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26回国会参議院1957/08/30

運輸委員会 閉会後第2号

発言数
196
登壇者
15
会派数
4
開催日
1957/08/30

会議録

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) それでは、ただいまから運輸委員会を開会いたします。  まず、委員の変更について報告いたします。八月十日柴谷要君が辞任、荒木正三郎君が補欠、同十二日荒木正三郎君辞任、柴谷要君補欠、同十六日堀木鎌三君辞任、井村徳二君が補欠選任せられました。   —————————————

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 次に、先般当委員会から委員派遣を行いました九州班につきまして、派遣委員より報告を願います。

木島虎藏自由民主党

○木島虎藏君 それではただいまから九州班の委員視察の報告をいたします。  八月四日より約一週間の日程にて、中村委員、松浦委員及び私の三人が今回は特に北九州における輸送状況及び港湾整備状況、気象、海上保安業務等について視察して参ったので、以下それぞれ報告いたします。  北九州における輸送状況におきましては、国鉄西部支社及び門司鉄道管理局より説明を聴取し、戸畑、若松の石炭荷役状況を視察いたしました。輸送の現況は石炭輸送を除いて、当管内は全国的に比較してやや下回っております。この原因は、旅客人員の減少ということではなく、旅客はむしろ増加の一途をたどっておるのでありますが、人口の割合に比較しまして国鉄の旅客列車の回数がきわめて少いというためであります。すなわち、他に例をとりますと、福岡県の人口は三百八十六万、これに対し小倉−折尾間四十二回、折尾—博多間三十七回、一方兵庫県は人口三百六十二万に対して、神戸—明石間は百六十三回、西明石—姫路間は四十四回の割であります。そのため民営バス及び西鉄電車の回数が非常に増加しまして、これは一日平均五百四回、またバスは二百五十四回、こういうふうな関係で、国鉄の旅客の輸送が伸びておらぬというふうでございます。  それから貨物輸送につきましては、発送トン数は増加しておりますが、その指数は昭和十一年に比べ、三十一年度は全国で一六四%で、六四%全国では増加しておりますが、九州においては一三四%で三四%の増にすぎません。この原因は、発送トン数がふえて輸送の指数が下っているということは、発送距離が御承知のように短かいということであります。そのほか一般的に九州は輸送の近代化が非常におくれているのであります。その打開策としましては、鹿児島本線の電北、電車化、それから他線区のディーゼル機関車、ディーゼル動車を注入するということが旅客輸送では望まれており、貨物輸送においても同じく近代化が要求されております。支社の要望といたしましては、本社の電化計画によれば、鹿児島本線の電化は門司港—鳥栖間を、これを山陽本線と一結に昭和三十六年度完成の予定でありますが、輸送量の増加、列車のスピード化、それから動力車の運用の合理化及び工事の容易な点から考えて、ぜひ熊本まで延長されたいという要望がございました。輸送量は現在はもちろん将来も非常に多く、現在列車の頻度はきわめて少く、前にも述べましたように民鉄、民営バスの利用者が大部分であり、特に門司—久留米間は三十三年度着工、三十四年度完成が望ましく、この区間はトンネル等もなく、工事も容易なので、この際ぜひ繰り上げて工事に着手されたいとの強い希望がありました。  なお、同区間の電化により、現在の動力費に比し年間約五百万円の節約になり、また増収面においても約五億円の増収になると申しておりました。  なお、今度の災害による被害状況について申し述べますと、先に当局より本委員会に報告がありましたので、簡単に報告いたしますが、その被害額は、線路、建物、電気、車両等合せて約十一億四千万円、ほかに旅客、貨物の収入減約三億を見込みまして、合計十四億四千万円程度であります。七月二十六日直ちに支社に対策本部を設け復旧に当り、八月十日で一応応急措置としては、全線の復帰を見た次第でありますが、今後の問題としては九月の台風期を控え、復旧本工事の早急着手を必要とすると思います。特に今回の災害は橋が非常に多く破損したので、小河川対策としての避隘橋設置、これはふだんは水がないのですが、水が出たときにそこが橋になるような、そういう橋であります。それから災害無線の整備等の問題があり、また今回の災害により一そう滞貨がふえたので、滞貨貨物の対策等種々の問題もあり、これらの対策に今後一そう努力したいとのことでありました。  次に、海運局及び港湾整備状況でありますが、九州海運局においては、特に石炭輸送の概況について報告いたします。  九州地区における貨物輸送の実績を見ますと、七〇%以上千七百七十五万トンが石炭輸送であり、他に非鉄金属、セメント、肥料、木材等でありますが、いずれも石炭の一割前後にすぎず、特に洞海湾においては、年間石炭六百五十万トン以上にも及び、管内の半分以上を占めております。輸送機関は鉄道、汽船及び機帆船でありますが、その八三%が海上輸送でありまして、機帆船五三%、汽船三〇%の割合になっております。運賃についてでありますが、九州炭の機帆船運賃については、特に若松−阪神間は、木船運送法により標準運賃として運輸大臣告示をもってトン当り六百六十円と定められておりますが、長辺三、四年間の運賃の推移を見ますと、石炭需要の不振、船舶の過剰のため適正運賃を著しく下回って取りきめられ、特に機帆船においては、いわゆる船主船長が大部分であるため、どうしても運賃のダンピングがひどく、ことに夏場には標準運賃の三分の二程度に下落したこともありましたが、昨秋より石炭荷動きの活発化により地域的には船舶不足を生じて、今日では標準運賃に近づいて参りましたが、前途に楽観は許されない現状でありますので、この際特にさきの国会で成立した小型船海運組合法の精神をくみ、不当の運賃に対し各船主が団結して、かかることのないようにするとともに、当局においても十分指導する必要があると存じます。  次に、港湾関係でありますが、われわれは巡視船にて関門港、洞海湾、博多港及び長崎港を視察いたしましたが、各港湾とも船舶の大型化に伴うその受け入れ態勢の整備に重点を置き、県、市、港湾局ともよく協力し、着々工事に着手しておりますが、各港湾とも共通している点は、一万トン級の大型船の入港可能な水深の浚渫工事及びバースの増設、拡張等でありますが、何分にも莫大な予算を必要とするため、なかなか工事が進まず、いずれも促進を強く要望いたしておりました。  次に、海上保安業務でありますが、第七管区海上保安本部及び長崎海上保安部より業務内容及び今度の災害における救助状況等について説明を聴取いたしましたが、当管区の特色としては、壱岐、対馬、五島列島、奄美群島等の離島が多く、また一方朝鮮、中共、中国など近距離の間にあるため、密入出国、密貿易及び日本漁船に対する韓国その他からする脅威の保護等、国際的な問題が多く、その上活動範囲が非常に広いことであります。漁船拿捕は、三十年に比し三十一年、三十二年は少くなってきておりますが、反対に密入出国者、密貿易者は年々増加していくように思われます。要望事項としては、現在の巡視線は老朽船が多く、またスピードもおそいので、大型巡視船の補給及びその活動範囲が広いので、ヘリコプターの増加並びに職員の活動が激しいため、その宿舎等の施設の整備等について善処されたいとの要望がありました。  なお、災害については、各保安部に対し救難態勢に遺憾のないよう指令し、管内の全巡視船も動員し、遭難名の救助及び死体の収容並びに救援物資の輸送等に昼夜を分たず活動し、目ざましい働きをいたしておりました。気象業務については、福岡管区気象台及び長崎海洋気象台でそれぞれ説明を聞きましたが、特に今回の災害の気象状況及び離島職員の待遇の問題について報告をいたしたいと思います。  今度の災害の特色は、短時間内に想像以上の豪雨が降り、そのために各地に山くずれや山津波が多く発生し、さらにこれが樹木の流出、河川のはんらんを誘発して、折り悪しくこれが有明海の満潮時と重なったために一瞬にしてあの大洪水を招いたことと、一定の地域に限り一時間に百ミリ以上の降雨量があったために、気象台において再三大雨警報を出していたにもかかわらず、一瞬にしてかかる大惨事を引き起したものと考えられます。なお、管区気象台として今後の災害に備えるため、三十三年度に種ケ島に、三十四年度に名瀬にそれぞれ気象用レーダーの新設を、また超短波無線電話の増設、無線ロボットの増設等について要望がありました。  離島職員の待遇については、暫定手当に差があるため、都市に比べ約二割の減収となり、物価も昔と違い、今日では都会の方が安いくらいで、職員の配置等についても非常に困惑を感じており、隔遠地手当等もあるが、定額制から俸給割になったため下級職員はかえって減額される場合も起り、これらの是正改善には給与法を改正しなければ解決しない問題でありまして、強く給与法の改正について要望がありました。  次に、長崎県庁においては、県知事及び関係者より災害の状況及び長崎港の整備状況等について説明を聞きましたが、県当局としては、長崎—諌早間の鉄道平坦線の設置、大村を中心とした離島飛行場の新設、長崎—壱岐、対馬航路に対する補助の復活等について強い要望がありました。  最後に日程を変更し諌早市を訪れ、同市長に対し今回の災害の御見舞を申し上げるとともに、今後の復興についてその御努力をお願いし、同市内を視察し、全日程を終了いたしました。  以上をもって報告を終ります。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 以上をもって九州班の報告を終ります。   —————————————

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 次に、モーターボート競走に関する件を議題といたします。  モーターボート競走施行の実施状況について政府より説明を求めます。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) 本日局長がちょっと病気のため休みましたので、私監理課長でありますが、かわって御説明いたします。  現在全国でモーターボート競走が行われておりますが、このモーターボート競走は、現在のところ全国に二十五カ所の競走場と、施行者二十八団体、これで千八百隻ばかりのモーターボートと、エンジン千四百台を備えまして、これに従っている選手が千二百二十名あまりになります。これで競走を年、大体一カ所が一カ月十三回、すなわち百四十四カ日一年にやれることになっております。これは法律で開催日数を制限いたしております。あまりに射幸的になることを制限するためだろうと考えております。そしてこの売上高は、船の券の売上高でございますが、これは三十一年度におきまして年間二百四億七千万弱になっております。このうち地方公共団体が自己の金として財政的な支援として使える金は召し上げましたもののうちの約七%ほどでありますが、十三億あまりになっております。と申しますのは売上高のうちの七五%は勝船当事者に払い戻すわけでありまして、あと二五%を分けまして五%ないし六%を例の振興交付金として関連工業の振興のために使い、それから一三%程度がモーターボート競走を行うための経費になりまして、あとの七%程度が地方財政に寄与する金と、かようになっておる次第でございます。なお、このモーターボート競走につきましては始終問題もございましたので、先国会でお願いいたしまして改正をしていただきまして、十月一日からこれを厳重に実施することになっておりますが、モーターボート競走に関する諸監督が従来に比較しましてはるかに厳重になるようになっております。たとえばモーターボート競走全国連合会は、ほとんど特殊法人に近いような監督を受けまして間違いのない運営をいたすようにということにモーターボート競走法を御改正願ったわけでございます。なお、最近たまたまモーターボート競走における不正事件が発生いたしましたので、私たちも非常に遺憾に考えておるわけでありますが、いまだ事件が検察庁で捜査中でございますので、私たちもまだこまかいところはいかなる内容を持っているか、いかなる容疑のものか、はっきり私たちもわかっておりませんですが、一応検挙されました者が選手五十八名を含めまして八十九名というふうに聞いております。従来この不正と申しましても、もっぱら八百長の問題でございますが、これにつきましては、モーターボート競走は競輪と違いましてもっぱら機械力をもってやる競走でありますので、この種の不正はあまりないであろうと考えておったのでありますが、その発生する余地があるということも考えられましたので、始終対策を練っては参ったわけであります。たとえば競走開催中は選手は一カ所に合宿させる、あるいはそれらによって、外部との接触は遮断する、あるいは競走場の往復には貸切バスを用いる、あるいはレースに関する予想表、出走表というようなもののごときは当日以外にはあらかじめこれを絶対に見せるようなことはしないというような措置も講じて参ったのでありまして、同時に技術の向上のみならず、精神的な面も考えまして、毎年暮には高野山に集めて訓練をやるというような措置もして参ったわけであります。それにもかかわらずそういう不正、八百長の風聞を、耳にいたしましたので、三十一年の四月に、実はとかくの風評のある選手七十九名につきまして登録抹消という処分までやって参ったのであります。従いまして、現在摘発されておる事件がすでに内部的に処理されたものかその後にあったものであるかははっきりいたしませんが、どうも検挙された者を見ますと、いずれも登録を抹消された選手であったので、あるいはその以前の問題ではなかったかというふうにも考えられております。いまだはっきりいたしておりません。何分検察当局の手にあるものですから、われわれにはまだはっきりいたしておりません。将来の不正防止対策につきましては、さらに今回の調べられました結果を参考といたし、まして、明朗な姿でモーターボート競走が行われるようにいたしたいと考えております。そのためには積極的な選手の訓練、養成、これと同時に従来見られました外部とのある種の接触というものの遮断に格段の考慮を払いたい、かように考えておる次第でございます。  現在行われておりますモーターボート競走の状況、特に最近起りました八百長問題に関して概況を御報告申し上げた次第であります。あとは質問によりまして申し上げます。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) ただいまの説明に対し御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

木島虎藏自由民主党

○木島虎藏君 ちょっとお尋ねいたしますが、今御説明の中に関連産業に何か売り上げの利益を使っているということですが、具体的にどういうようなものに使っているのですか。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) 今日まで行なって参りましたのは、たとえば本年度上半期におきまして大体一億ばかりの金が予定されておりますが、これによりまして、本年度上半期に行いましたものといたしましては、輸出振興のためにするものといたしましては、船舶の海外宣伝用の英文カタログを作りまして、これを海外に配布する、この費用に使っております。それから船舶関係の英文の日本標準規格、例のJISでございますが、これも製作、頒布する。それから輸出向け小型内燃機関の型式統一に関する調査研究の費用で、これも輸出振興のために使っております。それからさらに品質改善の問題といたしましては、本年度使うことを予定いたしておるものといたしましては、船舶のエンジンを作っている中小企業の技術指導会、技術講習会を開いておりますので、これのために使う、また使ったもの。それから今一番問題になります、こうしたところで問題になっておりますのに、船舶用の減速歯車——レダクション・ギアでございますが、これの設計及び工作に関する調査研究のために補助をいたしております。それから高速小型内燃機の性能向上に関する調査研究費、これもまだ補助いたしております。さらに設備の合理化のために使うものといたしましては、造船関連工業のいたしております企業が概して言いますと、中小企業でありますために、その設備の合理化をはかるために専門家に依頼いたしまして、企業診断を行うことをやっております。それから最も大きいのは、こうした関連工業の中小企業に属するために資金ソースに非常に苦慮いたしますので、交付金として吸い上げました金を商工中金などに委託いたしまして、これから貸付をやらせております。これは年約一億以上の金になるかと思っておりますが、これは今日最も大きな部門になっております。ですから中小企業である関連工業メーカーの資金ソースとしてかなりやっている。大体こういうことに使用しております。  なお申し落しましたが、先国会で御改正願いました際に、関連工業のほかに海難防止のためにこの金を使うようにという御趣旨がございまして、これは十月以降の下半期の金でこれに充てるべく目下研究いたしておるところでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 関連して。今の監理課長の説明で、何ですか、この小型船舶等のために商工組合中央金庫に金を預託をして、年間一億くらいの貸付をすると、こういう話でしたが、この間私どもあそこの江戸川のオート・レースを見学に行ったわけですが、あそこにおけるエンジンのメーカーですね、そういったものを見るというと、あまりこの各中小企業というようなふうに思われなかったのです。一体どのくらいのいわゆる企業にそういうものを出しておるのですか、その点ちょっと御説明願いたいと思います。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) 今お話のございましたボートそれ自体についておるエンジンを作っておるのは比較的大きいものがあるのじゃないかと思うのですが、われわれの商工中金から預託をした金を貸しておりますのは、ちょうど何といいますか、中小企業金融公庫かな借りるには少し大きくて借りられない、さればといって開発銀行から借りるには小さくて相手にしてもらえない、その中間どころの資金ソースに非常に恵まれないグループがあるのでございますが、そこの程度でございます。従って、全部それに当てはまるかどうかちょっと疑問でございますが、原則といたしましては、資本金にいたしまして高々一千万円そこそこの会社、それから従業員にいたしましても三十人以上というくらいなところが目標になりまして、それ以下のものはむしろ中小企業金融公庫から借りられる道があるということで、その間をねらっておるわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そういう預託についての貸付の基準というのは、一千万円で三十人以上というのはどの程度までの会社が対象になるのか、それもまあはっきりしないけれども、わかったら御説明願いたいけれども、いま一つ、この競走用のボートのエンジンというものはどのくらいの会社が作っておるのか、どういう会社が作っておるのか、それが果して特定のメーカーになるのか、それとも一般的にそういうことをやらしておるのか、こういう点を知らしてもらいたいと思うのですが。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) 現在モーターボート競走用のエンジンを作っておる会社はどれくらいの会社かというお尋ねかと思いますが……。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうです。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) 独占的に作っておるわけじゃございませんが、ややそれに専門化しておる工場がございます。これが現在のところ主たるものは三社ということでございます。会社の名前を申し上げますと、ヤマト、ミクモ、キヌタ、この三社になっております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうしますというと、ほとんど全国の、先ほど監理課長が説明した二十何カ所ですか、開催日数も相当、百四十四カ日、選手も千二百二十名とこういうような現在の機構の中で、競走用のエンジンを作るのは大体三社である、こういう考え方でいいんですね。   —————————————

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) ちょっとお待ち下さい。  各位に御紹介申し上げます。ただいま英国下院議員ミスター・ヒル並びにミスター・マシューズ両氏がおいでになりました。御紹介申し上げます。    〔拍手〕   —————————————

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 先ほど監理課長が言ったのは競走用のものについては、もう大体ヤマト等の三社である、こういうことで運輸省としては大体考えているのですか。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) 現在のところその三社が主体として作っているという現状でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 そうするとどこもはっきりしないわけですが、その三社を主体とするというけれども、それではほかにその下請をやるとか、あるいは研究をしているとか、そういうようなこともいわゆる振興会の対象になると思うのだけれども、そういうのはやっているのかやっておらないのか、こういう点をはっきりしてもらいたいと思うのですがね。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) 現在のほかで——私の申し上げましたのはほかのものが入ってくるのを拒んでいるというのではなくて、現在やっているのがそれだけである。ほかのものに研究費を出すか出さぬかという御質問でございますが、もしそういうものに今後適当な、あるいはそれよりいいものが出てくるということがむしろ奨励策でございますから、必ずしもそれを出さない、あるいはそれを拒否するということではございません。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 モーターボート競走法の一部改正が行われて、十月一日から今度はモーターボートの連合会に対して交付金ということに変ってきた、法律が変ってきましたね。その際、交付金の使途については運輸省が十分監督をし、支出項目等についても十分検討されるのかどうか、これをまず一つお尋ねしたい。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) あらかじめモーターボート競走連合会からその資金の使途につきまして計画を出しまして、それを運輸大臣の承認いたすまでは勝手に使うことを許しておりませんので、十分監督いたす考えでございます。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 たとえばその交付金の中で、連合会の職員の俸給等の問題をやはり書き出されてくると思う。その場合に連合会の方は従来のままで、たとえば運輸大臣の承認を求めるために申告をしてくる、そういうものに対して、十分現在使っている職員の給与等が適正なものであるかどうかというような検討も運輸大臣としてはされて許可をされるかどうか。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) 今度の改正によりまして、すべてモーターボート競走会はあらかじめ予算を組み、かつ事業計画を作りまして、それの実施について運輸大臣の許可を求めなければなりませんので、その許可があるまでは使えませんから、やはりこれも同様に内部の経営その他のあり方まで十分監督いたすことができますし、またやることになっております。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 それも十月一日から法律が改正されてのことを僕は質問したのだが、現在の情勢からいって、実は役員が何といいますか、非常に低い報酬を取っている、それがために役員より上回るところの俸給というものを受けることができない、こういうことで下に働いている職員の待遇がよくないということを聞いているが、これらの問題を運輸省としてはよく調査をし、かつその実情を知っておられるかどうか、この点を質問したい。

蒲章運輸省船舶局監理課長

○説明員(蒲章君) 今日までの法律が改正になりますまでに、一般の民法上の法人としての規定はなまぬるい監督でありましたために、遺憾ながらわれわれ十分それを知らなかった点があるのではないかと考えております。従って、今度の改正を期といたしまして、現在もすでに調査を始めておりますが、十分調査した上で次の発足に当りたい、かように考えております。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 特にこの際希望しておきたいことは、今の問題が実はモーターボート競走法の一部改正問題をめぐって、われわれは非常にモーターボート競走法というのはどういうものか知らなかった。一応この法律案を審議するに当っていろいろ検討した結果、派出的にそういうような問題が出てきた。なるほど役員はある程度奉仕する気持があり、財力をたくわえている人たちだからこれはいいと思う。ところが、役員の報酬が少いからといって職員の俸給までも抑えて働かせるということはこれは当を得ていない。この点は働く職員等の不満も、ひいてはこのレースの不正を誘発するような原動力にならぬとも限らない。特に今回不正を行なった選手等と職員が結んでおったかどうか、これらの点も調査の上、将来十月一日から行われます法律実施に当っては、十分この点注意して今日の情勢上からいって、職員の待遇というものを十分考えられて運輸省としては監督されるように希望して質問を終ります。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 他に御発言ございませんか。——御発言なければ、次に移ります。  ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 速記つけて。  それでは、次に、海上保安庁及び気象庁関係の庁舎、宿舎に関する件を議題といたします。  先般の報告に関連して御質疑がございましたら、まず当局に質問を願います。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 官房長にお尋ねをしたいですが、さきに私どもは北海道方面を視察して帰ってきて、報告の中にも、特に住宅問題については強く要望して報告をいたしておるわけですが、あの報告書を十分ごらんになったかどうか、これからまずお尋ねをしておきたいと思います。

朝田靜夫運輸大臣官房長

○説明員(朝田靜夫君) 私も海上保安庁に勤務をいたしたこともございます。気象庁の官房長になりまして、国会の御支援によりまして外局にまでしていただいたときの事務を所掌いたしておりましたし、現地におきましては、私は北海道は在任中参りませんが、九州その他中国方面の僻陬地の視察はいたしております。そこで、御質問だけにお答えをいたしますが、私に関する限りはその程度で……。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 経歴が示す通り非常に海の方のことについてお詳しいのでありますから一つお尋ねしておきたい。北海道の海上保安庁あるいは気象庁等の関係で職員の住宅事情をつぶさに見て参りました。ところが、これらの職員の人たちは、たとえば暴風、地震、いわゆる天災地変が起きますと、家庭を顧みることなく出動を命ぜられて勤務につく、これは普通の勤務員と違うと思う。ところが、それら職員の住宅を見ますると、これは国全体の方針が誤まっておったと思いますが、北海道自体の住居にしては非常にお粗末、それのみか最近新造されておる家を見ても、内地の非常に気候のいい所に建てられるような住宅の状態なんです。なぜ今日のような情勢の中で、もっと寒地に向くような住宅対策が立てられないのか、そのような専門家が運輸省にはいないのか、第一に予算が取れないのか、いろいろ原因があると思う。それらについて詳しく一つまあ官房長から説明を聞いて、隘路があるならばそれを国会において打開をしていくということに方針を向けていきたいと思うのだが、それらの点に対してこまかく一つ御説明をいただきたい。

朝田靜夫運輸大臣官房長

○説明員(朝田靜夫君) ただいまのお話の通りでございまして、北海道におきましても、北海道のみならず僻遠の地に勤務いたしております海上保安庁の職員、あるいは気象庁の職員につきましては、まことに住宅事情についてはまだ不十分であることを率直に認めざるを得ないのであります。海上保安庁は御承知のように昭和二十四年五月に発足いたしました。まだ歴史が非常に浅いので、そのためもう一つの原因になっておるのでございますが、職員の宿舎事情からいいますというと、運輸省の出先官庁の中でも平均よりもやや劣っておるという事情にあるのでございます。平均の運輸省の宿舎の充足率は四六%でございます。海上保安庁は充足率は四〇%、こういうことでございまして、ただ海上保安庁の中でも職種別によって、灯台のように八十年も歴史を持っておる古い役所もございます。そういうものは割合に恵まれておると言い得るので、これはまあ比較の問題でございますが、そこで、航路標識職員、灯台、いろいろな標識、無線等による弱電流その他によりまする標識全部を含めまして、航路標識職員の宿舎は、これは今申し上げましたように、歴史もきわめて古いものであります。充足率は百%、これで無料の宿舎を提供をしておるのであります。ただ、その後できました警備救難関係のいわゆる巡視船、巡視艇等に乗っておりますところの船員の宿泊施設が、非常に業務が拡大いたしましたのに対応いたしまして、即応して宿舎が整備されておらないということでございます。ただ国家予算でもって、船腺の基地八十八カ所を整備いたしておりまして、船員詰所と、こう正式には呼んでおるのでありますが、直ちに出動をいたさねばならない荒天の際でも、常に船員の配乗、その他から待機をしておらなければならないというところから、船艇の基地といたしまして八十八カ所に船員の詰所を設置いたしております。ただこれだけではとうてい足りません。沿岸一万海里にわたりますところの警備救難の仕事には不十分である。そこで、国家予算ばかりでなしに、われわれといたしましては海上保安協会で、一つのこれは援護団体でありますが、こういうものの御協力によりまして、さらに増設をする予定をいたしております。まあこういう状態が海上保安官署でございまするが、気象官署につきましては、海上保安庁の全体の歴史が浅い、灯台、水路は別にいたしまして、歴史が浅いのに比べまして、気象官署は文部省時代、あるいはそれ以前から非常に歴史は古いのであります。運輸省の官署の中で、宿舎は最高の充足率を示しております。現地について国政調査を行われました結果、あれでも最高の充足率かと、こういうふうな疑問が出てくるかと思いますが、充足率からいえばあれでも最高なんであります。そこで業務の性質上、官署の構内にどうしてもおらなければならない。台風のような場合もそうでありまするし、すべて日常の、ふだんの業務を遂行いたして参ります際におきましても、構内に、勤務と同じ場所に住いがなければ、とうていその目的は達せられません。ただ ごらんになりましてもきわめて老朽なものが多いわけであります。人道問題だと言われるほどの宿舎も事実ございます。われわれは気象庁につきましては、この老朽の度の激しいものにつきまして、整備費その他につきましても、従来からも恵まれない予算の配賦になっている、われわれの努力ももちろん至らないところもございましょうが、どうも予算単価、修理につきましても予算単価がきわめて低いのであります。一般の修繕につきましては坪二百七十円、こういうことで畳がえすらできないというような、こういう単価で一般修繕をやらなければならないというような状態でございます。そこで、気象官署につきましては、そういった老朽の度の激しいものにつきまして、修理費に多額の出費を要するだけでなく、中には老朽その極に達しまして、修理不可能なところもございますので、この改築を必要とする状態でございます。従いまして、こういう特殊性を強調いたしまして、新設要求を行なっておりまするが、今申し上げましたような充足率の関係上、新設宿舎は、充足されておるじゃないかということで、今までの予算折衝から見ても、きわめて不利な状態にあったということが言えると思うのであります。そこで、運輸省といたしまして、来年度の予算の概算要求を、この月末までに大蔵省に出さなければなりませんので、先日もこの点につきまして大臣からも国政調査の御意見を拝聴いたしました。で、特に御下命がありまして、来年度の概算要求の中には、われわれといたしまして、庁舎の新営費の予算といたしまして、今まで例年三千万円から六千万円程度ふえてきておるのでありますが、また特別修繕は千五百方円程度充実しておるのであります。三十三年度の概算要求におきましては、こういった今申し上げました状況を改善いたしますために、建設省の所管でもって新営費十五億五千万円、特別修繕費といたしまして、一億三千万円、合計いたしまして十六億八千万円を要求にすることに省議で前日きめたような次第でございます。海上保安庁と気象庁の関係についてだけ、現状と来年度の予算要求の方針を御説明をいたしました次第でございます。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) ただいま気象庁長官和達清夫君、同庁総務部長古村順之君、海上保安庁次長安西正道君、同庁の施設課長高見正夫君等も出席いたしておりますので、官房長と同時にこれらの諸君にも御質疑がおありでしたらお願いいたします。

木島虎藏自由民主党

○木島虎藏君 先ほど九州班の報告をいたしましたが、それを聞いておられたかどうか知りませんが、あの気象台の関係でこういうお話があったのです。遠隔の離れ島に転勤を命ずるときに、そこに転勤をすると子弟の教育の問題その他非常に出費が要るにかかわらず、あらゆる物価なんかもこっちの九州の、あるいは福岡とか、あるいは鹿児島とかにおるよりは高い、それにもかかわらず、手当が非常に少いのと、まるで刑罰というか、刑罰と言っちゃおかしいけれども。転勤が罰になるようなことで、非常に困るというようなことを現地で言っておられました。私ども参りました三人とも同感でございまして、これは必要があってそこにやるのだから、そういうことのないようにもう一ぺん見直して、適正な遠隔地の手当というものを考えてあげなくちゃいかぬだろうと痛感して参ったのでありますが、当局の方では来年度そういうようなことを多少でも考えてやるという心組みがあるかどうかということをあなたにお聞きしておきたいと思います。

和達清夫気象庁長官

○説明員(和達清夫君) 仰せの通り気象庁の所管しております離れ島あるいは山、または僻遠地におきましては、お話のように子弟の教育はもちろん、生活も非常に困難でありますし、物価も高い、それであるのに官舎もあまり十分設備しておらない。それに加えて現在は僻地手当というものが非常に僅少であります。僻地手当に比べて地域給というものは非常に高率についておる。都会に住む方が俸給も多いし、子弟の教育もできる。生活にもいろいろな潤いがある。しかるに僻地の方はあらゆる条件が悪いのであります。これの打開としましては、われわれのできる範囲では、われわれの中でできるだけ住みよくする、あるいはその環境をよくする、そういうことに全力を注いでおります。根本的にこの地域給というものはありまして、しかも、僻地手当の少い現在では私たちの力ではどうにもいたすことができないのであります。この点は、気象庁だけとは思いませんけれども、そういうような僻地において長い間夜昼の区別なく勤めなければならない仕事に対しては、どうか考えていただきたいと思うのであります。これは私も数年——数年どころか十数年その点ばかり申し上げておるのでありますけれども、官庁の中でこれに近いところは気象庁以外は灯台が多少あるくらいのもので、ほかにはあまり例がないというために、特別の一つの官庁のためにそういうことはできないというようなお答えで、今日まで非常に心残りでありますけれども、非常に消極的な方法で私たちの力でできることしかいたさなかったのであります。どうぞ皆様方のお力で何とかその点が解決つきまして、むしろ喜んでそういう困難な仕事に職員が当るように御尽力願えれば非常にありがたい、仕合せでございます。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 質問半ばで大臣お見えになったので大臣にお尋ねしたいと思うのですが、今私どもが申し上げておりますことは、かつて国政調査の関係において、北海道方面を私も視察をした。その際に、非常に気の毒な状態の中で真剣に職務を遂行しておられる職員の姿を見てきて、このまま国会として放置するわけにいかぬ、何とか国家の力によってこれを救済していかなければならぬということで、報告にも申し上げておりますように、住宅問題を今質問しているわけであります。官房長のお話では、大臣が非常に積極的にこの問題を取り上げられて下命をされ、来年度予算については要求をせいという御下命が下ったという大へん大臣の心組に対して敬意を表するわけであります。こういう事例が一つありますので、関係者には特にお伝えをしておきたいと思います。これは北海道といっても小樽地区ですから、比較的条件はいいそうです。ところが、大雪が降りまして、あそこは第九管区ですか、本部長が役所へ出勤をしたところが一人もまだ出てきておらかなかった。ところが、少し時間がたつに従ってだんだん職員が集まってきた。そのような血気盛んな人たちが家庭において役所に出てくるにすら定時間には出て来られないほど大雪が降って困難した。そこで、本部長としては、今船に乗り込んで家庭を留守にしているこの家庭は今どうなっているかという考え方を留守家庭に置いたらしいのです。そこで、すぐに家庭の状況等をよく把握しておるものですから、小さな子供さんを抱え、しかも、身ごもっている家内の人が留守をしておる家庭はどうなっているのかというので、職員二、三人で大雪だものですからスコップを持って出かけていった。ところが、その家庭は戸をあけようにも大雪であけられないし、いろいろ苦心した結果、最後に戸をあけて中へ入ってみたら、とにかくあるだけのものを着てふるえておって、すでにくちびるの色は紫色に変ってしまって、石炭小屋はかなり離れておったために石炭すら家の中に運び込むことができなかったので、すでに火の気がなかった、こう言うのです。そこで、長官以下職員の人たちが行って、雪をはねのけ中へ入ってその現状を見ることができたので、立ちどころに暖をとって危険な状態から救うことができた、こういう報告を受けたのです。そのことを実は働いている職員に聞いてみましたら、まあ二年に一ぺん、三年に一ぺんはそういう目にあいます、こういうふうな話なんです。そこで、実は住宅事情等もいろいろ調べてみたところが、全く内地の住宅と少しも変らないような住宅で、零下二十二、三度に下るような所に建てる住宅ではない。最近建てられた住宅を見ても、幾らかブロック建ができて多少進歩したような姿を見ておりますけれども、そのほか木造住宅を見ると何ら内地と変らない状態になっている。それらの家もなかなか十分に与えられておらない、こういうような事情で、冬期に船出をします乗組員等は家庭のことを非常に心配しながら船に乗ってお出かけになる、そういう実情を見てきて、何としてもこれは住宅を与えなければならぬ、こういう気持でわれわれ帰ってきた。このような事実に立って私どもはどうしても三十三年度予算にはこのような問題を一刻も早く解消するように政府としてはすみやかに手を打ってもらいたいと思っておるのですが、大臣の見解はどのようなものか、お尋ねをしておきたいと思います。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) 運輸省の予算編成に当りまして、私は今まで恵まれない部分、もっと面接的に申しますと、虐待されている部分をもってきてもらいたいと私は要求しました。それからこの間関西のある海洋気象台へ行ったのです。いまだにまだ戦災復興がしていない。ペンペン草が生えている。私はこれを称してポンペイの廃墟だと言った。さらにその気象台の庁舎を見ますと、これは全く人道問題で、おそらくこれは今おっしゃったように各地にあるだろうと思います。それを私はピック・アップいたしまして今度は強く大蔵省に要求いたしたいと思います。こういうものが放置されておるということは、私は重ねて申しますが、人道問題だ、これを一つ解決したい、こういう決意でございます。何分大蔵省が相手でございますので、どうぞ皆様におかれましてもこの点特に御協力をお願いいたしたいと思います。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 それではただいまの大臣の御意思は、これら恵まれない状態に置かれているものに対しては、徹底的な大臣としては努力をし、解決をはかりたい、こういう御意思とわれわれは了承してよろしゅうございますか。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) はあ。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ちょっとこれに関連するような問題ですが、最近灯台守なんかの場合、天水を使っているため、放射能の汚染を受けて、そのために白血球病にかかっているというようなことが新聞にしばしば報道されているわけですが、これについて、これは気象庁関係になりますか、海上保安庁の関係になりますか、どちらでも関係の方に答えていただきたいのですが、こういうところが全国で天水を使っているというのはずいぶん多いと思うのですが、これはどれくらいあるのか。それからこれに対して被害の程度はどの程度か。これに対する対策としてはどういうことをお考えになっているか。非常にこれは人命に関する重大な問題ですから、この点明らかにしてもらいたい、こう思います。

安西正道海上保安庁次長

○説明員(安西正道君) ただいま灯台職員に対する御同情の言葉をいただきまして、現地におります灯台の職員は大へん感激しておることだろうと考えるわけであります。先般、東北の灯台におきまして、天水を使用して飲んでおります灯台の一部の職員が、白血球の状況が普通人の状況に比較いたしまして三分の一以下であって、非常に健康が憂慮されるというような新聞記事が出たわけでございまして、その後この問題につきまして、東北大学にいろいろ研究をお願いしておったわけでありますが、あの職員につきましては、これは原爆の実験の影響から来るものでないというような判定が下されまして、その後東北大学の方でもそのように発表されておりますけれども、しかし、何と申しましても、天水を使用しております灯台は、全国で灯台の数が三百カ所でございますけれども、純粋に天水を利用しております個所が約六十四カ所ばかりございます。それ以外に天水と井戸とを併用しておるとか、一部をどうしても天水に依存せざるを得ないような個所が相当数ございますので、この問題につきまして来年度予算におきまして、この必要個所を調査いたしまして、できるだけ井戸を掘るとか、あるいはまた必要な場合におきまして水道を作るというような点で、水道の方面につきましては、そこの灯台ばかりでなく、一部町の人たちも天水を利用しておる個所もございますので、そういう個所につきましては、厚生省と協議いたしまして厚生省の方でもしかるべく対策をしてもらう。また灯台職員だけがそういう環境に置かれているというようなものにつきましては、海上保安庁自身の力で解決すべく予算要求をする計画でただいま研究中でございます。御了承願いたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ただいまの東北の方というのは、金華山の灯台の場合だと思うのです、これは東北大でございますか、実験をやったのは。

安西正道海上保安庁次長

○説明員(安西正道君) そうでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その結果、原水爆実験の結果ではないという結論を得たということを新聞で私は見たのですが、その原因については、これは明らかにしているのですか。何のために白血球が三分の一に減っているか。何のためであれ、これは重大な問題だと思うのです。その原因が明らかになっているのかどうか。それから金華山の場合については一応調査したということになっておるのでありますが、ほかの場合はこれをもっと広範に、少くとも今お話では六十四カ所あるわけですから、そういうものをもっと綿密に調査する、そういうような調査のために必要な予算というものは、これは緊急支出ができるのではないか。それと関連して、ただいまのお話は、来年度の予算で云々というお話があったのですが、これは事人命に関する重大な問題です。また先ほどから非常に僻遠の地でその職務を忠実に行なっておるというような、いわば犠牲に甘んじておる人、こういうところに早く手を差し伸べることが必要なので、来年の予算ということになるというと、実施はちょうど今ごろになる。一年間また危険にさらされるわけです。そうすると、これについて緊急のやはり処置をとるべきじゃないか、こういうふうに考えるのですが、この点についての事務当局の腹案、これに対する大臣の御見解を伺っておきたいと、こう思うのです。

安西正道海上保安庁次長

○説明員(安西正道君) まず第一点の当面問題になりました職員がどういう影響で、どういう関係で白血球が少いかという問題でございますが、これは実はあの直後灯台部でも現地に人を派遣しまして、いろいろ調べたのでございますが、問題になりました職員は、実は以前から白血球が不足だったという事情がございまして、特にあの灯台に回されて天水を飲んだがゆえにそういう関係になったのではないというような面もあるように私は承わっております。ただ、具体的に東北大学の研究結果につきましては、まだ現地から報告が届いておりませんので、私は具体的に存じませんけれども、大体そういうような一般的な結論については現地から報告を聞いております。  それからただいま御質問にありましたように、実は天水を早く改造せよというお話でございます。私どもといたしましても、できるだけ早く改造したいというように考えておるわけでございますが、実は従来からも、第一回原爆、実験以来、その点につきましては、いろいろ心配いたしまして、ぼつぼつそういうような見地から施策を進めて参っておりますし、また実は現在残っております個所と申しますのが、なかなか井戸を掘ったり、いろいろな施設をするのが簡単に参らないような個所でございまして、どうしても調査上にいろいろな日数もとられますし、その調査を現在は急いでおるわけでございます。そういう見地から来年度予算ということを申し上げたわけでございます。できるだけ対策が立ち次第、なるべく早く実現できるように骨折りたいと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 全国的に調査する考えは。

安西正道海上保安庁次長

○説明員(安西正道君) もうそれは今調査しております。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) かけ離れた場所に孤立的な生活をしておられます灯台守、その生活に対しましては私も十分注意いたしまして、こういうことは、これもまたわれわれとして予算による措置も必要でございますけれども、その範囲内において私はできないことはないと思います。そういう個々の事態につきましては急速に措置をして、これらの人々の生活が安定をして、そして十分勤務していただくというような方向に持っていきたいと私も考えております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 海上保安庁で、気象庁も一緒ですが、今の金華山の話が出ましたが、私たち現地調査に行ったわけであります。ここにおる市川女史あるいは高良女史も行ったわけでありますが、海上保安庁の船で灯台に上ろうと思ったのですけれども、波が荒いためについに上れなかった。反対の方からお宮の方に私ども上ったのですが、その際に、灯台職員に来てもらって話を聞きましたところが、道も何もないということです。しかも、ヒルやダ二が多くて、御婦人にはまことに気の毒で通れなかったのです。そういうようなことを、いまだに道なき所に家を作って、片っ方は太平洋で波が荒くて船も着けられない。しかも、天水である。天水も、雨が降らなければ天水だってたまりゃしない。こういうようなことをいまだに、明治時代ならいいけれども、徳川時代のような生活をさせておるなんということは、おそらく前時代的な問題だと私は思うのです。そういう点について、道を作るというような考えもあるのか、あるいはまた教育についても、そういう問題を考えてやるのかということを、先ほど予算の問題を、来年度の予算は十六億八千万ですか、つけるというのだけれども、一体今年の予算はどのくらい要求して、今年度は作れたのですか。またこれが、これだけ要求するというけれども、運輸大臣だいぶ張り切っていただいたのですが、国会議員にも一つ骨折ってもらいたいということですが、一体見通しが、そういう点に確信を持っておられるかどうか、この点をちょっとお尋ねしておきたい。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 全般ですから、官房長に一応お答え願いましょう。

朝田靜夫運輸大臣官房長

○説明員(朝田靜夫君) 先ほど申し上げました数字は、庁舎と宿舎と合せましての額を、十六億八千万円を要求することにしていたのでございますが、なお念のために、そのほかに先ほどちょっと言い漏らしましたが、坪当りの単価で畳がえもできない、こういう一般修繕のものも含めますと、それに三億六千万円ばかりプラスになる。従来この予算は、成立いたしておりました予算は……

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 要求して、予算は幾らになったということを聞いておるのだ。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 三十二年に当初要求して、実際成立した予算は。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 ただ要求だけしたって、実際できなければどうにもならない。——わからなければ、あとで。

朝田靜夫運輸大臣官房長

○説明員(朝田靜夫君) あとで詳細な資料を提出いたします、今手元にありませんので。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 関連しておりますが、今の宿舎等の問題や修繕等の費用についてのお話があったのですが、やはり飲料水というものは、これは宿舎には欠くことのできない問題なんですね。これが先ほど岩間委員から質問の中心なんです。これはもう人命に関して何といったって水がなければ生活できないわけです。そこで、いま一つ関連して、やはり参議院の運輸委員会が、大ぜいの人が調査に行った、これは特に離島の三宅島に行ったのですが、三宅島もやはり天水だけを利用しておる。ところが、私どもが島全体を見ると、中にはいい湖があるわけです。水はたくさんこんこんとわいておる。そういうようなことをどうしていわゆる国の方針として閣議で積極的に進めるように、所管大臣は今までやってもらえなかったのだろうか。今度の中村運輸大臣は、だいぶ張り切っていただけるようだから、そういう点もやってもらえると思うのですが、官房長どうです、今まではそういう点については、どんなふうに一体運輸省で政府に要請しておったか——こういう点も、たとえば三宅島の問題についても、一つお答えいただきたいと思うのです。

朝田靜夫運輸大臣官房長

○説明員(朝田靜夫君) 先ほど詳細に御説明をいたしましたように、海上保安庁並びに気象庁は、特殊業務の性質を従来から強調をいたしておったのであります。ところが、これは非常に各省とも事務的な宿舎の割当とか宿舎予算とかいうことは、そう政治的な高度のトップ・レベルのところで問題にならなかったことは事実であります。しかし、われわれとしては、そういう事務的な折衝において十分努力をして参ったのでありますが、先ほど申し上げたような状況で、まことに不十分だということを率直に告白いたさなければならない状態であります。そこで、先ほどの相澤先生からの御質問でありますが、予算の三十二年度に要求いたして成立いたしました額は、後ほど詳細な資料で御説明をいたしますが、ただ、過去三カ年間の宿舎の割当状況とその充足状況が手元に資料がございますので……。三十二年度におきましては、要求をいたしました戸数は全部で七百八十戸、坪数にいたしまして七千八十八坪要求をいたしたのでございますけれども、割当を受けましたものは、戸数にいたしまして三百二戸、二千四百八十二坪と、こういう状況でございますので、ただいまのところはそのくらいのところであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 時間がないから簡単にこの際お尋ねしておきたいと思うのですが、気象庁関係の住宅の問題等については、すでに質問があったのですが、実は私どもも先般八丈島へ参りまして、こういう問題についてつぶさに見て参りました。来年度の予算の点につきましても御説明お伺いしたのですが、特に当面した問題として、八丈島においては、住宅のない職員が民間の借家を借りて、そしてみずからその費用を負担をしておるという話を聞きました。これは方々にあると思うのですが、そうなりますというと、給与の面において不均衡ができ、不公平が出てくると思うのですが、当面、来年度のそういう計画のできる間において、民間の住宅を借り入れるというような場合においては、そういう不均衡を是正する必要があるのではないか、こういうふうに考えるのですが、御所見を伺っておきたいと思います。

和達清夫気象庁長官

○説明員(和達清夫君) 八丈島は本年、国際地球観測年その他で急速に職員を増強いたしました。そのために、従来でも非常に困難をいたしました住宅事情は非常に悪くなりました。職員には非常に気の毒でありますが、自己の負担においても宿舎を借りたりしなければならない、状態になりました。この点、できるだけ私どもの方で方策を講じて、何とかしたいとただいま努力中であります。しかし、ただいま官房長からの数字のお話もありましたけれども、気象庁は全体にわたって宿舎というものが年々に悪くなって、あるいは業務が膨張するということで、われわれが必要とする五分の一しか従来の例では新らしく、あるいは借りたりすることができない、状態になっております。そういう中でありますので、ある場所に急速に業務がふえたような場合には、われわれの手でできるだけはしますけれども、はなはだ困難な状態になっておりまして、ごらんいただきましたように、八丈島では確かに職員は、先ほどちょっと強い言葉でございましたけれども、刑罰だと思うというお話がありましたけれども、私どももまことに気の毒で、刑罰と言われても、というくらい考えておるのであります。まあ現在のところ、気象事業に従事しておる職員がこの仕事を天職と考え、自分が長い間この仕事をする間には、一度はそういうことをしなくちゃならぬというように思ってくれてしんぼうしてくれるだけで、わずかにこの仕事をやっておる。皆さんのお力でそんなつらいしんぼうをしなくてもできるようにしていただければこんなありがたいことはないと思います。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 この問題は善処してもらうように期待しておきますが、特に気象庁になったのですから、従来気象関係はまま子扱いをされておる、こういう方面からも気象庁になった今日においては、さらに一つ強力な何といいますか、政治力といいますか、そういうものを発揮されて、ほんとに日本の気象業務が画期的に増強され、整備される、こういうように特に御努力を願いたいと思うのです。  それから海上保安庁の方にお伺いしたいのですが、先般いろいろ保安庁の方にお世話になって八丈島に参ったのですが、その途中でちょっと私はお伺いしたのですが、災害救助等の出動の場合、あるいはその他の海上保安の出動の場合に、この出動に対する手当といいまするか、そういうものは海上自衛隊方面と相当大きな開きがあるという工合に私は聞いておったのですが、どういう実情になっておるか、ちょっとお答え願いたいと思います。

安西正道海上保安庁次長

○説明員(安西正道君) 現在のところ、海上保安庁の巡視船の職員が出動いたします場合におきましては、航海日当として若干の金頭が出ておるだけでございます。自衛隊と給与のベース等がいろいろ違いますので、検討中でございますが、なかなか比較が出て参りません。しかし、最近の給与改訂におきまして、相当巡視船の船員としては待遇が向上したように考えておりますが、まだ十分ではないと思っておりますので、人事院等ともいろいろ交渉は続けておりますが、ある程度若干改善されたように考えております。(「抽象的だよ、はっきりできないのか」と呼ぶ者あり)ただいま資料を持ってきておりませんので、実は具体的なお答えができないわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 私は直接船員の方に聞いたところによると、海難救助等、自分の命を的に出かけるというような場合にも、最低一日五十円から、あるいは七十円というような、まるっきり問題にならないような手当でもって出動しなければならぬということを聞いております。この点は、海上自衛隊あたりが演習等に出動する場合の手当とずいぶん開きがあると私は思う。こういう問題は、これは海難救助というような、あるいは巡視というような重要な任務に当る海上保安庁の乗組員の諸君に対して、国家はもう少しやはり眼を開かなければならないのじゃないか。運輸大臣にお伺いするのですが、これは一つよくお調べになって、そういう一日五十円、七十円というような前時代的な手当を出して、そうして非常な危険な作業に従事をさせるということは、これは人道上からいっても私は捨てておけないと思うのです。この点はお調べになって早急に改善されなければならないと思うのですが、御所見を伺っておきたい。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) 海上保安庁は沿岸保護に当る重大な役目を持っておりますから、そういうような差等のあることは私は遺憾と思うのです。仰せのようによく調べまして、将来改めさします。これは五十円とか——私も初めて聞いたのですが、実際承わっただけでちょっと常識をはずれておるように思うのです。十分私も努力いたします。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 もう一点お伺いしておきたいのですが、全国で灯台を必要とする個所がたくさんあると私は思うのですが、全般にわたって私は知りません、知りませんが、先般八丈島に参りましたときに、あの小島といいましたか、本島との間の往来で、あの付近での漁船の遭難が相当多い。ですからして、あすこへ一つ灯台を作ってもらいたいという年来からの希望であったのだが、いまだに作ってもらえないということを切々とそういう話を聞きまして、あすこで現実に漁船の遭難が非常に多いということになれば、これは大した予算でないと思いますから、早急にあすこの灯台は実現しなければならぬと思うのですが、保安庁の方の見解としてはどういう工合にお考えになっておるか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。

安西正道海上保安庁次長

○説明員(安西正道君) わが国の灯台が、まだ沿岸の海岸線の長さに比較いたしまして非常に少いことは申すまでもないことでございまして、フランスが沿岸百海里当り二十基程度持っておりますが、わが国では海運国であるといいながら、十四基程度しか現在設置されておらない状況でございます。従いまして、全国的に見ますと、海難の件数の中でも座礁という件数が、一番海難件数で多いのはエンジンの故障というケースでございますが、それに次ぎまして座礁というケースが非常に大きなパーセンテージを占めております。この座礁というケースは、相当航路標識の設置によって救われるケースではないかと考えておるわけでありますが、従いまして、まず当面の目標といたしましては、イタリアが百マイル当り二十五基程度持っておりますが、そこらへ目標を一応置きまして、整備する予定になっております。ところが、遺憾ながら最近におきまして、ここ数年、灯台の予算が漸次漸減して参っております。われわれ大いに努力したわけでありますが、なかなか大蔵省とうまく話し合いがつきませんで、漸減しておりましたが、昨年度におきまして、本年度でございますか、本年度予算におきまして、昨年度の約二倍の四億程度の灯台の予算が取れたわけでございますが、われわれとしてはまだ不十分であるというようなことで、約十九億程度の予算を来年度には要求いたしております。先般の八丈島の個所につきましても、来年度予算には請求するつもりで予算の中に計上しておりますので、一応御承知置き願いたいと存じます。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 最後に、運輸大臣にこの際お尋ねかたがた要望をしておくのですが、気象庁の関係あるいは海上保安庁の関係の予算というものは、毎年毎年ある程度のものは要求されるわけなんです。されておりますけれども、結局は大蔵省の方でほとんどこれが削られて、必要な経費というものは何にも取れずというようなのが従来の例なんです。今、中村運輸大臣は非常に積極的な御意見をお述べになりましたが、来年度の予算におきましては、こういうような気象庁の関係あるいは海上保安庁の関係の予算につきましては、最大限度獲得するように特に大臣として御努力をしてもらいたいと思いますが、重ねて一つ要望し、かつ御所見をお伺いしたいと思います。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) 先ほども申し上げました通り、今まで恵まれない方面、虐待された方面の予算を私は今度は極力努力したいと思う。そうしなければ行政の成績は上りません。私の力のありまする限り努力いたしたい。どうぞよろしくお願いをいたします。

安西正道海上保安庁次長

○説明員(安西正道君) それから海上保安庁の現場の職員が非常に宿舎が足りないというような問題でございますが、先ほど僻地におきます灯台職員の待遇改善という問題につきましては、いろいろ従来からも考えておったわけでありますが、最近におきまして、本年度の予算から初めて灯台の集約管理機構に関する予算が一部、二カ所ばかり認められまして一歩を踏み出したわけであります。これは結局僻地にございます灯台の職員をある一定の比較的大きな灯台に集めまして、そこで各灯台の管理をさせる、見回らせるというような見地で、灯台の職員を一カ所に集めて、一面において灯台職員の待遇改善をはかろうというような気持から考えられた形態でございまして、今後五カ年間に相当な集約管理機構を推進するというような見地で考えております。こういうような管理機構の問題が解決されますと、もちろん十分とは参りませんけれども、ある程度、先ほど問題になりましたような天水に対する問題であるとか、職員の子弟の教育の問題であるとか、そういうような問題が、ある程度、若干は解決されるのじゃないかというような希望を持っております。従いまして、こういう点について、どうぞ運輸委員会として御支援を願いたいと考えております。  それからもう一つ、警備、救難業務に従事いたします巡視船の職員の宿舎の問題でございますが、この巡視船の職員の宿舎の問題につきましては、先ほどやはりお話がございましたように、これは話にならないような数でございます。で、これは従来一般の宿舎法に基きまして大蔵省が作って、その作った宿舎を分けてもらうというようなことになっておりますが、しかしながら、この海上保安庁の巡視船の配属いたしております基地は、非常に不便な僻地にあるのが多うございまして、どうしても従来の大蔵省の宿舎の設置方針といたしましては、大都会なり、中都会なりに片寄りまして、こういった僻地におきましては官署の数が少いので公務員宿舎というものがなかなか作られないというような現状でございます。従いまして、先般も大蔵省と話し合いまして、今後はこういった僻地に重点を置いて公務員宿舎を作ってもらうように努力をしてくれというようなことを要望いたしまして、大蔵省もこの点については、若干一つ考えようじゃないかというようなことも言っておりますので、この点一つ大蔵省の方面に対しても御支援を願いたいと考えております。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 私からも一言申し上げておきますが、今回当委員会の各地に出張いたしましたその出張報告が、期せずして僻地勤務者に対する住宅の問題を取り上げております。これはぜひ一つ当局側でもお読み願いたいと私は思っております。その中で特にこの僻地であり、かつ寒冷地である、まあ北海道にせよ、東北にせよ、そうでありますが、こういう所に内地と同じ単価の住宅を作って、数だけ充足されても何らその意味がないということなんです。問題は、結局土台が内地よりもはるかにしっかりいたしませんければ、たちまち去年建った建物がことしはかしがっている、これは一般住宅も同じですけれども、一般の商店であれば、かしがつた住宅でも、主人初めうちに住んでいるから、何とかそれは防げるけれども、もう前提でいわゆる各委員が申し上げておりますように、海上保安庁の関係、気象庁の関係の職員等は、荒天、この中央官庁であればむしろ帰宅を許されるようなときこそ、休みの人まで動員されて出動しなければならぬ。ここに問題があるから、特にまあ管財局などにも私は理解をさせることが当然できると、なぜ今日まで理解させることができなかったのか、実に視察しながら不思議でたまらないわけです。そこに各委員の質疑が集中するわけでありまして、大臣は非常に熱意を持っておられますから、一つ、事務当局におかれても、大いに大臣を一つ援護されて、こちらも援護頼まれたけれども、しかし、やはり皆さんも援護され、われわれも必要とあらば管財局とも一つ話してみたい、こう思っておりますから、一つ努力して下さい。  それでは午前中の会議はこの程度にとどめまして、午後一時半に再開いたしたいと存じます。  それでは休憩いたします。    午後零時二十九分休憩    —————・—————    午後一時五十一分開会

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) これより運輸委員会を再開いたします。  まず、鉄道公安官に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。  なお、当局側の出席は、運輸大臣、鉄道監督局長、民営鉄道部長、自動車局業務部長、海運局長、国鉄公社側から常務理事の小林重国君、公安本部次長の山口君であります。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 国鉄の組合の闘争の場合に、近ごろ公安官とのいざこざがたびたび問題になっているわけですが、一応国鉄の公安官の職務の内容について、一つ御説明願いたいと思います。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 鉄道公安職員の職務の内容につきましては、法律に基くものと、それから国有鉄道の総裁といたしまして、施設の管理権と申しますか、そういったものに基きます仕事と、まあ大きく分けましてこの二つが考えられるわけであります。それで捜査活動につきましては、鉄道公安職員の職務に関する法律というものが昭和二十五年に制定されまして、この法律に基きまして、日本国有鉄道の列車停車場その他輸送に直接必要な施設内における犯罪、それから運輸業務に対する犯罪につきまして捜査権が付与されておるわけでございます。それでこれに基きまして鉄道公安職員は、こういった関係の犯罪につきまして捜査を行うことになっておるわけでございます。それからまた鉄道公安職員基本規程という規程がございまして、施設及び車両の特殊の警備とか、それから旅客、公衆の秩序維持、それから運輸にかかる不正行為の防止及び調査荷物事故の防止及び調査その他犯罪の防止上必要な仕事をやるようになっております。以上の二つの面につきまして、公安職員が職務を執行いたしておるわけでございます。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 二通りの職務の内容があるわけなんですが、そうしますと、組合の争議なんかに相当公安官が勅員されているわけなんですが、それはどの条項によって動員されているわけですか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 争議に直接関与しておるわけではございませんで、争議に関連いたしまして、鉄道の構内にみだりに侵入してくる者がある、こういう場合にこれは営業法で構内に立ち入りを禁止されておりますが、そういった行為を防止する、あるいは争議に関連いたしまして起りますいろいろな不法行為がございます。そういったものの予防捜査、そういった仕事をやっておるわけでございます。営業法に基くものもございますし、また鉄道公安職員の職務に関する法律に基くものもございますし、国鉄総裁といたしましては、鉄道の施設を管理いたしておりますので、その管理権に基くものもあるわけでございます。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 具体的な例を言いますと、岡山の管理局の管内で起きた問題なんですが、特に岡山の管理局管内では、公安官と国鉄職員組合の組合員と言った方が適当かもしれませんが、その間にいろいろなトラブルが起きているわけなんですね。一例をあげますと、電話の交換室なんかあるわけなんですが、公安官が電話の交換室を警備しているというのですが張り込んでいるわけなんですね。それで交換手が便所へ行く場合でも、一々ついて行って、用便が済むまで待って、またついて帰ってくる、こういう仕事を争議中にやっているわけなんですね。これは一体どの条項に該当するわけです。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) それは鉄道の交換手が職務執行いたしております際に、他の妨害によりまして職務が執行できなくなるようなことのないように、予防措置としてやっておるわけでございます。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 職務を遂行しているときに、他から妨害があるかもわからないから、その予防措置をやるという御答弁のわけなんですが、一応まあ争議のときなんか、それぞれ電話なんかも相当ひんぱんに使うわけですが、で、まあ電話室を一応警備するということになりますと、鉄道公安職員の基本規程のうちのある条項に当てはまると思うのですね、犯罪捜査とは別にしまして。ところが、交換手の職員が便所へ行くのにも一々ついて行ってやるというのは、どういう意味でやるわけなんです。そういう面が何となく公安官の職務を逸脱して労働運動に不当に介入する、こういう印象を与える、私原因になっておるのじゃないかと思うのです。こういう争議のときに、公安官を使用する場合は、やっぱり注意の上にも注意を重ねてやらないと、そのこと自体からまた新しいトラブルが起きる、こういう結果に今まで往々なっているわけなんですね。こういうことについて、どういうふうにお考えになります。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 電話交換手が便所に行く際にも公安職員がついて行くのは妥当でないじゃないかというお話でございますが、もちろん電話交換手は自由意思で動いておりまして、何らその間に第三者の妨害と申しますか、そういったものがなければ問題ないわけでございます。電話交換手と申しましても、鉄道におきましては輸送のために必要な施設でございまして、電話の通信の阻害が起りますと、いかなる事故が発生するやもわからないのでございまして、そういう面から、そういった事態の発生を予防すると申しますか、そういった立場から公安官がついて行っておるのではないかと思います。しかし、そういったおそれもないのに、みだりにそういうことをやるべきではないということは確かに考えられるわけでございまして、そういう点はもちろん慎重に措置しなければならないと思っております。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 鉄道の業務の妨害を防ぐということについては十分わかるわけなんですが、まあ野原にある交換台じゃありませんし、部屋の中にあるわけですから、外部の人が入ってきてそれを妨害するのであれば、家屋の外で警備しておっても入るわけだし、便所といっても、建物の中にあるわけですから、だからそういう中に入って、便所にまで同行することはやはり行き過ぎだと思うのです。こういう点については、一応事情調査の上で一つ留意願いたいと思います。  もう一つ別な面の、仕事の犯罪捜査の面ですが、これは検察庁との関係はどういうふうになっておりますか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 検察庁との関係は、犯罪の捜査に関しましては、常時相互に連絡をとって処理いたしております。もっとも鉄道公安職員に対します直接の指揮者といたしましては運輸大臣でございますが、もちろん間接には検察庁とも関係がございます。そういう面からの御協力なり御連絡なりは、常にいたしておるわけでございます。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 犯罪捜査に関しまする指揮権は運輸大臣にあるわけですか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 運輸大臣でございます。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 これも岡山の管理局で起きた問題なんですが、今言った検察庁との関係は、指揮権がどこにあるかは別にしても、犯罪捜査、司法警察という面が職務としては関連するわけなんですね。そうしますと、それ以外の問題は、国鉄の公安職員と検察庁との関係は何もないと思うです。ところが、過日のいわゆる春季闘争のときに、岡山の管理局の公安官が、いわゆる労働日誌といいますか、日々の組合の動き方をしるしました日誌を岡山の地方検察庁に送って報告している。こういうことは、それが事実であるとすれば、公安官としては行き過ぎではないか、また誤まった職務の範囲を逸脱したものじゃないか、こう思うのですが、これはどうお考えになりますか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 公安職員が捜査に関連いたしまして、いろいろ見つけました事実につきまして、警察方面に連絡をとり、あるいは本社あるいは運輸大臣まででございますが、そういった所に常時連絡の必要があることは申すまでもないことでございます。もちろん犯罪に全然縁のないことを検察庁に連絡いたしましても、これは無意味なことでございまして、そういう必要はないと存じますが、しかし、争議に関連しまして、何らかの犯罪が行われる可能性のある場合とか、あるいは起った疑いのあるような場合、そのときに特に連絡する場合も必要でございますが、常時そういった情勢を、特にこれは検察庁と申さず、上級官庁に対しましても、あるいは地元の労働関係のいろいろな機関に連絡いたしますことは、全体的な仕事をスムーズにやっていくために必要なことであろうと思います。まあそういった意味で連絡をいたしたのではないかと思っております。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 いわゆる鉄道部内の上長に報告することは、これはまあ内部的にきめられたことであって、たとえば、まあ公安職員の基準規程以外のことであっても、やはり臨機の場合は仕事を命ぜられることもあろうし、これを僕は質問しているわけじゃない。いわゆる公安職員としての職務の範囲外のこと、たとえば純然たる労働組合運動の動き等を地方検察庁に報告する義務があるかどうか、また報告することは職務の範囲を逸脱しているものじゃないか、こういうことを質問しているわけです。どうお思いになりますか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) そういう報告をしなければならないというような義務が法律に規定されておるわけではないと思います。もちろん先ほど申し上げましたように、犯罪に関連した場合は別でございますが、まあ直接関連がないというような事項を連絡する必要はもちろんないと思いますが、何らかそれが予想されるとか、あるいは将来関連が起きやしないか、こういうような場合には、やはり相互の協力義務と申しますか、そういった面からいたしまして、検察庁も必要でございましょうし、場合によっては労働省の出先機関とか、あるいは調停委員会とか、そういったところにも常時連絡する必要があるんではないか、それの方が、むしろ仕事を円満にやっていくゆえんではないかという考え方から、まあこれをやかましく法律的な義務だとか何とか申しますとかどが立ちますが、そういう意味でなく、常時仕事を連絡いたしまして、いろいろな関係がスムーズに進んでいくようにというようなことで処理いたしておるのではないかと思います。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 ちょっと私の考えと気分的に違うような御答弁があったのですが、私のお聞きしているのは、実はこのごろ新聞なんかにもよく出ておりますように、警察の刑事係という担当がありますね。昔の特高だといわれておるわけですが、それがいろいろ思想調査であるとか何とかいうことで、労働運動に介入しておるという印象を受ける記事がたびたび出ておるわけです。それと同じように、国鉄の公安職員が、いわゆる公安官本来の職務でなくして、いわゆる労働運動に介入する、もう一歩進めていえば、労働運動を弾圧するような道具に使われておるようなきらいが見受けられるわけなんですが、そういう関係で、やはり公安官であれば、公安官本来の職務であれば当りまえのことでありますけれども、今、常務理事のおっしゃるように、関連があったり、仕事がスムーズにいくからということで、結局犯罪には関連のない純然たる組合の動き等を検察庁に報告するということは、私はそんな義務は当然ありませんし、そういうことはすべきではない、そういうことをするからいやな目で見られたり、あるいは疑惑を生ずる原因になるんじゃないか。少くとも検察庁の関係においては、少くとも司法警察の面等の犯罪の関係なら、それが直接連絡の義務がある、それ以外のことであるならば、これは部内の上司にはいろいろ報告する義務があるかもしれませんけれども、警察庁や検察庁にそういうことを報告したり連絡することは私はすべきじゃないと、こう私は思うのですが、どういうふうにお考えになりますか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) これは法律論としまして、法律上の義務を背負っておるかどうかという議論になりますと、先ほど申し上げましたようないろいろな考え方はございましょう。しかし、われわれがやっております職務に関連いたしまして、これはこういう方面に連絡した方がいいんじゃないかと考える場合、これは法律上別な義務が明示されておりませんでも、仕事をやる上におきまして、こういうことをやっておいた方が将来のためによかろうということならば、部内の秘密に属する事項でしたら別でございますが、そうでない限り連絡することは差しつかえないんじゃないかと思うのでございます。これは部内の秘密をみだりに部外に漏らすということになりますと、これは部内の規律違反の問題も出ますが、そういう点はもちろん慎重にやらなければならぬと思いますが、一般の労働情勢その他につきましては、これは関係官庁も非常に関心をお持ちになっておりましょうし、場合によっては世間の大衆も非常に関心を持たれておる場合があるわけでございます。そういった方面に、これは義務と申しましてはおかしいのでございますが、いろいろな情勢をお話ししたり連絡するということは、鉄道といたしましても必要ではないかと思っております。まあ連絡するにつきましても、公安課の窓口を通して検察庁に連絡しておるという姿でございますが、これは検察庁と始終連絡いたしておりますのは公安課でございますから、労働情勢等につきましても、職員局というか、労務関係の部で作りましたものをある程度整理いたしまして、公安課と申しますか、公安課から関係の向きに連絡するというようなことも、これはやってはいかぬというものではないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 そうすると、常務理事のお考えは、いわゆる労働運動の動きであっても、結局公安官が一応その一つの窓口となって、警察なり、検察庁に連絡する必要があると、こういうふうにお考えになっているわけですか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 労働争議全体について必ずしも必要があるとは考えておりませんが、将来犯罪の発生のおそれがあるとか、あるいは治安に関係してくるような場合の前提となるような問題につきまして連絡することは必要じゃないかと思っております。まあそれが直接関係なくても、さらに前の前の段階といたしまして、ほんの予備的なものも一応連絡しておいた方が、今後の事務を円滑に進めるためにいい場合もあり得ると思いますので、これはまあ公安課長なり、職員局長なりの判断において処理さるべきものではないかと思います。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 今までの御答弁を聞いておりますと、まあ部内秘のものであれば別だけれども、部内秘のものでなければ、やはり外部に対して示しておく方が便利だということで、公安課の窓口を通じて警察なり、検察庁に報告しておる、こういうような御答弁なんですが、現実に具体的な問題として起りましたら、これは岡山の管理局の問題ですが、いわゆる部外秘の書類を検察庁に岡山の公安課長が送付しておる。その送付した書類の内容は、いわゆる今後起り得る問題じゃなくして、過ぎ去った問題の、いわゆる労働日誌といわれるものですか、何月何日どこでどういう争議があった、何月何日どこでどういう会合があった、また何月何日どこでこういう団体交渉があって、その内容はこういう議題であるという労働日誌的なものですね。これはまあ外部には示してはいけない、部外秘として、いわゆる部内だけで取り扱うべき機密文書なわけなんですが、これを地方検察庁に岡山の管理局が送っておるという事実なんですが、これはどうお考えになりますか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 部外秘になっております書類と申しましても、これはほんとうに完全に部内だけの秘密になっておるものもございますし、秘密の程度によりまして、これは関係官庁はいいのじゃないか、それからこれは一般大衆には見せられぬのじゃないか、こういうようないろいろな段階があろうと思います。その程度に応じましてこれは判断して連絡すべきものは連絡して差しつかえないのではないかと思います。岡山の具体的な案件につきまして、私が聞いたところでは、ただ単にいろいろな事実の発生を記録したものを連絡しようと思っていたというような話を聞いております。別に取り立てて事実にないことを報告したり、あるいは意見を加えたりして報告したのではないのじゃないかと考えております。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 私も報告書の内容を見ましたが、虚偽な事実が書いてあるとも思いません。ただ、今非常に労働運動が微妙な段階にあるときに、いわゆる一つの犯罪事実の捜査の報告であるとか、あるいは犯罪事実が起きた事柄について報告したり、連絡したり、あるいは犯罪が起きる可能性のある問題について連絡するのは、これは当然職務の範囲内の問題かもわかりませんが、全然そういう争議には関係ない事項、あるいはまたそれが犯罪とはもちろん関係ないいわゆる普通の正常な場合におきまする団体交渉の内容や、あるいは組合の会合、こういうことも書いてある労働日誌を岡山検察庁に、部外秘としてある書類を検察庁に送っているということは、非常にその組合を刺激する、こういう結果になると私は思う。今常務理事の御答弁では、いろいろ連絡しておいた方が便利がいい、また後の問題についても処理がしやすい、こういうお考えでありますが、しかし、公安官の職務の範囲外のことを、やはり公安官が窓口だからということで、私は労働運動とそれから違法争議の限界がどこにあるかというような問題だと思いますけれども、しいて検察庁に報告するというようなことは、でなくても微妙な段階にある今の組合と当局との間柄において賢明な策ではないと思うのですが、どういうふうにお考えになりますか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) もちろん今中村先生からお話がございましたように、あえて組合を刺激するような手段をとる必要はないと思います。この事件のたまたまわかりましたのは、別に組合を刺激するような意味で立案しておったものでもございませんし、常例連絡しておりますものが、たまたま、何と申しますか、見つけられた、こういうような状態であったわけでございまして、それも常時いろいろな問題につきまして検察庁には連絡いたしているわけでございます。そう深い意味があって連絡したものでもないわけでございます。それから岡山の当局がしいて組合を刺激するようなつもりで連絡したものでもないと存じます。そういう点多少そういった書類が不用意のうちに見られたという点におきましては、部内としては非常にまずいこともあったことと存じますが、別に悪意があってそういった連絡をしたわけではないと思います。

中村正雄日本社会党

○中村正雄君 一つ最後に、常務理事と大臣に僕はお願いしておきたいわけなんですが、今、先ほどちょっと質問で言いましたように、私は巷間警察の刑事係等がいろいろ問題を起している新聞記事が出ておりますし、いわゆる警官の労働運動の不当介入ということでやかましく言っているわけなんですが、やはり一応鉄道の中におきまする公安官は警察の仕事をしているわけなんで、それがそういう警備とか、それから犯罪の捜査に限られた仕事をするのであれば、当然職務の範囲内ですから、よしあしは別にして、当然であると思いますけれども、何か労働運動に不当に介入するという印象を与えるようなやはり仕事の窓口になったり、あるいはそういう仕事ぶりはしない方が私は今後の公安官のあり方についても、あるいは国鉄全体の運営の面においてもプラスになると思いますので、御一考をわずらわしたい。一応私の質問は終りたいと思います。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 最近公安官を増員するという計画が国鉄にあるということですが、大体何名くらい採用するのですか、その内容をお聞かせ願いたい。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 最近公安官を約二百五十名程度増員いたしたいと計画いたしております。と申しますのは、公安職員につきましては漸減の方針をとって参りまして、過去におきましては三千二百三十四名とおりましたものを二千六百五名までに減員して参ったわけでございます。と申しますのは、経済事情その他も安定して参りまして、犯罪件数も減って参るのではないかということを強く期待もいたしておりました関係上、できるだけ公安職員を減員していただこうかという考え方をとったわけでございます。ところが、今年に入りまして犯罪件数も非常に増加して参っております。二十五年を一〇〇といたしまして、三十一年度の刑法犯罪が一四七%、列車妨害事故が二五七%、信号通信の妨害事故が二八〇%、こういうふうに著しく増加して参ったわけでございます。一方、これは四月ころでございましたか、主要幹線区の寝台列車の盗難事件等が相当起きております。これの防止につきましても公安職員は相当努力いたしたわけでございますが、ある列車に警乗いたさせますと、他の列車で発生するというような状態でございまして、公安職員も手が回りかねておったわけでございますが、そういったような事情、あるいは争議に関連いたしまして、いろいろな列車の運行を阻害するような結果になった場合もございます。また大衆と申しますか、旅客とのトラブル等も発生する傾向がございます。そういったいろいろな点を考慮いたしまして、二百五十名程度を増員したらどうかということで現在計画を進めておるような次第でございます。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 今の説明を聞いて、いろいろ事故件数が非常に高まってきたので公安官を増員する、こういう御説明でこの趣旨はよくわかりました。ところが、今新聞に伝えられておりますことは、先ほども公安官の行動について、とかくのまあ疑義の生まれるような問題があったようでありますが、特に今回二百五十名の公安官の増員は、対象として考えられておるいわゆる労働対策に対する公安官の増員、こういうふうに表面に強く押し出されておる、それと同時に、労働対策に対して特にまた退職者の厳選をして何か労働組合に対抗する処置を作るのだというようなことが出ておる。このことは今真実を聞けば、犯罪に対するもとより公安官の本来の使命に向って十分な努力をしておるけれども、まだ人手が足りないのだ、そういう意味で増員されるということはこれは明らかになったのですが、前段に私が申し上げたようなニュアンスをもって国民にアッピールされておる、こういうことは非常に不幸なことだと思う。特に今回は国鉄は五カ年計画を遂行するかたわら、五カ年間の国鉄の状態を復興させるために要員が足りないので、実は運輸委員会も国鉄の事情というものを十分に考慮して、要員確保に対する決議案というものを政府に出したのです。それに基いて政府も大いに努力をされるという約束でありますし、われわれとしては、やはり必要な部面に多くの増員をしなければならぬと考えておる。その一部をさいて公安官という方面に向けることについては、内容が明らかにならない今日までの間では賛成はできかねる、こういう意味で、事実の上からいって犯罪件数が相当高まってきたということになれば、これもまた公安官の人員等については一段とまた考えなければならぬとは思うけれども、さて、この方面に要員をとられてしまって、重要な部面に果して必要な人員が配置できるのかどうか、この点についても一つついでに御説明願いたいと思います。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 本年度の国鉄の運営をやっていきます上におきまして、要員の問題が非常な重要な問題であることはわれわれも十分承知いたしておりますし、また参議院のこの委員会におきましても要員の確保につきまして御決議になりましたその趣旨を尊重いたしまして対策を立てて参っておるわけであります。もっとも本年度の予算といたしましては、一応のワクがきまっておりますので、その予算のワク内で操作し得る限り操作を行うという考え方に立ちまして、現在超過勤務手当を多少持っておりますので、これを実人員に充当いたすというような考え方で、約三千数百人でございますが、増員いたすことにいたしまして、現在もうすでに鉄道管理局の方へは増員を落しておるような次第であります。なお最近の輸送情勢とも関連いたしますが、来年度につきましてもある程度の増員というものは考えなければならぬじゃないかというような気持でおりまして、この点につきましては、運輸省方面あるいは大蔵省方面とよく事情をお話し申し上げまして、何とか実現をはかっていきたい、こういうふうに考えておるような次第であります。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 ついでに、まあその話は次に進んでいるような形ですけれども、大体三千三百名から要員を採用する、こういうことが国鉄によって言われておるし、また、ただいまも話があった。ところが、要員事情は、先月の二十九日かと思うのですが、副総裁に私の方から質問をした際には、現在の予算定員の中でこれを採用するのでない、政府が特段の考慮を払っていただいたので、いわゆる予算のワク外でこの人員を採用する、こういうお話があった。ところが、今聞くというと、いわゆる超過勤務を使っている、基準外賃金として採用していると言う。こうなるというと、これは超過勤務は当然年間予算の中で現在の職員数に当然支給されておる、勤務の形態に対して支給さるべき超過勤務、これを三千三百名ふやすためにとっておくということは、さきの答弁とちょっと食い違いがあると思うのだが、これは秋の国会で補正して、政府が言明されたような数字に落ちつくものかどうか、この点を一つお聞かせ願いたい。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 先ほど副総裁が答弁されました内容につきまして、私十分了知いたしておりませんので、その点どういう食い違いがあるのか実は私にもわからないのでございますが、予算定員と申しましたのは、現在本給を計算しております人員でございますね、その人員を超えてという意味でお話しになったのではないかと私想像いたすわけでございます。もちろん現在は給与総額が基準内賃金と基準外賃金と二つに分れまして、しかも、基準外賃金から基準内賃金に流用します場合には、運輸大臣の御承認を受けなければならぬという建前になっております。今回とりましたのは、基準外賃金の予算から、基準内の賃金に予算を回しまして、それで予算できまっております人員をオーバーいたしました人を採用したい、こういう考え方でございます。それでなお、時期的に見ますと多少オーバーいたしますし、なお年度末にはやはり多少の退職者も出ますので、そういった調整面等も考えまして三千三百名の増員を計画いたしたわけでございます。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 また今の御説明で大体全貌はわかってきたのですけれども、基準外賃金の予算を使って、基準内に変更してもらって、その中で予算定員をオーバーしている人間をまかなっていく。またそのオーバーしている人間は、実質的には二千六百名で、残りの三千三百名ばかり採用するのだが、その上回った人間に対するいわゆる金というものは基準外賃金を使うのだ、こういうことで大体わかってきたのですが、それでは将来国鉄が給与総額のワク内で三千三百人を一年間見ていくのだ、こういう形になってくると、さきの答弁と非常に食い違いが来ておるし、実質的にはまた三月三十一日に退職者が出たら、そのときにいろいろ見合ってつじつまを合せようということが、果して現在の与えられている給与総額の中で三千三百名ふやしてつじつまが合うような形で出てくるかどうか。われわれが少くとも検討してみるというと、そういうそろばんには合わぬと思う。それをやはり秋の補正に組んでもらうような努力をしているか、それとも今日のこのような状態でまかない切れると考えられておるか、この点だけ一つお聞かせ願いたいと思います。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 本年度の予算運用につきましては、まだ上半期はきまったわけではございませんが、大体情勢もはっきりいたしておりますし、ある程度情勢もつかめましたので、いろいろ検討は加えております。三千三百名の増員につきましても、運輸省には十分御連絡の上措置いたしたものでございます。来年度の問題につきましては、もちろんわれわれといたしましては、来年度の輸送増その他も相当検討してみる必要があると存じます。御承知の通りに、多少最近は金融引き締めの影響で輸送の方もそう思ったほど伸びていないというような実情もございますので、来年度の輸送量につきまして、今せっかく推定、検討中でございます。その結果によりましては、やはり相当の増員が必要ではないかということは、もちろん考えておるわけでございまして、その点につきましては、さらに運輸省の御意見も伺いまして十分な措置を講じて参りたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 関連質問。小林常務理事にお尋ねしたいのですが、あなたは計数に非常に明るいはずなんですが、一体参議院の本委員会における決議というものと、今あなたの説明されたところの超過勤務によるところの人件費を一つまかない出そうという、こういうことを、一体どういう考え方を持っておるか、その辺を先に説明していただきましょう。院議に対する説明をしてくれ。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) もちろん根本的に要員を確保いたしますということになりますと、予算の補正とか、その他の問題等も検討が必要であろうと思います。しかし、さしあたりわれわれのでき得る限りの方法によりまして要員を充足するということは、委員会で御決議になりました趣旨にも沿うものと考えまして、われわれの今なし得る限りの措置をこの際とるということを申し上げたわけでございます。将来の問題につきましては、まだ検討する問題がたくさん残っております。給与総額自体が今のままでいいかどうかにつきましてもまあいろいろ検討しなければならぬ問題があろうと思います。まあさしあたりの問題といたしまして、院議の御趣旨もございますし、われわれが現在の予算の範囲でできるだけのことは一つとして参りたい。超過勤務から基本給に回したと申しましても、いたずらに労働者を長い間超過勤務させるよりも、やはり現実に労働者を雇い入れまして、できるだけ超過勤務等もなしに仕事をスムーズにやっていくことも一つの方法と思います。そういう考え方からさしあたり超過勤務から基本給の方に回しまして、その充足をはかっていくという考えでございます。この点御了承を願いたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 小林常務理事、何か勘違いをしているのじゃないかと思うのですが、今の超過勤務というのは、これは余裕を持って、あるいは余るように予算を組んであるのですか。国鉄の超過勤務、どうなんですか、これは。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 余るように組んであると申しますか、今までの考え方といたしましては、できるだけ人を増員しないで、実人員を充足しないで何とか超過勤務でまかなえるならまかなっていきたいという考え方で本年度の予算が組まれたわけでございます。しかし、これも今までの要員の運用から考えまして、現在の人員程度にとどめておいてあとを超過勤務でまかなうということは無理であろうという考え方から、実人員を増員いたしまして、そのために超過勤務手当から基本給と申しますか、そういった方面に流用するという措置をさしあたりとったわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 超過勤務が別に余るように組んでもなければ余計でもない、超過勤務というものは、むしろ今までの実績からいって、どうしてもこれぐらいはなくてはいけないというので、国鉄はぎりぎりに組んでおるのじゃないか、こういうことをわれわれは思うわけです。今あなたの言うところの、やはり超過勤務を多くさせて、そして職員の疲労が多いからむしろこの際実人員を増して、そしてできるだけ緩和をしていこう、こういう趣旨の話があとにあったと思うのです。この点は大臣も少しはっきり当局のやっぱり言うことを聞いておいてもらいたいと思うのだが、どうもいわゆる委員会へ出たりあるいはまあ会議になるというと、国鉄の当局は自分の身の中の苦脳をなかなか言うことができない。まあそれでいわゆる予算が少しでも、それでやれるかというと、いややります、大臣は、どうも国鉄の総裁なり副総裁がやれますと言うから仕方がない、こういうことになる。大蔵大臣に言わせれば、まさか私の方から国鉄によけい予算取ってくれとは言えぬ、こういうような話もよく出るわけです。国鉄の実際の運営に必要な予算というものをきめれば、これは国民も納得するし議会も納得できるわけです。ところが、組むときに無理やり算段をして、そうしてどうしても必要な超過勤務というものを組んでおりながら、今度はその超過勤務でもって三千人とか三千三百人使うということになったら超過勤務は減るだろう。その超過勤務で実際国鉄職員が働かなくちゃならぬ仕事が、今度は働かしておって超過勤務を払えないという現実になるんです。しかも、今の五千人、五千五百人なんというものは、どうしてもこれは輸送力の隘路を打開するために必要な人員であるということは、あなたの説明の中にもあったと思う。われわれもこれは承知しておるんですよ。そこで、この参議院の本委員会においては、そういう実情というものを知っておるから、国鉄はすみやかにそういう問題を解決するように善処せよというのが、運輸大臣に対して私どもが出したことなんです。運輸大臣もこの点はおわかりになると思う。輸送力の隘路を打開するために運賃一割三分の値上げをして、そうしていわゆるどんどん事業を行なって、いわゆる国民の負託にこたえていこうというんだからね。そういうことからくれば、今の計数に明るい小林常務理事が、何かそういう点誤解をされておるんじゃないか、無理に答弁を作っておるんじゃないかと思うんだが、どうなんです。やはりそういうことじゃいけない。率直にこの運輸委員会においては、私ども国鉄の運営を担当しているものとしては、こういう実情にあります、こういう隘路があります、ということを率直に言って、それで運輸大臣もまた就任されたときのごあいさつにもあったように、非常に力を入れて、これから努力をするということを言明されておるんで、運輸大臣にもそういうことを知ってもらうのが、やっぱりこの委員会の性格なんですよ。それをただ会議のときには、やれます、まあこれで私どもは十分であります、なんというようなことを言うから、実際にその仕事ができない。こういうふうに私どもは理解をするんだけれども、一体小林常務理事はどうなんです。その点はっきりさせて下さい。これを超過勤務で、これだけの実人員で食ってしまえば超過勤務が足りなくなるということは考えておりませんか。足りなくなるならば補正予算を考えておるかどうか。先ほどの柴谷委員の言うように、少くともそういう点を考えるということでなければ、これは非常にあなたの言うことは矛盾をしておるということを私どもは指摘せざるを得ないんですが、この点いかがですか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 私から補正予算を組むとか何とかいうことははっきり申し上げることはできないのでございますが、いろいろ本年度の経営費の運用につきましては、ほぼ半年も経過いたしましたので、実情を十分検討いたしまして、所要のお願いは運輸大臣にお願いをしなければならぬ、こういうふうに考えておりますが、いろいろな情勢をまだ慎重に検討中でございまして、はっきりした御返事は申し上げかねるわけでございますが、そういう情勢でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 ちょっと、この今のは、常務理事としての慎重な答弁だから、まるで頭をすっとなでておるようなもので、そういうことではこれはなかなか国会議員の皆さんに理解をしてもらおうたって理解できないんですよ、国鉄の予算というものをやっぱり提示されなければ。それで首脳部がそう言うならそれでいいのか、運輸大臣だって、一生懸命やろうとしたってわかりゃしない。それで運輸大臣がこの前も言ったように、とにかく一生懸命やると言うんだから、どうぞ一つ国鉄の当局も真相を準直に述べて、そして少くとも臨時国会に対して補正予算を組むなり、あるいは通常国会の中でもっと増額をしてもらうなり、そういうことをやるべきだと思う。それで、もしまたどうしてもこれを削ってもやれるというところがあれば削ってやっていい。こういうほんとうの態度というものを私はほしいと思う。それをあなたのような——今一つ苦言を呈するわけですが、あなたのように、そのときだけを何とか慎重な言葉でいくと、実は現在の私は、いずれ機会を見てこの委員会でもお話したいと思うんですが、国鉄職員の昇給の問題にしてもですよ、あるいは仲裁裁定の問題にしても、一つも片がつかない。超過勤務の手当はそのほかの方で食っちまうわ、総額についてはだんだん減っちまうから昇給させることもできないわ、賃金も仲裁裁定を守ることはできないわ、団体交渉も受けつけないと、こういう問題が出てくる。今の運輸大臣は積極的にやってくれますよ。率直にあなたが大臣に話して、そして大臣にやってもらうように私は言ってもらいたいと思う。この点はあなたの答弁を求めるとともに、大臣も一つこの点今のようなことでこの運営が成り立つかどうか、大臣の答弁を一つ私は求めたいと思う。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) 私は、国鉄は公共企業体として自主的運営のできるように私どもは努力をいたしたいと思います。(「りっぱなものだ」「そうなくちゃいかぬ」と呼ぶ者あり、笑声)

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) もちろん国鉄といたしましても実情を十分検討をいたしまして、率直に運輸大臣にお願いをいたしたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今のこの人員の増加の問題ですが、これを私もこの前の委員会で聞いたんですが、これは何ですか、五カ年計画による仕事量が非常にふえていくと、従って、現在の実人員ではまかなうことができないということでこれは増加するんですか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 五カ年計画で予定をしておりました要員につきまして、まあ大ざっぱに検討はいたしておったわけでございますけれども、しかしながら、具体的に問題を処理して参りますと、やはり人員の面では窮屈じゃないかという結論が出まして、本年度さしあたり増員いたしたわけでございます。この点につきましては、すでに参議院の委員会におきましても、そういう点をお認めになったのだと思いますが、要員確保について御決議をなさっております。まあその御決議の趣旨もございますので、われわれとしては、要員の確保につきましてまあせっかく努力いたして参りたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうするとそのことはまあ認められているわけですね、仕事量はふえているから増員するんだと。そうすると、何ですか、これは超過勤務との関係だけれども、超勤量をそっちの方に回すということになりますと、現在実働している人たちの仕事の量は減るわけですか。そういうことになりましょうな。伴って収入も減るということになりますな。そういうことによって人員をふやすと、こういう結果になるわけですね、あなたの案では。どうなんですか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 本年度の予算におきましては、たしか八億でございましたか、この超過勤務手当は本来なら鉄道としては増員しなければならない情勢にあるかもしれぬわけでございます。しかしながらさしあたりは実人員もふやさずに何とか超過勤務でやったらどうかというような考え方で八億円組まれておったわけでございます。その分を実際に運用してみますと、やはり超過勤務で処理していくのは無理じゃないか、実人員を充足すべきじゃないかというような結論が出まして、三千三百名の増員をすることにいたしたわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 結局まあ何ですね、国鉄職員の立場から見るというと、つまり超勤は切られるからそれだけ収入は減るわけですね。そういうことになるわけですね。その点は認められるわけですね。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 単純に総予算を人員で割りますとそういう計算の結果になります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は先ほどの話を聞いていて疑問に思ったのは、国鉄職員が現在のこの給与で、本俸だけでですね、ほんとに生活が立っていると、こういう事態であったらさっきのような話が、これはまあそれでいい、話は通ると思ったんです。ところが実際どうですか。まあ最低賃金の問題出ておるのですが、なかなか生活が保障されていない。だからあのような春闘の問題も起って、しかも、これが解決されていない。そういう形の中で超勤というのは、今のどこの職員にもそうだと思うのですが、やはり自分の生活費の足りない部分を超勤で埋めていくというのが残念ながらこの日本の労働者の実情じゃないかと思う。そういう形で結局故障が起りませんか、今後の運営の面で。つまり職員の生活をほんとうに保障することが、そういう面からもやはり幾分手薄で困った問題が出てくるのではないかと考えられるのですが、どういうふうになっていますか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 超過勤務手当から基本給に回しまして増員をいたすことになりましたのは、現在の職員にあまり超過勤務をやらせることがまあ労働の実情から見まして無理ではないか、これはまあ労働者の一部には肉体を消耗いたしましても超過勤務手当をかせぎたいというような気持の者もあろうかと存じますけれども、まあ労働者全体から見ましてやはりこの際増員をすべきじゃないかというような考え方から、まあ本年度の予算自体も、さしあたり輸送量の増は超過勤務でまかなっていこうという考え方をとっておりましたのを、超過勤務の方から基本給の方に回しまして増員で処理することにいたしたのであります。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 岩間君、ごもっともな質問が続いているわけですけれども、元来この議題が鉄道公安官の問題、こういうので、だいぶ先ほどから一般的なものに入って参りましたので、一つ簡単にお願いしたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあその点ですね、その点やはりこの超勤を削ってというのはまあ過渡的なやむを得ないやり方だというふうに、一つのまあ措置の問題として話されているわけですけれども、人員増に伴うこれはやはり基本的な対策を講ずべきじゃないか、そういうことでなければ当委員会におけるこれは要員の増加に関する決議案というものは正しく実施されたとはわれわれ考えられぬと思う。結局超勤が不足になってそれによって収入が減る、そういうことで実際は労働者の待遇の面で実はやはり不満足なものが出てくるわけです。その面を補充して、しかも、ちゃんと超勤をやらなくても食えると、こういうような態勢をはっきり確立して今のような答弁がなされておるのだったら、私は差しつかえないと思う。ところが、実際はそうじゃないと思う。やはり超勤を食うことによってそれだけやはり生活上の欠陥が起るのは、今のこれはもうほとんど官庁労働者の場合には、公社の場合なんか見ましてもほとんど現状はそうじゃないかと思う。まあここにも国会の職員の諸君がいるから聞いてみればよくわかると思う。一番手っ取り早い。こういう点で非常に言葉はきれいだけれども、実質的にはここに一つ問題があるということを考えている。  それからもう一つ公安官の問題なんですが、これはどうなんですか。やはり今の実情では、先ほどからの質問の経緯の中で聞いておりますと、だんだん公安官が労働組合運動の中に介入していく、また当局はこれは表面はどう言われようとも、実質はそういうような意図によってこの公安官を増員することを考えているのじゃないか、こう考えられるのですが、その点はどうなんですか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) その点につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、最近犯罪事件が非常に増加して参っておるということも一つの理由になっておるわけでございますが、なお争議に関連いたしましていろいろな犯罪事実も発生する傾向がございますし、また旅客、公衆等のトラブルというようなものも最近発生しておるような傾向でございまして、そういう面ももちろん考えあわせまして増員の措置をとったわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それではいま一点だけお尋ねしますが、犯罪件数のふえているというその原因はどうなんですか。どういう点からこの犯罪件数がふえているか、原因はどうつかんでおられるか、これはどうですか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 先ほども申し上げましたように、刑法犯罪につきましては、二十五年を一〇〇といたしまして一四七になっております。また列車妨害事故、これが二十五年を一〇〇といたしまして二五七になっております。それから通信信号妨害事故、これが二百八十一件になっております。信号通信妨害事故、主として貴金属類の値上りがございますと、こういったものを盗む犯罪が発生する傾向が強いのでございます。そういった関係で増加して参っておるのではないかと思っております。そのほか荷物事故全体につきましては、総体的には多少減少しておりますが、しかし、性質から見まして、何かその裏に犯罪がひそんでおるのではないかと思われるような悪性事敗といったものがやはり多少増加の傾向にあるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私の御質問したことに御答弁にはならないようですが、どうしてそういう犯罪件数がふえているか、その原因ですね、これをお聞きしているのです。とにかく政府は今年度の初めあたりまで、神武景気ということをうたって、非常に社会の治安の状況は安定しておるということを一方でうたっている。生活も楽になりつつある。そういう中で、逆行して国鉄における犯罪件数はふえている。ここに私は一つ考えなくちゃならない問題があると思う。この原因については、今すぐ答弁できないかもしれませんが、その一つの原因の中に、公安官が公安官の任務を完全に果しているのかどうかという問題があるのじゃないか。つまりどうも最近性格が——先ほど中村委員から質問されましたように、その点から中村委員も特に劈頭その公安官の性格について質問したのじゃないか。実際かかる犯罪を取り締るということよりも労働運動事件の方に介入するような仕事の方が重くなってきた。ほんとうに輸送の保安を期す、こういう面で重要な役割を果していない、そこからこういうことが起ってきているのじゃないか。従って、二百五十人の人員を今新たに増員すると、そういうやり方で果してこういうような犯罪件数という問題を解決することができるかどうか。結局公安官の性格を正しく運用する、そうして本来の仕事に精進させるということが大切だと思うのですが、別な副次的な、あるいは副次的なという言葉が、実際は本来の今の労働情勢の中から見るともう第二義的な、当局から考えればそういうことに使っておるためじゃないのですか。その点どうですか。その点の反省が非常に必要だと思う。そうでない限り、公安官を増員するということだけでこの問題は解決するかどうか、この点どう考えていますか。どうもさっきからのあなたの答弁によると、これはもう検察庁に当然知らしてもよろしい、そうすべきだとか、まるですることの方が本来の任務であるように、あるいはこれを極論すれば検察庁の下請みたいな仕事を公安官がやっておる現状においては、こういうことでは本来の公安官としての任務を逸脱してやっておる、そこに犯罪件数が多くなってきていることとも深い関係があるように考えられる。その点はどういうふうにつかんでおられますか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 労働問題と申しますか、労働争議に公安官が介入しておって、普通の犯罪の方に手がおろそかになっているためにこういう犯罪が増加しておるのではないかというような御意見でございますが、先ほども申し上げましたように、信号通信妨害等は、銅の値上り等がございますと、盗難事故がふえるという傾向が強いのでございまして、そういった面から増加いたしておるわけでございまして、必ずしも公安職員の手薄をねらって犯罪が増加する、こういうふうには見られないのではないかと思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは一般に、警察の場合にもそういう傾向があるのです。とにかく私国鉄のあの問題が起りましたとき現場にも行ってみました。そうすると、何かこう警官がたくさん信号所なんかを守っている。鉄道公安官も来ている。そのために八時で当然任務を解かれる信号手が実は正午になってしまう。カン詰をくって便所にも出られないという実情を見ているのだ、この目で。現にそういうところを品川で見ているのです。そこへ行って、実情を中に入って視察してきている。私はそういう点からいっても、使い方がどうも本来の仕事でない方に逸脱して使われてきておる、むしろ労働対策の面が非常に最近は性格として盛り上ってきておるのではないか、そういうことで公安官の増強の問題が出てきておるのじゃないか、そういうふうなことであるとするなら、これはむしろ逆効果を招くのではないかということを心配しております。そういう点で、この問題を私は自分の今まで体験したことをもとにして論じておるのですが、あなたそういうところをごらんになったことございますか。そういう実情、現場ですか、たとえば私が申しましたように、信号所のところを警官が、私服と官服を合せて二十人ぐらい囲んでいる。公安官もいる。それからここでは東鉄の何か腕章をつけた人がいる。私は中まで、これは運輸委員としてどういう状態になっているかぜひそれが見たいというので、これは国鉄の方と連絡をしておったようですが、結局入れてもらった。中に行ってみた。そうすると三人ばかりカン詰になっているのですな。そこのところにまた監視している人が三人もいるわけです。その人に聞いてみると、外へ出たいか、出たい、それでカン詰になっている。工合が悪いかどうか聞いてみると、そういう状態は好ましくないということを言っているわけですね。そういうところに非常に使われたのじゃないかというふうに思うのです。こういう点やっぱり実情をごらんにならなきゃ、あるいは見て知っておられて、その上に立って御答弁になっておるのかもしらぬけれども、その点どうなんですか。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 多少実情も知っております。ただ最近争議行為に関連いたしまして、犯罪の発生しておるのも事実でございまして、そういう面からいたしまして、これはもちろん慎重な考慮を必要とはいたしますが、ある程度の出動もやむを得ないのではないかと思います。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 簡単に願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 原則として、とにかく労働組合の争議には不介入の方針を公安官はとるべきだ、こういうことをはっきり認められますか。これは当然だと思うが、どうですか。この点明確にしていただきたい。

小林重国日本国有鉄道常務理事

○説明員(小林重国君) 労働争議自体に介入すべきではもちろんないかと思いますが、労働争議に関連いたしまして犯罪が発生する場合が多々ございます。そういった場合は、もちろん公安官として捜査をする面が起り得ると思います。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 進行したいと思いますが、よろしゅうございますか。    〔「はい」と呼ぶ者あり〕

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) それでは鉄道公安官に関する件はこの程度にいたしまして、次に移りたいと思います。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) それでは速記をつけて下さい。  次に民営鉄道の運賃に関する件を議題といたします。  まず政府より私鉄運賃の値上げの状況について、特に申請等についての説明を求めます。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) 名古屋鉄道、近畿日本鉄道、京阪電気鉄道、京阪神急行電鉄、阪神電気鉄道、西日本鉄道、以上申し上げました六社から、本年の六月二十四日ないし二十九日の間に運賃の値上げ申請が出て参りました。続いて東武鉄道、西武鉄道、京成電鉄、京王帝都電鉄、小田急電鉄、東京急行電鉄、京浜急行電鉄、この七社から同じく七月二日付をもちまして運賃値上げの申請が出て参りました。当局といたしましては、これを受理いたしまして、運輸審議会へ諮問をいたしまして、運輸審議会で目下その申請案について審議中でございます。  これらを通じまする申請の理由といたしましては、これらの私鉄の旅客運賃でございます。貨物運賃につきましては、すでに御承知の通りに、地方鉄道の貨物運賃は連絡運輸の関係その他貨物の輸送の特殊性から、在来地方鉄道の貨物運賃によっておりまするので、本年の四月一日の国有鉄道の鉄道運賃改正と軌を同じゅういたしまして、それぞれに認可いたしましてすでに実施をしておりますので、今回のはいずれも旅客運賃でございますが、これらの旅客運賃は昭和二十八年一月以来据え置かれておりまして、その間収入面においては、輸送数量に相当の伸びはございましたけれども、定期の旅客の増加が著しくございまして、定期外旅客から定期旅客への移行によりまして、その収入は輸送数量の増加率には達しておりません。一方支出面におきましては、こうした輸送数量の増加に見合いまする車両の増備、線路の補強その他諸施設の拡充、さらにまた運転保安の確保あるいはサービスの向上のための経費増加がございます。さらに給与改訂、電気料金引き上げというような理由によって営業費が膨張しておりますので、収支状態が不均衡である、さらに早急に整備を要しまする輸送力の増強、サービスの改善のための諸経費を必要といたしますので、交通事業本来の使命を達成するために、この旅客運賃も改訂しよう、こういう申請でございます。  この申請の内容は、今申し上げました十三の各鉄道によりまして、個々の事情に基いて申請をしておりますので、その案は個々各社ばらばらでございますが、これを一つ一つこまかく申し上げますことは繁雑でございますので、資料をお配りしたことが以前にございますので、個々の会社の申請内容はそれで御承知願うことにいたしまして、各社の申請によりまするところの収入に対する増収率というもので申し上げてみますると、定期と定期外とを含めまして、今回の申請の値上げによりまするところの増収率は、まず名古屋鉄道の申請が、増収率に直しますと、一割六分一厘、近畿日本鉄道が一割九分四厘、京阪電気鉄道が二割一分四厘、京阪神急行が一割七分一厘、阪神電気鉄道が一割七分九厘、西日本鉄道が一割七分三厘、平均一割八分一厘ぐらいでございます。さらに関東方は、東武鉄道が一割七分九厘、西武鉄道が一割七分五厘、京成電鉄が一割九分一厘、京王帝都電鉄が二割一分八厘、小田急電鉄が一割六分三厘、東京急行電鉄が九分四厘、京浜急行電鉄が一割五分九厘、平均して一割六分一厘ぐらい、大体以上申し上げましたのが申請のあらましでございます。今日までそれを運輸審議会に諮問いたしまして、目下検討中でございます。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 鉄道監督局長に伺いますが、さきにお配りしたというのはこれだろうと思うのですが、これでいくと、今の一割五分九厘とか、あるいは一割七分九厘とかいうものがこれに当りますか、一番下の。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) お答え申し上げます。お配りいたしましたものには、申請の普通運賃につきましては代表的な賃率が入っておりまして、定期につきましては、特に利用の多い十キロ前後の運賃の値上げが申請によればどうなるか、そのパーセントが入っておりますが、今申し上げましたのは、その申請の定期外の収入と申請の定期の収入とを全部合わせまして、こえは輸送数量がわかっておりますから、輸送数量で掛けて合せまして、その全体の増収額がその当該会社の鉄道収入額に見合ってどれくらいの値上げ率になるかというトータルの率でございますから、そこの定期で上げております率よりは低くなります。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) ただいまの御説明に対し、質疑のおありの方は順次御発言を願います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 運輸大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、この前この私鉄の運賃の値上げということが新聞に報道された際に、何か運輸大臣のところに行ったときに、どうも理由がはっきりしないように、こう新聞には出ておった。運輸大臣が、一体ただ赤字を解消するために運賃の値上げをするのか、それとも輸送力の増強をするために運賃の値上げをするのか、こういうような点を経営者側の方に指摘をされておったようにまあ承わっておったのですが、一体この申請をされたことが、今權田監督局長から賃率等の平均率の問題も言われましたが、申請で、運輸大臣に対して率直にどういうことがこの私鉄経営者諸君から言われたのか、その点を一つ御発表願いたい。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) 私鉄と申しましても、これは大私鉄です。これらの方々からいろいろ陳情書をもらいました。それは、今權田局長が読み上げましたようなことが書いてございます。しかし、私は、その陳情書をただ一見しただけでございます。そこで、私の考えは、これは宮澤前大臣のときに出されたものでありまして、それを私が引き継いで考えなきゃならない。そこで、今局長が申しましたごとく、これは運輸審議会において今研究中であります。従って、私がそれに対してイエスかノーかをきめるのは、答申によって待たなければなりません。しかしこれは重大問題なんです。ことに、私は私鉄は国鉄と並んで社会的、公共的使命を達成してもらわなきゃならない、単なる営利会社ではない、こういう考えをもちまして、先般私の方から私鉄の人——代表者です——を招きまして、私は今お話のように、まず、値上げということはこれは今当局において審議しておるが、私としてはそのあなた方の値上げとか、あるいは将来の経営において、公共的使命を果すために輸送力の増強ということをやってもらわなきゃいけない。ことに、現在の私鉄は、通勤、通学、全く地獄の車です。これは、もう私ばかりじゃない。もう世論が、いや、通うておる人自身が非常に困難をしておる。そうであるから、あなた方の値上げの申請は、これはわれわれは運輸審議会その他の手続によって決定をせられてわれわれがその後考えるが、まず第一に輸送力増強の計画を出してもらいたいということを私は申し出た。そのいわゆる大私鉄五カ年計画というものを出して参りました。従って、それを私は同意を得まして新聞に発表をいたしました。そうして私は世論の動向を察知いたしておるのでございます。要は、大私鉄の経理内容、これは大いに検討していかなきゃなりません。鉄道事業自身で赤字なのか黒字なのか、あるいはまた、いろいろな事業を、これを副業と申しますか、兼業と申しますか、あるいは傍系の事業と申しますか、いろいろ表現がございまするが、私の見るところによれば、本来の輸送事業と同時に、あるいは百貨店である、あるいは土地であるという一種の事業をやっておられる。それが一つの会社団なんですね。コンツェルン、これを翻訳して会社団の形になっておるので、まあ率直にいえば、裏ではツーツーだというのです、私の見方は。これは間違っておるかどうか知りませんが、私はそう見ておる。そうでありますから、その点を明らかにしてもらいたい。運輸事業自身の経理内容については、これは權田局長から皆さんの御質問に応じてお答えもいたしますし、また、資料も出させますが、私は運輸大臣として、輸送力の増強、混雑をなくするというのはなかなかむずかしいですけれども、少くとも今日のラッシュ・アワーのあのありさまを緩和してもらいたい、こういう申し出をいたしたのでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 これは前の委員会でも私が申し上げたのですが、今運輸大臣がはっきりとおっしゃったように、やはり会社の経営というものは実際にどうなっておるか。私鉄自身では実際は黒字が出ておるけれども、傍系の会社によって資本全体としてその会社自身が維持ができない、こういう場合に、私鉄の鉄道の方の収入をふやすことによって一つそれを何とかまかなおう、こういうようなお考えがあったり、あるいはまた傍系の会社がもうかっておって、それで実際の私企業の方がいわゆる私鉄の方がもうからないためにそれでカバーしておった、そういうふうなことを今度直そう、こういうようなものもあるかもしれません。しかし、そのいずれがあるかということは、今あなたのおっしゃったように、その経営自身の内容をはっきりと見せてもらわないことには、私はやはりその経営が黒字であるか赤字であるかということは言えないと思う。前の委員会で私が申し上げたのは、少くともこの大手筋の私鉄関係の諸君が、いわゆる株主に対してどのくらいの利益の配当を行なっておるのか、配当というものがないのか、あるいは配当が全く少いのか、それとも一般の株から考えて、配当がその大手筋の人が多いのか、こういう点もやはり明らかにしてもらわないというと、国民はなかなか納得できないのです。これは国鉄の運賃値上げの際にも私は申し上げたのであります。特に本委員会でもずいぶん各委員から指摘されたのは、とにかく一たん上ってしまえば、幾ら運賃が高い、料金が高いと言われても、やっぱり歩いていくわけにはいかないから、鉄道を利用していかなければならぬ。今運輸大臣もおっしゃったように、私鉄といえどもこれは公共企業体の性格の中にあるわけです。日本の国全体の交通政策の中に輸送力の一端をになっておるわけです。そういう問題からいくと、運賃を上げられてしまえば、利用者というものはどうしても上げられた通り金を払わなければならぬ。けれども、その払っている大衆はどんどんそういうふうに高いものを払っているけれども、実際には、一方においてそれだけしなくても配当が多いのかどうか、こういう点を私は、運輸大臣が経理の内容について実はそういう点までお調べになったのかどうか、もちろんその運賃の料率改訂の問題については、運輸審議会において御審議をされる、それを運輸大臣は一つ諮問されておるから、それを十分尊重するということになろうと思うのですが、そういう個々の企業体の中における関連性というものを十分お考えになっておるのかどうか。またもしお考えになっておるとすれば、そのことがもし明らかにできるならばそれをしていただきたい。そうでないと、単にいわゆる赤字であるから運賃は値上げしなければいけない、こう言われたところで大衆は納得できません。いわゆる鉄道を利用しておる人たちはもう明らかに不満の意を表するわけであります。そういう点について、大臣の御見解なり、またお調べになっておるのだったらそのことを一つ御答弁願いたいと思います。もし大臣があれでしたら、監督局長の方から続いて御答弁をいただきたい、こう思うのです。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) 運輸審議会は運輸大臣の諮問機関として独自の調査研究をせられ、結論を得られると思います。私は今申しましたようににらんだんです。そうした結果増強に努めてもらいたいと申しましたが、同時に、いろいろの資料は監督局長のところに集まっております。私もその資料は一見をいたしました。そうしてその結果、経理内容についてやはり検討をするのがわれわれとしてこれを値上げすべきかすべからざるかの一つの大きな資料になる、従って経理内容につきましては、私はここに一々書類を持っておりませんが、当面の責任者でございまする監督局長から御説明を申し上げることは当然の義務であると思います。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) では御説明申し上げます。先ほど申し上げましたように、この申請のものにつきましては、それぞれの社でそれぞれ事情が異なっておりますので、それぞれ別々に一社々々ごとに厳密に査定を加えるわけでございます。その査定をいたしまする標準と申しますか、これのアウト・ラインをざっとお話しした方がおわかりいいかと思いますので、あらましをお話しいたしたいと思いますが、私どもまず査定に当りましては、収入面の査定と支出面の査定、この収入面につきましては、これは後ほど申し上げますが、支出面でも同様でございますが、今御指摘のように兼業を行なっておりますものが多ございます。これは各会社の個々の内容につきまして、今回各事業別に全部こまかく洗い上げてございます。地方鉄道軌道業というもの、それと兼業のあるいは自動車でありまするとか、あるいは食料品の事業、あるいは不動産の事業その他広告の事業、遊園地の事業というような兼業もございます。これらの面をはっきり分けております。収入にいたしましてはまず鉄道の収入、すなわち鉄道の旅客収入と手小荷物収入と郵便物の収入と、それから貨物収入と雑収入、貨物収入は先ほど御説明いたしましたところによりまして、四月一日からの国鉄の例の賃率等級表でやっておりますので、輸送量の自然増も各社別にトレースいたしますると、それぞれの社でこれこれの輸送量があるはずだという査定が出て参りますから、それで値上げをした分の方のを掛けますと収入が出て参りますし、それから他の旅客収入、その他今申し上げましたのもそれぞれについてその社の在来の実績がございますので、それぞれの社の伸びを査定いたしまして収入として上げております。さらに雑収入といたしましても、鉄道軌道の雑収入になるものにつきましてはすべてこれを上げ、たとえば取りかえ資産のうちの物品払い下げで年々古レールだのまくら木が出て参りますが、こういうものの物品売却等も、これは芸がこまかくなりますが、収入に上げて見ております。  一方支出の方でございますが、まず支出については、今相澤先生からも御指摘がございましたように、他事業の経費に属するものを鉄道経費において鉄道の旅客に負担せしめることは不当でございまするから、他事業経費というものは一切認めておりません。従いまして、ここで問題になりますのはいわゆる貸付投資等の問題でございます。これはいろいろその会社の信用力がございまするので、それぞれ自己資本なり他人資本というものから、特に他の事業に対する短期、長期の貸付金でありまするとか、また有価証券を持ったり投資をいたしましたりしております。こういうものを各会社別にそれぞれの投資実績がわかっておりまするので、鉄道事業に投資いたしました分についての経費のみを認め、他のものの投資経費は鉄道で負担すべきではございませんからこれらは経費に認めない、こういう厳重な振り分けを一社一社についてやっておるわけであります。支出につきまして、人件費と物件費でございまして、人件費については、それぞれの社の平均人員というものがその社の輸送状況で変って参りますので、これの人員を査定いたしまして、これに基準賃金、基準外賃金、それから退職金、退職給与引当金、賞与というようなものがその社の実績でわかっておりまするし、その実績を見ましてそれで人件費を査定しております。人件費の関連の構成費等については、それぞれの今までの割合を査定いたしまして、実績割合以内の額といたしております。しかし、新たな問題といたしましては、動力車操縦者試験の国家試験制度を昨年来施行いたしておりますので、これは運転の保安の確保から申しましても、この指定専任者の教習関係費、こういうようなものの増額は認めております。次に大きいのが動力費と修繕費でございます。動力費につきましては、まあ大体こういう大きなのは電気料金が主でございまして、若干の石炭費はございますが、電気料金につきましては、輸送力から列車キロが出て参りますので、これに要する基本電力料金及び使用電力量に対する電力料金が出て参りますから、それを見ております。ただし、その料率は、御案内のように、電気料金供給規程の暫定措置によりまするところの頭打ち制度が今実施されております。三割以上の値上げは三割で押えるという特例を講じております。こういう公共事業について、この特例は将来とも存続するものとして、いわゆる電気料金供給規定の普通約款による電気料金でなしに、暫定措置の特例による特約の料金で抑えております。修繕費につきましては、これは御案内のように、ここ数年来の各社の実積を見まするに、この修繕費、特にレールの取りかえ、あるいはまくら木の取りかえ、バラスの入れかえ、それから車両の修繕、補修、これの関係に非常に遺憾のあることは毎年毎年の監査でも私ども認めるところでありまして、これはそのつど厳重に通達を出して改善せしめておりますが、最初に申し上げましたいろいろな理由によって、これが非常に圧迫を受けて、修繕費について非常に不足があることは認められます。そこで、修繕材料費あるいは取りかえ費、それから後に申し上げます減価償却についても、これを法定耐用年数というもので除しまして、そのうち確実に今後実施できる、またさせるという額について査定を加えております。  それから税金は、これは法定税率で出て参りますので、それぞれの税率をやっております。ただし、事業税は経費としては計上いたしておりません。これは税法上の措置によっております。  減価償却費につきましてでございますが、これは先ほど申し上げましたように、その資産につきましては、他の兼業資産との混同を避けまして、厳密に区別をいたしまして、鉄道事業の資産というものがはっきり在来の財務諸表及び投資の実積の内容から出て参りまするので、それに限定して、定額法の適用額と三十一年度実施額とのいずれか高い額で、しかも、確実にこれを実施するというものについて認めております。  それから利子につきましても、借入金、社債というものから他事業に対しまするところの投資あるいは貸付金総額を控除いたしまして、これについての利子を、日歩二銭三厘でございますので、その社で認めております。  さらに配当でございますが、配当につきましては、今御質問もございましたが、最近の配当をながめてみますると、まあ大体関西方が一割、名古屋鉄道と近日は一割二分でございますが、大体一割でございます。これは前期の実績でございます。それから関東方が一割三分でございます。ただ西武鉄道だけが一割五分でございますが、大体関西方が一割、関東方が一割三分ぐらいになっております。この問題については、前国会の当委員会でも、私も配当をどう見るかという考え方について、いろいろ諸先生方の御意見も伺い、また私どもの今日までとってきた態度も御説明いたしましたが、今回の原価と言いますか、今の経費の見方では配当所要額といたしまして、これに事業税を含ませておりますが、それだけ配当は減るわけでありますが、それに対して、いわゆる自己資本金の一割というものを、先ほど申しました他の事業、あるいは貸付投資を除きました純粋の鉄道事業の固定資産に対して認めております。この公共事業に対する配当所要額をどう見るかということは、これはいろいろ問題のあるところでありまするが、まあ何がしかの公正な報酬分と申しますか、そういうものを認めてやらなければならぬということは当然でございます。で、この場合私どもの見方は、今、申し上げましたような見方をいたしておりまするが、大体総資産の配当対象資本になります資産額が、おおむね大私鉄の場合には六・四くらいでございますから、一割認めることは六分を認めることに相なります。電気事業等におきましては、大体配当として一割二分を原価の計算上算定しているのが例でございます。  なおガス事業につきましては、ガスの料金の原価計算では、総資産に対しまして各社の事情で違いますが、八分ないし九分原価計算を見ているようでございます。  私どもは在来ともこの公共事業の地方鉄道に対しましては、今申し上げました自己資本に対する、いわゆる公称資本に対する一割、事業税を含む、ということで資産に対しますると約六分くらいになりはせぬかと思いますが、この程度の資本に対する適正な報酬を与える必要はあると思います。まあこれを軸にして将来の信用力増強による新たなる他人資本、あるいは自己改良資本に充ててゆくので、この程度は原価として見たい、こういう気持で実は事務的に各社とも査定を加えているのであります。  最後に、兼業との関係でございますが、おおむね大体の趨勢といたしまして、各社によって事情が違いまするのですが、鉄道事業の、先ほど申し上げました意味の厳密な計算をいたしますと、財務経理的には大体本来の鉄道事業の考課状面では、総損益では益金という格好になって現われておりますが、各事業別損益を見ますると、関連経費というもの、すなわち総経費、あるいは税金、減価償却、利子、配当原資、こういうものを各事業別に先ほどの方法で配分してみますると、鉄道事業損、益は欠損になっております。大体兼業部面、すなわち自動車でありますとか、不動産でありますとか、先ほど申し上げましたような兼業部面において益金が出ておりまして、これが総損益上黒字となって配当を行なっているというのが、この十三社を通ずる大体の状況でございます。  以上あらましを申し上げました。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 まあもちろんもうかっておらないとか、あるいはどうしても赤字であると、こういうものについては適正な料金を出すということは、まあやむを御ない、当然だと思うのですが、しかし、今の御説明でもまだ私どもはっきりのみ込めないのは、各社別がどういうふうになっているか、配当がまあ一割三分とか、一割五分とか言っているけれども、傍系のものがそれだけ適切に実は区分けされるかどうかということが、資本形態から考えるとなかなかむずかしい問題だと私は思うのですが、だからこっちは私鉄の問題、こっちはデパートの問題、これは土地会社の問題、こういうふうに資産を分類していくといっても、実際には経営者は一人です。こういうことからゆくと、なかなかこれはむずかしい問題で、よほど私は運輸省がその点慎重に、しかも、よく把握しないというと、まあ実際には鉄道運賃の値上げを認めるただの理由にしかすぎなかった、私はこういうことになると思う。こういう点を十分一つお考えをいただきたいことが私の特に主張することですが、そこで、まあこれは權田監督局長の言うように、各社のそういうのがあれば、これは本委員会に資料としてそういうものを一つぜひ提出をしてほしい、こう思うわけです。これはもちろんこまかい経営の内部にまでどうこう言うわけじゃございません。概括的なところはやはりこれは提出してほしい、こう思います。  それから運輸大臣にちょっとお尋ねをしておきたいのですが、こういう、運輸大臣が、先ほど御説明の中にあったように、少くとも輸送力の隘路を打開していく、輸送力の増強をしていく、こういうお考えで経営者の諸君にもお話しになったようでありますが、どのくらいのいわゆるパーセンテージをお考えになっておるのか、この点を一つお答えをいただきたいと思います。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) いわゆる大私鉄の五カ年計画というものは、大体総額において千二百七十億円、これを投入しようというのであります。そうして車両を増備していく、線路を増強していく、さらにこれらに関する事業、いわゆる関連工事でございますね、停留所を延ばすとか、あるいは変電所を改良するとか、こういったようなものに使おう、こういう計画の申し出であります。もとより十三社各自はその線路の範囲、営業の規模が違いますから、個々の会社によりましては、その独自の増強計画もあるようでございますが、大体こういったようなところに目標を置いて千二百億円を投入しようというのであります。そうしてこれはどういう手段によってその資金を獲得するかということがこれからの問題になると思うのですが、まだその資金計画は私の手元に持ってくるように言っておりますが、まだございませんが、やはりそういう事業計画、資金計画、こういうものが一体となってこなければできないのじゃないかと思います。これの詳細につきましては、局長から申し上げることにいたします。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) それでは私から御説明申し上げます。この大都市付近の私鉄の旅客輸送に占める役割というものは相当大きい、旅客輸送量において約四五%くらいになるということでございまして、これを相当強化するということは絶対に必要なことと思います。特に人口の都市集中がございますので、今御指摘のようにラッシュ時におきましては、乗車効率を今一〇〇をほとんどこえておるというのが現状でございますが、これに対して、実は大臣の御指示によりまして、各社から——事情が異なりますのでそれぞれの社から車両の新造関係、それに伴う線路の増設関係、それからホームを延ばしませんとホームが詰まっておりまして、編成も伸びませんのでホームの延伸関係、それから重軌条交換と申しまして、今のレールではラッシュ・アワーにもっと列車を入れるには重さが足らぬというので軌条交換をいたします土木関係、それから電車の運転回数及び編成がふえて参りますので、今の変電所では持たなくなって参りますので、変電所を作らなければならぬというので変電所の関係、並びにこれはすでに昨年から行なっておりますすべての車両を不燃化いたしまして鋼製車にいたしまして車両の危険を除去するという計画と合せまして、大体先ほど申し上げました十三社に、さらに南海電鉄を加えまして十四社、これがいわゆる大手筋でございます。これの五カ年計画というものを取りまとめたのでございます。  これは実は各社別の内容は、後ほどお手元までこまかい資料でお届けしたいと思いますので、ここは総括で申し上げますと、今申し上げましたようなことで、車両が約五年間で千四百六十三両必要のように考えます。これの金額が大略三百四十三億、それから線路増設関係は、これは具体的にいろいろ詰まっておりますところの複線化でありますとか、いろいろ区間的な線路増でございますが、これで約三百二十二億、それからホーム延伸、重軌条交換等の土木関係が大体三百二億、それから変電所の増設が百七十八億、それから車両を鋼体化いたしまして不燃化することが約百三十一億、大略十四社で千二百七十七億、従って、五年間でございますから、一年間にいたしますと二百五、六十億ということに相なります。  この結果の効果でございますが、おおむね現在二〇〇をこえておりますものが、大体一番低く下りますと、一五〇ぐらいまで下るのではないか、乗車効率は——乗車効率と申しますのは、一日の中で一番込む時間のそのまた一番込む区間の一時間当りのお通りになるお客様を定員で割ったものでございます。だから二〇〇と申しますことは、一番込みます時間の一番込みます区間を定員の倍以上乗っているということでございます。現在一番ひどいのは二七〇までいっているのがございますが、一七〇ぐらいから二〇〇というものが多うございます。おおむね二〇〇をこえる、こうお考えになって、線別に違いますが、大差ございません。それが大体この程度の車両を増強いたしますと、画期的に緩和する、大体一五〇から一七〇ぐらいを目標にいたします。大体私どもの従来の経験から申しますると、一番込みます時間の一番込みます区間でございますから、同じラッシュ・アワーでも、他の区間ではそれほど乗っておりません。帰り道は御案内のようにガラガラでございます。ラッシュ・アワーの時間が過ぎてしまうとうんと落ちますから、もう終日当りにしますと一〇〇をこえなくなりますので、一四〇、一五〇が理想に近い満足すべき姿じゃないか、一七〇ぐらいでまあがまんしていただけるのではないか、まあ新聞が読めるということに相なるだろうと思います。特殊の線で一部なおある短時間に二〇〇以内というものはございますが、これらは特殊事情において調整したいと思いますが、おおむねこの計画ができますれば、まあ満足すべきものである、これはぜひやらさせたいと考えております。これらに対しまする資金といたしましては、大体二百五、六十億と申しますと、大体これらの十四の私鉄は、終戦後戦災復旧に全力をあげ、また最近は輸送力増強に大いに努力いたしまして、年々のそういう方向の投資額は、大体十四社で百五十億ぐらいが最近の実績でございますから、もう百億、六割増ということで、これは大いに気合いをかけて、これは公共機関の使命からいってもやらせねばならぬと考えております。  千二百七十七億という見通しにつきましては、今後の信用力の回復によりまして、いろいろ増資の計画、あるいは社債計画、また減価償却の引当金の社内留保金の見通しからいたしまして、四、六ないし三、七ぐらいのめどで自己資金が出て参ると思います。三ないし四ぐらいの自己資金が出て参りますので、おおむね六前後の他人資本といいますか、そういうものになりますので、約七百億なり七百二、三十億の五カ年のベースになりますので、そうすると一カ年にして約百四十億ぐらいで十四社でございますから、まあ大ざっぱな議論で申しわけございませんが、まあ一社当り十億見当という他人資本になって参りますので、この程度で信用力回復とともに私どもはできるという自信を今のところ持っておるわけでございまして、これによって、大いに本来のそういう通勤、通学を主体とする輸送力増強並びにサービス改善を行いたい。  なお申し落しましたが、この五カ年計画の中には保安等の向上ということにも特に重点を置きまして、いろいろな保養施設特にまあ踏切りの問題の改良も考えております。踏切りの問題については、これは別個に御説明申し上げるべきでありますが、前国会でも御質問に答えて申し上げました通り、来たるべき通常国会には特別の立法措置と補助措置によって、なお同時に促進させたいと思っております。  大体あらましは以上の通りであります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今の御説明で概略的にわかって参ったわけですが、まあ大体百億程度を、あるいは百四十億、十四社にすると約十億程度の投資増ということになるわけでございますが、十億ぐらいの投資が、これだけの大手筋の私鉄がいわゆる運賃値上げをしなければどうしても出ないのかどうか、こういう点についても、ちょっと私今説明を聞いただけでももう来るわけなんですが、この点いずれ資料を提出していただきまして私ども十分一つ勉強させてもらいたい、こう思っておるわけです。そこで、いま一つお尋ねをしておきたいのは、大手十四社が今運賃の値上げを要請をした、一体その他の私鉄については、今後おそらく申請が出るものと私どもは考えるわけでありますが、こういう点について、やはり今後も出たものについてはそういう扱い方をしていく、こういう考え方でおるのか、あるいはこの十四私鉄の名前、先ほどの十三私鉄とこのプリントに書いてあったけれども、南海も入っているようですが、これを見ると、どうも運輸省自体が今のうちに一つみんな各社が出してこいと、こういうような印象をちょっと受けるように私は思うのですが、もしそういうことであると、これはいわゆる主婦連の皆さんが常に賃金値上反対と言われるように、しゃもじをかついでいかなければいけないという問題もこれは起きてくるわけです。だからそういうような画一的な、運輸省が今のうちに出さなければこれは運賃値上げはむずかしいぞというような考え方を持っておるのか、それとも自主的にこれはどうしてもいけないから前の宮澤運輸大臣にも陳情しておったが、今度はいよいよせっぱ詰まったから中村運輸大臣に積極的にやってもらいたいと、こういうことで出してきているのか、その点も一つあわせてお答えをいただきたいと思うのです。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) 大手筋のことばかり申し上げましたが、いわゆる中小手筋と申しますか、中小私鉄の旅客運賃でございますが、これは昭和二十八年には四十件、二十九年に二十二件、三十年に二十四件、三十一年に十七件、三十二年に三十六件というような処理件数があがっておりまして、これはすでに御説明いたしました通りに、私鉄の運賃制度は各社の個々の申請主義でございまして、ケース・バイ・ケースで審査もいたし、そのつど運輸審議会に諮問をいたしまして、その答申によって処理をいたしております。従いまして、現在百四十社ぐらいの大体の数といたしますと、年にいたしまして三、四十件でございますので、大体これを大ざっぱに申しますれば四年に一ぺんぐらい在来には出てきておったという実績が示しておりますが、そういうように何と申しますか、今先生のおっしゃったお言葉を拝借いたしますと、せっぱ詰まりますとそのつど出して参りますので、それでそのつど出ればそれを受けまして、個々に厳重な審査をいたす、こういうことになっております。従いまして、今度は現在の段階で申し上げますると、もう大体中小手筋はこういうふうに片がついておりますので、この今の十三社が出たことによって、さらにまた出てくるということはこれは予想できません。大体中小手筋については、こういった実績から見ても一応片がついておる。私どももこの運賃値上げをすぐ申請して参るようには指導しておりません。あらゆる経営合理化を行い、さらにいろいろな自動車運送事業その他他の交通機関との関連もございますので、あらゆる施策を講じた後に万やむを得ずこれによって得る効果その他輸送力増強、サービスの改善等も考えまして、臨機にやっておるわけでございまして、中小手筋については、今のところ、この十三私鉄が刺激してまた出てくるということは事実上あり得ないと思っております。  それから十四社と十三社の関係でございますが、南海電鉄は御承知の通りに昨年申請がございまして、昨年の十月にはすでに認可せられておりまして、もうこれは申請して参っておりませんし、それで今回の値上げ申請は十三社と申し上げたのでありますが、ただ先ほどの増強計画については、都市中心の大手筋について輸送力拡充から考えましたので、これを含めて計画いたしておるわけでございまして、実績を見ますると、私どもの予想しておりました輸送力増強は、予定以上にすでに進捗いたしております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 いま少しお尋ねしてあとの委員に交代したいと思うのですが、今までの、五カ年計画の千二百七十七億の投入によるこの計画を見ますると、新線ということは考えておらないのですか。それとも新線ということがあるのですか。この点お伺いしたいと思います。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) 各社によって事情を異にいたしまするのですが、今御指摘の一部新線が入っているものがございます。一つは、これは例の都市交通との関係で都市交通審議会の関係で、すでにこれは御報告いたしました通りに、東京方面ではある程度の答えが出て実行に入っております。大阪関係では近く本年内に何らかの御答申をいただくことを私ら予期しておりますが、その点におきまするところのいわゆる都市交通審議会からいただいております答申の中に盛られた内容が一部入っておるものがございます。で、その面については、たとえば在来山手線のところへ来てとまっておりました輸送形態が都市交通形態としては面白くない、今後はこれを都心を貫通して直通輸送を考えるべきであるというので、よって、東京では新たに建設をいたします地下鉄に対して、郊外から都心を直通して郊外へ抜けるという、ここに画期的ないわゆる直通運転計画の実施に入っておりますが、京浜方面から押上方面へ抜けるもの、それから祐天寺方面から北千住方面へ抜けるもの、この二つが本年度から工事に入るわけでございます。それらに関係いたします私鉄の直通運転計画というものが一部入っております。その次に入っておりますものは、これはやはり同じ都市計画の大阪関係でございまして、大阪関係において将来都市交通審議会の答申を得れば、やはり都心へ直通する関連の逆転計画、それの車両なり線路というものが一部入っております。この二つにつきましては、一応ここの計画には入れてございますが、これは私鉄から提出する計画でございますので、私どもの方といたしましては、都市交通審議会の答申によりまたその上で運輸省としての何と申しますか、いろいろな行政上の処理をしなければなりませんから、それらの処理ともあわせて考えて別に指示をいたしたい。一応計画としてはあげさせておりますけれども、これはいわゆる行政措置は、今後のそういう審議会その他の御意見をも待って、私どもであらためて最後的な行政措置を決定したい、こう考えております。  それからさらにもう一つの範疇に属するものには、他の自分で持っておりましてすでに免許を得ております路線、たとえば一つの例を申しますと、京浜の久里浜以遠へ延ばす線というものが代表的なものでありますが、すでに免許を得ておりまして、これをいろいろな交通上の必要から建設しなければならないというものの建設費が入っておるものもございます。これらは今申し上げましたと同時に、別に行政措置は別個に考えたいと思っております。従いまして、この五カ年計画は車両の増備なり、既設線の増強なり、線路の増強なり、変電所の増強というところに重点を置いて、これの輸送力の増強ということに重点を置きまして、その結果起って参ります乗車効率の低下が先ほど申し上げたようなめどでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私は、これは最後ですが、今のお答えになった点について、やはり新聞にもそういう点が一部報道されておるわけですが、たとえば神奈川県の場合の三崎線の問題、これは三崎市民は全員が国鉄延長ということをやってくれ、そうしてあそこの漁港の問題についても運輸省に積極的に漁港の造成についても申請をしておるはずです。そういうような課題についても、まだ十分行政指導という問題が残されておると思うのですが、いま一つは、静岡県の場合の伊豆半島の問題がある。これは大正十一年に鉄道敷設法の当時にすでに鉄道が決定しておった事業についても、やはり私鉄から申請が出されておる。個々のケースによっていろんな問題が起きておるわけです。こういう面については、やはり公共企業体の場合と、それから私鉄企業の場合と十分運輸省は考えて、これらの措置に当っていただきたい、こう思うのです。これは行政指導を一つ誤まると、せっかくよくやってやりたいと思うことが実際あだになってしまう。そこの住民の人たちの強い反対を食わなければならぬ問題が出てくると私は思う。これらの点についても、これは一つの例でありますが、一つ行政指導の場合には、十分私は考慮をしていただきたい。以上のことをもって私の質問を終ります。

市川房枝第十七控室

○市川房枝君 今度の私鉄の値上げの問題は、実はこの前国鉄の運賃の値上のときから心配をしておったことでございます。国鉄の運賃を値上げをすれば、当然それに続いて私鉄が値上げをするであろう。従って、この一般の国民といたしましては、国鉄の値上げによってそれだけ家計の支出がふえるだけでなく、また私鉄の方の値上げによって支出がふえる、こういうことで国鉄の値上げに反対をいたしましたのは、まあその一つの理由でもありますけれども、国鉄の値上げしましてから、この四月から私鉄の値上げがどの程度実際に行われたか、今監督局長のお話によりますと、三十二年は三十六社ということでございましたが、せんだって私が官報を偶然に見ましたらば、運輸審議会への私鉄あるいはバスの値上げの申請に対する決定が出ておりまして、その六月二十六日、七月九日、八月二十日とたまたまこの三日のを見ましたらそれで六十何社あがっております。私の勘定が間違いであるかもしれませんけれども、一体今までに私鉄なり、バスなり、国鉄の値上げに続いてどれくらい値上げをしたか、もう少し正確なもの、あるいはその値上げの額が一体どれくらいであったかどうかということを一つ伺いたいのです。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) お答え申し上げます。この中小私鉄につきましては、これは先ほども申し上げましたように、国鉄の運賃と同時期に同程度の値上げが行われたということはございませんのでございまして、これは先ほども件名を実績で申し上げました通りに、年々あの程度のものが今までの実績で出て参って大体片がついているのでありますが、これはその社その社が独特の理由によりまして個々に申請をいたして参りまして、従って、何と申しますか、俗な言葉で申しますとばらばらに出て参りまして、またばらばらな内容でその社その社の内容で決定されるのでありまして、三十二年はそういう中小私鉄につきましては、今までのところ三十六件ございます。これはいずれもその率が違っておりまするが、大体代表的な例を申し上げますると、これは一々の運賃で申し上げますと非常にややこしくなりますので、先ほど申し上げましたように、その運賃改正をした結果増収がございます。その増収が在来の収入に対してどのくらいの割合になるか、そういう割合で申しますると、大体高率なものを申し上げますと、二割四分くらいのものが秋田中央交通とか、上毛電気鉄道とか、山梨交通といったものがございます。また低いものになりますと七分下げたものが立山開発鉄道、それから九分上ったものが定山渓鉄道、淡路交通、大多摩観光、それから一割二分くらいのものが静岡鉄道というふうに、こういずれもばらばらな率になっておりますので、大体七、八分、ないし二割四、五分というものが三十二年の例では多うございます。従いまして、国鉄が上ったから、何と申しますか、その関係で続いて上げるという筋合いのものではございません。大手筋につきましても、いわゆる私鉄の中の大きな会社でございますが、従来がたまたま国鉄とほぼ同時期に同程度の値上げが行われた実例がございますために、国鉄が上るから何と申しますか自動的に私鉄が上ったんだというように思われております向きもございますが、これはいずれも元来の本則によりまして、大手筋といえども、申請のつど各社別に検討をしておりまして、従いまして、値上げ率についても各社別の内容における運賃率が査定されております。従って、今御案内と思いますが、旅客運賃の賃率をごらん願いますると、この大手筋といえども、みな違いますのでございます。国鉄と同じ賃率ではございませんので、各社別にその基礎賃率がすでに異なっておるのが実情でございます。  自動車の方はちょっと私でわかりかねますので、後ほど自動車局の方から申し上げさしていただきます。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) ちょっと申し上げておきますが、自動車関係については、後ほど議題がございますので、そのときに当局を呼びましてあれしたいと思いますから御了承願います。

市川房枝第十七控室

○市川房枝君 今の監督局長のお答えでは、鉄道運賃値上げに便乗して上げたのではないというお言葉だったのですが、少くとも国民大衆としては、やはりそういう感じがするのです。ことに、きょう問題になっております大手十四社ですか、値上げなんかのごときは、そういう感じがするのでございます。それから値上げの率も今度のは、先ほどお話を伺いますと、やはり二割前後になっているようで、国鉄よりも割合が多くなっているような気がする。国鉄、私鉄の問題について、私ども専門家でないからよくわかりませんけれども、少くとも国鉄はやはり国の経済の立場から、あるいは国民の便宜あるいは安全といいますか、そういう立場から経営をされておる。従って、まあ予算も、値上げも国会によって審議されるわけなのでありますが、従って、国鉄の値上げの場合にはまあある程度やむを得ない事情もあるかもしれません。しかし、私鉄は初めから利益を目的として計画をし、営業をしているのであって、その点で私は国鉄と同じような考え方であっていいか、先ほどからまあちょっと大臣並びに監督局長のお話を伺いましたが、そういう点についての区別といいますか、お考えを伺えなかったようで、私としては大へんにまあその点物足らない感じがするわけなのですが、従って、まあこの将来の私鉄の、さっき五カ年の増強の問題がございました。今の私設の状況、あの混雑では困りますから、もちろん増強してもらわなくてはなりませんけれども、これもまあ大へん私が疑い深いかもしれませんけれども、国鉄の五カ年計画の場合と、私鉄の五カ年計画としてあげられた場合とでは、やはりこの信用の問題が、どうも私鉄の方がこれはまあ要するに値上げをするための一つのゼスチュアとしてやっているのじゃないか、こういうような感じがしてどうも信用ができないような感じが実はするわけなのであります。そういう点でこの値上げの問題も、私はそういう観点からやはり見ていただきたい。私鉄に対する監督、国民にかわっての政府の監督をその点で私は厳重にやっていただきたい。国民からいえば、現在の私鉄はやはり国鉄に比べて高いのであります。これはもう国民一般の声であります。それからサービスも、まあ中には多少いいのもありますけれども、大体においてまあ国鉄の方がいいという意見の方が多いのじゃないかと思うのでありまするけれども、そういう点でやはり監督をもっと厳重にしていただきたい、こういうふうに考えるわけであります。この私鉄というものに対しての私は運輸大臣の御意見をちょっと伺いたいと思います。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) 国鉄の賃金値上げの後にこれがまあ出てきたわけであります。そこで、私はまあ国鉄のことはもう過去のことで私の所管ではございません。もっとも議員としては関係はいたしましたけれども、その当時の所管ではなかったのであります。そこで、私は率直に申し上げますと、国鉄のあの値上げということを見てですね、ただ値上げだけじゃいけない。値上げということをすれば、まあざっくばらんにいえば、それだけの効果を国民に見せてもらわなけりゃならない。いかに公共企業体といえども、見せてもらわなけりゃならない。これは国鉄も五カ年計画で大いに改善をしてもらわなけりゃならない。私鉄も私は同様の意味だろうと思う。私鉄というものはあの経営内容を見ますと、これは株式会社なのです。そして株式会社は営利の会社であります。しかしながら、交通ということはこれは私は公共的使命を持っておると思います。それでございますから、少くともこの大都会のこの付近にあってたくさんな人の住んでおる所に走っておるこういう私鉄大手筋というものは、私は、社会的な、公共的な使命を持っておる。でございますから、私は国鉄の値上げの後に申請して参りました私鉄の値上げ申請につきましては、慎重なる態度をとっておるのであります。便乗してきたからすぐやってやるという私は考えは持っておりません。慎重に研究するばかりか、まず第一に、輸送力の増強をやってもらいたいという申し出をしております。そうでないと意味をなさぬと思います。

市川房枝第十七控室

○市川房枝君 今大臣の御意見を伺いまして、まあ慎重に考慮するとはおっしゃっていらっしゃるのですが、しかし、まあ今のお言葉並びに先ほどからの監督局長のお話ですというと、これはもうどうせ上るらしいのでありますが、(笑声)その上るときには運輸審議会にかけなければならないということになっておるのでございますね。それでこの運輸審議会に今までのこれは審議しておりました結果の官報に出ておるのを見ますると、全部がおしまいはみんなこの運賃改訂を適当と認めると、皆適当と認める、適当と認めると書いてある。全部値上げ適当だというのですが、これは私ども一般国民の側から見るというと、運輸審議会というものは一体そういうものを値上げをするための機関か、こういうふうな実は疑問が起ってくるのでございますが、まあ結局運輸審議会の構成の問題、委員の構成の問題といいますか、ということになってくるかと思うのですが、申請に対して運輸審議会がノーと言った場合が今までありましょうか、ちょっとそれを伺いたい。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) まあこれは私からお答えするのが適当かどうか、運輸審議会の委員でございませんので、少し潜越かもしれませんが、私の知り得ておりまするところでは、まあ運輸審議会は一つの独立的な機関でございまして、そういういろいろな免許でございますとか認可でございますとか、海陸空にわたっていろいろの実際の案件についての一々の審査をしておられますし、委員も常勤でございまして、審議官室という事務局も別個に持ってそこで相当の研究調査をいたしておられます。私らが所管しておりまする鉄道監督局の仕事について申し上げますと、これは免許の申請あるいはこういう認可の申請が陸運局を通じて出て参ります。これは陸運局に調査させ、さらにわれわれも調査をいたしまして、それぞれしかるべき相当の詳細の資料をつけまして、これを運輸審議会へ回します。この問題についても先ほど御説明した通り、すでにもう向うへ回っておりまして、相当長い期間向うで審議をしておりますが、これらへ出て私ども説明いたすのでありますが、相当詳細な、相当専門的なこまかい検討を要求せられまして、実は私ども膨大な資料を一社ごとに持ち込んで逐一御説明し、その質疑に答えておるわけでありまして、その結果まあ向うから何らかの御答申をいただくのを私ども待っておるよりしょうがないんで、何ともこれはこちらから指図もできませんし、独自の判断から御答申をいただきますが、まあ在来の私どもから提出いたします事案については、そういういわゆる事務当局としての詳細な資料、それに対する運輸審議会の独自の要求に基く資料、また独自の検討というものが行われまして、免許その他の事案でノーの出た事例もございまするし、それからまた事実いろいろな事前の審査のときに、とてもそういうところは合理的なものでないというようなものにつきましては、いろいろの行政指導もこれは事実上行う場合もございまして、申請者においても、これはすでに数十年来それぞれ事業をやっておるものが鉄道事業では大半でございまして、それぞれ専門的な検討もいたしておりまするから、まあ何と申しますか、そうむちゃな申請というものは、申請当事者からして訓練がきいておりますので出して参っておりません。また事前審査の段階において、それ相当の申請内容によって、向うが自発的に反省をして取り下げる場合もございますし、在来中小手筋のものについては、従って、そういう事前にいろいろの資料吟味がございますので、大体穏当の線が認められております。しかし、申請通り御答申をいただくか、あるいはこれを査定して御答申をいただくか、ここは運輸審議会の御判断でございまして、必ずしも申請通りすべてが御答申をいただいておるというわけでもございません。実情はかように相成っております。

市川房枝第十七控室

○市川房枝君 免許の場合には、免許しないという決定も出たとおっしゃったのですが、値上げの場合は、幾らか率を引き下げる程度で値上げ必要なしということはないのですね。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) 在来諮問しました実際の個々の事件の値上げについては、そういうものはございませんが、そういうものは申請をいたして参らぬようにいたしておりました事例もございますし、また取り下げるという場合もございまするので、実際運輸審議会の正規の手続に入りますものについては、今申し上げたような実情にあるのが実際の姿でございます。

市川房枝第十七控室

○市川房枝君 今の、運輸審議会で審議中の大手十四社の審議に際して、公聴会というものはできるのですね、それは運輸当局でなくて、審議会当局が御決定になるのかもしれませんけれども、この前国鉄のときは公聴会がありましたね。今度はいかがですか。運輸当局としてごらんになって、そういうこれは公聴会をやはり開く、ことに大手筋の場合には利用者が相当たくさんおりますから、そういう人たちの意見を聞くということはいかがお考えでしょうか。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) これは運輸審議会で御決定になることでございますが、この中小手筋その他の運賃値上げの申請について、公聴会をお開きになった例はないようでございます。と申しますのは、私どもが伺っておりますところでは、これはまあ申請による公聴会と職権公聴会とございますが、公聴会の当事者になります資格は、申請人とこれの面接利害関係人ということになっておりまして、それの場合に、そういうふうに資格要件がきまっております。従って、もしかりにこういう問題で公聴会をお開きになるとなれば、その資格者の認定及び資格者の申請あるいは職権によってお開きになるのですが、運輸審議会の手続としては、審議さるべき事件ごとに公聴会をお開きにならなければならないので、国有鉄道の場合は、それは一件でございますから、国有鉄道一件として、申請者と直接の利害関係人、運賃を支払う方の意見等を聞いておるわけであります。なお、運輸審議会の判断で参考人を呼ぶ場合もありますが、私鉄の場合には、もしかりに開くという場合には、今度の場合には、十三回公聴会を開かなければいけないわけでありまして、A会社の事件にはA会社だけ、B会社の事件にはB会社だけ、これを併合して開くということは審議の性質上あり得ないことでありまして、一件ごとに御判断をしてなさるわけであります。従って、私鉄運賃については、今まで申請人による公聴会あるいは職権による公聴会を運輸審議会がお開きになった事例はないようでございます。しかし、と申しましても、これにかわるものとして聴聞会と申しますか、これも運輸審議会の方で、審議会の御判断でやれることになっておりますが、申請人を呼んで、参考人を呼んで事情を聴取する聴聞会をもってこれにかえると申しますか、あるいはそれと同じ目的を達するために、いろいろ参考人を呼んで聞いておられるようであります。今回の大手筋の問題についても、私の伺っておりますところでは、会社当局以外にいろいろな参考人を運輸審議会が呼ばれて、いろいろ聴聞は行なっておられる事実がございます。

市川房枝第十七控室

○市川房枝君 それは今審議中にもうやっているのですか。まだやっていないのですか。前のことですか。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) 私どもが承知いたしております段階では、そういうことをすべてお済ましになりまして、今一社々々について御審議に入っておられて検討中、いわゆる審議の段階にお入りになったように伺っております。

市川房枝第十七控室

○市川房枝君 運輸審議会の方の答申がいつごろ出ますかわかりませんが、できればこれは諮問機関ですから、運輸大臣は、もっともその運輸審議会の意見を尊重しなければならないのだというような規定があるようでございますが、相当それは押えていただけるだろうと思いますが、それはいかがでしょうか。大臣から伺いたいのですが。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) それはそのときの私の決心でございますが、しかし、尊重でございますから、盲従する必要はない、盲従はいたしません。それだけは私は申し上げます。しかし、この問題は率直に申し上げますと、どうかこの委員会でも一つ御意見を私どもに言ってもらいたいですね。それからまたこれは衆議院でもいいです。それから私は今党の政調会の方面にも意見を聞いております。私はこれは広く意見を聞いてですね、やらなければならぬと思うのです。実際いえば、国鉄も私鉄も国会でやってもらうということになれば、これは一番はっきりしていいので、どうも国鉄だけ国会へ行って、私鉄は運輸審議会とか、いや運輸大臣とかということになっているのですが、これは別といたしまして、私の感想でございますがね、私は率直に申しますと、広く世論をお聞きいたしたい。そこで、私はこの間も会社の社長に言ったのです、あなた方の労働組合は果して賛成なのか、反対なのか知らせてくれ、まだこれは返事は来ません。なかなか難問題だと言ってたが、ほんとうに腹からあなた方の労組が賛成なのか、反対なのか、それを一つ聞いてみてくれ。それから沿線の利用者の世論も聞け、何でもないことじゃないか、投書箱でも置いて——いや、そうするとみんな反対論者ばかりです、きょうはちょっとということを申すのですが、そう言いますけれども、それが果してほんとうかどうか、それは判断できるのです。そういうふうにして私鉄というものを、ただこそこそと値上げをするというようなことは私はいかぬのだ、広く聞いてくれ、こういう私は今考えを持っておりますのですから、どうぞ皆さまにおかれましても、その点一つよろしくお願いいたしたいと思います。

市川房枝第十七控室

○市川房枝君 最後に、お願いだけ申し上げておきます。大臣、私鉄のさっきの配当が、関西は一割、東京は一割三分ということでありまして、それは鉄道だけでは赤字だということでしたけれども、しかし、会社として鉄道のあることを利用して、それだけの配当、それだけの利益を上げているのですから、現在の実情で値上げをする理由はどうしても納得がちょっとできない。その点を一つお含みおきを願います。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) 主婦連合会からもあなたと同じ陳情書を承わっておるのです。それで私はこの私鉄の経営というものが、そういう傍系事業の利益だけでやっているということがいいのかどうか。これは私は根本的に考えなければならぬと思うのです。しかし、鉄道事業だけではこれは赤字のようです。と申しますことは、鉄道事業というのは非常に企業費が要るのですね。企業費がよけい要るということは認めてやらなければいけないのです。そうでありまするから、極端にいえば、沿線を利用してデパートをこしらえたり、土地を思惑したりして食っておるとも言えますけれども、しかし、現在の私鉄の状態からして、一割や一割余程度の配当は、これは株式会社でございまするから、やはり株の値段ということも相当その会社の信用に関することでございますから、私は現在の配当はそう悪いものではないと思っております。

木島虎藏自由民主党

○木島虎藏君 私はちょっと二、三御質問したいのですが、今お話になりました大手十三社か十四社ですか、このうちの二、三の例外を除きまして、大部分は東京、大阪の都市交通の役目を果しております。しかも、戦前はどらちかといいますと近郊輸送、この目的を果しておったやつが、戦後、最近に至りまして、都市の膨張によって、もうほとんど都市交通そのもののようになってしまったと思うのです。そこで、戦前における全体の輸送量の通勤輸送の割合と現在の全体の輸送量の通勤輸送がどの程度に変化しておるか、おそらく戦前よりは現在の方が通勤輸送のウエートが非常に高くなっておるのじゃないかと思います。その点を一つ。  それからその次に、通勤輸送ですね、通学、通勤を込めましてこれの運賃割引が戦前と現在とどういうふうに変っておるか。それで両面から見まして経営状態が戦前と戦後とその尺度が一体どういうふうになっておるか。  それからもう一つ、戦後になりますと、バスが非常に発達しまして、どの事業もどの電鉄もバスを兼営しておる。このために戦前ならば鉄道一本で輸送しておったものを、バスと鉄道と両方でその客を輸送しておるような状態ではないか、そういう点から鉄道の経営がどういうふうになってきておるかという点を一つお聞きしたいのです。  それからその次は、先ほど市川さんからお話がございましたが、私鉄は株式会社と、なるほど株式会社で、原則は利益の追求でしょう。ところが、その私鉄のやっておる事業の実態は公共の福祉に関することが絶大です。そこで、この事業の内容をあまり弱体化していくと、あるいは砂利の入れ方が少かったり、線路をかえなかったり、あるいは車両の改善をおくらしたり、こういうようなことで相当人命に影響する、危険があるのではないかと、そういう点の設備の老朽化が一体戦前と戦後とどういうふうになっておるのか。  それからもう一つ、私は今度は見方を変えまして、戦前には先ほど申しましたように、電鉄というのは近郊輸送だった。だから畑の真ん中の畑のあぜ道といいますか、農道と申しますか、そういう所を鉄道が通っておった。ところが、現在はこれが町になっておる。そうして非常に交通が頻繁になって、しかも、道路が狭隘で自動車が電車に引っかけられたり、あるいは人間が引っかけられるような踏切り事故の危険が非常にふえておるのじゃないか。先ほど五カ年計画で車両を直したり、あるいは鉄道を直したり、あるいは線路を直したり、あるいはホームを直したり、いろいろなことをやるのだとおっしゃっておりましたが、鉄道に乗っておる人でない近所の住民から見ますと、やたらに電鉄が繁盛して、自分たちの生活を脅かされる、子供もうっかり遊べない、どうしても踏切りの施段を強化することを五カ年計画に加えてもらわなければならない、こういう点につきまして、五カ年計画で踏切りなんかのことを——一般住民の不安ですね、そういうことについてどういうふうにお考えになるか、これらの点についてお聞きしたいと思います。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) お答え申し上げます。今木島委員から御指摘のごとくに、在来、たとえば東京で見ましても、いわゆる都心地域と郊外地域の人口分散というものがちょうど逆の姿になりまして、郊外地へ行っておる。いわゆる七、三が三、七に逆転しておるということによりまして、おおむねこういう電鉄が通勤、通学を主体とする都市交通の重要な機関になったということは、事実でございます。都市交通審議会でもその点の御指摘がございまして、これらの整備拡充についての政策を打ち出していただいております。これらに見合わして先ほどのいわゆる輸送力増強五カ年計画も作成しておりますが、この交通内容が、いわゆる定期客と定期外客というものがひっくり返りましたことも事実でございます。で、数学的に申しますと、実は戦前の数字がちょっとございませんので、三十四年の数字で普通のお客と定期のお客、普通のお客は大体ラッシュ・アワー以外にお乗りになるのが多いのでございますが、ラッシュ・アワーのお客とがまあ半々くらいでございました。だから戦前は、数字はちょっと忘れましたが、もっと普通のお客の方が多かったはずでございます。それがただいまでは大体六、四になっております。これはまあ会社別に数字は異なりますが、概数でよろしゅうございますか。——大体六、四になっております。定期の方が六と、それから定期外——普通の客が四、実数で見ましても定期客の伸びはきわめて微弱でございます。定期外の客の伸びによってそれがずっと伸びておる。従いまして、この収入の伸びというものが非常に悪くなっております。ここ両三年を個々の会社にとってみましても、はなはだしいのは、数量は伸びておりますが、収入が八しか伸びないという、約四年間で八ぐらいしか伸びない。一年二ぐらいしか伸びない。多いものになりますと、大体二十くらい、一年間に五ぐらい伸びておるものもありますが、大体二ないし三ぐらいしか伸びないという姿は、このために起っておる姿でございます。で、これが今御指摘になりましたように、収支の状態に対しましては非常な影響を及ぼしておるわけでございます。今日のように、この定期客を運びますためには、朝の一番込む字間の輸送力をある程度持たなければならぬ。これは帰り道はからであり、昼は遊んでしまう。それから運転従業員にしても、営業従業員にしても、そのときに改札もみな開くし、電車も運転するということで、人間も最大ピークを持つ、ために支出の伸びに対しまして収入の伸びがきわめて悪くなって参る。大手筋を見ましても、支出の伸びは、大体年間にいたしまして、はなはだしいものになりますと一割五分ぐらいずつ年々収支が伸びて参る。平均いたしてみましても大体八分ぐらい、六分から八分ぐらいの支出の伸びが来ております。これはそういう施設要員の人件費なり、減価償却、利子諸費の関係でありまして、鉄道に関する収支状態というものは年々悪化を告げて参るというのは、ひとえに本来の持っておる使命並びに定期客の占める割合によるものであります。  従って、また今御指摘の運賃の問題でありますが、現在運賃の賃率は、先ほど申し上げましたように、国鉄は先般上げまして二円四十銭に相なりましたですが、これは各社で違いますが、大体二円十五銭から二円二、三十銭というのが、今の大手筋の賃率でございます。で、区間制をとっているところは区間制でございますが、賃率としては大体二円十五銭ないし二円二、三十銭という賃率でございます。前国鉄が二円十五銭で、国鉄と同じのもございますが、二十銭なり、二十五銭なり、三十銭なり程度が高いわけでございますが、これは通勤につきましては、御案内の通り通勤の普通お乗りになります乗車距離というものは、普通客と違いましてそう長くございませんから、特に私鉄の物件は、国鉄と違いまして比較的短かい距離を走っておりますので、実額にいたしますとそう大して定期は変っておりません。割引率が国鉄と全く同じに八割ないし九割、ああいう通学定期のごとき九割二分というような、それに近い高率割引を現在しております。従いまして、これは国鉄と同様にもう定期のお客につきましては、高率割引のために、社会政策割引のために、原価はまかなえないというこの姿が先ほどの収支にも現れて参るわけでありますが、これは全く割引率は国鉄と同じでございまして、従いまして、戦前の割引率が、御案内のように戦後インフレが起りまして、運賃改訂、運賃改訂でインフレを追っかけましたときに、社会政策的な見地から定期の客の運賃というものを比較的低位に抑えたために、この八、九割の割引というのが出て参りまして、戦前は六、七割の割引でございました。従いまして、この事情は私鉄についても同じでございます。現在この私鉄の運賃の定期が高いということが一般的に言われておりますことは、これは実は運賃制度の問題でございます。というのは、この運賃率なり割引というものは、今御説明申し上げましたように、ほとんど国鉄と違いはないのでございます。ところが、国鉄から私鉄へ行かれる方、私鉄から国鉄へ行かれる方、これが多いわけで、これは大阪ではそう——まあ最近はふえて参りましたが、そう東京ほどひどくございません。交通機関の配置がああいうふうになっていますから。東京で特に問題になるのは、先ほど申し上げた通りに、東京の交通対策というものが大体環状線というものがありますために、環状線で打ち切って、そこで乗りかえて都心に入るという交通形態を在来歴史的にとってきております。それは今後直通運転ということで乗りかえをしないで済むように新しい施設を整備したいというのがわれわれの気持でございますが、そのために国私鉄にまたがる定期というものが高くなるのでございます。これは運賃制度上の問題で、実は打ち切り計算をしております。社が違うものでありますから、会社は会社の運賃、国鉄は国鉄の運賃、それを別々に計算いたしまして併算いたしております。それを足し算するわけでございます。そのために国鉄なら国鉄だけで同じ距離を行く、私鉄なら私鉄だけで同じ距離を行くのに比べますと著しく高くなるわけでございます。これを何とか通算制度にできないものかということで、これは都市交通審議会の御答申にもございますので、ここを相当深刻に研究しておりますが、現在の運賃の率から申しますると、この通算によります国鉄の減収額が非常に大きな額になります。それと、まあ私鉄の減収額があるわけでございますが、これをやりますのに二つの方法があるわけでありまして、一つは、現在の運賃割引が、あまりにも原価から見て高率である、少しこれを戦前並み、五、六制なり六、七制に戻す、この機会にこれを是正するという方法が一つと、それからあるいは今のままで高い方にこれを合わすという方法、こうすれば減収額が出ないのでありますが、それでは通勤者の負担が多くなる、低い方に合わすと減収額が多くなるということで、これをどう解決したものかということを検討しておりますが、現在国私鉄にわたりますものの併算制度というのが問題なのであります。従いまして運賃の賃率及び割引制度そのものでは、同じ距離を行きますれば、国鉄だけ乗る、私鉄だけ乗ればそう違わない。国私鉄にまたがるものについて、私どもはこれは制度上の問題でありますので大いに検討は加えておりますが、今にわかに実行することが、いろいろな問題のなお解決を要しますので検討を加えておるわけであります。  さらに、従いまして、先ほど御指摘の収支の問題から自動車の問題、これも御案内のように、戦前においては自動車交通というものは発達しておりません。従いまして、大体兼業で自動車をやっておりますのが通例でございますが、この定期以外の普通のお客の伸びがとまっておりますのも、一つには自動車へ移っております。従いまして、また自動車が相当その社以外の複数制度になって走っておりまするから、それぞれ自動車によって置きかえられておる。特に昼間の普通客がしかりでございますし、あるいはさらに一般の例の遊覧バスというものの非常な発達によりまして、これがまとまったものはとられていく。これは将来の見通しから申しまして、これはいい悪いと申しますよりも、交通政策から見ても、この配分は当然自動車交通というものとあわせて考えますと、これを無理に鉄道に戻そうといたすべき筋合いのものではないのでありまして、やはり自動車で運ぶべき分野に属する客がございます。従いまして、鉄道としてはやはりその本来の使命である短時間の大量輸送ということにどうしても主眼を置かざるを得ない。これは先ほど申しました通り、遺憾ながら採算的にいえば、どうにもペイのしにくいものでございまするが、これをいろいろな措置によって輸送力増強に応じて近代化とともに、あわせて合理的に解決をいたしていきたいと思うのであります。  それからもう一つ大きな問題は今お話のやはり踏切り問題でございます。先ほど申し上げましたこの五カ年計画の線路の関係におきましても、それぞれの踏み切りについての費用を考慮してございます。ただ、踏切りの問題につきましては、会社ばかりに、また国鉄ばかりに改良を命ずるわけにも参らぬ筋合いがございまして、これは御承知の通りに片方で、一方は道路でございます。一方は鉄道でございまして、現在は道路に関する限りでは道路法、鉄道に関する限りでは鉄道法ということでそれぞれやっておりまして、従いまして、両方の相談でやる、協議ということによって解決しておるのが現在の法的建前でございます。従いまして、道路管理者と鉄道管理者とが協議するというので、結局、協議々々でなかなかうまく参りませぬ。従って、これはどうしても踏切りというものを、道路でもなければ鉄道でもない、特別の交通施設である。それでそれによって費用の分担もきめ、管理者もきめ、さらに現在御承知のように非常に踏切りの数が多うございます。中央線とか京浜電車等になりますと、二百メートル置きに一カ所あるというような状態でございまして、これはどうしてもやはり踏切りというものはちょうど川を渡るときの橋みたいなものでございますから、そうたくさんなくても、しかし、あるものについてはりっぱなものでなければならないというので、整理統合いたしまして、その必要なものについて、これをいいものにするということが必要でございますので、これらのものをあわせて実は鉄道と道路との交差に関する法律案というのと、踏切道の整備法というものを実は考えておりまして、これは政府部内で目下検討中で、できるだけ一つ早急に通常国会にでも国会に御提出いたしまして、諸先生方の御審議をわずらわして、ぜひ通していただきたい、これによって今の国鉄に対しても同様でありますし、私鉄に対しても同様でありますが、踏切りの整備を一そううしろから促進をいたしたいと思うのであります。なお、踏切りにつきましては、実は事故の原因を調べてみますると、御案内のように、はとんど自動車でございます。その自動車も例の三輪車あるいは自家用車等と、バスは一番事故がございませんが、自動車の著しい伸びによっておりまして、しかも、その原因が、ほとんどその八五%までが一たん停車を怠っておりますのが実例でございまして、これは何とか一たん停車をしてもらう。しかし、と申しましても、設備をよくすることが絶対に必要でございますので、この五カ年計画に入れておりますが、実は今申しました根本的な立法措置をあわせてわれわれとしては特段に促進したいと考えておる次第でございます。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 議事進行について。私鉄運賃の値上げの問題については関心が深いので、各委員から多数の質問が出ておる。もはや時間は労働基準法によるとあと十分しかない。きょうはこの程度で打ち切って、明日午前中大臣も御出席のようだから、明日に一つ回してもらいたい。一つ委員長の方から皆さんにお諮り願いたいと思います。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 私鉄運賃だけの問題はどうですか、片をつけるわけに参りませんか。  ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 速記をつけて下さい。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それでは今のお話もあったので、簡潔に御質問を申し上げますから、一つお答えの方も簡単にお答え願いたいと思います。私の聞きたいことは、しろうとが聞くのですから、しろうとにわかるようにお答えを願いたいと思うのです。きょうの大臣のお話か聞いておりますというと、まだ私鉄運賃値上げについては、さっぱり白紙であるというようなお答えがあったのですが、前の運輸大臣の宮澤さんのときには、私鉄の申請のある前にすでに運賃の値上げを認められたように伺っておる。これについて一ぺんお伺いしたいと思っておったのですが、おかわりになりましたからこれはもうあれですが、そこで、私のお伺いしたいことは、先ほども市川先生の方からお伺いになったのですが、いわゆる国鉄の企業体と私鉄の企業体と違うという点ですね、この点について少し突っ込んでお伺いしたいのですが、今大手十四社のうちで赤字線になっておるところが何%くらいありますか。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) 赤字線、黒字線のとり方をしておりませんので、線別の計算をしておりませんので、お答えできませんが、大体、たとえば東武でいえば本線以外が赤字があるとか、名古屋鉄道でいえば、名古屋—岐阜間以外が赤字であるということが常識で出て参りますが、申請区間の全線についての原価計算をやっているわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 私はまあしろうと考えでちょっとふに洛ちないという点は、国鉄はなるほど旅客運賃につきましても八〇%が赤字であって、二〇%が黒字であるということは、この前の審議のときにお伺いしたわけなんです。私鉄が果してそういうような非常に大きな割合でもって赤字線を持っておるのかどうか、いわゆる営利会社がそういうような赤字線をたくさんかかえておるのかどうか、これを非常に私は疑問に思うのですが、そこからいろいろな判断の出発点にしようと、こう思うのですが、その点についておわかりになりませんか。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) その点は先ほど申し上げました定期客の増加というものによりまして、その全体が赤字になって参るのでありまして、線別には見ておりませんが、一部赤字線を持っておることは事実でありますが、おおむね都市付近の人口稠密な地帯だから大体国鉄と同じではないじゃないか、こういう御議論はごもっともでございます。しかし、国鉄をながめてみますると、御案内のように、国鉄の黒字線というものの内容は、三等普通客にょって黒字になっておる。従って、三等の定期客というものによっては黒字になっておりません。山手線のごときは黒字でないかとおっしゃるかもしれませんが、これはいわゆる戦前の投資というものをすでに償却し切っているあの価格で計算しておりますからでありまして、これを新規投資の格好でもって参りますれば、明白な赤字であります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 まあ今国鉄の例をおっしゃったのですが、私は株式会社という形態の私鉄の問題を言っておるわけであります。この株式会社という営利会社がたくさん赤字の線路を承知でもって路線を開設するということはちょっと考えられない。これはやはり開設をしてから赤字になるという問題もあると思うのですが、私は大部分の路線が黒字じゃないか、一部の部分が赤字線である。昔は赤字線に対して国家補償があったのですが、今はそれがない。ですから私は大部分が黒字であるという判断のもとに議論を進めて、しろうと判断をするわけです。そこで、おそらく増強される部分は黒字の部分だろうと思う。赤字の部分は増強されないだろうと私は思う。普通の生産会社であれは、生産増強のために商品のコストを上げるということはない、これは普通の営利事業からいったら。そこで、輸送力の増強は、すなわち増強した部分はそのままやはりまる取り収入の増加になる、こういうことになるのじゃないかと思う。輸送力増強のために運賃値上げをする、こういった場合に、五年たって輸送力が完全に増強されたという場合には、いわゆる増収分というものはまるまる増収になってくるのじゃないか、その以後は、ということも考えられるのですが、そういうことはないのですか。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) 御案内のように、この地方鉄道というものは、敷設の当初は赤字であります。これは数年間は赤字であって、歴史を見ても補助でもって今日に来ております。これらの鉄道はその後黒字になっております。しかし、それが戦後においてこれが赤字になって参ったというのは、定期その他の問題でありまして、本線といえども、現在は赤字であります。それはいわゆる輸送量が六、四なり七、三であるのに、収入量は逆に三、七、定期の収入は三しかございませんから、従って、今黒字線というものはないわけであります。それから次の御指摘の五カ年計画ができたら、増収分だけは全く増収じゃないかということは、これは国鉄のときには、これは公共企業で国家企業でありますから、いわゆる五カ年計画の投資に見合う利子、減価償却を原価として見ておりますが、これは私企業でありますから、先ほど申しました原価しか見ていない。将来の投資に対する利子償却というものは見ておりません。従って、一定の年次の既設投資の原価しか見ていないのでありますから、今後の投資というものは、先ほど申し上げました自己資本比率で三、七なり四、六でもって他人資本を借りて参って信用力の上にやるのでありまして、そのときの利子償却費というものの負担力は考えておりますが、増収、それが国鉄的な原価の黒字になるというものではない。私企業でありますので、そういうふうになって参ります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それで今の御説明でそういうことはわかるのですが、国鉄の場合には貨物運賃が赤字であり、あるいはまた旅客運賃の面においても八〇%の赤字である。しかも、これは公共企業体のために、そういういわゆる交通を維持しなければならぬ、こういうことから運賃の値上げという点もある程度やっぱり肯定しなければならぬ面もあると思う。私鉄の場合も、まるっきりこれは反対するという意味ではありませんが、そこにやっぱり国鉄の場合と少し違ったところがあるのではないかと思うわけなんです。私企業である限りは、当然これは、初め開設当時は赤字でしょう。赤字でしょうが、これによるところの将来の事業収益というものを見なければ、これは営利会社は成り立つわけはない。未来永劫赤字のものをそこに開設するはずは私はないと思う。そこで、そういう問題はそれとしまして、さっき御説明あったように、中小企業、中小私鉄、それはそのつどそのつどいろいろな値上げ案件を処理せられておるのですが、大手十四社に対しては、今おっしゃったところによるというと、本線も赤字だ、ほとんど赤字だ、こうなっておるにもかかわらずこの大手十四社は今まで放ってあった。そして国鉄運賃値上げのときに問題にして値上げをする、こういうような取扱いになっておるのですが、これは何か理由があるのですか。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) 従来たまたま国鉄とほぼ同時期にしたという事例がございますが、今回はすでに国鉄と同時期ではございませんし、各個の審査をしているわけであります。ただ、国鉄との調整を考えなければならぬ区間が実際にはございます。たとえば品川から横浜へ行くのに、同じホームから同じホームへ行くというようなものについても、これは交通機関の特性上、調整運賃が望ましいというのは、これはあとから調整上判断が出て参りますので、その全体の原価計算なり値上げの申請というものは、やはり申請のつどで考えておるという、今回の例が大体そういうふうな原則にのっとってやっておる、こういうわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これは深くお尋ねいたしませんが、今同じ時期じゃないとおっしゃるのですが、同じ時期なんですよ。国鉄運賃値上げは四月一日からでしたかね、これは時期的にも同じだと私は思う。こういう時期に運賃値上げの申請をしてくる。それまでは赤字でもそういう処置はしない。中小企業のものはそのつどやっておる。ここに私は赤字黒字というもの以外に、何かやっぱり政策的なものがあるような気がする。それはあなたがちょっとおっしゃったように、並行線のような場合、全国にたくさんあるわけなんです。特に大手筋の場合にはこれがあるわけなんです。従って、その場合には、国鉄の運賃が値上げになった場合、その部分に対してこれが経営が赤字だ、黒字だでなくて、双方のバランス、均衡上やっぱり考慮しなければならぬ、こういう問題が出てくるんじゃないかと思うのですが、こういう問題どうですか。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) その点は御指摘の通りに存じます。在来そういう調整運賃の考えで処理した事例もございます。しかしただ、御案内のように線別の運賃というのは取れませんものでございますから、またその会社全体というものの鉄道の収支について、先ほどの査定を行なって、部分的な調整ということで、そういう交通調整的な見地も織り込んで、そうしてまたさらに全体の収支を再検討する、こういう格好で奔走を加えたいと思っておるわけであります。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 それから運輸審議会についてちょっとお尋ねしたいのですが、運輸審議会の答申待ちだ、こういうお話があったのですが、しかしながら、私鉄の運賃ばかりでなく、やはり運輸審議会の結論というものは、これは最近においては、運輸省の意向をまず聞いて、その意向に従って大体答申を出す、こういうような傾向が最近非常にあるように思うのです。そういう点については、実情どうなんです。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) 私はまだ経験は短かいのですが、何も運輸省が運輸審議会に圧力を加えるとか、そういうようなことは私はないと思います。また私はそういうことを考えておりません。ですから運輸審議会というものは独自の見解でなさるべきものであって、また私どもはそういうものに干渉するという考えを持っておりません。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 理屈はそういう理屈であります。趣旨はそういう趣旨であります。ところが、最近においては、あなたの方も、圧力を云々という、そういう問題ではなくて、運輸省の意向を聞いてその意向に従って大体答申案をまとめていくという傾向が非常に濃厚のように聞いておるのです。ですからそういうようなことになりますと、免許行政なり認可行政というものがさか立ちのような格好になるのじゃないかということをおそれるわけです。そういうような事情があるのかないのかということをお伺しておるのですが、これは大臣新任早々なんですが、局長どうなんでしょう、そういう実情は。

權田良彦運輸省鉄道監督局長

○説明員(權田良彦君) その意向という問題でございますが、こうしてくれ、ああしてくれという結論めいたことの意向について、そういうことは事実私は承知しておりません。資料として向うが詳細な資料を要求して参りますし、こちらがまた詳細な資料を説明いたしますし、そういう検討ということは、十分意見交換はいたしまするけれども、結論について、こちらの意向が、向うの意向が、ということはないと思っております。

大倉精一日本社会党

○大倉精一君 これはまああまりお尋ね申し上げても、これはのれんに力というようなことになりますから申し上げませんが、そういうことのないように一つ十分運輸審議会の運営を、公正に、しかも、権威のあるものにしていただきたいと思うのです。そうでないと、免許行政なり認可行政というものは、法律があってなきがごとし、こういうことになりますので、その点は十分大臣、御注意願いたいと思うのです。従って、今度の私鉄運賃値上げの問題にいたしましても、あるいは個々の事業の免許にいたしましても、そういうような問題について、これは運輸省といたしましても、十分その点は大臣として一つ関心を持たれて、そうして運輸審議会が少くとも外部からの圧力によってそういう審議会の任務というものを曲げることのないように十分一つ善処をいただきたいと思っております。

中村三之丞自由民主党運輸大臣

○国務大臣(中村三之丞君) これは私も就任以来非常にそのことを経験しておるのです。これは痛切に感ずるのです。ことに、運輸審議会が外部の業者から動かされないように私は希望するのです。独立したほんとうの見解を持ってもらいたい、それならわれわれはそれを尊重する、こういうのでありまして、この点は十分注意いたしたいと思います。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 柴谷君、いかがですか。

柴谷要日本社会党

○柴谷要君 本日は質問を保留して、明日にしたいと思います。

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕

天田勝正日本社会党

○委員長(天田勝正君) 速記をつけて。  それでは本日の質疑はこの程度にいたしまして、明日は午前十時正確に開会いたしますので、御協力を願います。  本日は散会いたします。    午後五時十一分散会

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