決算委員会 第25号
- 発言数
- 157 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1957/04/15
会議録
○委員長(三浦義男君) ただいまから第二十五回決算委員会を開会いたします。 本日、伊能繁次郎君の辞任に伴いまして、谷口弥三郎君が補欠として選任されました。 —————————————
○委員長(三浦義男君) 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算 昭和三十年度特別会計歳入歳出決算 昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書 昭和三十年度政府関係機関決算書 を議題といたします。 本日は法務省の部を審議いたします。検査報告批難事項は、第四十九号から第五十七号までであります。 本件に関し御出席の方は、法務省松平政務次官、竹内経理部長、会計検査院の保岡第二局長の諸君であります。 まず、会計検査院から内容の説明をお願いいたします。
○説明員(保岡豊君) 五十七ページの法務省不当事項を説明いたします。 四十九より五十一は予算経理でありまして、四十九号は、大津地方法務局で、物品購入や修繕代を出したこととしたり、また売り払い代金を歳入に入れないで、合計約九十万円を捻出いたしまして、これを接待費などに使用したものであります。 次に、五十号は、神奈川少年院で物品購入につけ増しして接待費に出したり、実際と異なる証明をしたり、領置金として保管してある収容者の携有金、差し入れ金を流用していたもの。五十一号は、宮川医療少年院で、支出につけ増しし、売り払い金を納付しないで、勝手な費用に当てたり、また使えるのに被害米として廃棄したこととしたり、米麦の混合率を操作して、精米を浮かしまして、接待費などに当て、残りを持っていたものであります。 次に、五十二号は、ふとん綿を購入いたしまして、その検収の当を得ないものでありますが、契約に定められた規格のものが入っていないのに、そのまま支払ったものでありまして、現品を見ても化繊などの混入が認められるものですが、分析試験を行なった結果、下級品であることが判明いたしたものであります。 次の五十三号は、受電装置が不備のため電気料金を損したもので、電気供給規程によりまして、供給電力に対する有効電力の割合が八五%を基準として、これより上った場合基本料金が割引される、下った場合割増しされることになっておるのでありますか、これらの刑務所では五七%から八三%でほうっておいたために、毎月割増し料金を取られていたもので、不経済の支出であるというものであります。年間の損している料金以下でコンデンサーが設備することができまして、それによって毎年不経済支出をしないで済むというのであります。 次は不正行為でありますが、五万円以上のもので七件、約八百万円、刑事領置物の換価約二万円領得でありまして、そのうち五十万円以上のものは四件で、六十三ページに掲げてあります。 まず、五十四号は、神戸地方検察庁のもので、証拠品係などをしていた検察事務官が刑事領置物の換価代金や領置物を売却して領得したものであります。 五十五号は、倉敷の検察庁で収入官吏が、罰金や収入印紙などを領得したもの。 五十六号は、青森の検察庁で、歳入歳出外現金出納官吏が、勝手に小切手を振り出して預入金を引き出したり、換価代金を預け入れないで領得したものであります。 五十七号は、神戸入国管理事務所の出納員が、納付された手数料または仮放免保証金を領得したものであります。六十二ページの(注)のところに、五十万以下のものが伊万里と滝川、松山地方法務局の三崎出張所、三つございますが、伊万里と滝川は罰金科料等を、徴収係が収入官吏に引き継がないで領得したもの、三崎出張所の分は、登録税として納付された収入印紙をほしいままに領得したものであります。 以上であります。
○委員長(三浦義男君) 次に、法務省から概要の説明を願います。
○政府委員(松平勇雄君) 昭和三十年度決算検査の結果、会計検査院の批難を受けた事項は、経理紊乱三件、ふとん綿の検収不当一件、受電装置の不備一件、不正行為四件と相なっております。 法務省といたしましては、不正不当の経理に対して、従来特に意を注ぎ、これが改善と根絶に努めて参りましたが、なお法務局、少年院における不当経理、検察庁における不正行為が批難されておりますことは、まことに遺憾とするところでございます。この事故に対しましては、この発生原因を糾明いたしまして、それぞれ是正の方途を講じましたことはもちろんでありますが、さらに進んだ抜本的な防止対策についても十分な検討を加え、効果的な方法によって逐次実施いたしておるのでございます。特にここ二三年、事故の絶滅を期して、最善の努力を払って参ったのでありますが、期待に反して、三十年度においてはあたかも逆行するような結果を見るに至りましたことは、はなはだ意外とするところでございますとともに、重ね重ね残念に存ずる次第でございます。この際さらに思いを新たにいたしまして、一そうの努力を払って、事故の絶滅に邁進いたしたい所存でございます。何とぞ慎重御審議を賜わるよう特にお願い申し上げます。 なお、批難事項につきましては、経理部長より御説明をいたさせたいと存じます。
○政府委員(竹内壽平君) 批難事項に対しまする説明は、説明書にごく概略を記載してあるわけでございますが、もう少し詳細に補充して御説明をいたしたいと思います。 まず四十九でございますが、大津地方法務局関係、事実は会計検査院指摘の通りでございまして、まことに遺憾に存じます。この事実関係で大体昭和二十九年一月から三十一年二月までの間に行われた事項でございます。架空名儀、またはつけ増しの方法、あるいは物品購入費、修繕費等の予算から八十七万九千円余り不当経理が行われておるわけであります。それを二十八年、二十九年、三十年と各年度別に見ますると、二十八年が八千円、二十九年が四十三万、三十年度が約四十三万、こういうふうになっております。それから不用品の売り渡し代金の中から一万三千円を捻出しておるのであります。以上合計八十九万二千円になっております。これをどういうふうに経理したかと申しますると、この捻出いたしました金で交際費、接待費等に約五十万円、いろいろな会議費等に十一万七千円、物品の購入代金に二十四万円、現金で二万六千九百四円を保有していたのでありますが、この現金で保有しておりましたのは即時歳入に納付いたしておるのであります。 どうしてこういうことが起ってきたかと申しますると、ます会計法規の知識に未熟であったということが指摘できるかと思うのでございます。それから監督が不十分であった、それからまた第三には予算が不足しておった、特に法務局は御承知のように管内に支局、出張所を数多く持っております。また戸籍事務の監督等の仕事は、性質上市町村との交渉、連絡が多いのでございまして、実際問題としてそれらにそれ相当の交際費等を必要とするのでございますが、これが予算がきわめて窮屈であるという点が考えられるのでございます。そこで対策といたしまして、会計職員の訓練を実施いたしますとともに、監督者に対しましても注意を促しておるのでございます。また部外との交際につきましては、華美にわたらないように機会あるごとに注意を喚起しておるのでございます。それから問題のこの予算措置の点につきましては、極力改善に努めておるのでございまして、すでに三十一年度におきまして、会議費の配賦方法を改善いたしまして、特に必要がある庁に対しましては年間十万円程度まで配賦することといたしたのでございます。従来は平均が約三万円程度でございました。交際費に至りましては、平均しますと三千七百円程度であったのでございます。なお関係者に対しましては、それぞれ行政処分をいたしております。本件につきましては予算の科目を乱したという点において明らかに違法なる行為であるのでございまするが、これは財政法規に違反することはもちろんでありますけれども、さらに刑事法規に触れるようなことはないかという点もいろいろ検討いたしたのでございまするが、その点においては刑事法規に触れるというふうには見られませんので、その面の処置はとって、ないのでございます。これが四十九の案件でございます。 次に五十は、神奈川少年院の関係でございます。このやり方は、正当の支払い額につけ増しをしまして接待費等に使ったという点、会計検査院に事実と相違した計算証明をしているという点、収容者のこれは保管金でございますが、この収容者の携有金を他の費用に立てかえ使用したという、まことにいやらしい内容の不当経理でございます。第一の正当支払い額てつけ増しをしたという点につきましては、これをあるいは落成式の費用に充てたり、来客の接待費に充てたり、旅費、庁用の物品購入等に充てて使用しております。計算証明を偽わって出しているという点でございますが、これはまことにけしからぬ行為でございますけれども、実は内容をよく調べてみますると、これによって金を浮かした事実はほとんどないようでございます。要するに無理に現金取引をしたいためにかような措置に出たのでございまして、証明上の購入先と実際の購入先と異なっておりますが、これは僻遠の地にありますために、業者から現金でもらいたい、現金取引をしたいといったようなことからこういうような違った、偽造といいますか、無形偽造でありますが、こういうような計算証明書を作って会計検査院に送付しているということが明らかになったのでございます。それから収容者の預かり金を一時立てかえ使用しました点は、あるいは電灯料にあるいは郵便切手、あるいは電車や自動車賃等に使ったのでございます。で、このような不当経理がどうして起ったかと申しますと、予算がわずかであるにかかわらず、早急に施設の整備をしようといたした、また会計職員が事務に未熟でありまして、成規の手続を経ずに処理をしていた。それから先ほども申したように、へんぴなところに開設されましたために、商人が現金取引でないと取引に応じない傾向にありましたので、軽率にも立てかえ使用とかあるいは架空経理とかいったような処理をいたしたようでございます。関係者につきましては、あるいは退職その他の処置をとられておりますが、なお最終的には懲戒処分は未定になっておりますが、大体近く処分が決定される予定であります。今後の対策としまして、関係者を交代させて、監督を厳重に行う必要があるわけでございます。会計法規に習熟さして、成規の手続によらしめるようにいたしたいと思っております。それから予算の執行につきましても、もう少し指導監督を強化する必要があろうかというふうに考えておるのでございます。 次に五十一番の宮川医療少年院の関係でございますが、ここにおきましてもまた神奈川の場合と大体同様なやり方でございまして、架空の名義で、あるいは正当支払額につけ増しをしまして金を浮かした、あるいは不用物品の売り払い代を歳入に納付の手続をしないで保管しておる、あるいは収容者の主食用の精米を台風による被害によって廃棄したことにして、あるいはまた米と麦との混合比率を繰作いたしまして、お米を浮かして、それを接待用等に使っていたというのでございます。物品購入代金の六千円余りでございますが、これは中身を調べてみますると、多少同情すべき点もないでもないのでございまして、特殊面接委員というのがありますが、この委員の会議をしたことにして金を浮かせまして、それを特殊面接委員の謝金として払っておるのでございます。また収容者の副食用の牛乳でございますが、これの単価を十二円で約束して購入しておったところが、その後十円に値下げを受けましたので、結局千二十円余り余ってきたわけで、これを戻入手続をしないで保管をしてけるというような事実、これはもう三十一年度七月中に歳入に納付させております。あるいは物件の修繕代、これも金額にしますと四千円余りのものでございますが、これは洗濯機を購入をいたしましたが、これを使いますには給排水の工事を実施しなければならぬ。ところがそういう経費がありませんので、レントゲンの部品の修理といったような名目で二万円余りを支出いたしまして、実際にはこの洗濯機のモーターの配線工事をさせ、給排水の水道工事をさせたのでございまして、結局残りの四千円ばかり持っておったのでございますが、これはいずれも定額戻入をさせ、工事の方は新たに正当科目から支出をいたしてケリをつけております。護送旅費の関係におきましても、架空の出張つけ増しをしておりますが、これは行政旅費に使用しておるのでございまして、残って残額になっております一万五千円余りが、これは保管しておったのでございますが、これもいずれもそれぞれ処置をつけております。宿日直手当の三万八千円余り、これを浮かしましたのでありますが、会計検査が行われますというので、昨年七月に追給分として支給しておったことがわかりました。それぞれ各自から回収いたしまして歳入へ納付いたしております。その他、常勤労務者に支給する宿日直手当を水増しして、これを退職者に記念品として万年筆を買ってやり、その残りの金を持っておったという事実もございますが、これも回収して、それぞれ歳入に納付いたしております。まあこまかい点はともかくといたしまして、いずれもそれぞれ適当に処置をいたしておるのであります。 で、この原因でございますが、ここの院長は、医療少年院でございますので、お医者さんでございます。それで行政事務と申しますか、管理業務には経験がありませんために、監督が十分行われなかったというふうに思われますし、また職員間の融和に欠けておりまして、どうも事務運営が円滑に行われなかった。また会計職員が少数でいわゆる、内部牽制の実が上っていなかった。また、会計職員は関係法規に未熟でありまして、適当に自分勝手に処理しておったというような事実が認められます。職員につきましては、関係者につきましては、行政処分は未定になっておりますが、資金前渡官吏でありました中島清水は、昨年十二月退官になっております。まあ結局この問題の対策としましては、根本的には官紀の弛緩と申すほかないのでございまして、私どもとしましては、大いに指導監督、内部監査を強化しまして、再びかようなことの起らないように処理いたしたいと考えております。 次に五十二番のふとん綿の検収当を得ないものでございますが、本件はただいま問題の綿の一部を全国の刑務所から回収いたしまして、会計検査院指摘のように下級品であるかどうかということにつきまして、さらに分析試験等の事実の詳細を調査中でございます。で、本件の納入品が五百四十万も価格に開きのある下級品であるというふうに批難をされました根拠は、大阪工業研究所の分析試験の結果に基くものであります。大阪工業研究所で試験が行われましたのは、豊多摩刑務所その他六庁分の一部についてでございますが、その結果に基きまして、全国百二十四カ庁の分全部が同様に下級品であるというような推定を受けた結果、右のように五百四十万という損害という数字が出てくるのでございます。で、この試験の結果のうちで下級品であるということを決定的にしたものは、原綿の産地がパキスタンであるというふうに判断されたことにあると思うのでございます。で、法務省としましては、さっそく全国各施設から問題の綿の一部を回収いたしまして、ただいま通産省の管轄下にあります工業技術院繊維工業試験所に試験を依頼しておるのでございます。で、しきりに督促もいたしておりますし、さらに当委員会の御審議に問に合せたいと思いまして、お願いをしました項目を圧縮いたしましてお願いをしておったのでございますが、今まで回答を得るに至っておらないのでございます。 一方、この綿を納入いたしました三菱商事に対しましては、調査の結果、会計検査院の指摘の通り下級品であるということが判明した場合は損害賠償を請求することがある旨を通知をいたしております。また、大阪工業研究所の試験につきましても、調査の結果、同所が原綿の産地はパキスタンであるという判定をしたことは、下級品であるゾーダ綿だけであるというのではなくして、上級品であるオムラ綿をも含めた広義のものである。すなわち、試験の結果の報告書に不正確な表現がなされたものであるというような回答を業者に対して出しておりますので、パキスタンという表現だけからオムラ綿八〇%というものを含めないのだという結論は、この点においてはいささか疑問になってきておるのが現状でございます。 問題点をもう少し詳しく申し上げますと、検収の方法でございますが、もともと綿の検査は大へん困難なものとされておるのでございまして、それはいまだに一般に品質について決定的な基準が確立されていないためでございます。次に、ふとん綿における製品につきまして、科学的な試験をどうやってやるかという点でございますが、繊維試験所等で現在まで調査したところでは、繊維の長さや繊維の太さなどについてはできるけれども、原綿の産地やその混合比率等は判定することがほとんど不可能であるということでございます。大阪工業研究所においても混綿率を判定することはできないというふうに答えておるのでございます。また産地につきましても、インドと特に区別してパキスタンとしたことについては疑問があるように考えられるのでございます。従いまして検収の方法がなかなかむずかしいということが第一点申し上げなければならないと思います。それから注文の仕方でございますが、検収がむずかしいということになりますると、注文の際に綿の規格や品質として原綿の混合割合を示すという本件のような方法をとった場合は、結局手ざわりとかいうような外観の、経験的な外観による検査ということに頼らざるを得ないのでございます。で、会計検査院が指摘されているように、そういう非科学的な方法でやるということは穏当でないということになりまして、検収の正確を期するためには、このような混合率を示す発注の仕方はまずいのでございまして、この点をあらかじめ工夫しておく必要があるかと考えるのでございます。それから第三といたしまして、化繊、スフなどの混入の点でございますが、果して大阪工業研究所が指摘しておりますように、混入を認めない契約内容になっているスフが入っておったかどうかということの点でございます。これは試験の結果わかるはずでございますが、この詳細は今の試験の結果がわかりさえすれば問題は解決するのでございますが、三菱商事の方では意識的に混入したことはないと強く主張いたしております。もし万一入っておったというようなことがあれば、それは風水害の影響などで作業が民間のと法務省発注のものとが同一機械を使って、混乱して仕事を大急ぎでした際であったので、機械等に付着しておったごく少量のものがあるいはまじっておるかもしれぬという程度であるはずだというふうに強く主張いたしております。 そこで私どもといたしましては、検収の容易なように発注する必要があると思うのでございます。そのためには、混綿しないで、原綿を一種に限ること、あわせて見本の品質に重点を置いて発注する方法等を考えて参りたいと思っております。現に三十一年度におきましては、ゾーダ綿一〇〇%として発注をいたしております。また要すれば原綿についての取引証明を徴するなどの処置を講じまして、確実を期して参りたいと思っております。しかしながら、翻って考えて参りますると、ふとん綿としての利用価値や価格の点から見ますると、原綿にスフ等の化繊を混入した方が、それぞれの短所を補いまして、長所を生かすということになって、商品としては有利な場合もありますので、安易な方法のみを選ばないで、今後はこの方面の研究を続けて確実な検収ができるように処置いたしたいと思うのでございまして、予算の効果的な使用につきましては、とくと留意をいたして参りたいと思っております。関係者といたしましては、監督者として私並びに管理課長がおります。実行者は私の部の職員と福岡刑務所の用度課長でございますが、この事実関係が明確になりましたならば、十分その責任を負いたい、かように考えておるのでございます。 次に五十三の受電装置が不備なため電気料金を多額に支払っているものでございますが、これは先ほども会計検査院から御説明ありましたように、コンデンサーを早く設けさえすれば直ちに不当にたくさん払わなくても済むじゃないか、そうして節約ができるという点でございまして、これはもう御指摘の通りでございます。今までこういうものがわずかな金額でありますのにもたもたしておりましたことを、むしろ意外とするところでございまして、さっそく指摘を受けました庁はもちろん、その他の庁につきましても、力率の下っております庁を調査いたしまして、全部について予算を配賦いたしまして、昨年度内に全部改善の措置を完成しております。なお、今後力率の保持につきましては一そう注意いたしまして、不経済の支出にならないように留意をいたしたいと考えております。 最後に不正行為でございます。先ほど政務次官から御説明申し上げましたように、人の非違を糾弾する検察庁部内において、その職員がまた不正行為をするというようなことは、不正の大小にかかわらず、はなはだ遺憾なことでございまして、実は検察庁から不正を追放したいという熱願に燃えまして、鋭意対策を講じてきたのでございまするが、ここ数年来、減少の一途をたどっておりましたのに、われわれが一生懸命でこの方面に手を尽しております矢先、三十年度におきましては、まことに意外にも、むしろ件数がふえて参ったことは、まことに申しわけないのでございます。ことに五十四番の神・戸地検の例を見ますると、金額も多うございますし、内容自体、あまり憫諒すべきものがないのでございまして、この点重ね重ね申しわけないことでございます。事実はここに記載してある通りでございます。国損額は二千六百万余りでございまして、そのうち約半額が補てん済みになっております。で、本人は昨年三月、懲戒免職になっておりますとともに、刑事処分訴追を受けまして、目下公判係続中でございます。で、この事案を見まして、さしあたりとりました防止対策を申し上げますと、執務規程と関係手続の制定、文章の発送に伴う各種の取扱令の改正を断行いたしました。それから不良職員の配置がえ、再教育という問題を実行いたしました。それから事務監査の徹底、特に部下職員に対する監督を厳にいたしております。それから庁外保管証拠品に対する受入手続が不十分でありましたために、この点の是正に努めております。庁外保管の押収物の取扱いにつきましては、実は刑事局長と私の連名で通牒も出しておった矢先であったのでございます。こういう点につきまして、それぞれ改善の処置をとりあえずとっておるのでございます。 なお、この関係につきましては、被告の平野は、多少変質的な性格の者でございまして、取調中にも、犯罪の内容を進んで自供するというような態度を見せませんで、公判にいったならば、いろいろばらしてやるというようなことをまあ申しておるのでございます。で、数回公判が進行しておりますが、いまだそのばらしてくれるという段階になっておらないようでございます。そんな関係もございまして、監督責任者の審査もおくれておりますが、大体私どもの方でわかっております事実内容に基きまして、近く最終的に決定される予定でございます。 次に、岡山地検の倉敷支部の関係でございますが、これも批難事項記載の通りでございまして、まことに申しわけないことでございます。本件の犯罪の動機を見ますると、内藤某はパチンコが非常に好きで、地方の新聞にも、パチンコの名人というようなことで新聞に載ったこともあるということでございます。先生が非常にとんでもない新聞記事が出たといっておられたのを記憶しておりますが、そういうふうで、パチンコ屋に足しげく通っておりますうちに、業者といろいろなじみになりまして、逆に業者の方から、営業資金を二十万円ばかり融通してほしいという墾請を受けまして、それで自分の扱っております徴収金、罰金、科料等の金でございますが、そういう金に手をつけたのが動機となりまして、遊興費捻出のために、逐次横領の額が重なっていったのでございます。国損金は二百万円余りになっておりますが、いまだに弁償ができておらないのでございます。刑事訴追を受けております。これは結局支部のできごとでございまして、職員の教養の問題、あるいは内部監査の問題、適当な時期に職員を配置がえをするといったようなことをしなかった手落ちが認められるのでございまして、それぞれすでに配置がえ等を行なっております。なお、関係者につきましては、行政処分をいたしております。 それから五十六の青森地検、同区検の横領事件でございます。犯罪者の花田某は、監査の当日自殺をしております。犯罪の動機になりましたのは、結局監督が不行き届きで、花田氏の私生活、その他不当な遊びにつきまして、上司や同僚が十分わかっていなかったというようなことから金額がふえていったことが認められるのでございます。国損金は二百十七万円余りでございまして、そのうち、わずか八万八千円余り補てんされておるにすぎないのでございます。それぞれ必要な改善措置、防止対策を講じております。 それから五十七の神戸入管の事件でございますが、犯罪の動機になりましたのは、本人吉成某が、現金出納の事務をとっておったのでございますけれども、その事務を、一切本人にまかされ放しになっておったということと、会計職員として、ほんとうに事務をとる者がほかにいなかったというようなこと、そういうことが犯罪を容易ならしめた事情になっております。国損金は百五十三万円余りでございまして、そのうち、わずか三千円が補てんされておるにすぎないのでございます。刑事処分を受けております。これの取りあえずの措置としましては、本人を上司が過信いたしまして、出納管理の、善良な管理者としての注意を怠っておったことがおもな原因となっております点にかんがみまして、監督を厳重にするということをまず第一の対策にいたしております。さらに職員の教養、訓練、会計職員の増員といったようなことがそれぞれ当面の問題として手当をされております。 以上が本件に関するあらましの補充の御説明でございます。御質疑によりまして、なお詳細お答え申し上げたいと思います。
○委員長(三浦義男君) 以上をもって説明は終りました。 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○相澤重明君 ちょっとこの機会にお尋ねをしておきたいのですが、神戸のこの入国管理事務所の不正の問題があるわけですが、この問題だけでなくて、全般的な問題について一つお尋ねをしたいと思うのですが、特にこの在日朝鮮人の入国管理の取扱い方について政府は今どういうふうな方針をとつておるか、お尋ねしたいと思うのです。御承知のように、在日朝鮮人の諸君は、戦前はほとんど日本人と同等の態度において、ましてやこの戦争中はずいぶん日本軍にも協力をして、あるいは中には非常に苦しい目に会っている人たちも多かったろうと思うのです。在日朝鮮人六十万と言われておるわけです。しかもその中で日本の婦人と結婚されておる人が、まあいわゆる日本婦人、が五万人から在日朝鮮人の妻になっておるということも言われておるわけですね。あるいはそれらの多くの子息、子弟の方方もいると思うのです。こういういわゆる日本人とほとんど変らない、まあ今日までの生活様式なり、あるいは姻戚関係を持っておった人たちに対して、入国管理庁の取扱い方がどういうふうになっておるかということを、最初全般的な問題でけっこうですからお尋ねしたいと思うのです。 それからいま一つは、指紋の問題が出されておったと思うのでありますが、これは単に外国を旅行するというものであるときには、これは別でありますが、今申し上げたように、ほとんど日本人と変らない、長い間日本におって、むしろ日本の国籍を持っておったような人たちまで、戦争によって外国人という名称になってきておる。こういう人たちにまでも指紋を強要をするというようなことが一時伝えられたのでありますが、こういう点についてはどういうふうに今取り扱っておるのか。 それから第三点としては、いわゆる夫が朝鮮人であって、妻が日本人の場合ですね、その子供の籍がどういうふうになるのか。本来ならば当然主人の方に行く。これが朝鮮の場合に北なり南なり、それぞれ今の場合分れておりますから、なると思うのですが、おそらく本籍関係としてはなかなかこれは謄本をとるのは困難な状況ではないか。そういうような場合に、もし国籍あるいはそれらの人の戸籍上の問題で、それらの人の子息というものが学校の教育を受けることができない、こういうような場合においては、いわゆる教育の機会均等・あるいは国際的な、人類の希望する問題について、これが受けることができないようになってしまう。従って教育というものについて在日朝鮮人の諸君に対してどういういわゆる方針というものをとっておるのか。 以上の三点についてとりあえずお答え願いたいと思います。
○政府委員(竹内壽平君) 所管が違いますので、入管当局からお答えを申し上げなければならないと思いますが、ただいまここへ出席いたしておりません。私ども経理の関係で、予算等も扱っておりますので、その面から承知いたしておりますことをお答えいたしたいと思いますが、在日朝鮮人の取扱いにつきましては、善良な朝鮮人につきましては、日本人として帰化するということの希望につきまして、大幅にこれを認めていこうというような考え方をいたしております。 なおこの指紋の点でございますけれども、これは現在朝鮮人は外国人でございますので、登録票の切りかえのときには、指紋の規定によりまして、これは指紋をとらなければならぬということに相なっておるのでございます。 教育の点につきましては、ちょっと私どうしてもお答えできませんので、失礼させていただきます。
○相澤重明君 次にお尋ねしたいのは、たとえば在日朝鮮人、いわゆる外国人としての登録を受けた者でも、いわゆる本人の希望によっては、朝鮮に帰る、あるいはまた在日期間を延長してもらいたい、こういう希望があると思うのです。そういう者については本人の申告に基いてそういう手続をとるのか、あるいは法務省が、全部に対して一応の方針というものを持って、そしてそういう中から、今あなたのおっしゃる、特にこの人はいい、あるいはこの人は悪いと、こういうようなことを仕分けをするのか、こういう点についてお答えを願いたいと思います。
○政府委員(竹内壽平君) 帰化の希望につきましては、むろん希望に基いて審査をするというふうに扱っております。戦前から日本におります朝鮮人で、日本にとどまるように許可を受けております者が大部分だと思いますが、そういう人たちが朝鮮に帰りたいという場合には、これまた希望によって帰ることになるわけでございます。ただまあ入管関係の規定によりまして、戦前から日本におります者であっても、犯罪を犯して、ある程度の刑以上に処せられました者につきましては、強制退去の対象になるわけでございます。これは本人の意思によらないが、本国へ送還をさせられるのでございます。それから終戦後密入国をしてきた者につきましては、これはもう当然本人の意思にかかわらず、送還をさせられるということになるわけでございます。日韓会談が未決の状態にございますので、そういう人たちは大村収容所に収容されておりますけれども、これまた仮放免という制度がありまして、一時釈放されて内地に……、あるいは自費出国という形で、自分の経費で出国したいという場合には、手続としましては仮放免という手続を経て、自費出国の方法も許されておるやに聞いております。
○相澤重明君 ただいまの御答弁ですと、在日朝鮮人の諸君の中で、ことに犯罪を犯した者については強制帰国を命ずるという点だと思うのです。これらは犯罪の内容にもよるだろうし、あるいはその動機もまあ非常に大きな問題になると思うのですが、おそらく日本人でさえなかなか職業が今取れない現状において、ましてやこの第三国人という中では、おそらく朝鮮人の諸君も生活は非常に苦しいのじゃないか。そういう中で適正な生活の指導とか援護とかということが行われておれば、私はやはりこの犯罪というものも少くなる。特に政府側が考えられるような、重大なる犯罪をおかすという人は少いのじゃないかと、こう思うのです。その点の考え方もお聞きしたいと思うのです。 それからいま一つは、たとえば本人は朝鮮に帰りたい。しかしこれはなかなか日韓会談なり、北鮮との交渉が今妥結をしておらないので、なかなか帰すことができないというのが、実際には日本政府の立場じゃないかと思うのですが、こういう点について李承晩なりあるいは金日成首相と、それぞれの国の首脳部と……政府の考え方は、どういうふうな今交渉を持っておるか、こういうこともお尋ねをしたいのですが、これは特に外務大臣の所管になりましょうから、入国管理庁の限界内で私はけっこうだと思うのです。 それから次に、密入国という一つのまあ法があるわけですが、この中にも、私は先ほど申し上げたように、非常に密入国として扱うにはあまりにも気の毒な人があるのじゃないか、ということは、ちょうど日本に国籍は持っておったけれども、戦争後、朝鮮に行きたいというので行ってしまった。ところが朝鮮に行ってみるというと、現実はああいうふうな社会になっておるから、またもとのおった日本に来たい、こういってもなかなかいわゆる日本に渡ることを許してくれないから、あるいは日本から許可を出してくれないから、結局は密入国をせざるを得ないという一つのケースもあると思うのです。いま一つは、子供のような場合に、日本で生まれて、そうして朝鮮が本籍だということで朝鮮に帰ったけれども、また学校なんかに上る場合には日本の本がいいというので、子供が親をたよって日本に来るという場合もある、こういう場合もやはり密入国には違いない。だけれども、事実は決してそういういわゆる法律であくまでも拘束しなければならぬというほどの私は性格のものじゃいのじゃないか。もっと法というものを温情ある、しかも人間性を持った理解をするならば、これらの点についてもかなりあたたかい手が差し伸べられることになるのじゃないか、こう思うのですが、こういうような点について法務省としてはどういうふうにお考えになっておるか、お答えいただきたいと思うのです。
○政府委員(竹内壽平君) 最初にお尋ねの点は、これは政府としての大きな入管行政の基本方針に関する問題だと思いますし、お尋ねの趣旨を入管局長に私取り次ぎまして、適当な機会に入管局長から御答弁を願うようにいたしたいと思います。 あとの密入国のいろいろなニュアンスがあることは御指摘の通りでございまして、私どもが予算の角度からその運用を見ておりますと、学生の場合とか、あるいは今御指摘のように、日本で生まれてちょっと朝鮮に行ったが、向うにいにくくなって再び生まれた故郷へ帰ってきたというような関係とか、その他気の毒な事情もあるわけでございます。それらにつきましては、今の滞在期間を延ばすとか、その他仮放免をするとか、仮放免した場合に、食えなくなる、すぐ犯罪を犯すというようなことにならないように、一種の保護のような仕事もやっておりますし、相当弾力性のある運用をいたしておるように承知しております。
○相澤重明君 最後に、これで私のこの問題を終りますが、特にこの在日朝鮮人の諸君が、たとえば今言われる仮放免といいますか、日本に密入国してきた場合に、仮放免する場合の身元保証金の積み立てがあると思うのです。これはいわゆる入国管理庁でその現金なりあるいは小切手を扱うと思うのですね。そういう場合に、たくさんの現金が手元にあるというと、どうしてもよほど機構の面なりあるいは職員の、先ほどあなたがいろいろ御説明になったように、監督が強化をされないというと、やはり問題が起ることになると思うのです。それが一つと、いま一つは、たとえば仮放免をする場合に、その保証金を積む場合、その人のいわゆる生活能力というものを考えてやらないと、かえって仏作って魂を入れないことになってしまうのじゃないか、こう思うのですが、たとえば今仮釈放する場合にどのくらいのいわゆる保釈金というものを法務省としては基準に考えておいでになるのか、この点をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(竹内壽平君) 神戸入国管理事務所の例は保証金も若干ありますが、主として手数料の横領でございましたが、今の保証金につきましては、なるほど御指摘のように、人によりましては多額の金を押しつけてもできない場合があるのでございます。昨年でございましたか、一部管理令の改正をいたしまして、現金を積まなくても、保証書によってもいいというような方向に切りかえたのでございます。さて、現実のケースによってまた保証金の額も違うかもしれぬと思いますが、ちょっと私お答えいたしかねるのであります。
○相澤重明君 それでは最後に、非常に入国管理庁もよく在日朝鮮人諸君のそういう問題についてはめんどうをみておるようでございます。しかし、私どもとしては、一番先に申し上げたように、従来の日本のあり方から申し上げまして、在日朝鮮人諸君をできるだけあたたかい目をもって迎えてやり、あるいは生活の面についても、教育の面についても、やはり援助の手を差し伸べてやるのが正しいと思うのです。そうして、たとえば密入国というような事犯になった場合でも、その本人の事情というものをやはりよく聞いて、そうして将来国交回復等が行われる場合に、反感情をお互いに持たないで、友好的な中にこれの解決のできるような努力をしてやってほしいと思います。これは非常によく言われておりますけれども、なお一つそういう点については善処をしていただきたい。それでこの保釈金等を出す場合に、保釈金を出すためにその人の生活がさらに苦境に陥ってしまうというようなことのないように、政府は特に努力をしていただきたい。このことをもって私の質問は終ります。
○大竹平八郎君 私は指摘事案のうちの五十二号の件につきまして、まず会計検査院にお尋ねをいたしたいのですが、ただいま法務省からこの問題につきましていろいろお話がございました。ということは、あなたの方がお扱いになりました大阪市立工業研究所、この結果がこの事項に出ておるようでありますが、今のお話を法務省から聞いてみまするというと、他の試験所においても調査中だということで、これは全部が確認を必ずしもせられていない事案であろうとこう考えるのでありますが、よく本委員会で問題になりますことは、会計検査院の査定の問題でありますが、査定と当事者との懸隔、たとえばこの前の大蔵省の管財局関係にいたしましても、五、六千円の土地が千円もあなたの方と大蔵省が違っておるというような査定の問題が出たのです。何がゆえに大阪市立工業研究所にあなたの方がこの分析試験をやられたか。他に通産省あたりを通して、ほかにたくさん試験所があるのじゃないかと思うのであります、が、あるいはここでなければこういう試験というものは絶対できないものかどうか、その点をまず伺いたいと思います。
○説明員(保岡豊君) まず、この納入されましたふとん綿を会計実地検査の場合に、神戸と大阪の刑務所で見たのであります。そのときに見本品と現品とが違っているということが、しろうとが見てもはっきりわかったわけです。それで混入してはならない化繊も……その見本品を私は実際見たのでございますけれども、私が見ましても手ざわりなどが違いますし、それから化繊を含んでおります、現品は。それですから一応仕様書通りのものが入っていないということを確認したわけでございます。そこで、ただそれだけではどのくらいの下級品であるかということがわかりませんので、神戸と大阪でありますので、近くの試験所へ頼んだ、こういうわけでございます。それで、先ほどおっしゃいましたように、ほかの通産省関係の試験所もございます。ございますけれども、そこにはわれわれの方では頼んでおりません。それと申しますのは、この検査報告をまとめるのに少し時間がなかったのでありますが、おっしゃいますように方々の研究所にまんべんなく頼めばよろしいのでございますが、この試験所だけでこのゾーダ綿であるということをしたのは、その点については、ゾーダ綿であるということはこの試験所だけでの結果でございますから、それをほかのあれも見た方がいいということはなるほどそうだと私今存じております。だけれども、入ったものが見本品なりこの仕様書なり、規格なりに違っておることは確かでございます。そこで私の方でまた神戸、大阪以外の刑務所からもとりまして、それをやはり前からの関係で大阪のこの試験所にやりまして、その結果の報告をとったわけでございます。ですから六刑務所ぐらいの見本品、少年院の方も一カ所、それでこの報告といたしたわけでございます。
○大竹平八郎君 法務省にお尋ねいたしますが、この報告を見ますというと、まあ契約で定められた規格はオムラ綿——オムラ綿は私はこれはインド綿のことだと思いますが、オムラ綿級以上を八〇%及びゾーダーこれはパキスタンでしょうが、これを二〇%とまあこうあるんですが、会計検査院の大阪市立工業研究所において分析をした結果というものは、全くこれは逆になっておる。従って、ことにこのインド綿あたりはもうほとんど見られないとまではっきり出ておるのでありますが、こういうはっきりしたことに対しまして、あなたの方がさらにまた試験をせられるというその状況はどういうわけなんでしょうか。
○政府委員(竹内壽平君) この検収の際にですね、福岡の刑務所の方から品物を持ち込まれたので、これが見本と一致しておるかどうか検査する方法はないかということで、私の方へ持ち込まれて参りまして、で、その当時その二つの製品を、先ほど申しました、これは通産省の所管の横浜にございます工業技術院繊維工業試験所というのに持って参りまして分析試験を依頼したことがあるわけでございます。それで、ところがまあ製品となった綿の原産地の鑑別とか、原綿の混合割合等の分析はまあ不可能であるという意見をその当時聞いたのでございます。そこでそれではまあ従来そういう科学試験の方法がなかったとすれば、従来の経験によってまあ外観検査をするほかはないということになりまして、見本と納入されました製品とを比較してみるわけでございます。ところが百二十七庁も配付されましたところがあるわけでございます。そこでその見本と製品とを受け入れの際に皆比較をしておるのでございますが、どこからもまあ見本と著しく違うと、全く違うものじゃないかといったような質疑は参っておらないのでございます。もちろん、その中で二カ所ありました。一つは、少年院の方が上等な綿をやるわけでございますが、少年院の見本を刑務所の方へ回していきまして、製品が違うということで質疑がありまして、だんだん調べましたところが、送る見本が違っておったということ、がわかりましたので、これも解決……後に刑務所用の見本を見せられて、それと比較した結果、まあよかったということになってケリがついております。それからもう一つは、その色が少し悪いということで、これは受けたものかどうかという質疑がございましたが、これはまあいろいろ研究しました結果、色だけでもって品質を云々することはできぬということで、色の多少悪いのは同一品とみなして受け入れることにいたしました。で、その二点を除きましては、どの役所からも見本と違うというクレームは出ておらないのでございます。 そういう関係からしてまあこの批難を受けたわけでございますが、私の方としましては、もしもこの批難が事実その通りであるならば、私の方としては業者に対しまして損害賠償の請求をしなければならない問題であり、損害賠償の請求をするということになりますと、これは司法処分であります。従って裁判所へ出します関係上、推定によりまして、七つの庁で百二十七を推定するというようなことはできませんので、各庁ごとにつきまして試験結果をつけなければなりません。そこで各庁から全部取り寄せまして、そうして可能なる限りの検査を、まあ証拠保全の意味もありまして、かつはまたここで事実を確定して答弁の材料にもいたしたいと思いまして、そうして検査を大大的にしてもらうことにいたしたわけでございます。
○大竹平八郎君 この納入業者は有名な三菱商事でありますが、まあしかし、いかに三菱としても裏にこれはメーカーがおるに違いないのですが、まあ綿を五万二千貫というものはこれは相当なもので、おそらくそのときに三菱が必ずしも見本のようなものを全部そろえていたか、あるいは一応貿易業者等が間々やることでありますが、から売りをやっていて、そうして納入期限内にこれをこしらえてやる。ところがまあ昨今のようにこの相場の非常に変動するような場合に、非常にもうける場合もあるし、非常に損をするような場合もあるのでありますが、この事実はどうなんですか。契約をせられるときに、もう品物はほとんどできていたか、あるいは短時日に見込みがあったものなのかどうでしょうか。あるいは私の指摘するから売りのような状況であったかどうか。
○政府委員(竹内壽平君) 契約の際には綿としてはできていなかったのでございますが、輸入綿でございます。その輸入割当は持っておったのでございます。納期が若干おくれました一つの理由に、台風の影響もありますが、もう一つは、外貨の割当が延びたために納期がおくれたという事情になっておりまして、から売りというような関係ではないというふうに考えております。
○大竹平八郎君 いま一点お尋ねしますが、三菱商事としましてもこの問題を指摘をせられて、三菱自身としてもどこかに検査に持っていっておるだろうと思いますが、その点について何か法務省の方に中間報告がございましたか。
○政府委員(竹内壽平君) 三菱としましては、私の方から今の損害賠償請求権を留保するという通知を出しましたので、非常にあわてまして、まあ自分の信用にも関することだという点もあったと思いますが、これを下請させましたのはおたふくわたでございます。で、おたふくわたの方でもみずから試験所のようなものを持っておりまして、スフが混入しているとか、オムラ綿が入っていないとかいうようなことを言われたのじゃまあ大へんなことだというようなことから、この大阪市立工業試験所に向けていろいろ質疑を出しております。そのときの回答の中の一つに、パキスタン綿と書いたけれども、広くインドの開花綿も含むんだということで、パキスタンと書いたのは間違っておるということの趣旨の回答書をおたふくわたに向けて研究所が出しております。そういうことで、そのおたふくわた自身として、その今の研究所にそういう質疑を出しておるほかに、なお九州の応用化学の方へまた試験を依頼しておるようでございます。それから四カ所ばかりありますが、東京では東京農工大学の方へ試験を依頼しております。それから、これはそういう研究機関ではございませんが、日本紡績検査協会というのがございまして、そこへも依頼をいたしております。
○大竹平八郎君 いや、簡単でいいです。
○政府委員(竹内壽平君) はい、そのほかまだ一、二カ所出しておるようでございます。その中間報告を受けております。私の方へも連絡していただいております。
○大竹平八郎君 いま一点、会計検査院にお尋ねしますが、この問題について別にまあ指摘も全然ないからないと思いますが、商社と法務省と業者との関係の何かこうスキャンダルのようなことはないのでございますね。
○説明員(保岡豊君) 私の方で聞いておりませんです。
○大竹平八郎君 この批難事項の五十号にありまする神奈川少年院は、どういう種類の性質の子供を入れており、また何名ぐらいおるか。その次の第五十一号の宮川医療少年院、これはどういう種類の子供たちで、また何名ぐらいおったかお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(竹内壽平君) その収容人員等の資料を持ち合せておりませんが、後ほど調査いたしまして報告させていただきたいと存じますが、宮川の方は、医療少年院と申しまして、精神薄弱者とか、あるいは結核の持病を持っておる者とか、そういう身体故障を持っておりますものを集めて収容して、保護の主要なる内容が治療というところに置かれておる少年院でございます。
○大谷贇雄君 そこでですね、この神奈川少年院で収容をされておる子供の持っておる金やあるいは差し入れ金をほしいままに流用をしたものが七十六件もあった、こういうことでありますが、そうした子供たちの矯正に当る職員が、この子供たちの持っておる金やなんぞを流用するなんということは、これはもってのほかだと思うのですが、法務省の国会に対する説明書の中にも何らそれについては御説明がない。一体これはどういう理由ですか、お伺いしたい。
○政府委員(竹内壽平君) 御質問の点は、先ほども私も全く同感の意を表しました通り、実に事柄、内容自体がいやらしいと申しますか、感じの悪いことなんでございまして、口にするのもいやなくらいでございます。しかし内容をこう見ますると、収容者の持ち金なりあるいは預り金を使ってしまったのじゃなくて、一時立てかえ使用をしたという関係になっておりまして、収容者に損害を与えたという、実質上の損害を与えたという形にはなっておらないのでございます。こういう点は、何と申しますか、綱紀が乱れているのじゃないかという一語に尽きるのじゃないかと思うのでございまして、これらの点を引き締めますために、監督者、その他関係者の行政処分につきましては深甚な考慮を払いたいというふうに考えておるわけでございます。
○大谷贇雄君 小さな子供たちの、しかも矯正をするために少年院に入れておって、そうしてその職員が子供たちの金を流用するなんというようなことは、これはもってのほかであって、これはもう厳として一つこういう点については綱紀粛正どころではない、その職員の良心を疑うものでありまするので、これは十分に一つ厳格なる御処分が願いたいと思う。 さらに五十一号の宮川医療少年院では、やはり子供たちの食べる主食をい いかげんにごまかして、そうして六百五キログラムを接待用に使用した、これはもう実に何とも言いようのない、あなたの言葉を借りれば、全くいやらしいことでありまして、もってのほかだと思うのですが、一体接待用というのだが、その渡した米はどういうふうに使ったのです。
○政府委員(竹内壽平君) まず少年が逃走などをしますと、消防団を頼んだりして山狩りをしたり、いろいろやりますんですが、そういうときのたき出しの米でございますね、それや台風が襲来しましたときに皆さんにたのんで待機をしてもらった、そのときのたき出しに三百七十キログラムを使っております。それから院生の間食に七十二キロ使っております。それからそのほかの接待用としまして百六十二キロ使っておりますが、その接待用の内容がよく実はわからぬのでございますが、おそらくは出張してきた職員に出したり何かしたのじゃなかろうかと思いますが、約六百五キログラムのうちの四百五十キログラムばかりは、今申しました逃走したときの捜査に当って下さった消防団員、その他台風等のたき出し、それから院生の間食というふうで、米をはねて食ったというとおそろしく内容が悪いので、ちょっと聞いたときには、横領罪でそれこそ刑罰処分もあえて辞さないというような感じを持つのでございますが、内容をこう分析してみますと、何かこう気の毒のような面も出てくるのでございます。その点一つ御了承願いたいと思います。
○大谷贇雄君 これは事情を聞けば一面ごもっとものようでありますけれども、しかしそういうような不可抗力の台風だとか、消防団が来たとかいうようなはからざるそういうようなことのためには、これはやはり法務省として見て上げるべきであって、子供の食べる、ことに発育盛りの子供の食べるものを、いかなる理由、があるにせよ、これを他に使用をするというようなことは、これはどうも、だれが聞いてももってのほかだと思うのであります。これは、はなはだ私どもとしては納得のいかぬことでありまして、こういうことについては特別の配慮をして、発育盛りの子供が、幾らでも食べ物を要する時期の子供に対して、こういう事件が起って、会計検査院から指摘をされるというようなことは、これはもう十分に戒心をしていただかなきやならぬと思うのでありますが、一体この件について政務次官どういうふうにお考えでありますか。
○政府委員(松平勇雄君) 大谷委員のおっしゃった通り、全くこういった事件を起しましたことは、法務省といたしましても遺憾にたえないところでございます。今後はかかることのないように、あらゆる面におきまして処置を施したいと、かように考えております。
○岩間正男君 問題が聞いていて逆のように思うのですね、子供の食糧を取って、それで供応に使ったり、食べたりする係員がおるから、少年がそういう感化……、少年院から逃げざるを得ないのじゃないか、私はそういうふうに考えますがね。この問題は、性格としては非常に大きい問題だ、逆だと思います。だからいたたまれないような、少年のそういうような問題について深い愛情、それからほんとうにこれを感化するというような立場じゃなくて、まるで逆な、子供の食糧を盗み取って食うような係官がいるのだから、それでやはり子供は逃げざるを得ない、そういうふうになっておると思うのです。だからこれはまあ大谷委員からもお話がありましたように、どういう一体処置をとるのですか、今後いたしませんなどということじゃ非常に不明瞭だと思うのです。問題の性格は反対だと思う、いかがでしょう、その点。
○政府委員(竹内壽平君) ちょっと説明を補充いたしたいと思いますが、これは少年に食わせるべき米であることは間違いないのでございますが、それの頭をはねて少年に少し食わして、そうして自分らが浮かした米で今のようなほかの方に使ったというのではございませんので、その点ちょっと誤解がもしございますならば、御訂正を願いたいと思うのでございます。つまり、その水につかりました米が四百八十キロのうちで、乾燥しましたところが三百六十キロは何とか食えるという米になったわけです。そこでこの経理の方の手続から申しますと、その三百六十キロはもう一回手持米の中に繰り入れまして、そうしてこれを活用すべきであったのを、一度まあ水に浸った米ということで廃棄処分をしてしまったの一で、米はその足らぬ分はほかから補っておるのであります。そうしてつまり廃棄したことにしたやつを、そのうち三百六十キロは食える米であるので、それをほかへ使った、こういう形になるわけで、少年がその間腹をすかしていたというわけではないのでございます。その点一つ、はなはだ事務的な説明で何でございますが、御了承を願います。
○堀本宜実君 この五十二のふとん綿の購入に当り検収してみると、非常に下級品があったという事案でございますが、これによりますと、随意契約によって三菱商事株式会社からふとん綿を五万二千貫買い込んだ、こういうことなんでありますが、法務省は金額のいかんを問わず、全部購入には随意契約をやっておるのでございますか。
○政府委員(竹内壽平君) お答え申し上げますが、本件は随契になりましたが、その前に指名競争に付したのでございまして、三菱商事外五社を指名いたしまして、入札を実施したのでございます。二回やりましたが、二回とも予定価格に達しませんために、最低額の入札者でありました三菱商事と随意契約の方法で契約を結んだのでございます。法務省としまして、全般的に申しますと、ほとんど小さい金額に至りましても指名競争を原則としてやっております。随意契約は例外でございます。例外ではございますが、その随契の場合におきましても、幾つかの業者から見積書を徴しまして、指名競争に準じた扱いで公正を期しておるのでございます。
○堀本宜実君 この報告によりますと、随意契約というふうになっておりますので、今のような質問をしたわけなのでありますが、少くともいずれの官庁におきましても、見積書というものを出さすということが常道でありそういう取扱いをすることに法規上きめられておると思うのでございます。そこで綿の五万二千貫といえば相当なものでございます。これはまた金額にいたしましても三千八百万余でございますので、実に大きい金額なのでありすが、二回の指名競争入札を行なって落札しない、そこで随意契約で行なったという御説明なのでありますが、何か非常に落綿であるとかあるいは化繊である、あるいはいろいろなトラブルがあるようなこの事案に対しまして、何かここらあたりに非常に了解に苦しむような問題があるのではなかろうかと思われるように思うのですが、そういう点はどういうことなんですか。別にそれはないとおっしゃるのかもしれませんが、何かそういう場合に、これを分けて、一カ所だけでこれだけの多額のものを、しかも納入期を期日をきめて非常に近い、短い期間に納めさすというようなまずいことをしないで、何かこれを分けてやるというような方法はっかないものですか。どうして五万何ぼというような特定のものを、特定のところで入札、随意契約をしなければならぬというようなことになったか、その経緯ですね。
○政府委員(竹内壽平君) 別段特異な事情があったわけではございませんですが、先ほど申しましたように、三菱商事が最低の入札者でありましたので、そういう場合には最低入札者と話し合うというのか原則だと思います。そうして三菱商事は、御承知のような著名な輸入業者でございますし、何と申しましてもこの輸入の原綿を持っておる、ないしは持ち得る会社ということが大きな契約上の要素になると思います。それでまあ三菱商事ならば……、また三菱商事の方でも、相当な多量でございますけれども、五万八千貫からの契約を受諾する用意があるということでございましたので、そこに一本でやったわけでございますが、予定価格その他を考えてみましても、大体まあ私どもとしましては、特に安くて応じ切れないというようなものではないと、適正な価格を算出しておるつもりでございます。
○堀本宜実君 適正な価格でそれじゃ最後随意契約をしたわけでございますか。見積価格で最後の入札をせしめたのか。予定のあなたの方の見積価格というものと、随契した価格というものとには違い目はなかったわけですか。協定が行われたのか。
○政府委員(竹内壽平君) 全部につきましてでございますが、四千四百三十万四千二百円というのが契約価格でございますが、予定価格よりはそれは一千二百円安くなっておるわけでございます。まあ大体予定価格で随契ができております。
○堀本宜実君 全額について一千幾らですか。
○政府委員(竹内壽平君) さようでございます。
○岩間正男君 私は、公安調査庁にお伺いしたいんですが、公安調査庁の予算を見ますと、三十年度に破壊活動調査費、これが二億六千四十六万二千円ですか、膨大な金が出ておると思います。そのうちで、調査費が一億九千二百万というような相当膨大な金が出ておると思うんですが、大体この調査費というのは、どういうものに使うんですか。
○政府委員(高橋一郎君) 調査活動費の使い方は、結局調査の態様によっていろいろに異なって参ります。で、その一々について具体的に申し上げかねるのでありますが、大体において、協力者に対する報奨ないしその者との接触その他に要する特別な経費というようなものが大部分を占めております。
○岩間正男君 これは、どういうことをやるんですか、中身は。
○政府委員(高橋一郎君) 私どもの方では、破防法に基きまして、破壊団体の容疑ある団体の調査をしております。その破壊団体の容疑ある団体といたしましては、日本共産党があるわけでありますが、その共産党のいろんな活動に即しまして私の方も多種多様な内容の調査活動をいたしております。
○岩間正男君 これは日本共産党というものをはっきりなにしたんですが、そういう点は破防法のどういうところに該当するんです。
○政府委員(高橋一郎君) 破壊活動防止法全体がそれを規定していると思いますが、特に第四条、第五条等に基いてそのような調査をいたしておるわけであります。
○岩間正男君 これについては、非常に破防法の拡張解釈が行われて、頭からそういうことできめてあなたたちはやっているんだと思う。しかし、少くとも共産党は公党です。私も共産党に入っておるが。そういう形で最初からやっているやり方が、非常に私は問題だと思うのでありますけれども、しかし、これは共産党だけですか。共産党のほかにも、大衆団体とか、平和活動団体とか、そういうところが非常にこの調査の対象になり、事実いろいろな問題が起っていると思いますけれども、その点はどうですか。
○政府委員(高橋一郎君) 共産党のほかにも、たとえば極右団体の一部などにさようなものがございます。ただいま岩間さんがおっしゃったような団体としては、共産党だけでございます。
○岩間正男君 その点でここで議論をやっていても、今の質問の本旨でありませんから、これはあとに譲りますけれども、大体破防法というのは、こういう格好であなたたちの考えだけでやっていく、こういうことは、非常にこれは憲法違反の疑いがあると思うのです。私はこの問題はここでやると時間がかかりますから、しばらくおくとしまして、お聞きしたいんですが、公安調査庁には調査官というのがあるわけですね。この調査官というのは、どのぐらいおるんです。
○政府委員(高橋一郎君) ただいま正確な数字は記憶しておりませんが、大体において、全体で千七百人ぐらいの定員の中で千四百人ぐらいが調査官でございます。
○岩間正男君 そうすると、公安調査庁というのは、ほとんど調査官によって占められているのですな。そういうことになりますね。
○政府委員(高橋一郎君) 私どもの方では、定員が非常に少うでございますので、できるだけその定員を効率的に動かそうと思いまして、管理系統の職員を非常に少くしておるのであります。そうしてそれ以外の者はすべて調査あるいは調査の補助に従事する者であって、そのうち、あまり年の若い者なんかは、これは一人前の調査官といたしますことはいろいろ支障もございますので、そういうような者は除きまして、その他の者を調査官にしておるわけであります。
○岩間正男君 この調査官というのは、どういうことをやるんです。
○政府委員(高橋一郎君) これは、先ほどから申し上げていますように、破防法に基くいろいろな態様の調査をいたしておるのであります。
○岩間正男君 この調査官の調査の仕方については、いろいろな問題が起っているだろうと思うのですね。それか、らこの調査官から依頼なんかを受けて補助の人たちにもいろいろな問題が起っていると思うのです。最近の菅生事件における戸高公徳のごときは、その一例として、今、日本の視聴が集まっている問題だと思う。それから私自身が何よりも体験者なんだ。それであのような調査のやり方というのは、いったいこれは正しいとあなたたち考えておりますか。
○政府委員(高橋一郎君) あのようなと申されますと、ちょっと見当がつきませんですが。
○岩間正男君 とにかく名前を偽わったり、いろいろ身分を詐称したりして、そうして大衆団体並びに党関係なんかに近づいてきて情報を得る、こういうことをやっている。私の例をあげますと、これはたいへんなことなんです、実際問題として。これはあなたにお聞きしたいのですが、公安調査庁の課長で昭和二十九年から三十年ごろでどこにかかわった人ありますか。
○政府委員(高橋一郎君) 二十九年当時の課長で、かわったのは、数名ございます。
○岩間正男君 そういう名前についてはあとで資料で出してもらいたいと思いますが、実は何よりも自分の直接した体験でありますから、最もこれは正確だと思うのでありますが、ある晩のこと、これは昭和二十九年だと思います。春だったと思う。私は今正確なものをここで持っていませんが、その公安調査庁の調査課長というのが私のうちにやってきた。そうしてこういうことを言った。調査官の伊藤久太郎という者が最近病院で死んだ。ところが、あなたは伊藤と非常に深い関係があるそうだ。あなたは、今まで公安調査庁に対していろいろな資料を提供するように伊藤を通じて了解を得ておると聞いている。あなたは、今までこの手紙を書いたでしょう。十通ほどの岩間正男署名の手紙を出しました。それから、あなたは、私に対して今まで何回も岩間、という名前で電話をかけたでしょう、そういうことを言った。私は、全くこれは寝耳に水です。伊藤久太郎というのは私は知っている。十何年前の関係で、もと教員をやっていたものですから、これは知っています。ところが、いつの間にか公安調査庁の調査員になっている。そうして聞いてみるというと、こういうことを言う。伊藤は今まであなたから情報をとるのが仕事であった、そうして岩間は公安調査庁に情報を提供することを承知した。そうして今まで岩間を通じていろいろな情報をもらってきました。そうしてその中で伊藤はしかもあなたと非常に親交があるから、いつでもあなたのところに出入りをしておる、現にその中で、私の郷里の母親が病気になって、ところが私は当時国会議員でありましたが、参議院議員でありましたが、非常に忙しかった。忙しくて家に行くことはできない。そこで岩間に頼まれてこれから岩間の母親の見舞に行くんだがというので、大量の見舞金を公安調査庁からもらった、旅費も相当な旅費をもらった。そうしてこの男が一週間ぐらい行方をくらましておるわけ。まんまと、公安調査庁の課長は信じておったらしい。しかしそういう事実は全然これはない。それから私が手紙を出したという事実もない。これは偽筆だ。私は一度もそのような電話をかけたという事実もない。それにもかかわらず、そういうことを言ったのでありますが、この伊藤という男を公安調査庁の中で、これははっきり使っておる。そうしていろいろ公安調査庁も欺いておった。私をも欺いておる。現に国会にも二回か三回やってきましたが、非常にうろんくさいので、私はこれを遠ざけておった男であります。ところがたまたまこの伊藤が病を得て病院に入って死んだ。死んでからどうも挙動があやしいというので、この課長がどうも工合が悪くなってきた。庁内でもこれはおそらく工合が悪くなったんだろうと思う。なぜ工合が悪くなったかといいますと、伊藤の奥さんが、細君が、どうも岩間というのは非常に人間みがないじやないか、自分の主人とは非常に仲がよくて、そうして自分の母親が病気で行けないとき、かわりに行くような、それほど深い関係があるのに、死んだといっても見舞にもきてない、はなはだけしからんじゃないか。こういうことからこれは非常に庁内でもおかしいと思ってこれを調べたらしい。ところがこの伊藤の正体というものは、そういう形ではっきりした。聞いてみますというと、これは岩間がかりの一人のスパイだった、二重スパイだった、間違いなく。そうしてその間に結婚であるとか何とかいって、その前後に何かいろいろな物を持ってくれば、そういうものは突っぱねましたけれども、それからここにもやってきた。今度は友だちだといって引っ張ってきたことがあります。その男、どうもおかしいと思って、いいあんばいにあしらって、そうして私は外に行って、その当時選挙でありましたので、数寄屋橋のところで選挙演説をやっておるが、その二人がちゃんと私の演説を聞いて、応援演説をやる。伊藤はさすがに工合が悪いものだから帽子をとって礼をした。ところが友だちだといって引っ張ってきた男はちらっと人のかげにかくれてしまった。これはまさにスパイだということがわかったのでありますが、こういう事実を公安調査庁は奨励しているんですか。
○政府委員(高橋一郎君) ただいまのお話を伺いまして、岩間さんが御承知ないうちに、岩間さんが何か情報を売っているというような印象を他人に与えられたということであれば、これは岩間さん御自身にとって非常に残念なことであると考えます。そういう意味でこのできごとはきわめて、もしかりにあったとすれば、非常に不幸なできごとでありまして、公安調査庁といたしましては、もちろん、そのような不公正なやり方は絶対に奨励しておりません。そういう点は一つ御信用願いたいと思うのであります。そのために職員につきましては、ずいぶん研修所に集めまして研修いたしましたり、あるいは実際の調査の実務につきまして、いつもそのような間違いのないようにということを教養しておる次第であります。ただいまのお話の筋を伺いますというと、調査庁自身もこの調査官にだまされておったという筋のようでございます。これは調査庁として不公正なことを意図を持ってやったというわけではむろんないわけでありまして、ただもしそれが事実であれば、きわめて不明であったということになると思うのであります。
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記つけて。
○岩間正男君 私は被害者として申しておるわけです。岩間さん不幸だとか何とかよけいなお世話です。その課長は一体何をやったか、課長はそういう事実をとるために伊藤をあやつって現に私の居住の租師ケ谷大蔵付近には何回も来ておる。そうして岩間のところに会いに行きたい、伊藤はそうすると私のうちの付近に来て、今会議をやっておるから工会悪い、私に会わしたら工合悪いからまいておる。それをやらした張本人は課長です。ぬけぬけと公安調査庁はそういうことはありませんと言ったって、その課長を証人に出せばわかる。ところがそういうしくじりをやって、私に手帳まで出して見せました。こういう者です、あなたはうそを言ったらためになりません、とんでもない話です。そういうようなことで、これはあとで工合が悪いので転勤したはずです、あなたたち知らぬと言っても……。こういうようなやり方で、たとえば伊藤をまかなった金は相当出されたと思うのですが、単に伊藤だけの問題じゃない。どうですか。調査官の調査費というものは莫大なものになると思う。大体今年度の予算を見ますと、三億八千四百万円、それから三十年度は二億六千万円、こういう膨大な金です。そうすると、今一千四百人というお話でありましたが、平均にしましても、これは二十五万とか三十万の金なんです。この経理はどういうふうにしておりますか、お聞きしたいのはその点なんです。その経理はどうしておるか。
○政府委員(高橋一郎君) 調査活動に要する経費としましては、ただいま岩間さんが言われた通りなんですが、その中で調査活動費という費用のものは昭和三十年度及び三十一年度は年間一億九千二百万円であります。それから今度の予算が三億一千六百万円でありまして、今度の調査活動に要する経費として三億八千云々という数字が出ておりますのは、このほかに調査に関係のある旅費、庁資なども含んでおる数字でございますから、さように御承知を願いたいと思うのであります。で、昭和三十年ごろ一億九千二百万円の年額でありまして、これを月額にいたしますというと千六百万円であります。これを規定に従いまして、各四半期分に分けて、大体の実績や将来の計画等をにらみ合せまして、全国に八つのブロックの公安局とそれから四十幾つの地方局がございますが、それに配分し、一部分を本庁の方にとめておきまして、実際の調査活動の必要に従って支出しておる次第でございます。
○岩間正男君 その当時、三十年度では調査官は何人おりましたか。
○政府委員(高橋一郎君) 私どもの方は昭和二十七年七月に発足以来大体変りがございませんで、全体として千七百人、そのうちで調査官は当時は千三百人くらいだったと思います。
○岩間正男君 今年度の予算で非常にふえておるわけですが、ふえた理由は、どういうことですか。
○政府委員(高橋一郎君) これは従来から非常に持たせられておる責任に比べまして、経費が非常に足らなくて実は困っておったのであります。それ、がたまたま今回日ソ国交回復というような契機がありまして、今度のこの種の活動もいろいろ複雑になるであろうというような意味もありまして、今度増額を認めていただいた次第であります。
○岩間正男君 そうすると何ですか、日ソ国交回復によって、むしろそういうスパイ活動を強化しなければならぬと、こういう意味ですか。
○政府委員(高橋一郎君) 岩間さんはスパイ活動とおっしゃいますけれども、これは定義の問題だろうと思うのでありまして、岩間さんの考えておられるような、そういう意味のことで私どもの方が調査活動を御説明するわけではございませんから、さように一つあらかじめ御承知を願いたいのでございます。まあ今度増額をお認めいただいたのは、さっき申し上げました通りでありまして、それによって私どもは最も効率的な今後は調査をいたしたいというふうに考えております。
○岩間正男君 スパイ活動と言われて気にさわったようです、が、国会議員に対して一いやしくも私は国会議員です、一人の係を置いて、そうしてその者を背後からあやつって、そうしてその者から情報を取るという形で活動を起させるのは一体何です、それは何活動です。
○政府委員(高橋一郎君) 繰り返して申し上げますように、私どもは破防法に基いて日本共産党を調べておるのです。で、共産党につきましては、要するに共産党は破防法に基く団体であるということ、それから、かつて破壊活動をやったということ、それからその団体の構成員や活動というもの全般について団体規制のためにこれを調べることは私どもの役所の仕事であります。そういう意味で、それによって調べておる次第でございます。
○岩間正男君 大体そういうことは、これは破壊活動法案の制定のときに問題になった拡張解釈を勝手にやっていることになるだろう。そういう事実がある場合において、これは調査することであって、最初から予定して、あなた方の拡張解釈によって、そういった想定のもとにやられる、少くともそういう団体という意味で——私個人としてはなるほど共産党員だ、しかも国会議員だ、そういうものに対して、今言ったようなやり方というものは、ただあなたたち破壊活動防止法の範囲をこえないというふうにはっきり言い切れますか。
○政府委員(高橋一郎君) 岩間さんの直接経験されたやり方が、果して公安調査庁そのものの調査であったかどうか、私聞いておりませんので、その点は何とも今申し上げることはできません。ただ私どものやっております、公安調査庁としてやっております調査というものは、これは十分に根拠を持ち、かつ適正なる限度の範囲において行なっておると考えております。
○岩間正男君 一体課長が私の家までたずねてきて、公然とこの手帳まで見せて、そうしてこれは脅迫みたいに言ったのでありましょうけれども、そういうことをやるのは公務ですか、公務じゃないのですか。
○政府委員(高橋一郎君) どうもその事実を私全然聞いておりませんので、よくわかりませんが、ただ先ほど岩間さんのお話を伺っておりましても、課長自身も何かだまされておったのじゃないかという印象を受けるのであります。
○岩間正男君 だまされておったというのは、これも重大問題じゃないですか。いやしくも課長を養っておるのは国民の金なんですよ。公安調査員を養っておるのは国民の金です。その金一をそういう形において使われるということになれば、これは重大な政治責任になるじぁないですか、そういうような機構、そういうような実に人権を侵害する、人を不安に陥れるような機構そのものが問題なのです。そういうような形であなたたちは人を運用しようとするから、中にはそういういう人も出てくるでしょう。そんなばかなことが……。 そこでお聞きしたいのですが、大体そういう人の場合に、いろいろな情報をもらう、その情報をもらうときに、たとえば情報を提供すれば、それに対して謝礼をやる、あるいはまた金をやるから、こういう情報を提供してくれ、それからまたいろいろなそういう情報を買っているだろうと思う。そういう事実をあなたお認めになりますな。
○政府委員(高橋一郎君) 情報を入手する態様は、調査の態様と同じで、非常に多種多様でございます。もちろん金銭的なことは何も考えないで、いろいろな情報を提供して下さることもありますし、それからやはりそういう報償を伴う場合もむろんございます。私どもの方としてはいろいろな情報を豊富に集めて、そうしてもちろんたくさんの中には角度の怪しいものも含まれているわけであります。そういう点なんかについて、いやしくも間違わないようにというふうに考えている次第であります。いやしくも間違わない——角度の判定を誤まるようなことのないようにというふうに考えている次第であります。
○岩間正男君 ここに公判記録があります。公安調査庁の調査員が党員に近ついて、そうして報酬を出すから情報を提供してくれないかというので、何回かたずねて行って金を渡す、そういう例は、これは一例ですけれども、たくさんあろうと思う。私が申しましたこの例は決して私だけの体験じゃない。そういう形で党員並びに党に関係の、近くにいる人とか、そういう人に対して調査員が近づいて、背後からいろいろな金銭の授受によって、あるいは甘言によって、ある場合にはおどかしによって、そうして情報をという名前でもっていろいろなことをあなたたちは集めているという事実は、これは今の答弁によって、私は明らかにされたと思うのでありますが、それらの金というものは、これはどっから出ているのですか、何から出ているのですか。
○政府委員(高橋一郎君) 調査活動費であります。ただしそのようなというふうに例をおっしゃった、たとえばおどかしたりとか何とかいうふうにいろいろおっしやいましたけれども、そういう意味ではなくして、私の申し上げる態様の調査につきましては、私の方の調査活動費から支出しております。
○岩間正男君 そういうような金を出すときには、どういう経理のやり方をやっているのですか。
○政府委員(高橋一郎君) 通常の会計法上の経理によっていたしております。
○岩間正男君 たとえば調査官が行って、そうして情報を取るために金をくれる、つまり買収だね。こういうことをやるときに、その金というものは、これははっきり伝票を書いて当人の受領証を取って、そうしてはっきり会計法による経理をやっておりますか。
○政府委員(高橋一郎君) さようであります。ただし最終の受取者から受け取りを取ることかいろいろな事情からしてできない場合がございます。そういう場合には、最終にその金を受け取る立場の者の受領証というものは取れないで、ただそれに渡したところの者から受領証を取るということは例外的に認められております。
○岩間正男君 それに渡した者からだけ調査庁として受領証を取るのですな。そうすると、どういうことになりますか。たとえば三千円渡しておいて一万円渡したと言ったって、それは証拠がないわけですな。だから一万円を公安調査庁から取って実際は三千円これにくれた、中で七千円ネコババをやったとしたって、どうしてあなたたち証明しますか。
○政府委員(高橋一郎君) そういうふうなことももちろんたくさんの中にあって絶無というふうにも言えないと思いますが、しかしそれはすべて官庁経理において単に受け取りだけではなくして、平素の仕事のやりぶりであるとか、あるいはその仕事によって得た結果の判断であるとか、その他いろいろな方面から、これは監督できるものであります。結局は信頼関係になるわけでありますけれども、もちろん、ただいま申されたようなことをやってやれないことは、それはないかもしれませんが、結局まず例外の事例であると考えます。
○岩間正男君 例外の例であるとあなたはおっしゃったけれども、事実、むしろそういう運用じゃないと、これはできないんじゃないでしょうか。これはずっと入っていって、多くの人に近づきになっていって、そういう人の見込みのあるところに近づいていって情報をくれ、そうしてこれは金を渡す、いろいろな工作もやる、お菓子も持ってくる、子供をなずける、これはもういろいろわれわれはそういう何を持っているわけです。そうやっておいて、当人からは何らの証拠をとらないで、調査官のところに行ってこれだけ使いました。これは会計検査的に見てどうですか。会計検査は、こういうところに対して、われわれの血税がこのような形で莫大なものですね。本年度は三億をこえる。昨年よりは四割近くのこれは増額になっている。一昨年は一億九千万ですか、今年度は三億一千万と莫大にはね上って、だんだんとふやされている。これに対してどういう経理の方法でおやりになるのか、この点会計検査院の方からお伺いしたい。
○説明員(保岡豊君) 大体申しますと、今岩間先生のおっしゃった通りであります。これは一億九千万が三十年度の支出として出ておりますが、この支出の方法は支出官から、たとえば地方なら地方の公安調査局長に支出いたします。受取人は局長であります。その証明が会計検査院にきます。そこでわれわれが地方にいきましたときに、地方でその内訳はどういうふうに渡したかということがリストになっておりますから、そのリストを見ますと、その相手方が書いてありますが、何のためにどういう内容でこれを払ったかということは、われわれ調査することはできないところになっております。
○岩間正男君 これは重大問題じゃないですかな。これは会計法から見て、どういう手続になるのですか。
○説明員(保岡豊君) それは、その局長が一応債主ということになりまして、ほんとうの債主は実際にもらった人です。今私がリストと申しました、そのリストのAならAという人が実際Aであるかわかりませんけれども、そういうふうになると思いますが、それを擬制したということにわれわれ考えております。
○岩間正男君 こういうことをやりますというと、これはわれわれ調べればいいのですが、決算委員会に、この問題は会計検査院の指摘が出ておりますが、われわれは三十年度の法務省の予算を検査するに当りまして、これは指摘された事項だけでわれわれやっていたのでは、つんぼさじきになるかしれませんが、今の調査庁の費用が具体的にほんとうに使われたかどうかということは、会計検査院さえわからぬようになっている。ただ報告を認めるかどうかということになって、検査の中にこれは何も入れることはできない。いわば一種の機密費じゃないですか。東条時代にあった軍事機密費とどこが変りますか。
○政府委員(高橋一郎君) 戦前の軍の機密費というものについては私存じませんので、それと同じと申されても、おそらく違うだろうというふうにお答えするよりほかありません。ただいま手続について御不信があるようでありますけれども、これは情報活動の特殊性からやむを得ざる問題であるというふうに御了解願いたいと思うのであります。私どもの方の対象団体と申しますのは、大体においてやはりその活動は秘密の部分がございます。そうして、それに関する情報というものは、これはいろいろな面から私どもは得ておりますけれども、その一部はどうしてもやはり秘密の協力者から得る情報というものも必要になって参るわけであります。そういう情報元というものが、受領証その他の面でもって何らかの筋から公然になる、こういうことになりますというと、これは情報活動というものが、そのためにできなくなるということになって参るわけであります。もちろん、そう申したからといって、それじゃ何でも自由にできるじゃないかというふうにお考え下さることは、これは悪寒が得すぎだろうと思うのでありまして、私どもも、もちろんそのためにこそ、非常に責任も重いと考えておりますけれども、経理上もいやしくもしないつもりで、事に当っておる次第であります。
○相澤重明君 関連質問。ちょっと何か今聞いていると、やはり問題が私出ると思うのですね。岩間君の質問の中で、会計検査院がいわゆる地方の首長が受取人であって、それから下はリストによって調べる。リストによってそれが一体正確につかまれておるかおらぬかということは、そこまでは調べはつかぬ、こういうことになりますと、確かに機密ということに、あるいは調査の対象を慎重にということになればそういうことも言えないとも限らぬけれども、どうもその費用の使い方というものは明らかにならぬと私は思うのですね、明らかに。そうすると、たとえば一つの悪い例でありますが、調査官が待合に行って、対象人物がいるからといって待合遊びをしておった。待合に使った芸者の花代も、これは調査活動費ということになってくるわけです。一体、そうすると、国民がそういうことまで期待をしているかというと、私はそういうことはないと思う。これはまあ破壊活動防止法そのものが合法か非合法かということについては、確かに党の中でも、あるいはまた国民の中でも、考え方の相違があると思うのですね。あると思うが、私どもは、まあ、こういうものはやはり憲法違反だというような考え方を持っているのだけども、それにしても、そういう実際に使われているのが、国費というものが、どういうふうに使われているかということがわからぬ。調査の対象にならぬということは、一体それこそ調査をしなければならぬということに私はなるかと思うのですが、この点はいかがなんですか。会計検査院としては、もう拒否権を発動されるわけですか。これは公安調査庁の方から、それ以下は調べてはいけないという拒否権の発動があるのですか、この点ちょっとお尋ねしたいと思います。
○説明員(保岡豊君) 拒否権を発動されたというわけではございませんが、先ほどから御説明がありましたようにそういう性質のものであるから、それはせんさくしないでもらいたい、こういうあれがあります。これは各省の交際費も同じような検査の仕方をしております。たとえば人事課長に支出する、人事課長が債主になりまして、または秘書官が債主になりまして、それに渡して、そのあとはリストを作っておくというようなふうにいたします。しかしこの今のリストは大体わかります、交際費の方は。しかし、この調査費の方はわからないのであります。内容がわからない。そういうので、そのままにせんさくしないでやっておる状態であります。
○相澤重明君 どうもその点は、これは一つだけ法務政務次官、いかがなんですか。法務省としてやはり国費を、それぞれ予算を国会が承認をするわけですが、その実行したものを、今度は決算委員会の中で、お互いに正しく使われておるかおらぬかということを審査をするのが決算委員会なんですね。ところが、そういう中で、特に今の会計検査院の指摘されるようなことであると、これはもう審査の対象にならぬわけですね、調査ができないのだから。そうすると、私はまあ一般の官公庁の場合、そういうことはないと思うのですよ。これは確かに渉外活動費であるとか交際費であるとか言われても、これは何月何日にどういう目的で何人くらい集まったということは明らかになってくるわけです。だからこれはほんとうに調べる気なら出るわけです。けれども今のお話のようなことでは、これはもうかいもく雲をつかむようで、春かすみにかすんでしまう。国費というものが全くどこへ使われたかわからないということは、これはちょっとやはり問題があると思うのですね。何らかそこに、これは特に調査をしてもらうのだけれども、もらっては困る機、密事項があるから、こういう条件によってこの点は了解をしてもらうのだというようなことが、部内にしても何かなければ、これは人を信用するというだけで、事実は国費というものについての使命というものは、全然達成されない、ということになると、私は非常に重大なことだと思うのですがね、この点次官いかがですか。ちょっとおかしいですね。
○政府委員(高橋一郎君) ちょっとその前に……。先ほど申し上げました特別の事情ということは、私どもの情報源の維持ということに関連して参る重要な問題で実はございます。それで私どもの方の調査官は行政的な調査権限というのはほとんど持っておりませんで、大体において、まあよく私どもは新聞記者諸君の活動と同じような態様であるというふうな説明をする場合もあるのでございますが、新聞社の場合でも、ニュース・ソースの取得ということは非常に重要な問題だと思うのであります。私どもの情報源の取得という問題は、決して国会なんかで申し上げるだけではなくって、裁判所の方で刑事事件の証人になりました場合でも、この点に関しましては実際にお断わりをしでおるわけであります。その実例は、松本三益の団体等規正令違反事件の場合にございました。そういうふうなことでございますから、その点は十分御理解を願いたいと思います。しかし重ねて申し上げますが、決してそのために乱に失するということは絶対させないつもりでございまして、私どもの庁の内部でもって、いわゆる調査のやり方の面及び経理の面から綿密な点検を逐次実行しておる次第でございます。
○相澤重明君 そうすると、まあ部外といっては大へん失礼な話ですが、今言うように、会計検査院からいった場合には、最下部までの調査の対象あるいは検査の対象にはしないけれども、法務省の、特に公安調査庁の中では、そういうふうな部内のいわゆる機密といいますか、あるいはそういう使用した場合のこまかいデータは作っておると、こういうことは言えるわけですね。だから、それはただ公表しないだけで、とにかく不正にあるいは不当に支出をされるというようなことはやってはおらない。だから国民にそれだけの心配はまあ取り越し苦労であると、こういうふうに理解をしてよろしいのですか。
○政府委員(高橋一郎君) さようでございます。
○政府委員(松平勇雄君) 本件に関しましては、ただいま高橋次長からお話し申し上げた通りでございまして、この調査関係の仕事は、御承知の通り、場合によっては情報提供をした人の名前を出せないような場合もあったり、いろいろその後の調査をする上において支障が起るようなことがないようにする必要も出てくるわけでございまして、従ってそのような会計の方法をとっておるわけでございますが、部内におきましては、その得ました結果によりまして、従来の経験から申しまして、そういった支出が適法に、適当に行われているということが承知できるのでございまして、国費の使用に当りましてはいささかも間違いのないようにやっておる次第でございます。
○岩間正男君 どうもあなたの方で、間違いがないと言っても、間違っておるから私は質問しておるわけなんです。今言ったように、何をやってもわからないような仕組みになって、まあ芸者の花代の話が出ましたけれども、実際そういう例だってあるわけですよ。待合に連れ込んで、おれの名を強要して、それによって今度は何をとるというような例だって私はあると思う。それからいろいろ、今のやり方はそうでしょう。金がない、非常に金には苦しんでおる。まあ私たちの仲間なんかにもそういうのがあります、今の態勢の中には。共産党だからというので就職口が切られるということで非常に生活に苦しんでおる。そういうところを目ざしてそこばくの金を与えてそういう者をろうらくして、そうして自分の手先に使う。あるいはまたいろいろ、党関係でなくとも、それに接触のあるような人たちを使っておるといったような例もたくさんあると思います。そこで、どういうふうにこれを使ったかという明細がわからないのです。一切は暗箱に投げ込まれたような形になり、先ほど高橋次長の答弁によりますと、あなたは戦争中の機密費というものは知らない。知らないけれども、そういうことはないと言った。こんなことありますか。知らないで一体どうしてそれが違うということがわかったんですか。知らないけれども、そういうことはありませんと言ったけれども、戦時中の機密費を知らないで、今あなたがやっておるのが違うというのはどこから出るんですか。軍事機密費というやつはそういう形で使われてきた。今あなたが言うように、全く大幅な金が軍にまかされて、どう使ってもいい。この金を使って一体軍が何をしたか。暴力団にくれた・そうして暴力団を雇って、養って、背後からいろいろ反動的な言説をまいて人心をろうらくした。そういうことで、これは一つの戦争体制の方に追い込むというのが戦争中のやり方です。これと同じようなことがたとえば共産党が暴力団体であるということを頭にきめて、そうしていろいろ今度の菅生事件なんかにも現われましたように、そういう連中を入れて、そうしてそのスパイが今度はさらにいろいろなところに宣伝をする。そうしてある場合にはもうそれが挑発をするのです。火炎びん火炎ぴんと騒がれましたが、火炎びんの中にはそういう者が投げた火炎びんが何本あるかわからない、実際問題として。そうして共産党が投げたと言って宣伝して歩けば、これはそういう体制ができる。全くこの軍事機密費的な性格を持っている、ないと言っても、戦時中の軍事機密費は知らないけれども、これとは違うんだと言うけれども、大体そのこと事態が矛盾撞着しています。私はこれは非常に重大な問題だと思います、こういうやり・方は。だから会計検査院としてははっきり、これはどういうふうにお考えになりますか。こういう問題について、今の仕組みではこれは調べられないようになっておるけれども、実は国家のこれは盲点なんです。暗箱なんです。そこで年々しかも問題になるのは、この予算が減っていくなら、私はこれは一つ理屈はあると思う。たとえば、今までソビエトとの国交ができなかった。ところが政府の方針としまして、平和共存の立場からソビエトと国交を回復した。ところがそれによってますますそういう機密を拡大しなければならないというので、機密費を倍近くもふやしている。そういうことになりますというと、頭からソビエトならソビエトというものはそういうようなことをやるのだと、これはもう信用しないで、そういうものと国交を開いたのだから、そこでもっとこの活動費をふやさなければならない。こういうことは一体なんですか、政府の責任だとあなたはお考えになりますか。法務政務次官がいますから、政府を代表して、そこのところをおっしゃって下さい。とんでもない話だと思います。この点はどうなりますか、これは政府の方針なんですか。国交を回復した、だから機密費をふやさなければならない。従ってだんだんそういう費用が多くなって、ますます暗箱が拡げられていく。これは人権の問題と非常に深い関係を持つものなんです。そういうことをやることが当然正しい運用だ、こういうふうにお考えになるのですか。これはやはり日本の今の国交回復というような具体的な事実がきた上においては国際的な信義に関する重大な問題だと思う。これは政府的なお考えを、中村法務大臣がおられませんので、松平次官からそれを伺いたい。これはどうなっておりますか。
○政府委員(竹内壽平君) 松平次官がお答え申し上げる事項ではありませんが、ただいまお話を伺っておりますと、この調査活動費が調査の対象外になつておるというようなことで議論か進められておるように拝聴いたしたわけでありますけれども、調査活動費が機密費と違いますことは、やはり調査の対象に置かれておる経費であるという点に、機密費と本質的に違うものであるというふうに私どもは理解しておるのでございます。ただ問題は、証明方法としまして、すべて支出の経費は証明書をつけまして会計検査院に報告することになっておるのでございますが、その証明方法が簡略化されて会計検査院に報告されておるということの御承認を得ておるだけでございます。従って先ほど局長からリストの話が出ましたが、現地に臨まれまして、そのリストに基いてその使用の模様をお調べになることは法の許すところでありますしまたわれわれの方としましては、これを拒否することはできないのでございます。ただ先ほど来お話も出ておりますように、こういう経費につきましては秘密を要するのでございまして、そういう点から実際事実この点お調べ・にならないことである。しかし調べることが拒絶されておるという経費ではないように私は承知しております。これは経理部長としてお答えいたします。
○岩間正男君 つまり簡易証明というやり方ですな。簡易証明ということに、会計手続の上からはそういうことになるのですか。そうして実際にはそういうところを具体的に調べる権限はあるのだけれども、それを行わない。これは会計検査院の任意な意思から出たものと、こういうふうにあなたはおっしやるのですか。
○政府委員(竹内壽平君) 簡易証明と申しますのは、先ほど申したように、たとえば公安調査庁の支出官から局長にあてて資金が交付される。その局長から受取書が出ておりますれば、その受取書をつけて、これだけの金が局長に渡されたということを会計検査院に証明するわけですね。そうして受け取った局長が、自分が使ってしまうばかりではないが、調査活動に全部使う。みずからも調査活動に使うでしょうが、その他の職員にも調査をさせるわけです、が、その経費はどういうふうに使ったかは、現地においてリストを作って持っていかなければならない。それで会計検査院がそこに参りまして、そのリストの内容について疑問があれば・花代に払っておるという形跡でもありますれば、その内容を追及することはできるはずでございます。ただ実際にはなさらないで信頼しておる、こういう関係だと私は理解しております。
○岩間正男君 会計検査院に伺いますが、そうなっておりますか。十分入っていって調べることができるようになっておりますか。
○説明員(保岡豊君) 今、経理部長がおっしゃいましたように、内容の点について非常に疑義がある、変なことに使ったと思われるときには追及いたしますけれども、調査活動費として、実際は借金のために出したとか、そういうところ、どういう内容について金を出したかということについては、われわれの方では伺ってもあまり話していただけない。またそういうものは秘密的なものであるから聞かないことにする。そういうふうに使ってあるということを確認いたしまして、そっちの方の調査活動費に使ってあるということを確認いたしましてひとまずとどめておきます。
○岩間正男君 調査活動費一般として出されておるから、そこに疑惑を持つ何ものもない。具体的なものは出ないんですからね。一つにたばね、中をわからなくしておるから——。これは調査活動に使っておるといっても調査の内容が問題だといっている。その調査の内容がまるで機密費的に使われていくのだ。これは全く報告に基いて信用してやっているというんですけれども、たとえばさっきの伊藤の例を私はあげたいんです。この伊藤はごまかしていたんですよ。この伊藤は課長をごまかしていたんだ。私の、岩間の母が郷里で病気した、肺病なんだ。岩間は行けないんだ。私は信用しているから私のかわりに行ってくれといって、みやげものまで持たした。汽車賃までもらって、しかも一週間くらいの手当をもらって行っているんです。莫大なものだと思うんです。そうしてどこかにずらかっていってしまった。私は病気も何もわからなかった。私もあぜんとした。そういうことをやって会計の方から金をとっているんですよ。そういう事実が一つだって、あなたはおっしゃるけれども、ほとんどそういう格好が出ている。中にはまじめな人もありましょう。しかしこういうような形でやっても全然わからないような仕組みになっている。会計検査院もそこのところに入っていって調べようがないようになっている。調査費に使ったかといっても、よけいなことをするな、お前ここへ入ってくるのは秘密を知りたいのか、けしからぬといって、会計検査院がむしろ怒られるような格好になっている、独断なんだ。そこにさわるべからず、暗箱なんです。そうして何をやっても、あなたたちは明らかに間違っているのに、おれたちのやっていることにお前たちあたりからけちをつけるな、こういう格好で、実は必要以上に、何でもあなたたちの考えようによって、労働組合もこれは調べる、平和活動家も調べる・むろん共産党員も調べる。そうしてもって調べるだけでなくて、調べることによってどんどん圧迫を加えてきている。そうしてだんだんとそういう結果が、公正にものを人間が言わなくなってきている。言論の抑圧が人権を無視して行なわれている。そういうふうに金を使われていくということは重大な問題だと思う。調査の内容そのものがほとんど機密費的なこういう格好からきている。公然とだれと、何の太郎兵衛というのに証人になってもらって、そこから情報をもらって、受取りを持ってきた、それで支払いの授受ができるようになっておれば、会計経理ができるようになっておれば、これはそういうことはできない。しかし一般の会計経理なり会計の原則では当然それをやらなくちやならぬ。それも全然暗箱になっておって、局長の報告だけで、それを信用しなくちやならぬというところに追い込まれて運営しているところに、私は最大のごまかしの根源があり、人権侵害の根源があり、政治の不明朗の根源があるということを言っている。この点はどうなんです。松平次官にお聞きしたい。あなたは正常に運営しているといっているわけですけれども、はっきり伊藤の一例だってそうじやないですか。非常に私は迷惑している。私の母は二年ばかりで死にました。のろわれた死です。ばからしい。冗談じゃないですよ。そういう人権侵害までやって、莫大な金がそこに動いているんだ。そういう連中は景気がいいんだ。金を持っています。どっから入るかわからないが、そうしてこれをばらまいている。公安調査官というのはなかなか景気がいいんです。景気が悪くちゃできないことなんだ。酒を飲ましたり、女を世話したり……。例をあげますか。あまりなめちゃいかぬ。それがどうして暗黒でないといえるか。会計検査院さえつくことはできない。こんなことで国家の経理が行われている。これが公正だなんといっても、これは了承することはできない。これは破防法違反なんだ。あなたはさっきこういうことを言っておる。強制的な調査の権限がない、高橋次長、そう言いましたな。だからこういうようなことを言って、よろしいといわんばかりにいろいろな例をあなたはあげた。しかし強制的な調査権限がないということは破防法の精神なんだ。これを越えてはならない。だから機密費でもってそれをまかなって、それと同じような効果をあげようということは、これは明らかに破防法侵犯じゃないか、はしなくもあんたは暴露している。破防法侵犯じゃないでしょうか。破防法を拡大解釈されている。
○政府委員(高橋一郎君) 経理の適正のために手続が非常に重要であることは、私もよく存じておるわけであります。ただ先ほど来申し上げましたような事情によりまして、やむを得ず現行 のようなやり方をやっておるわけでありますが、だからといって調査官が金は幾らでも使えるのだ、実際使っておるのだというふうに結論づけられるのはまことに残念であります。やはり公務員であり、調査官でありますから、事実についてやはり納得できるだけの仕事を自分でやって参るのが普通でありまして、今日、中には心得違いの者がないとも限りません。そういう場合にはむしろ手続をいかに厳格にいたしましても、そのような者はやはりあり得るのでありまして、かりに先ほど岩間さんがおっしゃっておったようなものが不幸にして事実であったといたしますれば、これは歳ことに私ども先ほど申し上げたように、不明を謝するほかないのでありますけれども、一般的にそのことからして非常に勝手ほうだいなことをやるのだというふうにお考え下さることは、非常に私どもとしては遺憾に存ずる次第であります。 それから破防法に基く調査ということにつきましては、これはしばしば申し上げた通りでありまして、あとは遺憾ながら見解の相違ということに相なろうかと思っておるのであります。
○委員長(三浦義男君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記始めて。
○岩間正男君 調査官の手続で、あんたたちは間違いないのだというふうに言われておるのですが、私おかしいと思うのです。先ほどのあんたたちの言葉の中に、強制的の調査権限はないのだから、いろいろ情報を入れていい。その入れる中で、たとえば金品をやってもいいということを言っているわけでしょう。そういう供応はしてもやむを得ないのだ、皆そう了承してやって出しているのですから、調査官を責めるよりも、そういう根本的なあんたたちのやり方そのものが対象にならなければならぬと思うのです。それから研修をやっておるそうですが、研修のやり方を示してもらいます。どういうことを研修しているのか内容を。むしろそういうふうにして相手から情報を吐き出させる方法を教えているでしょう。研修というのは、公安調査官になるには、スパイ養成といっては言い過ぎかもしれません、が、そういうやり方はまずかった、こういうところはもっとうまくやらなければいかぬ、こういうところは共産党に指摘されるようなやり方は実にまずい。だから実際その大元で動かしている問題は、自分のことはたなに上げて、どうも調査官が悪いので、中にはそういう者がいるというけれども、そういう者が大部分じゃないのですか。その人の中にはいやがっている人もあるかもしれないけれども、職務だからやむを得ない、それでなければやっていけない。調査官の俸給というものもあまり高いものじゃないのでしょう。だからそういうような機密費なんかでどんどんやはりまかなっていくというようなこと、が出てきているのじゃないかと思います。そういう今の言い方というものは、これはまことに頭隠して尻隠さずというようなことわざそのものを露骨におっしゃったのじゃないか、あなたの言葉自身がそういうことを証明している。 最後にもう一つお聞きしたいのですが、盗聴器の問題出ていませんが、盗聴器はどういう費用でまかなっておりますか、お聞きします。
○政府委員(高橋一郎君) 私どもの方では機械設備は庁費で支出しております。いわゆる盗聴器というものは別段持っておりません。
○岩間正男君 そうすると、この盗聴器の問題がしばしば出てきているのですが、これは公安調査庁は全然関係がないのですか。
○政府委員(高橋一郎君) さようであります。
○岩間正男君 全然盗聴器を使ったという、そういうことは御存じないのですか。
○政府委員(高橋一郎君) 私の方でも、たとえば犯罪捜査の場合に、調査を書く手数を省くために、録音機などを使用することは、これは、もちろんございます。しかし、ただいまおっしゃる盗聴器云々ということはやっておりません。
○岩間正男君 例はたくさんあります。写真までわれわれは何しておるのですが、そういうことは一切ないということですか。人権の侵害をやっておる。こういう盗聴器を使うのは、破壊活動をやるのかもしれない、スパイ組織で。これはむろんあんたの方の調査の対象になりましょう。さっきもちょっと暴力団のことが出ましたが、こういうものを調査するのも当然あんたたちの任務じゃないですか。
○政府委員(高橋一郎君) 共産党の方で盗聴器云々ということでときどき問題にするということは、アカハタ紙上などで私も承知しております。盗聴器を使うということが破防法の対象になるかどうか、私は十分検討したいと思いますが、絶対そういうことは対象にならないと思います。
○岩間正男君 対象になるならないよりも、一体そういうことはいいことですか。人が会議をやっておるところにいつのまにか、いつ忍び込んだのか、屋根裏にちゃんと盗聴器をかけるとか、壁の中に仕込むとか、私は福島の例を見て参りましたが、隣の池の中に盗聴器の中継所を置いて、そこから雪の中に電線を張りめぐらして、そして壁の中に突っ込んである。私現場を見てきておる。ああいうことがいいことですか。破防法の問題じゃないでしょう。そういうことはやらなければならないことですか、これをお聞きします。
○政府委員(高橋一郎君) どうも、私どもに直接関係のないことについてただ意見を述べることだけになりますので、意見は差し担えます。
○岩間正男君 絶対そういうことはないと、あんたはおっしゃるのですか。
○政府委員(高橋一郎君) さようでございます。
○岩間正男君 あとで具体的な事実をあげて明らかになったときに、あんたの責任はどうしますか。
○政府委員(高橋一郎君) 仮定の問題でございますから……。
○岩間正男君 あんたはそう言っておるが、いやしくも国会の当委員会において、そういう事実はないと公言しておるわけでありますから、今私は時間の関係からこれを詳しく申しませんけれども、たくさんの事実があげられます。その事実があった場合、あんたはどうするのか、仮定の事実と言っておるが、証拠もあり、写真まで用意してあるのです。これについてあんたは責任を負いますか。松平次官ちょっと責任の所在を明らかにしていただきたい。どうですか、今あんたの方の扱っておられる次長が、事実はないと、こう言っておる。いやしくも国会の委員会におきまして公的の発言をしたのでありますから、それについて前言と食い違いのある事態のはっきりした場合に、どれだけの責任がとれるのですか。これは大臣がおいでになりませんので、当然次官より代理として答弁していただきたい。私たちは処分してもらわなければならぬと思います。
○政府委員(松平勇雄君) ただいまの具体的な問題に関しましては、今後調査してみなければわからぬ問題でございまして、それに対して仮定によって今どうするかということは御答弁できないわけであります。
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記入れて。今資料の要求が……。
○岩間正男君 私は研修の内容、それから調査庁の課長が異動した、その異動した人員につきまして、昭和二十九年度あたりから最近のもの、それを出してもらいたい。その異動の理由はどういうところにあったか、そういうことをはっきり私は資料として要求したいと思うのです。ということを申し上げるのは、これは私自身の問題にも関連して、先ほど申しましたように、私自身が国会議員としまして、そのようなよこしまな調査活動というような意味におけるところのスパイ活動によって非常によごされた、憤慨にたえないのです。しかもこのことは私個人の問題でなくて、国会議員全体の身分保障の問題にはっきりつながっておると思う。たとえば、われわれは汚職の問題を当決算委員会において徹底的に追求しようとする。とにかく国民の利益を守るためには、身命を賭してもわれわれは戦わなければならないという事態が起らないとは言えません。そういうときに、今言ったようなわけのわからない形でもってわれわれはスパイに包囲されたり、尾行されたり、そして身分に対するところのいろいろな圧迫がきた場合には、われわれは十分にこれはやり得ないという事態でも起るだろうと思います。むろんそんな不当なものに対しては、われわれはそういうものを粉砕して戦うつもりでありますけれども、しかし国会議員の身分をはっきり法によって認められ、そういうような身分保障のある者に対してさえ公安調査庁は過去におきましてそのような不当なことを私自身にはやった。しかもこれは国会議員だけの問題でなくて、全国民に対するところの自由の侵犯の問題とはっきりつながっておるのでありまして、私はだからこの問題をもっともっと当委員会でも明らかにされることを望むわけです。同時に今の資料をはっきり出していただきたい、このことを要求したいと思います。委員長から念を押していただきたいと思います。
○委員長(三浦義男君) ようしゅうございますか。
○政府委員(高橋一郎君) 研修の内容と課長の異動につきましては了承いたしました。課長の異動の理由というのは、もう一般のいわゆる栄転でありまして、別段の理由は実はございません。
○岩間正男君 とにかく栄転なら栄転 でけっこうですから、そういう資料を出していただきたい。 それからもう一つ追加してお願いしたのは、会計検査院に見せるリストというの、があるのですね、それをちょっと出していただきたいですな。どういうリストを見せているのか。それは当決算委員会においてリストを見ることは、これは非常に重要です。会計検査院に見せているのですから、その内容は見せることができるでしょう。それから会計検査院に見せなくても当委員会に見せなくちやならないという事態もできると思う。これを出していただ・きたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(高橋一郎君) ただいまのリストというのは、資料として提出いたしかねます。
○岩間正男君 出せないのですか。
○政府委員(高橋一郎君) そうです。
○岩間正男君 出せない理由をおっしゃって下さい。
○政府委員(高橋一郎君) 先ほど来申し上げました理由でございます。
○岩間正男君 秘密を保持するという意味ですか。
○政府委員(高橋一郎君) さようです。
○岩間正男君 国会の、決算委員会の要求に対して、会計検査院に見せているところのものを見せることはできない、そういうことになりますね。そう了承してよろしゅうございますか。そう了承してよいのでございますか。
○政府委員(高橋一郎君) やはり先ほど来申し上げました理由に基きまして、差し控えさしていただきたいと思っております。
○岩間正男君 会計検査院に見せているものを当委員会に見せないというとどういうことになりますか。私は何ら差しつかえないと思うのですがね。ますます疑惑を深めるだけじゃないですか。会計検査院に不十分なリストを出しているわけですか。そのリストで了承してもらっているわけでしょう。だからこういう指摘もないわけです。こういう指摘なんかも十分そういうところが明らかになれば何ぼ出るかわらない。しかし指摘もないわけなんだ。だから今後の運営については、当決算委員会は国政を審議する上から当然でしょう、それを明らかにしなければならない。どういうリストを出されて、どう了承されてこういう報告書には指摘をされないのか、ここが問題なんです。会計検査院の強化の問題が大いに問題にされて、われわれも賛成です。こういう機構の問題と関連して、そういうあなたたちのまるで傍若無人な独断が許されると思っていますか。私は当委員会の名において同僚の議員の皆さんの了承を得て、それぐらいのものは出していただきたい。私はどこへ行って芸者の花代を……それまでは出してくれと言ってはいないのです。会計検査院に見せるリストを当委員会に見せることができないということは、あなたたちの本質を語っているのじゃないですか。あくまで秘密主義なんで、秘密でやっていけば何でも通る。これは非常な暗黒じゃないか。あなたの一存ですか、それは……。これは公安調査庁の全体を貫く方針ですか。では松平次官にお伺いします。これは法務省の方針なんですか。
○政府委員(高橋一郎君) 私の申し上げたことは、私個人でございませんで、公安調査庁の方針としてお聞きを願いたいと存じます。
○岩間正男君 松平次官お願いいたします。
○政府委員(松平勇雄君) ただいま高橋次長の申しましたことは、法務省の方針としてお聞き取りいただいてけっこうだと思います。
○岩間正男君 受け取ってけっこうだということ、そうきめているということとは違うのです。これははっきりきめてないのですか。これは政治的に考えてもまずいと思う。これだけわれわれはここで質問して、そうして今ここで焦点になって、一つのそこのところが暗黒だと私は指摘している。それを明らかにするのは、あなたたち当然の任務でなければならない。そうすると公安調査庁というものは全くわけのわからない、そうして全くそれはあなたたちの独断によって、ほんとうにかつての軍がとったような……。会計検査院に見せている、そうするとその見せているものさえ国会議員に見せられない。委員会の要求があっても見せられないということになったら、これはどういうことになる。
○中野文門君 今、岩間君の発言だけれども、今のあなたのリストの提供問題は、この委員会がまだ委員会の要求で要求した発言ではないと思うわけです。その点だけ一つ……。
○岩間正男君 どうでしょう、皆さんも聞いておられて、それは……。
○中野文門君 黙っておるだけで、こっちは……。だから委員会がリストの提供を委員会の決議として要求したような発言ではこちらは困ります。これは一つ理事会で相談しよう。あなたの御要求の内意もあるから……。
○委員長(三浦義男君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記を入れて。 ほかに御質疑はございませんか。御質疑はないと認めます。では法務省の部、検査報告批難事項第四十九号から第五十七号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。 以上をもって本日の審議を終ります。次回の委員会は、十九日金曜日の午後一時から開く予定にしておったのでございますが、ほかに御相談申し上げたいこともございますので、一度理事会を開きまして、その上で決定して、いずれ公報をもって皆さんにお知らせを申し上げたいと存じますから、御了承願いたいと思います。 これをもって委員会を散会いたします。 午後四時五十一分散会