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26回国会参議院1957/02/04

決算委員会 第3号

発言数
53
登壇者
7
会派数
3
開催日
1957/02/04

会議録

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ただいまから第三回決算委員会を開会いたします。  理事の補欠互選を行います。  谷口弥三郎君が委員を辞任されたために、理事に一名の欠員を生じております。理事補欠互選の方法は、成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 異議ないと認めます。  それでは私から西岡ハル君を理事に指名いたします。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 次に、委員派遣について、派遣委員から報告をお願いいたします。まず滋賀、岐阜班の報告をお願いいたします。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 滋賀、岐阜班は、一月二十一日から二十七日までの七日間、島、大倉両委員と私が参加をいたしまして、滋賀、岐阜両県下の、二十九年度検査報告事項中農林省所管、災害復旧工事八件、土地改良工事、農業共済再保険、採種圃補助、病虫害防除費補助各一件、計十二件と、防衛庁工事、日本電信電話公社工事各一件につき、現地調査を行なって参りました。右に関連いたしまして、両県庁において国庫支出金の交付状況等についても説明を聴取いたしました。以下その概要を申し上げます。なお、詳細は後ほど提出いたします報告書によって御了承を願います。  まず、農林災害復旧工事八件につき一括して御報告申し上げます。これら八件は、滋賀県河西村洲本、笠原農地及び信楽町神山農地ほか六工事で、いずれも二十八年災害により農地及び水路に流入いたしました土砂の排出工事並びに掘さく工事で、会計検査院から設計過大及び事業主体負担不足を指摘された事案でございます。県及び農地事務局から、いずれも厳格な実地査定を行なったにもかかわらず、かかる指摘を受けたことに対し、遺憾の意の表明がございました。その原因につきましては、工事中の土砂の収縮及び流出等による土量の変化、県の竣工検査が、工事のでき上りの検査に重点が置かれ、土量検査や請負金額からの検査がほとんど行われなかったこと、事業主体が無断で計画変更を行い、地元負担の軽減をはかったこと、県の現場指導及び監督が不十分であったこと、それから地元農民の補助事業に対する認識不足、事業主体たる土地改良区の経理能力の欠陥等が考えられます。また、いずれも事業主体は本事業のため多額の資金を農林中金等から借り入れており、その金利負担分を補助事業費から捻出しようとする傾向にあったことは遺憾でございました。今後の防止策として、県及び国の竣工検査を、単に出来形検査に限らず、経理に立ち入って検査すべきこと、県の事業主体に対する経理指導及び監査の徹底をはかるとと、査定の際の流入土量の測定をより精密に行うこと、排土の捨場所を指定するなど確実な排土量の把握に努め、完成時の検収の正確性を確保すべきこと、工事の進捗状況に応じて補助金の適期交付に努めること、事業主体に対するつなぎ資金の方策を立てること等が望まれます。なお、これら八件につき会計検査院から過大交付と指摘されました金額は、おのおの計画変更の手続を取り、返済または減額の措置が取られておりますことを御報告しておきます。  次に、岐阜県神戸町揖西幹線水路土地改良事業について御報告いたします。本工事は昭和二十六年度より二十九年度にわたる四カ年の継続事業として施行されました用水路改良工事で会計検査院から約八百余万円の設計過大並びにほぼ同額の事業主体負担不足を指摘せられました事案でございます。本工事は農民からの自家労力で施行し、現金負担の軽減をはかりたいとの要望をくんで、県が直営施行を条件として受益者揖西用水土地改良区に請け負わせたものであります。しかるに同土地改良区は二十八年度以降、県に無断で組合員中の建設業者に下請させ、国及び県の補助金のみで完成し、受益者負担金を全く徴収していないというまことに遺憾な事案であります。県当局から出来形検査に重点を置き、経理監査にまで手が届かなかったこと、骨材採取地の確認を行わなかったこと等によってかかる事態が発生し、遺憾の旨弁明がありました。土地改良区代表から、地元受益者負担を回避しようとしたため、かかる結果となった旨の発言がありましたが、了承しがたき言であります。血税によってまかなわれている多額の国費の援助により、以後長期にわたり受益者として相当の利益を受ける地元組合員が、少額の負担金を回避しようとすることはいかなる理由があろうとも了承できないことであり、地元農民に深い反省を求める次第です。なお、県及び農林省に対しても、今後の指導監督の強化を要望いたします。指摘金額相当額につきましては、当該年度中の事業費から減額し、県営色目川沿岸排水改良事業に割当変更の承認を求め、同事業の三十年度分工事の繰り上げ施行を行なった旨説明があり、同色目川沿岸排水工事現場を視察、現地関係者から繰り上げ施行により多大の利益を受けた旨の説明を受け、補助金の適正事業に対する適期交付の必要性を痛感いたしました。  次に、滋賀県新旭町饗庭農業共済組合に関する件につき報告いたします。本件は当組合が二十八年水稲共済金支払いに際し、補償対象外の耕地を含め損害評価書外の不適正配分をしたこと、各種掛金と支払共済金の相殺を行なっていたこと、共済金の一部を支払わないで帳簿外に経理し、目的外に使用していたことの三点につき、会計検査院から指摘を受けた事案であります。現在本組合は新旭町共済組合に合併し、役員も更新し、正常運営に復帰し、掛金徴収率九七%という成績を示しています。県及び関係者から当時の組合運営につき説明がありました。その原因につきましては、第一に当時の組合役員が農業協同組合の役員を兼任し、経理についても協同組合との間で種々操作が行われ、経理区分が全く不明確であったこと、第二に当時の掛金徴収率が六五%にすぎなく、役員の組合運営が安易に流れていたこと、第三に共済保険制度に対する農民の認識が低く、災害の比較的少かった本組合では、農民の間に掛捨の感情が強かったこと、第四に組合運営が一部役員によって独善的に行われ、一般組合員はほとんど参加しておらず、帳簿外経理についても関知していなかったこと、第五に単位組合に対する県及び連合会の指導監督、特に経理監査が十分でなかったこと等が挙げられます。会計検査院の検査を契機に、県及び農林省の厳密な調査と強力な指導が行われて、当時の責任者は解任され、目的外使用額については各責任者から弁済を受け、不適正配分額については正規支払いの処置が取られておりました。県から改善処置として、第一に市町村合併に並行して単位組合の合併を強力に推進し、単位共済組合を農業協同組合から完全に独立したものにし、かつ共済組合独自の組織の確立に努めていること、第二に単位組合の取引金融機関を統一することにより県の単位組合に対する経理監査の徹底化をはかること、第三に野帳の抜き打ち一斉検査を実施していること等の処置がとられている旨説明がありました。また県から本制度について、たとえば水稲共済について、昭和二十二年の制度発足以来今日まで災害の少い本県においても、農民の負担した掛金が四億五千万円であり、これに対し農民に支払われた共済金が十三億八千万円であることから察知できるよう農民救済の機能を十分果している。ただ本制度が複雑なため、種々論議を生んでおるのであり、農民に理解され得る方向に運営されたい旨の要望がございました。  次に、採種圃補助について報告いたします。本件は滋賀県が三百余万円の国庫補助金の交付を受け、県紫雲英普及協会を通じレンゲソウ採種圃設置者に交付しているが、交付に際しその一部を目的外に使用したとの指摘を受けた事案であります。本補助金が普及協会から単位組合を通して採種圃設置農家に実際に交付されるに際し、補助金と組合員負担金との差引相殺が行われ、かかる指摘を受けた旨の説明があり、事後の処置として差引補助金相当額について追加交付の処置がとられ、かつ今後の防止策として県及び普及協会の単位組合に対する経理指導の強化を行う旨述べられました。  次に、病虫害防除費補助について報告いたします。本件は岐阜県真桑村が病虫害防除費補助として交付された補助金を別途交付を受けた四種目の補助金と合せて不適正配分したとの指摘を受けた事案であります。たび重なる大災害のため応急対策に追われ、また一方補助金の種目が多種にわたり交付がおくれたため事業確認不能に陥り、不適正な配分とせざるを得なかった旨説明がありましたが、農民の補助を受ける心がまえに認識不足があったこと、一つの災害に多種類の零細な補助が行われたこと等に起因していると考えられます。たとえば六百戸の本村に対し凍霜害病害虫防除薬購入補助金として、麦につき総額四千六百四十七円、同じくバレイショにつき一千四百四十八円交付されている実情であります。零細補助の整理及び補助金の適時交付により防止し得るのではないかと考えます。  次に、防衛庁工事について報告いたします。本件は保安隊第三地方建設部が大日本土木株式会社に請け負わせ施行している今津部隊新設給排水工事について、調査にあたり注意を欠いたため、約八十七万円の手戻りとなっている旨の指摘を受けた事案であります。本工事は当初琵琶湖湖岸に井戸を掘り、琵琶湖からの浸透水を取り入れ、部隊に給水する工事でありましたが、工事完成後、飲用水等として使用不適当と判明したので、琵琶湖から直接取り入れるよう改修工事を施行したものであります。当局は本工事施行に先だち、給水施設の調査及びボーリングを行わせているから、当然水質の検査も行うべきであったのに、常識的判断に支配され、その処置をとらず、不経済な結果を来たしたものであります。現地で関係者から説明を聴取しましたが、その原因として常識的判断に依存し過ぎ、工事計画の周密性に欠けていたこと、附近の住家の用水状況を十分調査しなかったこと、地方建設部に用水工事の経験者がいなかったこと等が考えられます。このような単純な不注意により、かかる不経済な結果を招来したことは遺憾であります。  最後に、日本電信電話公社工事について報告いたします。本工事は岐阜電話局における温湿度調整装置の工事で、現局舎の規模を対象として設備すれば十分であるのに、的確な計画もないまま将来の増築をも見込んで設置したため約七百万円の不経済支出となった旨の指摘を受けた事案であります。現地で公社の関係者から局舎設計に当り将来の端子増設に伴う増築の場合を考慮した温調室を設計する方針であったのを、設計君が誤まって温調の装置まで増築を見込んで設計し、かかる指摘を受けたことは遺憾である旨弁明がありました。なお、現局舎は現在までの加入状況及び近郊都市との自動交換化等から判断して、昭和三十四年度末ごろには一応収容限度に達し、増築が必要になる旨説明がありました。本件は将来活用できる点全くむだな工事と解することはできませんが、現在までの本装置の一日の平均稼動時間が三時間強である点等を考慮し、予算の効率的使用という面から考察しますと、不経済な結果となっていると考えられます。なお現在、公社は原則として現在の局舎に最も適合した温湿度調整装置を設置して、それ以上は増築の際考慮する方針をとっており、今後かかる指摘を受けないよう努力中である旨の説明がありました。  以上をもって滋賀、岐阜班の報告を終ります。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 次に、広島班の御報告をお願いします。

中野文門自由民主党

○中野文門君 広島班は一月十五日から七日間広島県下に派遣されました。派遣委員は、岩間、中野の二委員でございまして、調査は二十九年度決算検査報告事項を主とし、右に関連し、二十九年度及び三十年度における広島県の財政概況も調査しました。  検査報告の事項では、一、旧軍用財産に関し、求償の処置がとられていないものとして指摘された二十九年度検査報告の第六十六号、二、農林代行工事の施行に当り処置当を得ないものとして指摘された同じく検査報告の第九百十六号及び第九百十七号、三、農業共済保険事業の運営が適切でないものとして指摘された同じく二十九年度検査報告の第千九百十号、以上について実情等を把握し、またこれに関連する諸問題について関係者の所見、要望事項を関知するために行い、また一部の現場をも視察したのでございます。その詳細につきましては、別途調査報告書をごらん願うことにいたしまして、以下主要点につきましてまとめて申し上げたいと存じます。  まず、二十九年度及び三十年度における広島県の決算概況から申し上げます。当県の普通会計では両年度とも歳出超過で、このうち実質的赤字額は二十九年度が約六億九千余万円、三十年度が約五億四千余万円となっております。これは結局、県の歳入財源については大幅に見積られがちであるのに反し、歳出面では財政需要額が過少に見積られることによるものと認められるのでありまして、かような赤字の発生は、公共事業費のための起債の償還額や人件費の給与単価が累増しているのに対し、これに見合う財源措置のなされていないことが一番の原因となっている次第でございます。このため県としましても、これに対処すべく、特に二十九年度では機構の縮小、人員の整理を行い、単独事業費や給与旅費関係で、前年度に比べ二割五分程度の経費の節減を実施し、たとえば県内旅費では知事以下三等実費に規定を改正する等努めた模様でありますが、ここに付言いたしたいのは、国からの補助金の支出に伴う県費負担の実情でありまして、県に対し交付され、もしくは県を通じ各市町村等に交付される各種補助金に基く事業費のうち、事務費及び職員費についてこれをみますと、二十九年度の場合、国庫の補助金とともに所定の県費を支出したが、なお、事業実施のためには不十分なので、県としては所定の県費をこえて余分に支出せざるを得なかった額、いわゆる超過負担額は事務費及び職員費を合せて一億二千三百余万円に上り、三十年度の場合もその額は一億五百余万円で、ほとんどの補助科目について県の超過負担となっていることでございます。二十九年度の場合、この県の超過負担の額は、所定の県費の額を若干オーバーする額となっておりまして、ここにも地方財政窮乏の一因あり、ひいては不当事案多発の一因ありと考えられるのであります。かような状況から、末端への補助金の交付時期についてみますると、間接補助のうちでも、県の出納長が支出官となって市町村等に交付いたします場合に最も交付の遅滞が認められるのでありまして、三十年度補助金の市町村への交付は、すべ二二十一年の二月から五月にわたってなされており、県財政の逼迫による影響を如実に知ることができましたとともに、国庫の補助効果につきましても、今さらながら疑念を抱いた次第でございます。従いまして財政面における国への要望も種々なされたのでありますが、今日県としては、三十二年度以降の予算上、食糧増産対策費付帯事務費の大幅削減が見込まれることにかんがみまして、最小限の要望として本事務費の増額方が強く被瀝されたのでございます。  次に、二十九年度の批難事項第六十六号についてであります。本件は、中国財務局で、元駆逐艦の「楢」と「谷風」からの発生鋼材の一部を呉市が桟橋に使用することを条件として譲与すべく、両艦を同市に保管させているうち、この鋼材以外に両艦にあった非鉄金属を同市によって処分され、その売却代金約二百万円を桟橋工事費に充当されてしまった。またこの桟橋工事の請負人岡本某や細本、佐藤らに非鉄金属約二百三十五万円相当を領得されてしまった。しかるに三十年九月末現在、まだ求償の処置がとられていないというものでございます。そこでまず、財務当局が当時求償処置をとっていなかったことについてただしましたところ、呉市による非鉄金属の売却処分や領得事案については、右の細本某らにかかる被疑事件に対する司直の追求がなされていた二十八年八月以降において、当局としては初めて認知したものであり、その後、この細本、岡本らは相次いで公訴され、被告事件として係属するに至ったこと、さらに先に呉市が譲与した鋼材の約半分は指定の用途に供せられていなかったことも判明したので、あわせて求償する必要も生じてきたこと等のため、処置としては遅れたが、すでに三十年十二月呉市長に対し求償通告を行なっているというのでございます。しかしながらこの通告による求償額六百九十余万円は、その後岡本にかかる被告事件が控訴審にかかったので、この方の求償は、この結着を待って措置することに改められたため、また呉市に対する鋼材の無償譲与が負担つきであったことも勘案されたため、今日の求償額は鋼材の見積り誤差等による改訂もなされ、結局三百四十余万円となっております。そしてこのことは、昨年十月末呉市側に口頭で内示してあるというのでございます。これに対し、呉市側では、この賠償の予算措置について去月二十二日の同市港湾委員会に付議する旨述べておりましたが、財務当局が徴収決定はさておき、かように求償額を改めたにもかかわらず、呉市に対しあらためて文書の通告を行なっていないことの是非については、求償の遅滞の状況にかんがみ、いささか疑念をもたれる次第でございます。なお、本件の場合、三十年十二月における求償通告によりますと、呉市は、1、両艦を原姿のまま保管すべきなのに、無断で解体工事を行なったこと、2、非鉄金属を売却処分に付しながら、終始財務当局に通知しなかったこと等の事態もありますので、その発生の事情等についても一応説明を聴取しましたところ、呉市が無断で解体作業を行なったのは、二十二年十一月当時の呉駐在極東海軍部長から両艦の譲渡転用の許可を得ていたこと、船材に対する盗難の頻発に対処解体を急ぐ要もあったこと、また旧軍港市国有財産処理審議会で譲与方針の決定をみていたことに基くものであり、非鉄金属を売却しながら、財務局側に通知しなかったゆえんについては、呉市としては、桟橋工事の委託工事人から工事の精算報告書が提出されるに至って初めてその売却代金が工事費に充当されていることを知った旨の説明がなされたのでありますが、かような好ましくない事態の発生は、終戦後のどさくさにおいて、市の当事者と進駐軍との間になされた事務処理に明確を欠くものがあったこと、さらに呉市が元同市会議員であったこの工事請負人岡本を過信し、桟橋工事の経費は、残材料の売却代金をもって充てるという委託形態をとり、しかも資材関係の監督が不十分であったことによることはいなめないと考えられるのでございます。もっとも第二の点につきましては、呉市当局もこれを認めておりまして、当時の関係職員に対しては戒告処分も行なった旨述べている次第であります。  第三に、農林代行工事の第九百十六号及び第九百十七号についてであります。両件とも広島県が代行した農地造成のための干拓工事の施行の段階で、その出来高不足を指摘されたものでありますが、それぞれ現場を視察いたしましたところ、第九百十七号における検査院の指摘事項につきまして、県側の意見を徴してみますと、検査報告では、三原工区の堤塘の胴込めコンクリートの出来型について平均厚さ〇・一九米に対して、〇・一四立米しか施行されていないと批難しているが、県の検査では平均厚さ〇・一九立米あるものと認められた次第であり、これは検査個所が異ったこと及び検査者の見解の相違に基くものである。すなわち胴込め量が場所によって多少の違いのあることは、潮待工事であるため、潮流、波浪により打設直後流亡したものも一部認められるところであり、また業者の施工に多少のむらのあることにもよるのだというのでございます。また、中詰ぐり石について風化性の軟岩を使用しているとの批難に対しましても、これは品質の判定についての見解の違いである、この品質は県側では石積みの強度を減ずるほどの粗悪品でないというのであります。もっとも県側としても如上の事態に対する是正措置はすでに完了いたしておりますが、この種工事につきましては、たとえば堤塘の捨石厚の出来高が四月の県検査では設計書通り認められたにもかかわらず、七月の検査院の検査時には地盤の軟弱から波浪潮流の力を受けて不足を来たすに至ったような場合の、その施工責任の問題、また代行事業は土地改良法では機関委任であるが、代行要項では団体委任の形態をとっていることに伴う責任帰属の問題等につきまして、特に現地では疑念を持っているやに見受けられたのでございます。  最後に、農業共済保険事業の運営が適正でないものとして批難された第千九百十号について申し上げます。これは、広島県安村農業共済組合が、二十六年度以降農作物の共済金についてはその全部を組合員に支払わず、掛金も全く徴収せず、交付された保険金は組合を維持するだけのために使用されており、検査院の検査当時、百十二万七千余円を組合として保有していたという事案でありますが、かような事態は、二十五年産の水稲の損害評価に当って、組合内の一部の理事が自己の部落を有利にするため他の部落の分を過小に評価した、そしてその差額を自己の部落の評価額に水増ししたことが、共済金の支払後組合員に知れたここに端を発した模様でありまして、組合員から解散せよとの火の手が上ったに対し七幹部としては強制加入だということで押し返しました結果、二十七年には掛金の納入者は皆無となり、役員また総辞職するに至ったという次第でございます。これに対しましては、連合会としましては、当時の支部長をして解決に当らせる等努めた模様でありますが、結局二十八年二月、県知事による仮理事の任命が行われ、三十年末には町村合併により古市町と合併され、自後は、組合員も協力的であり、本年度では業務の運営も正常に復している由でございます。次には、この組合が保有していた百十二万七千六百四十二円の経緯及びその後の処理について調査しましたところ、検査時にこの百十二万七千余円を保有するに至った本組合の経理については、帳簿上、収入面で一万八千余円の誤差を生じていることのほか問題はなかったのでありますが、農林省側の資料によれば、県としては、組合がすでにこの保有金から所要の保険料等を差引き、五十六万三千九十三円を組合員に対し共済金として支払済であることを確認しているとのことでありましたところ、現実にはまだ支払われておりませんでした。それのみか、次々に事務費等に食われ、この保有金は減少しておりました。そしてこの未払いの事由としましては、その後三十年産の共済金もおり、他方過年度の事務費等の不足額を改めて特別賦課金として徴収せねばならなくなった結果、この特別賦課金の納入を待たねばならぬというのでありまして、結局、組合員へはこの賦課金を徴収の上、差引き八十四万五千余円を反当りで払い戻しするとのことでありましたが、この種指摘された共済金の精算処理については、実際には未措置の事例も少くないことにかんがみ、是正措置としての組合員に対する払い戻しの事実関係については今後も留意さるべきことであろうと考えられるのでございます。なお、現地では、この共済保険事業の運営面の懸案事項についても種々説明がなされたのでありますが、当日組合事務所で傍聴しておりました現地農民たちと懇談しましたところ、その席上、一農民から掛金等負担が重過ぎる、現行の制度なら、ない方がまだよいとの声も聞かれたことを付言いたしまして、本班の報告を終ります。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ただいまの両班の報告に対し御質疑はございませんか。  別に御質疑もないようでありますので、本日の委員派遣報告はこれをもって終了いたします。   —————————————

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) では決算の審査に移ります。  昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。  本日は農林省の一般会計の部を審議いたします。検査報告批難事項は第八百四十二号から第千七百九十六号までであります。本件に関し御出席の方は、中川会計検査院第四局長、渡部農林経済局長、安田農地局長、新澤水産庁漁政部長、須賀蚕糸局長、谷垣畜産局長、仰木林野庁指導部長、川戸官房経理厚生課長の諸君であります。御質疑のある方は順次御発言を願います。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 これは農地局の関係かとも思うのでありますが、農林省の関係で、土地改良の問題であるとか、あるいはまた農災害の復旧工事であるとか、こういうような問題についての、まあこれは直接その町村にやらせる場合もありますが、われわれが現地に行っていろいろ聞いてみますると、県あたりの報告によると、もっともこれは一がいには言えないのですけれども、請負者が非常に少いとか、それで非常に請負者のわがままを聞かなければならなかったというような事情が、排土の問題などで会計検査院から指摘をせられるというようなことを一、二聞いたんでありますが、こういう農災害の復旧工事とか、それから土地改良というような問題について、農林省としては何か原則的に工事についての内規とか何か、そういうものはあるのでございますか。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 農地局長であります。お答え申し上げます。御承知のように、農地関係の公共事業、言いかえますれば、灌漑排水等の土地改良、干拓、開墾等に大別できますが、これに応じましてまたそれぞれが規模によりまして、国営、代行、県営、団体営等に分かれておるわけでございます。そのおのおのに国費の負担割合及び補助率が、代行料、付帯事務費とともにきまっておるわけでございますが、その工事をいたします場合の直轄につきましては、本省のもとに地方農地事務局がございまして、そのもとに国営工事を中心にしまして、国営工事をやる農業水利事業所、干拓事務所、開墾事務所があるわけでございます、事業所があるわけでございます。国営の直轄におきましては、みずから直轄をいたしておるものもございますし、ときに応じて、請負では御指摘になりましたような事件も起きまして、適当でないのは次年度からは直轄工事にしておりますが、人員その他の関係をもちまして請負業者をして工事を行わしめ、その設計、監督、監査、検収、支払いを県で行なっておるものが割合多いのでございます。その入札参加者と申しますか、結果においては落札をいたしまして請負事業をいたしますもののことについての御質問だったと思いますが、国営は農林省におきまして、府県営は府県におきまして行い、また代行も——国営事業でありますが——府県により代行させておりますので、府県におきまして、それぞれ基準をもちまして、建設省の建設業の工種別に適格なる請負業者がございますので、その中の農業土木の経験でありますとか、その他の比較的優秀な過去の経験等から選びまして、入札に参加し得るものの適数をきめまして、その審査に当りましては、本省事務局、特に直轄工事、代行工事におきましては、事務局の一セクション、たとえば建設部長とあるいはその部の灌排課長なり、その他の課長なりに任せませんで、事務局長が主宰をいたしまする官房長あるいは経理、総務課長、建設部長と各課長、計画部長というように、多数の審議機関によりましてまず数をきめまして、入札の予定を予算をにらみ合せて打ち合せまするほか、入札から落札に至りまするまで厳重に多数主義でやっておるわけであります。そのうちの多額の金額に上りますものは、特に事務局からその経過を一々本省に伺いを立てるようにいたさせておるのであります。県が行いまするものは、代行工事を含みまして右に準じまして行うようにいたさせておるのであります。若干なお研究の余地があるかと思って、私どもにおいて研究いたしておりますが、県営の工事でありますと、地元業者と、もう少し広く事業をしておるりっぱな業者との間に、入札に参加し得るものをもう少し考え直す方がいいんじゃないかという意見も、他の委員等から御注意をいただいておりますので、それらのととも今後すみやかに研究をしたいと思っておる次第であります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 大体お話わかりましたが、この工事の性格とか、それから金額によって内規的に、あるいはこれは県の直轄であるとか、あるいは農林省直轄であるとか、そういう分け方になっておるのですか。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) さっき申しましたのは、御質問に触れて申し上げますと、工事の性格、おそらくは工事の種類と申しますか、道路を作るとか、建物を作るとか、ダムを作るとか、そういうのは建設業法に従いまして工種別に建設省の登録業者が定められておるのであります。またその業者の主として働く地域も指定をせられておるのでございます。それをそのまま採用をするようにいたしております。ただ建設省の仕事は数が多い半面、規模が小さい、こういう点がございますので、建設省の登録業者の中から適切な業者を、地域において工種において指定する際には、その工事規模に応じまして業者を選んでおるわけでございます。直轄と県営と団体営等の関係につきましては、国費負担で国営でやると、そういう国営工事は灌排で三千町歩以上の受益地を持つもの、干拓では三百町歩以上の干拓地を造成しようとするもの、開拓では千町歩以上の開畑があり、開田が五百町歩以上のものを国営でやる。こういう基準によりまして予算書も編成をいたしておりますので、それぞれの国費負担割合もまたきまっておりますので、それに応じましてやっておるわけでございます。県営にも何町歩以上、団体営にも、耕地整備にも何町歩以上、それぞれ農地局の行いまする他の工事、たとえば防災とか災害復旧につきましても、同様の基準を予算書に照応させて行なっておるわけでございます。ただいま申し上げましたのは内地の基準でございまして、北海道は御承知のように補助率等が違っておるわけでございます。ひとしく基準が予算書をもってきまっておる率でもちまして区分を行なっておる次第でございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 私は先ほど滋賀、岐阜県の調査に参った報告中にもちょっと申し上げておいたのですが、今、局長のいわゆる法規についてのあれは大体わかりましたが、御注意を申し上げておきたいことは、たとえば岐阜県の合同の土地改良の問題です。これなどは村が直接やったわけです。しかしながらその都度、これは両方まぜて使うのですが、とにかく四千何万という大きな工事なんです。だんだんといろいろ調査をしている間に、村がもうやり切れなくなったのか、あるいは負担を軽くするために値切って、資格があるかどうかしりませんが、おそらく資格はないと思いますが、村の人を、建設省の常任人夫かなんかしていた男を請負者にして、そうしてある年度、二十九年度でしたか、八年度かはっきり記憶がないのですが、千五百何万円の工事を請け負わせておる。ところがこれはもう調べてみるというと、これは会計検査院もそれを発見したそうでありますが、それじゃ村が肩代りをして、そうして一常任人夫を請負者にしたということについては、何か契約書があるだろう、こういうことを突き進んで調べたのですが、なかなかよう出さない。ようやく契約書を出してきた。それを県庁に聞いてみるというと、県庁も全然それを知らなかった。そうして見るというと、罫紙に七行か八行書いてあるというようなしごく簡単なものです。とにかく千五百何万円の請負を県庁は全然知らなかった、こういうようなことが合同村にあったわけなんです。こんなことを考えますと、今なかなか法規はいろいろ整然としておるかもしれませんけれども、今少しく県の連絡とかあるいは本省から監督をして、一つ十分やっていただかないと、おそらくこれは全国的に土地改良の関係などは非常にたくさんだと思うのですが、私は写しもとって持ってきましたが、参考に差し上げますから、十分これを一つ御検討下すって、今後そういうことのないようにやっていただきたいと思います。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) ただいまの御意見は大へんありがたく拝聴いたしまして、特に農林省のうちの会計検査院の会計検査報告中批難として指摘されておりますものの半分をこえる部分が農地局でございますので、数としては災害復旧等の補助事業に非常に多いのでございますが、なお、直轄、代行においてもございますし、まことに反省をいたして、私ども特に尽力をその面に傾注をいたしつつあるわけでございます。今後も特に注意をいたしまして、そういうふうにいたしたいと思います。  三十年度来直轄工事のやり方について、ただいま申し上げましたように、従来よりははなはだしく厳格に、本省も事前に監査をすることにいたしておりますが、先ほども申し上げましたように、県が主体となって国の補助を受けまして工事を行う、入札を行い、落札を行わしめて工事を監督するという面、検収する面、また団体が県を通じまして——この場合は県負担がございませんが、国の補助と地元負担でございますが、県を通じまして団体が行います場合に、県の監督及び事務局の監督について、国営直轄ほどまだ明確なものがありませんので、その事業の予算に伴いますことと土地改良法に基きますることと、他方予算でもその検査の職員事務費をいただいておりますので、最近では特に本省でも監査班を設けまして、県営以下においても直轄にならうように、また直轄や代行はいわんや被疑事項がありませんように留意をいたしまして、実は本日以降もそれを中心とした趣旨の打ち合せ会をすることにいたしております。  また二十九年度で御指摘を受けました六百数十件の件につきましては、繰り上げ、手直し工事、減額措置また不当経理の返還処置等をそれぞれ行いまして、検査院から御提出になりました決算報告書の中に載せられました案件につきましても、いずれも不足工事の手直し、経理のずさん、また検査が適当でない、見積り過大等につきましては、平塚の研修所で、約三百名ずつ最近では検査方法及び技能の研修をいたしておるのでありますが、経理上の是正措置もただいまでは九割以上行なっておりまして、九割以上といいますのは、残りはただいま継続中でありまして、年度末までに全部修正せしめるように行なっておるわけであります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 いま一つお尋ねいたしますが、この間やはり岐阜、滋賀の両県下を回りまして、冷害、霜害等の被害によりまする農薬購入の補助ということで、農村はそれによって大いに更生をしつつあるのですが、実はその土地にこの間、有史以来というか、神武以来というかしらんが、握り飯大のひょうが降ったわけですね。ところがその災害地区は、これはちょっと手帳を見ないとわからないのですが、そう広いものではないと思うのですが、しかし部分的には非常に被害が多い。それで岐阜県の一部の人たちが上京し、県もやってきて、一つ補助をしてもらいたいということを農林省に陳情した。ところがひょうに対してはそういう内規がないから補助はできないのだといって、補助をいまだにされていないのだということなのでありますが、ここへこういうとぶし大のひょうの写真をもらってきたんですが、それはどういうわけなんですか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) ただいまのお話しは、ひょう害についての本省の災害対策の問題であります。岐阜県について、昨年度もひょう害がありました。これは内規にないから本省が対策を講じない、こういうのではありませんで、災害の範囲が非常に小さいものは県で処置してもらいたい、こういうのでやっておるわけであります。相当広範囲にわたるものでなければ、営農資金なりあるいは補助金の問題は、数十万円あるいは百万円内外程度くらいの補助金に計算しますとなるものは、県で処置してもらいたい、こういう方針を農林省でとっておるのであります。ただいまの村がどの部分に当りますか、たしか岐阜では二へんくらいあったのではないかと思います。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 岐阜県の本巣郡というのかな、これは三十一年の六月十七日に突如起った災害なんですが、大体五百二十町歩にわたっておるのです。しかし五百二十町歩というのは相当なものですが、その範囲は今あなたの御説明によると非常に小さいものは県でというが、五百二十町歩ということになると、どういうことになるのですか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 私の方ではもっと大きい規模を考えておる。五百二十町歩となりますと、一村くらいになると思いますが、私の方ではもっと大きい規模で考えておるのであります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 それはしかし、その被害がもう極端にひどければそんな大きさ、小ささにとらわれるというのはおかしいのじゃないですかね。今まで何かそういうことについての他県の例がありますか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 今までのやり方が数県にまたがるとか、あるいはひょう害の場合には、必ずしも数県というのでなしに、あるいは相当の地帯をなしてこう走りますから、相当広範囲になって県の負担力をこえるというような場合に、国でめんどうを見た例がありますけれども、大体ひょう害の場合には大かた県で、県自身で処置してもらっておるのが例でございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 本件についてはあなた直接県から何か陳情を受けましたか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 受けたと思います。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 この程度にしておきますが、なお、写真があるからこれを御参考に一つ見ていただきたいと思います。

上原正吉自由民主党

○上原正吉君 今のなんですか、めんどうを見るというのは、何か法律に基いて補償するのか、それとも特別にいわゆる面倒を見るのか、どちらに当りますか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 御承知のように法律に基いて自動的に動くものは農業災害補償法に基きましての農作物共済です。これは今の範囲が小さくても当然いくわけであります。さらにこの農作物の被害につきましては天災等に基く災害に対する融資の特別措置法があるわけです。これは低利資金を融通するわけです。これは政令でもちまして地域を指定しまして、そうして融資をした場合には利子補給と損失補償を国及び地方団体でもっと、こういうふうになっておるわけです。そのほかの分はこれは御指摘になりました農薬代の補助とかあるいは肥料代の補助というのが問題になるわけでありまして、問題は二十八年の災害のときには相当出ましたが、その後は今の天災融資法等の低利資金の融通等で補助金の分はだんだん少くなっておるわけであります。災害対策は今の農作物関係につきましては大体そういうもので、あと施設のものはいろいろな法律なりあるいは補助金が出ておるのは御承知の通りと思います。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 速記をおこして。  暫時休憩いたします。午後一時から開会いたします。    午後零時四分休憩    —————・—————    午後二時一分開会

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 休憩前に引き続きまして、委員会を再開いたします。  農林省の一般会計の分を審議いたしております。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 農林省関係がたくさんあると言っちゃ、言葉が悪いかもしれませんが、たくさん件数がありますので、一々伺っていても仕方がない。総括的なことを一つお伺いしたいんですが、検査院の報告書なんかをだんだん読んで参りますと、たとえば、百五十七ページには、「なかには二十六年度以降の検査において指摘を受けた事業主体がその後着工した新規工事についても再び同様の事態を繰り返しているものさえある」というふうな文字がある。それからまた、多少ケースは違うにしても、百八十一ページに参りますと、「その防止策として、必要度の高い補助種目を選定すること、」云々という「諸点につき注意を促したが、二十九年度国庫補助金においては一部災害対策関係経費に補助費目の整理削減をみたほかには顕著な改善の跡が認められず、」云々と、こういうことなんです。点々とこうして、前に注意しておったけれどもやっておらぬじゃないか、前にも指摘を受けた業者がまた同じようなことをやっているじゃないかというようなことがあると、一体会計検査院の言うこと、あるいは国会の決算委員会なんというものをどう考えておるのか。同じ検査院も役人同士だというふうなことで、うるさいということをよく一般には考えるところもあるんですが、検査院が検査して、決算委員会でそれを承認して、院議をもって検査院の言う通りだ、官庁方面において将来よく気をつけべきだと、こういう決定をした以上は、検査院の注意、指摘というより、もう少しやはり慎重に考えていただく必要があるんじゃないかということになるんですが、こういうふうな点は、はなはだ遺憾に思いますが、ただ、今申し上げました初めの方の点で具体的に聞きますが、こういうふうに、同じようなことを前の同一事業主体が二度も繰り返すというようなことになってくるんですが、何か農林省では、悪性と認めた事業主体について調査でもして、そうしてこれに対しては事業の補助の取り消し、その他特殊な何か処置を講ずるというようなことをやり得る建前になっているのか、あるいはなっていれば、それをやったこともあるのか、何かありますんですか。それは公共事業費補助金の問題です。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 会計検査院の決算報告書のただいま第一の点として御指摘になりました点は、私どももまことに残念なことだと思っておることであります。非違行為が行われて、特に全部調べたわけでなしに、そのうちの。パーセンテージもわかっておりますが、種類別に一定割合を調べて、その中で注意事項が数えられておりますので、全面的に調べて、厳密にまた時間をかけて調べれば、なお他のこともできることは、私どもも心がけて、平素及び今後に注意しなければならないと思っておるのでありますが、第一には、やはり公共事業は、名のごとく、公共的な事業で、税金を多額に、また、多額の割合において投下しまして、公共的に行う事業でございますので、特に直轄代行におきましては、国の工事でございますので、非違の絶滅を期するように部内で、特に昨年以来は力を入れまして、反省をいたして、措置も厳重に、事前及び事後において監督をいたしておるのでございます。全般的には、何と申しましても、公務員の執務態勢と申しますか、心がまえが第一でありますし、第二には、雑談中にもお話がありましたように、その制度を、地元負担等において認識をよくして、そういう制度で公共事業が行われるということを、よく地元にも、中間の県や団体、土地改良区にも認識していただくのが第二であります。また、一たん起りましたことについては、先々日農林大臣からもお答えがありましたが、大臣の意を体しまして、他の均衡等も考え、従来よりははっきりと責任者の処罰——二十九年度の本件に関しましては、監督者において十名、直接の責任者において十九名、計二十九名の責任者処罰を直轄事業においていたしました。また、事業のやり方といたしまして、新潟県のあるところなんかは、三年継続の工事があります場合に、第一回には一年限りの予算でございますので、その一部が予算を計上され、執行するわけでございますが、不適当と思う者は、当初請け負わせました者で二年、三年続いてやりますことを途中で切りまして、ほんとうの直轄工事にして業者を排除する、そういう措置をとっておるところもございます。また、簡単に申し上げますれば、繰り返し行われるところには、人に対しましても、地元の認識に対しましても、事業の施行のいたし方につきましても、変えるようにして、しかも、それを各事務局内に、県庁をも含めまして、周知徹底して、今後に備えるようにいたさせておるのでございます。なお、事業をいたしましてあとで悪いことがおかる。たとえば、経理に不当経理がありましたり、繰り上げ施行の点がありましたり、手直し事項がありましたり、地元負担金が足らずに工事が少くて、あとで追加増加工事をさせるというようなことがありましたり、見積り過大で返還をさせるということがありましたり、各種の事例に応じまして、それぞれ是正工事をとっておりますが、事後のそういうことも、国費ご重要な貴重なものでございますので絶対とるべきものでございますが、中には農林省及び県庁の事務局の手不足、技能不足もございまして、あるいは故意でなくても、見積りを過大にいたしましたり、竣工検査に粗漏さがございましたり、材料の検査に先ほどお話に出ましたように適切でないもの等がございますので、最近は本省の系統のもの、農林省系統のもの、相次いで県庁の工事課を中心とした技術者と事務屋の監督、設計工事施行の監督検査、材料審査という技術面、またそれらの経理をどういうふうに……工事施工中でも見積りでも、土地改良区の検査にいたしましても適当なように、検収施設を特に強化いたしまして、かなりのことをやっておるのでございます。さらに実地監査も徹底すべきものと考えまして、農地局では本省に五名、事務局には二十四名の人を、特に明確な監査官という制度がまだ設けられておりませんけれども配置をいたしまして、事前の指導と事後の監査に遺憾なきをはからっておりますが、私はつい最近来ましてからこの制度を運用いたしましたので、まだ期間も短かく手薄で十分にはいきませんが、今後に期したいと思っておるのであります。  また、根本は公務員の仕事の担当と責任感ということがもとでございまするから、先般も、個々の事業としては中心になりまする中堅の班、係の事務分担を明瞭にいたしまして、責任の帰趨を明らかにすることもいたします。また長と名がつく者の事務関係の最高の者には、私どもを含めまして、上司から特に厳重なおしかり及び注意もいただき、われわれもまた地方事務局に対してそういう要望をいたして、従来は一年ごとくらい、あるいは会計検査院の検査にお出かけになるつどくらいの報告処理でございましたけれども、もっと短期間随時に地方の現場の所長、地方農地事務局長をして、その進行度合いの適正化を報告せしめるようにいたしております。なお、行政処分事項のほかには、業界、地元等の関係も配慮せられ、またまじめであってもマンネリズムになって、新しい目を光らして行うということに遺憾な点が生ずる人間性もございましょうので、あまり一カ所に長くそういう仕事をしておる者がおるのは適当でない、他方、適材適所に配置をする必要性もある、両者を考えまして、今般御審議になっておる事項の範囲に関連しましては事務局長を三名、局の建設部長を二名、その他本省に適切な配置転換を行なって、全般的に職場の空気、心がまえ、執行態勢を適正にするように期待をしながら努力をいたしておるのでございます。  三十年度は、会計検査院の御検査を得られたものの中では、直轄等ではある程度の減少があることを第四局長も委員会で御報告になりましたので、幾分かは効果があったことと思っておりますが、なお引き続いてあるところもございますので、直轄には絶無を期しまして、代行には代行という制度自身を考え直すことをも加えまして、自後いろいろ適正化をはかりたいと思っておるのであります。補助事業につきましては、特に言い忘れました点で二重査定の問題がございますが、これは農地局としましては、建設省、林野庁と細目をきめまして、その際にその決定した方針の細目によりましては二重査定という結果が出ない制度を採用することに三十年度以降いたしました。また災害復旧に農地局の分でも過半の件数が発生いたしておりますが、災害という特殊事情で地元負担が負担されない点とか、個所数が多いので見切れない点、従来机上査定がむしろおもでありまして、現地において被害額を査定して、被害額の査定に応じて国庫の補助率、補助金額が出て参るものでございますが、この査定を、この冊子にも書いてありますように、一部は会計検査院が事前査定という言葉で現わしておったかと思いますが、査定になって九十億余の減額をしたと言われてありますが、私どもはそれも十分に参考にいたしまして、査定そのものは財務局の職員と私どもの職員とができる限りの現場調査をいたしまして、机上調査を避ける、こういう建前からいたしまして、検査院がいろいろ御尽力を願いました個所の九十九億は、出ました個所につきましてもさらに二十億の査定の節約をいたしましたし、さらに二十八年を中心にしまして、二十六年以降現在まである災害額の現地再査定もおおむね完了いたしまして、当初の県の報告による査定よりは、災害復旧につきましては事業費にしまして三百九十六億、そのうちの補助分といたしましては二百八十二億の減額をして、国損の防止に努めまして、それに対して三十一年、三十二年度以降補助予算を計上して、国会に御審議をお願いしたい、今後お願いを申し上げるようにいたしておるつもりでございます。十分ではございませんが、この努力はなお一そう続けまして、現地再査定をなお強力にして進めますことと、地元の認識をさせることと、二重査定は絶無を期すること、地元負担金において認識を高めてもらう、設計過大、不良工事については職員の訓練と心がまえによりまして遺漏なきを期するようにいたします。特に直轄工事には非違事項絶無を期しまして、代行工事につきましては制度そのもののことに触れまして、問題の解決に近づきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 いろいろと事故をなくするために御熱心に御工夫の点も伺いまして、まことにけっこうなことだと思っております。正直に言いまして、大臣もおとといお見えになって、いろいろ大臣としてのお心持の話もありましたけれども、大臣というものは、そう言っちゃなんですが、割合短期間しかいない。人はかわります。結局こういうようなことの根本は、今の御説明にもあったように、やはり官吏諸君の心持、執務態度というか、そういうようなことが一番中心になってくる。それはむろん大臣の考え、大臣の態度というものが大きな影響はありましょうけれども、やはり何といっても大臣よりももっと諸君の積み上げてきた農林省かたぎというか、農林省の役人風というか、そういうのが私はよけいに多いのじゃないか。幸い今日は農林省の局長諸君多数おいでになっておる。ほんとうを言えば大臣の気持を聞くよりも、諸君自身にほんとうに農林省をしょって立ってもらっているんだということから、諸君にやっていただく方がもっと強いのじゃないか。幸い安田局長のお話にも、非常に御熱心な、改善努力ということも察せられますので、けっこうなことだと思っております。そういう意味で、一つぜひ諸君において、大臣を待つまでもなしに御努力を願いたいと思います。  それで最後に一つ事務的なことですが、伺いますが、二十七年、二十八年、二十九年度の検報査告掲記事項の事後処理状況調、これをちょっと通覧いたしますと、まだ補助金等で返納さすべき金等が未完済のものというようなものが相当あります。二十七年、二十八年ということになると相当時期もたっておるのですが、一体これの未完済分についての将来の見通しはどんなものであるか、またこれはどういうような催促をしどういうような取り方をしておるのかというようなことを一つ大ざっぱでいいのですが、その概略の説明を願いたいと思います。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 御質問は農地局の分ばかりじゃないかと思いますが、農地局の分について二十九年度について申しますと、直轄工事では、検査をせられたところの六十六億のうち指摘されたものは二十四でございまして、非違事項として指摘されたものは十四件でございますが、繰り上げ、手直し、返還で全部処理済みにいたしまして、代行工事では二十万円以上と以下とありますが、込めまして二十数パーセントの指摘率を受けて七十五件もございますが、六千八百余万円でございますが、繰り上げ施行、手直し、返還に三十年度以降減額をする、金をやらないで事業をさせるということでありますが、それによりまして、全国統一した監査、調査によりましては八三%が処理済みでありまして、十一月以降今日におきましては、全国分の集計が一部足りませんが、年度内にちょうどただいま九〇%以上こえておると思います。年度内に必ず完済させることにいたしております。  公共補助、補助金行政の方でございますが、公共事業の農業施設と開拓関係とかありますが、これの数が六百五件ありまして三億一千三百万円、多額にわたりましてまことに残念でございますが、その十月における処理状況は、指摘にありました通りを直させることにいたしまして、繰り上げ施行はこの分にはございませんが、手直し工事と、三十年度以降減額工事をする、それから返還をせしめるもの六七%十日以降にいたしました。この分もその後督励いたしまして進めまして、九割の台に到達いたしております。従いまして、たとえば説明書として国会に提出してありまするものの二百九ページ以降で例をかりに申し上げますと、八百六十八番の「手直し工事中」などはすでに完了いたしました。ずっと完了いたしまして、八百七十四で、この印刷物の当時は「補強工事中」でありましたのが、手直しは処理済みでございまして、返納未処理の七万円ばかりの金の計数整理中でございます。八百七十五番も完了をいたしました。八百八十一番以下ずっとたくさんございますが、あるいは手直し工事、あるいは繰り上げ工事中、または補強工事中等とありますものは、三件を除きまして完了せしめております。その三件というのは、六万、八万というような金の方を見積りまして手直し工事を進めて、あと返還するところの計数整理中の段階であります。御指摘になりましたものは以下九百三十二まですべて工事中とあるのは完了をいたしている次第でございます。例で申し上げますとそういうふうにいたしておりますので、今後も一そう努力をしたいと思っております。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 大体これは一件ずつそれぞれ調べてあとどうなったかということをプレスしているわけでしょうが、何年ぐらいやるのですか。全部手直しなら手直しができるまで、それから返還を命じたものは全部返還が完了するまで何年でもやる。まあ、何年でもといってもそれも困りましょうが、四、五年ぐらいは続けてやっているのですか、どうなんですか。

安田善一郎農林省農地局長

○政府委員(安田善一郎君) 犯罪事件がこれに伴いまして、求償権なり請求権なりが残って、取り得ないものがある場合は長くかかりますが、それ以外は二十九年度の検査は三十年に行われるわけです。従って三十年でよく確かめてから三十一年度で——実質上の一年後という意味でありますが、二十九年度という年度から見ますと、検査が一年おくれますから、足かけ三年のような勘定になります。ここで完了するようにいたしております。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 速記を始めて。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 ここに事件の概要に関する報告書を私ども受け取っているのですが、例の多久島事件の問題の、もう全貌については申し上げません。ただ最後の国が与えられた損害、こういうものについてこまかく書いてあるのですが、回収状況とか、それから将来の見通しとかというようなことにつきまして、関係局長から御答弁願いたい。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 多久島事件につきましては、私ども役人として非常に遺憾に存じておるのであります。国の損害額につきましては、報告書の中で報告されてあるそうでありますから繰り返して申し述べませんが、これの回収事情につきましては、十月四日に多久島元事務官が本年四月兵庫県共済連に送金した千二百八十万円を和解調書作成によりまして債務名義をとりまして、これを引き上げて国庫に繰り入れました。それから多久島の所有しておった金目になる物というのは、そこに書いてありますテレビ等を売却いたしました二十二万円、これを国庫に納入いたしました。その他多久島が各方面に、たとえば自宅を建築したとか、あるいは会社をやったとかいう、そういうことをいたしました事件につきましては、ただいま一切、多久島から和解調書による債務名義をとりまして、それぞれの抵当権者あるいは名義人等にかけ合っております。  その後の状況を見ますと、非常に何といいますかへ事情複雑といいますか、あるいは多久島が野放図にいろいろなことを処置しておるといいますか、貸借関係書類等ありませんので、現在弁護士を使って一々法律的な追及をやっておる状況であります。ただいまのところ、まだ十分の結果が出ておりません。鋭意法務省及び農林省が担当の弁護士で、回収し得べき関係者の財産の状況を調べておるような状況でございます。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 こういう大事件であるだけに世間が非常に結末を注目しておるわけであります。従って、われわれ委員としましても、この問題はしばしばいろいろ団体等の集まり等でわれわれ聞かれるわけなんでありますが、今もお話を聞きますと、何かほとんどその跡始末のまだ見通しがついておらぬような状況ですが、大体の目算ぐらいはわからないものですか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) これは、はなはだ遺憾でありますが、多久島が関係しておったいろいろの財産等についてのリストは一応できておるのでありますが、それに対する権利関係の証明というものが、先ほど申しましたように非常にむずかしいのであります。法務省等の知恵を借りましてやっておるのでありますが、まだただいまのところ、どの程度まで、あるいはいつごろまでに大ざっぱな見当がつくかということもはっきりは申し上げられないような状態なのであります。これははなはだ遺憾でありますが、事実でありますので申し上げたいと思います。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 非常に御答弁が言いにくそうなのですが、しかし、一つ二つでないようですが、まあ多久島自身が相当計画的にやったということはわかるのだから、従って、まあ一つの家を建てても、名義が自分の名義でなく、他人の名義で登記をしていたとか何とかいうようなことは、これはまあ大体われわれも予想ができるのですけれども、まあそういう問題が具体的に一つの例として、一体ある家は、事実今審査中であるが、こういう状況になっておるのだというような具体的な一つの、全部を聞こうとするわけじゃありませんが、例を示して下さい。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) たとえば多久島が住んでおった家というのが板橋の方にあるのでありますが、これはまあ比較的権利関係がはっきりしているのですが、これは多久島の名義になっておる。ただし、これは高利貸の抵当に入っておりまして、この抵当権設定が高利貸でたしか百十万円か何かになっておりました。この額で高利貸の抵当権を実行されれば、ほとんどほかに競売に付した場合もらう金がないだろう、こういうふうなことであります。そのほか、ただいま多久島事件についての裁判が進行中でありまして、私どもの方では権利関係の不分明のものは、この裁判の進行によってあるいははっきり出てくるものもあるのじゃないかという期待もしておるのでありますが、先ほど申し上げましたように、非常に何といいますか、巧妙にやっておるのか、あるいは多久島を取り巻く人々にうまく処置されたのか、非常に不明確な点が多いので、実は非常に頭を悩ましておるのであります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 その多久島が名義を借りていたという相手は全然他人であるか、あるいは役所に出入りをしておる者であるか、そういう具体的なことを一つ。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 多久島事件に関係しまして、たとえば茨城県の加倉井会長とか、金を操作するについての相手方になっておる人を除きましては、これは役所に関係のない人で、種々雑多な人が登場しております。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 ほかの、まあ家だけでなくて、あるいはまたほかの、何といいますか、登記してある何か山林とか、あるいは何かそういう財産で、これは多久島がやっておるのだが、事実は名義が違っておるのでどうにもならぬ、そういう例はありませんか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) これは新聞紙上等にも出ましたけれども、料亭を経営しているとか、運輸会社を経営してオート三輪を持っておるとか、そういうものはあります。これは今までのところでは、実際問題としては多久島が関与し、多久島の金をもとにしてやっておる、本人もそのことをある程度認めまして、先ほど申し上げましたように、和解調書に調印しまして債務名義をこっちに渡しておるのであります。しかしこれを実際に法律上執行するにつきましては、やはり裁判にかけて、証明して、強制執行しなければいけませんから、その法律的根拠が、たとえば登記とか、そういうものについての証明し得べきものがない。その点で私どもの方では思うようにいかないのであります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 中には財産によっては故意によって相手に与えたというような事情がわかったという例はないのですか。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 今までのところでは共謀してこの金を使った、財産を、何といいますか、隠すために故意にやっているというところまでははっきりいたしておりません。先ほど申し上げましたように、多久島としては、こちらの質問に対して、これはその金でやったのだ、従って自分が主張し得る権利は、当然国の方に債務名義を譲るということで、何といいますか、しごくあっさりかぶとを脱いでおるのであります。しかしそれを債務名義によって強制執行する段になると、いろいろな法律的な証明が要る。多久島がこれはおれの金でやったのだから当然返すべきだといっても承服するような相手ではないようで、そこで弱っておるのであります。

大竹平八郎無所属クラブ

○大竹平八郎君 いま一つお尋ねしますが、私どもが言わんとすることは、こういうような事件が、大がい裁判の結果というものは、その人の能力によって国に弁済をするというようなことをよく税務関係などでも例があるのですが、せいぜいやったところで月千円とか千二百円とかというような基準で大体やっているわけなんです。従ってこれは生涯五十年かかってみたところで知れたわけです。こういう莫大のような金額をかりに月二千円払ってみたところで大したことはない。従ってわれわれは、まあ法律的にその盲点はあるかもしれぬけれども、最大の能力を上げて、そういうとにかく六千万円に近いような金が一応ばらまかれたということは、何かの形でどこかに、しかもたくさん残っているにわれわれは違いないと思うのですが、これはただ表面的に法律論からくれば、名義が変っているからと、こう言ったところで、故意にやったものなら、これは詐欺共謀という問題も出てきます。法律的にまたわれわれは考えるべきところは幾らもあるので、そういう点から言って、将来本人から取り立てるというものは、今お話した通りでごくわずかだ、従って彼がばらまいた財産というものを、とにかく何か合理的手段によって少しでもよけい回収するということに一つなお一そうの努力をやっていただきたい、こう思うわけです。

渡部伍良農林省農林経済局長

○政府委員(渡部伍良君) 私の方でも法務省の方にそういうむずかしい問題は一切御相談をいたしまして、できるだけ国の損害が回収できることを努力しておるのであります。なお今後とも一そう努力せなければならないのは当然の責務だと思っております。

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 速記を始めて。  ほかに御質疑はございませんか。——御質疑がないと認めます。  では農林省一般会計の検査報告批難事項第八百四十二号から第千七百九十六号までの質疑は一応終了したものとすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三浦義男自由民主党

○委員長(三浦義男君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。  以上で本日の審議を終了いたします。次回は二月七日木曜日午後一時から食糧管理特別会計、農業共済保険特別会計を審議する予定であります。  これをもって委員会を散会いたします。    午後二時四十九分散会

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