というものを生活協同組合がやりますね。それは、やはり理容業、美容業をやつているからといって、第二条の第一項で「次の各号に掲げる営業」ということに入るのですか、入らぬのですか、こういう点を一つ明確にしていただきたいと思います。
○政府委員(楠本正康君) この営業という範囲は他の法律にも関連があることでございますが、この同じようなことを代価を受けて反復いたしますことは当然営業でございますけれども、従いまして、生協あるいは他の協同組合等におきまする従来の行為は、これは営業の範疇に入るものと考えます。ただし、会社、工場その他の福祉施設として考えておるものは、これは営業とは考えられないのであります。
○委員長(千葉信君) この際、お諮りいたします。先ほど椿委員並びに奥委員と提案者たる亀山衆議院議員との質疑応答の中におきまして、他の法律との関係で修正を要する部分の修正について修正に応ずるかという質問があり、修正に応ずる意思はないという答弁がございましたが、もしこれは速記録を調べてこの通りでございましたら、これは参議院の社会労働委員会における権威に関する問題でございまして、また一方応ずる意思はないという提案者の答弁は僣越な答弁ということになりますから、これは速記録を調べて、委員長において適当に善処したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高野一夫君 速記をとめて下さい。
○委員長(千葉信君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(千葉信君) 速記をつけて。 ですから、その点については、委員長ははっきりと、速記録を調査した上でということを申し上げたのですから……。
○高野一夫君 それじゃなおさら提案者からその辺の趣旨を明確にしておいてもらいたい。私が聞いたところでは……。
○委員長(千葉信君) 先ほどの質疑応答で委員長はそう確認しておりますので、これはこのままにできないので、もし速記録を調べて、委員長の確認通りでしたら、そのことは取り消すというのですから、問題はないでしょう。 ただいま議長から委員会の開会について、本会議が開かれているから至急委員会を取りやめて出席するようにとの連絡がございましたので、本日はこれをもって散会をいたします。 午後三時五十三分散会