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26回国会参議院1957/10/10

建設委員会 閉会後第11号

発言数
114
登壇者
13
会派数
2
開催日
1957/10/10

会議録

田中一日本社会党

○理事(田中一君) ただいまより委員会を関会いたします。  委員変更の件を御報告申し上げます。十月四日塩原恵吉君が辞任され、補欠として高橋衛君が選任されました。   —————————————

田中一日本社会党

○理事(田中一君) それでは最初に、先般災害状況及び建設事業の実情調査のため、岐阜、長野の両県下に派遣された委員の方々の御報告を伺いたいと存じます。

石井桂自由民主党

○石井桂君 先般視察いたしました災害状況並びに建設事業調査について御報告を申し上げます。  私は重盛委員とともに去る九月三十日から十月四日までの五日間にわたりまして、岐阜、長野両県下を回って参りました。視察いたしましたおもな個所は、岐阜県におきましては、去る六月末に発生いたしました台風第五号及び八月上旬の豪雨により被害をこうむりました多治見市、土岐市、瑞浪市等を中心とする中津川、土岐川等の被害状況、長野県関係におきましては、天竜川支流の被害状況とともに、泰阜ダムの河川、耕地に及ぼす影響並びに美和ダム、明科地区の地すべり状況等を調査いたし、それに伴う地元の陳情、要望等につきましても聴取して参りました。  視察いたしました経路によって申し上げますと、まず岐阜県庁に参りまして、県下全般の災害状況につきまして説明を聴取いたしましたが、今回の災害の特色は、六月二十七日、二十八日の両日及び八月七日、八日の両日にわたる降雨量二百四十七ミリないし四百七十ミリに達する雷雨性の集中豪雨により、これが恵那山系を中心とする各河川に集中し、風化した山腹を崩壊し、土石と流木を含んで流出し、被害を及ぼしたということであります。  まず県庁を出発いたしまして、被害の甚大な多治見市に参りまして、土岐市、瑞浪市、笠原町、多治見市等、関係町村から被害の説明を聴取した後、土岐川及びその支流河川である笠原川、大原川、下石川、日吉川等を視察いたしましたが、これらの河川の水源はいずれも恵那山系に属するものでありまして、その地質が第三紀層の花崗岩の風化した地帯のために、今回のごとき豪雨の場合には非常に弱く、山腹の崩壊とともに岩石の流出はなはだしく、相当程度復旧しました今日におきましても、河川にはんらんした岩石は未処置のままに放置されており、はんらん当時の状況を想起させるものがありました。  被害は護岸、橋梁、道路、住宅、農地等の流失、決壊、浸水、山地の崩壊等が随所に見られ、その被害額はすでに当委員会におきましても、建設省当局から報告を聞いておりますが、多治見市だけを例にとってみましても、公共土木施設におきまして一億数千万円、家屋の損失、農地の災等等を合計いたしますと、四億四千万円に達するのであります。復旧状況につきましては、建設省の緊急査定を受け復旧中でありますが、地元よりの要望としましては、(1)復旧工事は原形復旧のみでなく、改良工事もあわせて行うようにすること。(2)三・五・二の施行年度割に制限せず、緊急施行を要する個所に対しては、補助金のワクを拡大すること。(3)災害復旧に対する起債のワクを拡大すること。(4)十五万円以下の災害についても補助の対象とされたい。等の意見がありました。  なお、多治見市としましては、この付近一帯が陶業の中心地であるため、陶土採取後の処理、釜糞処理等について、今回提出予定されておりまする地すべり防止法案審議の際考慮してほしいとの要望がありました。多治見地区視察後、恵那県事務所に参りまして、中津川、落合川、四ツ目川、阿本川等の被害状況について説明を聴取した後、阿木川上流をさかのぼりまして、阿木部落に至りましたが、このあたりの岩石の流出ははなはだしく、道路、人家の崩壊は激甚なるものがあり、いまだに復旧に至っておらない状況でありました。ここにも起債のワクの拡大、災害特別立法の要望がありました。    〔理事田中一君退席、理事岩沢忠恭君着席〕  ついで本州製紙中津工場の貯木場の被害を視察したのち、木曽川に沿って長野県下に入りまして、阿智川を中心とした河川を視察いたしましたが、本川は天竜川の支流にして、支流に準用河川大沢川、本谷川、清内路川、黒川の四河川を持ち、六月下旬の梅雨前線の影響による豪雨は、この阿智川水系の源をなす木谷川の上流恵那山を中心として連続雨量三百三ミリに達し、昭和二十年及び二十八年の大災害をしのぐ大降雨となり、この地方一帯における最大の災害となったわけでありまして、この降雨により、水源地帯の連山は至るところに山腹崩壊し、岩石の流失もはなはだしく、中でも本谷川上流園原部落等は河床の上昇が三メートルにも達し、護岸、堤防等に甚大な被害を受けておりました。道路の決壊も随所に見られ、阿智村を経由して飯田に至る国道百五十三号線等は決壊個所多く、完全に復旧に至らない個所も見受けられました。地元としましては、高率補助の適用、十万円以下の小災害についても救済の道を講じてほしい等の要望がありました。  ついで飯田市を経て天竜川流域の川路村、竜江村に至りまして、この付近一帯の災害状況を視察いたしましたが、この地方一帯は有名な桑園地帯でありまして、流域五十町歩に及ぶ桑園が六月末の豪雨による天竜川の増水により冠水、浸水を受けておりまして、その対策としましては、この地帯より下流約二キロ程度の天竜川狭窄部の岩石の破壊等の道を講じておりましたが、さらに桑園の排水工事等も計画中でありました。  なお、こうした被害は、さらに上流の虻川、加賀須川、間沢川等にも見られまして、これらの河川による被害は、道路、橋梁、家屋等にも及んでおりまして、通常はきわめて水量の少い小河川でありますが、今回のごとき豪雨には一挙にはんらんいたしまして、全く無防備の状態でありました流域に激甚な被害を与えておりました。地元としましては、これらの災害の主要な原因は、一に泰阜ダムの影響による河床上昇に由来するものであるという見解を持っておりまして、すみやかに荒廃地の復旧、護岸工事の早期復旧、助成工率の促進等を強調しておりました。なお、ダムによる河床上昇の問題は、泰阜ダムのほか天竜川上流の大久保ダムにおいてもございまして、西春近村地区における耕地被害者との間に水利権をめぐって問題があるようでした。  以上で河川の被害状況につきましての報告は終りますが、今回のごとき豪雨による災害は容易に紡ぐことはできないと思いますが、やはり単なる災害復旧のみでなく、改良工率とともに、荒廃した山林対策等も加えて根本的な治水の方策を講ずることが緊要であると痛感した次第であります。  ついで、ただいま建設中の高遠ダム及び美和ダムを視察いたしましたが、本ダムは天竜川総合開発事業の一環として三峰川上流に工事中のものでありまして、高遠ダムにおきましては、県工事として、昭和三十二年七月起工以来着々進行中でありまして、その規模におきましては、堤高三十三メートル、堤長七十五メートル、堤体積二万五千立方メートル、貯水容量は二百三十一万立方メートルでありまして、工事の進捗も早く、美和ダムとの調整の関係もあり、年内には完成する予定であります。  美和ダムにおきましては、治水、農業用灌漑、発電等を目的とする多目的ダムでありまして、規模におきましては、堤高七十メートル、堤長四百十五メートル、貯水容量三千四百四十七万八千立方メートルに及ぶ巨大なものでありまして、昭和二十八年八月建設省直轄工事として着手し、明年六月までの工期となっておりまして、現在七分程度の進行度でありました。  美和ダムの視察を終りまして、さらに長野県西北部すなわち北安曇郡及び東筑摩郡一帯に発生しております地すべりのうち、明科地区について視察いたしましたが、この地区はほとんど山間僻地の急斜面を有する山林耕地多く、地質は第三紀層が大部分で、約八割を占めている関係上、融雪あるいは降雨により、渓流は縦横に侵食はなはだしく、これがため各所に地すべりを誘発して崩壊を招いており、山林、耕地のみでなく、人家にも脅威を与えておる状況でありまして、現在この地方に発生しておるものについてはその数百数十カ所、面積は約一千三百余町歩に及び、危険家屋は三百七十戸に達するのであります。これが対策といたしましては、通常の砂防工事とあわせて地下水排除の処置を緊急個所より始めており、地盤が安定し効果が現われておるようでありましたが、さらに全般的な工事の施行を強く要望しており、地すべり法案の提出もあわせて要望がありました。  以上をもちまして、はなはだ簡単でございますが、大体の報告を終りますが、災害状況につきましては被害写真等もございますので、ごらんのほどをお願いしたいと存じます。  以上で終ります。

岩沢忠恭自由民主党

○理事(岩沢忠恭君) ただいまの御報告に対して、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 長野県の南の方の災害について、七月末の豪雨で国道が破壊され、バスも通れなかったようですけれども、それが非常にスピート・アップして、通れるようになったとたんにまた九月に雨が降って、また通れなくなったということを聞いておりましたけれども、その九月の雨のあとの復旧の状態はどうでございましたか。

石井桂自由民主党

○石井桂君 私どもの歩きました経路の範囲におきましては、乗用車で歩いたのでございまして、その程度はほとんど直っておるようでございますけれども、ただ直るという程度ですが、完全になっているというようなふうにも思えない。ただようやく通れるという……。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 乗用車で……。

石井桂自由民主党

○石井桂君 乗用車で。バスなども通れば通れるんじゃないかと思いますがね。つまり幹線を主として歩いておりますから、今の御質問は山の中へ入ったということの御質問でしょうか。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 いやバス道路。

石井桂自由民主党

○石井桂君 われわれの歩いた範囲の所は大がい歩けるようになっていました。これは政府の方へ聞いた方がいいかもしれないです。

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 道路局長さんにお尋ねしますけれども、この前の七月末の豪雨のときですね、あと国道の復旧を非常に早くやってくれて、地元の人は非常に喜んでいまして、その方の礼も一つ委員会で言ってくれというようなことまで言っておられたのですけれども、今度九月の初めに雨が降ったでしょう。そうしてせっかく通ったバスがまた通らなくなったということを聞いておったんです。それで調査に行かれてどういうふうになったかと思ってお聞きしたんですけれども、その後九月の雨のときの復旧の状態はどうなっておりますか。

富樫凱一建設省道路局長

○説明員(富樫凱一君) 飯田—名古屋線でございますが、これは九月にまた災害が起きましたが、一応応急の復旧をいたしまして、通れるようにしたはずでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 犀川の砂防工事はどういう程度に進んでおりますか。あそこの松本の砂防工事事務所は開設以来数十年になるはずでございますね。で、初めの計画と現在の状況はどういう工合に進んでおるのですか。どういう程度に進んでおりますか。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) 松本の上流の犀川の砂防のお話と思いますが、これは直轄工事でやっておりまして、建設省といたしましても重要工事ということで、重点をおいてやっておるわけでございますが、何せ山が全部崩壊してくるというような大規模のものでございますから、終るというようなことにはなかなかいかぬわけでございますけれども、できるだけ危いような所を押えるという方向でいっておるわけでございますが、なかなか終るということはすぐにはできないと思います。やはりその状況を見ながら進めていくという方向をとるよりほかしようがないと思っております。できるだけ金はよけい入れてやるような方策はとっております。

田中一日本社会党

○田中一君 あそこにいる工事事務所長というものは、直轄工事になってからずっと引き続きいるように聞いておるのです。まあそれはむろん砂防工事としても権威者だと思いますけれども、今日の状態じゃやはりそういう点にも多少仕事の面において難点があるのじゃないですか。私今まで十数年も同じ所に工事事務所長がおったという例はあまり聞かないわけなんですね。ことにあの人は県時代からおった人じゃないですか。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) 私も古い時代に県におられたかどうかということははっきりは覚えておりませんが、おそらくずっとあそこに、直轄砂防を始めたころからおったというふうに私も考えております。ただまあ砂防工事というものはなかなか専門的のことでありますし、またからだの方もなかなか丈夫な人でないとできませんものですから、それからまたほかの方へ移すという話がございましても、なかなか専門的でございますので、ほかの方の仕事にすぐ適するかどうかという点もございます。しかしまあいつまでも同じところに置いてマンネリズムに陥るということはやはり考えなければいかぬ問題だと思っております。そういうような点で人を一つ動かして、新しい仕事を研究的にやらすという方法は積極的にとらなきゃいかぬというふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 私先に休会中に行って参ったのです。ところがどうも百人近く職員がおりますけれども、意気が上りません。ことに職員と所長との間には、やはり何といいますか、意思が円満に通っておらないというようなことも見られるわけです。まあ一つの顕著な例を言いますと、九十何名か補助員、準職員、職員がおります。そのうち職員の七名だけが労働組合の支部を作っておって、ほかの者は絶対にいかぬというような強圧制度をとっておるのですね。それではやはり準職員、補助員というものはその所長の命令を聞いて動くという工合にひかないのじゃないかと思うのです。何といっても十数年——私記憶したのでは十数年前からおるそうですから、そういうところでやっぱり仕事の面においてもいい結果が出てこないのではないかと思う。ことにそういうような一つの例を見ましても、これは政府としても、河川局長としても、人事の交流は当然すべきだと思うのです。そうしなければその事務所の能率という点においても、地元との折衝の面においても、そのために工事に影響するところがあるのじゃないかと思うのです。その点は一つ十分に考えて、さっそく何らかの方法をとるように私は希望しますが、その点どうですか。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) この問題に関しましては、もちろん非常に長くおりますると、まあなれてきていいこともありますけれども、弊害が伴うようなこともありますので、全般的に一つ人事の問題は考えるということを建設省全体としても最近になって言っておりますから、そういう一環として一つ十分に相談してみたいというふうに考えております。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 ちょっとお伺いしますが、実は先般党の関係で東北総合開発の特別委員会が開催されまして、その中に東北六県の知事さん方がお見えになりましたが、たまたま新潟県知事の方から出された問題は、御承知のように地盤沈下の問題があるのですが、最近特に著しい地盤沈下の現象が現われて、特に港湾付近においては一メーター八十ほどの沈下量になっておる。こういう現象を呈しておるのですが、こういう状態に対して御調査になっておると思いますが、その調査状況について一つ御説明いただきたいと思います。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) 新潟付近の地盤沈下の問題につきましては、最近になりまして非常に沈下の現象が多くなって参ったわけでございまして、その前も沈下の現象があるということで、地理調査所では沈下の状況は調べておったのでございますが、ただいまお話がありましたように、最近県あるいは新潟市からの状況報告を聴取いたしましたところ、特に港湾の付近、それから突堤の一番先の部分が非常に沈下しておるというふうな報告を聞いておるわけでございます。それに対しましては、まあ運輸省の港湾区域の部分が非常に沈下がひどいようでございますが、私どもの方の関係といたしましても、準用河川の部分等におきまして、従来潮が参りましても入らなかったような所が浸水するというような状況になって参りました。これに対しましては単に沈下がどれだけ起ったとか、起りそうだという問題の以外に、地質の調査等をやはり厳密にやらないと、原因がどういうところにあるか、あるいはそれに対する対策をどうしていったらいいかということを立てる上におきまして、十分調査しなきゃならぬということでありますので、港湾局ともよく連絡いたしまして、今後におきまして、そういうふうな徹底的な調査をしたいということで、調査費も要求しているわけでございます。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 それで、実は非常に新潟市民——当局ももちろんそうですが、市民の方々も非常に憂慮しておるわけです。特に市内新潟鉄工所については、高潮時には相当な浸水があって、もう事務所の中まで入ってくる、そういう状況になっておるわけです。それで、まあさしあたってはかさ上げ等をしなきゃならぬが、しかしながらそのようなことぽかりでは問題の解決にはならない。何とか抜本的な対策を考えられねばならぬだろう。しかし原因というものが明確になってない。ただ伝えられるところによると、最近の地盤沈下の現象は、相当新潟では天然ガスをとっているわけです。それで天然ガスを多量に採取しておるので、その天然ガス採取が一番大きな原因になっているのではなかろうかという問題が伝えられておるんですが、一方また、あそこでやっております日本瓦斯化学会社ですか、この方の方々に聞きますると、決してそれは天然ガスの問題ではないだろうというようなことで否定されておるような向きなんですが、建設省としてはこれに対し、まあ今調査を進められておるというわけですが、大体の原因はどこにあるかということについてのあれは出ておるんですか、おもな原因ですね。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) その点につきましては、的確な判断をまだ下すわけにはいきませんけれども、まあほかの方の大阪であるとか、東京であるとかの地盤沈下が地下水をくむ量に比例しまして、沈下の量がふえたり減ったりしておるのであります。ですからそういう間に相関的な関係があるということが、ほかの地域では結論が出ておるわけでございますが、そういう点から言いますると、やはり関係があるんではないかというふうには考えられますけれども、的確にそれのみであるかというようなことは、今後調査をいたしまして、学者等の意見を十分聞いてみまして、それに対する対策工事だけでなく、そういう原因をいかにして除去するかというような問題もございますが、あわせて研究しなきゃならぬ問題でございますが、的確にこれが完全な原因だというような点につきましては、まだ結論的には申し上げられない段階でございます。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 それで、県当局としても相当これに対する調査については長期を要すと、長い期間にわたる調査が必要であるが、しかしその間今の状態でいくと、さらにさらに沈下のあれが激しくなってくるだろう、それはうっちゃっておけないということで、これに対して何らかの応急措置は講じなきゃならぬということも言われておるわけですが、建設省としては応急措置としてどのような対策を立てられておるか。

岩沢忠恭自由民主党

○理事(岩沢忠恭君) 今の質問、派遣委員からの報告に対する質疑ですね、もちろん地すべりには関係しますけど、本日は今これから後御相談申しあげたいことは、地すべりの件についてもっと徹底的に政府当局から聞こうと思いますから、それまで一つ進行をとめてもらいたいと思いますが。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 はい、わかりました。

石井桂自由民主党

○石井桂君 ちょっと……。自分で報告して質問しちゃ悪いですが、根本的なことだから。

岩沢忠恭自由民主党

○理事(岩沢忠恭君) それは報告に関してですね。

石井桂自由民主党

○石井桂君 そうです。それは、非常に私が疑問といたしましたのは、天竜川の関係河川ですが、泰阜ダムの工事によって河床が上昇したと地元は言ってるんです。そういう原因が百パーセント響いているかどうかは私にはわかりません。しかし河床が上昇したことは確かです。それで今度は、それに対して支流がどっさり流れている、これも非常に上昇してるんです。河口で六メートル、八メートルぐらい上昇していて、水がろくろく流れないような状態になっている所もある。一体こういう河床の上昇したものを抜本的に直す方法があるのかどうかということが非常に疑問になったわけです。不可能なことではなかろうが、非常に金もかかり日数もかかるだろう、この河床がどんどん上昇するのにどういう手を建設省は打つのか、こういうことが疑問になったわけです。自分で報告していて、そういう抜本的対策いかんということの御意見を聞きたい。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) 河床が埋まりました分をどうするかという御質問でございますが、それに対しましては、やはりあとからあとから出てきては困るので、砂防工事を一つ急いでやらなければいかぬというわけでございまして、あの地域につきましては特に緊急砂防というのがございますので、これを一つ本年度からすぐやろうということで、あの地区に対しましても数カ所仕事も始めております。また今後におきましても、予備金等を支出いたしまして、できるだけやろうということでございます。  それから、それじゃ砂防工事をやればどうかということでございますが、小渋川というのがございますが、あれに大きな砂防堰堤を作りましてからは小渋川それ自身については非常に下りまして、非常にいい影響を見ておるわけでございます。それで、しかし非常に大きな堆積になりますと、砂防工事をやりましても河床が低下するのは非常にむずかしいのですから、それはある程度掘ってやらなければならぬ、それで水道をつけてやりますと、洪水以外のときに小さいやつはどんどん下流に流れていきまして、自分で下る作用をいたすわけであります。ですから大きなものを砂防にてとめてやりますと自然に、水道をつけてやりますとある程度下っていくことが見られるわけでございまして、全然掘らなくてもいけないと思いますが、ある程度掘ってやって水道をつけてやるということをいたしますと、砂防工事と相待って河床の低下が見られるというふうに考えております。

岩沢忠恭自由民主党

○理事(岩沢忠恭君) 別に御質疑がないようでございますから、お諮り申し上げます。  本日引き続きこの席で審議いたしたい議題は、地すべりの対策に関する件、それから駐車場に関する件及び昭和三十二年度の建設省及び北海道開発庁の関係予算の執行状況に関する件を審議いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩沢忠恭自由民主党

○理事(岩沢忠恭君) 御異議ないと認めます。

田中一日本社会党

○田中一君 ただ、その他政令に関して少し質問したいと思いますから、それも了承して下さい。   —————————————

岩沢忠恭自由民主党

○理事(岩沢忠恭君) それではまず、地すべり対策に関する件を議題に供します。  御質疑の方は順次御発言を願います。

大河原一次日本社会党

○大河原一次君 それでは先ほど中断しましたけれども、その当面の沈下に対する応急対策と申しますか、それに対する当局のお考えを示していただきたい。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) 今お話がありましたように、非常に工場とか、あるいは人家等におきまして浸水が起って困る点につきましては、もちろん調査をやってからということでは間に合わぬことでございますので、緊急対策工事を港湾局と連絡をいたしまして作っております。従いまして、調査が済まなければ仕事をやらぬというわけではございませんで、緊要なものにつきましては、早く調査と並行して緊急工事をやろうということで進めております。

石井桂自由民主党

○石井桂君 地すべりの一部の視察をして参りましたが、明科地区というところでは地すべり対策が非常に効果を奏している例は拝見したわけです。しかし承わりますと、茶臼山というのがあるそうです。そこで毎日十センチぐらいずつ降下しているというのでございますね。すべってしまう。そうしますと、そういうところをやりっ放しにしておきますと、一年か二年たっと、何百メートルも地所が下っちゃってね、処置がないのじゃないかと思います。そういうものに対する対策も何か立てておられるのでしょうか。つまり局部的なやつはいろいろな方法を講じてとめておられるようです。しかし広範囲にわたり毎日十センチぐらいずつ降下して処置がないようになっているやつも、何か人工衛星もできる時代ですから、適当な手があるかと思うのですがね、どうなんですか。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) 従来地すべり対策といたしましてやっている方法は、地下水をなるべくその地すべり面に入れないようにする。結局雨が降りましても、地すべり面に入らぬように排水溝を作りまして、脇に水をやってしまうという方法、それから地下水が入ったやつを下げてやるということで、ボーリングをいたしまして、水を抜いてやるというような方法、それからなお川の沿岸で地すべりが起ったようなものにつきましては、根をとめてやるような方法で、砂防堰堤みたいなものを作りまして、根をとめてやるという方法をとっております。しかし非常にものによりますと、どうも相当すべりが進行したものにつきましてはなかなかとめようがない。地すべり面が非常に厚くなりまして、すべってしまったものを途中でとめるということは、なかなかむずかしいようでございます。初めに、すべり出しごろのときに、あまりすべり面が厚くならない薄いうちにやりますと、地下水がある程度浅く保っておれば、非常に有効にとめられる。たとえばすべり面の上に地下水面が一メートル五十以上になるとすべり出す、それがそれ以下にとめておくとすべりが非常に少い、こういうような全国的な結論が得られているわけでございまして、主として地下水を下げておく方法が、一番安くて的確な方法でございます。ただそれだけではとめられぬようなものがございますので、まあやむを得ないものについては人家等を一つ移転してもらった方がいい。どうにもとめられぬようなものがございますので、そういう方策をあわせてやらなければいかぬのじゃないかというふうに考えております。

石井桂自由民主党

○石井桂君 まあ話はわからないこともないのですが、よく聞いていると、地すべりが始まるころ手を打てば大がいとまると、しかし進んでしまってからではとまらないみたいな、まことに能のない御答弁なんですね。そんなに進歩しないのですかね、防災工事というものは。つまり一メートルから二メートルぐらいの浅いところで防災の施設をして、水をうまく抜けば抜けないこともない。しかしかなり深度が厚いと、そういう場合広範囲のもので、すでに地すべりが始まってしまっている、そういうことろにはもう手がないというような御答弁のように聞いたのです。そうすると、今例をあげた茶臼山というようなものは、見ているよりほかないということですね。そうすると、あの上に何十戸か人家があるわけですね。それをわれわれが見て、あれよあれよという間に一番下の川底まですべってとまるまで見ていなければならないわけですよ。そんな災害防止の方策というものはないと思うのですがね。  で、地すべりの費用を試みに聞いてみたのです。そうすると、長野県下の明科地区では百万円にも足りないような工事費らしいのですよ。そんなことで山の地すべりがとまるか。バラック一軒建てても百万円ぐらいかかる。そんな費用で山のすべるのをとめようというのですからぬ。これはどうも少し建設省も熱の入れ方も足りないし、勉強の仕方も足りないように思いますが、どうですか。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) その点につきましては、金の少い点、あるいは研究が足りないというような点は、まあ御指摘の点もございますが、今後におきましては、法律によりまして調査も大規模に一つやりたい。それから原因の調査につきましても、従来非常に調査が万全じゃなかった点は認めております。ですからその点につきましては、地質学者とかあるいはそういうふうなものの権威者を一つ頼みまして、大いに一つ方法につきましても研究してみたいというふうに思っております。また費用の点におきましても、本年は九千万、約一億足らずの地すべりの費用でございますから、来年度におきましてはそれをもっとずっと増大いたしまして、徹底的にやりたいというふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 今まで地すべりでそのまま放置しておいて、どういう現象になったというふうな実例がありますか。たとえば今石井君の言った茶臼山が、何年ごろから地すべりの現象が起きて、現在は何年たってどういう現状にあるかということ、そういう例がほかにあったらば一つ。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) 茶臼山がどうなったということは、調べればわかるわけでございますが、今直ちにはあれでございますが、大体地すべりが起るときは三紀層の分で、すべって参りますときには山の上に亀裂を生ずるのでございます。亀裂を生ずると、その亀裂に沿って雨が降った場合に水がしみ込んでゆく。それがすべり面に入ってきまして促進する。ですからやはり地すべりが起るときには、上の方に亀裂が入ってくるというのが実情のようでございます。それに対して早く地下水を抜いてやらないと、その亀裂の面に水が入らぬようにして参らなければいかぬわけでございますから、そういうのを一つ今度は全般的に調べまして、早く手を打つようにということを考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 何といってものちにくる経済効果というものが、金をつぎ込む場合に問題になると思うのです。たとえば近海の何にも意味のない島が一つぼつっと陥没しても、これは経済効果に影響がなければうっちゃって置かなければならぬと思うのです。従って今までのうち、今理論的なことをあなたはおっしゃっているけれども、技術的な問題を専門的に、実際にそういうものが起きて、放置して、現在どうなっているというふうな実例がありますか。大ていそういう地すべりというふうな現象が起きれば、直ちに手を打って、それはとまっているというのが現在の状態なのか、それともこれはとてもしようがないから、ある程度まで放任しておいて、けれども限度はこの辺でとまる、そうして被害というものもそうたくさんない、同時にまたそれに対してたとえば百万円金をつぎ込むことはむだである、それに見合うところの生産も何もないというような場合、そういう場合の実例がありますか、今までに。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) その点につきましては、地すべりが起りそうだという点は、先ほど申しましたように見当がつくわけでございまして、今回の災害におきまして、佐賀県の伊万里で起ったような地すべりは、林野庁におきまして防林工事をやっておった。ただそのやり方がもっとたくさんやれば、あるいはもっと急いで早くやればあんなことは起らなかったかもしれませんが、やっておったことはやっておったのでございます。そのために今度の雨が非常に多かったものですから、すべったわけでございます。そのために下にありました人家が相当埋まって、川の中まで押し出してきたりしたわけでございますから、このような例は、川をせきとめますと、川の水がはけない、そうなりますと、上の方にあるたんぼが浸水してしまうというような非常に悪い例で、そういうことが起りますと非常に困る、急いで川をつけ変えてやらなければならぬというような問題が起きてくるわけでございまして、そういうものはどうしてもとめるために相当な金を入れた方が経済効果もありますから、やらなければならぬ例でございます。中にはしかし山の中で、ただ単に山の中で、下にたんぼもあまりない、林だけだというような例もございます。ですから今までも金は足りないのでございますけれども、非常に公共的に影響の大きいものは手を打っておったのでございます。ただやり方が先ほどもお話がありましたように、方法についても限られた方法をやっておったわけでございますから、もっと有効な方法を研究しなければならぬし、しかも、もっと大規模に地下水をくむというような方法も考えなければならぬというふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 それからもう一つ、さっき大河原委員から質問のあった例の地盤沈下の問題です、新潟県下の。これはまだ原因はいろいろはっきりしないというようなことを言っておりますけれども、総合的な対策というものは、これは地盤沈下をとめるということになっておるのか、あるいは沈下はやむを得ぬからかさ上げをして、信濃川の水の入らぬように、あるいは高潮なんかの場合の洪水対策ということになるのか、どういう方針に今なっておるのですか。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) その方針につきましては、まだ的確なあれは出ておりませんけれども、新潟につきましてはそういうわけでございますが、大阪の地盤沈下の場合は、地下水と非常に相関関係があるという結論がある程度出たわけでございますから、水をくんでも水を返してやるというような方法も考えたのでございます。それからまた地下水をできるだけ取らぬように、工業用水などは一つ川から取るような方策をとろうというので、まあ工業用水など川に置きかえようという方策をとりまして、水をなるべくくまぬような方策をとろうという方法と、それから沈下に応じまして堤防を作ってやろうという両方の方法をとったわけでございますが、新潟につきましても、やはり完全にとめるということができれば一番けっこうでございます。その水をくむというそういうことができれば、原因的に除去できるわけでございますけれども、そうばかりもいかない点もありますし、すでに下った分もございますから、それに対しましては、どうも堤防を作るなりしてやらぬといかぬと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 たしか明石の先の方の海岸だと思うのです。四、五年前に、もう二百メートルも地盤が沈下しているというような現象のあるととろに視察に行ったことがあるのですが、そういうようなところも全然何にもしないで、そのままうっちゃってあるのです。これはむろんそれだけの土地が水没ずるだけであって何にも被害がない。お宮がありまして、そのお宮の鳥居がもう海中百メートルぐらい先にその礎石が残っておるというようなのがあるのです。そういうものは今まで手をつけないで、そのままうっちゃっておくということになっておるのです。たとえば尼崎のように直ちに生産に悪影響があるというようなところは大きな金をつぎ込んで、かさ上げなんかしておりますけれども、そうでないところはそのままになっておりますが、そういうものはそのままにうっちゃっておくという方針なんですか。

山本三郎建設省河川局長

○説明員(山本三郎君) 海岸の侵食の問題につきましては、仰せの明石の西の方にもございますし、また特に日本海の方面におきましては非常にたくさん起っております。それをとめる方法につきましては、従来水制などを出しまして、砂が根にたまるような方策をとっておったわけでございます。これにつきましても非常に金がかかるものでございますから、やはり沈下の多いようなところなどにつきましては、やっておったのでございますが、明石の問題につきましても本年は調査費をつけまして、具体的にモデルを作りまして試験をいたしました。そういう方法でできるという見通しがつきましたものですから、来年からは本格的な工事をやろうということで進めておるわけでございまして、もちろん経済効果の大きいところからやるということになるわけでございますが、全部放置しておるというわけではございません。なかなかむずかしい工事でございます。技術的なことを申し上げて恐縮でございますが、川と海の境の点が、今まで究明が得られなかったのでございまして、そういう点につきましても実験をいたします。また実際にものも作ってみまして、やるというような方法で研究を進めておりますから、ある程度の確信が得られるわけでございます。事業は今後におきましては、重要な分からやりたいと考えております。

岩沢忠恭自由民主党

○理事(岩沢忠恭君) それでは、本件はこの程度にいたします。   —————————————

岩沢忠恭自由民主党

○理事(岩沢忠恭君) 次に駐車場に関する件を議題にいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 前国会で駐車場法案が通って、来年一月からか実施することになると思っておりましたけれども、現在の実施の方針といいますか、政令並びに条例にまかそうという考え方はどの程度まで固まっておりますか。

町田稔建設省計画局長

○説明員(町田稔君) 駐車場法は施行期日が法律公布の日から「一年をこえない範囲」となっておりますので、来年の五月から施行する計画になります。  それで、目下政令につきまして、計画局の案ができましたので、この案に基きまして関係各省と折衝いたしております。この案の内容といたしましては、路上駐前場の設置計画の作成基準、路上駐車場の駐車料金の徴収等に関しまする基準、路外駐車場の構造及び設備の基準、路外駐車場の駐車料金の額の基準、こういう四つの大きな項目に関しまして規定を設けまして目下折衝中でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 関係各省との折衝であって、たとえば地方行政庁との折衝はどういう程度ですか。

町田稔建設省計画局長

○説明員(町田稔君) 関係各省は、主たるものが運輸省及び警察庁でございます。それから地方におきまして、条例でいろいろなことを定める必要がございますので、各府県に対しましても、条例の作成に関しまして準備をするように指示をいたしております。  それからなおこの法律によりますと、路上駐車場等に対しまして、地区の計画を立てる必要がございますし、駐車場整備地区等の指定も必要でございます。そういうようなことにつきましても調査させております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうして大体初め施行のときは、全国的にどの地区から始めようという考え方を持っておりますか。都市でいえば……。

町田稔建設省計画局長

○説明員(町田稔君) 都市では大体五大都市から始めたいと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 その指定する区域の地元民などの意向を聞くような方法をとっておりますか。

町田稔建設省計画局長

○説明員(町田稔君) たとえば東京都などで申しますと、指定をいたします地区につきまして現在交通調査をいたしまして、八月中にその結論が、大体調査は結論を出しております。それに基きまして、地区の指定をするわけでございますが、その際には、法律では都道府県公安委員会の意見を聞くことになっております。現在その地区の住民の意見を直接聞くということは考えておりません。

田中一日本社会党

○田中一君 たしか千坪でしたか、千坪以上の建築物には必ず設けなければならないということになっております。そこで、そういう点については、やはりその事業を行うという階層の意見も相当聞かなければならぬと思うのです。この法律は制定のときにも私よく申し上げたのは、たとえば区画整理指定地であって、自分の意思でなく、やむを得ずそうした形の高層建築をする、千坪以上の高層建築をする、あるいは所有者といいますか、事業施行主が何人も集って集団的な高層建築をする場合には、あの法律によるところの千坪以上というものには持たなければならぬということになりますと、その経営自体にひびが入ることになると思うのです。そういう点についての考慮はどういう工合に考えておりますか。

町田稔建設省計画局長

○説明員(町田稔君) その点はお説の通りでございまして、法律の第二十条でその点を考慮いたしまして、特に建築物についての制限は条例で定めることになっておりますので、各地方議会にかけるその際に十分住民の意思も反映できる、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 でき上るものは一人でやろうと十人でやろうと同じものだと思うのです。十人でやるから駐車場を持たぬでもよろしいということも言えないと思うのです。もしそうならば、施行者を十人の名前で分けてやるならば十人になるわけですが、その点はどうなりますかね。私はこの法律の制定の場合には問題はそこにあるのではないか、直接国民の権利というものに対して、むろん公共施設としてですよ、公共性のある法律なんですから、その犠牲は当然払うのだ、かりにそういっても御承知のように中小企業等は小さな規模のものが多いのです。従って千坪以上に何台置くことになるか知りませんけれども、それにスペースをとられると経営自体が非常な悪影響を受けるわけなんですね、それを条例にまかすからいいじゃないかということではいけないのじゃないかと思うのです。やはり政府は政府としてこの場合にはこう、あの場合にはあるという考え方を示さなければ無責任きわまるのです。それも一面においては中高層建築等、そうした高層建築ですね、それから耐火建築というものを促進しながら、一面においてはそういうものに対する補償というものも大きく浮び上ってくるのならかまいませんけれども、何ら補償の措置はとられておらないのです。ただ法律ですと、千坪以上のものは駐車場を持たなければならぬということをきめると、今いう通り、ことに弱小の中小企業等はたまらないわけです。問題はそこにあるのじゃないかと思うのです。そうして中小企業のたくさんあるところはやはり駐車場を設けようというような区域になるわけなんですね。そして地価というものも相当高いということになると、経済的な面においての圧迫というものは非常に強くなる、この点は十分にそういう影響はないようにするという答弁を局長はしておったはずです。けれどもそれは条例でもって向うにまかすのだというのじゃ少し責任がなさ過ぎると思うのです、そういう点どう考えますか。

町田稔建設省計画局長

○説明員(町田稔君) この建築をします際に、強制的にガレージを設置させるということにつきましては、建築主に多大の負担をかけるということになりますので、この法律制定当時にはむしろ法律でそういうことを直接義務づけたらどうかという議論もありましたのですが、特にそのことをいたしませずに、条例に譲ったわけです。条例で各地方の実情に応じて無理のないような内容できめることができるようにということで条例に譲ったわけでございますが、条例自体が内容が非常にきびしい内容になりますと、その点はたしかに不適当な場合も生ずるかと思いますので、内容につきましては、一応の本省としましても基準を作りまして、これは法律上の基準ではございませんが、行政上の一種の標準を作りまして流したい、こういうふうに考えております。なお当時計算をいたしましたところによりますと、今数字を覚えておりませんが、千坪以上の場合に一定のガレージを設けさせましても、建築費が増高する割合は、パーセンテージといたしましては比較的低いのでございまして、これは私正確な数字を忘れましたですが、無理のないところで一応基準を作って流したいと、こう考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 丸ノ内辺の貸しビル等はこれは当然持たなければならぬと思うのですよ、自分自身が持たなければならぬと思うのです。けれども今ここで駐車場の指定をする区域なり、それからまたその建物に関係のない一般通行者としての車がたくさん集まるようなところは、もう間口一間でも半間でもりっぱに生業としてそれが自分の生活源になるという企業が多いわけなんですね。また大きな松坂屋とか高島屋というのは、当然強制して持たせなければならぬと思うのです。そこはしかし銀座の例を引いても、銀座に間口の一間くらいの家が並んでいる、これが共同して千坪以上の規模の建築物をする場合、これに持てといっても持ちようがないわけなんです。そういうことが中小企業だけに対する圧迫になるわけですね、負担が重くなるわけなんです。そういう点をどうするかということを言っているのです。一面今の共同建築というものも奨励して、中高層建築を奨励するということをいっていますし、また耐火建築を奨励して補助金を出す法律もできているのです。そういう場合にはどういう形でそれを区別して、そういう過重な負担をかけないようにするという方法をとっておるかということなんですよ。今抽象的にあなたがそんなふうに条例でもってさせるのだということを、どういう方法でさせるのですかと伺っているのです。

町田稔建設省計画局長

○説明員(町田稔君) 今お話のございましたような点につきましては、基準等の作成も今後の問題に属しますので、十分御趣旨の点を参考にしまして検討いたして参りたいと思います。なお当初考えておりましたものは、建築の種類によりまして、たとえば百貨店にはこういう程度のスペースのガレージを設けろというように、人の特に集まるような種類のところはかなり多くのスペースを持たせるように考えております。それからその他建築の性質によりまして、面積が大きくても比較的人の集まりはそう多くないというようなものにつきましては、比較的スペースは狭くてもかまわないというようにするような案も考えております。御趣旨の点を十分考えて基準の作成にも当って参りたいと思うわけであります。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅局長に伺いますがね、今町田君と私が質疑をしている問題についてどう考えますか。あなたの方では一面さっき言うように耐火建築促進法を持ち、それから中高層建築を奨励し、そういう立場からいって今のような場合にどういう工合にしてほしいという希望がありますか。たとえば用途といいますか、用途でもって規模の基準をきめようということを局長言っていますけれども、こんなことは私はできないと思うのです。たとえば現在はデパートをやっているけれども、デパートならいいですけれども、あれはデパートでもって貸し店にするのでしょうけれども、用途というものは常に変更されるわけなんです。決して建築物としては固定しているものと私は考えておらないわけです。今まではキャバレーであったけれども、今度はそうでないものになるかもわからない。従ってキャバレーになったから今の地下室を全部改造して車庫にしろ、こういう命令は私は出し得ないと思うのです。この駐車場法の一番問題だと思うのはそこなんです。そこが国民の生活に非常に大きな関係があるから、考えとしては、オフィスは自動車を持っている人たちが自分のものを持っているなら自分の所に入れろということなんですね。これはいいのですけれども、一般通行する人も車を持ってくるというものに対してどうするかということなんですね。それで今計画局長の答弁でも私は満足しないのです。あぶなくてしようがないのです。といってそれをしないと、今言う法律を作ったということにならぬものだから非常に苦慮するわけです。どういう考え方を持っているか。この建築の方を主管しているところの局長としてはどういう形のものが望ましいのだということは考えておりましたか、今までに。

植田俊雄建設省住宅局長

○説明員(植田俊雄君) ただいまのお話で考えておりましたかと言われますと、率直に申しまして不勉強でまだ考えておりませんでした。ただいま田中先生の御質問、あるいは町田計画局長の答弁を聞きまして、そこに問題があるということは承知しました。私自身身もパーキングの問題につきましては関心を持っております。店舗の前におきましては、アメリカ等におきましてはパーキングのメーターを置いた場合もございます。これにつきましては、パーキング・メーターのあるスペースを利用する人からいえば非常にありがたいわけですけれども、メーターを置かれたその前の店舗としては非常に迷惑をこうむっている。こういう面も研究したりしまして、非常に関心を持っている問題でございます。  そこで共同建築との関連に至りましても、ただいまの町田局長が申し上げましたように、その状態において解決しなければならぬ問題だと思います。また一方から申しますと、共同建築を促進する意味から申しまして、零細とは申しませんが、大きなビルディングを建てるような資力でない中ぐらいの方々が集ってお作りになる建物の場合に、それにどの程度の負担をかけていいかということも相当考えねはならぬ問題だと思います。それにパーキングを強制することは、一つのファクターとしましては地域という問題でございます。次の問題としましては、業態という形によってとらえるよりほか仕方がないと存ずるわけであります。パーキング・スペースを持たせるということに必要な業態をつかまえまして、その業態に合う法律の運用をして参るべきだと思っております。ただいまのお話にございましたように、業態というものは変るわけでございまして、将来どういうふうに変るかということを予想すれば、すべてのスペースの大きい建物についてはすべてパーキングにもスペースを予想しなければならぬということになるわけでありますが、これは法律の運用からいたしまして、そうできないような場合も多かろうと思いますので、やはり現在その建物の用途に予想されておるものを予定いたしまして、その用途できめておくしか方法はなかろうかと思います。もちろん将来すぐにこれが変更せられるということの見通しのつくような建物でごさいましたら、当然その点も考えるべきかと思います。ただいまの点は私もただいまのところでは研究不十分でございまして、御趣旨の点につきまして、今後計画局とも折衝いたしまして、間違いのない運営をして参りたいと思っております。繰り返して申し上げますが、駐車場法の精神に盛り込まれました駐車場を設置させるということはきわめて重要な問題でございますが、この運用それ自体はまた非常に利害関係の複雑な問題でございます。その点は十分今後研究して参りたいと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 もう私はその問題を、町田君から何かの構想を伺えるものと思ったのです。私はこういう考えを持っているのですがね。そういう区域というものはおのずからきまってくるわけなんですね。中高層建築をやって下に商店街を持つというものの経済効果の面から見ても、それから耐火建築促進法によって共同建築をするという区域はおのずからきまると思うのです。私は、もうそこは自動車が通ってはならない区域に指定するというような答弁が得られるならば、実情に即して、そうした面の建築物に対しては駐車場は要らないのだというような考え方を行政措置とあわせてとるというような答弁が出るのではないかと考えておったのです。従って銀座の松屋とか松坂屋に来る者は歩いてこい、自分の店舗のそばには車を置いてはならないということになるべきだと思う。あの人たちは相当一日に何十万の客を扱うものと、一日に間口二間の商店がかりに二百人の客を持つものと、法律においては一つで同じになってしまうのです。この二百人の客を持つものが二十軒集まって何百人、何千人を顧客とするものと、デパートは同じものなんです、建物としては。従ってもうそういう区域は駐車場の指定もしない。たとえば銀座なら銀山というものは全部車を通行させない。ただ通過するものはこういうものは一応認めてもいいし、またおりるのもよろしいけれども、その区域には一切の車を通さないというようなことが僕は最善な道じゃないかと思うのです。そのくらいの答弁はできないかと思っておったのです。出るのじゃないかと思っておったのです。ただそのために、どうも松坂屋へ行くには車が不便だから歩くのはやめてほかへ行こうとなったってけっこうなんです。それはそうなる方が望ましい、中小企業にとっては……。だから、そういうようなことを、百貨店協会というものは非常に政治力が強いですから、そういう区域はぽんとやってしまうというような、法律の精神と行政措置でやってしまうというような腹がなければ、私は今住宅局長、計画局長知恵をしぼっても、その知恵の成果は出てこないと思うのです。で、妙な国家公安委員会に相談して、その物件についてきめるということになれば、政治的ないろいろなあれが出てきまして、国民のひんしゅくを買うのみです。ロンドンの、旧ロンドンといいますかね、デパートの周囲には車は全然とめない。私が行ったときには車はしようがないからぐるぐる回っている。その自分の車をぐるぐる回っているやつを待って乗るのです。東京にアメリカなんかのシステムを持ってくるのがおかしいくらいであって、ロンドンのようなああいう古い都市であって、ちょうど日本と同じように都市の発展を見ておるというような例をとらなければならぬと思うのです。交通問題にしても駐車場の問題にしても、そういう点でもって、一つこれから研究するというのじゃなくて、そういうことも考えながらそれを地方都市に流して、協議をしなければならぬと思うのですが、そういう点はどうお考えになっていますか。

町田稔建設省計画局長

○説明員(町田稔君) この法律によりますと、駐車場整備地区を設けました場合には、駐車場整備地区内で路上駐車場を設けまして、路上駐車場以外には駐車を許さないことになっております、法律自体で。それで路上駐車場をどこに設けるかという問題でございますが、ただいま田中先生のおっしゃったように、デパートの前等には路上駐車場を設けないということにいたしますれば、御趣旨の点が達成されるわけでございまして、各地区とも駐車場整備地区を設けるところにおきましては、そういうような措置を当然とると考えております。  それからなお、建物に駐車場を付設いたします際には、それはその建物に特に関係のある職員、その他事務用の車についての駐車場でございまして、一般のものの駐車場を設けさせるわけではございません。これは路上駐車場で処理したり、あるいは路外駐車場で処理したりするということになり撮ると思います。その点は御了承いただきたいと思います。    〔理事岩沢忠恭君退席、理事石井桂君着席〕

坂本昭日本社会党

○坂本昭君 駐車場問題に関連して、政府並びに委員会の各位に簡単なことですけれども、一つ御配慮願いたいことがございます。それは、駐車場法はもちろん交通政策並びに道路政策上の法でございますけれども、実は諸外国には強制雇用法というのがあります。身体障害者の強制雇用、特にイギリス、西ドイツは非常によくできています。イギリスの例だと二十人以上の職場には三%の身体障害者を雇わなければならない。その中でイギリスの場合には人を運ぶエレベーターを扱う人、並びに駐車場の管理者、番人ですね、これは必ず身体障害者を該当させなければならないという法律がございます。日本でもたまたまこの駐車場法というのができましたので、まだ強制雇用法というのはございませんが、しかしこれはおそらく政府もそろそろ労働省並びに厚生省で考えるべき段階だと思いますし、私たちも野党として強制雇用法を準備しようと思っているのです。ちょうどこの駐車場法というものが来年の五月から施行されるということにつきまして、こういう考え方もあるということを政府並びに委員会の各位において御配慮願いたい、その点一つ一言申し上げます。

石井桂自由民主党

○理事(石井桂君) それでは駐車場法に関する件はこれで打ち切ります。   —————————————

石井桂自由民主党

○理事(石井桂君) 次に昭和三十二年度建設省関係予算の執行状況に関する件及び北海道関係の公共事業費に関する件を議題にいたします。  まず建設省並びに北海道開発庁より御説明をお願いいたします。

柴田達夫建設大臣官房長

○説明員(柴田達夫君) 昭和三十二年度の建設省におきまする公共事業費並びに住宅施設費の執行状況につきまして、概略を御説明申し上げます。  三十二年度の公共事業費、住宅施設費の全体を通じまして、直轄事業、補助事業、これを合せまして、九月末現在におきまする進捗状況を調査いたしておりますが、九月末現在におきまして四一%の進捗率を示しております。これは前年の同じく九月末現在の同期と比較いたしまして、前年が約四二%ということになっておりまして、おおむね率におきましては、昨年同様の進捗をいたしておる状況であります。  さらに内訳を申し上げますというと、直轄事業におきましては、九月末現在におきまして四三%、補助事業におきましては四〇%ということになっておりまして、参考のため前年を申し上げますと、前年の九月末同期におきまして、直轄事業は同じく四三%でありまして、補助事業は四一%ということになっておりますので、直轄、補助の両方におきましてもおおむね前年同様、まずまず順調に進捗いたしている状況でございます。昨年はいろいろ資材面の鋼材の値上りとか、再建団体の関係で決定がおくれたというような状況がございましたが、そういう面におきまして、本年は補助金等の早期交付を決定をいたしております。また今申しました再建団体の関係とか、資材の調達の面におきましては、昨年よりも進捗を順調ならしめる原因があったのでございます。反面におきまして、七、八、九月の台風があったとか、そのほか国際収支改善の緊急施策のために繰り延べ等が一時伝えられましたために、やや地方団体等におきまして逡巡するような状況がございまして、早くなる原因と、若干おそくなる原因と両方があったのでございますが、結論におきましては、ただいま申し上げましたように建設省関係の事業は、六カ月の経過期間におきまして約四一%というような状況で、まずまず昨年同様の率を示している状況でございます。

池田一男北海道開発庁事務次官

○説明員(池田一男君) 私は北海道開発庁の池田でございます。よろしくお願いいたします。  北海道開発庁関係の農林事業費は昭和三十二年度におきましては、総額二百十七億九千八百八十六万八千円になっております。そのうちには建設省関係と農林省関係、それから運輸省関係、三省にまたがっております。それでそれぞれの実施の状況につきましては、ただいま建設省からお話しになりました建設省関係の進行状態の中に含まれております。北海道は御承知のように非常に冬が早く参りますので、早期に着工しないとすべての事業が円滑に参りませんので、その点予算を配賦をいたしますのにも、できるだけすみやかに配賦いたしまして、気候のいいうちにできるだけの仕事を着工させるようにやらせております。大体以上のような状態でございますので、どうぞ御了承願います。

石井桂自由民主党

○理事(石井桂君) 御質疑のおありの方は順次御発言を願いますが、その前に皆様に一言申し上げておきますが、大臣は午後一時までで、以後は所用があるそうでございまして、それまでに一つ大臣に対する御質疑を願います。  速記をとめて。    〔速記中止〕

石井桂自由民主党

○理事(石井桂君) 速記をつけて。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 私は先に大臣にちょっとお伺いしておきたいのでありますが、今さらあらためて、お聞きするという必要もないことであり、きまりきったことではあるが、何といっても戦後の日本の建設ということは、いわゆる産業の発展ということに重点をおかなければならぬことは私は御承知の通りだと思うのであります。それならば、その産業は一体どういうところに重点をおくかということは、いわゆる平和産業と称せられるものに、日本の古来の産業すべてに重点をおかなければならぬ。それが日本の再建の根幹となってくることは当然でありますが、私ども過去十二年間振り返って見る場合には、それではこれが果して国民の要望するように、私ども議員の端くれとしてこれで責任を完遂した、こういう姿の上に立っての任務が遂行されたかというと、必ずしもそうではないと思います。ということは、当然占領下におかれておったということが一点、もう一点は遺憾ながら国内の政争に若干時日を費し過ぎた、そういう意味から、この国の産業の発展の根幹となるものは何かというと、これは建設事業にある。道路、それから資源の開発、こういう問題に私は一番重点をおくべきじゃなかったかと考える。ところがどうもこれがかなりおくれてきている。けれども幸い建設大臣は過去における政府の重要な地位にあり、またこうした重要な大臣のお席につかれたのでありますから、さだめし新しい御抱負があろうかと考えるので、そういう観点に立って一つお聞きをしておきたいのは、何といってもかつて占領軍の連中に私どもが会っていろいろ聞いたときに、日本はだれを相手にしてものを言ったらやってくれるのか、だれを相手にしてものを進めていいのか非常に困るということであって、そういう意味合いから安本とか、ああいうものができたと思うのですが、そういうこともやっぱり一つ一つ繩張りがあり過ぎるような感じがする。特に国土の総合開発ということになると、建設大臣のお考えになることと、あるいは運輸あるいは農林、これはすべて関連性があるし、さらにその根幹をなすものが大蔵、もっと言いくるめれば内閣全体が一体となって国土の総合開発に当らなければならぬ時代にきておると私は思う。今までにやらなければならぬことであったがやれなかった。それで私は新しい大臣を迎えて、そういう方向づけをすべきじゃないかと考えるんだが、そういう点についていわゆる総合的な開発について、総合的な力を出し得るような考え方の上に立っておやりになれるのかどうか、一ぺん一つ根本さんのお話をお聞きしてみたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) お答え申し上げます。  御指摘になりました点は非常に重要な問題でございまして、そのために戦後におきましては、御承知のように安本が全体的な国の復興計画というものを立てて、そうして各省間におけるいろいろの調整あるいは総合的な見通しを立ててやってきたのでありまするが、さらにその後に経済企画庁に現になったわけでありまして、経済企画庁が国の長期計画を立てまして、ここで総合的な施策の調整をして参る、こういうふうな形になっておるわけであります。以前われわれの考えの中にも、実は今御指摘になりましたように各省間における権限の争いと申しますか、あるいはあまりに分化されておるために、実施面において必ずしも効率的じゃない、こういう観点からいたしまして、国土省なり、あるいはそういうふうな意味における執行面における統括した行政官庁を設くべきだ、こういう御意見もあったのでありますが、実際上これを実施することが非常に困難でありまして、そのために現在におきましては、経済企画庁が総合的に国力の伸長の状況、現在の日本産業の隘路の状況、あるいは人口の増加並びに国際情勢の推移、こういう諸点を考えまして、一応総合的な計画と、またそれに対する見通しを立てまして、それに基いて各省がおのおのの分担においてそれを実施する、こういうふうになっておりまするので、現存のところはその機構等を尊重して、運営の妙を発揮するということが現在の任務ではなかろうかと考えておる次第でございます。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 そうすると、やはり重点は現在では経済企画庁の方に、国土総合の全部の問題あるいは建設関係の問題等は、基本的には経済企画庁の方にあるということですか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 結論的になりますればそういうことになると思います。しかしこれは経済企画庁が、事務当局が単独にやるのではなくて、総合計画を立てる場合におきましては、十分にわれわれの意見が基礎になってこれが調整をはかっているというふうに御認識をいただきたいと思います。  先般本委員会に御説明申し上げました三十三年度における道路、河川、あるいは住宅、その他新たなる諸施策を実施するに当りましても、これはすべて経済企画庁と十分に連絡をとりまして出したのでありますが、しかし予算そのものについては、これは単独にわれわれの見解をもって出しておるのであります。われわれが計画を立てる場合における基礎的資料、あるいは考え方については、われわれの考えを十分に経済企画庁に連絡し、また経済企画庁がわれわれのみならず、運輸あるいは農林、その他大蔵各方面の資料をまとめて、これは概括的な方針を立てるのでありまして、その方針にのっとってわれわれは所管事項を専門的に検討の上、予算編成並びに重点施策をさらにきめる、こういうふうにいたしておる次第でございます。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 まあ方法はそういうことになりますると、従来とあまり変らぬと思う。そこで私はお聞きしたいことは、やはり冒頭申しましたように、何といっても国土の総合的な開発が、今日本の国の実態からいってもこれがもう先決でなければならぬ。そういう場合にはいわゆる内閣全体が、あるいは経済企画庁の仕事であるかもしれぬ、あるいは建設省の仕事であるかもしれぬが、内閣全体が当って国土の総合開発ということを一つの大きな仕事にしようじゃないかという心がまえを持っていただかなければ、三十三年度のこの程度の仕事はあるいはできるかもしれぬと思うが、私は言うならばもう少し飛躍した仕事をする段階にきているのじゃないかと思う。それは一つの例を申しますと、縦貫道路を作るというふうに、なるほど吹田から神戸まで作ろう、岐阜から神戸まで作ろうということがきめられて着手している。だが全国的に縦貫道路を作るというならば、北海道の開発問題もあるようでありまするが、もう北海道などは道路敷はことしあたりに買っておくというくらいの形で、建物はできないが、しかしながら比較的価格の安いときに道路敷は買い上げておくというくらいの大きな企画を持たなければできないのじゃないか。あるいは貫通道路全体が東北から国のまん中を通る、この中央道路を作るというような場合にも建設省と企画庁だけでお考えになっておるという域を通りこして、一つここらでやろうじゃないかというお考えを持っていただいて、内閣全体の仕事として、もちろん建設省でやることは内閣の仕事ではあると思うが、より大きな一つ大仕事としてやっていただけるという段階にきていると思うので、その点一つここに現わしたもの以上に、三十二年度の一つの計画、例として今北海道ではたとえば今のうちに道路敷を買っておきなさいと、そうすれば貫通道路を作ろうといっても早くできる。東北地方の場合でもそうであるが、だんだんだんだんこれはまあ国民の中のだれがということではなかろうけれども、大体敷地が決定され、そしていよいよ工事に移ろうということになると、これはまあ人情でできるだけ高く売りつけようと、公共的なものであるのだというようなことの方は忘れて、自分のふところによけい入る方がいいということに重点がおかれるのは、どうも今の国民性にあるようであります。  そこでやはり国家的な仕事とするならば、もう少し高度な見地からおやりになっていただかないと、大体縦貫道路の仕事一つを例に取ってみてもできないのじゃないかというように私は考えるのでありますが、どうか一つ、まず内閣全体の一体性を確立して国土の総合開発に当っていただくということと、もう一つは、建設省の中自体、特に道路、河川、建築というようなものはほんとうに一体でなければならぬ、河川と道路なんというものは先ほど来から問題になっているように、何か人の仕事のように言って御答弁があるようでありますが、これは全く一体でなければならぬのですね。これはまあこまかい例になるが、私ども先般休会中に視察をしたのですが、電気を起すためにダムを作ったと、ところがそのダムに水をためるために河床がどんどん上っていく。その災害があっちこっちに波及していく。これを一体どうするのだということになると、河川局長のお考えのらち内での処理なんですね。これが建設省全体でやるということになると、これは私の思いつきなんだが、たとえば砂利採取の仕事を国がやる、どんどんためられたものを採算主義で、利益本位でそれにやらしたらできないが、国家がこの砂利をどんどん取る、何に使うか、あとに控えた縦貫道路にすぐ必要だ、これぐらいのことは少くとも建設省限りでできるわけですね。そういうことがぴったり当てはまるかどうか知りませんが、私どもしろうとから考えてみる場合に、非常に河床が埋まって因るというが、逆にいうと、非常に資源を押し出してきてくれていると思う。この資源を逆にどんどん国の力で採取して、そしてこれを一面で縦貫道路に使っていくということを考えていくぐらいの事態にきているのじゃないかというふうに考えさせられるのですが、こういう点を一つどうか総合的に私はやっていただきたいと思うのですが、これは大臣に質問しますが、こういう点どうですか、どのようにお考えになりますか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の点はすべてごもっともでございまして、私もさように考えております。先ほどの国土の総合開発に当りましては、一省あるいは二省だけのあれではなくして、政府全体としてこれはやるべきだ、その通りだと思います。先ほどの説明に少し足らなかったと思いまするが、経済企画庁は御承知のようにこれは執行機関でございません。で本来言うならば、これは内閣総理大臣のやるべきことを、内閣総理大臣のまあある意味における権限委譲のような形でそれをやっていく、こういうふうにいって、これは一省のようで、従ってこれは省とは言わずに、これは特別の国務大臣として従来は御承知のように、安本のときに安本の総裁は総理大臣がしておりました。安本長官が副会長というような形をしておる、こういう構想は現在でもあるわけでありまして、ただそれを取りまとめる役を経済企画庁がやっていく、従って経済企画庁でいろいろ調査し、立案するということは、それがすなわち政府全体の構想としてやっていく、かように考えていただきたいのでありますが、それでも少し弱い、従ってもっと全面的に押し立ててやれという御激励の言葉だと存じまして、できるだけそのようにしていただくように私も協力いたしたいと思います。  その次に、一つの例として建設省内における各部局の連絡統一の問題、これは当然なさなぎやなりません。ところが従来予算編成に当りますと、これは河川である、これは道路である、しかもこれが一々現実に申しまして大蔵省の主計官がこれを一つ一つこま切れにやっていくというところに非常にこういう矛盾があったものと思われます。そこでわれわれといたしましては、本来ならば、河川の問題について今例が出ましたから申し上げますと、これはいわば水系別に、これは全面的にその水系全体としての総合計画が立って、その一部として上流にダムを作り、あるいは堤防を築き、あるいはまた用水の設備を作る、あるいはまた上流に砂防を置く、あるいは多目的ダムを作ることによって下流に起るいろいろの現象をどういうふうにするかという、こういうことが本来なされなければならぬと私は存じております。そういう研究は命じておったのでありまするが、今日まで予算のつけ方を見ますというと、それがなかなかちぐはぐである。そこでわれわれといたしましては、先般お示ししたごとくに、これにはやはり個々の予算のつけ方ではまずいから、河川については一つ特別会計なりあるいはまた債務負担行為のあれを許すとか、あるいはまた継続費、こういうようなものができますれば、その点の調整ができる。そうでありませんと、非常にこまぎれに個々に予算がなされるというので、この点はずいぶんわれわれも研究いたしたいと思っています。  なお北海道関係のことは、事務当局もおられるようですが、私も実は北海道開発には今から七年ばかり前、自由党の政調会長をしておった当時から非常に関心を持ちまして力を入れて参りました。ところが去年でございまするか、ある大学のプロフェッサーが非常にこれは効果が上らぬということで非難を受けているようですけれども、現実に私先般行ってみると、なかなか成果が上っている。ただし私があそこで従来主張しておったものは、物事をやる場合には一つの経済単位がある、あすこで道路に一億円つけたとか、一つの道路に五千万円とか、あるいは排水、あるいは客土のあれを毎年一億ぐらいずつかけたら処置ないので、あすこは少くとも十億単位の、一カ所における工事が十億単位ぐらいで、少くとも五億というふうにならなければ機械化できない。機械化されて、それが先ほど事務当局のお話にありましたごとくに、工事期間が非常に短い、こういう観点からすれば、同じ予算をつけるに当っても効果を上げる経済単位というものが私はあると思う。そういう点を十分考えなければならないということで、まあ私が直接の所管ではありませんでしたけれども、土地改良なんかもそういうふうな考慮をした方がいいじゃないかということを北海道開発長官にも御連絡申し上げました。道路についてはできるだけそういうふうにいたしたいと考えておる次第でございます。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 この河川の問題については先ほど河底が上がってくるというようなことを聞きましたが、この問題についてはあとで河川局長、それからあるいはもう少し突っ込んだ話を大臣からもお聞きしたいと思います。時間に限度がありますからやめますが、ただ多目的ダムの場合でなくて、むしろこれなどは水力発電をするために電灯会社、電力会社がダムを作っている、そうして及ぼす影響というものは国全体に及ぼしてくる。従ってそれの責任は、利益を受けているたとえば中部電力とか関西電力というものもかなりあるようでありますが、この認定をし、その解決に当ってやるものがおらぬというのが実情であります。これは私は建設省あたりがめんどうをみてやらなければならぬ仕事ではないかと思います。御返事はあとでけっこうでありますが、そのように考えております。  それからもう一つだけお聞きしておきたいのですが、来年度の方針の中に都市計画の問題がうたわれておりますが、都市計画に対して特に新しいお考えというものは、都市計画部門に対する長期計画を策定し、うんぬんということがあるが、その内容に対して具体的なものは何か大臣お持ちになっているかどうか、一ぺんお聞きしておきたいと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 詳細なことは計画局長から御説明申し上げると思いますが、私が痛切に感じましたことは、終戦後におきまして、あのときがほんとうに重盛さんが言われたごとくに一番長期計画を立てるべきチャンスであったと思います。ドイツなんかにおきまして最近都市改造をほとんどやられている。都市改造がやられているということは、あれだけの被害を受けたときに疎開したところ、あるいは爆撃されて荒廃に帰したもののほとんど大部分を公共の用に供するためにあのときに手に入れてしまっている、そうして漸次これが計画を実施されて今日に至っていると私はそう聞いているし、さう信じております。ところが戦後日本におきましては、占領下にあったということもありましょうし、あの当時は食糧であるとか、そういう当面の問題に追われたために、自治体も国もこれに手を入れることなくして自然発生的に計画なきままに今日に来たっている。これが非常に困難でございまして、このままでいきますれば、幾ら人口がふえましても、むしろ近代国家としては後退したアンバランスな都市が出てくる。こういう観点から申しまして、従来の都市計画は若干指導はいたしておりますけれども、地元市町村に大体まかしており、それを指導しておるというあれでありますが、むしろ今度は都市計画は都市改造も含んで考えなければなりません。たとえば水道の問題にしろ、道路の問題にしろ、特に著しくおくれているのは下水の問題だと思います。およそ近代都市において日本ほど下水の設備のない都市計画が堂々と行われている。こういう状況は非常に遺憾でありまして、これがまた社会生活における好ましからざる問題を発生いたしておる。こういう意味からして長期計画に基く都市計画とは申しておりますけれども、その中には相当程度の都市改造を含んで参りたい、こういう気持でございます。具体的なことについてはいずれ後ほど計画局長の方から御説明申し上げます。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 もう一つ首都圏に関してですが、これも私はだれに責任があるなんということは言わぬけれども、少くとも政治に携わる者全体の責任であるわけですが、一体今の東京の姿は何たる姿であるかといったような状態にまで追いつめられておる。交通問題を見ても、住宅問題を見ても、特に交通関係なんというものは、おそらく世界の交通上の見本になるのが東京都であるというぐらいに考えられておるのですが、そこで首都圏なんという問題が起きて、昨年あたりからかなり力を入れられて、これらにも若干の権限を持たしてもらって、仕事のできるようになりつつあると考えておるのですが、来年度はこれに関して何か特に新しいことをお考えになっておられるのか、骨だけお聞かせ願えれば幸いだと思います。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 首都圏の委員が昨年から実際に仕事をして参ったのでありますが、従来は東京都だけでやることをまあ原則としておりまして、そのために過大都市の処理が実質上できない。そこでもう少し広域グループにおきまして調整をはかるということでございまするが、何しろこの問題については、現在ただいま御指摘のように、事業がほとんど国でやることと同じような性質のものでございまして、従って各省がおのおのまた重複して仕事をしているというような形でありまするので、運営上は必ずしもこれは十分円滑でないと私も感じております。しかし、それだといって、しからば自治体をたくさん含んでおる相当広い範囲において、首都圏というものがそれを総合して一括して計画を立て実施する、あるいは命令するという権限を与えることが、果してこれが許されるかどうか、これは地方自治法の建前として非常な困難な問題があるわけです。従って、おのずから首都圏の仕事は、総合的な計画を立て、一部直接に事業を指導するという立場になりまするが、主としてこれは自治体がやられるものと、それから国がこれに助成するものと、こういう二つになっておるのでございます。しかも、東京都を初めとして、この近隣は割合に財政上も他の県に比べるならばこれは若干いいのです、いいのでありまするから、そこに一つの自主性があると、その自主性のためにかえって連絡調整が困難な点もありまするので、その点は行政指導においてぜひ円滑にやっていきたい、こういうだけでございまして、今首都圏の運営について特に従来と違った抜本的な構想は持っておりません。むしろ、今日まで続けたことを強力に推進いたしまして、従来まあ端的に申すならば、一つの構想にすぎなかったものを現実の実施設計にまで入ると、それが今当面の問題ではなかろうか。その意味において、各省間の連絡調整をはかるということに重点を入れて参りたいと考えておる次第でございます。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 この問題なども、これは一つの国全体の縮図の形になろうかと私は考えます。そこで、どうも法律や、それから委員会や、地図だけは作り上げるのが早いんだけれども、さて実行ということになるとなかなかおくれておるというのが、今の国の実態であろうかと思います。そういう点からいきますならば、私は、今まで申し上げた問題と同じように、せっかく作っていただいた首都圏でありますので、そこでやはり政府はかなり力を入れて推進するということにならぬと、もうこの問題などは五年も十年もかかってやるというような計画を立てておったならば、それこそどうにも動きのつかない事態になろうかと考えますので、十分一つお考えの上、新味を織り込んでいただきたいと思います。  最後にお聞きいたしておきたいことは、昨年——昨年というか、先般の国会で最終的にきめられた高速自動車道路の問題でありますが、これの目的を大臣はどこへ置かれておるのか。いわゆる領土の地図を縮めるのが重点であるのか、大阪と東京をできるだけ短時間に結ぶ、北海道と本土をできるだけ短時間に結ぶということが重点であるのか、資源の開発が重点であるのか、先ほど言った総合的な国家の開発に重点を置いておるのか、そういう点に対してどこに筋を入れていくというお考えであるのか、その点を一つ承わりたい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 重盛さん御承知のように、こういうことを申し上げるのははなはだ僭越と存じまするけれども、通路に関する各国の認識が時代とともに非常に違ってきておると思います。従来は軍事とか、あるいはまた単に車馬、人間が通るということの構想であったものが、現在におきましては道路が大体三つくらいに分れておる。一つは人間が歩く道路、あるいはまた普通の都市と都市とを結ぶ道路、あるいはまた特定の産業を開発するときの道路というものと、それから近代におきましては輸送の大部分が自動車に依存することになってきておる。これが日本では、現在一つの道路が二重にも三重にも使われておる。ここに日本の道路政策における非常な矛盾と、それから後進性があるのではないか。ドイツその他は、これは専門家の皆さんが見ればわかりまするように、ここに示されておる高速自動車道路というのは自動車専門で、他の運搬機関あるいは人間は通らない。これは結局において、先ほどお示しになりましたように、時間的に非常に縮小する、輸送賃を非常にコスト・ダウウンさせる、あるいはまた梱包費を非常に減らす、こういうことによって産業全体の担い手としての輸送費を極力減らすということ、国土を時間的に短縮する——時間的に土地を短縮するということは、領土それ自身が立体的に広がると、こういう観点から出てきておると思います。そうして参りますれば、やはりこれは主要なる経済基地を連絡するところのいわゆる皆骨の道路というふうに高速自動車道路は考えるべきではなかろうか。従来ある道路は、これはすでに都市と都市とを結ぶところの、いわゆる近隣をやるところの従ってこれは一般道路であって、いろいろな方面に使われてよい。それから産業開発道路ということは、当然この高速自動車道路の中には、できた結果においてはそれができるかもしれませんけれども、この高速自動車道路を直ちに産業開発道路としての目的でやるということになりますれば、これはかなり複雑な要素ができて参りまして、困難性が出てくるのではないかと、私は実はそういう程度の認識を持っておるのでありまするけれども、これはあやまちがありますれば、御指摘を願いたいと思いますが、そうでありませんというと、この高速自動車道路が直ちに産業開発だということになって参りますと、この実施面におきましては、経済効果という点でかなりこれは困難性が出てくるのではないかということで、これは純粋の産業開発は産業開発として考えるべきじゃないかというふうに私自身は今考えておるのであります。これはまだ省議として、あるいは政府自体としてきめたことではありませんけれども、現在の私の考えでは、そういうふうな程度に考えておるのでありまして、この点については十分委員会の皆様方からも御教示を得て、あやまちがあれば訂正したいと考えておる次第であります。

重盛壽治日本社会党

○重盛壽治君 これは非常に重要な問題ですから、また別な機会にお願いもし、意見を申し上げたいと思いますが、やはり総合的な国の開発という考えの中からこの問題の解決をしなければならぬのではないかというように考えます。  さらにもう一つは、道路五カ年計画というものが去年まで言われて、私どもは地方へ行くと、道路五カ年計画というものができて、非常に国道というものも建設省が直接管理をしてよくなりますというような話をついこの間までは実は放送して歩いた。これは何も個人の考えではなく、建設省の関係委員としての立場から申し上げてきた。ところが今度は五カ年計画が達成されて十カ年計画になる場合はいいが、どうも五カ年計画は立ててみたが一向進まなかった、露骨に申しまして。そうすると、さらに十カ年計画というものは、五カ年やったが進まなかったやつをまた十年引き延ばして進まない格好になるんじゃないかということを非常に心配しておる。この間も十九号国道というものを自動車に乗って一日連れて回られましたが、こういうようなことを建設省が国道ということで、自分の方でやるということは少し恥かしくないか、私は極言していいと思うのですが、故意ではないでしょうが、実に悪い所をごてごてと乗せて回っていただいたが、かなり丈夫なつもりだが、体が痛くなったようなことで、これこそ国の基本産業道路になると思いますので、せめてこの建設省限りでできる国道の問題については十分一つお力入れを願いたい、このように考えております。  いろいろ申し上げたいこと、聞きたいことがありますが、時間にどうも限りがありますので、また別な臨時国会等を通じていろいろ御質問申し上げて、御意見を伺うととにして私の質問を終ります。

田中一日本社会党

○田中一君 先ほど官房長から、三十二年度の公共事業の実績というものが前年度と大差ないという御報告がありましたが、これは大差ないということで、これでいいのだということなのか、今後とももう少し推進して、少くとも繰り延べにするようなことのないような措置をとろうというような意図のもとの御報告か、その点一つ真意を明らかにしていただきたい。

柴田達夫建設大臣官房長

○説明員(柴田達夫君) 客観的な事実として、前年と大体同じ率であるということを申し上げましたわけでございますけれども、それでいいかどうかという問題につきましては、もとより満足しておるわけではございません。公共事業費につきまして、できるだけ早く、全力を尽して事業の遂行に当ることが建設省の義務でございまして、繰り延べのごとき例年繰り越し額が出ておりますが、これは少しでも少なからしめるように督励を加えて参りたいと思います。前年と比較いたしましておおむね順調と申しましたのは、三十二年度が三十一年度に比べまして予算の額が御承知の通り道路を初め相当額ふえております。この消化について私どもがいろいろと懸念を持っておりましたのに比べまして、率におきましても、大体同等に行っておるという点で、まあ非常に今の状況が悪いという状況であると断言する必要はないという意味で申し上げたわけでありまして、お話のように今後全力を上げて事業の遂行に当るようにいたしたいと考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 そういう御意図だろうと思うのであります。そういう意図であるならば、現在まあ補助工事は問題の外に立ちまして、直轄工事として昨年と同じような人員で現在仕事をさしておる、こういうことになりますと、非常に過重な消化力というものがあなた方の使っておる職員の中にかかってくるということは当然であります。そういう点から見て、根本建設大臣は就任と同時に、それらの身分も保障しようという意味から全員定員化の主張がなされたものと考えておるのであります。今お話のように、三十一年度よりは三十三年度の方が事業量が非常にふえた、しかしながらそれを消化する職員としては何らふえておらない。そしてなお工事が終れば配置転換その他が行われることは現業官庁として当然でありまして、そうしていて根本さんが建設大臣になってから直ちに臨時職員の定員化の問題を訴えられましたので、私は非常に幸いだと思っております。現存予算要求をなさっておる段階において、大蔵省との間に、あるいは内閣の公務員制度調査室等との関連から見てもどういう段階にきておるのか、大体のところを御説明願いたいと思うのです。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 定員外の職員については先般もお答えしたつもりでございまするが、これは先般の国会におきましても、これが非常に重大な問題になりまして、現在の総理もこれについては、一応言明といえる程度かどうか知りませんけれども、発言しておる、こういう状況でありますので、私もだいぶ前の閣議でございましたが、これはぜひ実施してもらわなければ困るということを強く発言いたしまして、その日は大蔵大臣はおりませんでしたけれども、他の閣僚は全面的にそれは考えるべきだというふうな了承は得ておるのでございます。これに基きまして、公務員制度調査委員会を所管しておる今松総務長官には数回となく私から申し上げました。それでその方針でもって検討しておると、ただし、公務員制度全面改正の問題が果して通常国会に間に合うかどうかわからないという懸念がありますので、そこに逃げられてしまってははなはだ本意でありませんので、これはもし公務員制度調査会におきまして結論が出ないからといって、これを延ばしてもらっては非常に因るということで、もしそういう場合におきましては、純粋にこれは別個に定員の問題として取り上げてほしいと、そうなりますと、行管の問題になるわけでありまして、それの予算の裏づけは大蔵省ということであります。行管の方についてはその点を特に申し入れをしておるのであります。行管におきましても、その方針をもって現在事務的に検討をしておると、こういう段階でございまして、私といたしましては、現在は皆さんの御要請並びに私本来の所管の立場において、これはぜひ通常国会においては定員化の問題は、情勢のいろいろな変化があっても、これは公務員制度に関連して延ばすことなく実施して参りたいと、諸般の連絡をいたしておると、こういう状況でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 官房長に伺いますが、その大臣の決意、これによって官房長は大蔵省並びに行管とどういう折衝をしておるか、どういう数字をもってどういう結論づけを目途として交渉しておるか、説明して下さい。

柴田達夫建設大臣官房長

○説明員(柴田達夫君) この問題につきましては、今、大臣からもお話がございましたように、まず公務員制度を、政府が本気でこの問題について、明年度予算までの間に改正を行うことになるかどうかということがまず第一点としてあるわけでございますが、公務員制度の改正があるということで従来は延ばしてきたような格好になっておりますが、これはしばしば大臣からお話がございますように、公務員制度の改正があってもなくても、定員法自体の問題として明年は必ず解決しなければならないという考え方を基本方針として、大臣の旨を受けまして折衝いたしておるわけでございます。従いまして、公務員制度の改正をやるかどうかということにつきましては、内閣の公務員制度調査室が相手方になります。この場合でも、定員法の主管官庁は行政管理庁でございます。それから予算の裏づけが大蔵省でございます。それから公務員制度の改正をやらないという場合におきましては、今お話がございましたように、もっぱら行政管理庁と大蔵省の両方が主として相手方の相談すべき官庁になるわけでございますので、この三つの官庁に対しまして目下折衝中でございます。  いろいろ建設省におきまして昨年来調査して参りましたが、本年あらためて実態調査を行いまして、ごく最近におきまするこれらの職員の状況をさらにつまびらかにいたしました資料を得ておりますので、これを詳細に説明いたしまして、定員の要求とあわせまして予算の要求をいたしておるのでございます。その概要を申し上げますと、今のような考え方から、私どもといたしましては、最も広い幅においてこれを要求していくという考え方をもちまして、非常勤労務者と、それからいわゆる補助員、常勤的非常勤職員の両方を合せまして、約一万八千名の定員化を要求いたしておるわけであります。昨年は一万七百名というそれよりも少い数を要求いたしておりましたが、その後、公務員制度の改正という問題がございまして、公務員制度の改正のいかんによりましては、それらの職員がみんな新しい公務員制度の範囲に入ってくるという案があり得るわけでございますので、その場合を想定いたしまして、現在の実態調査では、約一万九千七百名おりますが、そのうちできわめて短期間において雇用されておるという者、それから特別の職務の者、それはそういう場合におきましても公務員の範疇に入ることについて非常に困難が予想される、これは散髪屋さんでありますとか、料理をやる者でございますとか、あるいは単純な掃除婦でございますとか、そういう者だけを除外いたしまして、一万八千名という幅で要求をいたしておるのでございます。一方、大蔵省に対しましては、その人員に見合う額といたしまして、七千四百万ばかりの予算を要求いたしております。これは御承知のように大体におきまして、予算全体といたしましては組みかえになる問題でございますので、非常に大きな増減を伴うものではございません。内容によりまして、減る部分もあるわけでございますが、旅費その他におきまして相当ふえる分もございまして、差し引いたしまして、金額といたしましては、この大きな定員をまかなうのに、わずか七千万円程度の要求でいい、従って金のかかる仕事ではないのであって、政府が定員化の方針をきめて踏み切りさえすればいい仕事であるから、ぜひやってもらいたいということで目下折衝いたしておるような状況でございます。大臣からるるお話がございましたようなことが相当浸透いたしておりますので、何らかの定員化は政府として措置しなければならないという考え方は、それらの官庁の底流にあるように見受けられますけれども、もちろん現在まだその折衝の結果を申し上げる時期にはきておらないのでございます。一万八千名の要求に対しまして、公務員制度の改正が万一ありますれば、その公務員制度の改正の線に従って、もちろんこれらにつきまして、改正そのものについての意見はございますけれども、改正の線に従って定員化してもらえればよし、それができない場合におきましては、一般の職員と変りがないような職員の範囲におきまして定員化を実現いたしたいという線で折衝いたしておる状況でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 同じようなケースとして、開発庁の方も当然それらの要求が出ておるものと考えておるのですが、池田さんの方はどういう折衝をしておりますか。

池田一男北海道開発庁事務次官

○説明員(池田一男君) 開発庁におきましては、事業が年々開発庁設置以来増加して参りまして、現在それが非常に職員のオーバー・ワークになっております。ことに、同じようなことをしておりまする本州その他の役所と比べますと、相当の過重になっております。そのために、特に健康を害する者が非常に多くなって参りまして、最近では、その率もこちらの方と比べまして多くなっておりますので、ただいま建設大臣が申されましたように、定員の増加をどうしてもやってもらわなければならぬということを強く来年度の予算の要求に入れてございます。  その内訳を申し上げますと、建設省と同じように、従来職員の足らない部分を補うために、常勤職員というものを置いております。それから常勤職員に準ずるものがございまして、それが約六千名ございます。これを建設省と同じように今回は定員化してもらう、こういうことを要求しております。これはぜひやっていただきたい。これは予算は伴わないのでありまして、現在でもこういうものは使っておるのでありまして、そのままやっていただけばいいので、これは強く大蔵省と折衝しておる。それから、従来定員に入っております職員は約三千二百名おりますが、これが非常に足らない。これを普通の形に持って来るということにしまして、来年度事業を大幅に要求いたしておりますので、この事業に合せますために約四千三百八十一人の要求をいたしております。それで、全部合せますと、一万九百四十二人になりますが、そのうち六千六人というものは、現在すでにおりますものですから、それの定員化でございます。そういうようにしまして、行政管理庁、それから大蔵省、その他に目下詳細な説明を行なっております。その程度でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 池田さんは、少くとも北海道の開発局の開局以来の名局長で、これらの人たちも全部掌握してやってきた経験者ですから、よく実態はわかっておると思う。二十九年に約三百名というものを行政整理で整理をして、この連中を首にしては事業に差しつかえるから、格下げして、非常勤職員としてまた使っておるという非常に矛盾した、ごまかしの行き方をして今日まで来ているわけです。今度はこうやって、現在の六千名の使っておるものの定員化は当然である、そのほかの四千名も当然必要なんだという考えにつきましては、これは政府の方で考えられるでございましょうけれども、少くとも現在十年以上、あるいは五年以上とか、長期に使っておる方々に対しては、当然これは定員化するような努力をしていただきたいと思う。ことに、今言う三十二年度の事業が昨年と同じように見合うものだという程度のことでは困るのです。ことに、結核慰者が三十一年度に四百五十名も出ておる。これは何かというと、結局仕事が多過ぎるということです。労働強化ということになるわけです。労働強化の一つの実態として言えるのは、現業官庁というものは、事業が終れば必ず配置転換されなければならぬ性質のものです。これは必然性がある。といって、そうしていながらも、建設省の実例を取って調べてみますと、たとえば九州の地建などでは、年間予算としては二百四十万しか旅費がない。ところが九月でもう二百二十万使ってしまっているのですよ。予算上の問題は、なお現在までに百五十万円というものも未払いをしているのです。これは職員がみんな負担しておるのです。立てかえておるのです。近畿地建の例を見ますと、これも八十万円というものを、年間予算が百五十万、それを八十万円というものは未払いにして、いつ払ってくれるものやらわからぬ形で職員が負担しておるのです。こういう実情は、おそらく大臣も知らないと思うのです。おそらく官房長もこういう実態を知らぬと思うのです。こういう点は、これはもう昨年と同じような程度の出来高なんということは、そのくらい職員が苦労をして仕事をやっているということが証明されるわけなんです。ことに、事業が終って配置転換された場合においても、現場に行っても宿舎がないのです。従って、配置転換を非常にいやがって抵抗しております。なぜかといいますと、細君や子供と別れて単身行っても泊るところがないのです。一万円から一万五千円程度の給料をもらっておる者が、国から命令され職場へ行って、三千円、四千円という家賃を払っちゃとてもいられないわけなんです。従って宿舎もないのです。私はいろいろ調査をして自分の調査資料を持っております。これは官房長もそういう点について十分に調査をしまして、少くとも配置転換さすならば、住宅は与えることです。年間予算を見たって、建設省はその職員の現場の住宅、職場の住宅というものに対しては予算を取っておらないのです。そうして無理やりに行けと言って、来なければ首切りするぞとおどかしているのが現状なんです。戦後において炭鉱の住宅というものが一番先だというので、特別融資をしてああして炭鉱の労務者の住宅をどんどん作って、まあ割合に早く電力源というか、生産源というものを作り出したという実例もありまして、働かすにはやはり住宅の問題が一番大事なんです。中央において鉄筋コンクリートの上級国家公務員の住宅を作るよりも、まず職場において細君、子供と一緒に住まわれるような住宅を建てるのが先だろうと思うのです。そういう手当をしないで、そうして配置転換はごめんだと言うと、それじゃ首にするなんていうおどかし方をあなたの部下の地方の工事事務所の所長がやっているのです。こういう点は、幸いにして前年度と同じくらいになっておるといいますけれども、量は多い。そうしてまた繰り越しになっちゃ困りますから、こういう点については十分に実態を調査して、予算を要求すべきものは要求して、安心して働けるような環境を作り上げなければならぬと思うのです。まずこの点について、私が御説明したものに間違いはありません。自分で自分のからだを持って行って調べてきた問題ですから、間違いはありません。その資料がほしいなら、私はいつでも差し上げます。現場の所長なんかを通じなくても、自分で行きゃあわかることなんですから。そしてこれは即刻対処してほしいのです。むろんこの点につきましては、北海道開発局にいたしましても、これはまあ北海道は割合によくいっているように見受けますけれども、まだまだ足りませんから、現場が終れば当然に配置転換されなきゃならぬという者は、当然なんでありますから、それに対する対策を十分にしなきゃならぬ。官房長から、まず最初にそれに対する今まであなたの方で調べておられるような実情とそれに対する対策、同時にそれを私お聞きして、最後に建設大臣から、このような実情があるんだと、従って有料道路や何かのあまりいいところを大臣はごらんにならないで、末端において生産しておる職員の生活というものを見なければ生産は上昇いたしません。同時に、また理解がある根本さんですから、労使間のいろんなトラブルもだんだん減ると思うのです。従ってそういう点についてどういうお考えを持ち、直ちにどういう方法をとるのかという点について、あとで御見解を伺いたいのです。官房長から。

柴田達夫建設大臣官房長

○説明員(柴田達夫君) 定員を最も有効に使って、事業のあるところに配賦をいたしましてやっていかなければならないということは、事業を担当いたしておりまする建設省といたしましては、お説のように最も大事な点でございまして、定員内外を問わず、職員の配置転換につきましては、一番苦心をいたしておるところでございます。ところで、今お話がございましたように、旅費がもう一ぱいになっておって未払いになっておる、あるいは宿舎の関係が非常に不十分であるために配置転換を妨げておるというお話がございましたわけでございまして、この旅費はおそらく赴任旅費を中心とするものであろうと存じます。赴任旅費が非常に不足をいたしておる、それから宿舎の関係におきまして、配置転換上非常な困難があるということは、一般論といたしまして私どもも日ごろよく実情を伺っていることでございます。現在九州地建がどういう状況になっており、近畿地建がどういう数字になっておるかという状況につきましては、ここでお答え申し上げかねますけれども、十分調査をいたしまして、予算の配当の上におきまして、実情に即した最善の努力をいたしたいと考えております。  赴任旅費につきまして申し上げますというと、これが非常に実情に合わない予算の配当でありますのと、予算の配分が各四半期に一応配分をいたします関係から、早いうちに配置転換が行われますと、今お話がございましたふうな未払いが行われる、これを全体といたしまして、本省の方で各地建に転任なり配置転換の状況、従ってまた事業の繁忙なところ、新しく事務所ができるようなところに対しましては、十分に配当するようにいたして参らなければならないわけでございますが、にもかかわらず全体といたしましては、年度のしまいの方に参りますと、もはや予算の赴任旅費を使い切ってしまうという状況がございまして、最後におきましては予算の流用を大蔵省に頼みまして、そうして流用を認めてもらいまして、これを支払うという状況に相なっております。なかなか年度のしまいになりませんというと、この大蔵省との間に流用の話し合いがつきませんために、それまで支払いがおくれるという実情でございまして、まことに遺憾でございますが、赴任旅費はもちろんこれは義務費でございますから、最終におきましては必ず支払わなければならないのでございまして、十分調査をいたしまして、流用をいたすことはもちろん、その前におきまして、本省におきまして、各四半期の残りの分、あるいは未配分の保留分等がございますので、その許された範囲におきますところの操作をできるだけ上手にやりまして、困っているところによけい配分するように善処いたしたいと考えております。最終的にはもちろん流用いたしまして、職員の負担にそれがなるというようなことはもちろんないようにいたす考えでございます。  宿舎におきましても、末端の工事事務所関係の宿舎は、国家公務員の宿舎の割当が実際問題としてございませんで、いわゆる工事の仮設物としての宿舎を作るわけでございます。これが事業費の中の営繕費の何割というような予算の査定の上におきまして制限を受けておりますために、やはり上手に大事なところにできるだけ宿舎を充当するというような措置をとることに苦心を払っている次第でございます。その点につきましても、配置転換をやって参るために確かに最も大事な条件でございますので、さらに十分に調査をいたしまして、予算の範囲内におきまして最善の努力を尽して参りたい考えでございます。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘になりました点につきましては、私初めて聞いたのですが、非常に遺憾に存じております。これが具体的措置については、ただいま事務当局が申し上げたような措置によって、すみやかにそういう遺憾な事態がないように善処いたしたい。こう考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 今の御答弁では私承知できないのです。従来とも出張命令なり、あるいは転勤命令を出す場合には、正規の旅費手当を出さないで行かせるのが今までの慣習でありますか。

柴田達夫建設大臣官房長

○説明員(柴田達夫君) 支払いの時期の問題でございまして、正規の旅費手当を支給することは変りはございません。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、現在でも未払いがあるということは、やらないでやったということなんです。金を支払わないで転任命令を出したということです。そうすると、その職員は命令を守って新しい職場に行ったということになるのです。それを予算の許す範囲とかというのではなくて即刻、今非常に巧妙に流用して払いをするということを官房長が言っていましたから、非常に巧妙に流用して払えということを大臣から一つ今御命令願いたいのです。直ちに払えと。そういうことはありようがないでしょう。われわれでもきょうになると歳費をもらうのです。そして出張するときにはちゃんと二千円の旅費をもらって出かけて行っているのです。まことに申しわけないのです。それが末端において働いている人たちが旅費をもらわないで向うに赴任して、いつくれるかわからぬということは考えられません。大臣も局長もそれの支払い完了するまではあなた方は給料をもらわないで、それを流用してもいいと思うのです。そのくらいの熱意がなくてはいけません。(笑声)それは大臣が今即刻支払うように指令を出すということを言えば、巧妙に流用して払うということになるのですから、大臣からそういう御答弁を願いたい。  それから住宅の問題につきましても、これはなくちゃ行けるものでないのです。一万二、三千円の給料をもらっている人たちが行き場、家がなければどうにもならぬ。御承知のように民間の家を借りますと、どんないなかでありましても、二千円、三千円ということを言うわけです。こういう点も宿舎をきめて配置転換する、転勤命令を出すという措置をとっていただきたいのです。

柴田達夫建設大臣官房長

○説明員(柴田達夫君) 宿舎のことにつきまして、これは予算の範囲内においてということを申し上げたのでございまして、赴任旅費は最初申し上げましたように義務費でございますから、予算の範囲内で、予算がないからこれでがまんしてくれということをすべきものでございませんので、最終的には必ず払わなければならないわけでございます。ただ地域的な配分につきまして、巧妙と申されましたけれども、ある地建では非常にたくさん未払いが残っておるのがあります、ある地建では余っておる、こういうような配分をしましては、配分自体が下手であるために必要以上にそういうことが起ることになるので、余っている所もあるわけです。あるいは本省に保留分もあるわけでございますから、そういう分につきまして実情を調査いたしまして、即刻支払うようにいたしたいと考えております。なおかつ足らない分につきましては、大蔵省とできるだけすみやかに協議をいたしまして、流用いたしまして、赴任旅費の額をふやしまして、そうして正しく支払うべきものは支払うようにいたしたいと、かように考える次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 これは重大な問題ですよ。三十三年度はどうするか、あるいは本年度も足りない分があれば、それはまた巧妙に流用して、官房長……(笑声)そうしてそういう人たちの困らぬようにやる措置ができると思うのです。これは住宅費としては出さないでも、事業費として支出すればよいわけですから、これはさっそくやるような措置をとると大臣一つここでもって指令して下さい。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 当然支払うべきものは当然これは支払うべきもので、最善の措置をとるように事務当局にいたさせるつもりであります。

田中一日本社会党

○田中一君 住宅の問題どうしますか。

根本龍太郎自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(根本龍太郎君) 住宅の問題は先ほど官房長がお答え申し上げたように、一時的な事業所に公務員住宅を設置するということは困難でありますので、結局これは事業所の一部の営繕費としてやっておるわけでありますから、もしその点が非常に足りないとすれば、やはりこれは予算折衝、あるいは実施の面におきまして、働く人々の健康とそれから必要なる条件を備える意味におきまして、今後改善いたしまして、そういう遺憾な状態をなくするように事務当局に善処させるようにいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 大臣はもう行かれるそうですからいいですが、官房長、それではね、全国的にあなた方のおっしゃる現場でもって住宅事情を調べた資料をお知らせ願いたい。今、大臣の言明がありましたから、三十三年度にはそれを含めた予算の要求をするわけでありましょうから、その点をさっそく調べてお出し願いたい。それから今の旅費の問題も、赴任手当の問題も調査になって、それをお出し願いたいのです。

柴田達夫建設大臣官房長

○説明員(柴田達夫君) ただいま田中委員から御要求がございました赴任旅費の状況、宿舎の状況等の実態をよく調査いたしまして、資料として差し上げたいと存じます。

田中一日本社会党

○田中一君 池田次官に申し上げますが、今、建設省に対して質問しておりますような問題が開発庁にもあると思うのです。そういう点については同じように至急調査して、そういうことのないように直ちに手当をするような方途を示していただきたい。同時にまたその実情というものを調べたら、こちらに報告していただきたい。

池田一男北海道開発庁事務次官

○説明員(池田一男君) ただいまのお話、調査して資料をさっそく出すようにいたしたいと思います。  それから北海道の現地におきましては、御承知のような寒冷地で非常にへんぴな所に職員を派遣しなければならないのでありまして、そのために現場の宿舎その他については、われわれも非常に関心をもちまして、従来とも各省の御協力を得まして、それから大蔵当局も相当同情的に扱かってくれまして、相当数は作ったわけであります。なお御指摘の通り足りない所がございますので、今後もう少しこの点を強化して参りたいと思っております。

石井桂自由民主党

○理事(石井桂君) 速記をやめて下さい。    〔速記中止〕

石井桂自由民主党

○理事(石井桂君) それでは速記を起して下さい。  次回は、十月三十日水曜日といたすことにいたします。   —————————————

石井桂自由民主党

○理事(石井桂君) それからなお、中野委員と西田委員と大河原委員が二十日から六日間の予定をもちまして、四国地方へ出張いたします。   —————————————

石井桂自由民主党

○理事(石井桂君) それからもう一つお諮りいたしますが、建設大臣が今希望していかれたんですが、臨時国会が始まりまして、六日、七日にはどうしても休まなけりゃならぬという事情があるそうです。衆議院の方では御了解を得たそうですが、こちらでもその日には欠席いたさたきゃなりませんから、ということを言っておりましたので、どうぞ御了承願います。  それでは本日はこの程度で散会をいたします。    午後一時四分散会

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