建設委員会 閉会後第5号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/07/06
会議録
○委員長(森田義衞君) ただいまより委員会を開催いたします。 財政投融資繰り延べに関する件を議題に供します。 本日は、参考人として、日本住宅公団総裁加納久朗君及び住宅金触公庫総裁鈴木敬一君の御出席をいただいております。大へんお暑いところ御苦労さまでございます。建設省からは、住宅局長が見えております。それから住宅局の総務課長の鮎川君が出席されております。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○田中一君 加納総裁に伺いたいのですが、先般、大蔵省が三十二年度の財政投融資の縮小を発表いたしました。むろん建設省を通じてあなたの方にも内示があったものと思いますが、前の委員会で建設大臣にここに来ていただきまして、現在の住宅公団の百三十億減じようというこの考え方は、どこからきているかという点を質問いたしましたところ、三十年度においては巨億の仕事の残り、いわゆる繰越金があった、三十一年度では九十六億の繰越金があった、そうして、それらを見合いながら、本年度の事業としては四百六十一億あるが、とうていこれが三十二年度において消化、できないであろうという考え方を大蔵省が持ったんではなかろうか、そうして百三十億の圧縮を内示して参ったものである、こういう答弁でございました。なぜ、三十年度において百億、三十一年度において九十六億の繰越金があったか、いわゆる未消化の資金があったかという点につきましては、いろいろ設計変更とか、あるいは用地の問題とか、資材の値上りとか等々の理由を申し述べておりました。しかし、三十年の百億、並びに三十一年の九十六億というものが異質上の根拠となって、百三十億の縮小、縮減をしようという考え方につきましては、重大な責任が住宅公団総裁としてはあるわけなんであります。従って、最初に伺いたいのは、三十一年度の九十六億の繰越金、なぜこうなったかという点について御説明を願います。
○参考人(加納久朗君) 住宅公団が発足いたしましたのは三十年の七月二十五日でございまして、それから組織を整えて仕事にかかり出して、ほんとうに地面を買い始めて家を建て始めるという、第一の家を建て始めたのがようやく九月の終りでございます。そのときには、用地の買収等もまだ不十分でございました。それで、五カ月の間に初めの計画の二万戸を作るべく発注をしなければならないというので、最大の努力をいたしまして用地を買収いたしました。そうして三月三十一日までに建設の発注を終りましたのが二万三千戸でございまして、そのときに当てがわれておりました予算が百七十億でございます。百七十億でございますが、かくのごとくに発注がおくれましたのは、御承知の通りコンクリートの家でございますので、約束をいたしたときに三割の金を渡し、毎月毎月できるに従って金を払っておるという状態でありますから、百七十億のお金が百億余りました——余りましたのではございません、それだけ借り入れないで次の年に繰り越したわけでございます。 すなわち、六一%の繰り越しを出したわけでございます。三十一年度は二万三千戸でありまして、前の繰り越しと次の予算と合せまして三百四十億の予算でございます。前に繰り越されました二万戸の住宅を完成しながら、さらに二万三千戸を発注していく。その用地もまた買っていかなければならないというので、これも最大の努力をいたしましたが、今おっしゃったように、資金の面からすれば九十六億の金が次の年に繰り越されたわけであります。しかし、前年度六一%の繰り越しをいたしましたが、三十一年度は三三%の繰り越しをしたわけであります。私はどうかして三十二年度に残っております九十六億の仕事をやり上げて、なお三百六十五億の仕事すなわち三万五千戸を発注し、建設していくという計画に入って、せめて一割程度を残すくらいでいきたい、こう思ったのでありますけれども、今の予定で参りますというと、二割一分を繰り越ししなければならないようになっております。従って、ことし使います金の五百二十七億のらち百十億を次年度に繰り越していかなければならない、こういう状態であります。しかし、今年度は前年度に比べてずっと事業が進んでおりますから、四月一日以後になりましてからどんどん金を借りていかなければなりませんから、百十億の繰り越しをしても三十二年度の事業といたしましては、事業の上においては少しも支障なくこれを遂行することができる、こう存じております。 しこうして、この三十三年度におきましては、もち残りがわずか百十億一でありますし、そのときにはおそらく事業量はまた六百億にもいくだろうと思いますから、三十三年度においては、次の年に繰り越す金がもっと少くて済むのではないか、これは絶対にその年に使い切るというようなことは仕事の性質上できるものではありません。でありまするから、大体一割程度から二割までの繰り越しであれば、こういう事業ならば当然の繰り越しであろうと存じます。
○田中一君 どちらもあなたの今までやったことは、三十年の場合には半年ちょっとの期間でありますから、それは無理ないという点も考えられますが、昨年も九十六億の繰り越しをしておる。そうしてお言葉を聞きますと、本年度も百十億程度のものも縮減するならば完全にいくのではないか、また、こういう仕事の性質上残るのが当たり前だ、こういうような内容の御答弁のように伺ったのですが、しからば大蔵省が内示しておりますところの百三十億の三十三年度の事業費の投融資の縮減ということ、これは還元をしておるわけでございますね。
○参考人(加納久朗君) 還元しているわけではございませんけれども、百三十億の繰り延べということに対しては、二十億だけはどうしても復活していただきたい、五十億であるならば、二割一分程度の繰り越しということでいける、そうして三十二年度の予定の仕事をしていくのには差しつかえない、こういうわけでございます。
○田中一君 住宅公団のために国民は住宅を作ってもらっておるのじゃないのです。国民のために国会は法律を作り、予算を計上して国民のために家を建てさしておるのです。公団をして建設させるようにしておるのでございます。どういう理由が公団にあろうとも、少くともすべての計画を国会で承認した以上、これを遂行するのが総裁としてのあなたの義務でございます。強い義務でございます。それが得々として、三十年度ないし三十一年度、また三十二年度においても、四百六十一億のうちから百十億を縮めてくれるのならば、どうやら二割程度の繰り越しでできるであろうということは、住宅公団の非力と無計画と国民に対する奉仕心がないのです。少くとも政府から任命されておる総裁ではありながら、これは国民が任命しておるものであります。もしもあなたが三十二年度の事業量全部を見て、あなたの方の力を見て、そうして三十二年度の計画を立てようとするならば、なぜ最初から百十億の金をお返しをして、三百五十一億という計画を立てなかったのでございますか。
○参考人(加納久朗君) お返しするわけに参りませんのは、すべて建設をするときには約束をしなければなりません。そうして先ほど申し上げましたように、何万戸の家に対して初めに三割を払い、できるに応じて払っておるのでございますから、もう次の年度にいきましても、それはずっと払っていかなければなりません。それだけのものをお返ししてしまえば、初めの計画の三万五千戸とうものはできてないのでございます。それはお返しすることができないお金でございます。
○田中一君 三十二年三月三十一日まで事業を完成するのは、これは今日のあらゆる予算、金を使う面におけるところの法則です。この年度計画で立っている今日の予算の編成からみて、三月三十一日までに金を使い切るのが正しいやり方なんです。ところが戦後いろいろな悪条件があるために、継続事業というものを認めて年度々々の経理でやっている関係上、四月あるいは五月程度まで支払いが延びてもやむを得ぬというような見方を会計検査院がしておるのです。従ってあなたに課せられた任務というものは、三十三年三月三十一日までに完全に支払いを終えることがあなたの任務であります。そういう点から見て、あなたが消化するという事業量は四百六十一億のうちかりに百十億を引いたといたしましても、三百五十一億というものは三月三十一日までに消化しなければならないのです。これがあなたに課せられた義務でございます。それを今言う通り全然使わぬ金が百十億程度なくてはこれだけの工事ができないということはあり得ないのです。むろんこれが戦後におきましては、慣行として四月、五月、程度までに仕事の支払いを延ばしてもやむを得ぬというふうになっておりますけれども、これは正しいものじゃございません。そうしてもしもあなたが今度大蔵省の内示というものを百三十億程度のものを圧縮しようという考えに対しまして、二十億はそれは見てくれ、百十億は圧縮してよろしいというようなお考えを持っておるならば、住宅公団というものは国民に縁がございません。単なる大蔵省の金によってあなたがささえられて、おるにすぎません。従って私は今あなたの御答弁ははなはだ不満足です。
○参考人(加納久朗君) 二つの点についてお答えいたします。先ほど申し上げましたように、三十三年度には残りのものをもっと少くする。絶対にゼロにするとは申し上げられません、こういう仕事の性質上。であるから一割か一割五分はおそらく次年度に繰り延べるものが起るだろうと思います。 それからもう一つ、今年度に全部使い切る方が公団の総裁として義務を果しているものであるということでありますけれども、それは義務を果さないものである。かりに約束をしたものを契約をした場合に、全額を払ってしまえばけっこう予算の通りに百三十億円を使ってしまったということになります。しかし、そういうむちゃな金の使い方、利息のついている金でありまして、金の要るに従ってお金を借りて、一銭でもむだのないように国民の負担を少くするようにというやりくりをする以上は、一ときに使ってしまうということが不忠実なものであって、そうして繰り延べる金については、そのときに応じて四月、五月、六月と必要に応じて市場から金を借りていって国民の負掛を軽くする、こういうことが私の義務であると信じております。
○田中一君 なるほどあなたのお人柄といい、御経験といい、金に奉仕しているという点は今のお言葉の中にもうかがわれる次第でありますけれども、住宅局長に伺います。三十二年度に住宅対策費として住宅公団分で盛り込んである戸数は三万五千戸、事業費総額三百六十五億、内訳は詳しく書いてありますが、これを二月十三日調べとして建設省は当委員会に提出しております。この戸数と並びに資金計画というものは、当然三十二年度会計においてすべて支払い済みということが前提となっておるものでございましょうか。それともこのうち百三十億、百五十億というものを延ばしてもいいという前提のものであったのでございましょうか。あるいはいま加納総裁の言っておるようなことが住宅公団に対しましては、その加納総裁が言っておるような考え方で金を使うようにせよということを指示しておったのでございますか。その点は明確に御答弁願いたいと思います。
○説明員(植田俊雄君) 本年度の住宅公団の予算としまして新規に投入されます資金は、ただいまの通りでございまして、建設省といたしましても三万五千戸の計画を進めることを期待いたしておるわけでござがます。従いまして、三万五千戸の戸数が竣工いたしますれば、三百六十五億の資金は全部使うことを予定したわけでございまして、当初より余すことを予定したわけじゃございません。予算の性格上そういうものかと存じております。
○田中一君 私は今植田住宅局長の言葉が、私ども国会におきましてあらゆる法律、あらゆる予算を検討する面において、そのような信念を持って審議を行なっております。議決も当然そのような信念を持っていたしております。ところが政府が任命しておるところの加納総裁は、私が申し上げておることと反対な御意見が信念として吐露されました。従って加納総裁の考えられている金の使い方、予算の使用方法というものが間違いであるかないかを、ここでははっきりと明確にしていただきたい。それがはっきりいたしませんと、私は加納総裁に対しまして今後質疑の続行ができません。そうすると、政府にかわって、今度は政府にかわって加納総裁の運営につきますところの信念をこまかい点まで御質問しなければならない。むろん当委員会としては住宅公団の内容を審議する、調査するという権能があるはずでございますから、その点を一つ明確にしていただきたい。どちらの答弁が正しいか。私ども国会におきまして、法律をもってあらゆる審議調査をしておるのでございますから、その点は慎重に御答弁願いたいと思います。
○説明員(植田俊雄君) 先ほども申しましたように、三万五千戸の建設計画を立て、またそれを実施するに必要な資金としまして三百六十五億の予算増をお認め願ったわけでございます。しかしながら現実の問題といたしまして、三万五千戸の住宅の着工を住宅公団としていたすわけでございますが、先ほど総裁からお話しのありましたように、三十年度の分につきましても相当数が三十一年度に繰り越されて参っておりますし、また三十二年度の分につきましても三十二年度に繰り越されておる実情でございます。公団が発足いたしまして三年でございまして、体制は相当整備されたことは期待いたしますけれども、宅地の入手等につきましても相当苦心もあることと察するわけでございまして、三万五千戸を着工する御承認を国会から得ております。またそういうふうな三万五千戸を現実に着工するわけでございますが、資金の使い道におきましては、前年度及び前々年度と同様な相当の繰り越しが出てくることも予想できないわけではないと考えるのでございます。従いまして、今回の国際貸借改善の総合措置によりまして、その点について公団として繰り越し得る余地を出せということでございますれば、公団として先ほど総裁からお述べになりましたような数字が出てくるものと考えておるわけでございます。
○田中一君 植田君の立場ですと、そうそう公団の総裁をきめつけるわけにいかぬでしょうから、それは一応了承いたします。了承いたしますが、われわれは三万五千戸は年度末までに完成するものという前提で考えております。国民はことごとく私と同じ意見を持っております。同じ考え方を持っております。従って総裁がああいう、今前段に申したような答弁をすることが、お取り消しを願わなければ、われわれ国会議員のこれは与党、野党を問わず、少くとも国会に議席を持っておる者はああいう考え方を持っておらないということになりますから、これはまことに残念でありますけれども、今のような答弁を、万やむを得ぬ場合にはそうなることもあるということならば、これは事実台風でもあり、あるいは爆弾は落ちぬでしょうけれども、何か事故があった場合には起り得る場合もありますから、まあまけておきますけれども、ああいうような答弁をしてそのままで推し進めるならば、ちょっと私には審議ができなくなってくるというのでございます。これは加納総裁どうお考えになりますか、三月三十一日までに仕事を完成するのが建前でございます。そういう種々の事故によってあるいは延びるような場合がある。その場合の、そういうやむを得ない事故によって延ばしたのが三十年度において百億、三十一年度において九十六億であった、本年度も、これは三十三年三月三十一日までには完成することにはきめておりますが、しかしながら、あるいははからざる事故のためにおくれる場合があるかもわかりませんという答弁ならば了承いたしますが、そうでなくて、当然でございます、金はむだ使いいたしません、金はなるべくゆっくり払うのです、請負でございますから、請負人がどう困ってもかまいません、なるべく延ばして、金は金利をかせぐために払わないようにするのが私の本務でございますという態度では困るのです。同時にまた、三万五千戸は三月三十一日までに建てようという努力を払っておりますがという前提でなければ、これはわれわれが国会で承認いたし、ましたところのこの事態と、あなたの受け取ったところのものとが相違を来たしております。その点で一つ御答弁願いたい。
○参考人(加納久朗君) 今田中委員のおっしゃる通りの心がまえで出発しておるのでありますけれども、前に説明いたしました通り、用地の買収などよ。意のごとくいかず、事業の性質してきぱきと進みませんけれども、二割一分の事業費の繰り延べをしていただいて初めて三十二年度の仕事が完成をする、こういう性質のものなのであります。それから今田中委員から、予算にきめられたものは全部その年に使ってしまってその年に完成すべきだと、もちろんその心組みでおります。事実そういうふうにいかなかったということを正直に申し上げる。と同時に、使えないと同時に、公団は常に次年度のために債務負担行為で約束をして用地等をとっておくというふうに、逆に使い切れないのが片っ方にあると同時に、来年に出すべき債務も負担しておる、こういうふうなことでこの事業を遂行しておるわけであります。そういうふうなことでちょっと答弁しておきます。
○田中一君 あなたが現在やっておるように、用地の買収その他の点につきましては、困難が伴うものなんです。従ってあなたが考えておられるように、百十億の金を繰り延べないでその分で次年度、三十三年度、三十四年度、三十五年度あるいは三十六年度等の事業を遂行するような財源としてお持ちになることは可能であります。従って、返す前に次年度、次々年度のための、将来のための手当てをすることが望ましいのでありまして、返しますと、また同じような繰り越しをしなきゃならない事態が生れるのであります。国民は1日も早く住宅を求めております。従って、そういうことをしないで、大蔵省並びに建設省も、住宅建設のうちの用地買収にはそのような国難性が伴うのだということを理解してもらいまして、用地買収に対しましては、先に手を打つということが望ましいのであります。同じことを繰り返そうというのが、今百十億の金を返そうというところに原因があろうと考えるのであります。その点はどう考えます。
○参考人(加納久朗君) 百十億の金を返すのではないのです。今年度にそれを市場で借りないということです。それから、それだけの金を返さずにおいてほかのことにどんどん使ったらいいじゃないかという仰せでありますけれども、それはできません。
○田中一君 大蔵省の発表は御承知と思いますけれども、もしも事業量に少しも変更がないのであって、当然これは来年の四月、五月、六月に計上して来年度にやるのだから、事業量は減っておらないのだというならば、なぜこのように、一切のものは繰り延べというあなたの表現ですが、大蔵省も繰り延べと言っておりますが、明年度に繰り越すものならば、当然ここにあえて数字を改訂する必要がございません。前年度も九十六億の金をそのまま繰り延べておるのです。あなたは、やはり同じように来年の三月三十一日になりまするならば、百五、六十億程度のものをまた繰り越せばいいのであります。どうしてそういうことをするかというと、そういう御質問になると、今度はあなたにうんちくを傾けて一つお教えを願いたいと思うのでありますが、なぜそのような形で財政投融資というものを繰り延べしなければならないかと、きのうも津道路公団総裁にも伺いましが、一つ個人的な加納さんの御意見でけっこうでありますが、なぜそうしなければならないかという点をお教え願いたいと思うのであります。
○参考人(加納久朗君) 住宅公団総裁という立場を離れまして、財政金融問題について申し上げるならば、私は、石橋内閣が出発したときに完全雇用、事業の拡大ということで、打ち出した政策、それから日本の経済がすでに大きくなっていて、今までの着物では間に合わないのだということであるから拡大していかなければならないというあの政策は、正しいものだと思います。それで、政府は自信を持ってあの政策をどしどし進めていくべきであって、途中でもって財界人その他が、多少在外正貨が減ったということでくらくらしたということに私は間遠いがあると思うのです。私はことに公共醜業等の問題のごときは予定通りにどんどん進んでいったならば、決して、間違いなかったと思うのです。そして私は輸入が多過ぎて困る、在外正貨が減ったということですけれども、五億の在外正貨が減って、そうして市場において、現在資材や材料の増加は八億一千万ドルであります。すなわち三億ドル物に変っているというだけのもの、で、これが香水ばっかり買ったとか、あるいはキャデラックを買ったという奢侈品を買ったわけではありませんので、原料が来ておるのであって、それがたとえば輸出に変るべきものであり、また設備に対しての原料は、それが設備拡大に使われるものでありますから、あの政策のままで進んでいけばもう自然に、今月、来月からでも輸出が多くなってくる。これが私の意見であります。それで在外正貨が減るということはそう心配することでないというのが私の意見でございます。 それから弔う一つは、減ったら困るじゃないか、なぜ減ったら困るのか。一体金というものは物を買うために存在しておるんだ。こういうと、田中委員からまたしかられるかもしれませんが、(笑声)けれども、私は金というものは物を買うためにあるのだ。であるからして、私は物にかえて持っておるということは国のために喜ぶべきことだと思う。ことにこれがかりにゼロになったというところでゼロになりっこない、ゼロになる前に輸出が出るから。どこの国の財政を見てもそうです。だからちっとも心配することはないのですが、これが政治なんでしょうか、何か無知な新聞が書き出すというと、それにくらくらやられちゃって外貨危機とかやっているんです。とんでもない話だと思うのです。ちっとも危機じゃない、むしろ私は勇敢にあの政策をもって進んでいったならば、もうあすから——この夏から秋にかけてずっと好転していくと私は承知しております。
○田中一君 大へんいい話を伺いまして、(笑声)私も非常に心強く思っております。そこで伺いたいのは、これも個人的に御答弁になってけっこうです。なぜ政府は突如としてこのような国際収支の均衡をはかるために財政投融資を繰り延べるという手を打ったのか、その点はあなたの御批判は……。
○参考人(加納久朗君) それは全くしろうとのやり方だと思います。(笑声)ほんとうの経済がわかっていればこういうようなことはやりません。
○田中一君 そこで、しろうとの政府がそうした財政金融をやっておるわけなんですが、そこで政治的にはどういう効果と、どういう意味があるかという点ですね。それからもう一つは、だれかがこのような政策を押し込んだのではないかというような点、一つ御批判願いたいと思うのですが、どうですか。
○参考人(加納久朗君) これは私はだれからも仕込まれたのではなくて、やはり何といいますか、重金思想といいますか、在外正貨がなくなったら大へんだという一つの迷信があるのですよ、銀行家の仲間に。そうすると、新聞がこれは若い人ばかりで経済なんかわからぬ者ばかりが書いているから、足らなくなったら大へんだと書いた方がいい、そういうことでわあわあやるものですから、やはりそこは政治というものでしょうね。私は政治家じゃないからわからないが、これで何とかミートしなければならぬということから、こういうふうに書いてみたのじゃないでしょうか。
○田中一君 経済同友会あたりでは、どうしてもこれは国民に消費というものを抑制する意味においてしなければならないのだ、こうして国一自身がお手木を示して、そうして全体の産業面積においても早期の経済効果を上げないような施設に対しては、投資をしないようにしなければならないのじゃないかというような意見を出してるように聞いておりますけれども。これはまあ生産者の面から見る考え方であります。あなたの場合には金融資本の面から見るところのお言葉であろうかと思いますけれども、そこで、そういう点は甘木の財界と申しますか、これはおおむね一致した見解を持っておるんですか。財界と申しても生産面に携わる方々、金融面に携わる方々、違うと思うのですが、金融資本を扱っている方々の代表意見としては、あなたのような意見が圧倒的でございますか。
○参考人(加納久朗君) 私の意見は少数の意見であって、しこうしてそれが正しい意見であります。それから同友会その他実際に仕事をしておる人は、自分の仕舞のことしか考えておりませんです。ですから、遺憾ながら消費節約をしていけばいいというだけ簡単に言われるのですけれども、まだ日本では消費節約をすればどれだけのものが輸出に向っていくかというような態勢ができておらないのです。たとえばこの竹細工のようなものにしても、これは竹細工というものをたくさん作ればいいにきまっておる。きまっておるけれども、今度岸さんが釣竿を持って行ってアイゼンハワーに献上をするというほどいい釣竿が、竹細工ができるのです。けれどもそれじゃこれはいいからといって何万グロスという注文がきたらどうかというと、これに応ずるだけの日本に設備ができておりません。これはまた金融資本とおっしゃるかもしれぬけれども、やはりこれはファイナンシングをやって、幾らでもいいものができたものを常に買ってストックしておくというだけの機関がなければできないことであります。で、先進国の輸出をやっておる国を見まするというと、何千というストックを持っているからこそ輸出に備えられるのでありまして、池田大蔵大臣にはストック・ファイナンシングはいけないというようなことをこの間おっしゃったように聞いておりますけれども、それでは輸出はできないのです。ストック・ファイナンシングをどうしてもやらなければならない。それから節約ということはけっこうですけれども、われわれがかりに牛乳二合飲むところを一合にしてみたり、あるいはミカンを三つ食うところを二つにしてみたら残りが出た、その残った牛乳と残ったミカンはどうなるのかということを考え、国が政策を立てなければむだになってしまう。すなわち酪農でもってバターなりチーズを作って輸出するとか、あるいはミカンの消費がそれだけ節約されるものはカン詰になってイギリスに輸出されるとかというような、全体的の経済計画を立てないで、単に消費節約ということであれば、ただ購買力が減るだけのもので、経済は萎縮するのであるという考えでございます。
○田中一君 ありがとうございました。非常にあなたがそういう考えを持っておれば安心いたします。ところで国民がこれだけ期待しておるところの公団住宅に対して、一部には期待してないところもありますが、家を建てるということにつきましては、みな待っております。待望しております。ところがそれを間違った財政政策を持つ政府が、国民の希望にこたえないで百十億の縮減をしようという考え方を持っている、この政策に対して加納日本住宅公団総裁は賛成している意味はどこにございますか。
○参考人(加納久朗君) 私は前に御説明申し上げましたように、事実上仕事の上でもって百十億を繰り延べしていっても、今年度の計画ができ上るという点からして、この政府の御方針に協力じゃありません。方針に従っていってよろしいと、こういう考えであります。
○田中一君 あなたが百十億繰り延べするという前提でものをおっしゃったんでは、日本住宅公団の総裁の資格はございません。あなたはやはり三十二年度は四百六十一億の金を完全に使ってなおかつ力があり余り、次年度はもうこれの五割増しをしてくれというようなあなたの意欲と計画がなければ、これは国民が望む総裁ではございません。従って百十億を繰り延べるという前提で計画を立っておるものならば、現在住宅公団が持っておりますところの三十二年度の実施計画というものをこの委員会に提出願いたい。そしてそれを提出願った上に、私はこれをもって政府に対してとことんまで追及をいたします。そういうことは国会において約束をしておりません。
○参考人(加納久朗君) すでに総裁の資格を喪失した者が答弁をするのはどうかと思いますけれども、百十億の繰り延べをして完全に三十二年度の計画を実施するという自信を持っておりますから、政府を攻撃なすってみたところでむだだと思います。
○田中一君 住む局長に伺いますが、今のような答弁で、百十億というものは繰り延べてよろしいのだという考え方を持っておりますか。もしそういう考えならば、予算が国会を通ってまだ日もございません。一応財政当局としての大蔵省の考え方の相違というものは、客観情勢の変化によってこういう要求のあったことはあり得ると思いますが、少々とも建設省はこれに同調をして、住宅供給に対する客観情勢が好転したから、百十億の金を繰り述べるのだという前提で物を考えておられるかどうか、もしおるならば、これは重大なる問題でございます。
○説明員(植田俊雄君) 三十二年度の予算が成立して間もない際でございます。そういう際におきまして、こういう繰り延べという問題が起って参りまして、こういった住宅あるいはその他の公共事業を担当いたしております建設省といたしましては、なかなか納得しかねる問題でございます。従いまして、繰り延べを納得するにいたしましても、決して住宅供給を当初予算で予定いたしました際よりも少くする、あるいは建設のテンポをにぶらせる、こういう考え方は絶対に持たないわけでございます。またそういうふうな措置を大蔵省から申し出がございますれば、建設省といたしましてもあくまでも反対いたしまして、妥当な線でなければ応じない覚悟でただいま大蔵省と折衝いたしておるわけでございます。
○田中一君 加納総裁に申しますが、あなたを免職する権利は政府が持っておりますから、私は持っておりませんから、ですからあなたがそういう考えを持ったんでは資格がないという批判でございますから、どうぞ御答弁を願います。 そうすると、総裁は三十二年度においては四百六十一億、これから百十億引きますから、三百五十一億というものは現在では完全消化できるという自信を持っておるというわけでございますね。
○参考人(加納久朗君) もちろんそうでございます。それから田中委員に何か誤解がおありになりはしないかと思うのですが、大蔵省の資金の繰り延べというのでありまして、金を市場からとるのを繰り延べるようにという意味に私は了解しております。従って事業は計画通りに進めておるのでございますから、これを田中委員のお話のように、カットするというようにこれをおとりになると、カットされる仕事は大へんだ、予算で減らすということは困るのです。
○田中一君 そこに問題があるのです。私どもおそらくあなたとこういう公式に会って話したら同じ意見だと思うのです。私は日本住宅公団の事業を伸ばすために申し上げておるのです。そこに問題があるのです。従来慣行として四月五月あたりまでの支払いは、年度の支払いを認めるということが、事実会計検査院が認めておったのです。しかし事実決算におきましては、当然これは繰り延べになるのです。それが公共事業費においてもそういう面があるのです。これはやはりやむを得ない事情においてなったということであって、年度に金を使うことが正しいのでございます。 で、そういう意味からいって、あなたが三百五十一億の金を本年度に必ず使い切る、そうすると百十億という繰り延べは、四月か五月までには全部完成させるのでございますという従来の慣行によってこれをやろうという気持を持っておるのか、あるいはこれは今日では年度会計でございますからカットする。どっちみちカットしてしまう。繰り延べというのは決算が済んだときです。年度の繰り延べというのは資金をカットしたということです。その点が、百十億というものをあなたがカットしてもよろしいという、私がカットだと言ってもあなたはカットではないとおっしゃるけれども、カットに違いない。しかしそれは今言う通り事業としては継続していくことなんです。事業として住宅公団が三十二年でなくなってしまうのではないのですから、事業を継続していく。従って、三十二年度の資金としてはここでカットするということになるわけです。そして百十億というものが当然三十三年三月三十一日の決算では残るから、この分だけは来年度に入れてもよろしいというお考えならば、今後われわれは住宅予算をとる場合に公団の予算、公団のすべての経営の審議をする場合に相当われわれは考慮しなければならない。そのよって来たる百十億というものを延さなければならないという原因がどこにあるかという点を当然検討しなければならない。あなた自身が三十二年度の予算の上において、計画の上において百十億の金を繰り延べるということに同意するならば、それはあなたの方の公団の弱体か、無計画か、何らかの理由がなくちゃなりません。従って年度初めの予算が通過した後の計画と、現在の計画との相違点を明らかにしていただきたいと思います。
○参考人(加納久朗君) 公団の無計画でもありません。また弱体でもありません。日本が国土が狭くて、そうして土地というものの入手が絶対にむずかしいからであります。
○田中一君 むずかしいならむずかしいように、前もって手当をしたらいかがですか。
○参考人(加納久朗君) 前もって手当をして、こういうような結果でございます。
○田中一君 前もって手当をしてもこの結果ならば、明年度からはあなたの支配しておりますところの住宅公団というものの能力というものに限界がある。従って明年度からは相当住宅公団の資金というものは圧縮をしなければならないのだということになります。それでよろしいのでございますか。
○参考人(加納久朗君) 絶対に圧縮してはいけません。そうすれば国家のために家を作ることが少くなります。
○田中一君 国家のためにの前に、国民のためを考えてみて下さい。国民は非常に望んでいるのです。あなたにこれ以上の努力をしてもらって、百十億の繰り延べを承認しようというこの資金を、三月三十一日までにどうしても完成しますというような意欲と計画がなければならないのです。そうすると、それができないということは、できるという前提でわれわれは了解をしておるのです。従ってできないということが前提ならば、できない理由を明らかにしていただきたい。それが、ただ日本は国土が狭く土地がなかなかとれませんということでは、そういう御答弁ではこれは茶番で、何というか、漫才でおっしゃるならけっこうでございますけれども、まじめに御答弁なさるならば、もう少し真剣な御答弁をしていただきたいと思います。
○参考人(加納久朗君) 一番初めに私が御答弁申し上げたように、初年度において六一%の繰り延べをせざるを得なかった。次年度において三三%の繰り延べをした。そうして今年度においては二一%。そうしてそれは金額においては初め百七十億の六一%、次は三百四十億の三三%、今度は五百億の二一%の繰り延べでいくということは、漸次成績を上げていることと私は信じております。そうして三十三年度においては、田中さんの御注文に近いところまでこれはやり得るのだと思います。それには本年度において来年度の用地の手当というものを今最善の努力を尽しておりまして、それからまた一方に宅地造成において、公団自体の宅地を作るということも進んでおりますから、三十三年度には、もし私が生きておりましたならば、おそらく今日よりはもっとよい成績をお目にかけることができるだろうと思っております。
○田中一君 この会計法を変えまして、これを三年継続事業ということにしたら、あなたの言っている三年間で完全に消化するということは言えらえそうですね。一年決算でなくて三年決算でということになったらどうですか。
○参考人(加納久朗君) 宅地造成の場合にはすでに三年の計画で進んでおります。しかし家の場合には、もし工期が十カ月とするならば、たとえば四月に全部注文を出したとすればそれは全部そのときに終るわけであります。ところが三万五千戸の注文を一どきに出すということであれば非常に人手が要るのです。設計もあるし、それから方方の文書のいろいろな関係もありますので、どうしても幾ら急いでも、一気に三万五千戸の注文を初めの月に土地があっても出すということはできません。事実上できない。ですから、それは四月、五月、六月、七月というふうに、第一四半期においてかかっていって、次の第二、第三、第四四半期に大部分ができたとすれば、これは非常な成績だ。しかしそれでも一〇〇%全体にできてしまうということまではできないと思います。家によっては十一カ月、十二カ月、あるいは一年半かかる場合もあります。全部設備を、施設をするにおいて。そうして直属住宅を作っていく場合には、工期は一年半かかっておりますから、そういうような点がありますから、予算の面でカットしてしまうというようないき方はどうぞお考えにならないでいただきたい。
○田中一君 住宅局長に伺いますが、もうこれ以上私は押し問答をしてもしょがないと思う。そうしますと、住宅公団に対する投融資あるいは財源措置というものは、三十三年度は相当考えなければな、ません。どうしてもそれができないというならば、四百六十一億という資金を取っておって、それが百十億はどうしてもできないというのならば、やむを得ず明年度は縮減しなければならないと思う。これが正しいと思う。それで住宅局長としては、住宅公団をして所期の計画を達成さすための万全の努力を払うつもりか、あなたの方には監理官がおるでしょう。監理官はきておりますか。1では村田君に伺いますが、当然資金の繰り延べをするのを前提として今まであなたが監理をしておるのか。なるほど三十年度、初年度は、これはやむを得ないものがあったでしょう。やむを得ないものがあったから百億の金が繰り延べになった。これは建設大臣も言っております。しかし三十一年度は九十六億というものの繰り延べになったという理由はどこにあったか。あなたはそれの専務なんです。あなたはこれだけをやっているわけです。従って住宅公団の経営を全部検討してどういう結論になったか、一つ批判というか、あなたの見たところを率直に申し述べていただきたい。
○説明員(村田義男君) お答えいたします。私まだ就任早々でありまして、若干答弁にピントはずれのことがあるかもしれませんが、何とぞ御了承願いたいと思います。 先ほど加納総裁がおっしゃいましたように、やはり初年度は何と申しましても設立が非常におくれまして、いろいろ準備等に追われて、現実の仕事の開始が非常におくれたことが一つと、それからやはり住宅の問題といたしましては、用地取得ということがやはり何といっても最大のネックになっております。そういう点におきまして、初年度はそういう設立のあれが非常におくれたこと、それから用地の取得関係が非常にむずかしかったということ、そういう点で三十年度は一つのズレがきたことが大きな原因だと思っております。それから三十一年度におきましても、やはり三十年度のズレをできるだけ取り戻す、しかも三十一年度の事業計画を完遂する、こういう決意のもとにおきまして、なおかつ共通点として、やはり用地取得という問題が現実の問題として最大の大きな問題として横たわり、この点は公団当局も非常に熱心にやったのでありますが、三十二年度におきまして一部政府として繰り延べになったものがある、こういうふうに私は考えております。以上でよろしゅうございますか。
○田中一君 三十二年度は今の公団の規模でほどうしても百中億の繰り延べをしなければ消化できぬ、百十億の繰り延べをしてもなおかつ二〇%でしたか、繰り越しさせられるという計画であったというように総裁は言っておりますけれども、あなたはそれを認めているのですか。
○説明員(村田義男君) その点はちょっとあるいは総裁が考えておられますことが、あるいは言葉のあやの問題で、ちょっと誤解があるように私どもは推察しているのでありますが、総裁もそれから建設省としても、やはり本年度の三万五千戸の事業計画はやはり当年度認められた予算の範囲内で完遂する決意を持っている、こういうことだと存じます。ただ現実の問題といたしまして、総裁のおっしゃいまするのは、やはり前年度のいろいろなズレもあるし、それから用地取得、いろいろなそういうふうな問題もあるし、計画自体としては完遂するという決意を持っておりますが、現実の問題としましては、資金のいろいろな問題はやはり年度末当初におきまして契約を行います場合は、一部資金として延べ払いで出て、一部次年度に金が出る、こういうふうな金が今かりに見通しを立てるといたしまするならば、百十億くらいは出るのではないか、こういうふうな御趣旨だろうと私は思います。そういうふうな意味で、できましたならばやはり三万五下戸の住宅は完遂する決意を持っており、総裁も非常に熱心にやっておられる、私はそういうふうに考えております。
○田中一君 まあそれ以上村田君も言えないでしょう。加納総裁が非常に率直におっしゃっているのだから、まあ多少言い過ぎの点もあったということを割引して考えましょう。 先ほどの金融界の御見解、金融資本というか、政府の措置の御見解を伺って、私は社会党に属している議員でございますから、反政府的な一つの強い信念を伺ったので、多少すっきりしたものですから、この辺は了承いたしましょう。 そこでこれは加納総裁にまじめに申し上げるのですが、今住宅局長並びに村田監理官が言っているように、当然年度内に消化しなければならない性質のものなんです。これはおわかりのはずです。そこで百十億というものを繰り延べることを最後の最後まで抵抗していただきたいのです。そうして、これは今度の用地の買収は先ほど言っている継続費として出ているのですから、三十三年度、三十四年度、三十五年度、将来住宅公団が存続する限り先の手を打つためにこの百十億の金を使うことも可能なんであります。むろん今までの御経験によって土地の取得が困難だということがわかっているならば、その困難を打開するためには法律の改正もいたしましょう。おそらくこれは与野党ともに国会においては何も反対するものではございません。国民が求めるところの住宅を早く建てるには、やはり用地取得というネックがあるならば、これを解消するための立法措置は当然各党とも喜んでいたすでございましょう。従って、あなたの働く範囲、あなたの動く範囲というものは、現在与えられたところの法律に規制されたところのものでございましょうけれども、それは決してそのままで終るものではない。あなた自身があらゆる困難を排除して完遂しようという意欲があるならば、国会におきましても、われわれは必ずあなたの目的達成のためにあらゆる措置をとるという道があることを御銘記願いたいのです。法律はそのためにございます。従ってそれを解決するための道はございます。だから繰り延べるとか繰り越しだとかいうことを考えずに、もう少し国会をたよっていただいて、あなたの責務、いわゆる国民に対するところの奉仕を千分に遂行していただくようにお願いしたいと思うのです。従って今度の百十億の繰り延べをあなたが承認したものかしないものか知りませんけれども、政府としてはこれを承認したくない。何とかして大蔵省に対しまする抵抗を強めて、そうして最少限にとめたいというふうな意欲も持っておるようでございますからこれを建設省の意向に沿うように、あなたの方でも一つ完全に三万五千戸を作るのだというような意思を投げないで下さい。そうせぬと、これは単に住宅公団ばかりではございません。公共事業費にも波及いたします。あらゆる面において間違った財政政策というものが国民に与える数々の精神的な不安と、それから動揺を与えることになるのではなかろうかと思いますので、十分に建設省側とも打ち合せの上、まあ軽々に百十億を、百十億はおれの方ができないのだ、できないのだからもう返しても実質的には関係がないのだというような御発言でなく、していただきたいことを要望いたしまして、私はこれで質問を終ります。
○石井桂君 関連して。田中委員の言われている年度内の予算を年度に使い切るというのは私も建前で、そうあるべきだと思います。しかし、私も長い間住宅を建てた経験がありますが、住宅や何か、鉄筋コンクリートですと、非常に工期がかかるのです。ところで人手と工期の問題をからみ合せると、百パーセントこれをやるということは非常にむずかしいのです。それはまあ理論としては田中さんの通りなんだけれども、実際やらせるとほんとうに百パーセントむずかしい。そこでそれをやり切るのに、三万五千戸と三十二年度の計画が立てられておるのですが、これ三万五千戸着手するということだとそういうことになるのですが、かりに着手する工事が四万五千戸着手した。そうすると金は使い切るのです。そういうことは会計法上許されているかどうか。こういうことを建設省から御答弁願いたいと思います。
○説明員(植田俊雄君) ただいまの点が、先ほど来田中先生からもお話しになりました点にも関連する問題でございますが、現在の予算の建前から申しますと、予算で認められていない以上の建築物を発注するということはできないわけでございます。従いまして、建築工事のように順調に参りまして十カ月かかる、何か途中で故障が起りますれば、一年も一年半もかかるという場合におきましては、間々繰り延べという事態も生じて参るわけでございます。この点につきまして、政府の予算制度全体の問題でございますけれども、しかし予算というものは財政の一環でございますので、仕事を実施しやすくするような予算体制になりますことは望ましいことではございますけれども、そう急に解決つく問題ではなかろうかと存じます。そういたしますと、今回の総合対策のように、ほんとうは繰り越しという事実は年度の終りでわかるわけでございますので、そのときに現実には出て参るものではございますけれども、現在の国際貸借の改善方策といたしまして、ああいう措置をとるということが閣議で決定いたしておるといたしますれば、その線に沿いまして、私どもはできるだけ仕事には——できるだけではございません、仕事には絶対に影響を及ぼさないという範囲においては、やはり協力して参るわけになるかと考えます。 それから立ちましたついでで、まことに恐縮でございますが、私どもといたしましても、今度の予算繰り越し措置によりまして、企業意欲に対しまして何らかの悪影響の及ぼすことのないように、むしろそれよりは進みまして、三十三年度以降におきましては、国会から与えられました予算が、こういう繰り越しの話しが大蔵省から出ましても、全部けとばせるくらいの覚悟を持ちまして準備を整える。そういう意味におきまして公団と協力いたしまして、私も直接の監理官ではございませんけれども、監督の局長でございますので、公団にも御協力申し上げまして、進む決意はついておるわけであります。
○石井桂君 御答弁でよくわかりましたが、実際的に、鉄筋コンクリート住宅が、少くとも四階建以上のものを建てるときには、今公団総裁の言われた通り事実はなるんですよ。そこで三万五千戸計画であるが、これは年度内にみんな竣工できないわけです。それは工期が長いからです。そこで着手する数を二割とか三割とかよけいやれば金は使い切るわけなんですよ。しかも次年度に完成するというこういうやり方は、できるようならば私はいいんじゃないか。そこで聞いたのですが、それはできないとすれば、公団の問題は私はなかなかこれは百パーセントというのは事実上むずかしいのだと、そこでこの問題は住宅金融公庫にもあるのです。公庫の貸付けの数が今年度は八万八千だと思うのです。これは公庫の金を借りる人が四月一日から四月三十日ぐらいまでにみな借りてくれればいいのだけれども、個人々々の経済事情で八月に借りたい人もいれば十二月に借りたい人もいる。しかし貸さないわけにはいかないから貸すと、そうすると工程の三分の一で年度が切れてしまう。こういう場合には必ず余るのです、公庫の貸付も。そこで私は公庫の八方八千を十万ぐらいに貸し付けるワクをつけて、その年度の支払いの義務のある金はちょうど取った予算ぐらいでまかなえると、こういうふうにしたらどうかというので、大蔵省の何という人だったか、原次長か、あの方に決算委員会でずいぶん聞いたことがあるのですが、そのときにははっきりいけないというようなことを言い切っていませんでしたがね。そこで植田局長と大蔵省の原——今次長じゃなくて偉くなっているかもしれません。その人たちの考えが少しくい違っているのじゃないか。その辺はもう少し御説明を願いたいのですが、いかがでしょう。
○説明員(植田俊雄君) 政府機関の予算につきまして、私もまだ十分研究はいたしておりませんが、一般会計の予算でございますと、支出負担行為という制度がございます。この制度を予算の方に——政府機関の方に取り入れ得るかどうかという問題につきましても、十分研究いたしたいと存じますが、ただこの政府機関の会計、また政府それ自体の一般会計の予算の建前からいたしましても、やはり政府の金の動きというものは比較的窮屈なものでございます。民間企業と若干金の動き方も違う面がございますので、負担行為の問題にいたしましても、負担行為の場合は、とかく従来は予算は計上してくれということを最後まで主張いたしまして、それでは、できないならば負担行為にしてやろうかということでございまして、初めから果して負担行為へ切り出していくのがいいのかどうかということも、予算の点から申しましてまずい点もあろうかと思います。しかしこういうふうな、建築のような工期の長いものにつきましては、そういうことも考えなければならぬ問題だと思っております。 なお、今回の繰り延べ措置につきましても、万一、かりに今の公団の総裁のお話のように、百十億というようなことになりましても、あるいはこれがそれとは違った、少くきまるようなことがありましても、公団の事業が予想外に、現存予想以上に非常に進みまして、資金需要が年度内にくるというような場合には、ぜひワクを解除していただいて、民間資金の吸収ができるような措置を講ずるということは、これはぜひ条件として大蔵省にのみ込ませるべきものだと存じておるわけでございます。
○田中一君 ちょっと関連して。植田君に聞きますが、私は何でもないと思うのですよ。今いう完成ということを約束するからいかぬですよ。半建が幾ら、何戸、三分の一建が何戸、四分の一建が何戸と、こういう建て方を、予算の計画の建て方をするならば何の心配もないのです。従って、あなた方にそうした意味の考慮が足りないのです。全部三万五千戸とも完成するからいけない。あるいは三万戸を完成して、あとの五千戸というものは四分の一建、四階ならば今度は四分の二建、四分の三建というような形でもって計画を立てれば容易なんです。何でもないことなんです。そんなことは計画がないからなんだ、あなた方の根本的な。おそらく加納さんが困難な点というのは、幾らでも解消する道はございます。今いう通り三十三年度においてはそのような形をとれば幾らでも金は使い果せるのです。そうでしょう。そうして繰り越しをしないでも、請負ったものの中の四分の一は金を払えばいいのです。三分の一を払えばいいのです。あとのものは次年度で完成して払えばいいのです。それはあなた方の方でできるのです。現在の制度で金が幾らも残る残るなんということはおかしいのです。計画がないからなんです、あなた方の——と思います。どうです、その点は。
○説明員(植田俊雄君) ただいまの問題につきましては、今後十分研究いたしまして、できる道があればそういうことも考えます。しかし、その際におきまして、予算の折衝方式として、どちらが建設省として有利かどうかということも十分頭に入れてやりたい、こういう意味で先ほどちょっと口をすべらしたわけでございます。
○田中一君 住宅公団の方にその能力と意欲がなければ、あなたがやっぱり多少資金的に少くなっても使いこなすという道を示すのが当然です。従って、そういうことになれば資金は使いきれるのです。どうも私に言わせれば考え方が足りないのです、あなた方は。 もう一つちょっと総裁に、総裁じゃなくて、総裁に言うとまた言葉が多くなるから計画部長に伺いますが……。
○委員長(森田義衞君) 公団の計画部長、曾田忠君に参考人として御意見を求めることに異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森田義衞君) 御異議ないと認めます。それでは田中君。
○田中一君 資材の発注現物支給の面と請負にまかせる面との比率ですね、どうなっておりますか。現物支給しているものが何と何と何と、それから請負にまかせるものは何と何と何と……。
○参考人(曾田忠君) 現在公団で請負業者に現物支給をやっておりますのは、鋼材だけでございます。現物支給といいますが、まあ鋼材そのものは鉱山から買いまして、それを公団の買収価格で売り渡す、現物支給というわけではございません。売り渡すということでございます。
○田中一君 その鋼材の売り渡しも、今いう通り昨年の値上りからそういう措置をとったと思うのですが、人が足りない足りないというけれども、しかし、資材等はやはり早期に手当をしてやはり計画購入をしなければ、安い単価におきまして、出たとこ勝負でもって請負にまかしたのでは、結局単価も安いし監督も厳重だというならば、請負人の利潤を上げる道はやっぱり品物にかかってくるのです。製品の質が低下します。これは当然なんです。従って、私は必要ならば、なまコン会社と計画的に契約を結んで、むろん品物が入ってから金は払うものもございます。そこで、できるだけ使用資材の調弁をして、請負人がそこにおいて質を落すというような機会を与えないような方策をとるのが正しいのです。そうして当然営利会社でありますから、請負人にも損をかけないような積算の上に立って、利潤は利潤としてやるという形をとらなければだめです。昨年からみてみると、何ら資材購入その他に計画性がなくて、ただ土地がきまり、そして設計がきまると一括請負に出すという形ではだめなんです。従って今後まだまだ住宅公団がこの経営の面においていろいろ数々の研究をすべきものがございます。これは今のようなことでもって一括請負をするからこそ、各地に起るこまかい問題が起るのでありまして、監督の十分でない、監督を十分にする前に、たとえばなまコンを使ってやるならば、セメントの調合をごまかすなんということはございません。そういう点を十分に考えぬと、われわれが期待するような住宅はできないと思うのでありますから、一つ総裁は進取の気に富んでいる方でありまして、相当新しい知識、新しい考案は取り入れられる方のように見受けられますので、抜本的な経営の考え方を立てていただきたいのです。そうしなければ公団に対するトラブルはますますふえて参ります。そういう点について計画部長は何か公団内でもってそういうような計画が、もう三年たって大体において自分たちの経営の欠点もわかったと思いますし、今後どうしなければならぬということもわかったと思うのですよ。マンネリズムに陥って請負人に一括まかせれば何でもできるというような考え方は修正されなければならぬと思うのです。従って加納総裁といたしましても、金を持ってくるから家ができるのだというのではなくて、家を建てる工人となっていただきたいと思うのです。工人として、大工となってですよ、加納総裁は建てなければいけません。一つただ鋼材が値上りしたからそれを買って、買付だけしてその価値で売るなんということでなくて、新しい計画のもとに、どこによくて安い住宅が供給できるかというところに考えを願いたいと思うのであります。
○委員長(森田義衞君) 加納総裁はちょっと十一時四十五分から用がおありになるそうでありますから……。それじゃどうもありがとうございました。
○参考人(加納久朗君) どうもありがとうございました。
○田中一君 せんだって建設大臣にここに来てもらいまして、今回大蔵省が発表した財政投融資の縮減、繰り延べの問題です。これについて伺ったところが、自分はどうも不本意だ、こういう繰り延べは承服できぬ、しかし、いろいろ今までたとえば住宅金融公庫にいたしましても、三十年度に五十億の繰り越しになっているし、三十一年度は五十九億繰り越しになっております。この原因というものは、先ほど住宅公団の総裁にも申し上げた通り、設計変更とか用地買収とか、いろんな問題がある。これが繰り越しになったのだということになりますけれども、住宅金融公庫としてはですね、今度九十億の縮減を、繰り延べをしようということに大蔵省は発表しておりまして、あなた方の方にも内示があっただろうと思うのです。このなぜ九十億という数字をあげたかということにつきましては、前年度に五十九億という繰り越しがあるから、これを当然繰り越すという形に持っていくのだ、そしてあとは一率に、一定のパーセントをもろて縮めているのだという答弁があったのです、詳しいことは住宅金融公庫総裁をここに参考人として呼んでよく聞いてくれ、こういう建設大臣からの答弁でございました。それできょうおいで願ったわけなんですけれども、まあ第一に、三十一年度の五十九億の繰り越しについてはどういう経緯でそうなったか、これを一つ御説明願いたい。大体想像はついておりますけれども、あなたからはっきりとお伺いしておきたいと思います。
○参考人(鈴木敬一君) 田中委員が想像がついていると仰せがありましたが、私の方も住宅公団総裁が先ほどここで述べられたような非常に類似点があります。原因としましては、大体私の方は三十年度から三十一年度に繰り越しもございまして、それから三十一年度から三十二年度の繰り越し、仰せの通りありまして、二カ年続いております。その前の二十九年度から三十年度へはほとんど繰り越しがなかったと申し上げても過言でない程度になっておりまして、これは田中先生からもむしろおほめを——当然とおっしゃるかもしれませんが、さような結果に相なっておりますが、三十年度ではやはり五十数億の繰り越しを三十一年度に繰り越しました。これは主たる原因は、何と申しましても三十年度が暫定予算でございまして、本予算成立が七月に入ってからだったと思いますが、しかも暫定予算中は新規貸し出し、新規事業は行わないようにという趣旨でございまして、これはまあ暫定予算の性質上当然と思います。思いながら新規の貸し出しができませんでした、それが主たる原因でございます。 それとそれからもう一つは、やはり公団と同じように敷地の獲得が、私どもの融資先である団体もしくは個人が非常に困難をいたしまして、当てにしたものがなかなか手に入らぬために時期がおくれたというようなケースが非常に多うございます。その二つの原因、ことに第一の予算成立がおそかったということが主原因でございまして、はなはだ遺憾ながらわれわれの努力にかかわらず、五十数億繰り越さざるを得ない羽目になりました。ただし、事業の方は何とか当初の計画通り遂行したのでありますが、先ほどの公団さんの説明にあった通り、資金を渡すのがおそくなった、年度繰り越しと、こういうようなことが大部分でございまして、三十年度から三十一年度への繰り越しがあった、そこへ持っていって今度こそという三十一年度は意気込みでもって早期貸付、早期建設、従って資金の早期支払い、こういうことを目途にいたしまして、職員一同、あるいはまた委託先の方一面にも非常に協力をしてもらって、大いに貸付を進めたつもりでおったが、しかるところ昨年の大体五、六月ごろと思いますが、から突如鉄鋼類の価格の騰貴がありまして、実は五、六月ごろから大体十一、二月ごろまで、ことに鉄筋などを多量に要する賃貸住宅、あるいは分譲住宅等の鉄筋コンクリート関係の建築物の貸し出しは工事がきわめて遅々として進みません。そういうことのために、従って出来高を検査しては貸付金を数回にわたって払っておりまする御承知の支払い方法でありまするから、この年度末に至りましてもなお資金を払うべき時期に立ち至らない、貸付契約はできながら金が支払えないというような状況で、三十一年度から三十二年度に対しまして五十九億ばかりの繰り越しに相なった、こういう次第でございます。 これで、実はかくのごとく最近二カ年度にわたりまして約六十億近い繰り越しがふたたび出たのでありまするから、われわれとしましては非常に恐慌を来しまして、去年の十一月ごろから三十二年度の貸し出しの予備行動、準備をもっぱら始めたのであります。ただし個人住宅に対する貸し出しは一般に募集いたします関係上、新年度の予算の審議も国会で終えられないうちに公募を始めるわけにも参りません。しかし貸し出しの種類によりましては、たとえば府県庁、あるいは府県庁にかわる財団法人に貸付をするというようなもの、それから公共団体がいたします宅地造成に貸し出しをする、こういうような種類のものは一般に広く周知させなくとも、関係の向きにそういう希望があるかないか、どういう計画であるかということを三十一年度中1もっと真剣にかかりましたのは、三十二年の正月になって、政府予算が国会に出される案が政府部内できまりましたときは、この準備行動をもっぱら鋭意実施に移しまして、国会で予算が成立し、年度を開始したら直ちに公式の公正契約、その他貸付承認をしまして、工事に着手せしめ得るような準備を年度開始前にいたすことにしまして、これを実施したのであります。それで今年の三十二年度の事業は例年に比較いたしますと、そういう種類の貸付方式のものは少からず例年よりも進捗を見ておりますと存じております。ただ御承知のような公庫法中一部改正法律案がさきの国会で御承認を得まして、新しく成立をしました中高層耐火建築物の貸付及び災害復興住宅の貸付、この新しい貸付方法の二つは、今ようやく本省の省令その他付属の令規の整備が約一カ月前に終りまして、これに伴う公庫自身のたとえば標準の建設費の公示であるとか、そういうような種類のものを終りましたので、一般にもっぱら啓蒙、宣伝——啓蒙というと語弊がありますが、宣伝にかかっておる最中でありまして、これはまだそう進んでおるとは正直な話申し上げられません。それから個人住宅は第一回に募集をいたしまして抽せんも済みまして、ただいまこの七月一日から個人住宅の第二回の募集にかかっておる最中でありまして、この七月十五日をもって締め切って、その応募の状況いかんを見まして、抽せん率をきめて決定をしたい、かように考えて鋭意進捗をはかっておる最中であります。 それで、実は立ちましたついでに、お答え以外かもしれませんが、個人住宅などにつきましては、今まで多少の経験を経ましたので、抽せんをしてよろしいということに認めてあげてから、建てたいことは建てたいが、あるいは敷地の関係とか、頭金の関係とか、諸種の事情で落伍される方々が毎年少からずありますので、そのパーセンテージ等も実験上大体腰だめで見当をつけられるというような状況になりましたので、たとえば一万戸という、一万戸の結果を得ますためには一万二、三千戸とかというぐらい当選をしていただいて、そうして様子を見るといったような、先ほどちょっとお話も出ましたが、そういうような方法もとっております。ただし、これは全部の貸付方式にそういうことはできませんので、なし得るものは多いめに一応承認をして、なるべく成功させるように指導をしてあげるというような方針でやっておりますので、結論的に申しますと、約六十億近い繰り越しがございまして、なお本年新たに与えられました資金を相当額繰り延べて支出できるようにできないか、こういう相談があっております。おりますが、今申し上げたように、二年も続いて繰越金が相当出た今日でありますので、われわれ公庫の方として、自発的にこれを取り返えすように、せっかく与えられた貴重な資金でありまするから、一般庶民大衆の住宅建設ということに向って、一日も早くお役に立つというような意味合いで、鋭意進捗に努めている最中にそういう相談があったのであります。すでに建設大臣が本席上で申し述べられたそうでありますが、われわれもまた同様な考えむしろ当事者としてそれ以上に痛切な考えを持っております。ぜひこの与えられた、事業計画はもちろんでありますが、その事業計画遂行の結果として出る資金の支払い、貸し出しについて繰り越し等をでかさないように完遂したいと思って、鋭意努力いたしておりますゆえに、大蔵省との間においても折衝中でありますということを申し上げて、お答えにかえたいと思います。
○田中一君 昨年の五十九億の繰り越しの分ですが、大体もう最近はなんでもかんでもみんな住宅金融公庫の機関を通じてやるような形になってしまいまして、われわれ不本意なんですよ。たとえば先般の中高層建築の貸し出しの問題にいたしましても、私個人としては単行法でやらなければならぬ、単なる融資ではない、単なる住宅を作るものではない、この前も言っているように、これはこの中高層建築の融資の問題については、改正法律案が建案されたときに、あなたにもるる申し上げたように、単なる住宅融資ではないのだ、都市の不燃化の問題、それから土地の造成の問題、それから住宅緩和と申しますか、住宅を余分に作る、この三つの柱でもって成りたっているものであって、一つの目的ではないのだということをるる申し上げたはずであります。ところが、今住宅金融公庫に課せられた責務というのは相当あるのです。たとえば土地造成に対する融資とか、増築に対する融資、それから保証事務もあるはずだ、それから産業住宅資金の融資、一般の融資、また分譲あるいは賃貸等の地方公共団体が主として行なっております団体に対する融資等々、たくさんの方法を持っておるわけです。私はこの五十九億の繰り越しというものが今申し上げたようなたくさんの融資並びに保証の方法がございますが、どの分が人気があって——人気といいますか、国民がそれに対してこたえてくれるか、あるいはこたえないかというような点について、五十九億に対して、一つ資料をお出し願いたいと思います。今お手元で、どなたかおわかりになれば、それを大まかな数字でけっこうですからお知らせ願いたいと思います。 このように数々の方針を示して、さもさも住宅政策というものが前鳩山内閣以来取り上げられておるという印象を国民に与えておりますが、実質的には三十年度に五十億、三十一年度に五十九億も繰り越しがあるということは、国民がこの数々の融資方式の中に好まないものがあるのではないかという点も考慮しなければならぬと思います。従って対象がおのずから違うと思いますが、この内容は、今あなたの方で融資窓口として持っておるところのもののうち五十九億の内容が、契約はできておるけれども金を出さないというもの、増築部分というようなものは、私の承知しておる範囲では申し込み希望者はおらない。そのために相当大幅の資金がそのワク内で残ったというようなこともうわさに聞いておりますが、その真偽はどうかというような点、おわかりになれば御説明願いたいと思います。
○参考人(鈴木敬一君) 貸し出し方式のすべてにわたって内訳的に資料をほしいという仰せでありますが、その具体的な数字は手元にございません。先ほど申し上げたように増築に関しましては、これは仰せのようにあまり人気が昨年度中までございませんでした。三十年度には五割を貸すということでございまして、それを三十一年度は六割貸す、こういうように融資率もふえて参りました。それから坪数等こまかい点でございますが、多少緩和しましたというような点もありまして、ことしは今募集中で締め切っておりませんので、はっきりした決定的数字は申し上げかねますが、今の応募状況はやはり条件がよくなっただけ良好であるというぐらいのことは、申し上げてもまんざら間違いでもあるまいかと思います。 それから五十九億繰越金が出たということの内容でざいますが、契約できたものとできないものというものと分けてのお話でありますが、大体論といたしまして、全部契約が成立しながら金の支払いがおくれておる、つまり金を支払うべき段階に来ておらぬ、そういう意味でおくれておる。これはやはり鉄筋コンクリート等を必要とする鉄鋼類の値上りと、その敷地の入手難もありますが、おくれておりましたために、時期的に金の支払いが寄せ寄せでおくれておった、こういうことに御承知願って間違いないと思います。ただ増築は非常に申し込みは少なかった。最後に去年の年度途中ですが、見込みをもって事業計画の一部を変更しまして、個人住宅その他に、それから分譲住宅という方に、いわゆる大衆の希望の多い方に少し盛り直したというような事柄で、年度末で申しますと、決して金がありながら、ただいたずらに運命もきまらずに遊んでおるというようなことはないように努めてやっております。それは御承知を願っておきたいと思います。
○田中一君 三十一年度の五十九億に対しては、鉄鋼の値上り云々という言い訳が立つかしらぬが、三十年度の五十億に対しては鉄鋼はそんなに値上りしておりません。従って三十年度の五十億に対してはどういうことになっておりますか。
○参考人(鈴木敬一君) 先ほど申しましたように、三十年度分はもっぱら鉄鋼類の値上げの関係は申し上げておりません。三十年度においては暫定予算成立がおくれたものですから、それで全体が寄せ寄せでおくれて参った。鋭意努力はしましたけれども、その二カ月ちょっと余の七月初めに本予算が成立したと記憶しておりますが、二カ月余のおくれを若干は取り返したつもりですけれども、十分に行きませんためにおくれた。三十一年度については、これは主として鉄鋼類の値上りのために、思いながらめいめい借り受け予定者の建設工事が進捗しないために、出来形の検査が従って進行しない、従って金の支払いがおくれた、かようなふうに申し上げたつもりでございます。
○田中一君 予算がおくれても、少くとも住宅金融公庫の融資というものに対しては数倍、数十倍の申し込みがあるというようにわれわれは報告を受けているのです。住宅公団のように自分が建てるという建前ではございません。しょせん住宅金融公庫は金貸しなんです。従って十倍、数十倍の希望者があるならば、二カ月おくれたからといってそれができないということはないのです。やはり融資方法その他どこかに、もう改訂しなければならない時期に来ているのではないかということが考えられるわけです。これはむろん鳩山内閣時代に大幅にあれもこれもというような方式を示してきたものでありますので、それを考えなければならぬと思う。と同時に結局しょせん高所得者のみを相手にするというところがあるのでありまして、この点も相当考慮しなければならぬような段階に来たのではないかと思うのです。従って二カ月の予算のズレがあるから五十億ができたということは受け取れません。結局自分で家を建てるのでなくて金貸しなんです。金融業者なんです。金を貸せばいいのです。あるいは市中銀行の住宅融資に対する保証をすればいいのです。数十倍の国民の希望があるならば、二カ月も三カ月も問題ではございません。今言う通り木造建築をするのに一年かかるなんていうのはあまりないのです。鉄筋にいたしましても一般貸し出しという面におきましては、一年春一年半もかかるものはございません。従ってそういう点は住宅金融公庫の今日の考え方、これが国民大衆に訴えているものが受けられてないようなものであったのではないかという疑問が起きるわけでも。従ってこれは実態を知りませんから、資料としてお出し願いたいことをまずもってお願い申し上げておきます。 そこで、本論に入りますが、九十億の繰り延べをするということに対しては、端的に賛成しておるのですか。反対しておるのですか。同時にまたあなたの方は家を建てるということになってお客さんが来て借りてくれなければ、金が出ないわけです。今までの五年、六年の御経験から見て、今日の社会情勢から見て、三百二十四億という本年度の事業費というものが、完全に貸し出しができるもの、貸し出しの契約ができるものという見込みであるのか。とうていそれはできないから、大蔵省が言っているところの九十億というものの繰り延べの問題については了承しよう、あるいは九十億は困るから五十億だけを了承しようなんでいうような考え方を、あなたは公庫自身の意思としてお持ちになっているのかどうか、伺いたいと思います。
○参考人(鈴木敬一君) 結論的に申し上げますと、住宅金融公庫として、今年度九十億の資金繰り延べを甘んじて受けてよろしい、あるいはまあやむを得ないとしてもお受けしようという考えは持っておりません、これはまあすでに建設大臣が主管大臣としてお答えになったように聞いておりますが、公庫自身も同様の考え方であります。これは先ほど申し上げた通りに、非常にこれは困ったことを持ちかけられたものだというので、極力逃れたいということで、交渉上努力を傾注しているものでございます。 それから資料をというお話ですが、われわれの方では当初から公庫の貸付方針につきましては、常に毎日その改良方について考究して事業を進捗させておるつもりでございまして、実は委託先等からはあまり変りすぎて困るというようなことを、ときどきお叱りを受けるような状況でございます。今回また中高層耐火建築物等の貸付、あるいはまた災害復興住宅の貸付、新しい貸付方式も加わりましたので、私初め役職員一同鋭意努力して業績を上げたい、かように努力している最中でありますから、しばらく成績をごらん下さるようにお願いを申し上げます。何か資料といいますと、どういう資料を差し出せばよろしいのでしょうか。
○田中一君 では五十九億でなくて、本年度二百二十四億の貸し出しの計画書、これをお出し願いたいと思うのです。従って今度入りました災害住宅の融資、中高層建築の融資、土地造成の融資、それから増築の融資、それから産住の融資、一般の融資、地方公共団体が持つところの分譲、賃貸住宅の融資、それから市中銀行から住宅資金を借り入れるについてのあなたの方の責任ですね、責任額というものの見込みです。計画です。それを一つお出し願いたいと思います。
○参考人(鈴木敬一君) 本年度の事業計画をすべてお出しすれば足るかとも思うのでありますが、用意はして参りませんでしたが、今担当の理事も、岩永理事が来ておりますから、持ち合せの分につきましては、御説明させます。 なお、今度新規に加わりました中高層の分は、まだ正式にまとまったものは一つもございません。ただいろいろな打ち合せ相談等が非常に本所、各支所、あるいはまた委託先等にひんぴんとしてございまして、これらは大体百億程度の資金を要するような申し入れがあるのでありますが、これはまだそういう相談段階でありますから、そのうちどの程度固まりますか、予算上事業計画としては四十八億程度見ております。 それから災害復興住宅は、御承知の、在来公庫法そのもので応急的に災害のあった場合に貸し出しをしておりますが、それはなお続けてやるはずでありますが、そのほかに今回の法律改正による災害復興住宅、ややこれは応急的の簡易、迅速な趣旨の貸し出しと考えておりますが、これは今四月一日以降ですでに六カ所該当する災害の発生がございます。これは今具体的に個々の貸し出しの整理中でございまして、ことに災害に応じての貸し出しをしなければなりませんので、果して、予定は十億でありますが、十億の資金で果して足るか足らんか、成り行きを見なければわからぬような状況でございます。その他の何につきましては、一応持ち合せの資料だけ何ならここで御説明申し上げます。
○田中一君 資料で出して下さい。説明を聞いても時間がかかるばかりですから。
○参考人(鈴木敬一君) それでは資料で後日提供いたします。
○田中一君 中高層建築に対する住宅金融公庫の話は、私は非常に不満に思っておるのは、ただ単に住宅金融公庫の事業計画書、むろんこれは住宅金融公庫については住宅局長が指導なさっておられるでしょうけれども、公団等と違いまして、専任の相談相手がおりません。これだけは各道路公団、住宅公団と違うところでありますけれども、これは単に住宅融資という線だけでないことは、あの審議の過程において明らかでございまして、私は単行法で出して、やはり五大市並びに各都道府県が積極的に自分の行政地区の都市の不燃化の問題、土地の造成の問題、それから住宅難解決の問題、この三本の柱を解決するという措置を地方条例等でもって行なってほしかったのです。これは御承知のように各地方地方おのおの特異性がございます。従ってそういうところを何にも考慮しないで、住宅金融公庫が他の融資方式と同じような金貸し根性で金を出すということであってはならぬと思うのです。その実態は、たとえば神戸市においては神戸市の都市計画というもの、神戸市のあらゆる計画は、財政支出は市がやっているわけです。従って、これに乗っかって指導をしなければならぬと思うのです。従って、各五大市並びに都道府県が条例等をもって自分の地域に適応したところの措置をとらないと、今までのような形の、信用のある人とそれから金を返せる人ということに限定されるおそれが多分にあるのです。これはもっと多目的であるということを考えられて、地方にまかすことがほんとうは望ましかったのですけれども、単に住宅金融公庫の窓口を通して、住宅金融公庫の事業計画によって、認定によって貸し出されるという点については相当考慮しなければならぬと思いますが、その点はどういう考え方をしておられますか。今日の状態では何ら都道府県が申分の意思を差しはさむことができません。そういう点について、今後どういうような指導をしようと思っておれますか。
○説明員(植田俊雄君) 中高層の建物につきましては、ただいまお話のような三つの目的を持っておることは、ただいまお話の通りでございまして、従いまして、それに沿った指導方針をとることが必要かと思っております。従いまして、金を貸します窓口といたしましては、これは公庫でございます。また公庫の業務の範囲におきましては、借り主が償還能力があるかどうかということを審査いたしますのも、これも当然のことかと存ずるわけでございますが、この融資については、金の償還能力の高い者から順次とるという性格のものではございませんで、むしろ他の面の都市の耐火構造にすると、こういうふうな大きな住宅政策、あるいは建築政策、あるいは都市計画と、こういった面からの考慮も当然払うべきものでございまして、そういう面につきましては、ただいままで私ども承知いたしておる範囲におきましては、府県の建築住宅関係の係官は相当熱心にこの方面の指導に乗り出しておるように承わっております。また本省におきましても、こういった問題が話題に上ります場合においては、ぜひ中高層の予算によってそういう建築物を建てたらどうかというような指導もいたしておるわけでございます。貸付の主体といたしましては公庫でございますが、そういう計画を立てることにつきましては、これは府県なり市町村の自治体が相当強力に推し進める必要があろうかと存ずるわけでございます。その点につきまして、ただいままで十分の手を打っていないということでございますれば、今後私ども十分その点に注意いたしまして、そういった計画が早く成熟し、それが公庫の申し込みとして繁栄して参るように努力して参りたいと考えております。
○田中一君 植田君は答弁が上手だから困るのだけれども……(笑声)鈴木総裁に伺いますが、今言う通り、ただ単に金を貸すのでなくて、都市計画に重大な関係のあるものなんです。従って、従来のように償還の保証されるようなものに貸すということが建前ではないということは、せんだって審議の最後の日にるる総裁に申し上げたわけであります。で、現在貸付方針、融資方針その他の書類を拝見いたしますと、やはりこれはそのような大乗的な見地からものを見ておらない。しょせん金貸しであるというような、金融機関であるというような感覚で融資を考えておられるということを如実に僕は拝見いたしたのです。ということは、その都市の責任を持っているものは、その都市の長あるいは議会だ、そこでこれらはどういう方針をきめようとも、住宅金融公庫の地方の窓口から拒否された場合にはこれはだめなんです。従ってこの融資というものは、なるほど金を預かる責任者は住宅金融公庫でありましょうが、都道府県の議会、あるいは市議会、この窓口を持っているところがこれに対するチェックと申しますか、あるいは指導的に動くと申しますか、これらの方からの要求があったならば、それに責任を持たしてあるいは議会に、福岡県なら福岡県議会、あるいは市長、あるいは知事に責任を持たして無条件融資をするというような方途をお示しになりませんと、この大目的は達成されません。ことに九十億の予算の——予算と言いますか、投融資の繰り延べになりますというと、なおさら総裁はこれを拒否するという信念を持つでございましょうが、やはり財政当局の圧力というものは相当のものでございますから、そうなると、ますますわれわれは待望の——私は、四、五年間これを待望していたところの政策は足踏みをするという結果になるのです。過渡的にまあやむを得ず住宅金融公庫法の一部改正でそこに預けようということになりましたけれども、われわれの願いというものは、大きな政策的に都道府県に責任を持たしておく方が、適所に融資ができるのではないかという考えを持っておったのですが、今後とも関連を持つような方法を、これは法律外でもけっこうです。法律外でいいのですから、そういう措置を建設省としてはする意思があるのかどうか。建築課長なり建築部長なりというものがそれに対する何らの権限がない、そうして従来と同じような感覚でこの融資をやったんでは、やはり持てる者への融資ということになりまして、われわれが法律改正で目的としたものが遂行されないということになるのではないかと思うのです。その点は、そのような措置を考えておられるかどうか。
○説明員(植田俊雄君) ただいまの問題は中高層の融資の運用の問題でございますが、法律の建前といたしましては、公庫が貸し出しの窓口になっておりまして、そういう点から見ますならば、従来の個人の住宅の金融と同じようなお気持を、またそういうような誤解を世間に持たれたかと存ずるわけでございますけれども、中高層のねらいは都市計画という大きなねらいもございまするし、また府県、市町村の職員もその問題に非常に商い関心を示しておることも事実でございます。従いまして、ただいまお話のございましたように、一つ法律外の措置といたしまして、十分御趣旨に沿うように運用をして参りたいと存じております。 なお都道府県の議会の議決を経たものは必ず貸すという制度には、これは相当危険もある場合もございまするので、その点は公庫がその都道府県との直接御折衝なさるのが適当でない場合もあろうかと思いますので、そういう際におきましては、住宅局は当然府県との連絡係といたしまして、その辺の調整をいたしまして、そうして公庫との連絡に遺憾なきを期して参るのが適当かと存じております。従来ともそういう機運でございましたけれども、その点につきまして、もっと強く指導した方がいいという御意見でございまして、その点につきましては同感でございますので、そういう適切な措置につきまして、至急に講じて参りたいと考えております。
○田中一君 地方の都市計画に乗っかってやるということが第一です。ということはですね、全然そういうのは重点的にやっぱりおのずから順位がきまると思うのです。本年度は四十八億の金をどう使うかという場合に、野原のまん中に貸すわけじゃないでしょう。やはり密集地域に、防火帯の精神、いわゆる耐火建築促進法の精神というものを十分に併用しなければならぬということなんです。あの精神がなくては単なる住宅融資にすぎなくなってしまうわけです。従って私が申し上げているのは、たとえば市が事業主となって防火建築帯の思想を、あの法律の精神をもって事業を施行しようとするという場合等は、償還能力があろうとなかろうと、上に新しい宅地の造成ができるのだという考えを持つならば、その土地の所有者、土地の利用者が三階の建物を利用するなら、あとの上の三階というものは住宅を上に乗せるということを、あるいは公爵住宅でもけっこうです、分譲住宅でもけっこうです、住宅金融公庫の窓口から出るものでけっこうです、これを乗せるというような指導をして、なるべく融資をするということならば、これはちっとも差しつかえない。たとえそれが償還がおくれようとも新しい宅地の造成、新しい宅地を発見したということは、何物にも負けないプラスの面が出てくるわけなんです。この関連性というものを持たなければだめなんです。従って耐火建築促進法の精神、防火建築帯の精神、これは市がむろん申請をしてきて、国の方で建設大臣がたしか認めるようになっていたと思いますけれども、主導的に動くのはやっぱり市、市長が、市議会が動かないと、地方議会が動かないとこれは目的が達せられないのです。従って必要なところにね、もし指定がないならば指定を申請さして、そうしてあの精神を生かしながらそれに乗っけていくということが、まず四十八億の本年度の仕事をするには第一の対象としなければならないということを私は痛感するわけなんです。そういうところがだんだんできてきて、来年度は百億、また百五十億となってきて、初めて他に及ぼすということが考えられてもいいのじゃないかと思うのです。やはり目的がたくさんございます。三つもございますから、この三つのものを完全に一石二鳥の手を打つには、やはり耐火建築促進法の精神を併用する。この精神に乗っかった融資ということを考えていただきたいと思うのです。そういう点については、十分御検討になったと思いますけれども、従来十指にあまるというような融資方法のうち、この中高層建築に関する融資というものは、今までのものとは違うのであるということを考えられて、本年度の、第一年度の融資をしていただきたいと思うのです。 ことに、今伺いますと、四十八億の予算に対しまして、百億程度の融資の申し込みがあったというが、私はPR活動が足りないと思う。そんなものではございません。今言う通り、持てるものへ融資するのだという、今までの住宅金融公庫の持っておるところの考え方が国民に浸透しております。従って申し込みが足りないのであります。同時にまた、集団で申し込むことが望ましいのでありますから、その足並みをそろえるには非常に困難があります。しかし、耐火建築促進法は御承知のように、土地収用法の権限をも与えております。従って、この四十八億の繰り越しという現象が、この分に対しましては必ず起るのではないかと心配しておるのです。何といっても、その区域の共同建築が望ましいのでありますから、これを徹底して、これを一つにまとめるには、相当宣伝広報活動をやっても、如実に実を結ぶのは本年末、あるいは一月、二月程度になるのでないかと思うのです。そこから始めて出発いたしますと、どうしても住宅公団の初年度と同じように、四十八億が十億も融資されないで、三十八億というものが繰り越す危険性が多分にございます。従って、都道府県に、あるいは地方自治団体に、十分にそういうような考え方を徹底させまして、これは住宅公団だけではいけません。政府が十分に徹底させて、あの方法この方法と、従って、三つの目的を達成するためには、単なる住宅金融公庫法の一部改正であろうとも、その精神というものは違うのである。多少法律改正の趣旨には、法律改正の明文には当てはまらぬ点があるかとも存じますけれども、この点だけは行政指導をいたしまして、何とかして二百億、三百億という全て、住宅金融公庫総裁並びに住宅局長はどういう御見解をお持ちになりますか。
○参考人(鈴木敬一君) 田中委員から私を先ほど御指名がありませんでしたから、住宅局長の答弁にまかせておきましたが、おあずかりしている住宅金融公庫の総裁といたしましては、すべて貸付でありまして、償還を前提とした貸付をするつもりでございます。しかし、今までは庶民住宅のみに貸付をいたしました。いろいろな種類がございますことは御承知の通りでありますが、とにかく庶民住宅に限り貸付をするという趣旨での、種類こそ違いましても貸付でございますが、今度の中高層耐火建築物等の貸付は、仰せの通り都市計画的であらればならぬし、また都一市の構成が耐火的であらねばならぬというような、他の違った観点からする貸付であるということは、かつての国会において田中委員からの仰せも承わっておりまするし、またわれわれ独自においてもさような了解をしておる次第でございまして、単なる庶民住宅に対する貸付という狭いねらいではいけない。都市構成上、都市計画上適当であるかどうかという範疇をも並べ検討いたしまして、貸付をしなければならぬということは、重々仰せの通りで、さような指導方針で参りたいと存じます。ただ償還能力があってもなくてもというお言葉の点は、私ども貸付の担当者といたしましては、やはり償還能力のある範囲においてお貸し付けをする。ただ貸付にもいろいろ方法がございますので現在土地所有者、あるいは単なる申し出人をそのまま取り上げれば、償還能力については無資格であると言わざるを得ないような人の申し出も、班に今まで相談を受けた中にもあるのでありまして、そういうものは遺憾ながら採用ははできませんけれども、かわって他の団体、財団法人、あるいは市等の、かわってこれを担当し、借り受けて、同じ事業計画を遂げられるというような場合も多々あると思いますので、そういような指導を適切にとりまして、目的は達しながら、しかも融資の償還は全うしたい。その両全を期したいと、かような心がけで具体的に審査に当りたい。また都道府県等の指導もさようにあってほしいと、かように期待し、希望しておる次第でございまして、立場上、このことは一言お答えかたがたこの席において申し上げておきたいと存じます。
○説明員(植田俊雄君) 公庫としての中高層の建物の融資の運用につきましては、ただいま総裁からお話しがありまして、その通りでございます。公庫としても、窓口において従来の貸し出し事務とは若干違った指導方針をとっていただくことは、非常にけっこうでございます。住宅局といたしましても、別の面におきまして、府県の建築関係の部局との連結があるわけでございまして、その線を通じて先ほど田中先生の仰せになりましたようなPR活動をもっと強化いたしまして、この仕事が今年度は十分に伸びなくても、来年度以降の素地が十分つちかわれるような方法を講じたいと考えておるわけでございます。
○委員長(森田義衞君) それではほかに御質問のおありの方はございませんか。 それではどうも鈴木総裁には今日はありがとうございました。 では、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時三十九分散会