決算委員会 第2号
- 発言数
- 29 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/02/01
会議録
○委員長(三浦義男君) ただいまから第二回決算委員会を開会いたします。 まず、委員の変更を御報告申し上げます。 昨年十二月二十日、谷口弥三郎君の辞任に伴いまして、森田豊壽君が補欠として選任されました。また、同年十二月二十四日、森田豊壽君の辞任に伴いまして、谷口弥三郎君が補欠として選任されました。さらに本日、二月一日、小沢久太郎君の辞任に伴いまして、松岡中市君が補欠として選任されました。 —————————————
○委員長(三浦義男君) 次に、本日理事会において打ち合せました事項について御報告申し上げます。 第一が、委員派遣報告の件でございますが、なるべく早い機会に、随時委員から委員会において口頭報告を聞き、書面報告は、四班中最後の口頭報告を終った日の会議録にまとめて掲載することといたすことにきめました。 次に、日程の作成の件でございますが、国鉄民衆駅は一月の二十五日に審議する予定でございましたが、いろいろ事情がございまして、これが予定通り実行できなかったのであります。また、農林省の一般会計につきましては、一月の二十八日に審議をする予定でございましたが、これも同じような理由で開会に至りませんでございましたので、この問題についてきょうの理事会においてお諮りいたしました結果、農林省の一般会計につきましては、これは二月の四日、月曜日に審議をすることにいたすということに決定をいたしました。それから国鉄の民衆駅の件につきましては、いろいろ御調査の趣旨もございますので、先に送りまして、二月の二十一日、二十二日に国有鉄道の関係につきまして審議をいたしますので、そのときにあわせて民衆駅を審査するということに取りきめましたので、御了承願いたいと思います。 それから二月の四日にとり行うことにきめておりました農林省の食糧管理特別会計、農林省農業共済保険特別会計の二つの問題は、二月の七日の木曜日の日に審査をすることにいたしましたので、この点も御了承願いたいと思います。 以上、理事会で取りきめましたことにつきまして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三浦義男君) ではさよう決定いたします。 —————————————
○委員長(三浦義男君) 次に、委員派遣について、派遣委員から御報告を願います。 奈良、和歌山班の御報告を願います。
○石井桂君 奈良、和歌山班の現地調査について御報告申し上げます。 本班は、昭和三十二年一月十一日から同十六日まで奈良、和歌山両県における二十九年度決算検査報告事項のうち、農林省、建設省所管の分について調査を行なったのでございます。派遣委員は、鈴木議員と奥議員と私の三人でございます。 この調査は、二十九年度検査報告事項のうち、農林省所管七件、建設省所管三件を選定いたしまして、これら指摘事項の現状を把握し、これに関連してその発生原因、事前にとった防止対策、事後の是正措置、改善方策、関係者に対する処分等を中心に、また、現地各方面の改善意見並びに要望事項等もあわせて調査いたしたのでございます。これらの詳細につきましては、別途提出の文書報告によって御了承をいただきたいと存じますので、これよりこの調査の過程におきまして得られた資料のうち、本委員会の審査に参考となるべき事項につきまして御報告申し上げたいと存じます。 第一に、農林省所管の農業共済保険事業の運営についてでございます。検査報告で、共済金の一部を組合員に支払わないで、帳簿外に保有し、これを目的外の農業協同組合出資金、農機具購入費、飲食費等に使用しているとされました奈良県天理市二階堂農業共済組合、同じく奈良県の北葛城郡当麻村農業共済組合、また検査報告で、組合が損害評価を上回る申請をして過大な保険金を受領し、これを組合員に配分しないで、組合諸経費に使用していると指摘されております和歌山県那賀郡田中村農業共済組合、これらの三組合について調査を行い、県の当局者、県共済連合会等の説明を聴取したのでございます。 これらの指摘事項の発生原因は、組合における掛金徴収の不円滑と、損害評価の不徹底の二点に存在するように思われた次第でございます。すなわち、指摘された三つの組合とも共済金の正常な支払いをなさず、多額の金を組合に保留し、または目的外に処分しているというのでございますが、そういうことになりました理由は、正常支払いをするに当りまして、その支払いの基礎となるべき各農家の被害の実態に即応している損害評価決定額を組合が把握しておらないため、実際に正常支払いをすることができないでいたということと、掛金の徴収が困難でありますから、組合ではそれを支払い共済金でまかなおうとすることから発生している事項であると思われるのであります。これらの組合におきましては、組合の損害評価の基礎資料であります野帳もほとんど各農家の損害実態から遊離して、事務的に作成されていると申し上げても過言ではない実情であると思われた次第でございます。このような指摘の事態につきましては、一方被保険者であります農家の側にも、また、一方制度上にも問題が介在しているのではございますが、この共済保険制度を存続させて参ります限りその根底であります損害評価の合理的決定と掛金の徴収につきましては農林本省以下、末端組合幹部に至るまでのより一そうの努力が必要であると痛感する次第でございます。 制度上の問題に関しましては、現地におきましても無事戻しの実施、事務費国庫補助の拡大、掛金の軽減措置などにつきまして要望があったのでありますが、これらの不満の起る根本の原因を除きますのには、損害評価に合理性と権威ある裏づけを与え、補てんを受ける被害の程度、段階の区分と掛金率の差等を現実に即応させる措置などについて考究する必要があると考えるのでございますが、しかし、国民全体の負担をこれ以上増加することにつきましては慎重でなければならないと思うのでございます。 次に、第二に、農林省所管の農業施設の災害復旧国庫補助及び改良工事国庫補助について御報告申し上げます。 農業施設災害復旧国庫補助につきましては、検査報告におきまして出来高不足、事業主体負担不足の和歌山県日高郡塩屋町熊野川堤塘の二十八年災害復旧事業と、出来高不足の、同じく和歌山県の海草郡山口村雄之山川水路の二十七年災害復旧事業外二件につきまして調査を行い、市長または村長、京都農地事務局及び県の当局者の説明を聴取したのでございます。 この両件に共通しております出来高不足の発生原因は、町または村におきまして、現場監督の能力が不足したところにあると認められ、また、これらの不当事項の発見及び是正措置が迅速にとられなかったのは、県当局が行います竣工検査のための必要人員が、二十八年の大災害による件数の増大に応ずるほど十分でなかった点があげられるのでございます。 現場監督の能力の向上につきましては、県におきましても、講習会等によりまして努力しておるとのことでございますが、特に技術的能力の向上につきまして留意する必要があると思われた次第でございます。なお、この種の補助金の流れ方は、いわゆる間接補助として、知事が行う補助事業に対しまして国が補助を行うものでございますが、工事の精算の結果、国が補助金の返還を県に対しまして命じました場合に、県は、地元事業主体であります町村からの返還がない場合も、国庫に対しまして県費をもってその返還をいたしておるのであります。これは県の財政を圧迫することでもございますし、町村の返還を待って返納するようなことはできないかとの要望意見がございましたことをあわせて御報告申し上げます。 次に、改良工事など補助の対象としてはならないものと指摘されております奈良県北葛城郡広陵町旧瀬南村の南郷土地改良区の分につきまして申し上げます。 これは灌漑用の揚水施設工事として農林省の補助金を交付され、これと重複いたしまして、厚生省の簡易水道の建設補助金も交付されましたのでございますが、県の農林当局に、この施設を簡易水道として使用している現状を発見されました。また、検査院からも指摘を受けまして、結局、農林省の方の補助金を返還するに至りました事項でございます。現地の理事者の説明によりまして、補助金の二重取りの悪意はなく、海潮用揚水施設は別に建設するという、土地改良区と村との公約があったなどのことも聞きましたが、いずれにいたしましても、補助申請が、同一物件につきまして二省にわたって提出されました事態を、少くとも県において発見することができなかったことは、県行政の機構の上に一考を要する問題だと思った次第でございます。 最後に、第三、建設省所管の公共土木施設災害復旧国庫負担について申し上げます。 検査報告の粗漏工事、出来高不足及び事業主体負担不足事項であります和歌山県日高郡川中村の村道、老星佐井線の二十八年災害復旧と、同じく和歌山県の伊都郡見好村の村道新城志賀線の二十八年災害復旧につきまして調査を行なったのでございます。それぞれ村当局及び県の土木部の説明を聴取したのでございますが、粗漏工事や出来高不足につきましては、二十八年の大災害のために工事件数が増大いたしまして、県や村当局におきまして十分に監督することができなかったのでございます。また、見好村におきましては、災害個所がおびただしい数に上り、村財政も逼迫いたしまして、国庫負担金を下回る工事を行なって、その剰余金を村内の応急工事費に流用しているといった実情でございます。県当局といたしましては、これらの不当事項発生の事態に対処いたしまして、第一線の人員の整備ということに重点を置き、また検査の充実につきましては、県に検査員制度を設け、随時検査を行いまして、出来高不足等の発生を未然に防止するよう措置し、三十年度におきましては、土木部所管の批難事項は二件にとどまる成績を上げたとのことでございました。しかし、この種の国庫負担事業の遂行のシステムにおきまして、県の土木部長が支出負担行為担当官としての職責を明確にし、負担金精算のための竣工検査等につきまして、職責の明確化を新たにする必要があることは従来からいわれてきたところでございますが、この点必ずしも政善されているとは思われなかったのでございます。なお、和歌山県におきましては、二十八年大災害の復旧総額は百四十五億で、このうち、三十一年度までに認証されました額は八十二億でありまして、進捗率は五七%、あとの六十二億につき、早急に国庫負担金を交付するようにとの強い要望がございましたことをあわせて御報告申し上げます。 以上をもちまして、簡単でございますが、奈良、和歌山班の報告といたします。
○委員長(三浦義男君) ただいまの報告に対し、御質疑はございませんか。——別に御質疑もないようでありますので、本日の委員派遣報告はこれをもって終了いたします。 —————————————
○委員長(三浦義男君) では決算の審査に移ります。 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書 昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。 本日は農林省の部を審議いたします。検査報告批難事項は、第八百四十二号から第千九百七十九号まででございます。 本件に関し御出席の方は、会計検査院第四局長中川薫君、農林省関係として、大臣官房経理厚生課長川戸孟紀君、農林経済局長渡部伍良君、同じく金融課長和田正明君、農地局長安田善一郎君、同じく建設部長清野保君、同じく総務課長厚味荘之助君、振興局長大坪藤市君、同じく総務課長酒折武弘君、同じく農産課長岩永達夫君、畜産局畜政課長丸山幸一君、蚕糸局長須賀賢二君、水産庁長官岡井正男君の諸君であります。 まず、検査院から御説明をお願いします。
○説明員(中川薫君) ただいま議題となりました農林省所管の部のうち、一般会計の分だけ便宜まずもって申し上げたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○委員長(三浦義男君) よろしゅうございます。
○説明員(中川薫君) 昭和二十九年度に農林省が一般会計で支出いたしました額は千百十七億余円でございまして、そのうち、国が直轄、または都道府県に委託して土地改良、開拓、干拓等の事業を施行いたしましたものが百三十九億余円でございます。これは全額国費支弁のものでございますが、その他、地方公共団体等で施行いたしまする各種事業に対する国庫補助は百九十二費目に及びまして、その額が五百五十九億余円となっております。そのうち公共事業関係経費が大部分でございまして、前記百九十二費目のうち六十費目、四百六億余円になっておりまして、その他一般補助が百五十二億余円でございます。 まず、直轄工事と代行工事について申し上げますが、これは先ほど申し上げましたように、全額国費支弁でございますが、どれを直轄工事とし、どれを代行工事とするかと申しますと、規模の大小によって区分される建前となっております。たとえて申しまするならば、開墾のうちの開田については五百町歩以上、開畑については千町歩以上、それから干拓については三百町歩以上を一団地とするものが直轄工事として施行されますが、これに該当しない、この基準に当らない造成農地五十町歩以上の関係工事につきましては、都道府県知事に工事を委託をいたしまして施行させておるのでございます。直轄工事につきましては、従来補助工事が乱脈に流れておりました関係上、会計検査院といたしましては、人員、その他の関係上、徹底的な検査ができなかった、手が回りかねたのでございますが、二十八年度決算関係で調査いたしました結果は、国の直轄工事でありながら予想外に不成績な事態でございましたので、二十九年度決算関係につきましても、なお検査個所を増加いたしまして、検査の徹底をはかったのでございますが、やや改善されたとはいえ、ここにあがっておりますように架空経理も二件あがっておりますし、その他工事の施行上、いわゆる粗漏工事に該当するもの、あるいは出来高不足となっているもの、または工事費の内容について積算が過大なものなど、合せまして十六件が記載されております。 これは個別案をざっとまとめて申し上げますと、百三十六ページから記載されておりますが、八百四十二号と八百四十三号は、いわゆる架空経理、正規な支払いとならないものを、一応人夫賃、材料購入代等の名義で支払いを立てて、現金を保有し、これを別途資金としてこれから随時必要な経費を支弁していったものでございまして、内容から見ますと、非常に悪性だということとはならないようでございます。たとえば私腹を肥やしたとか、非常な乱費にわたったというようなものはそう見受けられませんけれども、経理の真実性、経理の厳正という面からいたしましてはなはだ遺憾なことでございまして、こうした事態のものが国の直轄工事において見受けられたということは、はなはだ遺憾に存ずる次第でございます。 それから工事の内容を見ますと、これは八百四十四号以下に相当件数載せてございますが、この内容は、粗漏工事に該当するものが二件ございますが、その他のものはいわゆる出来高不足、工事としては一応目的は達しているけれども、設計通りに施行されていないというものでございます。たとえて申しますると、練積の石垣の胴込コンクリートが足らない、あるいは石垣の積み方を、控とすべきところをつらに持っていって石垣の使用個数を節減するとか、水路の底厚が足らないとか、隧道の巻立の厚味が足らない、そうしたもので、これは工事の施行上監督、検収を十分にいたしましたならば十分防ぎ得た事態でございまして、幸いに三十年度決算検査報告を後日御審議願うこととなりますが、農林省所管の各農地事務局におきましては、三十年度決算検査報告では、この出来高不足の指摘事項はございません。 それから八百五十四号から八百五十七号は、工事費の積算上注意が十分でなかったという問題でございますが、内容を検討してみますと、前の八百五十四号から八百五十六号までは、工事進行の途上において適宜設計変更をすれば防ぎ得た事態を、そのままにしていたという事案でございます。たとえば、最初請負人持ちのブルドーザーを使用する計算であったところ、官の機械を無償貸与して、請負人は工費の節減ができたにもかかわらず、それをそのままとして請負金額の全額を支払ったとか、あるいは硬岩切り取り、軟岩切り取りなどの工種内容が、現実の事態と合致しなくて、困難なものが少なかったにもかかわらず、前の計算通り払った事案でございます。ところが八百五十七号になりますと、これは逆になっておりまして、設計変更の処置はとったのでありますが、当初パワーショベルという機械の稼働時間を予定いたしましたところ、その予定時間では実施が困難だというので、設計変更によって増額いたしましたところ、結果においては当初設計よりも内輪で処理できた、すなわち、設計変更の要がないばかりでなく、当初設計の分でもまだ高かったという事案でございます。 次に代行工事の関係が百四十二ページ以降に記述されておりますが、代行工事の検査は、実は二十九年度分が本格的検査としては最初の年でございます。先ほどちょっと申し上げましたように、人員等の関係でここまで検査が届かなかったのでございますが、局の拡充なども実現いたしまして、この代行工事について検査をいたしましたところ、これも予想外といいますか、乱れておりまして、ここに多数の事案が掲記されたわけでございます。また、半面におきましては、多額の二十九年度決算分を未確認といたしまして、次年度において検査をいたしましたが、その結果は三十年度決算検査報告にも相当にぎやかに掲記されておるのでございます。この代行工事は、時間の関係上、あまりこまかに申し上げられませんが、国が施行すべき工事ではございますが、その事務能力等を考えまして、比較的小規模のものを都道府県知事に委託いたしまして、全額国費支弁、しかしてこれの事務費的なものとして、工事費の八%前後のものを代行料として追加して交付しているものでございますが、工事の内容は、これはどの工事も同じで、やはり粗漏工事とか出来高不足、積算過大というものがございますほかに、全額国費支弁であるという点からいたしまして、いわゆる便乗工事が多いのでございます。と申しますのは、地元負担を伴わないために、工事の経済性から見て疑問となるべきものが多々ございまして、たとえば既設の県道、市町村道等があって、その幅員は四メートル程度で、開拓民が農産物を搬出する等の必要からはその道路で十分であるにもかかわらず、それを五メートルなり六メートルに拡幅するとか、または既設の道路があるにもかかわらず、それにほとんど並行して新線を開設するとかいうような事案もございますし、それから開拓としては不適当な土地、高冷地を開拓して、それに至る道路などに多額の経費を使っている。しかしてその道路の内容は、県道の改修工事の意味を持っているものと、それからここにも具体的にあがっておりますが、たとえば兵庫県の奥山地区の開拓におきましては、開田わずかに十三町歩にすぎないところに、二千百余万円の国費を注ぎ込んでおるというような事案がございまして、国費の経済的、効率的使用という面からいたしまして、はなはだ遺憾な事情でございます。時間の関係上、個別案を一々こまかにまずもって申し上げることも不可能のようでございますので、代行工事につきましては一応この程度にいたしておきたいと思います。 次は、補助金関係でございます。検査報告の百五十四ページ以降に記述いたしておりますが、まずそのうち九百三十三号から千六百五十二号に至る「公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの」について申し上げます。 この公共事業に対する国庫補助金等の経理が当を得ないという事案につきましては、昭和二十六年度あたりから多件数毎年度指摘されておるのでございまして、順次その成績が改まりつつありますが、やはり相当多件数にわたっております。その内容は、ことに災害復旧工事において問題がございまして、たとえば改良工事その他災害復旧の補助の対象としてはならないものを災害復旧工事として高率の補助金をもらっておるというようなもの、それからさらに工事の内容といたしましては出来高不足、設計過大、粗漏工事というものがございます。またこの地元負担の関係とからんで、検査いたしました結果は、地元負担を回避しているものが大半を占めておりますために、事業主体は国庫補助金程度あるいはそれを切る額で施行いたしておりますために、工事の出来高も悪く、そのまま放置できなくって手直し、または補強を要するものもございますし、場合によってはその補強をしなくても、まず減額あるいは返還してもいい事案がございますが、それの事後処理も完全にいっておるとは申せません。それからこの事後検査と申しますか、事業主体が工事を施行した後の検査では、たとえば改良工事に属すべきものを災害復旧工事として高額の補助をもらっていますとか、積算過大のような事案、積算過大となっているもの、あるいは建設省と農林省と重複して査定されているとか、あるいは農林省部内で重複して査定されておるという事案も見受けるのでありますが、これらがそのまま施行されますならば、その後の是正において困難を来たしますので、未着手工事につきまして早期に検査して、当局に是正の処置を講ずるように促しましたものが相当ございまして、二十九年度のこの検査報告には約十六億円程度是正したという結果が出ております。 各個別案につきましては、農業施設、山林施設、漁港施設の三つに区分いたしまして記述しておりますが、それぞれ若干の異同は——ニュアンスはございましても、さっき申しましたように粗漏工事、出来高不足、設計過大、それに事業主体の負担が不足しておるということがおおむね共通しておる事実でございます。 それから災害復旧事業の査定額を減額させたものについて百七十一ページ以後千六百五十三号から千六百六十三号について記述がございますが、先ほどちょっと触れましたような事案でございますので、時間の関係上これを一応は省略させていただきます。 次に、百七十八ページの「国庫補助金の経理当な得ないもの」という題目で、千六百六十四号から千七百九十六号までの個別案の記述がございます。これはいわゆる農林省所管の一般補助といわれるものでございますが、農林省所管の一般補助は非常に多費目にわたりますので、会計検査院といたしましては、そのうち都道府県、市町村等を経由して末端の事業施行者に交付されまする農村振興、農産物増産助成、畜産、蚕糸または水産業振興費等の継続的補助、それから二十八年に発生しました冷害、凍霜害、風水害等に対する災害対策費補助を選びまして、その交付状況、補助事業実施の効果、それから事業主体での補助金の使途がどうかという点を末端の市町村各種組合までに及んで実地検査をいたしました結果、市町村等の段階では補助金を未使用のまま保有していたり、あるいは目的外に使用したり、あるいは事業の内容を確認しないで耕作反別割とか耕作戸数割で便宜配分しておるというような事案もございますし、また、県または市町村でそれぞれ経費の一部を負担する建前となっているものにおいて、その負担の一部または全部をしないで国庫補助金だけで仕事をしていると、ために事業量が不足しておるというような事案がございます。これらの関係についても順次改まりつつはありますけれども、二十九年度決算検査報告といたしましては、二十八年に災害が頻発いたしました関係上、二十八年分と二十九年分の一部を検査の対象といたしましたために、批難事項金額は特に多額に及んでおります。 以上で簡単でございましたが一般会計の説明を終りたいと思います。 次に、各特別会計について概要を御説明申し上げます。二百三十八ページの食糧管理特別会計でございます。食糧管理特別会計では概要が記述されておりますが、たとえば外国食糧の買い入れにつきましても、市場価格の調査とか海上運賃の市況の調査というようなものが十分でないとか、内外食糧の運送の関係なども実情の把握が不十分であるというような点で、それぞれ当局者に個別な具体的事項について是正を促した事案もございますが、ここに掲記いたしておりますものは、そのうち特に不当性の激しいと認められるものでございまして、千七百九十七号と千七百九十八号の二件が記載されております。 千七百九十七号の古麻袋の購入に当って価格の算定が当を得ないものという事案は、食糧庁で外国食糧を輸入いたします場合に、その輸入食糧代金は、一定の倉庫に入るまでのすべての経費を包含したものとなっておりますが、その中に袋詰めにする場合の麻袋の代金が計算されておるわけでございますが、その麻袋の代金が実情に即せず高価であるという事案でございます。もう少しこまかに申しますならば、その中に積算を要しないと認められるもの、すなわち空麻袋発生場所から修理工場までの運賃として一袋当り五円六十銭七厘が含まれている計算となっておりますが、これは市価の中に、市場価格の中にその額はもう計算されておるのであるから、さらにその上にこの運賃を計算する理由はないというのでございます。その他大型の麻袋につきましては集荷が困難だという理由で一枚当り十一円四十五銭九厘を加えて払っておるけれども、当時の需給状況からみて、これを加えなければ集荷が困難であったとは認められないけれども、要するに不必要と認められる経費を加算して、結局高価に購入した結果となっておるという事案でございます。 次に千七百九十八号の関係を申しますと、これは九州地方に二十八年に風水害が発生いたしましたために、これの風水害防除またはその後の処置の必要上から、かますの需要が増加し、供米用かますの入手に困難を来す反面、その価格が高騰いたしたのでございます。そのために国で認めております価格を超えて入手する実情でありましたので、国の買入価格一枚当り七十五円を上回るものについて、その実績によって農業協同組合その他の団体で負担した経費または原料わらを輸送したために輸送費を要したものについて補償しようという建前で、この集荷奨励金が発足したのでありますが、現地におきましては、一定の実績があったにもかかわらず、予算額に適合する事実を申しますと、第一義的には予算額をいちじるしく超える申請をなしたようでございますが、ともかく予算額に一致する申請をして、予算額全部が九州各県に交付されたのでございます。会計検査院でその内容を検査いたしました結果は、申請とはいちじるしく相違して少かったのでありますが、この集荷要領を厳格に解釈いたしますと、この案で指摘いたしましたように、約千八百万円が過渡しとなる計算でございますが、当時の内容をさらにこまかにみますと、農業協同組合等の段階では、負担しなかったけれども、結局農家が高くかますなどを入手したために、農家の方に、その補償額が、一定の補償額がいっておるというようなものが見受けられますので、あるいはその程度のものについては事情やむを得ないものがあるではないかと考えてはおりますが、この交付要領からいたしますと、厳格明瞭な実績に基いて交付しなければならなかった建前のものでありますが、それが食糧庁でも十分把握されず、各県知事の証明を必要としたものでございますが、県の段階においてもそれに対して十分な調査をしなかったというものでございます。 次は、二百四十三ページの農業共済再保険特別会計について申し上げますと、農業共済再保険事業の関係におきましては、農業共済組合の段階において掛金を十分徴集していないことがもとで、それの補てんに当てるために共済金を留保しておくとか、あるいはそれの補てんに当てるために、実際の被害額をこえて被害のあったように県連合会などに申請して、多額の保険金の交付を受けるというような事案が多く、また被害は三割をこえたものでなければ共済金受領の資格はないのでございますが、それを三割以下のものについても配分しておるというようなもの、その他全く共済組合員と組合とが遊離して、組合理事者が共済事業を事実上請け負っておるような形で処理して、その間において共済金を目的外に使用したり、その他おもしろくない事態を引き起しているものがございます。ここに多件数上っておりますが、それぞれの組合を検査いたしました結果、満足に経理されておるものはきわめてまれでございます。 次に、二百六十ベージの国有林野事業特別会計について申し上げます。国有林野事業は、国土の保全と森林資源の増強利用の面から林野庁を中心といたしまして、旭川ほか十三の営林局、三百三十有余の営林署で事業をやっておるのでありますが、二十九年度におきましては、国有林野整備臨時措置法が、三十年三月で終末を告げる関係上、これの検査を重点的に施行いたしました結果、不当事項としてはこれに関係する案件が相当ございます。 千九百七十号についてみますと、これは立木の材積を過少に見積ったために、売り渡し価格が低価となったという事案でございまして、たまたま立木調査のときが、ちょうど二月頃の二尺から五尺ぐらいまでの積雪のあった時期でありまして、その場合に胸高直径を計ったのですが、これに修正を加えずに、通常の場合の胸高直径と同じに材積を計算した等の理由によりまして低価となったものでございます。 それから千九百七十一号の高知営林局で処分いたしました問題は、これは直接担当の宇和島営林署におきまして、営林署長が売り払いの相手方、これは来村といいますが、来村の理事者に、正規の処分前に転売などの行為を黙認して、そのように行われたものでございまして、しかもこれについて延納を認めまして、即納金が入った程度でございましたか、その後の納入が行われず、結果において契約を解除いたした事案でございます。 それから千九百七十二号は、この材の見方を誤ったものでございまして、薪炭材として売り渡した物の中に用材適木が相当に含まれていた。それから搬出経費、これは立木を処分いたします場合は、市場価格から搬出経費などを控除いしたまして立木価格を計算するのでございますが、その搬出経費を見るに当りまして、材の運搬方法を誤まりまして経費が多くかかるような計算をした。そのためにこの面でも売渡価格が低下となる原因となったという事案でございます。 それから次の千九百七十三号もそうした前と同じような事案でございまして、その結果、これは公有林野の官行造林地でございますが、そのために国の分収額を減収したという案でございます。 千九百七十四号もおおむね同じような内容のものでございます。 それから千九百七十五号は造船用材として用途を指定して売り渡したにもかかわらず、買い受けた相手方がこれを指定用途に使わずに一般住宅その他の一般用材に転売して利得したという問題でございます。これは売り渡しに当って審査を十分にすると同時に、その後の監督を徹底いたしますならば、こうした事態は相当程度防げるのではないかと考えますが、本件の事案では前後二十五回にわたって不実の申請をしておるという状況でございます。 それから千九百七十六号は、国有林野の売り渡しに当って関係職員が不正を働いて利得したという問題でございまして、国有林野を不要存置林野に組み入れて、それを学校敷地等に用途を指定して売り渡したのですが、その売り渡した後において、そのうちの相当部分を相手方が第三者に転売し、その間において関係職員が相手方から金銭を受領したという問題でございます。 それから千九百七十七号の不適当な機械を購入し遊休となっているものという問題は、林野庁で運搬作業の高率を発揮するためにトラック連動コンベヤー五十六台を八百五十八万円で買って、各営林局に交付したのでございますが、これの成績がかんばしくなかったために、一部利用はされましたけれども、所期の目的を達しなかったという事案でございまして、これは前後数回にわたって購入いたしておりますので、当初の使用状況等を勘案いたしましたならば、このように新しい考案の機械でございますので、このような結果にならずに、次の購入を手控える等適宜な処置をとり得たのではないかと考える事案でございます。 それから千九百七十八号から千九百七十九号の二件は、職員の不正行為によって国に損害を与えたものでございまして、国有林野の管理処分等を担当いたしております営林署長または経営課長、事業課長等が正規の手続によらずに林産物を、立木を伐採したりあるいは架空の経理によって、前渡資金から一定額を捻出して、これを領得したという案件でございます。 時間の関係ではなはだ不徹底な説明になりましたが、これで農林省の全般の説明を終らせていただきます。
○委員長(三浦義男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記をつけて。 ちょうど農林大臣がお見えになりましたので、農林省の方からの一般の御説明を農林大臣にお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) きょうはちょっとよんどころのない渉外事項がございましたために、定刻よりおくれまして、まことに相済みません。 お許しを得まして、この際、農林省といたしまして、一言申し上げたいと思います。ただいま検査院の御指摘の通り、農林省関係の不当事項は、一般会計におきまして、農業水利、干拓、開拓等の直轄工事及び代行工事につきまして、工事の疎漏あるいは出来高の不足、経理の不適切等のために多数の指摘を受けまして、また公共事業及び公共事業関係以外の国庫補助事業につきましても、やはり疎漏工事、出来高または事業量の不足、目的外使用等、六百六十五件というような多数の不当事項の指摘を受けております。また特別会計におきましては、食糧管理特別会計において処置の当を得なかった事項、及び国有林野事業においても林野及び林産物の売り払い等について評価及び処置に当を得なかったものがございます。また農業共済保険事業においては運営が適切でなかったものがあり、以上全体で千百三十八件というような多数の指摘を受けましたことは、まことに遺憾でございまして、申しわけない次第と存ずるのであります。 これらの指摘事項につきましては、それぞれ是正の措置を講じまするとともに、今後は同様の不当事項を未然に防止するように注意を払っております。また不当事項に対する責任者につきましては、それぞれ処分または厳重な注意を行なっておるのでございます。なお個々の指摘事項については、それぞれ主管のものからお答えをいたさせたいと存じます。 以上ごく概略的に申し上げまして御了承を得たいと存じます。
○委員長(三浦義男君) 以上をもって概要の説明は終りました。 まず農林大臣に対する質疑をお願いいたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○大谷贇雄君 大臣は四日間毎日出られるとは思わないので、特に大臣に御質問いたしたいことだけを申し上げたいのでありますが、第一に、これはまああなたの御在任中のことではありませんが、天下をとどろかした例の多久島事件というのが、この二十九年度に千二百何万という数字があるのでございますが、この問題については、もうあまりに有名の事件でもありまして、全部各委員が重複して質問もないと思いますが、私は内容を一々質問はいたしませんが、結果において、どうもこの関係上司その他の方々の行政処分等の問題につきまするというと、これはおそらく司法処分で罰せられたものは、これは新聞で大体わかっておりますが、これだけの大きな事件が、この報告によって見るところによりましても、一番何といいますか、罪の重いと解釈してもいいでしょうが、そういうものが減俸三カ月、十分の一というのがわずかに三名、その他はまことに簡単に済んでおるのでありますが、こういうことにつきましては、私どもはこれは他省との連関もありますし、いろいろな関係もございましょうが、こういうことでは私は世間には通らぬと思うのですが、これについて一つ大臣の御所感をお願いしたい。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの御質問、まことにごもっともでございます。私も御指摘の事件のありました当時、あまりにも世間に大きな衝動を与えましただけに、これが行政処分というふうなことにつきまして、今おっしゃいますような軽いと申しますか、確かにそういう印象を世間に与えておると思います。まあすでに一応の片のついたと申しましょうか、私の立場で今これを振り出しに戻って追及するわけにも参りかねますが、ただいまのお気持には私は全く同感でございまして、新任以来、いかにして農林省の失われた信頼を回復するか、こういうことを念頭に置きまして、実は部内におきましても、何らかの監察機関と申しましょうか、考査機関と申しましょうか、そういうふうなものを設置いたしまして、未然にこれを防止しよう、こういう気持でもって臨んでおりますることを御了承をいただきたいと存じます。
○大谷贇雄君 さらに大臣の国務大臣としての立場から、他の省の関係もございますので、この点は特に検討していただいて一つ御善処を願いたいと思います。 それからいま一つ、これは二十八年度の決算に関しまして、本院の決算委員会で、農林省に対しまして警告の決議を出しております。まだこれは二十九年度はこれから審査に入るのでありますが、その件数を見ましても、農林省関係が大世帯という点もございましょうが、大体千百五十二件あるわけであります。これは他省から比べて非常に膨大なものであります。また補助関係の方の例を一つとりましても、たとえば公共事業に対する補助金の関係を一つ見ても、七百十五件、これはいずれあとで会計検査院にお尋ねいたしますが、調査をした全体からいいましても、これはごくわずかだと思うのであります。私も先般一週間ほど現場を視察してきた経験もあるのでありますが、こういうようなことで決して私は二十八年度の決算に関して本院の委員会において警告決議をしたということが、改善せられるとは、私は件数の上からいって認めないのであります。まあ本委員会がどういう態度をおとりになりますか、今後審査の結果でありますが、そういう点におきまして、これはよほどのお覚悟をもって省内を引き締める、ただ単にここにたくさん出ておりまする大臣の訓戒とか何とかいうことでなく、何かしかし省内の機構の改革と申しましょうか、そういう点においてよほど一つ進んでいただきませんと、また来年もこういうようなことを繰り返すということになりまするというと、これはほんとうに不信を国民に集中されるというような結果を生ずるのじゃないか、私どもはかように思うのでありますが、二十八年度の決算に対する警告はすでに御存じだと思いますが、この点について一つ御所信をお伺いしたい。
○国務大臣(井出一太郎君) 二十八年度の決算において当委員会からきびしい御警告をちょうだいいたしましたことはよく存知いたしております。まあこの際、いろいろ弁解がましいことを申し上げましても、これが事実となって現われません限りは、これは意味のないことでございまして、私もただいまの御発言を拳々服膺いたしまして、まず身をもってこういった不祥事の続発することを防ぐ、そのためには私の決意が事務当局にも十分響いて、そうして単におざなりの、気持を改めるということでなく、農林省何万とございまする職員の一人々々がその気持になるように仕向けて参りたい、自今は必ず御要望の線に沿うような農林行政を行なって参りたい、かように存念いたす次第でございます。
○奥むめお君 食管会計の赤字はどれくらいありまして、およそどういう理由でなったか、ちょっとざっと教えていただきたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) ごく大ざっぱな数字で恐縮でございますが、昭和三十年度に約三十四億くらい赤字が残っておると思います。この年度は一般会計から六十七億補てんをいたし、その上インベントリー・ファイナンスとして投入されておりました百億をくずしたというようなこともございますので、やはりそれらを合せますると二百億からの赤字ではなかろうかと思われます。それから三十一年度は百六十数億になるかと、こう思うのであります。それで、このような赤字がどうして出たかという御質問でありますが、まあ一つには二年続きの豊作というようなこともありまして、政府の手持ち在庫量が平常事態よりもはるかにオーバーしてふえた。そうすると、まあこれに対する金利倉敷等がおのずからかさんで参ります。それから当初予定いたしました外国食糧の値段が思いのほかに高かった。その他海上運賃の値上りというふうな事情もございまして、当初の予想よりも非常に大きく赤字がふえて参ったのではなかろうか。まあそのほかにいわば買入れます生産者価格と売り渡します消費者価格との間に、従来は必らずしもコスト主義が貫かれておらない。買入れた原価に経費をのせてそして出たもので売り渡して参りますれば、そういうことはありませんが、まあ必らずしもそういう形でなく、従来の食管会計が運営をせられておりましたことも赤字が出るに至った原因の一つであろうと、こういうように考えております。
○奥むめお君 この間、先月の末の二十八日ですか、ある新聞の座談会で、あなたの方の砂田さんが食管会計をきれいに洗えば四百億くらいになると、こういうことをおっしゃったことは、大臣のおっしゃったことじゃないのだから、知らないとおっしゃればそれだけだけれども、大へんこれは問題の話だと思う。まあ食管会計というものは何が何だかわからぬというような、これはけだし定評でありましょうから、それについてどういうふうにお考えになっていますか、そこを説明願いたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいまおっしゃいました四百億という数字は、あるいは三十二年度にも生ずるであろうというふうなものをも合せて算定をしておられるのではないか、これは私が推察いたすのでありますが——ということもございまして、食管会計が御指摘になりましたような不当事項もたしかにございますが、同時にこういうような形を便々といつまで続けていっていいのかというような根本問題がここに出てきておりまして、これはまあいつかはこういう問題と取り組まなければならない時期が予想せられるのでありますけれども、まあたまたま今回の予算編成に当って、この問題が出てきたわけであります。これらにつきましては、政府に調査会というふうなものを設けまして、根本的にこの問題の調査に当りたい、こういうただいま考え方でおります。
○奥むめお君 まあ砂田さんの四百億円には私ども非常にこだわっておるわけですが、今おっしゃいましたようにはあの話は書いてはありません。またあの席に出席なさったある方から聞きましても、別に三十二年度を合計すればというふうな気持の話ではなかったと思うというお話でございますが、これは食糧庁長官、あるいは大臣の権限において、砂田さんがどういうふうなことをおっしゃったか、それがどういう数字であるかというふうなことを一つお確めになる必要もあるし、私たち非常にそれを要望したいのでございます。ここは決算委員会でございますから、ここへ一つ数字的なものを知らせていただくというわけにはいかないでしょうか、それだけでも少しはっきりしてもらいますとよろしいかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいまの御要望に対しましては、事務当局の方から資料を出させることにいたします。
○島清君 大臣に一点だけお聞きしたいと思うのですが、検査官も非常に数は少いわけです。その少い検査官の諸君が検査されるのでありますから、全般的な十分な検査はできないと思うのですね。にもかかわらずこれだけの件数と膨大な金額が出てきたということは、私はこれは氷山の一角であると申し上げて過言でないと思うのであります。もっと綿密に、そして十分な時間をかけて調査をすると、私は国民がほんとうにびっくりするほどのものが摘発されるのじゃないかと、こういう感じを持つわけです。そこでこういう事態に対して大臣は将来においては、監査機関みたいなものを設置して、自後そういうものに対する防止策を講じたいという決意のほどを御披瀝になったわけでありますが、これは御在任中の出来事ではございませんので、大臣としては私は第三者的に客観的にこのものごとを御判断できる立場にあるのじゃないかと思います。そこで私が伺いたいのは、国務大臣としてもそうでございますけれども、特にこの膨大な摘発事項を起した農林省の長官といたしましても、一体こういったような事態がなぜ起ってくるのであろうか、私たちの国民的な常識ではとても判断ができないんですね。そこで各内閣においては綱紀粛正なんというようなスローガンを掲げて内閣をお作りになっていらっしゃいますけれども、近頃はそれすらも掲げなくなっておろしてしまっておるというようなことなんです。一体これがどういったような理由からこういったような国民の血税がむだ使いをされて、非常に悪質に、なおかつ処分がこの程度のことで、申しわけ的なことをなされておるのか、こういったような根本的な一つ理由なり考え方なり見方なりをここでお話し願えれば大へん仕合せだと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま御発言を承わりますると、まさしくその通りでございまして、私もこの任につきまする以前、ただいま御指摘になりましたような同じ疑問を抱きつつあったわけでございます。まあこれには確かに本質的な根本的な欠陥と申しますか、何か単なるこうやくばりではいけないものがあろう、その本質にメスを入れるのでなければ、これは百年河清というと少し何でございますが、これを繰り返しておったんでは相ならぬ、全くこの点同感でございます。私もまだ就任日も浅く、実は予算その他の問題でこのところ忙殺されておりましたが、今御指摘の点を十分に勘案をいたしまして、私は私なりにこの問題に取り組んで、那辺にその根本理由があるか、これを究明をいたし、そうして面目を一新する、こういう努力を払いたい、このようにただいま考えておる次第でございます。
○委員長(三浦義男君) ほかに御質問ございませんか、大臣に対して。——では、大臣に対する御質疑はこの程度にとどめまして、一般会計の分について御質疑を願いたいのでありますが……。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記をつけて。 では、本日の農林省に対する質疑はこの程度にいたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(三浦義男君) 速記をつけて。 次回は二月四日月曜日の午前十時から審議を行います。今日はこれをもって散会いたします。 午後四時四十一分散会