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26回国会参議院1957/04/16

外務委員会 第15号

発言数
29
登壇者
7
会派数
3
開催日
1957/04/16

会議録

笹森順造自由民主党

○委員長(笹森順造君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず委員の異動について報告いたします。昨十五日に佐野廣君が委員を辞任せられ、その補欠として松平勇雄君が委員になられ、本十六日松平君が辞任せられまして佐野君が補欠となりました。委員の異動に伴い、当外務委員会ではただいま理事が一名欠けておりますので、理事の補欠選挙を行います。互選の方法は慣例によりましてその指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

笹森順造自由民主党

○委員長(笹森順造君) 御異議ないと認めます。それでは私より佐野廣君を理事に指名いたします。   —————————————

笹森順造自由民主党

○委員長(笹森順造君) 次に、日本国とチェッコスロヴァキア共和国との間の国交回復に関する議定書の批准について承認を求めるの件、日本国とポーランド人民共和国との問の国交回復に関する協定の批准について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。前回に引き続き御質疑を願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これはチェコとポーランドの協定が成立してから、批准書交換はロンドンとワルシャワでやるようになっておりますが、その間の段取りはどういうことになるのか、事務的なことですが、ちょっと。

笹森順造自由民主党

○委員長(笹森順造君) ただいま政府から井上政務次官、高橋条約局長、佐藤経済局次長、法眼欧亜局長が見えております。

井上清一自由民主党外務政務次官

○政府委員(井上清一君) お答えを申し上げます。ただいまの御説のように、ポーランドとの国交回復に関しまする批准書を交換する場所はワルシャワでありますが、チェッコとの間の批准書の交換はロンドンですでに取りきめることになっております。チェッコにおきましての国内的な手続は、チェッコでは済んでおりますが、ポーランドにおきまして批准を了したかどうかは、いまだはっきりしない点がございますので、ただいま問い合せております。もし今度の国会におきまして、本件に関しまして御承認を得まするならば、できるだけ早い機会に批准の手続をとりたいと考えておる次第でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 ロンドンの場合には日本の大使館がありますので、事務的には不便はないようですが、ワルシャワの場合は内地から行くのですか、近所の大公使をやるのでしょうか。

井上清一自由民主党外務政務次官

○政府委員(井上清一君) 内地から行きますか、あるいは在外公館長のどなたかに行ってもらいますか、この点はまだはっきりきめておりません。いろいろ研究をいたしておる段階でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 これは仮定ですが、国会の承認を得てから来月半ばごろまでの間に大体一月ありますが、そのくらいには批准書交換を終れる見込みでしょうか。

井上清一自由民主党外務政務次官

○政府委員(井上清一君) 国会の御承認を得まするならば、できるだけ諸般の事務的な運びはすみやかにやりたいと、かように考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この前三月二十八日の委員会だったと思うんですが、井上政務次官は、この二つの国に専任大使を置くことについて、われわれが要望したのに対して、来年度に入りましてから予備金などの操作によって、できるだけ早く御期待に沿うようにいたしたい、かように考えておりますという御説明があったのですが、専任大使を初めから置くという御決心ができたのかどうか、もう一ぺん伺います。

井上清一自由民主党外務政務次官

○政府委員(井上清一君) 最初から専任の大使を置きたいということで、折衝を考えておりましたけれども、三十二年度の予算には、いろいろな問題がはっきりしませんでした関係上、具体的に計上してはございません。先般も申し上げました通り、このたび御承認を得まするならば、直ちに大蔵省とも相談をいたしまして、予備金等の操作によりまして大使を交換するということにいたしたいと、かように考えております。

笹森順造自由民主党

○委員長(笹森順造君) 他に御発言はございませんでしょうか。ちょっと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕   —————————————

笹森順造自由民主党

○委員長(笹森順造君) 速記をつけて。  次に、関税及び貿易に関する一般協定の改正に関する諸議定書の受諾について承認を求めるの件、貿易協力機関に関する協定の受諾について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。両件について御質疑の方は順次御発言を願います。

高橋通敏外務省条約局長

○政府委員(高橋通敏君) お手元に、関税及び貿易に関する一般協定につきまして、御配付申し上げました書類につきまして、ちょっと初めに御説明させていただきたいと思います。関税及び貿易に関する一般協定第一部、第二十九条及び第三十条を改正する議定書、次に関税及び貿易に関する一般協定前文、第二部及び第三部を改正する議定書、それから関税及び貿易に関する一般協定の機構上の改正に関する議定書、この三議定書及び貿易協力機関に関する協定、この四つの文書がこの関税及び貿易に関する一般協定に関連いたしまして、このたび御承認の対象としてお願いしております書類でございます。  右のうち、初めの三つの議定書でございますが、これは関税及び貿易に関する一般協定を改正する議定書でございます。そこでこの一般協定を、この三つの議定書でそれぞれ改正いたしました理由といたしましては、この関税及び貿易に関する一般協定のもとの旧協定の第三十条に、改正に関する規定がございまして、「この協定に修正のための別段の定がある場合を除くほか、この協定の第一部の規定又は第二十九条若しくはこの条」、すなわち三十条でございますが、「の規定の改正は、すべての締約国がそれを受諾した時に効力を生ずる。」すなわち第一部の二十九条と三十条につきましては、締約国が全部受諾いたしました場合に効力が発生いたすわけでございます。それからその他の改正につきましては、締約国の三分の二がそれを受諾したときに、受諾した締約国について効力が生ずる、従いましてその他の規定、すなわち一般協定前文、第二部及び第三部を改正する議定書は、三分の二の受諾によりまして効力を発生する関係上、この二つの改正を議定書を分けまして、初めの方は全締約国の受諾、すなわち第一部、第二十九条及び第三十条を改正する議定書、その他の改正は三分の二の受諾でございますので、別々に議定書を作成した次第でございます。  それから他に一つ、関税及び貿易に関する一般協定の機構上の改正に関する議定書、この議定書はガットの旧協定には「締約国団」というのがございまして、問題が起るたびごとに締約国団が会合をして、いろいろ審議または決定をいたす仕組みになっておりますが、この貿易協力機関に関する協定につきまして、この締約国団にかわりまして、貿易協力機関というのが設定されるわけでございます。従いましてこの旧協定に、一般的に締約国団の会議とか締約国団とうたわれているのを、貿易協力機関というふうに改正する。そういう改正、すなわち初めの二つの議定書の改正とは、いわば性質の違った改正、いわば読みかえ規定とも思われるような改正でございますので、これは別に一つの議定書となって、関税及び貿易に関する一般協定の機構上の改正に関する議定書というふうに、新しい議定書が作成された次第でございます。この三つの議定書によりまして、ガットの旧協定が改正される次第でございますが、この三つの議定書に従いまして改正を入れ込んだ文書といたしまして、「関税及び貿易に関する一般協定(第九回総会による改正その他の修正及び訂正を施したもの)」というふうな一つの文書をここに差し上げております。そこで、この文書の中に、横に傍線を引いた点が改正の箇所、前の三つの議定書によって改正された箇所でございます。そこでその改正を全部入れ込んだのを作った次第でございますが、この改正のうちには単に一カ条、一つの項目を削除して次の項目をこれに加える、こういう改正の仕方がございますが、その項目またはその条項は、ほとんど字句を変えたにすぎないというふうな改正の仕方もございますが、その改正の文言上は、一つの条を削除して次の新しい条を立てる、という改正の仕方になっておりますので、実体的の改正はともかく、そのような改正も、実は横に傍線を引いた次第でございます。従いまして、この傍線を引いた改正によりますと、非常な大きな改正が行われたように一見見られるのでありますが、真の実体的な改正はたとえば輸出補助金その他二、三の改訂のみでございまして、ここに線で引いてあるほどの改正は実はないわけでございますが、ただ形式的にそのような改正のやり方をやっておりますので、それに従いまして一応傍線を引いたわけでございます。  以上御配付いたしました書類についての簡単な御説明を先に申し上げました。

杉原荒太自由民主党

○杉原荒太君 質問に入る前に、政府側から一応説明しておいてもらいたいことがあるのですが、それはガットと例の共同市場との関係が将来問題になるであろう事柄と、それからまたいわゆる自由市場の問題は、まだ十分形態をなしていないようだが、ああいう構想などとの関係等について、一般的に、まず特に問題となり得べき事項について説明していただきたいと思います。

佐藤健輔外務省経済局次長

○政府委員(佐藤健輔君) お答え申し上げます。ガットの現行の規定におきましては、御承知の通り、二十四条におきまして、関税同盟及び自由貿易地帯についての設立の規定がございまして、二十四条で原則としてはそういうものの設立が認められておりますことは、御承知の通りでございます。ただこの規定によりますと、関税同盟または自由貿易地帯ができたことによって、前よりも制限がはなはだしくなってはいけない、ということに規定されておることも御承知の通りでございます。そこでただいま問題になっております六ヵ国の共同市場関係でございますが、この条約は相当膨大なものになっておりまして、その内容につきましては目下詳細検討中でございますが、問題は、これができた場合にガット二十四条に抵触してくるかどうか。つまり現在の制限と申しますか、この共同市場では大体基本をことしの一月一日にとっておったようでございますが、その一月一日現在よりもさらに制限が強化されるということになりますと、ガットの二十四条に抵触してくることになるわけでありまして、共同市場条約もこの点を考慮いたしまして、ガットとの関係においては、いずれガットの締約国団会議を開きまして、その場において詳細な部分は討議する、こういうことになっておる次第でございます。従いましてもし六ヵ国の共同市場条約がガットと矛盾する場合が生じたならば、その点はガットのほかの規定によりまして、あるいはウエイヴァーを求める、代償を出してウエイヴァーを求めるとか、そういうこまかな討議がそのガット締約国団で行われる、こういうふうにわれわれは考えておる次第でございます。大体簡単でございますが。

杉原荒太自由民主党

○杉原荒太君 貿易協力機関に関する協定の十三条に、例外的場合における義務の免除という規定があって、総会が、一定の例外的の場合に、一般協定には規定してないその例外の場合、義務の免除をすることができるとなっておる。総会の決定それ自体が、一つのいわば協定の上の例外の場合を規定したと同じような効果を持つことになるわけなんだが、ここにいう例外的の場合というのは、具体的にはどういうふうなことをたとえば予想しておるのですか。

佐藤健輔外務省経済局次長

○政府委員(佐藤健輔君) お答え申し上げます。ガットの規定の二十三条を御覧いただきますと、一といたしまして「他の締約国がこの協定に基く義務の履行を怠った結果として、」また二は「他の締約国が、この協定の規定に抵触するかどうかを問わず、なんらかの措置を適用した結果として、」また三番目に「その他のなんらかの状態が存在する結果として、この協定に基いて直接若しくは間接に自国に与えられた利益が無効にされ、若しくは侵害され、又はこの協定の目的の達成が妨げられていると認めるときは、その問題について満足しうる調整を行うため、関係があると認める他の締約国に対して書面により申立又は提案をすることができる。この申立又は提案を受けた締約国は、その申立又は提案に対して好意的な考慮を払わなければならない。」今お尋ねの件は大体この三番目の「その他のなんらかの状態が存在する結果として、この協定に基いて直接若しくは間接に自国に与えられた利益が無効にされ」た場合にはそれを調整する手段がとれる、この部分に相当するものだろうと、こう考えるわけでございます。

杉原荒太自由民主党

○杉原荒太君 それだったらしかし、これはすでに一般協定に規定されている場合だから、今の場合とは場合が違うのじゃないですか。私の今尋ねておる点は、この協定の条項ないし一般協定に規定されていない、例外的の場合のことを問題にしているわけです。ちょっと場合が違うように思うのですがね。それは規定されていないのではなくて規定されているので、その規定は当然のこととしてやるべきじゃないか。それはそうじゃないのだ。あらかじめ規定はあるいはできないか何かで、とにかく例外的の場合だけれども、その例外を規定していないのだ。

佐藤健輔外務省経済局次長

○政府委員(佐藤健輔君) 私の間違いでございまして、訂正申し上げますが、私杉原先生のおっしゃった通りでございまして、私が二十二条を申し上げたのは間違いで、この規定はOTC協定の他の条項、または一般協定に規定されていない例外的場合に、投票の三分の二の多数決でガットの義務を免除することができる、こういうふうになっておりまして、たとえば米国が農業調整法に基く理由で、農産品に対してガットの規定に反するような保護措置をとる、こういう場合にこの規定によりまして三分の二の多数決でそれが通ればできる、また欧州石炭共同体の構成国がガットの最恵国待遇から多少逸脱していると、この状況もこれによって認められる、こういう先例があります。

杉原荒太自由民主党

○杉原荒太君 それならばわかる。そうしてこの協定に規定する例外的の場合であっても、その例外規定というものは厳格に解釈するのが原則だから、これはなかなかその例外のまたもう一つ新たに規定にない例外を認めるということは、これははなはだおもしろくない。ところが実際はそういうところから条約がくずれてくるというか、せっかく原則や、また例外までも含めて条約に予想し規定しておっても、それがなかなか守り得ないということが非常にあり得る。私が心配し、また案じておるのは、今の共同市場だとかあるいは自由地域というようなものができた場合には、事実上こういうものの適用として非常な例外が拡大されはしないかということを案ずるもので、今質問しておる。あるいは、これができるときから、ある具体的なことがこの文面に現われていないけれども、予想されておったのかどうか、その辺のことをお聞きしたい。

佐藤健輔外務省経済局次長

○政府委員(佐藤健輔君) 御指摘の通りに、もしこの条文が非常に乱用されることになりますならば、杉原先生の御指摘の通りになるような実態も発生し得ると思いますが、一つは三分の二の多数決というところで、その大体大多数の意見がそうであるならば、との例外を認めてもやむを得ないと、こういう格好になっておりますので、卑近な例で申しますれば、むちゃくちゃなことはできないではないか。それからもう一つこういう規定をおきました大きな理由として考えられますのは、先ほど御指摘のこれを作ったときに、ある事態が想定されていたかどうかという点でございますが、これは別にそういう点を特に具体的なことを考えて作ったのではない次第でございまして、ただ貿易と申しますのは御承知の通り、刻々その状況によりまして変化を生じて行きますし、また将来どういうふうなことで、もしあまりにこの協定を厳格に実施いたしますると、そのときどきの実際の情勢にかえって矛盾いたしまして、この協定が動けなくなる、こういう心配もございましたためにこういう規定を設けたわけでございまして、御指摘の通りこれが非常に大国の間で乱用されるということになりますれば、非常な心配もできてくるわけでございますが、その辺のことは締約国団会議におきましていろいろな意見を申し述べて、むしろそういう点はチェックしていく、しかも投票が三分の二でございますので、あまりかけ離れてむちゃなことはできない、こういうふうに解せられるわけでございます。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 この新しい法案に関する協定はもう発効しているのですか、またどういう状況に現在あるのですか。

高橋通敏外務省条約局長

○政府委員(高橋通敏君) お答え申し上げます。この全締約国の受諾を必要とします、関税及び貿易に関する一般協定の二十九条及び三十条を改正する議定書でございますが、これは三月十日現在をもちまして署名した国としましては十八ヵ国、豪州、ビルマ、カナダ、キューバ、チェッコスロヴァキア、フランス、ギリシャ、ハイティ、インドネシア、ニュー・ジーランド、ニカラグァ、ノールウェー、パキスタン、ローデシア、ニアサランド、南ア、英、米、計十八ヵ国でございます。  それから関税及び貿易に関する一般協定の前文、二部、三部を改正する議定書、これも三月現在、先ほど申しました全締約国の受諾を要する一部、二十九条及び三十条の改正と同様な締約状況でございます。  それから一般協定の機構上の改正に関する議定書は多少違います。三月十日現在といたしまして、先ほどの一般協定一部、二十九条及び三十条を改正する議定書よりカナダ、キューバ、それからチェッコスロヴァキア、フランスでございますか、この四ヵ国が署名いたしておりません。従いまして十四カ国になっておる状況でございます。  それから貿易協力機関に関する協定は署名国は現在七ヵ国、ビルマ、ギリシャ、ハイティ、インド、ニカラグァ、パキスタン、英国の七ヵ国でございます。

梶原茂嘉緑風会

○梶原茂嘉君 この協力機関に関する協定の署名国がまだ非常に少いのは、何か特別の事情があるのでしょうか。

高橋通敏外務省条約局長

○政府委員(高橋通敏君) 特別な事情はないようでございます。やはり各国で国内手続に従って準備中じゃないかと思っておりますが、詳しい内容はまだわかっておりませんが、特にこれに対する特別の問題があって署名国が少いのだというようなことは聞いておりません。

笹森順造自由民主党

○委員長(笹森順造君) ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

笹森順造自由民主党

○委員長(笹森順造君) 速記起して下さい。本件についての質疑は本日はこの程度にいたします。次回は四月十八日午前十時開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十一分散会

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