建設委員会 第23号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/04/05
会議録
○委員長(中山福藏君) ただいまから委員会を開会いたします。 つきましては、建築基準法の一部を改正する法律案を議題に供します。まず政府委員から内容について御説明を願います。
○政府委員(鬼丸勝之君) 提案されております建築基準法の一部を改正する法律案の内容について逐条的に御説明申し上げます。 まず第一に、第四十四条の道路内の建築制限に関する規定の改正でございますが、現行の第四十四条第二項の規定では、建築物を道路内に、または道路に突き出して建築することを原則として禁止いたしております。ただ、そのただし書きで地下室、公衆便所、巡査派出所等の公益上必要な建築物で、通行上支障のないものを例外的に除外いたしておるのでありますが、そのほかにもこの趣旨で必ずしも禁止する必要のないものがあると考えられますので、今回同法のただし書きを改正いたしまして、従来の除外例のほかに、公共用歩廊及び新たに政令で定める建築物で安全上、防火上もしくは衛生上、他の建築物についての利便を妨げないもの、その他周囲の環境を害するおそれのないものと認められるものにつきまして、特定行政庁の許可を受けたものに限って、この規定の適用を除外することといたしたのであります。さらに新たに第三項を設けまして、特定行政庁がこの許可をするに当りましては、あらかじめ建築審査会の同意を得なければならないことといたしまして、この許可が乱用されないように慎重を期した次第であります。なお、この場合法律に規定しております政令で定める建築物といたしましては、道路の上空に設ける道路のようなものを考えておるのであります。また公共用歩廊につきましては、現行規定におきましても、公衆便所等と同様に通行上支障がないものであれば、無条件に認められておるのでありますが、今回の改正の際に、この点を検討いたしました結果、さらに安全上、防火上、衛生上等の見地から、これは慎重に検討を要するものと認められますので、今同これを許可を要することといたしたのでございます。 次に第二点といたしまして、第五十五条第三項の改正でございますが、この第三項は同条第一項及び第二項に規定しておる建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の限度を、さらに一割ずつ緩和する特例を定めたものであります。今回の改正におきましては、この項に新たに商業地域内で、かつ準防火地域内にある、主要構造部が耐火構造の建築物を追加するものでありまして、これによりまして、現行法ではこの割合の限度が七割であるものが、八割に緩和されるものであります、これは、この地域内における耐火建築物の促進の必要性に即応させたのでございますが、またこれによりまして、現行法で、商業地域内で、かつ防火地域内にある耐火構造の建築物では、その割合が十割となっておりますものと均衡もとれるということに相なるのでございます 次に新らしく追加いたしました第五十五条第四項、及び第五項につきましては、現行法では、建築物が防火地域または準防火地域内外に亘ります場合は、第六章の第六十七条の規定で扱っていたわけでありまするが、第六十七条の規定は、第六章における防火上の見地から建築物の棟単位に規定されておりますため、建築面積の敷地面積に対する割合に関する規定のように、敷地単位の規定についての適用は明確を欠いておりますので、その敷地内の建築物が、すべて防火地域または準防火地域の規定に適合するようなときは、その敷地全体を、防火地域または準防火地峡にあるものとして第五十五条の規定を適用し、建築物の敷地面積に対する割合を緩和できることといたしたのであります。 次に第三の点といたしまして、第八十五条第四項及び第五項に関する改正でございますが、これらの項は、仮設興行場等の仮設建築物につきまして、特定行政庁の許可を受けた場合には、防火壁、防火構造等に関する規定、また第三章から第六章までの道路、用途地域、高さ、空地等に関する防火地域の適用を緩和する趣旨のものでございます、この種の仮設建築物に、新たに木造建築物を耐火構造の建築物に改築する場合等に必要となる仮設店舗等を加えまして、またその存続期間は、特定行政庁がこの建てかえの工事施工のため必要と認める期間といたしたものであります。 最後に第八十六条の改正について申し上げます、その第二項は一街区内に二以上の構えをなす建築物を総合的設計によって建築する場合におきまして、特定行政庁がそのおのおのの建築物の位置及び構造が安全上、防火上また衛生上支障がないと認めますものにつきましては空地地区内の制限、延焼のおそれのある部分の防火構造等の規定をこれらの規定の建築物が同一敷地内にあるものとみなしまして適用することとし、合理的な設計を行い得るようにいたしたのでありますが、この総合的設計による計画がいわゆる団地住宅等のように、数街区にわたりましたような場合にもこの規定を適用することが適当であると認めたのであります。 次に空地地区は第五十六条の規定により渋して、住居の環境を保護するため必要な場合に都市計画の施設として住居地域内に指定されるものでございますが、これはお手元に資料として差し上げてあると思いますが、いわゆる別表第三に掲げられておりますように、第一種から第九種までの種類が空地地区にはございまして、それぞれその種類ごとに延面積の敷地面積に対する割合、あるいは建築面積の敷地面積に対する割合、それから外壁またはこれにかわる柱の面から敷地境界線までの距離の制限が定められております。一方また都市計画法によります都市計画の施設として一団地の住宅経営を決定することができることになっておりますが、この際この第二項におきまして、この一団地の住宅経常を都市計画として決定いたします場合に、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合及び建築物の外壁またはこれにかわる柱の面から敷地境界線までの距離等に関する適切な基準を空地地区内の制限の規定にかかわらず、その内容として定めることができることを規定いたしたのでございます。 ついで、この第三項の規定におきまして、このようにして都市計画として決定された一団地の住宅経営に基きまして、総合的設計によって住宅の建設を行います場合、この建設が第二項の規定に基いて当該都市計画に定められた建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合等の基準に適合しており、かつ特定行政庁が空地地区指定の目的である住居の環境の保護に支障がないと認めます場合においては、空地地区に対する制限の規定の適用をしないことといたしたのであります。以上をもちまして簡単でございますが、本法案の資料の御説明を終ります。
○委員長(中山福藏君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中山福藏君) 速記を始めて。 それでは、ただいま説明をしてもらいました建築基準法についての御質疑はのちほどにお願いすることといたします。 ―――――――――――――
○委員長(中山福藏君) 次に国土調査法の一部を改正する法律案、東北開発促進法案、以上両案を一括議題とし、政府から提案理由の説明を聴取いたしたいと存じ求すが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認めます、それでは宇田企画庁長官から御説明をお願い申し上げます。
○国務大臣(宇田耕一君) 東北開発促進法案について、その趣旨を御説明いたします。 御承知の通り、東北地方には、電力、鉱物、農林水産等の重要資源及び未開発の土地があり、これら資源の総合開発を促進し、国民経済の発展に寄与いたしますことは、最も緊要なことと存ずるのであります。よって、東北地方における資源の総合的開発を促進するため、東北開発審議会を設置し、東北開発促進計画を作成し、これに基く事業を円滑に実施するように措置いたす必要があると存ずるのであります。以上が、この法律案を提案いたす理由でありますが、次に、法案の要旨について御説明いたします。 第一は、内閣総理大臣は、東北開発促進計画を作成するものといたしたことであります。開発促進計画は、東北地方における資源の総合的開発の促進に閲する計画でありまして、内閣総理大臣は、東北開発御議会の審議を経てこれを作成するものといたしたのであります。 第二は、東北開発審議会に関する規定でありまして、審議会の設置、所掌事務、組織その他必要な事項について規定いたしたのであります。 第三は、開発促進計画に基く事業の実施及び調整についての規定でありまして、開発促進計画に基く事業は、この法律に定めるもののほか、当刻事業に関する法令の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとし、経済企画庁長官は、開発促進計画に基く関係行政機関の長の所掌する事業項に関する毎年度の事業計画及び資金計画について、事業の円滑実施をかるため必要な調整を行うものといたしたのであります。 第四は、開発促進計画の実施を促進するための措置に関する測定でありまして、政府は、開発促進計画を実施するために必要な資金の確保をはかり、かつ、国の財政の許す範囲内においてその実施を促進することに努めなければならないこととし、開発促進計画に基く事業の実施を促進するため、地方財政再建促進特別措置法について、次のようにその特例を設けることといたしたのであります。 その一は、財政再建団体である県が開発促進計画に基く事業を実施するために、財政再建計画に変更を加えようとする場合においては、自治庁長官はその財政の再建が合理的に達成できると認める限り、変更の承認に当ってこれらの事業の実施が確保されるよう特に配慮しなければならないこととしたのであります。 その二は、財政再建団体である県にかかる開発促進計画に基く事業で、財政再建法に規定する指定事業に該当するもののうち、自治庁長官が経済企画庁長官と協議して定める重要なものに要する経費の国の負担割合については、九割を限度として、通常の負担割合の二割引き上げの高率補助を行うことといたしたのであります。 その三は、財政再建法準用団体である県についても、右の特例による取扱いに準ずることとし、あわせて、指定事業についても、財政再建団体と同様に取り扱うことといたしたのであります。 以上のほか、この法律の制定に伴い必要な経過規定を設け、関係法律の一部改正を行うことといたしているのであります。以上が、この法律案の趣旨でございます。 次に、ただいま提案になりました国土調査法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明します。 御承知の通り、国土調査法は昭和二十四年五月の第五国会における全国統一的土地調査促進に関する衆議院の決議に襲いて、昭和二十六年六月施行されまして以来、まず基準点測量より逐次事業を実施しておるのでございますが、各方面の本事業に対する積極的な努力によりまして、予算も順次増加し、調査の方法その他着々と整備されて参っておるのであります。しかしながら、本事業の進展に伴い、かつ、今日までの実施の経過にかんがみまして、とりあえず地籍調査事業につきまして、その促進をはかるため現行の規定を改める必要を生じましたので、ここに本法律案を提出いたした次第でございます。 すなわち、第一点は、地籍調査の実施方式についてであります。現行法におきましては、地籍調査は、地方公共団体または土地改良区等の自発的な調査にまかされているのでありますが、地籍調査の重要性にかんがみ、今後は単にかかる実施方式によるのみならず、国土の総合開発に関する施策を策定し、またはこれが実施の円滑化をはかるために、特にすみやかに地籍調査を実施する必要があると考えられる地域については、国が地方公共団体と協議の上計画を設定いたしまして、この計画に基く地籍の実施を推進いたしたいと考える次第でございます、明確にいたしたいと考えるのであります。 さらに第三点は、国有地の調査たは測量で地籍調査に類するものにつきまして、その成果が地籍調査と同様の効果を上げるようにする必要がありますので、内閣総理大臣が必要な勧告をか行い得るようにいたしたいと考えるのであります。 最後に第四点は、地籍調査の成果の取扱いについてであります。現行法におきましては、地籍調査の成果が認証されますと、その成果が登記所に送付されまして、土地台帳を訂正するように規定されているのでありますが、地籍調査は土地に関するきわめて正確な調査でございますので、この成果に基いて単に土地台帳を訂正するだけでなく、不動登記簿の訂正までも行い得るよう必要な措置をいたしまして、土地の権利関係の明確化をはかるよういたしたいと考えるのであります。 以上が国土調査法の一部に改正する法律案の趣旨でございます。何とぞよろしく御審議をお願い申し上げます。
○委員長(中山福藏君) 両案の質疑は後日に譲ることといたします。 ―――――――――――――
○委員長(中山福藏君) この場合、建築基準法の一部を改正する法律案について御質疑を願います。それでは御質疑のおありの方は順次御発言を願います。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(中山福藏君) それじゃ速記をつけて。御質疑のある方は御発言を願います。
○石井桂君 私は鬼丸さんに御質問したいことがあるのですが、この基準法の今回の改正の点は四点になってわるようです、このほかにも、施行されてもう数年になりますので、変えなきゃならぬ点がずいぶん数々多いように私は思います。そこで今回あげられた改正点は、どういう観点から拾われたものでありますか。その点をお伺いしたい。
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま石井先生からお話のように、基準法につきましては、施行後数年を経過いたしてわりますので、その後の施行状況にかんかみもまたいろいろな情勢の変化に対応いたしまして、再検討を要する面が少くございません。実は事務的にはいろいろな問題を検討いたしております、しかしながら今回提案申し上げました内容は、わずか四点でございまして、この提案事脚に対する根本的な考え方といたしましては、第一には市街地の特に中心部におきまして、耐火建築物の建築の促進に役立たせようというのがねらいの第一でございます。 第二点といたしましては、住宅の団地建設を、これも結局主として耐火建築物たる住宅を予定いたしておりまするが、この団地による総合的な設計に基く建設を容易ならしめようと申しまするのは、すでに石井先生もよく御承知のように、だんだん都市の住宅宅地の収得が困難になっておりまして、これにつきましていろいろな対策を別途講じておりまするが、その一環として団地建設を押湯ならしめるために、特に都市計画として一団地の住宅経営を決定して建設する場合におきましては、現在の風致地区の制限をある程度緩和してもいいのじゃないかというのが、ねらいの第二点に相なるのでございます。 それから第三点といたしましては、これも大都市の都心部と申しますか、特に交通繁華な地域における問題でございますが、交通上支障がないのみならず、ある程度むしろ交通の緩和に役立つ、あるいは人命その他を交通の災禍から守らせるというような趣旨をもちまして、道路の上に道路を設けるといういわば立体内なそういう通行施設を建築物として認めようという交通上の関係から考えました措置が第三点でございます。要約いたしますると、以上の三つのねらいに相なると思います。
○石井桂君 私は御説明はよくわかるのですが、それは先ほど御説明になったことをまとめたものなんです。私はその改正すべき点がすいぶんあるのに、今回この改正点を抜き出されたのはどういう理由かと、そういうことを聞きたいわけなんです。だから先ほどの御説明と同じことを繰り返されたのじゃ答えならないと思います。
○政府委員(鬼丸勝之君) 今申し上げましたことで、そのねらいを申し上げましたので、大体石井先生のお答えに対する気持も含めたつもりでございますが、結局今の耐火建築の促進なり、住宅宅地難から住宅建設を何といいますか、なるべく容易にしていく、宅地難に対処して。そういうこと、あるいは交通関係から特別な措置を認めるということが当面の緊要な繰越であろうということから、まあ当面の問題を急いで解決したいという趣旨で御礎案申し上げたのでございまして、ほかにもそれはなるべく早く解決したいという事項がたくさんございます。しかし、なお技術的にも事務的にも検討を要するというのもございましたので、今回はほかの点を見送りにいたしたような次第でございまして、この次の通常国会には、ぜひもう少し盛りだくさんな改正内容を、石井先生の御意見等も十分あらかじめ拝聴いたしました上で、一つまとめてみたいと考えておる次第でございます。
○石井桂君 この今回の改正は、緊要度に応じて重要なものから着手したというふうに了解していいわけですか。
○政府委員(鬼丸勝之君) 緊要度に応じて重要なものには違いありませんが、なおそれに付け加えましていろいろ検討した結果、成案がまとまったものということに相なろうかと思います。ほかにも重要なものがございますから。
○石井桂君 このほかに私どもいろいろ重要に考えておるのは、建築物と私道の関係だと思うのです。これはもう非常に多くの建築物が当面して非常に困っている問題なんです。御承知のように、市街地建築物法時代には建築線の制度がありました。ところが今は既存道路の道路幅を建築線のかわりにするような制度になりましたので、明確でない場合が非常に多い。そこで小さな宏を建てるにも非常に困って、この問題などは基準法の制度ができて以来困っている問題なんです。数多くの問題なんです。こういう問題がとり残されたということは、私は決してなまけているとは申し上げませんけれども、非常に残念だと思います。それから、また近来いろいろな特典な建築物が出ます。たとえばテレビ塔のようなものが出る。そうすると、これは建築物か構築物かという質問を建設省にすると、建設省から答えられない。で、建築物であれば高さの制限がありますが、構築物だとない。そういうような問題も緊要問題だと思う。で、それがきまらないうちに地方庁は、伺ったか伺わないかわからないが、方々許可している、こういう問題が数々あると思うわけです。 私は今二つだけ例を取りました。そういう問題が残されてしまったのは、研究がまだできてないからという御答弁ですが、そんならば、今田中さんが会議が始まらぬ前に資料要求せられておるような問題は、まあ建設省住宅局としては研究が済んだかしらんけれども、あるいは十分でないという心配もあるようであります。そうすると、やはりこの改正点の取扱いというものが緊急の度に応じて取られていないような気がするんですよ。で、そういう点はいかがですか、どういうふうにお考えです。
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま御指摘の建築物と私道の関係、あるいはテレビ塔が工作物として扱われておるためにまあ必要な制限からはずれておるというような問題、これはいずれも私どもも部内で検討いたしております。仰せのようにこの二つだけにとどまらず、なおほかにも根本的な建築物の高さの問題でありまするとか、あるいは建蔽率の問題でありますとか、あるいはそういう制限の維持、保守と申しますか、そういう問題でありますとか、いろいろございますので、まあ私といたしまして、そういう問題が決して今回提案された内容に比べて緊要でないとは考えておりません。しかしながら先ほど申し上げましたように、なお検討すべき余地があるものでございますから、今回は以上提案申し上げましたような内容につきましては、成案を得たのと、それぞれ他の住宅政策なりあるいは建築政策に相呼応いたしまして、一つ緊急に提案いたしたい、こういうような次第でございます。
○石井桂君 それではその点は了承いたしましたが、今回の改正の第一点にあげられておりまする道路内に許される建築物について新たに政令で定めるようになっております。そこで政令で定められるような建築物の案がありましたらお示しを願いたいと存じます。 それからなお実際にこの法案で、第一点を規定しなければならなかった例はどういう例がありますか、まあこういう点が漏れているということで漫然と盛られたのか、あるいは大体いろんな具体例を予想されましてですね、これがなければ非常に困るんだということて改正なさるんですか、その点を一つお答え願いたいと思います。
○政府委員(鬼丸勝之君) お尋ねのうちまず第一に、政令で定める建築物と申しますのは、どういうものを考えておるかということでございまするが、これは現在は先ほど申し上げましたように、公益上必要なものが頭から除外されておりますが、このほかにも公益性がある程度あるものにつきましては考えていいんじゃないかというのが立法の出発点に相なったのでございます。そこで私どもといたしましては、政令では道路の上空に設けられる――言葉はちょっとなまでございますが、設けられる通路というふうに限りたいと思います。通路でありますると、ある程度の公益性という点から通路に限って参りたいというわけでございまして、ただ通路と申しますだけでは、公益性の点がはっきりいたしませんから、通路もさらにしぼって参りまして、大まかに分けますと、三通り考えております。一つは、学校や病院等の建築物に設ける通路でありまして、児童とか生徒、患者等の危険防止のために必要なものと、もう一つは多数人が通行するもの、あるいは多量の物品を運ぶ工場のような場合を考えておりますが、そういうもので道路の交通の緩和に寄与するもの、第三といたしましては、建築物に設ける避難通路として必要と認められるものと、こういうふうに考えて、ある程度の公益性のある通路というふうに限定して参りたいと考えております。 これはまあ政令の内容でございまするが、次にお尋ねの第二点で、どういういきさつ――いきさつと申しますか、考え方か、あるいは何か具体的な要望なり、必要性からこの立案を考えたかという点でございまするが、一、二こういう趣旨のこの通りのものではありませんが、建築物と建築物をつなぐ通路のようなものを認めてもらいたいという具体的な要望は確かにございました。それからその後、先ほどちょっと申し上げましたように、この四十四条ただし響きの規定をいろいろ検討いたしました結果、特に道路交通の緩和にある程度役立つようなものは、必ずしも公益上必要なものに限らずに、ある程度認めていったらどうかということを私どもといたしましては事務的に考えるようになりまして、そこでただいまのような案を立案したのでございまするが、この案が大体まとまった後におきましては、東京、大阪等では、まあ東京では二、三カ所でありますが、大阪では数カ所、こういう施設をしたいという要望はあるように聞いております。
○石井桂君 実は私四、五年前の話ですが、まだ官界におりましたときですが、道路をはさんである学校がありまして、そうして生徒が道路を越えて向うの校舎へ行くたびに非常に災害を起すというのが都の大田区の学校にあったのです。そのときに学校としては、両校舎をつなぎまして、上空に渡る廊下を無断で作ってし立ったのですね。その当時は明らかにこの法令の違反でありますので、私がこれを取らしたことがあった。実際はぜひ置いて生徒の災害を防ぐべきはずだと思うのですが、法令に明らかに違反したので、自分のつまり気持と反して忠実にこれを取らした例がある。その結果私はつまり行政官としては適当でないという烙印を押されたことがある。で、そういう場合に私は活用されればいいのじゃないかというので、何か具体的な例があがるだろうと思って今御質問したのです。だけれども、鬼丸さんのお答えは、やや抽象的でありますので、私は一ぺん聞いただけでは忘れますから、それは書類にして一つお出し願いたいのです。今おしゃべりになったことをね。そうして私どもも審議のしっかりした資料にしたいと存じます。 それでは、大体一の問題はそのくらいにしまして、第三の問題で、準防火地域内にある建築物の建築面積の割合を従来は七割まででございました。ところが今回は八割までという標準に上げられたのです。上げられたことは私ども非常に時勢に合っていると思いますが、これをさらに九割まで上げろということも一つの要望だと思うのですが、そういう点はお考えになりませんでしたかどうですか、その辺を一つ……。
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま御指摘のような、今回の準防火地域内の建蔽率を耐火建築物につきまして緩和するということを検討いたしました際、まあ九割まで考えたらどうかということも建設省といたしましては一応検討いたしたのでございます。が、やはりこの際は九割と申しますると、もう石井先生は御承知のようにまず百パーセントに近いことになりますが、この際は準防火地域でございますから、一つ一割を上げていったらどうかということで、政府といたしましては八割という線に落ちついたのでございます。
○委員長(中山福藏君) ちょっと申し上げますが、建築指導課長も来ておられますので、その方も御質疑願います。
○石井桂君 八割、九割という点は、私は大して科学的根拠がないと思うのですよ。そこでまあ従来からもそうでありましたが、三十年前にきめた標準を何ら科学的に研究しないで踏襲しているというのは、ほかの科学技術に比べではなはだ進歩がないと思うのですがね。で、いろいろな町の条件もだんだん科学的に進んで行きますしね、従来は非常にまずいという条件のもとにあった町もだんだんよくなるという場合には、相当な私は飛躍した考えも採用していいのじゃないかと思うのです。そういう点は何らなされないで、従来八割が一番上だから八割までということで、イージー・ゴーイングにいわれたきらいがどうも私には感じられるが、その点はどうですか。
○政府委員(鬼丸勝之君) 確かにお話のように、もっと科学的に精密な検討を加えて、思い切った改正をしたらどうかという御意見は私も同感でございます。ただ先ほど申し上げましたように、他のいろいろな問題を含めまして、あるいはことに都市計画関係等におきましてもいろいろな問題がございますので、そういうものとの関連も十分考えまして、今後一つ、しっかり科学的な検討を加えまして、大幅な改正を考えたいと思っておりまするが、今回はまあ先生御承知のように、各方面の意向は十分お伺いいたしました。まあ基準法の改正もやはり関係各方面の意向を十分承わった上下考えなければなりませんし、私どもだけの力でそう思い切って企図するというわけにも参りません。今回はこの程度で改正をするということでまあ落ちついたような事情でございます。一つ御了承を願います。
○石井桂君 ただいまの問題に関連して、第四点の空地地区における中高層の住宅建設に関する規定の改正があるようでございます。この空地地区は用途地域制と並んで容積地域制としてこの法律の重要な私は規定だと存じます。従って空地地区のあるということは大切なことでありますので、尊重しなければいけないのですが、従来ややともすると空地地区は何ら政府の補償がなくて、土地を持っている人、借りている人に制限だけ与えてしまって、何ら救済する方法がない。そこでややともすると繁華地域は空地地区の規定はもう守られない、だから現在のちょうどやみ米のような状態なんですね。公然と違反してしまうということで。むしろ現在繁華地域の回りにある空地地区というものは規定が守られてない傾向にある。そういうことでその一部が私はこういう中高層の住宅街に利用される場合に、その特例を設けられることはまことに時宜を得たものであると思いますが、同時に空地地区の運営がうまくいかない、もうすでに空地地区の目的を達成することができなくなった地区が非常に数多いだろうと思います。そこでそういうものの検討はあわせてしていただけば私は非常に幸いだったと思うのです。たとえば東京を例にとって御研究になったかどうか、まあ住宅建設が大切だ、敷地が足りない、そこでその部分だけ一つちょっと葉っぱを虫が食べるように穴をあけて、そこだけは援助するということであると、全体的の空地地区に対する見方がどうかと思います。それからまた将来とも空地地区にできないような、というのはおかしいのですが、守られていかれないように明らかに現状が進んでいる所は、いたずらに地図の上で空地地区と塗っておっても、これはただひとりよがりに終っておる、だからそういう検討もあわせてなさっているかどうか、この法案を出されるについて御検討なすったかどうかということです。それをお聞きしたいわけです、
○政府委員(鬼丸勝之君) 現在空地地区の指定をいたしており出すのは、東京都を初めおもな県、一道八県ぐらいですか、そこに二十一カ所、個所としては指定しております。これは実は具体的には計画局の方から申し上げた方が適切かと思いますので、私も詳細な資料をここに持ち合せておりませんが、近年御指摘のように急速に市街地化した所、もちろん違反のケースも含めまして市街地化した所とか、あるいは電車の駅などが設けられまして、その周辺が市街地化する傾向があるような所、こういう所はある程度空地地区の種別を変更いたしましたりして実は緩和しておるようであります。ただ今後は御承知のような空地地区の本来の目的からいたしまして、空地地区の指定をはずしたり、大幅に緩和するということはなるべく避けたいという計画局の希望もありまして、かたがたこういう特殊な団地経営の住宅につきましても緩和していきたい。かように考えておりますから、今後はそうむやみにやみと申しますか、そういうようなことではずしていくということはなかろうかと思っております。
○石井桂君 その空地地区で、しかも繁華街に近い空地地区の取扱いは、この次に計画局長にお伺いすることといたしますが、将来ともそういうはずすことは考えないのだというお答えは、ちょっと私には聞えませんという感じなんですがね。つまり大きな面積に厳重な規定をされて、そうして非常に国民の私権の抑制をしておるわけです。このことは法律が出ませんときからわかっておることですけれども、しかし一文も政府で補償を考えないで、広い面積に厳重な建築制限をするわけですね。そういう場合にやむを得ず繁華な町の近所にどんどん家が建てられてしまう、これは違反ですから取り締れといえば取り締るのです。しかしお米のやみみたいに現状では公定価格よりも一升について十円高いくらいのもので、従って公然と売り買いされておる。そういう状況が多少兄受けられるのじゃないか、こう思うのです。そういうところはやはり十分御検討にならなければいかぬと思うのです。で、私はそれを再び計画局長に御質問しますから、保留しまして、最後に第三の改正点。これはいろいろな民間の防火地区の中の木造建築物を中商層に変えていくということで、そのために必要なバラックを道路の上に作ることを許したり、あるいはバラックを作ることを許す特例ですから、非常に時宜を得た改正だと思いますが、このバラックをビルができるまで瞬いて、あとできれいに取って下さればいいのですが、多くの場合には三カ月くらい置いてくれとか、六カ月くらい置いてくれとかいうて、だらだら置いてしまって、バラックが残るという傾向が従来からの関係を見るとあり得るのですね。そういう場合に対処する法律あるいは規定の用意がありますか、どうですか。
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま御指摘の仮設店舖等をバラックとして道路上あるいは防火地域等に認める趣旨は先ほど申し上げました通りでありますが、御懸念の必要な工事期間中だけにとどまらないで居すわるものに対する処置はどうかという点でございますが、これは厳重に取り締って参りたいと思います、御承知のように建築基準法の上からも除却命令も出し得る道がありますので、厳重な決意をもって厳重に取り締って参りたい、なお道路法上もちろん占用の許可になりますから、この際道路法の施行令に必要な改正を加えまして、この面からも、これは占用許可をする場合に、むしろ交通上の支障という点からチェックするということでございますが、もちろん占用には御承知のように期間も明記されておりますから、この道路法上の占用という面からも取り締って参る、こういうふうに考えております。
○石井桂君 私が今御質問した趣旨は、自分の三十年間の長い経験に徴しまして、人のうちをこわすということは容易なるわざではないのです。私がこの三十年の間に人のうちを強権を発動してこわしたのは二へんしかない。それも半年くらいかかりまして、そうして十分の用意をして納得させた上でこわした例なんですが、で、鬼丸さんの御説明によると、非常に自信をお持ちのようですが、その自信は一にかかって出先機関の決意にあると思うのです。そこで出先機関に費用が別意され、決心が十分でないと、なかなかそう鬼丸さんの言われた御返事のようには簡単にいかない、そういう私は苦い経験を持っておるわけです。何しろこの法案をお出しになって、そういう不都合ような場合は前の規定で一つ心がまえをしっかりして片づけると、こういうわけですか、前にもすでに規定がある、その規定を運用してですね。
○政府委員(鬼丸勝之君) 現在建築基準法の法律の上の規定におきましては、違反建築物に対する措置といたしましては、必要にして十分な規定ではないかと思います。それから道路法上も、施行令に許可基準等の具体的な内容を規定する必要がありますけれども、やはり違反に対する措置は道路法上もございますから、これを運用してやれば、法律の制度といたしましては十分だろうと思いますが、お話のように運用の面におきましては、相当の困難を伴う場合も予想されますけれども、まあ今回の改正規定によりますケースは、まずその仮設店舖等を認める場合十分審査いたしまして、ほんとうに建てかえる従来の建物で営業しておったものにしっかり限定するように、それが他人に営業権を譲り渡すとか貸すとかいうようなことをしないように、建てかえる建物の、従来その建物で仕事をしておったものに限定いたして認めようと思っておりますから、まあお話のようなケースはそうむやみには出てこないのではなかろうかと思っております、なお地方庁、特定行政庁に対しては、お話の趣旨を十分体しまして、指導監督の上に十分注意して参りたいと考えております。
○石井桂君 もう一つ。今の高層ビルを建てるためにバラックを道路内に建てる、その場合にのみ許すわけですね。そうするとたとえば昭和通りのように広い道路がある。そうすると緑地帯があそこにあります。あそこに家を建てるという場合が例になると思うのです。そうすると十軒なら十軒の家を建てますと、ビルを建てない人がその隣に建てる、はやり病のように建てます。そうすると、お前はビルを建てていないからこわせと言っても、隣も建てているじゃないか、地所がないからおれも隣がこわすまで置いてくれ、その安全上、防火上いろいろな必要条件は同じだと、ただビルを建てる建てないだけの違いだと言われますと、なかなか理屈は合ってもうまくいかない場合があるだろう。そういう意味でこういう道を開いたということは非常にいいことですけれども、あわせて今度法の取締りが何といいますか、がっちりできない心配があるわけですよ。そういうものは勇敢に、事情をお聞きになって、向うに非があれば勇敢に除却命令を出されて片づけられますか。
○政府委員(鬼丸勝之君) お話のような建てかえする営業者でないものが隣に建るというような場合もままあり得ると思いますが、しかしながら、これはそういう場合、まあこれも今後よく検討したいと思いますが、一般の市民によくあらかじめわかってもらえるような標識、表示等をいたしまして、ここに特に認められているのは建てかえのために一時仮営業をするあれだというようなことをよく周知させまして、そういう場所に勝手に建築をした者は厳罰にするという趣旨で一つ思い切って撤去命令も出す覚悟で運用に当りたいと考えております。
○委員長(中山福藏君) ほかに御質問おありの方はありせんか。
○田中一君 鬼丸さんにお願いしておきますが、四十四条のただし書きを取ってしまったあとの道路行政の基本的な態度というものを、道路局長、道路局部内の検討を経た考え方並びに省議で決定されたものを参考資料としてお出し願いたいと思うのです。御承知のようにどうも道路の問題を建築基準法ではずすということになるのは当を得ない問題なんです。結局道路法の中にこの四十四条のただし書きみたいなものがあるならば、これはまた一応道路法の改正にくるはずなんですが、道路法にはなくて建築基準法にあるということじゃ困ると思います。従ってむろん野放図もなくこのただし書きを取ってしまったあとに、そのまま放置されるものでもなかろうと思うのです。また住宅局の方で考えられるものと道路局で考えられるものとは同じであるかどうかも私は詳細わかりませんから、その資料をお出し願いたいと思うのです。もし資料がなければ局長から、政府委員から態度を明らかにしてほしい、この委員会で。そのあとの質疑は後日に譲ります。
○政府委員(鬼丸勝之君) 実は道路局とはいろいろ打ち合せしておりまして、基本的には意見も完全に一致いたしております、それから施行令等の所要の改正につきましては、これも構想はまとまっております。ただ具体的な内容がまだはっきりしない点はあります。これ以上私が申し上げましても田中先生は御信用にならぬ……ちょうど道路局長が見えましたから、あとは道路局長さんに一つよろしくお願いいたします。
○田中一君 今住宅局長に資料の要求をしておきましたから、お聞きとり願いまして、省議をおきめの上次回に御答弁を願いたいと思います。
○斎藤昇君 ちょっとこの字句の解釈をお伺いしておきたいと思いますが、四十四条のただし書きの改正の点でございますが、「特定行政庁が安全上、防火著しくは衛生上他の建築物の利便を妨げ、」とありますが、他の建築物の利便を妨げるのは安全上、防火上、衛生上だけでございますか。どういう意味で「他の建築物の利便を妨げ」という上に安全上、防火上、衛生上という字句でしぼられているのか。他の建築物の利便を妨げるものならばすべていけないような感じがいたしますが、その利便を妨げるものでも、安全上、防火上、衛生上妨げるものはいけないのだということはどういう趣旨ですか。
○政府委員(鬼丸勝之君) ただいま御指摘のように、「他の建築物の利便を妨げ」に「安全上、防火上若しくは衛生上」をかぶせて解釈すべきものと考えますが、特にこういうふうにかぶせましたのは、単に「他の建築物の利便を妨げ、」といいますと、いろいろな主観的な事情等が問題になりまして、事実上これで差しつかえないと認められるケースが非常に少くなると申しますか、考えられなくなるようなおそれがありますので、安全上、防火上、衛生上利便を妨げるということがなければという意味におきまして、こういう規定にいたしたのでございます。
○斎藤昇君 それではこれ以外の見地からは、他の建築物の利便が妨げられてもかまわない、そういうわけですね。
○政府委員(鬼丸勝之君) 理論的にはそういうことでございますが、なお「その他周囲の環境を帯するおそれ」等も十分検討いたしまして、許可に当りましては運用いたしたいと考えております。
○委員長(中山福藏君) 斎藤君よろしゅうございますか。
○斎藤昇君 ええ、字句の解釈だけですからよろしゅうございます。
○西田信一君 鬼丸さんにちょっとだけお聞きしますが、今度商業地域内の準防火地域の建物について敷地面積の八割まで建築できる。建築西横というのはこれはもちろん柱の心ぺを指すのだろうと思いますが、そうしますと、実際に二割残るわけだと思います、二割より減ると思いますが、実際には建築の専門の立場からいって一例何分ということになると思いますが、それはどの程度になりますか。
○説明員(小宮賢一君) ただいまの実際問題として何割ぐらいになるかということでございますが、これは建物の大きさによりまして若干変りますので、一がいに申し上げられませんが、大体八割ぎりぎりに建てました場合に、実際の建物の外回りではかりました面積と敷地面積との割合は、九割ぐらいにたるのが通常ではないかと思います。 ―――――――――――――
○委員長(中山福藏君) それではこの際皆様方にお諮りいたします。連合会に関する件でありますが、本院規則第三十六条に基き、高速自動車国道法案について運輸委員会と連合審査会を開会することに御異議ございませんか。これはこの前に申し出があったものでございますが、この際皆様方にお諮りいたす次第であります。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 つきましては、連合審査会の開催日時等については、運輸委員長と協議して決定したいと思いますので、この点委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認め、さよう取り計らうことといたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後二時四十二分散会