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26回国会参議院1957/02/08

決算委員会 第5号

発言数
81
登壇者
9
会派数
4
開催日
1957/02/08

会議録

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ただいまから第五回決算委員会を開会いたします。  昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。  昨日に引き続き農業共済保険特別会計を審議いたします。検査報告批難事項は千七百九十九号から千九百六十九号までであります。本件に関し、出席の方々は、渡部農林省農林経済局長、丹羽農林省農業保険課長、川戸農林省経理厚生課長の諸君であります。会計検査院からは中川第四局長が出席されております。御質疑のある方は順次御発言を願います。

久保等日本社会党

○久保等君 農林経済局長に若干お尋ねしたいと思うのですが、きのういろいろ御説明を伺ってもいるので、ダブる点は省略したいと思うのですが、農業共済の問題はずっと昔からの懸案でもあり、同時に、今非常にむずかしい問題ではあると思うのですが、しかし現行制度はすでに実施せられて約十年くらいになるようですが、その間、根本的な検討も加えられてきておると思います。きのうも、今国会に改正法律案の提出も考えておるというお話だったのですが、しかしきのう二、三の要点だけを伺った限りにおいては、果して従来の問題点に対する回答になっておるかどうか、法案そのものは、もちろん私ども拝見する段階にはないかと思うのですが、少くとも私は根本的な改革を何らか考えなければ、きのうもちょっと出ておったように、むしろまあない方がすっきりしていいのじゃないかという意見が出てくるほど、現行制度というのは現実に即さないものが、運用の面において非常に大きな何か手ぬかりがあるのか、いずれにしても、何らかここで根本的な改正を考えなければならぬ段階にあるのじゃないかと思うのです。今度国会に出されようとしている改正案というものは、一体根本的な再検討の上に立って一つの結論をもって、今国会に改正案を出そうと思っているのか。それともほんの一、二比較的簡単というか、まず手のつきやすいところから改正するという意味で、きのう説明せられた程度のものを今国会に出されようとしておられるのか、ちょっとその点について最初にまずお伺いしたいと思います。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) このたび私どもが立案中の法案は、お話のように二十二年に現行法が制定になりまして以来、世の中が落ちつかないときの状況を写象しながら、制度的に問題のある点を取り上げまして、それを一つ々々検討を加えまして、直していこうと、こういうのであります。ただ問題になりますのは、全然新しく制度を立てる場合と、従来ある制度が行われておる上に考え方を変えていく場合と、一挙に前のものを木と竹というふうなわけにはいかぬわけですが、その点においてかなりの制約を感じておるのであります。従いまして、私どもの方では、たとえば反建を建立に改める、あるいは統計調査機構を運用の上において相当活用する、あるいは終戦直後何もかも、とにかく個々農民の自主的な集り——実は強制加入ということは自主的な集りではないのでありますが、強制加入であるにもかかわらず、組合それ自体の運営がちょうど占領政策の関係等もあって、非常に、何といいますか、形式的にゆるやかになった、それらの点も直して行く、それらは組合で措置できないような場合は、市町村によってこの事務を行なって行き得る道を開く、こういうような点で相当考えたつもりであります。

久保等日本社会党

○久保等君 その改正の立案の点で相当今までのやって来た実績といいますか、状況から考えて相当な改善が期待できるというように判断しておられますか、どうですか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 私どもは相当な効果は上がるものと考えております。ただ、きのうもちょっと申し上げましたように、共済というか、ある個人の損害を、損害をこうむらない人の掛金によって共済することを法律的に強制するところに、やはり無理があるのでありますから、そういうことをせなければならないという趣旨が、各農家にどの程度まで徹底するかという問題が今後のやはりこの制度の運用がうまくいくかいかないかという一つの大きな要素をなして来るのじゃないか、こういうふうに考えております。しかし問題はやはり一筆石だとか損害評価、それから組合の運営あるいは組合費の徴収、そういう問題の関係がきのういろいろ御指摘がありましたように大きな問題でありますから、そういう点にやはり改正を加えるのでありますから、相当の効果が期待できる、こういうふうに思います。

久保等日本社会党

○久保等君 まあ根本的な制度そのものの問題についての検討は、これはまた法案そのものの出た機会に農水あたりの委員会で検討せられる問題だと思いますが、私はもう一つこの際伺っておきたいと思うのは、現行制度そのものの理解の仕方ということについて、一体農林経済局あたりでは、どういう指導を具体的にしておられるか。今言われたような一つの共済制度そのものの理解の仕方といったような根本的な問題もあろうかと思うのですが、そういう根本的な問題と同時に、運用面において、特にこの会計検査院に指摘されている事項の中でも本質的な非常に大きな誤まりをおかしたような運用、たとえば目的外に使用したというような案件が非常にしかも多数にわたって指摘せられておるのです。この会計検査院報告に基いても、目的外使用が昭和二十九年度では、調べられた案件がきのうも言われているように、四百九十二組合について百七十一組合までが、目的外使用額一億四千五百万円あまりの金額が使われたというふうに指摘されておるのです。こういったような問題については私は非常に指摘せられた不当事項の中では悪質の部類に属する問題じゃないかと思います。こういったようなことが、しかも比較的少いというのじゃなくて、三割から四割近く、少くとも調べられた組合の中でも出ておるというようなことについて、一体農林本省そのものが、どの程度こういった問題についての指導をやっておられるのか、非常に私はそういった指導面における欠陥があるのじゃないかということも考えられるのですが、どういうように農林経済局の方ではお考えになっていますか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) この制度そのものの複雑な割りに農民の理解が得られにくかったという一つの一番大きい理由が、法律制定当時にあるわけであります。それは法律の施行そのものを一年過去にさかのぼって施行したということがあるわけです。すなわち法律の施行は二十二年の十二月でありまして、その法律は二十二年作の水稲から適用したわけです。ということは、もうほとんど収穫がきまった後に法律を施行するということは、共済金の決定、掛金率の決定、引受の決定というものを結果に現わしてやったわけです。それが一番大きい理由でありまして、この制度というものは、そういうものであるのかということが、運用する人に、何といいますか、非常に安易感を与えたことがあるわけです。これは占領政策の当時であるし、それから食糧供出の非常にやかましいときでありましたから、やむを得なかったのじゃないかと思いますが、そういうことがあるし、それからさらにこの法律が市町村の共済組合というものを独立の法人で組織するようにしたのであるけれども、その大部分が市町村の協同組合と、きのう御説明申し上げましたように、うらはらになって運用されている。そういうことは共済掛金が組合の貯金から掛金に振りかえる、あるいは共済金の支払は組合員の貯金口座に振りかえる、あるいは職員の使い方でも事務所の使い方でも、一切ごっちゃになっちゃったのであります。そういうところにも、この制度の運用について非常に問題がある。それからまた昭和二十四、五年ごろまでは、比較的米価の値上り率というものは、いわゆる倍率は大きかったが——三千円、五千円、八千円、一万円と上ってきたそうしますと、掛金率は同じでも、掛金の絶対額、あるいは共済金の絶対額は大きくなってくる。そこで、何といいますか、そういうことは、一方では、農家の経済がこの貨幣価値に表現されると、実質的な農家の経済と貨幣価値に表現される経済とのかえりができてきまして、一方では、できるだけ大きい貨幣価値を表現されたものを、つまり貨幣の共済金をもらいたい、ところが一方、払う方では金額が多くなればなるほど厳密に査定していく、こういうようなことも出てきたのであります。それやこれやありまして、この十年間では、何といいますか、ほとんど毎年と言ってもいいくらい少しずつの手直しをしているのでありますが、それではこの制度を維持することができない、こういうふうになってきているのが今までの経過じゃないかと思います。  そこで、今の目的外使用でありますが、全然何といいますか、ここに会計検査院で指摘せられております協同組合出資金であるとか、農機具の購入あるいは飲食費、これはその当時というか、社会、経済の秩序が混乱しているので、それに乗じて組合の当局者が乱脈なことをやったのです。これについては、文句の言いようがない、実に困ったことなのであります。そういうことはこれは厳重に取り返すなり、あるいは正規の賦課金なら賦課金でまかなうなり、あるいは協同組合出資金なら出資金の方は、またはっきり整理をし直すということが考えられるし、また実際指導してきておるのであります。しかしこれらはなかなかむずかしい問題がありまして、後年度、協同組合の営農資金の貸付の方でも同じような問題があるので、二十八年の風水害、冷害で低利資金を貸しましたら、協同組合の方でそれを消防ポンプを買ったとか、学校を建設したとか、あるいは全然農家には貸さないで、ほかの方の高金利に組合が回した、そういうふうなことがある。一般的に終戦後の混乱のあとを受けて、組合の理事者が安易乱脈に処置した、こういうことになったのではないかと考えます。それらはもうぴしぴし厳重に私の方ではやってきておるのであります。戦後十年と言っておっても、もう言いわけはできないじゃないか。これはあらゆる機会をつかまえまして、共済組合だけでなく、農業団体一般について厳重に処置しておるのであります。

久保等日本社会党

○久保等君 今、局長の御説明でも抽象的には言われておりますが、しかし何かもう少し具体的に——ここでは農業共済だけの問題ですから、農業共済の問題でお伺いしておるのですが、しかしこの問題は先ほども申し上げたように、制度的な根本的な問題もありますが、同時に今私が特に指摘しておる問題なんかは、非常にやはり指導面でうまく指導してもらわなければならない最たるものではないかと思います。従って農業共済の目的から逸脱してしまった、目的外に費消されるというような問題は、これはやはり指導性の如何によって、だいぶ違ってくるのではないかと思います。結果、そのものをてきぱき処理しておるとか何とかということですが、それは会計検査院から指摘されたような問題についての処理のことは当然だと思いますが、そういうことの起らないように、事前にもう少し本省そのもので、各府県の関係当局に指導するなり、さらにまた全国的な何らか具体的な方法をやはりお立てになって指導しておられるものだと思いますが、しかし今の御説明程度だと一体どういうことをやっておられるのか。しかも法の制定せられた当時の状況は当時の状況として、まあそれもつい二、三年前の問題じゃないので、もう十年近くにもなろうという状況なんですから、その後だんだん経過を迫って改善されておるという経過にでもなっておれば、これは一応了とできると思いますが、五十歩百歩、年々歳々、毎年同じことを繰り返され、しかも先ほど言ったように数字的に見てもむしろ半分近い、四割近いくらいの比率になっておると思います。こういうようなことはおそらくやっておられる組合の関係者の諸君も重々わかっている問題だと思います。そういうことについては、特に私はもう少し何か指導を効果的な方法で考えていくならば、何もかも全部よくしろといってみても、農業共済の問題について、全部についてよくしろと言っても、これは言うべくして、なかなか困難な問題だと思いますが、しかし今指摘されているような問題については、この中でも特に重点的指導を行う必要のある問題ではないかと思うのですが、それについてもう少し具体的な、やられた事実があるならば、一つ御説明を願いたいと思うのです。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) もちろん組合の指導の強化については、私どもの方でも、府県連合会、組合の執行態勢の強化について、それぞれの処置を講じておるのであります。たとえば組合の執行態勢の強化につきましては、昭和二十九年から実務を担当する責任者というものを、はっきりそれぞれの組合で、つまり常任理事的な責任者をきめる。あるいは職員の執務について、先ほど申し上げたような共済組合と農業協同組合、あるいは市町村の事務との関係についても、はっきりその区別をする。あるいは連合会についても常勤理事制を必ずとる。あるいは参事という制度を設けさして職員の中の執務態勢もやる。あるいはいたずらに役員の数だけの名前を連ねることだけが多いというような傾向もありましたので、そういうのも必要最小限度の役員の数にして、しかしその役員が完全な責任を持つ、そういうようなこと、いろいろそういうことをやると同時に、私の方の農林省の中の各それぞれの分担に対する内部監査、あるいは府県の組合及び連合会に対する府県庁の指導組織の確立、そういうものについてもやってきておるのでございます。これはしかし、ことさら取り立てて言うべきことでなく、当然やるべきことを明確化したというのみでありまして、要はそれがどれだけ効果があがってきているかという問題であります。これは先ほど来、少しくどいほど申し上げておりますように、食糧供出、あるいはそれに見合う農家の現金収入というような関係で、何と言いますか、官庁の指導というものが、特に占領が解けて以後は非常に弱くなったことはいなめないと思うのであります。それらにつきまして、順次社会秩序の回復とともに、実際的な措置を講じてきておるのであります。その実際的の措置としては、やはり府県から連合会なり組合なりの職員を相当多数、一回に百人近く、三カ月ほどの期間をもって、中央で講習をいたしまして、それを府県に配置して、その人が中核となって、官庁の指導、監督と同時に、組合側の受ける態勢にする。そういうようなこともやってきておるのであります。私の方ではできる限りのことはしておるつもりであります。

久保等日本社会党

○久保等君 今の御説明でも、これからの見通しとして、従来よりだんだんよくなっていくだろうという希望の持てるような対策なり、あるいはまた方法なりをお考えになっておるようにも、ちょっと受け取りがたいのですが、率直に申し上げて、一体相当顕著に改善できるお見通しを持っておるのかどうなのか。毎年同じような結果しか出てこないという御判断を持っているのかどうなんですかね。どうもあまり自信の持てるような御答弁でもないようだし……。(笑声)

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) これはむずかしい問題であります。私の方で、たとえば今度の法律改正案に組合の役職員の認可制とかあるいはこれの解任権を法律上置くというような案を出しましても、なかなか、これを各党に御相談申し上げても、そういうことは今の時勢に合わないから置くことならぬ、こういうふうなお話も相当強く出ておりますし、何と申しますか、戦争前の日本人の考え方が、一部には相当、悪いことば全部行政庁の指導監督でやれという主張に対して、そういう世話にはならない、われわれ自主的にやるんだ、そういう主張も相当ありまして、これは私どもの方としては非常にむずかしく、悩んでおる問題でありまして、しかし放っておけないわけですから、要するに各担当者に制度の本質、農村政策のあり方というものを十分理解させた上で順次よくする以外にはないのじゃないか。従いまして私の方で仮にやかましい命令を出しましても、命令一本ではいかないのでありまして、お答えがどうも——はっきり割り切ったお答えができないのでありますが、(笑声)実際はそういうことであります。

久保等日本社会党

○久保等君 ですから、今の御答弁の制度的な問題は、これは制度的な問題として、私さっき勢頭にちょっと質問したような問題になると思うのですが、その問題はその問題として、一応別個に切り離して、私は現行制度を一応前提にして、しかも具体的に結果が出ておるのですから、その結果のうちでも、先ほど申し上げたような、共済金を目的外に使用するといったような問題は、これは改善の一日も早からんことを私は願うし、またぜひ改善しなければならぬ問題だと思うのですがね。ですからそういった点についての指導は、今言われるようにもちろん一本の命令でやられるべき性質のものでないし、また命令を強力にやれと、強制的に、何か非常に威圧的な形で徹底的に命令でやれというような意味で私は申し上げているのではなくして、もう少し今までやってきた実際の経験があるわけですし、しかも一、二年というのではなくて相当長期にわたる経験があるのですから、その上でもう少し何か中央官庁として指導面においてやっていける、またやっていかなければならぬ余地があるのじゃないか。しかしそれはもしあなたならあなたの方で、何か人手が足りないとか、機構的な面で実は気がついておるのだが、そこまで手が伸びないという問題があれば、そういう問題として御説明願えれば、ある程度理解できるのですが、何か一体、そういう面についても、別に人手が足りないとか、機構的な欠陥があるとは思わないのだが、やっちゃいるんだけれども、どうもあまり成績が上らぬし、将来の見通しを聞かれてもどうもそう期待されても困るといったような状態だと、これは困ったものだと私思うのですがね。ですからそこの、一体那辺にその原因があるのか。今私の申し上げておるのは問題を限って、目的外使用の問題だけを取り上げて申し上げておるのですが、その問題について、一体改善の確信ありゃなきやという点を質問しておるのですがね。何かもう少しぴんとくるような答弁できないですか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) これは先ほど申し上げましたように、制度それ自身がですね、非常に自主的な組合の組織にはなっているわけです。これは占領のときに、強制加入の団体であるから、もっと強い、組合の内部的統制力、あるいはそれに対する行政指導というような議論になったそうですけれども、それが落されておるわけです。従って何といいますか、行政庁の方でやかましく言えば、何自主的団体だから自主的に任せと、こういうことでですね。これは終戦後各方面であった現象と同じじゃないかと思うのです。それを一挙に直すということもできなかったのが今までの実績であります。まあこういうことを申してどうかと思うのですが、私は私なりに強くですね、たとえば全国農業共済協会というのが連合会の賦課金で社団法人としてできております。ですからそういう団体がそういうことを仮に自主的に直さないならばですね、連合会の賦課金を出すことを、これは禁止すると、自分らの中をよくする能力もないのならば会長もやめてもらいたいと、私の農林省の大先輩がやっておるのですが、これはしかし何といいますか、制度の問題でなしに、ある程度まあそのときどきの人の運用の問題になってくるものですから、あまり公式な話はできないのですけれども、実情を御理解願うためにお聞き取り願いたいのであります。しかしどうしてもよくするのには、やはり制度的に相当の権限をいただきまして、たとえばこういうふうに目的外に使用した場合には、役員の免職ができるくらいなことがなければ、徹底しないのが実情じゃないかと思います。これは一方で補助金の適正化法等で刑事責任を問うというような問題もできてくるのじゃないかと思います。しかし今のところでは、るる申し上げますように、なかなかむずかしい問題で、割り切ってお答えができないような状態であります。

久保等日本社会党

○久保等君 じゃあ私の質問は、繰り返し同じことを質問しても何ですから打ち切りたいのですが、ただ、今言ったような問題も私は非常に何といいますか、右から左というように簡単に切りかえることはむずかしいにしても、指導面においてやっぱり民主的というか、自主的というか、まあそういったような、地方の団体ですから、確かに中央で思ったようなふうにはいかないかもしらぬと思うのですが、そこがいわゆる私は指導のむずかしさだと思いますがね。やはり連合会あるいは組合等の指導面を根本的なそういった点に掘下げて、やはり何かもう少し積極的な指導、まあ指導というと、先ほどから命令か何かのようなふうなことになっておるのですが、これはそういうふうな意味ではなしに、たとえば、連合会の会長なり役員なりというようなものそれ自体が、少くともやはり全く本旨を逸脱したような運営をされるということは、その連合会なり組合にとっても考えなければならぬ問題だと思うのです。そういった点を、やはり下から自覚をして、そういった事態が起きた場合には、それに対する何らかの責任をとらせるという形に、上からの命令によってではなしに、自主的にやっぱりそういう方向に、みずから解決するような指導をやらなければならぬのじゃないかと思うのです。これは簡単に効果の上る問題ではないと思います。非常にむずかしい問題だと思いますが、しかし、少くとも共済制度そのものも、理念的には、やはりこれもきのうも言われたように、けっこうな理念も含まれておると思いますが、しかし、現実はあまりにもそこに遊離し過ぎておる現状だと思います。従って、やはり制度的に改正しなければならない問題は制度的に改正するとして、それとは別個に、今言ったように、指導の面でもやっぱり相当積極的にやっていただく必要があるのではないか。つまり、要するに、命令とか統制という意味の指導ではなしに、本来の方法によって、やはり少しでも年々改善されていくというような方向に指導されていく必要があるのではないかと思います。これは非常に大きな問題でもあるので、非常にむずかしい問題ではあっても、そういう面の指導をやはり特に力こぶを入れてやられる必要があるのではないか。たまたま具体的に出た結果の事実に基いて、それはいかぬではないか、こういうふうに改正しろとか、善後措置をこうしろ、こういうことは結論の話でありまして、そういうことでなしに、年々歳々具体的に今指摘されておるような問題が出てきておりますから、そういった事例に基いて、これは自主的にその団体そのものがやはり十分に反省をするといったような何か指導を、従来よりはもう少し積極的にやられる必要もあると思うし、それは簡単に私も具体的にどうすれば非常に効果的だということを申し上げることはちょっとできませんけれども、やはり何か、そういう点がもうちょっと積極的にやらなければならぬ点ではないかと思います。それが、農林省そのものの機構の面からいって、また、府県の機構の面なり、人手の面に原因があるとすれば、ぜひ考えていただかなければならぬ問題だと思いますが、いずれにしても、今まで程度では非常に何かやみ雲のよう話で、どうも昭和二十九年度だけを例にとってみても、今言ったような目的外使用という金額だけでも、おそらくこれは十億を突破するのじゃないかと思うのです。たまたまほんの調べた一部だけの問題について、それの三割とか四割が、そういった、どちらかといえば、非常に不当事項としては重い不当事項があるくらいなんですから、そういった点についても、もう少し私は当局の積極的な方策をお考え願わなければならぬのじゃないかと思うのです。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 同じお答えになるのでありますが、別の面から申し上げますと、こういうことをやった人は、やはり村では組合の理事者に選ばれる人でありますから、常識もあり、相当な人がやっておるのであります。それを直すのでありますから、そういう人の考え方を変えるなり、そういう人を選任しないところから改めて行かなければいかぬわけです。それでなければ、私が申し上げますように、そういうものが出たときには、そういうものを制度上監督官庁が排除する、どっちかになるわけであります。そこで、私のほうとしては、新しい制度では、そういうものが、何といいますか、行政庁の力で排除できるようなことを願っておるのでありますが、それも受け入れられそうにないわけであります。そうなりますと、申し上げますように、組合員のレベルを……、これはよく話に出るのでありますが、そういうことをした人は、むしろその村のためにやってくれた、こう言う人もあるように聞いておるのでありますから、理事者を選任する場合に、そういう考え方から直さなければいかぬわけですから、これはなかなかむずかしい問題であります。しかし、放っておけません。放っておけませんから、先ほど申し上げますように、少しでも職員の講習会なり、あるいはこちらが監査に行ったときに、非違を摘発するじゃなしに、やはり指導的な意味の監査を強化して行く、こういうところでやっているわけであります。従いまして、この効果が出てくるのは、相当ゆっくり待たなければいかぬじゃないか、そういう点をあまり強調し過ぎておるのでお答が適当でないかもしれませんが、実際はそういう実情であります。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 これを実施してから十年もたってこのような状態になると、やっぱり制度そのものは非常にいい制度であるけれども、またむずかしい制度だと思います。これを完全に実施するということはなかなか困難だと思いますけれども、一々農林省が全国の一万幾らにわたる村の組合を指導するということはできない。結局、これは府県を通して指導して行くということになるだろうと思いますけれども、どうも私たち見たところで、府県の方は厄介視して、皆さんたちには必ずしもそういう顔はしないかもしれませんけれども、実際、共済問題については、あまり熱を入れていない、力を入れていないというように私たち把握しておるのですけれども、そういう点はどういうふうにお考えですか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) これは、先ほど来申し上げますように、初めのスタートが、団体を中心にした自主的な動きということをあまり強調し過ぎたために、たとえば、事務費の交付にしましても、府県を通じずに、直接連合会へ流すとか、あるいはこの共済関係の仕事の府県の職員の数でも非常に少かったわけです。やっと二十七年から府県の指導職員等もできたような関係がありまして、あとから考えてみますと、とにかくまずいことをやっておると、こういうのでありますが、当時の空気としては、共済関係は、府県においては連合会、市町村においては市町村の組合、そういうふうな線で行われてきておりました関係上、いろいろ事務運営にだらしないところがあったじゃないか、順次国及び府県の指導を強化しまして、補助金等も実は昨年まで、やはり県を通しても連合会を通してもいいというようなことになっておったのでありますが、昨年からは、連合会は通さないで、県を通して出して行くというふうにきちっとやりまして、団体関係の人でルーズに運営はできないようなことも考えてやってきておるようなわけであります。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 もう少し県段階の活用と申しますか、積極的に動くような態勢を作っていただいて、これに対する日常の間断ない啓蒙運動をやっていただきたいと思います。  それから、こんなことを言っちゃ悪いですけれども、共済関係の役員とかになりますと、府県の連合会の場合でも、信連、経済連というところに、一応いいところはそっちへ行って、一番よくない——、そんなことを言っては悪いですけれども、よくないというのは、別に道徳的に悪いという意味じゃないですよ。能力その他の点で、ほんとうに指導するほどの能力のある人がなっていない場合が今までは多かったじゃないかと思います。それから職員の場合でも、共済の職員というのは、もう就職したと思うとすぐやめてしまったり何かして落ちつかない。俸給の悪いせいもあるでしょうし、そういう点で質も非常に落ちていると思うのです。もう量的にも不足だし、そういうところにこの制度の運営上の大きな欠陥があるのじゃないかと思います。強制加入の建前をとっておるわけですから、どうしてもやはり同時に国家補償と申しますか、社会保障とか、そういったような色彩をもう少し強く出さなければうそだと思います。そのためには、やはりもう少し国の方でも人件費その他であまり農民に負担のかからないように、国の負担をもう少し多くしてやれば、全部が全部きれいに、すぐによくならないと思いますけれども、ある程度の成果は上って、今、久保さんの御質問に対しても、そう局長が困らないような事態になるのじゃないかというふうに思っていますが、その点国家補償的な面をもう少し強く出すということは、国の財政の負担が多くなることですけれども、そこまで踏み切っていかなければ、幾ら局長がきのうからおっしゃるような制度の改正を力説されますけれども、あの程度では百年河清を待つのじゃないかというような感じがしますけれども、その点いかがですか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 本質的にはお話のように、どうしても避け得ざる農業災害でありますから、日本の国のこれは特性でありますから、私どもとしてはもっと国家補償の程度を強くする、機構的にもそうした方がもっと運用がうまくいくのじゃないかと、こういうふうに考えます。しかしこれは先ほど来申し上げましたように、今この制度をやることになれば、もっとすっきりした制度ができるのじゃないかと思いますが、二十二年終戦直後で、混乱期で、しかも司令部がおるときで、非常に何ですか、観念的にはアメリカの任意保険制度が頭の中にある。実際は強制加入の強制保険になっておるわけですから、そういうふうな観念の混淆した制度になってきており、しかもそれが相当長期に動いてきておるわけであります。それを少しずつ手ならしていかなければならぬというので、すぐ割り切った考え方にはできないのは、先ほど申し上げた通りであります。しかし、私どもの方の考えは、どうしてもやはりもっとすっきりして、この国家補償の色彩を出さなければ十分な効果を上げがたい、こういうふうに考えております。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 制度そのものについては、これはまあ農林委員会でまた論議の対象になると思いますけれども、きのう岩間さんから、今いらっしゃらないので言うのもおかしいかもしれませんけれども、商業保険と国家補償の観念とごちゃまぜにしたヌエ的存在だというふうな御指摘がありましたけれども、そういう見方も確かに成り立つと思います。しかし、また現実の問題としては、なかなか両方の長所を取り入れていい一つの制度だと思う。ただこの運営がはなはだまずい点と、また中央では多久島みたいなようなことがあったために、なお一そうこの制度がいいところを持っているにもかかわらず、農民にはますます要らないものだというふうな考え方を植えつけておるような気がしますから、いろいろまあ制度の改正についてはもう少し、中途半端な、きのうおっしゃられた程度のことでは、私は農林委員会が時間をかけて論議してもむだではないかと思いますから、どうせ出されるならば、もう少し踏み切った国家補償的な色彩をもっと強く出して、一つそのためには大蔵省というふうなめんどうなところもあるでしょうけれども、最近は池田さんもだいぶ変ってきておるようですから、大いに一つ勇をふるってこれを出されるなら、もう少し、抜本とまでいかなくてもいいのですから、それに近いようなものをお考えになって出してもらいたいと思います。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ほかに御質疑ございませんか。——御質問はないと認めます。  では農業共済再保険特別会計の部、検査報告批難事項第千七百九十九号から第千九百六十九号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  次に、国有林野事業特別会計を審議いたします。検査報告批難事項は第千九百七十号から第千九百七十九号までであります。本件に関し出席の方は、会計検査院中川第四局長、石谷林野庁長官、藤本業務部長、植杉監査課長、川戸経理厚生課長の諸君であります。  林野庁から概括的な説明をお願いします。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 概括的なことを御説明申し上げます。  国有林野事業特別会計におきましては森林資源の培養保続と、生産力の向上をはかりまして、そのために造林、直営生産の各事業、立木及び製品の販売事業、国有林野整備臨時措置法による林野の整備を行いまするとともに、国土の保全増強のために治山事業及び保安林整備臨時措置法によりまするところの保安林の買い上げも行なっているような状況でございます。また、北海道におきましては林政史上まれに見る風倒木の発生が二十九年度中に再度にわたってございまして、その事後措置に重点を置きまして、できるだけ短期間にこれらの措置が完了いたしまするように努力いたしておるのでございまするが、これらの事実の実施に当りましては、もちろん事業の合理化に努めますると同時に、指導監督を強化いたしまして、会計及び業務における過誤のないように、これらの問題の発生の未然防止につきまして万全を期しておるような次第でございます。  ことに林野の売り払い及び買い入れ、産物の売り払い等の契約に当りましては慎重を期しまして、特別に注意をいたしまして指導して参ったのでございまするが、御指摘のように評価及び処置につきまして当を得なかったものが生じましたことは、まことに申しわけないことであるように存じておる次第でございます。林産物の売り払いにつきましては、会計実地検査等の結果を十分に検討いたしまして、特に材積の調査、その価額の評定につきましては部内の監査制度等を十分に活用いたしまして、指導監督を強化し、さらに売り払いの適正を期しておるのでございまするが、にもかかわりませず、職員に関係いたしまするところの不正行為等が発生いたしまして、まことにこれまた申しわけないことであると、かように存じておる次第でございます。私どもといたしましては、事故の発生原因等につきまして十分究明いたしますると同時に、責任者の処分を行い、今後かかる事故の発生を未然に防止することにつきましてさらに一そう厳重な措置を講じて参りたい、かように存じておる次第でございます。  また、国有林野整備臨時措置法によりまする林野売り払いの個所につきましては、町村財政の窮乏等の事情よりいたしまして、必ずしも売り払いの趣旨に沿うておらない、むしろこれに違背しておるというようなものもあるのでございまするが、今後、町村有林等と相なりましたものにつきましての管理、経営につきましては、適正な経営が行われまするように十分直接及び間接に指導して参る心組みでおるわけでございます。なお、保安林整備臨時措置法によりまするところの保安林の買い入れにつきましては、会計検査院の指摘を十分に検討いたしまして、国土保安の目的を達するように、慎重に買い入れ地の選定並びにその評価に当って参りたい、かように考えておるわけでございます。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 以上をもって林野庁からの説明は終りました。御質疑のある方は順次御発言を願います。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 二十九年度中におきまして、日本全体の林野について国有林の占めるパーセンテージは、民間所有に対してどのくらいあるのですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) ごく概念的に申し上げてみたいと思いまするが、わが国の森林の面積は、大体国土総面積の六割四分ということでございまして、そのうち大体森林面積の三二%というものが国有林野に相なっております。面積で申しまするというと、全森林の三割二分が国有林野であるということでございます。それに対しまして、その林地の上に立っておりまするいわゆる立木の数量でございまするが、この立木の数量は、全体の数量の五二%が国有林野のものである。従いまして、面積は国有林野は林野の面積の三分の一でございまするが、立木の蓄積は半分以上という現況でございます。要しまするのに、一町歩当りの立木蓄積が、国有林が平均いたしまして四百二十石でございまするのに対しまして、民有林野は百八十石にすぎないということから以上のようなことに相なるのでございます。それから年々の伐採量でございますが、これは年によって異同がございまするけれども、大体国有林野で供給をいたしておりまするところの供給量は、国内全供給量の用材につきまして約四分の一、二二、三%ないし二四、五%、こういうような状況に相なっておるのでございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 お説の通り、国有林が占める日本の木材界に対する地位といろものは非常に大きいので、従って相場も、国有林のそのときの伐採の状況とか、あるいは風水害等によっての被害等によって非常に左右されると思うのですが、国有林のこの払い下げについてどういう経過をとってやっておるか、御説明を大体願いたい。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) お話のように、国有林が国内の林力の中で占めておりまする割合というものは非常に大きいわけでございます。従いまして、この国有林野の物件の売り払いの仕方というふうなものが国内の市場に対しましてそれぞれ至大なる関係を持って参ることも、これは当然かと思うわけであります。国有林野と一口に申しておりまするけれども、その地域ごとの分布の状況も非常に変っておるわけでございまして、本州中部塚東に大体その八割がある。中部以西にはわずかに二割ということでございまして、しかも生産力の高い森林と申しまするのは東北並びに北海道に偏在をしておるという状況でございますので、従いまして国有林野の仕事の持ちます意味合いも、地方々々の実情に応じましてそれぞれ意味が違って参るということに相なろうかと思うわけでございます。  そこで大体国有林野の事業におきましては、現在の森林の蓄積のおよそ毎年の生長量に該当いたしまする部分を伐採する、こういうことを扱い上の原則といたして参っておるわけでございますが、もちろん年々の木材の需給事情等によりまして多少の増減はいたしておりまするけれども、その数量は、立木の数量にいたしましておおむね四千五百万石でございまして、大体四千五百万石の立木を毎年伐採をいたしておる、こういう状況にあるのでございます。これらのものをいわゆる伐採売り払いをいたしまする方法といたしましては、立木のままで売り払いをする方法と、それから国有林野事業のそれぞれの現地区間におきまして伐採をし、輸送をし、貯材をいたしまして、おおむねもより発駅の貯木場におきまして丸太という姿において売りまするのと、こういう二分けの売り方をいたしておるわけでございます。薪炭材等を含めまするというと、毎年の伐採量の中の過半以上のものが立木のままで売り払われておるという現状にあります。おのおのこれらのものにつきましては、売り払いの方法といたしまして、いわゆる一般公入札、指名競争入札、随意契約、こういうような三つの方法をとっておるわけでございまするが、地方的な事情により、あるいはものによりまして随意契約による売り払いがやむを得ずというふうに考えられておるものの数量もかなり大きな比率を占めておるわけでございます。私どもといたしましては、極力一般公入札並びに指名競争入札等による、いわゆる競争入札による売り払いを多くするべく努めておるわけでございまするが、まあ大体の比率といたしましては、ところによって違いまするけれども、六割ないし六割二、三分程度のものが随意契約によって売られておる。それから公入札によって売られておりまするものは大体二割程度でございまして、残りが指名競争入札による売り払いと、こういうような状況でやっておるわけでございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 承わりますと、随契の分が非常に多いように思うのでありますが、随契に対しまする相手方、たとえば何々木材会社とかあるいは何々組とかいうようなものを相手にするのでしょうが、それは、何か特にこう従来の実績とか何か、そういうものの一つの大きな標準があるのですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) まあ大体私どもといたしましては、御承知のように木材という物資は、一般的に申しまするというと、運賃負担力が非常に少い物資でございますので、可能な限りもより地区の需要者にこれを売り渡すということが有利である。まあこういう考え方に基きまして、いわゆる国有林の地元地域内にある木材の関連産業部門にものを売り渡すと、こういうふうにやっておりまするものが非常に多いわけであります。そこでただその国有林のいわゆる地元という言葉、観念でございますが、たとえば製材あるいは木工場というようなものになりまするというと、設備その他の規模も比較的小そうございますので、工場数も勢い多くなっておるというふうなこと等からいたしまして、これらのものの地域がその国有林の所在する地域というような考え方に国有林の所在地域というものを限って、そのへんの限度までで実は売り払いをいたしておるということでございまして、ただ木材量にいたしましても、木工業にいたしましても、企業を開始いたしますことは自由でございますので、随意契約等で売り払われまする場合に、希望者にそれぞれ必要なものを売り渡すというようなことが困難な場合がしばしばございますので、そういう意味合いからいたしますと、長い期間にわたりまして国有林野からの産物の売り払いを受けて工場の経営上にあげておるという、いわば実績のあるところというものが相当程度に参照されておるということは事実でございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 この木材の性質によっていろいろ違うのでしょうが、この評価について、たとえば公入札にしても随契にしても、評価の基準というもの、それから評価の方法というもの、それはどういうような制度になっておりますか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 要するに、随意契約によりまする場合には、必ず予定価格というものを計算いたすわけでございます。従いまして、予定価格以上で売るということに相なるのでありますが、あくまでもこれは、もより市場における製品の市場価格というものを基準にいたしましてやっておるわけでございます。従いまして立木のままで売り渡しまする場合におきましては、その地域から出て参りまするところの製品の、もより市場における市場価格というものより、途中の生産費を控除いたしまして、立木価格を算定して売り払う、こういう方法でやっておるわけであります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 その点はその程度にしておきまして、なお伺いたいのは、二十九年度で、ここにも出ております通り、損失をいたしました百六十六億四千五百万円という北海道のいわゆる風倒木といいますか、私どももたまたま旅行をして非常なその被害の多いのに実際驚いたのでありますが、これについて、その後の処分方法、あるいは何か資料が出ておるかもしりませんが、どういうような状況になっておりますか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) ごく概括申し上げたいと思います。  昭和二十九年の五月と九月の二回にわたりまして、北海道の国有林の地域に、二十五万三千町歩にわたって約七千万石の風倒被害があったわけでございます。立木だけで七千万石でございますが、一応七億立方尺ということであります。これにつきましては、要するに、倒れましたものをできるだけ早く製品化いたしまして、これを売り払う。さらにあと地の防虫対策を講じながら、造林の完了をはかっていきたい。こういうようなことが一連の措置として考えたわけでございます。おおむね二十九年から始まりまして、三十、三十一、三カ年に、二、四、四の割合でこれらのものを処置いたしたい、こういうような考えで参ったのでございますけれども、その後、風害地域の実相が判明をいたすに伴いまして、どのような手段を講じましても、なかなか利用し得ないというものが約一千万石程度あるという実情も明らかになったのでございます。それと同時に、大雪山山系を中心にいたしまする周辺の地域におきまして非常に大量なものが倒れておる。これはおそらく他の地域の毎年の伐採量の約二十カ年分にも相当するものが倒れておるというような、いわゆる集中的に倒れておる部分というものの実情も明らかになりましたので、勢いこれをどうしても発生年度以下三十一年までの三カ年間で整理をいたすということがこれは不可能であるというような見通しを得ましたので、計画を変更いたしまして、三十二年度をもってひとまず終了いたす、こういう状況で目下進行中であるわけでございますが、本年度終了いたしますと、七千万石のうちの先ほど申し上げました約一千万石の利用不能材を差引きました六千万石のうち約八割が伐採搬出済みということに相なるわけでございまして、七十六営林署の管内に被害の発生をみたわけでありますが、七十営林署はこれで完全に処置が終りまして、残る集中地域の六営林署にある要整理の全体量の二割というものを三十二年度でやりまして、ひとまずこの整理事業は終るというようなことで実は実施をいたしておるわけでございます。できるだけ道内の需給関係というものを見計らいながら、過剰材——過剰になりまするものを、道内の陸上あるいは水中の施設を利用して長期にわたる貯材をするということをいたしますると同時に、その一部は内地の市場にこれを輸送して販売をする、こういうことも実行いたしたわけでございますが、大体三十、三十一、両需給年度を通じまして道内の過剰材といわれるものは約六百万石であったわけであります。これは丸太製品石数の六百万石でありますが、そのうちの二百六十万石というものは内地の市場に持って参りましてこれを販売するというようなことで、三十年度におきましては、内地市場に近年全然なじみのないものでありましただけに、処置に非常に困惑を感じたわけでございますが、三十一年度におきましては、これらの処置は大体順調に進捗を見つつあるというような状況でございます。  御承知と思いますが、北海道の地域におきましては、林業経営上の諸施設というものが非常におくれておるわけでございまして、従来は雪上で伐採搬出をいたしまして、春季の融雪を待ってこれを下流に送り出す、こういう仕事をやっておったわけであります。この風倒木の整理事業の過程におきまして、極力夏山の生産事業も行い得るように陸上の施設の開設をいたしたい、従いまして、従来ほとんど流送一本に頼っておったのが、相当程度、夏山生産、陸送に転換されたというような実情と相待ちまして、大体予定通りの進捗を見つつあるわけであります。  これらの処分でございますけれども、ああいった異常な困難がいつでも惹起するような条件下における整理事業でもございますので、事柄を計画的に整理いたしますために、直営生産事業を拡大いたして実施したわけでございますが、それにもかかわりませず経常年度の約八割増というような大量の伐採量に相なりました関係上、立木売りも従来の実績から決して下回っておらない、こういうような状況でございます。

久保等日本社会党

○久保等君 国有林野整備臨時措置法というような法律ですが、一昨年三月の末で同法の施行期限が切れたのですが、この決算報告も大体その年度と昭和二十九年度に入ると思いますが、この国有林野整備臨時措置法の実施の期間における実際売り渡しをやった実情だとか、交換をしたりあるいは買い入れしたようなことについての、事項別の数量なりあるいは金額等の概略を……ちょっと実施状況の御報告を願いたいと思いますが、概略簡単に一つ御説明願いたいと思います。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 国有林野整備臨時措置法によりまして国有林野を売り払いました実績は、昭和二十六年度以降二十九年度までに、合計をいたしまして十三万八千九百四十六町歩ということに相なっておるわけでございまして、その評価額が八十九億九千三百六十二万三千円ということに相なっておるわけでございます。これはいわゆる国有林野を売り払ったものでございまして、一方この法律に基きまして国有林野と民有林野とを相互に交換をいたしたものがあるわけでございまして、これは国有林から民有林として渡したものが五千三百四十二町歩でございます。反対に民有林野を国有林にいたしたものが九千七百八町歩でございまして、このいわゆる交換差金といたしまして国有林の側が収納すべきものが二億一千五百九十二万七千円、こういうような状況に相なっておるわけでございます。国有林野整備臨時措置法によりまするところの交換につきましては、交換物件の価格の高い方のものの二分の一までの交換差金が認められる、こういうような特例的措置をもって実施をいたしたわけでございまするが、その結果はただいま申し上げたような状況でございます。  その実施でございまするけれども、契約を締結いたしますると、金額の二割に相当いたしますものはこれは即時収納をいたしまして、残金につきましては十年以内の延納の特約が認められる、こういうことで実施をいたしたわけでございまして、その間、六分五厘の利子をやはり徴収をいたしておるという状況であるわけであります。そこで、三十年度末現在におきまするところの収入済みのものにつきましては約五十六億でございまして、売り払いましたそれ以外のものは、今後三十一年度以降毎年分納をされて参るということに相なるのでございます。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 ちょっとお尋ねしますが、先ほどの随意契約ですね、あの払い下げの場合に、例の特売というのはこれのことですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) そうでございます。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 随意契約イコール特売なんですね。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) そうでございます。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 価格は一般の市場よりも安い場合が多いんじゃないですか、特売には。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 原則——考え方は絶対そういうことはないわけでございまして、ただ先ほどもちょっと申し上げたのでございまするが、いわゆる価格の評定の仕方はあくまでも時価という考え方でいくわけでございます。従いまして、要するに先行き強いとかあるいは弱いとかいうような見込み要素というものは全然加えてないということに相なるわけでございまするので、従いまして、たとえば先行き見通し、まあ公入札、あるいは指名競争入札といたしますると、先行きに対する見込み要素も、もちろん入ってくるというものとの間に、そこに差額が出てくるというようなことは十分あり得るわけでございます。先行きが弱いというような場合におきましてはその反対の現象もあり得るということが一つございまするのと、それから、これはたとえば一地区の問題といたしましても、全量の八割乃至九割までも指名競争入札あるいは公入札でやられるという場合の、いわゆる随意契約価格と申しますか、それからそうでない反対の場合もあるわけでございます。要するに随意契約をするものが多いというような場合における公入札価格というものは、必ずしもその時々の市価を使用してないというような実情もありますので、往々にして、注意を怠りますと、その間の開きが起りやすいということで、十分注意してやる、さように考えております。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 国有林の多い地方の製材業者の意見を聞いてみますと、これがないと経営上成り立たないからやめてもらっちゃ困る、こういう意向の人がかなりあるんですが、いろいろこの歴史をたどってみると、かつて木材が売れないころ、無理に安い価格にして割引をするというような形でとってもらったといういきさつもあり、にわかにこういう状況だから強気に出てやめるわけにいかないんだ、過去にはいろいろわれわれとしては貸しもあるんだから、こういう制度が続いているというようなことが言われておりますが、これをいろいろな不祥事件とまではいかなくとも、何かすっきりしないようなうわさもよく聞くのですけれども、そろそろやめてもいい制度じゃないかというような感じも今しております。その点どうですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) もちろん随意契約によるということになりますると、ただいま御指摘のようなことになりやすいという危険も重々あるわけでございます。それだけに非常に慎重に実施して参らなければならぬということになるわけでございますが、私どもといたしましては、ただいまのお話のように、歴史的な沿革からいたしまして、こういう制度を設け、さらに続けていくというように考えたのでございます。確かに歴史的に考えましても、ただいま御説明申し上げましたように、製品化いたしまして売り払いをするといたしましても、もより発駅までの生産事業でございまして、丸太を売るという段階まででございまして、従いましてそれをさらに加工いたしまして商社に売り渡すというようなことは、これだけの規模の事業をやっておりながら全然やっておらないというようなことになりますと、どうしてもそこに流通過程において一つの役割を果すべきものがなくなれば、これだけの仕事の循環ができないということに相成ります。そういう意味合いもありまして、各地域とも、国有林野事業の進展とともに、いわゆる国有林野材というものを売りさばくことを主たる生業として事業をやって参ったという多数の人があるわけであります。そういうものがそういう歴史的な制度を生んだということがあると思います。ただ私どもは、おおむね、いわゆる木材産地の小規模業者と申しますか、小規模企業者、こういうのがいわゆる国有林の地元にある企業者でございますが、特に国有林野の産物が民有林の産物と同じようなもの、まあ通念的に申しますと、いわゆる植栽木として市場に出回っているもの、というようなものは、これは民有林から幾らでも出て参るのであります。たとえば北海道の松、青森のヒバ、秋田の天然杉でありますとか、そういうものになりますと、要するにあの地域だけに限られたきわめて寡少な資源ということになるわけでございます。これを自由な姿にほっぽり出しまするというと、あるときは当然相当大規模な商業資本といったようなものに全部まとまってしまうと申しますか、そういうこともあるわけでございまするし、要するに国有林野の生産事業の行われております地元地域で、たくさんな小規模のものがこれを材料として生産を営みながら、流通過程における役割を果してもらうということの方が、むしろ方式としては健全ではないか。そういうふうなことも考えて、さらに、これらにつながりますところの多数の労務者のやはり生活安定というようなことも考えますると、一面におきましては、確かにこの制度について相当根本的な検討を要すべき時期であるというふうに考えながら、一挙にそこまで、まあなかなか行き得ないというような実情がその辺にあるというふうに考えております。

鈴木一日本社会党

○鈴木一君 もう少し地方の実情もいろいろ研究した上で、農林委員会なりでまたお尋ねいたします。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 この批難事項の個々の分について二、三お尋ねいたしたいのですが、たとえば一九七二号ですか、私はこれはよくわからないのですが、一通りこれを見ますというと、何か用材と薪炭材と分けている。ところが薪炭材となっているもののうちでも用材に適するものが相当あって損害をこうむったというようなことがあるのですが、これは薪炭材と用材というものと分けるのですが、どういうような基準で分けるのですか。だれが判定をされるのですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) これを最終的に判定いたしまするのは、私どもの方の現地の機関でございますが、要するにこの用材と薪材の区分というものは非常にむずかしい問題でございまして、たとえば用材需要というものが非常に旺盛であります場合には、薪炭材として従来使われておったものが用材になる。要するにしばしばそのときどきの情勢に応じまして、用材があるいは薪材になり、薪材があるいは用材になるというような移り変りがあるわけでございます。それから地方的な慣習、あるいは地方的な経済事情等によりましても、一般的に用材として利用し得るというものでありましても、用材としての市場価値がないというような場合は、これはやむを得ず薪炭材に使っているというようなことになるわけでございます。私どもといたしましては、そのときどきの事情なり、あるいは地方的な木材使用の習慣なりを考えまして、用材並びに薪材の常識的な区分にいたしておる、こういうような状況でございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これを判定区別する方は専門的にそれにかかっているのですか。専門的にそれを判定し、それを鑑定しておられるのですか。それとも臨時にその地方に行ってやられる方なのですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) ご存じのことと思いますが、国有林野事業を実施いたしますために、全国に十四の営林局という役所を設けてございます。その下に三百三十八の営林署という実行機関がございます。さらにその下に二千百九十八の監督事務所といういわゆる現場役所もございます。大体今の用材、薪材の区分をやるというのは、売り払いをいたしまする場合の調査のときに、売り払う一本ずつについてやるということでございまして、多くの場合に、営林署の職員、あるいは、ただいま申し上げましたその下部段階の監督事務所の職員というものがこれに当るわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは考え方によれば、この分け方いかんの手心によってはいろいろな価格が出てくるだろうと思うわけです。しかし、このたとえば一九七二号に記載されておるところのこの当時の地方の事情ですな、この地方の事情を当然専門的な見地から調査して、そして、こういうふうに分けられておると思うのです。それがあとになって、いや、これは用材として、こういうように薪炭材が用材に適用されたのだ、こんな工合にあとから会計検査院が行って指摘をする、それを認める、こういうようなことになると、一体これは方々で手心を加えて、いろいろな事情とか、ほかの事情ですな、いろいろな事情でもって手心を加えて評価しているようなふうにも受け取れぬことはないのですが、そういうことは方々にあるのですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) お話のように、確かに用材、薪炭材の区分を誤まりますというと、用材、薪炭材の価格に相当の開きがありますだけに、非常に問題が起りやすいわけでありまして、私どもといたしましては、その区分については非常に厳重にやるように指導をいたしておるわけでございますが、たまたまこの場合には、そういうような問題を出して、まことに恐縮にたえないわけでありますが、ただ昨今でもそういう情勢にあるように思うのでございますが、最近の傾向といたしますと、特にパルプ、化繊関係の設備が急速にふえており、従いまして、今々使うということでなしに、将来のやはり自家消費の木材を確保するという意味におきまして、従来薪炭材としてのみしか使わなかったものにつきまして、だんだんパルプ用の木材としての買付けが進んでいるという状況でございまして、しかもそれが地方的に、たとえば中国地方が比較的木材の価格が安いということになりますと、すぐそこに殺到する。そこで価格も上ってしまう。次の穴は東北だということになりますと、そこにそういった資材の獲得競争の焦点が向けられてくるというようなことで、今後の状況から見ますと、かりに、この地方の現段階では、やはりこの程度のものは用材として使われる以外のものは、やはり薪炭材として、まきを作るか、あるいは炭を焼くか以外には方法がない、こういうことで売り払いをしましたものにつきましても、その後の短期間の状況変化によりまして、一部のものが用材として取引きされるということが、しばしば起り得るというようなわけでございまして、よほどその取扱いというものを具体的に明確化いたしまして、慎重にやらなければ、御指摘のようなことが非常に起りやすい、かように考えるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 今あなたがおっしゃるようなことは、当然これは専門的に考えておらなければならぬ、わかっておらなければならぬと思うのです。それで、そのときの事情、あるいはその地方地方の事情によっても変化がある。やってしまってから、それが近い将来に変化が起ったというようなことであれば、全然その情勢を見当つけてやってしまうということになる気がするのですね。これを業者とお客が食っついてやれば業者がもうかる、半面に国損が出る。そこに私はどうも、これを読んでみて、まことにけじめのつかない妙なものがあると思うのです。こういう一つの盲点といいますか、これに対してあなたのほうの当然、監督、指示を受けるなり……、そういうような具体的な手をどういう工合にやっておられるか、それをちょっと説明して下さい。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 御指摘をいただいております問題も、いわゆる随意契約によって売り払ったものでございますが、そういう契約の場合におきましては、あくまでもこれは薪炭材資材として売り払う、あるいはこの中のこれとこれは用材資材として売り払うということで、いわばその用途の指定をいたして売り払うということでございますので、一応そういうことで売り払いました以降は、その用途によってそれぞれの数量というものを生産をし、売り払いをしていかなければならぬ、こういうことに相なるわけでございますが、ただいまの御指摘のように、当然その地方で用材として利用可能なもの、売り払い可能なものでありますものを薪炭材として売り払った、しかも事実それが用材として市場に出回ったということになりますというと、そこに不当な利益を提供するということに当然なると思います。特に従来は、おおむね地方的に木材市場というものが安定いたしております限りにおきましては、そう大きく短期間に用材と薪炭材との利用の仕方が振り変るというようなことはなかったのでございますが、今後におきましては、そういうこともしばしば起り得るということでございまするので、いわゆる用薪材区分というものを、その地方の実情に合せるように、しばしばやはり現地について具体的に確定をいたしまして、調査の場合におきまして的確を期して参るという指導を十分に行なって参らなければならない、かように考えておるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 この点について、何か部内的な欠陥というよりは、むしろ監督方面について何か遺憾な面がありゃしないか。この点について会計検査院の方から何か感想があったら御所見を伺ってみたいと思うのです。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) 昭和二十九年度決算関係の検査の結果は、ただいま御審議になっておりますように、相当件数の材積の過小見積り、あるいは品等の差、その他控除経費の見方が適当でないというような観点から批難する結果となったのでありますが、林野当局におかれましても、品等区分、材積調査というようなものは、林野事業を担当するものの生命であるという点を強く認識されまして、現場に対しても強く反省を求められたのでございます。その後の検査におきましては、これらの点は相当程度改善されていると考えております。三十年度の決算検査報告によりますと、それらの点についても十分検査はしたのでございますが、まあ、大して問題とすべき事態は発見できませんでした。たまたま二十九年度は、国有林野整備臨時措置法の終期に当りまして、処分を取り急いだというような関係上、調査の不十分、中にはあるいは故意の存するものもあるのではないかというふうに考えますが、これらのものが一応整理がつきました後における現在におきましては、まず正常に運営されているのじゃないかというふうに考えております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 重ねて検査院の方にお伺いするのですが、こういうような問題が、いわゆる木を切って売っちまったと、それであとから行って調べるというようなものは、これは物を買って倉の中にあるものを調べるのではなく、非常に調査がむずかしいのじゃないかと思うのですが、そういう点について、果して過去に行なった実績について、確実に調査ができるかどうか、そういう点についてはどうですか。

中川薫会計検査院事務総局第四局長

○説明員(中川薫君) ただいまの御意見の通り、非常に困難を来たしております。まずいろいろな関係の書類は、営林局なり営林署の事務所において調査いたしますが、どうしてもこれは現地について見ないことには最終の判断が下されませんので、できるだけ現地について見ることにはしておりますけれども、人員なり検査日数の関係上困難であります。それから契約済みでまだ伐採処分をしていないときに検査に臨むということになりますれば、検査の効果は一そう上ると思いますけれども、そういう場合に該当するものもございますけれども、やはり検査の計画なりを考えますると、必ずしもそういっておりません。結果におきましては、事後の事態について検査をするということになっております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 そういうようなことだろうと思うのですが、他の部門に対して比較的この批難の具体的な件数が少いということは、そういうことじゃないかと思うのです。これは山の問題ですから、いろいろな点でずさんなことをやれば、目に見えない大きな国損が私はあるだろうと思う。そういう点については特に御注意を願わなければならんと思うのです。  それからもう一つ、やはり同じところで、運搬についてですね、実際は山元から市場まで、トラックでもって運ぶことができるにもかかわらず、馬車でもってどれだけやったらこれだけの損害が起ったということが書いてあるのです。その次のところにトラックでやることができたのに云々ということが書いてあるのですが、こんなようなことは、あれですか、運送については入札かなんかやるのですか。あるいは特定の運送屋かなんかを指定して運搬させるのですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) そういうことはございません。ただこの買受人が自分で搬出する、あるいは運送人にまかせると、まあこういうことになると思うのですが、ただその買い受けます場合の価格を計算いたします場合に、ただいま御説明申し上げましたように、製品の市価から逆算をいたしまして立木価格を出す。——これらのものはいずれも立木で売った事例でございます。——そういう場合に、実は現在道がございまして、大体どういうふうな輸送手段で運ばれているかということが、いわゆる輸送経費を計算いたしまする場合に、もとになると思います。その場合に一番問題になりまするのは、この距離を見誤まるということもございますけれども、若干の経費を投じまして、橋の修繕をするとか、橋を設けるとかいうことをいたしますと、全然トラックで運材できるにもかかわらず、現状からいたしますというと、どうもあの橋が危い、そうするとあそこまではトラックじゃむずかしいから、あそこまでは馬車、そうしてあとはトラック、こういうことになりますと、いわゆるトラックと馬車との間の輸送力の差異の問題のほかに、一回積み下しという過程が加わって参るということのために、いわゆる途中の輸送経費、というものが違ってくる。この違いが差引されますので、立木価格に影響があるというようなことになって参るわけでございます。従いまして私どもといたしましては、その点の指導が確かに不十分であって、こういう問題を相次いで起したということになるのですが、必ずしも現状になずまないという考え方で、とにかくこれだけの経費を投じても、投じさえすればこうなるではないかということで、具体的に可能な、しかも有利な方法というものを、一つだけ選ぶということにいたさなければならん、かように考えるわけでございますが、これらの御指摘をいただきました問題につきましては、非常に事柄を簡単に考えまして、こういう報告をいたしたいというふうに、私どもは考えているわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは先ほども長官が言われましたように、材木というものはやはり輸送費ですね、これが相当大きな問題になるだろうと思うのです。輸送費というものは、従って山から下す場合は、この輸送経路なりその経路の状況なんというものを、それに使用するところの運搬費、こういうものは専門的にあなたも計算してわかっていなきゃならぬはずだと思うのですが、それにもかかわらず、ここに指摘されるように、ここからはトラックで行けるものが馬車で行ったがためにこういう損害がかかったということはあり得ないと思うのですよ、実際問題として。橋が危ないといってもちゃんと専門家が見ればわかるのです、何トンまで通れるかということは。にもかかわらず、こういう簡単な仕事がこういう工合に指摘されるということは、どうしても私腑に落ちないところがあるのですがね、こういう例は方々にありますか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 私どもも部内に内部監査の制度を設けておりまして、林野庁なり営林局で現場の監査をやっておるわけでございまするが、決してないというわけじゃございませんが、そう多くあるわけでもございません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 こんなことはそう多くあったら大へんだと私は思うのですが、とにかく多くなくても、こういう肝心なことが非常にずさんになっておるということについては、私は、出てきたものは氷山の一角かもしれないが、軽視してはならぬと思うのですよ、特に山の問題ですからね。用材の指定なり、あるいは等級をつけることをずさんにやったり、あるいは運搬の手段、経路、その他をずさんにやったりということは、これは材木に関する限り私は大きな問題だと思う。こういうものは特に注意してもらわなければならぬと私は思う。  それからもう一つ、これは材木に関係ないことなんですが、ここに書いてあるのですが、この不適当な機械を購入して遊ばしておるというふうになっておるのですが、これはどうしてこういうことになったのですか。道益産業株式会社から連動コンベヤー五十六台を買ったと、こうなっておるのですが、こういうのはやっぱり性能検査やったんでしょう。これは簡単な機械ですから専門家もへちまもない、これは車輪にかけて、があっとやってみりゃ簡単にわかる、そういうことをやらずに買ったわけなんですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) もちろん買いまする前には性能検査をいたしたわけでございます。ここにも書いてありまするように、当初はチェーン式というのを購入したわけでありますが、それを特にまあ北海道方面を中心にいたしまして、林道修理等の場合におきまするいわゆるバラス運搬の積み込み作業の労力軽減、こういう意味をもちましてやったわけでございまするが、現地の者の使用に対しまするところの不なれでありましたことと、現地におきまして故障が出て参るという、その故障が出て参るということによりまして、それをまあベルト式に改善をするというような改善を試みたわけでございまするが、やはりそういったものを取り入れまする事業の形との関係につきまして非常に指導が不十分でありました等のことも関連いたしまして、非常に稼働が悪かった、こういうようなことで、まことに申しわけないことだと思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 道益産業というのはどこにある会社で資本金は幾らなんですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) これは私の承知いたしておりまする限りにおきましては、東京に本社があるわけでございます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 資本金どのくらいあります、資本金ば。相当大きな会社ですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 資本金等のことにつきましては、私はっきり記憶いたしておりません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これはまあこれでいいんですが、その後どうなっていますか、この機械は。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) これにつきましては、御指摘をいただいておりますように、非常に稼働率が悪い、それから機械の作業能率も上っておらないということでございまして、その後修繕すべきものは、修繕いたしまして、各地の実情に合わせるように、一たん配付いたしましたものを、それぞれ全面的に配付がえをいたしまして、現在はこれを利用しておるという状況でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちょっと、私もしろうとなもので、二、三点お伺いしたいのですが、第一に材積測量の仕方ですね。これは何か科学的な方法を用いておるのですか、どういうやり方でやるのですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) この材積調査の問題でございますが、一応材積を調査いたします場合の方法といたしましては、その地域の全林の毎木につきまして、一本ずつにわたってそれを集計するということ、これが一番妥当な方法として主としてやっておるのであります。それからやむを得ないような場合におきましては、標準値調査というものでやっておるわけでございます。要するに全体の売り払い等をいたします場合の面積の二割あるいは一割というものを標準値としてとりまして、その標準値の中のものにつきまして、毎木について、一本々々のものにつきまして調査をする、こういうことをやっておるわけであります。それで問題は、一体どういうふうにしてやるかということでございますが、これは一応多数の調査木から得た資料をもとにいたしまして計算をいたしております材積表というものがあるのです。この材積表というものは、要するに樹高の、木の高さと、それから一応、胸の位置でございますが、大体一メータ二十です。胸の位置と木の高さとの相関関係からいたしまして、その木の完満度を測定いたしまして、その二つの要素がありさえすれば機械的に引けるような材積表という表ができております。ところが御承知のように、樹ごとの先細りの程度というものによって非常に違ってくるということになるわけであります。そこで同じ材積表と申しましても、木の生長経路が違うということによりまして、樹種ごとに作っておるという問題、それからさらに今度は、その土地の生産力によりまして木の生長が違って参る、要するに胸高の位置の太さの生長と、木の高さの生長という相関関係が違ってくるということで、土地の生産力を指標いたしますところの地域ごとに作って参る、こういうことで作っておるわけでございますが、ただいま申し上げまするように、直径と高さの関係から材積を計算するということをやっておるわけであります。従いまして、いわゆる測定位置が実際のところよりも上になるか、あるいは下になるか、あるいは木の高さの見誤りということによりまして、いわゆる材積が違ってくる、こういうので、いわゆる測定誤差を生じて参るのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは何か科学的に今までの長い間ずうっと技術の点では進歩があるのですか、やり方に変更がありましたか、何か一つの方式があるんでしょうね。技術的な問題はわれわれわからないけれども、そういうもので専門家が調査して、そういう方法がだんだん改善されて実際に近づく、こういうような方法をとられておるのですか、この点はどうですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 今申し上げまするように、こういった方法といたしましては、その形は今申しましたような方法で以前からやっておるのですが、ただいまのいわゆるる樹木の生長というものと、それからそれを引き写す材積表の関係というものにつきましては、絶えず研究が行われておりまして、正確妥当なものに近づく努力が行われておるのであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはやはり本庁としても、各営林署を通じてそういう技官ですか、そういう人たちに絶えずやはりこういうものを徹底させるようなことをやっているのですか、そういう方策はあるのですか。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) この面積の測定並びに立木材積の測定というのは、私の方の事業のきわめて基本的な、しかも第一歩でございますので、これらの方法につきましては、絶えず現地の者に対しまして指導し訓練をするような方法を講じておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 次に払い下げの手続ですね。それが最初に現場ですか、現場から営林署を通って、それからどこでこれを認可して、どういうふうになるか、それの一応の経路をちょっと何したい。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 払い下げの手続を申し上げます前に、一応こういうようなことを前もってやっておるわけでありますが、ただいま御説明申し上げましたように、毎年の生長量をもとにいたしまして、大体標準の年度伐採量が幾らというものが毎年出て参るわけであります。要するにその数量をもとにいたしまして、それぞれ各営林署の現場から、具体的に伐採を予定いたしますところの個所、数量というものを調査をいたしまして、そうしてこれがすぐ上の営林局に集計をされる。そうしてそれの総括されましたものが林野庁に出て参ります。こういうことに相なるわけでございます。そうしてそのものにつきまして、その出て参ります場合は、要するに立木のままで売り払うもの、それから直営生産という格好でやりますものとが、それぞれ区分されて出て参ります。それで来年度はどれだけのものが立木で売られ、どれだけのものが直営生産の生産対象になって、そのうちでその年度中に何ぼのものが売られるというものが出てくるわけであります。それに対しまして売り払いの計画というものが、これは営林署で一応作られまして、年間の売払契約というものが作られまして、この売払契約の中には大体用途別に数量がきまっておるわけであります。それが営林局に集計をされて、その営林局におきましては、要するにたとえば坑木パルプというようなもの、ものによりましては相互に転移がきくものでありますので、そのときの見通しによりまして、要するにパルプを減して坑木をふやすとか、あるいは一般材を減して特殊材に持っていくというように若干の操作はできますが、その結果が林野庁に報告されて全国の売払契約の集計が林野庁に集まる、こういうことになりまして、そこで林野庁から、この方針でよろしい、こういうことになりますというと、営林局ではその年度内の各営林署別の売払契約というものは用途別にこうだというような計画がきまるわけであります。これに対しまして、その年度の現実の生産状況というものを見計らいながら、一四半期ごとに売り払いをすべき用途別のものがきまって参る、こういうことに相なるわけでございます。その用途に従いまして、だれにこれを売るということにつきましては、これは当事者といたしましては営林署長でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 第三に内部監査の機構ですね、どういうふうになっておるか、人員もですね。

石谷憲男林野庁長官

○政府委員(石谷憲男君) 現在林野庁の中に監査課というものが設けてございますが、その監査課におきましては、監査専任に当るいわゆる監査官八名を置いております。これに対しまして、その補助職員といたしまして二十一名、これだけが林野庁の監査の陣容でございます。  それから営林局の段階におきまして、同じような監査官を四十九名配置しております。それの補助職員が百五十三名であります。そこで林野庁は営林局並びに営林署というものに対しまして監査を実施する。それから営林局は管内の営林署に対して監査を実施する。営林署に対しましてはおおむね三年に一回は監査を実施するということで年次計画を立ててやっておるわけでありまして、その監査の内容は、総合経営監査、経営管理監査、会計監査、業務の個別監査というように、それぞれ専門的に分けまして、事業全体の監査を計画的に実施しておる、こういう状況でございます。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ほかに御質疑はございませんか。御質疑はないと認めます。  国有林野事業特別会計の部、検査報告批難事項第千九百七十号から第千九百七十九号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  今日の審議はこれで終りますが、以上、四回にわたり農林省の部を審議いたして参りましたが、本日で農林省関係は全部質疑を一応終了したことにいたします。  次回は、二月十一日午前十時から、郵政省と大蔵省管財局の部を審議をいたします。  これをもって委員会を散会いたします。    午後三時四十六分散会

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