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26回国会衆議院1957/03/07

予算委員会 第15号

発言数
225
登壇者
18
会派数
2
開催日
1957/03/07

会議録

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 これより会議を開きます。  昭和三十二年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。  質疑を続行いたします。小平忠君。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 外務大臣にお伺いいたしますが、昨日も本委員会におきまして井出農林大臣から御答弁ありましたその結果によりますと、目下会談中の日ソ漁業問題についての見通しも、近くその結論が出るやにうかがわれるのであります。私は、日ソの国交回復が一応軌道に乗りまして、問題は、一日も早く日本とソ連との完全なる平和条約の締結を全国民は念願をいたしておると思うのであります。特に一応暫定協定といいますか、領土問題はたな上げになっておりますし、歯舞、色丹等につきましても、一日も早き復帰を念願いたしておるのであります。こういうことから、外務大臣は就任早々この問題を真剣にお考えになっておられると思いますが、一体現在の見通しからいいまして、日ソの正式なる平和条約締結の見通し、大体いつごろに想定されておられるか、まず外務大臣の御所見を承わりたいと思うのであります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 かねてお答え申し上げましたように、日ソの平和条約締結の問題は、日ソ間において最も困難なる領土問題の解決を含んでおるわけであります。しかしこの領土問題に関する両国の主張は、御承知のように真正面に衝突をいたしておりまして、これについての妥結を見るを得なくて、そうしてこの問題を継続審議の形で将来に残したわけであります。今日国交正常化しまして、大使館を交換して、そうして両国の友好関係、親善関係をこれから増進していく、それには具体的に言いますと、まだソ連国内において抑留されておるあるいは消息不明の者、日本に帰りたいという希望を持って帰ることのできない相当数の人がおる。この事情を一日も早く明らかにする、あるいは今東京において交渉中の漁業交渉、さらに進んで通商協定をやる等、こういうものを積み重ねて参りまして、彼我両国の間において友好関係が一そう増進され、またソ連側におきましても、日本国民の要望であり、国民の気持であるというようなこともわかってくるということになって、初めて領土問題というむずかしい問題に取り組むのが適当じゃないか、すぐいきなり領土問題に取り組んでみましても、ちょうどロンドン及びモスクワの会議をただ繰り返すだけの結果に終るおそれが多分にある。従ってまず今申したようなことをこの際は早急に解決をしていく、そうして両国の友好関係と親善関係の基礎を作って、そうしてこの領土問題の話をしたい、こういうのが私の大体の考え方でございます。今、いついかなる時期にやるかということを明確に申し上げることはできませんけれども、私はそれを非常に長い将来に置くつもりはございません。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 ただいま官房長官から、きわめて重要な用事がありますために、ぜひ先にというお話がありまして、外務大臣非常に恐縮でございますが、外務大臣にお伺いしますのを割愛願っておきます。  実は官房長官にお伺いいたしてあきたいと思いますことは、内閣に一応所管されております公正取引委員会であります。この公正取引委員会の最近におきまする運営につきまし、いろいろな情報をわれわれは耳にいたすのであります。特に最近の事例といたしましては、酪農の問題を中心にいたしまして、青森県の三八地区、この集約酪農地区設定をめぐりまして、この問題が独占禁止法に抵触するやの事件が起りまして、これに公正取引委員会が関与し、これをめぐる明治、森永あるいは雪印等々のこれらの会社が非常に動揺をいたし、現地の酪農民もまたこれに端を発しまして、全国の酪農民が非常に動揺いたしております。従いまして一体この公正取引委員会というものはだれが任命し、だれが監督をし、だれが所管しておるのか、私は少くとも内閣の官房長官は、特に内閣がこれを任命するという立場に置かれておるので、人事権についてはおありになると思うのでありますが、そういう心について官房長官の所見をまず承わっておきたいと思うのであります。

石田博英自由民主党内閣官房長官

○石田(博)政府委員 お答えを申し上げます。公正取引委員会と内閣の関係でありますが、公正取引委員会は内閣の所轄に属します。しかしこれは司法機関でありまして、私どもが所轄いたしておりまする権限の内容は、委員の任命と予算関係の事項に限られておるのであります。従って業務に関して干渉、監督その他はいたさない建前になっておりますので、詳細は横田委員長からお聞き取りを願いたいと思います。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 官房長官にお伺いをいたしますが、そういたしますと、かりにその公正取引委員会の運営がきわめて非民主的である、また委員長の考え方がどうも国民といたしまして理解し得ないというような、妥当性を欠く委員会の運営あるいは処理等があった場合に、これは任期が来なければその委員をかえるとか、あるいはそういった問題はできない仕組みになっているのですか。

石田博英自由民主党内閣官房長官

○石田(博)政府委員 法律上の詳細の規定は、ちょっと私明確にはお答えできません。法制局長官なりに答えていただきますが、司法機関でありますから、任期が来た場合に、これは更迭させるという建前になっていると思います。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 それらの問題は後刻お伺いいたしますが、それで、官房長官は、一応内閣に所属している、人事権は一応内閣にあるということですが、昨年から全国的に起きておりますこの集約酪農地区設定をめぐりまして、公取が独禁法違反であるというようなことから、いろいろ全国的に酪農民の間で重大なる関心と、今後の成り行きについて非常に心配をいたしております。この問題について、御存じでありますか。

石田博英自由民主党内閣官房長官

○石田(博)政府委員 詳細なこと、さらに全部にわたっては存じておりませんが、一部分について酪農関係の事件に公正取引委員会が審査を開始しているという事実は承知いたしております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 内容につきましては後刻公正取引委員長からお伺いいたしますが、それによってはまた別な機会に官房長官にお伺いいたしたいと思いますからこれで終ります。  外務大臣、大へん失礼いたしました。先ほど日ソの平和条約締結の見通し、時期につきまして、大臣はなるべく早く、そう遠くない機会にという一つのめどを持ってと、おっしゃられたのでありますが、これは相手があることでありますから断定はできませんけれども、遠くない時期といいましても、一応そのめどが年内かあるいは来年か、こういった大まかなめどはいかがなものでございましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 今、両国で大使館を交換して、私の方も大使を任命いたしまして向うに着任したばかりでございます。従って大使館をこれからある程度整備しなければなりませんし、今申しましたような非常に急ぐ問題すなわち消息不明、引揚者の問題というものは、こちらの遺族やあるいは留守家族の人々の気持から申しましても急いでやらなければならない。また漁業の問題は今東京で何しておりますが、これがどういうふうに解決するかということ。それからさらに続いて通商関係についての話し合いが行われると思います。こういうことをいろいろ考えてみますと、私は年内に今申したようなこと、平和条約についての話し合いを始めるということはとうてい考えられないのではないか、もう少し先の問題である。それなら来年春にやるか夏にやるかというふうなことにつきましては、いろいろな国際情勢また向うの国の様子等もにらみ合せなければなりませんから、私としては段階的に、まず第一段は今申したようなことに本年中に着手し、相当のめどを立てていきたい、こう思っておりますから、そのあとで引き続いて考えたい、こういうのが私の大体の心づもりであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 日ソの平和条約締結の大きな懸案の事項として、問題はやはり領土問題にしぼられると思うのでありますが、その領土問題の中での問題点はやはり南千島であります、国後、択捉の返還問題、これはきわめて重大な問題であろうと思うのであります。国後、択捉につきましては、歴史的にもあるいは過去のあらゆる観点から見ても、日本固有の領土であるということは、これは全国民がひとしく認識をいたしておる点であります。従いましてこの点について、外務大臣は、今後やはり日本の固有の領土であるという観点から、最後までこの復帰について主張なさる考えか、あるいはサンフランシスコ条約の関係もあるから成り行きを見る以外にないというようなお考えなのか。この点について、きわめて重要な点でありますから、外務大臣就任早々の機会でありますけれども、お伺いしておきたいと思うのであります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 領土問題につきまして、特に国後、択捉の問題はこれは今小平君の言われる通り、日本国民の日本領土としての確信は動かざる強いものがございます。これは歴史的にもいろいろな点からこれが裏づけられると思いますが、その主張はロンドン及びモスクワで一貫して日本も主張して参っております。私自身もその点においては国民の一致しておる確信の上に立って、将来領土問題の交渉におきましては、南千島の日本への帰属というものをはっきりさしてこれを解決しなければならぬという信念に立っております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 この点は特に鳩山前総理が病躯、老体をひっさげてモスクワまで行かれて一応妥結を見て、日ソの国交回復の一つの新段階をお作りになった、岸さんがその跡を継がれての今度は総理であり、外務大臣としまして、ぜひこれはほんとうに誠意、熱意を持ってこの問題解決のために努力されることを特に私は期待いたしたいのであります。  あわせまして、単に南千島だけでなく、われわれの主張は北千島であり、あるいは南樺太、非常に主張は多いのでありますが、今日の世界の二大陣営、その中にありまするわが国の地位等々を考えてみますると、それはなかなか困難な問題だろうと思うのです。その中で、これは外務大臣の所管する事項でないかもしれません。しかし総理大臣として、最近日本海あるいはオホーツク海等の魚族の関係が非常に変ってきております。特に間宮海峡の埋め立て問題が数年前からいろいろ議論されております。一昨年は正式に、間宮海峡の沿海州側と樺太側からの防波堤がだんだん接近して、あと二マイル近くになったという報道があり、現に見てきたという人があります。さらに最近におきましては、木材船の船長が、完全につながれた、こういうことも新聞に報道されたことがあるのであります。従いまして、この関係は一体政府がどの程度現実に把握されておるのか、もし完全にこの防波堤が両方から接近して、つながれておる場合に、一体日本海というものに海洋上、気象上影響はないのか、こういう点についてお調べになっておりますならば、この機会に私はお聞かせ願いたいと思うわけです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 私どもの承知しておるところでは、今いろいろな新聞その他に現われておる情報以外に正確な資料はまだ持ち合せておりません。しかしソ連内においてこれは相当前から研究されておる問題でありまして、この間宮海峡の埋め立てとか、あるいはトンネルでつなぐとか、あるいは橋梁をかけるとか、いろいろな計画が従来からあったことも伝えられておるのでありますが、それがもしも両方がつながれたというような場合におきましては、海流に相当な変化を起し、従って気象やあるいは魚族等の関係にも非常な影響のある問題だと思います。今までのところは正確なものを持ちませんので、十分一つ調べてみたいと思います。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 これは確かに関宮海峡がもし完全に沿海州側と樺太側が接続されて、埋立が完成したという場合におきましては、私は北洋から日本海に参ります寒流が、こういうことによって魚族の変化は当然だと思う。これは気象上にも大きな変更がありましょうし、現に戦後北海道沿岸のニシンというものがだんだんとれなくなって、北へ北へと進んでいる状態あるいは鮭鱒の問題にいたしましても、これは非常に変りつつある。こういうことから私は、日ソの関係も御承知のようなきわめてよき段階に進みつつあるのでありますから、的確な調査をされまして、もし間宮海峡がもう完全に埋め立てられておるということならば、それによってすみやかに海流あるいは気象その他の問題に関しましても対策を講ずべきである。こう考えますので、一つ善処方を願いたいと思うのであります。  次にお伺いをいたしたいのは岸さんは外交の基調として自主独立外交を、特に施政演説の中にも、所信表明の中にも表明されたわけであります。これは岸さん流に自主独立外交というものを進めていくという場合に、アメリカに対しましても、ソ連に対しましても同一の考え方でいこうとなさるのであるか。それは違うんだ、従来の保守党としては、サンフランシスコ条約を契機に、明確に自由主義陣営、自由主義国家群に参加しているのであるから、共産主義国家群に対しましてはこれは別だという、一つの基本的な考え方のもとに自主独立の外交を進めていくというのでありますか。それはきはめて重要な点だと思うのであります。この予算委員会におきましても、日中の国交回復、あるいは東南アジアの貿易の振興、こういった問題等を今後推進していく場合にきわめて量要な問題だろうと思うのでありまして、この点に関するあなたの所信のほどを承わっておきたいと思うのであります。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 私が自主独立の外交を強調いたしているのは、これは言うまでもなく、国際的立場に立って日本の進んでいく道をあくまでも自主独立の見地から切り開いていこうという考え方であります。従いまして、その態度の根本につきましては、ソ連に対するも、アメリカに対するも、これは変ってはおりません。あくまでも日本の自主独立の立場から、日本の主張すべきものは主張し、日本の要求すべきところは要求し、親善を進めていくべきものは親善を進めていくというこの根本につきましては、何らの変りはございません。しかしながら、日本が現実に各種の具体的な問題を処理していく上におきまして、いろいろな問題がございます。また国際的の立場も日本は一つの何があると思う。というのは、私どもの政治の信念としては、やはり民主主義国家として日本を完成することにあり、自由と平和をわれわれの念願といたすものでありますから、そういう見地に立って、われわれは平和を愛好し、自由を愛好する国々との間の関係を一そう緊密ならしめていくことは当然であります。また日米の関係におきましては、御承知の通り、ここでもずいぶん議論になりました日米共同安全保障の体制が今日はサンフランシスコ条約及びこれに関連している安保条約等の一連のものからできております。これは現実にそういう事態を持っているわけです。そうしてしかも日本の国際的立場を将来進めていく上において望ましくない点もございますけれども、大きくいえばそれが一つの日本の安全保障の機関になっておるという現実に基きまして、アメリカとの関係におきましては、これらの問題を処理していかなければならぬ。しかしそれはやはり自主独立の考え方でいくということでございまして、考え方の心組みは同じでありますけれども、いろいろなものを処理していき、また問題点はそういうふうにおのずから違ってくることは当然であると思っております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 そういたしますと、あえてサンフランシスコ平和条約等に拘束されずに、アメリカに対しましてもソ連に対しましても、いずれの陣営に対しましても、同じ立場、ほんとうに自主的な立場に立った外交を進めていくと解釈してよろしゅうございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 ちょっと誤解があってはいけませんけれども、サンフランシスコ条約にもとらわれずという考え方ではございません。われわれはやはり国際間の条約というものは、これを守っていくという国際信義の上に立たなければなりませんし、従いまして今すべての国に対する心がまえは、自主独立で同じであるけれども、今あるいろいろな条約体制はこれを尊重し、これに基いての一つの国際関係というものは当然あるということは言うを待たないのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 私は外務大臣の御答弁を承わっておりますと、結局あなたの自主独立外交というのは詭弁にすぎないと思うわけです。なぜならば、それは現在国際的な立場に立って、外国とそれぞれ条約等の締結をされることは当然なことなんです。ですから私はあえてサンフランシスコ条約にとらわれず、それに縛られず、やはり基本的なものは、いずれの陣営に対しましても同じ立場でもって自主独立の外交を進めていくということを伺ったのですが、あなたはやはりそれにこだわっているということは、今までこの委員会におきましても、二つの中国を認める、認めないの問題が論争され、日中の国交回復の推進についてもいろいろ疑惑がある。さらに日米間におけるところのいわゆる条約の改廃につきましても問題があるのであります。ですからやはりあなたが真に自主独立外交を推進されるとお思いになるならば、現在締結されておる条約は条約として、新たな真に何ものにも拘束されない自主的な立場に立っての外交を推進されることが望ましいと思う。その点はどうもきわめてあいまいでありますが、いかがでございましょう。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、日本のこれから進むべき道というものは、一つは立国の根本であるさっき申しました民主国家の完成にございますし、また国際的には今日まで結んでおり、また有効であるところの幾多の国際条約というものを尊重していくというのが当然である。またそうしなければならぬ。自主独立ということは、決して今までの関係が日本に望ましくないから、すべて国際関係、国際条約というものを無視して、そうしてこれは自主独立だという考え方ではなくして、日本としてはあくまでも日本のイニシアチブ、日本の考えで日本の進んでいく道を決定するのは日本みずからが決定するという考え方のもとに、すべての国際諸国との交際をしていくということに結局なると思うのです。従って今自由主義国との間におけるところのいろんな条約においても、また日本自身が自主独立だといっても、私はかねて申し上げているように、中立主義をとるものではなくして、日本はあくまで自由主義の立場を堅持して、自由主義国として民主政治を完成するということを考えておりますから、それらの同じような体制にあり、同じような気持で世界平和を考えている国々との間に協力関係が一そう強化されていくということは、私は当然であると、かように考えております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 この問題は、外務大臣としては決して中立的立場をとるものではない、やはり自主独立外交を旗じるしにするけれども、自由主義国家群に対するところの従来の考え方は変えないということになりますと、これは一つのイデオロギー、世界観の相違でもありましょうから、この論争は私はこのくらいにいたしておきたいと思います。そこで私は岸外務大臣としてでなく、岸総理大臣にお伺いいたしたいのでありますが、予算委員会もいよいよ大詰めに来ております。そこでこの委員会を通じて見ただけでも、実にあなたは誠実にお勤めになっております。さらに外務委員会にも出ておられる。総理大臣であるあなたが外務大臣を兼ねておられる、そこに非常にいい場合もあるけれどもあまた反面非常に工合の悪い場合もある。特に国会の審議を通じまして、これは野党であるわれわれもあなたはよくお勤めになっておられると思う、かりに予算委員会の場合でも、結局一般質問ですから、従来の慣例から申しますと一応総理の出席は求めないが、外務大臣のあなたに出席を願って外交問題について伺っておる、こういう形なんだが、やはりこれが予算全般でありますから、必ずその外交問題から総理大臣のあなたにお伺いするという事項が非常に多くなってくる。それもあなたは、それは外務大臣でなくて総理大臣のことだからといって決して拒否されずに、まじめに答弁されておる。その非常に真摯な態度について私は敬意を表するわけであります。しかし今後国会の会期もまだまだ相当長期間であります。特に国際情勢は御承知のようにきわめて重大なる段階に来ております。こういったことを思いあわせますときに、あなたは専任の外務大臣を置いて、ほんとうにこの外交の問題に取っ組んでいくという体制をお作りになるというお考えなのか、いやそれはやはりおれが外務大臣を兼ねた方がいいのだというようにお考えなのか、その点はいかがでございましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 私が外務大臣を兼ねておりますことは、これは言うまでもなく臨時的な性質のものであります。私は内閣が続く限りこれを兼ねるという意思はもちろん持っておりません。しかし私は石橋内閣の外務大臣として、私の外交方針を国会に明らかにし、またそれに基いて私の外交のいろいろな進み方を始めようとしておるときに、石橋前総理大臣が病気でおやめになるということがございました。私としては、あるいは国会の運営上二つを兼ねていることは、審議される方に御迷惑をかけ、それを妨げるおそれはないかということを一面には心配いたしておりますが、一面におきましては、今申したような事情で、しばらく私が兼ねておることが外交上も国策上も適当であるという見地に立っておるわけであります。しかし、制度の上から申しまして、外務大臣は専任を置くのが原則でございます。私はこれはあくまでも例外的な臨時的な措置と考えておるのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 あくまでも臨時的なものである。しかし、一応従来の行きがかりから兼ねておるのである。そうしますと、今国会の会期中はこのままの体制でいった方がいいというように理解してよろしゅうございますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 大体この国会は兼任をして、そうして御審議に応ずるつもりでおります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 次に私は外務大臣並びに防衛庁長官に、最近自衛隊の頻発する事故、事件について若干お伺いをいたしたいと思うのであります。四日の未明、御承知のように自衛隊の輸送機C46型、この墜落、十七名絶望という問題は新聞にも大きく報道されておりますし、特にこの委員会におきましても松本瀧臧君があなに質問され、また内閣委員会でも質問されております。この事件はまさに航空自衛隊発足以来最大のものでもありますし、日本の航空史上から見ましても、御承知のようにもく星号事件に次ぐ大きな事故であります。これにつきましては新聞には札つきの不良機であるとか全然危険なものであるとか、いろいろ報道されておるのでありますが、あなたは今回墜落しましたこの輸送機は、決してそういうものではないということをいろいろ説明をされております。しかしいろいろ新聞に報道されております内容を見ましても、確かに米国から給付されております二十九機ですか、そのうち現在一体何機使っておるのか、現在どれだけ使用できるのか、使用できないのか、あるいはその整備関係はどうなのか、こういう点につきまして精細に御調査されておると思うのですが、その点はいかがでございましょう。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 この前にも松本君にお答えいたしましたように、非常にこういう事件が起ったのは遺憾でございますが、この問題のC46は昭和二十九年に購入したものでございまして、これまで飛行いたしました時間も七千八百時間であったと記憶いたしております。大体日航あたりにおきましても、それよりもずっと長く使っておるものもございますので、今後の調査の結果によりますけれども、これまでも申しましたように、私はこれが特に性能が悪いとか古くなって工合が悪いというのではなくして、そのときの天候が非常に異常なものであって、そこに災いのもとがあったように思いますが、今御質問の点の現有のC46の現状は、全部で三十機でございます、そのうち現在可動し得るものが十六機、内部で整備しておる、部隊整備に回しておるのが五機、それから野外整備、他の工場で整備しなければならないものが七機、そのほかに学校で教材川に使っておるものが二機ございます。従いまして現在二十八機のうち可動しておるものが十六機というのでございますから大体六〇%近くはあるという実情であります。しかもこの部品につきましても、なるほど今は製作しておりませんからこの整備にはときに時間を要することもありますけれども、現在におきましては美保に十分なる部品を整えてあるのでございまして、私どもはこのC46が特に現状において使用に耐えない、あるいはその点で特にC46の方が危険性が多いというふうには考えておらない次第でございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 これは防衛庁長官、非常に大事なところで、五日の読売新聞にはこう出ている。このC46機は昭和十九年製で防衛庁でもその処置に困り抜いているほどの老朽機で、航空自衛隊でも飛行は危険であると精密検査を行なっているほど。昨年三月九州で新聞記者団を乗せたところ片方のエンジンから火をふき片肺でやっと羽田にたどりついたこともある。自衛隊パイロット間でも乗務拒否を求めており、安全なのはたった四機というありさまで、昨年三月の衆院決算委でこの点を追及されたいわくつきの飛行機である。しかも部分品を取りかえたくとも、この飛行機の製造会社であるアメリカのカーチス会社は現在すでにつぶれてなくなっている、防衛庁でもとほうにくれている、こういう新聞の報道であります。これを国民が見たら何と言いますか。それかと思うと、今度の事故につきまして、これは翌五日の朝日新聞ですが、小雨が降っていたが航空天候としてはそう悪い条件ではなかったと、これは同隊の副隊長が語っている。こういうように、雨が降っておったけれども実際に航空天候としては悪い条件ではなかったのに、なぜ着陸直前にこのような事故が起きたのか。あなたはそれは整備されているとおっしゃいますけれども、実際問題としてとうとい人命を乗せて訓練し輸送をするという場合に、私はきわめて重要な問題であろうと思うのでありますが、一体この新聞に出ているような報道通りではないと具体的に説明される点がありましたら、この際やはり国会を通じてあなたから明白にされておいた方がよろしいと思うわけであります。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 今回このような犠牲者を出しましたことは非常に遺憾でありまして、今後の処置をいかにすべきかということを考えますには、まず原因の調査を十分いたさなければならないと考えまして、すでに申し上げておりますように、航空幕僚監部の副長を委員長といたしまして教育部長その他現地において今鋭意調査に当っているのであります。その調査の結果を持たなければはっきりしたことを申し上げることはできないのでございますが、私は新聞報道が出ます日にも朝の二時、三時ごろまでお請いたしまして、この整備状況なども説明申し上げたのであります。しかしなるほどこの前、ちょうど新聞の人たちが乗っておられまして築城からこちらへ帰ってくるときに事故が起ったのは事実でございます。そういう点で特にその点が強く思い出されたことであろうかと考えます。しかしC46をこれまで相当数相当長く使っております間に起りました事故は、美保の航空基地の方に胴体着陸をしたことが一回ありますのと、さっき御指摘がありましたエンジンの一つが発火いたしまして——これは線の接触が悪くてそういうことが起ったようでありますが、この二つの事故と今度と三回でございます。私自身も海外へ行きまして、エンジンを落しながらバーレン島に不時着したこともございますが、これは全然ないという事故でもないし、私は特にC46が御指摘のように悪いという結論は、非常に早計ではなかろうかと思いますし、ことに乗務員がもう搭乗することを拒否したというようなことは、私どもまだ聞き及んでおらないところでございまして、もちろん今後の調査の結果によりましては、考究しなければならないことがありましたならば十分考究いたしますけれども、現在まだどうしようということは考えておりません。少くともその新聞に出ているところは相当実際よりも、こういうショックを受けた際でありますから、ここに原因があったのじゃないかというので、誇張されておるのではないかという感がいたすのであります。なお天候はそう悪くなかったと航空隊のだれかが申したようにおっしゃいますが、なるほどあの際最初誘導装置を使いまして、GCAを使って誘導した。ところが西の力へ回らなければならないという際にきまして、相当低空になりまして、そこで西側においては誘導装置を使わなかったのは事実でございますが、しかしその際でも、大体状況といたしまして、雲の高さが五百フィート、視界が三マイルというところでありましたので、そこで有視界飛行に移って着陸しようとしたが、その際は夕方でありまして、そこへ急にシャワーがきたために急に暗くなりまして、計器を見なければならぬという状態になりましたため、そこに何秒かの時間をかけなければ、すべての計器を見てそれによって判断することができないというような点から、急であり、しかも高さがもうすでに百二十フィート程度のところへきておりましたために、十分前を見ることができなかったというような関係があったようでございまして、そうしたにわか雨がやって参りましたためにこういう事件が起ったのではないか、こういうふうに考えます。なるほど最初着陸するときには着陸し得るという状態であったけれども、こういうようなとっさの風、そして横流しされる、また午後の六時半ごろに至って急に雨が降ってきたということが今度の事故の非常に重大な原因ではなかろうかというように、一応これまでの調査のところでは見受けられますので、私はこの点についてはさらに十分検討させてみたいと考えておりますけれども、これまでの状況は今申し上げたような次第でございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 実際の整備、機能等についての問題は、これは新聞に出ておりまする使用に耐え得るのは四機であるというのが正しいのか、あなたのおっしゃいまする三十機のうち今実際に使っておるのは十六機というのが正しいのかということは、これはどちらを判断するかといえば、あなたのここで言明された十六機が正しいということになる。ただし、その十六機が正しいと見ましても、実際に供与を受けているうちの半分です。この実態というものは、いかに自衛隊が輸送用に使うにいたしましても、不完全なものであるということがここで証明できるのです。事故が起きてからあわてて調査をする、機能を調べる、整備をする、これではおそいのです。最近自衛隊のいろいろな問題が起きまして、綱紀の紊乱、粛正ということをよくいわれますけれども、特に自衛隊というものは、そういう面において、少くともとうとい人命を犠牲にするようなことは断じて許さるべき問題でないと思う。  それから、あなたは天候状態についていろいろ御説明されまして、現地に調査させにやっておるということでありますが、詳しいことはもちろん精密な調査を待たなければ判断できないでしょうけれども、今朝の新聞にもこう出ているのです。視界がゼロで着陸を指示している。こんなばかな話はない。この内要によりますと、「事故機はレーダーによって滑走路が見えるところまで確実に導かれており、計器やエンジンは墜落する寸前まで順調だった。ところが同基地の着陸誘導レーダーは飛行機が東側から着陸するときだけ使えるもので、西側から着陸する飛行機は目測にたよるほかはないという不備なものであった。事故機が西側から着陸しようとしたとき、着陸コースに大きい雲があり、強いにわか雨が降っていて視界がゼロだった。それにもかかわらずコントローラー(飛行場の航空管制官)は着陸してもよいとの指示していた。」これが事実であるとするならば、これは重大なる問題です。民間航空におきましても、特に戦後国内線、国際線で日航機あるいはローカル線がどんどんやっています。事故が起きてから驚いてこういうことについてやったのではいけないのであって、事前にこういう処置というものは十分に整備しなければならないのと同時に、特にレーダーにつきましては、慎重に、どんなことがあっても——特に雨が降っているというような場合においては、これは航空上注意しなければならぬ場合なんですから、絶対これは弛緩があると私は思うが、この点についてあなたはどう処理されるか。あわせて私は岸総理大臣に伺いたいが、もく星号があのような事故を起しましてからもう数年たっております。特に最近民間航空が御承知のように飛躍的な前進を遂げまして、さらに国際線の回数も多くなり、国内線の回数も多くなるという現状において、これは運輸大臣にも大いに関係するところでありますが、事故が起きてからあわてたのではいけないので、十分に注意をし、厳密なる計画と方針を立てておく必要があると思いますが、総理大臣いかがでございましょうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 航空の問題は、自衛隊あるいは民間航空を通じて、これに対して安全感をみなが持っているということが何といってもやはり一番必要だと思います。しかるにこういう事故が起りましたことについては非常に遺憾と考えるのでありますが、これの事情、原因等を詳細に調査いたしまして、綱紀の点とか、あるいは十分な注意力を欠くというような点がもしありとするならば、厳にこれを戒めて、かかる事態を再び起さないようにし、そうして国民の安心感を脅かさないように厳に努めていかなければならぬと考えております。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 私も今朝の新聞を見ましたが、これは私どもの調査と、結果並びに事実において相当反している点があるように思いまするので、その点を申し述べさせていただきたいと存じます。  コントローラーが、視界がゼロの際におりるように命じたという話でありますが、すでに先ほども申し上げましたように、一度着陸しかけて、ぐるっと向って、今度来た際には五百フィート以上の雲の高さであり、そうして視界も三マイルという判定のもとにやったのでありまして、そのコントローラーが命じたときには、決してそんなふうに視界がゼロであったのではないのであります。先ほど申しましたように、中海の方へ来て、いよいよ二十フィートぐらいで入ろうとして、あの滑走路から八百メートルほど来たときに、急にシャワーにぱっと外からやられて、夕方でもあるので計器飛行に移ろうとした、その際コントローラーは急にあと返りしろと言う余裕はなかった、こういう実情でありまして、私どもがこれまで見ましたところでは、コントローラーが着陸してもよろしいと譲ったときには確かに着陸し得るだけの視界があったという判断でございます。  もう一つは、GCAが不備であって、こちらの西側へ回ったときに使えないようなものではしょうがないじゃないかというお話でありまするが、実はあそこの地形は、これは美保だけではございませんけれども、御承知のように島根半島がございまして、山が接近しておって、あそこの方では西の方は直接使いにくい、そういう障害物のために使えないという。これは今後性能が発達しましたらそういうところでも使えるようになるかもしれませんが、今のところではそれが西側には使えないということと、もう一つは、非常に低空へ来ておりまする際には、有視界飛行をやるのが普通でありまするので、そうした関係からこういう事故が起ったのではないか、こういうのがこれまでに得ました情報によるその後の現在における判定であります。GCAが不備であったというような関係ではないということを御承知願いたいのであります。  なお、二十八機のうち十六機ということでは非常に低率ではないかとおっしゃいますが、普通の常識におきましても、飛行機は常に整備しなければなりません。整備の期間というものが必要でありまして、大体どこの軍事情報を見ましても、随時三分の一はそういう整備に置いておく、あとの三分の二というものが可動機であるというのが常態でありまして、このC46は特に非常にかけ離れて可動率が悪い、使いものにならないものが多いというような判定はにわかに下し得ないものと考えます。しかしいずれにいたしましても、総理が申されましたように、こういう事故が起りましたのは非常に遺憾でありまして、人命に関する重大事でもありまするから、先ほどから申し上げておるように十分調査をいたしまして、万遺漏なきを期したいと存じておる次第であります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 運輸大臣にお伺いいたしますが、今回の航空自衛隊のC46機の事故に関連いたしまして、あなたは特に民間航空の所管の大臣といたしまして、羽田飛行場を初めとして全国の飛行場がありますが、こういうものの施設等を直ちに検討されて、こういう事故が起らないことについての配慮をなされましたかどうか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お答えいたします。航空管制のことは御承知の通り今アメリカの方でやっておりますが、私の方でも御承知のように約半数に当る従業員を出して、これに協力しておるわけであります。今お話の点については、このような事件が起るまでもなく、いろいろ訓練その他設備においてもできるだけのことはやっておりますが、ローカル空港についてもやはりできるだけの方法は講じております。  なお、今あなたのお話のうちに、新聞をごらんになって、こんなばかなことはないというお話でしたが、やはり今の建前としては、これは今度の問題で聞いたのでありますが、地上から指図するということは大体やらない建前であります。地上の状況をただ注意連絡する程度でありまして、指図するということはやらない建前になっておるそうであります。今度それをやったかやらないかわかりませんが、そういうことで、やはりパイロットの自由な判断から危険を防止する建前になっておるわけだそうであります。地上設備その他についてはできるだけのことはやっておりますが、今こういうことが起って、それの起らないようにすぐにどうこうということはありませんけれども、それについてはできるだけのことは今やるようにそれぞれアメリカの方にも要請をしたりいろいろやっております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 これは運輸大臣、きわめて重大なことでありまして、たびたび申し上げますが、事故が起きてからこれは大へんだというので、さああれもやらなければならぬ、これもやらなければならぬと手をつけるのが、これが常でありますが、私はやはりこういう機会に徹底的にこの航空管制につきましても、これは解決をすべき問題点があると思うのです。依然としてアメリカにゆだねるのではなくて、これをもっと自主性を持つというところまで進まなければならぬということは、やはり所管大臣としてもっと真剣にこの機会に検討してもらいたい、こう私は思うのであります。  次に農林大臣にちょっとお伺いいたしますが、先ほど官房長官がおられる際に質問をいたしまして、この青森県の三八地区の集約酪農地区設定に伴う独禁法違反をめぐる事件につきまして、私は官房長官に、その所管である公正取引委員会がこれに関与してやっておることについての一端に触れたわけでありますが、その前に農林大臣としまして、この問題はすでにもう御承知のはずであります。根本的な問題は、いわゆる酪農振興法、この酪振法と農業協同組合法、これらについてまずあなたの所見を承わりたい。現在の酪振法は酪農振興上適切なものであるとお考えなのか、非常に不備な点があって改正をしなければならぬものであるとお考えなのか、その点はいかがでありましょう。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 青森県の三八地区における中心工場をめぐってのいろいろな経緯については、私も承知しております。そこで、ただいまお尋ねの酪振法でございますが、これは制定以来すでに三、四年の実績を持っておるのでありますが、従来運用せられて参りました経緯にかんがみますると、当面これをもって十分に酪農振興の目的を果し得る、このように考えております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 公正取引委員長にお伺いいたしますが、この酪農振興法並びに農村の経済の基盤でありまするところの農業協同組合の設立に関する基本法である農業協同組合法、これらの内容は一体、日本の農業の近代化、農民の経済的、社会的地位の向上という見地から、あるいは酪農を振興するという見地から、この法の趣旨はあなたは、独禁法と照し合せてみて矛盾があるかないか、妥当なものであるかないか、この点はいかがでございましょう。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 結論を申し上げますと、この酪振法も農業協同組合法も、独禁法との調整をはかりまして制定されたものでありまして、私の方といたしましては現在の法律でけっこうだと考えております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 さらにお伺いいたしますが、そういう観点に立ちまして、現在問題になっておりまする青森県三八地区の中心工場をめぐる独禁法違反の事件につきまして、あなたはあなたの同僚である委員の方やあるいは委員会の事務局の職員に対しまして、あくまでも公正にこれを処理されておるとお考えですか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 あくまでも公正に扱っておるつもりでございます。この事件だけでなく、独禁法事件は非常に経済にからみましてむずかしい面がございますので、あくまでも公正に扱っておるつもりでございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 農林大臣にお伺いいたしますが、公正取引委員長はあくまでも公正に処理をされておるとおっしゃるのであります。ところが自民党の政調会の農林部会に公取の職員の人が出席をして、いろいろ述べられた言辞、特に農林省の畜産局が実際やっておる問題についていろいろ誹謗いたしておる点、こういう点をあなたは御存じですか。さらにこの問題の中心は、青森県の県知事がいろんな角度から長い間検討いたしまして出した結論に対しましても、これは相当問題があるのであります。そういう点農林大臣としてはよく御存じのはずですが、いかがでございましょう。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 この問題につきましては、地元酪農民のきわめて熾烈な要望に基いておりまして、さらにそれを受けとっての青森県知事の努力ないしは農林省に対する連絡、これらを勘案いたしまして措置した点でございますので、われわれとしてはこの措置は誤まりなかったものと考えておるわけでございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 そこで公取の委員長にお伺いいたしますが、実は一つの具体的な例を申し上げないとこれはいけないので、私は特に酪振法なりあるいは農業協同組合法の精神が、一体独禁法との関連において支障はないかどうかということもお伺いし、あるいは今日公取の委員会に行き過ぎはないかということをお伺いしたのでありますが、問題を具体的に申しますと、あなたの方の某委員が、公正取引委員会として行うべからざる情報の提供をしたり、あるいは特に農業協同組合の根本的な理念をくつがえすかのごとき言辞を弄した文書を配布したり、あるいは公取の委員なりあるいは職員が、事前に内容を他に漏らしてはならないにもかかわらず、昨年の暮れから新聞等に幾多誹謗した問題を取り上げて発表いたしておるのであります。これをあなたは御存じですか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 全部を知っておるわけではございませんが、いろいろな新聞に、特に北海道の地方紙に若干そういうような記事が載ったことは知っております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 北海道じゃないのです。朝日新聞の青森版あるいは東奥日報、こういう新聞に、公正取引委員としてあるいは職員として、他に漏らしてはならない問題を、記者会見をやり、新聞発表しておる。これはあなたはどうお思いになりますか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 具体的にお聞きいただきませんと、ちょっとお答えできませんが、どういう内容のことをだれがいつ漏らしておりますか。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 事例はたくさんありますから、これを一々やりますと時間がありませんから、私はその中で具体的な一、二の例を取り上げます。それは二月十日の朝日新聞の青森版です。公正取引委員会の談として、違反の審決が決定すれば、委員会は株式処分、買収、取り消しなどの行政処分をなす、とこういい、さらにまた、県は委員会の裁断を待って効力を争う前に、問題を検討すべきだ。また指定した農林省もこうした問題を考えねばなならぬ。さらに最も重大な問題は、二月三日の青森県選出在京国会議員の方方と青森県の議会の農林水産委員、その方々を一堂に集めた席上において、あなたの方の後藤事務官が質問に答えて、公取ではこの三八地区事件は黒だとしている、こういう断定、これは行き過ぎではありませんか。

横田正俊公正取引委員会委員長

○横田政府委員 この事件は一月二十五日に審判を開始すべきものということを、委員会で決定いたしまして、それから審理に入る段階でございますが、その後にいろいろ関係方面で御心配になりまして、国会等へ事務局の者が伺いまして、審判開始に至りますまでの公取の考え方についていろいろ申し上げたいと思いますが、黒であるというようなことを申し上げるはずはないと私は思います。要するに開始決定をいたしますまでのいろいろなことにつきまして御説明をいたしたのにすぎないと考えております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 あなたはそうおっしゃいますけれども、ちゃんと速記録にあるのです。同時にもう一つは、さらに現地の調査におきましても、公取の委員なり職員は最も公正であらねばならぬにもかかわらず、特定会社のジープに乗ったり、それを新聞記者から追及されて、実はその料金は払ったのだとか、こういうことが枚挙にいとまないのです。私は、予算委員会でありますから、具体的な内容につきましては、さらに当該委員会におきましていろいろ具体的にただしますけれども、問題は、独禁法の精神というものは独占禁止であって、現に三八地区であなた方が取り上げておる問題は、県の事情なりあるいは工場の実態等をもっと精細調査をして、これは今の段階では独禁法の精神からいうと、森永、明治の大資本に対してわずかな農業資本を中心にした雪印乳業やバターなどを、あまり政策的に政略的に弾圧を加えるということは、今日農林省が——ただいま農林大臣が言明されたように、酪振法の精神を生かして、真に酪農振興をやろうということに非常に大きな妨害をし、迫害をするものと言わなければならない点もあるわけです。ですから公正取引委員会はあくまでも公正に——一部の人の言によりますと、不公正取引委員会だというようなことを聞く点もあるのであります。独禁法の精神に照らして、行き過ぎの点はあくまでもそれを処断しなければなりませんけれども、もっと現実を把握してやってもらいたい。私は一言希望を申し上げまして、この問題は次の委員会に移していきたいと思うわけであります。  次に農林大臣にお伺いいたしますが、昨日食管の赤字問題で、あなたは農林水産委員会で同僚稻富委員の質問に答えられて、三十一年度の赤字百六十一億につきましては、決算を待って一般会計から繰り入れをいたしますということを言明された。その後この予算委員会におきまして、大蔵大臣の答弁についての横路君の質問に答えて、あなたは前言をくつがえしたかのごとき答弁があったわけであります。この点は昨日も深更まで四者会談におきまして、具体的にこの問題を検討し、現にその結論につきましてもいろいろ新聞で報道されておるようなわけでありますが、私はこの機会に農林大臣としてのあなたの信念のほどを承わりたいのであります。昨日もいろいろ議論の中で、食管法の内容あるいは食管特別会計によるところのいわゆる特別会計の実態、きわめて複雑であり、多岐にわたって、幾多改善を要すべき点もありますし、あなたもたびたび指摘されたように、あなたが農林大臣に就任されたこの機会に、あなたが多年考えておった、何とか合理化したいという念願でいっております際、消費者米価値上げの含みのあるような形においての答弁というものは、卑怯じゃありませんか。あなたの信念を、もう一度お聞かせ願いたいと思います。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 昨日も申し上げましたように、三十一年度の赤字は決算確定を待ちまして、一般会計から繰り入れることになりましょうが、その際指摘をいたしておきましたごとく、これにはまだ不確定要素というものがございますので、やはり決算確定を待って処置すべきであろう、こう考えておるわけであります。なおまた自余の問題は、近く臨時食糧管理調査会も発足をいたしますことでありますから、その十分なる検討を待っていたしたいと思います。

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 小平君に申し上げますけれども、時間がだいぶ経過いたしましたので、結論を急いでいただきたいと思います。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 委員長、時間は守るようにいたしますが、私も結論を急ぎますので、そう時間を五分、十分、この段階に及んでおっしゃらぬでもよろしいと思います。  しからば、あなたは農林大臣に就任されて三十一年度の赤字は百六十一億、さらにこれは決算によって若干数字が異動するかもわからない、その通りでありましょう。さらに現在の予算米価一万円で参りますと、消費者米価を据え置きするならば、当初三十二年度において百六十四億の赤字を見込んだが、その後圧縮し、検討した結果、百四十二億という赤字を一応見込まれるということを公けにされておるわけであります。そこであなたにお伺いしたいのですが、この三十一年度の食管特別会計による当初の計画、予算、これに対しまして百六十一億の赤字が出た。それはいろいろ原因があります。その中で特に大きな赤字の原因は何と何ですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 これは三十一年度の当初予算を組みました際と、一年間を通じまして操作をやって参りました経過において、あるいは引き続き二年間の豊作の影響というものもございましょう。あるいはまた外国食糧を買うに当りまして、当初予定額よりも価格が上回ったということもございます。あるいは運賃の値上りもございましょうし、さらにこれらの食糧をかかえての金利、倉敷、こういうものもかさんで参ったというようなもろもろの原因が累積して、かような結果に相なったものと考えておる次第であります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 私が調べたところによりますと、今あなたがおっしゃいましたそういう点、その通りです。同時に、これは第一点としては結局米価そのものの予算米価から、実際米審できめましたその米価の値上りが、大体十円程度の値上りである。さらに当初の買い上げ予定数量二千三百五十万石が二千八百五十万石になったというところにもありましょう。さらに今あなたがおっしゃいました運賃、その他倉敷、そういう点も影響しましょう。そこで食管の赤字をいろいろ追及してみますと問題はたくさんあります。しかし反面に、今度は実際に配給面の場合を検討してみますと、基本配給の面で大体十六億の赤字が出ておる。それから希望配給で御承知のように予算価格よりも値下げをしておる。これで十八億の赤字、その次は加工用で、これは酒米であります。これが十三億、このトータルが四十七億です。これが何といっても大きな原因です。その中で基本配給の十六億、希望配給の十八億については、これは一般消費者大衆の面でありますから、この面については当初の計画から若干変更したということについても、情状酌量する点はございましょうけれども、問題になる加工用の酒米十三億につきましては、御承知のようにこれは予算上では当初行当り一万三千八百円です。それを古米が一万二千円で平均一万二千五百円、この酒米に割り当てております百三十万石の分について当初予算の価格一万三千八百円を一万二千五百円に安売りをしたというところに問題がある。昨日大蔵大臣は従来六十万石、七十万石程度の場合は、配給量をふやせという主張をしたけれども、百万石を突破した今日においては、別にふやせと言ったことはない、むしろ率直に言うならば、あえてこの問題に対して私は示唆をしたことはないと言明されました。ところが実際にこの酒米についての安売りというものが、一部の酒屋さんに結局十三億というもうけをさして、その結果出た赤字を消費大衆に負担させるというのであるならばこれは承知できないのです。この意は農林大臣いかがでございますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 酒米の点でございますが、これはいわゆる酒造好適米と申しまして、特別な品種のものを作っておる向きがございます。これにつきましては、酒米としての別個な価格差をつけておるわけでありますが、今小平委員御指摘の平均一万二千五百円というものは普通米でございまして、食用米と同じものなのであります。これの算定方式を勘案するに当りまして、たとえば時期別格差というふうなものも最高のものをこれにつける、理論的に申しまして、あとう限りの最高のものを適用して出た数字が今申し上げたものでございまして、その点においては私は合理的であろうと考えておるのであります。ただ昨年の酒米が一万三千八百円だったと記憶をいたしますが、むしろこの方に算定方式といたしまして少しく無理があったのではないかという感じもいたしておるわけでございまして、そういう点は、たとい酒米と申しましても、やみ米に比べてべらぼうに高いものであっていいかどうかというような観点から、ことしは理屈の上で考えられる格差というものをつけて出た二万二千五百円に抑えておるというわけであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 少し見当違いです。そういったいきさつについての問題よりも、一番重要な点は三十年度までは一万三千八百円で配給しておったわけです。それを三十一年度一万二千五百円まで引き下げなければならないというのですけれども、物価指数から見ましても、消費者価格から見ましても、生産者米価から見ましても、これを引き下げなければならぬという理由はないのです。どういう点なんですか。三十年までは現実に一万三千八百円で配給しているわけなのです。それをどういう理由で一万二千五百円にまで引き下げたのですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 私ただいま資料を持ち合せておりませんが、一万三千八百円という三十年度の値段、これが非常に飛躍的に高かったと考えておるのであります。その前の二十九年あたりははるかに安かったというふうに記憶しておるのでございまして、三十年度の値段というものは、この食管会計のバランスという建前から、非常に高く構成されておったものではなく、むしろこれは正常化した値段だというふうに御解釈をいただきたいと思います。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 大臣それは詭弁です。やはりかくかくの理由だ、これが明確にならないと納得できないのです。三十年度の一万三千八百円に対して三十一年度は消費者価格が非常に下ったとか、あるいは米価全体が下ったとか、物価指数が極端に下ったとか、そういう問題があって、一般の配給価格を引き下げたという具体的事例があるなら別です。ところが三十年度の一万三千八百円はべらぼうに高かったのだ、だから下げたんだ、べらぼうに高いといったって、現にこれで配給していたのです。これはどうなんですか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 この計算の基礎を食糧庁長官から御説明申し上げます。

小倉武一食糧庁長官

○小倉政府委員 酒米の価格につきましては、二十九年度、三十年度と比べまして相当値下げをしておるじゃないか、こういう点の御質問でございますが、二十九年は一万二千円でございます。三十年度の産米になりましてお話のように二万三千八百円、昨年の産米が新米で一万二千六百三十円にいたしたのでございますが、三十年と三十一年産米の違いのおもなる理由でございますけれども、これは先ほど大臣からも御答弁がございましたように、できるだけコスト価格という思想で、しかもできるだけコストの最も高い米が油に回る、こういう思想で酒米の価格をきめておるわけでございます。ところがたまたま三十年産米をきめます場合は、二十九年の超過供出奨励金、これが三十会計年度に出て参っております。従いまして二十九年に出たものでありますけれども、たまたま会計年度が三十年度に支出されておるという意味において、三十年度の産米にそれを加算しておるといったようなことだとか、あるいは昨年と一昨年と比べまして早場奨励金が昨年はたしか八百円、その前はもっと高かったのでございますが、この高さの違い、それから等級間格差等につきましても一等と三等の違いの四百円を加えておる。こういったようなことで実は計算をいたしておりまして、三十年度と三十一年度の産米のコストの違い、そういう点が現われてきておるのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 そのいきさつはよくわかります。わかるが、わずかに百三十万石程度の酒米の配給について、年度内において十三億も赤字を出すような経理は根本的にまずいのです。だから今あなた方の説明によりますと、今度は消費者米価を上げたら酒米を上げますか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 酒米自体はコスト価格を上廻っておることはその数字で明らかでございまして、それ自体から赤字が出てくるということはございません。むしろ利益がそれだけ減少するという考え方になるわけでございます。この酒造年度の酒米はそういうことで決定をいたしましたが、将来米価変動ということになります場合は、これはことしの秋の問題になるでありましょうけれども、それに応じた動きがある、こういうふうに御了承いただいてよいと思います。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 大蔵大臣にお伺いしますが、昨日のあなたの答弁によりましてたまたま酒米問題が出たのですが、当時あなたは閣僚ではなかった。大会に行きましても、決してふやせと言ったことはないのだという御説明があったのですが、ふやせといった御説明はないにしろ、今の安売りについて食糧庁から見れば安売り、酒造業者から見れば結局値下げをして買ったということになりますが、その場合にあなたが、どうも高いから安くせよというような主役を演じたことはございませんか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 私は酒造米が一般の米よりも高いということは一、二年前に聞いておりました。食管の個々の問題は見ておりませんでしたが、これを安くしたということは、実は今初めて聞いたような状況でございます。従いましてこれを安くしろと言ったことはございません。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 この問題についての結論を得たいと思いますが七農林大臣、あなたの御答弁によりますと、結局昨日からあなたが主張しております調査会の結論と、今のあなたの答弁とは食い違いませんか。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 三十一年度の酒米はそれで決定をいたしたわけでありますが、この三十二年度の酒米という段になりますれば、かなり消費者価格がどう動くかという問題とも、にらみ合せなければなりますまいが、この秋の米は酒米についてもやはり消費者価格とのにらみ合せというものが生まれてくるであろう、こう考えております。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 いろいろ問題が腹蔵されておりますが、委員長の催促の時間が参っておりますから結論を得たいと思いますが、私は酒米について一つの事例を取り上げているにすぎないのであります。生産者米価の値上げによるとか、あるいは買上数量の二千三百五十万石が結局二千八百五十万石になったという、非常にこれは喜ばしいことなんです。こういうことによっての食管自体の赤字が出るということについてはこれは了解もできるし、これについて一般会計から繰り入れるという問題についてはこれは了解できるのでありますけれども、食管会計内におけるところの操作において外麦の安売りが思う通りいかなかった、あるいは当初計画いたしましたそういった今の酒米の問題を一つの例に取り上げたのですが、そういったことによって何十億、何百億の赤字が出たということは、これは不手際な点もあるのです。私は食管会計それ自体を検討すると同時に、やはり当初の計画はもっと慎重な態度をもって今後運営をしてもらわなければならぬ点が一点、もう一つは単に消費者米価の値上げに目途を置くということについての前に、やはり食管会計で現在事務費、人件費合計しますれば約百億近いものがあるわけなのです。これについても私は主管大臣としてこの機会に十分に検討しなければならぬ段階にきていると思う。現在の食糧庁の身分を見ますれば、長官は一般会計で、部長の半分はこれは一般会計、特別会計に分れている。現在食糧庁の全体の職員の中で非常にそういう問題がたくさんあるわけなんです。ですから私はこの機会にやはりこの問題を相当検討して、早急に結論を出すということを農林大臣の自主性においてやってもらいたい。  最後に私は大蔵大臣にお伺いいたしますが、昨日の川俣、横路両委員の質問に対してお答えになった結論を私は聞いておりまして、次のように解釈したのですが、すなわち三十一年の赤字百六十一億については決算を待って処理する、処理の方法は三十二年もしくは三十三年の一般会計から繰り入れるようにいたしたい。なお三十二年度の赤字予定額百四十二億については調査会の結論を待って処理したい。引き続いて横路君の質問がありまして、前段の百六十一億の処理については、調査会の結論によっては必ずしも一般会計から繰り入れるというような結果にはならないのではなかろうか、ということは結局調査会の結論によって百六十一億の三十一年度の赤字についても影響があるのだ、もっと具体的に申し上げますならば、場合によればその百六十一億の赤字というものは消費者米価の値上りということも、これは考慮に入れなければならないのだというように解釈してよろしゅうございますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 お話の点の大部分はずっとその通りでございます。三十一年度の赤字につきましては決算確定を待って一般会計から繰り入れます。こういうことをお答えいたしておるのであります。つきまして調査会の結論においてどうなるかは私は今のところは申し上げられません。そのときになって考えます、こう御返事申し上げたのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 一般会計から繰り入れるということを、あなたは今ここでそういう腹を持っているのであれば、何も三十二年度の予定される百四十二億については、これは政府と与党側の話し合いによって臨時特別調査会を作って、その結論によるのだというものとチャンポンにして、あえてその問 題について言及されなくてもいいじゃありませんか。あえて言及するということは、あとになって言質をとられても工合が悪いし、率直に申し上げてこれは調査会が消費者米価の値上げをするという結論になった場合に、百六十一億という赤字も考慮に入れて消費者米価値上げの材料にすると解釈されるのです。ですから私がただいま申し上げたように、消費者米価を値上げをする含みがある、こういうふうに解釈してもよろしゅうございますかと伺ったのです。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 私は消費者米価の値上げあるいは据え置きの問題については全然考えておりません。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 大蔵大臣は珍しいことに消費者米価の値上げを全然考えていない。そうすると消費者米価の値上げを考えていないということがここで明確になりました。そうすると百六十一億についてもこれは決算を待って一般会計から繰り入れる、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 米価の値上げあるいは据え置きということにつきましては、今たびたび申し上げておりまするがごとく白紙であるのであります。私は据え置きとか値上げとかいうことを前提にいたしまして処置はいたしておりません。従いましてここでたびたびお答えしておりますように、決算の確定を待ちまして一般会計からこれを補填する、こう申し上げておるのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 それはどうも大蔵大臣、最後の段にきて、私はこれでやめようと思ったのだけれども、消費者米価は値上げをする考え方は持っていないとはっきり言っておきながら、米価については白紙なのだ、どっちがほんとうなんです。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 たびたび申し上げておりまするがごとく私は今米価の据え置きとか値上げとかいうことにつきましては全然考えていない。それでは値上げしないのか、あるいは抑え置きにするかという結論は私は申し上げられません、こう言っておるのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 今十秒か二十秒前に消費者米価を値上げをするという考え方は持っていないと言ったのは、あれはうそですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 値上げをするとか据え置きとかいうことにつきましては全然白紙で、私の意思は決定していないのでございます。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 ただいま十秒か二十秒前に消費者米価は値上げをしないとあなたがそこで言ったのは、あれはうそですかというのです。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 速記をごらん下さればわかると思いますが、値上げをするとかあるいは据え置きとかいうことにつきましては全然白紙で、私の意思はございません、こう申し上げておるのであります。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 いや、それはあなたがその次に百六十一億についてこれは決算を待って、一般会計から繰り入れるということに言及した際に、あなたが今度また言を翻したからそういう説明に速記はなっているのです。その前に私が消費者米価の値上げについて伺ったら、あなたが特に発言されて、私は消費者米価を値上げをするという考え方は持っていませんと、はっきり今そこで言ったのです。それではそれは取り消しますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 ずっと先般来から小平さんお聞きの通りでございまして、私は今繰り返して申し上げますが、ただいま米価を値上げするとか、あるいは引き下げるとか据え置きにするとか、こういうことにつきましては考えがございませんということは、もう数日来から申し上げていることでございます。御了承願いたいと思います。

小平忠日本社会党

○小平(忠)委員 この点はコンニャク問答になりますからやめます。同時に私といたしましては、三十二年度の一般会計、特別会計の中では食管の特別会計、こういう重要な予算案を提案しているのであります。特にその中で米価というものは、これはきわめて重要な予算編成の基本であります。そういうものを担当する予算編成の責任ある大蔵大臣がどうするか、上げるとも下げるとも据え置きにするとも何も考えていない、白紙だ、こんな考え方で予算の審議を願うとか、予算を上程するということは、これは無定見きわまるものであって、このような考え方に立つ予算の審議には、断じて応ぜられないというのが、これが正しい見方なんです。どうか一つこの問題は、あなた大蔵大臣として再度であります。苦しい立場もわかるけれども、厳然たる態度でもって、やはり予算の審議、予算の採決、これに明確な態度をもって臨まれるのが、あなたが大蔵大臣としての責任を果すゆえんであろうということを私は忠告いたしまして、私の質問を終ります。(拍手)

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 午後二時より再開することといたしまして、暫時休憩いたします。    午後零時四十一分休憩      ————◇—————    午後二時二十六分開議

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。石橋政嗣君。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私は、公務員の給与の問題を中心にいたしまして、関係大臣並びに人事院総裁にお尋ねいたしたいと思います。  本論に入ります前に給与担当大臣にお尋ねいたしたいわけでございますが、昨日の与野党四者会談におきまして、この給与の法案の扱い方というものが話し合いがなされたように聞いております。その結論は、内閣委員会に小委員会を設けて、この中で十分に審議をし、譲るべき点があったら譲って、結局修正にも応ずる、このような話がなされたということを聞いておるわけでございますが、その点、担当大臣として何らかの形で報告を聞いておられるものかどうか。もしこのようなことが行われますならば、私は、目的は国会運営の正常化ということにあったと思う。本国会に提案されております幾多の法案の中でも、与野党の意見が対立しておりまして非常に大きな対立点を持っております法案の一つがこの給与法なんです。これを中心に国会の運営正常化が阻害されるようなことがあってはならないという考えの上に立って、そのような話し合いがなされたものと了解するわけであります。さすれば、形式的に内閣委員会に小委員会を持つということだけではこの目的は達せられない、そういう場を与えられたということだけでは問題の解決にならない、お互いがそこで話し合う中で譲り合うということがなくてはならない、このように思うわけです。そうしますと、話し合いがつけば、基本的な問題、根本的な対立するような問題でも、この際妥当だというような結論が出れば大幅に修正する用意がなくちゃならない。そうしなければ、この現在の予算審議の促進をはかるために一時的にそういう方法を便法的に採用するという公約をして引き延ばしに使ったという非難を受けてもやむを得ないんじゃないか、このように考えますので、そこまでの腹があるものかどうかということをあわせてお答え願いたいと思います。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 お答えいたします。自由民主党及び社会党との間に話し合いをされたということは伺っております。しかし、小委員会を作った審議の結果までは、私は聞いておりません。また、そうあるべきではないと思うのです。審議してみた結果によるものでありますから、私は、今は提案いたしておるものを自分の職責上通したいと思っております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 担当大臣といたしまして一応原案を正しいというふうに考えるのは当然だろうと思う。しかし、譲るべき点があれば譲るということがなければ妥協はならない。絶対に修正なんかしないんだというようなことであったんでは、何のために小委員会を開くのですか。小委員会なんかあったってなくたって同じだ、このように思いますが、どうですか。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 でありますから、両党間で御相談になりました内閣委員会の中における小委員会の審議に待つべきものであって、その審議の結果両党間でお話し合いがつけば、私は政党の中の一員でありますからそれに従わざるを得ないと思います。しかし、私としては、今出しておるものは正当なものだと思っておるのでありますから、通したい、こういう考えを持っております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは本論に入ります。  まず最初に人事院の総裁にお尋ねをいたしたいと思います。  人事院は昨年の七月十六日に給与改善の措置を講ずべきことを内閣及び国会に勧告いたしておるわけでございますが、これがようやく日の目を見まして、今国会に給与法改正法案として提案されてきた。非常に久しぶりに、極端に言えば初めてと言っていいくらい、人事院の勧告が尊重されたことは久しぶりのことでありますが、非常に喜ばしいものがあるだろうと思う。しかし、現在、この法案が通った暁において適用される公務員の諸君はあげて反対をしておる。もとをただせば人事院のまいた種が実を結んだということになるわけでありますが、この公務員が反対しておるということは非常に大切な問題であって、軽々に見のがしてはならない問題だと思うのでございます。それで、とにかく、人事院といたしまして、今度出された政府案というものに全面的に賛成なのかどうか、どういう見解を持っておられるか、もし不満な点があれば、その点はどういうところだということをまずお伺いいたしたいと思います。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 お答えを申し上げます。今回国会に提出せられました給与法改正案は人事院の勧告に沿うてなされたのでありまして、昨年の勧告において人事院が提出いたしましたおもな諸原則はほぼこの法案に盛られておると思っております。その意味において、人事院といたしましては政府の法案に賛成でございます。個々の点におきましては内閣側において修正せられたものもございますが、これはおおむね技術的なものでございますので、いずれ所管の委員会等において御意見を申し上げることもあろうかと存じます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私は、今の総裁の言葉は現在人事院の位置がいかに不安定なものであるか、意義を薄くしておるものであるかをみずから露呈したものだと思う。大体人事院というものが何のためにできたか、私に言わせれば、争議権を失い、団体交渉権を失った公務員の待遇を保持してやる、労働条件を守ってやる、いわゆる公務員の利益の擁護ということが人事院の最大の目的でなくちゃならぬと思う。その人事院が公務員の好まないものを勧告しておる。そうして政府がそれをのんだ。これは少くとも政府と人事院とが共謀で公務員の好まないものを押しつけておるというふうにしか考えられない。本来の人事院の任務をみずから失っておるのだ。だから、公務員に喜んでもらわなくちゃならない人事院が公務員には喜ばれない。それでは政府がかわいがってくれるかといえば、政府はこんな人事院は要らないと言っておる。いくところがないじゃありませんか。一体人事院は何のためにあるかということを言いたいわけなんです。特に、現在基本的な問題では大して不満がないとおっしゃいますが、しからば、この勧告実施の期日についても不満がないのか。人事院の勧告は、昨年の三月、ここに基礎資料を求めておるはずであります。政府案は四月一日から実施するという。一年間のズレがある。あなたはこの一年間のズレについても何らの批判を持ちませんか。少くともあの七月十六日に人事院が自信を持って勧告されたそのときにおいて、この実施の期日についてもいつ行われれば妥当であるという考えが一応あったと思う。私どもはそれは少くとも年度内というふうに考えておった。人事院もそうであろう一思う。それを、実施の期日がこのように大きくずれてきたことに対しても何らの不安もない、批判もないということではちょっと困るわけでございますが、その点はいかがでございますか。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 お答え申し上げます。  勧告について公務員が好まない、しからば人事院は何のためにあるのだ、公務員の保護機関じゃないかというお尋ねでありますが、人事院といたしましては、公平になる第三者としての立場もございますから、公平に考え、公務員の利益をできるだけ擁護いたしたつもりでございます。今回の勧告におきましても、私は給与改善はなされておると考えております。  第二に、実施の時期がおくれたことは、私は率直に申して遺憾だと存じております。ただ、勧告におきましては、すみやかにこれを実施するように国会及び内閣に申し出る権限しか持っていないのでございまして、これを財政上その他の理由から御決断になることは国会及び内閣におまかせするほか現行法上仕方がないものと考えております。なお、実施がおくれたというお言葉でございますけれども、期末手当のごときはむしろ繰り上って年末に支給されておると思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 全く詭弁としかとれません。昨年あなたのところでお出しになった勧告は二つの柱にささえられておると僕は思う。その一つがこの俸給表を改訂して給与改善をやれということであり、もう一つは〇・一五の年度末手当を出せということだ。この二本の柱になっておると思う。片一方だけ年度内にやられたからあとは新年度でかまわぬ、そういう矛盾をあなたがみずからここで述べられては困る。人事院の権威に関します。〇・一五の支給の問題と給与改善の問題との間には何の関連性もありませんか、それではそこのところをお尋ねいたします。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 お答えを申し上げます。もとより両者は関連がございます。ゆえに、給与体系の実施が四月一日からということになりましたことは、先ほど申しましたように、率直に考えて遺憾だと思っておると申し上げた次第であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それだけ言うておけば文句ないのです。一つの方が実施されたからまあまあだというような、そういう言い方をされるから、私は問題を出した。  そこで、松浦大臣にお伺いいたしますが、四月一日からこれを実施しよう——なぜ四月一日という根拠が出てきたのか、ここのところを納得いくように一つ御説明願いたいと思う。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 先ほど人事院総裁の言われましたように、今度のこの給与の改訂は、ベース・アップだけではなくて、給与体系を変えるという人事院の要求であります。でありますから、新しい給与体系にするためにはやはり新年度からやる方がよろしいということを考えまして、このようにいたしたのであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 昨年の臨時国会におきまして、内閣委員会において年度内に人事院の勧告を尊重して給与改善の措置を講ぜよという決議がなされたことは御承知ですか。これはあなたはどういうふうにお受け取りになったか。なぜそれを無視しなくちゃならなかったのか。国会の権威のためにも、納得のいくように説明して下さい。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 本年度内に解決を見るべく努力すべきであるという御決議、あるいは参議院におきましてすみやかに給与の改訂につき措置すべきであるという両決議がなされておりますことは十分承知いたしております。政府は、右の決議の趣旨を尊重して、人事院の勧告の一部である、先ほどお話がありました〇・五は年末に払いました。なお、給与を改訂するのでありますから、年半ばにしてやることはなかなかむずかしい。でありますから、新年度からこの新しい改訂された給与によってすることが便利である、かように考えたのであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 今の人事院総裁の答弁、あなたはお開きになっておったと思う。この勧告に組まれておる二つの柱、すなわち年度末手当の支給とこの給与改善の措置とは非常に密接な関連を持っておるという、これは、要するに、民間給与あるいは、三公社五現業の総与、こういうものと公務員の給与とのアンバランス、これをならすためにこの二つの勧告が出てきているわけです。だから、片一方さえやればあとは新年度からでもいいんだ、そういう説明にはならないわけです。少くとも、内閣委員会では、満場一致年度内に給与改善の措置を講ぜよというこの決議は、〇・一五というものが支給決定した後においてなされておることをあなたは知っておりますか。〇・一五さえ出せばいい、決してそういう決議じゃなかった。この内閣委員会における決議、本会議において確認された決議というものをあなたが無視するに足るほどの理由にはなりません。それでは、担当大臣として少くとも一月一日くらいからやろうと思って大蔵省に折衝したけれども、大蔵省から財源その他の問題でどうも困ると言われた、そういう問題ですか。そこのところをもう少し詳しく話してもらいたい。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 ただいま御答弁いたしましたことと変りはありません。新しい体系でありますから四月一日からやるという考えであります。この四月一日からやるということに対しましても、大蔵省ともずいぶん折衝いたしましたいそれから、大蔵省は、財政上の関係もあり、六・二だけ上げるということになったのであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは、人事院にもう一つお尋ねいたしましょう。私は、実施の時期が大きくずれてきたことによってますます公務員は不利益をこうむっていると思う。今度の予算説明書を読んでみましても、この一年間の国民所得の増大ぶりというものは目ざましいものがあります。少くとも国民所得が予想をはるかに上回って七兆六千億というような数字を示しておる。さらに、三十二年度においては、経済企画庁は八兆一千八百億というものを予想しておる。昨年から本年にかけてずっと国民所得は上昇していこうという、こういう好景気の中にあるわけです。民間給与水準というものがさらに人事院が基礎にしたあの時期から比べたらもっと上昇していることは明らかであります。これは三公社五現業においても言われる。こういった実施の時期のずれによってさらに不当に公務員がこうむる不利益、これが一体どれくらいあるか、現在人事院で調査されておると思いますが、まず局間給与について、あなたが勧告の基礎にしたその時期から一年近くの間にどれくらいの上昇率を示しておるか、そこのところをお示し願いたい。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 昨年の勧告は四月一日現在をもってなされたものでございます。その後の上昇については、再び同様の調査をしなければ私は明確に出ないと思っておりますが、これは、今年四月一日をもってなされ、七月十六日までには国会及び内閣へ報告せられるものと思っております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 集計された確定的なものはそうかもしれません。しかし、少くとも資料というものはずっと上ってきている。中間的な集計というものもなされておるはずです。大まかなこの上昇率というものを一応話してもらいたいわけです。

淺井清人事院総裁

○淺井政府委員 ただいまここに材料を持っておりませんが、それは御説のように上昇をしておるように考えております。どれほどの上昇率を示すかは、これはやはり、人事院といたしましては、人事院の方式によって調査して、責任あるお答えをいたしたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 お聞きの通り、人事院の総裁は上昇しておることを認めております。ここにおいて、先ほどから申し上げているように、これだけ実施の時期がおくれたということによって、またまた公務員は、不当な不利益をこうむるわけなんです。この点もあなたは十分にお考えになったのかどうか、その点をお伺いいたします。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 お答えいたします。経済の上昇率に対しましては御指摘のような点もあろうと思います。しかし、国家財政の諸種の関係におきまして、六・二を上げることにいたしたのであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 どうも納得いかないので、さらに質問を続けていく中から追及することにいたしたいと思います。  そこで、担当大臣にお伺いしたいのは、今までほとんどと言っていいほど人事院の勧告は無視され続けてきた。それが久しぶりに実施された。あなたも、実施した、自分が担当大臣になったら実施を見たというので非常にお得意だろうと思うのですが、これは、私は、いかなる意図によって今回人事院の勧告を実施したのか、ほんとうに勧告は正しいとお考えになってやった部面が多いのか、それとも、どうせなくなる人事院におせんべつのつもりでそういうふうな措置をやったのか、ここのところを率直にお伺いいたします。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 そういうような考えは持っておりません。あくまでも、第三者の立場において公務員全体の幸福を考えて立案せられました人事院の勧告を尊重すべきものであるという意味において行ったものであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 その点はさらに質問いたしますが、大久保行政管理庁担当大臣、あなたは、——今松浦大臣がおっしゃったように、政府は人事院の勧告を妥当なりと認めて今度の給与改善の措置を講じたのだとおっしゃっております。非常にりっぱな勧告を人事院はお作りになったわけです。こんなりっぱな勧告を作る人事院をなぜあなたはつぶそうとしているのですか、そこのところを一つ説明して下さい。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 人事院は、つぶすという考えは持っておりません。改組です。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 これはまことに私は異なことを承わった。あなたは人事院を廃止するという法案を出しておるのですよ。間違いでしょう。もう一度言って下さい。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 組織の変更です。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私は、担当大臣がそういう不見織なことを言うとは、問題だと思う。内閣委員会に国家公務員法の一部を改正する法律案の提案理由を説明したときに、何と言っている。「この改正案は、行政機構改革の一環として、現在の人事院を廃止し、総理府の内局として人事局を、外局として国家人事委員会を設けるために、所要の改正を行おうとするものであります。」とはっきり言っているじゃないか。廃止しないとは何事ですか。そういう不見識な答弁を担当大臣として言うのですか。(「食言だ」「休憩々々」と呼ぶ者あり)これは、委員長全然弁解の余地はありませんよ。国会に出した法案についてそういう意識を持っておったのでは問題です。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 それは解釈のしようによると存じます。廃止というのは全然なくするのが廃止であります。これは組織の改革であります。これは残ります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 何が残りますか。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 組織を変えて出ておるのです。この点が違っております。この点を了解願いたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私は担当大臣がこういう意識を持っておって出された法案の審議はできませんよ。人事院は廃止じゃないですか。人事院の持っておる権限というものは分離してしまう。これが改組ですか。私は委員長に休憩を求めます。   〔「取り消せ、取り消せ」と呼ぶ者あり〕

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 御納得がいかぬようでありますが、形式上廃止ということになりますが、実質的においては改組であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そういう詭弁は私は納得いたしません。人事院の大きな権限を明らかに分離してしまって、そうして内閣に直結した形のものを作ることが、何が廃止じゃないのですか。人事院というものが一体どういう関係でできているか、あなたは知っていますか。国家行政組織法の管轄下にあるとでも思っているのですか。私はこれ以上質問できません、こういう大臣には。   〔「提案理由に廃止と書いてあるじゃないか」「形式も実質もあるか」とよび、その他発言する者あり〕

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 いろいろ御意見が沸騰したようでありますので、(「御意見じゃない」と呼ぶ者あり)私がさっき申しました通りでありますけれども、言葉が少し足りなかったと思います。廃止ということは、形式上は廃止になります。けれども、ほんとうに全部なくするという意味ではないのです。これを組織を変えて内閣の一部にする。(「そんなばかなことがあるか」と呼ぶ者あり)見ようによっては廃止ということになります。見ようによってはそういうことになります。   〔「なぜ改組と変りがないのだ」と呼び、その他発言する者多し〕

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 静粛に願います。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 実質的には廃止ということにはならないと思います。   〔「それはだめだよ」「そんなことではいかぬいかぬ」と呼び、その他発言する者多し〕

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 人事院総裁に改組かどうか聞いてごらんなさい。   〔発言する者、離席する者多し〕

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 先刻以来の答弁が不十分でありますので、一応今の点の発言は取り消しをいたします。人事院は明らかに廃止のことになっております。しかしながら、公務員の利益の保護とその他人事行政の中立性、公平性を確保するためには国家人事委員会を設けて、これを阻害しないようにいたす考えでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 担当大臣がそういうことでは困るわけなんです。自分が提出した法案の説明すらできないということでは、これは非常に権威にもかかわるわけでございますから、十分御注意を願いたいと思います。今御訂正になったように、人事院は、これはもうはっきり廃止になるわけなんです。そうして、今まで国家行政組織法の所管のもとにもなかったこの人事院を分断して、総理府の内局に人事局を設けて人事を扱わせる、外局に国家人事委員会というものを作って、そうしてこの勧告その他こういった権限を持たせよう、重大な変化を意味する法案をあなたは出しておられる。私どもはそれを審議しようとしておるわけなんです。しかし、あなた自体がそういうふうにあまり認識しておられないほど、この法案の意義というものは私は薄いような気がする。現に人事院がつまらぬものならいざ知らず、今担当大臣もおっしゃったように、人事院の勧告はりっぱだからこれをのむ、こういうことを言っておる。そういうりっぱな勧告を作る人事院をつぶすというのは、私はどうも納得がいかない。あなたは廃止するということをお認めになった。しからば、なぜ廃止するのか、そこのところを今度は納得のいくよう説明して下さい。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 この問題は、先ほどもどなたか質問がありましたので一応お答えしたのですが、行政機構改革に伴っての問題であります。この案のできましたのは鳩山内閣の末期であります。その時代に作りました案が、目下衆議院の委員会にかかっておる次第であります。継続審議中でございます。その当時は政府としては一致した意見をもって提案したのでありますけれども、衆議院に参りました以後、あるいは賛成者もあります、あるいは反対者もあります。従って、ただいま私ども政府の立場としては、国会議員諸君のほんとうに良識ある最後の断定、態度を切望しておる次第であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 われわれは、政府が提案すれば、国会議員の良識で正しいと思う方向を出しますよ。それは当然のことです。政府は一体この法案についてどういう見解を持っておられるのか、そこのところをお答え願いたい。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 その意味は、当時の状況から見ますと、簡素化という意味から出ました結論であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 提案理由の説明を読んでみましても、別に簡素化ということはうたっておらないようでございますが、簡素化ですか、廃止の理由は。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 もう一つの意味は、責任体制ということからも考えております。簡素化と責任体制の確立という、この二つの意味からこの案を作ったのであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 今の人事院では責任がとれないとでもおっしゃるのですか。どういう点で責任がとれないのか、明確におっしゃって下さい。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 今の二つの点から考えまして案を作りましたのでございます。それ以上私は説明は要らぬと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 政府が国会に法案を提案しておる。その法案がいかなる目的をもって出されたかという説明ができないで、あなたは担当大臣が勤まりますか。一体どういうことなんですか。この人事院を廃止しよう、重大な問題ですよ。あなたは簡単に考えておられる。国家公務員三十六万、四十万、この国家公務員はもちろんのこと、間接的に影響を受ける公務員は莫大な数ですよ。この公務員の死命を制しておる人事院の存在の廃止をあなたは提案しておいて、なぜ廃止するのかという説明もできない。事務的な問題じゃないですよ、簡素化とは何です、はっきり説明して下さい。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 この問題は、おそらく、歴史を考えてみますと、公務員制度調査会において議題になりました問題でございます。その当時私も関係しておったのでありますが、ここでも長く論議がありました。その制度調査会の結論においても、やはり人事院は一応廃止して、別個の機構を作って、そうして人事局を内閣の二部に置いた方がいい、こういう結論になっております、こういう点を尊重して案を作りました次第でございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 あなたは簡素化だけを言っているんですよ、廃止の理由を、それじゃ、あなたの行政機構改革の根本が簡素化という点だけにあるならば、何で政務次官を複数にしたり事務次官補を設けたり、このごろは食糧庁や水産庁の長官まで参与官にしようとしたり、トップ・マネージメント幾構の強化なんという、そういう美名のもとに何でたくさん役を作るのですか。簡素化ならば、そっちの方こそ簡素化する必要があるじゃないか。これは何のためにやる必要があるのですか。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 その問題は全く別個の考えであります。トップ・マネージメントの考えは、政党政治を確立する意味において必要だ、政党政治の確立、その点から考えて必要である。もう一言申し上げますが、現在衆議院議員の給与と政務次官の給与とはほとんど同じですから、人をふやしても金はかかりません。こういう点も考えております。(笑声)

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 トップ・マネージメントの問題についてはあとでどうせまた質問いたします。  この人事院の廃止という問題について、どうしても私は納得いきません。少くとも、先ほどから申し上げているように、人事院を廃止するということはあまりにも重大な影響を及ぼすのです。特に公務員、この人たちがますますみじめになる。少くとも、公務員の諸君に団体交渉権と罷業権とを返すから、だから人事院をつぶすというなら納得します。公務員の諸君も納得するでしょう。そうじゃないですか。大体人事院を作ったのは何のためか。公務員からこの団体交渉権と争議権を剥奪した、とのかわりに差し上げますというので人事院というものを作ったのです。それほど重大な意味を持っているから、人事院には大きな権限を与えなくちゃならぬ。当時三権分立の思想に反するという理論が出たほど大きな権限を人事院に持たしている。それほど大きな権限を持たしたのは、先ほど申し上げたような重大な意味があるからです。それをあなたは単に簡素化という一言でつぶそうとするのですか。もう少し、われわれが、そして公務員の諸君が納得いくように、なぜ廃止しなければならぬか——金がかかるとかかからぬとかという問題ではないですよ。もっと、誠意のある説明をして下さい。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 ただいま申し上げました通り、それ以上説明の言葉はないのであります。要するに、責任政治の確立もその一つの理由であります。それから、もう一つ、行政を簡素化するという意味もその一つであります。次に、従来の人事院を廃止しましても、その機能については決して阻害しないように、公務員の人権を擁護するように組織が変るのでありまして、この点からも私は心配ないと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 少くとも労使の関係において公正を期さなくちゃならぬのは人事と給与です。この人事と給与の公正を期するということが目的でなくちゃならぬ。人事院はその目的を果すために作られておる。普通ならば、力関係で、争議権、団体交渉権を通じて、労働者が、公務員が、みずからの労働条件の維持改善をはかることができるけれども、それを剥奪した以上は、それにかわるべきものを与えなければならぬ。それを人事院にやってもらおうというのが人事院設立の趣旨なんです。あなたは責任政治の確立だとおっしゃったけれども、内閣が行政も人事も何もかもみな握って公正が期せられますか。労使の関係でいけば使の立場に立って、使用者の立場に立って、内閣が人事も何もかもみな握ってしまって、そして公正が期せられますか。そんな言葉でごまかしてもらっては困ると私は思う。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 さっきも申し上げましたように、人事委員会ができまして、これは十分に現在の公務員の身分を保障し得る制度と思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 人事院は現在独立組織なのです。内閣からは全く独立した形である。だから、ある程度政府とそして公務員との中間的な地位を保障されて、そしてやや公正な——自分では公正のつもりですよ、公務員は納得していないけれども。人事院としては、公正な立場に立って、労働条件、この問題の維持改善に努めている。中間的な内閣と独立した人事院においてすら、公務員が納得するような措置が行われないのに、使用者側である内閣が全部権限を握ってしまって、何で公正が期せられますか。そういう理屈は、私納得いたしません。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 しばしば申し上げました通り、人事委員会は全く独立の職能を持っております。十分に公務員の身分を保障し得ると思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは、大臣が先ほどおっしゃった意味がようやくわかって参りました。廃止じゃない——そういう意味なら確かに廃止じゃございませんよ。内閣から分離して存在しておる、そういうものであれば、廃止と言わなくても、改革と言えないこともないかもしれません。しかし、先ほどから申し上げているように、人事院は内閣から独立している。あなたが今度作ろうとしている国家人事委員会というものは内閣の外局にある。しかも国家行政組織法の管轄の中に入ろうというのでしょう。そうじゃないのですか。そこのところをはっきりして下さい。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 法律によって定めました人事委員会の性質、これから考えて、全く独立の権限を与えられております。この点から考えれば、人事院がなくなっても、その活動力において私は変りはないと思う。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 どうも私納得いかない。先ほどから何度も申しておりますように、公務員の労働条件の維持改善をはかる、この立場から考えて下さい。これは、普通の形でいけば、公務員がみずから団結をし、そして政府と団体交渉をし、時には罷業権も行使してその維持改善をはかっていくのが本体なのです。ところが、これじゃどうも公務員というものの特殊性から工合が悪い、工合が悪いから、この争議権と団体交渉権を剥奪して、そうして使用者側に当る内閣から独立した形の人事院を作った。そうなんでしょう。そうすればやや公正を期せる、こう考えたに違いない。内閣からも独立し、そして公務員の代表でもない、こういう人事院であれば、公正な判断に基いて給与の面においても人事の面においても公正な措置がとれるだろう、こういうふうに考えて出発した。ところが、政府から独立した人事院においてすら、公務員が納得いくような保障が何ら与えられていない。今度の勧告にも公務員諸君は反対している。今度は、あなたが提案しているのは、この内閣の外局として人事院を持っていく、もう独立機関じゃないのです。労使関係の使の、使用者側、政府のいわゆる命令系統に入るところ、ここが人事を握ってしまう。給与の面では国家人事委員会というものが扱う、こういうのでしょう。そうすると、あなたの理屈でいけば、給与の面ではやや従来のような形が守られる、こうおっしゃるのだろうと思いますが、しからば、人事の方はどうですか。人事の方は政府がみずから責任制の名のもとにどんどんやって公務員の公平が期せられる、こうおっしゃるのですか。

林修三法制局長官

○林(修)政府委員 今提案されておる法律案の内容でございますので、私が便宜お答えさせていただきたいと思います。今お話しの人事の問題でございますが、人事の問題は、御承知の通りただいまでも実は内閣、内閣総理大臣及び各省大臣が持っておるのであります。ただ、公正を期する意味において、試験とかあるいは任用の基準、こういうものは人事院が今やっておるわけであります。こういう意味の基準的なものは、あの法案においても、国家人事委員会という独立的な機関に持っていっておるわけであります。こういう意味において、人事、給与ともに基準的なものは総理府の外局である国家人事委員会がやる。これは、人事委員会というのはもちろん行政委員会でございまして、相当独立性の強いものでございます。こういうところに、そういう給与とか人事の基準に関するものは持っていきまして、公務員のこういう問題についての公正を期するという点は従来通り維持していく、こういう考えでできております。ただ、具体的な人事行政あるいは給与の実施、こういうものは内閣の責任制の意味で総理府の人事局に持っていく、こういう考えでこの法案はできておるわけでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私は法制局長官の事務的な解釈なんか聞いているのじゃありません。提案理由の説明に基いて聞いておる。ただこれだけ読んだのでは、大久保大臣なかなか理解しないから、説明を加えているだけなんだ。あなたは、提案理由の説明の中で、「現行制度に見られるように、独立機関が一般職の国家公務員の人事行政をほとんど全面的に所掌していることは、内閣の責任を不明確ならしめているきらいがあるばかりでなく」云々と言っておる。いいですか。人事行政を独立機関が持つことはけしからぬ、だからおれたちが持つために改正するのだとおっしゃっておるのですよ。そんなものをやったんじゃ公平は期せられないじゃないかというのが私の質問の趣旨なんです。

林修三法制局長官

○林(修)政府委員 ただいまの御質問でございますが……。   〔「法制局長官の答弁を求めていない」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 静粛に願います。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 たとい内閣の方にありましても、人事委員会としては法律上独立の権限を与えられておるのでありますからして、私は従来に対してその点は心配ないと確信しているのです。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 まだよく理解していただいておりません。給与と人事という二つの問題があるのです。給与の方は、あなたのその詭弁をもってして一応逃げることができるかもしれない。しかし、人事の方は、提案理由の説明で言っているじゃありませんか。独立機関が扱ってはどうも工合が悪いから、おれたちが握るのだと。少くとも、雇い主の側が人事を全面的に握って、そうして公正を期せられるかと聞いているのです。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 人事委員会を設けますと、事務局ができるのでありますけれども、この局は人事委員会に付属してできる機関でありまして、この点から考えましても、私は人事の面においても独立し得ると考えております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私どうも今の言葉は納得いかないのですが、人事委員会と人事局との関係はどういうふうになるとおっしゃるのですか。国家人事委員会をあなたが作ろうとしておられる。いわゆる国家人事委員会というのは総理府の外局として作るというのでしょう。人事局というのは総理府の内局として作るというのでしょう。この二つが相互に密接な関連があるとおっしゃるのですか。

大久保留次郎自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○大久保国務大臣 給与ばかりではなく、人の問題についても人事委員会において基本は相談してきめることになっております。従って不公平なことはできないと存じます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それでは今理事の方からお話がありまして、この点に関連する質問は総理にお伺いするようにいたします。従いまして一応大久保大臣に対する質問は留保いたしまして、さらに続けたいと思います。ただ申し上げておきたいことは、これは非常に大切な問題だということなのです。公務員の死命を制するような、人事院の存廃の問題について、かりそめにも、担当大臣でなくても閣僚の一人として、その程度の御認識がないということでは、公務員はたまったものではないということだけ申し上げておきます。  それでは松浦給与担当大臣に質問を続けますが、あなたは人事院の勧告を尊重して実施したのだ、こういうふうに申しております。ところが都合のいいときには人事院の勧告を尊重したとおっしゃいますけれども、今まで長い間人事院の勧告は無視し続けてきておる。一体公務員制度調査会というものを作って、この答申も一応出ておるようでございますが、あなたたちが公務員の問題について、時に給与といったような問題を取り扱う面におきまして、人事院の勧告と公務員制度調査会の答申というものとはどういうふうに扱っていっておるのか、そこのところを一つ御説明願いたいと思います。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 人事院の勧告を受けたのちに公務員制度調査会に十分かけまして、それを尊重いたします。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 ところが政府のやることを見ておりますと、どうも両刀使いをやっておるようなきらいがある。公務員制度調査会の答申の方がどうも工合がよさそうだということになると、公務員制度調査会の答申に基いて云々と言う。人事院勧告の方が工合がよさそうだということになると、人事院の勧告を尊重して云々と言う。全く両刀使いです。御都合主義です。その一つの例がこの地域給の勧告です。御承知の通り昭和二十九年の五月に人事院は地域給改訂勧告を政府に対してしております。ところがいまだにこれを実施しないじゃありませんか。昨年の七月の勧告は実施したといって盛んに鼻高々でおっしゃいますが、その前にちゃんと前科がある。地域給改訂勧告というものは頭から無視しておる。無視しておるのみならず、これを廃止するなどということを言っておる。しかも廃止する根拠はどこかという質問をすれば、この間の本会議で、十一月でございますが、倉石給与担当大臣が公務員制度調査会の答申に基きまして云々と言っている。全くもって私は両刀使いもはなはだしいと思う。しからば一体なぜこの地域給の勧告については尊重なさらないのですか。これまた納得のいくように御説明を願います。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 地域給の問題については、御説のように勧告がありましたことは両党ともよくわかっている話なのです。そこで人事院の勧告の倍以上にしちゃったのです。それじゃ国家の方で持てぬという。それでついに延びちゃったのです。だから今私どもが考えるのは、ほんとうは地域給なんというものはもうこれから是正する方がいいと思うのです。けれども今われわれはこれを廃止するとか何とかいうことは決定いたしておりません。これは党の方にいろいろ諮問いたしております。けれども御承知のように、人事院の勧告の倍以上のものに政党の方でしてしまって、それが財政上のめないということで、そのまま今日に来ておるのです。これが実情なんです。それは理論じゃないんです。それで今度はこれを一そうさらに改善するというか善処することを考えなければいかぬという段階に来ておると思うんです。これはお互いの御相談だと思うんです。私は理論的に今おっしゃるようになぜそれをやらなかったか、なるほどやっていない、やっていない事情は両党間にやはりその問題は相当むずかしい問題になっておることを御了承願いたい。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 私は将来においてこの地域給というものを廃止するという考え方に全面的に反対するものではございません。しかしそういう人事院がした勧告を無視していいということにはならないと思う、人事院の勧告も将来の改訂は示唆しておるのですよ。しかし現存する限りその不均衡は是正するというのは当然の任務じゃありませんか。将来廃止するのだから、だからどんなむちゃくちゃなものでも、不均衡なものでもいいという理屈がありますか。三年間という長い間、あなた方みずからが人事院も政府も認めて、その矛盾に満ちた不均衡な地域給を押しつけられておるという、その責任は重大じゃないですか。私はあなたの今おっしゃっておるのは詭弁だと思います、少くとも現存する限り、不均衡は是正していくというそういう建前をとるべきですよ、いかがです。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 できるだけ御説のように勤行を尊重して是正していきたいけれども、三年前に地域給に対する人事院の勧告はそのまま両党がのめば通ったかもしれないけれども、両党間で倍以上に修正しなければならぬという意向が出て、政治上の問題でやれなかったのですよ。このことは石橋君もよく御存じだと思う、お互いにこれはずいぶん心配した問題なんです。だからこれを理論の上でああだこうだというのはおかしいと思うんですよ。これは日本の政党史の中の一つの問題です。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 いやに開き直った御答弁でございますが、御認識が誤まってやしませんか。両党間で検討を加えて人事院勧告じゃ不十分だという意見が両党にあったことは認めます。しかもそれが衆議院で決議された、確認された法案として通過されたという私は認識を待っておりませんが、その点はいかがです。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 それをやろうと思っておったんですけれども、解散になっちゃったんです。それでやらなかったのです。それで今日に至っておるのですよ。また国の財政事情から見ても議院の方の考えは百八十六億というものを見てもらいたい。けれども国の方の財政経済のことも考えなければ、両方かね合いですから、ここで今しかつめらしく石橋君が言うのもおかしいんですよ。それはお互いにやったことなんだもの……。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 あまり開き直って博学ぶりをお示し願わなくてもけっこうでございます。今あとで御訂正になったように、衆議院の意思は確定しておりません。当時の人事委員会において確かにこれは成立いたしております。しかしそれをもって直ちに衆議院の意思というふうに申すことはできませんでしょう。もしあなたのその論法で行くならば、昨年の内閣委員会におきまして、年度内に給与改善の措置を講ずべきことと満場一致で決議したものとどれだけの相違がありますか。またここで両刀使いをなさる。地域給の問題では、当時の人事委員会で超党派的に確認したんだから、私も罪が同断だ——私は当時まだ出ておりませんでした。両党の責任は同じだとおっしゃる。ところが去年の内閣委員会において満場一致で確認されたいわゆる決議案は、これは頭からお認めになっておらない。そういう両刀使いはおやめになった方がよろしい。しかも勤務地手当の整理の問題については、まだそれはきまっておらないんだとおっしゃるが、ともこれは昭和三十二年度予算の説明少くの中でも「勤務地手当の整理」として「現行の勤務地手当制度は廃止する。」とうたっております。この点はいかがなんですか。党内の専横がどうも許さないので、いろいろもめておるというようなお話もございますが、そこのところの真相を一つお話し願いたい。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 予算説明にありますように、地域給は改善いたしたいと思っておりますが、その案は目下党の政審の方で検討していただいておりますから、それができ上ったらまた御相談するようなことになるだろうと思うのですが、目下検討中であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 予算提案に当って、廃止するというからには、何らかの腹案がなくちゃならぬと思う。どのような形で廃止をして、そのあとは一体既得権の確保はどういう形で行われるのか、一つ納得のいくようにお話し願いたい。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 もう一ぺん言って下さい。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 少くとも予算を提案するときに説明書を出しておられる。その説明書の中で「現行の勤勤務地手当制度は廃止する。」というふうにうたっておる以上、廃止を前提にして予算が提案されていると思う。そうしますと、この廃止という面について政府は一体どういう案を持っているのか。自民党ではそれはいろいろ御意見がございましょう。しかしあなた方政府としては、予算提案のときに現に廃止という方針を打ち出している以上、何らか案というものがなくちゃならぬ。与党がのむかのまぬかは別として、案というものがなくちゃならぬと思いますが、それはどういうのものでございますか。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 いろいろな検討をしておりますが、われわれは政党内閣ですから、やはり党に用かなければいかぬという建前をとっております。それからもう一点は、廃止するとはっきり——決定だと書いてございますか。廃止する方向じゃないんですか。——大体その方向で検討しておるのです。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 ちょっと予算の説明が引き合いに出されましたので、一言申し上げます。  三十一ページに、その点は「改訂の要点は次のとおりである。」とございますが、配付いたしました正誤表によりまして——直ちにこれは配付いたしましたが、「この経費の積算にあたって考慮された改訂の要点は次のとおりである。」というふうに正誤をいたしておりまして、ここに書いてあります案が政府の業でないことをお示し申し上げたつもりでございます。なおその際私がここで説明を申し上げましたが、その際にも繰り返し、いずれこの点は法律案をもって御審議をいただくということとして目下検討中であるということをお答え申し上げましたことを思い出していただきたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 正誤表で逃げられたんじゃ私はしょうがありません。  それでは、これまた昨年の十一月二十日、衆議院の本会議におきまして、当時の倉石給与担当大臣は「地域給につきまして申し上げますが、地域給につきましても、公務員制度調査会の答申に基きまして、ただいま、この整理について鋭意研究いたしておる最中であります。」十一月から現在まで何ヵ月かかっているかわかりませんが、鋭意検討中が、まだ結論を得ておらない。政府は全く白紙で、与党に何か案を作って下さい、こういうことをおっしゃっているのですか。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 お答えいたします。その地域給の問題は、非常に広範にわたっていろいろ利害の関係が各方面に起るものでありますから、短い時間では検討ができないんです。それで今なお鋭意検討中であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 今後政府の言う鋭意検討中なんというのは、あまり信用しないことにいたします。  先ほどの本論に移りまして、しからば人事院の勧告の中にも付言されておったのでございますが、市町村の合併に伴って出てきている不均衡の是正、これだけは何としても急いでやらねばならぬということを人事院は言っておりました。従って、全面的な勧告をあなた方がいろいろな御事情でやらなかったという釈明はそれまでとして、この点についてはどうお考えですか。私は自治庁の長官とあなたと二人から意見を求めたい。四千にわたる合併市町村が、この一事のためにいかに困っているか、これをほっておくということは問題だと思うのでございますがもこの点はどういうふうに考え、今までどういうふうに措置しようとしたのか、今後どういうふうに措置しようとしているのか、お二人の説明を願いたい。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 お説のように、合併市町村の地域給の問題については各町村非常に困っております。今度改訂をするとするならば、それらのことを含ましてそうして合併町村に影響の瀞いようにしたい、こういう考えで検討いたしているのでございます。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 自治庁の、長官にさらに付言していただきたい。実際にこの画において、自治行政をあずかっている府県市町村すべてが非常に困っていると思う。あなたが一番身近にそれを知っておられると思う。その直接の任に当る自治庁長官として何とかせなければならぬと思ってたおられのか、それをどういうふうに閣議で反映するために努力されたのか、そこのところを一つ御説明願いたいと思います。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 御心配をいただいておりますように、わが国の市町村のほとんど全部が、このたびの新市町村の合併問題には関係を持っておるわけでございますから、ほとんど全国の市町村にわたりまして、今御心配をいただきましたような心配があるわけでございます。そこでその点は、せめてこの部分だけでもすみやかにその修正対策を必要とするということを強く政府に要望いたしまして、私も政府の一員としてこのことの解決を急いでいるわけでございます。そういうような気配も一つの強い動機となりまして、ここに地域給制度全般に関して、わが政府の方では具体的な一つの案を立てまして国会に御相談をすべきものである、この時期は急ぐべきものである、こう考えまして、一つの具体案を得まして、この具体案を目下党に相談をしているということは、先ほど労働大臣から御説明申し上げました通りであります。しからばその案はどういう内容の業であるかということの説明は、これは政府部内の意見というものは、党の意見を聞きました上でなければ決定をいたしません。決定をしておらないものをここで申し上げることは、その時期ではございませんので御遠慮申し上げたいと存じますが、結論は急いで決定をいたしまして、これは御相談申し上げることにいたします。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 党内事情でいろいろ御苦衷のほどは十分お察し申し上げます。今後急いで成案を得られるということでございますので、なるべく早くやっていただきたいと思うのですが、その際に当って公務員制度調査会の答申でも、くれぐれも実質的な減俸を来たさないようにということを付言いたしております。これは二度、三度にわたって書いておる。これがやはり一番中心にならなくちゃならないと思う。私も先ほど申し上げましたように、勤務地手当制度の今後のあり方としてどちらがいいかといえば、現在のような都市重点主義じゃなしに、かえって人の喜ばないような隔遠地重点主義に移行すべきだという考えを持っておる。しかしこれを廃止するということになってくると、どうしても既得権侵害という問題が出てくる。これをみんな心配している。いかにして実質的な減俸を来たさないようにするか、十分に御留意を願っておると思いますが、この点について当面切りかえのときだけ既得権が守られれば、あとのことはどうでもいいというようなことであってはならない。たとえば昇給の振りかえというようなことによってカバーするというふうな問題であれば、それは地域の問題では既得権は守られても、昇給という面で既得権が侵される、こういう形のものであってはならないと思うのですが、現在、将来にわたって実質的な減俸が行われないように十分に留意する用意ありやいなやということをお伺いいたします。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 既得権が侵害されないようにしなければならぬということは当然であり、その既得権の侵害されないような方向において、しかも零給地にも考慮をめぐらすという意味において、広範に検討いたしておりますから、御意見のようにいたしたいと思っております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それではさらに次の質問に移りますが、今回人事院の勧告を尊重して、四月一日から給与改善の措置を講ずるようにしたとおっしゃっておるのでございますが、この人事院の勧告を尊重するに当りましても、やはりいろいろ問題点があったかと思います。政府で疑点を持ったその点について、まずお伺いたしたいと思います。尊重したというけれども、何もかもべたぼれだということじゃないと思う。やはり批判点があったと思う。しかし人事院のおっしゃることだから、この点は人事院のおっしゃる通りやりましょうというふうな点はなかったかということです。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 人事院の勧告の趣旨を尊重して、政府の責任において直した点もありますが、大体中心の趣旨は全部尊重いたしております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 昨年の衆議院本会議、十一月二十日でございますが、一萬田大蔵大臣が、「人事院の勧告につきましては、私どもとしては、むろんこれを尊重いたすのであります。ただ、この勧告の内容について、やはりいろいろと問題がありまして、」とおっしゃっている。私はこれを好意的に考えたのでございますが、どうも今の松浦大臣の話では、あまりそういう配慮もないようでございます。そこで私から具体的にこういう点で疑問を持たれなかったかという提案をしたいと思うのでございますが、それは人事院がベース・アップ方式をとらなかったということ、どちらかといえば実質的な昇給制度というふうなもので、給与改善を振りかえておられる。この点については、何らの疑問もお持ちにならなかったでございましょうか。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 ベース・アップ方式よりも、むしろ給与体系を改訂するというところに重体を置きまして、実はいたしたのであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 どうも意味がよくわからないのでございますが、四月一日になって公務員の給与が若干上る、それが給与改善の措置だということは私わかるのです。しかしその際に実質的に現行俸給表の中で引き上げていくという形をとらないで、俸給表そのものが相当変りました。体系も変りました。しかし昇給という形で、この給与改善をやろうという考えが、人事院の勧告の骨子であったと思う。私はそういう点で、昇給制度というものに切りかえないで、なぜベース・アップをやらなかったか、この点の質問をいたしておるわけであります。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 先ほどもお答えいたしましたように、給与体系を変える、その新しい給与体系に乗りかわるときに必ず全部一号は上げて、新しい給与体系にかわっていく、こういう意味であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それではその一号上げるときに、一体公務員は平均幾ら上るのですか。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 一号上げて、そうしていろいろ操作をいたしまして、全体の平均が予算に出ておりますように六・二%になるのであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そこに問題があるわけなんです。今度の予算面で、給与改善のために百五十六億に増額したのだというふうにいわれている。ところが百五十六億を検討してみると、この中には特別手当の〇・一五が入っておる。これが二十二億円だ。そうすると実質的に俸給制度の改正に伴うものは百三十四億ということになる。しかもこの百三十四億というのがあなたのおっしゃる六・二だと思うのですが、これは四月一日にそのまま生かされてくるものじゃないと思う。結局この中には切りかえ後の昇給期間短縮に伴う経費というものも当然入ってくるのじゃございませんか。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 今のはこまかい御質問でありますから、私が答えるよりも係の者が答えた方がいいのじゃないかと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それではこまかくは聞きません。一つだけお答え願えればいいのです。公務員が四月一日から平均幾ら上るのでございますか、四月一日現在でお答え願います。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 本年度の給与に比べて、来年度の給与は四月一日に、平均いたしまして六・二上るわけであります。   〔「違う、違う」と呼ぶ者あり〕

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 御訂正ございますか。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 四月一日というのではなくて、前年度に比べてです。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そうでしょう。三十一年度に比べて三十二年度は各平均八百三十円、六・二上る、こういうように私も理解しておるわけなんです。ところがいかにもそれが四月一日切りかえと同時に平均六・二、八百三十円上るかのごとく思われておるので、その点間違いないかどうかと私は確かめておるわけなんです。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 大体その通りであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それではその点私は一応信用いたしまして、さらに質問に移ります。  問題は定期昇給という形に重点を置いたということなのです。この形をとった趣旨というものが、民間給与の動態を見るに、いわゆるベース・アップ方式による給与改善から定期昇給へと重点が移行していく傾向にある、これは人事院勧告を引用した。そうしますと、民間の給与の実態を見ていると、いわゆるベース・アップ方式はとらないで、定期昇給制度に重点が移っているから、私たちもその方法をとったのだ、こういうことなんですが、ここでもまた都合のいいところだけをとっておられる。この昇給制度に重点が移っておるということを私がかりに承認するとすれば、民間給与と公務員給与のアンバランスというもの、ここにおいては、なぜ人事院が認めておる一一%を採用せずに六・二%を採用なさったのか、これは私はどうも承服いたしかねます。確かに人事院もいろいろな条件を加味してこれを修正しております。しかし本体は一一%という不均衡を認めておる。私どもの計算でいくと、これも単なる一一%じゃございません。毎月勤労統計によって全産業の指数を借りてくれば、これが一七%以上のアンバランスになっている。毎勤の全産業の統計というのは、平均賃金が非常に低いものが七割以上を占めている。そういう統計においてすら一七%以上のアンバランスが出ておる。それを無理して人事院は一一%に押えた。それをまた無理して六・二に押える。こういうことには私は承服いたしかねます。なぜこのアンバランスを一挙に回復してやらなかったのか、先ほど申し上げたように、少くとも昨年から今年、来年にかけては非常に好況を示しておる。財政規模も非常に拡大している。財政というものは国民所得の再分配だというように私どもは理解しております。そうしますと、公務員だけがこの分配にあずかる率が少いということは、どうも私は納得ができません。この好況にあるときに、公務員にも少くとも均霑するごとく措置をとるべきではなかったか、なぜ六・二で押えたか、ここのところを説明して下さい。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 できるだけ人事院の勧告の一一%にして、公務員の生活の安定をさせたいのでございますが、御承知のように、民間給与の中でも公務員と比較されておる職種はこれは一一%ぐらいでありますが、一般中小企業その他の給与というものは、公務員の給与に比べて非常に低いのであります。そうではあっても、私どもは、比較する対象が一一%であるならば一一%やりたいと思って努力をいたしましたが、財政上の都合もありますし、いろいろの関係で、また半面に、お役人の方は恩給がもらえるが、民間の者はもらえないというような点もございます。ただ今まで比較しておった対象の三十人以上の企業といいますか、そういう対象のいいところだけを比べられて一一%と言っておるが、国民生活全体も考えなければならないし、今日一年に五十一万枚も不渡り手形を出しておる中小企業の姿も、やはり考慮に入れるべきであるということで、そこまでいったことでございますから、この程度で御了承願いたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 一一%というのは決してなまの数字じゃないのです。この中にすでに人事院の政治的な意図が含まれている数字なんです。実態は、毎勤でいっても全産業の統計においてすら一七%のアンバランスが出ているということを先ほど私は申し上げた。今公務員の人たちは恵まれておるとあなたはおっしゃったが、決して恵まれておらない。一つの例を申し上げましょう。たとえば旧制の専門学校を卒業して勤続十年、年は大体三十才、これくらいで幾らになると思いますか。現行の場合一万四千百円、専門学校卒、三十才というのは私たちくらいのところでありますが、一万四千百円じゃ結婚もできぬじゃありませんか。その程度の給与が現在の公務員の給与なんです。決してあなた方が考えておられるように高いものではないエンゲル係数からいきましても、公務員の平均エンゲル係数は、大体五割前後です。これは最低生存の生活程度、こういう規定の中に入る程度のものなのです。決して皆さん方が考えているように高給じゃない、高給なのはうんと上のおえら方だということを、よく頭に置いた上で御発言を願いたいと思います。しかしながら何といっても今度の改正案の中で問題になりますのは、やはり給与体系の大幅な変革、ここにあるわけです。公務員の人たちがほんとうに長い間三年間というもの、一銭もベース・アップを認めてもらえなかった、かりに何百円でも、僅少の額であろうとも、上るということであれば、それこそ喜ばなくちゃならない。ところが喜ばないで、なぜあんなに一生懸命になって反対をしているのか、その根本の理由こそ、この給与体系の変革にあるわけです。  一体日本の現在の官庁組織の上に立って、なぜこういった給与体系をとらなくてはならないかという点で、私は非常に疑問があります。政府の立場もわかります。人事院の立場もわかります。現在の国家公務員法というものが職階制に結合した職務給の確立というものを方向として示している。だからこれに前進していくということは当然だというお考えだろうと思うのでございますが、しからば現在の公務員制度というものを検討してみたときに、この職階制というものを、なまのまま受け入れていくだけの態勢があるか、疑問だと思う。公務員制度調査会の答申にも述べているし、特にあなた方がいつもおっしゃるのは、占領政策の行き過ぎ是正、これは皆さん非常にお好きです。何もかも御都合の悪いものは占領政策の行き過ぎだとおっしゃる。ところが占領政策の行き過ぎというものがあるならば、私はまず第一に職階制というものを持ってこなくてはならぬと思う。現在この職階制というものを受け入れる態勢は日本にはないと思う。それを無理して職階制を確立し、これに結合したところの職務給を確立していこうというところに問題がひそんでいると思う。  一体職階制というものを受け入れる態勢というものはどういうところか、一つには機構上で受け入れ態勢がない。国家行政組織法、定員法、そしてこの職務給、こういうものに一本の筋が入っておらない。そういう態勢が全然整えられていないというところが一つです、もう一つは、官庁の雰囲気、環境というものに、この受け入れ態勢がないということです。大体職階制というものは、御承知の通り身分的な差をなくす、封建的官僚組織を打破するために、これは必要だというふうに私ども理解しております。ところが日本でこれを採用していくと、職階制が本来排除しなくてはならない性格のものが、かえって逆に出てきはせぬかと思う。今度の場合は従来の十五級という区分を、七級区分に変革するわけです。そうしますと、一級になるためにはこれは次官でなくてはならぬ。二級になるためには局長にならなくてはならぬ。下の方にいきますと、七級が下級係員、六級が上級係員、五級が係長、その次が班長、課長補佐というふうに、身分というものと給与というものが結合している。あなたたちはそれが職務だとおっしゃるかもしれません。しかしながら現在日本でこれを濃厚に出していくことは、先ほど申し上げたように、かえって本来の職階制が排除しなくてはならない身分差というものを大きく出してくる。なぜならば官庁にこれを受け入れるだけの民主的な組織と民主的な雰囲気がないということです。アメリカ通信、これはNHKの坂井米夫記者ですが、書いているのを読んでみますと、アメリカの会社でも官庁でも、社長と平社員、日本の大阪に当る長官と一公務員であろうとも、頭を下げてぺこぺこするとか、おいこら、うんそうか、そうでございますとかいう言葉の差異も全くないということがいわれているのです。私は少くともこういうところになら、職階制というものの本来の任務をそのまま生かしていくことができると思う。日本はそうじゃありません。皆さん方御承知の通り、うんそうか、はい、そうでございますである。そこでますます職務と給与というものが結合してしまいます。ここで身分的な差というものが依然として温存され拡大されていく、ここに問題があると思う。この点いかがお考えでございますか。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 職階制の問題という点、御指摘のように日本の現状においてはまだ行われるだけの準備ができておりません。しかしわれわれが今日改訂いたしました体系は、御指摘になりましたように十五級を七級に縮めるだけのものであって、従来の方法と何にも変っておりません。新しい職制を設けたわけではございません。従来と同じ方法において十五級を七級にしただけであって、かえって十五級の方が複雑なのです。それを簡明にしただけなのです。でありますからそれは職務給ではありますけれども、職階制ではありません。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 従来十五階級あったのを七等級に区分を変更したということは、いわゆる職務給の性格をうんと強くしてきているのです。その点は間違いございませんよ。職員は役付にならなければ上の級にいけないというのです。それははっきりしていることなんです。いいのですか。従来といえども確かに差はございました。しかしこの七等級にした理由としてあなたたちは言っている。同じ級でありながら、違った職務の者が入ってきているとか、いろいろなことを言われている。それを是正するということは、結局職制と給与というものを密接にしようということなのです。職務給を強化していくことは間違いないのですよ。しかも従来は昇給の面でやや緩和されておった、生活給的な要素がたくさん入ってきておった。ところがそれが今度の場合は完全に排除されようとしている。まず昇給の面でも、今まではワク外でない限りは、同じような歩みが続けられたのが、今度は級が違えば昇給も大きく違ってくる、こういうアンバランスがまた出てきているわけなのです。私は現在の日本において、まだ生活給が確保されておらないのに、職務給的な色彩を強くしていくことは間違いだと思う。職務給というものはあくまで生活給が確保され、その上に積み上げられていくものでなくちゃならぬ、こういうふうに理解している、ところが今度の場合その配慮がないのです。そこに問題がある、日本の憲法は御承知の通り二十五条にすべて「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」といっている、この最低限度の生活を保障する生活給というものが確保されて、初めて身分給というものが出てこなくちゃならぬと思う。そこで私はこの体系の変革に当っても、少くとも生活給という面に考慮を払っていただきたい。答申の中でもそれはうたわれている、現状においてはどうしたって職務給というものを、あまり強く出すということはおかしい、日本の場合は生活給的な要素を多分に加味していけということを答申の中でもいっている。私はこの点におきましては答申の精神が十分に尊重されなくちゃならぬ、このように申し上げているわけです。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 石橋さんの今の御質問に対しては全く同感であります。でありますから六級、七級においては十分生活給を考慮いたしております。十五号でとまるのではなくて、ワク外昇給を認めておりますから、大体三万二千円くらいまでは六級、七級でも取れるようにいたしたい。かように考えております。係長及び課長のような重要な仕事をする職員があるならば、それは同様な給与をいたしたい、横すべりもできるように考慮されております。でありますから、私は職務給であるとさっき申し上げましたが、職務給と生活給との調和点を見出したのが、今度の七級にいたしました原理であります。御了承願います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 この点についてはやはり相当考え方の開きもございます。さらに内閣委員会において十分に話し行いをいたしたいと思います。  もう一つ、俸給表の細分化という形が大きな特徴として出てきているわけです。これは本来目ざしているところの簡素化というものから逆行しておりはせぬかという気がするのです。先ほど申しました身分差の拡大という問題が、もちろんこれに伴って参ります。しかし一番大きな点はやはり本来目ざしている簡素化から逆行しておりはせぬか、ここに懸念があるわけです。  一つの例を申し上げますと、行政職を二分しているのは一体何のためですか。中央機関は第一表の行政職の一による地方機関は二による、なぜ分離をする必要があるのでございますか。これは簡素化に逆行する。そして中央優位というような全くいわれなき身分差の拡大、先ほどから申し上げておるこの特徴が大きく出てきているのだ。なぜ行政職を二分しなくてはならなかったか、その理由をお伺いいたします。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 御指摘の点は、中央組織と地方組織の内容が違うのです。また中央組織は大きいし、地方組織は小さいのです。でありますから二分したのでありますけれども、それは従来と変った内容のものではありません。従来のものを二分しただけであります。  もう一つは人事院の勧告に、従来五種類であったものを八種類にしろという勧告がございましたから、それに従ってこちらでもやはりその力がいいと考えまして八種類にいたした次第であります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そういう御説明でございましたならば、なぜそれじゃ税務職だけを一本にしたのですか。聞くところによると、国税庁では、お前、二、三年出先に行ってこい、必ず二、三年したら戻してやるから、こういう約束のもとに人事の交流がなされている。その点どうもこの俸給表を二分すると工合が悪いから一本にしたのだというようなうわさを聞いているが、行政職を二分するならば、かえって下の方にたくさん適用者のおる国税庁、税務署をなぜ一本化したのか、どうもつじつまが合わないようでございますが……。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 今の問題は中央と地方との組織が違いますから、それで別別にいたしたのであります。いろいろ御質問がありますが、現在検討中でありますから、まだいろいろ御意見を聞いて考えられるところもないわけではございませんが、税務職の問題はやはり税務署の特異性を見て別にしなければならない、こういう考え方で別にいたしたわけであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 全く理屈にならないと思う。行政職と税務職において、行政職は二分しなくてはならぬが、税務職は一本でなくてはならぬという理屈は——絶対私は今のような御説明では納得できません。全く便宜的なものである。少くとも税務職が一本で進むならば行政職も一本でいくべきですよ。ここのところで統一がなされておらない。そして結果的には簡素化というものから大きくはずれてきている。こういう問題も、内閣委員会にできる小委員会で、十分に検討して修正に応ずる腹があるならば、私はこれ以上追及いたしませんが、どうですか。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 お答えいたします。税務職につきましては勧告通り、やはり三つふやす中に入っているのです。それでいたしております。御了承願います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 先ほど私が人事院勧告で、不満な点はございませんでしたかと念を押したはずです。ところが大筋であなたは不満な点はなかった、それを今になったら、人事院勧告に書いてあるから、おかしいと思ったけれども尊重した、そうじゃないですか。それではそうじゃなしに、人事院勧告に逃げないで一つ御説明願いたい。ただしここで答弁しなくても、内閣委員会で作られる小委員会で私の意見を十分に聞いて、検討の余地ありとお答えになれば、それでいいと言うのです。ほかにもたくさんあるのです。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 税務職は勧告通りなんです。それでやったのです。勧告についてのいろいろ御批評がありますが、大体今度の給与改訂は勧告に従ったものですから、それで五種類を八種類にした中の、三つ入れた中の一つが税務職なんです。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 そう勧告に逃げなさんなと私は申し上げておるわけです。少くとも政府も自信を持って出されたとさっきおっしゃったじゃないですか。政府は自信を持って今度提案したとさっきあなたはおっしゃったのですよ。思い出していただきたいと思うのです。私は修正に応ずる腹があるかと一番最初に申し上げた。また少くとも内閣委員会において小委員会を作って、そうして検討しようということは話し合いがつき、われわれの言い分が正しい面があれば取り入れる余地があるのかという御質問をしたのに対して——ちょっと待って下さい。そのときにあなたは何とおっしゃったですか。政府は自信を持っているのだから、この通りやってもらいたいとおっしゃった。だから私はこの追及せざるを得ない。(「けんか腰になるな」と呼ぶ者あり)けんか腰になっているのじゃないのです。  それではせっかく総理も来ていられるのだから、私は総理にお尋ねしましょう。きのう四者会談が行われたわけです。その結果、公務員の給与問題も非常に大切なものとして取り上げられて話し合われている。今度の国会に出されております法案の中で、与野党の最も激しく対立する法案というものの一つがこれなんです。法案としては唯一のものと言ってもいいくらいです。その給与法案をどうするかということが四者会談で話されている。それは、内閣委員会に小委員会を作って、そこで十分に話し合いをしよう、そうしてお互いに破るべき点があったらば、そのときに修正でも何でもすればいいじゃないか、そうすれば仲よくいくじゃないか、こういう話だったと思う。私もそれなら納得するわけです。また総理が今度の所信表明に当りましても、一番大きなウエートを置いているのが国会の正常化です。国会の正常化というものは、これはあくまでも多数によって押さない、こういうことが基本にならなくちゃならないと思う。聞くものは聞くけれども、最後は多数決で押すのだというのじゃ、国会の正常化は私は期せられないと思う。だからわれわれの言い分にも、野党の言い分にも聞くべきものがあったなら、それは十分取り入れていく、こういうことでなくちゃならぬと思う。従ってこの給与法案の取扱いの面におきましても、小委員会を作るということは、現在のこの予算審議をスムーズにやるために、その方便として作るということではなくて、お互いじっくり話し合って、そうしていいものがあれば野党の言い分でも聞くということが前提の上で私はなされたもの、こう思う。その点における確認がどうも給与担当大臣からは得られないから、私はこの席でいろいろこっちの意見を言って追及せざるを得なくなってくる。私が今申したような趣旨で内閣委員会に小委員会を作られるものであったならば、私はその席で十分意見を開陳して、皆さん方に聞いていただくという方途も講ぜられるわけでございますが、そこのところはいかがなものでございましょう。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 政府としては、申すまでもなくいろいろな意を十分に研究をいたしまして、これが最も過当であるという考えのもとに提案をいたしておるのであります。しかしながら、これは国会の御審議によりまして、今二大政党になった以上は、二大政党においてこれの取扱い等について話し合いがつきまして、小委員会ができ、そこにおいて十分論議が尽されて、これを修正することが適当だという結論になれば、これに従うことは私は当然である、こう思っております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 実に明快な御答弁をいただきました。さすがは総理だと私は思う。(拍手)そこで、この俸給表の問題については、ほかにもたくさん問題があります。それは、たとえば技能労務職というようなものを切り離したという問題もあります。研究職というものを切り離したという問題もあります。この点、あなたは新聞をごらんになったと思いますが、「研究者の冷遇を憂う」というので、国立遺伝学研究所細胞遺伝部長、理学博士竹中要先生が投稿しておられる。こういう問題もいろいろ私ここで申し上げたい。しかし今の総理のお話でございますから、寺間もございませんし、それではそういう機会に十分に私は話をすることにいたしまして、次に移りたいと思います。  先ほど十五級区分を七等級にしたという問題を取り上げたわけでありますが、これは完全に職階制に結合した職務給の確立というものを目ざしておると思う。従来の十五級というものを七級に縮めて、一級職は次官、二級職は局長、三級職は課長というふうに、もうきちっとしてしまったわけです。そうしますと、幾ら上りつめても平職員は係長にならない限り上の級には行かれません。そうしますと、ここで自衛本能を発揮いたしまして、この額をふやすために、いたずらにポストをふやすというような傾向が出てきやせぬか。幸い皆さん方の方ではトップ・マネージメント機構の強化と称して、政務次官を二人置いてみたり、事務次官補を新設してみたり、あるいはまた大久保構想というものは、食糧庁長官その他こういうものは、これは参与官と称して、たくさんの役を作って、いわゆる完全雇用をはかろうとしておられる。上正しからざれば下これにならう、自分たちの給料を引き上げるために、やれ参事官、やれ何とか係長、いろいろなポストを乱造していくきらいが出てきやせぬか。この点を私は非常に心配するわけでございますが、こういう点はないものでございましょうか。本来ならば、これは行政管理庁長官と給与担当大臣に御質問をするわけでございますけれども、それではまず総理に臨時代理でやっていただきたい。(拍手、笑声)

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 私から……。先ほどお答えいたしましたように、十五級を七級に圧縮いたしましたのは、それがために新しい職制を設けたわけではないのであります。十五級のときに非常に複雑だったのです。今度は七級にしましたから、非常に単純になったのです。私は非常な改善だと思っております。  それからもう一つは、先ほども申しましたようにその点は私も非常に心配いたしまして、初級及び上級の係員が二万二千六百円でとまってしまうということになりますと、子供を教育するのに困るということから、特にいろいろ相談しまして、誠実に勤めていただきますならば、ワク外において、先ほど申しましたように三万二千円くらいまで取れるように考えてあります。  それからもう一点は、課長及び係長のような重責の仕事をやる人は、普通の人であっても同じ給与に横すべりすることも考えております。でございますから、今度は職務給とは言うものの、職務級と生活給とを調和して、今のものを作り上げたということを御了承願いたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 ちょっと私の質問からそれておるような気がするわけです。昨年の十一月、内閣委員会においてわが党の議員が質問したのに答えて、人事院の総裁は確かにそういう懸念がある。このポストの乱造ということが行われる可能性があるということを言っているわけなのです。その点の考慮というものは私は払っておかなければいかぬと思う。あなたはそういうことは絶対ないと言うのですが、なければないで、今度は上り詰めてしまったら、もう絶対に次にいく見込みがない。公務員は将来に対する希望もなく、ただあなたたちのおっしゃる恩給のつくことを唯一の楽しみに、営々として下積み生活を続けなければならない。片一方では未来を約束されたかつての高文官僚、それに類似したものがどんどん職階を上っていく。こういう不合理な形では決して官庁の民主化も行われませんし、能率も上らないと私どもは考える。だから給与体系を整備する場合には、十分にそういうところを考慮して行わなければならぬと思いますがいかがですか、と申し上げている。

松浦周太郎自由民主党労働大臣

○松浦国務大臣 御心配の点もごもっともでありますが、そういう点はこの俸給表を変える場合に、俸給表だけでは改まらないと思うのですよ。これはやはり運用の問題だと思うのです。その大臣がそういう考えを持ってどんどん拡大していくという考えなら、幾らでも拡大させられます。またその大臣が拡大しようと思いましても、御指摘になりましたような考えで、国会が厳然としてあります以上、大臣が勝手に機構を拡大することはできませんから、民主主義的にこれが運用されて参りますならば、そう御心配になるような点はないと思いますので、これは俸給表の問題よりも将来における行政上の運用の問題だと思いますから、お互いに努力し合わなければならぬと思っております。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 それは私が先ほどまだ日本の公務員制度ではこれを受け入れる態勢がないということで申し上げたつもりなのです。給与の方だけが突っ走っていきよるのです。こっちの組織の方がそれに伴っておらない。だからどうしてもこういう矛盾が出てくる。この点では行政組織というものをやはり確立して、職階制をやり職務給を確立するならば、これは一連のつながりを持たせなければならぬ。ところがそれがなされておらないところに、今言ったような矛盾も出てくるということを申し上げた。それからもう一つは、公務員が未来に対して希望を失ってしまう、こういう弊害を持ってくる、こういうことを申し上げたわけです。この点はそれとして、これ以上申し上げません。  総理が来ておられますので総理に御質問いたしたいと思います。それは今の問題と関連を持ってくるわけでございますが、政府の行政機構改革というものが根本的な改革ではなくして、単に先ほど申し上げようにポストだけをふやすような形で、改革の名に値しないようなものが先行してきているというのが、どうしても納得いかないわけです。どうしてもやりたければ、ほんとうに行財政機構全般にわたってメスを入れるというならばやりがいがある。しかしそれをやったのではけつまずくおそれがある。しかし行政機構の改革は、鳩山内閣は特に三大公約の一つに掲げておった。そのつながりをずっと持ってきておる岸内閣なのです。やはり行政機構の改革の必要性を感じておられると思う。ところがやることは依然としてこのポストの乱造ということだけに終っているようでございますが、これはどうも現状にそぐわないように思うわけです。それからまた先ほど申し上げたように下これになろう可能性も、いろいろに出てくると思うのでございますが、この点はあらためて根本的な機構改革を並行してやるふうにお考えを改める必要はないものかどうか、その点をお伺いいたします。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 行政改革の問題は、今御指摘のありましたように鳩山内閣時代に審議会を設けましていろいろと審議した結果のうち、大体答申を得たものを立法化して、当時立案をいたしたものであります。それが石橋内閣を経て岸内閣におきましても、国会における継続審議をお願いをして、今日に至っておるわけであります。もちろん行政機構の改革という問題は歴代内閣が常に考え、またやらなければならない問題でございますが、何分にも及ぶところはきわめて広範でございまして、従って全面的に総合的にこれを検討して、根本的にやるべきだという石橋君の御議論は私は正しいと思うのです。しかしこれはなかなか広範であり、そういう機構ができたのはそれぞれ理由があって今日あるのでありますから、そういう審議会の意見が一致したものから比較的早く取り上げて、これを立法化すという便宜の方法に出ることも私はやむを得ないと思うのです。そこでわれわれが今日継続審議を願っております行政機構の改革の全部にわたって御審議を願って、その国会の審議を通じての御議論であり、また御意見というものは十分尊重していくことは、当然でございますが、一応とにかく、そういう意味において現在御審議を願っている行政機構の改革案ができ上っているということを、御了承願いたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 では二点についてお尋ねいたしますが、一つはかって大久保構想として発表されました食糧庁、水産庁などの長官を政務官とするという、こういう考が現在の政府で検討されているのかどうか、それが一つ、それからもう一つは内政省をあくまでも設置されるつもりかどうか、これが一つ。二つについてお答えを願います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 御質問の第一の点は、われわれはそんなことを考えておりません。それから第二の内政省の問題につきましては、一応行政機構の改革の審議会でまとまった案を出しておりますが、なかなかこれについては、まだ私ども研究すべき点が多々あるように考えます。

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 石橋君に申し上げますが、先ほど政府の答弁の不十分な点もございましたけれども、お約束の時間が一時間が一時間以上経過したので、なるべく結論を急いでいただきたいと思います。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 わかりました。それでは結論を急ぎますが、岸総理は所信表明の中で、新内閣においては石橋内閣の施政の方針を継承するものである、こういうふうに申しております。そして予算案を初め法律案すべて継承している。再提出という手続を省略されました。その省略されて引き継がれた中に内政省設置法案というものが厳然としてある。ところが今国会に提案されている内政省設置法案なるものが、提案理由の説明のしっぱなしで、一度も審議されておらないのにもかかわらず、政府与党の方においていろいろとこれを批判し、通っちゃ困るというような空気が出てくるのは、一体どういうわけでございますか。これでは継承しておらないじゃありませんか。私はそれを疑問を持つわけでございますが、いかがですか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 石橋内閣の施政方針を継承すると申しましたのは、私その通りに考えております。しかし法案そのものの内容等につきまして、またその後の事情なりあるいは世論の動向等を考えて、いろいろの議論が出ることは、これまた私は政党内閣の趣旨から申し上げまして、当然じゃないかと思うのでございます。今内政省の問題につきまして、私どもは一応先ほど申したような経緯によって、これを提案いたしております。従って政府としては、一応これを通したいということが私は趣旨であると思います。しかし率直に申し上げまして今内政省の問題については各方面の批判もあり、意見も相当ありますので、十分に一つ御審議を願って、その御審議の結果、聞くべきところは政府は聞いていこうというつもりでおります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 理論としては矛盾していると思いますが、率直にお話がありましたので、私は追及はいたしません。継承されて現に国会提案をされている以上は、政府の方でこの法案に対して疑義を持つとかそういうことがあっては、私は理屈が成り立たぬと思う。しかし明快に率直に申されたので、私も追及しにくくなりましたから、結論にいたします。  先ほど申し上げましたように、今度の公務員の給与の改訂に当りまして、四十万の国家公務員はもちろんのこと、これに間接的に影響を受けます地方公務員その他の職員が猛烈に反対しておるということを、私は岸内閣が十分に御認識願いたいと思う けしからぬと言って弾圧することだけに狂奔するのではなしに、なぜ反対するのだろうかということを率直にくみ取っていただきたい。そうすることによって初めて自主的な能率化というものが行われる。かつての帝国憲法下の官僚組織においては、上からの命令で強圧的に能率を上げさせる方法があったかもしれない。しかしそれにはいわゆる一般公務員の犠牲というものが伴っておった。そういう形では決して能率の向上というものはない。みんなが希望を持って再々として働くという形の中で、初めて私は能率向上という問題が出てくると思いますので、そういう意味からも、十分意見をくんでいただきたいということを申し上げて、これに対する御見解を聞いて私の質問を終りたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣・外務大臣

○岸国務大臣 私は自民党の幹事長をいたしておりましたときにも、公務員の組合の方や、あるいは社会党の方にもお目にかかってお話をしたことがありますが、従来政府が、人事院というものがあり、人事院の勧告を忠実に受け入れて従っておらないという点については非常に遺憾である。それは自分の政党、与党が作っておる内閣をして、従来とは違って人事院の勧告というものについては忠実にこれに従うように持っていきたいということを従来御誓約申し上げておりまして、今度の給与改訂につきましても、そういう意味において人事院の勧告というものを尊重して、その線に沿うて給与の改訂をやりたいという考えで立案して、提案をいたしております。もちろん公務員のうちにもいろいろな見方がございまして、これに対して反対をされる方もありますし、あるいはこれを支持しておられる力もあるとわれわれは一部聞いております。しかしこの問題は、いずれにしても重大な問題であり、また十分審議を尽さなければならぬ問題でございますから、先ほどお話がありましたように、内閣委員会において両党から小委員を設けて、十分審議して、妥当公正な結論を出そうという話し合いになっておりますから、それを私は尊重いたしまして、そうしてそれがきまったならば、公務員諸君が一致してこの新しい給与制度によって気持よく能率を上げて、その職務に勉励されることを望んでやまないのであります。

石橋政嗣日本社会党

○石橋(政)委員 終ります。(拍手)     —————————————

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 それでは次に昭和三十一年度一般会計予算補正(第1号)及び昭和三十一年度特別会計予算補正(特第1号)を一括して議題といたします。  川俣清音君外十六名より、右両案の編成替を求めるの動議が提出されております。この際その趣旨一弁明を求めます、成田知巳君。

成田知巳日本社会党

○成田委員 私は日本社会党を代表いたしまして、昭和三十一年度一般会計予算補正(第1号)及び昭和三十一年度特別会計予算補正(特第1号)については、政府は撤回し、左記要綱によりすみやかに組みかえをなし、再提出することを要求する旨の動議を提出いたします。  以下その趣旨を弁明申し上げます。  組みかえを要求する第一の理由は、政府はことさらに補正を二段階に分けまして第一次補正、第二次補正として拠出せんとしていますが、これは当然一括して提出すべきだということであります。すなわち政府は、昭和三十一年度租税自然増の一部三百億を産業投貸特別会計に組み入れて、昭和三十二年度の財政投融資の原資とするために、ことさらに計数整理土の都合を理由といたしまして、予算補正の提出を二回に分割して拠出せんとしておるのであります。しかるに政府が提出予定しております補正第二号の内容は、国民健康保険や義務教育費国庫負担金等の赤字補てんのための必要経費が主体であります。といたしますならば、昭和三十一年度一般会計予算の補正に当っては、まず一般経費の赤字補てんの計上を一括明示することが必要であるわけであります。  組みかえを要求する第二の理由を申し上げますと、政府拠出の補正第一号は、食糧管理特別会計における昭和三十年度赤字三十四億円、及び昭和三十一年度の赤字見込みである百六十二億円の補てんを行わずして、産業投資特別会計に三百億を繰り入れいたしまして、新規投資資金に充てようとしていますが、これは財政支出の不足の補てんを怠りまして、いたずらに財政支出の新規膨張を行わんとするところのきわめて不健全な予算編成であります。  のみならず本委員会の質疑応答を通して明らかにされたごとく、合理主義者であるといわれている池田蔵相が条理を無視いたしまして、頑強に昭和三十一年度赤字見込み百六十一億円の補正を拒否する理由はどこにあるかと申しますと、赤字の累積をたてにいたしまして、米の自由販売につながる消費者米価の引き上げを近く行わんとするところにその真意があるわけであります、米価の引き上げが諸物価の高騰を来たし、国民生活安定を阻害することを考えますと、断じて私たちは承服できません。しかして産投特別会計への三百億円の繰り入れば、政府見解によりますと、昭和三十一年度の異常なる租税の自然増を三十一年度以降に使用できるようにして、財政に弾力性を持たすのだと言っておりますが、これを繰越金とせずして、特定の産投特別会計というワクに拘束することは、逆に財政の弾力性を欠く結果となるわけであります。また繰り入れの三百億円のうち百五十億円は三十三年度に使用する資金として残しておりるのであります。  出投資の対象、事業計画あるいは資金計画の不確定なものを資金として計上することは、財政法四十四条にいわゆる特別の資金保有の精神にまっこうから反対するものだといわなければなりません。  よって私たちは産業投資特別会計に対する三百億円の繰り入れを取りやめまして、食糧管理特別会計の昭和三十年度並びに昭和三十一年度赤字見込み合計百九十五億円の補てんを行うべきであることを主張するものであります。  次に三の遺族及び留守家族等援護費二十八億円、四の社会保険関係費といたしまして国民健康保険関係二十一億五千万円、健康保険関係十七億円、五の義務教育費国庫負担金十七億五千万円、六の国立学校運営費の国立大学病院運官費不足分の二億五千万円、七の旧軍人遺家族等恩給費二十六億円、八の地方交付税交付金面十二億五千万円、十の国庫受け入れ預託金の金利支払い七億円、十一の国際連合分担金二億円、十二の漁船再保険特別会計繰り入れ二億、これは三十一年度の赤字補てんその他必要やむを得ないところの経費の計上でございます。  次に、九の沖繩住民に対して、土地補償代払いとして三十億円計上いたしますが、これはアメリカ占領軍によって受けました沖繩住民の損害補てんのためでありまして、当然これはアメリカが負担すべきものでありますが、沖繩住民の困窮せる状態にかんがみまして、とりあえず代払いとして計上するわけであります。  最後に、十三の農林漁業金融公庫に対する三十八億円の出資は、農地担保金融その他融資資金の増額、貸付金利の引き下げ、利子補給の原資に充てんして、農民の負債整理に資せんとするものであります。  以上組みかえ動議の内容を申し上げましたが、最後に申し上げたいことは、政府案によりますと、四百億円の歳出のうち、三百億円は産業投資特別会計に繰り入れまして、三十二年度以降に使用することとなっております。また、地方交付税交付金の百億円は、そのうち七十六億円は三十二年度にこれまた繰り越し使用されることになっております。結局、三十一年度補正の四百億円のうち、三十一年度に使用されるのは二十四億にすぎないのであります。四百億円のうち三百七十六億というすベての金が、三十二年度以降に使用されることになっております。これは、会計年度独立の原則、すなわち財政法第十二条に違反することは明らかであります。  以上の理由によりまして、提案のごとく組みかえを要求する次第でありまして、全員御賛同をお願いしたいと存じます。(拍手)

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 これにて編成替を求めるの動議の趣旨説明は終りました。編成替を求めるの動議に対する質疑はございませんので、これにて補正予算二案及び編成替を求めるの動議に対する質疑は全部終了いたしました。  明日は午前十時より開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十二分散会

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