法務委員会 第27号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/19
会議録
○三田村委員長 これより法務委員会を開会いたします。 本日は法務行政及び人権擁護に関し調査を進めます。 発言の通告がありますので、これを許します。佐竹晴記君。
○佐竹(晴)委員 法務当局にお尋ねをいたしたいと思いますが、昨年の春衆議院の決算委員会において中古エンジンが問題となりましたときに、参考人として原田源之助という者が喚問せられることになりました。同人は五月の十六日に開かれました同委員会に出頭をいたしまして質問を受けております。ところが、この参考人は、昭和二十一年の十二月ごろに軍事裁判所で、懲役二年の刑に処せられていたということでありますが、果してそういう事実がございましょうか。また、その刑に処せられておるにかかわらず同委員会に出られたというのは、精神分裂症のために刑の執行を停止せられていたからだということも聞知いたします。果してさような事実があるのでありましょうか。私の方では調査をすることができませんので、一つお調べを願いたいと思いますが、すでに参考人として衆議院の決算委員会にも出ておるし、また検察当局においても問題になった人物であるということでありますので、お調べをいただいておるかもわかりません。その事実の有無についてこの際承わりたと思います。
○井本政府委員 私どもの中古エンジン関係の関係者名簿には原田源之助という名前は出ておりません。ただし、先ほど伺いますと、杉山欽二郎の関係の関係者であるというお話でございますが、杉山欽二郎という者の名前は出ております。従いまして、調査いたしますとあるいは関係者になっておるかもしれませんので、お尋ねの点は至急に調査いたしたいと存じます。 なお、軍事裁判所とお話しになりましたが、おそらくこれはアメリカ軍のプロヴォスト・コートではないかと存じますが、このプロヴォスト・コートにおきまして受けた事件は、講和発効と同時に全部釈放になって、日本では前科の扱いにもしていないような実情でございますが、お話の次第もございますので、その点も原田源之助につきまして取り調べまして、後刻御報告申し上げたいと思います。
○佐竹(晴)委員 実は、その参考人が、当時問題となっておりました間組の代表者のただいま仰せの杉山欽二郎、それから当時第一通商の社員であった平伊佐也から依頼されて、通謀の上に決算委員会に出て、手形百万円二通、借用証書百万円一通、結局三百万円を受け、最近に至ってそのうち現金で五十万円を授受された事実が明らかになっておるのであります。もしもそういう事実があるといたしますると、通謀の上で金品を授受してそうして決算委員会へ出てきて虚偽の事実を述べて決算委員会がごまかされてうやむやになったというようなことでは、国会権威の上にも捨ておきがたい問題であると思います。ことに、今刑事局長の仰せも、杉山欽二郎が問題となって名簿のうちにあるということでありまするが、その杉山が問題となったときに、杉山がみずからの責任をのがれるために、中古エンジンでは実はない、新品同様の高価な品であるというふうに見せかける必要があって、そのことを参考人の原田に頼み、原田は、実は自分が修理したことがないのに、自分で修理したかのごとく虚偽の供述をして、そして非常に高価な品物であるかのごとく述べて、この問題がうまくおさまっているようであります。もしそうだといたしますと、決算委員会におけるその供述も非常に重大な問題でありますると同時に、このことは他面検察当局においてもしばしばお調べになっておるのではないかということも聞知するのであります。果して原田が検察当局でいつどのように調べを受けたかは私はわかりませんが、刑事局長のただいまの仰せによると、杉山欽二郎という者が調べを受けておるそうでありますから、その杉山欽二郎から三百万円の手形並びに借用証書をもらって、決算委員会に出て通謀した虚偽の事実を述べて、その後現金が授受されておるということであるといたしますと、これは捨ておきがたい問題であるのみならず、ただいま申し上げました通り、刑の執行停止中に堂々と出てきてあるいは決算委員会をごまかし、あるいは検察当局をごまかしたといったようなことであるといたしますと、これはきわめて重大な問題であると存じます。従いまして、果して原田源之助が検察当局においてお調べを受けたことがあるかどうか、あるいはまた、その供述がどういったような工合になっておって、何がゆえに原田をそのまま不問に付したかというような点についても、ぜひとも一つお調べを願いたいと思います。
○井本政府委員 お尋ねの点は、さっそく調べまして、適当な機会に御報告申し上げたいと思います。
○佐竹(晴)委員 なおこの点についてはいろいろ申し上げたい点もありますが、調査の上に回答するというお言葉でありますから、それをもってさらに私より御質問申し上げることにいたします。
○三田村委員長 古屋貞雄君。
○古屋委員 私は、法務大臣がいらっしゃいませんので、刑事局長にお尋ねしたいと思うのですが、非常に具体的に申し上げますが、こういう場合にはりっぱに現行犯として逮捕しなければならぬだろうという点についてのお尋ねをするのです。 これは福島県の安達郡二本松警察署の管内なのですが、二本松町大字塩沢字四谷四十八番地に、農業の佐藤弥というのが二十六坪くらいの家屋に住んでおります。そうして、六、七反歩の農地を耕作し、さらにその付近にあった未開墾地の開墾を始めよう、こういうことで、昭和二十五年から今日まで農業をやっておるのですが、その家族は夫婦と次女並びに次男で四人の生活をしておったのです。弥の夫婦が留守中に、その町の暴力団の七、八人が来て、その家をこわした。そこで、お父さんや母親がいないから待ってもらいたいという申し出をしたけれども、戸障子をはずしたりして家をこわした。一日に家をこわし切れないものだから、翌日もこわしに来た。そこで、翌日は、妻が帰って参りまして、破壊するのをやめてもらいたいということを申し出たけれども、それを聞き入れませんから、警察に飛んで参りまして、こういうわけで自分の家が今こわされておるのだ、しかも執行吏ではない、裁判に負けた事実もない、何にもないのに家をつぶされるのはけしからぬというので、現行犯で縛ってもらいたいということで警察に申し入れた事実があるのですが、それに対して、警察は、現場へ出かけてこないし、何んにもやらなかったのですが、そういう場合には現行犯として犯罪が成立すると、こう堅く信ずるのであります。すなわち、私どもから考えますと、家宅侵入が成立するということが一つ。しかも、お前たちじたばたすると焼いて食べてしまうぞ、子供のくせにということで、おどかして暴行を継続しておりますから、家屋損壊罪が成立すると同時に、脅迫罪が成立するのではないか、さらに、その家が全部こわされてしまえば、農業を営むのに、生活する場所もないし、営農をすることができないから、業務の妨害罪になりはしないか、こういうように考えておるわけなのですが、ただいま申し上げたような事実は、警察に届出をした場合には現行犯として逮捕すべきものである、かように考えますが、刑事局長の御意見を承わりたい。
○井本政府委員 二本松における家屋取りこわし事件というのも、実は先ほど事務の方から電話でお知らせいただいたので、さっそく私どもで書類を調べましたのですが、これは何ら報告が来ておりません。この点につきましては、現地の検察庁に直ちに取調べを命ずるつもりでおります。 なお、現行犯になるかどうかという御質問でございまするが、お話の通りでございますれば、あまりにこれはひどいやり方であって、この家屋の持主がだれになっておるかよくわかりませんが、持主の了承がないにかかわらず、また居住者の了承がないにもかかわらず家屋を損壊するというようなことになりますれば、建造物損壊罪、あるいは居住者の許諾なしにほしいままに侵入して参りますれば、これは住居侵入罪が成立することは当然でございます。また、刑事訴訟法所定の、現に罪を行い終った、もしくは行いつつある際に発覚した事案につきましては現行犯であることは、これは当然のことでございまして、かような事案は、お話の通りであるとしますれば、厳重に取締りをいたしていかなければならぬものと考えております。
○古屋委員 これは実は農地を取り上げることが目的だったのです。それで、私、日本農民組合の関係で頼まれまして、現地を見てきたのですが、本年の一月四日、五日、六日と、三日にわたってやったわけです。従いまして、警察が取り上げませんから、直接検察庁に告訴をいたしまして、そうしてたしか今鈴木検事さんがお調べになっているはずです。その告訴人は、ただいま申し上げた佐藤弥でありますが、被告訴人は斎藤弥市、遊佐一郎及び北原五郎で、今たしか捜査中なのでありますが、警察が被告訴人たちにいろいろと検察庁の取調べに対する答弁を教えておるような疑いがございまして、検察官が、何で打つのか、打つのに非常に困っているということを直接私聞いたのですが、なお一つ督励してお調べを願いたいと思うのです。 そこで、警察の方にお尋ねをいたしたいのですが、今申し上げました斎藤弥市、遊佐一郎というのは、特に遊佐一郎は二本松の町長をやった事実、農業委員会の前委員長であった事実、そして今大きな酒屋で酒の製造と販売をいたしております。また、被告訴人の斎藤弥市も、地方の有力者であって、しかも酒屋で、酒の製造と販売をしておる非常に有力者でございます。北原五郎というのは、鉄工業をやっておりまするが、地方の暴力団の親方をしておる。それで、斎藤、遊佐という二人に頼まれて北原が六、七人の人間を使って、本年の一月の四日、五日、六日と、三日にわたって二十六坪のうちをこわした。そのこわし方も、四日の日には、たしか十二と思いますが、その十二になりまする次女が一人と、それから、名前は忘れましたが某というその弟と二人のところへ押しかけて参りまして、そうしてこわした。父親も母親も留守だから待ってもらいたいということを言って拒んだところが、それを拒否いたしましてばたばたするとお前たち焼いて食べちゃうぞというようなおどかしをしながらその家をこわした。五日の日になりまして、妻が帰って参りまして、その事実を知って、そうして警察に飛んで参りまして届出、をした。なお、帰って参りましてから、自分の住んでいるうちでもあるし、自分の寝具その他の家財道具もありますから、こわされては困るから、おやじが帰るまで待ってくれないかということの申し出をいたしましたけれども、やはり戸障子を取りはずしてこわしている。しかも、お前たちこれを運べということで、荷物を運ばなければたたき殺すぞというようなことで、おどかして荷物を運ばしたということまでやられた事実があるわけです。この家は、私現場を見てきましたが、ちょっと村より離れた一軒家なのですから、隣近所でとめるわけにいかない。そこで、今度は妻の弟に命じて、警察署にすぐ来てとめてもらいたいということを二本松署に申し出たけれども、その場合にでも二本松署は来ない。六日の日には、今度は主人の弥が帰って参りまして、そうして、夕方帰ったところが、家がこわされてほとんどなくなってしまったというので、仕方なしに検事局に飛んで行ったというような状況でございますが、こういう場合には、やはり警察は、どんないなかでございましても、自転車で一時間くらいですぐ飛んで行けるところなのですから、暴力団のような五、六人の者が家をこわしておる、裁判所の執達吏の命令あるいは指揮でもない、裁判も何もしていない、こういうような場合には、当然に警察は出かけていって現行犯でこれを逮捕すべきだと思うのですが、これはされておらない。これではわれわれ国民が平安な生活ができないわけなのです。警察の目的は、御承知の通り、国民の生命、財産を保護する立場にある。犯罪を予防する使命を持っておりますのに、これをやっておらないので、こういうような事実がその村で行われたということによって、その付近の農民の諸君は、これでは日本は法治国ではないのだ、警察は村の有力者の小使になっておるのだということを非常に憤慨しておる事実を私自身が聞いてきたのですが、こういうような事実があったことを警察庁は知っているかどうか、お調べになった事実があるかどうか、それから、こういう場合にこういう態度を署長以下の警察官がとったのは妥当であるかどうか、この点を承わりたいと思います。
○中川(董)政府委員 実は、今古屋委員の御指摘の事件は、福島県議会におきまして県会議員の方から問題の提起等もございまして、そういった関係等もございましたので、本件事件の大筋につきましては私の方も報告に接しております。従いましてその報告に基きまして以下御説明いたしたいと思いますが、その前に、一般論でございますが、つまり、人が平穏に居住しておる状態のところに対しまして、他人が侵入してきまして、これを実力をもって追いのける、こういう行為はまさしく犯罪でございますので、そういった場合に、警察が認知した場合には、まずこれを制止する、制止して、そういう状態でない状態にする、こういうふうに処置すべきものだと考えます。そして、そういう安穏に居住しておる場合におきまして実力をもってそういう犯意を持ってやっている場合におきましては、現行犯として措置する、これは当然の警察措置としてなすべきものであると、この点は古屋委員と同様に考えております。 私どもがただいま申しました県議会等において論議された状況等につきまして報告に接した点について要約して申し上げますと、お話のように、斎藤弥市という方と遊佐一郎という方の共有の土地があるようでございます。それを賃借なさっている佐藤弥という賃借人と、共有所有者との間に、この土地の賃貸借をめぐりまして紛争があったような状況でございまして、その紛争に関しましては、農地調停裁判等を申請する等の措置が行われまして、一応塩沢地区農業委員会立ち会いのもとに昭和三十一年十月四日に調停が成立し、三者間の円満な妥結ができたという状況であったのでございますが、その後賃借人の佐藤さんの方でこれを破棄なさいまして相変らず紛争が続いておるという状況であったようでございます。本年の一月四、五、六日の三日間にわたりましてお話の類似のような行為があったということにつき、県議会においていろいろ問題を取り上げられておる状況であることはお話の通りでございます。 それで、取りこわしの最中において警察は認知しておりませんので——今もお話のありましたように、届出の有無にかかわらず警察が何ら問題にしなかったという点につきまして福島県本部で調べましたところ、本人が警察に行って話してくれと言っておられることは事実でございますが、頼まれた人が五日には警察に出てこなかった。従って、五日にはこういう取りこわし作業が行われておったということを警察が聞知しておらなかったのであります。六日に至りまして、本人がまず裁判所を訪問なさった後に警察署の方においでになりましたので、警察署におきましては六日に初めてこの取りこわし作業が行われたという状況を知るに至ったのであります。そこで、警察におきましては、直ちに、所有者に対しまして、これは両方話し合って承諾を得てから事を処理すべきではないかということを電話で警告いたしております。警告を受けた所有者は、遊佐一郎と相談して善処するという回答をいたしております。そういう状況等もございましたので、警察におきましては関係者からいろいろ状況を調べましたが、本件につきましては、文書をもちまして 一月十一日に二本松警察署長あてに、古屋委員の御指摘になりましたような罪名によりましての告訴状が参りましたので、かねて捜査を続けました状況等も加え、その告訴に基く捜査を遂げまして、今年の二月六日福島地方検察庁に事件を送付いたしておるのでごぎといまふす。 これが事件のあらましでございますが、御指摘になりました問題の第一点、そういう現行犯が行われているにかかわらず、警察が制止その他の警察措置をしなかったという点でありますが、われわれ、警察活動といたしましては、届出がなくても、そういう違法の状態が管内に起っていないかどうかにつきまして、視察、内偵と申しますか、パトロールその他によってそれを知ることに努めるという一般の責任を持っていることは事実でございます。従いまして、管内をしょっちゅう見て回ってそういうことが行われているかどうか、パトロールして参る必要があることは、私どもも同様に考えておるのですけれども、何といいましても、警察力に限度がございまして、パトロール漏れの時間に犯罪行為が行われることもございますから、被害者あるいは目撃の方その他に期待をして、届出と警察活動と両々相まって、犯罪の発生をなるべく、早く事前に発見するという努力をいたさなければならぬと思うのでありますが、本件につきましては、何と申しましても、ああいった比較的郡部でございますので、そういう犯罪が行われているかどうかということは、くまなくパトロールして参って事前に発見できなかったという状況であったようでございます。 しからば、届出があったかどうかという点でございますが、現在県会で問題になって警察で調べました結果によると、三日間に行われている行為のようでございますが、四日、五日の両日につきましては、被害者側におかれては届出をするつもりだったのですが、途中で委託を受けた方が警察に到着していない。県会で問題になりましたことに基いた調査によればそういうふうになっているのでありますが、六日に至りまして、佐藤さんが裁判所にいらした後に警察署に出て参りまして、警察署で事情を聞きまして、このときに警告をしているわけでございます。この場合にさらに現場に出かけて行ってぴしっとやるという状況が必要だったかどうかという点は、私も疑問を持っておりますので、詳細調べて参りたいと思うのでございますが、事件の荒筋は以上のような状況でございます。
○古屋委員 福島県の県会で質問がありましたのは、私が行って事実を報告したからやったのです。その前に私が行っているのです。 そこで、お調べ願いたいと思うのですが、これは検事さんも認めているのです。五日に、今の家をこわされた佐藤弥の妻の弟が警察へ行っているのです。これは検事さんから私聞きました。そのときに、その具体的な話を進めて、そのあとで、それじゃ相談しておこうというようなことになってしまって、帰ってきているわけです。この事件は単に家の問題ではない。佐藤弥がそこに住むようになりましたのは二十五年なんです。ちょうどそのときに、その土地は、御承知の、農地委員会の関係において本来自作でなければ解放しなければならない土地であった。そこで、解放をするのは困るというので、この脱法行為をするために佐藤弥をそこへ住まわせましてお前がうちの雇い人だということで、そして管理をしておるという名義をこしらえさせまして自分が農地委員長ですから、農地委員会ではその書類をもとにして解放をしなかった。ところが、その弥という告訴人は、実際に自分が耕作をしている賃借人である、だからというので、解放の申し出をあとになってしょうとした。なお、未墾地解放を他の数人の農民とともに農業委員会に持ち出したために、佐藤をそこに置くと、農地をとられるし、未墾地解放もしなければならぬというので、あわてて斎藤並びに遊佐は、計画的に、これを追い出してしまえ、家をつぶしてしまえ、家がなければおられないからどこかへ行ってしまうだろう、そういうことの経過は私どもも証拠物件でみんなわかります。調停を申し出た事実もございますし、今お話のございましたように、一度は調停が成立いたしました。それは、家を明け渡して立ちのかせる調停ではなく、土地を渡す渡さぬの調停である。ところが、自分が帰ってきてあとで——昨年十二月二十五日に調停が成立したのですが、それからすぐ十二月二十八日に内容証明で、どうもあの調停には自分は応ぜられない、——これは裁判所の調停じゃないのです。任意の調停ですから、応ぜられないという断わりをいたしまして、そうして暮れの二十八日には内容証明を出しているわけです。そのあとに今の正月以後の問題が行われたのです。従って、六日まではわからなかったと今おっしゃっておりますけれども、二、三町下ったところが妻の生まれたうちなんです。そこの弟や隣近所の人たちがびっくりして警察署に飛んで行ったわけです。これは検事局でもその行った事実についてお調べになっておりました。それで、そのときに、巡査の名前は何というかわからないけれども、ストーブにあたりながら向う向きになっている巡査に話したということだけは言っているようです。ですから、その点は明らかになっていると思うのですが、ただ、私が問題にしたいと思うのは、三日にわたって家をつぶしておるわけです。これは私自身が現場を見に行ったのですが、住むところがないので、こじきのように、自分の生まれたうちのタバコの物ほし小屋に家族が住んでおる。これはあまりにも人権じゅうりんがはなはだしいじゃないかと私は義憤を感じているのです。行ってみますと、ちょうどその口は雪が降っておりまして、その住んでおります小屋は床というものがない。地べたですから、雪の水が高いところから低いところへ流れ込んでいる。そうして、小さい女の子がおったのですが、住むところがないのかと聞いたら、とにかくあの家をこわされてしまったから自分の住むところがない——、どういう生活をしておるかというと、その附近の竹やぶからの材料の竹の枝をもらってきて竹ぼうきを売って生活しておるという状態なんです。今は農地があるから生活保護を受けることができないということで、非常に悲惨な生活をしておったんですが、今の事実を三日にわたって警察が全然知らなかったということはないはずなんです。その点はさらにお調べ願いたいと思いますが、実は、県会で質問をされた県会議員の諸君には私が調査した書類はあげたのですから、こまかいことは知らないと思う。それで、私は宮本検事正にも会いまして、事情を話したところ、全くひどい、ひどいが、どうも答弁の中に本職のするような答弁をしているから、ひっかけるところがないというので、検事正も苦しんでおりました。従って、私は、帰って参りましてから、どういう犯罪なのか、具体的に上申書を私ども弁護士三人で書いて、こういう犯罪を構成するということを検事さんのところに送ったわけです。いずれにいたしましても、今言ったようなことが行われております。 二本松警察署には、実はもう一つあるのです。それは道路の問題なんですが、村道を作るのに、所有者の承諾なく暴力的にやってしまった。これは三月二十六日です。やはり二本松警察署の管内で行われた。これも告訴状が出まして、告訴人が渡辺八郎と渡辺良守の二人です。被告訴人は渡辺健治と村上一由の二人です。この渡辺良守と渡辺八郎の所有土地で、宅地と畑なんですが、村の消防などが出てきて、承諾を得ていない土地を勝手に強制的につぶして道路にしてしまった。これは前の事件と違って公益に使うことですから、ある程度は、警察がすぐ飛んできてとめて、この点は話し合いにしろということはありそうなことなんです。が、これもやはり、とめてくれぬか、一応あとで話し合いでやってもらうように話してもらえぬかということで、相当消防の連中があばれ出したものですから、警察へ飛んで行った。ところが、これも警察が全然現行犯としてとめていないのです。だから、そういう工合に、今の二本松警察署の方々は、少くとも地方の有力者の前には非常に牽制されるというのですか遠慮するというのですか、まあ職務の遂行にどうも不十分の点がある。こういう工合に二度までも重ねて行われている警察署の態度については、地方で非常に失望して憤慨しているわけですが、これは将来のために詳しい調査をして、厳重にこの問題を扱っていただきたいと思うのです。 実は、いなかで、封建性の強いところでございまして、二軒とも酒屋らしいのです。それで、しょっちゅう酒の世話になっているということを地方の人が言うんです。真偽のほどはわからないのですが……。われわれから言ってみますと、前の事件は法治国としてあまりにひど過ぎる事件なんです。あとの方の問題は、地方の公益に使うことですから、少しくらいやり過ぎることがあっても、その点は捜査して厳罰にするとかなんとかいう問題は起きないと思うのです。しかし、とめて、話し合いでやったらいいんじゃないかというようなことは、すぐ飛んできて署長がやるべきものだと思うのです。前の事件は、私は非常にかわいそうだと思うのです。それで、地方では、しょっちゅう酒を飲まされたりいろいろされているからやってくれないのだということで、警察を信用しないのです。こうなると非常に重要な問題になると思う。それから、もう一つは、非常に立場を反省せずに、被告人の連中にいろいろなことを教えているというようなことを地方で言うのです。しょっちゅう内輪で話し合っている、最初警察で調べるときにはまじめに調べてくれなかった、証人を調べてくれと言ってもやってくれなかったということを言っております。一方聞きですからよくわかりませんが、検事さんに会ったときには、なかなか本職的な答弁をしている。共犯関係の点がなかなかむずかしいのだということを私聞いてきたのですが、真相をもう少しお確かめ願って、そうして地方の人々が安心するような処置をしてもらいたい、こう私は思っているのです。今中川さんがおっしゃったようなことがすべてではなくて相当その報告書の中には言えないこともあるのじゃないかと思うのですが、できますならば、監察員でもやって調べていただきたいと思うのです。他方で相当問題になっております。私が行きましたのは、わざわざこちらへ地方民が六、七人出て参りました、現場を見てくれぬかということでありましたが、これは法治国じゃないのかというので、私飛んで行って見たのです。雪の降る日でしたが、非常にひどいのです。それで、地方の人が非常に不満を持っているようですが、このままほうっておくということは、法務委員会としても法務行政の上から黙認するわけにいかぬと思って実は聞いているわけです。故意でなくて、地方の大まかな巡査が、ちょっと正月だからなまけておったんだというなら別ですけれども、あとからもこういう事件が三月に出てきておるので、あまり厳重にやられておる警察ではないように思われるわけです。この点を十分御調査を賜わりまして、厳重な御処置を願いたいと思うのです。あとから報告を承わりますと、これは検事正の人も怒っておりました。検事正も大体の筋を見て、これはたまらない、あなたの怒るのも無理はないと言っておりました。検事局では徹底的にやってくれると言っておりました。その点をあとから御報告願うなり、あるいは、どういう状況か、もう少し厳密にお調べ願って、再びこういうことの起きないように何らかの御処置を願いたいと思います。
○中川(董)政府委員 率直に申しまして、今私は、だいぶ前の報告が、県会で問題になっている調査が来ておりまして、前の状況、そのときにわかっている点についてお話したのでございますが、それもだいぶ時日が経過しておりますから、さらに現地でも詳しく調べているかもしれませんし、それから、お話によりましていろいろわれわれも知識を得たわけでございますが、いろいろな角度から本件事犯についてさらによく調査して参りたいと思います。
○古屋委員 調査して、詳しく御報告願いたいと思います。
○三田村委員長 本日はこの程度にとどめて散会いたします。 次会は公報をもってお知らせいたします。 午後零時四十分散会