議院運営委員会 閉会後第4号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/10/30
会議録
○理事(寺本広作君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 去る十月十日付をもって石原委員長が辞任せられ、御指名によりまして、新委員長が選任されるまでの間、私がその職務を行うことになりましたので、よろしくお願いいたします。 —————————————
○理事(寺本広作君) 初めに、第二十七回国会におきまする議案の提出予定などにつきまして、官房長官から御説明を願います。
○説明員(愛知揆一君) 第二十七回の国会に政府として提案を予定しておりますものを御説明申し上げます。 まず、法律案でございますが、これは合計五件でございます。その一つは、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、これは御案内のように、先般、人事院から勧告せられました年末手当の増額の問題でございます。 それから第二は、在外公館の名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案、これは在外公館の新設あるいは昇格並びにこれらに伴う在外勤務の外交官の手当等に関するものでございます。 それから第三は、租税特別措置法等の一部を改正する法律案、これは輸出促進の観点から若干の法人税等についての減免を規定するものでございます。なお、あとで申し上げます郵便貯金法の一部改正に伴いまして、国民貯蓄組合等の預入限度の若干の拡大というものがこの中に一部入っております。 それから第四は、設備等輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案、これはやはり輸出促進あるいは輸出に関連する為替損失補償の限度を拡大していただきたいという内容でございます。 それから第五の郵便貯金法の一部改正は、郵便貯金の金利を引き上げることと、預入の限度を引き上げること、この二つの点が内容になっているわけでございます。 以上五件は、それぞれすでに成案を得まして、開会と同時に御提案を申し上げるつもりでございます。なおただいま、と申しますか、まずこれ以外に政府提案の法律案はないというふうに御了解願って大体よろしいかと思います。 それから次に、条約の御承認を願うものが一件ございますが、これは、去る七月にオーストラリア連邦との間に通商協定が調印せられました。すでに豪州の上下両院で批准を与えておりますので、今回の臨時国会に御承認をいただきたいと思うのであります。 それから最後に、承認を求める件が法律関係に一件ございますが、これは地方自治法の定めるところによりまして、放射線医学総合研究所を、実は当初は東海村に設置する予定でございましたが、その後・事情の変更によりまして、千華県千葉市に設置することが適当であるということになりましたので、地方自治法の定めるところによりまして、あらためて御承認をお願いいたしたいというわけでございます。 それから次に、予算の関係でございますが、その一つは、昭和三十二年度政府関係機関予算の補正というのが一件ございます。これはまだ金額その他の点につきまして最終の決定をみておりませんが、今月中くらいに政府案を決定いたしまして、やはり開会劈頭に御提案申し上げたいと思っておりますが、その内容は、中小企業金融公庫及び国民金融公庫の資金の借入れ限度を拡張するということが内容でございます。 それからいま一つ、先ほど御説明申し上げました法律案の関係があるのでありますが、輸出保険特別会計の輸出手形保険による輸出手形の買い取り限度額の引き上げのために特別会計の予算総則を改正する必要が早急にあるように認められますので、昭和三十二年度特別会計予算補正特第三号というものを用意いたしておるわけでございまして、これを開会劈頭に御提案申し上げるつもりでございます。 なお、右申し述べました以外に、人事で両院の御承認を願わなければならぬものがございます。たとえば検査官の任命、日本銀行政策委員の任命というような、閉会中に任命いたしたものについて、自後、両院の御同意を願わなければならぬ。これが主たる人事の関係でございます。なおそのほかに、各党の御関係等によりまして、委員の差しかえ等もあるものもあるようでございますが、これはそれぞれ御関係の各党の方に御相談申し上げるわけでございます。 以上が提出案件の大体すべてでございまして、開会劈頭に全部そろえて御提案申し上げるつもりでございます。
○理事(寺本広作君) ただいまの官房長官の御説明について何か御質疑があれば、この際御質疑を願います。
○小酒井義男君 官房長官に開会劈頭の首相の演説についてお尋ねしたいのですが、大体、施政演説はおやりになるととになると思いますが、その点はどうですか。
○説明員(愛知揆一君) この点につきましては、ちょっと説明が長くなりまして恐縮なんでございますが、私どもの考え方を申し上げたいと思います。それは今回の臨時国会の召集につきましては、かねがね社会党から成規の手続による開会の御要求がございましたので、それにこたえまするため、それから当面の案件の御審議を願いたいということでございますから、総理大臣の演説につきましては、従来慣用されておりました言葉で申しますれば、実は総理大臣の所信の表明ということでお願いをいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。しかしこれは臨時国会であるからと申し、また当面の案件であるからと申しましても、単にきわめて簡単なごあいさつ申し上げるというような程度のものとは考えておりません。
○小酒井義男君 私の方から聞いているのは、岸内閣が新らしい体制を作られて、そうして自民党の政策をいろいろ決定されて初めて開かれる国会でありますから、臨時国会といっても少しその性格が違うというふうな考えから、やはりこの際施政方針を明らかにせられる必要がある、こういう考え方で総理及び大蔵大臣、外務大臣の演説を要求しております。こういう点については、従来の臨時国会といささか性格が違うと思う。そういう点について官房長官はどう思われるか。
○説明員(愛知揆一君) 実は通常国会がおっつけ開かれることでございますので、自民党の政策というものは決定いたしておりますが、これを内閣として取り上げて、そうして三十三年度の総予算の編成ということを中心といたしまして、国政全般に対する政府としての新らしい政策を発表いたしたい。これを通常国会において全面的な施政方針として演説をさせていただくというふうに考えておりますので、その間においての今回の臨時国会におきましては、そういったような予算の全面的な編成ということも、まだできておりませんのでありますから、先ほど申しましたような趣旨で所信を表明するというふうにさせていただくのが、政府の考え方としては一応筋が通るのではなかろうかと、実はこういうふうに考えているわけであります。
○小酒井義男君 その点について早く話し合いをしていただかぬと、国会をもうあと一日おいて召集されている中で、議運としていろいろ取りきめて行かなければならぬ細かい問題がある。話し合いを早く結論を出していただくように要望をいたしておきます。 それからもう一点は、だいぶ前ですが、官房長官においでを願ってお尋ねしたときに比べて、若干提案される案件はふえているようですが、その他の関係で、当時の考え方と変ってきているというような大きな点はありませんか。
○説明員(愛知揆一君) まず前段のただいまのお話につきましては、実は一昨日、衆議院の議院運営委員会におきましても、社会党の代表の方から社会党のお考えを十分に承わりました。政府側といたしましても、その御趣旨のあるところについては十分一つ検討を至急させていただきたいと思います。 それから後段のお尋ねにつきましては、前回に当委員会で申し上げましたこととほとんど変っておりませんおけでございます。先ほど新らしい提案についてだけ申し上げましたが、実は政府として一番この臨時国会に御期待申し上げておりますのは、中小企業団体法案をぜひ成立させていただくようにお願いしたいということが中心で、とれと密接不可離の関係にあります中小企業金融関係で予算の補正を提案いたすわけであります。それからそのほかは、法律案は先ほど申し上げましたが、前回こちらに参りましたときにも申し上げておりましたものとほとんど同様でございます。ただ、しいて申しますれば、年内においても、最近郵便貯金の増勢が非常に顕著でありますので、さらにこれを一段と促進したいということで、郵便貯金関係で預金の利上げ、あるいは限度の拡張ということを年末に間に合うように、十二月一日から実施するということが適切な措置であると考えましたので、との点な加えましただけであります。
○小林孝平君 この前の議運は九月十日に開かれまして、官房長官から国会召集日についてお話があったのですが、それでわれわれは早く召集してくれということを社会党では要求した。それでいつ、一体、政府は国会を召集するのですかというお尋ねに対しまして、できるだけ早くいたしますが、諸般の準備があります、こういうことでありました。それから国会召集まで約五十日かかっておる。そこでこの提案されたものを見ますと、緊急を要するものはあるかもしれませんが、準備にそう大した時間がかかるとは思われないのです。おそらく準備にそう時間がかかったというのは、施政方針演説あるいは財政演説をやるために、政府が自民党としてのいろいろの政策を決定し、それを国会に報告される、十分報告されるために準備が必要であった。また相当長期に臨時国会を召集するために、いろいろの問題が起るから、それに対処するための準備であろうかとも考えたのでありますが、承わるところによれば、きわめて簡単な演説か、あるいは所信の表明、あるいは施政方針の演説、どういうことになるのかもしれんのだけれども、簡単なごあいさつだ、そういうことになると、今まで官房長官が相当の準備が必要であるからとおっしゃいましたけれども、この内閣の官房を中心として、これを準備されるのに、これくらいなことをやるのに、五十日の一体時間がかかるというのは、これはよほど事務能率が低下しているか、あるいはその他実際的に類似の事態があるのではないかと思うのですが、何か特別にそういうことはあるのですか。
○説明員(愛知揆一君) 先ほど申し上げましたように、この所信表明をいたしたいと思いまする内容は、ごあいさつ程度というような簡単なものではございませんで、いずれ通常国会があるにいたしましても、やはり最近数カ月間、ことに大改造が行われましてからあとの国政運営についての経過、あるいはそれに関連する施政の心がまえを申し上げたいと思っておるのでありまして、さような点から申しまして、臨時国会とは言いますけれども、政府としても十分所信のあるところは表明いたしたいと、そういう点についての準備には相当慎重を期したわけでございます。 それからそのほか事務能率の低下というようなお話もございましたが、これは自分で申し上げるのも変でございますが、さような御心配はないと確信いたしております。
○小林孝平君 前段の方の総理大臣の演説、これは最初私たちは知りませんけれども、自社両党の首脳者会談等でお話があるところでは、政府の方はきわめて簡単な所信表明の演説をされる、こういうことに対して、社会党はそれでは困るというので、実質上の施政方針演説をしてもらいたい、こういう話し合いがあって、なかなかはかどっておらぬように思うのです。従って準備の関係においては、きわめて簡単なる所信表明ということでおやりになったはずなんです。従ってこの準備期間が五十日もかかったということは、この前の議院運営委員会における官房長官の御説明から、私たちよほど特殊な緊急な、また準備に相当の期間を要する法律案なり、案件が出るものだと考えておったところが、まことに簡単であって、普通の常識をもってすれば準備はきわめて短期間でできるはずなんです。どうもこれは何かよほど特殊の事情があると思うので、ざっくばらんに、一つ事務能率の低下ということでなければ、どういうところにそういう原因があるのですか。
○説明員(愛知揆一君) この前九月の当委員会でも申し上げたと思いますが、私は提案を予定しておる案件はこれこれのつもりでございます。しかし諸般の準備等にも相当に時間がかかると思いまするので、すみやかに開会という御要請は十分承わっておきましたが、十月中に開会というのはちょっと考えられないということを非常に率直に申し上げた記憶がございます。でありますから、その当時からの私としてはスケジュール通りに事務を運んで参った次第であります。
○小林孝平君 あなたはスケジュールの通りとおっしゃいますけれども、だから、どういう準備のためにこれだけ時間がかかるのか、これは今後の問題もある。緊急に国会を召集しなければならない事態が今後もあると思う。それにこの程度のものを国会に出す。そうして社会党は早く国会を召集しろと言っているのに、いろいろ準備がありますからというので、五十日かからなければ国会が召集できないということならば、今後重大なる支障を来たすのじゃないか、こう思いますので、一体五十日も、その前から要求しているのですが、あなたが御説明になってからでも五十日の準備が要るというのなら、一体具体的にどういう準備が必要なんですか、諸般の準備というのはどういうことなんです。具体的に説明をお願いしたい。特にこの愛知官房長官のような練達の方が官房長官になっておっても、しかも五十日かかる、こういうことなら非常に問題じゃないかと思うのです。参考のために詳細御説明を承わりたい。
○説明員(愛知揆一君) 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、とうていこれは十月中には準備は完了しないと見込まれましたので、その当時から率直に、ざっくばらんに気持を申し上げたのであります。その後その通りに進めて参ったつもりであります。 それから五十日もどうしてかかるかというようなお話でございますが、同時にこれを裏から申しますると、御要請になりましておりました理由にあげられておりましたようなことについても、実は行政的に相当措置のできることもあり得ると考えましたので、これらの点を十分に措置をして、そうしてその結果もあわせて御報告を申し上げたい、こういうふうな考え方もありましたわけでございますから、御了承をお願いしたいと思います。
○小林孝平君 ただいまの点は了承、簡単に了承いたしませんけれども、一応その程度にいたしまして、もう一つお尋ねいたしたいのは、今度の演説は所信表明のようなものではなく、そんな簡単なものではない、相当、政府の態度をはっきり表明をするのだ、こういうお話のようでございますが、そういうことでありますれば、その演説のしっぱなしでは困るわけなんです。そういう決意を表明され、具体的に政策をお話しになるなら、それについて十分質問をし、論議をし、するわけですから、相当国会の会期というものは、その演説に伴って長期に国会が開かれるということで、期間が必要であるということもお認めになってのお話ですか。
○説明員(愛知揆一君) この点はかねがね申し上げておりまするように、会期を何日にきめるかということは、私どもの方から申し上げるべき筋合いでないのでありまして、両院におきまして協議の上御決定を願いたいと思います。
○小林孝平君 それは官房長官のおっしゃる通りでございます。ところが両院で自主的に会期をきめようと思っておっても、その終りの方は、これからまたお尋ねいたしたいと思っておったのですが、総理大臣は外遊をされる、十七日か十八日に外遊をされる、こういうことを勝手におきめになっておるようです。そうしますと、自主的に会期をきめるのだ、あなたがおっしゃる通りですが、この際にわれわれは、そういう総理大臣の外遊にはこだわらないで自由にきめていいのか、その結果、政府は、そう勝手にきめられた場合は、かりに会期を二十日までとしたら、外遊の計画を変えるのですか、これは。
○説明員(愛知揆一君) 外遊の計画は変えることができないわけでございますから、その辺のところは十分お含みの上、しかるべく御決定を願いたい。
○小林孝平君 この会期はあなたたち勝手におきめなさい、私たちは知らぬのです、まことにりっぱな、当然のことをおっしゃる。そうして外遊の方は勝手に日をきめて、まだ一回もわれわれに対してその外遊の話を正式にお話になったことがない。これでは実際おかしいと思う。明敏な官房長官がそういうことをおっしゃるのは、よほどわれわれが頭が悪いか、力がないか、そういうことをお考えになってそういう御発言なんですか。
○説明員(愛知揆一君) さようなことは毛頭考えておりません。
○小林孝平君 それならなぜ外遊のこういう計画がある、会期については、そういうことを考慮の上考えられなければなりませんということをおっしゃらないのですか、当然、先ほどの御発言にそういうことがあってしかるべきじゃないか。自分の言うことだけ言って、そうしてあとは勝手にせいということで、今後、政府は参議院の運営に当るのかどうか、どうなんですか。
○説明員(愛知揆一君) どうもあまりぎくしゃくしたことを申し上げるようで恐縮なんでありますが、まあ率直、かつ、ざっくばらんに申し上げておるわけでございますが、対外的の関係等もございまして、総理大臣の外遊ということは、これはちょっと変えるわけには参らないということを率直に申し上げたわけでございますから、まあさらにざっくばらんに申し上げますならば、その前に、案件も、私どもとしての考えは多くもないことでございますから、しかるべくその辺は政府の立場も十分おくみ取り願いましておきめをいただきたい、まあこう申し上げたわけでございます。
○小林孝平君 政府の案件は少い、だからこの程度のものなら早く開いたらいいのに、事務能率の低下か、よほど内部のごたごたか知らないけれども、五十日も準備のためにかかった。まあそれはいいけれども、案件はないけれども、先ほどおっしゃったように、総理大臣は相当中身のあるお話をなさる、それに対してわれわれは御質問をするわけですが、だからこの案件は少いけれども、そう簡単に、しかるべくというわけにはいかないのではないか。そこで、こういう今後のこともありますが、外遊の方は変えられぬ、これは対外的の関係、対外的ということは一切の国会運営に優先して考えられるべきものですか、そういうふうにお考えになっているのですか、すべてこういうことでやられたら大へんなことになる。
○説明員(愛知揆一君) もちろん国政の運営については、もう国会が何と言いましても最高の機関なんでありますから、これに対して、政府としては誠意を尽くしてやって参らなければならぬということは、十分承知をいたしておるつもりであります。ただ、先ほど申し上げましたように、次に通常国会を控えておりますし、それから総理のこの演説と申しましても、具体的に三十三年度の予算案を付して申し上げるということが私は筋だと思うのでありますが、これは遺憾ながら、まだ準備ができておりませんから、先ほど申し上げましたように、ごあいさつをして、それでよろしくというような、そういう誠意のない態度はもちろんとりませんけれども、自然、通常国会において予算案を伴った場合のいわゆる本式の施政方針に比べれば、どうしてもこれは抽象的かつ簡単にならざるを得ない。この点はおくみ取りをお願いいたしたい。
○田畑金光君 官房長官の先ほどの御説明を承わりますと、社会党の要請に応じ、また当面の案件を審議する、そういう使命、性格を持った臨時国会というお話でありますが、臨時国会の早期開会については、社会党としては、この七月以来、成規の手続をとって、しばしば政府に、衆参両院ともに申し入れておるわけであります。官房長官も御承知だと思いますが、国会が開かれないがゆえに、社会党といたしましては、外交、政治、経済、労働、文教各般にわたって、公開質問書の形で、国民にかわって、聞かんとすることを質問の形をもって提出しておるわけであります。当然、今度の国会等におきましては、社会党の要請に応じて開かれたとするならば、こういう諸般の当面の政治的な諸案件について、私は政府としても、またしかるべき答弁なり、方針なりが説明されるものと考えておるわけであります。その節、臨時国会の劈頭に当り、総理のなされる演説の内容が、所信表明であるのか、施政方針であるのか、これは国会の性格そのものを非常に左右すると考えるわけでありますが、社会党の要請のもとにこの国会をお開きになったとするならば、社会党の要請が政府をして臨時国会を開かしめた大きな力であったとするならば、何がゆえに所信表明という、こういう形でこの国会を乗り切ろうとするのか、政府の見解を承わりたいと思います。
○説明員(愛知揆一君) この点は先ほども触れたつもりでございますが、まあこれはいろいろの解釈なり、考え方があろうかと思いますけれども、私ども政府部内で当初考えましたことは、社会党の御要請と、それから臨時国会があれば、当然この際処理しなければならない案件があると思いましたので、こういうふうに、まあどちらかと言えば、そう予算を伴わないし、比較的問題が限定されておる臨時国会でありますから、大体の前例等も参酌いたしまして、内容はともかく、所信の表明をさせていただくということに扱うことの方が、これはまあいろいろの御意見があろうと思いますが、私どもの見解としては、その方がいいのではなかろうかと考えたわけでございます。しかし先ほどお答えいたしましたように、このやり方につきましては、社会党からも非常に強く、また私どもとしても傾聴しなければならぬ御意見もございますので、これは社会党の御主張も十分一つ伺って措置をいたしたいと思うわけでございますから、非常に差し迫ってはおりますけれども、最終的な態度を表明いたしますまでに、若干の御猶予をお願いいたしたいと存じます。
○田畑金光君 この国会が改造岸内閣の初めての国会であり、少くとも岸内閣としては最初の国会であるわけであります。しかもその間、九月二十日東京遊説を初めとして、全国に岸総理を陣頭に立てて遊説をやられたわけでございますが、その節、党としてもすでに五大政綱等の大きな政策の骨格は定められて、そうして国民の前に掲げられているわけです。同時にまた政府といたしましても、すでに過般の閣議において昭和三十三年度予算編成の基本構想というものが立てられておるし、あるいはまた当面の経済の動きからかんがみられて、昭和三十三年度の経済運営の基本方針についても一つの骨格を示されているわけです。そういたしますならば、当然これは社会党の要請があるなしにかかわらず、実質的な岸内閣はこれで発足し、最初の国会であるということ、あるいはまた二十六国会が終ってから、ここ数カ月の動きを見ましたならば、国内的にも、国際的にも著しい大きな動きがある。こういうことを考えてみましたときに、当面の案件という簡単な言葉で済まされない情勢のもとにあろうと思うのです。してみますならば、当然、今度の国会において政府は施政方針の演説をやられ、同時にまた補正予算を提案されるならば、大蔵大臣の財政演説等もなされてしかるべきである。国民もまたこれを求めておる。従来の臨時国会の慣行がそうであったから、取扱いとして所信表明の形をもってやりたい。こういうようなことは、やはり政治の本質である国民の世論と、あるいはまたお話の中にありましたように、社会党は強く施政方針演説をやってもらいたい。昨日の四者会談においても要求しておりますし、また本日四者会談が持たれますが、党としては強くこのことをさらに政府に、あるいは与党を通じ申し出ております。これに対しまして、最終的な回答の段階でないような御答弁でありますが、政府としては当然これらの情勢をかんがみて、施政方針ということでやられるべきだと考えまするが、最終的にはまだその段階にきてないという御発言でありますけれども、しかしこれは明後日に国会の召集が迫っておるわけでありまするが、この際、官房長官の明確な態度の表明を求めたいと思います。
○説明員(愛知揆一君) こういうふうに御説明させていただきたいと思うのでありますが、私の考え方では、所信表明ということではありましたけれども、その内容におきましては、そんなに長い通常の国会におけるような分量の多いものではございませんけれども、やはり何と言いましても、これは総理大臣としての施政の心がまえを当然開陳すべきであると考えまして、そういう用意をいたしておるのでございます。従って所信表明ということが、私どもの考えでは、内容がそうであっても、慣行上それを所信表明という形の方がいいのではないかと考え、実はただいままでもそう思っているのでございますが、先ほど申し上げましたように、社会党からの御主張にも、私は謙虚に考えて相当傾聴すべきものがあるようでございますから、この点はとくと考えさしていただきまして、党と党とのきょうの四時からの会談もあるようでございますから、その会談の経過等も見比べて、私どもはスムースにかつ謙虚に国会が運営せられるようにということを第一義と考えて措置いたしたいと思っております。
○田畑金光君 岸総理は、しばしば社会党との対決という言葉を使われているわけでございます。これはアメリカに旅行された節もそうでありまするし、あるいはまた今回の国内遊説に際しまして、各地方を回られるときの新聞記者会談等でも、社会党との対決ということを申しているわけです。ことに私は外国において、国内問題に関することを堂々と外国の新聞記者等の前で、国内問題に関して社会党と対決をするんだというようなことは、これはまことに不見識な総理の態度である。国内問題をわざわざ外国において述べなくちゃならぬ、ここあたりに岸総理のものの考え方と現内閣の外交の本質があるように見受けるわけでありますが、対決ということは、少くとも国会を通じて政策の論議を通じ戦わすべきだと、こう考えるわけでありますが、この点、官房長官はどうお考えでございましょうか。
○説明員(愛知揆一君) まず第一に、私はその事実がどうであったかという点から一つ御検討をいただきたいと思うのであります。で、ここであまり議論になりましてもいかがかと思いますが、私の承知いたしておりまする限りにおきましては、社会党と対決という言葉を使うことは私はいかがかと思っているのであります。また、総理が特に外国に対してそういうようなことを、コミットメントを出されるようなことを発言しているという事実は絶対に私はないと確信いたしております。ただ議会主義を否認するような、いわば暴力的あるいは革命的な行動というようなものに対しては、これは民主主義を守るものとして対決をして行かなければならない、こういう考えは総理も強く持っているように思いますので、そういうことの言い回しが、あるいは報道等において正確に伝えられなかったうらみがあったのではないか、こういうふうに理解しているわけでございますが、そういったような問題につきましては、開会後、十分に一つ御審議をお願いいたしたいと思います。
○田畑金光君 総理の演説は、お話によりますと、従来の単なるあいさつ程度ではない、それを越えたものである。また諸般の情勢から見ても、その内容については総理としての施政の心がまえを述べて行きたい。してみますと、実質は施政演説と承わっても差しつかえないではないかと、こう考えておりますが、この点についてもう一度、官房長官の御見解を承わりたいと思いますが、お話の中にありましたように、本日午後、四者会談を持たれるから、話し合いの内容はそちらに譲りたいという政府としてのお気持であるのかどうか、この点いま一度承わります。
○説明員(愛知揆一君) 繰り返すようになりますが、臨時国会であるからといって、単によろしくお願いいたしますというような、ごあいさつ程度のものではございません。同時に、総予算案もできていない今日でございますから、通常国会におけるいわゆる施政方針と言われるようなものよりは、だいぶ簡単になり、かつ抽象的なものになるのは、これはやむを得ないことと思います。 それから四者会談の関係は、もちろん政党内閣のことでございますから、一与党の方とも十分に連絡をとらなければならぬと思いますけれども、事、内閣の問題に関する限りは、内閣として適当と思う結論を出したいと思うわけでございます。その辺のところは御了解が願えるかと思います。
○田畑金光君 補正予算を提出されるわけですが、この補正予算の内容に盛られるものは、中小企業の年末金融対策だけであるのか。同時に、法律案として一般職の職員の給与に関する法律を改正する法案が出ますが、当然こういう公務員の年末手当増額に伴う予算措置等もとられるべきだと思いますが、こういう点はどうなのか。あるいはまた、党としては駐留軍撤退に伴いまして、御承知のように、駐留軍労務者の臨時措置法案を臨時国会において両党でできれば提案して成立せしめたい、同時に、またその裏づけとしての予算措置等も講じて行きたい、こういう考え方を持っておりまするし、あるいはまた御承知のように、わが党はこの夏来、この六月以降、九州地区に起きました災害等に対する災害対策予算措置も補正予算に盛るべきことを要求して参っておりますが、こういう点に関しまして、政府の取扱いはどういう考え方であるのか。また同時に、これに関連いたしまして、社会党といたしましては、当然、大蔵大臣の財政演説も行われるものと予期いたしておりますが、この点はどういうお考えであるのか、お尋ねいたします。
○説明員(愛知揆一君) 予算の補正につきましては、先ほど御説明いたしましたように、また、かねがね申し上げておりますように、中小企業の金融について、総合経済対策の実施以来、来年の一月以降に予定いたしておりましたものを繰り上げて中小企業金融に充当いたしまして、その関係から当然これは借り入れ限度を拡張して補正をしなければなりませんので、これを中心に昭和三十二年度政府関係機関予算補正というものを御提案をする用意をいたしております。それから今一つは、輸出保険関係の特別会計の補正でございます。それ以外に一般会計について経費の増額になるような補正予算、いわば本式のとでも申しましょうか、そういうような予算補正は今回は考えておりません。ただいまお尋ねのございました一般職の職員の給与に関する法律を改正いたしますが、いわゆる年末手当〇・一五の増額、これはいささか技術的になって恐縮でございますが、いわゆる定員定額制の予算でございますために、この年度中に相当の欠員その他がございます。これらの人件費等の流用によりまして、一般会計の経費の支出をお願いしなくとも、その財源は十分にとれるということに考えましたので、この関係におきましては一般会計の補正はいたしません。それから災害に対しましては、これも前回の委員会でもお尋ねがあったかと思いますが、当初の予備費の予算が八十億円、で、現在支出済みもしくは支出済みと同様に手続きが済んでおりますものを合計いたしまして約三十億円ございます。従って九州災害等について、現行の法制のもとにおいて、また現在の制度における年度の区分、あるいは地方費等の配分等の関係から申しまして、この予備費でもって十分に措置ができるというふうに考え、かつ実施いたしておりますから、この関係においても、今度の臨時国会に予算補正するということは考えておらぬわけであります。それから駐留軍の労務者の問題につきましては、駐留軍離職者対策本部というものを早急に設けたわけでありまして、これに関連する予備費が、ただいまのところはまだわずかでございますが、千数百万円の予備費を支出いたしております。それからこの関係で、おそらくただいまお話しの中には、離職者に対して一律五万円とか、数万円の資金を政府として交付するというようなことのお考えもあろうかと思いますが、実はただいまのところ、そこまでは私ども考えておりませんので、離職者対策本部を中心にする所定の措置について、実効を期し得ればこれに対する対策は万全を期し得るというふうな考えでおります。その内容の詳細は省略いたしますが、いずれも行政的あるいは予算的な措置で、これは予算を増額いたしませんでも、いろいろのやりくりによりまして、ただいま考えておる措置はできるというふうに政府としては考えております。
○田畑金光君 お話によりますと、一般会計予算については臨時国会で補正を考えていない、こういうお話でありますが、これを詳細に述べておりますと時間の関係がありますので申し上げませんが、たとえば今のお話しの一般職職員の手当増額にいたしましても、定員定額で予算をとっておるので十分流用し得る、十分にまかない得る、こういうお話でありますが、このことは当然地方公務員にも手当増額という問題になってくるわけで、してみますならば、当然これは地方交付税の増額等についても政府は配慮しなければならぬと考えております。また、駐留軍労務者の問題にいたしましても、政府は離職者対策本部を設置はされておりますが、行政措置によってこれらの救済措置ができるかというと、いつもそれが口頭禅に終っておるわけで、実質的な予算の裏づけなくしては、こういう対策というものは実効が期待できないというのが今までの経験であるわけです。当然これは一般会計の補正ということまで及ばなくちゃならぬと考えておりまするが、この点は今回の臨時国会は見送るとするならば、次の通常国会等でお考えになるのかどうか。さらにまた、今回提案される補正予算についてお尋ねしたいことは、百七十億とか、百五十億とか、予算の規模について政府与党の中でもなお意見の調整がなされていないように承わっておりますが、これは調整は今明日にできるのかどうか。同時にまた御答弁漏れでありますが、当然、大蔵大臣の財政演説というものが行われるものとわれわれは見ておりますが、この点はどう政府としては処理されるのか、この三点をお尋ねいたします。
○説明員(愛知揆一君) ただいま答弁漏れをいたしまして恐縮でございますが、先ほど来御説明いたしておりますように、この今回提案を予定しております予算補正は、実はこの中小企業金融関係につきましては、総理大臣の演説の中に、最近の経済状態の推移、あるいは中小企業問題に対する政府の所信ということから当然に出てくる問題でございますので、総理の演説の中にも実は実質上提案の理由の説明になるものを含ませておりますわけであります。それからいま一つの輸出保険関係のものは、まあ軽微というわけでもございませんけれども、どちらかというと、これは非常に事務的なものでございます。そういう関係で、ただいままでのところは大蔵大臣の財政演説というほどの内容にならないように思いましたので、かたがた大蔵大臣の演説ということは予定しないでおったわけでございます。 それから一般会計の補正の問題で、離職者の問題あるいはその他の問題等について、通常国会に入ってから予算の補正をするのかどうかというようなお話でございましたが、この点は実はただいままだ明確にお答えをするところまで作業が進められておりませんので、これはいましばらく政府の検討に時間をおかしをいただきたいと思うわけでございます。
○田畑金光君 大蔵大臣の財政演説の問題でありますが、総理の演説の中に含ましめるから大蔵大臣の演説は政府として考えていない、こういうお話でありますが、しかし、この春以来の経済の動きを見ました場合、特に昭和三十二年度の予算が成立してから一カ月前後に、実質的には予算の組みかえをやらなくちゃならない、実行予算を組まなくちゃならない、あるいはまた外貨基金に伴う経済緊急総合政策を政府はとらなければならぬ、こういうことを見ました場合、国民としては政府の財政経済政策は今後どういう考え方のもとに運営なされるのか、これを国会を通じ聞きたいというのが国民の偽わらざる気持じゃなかろうかと、こう思うのです。また社会党としても、当然、政策を通じ、政府与党と対決をするという使命からいっても、われわれは大蔵大臣の財政演説を要求するわけなんです。昨日の四者会談においてもわれわれは要求しておりますし、あらためてまた本日の午後の話合いにおいても、社会党は国民にかわって、野党の使命において要求するであろうと考えるわけなんです。政府といたしましては、それでもなおかつ次の通常国会に譲るわけで、この臨時国会には大蔵大臣の財政演説はやらないという、きつい態度であるのかどうか、もう一度お尋ねいたします。
○説明員(愛知揆一君) この点につきましては、先ほど来申しておりますように、実は財政演説と銘を打つからには、政府としては三十三年度の予算についての具体的な構想というものを伴った場合にしていただきたい。なるほど先ほども御指摘がございましたように、三十三年度の予算についての構想というようなものは閣議でも決定いたしておりますが、これはまだ非常に抽象的な、考え方を取りまとめたものでございますので、政府の立場としては、従来の例を申し上げますと、またこれは違うと言われるかもしれませんが、従来の例をさらっと見ますと、補正予算のこの程度のものでございました場合は、予算委員会で詳細に御説明いたしまして、予算委員会を通じて詳細に御審議を願う。そのことによって国民にも御批判を仰げるのではなかろうかと、まあそういうふうに考えておるわけでございます。ただいまのところの私の考えは以上の通りでございます。
○田畑金光君 会期の問題については先ほど来の質問で触れないつもりでおりましたが、こういうような案件をひっさげて政府は国会に乗り込まれるといたしますならば、どの程度の会期が適当であると考えておられるのか、それを承わるとともに、もう一つ、先ほど小林委員からも指摘されましたように、前の通常国会においても、六月十八日でありましたか、東南アジア出発の日程を切って、そうして政府はしゃにむにそれまでに国会の会期をあげよう、こういう態度で臨んでこられたわけです。今度はまた十一月十八日には第二次東南アジアに出発される、こういうわけで会期を切って、おのずから制約されてきておるわけであります。こういうような態度は、たとえば外交関係でも、政府はこういう考え方のもとに行われるから失態をきたしておるのではなかろうかと思う、インドネシアの今回の賠償交渉の経緯を見ましても、岸総理がこの国を訪問するから、それまでに片づけよう、あるいは南鮮との抑留者の相互釈放の問題であっても、アメリカに行くまでにこの問題を解決しようとか、こういうような何かしら一つの期限を切って、それまでに片づけようとする態度が、外交的にもまた国内の政治の面にも私は摩擦を来たしておるのではなかろうか、こう考えておるわけなんです。政府の会期に対する考え方は、先ほどの官房長官の答弁では、われわれとしては納得しがたい問題を感ずるわけでありますが、この点に関しまして、政府としてはどういうお考えでおられるか、あらためて承わりたいと思います。
○説明員(愛知揆一君) 会期の点は、政府として何日くらい予定しておるかというお尋ねは、まあ私としてはまことにむずかしい御質問でございまして、明確にお答えすることはできないし、また申し上げないのが私は筋であろうと思うのでありまして、先ほど小林委員の御質問にお答えをした程度で一つ御勘弁を願いたいと思います。
○理事(寺本広作君) ほかに御発言もないようでありますから提出案件等についての官房長官の説明に対する質疑はこれで終ります。 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○理事(寺本広作君) 速記を起して下さい。 先の本委員会の決議を経て国立国会図書館の他の図書館に対する奉仕の実情調査のため委員四名が中部近畿方面に派遣せられたのでございますが、その結果につきまして、派遣委員を代表して小酒井義男君から御報告をお願いいたします。
○小酒井義男君 派遣委員の報告を申し上げます。 石原幹市郎君、小林孝平君、小幡治和君及び私の四名は、去る九月三十日から五日間にわたり、名古屋、天理、大阪、京都の各市に赴き、国立国会図書館の地方の図書館に対する奉仕の実情を調査いたしました。 今回視察いたしましたのは、府立ないし市立図書館の三カ所、地方議会図書館、私立図書館おのおの一カ所及び専門図書館協議会二カ所でありますが、調査の結果を事項別に要約して申し上げますと、次の通りであります。 第一に、国会の委員会議録を初め、各種官庁出版物の地方有力図書館等への備えつけの強化であります。国立国会図書館法の規定によれば、地方公共団体はその発行する出版物を一定部数、国立国会図書館に納入しなければならないことになっておりますが、その部数が多くないため、地方の図書館に配付する余裕がなく、従って地方の図書館でこれらの官庁出版物を入手するためには、膨大な経費を要し、また、かりに経費面の事情が許すとしても、発行官庁が提供を渋る場合も少くないのが実情であります。このため、地方において国会の活動や政府の施策について、すみやかに的確な知識を得ることは、とうてい不可能であり、その地方政治あるいは地方産業に及ぼす影響は軽視できないものがあります。この点は、私ども一行がすべての視察個所において異口同音に指摘されたところでありまして、その対策についても種々意見を交換したのでありますが、結局次の三点に帰着するのであります。 すなわち第一は、国立国会図書館法を改正して、官庁等の出版物の納入規定を強化すること。第二は、会議録等国会関係の出版物は事務局において、また政府関係の出般物は総理府において、それぞれ国会図書館に対し、できるだけ必要部数を提供するよう措置することとし、もし無償で提供することが困難ならば、国立国会図書館の予算に所要の購入経費を計上すること。第三は、各議員が資料として配付を受けた出版物を、利用後、関係地方の有力図書館等に寄贈するように取り計らうことであります。右のうち第二の点は、議院と内閣との話し合いによって、また第三の点は各派の申し合せ等により実現できるものでありますので、委員諸君の御賛同を得て、すみやかに適宜の措置をお願いしたいと存じます。なお、本院の委員会議録につきましては、さっそく事務局の善処を求めました結果、地方への配付用として、新たに若干部数を国会図書館に提供することになりました。 次に、PBリポート等科学技術資料の貸し出し利用について申し上げます。PBリポートは、第二次大戦中、米国がドイツから押収した科学技術資料をマイクロフィルム等にしたものでありますが、国立国会図書館は、これを原子力資料等とともに複製の上、地方のセンターに貸し出して一般の利用に供しておるわけであります。今回視察いたしましたセンターのうち、関西地方センターは、既設の全国六地区センター中、その利用度も比較的高いのでありますが、それでも件数は国会図書館所蔵件数の四割に満たず、利用者も一日平均十人に達しない状況であります。現地の意見としては、備付件数が少いために利用者の数が増加しないとのことでありますが、私どもの見るところでは、PBリポート等そのものに対する一般の認識がまだ十分でないばかりでなく、中小企業等にあっては、せっかくな貴重な資料のあるととを知りながら、これを利用できる人的スタッフを持たないことに問題があるようであります。従いまして、国会図書館としては、地方センターの充実もさることながら、目録や索引を整備することによって現有資料の活用をはかることが必要であると考えられます。 次に、国立国会図書館と地方議会図書館との関係について申し上げます。地方自治法の定めるところにより、地方議会には議員の調査研究に資するため図書室が付置されておりますが、その規模はきわめて微々たるものであるのみならず、政府が都道府県の議会に対しては、官報及び政府の刊行物を送付しなければならないという同法の規定は、ほとんど履行されていないありさまであります。現行規定の可否はしばらくおき、われわれとしては、政府に対し、当然に法文の実施を要求するとともに、国会関係の出版物についても、国立国会図書館を通じて、できるだけの措置をとるべきものと考えます。 次に、専門図書館協議会の活動について申し上げます。専門図書館協議会は官民の各調査研究機関のセクショナリズムを排し、その有機的連繋により、調査の能率化をはかるために国立国会図書館のあっせん協力によって設けられたもので、全国六地区に地区協議会と資料センターを持っております。今回視察いたしました中部及び関西地区協議会も、おおむね報道関係や大企業付属の調査機関を網羅し、関係者の熱意は見るべきものがありますが、その実際的活動はまだ十分とは言えない状況であります。この組織の特徴は、生きた事業に直結する資料を整備活用することにあり、またこれは中央と地方、公共機関と民間機関との橋渡しという重要な役目を持つものでありまして、との独特の機能を発展せしめるととは、わが国産業の振興に寄与するところ少くないのであります。かかる事情にかんがみ、官庁出版物の配付を最も優先的に行うとともに、各協議会の需要に応じ得るよう国立国会図書館の調査部門を確立する等の方途を講ずる必要があると考えられます。 以上、調査の結果を事項別に要約して申し上げましたが、これを要するに、いわゆるレファレンス業務についても、目録業務についても、あるいはまた資料面の活用についても、国立国会図書館の地方の図書館に対する奉仕はまだ不十分な点が多く見られるのでありまして、その原因が図書館当局の業務遂行の面ばかりでなく、現行法規や予算にもあることも明らかであります。この点、今回視察いたしましたものの中でも、天理大学付属図書館が地方の私立図書館でありながら、蔵書数は約五十五万冊に達し、質的にも種々の稀覯書を備え、かつ諸種の文化的事業を行うなど、その活動に見るべきものがあり、これがすべて教団首脳部の異常な熱意と財政的な援助によるものであることを聞き、われわれといたしましても考えさせられるところが少くなかったのであります。それにつけても、私どもは国立国会図書館が、本館の建築完成ももちろんでありますが、関係者の絶えざる努力によって、手近な問題も可能なものから一つ一つ解決して行くことの必要なことを痛感いたした次第であります。 以上で報告を終ります。
○理事(寺本広作君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(寺本広作君) 速記を起して下さい。 それでは、本日の議院運営委員会はこれで散会いたします。 午後零時二十七分散会