建設委員会 閉会後第3号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/06/29
会議録
○委員長(森田義衞君) ただいまより委員会を開会いたします。 第二十六回国会建設関係制定法の政令に関する件を議題に供します。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○田中一君 それに移る前に、私はこの数日来の全国的な降雨の問題について、相当地方的に被害が起っておるように新聞その他で聞いております。そこで大体建設省に報告があるでしょうから、河川について一応報告を願いたいと思います。
○説明員(山本三郎君) ただいま資料を印刷したのを持って参っておりますから、今それによりまして御説明申し上げたいと思いますから、ちょっとお待ちいただきたいと思います。
○委員長(森田義衞君) ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(森田義衞君) 速記を始めて。
○田中一君 それじゃ昨日から継続しておりますこの政令について伺いたいと思います。 そこでまず第一に、建築基準法の一部を改正する法律に関連する基準法の政令と、それからあとは、道路法の政令の改正等を伺います。政令をちょうだいしておりますから、これを一つ読んで逐条的に御説明願いたいと思います。
○説明員(植田俊雄君) お手元にございます建築基準法施行令の一部改正の政令につきまして、御説明を申し上げます。この法律につきましては、前国会で御審議を願いました事柄でございますので、内容につきましては十分御承知のことと存じますので、要点につきまして御説明申し上げたいと存じます。 この第八章百三十七条の関係のところでございますが、これは道路内に建築することができる建築物に関する規定でございまして、二ページ目になりますが、「道路の上空に設けられる渡り廊下その他の通行又は運搬の用途に供する建築物」に関するものでございます。これは二行目から三行目にございますように上空に作ります関係で、下を通行する者に影響のございませんように、主要構造部を耐火構造にいたしまして、しかも不燃材料で作るものでなければいけないということにいたしたわけでございます。 どういう場合に認めるかということが一号から三号まであるわけでございまして、一つは学校、病院、養老院等の道路を妨害いたします場合の不測の被害をなくす目的のものでございます。 二は、地上の階数が五以上の建築物の場合でございまして、避難用の必要もございますので、避難設備として認める。 三は、道路の両側にあります建物の間の通行を道路上でやりますよりも、それ以上の階層におきまして渡り廊下を作りまして、それを通行の用に供した方が道路上の混雑を緩和することができる、こういった場合にこれを認めよら、こういったわけのものです。 その次の二項でございますが、ちょっとこの点でお断わり申し上げますが、先ほど構造部の問題で申し上げましたこれは、渡り廊下をかけるところの建物の構造のことでございまして、二につきましては、渡り廊下そのものの構造につきまして、渡り廊下の下にあります道路上の通行、その他通行人等に影響の及さないような構造にしたい、こういうのが第二項の趣旨でございます。
○説明員(富樫凱一君) 建築基準法の一部改正に伴いまして、道路法施行令の一部を改正する政令を定めたのでございますが、その政令につきまして御説明申し上げます。お手元に差し上げてございます最後の方に、道路法施行令の一部を改正する政令というのがございますが、これにつきまして御説明申し上げます。 建築基準法の一部改正によりまして、道路の上空に建築物が設けられることになったのでございます。従いまして、道路の占用につきまして一部改正する必要が起りましたので、その改正をいたしたわけでございますが、道路法施行令の第七条に次の一号を加えることにいたしまして、四号を加えたわけでございます。この第四号は防火地域内の建築物を耐火構造にいたします場合に、その工事の期間中、既存の建築物を耐火構造にする場合に、既存の建築物にかえて、道路を占用して、一時建築物を道路を占用して作ることができることにいたしたのでございます。 それから第十条の第一項を改めまして、従来のものは道路に接して占用するものについての規定だけであったわけでございますが、地面に接しないで設けられる占用物件についての規定を加えたおけでございます。これは道路の上空に設けられる建築物等についてでございますが、この場合には道路面と最下部との距離を四メートル半にすることと、ただし歩道の場合には二メートル半にするということに政令を改めたわけでございます。 それから第十一条の五号の中で、条文を整理いたしまして、次の一条を加えることにいたしたわけでございます。それは特定仮設店舗等の占用の場所について規定したものでございます。とれにつきましては、特定仮設店舗などを設けることができる道路の幅員は、道路の片側だけに設ける場合には道路の幅員十二メートルあればよろしい。両側に設ける場合には二十四メートル以上なければならぬということを規定いたしたわけでございます。それから設ける場所でございますが、歩車道の区別ある場合には歩道上に設けまして、なおその歩道が通れるようにしなければならぬということを規定いたしまして、また道路の交通に著しい支障がなければ、車道内に入って歩道側に設けることができるように規定いたしました。 それから特定仮設店舗を設けることによって通行することができなくなる路面のときに、要するにこれは特定仮設店舗の幅でございますが、これを道路の一側について四メートル以下にするというように規定いたしました。 それから第十四条の第一項に次の一号を加えまして、特定仮設店舗などは必要最小限の規模にして、かつ道路の交通に及ぼす支障をできる限り少くするということを規定いたしたものでございます。 これが道路法施行令の一部改正の要点でございますが、なおこれを実施するに当りましては、道路の上空に設ける通路の取扱い等について関係各省と連絡いたしまして、許可の基準について通牒を出そうと考えております。この通牒は、まだ警察の方が終りませんので出ておりませんが、警察がきまりますれば、直ちに通牒されることになるわけであります。この許可基準につきましては、さき申し上げました政令に基きまして細かい点を規定いたしまして、実際の施行に支障のないようにいたしたいと考えておるわけでございます。
○田中一君 高さは大体横断する歩道の場合には四メートル五十が基準になっているのですか。
○説明員(富樫凱一君) この高さは、道路の立場から申しますと、道路の建築限界を確保できればよろしいわけでございますので、その建築限界の方から四メートル半ときめたわけでございます。
○田中一君 四メートル半というのを基準にしているのですか。きめてないのですか。
○説明員(富樫凱一君) 四メートル半以上ということに規定いたしております。
○田中一君 どこに規定してありますか。
○説明員(富樫凱一君) これは政令の……。
○田中一君 わかりました。歩道なり車道の区別ある場合の歩道は二メートル半ということですか。
○説明員(富樫凱一君) 歩道の上は二メートル半ということでございます。
○田中一君 これはまあ、歩道に沿って縦に通路を設けるという場合は二メートル半でいいと思うのですが、そこでその場合、歩道に飛び出す部分の長さは、これはきめてないのですか。
○説明員(富樫凱一君) その長さはきめてございません。
○田中一君 歩道がない場合には四メートル半ならば出してもいいということですか。
○説明員(富樫凱一君) さようでございます。
○田中一君 そうすると、どうも四メーター五から始まるなら、全面をおおうてもいいというような解釈になるように思うのですが、通路という解釈のものに何かその歩道の半分なら半分とか、歩道までとか、縦の場合ですよ、何とかきめないでいいですかね。かりに通牒でどういう考え方のものを示そうというのか、そこのところが危険のような感じがするのですがね。
○説明員(富樫凱一君) 通牒では、道路の上空を横断してと申しますか、道路に沿わずに道路を横切って作る場合につきましては、一定の間隔をきめております。また一つのビルディングに設けられる数もきめております。ただこの縦に設ける場合につきましては、これが車道の方に出て参りまして、その出る長さのことがあるわけでございますが、支柱を設けずして出し得る長さ、これがこれに押えられることになると思うのでございます。従いまして、建築物等にはね出して道路の方に建築物を設けるという場合には、そう長いものが実際上はできないように考えます。もっとも支柱をたくさん設けて作ることになりますれば、どんなものもできるわけでありますけれども、この支柱を設けるということは交通上の障害にもなりまするので、実際におきましては、その長いものが建築物から突き出して道路に沿うてできるということは考えておらぬわけであります。
○田中一君 これは何ですか、建築物の全体の構造によってはみ出す、支柱なしで道路面にはみ出すという限界はどのくらいですか。
○説明員(前岡幹夫君) これは全体の幅につきましては、通路につきまして、許可基準の方で幅をきめておるわけであります。
○田中一君 ですから、政令の陰にそういうものがあるなら、それを説明してもらわないとわからないのですよ。政令の陰に許可基準なりあるいは通牒なりでやるならば、その精神を示してもらわぬと、これだけはわからぬことなんですよ。しかしそれができておらないなら、できておらないと言ってくれればいいのです。どういう考えでどうするということを示してもらわなければ、これだけの条文じゃ今言うような質問が出てくるわけですね。
○説明員(前岡幹夫君) 実際はね出しで持ち出され得る長さと申しますか、これはその構造にももちろんよりますけれども、普通のわれわれ現在の常識では、二メーター程度、それからさらに工夫をすればこれは三メーター、あるいは四メーターにもなると思います。支柱がないということになれば一応の限度はできまするけれども、普通場合によっては四メーターくらいも方法的にできないことはないと思います。
○田中一君 ですから、その場合の普通の場合には、普通の場合といえばつり橋だってできるのですよ。つり橋でもそうでしょう。支柱を置かないという制限はしても、つり橋はできるのですよ。長いつり橋ができるのですよ。ですからそれをどの辺までで押えようとするかと伺っている。
○石井桂君 関連して……。田中さんの質問に対して向うの方の答えが食い違っているようです。ですから今の田中さんの質問に対して指導課長のお答えになったのは、つまり建物からはね出していって、カンティレバーで向うへかからないで、途中までで何といいますか、カンティレバーで普通持つ長さを答えておる。私は田中さんの質問はそうじゃないと思う。ビルとビルがあってそれを下へ支柱なしで廊下を差し渡せるのはという質問と、こういうふうに承わったのです。ところが答えの方は相手の建物へ廊下をかけないで、こっちだけで持たしている寸法はどのくらいかという答えをしているのですがね。これは私は田中さんの御質問を聞きそこなったかどうかわからないのですが、何かそういうふうに聞えるのです。カンティレバーの方は構造上ですから、これは場合によって寸法は三メートルの場合もあるいは二メートルの場合もあれば、一メートルの場合も出てくるわけです。相手にかければやはりスパンの長さと重さで計算ができるのですが、そこはどえらいものを作ろうと思えば、金をかけさえすれば幾らでも強大なものができるわけであります。どっちかわからないのですが。
○田中一君 両方伺っている。そこで限界を、石井さん全部言ったように、限界をどこできめるかということを伺っているわけなんです。今の補足質問でいいわけなんです。どの辺で押えるかを伺っているのです。道路局長は二メートルか三メートルと言うが、道路面から言っているのですがね。私はどうでもできると思うのですよ、いくら長いものでも構造的には。だから押え方の問題を伺っているのです。
○説明員(前岡幹夫君) 実際問題として現在私ら考えておりますのは、普通の道路と申しますか、幅員が二十メートル程度、その程度のものを現在一応考えておるわけでございまして、これは四十メートル、あるいは五十メートル、それ以上の道路についてはまだ現在考えておりませんので、そういう問題が出て参りますれば、これはまた別問題でございます。現在はそれを考えております。
○田中一君 公共用の道路の上へ横断する橋をかけるというような革命的なものも立案される時代なんですよ。従って五十メートル道路の上へかけようというものも出るかもわからないのですよ。そういうものが出た場合を想定しながら、道路行政上あるいは都市の美観上ということは第二義的にしても、技術的に可能な範囲というものを、やはり五十メートルも可能だと思うのですよ。ですからその辺を今度の法律の改正によってとりあえずどの辺まで押えるかということを伺っているのです。今言う通り二十メートル道路にかけようとするならば、それは困るというならば、二十メートルという限界ははっきりするわけです。それは困るという——十五メートルにかけようとすれば、それは困ると言えます。十五メートル道路以上は困るというような限界がある。それをとって限界といっているのですよ。従って歩道にいたしましても、歩道は十メーター歩道もございますならば、一メーター、ニメ一夕ー歩道もあるわけでございます。そこで歩道面だけを許そうとするならば、歩道面までのものは全部よろしいという基準でくるのか。くる場合には歩道面だけを出してよろしい、通路としてもよろしいということになれば、十メーター道路があれば十メートルまでよろしいということになるのです。しかしながら今度の改正の要点というものがどこにあるかという思想を分析してみると、いたずらに十メーター道路だったら十メーター出してよろしいということではないと思うのです。そこで、おのずから道路法上の限界もあれば、建築基準法から見るところの限界もあろうかと思うのです。従ってその限界をどこで押えようとするかということを伺っているわけなんです。それを全部通す場合でも、歩道の場合でも、また車道の場合をおおうのでも、どっちでもかまわない。その考え方を伺っているのです。押える限界を伺っているのです。
○説明員(富樫凱一君) 道路の方から申しますと、お話しのように、道路の上空をおおうて全部そういう構造物ができるということは困ります。そこで道路の方からきめておりますのは、道路の規模につきましては、その通路を通行する人数、あるいは運搬する物品の数量に応じて最小限度のものにするという考え方を持っております。その限度を六メートルに考えまして、六メートルということで許可基準には定めようと立案しておるところでございます。
○田中一君 六メートルというのはその道路の幅員ですか、長さですか。
○説明員(富樫凱一君) 幅員でございます。
○石井桂君 ちょっと関連をして。その六メートルに関連して、田中さんの質問が私にもわかるようにお願いしたいのは、横断歩道の場合に、いわゆる幅員と長さですか、あれはスパンというのですか、スパンと幅員とそれから何階層とか、そういう形がわかるようなお答えをしてくれるとよくわかってくるのです。ワン・スパンの場合でも、ワン・スパンというかな、道路をことまで行くのに、さっきいった二十メートルとか一二十メートルとかいう場合でも、柱を立てればいいのか。
○田中一君 柱を立つちゃいかん。
○石井桂君 そこで、たとえば柱を立つちゃいかぬということになると、一番困るのは、東横なんか柱をずっと立っているのですよ。所要のところに柱を立っております。ああいうものはできないのか。つまりワン・スパンだと、交通上は大した支障がないが、不経済なものを立てなければならぬというようなところもありますから、それはワン・スパンの限度なら、経済的な理由からできないと思います。たとえば二十メートルなら二十メートルまでは非常に経済的だけれども、二十メートルをちょっとこすと、構造上倍もかかってしまう。そういう限度があると思うのです。だから、もし交通上柱を立てないということだったら、経済限度で押えられてしまう。だから、そういう建設省で考えられている最小限度の型をわれわれにわかるように話して下さるとわかるのだけれどもね。
○説明員(富樫凱一君) 先ほど柱なしと申し上げましたのは、道路に沿う場合のことを申し上げたのでございます。これも別に絶対に柱はいけないという規定はいたしておりません。 それから横断する場合につきましては、横断する下の道路の幅をきめておりません。どんな長い道路もかけられる。従って必要に応じて柱が立つわけでございます。ただその幅を六メートル以下にするということと、それから階層は一階にするということを許可基準にきめたいと考えております。
○田中一君 一階にするということは、一階ごとにならば一階ですね。建築物の一階ごとに引くとするならば、それは一階ですね。たとえば一階、二階、三階、四階、五階、六階あるものを、ぶっ続けに四メートル五十から八階までを建築物として一階ごとに通路を持つということは、これは三階建の通路になるのです。ところが一階ごとに通路を持った場合には、一階の通路になるのです。今あなたが言った基準は、その一階だけを通す通路ということなのか、今の建築物の三階程度から八階までの五階属に独立した通路を作ればよろしいということにも解釈できるのですよ。
○説明員(植田俊雄君) ただいまの建設省内部及び消防庁、国家警察本部との連絡をいたしておるところにおきましては、先ほど申し上げました政令の目的によりまして、渡り廊下を作るわけであります。従いまして、目的といたしましては、建築物の避難施設、あるいは交通緩和ということでございます。しかし渡り廊下の幅につきましては六メートルにいたしたいと考えております。従いまして、六メートルの幅の渡り廊下一つで間に合うということでございますれば、一つということに相なりますし、それが一本だけでは間に合わないということになりますと、これを二木、三本考えなければならぬ場合も出てくるかと考えております。
○田中一君 場合々々でというけれども、やはりそうすると通牒でその管理者、許可者というのですか、許可する者に対してその判断にまかすという方針をとっておるなら、そういう方針をとっておる、こういう御説明を願えばいいのです。たとえば同じ三階に橋をかけようという場合でも、三階に一カ所しか許さぬという場合もあれば、四カ所許すという場合もある。建築物にはまるいものよりも四角いものが多いと思うのですよ。四角いものの場合には、その一面から道路を隔てて向うにあるところの建築物に渡す場合には、四つかけられることになる。だから、そういう点の基準は、現在ないからといって限界を示しておかねと、やるかもわからない。これは経済的に少し高いけれども、おもしろいから商売になるぞといって、もうけるためにやるのがある。そこで、こういう場合の押え方をきめないと、とほうもないことを考える人もあるのです。今いう通り、道路上を自分のところの商業的な利潤を上げるために、客を逃がさぬために横断建築物を作ろうなんということも考えられる現在なんですから、そこで、これはやはりそういう考え方がいいというならば、何ほかけてもいいということになるのですよ。しかし、おのずから限界があると思う。その限界を示していただきたい。それは今いう通り、地方的な状況によって違うから、一応の限界を示して、あとは管理者にまかすということもあり、また、それを越えたものは、本省にもう一ぺん相談にこい、判断してやるということなのか、そういうことをお示し願いたいと思う。
○説明員(植田俊雄君) ただいまの御趣旨はよくわかるわけでございまして、道路の上に渡り廊下をかけます場合に、渡り廊下という観念から申しますれば、先ほど御説明いたしましたように、幅六メートルであるとか、またその渡り廊下の通路に沿っては売店等を設けさせないというのが、これが社会の通念と存じます。また、これを認めることを法律上明記されますれば、お話しのように渡り廊下を建物の許す範囲内において数を多く作る、同じ階において多く作る、あるいはべた一面に渡り廊下と称して一つの建物を上空に作るというようなことを考えつくものがないともいえないかと存じます。今回の法律の改正の御趣旨はそういう趣旨ではございませんで、二つの建物の間に道路がはさまっておりまして、二つの建物の効用上、あるいは両建物の避難上の立場から、渡り廊下を認めた方がいいという建前でございますので、渡り廊下はこれは一つの階には一本認める、しかもそれは六メートルの幅しか認めないというのが趣旨かと存じます。五階以上の建物になります場合におきまして、一つの階にあります幅六メートルの渡り廊下で間に合うかどうか、あるいはそれを二本にすべきか、三本にすべきかという問題もあろうかと思うわけでございます。従いまして、田中先生のお話しになりましたように、これは一つの重大な建築基準法から申しますれば、新しい構想を認めるわけでございますので、こういった構想をむやみに乱用されるということは好ましいことでもございませんし、また先ほどちょっとお話のございました都市美観上という点から申しましても、これを乱用されるということは適当でございません。従いまして、私どもはある程度は建築管理者の方に、特別官庁の方に委任するつもりでおりますけれども、特に重要な問題につきましては、経過的には中央官庁の方でその最終的な決定を握るというような形の力があるいは望ましいのではないかと考えておるわけでございます。
○委員長(森田義衞君) それでは、建設関係制定法の政令に関する件は後ほどに譲りまして、大臣がお見えになりましたから、当面の建設行政一般の問題について御質疑のおありの方は順次御発言を願いたいと思います。なお、大臣から前もって御発言ございますれば、承わりたいと存じます。
○国務大臣(南條徳男君) しばらく私も地方行政の視察出張をして、ただいま帰って参りました。留守中にいろいろ問題になりました財政投融資の繰り延べ等の問題につきまして、建設省所管の公団のこれに関する等々のことがだいぶ問題のようでございますので、この点は出張前に閣議において一応大ワクを取りきめた点もあるのでありますが、それらについて当委員会でいろいろ御質疑等もあれば、お答え申してみたいと思っております。また不在中、一昨日の五号台風等における地方の被害状況等も、また他の政府委員の者から答弁いたさせますが、たまたま私も、あの台風の最中にあの地帯に旅行いたしておりまして、しばらく不在いたしておりました。そこのところはよろしくお願い申し上げます。
○田中一君 今大臣の発言のあった通り、財政投融資の繰り延べの問題に対しては、大蔵省は次々とアドバルーンを上げております。こうしたアドバルーンに対して、これはむろん閣議決定したものじゃないと考えますので、建設大臣としては、たかだか一月かあるいは一月半の問に、このような大きな政策の変更があったことに対しましては、公共事業費を使う官庁の長として不本意ではないかと思うのです。で、現在、二十七日に大蔵省が発表した案によりますと、引当数のものが縮減されるのではないかということを懸念いたします。同時にまた、これに引き続いてきょう、昨日は公共事業費の繰り延べはしないということを言っておったけれども、ここにまたやるような要請が出たというように新聞に報道されております。建設大臣はけさ帰られたそうですから、その辺のことは御自分でぶつかっておらぬかもわかりませんけれども、官房長その他がいらっしゃるのですから、大体の内々の交渉くらいはあったと思うのです。そこで、そういう点について、まず第一に財政投融資の繰り延べに対する大蔵省の発表した案というものに対する見解をお示し願いたいと思うのです。 次に、今後公共事業費の繰り延べが行われるのかどうか、またしなければならないというような実際の情勢ならば、その情勢を判断なすった上で建設大臣の態度を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(南條徳男君) ただいまの事柄についてお答えいたしますが、先ほど私が申し上げました通り、国際収支の総合的調整の上から、この際財政投融資等の問題について多少繰り延べをしなければならぬというような……
○田中一君 多少じゃない。
○国務大臣(南條徳男君) 要請が、私の旅行前の閣議でそれが話がありまして、そのときの閣議の内容は、大体において財政投融資計画の総額について一五%以内を、これを繰り延べを行う、これを一つ了承してほしいという閣議の内容であります。そこで大体諸般の情勢から、この程度ならばやむを得ないではないか、しかし実際にはこの実行をする場合においては、いろいろ事務的に折衝をして、そうして具体的な数字を出してもらおうということで、岸総理の出発前に閣議でこれをきめたのであります。その後六月十九日に国際収支改善の緊急対策として政府から要綱が発表されております。その発表の内容においてもその通りであるわけであります。そのときの閣議のとりきめましたこと、公共事業費についての話は、建設省ばかりでございません、公共事業費については、これは非常に影響が大きいのであって、この点に触れることは、繰り延べでも、もちろん削除あるいは実行予算を組むなどということは絶対に因るということで、閣議でも総理がこれを了承いたしまして、この点には触れないということにきめたわけでありまして、その後の政府の発表にもこの公共事業費には触れておらぬのであります。ただそのときのきめました抽象的な言葉としては、「公共事業費についてはそれぞれの工事の実情に応じて施行時期を調整することを検討することとし、特に庁舎等営繕についてはその一部を繰り延べる。」というような申し合せに相なっておるのでありまして、今日まで公共事業費については、従って一切触れておらないという事情を私は聞いておるのであります。今朝帰りまして、さっそく事務当局からも大蔵省との折衝の模様を聞きましたが、財政投融資の問題については、多少内容についていろいろ今後検討する余地はありますが、公共事業費については何ら触れておらないという報告を受けておる次第でありますから、このことを申し上げておきます。
○田中一君 まず財政投融資の繰り延べの問題で伺いますけれども、建設大臣としては、あれだけの政策を打ち出し、法律の改正もし、かつ予算上の要求もなすって、前回通った国家予算並びに財政投融資の事業が確立しているにかかわらず、このような事態になったということが不本意であろうと思いますが、具体的に今後折衝をしようという考え方、たとえば住宅公団に対しては計画額が三百六十五億、これを百三十億、約三分の一以上を繰り延べ、われわれは繰り延べといいましても、繰り延べということは年次予算でありますから、中止ということになると考えております。繰り延べとは言うけれども、これらは削減だという考えを持っております。繰り延べということを言いますけれども、道路公団にしましても、百億のものから六十億を削減するというような点について、非常に意外な感じを持つ。ことにまた予算案に対してわれわれは反対しておりますけれども、事業そのものに対しても伸ばしてもらうものは伸ばしてほしいということを要請しております。 そこで、今後のこの大蔵省案に対する建設省としての、建設大臣としての態度、どういう形の折衝の上に立って、どういう心がまえの上に立って、このような財政投融資の削減ということに対して対処されるかということを、まず住宅公団並びに道路公団の二つの面について見解をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) この点については、この建設省の公団の財政投融資の繰り延べ等について政府の施策は、私ども直接の問題としてはもちろん賛成できないのでありますが、この外貨の収支の改善策といたしまして、やむを得ず一応その緊急的にかような措置をとらねばならぬという全体の計画から、私ども閣議で了承したのであります。従って、年度内にでもこの外貨のアンバランスが調整できるという見通しでおるのでありますから、たとえ財政投融資の公団等のこの資金が繰り延べられましても、その計画全体を変更するわけではない。一時的に延ばせるものはかような緊急な措置として延ばしてほしいというのでありまして、三十年度におきましても、三十一年度におきましても、実は住宅公団でも、あるいは住宅公庫でも、道路公団でも、相当額の繰り延べ金があるわけであります。こういうような実態は、いろいろな理由もございますが、ともかくとして、住宅公団においては三十一年度に九十六億、住宅公庫においても五十九億、道路公団においても四十五億というようなものが繰り延べられておる。こういうようなことは、これは理由がございます。理由はまたあとで説明いたしますが、そういうような実態であるから、三十二年度においてもこの程度のものは事実上繰り延べられるようなことになりはせぬかというような計算で、大蔵省は具体的に今度の事務的折衝でかような案を出してきたものと思うのでありますが、こういうものが基礎になって全体の一割五分くらいを繰り延べたらどうかというようなことでありますから、実際の仕事の、事業の計画としては決して支障を来たさないようにしようと、またできるという前提のもとにやっておるわけであります。
○田中一君 今御意見伺いましたけれども、住宅公団、道路公団等、数十億の金が繰り延べられ、あとで説明するがというお話ですから、その説出を願いたいと思います。三十一年度における繰り延べられた金額並びにその理由、これをお示し願いたいと思います。
○説明員(柴田達夫君) 住宅公団、住宅金融公庫、道路公団、三十一年から本年度への繰越額の詳細につきましては、なお私の説明が足りない点は関係の局長からお答えいただくことにいたします。 総括的にただいま大臣からお話がございましたように、住宅公団におきまして九十六億ばかり、住宅金融公庫におきまして五十九億、道路公団におきまして四十五億の本年度への繰越額があるわけであります。 住宅公団につきましては、御承知の通り、三十年の八月に発足をいたしまして、発足いたしました当時から、何分にも発足いたしましたのが年度半ばでありましたので、三十年度の繰り越しというものを三十一年度へ生じておったのでございます。これが約百億というふうに承知いたしております、その前の繰り越しが。それで前年度はそれに加えまして二百十三億というという住宅公団の予算がつきましたけれども、これに対しまして、公団としては三十一年度は極力仕事に努めまして、前年よりも相当額増加した二百十三億という仕事は、その年度内にやったわけでありますが、その前の年からの百億の繰り越しを全部合せて仕事をしてしまうというところまでは力が及びませんで、若干繰り越しは減少いたしまして九十六億まで詰めましたけれども、本年度へ九十六億という繰り越しを生じているわけでございます。これはもちろん金の繰り越しでございますから、その年度に計画いたしておりすまる戸数の芦工ということは皆やっておるわけでございます。ただ時期がどうしてもずれるということから、着工はいたしましても、竣工はそれに比例いたしましておくれまして、金の支払いというものが次の年度へ繰り越しているという状況でございます。それで本年は、さらにこの事業計画が御承知の通り三万五千戸というふうにふえまして、三百六十五億ということに相なっておりますので、前年からの九十六億を足しますれば四百六十一億、前からの繰り越しを合せて皆やってしまうということになれば、四百六十一億の事業量を消化しなければならないということに相なるわけでございますが、先ほど大臣からもお話ございましたように、前年からの繰り越しが百億程度あったからということで、その過去の繰り越し程度は本年も相当額計画もふえているから、金の支払いの面ではだいぶおくれるだろう、事業計画を縮小する考えはないけれどもということで、これは当方といたしましては、まだ検討中でございまして、結論は出ておらないのでありますが、大蔵省はまあ百三十億程度の繰り越しは可能だということをいってきているようなわけでございます。 それから住宅金融公庫につきましても、大臣からお話ございましたように、五十九億の前年度からの繰り越しがございまして、その前の年にやはり五十億の繰り越しがあるわけでございます。そうして仕事は二百三十七億消化をいたしているわけでございます。仕事と申しますか、その年度内の資金の消化は二百三十七億いたしているわけでございます。三十二年度はやはり五十九億、これは住宅金融公庫の方は公団と多少事情が違いまして、自分で家を建てるわけではございませんで、多くのものの個人住宅につきましては、相手の都合で契約ができれば、そちらの資金が整って公募して契約がととのえば金を貸すわけでございます。そういう他方の事情に左右される面もございます。もちろんそれ以外の協会、組合等の賃貸住宅というようなものもございますが、そういう点で弾力性の幅は公団等よりは少いと思いますけれども、本年は二百六十五億にこれもふえまして、御承知の通り、八万八千戸ということに相なっているわけでございます。前年の五十九億を足しますと、三百二十四億の金の消化を担当いたしているわけでございます。前年は百九十六億でございます。それから見れば相当まあ大幅に御承知の通り住宅国策の促進ということからふえているわけでございますが、これも前年程度の繰り越しはあるだろう、そうして本年ふえた分の一割程度を目途として大蔵省は繰り延べを建設省に対しまして提案をしてきて参っているわけでございますが、これも検討中でございまして、大蔵省の額だけの繰り延べが果して事業量を縮小せずにやって参って出るものかどうか、無理があればもちろんこれは復活要求をいたすべきであると考えているわけでございます。 道路公団でございますが、これは御承知の通り昨年三十一年度にできまして、住宅公団のできた年度内の時期よりは早くできましたわけでございますが、何と申しましてもスタート以来初年度のことでございましたので、三十一年度は四十五億の繰り越しを生じているわけでございます。昨年は八十億の予算でございましたのが四十五億、若干の不用額を入れますと、五十億足らずの繰り越しなり不用を生じているわけでございますが、昨年度内に消化いたしました額は、従いまして八十億から四十五億を引いた額ということに相なるわけです。本年はこれは百三十億にいたしまして、従来の継読事業をやって参るほかに新規事業をやる、さらに問題の名古屋—神戸間をやるというわけで、本年は百七十五億、百三十億と四十五億を合せて百七十五億の仕事をするということに相なっておるわけでございますが、これも前年程度の、四十五億程度の繰り越しを生ずるであろうという目安のもとに、さらに新規について一割の繰り延べを加えまして、六十億程度の繰り延べを大蔵省が提案してきているわけでございます。大体そういうような事情で三つの公団、公庫とも若干の繰り越しを生じておるのが実情で、これがありのままの実情でございますが、それに本年の事業量も相当増加しておりますのも、実際に事業計画は縮小しないで、住宅にいたしますれば戸数は減らすというようなことをいたさず、道路にいたしますれば、施行する道路の工事をやめるというようなととは一切いたさず、資金の面だけ翌年度に支払いを繰り延べられないかというのが緊急対策の大蔵省側の提案でございますが、私どもの方はそういう根本の緊急対策の趣旨には大臣からお答えの通りやむを得ないものがあると思いますが、実際に無理をしないで仕事をやってどの程度に繰り延べが可能であるかということにつきましては、目下検討中でございます。足らない点は各局長からお答えいたします。
○田中一君 どうも数々の法律の改正をしたり何かして、仕事を進めようというためにわれわれもここでいろいろな審議をやっているわけですが、このように前年度にも相当数の繰り延べがあったということになりますと、現在の機構なりあるいはその力がないということになるわけですね。そうするといたずらに国民に一つの期待を持たせる、羊頭を掲げて狗肉を売るとまでは言いませんけれども、喜ばせてそのままお茶を濁しているという現状なんです。こういうように二十七、八年からずっと引き続き繰り延べがあるというならば、繰り越しがあるというならば、これはやはり重点的な施策をしなければならぬと思うのです。ことに三カ年計画、五カ年計画という予算を、継続予算を持たなければいかんと思うのです。そこで現在、その問題は予算委員会でやらざるを得ないから言いませんけれども、現在向うが示しておりますところの道路公団に対しては六十億の減、繰り延べというのですか、それから住宅公団は百三十億の繰り延べ、住宅金融公庫は九十億の繰り延べということは、むろん三つの機関と合議をして相談をして大蔵省はやったものですか、それとも前年度の繰り越しがあるからこれに見合ってやったものなのか、そしてこれに対して建設省はどういう態度をもってこれに対処しておったか。むろんこれは一方的に大蔵省がやったものではないと思うのです。相当な実情を調べてこの線を出したと思うのですが、その点の経緯は折衝した局長から伺ってもいいのですが、大臣から……。
○国務大臣(南條徳男君) この点については、先ほども私は閣議のこの決定当博のいきさつを申し上げたのでありまして、具体的には事務的に事務当局と折衝することに相なっておったわけでございます。ところが大蔵省としては今までの各公団の過去の実績等から、大蔵省側だけの調査資料に基いて今度建設省にこういうような要求をしてきたわけでありまして、これからこれらの内容について各公団とも具体的に折衝するという段階でありまして、先ほどの官房長の答弁のように、かような一応の数字は来たけれども、建設省としてはこれを承服したわけでもありませんし、各公団側の意見もこれから徴しまして、具体的に大蔵省側と折衝することに相なっておるわけです。この数字の出し方については、各公団等の意見を決して徴してやったわけではない、大蔵省側だけの一個の考え方としてやったということでございます。
○田中一君 では、この三つの機関に対する大蔵省案に対して、建設大臣はむろん事務的の折衝の上に立って可能なる消化し得るものを抑えながらおやりになると思うのですが、その点はどういう心がまえを持っておるか、各局長に伺いたいと思います。ばく然と幾らかこんなことを言うから、こいつを半分にしようとか何とかいうような、バナナのたたき売りじゃないけれども、そんなことをしているわけじゃないと思うのです。というのは、事実において前年度からこのような多額の繰越金があるということ自体すらわれわれははなはだ不本意です。従ってこういうものを前提として考えるなんということはあり得ないんです。国民を欺欄するものなんです。(「同感」と呼ぶ者あり)従って、その腹がどういう態度でもって折衝に臨もうとするか、明らかにしてほしいと思う。
○説明員(柴田達夫君) 足りない点は各局長からお願いすることにいたしまして、全体を通じましての考え方を申し上げますと、ただいま大臣からお答えがございましたように、大蔵省は各省なり各機関とは別に相談なしに、これは大蔵省側がよく実情を大蔵省なりに把握しているという立場で計算したものであって、各省はこの緊急施策の必要を認めて協力してくれるものであろうと期待しておる数字である、こういうように述べておりまして、示されました数字の根拠は先ほどちょっと御説明申し上げましたように、特別のものを除きまして、建設省関係はみなそうでございますが、前年度の繰越額の全部と、それから新しい三十二年度の計画額の一割を機械的に足しまして出した数が百三十億であり、九十億であり、六十億であるというように相なっております。従いまして、その基礎が示されておりますように、きわめて抽象的に各機関の公平を考えたのでございましょうか、繰越額と新規の計画額の一割を機械的に出しておるわけですけれども、私どもの方といたしましては、そういうことではただいまもお話がございましたように、実際に仕事を実行する責任あるものとしてはそれで承服するとか、しないとかいう結論は出て参らない、かように考えまして、現在各公団、公庫にありのままに、しかしそういう抽象的にではなしに現実に各道路なり、住宅につきましては各支部別の、団地なら団地の計画につきまして、どこはどういう事情で延びるかもしれない、これはすべて推定ですけれども、六月の現在におきまして、年度間の繰り越しを見通すということはなかなか困難でございますので、極力良心的に、ありのままに積み上げた基礎で繰り延べの見通しをつけまして、そうしてそれが大蔵省の示された額との間に隔たりがあれば、当然それは事業計画を人為的に縮小するものではないという説明でございますから、復活と申しますか、その額を緩和してもらうように折衝をいたさなければならないというふうに考えておる次第でございますが、そういう積み上げた基礎でやることに相なっておりますので、まだその詳細は目下各機関で検討中でございますので、結論が出て参っておらないような次第でございます。
○田中一君 それじゃ的確な態度がきまらなければやむを得ませんが、今言う現在この三機関が持つところの能力ですね、これは住宅金融公庫の方は別としましょう、実施しておりますところの二つの公団の能力というものは、今日まで財政投融資並びに民間資金の導入によって計画された計画を遂行できるものであると思うんです。従ってそうしますと、現在の両公団の総裁以下各役員は怠慢によってこれを遂行しなかったかということになるわけです。不適格な人間をそこに据えているからできないんじゃないかということにもなるわけなんです。従って、そこでそうした面について、この両公団に対しては監理官がいるはずです。監理官は一体どういう程度の監理をしておったか、そうして実情の把握を建設大臣はどういうように見ておったか、こういうような多額の金を繰り延べる、また本年度もそれが根拠となって、国民に公約している数々の計画は、大蔵省が一方的に要求をしても、これはそれに応ずるすべがないはずなのです。もしも現在の道路公団にいたしましても、四十五億の繰り越しがあったというならば、当然これは大蔵省の要求というものは間違いじゃないのです。使わない金があるわけなんですから。日本のすべての計画というものは年度計画なんです。当然のことなんです。返還しなければだめなんです。そうしてまた新しく三十二年度にこの予算を返還して計上して一つの計画を立てるんです。それをそうしないで、国民には大きな数字を示して忍ばせておいて、実態というものはこれだけのものは返還しなければならない金であるということになるならば、これは責任というものはどこまでも不適格な役員をもって実施をしておりますところの両公団、これに対する監督権を持っておるところの建設大臣の責任は大きいと思うのです。従って両公団の今日の能力、精神的にも物質的にも両面の能力というものをどの辺にあるかという限界を考えられておるのか。前年度の例を見れば、少くとも四十五億という繰り越しがあったならば、これを消化する能力がないと見なければならないのです。むろん熱意もない。これだけの膨大な金を使い切れないものならば、その理事者は不適格者です。従ってこれに対する、前年度に対する建設大臣、これは建設大臣がそのときの責任者でなかったかもしれないけれども、建設大臣が現在もう前任者の責任もむろんかぶっておるのだから、建設大臣としてはどう対処するかということです。この点の見解を示していただきたい。
○国務大臣(南條徳男君) ごもっともなことでございまして、その年度の予算はその年度に全部解決すべきだということはもっともだと思います。ただこの公団の仕事といたしまして、総括的に申しますと、三十一年度などはある程度鋼材の値上りが非常に多かったということのために、予算額では当時の鋼材はなかなか買い切れないというために児送ったというようなものが相当額繰り延べられた理由もあるようであります。それから地方財政の再建整備法の施行に伴って、指定事業の決定がおくれた地方団体があります。こういう事情のために仕事がおくれておる、こういう面もあるようであります。それからまたどこでもこれは最近の悪い傾向と申しますか、一般の風潮でありますが、用地買収が、家屋移転等の問題がなかなか計画通りいかない、予算は取ってありますけれども、実際にぶつかってみるというと、はなはだしいのは手金は取っても、さて実際に当ってみると、酢だのこんにゃくだといってなかなか応じない、移転をしないということのためにおくれておるものが相当ある。これが道路公団でも住宅公団でも多いようであります。そういうことのために相当あるのでありまして、またやむを得ない設計変更のために工事を遅延したとか、資材の輸送が遅延したというようなことのためにもありまして、かような一々の原因等については十分建設省としても調査いたしまして、公団の理事者等が決して故意にさような不用額を作っておるということでない事情はよくわかっておるのでありますが、かような総括的に言って三十一年度にやむを得ずそういうものができた、こういうふうに思っておるわけでございます。これはどこまでも、三十二年度においては鋼材も相当安定もいたして参りました、いろいろな用地の買収等についても今後対策をいたしまして、かような計画は今後疎漏のないようにしなければならぬとこう思っておるのでありますが、今までの経過は大体そういうようなわけであります。
○田中一君 それは当然公団の理事者はあなたにそのような報告をするでしょう。その報告に対して検討いたしましたか、十分に。
○国務大臣(南條徳男君) もちろん検討いたしております。なおこの際こういうような問題もありますから、今度具体的に大蔵省と折衝する場面に臨みまして、公団からいろいろ資料を出して、いろいろ積み重ねて検討してみたいと思っております。
○田中一君 では本年度に計画されたところの道路公団百七十五億、それから住宅公団が四百六十一億、これは完成可能という前提に立ってこの計画を許可したものだと思いますが、これに対する心組みをお示しを願いたいと思うのです。今あなたが五つほど悪条件をお示しになった。そのうちの悪条件は本年度はことごとく解消されたという前提でございます。当然りっぱな建設大臣、信念を持っておる建設大臣が前年度の悪条件というものを解消しないでおかないと思います。ことに今言っている通り相当解消されたものがたくさんございます。従って前年度の悪条件が解消されたという前提でもって、建設大臣は今年度は両公団にどれだけの仕事をさせるというおつもりか伺いたい。
○国務大臣(南條徳男君) そこで、三十二年度はこういう三十一年度のような悪条件が、たとえば鋼材にいたしましても安定をいたしたし、また地方公共団体の再建整備団体に対する考え方にしても、政府は本年は行政水準を高めるというような角度から相当これも今年は改善いたして参りました。その他のことにつきましても、三十二年度は相当これだけの予算額は消化できるという見通しのもとに計上をいたして国会の審議を経たわけでありますから、今年は十分公団においてこれを消化できるという自信を持って、建設省は当っておるわけであります。
○田中一君 これはまあ建設大臣の政治的な答弁と私は解釈します。そうやすやすとできるものじゃございません。同時にまた前年度の予定されたところの予算と、いわゆる単価ですね、単価とそれから本年度のものとの伸びはそうございません。従って私はそういう工合に大臣が今大みえを切るようにうまくいくと思いません。もっとも十日になりますと、建設大臣は今度もっと高い地位におつきになるそうでございますから、この責任は十日までのことと思いますけれども、(笑声)しかし、どっちみち閣内におられるか、あるいは閣内におっても相当な地位におられるはずでありますから、この責任はあなたに本年度事業をやった上で追及する以外にないと思います。 そこで、大臣の政治的答弁は一応了承いたしまして、信念としては……。しかし各監理官をだいておりますところの道路局、それから住宅局、これはむろん一緒に協力しておるはずでございますから、この両局から現在あなたのところに報告されている両公団の内容、それから今大臣がるるお述べになった昨年度の悪条件を大体本年度はどう解消されておるか、そうして本年度は先ほど申し上げたような道路公団百七十五億、住宅公団四百六十一億のものが完全に消化されるという見込みであるのかないのか、この点をもう少し大臣のように政治的答弁でなくて、人的配置、機構、現在の客観情勢等も配慮された答弁を願いたいと思います。
○説明員(富樫凱一君) 道路公団が三十一年度におきまして、約四十五億の繰り越しをいたしましたが、この繰り越しをいたしました理由は、先ほど大臣からも申し上げましたし、官房長からも申されたわけであります。その一つの理由は、昨年から道路公団が発足いたしました、こういうことが一つ。で、道路公団は従来府県が実施いたしておりました有料道路の事業を引き継ぎましたので、この引き継ぎに県と公団との間に意見が一致しなかった点などもあり、またそのために設計を変更する必要も生じたりいたしまして、こういうことが繰り越しを生じた一つの理由でございます。そのほかに用地買収など、あるいは家屋の移転等のために遅延を生じたのがございますが、これらが重なって四十五億の繰り越しをいたしたわけでございます。本年度におきましては、もう公団も軌道に乗っておりますので、先に申し上げましたような引き継ぎに際して起ったような支障とか、あるいは発足当初のために手間取ったというようなことはないわけでございます。ただ懸念されますのは、用地買収あるいは家屋移転というようなことに懸念があるわけでございますが、三十二年度の百七十五億、繰り越しを入れても百七十五億の消化につきましては、初めからこの消化について全力をあげて実施いたすべく準備をいたしておるところであります。三十二年度におきましては予算もふえましたし、特に名古屋—神戸のような高速国道を実施いたさなければなりませんので、従来のままの陣容ではこれは消化不能でございます。そのために新たな陣容を整備すべくただいま準備をいたしておるわけでございますが、本年度内におきましてこの百七十五億の消化は可能であるということで、この消化のために全力をあげるべく準備いたしておるのでございますが、ただ用地買収、家屋移店等につきましては、これは必ずしもこちらの思うように進行せぬ面もございます。これらの点がありますので、繰り越しも当然起ろうかと考えておりますけれども、百七十五億の全額消化には全力を尽して当る考えでございます。
○説明員(植田俊雄君) 住宅公団も設立以来三年目を迎えたわけでございますが、ただいま田中先生からお話のありました本年度三百六十五億、三十一年度から繰り越されました九十六億、この合せました予算を消化するための態勢は現在も整っておるわけでございまして、この点につきましては、先ほど大臣から御説明のありました通りでございます。ただこれが現在住宅公団といたしましても全力をそそいでおるわけでございますが、何分にも宅地問題の解決等相当むずかしい問題もございますので、年度の中途になりまして住宅公団の職員が全力をあげても、あるいは予算を消化しきれないということがあろうかと予想はされますけれども、年度の始まりました現在におきましては、これを幾ら消化不能であるかというようなことを見通しを立てることは困難ではあろうかと存じておるわけでございます。
○田中一君 そういう程度のものでは大臣の政治的答弁と何ら変りないんです。もっと分析して、たとえば住宅公団の例を言えば、設計変更はないようにするということも考えられます。用地の買収なんというものも、こいつはもうとうに長い間手をつけておるはずのものです。それから資材の値上げの問題も、どういう資材の値上げに対する手を打っているか、むろんその場合その場合で勝貝をしていったのでは、市場価格に左右されて物はできないんです。たとえば四百六十一億の住宅建設をやるということにきまるならば、それに見合うところのあらゆる資材というものを二応手を打つことが必要なんです。そうすると安定した価格で年間を通じて供給ができるんです。従って両公団とも計画性ある事前の計画が立たなければ、今言う通り資材の値上げ云々、こんなことは愚の骨頂です、ありようがないんです。予算が国会において可決された場合、もはやすべての手を打っておるならばこんなことはなんです、これは怠慢なんです。用地の買収にいたしましても同じです。まだまだあなた方はやたらに農地をつぶしたり耕地をつぶしたり、長期計画をして埋め立てをするというようなことを考えております。埋め立ての場合はまだ五年、六年、十年先のことの対策としてはけっこうでございましょう。しかしながら、出たとこ勝負で事をするならば当然同じような困難に逢着するのです。従って私が科学的な説明をせいというのは、資材の手当というのは現在どうなっておるか。希望するところは、かりに住宅金融公庫が四百六十一億の資材の手当をしたならば、今度百三十億の削減をする場合には、百三十億分の手当をした資材に対する損害があるわけなんです。従って大蔵省も今そのような暴論はしないはずなんです。ほんとうの信念があってやるならば、それを今言う通りただ政治的な答弁ではいかぬ、実際に住宅公団、道路公団がどのような形でどのような手当をして、完成を期しておるかということを明確に示していただきたいのです。昨年は鋼材の値上げでもって手を上げた、手を上げるはずのものじゃございません。昨年の予算が通ったころには正常な価格でありまして、従って予算が通った五月、六月ごろに手当をすればそういうことはないのです。従ってこれは理事者の怠慢なんです。そういう意味におきまして、これだけの事業を消化しようとするならば、事前に相当な計画が立てられるはずです。その計画の完成が即行動に移らなければならない。それが出たところ勝負で請負人に一括にこれをまかして、請負人が今全部談合をやっているのは御承知でしょう。談合しなければ請負人というものは立たないのです。単価の値上げはしない、単価の値上げはしないで、そうして出たところ勝負て、客観情勢によって左右されるがままに荒波にほうり出すということになりますと、どうしても談合しなければならないのです。そういうところに期待をして、労働者を過酷な使役に甘んじさせ、低賃金に甘んじさせるということは、一切のものは理事者が持っておるところの計画性がないということにとどまるのです。四百六十一億、あるいは百七十五億という金をどういう工合に本年度に消化しようかという計画が立つならば、まず第一に資材の手当、これは一番大事なことです。それが両方ともどうなったのか。現在どういう手当をしておるか、そういうことによって日本の原資材市場の不安も除かれるわけなんです。これはわれわれが常に主張しておる計画経済の姿なんです、一つの例を申しますと。こういう点を怠って、出ところ勝負で、一部の投機的な経済人に不当な利益を与えたりするのは、まことにこれだけの事業を消化しようとするその理事者が不適格であると同時に、その計画性のないところによるところなんです。従って私は今のような御答弁じゃ満足しません。まだまだ質問したいのです。今の両公団が持つところの計画というものを具体的にお示しを願いたい。(「同感」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(南條徳男君) このことはごもっともなんで、私どももさように考えます。そこで先ほど申した通り、この両公団の三十二年度における実施計画をどうするかということについては、今大蔵省がかような申し出をしてきましたので、これを具体的に内容を検討しまして、そうしてこれから折衝しようということで先ほど来申しておるのでありますから、今の田中委員のお話のようなことは、具体的に公団の理事者と実施計画を十分検討しなければ、ここで直ちに御答弁するという段階ではないのでございますから、別な機会にもう少し調査さしてもらって、そうして具体的にするということで御答弁することにしたいと思います。
○田中一君 大臣の政治的答弁は満足ですから、もうあなたにはけっこうでございます。当然その辺でいいのたと思います。しかしそれを監督しておるところの両局長はそれじゃ済みません。あなた方は、たとえば六十億、百三十億というこの繰り延べと申しますか、こういう事態を起したということは、もう予算が通ってからも相当経っているのです。予算が通る前にその計画が立たなければ予算に計上されないのですよ、ほんとうに事業を遂行しようとするならば。そうして今大臣も局長も言っているように、設計変更とか、資材の値上げとか云々という悪条件を言っておりますが、その悪条件は人為的な悪条件なんです。怠慢による悪条件なんです。無計画による悪条件なんです。日本の経済上相当なプラスの面のウエートを占めておるこの二つの事業というもの、国民感情に訴える大きなものを持っている政治的な意味を持つこの事業というものが、そのような無計画なことでもって遂行されようとするから問題が起きるのです。この大蔵省削減というものを、前年度の繰り越しを根拠にしたということを今言われましたけれども、さて本年度はその轍を踏まないならば、もはやあなた方のところには、ちゃんとその計画が入ってなければならぬはずです。今、大臣は、それをこれからやるからなんというのではおそい。大臣は今までまあ方々下情視察に歩いておったのですが、その点は大臣に伺いません。両局長にその点を明らかにしてほしい。今かりにその飼料がないならば、午後からでも公団を呼んで取り寄せていただきたい。たとえば岸道路公団総裁も、加納住宅公団総裁も、私は本年度は相当の金融が悪化するぞ。このように公債発行を考えておってもだめであろう、もう少し地についた計画を立てたらどうかということを、この本委員会で質問を私がいたしますというと、胸をたたきました。そういうような悪化するとは考えておりませんと言っておりました。今日を見る場合には、政府自身が信念を持って、自信を持って出したすべての計画は変更されようとしている。この事態を見る場合には、少くとも両公団の総裁というものが、こうした事業を遂行するのに不適格であるということを言わざるを得ないのです。直接監理官をあなた方持っているでしょうから、それを通じて十分なものをここにお示しにならなければ満足はできません。
○国務大臣(南條徳男君) 先ほど来私が申し上げております通りです。その点については建設省も具体的に両公団にこれから十分に精密な調査をいたしまして、大蔵省とも折衝する資料を作るわけですが、なお、当委員会でも、直接この両公団の理筆者をよくお呼び下すって、具体的にその計画性を御聴取下さることが最も納得のつくことじゃないかと思うのですから、建設省側が公団の理事者の答弁を聞いて、また間接にここで答弁するよりも、直接そういうことをすることが最も納得できることと思いますから、別な機会にどうぞ一つ……。もちろん私どもは責任をのがれるわけではございませんから、建設省としては建設省としての十分責任を負いまして、この公団に対する十分な検討をいたします。しかし、かゆいところに手が届かぬような答弁じゃ困りましょうから、田中委員のような専門的な感覚から質問されるならば、その両公団の理事を直接一つお呼びになって御診察願う方が、最も病名がわかると思いますから、どうぞ一つさようにお願いいたします。
○坂本昭君 今の田中委員の御質問は、まことに的確であって、田中委員お一人の問題じゃありません。私も全然同感であります。従いまして、この両公団に対しては、建設省がまず主治医としての、今の大臣の言葉をもってするならば、主治医としての責任をもって調査し、そうして責任ある回答をする。われわれとしては顧問医として、またこれに対して診断いたします。その点を明らかにしていただきたい。 それからもう一つ、先ほどの田中委員の質問でほぼ尽きておりますけれども、なお重ねて、かかる疑問を持っておる者は一人でないということを、もう少し強調する意味で大臣に二点ほどお伺いいたしたいと思います。 その一点は、大臣がまあ現在、さらに推測するところによりますと、将来ともに政府与党の重要な地位を占められるならば、私は一そうお聞きいたしたいのは、本日一番重点になりました繰り越し会計のことでございますけれども、私はこれは先般来の決算委員会でも、防衛庁の繰り越し予算が、三十一年度がたしか二百三十六億ということを聞いたのであります。ほぼ当該省の予算の四分の一ぐらいを繰り越しするということは、いかなる理由があるにしても、でたらめだと思うのです。しかもそのでたらめの証拠は、会計検査院が指摘したように、私たちに全部配付してくれましたが、その中で一番筆頭の会計上の不当行為、非行為、この筆頭を占めているのは防衛庁なんです。といって、今私は建設省の見ておられるところの両公団にそういうことがあるというのじゃありません。ないけれども、そういうような会計をやるということ自体は、もう根本的に私は間違っていると思う。政府与党の重要なる地位を占められる建設大臣が、この点について今後どういう態度でやっていかれるか、明確なる一つ御返事をお輝きいたしたい。まずその点を聞いておいて、もう一つお尋ねしたい。
○国務大臣(南條徳男君) 私個人の問題で、まことに恐縮ですが、私は建設大臣の現在の立場においてお答えを申し上げますが、先ほど来申し上げます通り、この不用額なんというものは出さないような、十分な計画性を持った実施を両公団ともすべきものである、今後もしなければならぬ。私は三十一年度においては私の責任の時代ではございませんでしたが、いろいろ先ほど申しましたような悪条件のためにああいうものが起った、三十二年度においては、これらを加えて、今後十分年度内に実施できるということを固く私は両公団に言明しております。ことに三十二年度は、住宅においては三十一年度の計画で相当額が延びたのでありますが、実際にこれらが遂行できるかどうかということを公団の総裁にも話して、その決心をもって機構なり、あるいは方針を変えてやってもらわなくては困る、自信はどうかといったら、自信はある、計画はこれこれだということを、大体アウト・ラインは聞いております。それくらい国会に対しての責任を持った答弁ができるように、自分としては今日まで両公団にしておるわけでありますから、今度の財政投融資のかような問題が起らなければ、逐次かような問題について、もう少し突き諦めてやるつもりでございましたが、かような緊急な問題が起りましたから、至急この問題については、先ほどお答え申し上げました通り、さっそくこれを取調べまして、主治医としての責任を果たしたいと、こう考えますが、なお、主治医を御信任できないという場合においては、直接一つ病人をお調べ願いたいということを申し上げるわけであります。
○坂本昭君 主治医を信任しないで顧問医がみるということは、これは医療の本則に反する。主治医はあくまで責任を持つべきであり、その点は医療でありません。政治の原則を誤まってもらっては困ると思います。両公町に対しては、厳格に監督してやるということを伺いましたが、この繰り越しができるということは、そもそも緊張が欠けているからです。なまけているからです。ほんとうに緊張しておれば、そんなことができるはずがない。またそういうものができたときには、即坐にこれはこうこうこうだということを説明ができるはずであります。ですから大臣がそれほどに明確に両公団に対しては責任をとらせるとおっしゃるならば、今後私どもも厳重に監視いたしまして、もしそういうふうに監視ができない場合には、一つ主治医も責任をとっていただくし、またこの両公団も人間を入れかえて、もっと緊張した、国民のための仕事のできるような人にかえていただきたい。私はそのことを一つ要望しておきます。 それから次に、今のことに関連してですが、もう一つ私はかねがね住宅政策と道路政策について、政府が非常に努力しておられること、それは十分認めております。私はその努力を批判する意味じゃなくて、その努力を、おしりをひっぱたいて鞭撻するという意味で、ちょっと苦言を呈したいんです。それは大臣も、この委員会を終られてから、各地で下情の視察をされながら、例の住宅政策年間五十万戸建設することによって、五カ年で住宅不足を解消するということはずいぶんあちこちで言っておられるのであります。そしてまたそのことが非常な国民の支持を得ているのであります。ところが、どうもそれが今度のように繰り越しによって羊頭を掲げて狗肉を売るということになったのでは、これはもう大臣としても大きな責任問題だと思うのです。で、特に今度は住宅公団三方五千の計画が今のような百三十億もまた繰り越し可能だという大蔵省の意見に従うというと、またずいぶんこれは減少するのではないか。たとえ私はその政府の計画であっても、住宅不足二百八十万というものは五十万で減るという算術計算だけでもできないし、いわゆるそのほかたくさんのほかの要素があって、とうてい五カ年ではできない。そういうことを前々から大臣に私追及しておった次第であって、それがさらにこういうふうに繰り越しのために建設される家が減ってくれば、なお一そうこれはできなくなるということは、これは大臣としては国民に対して陳謝すべきことじゃないかと思うのです。もういい気な気持でやれないという言葉だけで私は済まされないと思うのです。これは道路の政策の問題でも同じだと思うのです。私は前に、国の持つ五百三十八億についてその内容、アスファルトにするかセメントにするか、それからどういう技術的基準でやるか、それから入札はどうしてやるか、いつやるか、一回見せろという細かいことまで根掘り葉掘りお聞きしました。しかしそこまで根掘り葉掘り聞いたところで、こういうふうにやれないから繰り越しをして、道路整備十カ年計画の初年度から、最初から間違うというようなことでは、こんな政府では仕様がないと思うのです。私どもも日本をよくするためにやれない今の政府のしりをたたいてやってもらっているのであって、その政府が勝手にもうやれないから繰り越しをするといったことで、その最初に掲げたこの十カ年計画の初年度からひっくり返すというようなことは、これはまことに情ないというよりも、全く世界の人たちに対して合せる顔がないと思うのです。どうかそういう点での、将来ともに大事な地位を占められる建設大臣としての緊張した決心のほどをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) 十カ年計画のことは道路に関してのことかと思うのでございますが、道路に関する十カ年計画は今年から始めまして、今後これを実施したいという計画で、公共事業費の分についてはこれは一切手を触れませんから、今年は予算通り実施いたします。将来も道路の計画については今年の予算では不十分でありますから、一そう三十三年度等についてはもっと増額した公共事業費の道路予算を増額してもらって、そして早くこの道路計画を整備をしたい。私今度地方に参りましても、地方の要望するものはもう非常な道路に対する要望が強いわけであります。従って国民の世論もそこに向いておるようでありますから、この十カ年計画についての公共事業費道路については、当委員会等の御協力を得まして、三十三年度は相当の増額をして参りたいとこう思っております。ただこの道路公団の財政投融資の分については、十カ年計画とか何とかございませんから、これは先ほどから申す通り、今後も日本の財政の国力のいかんに応じまして、できるだけこれをまあ伸ばしていくようにしたい。また今日は、私は将来道路公団については、たとえば名古屋—神戸間の道路のごときは、幸いアメリカもこれに対して関心を持ちまして、外資を入れてもよろしいという傾向に相なっておるようなわけでありますから、何も日本の財政投融資の金ばかりを当てにしなくても、国際的な条件が好転して参りますれば、そういう方の資金を私は導入することも非常に大きなやり方でないかと考えておるのでありまして、そんなには悲観しておりません、この道路公町の将来の計画については。でありますから、ただ今、今年の特定的な緊急対策についての政府の施策に一応協力しようというだけでありまして、見通しとしては、私は決してその点悲観しておりません。 住宅公団の住宅計画が、御承知の通り三十一年度繰り延べ、おくれたということでありますが、これも大体用地の買収等の計画が繰り延べが多いようでありまして、これも先ほど申した通り、具体的に私は公団総裁から聞いておりますが、ここで間違った答弁するのもどうかと思いますから、具体的によく詳細をきわめた上で建設省から答弁いたしますが、また足りない点は直接聞いていただくことが最も真相をよくわかっていただける、こう思っておるのでありまして、決して公団の理事者も、ことに加納総裁などはああいう実業界出の人でありまして、普通の官僚出の総裁でないので、具体的にやはり成案を作りまして、計画性を持って私ども答弁しておりますので、一応私はこの総裁の意見も信用していいのじゃないか、こう考えておるような次第であります。 どうぞ一つ、私はお座なりの答弁をしたということでなく、お聞きとり願いたいと思います。
○坂本昭君 ただいまの道路整備については、道路公団の方とそれから国の考えている十カ年整備計画とは別個であるから安心してもらいたいというふうな御答弁でしたけれども、私はそうは、全然別個のものだとは思わないのであります。やはりこの国の政策の一環としての道路公団であるし、その道路公団の事業費の繰り越しされるということは、やはり広い目で見れば国の道路計画、道路整備計画がやはり順調にいかないということだと思うのです。で、今のように大臣は顧みて他をいって、外資を導入するというような、その外資の導入もけっこうですけれども、今日われわれは、われわれの中でもっと緊張して予算というものを消費していく、それに全力をあげる、私はそういう点で今大臣を追及しているのじゃなくて、そういう点でもっと責任を持って、計画されたものに対して繰り越しもやむを得ない、ということでなく、それからまた内容も充実する、そういう点で緊張がきわめて欠けているのではないか、そういう点で私は申し上げているのであります。どうかその点を十分御了承いただきたいと思います。
○委員長(森田義衞君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(森田義衞君) 速記を始めて。
○村上義一君 田中委員が指摘せられました公団当事者の能力の問題とか、あるいは客観情勢の変化の問題、さらに事実上繰り延べがあったというようなことはしばらく別にしましても、この大蔵省が提案した内容を伺いますと、公共事業費は削減しない、ただ財政投融資の部門において約六百五十億削減する、そのうち今の両公団の分、住宅金融公庫の分、合せて約二百八十億になると、こういうふうに御説明を伺ったんであります。で、なお建設省としては両公団、まあ金融公庫はしばらく別として、両公団には事実上どれだけの繰り延べになるか、繰り越しがこの年度として発生するか、その限度においては了承せざるを得ない、もし繰り越し額が事実上発生しないとか、あるいは発生しても、その額が二百八十億よりも少いということならば、大いに大蔵省と交渉をせんきやならぬというようなお心がまえのように伺ったのでありますが、で私が非常に異様に感ずることは、事実上繰り越し額がまず二百八十億、大蔵省の指摘するごとくできるということであるとしまするならば、またその限度は削減に応ずるということであるとしまするならば、根本の目的である外貨収支の改善の対策として、どうもそれはナンセンスではないかというふうに思うのであります。この点についての一つ大臣の御見解を伺いたいと思う。で、まあ建設省のみならず、追ってまた閣議の問題にもなるでしょうが、大蔵省がこういうことを提案せられた意味がどこにあるのか、理解できないのでありますが、大臣の御所見を一つ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(南條徳男君) これは直接大蔵当局から一つ御答弁をいただくのが所管だと思いまして、私の建設大臣としてのこれは御答弁する範囲でないと考えるのでありますが、ただ、当時政府の、大蔵省のこれに対する説明としては、外貨が急にアンバランスになっておるので、上半期に原材料の輸入が非常に多いためにかようになったのだ、もちろんその見通し、計画があったのでありましょうが、その計画が少し輸入が多くなり過ぎた、そこで一時的な現象であるが、これは今年台には調整ができる見込である、そこでこれを一時的に調整するためにかような措置を考えなければならぬ、それには国民に対する一つの貯蓄奨励と申すか、節約と申しますか)さような点も考えて、不急不要の仕事に消費材をあまり使うというようなことをしないようにしてもらいたい、不急不要の仕事を進めないようにしてもらいたい、そして緊縮政策をとりていくことが、一応この外貨の問題に対する対策になりはせぬかということから、政府のいろいろな営繕なぞも繰り延べる、かような関係で、財政投融資についても、急がないものについては多少繰り延べてもらったらどうかというような、一貫した一般の総合的な施策の上から出てきたことでありまして、かようすることが決して今の村上委員のようにナンセンスだとは私は考えておらぬ。私どもはしろうとでありますから、詳細な答弁は一つ大蔵当局にお尋ねいただきたい。
○村上義一君 しかし、大蔵省の提案せられた趣旨は、これは大蔵当局に尋ねるということが一番適当だと思います。が、それに応じて、建設省としても事実繰り延べになるという金額がどういう金額になるかということを、今後両公団とも折衝せられて、お調べになるというふうに伺ったのですが、その点については建設省としても、既定方針として、この大蔵省の提案に対する方針として堅持しておられると思うのであります。従って私は伺うのでありまして、今大臣のお話の不急不要の工事を押える、あるいは不急不要でなくても工事を押えるということであってこそ、しかもそれでその内容で輸入物資が、資材が生れるといったようなことであれば、直接外貨の収支改善に役立つということになると思うのであります。これはもう当面何としてもこれだけの工事は三十二年度内にはできないのだ、当然繰り越しになるのだという金額を調査するつもりだと、こういうお話でありまして、大蔵省もそういう意味の提案があるというように伺った。そうしまするというと、当然繰り越しになる工事であれば、三十三年度においての資材の消費ということには、これはどの道ならないのである。従ってこの外貨収支の改善方策としてこれを考えられたという意味が私には了解できないのであります。しかしながら何かこれにはある目的があると実は考えるのでありまして、その点についての御所見が伺えられたら伺っておきたいと思うのであります。
○国務大臣(南條徳男君) 詳細なことは先ほど申した通りで、大蔵当局にお尋ね願いたいのですが、ただいまの村上委員のお話のように、実際に不要不急の仕事のようなものがいわゆる繰り延べる財源として両公団にあるということであれば、別段物資の消費にならないから、さような影響はないじゃないかというお尋ねであります。さような意味においては私どももそう思いますが、ただ政府としては一貫した総合施策として、この外貨のアンバランスを調整するためには、輸入を押えるという面から言えば、一面において国民の精神的な節約の意欲と申しますか、さような緊張を高揚したいという考えも私は多分にあると思います。そういう面から言いますと、あらゆる角度から国民に対して、政府もこれだけの一つ決心でおるのだ、従って国民の方でも不要不急のことには手を出さぬ、あるいはまたむだな消費はしないようにする、また貯蓄も一つ一面においてあれしてもらいたい、こういうようなふうに一貫した総合的な金融政策と申しますか、対策をするのには、私はこういうことも効果があるのじゃないかと考えて、閣議において同意したようなわけでありまして、内容は先ほど申したように、実際にどれだけのものがどうしてもこの繰り延べができるかどうかということを調べたこともございますが、できればさようなことに協力することも私はやむを得ないのじゃないか、こう考えております。
○村上義一君 この政府の決意を国民に示すというお話でありますが、多分私もそんな辺にねらいがあるのじゃないかと思うのであります。しかしながら、このたとえやろうと思っても当然繰り越しになる工事費を削減しても、これは政府の決意ということは実際においては申し上げかねるのであります。決意の現われということにはならぬと思うのであります。で、ただそれを事実やり得るものを削減するのだというふうに国民に宣伝する、知らしめ、理解解せしめるという、事実でないことを理解せしめるという点がねらいじゃないかと思うのであります。まあ、この点についてはこれ以上は申し上げますまい。一つ閣議の際にその点も一つお含みになってお話し願いたいと思います。
○田中一君 建設大臣は、先ほど坂本委員の質問に答えて、公共事業費は一切繰り延べはしないのだという前提の答弁をしているわけであります。そこであなたの旅行中のことでしょう。緊急総合施策——何と言いますか、閣内のその会合では、もうそれぞれの工事の実情において施行期間を調整することを検討するというようなあいまいな答弁を大蔵大臣はしておるのです。ということはですね、私はこれを判断してみると、結局繰り延べにほかならないのです。今ここで七月に使おうという金を十月に使うということになりますと、繰り延べなんです、実際の予算の面から見る場合には。しかし使う金は使うというのですから、それは三十三年の八月になれば使うということになるのでしょうけれども、少くとも三十三年度の予算の規模内において、金の使用される事業はしないということになるならば、結局これは公共事業費の繰り延べなんです、実態は。このような方法であなたの方に、建設大臣、大蔵省が強要した場合にこれを認めますか、認めませんか。
○国務大臣(南條徳男君) 年度内においてこの予算の操作をすることについては、ある程度やむを得ないものがあるかもしれませんが、これを次年度に繰り延べるというようなことは絶対に応じない方針でおります。また閣議においてもさようなことについては、私は了承しておりませんから、これは責任を持って私は私の在任中の責任で十分……、これはお答えできます。
○田中一君 もう一点、三十一年度で年度後に施行されるいわゆる会計検査院が一応許容しておる期間に支出されたという予算ですね、これは建設省が所管しておるところの公共事業費はどのくらいございましたか、いわゆる四月、五月ごろに実際に支出された企……。
○説明員(柴田達夫君) ただいまのお話は正式に承認を受けたもの、繰り越し明許ないしは事故の繰り越しの額であると思いますが、公共事業におきまして約五十四、五億、そのほか公営住宅におきまして十九億、この二つの合計といたしましては七十四億の繰り越しが本年度になりまして起っております。
○田中一君 私はこの数字が知りたかったのです。というのはこの数字を基礎にして、これでいわゆるアメリカに対する一つのゼスチュアとして、この分だけを仕事をさせなければ、今から仕事を延ばせば、やはり来年度に入るのです。あなたが精神的な一つの政策であるということ、私も大体そんなものじゃないかと思うのです、今度の繰り延べ計画というものは。従ってですね、三十一年度の予算においてすら、七十四億の実質的繰り延べがあったということですね。ここに大蔵省は同じように、ただ作文ですから、作文として公共事業費の実質的な繰り延べというものを、これは自分で持っていてもだめなんですよ。やはりぱっと出さなければ、どうもアメちゃんでしょう、きっと了承してくれないだろうと思うのです。それでこの程度のものは必ず繰り延べをするのではないか、要求するのではないかという疑念を私は持っておるのです、七十四億程度のもの。これが実績です。今の財政投融資の問題も昨年の繰り延べの実績を基礎にして、一割プラスアルフアーしたということになっておりますが、同じようなことが公共事業費の予算の面でもって出そうとする、これはまあ九月に持つか十月に持つか知りませんが、臨時国会でそういうふうな打ち出し方をするのではないか。ところが建設大臣よというんですよ。建設大臣よ、実際の事業というものは減らないのだよ、数字だけは一つ認めてくれぬか、こういうことは言うに違いないと思うんですよ。私は、そういうことが起ってもそれは応じないという態度を明らかに答弁できますか。
○国務大臣(南條徳男君) ただいまの田中委員の御質問に対しては、公共事業費の繰り延べということは、実質的にも形式的にも絶対にさせない、こういうことは私は確信を持って言えます。
○田中一君 そうすると、三十一年度の許容された繰り延べという七十四億というものに対する責任はどうおとりになりますか。大蔵大臣はこれは追及しまする許容はするけれども、それは実質的繰り延べではないかということを追及するに違いないんです。その責任はどうおとりになりますか。
○国務大臣(南條徳男君) 毎年度繰り延べ、繰り越しのことには承認を得ているわけであります。決していいことじゃないかもしれませんが、私は、実際上仕事にそういうふうな場合がありますのでなったんで、これを建設省の責任がどうとか、こうとかいう問題とは別だと私は考えております。
○田中一君 この七十四億の繰り延べ、繰り越しは当然であるという論拠が正しいならばですね。本年三十二年度の予算のうちから七十四億相当のものを当然四月、五月で施行さすのだから、これだけのものは予算の面から一つ補正してくれぬかといわれたら、あなた答弁に苦しむんですよ。実際の仕事をせぬじゃないか、ただ数字の而だけこれを認めろといわれたら、あなたは答弁に苦しむんです。そういうときにどう答弁するかということです。だだっこじゃあるまいし、数字があって現にそれをやっていることは、あなたの今までやった通りなんだから、数字だけはとにかく削ってくれということを私はねらっているのじゃないかと思うんです。そういうときにも、絶対に建設大臣はそれに対しては承知しないという態度を今表明されたのですが、そういうせめ方もあるということを一つよく腹にとめられて、どうか一つ公共事業費は絶対に繰り延べをしないこと、そうしませぬと、地方財政も非常な変革を余儀なくされなければならぬこともありますし、また予想される選挙にも損ですよ。私の方は都合がいいんですが、その辺要望して、御用があるので大臣帰ってもらいますが、ただ住宅金融公庫の三十年度五十億、三十一年度五十九億というものの繰り越しというものに対しては、これは建設大臣は政治的答弁だから、やはり鈴木総裁でも呼んでじかに聞いてみましょう。
○委員長(森田義衞君) 暫時休憩します。 午後零時二十八分休憩 —————・————— 午後零時三十六分開会
○委員長(森田義衞君) それじゃ再会いたします。 河川局長から水害の状況について御報告を願います。
○説明員(山本三郎君) 過般の台風五号を伴う梅雨前線によりまする豪雨の災害の概況につきまして、ただいままでに集りました資料をもとにいたしまして御報告申し上げます。お手元に差し上げました資料によりまして御説明申し上げます。 この資料にあります通り、目次がありますが、気象概況、それから直轄河川、大きな河川の概略の出水状況、被害の多かった中小河川等の出水状況、それから全国の雨量の状況、五番目といたしましては、公共土木施設の現在までに報告のありました被害額の調べ、それから第六番目といたしましては、それ以外のおもなる被害の調べにつきまして御報告申し上げます。 第一番目は気象の概況でございますが、今回の豪雨は台風の第五号が本州を縦断いたしました梅雨前線に沿いまして、九州から関東に縦断いたした、そういう結果豪雨をもたらしたものでございます。 第二番目は直轄河川、大きな河川の出水の概況でございますが、近畿、中部、関東地区にありまする大きな河川におきまして、警戒水位程度の出水を見たわけでございます。これは山地部に大きな雨が降りますると、直轄河川、大きな河川につきましては、大きな出水があるのでございますが、今回の雨は低地部に主として大きな雨が降ったために大きな河川におきましては、ここに示しまするように、警戒水位をちょっと越したぐらいの程度の水が大きな洪水の方でございました。ここにありますように、淀川におきましては警戒水位が大体枚方におきまして四メートル五十でございますが、三メートル九十四が最大である。大和川におきましてもその程度でございます。猪名川、由良川におきましてもその程度でございましたが、この中で大きいと児られまするのは、中部地方の天龍川の上流でございまして、市田というところで警戒水位が三メートル四十でございますが、今回の出水は四メートル七十五になっております。それから山梨県から静岡県に流れまする富士川が、警戒水位が三メートル四十が四メートル十六、鶴見川が三メートル五十が四メートル十五、こういうふうな程度になっております。 それから低地部の中小河川に相当大きな出水があったわけでございますが、一番大きなものは「3」という大きな項目のところに書いてありますが、「a」といたしまして寝屋川水系というのがございますが、これは大阪市の東大阪一帯の水を集めまして、旧淀川に出ておる川が寝屋川でございますが、これが一番ひどい被害を与えたわけでございます。降雨の中心が東大阪にありまして、二十七口の朝までに二百五十ミリの雨がありました。さらに二十七日の夜までに五十ないし七十ミリの降雨がさらに加わったために、寝屋川水系の本川、楠根川、恩智川、平野川等がいずれもはんらんいたしまして、はんらん面積は、千八百町歩、人家の密集地帯でありますために九万戸の浸水を生じたわけでございます。これは降雨の出水によるほか、高潮——ちょうど潮が高いときにぶつかりましたために、非常に困難だったという問題が重なりまして、こういうふうな被害を及ぼしたのでございまして、浸水の一番深い深さが五尺程度に及んだということでございます。それから表六甲の河川がございますが、これの東の方の小ちゃい川がやはり大阪の付近の台風の影響もございまして、被害を受けております。神戸では二十七日の四時から五時の間に一時間八十ミリというふうな大きな雨が降りまして、これは昭和十三年にこういう記録がございますが、それと同じような程度の時間雨量がございまして、宮川とか都賀川が被害を生じております。 次は第四番目といたしまして、御参考に全国の主要地点の雨量表が掲げてございます。これでごらんいただきますとおわかりのことと思いますが、平地部に割と多かったわけでございまして、千葉県の銚子におきまして百六十六ミリ、東京におきましても百五十二ミリでありまして、これは昭和十三年の六月、七月に雨がございましたが、それに匹敵するような雨でございました。それから長野県の飯田におきましても二百六ミリ、それからずっと参りまして、一番多かったのがやはり大阪の二百九十三ミリ、二十六日から二十八日にかけまして二百九十三ミリというのは、一番大阪といたしましてもこれは記録的な雨になっております。その他高知県高知で二百五十三ミリ、それから長崎県厳原で三百二ミリというふうな記録が報告されております。 次は第五番目といたしまして、公共土木施設の被害額の報告が来ておりますが、これも的確な数字ではございませんが、そのうちに推定というような数字がございますが、これらの点はまだ不的確なものでございますが、現在までの報告額は十五億三千七百万円と相なっております。このうちでやはり多いのは長野県、岐阜県、大阪府、兵庫県、それに続きまして奈良県というふうになっております。これらの実情につきましては、県ともよく連絡をいたしておりますが、取りあえず長野県及び岐阜県につきましては、一人の寺岡という技官を現地に派遣いたしました。それから大阪、兵庫につきましても、係官を派遣いたしまして、実情を調査中でございます。 次は一般の土木施設以外の主なる被害額の調べを提出しておきましたが、これによってごらんになっていただけるように、大阪府におきましては、床上浸水が二万二千五百六十三戸、床下浸水が七万四千戸というふうになっておりまして、これは先ほど御説明申し上げました東大阪の寝屋川水系の八尾市、寝屋川市等の部分の浸水でございます。それから次に大きいのはいわゆる東京、一枚めくっていただきまして、東京でございますが、床下浸水が九千戸程度に相なっておりまして、先ほども御説明を申し上げましたように、低地部の雨が多かったために市街地の浸水が多いために、普通の出水と異なりまして、人家の浸水被害が相当大きかったということでございます。土木施設の被害につきましては、緊急を要するものにつきましては、県で急いで調査をいたしまして、その計画を作るわけでございますが、その申請がございますならば、すぐそれを現地で調査をいたしまして、建設省から係員を派遣いたしまして調査をし、施設の復旧に遺憾なきを期したいというふうに考えております。
○田中一君 これはまあ現在までの報告書でしょうが、委員会を持たない間でも、三日か四日ごろ、大体これでもってこれがまあ大体実情だということがわかったときには、資料を一つ出してほしいのですが。
○説明員(山本三郎君) 極力早く資料をまとめまして、委員会の方へ御報告申し上げます。
○委員長(森田義衞君) 本日はこの程度で散会いたします。 午後零時四十六分散会