P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
26回国会衆議院1957/04/20

予算委員会 第20号

発言数
38
登壇者
7
会派数
1
開催日
1957/04/20

会議録

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。理事重政誠之君より理事を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  つきましては、ただいま辞任いたしました理事の補欠一名及び委員の異動に伴う欠員二名、計三名の理事の補欠を選任いたしたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 御異議なしと認めま  よって、理事に宇都宮徳馬君、坂田道太君及び川俣清音君を指名いたします。     —————————————

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 それでは昭和三十二年度特別会計予算補正(特第1号)を議題といたします。  まず提案理由の説明を求めます。池田大蔵大臣。     —————————————

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 政府は、今回、昭和三十二年度特別会計予算補正第一号を国会に提出いたしましたが、ここに予算委員会の御審議をお願いするに当りまして、その概要を御説明申し上げ  今回の予算補正は、新たに設置を予定いたしております臨時受託調達特別会計の予算につきまして、国会の議決を求めよりとするものであります。  日本政府に供与される艦船を国内において調理することに関しましては、かねてアメリカ合衆国政府との間において協議を重ねて参ったところ、最近に至りようやく下打ち合せも終ったのでありますが、その際アメリカ合衆国政府におきましては、諸外国との間の先例もあり、いわゆる直接調達方式によることなく、日本政府との問に契約を締結し、日本政府が国内において調達する方式をとりたい旨申し入れがあったのであります。  政府といたしましては、提供される艦船の調達が国内において行われますことは好ましいことと思われます。し、また間後調達方式によりましても別段異存がございませんので、この申し入れに応じたいと考えます。  アメリカ合衆国政府との間に、同国政府の負担におきまして艦船を調達して引き渡すことを目的とする受託調達契約を締結し、この契約を履行するため、政府が国内においてその調達をいたしますためには、予算措置によらなければなりません。この場合には、特別会計を設置してその経理を一般会計と区分して行うことが、財政法の建前に沿うものと考えられますので、この際臨時受託調達特別会計の新設につき、別途法律案の審議を国会に求めるとともに、ここにその予算につきまして、御審議を願うこととなったのであります。  今回予定しております艦船は、二千三百トン級二隻でありまして、その建造所要経費は約六十七億円と見積られております。今回の予算補正におきましては、その総額につきまして契約を締結する権限を政府に与えられますよう国庫債務負担行為につき議決を求めますとともに、艦船の出来高に応じてアメリカ合衆国政府から支払いを受けます金額を受け入れ、これをそのつど直ちに支払いに充てますために、昭和三十二年度に予定される十二億七千万円の歳入歳出予算の御審議をお願いするものであります。  アメリカ合衆国政府との間におきましては、この調達に関しおおむね下打ち合せも整っておりますので、これを実行に移すため、すみやかに御賛同を得たいと存ずる次第であります。  なお、公共企業体等の給与問題につきましては、公共企業体等労働委員会の仲裁を尊重いたします趣旨のもとに所要の予算措置を講ずるよう準備を進めております。一両日中には国会に提案いたし御審議を願う所存でありますことをこの機会に申し添えておきます。

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 次に、防衛庁長官の説明を求めます。小満防衛庁長官。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 防衛庁は、かねてから、日米相互防衛援助協定による援助の要請に当り、警備艇をわが国において城外調達をした上でわが国に供与されたい旨 米国政府に要請してきた次第とありますが、本年当初に、米国政府より防衛庁に正式に米海軍の軍事援助計画として、二千三百トン級警備艇二隻を日本で域外調達した上で、日本に供与する旨の意向の表明がありました。  その後、本艦船は日本において城外調達するも、従来のように、米軍による直接調達方式にはよらず、日本政府に調達を委託する方式によりたい旨の情報を得ましたので、直ちに関係各省間で検討するとともに、他方わが国の事情に適合する調達方式の採用方について米国政府と交渉した次第であります。  数次にわたる交渉の結果、艦船の建造のごとくこれに多額の費用を要し、また完成までに長い時日を要するものについては、これが設計、監督、検査のために技術専門家等を調達現地に常置させる必要があり、信用ある政府を相手方にしてこれらの仕事をまかすのでなければ実施が困難である事情及び本予算の使用についても時期的制約がある事情が明らかになりました。  これらの事態に対処するため、さらに関係各省間において検討を加え、三月下旬に来朝しました米海軍省の交渉団との間におもな内容について討議を重ね、その概要についての下打ち合せが終った次第であります。政府が本艦船の受託調達を実施するに当りまして、政府の経理を適正にするため特別会計を設置することといたしましたことは、大蔵大臣の提案理由説明にありました通りでありますが、本受託事務は、本艦船が域外調達せられました際は、防衛庁に無償で提供される予定でありますのみならず、設計、監督、検査等につきまして防衛庁発注の艦艇との関連性を考慮いたしまして、防衛庁がその事務の衝に当ることが至当と考えられますので、従前の防衛庁の権限に本受託調達事務に関する権限をつけ加えて規定することといたした次第でございます。

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 これより質疑に入ります。船田中君。

船田中自由民主党

○船田委員 ただいま三十二年度の特別会計補正予算につきまして、大蔵大臣の御説明があり、また防衛庁長官から御説明を承わったのでありますが、本予算案を審議するに当りまして、その前提となるような幾多の問題がございます。第一には、岸総理大臣が近く東南アジア及び北米合衆国に外遊せられる、出張せられて、東南アジア諸国の首脳者との会談、あるいは日米関係の再調整というようなきわめて重大な問題につきまして、首脳者との会談をせられるということも承わっておりますので、防衛問題と関連いたしまして、それらの二、三の事項につきましてお伺いをいたしたいと思います。  まず第一に、総理大臣の外遊のことでございますが、これはすでに新聞、ラジオ等によって報道されておりますが、正式に私どもは承わっておりませんので、その外遊の計画なり目的なり概要を、お差しつかえない限り、ここでお示しを願いたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 私の近く東南アジア諸国及びアメリカを訪問して、これらの国々の首脳者と会って各種の問題についての話し合いをするということにつきましては、すでに一部は新聞等において発表されておる通りであります。それは、アメリカ政府から正式に六月の十九、二十、二十一の三日間にわたって、ワシントンにおいて、大統領初めアメリカの首脳部と、日米問題の根本の考え方について話し合いをするという意味において招請をされておりますので、これを受諾いたしまして、アメリカに参るつもりでおります。またそれに先だって、かねて私が企図いたしておりました東南アジア諸国のうち、時日の関係もありますので、全部の東南アジア諸国を回ることはとうてい不可能でありますが、その一部の国を訪問したい、かように考えまして、これらの国々にはそれぞれ都合を問い合せ中でございます。国会が終りました後、訪米前にその東南アジア諸国を回りたいという考えのもとに、これらの国々の事情を打ち合せ中でございます。大体は五月の二十日過ぎから七月の初旬にかけて、私の訪問したいと考えております国々の都合も大体都合がいいような状況にありますので、もう少し日程その他につきまして、具体的に今研究中でございます。  この東南アジア及びアメリカ訪問の二つの目的は、訪米につきましては、かねて予算委員会その他の機会にその目的を申し述べておりますが、私の考えは、日本が自由主義国の立場を堅持して世界平和を増進するという考えに立って考えると、アメリカとの関係におきましては、従来いろいろな密接な関係があり、将来も緊密な関係を続けていかなければならないと考えるのであります。それについて、過去十年余にわたるアメリカとのこの戦後における関係というものをいろいろと検討してみ、また将来において正常な、堅実な、強力な協力関係を作り上げる上につきましては、十分アメリカと日本との関係の基礎について、基本的な事項について率直に話し合うことが必要であるということを痛感をいたしておりまして、そういうことをいたして参りたい。決して個々具体的の問題について、それの解決について交渉をするという意味ではなくして、その前提となるべきものの考え方や日米関係のあり方についての基本について話し合って参るのであります。  また東電アジア諸国との関係につきましては、これらの国々が最近に独立し、また日本との間に友好的な関係が結ばれておりまして、これらの諸国から総理もしくは重要なる首脳者が日本をたずねておりますけれども、日本からはまだ正式に総理または外務大臣等がたずねたことがないのでありまして、将来の親善関係を深めていく土からいえば、この機会にそういうことが必要である。さらに進んで、最近の国際情勢、また将来の国際情勢を処理していく上におきまして、日本がアジアの一国とし、東南アジアの諸国との間にはおのおの考え方あるいは利害の共通しておる点も多々ありますし、また東南アジア諸国の政治的、経済的、社会的安定というものが作られるということについては、日本は極力その基礎となるべき経済面において経済協力を増進していって、そしてこれらの国々の政治的、社会的、経済的の安定を作り上げるということが、日本のやらなければならぬことであると考えております。従って、これらのことについて十分に東南アジア諸国の首脳者と腹を打ちあけて話し、将来の友好関係を深めるとともに、アジアの各種問題を共通の基盤に立って解決し、その繁栄をはかっていくという意味において十分に話し合いをしてみたい、かような考えをもって両方の訪問を企図いたしておる次第であります。

船田中自由民主党

○船田委員 ただいま総理大臣の御答弁によりまして、今回の外遊の目的及び外遊の大体の御計画は承わりました。私どもは、その外遊の目的及び御計画に対しましては心から賛成いたすものでございますが、ただ、ただいま総理もお話しになりました、東南アジア諸国との経済協力を推進するという問題につきましては、本委員会におきましてもたびたび論議されておりますがごとくに、わいゆるかつての大東亜共栄圏の建設といったような、わが方が優越感を持って臨むというようなことでありましたならば、またそういう誤解を相手方に与えるということでありましたならば、せっかくの総理のただいまお話しになりましたような構想が裏切られることになり、また国民の期待も裏切られることになるのでありまして、それらの点につきましては、十分なる御注意をもって、慎重なる態度をもってお話しあらんことを期待いたすのでありますが、ことに今まで、終戦後日本に対しまして終始一貫非常な好意を持って、日本の国連加盟にも協力をされたというような国々が、たとえばセイロンのごとき国もあるのでありますが、総理が今後訪問されるについての御計画の中に、それらの国々も訪問されるのであるか、すでに予定されている東南アジア諸国の訪問されんとする国々は、どういうところをお歩きになるのであるか、それらの点も、お差しつかえない限り御説明を願いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 東南アジアの諸国の中で私が今回訪問したいと考えておりますのは、タイ、ビルマ、インド、パキスタン、セイロン及び台湾を考えております。

船田中自由民主党

○船田委員 外遊をせられるにつきまして、先ほど岸総理大臣兼外務大臣としての大体の考え方、ことに外交の基本路線についての御説明を承わったのでありまして、当委員会におてもたびたびこの点は明示されているのでありますが、一方においては、国連の中において、国連を中心としてアメリカを初めとする自由主義国家群と緊密なる協力関係を進めていく、しかし同時一に、日本はアジア・アフリカ・グループの一員として、それらの国とも善隣友好、あるいは経済協力関係を進めていく、これは外交路線としてまことにもっともな考え方であり、抽象的に申せば、その通りであると存じます。しかしアジア・アフリカ・グループと申しましても、その中にはずいぶんいろいろなものがある。最近のエジプトあるいは中東方面における問題をはさんでも、いろいろ対立関係にある。インドのごとく中立政策をとっているものもあり、またイラン、イラクといったように、西欧にきわめて親近感を持ってこれと協力関係にあるものもあり、またエジプト及びアラブ大部分の諸国のごとくに、反西欧的であり、親ソ的であるというものもある。アジア・アラブ・グループと申しましても、われわれが見ましても、大体そういう三つのグループに分れておる、こういうような関係にありまするので、抽象的にはなるほどアジア・アフリカ・グループの一員として、これらと善隣友好関係を進めていかなければならぬと申しましても、これを具体的にどうやっていくかということは、私はきわめて困難な事情があると思います。それからまた岸総理は、内政と外交の一体化ということを言われております。これも抽象論としてはまことにごもっともでございます。国民感情を無視し、内政の裏づけなくして外交を進めるということはできないのであります。しかし、具的に問題をとらえてどうやっていくかということになりますと、具体問題としてはなかなかむずかしい。そうして結局日本はどっち向いて歩いているのだ、いわゆる自由主義国家群とも協力する、アジア・アフリカ・グループとも善隣友好関係を持っていく、こういうことにつきまして、一体日本はどっち向いて歩いていくのか、重点はどこにあるのだ、そういう点について、いろいろ批判を受ける場合も起ってくると思うのであります。これらの点につきまして、総理兼外務大臣として、日本の外交の基本路線をどこに置いて進まんとするかということについて、御明示を賜わりたいと存じます。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 申すまでもなく、日本の外交方針はいわゆる平和外交、世界の平和を増進し、人類の間に平和をもたらして、人類の自由ある繁栄をもたらすという大きな目標に向っていくわけでありますから、私はどの国とも友好関係を開いて、そうして国交を正常化していくということにつきましては、すでに共産国の指導的立場にあるソ連との間に国交を正常化したのも、そういう意味だと思います。しかし、われわれはあくまでも民主政治の完成ということが理想であり、またこれによってのみ人間の自由ある繁栄を期せられるものであるという政治的理念に立っておりますがゆえに、その意味から申しますと、私は、世界の真の平和は、この自由なる民主主義の完成によって初めてもたらされるものであると考えております。この意味において、われわれがいわゆる自由主義の立場を堅持するということを申しておりますし、私はそのために、世界の態勢が東西両陣営に対立しておるこの緊張の度も緩和する方向に導いていかなければならぬと思いますけれども、その根底は、言うまでもなく今申したように、われわれが自由主義国の立場を堅持して、そうして民主政治の完成、またこの民主主義によって世界の平和をもたらすという立場を明らかにいたしておりますゆえに、世界のうちにおいて民主主義、また自由を愛好する国々との間に緊密なる関係を結んで、そして世界の平和をもたらすというのが、われわれの根本的のものの考え方である、かように考えております。

船田中自由民主党

○船田委員 次に、ただいまお示しになりました基本的な外交路線の前提ともなるべき国際情勢の問題につきまして、どういうふうに見ておられるか。総理は、本会議及び委員会を通じまして、現在は大体雪解けの状態にある、こういうことを言っておられ、またそれを基本としていろいろな政策を立てられているように見えるのであります。なるほどスエズの問題も一応片がついたようであります。これは国連の非常な努力によりまして片がついて、平和的の処理ができたようでありますけれども、しかし今なおエジプトとイスラエルの対立と、ユダヤ人とアラブ人との紛争、こういうものは根を断ちません。一部においては、また再び対立が激化せんとしている、再発せんとしているという状況にあります。これに対しまして、自由主義国家群の指導者であるアメリカ側におきましては、アイク・ドクトリンが提唱される、またこれに対して極端に反対する勢力が一方には起ってきている、こういうようなことで、中近東の問題一つとらえましても、雪解けというわけには参りませんで、しかもその背景には、東西の対立というものが根底をなしている。またポーランドやハンガリーの内乱につきましても、こは一応おさまったようであります。しかしながらハンガリーにおきましては、あの十月末の内乱以来、今日は弾圧をされているようでありますけれども、いまだに東から西へのがれていく人は非常な多数に上っている。若い青年あるいは少女に至るまで、今なお反ソ、反共の運動を続けている。これに対して国連が幾たびか決議をして、あるいは勧告をして、ソ連の武力干渉を阻止せんとしているけれども、いまだにそれに対しては、何らソ連はその勧告にも従っておらない。結局国際社会においては、正義も力の前に屈服する、こういうような状況になっている。その背後には東西の対立というものが根を引いている。また日本の近所の西太平洋の状況を見ますれば、台湾海峡は最近しばらく穏やかのようであります。しかしビルマと中共との関係はどうか。ビルマの約一千方キロにわたる地域というものは、中共軍の進出によって占領されている。ビルマの東北方のシャン地区その他四つの地域におきましては、今血みどろの闘争が行われている、こういうような状況でございます。インドは中立政策を唱えた。なるほどソ連、中共、アメリカに対しては中立を守っている。忠実な中立国であるかもしれません。しかしながらカシミール問題については、パキスタンに対してインドの主張を押しつけようとしている。カシミールの民衆がそれに反対しているけれども、そういうことには一顧も目をくれていない、こういうような状態でございます。国際情勢が全般的に見て、なるほど原水爆を持った第三次世界大戦が今まさに起らんとしている状況でないことは何人も認めるでしょう。しかしながら、かように世界的に目を向けてみましたときに、部分的の紛争あるいは動揺というものは跡を断たない、こういうような状況になっておるのでありまして、その背後にはいずれも東西の勢力がバックとして控えておる。こういうことを見て参りました場合において、国際情勢を今は雪解けだといって甘く見ることのできない状況にあるのではないか。それらの点につきまして総理、外務大臣としての御見解御所見を承わりたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 国際情勢の分析及びその見通し等につきまして、ただいま船田委員の御指摘になりましたように、世界の各地におけるところの情勢が、決して静ひつな状態でないということは、御指摘の通りであろうと思います。ただ私が雪解けの傾向にあるということを申し上げた一番の大きな理由は、一時世界の人々のうちには、第三次世界大戦というものが非常に間近くあるのではないかというふうな緊張感が、全世界にみなぎったことがあるのでありますが、その当時から見ると、そういう大戦争というものをごく近い、目前に差し迫った問題として考えるような状態は、緩和したという意味において申し上げたのでありますが、同時に私自身が一つの設例として、そういう雪解けのときには、えてしてなだれが起る危険もあるから、十分な注意をして国際情勢を見守っていかなければいかぬということを申しておるのでありますが、私は今日の国際情勢の根本である東西両陣営の対立というものが、全体的に非常に緩和されており、安心すべき状態であるとは決して考えてはおりません。しかし最近の、これは地方的、部分的の問題でありましょうが、スエズの問題あるいは東欧の問題等を処理するにつきまして、国際連合を中心としての国際協力によりまして、とにかくこれらの問題がまがりなりにも一応解決される方向に向っておるということは、世界の各国の人人が戦争を避けなければいかぬ、平和的に物事を紛争その他事件を解決しなきゃいかぬという大きな指導精神については、各国がこれをだんだん認めてきておるという事実は、これを私は否定できないのでありまして、われわれが国際連合に加盟したこの機会に、そういう芽ばえてきておるところの傾向を大いに助長して、そしてこの対立の緩和の方向、緊張緩和の方向にさらにさらに努力することが、日本の使命である、しかし決して私は、この両陣営の対立、また共産主義国からの、いろいろな自由主義国もしくは中立的立場をとっておる国々に対してのいわゆる平和攻勢というものが、全然なくなったとか、あるいはそれが著しく緩和されたということを認めるわけにいかないことを、国際情勢の上からは非常に遺憾とするものでありまして、それらの各地に起りましたことは、たといそれが一地方の一事件でありましても、十分にその本体またその背後の関係等につき放しては、絶えずわれわれとしては検討をし、分析をして、そして世界の平和、またさらにわが国の安全保障ということに対して、常に誤まりのないように、決して甘い楽観的なことによってそういうことが脅かされることのないように、今後も注意していかなければならぬ、かように考えております。

船田中自由民主党

○船田委員 次に日米関係の再調整というようなことにつきまして、大体のお考えを伺いたいと思うのであります。日米関係は、言うまでもなく、これはわが国にとりましてはきわめて重大な関係であり、総理が今回わざわざアメリカに行かれるということは、私どもといたしましては全幅の賛成をいたすのであります。これにつきまして、参勤交代をするとか何とか、そういう批評をするものもございます。しかし私はそんなことは何ら遠慮することはないと思います。ただ日米関係の再調整につきまして、アメリカの国内に起っておる問題といたしましては、日本繊維品のボイコットの問題が、カロライナ、アラバマ両州に起っております。政府はこれに反対のようでありますけれども、アメリカの憲法上これを禁止することはできないというようなことで、この問題はただ繊維品のボイコットというばかりでなく、日本とアメリカとの経済関係におきまして、いろいろ量の上においても、質の上においても、たくさんの問題があり、交流しなければならない関係があるの、でありますが、この問題の早期解決、また日本農民の季節的入国、これらのアメリカ国内における問題の解決ということもございます。また大きな問題と、しては日米安保条約の問題、あるいは日米共同防衛の問題、沖繩施政権の問題、小笠原諸島に島民が復帰したいという要望の問題、各方面にある軍事基地の関係、あるいは駐留軍労務者の問題、ガリオア、イロアの問題、あるいは対中共貿易拡大に関する問題、幾多日米間において話し合っていかなきゃならぬ問題が山積いたしております。これらの問題について総理は、今回行かれるにつきまして、自分は何もおみやげを要求するんじゃない、おみやげを要求するというようなことは卑屈だ。私はそれはけっこうだと思いますが、しかしアメリカに行かれて問題を論議する場合において、やはり単純なるグットウイル・ミッションではないのでありますから、これらの問題について具体的の構想、腹がまえを持って折衝されませんというと決して成果をおさめることはできないと存じます。まかり間違えば、何のために行ったのかわからない、多くの国民の期待が裏切られるということにならぬとも限らぬのでございます。ことに日米安保条約、行政協定の問題は、いろいろ論議されておりますけれども、今日条約ができてからすでに六年たっておる。その間にいろいろ事情も違っておる。自衛隊もだんだん育成されてきたということはございますけれども、しかしわが党が結成せられまして、そのときに独立体制の整備という一つの大きな項目をあげて、そうして集団安全保障体制というものを前提といたし、そうして国力、国情に相応する防衛体制を整備して、外国駐留軍隊の撤退に備えるこういうことを申しておりますけれどもしかしいまだそれが完成されておるとはいえない。すなわち、外国駐留軍隊が撤退しても差しつかえない、撤退してもらいたいというまでに整備されておるとは考えられないのであります。そういう状態にあるときに、一体安保条約を改訂しよう、なるほど抽象的には片務的であるとか、あるいは感情上おもしろくないということはありましょうが、しかし、さればといって、一体どこをどう改正するのかということになりますと、これは言うべくして実際はなかなかむずかしい。なるほど検討を始めるということはけっこうでありましょうが、しかしある程度の具体的な腹案なしに話を始めるということは決して策を得たものではない、かように考えられるのであります。また沖繩の施政権の問題につきましても、これはサンフランシスコ条約によりまして、はっきり立法、司法、行政の権限を、一時ではありましょうが、とにかくアメリカ側に移譲しておる。国民感情といたしましては、一日も早く沖繩のわが方に復帰するということが望ましいのでありますけれども、しかし国際条約としてはっきりうたってありますものを、今直ちにこれを返還しろといっても、これは言うべくして実はなかなかむずかしい。こういうように考えて参りますと、日米関係の再調整ということはきわめて重大であるが、同時にきわめて困難な問題であるというふうに考えられます。そうしてこの問題が、ただ親善使節として行くのでない、最高の責任者が相手方と話し合いをするということになりますれば、やはりある程度の具体的の腹案、構想というものなしに相手に当るということはできないのではないかと存じます。それにつきまして総理のお考え、また御方針なり御意見なりを承わりたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 日米の関係につきましては、私は先ほども申し上げたように、日米の関係は真に強力なる提携、協力の関係が作り上げられていかなければならぬ。従来も非常に緊密な関係にあることは言うをまちません。しかし今おあげになりましたような幾多の問題もあります。日米の将来の正しい、また望ましい協力関係というものを考えてみますと、第一に考えなければならぬことは、日本の独立完成の見地から、われわれはサンフランシスコ条約により政治的な独立を得ましたけれども、それがほんとに名実ともにわれわれの独立が完成されておるかと見ますと、ずいぶん遺憾な点がなおあると思います。この独立の完成という見地及びあくまでも自主独立の立場から日米関係というものを律し、将来の日米関係というものを作り上げていく。不幸にしてわれわれは長い間占領下にありましたために、占領下においてできた条約であるとか、あるいは協定であるとか、あるいはものの考え方というものがなおわれわれのうちに、よく反省してみると、幾多残っておる。たとえば今御指摘になりました安保条約の問題にいたしましても、あれができましたときには、日本においては日本の自衛力というものは少しもなかった。日本の安全保障というものを、全部アメリカの駐留軍によって安全保障をされなければならないいわゆる日米共同防衛と申しますが、共同して防衛する何ものも日本は実はあの条約ができたときは持たなかった。また集団安全保障という考えにつきましても、日本は国際連合にも加盟をいたしておりませんでしたし、そういう際において日本の安全を保障し、日本が今日まで安全であったということは、安保条約に負うところがはなはだ多いと私は思います。しかし今日においては不十分ではあるけれども、まだわれわれは十分われわれの手だけで日本の安全を保障するという確信のある防衛体制はできておりませんけれども、少くとも日本の安全保障についてその責任をアメリカ側と分担し得るある力を持ってきた。また国際連合に加盟して、今の国際連合の集団安全保障というものは非常に薄弱であるけれども、とにかくその一員として国際連合による安全保障を受けるという立場になってきたとしますと、この安保条約についても一つ考えてみる時期がきておる。その根本の考え方につきましては、現在の状況において安保条約を廃止しろ、日米共同防衛の体制を全部改めろというふうな意見もあります。社会党の諸君のうちにはそういうことを強く主張されておる向きもありますが、現実の問題として、日米共同防衛の体制というものを全然なくして、日本の安全保障、国民の間にそういう安心感を与えることはとうていできない。従って根本には日米共同防衛体制というものはまだ残念ながら続けていかなければならない。日本の自力によるところの防衛力がそういう状態であるのでありますが、しかし今申しましたように、これができたときの事情と今日とにおいては相当事情が変っておる。そうならばこれを合理的な基礎に置くということは、日本としても、日本みずからがみずからの祖国を防衛するという、この防衛の精神的基盤を作る上においても必要であると同時に、日米の将来の正常なる友好関係を強化していく上においても、これを合理化すことは必要である。合理化すのにどこをどうするかという問題につきましては、まだいろんな議論があろうと思います。私は私として一応の研究はいたしておりますけれども、まだここでそれを申し上げる段階ではないと思います。とにかく考え方としては、われわれが独立を完成し、自主独立の立場から日米の関係を将来に永続するような強力なものにしていくという上において、これらの問題の扱い方についての基本的な考え方を十分に話すということは、この際非常に必要である。またおあげになりましたアメリカにおける輸入制限の問題につきましても、日本側で考えておること、ただ表面に現われた、たとえば州法によって日本品の差別的待遇をする、これはアメリカの憲法に違反している、あるいは日米通商条約の精神に反している、こういう形式的な議論だけじゃなしに、アメリカにはアメリカの事情があり、また日本品のこれらのものがそれらの問題を起しているということについては、たとえば繊維品が非常に安売りされておって、それの関係産業が向うで倒れておるとか、あるいは向うにおいてもそういう事業に携わっておる労働者が失業しておる。それをあくまでも日本のテープ・レーバーによるところのアンフェア・コンペチションによって、われわれはこれを受けておる、これはどうしても防止しなければいかぬというような考え方を、アメリカとしては持っておる。その、実情について日本側が考えておること、アメリカ側が考えておることを十分話し合ってお互いが反省して、改むべきものは改めていく。アメリカ側においても日本品の制限をしないというためには、日本品の輸出がどういう姿であるべきかということを十分に理解できる合理的な方法を考えるということがこの問題を解決し、日米の通商関係を将来に永続せしめるかぎになると私は思う。そういう意味におきまして、こういう日米の間の懸案であり問題になっておる幾多のものの基礎に横たわるところのものは日米がどういう形において協力することが望ましい形であり、正しい形であるかということを、両国の首脳部が十分に腹を打ちあけて話して、そうして一つの一致点を認める。それがきまればその方向に従ってこれらの懸案の事項——があるいはそれには時期的の問題もありましょう。それを解決するのに一挙に解決できる問題もありましょうが、あるいは相当な年月を要する問題もあり、あるいはそれを解決するのに相当な条件が途中にあると思います。これらのことは要するにその根本の考え方について両国が一致するならば、私は今いかにも解決がむずかしいように見えるものもほどけていくのであって、その考え方を十分に話し合って、率直に日本はどう考えるかということを話し、アメリカの考えがどこにあるかということを確かめることがこの際非常に必要である、かように考えておる次第であります。

船田中自由民主党

○船田委員 ただいま日米関係の再調整についての総理の大体の構想を承わりまして、私はその趣旨において十分相手方と率直なる話し合いをされて成果をおさめられんことを期待いたします。  次に、私は防衛の問題につきまして伺いたいと思うのですが、それは第一には防衛の基本方針に関する構想の問題でございます。それから第二には防衛の長期計画の問題、それから第三には防衛体制をいかに整備するかという、これはできるだけ具体的な構想、それから第四に防衛生産の問題でございます。  まず第一に防衛の基本方針を伺いたいのであります。私どもの見るところによりますと、これは先ほど来私の質問いたしておりまする日米関係の再調整ときわめて密接な不可分の関係にあると存じます。日米関係は、いろいろ先ほどあげましたが、これをせんじ詰めてみると、結局この防衛問題に集約されてくるようにも考えられるのであります。わが国の防衛の基本方針、これにつきましては、その前提となるのは、先ほど来伺っております国際情勢、それから日本の地理的の立場、それから過去の歴史上の事実、こういうものが前提となりまして、なおわが国の財政経済、国民感情、そういうようなものとも十分勘案してきめられなければならないのでありますが、国防会議は昨年の七月発足をいたし、昨年は一回、本年になりまして、一、二回開かれたようでありますが、また近く開かれるということでございますが、その一番中心になる防衛の基本方針について総理としてどういうお考えを持っておられるか、承わりたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 国防会議が設けられまして、御承知の通り、国防の基本方針であるとかあるいは長期国防計画であるとか、その他国防上の重要なことはこの会議にかけてこれを決定するということになっております。昨年この会議が設けられましてから数回の会議が開かれておりますが、それはいずれもきわめて事務的なことが決定を見ただけでありまして、こういう根本問題に関する実質的な問題については、まだ国防会議がこれを決定して国策というものをきめておらないということは、私は日本の防衛体制を確立する上において非常に遺憾に考えておるものであります。従いまして、この春以来国防会議の事務局並びに幹事諸君を特に督促して、この基本となるべき基本方針やあるいは国防の方針、また長期国防計画等に関して十分な研究をして、国防会議においてこれを審議するような準備をしろということを申しまして、目下その準備を急いでおるというのが国防会議における現状でございます。そういう実情でございますので、国防の基本方針につきましても、近く開かれるべき国防会議において十分に一つ検討をいたして、そして政府の方針あるいは国の方針をはっきりと国民の前へ示して、そうして防衛体制の強化に資したいと思っております。そういう意味におきまして今私がここで私の考えを申し述べることは適当でないと思いますから、お答えを差し控えることにいたします。

船田中自由民主党

○船田委員 防衛の基本方針について近く国防会議を開き、十分審議された上に政府の方針をきめられるということを承わりましたので、近く開かれる国防会議において十分御審議をされ、すみやかに基本方針をきめ、同町に長期計画も政府案として確定されることが私は適当であろうと思います。これが従来きまっておりませんで、ただ防衛庁の試案ということで論議され、また対米折衝におきましてもこれが中心となって論議されて折衝もされておるというようなことでありまして、これは何といってもやはりわが国として、いやしくも独立国である以上におきましては、ある程度の防衛体制を整備しなければならぬ、これが国際常識であります。一部の方面にはこれに反対する向きもありますけれども、しかし私は何といっても独立国である以上は自分の国を全く無防備にしておくということは、これは過去の歴史から見ても事実が証明しておるがごとくに許されないことである。ガナ国の誕生によりまして九十三の独立国ができておりますけれども、そのうちで全然防衛体制を持たないという国はわずか数カ国にすぎない。しかもその人口全部を合せても二十万をこえないというこの事実がきわめて雄弁に物語っておると存じます。そこでこの防衛の基本方針に関することでございますが、これはいずれ確定されるということでございますが、その前提となりますものは、言うまでもなく国際情勢ということが前提になるものと考えますが、国際情勢については、先ほど来申し上げておる通り、東西両陣営の対立ということが遺憾ながら今なお続いておる。そうしてもし不幸にしてわれわれの期待せざる熱戦が起ったという場合において、わが国は自由主義国家群とどういう共同動作をとらなければならぬか。また熱戦でなくとも、部分戦争が起ったという場合におけるわが国の防衛上の地位、また最も大きな前提となりますものは、東西両陣営がいかなる戦略を持っておるか、こういうようなことを十分勘案検討をいたさなければ、防衛の基本方針はきまらぬと存じます。将来戦争がもし起ったといたしますならば、最近のイギリスの国防白書にも申しております通り、朝鮮戦争時代とは格段の違いがあるということも十分前提として認めていかなければならぬ問題だと思います。もし将来戦争が起ったといたしますならば、おそらく東西両陣営の間において、その要衝をお互いに誘導兵器、ICBMというようなもので撃ち合うというようなことから戦争が始まってくる。その中間において西ヨーロッパあるいは極東における日本、こういうようなところを寄り道をして攻め立てていくというような従来の戦争の方式は全く一変するであろう。いわゆるボタン戦争で、ボタン一つ押せば戦争が始まる。そしてほんとうの敵の襲来であるか、あるいはこれはおどかしであるかということの判断は、わずか数秒の間に判断をしなければならぬ、こういうようなことになってくるのではないかと思います。そういう大戦争の場合でないといたしましても、いわゆる部分戦争というようなことで、わが国が敵の襲撃を受けたという場合におきましては、まず考えられることは、空においては侵入してくる敵機に対しましてこれを早期に発見をし撃墜をする。すなわちそこにレーダーとか対空誘導弾というようなものの必要が考えられる。海におきましては、港湾の保護であるとか、あるいは内航船、外航船の警戒、そしてもし潜水艦がそれを攻撃してきた場合におきましては、これを早期に発見をし撃滅する。すなわちソーナーあるいは対潜兵器というものの整備が必要であろう。また陸におきましては、不幸にして上陸してきたものを殱滅をする、こういう場合におきまして、これまたこれに対応する兵器が必要になってくる。こういうようなことから考えて参りますと、今までの陸、海、空という三部隊それぞれ対立的に考えていくという構想ではなくて、むしろ国防全体を一体として見ていくということがきわめて根本的に大切なことであり、また科学兵器を採用するということがきわめて重要なことになってくると思うのであります。ところが科学兵器は言うまでもなく非常に金がかかります。今までの数倍、十数倍という非常な金がかかる。日本の独力をもってしては、なかなか科学兵器の研究開発ということは不可能であります、そういうことを考えて参りました場合におきましては、やはり日米の共同防衛という趣旨に立ちまして、そしてかような防衛計画を立てていかなければならぬと考えられるのでありますが、それらの考え方につきまして総理兼外務大臣として、あるいは防衛庁長官の大体のお考え方を伺いたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 日本の防衛体制を強化充実していく方向といたしまして、一方において国の実力といいますか、経済力やあるいは国民感情、国情等も考えつつ、これが充実をはかっていくというこの基本方針に沿うて、しかも最近における兵器の科学的研究やそれの非常な発達という点を十分頭に置いて、そうしてやっていかなけれなばらぬ。従ってむしろ量よりは質ということに重きを置く必要があるという考えのもとに、われわれもこの防衛力の充実については方針をとって参っております。ただいま船田委員のお話になったことは、そういう方向でこれを考えていくという点におきまして、大体御意見の通りに考えております。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 ただいま総理が申されましたような考え方で、現在防衛庁の方でも準備をいたしておる次第でございます。

船田中自由民主党

○船田委員 防衛につきましては、先ほども申し上げましたように、長期防衛計画を政府としては早く策定する必要がある。この長期防衛計画というものは、防衛庁の試案としてありまして、そうしてしかも日米門において共同防衛について話し合いをするときには、これがやはり基礎となっております。そうしてしかもそれにつきまして、たとえば陸上において三十五年度末までに十八万を整備するということにつきましては、昭和二十八年の十月の池田・ロバートソン会談から、実はこういう数字も出ておるように伺っておるのであります。しかるに三十二年度の防衛予算におきましては、陸上一万というものを延ばしてしまって、これを後年度に整備するということにしてしまったのであります。三十二年度、三十三年度において一万ずつ増強して、そうして三十四年度、三十五年度において、これをさらに質的に向上せしめ、精鋭化し近代化する、大体そういう構想でやってきておったものが、三十二年度においての陸上一万ということは延期されてしまったのであります。これは何もアメリカから要望されたから日本でやらなければならぬというような考えではなく、日本の自主的な防衛ということから考えましても、今日陸上の十八万というものは、これは最小限度のものである。この細長い日本の国土の防衛をするについて、しかも全部志願制度であり、そうして戦前のような予備、後備というものは絶対にない、十八万が出てしまえはもう手品の種はあとに残っておらない、こういうことであります。そういう場合に、国内の治安も維持しなければならぬ、敵の侵略に対しても防衛をしなければならぬ、こういう場合において、量より質ということを言われるけれども、ある程度の最小限の量というものは必要である、こう考えられるのであります。それらにつきまして、防衛庁長官としていかに考えられ、また将来の計画を立てられておるのか、また直接その衝に当られた池田大蔵大臣が、現在もまた大蔵大臣として国家の財政を握っておられるのでありますが、長い間の日米折衝ということに経験を持っておられる池田大蔵大臣として、それらの経緯にかんがみ、この問題をどう処理されていくのであるか、また将来の方針について伺いたいと思います。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 従来防衛庁の試案として考えられました十八万ということにつきまして、防衛庁限りの考えを申し上げますならば、これは確かに貴重な資料として私は考えておるものでございます。この最終的な決定は、もちろん国防会議に諮らなければならないところでありますが、私の考えといたしましては、御指摘のように動員能力も持っておらない、また道路が悪い、機動性が非常にないというような実情からいたしまして、いろいろ見方があるかもしれません。近代的な兵群が発達したのだから、これはそれほど必要がないというような一部の議論はございますけれども、私は十八万程度のものはぜひ持たなければならないと思っておるのでございます。  なおまた、自衛隊、特に陸上自衛隊につきましては、たとえば災害派遣であるとか、あるいはその他工作隊等については、一昨日も社会党の方からも非常にあれはけっこうであるという御指摘がございましたが、この兵力は、特にすぐ局地戦というようなことが言われない際においては、そういう面にも配備いたしまして、国民に親しまれる自衛隊を作る、ほんとうに国民の防衛意識を高揚するという上にも役立つものと考えまするので、私だけの見解を申し上げまするならば、十八万は、最小限度に充実いたしたいという考えでございます。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 船田さんから、私が昭和二十八年の秋に個人として参りまして、いろいろ向うの国務省あるいは陸軍海軍省の連中と個人的な会談をしたとき、日本の陸上について、当寺日本の新聞にも出ておりましたが、三十五、六万が必要だというふうな気持をアメリカ側が持っているということは事実でございます。しかし、私は私見として、とても三十五、六万というようなことは考えもつかぬ、幾らやつても、日本の経済力の相当の伸びを見ても、十八万程度が最大と申しまするか、その程度で五、六年を要する、こういうことを個人的に言ったのでございます。向うの国務次官補のロバートソンと、正式なと申しますか、オフィシャルな会合ではあまり出なくて、いろいろフリー・トーキングのときに出た程度でありまして、当時私は、日本の国力からいってそのくらいが、将来を考えても最高限度ではないかという気持でもって個人的な話し合いだけで、何も根拠があり、あるいは国際的に義務づけられるというふうなものでは全然ないのでございます。

船田中自由民主党

○船田委員 次に長期防衛計画と経済長期計画との関係について企画庁長官に伺いたいのでございます。それは、ただいま防衛庁長官からお示しになりました防衛庁の試案という、いわゆる長期防衛計画は、経済五ヵ年計画の中に含まれて、その中で十分調整ができることになっておった、そして従来は、大体国民所得の二%強、その程度は防衛関係費として支出ができる。またそういうことで話し合いができておったのでありますが、三十二年度の予算は——数字だけにとらわれて私は論議しておるわけじゃありませんが、とにかくわずかに国民所得の一%七にすぎない。欧米諸国の実情を見ましても、日本と同様敗戦国であるドイツにおいても、御承知の通り八%余を使い、またイタリーおいても四%五、六というのは防衛関係に支出をいたしております。そういうことから申しまして、日本では従来二%強というものを予定いたしておった。ところが今年はわずかにそれが一%七になってしまった。重ねて申しますが、私は決して数字だけにとらわれて申すものじゃありません。また日本と欧米との事情の違うということもよくわかります。しかしあまりにも私は貧弱過ぎると考えるのでありますが、この長期防衛計画と長期経済計画はどういうふうに調整されていくのか、そういうことを予定して防衛関係を考えておられるのか、その点について企画庁長官の御説明を願いたい。

宇田耕一自由民主党経済企画庁長官・科学技術庁長官

○宇田国務大臣 長期の経済計画の中で防衛計画をどういうふうに取り扱っていくかということを、特に取り上げて問題点を個別に提供しておるということはありません。国の、特に鉱工業生産と長期の防衛計画に関係のある産業の伸び率は、非常な高い率を示しておりますし、それ自身が防衛計画の非常な高い裏づけになっておる、こう考えております。従って、防衛庁の考えております防衛計画に対して、国の生産計画、経済長期計画は十分に織り込まれておって、ただいま申されたような国民分配所得の比率によってこれを判断をするというよりも、経済それ自身の全部の伸び、特に鉱工業生産の伸びは、長期防衛計画の防衛庁の考えておることに非常な後退はしないということを考えております。

船田中自由民主党

○船田委員 ただいまの企画庁長官の御説明によりますと、長期防衛計画というものは、経済長期計画の中には取り入れられておらないということになるのですか。

宇田耕一自由民主党経済企画庁長官・科学技術庁長官

○宇田国務大臣 防衛計画に必要な特別な項目を掲げて経済計画の中にあげてあるものは非常に少いわけでありまして、それは協力関係の部門が大部分であります。ただ防衛計画に必要な工業生産、あるいは資材等の面から見ますると、長期の工業計画あるいは鉱工業生産計画の中にそれは織り込まれておりまして、特に防衛計画が鉱工業生産計画と一緒に合せて、どの点をどういうふうにやっていくというふうに、特別の項目を掲げてはありません。鉱工業生産そのものの中の、たとえば鉄鋼なら鉄鋼、あるいはその他の諸機械なら諸機械、あるいは造船、そういう計画の中に防衛に必要な生産そのものを裏づけに持っておる、こういうことであります。

船田中自由民主党

○船田委員 私はその物資の動員計画みたいなことを伺ったんじゃないのです。防衛費がどれくらいになって、国民所得と対比して防衛あるいは賠償費、そういうようなものが従来は少くとも防衛関係は二%強ということで計算を立てておったのでありますが、それが長期経済計画の中にはどういうふうに取り入れられておるか。また長期経済計画というものは今まで五カ年計画というものが示されておったのですが、それを改訂するということも伺っておりますが、そういうときにそれをどういうふうに取り扱うことになっておるのか。その中に入っておるのか、入っていないのか。入っているとすれば、どういうふうに取り入れられたかということを伺っておる。

宇田耕一自由民主党経済企画庁長官・科学技術庁長官

○宇田国務大臣 昭和三十三年から三十七年度まで策定する長期経済計画の中には、防衛計画に関する面も当然これは含まれておるべきものと考えております。それに対する数字が従来の率を変更しなくてはならないとは考えておりません。国民分配所得、総生産の数字の伸びから割り出しまして、それが後退するということはないと考えております。

船田中自由民主党

○船田委員 その問題はどうもはっきりしませんけれども、時間がかかりますからそれでやめておきます。次に防衛生産のことについて簡単に伺います。アメリカから今までは艦船、飛行機、兵器、弾薬等をたくさん供与を受けて、そうして自衛隊というものがここまで育成されてきたのでありますが、先ほど総理の言われたように自主的に防衛をやっていくということになりますれば、どうしても防衛生産を復活し、これを育成するということが、国策として打ち出されてこなければならぬと思うのであります。この防衛生産をいかに育成し発展せしめていくか。これはアメリカの方では昨年春防衛生産のための技術協定を結びまして、日本側に対してアメリカの持っておる技術はこれを無償で供与するということにもなっており、それから最近におきましては武器相互開発援助、いわゆるMWDPによりまして新鋭兵器、たとえば対空兵器のような、ナイキあるいはオネスト・ジョン、それらのものも研究開発用として日本に供与するということもいわれておる。私はアメリカがそれだけ奮発するならばこれを十分受け入れて、そうして最新兵器、科学兵器の研究開発を大いにやったらいい。これは何もそれによって死の商売をするというわけじゃありませんけれども、とにかく東南アジア方面あるいはアラブ諸国方面においても相当強い要望がある。ソ連の兵器ももらいたくない、イギリス、アメリカの兵器をもらうことも好まない、同じアジア民族である日本の優秀な科学兵器があるならそれを入れたいということは、これはずいぶんそういう要望は強いように私は伺っておる。従いまして最新の科学技術を取り入れまして、そうして新鋭科学兵器の研究開発をするということは、私は日本の経済全体の水準を上げる上からいっても非常に有効な手段である、かように考えるのでありますが、この科学兵器の開発、防衛生産ということについての防衛庁長官及び通産大臣の御構想、方針、政策を伺いたい。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 先ほど御指摘になりました英国の白書を見ましても、アメリカの予算教書を見ましても、世界の戦略があるいは攻撃あるいは防衛の兵器装備というものが新しくなるという場合には、日本は日本の最小限度でやります際においても、それが防衛のために効果を上げるものでなければならぬ。しかりとすれば、ただ在来の武器だけを使っておっても、事実上役に立たないというおそれがありますので、御指摘のように新しい技術を入れて、一本でこれを開発するということは非常に重要なことだと考えます。ただ御承知のように日本の一般的な科学水準こいうものが下であり、またこういうものには非常な膨大なる費用を要することは外国の予算を見ましてもわかる通りでございますから、一足飛びには参りません。しかしこうした世界の情勢に対処する準備、骨幹というものを作っておかなければならぬ。この意味におきまして、今例として御指摘になりましたMWDPの措置をするということは、日本の防衛を担当する者としてぜひやらなければならぬ、こういうふうに考えている次第であります。そうしてまたこれがひいては一般の工業水準を高めることでありますから。ただここで注意しなければならないのは、たとえばイギリスあたりでやっております際にも、一般的にもうすでに電波関係の電子兵器というものが非常に進んでいる、しかし日本にはまだその基礎がない。そこで今申しますように一足飛びには参りません。しかしこの際、こうした面に力を注ぐことは日本の輸出産業また国内の工業水準を高める上にも貢献するところが少くないと考えますので、ぜひそうした方針で進みたい。そうしてこれも結論的に申しますならば、近く開かれる国防会議におきまして、私は私の立場から、十分こうした点を強調いたしまして皆様の御賛成を得たいと考えてしる次第でございます。

水田三喜男自由民主党通商産業大臣

○水田国務大臣 御指摘のように防衛産業は防衛の基盤でありまして、国防目的を果す上に大きい役割を持っているものであると同時に、科学技術の振興というとによって、一般産業にも寄与する面が多いのでございますから、私どもとしましてはやはり本格的な防衛産業の育成策を持たなければならぬということで研究して、一応の構想図は現在持っておりますが、先ほどからお話がございましたように、日本の長期防衛計画というものが現在確定しておりません。従ってこの計画の確定に即応して、ほんとうの防衛産業の長期的な助成計画はできることと思いますので、今その準備中でございます。さしあたり将来を予想して電子工業の研究に、ことしから相当力を入れてやり出すとか、あるいはいろいろな準備的なことをやっております。さらに防衛産業の事業活動とか、あるいは分野の調整というようなものにつきましては、すでに三、四年前にできました航空機製造法あるいは兵器製造法、こういう現存の法律の運営によって、今その育成の調整をやっている。同時に対外援助の特別基金を活用しまして、設備資金の調達、援助あるいは外国技術の導入の援助というようなことを現在やっておりますし、また本格的な計画ができるまで、一時現存の必要と思われる軍事産業の設備を維持しようというための方途も、この国会で予算化するというようなことで、この防衛計画の確定を持って、本格的な防衛生産の助長計画を立てるという計画のもとに、今さしあたりのいろいろな準備的な措置をやっているという段階でございます。

船田中自由民主党

○船田委員 私は最後に岸政治のあり方というようなことにつきまして、総理の御所見を承わっておきたいと思うのであります。と申しますのは、岸総理大臣が今回東南アジア及び北米に外遊をせられる。そうしてこれらの諸国との親善協力関係を推進するということは、これに対しましては国民は非常な期待を持っておることと存じます。それだけに私どもといたしましては、ぜひ所期の効果が上るようにお願いをいたしたいのでありますが、それにはやはり国民的支持というものがなければならぬと存じます。総理は常に政治と内政と外交の一体化ということを主張せられ、私はその趣旨において賛成であり、その国民的支持があってこそ、初めて総理の外遊が成果を上げ得ることであると存じます。ところが総理がこれらの諸国に外遊されんとするときに、それに先んじて有力なる野党の指導者諸君が中共に出張せられ、そうして中共との間の国交上のいろいろな問題について折衝されておるという事態がここにあるのであります。私は中共との関係というものは決して無視することはできない。日本と中国との関係は古い歴史と地理的の緊密なる関係があるのでありますから、従って野党の有力者が中共を訪問され、かかる折衝をされるということに対して、私はとやかく申すのではございませんが、しかしそういうような、いかにも国内において外交が二元的になるのではないかというような印象を外国に与えるということは決して私は得策ではない、かように考えるのであります。総理は保守合同論者であり、身をもってこれを実現された第一人者でございます。民主政治のもとにおいて、議院政治をやる以上においては、二大政党の対立ということは理想的の形であるということも、しばしば言われておるのであります。私も大体においてはさようであると存じます。しかしこの二大政党は不自然なる二大政党であってはならないのでありまして、二大政党がやはりよく言われますように、共通の広場をもって、そうして国家の基本問題については、少くとも与野党の間において十分話し合って、大きな意見の間隔なくいたしまして、そうして対外折衝をするということが、きわめて肝要であると存ずるのでございます。それらの点につきまして総理の御所見、御方針を承わりたいと思いますのと、もう一つ私は総理にこの機会に伺いたいと思いますのは、ちょうど終戦後十二年、かつて第一次大戦後のドイツの戦後の状況を見ますと、終戦後ドイツはアメリカの経済援助によりまして、国内においては産業合理化をやり、一九二五、六年においてはヨーロッパ第一の経済発展をいたしました。ところがそれに対しまして当時のイギリス、フランスが非常にこれに反感を持ち、これに嫉妬を感じまして、そしてアメリカの対独経済援助を阻止した。それまでにドイツはおそらく六十億あるいは七十億ドル近い援助を得ておったようでありますが、その援助がなくなると、一九二八年の夏ベルリンのダーナード銀行がつぶれた。これが世界不況のきっかけになりまして、一九二八年の十二月にウォール街のパニックが起ってきている。ドイツと日本の状況は違っております。国柄も違い、いろいろな点において違っておりますが、今日本はアメリカの経済援助あるいは軍事援助等によりまして、神武以来の景気——こういうような言葉もまことに私は不愉快でありますが、それほどに経済が回復をしておる。しかしもしこの経済援助あるいは軍事援助というようなもの、あるいは特需というようなものが、何らかの関係において中止されたという場合におきましては、日本の経済なりあるいは社会生活において非常に大きな打撃を受けてくる、影響を受けてくる。しかも第一次大戦後のドイツにおいて、経済不況になったときにどういうことが起ったか。その当時、御承知の通り経済を支配しているものはユダヤ資本であった。そして銀行もあるいは大きなデパートも映画館もホテルも、ことごとくユダヤの資本によって支配をされておった。しかもベルリーナー・ターゲー・プラットに初めとして、大きな新聞、言論機関がことごとくユダヤの資本によって左右されておった。そして真のドイツ人の戸というものは新聞にも載らない、電波にも乗らない、そういうときにあのヒトラーがドイツ人の団結を説き、純粋なるドイツ人の団結、民族主義を唱えましたために、若いものがきゅう然としてヒトラーのもとに集まった。私はこの第一次大戦後のドイツの状況を顧みましたときにおいて——私はそれか日本の今日の状況に似ているというのじゃありません。しかしながらもって他山の石とする必要がありはしないかと考えられるのであります。それらの点におきまして、わが国においては、幸いにも民主政治がここまで発展をして参りました。そして二大政党の対立という、いわゆる民主政治の理想的な型がここにでき上りつつあるのであります。それはいわゆる不自然なる二大政党でなくして、真に理想的な二大政党の対立ということによって、日本の民主一政治がさらに発展するようにしていかなければならぬ。またそういう政治の裏づけ、国民的支持がなかったならば、総理の外遊は決して成功はしない。総理の外遊をして、成功せしめ、国民の期待に沿わしむるがためには、この国内の政治ということについて、十分総理の言われるような、内政と外交の一体化ということについてしっかりした考えを持ち、それを実現すべく御努力をお願いしなければならぬと思うのであります。それらについての御所見を最後に承わって私の質問を終ります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 われわれが外交を進めていく上におきまして、私が内政と外交との一体化を唱えておるゆえんというものは、要するに国民的支持がなければならない。特に日本の戦後における外交の姿を見ますと、戦前の場合のような、いわゆる一つの武力を背景として外交が行われるというような状態とは全く違った姿になった。こういう際において、私は国民の世論が一致して日本の主張を裏づけて、日本の政府なりあるいは外交当局が主張するところの外交の方針というものは、強い国民的支持の上に立っておるのだということはきわめて有力な力になると考えておるのであります。こういう意味において、日本の全体の進み方というようなものについては、国内における政党の対立はありましても、今お話がありましたように、十分に一つ話し合いをし、大きな方向においては、やはり国が進んでいくのに、まるで右と左の違った方向を目ざして進むような意見というものは、私は適当でないと思います。二大政党ということを私は従来唱えて来、これを実現することにつきましても同志とともに努力をしてきたのでありますが、要は保守党は、決して反動的な保守党であってはならないことは言うを待たないのであります。国際的な情勢や、あるいは国内におけるところの諸情勢の進歩、発展に常に先がけていくような進歩的な性格を持つべき保守党でなければならぬことは言うを待たないし、また革新政党も、あくまでも国際の現実、また国内の現実に即した立場を堅持されて、国民政党としての性格を持って、この保守、革新の二大政党が国会を通じてその主張を国民の前に明らかにし、協力すべきものについては協力をし、また批判すべきところにおいては十分に批判をしていくということによって、私は民主政治が完成し、また国連が伸びていくと思うのであります。この意味におきまして、現在、形においては二大政党ができましたけれども、なお日本の民主政治を完成し、この国の繁栄を期する上におきましては、二大政党ともに反省すべきものがある。こう私は信じております。いずれにいたしましても、外交の問題、いわゆる国の進んでいくべき基本の態度なり大きな方針というようなものについては、十分に両政党が話し合って、一致すべうものは一致さして、そうして国民的支持のもとに日本の主張を内外に明らかにするということはきわめて必要である、かように考えております。従いまして、私はこういう委員会その他におきましても、十分与野党ともの御質疑に対しましては所信を明らかにするつもりでありますが、さらに適当な機会をもって、私が東南アジア及びこのアメリカを訪問することの意義及び私の所信を国会を通じて国民にさらに明らかにして、そうして国民的な支持を得て海外にはかりたい、かように考えております。(拍手)

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 明後日は午前十時より開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。   午後零時二十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗