決算委員会 第19号
- 発言数
- 238 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1957/03/16
会議録
○委員長(三浦義男君) ただいまから第十九回決算委員会を開会いたします。 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書 昭和二十九年度政府関係機関決算書 昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書 昭和二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書を議題といたします。 まず、農林省の関係の質疑を行います。 本件に関し御出席の方々は、井出農林大臣、会計検査院第四局長、会計検査院事務総長、小倉食糧庁長官、渡部経済局長、川戸経理厚生課長の諸君でございます。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○大谷贇雄君 この間中当委員会で委員各位から再三再四にわたって黄変米のその後の処置についての質疑がなされておるのでありますが、過日も長官に対する質疑におきまして、黄変米の今後その在庫の処分についての方針等がはっきりせぬのであります。これはすでに昭和二十九年度以来の問題であって、当時から世間を非常に騒がせた問題で、しかもこの保管料が年間四億円もかかるというような莫大な費用を要するのであって、国民といたしまして、それはその処置のすみやかならざること、方針の確立しておらぬということについて、非常なこの当局の怠慢としか思われぬのであります。この際、二十九年度の総括質疑の最終の段階におきまして、この点を明確にいたされたいと思います。これについて大臣から御答弁をいただきたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 御指摘の病変米の問題につきましては、私も重大な関心を寄せておるのでありまして、今回食糧管理の問題につきまして、政府に調査会を設けまするような次第に相なっておりまするが、やはりこういう問題にも一つわたって厳密な検討を加えたいと思っておるわけであります。 そこでこの処理の方針でございますが、あるいはすでに事務当局から御説明も申し上げたかと存じまするが、いわゆるサンプリングという形によりまして、上中下という品質の分数をいたし、良質米で検査に合格いたしましたものは、これは食品加工用に向ける、下級品はアルコールないし、のり用に仕向ける、それから中級品の処理につきましては、なお研究を要する部分もございまするので、その結果を待って処分をしたいと思っておるのであります。このような方針で、現在在庫しておりまするものを全量処分をいたしまするためには、どうも今後二年くらいを要するのではなかろうかと、こういうふうに思われるのでありますが、そのほかにも新たな用途をできるだけ見出すというようなことで、関係各方面の御意見等も徴しておるような次第でございます。いずれにいたしましても、これを長期間抱いておりまする限りは、御指摘のように金利や倉敷もかさむばかりでございまして、ある程度思い切った処置に出なければいかぬのではないか、かように考えておる次第でございます。
○大谷贇雄君 大臣から、今、今後その処分をするのには二カ年間のまだ日を要するということでありますが、一刻も早く断固たる処置をしなければ、外米の輸入はこれはやめるわけにはいかない、そうすれば、この在庫品を早く始末をするということが……。一日置けば置くほど多額の保管料を要するというようなことであっては、今お聞きするような方針は了承いたしまするけれども、その処置が二カ年間も要するというようなことでは、これは全く国民に損害を加重するだけであって、従ってすみやかなる処置をお願いをいたしたいと思います。 なお、この黄変米の損害については、買い入れ価格あるいは中間の経費、それから今申しました保管料、金利、受け渡し価格というようなことによりまして、黄変米によりまする全体の損害がどのくらいになるのだということを、この際承わりたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 従来焼却その他いたしました分も相当にございますが、大体の計算は四十億ぐらいの損害に相なっておると思うのでございます。これをさらに処分をするというような場合に、差損が出るということも予定せられておりますが、まあ焼却も相当しておりまするので、今後できるだけ有利に処分をいたすということも考えつつ参りまするときには、今まで出ておる四十億にさらに若干の損失が加わるのではないか、こういうふうに思っております。
○岩間正男君 関連して。この前資料を要求しましていただいたのですが、大体四十億という今御説明のような数字が出たわけです。そこでこの内訳がわからないのですね。非常に概算的で、売買損及び評価損、それから諸経費というような格好で、諸経費の内訳に保管料、金利という形で数字が出されております。これはちょっと詳しくやっていただきたいのですが、非常にこれは資料としても不親切な資料になるのではないかと思うのです。それで、売買損、評価損というのはどういうのか。それから保管料、金利ですね、これの内訳を少し説明していただきたいと思います。
○政府委員(小倉武一君) お尋ねの売買損、それから評価損というのにお示ししましたように十九億六千二百万円と、こういうふうになっておりますが、内容が二つに分れるわけでございまして、評価損の方から御説明いたしますると、御承知のように、年度末に決算をいたします場合に、評価をいたしまして決算いたすわけでございますが、その場合に、病変米については普通の製品の価格に見込むというわけに参らぬ部分が大部分でございますので、そういうものについて損をさせるという部分でございます。それから売買損と申しますのは、実際、売買をやりました結果、損が出るか益が出るかということがございますが、その損益を見ておるわけであります。(「そんなことわかっているよ」と呼ぶ者あり)十九億六千二百万円の内訳を申し上げますと、評価損は十八億一千二百七十万円、それから売買の損益の方でございますが、これは益でございまして、三億四百三十万円、ロスが四億五千三百三十万円、それを締めまして、評価損及び売買損、ロス合せまして十九億六千二百万円になるわけでございます。
○岩間正男君 そうしますと、益分というのは何ですか。これは最初黄変米が入ってきたときに知らないで売りましたね、そのときのことですか、そうでしょうな。
○政府委員(小倉武一君) これは先ほど申し上げましたように、当該年度の二十九年のものでございますが、二十九年におきまして評価がえをいたしております。低く評価いたしておりますものですから、その後売却したものにつきまして、その評価価格よりも高く売れるものがございます。そういうものについての益でございます。
○岩間正男君 病変米が騒がれてからはまさかこれを高くは買わなくなったと思うのですね。そこで今聞いてみますというと、あの当時評価がえをしてそして高くなった。これはいつ売り渡したのか、売り渡したのは——あの問題がやかましくなったのは二十九年の秋でしたかな、秋だったと思いますけれども、その以前、これはいつごろ売ったものです。つまり益の方は、その以前か何かに売るかしたものじゃないですか。それからロスの方は、その後に、あなたのお話のように食品加工には間に合わないと、こういう形で出されたものじゃないですか。このことがはっきりしないで、ただばく然として出されたのではわからないのです。どうですか。
○政府委員(小倉武一君) 売却いたしました用途は、これはお尋ねのように加工食品用、あるいは飲用アルコール用、あるいはのり用等でございます。それにつきまして最近の処分の状況を申しますと……。
○岩間正男君 その最近のやつは概算で、全部トータルでいいんですよ、そんなこまいことを一々日記風に聞いても、われわれ何の参考にもならぬ。ただ、問題となったのは二十九年の秋と思いますが、その秋の前に売ったのが、おそらく私の推定では、これがあなたの三億四百三十万というものになるのじゃないか。それからあれが騒がれまして、検査をやって、そして加工用とか、のりとか、もうアルコール原料としてしか売れなくなった。これが最初の十五万二千トンが、この前の説明によりますと十一万七千トンということになったんですから、三万五千トンばかり処理されている。その処理の内容が、どういう値段で、いつ、どう売ったかということが、少くともやはりこれは当委員会では重要な資料になると思うんですが、その点が非常に明白でないわけです。どうも病変米、黄変米でもうけもあったんだというようなことは、ただいま実は寝耳に水で拝聴したわけなんで、驚いてるわけなんです。病変米でまさかもうけはしまいと思ってたら、もうけもあった、そのあとのロスを補って、なおかつ赤字が出たわけですけれども。そうするとこれは病変米でもうけておった点があったんだということは非常に数字的に重要なんで、その点これは、そういう点の何が、トータルないんですか、あなたの方に。これをお出しになるとき、少くともそういうトータルがなくちゃ、元帳がなくちゃ出ないと思うんだけど、ちょっとその点聞かして下さい。
○政府委員(小倉武一君) 二十九年までに、二十八年—二十九年に三千三百五十八トン処分いたしております。三十年に一万一千八百五十四トン、三十一会計年度、これは見込みが入ってございますが、三万五千九百トン、こういうことであります。合せまして五万一千百十二トン、こういうことであります。これは三十一年度の分は今申しましたように見込みが入っておりまして、実績ではございません。
○岩間正男君 そうすると私がさっき聞いた十五万二千トンという病変米の数字、ちょっと狂うんじゃないんですか。今手持ちはたしか十一万七千トンというふうに聞いておるんですが。
○政府委員(小倉武一君) 十二万五千トンという数字は、これは昨年の九月一日現在の数字でございます。そして現在二月の数字が十一万七千トン、こういうことであります。
○岩間正男君 これは時間の関係から、まあ資料をやっぱりもう一ぺんいただかないと、残念ながらわからないと思うんです。実はここに速記録がありますけれども、病変米の最初からの手持ちはいかがですかというふうに私がお聞きしたんです。これに対してあなたは、十五万二千トンというふうに答えられている。そうすると今の数字で二万近くの食い違いが出てきた。そうすると二十八—九年度に一体どれだけ処理したのか、病変米が騒がれる前にこれは処理されて、三億何がしの益金を上げているということが今新たに発見されたわけなんです。この点やはり処理の問題とも関連して、この点私たち決算委員としては責任をやはり国民に負うわけでありますから、ここを明らかにしていただきたいと思うんです。 つまりこういうことになります。資料としましては、一番最初の手持ちは幾らか、それから何年度にどれぐらい処理したか、ことに病変米の問題が騒がれた前にどれぐらい処理されたのか、そのときの益金は幾らか、それからその後に累年にわたって処理されたのが幾らか、それについての損害は幾らか、そして今の差引がおそらく出るということになるんだろうと思うんでありますが、その点やはり明らかにしていただくことが重要じゃないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(小倉武一君) 十五万の数字は、これは三十年の二月一日の在庫ということで、たしか国会へも御報告してある数字だと思いますが、これが十五万一千九百六十九トンということになっております。その後の経過を申し上げますと、三十一年の四月一日、これが十二万八千八百九十一トンになっております。それから三十一年の九月一日、これが先ほどの十二万五千トンと申し上げておる数字でございまして、十二万五千十三トン、それから本年の二月一日が十一万七千三百九十一トン、これが十一万七千トンというふうに申し上げておる数字でございます。
○岩間正男君 私途中で、関連質問であまり時間をとって申しわけありませんが、それとわざわざ農林大臣がおいでになっておるのに数字問答でもないと思いますから、今のはしかし、私が申し上げたような形で資料を出していただいた方がいいと思うんです。どっちにしても、その点はこれは新たにお聞きしたことだと思います。当委員会としてもそうだと思います。私自身としてはなおさらでございます。前後の処理の関係が非常に不明朗だ、価格もわからない、これをやっぱり出していただきたい。 それからその次に金利と保管料の内容をちょっとお聞きしたい、年間どれくらい……大体でいいですよ。
○政府委員(小倉武一君) 金利、保管料のお話しでございますが、これは二十九年度までの分が、保管料が三億六千八百万円、金利が三億四千八百万円、三十会計年度保管料が三億八千七百万円、金利が三億七千九百万円、三十一年度、これは見込みでございますが、三億一千五百万円保管料、金利は三億七百万円、こういうのであります。そのそれぞれの合計がお示ししてある数字でございます。
○大谷贇雄君 黄変米の行方につきましては天下を騒がした問題でありまするから、従って国民は非常な関心を持っておると思います。従いまして、農林省におきましては、今、岩間委員からの資料要求等につきまして、ますます疑惑が出てくるようなことでは容易ならぬことだと思いますので、先ほど大臣がお話しされましたように、これは急速に一つ処置をしていただきたい。そうして国民の納得のいく明快なる解明をするように一つお願いいたしたい、かように思います。 それから次に、先般来当委員会におきまして、当委員会のみならず、農林委員会におきましても問題になっておりました多久島事件の問題、これにつきましては先般来お聞きをいたしまするというと、農林当局としては、裁判の結果を待つよりしようがない、そのほかに処置がないような、きわめて隔靴掻痒の処置しかとられぬような状態にある、はなはだ遺憾千万だと思うのであります。最近こういうような官庁の若い職員が、全く天下を瞠目させるような事件を次から次へ起しておる。最近も農協に勤めておる若い青年が五千万円からのつまみ食いをしておるというような状況が発覚をいたしたことは御承知の通りであります。従ってこれらに関しましては、一体監督官庁としての農林大臣としてはどういうようなお考えと、またそれらに対するこの綱紀を厳正ならしむるために、大臣はいかなるお考えを持っておられますか、伺いたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) さきの多久島事件といい、また今回、全購連に起きました河村事件といい、まことに仰せられますような、若い職員が、常識で考えられないような大事を引き起しておるということにつきましては、私も監督の衝にある者として、いたく恐縮をいたしておるわけであります。 多久島事件につきましては、すでに部内においてのそれぞれの措置と申しますか、責任の所在を明確にいたすということは、私の就任前に一応なされておったことでございますが、私も就任とともに、部内を戒めまして、一体かかる事件がよって生ずるゆえんはどこにあるか、何かネジが一つゆるんでおりはしないか、こういうところから事態の真相を十分に聴取をいたしたわけでございます。特に農業保険課というようなものの機構、お互いに牽制をし合うような職員配置というようなことにおいて欠けるものがないかというあたりの検討をいたしまして、十分目が届くような仕組みを実は編成がえをし直した次第でございます。このことはまだ裁判中でもございまするが、ともかく大きな国損を来たすということでは、まことに申しわけがないのでございます。ただいま鋭意それが回収にも努力しておるさなかでございます。 また、今回の全購連に起きました事件は、農林省の経済局が監督の衝に当っておるのでありまして、昨年一月監査をいたしました際にも、もちろんこの具体的な事件を予知するということは困難でございましたが、全購連自体に警告的な、もう少し締めなければいかぬという意味の指示を与えておったわけであります。本年一月やはり監査をいたしましたが、この具体的なケースについてはわれわれの監査にはかかって参らなかった次第でございまして、まことに遺憾千万でございます。そこで全購連の会長以下を私の手元へ招致いたしまして、つぶさに事情を聞いたわけであります。一体この農協というものは、特にその中央団体は、零細な農民の資金が集まって、そして形成されておるものではないか、この金がかくも手軽に安易にごまかされるというふうなことは、やはり欠陥が内在しておるに相違ない。その根本にメスを入れなければいかぬということを強く警告いたしたわけであります。これはまだ問題が司直の手にございまして、全貌を——輪郭はわかっておりまするが、全貌をつかむのにはもう少し時間を要するのではなかろうかと思うのであります。全購連自体も非常にこのことに対して責任を感じまして、役員それぞれ責任をとろうというような意思もあるやに聞いておりまするし、部内の職員のごときも、自分らの給与の一部をさいてでもこの損失を補てんしなければならない、こういう気分に盛り上っておるようでございまして、この一事を一つの警鐘として、農業団体自体が反省をし、ふるい立つという契機にせしめなければならぬと考えておるのであります。まことに事柄は遺憾千万でありまして、私もまことに残念に思うのであります。御趣意の点を十分に体して、さらに役所の監査機構をも充実をいたし、またこういった団体の自己監査というものも、従来のあり方を改める指示を与えなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
○奥むめお君 新しい農林大臣は非常に農政通でいらっしゃる点で、私たち期待を大きく持つわけでございます。今度臨時食糧制度調査会を持ちまして、いろいろ食管会計の抜本策をお立てになると聞いておりますので、その成果を期待しておるわけでございますが、大臣は食管の赤字を消費者の米価にしわ寄せするという問題についてどういうふうに……大臣の背骨としての考え方はどうなんですか、それを伺いたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 食管会計というものがいろいろ御批判を浴びておりますることは、御承知の通りでございます。私、就任とともに、このあり方の合理化、健全化というところに思いをいたしまして、検討を加えて参ったつもりでございます。そういう場合に、一体食管の形というものは、特にその価格構成のあり方というものは、二重価格制度というふうな形が一体いいのかどうか、あるいは経済が正常化した今日、需給均衡的な価格というものでものを考えるのがいいのか、これは理論的に申しましても、いろいろ議論の余地があるところであろうかと思うのであります。従いまして、ただいまのところは調査会の結論を待って、この答申を十分に尊重してやって参りたいというつもりでおるのでございますが、この食管に赤字が生ずる原因というものは、これはいろいろあろうかと思うのであります。この中には消費者が負担すべきでないという部分も確かにある。あるいはまたその一部はコストとして価格の中に入り込むのが理論的に正しいという要素も出てくるのではなかろうかというような工合でございまして、まだ私も、調査会の結論を待った上で処置をいたしたいと思っておるのでありますが、できる限り消費者価格へ波及をしていくということを防ぎたい、こういう考え方に立っておることをこの際申し上げておきます。
○奥むめお君 新聞なんかでいろいろ論難されているととは御存じと思いますけれども、現に新内閣ができてから、消費者米価を上げるという強硬な方針をとっていらっしゃるつもりだったにもかかわらず、党内の派閥の関係から反対が出て、これを引っ込めた、これはまあたれでもよくわかる事情ですが、そういう事情で値上げが食いとめられただけに、その先どうなるかという問題は、非常にこれは政治的な意味も含むし、また社会的にもずいぶん重要な進み方をするだろうと思って関心を持っているのですが、そこで、調査会ができた。調査会というものが、政府が消費者米価を値上げしようとする意図で、ただ、かいらいとして作ったにすぎないことは、その顔ぶれを見ても、私どもが見ても、まあ、ともかく政府の言い分をそのままのむであろうという結論に近づくとより考えられないような人選である。もうすでに会議をお始めになったようですけれども、それは世間の見るところだと思うのです。大臣においても、多少そういうことではお考えになっているかと思うのですけれども、調査会については、私は詳しいことを言うわけじゃないけれども、たとえば黄変米の問題、あるいは政府としても去年の豊作とおととしの豊作、二年続きの豊作で、手持ちに持ち過ぎていなさる米のほかにも、いろいろ苦労していらっしゃるかと思っておるのでございます。そのほかいろいろな点で、私たちが少しもそんなことを負担する必要のない赤字まで消費者に肩がわりせられて、計算せられたということに対していかがでございますか、お考えは。
○国務大臣(井出一太郎君) 私といたしましては、食管会計の持っておる……相当複雑な機構でございますから、これを十分に仕分けをいたしまして、今、御指摘のあった、たとえば病変米からくるような損失であるとか、あるいはまた二年続きの豊作のために異常な在庫量がある、このことから出て参りまする損失であるとか、こういうふうなものは十分検討をいたしまして、少くともかような損失は消費者に転嫁されるというふうなことはなからしめたい、こういう考え方に立っておるわけであります。
○奥むめお君 臨時食管調査会の諮問にお出しになった資料を一つ続けてこの委員会にいただきたいと思うのでございますが。それから、その顔ぶれやら、肩書やら、とれからもずっと経過的にとの委員会に出していただくことをお願いしたい、それだけです。
○大谷贇雄君 先ほどの多久島事件の問題でありますが、幸い法務大臣御出席でありまするので、との機会に明らかにしていただきたいと思います。この多久島問題にしましても、また今度農協の河村などという若い青年が公金なり……あるいは今度の河村事件のごときは、先ほど農林大臣がおっしゃいましたように、きわめて零細な農民の金をつまみ食いをする、これはもう許すべからざるととであって、これはもう国民道義の上から見まするときに、こういう問題が次から次に起って、しかも裁判中であるということで長い年月そのままになっておる。ああして新聞なりラジオなり天下に知れ渡った事件が、その結末がつかぬということは、国民大衆に与えまする影響というものは非常な深いものがある。こういう一事が、私はとの青少年の道徳問題にも関連をして非常な悪影響を与えるものだと思うのであります。従ってこういう点に関しまして、法務省としましては、その経過がどうなっておるかということを明らかにこの際していただきたい、かように思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 御指摘のようなこの種の事件が起きますことは、まことにこれは遺憾にたえないところで、検察当局、法務当局といたしましては、できるだけ検察の業務を厳正に進めまして、事件の今後、将来の防遏に努めなければならない、かように存じまして、今度の河村秀郎という事件につきましても、鋭意目下捜査を続けておるような次第でございます。 なお、多久島の事件につきましては、厳正に検察を進めて、適正な裁判を求めると同時に、一面におきましては、このような多額の金額が、国民の血税である貴重な金額が使い込みをされておるということは、できるだけこれを弁償をさせることに努めまして、弁償を勧奨して、鋭意損害の回収に努めるということも、これは検察の直接の任務ではありませんが、必要と考えまして、大体多久島事件は七千九百円の使い込みのようでありますが、そのうち現在弁償をいたしておりますのが約その半額、四千万円ほどでございます。現金で弁償せしめましたものが三千二百万円、それから現物を提供せしめましたものが約七、八百万円、これは金額でありませんから、正確な数字は申しかねますが、大体七、八百万円程度でございまして、合計いたしまして、約四千万円内外の弁償をさしておるのでございますが、事件の推移といたしましては、昨年の九月二十一日に起訴をいたしまして、本年の三月四日の公判に至るまで、大体二十三同公判の開廷をせられて、おそらくこの夏には結審を見るだろう、かように思うのであります。現在の訴訟法が、御承知のように非常に証拠法その他複雑になっておりますので、訴訟がある程度、この種の事件はやはりそれぞれ証拠の裏づけを行い、法廷の立証をとげて参りますのには、相当開廷の回数を重ねませんと終結ができませんので、目下事件としての進行状態はさような状況になっておることをこの際申し上げておきます。
○大谷贇雄君 法務大臣の御説明でよくわかりましたが、むろんこれによっての損害を少からしめるということが、国民の税金でありまするから当然の措置であります。また、この訴訟が慎重にやっておいでになるということについても、よくわかるわけでありますが、問題は、私はこういう事件によって国民全体に与えるところの道義的な影響というものが、非常なはかることのできぬような大きな問題であろうと存ずるのであります。従いまして、裁判所におきましては人の足らざる点もありましょう、いろいろ困難もありましょうけれども、今あなたが法務省としてのらち外であるけれども、回収せしめるということについても鋭意努力をしておると仰せになりましたように、こういう事件を今後起らしめざることが、やはり法務省としてのこういう事件を防遏せしむる大きなことになっていくと思うのです。その意味合いにおきまして、私はぜひとも慎重であることはけっこうでありまするけれども、こういう天下を、世の中を震撼せしめたような事件に関しましては、ぜひとも慎重かつ急速に一つ措置をお願いをいたして、国民が一刻も早くこういう点につきまして適正な処分ができたのだと、こういう印象を与えるような御措置をお願いを申し上げたい、かように存ずるのであります。
○国務大臣(中村梅吉君) 御承知の通り、裁判の方は独立した国家機関として裁判を行うのでございますが、検察関係といたしましては、この種の事件は、お説の通り、できるだけ迅速に審理を進めまして、すみやかに結論を出し、そうして国民感情にもこたえなければならない、もちろん私どももさように考えております。従いまして、本件のような事案につきましては、たとえ検察官に他の業務との関係でいかなる事情があろうとも、こちらの事情で期日がおくれたり、あるいは公判が延期をされたりすることの絶対にないように、われわれといたしましては今後も努力をいたしまして、すみやかに適正な結論を得、厳正な裁判の下りますることに大いに努力をいたしたいと思います。
○委員長(三浦義男君) 岩間君、今のあれですか、多久島の問題ですか、だんだん問題を整理していきたいと思いますが……。
○岩間正男君 多久島の問題もありますが、それただけじゃありません。私は三つの問題について質問をいたしたいと思います。黄変米の問題と、第二は食管会計の問題、第三は多久島の問題。
○委員長(三浦義男君) 多久島の問題は、法務大臣に関係しておられるなら早く一つ。
○岩間正男君 法務大臣急いでいられるわけですか……。それでは多久島問題から質問さしていただきますが、ただいま御答弁がありました。この前の決算委員会でも多久島問題について、私は時間を少しいただいて御質問したわけであります。そのとき法務大臣の出席をお願いしたわけなんでありますが、何か忙しくてお出にならなかった。で、だたいま御答弁があったわけなんですが、その後の補償のやり方、返還させるというやり方は、私たちのいただいたこの資料とはだいぶん違ってきておるのですが、これはどういうことになりましょうか。三十一年十一月八日ですか、農林省が出した「多久島貞信の農業共済団体事務費負担金に関する不正事件の概要」というやつです。その後変ってきて、償還の問題、これは今進んでおりますか。
○政府委員(渡部伍良君) 法務大臣が仰せになりました多久島が詐取した金額の総額、それから行政的に超過払い、過誤払いして戻入されたもの、それから多久島事件発覚後返還させたもの、それから多久島の財産から返還さしたもの、この三つを総合いたしまして、法務大臣が仰せになったと思います。私の方でこの前御説明申し上げましたのは、行政的に過誤払いとして差し引いたもの、それが千九百三十五万一円あるのであります。そのものを差し「引いた残りのものについて申し上げておりましたので、多少説明の仕方が変っておったかと思いますが、内容については法務大臣のおっしゃったところと大体合っております。
○岩間正男君 そうしますと、この中には、兵庫県に立てかえて政府が出した、あとで多久島から返さした、あの額はどっちに入るのですか。この七千九百万円に入るのですか、それはどうなんですか。
○政府委員(渡部伍良君) 七千九百万円は全部含んでおるわけであります。
○岩間正男君 今の中……。
○政府委員(渡部伍良君) 今の中で、最初に法務大臣が約三千二百万円とおっしゃられましたが、その中の内訳を申しますと、過誤払いの分が千九百三十五万七千八百三十三円、それから兵庫県に払ったものから取り返したのは、千二百八十万六千円、それから多久島の財産の中から回収したものが、二十二万、そのほかにその後入ったもの……それだけじゃないかと思います。それからその後入ったもの等は八百万円と、こう仰せられたのであります。それは多久島の名義の家屋等、和解手続によりまして、債務名義によりまして、その中から少しずつ取り出しておりますから、その財産の評価をおっしゃられたのではないか、こういうふうに思います。
○岩間正男君 これは一つ資料をいただかないとわからないわけですけれども、この前の説明によりますというと、多久島の分で兵庫県のやつですね、これは回収できた、そういうことを聞いておりますが、そのほかとしては、多久島の財産からはわずかにテレビの二十二万円、これしか回収されていないというので非常に問題になった。他の財産の処理については、なかなか名義変更とか、そういうことが行われているので、法的にもむずかしい、ここに本問題の解決のむずかしさがある。こういうふうに説明されておるわけなんですが、この点についてどの点までこの前の説明から進んでおりますか、弁償の問題、その点ちょっと大臣から伺いたいと思います。
○政府委員(渡部伍良君) まず入ったものから申し上げますと、多久島名義の料亭美哉、これが建坪三十坪ぐらいのものであります。現在三百万円の抵当に入っております。そこでそれを先ほど申し上げましたように、債務名義を得てから抵当権者と話し合いをいたしまして、約百三十万が入っております。そのほかの抵当というのは約百万ばかりが入っておるように承知しておりますが、残りこの評価額をどのくらいにするか、こういうので、今残りのものについて相談しております。それからその次に、今話をしておりますのは多久島の自宅であります。これは非常に不便なところにありまして、やはり建坪三十五坪くらいでありますが、これも抵当に入っておりまして、抵当権者と話しております。しかし強制競売いたしますれば、便利の悪い土地でありますから、とてもこちらに入ってくる金にはならぬというふうな話がありますので、現在これを有利に売却いたしまして、ある程度の金をこちらに取り上げたい、こういうふうに話を進めております。そのほかのものにつきましては、いろいろな会社に投資しておるのでありますが、その会社がほとんどつぶれかかっておりまして、調査が困難でありまして、まだ申し上げる程度に至っておりません。
○岩間正男君 どうも説明がはっきりこう明確になされないで、少しもやもやするのでありますが、大体四千万円、明確に表には提示するようなことはできないような形ですね。大体の見込みとか、そういうものを含んでおるのですね。そうでございますか、法務大臣いかがですか。
○国務大臣(中村梅吉君) あるいは農林当局のいろいろの計数と食い違いがあるかもしれませんが、私の方では刑事局が、この種事件につきましては主任の検事等から、できるだけ常時連絡をさせまして、報告を聴取いたしておるのでありますが、この事件の公判立ち合いの主任検事であります灘波という検事がございまして、この検事から口頭で刑事局に報告をさせたものを録取してあるものを私から御説明を申し上げたのでございます。従いまして、その明細な内訳等につきましては、なお私の方で目下のところ不十分でございますから、適当な機会に担当の灘波主任検事からさらに書面等でとりまして、御報告するようにすることが正確かと思います。
○岩間正男君 これはこの前も、実は農林当局とそれから刑事局からいただきました資料と食い違いがあったわけです。その後訂正が出たわけでありますが、やはり両方の資料、これはどうせ今年度まで継続する案件になっておりますから、ぜひいただきたいと思うのでありますが、それはそれとしまして、私はお聞きしたいのですが、とにかくこういう形で、大体半額もなかなか取り立てができない。しかも一方は抵当に入るとか、あるいは名義変更とか、全く詐欺行為でもってこれは公金の横領が隠匿されている。これは取れる見込みが一体あるのでございましょうか、どの程度まで取れる見込みがあるのでございましょうか、この点をまず先に伺いたい。お答え願います。
○政府委員(井本臺吉君) 多久島は実は昨年の十月十五日に、百五十万円の保釈金で保釈になっておるのでございますが、このうち百万円が現金で提供されております。あとの五十万円は保証書で出ておるのでありますが、この金を出した関係者なども、多久島が被害を国にかけた金でいろいろ世話をしておった連中のように考えられますので、かような点等を考えて、極力弁償、損害のてん補方に努力しておるのでございますが、現在の状況では、この残りの四千万円余りの分につきましては、ほとんど見込みがあまりない。しかし、できるだけ私どもといたしましても、かような大金の国損については申しわけないことでございますので、その弁償方に努力しておるという状況でございます。
○岩間正男君 これはその点も国民は納得のいかない問題だと思うのでありますが、私はこの際、法務大臣にお伺いしたいのであります。これは今法廷で進められておるのでありますが、同時に法務大臣は国務大臣でもあり、政治的な観点からこの問題を、やはり根本的に究明されるという方針を堅持されることが必要だと私は考えておるのであります。これは石橋内閣から岸内閣に至りまして、官吏の綱紀粛正の問題が、五大公約の中にはっきり出されておる。そういう中でこの多久島事件という問題は、非常に国民の視聴を集めた問題です。しかも、これは非常に低い下級官吏です。この下級官吏がこのような莫大な金を横領することができるという仕組みの中にこそ、今重大な問題があると思うのであります。この前、私は当委員会におきまして、この発生の原因というものを実はつまびらかに、これは時間をいただきまして、相当一時間半ぐらいやったと思うのでありますが、結局農業共済組合の組織、法律そのもの、それからこの運営そのもの、これには非常に欠点がある。そうして結局は農民の損害を補償する、具体的に農民の要求にこたえるという、そういうものよりも、中間に事務費が非常に多く要って、中間にこれの事業に携わっておる人たちが食っておる、こういう実態は、これは私たち実は当委員会から派遣されまして、広島県の安村の実態なんかも見たのであります。広島県の状態を調べてみますと、八千万円の補償金を払うために、その事務費が一億三千万円というような、事務費がむしろ多いという形さえ出てきたのであります。そういうところに、この問題の根本的な発生の原因があると思うのであります。そういうようなルーズな形でこの法律が運営されておること、それと伴うところの管理の機構が、非常にだらしのない形で行われている、さらにこれに対する一体監督の立場にある上級の官吏の諸君が、どれだけ責任感を持っているか、責任感において非常にこれは欠けておるものがあるのじゃないか、あるいはこれに対する戒告とか何とかいう問題が出されて、一応処分された形になっておりますけれども、実際これによって免職をされたのは多久島、あとの局長とか、そういう人たちは、ほかの地位に横すべりをやっておるというような形で、実質的にはあまり損害のない形でやられておる。こういう責任感の不足という問題、こういう形で運営されておるのが、法律と運営のやり方の非常なまずさ、この欠陥によってこういう事態が発生されておる。従ってこの問題を法廷でずっとやっていかれるわけでありますが、さらに政治的な立場から、今度の綱紀粛正の問題とからんで、私はもっと徹底的に正体をえぐり出す努力をされるということが、諸種のいろいろなこれに類したところの問題が多発している中にあって、一つの大きな方針を、指針を明らかにすることになると思って重要視しているわけでありますけれども、この点について法務大臣の御意見はどうでございますか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) この種の事件を徹底的に究明する必要があるということは、全くお説の通りでございまして、本件につきましては、捜査過程において一切を究明し、そして事件の全貌を把握いたしまして起訴し、現に公判進行中でございます。従来、なぜこのような事件が起きたかということを振り返ってみますと、確かに私はこの行政組織の上におきましても、下級公務員に対する信頼をし過ぎておったような組織と事務の取扱い傾向があったと思うのでございます。かような事件を契機といたしまして、各行政庁においてできるだけ、ただ、めくら判の決裁でなしに、ほんとうに部下の取扱い事務に対する実態を上司が把握して事務の遂行をされるように、これは政府部内全体としても努めなければならぬと思います。また同時にその補助金の交付の相手方である交付団体のあり方にも、これは大いに注意すべき点があろうと思いますので、これらにつきましては特に農林当局あたりでは今後、先ほども農林大臣るる申し上げられましたように、十分注意していかれると思いますが、なおこの種の事件をできるだけ未然に防止するか、あるいはもしそういうような悪い根底があったならば、芽ばえがありましたならば、その芽ばえを二葉のうちに刈り取る努力というものがどうしても必要だと思います。かような見地に立ちまして、法務当局といたしましては、先般も全国の検事正会同をいたしました際にも、私といたしましては、極力その点を力説をいたしまして、また同時に、政府部内におきましても、ややもすれば従来この種の事案のにおいがいたしまする場合に、どうもやはり同じ行政機関なり団体なりの内部においては、事件をできるだけ起さないようにかばう傾向もこれは絶無ではなかったと思います。そういう点については政府部内、行政機関全体として大いに注意をいたしまして、むしろそういうようなにおいがいたしましたならば、進んで捜査を求め、進んで捜査に協力していただいて、そして二葉のうちに事件をつみ取る、これが私は綱紀粛正の根底をなすものではないか、かように考えております。従いまして、その方向に向いまして、われわれ法務行政担当の者といたしましては、今後一そう努力を続けて参りたいと、かように考えております。
○委員長(三浦義男君) ちょっと申し上げますが、農林大臣が漁業交渉のお話で実は十一時半には行きたいというお話があったんですから、農林大臣の方へ話を向けていただきたいと思います。 それからもう一つ。黄変米のことは、これは資料の提出がございましょうから、調査事案として今後取り扱いたいと思います。
○岩間正男君 ちょっとたださなくちゃいけないことがあるのです。この資料でいいです。調査というところにいっちゃだめなんです。これで決算終りです、二十九年度は。そういう形じゃだめなんです。
○委員長(三浦義男君) それでは農林大臣いられなくてもよろしゅうございますか。
○岩間正男君 農林大臣にちょっとありますから……。ただいまの事件につきましては、むろん現場においてお互いが粛正してやっていくということは重要だと思いますが、ただお互い警戒し合って、スパイ組織のような格好になることは問題だと思います。やはり一番問題なのは、政治的にこの問題を解決するために、大きなそういう制度の欠陥、運営の欠陥というものを根本的に、やはり政治の大本から正すというのが原則であろうと思いますので、この点御注意願いたいと思います。 これと関連いたしまして農林大臣にお伺いしたいのでありますが、予算の流用が実は行われている。御存じだと思いますけれども、まだお聞きになっていないでしょうか。多久島事件の兵庫県に多久島が払ったこの二千何百万の金を一時発送するために、昨年の予算の農業共済組合損害評価事務費補助費、これが六千六百万円であったわけです。ところがこれが使われたかどうかということを確かめますというと、これは法律もできていない、こういう形で昨年は施行されていないわけです。わずかに、この六千六百万円から二千何百万円何がしの金が兵庫県に支払われている。これは予算流用の問題として非常に重要な問題だと思います。問題はこの予算が六千六百万円から三千万円に削られているのであります。つまり必要でない多額の金がそこに組まれて、実は悪い、これはまあ気を回した見方からすれば、多久島事件のしりぬぐいをするために、このような必要でない予算項目を設けてこれに充てたのではないか、結果においてはそういうふうになっている。これは非常に重要な問題だと思いますので、これは会計検査院の方の御意見も伺いたいのでありますが、農林大臣としてはこれはどういうふうにお考えになりますか。この跡始末は一体どうなっているのか、これは当決算委員会には報告になっていないわけです。従ってこれは決算問題としては非常に重要な問題だと思うので、中間報告を、むろん三十一年度の問題でありますから、これは中間報告ということになるかと思うのでありますが、中間報告をやはりしていただかなくちゃならぬ問題じゃないかと思うのでありますが、いかがでありますか。
○国務大臣(井出一太郎君) 先ほど来御指摘の役所の機構の問題ばかりではない、まさに法律そのものに根本的な欠陥が内在するのではないか、こういうお話でございましたが、私どももその点にかんがみまして、農業災害補償法の改正を意図して長い年月研究を重ねて参りました。従いまして、本国会にその改正法案を御審議をいただこう、こういうふうに取り運んでいることをこの際申し上げておきます。 なお、ただいまの御指摘の昨年の六千六百万円という費用は、この改正のための諸般の準備をいたすような意味で計上したわけであったのでございまして、ある程度内容がかたまって参りましたから、まあ本年は三千万円で事が足りるだろう、こういうまあ予想でいるわけであります。で、この中から流用が行われたという御指摘でございますが、まあ私まだそこまでつまびらかにしておりませんが、報告によりますと、これは成規の手続を経て行われているようでございます。
○岩間正男君 まあ成規の手続を経たのか、知りませんけれども、これは予算の政治的な責任というやつは私は免れないと思うんですよ。つまり六千六百万円という使わない金が組まれておって、それが偶然か故意か、多久島の事件の方に流用されているというその政治的な責任の意味は大きいと思うんです。ですから、むしろそれは予算執行の面における成規の手続をふまれたかどうかということを私はお問いしているのではありません。この点については十分に、すでにもうこの委員会において指摘された問題でございますから、これについて明確な点を、この処理の仕方も明確にしていただきたいと思うんです。 で、ついでにお急ぎのようでありますから、それでは私は黄変米の問題と食管の問題を簡単にお聞きしたいと思うのでありますが、黄変米の問題につきまして、この前からこの委員会におきましても努力して参ったのでございますが、まあ今までの損害が約四十億というような形で出されているわけです。これを見ますと、まず一カ年に直してみましても、先ほど伺いましたように、金利と保管料だけでも七億円、そうしてしかも九十一億の価格だと言いますが、この元値もどんどん食われて、すでに二十億食われておる。完全にこれを処理するということになりますと、その損害はちょっとはかり知れないことになってきておると思います。これは非常にやはり今米価の値上げの問題と関連して国民の納得のできない問題じゃないかと私は思う。私たちの聞いております数字によりますというと、三十一年度の食管の推定赤字は百六十一億である。そうして米価の一升八円五十銭の値上げによって、大体八十億だけはまかなうのだ、こういう形で値上げ問題が御承知のように当初予算の最初の政府の案としては出されてきたと思うのです。そうしますとこの八十億の半ばに相当する四十億が、この黄変米における今までの大体あなた方の計算だけでも、すでにもう黄変米による損失によってこれは実は食われておるという結果が出ている。これでは国民はなかなか納得できないのじゃないかと私は思うのです。一方ではこういう形でどんどん食われる。まあ私計算してみているのでありますけれども、一日この黄変米の処理がおくるれために、金利と保険料だけで約二百万円ずつであります。われわれがこうして論議しております間に何十万の実は国民の利益がどんどん失われておるのだという事実を、私たちは片時も忘れることはできない。黄変米の問題を処理するというのは、ここではっきり処理するということは、私はそういう意味で国民の経済と深い関心を持った立場からこの問題を取り上げなければ、絶対解決がつかない問題じゃないか、それを遷延しますというと、とにかく一年間金利と保管料だけで七億ずつこれは減っていくのですから、そうしておいて、一方で国民の切実な米価値上げを八円五十銭やるということは、一体国民として納得できるかどうか、われわれはこの問題につきまして資料をいただいたので、実は会合の折なんかにこういう点を国民諸君の意見を聞いてみますと、やはりだれ一人納得しておりません。こういう形ですから、私はこの問題を、当決算委員会におきまして最後の総括の質問に当りまして、少くとも二年かかってこれを処理するなどということではなくて、ここで大英断をもって処理されるということを、少くとも農林大臣は政治的責任においてお答えになるのが私は至当だと思う。二年これを延ばせば元も子もないというお話でありますが、元も子も、九十一億はおろか、これはますます赤字をふやして、国民の利益を侵食するという結果をきたすのでありまして、先ほどの御答弁では、私たちは納得することはできないし、国民も納得することはできないと考えております。この点について決意のある農林大臣の御答弁を伺いたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) だんだん仰せられました点は、私も同感でございます。そこで大きな決意をもってこれに当らなければならぬ、こういう気持で取り組んでおるのでございますが、先ほどおおよその目安として二年間くらいの期間を要するのではないかとお答えをいたしました。一つは、これを処理いたしまする場合の基準というものが、これは厚生省方面で判明いたすのに時間がかかったというふうなこともございますし、ようやくその間のサンプリングの調査の結果も出たのであります。鋭意御趣旨の線に沿いまして、先ほどこれは思い切ってやらなければいけないと申し上げましたが、そういうつもりで当る所存でございます。
○岩間正男君 ちょうど腕に腐りが入った、思い切って切断してしまわぬために全身を失ったということになっては、それはまずいと思う。ですから病変米の問題は、単にこれは病変米の問題じゃなくて、食管会計の私は病気だというふうに考えております。この病気を私は勇断をもって農林大臣がほんとうに処断されることができるかどうかということは、これは国民も見守っておると思うのでありまして、私は勇断を要望するのであります。 これに関連しまして、食管会計の問題でありますが、食管会計の問題、このいわゆるどんぶり勘定につきましては、非常にこれは非科学的な、もう前近代的な性格を持っておるということは、もう私がここで申し上げるまでもなく、あらゆる論議の中で指摘されて参ったと思うのです。これについてはただいまの御答弁によりますと、奥委員にお答えになりましたのは、食管特別調査会で論議されておるから、この結論を待ってやるというような御答弁であったように思うのでありますが、私は大体この食管特別会計は、今申しましたよう病気を持っておる。これを制度審議会だけにかけて、その返答を待ってやるというような、つまり他力本願的なやり方では、私は真の農政は確立しないのじゃないか、食糧行政は確立しないのじゃないか、そういう点から農林大臣としても当然これに対する改革の意見というものはいろいろお持ちになっておるだろうと思う。それで結局この審議会の意見は参考にすぎないのでありまして、従来政府がいつでもこういう審議会については、審議会の答申案というものを全面的に取り上げるというものはほとんどない。これは給与の改訂なんかを見ましても、最も明確に出ておる、参考にするだけのものだ。はっきりとこれは、主体はあくまでも農林大臣のこれに対する食糧行政の考え方にある。現政府のこういう基本的な考え方にあると思う。従いまして、今の非常に不明朗などんぶり勘定について、少くともこの中間経費の問題や事務費の問題をいろいろ含めまして、どういう点についてだけは、これは大綱をたださなければならぬとお考えになっておりますか。私たちも新聞において、農林大臣は食管会計を編成がえする、そういう意向を持っておるということをしばしば報道されたのを聞いておるのでありまして、この大綱だけでもこれは示していただければと考えておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(井出一太郎君) その臨時食糧管理調査会は昨日をもって発足をいたしました。政府はもちろんここで十分な御検討をいただいたその結論は尊重をいたす所存でございますが、同時に責任はこれはやはり政府が持たなければなりません。従いまして、農林省内部におきましても同時並行的に検討を続けておるわけでありまして、私どもででき上った資料のごときものは、これを調査会に提示をいたし、御批判を仰ぐ、こういうような形で取り進めて参る所存でございます。御指摘のようになかなかよって来たる原因というものは深くかつ広いのでありまして、今ここで私も手をつけたばかりの段階でございまするので、まだ明確に大綱を示すというところまでは至っておりません。御指摘のような点は十分に検討を加えまして、いわば食管会計を洗ってみる、こういう立場で臨むつもりでおるわけであります。
○赤松常子君 簡単に申し上げたいのでございますが、二点だけちょっとお尋ねいたします。今の食管会計につきましてでございます。今まで消費米価の値上げ、これが強く打ち出されておりまして、家庭におります主婦たちは大へん驚いた次第です。一体どこからそういうことが出るのかということが、もっと政府から親切な説明も何もございませんようでした。それで私たちは、従来政府が厚生白書だとか労働白書だとか、そういう政府の立場に立ってことこまかに国民に訴えておられる報告書が出ております。それにならって、非常に複雑であり、一年間八千億円の金を操作なさると言われている膨大な食管会計でありますからなおさらのこと、食管会計の白書というものをお作りになって、そして親切にわかりやすく国民にお訴えなさる、お示しなさる御意思はないものでございましょうか。特に家庭におります者、三度々々米を食べております。こういう生活に密着いたしております問題でございますだけに、そういう手段で政府がみずから国民にお訴えなさる。なぜこういうふうに赤字が出たのかというようなことをわかりやすくしていただけたらと思うのでありますが、食管会計の白書をお出しになる御意思があるかどうか、これが一点でございます。 それからもう一つは病変米の問題でございます。これはもう数年来非常に社会の関心を集め、今しばしばここの委員会でも問題になっていることでございますが、まだその外米の輸入を中止するわけには参りません。再びこういうことが起きて、また三十億、四十億の金がむだに使われるということは、とてもこれは許されないことでございますが、先ほど農林大臣もおっしゃいましたように、厚生省の調査の結果を待って時間がかかったとおっしゃっております。なるほど厚生省の管轄でございましょう。そこでビルマの方に厚生省の技師も行っておられる。また私もビルマに参りましたとき、この病変米の原因につきまして少しは聞いて参ったのでありますが、農林省といたしましても、ただ厚生省にまかしておいて、そしてその結果をお待ちになるというようなゆうちょうなお考えではなくて、協力して早くその病源を断つということにどういう御協力をなさったのですか。将来こういうことを起さないようにどういう御措置をなさったのですか。この二点について。
○国務大臣(井出一太郎君) 食管白書を出す意思はないかというお尋ねでございましたが、まあ大体そういうまとまった形で出すかどうかはきめておりませんが、しかし私どもの方でも鋭意資料の作製を急いでおりまするので、それを整理して、国民に訴えるという形でお示しをして、何か値上げが非常に唐突だというふうな御指摘がございましたが、まあそれは一応われわれとしてはより慎重を期する意味において、本年度の予算は一応据え置きで発足をしておるのでありまするから、その間に十分国民に御納得のいきまするような、現状分析であるとか、あるいは将来の方向であるとか、こういうものはお示しをしつつやって参りたいと考えております。 それから病変米の対策でございますが、農林省側が決して手をこまねいておったわけではございません。厚生省と相ともに協力してやって参ったのでありまするから、この学者諸先生のいろんな御意見等もございまして、だんだん手間取った次第であります。しかしこのサンプリングの結果も随時判明して参りました。これからだんだん手が打てるのじゃないかと思います。なおまた、この外米輸入の問題は最小限に食いとめる。なるべく国内の自給体制を強化して参らなければいかぬと思っております。しかし絶対量は不足しておるのは否定できません。若干でも輸入は行わなければならぬでございましょう。これに対しましては、あるいは船積みにおける無菌の証明書というものを必ず貼付させる、あるいはまたこの船積みまでの、米をつきました後の船積みまでの日数というものをできるだけ制限をして、そして米の変質を防ぐ、あるいは積地における殺菌、こういったことを実施する、いろいろな手を打つことによって、今後はこういう病変米が入ってくることは未然に防ぎたい。こういうふうに考えております。
○相澤重明君 関連して。農林大臣にお伺いしておきたいのですが、ただいま赤松委員の御質問について、米価の値上げの問題をお聞きをしておきたいのですが、あなたは現在出しておる予算については、米価据え置きで提出をしておる。この点についてはまあ現在そうなっておりますが、これは米価を行く行くは値上げをするという考え方でおるのか、あるいは現在のこの予算の方針というものを堅持をするのか、その点についてお尋ねしたい。
○国務大臣(井出一太郎君) これは先ほどどなたかの御質問にもお答えをいたしたかと思いますが、食糧管理臨時調査会において十分慎重に御検討をいただく、そうしてまたわれわれの側といたしましても、それに必要な十分なる資料を御提出を申し上げ、そうして食糧管理のあり方というものを分析をいたし、健全化、合理化の方向を考えたいと思っておるのであります。従いまして、米の価格の点は、これを形成いたしまするいろんな要素というものがございまするので、こういうものの分析が科学的、合理的になされることを、実は調査会に期待をしておるわけであります。従いまして、その結論を待たなければ、ただいまのところは何とも申し上げかねる、こういう状況でございます。
○相澤重明君 今の御答弁ですと、たとえば調査会で科学的に合理的に調査をしたその結果、米価というものは値上げをしなければならぬという結論が出た、その結論もそう遠くなく、きわめて近いうちに出る。こういうような場合に、あなたはそれを尊重されて、米価は値上げをするものである、こういう解釈をされるのかどうか。その点をお尋ねしておきます。
○国務大臣(井出一太郎君) 調査会の結論は、これは十分に尊重をしなければならぬと思っております。そしてそれはどういう結論が出るかわかりかねますが、それもやはり政府の立場において、政府の責任において調査会の答申を受け取って、事をきめるということになるのでございます。
○相澤重明君 そういたしますと、あなたの考えの根本にあるのは、調査会の結論が値上げをするということになると、当然あなたは値上げをする、こういう政府の結論が出るであろうということになると、ここで私はお尋ねをしたいのは、そうすると補正予算を組む考えでおるかどうか、この点をお答え願いたい。
○国務大臣(井出一太郎君) それはそのときになりまして、政府部内で相談をいたす問題に相なると思います。
○委員長(三浦義男君) ちょっと申し上げますが、農林大臣は漁業交渉の話で十一時半に帰ってきてくれというお話があったのを、延びておるのですから、どうぞそのおつもりで。
○相澤重明君 いや、これは非常に重要な問題ですから、今参議院の決算委員会で米価の問題が、非常に今までの病変米の問題で国民の関心をかっておるのですから、しかも三十二年度の予算は、われわれ参議院で審議されておる。この参議院で審議をされておる中に、私ども社会党としては、もし農林大臣が補正予算を組むという考えであるならば、補正予算を組むのか、あるいはまた、もしここで値上げをしなければならぬという結論が出るならば、当然組みかえ予算を出さなければならぬ、こういう性格のものであると思いますから、農林大臣のはっきりした所信というものを私どもは確かめておきたい。その意味であなたが今言ったところの、調査会の結論を尊重されて、そして政府としての態度をきめるという考え方に立っておるということになれば、調査会の今の考えておる方向というものはどうなっておるかということは、あなたは推測ができるのか、それともまたそういうことは、農林大臣としてであるから、そういうことは関係はしない、推測はしておらない、こういうふうにお思いになっておるのか、その点をお尋ねをしておきたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 調査会の結論がどう出ますかは、まだ私の予測するのに困難なところでございます。
○相澤重明君 調査会の自主性というものはあなたは十分尊重をする、こういうことはわかりました。そこで調査会として現在の新聞等による事項についていろいろ出ておることがあるわけですが、あなたのそういろ今の結論云々ということは別にしまして、調査会の結論ということは抜きにしまして、調査会の結論が出た場合に、農林大臣として、政府というものはもちろん政治的な問題として考慮しなければならぬ、これは少くとも岸内閣が政権を担当した際に、米価を値上げしょうという当初の考えが政治的理由によってこれは押えられた、こういうことはあなた個人が御承知のはずですから。従って農林大臣としては、もし調査会の結論が値上げをするという場合に、値上げをする考えであるかどうか、との点をお尋ねをしたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 調査会の結論がまだ出ておりませんので、その問題はそのときに一つ申し上げることにいたします。
○相澤重明君 最後に、これで終ります。そうすると、調査会の結論が出ておらぬからこの際はとにかく今返事をする限りではない。しかし国民の一番心配しておることは、何といっても食生活というものと、そしてこの米価の問題というものを切り離すことはできない、こういう点はあなたが担当の農林大臣として十分御承知だと思う。もしこのことを、いわゆる今の国民の期待というものをもしあなたが裏切るようなことになったら、これは大へんなことだと思う。従って私は少くとも三十二年度の予算を今国会に提案をしておるのに、その提案をしておる趣旨をくずす考えがないということをはっきりと私は言明ができると思うのでありますが、その点はいかかでございますか。
○国務大臣(井出一太郎君) 三十二年度予算を御審議いただいておりまするさなかでございますから、私として補正がどうとかいうふうなことは申し上げかねる次第でございます。
○相澤重明君 農林大臣、大へん失礼でありますが、あなたは補正をするというようなことを申し上げかねると言うのですが、それはあなたはやっぱり本心だろうね。ということは、補正もするというあなたは考えを持っておる、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○国務大臣(井出一太郎君) 先ほど来申し上げておりますように、調査会の結論がどう出て参るかということは、まだ未確定の問題でございますので、さような補正とか何とかいうふうな問題についてこの際言及をいたすわけに参らない、こういうことでございます。
○委員長(三浦義男君) もう予算委員会で……。
○相澤重明君 ちょっと待って下さい。これは重要な問題であります。三十二年度予算の根本の問題ですよ、関連する問題だから、これは大へんな問題でありますから。そこで私は農林大臣にお伺いをしておきたいのだけれども、やはり少くとも、今言った補正予算を組まないという考え方であれば、これはもう三十二年度の予算というものはそのまま推し進められていく、そうしてたとえば、国民の生活にそういう重要な問題であるけれども、三十三年度の予算の問題はどうかというようなことの参考になるということについては、これはまああなたの言う通り、科学的に広い意味において相当研究をされるということは当然だと思うのです。しかし今私どもは、先ほども各委員から質問をされた通り、二年も三年もかかってこの黄変米の問題で非常に多額な費用が実は使われておる。こういう点から考えていって、これらの米価の若干でも値上げを行うということは、主婦の考えばかりでなく、全日本国民の立場から非常に関心を持っている。値上げをされたら困るという気持が多い。そのために岸内閣だって値上げしないということをきめたのでしょう。だから今、三十二年度の予算を参議院で審議しているときであるから、私は、この方針というものは踏襲するのだという考え方をはっきり出してもらわないといかぬ、こういうことを私はお尋ねしているのですよ、いかがですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 先ほど来お答えを申し上げている通りでございまして、ただいまはそういう問題にわたる段階ではない、こう御了承をいただきたいと思います。
○杉山昌作君 農林大臣に一点伺いますが、この二十九年度の決算報告を見ますると、農業共済保険関係がどうも見まして非常にでたらめだと思うのですが、たとえば掛金というものを集めている組合が少い、掛金も納まらない、そうしておいて、結局災害でもあって災害の共済金がくると、そうすると今までの未納の掛金をぬぐってしまうというようなこと、あるいは損害の調査というものも、実は実害よりはるかに多いのがある、あるいは損害の共済金を分配するのも、各農家の損害額に比例してじゃなく平等にばっとやる。さらにひどいのになると、共済金の一部を支払わずに、組合の方に留保しておいて、後年度の何かの費用に使う。それも事務費等だけに使うのじゃなくて、幹部の連中が飲むために使うということがある。こういう関係で、そういうことから出てくる不当不正事項が相当報告されているのです。で、私は結局この共済制度というものは、非常にいい制度ではありましょうけれども、実際は農民がはっきり理解していない。従って共済組合の役員諸公というか、それと上との間で空回りしているだけで、非常に実をあげていない、しかも政府はこれに対して相当の金を使っているわけだ。一つこの制度をほんとうに実際に効用があるように運営するということについて、あるいはやり方を変えるというのか、あるいは今のやり方、指導が徹底していないからとおっしゃるのか、その点をもう少しぴったりとやられるようなお考えがありましたらお伺いいたします。
○国務大臣(井出一太郎君) 先ほど岩間委員の御質問にお答えしたかと思いますが、現行農業災害補償制度のもろもろの欠陥というものは、ただいま御指摘のようにわれわれも承知しているわけでございます。やはり抜本的な制度の改正ということもその一環として考えられなければならぬ点でございまして、この国会に御審議をわずらわすような段階で取り進めて一おります。お話のように、ともかく年間百億をこえる予算を取っておりまするこの共済制度は、農民としてはこれは大きな福音でなければならないはずでございます。それが今おっしゃるような欠陥等がございまして、必ずしも十分にいっておらぬという点に顧みて、ただ心ま御趣旨の線に沿っての法改正を試みようとしているわけであります。
○久保等君 ちょっと私も一言。最後に総括的に農林大臣にお尋ねをかねて要望を実は申し上げたいと思うのですだ、それは、当委員会で扱いまする決算報告書を見ましても、農林関係への指摘事項というものはこれは非常に多いわけでして、全指摘件数の約半分ぐらいはこれは農林省関係で占められているという実情にあると思うのです。二十九年度の場合におきましても、二千二百七十四件の会計検査院の指摘のうち、千百三十八件といったような、約半数程度の件数が指摘されているわけであります。もちろん農林行政がきわめて多岐多様な面にわたっておりますだけに、非常にむずかしい問題があることは重々わかるわけなんですが、しかし私はやはり何かもう少し根本的に考え直さなければならぬ問題が、先ほどもいろいろ具体的な問題で言われておったこととも関連して、やはり考えられることなんですが、たとえば具体的には内部監査の問題が、もちろん一昨年の当委員会での警告決議の中にもそういったことは指摘しておいたはずなんですが、特に内部監査の問題について根本的にもう少し考えてみる必要があるんじゃないか。もちろん内部監査と申しましても、これは単に農林省本省の——本省と申しますか、農林省直轄関係だけではなくて、先ほど言われております多久島事件、あるいは河村事件、こういったような問題等を、総合的にやはり十分にいい意味での監督、あるいはこれに対する指導、こういったようなことをやはり行なっていくことを私は考えなければならぬのじゃないか。そうしないと、先ほど言われておりまする多久島なりあるいは河村事件というものは、決算報告には出てこない問題が私は相当多数だと思うのです。直接予算そのものとの関連性が薄い場合には、これはあまり決算報告に出てこない機会が非常に多いんだし、先ほどの農林大臣の御説明によりましても、内部監査では多久島事件の場合には関係団体に対しての警告的な注意を昨年の検査の結果行なったというお話があったのですが、しかし、これも私はもう少しこの点、農林当局の内部監査の面で考慮が払われないものか、機構的に制度的に考えられないものだろうか。もう少し時期が早い機会に未然に防止し得たんじゃないかということも考えられますし、また最近起きております河村事件の問題にしても、さらにまたこれが何か第二の多久島事件にまで発展するんじゃないかとも言われておる。何か今のところは捜査過程で全貌は知る由もないのですが、ともかく何か多久島式の問題があるんじゃないかという印象を国民は受けておる。私はこれらの問題等を考え合せてみました場合に、農林大臣として特にこの際、そういった点について一つ具体的な、根本的なもう少し検討を願わなければならぬじゃないか、この点についてどんなふうにお考えになりますか。これはぜひ一つ、従来のものをただ単に強化する、あるいはまた大いに関係者に対して注意をうながすという程度では、こういった問題の今後再発を防止するという点、あるいはまたこの会計検査院で、こういうほとんど半数に近いものが毎年々々農林関係でもって再発しておるという状態を克服することはできないんじゃないか、かように考えるのですが、一つ農林大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) 農林関係において特に検査院の指摘事項が多いということは、全くこれは相済まない次第でございまして、私も重大な責任を感じておるのでございます。 御発言の中にもございましたように、なるほど農林省の機構というものが非常に膨大なものでもあり、また補助金行政というふうな面が非常に多い、それから団体との接触が非常に多いこと、いろいろな理由はございますけれども、それは決して免れるゆえんにはならぬと思うのであります。 そこで、私も就任以来この点を戒めまして、ほんとうにこれはもう責任態勢をとらなきゃいかぬのだと、上に立つ者は身をもって、もし下僚に過ちがあったならば、みずから責任を負うくらいの一つ気持にならなければ、これはとうてい粛正はできぬぞということを言い聞かせておるわけでございます。それで各局の中で大きな局には、参事官というふうな制度もございまして、これを中心にして自己監査と申しましょうか、こういう制度的なものはございまするけれども、ただいま御指摘のような、まだそれが十分に効果を発揮しておらぬという面もございます。従いまして、御趣旨を十分に汲み入れまして、こういうことを未然に防ぐ、あるいは従来の件数を激減すると、こういう方向に向いまして、省内の機構を改め、決意を新たにし、そうして相臨んで参りたいと、こう考えておる次第であります。
○委員長(三浦義男君) だいぶ時間もたちましたし、今農林省関係の黄変米、食管特別会計、農業共済関係は、三十年度にもやれるわけでございますから、一応ここで大臣に対する御質問は打ち切りたいと思いますが、よろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○杉山昌作君 先ほど岩間委員から黄変米の損失調べ資料の提出の要望があったのですが、それに関連しまして、私はこういう御注文を申し上げておきます。その資料は、次に申し上げることを明らかにするような資料を下さい。 第一は、黄変米の数量と、それの購入代金というのですか、買い入れ代金というのですか、その金額、それから第二番目は、売却済みになっておる分について、年度別に、用途別に、その数量と代金、それから今後処分する見込みのものについて、用途別数量、代金の見込み額、それからこれまでの取扱い経費、倉敷料、金利というふうなものをそれぞれ年度別に幾ら、それから倉敷料は一体どれだけの数量に対して払っておるか、それから金利は元金が幾らだったかということ、それからその他の経費があると思います。あなたの方の調書には出ておりませんけれども、一般の事務費はよろしゅうございますが、たとえば選別に要した費用とか、積みかえに要した費用とか、倉移しに要した費用とか、検査の費用とか、現場の方の黄変米についての費用も年度別に、それだけの項目を明らかにするものであってほしい、その御注文を申し上げておきます。
○奥むめお君 同じ問題ですが、前に決算で、黄変米を食糧にならないとして払い下げたものが、またそのもっと上級の方に値段が高くなって転売された、あるいは食糧として米屋が買って配給したという事項が決算に出ましたですね。こういうようなことが、あのとき一回であるのか、もっとあると私どもは想像するのですけれども、いかがですか、そういうものも調べて出してみて下さい。
○政府委員(小倉武一君) 黄変米の不当不正な横流し問題は、過去におきまして一、二回御指摘もございましたが、その後は非常に注意をして処分をいたしておりまして、私ども、もちろん知っておる事件はございませんし、また検査当局から指摘されておることもございませんので、おそらく絶無ではないかと存じます。
○奥むめお君 今度でも大へんそこに不安を持つのですよ、また何かやられはせぬかと思ってね。何かああいうことの防止の対策というものが、あの事件以後おとりになったことがありますか。
○政府委員(小倉武一君) 防止対策といって格別のものはございませんが、一つは、処分につきましては、法務省刑事局に、それだけの数量をこういう団体等に売却するという通知をいたしております。それからもう一つは、売却先につきましては、できるだけ中間の機関を避けまして、実需者団体ということに限定をしておりますというような措置で、横流れを防止するようなできるだけの措置をとっておるはずであります。
○奥むめお君 それ以外に何もないのですか。それは事務的な手続だわね。
○岩間正男君 資料一つ。これは見込みになりますけれども、こういう資料ほしいのです、もう一つ追加して……。それはアルコール原料に全部売り払ってしまう、今即刻、そううすると大体損もあるでしょうが、どれくらいで売れるか。それから二年後にこれ処理するということでぐずぐず今の通りやっていきますと、これはそこで金利と倉敷料が非常に出るわけでしょう。その差額を見れば、大体これはとんとんくらいに……。(笑声)とんとんという言葉がはやっていますが、いくのじゃないかということが考えられる。とにかくどこに入れられるかわからないので、せんべいに入ったり、しょうゆに入ったりすると危なくてしょうがない。このごろ肝臓病が非常にふえています。医者の指摘もあるようでありますが……。そういう関係が非常に深いので、それならば大英断をもってアルコールの原料にやってしまった方がいいということになるのじゃないか。これは政府の方に協力するような格好になりますけれども。(笑声)だから、そういう資料を一つ出してもらいたいと思います。どうもあんまり混迷しているようだから、気の毒だから助け船を出すようになりますが、見込み資料……。
○政府委員(小倉武一君) そういう検討は確かに有意義でございますから、ほんの試算になるかもしれませんが、御参考に計算をしてみます。
○久保等君 それから昭和二十九年ごろの春ごろだったが、この黄変米の払い下げの問題について新聞紙上をにぎわした不正問題があったのです。これらの黄変米の関係の不正問題、これらの始末が一体どうなったか。関係者の氏名、それから取扱い、こういったことについて、これはすでに数年にわたる問題ですから、ごく最近は非常に国会でも問題になった問題ですから、比較的そういう問題は私はないだろうと思うのですが、しかし、二十九年の当初ごろ、相当新聞紙上をにぎわした問題です。これについて黄変米がなお今日存置されて結末がついておらないのですが、当時のこれらの不正問題等についての資料をやはり御提出を願いたいと思うのですがね。それで、それに対する責任を一体どういうふうに行政処分的には扱ったか。それから刑事問題となっておるとするならば、刑事問題の扱いは今日どういう形になっておるか。中央地方を通じて黄変米についての一切の不正問題についての経過を御説明願えるような資料を一つお出し願いたい。
○委員長(三浦義男君) ではきょうの農林省関係について、黄変米、食管会計、農業共済関係についての質疑はこれで終局してよろしゅうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦義男君) それでは農林省関係、きょうのこの問題についての質疑は終了いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記をつけて。 次に、調達庁の関係の質疑を行います。 今日は、調達庁の関係につきましては、前回も相当聞いておりますので、駐留軍用地の決定問題について主として質疑をいたすつもりであります。 本件に関して御出席の方は、小瀧国務大臣、池田会計検査院事務総長、保岡第二局長、今井調達庁長官、丸山調達庁次長、安川欧米局第二課長の諸君であります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○岩間正男君 岸根の米軍宿舎の設営の問題につきまして、しばしば当委員会でこれは問題になっていたわけであります。その中で第一の問題点は、これは二十九年度の予算執行のことでありますが、岸根の基地の米軍宿舎を作る、そういうことで大体着工の目当てを五月ごろにして、年度内に予算を出さなきゃならないというような立場から、実際はその基地問題が解決しないうちに前渡金を渡した、こういうことになったのです。その前渡金の渡し方が非常に望ましくない。こういう指摘をこれは二十九年度の決算で受けているわけです。これについて会計検査院からはっきり指摘があるわけなんですが、こういう点については、長官としてはどういうふうにお考えになっているか、この点をお聞したいと思います。小滝長官から。
○国務大臣(小滝彬君) この問題につきましては調達庁の長官からも報告を受けておりますが、工事がおくれたというような関係があったそうでございますが、今後はこういうことは絶対にないように十分留意して、監督を怠らないようにいたしたいと考えております。
○岩間正男君 工事がおくれた原因をどういうふうにつかんでおられるのか、何のために工事がおくれたというふうにつかんでおられますか。
○国務大臣(小滝彬君) いつもこういう問題で困りますのは土地の問題でございまするが、そういう点で解決がおくれましたために、こういう手違いを生じて申しわけないと思っております。
○岩間正男君 調達庁長官からもっと具体的に。
○政府委員(今井久君) この点につきましては、前回次長からも御説明申し上げたと思いますが、この岸根に兵舎を作りまして、横浜市内の現在使っておりますところの施設をばなるべく早く解除するようにしたい、こういうことで計画いたしまして、横浜市にも協力を求めて履行に移す計画を立てた次第でございます。それで、ただいま御指摘になりましたように、準備を進めましたるところ、その土地の上に耕作者がございまして、その耕作者の同意を得られませんためにおくれました。そうして仕事にかかる時期が非常におそかったということが原因でございます。
○岩間正男君 これは砂川の問題とか、その他基地取り上げの問題についていつでも起ってくる問題でありますけれども、これに対する農民、並びにまた平和の考えからいたしまして当然ながら、まあその付近の市民とかあるいは労働者とか主婦とか、学生とか、こういう人たちが、風紀の問題とか、さらにまあ日本が独立したというような建前からして、米軍の施設が、戦争もないのにどんどんとふえていくというようなことに対しては非常に反対が起っている。この問題については、今まであらゆる機会に取り上げてこられたと思うのですが、横浜で、あるいは岸根の基地を中心としてこのような広範な運動が起ってこられたということについては、むろん御存じだと思うのでありますが、それをどういうふうに処理してこられたか、それからそれらの要求はどういうものであったというふうにおつかみになっていらっしゃるか、その点を一つ。
○政府委員(今井久君) この当時の事柄につきましては、私当時在任しておりませんような関係でございますので、十分御説明を申し上げることができないかと存じまするが、当時ただいま申し上…だような事情で、横浜市の協力を得まして、その土地の上に新しく岸根の兵舎を建て、そうして横浜市内の接収をできるだけ早く解除したいという計画で進めたのでございます。そうして横浜市ともいろいろ当時打ち合せをいたしたのでございますが、この土地の上にただいま申し上げました耕作者がおりまして、その耕作者の一部に立ちのきを拒否するというような状況が発生いたしました。当時それらの点につきましていろいろお話し合い弘をいたしまして、円満に解決いたしたいということで努力いたした次第でございますが、なかなかその点につきまして解決を見ませんために、それが契機となりまして、この基地の反対運動等にも発展いたしました。政府といたしましても直接関係のあるところの農耕者の方々に対しまして補償その他の条件をば提示いたしまして、極力説得に努力いたしたのでございますけれども、遺憾ながら事態を円満に解決することがむずかしくなったのでございます。そういうようなことでありまして、当時計画を進めて参りまして、努力をしておったのでございまするが、ついに今のような円満に解決することができないということになりまして、三十年度の初頭におきまして、特別措置法に基きます土地の取得手続をとることにきめまして、内閣総理大臣の収用認定を受けまして、神奈川県の土地収用委員会で土地の収用裁決をいたしました。同収用委員会では前後九回にわたりまして審議をいたしました結果、同年の九月の十五日に収用裁決をみるに至った。それで建設省といたしましては、十月初旬に予定通りの計画に着手したという事情になっておる次第でございます。
○岩間正男君 今、検査院の指摘によって問題になっておりますのは、見通しを誤ったということです。つまり五月から施行できるということで四月に前渡金を渡した。しかし実際は今言ったような事情で、九月まで工事が延期された。そのために、そこに望ましくない形が生まれたという点でこれが指摘されておるのでありますが、この点は、やはり私は一つ責任の所在が明確でない、やはりこの点についてどういうふうな責任を感じておられるか、この点はこの前次長にお伺いしたが、不明瞭なんであります。従いまして、これは調達庁長官並びに防衛庁長官としては、予算執行の問題で見通しを欠いたという点における一つの政治的責任はどうお考えになるかという点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(今井久君) 当時の状況におきまして、調達庁といたしましては、種々検討いたしまして、春には工事にかかれるという見通しを立てたような次第でございます。そのもとに建設省にも御連絡申し上げたのでございますが、ただいま申し上げたような事情で、結果におきましては、収用裁決まで持っていかなければならぬということで、九回にわたります審議の結果、九月十五日に収用裁決をみるに至ったということでございまして、この点はまことに遺憾に存じておりまするが、当時調達庁といたしましては、十分検討いたしました結果、できるものであるというふうに実は見通しておったような次第でございます。
○岩間正男君 見通しでやった、しかも反対が地元から長年にわたって広範に行われておった、それを押し切って、とにかく五月から着工するのだという形でこれは行われたのでありますが、事実それができなかった、こういうことに対しては、仕方がなかったということでは、私は実際上済まないと思うのであります。これは、いろいろな基地の問題が広範に起っております。他の問題においても起るのでありますけれども、そういう場合、最後に追い詰められて、今度は強制執行というような格好で、国民の世論とはなはだ違反した形で政治が行われる。これは単に一調達庁の問題ではなくて、その影響するところは非常に大きな問題になってきているわけだということは、砂川問題その他で身にしみてあなたたちお感じになっている問題だと思います。従って、もっと国民の世論を聞き、これにほんとうに当面している人たちの切実な叫びを聞いて、そうして日米の間を調整するという基本的な立場に立たなければならぬと思うのでありますが、調達庁の長官としてそういう努力をされてきたのか、こういう点いかがですか。
○政府委員(今井久君) 当時におきましては、ただいまの岸根の土地を新しく兵舎を作ります予定地として決定いたしまするにつきましては、十分各般の検討もいたし、横浜市とも協議をいたし、ただいま御指摘になりましたいろいろな点につきましても、まじめに検討をいたしまして、この時期においてかかれるものであるというふうに当時考えたものと見ておる次第でございます。
○相澤重明君 関連して。これは防衛庁長官と調達庁長官にお伺いしたいのですが、横浜に非常に接収基地が多い、こういうことについては御存じだと思うのでありますが、それをできるだけ一カ所にまとめて、そうして早く接収解除をしたいということが実はこの岸根基地を作る原因ですね。現在調達庁長官の言われるのは、横浜市とか神奈川県に協力を求めたというのですが、横浜市が当時どういうふうに考えておったかということは、あなたは御存じないと思う。そういう点どういうふうにお考えになっておるか、これはあなたからお伺いしたい。それから防衛庁の長官には、せっかくそういうことで各所に散在しておるのをまとめて一カ所にして、独身者なり家族の者を入れるということにしたわけです。非常に膨大な設備ができておるわけです。ところが、これが今米軍側の方であまり好んでおらぬという意向が出ておるように思う。むしろ接収解除をする、その条件のために作ってくれ、こういうふうなことを聞いておるのですが、岸根の基地にあれだけの大きな設備をして、一体今どういうふうにそこは使われておるか、その使われておる内容を長官に一つお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(今井久君) 私からただいまの御質問についてお答え申し上げます。当時この岸根に着手するに当りましては、横浜市に協力をお願い申し上げまして、先ほど申し上げましたようなことで折衝いたしたのでございます。横浜市としましても、その上に耕作者があるけれども、この耕作者とは円満に話がいくものであるという話し合いがありました点にかんがみまして、調達庁といたしましては話を進めたような次第でございます。 それから、その次にお尋ねのございました岸根の兵舎につきましては、当時、ただいま御指摘になりましたように、この岸根の兵舎の完成いたしました暁には、多数の施設の中で、一番返還の急を要するものは返還してもらうという趣旨で、当時岸根の兵舎に入れますものをきめたのでございます。ところが、ただいま申し上げましたように、この完成の時期がおくれて参りましたので、私どもといたしましては、返還を要するもので急を要するものにつきましては、すみやかに返還をしてもらうということの必要を認めまして、米軍とも折衝いたしましたのでございます。そうして、それらのうちのものでは、あるいはキャンプ富岡とか、あるいは麻布の騎兵師団司令部等の地区に一部を移動させていたのでございます。そうして近くこの完成を見ますまでには、その前の計画のうちの残っておるもの、それからさらに地区内では、御指摘になりましたようにまだ相当部隊もございますので、これらのものを急速にその方に入れまして、接収をそれだけ多く解除してもらうように努力いたしたいという考えでおる次第でございます。
○岩間正男君 今の問題、相澤委員から出ました問題についても私はお伺いしたいと思ったのですが、要点を申し上げますと、見通しを誤っておった、そうして、そのために工事が遅延した、そうして前渡金は渡したけれども、これについて一応この会計経理上のことはやられておるようでありますけれども、やはりその結果は非常に不利な損害を国民に与えておるということが出てきておるわけです。この点についてやはり責任をお感じにならないとすれば、これは私は非常にやはり問題だと思うのです。なぜこういうことが起ったかということを考えてみますと、第一に、国民の世論をほんとうに聞いていない。調達庁に対してはこれは反対の陳情が何回もあったわけです。私たちはそういう実態について聞いております。ところが市の当局と形式的に話を進めていく、それで何とかできるのだという形で調達庁の行政が進められておるところに一つ大きな問題がある。もう一つは、事務執行は建設省にまかしておる。自分たちはそういう基本的なことだけをきめて、しかも合同委員会で、施設特別委員会で、岸根の基地を設営するというのが決定されますと、その原則によってあくまでそれをあなたたちは貫こう、これは一面からいえば当然のように思いますけれども、そこだけに非常に力点を置いて、国民の世論とかいろいろな面に関係した諸問題については十分な政治的な考慮をしない。そうしてしかも、当然建設問題でありますから、施設委員会の建設分科会で私は当然論議されなければならないと思うのです。ところが建設省に対しては何らこのような会議を提唱していない。合同委員会というものは機構の上にはあるけれども、全然これは一回も開かれていないということは、当委員会で判明した事実であります。そうして今度は、建設省に対して予算負担行為だけはこれはやらせる。当面の責任の執行の問題は全部建設省の方に移管されて、そうして当面の責任は調達庁が負わないという形になって、建設省が会計検査院のやり玉に上っておるというような形になっておるわけです。私は第一このようなやり方というものは、非常にこれは不当じゃないかと、こういうふうに考えるのです。この日米合同委員会の運営について、建設委員会分科委員会というものがあり得たわけだ。これと十全な打ち合せをして、そうして責任態勢をはっきりさせ、この問題を執行するということが、今後の行政面で非常に重要だと思うのでありますが、小滝長官にお伺いしたいのでありますが、こういうような形で分科委員会というものは一回も持たれていない。そうして責任の主体は調達庁にあるけれども、調達庁にありながら、建設省に責任が転嫁されたような形で行われている。こういうやり方についてどういうふうにお考えになりますか、御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) この行政協定の二十六条による合同委員会の中には、御指摘のように分科会がございまするので、この点についても事務当局の報告では、建設部会を開いておるそうであります。それからまたこの当時、この建設の方を建設省へお願いしたのは、たしかこれは平和条約善後措置の方で、それは建設関係の主管省であるところの建設省でやってもらうという組織になっておりますので、そういうふうなやり方をさせるというのが事実のようでございます。
○岩間正男君 私はそういう形式的なことを伺っておるのじゃなくて、実際の具体的な責任の所在はどうか、日米合同委員会の運営についてはどうお考えになっておるか、こういう点を伺っておるのであります。第一、建設部会を開いたことがあるということになりますと、これは大へんなことになるのです。建設省はわれわれに虚偽のそれじゃ答弁をしたということになるのですが、事実そうでございますか、建設部会は開かれた事実がありません。私たちははっきり資料までもらって、そうしてこの問題を検討していったところが、機構の中にはそういう部会は港湾分科会とか、それからいろいろな宿舎の分科会とか、演習場の分科会とか、そういうものに並んではっきりこの建設分科会がある。しかるにこれは一度も開かれていない。そういう事実が判明したのでありまして、これは日米合同委員会の運営の面についても実は基本的な問題を持っておるという点で、ずいぶん今まで問題になったところなんです。ところが実際今までに開かれたということになりますと、これはだいぶ食い違いがあるのですが、その点いかがでございましょう。
○政府委員(丸山佶君) 建設部会の開かれた記録は確かにございます。二十九年八月の二十日に開きまして、当時設計施工等の打ち合せ協議が軍側と日本側の部会の部員の間にやられた記録が確かに残っております。
○岩間正男君 そうするとその点は非常に違いますね。委員長、その点やはり明らかにしなくちゃならないのです。まあ建設省の係の人がみえていないのですが、建設省としては一回もそういうような委員会は開かれなかった。それはもし、あなたの方で開いたとおっしゃるならば、この問題は何の問題で開いたのですか。この岸根の問題ですか。
○政府委員(丸山佶君) その通りでございます。
○岩間正男君 そこではどういうことがきめられたのですか。
○政府委員(丸山佶君) 岸根に建てる兵舎の設計、その収容力、その他具体的な事項の問題についての協議でございます。
○岩間正男君 このときその基地の問題については建設省は関係していないと思うのでありますが、この土地の問題、敷地の問題については関係していないと思うのでありますが、いかがでございますか。
○政府委員(丸山佶君) その通りでございます。岸根を選定する、選ぶという問題は、この部会では取り扱っておりません。
○岩間正男君 この工事がおくれた原因は何でございますか。
○政府委員(丸山佶君) 前回私が申し上げ、またきょう長官もあれした通り、やはり土地問題でございます。
○岩間正男君 ただ、今の、それからこの前の、それから先ほどの長官の説明でも明らかなように、まあ土地問題が解決しない、この上に立って建設省だけにこの予算負担行為を命じた、そうしてそういう想定を誤った上に立ってこれを進めていった。ここに問題があるわけなんで、私はどうしたってこれは調達庁側の責任というものは、この問題に関して明確にされるということが、当委員会ではやはり必要だと考えるのですが、この点いかがでございましょうか。責任なしと、われわれはきめられたことをやっていったので、見通しが悪かった何だといっても、とにかく、われわれは大丈夫できると思ってやったのだ、しかしその結果まずかったのだけれども、これについては責任はない、これは建設省の方の責任だ、こういうことで、あなたたちはここのところをお済ましになるおつもりでありますか、どうですか、この点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) 先ほど丸山次長が申しましたように、建設省の責任ではなく、この調達庁の方でまあ御指摘のように見込みがはずれたという点は、これは否定し得ないところでありまして、その点非常に遺憾に思っております。
○岩間正男君 この遺憾の意の表明が最高責任者からありましたから、当然まあそうだと思って、私も確認したいと思うのです。この前、次長さんでは、この遺憾という言葉が出なかったわけです、何ぼ言っても。だから当委員会を開いた意味も明らかになったわけなんです。私はどうも不当な建設省の責任が追及されておるように思いましたので、この点は明らかにしなくちゃならないと考えておったわけです。 そこで、そういうような責任を感じておられる調達当局として、先ほどの御説明で明らかになりましたように、最初ここに移管を予想しておった横浜市内のキャンプ・コウですか、そのほか四カ所の移転がここに行われない、別のところにもう行われておる。岸根の工事は間もなく竣工するはずである、これはいつごろでございますか、岸根の大体の予定は。
○政府委員(丸山佶君) 来月、つまり四月の末までには完成すると建設省から連絡を受けております。
○岩間正男君 四月にできて、さてそれはどういうことになるのですか。約十三億の国費をこれは使っておる。国民が、これに対して地元の人たちが広範にこれは反対したのです。単にこれはもう農地の問題だけじゃありません。平和の問題からいいましても、また、日本の完全独立というような建前からいっても、こういう形でこの地元の農民の利益というものが無視されて、どんどん強制執行される、警官も出動する、それから勝手にボーリングをやる、強引に、最後には土地を接収して、収用委員会にかけてこれを取り上げる。こういう格好で作ってみたが、さて移る兵隊は別な方に移っておる。こういうことになりますといろと、これは何のためにこのような一体いろいろの犠牲を払ってここに宿舎を作ったか、わけのわからないことになるのだろうと私は思う。私はこの前の委員会におきまして、非常に調達庁のやり方の中で奇怪に感じましたのは、実はここへだれが移る予定であったかといいますと、先ほど申しましたキャンプ・コウ初め四カ所の市内の施設が移ることになっておる。ところがそれはどうなるかとお聞きしますというと、どこへ移っているかということを次長さんがお知りにならなかった。私たちは横浜へ行って、見たり聞いたりしたから、それはほかのところへ移ったことを知っておった。実はあぜんとしてあいた口がふさがらなかったということが出てきたわけであります。そうすると、これは実に問題だと思うのであります。せっかく作ってしまった、十三億も使っていろいろな諸問題まで発生させて作ったととろの米軍の宿舎が、実際は役に立たない。先ほども、この前も私が申しましたが、こういう問題になると、何とか跡始末を、しりぬぐいみたいなことをやるかもしれませんが、最初からそこに移るのだということで多くの犠牲を払って作られたところの兵舎が使われない。こういうことになりますというと、実にこれはおろかなことをやったということになると思う。一体この原因はどこにあるのか、この責任問題についてはどうお考えになるか、この点を明らかにしていただきたい。
○政府委員(丸山佶君) 前回の当委員会におきましては、実は私自身本案に関する調査が不十分でございまして、完成すべき岸根宿舎の利用計画ということに十分の御説明ができなかったことを遺憾に存じます。しかし調達庁といたしましては、先般来完成した暁における利用という問題につきまして、軍側当局と折衝を続けておるのでありまして、まず第一に、当初予定しながらなお残っておるところのコーリアコートという約一万五千坪にわたるものは当然、それ以外にも、先ほど長官からもお話のありましたように、まだ市内に相当多数の軍施設、兵舎等が残っておる。これらのものを岸根に入れる交渉をしておるのであります。この結果は近日中、おそくも今月中には決定いたしますので、来月末に岸根の兵舎が完成して引き渡すなら、その結果に基き返還させるということになります。このように仕事の段取りは進んでおります。
○岩間正男君 計画変更はどこでこれは扱いますか。それも施設特別委員会で扱いますか、それとも日米合同委員会の本会議で扱いますか、相当重要な問題になってくると思うんですが……。
○政府委員(丸山佶君) やはり第一に施設特別委員会で討議いたしまして、その結果本会議に上りまして、本会議で最終決定になる、かような筋を通ることになります。
○岩間正男君 だから私はこの前、実はこういうふうに国会で問題になれば、そういうようないろいろな跡始末みたいなことをやるだろうけれども、しかし、それでも話にならないのじゃないかということを念を押しておったはずでございます。これは速記録を見ていただけばわかりますけれども、第一、次長さんが移る予定であったものを知らないとは何です。この前、何月何日でしたか、三月一日ですね、そのときお知りにならなかった。それを今度は当委員会で問題になったから、何とか跡始末をつけないというと格好がつかないということで折衝が始まったのじゃないですか。
○政府委員(丸山佶君) いや、お説のようなわけではありません。先ほど申しました通り、前回の委員会に私出席いたしましたときに、私自身が実はこの案件についての調査不十分で参りましたもので、あのようなことしか御説明できなかったのでありますが、調達庁といたしましては、すでに先般来、軍と今後の返還の施設の決定しておるものは進んでおるのでありまして、あわてて始めたわけではありません。
○岩間正男君 これは大へん職務怠慢ということになりますな。次長さんというのは、長官がおられないとき、あなたがあとを全部引き受けるというために次長というのは置いておると思う。その人が、このような重大な問題まで発生して作られたところの宿舎が間もなくできる。できるのだけれども、そこに移る人が別な方向に移っておるということを知らなかった。しかしそれとは別に進められておった。そういうことも知らなかった。そうしてこの委員会においでになったということになるのですな。これは私は困ると思うのです。こういうことではね。まあこれは個人のあなたの責任を糾弾してみても始まらないことですが、一体調達庁全部の体制というのはこういうふうになっておるのですか。つまり米軍から話があった問題だけは頭に入っておる。それから下の方の国民の世論などというものは二の次、三の次だ。それからこうして新しい兵舎ができた。できたけれども、しかし米軍の方では勝手に予定を変更してやっておる。そういうことについてはあまり関知しない。こういうような格好で調達庁の行政というものは運営されておるのでありますか、これは重大問題だと私は思う。
○政府委員(今井久君) この問題につきましては、先ほど私御説明申し上げたのでありますが、最初岸根の兵舎を作りまして、横浜市内の現在の施設をそちらに移すという計画の場合には、当時施設の中で最も早く返還を必要とするというものを一応予定いたしたのでございます。ところが、先ほど申し上げましたように、建設が非常におくれましたために、早く返還を必要とするというものにつきましては、当時米軍と折衝いたしまして、また種々検討いたしまして、キャンプ・コウのものをば富岡のキャンプとか、あるいは麻布の騎兵師団司令部の方に移動いたしまして、その施設をば早く優先的に返還するように話をきめたような次第でございます。従いまして、今度岸根の兵舎ができますれば、当時予定いたしましたところのもののうち、まだ入っておりますところのコーリア・コートのものと、その他横浜市内にまだ残っておりますもの等につきまして、すみやかにその点について検討をしてもらって、早く接収が解除になるように努力いたしたいという計画で実は参っておる次第でございます。 調達庁の仕事につきましては、いろいろ各方面にわたりまする仕事をやっておりまして、私といたしましても、種々努力をいたしておる次第でありまするが、足りません点につきましては、さらに一そう努力をいたしたいと考えておる次第であります。
○岩間正男君 どっちみちあまるわけですね。作ってみたが、最初の予定は何人でしたかな。二千四百人でしたか、二千三百人ですか、それから将校が四十人ですか、ところがこれが具体的にやっていけば、最初の予定が発表されたわけですが、この四カ所のうち三カ所がほかに移れば、これは余るわけでしょう。そんな膨大なやつを十三億も出して一体作る必要があったのですか。
○政府委員(丸山佶君) 先ほど御説明しました通り、残っておるもので、まず第一次的のものがコーリア・コートというものが一万五千坪ほどの施設があるわけでございます。そのほかになお現在折衝して岸根に移して、その市内のものは返還させようというものがまだたくさんにございまして、具体的に申し上げますならば、新子安方面にもキャンプサンミグエル、これが一万二千坪ほどのものがある。それから同じ近辺でロスコ・エム・カルコート、これは三万四千坪ほどのものがあります。その他にもまだ市内の施設が多々ございます。これらをできる限り入れたい、このように今折衝を進めておるのでございます。決して岸根の方が余る、全部移しても余るというようなものにはならないと見ております。
○岩間正男君 私はこの前の当委員会であなたにお聞きした。だれだれが移る、どこどこが移る予定か、こう言ったところ、これについてあなたははっきり話されたわけでしょう。ね、ところが事情変更になったから、今度は今言ったような付近のとつちの方へ移すんだという、つじつまを合せる、そういう答弁としか私たちは聞くことができないのです。そうでしょう。とれを私は、われわれのこんな論議よりも横浜の土地を取り上げられたり、それからこれに対して反対してきて、しかも強引にやられた人たちの気持になって考えてもらいたい。十三億の国費を使って、いろいろな無理をして作り上げた。けれども最初の予定の軍隊は別のところに移った。そしてつじつまを合せるために、今あなたからお聞きしたような形で入れるのですから、余っておりませんというような答弁をされ、こういうことで一体国民が納得すると思いますか、私は重大な問題だと思う。ここに調達庁行政の私は性格があると思う。つまり一言で言えば、こういう言葉を使いたくないのでありますが、アメリカの言いなりほうだいになっている。アメリカの要求についてだけは何よりも先に唯一にこれを考える、日本国民の要求については第二、第三、第四というふうにしかこれは考えていない。砂川の問題にもこのような姿がはっきり私は出ていると思う。 そこで私は小滝長官にお伺いしたい。一体、調達庁というのは日本の機関ですか、アメリカの機関ですか、アメリカの何か御用達機関ですか、この点を明確にしておきたい。日本の政府機関であるかどうか、お伺いしたい。
○国務大臣(小滝彬君) 岩間さんのように博学の士が、調達庁の機関がどこの機関であるか御存じないはずはないと思います。(笑声)一体これまでの経過について今、次長は説明しておりましたが、早く一部のものをよそへ移したということは、これは一面から見れば、調達庁の役人がいかに一生懸命にやったかということの証拠であります。一年半もかかる、まあ今その事情はそういう事情でおそくなった。おそくなったのは非常に遺憾ですが、完成するのはこの来たるべき四月の末にしかならない。そこまで待っていると、早く返してもらいたい、(「学校もあったね」と呼ぶ者あり)学校もある、そういうところは一日も早く返してやらなければならぬから、あの完成はおくれたけれども、見込み違いでおくれたけれども、別のところへなるべく押し込んで、そうして返してもらいたいところを、いろいろ公共的な利用価値があるところを返させるということを非常に努力した、こういうことの証拠であるということで、まあ岩間さんに一つ理解してもらいたい点である。(「学校はまだ返ってないよ」と呼ぶ者あり) またアメリカ側といたしましても、とにかくそういう工合でおくれたら気の毒だというので、無理をしてよそへはめ込んだという点も半面考えてもらわなければならないところであります。そうしてこういう施設が決してあり余るのじゃなしに、実は返さなければならないものがたくさん横浜にもございます。地図でごらんになったと思いますが、たくさんありまするから、それは従来の政策によりまして、なるべく町から離れた、なるべくなら国有とか公有地というふうなところへ持っていって、そういう民有地とか民有財産というものは返還させるようにしよう、こういう政策でやっているのでありまして、これが完成いたしましたならば、第一次的には、プライオリティーが一、二、三となっていたかもしれませんが、そのあとへ入ってくるから、決してむだになるとは思いません。現に当院の議運におきましても、この近くの兵舌を一日も早く返せという御要求がございました。一昨日も出て私、説明いたしたのですが、なるべく米軍が漸減していって、全然要らなくなればですけれども、少くとも、今の岩間さんと私どもの立場は全然違いますけれども、この安保条約とか行政協定がある以上、その義務というものは果さなければならないというのが、私どもの立場でございます。そうしてそれがかわるべきところがなく、なかなかそれは移せない。そこでかりに向うの方で余地ができれば、今非常にこの当院においても重大関心を持っておられるところのこの近辺の基地も返してもらえる、こういうふうになるのでありまして、まあ過去のいきさつについては遺憾なところがあったかもしれませんが、一つ岩間さんは立場が違いますので、なかなか私のようには考えにくいでございましょうけれども、そういう努力もこれまでずっと調達庁は続けてきているということも、御了承願いたいと思います。
○岩間正男君 おほめにあずかって非常に恐縮でございますが、私は残念ながら該当しない。博学じゃございません。どうも私たちの普通の考えからいいますというと、日本の政府機関であるならば、当然、日本国民の利益を守り、そうしてその立場からこれは行政をやってゆくというのが当然だというふうに考える。常識的に考えますというと、どうも調達庁のやり方というものは非常に一方的です。先ほどからの経過で明らかだけれども、しかもいろいろこれは御説明でありますと、むしろこれは米軍の善意から出たものである。調達庁がこれに同調して、早くこれを返すためにやったんだという、そういうようなことを言われますけれども、これは計画というものはあるのだろうと思うのですね。ここに私たちはここで問題にしたのは、建設行政との問の計画であります。日本国内の住宅問題が、御承知のように何百万戸足りなくて困っている。学校も御承知のように二部授業を続けているところがいまだに多いのであります。そういうような中で、総合的にこれは米軍の宿舎の問題というものは私は検討されなくちゃならない。建設行政からいっても、当然その立場に立って、正しい立場をとらなくちゃならない。ところが米軍の宿舎に関する限りは、もう向うの都合でどんどん最初から予定して作っても、予定変更でやってゆく、そのときの都合でもって、きのうのやり方はきょうはもう変る、風はきのうときょうは別な方に吹く、こういうことになったので、どこに一体根拠がある、基礎のある、確信のあるところの政治というものはできるのでありますか。 私たちがこういうことを問題にしておりますのは、実はたとえば、岸総理大臣あるいは岸外相が、今や日本の独立問題の中で、行政協定の問題についてはやはりいろいろな問題があるし、不十分なところもある。現に昨日も、これは私の質問に対して答えていられるのであるから、そういう点から考えまして、どうしてもこれは一対一で交渉しなければならない立場にきているのだ。はっきり日本の自主性を守らなければならないところへきている。その点から行政協定並びに安保条約の改訂も、今あなたの御承知の、あなたも責任を持っておられるところの、これは政府の意向として発表されているようなわけです。少くともこれは研究するということは言われている。こういう態勢の中で、まるで風に吹き流されるようなやり方でやってゆくから、そうしてその政策がまことに国民には解せない。砂川の問題一つ見ましても、今度の岸根の問題を見ましても、調達庁というのは、これはアメリカの御用機関じゃ、ないかということは、何も私が申し上げているのじゃなくて、博学なあなたの方が十分これはお聞きになっていらっしゃると思う。もう少し巷間に出てごらんなさい。アメリカの言い分だけからじゃこれはだめだ。日本国民の世論というものをお聞きになりますればはっきりしてくる。こういう態勢の中で、私は今度のような岸根の問題というような形で現われた不当な、会計検査院からも指摘されなくちゃならないような条項を含む、米軍の御用達だけまず第一に考えて、それだけやっていけばそれでわが事終れりというような方向に進められる、そう言いたくないけれども実際そうなっている。この性格とも関連して、今の問題とも考え合せて、私はこういうようなやり方が非常にまずいのではないか、このようなやり方が人民に与え、日本の国民に与えるところの影響というものは、非常にまずいのじゃないかということを私は申し上げたい。どうでございましょう。この点について、いろいろあとでつじつまを合せるような御答弁がありましたけれども、私は基本的に、最初のそういう計画の線というものを守られないでこれをやられていく、あとで何ぼあってもいいのだということになりますと、これは無制限なことになるのであります。向うの要求というようなことについて、当然調達庁の立場から、日本の国内法あるいは日本の経済事情というものを阻害しないような、そういうような点で協力して、話し合いによって当然これが行われなくちゃならぬというのが、行政協定による原則だと思います。そういう点を貫くという覚悟が一体ほんとうにおありになるのかどうか、この点は非常に私は重要だと思うのであります。あえて博学な長官にお伺いをするところであります。この点についてはっきりした答弁をお願いいたします。
○国務大臣(小滝彬君) 基本的に私どもは安保条約というものはアメリカのためのものではなくして、日本の安全を保持するための条約であるという建前をとっており、私どもは深くそういうように信じておるものであります。でありまするから、それに基くところの最小限度の施設を提供するということは、単に条約上の義務であるからというばかりでなくして、日本のためにもこれはやるべきことである、こういう観点に立っておるものでございます。しかし、提供に当りましては、もちろん違法なやり方をすべきではない。土地収用法が土地収用法として厳然として法律としてございますから、これはなるべく話し合によらなければならないというので、調達庁もこれまで御承知のようにずいぶん苦労して参っております。できるだけそういう方法でいかなければならないけれども、法律もございまするので、やむを得ない措置としてこういう法律による措置をとったのでありまするが、との合同委員会というものが行政協定に規定されておるのも、日本側の経済的立場、またいろいろ国内の事情というものも考えて、話し合うためにできておるのでありまして、決して向うの言いなりにすべてを放任するというのではなくして、これをいかにうまく調合するか、双方を調整するかということが非常に大きな任務であります。その点でこれは岩間さんからごらんになりましたならば、調達庁はどうも十分そういう配意をしていないというように見えるかもしれませんが、しかし調達庁に働いておる連中は、いずれもそういう点に非常に苦労して最善を尽しておる、こういうわけでありますから、決して向うの言いなりになっているのでないということを御承知願いたいと思います。
○岩間正男君 言うなりになっていないというお話でありますが、これは例をあければたくさんありますね。もう御承知だと思いますが、相馬ヶ原の問題、この一つをとってみたって、あれは行政協定の中ではさまっていない。そうして行政協定発効以後九十日までにこれは話し合いできめなくちゃならぬ。あれは公然なものじゃありません。あれはやみで進められております。あるいはまた横浜の港湾の軍貨の荷役の問題を見てごらんなさい。これは昨日も岸総理大臣に質問したところですけれども、日米合同委員会を作ってもう三回も四回もかけられている。そしてそれをたな上げにして、一方でどんどんどんどん進めておられる。これはきょうは多岐にわたりますから、この方の詳細は申し上げませんけれども、これなんかも全くいい典型的なものですよ。一体、日本の機関というものがいかに米軍の思うままにほんろうされているかということをまざまざと出していますよ。こういうようないろいろな点からいって、アメリカの言いなりほうだいになっていないという決意はけっこうでありますけれども、現実的な運営というものは、全く一方的にそうされておるのじゃない。一体、骨のある態度でもって、少くともあなたたちがこれはおきめになったわけなのですね。私たちは反対したのだ。行政協定なんて、こんなやみの、国会にもかけないものを、そうして神川彦松博士なんかは涙を流して参議院の予算委員会で、一国が一国を支配するのに、これほどひどいものは世界の歴史にないというようなことを言われておる。われわれは反対した。あなたがたはこれを通した。しかし行政協定を守りもしないのだ。守りもしない形でどんどん運営されておる。また調達庁は、たとえば横浜の港湾の軍貨問題なんかで、一方では運輸省がせっかく努力して国内の港湾運送事業法を守る立場から努力しておる。それをまるで切りくずすような形で、軍荷役の直傭労務員を第一次から第四次にわたって提供するようなことをあなたの方では通達を出しておるではありませんか。そういう事実は長官は御存じないでしょう。御存じないからさっきのようなお言葉があると思うのです。それはわれわれはあまねく実際調べておる。私はこういうことでは問題にならないと思うのでありまして、ほんとうの政府機関であるならば、調達庁も腹をきめなければ、砂川の問題についても、それから相馬ヶ原の問題についても、それから横浜の軍の荷役の問題についても、はっきりした立場で、日本の国民の利益、日本のほんとうの独立というものをこれは貫くという立場で、少くとも実際行政協定は守る、守らなければこんなものはやめさせる。一日も早くわれわれはこんなものはやめなければならぬと考えるのでありますが、やめなければならぬ理由がここにはっきりあると思う。調達庁長官は立場上なかなかつらいこともあると思うのであります。しかし、あなたはやはり閣僚なんだ、国務大臣なんだ、そういう立場からはっきりこの問題の中で一つの筋は通してもらいたいと思う。政府機関の中でもばらばらなんだ、意見が。みなみな違います。こういうようなことでは、これはとても日本は侮られるだけのことでありまして、この岸根の宿舎問題にからんであなたの決意をはっきりと申し述べていただきたいと思います。われわれがほんとうに支持することができるか、あっばれこれは長官だということで支持することができるかどうか、そういう点はどうもこれではたよりにならないということになるかどうか、あなたの決意いかんです。一つはっきり御答弁願いたい。
○国務大臣(小滝彬君) 私どもの考え方は、先ほど申し上げた通りでございます。私は今あげられた例を一々どうだと言うのではございませんが、たとえば相馬ヶ原でも行政協定違反だと言われますが、これはラスク・岡崎交換公文がございまして、違法に使用しておるというふうに私は見ておらないのでございます。また個々の事件をおとりになりますれば、先方の希望するところと日本側の希望するところとがうまく合致しない。そういうために、どうも向うに引っぱられておるというふうにごらんになるかもしれませんが、しかし一例をあなたも例をあげられましたから、私も一例を述べて、こちらの努力、また向うといろいろ折衝してこちらの主張を通してきた一つの例として申し上げまするならば、先方はなかなか必要な施設も返そうとしない。こちらの方は返してもらう必要を認めるものでも、なかなか向うではいろいろの関係から返そうとしないにもかかわらず、相当これまで努力して参りまして、この協定が実施された最初に千二百以上もあった基地も、今五百幾つになっておる。また、これまでいろいろ折衝いたしまして向うのやりかけた演習もとめさせたこともありまするし、あるいは向うの方で非常に困るという場合にも、日本側のこの付近の住民の人の反対があるからというので、相当折衝を重ねまして、とちらの希望を達成いたしたこともあるのでございまして、私は今後ますますこういうようにいろいろ問題も出て参りまするので、国民感情を考え、また日本独自の立場において、できるだけこういう摩擦と申しまするか、向う側に引っぱられておるというような感じを与えることのないよう最善の努力をいたしたいと、こう考えておる次第であります。
○岩間正男君 ホームグラウンドですから、なるたけあなたこういうところで自分のそういう努力をされた抱負なんかをお述べになるいい機会だと思う。それは大いにやってもらいたいと思う。なるほど墓地は返された。その点については、たとえば内灘とか妙義とか、大高根とか、そういうことは知っています。しかし一方で基地がふえ、面積はふえておるということは、これは事実です。しかも墓地の性格というものは全く変ってきておる。アメリカの原爆最前線基地として編成されつつあるということは、長官は少くとも防衛隊の長官でございまするから、戦略的な立場からもおつかみになっていらっしゃると思う。ですから、砂川のようなことが起るのですよ。基地の個所は一カ所だかしらぬけれども、どんどん面積はふえております。そうして、これは少くとも一万一千フィートくらいの滑走路を持たなくちゃならない。そうして原爆搭載機を発着させることができるそういう態勢になっているということは、これは私が指摘するまでもなく博学の長官はよく御存じだと思います。ことに当面の責任者として御存じだと思うのでございまして、やすやすと……どうも御努力によってそういう所が返ったのだというようなことを言われますと、われわれは一言立ってこれに応酬せざるを得ない、こういうことになってきていると思うのです。要らないものは返すのですよ、使う必要のないものは、こんなものは、あまり役に立たない、これはこっちの努力で返ったというふうに私たちは見たいけれども、どうもそうは見られない。それなら全部返してもらいたいのだ、みな返せばいい。ことに砂川なんか、沖縄、小牧毛、みんなこれはもう強引に、あらゆる手段を講じて、そうして警官まで出して、最後には弾圧までやって、千人のけが人まで出して、血を流してこれを取り上げておるのです。この事実はどうですか、こういう所でやってもらいたいのです、こういう所で今の主張を貫いて、第一線の砂川の現場の所へ行って、第一線に立ってすわり込みでもやってごらんなさい。これは名長官だというふうに私たちは考える。日本国を守るならその立場をとってもらわなければならぬと思うが、おいでになって、ごらんになっておられないと思う。今度はぜひ見て下さい、砂川を。こういう所で、ホーム・グラウンドですから、あなたの腹蔵ないところをどんどん出してもらって、抱負を出してもらって、われわれは応援できるところは、われわれ共産党といえども応援します。民族のあなた独立のためには、赤白もないのだ。そういう立場でいかなければならないと思います。そういう点について、今のお話がどうも一方的でうまいことを言っていますけれども、どうも納得いきません。もう少ししっかりした態度で、防衛庁の問題並びに調達の問題についてはやってもらいたい。 そこで横浜の軍貨の問題ですが、こういうものをやらせないように御努力願いたいと思うのですが、どうですか。これはあとで詳細をお聞きになっていただきたいと思うのですが、まことにこれはじゅうりんされています。どうでございましょうか。
○国務大臣(小滝彬君) 労務を提供するああいう組織のあることを承知しておりますが、双方の間の見解に相当相違がありまして、一部の労務者を直接提供するという方式も採用せられております。しかしこれにつきましては、まだ関係者の間にも全然一致した意見があるのでもないように考えられる筋もありますので、今後さらによく検討いたして善処いたしたいと考えております。
○相澤重明君 関連質問。この際基地の問題で関連してお尋ねしておきたいと思うのですが、先ほどの丸山次長の言葉はだいぶ私ども神奈川県の者として非常に遺憾に思うのですが、実は横浜市は岸根基地について最初反対だったのです。これは市は反対だった。しかしどうしても何とかせなければいけない。調達庁の意向というものがあって、それでやむを得ずですよ、あなたのおっしゃったように、県の土地収用委員会に持ち込んだのです、これは。だからその間においては、県の方はずいぶん努力したと思うのです。そういう点は、少くともこういう国会ですから、あまり市が積極的に協力したようなことを言われますと、横浜市の議会もあるいは横浜市の当局も非常に迷惑すると思うのです。それは最終的にはそういう収用委員会にまでかけてやはりやらなければならぬというときに、まあ当時の政府の意向なり、あるいは調達庁の立場というものを私はくんだと思うのです。ですから、そういう点のやはり御発言の際には、十分気をつけて、あまり国民感情を刺激しないように私は一つ考えてもらいたいと思うのです。 それから、この際お尋ねしておきたいのは、先ほど岩間委員も言われましたように、岸根基地にあれだけ膨大ないわゆる収用機関というものを作った。しかし、いまだにまだ子安についても実際には学校施設も解除されておらないし、膨大な敷地が残されておるわけなんです。同時に、他の方面のものをそこへ入れるということもちょっと聞いておったし、また先ほどもちょっとお話もあったのですが、それと関連をして、どうせ足りないのだから収用をそこへ多くするということで、厚木基地の拡張計画があるということを聞いておるのですが、この点防衛庁長官はどういうふうにお考えになっておるか、お尋ねをしておきたい。
○国務大臣(小滝彬君) そういう話がないわけではございませんけれども、われわれとして何ら決定をいたしておる次第ではございません。
○相澤重明君 これはもう先ほど岩間委員の言われたように、厚木飛行場は非常に、神奈川県でも農村地帯なんであります。農地は非常に重要な、いわゆる農民の最も関心を持っておる土地でありますから、そこがいわゆる国道もあるいは私鉄を越えて、そうして膨大な土地を収用するやに伝えられたということで、岸根基地と同時に神奈川県では非常にこれは大きな問題になったわけであります。このことは、はっきり先ほどの少くともまあ小瀧さん、同じ参議院で、そういうことはなかなか言いにくいのだけれども、実際に基地をああいう所に拡張するということは、これは私はよくないことだと思う。そういうことは、今、少くとも安保条約なり日米行政協定を改変しようというような今の岸内閣でありますから、そういう方向に向っていけば、なおさら今もう砂川の事件のようなああいうことを起さんということについて、あなたの確固たる、やはり私は岩間委員じゃないけれども信念をお尋ねをしておきたいのです。この点いかがですか。
○国務大臣(小滝彬君) 私は、こういう問題はいろいろ立場の違った方で、なかなか私どもの考えを了解していただけない場合もございまするけれども、もしそういう必要があれば十分話合いをして、円満に解決するという方針で進んでいきたいと存じます。ただし今御指摘になりました例については、今具体的に何も考えておる次第ではございません。
○相澤重明君 具体的にお答えができないと思うのですが、私はやはり少くとも東京に最も近い所でありますし、砂川の問題もわれわれはまだ記憶に新たなことでありますから、そこで厚木の基地というものは、長官も御存じだと思うのです。ですから、これが拡大をされるというようなことは、これはもうあなた自身がもしはっきりした態度があれば阻止できる。あるいはまたその必要性を私たちは認めない、現状においては認める必要がないと思うのですね。ですから少くとも日米行政協定のやはり取扱いの責任者である立場の、いわゆる岸総理大臣並びに兼摂の外務大臣、同じく防衛の立場の最高責任者であるあなたですから、こういう問題は国の政治を担当されておる責任者として、十分お考えだろうと思うのです。ですから、そういう立場で私はあなたに御返事をいただきたいとこう思うのですが、いかがですか。やはりあくまでも、現状ではということだけで、向うからあれば、先ほどの岩間さんのお話ではないけれども、まあ日本人が困ったところで、業界が困っても、農民が困っても、労働者が困っても、とにかくアメリカから提示をされれば僕らはやるのだ、こういうお考えなんでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(小滝彬君) こちらの立場を主張するということは、最初申し上げた通りでございます。ただいま御指摘の点は、よく私の気持の中に持ち続けまして、万事いろいろな問題に当っていきたいと考えております。
○相澤重明君 それでは、長官はまだ新任早々ですからね、そこで調達庁にお尋ねをしておきたいのですが、調達庁の長官は厚木基地の問題についてどういうふうな今までの経過であったか、この点をちょっと御説明を願いたい。
○政府委員(今井久君) 厚木の基地につきましては、一昨年でありましたか米側から滑走路の延長の要求があったのでございますが、との点につきましては当時調達庁といたしまして、厚木の拡張ということは今日の段階においては実行ができないという返事を当時いたしておりまして、今日まで推移しておる次第でございます。
○相澤重明君 調達庁が、長官の今のお言葉ですから、これははっきりしておると思うのですが、非常にこの点神奈川県民が反対をされて、そしてそういう機運があったというだけで一時鳩山内閣に対しても相当な問題を提供されておった。ですからこれは調達庁長官の今言われたようにそういう必要性は認められないわけです、あそこは。ですからこれはやはりそういう、きぜんたる態度をもって一つ今後も進んでもらう、長官も一つ防衛庁の立場から、そういう点は調達庁の立場というものは、やはりはっきり一つつかんで今後とも進んでいただきたいこう思うのですが、長官の立場はいかがでしょうか。
○国務大臣(小滝彬君) 御趣旨はよくわかりますので善処いたしたいと考えます。
○高田なほ子君 一言だけ聞かして下さい。防衛庁長官にお尋ねします。アメリカの言いなりほうだいに決してなっておるわけではない、日本の防衛のためには最低の必要限だけはこれを認めてもらわなければならない、そういうようなお話であった。また私どももアメリカの言いなりほうだいになるというようなことについてはこれは絶対許容することができない。こういうふうに考えておるわけでありますが、どうもいろいろ現実に起ってくる問題は、日本側が欲しないものであっても、やはり押し付けられる結果がいろいろ出てきていると思うのです。また安保条約の第一条でもアメリカ駐留軍の陸海空の配備権を日本政府は無条件で許している、これを受けてMSA第八条では生産資源、施設、人力これらのものの供与に対しては、軍事的な義務を負うということが規定されておると思うのです。こういうような条文から見てもあるいは協定の法文から見ても、日本側が主張することが現実問題として入れられないという場合が、やはり多く出てきているのは現実問題だと思うのです。それでこの間はこれは衆議院の内閣委員会でもお取り上げになった問題なんですが、過般の美保基地におけるC46号機の墜落問題でありますが、この墜落問題から増原次長の御答弁を拝承するとC46よりもC47を希望したが、結果としては使いものにならないC46を供与して受け入れた、使いものにならないので現在の三十機の供与のうちから十八機だけは使っている、あとのものはもう使えないのだというような御答弁があったわけでありますが、日本側としては使いものにならない、欲しくないというにかかわらず強引にこれを供与され、しかもその部品を修理するための会社すらもないというようなことであっては、これは決して日本側の主張が入れられたということにはならないと思うのですが、これは新聞で大まかの経過が書いてあるようでありますが、こういう問題について今の御答弁との食い違いを私は非常に疑問に思うので、納得のできるような答弁がいただきたいということが一つ。 もう一つは日本の計画、日本の防衛体制なら防衛体制の計画に沿って、独自の予算が組まれるならば防衛庁の予算は、不用な予算額というものは組まなくてよいはずであります。しかるにもかかわらず、私がここで特に主張したいことは、防衛庁の人件費は二十八年度には二十二億ですか、次年度には四十四億というような膨大な費用が使い切らないで余っているという、これは日本の計画が日本独自の計画ではなくて、やはりアメリカの計画に押されて組んだ予算だというふうに考えざるを得ないのです。私はおとといも、余談になりますけれども、日本の科学振興のために岸内閣が文教政策として打ち出した科学教育の振興のために使われる予算は、本年度は私立学校ではわずか一千万円だ、そうして十三年次の計画で八億五千万だという、日本の科学水準の向上のために使われる予算が十三年計画で八億五千万きり使えない。こういうようなばかばかしい現実の中にありながら、なぜ防衛庁の予算が人件費において四十数億の不用を出したような、こうしたずさんな一体計画が盛られているのか。これはわが国の独自性を物語るものではなくて、アメリカの防衛計画に屈従した結果こういうような問題が起ったのではないか。防衛庁長官は日本の独自のということを先ほどから主張されて、アメリカの言いなりほうだいにはなっておらないのだと言われますので、私はこの二つの現実の問題をここに取り上げて、とくと御答弁をいただきたいと、こういうふうに考えます。
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記を始めて。大体今までのお話で調達庁関係の質疑も済んだようでありますから、これから防衛庁関係の質疑に入ります。
○国務大臣(小滝彬君) 高田さんの御質問にお答えいたします。 C47の話も話としてはかって出たことがあるのだそうであります。がしかしこれは何も書面で要求したわけでもございません。ところで一体使いものにならないC46をくれたとおっしゃいますけれども、実はこのC46はヨーロッパでも使っておりまするし、アメリカでも現在使っておるのでありまして、決して使いものにならないのではなく先般事故を起しましたのは残念でありまするが、その結果も機体が古かったとか、あるいはエンジンに故障を起したとかいう関係ではないことがわかっておるのでありまして、これはりっぱに使える飛行機であると私どもは信じておるのであります。そうして十数機しか使えないで、ほかのものはだめになっておるかのような印象を、新聞記事を通じて高田さんはお持ちのようでございまするけれども、どこでも飛行機は普通の場合整備を要するものでございまして、実際に稼働するのは三分の二あれば上乗というようなのが常識であります。そこで、三十機のうち十六機が動いておる。しかしその三十機のうち二機は教材用に学校で使っておりますので、結局二十八機の中で十六機というところは、特に悪い稼働率であるというようには私どもは考えないのであります。なお、修理は、これまで新三菱でやっておりまするが、今後新明和がこれに関係することになろうと思います。とにかく日本で修理をいたしておるのでありまして、最近極東軍の発表によりましても、C46は昨年中十万飛行時間を持ったけれども、それに対して、人命を損したというようなフェイタルな事件というものは、一つも起っていないということを発表しておるのでありまして、特にこの飛行機が悪いということは言えないと、私どもは考えておるのであります。 それから、その次の防衛計画というものが、また、防衛庁の予算というものが、アメリカから強制されて、使い切れないほどの予算を持っておるのじゃないかというようなお話でございましたが、決してそうではございません。人件費が余るのは、これは、定員を増しましても、いろいろな関係で、その補充ができなくて、不用額を生じたというような関係からでございまするので、これは決して無用のものを取ったというわけのものではないし、また、おそらく高田さんのお考えになるのは、防衛庁費は繰り越しが多いのじゃないか、それだったら、消費力のないものを計画しておるのじゃないかというお気持かと思いまするが、まことに繰り越しの多いのは遺憾でありまするけれども、何分新しい部隊といたしまして、いろいろ予定を立てましても、思ったよりも設計に時間がよけいかかるとか、あるいはまた、先ほどからしきりにお話の出ておりましたような、施設整備については、土地の問題などでごたごたして、予定通りに計画を進めることができないというような、いろいろな関係からでございまして、この予算というものは、もちろん防衛庁が中心になって、日本政府で作っておるものでございます。ただ、アメリカとの関係においては、アメリカの方の供与品を利用しているということは、これは事実でございますけれども、それは、結局防衛費を少くする上にはかえって役立つという面もありまするし、日本にまだ製造能力がないというような点からこれを利用するが、しかし、その利用するのについての申し出というものは、日本側から計画を立てて、毎年向うに要求をしておるという関係でございます。
○高田なほ子君 日本側から計画を立てて、自主的にやっていると、こういうよろな御答弁でございますが、しかし基本的には、二十九年度の予算編成のときに、小瀧さんも御承知のように、日米共同声明が予算編成の問題について発せられたと思うのです。わが国の資力のより十分な部分を防衛力の増強に充てることを双方の政府において確認した。しかもそれは、昭和三十年度以降の問題として共同声明に出された。そうすると、日本の独自の防衛計画というのではなくて、アメリカの防衛計画に対して、日本の計画がそれに付随していくのだというふうに、私は共同声明の性格から判断できるわけでありますが、私は、今ここで、長々とこれを論議しようとするのではありませんが、しかしこうした基本的な防衛計画というものについても、単に小瀧さんがおっしゃられるように、日本独自の、独自のということは、若干私は、言いすぎではないだろうか、こういうふうに申し上げます。 さらに、この間の美保基地の墜落問題で、ただいまの御答弁によると、C46は決して悪い飛行機ではなかった。墜落の原因は、エンジンの事故ではなかったというふうにお話になっておりますが、私は、専門的な飛行機の知識は持ちませんけれども、話に聞けば、三十機のうち現に使っているものは十八機であり、あとの残りは、今修理に出しているのだ。しかしその修理に要する部分品の会社は、メーカーはすでにつぶれておって、なかなか修理にも困難を来しているように承わっておりますので、要するに、国費の使い方というものが、アメリカの圧力に押されて、はなはだしく不経済になっている点については、これは、どのように反駁なさろうとも、そういう事実は、これは認めなければならないと思うのです。C46性能が、それでははなはだしく完全なもりであるという建前から、エンジンの故障でない場合に、基地のレーダーというものが完備していなかったので、こういう事故が起ったのだというふうにも聞いておりますが、アメリカからの供与品を一途に信頼することではなく、その性能を十分に検査され、日本の青年たちが、こういうような事故が繰返されることのないように、万全の方法が講ぜられなければならないというふうに、付随的に私は考えているのですが、この問題に対して総合的に、長官としては今後どういうふうな措置をとられようとするか。また、不用な供与品を押し付けられるというような場合にあって、日本政府は、これはもう要りませんと、こういうものは不必要ですというふうに押し返していくことはできるのだろうと思いますが、こういう点について、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○委員長(三浦義男君) なお、ここで申し上げますが、防衛庁関係として北島経理局長、小山装備局長、武内調達実施本部長の各位がお見えになっておりますから、お含みおき願いたいと思います。
○国務大臣(小滝彬君) 飛行機の事故防止、これについては、もちろんわれわれ、十分の措置をとらなければならないのでありまして、これまでも、その点は留意しておったのでありまするが、今度の事故にもかんがみまして、さらに一そうその点は部隊に対して強調し、また、その措置も講じたいと考えております。お話の中に、GCAが、あすこの誘導装置が不備ではなかったかというお尋ねでございますけれども、これは、完全に動いておったのであります。ただ、あすこの地形の関係上、山が近くにありまして、このGCAが今後非常に発達すれば別かもしれませんが、現在の段階におきましては、近くにこういう障害物がある分については使えないのでありまして、西側については、これは活用できないそうであります。しかし今度の事件は、GCAによって、誘導装置によって、地上から五百フィートのところに来て、あとの方は有視界飛行ということをやることになっておりますので、これはGCAの関係では全然なかったし、また、事実、GCAはりっぱに動いておったというのが、詳細なる、調査委員会を作りまして、調査させた結果でございます。ただ、今御指摘のように、何とかもっと、飛行機のことでありまして、これは完全に、絶対に事故を起さないということは保証できませんけれども、最小限度にとどめるということの努力については、との事件にも考えまして、私今考えておりますことは、現在の着陸の規則について、もう少し大幅に安全をとる、こういうことにすれば、たとえば、雲の高さが、今の規則でいけば、六百フィート以上になったならば降りていいというのを、山陰方面は特に天気の悪い所でありますから、これは、千フィート以上に雲の高さがなければおりちゃいかんというように変えるのも、これも一つだろうと思います。また、これは、いろいろ先ほどの御議論もありましたように、滑走路を長くするということは、実際問題として困難がありまするが、しかしながら、これが長ければ、必ずしも飛行場の滑走路の端っこでおりなくても真ん中におりても、十分に滑走の距離があるから、それだけ安全になると、こういうように、いろいろ考える点はありまするので、御趣旨のように、私もこの点については、最善を尽すように、具体的な方策も考えております。なお、アメリカから不要なものを提供された場合に、これを断り得ないかということでございますが、これは、先ほども申しましたように、毎年私どもが計画を立てまして、こちらから要求することになっております。もちろん、要求する前に、いろいろ技術的に先方とも話し合いをいたします。何といたしましても、日本の自衛隊は、創立後間もないのでありまして、ことに新しいそういう装備品などについての知識も十分ございませんので、技術的には事前に話し合いをすることはありまするが、しかし決して押しつけられるのではなくして、むしろこちらから要求して、それだけ十分なものが、向うの生産能力あるいは先方の需要そのものからいたしまして、割愛し得ないというようなことはございまするが、要らないものをよこしましても、向うとしても使えないものは、よこしたって意味のないことでありますし、それを送る船賃も要るし、そういうことを無理にすることはないし、また事実、われわれの取扱い方法といたしましては、不要なものを押しつけられるというような仕組みになっておる次第ではございませんので、この点も御了解願いたいと存じます。
○高田なほ子君 この事故の原因から、今の結論のように、飛行場の滑走路を広くすれば安全だなんていうふうに持っていかれては、はなはだこれは困るのです。こういう事故があるから、気をつけていただきたいということは、何も飛行場を広くして、滑走路を広くするということには私は結論が出ないと思うのです。そういう飛躍した結論を出されるということは、はなはだ私も、質問をした者として迷惑に感ずるのであります。要するに、アメリカでも使いませんようなものを喜んで使っておるという、そういうものに対して、レーダーならレーダーというものを完備しておかなければいけないのではないかということでありますから、本末をはき違えないようにして、一つ私は御答弁願いたい、こういうふうに考えております。以上です。
○久保等君 防衛庁長官に、あまり時間もないでしょうから、個々に、こまかい問題についての質問は遠慮したいと思うのですが、いずれ三十年度の決算報告についての個々の問題等で、長官にも御出席を願って、審査をいたしたいと思っておりますが、本日は、特に二十九年度の決算報告に対しまして、総括に特に長官としてのお考え方を伺っておきたいと思うのですが、防衛庁の決算報告は、例年非常に指摘事項が多いわけですし、また従って、金額の点でも、これはきわめて、今も言われておったような繰り越し額なり不用額、これは最も多いところになっておるわけですが、これらの問題についての本質的な問題は別として、とにかく一応金額の点だけで考えてみましても、当委員会でやかましく指摘しておったことを、今度の予算の編成に当っては、私は、金額の面で、三十一年度予算できわめて接近をさせて、特に内容の点で繰り越し額を減少させるような努力をした、ことは、これは私は認めたいと思うのです。もちろん、内容のいい悪いは、これはいろいろ批判もあるところですが、金額の面で、とにかくそういう努力をしたという点は、私も認めるのですが、しかしこう眺めてみますると、防衛庁の問題については、機構の問題等についても、いろいろ検討願って、調達実施本部といったようなものを設けて、努力をしておられるのですが、これは、昭和二十九年度の決算報告についての特に途中から、そういう機構も設けて、鋭意物資調達の面で防衛庁が努力せられておることを機構改革の面で私どもも認めるのですが、特に一昨年、当決算委員会で、防衛庁に対しましては、特別に警告決議も行なっておるわけなんですが、たまたま、ただいま申し上げた機構整備を一昨年相前後して行なったのですが、しかし果して効果というものがどの程度現われてきておるのか、必ずしも検査報告の上で的確に、非常によくなってきたというふうにまでは、実は私ども認められないのです。それからまた、一つには、たとえば、最近発表せられました三十年度決算に対する責任者の処分の問題、これらについても、実は一昨年の警告決議の中でも、防衛庁に対しては、一般的な警告決議、これは各政府機関、各省庁に対する警告決議の中でうたっておりますが、責任者に対する処分問題、これは防衛庁に対しては、特別にそれらの問題について、強く当委員会で指摘をしたのですが、これはもちろん、長官も同じ参議院に席を置かれる立場で、よく御存じのところなんですが、果して一昨年のあの警告決議そのものに対しては、どの程度の熱意を防衛庁が一体感じておられるのか。特に長官そのものも、どういう決意をもって責任者の処分問題という一つの事例に対しても対処しておられるのか、この点、私どもよくわからない。はなはだむしろ、逆に言いますならば、警告決議にもかかわらず、それからまた、従来からきわめて不正不当事項が多いということで指摘されておりまするにもかかわらず、どうもそれに対しての熱意というか、誠意というか、努力というものが見受けられない。実は、ごく最近の事例を見て、残念に思うのですが、こういうことに対して、長官はどういうふうに御判断になっておられるか、お尋ねしたいのです。
○国務大臣(小滝彬君) 私の就任いたす前から、防衛庁の方では、皆さまの御趣旨も体しまして、絶対にこういうことを繰り返すことのないように、努力をして参っておるようでございまして、この件数がすべてではございませんけれども、昭和三十年度におきましては、会計検査院から指摘を受けた件数も、前年二十五件に比して十六件に減っておるというような点は、とにかく防衛庁の方で努力していることの現われと見ていただきたいと思うのであります。防衛庁は、だんだん大きな機構になりまして、間々こういう問題が出てくる、そうすると、その数としてはわずかの事件でも、それでもって、一斑をもって全貌をはかられるというおそれもあるということは私は皆に申しまして、十分下部に徹底するように、私の考え方を伝えてもらう措置を実はとっておるのであります。明日も、日曜ではありまするけれども、陸上自衛隊の各地の責任者を集めまして、平素の国会のあります際には、始終こちらへ呼び出されますから、ひざを交、えて話す機会がないから、ゆっくり明日皆と話し合いをして、私の気持ちを理解して、十分監督をしてもらって、こういうことがないようにさせるべく、話し合いをしたいと思っておるのであります。しかしそれには、ただ単に精神面でさらに引き緊めてやれということだけでは不十分でありまするからして、調達事務についての講習とか、指導、教育という面については、特段の注意を払わなければならないと思いまして、調達本部に対しても、そういう点を指令いたしておるのであります。なお、この組織もだんだん改善されておるようだとおっしゃいましたが、これまでも、いろいろ努力をされて参っておりまするけれども、なおかつ、組織の点あるいは人員の点で不十分な点もありまするので、そうした事態についても、本年度の予算にも入れておりまするが、充実をはかり、かつ監査、また、部隊についての、現地についての視察というような点も特に強化していきたい、こういう考えでありまして、不幸にして、それでもなお事件を起しまするような場合には、これは厳正に調査をして妥当な処罰をしなければならない。そうしなかったならば、かえって世間からも疑惑の目でもって見られまするし、また部内を引き締めていく上にもよろしくないのでありまするから、第一は、事前にそういうことがないような措置を、組織の面においても、また精神的な面においてもこれを講じていく。同時に、不幸にしてそういう事件が起ったならば、それに対しては最も厳正な態度で臨んで、再発を阻止する。絶対に再発することのないようにやっていく、こういう気持で、せっかく努力をいたしておる次第でございます。
○久保等君 私のただいま御質問申し上げた第二点の、特に責任者に対する扱い方の問題について、長官は明確に実は御答弁になっておらないと思うのですが、今度発表せられた三十年度の決算報告に対する中で指摘せられた事項等に対する責任者の処分問題、これはおそらく長官直接私は関係をせられたと思うのです。ごく最近の問題でありまするから、関係をせられたと思うのです。これは、内容は私も新聞で承知をいたす範囲内ですから、もし間違っておれば御指摘を願いたいと思うのです。もちろん懲戒免職になった職員も三名ばかりおるようでありますが、しかし、これは二百数十万の給料その他の公金の不正横領といったような、いわゆる公金使い込みの問題ですから、これは刑事事件にもなる問題で、きわめてはっきりした問題だと思うのです。それらに対する処分は、これはもうここでは私は論外にしたいと思うのですが、そういたしますると、金額の点では——今、長官何か非常に改善をせられて、件数も二十九年度、三十年度を比較すると、減ったというようなお話なんですが、しかし金額の点においては、必ずしも減っておらない。件数は減ったが、むしろ金額の点においては、一件当りははるかに大きくなっていると私は思うのです。特に三十年度においては必ずしも金額に見積れない実は指摘事項も非常に多いわけなんです。それらの点を合しますと、とにかく七、八億くらいの金額になると思うのですが、しかし不当事項として指摘せられた金額だけを比較いたしましても、これは二十九年度と三十年度、やっぱり四億数千万円くらいになっておるわけです。そういう状況にありながら、これに対する処分は——実は今の二百数十万という不正問題を除いた四億数千万になると思うのですが、それに対する処分が、減給者一名、それからあと戒告、それから注意、訓告といったような程度で、行政処分としての処分とすれば、わずかに減給一名と、それから戒告が七名程度じゃないかと思うのです。しかも減給一名というのも、何か一カ月三十分の一程度の減給を行なったのが一名であるという状況なんです。これは私が今申し上げたように、四億数千万円のとにかく不当事項として指摘せられたような問題が現に発生しておる防衛庁として、それらに対する、責任者に対する処分は、ただいま申し上げたのがとにかく結論なんだということでは、これはどういう温情主義というか、士気高揚を考えておられるのか知りませんけれども、私は非常にどうも長官の、果してこういう決算報告に対して指摘せられた問題について、どの程度の熱意と誠意を持っておられるのか。もちろん私は何から何まで一つ厳罰主義でやれ、しゃくし定木で厳罰主義でやれということを必ずしも強調したいわけじゃないのですが、いろいろものによりけりだと思うのですが、しかし、いずれにいたしましても、とにかく政治的な大きな意味での不当な問題も、防衛庁には先ほど問題になっておったような大きな繰り越しの問題、あるいは不用額の問題、これも私は決して好ましい姿ではないと思う、いろいろ理由はあったにいたしましても、とにかく現実ばなれのした予算を組んだがゆえに、思ったようにいかなかったとか何とか理由はあとでつけてみたところで、やはり予算というものは、少くとも現実とマッチしない形で二百三十四億前後、これらがここのところ、ほとんど毎年恒例のようになって繰り越しになり、あるいは四十数億というものが不用額があって、これもまた特定の年度で起きた問題じゃなくて、ほとんど例年のごとく今日までずっと行われてきた。これらも一つ大きな政治的な意味での責任問題があると思うのですが、そういろ問題を抜きにして考えてみても、会計検査院の検査も、これまた全部にわたってやったわけじゃないので、ほんの一部だと思うのです。その一部の中で具体的に指摘せられた四億数千万円、これらに対する処分が、最後のとどのつまりになりますと、減給者一名、戒告七名という、一体この程度で、これは私はいかに防衛庁が誠意を持ち熱意を持って、実はまじめに国家予算というものの、何といいますか、執行に当っては努力をしておるのだということには相ならないと思うのです。それで長官新任早々でありますから、私はその昔の、既往の事実をとらえてとやかく申し上げようとは思わないのでありますが、しかし私が今申し上げておる問題は、これは長官新任早々ではあったにしても、とにかくいろいろ過去のいきさつもあり、一昨年の警告決議等の本院の意思の表示も、特に一員として長官もよく御存じの立場におられる関係から、私は非常にその点、実は残念に思うのですが、私も数年間決算委員をやっておりまして、十分経過を承知しておる立場からしまして、どうもこの程度で決算報告の最後の締めくくりが防衛庁によって意思表示されるということについては、これは何としても承服しがたい。そういう気持で、長官に対する特に心境、こういう処分をせられた長官の心境なり、あるいはまた、今後の従って方針等も、やはりこういう方針でよろしい、妥当だというように御判断になっておるかどうか、その点一つ、きわめて総括的な具体的な問題ですが、お聞きしたいと思います。もう少し。
○国務大臣(小滝彬君) 私どもの処断の結果だけをごらんになりますと、なるほど不正事実に関するものを除いては、寛大過ぎるのじゃないかというお感じをお持ちになるのはごもっともだと思います。しかし私どもの方でも、よく会計検査院で調べられましたことについて調査いたしまして、いろいろそのときの事情なども勘案して、最も妥当なる処分をいたしたいという立場からいたしまして、こういう結論を得たのでございます。この内容につきまして、あるいは係官からでも説明すれば、なぜこの程度にしたかということもおわかり下さるだろうと存じます。これは決して単に温情主義でやったというのではなくして、いろいろそのときの事情等を調べまして、あるいは決算検査報告でごらんになっただけでは、少し軽過ぎやしないかというようにお感じになりますでしょうけれども、詳細関係者を調査し、またそのときの状況等を調べまして、妥当な線であると思って決定をいたしたのであります。しかし今後、私の方針といたしましては、最初申し上げましたような考え方から、厳正なる調査を行なって、妥当な処分をする、そうしてこの再発を防ぐという方針で進みたいと考えております。
○久保等君 三十年度の問題に関連いたしますから、ここで十分に御質問申し上げる必要もないと思うのですが、ただ、今そういう御答弁がありますると、一応参考のために、今後の三十年度の決算を審査するに当っての参考にもなると思って、一応承わっておきたいと思うのですが、防衛庁のこの責任者処分の問題について、会計検査院の一つ考え方を伺っておきたいと思うのです。もちろん個々の一つ一つの問題についての処分の仕方が適当であるかどうかというようなことについて、会計検査院としても、これはどうも正式の意思表示をされることは非常に困難だと思いますし、なかなか問題がデリケートですから、そう率直に言いかねると思います。ただ一つの傾向として、会計検査院が実際実情を調査せられたその立場で指摘をし、そうしてまた、その指摘をした立場から考えてみて、どうも総体的にながめてみた場合の懲戒処分のやり方が、まだどうもやっぱりぴんとこないというお気持かどうなのか、そういう傾向程度でけっこうですから……。個々の問題についてお尋ねすると、いろいろまたむずかしい問題もあろうかと思いまするから、その点はまたいずれ後日適当な機会に御意向をお伺いしたいと思うのですが、ただ、今、長官が妥当なということで、だいぶいろいろあちこち連絡をとるべき面については連絡もとられて、あれこれ勘案をせられて、何か非常に慎重な結論を出されたようなお話でありまするので、一つ会計検査院の方で防衛庁の問題についてどういう一つ傾向にあるか、特に一昨年の警告決議等がなされた前後の事態をこう比較してみた場合、確かに警告決議等がなされたころを契機にして変ってきたという御判断を持っておられるのか、やっぱり相変らずどうも何とも言えないという程度なのか、この点一つ簡単に、結論的なものをお伺いしたいと思います。
○説明員(池田直君) 防衛庁の経理に関しまして、会計検査院が不当事項として指摘しましたことに対する処分の状況でございまするが、今、久保委員から傾向的にまず検査院はどう思うかという御質問でございまするが、傾向的に申しますと、防衛庁といたしましても、その前身の保安隊時分よりも防衛庁に至りましてから、逐次処分状況につきましても非常に強い関心を持たれまして、前の年度よりも次の年度は逐次処分も非常に、何と申しますか、はっきりした形が出つつあると、二十九年度の事項に対しまする処分に比しますれば、三十年度の検査報告に提示しました不当事項に対する処分は、またその関心の度合が出てきつつあると、こういうふうに防衛庁だけに関して申しますと、その点は認められる、こういうふうに考えております。ただ、これが全体的に各省の関係でどういうふうになるかということになりますと、これまた各省それぞれ多少特徴がございますので、一応防衛庁の関係だけ、そういうふうに私どもは考えております。
○奥むめお君 三十年度も二十九年度も大体お繰り越しになったお金や不用になった金、大体同じようなことで、今度の三十二年度の予算ではだいぶ変っておりますから、その問題は一応解決するかと思っておりますが、同じ問題が二年続けて指摘されておりますね。物品管理の面ですね。これは防衛庁そのものに対して、非常に国民が何とも言うに言われない気持で予算を見ておるわけですね、みんなつらい血税から出しておる金で、いろいろ物品を購入していらっしゃる。ところが、その物品管理が非常になっていない、また供与物資に対しても帳簿の上の整理ができていないということが、続けて二年指摘されております。長官こういう問題に対して、御所存いかがでございますか。
○国務大臣(小滝彬君) 奥さんの御指摘のように、世間から非常に注目をされておる官庁でありまして、ことに戦前などとまるで違った民主主義下の自衛隊というものの取扱い方は、よほど慎重にそしてほんとうに国民の信頼を得なければ、これはうまく運営ができないということは、私十分承知しておるつもりであります、ことに志願制度などでやっておりますので。そういう点をよくしていかなかったならば、結局自衛隊に対する信用度が落ちる、そうすると、中に働いている人が真剣な気持にならぬというような点もありますので、今御指摘のような物品管理については、特に注意をしなければならないと思いますので、これまでも陸上自衛隊でいえば在庫統制隊とか、あるいは航空自衛隊でも資材統制隊というようなものを出しまして、各部隊についてこの物品管理についての不始末がないように留意して参っておりますし、さらに海上自衛隊についても同様な趣旨をもって需給統制隊というようなものも出すように、今取りはからっておるのであります。なお、本年度から新しく法制化しました物品管理の法律もございますので、これをよく活用することによって、これを実施することによって、これまで十分でなかった点を改善していきたいと、こういう気持で進んでおる次第でございます。
○久保等君 ちょっと関連して伺っておきたいのですが、三十一年度のもちろん決算はまだできてないのですが、ほとんど年度を終ろうとしておりますから、ほぼ確実な繰り越し見込み、それから不用額、これはわかると思うのですが、今現状において把握しておられる三十一年度の金額を、ちょっと伺っておきたいのですが……。
○政府委員(北島武雄君) 御承知の通りに三十一年度の予算につきましては、四月末まで予算の執行がなされるわけです。ただいままでまとまっておりますのは一月末までの実績でございますので、この三カ月の間にどうなるかということは、実は的確な見通しがまだついていないわけです。大体申し上げますと、やはり三十年度が二百二十八億でございましたが、三十一年度におきましては二百億にはなるであろうというただいま推測をいたしております。また不用額の方は、これはただいまの状況では、三十一年度は前年度に比べまして、激減するであろう、おそらく二分の一になるのではなかろうかと、こういうふうにただいま推測いたしております。
○委員長(三浦義男君) ほかに御質疑ございませんか。——ないと認めます。 では防衛庁関係の質疑は、今日はこれをもって終りといたしたいと思います。 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記を入れて。 次に運輸省関係の質疑を行います。本件に関して御出席の方は、宮澤運輸大臣、池田会計検査院事務総長、石渡第三局長、上村第五局長、朝田運輸大臣官房長、粟澤海運局長、細田国有鉄道部長、佐藤会計課長の諸君であります。御質疑のある方から順次御発言を願います。
○高田なほ子君 国鉄のこのいろいろの、運賃値上げ等については非常に国民が関心を持ち、また家計にはね返るその負担等については全国の婦人たちが非常な関心を持っております。従いまして、国鉄のいろいろの経理面においてより一そう私は正しい運営の方法が講じられなければならないのではないか、こういうことを強く考えまして次の問題について伺っておきたいと思う。国鉄の財産は国有財産法の適用を受けておらないと聞いておりますが、国鉄財産の処分の制限規定というものはないものでしょうか、この点伺っておきます。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 国有財産法の適用は受けておりませんけれども、国鉄財産ということでありまして、その国鉄財産の適用を受けております。
○高田なほ子君 この場合、国鉄財産の場合には重要な財産の貸付外のものについては運輸大臣の認可制ではなく、国鉄総裁の権限のみだというふうに伺っておりますが、なぜ国鉄総裁の権限のみにかかわってきたのでありましょうか。この点を伺っておきます。
○国務大臣(宮澤胤勇君) やはりある部分、ごくとまかいものを除いては運輸大臣の認可制になっております。こまかい点は政府委員から。
○政府委員(細田吉藏君) お答え申し上げます。昨年の、日本国有鉄道法改正前におきましては、国有鉄道の営業線及びこれに準ずる重要なる財産は、法律によらなければ貸付、譲渡、交換または担保に供することができないという法律になっておったのでございますが、昨年の法律改正によりまして営業線におきましては法律によらざればこういうことができないということになりまして、別に車両その他運輸省令で定める重要なる財産を貸付、譲渡、交換し、または担保に供しようといたします際には条件はございますが、運輸大臣の認可を要することに相なったわけでございまして、その省令で定めますところは日本国有鉄道法施行規則という運輸省令で除外するものが定められておりまして、これは八項目ばかりございますが、これらの八項目、まあ一例を申し上げますと、貸し付けようとする財産の価格が一件につき三千万円以内のときとか、あるいは譲渡し、交換し、または担保に供しようとする財産の価格が一件につき五千万円以内のときといったような除外例がございますが、原則的には大臣の承認を要する、こういうことに、昨年法律の改正、なおこれに伴います省令の改正をみたわけでございます。
○高田なほ子君 ただいまの御答弁によっても明らかなように、いろいろな契約の解除権が規定されているようでありますが、これは重要な財産の貸付については運輸大臣の認可制としてあるようでありますが、しからざる場合においては国鉄総裁の権限のみにゆだねることになっているわけであります。従って公的な目的に反しない限りはいずれもこれは私法上の問題としてのみ取り扱われるという、こうした欠陥があるところに、現在問題になっている新橋の京浜デパートの貸付問題にからむようなことが起ってくるのではないかというふうに私考えられるのでありますが、重要な財産かいなかということの判定を明確にする機関というものは、これはなければならないはずになっていると思いますが、こういう制度はどういうふうにできているのでしょうか。お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(細田吉藏君) お答え申し上げます。実は昨年、日本国有鉄道法を改正いたしましたのは昭和二十八年に御案内のような国鉄財産に関しまして国会の両院の運輸委員会並びに決算委員会でいろいろ御論議がございました。それを受けまして実は国有鉄道経営調査会でもこの問題が論議されたのでございます。そこで今前に申し上げましたような重要なるものについての認可制を施行したわけでございますが、それ以外のものにつきましていかがいたすかということにつきまして実は、少し説明がこまかくなるかもしれませぬが、固定財産の管理規程というものを国有鉄道の総裁が定めておるものがございます。この固定財産の管理規程——規程そのものは実は一応総裁が定めるわけでございますが、これを運輸省としましては十分監督していく、こういうふうな行き方で行くということで考えたわけでございまして、固定財産管理規程というこれは総裁達ではございますが、これにつきましては中身をわれわれの方で十分見ておるわけでございます。ただこれの個々の適用につきまして一々これが小さいものにつきましてまで果してこの管理規程が適正に運用されておるかいなかにつきましては、実は問題の起りました点につきましてはわれわれ見ておるわけでございますが、事前的にこまかいところまで見るということは遺憾ながらできません。一応この固定財産管理親御の正常な運営によって国有鉄道の財産の管理を正しくやっていくということで考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 管理規程の運営を今後一そう厳重にしていけば、今まで起っておる国有地のまた貸しですか、そういう問題は防げると、こういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(細田吉藏君) 本件に関しましては当然固定財産管理規程の厳重なる実施をいたせば、いろいろな点で改善されると考えておるのでございますが、実はガード下の問題につきましては実情といたしまして、先般来いろいろの御指摘がありましたような点がございましたので、さらに最近におきまして日本国有鉄道を促しまして、このガード下の問題につきまして特別にいろいろな方法を講じて間違いのないようにしていくということでいろいろ考えておりました。先ほど衆議院の決算委員会からもいろいろ御指摘があったのでございます。従いまして今後一段とこの問題につきましては特別な措置をさらに講じてきれいにいたすということで運輸省といたしましては厳重に監督いたしたいと考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 ただいまの御答弁ではちょっと御答弁にはならないと私は思うのです。すでに各委員会で指摘された問題ですから、私はここで時間を節約したいのでありますが、新橋、有楽町、神田、ここらあたりのまた貸し問題を調べてみると、実にひどいものが多いようですね、約三百件ぐらいのうちで九十件もまた貸ししておる。十五万七千円ぐらいで借りたものが五百万円で譲渡されているというようなものが見えておるようでありますが、ただ単にこの管理規程を厳重に監督して、それを実施していくというだけではこれはこうした問題は私は解決つかないのではないか、こういうような意味から今度は特に私は大臣から御意見を承わりたいのでありますが、公的な目的に反しない限りは私法上の問題として国鉄総裁の権限にまかせられるようでありますが、とにかく東京だけでもかなりガード下といっても広いのでありますが、日本全国からいえば非常に膨大な土地、建物があるわけであります。この管理の方法については私は相当やはり再検討が必要なのではないか。従いましてこの契約期間というものを一年または二年というふうに切って、これを更新させる方法をとっていかなければ、これは幾ら厳重に監督するといっても法規の上から抜け道があるのではないだろうか、これが一つです。この点について。
○国務大臣(宮澤胤勇君) お答えいたします。このガード下の問題は非常な問題になっておりまして、私ども監督の立場にある者としても非常に遺憾に思っておりますが、これはただいまお話の期限の問題ばかりでなく、これは国有財産の一部もそういう扱いをしておるそうでありますが、それにならったのか、いつでも取り上げるというような条件のもとに貸し付けた、従ってその貸賃というものは安くなっている、ところが実際問題としてこれは一度貸したら取り上げるなんということはなかなか事実上できないのでありまして、御承知の通り貸さないところまで入って、新宿みたいににっちもさっちも、貸さないようなところまで入ってきて、これを取り上げることができないで、ああいう事態が生じておるような次第であります。従ってこれはどうしてもやはり貸した以上はもう取り上げられないから、適正な普通の貸借にして、高い貸賃で貸す方がいいのではないかとも考えられますが、今これに対しまして、この事態が起りましたので、国鉄の中に今至急に調査会を設けさせまして、まあ調査会を設けるということもずいぶんおそいようでございますが、ほかに方法がありませんから設けさせまして、ここに一つ全体として今お話のような制度としても研究してみたい。それから個々の問題については極端なひどいものは一つ取り消しをさせるとかいうような措置をとる、また直接の契約にさせるとか、いろいろな方法をとって改めなければいけない、こういうわけで本月内にそういう措置を始めるように今手配をしておるような次第であります。
○高田なほ子君 契約の解除ということは今始まったことではなくて、従来においてもこの契約の解除という問題については双方文書でも何でも取りかわしてやっているようですが、問題になるところはその契約解除権の発効がはなはだしく緩慢であるというところに私は問題があると思う。なぜ契約解除権の発効が緩慢であるのか、これは世に言うととろの国鉄一家が鎮座しておって、そうしてわざとこの契約解除権の発効をサボっておる、従って幾多の不正問題が目をおおうほどになってもさっぱり実効が上らないというようなことが指摘されておるわけであります。一体国鉄の外郭団体と、そしてこういうような腐敗堕落に導いたところの最も大きな原因というものはどこにあるんだろうか、このことについて、原因というものについて簡明率直に御意見を伺っておきたい。
○国務大臣(宮澤胤勇君) とれは今お話のように、国鉄関係者がその縁故をたどって安く——安くというか、借りた者が、まあこの貸賃の差も、特に安く借りた者もありましょうし、また諸般の、一般の物価の値上りと同じように貸賃を上げてこないで、そのままにしておくというようなことからだんだんその差がひどくなったというようなものもあると思うのであります。いかに大きな財産を持って大ぜいの人が扱っておるとは申しながら、こういう事態が頻発いたしまして、ことにこれが非常な大きな問題になってきておりますので、これに対しましてはただいまのところとしてはまあ一つそれを調整して、そうして是正していくということをまず講ずるとともに、またただいまお話のような管理方法等についても調査会の方々に一つ実際的に調べてもらう、今までの形式的な調査会というようなことでなく今度はやってみたい、こう考えております。
○高田なほ子君 契約解除の際にそうした外郭団体等がかなりの幅をきかしているというようなことがあるようでありますが、もう一つそのほかにここに暴力団が介在して手がつけられないというようなことも一面聞いておるのでありますが、これはまことに国鉄の財産管理の怠慢と、それの間隙を縫う暴力団の結びつきなどというものは、これはもうとうてい明るい政治などというにはほど遠い暗黒政治の一面を露呈しているように思うのです。こうしたような原因が排除されない限りは、それは幾ら大臣がおっしゃってもなかなかその昔なじみの顔がずらりと並んでおれば、なかなか厳重な処断もされがたいと思われますが、このことを解決するためのいわゆる調査会というものはどういうような構成で、どういうような予算をもってこれが考えられておりますものか、この点を承わっておきたい。
○国務大臣(宮澤胤勇君) これは国鉄の当局に命じまして、予算というほどのこともないと思いますが、しかし相当な労役をお願いするわけでありますから、それらについては国鉄当局において、適当な方法というのは、この目的を達成するために一つ急遽適切な方法をとれ、こういうことにしまして、今当局においてもその準備をいたしております。
○高田なほ子君 一応それは御説明が成り立つようでありますけれども、今までもこの問題については、土地建物の査定委員会というものの機能については、相当私論議されてきたのではないかと思うのですが、一体その内部の者がそういうような調査会を設けてそれで実績が上るかと言うのです。国鉄の土地建物の評価等については査定委員会があるそうですけれども、その査定委員会は内部の者が当っているように思われる、これと同じように調査会自体も内部の者が寄ってたかってああでもないこうでもない、これではどうも工合悪いからこんなふうにしようと、そんな内部の調査会、内部の者だけで調査会を作ってやるということの不見識については私ははなはだ遺憾なものだと思いますが、この点はいかがでありましようか。
○国務大臣(宮澤胤勇君) いや、外部の方もお願いをして、やはりむろん内部の者だけでなくて、それは今の評価委員会も外部の人もあるそうですが、今度はその点を少し実施できるように考えて、外部の方も一つお願いいたします。
○高田なほ子君 外部の方というのはどういう方ですか、どのくらいのメンバーでおやりになるつもりですか。
○国務大臣(宮澤胤勇君) ちょっとその大体の構想を政府委員から申し上げます。
○政府委員(細田吉藏君) お答え申し上げます。実は構成のメンバーの具体的な点についてはまだ実は相談いたしておらないのであります。大体の考え方といたしましては、国有鉄道の者は説明その他はいたすといたしましても、委員にはむしろ入らないで、入るとしても例外的にまあ入るという考え方で、もっぱら外部の人たちをもって構成する、大体そういう考え方でございます。それで関係の官庁、関係の官庁はこれは入ってもらう、それから不動産をいろいろ扱っておられます専門家のいわゆる不動産会社のような仕事をしておられるような方の専門家、それから銀行なんかでやはり不動産の管理に非常に経験の深い方、それからこの方面の法律的な関係のある方といったようなところでお願いをいたしたらどうか、また学者の方もこの関係の方をお願いするかどうか、こういうようなことで大体は考えておるわけでございます。で、官庁といたしましては、これに関係いたします官庁もいろいろお立場がありますので、入れないところもあろうかと思いますが、できるだけ各官庁からも出ていただくということでお願いしょうと話し合っておる次第であります。
○高田なほ子君 大へん契約解除権についても緩慢だし、またその後の処置についてもまことに緩慢であって、私はこの点はなはだしく遺憾に思うのです。決算委員会においてはたびたび国有財産の管理の問題について論議されてきました。二兆以上の国有財産の管理は、かりに一割としても二千億です。一分としても二百億です。わずか一分の損失があっても二百億というような膨大な国有財産の管理等については、これはもう早急に手を打たれなければならないのでありますが、先般来からいろいろ国鉄に関する不正な事項が新聞紙上をにぎわしておりますので、これからまあ作って、これからまあ依頼をしてというようなことで、私ははなはだ心もとないものを感じます。国鉄運賃の値上げに対して非常な国民の反対があるさなかにこうした緩慢な態度というものは、これはもう天人ともに許さざる私は怠慢だというように考える。いつごろからこの調査会はその運営を実際に発動できることができますか、大体その時期、これらについてお答え願いたい。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 今月中に大体することになっておりますので、従って四月初めから動き出すようにしたいと思っております。
○高田なほ子君 その結果はどういう方法でもって御発表になるおつもりでしょうか。特にこの東京都管内における、国鉄管内におけるまた貸し等の問題についてはいつごろ国会に御報告になれる予定でしょうか、調査会の運営の状態にもよりましょうけれども、それは国鉄としては大きな私は宿題を与えられているのではないかと思いますが、無理な御注文かと思いますが、お答え願いたい。
○国務大臣(宮澤胤勇君) まあこれはできるだけ早くいたしますが、場合によりましてはその進行の模様を今国会中にある程度済めば御報告申し上げますし、それが実際に間に合わなければ次の国会で御報告申し上げるというようなことになると思いますが、少くともしかしこの問題は常識的に考えて一年も二年もかかるということでなくて、一応ここのところ委員会が発足いたしましたら、三カ月か五カ月の間に一応のめどをつけたい、こう思っております。
○高田なほ子君 契約解除に伴う暴力問題等については今どういうような手をお打ちになっておられますか、その点伺っておきます。先ほどお答えがありませんでした。
○政府委員(細田吉藏君) 本件に関しましては、国有鉄道からお答えを申し上げることが適当と思いますので、国有鉄道から申し上げさせます。
○説明員(堀口大八君) 暴力の問題もいろいろございますが、たとえば不法占拠というような問題につきましては、訴訟を提起しまして明け渡ししていただくというような方法を従来でも部分的には講じておったわけでございます。そういう方法を今後強くやりたいというふうな形になると思います。
○高田なほ子君 それでは伺いますが、特に新橋、有楽町、神田等とこれらのまた貸しをしている問題に対して今どういうふうな具体的な指導をされておりますか、この点の経過ですね、それを伺わせてもらいたいと思います。
○説明員(堀口大八君) 現場の管理が非常に不十分であるということを御指摘を受けましたし、また私どもも感じておりましたので、つい先般現場機関としまして管財区というのを設けまして、従来は保線区あるいは駅が片手間に管理しておったのでございますが、それを専門の管財区という機関を設置しまして、そうしてこの財産の管理関係を一そうよくするようにという、まあ機構の改正を行なったわけでございます。
○高田なほ子君 管財区でこういうものを厳重に監督指導すると、こういうお話でありますが、私は具体的なことを伺っているんですよ。管財区を設置しても個々の貸付のものについては今まででも報告を求めておらなかったでしょう。そうだとしたならば衆議院の決算委員会の私は速記録を拝見しまして新橋や有楽町あたりのあのまた貸し問題にはまことにあきれ果てておるわけです。しかしそういうものについても個々の貸付のものについては何らその報告を求めておらなかったということが指摘されておるようでありますから、それについて国鉄の方はどういう指導を行なっておるのか、現状はどういうふうになっているのか、こういう点についてお伺いをしておきたいのです。
○説明員(堀口大八君) 現状としましては地方の鉄道監理局長、あるいは工事事務所長がこの問題について責任を負いまして貸付を行うという形になっております。それで先ほど申し上げましたような地方機関の長が貸付を希望する者と契約をしていくという形になっております。また、また貸しの問題につきましても許可を得ているものば差しつかえないのでございまして、許可を得なかったものにつきまして今まで調査があまり十分できていないという点がございますので、その点を正確に把握し、かつ、処置を厳重にとっていくという方向で仕事をしていこうとしているわけでございます。
○高田なほ子君 はなはだ不満足な御答弁をいただいておりますが、まだ何もやっておられないのでそういうふうに御答弁が的確を欠くのではないかと思いますからこれ以上追及いたしません。しかし私の意のあるところは、世上騒がれている問題については電光石火に手を打つべき筋合いのものである。当委員会において現状はいかがかという質問に対してもきわめて春がすみのかなたのような御答弁をいただくということははなはだしく私は不満に思うものであります。私は本問題はこれからも絶えず監視して、何度でも当委員会において私は経過の御説明を願うということを申し上げまして質問を終ります。
○久保等君 私もいろいろお伺いしたい点がありますが、しかし、またいずれ後日に譲りまして、簡潔に一つ、二つをお伺いしたいと思うのですが、この国鉄そのものについての質問はこれはまた国鉄総裁その他においで願って御質問するとして、監督の立場にある運輸省並びに運輸大臣として今度の国会ではすでに運賃値上げの所要の法律案等も国会に提出をせられておるのですが、そういう状況の中にあってこの会計検査院の決算報告を審査して参りました私どもとして非常に実は遺憾に思いますることは、ここ数年国鉄を中心にした問題がいろいろ決算委員会で問題になり、また当委員会でも実はついせんだってから池袋の問題等も扱って参っておるんですが、この問題についてももちろん最終的な究明をした結論を得てはまだおらないんですけれども、しかし審査をして参れば参るほどますます何かどうもわからない、すっきりしないという印象を非常に強くしておるわけなんです。特に最近衆議院で取り上げられておりまする、また今高田委員の指摘せられましたような用地関係の問題、これらの問題も実は非常に私ども遺憾に思うのは、すでに数年前に国鉄会館の問題で非常に決算委員会で、この問題を解決すればおそらくこれに右へならってあらゆる問題がほとんど解決するであろうと私どもは率直に考えながら、従って建設的な結論をできるだけ出すように努力したつもりなんです。ところが、もう次から次へと問題が出ておる。それで具体的な問題があがると、その問題については実は初めて何か注意をされたかのような形で答弁をせられる。まあ今の問題一つにしてもそうなんですが、私はもう少し何か、国鉄当局はもちろんこれは直接自分自体の問題なんですから抜本的な、たとえば国鉄財産というものが一体どの程度全国にあって、それに対して民間との関係においてどういう貸借関係にあるのか。そういう問題について、これはもう根本的に国鉄当局そのものが考えてもらわなければならぬし、またそれに対して運輸省もそういう指導なり指示を行なってもらわなければ、私は、われわれ決算委員会で取り上げる問題というのはきわめて個々の、具体的な全く一つの例にすぎないと思うのですよ。ところが、その問題については、なるほど確かに真剣に取り組んでおられても、それ以外の問題についてはほとんど同じような問題なんだが、もうほかの問題についてはまた決算委員会の問題になる。こういうことを繰り返し繰り返しやっておってもこれは私は一体国民の公共機関としての国鉄というものの信頼を確保できるゆえんじゃないと思うのです。特に今度の決算報告なり、会計検査報告の推移を見ても非常に実は遺憾に思いますことは、三十年度の決算報告もまだこれから審査するのですが、ちょっと見てみましてもこれは件数にしても約三倍近く二十九年度よりもむしろふえておる。金額においてももちろんはるかに数倍になって、会計検査院で指摘されておりまする金額についても二億五、六千万円、まあ数千万円に及ぶ金額が指摘せられ、件数については、二十九年度が十三件であったのが今度は三十三件にふえておる。こういう傾向をたどるとすれば国鉄は、一体あれだけわれわれが国会においても真剣に取り組んでここ三年も四年もやっているのだが、一向に進んでいないじゃないか。最近たまたま出ておる用地問題についても、これを一体金額として見積ったらどういう程度になるか。これもはっきりしないで、人によったらおそらく国鉄が直接貸した金額だけでもそれは的確にやれば二十億程度になるのじゃないかという人もある。また転貸しということで権利等加算すれば五十億くらいになるのじゃないかという人もある。そういう実情の中に会計検査院で指摘しておりますることは、会計検査院が調べた、一部のものについて二億数千万円の、とにかく過大に見積ったと、あるいはまたあまり買わなくてもよかったというようなものを買ったとか、あるいはまた一例をあげれば、二十九年度で指摘せられた、外郭団体に少くとも不当と認められるような形の金を流しておったある会社が三十年度でまた指摘されておるのです。私も実は三十年度の決算報告はもちろん十分見ておりませんが、ちょっとページを繰って見たら、二十九年度に出ておる具体的な問題、これは日本電設工業というものが三十年度の決算報告でまた指摘されておる。こういうことを繰り返し繰り返しやって、一体一割三分の値上げをするのだということで国民が納得するか。私は非常に残念に思いますが、さらにまた運輸当局そのものが最近行なったところの責任者に対する処罰等についても、造船疑獄の問題で、あれだけ騒わがれた、少くとも事件に対する責任者であったとみなされる前壷井官房長、これらについては、いつの間にやら国民の関心が若干薄くなったかもしれませぬが、とにかくまだ忘れる問題ではない。ついせんだっての問題だ。官房長の問題については依願免官でこれを処置したというようなことが新聞等に報道せられておるのですが、実はこういうことでは、とても今の国鉄の現状を克服し、また運輸当局としても、私は十分にその責めを果しているとは言えないと思うのでありますが、私は個々の一つ一つの問題について質問をすることは省略しますが、概括的に段階を概括的に、その推移を数年間にわたってながめておって、しかも最近において、大臣が新任せられて、今度の官房長の問題なんかについて、どういう心境でこういう処分をされたか。これは行政措置で、処分には少しもなっていないのですが、とにかくこういう措置をせられた。これを一つ承わりたいと思うのです。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 大体のお話の御趣旨を伺って、いろいろ弁解を申し上げるというわけでもありませぬけれども、ただいまお話を伺っても、やっぱり何か一つ強い何らかの措置をしなければならぬと、今日感じるのははなはだおそいというのは何ですが、感じておりますから、いろいろもう少し、一つ新しい方法とか構想で一つ考えてみたいと思います。そうしてそれが具体的の実積が上って、御報告を申し上げるような措置もとってみたいと思っております。 それから壷井前官房長という問題は、長い間まだ裁判が続いて、その裁判の結果を見ないと懲戒免官ということになることもできないような事態にあります。その上に、あの身分のままでは本人も生活保障ができないというような事情でありますので、依願免官を許しましたが、しかし免官の結果、退職手当とかそういうものを全部辞退するようにしまして、本人の身分を、あまり気の毒だから解放した。こういう形において処置いたした次第であります。
○久保等君 ただいまの最後の問題なんですが、そうすると、一体起訴をされた場合、一般的に、これは運輸省並びに国鉄の場合を含めて、起訴をせられて長期にわたる場合には全部依願免という形で処理をしていこうという方針でおられるのか。またそのことが妥当だというようにお考えなのですか。
○国務大臣(宮澤胤勇君) これは事件の性質、個々の場合も考えなければなりませぬが、そういう方針を、ここできめたとまでは申し上げませんが、一つ個々の場合を見、やはりこの壷井前官房長の問題はその個々の場合を見まして、気の毒だからそうしてやらなくちゃいけないだろう、立ち行けないだろうということからいたした次第であります。
○久保等君 それはとても納得できる御説明ではないのですよ。少くとも官房長をやられる方であれば、普通一般の常識から判断すれば、比較的恵まれた人であると思う。それこそ国鉄四十万の一般従業員の場合は、役職にもついていないような従業員の場合でしたら、おそらく個人の経済的な立場、あるいは家庭等を考えてみた場合は、これはもう官房長がそういう考え方で処置できるのでしたら、おそらく例外なくそういう従業員についてもちろん優先的にそういう方針でやっていかなくちゃならぬ。官房長の場合は同情されるが、一従業員の場合はやみからやみへ起訴されて休職になっておって、判決にならないという事例は非常に多いだろうと思うのです。私は事が、非常に高官である、非常に運輸省の、少くとも高職にある方に対して、そういう御配慮をされるのだったら、おそらく他の場合についてもほとんど例外なくやるというふうにしなければ、いい悪いは別として、私は均衡の問題を考えた場合に、ことに官房長の問題について、これをいつまでも休職にしておくのは気の毒だ、早くしかるべき方面で考えて、生活を考えてやらなければならぬのだという考え方を持つならば、おそらく全従業員に対しても、あらゆる場合についてそういう方法をとっていかなければならぬ。事実場合によって、たとえば官房長の場合は必ず白になるという断言もできないと思う。最終的な決定というものは、何といっても裁判の結果を待ってみなければ、とにかく判決の確定を待たなければ、白、黒は主観的につけられない。私はわからぬと思う。そういう論議をするならば、私は何らの基準にもならぬし、判断の基礎にもならぬと思うのです。従って休職期間が長引けば、これは例外なく、全部、とにかく依願免職にするのだ。依願免職でやめてもらうのだという方針でなければ、いい悪いは別として、話のつじつまは合わぬと思うのです。官房長の場合についてだけそういう措置をとるということでは、とても均衡ということを考える場合に、いい悪いは別として均衡としてつじつまが合わぬと思うのですがどうですか、その点は。
○国務大臣(宮澤胤勇君) これは官房長の身分であるからというわけではありませんし、こういう事例はほとんど少いことでありますけれども、こういう場合があれば、その個々の身分のいかんにかかわらず、むろん本人の実情を見て考えてやらなければならぬ。この方針だけは、考え方だけは、むろん当然のことと思うのであります。
○相澤重明君 これは大臣大へんなことになったと思うのですがね。どうも壷井官房長の処分の仕方については、あなた少し誤まったと、少し甘過ぎたというお感じはしませんか。私はやはり今他の委員から指摘されたように、少くとも国民から多くの疑惑を持たれた、この金銭の受け取り方だとか、あるいは疑獄に関係をしたというような場合にやはり疑惑を解くことが、私は大事だと思うのです一そういうような点において、今いった官房長になっておった人だから生活が困るだろうということの親心はわかるような気がするけれども、処分の仕方、あるいはこれに対するところのあり方については、あなたちょっとお考え違いをしているのじゃないか。もしそうだとするならば、これは久保委員の言うように、国鉄従業員の他のいろいろな交通事故の問題で休職になっている者や、あるいは裁判を受けてる者や、あるいはほんとうに労使の中で話し合いをして、しかも労使の話し合いがつかないのに、一方的な首を切ってるような者について、あなた方どう考えておるのですか。これは非常に国民から疑惑を持たれることだと思うので、私は少し何かの手違いじゃなかったか。こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 実は私はほかの問題を詳しく承知しておりませんが、この壷井前官房長の問題は、この問題だけの実情を聞きまして、気の毒なこういう実情にあるということを聞いて、なるほど気の毒だと思ったからこうしたわけです。
○相澤重明君 そうすると、大臣、再度お尋ねしておきますが、気の毒な者については全部そういうことをするという大臣の親心ですね。
○国務大臣(宮澤胤勇君) これは、こういう身分の高下にかかわらず、実情を見て、こういう気の毒な立場にある人には、親心というか、考慮を加えなければならぬとは思っております。
○相澤重明君 私はあとで会計検査院にも、この事件の問題処理の経過についてお話を伺いたいと思っておったのですが、たまたまこの壷井官房長の問題に入ってしまったわけですが、少くとも刑事事件にある、しかもそれが、あれだけ世間の大きな、いわゆる当時の内閣の屋台骨までゆすぶるような造船疑獄に関係をした者が、これがお話を聞いてみるというと、まことに気の毒であったから処分としてこういうふうにいたしましたということは、ちょっとその、幾ら新任早々でも問題があり過ぎると思うのです。いわゆるそうでなくて、先ほどのように、他の個々の問題についても実際に調べてみれば気の毒なものがあると、そういう点については善処していきたいんだという親心ならばわかるんです。けれどもあれほど国民の世論の中で大騒ぎをされた問題が、今まだこの事件が解決しないうちにあなたがとられた処置というものは私はまだ少し早まったのじゃないか、これを悪い言葉でいえば、けしからぬということになるのだけれども、まあ大臣は就任早々だから少しはたの者の話を聞き誤まったのじゃないか、あるいはそれだけ調査をしなかったのじゃないか、こういうふうに考えられるのだけれども、その点はどうなんですか。あなたはどこまでも壷井官房長の問題については気の毒だからというので、他の個々の問題でも調べてみて気の毒であったならば全部そういう処置をとるのだ、そういうお考えなんですか、再度お聞きしておきたい。
○国務大臣(宮澤胤勇君) まあ個々の実情を見て、そういう問題が具体的に出て気の毒なものについては、できるだけやはりそういうふうに考えていく方がいいんじゃないか、そういうふうに考えております。また個々の、壷井官房長の問題についてお前少し早まったんじゃないかというと、私は事情だけを聞いてなるほどと思ってこれはきめたのでありますけれども、あるいは考えの及ばなかった点があるかもしれませぬが……。
○相澤重明君 大臣、これはやはり岸内閣としても重要な問題だったと思うのですが、きょうは幸いに国鉄の問題は労使の紛争は一応妥結したように思うのですが、これは大臣も努力をされたと思うのですが、少くとも、まだ労使の話し合いがつかないときに、あるいは積極的な団体交渉を進めている際に、断固として処分をするんだということを大上段にだんびらを振りかぶってやるという考え方を一方に持ちながら、一方ではこれは長い間刑事事件でその人の生活が気の毒だというようなことは一体どこで出ますか。これはまだ労使の中で一方お互いに積極的な話をしようと、そしてまたあなたも努力されて問題を解決したのでしょう。そういうものにさえまだ事態が解決しない前にもうおれが処分するぞ、首を切るぞと、こういうようなことを言われておったことに対しては、あなたたちは一体どういうふうにお考えになりますか。ちょっと大臣、今の言葉はいただきかねるのですがね。これはあなたの立場が、やはり古い話であってそこまで十分お調べが、おそらくしたと思うのだけれども、足りなかったのではないかと、こういうふうに思うのですが、その点どうなんですか。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 実はこういう処置に対してもそれほど特に壷井官房長を寛大に扱ってほかのをという意味はむろんちりませんが、まあ事件の経過を聞きまして、こうこうこういう事情でどうも食っていけない、非常に気の毒だ、裁判はいつきまるかわからないというような事情を聞きまして、しかしそれを懲戒免官にすることはできないし、懲戒免官にならないということであるならば恩給その他もらえるが、これはやらないように、まあ当時私は辞退を申し出たということを聞いたのですが、今聞くと法的にやらないでいいのだという話もあるのですが、よく知りませんが、少くともそれは辞退をするということなんで、そういう実情ならということでやったわけであります。なお、ただいまの、ほかの問題につきましては、こういう同じようなケースがありますれば、この身分のいかんにかかわらず、これは考えてみていくことはわれわれその立場として当然のことではないかと、こう考えます。
○久保等君 これは非常に私は重要な問題だと思うのですがね。これはただ、たまたま一例を申し上げておるので、たとえば最近何か国鉄で問題になっておる用地問題をめぐって事業課長か何かやっておられた矢野さんというのですか、これをまた何かその後最近やはりこれを依願免でもって扱ったというふうになっておる。退職金の問題にいたしましてもこれは辞退せられたというのですが、辞退せられるのだったら辞退しなくてもいいのですから、それこそちょうだいできるのですから、そうなった場合にはこれは判決の結果が黒だと出ればこれはどろぼうに追銭です、率直に申し上げて。同情する同情すると言われるが、温情主義はものによりけりです。少くとも刑事事件なり、刑事容疑をもって起訴せられて公判中の者に対して、私はなぜそういう措置をとらなければならぬ必要があるのか。これはこういうことをやっておったら私が先ほども申し上げたように、とにかく浜の真砂と同じように次から次へとこれはどうしようもないと思う。それこそむしろこういう情勢を考えれば政治的な立場から考えても、法律的あるいは制度的には依願免にもできるのだという建前になっても、むしろ私は政治的な配慮からこういうものに対してはやはり厳罰主義をもって臨むということによって初めてこれは何といいますか、破邪の剣といいますか、とにかく一罰百戒という意味からいっても厳罰主義によってやはり問題を解決していかなければ、これは次から次へと問題を連鎖的に私は作っていく結果になると思う。ごく最近、まだ問題の結末もついておらないし、まだ決算委員会でも全然全部の論議が尽されていない用地問題をめぐって、同じような扱い方を行なっているということを聞いて私はあきれている。これでは二年か三年たてばいつのまにか普通の人間が病気でやめるような形と同じようで、依願免官でやめる、やめさせるということだったら、これは全然処分にもならぬし、優遇方法を考えている、きわめてよくやったと言わぬばかりの、これは功績者みたいな形でやめさせているのではないかという誤解さえ招くのですが、一体こういうことで国民の気持に沿い得るかどうか、これはとうてい私は今の国民の気持からいって受け入れられる問題ではないと思う。従ってこれは大臣に厳重な私は反省を求めなければならぬと思うのですが、昨日も総理にも実は一般的な問題としても厳重に私どもは現内閣に反省を実は求めたのですが、これは特に具体的な問題についての当面の責任者である運輸大臣がそういうような態度であったのでは、これは全然人事の刷新とか、綱紀の粛正と言っているのは、私は馬の耳に念仏のような話じゃないですか、どうですかね。
○国務大臣(宮澤胤勇君) よくお話承わりまして今後一つ慎重に扱っていきたいと思います。
○高田なほ子君 関連して。簡単な御答弁ですが、重ねて伺いますが、収賄とか、公金横領とか、文書偽造、こういうのは破廉恥罪ですよ。こういう破廉恥罪に対しては諸外国でも、フランスあたりでは終身刑にしているぐらいに綱紀粛正のためには相当厳罰主義をもって臨む。これは一面お気の毒なという面もありますけれども、破廉恥罪というものに対する考え方というものはもう少し厳粛に考えてもらわなければなりませんが、ただいまの御答弁はちょっとあまりに寛大に過ぎるように思いますが、破廉恥罪は終身刑にするというぐらいの気持でお臨みになれないか、もう一ぺんお尋ねをしたい。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 法律の点は別といたしまして、一つただいまの御質問並びに御指示の御趣旨を体して一つ慎重にやっていきたいと思います。
○岩間正男君 今の問題ですが、これは悪いことをやらなければ損だという思想を養うに非常に有益な策だというふうに私は考えるのですが、これが敗戦後の日本の中でとうとうとして行われる。そういうことにまさか運輸大臣は御協力なさるという御意思はないでしょうね。実際問題としてそういう結果になると思うのです。造船疑獄の問題であれだけ騒いだ、そしてその官側の責任者そういう人が、とにかく騒ぐときは大騒ぎ、それから何とか冷すようにして時間をかけて二年、三年ほとぼりのさめたころにそっと陰の方に隠してやる。こういうやり方を見るとなかなか巧妙で温情も通っているように思いますけれども、これは大へんな温情で、これは今のような思想を培養する温情だということをお考え願いたい。もっと突っ込んで言いますと、やはりそれと関連を持つ一味があって、そういう人たちから言わせれば、自分たちの中から出血を出すと工合が悪いので、そこをお互いにかばい合うというふうな、そういう思想の現われだとも考えられるのです。これはうがつた言い方ですけれども、実際はそうなんです。こういう点で先ほど相澤委員からも質問がありましたが、一方は賃金が少くて食うや食わず、やむを得ず、心ならずも実力行使をしなければならない、そういうところには鉄槌が、まだやりもしない前からおどかしをかけている。ところが一方では今言ったような思想上非常に国民に与える影響から言って広範な影響を持つ問題については、そろりと解決されるというようなことではこれは非常にまずい。これは昨日も岸総理大臣にも明らかにして、石橋内閣から掲げて参りました綱紀粛正の問題について、もっとはっきりした見解を持つ必要がある。上の者が身みずから自分で正しくいたす、ここで初めて綱紀粛正ができると思うのです。上の方は緩慢にしておいて下の方だけをしかっても、どうして 一体模範を示すことができるか。これは私ははっきりした問題だと思う。こういう点について、日銀の宿舎の問題も昨日ありまして、やはり上の方は非常に温情主義です、そして下の方の下級職員はきゅうきゅうやられる。これはどこでもそうですね。こういう態勢をやはりやめなければ、民主主義を言う権利も資格も私たちはないと考えますね。この点一つ大臣はしっかりした腹のかまえを持って、今の五大政策の一つである綱紀粛正を貫かれんことを希望いたします。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 言葉を申し上げませんけれども、一つ御趣旨を体してやっていきたいと思います。
○岩間正男君 私は二つばかり簡単にお聞きしたいのですが、一つは国鉄の経営の中で外注の問題です。今までの事業量、新線建設とかいろいろ建設を例年やってこられたと思うのですが、そういう中で直営、外注、この分量が大体これはわかるだろうと思うのですが、ここ二十九年度あたりからの外注と直営の割合はどういう割合になっていますか。大体パーセンテージでもよろしゅうございます。お知らせ願いたいと思います。
○政府委員(細田吉藏君) 直営と外注につきましての具体的な数字は今持っておりませんが、大体の傾向についてお話いたします。 車両の新造につきましてはこれは全部外注です。ただ例外的に本年度わずかばかりの新造を工場でいたしております。車両の修繕につきましては全部これは直営でございまして、外国には出しおりません。車両につきましてはそういうことでございます。 それから工事でございますが、工事の中のいわゆる工事経費を使います建設改良の工事、これにつきましては原則的には外注でございます。これは一部直轄の工事をいたしておる次第でございます。なお監督等は別でございますから、監督等はうちの職員がやっておるわけでございます。 それから修繕につきましては、修繕と申しますか、線路の保守とかいろんな補修でございますが、こういうようなものにつきましてはちょっと数字が明確でございませんが、直営の方が若干多いのではなかろうかと考えております。その数字はちょっと持っておりませんのでただいま申し上げかねます。
○岩間正男君 大体の割合というのはわかりませんか、外注と直営の大体の目安ですか、目分量でいいですが、大体毎年同じことになっておりますか、それとも年度によって違っておりますか。
○政府委員(細田吉藏君) ただいま申しましたように車両については明確でございます。これははっきりしております。 それから工事につきましては今大きな工事の建設改良というものは、ずっと昔のことは私存じませんが、傾向が変っておりませんので大体原則として外注でございます。
○岩間正男君 パーセンテージを聞いておるのだけれども、大体わかりませんか。大体目分量でいいです。
○政府委員(細田吉藏君) ただいま申し上げましたパーセンテージにつきましては、九〇%以上が外注かと思っております。
○岩間正男君 今度まあ三十二年度は工事量が大体二倍になるだろうと思いますけれども、額にすれば約一千六十九億ですか、というような膨大なものである。それについて私はこの前本会議で運輸大臣に質問申し上げた。そのとき、大ていこれは外注制度になっているのですね。外注がますます強化される。そういうような中でやはり検査院から指摘される問題が、今まで見ますというと、外注の場合が非常に多いわけなんです。で、二倍もの工事量を遂行しょうということになりますと、これは非常にそういう問題が発生する可能性もあるのじゃないか。従来のやり方を改めない限り、これは外注によって次のを発生する要因というものがますます増加するというふうに考、えられるわけです。こういう点から、実はこの前配電盤の設置のことが問題になりまして、久保委員から質疑がありまして、当委員会でずいぶん各委員からこの問題について話が出されたわけであります。明電舎の札幌の工事の場合でありますが、札幌の配電工事をやろうとして明電舎へ見積りをさせた。ところがその見積りを取り上げないで、実は新生電業というのにやらせた。結局明電舎にやらせれば百二十万安くなる。これは二千二百十四号の会計検査院の指摘によるものでありますけれども、それを実は新生電業にやらせた。そうして結果においては配電盤の方はまた明電舎に持っていってやらせたというようなことで、中間に莫大なマージンを許しておるという結果になっている。同じようなことが九州の方でもやられている。荏原製作所に見積りを出させておいて、実際は日本電設工業に委託をしておる。結局ポンプのことは荏原にやらせておる。そうすると、その中間の請負ということによりまして、これも約百八十万の損害を受けておるわけであります。会計検査院の同じく二千二百十五号の指摘によって発見できております。これは私は氷山の一角じゃないかと思いますが、こういう例はたくさんあると思います。そうしますと、今度のいろいろの工事の新しい計画によりますというと、ますます外注を多くふやすというような格好になりますと、こういう先ほど申し上げましたような事態が発生する可能性が非常に多い。とれについてなぜ外注制度をとらなければならないのかどうか、この理由ですね。この点を少しお聞きしたいと思います。
○政府委員(細田吉藏君) ただいま御指摘がございましたように、昭和三十二年度の予算がきまりますと、工事経費が四百数十億一挙に増加いたしますということはお説の通りでありまして、これはいろいろの角度からいたしまして、非常に重要な問題がいろいろあるかと思います。工事費がまあ二倍に近いものになるわけであります。まだ実はしなければならない工事はうんとございますし、老朽施設もございます、そのほかにもございます。この予算が消化できるかという質問等も運輸委員会でしばしば出ておりますが、ただ消化するということだけではいけないのでありまして、ほんとうに老朽施設の点なり、あるいはまた輸送力の最もネックになっているところが急速に増強されるということでなければならぬということになりまして、その使い方につきましては、単に量的な違いだけでなく、そのやり方自体につきましても根本的に検討してもらう必要がある、かたがた会計検査院からの御指摘もいろいろございます。これまでもいろいろ工事の問題等につきましては、国会におきましても御指摘もございまするし、また経営調査会等の指摘もございます。そういった点が、さらに大きくなれば大きくなっただけよほど気をつけていかなければならぬという問題がございますので、これらの点につきまして来年度の工事経費の使用方につきましては構想を新たにしてと申しますか、私どもといたしましては国有鉄道に対しまして、これが重点的に正しく使われるように、方法を根本的にいろいろ考えてもらうようにただいま実はお願いをしておるわけでございます。それで、なお工事の指名とか、あるいは一括下請といったようなことがただいまもお話が出ておるのでございますが、こういった点につきましては、昨年、これは経営調査会なり、あるいは国会の御指示によりまして、国有鉄道の中に外部の方をいろいろお願いしまして、請負業者の指名を——指名というのは、指名で競争する場合に、その指名の方法についてどうするか、それから価額につきましてはどうした積算基準が正しいか、これは実は私、専門家でないのでわかりませんが、なかなか土木工事その他については積算の方法というのはむずかしい問題があるようでございますが、そういった点につきましていろいろ各方面から御検討をいただきまして、そういう方向で正しく指名し、正しい積算単価を出すという方向で努力いたすことになっておりますから、こういったことと、今度工事経費がふえますこととまた合せまして先ほど申し上げましたようにやりたいと思います。 最後に請負か直営かという問題でございますが、この点につきましては、実は私お答え申し上げることが適当でございませんと思います。国有鉄道として何と申しますか、直営の工事力をどれだけ持つがいいか、またこれを外注に出すがいいかということを技術的に、あるいは経済的に検討して決定せられておると考える次第であります。
○岩間正男君 工事量によって急激にふえるわけですから、これは内部だけ、直営だけでは間に合わないということもわれわれとしては考えられるわけですが、外注を本体とするようなことでは問題のあるところじゃないかと思う。私がお聞きしているのは、なぜ外注をしなければならないのか、その理由としては今私があげました点もあると思いますが、一体そのほかにも理由がないのかどうか、こういう点です。たとえば、そこに外郭の団体の問題なんか出てくるのじゃないか、外郭団体のそういう業者のいわば親類系統に属するところに工事をまかせる、ところが先ほどの電業社の場合を札幌の配電盤の場合で申し上げましたように、直接そこにまかせれば百二十万も安いものを、さらに中間の業者をもう一つ介することによって百二十万の損をやっている、こういう形で外注の問題が今後とも運営されるとなればこれは大へんなことだと思うのです。とにかくなまやさしい資金のやり方ではございません。運賃の値上げの問題はこれは間もなく論議の対象になるはずでありますから、こういうものとからめまして、今運賃値上げで非常に世上騒いでいるそういう中で、この工事の問題については同時に工事施工の方式を厳格な意味でやはり今後方式としてはっきり打ち出されない限りは、工事量は出た、しかしそのやり方については従来の域を脱しない、いや二倍に工事量がふえているから、もっとそこのところが散漫になりやすい、こういう形で運営されるということになりますと、大へんな問題だと思います。私は、だからこれは先ほどの配電盤の問題、非常に小さい問題でありますけれども、今当面している国鉄の今後のこの運営の問題と関係して、この問題をお聞きしているわけでありますが、これについて、まあ大臣としては大まかにこういう問題をどういうふうに処理されるようにお考えですか、御意見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤胤勇君) 今の質疑並びにお尋ねの点等を伺っておりまして、これも何か、これはやはり工事量も倍に、注文も倍になるということでありますから、適当な方法を考えなければいけないだろうと、こう考えでおりますが、どういう方法か、一つ省内で研究しまして、監督機関を設けるといえばすぐ予算が伴いますが、そういう範囲内においてどういうことができるか、なるほど四月から始まりますから新しい考え方で一つ練ってみたいと思います。
○岩間正男君 これは運輸委員会でもっと詳細にお聞きしようと思っておりますからここでは簡単に問題のあり得るところだけを申し上げるわけでありますが、とにかく外注によってどれだけの利益があるかという点は明確にされる必要があると思いますね。直営工事の場合と比べて一体どうか、それから現に持っている能力の問題があるでしょう、その点も明らかにされなくちゃならないと思うのです。運輸大臣はこの前私の本会議においての質問に何か誤解されて答弁されているのですね。私は国鉄の職員の数の問題も——労働強化が起るということの数の相違の問題もありますけれども、私がここで直接質問したのは、工事量が多くなるので工事の人員を今年度は千三百人ふやす、来年度は少くとも六千三百人ふやさなければならない、こういう点を実は御質問いたしましたが、ところがこれに対する御答弁は、国鉄の職員の、今の工事員でなくて、これについての御答弁でありました。こういう問題はいずれもっと本格的に運輸委員会でお聞きしたいと思いますし、とにかくこの問題とからまって、今までいろいろ工事にかかわるところの不正の問題はずいぶん指摘されているのでありますから、この点少くとも心をして新しい計画に対して発足する必要があるのじゃないかという点を私は大まかに申し上げたいと思うのであります。 第二の問題ですが、これは港湾の問題であります。港湾の荷役の問題でありますが、これはこの前の運輸委員会で大臣がおいでにならないときに、合同委員会の主席が出て参りまして、日米合同委員会の運営につきましてこの点をだいぶ追及したわけです。大体運輸委員会の意向もまとまりつつあるわけであります。昨日はまたこの問題について岸総理大臣の出席を求めてこの点を明らかにしたわけであります。とにかく政府機関の食い違いが非常にある、そうしてばらばらに行われている。これはもっと統一して行うことが必要で、そうしてその中で行政協定のはっきり規定している面においてこれを守らなければならない、国内法を尊重する建前をやはり貫くという、運輸省が考えていられたこういう方針というやつは、これは推進される方向にいかざるを得ないと思うのであります。従ってこの問題について今まで運輸省のタッチの仕方を見ますと非常に微温的だと思うのであります。やはり当面する監督官庁として決然とした考えをもって、そうして閣内において毛意見を統一されて、この問題を解決するように善処されることが必要じゃないかというふうに判断しているわけです。これも運輸委員会でなお詳細に申し上げるつもりでありますが、この点について日本の経済に大きな影響を持つところの港湾荷役の問題でありますが、これについて運輸委員会で大臣が表明された、一対一であくまでもやっていくのだ、そうしていつまでも従属態勢でないから、ここではっきりアメリカの不当なやり方については筋を正していくのだという点をあくまでも貫くことを私は要望いたします。これはやはり決算委員会の中で昨日そういう点をこれはいささかでありましたがやっていった、そういう点で大臣の決意をお聞きしたい。
○国務大臣(宮澤胤勇君) この問題は、初めに私が申し上げた趣旨で、実は関係外務省その他に対して押してみて、しかしながら実際問題としてこの間から運輸委員会でも御質問があったように、何となく隔靴掻痒の感でものが運んでおりません。けれども、気持としては押せるだけ押しております。それから向うから相当にいいかげんに扱われたようなところもありますから、こちらだけとしては相当に今のところ押していっております。この間もまたあらためて外務大臣といろいろ相談して一つ、初めあの委員会で当初私が申し上げたような方向でじゅんじゅん押しておる、押しつつあります。今後も一つ……。ただ結論がすぐ出てこない。その間に現実の問題としてたとえ数は少くても直接直用をやってしまうといったような遺憾な事態が生じておりますけれども、片方の話だけは進めて強くいきたいと、こう考えます。
○久保等君 非常に朝から決算委員会を継続してやっておるのですが、私最後に資料を出していただきたいと思います。 資料は先ほどの問題にも関連するのですが、二十八年度以降各年度別に、それから各種類別というか、事件別に、たとえば公金横領だとかなんとかいう、そういう種類別に起訴せられておる人の人数、それからこれに対する行政的な措置を、たとえば休職なら休職になっているか、あるいは依願免で処分をしたとか、依願免になっているとか、そういう二十九年度、三十年度、それから三十一年度、三十一年度の場合はもちろん決算報告もまだあるわけじゃありませんが、従って会計検査院の関係のものは含まれないものになると思うのですが、二十八年度、九年度、三十年度についてはこれは会計検査院で指摘せられた刑事事件、もちろんそれらをも含めて一つ資料としてお出し願いたいと思います。それから今日もなお休職になっている人、これは二十八年度以前の分についても、かりに二十五年度に刑事事件になって、なお休職になっているといったようなものもあればずっと引き続いて長年月休職になっているものもあればこれは二十八年度以前といえどもやはり出して、すぐにこの資料をお願いしたいと思います。いずれ三十年度の決算審議に当っても参考にしていきたいと思います。できるだけ早急に一つ手元へお出し願いたいと思います。 最後に大臣にまた強く要望しておきたいことは、先ほどの御答弁ではこれは不満きわまりないのです。非常にわれわれ昼食もしないで決算委員会で熱心にやっているにですが、先ほどの大臣の答弁を聞いてよけいどうもがっくりしたような気持もするのです。国民の気持は運輸大臣のそういう答弁ではとうていこれは納得のできる考え方ではないと思うのです。ぜひ一つ三十年度の決算報告に対する行政措置は行なってしまったのか、しまわないのか、そのあたりは知りませんが、いずれにいたしましても厳重に一つこの際御反省を願うと同時に、具体的な措置においてやはり具体的な行動をとってもらわなければならぬと思うのです。単に厳粛なる反省、あるいは批判ということではなくて、具体的な事実をもって私はやはり今後の方針として確立をしてもらわなければならぬ、かように考えるのです。いずれも三十年度の個々の問題については審査の過程を通じてこれまた十分にお考え方もお伺いしたいと思いますが、きょうの委員会での審議の経過だけとして考えみても、どうも先ほどの運輸大臣の答弁では、これは全く何をやっているのだということにしかならぬと思うのです。従って強くその点は、責任者の処分の問題については、一つ今後十分に大臣の決意を私はお願いしたいと思っておるのです。まあそれだけを強く要望申し上げまして私質問を終りたいと思います。
○委員長(三浦義男君) 他に質疑はございませんか。——質疑はないものと認めます。 では、これをもって昭和二十九年度決算に対する総括質疑は一応終了いたしました。 質疑は終りましたので、これらの件につきましていかに取り扱うかを御相談申し上げたいと思いますが、警告をどの省庁に発するか、これは警告を発するとすれば、との案文の作成方、また本件の審査報告の案文の作成方につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さように決定いたします。 以上で本日の審議を終り、次回は三月十八日月曜日午後一時から、昭和三十年度及び三十一年度予備費使用総調書並びに昭和三十年度及び三十一年度国庫債務負担行為輪講書を審議いたします。なお、との後懇談で、昭和三十年度決算の審査方針についてお打ち合せいたしたいと存じます。 では、これをもって委員会を散会いたします。 午後四時四分散会