予算委員会 第8号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1957/02/20
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 昭和三十二年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。この際、各分科会主査より、それぞれ分科会の審査の結果について報告を求めることといたします。 まず、第一分科会主査松本瀧藏君より報告を求めます。松本瀧藏君。
○松本(瀧)委員 第一分科会の審査の経過並びに結果について簡単に御報告いたします。 本分科会の審査事項は、予算三案中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済企画庁を除いた総理府、法務省、外務省及び大蔵省所管並びに他の分科会の所管以外の事項でありまして、二月十一日より四日間、懐重審議いたしました。 まず初めに、各省、各庁より、それぞれ所管予算の説明を聴取し、続いて質疑を行いましたが、これらの詳細は会議録でごらんを願うこととし、ここでは質疑応答のうち二点だけ取り上げて、御報告することといたします。 まず、銀行券及び補助貨幣の種類に関する質疑に対し、政府の答弁は、貨幣の系列ないしは組み合せをどうするか、これにつきましては一定不変の原理によるものではなく、経験的にきめるベき問題であるという答弁でありました。現在の経済取引の実情から見て、日銀券の最高千円は低過ぎるから、一万円、五千円の両券を準備しており、本年度の製造計画として一万円札は三百六十万枚、五千円札は二百五十万枚を予定しておる。また百円札については耐用年数を考えると、結局は硬貨、すなわちコインでありますが、それの方が安上りとなるので、事務的には一応来年度予算で百円銀貨五千万個を予定しておる。ただしこれにはミツマタの生産者に対する影響等、考慮を要する問題がありますので、まだ最終的な結論には達していないというのでありました。 次に、地方財政の問題に関して、過去における地方の行政水準低下を明年度においてどう補っていくのか、また地方税の自然増収七百億円の見積りは過大ではないか、さらに本年度の補正予算に計上してある交付税を、ことさらに来年度に交付するのは、財政法の原則を乱すばかりではなく、本年度分交付税の二五%以下への圧縮を意味するのではないかとの質疑がありましたが、政府の答弁は、事業の圧縮等による行政水準の低下は事実なので、明年度の財政計画の上では、道路、橋梁その他の新規経費として最小限度百二、三十億円は見ていきたい、また来年度は地方税収入並びに国庫支出金の増加を相当程度見込み得るから、再建団体といえども最低水準の行政を維持するために必要な申請があった場合は、再建計画に対して、ある程度の緩和措置を講じていきたい。また地方税の増収見積りについては、固定資産税で三公社納付金の平年度化、償却資産及び家屋新築の増加等、また住民税では法人割の増加等明確な算定基礎を持っているから、決して過大ではない。また交付税の次年度繰り越しについては、本年度分が減ったという見方もあり得るが、より有効に使用するため、特例法を設けて、来年度分の公債費の財源とすることにしたとのことでありました。 質疑終了後、分科会の討論採決は本委員会に譲ることと決定いたしました。 以上報告いたします。(拍手) —————————————
○山崎委員長 次に第二分科会主査坂田道太君。
○坂田委員 第二分科会におきまして慎重審議いたしました予算案につきまして、その審議の経過並びに結果について御報告いたします。 本分科会は、昭和三十二年度予算案中、文部省所管、厚生省所管及び労働省所管に関する予算案でありまして、去る十一日は文部省、十二日は厚生省、十三日は労働省につきまして、政府側からそれぞれ説明を聴取いたしました後、直ちに質疑を行い、十四日には以上三省を一括して質疑が行われたのであります。 質疑のおもなるものについて申し上げます。文部省に関するものといたしましては、教科書法案を今国会に提出するかとの質問に対し、事務的には提出の準備を進めてきたが、政府部内、与党との調整を要する点もあるので、現在検討中であるとの答弁がありました。そのほか産業技術振興の見地から大学、高校に対する今後の教育方針の問題、またろうあ者に対する特殊教育施設費あるいは町村合併促進の文教施設費や、準保護児童に対する教科書費、給食費等に対し、なお一段の財政的努力を必要とする補助金等の問題、また文化財保護に関する問題、あるいは新生活運動の経費に関するその実効いかんの問題等々につきまして、質疑応答がかわされました。 次は厚生省所管に関するものであります。まず国民皆保険の問題であります。労働条件の劣悪下にあり、労働者でありながら健康保険の恩恵に浴しない五人未満の零細事業場の労務者を健康保険のワクに入れ、国庫負担を手厚くすることが社会保障の見地からして、皆保険確立に先決の問題ではないかとの質問に対し、来年度の施策の重点は国民皆保険にある、零細事業場の労務者は四カ年計画の中で、十分考えて皆保険を打ち出しておるが、事業の移動性の激しいこと、また賃金形態が千差万別であるということ、また現行制度の取扱い事務において困難があること、さらに現行の任意包活制度によって加入の道は開かれておるにもかかわらずきわめて一部であることなどのため、現行の保険制度に含めるか、特別に第二種の制度の設置によるか、国民健康保険に含めるか研究中であるとの答弁がありました。また国民皆保険医療保障制度を確立するため、この際国家、患者、医師の協力態勢の整備が必要であるから、まず国は一部負担を実施すると同時に、ことに開業医に対する措置を十分に考えなければならないが、その用意はあるかとの質問に対し、健康保険に来年度はとりあえず三十億円を繰り入れることとなるが、逐次一部負担を考慮するつもりである、私的医療機関に対しては中小企業金融公庫及び国民金融公庫から十五億円程度の融資を見込むと同時に、現在継続審議の改正案通過後には二十六年来据え置きとなっている一点単価の是正あるいは差額徴収の問題に対し、抜本的な改正を加えるとの見解が表明され、またこれに関連いたしまして現在継続審査中の改正案は、赤字補てんの法案と医療保障の中核となる健康保険を健全化するための法案とは分離すべきではないかとの質問があり、これに対して三十億円の繰り入れは、赤字補てんではなく健全化するための法案であるから、分離して出す意思はないとの答弁がございました。 第二は、戦争犠牲に対する処理の基本方針についてただしましたのに対し、政府は政府の一般方針として三十二年度にすべてこれを解決し、残る問題は社会保障で見ていく、この方針のもとに厚生省は海外同胞引揚者の処遇の解決とあわせて、今まで何の措置もとられなかった動員学徒、軍工廠等以外の徴用工、開拓者の犠牲者に対する懸案は、本国会中に解決するとの方針が述べられました。 第三は生活保護に関するものであります。まず来年度生活保護対象人員が、百七十万人から百五十万人に減っておる理由いかん、また医療扶助も減額となっておるが、昨今の引き締めによるためではないか、また保護基準は六・三%の引き上げで予算が組んであるが、米価が引き上げられた場合、さらに基準引き上げを行うか等の質疑がなされましたが、これに対し政府は、生活扶助その他扶助のダブらない受給人員は、昨年十一月実績で百七十二万人余、うち生活扶助のみでは百五十三万人であり、この実績をもととし、景気上昇の結果毎月一%種皮の減少があるので、一月までこの傾向が続くものと児、この数に来年度人口増加一%を見込んで、扶助人員を百五十万人と算出した。予算は低所得者対策、国民健康保険の普及の施策で十分まかなえるものと思うしただし予算が不足する場合は、義務費であるから予備費あるいは流用によって補うことに財政当局とすでに了解がついておる。医療費扶助の予算は、本年度より二億円実質的に増加計上し、特に最近引き締めているようなことはない、但し医療を受ける際の煩瑣な手続きには再検討を加える。保護基準は米価審議会で米価引き上げの結論が出、かつ二重米をとらない場合はプラス・アルファをつけることに政府は決定しているとの答弁がございました。 第四は、国民年金制度に関し、政府の計画をただしたのに対しまして、方針としては老令年金及び母子年金の二本立の厚生年金を考える、調査期間は来年度より二カ年間、三十四年度から実施をしたい。本年度はその暫定措置として、生活保護の母子加算を五百円から千円に引き上げをし、来年度四億五千万円、平年度にして十億円の予算措置を行うこととしたとの答弁がありました。 次は労働省所管について申し上げます。第一に労働政策の基本方針、基準法の改正について、政府の所見をただしましたのに対し、政府は労使の協調が日本再建の基礎となるので、労使間に立って公平な処理を行う、また基準法の改正は考えておらない。中小企業に対しては基準法を拡大解釈をし、罰則を避けて指導し、企業が引き合うようになれば、時間短縮をさせるようにしたいとの方針が述べられました。 次に大企業と中小企業の労働賃金格差は増大しており、この際最低賃金を業種間の自主的協定にまかせたのでは不十分でもあり、中小企業の振興策と最低賃金を法律で規定すべき段階ではないか、以上の質疑に対し、政府は、現在最低賃金を一律で定めることとなると中小企業は成り立たず、かえって失業者の増大を招くこととなる。幸い業種協定で成功しておる例もあり、立地条件もあることでありますから、地域別、業種別に最低賃金を定め、基準局をその指導に当らせる、中小企業振興は同時に進めていかなければならぬから、通産大臣と経済閣僚懇談会で検討中であるとの答弁がなされました。 なお厚生、労働の両省を通じ、一千万近い低所旭町者階層、ボーダーライン階層に対する施策は、雇用政策、健康保険、生活保護、年金樹皮、あるいは保育所等の問題を通じ論議されたのでございます。その他質疑応答の詳細は速記録をごらん願うことといたします。 以上をもって質疑は終り、討論採決は先例によりまして本委員会に譲ることに決した次第でございます。 以上をもちまして第二分科会の報告といたします。(拍手) —————————————
○山崎委員長 次に第三分科、会主査大橋武夫君。
○大橋(武)委員 第三分科会は昭和三十二年度一般会計予算中、経済企画庁、通商産業省及び農林省所管、並びに特別会計予算中、通商産業省及び農林省所管について審議をいたしたのでありますが、その経過並びに結果について御報告申し上げます。 第一に通商産業省所管について申し上げます。本予算案において審議の対象となりましたおもなる点は、昭和三十二年度国際収支の見通し、輸出振興対策、電力料金、運賃等を含む物価の問題、科学技術振興に関連して特許庁の審査能力の問題、石炭、石油等燃料対策、特に原油の貯蔵対策、工業地帯における生活環境整備対策、特に煤煙、地盤沈下等による、公害予防措置等でありましたが、その大要について申し上げます。 まず国際収支の見通しにつきましては、通産省の昭和三十二年度における見込み額を輸出二十八億ドル、輸入三十二億ドルとしているが、この数字の根拠がはなはだあいまいであり、特に物価高騰の要因が潜在している現状において、この目標の達成はきわめて困難ではないか。また中共との貿易に関しては、イギリス、フランス、西ドイツ等にあっては積極的に進出をはかっているにかかわらず、ひとり日本のみは消極的な態度をとって、民間団体の折衝に待っている状態である。さしあたりココムの特認の問題、決済方法、通商代表部の交換、商品見本市の設置等、政府の手によって解決されなければならないものもあるが、政府の方針はどうか。さらに貿易振興のための新規施策としてバンコックに化学肥料サービス・センターを設置することになっているが、東南アジア方面に対する輸出振興のためには、かかるスケールの小さいものではなく、医薬品、雑貨、繊維製品等の特産品の総合サービス・センターを設置すべきではないか等々について、分科員と政府側との間に活発に質疑が行われたのであります。 これに対して政府側は、国際収支の計画は過年度の実績を基礎として国別、品目別に見通しを積み上げて作ったものであり、見込み違いはない。中共貿易については、現状においては民間ベースで交渉する以外に方法はないが、従来貿易上支障を来たしている貿易代表部の問題、決済方法等については明確な方針を打ち立てるべく目下準備中であるとの答弁がありました。また中小企業助成方策としては、政府が今国会に提案を予定している中小企業等組織法案に予算的措置を講じたらどうか、官公需品を中小企業に発注せしめるための法的措置を講じたらどうか、中小企業の金融を円滑ならしむるため、国民金融公庫、中小企業金融公庫に金融債を発行せしめる措置を講じたらどうか等の諸点について論ぜられたのでありますが、中小企業の金融の面については、政府側より今回の予算において国民金融公庫及び中小企業金融公庫の資金量を、昭和三十一年度に比して約二百七十億円増加し、また金利引き下げに関しては、商工中央金庫に十五億円の出資をなすほか、同金庫の債券発行額八十億円中二十億円を預金部に引き受けさせることによって、貸出金利一割五厘を九分九厘程度に引き下げる等の措置を講ずるとともに、全国五十二の信用保証協会に対し、十億円の貸付を行い、保証能力の拡大をはかった旨答弁がありました。 第二に、経済企画庁について申し上げます。 経済企画庁の予算については、企画庁のあり方と関連して政府側と種々論議がかわされましたが、国土総合開発事業の調整費五億円を含む要求総額九億四千余万円をもってしては、わが国産業計画のための諸般の調査、基礎的資料の整備等は不可能ではないか。企画庁は政府の政策立案の先達となり、政策実施部面に対し指導性を十分に発揮するよう、さらに充実した資料の整備をはかるための予算的措置を講ずべきであるとの意見が、多数の分科員によって主張せられたのであります。 第三に農林省所管について申し上げます。 農林省の一般会計については、その要求額は約八百九十五億円で、前年度に比べて約十七億円増加しております。これに対して分科員より、人件費等の上昇による支出増を見込むならば、実質上の施策の進展は見られないのではないかとの質疑が行われましたが、政府側は人件費上昇による支出の増は約八億円であり、かつまた前年度において災害が少かった関係上、災害復旧費の減少額三十億円に達しているので、必ずしも前年度より後退しているとはいえないとの答弁がありました。 特別会計においは、特に食糧管理特別会計と、新たに設けられる特定土地改良工事特別会計が問題として取り上げられたのであります。食糧管理特別会計においては、昭和三十年度に至る累年の損失累計額約三十四億円、昭和三十一年度損失見込み額百六十一億円の処理の問題、食糧配給に要する中間経費、政府が設置せんとしておる臨時食糧管理調査会の性格等について、分科員と政府側との間に活発な質疑応答が行われたのであります。すなわち昭和三十年度における同会計の損失約百六十七億円については、昭和三十一年二月にインベントリーより百億円、一般会計より六十七億円を繰り入れて整理を完了したにかかわらず、その後さらに三十四億円の損失を生じたことは、あまりにも見込み違いではないか、またこの損失は昭和三十一年度の補正予算において、一般会計より繰り入れ処理すべきことが適当であるのに、その措置が講ぜられていない。しかして昭和三十一年度の損失見込み額百六十一億円については、昭和三十二年度予算案審議中に処理を完結すべきであるとの見解が示されたのであります。これに対して政府は、食糧管理特別会計のあり方について、別途根本的対策を講ずる方針であり、その際、これらの問題をあわせて処理する旨答弁がありました。また特定土地改良工事特別会計については、その創設の理由、造成した土地の処分方法、従来の国営灌漑排水事業、国営干拓事業との関係について質疑が行われたのであります。 以上のほか、寒冷地農業振興対策、畑地振興対策、酪農経営上の諸問題等についても審査されたのでありますが、詳細については会議録をごらん願いたいと存じます。 質疑終了後、本分科会における討論採決は、これを本委員会に譲ることといたしました。 以上をもちまして第三分科会の報告を終ります。(拍手) —————————————
○山崎委員長 次に第四分科会主査宇都宮徳馬君。
○宇都宮委員 第四分科会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。 本分科会は去る十一日から十四日まで四日間にわたって郵政省、運輸省及び建設省の昭和三十二年度一般会計、特別会計並びに政府関係機関の各予算について慎重審査いたしました。 まず政府側より各所管について一括説明を聴取し、直ちに質疑に入りましたが、その詳細につきましては会議録に譲ることといたしまして、ここではそのおもなるものについて簡単に御報告申し上げます。 まず第一に郵政省所管の中で、政府は銀行預金金利に対する租税特別措置法をさらに延期するとのことであるが、これまでこれに対する郵便貯金の不利な現状はさらに続くことになる。これを是正するために郵政大臣はいかなる努力をしているか。次に財政投融資の原資となる郵便貯金の明年度目標額は、国民所得の増加率から見てもっと伸びるのではないか、また郵貯の伸びに比較して簡保が目標額を割る実績を示しているのはいかなる原因に基くか。放送法の改正案を本国会に提出する意思があるか等の質疑が行われました。これに対する政府の答弁は、銀行預金の金利については、去る三十年七月から本年三月末までの時限法によって免税措置がとられているが、本年四月からは六カ月以下の預金利子には一割の課税をすることに改めるので、六カ月ものは大体銀行預金と郵便貯金の利子は接近することになるが、一年定期については依然不利な現状が続くことになるので、目下大蔵省との間にこれが是正についての交渉を行なっている。いまだ結論には至りませんが、さらに努力を続けて参りたい。次に、郵便貯金の目標額が甘いのではないかとのことであるが、昭和三十一年度は経済の好況も反映して九百九十億円の目標額に対して、大体一千八十億円程度の実績を示すものと予想される。これに対して三十二年度は一千百五十億円を目標としているが、三十二年度国民所得の増加率が七・五%であるからといって、直ちにこれが郵便貯金の増加を示すことにはならない。すなわち過去の実績等から見ても、三十二年度の国民所得が対前年比一一%の増加に対し、郵便貯金は目標額に対して八三%の実績であったことから見ても明らかである。従って明年度目標額は相当の努力を要し、決して甘い見積りであるとは考えない。郵貯に比べて簡保が伸びないのは、郵貯が個人の自発的貯蓄であるのに比し、簡保は勧誘を要するものであるためと思われる。従ってこれに対しては職員の勤務態勢及び保険の最高制限額(現在十五万円)等、十分に再検討し、目標額の達成に努力して参りたい。 放送法の改正については、臨時放送法審議会の答申に基いて目下慎重に検討中である。政府はいまだその結論を得るに至っていない。従って国会への提出については言明できる段階にはない、こういうことでございました。 次に建設省所管に関する質疑のおもなる点は、第一に道路問題であります。政府は道路整備五カ年計画が達成されないうちに、新たに十ヵ年計画を立てているが、計画変更の理由並びにこれの内容を示されたい。また道路公団の行う有料道路は、ほとんど観光道路に重点を置いているのはうなずけないしもっと幹線道路、産業道路に重点を置いた道路計画を進めていくべきではないか等の質疑がございました。これらに対して政府側から道路整備五カ年計画は、三十二年度で第四期に入るわけであるが、第三期までに四五%の成果を見た。最近の道路交通の実情から見ても、従来の五カ年計画の規模では間に合わなくなり、新たに相当長期の計画を必要とする状況になったので、計画を変更したわけである。その内容は、陸上輸送の隘路を打開し、産業基盤の整備をはかるために幹線道路に重点を置くこととし、まず十年間に一級国道の改良、舗装を完成するとともに、二級国道についてもおおむね六割の完成を見ることになる。木橋のかけかえについては、一級二級国道ともに全部永久橋にかけかえることになっている。さらに地方道の補助についても産業開発の面を考慮して、国の立場から必要なものに対して補助を行うという考え方を計画の中に織込んでいる。道路公団が行う道路については、過去の実績から見て、なるほど観光道路が多いのは事実であるが、同時に産業の面にも役立っているのであって、今後においては十カ年計画に基いて産業に重点を置いた路線を選定し、その整備をはかる考えである。三十二年度道路関係予算は、前年度に比べて二百億円増の五百四十七億円を計上し、従来の継続工事を推進するはもちろん、名古屋−神戸間の高速道路の新規事業にも着工することとしているとの答弁がなされました。 第二は住宅問題でございます。政府は三十二年度において十九万九千戸の住宅を建てることにしているが、その内容を見ると、低額所得層に充てるべき公営住宅は前年度に比較して増加せず、中階層以上の公庫住宅及び公団住宅に重点を置いて、これが増加しておるのは、住宅政策としては誤まりではないか。地方団体がもっと公営住宅を建てやすいように、第一種公営住宅の国庫補助率を五分の三以上に高めるぐらいの熱意はないか、また住宅不足数二百六十万戸の解消策を示されたい等の質疑がございました。これに対して政府側から、今日における住宅の要求度は、低所得層より中階層の方が高く、これにこたえるため公庫、公団の住宅を増加したわけであるが、公営住宅においても、より家賃の安い第二種公営住宅を前年度に比べて五千戸増加することによって、低所得層への配慮をも行なっている。地方財政の実情から見ても、ほぼ前年度並みの四万六千戸の建設が適当と考えている。将来においては地方団体がさらに建てやすいように国庫補助率の引き上げ等に関して三十三年度から検討する所存である。また住宅難の解消については、三十二年三月末現在における住宅不足数は約二百四十万戸と推定しているが、今後において毎年人口の増加、災害及び老朽化等による滅失家屋約二十万戸を加えると約二百六十万戸の不足数となる。三十二年度は民間の自力建設を加えて五十万戸できる見込みであるが、この分でいけば三十七年度には四十四、五万戸の不足となり、経済の伸展に伴なって、自然民間の建設もふえることが考えられるので、今後さらに政府の積極的な施策と相待って、住宅難はあと五年間で解消するものと思うとの答弁でありました。 さらに災害復旧問題、多目的ダム等の問題についても質疑が展開されましたが、これらについては会議録をごらん願うことといたします。 次に、運輸省所管の中では、国鉄の運賃値上げの問題について特に活発な質疑が行われました。その中で貨物運賃の遠距離逓減率の改訂は、ものによっては政府の言われる一割三分の値上げでなく、三割に近い値上げとなるものがかなりあるようであるが、国民生活や物価への影響等を勘案して、十分の配慮がなさるべきである。また運賃値上げに際して国鉄はいかなる経営の合理化に努力したか、明らかにされたいとの質疑がございました。これに対して当局側より貨物賃率の改訂と同時に、遠距離逓減率の修正を考慮しているが、これは戦前においては三百五十キロまでの遠距離逓減であったものを、戦時中八百キロまでとして今日に至っている。今回これを五百キロまでにいたしたい考えである。この改訂によって一割八分、九分程度の値上りを受けるものもあり、中にはごく例外として二割三分、二割七分というものも出てくることになるので、これらの中で特に物価に与える影響の強いと思われるものについては十分に配慮し、物資別に特別の割引制度を適用する等、目下検討中である。 次に、国鉄の経営合理化については、第一に経営自体のあり方について、さらに能率の増進をはかるため、機構の改革を行い、地方機構を支社制にして一責任単位を明確にすることとした。 第二には、財政上の合理化に主眼を置き、増収と節約をはかることとした。すなわち、輸送量の増大に伴って、三十年度に対して三十一年度は、決算見込みで約百四十億円の増収をはかり、また三十一年度に対して三十二年度は二百八十億円の増収を見込み、一方経営費の面では固定資産税増徴分を除いて、わずかに六十億円の支出増を見込んだにすぎず、極力物件費を節約するとともに、改良費についても工事単価を引き下げて所期の目的を達成することにしている。 第三に、外郭団体との明朗化につき、部内に各方面の権威者からなる公正委員会を設置し、工事契約方式の適正化、構内営業者の割引制廃止、独占営業を複数制にする等、その他各般にわたって細心の措置を講ずることによって、従来からのきびしい世間の批判にこたえることとしたとの答弁がございました。 次に、造船利子補給の問題については、政府は利子補給法を廃止せずに、船舶建造の利子補給を一方的に取りやめ、業界に対しては十二次造船以前の分をも含めて辞退を期待するというが、辞退しない場合はいかに対処するかとの質疑がございました。これに対して、どうしても辞退してくれない場合には、理論上補正予算を出すことにもなろうが、政府としては近来海上運賃の上昇に伴って海運界は好況に恵まれており、計画造船についての負担金利も軽減されている現状にあるので、開銀資金の大幅融資等により同様の効果を上げ得るものと見て、利子補給は辞退してもらえるものと期待して、ただいま話はその方向に進んでいる。法律を残しているのは、万一、再び補給を必要とする事態に備えてのことであるが、今後はかようなことにはならないものと思う。政府の海運政策については、さらに研究してみたいとの答弁でございました。 以上をもって第四分科会における審査を全部終了いたしました。 討論、採決は、先例によりまして本委員会に譲ることとして、散会した次第であります。 以上御報告申し上げます。(拍手)
○山崎委員長 以上をもちまして各分科会の主査の報告は終りました。 明日は午前十時より理事会、十時半より委員会を開催することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十三分散会