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26回国会参議院1957/05/10

決算委員会 第28号

発言数
33
登壇者
7
会派数
2
開催日
1957/05/10

会議録

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ただいまから第二十八回決算委員会を開会いたします。  五月八日、松岡平市君の辞任に伴いまして、成田一郎君が補欠として選任されました。また、五月九日、成田一郎君の辞任に伴いまして松岡平市君が補欠として選任されました。   ―――――――――――――

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 本日の理事会において申し合せました事項について御報告申し上げます。  三十年度、三十一年度予備費使用総調書、同じく国庫債務負担行為総調書につきまして質疑を行い、実は今日採決まで持っていきたかったのでありますが、いろいろな関係がありまして、今日は採決までの運びには至らないということになりましたので、大体質疑だけは終っておきたいと思っております。  そして次は、都道府県の会計経理に関する事項でありまして、これは例の福岡の県庁の事件でありますが、これについて審議をしたい。  それからこの前の委員会できめました太田川改修工事に伴う補償金に関する問題につきましては、建設省から提出してきます資料がまだ整いませんものですから、今日はこの問題には触れないで、以上二件についての質疑をやりたいと存ずる次第であります。  次は、来週以降の日程でございますが、来週月曜日が一応定例日になっているのでありますが、これはいろいろな事情がございますので、実は十四日火曜日に一つ繰り下げて委員会を開きたいと存ずるのであります。その次の五月十七日には、金曜日でありますが、これは会期の末日になりますので、この日はそのほかのもろもろのことについて御相談申し上げたいと存ずるので、一応理事会でさよう決定いたしたのでございますが、理事会の決定通りに運ぶことについて御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) では御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。   ―――――――――――――

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 昭和三十年度一般会計予備費使用総調書(その2)  昭和三十年度特別会計予備費使用総調書(その2)  昭和三十年度特別会計予算総則第十条に基く使用総調書  昭和三十年度特別会計予算総則第十一条に基く使用総調書  昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(その一)  昭和三十一年度特別会計予備費使用総調書(その一)  昭和三十年度一般会計国庫債務負担行為総調書  昭和三十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書  を一括して、議題といたします。  本件に関しては、前回の質疑状況にかんがみまして、農林省、運輸省、建設省関係及び治安関係の警察庁及び法務省関係の当局に御出席を願ったわけでありますが、御出席の方は、中村法務大臣、小澤建設政務次官、福永運輸政務次官、警察庁山口警備部長、宮川大蔵省主計局次長、柳澤同司計課長、会計検査院からは大澤第一局長の諸君が御出席になっております。  まず初めに、法務大臣が御出席になっておりますので、治安関係の決算につきまして御審議を願いたいと思います。御質疑のある方は順次御発言願います。ただいま、ちょうど質疑をなさろうとしておりました委員がまだ見えませんので、それではちょっと順序を変えまして、農林省、建設省の関係につきまして、先般の質疑が残っておりますので、それにつきまして御質疑を願いたいと思います。御質疑のある方はどうぞ御発言を願います。  まず、農林省と、それから建設省の関係につきまして、この間の質疑の経過にかんがみて資料の御提出を願っておりましたから、それにつきまして御説明を願いたいと思います。

關盛吉雄建設大臣官房会計課長

○政府委員(關盛吉雄君) お手元に「昭和三十年度一般会計予備費使用(その2)中翌年度繰越額調」というのと、三十一年度の調を差し上げておりますが、建設省関係は、三十年度につきましては第五ページにございます。順序に従いまして、簡単に御説明申し上げます。  三十年度の御承認を求めております予備費中繰り越しを生じておりますものは、建設省関係につきましては、まず新潟市の火災による防火建築帯造成に必要な経費でございまして、予備費使用額二百万円中百万円の繰越額を生じておりますが、これは「繰越事由」というところに明示いたしておりますように、用地の問題、それから共同建築物の設計の実施が思う通りいかなかったことと、新潟地方における平年にない積雪の関係でおくれたのが一つの大きな理由でありますのと、もう一つは区画整理の遅延に伴うものでございます。三十一年の七月三十一日には完成いたしております。  次は、第二十二号台風による官庁施設災害復旧に必要な経費でございまして、鹿児島税関支署庁舎の復旧に伴う予備費使用額五百七十三万三千円のうち三百二万円の繰り越しを生じておりますが、これは敷地の決定並びに相手庁との設計の調整に日時を要し、かつ地盤が海岸地のために基礎調査に日時を要したということがそのおもなる原因でございまして、七月の十五日に完成いたしております。  前回特に御指摘のありました問題は、河川等及び都市災害復旧事業に必要な経費といたしまして十一億九千九百八十八万六千円の予備費使用額中、七千四百五十二万九千六百二十四円の繰り越しを生じたことについての点でございますが、これは調書に記載いたしておりますように、直轄河川災害復旧費といたしまして、そのうち七千四百三十六万九千六百二十四円の繰り越しを生じておりますが、これは十一河川二十八カ所の工事でございまして、その繰越事由欄の摘要に分けて記載いたしておりますように、中部地方建設局関係の手取川外二河川において、出水等の関係で工事がおくれた、こういうことになっております。それで全体といたしまして三十一年十月二十二日に終ったように見えておりますが、ちょっと補足さしていただきまして御説明申し上げたいと思いますが、中部地建関係の部分は、七千四百三十六万円のうち四百十五万六千円でございまして、この四百十五万六千円の工事のうち、四月に完成したものが一、八月が一、十一月が一でございまして、これがおくれましたのは、手取川の工事がおくれておるのでございまして、これ一つが十月になっておりますので、全体が十月になっているようなふうに見えますが、その点は工事個所によりまして早くできておるのが大体の傾向でございます。  それから次は中国四国地建の関係でございますが、特におくれた工事は仁淀川ということに記載いたしております。この金額が、中国四国管下では四月二十日に、おくれましたけれども完成いたしております。  それから九州地建の管内では大野川外六河川と書いてありますが、これは全体の工事が終りましたのが七月三十日でございますが、大部分が四月から五月、六月にかけて終っております。  それから北海道でございますが、北海道は最終的に工事個所が全部終りましたのが七月三十日でございまして、特におくれました地域は帯広地区でございます。  それからその次は、十六万円の前回御説明申し上げました指宿市の都市災害復旧事業費補助の繰越額でございます。  次は、昭和三十一年度の一般会計の予備費使用額中繰越額の建設省関係について申し上げますが、第二ページに詳細記載いたしておりますが、秋田県の大館市火災復興事業費補助金でございますが、大館市における焼失区域の区画整理事業を行うための補助金でございまして、この地域における商業地域が、商業の中心地でありますので、権利関係が非常に輻湊しておりますために、区画整理の換地操作に困難を来たしましたのが、当初の事業執行の年度内完了の見通しよりずれまして、繰り越しを生じた大きな原因になっております。これは目下、換地決定いたしまして、工事を進めておりますので、調書に書いておりますように、七月三十日ごろには完成する見込みでございます。  次は、河川等災害復旧事業等に必要な経費といたしまして、繰越額を生じておりますが、この二百三十三万六千六百二十五円というのは、次のページをお開きになっていただきますとおわかりの通り、直轄河川のうち、淀川、大和川における工事の繰り越しでございまして、一つは用地補償費の支払いが、登記事務が遅延したためおくれたことと、一つは資材等の運搬の関係で、請負業者が納期の時期をおくらしたために支払いがおくれた、そういうことが繰り越しを生じた原因になっております。  次は、魚津市の火災復興に伴う区画整理事業の補助金の繰越額でありますが、七百六十一万九千円は、この区画整理を行いますに必要な仮換地の原案が、現地の方における関係者の予想外の反対意見が多かったために換地決定がおくれた、そのために区画整理の費用のうち、街路その他物件移転費の支払いが予定の期限内にできなかったのが、この繰り越しの原因になっております。換地決定の行政行為も決定いたしまして、完成は、そこに書いてありますような見通しで工事が完成すると思います。  次は河川等及び都市災害復旧事業等に必要な経費の予備金支出のうち千七百六十万円の繰り越しを生じておりますが、これは災害復旧の土木事業補助金の事業の繰り越しでございまして、この千七百六十万円は、新潟県内における補助災害の繰り越しでございます。これは糸魚川外二十二カ所におきまして繰り越しを生じておりますが、これは積雪が平年になくたくさんありましたので、輸送、その他の関係で繰り越されたのがこの原因でございます。その他の府県における災害土木費の補助金は幾らも繰り越しはないのでございます。  以上、建設省関係の繰り越しを生じました費目の説明の概要でございます。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 次に農林省。

川戸孟紀農林大臣官房経理厚生課長

○政府委員(川戸孟紀君) まず三十年度の分でありますが、三十年度のこの調書の三枚目をごらん願います。三枚目に「農業施設災害復旧事業ならびに農業施設災害関連事業に必要な経費」、これが昭和三十年発生の農業施設災害復旧事業費の八千五百万余のうち、六百三十八万六千円繰り越されたのでありますが、これはここにありますように、北海道のタヨロマ、農野牛という地区における災害復旧でありまして、平年以上に積雪が多かったこと、融雪が意外に日中かったこと、こういうことのために工事が完成できなかった、そのために繰り越されたのでありますが、その後八月十五日に至って工事は完成しております。  それからその次には、漁港施設の災害復旧事業に必要な経費でありますが、予備費額一億一千三百余万のうち、二百四十七万三千五百六十円が繰り越されたわけでありますが、これは大分県の、ここに書いてあります三つの港につきましての復旧事業の繰り越しであります。これはここに記載してありますように、冬期間における風浪が突発的にしばしば起ったため、工事の施行個所が欠壊し、工事に手戻りが生じたこと、採取骨材等が流失した、こういうために工事が年度内に完成できなかった。しかしそれは五月の二十日には完成をいたしたわけであります。  それから三十一年度でございますが、三十一年度の第一ページでございます。「北海道冷害対策に必要な経費、」これの北海道冷害対策事業費五億一千万のうち、六百四十四万六千円が繰り越されたのでありますが、その内訳の耕地整備事業費補助六千百万円のうち、百二十四万六千円、小規模土地改良事業費補助一億八千九百万円のうち五百二十万円、この二つが繰り越されたのでありますが、五月二十日、六月一日には完成を見る予定でございます。この繰り越しました理由は、早期に多量の積雪があったために、道路の新設、改修、付帯工作物等の工事が不能に陥ったというふうなこと等が原因になっております。  以上でございます。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) では一応農林、建設省関係の説明は終りましたが、法務大臣お急ぎのようですから……。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 法務大臣にお伺いしますが、三十一年度の一般会計予備費の支出状況の中で、特に治安対策強化に必要な経費というものが総理府並びに法務省関係合せて一億円以上計上されているのですが、この予備費を便ってまで早急に治安を強化する、しかも大幅に対策を強化しなければならぬというそういう事情は、具体的にどういうような国内治安関係があったのかということを御説明を願いたいと思います。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 御承知の通り三十一年度におきまして、治安対策の経費として二千百八十万円ほど予備費から使用承認をいただいているわけであります。法務省といたしましては、御承知のように治安関係の機構として検察庁、入国管理局、公安調査庁等があるわけでありますが、各機関ともそれぞれ地方に組織がございまして、入国管理につきましても地方の入管の事務所があります。また公安調査庁におきましても地方の調査局がそれぞれあるわけで、かような全国的な治安の万全を期するための活動をいたしますためには、従来非常に必要な経費を極力切り詰められておりましたので、その万全を期するためにはさらに経費を必要とするというようなことから、予備費の使用承認を要求しておりましたところが、たまたま、昨年は鳩山内閣のもとにおきまして、各国との国交調整を進めようという段階になりまして、ソ連を初め、その他の諸国との、今まで国交を断絶しておりました方面との国交回復も行われるような運びになって参りました。その機会に警察庁の治安関係の経費とあわせて法務省の治安関係の経費の予備費から使用される――先ほど申しました金額について承認を受けましたような次第で、何かこれについて特段に治安を強化する必要があったのか、こういうお尋ねでございましたが、治安の状況はごらんの通り格別悪化はいたしておりませんので、具体的に治安の取締りの強化という面はさほど必要はないのでありますが、しかしながら、国内の治安全体について万全を期して参りまするためには、常に国内国外における一般情勢というものが把握されておらんければなりませんので、それらの所要の目的を達するのには、当初予算のみでは不十分であるということから予備費の使用要求をいたしておりました。先ほど申し上げましたような機会に予備費使用の承認が得られましたような次第で、さような次第でございますから、治安の取締りの問題と一般治安対策というものとは相当趣きが違いますので、法務省といたしましては、治安の取締りというよりは、治安の対策を充実していこうというような観点に立ちまして、この予備費の承認をいただいて、所要の経費に充当いたしましたようなことになっておる次第でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 ここは決算委員会ですから、私が聞きたいというのは、そういう必要があって一億何千万円という経費をお使いになったのかどうかということをお伺いするわけなんですが、この前の委員会では、何かソ連との国交回復もするようになった、外国人がたくさん入ってくるようになったのであるから、外国人の中には悪いことをやる者もだんだんふえてくるだろう。従って外国人の身辺も保護しなければならぬ。そういうような観点から一億何千万円という金を使って強化をする必要ができたのだという答弁もあり、あるいは衆議院の方の資料によりますというと、国交回復に従って日本共産党というもの、それから国際共産党というもの、こういうもののつながりから、共産党対策としてこういうものが必要になるというようなことが冒頭に書かれておるわけなんであります。これは見解の相違といえばそれまでなんですけれども、ソ連と国交回復して、ソ連と仲よくしようという、そういうやさきに、国交回復するとたんに、どうも国が危ないから、ソ連と国交回復すると危ないから、であるから治安対策を強化しなければならぬという格好で予備費を使っておる。早々の間にこういう対策を立てられる。こういうところも私はどうも割り切れぬものがあるわけであります。でありすから、この前も質問したと思うのですが、それでは日本共産党と国際共産党の関係、こういう面からしてこういう必要があるのだ、こういう対策が要るのだというお話であるならば、日本共産党と国際共産党との関係をどういう工合な状況で把握しておられるか、そういうことをやはり一応聞かしてもらわぬというと、果してこの一億何千万円というのが必要であるかないかということがわからないわけなんです。そういう点についてお考えを一応お聞かせ願いたいと思います。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 法務省の治安関係の経費を使用いたしております機構は、先ほど申し上げたように、大別して三つになりますが、それぞれその使命は必ずしも一致いたしておりません。ただいま御指摘になりました点は、主として公安調査庁の関係事項と存じますが、この二千四百万円のうち公安調査庁の経費として充当いたしましたものが約一千万円でございます。公安調査庁としてはごらんの通り、格別共産活動というものが強化されて、あるいは悪化しておらないというように私ども思います。しかしながら、日本の国が、御存じのように憲法によって自由主義を保障されておりますので、それと相反する国と国交を開きますれば、それによって影響を受ける面といいますか、まあ公安調査庁として考えますならば、破壊活動防止法によって託された使命を果しまするのには、共産党の直接取締りがどうということよりは、それによって生じまする一般情勢というものを国内のあらゆる資料に基き、あるいは国外のいろいろ出版物やその他の資料に基きまして実情を常に把握しておると、そうしなければ破壊活動防止法によって託された使命を満たすことができないというような事情になりますので、もちろん、日ソ間の国交調整は両国間の親善関係を意図しておるのでありますから、一方において日ソ間の親善関係を意図し、一方においてソ連の人たちが入ってきたから、それに対して取締り的の経費を使い活動をしようということよりは、むしろそれによって生じます、またそれに関連して衛星国との国交回復等が逐次行われまするについて、それによって生ずる一般情勢というものを常にしさいに検討をして参る必要等があると思うのであります。主としてこの一千万円は公安調査庁としてはそういう方面に使われておると思うのであります。で、入国管理などは今までも手不足でございまして、また経費も非常に不足で、入国管理事務というものは困難をいたしておったのでありますが、その機会に入国管理の方にも相当の経費を与えまして、そうして外国人の出入国もふえて参りますので、これに備えて必要な経費は充当いたし、また一般治安の関係といたしましては検察庁が担当しておるわけでありますが、近時犯罪はなかなか減少いたしません状況で、国内ではこれまで経済的にもだんだん安定の方向にきておりまする以上は、犯罪もなくなり、治安が確保されるように常に注意を払い、諸般の対策をとっていかなければなりませんので、それらに所要の経費としてこれらは充当されているように考えるのであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 ちょっと今の関連質問だけれども、法務大臣ちょっと言葉が今違ったのじゃないかと思うのだけれども、あなたの今のお話の中で、憲法で自由主義が保障されておると、自由主義ですか、自由主義が保障されているのですか、どういうことです。憲法に自由主義が保障されているというのは、どこにあるのです。今あなたのおっしゃったのは、そうじゃないでしょう。権利、人権を尊重されておるということを、あるいは思想、宗教、いかなるものについても自由であるということなんでしょう。自由主義ということじゃないでしょうな。    〔国務大臣中村梅吉君「さようです」と述ぶ〕 ちょっと言葉のことだけれども、今あなたお話しになったから、その点ちょっと重要な問題だと思いますから……。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 訂正いたしておきます。日本の憲法は御承知の通り思想、信教、結社等の自由を保障いたしております。私の申し上げました趣旨の中心は、主として破壊活動防止法にあったのでございますが、よけいなことをつけ加えましたものですから誤解を生じましたので……。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 大体御趣旨はわかりましたが、何かあなたのずっと御答弁の中から感じられることは、隣国のソ連と国交回復した。従って日本における共産活動がさらに活発化してくる、破壊的な活動が出てくる。あるいはこれに従って労働組合の勢力というようなものも相当活発になってくる。であるからこういうものを取り締らなければならぬから、こういうたくさんの経費を使って治安対策も強化するのだと、そういうように非常に強く聞えるのですが、最近のこの政府のおやりになっておる行動を見ましても、何かこの労働組合活動と、そういうものに対しまして相当強い力を加えておられるように考えられるのです。で、私はこの間うちから腑に落ちないのは、今まで相当そういう方面に対しましては所要の機構なりあるいは経費なりをもって十分おやりになっておったと思うのですが、何か一億何千万円、あなた今二千万円とおっしゃったのですが、それは法務省関係は二千万円、総理府関係は同じく治安対策強化に関する費用として九千万円計上されておる、計一億一千万円になるのですね。こういうようなたくさんな費用を使って、あえて治安対策という銘を打って、そうしてしかも、これを共産活動が活発になる、破壊活動が活発になるというようなことだけなんですか。私のお聞きしたいことは、それじゃ日本の共産党というものは、そういうような微候が出ておるのかどうか、あるいは国際共産党との関係云々ということも、あの衆議院の資料にあるのですが、そういうのは一体どういうような認識を持っておられるのかということなんですね。であるからこういう費用が要るのだ、こういうことを具体的にお伺いしたいと思ったのですが、もう一回念のためにその点についてお伺いいたします。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 私どもといたしましても、格別共産活動が悪化しておるというようには考えておりません。ただ問題は、今取締りについてというお話でありましたが、直接の取締りということよりは、治安全体の万全を期して参りますのには、その基礎となるべき一般情勢について常に知識を持ち、また関係官庁が十分の連絡を保つということが非常に必要でございまして、なるほど、総額として金額とすれば一億からになりますけれども、警察は非常に膨大な全国の組織がありますことは申すまでもございませんが、法務省といたしましても、検察庁、入管、調査庁、それぞれ地方に出先の機関を持っておりまして、ことに検察庁のごときは、非常に治安確保のためには全国についての責任を持っておる機関でございますので、従来から実は経費の不足を非常に感じておりましたようなわけで、従って所定経費――当初予算以外に予備費からの支出を実は要求しておりましたところが、そういうようなきっかけで政府部内としても、これは法務省に対して先ほど申し上げた金額の予備費使用承認になりましたような次第で、もちろん、これらの経費はそういったような、今申し上げたような方向に使用されて参っておりますような次第でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 最後に関連してお伺いしておきたいのですが、従来もややもすれば思想的な調査といいますか、そういうものを相当活発に行われておって、あるいは信書の秘密を侵されたり、あるいはそれに類したようなことによって人権が侵されておるという事実がたびたびあったわけなんです。で、今のお話によりますというと、いわゆる共産活動に対する警戒あるいは治安の対策という面からこういう膨大な費用を計上すれば、必然的に今後政府としてはやはり思想調査というような問題ですね、そういうようないわゆる人権に関するような問題が起ってくるのではないかという心配があるわけなんです。従って私がお伺いしておきたいことは、それに対する政府の、今後ソ連との国交回復した、あるいは日本共産党が云々ということに関連して、そういうものの取締りあるいは対策なり方針をどういう工合にお考えになっておりますか、どういうような方向をおとりになろうとするのか、この際、参考のためにお伺いしておきたいと思います。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 先刻来申し述べましたように、もちろん思想の自由は保障されておるのでありますが、思想それ自体について、どの人がどういう思想を持っておるかということで調査対象にすべきではないと思うのであります。ただ問題は、暴力による破壊活動を規制する破防法というものがありまして、主として今のお話は、公安調査庁に関係した事項であろうと思うのでありますが、公安調査庁といたしましては、この破防法によって託されておる使命を果すに、所要の動きというものは常に把握していなければなりませんので、その限度において十分行き過ぎのないように戒めつつ、公安調査庁の使命を達成するようにいたさなければならない、かように考えております。あるいは過去におきまして、若干の行き過ぎなり、あるいは間違いがあったかもしれませんが、そういうような点につきましては、今後私といたしましては十分に厳に戒めて、行き過ぎ等のないように注意をして参りたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 法務大臣にこの際お尋ねしておきたいのですが、この前、実はあなたが旅行中でおられなかったので、局長の方からちょっと聞いておったのですが、この治安対策の費用が非常に多いということもわかるのですが、いわゆる朝鮮人関係の問題について、実は密入国の問題もあるし、あるいは在日朝鮮人のまた向うへ行く場合の問題もあろうと思うのですが、そういった場合に、本来ならば、朝鮮人は日本とかなり古い交友ですから、相当日本自体としてもめんどうを見てやらなければならぬ場合が多いと思う。ところが現実には、終戦以後第三国人ということで、外人としての取り扱いのために、かなりその生活権を侵されておる人たちもあると思うのですね。思わざる悪いことをする者も出てくると思う、多くの中に。やはりある程度の食える生活権というものをやはり作ってやる、いずれは日本の国の場合には、世界の国と友好関係が開かれていく、国交を回復するというのが、日本の立場だと思う。そういう意味からいけば、きわめて残念なことは、朝鮮が南北に分れておるけれども、これはとにかく韓国であろうと北鮮であろうと、われわれができるだけ友好関係を深めていくという中に、私はたとえばそういう非常に生活に気の毒な人たち、こういう人たちのめんどうを見るのが、むしろそういう費用の中であってもいいじゃないか、そういう費用がかなり計算をされておるのじゃないか、こう考えるのですが、法務大臣、その点いかがですか。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 御承知の通り、講和条約発効後、朝鮮人も外国人ということになりましたので、外国人登録法に基いて登録し、登録をするのには指紋をとるというようなことで、若干朝鮮人で今までは日本人のつもりでいたのが、外国人扱いされることについて遺憾の感じを持つ向きは相当あろうかと思いますが、これも大体軌道に乗りまして、外国人登録につきましても、近来は大体協力をしていただけるような態勢になって参っております。なお法務省としては、これらの貧困者、生活困窮者に対してどういう手を打つという仕事を所管するところではありませんが、聞くところによりますと、生活保護法等につきましても、たとえば、日本の国籍がないのはもちろんでありますが、これらの朝鮮人に対しても、日本人とは全く差別のない待遇を現に政府としてはやっておるのでありまして、御指摘の点は、十分にこれは日本政府としても、また日本国民全体としても心すべき点であろうと思いますから、私どもとしても十分御趣意のような点につきましては留意して参りたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 非常に法務大臣の人柄のせいもあるし、りっぱな答弁だと思うのですが、要はいわゆる朝鮮人であるからということで犯罪人扱いされては非常に遺憾と思うのです。ところがともすると、やはりそういう考え方でいろいろな調査をされたり、あるいはまた事件の調べをするというようなことが往々にして多いのですね。その点非常に遺憾だと思う。それからそういう点、今の法務大臣のお話のように、やはり第三国人であろうと、とにかく日本人とは長いおつき合い、あるいは民族的なつながりということからいって、またどこの国とでも仲よくしていくという原則に立てば、やはり温情を持っていかなければならぬと思う。そういう点についてぜひお骨を折っていただきたいと思うのですが、いま一つは、これはもちろんあなたの所管ではないと思う。朝鮮人なるがゆえに教育についてまあ受けることができないという面がたくさんあるわけですね。だからこれは取締り担当のいわゆる所管の法務省としても、できるだけそういう場合にはその人たちの立場に立って、いわゆる文部省なり、またそういう学校の問題についてもやはりあっせんをしてやるぐらいの私は考え方があってもいいではないか、あるいはまた、特殊の朝鮮人学校を作っておるところもありますが、日本人の学校でもやはりそういう立場をとるというのが、ほんとうの平和主義なりあるいは自由主義の考え方じゃないかと思うのです。そういう面で法務大臣にできれば里親ぐらいになるつもりでやってもらいたいと思うのですが、その点いかがですか。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 実は具体的な事実で申しますというと、入国関係におきましては、朝鮮人で最近向うにおいては生活ができないとか、あるいは親類縁者が日本におりますという関係で密入国をする者が相当数御承知の通りあるわけでございます。密入国はもちろん連れ戻すのが原則でございますが、青少年でございまして、日本に来てどうしても日本の学校に入って勉学をしたいという熱意に燃えて密入国をしてきた、あるいは親なり縁者を頼ってそういう者が密入国して参りましたが、日本の学校においてどうしても勉学したいという意欲のある者につきましては、その者が高等学校なり大学なりに入学の実力を持っております場合には、入学さえできれば、密入国者でありましても、学校卒業までの間あたたかい気持で滞在を特別許可をするように、非常に最近ではできるだけそういう点については十分、外国人とは申しましても特殊の関係にある間柄でありますから、特に注意は十分払っておるつもりでおります。それが一つの事例でございますが、今後といえども、かつてからの縁故、及び将来といえども隣国にありますので、できるだけ日韓あるいは日鮮の親善関係はだんだんよくなっていくことをわれわれは望みたいことでありますから、十分注意して参りたいと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 二、三点お尋ねいたします。この予備費の必要な理由について、検察人事の予算に不足を生じたが、その原因は、当初考えた犯罪件数より非常に犯罪件数がふえて、約一〇%を越える事犯の増加である、こういうふうにいろいろなデータをちょうだいしておりますが、政治の貧困と犯罪件数の増加ということは、世界の歴史を見ても、これは切り離せない事実で、私どもは犯罪件数がふえることを望まない。従ってこの政治の貧困からこういう問題が起ってきたということは、お互いに政治の一端をあずかる者としてそういう認識が必要じゃないかと思うのですが、なかんずくお尋ねしたいことは、この事犯件数のデータによりますと、特に増加率の高いと思われるものは、道路交通法の違反であるように思われます。道路交通法違反の中には自動車の規則の違反等もありましょうし、あるいはその他最近の取締りのやり方、デモや何かの場合に、必要以上に道路交通法違反というようなことで引っぱっていくような事例が多いように思いますが、この二三・五二というパーセンテージの増加率は、どういう内容を持って、どんなふうに増加しているのか、この点を承わっておきたいのです。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) こまかい数字は追って必要がございましたら事務当局から答えさせるようにいたしますが、主として最近の刑事事件の件数が非常に多くなっておりますことは、交通事故による事犯が非常にふえておるわけでございます。一般刑事事案としても、統計を見ますと若干ふえております。それからもう一つ、治安確保のために非常に経費が検察関係でよけいかかりますというのは、現在の訴訟法のもとにおいてはなかなか凶悪犯罪その他の犯罪がありますと、昔のように適当に見当をつけて警察に留置して強引に取調べをするということは、昔のようにはできません。今では新刑事訴訟法のもとにおいてきわめて民主的に、そして合理的に捜査をしなければなりませんので、捜査に非常に手間をとるという点もお汲み取りをいただきたいと思うのであります。大体、刑事事件件数の非常にふえておりますのはほとんどが交通事故件数の増加に基くものだと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 交通事犯の増加は、やはり車両の増加とその他によるものと思われますが、これは大臣としてぜひ御注意も願わなければならないことですが、交通事犯をたくさんつかまえると、つかまえた者に対して何らかの報奨規定とかあるいはまた表彰規定というようなものが適用されておるのではないかという巷間のうわさがあるわけです。それで引っぱらなくてもいいような者までもやたらに引っぱって、そうして自分の成績を無理に上げようとするところに、言うところの職権乱用ではないかというような疑いを持たれるおそれのある行為が往々にして見られるわけですが、そういう報奨規定が逆に利用されるような結果としてこういうことが起っているのではないかという疑いを持っているわけですが、この疑いに対して大臣としてどういうふうに御答弁をいただけるでしょうか。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) この点は警察所管大臣からお答えを願う方が順序だと思いますが、せっかくのお尋ねでございますから、私の感じを申しますというと、交通違反というのが速度にせよ、その他にせよ、たくさんあるわけで、むしろこれを全部検挙したら大へんな件数になってしまう可能性も現在のところではございますので、おそらく警察としては周期的に、あるいは時間を定めて、あるいは一定のコンクールのようなものをやって、そうして啓蒙を十分にするという、啓蒙によって取締りの目的を果そうという趣旨でやっておるんではないか、そこでつかまった者から見ますと、ふだんは何でもないのにおれだけがつかまった、こういうような運の悪い人があって、そういうような非難が起ってくる向きがあるのではないかと思います。いずれにいたしましても、現在のように日本の狭い道路で、自動車が大量に発達をいたしました現在におきましては、交通道徳、交通に関する一般人の観念について、これは官民大いに協力をいたしまして啓蒙の道を講ずる必要がある、かように考えております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 あとの問題もあるようですから端折って、概略の点だけ大臣に御質問したいと思いますが、それは監獄法の改正の問題については長らく法務委員会としても問題であったように思いますが、当然監獄法の改正については予算を伴うものであるとも考えられますし、また法改正のためには暫定的な予算も組まなければならないが、法務大臣としては、明治以来施行されている監獄法についてどういうふうな考えをお持ちになるか、なかんずく改正という問題についてはどういう基本的な御方針をお持ちになっているかということが一つ。  もう一つの問題は、犯罪件数がふえた場合に、今日のその事犯者を収容する建物、入れもの、そういうものについては私は大きくなることを望まない、こういうものはできるだけ少くあった方がいい。しかし現実問題としてこういう事犯がふえて参りますと、収容されている被疑者というものが、非常に人権じゅうりんとまでは言いたくありませんけれども、それにひとしいような状態に置かれています。で模範的だといわれる府中のあそこの収容所でもまるでイワシを差し込んだように小さな狭いところに身動きもならないほど突っ込まれておる。これは明らかに、私に言わせれば、私は人権じゅうりんじゃないかとさえ思っている。または長野県等の非常に古い、設備の悪い施設になりますと、これはもうお話にならない。相当気をつけてはおられるようでありますが、中にはまた罪の疑いを持っているような方もああいうような状態に置かれてしまうのじゃないかということを考えますときに、これは容易ならざる問題じゃないか、こういうことを考えておりますので、監獄法の改正とともに現在の収容施設における人権じゅうりんにもひとしいような措置に対して、どういうような予算的措置を今後とられようとするか、単に事務的な予備費を使われたということだけではなく、これを起点にして将来の問題に対する大臣のお考えをこの際承わっておきたいと思います。

中村梅吉自由民主党法務大臣

○国務大臣(中村梅吉君) 監獄法の改正につきましては、私はぜひ明治時代に制定されたままの、しかも今日監獄などという名前は使っていないにもかかわらず、法律の名称だけが監獄法であるというようなことは許すべきことではないので、すみやかにこの改正を実行すべきであるという熱意を就任以来持っておるのでありますが、ただこれを、改正案の草案を策定するに当りまして、行刑関係を担当しております矯正局で立案したものは、非常な近代的な、何といいますか、教育刑主義を徹底するような立案に進んでおりますし、一面また事件を検挙する方の所管をいたしております刑事局からいいますと、そんなに教育刑主義だからといって何してしまったのでは、刑の目的を果さないというようなことで、なかなか議論の対立が実は省内にもございます。学者の間にももちろんあるわけでございますが、これらをできますことならば、国会等も終りまして、役所全体としての手のすきましたときに十分掘り下げた検討をして、すみやかに時代に即応する改正を進めて参りたいと、かように存じております。  それから今、刑務所における人権の問題について御指摘がございましたが、この点はお説の通り私としても行刑の施設を拡充していく方向には進みたくないという気持を持っております。できることならば司法保護の施設を十分充実をいたしまして、そして裁判所が安心して執行猶予にして保護に託することができる、あるいは行刑中の者をできるだけ早期に、安心の状態に達しておる者は安心して保護に託して出所することができる、こういう方向に進めて参りまして、保護を充実することによって、行刑の経費をできれば節減し、あるいは少くとも今のような人権じゅうりんに値するような今の状態を緩和いたしまして、行刑の円滑といいますか、全きを期するように進めて参りたいというような考え方を、大体大づかみに申しますと持っております。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) それじゃ速記をとめて。    〔速記中止〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 速記を入れて。  ただいままで質疑がありました予備費の関係につきましては、今日はこの程度にとどめて、次回に譲りたいと思いまするが、いかがでございましょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) それでは本日は、この程度にとどめたいと思います。   ―――――――――――――

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) では次に、  昭和三十年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十年度政府関係機関決算書  本日は、都道府県の会計経理に関する件、特に、福岡県の会計経理について政府の説明を聴取いたします。  速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 速記を起して下さい。  今日は、政府委員の出席を求めておったのでありますが、ほかの案件でもって出席ができないという事情がわかりましたので、(「けしからぬぞ」と呼ぶ者あり)本件につきましては、次回に説明を聞くということで、今日はこの問題については触れないで、散会いたしたいと思いますが、次回は、五月十四日火曜日午後一時から、昭和三十年度、三十一年度予備費及び国庫債務負担行為総調書の質疑、討論、採決を行います。次は太田川の河川改修工事に伴う補償金に関する件を審議する予定下あります。  これをもって委員会を散会いたします。    午後四時四十九分散会

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