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26回国会衆議院1957/04/03

法務委員会 第23号

発言数
16
登壇者
5
会派数
2
開催日
1957/04/03

会議録

三田村武夫自由民主党

○三田村委員長 これより法務委員会を開会いたします。  法務行政及び人権擁護に関し調査を進めます。  発言の申し出がありますので、これを許します。古島義英君。

古島義英自由民主党

○古島委員 御列席の政府委員で御答弁ができるかできないかわかりませんが、どうも、文明国は人権の擁護をいたします。野蛮国は人権の擁護をいたきない、こう私は考えておる。文明の進むに従って人権を尊重すべきことはわかりますが、今日本では常に当委員会の問題になりました人権の尊重すべきことをまことにおろそかにいたしておるような傾きがあるのであります。私の県では二重犯人というのが続いて起りました。しかも、一つの事件は、今埼玉弁護士会において起訴をいたして、その暴行をいたした警察官を公判にかけております。一つの事件は、特に弁護士が、この事件はほかに犯人があるということの氏名花指摘いたして通告したにかかわらず、それを調べずに、二重犯人を出したということ、こういうことが常に起っておるので、われわれはほんとうに寒心にたえなかったのでありますが、今度、警察署長が、消極的ではありますが、不当な処分に対してこれを保護するような方法をとったことがある。  その一つの例として、今川口の栄町三丁目というところに土地家屋を所有しておる人がある。その所有者の上原という人は長瀬某にこの地所を売ったのであります。長瀬某がこれを現在の土地所有者に売りまして、売ると、現在の所有者が長瀬某を相手にして訴訟を起して、その訴訟はどうもなれ合いのように見えるのでありますが、なれ合いでないといたしましても、とにかく長瀬某が敗訴いたしました。敗訴いたすと、今度はその勝訴した判決に向って土地明け渡しの強制執行をする執行文をとった。しかしながら、現在そこに住んでいる者は、その前主である上原某からその土地を借りて家屋を建築いたしたのでありますから、その方から調停の申し出をいたしました。調停の申し出をいたした結果は、調停委員が適当なる処置をとるというので、執行吏に依頼してはならないという命令を出したのであります。そこで、勝訴の判決を持っており執行文を持っておる人も、執行吏に依頼してはいけないという処分がしてありますから、結局執行吏は頼むわけにはいかない。そこで、趣きをかえて、関東組及び極東組その他一つの暴力団の組合でありますが、三つの組合に頼んで強制執行を始めたのであります。強制執行を始めた結果、まん中の中村という鉄工所がありますが、その鉄工所の破壊にかかったのであります。破壊にかかりますと、その鉄工所をたよりにしてできておる家屋でありますから、ほかの家屋まで全部つぶれてしまう。つぶれること存知ってやったのでありまして、中村鉄工所を破壊するに当って、のこぎりで棟を切り、ぐしを切り、ことごとく乱暴にやったのであります。やった結果、下におる者もだいぶけがをした人があります。その工場主のごときは、この家と生死をともにするんだというので、その家の柱をかかえておったのでありますが、暴力団が来て、指を一本ずつ拡げまして、結局その人間を表にほうり出して破壊にかかったのであります。破壊にかかっただけでなく、事務所に押しかけて、事務所を破壊して、中にあったピースであるとか反物であるとかあるいは帳簿であるとかいうものを持って逃げた。ピースは十一あったそうでありますが、それを持って逃げたから、どろぼうどろぼうと言って追いかけたのであるが、警察も、刑事が六、七人おり、それに制服の巡査が二十何名おったのでありますが、さらにこれを追跡することもしない。逮捕することもしなかった。そこで、現在はそのまま破壊を継続するといったような情勢になっておるのであります。これは菊地さんも向うへいろいろ電話をかけたのでありますが、なかなかやめない。そこで、私が行って、こういう惨状を呈するのでは、早く一時これだけをやめたらよかろうというので、やめさせた事情がある。そういう事情について何かあなたの方へ御報告がありましたか。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 御指摘いただきました、川口市の栄町におきまして、大体、お話のような点につきまして、かねがね昭和二十四年以来立ちのきに関連して民事裁判になっておりましたのが、民事裁判関係いたしましては控訴上告の手続をいたしまして確定した、確定した確定判決の執行という問題はもちろんありますが、執行について、執行吏はこの執行に着手した、執行に着手した途中におきまして、立ちのかない人間等の間においていざこさがあった、こういうことに関しまして報告は受けております。そうして、これは第一回、第二回、第三回という経過をたどった事件であります、が最初は執行吏が参りましたが立ちのかない、執行吏といたされましては、現在居住しておる人とよく円滑に話されまして、だんだん日をきめていく、その日をきめていくのだけれども、そのきめられた日についてき願った通り行われない、こういう実情等が執行吏の関係にありましたので、そういうことでこの執行について執行吏が大へん御苦心になっておることと、執行に関連いたしまして、暴行、傷害等の犯罪が起るおそれもあると認められる節もありますので、地元警察といたしましては、たとえば本年二月二十七日の執行の際には、署員三十名が出動いたしまして犯罪の予防警戒等に当っておった、こういう点の報告を受けておるのでありますが、最後に御指摘の点は、そういう二月二十七日の事項にあらずして、最近、すなわち三月の二十七、八日ないしは九日ごろの事案ではなかろうかと、お話を承わって拝承するのでありますが、その二十八、九日の事案そのもについては、そのときの状況等についていろいろ事情を調べておるようでありますけれども、最近の事件に関しての具体的詳細な報告に接しておりませんので、お話の点も十分承わりまして、最近、すなわちここ数日以前の状況等につきましてつまびらかにいたしたい、こう思っておるところであります。  全般といたしましては、本件は借家人と家主との間において民事裁判があった。民事裁判が、相当な時間の経過を経て、控訴上告という手続があった関係もあろうと思いますが、ようやく確定した。確定判決を執達吏が執行するということはもちろん正当なことでありますが、その執行に関係いたしまして、執達吏となされましては、最初はなるべく事を円滑に執行いたそうという趣旨であったのだけれども、それがだんだんうまくいかなくなった。かてて加えて、三月の十一日に民事調停法関係の借家人側の方の申請等もあって、その民事調停法関係の簡易裁判所の仮処分の決定等があって、そういう民事関係の権利義務の関係については相当複雑な手続を経ておるという状況で、そういうことに関連して、川口の警察といたしましては、そういう民市中関係の事態そのものについては民事手続によって適当にやっていただくことを期待するのでございますけれども、こういうことにからまって暴行傷害その他犯罪が発生いたしますと、警察としては重大な関心がございますし、また、その犯罪の発生をできれば未然に防止し、できなかった場合には事後にこの犯人を検挙すべきことは適切にやるべきだと私考えるのですが、その措置等については、二十七日以降においては、そういう状況等もありましたので出動いたしておるのでございます。御指摘いただきました事件は、ここ二、三日前の事件のようでございまして、そういうお話の点も十分承わりまして、よく現地の川口警察署の警察活動、ひいては埼玉県警察の警察行動等をつまびらかにいたしまして、不適当な面がありましたら適当なふうに指導もいたしたいと思いますし、その点は十分措置いたしたいと思いますが、輓近の前週の金曜、土曜日の関係等につきましては、今調査中でごさいますので、しばらくお待ちを願いたいと思うのでございますけれども……。

古島義英自由民主党

○古島委員 私も昨日調べて参ったのですが、その取りこぼちは、なるほど訴訟の被告の方が敗訴いたしたというのだが、被告は、もちろん長瀬某という者が被告であります。長瀬某の所有家屋は一つもありません。そして、中村という鉄工所がありますが、中村という鉄工所をまず取りこぼつということにいたして、そのまわりの家屋、いわゆる被告になっていない、判決の執行力がそこに及ばない人たち、その人たちの屋根まで全部むしってしまった、そうして、それは警察官が見ておるにかかわらず、さらにそれには中止も命じなければ何らの処置もとらない、そういうことがあるだけでなく、その執行のまっ最中において、板を打ちつけたきくがありますが、そのきくの二間ぐらいなものを持って参って、住民はこれから内へ入るな、そうして取りこぼつ人はこの中で取りこぼてというので、警察官がそのきくを握って中に入れなかったというのです。そういう事実等があるのでありますが、ただ、あなたはこれから調べてやるというのだから、いたし方ありませんが、実際は警察のやり方があまりにひどいと思うのです。それは、今取りこぼって、だんだんとこれから進展している。しかも、取りこぼつ人は三つの組合でありまして、百五十人から出ております。百五十人の人が取りこぼつのでありますから、十分間によほどの取りこぼちができる。そこで、警察に参りまして署長に面会して、署長に出席を求めたのであるが、署長はほかに用があるといって出席をしなかった。そこで次席が参ることになりました。次席が参るのに、わずかの距離でありますが、牛歩遅々として、全くのろりのろりと現場まで歩いている。どうも歩き方、があまりおそいものであるから迎いに行った女の人たちが、女でさえもこういうふうに行けるのだから、どうか次席きん早く行って下さいといって促すが、さらに牛歩を進めない。わざと時間をとらせるようなことで、その間にもう中村鉄工所のむねは落ちてしまった。こういうことをわざとやっておるのですが、この点等も十分あなたの方で調べてもらわなければならぬ。ことに、警察の方からまだ報告がないというのたが、その騒動のために九人の人たちが大けがをしておる。いわゆる判決の執行力の及ばない第三者です。その九名もの人たちが大けがをして今坤吟をしておる。それから、第三者である、自分で上原から地所を借りて、その上に家屋を建てて自分の所有家屋として住んでいる人たち、その人たちが人員にしては約三百五十何名あります。世帯で百三十何世帯あります。その人たちのうちで、自分のうちの屋根をこわされるからそれを防ごうというのでわめいておるのでありますが、それらのわめいておる人間を、何ら理由なく、いろいろなもので――かじやと称する鉄棒の曲ったもの、あんなものでなぐりまして、大けがをさせておる事実があるのであります。こういう人命に傷害を与え、しかも命に関するような大けがをさせておいて、それが一人や二人でなく九名もの大ぜいの人たちが大けがをしたのでありますから、警察は当然これを本部の方に御報告しなくんばならぬことだと思うのです。本部の方から特に問い合せられて、あわててこれに報告をすべきものではなくて、そういう紛争のもとにこれだけのけが人が出たということは必ず報告しなければならぬものだと思う。そのけがのことについても報告は何もなかったのですか。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 この川口の警察は、自分で定められた責任を完全に果す、こういう使命を帯ぶべきだと思うのですけれども、その管内におきまして人がけがをした、そういうことについて、重大な場合におきましては、埼玉県警察本部に対して報告すべきものだと思います。私は、土曜日の事件につきましては埼玉県警察には詳細に報告があることだと思うのでございますが、埼玉県警察におきましては、事が民事関係に非常に関連するものですから、そういう関係を克明に整理いたしまして、整理に基いて必要な指示を川口の警察に与うべきだと思うのであります。そういった関係等の詳細な点について正確な報告が当庁に来ていないということを申し上げたのでありまして、こういつたことがあったのだが、全然わからぬということではございません。  それから、最初に御指摘がごさいましたこの関係は、確かに古島委員がみずから現地にお出かけ願っていろいろ事情御聴取を願ったことでごさいますので、古島委員のお話を十分お聞きをいたしまして、本席でお聞きする以外にもまたお願いしておきまして、われわれよく事情を把握いたしたいと思うのですけれども、私がやや想像を加えて恐縮なんですけれども、惜地人の上条という人が借地人の関係になつておるその関係で地主さんとの間の民事上の争いであった、それに関してその確定民事裁判の判決がどこまで及ぶのかという問題であろうと思います。どこまで及ぶかという問題につきましては、いろいろ民事上の問題であろうと思うのですけれども、一応その上条きんが、本件区域一帯といいますか、七百十一坪の借地人になっておるようなんです。七百十一坪全部上条さんが借地をなさっておって、その借地権に関して民事裁判がありましたので、その七百十一坪の全体について民事裁判の判決があると理解する、こういう建前のもとにおいて執行が行われ、執行につきましては、民事調停法の関係等もありましたので、今度は権利者たるその地主が権利執行について考える、こういう措置であったと一応推定されるのでごさいますが、七百十一坪の範囲内に御指摘の中村鋳物工場が一応入っておる。一応入っておるのだけれども、それはまた、中村さんは、別の権利があって、これは執行を免れるべきものであるとするならば、民事裁判上の権利を主張なさるべきであって、一応最高裁で確定した判決がここへ及ぶのだ、こういう理解のもとに立って、いろいろ執行その他が行われておるという前提で、そのこと自体が直ちに器物毀棄の現行犯である、こういうふうに警察として理解しなかったのであろうと私は思います。中村さんを含めての民事裁判の関係のことであるので、それで、そのことについては、異議ある者については民事裁判上の手続をなさることが相当であって、それについての執行が行われ、また執行にかわるような処置が行われることについては警察は関与すべきものでないところが、それにからんで暴行、傷害等が起った場合においては警察が関与すべきものである、こういう理解の関係でなかったかと私は思うのです。  それから、お話もございましたように、住民の方から届出があった場合におきまして、その届出に対する留意が非常に不親切であったということはまことにけしからぬことだと思いますので、そういった点は十分事情を調べて指導したいと思うけれども、権利義務の実態につきましては、御指摘いただきました中村さんの地域も確定判決のあります七百十一坪の範囲内である、従って、そこに執行が行われることは適法な行為である、こういうふうな理解で、また、執行または執行にかわるべき地主の権利が執行されることは適法なことであろうという理解が関係警察官にあったのではないかと私は思うのでありますが、そういった関係は、民事裁判との関係が込み入った問題でございますので、その点はまず埼玉県警察本部におきましても民事裁判との関係を正確に把握しつつある最中だろうと私は思いますが、その点の報告が詳細来ておりませんで、検討中でありますので、その点はよくわかりませんが、器物投棄が直ちに現行犯であるかどうかということに問題があるだろうと思うのであります。ただし、御指摘がありましたように、器物投棄は関係があるかもしれませんが、人を傷つけたり人をなぐったり、そういうことはいかなる場合におきましても刑法犯でございますから、これは厳重に措置すべきものだと思います。

古島義英自由民主党

○古島委員 訴訟を起したのは、今の長瀬の地所だけである。長瀬の地所は中村鉄工所のある場所とその周囲で、今の百三十何世帯というのが、自分でその地所を先代の上原という人から借りて家屋を建設して登記まで経ておるのである。それらは被告になっていないのだから、これはそれに強制執行の力が及ばないということは当然であります。それらの屋根までむしってしまった。現在はお天気だからよろしいが、きのう行ってみたときには、住むに屋根のないところでは住めない。そこで、表で炊事をやって、表で食事をやっている実況を見てきた。見るに忍びないものでありますから、きょう御質問して善処を願うわけでありますが、実際には中村鉄工所の中に入っておる。そうすると、こちらにアパートがあって、アパートはこの家屋に立てかけてあるのだから、これは、この中村の鉄工所を破れば、アパートはつぶれてしまう。それを承知の上で、こちらの建物をこわす。こちらは何ら関係がないのであるが、これは上原から借りている地所でありまして、自分が、各自が建てて地代を払っておるのであります。その家屋の屋根までむしってしまった。しかも、警察は、何のそれがしから何のそれがしに対する強制執行だということを知っております。そうすると、何のそれがしに対する強制執行はこの範囲すらできないわけです。この回りのうちの屋根をめくってしまったということは、これは全くの不法であることは、しろうとでもわかるわけです。民事問題だ民事問題だというて警察はこれに関与しなかった。これは民事問題じゃありませんぞ、実際は。こういうふうにわれわれの家屋まで破壊されるのだから、これは困るというので訴え出たが、これをさらに顧みなかった。しかも、この中の一部に借地人借家人組合が事務所を設けて、その事務所にあったものを盗んでいってしまった。これは暴力団が取るのでありますから、ほとんどしょうがないのだが、これらがピースを先立って取り、その他の、たすきにするつもりで持っておったものでありましょうが、布の反物がある、それを持っていってしまった。それから帳簿類を全部持っていってしまった。持っていくのであるが、自分の手では防げませんから、そこで、どろぼうどろぼうと言って女たちが追いかけていったが、それを見ておった。実際は警察の制服巡査が二十名余りもおります。私服が六名余りもおります。これに向って何ら食いとめる策を講じなかったのでありますが、あなたの方には報告がないということならばいたし方がないが、そういう乱暴を働いておる。ことに、巡査の面前において、借地人――その訴訟に関係のない、つまり上原から借りておる借地人、その借地人らに向って鉄棒でなぐる、あるいはこわした木材でなぐって大けがをきせておる。九人けがをして、私はそのうちの七人ほどに会いましたが、残りの二、三名というものは非常な重傷で会えない。それくらい大きなけがをきせておるのでありますから、これはあなたの方では報告はないのでいかんともいたし方がないでしょうが、とにかく、お調べになったならば、これは善処していただきたい。こういうことが常に行われたならば、もう無警察――さなきだに塔玉県は先ほど申したように二重犯人等でだいぶ成績が悪い。そのあとで警察がこういうふうなことを見ておってもほうっておくということになれば、無警察状態だとこの土地の人は言っております。ほんとうに住民が無警察状態だと信じたときには、いかようなことが起ってくるかわからない。よほどこれは御注意を願っておかなければならないと思うのです。  こういうわけでありますから、あなたの方は、お調べになりもしくは報告を徴するに当っても、その点を十分注意して報告をとってもらいたい。それから、けが人をどういうように保護しておるか、その点も調べていただきたい。大ぜいのけが人がおります。そのけが人を平気でそのままで警察がほうっておく。あるいはそういう妨害があったときには妨害のないように善処し、もしくは妨害があったらばそれが刑事問題なら検挙するというの、だから、そういうふうな傷害事件、が起ったのだが、これをどうして処置するつもりか、その点等も承わっておきたい。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 古島委員が現地についてよく御調査願った事情を承わりましたので、さらにこういった点を克明に整理いたしまして、現地等の実情について把握いたしたいと思うのですが、埼玉県警察におきましては、こういった事件等につきまして何ら川口署から報告がないというのでなくして、先ほど申しましたように、こういう民事問題と入り組んだ関係等がありますので、そういった関係を正確に把握して、それに基いた処置をとりたい、こういうふうに言っておりますので、それに即応いたしまして、私、どもも十分究明いたしたいと思うのであります。  この際つけ加えて申し上げたいのですが訴訟の問題は、たとえば本年三月二十七日に執達吏が確定判決に基いて執行する、こういう場合であったわけですが、そのとれには上条きんのお住まいのところを執行いたしたのでありますが、そのときは、関係借家人の皆さんにおかれては、事務所を持たれて、若干スクラムを組んで執達吏の諸君に対して反対の気勢を上げる、こういう状況等もありまして、執達吏及び執達吏を補助する者、それからそこに住んでいらっしゃる方との間において相互にもみ合い的なことが起りまして、その結果、借家人関係の方三人の女子が負傷をなさったのであります。それで、負傷事件でありましたので、そういった点につきましては、警察は出動いたしまして、これを阻止いたしておるのであります。阻止の最中または阻止の直前におきまして、女子の借家人の関係の方が負傷なさいましたので、負傷関係について事実を明らかにする、こういう捜査活動をやったのでございますが、それは執達吏関係者の暴行による負傷ではなくして、多くは自分たちがスクラムを組んでおる間における負傷である、――従って、負傷関係とか、少くとも三月二十七日の処置につきましては、埼玉県警察はやっておるのでございます。御指摘いただきました最近の――今度は、上条さんのお住まいのことでなくして、お話もしばしばございましたように、中村鋳物工場というものに対して立ちのきの処置が二十七日に行われた。このときに、それは確定判決の範囲外である、こういう理解であれば、不法侵入とかあるいは器物投棄と、こういうことになろうかと思うのでありますけれども、これは確定判決の内容をなすものであれば一応適法の行為である、それから、内容の行為であっても、暴行、傷害が行われれば、いかなる場合においても犯罪だ、こういう観点に立つべきだと思うのですが、その権利義務等の関係は確かに私は報告書に基いて申しておりますが、古島先生は現地におもむかれて事情を聴取いたしておられますので、さらに権威があると思うのでありますが、そういった点をよくなにいたしまして、確定判決の関係等も考えて、埼玉県、ことに川口の警察の処置等について至らぬ点その他の点については、よく指導いたしまして、十分措置いたしたい思っております。

古島義英自由民主党

○古島委員 今のお答えはなるほどそうでありますが、あなたの方では確定判決がどの程度に及ぶかということを議論している。私もその点は調査をいたしました。そこで、明け渡しの地所でなくて、明け渡し外のところに、別の人から借りて、別の人が住んでおる。訴訟には関係ない人です。そして登記した家屋なんです。つまり、長瀬という者が地所を所有しておったのだが、長瀬の先代――先の所有者である上原某という人から借りて、地代を払っておる。そして、そこに家屋座建設して、それを登記しておるのです。その人たちがこわされておる。これは民事訴訟の問題だとか民事の問題だとか言っておられない。実際関係がないことは一目瞭然なんだ。中村鉄工所はあるいは含んでおるかもわからぬから、これについては判決の効力が及ぶかどうか、これは議論になりましょう。その他の分は判決の効力の及ばぬことは当然である。被告としても訴えられておらぬ。敗訴もしていない。そうして、地所を貸した人は別の人、家屋を所有している人は別の人である。こういう全然関係のない人の屋根をむしった。それを防ぐために負傷をいたしておる。そういう事案であるにかかわらず、警察ではこれにほとんど手をつけない。ことに、その一部から物を持ち出して逃げた者があるが、それを追跡したにかかわらず、はたにおる警察官は、刑事も制服巡査もこれに一切手をつけずに見ておった。この点がいかにも疑わしい。私は疑うわけじゃないが、とにかく、そういうことをやるべきではない。現行犯ならばわれわれしろうとでも逮捕はできる。いわんや、警察官がそこにおって、今物を持って出る人があるのだから、それを追跡するのは当りまえだ。女、子供が追跡したにかかわらず、なおそれを黙認しておるということは、まことに解せないことでありますから、その点等も十分調べていただきたい。  以上で質問を終ります。

菊地養之輔日本社会党

○菊地委員 ちょっと関連して……。  この問題は、私も川口の本件に関係ある者から陳情を受けたのでございますが、問題になりますのは、今刑事部長が申された確定判決が第三者である家屋所有者にどう及ぶかという問題があると思うのであります。もし及びないとすれば、当然不法侵入、器物投棄の問題が起ると思いますが、いま一つ問題があるのであります。それは、民事調停を出して、調停委員会は執行停止の命令を出しておるのであります。そして、この本件の執行に関しては執達吏を頼んではならないという停止なんです。ところが、執達吏は頼まなかったけれども、今度は債権者自身が直接執行したということになっている。これは非常に重大問題だと思うのであります。日本の執行の方法は、執達吏によってやることにきまっておる。ところが、執達吏に頼まずに直接債権者が債務を執行するということになりますと、法秩序は根本的にくつがえされると思うのであります。これは、ひとり川口のこの事件だけではなく、大きな問題として考えなければならぬと思うのであります。本件にはそういう問題を含んでおるということを調査の場合に十分考えていただきたいと思うのであります。私は具体的な事実はわかりませんから本件には関係しませんけれども、きわめて重大な問題を含んでいるということを御留意の上御調査を願いたいということを希望いたします。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 その点も私よく調べているのですが、皆さんからお話がございましたように、確定判決はある。確定判決につきましては、上条という借地人が七百十一坪を借地なさっておった、その借地権は引き渡さなければならぬという確定判決があるわけです。その確定判決に基いて執達吏が、ずっと執達をやっておった。そのときに、執行についてはもちろん執達吏がやっておるのですけれども、なるべく円滑に執達をやりたいという御趣旨だと思うのですが、借家人との間の話し合いによって、それではきょうは執行をしないから、次の何月何日までに明け渡して下さいという話し合いを現地でなさる、その話し合いの通りの事実が具現できない、また執達吏が出かけていって、そこに抵抗等があるからもみ合いが起る、もみ合い等については警察が出る、こういうことを若干繰り返しておったわけです。ところが、ただいま御質問がございましたように、簡易裁判所の方に対しまして、現に居住なさっておる方から執行停止の申請等もございまして、それについて一応簡易裁判所の判決があった。ここに拘束力等の問題が出てくるわけでありますが、拘束力の問題につきましては、民事調停法による調停でございますから、片方で承諾をしないと拘束力がないという問題等も関係いたしまして、そこの権利義務の問題が複雑いたしますので、その問題等もからんで、警察といたしましては若干消極的になったということもあろうと私は推察するのですけれども、その関係の権利義務の点で消極的になるべきものであろうかということについては、調停の内容が拘束力がないということを明記しております関係と、執行力を有しないという民事調停法第十二条第二項の規定との関連もありますので、そういった法律問題等にからんだ問題でごさいますので、現在、埼玉県警察におきましては、そういうことも含めて、最後に御発言がありましたことも含めて、この警察活動についても検討を加えておる、こういう実情でございますので、お説の通りよく調べますけれども、そういうことも重要な調べの事項の内容になっておると申し上げておきたいと思うのであります。

菊地養之輔日本社会党

○菊地委員 もう一つ調査の場合に考えてい、だたきいことは、最初に執達吏を頼んでおったという事実は、今刑事局一長が申された通りです。ところが、執達吏に対して、本件は簡易裁判所からの執行停止命令が出たというので、今後は執行しては困る、執行しないようにしてほしい、取りこわしをしないようにしてくれという申し入れを債権者がしている事実があるのであります。この事実も一つ十分御調査願いたい。それは書面で申し入れをしておるようでございますから。その証拠品なんかは借家人が持っておるのを私は見せてもらったのですが、そういう点もあわせて調査願いたいと思うのであります。

小島徹三自由民主党

○小島委員 関連して一言聞いておきたい。日本の執行吏の行動が債権者の満足を買わない場合は非常に多いのであります。それは事実でありまして、私たちがかってそういう問題を取り扱ったときにも非常に不満を覚えたことはたびたびありますが、不満があるからといって、執行吏に執行を委任しないで勝手に暴力団を頼んで執行してよいのかどうかということが非常に問題じゃないかと私は思うのです。調定委員が執行吏に頼むべからずということをきめたからといって、それが効力があるかないかは別問題といたしましても、そういうことがあったからといって暴力団を頼んで勝手に執行して差しつかえないかどうかということは、大きな問題じゃないかと思うのですが、それは一体どうお考えになりますか。

中川董治警視長(警察庁刑事部長)

○中川(董)政府委員 確かに、その点は、私の方でも研究しておるわけですが、民事調停法第十二条に、調停委員会は排除の措置を命ずることができる旨を明確に書いてあるのですが、「前項の措置は、執行力を有しない。」と書いてあるのです。今度の場合は、そういうふうにして、執達吏を使わないで、実際問題は権利者と思う人物が人を頼んで執達を開始した、こういうことが合法なりや非合法なりやという問題になろうかと思います。御指摘の通りでございます。その点を一応、法律関係等もありまするので、関係の向きともよく打ち合せまして、その関係を明確にいたしたいと思っております。

小島徹三自由民主党

○小島委員 その点はよく調べていただきたいと思います。執行吏たる者が勝手にしていいということになると、大へんな問題、が起きてくると思いますから、その点どうぞ十分お取締りを願いたい。

古島義英自由民主党

○古島委員 報告を待ってさらに質問いたしたいと思いますから、その点保留しておきます。

三田村武夫自由民主党

○三田村委員長 よろしゅうございます。  本日はこの程度にとどめ散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。    午後一時一分散会

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