外務委員会 第5号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1957/02/28
会議録
○委員長(笹森順造君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 航空業務に関する日本国とスイスとの間の協定の締結について承認を求めるの件、日本国とブラジル合衆国との間の航空運送協定の批准について承認を求めるの件、以上二件を一括して議題といたします。両件について御質疑のおありの方は順次御発言を願います。関係政府当局の出席者として、ただいまのところ外務省から井上政務次官、高橋条約局長が見えております。
○曾祢益君 私、この条約に関して質問をいたす前に、実体的な方として日本の航空路線計画等について、この際当局の説明を求めたいと思います。……政府委員すぐに参りますか。それではその際に。
○梶原茂嘉君 現行の航空関係の条約、それから今度新しく締結されるこの二つの国の分以外の国との関係で、現在交渉中の線、今後交渉される大体の計画があるのでしょうか。
○政府委員(高橋通敏君) お答え申し上げます。現在、御承知の通り十一カ国と航空協定を結んでおります。それに加えましてブラジル、スイスとを加えますと、十三カ国になるわけでございますが、まずスイスとの関係におきましては、実は日本から英国に行く路線、これは航空当局からも詳しくお話があるかと思いますが、日本国から英国に行く路線を考えている次第でございます。大体昭和三十四年にはそれを作ろうという計画でございます。そこでその路線の一環としてスイスとの協定を考えておる次第でございますが、そのスイスを通りまして日本から英国に行きます途中の国として、まだ航空協定を結んでいない国を考えなければならない。そういうふうになりますと大体、ビルマ、パキスタン、それからエジプト、中近東の国一つ、それからローマはございませんのでローマと、それからフランス、英国は御承知の通りございますから、それらの国と逐一できる限りやっていきたいと思っております。 それからブラジルの方でございますが、ブラジルもブラジルまで参りますには、途中の国としましてメキシコ、キューバ、ヴェネズエラ、パナマ、コロンビアというのがございます。この諸国とも、ブラジルまでの航空を完成するには、それぞれ必要になってくるかと思います。目下のところどの国とすぐするということはございませんけれども、逐一、たとえばメキシコあたりとも始めたいと思っております。
○委員長(笹森順造君) ただいま運輸省から吉行監理部長が見えておりますから、御報告しておきます。
○曾祢益君 この際、運輸当局から日本の航空路線の計画、本年度の分と今後の多少長期にわたる計画とを御説明願いたいと思います。
○説明員(吉行市太郎君) 現在の日本航空の国際路線といたしましては、御承知の通り東京—桑港線、西の方では香港を経由いたしましてバンコックまで、さらに沖縄、大体これが国際路線の現状でございますが、三十二年度といたしましては、まず東京—港線、現在の四便をでき得れば六便まで、少くとも五便まで増強いたしたい。さらにバンコック線も現在の週二便を三便にまで増強いたしたい。かように考えております。 なお、近い将来、大体三十四年度を予想いたしておりますが、三十四年度ころには東京からシアトルへ、及びロンドンまで、それぞれ週二回あるいは週一回程度の定期路線を開設いたしたいと、かような案を現在持っております。
○曾祢益君 そこで梶原委員からの御質問にも関連するかと思うのですが、たとえば今スイスと航空協定を結んで、スイスの方は直ちに日本に乗り入れてくることができると思うのですね。日本の方は、今の実際上の実力からいってもまた外交上からいっても、まだ経過国との間の協定がないということからいってできないのですね。そうなってくると、これは一がいに……だからスイスの乗り入れに反対しなければいかぬというわけではないけれども、何といってもそれだけ競争線がふえるわけです。そういう何というか実質的に対等でないような協定をなぜ特に急いでやらなければならぬか。一方においてはブラジルとの航空協定のごときは、私はその点もさらに伺いたいのですが、おそらくこれはブラジル側としても今直ちに日本に出てくるものじゃなくて、いわば将来を予想しての航空協定ではなかろうかと、現実の乗り入れについては双方ともまだ準備がないのじゃないかと思う。果してそうであるか。もしそうであるとするならば……だからいけないということにはならないのですが、たとえば日本側としてブラジル線というものを、どういう点で将来の計画として持っているか。これはブラジルにおける邦人、あるいは第二世なんかの日本に対する観光客誘致の問題、あるいは将来の日本の移民、移住者を送るための航空というようなことも、これは日本の会社としてやるのが利益だという考慮があると思うのです。従って将来の問題であるからこの際協定をしていけないということは毛頭ないわけです。ただわれわれは、こういう日本の国際航空路線の発展というものと、現実にマッチした協定というものがなくて、何だか協定というものだけがから回りしており、またこれは戦争の結果であるから一応やむを得ない、既得権を持っておったような諸国も、現実に日本に乗り入れてきたものに対しては、これはサンフランシスコ条約による特別取扱いでなくて、一応対等な格好にする協定に直していくということは合理的でありますけれども、新たに先方からの乗り入れのために、こっちから行く準備が現実にないのに次々と協定を作って、そうして相手国の日本に対する乗り入れだけを許容しているというのが、今までの結果ではないかと思う。たとえばエール・フランスの場合でもそうである。今度のスイスの場合もそうである。必ずしも、繰り返して申し上げますが、一切外国の新たな乗り入れは絶対いかぬというような固い意味じゃないけれども、何だかそこにイージーゴーイングに先方の乗り入れだけを合理づける、少くともそういうような協定を当面なぜ急いでやるか。そういう意味において、これらの協定を出される場合に、単に今回こういう協定を作りました、この内容はアメリカその他とやったのと同じでございます、だから御審議願います、御採択願いますでは、私は、適当じゃないのじゃないか。やはり実態と国際協定というものの現実の関係、日本にとってどういう点がプラスかというようなことの御説明を、これはわれわれから質問を待つまでもなく、当局から政府一体として御説明を伺いたい、こう思います。この点に関して外務次官並びに航空関係当局から御説明を願いたい。
○政府委員(高橋通敏君) それではお答えいたします。確かにスイスの関係では、スイスの方から要請があってそれに私の方も応じて、このような協定を作った次第でございます。従いまして、スイスとしましては、日本よりもより早く日本に乗り入れてくるということも確かかと思います。その点で少しこちらの方が立ちおくれてくるということも考える次第でございますけれども、実は先ほどもちょっと申し上げましたように、スイスの付表では、ここにございますように、スイス内の地点及びヨーロッパにおけるそれより以遠の地点ということも入れまして、航空当局からも詳しく実態的な御説明があるかと思いますが、スイスを通りまして英国に行くロンドン線というものを考えております。これが昭和三十四年ごろには何とか実施できるという見通しでございますので、この際スイスと結ぶとともにその間の国でも必要な場合に結んで行きたいということでございます。 それからブラジルの点は、なるほどブラジルも現在乗り入れる意向もないと思っておりますが、わが方としましても早急に実施する計画はないようでございますが、何せこちらから向うに行きます先ほどお話の通りの移民等の必要上、それからやはり観光客の必要上、将来非常に見通しが明るいのではないかというふうな関係上、とにかく最終目的であるブラジルとまず結んで、しかもその中間におきますカナダ、アメリカとはもうできておりますから、その間にきまった国とも逐次結んでいきたい、かように考えております。
○政府委員(井上清一君) ただいま高橋条約局長からお答えを申し上げた通りでございますが、ブラジルとの航空関係はこれはもう将来、先ほど曾祢委員から御指摘になりましたように、相当移住岩の関係その他からわが国としても将来開かなければならない航空路じゃないか。特に最近いろいろ議論されておりますことは、移住者のための航空路と航空のサービスというものを考える段階にきているのじゃないかというようなことを私ども考えているわけでございまして、こういう協定を結びますこともそうしたことを促進する一助にもなるのじゃないか、かように考えております。
○説明員(吉行市太郎君) 先ほどの路線計画で一つ申し落したのでございますが、南米のサンパウロまで現在は大体三カ月に一回の定期をやっておるのでございますが、これは昭和三十三年度におきまして大体月一回程度の運行に縮めて参りたい、ゆくゆくは二週に一回程度の定期を開設いたしたいと考えておるわけでございます。 またお尋ねの移民の航空輸送につきましては、航空機による輸送というものが、非常にわずかの日数で向うへ移送することができますので、特に単独移民の移送の場合には、航空輸送というものは適当な方法であるというふうに考えられるわけでございますが、目下のところ日本航空といたしましては、ようやく国際線に使用いたしておりますBC6五機程度しか所有しておりませんので、今直ちにあるいはすぐ近く便を操業するというほどの機材がないわけでございます。漸次機材を増強いたしまして、運行回数の増加によって日本と南米間の運行を増加して参りたいと考えておる次第でございます。
○曾祢益君 航空局に伺いますが、そうするとサンパウロのあれは今不定期で、その都度許可を得てやっているのですか。
○説明員(吉行市太郎君) 現在は不定期でございますので、その都度の許可を得まして大体三カ月一回の頻度でやっております。
○曾祢益君 それが定期航路になるためには、やはりターミナルの国と通過国とを含めた航空協定がなければ、定期航空業務は開設できないのですか。
○政府委員(高橋通敏君) さようでございます。ただ通過国は、この国際業務、通過協定の国でございますと、その上空の無害飛行でございますが、それとテクニカル・ランディングと申しますか、お客を積み入れずに補給や修理をするために着陸することも認められております。しかし商業上にやるためにはやはり通過国と協定を結ぶ必要がある……。
○曾祢益君 スイスの場合については、条約局長のお話だと、将来日本がロンドン線を考えているから、その通過国といいますかその意味からいってもスイスでもいいのではないか。こういう御説明だったのですが、スイスの方は今この極東線というのはないでしょう。あるいは途中まで来ておってあと一飛びで日本にくるという状態になっておるのかどうか、その点はどうです。
○説明員(吉行市太郎君) スイス航空は東へ向っておりますのは、現在中近東まででございます。たしかダマスクスであったかと記憶いたします。
○曾祢益君 それで新聞の伝えるところによれば、日本との航空協定ができれば、その途中の国との間にはすでに航空協定があるか何かの関係で、すぐに乗り入れができるわけでしょう。向うじゃすぐやる準備ができているんではないかと思いますが、この点はどうですか。
○説明員(吉行市太郎君) 大体四月の終りから向うでは開始をいたしたい、こういうことで計画をしているようでございます。
○曾祢益君 週何回ぐらいですか。二回ぐらいですか、最初は。
○説明員(吉行市太郎君) 週二回でございます。
○曾祢益君 そういたしますと、やはり私が先ほど言ったように、少くとも日本航空の今バンコックまでの路線にとにかく一つの競争者ができるわけです。それを許容するに当っては、せめて日本がそれに対応するぐらいのこっちにも利益便益があったときにやるべきではないか。たとえばロンドン線についての実体的の準備、これはもう航空機を買う準備もありましょうし、操縦者その他の準備もありましょうし、さらには通過国になるアジア諸国、中近東の諸国との間の関係も条約的にもまだできていない。それまでスイスの乗り入れを積極的に早めるようなことをなぜしなければならぬか。それに対する御説明はまだ伺っていないんです。その点はどうですか。
○政府委員(高橋通敏君) やはり繰り返しになりましてはなはだ恐縮でございますが、一応航空当局としても三十四年を目途としているわけでございまして、従いましてまあ一、二年の立ちおくれはこの際あるかと思いますのでございますが、どうしてもやはり交渉の関係上、こちらでもう向うが乗り入れてもいつでもできるという態勢まで待っていて、向うとその態勢でやるというふうに、なかなか両者の交渉の要請及びそれに対する受諾というのが、そう完全にいくということもなかなか困難でもございますし、しかもまあ一、二年のことでございますし、また協定によりましても、この輸送力その他の状況は、協定によってお互いに相手国の事情を考慮してやるのであるということがございますから、競争線がふえるということにおいても、今度われわれが航空路を開きます場合にも、お互いに輸送力の状況によって機会均等にやるように努力していき得るというふうに考えております。 それからもう一つこれは非常に技術上の問題でございますが、まあ御承知のことかと思いますが、向うがまあ要請してきた。向うが現在乗り入れたいというような希望があるときには、それに応じてやった方が、実は条約の技術的な交渉としては、まあこちらの言い分をより向うが容易にのみ込む可能性が非常に強いというようなこともございます。そのような諸般の事情をまあ考慮いたしまして、今ここで妥結した方が妥当ではないか、こういうふうに考えております。
○曾祢益君 最後に一つ。航空当局及び日航のあれから見て、確かに乗り入れを先に向うに許可しても損はない。あるいは必要がある、将来をみて得だと、こういうことが言えるのですか。特に御承知のように北極路線というのは新しい路線も開設されて、大体われわれよく知りませんけれども、しばしばヨーロッパあたりに旅行した気持からいえば、そうそうこれ以上路線がふえることが絶対に必要なほどの旅客量があるかどうかということをやや疑う。それはしろうと判断ですからわかりませんが、何といっても日航については結局国民の財産を投資している重要な関係で、最近は比較的営業成績はいいように聞いておりますけれども、何といってもそれだけの外国に競争力を与えるということは事実なんです。それを確かに外務当局の外交全般の考慮があるかどうか知りませんがそういうことと、それから日航路線の現実の利益からみて、やはりこの際早く、スイスからの当分は一方的乗り入れになるわけですが、これを認めるのが日航の営業成績上、日本の国際路線培養土適当であるという判断をしたのか、これは航空当局からお伺いいたします。
○説明員(吉行市太郎君) ただいまの点につきましては、今直ちにスイスの乗り入れを認めることが日航の路線の伸長に有利であるというまでには参らないかと思うのでございますが、先ほど条約局長から御説明がございましたけれども、先方が希望しておりますときに協定する方が有利であるというような点もございますし、さらにまた日本側といたしましてもそう遠い将来でなく、すぐ三十四年度程度に開設を考えておりまして、さらにまたスイス側といたしましては、向うからやって参りまして東京港まででストップせざるを得ない。ただし日本側は協定上スイスの地点を越えてさらにヨーロッパの遠方の地点まで路線を延ばし得る。こういうふうな内容の協定でございますので、わが方にとって不利ではないのではないかという工合に考えておる次第でございます。
○海野三朗君 この協定も両国の間の協定でありますが、日本としましてはどういうふうにやっていこうというお考えか、何か構想がおありになるだろうと思う。ただスイスの方から乗り入れられる、こちらの方がぼんやりしているということではいけないだろうと思うし、それに対しては構想がおありになるだろうと思うがその辺はいかがなものでございますか。日航がつまりどういう状態でこれからやっていこう、これをまたやらせようという外務当局のお考えか、その辺のところを私は承わりたい。日本としまして、その航空路を開拓してやっていくという考えでありましょう、もちろん。しかし現在の日航の状態と照し合せてどんなふうになっておりますか。その辺の一つあなた方の御構想、現在の日本の航空事業の現状等を承わりたい。
○説明員(吉行市太郎君) 現在の日本航空といたしましては、まず飛行機につきましては、国際線に適します飛行機はダグラスのDC6B型五機を持っております。先ほど申し上げましたように東京からサンフランシスコへ週に四便、西の方は香港を経由いたしましてバンコックまで週二便、さらに不定期といたしまして三カ月に一回で南米、サンパウロまでをやっております。これが現状でございます。将来の計画といたしましては現有の6B型五機に加えまして、これより一まわり大きいDC7C型を四機現在発注いたしております。その第一機は本年の暮に入手する予定になっております。さらにジェット旅客機といたしましてDC8型四機発注いたしておりまして、これは昭和三十五年の後半に入手することにいたしております。従いまして将来は現在の6型五機に加えまして8、四機、7C、四機というものを現在発注しておるという状態でございます。まず近い将来の昭和三十五年あるいは三十六年程度におきましては、まずそうして増機をいたしました機台をもちまして、太平洋路線の運航回数を週七便ないし八便程度に増強をして参りたい。また南米向けにつきましても週一回程度の運航回数による定期を定期として運航いたしたい。さらにバンコック便の増強なりマニラ、ジャカルタ、こういう東南アジア方面への路線も漸次増強して参りたいと考えております。さらに将来計画といたしましては、それ以上に6B型を増強いたしまして、欧州線の開設からさらに足を伸ばしまして世界一週の路線を持つまでに指導育成して参りたいと考えておる状況でございます。
○海野三朗君 そうすると、それで経済的にも日航は間に合っておるのですか、現在の状態においてどうなんですか。
○説明員(吉行市太郎君) 現在の日航の状況といたしましては、当初開設以来非常な赤字を累積して参りましたわけでございますが、ようやく昨年度あたりから世界的な好況の影響もありまして、昨年度の上期におきまして五千万円、下期におきまして六千七百万円、さらに本年度の上期におきまして四億三千七百万円というふうに次第に黒字をあげてきており、本年度の下期はまだ確実な推定がつきませんが、これも相当程度の二、三億は十分に黒字をあげ得るのじゃないかと考えております。現在は非常に好調子でございますけれども、ただ先ほど申し上げました繰越欠損がまだ本年度上期末におきまして十億円程度の赤字、償却不足が十億円程度というふうにみられております。従いまして漸次業績は好転して参っておりまして、ここしばらくは好調を持続できるかと考えております。将来ジェット旅客機が各エアー・ラインにおいて使用されます際には、かなりの競争の結果が予想されますので、そのときには相当苦しい競争を続けなければならないのではないかというふうに考えられる次第でございます。
○海野三朗君 私もう一つ、お伺いしたいのですが、まあ日本じゃ日航機だけお考えになっておるようですが、まだ民間の小さいのもあるようですね、日ペリとか。そういうような航空会社をも漸次育成していくという方向へ行かなければならないのではないかと考えまするが、今までの政府の態度はどうだったのですか。小さい方の航空会社、これも育成していかなければならない。アメリカあたりへ行ってみると、十幾つの会社が競うてやっておる。で、日本じゃ日航機がやっと一本だけのようでありますが、やはり民間の航空会社をも育成していくという態度でなくちゃならないのじゃないかと、こう思いますが、その辺はいかがになっておりますか、その点お伺いいたしたい。
○説明員(吉行市太郎君) 日本航空以外の会社といたしましては、現在国内の路線をやっております日本ヘリコプター運送株式会社、極東航空株式会社、この二社が国内の定期及び不定期路線の運行に当っております。そのほかに日本遊覧航空でありますとか、中日本航空でありますとか、不定期の運送事業に当る会社といたしまして十社が免許されております。それ以外に宣伝広告とか、あるいは空中写真測量だとか、あるいは農薬の散布というふうな輸送事業でない航空機使用事業というのがございます。これを免許されておりますものが先ほどの定期会社及び不定期会社を含めまして二十五社程度でございます。これが、航空会社の現状でございますが、航空企業に対する助成という点につきましては、日本航空は先ほど申しましたので一応別といたしますと、日本ヘリコプター輸送あるいは極東航空、この二社はこの狭い日本でそれぞれ東と西に分れて運営して参っておりますので、その間に非常に経営の無理がございます。そういう点を考えまして少くとも一社になる必要があるのではないかということが痛感されておったわけでございますが、ようやく昨年の暮に両社の合併の仮調印ができまして、大体今年の秋には実質的な合併になるかと思われますが、それ以前におきましてもできるだけ、一つの会社であると同じような統一した合理的な運航ができますので、目下いろいろと計画指導中でございます。そういたしますと、国内の定期路線の運航に当ります会社というものは一元的に運行されるわけでございまして、事業自体の基礎も漸次固まってくるであろうという工合に期待をいたしております。
○海野三朗君 その民間の会社に対して、政府はやはりだいぶ力を注いでおるのですか、融資というような方面はどんなふうにやっておりますか。
○説明員(吉行市太郎君) その点ではわれわれといたしましても力を入れて参っております。大体の方向といたしましては、通行税の減免を本年度におきましても原則の二割を一割程度に減免していただくようにお願いいたしたいと考えておりますし、その他固定資産税等の税の面での軽減を主として考えて参りたいと考えております。 それから融資につきましては、漸次機材の増強の必要が出て参っておるわけでございますが、これにつきましても、会社の方から要請があれば、大いに融資の面につきましても助力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○森元治郎君 外務省に伺いたいのですが、その内容にも大差ございませんとあります。これは相手国が変ったということから生ずる違いということですか。それが一つと、もう一つは飛行機に乗ってブラジルに行く場合、技術移民と単独渡航者を運ぶのだ、こういうお話が政務次官及び高橋局長からありましたが、そんなにたくさん飛行機に乗りたくて待っているほどあるのですか。
○政府委員(井上清一君) ただいま御質問がございましたが、先に締結をいたしました日米、日英、日カ、日仏間の航空協定と、今度のスイスなりブラジルとの間の航空協定との間に、内容的にそう違いがないというようなことだがどうかという御質問でございましたが、先ほどの提案理由にも申し上げましたように、いろいろ若干の表現その他において違っておる点があるかもしれませんが、内容的にはほとんど変ってはおりません。 なおまたブラジルへの日航機の問題でございますが、先ほど政府委員から申し上げましたように、さしあたってすぐ日航機がブラジルに行くというような計画はございません。ただいまは不定期の運航をいたしておりまして、来たる三月六日にも多分ブラジルに一機、サンパウロまでだったと思いますが、行く計画になっております。将来運送協定ができますれば、ブラジルからも入りますかと思いますが、こちらの日航機もあるいは月に何回とかということで定期運航をするようなことにもなりはせんか。これは飛行機の整備と申しますか、それと見合っての話でございますが、そうして将来ブラジルの定期航空というようなものができますと、先ほども申し上げましたように、あるいはこの移住者が故国に帰ってみたいというような、あるいはまた観光等のために相当利用するとも考えられまするし、また日本から移住者を送る、ことに将来農業移民だけじゃなしに、あるいは単独の商業移民あるいは技術移民というようなものもできるかと思いますが、そうした場合に利用するというようなことがずいぶん多くなってくるのじゃないかと、かように考えておるわけであります。
○森元治郎君 そういう予想される渡航者、今政務次官が指摘された人々の数が、航空開設を促進させるほどの力があったわけじゃないのですね。
○政府委員(井上清一君) そういうわけでございます。将来そういうことを予想されるであろうということでございます。
○梶原茂嘉君 関連してですけれども、ブラジルに対する移民ですが、その輸送問題というのは一つの大きな私はネックをなしておるのじゃないかと思います。現在の船による輸送でもなかなか窮屈なのです。従ってこの条約の締結によって定期的に航空路が開設されるということは、私はこの移民の送出の上からも非常に緊要ではないか、そういうふうに思うのですけれども、そうではないのですか、もう一度念を押しておきたい。
○政府委員(井上清一君) ただいま梶原委員から御指摘がございましたが、やはり移住者、移民というのは船で大量に出すということがこれは原則でございますし、ことに家族ぐるみで参る場合、家財あるいはその他いろいろ生産の、何と申しますか資財を持って行くとか、あるいはまた道具を持って行くとかいうような場合には、何と申しましても船で行くのが本筋でございますし、それが私は原則だろうと思いますが、まあ私の申し上げましたのはきわめて例外の場合でございます。
○梶原茂嘉君 船で行くことはもちろん原則といいますか、量をこなす上でも原則だが、しかし、飛行機を用いることがごく例外的だということではなくて、やはり将来はもう飛行機も原則的に移民を運ぶということに私はなる必要性といいますか、緊要性があるのではないかという感じがしておったのですが、それはそれでけっこうです。 一点伺いたいが、国際航空路がともかくも増強していくということは疑うことができない。ところがその国内における国際空港としては羽田があるだけなのです。羽田の拡充ということはそれぞれ計画されておると思うのですが、それは日本国内においては羽田だけでいいのか。たとえば関西地方で伊丹が最近問題になっておるようであります。それから北九州の板付も何か話題にはなっておるようであります。ところが将来国内における国際空港としての何らかの計画なり考え方があるのかどうか、これは航空当局の方にお伺いしたいと思うのです。羽田一本で将来も行くのか、複数にするのかという点であります。
○説明員(吉行市太郎君) 国際空港といたしましては近くジェット機が入って参りますので、それに滑走路を合わせますためには、どうしてもまず羽田に重点を置きまして、これの整備を急ぐというのが第一でございます。今後とも日本の国際空港といたしましては羽田が第一で、大体これに重点を置いて参りたいと考えておりますが、板付、伊丹等につきましても、現在板付におきましては日本航空の沖縄線だけが認められて、あそこから沖縄まで運航いたしておりますが、将来東南アジアあるいは大陸方面との国交が正常化されて参りますに従いまして、そういう方面への国際空港としての必要性は板付、伊丹についても将来出て参るかと思われますが、目下のところは羽田を一本でやって参りたいというように考えております。
○梶原茂嘉君 そうしますと、伊丹については将来考えられるであろうけれども、現在のところ別段具体的な計画なり考え方はない、こう承知していいわけですか。
○説明員(吉行市太郎君) 伊丹につきましても、国際空港化の必要件が出て参ることは当然考えておるわけでございますが、羽田と違いまして伊丹につきましてはわが方で管理権を持っておりませんので、わが方に管理権が返って参ります際に、これを国際空港としてやってゆきたいと考えておる次第でございます。
○梶原茂嘉君 伊丹については管理権が問題であろうと思います。ただそれに対する考え方が、将来返ってくれば、そのとき国際空港として考えるのだという態度であるのか。これを国際空港にする必要がある、従って事の性質から管理権はこちらの方で持つようにするという態度であるのか。そこに問題がありはしないかと思うのですが、わが方の必要からかりに伊丹を国際空港にするとすれば、やはり管理権を持ってやらなければいけない。従って早く一つ管理権がこちらにくるようにやらなければならない、こう思うのですが、その点をもう一度。
○説明員(吉行市太郎君) できるだけ早い機会に管理権を得て、国際航空に使用できるようにいたしたいと希望いたしております。
○吉田法晴君 だんだん航空協定も行われ、あるいは国際航空路線が日本を中心にしての発達、発展をして参ると思うのでありますが、そういう点で今の空港という点も問題になりましょう。それから空の管理ということも問題になると思います。羽田は、これは国際航空ということになりましたからはっきりいたしませんけれども、羽田もおそらく空の管理は米軍で行われているのじゃないかと思うのですが、その他の点についてはなおさらのこと、発着一つ一つが実はジョンソン基地から指令を待たなければ発着ができない、こういう状況です。ですからかつて吉田総理が大阪の伊丹の飛行場に着けなかった、こういうことがございます。条約の次々の締結、それから国際航空の整備、航路の設定促進ということも必要でしょうが、それにはどうしても日本の空については、日本で管理をするという必要がだんだん強くなってくるのじゃないか。先般政府も折衝をしたというお話でありますけれども、その模様、それから将来の方向として空の管理権をわが方に返還をしてもらえる交渉が、これは外務省としておありかと思うのでありますが、それらの点について御所見を承わりたい。
○政府委員(井上清一君) わが国の空の管理をわが国の手でやるということは、言うまでもなく望ましきことであり、また当然そうならなければならぬと思うのですが、また諸般のいろんな関係その他従来の協定等との関係その他からなかなか一度には参りませんけれども、逐次そういうような方向に向けて参りますように、これからも努力をいたして参りたいと思っております。今後も外交交渉を通じまして、できるだけ空の管理につきましてはわが国の手においてやるように一つ努力をいたして参りたいと、かように考えております。
○吉田法晴君 その点は要望をいたしておきます。日本の空が日本で管理されないというようなことは、これは相当大きな問題だ。きのう新しい総理に質疑がなされましたが、自主独立外交をやられるというのであるならば、これは大きな当面の問題であるということで御努力を願いたいと要望を申しておきます。 それからもう一つ、スイスとブラジルの点だけまあ批准がございまして、従来の日米、日英、日カ、日仏等についてはすでに協定が行われ、あるいは批准が済んだところでありますが、南米方面の他の国との協定それから現にスカンジナヴィア三国の外務大臣が来ておられるようですが、北極を通っての欧州航空路は、おそらく今後地球の横を通って参ります航路よりも、距離の点、時間の点等からいって、開けますとこの方が多くなるのだと思います。時間あるいは距離、経済等から考えましても。従ってスカンジナヴィア三国との間の航空協定あるいはその他ヨーロッパ諸国との航空協定についてどういう御方針でありますか。あるいは先ほどスイスとの協定に関連してお尋ねがあったそうでありますが、日航機その他がこの指定航路につき得るように指定し得る構想等について一つ承わりたいと思います。
○政府委員(高橋通敏君) お答えいたします。今までわが国が現在まで大体十一カ国との間に航空協定を締結いたしております。それはアメリカ、英国、オランダ、タイ、スエーデン、ノルウエー、デンマーク三国、カナダ、インド、フランス、オーストラリア、この十一カ国と現在航空協定を締結しておりますし、ただいまのスイスとブラジルについて御承認をいただきますと十三カ国となる次第でございます。 そこでスイスの場合でございますが、スイスの航空協定は、これはスイスのみならず、それ以遠の地、ヨーロッパにおけるスイス以遠の地点まで行くというように付表に規定しておるわけでございまして、これはスイスを越えましてロンドンまで行くことを予想しております。これは昭和三十四年にこの線を大体開設したいというのが現在の計画でございます。 それからブラジルでございますが、ブラジルまで参ります間に、まだ途中通る国としましては、メキシコ、キューバ、ヴェネズエラ、パナマ、コロンビアとこの五カ国ございます。そのほかカナダ、米国がございますが、カナダ、米国につきましては、先ほど申し上げましたように、もはや航空協定ができておりますので、問題となりますのは、これら五カ国だと思っております。この国のうちにもできるだけまた航空協定を作っていこう。たとえばメキシコの国なんかを目下のところ考えております。できるだけ進めていきたいと考えております。
○吉田法晴君 一つ答弁が落ちましたが、それと日本の航空会社を指定して日本の飛行機が航空協定を結びましたそれらの国々等に、何と申しますか、行くかどうか。あるいはそういう点についてスイスの場合には三十四年ですか、三十四年には指定して、行き得るようになるだろうという御答弁がさっきあったのですが、それらの新しい航路についてどういう御方針でありますか。
○説明員(吉行市太郎君) 日本航空の南米向けは現在三カ月一回程度の不定期でございますが、三十三年度には月に一回程度に運航を増強して参りたいと考えておりますので、そのころまでには定期航空としての運航をやらせたいと考えておりますので、その直前くらいに日本航空を指定航空企業として指定いたしたいと考えておる次第でございます。
○吉田法晴君 今度の北極経由の航路については、先ほど申しましたように、おそらく地球の横を回っていくよりもさらに発展をするだろうと思われますが、これについてはスイスとの協定、スカンジナヴィアとの協定の間には、日本からも行き得る、あるいは従来の協定が生きてその今後の発展に寄与し得ると思うのですが、スイス協定等についてはどうなんでしょうか。どういうコースを飛ぶかということは問題ではないので、もし西回りよりも北回りの方が発達するということになれば、おのずからそういうことになると、こういうことですか。
○説明員(吉行市太郎君) 協定上北極圏ルートをとり得ますのは、日本と英国、フランス及び北欧三国との間の協定でございます。政策上北極経由が有利であるか、あるいは東南アジア経由が有利でありますかは、欧州向けの直通旅客が今後どの程度期待できるかという点によりまして、どちらの路線の方が有利であるかという結論が出るのではないかと考えられますが、目下のところかりに欧州への路線を始めるといたしまして、どちらが政策上有利であるかはまだ結論が出ない段階でございます。
○吉田法晴君 そうするとその約定上の線が、スイスの場合には北極経由でない、こういうことですね。
○説明員(吉行市太郎君) さようでございます。
○吉田法晴君 これは希望ですが、先ほど申し上げましたように、国際空港としても発着いたします空港それから空の管理、その他の点について相当まだ国際航路が発達をいたしますについて、日本にやっぱり隘路がございます。これはこまかいことを言えば出入国のこまかい事務的な問題もございますが、そこでそれらの点についてはこれは政務次官もおられますが、今後先ほど申しました空の管理もあります、航路の点もあります、それから空港の運営の点もあります。これらを改善せられて今後の空港、航路を通じての日本の発展のために大いに一つ改善を願いたいという要望を申し上げて質疑を終ります。
○梶原茂嘉君 一つ簡単なことですが、私よくわかりませんから……。定期的に着陸をお互いにするという場合には協定が必要でしょうけれども、単に上空を通過するだけであれば、これは公海の原則と同じように、別段その国の承認等をこれは必要ないと考えているのですね。たとえば北極航路を通るという場合に、その下のソビエトその他の承認なくてもこれは自由であると、こういうふうに考えていいんですかどうですか、ちょっとお教えを願いたいのであります。
○政府委員(高橋通敏君) お答え申します。やはり本来といたしましては、たとえばそういうふうに類推すべき問題であるかどうかわかりませんのでございますのですが、領海を航行するのとちょっと違いまして、その国の上空を通過するのでありますから、その国の許可を得なければならない、こういうふうな原則になっております。ただ国際民間航空条約でございますか、そこに入っている国の諸国では一般の多数国条約というものがございまして、そこではお互いに許そうということになっております。それにはソ連は未加入でございますから、やはり自由に上空を飛ぶということには参らないと思います。
○海野三朗君 中共の方はどうなっておりますか、航空協定は。
○政府委員(井上清一君) 中共との航空協定につきましてはまだ考えておりません。
○海野三朗君 私、政務次官にお伺いいたしますが、この空のこと、ことごとくアメリカの羈絆を脱し得ざる現状にあることは皆さんも御承知の通り、たとえば沖縄にしてもそうであります。で、根本を除去していくにはどういうふうに将来持っていけばいいのであるか、それについての一つ政務次官の御所見を承わりたい。これはもう国際競争になったとしたって結局アメリカの羈絆を脱することはできない。これはどうしたならば将来羈絆を脱する方向へ持っていけるかというあなたの御構想を承わりたい。
○政府委員(井上清一君) どうも、ただいま海野委員から御質問でございますが、なかなか大きな問題でございまして、私からお答え申し上げるのが適当であるかどうか、ともかく一応一つ……
○海野三朗君 御遠慮なしに、ざっくばらんで、お互いに日本人でありますから、もうほんとうに率直な御所見を私は承わっておきたい。
○政府委員(井上清一君) 日本は独立をいたしておりまするけれども、なお諸種の点において制限を受けておりまする点につきまして、御指摘の通り、ことに一番問題は、私は日本が自分の国を守ることにつきましてアメリカの援助を受けておるという点に関してでございます。これらの点についてはいろいろ御意見もあろうかと思いますが、私自身の考えといたしましては、まず何と申しましても日本が独立して、ほんとうに独立の実を持つというためには、やはりまだ日本の独立の裏づけとなります自衛の力というものを私はやはり持たなければならぬじゃないか、かように考えておる次第でございます。逐次一つ海野先生御指摘になりましたように、日本の諸般の力というものを高めて真にこの自主独立の体制に持っていかなければならない。そのためにわれわれは大いに努力をすべきである、かように思っておる次第でございます。
○海野三朗君 その独立の体制に持っていかなければならないのでありますから、それには今お話によりますと、その自衛力を増強しなければいけないとおっしゃるのでありますが、そのほかにどういう御構想かありませんですか。たとえば一匹の犬を鎖でもってつないでおく、この犬が何ぼ人に食いつくように防衛力を持ち、かみつく力を持ったところで、この綱を切らないうちはだめなんであるから、その綱を切るにはどうしたらいいかということについての御構想は……、ただ自衛力を増しただけであすにも日本が独立できるものじゃないと思うのですが、その辺いかがでございますか。自衛力を増したと言ってもこのきずなが切れないのだから、一匹のブルドッグを綱でつないでおるのですから、この綱を切らんがためにはどうしたらいいか、御構想を承わりたい。私もこれは日夜考えてもわからないのであります。
○政府委員(井上清一君) 海野先生の御意見、また御質問の御趣旨、十分了解……、まあ非常に大きな問題でございますので、十分私も了解できかねるわけでございます。結局私どもといたしましてはできる限り日本の、わが国の国力の実を、増進の力を強めていくということのためにそういうふうに努力していく。そうしてその国の力を強めることによって諸般の外交上の問題というものも解決して参らなければならぬと、かように思っております。まあ国の力と申しますと、ただ武力とか何とかということじゃございません。私どもの持っております、わが国のあるいは経済的な力、国際的な力、いろいろなものを総合した力というものが自然に、お話のような羈絆を脱して真に自主独立の体制に持っていける道だと、かように私ども考えておるわけであります。
○委員長(笹森順造君) 本日はこの程度にいたしまして次回は三月五日に開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十九分散会