建設委員会 第13号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/03/14
会議録
○委員長(中山福藏君) ただいまから委員会を開会いたします。 この際、前回にたな上げとなっております国土開発縦貫自動車道建設法案の審議は、いま一度都合によりまして、審議を繰り延べたいと存じます。 なお特定多目的ダム建設工事特別会計法案、国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法案及び国有財産特殊整理資金特別会計法案につきましては、大蔵・建設連合審査会を開くことといたしてありましたが、大蔵委員長と協議の結果、来たる十八日月曜日午後一時開会することにいたしました。 —————————————
○委員長(中山福藏君) 次に委員変更の件を御報告申し上げます。 三月十三日坂本昭君が辞任せられ、その補欠として藤原道子君が指名され、また本日藤原道子君が辞任され、補欠として坂本昭君が指名せられました。 —————————————
○委員長(中山福藏君) つきましては、昭和三十二年度建設省関係予算に関する件を議題に供します。本日は計画局、土木研究所及び住宅局所管の分について御質疑をお願いすることにいたしたいと存じます。計画局関係の分について御質疑をお願い申し上げます。
○田中一君 その前に、この月曜日に大蔵委員会と連合審査する案件のうちですね、こちらにかかっているものはこれであって、こっちが受身の場合、それから向うにかかっている場合、こっちが合同審査を申し込んだというものの分類を、調査室長にその内容の大綱をちょっとここで御説明願う方がいいと思うのです。
○委員長(中山福藏君) ちょっと速記をとめて。 [速記中止〕
○委員長(中山福藏君) 速記を始めて。 御質疑のある方は御発言を願います。
○石井桂君 都市整備事業費補助という項目が昨年よりも約倍くらいになっております。それは普通の区画整理の補助ですか。計画局長御説明を願います。
○政府委員(町田稔君) ただいまお尋ねのございました都市計画事業費のうちで、都市施設整備事業費の補助は街路と公園の事業費になっておりまして、今回特に街路事業費が大幅にふえましたので、都市整備事業費もそれに伴いまして、昨年と比べると非常に増額いたしておるということになります。
○石井桂君 そういたしますと、大きな都市の区画整理というのは非常におくれておりまして、中途半端でやりっ放しになっておる区画整理がずいぶん多いのです。それはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(町田稔君) 現在大都市で行なっております区画整理事業は、戦災復興事業として実施をいたしておるのでございまして、戦災復興事業も三十二年度と三十三年度をもって終了いたすことになっておりまして、大体今後の残額の二分の一が今年度の事業費の中に含まれております。これは都市復興事業費補助の中の戦災復興事業費として含まれておりまして、これによりまして、ただいま御指摘のございましたような区画整理事業を続けて実施して参りたい、こういうふうに考えております。
○石井桂君 私は、その都市計画事業の中で、ことに区画整理事業が熱心に施行されねばならないと思っておる一人なんですが、ところがこれは東京を例にとりますと、戦災後計画された五千万坪——たしか五千万坪だと思います。その事業が第一回に半分くらいになり、第二回に千五百万坪になり、今回が五百万坪になっておる。そういうふうにして毎年戦災の復興をしないにもかかわらず、事業はどんどん小さくなって、結局しないことになってしまうのですね。しかもその事業はしなくてもいいのかといえば、どうして絶対にしなきゃ困るというような事業なんです。その模様を見ますと、どうも建設省の計画局が一番大事な都市の改造、すなわち区画整理、そういうことに非常に熱意が欠けているように思います。で、おそらく地方庁がやらないということは補助費がつかないということだろうと思うのですよ。従って、東京に例をとれば、いつも言う話なんですが、新宿の次の中野だとか杉並だとか高円寺だとか、あの沿線でどんどん家が建つ所がちっとも改善されないで、まあ消防ポンプなど一つも入らないのだな。そういう所が全部木造なんです。火災でも起きたらこれはまあえらいことになるだろう。で、こういうことをもう毎回私は発言しているのだが、毎回あなたは必ず一つ努力しますと言うておるのだが、一つも実効が上っていない。そのいきさつはどういうことになっておりますか。
○政府委員(町田稔君) 戦災復興事業につきましては、ただいま石井委員の御指摘の通りに、当初計画いたしました戦災復興対象地区と比べますというと、何回かの改訂によりまして、非常に面積が減ってきております。これは国の財政上の都合等もございまして、当初計画いたしました面積を戦災復興事業の対象にいたしますと、非常に長くかからなければその完遂を期し得ないというので、現実の財政とのにらみ合せにおきまして減じましたのでございますが、事実対象外になりました地域につきましても、今後整備をしていかなければならない所が非常にたくさんございます。それで、戦災復興の事業としては、実施をいたすことを一応除外いたしました地域につきましても、他の都市改造等の事業として引き続き実施をいたしたいと思いまして、昨年から都市改造という予算をお認めいただいておるのでございまして、今回の予算におきましても、三十二年度から従来の都市改造に引き続きまして、たとえば東京都におきましては、五反田地区も戦災復興地区以外になっておりましたが、都市改造としてこれを実施するというように計上いたしておる次第でございます。ただ、ただいまお話のございましたように、整備をしなければならない所と比べますというと、取り上げました個所が非常に少いのでございますが、逐次これは今後も努力を続けまして、幅を広げて参りたいと思います。 なお、実は区画整理につきましては、古くから実施をいたしておりますが、区画整理によりまして土地の価格が上りますので、御承知のように区画整理法では、区画整理は保留地をとりまして、事業主体が保留地を売ることによって事業費をまかなえるという建前になっております。従いまして、国費をこれに取りますことがなかなか困難でございます。事業主体が自分で、自まかないでやれということに古くからなっております。ただ戦災復興事業を契機といたしまして、都市改造等の費用が認められたということは一つの実は進歩である、こういうように考えております。
○石井桂君 都市改造費というのは、しからば今年度どのくらい取れているのですか。
○政府委員(町田稔君) 今年度は五億五百万でございまして、三十一年度の一億三千万に比べますと、実は倍以上の増額に率としてはなっております。
○石井桂君 そのうちで六大都市はどのくらいになっておりますか。たとえば東京、大阪、京都。今すぐわかりませんでしたらは、あとから資料を出していただきたい。
○政府委員(町田稔君) 都市改造は、全国で四カ所事業をいたすことになっておりまして、東京都が二カ所でございます。五反田と八重洲口の例の区画整理、それからこの中には、他に第二阪神国道を作りますための区画整理、それからもう一カ所福岡の博多駅の近所が非常に街区が整備いたしておりませんので、ここの区画整理をいたすことになっております。
○石井桂君 その問題はそれで了承いたしました。 ついでに、戦災を受けてすでに十数年になりますが、戦災後各都市では都市計画の施設をいろいろ直後に決定されております。それで、たとえば用途地域とか、あるいは街路計画とか、その他の施設が全部直後に決定されております。その後小変更はあったように私も承知しておりますが、抜本的な再検討が行われていないというふうに私は承知しているのです。そこで、そういうものを検討する今もう時期になっていると思うのです。たとえば、用途地域を例にとりますと、単に行政区域で境をされているような場所、埼玉県と東京都の境みたいなところ。ところが、埼玉県の方は工業地域になってどんどん工場が建つ、東京の方は地物も何もないのに緑地地域というのでたんぼになって、たんぼを強制している。そこに川だとか大きな道路だとかあればいいのですが、もうそういうことで、これは埼玉県の川口がその例ですが、川口と東京の境のごときは、川口は工業地域でもうほとんど空地のないまで立て込んでいる。架空の線の行政区画を境に、こちらは緑地地域でもう一割しか建てられないわけですから、ほとんどたんぼなんです。そういうような場所を一例ですが、あげて見て、方々にそういうところができておると思うのです。そういう例や、またこの前にも質問しましたように、街路計画が一ぺん大きく網の目のようにこまかく入れられたのです。ところが、単なるそれは計画で、事業費がつかないために、十数年というものはほうってあるわけですよ。そうすると、そこのところは将来拡幅することにはなっているけれども、いつ拡幅するかわからない。本建築をしようと思うと、それはいけないと言われる。バラックを改策しようと思うと、たいがい防火地域で、それもいけないと言われる。もう家は十数年たって、そろそろ腐朽しかけておる。修繕すればいいでしょうが、もう修繕では間に合わない。そういうことになって、何らか再検討をこの街路網なり用途地域にしないと、もう国民はどうしてよいかわからなくなっちゃうと思うのです。こういう時期になっているのですが、計画局長はそういう事情を御存じですか。また、それに対してどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(町田稔君) 用途地域の変更の問題でございますが、これは従来も用途地域をきめました後に、かなりひんぱんに地区の小修正はいたして参っております。ただ、ただいまも御指摘のございましたように、現在でもなお周囲の事情等が変更が著るしい地域につきましては、従来定めました用途地域が意味を失ったり、不適当であったりするところもございますので、そういうところにつきましては、今後も引続き検討いたしまして、必要な修正はいたして参りたいと、こういうふうに考えております。 それから、ただいま計画としてきまっております街路網で、非常に実情に沿わないために、むしろ建築等のじゃまになっておるというところが、これは御指摘のようにございます。それで東京におきましては、それらを実情に即しまして改めますために、現在各種の必要な準備をいたしております。ただ、街路網は他の幹線とのつながりその他がございまして、一部分的に直すわけに参りません。全体の計画を立てまして、それに合わせるように直していく必要がございます。多少の日時がかかると思いますが、現在せっかく努力中でございます。
○石井桂君 今の御答弁で私は了承いたしますが、今までの用途地域なり街路網の一部を直す経過を見ますと、非常に工合が悪いという場所を、その地元の人が非常に困って、個所別に虫が食ったようにところどころ摘出して、それを当局に訴える。当局は、都市計画審議会にかけてその部分だけ訂正すると、こういうことで、全体的に都市計画として見た再検討というものは何らなされている形跡が私はないと思う。これは私は、建設省としても、地方庁としても、非常にその事務を管掌しておる御当局が少し怠慢だと思うのです。それはもっと積極的にそういうことを全体的に再検討し改善していくことこそ、お仕事の本質だと思うのですよ。それをまあ民間の困ったやむにやまれず要求した声のみを聞いて、少しずつ片っ端から直していくのじゃ、ほんとうに百年河清を待つということになる。私は、都市計画なんというものは、指導性がなければ意味がないと思うのですよ。都市をこう改造するのだという指導精神が現われておらなければ意味がないと思う。それがいささか私は欠けておるように思う。そういうものに対して積極的にこれから……。今短日月ではできないとおっしゃった。ごもっともです、用意がなければなかなかできませんから。しかし、もう何度も言われた問題、何度も取り上げられた問題ですから、この際局長は腹をきめて、そうして十年に一ぺんくらいはこれは再検討しなければ、私はおくれてしまうと思うのです。かえってできた都市計画は旧式になってしまうと思うのですよ。そういう点をよくお考えになっていただきたいと思う。それに対するお考えはどうですか。
○政府委員(町田稔君) ただいま石井委員のおっしゃいましたことは、都市計画の大先輩としての御意見でございまして、私たち全くそのように考えておりまして、それで一たんきめました計画を、その局部的な理由だけで切りかえて参りますと、権利制限等も伴いまして、いろいろ不都合が生じますので、今後は十分一つ根本的な検討をいたしまして、それに基いて必要な是正を加えていくというようにいたしたいと思います。御趣旨に沿った努力をいたして参りたいと思います。
○委員長(中山福藏君) ちょっと委員長からお尋ねしますが、この都市計画は、そういうふうな計画に関して、気象関係というものは考慮の中に入れてありますか、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。たとえば、もう少しわかりやすく言うと、ソ連のある部分では、風の吹き工合とかいうものを一年ぐらいの統計をとって、どういうところに工場を建てると保健衛生の上に被害があるとかいうようなことまで研究して、気象関係というものは非常に重きを置いているように聞いておりますが、そういうことは考慮のうちに入れて御計画になっておりますか。ちょっとお尋ねしておきたい。
○政府委員(町田稔君) 気象関係も、都市計画をいたします際には、一つの考慮の中にもちろん考えておりますが、特に都市計画が大きく動きますのは、火災なんかのありました際に、火災復興をいたします際等は、非常に大規模な都市計画を実施し得る一つの機会でございまして、そういう際には、特に気象関係等を考慮いたしまして、たとえば風向き、常にその地方でどうい風向きが多いというようなことを考えまして、計画をいたしております。しかし従来考えておりました気象条件等の考慮が十分であったとは、私たちも決して思いませんので、今後もそういう点につきましては、なお一そうの考慮を払って参るようにしたいと思っております。
○委員長(中山福藏君) 私の調べたところでは、建設省の計画当局は気象関係というものは全然今日まで等閑視しておられるということで、何らの資料がないと、こう私は考えるのですが、どうですかその点は。
○政府委員(町田稔君) 現在都市計画をこちらで立てます際には、気象関係の資料もとっております。しかし、それらの資料が実際の計画に当って非常に具体的に十分考慮されておるという点については、なお自信を持って申し上げかねる点もございますので、今後は、より一そうそういう点にも注意を払って参るというようにいたしたいと思います。
○委員長(中山福藏君) 私お願いしておきたいのでございますが、加工業をこれから主体として輸出物の増大を期せなければならぬ日本においては、一カ年の気象の統計をとるということは、この工業地帯設置のためには絶対要件だと私は見ておるのです。そういう点を御考慮にならなければ、いたずらに、何と申しますかね、無謀な都市計画をおやりになっても、文化都市としての価値はない、こういうふうに私は考えるのです。 そこで、もう一つお尋ねしておきたいのですが、ただいま石井委員の御質問も首肯に値する点が多々あると私は思うのです。この都市計画、ことに計画局長の御任務は、独創力というものが相当働かなければ、時勢に相応した都市計画はできぬと私は見ております。それで、たとえば大阪市を例にとりますというと、今日の大阪の都市計画は、豊臣秀吉の都市計画を一歩も前進していない。その土地を掘り返したり盛り返したりしているだけの都市計画なんです。だから、非常に膨大な買収費がかかるわけです。大阪の豊臣秀吉の都市計画は、むしろあのまま放置しておいて、東の方に伸びて生駒山までの間、三里くらいの間に大都市を建設するというところに思いをいたさなければ、私は計画の進展性はないと、こう見ているのです。五分の一くらいの費用でこれは足ると思うのです。だから、敗戦後今日十二、三年を経ておりますときに、もう一ぺん再検討せよという石井氏のおっしゃることは、まことに私は適切な御質問だと思うのですが、時間がたてばたつほど非常に買収価格は高くなる、そういうことをお考えになって、できるだけ早くりっぱな都市計画をおやになり、家屋稠密の程度とか、地勢とか、土地家屋の買収価格とか、交通の便、不便とか、だから従来の地勢の関係上、神戸のようなところは移動性がまことに乏しいと思いますけれども、広漠たる、たとえば名古屋のようなところでは、考えようによっては、いかようにも都市計画はできる。だから、そういうことを一つよく御吟味、お考えになって、議を尽して、できるだけ時間的に早く、独創的な都市計画をやっていただきたい、こう思うのですが、そういう点についてのお考えいかがでしょう。
○政府委員(町田稔君) ただいま委員長の御意見、全くごもっともでございまして、都市計画をいたしますのには、かなり独創的に思い切った構想が基礎になければならないと思います。ただ、日本におきましては、都市計画の大部分が、やはり既成都市の改造ということが中心になって参っておりますので、既成都市をだんだん理想的に変えて参りますためには、かなりの日時と、それから事業費が要るわけでございます。その点におきまして、諸外国とは変った意味の非常な困難があるわけでございます。それで、既成都市をむしろ力を入れるよりも、新しい地域に新市街地を作ったらどうかという考え方も、ただいまのお説の通り考えられるわけでございますが、これも市街地を作りました場合には、そこに産業等も誘致せられまして、一つの都市として生きて参りますためのいろいろの条件が備わらなければならないのでございまして、これは単に都市計画だけでよくするところではないわけでございます。ただ、これらの考えの一端でも実現いたしたいと思いまして、例の住宅公団ができました際に、住宅公団の使命といたしまして、新しい宅地の造成ということ、新市街地の造成のために新しい宅地の造成ということが、あの事業の中に入ったわけでございまして、今後も住宅公団等の業務を通じまして、一歩々々、一応小規模ながらも新市街地の造成に努力をいたして参りたい、こういうふうに考えております。今委員長のお話のありましたような方向に今後も努力をいたして参りたいと思います。
○西田信一君 都市計画事業費が三十二年度の予算では相当に前年より増額されているのでありますが、六十三億余になっているようでありますが、これらの事業の財源ですね、これは一般財源と、それから揮発油に依存するものが相当あるように思われますが、これがどんな数字になっているか、どんな割合になっておりますか、数字をお示し願います。
○政府委員(町田稔君) 都市計画事業費のうち、大部分が街路と関係する事業でございますので、揮発油税を充当いたしております額が七十二億二千六百万円でございます。この関係では、三十一年度と比べまして、二十五億八千五百万円の増額に揮発油税関係でなっているわけであります。
○西田信一君 それでは重ねてお尋ねしてますが、その七十二億二千六百万円の揮発油税に依存している事業の種類の内容をちょっと伺いたい。
○政府委員(町田稔君) 揮発油税関係で実施いたしております事業は、街路が四十二億一千二百万円でございます。それから戦災復興が二十一億三千四百万円、それから港湾地帯の整備事業というのがございまして、これが一億でございます。それから接収解除地の整備事業が八千七百万円、それから先刻申し上げました都市改造が五億五百万円、火災復興が一億一千八百万円、それから再建団体の補助率の差額が七千万円ございます。以上で七十二億二千六百万円になるわけでございます。
○西田信一君 先ほどお話のございました七十二億二千六百万円が揮発油税に依存しておる。一般会計に依存するのはどうなりますか、一般会計を財源としておるものは、数字が違わないかと思うのです。
○政府委員(町田稔君) 一般会計に属しますのは、今計算いたしますから……。
○西田信一君 ただいまの内容を伺いますと、街路以外に戦災復興あるいは港湾、接収解除、あるいは火災関係というようなものが揮発油税に財源を求めているようでございますが、これらの揮発油税に財源を求めるその理由といいますか、根拠、これをお伺いしたい。
○政府委員(町田稔君) ただいま戦災復興、港湾地帯、接収解除等申し上げましたが、これは戦災復興地区における街路事業、それから湾港地帯における街路事業、それから接収解除地帯における街路事業というように、各地区における街路事業の費用に充てておるのでございます。ガソリン税を使いますものは全部こういう意味におきまして、道路事業費になるわけであります。
○西田信一君 街路に関係がある事業ということでございますが、そこで揮発油税を今度大幅に増税されることは御承知の通りでありますが、これはあくまでも今わが国の道路整備を飛躍的に推進しようという大きなねらいがあるわけであります。そこでこのような都市計画事業ももちろん大事でありますが、これが揮発油税を財源といたします場合において、これはどうしてもただいま御説明のありましたような費目に充当いたします場合には、使い方が片寄る、片寄るといいますか、結局その負担とそれからこの実際の支出との間にアンバランスになりやせぬかというような懸念があるように思われるのですが、そういう懸念はないのかどうか。
○政府委員(町田稔君) この計画局でガソリン税を使います事業につきましても、国といたしましての道路整備計画の一環の中に織り込まれておるわけでございまして、道路整備計画の精神に従ってやっております。ただ街路と申しますのは、都市内の道路のうちで特に都市計画上必要なものは都市計画決定をいたしまして、それで都市の交通上はもちろん、都市の美観あるいは防災、衛生、それから都市における空地の保持等の観点を加味して、特別な観点から街路計画を作っておりますが、しかしこれは本質的には都市内の道路でございます。それで道路整備計画の一環としてガソリン税を使わしていただいておりますので、ただいま仰せになりましたような心配はないというふうに私たちは存じておるのであります。
○西田信一君 そういたしますと、このガソリン税を引き上げるというその大きな目的の中には、いわゆる道路整備十カ年計画というようなものが考えられておるようでありますが、この都市計画についても同様な何か計画が立っておるのかどうか。
○政府委員(町田稔君) 道路整備につきまして、十カ年計画が考えられつつございますが、それと全く即応いたしまして、都市計画につきましても十カ年計画を部内で考えておりまして、そのうち街路の部分は道路の整備十カ年計画と全く即応いたしまして、ただ都市におきましては、街路が中心となって、それ以外のそれに即応して公園や都市整備等ができますので、それをも合せて考えた都市計画自体の十カ年計画を部内において立てて、それで実施いたしておる次第でございます。
○西田信一君 大体わかりましたが、了解できましたが、そうしますと、都市計画事業というもののうちの街路事業というものは、道路整備十カ年計画の中の一部分であって、従ってそれが都市計画だけをみれば非常に片寄った使い方のように見えるが、全体を通しては、全体計画の一部分であるからして、負担の関係においても不均衡を生じない、こういうふうな御見解でございますね。
○政府委員(町田稔君) さようでございます。
○田中一君 下水法が近々出るように聞いておりますが、厚生大臣と建設大臣の話し合いは大体どういうことが基本になっておるのですか。また覚書その他協定書ができたならば、それを一つ委員会に御配付願いたいと思います。
○政府委員(町田稔君) 田中委員の今の御質問にありました通り、水道行政につきましては、これは従来厚生省、建設省、それから通産省と、三分されておりまして、三省におきまして共管にあったわけでございますが、工業用水は通産省の専管、それから上水道につきましては厚生省、それから下水道は建設省のそれぞれ専管にするということに本年の一月十八日の閣議で決定になったわけでございますが、ただいまお話のございましたように、下水道につきましては、終末処理の部分は厚生省の所管に残っておるわけでございます。それで閣議決定の際には下水道に関する行政は、建設省の所管とする、ただし終末処理場については厚生省の所管とするということになっておりまして、下水道法を建設省で今後立案いたします際には、この点について厚生省とも十分協議をして、適当な規定を設ける必要があると思いまして、現在検討中でございます。
○田中一君 一体その一月何日に通産大臣の加わった協定書ができたというけれども、御承知のように工業用水法というものは二十二国会で通過しているのです、あなた方一方的に押し切られた形なんですよ。で、はなはだわれわれ不満なんです、この水の利用の問題、水の処理の問題については、これは私に言わしむれば、行政官庁の各部局がそれを分け取りすることはあっちゃならぬと思うのです、水という問題は。むろん、これは国土総合開発審議会の水部会においても、学者その他の方々が集っておるところでもまだ結論が出ておりません。おりませんが、もう非常に悪い例を通産、運輸、建設とこの鳩山内閣の末期からまるで分取り主義の官僚の一番悪いところを露呈しているのです。そうして工業用水というものを通産省がああいう工業用水法を出して取ってしまったから、さて、おれの方も取らなければならぬというので、建設大臣、厚生大臣が話し合った上で、今次のようなまた上水道、下水道という形でもって寸断しようという形、こんなことはあり得ないんです。そこで、ことに今計画局長が言ってるように、下水道というものは建設省の専管になったといいながら、ただしという言葉を使って、頭の部分からしっぽの部分を厚生省の方に持っていかれているのですよ。そんなことで一元的な下水行政というものはできるかどうかの問題ですよ。本年度の予算面においてもいろいろなものを計算して見ましても、結局厚生省には十四億程度ついているのです。厚生省が十四億、建設省が四億五千万ですね、たかだか。こんな程度でもって、頭からしっぽを取られてしまっているんです。一体町田さんは自分で官僚の親玉として責任を感じませんか、あなた自身の建設省の部下の連中に対して。大臣を補佐し、大臣なんてロボットであって、あなた方が御自分でやっているのでしょうが。そして一元的な下水行政ができておらぬじゃないですか。その点はどういう話し合いをしているのか、今三者の覚書というものを、閣議決定の決定書というものの写しをここに出して下さい、委員会に。
○政府委員(町田稔君) まず工業用水道のことでございますが、工業用水法は御承知のように、工業用水道のことは規定をいたしておらないのでございまして、地盤の沈下のはなはだしいところにおきまして、井戸を堀って、工業用水を汲み上げることについての規制をした法律でございます。それでそういう井戸を掘って工業用水を汲み上げることの禁止を要する地域につきましては、建設大臣が地域の指定について一枚加わっておるわけでございます。この関係は工業用水法の改正を考えておりませんので、従来通り建設省において共管の形で意見を申し得るようなことになっております。それから下水道の終末処理を厚生省に残したことはおもしろくないではないかという御意見でございました。終末処理も加わって下水道の一貫をなしますことはお説の通りと思います。ただ日本におきましては、現在下水を持っております都市が百三十ございまして、そのうち終末処理をつけておりますのが七カ所でございます。それで終末処理をつけております下水道だけは、その下水管に御承知のように屎尿を投下できるということでございまして、水洗便所をつけ得るのはこの終末処理を持った下水道と付属するところだけでございます。そこで将来非常に水洗便所等が日本におきまして普及いたしまするというと、下水道はぜひ終末処理を持たなければならなくなるわけでございますが、現在は御承知のように百三十都市のうち七カ所という程度でございます。今の七カ所のところも第一期計画としては、終末処理を持たずに下水管だけの布設をやりまして、それでそれが一応終った後に第二期計画として終末処理場を設けるという順序になっておりますので、決して私たちは下水道のこの分轄が理想だとは思いません、田中先生のおっしゃる通りだと思いますが、現状におきましては、なおこの分轄いたしました方が、市町村としては非常に事務の処理上便宜になるというように考えるのでございまして、従来下水を設けます際には建設省、厚生省両省に申請書等を出さなければならなかったのが、今回はまず第一期計画につきましては、建設省だけで下水の処理ができますから、こういう点では非常に便利になったと考えるわけであります。事業主体でございます市町村等におきましても、幸いに今回の三分轄につきましては、非常に喜んで歓迎の意を表してくれているわけでございます。この点は運用に当っては、先生の御心配になるようなことは当分ないだろうというように考えております。
○田中一君 放流式の下水が七カ所しかないから、問題にならぬということはあり得ないと思う。おそらく計画局でも都市におけるところの下水というものは、すべて放流式の汚物処理の方向にもっていこうという考えを持っていると思います。あなたそういう方針は持っておりませんか、どういう方針を持っておりますか、百何十カ所のうち七カ所だから今のところはいいだろうが、将来この百何十カ所というものを放流式にもっていこうという考えですか、どっちですか。
○政府委員(町田稔君) 終局的と言いまするか、下水道としては当然終末処理をつけさして、屎尿等も投下できるようにすべきだと思いますし、今後そういうように指導いたして参りたいと思っております。
○田中一君 あなたの方では、建設省の技官連中の親玉がここに二人おりますが、終末処理の技術を持っている人がいるのですか、そういう技術家はおらないのですか、できないのですか、どっちなんですか。
○政府委員(町田稔君) 従来は下水道につきましては、全部を私の方の水道課で一切見ておりましたので、もちろん技術者の中には終末処理につきましても十分な知識、技術を持っている者もおります。しかし終末処理は先刻申し上げましたように、屎尿処理の施設を指すわけでありますが、屎尿処理の施設は単に下水道の終末だけでなくて、現在一般的に下水道とは離れて、各都市で屎尿を浄化する装置を作っております。ただそこまで下水管によらずに人力で運んで処理している、そういう処理施設は現在も従来も厚生省の所管であったわけです。そういう施設を厚生省があわせて所管することが、むしろ能率その他の点から現在の段階ではベターであるというように考えまして、実はこういうような分轄をいたした次第でございます。なお先刻厚生省の関係の予算が非常に多いじゃないかというお話でございましたけれども、これは私どもの方で調べた範囲では、終末処理施設だけにつきましては、厚生省の予算は三億幾らであったと思います。
○田中一君 三億六千万円ね。
○政府委員(町田稔君) はあ。
○田中一君 どうもあなた方、現在厚生省が終末処理というか、濾過装置といいますか、ああいうことをやっているから今の段階じゃいい、ことに市町村はその方が歓迎していると言っておりますが、ほんとうに歓迎しておりますか。ただ予算上汚物処理の補助金というものが厚生省から出るからいいというのであって、その部分だけをとらえて言っているのであって、下水の行政全般を見る場合にはこれは不便なはずなんですよ。話し合いの上に建設省がとる予算のおしまいの方にどうしても厚生省がついてきて、あなたがこれをつけましょうというならいいけれども、そこのところはやはり官僚のセクショナリズムがありまして、こうだああだとやります。そうすると、専管になっておりながら、やはりその面については厚生大臣なら厚生大臣、厚生省の連中の話し合いがなければできないということになりましょう。従って下水行政そのものが専管でありながら、やはりある部分は共管の形なんですね、結局。これでもってあなた満足だ、地方が喜んでいるなんということはあり得ないのですよ。どういう点で地方の市町村の当局が、その方が喜んでいるのだということが証明されるのですか、ちょっと御説明願いたいと思います。
○政府委員(町田稔君) 下水道の計画におきまして、終末処理まで同時に計画をして認可を得るということでありますれば、これはただいまお話のありましたように、終末処理の部分は厚生省に持っていかなければなりませんし、下水管の部分は建設省に同時に持ってこなければなりませんので、いわば一種の共管みたいなことになりますけれども、現在の実情といたしましては、終末処理と下水管とを同時に計画をするということはほとんどないのであります。先刻も申し上げましたように、大体現に終末処理を持っておるところが七カ所しかない。ただ今後私たちといたしましては、先ほど申しましたように、下水をつける際には終末処理も将来はつけるように考えろということを指導いたしますが、その際にはまだ実施設計等は作る必要がないのでありまして、将来下水道がかなり普及いたしました際に、終末処理をどこに第二期計画としてつけるかという場所等を確定しておく必要はあると思います。それでただその場所等の確定につきましては、いわゆる正式な許可等がいらないわけでありまして、附属書類でつけておく。ただそういう場所につきましても、厚生省と十分話し合いをして、その部分については決定をしなければなりませんので、建設省としましても、その点につきまして厚生省と十分協議をいたして参りたいと思います。今後の実際上の取扱いにつきましては、まだ話し合いが実は進んでおりません。ただいま先生のおっしゃいましたようないろいろの心配の点もございますので、実際の協議につきましては、スムーズに参りますように十分厚生省と打ち合せをして参りたい、このように考えております。
○田中一君 現段階ではやむを得ん、しかし将来は何とかして、百幾つの各都市が全部放流式の汚物を投下するような下水ならいいのであって、そういう場合には当然一元化したいのだということなのか、今の場合ではどうもそういう工合に閣議決定されたからやむを得ませんという立場で言っているのか、率直にわれわれが納得するような御答弁を願いたいと思います。私はあいまいな水処理の問題、すべて水の問題を全部各分け取りしてしまって、その上になお下水行政が一元化されないという点はよくないと思うのです。技術的にもあなたの方にそういう準備がないというなら別ですが、おそらくあると思います。御答弁になったように。従ってあなたの希望と現実とはおのずから違うと思うのですが、計画局長としては将来日本の下水行政というものをどう考えておるか、こういうことを希望しておるのだ、またこういう方向に持っていきたいということがあるならば、お示し願いたいと思います。
○政府委員(町田稔君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、この分け方が非常に満足な百点のとれる分轄の方法だとは決して思っておらないのでございまして、下水道としては終末処理まで一貫して一つのところで取り扱うことの方がよりいいと思います。それは正直にそう思いますが、ただ従来の下水道を両省で共管しておったときよりも比べまして、数等現在よくなっておるということは、現実の事態が先刻申しましたような事情でございますので、私はこれはまた確信を持ってお答えができると、こういうふうに考えております。
○委員長(中山福藏君) 関連してちょっと私から聞いておきますが、今、下水浄化とか屎尿処理とかいう問題が田中委員からお尋ねがあったが、私は衛生工学というものに関するところの政府の方針が従来非常に緩慢だと、こう見ておるのです。厚生省、建設省、あるいは文部省と連絡をとって、各大学に衛生工学の一つ徹底した設備をしていただかぬとこの問題は解決できないと、こう見ておるのですが、しかし今その専管問題というのが論ぜられたのですから、これはやはり建設省なら建設省が統一されて、そしてその学術的な問題は衛生工学のつまり学科を各大学に設けると、こうしなければ、やはり従来のありきたった方針を踏襲するという以外には私は出ないと見ているのですがね。その点に関して何か予算的な折衝があったものでしょうかどうですか。その一点だけ聞いておきます。
○政府委員(町田稔君) ただいまお話のございました衛生工学につきましては、これは東京その他大きな大学では、土木部の土木学科の講座の中に入っておるようでございます。衛生工学関係につきまして、まあ水道なんかは非常に関係があるわけであります。従来も水道関係の技術者は十分その点の学問をした者を採用して参っておるのでございます。今後下水等も私どもの専管となりましたので、建設省としましても、この点一そう万全を期すように努力をして参りたいと思います。
○西田信一君 局長さん、来年度予算で北海道大学、これはただいま委員長がおっしゃったような衛生工学科ができるということを御承知ありませんか。
○政府委員(町田稔君) 北大に三十二年度から衛生工学講座が新設されるということは建設省でも承知いたしております。
○田中一君 首都圏整備法ができて、そのために六大都市の事業遂行予算計上の系統が違ってきておるのは、この予算書にある通りですが、それで四大都市整備事業に必要な経費と、これに私は非常に興味を持つのは、「産業基盤の整備をはかるため、道路、港湾、工業用水道、都市計画等の予算を増額して、重要鉱工業地帯の産業立地条件の整備を促進する。」ということになっておりまして、十一億八千八百万という予算を首都圏以外の四つの都市すなわち大阪、名古屋、神戸、京都、この四つの都市につけておるのですが、この計画はどういう形の計画になっておりますか。おそらく十一億の金がついておるのですから相当な事業だと思うのです。従って一応重要鉱工業地帯の産業立地条件の整備、産業基盤の整備と、こういう非常に大きな理想を掲げてのうたい方なんですが、その各地におけるこの計画をお示し願いたいと思います。
○政府委員(町田稔君) 四大都市の整備と、それから鉱工業地帯の整備でございますが、都市計画事業といたしましては、特にただいま申しましたような四大都市と、それから鉱工業地帯に重点を置いて参りたいと思います。その事業の内容でございますが、鉱工業地帯の整備につきましては、これは建設省ばかりでなく通産、農林、それから運輸、予ての他各省の事業が同時に行われないと効果を発揮しないわけでございますので、昨年から経済企画庁に鉱工業地帯の整備に関する関係各省の係官の協議会が設置されまして、そこにおきまして地帯整備に関する計画が一応立てられたわけでございます。そのうち道路その他建設省と関係のあります部分につきまして、三十二年度予算として請求いたしまして、その関係の予算のうち街路等に関する部分が、この都市計画事業費として計上されておるのでございます。各鉱工業地帯につきましての計画は、かなり内容が詳細にできておりますので、御要求がございましたら、その計画書を別にお手元に差し上げたいと思います。 それから四大市につきましても、ただいま申し上げましたように、特に重点を入れまして街路等の整備をはかっていきたい、こういうように考えて計画を一応もっております。
○田中一君 京都の場合にはどういうことを考えているのですか。京都市の場合にはどういう計画をされているのですか。
○政府委員(町田稔君) 京都の場合につきましても、この計画のうちの大部分が街路の整備計画でございまして、御承知のように京都は戦災等を受けておりませんので、一般的な街路その他の都市施設の整備を重点的にはかっていきたいと考えております。具体的な実施計画は、これはかなりこまかく分れますので、必要ございましたら、これまた別に書類としてお手元に差し上げたいと思います。
○田中一君 そうすると、大阪、名古屋、神戸、これはわかりませんね。京都の場合はおっしゃる通り戦災を受けてないために、なかなか区画整理事業が困難を示しておりますからよくわかっております。そうするとこの分だけは——京都だけは戦災を受けてない。ちょうど小倉市と同じような、戦災を受けてないところの整備事業を行うのだというのであって、この予算説明書にうたっているような重要鉱工業地帯でないというように考えていいのですか。
○政府委員(町田稔君) 御意見の通りでございまして、京都につきましては、重要鉱工業地帯としての計画の中に入っておりません。
○田中一君 それから私がせんだってあなたの説明のときに伺って、そのままその資料をちょっと持ってこなかったのですが、この分でしょうか、一般都市整備事業に必要な経費、この中に入っておると思いますけれども、私企業に対してまでも補助をするという問題がありましたね。せんだっての説明の中に。
○政府委員(町田稔君) それは特別都市整備の問題でございましたでしょうか。今回都市水利の中に従来の都市水利と違いまして、特別都市水利という事業が補助の対象に取り上げられました。特別都市水利として、工場等がたくさん集まりました地域におきまして、かなり有毒な廃液が出るわけであります。その廃液が付近の農地、それから漁業等にも害をなしておるのであります。今回それらの廃液の処理のために都市水利事業を起しますと、それに対しまして四分の一の補助をする道が開かれております。先生のおっしゃる点はその点と思います。
○田中一君 どれくらいの費用になっていますか、予算は。
○政府委員(町田稔君) 三千万円でございます。
○田中一君 四分の一ですか。
○政府委員(町田稔君) さようでございます。
○田中一君 どこを対象にしておりますか、この三千万円の振り向け先は。
○政府委員(町田稔君) 全国四カ所でございまして、和歌山県の和歌川排水施設、それから長瀬川排水施設、これは大阪、それから尾西地区の排水施設、これは愛知県の尾西市、一ノ宮市、それから岳南排水施設、これは静岡県、この四カ所が対象になっております。
○田中一君 和歌山市の何という会社、それから大阪の何という会社ですか。会社の名前を教えて下さい。
○政府委員(町田稔君) 実はこの地区は中小工場が多いのでございまして、非常に多くの工場から廃液が出るわけであります。それで大きな工場地区からの場合は、その工場にそういう廃液処理の施設をする能力がありますので、こういう問題がないわけでございますけれども、小さい工場が群をなしております地域におきましては、各工場にそういうものを施設することがなかなかめんどうでございます。そういう地区についてこの施設をやる、こういうわけであります。
○田中一君 そうすると、和歌山の場合には市営でやるわけですか。
○政府委員(町田稔君) 現在和歌山市が事業主体と考えております。
○田中一君 それでは、今のこの四つの区域の事業主体がだれであって、有毒水がどういうものか、それからその企業はどういう企業かということをちょっと御説明願いたいと思います。
○政府委員(町田稔君) 事業主体につきましては、和歌川排水施設は和歌山市になっております。それから岳南排水施設は静岡県になっております。それから尾西地区の排水施設は尾西市と一ノ宮市の組合であります。長瀬川の排水施設は二市二町の組合が事業主体ということになっておりますが、この事業主体の具体的な名前は今ちょっと資料がございませんので、私も覚えておりません。 それからなお各地区におきまして、どういう有害の廃液があるかということにつきましても、ちょっと今資料がございませんので、あとから資料を整えまして差し上げたいと存じます。
○岩沢忠恭君 今の河川の汚濁の問題ですね、これは私企業に補助をやるということは、非常にもう政府としては恩典をやり過ぎるというように私は考えておるのですがね。と申しますのは、従来河川というものはもう非常にきれいな水が流れていたものが、最近における沿岸における工場の発達のために、廃水のためにだんだんきたなくなっておるのですね。だから、これは根本的に現在の河川法で十分に取り締れると思うのです。だから建設省がもっと河川法を厳格にやって、遂行して、そうしてそれが工場に対する廃水処理というものを、工場法なりあるいは環境衛生の観点から十分指導すれば、今のような補助をしなくても、当然そういうことをしなければならぬと思うのですが、どうなんですか。きょうは河川局いないのですがね、だから都市計画を、計画局の方でただ都市を流れておる河川の汚濁を、衛生的な観点から浄化するというのじゃおぼつかないのですね、現在の状態では。ですから、もっと大きい河川法をどういうふうに厳格にやっているかというようなことは、厚生省と十分連絡して対策を講じたらどうかと、こう思うのですが、どうですか、その点は。
○政府委員(町田稔君) 河川の問題、河川法の問題としては岩沢先生のおっしゃる通りだと思います。ただ、今回の特別都市水利は、各工場から非常に簡易な下水みたいなものを作りまして、液を集めてきまして、それをメインの、これは開渠でございますけれども、大体排水施設を人工的に作りまして、そして有害でない地区に放流するわけでございます。それによりますと、各工場ごとに一応有害でないような施設をつけさしまして、それを比較的無難な所に集めて放流するということでございまして、自然の河川を汚濁するということの取締りは、今岩沢先生のおっしゃったように、河川法でこれは厳重にやるべきものだと考えております。 なお、この事業費の補助は、企業に対する補助ではございませんで、先刻申しましたように、事業主体がそれぞれ市なり、市の連合なり、あるいは県になっております。県の事業としていたします。それに対する補助の形で出しております。
○田中一君 御承知のように、公共災害の場合でも、原因者負担ということが厳格に規定されてあるのです。で、結局原因を起した者が負担するのは当然なんです。同時にまた、公共事業による利益を受ける者も、受益者負担ということがあるのです。ただ、今和歌山のような説明の場合、零細な一軒一軒一つの有毒な廃液を流す区域であって、一軒の会社ではなく、区域であって、たくさんの中小企業があるのだという場合には、これは一応考えられる点がありますが、しかしあなた資料でお出しすると言っておりますけれども、相当この中には特殊な大きな工場もあるに違いないと思うのです。そういうものが、原因者がすべての負担をするような考え方を持たなければ、やはり特定なる私企業に対する援助なんです。これはちょっと考えられないのですよ、こういうことは。従って今資料を出すという状況がどういう状況か見ないと、こまかい質問はできませんけれども、今言う通り原因者負担という原則、それから受益者負担という原則等が残っているにかかわらず、こういう形で、結局これは私企業の問題だと思いますが、私企業に対してこのような方法をやるということは、今までにないわけです。しかし、今度の下水法にこのような点が盛られてあるのですか、こういう形のものまでが。
○政府委員(町田稔君) 大きな工場が幾つか集まって、しかもそこから非常に害の多い廃水を出すということでございましたら、これは田中先生のおっしゃる通りであって、受益者も、あるいは原因者もはっきりしますから、こういう補助をすべきでないと思いますが、今回選びました地区は、非常に小さい工場の集っている所でございまして、それで一つの工場から出す液だけですと大して害がない、濃度等においても。しかし、それが小さいものが数多く幾つか集りますと、害をなすというような地区でございます。 それからもう一つは、実は特別都市水利につきましては、そういう害をなくするばかりでなく、従来の都市水利事業と同じように、都市における雨水等による浸水もこの施設であわせて除こうということを考えているのでございまして、その点におきましては、従来の都市水利事業の作用をあわせて持たせることを考えております。そういう意味におきまして、いわゆる私企業に対して直接補助をするというような結果にはならないと考えております。
○田中一君 それはむろん公共団体でやるのですから、直接じゃないでしょう。間接補助なんですよ。これははっきりしているのです。回り回って功妙に補助するのがあなた方の今までの行き方じゃないのですか。どうも直接でないからいいのだということにならないのです。そこで、そうした意味の原則を今後とも立てるならば、これはいろいろな問題があるのです。法律でもって私権を剥奪したりゆすぶったりすることもありながら、一応もしも組合施行という形でもって事業主が組合になるならば、指導で何でもできるのです。その区域の廃液を出すものを入れて、その連中に都市水利事業組合なら事業組合というものを作らして、それに全体の市民の負担ではなくて、組合員の負担に対して補助するということも考えられると思うのです、その程度ならばですよ。それが四分の一がいいか、五分の一がいいかわかりませんが、けれどもそれを全都市民にかぶして、そしてその原因を作った者は何らの負担はないという考え方、市民としての負担以外に何もしないという考え方は、これはそういう政策を今後とるという強い腹の上に考えられたことなのか、私は非常に心配するのは、よくある与党——また叱られるかもしれないけれども、地方の選挙地盤を持っている方々が、何やかやとそういうことを言ってきて、やむを得ないからこれはこうしようじゃないかという方針をきめたのか、そこのところを、やはり筋の通った考え方を表明してもらわなければ困るのです。そんなことをいいますと、私の郷里の方にもそういう部分があるのです。実際持ち込みたいと思うのです。しかし、その市民はおそらく反対するに違いないのです。この四つの都市を選んで、そういうことを割り切って実施するということは、画期的なことなんですよ。その事業主が零細なもので、負担力がないという場合は別でございます。こうして廃液を出すという原因を作るという人間がわかっていながら、市民の税金でこれをやって、あと国が補助するなんていうことは、行き過ぎではないかと思うのです。その点はあいまいじゃなくて、公共事業を行う場合のめどになるわけですからね、これは今あなたがここでもって答弁できなければ、帰ってこれに対する考え方を、資料と同時に明確にここで御説明願いたいと思うのです。これは大きな政治問題です。単なる地方の公共事業に対して補助をするという小さな問題ではございません。
○政府委員(町田稔君) 十分この点につきましては、帰りまして、御満足のいくような御返事を申し上げるように用意をいたしたいと思いますが、ただ、ただいま御心配になりましたように、一部の地方の要望によって個所を選んだのではないのでございまして、この各地区とも、地方問題として非常に大きな問題になっております。それで、小さい工場としましては、むしろこの施設はぜひ作ってもらわないと、工場の生産ができぬという問題ではないのでありまして、それよりもむしろ、その付近の農民なり漁民なりが騒いでおり、非常に多くの人たちが何とかしてくれと、工場自体よりもそういう被害者側の世論が大きくなってきておるわけであります。それで、そういう意味においてこの事業を取り上げたわけであります。これはたとえば都市水利におきまして、水はけが悪いためにその地方の住民が非常に困る、それで都市水利事業を起すというのと全く性質上同じと私たちは思っております。なお、これらの地区の採択につきましては、詳細な基準を作りまして、それでやっておりますので、今後も重々気はつけますが、御心配のような点はないというふうに確信をいたしております。
○田中一君 そうすると、原因を作ったものは結局つかんでおると思うのですが、その原因を作ったものに対する負担は何もないのですか。市はどういう形でもってその事業費というものをまかなっておるのです。それで国はどういう方法でそれを指導しているのですか。どういう方法でやれ、こういう方法でやれという指導を、どういう形の指導をしておるのですか。
○政府委員(町田稔君) 市が、これは四分の一補助でございますから、あと四分の三は負担をすることになります。市の負担に当りましては、あるいは各工場につきまして、工場ごとに何らかの終末処理施設を作らせるというようなことを条件としてこの事業を実施する。その他、各種の原因者についてのそれぞれ義務を果させる方途は各市でも考えるというように私たちは予想をいたしております。まだこの点につきましては、具体的には各市と協議をいたしておりませんが、おそらく各市ともそういう措置を講ずるのではないかと考えております。
○田中一君 しかし、市がそういう措置を講ずるかとも考えるじゃなくて、政府は四分の一の補助をする限り、これを指導することができるわけなんですね、その事業に対して。だから国としては、どういう形でやらせようとするのかということが、もう腹案がなくちゃならぬと思うのですよ。従ってそれを腹を据えて御答弁なさいと言っているのですから、この次でもいいから、一つどういう形でもってこういう指導をして、こうやるのだ、実態はこうなっているのだ、市の事業費の負担はこういう形にするのだということを一つ説明していただきたいと思います。
○西田信一君 先ほどの数字がわかりましたか、一般会計の。
○政府委員(町田稔君) 一般会計からは十四億七千四百三十二万二千円です。
○西田信一君 建設省の考え方を局長にお尋ねするのですが、この都市計画事業に対する根本的な考え方、私はこれは決して現実を無視した考え方を打っておるわけではないのですけれども、どうも都市計画という文字そのものの都市計画という考え方が、非常に予算の上に少くて、実際にはもう都市計画じゃなくて、都市改造費と言った方が適当だと思われるくらい内容が、いわゆる新しい計画というようなものがきわめて考え方が薄いように思われるのですが、いわゆる都市計画事業に対する建設省としての根本的な考え方をお聞きしたい。
○政府委員(町田稔君) 都市計画につきましては、ただいまお話しになりましたように、従来都市改造的な色彩が強かったのでございます。既成都市の改造ということが重点でございました。それで、いわゆる新たな都市を作るということにもっと力を入れるべきじゃないかという方針の問題でございますが、新しい都市を作りますためには、実は農地等をどうしてもかなりつぶさなければならないということが起ってきます。それで現在一番住宅問題でも、宅地の獲得に困難をいたしておるわけでございますが、それも実は宅地は農地をつぶさざるを得ないという場合が多いものですから、なかなか造成できないということ、それで日本のような土地の少いところでは、どうしても今後も都市計画といたしましては、改造的な部面に主力が注がれてくるというように思うのでございますが、ただ、たとえば北海道のように、非常に原野が多いとかいうような地域におきましては、新たなる都市の造成ということも可能かと思うのであります。ただ新たな都市を作ります際には、住宅だけではいけないのでございまして、どうしても産業を持っていかなければならぬ。そうしますと、産業立地条件の整備されておるといいますか、整備をすれば工業が誘致できるという可能性のある所に都市を作らざるを得ない。そうしますと、港湾の整備等もかなりの多額の費用をかけていかなければならないと思います。それで、さしあたっての財政上といいますか、国費の効率的な使い方としては、一体そういうところにさしあたって費用を使うことがいいかどうか、都市を作るための費用を作ることがいいかどうかということが、常に問題になってくるわけでありまして、その点は理想は、新しい都市を作るということにあると思いますけれども、なかなか従来から実現がしにくかったということでございます。ただ住宅公団の新市街地造成の業務を活用することによって、今後もそういう方向に一歩々々進めるのじゃないかというように考えております。
○西田信一君 理想と現実の問題が非常にむずかしいということについては、私は承知しております。そこで今局長から北海道を例に引いておっしゃいましたが、私もこの予算の上で見ますと、たとえば一般のいわゆる道路局が扱っておる道路費については、内地分が三百億、北海道七十六億ということで、二十何%になっておるのですけれども、都市計画の事業費について六十何億対一億で、問題にならない、二%か三%である、こういうことです。しかも、あなたがおっしゃる言葉によりますと、北海道のようなところは、農地をつぶすというような支障がなくて、そういうよう都市計画は、新都市を作り得る可能性があるのだということである。現に北海道におきましても、相当北海道開発というような面からこの問題は取り上げられておって、現に数十万あるいは百万の工業都市を作ろうというような計画も進捗をいたしており、都市計画等についても相当進められておるのでありますが、予算の上に現われておるところを見ると、きわめて問題にならないのであって、いわゆる新しい都市計画、新都市建設ということが忘れられておるような感がするのです。そこで私は先ほど、質問に関連して財源のことをお尋ねいたしましたが、そういういわゆる不均衡がないというお答えでありましたけれども、この予算の上に現われたところのつけ方から見れば、ガソリン税は相当たくさん取られるけれども、実際にはそういう面の還元が非常に薄い。従って非常に片寄ったつけ方になって、そういう面にもガソリン税の値上げに対する不満というか、あれがある、こういうふうに思われるのでお尋ねをしたのですけれども、現実に、先ほどのお答えと実際の予算のつけ方とは、必ずしも一致しておらぬということでございますし、そういう必要がないのかどうかというと、私はそういう必要がないのじゃない、大いにある、また現実の問題も起きておると思うのですが、そういう点について、この種のものは問題にならない、ほとんど顧みられておらないという状態にあるが、いわゆる北海道ばかりでなく、そういうような新都市を建設する、いわゆる都市改造ということよりも一歩進んだところの、これがおくれますと、あとでまた都市改造をやらなければならぬというようなことを繰り返すことになりますので、先ほど委員長からも同じような趣旨の御発言がありましたけれども、少くともそういうような発展性のあるところについては、十分国が考えてやって、そうして計画を誤りなからしめる、そういう面に対する予算というものを十分使って、むだなことを繰り返して、せっかくできた都市をまた改造するということのないような措置をとるべきだと思うのですが、そういう点に対して、予算の上に現われたところの国の配慮というものは非常に足りないように考えますが、この点に対してどうお考えになるか、将来どういう御方針であるかをお伺いいたしたい。
○政府委員(町田稔君) ただいま御指摘になりましたように、北海道につきましては、都市計画の関係の事業費が非常に少いのでございますが、これは先刻も申し上げましたように、現在都市改造的な部分にさしあたっては緊急度がどうしても多いものですから、事業費をつけます関係でこういうことになっております。しかし新都市の造成ということになりますと、北海道は最も有望な所でございますので、将来も北海道開発庁とも十分連絡をいたしまして、御期待に沿うように努力をいたして参りたい、こういうふうに考えております。
○西田信一君 御趣旨はわかりましたが、今おっしゃる緊急度の問題ですけれども、それは主観によって違いますが、これは要するに既成の都市に対する改造も緊急でありましょうけれども、まあそういうことのないように、あらかじめ新興都市に対して手をつけることの方が、私が考えようによってはその方がより緊急であるというふうにも考えられるのでありまして、一つ緊急ということに誤まりのないように希望いたしまして、この点はこれ以上申し上げません。
○委員長(中山福藏君) ちょっと皆様方にお諮りいたします。土木研究所長が二回御出席になっておりますから、計画局の問題につきましては、これくらいの程度にして、土木研究所の問題についての御質疑を願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中山福藏君) それでは御異議ないと認めまして、まず土木研究所長から予算関係についての御説明をあらかじめ願いたいと思います。
○説明員(伊藤剛君) 私土木研究所長の伊藤でございます。今お話の予算関係につきましては、三十二年度一般会計予算の六百三十三ページに土木研究所関係の予算が費目別にこまかく出ております。ただこの分け方ですと、あまりはっきりいたしませんので、これをほかの面からくだいて申し上げたいと思いますが、これをごらんにたっていただくと、前年度予算額が土木研究所費は八千九百万円、それから本年が約一億五百万円、こういう格好になっております。 その内容をくだきますと、人件費関係、これは職員給与費なんかが主たるものでございますが、それが約半分以上を占めております。それから土木研究に必要な経費、これは予算書の六百三十三ページに、庁費とか、それから機械器具購入費、それからその他の施設費、そんなようなところに分割されておりますが、これをまとめてみますと、土木関係に必要な経費というものは本年度は二千八百万円、それからそのほかこの予算書にはありませんが、原子力関係の予算が科学技術院の方から回っております。そういうものも別にございます。そういうものを前年度と比較いたしますと、人件費関係で五百万円ばかりふえております。それから研究費関係で一千万円ばかり、原子力関係で五百万円ばかり、合せまして約二千万円が前年度よりふえてきている格好になっております。 予算の数字の上の御説明はその辺でございますが、いろいろ問題が輻湊しておりまして、毎年々々新しい予算を要求するのでありますが、私どもの予算の形が、ここに予算書にあるように一種の行政費に扱われております関係で、研究の必要は出てきましても、予算の額はあまりふえないのが実情でございます。なお御質問に応じまして、もう少し詳細にお話し申し上げたいと思います。
○委員長(中山福藏君) 御質疑のある方は御発言を願います。
○田中一君 今の伊藤さんの説明によると、実際の事業を行おうとする金があまりふえてないというような結論になるのです。むろん昨年からことしにかけての物価等は横ばいしているならば、多少は伸びておりますけれども、予想されるように物価が上るのじゃないかという前提、それから職員の俸給に盛り込んである二百九十九万円、三百万円近くの増は、今度おそらく現在考えておるベース・アップが盛り込んであると思うのです。そうして一面、建設省土木研究所の概要として配付されたものを見ましても、委託を受けてする研究が相当多いということになっております。同時にまた一方建設省が、一般財源から一千万以上の金を研究費として各学校その他に委託研究をしてもらっているような費目もあるわけです。そこで実際政府としては、この土木研究所というものに対する考え方をどういうように見ておるのか、千数百万円という金を各学校その他の委託研究費として交付しながら、土木研究所におけるところの予算というものはちっともふえてない。本省は一体どういう点を土木研究所に期待しておるのか、これをまず伊藤さんに最初に伺いたいと思います。
○説明員(伊藤剛君) 土木研究所で委託を受けている額は、金にいたしましてこれは毎年あまり変りません。三十年度も三十一年度も約六千万円になっております。これはこの予算のそとでありますが、その内容は地方建設局から依頼を受けるのが四千万ばかり、それから残りの二千万ばかりが地方の府県から参ります。で、その内容はダムの設計及びこれに伴う実験の費用でございますし、そのほか河川の計画を立てるに必要な試験、それから最近いろいろ海岸で災害なんか受けておりますが、そんな場所で適当な護岸はどういう形にしたらいいのだろうか、そういうような試験、そういうものが主たるものでございまして、総額は今お話しいたしましたように六千万円になっております。 それから建設補助費の方は、予算書の建設本省のどこかにありましょうが、年間約千五百万円ばかりになっておりまして、これは建設省で私らも参画いたしますが、本年度はどういう方面の民間の研究を援助しなければならぬだろうか、そういう方針のもとにその配付をやっておるのでありまして、やはり私どもの機構、それから私どもの職員の性質上、これを全部この額だけ私の方にいただくのが必ずしも最善とは考えておりません。配り先は、いろいろ機械のメーカーとか、あるいは大学の教授とか、特殊技能を持ったところが相当民間にもございますので、そちらの方面に配付されていくことになっております。 それから本省の土木研究所に期待するところという御質問ですが、これは設置法でうたってあります通り、道路事業とか、河川事業とか、そういう事業に密着した方面の問題に重点をおくように、こういう趣旨なんでありまして、そのほか仕事に余裕のある限り、地方建設局、それから府県からも委託を受けてよろしい、それからそのほかの民間の委託は、河川事業に関する限り受けてよろしい、まあ、こんなような規定になっております。今の河川の民間からの委託は主として電力会社をさしております。
○田中一君 どうもおそらく所長の腹は、もう少し予算をくれという気持が濃厚にあるのだろうと思うのですが、そこで現在一年だけでもってその研究が、実験とか何とかいうものが終るというようなテーマのものだけを扱っておるのか、それとも二年、三年と長期にわたるような研究を、実験研究をやっているのか、その点はどうなんです。
○説明員(伊藤剛君) 委託の方は別といたしまして、ここの予算でやっておりまする研究は、やはり普通三年ぐらいかかっております。これは費用の関係ばかりでもございませんし、いろいろ多角的に調査する関係で、どうも三年ぐらいやむを得ずかかるような実情でございます。
○田中一君 その三年かかる一つの実験研究が、予算並びに人員がふえておるならば一年で可能であるものもありますか。
○説明員(伊藤剛君) まあ三年が一年とはなりませんが、大半が予算、人員の関係で三年が二年になる、こういうことは当然私どもも自信をもってお答えできます。
○田中一君 きょうほかの局長がおらぬから、どうも受身の所長だけに質問するのでは、質問の要点がはっきりわからないのですよ。質問の的確な御答弁が得られないと思うのですが、たとえば、三十二年度から相当大きな道路整備事業を国が行なっていくのです。先般も本委員会で道路に関する構造の基準というものが、現在の輪荷重というのですか、これに合せていくような研究ができているのかどうかということを言うと、道路局長は、それは心配ないと言いましたが、しかしそういう点をおそらく本省からの注文で、命令と言いますか、土木研究所はやっておると思うのです。従って今十カ年計画という膨大な道路整備事業を考えておるならば、少くとも重点的に、直接付属機関であるところの土木研究所は道路に関するあらゆる面から、たとえば寒冷地の道路とか、あるいは今度の高速自動車道の道路とか、そういった面を中心として陣容も強化して、予算も相当つけて、そうして時間的には非常に早く、なるべく早く重点的な研究をするという方向に向うのが当然であろうと思うのです。ところがこの予算を見ますと、何ら今までのものとちっとも変っておらない。こういうことになりますと、政府としては、土木研究所というものは、何かの間に合せに小さな実験をするためにちょっと設置して置くのであって、これが国の国策としての大きな事業に対して、その原動力になるような研究はしておらないというような印象を受けるのです。その点は率直に、所長としては現在のようないき方で満足しているのかどうか、あるいは今の道路整備十カ年計画というものを打ち出そうという政府の本年度の意図、これに見合った研究があなたの方に指令がきているかどうか、この点伺いたいと思います。
○説明員(伊藤剛君) 道路関係の研究というものは、実を申しますと、私どもの研究所といたしましては、在来はあまりしっかりやっていなかったのであります。これは戦争後水害なんかが続発いたしますし、また海岸の被害なんかが非常に起って、そちらの方の事業がふえました関係で、今まではもっぱら河川、海岸、ダム、そっちの方の研究に重点を置いておったのでありますが、私どもの所員のうちの道路担当所員に、やはり道路を研究しなければいかぬといって私は責めておったのであります。しかし予算が従来十分どうもいかなかったのでありますが、ことしになりまして、道路事業が急にふえましたのに伴いまして、予算はあまりふえませんことは先ほどお話した通りでありますが、各地方建設局の工事現場の方から非常にたくさんのいろいろな問題が投げかけられてきております。しかし今まで申し上げた関係で、あまり道路関係の研究に力を入れてなかったせいで、研究員の数、それから研究の施設、そういう面で十分こなせるかどうか非常に心配しておるわけであります。道路の問題は舗装の問題とか、それから近ごろは非常に長い橋ができておりまして、それをどんなふうな方法をとったらよかろう、そういう問題、それから舗装を早く修理したり早くやってしまう、あまり交通に迷惑をかけないでやってしまう。いろいう性能のいい機械の試験、こんなことをやりたいと思っておるのでありますが、かような実情で十分こなしきれないので、私といたしましては、方々の外国から設計図を借りてきてやってみたり、あるいは外国から機械を輸入してきてそれを使うなんというのは、実に、何といいますか、あまりおもしろくはないのでありますが、実情はそんなところでございます。
○坂本昭君 関連質問。ただいま田中委員から……
○委員長(中山福藏君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中山福藏君) 速記を始めて。
○坂本昭君 伊藤所長さんにお聞きしたいのは、三十一年の定員が百六十九名になっておりますが、今の道路研究室は何人おられますか。それからさっきの千八百万円の研究費の中でも、道路研究室にどの程度振り向けられておりますか。それからもう一つはこの研究テーマがずっと出ておりますが、これを見ましても、実に道路関係の研究テーマはりょうりょうたるもので、根本的な研究が一つもないように見受けられますが、最近の重大な道路に関するところの研究のテーマを一つ御教授願いたい。
○説明員(伊藤剛君) 道路の研究室の定員のお話でしたが、職員とそれからそのほか準職員とか、そういうのがございますが、職員からいいますと、道路だけの問題を研究するものは八名ですが、それに付帯いたしますコンクリートとか地質の研究、それらを入れますと約二倍ぐらいになります。その八名も昨年あたりから非常に道路の研究が盛んになるということになりましたために、現在二名アメリカとそれからドイツに一年間の予定で勉強さして行っておりますし、それがぼつぼつと帰ってくるところでないと、実際は私どもの数ばかりでなく、質の問題も揃わない、こういう形になっております。それから後段の方の、あとのお話は道路のどんなような問題がほんとうに大きい問題か。こういうような御質問だったと思いますが……。
○坂本昭君 研究費のあれですね、内訳、千八百万円の内訳、道路研究にどのくらい使われておるか。
○説明員(伊藤剛君) 今年度の、三十二年度の予算は道路関係では約八百万でございます。そのうちおもなのは舗装の研究であります。つまり日本の道路の舗装は、外国と同じ工法をとっても非常にあちこち破壊が多い。それから亀裂が多い。その研究はセメントの材料、そういう方面の研究も当然必要なんですが、もう一つ何か日本に特殊の事情があるのじゃないか。そういうようなところから、たとえば太陽に非常に熱せられて、それから晩方になると急に冷えてくる、そういう温度による原因があるのじゃないか、こういうところが学者なんかにも認められておりましたから、そっちの方面の研究を主としてやっておる次第であります。それからあと土の方の問題、これも戦後非常に進歩した学問なんですが、私どものところでも追っかけて多少やっておりますし、今後とも土の方から見た、つまり舗装の路盤の方をいかにしたら簡単に安い金で丈夫にできるか、そういうような土の質の方からの科学的の研究、及びそれをやる施工の機械の研究などもやっていく。別個の道路関係以外の機械の研究等であります。
○委員長(中山福藏君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中山福藏君) 速記を起して。
○坂本昭君 もう一つ研究所の所長さんにお聞きしたいのは、いろいろな道路関係の研究ですね。土木研究所のほかにいろいろと研究機関があるだろうと思うのですが、所長さんのお考えで、大体日本のそういう関係の研究のうち、土木研究所の占めている役割ですね、どの程度の役割を占めているものか。つまりいえば、道路関係の研究は実は私の方ではやっていない、どこどこの大学あたりがほとんどやっているのだ、土木研究所の日本における道路研究における占めておられる役割、地位、そういったものをちょっと御説明願いたい。
○説明員(伊藤剛君) 直接道路関係の研究は、日本では大学それから全般を合せまして、ほかでやっておりません。大学でもいろいろその理論的な研究はやっておりましょうが、試験、実験まで含まれた研究というのは、日本におきましては土木研究所だけでございます。
○石井桂君 研究所長にお伺いしたいのですが、さっき田中委員が質問した事項に関連があるのですが、研究の題目を見ますというと、長期にわたってどうも必要な研究がある。たとえば茶臼山の地すべりに関する研究、これを見ますと、二十七年度ですか二十八年度に研究に着手して、二十九年度かに報告が出ているのですがね。僕はこういうものは一年くらい研究したってだめだと思うのです。予算と手間に関係があると思いますが、地すべりの現象を研究するのに一年くらいで報告を出されたのでは、それならば続いて研究しているのかと思うと、研究の題目にあがっていないのだ。それは一体どういうことで研究を取り上げているか、やはりものによっては長期にわたってやるものもあるだろうと思うのだが、そういうやり方が適切かどうかということが一つ、これは研究のやり方のことですから、お伺いした方がいいと思うのです。 もう一つは、あくまで土木研究所は応用の研究であるのか学問の研究であるのか、私は応用の研究であると思うのですね、学問の研究をしていたのじゃ夜も日も明けなくなっちまうから、おそらく応用の研究であると思うのだが、その二つをお答え願いたいのですが。
○説明員(伊藤剛君) いまの初めの方の茶臼山の問題についてお答えいたします。これは茶臼山で実際地すべりを防ぐ対策工事を砂防事業でやっておりまして、その事業の進行につれていろいろ調査したり改善方法を助ける、地すべりみたいな非常にそこの土地の特性に深い関係のあるものは、こういうような方法でないと今のところ研究ができないものですから、その方法をとったわけなんです。従いまして工事が三年かかると、研究も三年かかる、毎年毎年新しいことを見つけていく、こういう方法をとっております。茶臼山の方が一段落いたしましたので、地すべりの方も今度は福井県の白山の地すべりの方に取っ組みましたので、地すべりの問題に対する研究は、場所こそ違え相変らず続行しております。 それからあとの方の御質問は応用か理論かというお話しですが、私どもは研究所の性格といたしまして、もう全力をあげて応用方面をやっております。しかし途中々々でちょっちょっとやはり応用だけでなく、その理論もやらなければ解決つかないなんていう問題に対して、ときどき理論方面のこともやることがございます。この土木の理論方面の研究所というのがやはり大学以外、私のところ以外にはございませんので、やむを得ないことだと思います。
○石井桂君 もう一つ、この三十七ページに「茶臼山地辷り地帯陸水の化学的研究」というのがあるが、やはり化学的研究なんですか、化学の、ケミカルな研究なんですか。これはサイエンスの方の研究でございますか。
○説明員(伊藤剛君) 茶臼山の地すべりは実は非常にむずかしくて、私もうまく御説明できるかどうかわかりませんが、結局あすこの土というのは、非常に日本各国に見られないくらい細かい土であって、土も細かくなると、これは学問の分類上の問題で物理学でなく、工学でなく、化学というような名前で研究をやって参っているものですから、従ってここでも化学と書いてしまったので、土の性質の実際的な研究だということには変りはないのです。名前がある程度は、土も細かくなりますと、学問の分類上化学に移ってしまう、そんなような関係でこのようになっております。
○石井桂君 それはそれで了承いたしますが、私はケミカルの方の分野か、物理的なフィジカルの方の分野か、ということの研究なのか、それから酸素だとか、水素だとか、炭素だとか、ああいうものの研究なのか。そういうものによって化学的とか、サイエンス、のぎへんのついた科学だとか、物理学的研究だとかと分れると思うのです。こういうふうになってくると、何か試験管に薬を入れて、水分はどうだとか、定量はどうだとか、定性はどうだとかいうような研究のように見えるのです。粒子は幾ら小さくても物理学はやはり物理学なんですから、原子力の問題でもそうでしょうし、どんな小さくても物理学は物理学なんだから、その辺が何かちょっと違っているように感じたものだから御質問したので、そんなに細かいことを聞く必要はないので、私は間違いじゃないかと思って疑問を持ったから質問したわけです。
○委員長(中山福藏君) それでは本日はこれをもって散会いたします。 午後零時三十一分散会