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26回国会衆議院1957/02/16

予算委員会 第7号

発言数
140
登壇者
11
会派数
2
開催日
1957/02/16

会議録

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 これより会議を開きます。  昭和三十一年度一般会計予算補正(第1号)及び昭和三十一年度特別会計予算補正(特第1号)を一括して議題といたします。質疑を続行いたします。矢尾喜三郎君。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 官房長官がまだお見えになりませんので、見えましてから官房長官に対する質問をいたすといたしまして、まず今回出されました補正予算につきましてお伺いしたいと思います。  今回提案されました昭和三十一年度一般会計予算補正(第1号)の実体は、今までにない提案の仕方であるということは、池田大蔵大臣も申されておるのでございまして、わが党の和田委員の質問に答えて大蔵大臣も、今までに例はないが、財政の弾力性という意味から、こういうふうにしたのでありますと答えられておるのでございます。しかしながら、こういう出し方が果して正しい出し方であるかどうかということを検討してみますると、当時和田委員と大蔵大臣との間において長時間にわたって問答を重ねられて、結論が出ておらないので、私は重ねてこの問題について大蔵大臣と問答を重ねようとは思っておりませんが、しかしながら日本の財政法を確実に守っていただかなければならない大蔵大臣といたしまして、この日本の財政法の上から見て、果して腹の底から、こういう出し方は正しいんだという確信が私は持てないと思うのであります。第六条の規定によりましても、それははっきりしておる。また第二十二条の規定によりましてもはっきりしておるのでございまするが、四十四条の規定において、「国は、法律を以て定める場合に限り、特別の資金を保有することができる。」、この条項を適用されて今回の処置をとったものであると、断言されておるのでございます。しかしながらこれを検討してみましたときにおいて、果して財政法の精神に従っておるかどうかということについては、私は今後ともお考えを願わなければならないのではないかと思うのでございます。その財政法の七条十二条、この根本的な趣旨から見て間違っておることが、四十四条において一つの抜け道がある。それは、前例として四十四条によってやったことも、一つや二つは認めることはできる。しかしながら、私もその前例につきましてゆっくりと検討してみましたが、決して今日出されておるような趣旨の目的によって、過去において二回出されておるのではないと考えるのであります。だから私は、いいとか悪いとかいうことをどけまして、今後法の解釈の上において疑義を持たれるようなことがありまするならば、私は特に大蔵大臣が財政上のことについて、この法律を正しく——大蔵大臣に言わしむるならば正しく解釈しておると言われるかもしれませんけれども、しかしながら疑義を持たれるようなことにおいて法案を出すのではなくして、法の上において欠陥があるならば、まずその法を直し、正しい立場に立って提案をしていただきたいということを大蔵大臣に申し上げまして、この上大蔵大臣と問答を重ねていこうということを考えておりませんが、これを私は申し上げておきたいと思うのでございます。  つきましては今回提案されました三十一年度の補正予算につきまして、二、三お伺いいたしたいと思います。  三十一年度の今回出されましたこの補正は、三十一年度の所得税、法人税、酒税の主税の増収四百億円の百分の二十五の地方交付税率相当額百億円を、特別措置によって三十二年度に地方に交付するという案でございます。その内容を分けまして、十六億円を特別法によって三十一度の交付金に繰り入れて使用することができるようにしようというのがあるが、この十六億円は昨年の年末の給与手当〇・一五の財源措置であることは申し上げるまでもありませんが、残りの八十四億は三十二年度の交付金として交付金の中に繰り入れ、公債費の元利償還に充てようとするものでありますが、財政的に見ますと、この金は当然三十三年度に地方交付金として、地方に配分さるべきものでありまして、国が国の費用によって財源措置をしたものではないのでございます。そういたしますと三十三年度分を前渡しするだけのことでありまして、その結果はどういうことになるかというと、三十三年度に配分される金を三十二年度に交付されるのでございますから、三十三年度にこの百億円の穴があくことになっておるのでございます。その百億円の穴埋めはいかなる財源によって補てんするつもりでございますか、明確な御答弁を願いたいと思うのであります。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 せんだって和田君と私との間に取りかわされました財政法上の問題につきましては、私は財政法の規定に従って処置していると申し上げておるのでございまして、何ら現行法を変える必要もございませんし、現行法内で当然やり得ることをやったのでございます。この問題につきましての質疑はしないとおっしゃいますからこの程度にとどめますが、大蔵大臣といたしまして何ら財政法の規定に反したことはいたしておりません。規定にのっとってやっておるのであります。  次に、今回の補正予算によりまして、当然地方交付税というものが出て参ります。しこうして地方交付税はあくまでこれは三十一年度の歳入でございますから、建前といたしましては三十一年度において使用すべきものでございます。従って百億円のうち三十一年度で、できるだけいろいろな経費をこれによってまかないますが、もし三十一年度でまかない切れない経費がございましたならば、これを三十二年度に繰り越しまして、そうして三十二年度の交付税に加えてこれを使用するということに相なっておるのであります。これまた通常の規定によりまして、三十一年度の不用額は三十二年度に繰り越して使い得る規定がございますけれども、金額は相当多くなる場合を見込みまして、別に法律を設けまして三十二年度の交付税に加えて使い得るという規定を御審議願うことに相なっております。実際問題といたしまして三十二年度に相当の額が行ったならば、三十二年度の公債の元利償還の金額は相当額に上りましょう。しこうして三十三年度におきまして公債の元利償還が、三十二年度と違うという場合が起り得ると思います。しかしその場合は三十三年度の予算編成のときに考慮すべき問題でございまして、これは三十一年度の補正予算から当然に出てくることでございましてやむを得ないことである、しこうして三十三年度に非常に差が出てくる場合には、それはそのときに考慮すべき問題と思います。決してお話のように私は先食いというべき筋合いのものではないと考えております。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 今大蔵大臣は、さきの問題につきましての問答を重ねないということでございましたが、また違反しておらない、違反しておらないということは、あなたが勝手に思っておられることでございまして、私は違反しておるとかおらぬということを言うておるのではなくして、疑いがある、だれが見てもこれは間違いのないという確定をすることができない疑いがあるという立場から、疑いのあるようなもの・であるならば、それを改めてもらいたいということを申しておったのでございます。  今の答弁によりますると、当然三十三年度に交付するのを三十一年度において財政処置をする、三十三年度分を出すということにおいて、三十三年度に穴があくということについて、大蔵大臣は三十三年度のは三十三年度になったら、これを考慮するというようなお考えでございますが、それはそれといたしまして、第二に私はこの交付税につきましてお伺いしますのは、交付税の性格は一般財源によるところの財政需要額と財政収入額とのアンバランスを補てんするもので、一般財源として地方自治体が自由に使用することができる財源であると私は考えておるのでございます。しかしながら今回の交付税は元利償還に充てることが、ひもづけられておるということを聞いておるのでございますが、さようなことでございますと、これは法律の精神に反すると思うのでございますが、大蔵大臣はいかに考えられておられますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 補正予算によって出て参りましたこの交付税を何にお使いになるかということは、所管が一時的に自治庁の問題でございます。従いましてこういう財源をどこにお使いになるかは、自治庁長官がお考えになるのでございまするが、今のところ、聞くところでは三十二年度の公債の元利償還に充てようというお考えのようでございます。私は適当ではないかと考えております。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 公債の元利償還に充てられるということになりますると、その交付税を交付されておる団体と、交付されておらない団体とがあるのでございますが、私はその間において果して公平な処置がとれるかどうかということをお伺いしたいのであります。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 自治庁長官からお答えになるのが適当だと思いまするが、聞くところによりますれば、交付税の行かないところの地方債につきましては、この分では交付金を与えない。その地方債の償還は、このお金ではしないというお考えのように聞き及んでおります。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 この問題につきましては、後刻地方財政の専門家が特に詳細に質問すると思いますので、私はこれで打ち切ります。  官房長官が見えましたのでお伺いいたしますが、石橋内閣が組閣されまして、本国会が開かれて、その直前に病気になられて、三週間の休暇を国会に申し出られまして本日まで顔を見せられません。私たちも、総理が一日も早く登院せられまして、元気な顔を見せられまして、われわれの質問なり討論に参加せられんことを、心から念願しておるのでございますが、以来の経過を官房長官——毎日官房長官が新聞記者会見において発表されておりまする経過をみておりますると、熱が何ぼである、博脈が何ぼであるという簡単な報告でございまして、私たちに比較してみますると、あれぐらいのことで寝ているということならば、われわれは一生涯寝ていなければならぬというような考えが持たれます。また国民も、かぜひいた、熱があるといったところが、現在は三十六度台に下っておるということに相なりますと、どうも不審を持っておるのでございまして、年寄りのことでございまするから、ゆっくりと静養をせられて、二十一日には登院せられることと考えておったのでございますが、最近の新聞その他を見ますると、どうやら二十一日に登院せられることが困難なようなことを聞き及ぶのでございます。でございますから国民は大いにこれに対して心配もしておりますし、また与党の議員の諸君に聞きましても、はっきりしたことをおれらは知らぬというようなことを聞きますし、また病気の性格につきましてもいろいろうわさされておりますので、私はこの際官房長官から真実にその状態を発表していただきたいと思うのでございます。私たちも今日まで石橋総理が登院せられなくとも、正常なる国会を目ざして進んで参ったのでございまするが、あまり長くなり、また補正予算も今明日において成立しなければならないというような段階にも来ておるのでございます。この際官房長官から偽わらざる総理の病状につきましてお述べを願って、国民にも安心をさしてやっていただきたいと私は考えるのでございます。

石田博英内閣官房長官

○石田(博)政府委員 総理の病気につきましていろいろ御心配をいただいておりますが、病気はかぜから肺炎に移行いたしまして、今療養しておるのでありますが、医者の話によりますと、老人性肺炎というのは熱はあまり高く上らない、むしろ低いのでありますが、なかなか肺炎の吸収が手間取るそうでございます。そこでただいまのところは左下部にラッセルが聞え、またたんが残っておるという話であります。そこで見込みについて、昨日は私は医者に会いませんでしたが、一昨日会ったところによりますると、二十一日に登院するという見込みは変えていないという話でございましたが、経過は全体としては良好であるけれども、ただいま申しました部分的な点において、回復の速度が予定よりちょっとにぶっておるという話でございます。いずれ十九日に立ち合い診察を願いまして、その際にその医師の診断を詳細に聞いて、また御報告申し上げたいと思っております。(「二十一日に出てこなかったらどうする」と呼ぶ者あり)ただいま申し上げました通り医者は二十一日に登院をするという見込みを変えていないということでございます。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 石田官房長官にもう一つお尋ねいたしますが、これは先般わが党の書記長淺沼稻次郎氏が長官を訪問せられまして、このたび政府が計画されておりまする石橋湛山アワーというようなことを目標にして、放送宣伝をやろうという計画につきまして、社会党といたしましてはこれに対して反対の意を表しまして申し出て、石田官房長官を大体取りやめるというお考えを発表されたようでございまするが、最近の新聞やその他を見ますると、着々と準備が進められて、首相官邸にスタジオを設けテレビ、ラジオの会見をして、そうしてこれを利用して大いに宣伝活動をやろうという計画が進められておるやに承わっておるのでございまするが、その真偽につきましてお伺いしたいと思います。

石田博英内閣官房長官

○石田(博)政府委員 政府が計画をいたしておりまする広報宣伝活動につきまして、先般社会党の淺沼書記長からお申し出があり、また本朝、井上、今澄両君からもお話がございました。その・際に私が湛山アワーをやめるとかやめないとかいうようなお答えをした記憶はございません。非常に事実と違った判断をせられておりまするので、私どもの考えておりますることを詳細に申し上げて、御了解を願ったつもりでおるのであります。この計画の根本といたしすまところは、政府の政策あるいは政府の施策を、もっとより以上国民に徹底させる必要がある。この活動について今まで主として各官庁の広報課、内閣にも広報室がございますが、そこでやっておるのでありますけれども、どうも一言にして言えばやぼったくて不徹底である。これをもっと効果的に行いたいものであるということが、その出発点でございます。その効果的な宣伝を行う、広報活動を行うために、必要とあらば総理もあるいは各省大臣もどんどん積極的にラジオでもテレビでも出ようじゃないかということになりまして、そういう考え方を新聞その他に発表いたしました。それは第一はラジオ、テレビばかりに限られていることではないのでありまして、今内閣では官報の資料版というようなものと、写真公報というものを出しておりますけれども、これはきわめて一部分に限られておるのでありまして、政府の施策を国民に周知徹底させるのにははなはだ欠けておるのであります。これをもっと大衆性を持たせてみんなにわかりやすくしていただくことが、政府の施策の効果を上げるゆえんであると考えております。から、ラジオ、テレビだけに限られるのではなくて、もっと広範に政府の施策を周知徹底せしめる方法をとりたいと考えております。そのためにはどうも今までの役人の頭で、あるいは役人のやり方でやっておったのでは、先ほど申しましたようにやぼったくて一人よがりになりがちでありますので、そういう報道関係の経験者を五、六人、五人の予定でありますが、五人くらいで広報参与というようなものを作りまして、そうしてその人々によって企画を立て立案してもらおう。ただいまその広報参与には一人だけ委嘱をいたしておるのでございます。そこで当時社会党の書記長淺沼さんからの御抗議は、国費を持って政治的な宣伝をすることは間違いであるというお話でありました。(「その通り」)私どもも同様に考えております。従って国費をもって総理やあるいはわれわれが政治的な宣伝をする意図はございませんが、政府がその施策を国民にできるだけ周知徹底せしめることは、これはやはり政府としての義務であると私どもは考えておるわけでございます。従って政府の施策を周知させる適当な時間を、民放等から買うと申しますか、そういう方法も政府施策の周知徹底のためには考えておりますけれども、伝えられる湛山アワーというようなことは、私どもの計画が世間に伝わりまして、それについてNHKの方では一ヵ月に二回くらい総理が出席できるかという話でありました。そうすればそれを湛山アワーとでも名づけてやってみたいということで、こちらも非常にそれはありがたいことだということは申しましたが、これはむろんNHKのことでありますから、国費をもってやるわけでもありませんし、私どもはその計画、あるいはその編集というものに干渉をいたすつもりもない、今までそういう事実もございません。NHKのそういう話が出たことに引き続きまして、民放の方々もNHKに出るならばわれわれの方へもそれと同じ回数出席するように取り計らってくれなければ困るし、世間に伝えられるように、そういうことを政府がスポンサーとなってやるということにはあまり賛成しないけれども、自分の方としては自分の方の報道活動の一つとしてこれをやりたい、こういうお話でございました。ところが事実は民放の数が非常に多いのであります。しかもそれにテレビも加わるのでありまして、NHKが二回だから他のそれぞれの民放も二回ずつやるというということになりますと、毎日テレビに出て行かなければならないというような羽目にもなるのでありまして、それを現実的にこれから調整しょうと考えております。従ってこういうことは決して政府がスポンサーになり、政府が国費をもって時間を買うというようなことではいたしません。政府が国費をもって時間を買って、周知徹底させようというようなものは、あくまで政府のやろうとする施策の広報に限られるのであります。それから総理官邸の内部に放送室あるいは放送設備を作ろうという考えを持っておることは事実でございます。しかしそれは各放送局あるいはテレビ会社等が非常に多くなりまして、それがいろいろのできごとがありますと、たくさん機械を持ち込む、設備をしなければならぬ。ところがあの建物はそういう時代を予想して作った建物ではございませんから、非常に不便であります。そこでそういうことを効果的にやるためには、総理官邸の中にそういう設備を作れば、時間がないときでも、比較的時間を節約してお求めに応ずることができる。それからまたさらに進んでは、総理官邸の中で、テレビやあるいは放送などに利用される頻度の多い場所については、そういう人々が活動しやすいような設備をいたしたいとも考えております。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 ただいまの官房長官の説明を私は信頼いたしまして、これ以上質問いたしませんが、ただいまの御趣旨に沿いまして、私たちは十分監視しておりまするから御留意を願いたいと思います。しかしながらこういう活動は、往々にして一党一派に偏したような方向に必然的に導かれるものでございまするから、その点十分御留意を願いたいと思います。  私はこの際方面を変えまして、岸総理大臣代理にお伺いいたしたいと思うのでございます。特に私は今日の日本の防御関係につきましてお伺いをいたしたいと思うのでございますが、岸首相代理は当国会が開会されましてから、首相代理として本会議において、あるいは当予算委員会において常に申されておることは、日本の防衛態勢に対しては国力に応じて、その態勢を整えていきたいということを申されておるのでございます。これは歴代の内閣、歴代の防衛庁長官が口をそろえて申されておることでございまして、しからば具体的にどういうことをするのであるか。防衛態勢を国力に応じて作り上げていくということを言われておるけれども、その目標はどこにあるか、その限界はどこにあるかということでございます。私はその限界というものは今日の時代におきましては、まことにむずかしいと思っておるのでございます。ただ兵員を増加いたすことによって、国を防衛することができないという段階でございます。私は兵員をふやし、ただ単なる武器をもってこれを守るということだけでは、できない時代になってきておる。そうすると口では国力に応じてということは言えるけれども、国力に応じてどういうことをやるのだ。今日日本の防衛というものを考えてみますると、アメリカから誘導兵器が貸与される。アメリカは何のために貸してくれるのか。アメリカは何のために貸してくれるのかというと、日本の防衛のためだといっておる。しかしながら日本はどこから侵略をされようとしておるのであるかということも、また研究してみなければならぬ。アメリカは仮想敵国を持っておる。ソ連がある、あるいは中共、こういうものを仮想敵国として、これに対する包囲態勢というものを整えておる。日本に武器を貸しておる。そうして日本にあらゆる戦力を与えておる。結果において、日本は仮想敵国もなければ、侵略を受ける立場にも立っておらない。しかしながら知らず知らずのうちに、私たちはアメリカの持つ仮想敵国の方向に、日本の方向が運命づけられておるのではないかと思うのでございます。私たちはこういうことを考えてきますると、少くとも日本の防衛態勢というものを打ち立てるということに対しては、相当慎重なる態度によって、これを打ち立てなければならない。アメリカが武器を貸してやる、ありがとう。軍艦を貸してやる、ありがとう。私たちはこういうことで日本の防衛態勢というものを、完全に打ち立てることはできないと思うのでございますが、岸首相代理は、この日本の防衛態勢に対しまして、どういうお考えを持っておられるか。今後またどういう方向で日本の自衛態勢を打ち立てていこうとしておられるかということにつきまして、一応お伺いしたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 日本の防衛態勢につきましては、しばしば申し述べましたように、根本の方針としては、日本の国力に応じて漸増していくということを申しておるのであります。それを具体的にどういうふうにやっていくんだということにつきましては、実は日本の防衛計画というものは、国防会議において長期防衛計画を立てて審議して、そうして日本の防衛計画というものを打ち立てるという建前で研究を進めておりますが、まだその計画というものが国防会議において決定を見るに至っておりません。しかし私は日本の防衛につきましては、あくまでも自主的な立場で考えていかなければならぬ。われわれは決して仮想敵国を持っておるわけでもございませんし、根本においてこの世界情勢を見ますると、なかなか一国だけで日本の安全を完全に保障するということも考えられない状況でありますけれども、しかしわれわれはわれわれの手で、やはり祖国を守るという根本的な立場に立って、精神的の面におきましても、あるいは経済的の面におきましても、あらゆる面からこれを充実していくというのが、その根本でありまして、従って今度の予算の編成に当りましても、われわれは量よりも質に重きを置いて考えるという立場を明らかにいたしておりまして、あらゆる面から自主的に日本の——決してアメリカであるとか、どこであるというものの計画に引きずられてやるということではなくして、自主的な立場からこれを進めて参りたい、かように思っております。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 しごく常識的な答弁でございますが、私はその答弁には満足することができないのでございます。しかしながら防衛の根本問題について、私は討論を重ねたいとは考えませんのですが、総理にお伺いいたしますが、日本の防衛ということについては、できるだけ日本の自力において、アメリカにたよらず、その他の国にもたよらず、自力において打ち立てていきたいという方針を持っておられるということでございますが、先般わが党の田原委員が基地問題に関連いたしまして質問いたしましたる答弁に、岸首相代理は、アメリカの援助を一日も早く断ち切って、自主独立の立場に立って日本の自衛を推し進めるときにおいて、初めて基地問題が解決するのであるということを、はっきりと御答弁になっておるのでございます。この精神は、私が今尋ねました、できるならば日本の力によって、日本みずからの態勢を打ち立てたいという根本的なる考えは、今なおお持ちでございまするか、重ねてお聞きをしておきたいと思うのでございます。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 ただいまもお答えを申し上げましたように、日本の防衛を自主的に、できるだけ日本民族の力によって祖国を守るという態勢を、あらゆる面において作って参りたい、かように思っております。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 それはけっこうなことでございます。しかしながら今日まで日本の自衛というものの大部分は、アメリカの援助によって作り上げられておるのでございまして、どの武器、どの兵器を見ましても、大部分はアメリカの援助において作り上げられておる。私はこういうことが、さき申しましたように、日本の自衛々々というておるけれども、日本の自衛を飛び越えて、いわゆるどこかの国の自衛の一環となっておるということを、私たちは忘れてはならぬと思うのでございます。少くとも私たちは、今日の自衛隊の内部を見ましても、あらゆるものを見て、その何%が日本みずからの力によって作り上げられたか、何%がアメリカの援助において、アメリカの力によって作り上げられたものであるかということを考えてみましたときにおきましては、アメリカの援助において作り上げられておるものが、はるかに大きいと考えられるのでございます。でございまするから、私たちは、岸さんのお考えになつておりまするように、一日も早く日本の国民の力において、日本の経済力の許す限りにおいてこの方針を立てていくことが、この軍がいい悪いは別といたしまして、方針といたしましては正しいと私は考えるのでございます。しかしながらそういう精神が今日政権を担当しておられまする石橋内閣の中にすべてしみ込んでおるかというと、そうではない。先般アメリカからフェアレスという人が日本に来られた。そのときに、小滝防衛庁長官は、こういうことをフェアレス氏に言っておられる。自衛隊がこれまでになったのは、ひとえにアメリカの力添えによるものであり、まことに感謝にたえない。しかしこれで十分とは考えられないから、今後とも質的にも量的にも増強するため協力してほしい、と屈辱的な謙遜な態度でアメリカに対する希望を述べられておるのでございます。総理が一日も早く日本の自主態勢を打ち立てたいという気慨に燃えられておるときにおいて、同じ閣僚であり、しかも防衛担当の長官が、アメリカに対して、今日までの自衛力はアメリカのおかげである、これ以上質的にも量的にもアメリカの援助がなければ立っていかないのだから、どうか助けて下さいと言わんばかりの——懇願ではありませんか。こういう意見が一つの内閣の中において相対立しておってもいいのでございましょうか、総理の見解をお伺いしたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 自衛隊がここまで増強されたことについて、アメリカの援助に負うところが非常に多いことも、また現在の自衛隊の中におきまして、装備その他においてアメリカの援助を受けておるものが相当にあることも、これは私も認めます。しかしこれを一日も早く、そうでない、われわれの手で、われわれの力でもって、われわれの自衛をやっていくというのが、われわれの念願であり目標であることに対しましては、閣内におきましてもどこにおきましても、われわれの信念は変りありません。閣内の不統一ということは絶対に私はないと確信いたしております。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 さらにお伺いしますが、それは日本の防衛計画が、今日の日本の政治の中において一貫性がないということでございます。一体日本の防衛計画というものはだれが立てておるのか、だれが立案しておるのか、防衛庁がやっておるのであるか、あるいは総理がやっておるのであるか、あるいはアメリカの指示によってこれがやられておるのであるか、あるいはまたそのとき都度々々の計画が行われておるのであるかということにつきまして、私は疑いを持つものでございます。昨年の国会におけるところの状態はどうでございましたか、防衛六ヵ年計画というものが発表された。その防衛六ヵ年計画は、当時の長官でありました船田防衛長官は、私がこの予算委員会において質問いたしましたら、これは日本政府の防衛六ヵ年計画ではなくて防衛庁の試案である、防衛庁案である、しかしながらこの六ヵ年の長期計画は、今は防衛庁計画であるけれども、この国会において審議を願うておりまする国防会議法案が成立いたしましたら、この国防会議にかけて御審議を願う、一日も早くこれを確定したい、こう答弁されたのでございます。そうして政府も国防会議法案を国会に出された、わが党はこれに対して強烈に反対をした、世論もこの賛否に対しましていろいろ議論をいたしました。しかしながらやがて国防会議法案は通ったのであります。しかしながらあれだけ急速を要する、一日も早く、ゆるがせにすることができないといって、内閣委員会におきましてもあるいは当委員会においても主張された国防会議法案が成立して、今日まで国防会議は何をやっておったか。一年間においてどういうことをやったかということを詳細に承わりたいのでございます。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 国防会議法が成立をいたしまして、国防会議というものが政府に設けられまして、鳩山内閣のときに一回と、またわが石橋内閣になりまして一回開いておるのであります。鳩山内閣のときにおきましては、大体国防会議を将来運営していく基本のやり方等につきまして、これをきめております。またわが内閣になりましてからは、本年度の防衛予算を決定するに際しまして、国防会議に諮ってその根本の方針をきめております。なお国防会議の方には事務局な作っておりまして、今日本の長期防衛計画について詳細に検討し、準備をいたしておるのが現状でございます。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 国防会議ができまして、詳細に長期計画について検討をしておるということでございますが、私はこの日本の国防問題につきまして、そのときどきにおいていろいろ変っておる。昨年においては六ヵ年計画、三十二年度、三年度において自衛隊を一万人ずつふやして十八万にするという御計画を立てられたのが、ことしは削っておる。これは聞くところによるとアメリカの会計年度と日本の会計年度が変っているから、来年の予算においてこれを計上しても、アメリカの会計年度が七月だから変らない、そのままでことしふやしたのと同じことになる。約束は守っておらないというようなことが伝えられておるのでございますが、私はそういうことは省きまして、ことしはやられなかったが、アメリカとの間において契約しておられるのは、ことし一万、来年一万ということになっておるのでございますが、ことし一万人ふやされないと、来年二万人ふやされるのでありますかどうかということをお伺いいたしたいのでございます。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 私どもの方ではアメリカ側にいつどれだけふやすしいう約束はしておりません。ただ防衛庁といたしましては、今の十六万では不十分であるから、なるべく早い機会にこれを充実していきたい、こういう希望であります。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 約束しておらないと申されますが、去年の防衛分担金の折衝のときに約束したのじゃないですか。アメリカとの間に約束したのじゃないですか。公文書をかわしたのでしょう。約束していないのですか。去年約束したのでしょう。ことしはどういう約束をしたか知りませんが、去年約束をしたのでしょう。私は去年の約束を聞いておる。ことしはふやさないが来年ふやすのかということを聞いておるのです。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 私どもがさらに漸増したいという希望を持っておることは、先方でもよく承知をしておりますが、約束はいたしておりません。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 私の聞いておるのと話が違います。私はあなたが一月ほど前に就任して約束したということを聞いておるのじゃないのです。去年の防衛分担金の折衝の際に、日本とアメリカとの間において三十二年度、三十三年度において一万人ずつふやすという約束をしておるのじゃありませんか。公文書をかわしてあるのじゃありませんか。それをことしふやさなかったら来年ふやすのかどうかということを聞いておるのです。ふやさなかったらアメリカは承知しないでしょう。アメリカが承知しないからというて、日本が強引にやるのだという立場にはないのでしょう。それで私は聞いておるのです。

小滝彬自由民主党防衛庁長官

○小滝国務大臣 御承知のように防衛分担金の折衝におきましては、これは日本側の予算規模が——従ってその増額の半分だけを分担金の方で減らすということになっておるのであります。従いまして将来の計画というようなことは、それは双方が接触する場合もありますから、日本として希望を持っておるということは、先ほど申しましたように承知いたしておりますが、約束したわけではございません。来年度はさらに来年度の予算の審議の際に、皆さんの御賛成を得なければこれはできないことでございますから、約束しようはずもないのであります。来年はできれば早目に増強したいということは、私どもの方の希望でございます。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 防衛庁がいつも防衛に関する問題につきましては、秘密主義をとっておられることに対しましては、まことに遺憾にたえないのでございます。別にアメリカとの間において秘密条約も何もないのだから、率直にそういうことは、認めるものは認め、認めないものは認めなければいいのです。今日まで防衛庁がとってきましたあらゆる面におきまして公明正大にやられておりますか。今度の誘導弾の問題でもどうですか。新聞に載り、アメリカが発表し、国会で質問があって、そうして小出しに発表したのじゃございませんか。私は今日日本の防衛ということについて考えてみましたときにおいて、ほんとうに心細く考える。今岸さんに聞くと、国防会議ができれば日本の防衛態勢は確立するのだ、はっきりするのだといって国防会議法案をやった。これからぼちぼちと国防会議に相談していこう、しかしながら一方においてどうですか、相談もしない。増原次長がアメリカへ行って、そうして誘導兵器の貸与を要請した。国防会議法が去年の国会においてできておるのでしょう。増原次長がアメリカへ行って新聞記者諸君の質問に答えて、研究用としてアメリカに誘導兵器の貸与を要請しておる、こういうような一国の運命を決するような重大なる武器の貸与を、だれの命令であなたは行ったのですか。勝手に借りに行ったのですか。防衛庁の命令で行ったのですか、総理の命令で行ったのですか。こういうようなことにおいても一貫性というものが何らない。そうして新聞記者諸君に問われて初めてそこで発表しておる。私たちはこういうことが国民に疑惑を持たれるもとになるのであると考えます。また最近におきましても、自衛隊においてもいろいろ死の行軍であるとか、きょうの新聞は何と出ておりますか、九州の大分県において部下が上官を殺しておるではありませんか。死の行軍が出てから、次から次へと、盗人を働いたとか、何したとかいうような記事が、毎日出ておるではございませんか。こういうような面についても、あらゆるものが秘密主義であり、そしてまた自衛隊員にいたしましても、今日何の希望も持っていない、何の理想もない。大学は出たけれども就職口がないから、自衛隊にでも行かなければしようがない、みなそういうことですよ。道で出会った青年をつかまえて、お前今どこに行っておると聞くと、どこに行っても使ってくれませんから、自衛隊に行っております、恥かしそうにこう言っております。そういうときに、どのような猛烈な訓練をしても、それは目的を達することはできません。戦前において陸士や陸大において訓練を受けた人が、それと同じ方向に引きずり込もうとしても、それはできません。話は余談になりましたが、増原次長がアメリカに行かれたときには、大体だれの命令によって行かれたのですか。そのことにつきまして一応承わりたいと思います。

増原惠吉防衛庁次長

○増原政府委員 防衛庁が米国側に誘導弾等の新しい兵器を研究開発用に供与をしてもらいたいということは、防衛庁としては長官の決裁によりまして、昨年の八月初めに要請をいたしたのでございます。私がアメリカに参りましたときに、その要請をした。新しい兵器類の研究開発用としての貸与をぜひ実現をしてもらいたいということを、つけ加えて要請をしたにすぎません。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 それはそれとして聞きおきましょう。しかしながら、研究のために向うに借りに行った。これは総理に伺いたいと思いますが、研究のためにアメリカに誘導弾の貸与を要請してきた、しかしながら、この研究のための誘導弾を日本に持って帰って研究した暁には、どうしようというお考えですか。先般の総理の答弁によりますと、アメリカその他の国が原子力部隊を日本に持ってくるといっても拒否するということを言っておられる。持ってくることは拒否することはできるかもわからない、またできないかもわからない。しかしながら、研究の結果原子兵器を日本でこしらえなければならぬというような事態が起ったときにおいては——私は研究するということは、そういうようなことを前提として考えてみなければならぬと思うが、そういうような場合におきましては、どういうお考えを持っておるかということを承わりたいと思います。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 今日われわれが自国の防衛をできるだけ強化して、その安全を保障するためには、私は進歩するあらゆる科学兵器等につまましての研究もし、またできるならば、その研究に基いてわれわれの手で、これを作っていくようにしなければならぬと思います。しかしこの原爆等の問題につきましては、私は一貫して日本にそういうものが持ち込まれることも、またわれわれみずからの手でこういうものを作ろうとも、絶対に考えておりません。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 そういたしますと、日本で、アメリカからいろいろの武器を借りてきまして研究いたしました結果において、この武器はどうしても原子を利用しなければ成り立たないということが現われましても、日本はこの原子兵器に対しましては絶対に手をつけないということを、現在の段階において確約することができますか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 今もお答え申し上げました通り、誘導弾の、今われわれがアメリカに貸与を望んでおるものも、みな防御的なものでございます。従って、攻撃的な武器であるとか、あるいは原爆等の問題につきましては、日本みずからこれに手をつける意思は持っておりません。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 防衛庁の予算説明にもありましたが、日本の防衛態勢は量より質ということを強く主張されておるのであります。今日の原子時代におきまする量より質ということは、防御にいたしましても攻撃にいたしましても、原子を離れてはむずかしいと思うのでございます。たとえば誘導弾によって誘導されてくるところの弾丸、それはどこから飛んでくるかといえば、ある基地から飛んでくる。そうすると、その基地を何とかしなければ日本を防衛することはできない。野球のたまが飛んできて受けるようなわけにはいかぬのです。その基地を何とかせなければならぬというような場合も起ってくるのです。私は軽率に量より質というようなことにおいて片づけてしまうべき問題ではないと思っておるのでございますが、少くとも今日はまだ研究時代であるように思われますので、この問題につきましては質問を打ち切りたいと思います。この原子の問題につきましては、今後とも慎重に、アメリカが武器を貸してくれる裏に何があるかということを十分に考えてもらいたい。そうして総理が考えておられますように、一日も早く日本がみずからの力において自衛態勢を打ち立て、今日量より質を言われるならば、今日の量を、もっと有効に、社会党も心から協力するような態勢を打ち立ててもらいたい。原子爆弾一発、二発落されたら日本民族が死滅しなければならぬというようなときに、いたずらに希望も理想もないところに青年を押し込んでいくより、国土防衛のために、国土開発のために、国民に理想と希望を与えるような態勢に持っていってもらいたい。武器を貸してくれるからといって、いたずらにそれに飛びついて、そうして日本の自衛だ、自衛だということは、知らず知らずのうちに日本が大きな対立の中に引きずり込まれることになるのであるから、私はその点を十分留意していただきたいと存ずる次第でございます。  次に、私は方面を変えまして、今問題になっておりまする国鉄の運賃値上げの問題につきましてお伺いいたしたいと思うのでございます。大蔵大臣にお伺いいたしますが、今回の運賃の値上げというのは、今日の政府が発表いたしました一千億の減税、一千億の積極的政策、こういうようなものにはずれた人も——はずれた人というよりも、多くの人々がこれに影響を受けるのでございまして、この運賃の値上げが、今日の日本の物価の上においてどのような影響があるか、また一昨日予算第一分科会におきまして、わが党の河野議員が質問いたしましたガソリン税にいたしましても、大蔵大臣はこれは需要者が結局は負うべき性格のものであるということを申されたのでございます。私はこういうことを考えてみますると、今日一千億の減税そうして一千億の施策、これに対しまして運賃の値上げあるいはガソリン税の値上げ、こういうようなものがどういう工合に響いておると大蔵大臣はお考えになっておりますか。先般、大蔵大臣は、あまり影響のないように申されておりましたが、結局においてガソリンの値が上がり、これが需要者に渡る、あるいは運賃が値上げされる、結局において値上げされたのでございますから、やはりその値上げの影響というものは、減税や施策の上におきましてもいろいろ影響してくると思いますが、その点に対しまして大蔵大臣の意見だけを聞いておきたいと思います。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 まず鉄道の運賃の値上げでございますが、御承知の通り今日本の産業発展の隘路の一つは国鉄の輸送の問題であります。貨物が非常にふえましたが、路線あるいはその他の点で非常に不備でございます。従って輸送の上におきましてかなりの滞貨がありますので、この滞貨を少くして、そうして輸送を早急によくしていくことが、産業の発展に必要であると考えたのであります。従いまして一割三分の値上げがどういうふうに響くかと申しますると、個人の生計費におきまして鉄道運賃のそれは一、二%でございますから、生計費全体にほとんど影響がない、あるいは、非常に少いと言い得ると思います。また経済面、産業面から申しますると、ただいまのように三日も四日も平均滞貨があるということでは、産業活動に非常に不便でございます。私はこの際輸送力を強化した方が、日本経済の発展に役立つと考えまして、不本意と申しまするか、上げたくはないのでございますが、全体のためにやむを得ず上げることに賛成したのでございます。  またガソリンにつきましても、この道路を補修改良するということが、能率的にもまた運転をする方々の精神的にも、また舗装その他の関係におきましても、非常に必要なことでございますので、これまた鉄道と同じように、日本の経済の発展を考えまして、値上げをすることにきめたのであります。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 この国鉄の運賃値上げが確定いたしますと、必然的にこの値上げは全国の私鉄やバスに影響してくると思うのでございます。この私鉄やバスの値上げに対する許可というものは、運輸大臣が持っておられるのでございますが、これに対しまして運輸大臣はどのような考えを持っておられますか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お答えいたします。国鉄の運賃値上げのことは、ただいま大蔵大臣からお答え申し上げた通りでありまするが、これに伴いまして私鉄、バス等の値上げが当然起ってくるように思われておるのでございますが、バス等につきましては、従来個々の場合を考えまして無理なものを是正するという意味においての、経営その他の面を見て、場所により、ケース・バイ・ケースで従来ともやっております。しかしこの際国鉄の運賃値上げをするから、当然私鉄もしくはバスについて値上げをするということは考えておりません。国鉄の競争線などにつきましても、当然上げるように世間では思っておりますが、その会社の経営自体を見まして、ことに物価に及ぼす影響をできるだけ少くするという考えから、総体に運賃の値上げになるようなことにならないように善処していきたい、かように考えております。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 国鉄の運賃値上げにつきましては、これはひとりことしに始まったことではなく、毎年々々繰り返されておるのでございまして、昨年の予算委員会におきましても、わが党の柳田委員の質問に対して、当時の吉野運輸大臣でしたか、本年度は断じて値上げをいたしませんということを言明いたしたのでございます。このように毎年運賃の値上げということを主張されておりますが、その国鉄が運賃の値上げをするという理由というものは、そのときどきの状況によって変っておる。去年はどう言っておったかというと、昨年末までは減価償却や工事改良等の支出を差し引くと赤字になるから値上げが必要である、こういうように去年までは言うておった。そうしたら本年度になってからだんだんと黒字になってきた、そうするとことしの理由は、今大蔵大臣も申されましたようにいろいろ変っておる。国鉄収支の面において黒字が出てきた、それでことしの理由といたしましては、輸送力の増強のために五ヵ年計画を行うについて、その資金が必要だから年間三百六十六億円、いわゆる一割三分の値上げが必要だということを言うておるのでございます。その値上げの根本原因が、去年とことしは変っている。ことしは黒字になったから去年のようなことを言っておられぬから変っておる。こういうことに対して運輸大臣はどういうお考えを持っておりますか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お答えいたします。大体においてお話の通りでありまして、昨年までの運賃値上げは、鉄道当局といたしましては、やはりただいまお話しのような点から、鉄連経営の点から運賃値上げをここ数年来希望しておったことは御承知の通りであります。しかし鉄道の運賃を上げないで、鉄道経営の合理化によってこれをまかなっていかなければならないじゃないかということが、昨年までの世論の一般の考え方であったように私は思うのであります。ところが一昨年から昨年、今年にかけまして日本の産業の拡大というものが、非常に急速な速度をもって発展してきました。この点から見ますと、陸上輸送の根幹をなす鉄道をこのままにしておくならば、今日においてさえただいま大蔵大臣のお話のように相当の滞貨があります、これを明年、明後年にまで捨てておくならば取り返しのつかないことになる。そこで日本経済の拡大につれて輸送力増強の点から、これは考え直さなければならない、こういう点で、このたび国鉄運賃の値上げをもとにいたしまして、ただいまお話しのように五ヵ年間五千億という計画を六千億に直しまして、期間を短縮しまして、そして遠からざるうちに一億の人口を養う日本経済に対して、この輸送力がネックとなって、日本経済の首を絞めるようなことになったら取り返しがつかない、今においてこのわずかな点で犠牲を払って運賃を上げて、将来の経済拡大に備えたい、こういう考えからこのたび値上げを決意した次第であります。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 今の御答弁を聞いておりますと、御趣旨ごもっとものように聞えますが、しかしながら私は今日の膨大なる国鉄経理の中から考えますならば、年間三百六十億や七十億の金は、値上げをせずして生み出すことができる、また値上げをするといたしましてあるだろうと考えるのでございます。しかして私は考えてみますのに、今日まで国鉄当局は運賃の値上げをすることについては、一意専心その目的を達するためにあらゆる努力を傾倒しておりますが、毎年経営調査会が指摘いたしました血のにじむような経営改善の努力は、全く行われておちないのでございます。大くの外郭団体をかかえ、不合理な経理状態に放置しておって、その結果は毎年会計検査院にその不都合を指摘されておりますが、一向に国民が納得するような改善を行わずして、ただ単に値上げをすることだけで、すべてを解決しようとするようなことは、公企体の建前からも、許すことはできないと思うております。きのうの新聞はどうでしたか。東鉄の事業課用地係長の木藤武という男が、土地の貸借問題を中心として、多額の収賄をして検挙されたという新聞記事が出ておる。こういうことはただ一つの現われであって、運輸大臣が、全国至るところに国鉄の所有しておる土地、これがそのまま有閑地として放任されておらない。都内や大都市におけるところのガード下の土地の貸借が完全に行われておる。国鉄と土地を借りておる人の間に五人も六人もブローカーが入って、そうして国鉄にはわずかの金しか入っておらない。一番下の借りておる人は莫大なる金を出して借りておる。こういうような事情もつぶさに調査せられますならば、私は運賃値上げ、運賃値上げと言わなくても、そういうものを解決するような方向へ進んでいくことができると思うのでございますが、運輸大臣はこれに対してどういうお考えや持っておられますか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お答えいたします。御承知の通り国鉄は膨大な機関でありまして、その問いろいろなことの起っておることは、まことに遺憾にたえません。しかしながら、今般国鉄運賃の値上げをいたしますにつきましては、御承知の通り値上げから出ます三百数十億円のほか、国鉄の経営合理化の面から経費を詰めまして百数十億円を捻出するようにしております。これはずいぶん無理なようでありますが、この窮屈のうちから経営の合理化を、その方面からも推し進める、同時に、国鉄は昨年の暮れから責任を明らかにするために、各方面を分けまして支社制を作りました。そうして経営の上にも、また経営の合理化の上からも、すべてに責任を明らかにするような組織を作って、能率を上げようと思っております。このたび運賃値上げにつきまして三百数十億円の負担を、一般国民にかけるのでありますから、国鉄自体といたしましても、ただ安閑として値上げによってこの経営をし、もしくは将来の増強をするということであってならないことは申すまでもありません。それと見合いまして、国鉄内部の資金を圧縮して、そうしてそれを出しまして、全体でもって千百億円に近い費用を出して輸送力の増強を進める。私といたしましても、このたびこの国鉄運賃の値上げをきめますからには、今後国鉄の経営に対しましても、運輸省として相当できる範囲において一つ監督を強化して、その合理化を進めていきたい、かような決意を持ちまして、このたびの国鉄運賃の値上げということを皆さんに提案をした次第であります。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 国鉄の合理化ということに対して、今後十分力をいたしたいという運輸大臣の答弁でございますが、私が運輸大臣にも一つお伺いしたいことは、国鉄予算や経理内容が不合理ということでございます。今度の運賃値上げにつきましても、国鉄は初めから一割三分値上げしてくれと言うてきたのではございませんでしょう。最初は一割八分でなければどうしても足らぬと言ってきたのでしょう。そうして二月たたないうちに一割五分でもよいと言うてきた。そうして次に三転して一割三分ということになってきた。しかしながら、この一割八分のときも、一割五分のときも、一割三分のときも、総額の上においては、うまいことつじつまを合せた、こういうことを考えますと、国鉄の経理の合理化ということによって一割や一割三分ぐらいの金というものは、どうでもなるというような仕組みになっておるのではないかと私は思うのでございます。昭和三十一年度の収入見込みが二千八百億円でございますから、この二千八百億円から二百億円から三百億円という金額は、操作によってどうでもなるように思うのでございますが、運輸大臣は、こういうような点におきまして十分御検討になりましたでしょうか。その点につきまして、昨年の経営調査会の答申によりましても、減価償却の問題にいたしましても、最初は第三次評価ベースとして四百二十七億円という数字を出しておるのでございます。しかし昨年末発表した国鉄白書によりますと、四百七十億円ということが発表されております。経営調査会は四百二十七億、国鉄白書は四百七十億となっております。今度の予算を見ますと、また四百九十億、こういうような膨大な数字が出ておるのでございますが、この数字は一体どこから割り出したのでございましょうか。経営調査会が四百二十七億、国鉄白書が四百七十億、そうして今度の予算では四百九十億、こうなっておるのですが、この数字はどこから出た数字なんですか。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お答えいたします。運賃値上げの過程におきまして、国鉄が一割八分という計算をもって初め立ててきたことはお話の通りであります。その後、運輸審議会におきましてこれを審査した結果、一割五分が適当であるという答申を得たのでありますが、私は運賃を上げることができるだけ最小限度にとどめて、この輸送力増強の問題を解決したいと思っていろいろ苦慮いたしました結果、大体において国鉄の純増収は一割くらいでよかろう。ところが御承知の通り固定資産税というものを昨年からかけられましてこれに七十数億円、年々ふえまして、五ヵ年計画の後には百十億円くらい負担するのですが、これがちょうど運賃の三分に当ります。それですから、一割三分上げましても、固定資産税に三分を充てまして、それから一割というものが純収入の国鉄に入る金となる、これをもって一つ圧縮して国鉄の輸送力増強をさせたい。ところがこの過程におきまして、大蔵省の査定というものは非常に——ここに大蔵大臣おいでですが、一時運輸省の国鉄関係並びに国鉄は、大蔵省の人の言うことは血も涙もないことを言いますなんといって、事務的にはこれを投げるよりほかないというような程度に至りましたけれども、それをその程度に押えまして、大蔵省の計算を基礎にいたしまして、国鉄の方を押えて、経営の合理化をして、血の出るような形において今後の経営をやりたい、こういうふうで圧縮しております。ただいまの点は固定資産税の問題であろうと思いますが、この数字は私はっきりのみ込んでおりませんけれども、多分従来、二十二年から特別に償却しなかったものが残っておるものの点だと思いますから、この点は政府委員から答弁いたさせます。

權田義彦運輸事務官(鉄道監督局長)

○權田政府委員 私からお答え申し上げます。減価償却の問題の、見合います資産の評価の問題でございます。経営調査会の当時にはいろいろ諸先生方も御研究になりまして、これを第三次評価ベースで行うか、あるいは時価で行うかという両建の計算をされております。ただいま御指摘の四百二十何億の数字は第三次評価ベースの数字でございます。その後なお各般の権威のある先生方にお集まりを願いまして、いろいろ減価償却の対象となる資産の再評価について、厳密に一年有余にわたって検討をしていただきました結果、時価ベースに直しまして、これが四百八十数億に相なります。資産増その他が見合いますので、三十二年度といたしましては、この時価ベースで四百八十九億に相なりますので、その間の数字は矛盾いたしておらないのでございます。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 今回のこの運賃の値上げにつきましても、そこに大きな不合理性があるということでございます。国鉄運賃というものを見てみますると、今日まで終戦以来ずっと黒字を続けているのは旅客運賃であります。旅客運賃の中におきましても、一等、二等というものは欠損のような状態であるけれども、三等の運賃によってこれを埋め合せて、まだ相当の黒字を出しておる。しかしながら貨物はこれに引きかえまして、終戦以来ずっと赤字を出しておる。その貨物の中におきましても、十二等級ある中で六等級までの小口の貨物は黒字を出しておるけれども、六等級以下の大口の貨物はすべて赤字を出しておる。この状態が果して正しい状態であるか、合理的な状態であるかということを、運輸大臣はつぶさに検討されたでしょうか。今日大口貨物を扱うておるのはだれであるか。日通を中心として、またこれに運送されておるものも、石炭を初めといたしまして、相当多量の物資が送られておるのでございますから、大口需要者に対しましては相当恩恵のあることは認められますけれども、この大口需要者の赤字によって、国鉄が今一割三分の値上げをいたしましても、この状態を放任しておくならば、何回値上げをしても、毎年毎年また値上げを要求しなければならぬ、この大口需要者に対しまして、運輸大臣といたしましてはどういうお考えを持っておられるのか、このままでやれるのかどうかということであります。

宮澤胤勇自由民主党運輸大臣

○宮澤国務大臣 お答えいたします。大体において、日本の国鉄運賃が乗客の方から貨物の方を埋めておったということはお話の通りのようでありますが、それは戦前において特にそうだったのであります。これは日本の経済的な立場から——私もよく知りませんが、世界において日本のように乗客を輸送している鉄道というものはないのだそうであります。ほかにおいては鉄道輸送というものは主として貨物をやっておるが、日本だけが一番乗客を扱っている。こういうような輸送の経済的というか、社会生活的な構造から、日本は乗客の方に非常に多くお客を持っておるわけであります。従って戦前においては特に今お話のようなことでありましたが、だんだん運賃の値上げを合理化してきまして、このたびの値上げの結果は、大体において乗客の方も荷物の方も、原価に対してはやや同じようになってきておるように考えておるのであります。なお御承知の通り、戦時中軍が船舶を全部徴用いたしまして、輸送は鉄道による、こういうようなことから、鉄道にのみ依存させるので、鉄道の運賃を初めとして、御承知の通りずいぶん無理なことになっておりました。今日、遠距離逓減という問題にいたしましても、一キロ当りの乗車賃にしましても、二円十銭から今度二円四十銭くらいになりましょうが、遠距離の北海道の方から来る人は、二円十銭か二円十八銭くらいであるというようなことで、国鉄が国家の公共機関であるということから、これに非常な重きを置きまして、社会政策的な面でこれを扱っておりまので、そういう無理があると思いますけれども、これを今度の値上げにおいてもできるだけ是正いたしまして、今度は大体原価から見て同じくらいなことになっておると思いますが、この詳しい点につきましては、さらにもし御要求があれば、政府委員からお答えさせます。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 今運輸大臣がいろいろ、戦前はどうであったとか、戦後はどうであったとか言われましたけれども、しかしながらその貨物の運賃において、黒字が出ておるか赤字が出ておるか、今度の運賃改定において黒字が出るか赤字が出るかというようなことにつきましても、あまり詳細に検討しておられないように思いますので、私はこの点を追及することをやめますが、事実におきましては、改定したとしても——私は国鉄の労働組合等の人の意見も聞いてきたのですが、それによりましても、この状態であると、運賃の値上げをしても黒字は出ない。このあらゆる大口需要者を擁護するような機構を——去年でもそうですよ。あの引っ込み線に対するところの運賃を負けておるから、国鉄の収入において一億八千万円という収入減になっていますよ。あの引っ込み線に対する運賃を負けた。大口需要者です。小口需要者が引っ込み線を持っているはずはない。そういうようなことも考えられるのです。また新線の工事費につきましても、本年度は相当多額の工事費が見積られておる。この運賃値上げによって得たのところ金、そうしてまた郵便貯金その他から借り入れた金、そうして鉄道公債を発行することについては、これを消極的に減らしておる、去年より二十五億も減らしておる。こういうような数々の矛盾したことがございます。時間がございませんから、私はまた一般質問のときに十分にお伺いいたしたいと思うのでございまするが、今日国鉄の運賃値上げの問題におきまして、私は少くとも一番大きな影響を受けるのは、だれであるかということを考えれば、三等の運賃を払って乗っておられる人が、今日までの国鉄の赤字を守ってきたのだということを考えてみなければならない。今度の改正におきましても、どうしても値上げしなければならぬものとするならば、三等の運賃を値上げせずして、この大口需要の不合理なる、いつまでたっても荷物を送ってもらえばもらうほど、赤字が出るというような経営方式を改めなければ、決して日本の完全な国鉄はできない。いや輸送力がどうだ、何がどうだ、そんなことはただ単なる理屈をつけておるだけで、結果において大半以上の収入になっておるこの大口貨物の取扱い方に対しまして、大きなメスを振わなかったら、この問題は解決つかないと思います。来年の予算の査定におきまして、大蔵大臣は十分にこの点について注意をしてもらいまして、詳細に検討してもらいたいということを、私は希望申し上げまして、私の質問を終ります。(拍手)

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 午後一時半より再開することといたしまして、暫時休憩いたします。    午後零時十二分休憩      ————◇—————    午後二時八分開議

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 休憩前に引き続き質疑を継続いたします。小松幹君。

小松幹日本社会党

○小松委員 私は昭和三十一年度一般会計予算補正第一号並びに特別会計予算補正第一号について質問をいたしますが、私は岸臨時総理大臣に、あなたの政治責任をお聞きしたいと思います。  石橋内閣のもとにおける岸臨時総理大臣は、あえてこの補正予算を出して、しかも話に聞けばきようでもあすでも補正予算を上げてもらいたい、こういう趣旨の意向のようにございますが、あなたの政治責任は、石橋首相が病気がよくなって出られたら、あなたの責任は一体どういう形になるのか、どう責任を持たれてやられておるのか、病気の間だけ暫定的にあなたが代行しておるのか、その辺の政治責任をはっきりしていただきたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 お答えします。私は総理が病気中臨時代理として総理大臣の職務権限を一切行なっておりますので、これに関する全責任は私が将来といえども負うべきものである、こう考えております。

小松幹日本社会党

○小松委員 補正予算に関して特にお伺いしますけれども、あなたは大蔵大臣とその提出あるいはその操作についての意見の交換をなさり、あなたの政治責任においてこの予算を提出されたのかどうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 補正予算を国会へ出します場合においては、閣議においてこれを決定して出したのでございまして、総理大臣が病気中は閣議を主宰するものは臨時代理の私でございます。従いましてこの補正予算を決定して出すことにつきましては、一切の責任は私が負うべきものである、こう考えます。

小松幹日本社会党

○小松委員 私の見るところ、あなたの臨時代理は国会に出て事務的な答弁をして、予算等は一切大蔵大臣にまかしておけというようにしか見えない。そうすればこれに対して岸外務大臣は、首相が登院されてから今後の責任も一切持つという建前での御意見のように承わったが、果して同じような建前で今後もやるつもりかどうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 総理が病気がいえまして出られますならば、それ以後においては総理が負われるのでありますが、私がこの臨時代理中に負うておる政治責任は、総理が出られましても解除されるものではない、こう思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 そうすれば、このたび臨時総理になられて、石橋内閣の責任を負われた以上は、その面に関する限り、同時にここで発言されたことについての一切の政治責任は、石橋さんと同じ一心同体の責任を持つと言われておるのかどうか、その辺をはっきりしたい。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 その点につきましては、石橋総理大臣と一体に責任を負うことになります。

小松幹日本社会党

○小松委員 聞きますと、与党の方では副総理をこの際置こうという意見もあるそうでございます。副総理を置くということについてあなたはどういうお考えを持っておるか。臨時代理が終って、あるいは続いて副総理になって、一心同体であるとあなたがおっしゃられたのですから、今後石橋さんと続いて一心同体でやるという意味合いの副総理の構想はおありになるのかどうか。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 副総理を置くか置かないか、だれを任命するかということは総理の意中にあることであります。私はたとい副総理になるならないにかかわらず、今申した臨時代理として行なったことについては、石橋総理大臣と一体の責任を負う、こういう意味であります。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは石橋さんと争われた点から考えまして、この暫定的な臨時総理の間だけで一切の政治責任は償えないと思う。石橋さんが病気がよくなって登院されてからも、同じような責任を持たなければならぬ羽目になっておると思う。それならば副総理という形での建前の方がいいのではないかというような判断も成り立つが、その辺あなたの所信はどうなんです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 今お答え申し上げましたように、副総理を置くか置かないか、だれを置くかということは総理の意中にあることでありまして、これは内閣の法制をごらんになりましても明確にそうでありす。私は副総理になるならないにかかわらず、一体として責任を負うという所信には変りございません。

小松幹日本社会党

○小松委員 それでは補正予算をあなたの責任で出されたとおっしゃいますが、補正予算——今度は追加予算になっていると思いますが、追加予算を出すのにほんとうの建前は、三十一年度のいわゆる経費を補正していく、追加していくというのが建前だと思っている。それに対してあなたはそれを飛び抜けて、来年度のことまで考えて補正をしようという考え方は、あなたはどういう考え方でそれをやられているのか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 予算の編成の問題でございますから私からかわってお答え申し上げます。三十一年度中におきまして補正予算で歳入の範囲内において歳出をきめることは財政法上差しつかえのないことでございます。従いまして補正予算で自然増収の中から資金というものを取り出しまして、そうして産業投資特別会計に四百億円の資金を置くことにいたしているのであります。しこうしてこのことにつきましては財政法第四十四条の規定によりましてやっているのでございます。それに関する法律案は先般提出したはずでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 私は大蔵大臣に質問したわけじゃない。補正予算を出す政治責任を岸臨事総理は持たれているとこうおっしゃったのだから、それならばあなたの責任において補正予算他出したならば、三十一年の経費というものを飛び越えて、来年度からさらに三十四年度までわたるところの補正を、あなたは何がゆえに出さねばならなかったかということを、岸臨時総理大臣に聞いているわけです。

岸信介自由民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○岸国務大臣 予算の内容、法律的な関係につきましては、今大蔵大臣が答弁したと同様に私も考えてこれに賛成して、これを出しているわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 池田さんには池田さんの財政的な観点があるけれども、あなたはあなたの観点もあると思いますが、それでは財政的な観点は総理大臣も同じだとこうおっしゃるならば、一応大蔵大臣に聞いてみたいのですが、財政法の建前でいけば、補正追加の場合は財政法の第二十九条に規定がある。追加補正の場合に、財政法第二十九条以外の何か財政立法があるかどうか、それをお伺いします。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 御質問の点がちょっと了解しかねますが、もう一回おっしゃって下さい。

小松幹日本社会党

○小松委員 財政法に予算の追加及び修正という項がある。予算は私は単年度予算だろうと思う。二年度、三年度にわたる予算はないと思う。すべて単年度予算に一応なっている。その一般会計単年度予算の追加修正ということは、財政法二十九条に私は書かれてあると思う。「内閣は、予算作成後に生じた事由に基き必要避けることのできない経験」云々に限り、予算作成の手順に従って予算補正をすることができるという。だから必要欠くべからざる経費に限り予算修正追加をできる、こう響いてあるが、これは財政法上これ以外に追加予算の論拠があるのかないのか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 私は財政法第二十九条の規定に従いまして、産業投資特別会計に資金を置いた方がいいという考えのもとに補正予算を作ったのであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたも補正追加予算を組む場合には財政法二十九条によって組んだのだ。それならばそこに明記してあるように、必要避くべからざる経費に限り予算追加をするという単年度における予算——それが三年度またがる予算じゃない。単年度の予算において、今年必要な経費を組むのが補正予算の組み方じゃないかと思うが、この点どうなんですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 私は今の財政状況を見まして、今年度産業投資特別会計に資金を置くことが必要と考えまして、補正予算を作ったのであります。二十九条の規定に従っております。

小松幹日本社会党

○小松委員 歳入の面についていわゆる自然増収をどういうように把握するか。この前わが党の和田委員は余剰金と見て、無理じゃないかという論拠を言われました。私はきょうは、歳出の点において必要避べくからざる経費は別にあるのじゃないか、三十四年度までまたがるような経費を、必要欠くべからざる経費として本年度に組むということは、財政法上違反である、こう考えるのです。この点についてさらに財政法上違反ではないという——この必要避くべからざる経費というのは、私は他にたくさんあると思う。本年、三十一年に必要なる経費があるはずだ。三十一年に必要なる経費を飛び越えて、三十三年までまたがるような経費を組まねばならなかった理由は何か、お伺いします。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 財政について弾力性の理論がございます。私は一、二年あるいは二、三年のことを考えて、弾力性ある財政の運営ということも今後における一つの問題だと考えておるのであります。しこうして今年度におきましては、租税だけにつきましても九百億円を上回らんとする自然増収が出ておるのであります。この機会に自然増収のうちから資金というものを産投に入れまして、そして三十二年あるいは三十三年につきまして、弾力ある財政の運用をすることが適当であると考えまして、二十九条の規定によって、本年度の自然増収のうちから産投への資金として歳出を見込んだわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 一萬田大蔵大臣が金融の金庫番のように緊縮財政をやって、今日一千億になんなんとする自然増収を持った。あなたはこの自然増収をかかえて、その使い道を考えなければならない立場の大臣になられた。それを使う使い道なんでございますが、それをあなたは補正予算の形にして、しかもそれを来年度、さらにその次の年までわたるような費用に使おうとする考え方に立っておるわけです。もしこれがあなたの言うように、健全な財政、均衡する財政ということならば、もっと本年に出すところがあるはずだ。私が指摘しますと、ことしの赤字があるじゃないですか。ことしの赤字はほうっておいて、来年、再来年の資金をなぜためなければならぬのか。ことしの赤字というのは、食管赤字をとってみても、三十年度の三十四億の赤字もある。三十一年度の食管赤字が百六十一億程度ある、こういわれておる。同時に地方財政もまたずいぶん赤字財政を作っておる。特に地方財政が赤字になった理由の中にも、かって昭和二十七年ごろ給与等の財源に充てて、当然政府が支払わなければならないのにもかかわらず、政府がこれを支払わないで、地方にいわゆる公債発行をしいて、公債費として赤字が残っておるのがある。あるいは給与ベースの改訂によるところの赤字も残っておる。今度金が、いわゆる自然増収がたまったのだから、今度こそその赤字解消のために地方の公債費の肩がわりをするときだ。同時に食管会計も穴を埋めなければならぬ。その本年度分までの赤字があるのを飛び越えて、産投会計にぶち込んで、来年、再来年に使おうという考え方は、どういう考え方に立っているのか。手前の赤字をほうっておいても、次のことをやろうとお考えになっておると思うのだが、その辺はどうなんです。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 先日来、食管会計の赤字の問題につきまして議論したときに申し上げた通りでございますが、決算確定をいたしました三十年度の赤字につきましては、これは前の考え方をやめまして、三十一年度の補正予算で埋めることにいたしました。しかし三十一年度の赤字につきましては、特別調査会ができまして、食管会計の合理化について根本的に検討を加えますので、その結果を見て、決算確定によってやることが至当だと考えておるのであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは先般も食管の問題になると、三十一年度は決算が確定いたしておらぬからと言っておる。その面だけはあなたは決算確定をえらい強調する。ところがそれじゃ肝心な補正の歳入は決算が確定していますか。自然増収というのはあなたが知っておるだけじゃないか。しかも決算は確定していないじゃないか。歳入の面は決算確定前で出して、歳出の面だけはなぜ決算確定を強調するのですか。それじゃ、歳入の自然増収も、決算確定を待って剰余金として処理するのが当りまえだ。歳入の面は決算確定をぽいにして、歳出の面だけなぜ決算確定を強調しますか、その点……。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 歳入の問題、ことに一般会計の歳入の問題につきまして、自然増収があるときには年度内において補正予算を組んだことは、あなた承知の通りにたびたびあるのでございます。しこうして、特別会計におきまして、ことに食管特別会計におきましての赤字は、これは決算を確定いたしまして幾ら幾ら出たということで処理する方が適当である。ことに今回政府で考えております特別調査会において食管の根本的な検討を加えるというときでございますので、この方面は決算確定でやる。これは何も不思議なことはないのであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 不思議なことじゃないのもあなただけであって、あなたは、歳入の面の自然増収、不確定な要素を財源に見ていることは先例もあると言う。それはあります。しかしながら、三十年度の食管会計の穴埋めは、不確定要素をもって穴埋めをしておるじゃないか。確定要素をもってやったならば、三十年度の赤字三十四億は出ないはずだ。ところが今度また三十年度の赤字が出たというのは、決算を待たずして三十年度の食管の赤字を見ているからで、その前例はある。これは前例になりませんか、前例になりますよ。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 三十一年度の予算で自然増収を見て、決算確定したりあるいはまた必要な経費を歳出に組むことはたびたびあるのでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは私の問いに答えてない。あなたはいわゆる追加補正の財源を自然増収で見ることは先例にある、こう言った。あれば仕方がない、私は認めましょうと言う。ところが食管の穴埋めも前例があるのです。現に三十年度の食管の赤字は一般会計から埋めておるじゃないですか。しかも決算を待たずして埋めておる。だから今度三十年度の三十四億の赤字がまた出ておる。それも前例があるから、前例に従って本年も決算を待たずして百六十一億を処理すべきが当然じゃないか、前例があるからそれで処理したらいいじゃないか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 三十一年度の赤字を今回の補正予算でやるべきではないかという御議論でございますが、これはやらなかった前例もありますし、やった前例もございます。しかし今回三十一年度の赤字につきまして、補正予算でこれを処理しなかったゆえんのものは、昨日来申し上げましたごとく、本年におきましては食管について根本的な検討を加えるという特別の事由がございますので、その検討の結果により、そして決算確定でやることが至当だと考えたからでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたはその場その場で逃げておる。去年のいわゆる食管の赤字を埋めるときも、食管のいろいろな問題があるから、その問題を処理するまで一応穴埋めをするんだ、食管の場合には問題があるから、その問題を処理せねばならぬという条件がいつでもついておる。昭和三十年度の一般会計から補正した穴埋めのときも同じであった。牽強付会の論議を持っておる。決算を待たずして本年、三十一年度の食管会計の赤字を埋められないことはないはずなんだ。それを決算を待たずしてなんということを言っておるのは、それは逃げておることなんだ。前例からいっても、また本年の赤字を大方の見込みで処理しても、最後にいわゆる米穀会計年度でも食管の年度でもいいから、整理したときまた赤字が出るかもしれないが、それはそのときのことであって、決算を待たずしてわれわれは整理できると思う。前例があるのだから、あなたは前例に従って本年の赤字百六十一億を出したらいいじゃないか、それはどうなんです。そのことに関する限りは前例を踏み破りますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 いずれも前例がございます。従って三十一年度の赤字を補正予算で埋めることもあるいは考えられます。しかし埋めないことも考えられる。私はどちらをとるかという問題につきましては、昨日来申し上げておりますように、来年度において米価がどうきまるかわからないという重要な要素があるときでございますので、今回は決算を待って処理することにいたしておるのであります。これは見解の相違でございますが、両方とも前例がございますが、補正予算を組まないというのは本年特別調査会というものができた理由を考えまして、補正予算を組まないことにいたしておるのでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 それではまた論拠がだいぶ変ってきた。前例がないからといっておったが、前例もあるけれども組まれる、こういうように言われた。組まれることは間違しない、組まれるのだ、それではあなたは米価の問題もあると言うが、米価を上げてこれを埋めようとお考えになっておるように今聞えた。米価を上げて穴埋めをするつもりでございますか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 米価をしかに決定するかは、特別調査会の結論によりまして政府がきめることでございます。今は昨日も申し上げましたように私は白紙でおるわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 そこで米価の問題はまだありますけれども、一応それをおきましても、不確定要素だから、あるいは米価の問題がきまらないからと言っておるけれども、地方財政の赤字はきまっておるのです。これはもう確定しておる。しかも地方財政決定委員会などというものはない——いいですか、そういう委員会はないのですよ。米価の問題は逃げておって、そういうものをこしらえたけれども、地方財政にはないのですよ。しかもこういうのがあります。昭和二十六年及び昭和二十七年における主として給与関係の不足額を公債で処理した額百五十億、さらに昭和二十九年度揮発油譲与税の予算修正による減税を公債で補てんした額十七億、これはいわゆる国が一般財政でもどこでもよいから当然処理はせねばならないのを、昭和二十八年、二十九年に地方にぶっかぶせて公債の発行をしいたわけです。これだけでもはっきりしておるのだから、公債発行の、政府が当然しなければならない穴埋めを地方にさせておるのですから、この際肩がわりすべきではないか、これはどうなんですか、肩がわりできないのですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 過去におきまして地方財政が公債発行で処理したことにつきまして、これを国が直接負担するかどうかにつきましては疑問のあるところでございます。従いまして、私はこれを直ちに国の赤字と考うべしという議論には必ずしも賛成いたしません。

小松幹日本社会党

○小松委員 これは疑義はないのです。国庫負担法に基いて半分地方が持ってあとの半分は国が持つということになっておる。その負担法でもって地方がまかなっておる。さらに給与の〇・一五の問題なんでしょうが、これも地方にぶっかぶせておる。その公債発行は地方は全部を出せとは言っておるのではない。国家が当然負担しなければならない半額だけを出してくれとそのとき言ったのだ。言ったのだけれども政府は出さなかった。仕方ないから公債でやれというので公債発行をやった。そうなれば最後の責任は地方にあるのではなく、当然国にある。国にあるので当然弁償すべきが今の建前なんです。それを弁償しないで一体何と逃げるか、これはまず大蔵大臣に聞き、次に自治庁長官に聞きます。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 国で負担すべきものは国で処理しております。しかして地方で負担すべきものは地方で処理せられておると思います。また過去において、そういうものがあって処理していないとすれば、将来において地方財政で処理いたしましょう。国で負担すべきものは国で処理いたしております。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 お尋ねの御趣旨は、公債費の中で給与費に該当する部分については、将来国がこれを補給するという方法をとるべきではないか、こういう御質問のように承わりました。そこでまだ政府の方針はそれを行うことに明確にきまっているわけではございませんが、自治庁の考え方を申し上げますと、それは将来予算の実行として、そういう形において来年度限りでやろうとしておる交付税の考えでなしに、独立した予算の項目の上に柱を立てて、予算の実行としての法律を別個に制定をいたしまして、国の責任を明らかにして、給与に関する部分だけは、とにもかくにもお説の通り、これは国家の責任を明らかにして補給をしてやるべきもの、こういう考え方でございます。そこで来年度はとりあえずどうするかという問題でございますが、来年度は予算にも柱を別立てにすることができなかった、こういう事情から、やむを得ず、今お手数をわずらわしております第一次の補正において百億の金が入って参りますので、この百億の相当部分を用いまして公債費の償還に充てていこう、こういう臨時暫定的の考え方を来年に限りとっていこう、再来年以降においては極力苦心と努力を払いまして、お説の通り予算の実行という形において国の責任を明らかにしていきたい、こういうことであります。  それからなお今御説明の中にありましたので重ねて申し上げますと、昨年年末手当の〇・一五のアップ分は、お説の通りに地方にこの財源が回してございません。これは交付団体分だけではちょうど二十二億円ばかりとなりますが、これは各地方で節約をしていただいて補給を願うことにも閣議決定をいたしておりますので、これは大体七割見当と見まして二十二億の七割、十六億程度となりますが、まず第一次補正の百億の中から、とりあえずこの十六億を配分をしていく、これを地方に配付していこうという考え方でございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 自治庁の方はいわゆる百億の中から二十四億はことし処理するという、それはそれでよいでしょう。私はそれよりも財政の切り盛りをする立場の大蔵大臣としての配分ですが、財政上の、いわゆる予算編成上の心がまえというか、それをもう少しただしたいのです。黒字が出たからといって、うちょうてんになって足もとを見ないのです。赤字が出ておる。地方に無理をしいておる。そういう無理も赤字も解消しないで、これを補正予算で産投会計にぶち込んで、来年、再来年にわたってそこに持っていったということに、私は財政法上の疑義があるだけではなく、さらに大蔵大臣としての財政の切り盛りの仕方についておかしいと思う。自分の足元の赤字や負債も処理せぬで、ただやたらに次の予算に持っていくような考え方は、大蔵大臣としてどうも危険性がある、私はそう考える。この点について、一体あなたはどうして足元の食管の赤字会計も埋めないし、地方に押しつけておるところの公債を償還してやるだけの、心がまえがなかったのか、その最大の理由を一言っていただきたい。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 先ほど来申し上げておる通りでございますが、私は財政の年度別の弾力性を持たすことが、今の日本の経済事情からいって心要であると考えたのであります。かるがゆえに資金を三百億作ったのでございます。そうしてこれを適当に使っていこう。しこうしてまた食管会計におきましては、いかなる結果が出て参りますか、その赤字につきましては、私は従来通り一般会計で負担していくつもりでございますが、今回はいつもの年と違いまして、食管会計に根本的な再検討を加えようというときでございますから、借入金で過ごして参ります。しかし借入金で過ごして参りますが、国全体からの見方によりますと、借入金が食管会計に入りますが、これは別個の橋も何もついておりませんが、百五十億のお金は別に取っておくという形をとったのであります。これは全体を通じての均衡財政という建前からやっておるのであります。しこうして地方におきます、地方財政の問題につきましては、あなたは直ちに結論として国の負担とおっしゃいますが、法律的にもまだ国の負担、債務ということになっておりません。しこうしてこれはあくまで地方財政の方でまかないをしていただく。三十二年度におきましては、従来よりも相当財政状況が健全化して参ります。従って将来の問題として地方財政を再検討して、新たに国がこれだけのことをすべきかということは今後の問題であります。私は地方財政が楽とは申しません。しかし地方財政は地方財政として健全化に向って進んでいき、国の会計と地方の会計とをどう調整するかということは、将来の問題として考えていくべきだと思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 地方債の問題についてあとであなたにもお伺いしますが、基本的な態度として、ここにあなたの批判をしますれば、今度は大蔵大臣になって、本会議の答弁を見ると非常に意識過剰的に、おれでなくちゃ何もできぬというようなえらい格好で、自然増収を千億もかかえて、赤字も埋めぬ、借金も埋めぬで、次のやつに回すというくらいのことはだれでもできます。そういう大蔵大臣なら、だれでもできる。あなたに何ぼ事務的に才能があるといっても、それは単なる事務官僚としての考え方で、真に政治をやろうというものの考え方ではないと私は思う。現に今あなたは地方の公債は国の責任ではないというけれども、事実昭和二十九年度の揮発油譲与税の予算修正によって減収になったのは、これははっきり国の責任である。同時にまた昭和二十六年、二十七年におけるところの給与係関の不足額百五十億というのは、これも国の責任で出すべきだ。あなたは地方財政がさっぱりわからぬと言うたら語弊があるけれども、なめてかかっている。きのうも与党である古井さんからそう言われた。地方財政というものをあなたは一つも考えておらない。考えておるかはしらぬけれども実情というものを把握していない。だからあなたは大蔵大臣になると、米価を上げて食管の穴埋めをすればいいとか、鉄道の料金を上げて鉄道をやればいいとか、地方財政の借金なんかほっておいてもいい、集まった金はおれが景気よくばらまくとばらまいていている。そのくらいの大蔵大臣ならだれでもできる。そのくらい意識過剰になっている。おれでなければ大臣はできぬという、今までの答弁を見ていると実に意識過剰なんです。第一地方財政そのものに対して考え方がなっていない。いいですか。私はそれなら地方財政のことを少しあなたに聞いてみますがね。(「試験だ」と呼ぶ者あり)試験してみますよ、実際のところ……。(笑声)今だいぶ健全化になっていると言うが、地方財政は健全化になっていない。やっと赤字を解消しつつあるけれども赤字はふえている。健全化になっていない。たとえば徳島県の例を取ってみますと、これは再建団体です。現在地方財政の中で再建団体になっているのは県で十八県ですよ。準禁治産を受けたものが十八県あるのです。これであなたは地方財政は健全ですか。準禁治産を受けたというのは人間でもはんぱ人間と同じでしょう。日本の中には四十六都道府県あるのです。八百も五百もあるのではない。四十六都道府県しかないのに十八県も準禁治産を受けている。いいですか。再建整備法に引っかかっているのだ。これで健全ですか。何をもって健全といいますか。しかも市では百七十一、町村では四百九が再建整備法に引っかけられている。しかも徳島県の例を引きますと再建整備の期間が十五年間ですよ。十五年間も準禁治産をぶたれている。これで徳島県はあくせくしながらやっている。これで地方が健全になったとあなたはおっしゃいますか。言っていただきたいのです。そういうのが健全ですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 三、四年前に比べますと健全化しつつあります。もちろん十分ではございません。地方によって違いますから、徳島県のように、県の税収に近いほどの地方債利子が要るので非常にお困りの県もあることを知っておりますが、おととし、さきおととしに比べれば、だんだん健全化に向っていっているということは言えると思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 健全化というのが問題なんです。いいですか。赤字解消のために再建整備法の適用を受けて行政水準はぐんぐん下っている。同時に国がいろいろな厚生施設、社会施設を催すにしても、厚生省が金をやろうとしても、自分の方の受ける力がないがゆえに、それもできない。首切り行政整理はどこへ行っても府県はやられている。首切り行政整理はこれはいいとしまして、それは人数が多いからという論理があれば、健全な人数に減すのもそれはいいかもしれません。ところがいわゆる投資的経費を見ても何にもできない。徳島県の例をとってみても、三十六年度ではこれは投資的経費は十億になってしまってほとんど何にもできない。これは徳島を一つのケースとして例に出したけれども、徳島のほかに十七県が投資的経費は全く盛られなくて減少の一途をたどっている。これが健全ですか。それが十五年間続くのでしょう。ことし一年ならばしんぼうしましょう。しかし十五年間も投資的経費はぐんぐん下る。行政水準は下る。そして大蔵大臣の顔ばかり立てておって、これで健全と言われますか。これを言って下さい。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 いかなるものを健全かという絶対的なものではございませんで、私は二、三年前に比べれば健全に向って進みつつあるというのでございます。それは再建整備法にかかった県、市町村が相当あることも存じております。行政水準が再建整備法制定前後におきましては非常に低下いたしておりますが、行政水準もだんだん向上していくことが期待できるように相なってきておるのであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 そこで大蔵大臣としてあなたが率直に、すなおに考えたときに、神武以来の景気だ、ことしは積極財政で調子がいいぞ、拡大をやるんだといってえらく意気込んでやっておるが、その足元の府県は——県というものは実行団体だ。国の施政、石橋内閣の施政の半分の実行団体になっておるところが、こんな窮屈な財政をしておるときに、あなたは地方財政に対して抜本的な一つの財源を与えるか、あるいは更生の道をつけるための処置花財政的に講ずべき段階がきておる。一萬田さんはいわゆる金融の方で、金を出す方は惜しんでしぼった方だから、無理だったかもしれぬが、あなたは一萬田さんと違うのだ、まき散らす方はうまいんだから、地方をはっきり更生させる方法をなぜ講じなかったか。これをお預けにした理由は何ですか、もう少しはっきりして下さい。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 国と地方とは唇歯輔車の関係でございますから、われわれといたしましても、地方財政につきましては相当の関心を持っております。ことに大蔵大臣といたしましては、地方財政関係につきましては相当の責任があるのでございます。つきましては、自治庁長官と常に連絡をいたしまして、地方財政並びにその予算につきましても、相談にあずかっておるのであります。しこうしてすでに御承知の通り、地方財政におきましても、相当固有の税収入の増加がございます。しこうしてまた、十分ではございませんけれども、昨年度に比べまして二百四十億円の交付税の純増も見ておるのであります。しかしこれで十分かどうかという問題は、三十二年度の施行状況を見まして、お話も出ると思いますが、多額の地方債を持っておるわけでございますから、将来の地方財政の再建につきましては今後十分相談していこうということは、自治庁長官と話し合いしておるのであります。三十二年度におきましては、大体この程度ならば前よりはよほどよくなっていると私は考えています。

小松幹日本社会党

○小松委員 自治庁長官とえらい相談をしておると言うが、予算折衝の場合に、自治庁長官、あなたは池田大蔵大臣に、百億でいいから、来年度、三十二年度に負けておくから、その方をやれと言ったんですか。それとも三十二年度の公債の赤字を整理せよと言ったんですか。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 地方制度の行財政に関して深刻に御心配をいただいておることを恐縮に存じます。ありのままにこれを申し上げることが答えになると存じまして、ありのままに申し上げますが、私の責任において計算をいたしましたところによれば、結局御心配をいただいております地方行政水準を適当なところにまで引き上げるためには、どうしても現行法を前提として、現行法による税収というものはあくまでも確保したい。それには少くとも国税三税の減収に伴うて生ずるいわゆるはね返り分というものは、百分の三程度税率を上げていただかなくてはなるまい、二五%の税率を二八%に上げていただくべきものであろう、こう考えまして、熱心にこれを主張して、行政水準という問題で数時間にわたって池田大蔵大臣との間で熱心に相互に論争をやったわけでございます。その結果、結論として出ましたことは、今大蔵大臣からもお言葉がありました通りに、来年度は相当量の税収がある。これは少からず税収があることを私も認める。そこでどれくらいな税収があるかという問題でございますが、これは大蔵省の御意見と私の意見とが相当開きがありましたが、要はその開きはなくなりまして、慎重にいたしました結果、七百億前後の増収というものは、私が得心のいく計数においてこの増収があるということを認められたわけであります。必要があればこの七百億の内容、根拠を詳細に私が申し上げますが、これは省くといたしまして、昨日も申し上げました通り、七百億の増収がある。そこでその七百億の増収というものがあるという前提に立って考えますときに、交付税の税率は三%上げなくても、ここで一%程度でとりあえずがまんをいたしましても、なおかつ地方の行政水準はある程度不満ながら引き上げることが可能ではなかろうか、こういう考え方に立ちましたことと、大蔵省の御説明によりますと、国の財源それ自体も相当窮屈な事情である。大きな所得税の減税を断行することがあるから、こういう諸般の事情を勘案いたしました結果一%程度の引き上げということでがまんをすることになりまして、足らざるところは、問題は今御心配をいただいております公債費問題であります。その公債費問題は、第一次の補正によって特別会計に入って参ります百億でこれを処理していこう、こういう考え方で、とりあえずいわば臨機応急の措置といたしまして、何とか理想の方向に向う努力でございますが、一年限りの措置を講ずることに方針を取りきめたわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 それでは自治庁大臣にお伺いしますが、七百億の自然増収というけれども、私は地方の今の財政の様子を見ると、これは相当いわゆる財政需要というものが上らなければならぬ。水準を低下させて、しぼって、しぼっていって、そうしてその低位置において、何にもするな、何にもやるな、首を切れ、昇給はやるな、昇格はやるな、これをやっておって、そうして自然増収があるからなんていうが、これは地方に対する越権行為だ。地方にはそれなりの事業計画もあるだろう。投資的経費も要るだろう。あるいは行政的水準を引き下げないための努力を払っておるにかかわらず、自然増収があるとは何事ですか。これはきのうも言われた。それはあまりにも中央が手前みそなんだ。地方は一つの財産を持って、そうして選挙をして、いわゆる知事が出て、独立の団体として経営しておるのに、そのイニシアは向うが持っておるのに、財政措置の需要額というものを限られて、ただ七百億だけ増収があるという。そういう地方の独立を踏みにじったような——むしろ地方に対しては国が国家の仕事の半分をお願いしておるのでしょう。そのお願いしておるのにもかかわらず、そのほかの財源まで注文をつけるということは今後もやるのですか。そういう考え方というのは、私は地方自治を破壊するだろうと思う。自分が頼んでいる仕事のことについての文句はいいでしょう。ところが独立した一つの経常経費を持ち、そうして事業を継続しようとする地方に対して、その分までの文句をつけようとすることは、はなはだ越権行為だと思うが、自治庁大臣の御所見を賜わりたい。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 三十二年度におきましては、相当量の増収があるというこの半面に、今お話のごとく相当程度の行政水準の引き上げ——事は具体的にいたしますと、財政需要が相当量必要となってくる。そこでどの程度の財政需要でどの程度の事業量がふえるかという問題でございますが、これは主として単独事業に限ってながめてみましても、相当量事業量がふえる。しかし本来単独事業というものは、その自然増収といわれる地方税法上における地方独自の税収による増をもってこれを補うことは当然のことでございますから、それを私の方でどうせよこうせよというのではないのであります。ただ行政水準を引き上げていくことに努力をすることにはもう極力苦心をいたしておるわけでございまして、どういうわけで、大蔵大臣とどんな折衝をしてこういう結果になったのかというお尋ねでございますから、私がこういう折衝をいたしました結果、これこれ、これこれの具体的実情を勘案の上で、この程度の処理をすることが適当であると考えたというお答えを申し上げたのであります。地方のやっておること一を、お前のところはやる必要はないのだ、今度は増収があるからその増収はこういうふうにやるのだということを、一方的に私の方で指図をするような態度でものを考えておるわけでは決してないわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 そこで、大臣にさらにお伺いしますが、それじゃ大蔵大臣と話して、百億からマイナスの二十四億ですか、これを公債費に充てるというが、今あなたはそれで公債費の解決がつくと思っておられるのですか。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 先ほど私のお答え申し上げた中にありますように、公債費の理想的な行き方、これは将来の問題でございますが、こういうことを考えてみるときに、わが政府もわが党も考えておりますことは、あなたの御心配をいただいておる給与に関する給与費の問題につきまして、これは具体的に申し上げますと、現在は百四十七億程度の金額がございます。これをだんだんと償還をいたしまして、この三月三十一日の年度末が参りますと、その現債額は九十七億円ということになるわけでございますが、この全部について、相手がお金持ちであろうがなかろうが、いわば交付団体であろうが交付団体でなかろうが、交付税をいただいておるところもいただいておらないところも、その区別を問わず、あなたの御意見のように筋を立てまして、将来は法律を設けまして、独立の予算の柱を立てまして、先ほど申し上げたように、償還の道を考えていきたい、補給の道を考えていきたいという考え方を持っておるわけでございます。しかしながら来年度は、私の就任早々直ちに予算の折衝に当ったことでもあるし、きよう大臣になってきよう予算をやるという場面でありましたので、非常に行き届かないのでありますが、先ほど申し上げました諸般の事情で、国家財源の都合によりまして その理想のごとく公債費を処理するわけにはいかなかった。そこで便法的に臨機応急の措置として、一体どうしてこの大事な公債費の問題に対して措置をするのか、こういう問題でございますが、これを一口に申し上げますと、第一次の補正によりまして百億円の収入が交付税特別会計に入ってくるわけでございます。これで今あなたの仰せになりましたように、昨年十二月分の期末手当の〇・一五アップ分十六億を配付いたします。そうすると八十四億となります。この八十四億全部が使えないのでありまして、ことしは調整のために減額をいたしました交付税の減額分が八倍ございます。これは法律によりまして補正で財源がくれば、きた瞬間自動的にこの八億は返さなければならぬ。こういうことでありますから、この八億はあらかじめ差し引きまして三十一年度に配分しなければなりません。この八億を引きますと、あとは七十六億ということになりますが、この七十六億の全部を傾けまして次のように公債費をとりあえず措置をする。今御心配をいただいております給与費百四十七億分のうち、来年度償還部分は二十億であります。まずこの二十億を返す。これは交付税の運営において返して参ります。もう一つ大事なものは公共事業費、それから学校——学校と申しましても義務教育関係の中小学校が全部でありますが、中小学校の学校建築費用、もう一つは河川、橋梁、道路等の一般普通公共事業、この三種類のものについて国が貸しております公債費が二千三百六十億円に及んでおります。これの来年の償還分が利息だけで百五十五億ございます。この百五十五億は本来全部を国が返したいのでありますが、これはしかしお聞きになってわかりますように、学校を建築すれば、その土地に学校の利益や建築の利益が残ってくる。道路、河川、橋梁を改修すれば、いずれもその利益が途中に付着しておる。こういう事情で国がこの利息の金額を返すことはどんなものかという強い意見がございますので、中をとりまして、その利息百五十五億円のうちの少くとも半分は一つこのたび交付税を通じて返していこう、こういうことで一段、二段の処置をいたしますと、八億から十億内外の金が足らなくなるわけであります。足らなくなりますところは、今見通しとなっております三月早々に提出をしようとしております第二次補正による特別会計の収入が、ちょうど十億内外あろうかと考えておりますので、これで返せばちょうど返せるのではないか、こういうふうに思うのであります。  しかしながら、そこで一つ臨機応急の措置にしてもまことに申しわけがないと思う点が一点ございます。それは交付税の運用において、交付税を通じて今言ったように返していくわけでございますから、金持ちの団体にはいかない。交付税をもらう団体でなければいかない。交付税が必要ない、プラス・マイナスしてプラスの黒字になる団体にはこれが回って参りません。そういうことはまことに申しわけがないわけでありますが、そういう欠点はございますが、来年一年度に限り、一つ給与費の分も利息補給の分も、お金持ちの黒字団体はがまんをしていただく。この点が大へん私としてはおわびにたえぬところであります。これを実行いたしまして、大体この程度で公債費の対策というものはまあやむを得ないのではなかろうかと、私自身が思う程度に解決をしていきたいと考えおるわけでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 そこで、第二次補正に盛られる要素とその金額を承わって——さらに今あなたがおっしゃったように、交付団体と不交付団体との間に、財政の力の非常な開きが出ておる。このまま推移するならば、私は交付団体等は相当財源に困っていくと思うが、このいわゆる調整作用、これは地方財政調査会か何かでも非常に心配しておりましたが、一体この点について調整をどういう格好でやろうとするのか。この調整をやるという考え方、これは私がかつての平衡交付金と同じような標準を出してお互いで回り持ちで持つという制度の、いわゆる交付税の配付というものが上ることによって、初めて交付団体、不交付団体のバランスのこわれたのが解消すると思う。そのバランスを解消するきめ手というのは、私は今言った以外にないと思うのですが、このきめ手をあなたはどこにお考えになっておるか。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 交付団体に対して国直接の責任で金を送るという方法が現在の制度のもとにおいてはございません。交付団体についてはそういう制度はございません。交付団体に対しましては、交付財源によりまして、適当なる法定の単位費用を計算いたしました上で、なるべく公平にという努力をいたしまして金を渡しております。しかしお言葉のごとくに、それじゃ交付団体と不交付団体とのバランスがとれなくなるじゃないか、今もあなたの仰せになるように、不交付団体といえども、必ずしも裕福であって事業をどんどんやってなおかつ黒字であるというのではないのです。それはなるべく事業をするなするなということで圧縮して、従って経費の支出が少くて済むようにして、収入との間にバランスをとっておる。こういう行き方が真相であります。そういうことでございますから、これは私の現に持っております、まだなって早々の意見で、気のきいた意見でございませんが、不交付団体に対しての措置は、できるだけ地方起債について考慮を払います。地方起債につきましては、本年は千七十億円の年間計画を持っており、この千七十億円につきましては、赤字団体については最低限度の公債を許す。黒字の団体につきましては、極力この量を傾けまして仕事をしていただこう、こういう考え方であります。

小松幹日本社会党

○小松委員 そうすると、あなたは公債政策によって、あくまでもこれを地方財政というものの主軸にしていくというお考えに立っておるのかどうか。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 現在の考えでは、極力公債政策によりまして、その運営によりまして御意向に沿うように持って参りたい、こう考えておりますことが当面の実行のめどでございます。それから根本的な問題といたしましては、地方税制というものを今度も多少改正をして——ダブるのでございますが、これは臨機応急の処置といたしまして、遠からざる将来において、地方制度調査会にも諮問をいたしましたその上で、地方税制そのものを根本的に改革して参りたい、こう考えております。  どういうところからそういう言葉が出てくるかと申しますと、現在、御承知の通り、三十二年度の地方財政の全体計画と申します地方村政計画は、一兆一千億を数百億円こえる見込みであります。その一兆一千億円を数百億円こえるような大きな金がなければ、地方の財政はまかなえないのにかかわらず、現在、現行の税制のもとにおいての固有の地方税の収入というものは、わずかに四千九百億円を出ない、半ばに至らないという貧弱な財源の裏づけでございます。足らざるところは国の交付金をいただくということと、今年は約三千億円内外——だいぶんアップしておりますが、三千億円内外の国の支出金がございます。これは補助金、交付金でございますが、これと合せましてようやく生活をするという状況でございます。そこで真の御心配をいただきますような地方の行財政を独立をせしめていきますためには、固有の財源を与えて、固有の財源でいやしくも仕事ができるように持って参りますことが、地方の自治体の首長を公選しておりますという憲法の趣旨にも沿うわけであります。そういうふうにやって参りますためには、何としても根本的な改革をしていくより道はない。すべて将来に属することでありますが、すみやかに各方面の御了解をいただきまして、これに手をつける考えでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 地方財政の再建の問題については大きな問題があるので、将来にわたってこれを是正しようという考えについては、それはいいでしょう。いいけれども、当面の三十二年度に考えられることで、あなたは今起債云々と言った。ところが起債は、いわゆる一般で六百億、公営企業で四百七十億です。それは要素は上が減って公営企業がふえたのですから、内容は三十一年度と違うけれども、トータルにおいては同じことなんです。そうなれば別に新しく三十二年度に起債で云々ということは当てはまらぬと思うが、何か特別なからくりがあるのですか。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 私の言うことがあなたにはどうもからくりのように聞えるのですが、こういうことなんです。今私はくどく申し上げて恐縮でございましたが、相当量の税収がある、そこで税収の増があるという年は、これは地方行財政の常識としてお考えをいただいてもわかるように、それ自体の収入に増があるのだから、こういう年は、本来申しますと、一般会計分についても、公営事業の分についても、従来と比べまして公債の量というものはうんと落して理屈が合う、それは常識でございます。地方でまかない得る増収のある見込み、こういうわけであります。しかしながら七百億という増収がある。これは大蔵大臣が言うのじゃない、私が責任を持ってみても、なるほど七百億の増収がある。こういう増収のあるときに公債の量を下げないで、今もお言葉にありましたように、公営企業関係は百五億を増にいたしまして、これを運営しよう、ことに黒字団体に重点を置いて運営しよう、こういうところに意味があるわけです。大して金額は差がないのじゃないかとおっしゃるが、その通り。ただ、実質的には非常な差がある。来年は公債はうんと落していいのです。それを薄さないで、従前通り、一方を少くして、一方を上げて、公営事業に重点を持たして、黒字団体に力を入れていこう、ここに実質的にはだいぶん意味を持っておる、こう私は苦心の結果考えておるわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 苦心の結果あっちを下げてこっちを上げたということはわかる。その質的な問題になったと思うのですが、質的な問題に至っては、これは見解の相違もあると思いますが、この点は抜きにしましても、それならばあなたは三十二年度の地方財政計画をお立てになっておるのかおらないのか。そうして地方財政計画のいわゆる歳出なり歳入のトータルというものは幾らある。その次にはそのトータルに対して地方交付税の割合は何%になっておるのか、起債のパーセンテージは幾らになっておるかということをお伺いいたします。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 地方財政計画はまだ立ちかねておる実情であります。その理由は御承知の通りに、今申します通り、税収としては四千九百億くらいしかないのでありまして、三千億円という大きな金額が国庫から引き渡される補助金、交付金であります。国の交付金、補助金というものがきまらなかったものが、昨日あたりようやく三千億円内外にワクが大体決定をして参りました。それで地方財政計画の一環が立ち得ることになったわけであります。  もう一つ地方財政計画を立てます上に少しおくれております理由は——これは私たちに責任があって申しわけないのですが、相当思い切った地方税法の改正をやるわけです、減税の分もございますし、また税率を調整する分もあるし、今お話しになった芸者の花代を下げる分もあるわけです。そういうようなものをようやくにして昨今に決定をいたしますので、それが決定をいたしますと、その改正をいたしました税法に基く税収が地方全体で幾らあるというそろばんが出るわけであります。本日夜おそくまでにはこの計算ができる見込みであります。そういうことになりますと、お尋ねの地方財政計画というものも、この二十日くらいにできる慣例になっておりますので、地方行政委員会をお開きをいただきまして、そこで私より発表をして御了解をいただこう、こういうわけであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 地方財政計画はまだできていない。できていなければ、いわゆるその中の交付税の割合もわからねば起債がどういう位置に置かれるのかもわからない。そうなれば今の起債が六百億と四百七十億で千七十億ですが、これが数の上から考えたときにきわめて適切だということも、地方財政計画ができた後において初めてこれが言われるようになるわけです。その点はどうなんですか。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 それはあなたの御意見は逆でございます。そういうことでないのです。地方財政計画は、過去何年くらい経験があるかわかりませんが、過去の長い経験で、毎年々々地方財政計画を立てておるのは、あなたの仰せになるような姿では立てていない。それは私の申し上げますように、まず税法がきまるに従って税収の量がきまる。それから予算がきまる。予算のきまった結果は、国の出すところの補助金、交付金というものがきまってきて、来年で申しますと、先ほど申しました三千億というものがきまってくる。その交付税の税率というものがきまって、税率ではじき出された何千何百何十億円という交付税がきまってくる。こういうふうになって参りますと同時に、もう一つは人口にだんだん増が出て参りますが、その人口増等を勘案をして新しい法律がどんどんできてくる、新しい法律に基く義務的な事務の量等を勘案をいたしまして、ここに総合的な計算をするときに、来年度の地方財政計画は一兆一千五百億なら一兆一千五百億というそろばんがあとで出てくる。あとで出て参りましたものをとらえて何%になるか、これもあとになる。それをなぜ先に出さぬかという御説明は、それは御無理でございます。(笑声)

小松幹日本社会党

○小松委員 それはできていないから、できていないものを、私がきょう地方財政計画を出せというのは無理でしょう。私は何も最初から地方財政計画があって、あとからするというのではない。一つ一つ積み上げてこそ初めて地方財政計画ができることはわかっておる。だから大かた数字がもうできておるはずなんだ、私たちがこの地方財政に数字を当てはめていけば大体トータルが出てくるが、そのときの一つのスタイルとして、いわゆる今まで地方交付税が大体三八%を占めておった。本年はどのくらい占めるか、これによっていわゆる地方財政計画の中に要素として入るところの交付税というものが、低いとか高いとか比較的に言われる、こういうことを言っているのです。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 これはここに具体的な数字が出ておりますが、その数字が明確でない点がございますので、もうあまり長い時間はかかりません、二十日に公式に出すものでございますが、十八、九日には大体まとまると存じます。非常に責任のある正確な議論でなければならぬわけでありますから、未確定な文書によってはお答えはいたしかねますので、これが判明いたし次第、私が積極的に発言を求めて御報告をいたします。

小松幹日本社会党

○小松委員 わからないから聞いても言われないというんでしょうが、今地方税の改正をやろうとしているのでしょう。そうした場合に、地方税を改正するのに、ただ単にパーセントで改正するという意思でなくして、現在の地方税のトータルから、いろいろベース・アップなどであがってくるいわゆる自然増収のところを落して、そうしてつじつまを合せたところの地方税の改正をやろうとしておるんでしょう。そうなると、地方税を組むときに逆計算をやらなければ、今度の場合は地方税は出てこないと私は見ておる、これはどういうことなんです。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 今度の地方税の改正は、先ほど申し上げましたように、私の言葉をもっていえば、思い切った改正の点が相当あるわけです。あるわけでありますが、その行き方は、まあ改正とは申しますけれども、また事実減税にはなりますが、これは税目相互間の不均衡のバランスをとるという意味においての調整、収入減を来さないように、現行法に基く収入を維持するためのやむを得ざる調整という、バランスの調整及び減収を免れるための調整という、そのことを主としておりますので、地方財政計画上の何%に当るかというそろばんをはじいてみましても、大した大きな差がある改正ではないわけであります。今度の改正によりまして、遊飲税にいたしましても、また住民税にいたしましても、その他個人事業税、法人事業税、あるいは地方鉄道軌道の外形標準課税の修正にいたしましても、いずれも金額的にそれ自体が大きな増収になるとか減収になるとかいう内容を持つものでなくて、大体のバランスは同額程度、すなわち調整の程度を出ない。ただ事業税だけは重きに失する点がございますから、これは相当量減税になる、こういう事情のものでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 そこで今度の事業税の改正は、いわゆる特別な意味を持った改正であろうと思うのです。そうでしょう。そうなれば、そこで今度は上からの配置というものから考えなければならぬ数が、地方税改正の本来の趣旨と違った、一つのあてがいのものが出てくるわけなんです。そうした場合に、やはり地方財政計画の中のバランスというものを考えながら、ただ単に去年と合せるという意味だけしか持たないのか、あるいは地方財政計画における地方税の割合を考慮していないのかどうかということを聞いておる。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 地方税におけるところの相互の割合というものは、大いに考えておるのです。考えておるが、上でワクをきめて、ワク内においてどうすることが妥当であるかという行き方の考え方ではないのです。そこでその議論を幾らしておっても抽象的でございますから、やや具体的に地方税の、ことにあなたの御心配いただきます事業税は、どういう形に改正していくのかということを、時間をかけないように一口に申しますと、地方鉄道軌道というものが非常に大きな変革になります。何でもかんでも切符を売った売上高の外形標準によって税をかけるということは、理屈に合わない。今まで保守党がやってきたことでありますけれども、これは改正を必要とする。これは私の強い主張で、党の御承認をいただきましたし、内閣もいいということでありますから、それをやりたい。それは所得課税にいたします。純益のないところに課税はいたさない。こういう思い切った改正をしないと、他の事業税とつり合いがとれない。一般普通の法人と同様に、鉄道軌道の会社というものを取り扱う。特別にこれを冷遇するような外形標準の課税をやらないということが一つであります。  第二は個人の事業税、これは重いです。個人事業税は一種が重い。二種三種が六分で、一種は八分。八分は皆さんに御心配をいただいておる中小企業、むしろ弱小企業。そういう弱小企業の税を八とるというのは、もってのほかだ。二種三種と理屈が合わぬから、この方面は五十万円以下の小額所得者に限りまして、これを保護する意味におきまして、二種三種と同様に六%に引き下げたい。そういうことにいたしますと、法人事業税もこのままほっておけませんので、率を下げていかなければなりません。今五十万円以下と五十万円以上と二段階でございます。五十万円以下は一〇%で、五十万円以上は一二%、一割と一割二分の課税をやっておりますが、これは行き過ぎである、こう考えるので、これを三段階に区別をいたしまして、五十万円以下は八%、五十万円をこえて百万円以下は一〇%・百万円以上は従前の通り一二%、こういうふうに調整をして参りますと、財源ではどうという大きなことはございませんけれども、非常に大きな調整ができる、こういうわけであります。大きな地方財政計画とノータッチとも言えませんが、大体において大きな影響のないワクの中で静かに改正がやれるんではないか、こういうことであります。

小松幹日本社会党

○小松委員 私もおそらく今度の地方税の改正というものは、相互間におけるバランスを直す程度で、ほんとうに地方財政計画のもとに直すんじゃないということは想像しておりますから、あえて地方税の内容等について詳しく質問をしませんけれども、しかしその内容等を質問する前に、やはり私は地方財政の中に占める地方独特の財源というものは、どのくらい持たなければならないかということは、抽象理論として考えなければならぬ。それを抜きにして地方財政計画もあったものじゃない。ただ下から吸い上げて上で数字を積み上げて、地方財政計画と言っても、それは真に地方財政を盛り上げる要素ではない。概念的かもしれません、理論的かもしれませんけれども、やはり一応地方財政がほんとうに自主的な経営をやっていき、団体として自主性を持っていくためには、自主財源がどのくらい、それから国家が交付するものがどのくらい、こういうものの大かたのバランスがとれていくような意味において、地方財政と地方税を考えなくてはならぬ段階にきておる、かように考えますが、この点はあまり深入りしないで、最後に起債の償還の問題を書わなければならぬ。やはり先ほど大臣みずから言われたように、地方は起債によってほんとうは動いておるといってもいいくらい。その起債の考え方、同時にこれを償還する立場で、将来のことは一応将来としても、今出ておる赤字を、ただ再建団体という準禁治産を打って、それにばかりまかせて赤字償還をさせるがほんとうの国家の歩く道か、それとも一応再建整備というものはやったけれども、赤字償還は別個に国家の責任において考える段階に来ておるのじゃないか。そのように考えるならば、その赤字償還、既往の公債の赤字をどのような格好で考えていくかということが、真に地方財政を盛り上げる大きなファクターだろうと思う。この点について大臣の所信を伺いたい。

田中伊三次自由民主党自治庁長官

○田中国務大臣 お尋ねのお答えといたしまして、三つのことを簡単に申し上げます。第一は給与費に充当したる赤字、そういう給与費に充当している公債というものについては、相手が裕福であるとないとにかかわらず、将来の問題でございますが、国が全額償還をする立場をとっていきたい。それから第二に、先ほど申しました公共事業費、学校の関係、一般の失業対策事業、こういう関係につきましては、利息の半額程度、しかし、これは交付団体に限り償還をしていくという建前を将来はとって参りたい。もう一つの根本的対策で大事なことは、まだ大蔵省との間に意見の調整ができませんで、従って、政府の意見というわけではございませんが、必ず実現をしたいと今苦労しております点は、御心配の既往の赤字の利息である。この利息は、原則として六分五厘でございますが、この利息をでき得る限りここで積極的に引き下げたい。利息の引き下げを行いたい、こういう考えを持っておりますが、こういう三つの方向を実現いたしたといたしますと、わが政府与党の申しております地方債の重圧緩和ということに、相当具体的なねらいが当てはまるのではないかというふうに考えております。

小松幹日本社会党

○小松委員 地方財政の問題は一応これで終りまして、この問題の最後に大蔵大臣に申し上げておきたい。  やはりあなたは大臣になって、ただ一般会計と特別会計だけを切り盛りするというお考えから脱却しなければだめだ。地方財政というものも、あなたの所管の国家財政の部類に考えなければ、地方財政は地方自治庁長官にまかせればいいんだ、あなたはなたで切っていけばいいという考え方に立っておるということは、これは、あなたが中央集権的なお役人さんの考えから脱却していないんだ、真の政治家というものは、国家財政だけではない、地方財政も考え、金融のことも考えなければだめだ。それをあなたは、一般会計さえ健全財政で、一応とんとんになれば、それで事終れりという考え方に立っておるということは、私は地方村政のほんとうの歩き方というものに対して非常に冷淡だということよりも、あなたがあまり中央集権的な、官僚的な大蔵大臣だとしか考えられない。この点については、とくと御反省を願いたいのです。同時に、一つの例としまして、今地方財政のことを申しましたけれども、あなたは物価対策においても同じことです。国鉄のいわゆる事業採算も、それは運賃を上げればいいじゃないか、そのやつは、もう運賃を上げる。それから米の問題でも、食管の赤字が出れば、ああ、それは米価を上げればいいじゃないか、こういう考え。それから道路税を上げる。こういう点から考えたならば、あなたはインフレにはならないとおっしゃる、しかし、インフレになるだけの要素は多分に持っておる。これはどなたが言っても持っておるが、それは見解の相違になるでしょう、インフレ論は景気観測の両方の水かけ論になるかもしれませんが、少くとも物価対策——あなたは物価対策は低物価政策を考えておるのか、それとも、上るほど上るのは仕方ない、限界まで上るのじゃという考え方に立っておるのか、その辺はどうなのですか、お尋ねします。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 先ほど来申し上げますように、国の財政も地方の財政も、これは一緒にうまくやっていかなければならぬことは、私の日ごろの考えでございます。しこうして昭和三十二年度におきましても、国は一千二十五億の歳出増になっておりますが、そのうちには、二百四十億円の交付税が含まれておるのであります。そうしますと、国の方の交付税を除きまする純増は、賠償その他もふえておりますが、七百八十億くらいでございます。地方の方は交付税の二百四十億に七百億の自然増収があるとすれば、九百四十億で、国よりも実際の歳出は地方の方がふえておる。こういうことも勘案いたしまして、交付税を一%でがまんしてもらうことにしておるのでありますが、決して地方財政というものを無視しておるわけではございません。しこうして、今の公債費の問題につきましても、自治庁長官が金利を下げてもらいたいというお話、私も下げるつもりでございます。六分五厘というのを六分三厘にするか六分二厘にするか、わかっておりませんが、少くとも二、三厘は地方債——地方への貸付金を下げたい、こういう腹を持っておりますし、また来年度におきましての地方の起債につきましても、従来にも増して資金運用部等からたくさん持って、少しでも地方の負担を軽くするように努力いたしておるのでございます。決してこれをないがしろにしておるというわけではございません。  なお物価の問題につきましては、私は物価が横ばいであることを願っておるのであります。物価を無理に下げようという気持は持っておりません。大体世界の物価も、横ばいから上昇というところに参っておりましょうが、ただ願わくは、世界の物価の上昇率よりも、同じ上昇するのでも低目にいたしたい。しかし、現在の物価水準を施策によって下げようというようなことは考えておりません。横ばい、自然に下ってくればそれに越したことはございませんが、施策として下げようという考えは持っておりません。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは現実のいわゆる担当大臣でしょう。横ばいをこいねがっておるという評論家みたいなことを言ったって、これは意味がない。こいねがってたって国鉄運賃は上るじゃないですか。ガソリン税の増徴があれば、バス料金も上るじゃないですか。電力も、今東北電力、北陸電力は電気料金を上げてくれと、これはあとで通産大臣に聞きますが、いってきておる。同時に、食管会計のあの問題が出た前から、米がいっておる倉庫でも、倉庫料金を上げてくれ、もう米はかもうておれぬから倉庫料を上げてくれというて、上げておるじゃないですか。あなたは横ばいであることをこいねがっておるなんといったって、それは意味がない。上っておる。しかも、既往のいわゆる卸売物価の情勢を見ても、昭和二十五年六月十八日を起点としてもずいぶん上っておる。今物価は横ばいじゃない。上っておるのです。わずかですけれども、一コンマなんぼずつ上っておる。最近は卸だけではないですよ。消費物価も上りつつある。あなたがこいねがっておるのとおよそ違った方向にいっておるのですが、その情勢を見て、あなたは一体どういう施策をするか。こいねがっておるというおとめのような気持は通らぬですよ。政治家でしょうが。横ばいでない、実際は上っておるのだ。上っておるのに対して、あなたはどういう施策をやるのかということを聞いておるのです。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 物価は長い目で見なければいかないと思います。一時ちょっと上りかけているからというので、そう神経過敏になる必要はございません。私は昭和二十八年を基準にして見まして、その後高低はございます、昨年の夏ごろ、鉄鋼あるいは機械類の値上りによりまして、ある程度卸売物価の上昇を見ました。しかし、十月から鉄鋼も六万円台になりまして、大体横ばいの傾向がございます。消費物価は二十八年来ずっと横ばいでございましたが、昨年末のいわゆる食料品の一時的値上りによりまして、今ちょっと上りかけておるようでございます。木炭その他の品不足によるのも原因しておりまするが、こういうものは、長い目で見ていかなければ、一月、二月上ったからというので、その原因を究明せずに措置すべきものではないと思います。それで、私は物価に対する考え方は、根本は世界の物価の上昇よりも低く、これを念願としてというとまたしかられるかもしれませんが、そういう方針でやっておる。横ばいを期待する、それが一番よい考え方ではないかと思っております。

小松幹日本社会党

○小松委員 それは結局こいねがうところで、施策というものはないのです。むしろあなたの施策は逆なんだ。心ではこいねがっておる。しかしながらやることは反対、どんどん上るじゃないですか。そうして今度は米価も上げようかと言う。国鉄運賃が上ればそれに伴う貨物輸送費が上る、そうすれば畳表も上れば食料製品も上る、あるいはわずかなリンゴでも、青森のリンゴも九州に来れば上る。それは、上るようになっておる施策をあなたはしている。そうして心ではこいねがっておる、横ばいを期待しているというが、横ばいになろうはずがない。物価は上る。しかも今度金融政策を見ても、あなたは金利をどう考えていますか。これも横ばいですか。上げるというのですか、下げるというのか。低金利政策をやるというのか、あるいは上るほど上った方がいいというのか。金利政策について言って下さい。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 鉄道運賃が上ったら即物価がそれだけ上るという計算は、私は経済の実態に沿わないのじゃないかと思います。これによりまして物の輸送が円滑に行くならば、物価を上げない作用を相当するのでございます。これは机の上の議論だけではいかない。われわれが生産増強をするというゆえんのものも、いい品物をたくさん作って、物価の上りを押えようとするのでございます。今回の積極財政の根本は、物価を平準化することが基準でございます。  なおまた金利につきましては、昨年の春以来の投資需要の増勢によりまして、コールその他が相当今上っております。しかし私は、この金利につきまして、今直ちに、どうこうしようという措置はとらず、自然の推移にまかしていいと今のところ考えております。

小松幹日本社会党

○小松委員 自然の推移にまかしておけば、金利は最近は上っておる傾向——去年ごろは、いわゆる公定歩合の問題もあったけれども、金利はだんだん下ってきた。しかし最近は金利が上ってこようとしておる。また上っておる。さらにあなたは、支払い準備金制度あたりをやっていけば、これは銀行のいわゆる金融面から見れば、相当な調整にはなると思います。調整にはなるけれども、私は金利の問題に至れば、相当金利というものに影響してくるんではないかと思うが、支払い準備金制度をやるかやらぬかということは抜きにして、一応お答え願いたい。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 金利の問題で、最近コールその他が上りかけておることはお話しの通りでございます。またある二、三の銀行で貸出金利を一厘上げたことも聞き及んでおります。しかし御承知の通り三、四年前四千億からの日銀のオーバー・ローンが、昨年の一、二月にはほとんど解消いたしまして、非常な低金利になってきたのであります。この低金利ということから刺激を受けまして、そればかりではございませんけれども、相当投資需要がふえて参りまして、今相当金利が上ってきた。しかし、この問題も私が財政演説で申し上げましたように、預金の増加の範囲内で貸し出しを考えてくれと、こういうふうに指導していきますれば、これが相当上ってくるとも考えられないのでございます。しかも最近におきましては、政府の引き揚げ超過が非常に急激でございまして、その関係で上っておるのでありますが、新年度になりまして、散布超過ということになり、また政府に非常に入ってきたものを、金融操作によりまして民間に出すということになれば、上り方をチエックすることにも相なるのでございまして、そういう方向で進んでおります。  支払い準備金制度につきましては、まだ内容をはっきり申し上げるところまでいきませんが、日本の銀行制度をよくし、また金融調整の作用をするためには、これが必要であるのであります。しこうして準備率をどの程度にするかということは、これはそのときどきによって考えなければなりません。またそれが使命でございますけれども、しかしこれが直ちに金利に相当な影響を及ぼすようなやり方は、私はよくないと思います。

小松幹日本社会党

○小松委員 いわゆる金利が下って、低金利によって、初めて私は日本の貿易というものも黒字になりかけたと思うのです。そうして今や貿易も黒字をたくさん予想しておりましょう。輸出は二十八億ドルを予定しておりますけれども、私は、これは輸入の方がすばらしく伸びて、輸出は伸びないという予測を、これは資料的にも見ますけれども、一応それは抜きにしまして、この内地の鉄道輸送、あるいは電気料金、バス料金、倉庫料、そういう基本的な物価、いわゆる物が上り、そうして同時に金融が狭められてきて、しかも支払い準備金制度という——あるいはその率にもよるとあなたが言いましたが、その率にもよりましょうが、そういうことによって、私は資金コストが上ると思う。物価が上り、資金コストが上ったときに、結局出てくるものは生産コストの上昇ということになると思うのです。そのときには、貿易というものも、今でさえ輸出が伸び悩んでおる。きようの新聞を見ても、輸出は伸び悩みです。あるいはドル地域も、ボンド地域も、オープン・アカウントも、みな輸出は頭打ちになるだけじゃない、減額になっているというのは、私はここに基因すると思うが、あなたの金融政策というものは一体那辺にあるのか。ただ日銀と手を組んで量の操作をやることだけが、質の操作をやることだけが金融政策の全部ですか。この金融政策についてのあなたの具体的な所見、低金利に対する所見を、もう少しはっきり言っていただきたい。それに伴う施策はどういう施策があるのか……。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 金融に対する根本方針は、財政演説で申し上げておりますごとく、預金の増加に伴った貸付をやることでございます。いたずらに信用の造出を日本銀行がやるべきではないと考えております。従いまして、経済の拡大発展を期するためには、国民の資金の蓄積が絶対に必要でございます。貯蓄奨励でございます。御承知の通り、国民の努力によりまして、今年度も大体一兆一、二千億円の増加を見られるようになりました。私は、これをもっと来年度においては伸ばすべきだと思います。預貯金の増加がふえれば、それだけ必要な方面への貸し出しもふえるのでございます。しこうして貸し出しの面におきましても、不急のものはなるべく避けて、基幹産業その他重点産業の方に金融を向くべきでございます。金利の問題につきましては、これは貸し出しが私らの考えているように重点的にいき、貯蓄が伸びていくならば、金利は平準し、おのずから低金利の方に向っていくのでございます。私はそういう方針でございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 あなたは財政演説ということを、もうここでたびたび言ったのですが、金融政策の根本は貯蓄奨励の一点ばりです。なるほどそれはそうだ。貯蓄奨励だろうと思う。ところが、これはのんき節じゃないけれども、あなたはいつでも財政で無理をするのだ。財政で無理をして、金融で人を殺すのだ。そして国民生活を塗炭の苦しみに——とまではいかないとしても、相当きわどいところまで追い詰める。これがあなたの実績だ。かつては中小企業の二、三人は死んでもいいと言ったが、それと同じに金融で締める。その一つの現われは、系列金融を今度あなたは考えている。シンジケートの問題、いわゆる銀行融資協議団というものを組織して、そうして系列金融で縛って序列をつけようという考え方。そうしたら中小企業というものは、これはこぼれますよ。あなたは、ただ金融のてこ入れのためにシンジケートをお考えになっていると思いますが、これなども裏返しにして——あなたがまっすぐ考えている面はその面でよろしい。しかしながら、一つ皮をむいて裏返してみたきとには、金融という面から考えたときには、あなたは第一序列、第二序列、第三序列ということで、そして金融を縛っていこうという考え方になる。そうなったときには、中小企業というものは、また再びしぼり取られるというようなことになるが、これは銀行団のものも、今の経済事情で、シンジケートに対してはなかなか賛成できぬだろうと思う。この系列企業を作って、自分の銀行で自分の企業に投資をしていく段階にきて、熾烈なる生存競争のときに、シンジケートを作ってあなたが希望通りやろうというても、なかなか銀行はそうは動かないと思いますけれども、少くともあなたの意思、日銀総裁の山際さんの意思も、シンジケートの問題に触れてきている。この点についてあなたは、いわゆる量の統制できかないから質の統制をやろうという考え方でしょうが、その考え方はどうです。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 私は過去のことを言うのじゃございませんが、日本の過去七、八年間に歩いてきた道は、国民の努力によりまして非常によくなってさていると私は思います。急速な経済の発展、急速な国民生活水準の向上でございます。私は、今までのような考え方でこれを押し進めていきたいと思います。しこうして今御質問のシンジケートを作ってどうこうということは、独禁法の関係等がございまして、直ちにこれを行うということは、いろいろ法制的にも実際的にも疑問がございます。しかし現在におけるがごとく、すなわち昨年の春ごろからこの一月までの様子を見てみますと、系列的に各銀行が、自分の系列の業者の申し出によりまして、おのおの競争いたしておる。日本全体から見て、たとえば石油化学なら石油化学の問題につきまして、各系列がどんどんやっていくということが国のためになるかという問題でございます。資金が幾らでも入れば別でございます。そこで重点的に相談し合っていく方法をとったならば、法制的に統制手続をとることはよくないのでございますけれども、とらなくともこれが効率を上げ得る方法じゃないかと私は考えておるのでございます。もちろん現在におきましても、日銀がある程度個々の銀行につきまして相当の相談をしておるということは事実でございまするが、私はそれをもっと強力にやって、せっかく国民の蓄積になる預金を、有効に日本の国全体を見て使っていくのが至当じゃないかと考えております。

小松幹日本社会党

○小松委員 その言われた言葉に何も私は返す言葉はありません。それはそれなりで一つの立論としていいでしょう。しかしながら、今いろいろインフレになるインフレになると言われるので、あなたは非常に警戒心も働いておるでしょう。だから貯蓄奨励も出すが、一つは金融操作もつっ込んでやろうというわけで、量的な、いわゆる金融操作でも高率適用制度の問題もあるし、一部調整もやり、いわゆる買いオペ、売りオペの問題もあなたはやろうと思っているでしょうが、そんなことはいいでしょう。あなたがさらに量的な統制でシンジケートを作って、一つのカルテル化、いわゆる系列金融に反対するという建前はそれはそれなりでいいとしましても、あなたが意図していることは一応いいとしましても、結果は私は、銀行の一つの統制によって重点産業にしいて向けられるために、中小企業はこぼれるという心配をしているわけです。これは今後シンジケートをかりに作られて、その運営の仕方にもよると思いますが、私はあなたの考えている重点産業という意味が、やがては中小企業がはみ出される結果になることを予期して心配しておるわけです。この点は、どうなんですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 財政投融資におきましても、中小企業方面への施策は相当いたしておるのでございます。そうして実際の産業経済の実情から申しましても、これは特殊の業種によって違いまするが、たとえば造船業のごときものは中小企業の下請に依存する部分が相当多いのでございます。ですから片一方では一般銀行に大口貸し出しのみならず、中小企業にも貸し出しをするよう督励いたしますと同時に、中小企業金融の相互銀行あるいは信用金庫の方の助成をはかる。あるいはまた政府関係機関におきましても資金をここへ持っていくとか、あれこれで、私は中小企業がお困りにならぬような施策を今後もやっていくつもりでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 シンジケートの問題は、これは銀行のいわゆる自主的なものにまかせるかもしれませんけれども、あなたのお考えになっているのは、やはり重点産業の方に配分をしていこうという下心から考えておると思います。そうなった場合には、結果として中小企業がはみ出しを食らう結果になるのじゃないかと、その点から私は心配しているのであって、別ないわゆる地場銀行かあるいは国民金融公庫のいわゆる中小企業の問題はそれはいいです。それは私は今言っていない。いわゆるシンジケートをこしらえて、そして重点配置をやっていくというお考えの裏に、中小企業が置き去りになるのじゃないかという心配をしておるというのですが、これは全然ないかどうかということです。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 私の予定しておりまする昭和三十二年度の貯蓄増加が予定通り行って、一兆三、四千億ぐらいになりますれば、もちろんこれは全部でございまするが、一般銀行預金が六、七千億あるいはそれをもっと上回るかもしれません。私はそのうちから、いわゆる重点産業として今考えておりまする、政府関係が出しておりまする国鉄あるいは電力等のものをとり、そして造船の方をとる、こうやっていけば、これによって中小企業にすぐしわ寄せるとも考えられません。そうして先ほど申し上げましたように、もし銀行の系列があるとすれば、中小企業を主としておりまする相互銀行あるいは信用金庫の預金の増加をはかるようにすれば私は相まってそう中小企業にしわが寄るとは考えられないのでございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 それでは期せずしてあなたと日銀総裁がシンジケートの問題を出したのは、系列金融に水をさすためにシンジケートの腹案を出されたのか、何か別の意味であるのか、これはどうなんですか。

池田勇人自由民主党大蔵大臣

○池田国務大臣 先ほど申し上げましたように、生産拡充に熱心なあまり、各会社が同じ仕事について競争的にどんどん設備を増加することは、資金が十分でない日本としてはなかなか考えなければならぬ。そこで各銀行はお互いに相談し合って、不当な競争、不当な設備拡張はよしてもらいたいというのが私も日本銀行総裁もその考えでございます。ここで会議を開いて、そして法的の組織を持たしてどうこうということまで私は考えておりません。ただ実際問題として、過当な競争あるいは過当な設備増加の起らないように相談し合って行ってもらいたいというのが私の考え方でございます。

小松幹日本社会党

○小松委員 大臣の金融政策、金利政策あるいは金融のいわゆる調整施策について承わりましたが、私があなたのいわゆる財政金融の立場を私なりに解釈すると、先ほども言ったように、あなたは財政で相当無理をなさる。しかし無理をしつばなしでなくて、何とかつじつまを合せようという意欲がある。つじつまを合せようという意欲であるから、自然金融の操作に必死になる。あるいは調整というか、系列重点産業に持っていくためにシンジケートの案あたりを出して、そうして何とかこれをカバーしようとする。また貯蓄を奨励しようというその意図、なるほど貯蓄を奨励することはいいことです。しかしながらそれがあまり意識過剰になって、職場にあるいは地方に強制貯金をさせようとあせる。あなたは貯蓄奨励と言うたから、必ず猛烈にあせって貯蓄奨励に出てくる。そのために職場にあなたの財政の無理や貯蓄の無理が行ったり、あるいは金融操作の無理が行ったりして、非常にしわ寄せが末端に来るというきらいがあるわけです。金融の面でしぼり落された中小企業、それから生産でも、大資本中心に考えられて、小資本のものは列外にはじきのけられる。職場ではあなたの金融のいわゆるしわ寄せのために強制貯金が無理にさせられる。俸給を、もらったやつをその中から天引き貯金をする。われわれは実際の話が貯金まで大蔵大臣から天引きされぬでもいいのです。われわれがもらったその金の中から、何も大蔵大臣から天引き貯金の指図をされるようなことまでほんとうは考えていない。それというのも、あなたがそれを出すというのは、一に財政の無理をそこで取り返そうとするあせりにすぎない。私はここで特に申し上げておきたいのです。あなたは非常に練達の士であり、財政のやりくりのうまい人でありますけれども、必ず裏があるから、その裏をよく政治家としてお考えにならないと、また貧乏人は麦飯を食え、そうして今度は、神武景気だから米飯を食ってもいいけれども、卵だけは生めよというのと同じだ。食わせることは食わせるから貯金なしてくれや、言葉は悪いけれども、いなかの言葉で言えば、えさを食わせるから卵をうんと生めというのと同じような政策をやろうとしている。生みたくない卵を生まなければならぬということは、したくもない貯金をせにゃならぬということになるわけです。(笑声)これは大へん言葉が悪いけれども、えさをやるから卵をたくさん生んでくれろというのが財政で、積極財政をやったら国民に職場貯金をやれというのと同じである、返せば。こういう考え方を是正して、ほんとうに——あなたは政治は出たとこ勝負だというそういう考え方はもってのほかである。政治はささいな民の声、国民の声を聞くことである。その声に従って政治をやろうとすることが無理をするのが大蔵大臣のよき政治ではない、かように考えますので、私はあえてインフレ論であなたに対抗しようとは思いません、景気論をここでぶっても水かけ論になりますから。要は、国民の声を聞いて無理をせぬようにしてもらいたいというのが、金融の上の私の希望であります。  以上大へん長くなりましたが申し上げまして、私の質問を終ります。

山崎巖自由民主党

○山崎委員長 暫時休憩いたします。    午後四時三分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕

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