P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
26回国会参議院1957/02/14

決算委員会 第7号

発言数
97
登壇者
16
会派数
3
開催日
1957/02/14

会議録

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ただいまから第七回決算委員会を開会いたします。  昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。  通産省の部を審議いたします。検査報告批難事項は第千九百八十号から千九百九十四号まででございます。  本件に関し御出席の方は、会計検査院第四局長中川君、通産省政務次官長谷川四郎君、企業局産業施設課長大宮君、通商局次長中山君、会計課長川崎君、中小企業庁信用保険課長本多君、工業技術院長黒川君、工業技術院調整部長出雲井君であります。  まず、会計検査院から説明をお願いします。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) 通商産業省所管の分につきまして概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計といたしましては、不当事項が、機械の売り渡し代金の徴収処置が緩慢なものと、国庫補助金の交付について処置当を得ないもので、都合九件ほど掲載されております。  まず第一の、機械売り渡し代金の徴収が緩慢なものにつきまして申し上げますと、この機械は戦時中の国有民営機械でございまして、終戦時旧陸海軍の所属のものは大蔵省に引き継がれましたが、旧軍需省航空兵器総局所管のものは通商産業省に引き継がれまして管理してきたものでございます。従ってこれの処分はできるだけ促進する方針で参ったものでございますが、ここで問題となっております事案は、大阪通商産業局で、大阪農具製造株式会社に歯車形削盤ほか四十六台を以前から貸与しておりましたところ、処理の促進上一括売り払い処分をすることにいたしまして、延納を認めず、即金納付の建前で売り渡し処理をいたしましたにもかかわらず、納期までに代金の納入がなかったのでございます。しかるに担当部局においてこれの事後の見きわめが不十分であったために、相手方が代金納付前にその対象の大部分を転売いたしまして、その会社の工員の給料等の支払いに充当した案件でございます。その後当局といたしましては、これについて一部代金の納付がありましたが、それを除くものについて弁償金の徴収処置を講ぜられましたが、現在においてなお七十三万三千百円の収納未済がございます。  次に千九百八十一号から千九百八十八号までの国庫補助金の交付について処置当を得ないものについて申し上げますと、工業技術院で鉱工業等に関する技術の研究及び工業化試験を奨励助長するために、その試験研究を行う者に対して工業化試験費補助金並びに鉱工業技術研究費補助金として、二十八年度に五億九千九百万円、二十九年度に五億六千七百余万円を交付しております。これらのものについて精算整理の完了いたしましたもののうち、約一七%を選んで会計検査院で検査いたしましたところ、国庫補助の対象として取り上げる場合に調査が不十分なために、たとえばある研究を目途としたもので、すでに米国ではその研究が完成されていて、その技術が導入できる状態にある。従ってあらためて試験研究の必要がなかったというようなものに対して補助金が出され、あるいは経済情勢の変動によってそれぞれの相手方が資金難に陥ったと、事業の不振に陥ったというような事情もございますけれども、研究の対象について全然補助金を使用しないでこれを保有していた。あるいはその一部または全部を目的外の営業費等に流用していて、研究の目的を達していないというような遺憾な事例がございます。そのおもなものとして都合八件、六百八十二万余円の不当事項を掲載いたした次第でございます。  これらの事項の発生原因を考えてみますと、補助金交付前、あるいは補助金交付後の当時における調査が不十分であったり、あるいは交付後の監督が行き届かなかったというような事情がからみ合ってこのような事態を現出したと考えられます。当局においてもこれらの監督の面については今後配慮を要望したいわけでございますが、三十年度においては中央で一括処理するというよりは、各現地の通商産業局に第一義的な監督をさせるというような方法においてこれらの不当事項の防止を講じられているように聞いております。  それから次に二百七十四ページのアルコール専売事業特別会計について簡単に申し上げます。本会計につきましては特に不当事項として掲記するほどのものはございませんでした。ただ、アルコールの主要原料となっております輸入廃糖みつの購入に当って陸揚げ地の選定が適当でなかったために、陸揚げ賃とか、あるいは官営アルコール工場までの回送賃において不経済を来たしたというものがございましたし、またこの輸入廃糖みつの回送費について貨車手押し賃とか、貨車とめ置き料などについて内容の検討が不十分であったというような点を指摘いたしまして、是正の措置の講ぜられるものについてはそのように処理を要望いたしたものがございます。  次に、輸出保険特別会計について申し上げます。まず、本特別会計の内容を概観いたしますると、二十九年度決算じりで、事業損益で一億四千七百余万円の損失となっております。前年度から繰り越しました損失が四千三百余万円でございますので、これを合せて一億九千余万円の損失を翌年度に繰り越すこととなりました。このように損失が増大いたしましたのは、二十九年の七月十一日にインドネシア向け輸出の調整措置が講ぜられましたために、この輸出保険の中に含まれておる綿糸布包括保険の保険事故が増大いたしまして、保険金の支払いが多かったなどのためにこのような結果を生んだのでございますが、一面一般会計から繰り入れを受けております資本金の利子収入が一億千余万円ございましたために、結果においてはこの程度の損失にとどまったわけでございます。  輸出保険は数種の内容の保険がございますが、そのうちこの検査報告で問題となっておりますものは、輸出金融保険と海外広告保険の二種類でございます。  まず、輸出金融保険の保険金が過渡しとなっているものについて千九百八十九号が掲載されております。これについて簡単に申し上げますと、この問題は、鹿児島銀行が興南工芸株式会社に対しましてアメリカ向けの竹製品の生産に要する資金として百五十万円を貸し付けて、これを保険に付したところ、相手方のバイヤーの注文取り消しによりまして輸出不能になりました。その結果、貸付金全額が未回収となったものとしてこの保険金を支払ったものでございますが、会計検査院で調査いたしますると、この借入金のうち、輸出品生産のために使用いたしましたものはそのごく一部、四十五万円に過ぎなくて、残余の百五万円は、この鹿児島銀行で既往の手形貸し付けの弁済のために振りかえ入金処理しておるということが判明したものでございまして、これを除いて計算いたしますると、保険金は四十五万円の八掛、三十六万円となって、八十四万円が過渡しとなるという計算でございます。  次に、千九百九十号の、これも同じく輸出金融保険の問題でございますが、その支払いに当って処置当を得ないものについて申し上げます。  これは若干込み入っておりますが、株式会社三菱銀行が山本貿易株式会社に対して南アフリカ向け輸出の綿糸布とほうろう鉄器製品等の集荷に要する資金として二十八件、五千二百十五万円を貸し付け、これを保険に付したのでございますが、その後、当所の経営が悪化して、その救済のために銀行間の協調融資の話も出ましたが、これが不調に終ったために、その善後処理が講ぜられなくて、会社も整理を断行するというような結果となりまして、ために、そのうち四千四百八十三万五千円が回収未済となったとして、銀行の請求に基きまして通商産業省で三千五百八十六万八千円の保険金を支払ったものでございます。この輸出金融保険のティピカルなものといたしましては、輸出前貸し資金に充てるものでございまするが、これに限る場合は、実際の運営上支障を来たし、法の意図しておる目的を十分達成し得ないわけでございますが、そのために、輸出前貸し資金でなくても、自己資金で輸出商品の集荷に投入していた場合があれば、その後の自己資金の補てんのためにも貸し付けをなし、これを保険に付し得る取り扱いをしたのでございます。このように例外的な処置を講ずることは、実情を考えますと、やむを得なかったと考えられるのでありますが、その場合には、通常の場合の付保に比べて、特に手続なり審査なりを厳重にしなければならなかったと考えられます。現に、本件について会計検査院で調査いたしましたところ、輸出に向けるための自己資金のその後の補てんではなくて、対象物は付保当時すでに輸出済みであった。しこうしてその輸出済みの品の製造業者に対する買掛金の弁済に当てられていたという事態でございまして、このような事態のものであれば、この輸出金融保険としては有効に成立しているものではないということになるわけでございます。三菱銀行と山本貿易とは長年の取引がございまして、もう少し銀行でいろいろな資料についての検討を十分にいたしますならば、このような輸出済みのものについて貸し付け、しこうして付保するというようなことも防がれ得たのではないかと考えるわけでございます。  その次に、海外広告保険の問題といたしましては、「是正させた事項」としてあがっております。是正させた事項ではございますが、内容ははなはだ遺憾なものと考えられます。それは、海外広告保険に付保いたしまして、輸出の伸張をはかる目途のもとに進んだのでございますが、相手方の野崎産業株式会社は、当初計画の海外宣伝をやらなくて、一部国内での宣伝はやったのでありますが、海外宣伝用としては、当初計画を著しく下回る状態であったのに、これを計画通り実施した、その結果においても輸出の伸張が期せられなかったということで、保険事故として、これにかかった金の五〇%の交付を受けたのでございます。これは、本院の注意によって超過交付額は返納されることになりましたけれども、事態としては、はなはだよろしくないものでございます。  次に、中小企業信用保険について申し上げます。この会計で、保険の内容といたしましては、融資保険と保証保険の二つがございますが、ここでは、金融機関が中小企業者にその事業の運営に必要な資金を円滑ならしめる意味の貸付を対象とする融資保険についてのみ問題となっておりましたが、これらを検査いたしました結果は、貸付当時、当該金融機関の古い債権の回収に充当していた、あるいは運転資金とか原料購入資金等に充てる目的を掲げながら、その他の目的に使うだろうということがある程度知り得た状況にあったにもかかわらず、これを保険に付した、その結果、回収不能になったとして保険金を支払ったという事案でございます。  簡単でございましたが、以上をもちまして通商産業省所管の部の説明を終らしていただきます。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 通商産業省から御説明を願います。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(長谷川四郎君) 結果を御報告申し上げます。  昭和二十九年度決算検査報告に関しまして、国会に対する説明書掲載後における処理状況を申し上げます。昭和三十二年二月八日現在をもって御説明申し上げます。  検査報告番号千九百八十、昭和三十年十二月末現在の未回収金額は百二十万三千円でありましたが、昭和三十一年一月から三十二年一月までに五十七万円を回収し、残額につきましては、極力回収に努力中であります。  千九百八十一、本件に関しましては、試験の遂行途上において種々の障害が発生しましたので、一時中止のやむなきに至りましたが、その後試験を再開いたしまして、続行した結果、一応の成果をおさめて完了をみたのであります。ただし、交付した補助金六百万円のうち、二百二十七万一千円については他に流用した事実が認められますので、同金額につきましては、これが返還を命じまして、残額三百七十二万九千円は償還するよう命令をいたしております。  千九百八十二、本件に関しましては、補助金全額百二十万円の返還を命じ、昭和三十一年十二月までに十五万円の納付があり、残額につきましては回収に努力中であります。  千九百八十三、本件に関しましては、補償金全額九十万円の返還を命じまして、昭和三十一年十月二十四日までに全額を回収いたしました。  千九百八十四、本件に関しましては、補助金全額六十万円の返還を命じ、昭和三十二年二月一日までに二十五万円の納付があり、残額につきましては、本年三月末までに回収の見込みでございます。  千九百八十五、本件に関しましては、補助金全額五十万円の返還を命じ、昭和三十一年十二月二十六日までに全額を回収いたしました。  千九百八十六、本件に関しましては、交付した補助金四十万円のうち、他に流用したと認められる三十五万二千円につき返還を命じ、昭和三十一年六月五日までに全額を回収いたしました。  千九百八十八、本件に関しましては、補助金全額五十万円の返還を命じ、昭和三十一年二月十六日国庫に納付されました。  千九百八十七、千九百八十九、千九百九十、千九百九十一、千九百九十二、千九百九十四、これは第二十四国会に提出されました説明書に記載の通りでございます。  千九百九十三、昭和三十一年三月十五日、支払い保険金四十万五千円を回収いたしました。  以上でございます。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 以上をもちまして説明は終りました。御質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 会計検査院にちょっと尋ねます。この千九百八十一号から千九百八十八号までの中で、精算整理した中で、会計検査院は一七%に相当するものを検査したのだと、こういう御報告があったように思うのですが、そうするとこの数字は一七%に対する数字であって、一〇〇%検査したということになるとどういうことになるわけですか、これが一つ。それから一七%というのは、どういうような基準でそういう一七%という検査の数字を出してくるのか、この点をお伺いします。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) ただいまの御質問にお答えいたします。もちろん検査院で検査いたしました一七%のうち発見された不当事項でございます。この一七%の選定につきましては、比較的重要な事項を選んだわけではございますが、人員の関係上この率を上げることが困難でございました。しかし、こうした内容の事態でございますので、この程度にとどまっておるということは不十分でございますので、三十年度におきましては相当な成績を上げ得たと考えております。四〇%程度に及んでおります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 話は余談になるのですが、先般兵庫県下に決算委員として視察に参りましたときに、会計検査院の活動というものは相当に峻烈に、かつまた真剣なもので検査されていることを実は十分に承知してきたわけであります。会計検査院の非常な活動に対しては敬意を払うわけでありますが、一七%に相当するものに対する検査は重要な事項を選んだと、こういう御答弁でありますが、重要な事項というと、この場合どういうことが重要な事項に該当するのでしょうか。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) まず一応一件の金額を標準にいたします。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 それから今度は通産省の側にお尋ねをいたします。会計検査院側からの報告によると、適切な指導監督を行うことが望ましいという結論のもとに、現在では各地の通商産業局でこれを監督しておると、こういうような御報告が今あったように思うのです。具体的にそれはどういうふうになっておりますのですか、御説明を願いたいと思うのです。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(長谷川四郎君) 各所と申しますのは、たとえば大阪通産局とか、あるいは各地に局がございますので、その各局ごとにそれを担当していただいておると、こういうわけでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 各地各所ごとに監督しておるといいますが、それはどういうような形で……考査制か何かでやっているという意味ですか。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) 事務的な問題にわたるかと思いますので、私からお答えさせていただきます。  通産局に会計検査院の方から、各地方の出先機関に監督あるいは監査の業務を行わせるのが望ましいというお話がございましたのは、これを私は正式に制度化してやれという意味に解釈いたしております。従前から通産局の方には私ども一体となりまして、事務の内部委任の格好で実際の手続、あるいは中央で決定しましたことの伝達等を扱っておりましたが、これは通産省限りの事務委任の格好でやっておったのでありますが、逐年の検査でこれを制度的にしっかりしたことでやれという御示唆を受けまして、正式に大蔵省の方に協議をいたしまして、これを制度的に権限も委譲し、なお手続も財政法その他の条文にのっとりまして制度化してやるということで、ただいま大蔵省との協議を終りまして、これから実行に移ることになっております。しかしながら、制度的に制度化いたしますといなとにかかわりませず、通産局の陣容を強化し、人員並びに予算の面で現地における監査指導が適切になるように逐年心がけて実施いたしてきておるつもりでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 現地における監査を強化するというお話と、それから制度化したいということと二つ出てきたようですが、制度化するということは、具体的にどういうことですか、考査制に基く機関を作ろうというのですか、どういうことですか。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) お答えいたします。制度化いたしますのは、事務の内部委任でございますと、責任の所在は、やはり中央の工業技術院長あるいは大臣ということになりますが、制度化いたしました場合には、財政上の支出監督、あるいはそういった意味で、その出先機関の長にはっきり権限並びに責任がわたりますので、そこのところの責任の所在を制度的に明確にするという意味でございます。事実上従来内部委任でやって参りましたのは、もちろんわれわれ出先機関はございますし、全国にわたりますこの種の案件を中央の工業技術院だけで処理するということは不可能でございますので、事実上内部委任をいたしまして、出先に、各通産局に技術課を設け、そこの陣容を使ってやっておった、こういう次第でございます。  なお、後段で御指摘の監察制度でございますが、これは一昨年やはり決算委員会の方で御示唆をいただきまして、私どもは大臣官房に考査官が一昨年の七月できまして、大臣官房の考査官が工業技術院並びに技術課と一体化して仕事をいたしております。各地方通産局の技術課、これが考査官の御指導を受けて随時監査をしていただいております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 制度化した場合には財政上の支出官にいろいろな権限がある、それから責任を負わせることを明確にするのだという御説明だったと思うのですが、御承知のように前年度に補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、これが通っておりますが、この法律の規定を適用すれば、別にこういうことを制度化しなくったってもいいんじゃないでしょうか。この法律の運用……あなたのいう制度化というのはどういう観念を持っているのですか。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) お答えいたします。適正化法の第二十六条の「事務の委任」、第二十六条、「各省各庁の長は、政令で定めるところにより、補助金等の交付に関する事務の一部を各省各庁の機関又は都道府県の機関に委任することができる。」この条文に基きまして、先ほど申し上げました大蔵省との協議が終って、あとの告示その他の手続をなす段取りにきている、こういうことでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 政務次官もお見えになっておりますからお尋ねしますが、第二十六条の「事務の委任」ということと、責任の所在ということとは、私は法的に若干解釈が違うのじゃないかというふうに考えております。たとえば、事務を委任したからといって、その一事務官の責任だけで、過失があった場合のことですが、一事務官の責任を追及するだけでとどまるのではなくて、やはり中央にある者がその責任を十分に痛感し、また地方の出先機関の長が十分にその責任を痛感する処置がとられなければならないというふうに考えておりますが、事務の委任ということと、その責任の所在ということとはどういうふうに区別して考えておられますか。御意見を承わっておきたいと思います。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(長谷川四郎君) 御指摘の通りで、出先の機関が、中央でやったんだからというような観念が今までややもすればありはしないかというような憶測もございます。なおそういう点から責任感というものが一そう強まっていくのではないか、従って監督も十分自分の責任においてできるのではないか、こういうふうに考えておると思うのでございます。私の考え方はそういうふうに考えております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 そういたしますと、この千九百八十一から千九百八十八番までのこの国庫補助金の交付についての処置について資料が渡されておりますが、どのページをめくってみても、駒形作次なる者の名前が出てきておる。これはどういう形か知りませんが、退職させられております。そこで政務次官のさっきの御報告にあるように、それぞれの項目について百二十万の返還、九十万の返還、六十万の返還、五十万の返還というふうに未回収の分があるにしても、会計経理上の処置として、補助金の返還が督促され、またすでに完納されているものがあるように見受けますが、徴収官の駒形作次だけがなぜ退職しなければならなかったのか、駒形作次氏なる、徴収官の所属する責任者は一体だれなのか。それから会計経理上の処理についてだれが責任を持ってこの金を今返しつつあるのか、返したのか、私はそういう点について十分にわかりませんので、わかるように説明をしていただきたいと思います。

黒川眞武工業技術院長

○政府委員(黒川眞武君) ただいま御指摘の駒形作次氏は、私の前任者でございまして、工業技術院長をもとしておったものでございます。その当時のこれができごとでございましたので、駒形作次氏ほか、その関係の調整部長その他に厳重注意を与えました結果が、御報告申し上げていることだろうと思っております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 もう一つ、そうすると駒形作次氏は、これは工業技術院長で、こういう問題のために責任を負ってやめられたと、こういうふうに解釈していいのですか。

黒川眞武工業技術院長

○政府委員(黒川眞武君) それはそのことではございませんで、その問題が起りましたときにはすでに退職しておられた。もう少し詳しく申しますと、原子力研究所長に移っておりまして私がそのあとを継いでおりました。従って私が、当時在職しておりました者につきましては厳重注意を与えました。それから退職しておりました駒形前院長につきましては、こういう事件があったということを厳重に申して、報告してあります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 どうもそこいらがはっきりいたしませんが、そうすると千九百八十一から千九百八十九までですか、これらの事件は、駒形作次氏が工業技術院長の時代に起った問題ですか。

黒川眞武工業技術院長

○政府委員(黒川眞武君) さようでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 そうすると駒形作次氏はその事件のためにおやめになったのではなくて、原子力研究所長に栄転するためにおやめになったということになるのでありますか。これはどなたに聞いたらいいか、後任者に聞くのもおかしいし、政務次官にお尋ねしたらいいと思いますが……あなたはいいですよ。あなたは気の毒だからよろしい。政務次官答えて下さい。(笑声)

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(長谷川四郎君) 駒形さんのおやめになった理由というのは、ただいま院長から申し上げた通りでありまして、この事件があったからそれで責任をとっておやめになったというのではないと聞いております。原子力研究所に行ったことが、果して栄転かどうかという点については判断によるものと考えます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 それは判断の自由にまかせるということで落ちになるよりほかないと思いますが、私は長く教員をしておりましたが、教育者の世界では、司法事件が起ったときにはやはり現場の責任者というものが相当に峻烈に責任を追及されておやめになる。けれども、それはそれぞれのいろいろな時と場合によるのかもしれませんが、問題を起した場合に、ややもすれば栄転して、その責任の所在がはっきりしなくなってしまうことがよくあり得るのです。駒形作次氏がすなわちそうというのではないのですけれども、こういう問題が現実に起ってきた場合に、長谷川政務次官もこれについて的確な判断を持って御答弁できないものでしょうし、政務次官としての責任ある答弁もできないでしょう。どうも奥歯に物のはさまったような非常に不愉快な気持をしてこの質問を終らなければならない。これを残念に思う。決算委員会としてはこういう重要な資料をちょうだいして、こういう一番急所なところにきた場合に、だれにこれを尋ねていいかわからないというところに、私はいろいろな問題がやがてあとあとに続いてくるのではないかというふうにさえも思われてならない。しかし、これをだれに聞いてだれに責任を追及していいかわからない。大へん悲しいことです。ですからこれについての質問を私はこれでもって私自体はやめますが、また私も十分こういう問題については研究さしていただきたいと考えております。  それについてさらにもう一つ伺っておきたいことは、千九百八十二の場合、政務次官は百二十万の返還はすでに終ったということを御報告されておったのでありますが、この返還はだれが返還をするのですか。またまだ返還し得ない相当の金額は、これからどういう方法でだれが直接責任をもって返還するのか、このあたりをもっと明確に知らしてほしいんです。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) 千九百八十二は、補助金全額百二十万円の返還を命じまして、昭和三十一年十二月までに十五万円の納付がありまして、目下鋭意回収に努力中という御説明をいたした案件でございますが、本件は被交付者はすでに他の債権者から、銀行でございますが、目ぼしいものを抵当権が設定いたしてありました関係上取り上げられまして、現在では資力がほとんどなくなっておるのでございますが、被交付者の新日本化工の社長は他にも営業をいたしておりまして、私どもはこの研究の動機につきましては、あるいはその効果につきましては自信を持っておったのでございますが、主任技術者の死亡その他で、ただいま申し上げるような状況になったわけでございますが、この社長と話し合いまして、社長の方も、法人は別でございますが、個人といたしましては道義的な責任を感じ、残額につきましては一応の返済計画を立て、またすでに納めました十五万円につきましても、その返済計画に基いて二期に分けて十万と五万ずつ納めたわけでございますが、今後の残額につきましても、それぞれ本年度中に、今のところでは十一月ごろに目標を押えまして当方に回収をすると、そういうことで事務を進めております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 そうすると交付先が直接責任を負ってこれを返還していくということになるわけですが、資力がない場合は、これは幾ら督促してもないそでは振れないということで、返し得ない場合だってあり得るわけですね。だからこそこの交付するときに責任を持たなければならない工業技術院長の責任は、私はずいぶん大きかったと思うのに、今や原子力研究所長に栄転をされて、このあとの問題に結果として砂をかけてしまっているということについて非常に遺憾の意を表したいわけであります。特にとの千九百八十一から千九百八十八は、しろうと目に考えても相当悪質なものですね。営業費に流用しているとか、それから実際は交付したが、物を買っていないとか、実にこれは私から言わせれば悪質なものだと思うんです。なぜならこの工業技術とか、あるいは工業化の試験を奨励助長するための補助金、実際現場の研究をしている者にとっては非常にありがたい金であり、とうとい金であるにかかわらず、こういったような仕儀をしでかしたということについては、まことに遺憾きわまりないものを持っているわけですが、実際問題として、今までの経験から徴しまして、千九百八十一から千九百八十八までの未回収の分は、これは確かに昭和三十二年度何月までに回収し得る可能性を持っているものでしょうか、もしこれが回収し得ない場合にはどういう措置をこれはとるものでしょうか、この際参考のために伺っておきたいと思う。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) お答えいたします。回収に当りましては、私どもは法的には最終的に法務省に依頼いたしまして、民法上の手続に従って回収するという手があるわけでございますが、しかしそれ以前におきまして多くの場合、ただいま悪質のものとして御指摘も受けました手前、お言葉を返すようなことでおそれ入りますが、千九百八十二の案件にいたしましても、たまたま京都大学の方の指導をいただいておりました若い主任技術者並びに熟練工であるそのおやじさんが不幸相続いてわずかの月の間に死んでしまった、なおそのあと技術者の補充をつけてやろうと、われわれもまたやりなさいということでやりましたけれども、たまたま二十九年度で会社の業績が上らなかった、こういうようなことで、その会社といたしましては、まことに申しわけない不始末をしでかしており、なおこの補助金につきましては、国から交付される補助金以上の額を被交付者が自己負担といたしまして自己の資産を出し、あるいはこの場合ですと四国銀行から借りてやっておるわけでありますが、そういった他の債権者が財産類を取ってしまう、そういう場合に法的に訴えましてもなかなかいかない場合が多いのでございますが、取り立て得ない場合が。それで私どもは、研究者でございまして、最初から詐欺の意思をもって私どもに申請書を出してくる方は絶無でございまして、十分に研究の遂行の熱意もあり、なおそれ以上国に迷惑をかけましたことにつきましては道義的な責任を感じておりますので、極力社長あるいはその他の資力のある役員の方々ともお話し合いいたしまして、たとえ分割でも、あるいは多少期間をかけましても、極力良識的な方法で金を取っていくというあれをいたしております。なお経営者が変りました等で、相手方の誠意が認めがたい、誠意がないのではないかというようなものにつきましては、迅速に法務省の方にお願いいたしまして民事上の手続に移す、こういうふうなあれで努力いたしております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 後学のために会計検査院の方にお尋ねしておきますが、国の補助金と民間資本とが協力態勢という形で仕事した場合にいろいろな問題が起りやすい、特に千九百八十一から八十八までの項目を見ると、営業費または事業費、こういうものに流用している面がかなりあるわけですけれども、なぜこれは営業費とか事業費の方にこういうものが流用されるのか。最も大きなその原因はどこにあるのですか。検査院の方でその原因がわかりましたらお知らせいただきたい。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) ただいま工業技術院からの御説明もありましたように、ここに問題となっておりますものが必ずしも当初から国を欺罔するというようなものであったとは考えられません。しかしながら、最初の計画が経済界の変動だとか、それからそれぞれの事業の運営がうまくいかないために資金難に陥って、研究どころではない、自分の会社の事業を曲りなりにでも運営したいというようなことから、悪いこととは知りながら研究を放棄して、営業費に流用しておるというような事態のものと考えます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 経済界の変動によって結局まあ資金難に陥った、こういうことになると、やはり先ほど会計検査院が指摘されたように、交付前における調査、そういうものに重点が置かれなければならないという結論になるわけでしょうね。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) さようでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 わかりました。その次にもう一つお尋ねしたいのですが、これは千九百九十の分に関してであります。検査院の報告に基きますと、これは輸出に対する自己資金の補てんではなかった、買掛金の弁済にこれは充てられたのだ、こういう説明がされたのですが、要約すると輸出済みのものに対して保険金を支払ったという、このことは大へんな正しくないことだと私は思うのですが、この報告書に基きますと、その末尾に次のように書いてあります。「同通商局が法令の解釈、運用を誤って指示を与えたことに基くものであって、」云々と、こうあるのですが、これほどはっきりわかり過ぎるほどのこの不正を、なぜこの法令の解釈あるいは運用を誤まって、そうしてその結果こういう指示によってこういうことができたのだというふうに解釈ができるのか、私には納得がいかないのです。どういう法令をどういうふうに解釈したのですか、この点をもっと明確に説明して下さい。これは検査院の方がいいでしょうか……通産省の方でしょうね。

中山賀博通商産業省通商局次長

○説明員(中山賀博君) この点につきましては、いろいろ部内でも意見がございまして、どこに、どういう点で問題があるかということについて、今、補足的に通産省として本件に関してはどういう見方をしておりますかということを一応御説明した方がよろしいかと思います。そこでこの問題は、輸出金融保険という保険でございますが、この輸出金融保険と申しますのは、銀行が保険者である、つまり市中銀行が保険者である政府と年間の保険契約を結んでおきまして、そうして銀行が輸出に必要な資金の融通を行なったことを政府に通知することによってそこに保険契約が成立いたします。それからその次に、今度は資金の使途につきまして、銀行に対し証拠書類によって、確かにそのお金は目的に使用されたのだという確認義務を課しているわけでございます。この問題におきましては、山本貿易がすでに貸付を行う前に支払っていた金の資金の補てんに一部流用して保険をかけたということでございます。つまり自己資金の補てんに、貿易上必要な、輸出の上に必要な自己資金の補てんにこの種の資金を貸しますということ自身は、われわれの見解といたしましては、輸出金融を円滑ならしめるというこの立法の趣旨がら見ましても、今後必要とする輸出資金の貸付——われわれはそれを前向き金融と申しておりますが、将来輸出をするのでお金が要るからこれに金融するということも必要でございますが、同時に、まあすでに自分のお金から出しておる、自分の資金の中から貿易の、そういう輸出をするために必要なお金を出しておった、払っておったというようなことを、われわれはこれをうしろ向き金融とも言っておりますが、このうしろ向き金融の両方にも保険をし得るということが、これは立法の趣旨からいって、また制度の円滑なる運用の上からいっても必要なことだと了解をし、検査院においても御了承を得ていると思っておるのであります。ただ自己資金の補てんの場合におきましては、いわゆる前向き金融と若干趣きを異にして行うときに、この当該輸出契約に用いられている金がどういうことに用いられるのか、つまりその金自身がどの目的に使用されるかということは、これを追及することはなかなか困難な問題でございます。それでこれは単なる今、御指摘の千九百九十のみならず、千九百八十九の問題につきましても同じでございまして、たとえば千九百八十九について申し上げますれば、銀行から金を業者がお借りになりまして、それをずっと上から落していかれるときに、これをいわゆる法律の要求しております書類だけによりますと、なかなかその実態をつかめないのでございます。そこでいろいろその添付書類等についてはまた詳細な検査をいたしますけれども、そこに間違いのもとがあったように存ずるのでございます。  そこで通産省といたしましては、本件について三菱銀行から書類も提出してもらい、そうして三菱銀行が貸付に当って、果して自己資金がその輸出契約に使用されたものかどうかについてはどうだということをよく聞きまして、この点は輸出保険契約約款の第四条ないし第十一条の二にも、銀行の義務といたしまして、「銀行は貸付等につき保険契約が成立した場合には、当該貸付等にかかる資金が輸出すべき貨物を生産し、加工し、または集荷するために使用されたことを証する書類を徴し、かつ事実と相違ないことを確認しなければならない」というふうに、銀行の義務として課せられておりますが、銀行をしてそういうものについての確認をさせまして、そうしてその確認を審査いたしまして、保険金を支払ったわけでございます。御指摘の通産局が誤まって指導したという点は、まさにこの確認についての問題でございまして、その点につきましては、確認についてどのような確認をすればよいかということにつきまして、三菱銀行が通産局に対しまして、きわめて一般的な形で照会して参りました。従ってこの当該問題についてこうこうしかじかの場合にどうだという具体的な質問でもなく、またこれに対する答弁でもございません。そうしてむろん問題は、今申し上げましたような約款の定めるところによりまして法律的な解釈を一応お答えしたと存じますので、通産局として非常に誤まって指導をしたという点は、あまり正確ではないのじゃないかというように存じ上げております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 大へん伺っていると、伺っている方がわからなくなるのですけれども、会計検査院の解釈と、そうすると通産省の解釈というのはあまり違ってないように思うのですがね。たとえばですね、この輸出に対する自己資金の補てんとして、ここにこれだけの金額が組まれた。ところが実際はすでに買掛金の弁済に、つまり輸出済みのものについて支払っていたということを会計検査院は指摘しているんだが、しかし今の通産省の話を聞くと、どうも通産省の話の方が私は正しいように思うですよ。なぜなら、貿易をやる場合にですね、輸出入のその時間的な差、そういう差でもってうしろ向き資金とか前向き資金とかいうことがきめられていくのじゃないかと思う。で、今言うように簡単にこの輸出に対する自己資金の補てんではなく、買掛金の弁済に充てちゃったというふうに言えば、なるほどこれは不正かもしれませんけれども、時によっては買掛金の弁済に充てられるような形をとることもあり得る、そうでしょう、今の御説明は……。そうじゃなかったのですか。そうだとすれば、私は会計検査院の方の解釈が少し無理なんじゃないかと思うのですがね。いかがなものでしょうか。御両所から答えて下さい。

中山賀博通商産業省通商局次長

○説明員(中山賀博君) お答え申し上げます。私の方だけいい子になりますのはあまりあれでございますから……。(笑声)こういう点に問題があったのじゃないかと私は承知いたしております。つまり確認をいたします場合に、銀行が確認をいたします場合に、検査院の方ではもう少し銀行と、それから金を借りる商社の関係から見て、銀行がもう少ししっかり内容をつかめたじゃないかというお気持だと思います。それからまあ、われわれの方といたしましては、それは結果的にこういう結果になっておるのですから、どっかにあやまちがあったことは、これは事実でございましょう。ただわれわれとしては、しかしむしろ結果ではなくて、法の運用、あるいはとにかくわれわれとしては、輸出保険というものを作っている以上、これを円滑に運用したいという趣旨からいたしまして、まあ、そこに確認に当りまして能力に限度があるということを申し上げて、そこに若干の、上から見るか、下から見るかと申しますか、この法の解釈にそういう若干の確認のやり方というか、その解釈問題についてあったんだと思うのであります。それで通産省といたしましても、しかし同時に検査院のおっしゃることは十分もっともな点もございますし、今後はそういう見方も入れまして、そうして円滑なる運用をはかっていきたい、こういうように考えております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 わかりました。結局資金の使用について、やはり確認をもっとしっかりやらなきゃならないのだと、こういうことに落ちつくわけですが、検査院の方はそれでよろしいわけですね。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) ただいま買掛金の弁済に充当してもいいじゃないかという御意見がございましたが、確かに買掛金の弁済に充当した場合がいけないというわけではございません。ただしその場合にはまだ輸出前の状態であります。そうしてこれがいろいろな状況が加味されまして、輸出不能、しかして業者が損害をこうむったという事態にならなければならない。本件は貸付当時もうすでに輸出が完了していて、保険事故が起る余地がなかったということでございます。それと今度はからんで、それの確認については異例な取扱いである……、十分に審査して間違いのないようにしなけりゃならぬ、こういうことでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 大へん問題の焦点がはっきりいたしましたので、通産省にはそういうあやまちを起さないように十分これから御注意願いたいと思いますが、政務次官、本件に対してはなかなかデリケートな解釈があるようですが、いかがでしょう。

長谷川四郎自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(長谷川四郎君) 十分その点では御注意申し上げなければならぬと考えておりますし、また銀行の方としても、なかなか銀行というものが、自分のなるべく肩がわりを、他に押しつけようなんて考えている銀行も御承知の通りたくさんございますので、その点の確認が足りなかったようにも思います。今後は十分その点は気をつけさして運用していきたいと、こう考えております。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 ちょっと関連して……。今、政務次官から最後に御説明がありましたが、それについてやるようでちょっと失礼で、むしろその前の問題に関連して伺いたいと思っているのですから、その点御了承願いたいと思います。  今の会計検査院のお話ですと、うしろ向きの金融ということもこれはあり得るのだ、しかしその場合といえども輸出完了の前のことだ、輸出が完了してからうしろ向きといえば、これはいつになるかわからないじゃないか、こういうようなはっきりした線が一つ出たわけですが、その点、通産省はどういうふうにお考えになっていますか。

中山賀博通商産業省通商局次長

○説明員(中山賀博君) お答え申し上げます。これは確認の場合にも同じことでございますが、私の方といたしましては、なるべく輸出保険の立法の趣旨を生かしまして、円滑に活用できるように、そのつど法律問題につきましては、また部内の意見を調整することはもちろんでございますけれども、まあ確認自身につきましても、いろいろ表から見るのと裏から見るのと分れておりますように、その点につきましては、今私がここで最終的に通産省の意見を申し上げることはまだできないというふうに考えております。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 それは確認の問題じゃないのですよ。確認した場合に、すでに輸出が完了しているというときにも、なおうしろ向きの金融をやる方が輸出奨励のためにいいのか、それとも輸出奨励というのだから、輸出を完了する前にこそやることが、ほんとうの輸出奨励のための保険になるのだということなのか、そこをはっきりしておいてくれと、こういうことです。

中山賀博通商産業省通商局次長

○説明員(中山賀博君) お答え申し上げます。すなおに解釈いたしまして、それは輸出が済む前のものというより、輸出してしまったものについて保険をかけるということは、これは確かにおかしいと思います。すなおに解釈いたしますれば、済む前にかけるというのがこれは当然だと思います。ただ、具体的な問題といたしましては、手形がそれじゃ回ってきた、そのときに果してこれが済んでいるか、あとかということが、なかなか事実問題として判定が困難な場合もあるのじゃないかと思われますので、そうしてたとえば、このほかのケースでもありますように、どの輸出とどの金融が結びついているかということが、具体的な問題について、しばしばこうすればこういう問題はこうなるということが起っておりますように、前とあとと、趣旨のままのすなおな解釈といたしましては、もちろんおっしゃる通りでございますけれども、そこに問題があると考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 補助金の不当事項で二、三お伺いしたいと思うのですが、昭和二十九年度の補助金の交付額が五億六千七百万円というふうになっているようですが、この補助金の実情が、一体二十九年度の場合には、一般のメーカーなりあるいは研究団体なり、そういったものからどの程度補助金要求があったのか、その実情を実は御説明願いたいと思うのです、件数並びに金額の面で。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) お答えいたします。補助金を分けまして、工業化試験に関するものと応用研究、二つに分れておりまするが、昭和二十八年度におきまして申請件数は、工業化試験につきまして百二十一件でございます。二十九年は百二十三件、それから交付件数が二十八年百二十一件に対しまして四十三件、二十九年百二十三件に対しまして三十八件、それから申請の研究にかかります総経費が、二十八年が二十六億、端数を省略いたします。二十九年が二十億、これに対しまして交付金額が二十八年四億、二十九年三億八千ということに相なっております。  それから応用研究につきましては、二十八年、申請件数六百五十六件、二十九年六百八十六件、交付件数は二十八年二百七十七件、二十九年二百六十六件、研究総経費が二十八年十六億余でございます。二十九年十七億、交付金額が二十八年一億九千九百万、二十九年一億八千七百万、こういうふうになっておりますが、なお補足さしていただきますと、本補助金始まって以来、すなわち昭和二十五年以来両補助金を通じまして申請件数が六千四百五十七件、交付件数が千九百六件、総経費が約二百億、交付金額は、すなわち補助金のトータルが三十一億、こういうあれになっております。これは三十一年までの数字を見ておるわけでございます。

久保等日本社会党

○久保等君 そこで申請のあったものの中から選択をするわけなんでしょうが、その方法はどこでどういう形でやっておられるのか、まあ確かに技術院でおやりになる場合、技術的な面については、これは非常に専門家でもあるし、専門部門でもありまするから、比較的問題が少いと思うのですが、ただ会計検査院で指摘せられております問題は、補助金の交付の仕方がまずかったといったような経費の面、金額の面になっていると思うのですが、そういったようなことについてもどういう、一体交付するときの条件の調査、それからまあ資力の問題、こういったようなことはどこでどういう方法でおやりになっておるのか、その点についてお伺いしたいと思います。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) 私から概略を申し上げますと、まず三十二年度の例をとりますと、三十一年度の間に三十二年において補助金を出すべき重要テーマというものをあらかじめ各界の意見を総合いたしましてきめまして、これを補助金でございますから交付要領を当然省議決定いたしますが、交付要領の中に重要研究課題、これを掲げまして、それを各地で説明会等を催しまして周知徹底いたしまして、大体二月の末までにもよりの通産局ないしは本省に提出させるわけでございます。ここで提出を受けまして、補助金交付要領の中には、今の重要テーマのほかに、さらに研究を進める場合の会社側の研究計画の内容、あるいはただいま御指摘のございました、会社側で果して自己負担分の経済負担に耐え得るかどうか、あるいはそれに該当する技術者を持っておるかどうか、あるいはさらに大学の研究機関等の指導を受けておるならばその旨、大よそ考えつくほどのことは書面で全部伝えさせまして提出させます。なお、その後事情の許す限り、すなわち人員、経費の面がございますが、記載事実と実態との照合、これは事前の審査でございますが、それをできる限りやりまして、受け付けました通産局はこれを本省に意見を付して進達してくる。それからあと、どの申請を取り上げるかという段階になりますと、省内の手続は、各担当の重工業局あるいは軽工業局等その他の、いわゆる所管の原局でございますが、その方にも回しまして、なお制度的には申請を部門に分けまして、機械部門あるいは金属部門、化学部門に分けまして、大体通産省として実態——審査のできる範囲のことは一応調べておきまして、なお省内の会議のほかに、学識経験者、多くは各大学研究機関の先生方が当られますが、それと実際の経営方面の経験を持たれました技術者の方、この方を入れまして、会議を部会別に設けまして、省内の審査に並行いたしまして、その審査を仰ぎ、おのおの採点をしていただきます。なお別途私どもの所管いたしております十一の試験所長、この方面の最終の技術的な意見も徴しまして、並行的に審査して参りまして、最後に各部門ごとに合同審査を——外部の人並びに通産省内の担当者が入りまして、合同審査をいたしまして、実態上の審査を終えましてから、最後に省としての省議にかける、こういうふうな経過で審査いたしております。

久保等日本社会党

○久保等君 その決定権はどこにあるのですか、通産省の中の工業技術院にあるわけじゃないですね。何か今いろいろ委員会やら、あっちこっちで学識経験者、そういったものを集めていろいろ意見を徴するということはわかるのですが、最終的にどこがそれに対する認可許可の権限をどこが持っておられるのか。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) ただいま説明が渋滞いたしまして恐縮でございますが、決定いたしますのは、省議の手続を経ますが、通産大臣でございます。途中のいろいろな事務手続と申しますか、庶務的な事項を、その部署において意見具申を工業技術院としてもいたしますが、決定は通産大臣でございます。

久保等日本社会党

○久保等君 そうしますと、特に資力あるいは自己負担能力、そういったようなものは、これは地方の場合には通産局あたりでやられるでありましょうが、通産局のどういった機構で、事実どういう扱い方で調査をしておられるのか、今の御説明だとほとんど書類、そういったようなものを中央で検討するということになれば、おのずから書類といったようなことで、間接的な机上の調査といったようなことに重点が置かれると思うのですがね。しかしそういったことではなかなか資力、自己負担能力といったような実態を把握することは、非常に困難じゃないかと思うのですがね。そこでそういう点については、特にどういうところで、どういう形でやっておられるのか、技術的な適否という問題は一応ここでは抜きにして、そういった面だけについて一つ御答弁、御説明願いたいと思うのですがね。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) 地方通産局の総務部の中に技術課というのを設けてございまして、ここに人員を擁しておりまして、なお、この補助金の執行にかかります経費等についても、いわゆる標準予算以外に配付を受けておりまして、その人員と経費をもちまして申請書を受理する際の、受理して中央に申達する際の事前の調査、それから決定したあとの交付の時期その他についての調査、それから監査、こういうのを通産局の技術課でやっております。

久保等日本社会党

○久保等君 具体的に二十九年度の場合、ここに指摘されておりますような案件が上っておるわけなのですが、地方の通産局の技術課でおやりになっておるという御説明だったと思うのですが、会社なり、それからそういったメーカー、研究団体、そういったようなところの経済的な能力、これらの調査について、現在のような状態で十分にそういった実情の把握ができ得るとお考えになっておるのか。それともやはりなかなか思うにまかせないというのが現状なのか、その実情はどうなっておりますか。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) お答えいたしますと、当初のころは、ただいま端的に御指摘がございましたように、技術課がややともしますと技術的な審査という面に目をおおわれておったのは事実でございます。しかしその後、私どもが内部監査をし、また逐年会計検査院の方から御指摘を受けまして、反省努力を加えまして、会社の経営の実態、あるいは景気の変動に伴う会社の競争力、そういったような点はなかなか一技術課のみをもってしては参りませんので、もちろん技術課は通産局長に対して責任を負っておるわけでございますが、商工部等の今度は会社の経営面の実態を把握しておる部面の方の意見を総合して、特に支払い、自己負担分あるいは会社経営者の技術に対する信念、担当者は非常に熱心でございましても、技術者は熱心でございましても、経営者の技術に対する指示の有無、そういった点を念を入れるように指導しておりますが、何分十分な点までこれが実施し得る状態にあるとは率直に申しまして申し上げられない状態でございます。

久保等日本社会党

○久保等君 先ほど来の御説明を聞いておっても、どこが中心になって、それでどういった方面の意見を十分に聞き入れてやっておられるのか、どうも技術的なことだから工業技術院でということにもなるかと思いますが、しかしそれは技術的な立場で検討を願わなければならぬと思うのですが、同時に補助金を出していいものかどうなのか、という問題になってくると、当然補助金を交付したのちにおける管理という問題も、これは十分にやっていかなければならないと思うのですが、そういう点から考えますと、補助金という問題の扱い方としては、何かもう少しすっきりした機構をもってやれるようなことにしないことには、何かどうも大勢集まって合議されて、貸すということになったんで、だれかれの意見なり、だれかれの権限で実際の貸す貸さないという結果がきまったんだと言い切れないような、何かこうちょっと漠としたような印象を受けるのですがね。特に地方通産局における技術課が中心になってやられるといっても、それも申請を出されて、技術的にそれが一体研究に値するものかどうかといったようなことについてはもちろんよくわかると思うのですが、今私の言っている事後管理の問題、経済能力の問題これらにしてもやはり何か地方通産局は通産局なりに、何かもう少しどっかが中心になってやる機構的な問題が必要じゃないかという気もするのですがね。そういった機構問題について十分検討しなけりゃならぬというふうに今お考えになっているのでしょうか、どうなんですか。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) ただいま御指摘のこの補助金の交付を組織的にすっきりしたものにしてはいかがかという御指摘に対しましては、私どもその通りと思っております。で、やや詳しくなりますが、その方法といたしまして、ただいま通産局の方の問題を申し上げましたが、私どもこの工業技術院といたしましても、通産局にだけ今制度的に権限委譲をやって通産局におんぶするような格好になっては参りますが、やはり工業技術院として庶務的な事項はまとめていかなければならないという点が一点と、次にこの補助金があくまで研究の完遂を目的といたしておりまして、補助金を交付いたします際に、予定いたしております設備の購入を主といたしておらないのでございます。すなわち研究者が途中で研さんを加えた結果当初の機械類を変えていかなければならない、あるいは買う前にいま一歩基礎研究を、実はここのところをやっておかなきゃならぬというような事態が出てくる場合が非常に多いのでございまして、その点が他の補助金と異りまして、交付した以上交付申請書の機械を購入すればそれで終りというものでなく、あくまで設備は手段でございまして、研究の完遂というところにこの補助金の使命を見出さなければなりませんので、その辺改良を加えまして、人員、経費、ただいま申し上げました点かみ合せまして、私ども毎年工夫をこらしておりますし、今後も実施いたして参りたいと思っております。

久保等日本社会党

○久保等君 まあ非常に技術研究ということになってくると、既成のものを製品として作るという問題じゃないのですから、今言ったようなやはり発展の過程、実情に応じて当初の予定よりは変っていくととは、これは十分にわかるのですが、そうなって参れば参るほど、技術的な面に対して一つ考えてみても、普通の場合と違って非常に高度な管理というか、そういうことが必要になってくるのじゃないかと思うのです。現在の工業技術院というのは、あまり出先というものを地方には持っておられないと思うのですが、適宜、随時地方等に出られて、工業技術院として指導といいますか、いい意味での指導なり、それから一体効果的に補助金が使われておるかどうかといったようなものを、工業技術院自体としての立場でも相当活溌にやっておられるのですか、それとも地方の場合は、もう通産局にほとんどまかせてしまって、技術課もあることであり、ほとんどこれは地方にまかせてしまっておるというような実情なんですか。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) ただいまの点はもちろん通産省の傘下の工業技術院でございます点は論外といたしまして、地方通産局の技術課の強化に当りましては、特にこの補助金問題が中心をなしますので、工業技術院本院でこの業務に経験を持ち、あるいは直接補助金に関係いたしませんでも、少くも工業技術院に籍を置き、この業務を知っておる人を技術課長として出し、あるいは技術課員を、そういう人をもって充当していく、こういうふうな方針をとりまして、本省官房の御協力をいただきまして、人事の面で強化いたしておるのが一点でございます。  それから次に、工業技術院自体が全国に、通産局の中に手足を持ちまして、なおこれと密接な関係を持つために、工業技術院自体のものが、全国に動き得るように旅費等の要求につきましても、他の事業に比べまして相当の配慮を、もちろん乏しいものでございますけれども、配慮をいただいておる、一応動き得る態勢にあるのが実情であります。

久保等日本社会党

○久保等君 今の御説明を伺っておって、十分今後この問題の事故発生を防止するという観点から考えても、もう少し何か機構的なもの、組織的なものについても御検討願う必要があるのではないかという私は印象を持つのです。まあその点は一つ十分にお考えをいただくこととして、もう一つ伺ってみたいと思うのですが、やはり技術の導入といいますか、外国から持って参ります場合のドルの割当、こういったものが——先ほどの補助金の問題は国内的な問題だけですが、国際的な場合の何といいますか、外貨の割当が、相当通産省として、こういう技術的な面からする技術行政の点から非常に大きな問題だと思うのですが、直接この会計検査院の指摘事項とは違うのですが、これが一体どの程度おわかりになる年度、まあ二十九年度、三十年度、三十一年度くらいのところで、どの程度の金額に上っておるのか。それからまたこれの割当を決定せられる場合にどういう機構でどういう方法で割当をやっておられるのかお伺いしたいと思うのです。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) お答えいたします。外国技術導入に関しますまず件数と大よその金額を申し上げますと、昭和二十五年から三十年までで一千一百件ございます。これに支払いましたロイアルティは二百七十億という金額になっております。なお、昭和三十年だけを取りますと、百八十五件、金額にして約七十二億円という実情にございます。なお、技術導入の審査に際しまして、工業技術院といたしまして果しておる役割だけを申し上げますと、通産省としての技術導入申請に対する態度を決しますに際しましては、案件は逐一工業技術院に送付いたされまして、そこで純粋に技術的な面からこれが可否につきましての意見を述べる機会は工業技術院といたしましては制度的に持っております。

久保等日本社会党

○久保等君 通産省の関係の方はあるいはおいでにならないのかもしらぬのですが、その外貨の割当の問題についてのなお残された点、御説明願えますか。

中山賀博通商産業省通商局次長

○説明員(中山賀博君) お答え申し上げます。外資の導入に関しましては、御承知のように外資委員会というものがございまして、これは大蔵大臣並びにその業種によりまして主管大臣の諮問機関という格好で運営されております。それから具体的に外貨を割当いたします問題につきましては、これは外貨予算の問題といたしまして、最高機関としては閣僚審議会が決定いたしますが、その下部機関としては貿易外出資の面として主として大蔵省あるいはその当該の問題によりまして通産省その他が割当に当っております。

久保等日本社会党

○久保等君 それは全般的な外貨問題だと思うのですが、通産省で特に技術導入に関連した外貨の割当、これについては形式的には今のようなことで最終的にはきめられるのだと思うのですが、そうじゃなくて、先ほど御説明のあったたとえば昭和三十年度ですかの七十二億といったような非常に膨大な金額についてのいろいろ選考なり審査なりというものを実質的にやられるのは通産省じゃないかと思いますが、その点はいかがなんですか。技術的な問題が含まれているために特に……。

出雲井正雄工業技術院調整部長

○説明員(出雲井正雄君) ただいま外資委員会関係あるいは外貨予算関係の概略的なことは重複いたしますから省略いたしまして、具体的な個々の案件の処理について七十二億円、これは一件丸々の積み重ねで出て参ったわけでありますが、その一件丸々の処理の御質問と解釈いたしましてお答えいたしますと、技術導入についてのおそらく九五%までが通産省関係と承知いたしておりますが、個々の案件はそれぞれ通産省の所管の課にまず提出されまして、一応そこで下調ぺのようなことをいたしますが、正式には企業局の方にこれは提出されておるわけでございます。これは技術導入、いわゆる特許関係あるいはノー・ハウ関係の無体財産権関係のものでございます。それ以外のロイアリティを含んでの個々の機械類、そういうものは除外されます。これは別の組織で処理されますが、各現局と申請者と一応の下打ち合せをし、企業局に正式に書類が出ますと、あるいはこの正式な書類は日銀に出すかもしれませんが、私どもの手続関係だけを申し上げますと、実態関係では企業局あるいは各現局から私ども工業技術院の方に技術的見地からの意見を請う、こういう照会文書が参りまして、それに私どもの方が答えておる。それが企業局の方にまとまりますと、所定の手続を経て外資委員会の幹事会あるいは委員会に出る、こういうことになっております。

久保等日本社会党

○久保等君 具体的の問題は二十九年度では指摘されておりませんから、私は質問をあまりこまかくやろうとは思わないのですが、たしか一昨年だったと思うのですが、その外貨問題をめぐって不正問題が発生をしたというふうに新聞その他で報ぜられておった。これは三十年度決算報告あたりに出ているのでしょうか、これは会計検査院にむしろお尋ねした方がよいのですが……。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) 三十年度決算報告には掲載されておりません。

久保等日本社会党

○久保等君 きょうはあまり時間がないようですから、私は三十年度決算のところでお尋ねすることにして終ります。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ほかに御質疑はございませんか。——御質疑はないと認めます。  では通商産業省の部、検査報告批難事項第千九百八十号から千九百九十四号までの質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  速記を止めて。    〔速記中止〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) では速記を起して。   —————————————

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 運輸省の部を審議いたします。  検査報告批難事項は第千九百九十五号から第二千二十九号までであります。  本件に関し御出席の方は、会計検査院第五局長上村君、第三局長石渡君、運輸大臣、佐藤官房会計課長、粟澤海運局長、天埜港湾局長の諸君であります。  まず、会計検査院から御説明を願います。

石渡達夫会計検査院事務総局第三局長

○説明員(石渡達夫君) 御説明申し上げます。  二百八十一ページに、二十八年度検査報告掲記事項事後処理状況についてという項目がございますが、これは、二十八年度に検査をして検査報告に掲記した事項が、その後どういうふうに直されているかという状況を見たのでありますが、そのうち、補助金を返還または減額するというものが二十六件ありまして、この二十六件が三十年九月末現在におきまして、十四件が処理済みになっております。それからまた、手直しまたは補強することとしたものが五十三件ありますが、そのうち工事が完成したものが二十件。それからそのほかの三十三件は、三十年の二月、実地検査当時には工事中または未着工になっておりましたが、その後三十年九月末現在で調べましたところが、三十三件のうち、二十九件は工事を完成しているという報告に接しております。  次に離島航路補助金について御説明申し上げます。  二百八十一ページの一番末行に出ておりますが、この離島航路補助金につきまして、二十八年十二月から三十年四月までの間に七千六百万円ほどの補助金を交付しておりますが、これにつきまして、会計検査院におきまして、十三事業、二十一線分について検査をしたのであります。その分の補助額が大体四千五百万円でありますが、この検査をしましたところが、一般的に見まして、各船会社の帳簿の整備が十分でない。それで、その帳簿から、離島航路分の収入、経費を帳簿から抜きまして、それに対して運輸省がきめておられますところの離島航路補助基準によって、会計検査院が、正しいか正しくないかということを検討したのでありまするが、さっきも申し上げましたように、基礎になる帳簿が必ずしも十分に整備されてないという実情でありまして、また離島航路の補助基準と申しますものも、中には不合理な点もあり、それに当てはめて超過した額がすぐに返還をする額というふうに踏み切ることは、検査院もどうかと思いまして、とにかくまず第一に、帳簿を十分に会社が整備をするように指導をされて、その上でなるべくは帳簿の実地について検査をされて、補助基準を当てはめる、こういうふうに、単なる机上ではなくて、実地についてもう少しよく見、よく検討をされることを要望している次第であります。この補助金は、離島航路整備法という法律に基きまして出しているのでありますが、この離島航路整備法ができましたのが昭和二十七年、それ以降の補助金でありまして、まだ会社も十分になれない点もあった、指導する運輸省においても不十分な点があったように見受けられます。その後運輸省におきましては、ここにあがっております四百二十万円という金額が、一応の数字としてあがっておりますが、大体この線によって会社から自発的に補助金の返還をさせるように進行をしておられるようです。  次に、公共事業に対する国庫負担金等の経理当を得ないもの、千九百九十五から二千二十三号までですが、これは主として運輸省関係の港湾工事等に対する災害復旧等を中心に検査をしたのでありますが、二十八年からみまして二十九年度はだいぶよくなっておりまして、二十八年度は会計検査院が検査をした個所に対して、不当工事の件数が二二%になっております。しかるに、二十九年度はこの比率が五。二%というふうに著しく上っておりまして、工事をする当事者及び運輸省の指導監督、これがだんだんよくなってきたように思われます。ここにあがっておりますのは、五十二工事、千六百万円があがっておりますが、二十八年度は百五十七件、五千百万円、こういう不当金額があがっております。なおしかし、こうした不当の工事がありましたことはきわめて遺憾でありまして、こうしたことが起りましたのは、主として市町村が施工する場合に、市町村の監督能力が十分でないというような点もありまして、また一つには、なるべく市町村の苦しい財政のために補助金をよけいもらいたいというような傾向もありまして、こうした結果になっております。また府県等におきまして、府県が施行する工事におきましても、若干不当事項が上っておりますが、これは府県は相当にりっぱな技術陣容も持っておりますし、こうした出来高不足がありますことはきわめて遺憾に存ずるのであります、以下例がずっと上っておりますが、例の説明は、一つ御質問がありました場合に御説明申し上げるようにしたいと思います。  次に、二百八十六ページに、二千二十四から二千二十八までですが、二十九年発生災害復旧事業の査定額を減額させたもの、これについて御説明します。この災害が発生した場合に、工事に着手する前に、運輸省の決定について、いいか悪いかということを検定しまして、国が不当な債務を負わない、事前にこれを防止するということが非常に効果が上ると認めまして、二十八年度からこうした検査をやっております。二十九年度も検査をしたのでありますが、この分につきましても、当局の指導、工事施行の地方公共団体の自覚に待ちまして、だいぶよくなっておりまして、二十八年度は不当な工事が、会計検査院が見た個所から見まして二〇%、不当工事の金額におきまして七・六%となっておりましたが、二十九年度は個所で一一%、二〇が一一になっております。金額で二十八年度の七・六が二・五、こういうふうに改善されております。  それから例がずっと上っておりますが、例の中で少し性質のよくないものを申しますというと、二千二十四号です。これは農林省と運輸省の部分が重複して査定されているものでありますが、申請をした硯港災害復旧の工事、当事者豊島村でありますが、この申請をしたのは、農林省に対しては豊島村土地改良区理事者として申請しておりまして、運輸省に対しましては村長として申請をしております。しかもこれは同一人でありまして、申請の日付もあまり変らない。それで査定をしましたのは、農林省の査定が二十九年六月の二十六日、運輸省の査定が二十九年十月二十日、こういうふうになっております。査定も大体相前後してダブって査定がいっているのでありますが、この場合におきましては、あとから査定しました運輸省の工事を廃止というふうに決定して始末をつけた次第であります。  あと対象のない災害を査定したもの、あるいは設計過大のものが数件上っておりますが、御質問があった場合に御説明するようにしたいと思います。以上であります。

上村照昌会計検査院事務総局第五局長

○説明員(上村照昌君) 運輸省の一番最後の二千二十九号、外航船舶建造資金貸付利子補給金に関するものを御説明申し上げます。この利子補給金は、金融機関が外航船舶建造のために融資されたもののうち、乗り出し費用、あるいは当初契約船価の低減のあった場合、これら等を除いた金額に対しまして、金融機関の通常の融資利率と年五分との差額の範囲内で補給金を支給するものであります。検査といたしましては、一部のものを除きまして検査したわけでありますが、その結果、契約船価の低減があったものに、そのまま補給金を支給しておられるものが十四事項、金額にいたしまして七千百余万円ございます。これらのものにつきましては、今後の利子補給につきまして影響して計算すべきものでありますと同時に、すでに支出せられました利子補給金のうち、この低減額に応じまする三百余万円は返還を要するものであります。なおまた、金融機関から融資を受けた建造資金で、造船所に対し支払いが非常におくれておるものがございますが、これらにつきましても利子補給を低減する必要があると考えるのでございます。ここに掲げましたものにつきましては、その後全部是正措置がとられておるのでございます。以上でございます。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 運輸省から説明を願います。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○国務大臣(宮澤胤勇君) 昭和二十九年度決算の不当事項について私から申し上げます。地方公共団体が施工した港湾工事の不当事項が、昭和二十六年度以来相当多数に上っていることはまことに遺憾でございます。これにつきましては、指導監督の強化、防止対策の徹底等をはかった結果、漸次改善せられ、本年度は前年度に比べ約三分の一程度に減少いたしましたが、なお引き続きこれが適正施工に努力いたします。昭和二十八年度決算報告書に掲記されました善後措置につきましては、手なおしまたは補強を要するものは、昭和三十年十月末現在、その全部を完成させました。また返還または減額をすることとしたもののうち、いまだ未処理のものについては成功認定をまつまでもなく、本年度中に概算還付として国庫に納入するよう各関係地方公共団体に指示し、早期是正をはかっております。また離島航路補助金の経過につきましては、今後必要に応じ実地調査を行わせ、指導監督を強化し、将来かかることのないように十分注意いたします。なお、外航船舶建造資金貸付利子補給金に関する経理につきましては、それぞれ是正措置を講ずるとともに、今後かようなことのないよう適正を期しております。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 補足説明があればお願いいたします。ございませんか。——それでは以上をもって説明は終ります。  運輸大臣もおられますので、大臣に対する御質疑を先にお願いいたします。御質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

久保等日本社会党

○久保等君 大臣に特別ということではございませんが、この運輸省の不当事項については、御説明にもあったように、二十七、八、九年頃の経過を見ても、相当不当事項が減少して参っていることは十分認められると思うのですが、やはりこの不当事項防止の方法としては、十分現場で、特に補助金等を交付するに当って、実地調査を十分やるかやらんかということによって相当違ってくると思うのですが、二十九年度の場合について実際どの程度実地検査と申しますか、実地調査を事前にやられたのか、そのパーセンテージ、それからさらに一〇〇%というわけには参らないでしょうが、しかし原則としてそういう方向に持っていかれることが改善策として最も必要じゃないかと思うのですが、その点についての御説明をお願いしたいと思います。

天埜良吉運輸省港湾局長

○政府委員(天埜良吉君) ただいまのお話、災害査定等は早々の間に実地検証をいたしましたので、従来は実地検査は、はなはだ十分でなしに、机上査定というようなことをやむを得ずやっておったのでございますが、これはおいおい全部実地検査をするという方針で進んで参っております。実は二十八年においては実地検査が七五%でございまして、二十九年につきましては八五%まで上げることができましたが、さらに三十年については九五%というふうに上げて参ってきておりまして、将来これは全部机上査定をなしにするということでいきたいと思っております。現在やっております方法といたしましては、日数を非常に限られて急いで査定して参りまして、天候の加減その他でどうしても離島など行けなかったような場合には、あとからでも行きまして実地検査をするというような方法をとってやっておる次第でございます。

久保等日本社会党

○久保等君 実地調査をやられてなおかつ不当事項が出ている件数ですね、これが何件くらいになっているのですか、二十九年度の場合は。

天埜良吉運輸省港湾局長

○政府委員(天埜良吉君) 大体実地検査をしたものは二十九年度の五十三件のうちあまりたくさんはないのでございますが、何件ですか、五十三件のうち二十件くらいはあるのじゃないかと思いますが、それをいろいろ調べてみますと、やはり、実地検査に参りましたときに、日暮れになってしまってテープをあやまったとか、あるいは非常に天候が悪くて、実地検査はしたんだが、読み間違えたとか、あるいは資料の提出が悪くて、実地検査の場合にも、推定などの場合でわからなかったというような場合が多いようでございます。

久保等日本社会党

○久保等君 今二十件くらいあると言われたのですが、それは人間のやることですから、完璧を期すということはなかなかできないにしても、もう少し十分気をつけてやれば、完璧な実地調査がやれたのじゃないかと思われるような問題等があって、この中で特に責任を追及して処分をされた、実地検査に当った者に対する責任の追及がなされた、言いかえれば、行政処分がなされたという問題もあるのですが、あればお教え願いたいと思うのです。

天埜良吉運輸省港湾局長

○政府委員(天埜良吉君) その点につきましては、行政処分に付するというほどのことはやっておりません。ただしこれは従来実地検査に参りまするいわゆる災害査定官というのが常時きまっておりませんでして、実は日常はほかの本来の業務をやっておる。災害が起きた場合に、にわかに査定官に任命されまして、そうして現地へ行って参るというようなことをやっておりましたので、非常に検査に当ってふなれな点もございました。そういうような点がございましたし、当委員会におかれまして、種々いろいろ御決議をいただいて御忠告をいただきましたので、それについて昨年に運輸省に港湾工事に対する検査官制度というものを設けまして、これは常に災害検査あるいは竣工検査というようなことに従事するということにいたしましたので、今後は相当成績があげ得るというふうに考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 それから先ほど第五局長の御説明のあったいわゆる造船利子補給関係の問題なんですが、何かまだ今日に至って、しかも状況が十分に把握できない。言いかえれば、当時非常に国民を驚かせたような例の造船疑獄の問題等があって、当時いろいろ検察当局で処分あるいは証拠物件、そういったようなものがまだ十分におさまるところにおさまっていないということで、飯野海運を初めとする六会社の当時の状況については、十分にまだ今日でも会計検査院の方でお調べにはなっておらないのでしょうか、どうでしょうか。

上村照昌会計検査院事務総局第五局長

○説明員(上村照昌君) ここに書いてありまする六会社のうち、飯野海運と山下汽船、新日本海運であったかと思いますが、この分については十分な調査をいたしておりませんが、そのほかの分につきましては、調査を進めて完了しておるわけであります。それからなお調査の済んでおらぬ分につきまして、利子補給の点については、その後の利子補給その他につきまして、運輸省において相当考慮されてやっておると、こういうふうな状況になっておるはずだと思います。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 資料を要求したいのですけれども、今のこの利子補給の問題について、この次の三十年度のときでけっこうでございますから、そのときまでに今までおわかりになっている資料を、わかりやすく一つ提出してもらいたいと思います。なるべく詳しくですね。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) よろしゅうございますね。

粟澤一男運輸省海運局長

○政府委員(粟澤一男君) ただいまの資料は利子補給の支給状況でございますか。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 そうです。それに関連した一切の資料を三十年度のときでけっこうですから、それまでに間に合うように出していただきたいと思います。

粟澤一男運輸省海運局長

○政府委員(粟澤一男君) かしこまりました。

大谷贇雄自由民主党

○大谷贇雄君 ちょっと一点だけお尋ねしておきますが、今の関係帳簿を押収されて事情が判明しないという中で、飯野、山下、新日本ですか、これは調査ができんで、東西汽船そのほか二社はできた、こういうことですが、それについては何ですか、運輸省の方ではこれに対する返済を要求をし、また納付しつつあるのかどうか、その点を一つ伺っておきたいと思います。

粟澤一男運輸省海運局長

○政府委員(粟澤一男君) ただいまのお話の三社につきましては、該当する事項につきましては利子補給金を返済させまして、なお、将来の利子補給金額は減額いたしております。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) じゃ速記を始めて。  ほかに御質疑はございませんか。——御質疑はないと認めます。  では運輸省の部第千九百九十五号から第千二十九号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  以上で本日の審議を終ります。  次回は明十五日、委員会の日程を変更いたしまして、労働省と大蔵省管財局の分を審議いたします。従って厚生省の分は来週以降に審議を延期いたします。  明日は午後一時から開会いたします。  これをもって委員会を散会いたします。    午後四時三十一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗