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26回国会衆議院1957/09/11

農林水産委員会 第55号

発言数
116
登壇者
12
会派数
2
開催日
1957/09/11

会議録

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 これより会議を開きます。  さきに行われた北海道地方における委員派遣についてこの際調査報告を求めることといたします。赤路友藏君。

赤路友藏日本社会党

○赤路委員 青森、北海道を調査いたしました報告を申し上げます。  私どもの班は去る八月の二十五日より九月六日までの十三日間青森県及び北海道における農林漁業の実情を調査のため小枝委員長初め自発的に参加されました石坂委員、中村英男委員、芳賀委員と私の五名が調査に従事いたしました。調査室からは加藤調査員が随行し、主として酪農の振興状況、寒冷地帯における農業事情、土地改良事業の状況、国有林野の風倒木処理状況並びに沿岸及び北洋漁業の実情等について調査をいたして参ったのでありますが、この報告をするに先立ちまず第一に申し上げたいことは、昨年あの大冷害、凶作に見舞われて疲弊のどん底に突き落され、その回復には容易に立ち上れなかった北海道の農民諸君が、懸命な官民一致の真剣な研究と施策によって、ことしの稲作についてはやや豊作型に近い成績をあげ、他の農作についてもおおむね良好という現地を見て参りまして、不撓不屈の農民諸君の御苦心のほどにはひたすら敬服にたえないものがありますと同時に、来たる秋にはぜがひでも期待される大収穫を得られますことを祈念して、この報告を進めて参りたいと思います。  本班は二十六日には青森県八戸市より三本木市方面の三八集約酪農地帯における酪農業の営農状況、並びに牛乳集荷の実情を調査し、かつ青森県営農指導農場、酪農指導所を視察、百石町日ケ久保地区においては青森県冷害防止基準部落のモデル試験地区を調査、横山青森県副知事並びに青森県農業協同組合中央会、山内会長初め多数の酪農開拓者から、それぞれの立場から三八地区の酪農の状況をつぶさに、あわせて国に対する要望をも聴取いたしました。  二十七日夕方札幌に到着して、北海道農業協同組合中央会並びに北海道農業会議及び北海道農業共済組合連合会等の諸団体の幹部より北海道農業の当面する諸問題について国に対する要望、意見を聴取いたしました。  二十八日には北海道庁を訪れ、内海副知事初め関係部課長よりそれぞれ北海道農林漁業の現況について説明を聴取し、次いで北海道開発局を訪問、堺田次長より北海道開発事業計画について説明を聞いた後、篠津泥炭地帯に至り、北海道開発事業の一つ泥炭地開墾の土地改良事業の状況を、柴村篠津開発事務所長より説明を聞きながら現場を視察し、上川支庁に至り、尾谷支庁長より管内開発事業促進の要望を受け、河田旭川市助役外上川支庁管内市町村関係者より集約酪農計画、開田事業促進及び土地改良事業等の要望がありました。  二十九日は早朝より層雲峡奥地の十五号台風による国有林風倒木の処理状況を視察いたしましたが、ほぼ完了しているようでありました。留萌に向う途中永山に至り、北海道農業試験場上川支場で試験農場を視察し、留萌支庁に至り、川越支庁長より留萌地域重要懸案事項について説明を聞き、留萌支庁管内関係市町村長並に農林漁業諸団体よりそれぞれ、後に項目別に述べますように農業及び水産業について陳情を受けたのであります。  三十日は早朝留萌港広場において日ソ近海漁業暫定協定並びに貿易協定締結促進留萌地区大会が開催されておりましたので、これに私ども全員が列席いたしました。それより遠別町に至り、北緯四十四度線の水稲栽培限界線における水田稲作の状況を視察し、天塩町役場に至り天塩町及び遠別町並びに幌延村各町村長及び関係団体より陳情をうけ宗谷支庁管内に入り、豊富村に至り、サロベツ原野の開発計画について現地を視察し、宗谷支庁を訪問、久朗津支庁長より宗谷地域総合開発について要望があり、次いで稚内市及び宗谷支庁管内の関係町村並びに農林漁業諸団体よりそれぞれ陳情がありました。  三十一日には宗谷支庁管内鬼志別地上区の不振開拓地域を視察し、網走支庁管内の雄武町役場に至り中川原町長より陳情を聞き、夕方宿舎において小島網走支庁長及び管内町村長並びに農林諸団体より管内寒地農業振興並びに農林漁業経営の安定について九項目にわたる要望がありました。  翌一日は日曜日ではありましたが、北見市に至り、目下建設中の芝浦精糖株式会社北見製糖所を視察し、次いで北海道経済農業協同組合連合会北見薄荷工場を視察して、根室支庁管内に入り、弟子屈にて東次長より管内開発推進の懸案事項について陳情があり、二日は標茶町虹別新潟部落に至り、開拓農家を訪れ、酪農経営の実態を視察し、根室支庁管内の中標津町の雪印乳業株式会社中標津工場を視察、次いで標津村に至り海岸より国後島を望見して、三マイルの海面における操業区域を調査して、別海村の根釧機械開墾事務所を訪れ、床丹第二地区の開墾事業を視察、入植者渡辺喜助氏の営農状況を調査して川路市に至り、佐藤釧路支庁長より川路地域開発促進について、佐藤釧路市長からは釧路市湿地帯の改良促進についてそれぞれ要望がありました。  三日、釧路市港湾及び釧路漁港魚市場等を視察して 帯広市に至り、奥山十勝支庁長及び管内町村長並びに農林諸団体より管内農業振興対策について説明を開き、日本甜菜製糖株式会社帯広製糖所及び道立農業試験場十勝支場を視察し、四日は浦河に至り日高支庁を訪問、佐々木支庁長より日高地域開発促進について陳情を受け、札幌市に戻ってきたのでありますが、この間北海道をくまなく走破すること実に二千百キロにも及ぶ強行軍でありました。  翌五日は札幌市中、島さけ・ます孵化場と道立農業試験場並びに雪印乳業株式会社工場を視察し、六日に帰京いたしました。  以上が全行程の概要について申し上げたのでありますが、何しろ調査地域が広範囲であること、日程が長いためその調査いたしました資料が、そこにございますが、膨大な要望書でありまして、これを一々詳細に御報告いたしますと相当の長時間を要することになりますので、また吐く通をいたしておる点もございますので、これを要約いたしまして重要項目について簡単に御説明を申し上げたいと存じます。  第一には酪農振興に関する施策、第二は寒冷地農業に関する施策、第三は開拓農業に関する施策、第四は土地改良事業に関する施策、第五は林野及び林産工業に関する施策、第六はバレイショ生産に関する施策、第七は大豆生産に関する施策、第八はテンサイ生産に関する施策、第九はハッカ生産に関する施策、第十は沿岸漁業に関する施策、第十一は農業に関連する施策の、以上十一項目について順を追って、現地の状況を調査いたしました点と、地元の要望を加えて申し上げることにいたします。  まず第一の酪農振興の施策でありますが、青森県、北海道ともに、酪農民が非常な熱意をもってこの振興を望んでおることであります。すなわち乳牛の飼養管理費の節減と酪農経営の合理化をはかるために牧草放牧地の造成と利用管理技術の普及奨励を一般に展示することは最も有効適切な事業でありますから、この施設費に対して国庫による助成が要望されております。  また草地の改良増産をはかることも畜産振興上最も重要な課題でありまして、国では草地の改良造成に必要な機械購入費に対する助成を積極的に取り上げることになりましたが、この事業は機械の導入のみでは十分な効果が期待されるものではなく、土地の改良はもとより、抜根、起土、整地、施肥、牧草、種子等の多額の経費が投入されなければなし遂げられないのでありまして、現在の酪農経済では全額負担は過重であるから、国土開発、土地利用の高度化をはかるためにもこれを国の重要事業として積極的に取り上げてほしいというのであります。  また現行制度の家畜共済保険の掛金額ははなはだ高額のため、農家の負担過重が原因となって集約酪農地域内のホルスタイン種乳牛の導入増殖並びに普及奨励上の重大な障害となっている現状であるから掛金額の引き下げの措置を講じてほしいというのであります。  また牛乳、乳製品については、牛乳の生産量が急速に伸び、消費が生産に伴わない徴候をさえ見せており、特に原料乳生産を主体とする地域における乳価に重大なる悪影響を及ぼさんとする傾向を示しているため、乳価の動向に対する酪農民の不安はきわめて大きいものがありますから、恒久的乳価安定対策確立を急速に要望しておるのであります。  また三八酪農地域の中心工場の指定については、地域内酪農民総意に基く自由意思によって決定することが一番望ましいことでありますので、強力な酪農振興をはかるため速急に円満な解決を要望しておるのであります。  第二に、寒冷地農業の施策でありますが、寒冷地帯の農業は主として有畜農業でなければならないが、従来の農業政策の重点は米麦中心の穀菽農業に置かれてきたため農業の経営基盤はきわめて不足な状態に陥り、さらに最近連続的に起った冷害によって大部分の農業の経営は危機に直面しており、抜本的対策としては寒冷地農業確立振興のため、その対象地域の設定、地帯別営農類型の公定、農業振興計画の策定、長期低利資金の導入を内容とする特別法を制定してほしいというのであります。  また北海道においては、農家の負債額が年々累増して、昭和三十一年の冷害凶作により急激に増大し、二戸当り四十万円をこえ、今やほとんどの農家がその重圧にあえいでいる。固定化した負債の総額は、実に百億円に達するものと見られるが、そのうち農家経済に破綻を生ぜしめるおそれのある中下層農家の固定化負債額は、約六十億円と推定され、その整理は農家経済上焦眉の急務となっている。従って昭和三十一年度の道予算からは負債整理資金二十億円を融資せしめ、その利子補給の措置をとっているが、その抜本的な解決は国の特別立法にまつほかないというのであります。  また北海道は昭和二十八年以来連年災害をこうむっているが、さらに昨年は未曾有の冷害により農家経済は極度に逼迫しており、これらに対して多額の長期低利資金の貸付を必要とするから、自作農維持創設資金の増額を要望しておるのであります。  また北海道は、地域が広範であり、種々の異なる農業条件に左右されているので、地域農業確立のためには、これらの諸条件の基礎的な畑作総合研究試験施設と濃霧地帯、重粘土地帯に対する試験研究施設の新設強化、並びに経営試験地及び草類、水稲の指定試験事業の充実強化をはかるとともに、これらの試験研究の成果を早急に普及指導する農業改良普及員の増員、普及施設の強化等の営農指導体制を整備してほしいというのであります。  また政府は、昭和三十一年度から新農山漁村建設総合対策事業を実施して新農村建設を推進しようとしているが、現状の対策は閣議決定事項として推進実施しているにとどまっているが、農山漁村振興の基本的な立法措置を講じ、次のような内容を主体としてほしいというのであります。すなわち、一つには新農山漁村建設計画の策定に当り、農山漁民の自主的計画の育成助長をはかることを基本とし、二つには振興計画の達成をはかるため法制定に伴う財政措置に万全を期し、三つには後進地域、特に積寒地帯については適切な優先措置を講じ、適地適産奨励に関連し、農林水産物の需給調整並びに価格安定の施策を確立するということに十分な配慮がほしいということであります。  また農村電気利用事業は、ようやくその施設更新期に入ったが、打ち続いた冷害凶作による農家負債の増大は、この事業の維持運営を一そうに困難ならしめている。よって農漁村の電気利用事業を国営にすることを検討するとともに、当面緊急に電気施設に対する維持管理費を助成、長期融資に対する利子補給、自家受電施設を電力会社に切りかえ、固定資産税免除等の措置をとってほしいというのであります。  また農業課税の改正については、特別税制調査会の委員に農業生産者代表を加え、適切妥当な課税方式を決定してほしいというのでありますが、さしあたり当面する問題としては、農協の事業は非営利事業であるから、事業税を撤廃すること、農協の行う共済事業における責任準備金のうち、特別危険準備金を非課税取扱いとすること、国営土地改良事業における土地買い上げに伴う補償金に対する課税の軽減または免除の措置を講じてほしいというのであります。  第三、開拓農業の施策でありますが、北海道の開拓地区千二百六十八のうち、不振地区は二百二十九を数え、開拓行政上重大な問題となっておるのでありますが、これは主として建設工事の遅延、資金の不足、負債の累積等に起因しているものであります。このような不振開拓地区の営農振興をはかるために、建設工事の完全実施、抜根機械導入、不振地区振興資金の増額、開拓者資金及び冷害資金の償還延期等についてぜひとも配慮してほしいというのであります。  私どもは特にこの不振地区に足を延ばして現地を調査いたしましたが、入植十年を経過しているにかかわらず、いまだに完全な抜根、整地もできず、しかも蛇行せる原始河川は降雨ごとに開拓地にはんらんし、被害をこうむるという現状でありましたが、根釧地区の第二床丹パイロットファームの入植者と比較して天地霄壌の差があるのであります。昨年の秋、第二床用に入植した渡辺喜助氏の営農状況を見て参りましたが、この開墾建設費が一戸当り六百二十二万円という膨大な費用を使っただけに完全な抜根、整地が整然と行われ、開拓地区内には縦横に走る幹線道路、明渠排水路、ブロック建築の住宅、牛舎、農舎及びサイロが入植一年にしてでき上り、西欧の農村を思わせるような風景でありましたが、特に住宅の内部を見まするに、八人家族の十五坪住宅は、実に理想的な状態を示しておりましたし、これからの開拓計画は全部この方式でなければいけないということを強く感じて参りました。  第四、土地改良事業の施策でありますが、北海道は御承知のように広範な未開発地帯が多く、大きなものでサロベツ原野の二万町歩の泥炭地、釧路原野の三万町歩があり、この二カ所は私ども現地において地元関係者から熱心な要望を聞いて参りましたが、国土開発による人口過剰緩和並びに食糧増産のためにぜひともこれらの未開発地を篠津地区、根釧地区同様の計画により早急に開発すべきであると痛感いたしました。土地改良事業の要望はこのほかにも各支庁管内に無数にあり、その一つ一つはここで申し上げませんが、持参した資料によりこれをごらんいただきたいのであります。  また北海道の土地はこの泥炭地のほかに重粘土地帯もかなりありまして、紋別市所在の重粘地研究室を視察いたしましたが、わずか二名の研究員が二の不良土壌改良のため、また特殊地帯における営農の確立性の促進を願って黙々と研究を続けておりましたが、これらの研究機関の整備拡充をはかったならば、北海道農業に裨益するところ大きいものがあると痛感した次第であります。  第五、林野及び林産工業の施策であります。北海道産業に占める林業の比重は最も大きなものの一つでありますが、まず第一番に奥地林開発のためには林道を開設して、林産資源の活用と林産工業の促進をはかる必要があります。また山火事の被害の大きいのには驚きましたが、毎年この不慮の出火により莫大な森林資源が失われていることはまことに残念なことでありますから、火災防止に万全な措置が必要でありますが、林野職員の増員をはかり、荒廃の極にある林野地帯に植林を行い、治山治水の面からも防災林を造成し、すみやかに林業資源の確保を期する必要があります。また民有林の造林事業には補助率を引き上げて、計画造林の推進をはかってほしいという要望がありました。  私どもはまた道立の林産工業研究所を視察いたしまして木材の高度利用と合理化について木材糖化工業、バードボード工業等近代林産工業の研究がなされておりましたが、これなどはこれからの新企業の推進に大きく貢献することと思いますが、これらの面にも資金を融通する特別な措置が要望されておりました。  第六、バレーショ生産の施策でありまする。バレーショは北海道畑作農業の大宗でありますが、その八割は澱粉原料でありますので、澱粉の価格安定はきわめて緊要であります。しかるに府県におけるカンショ澱粉の大増産は、バレイショ澱粉の消費流通に大きな障害を与え、農産物価格安定法の適用品目であるにもかかわらず、はなはだ不安定な現況にあります。よって結晶ブドウ糖の生産促進、農協経営の澱粉合理化製造施設を促進する設備資金の融資、澱粉買い上げ価格の決定を九月末に、買い上げ時期を十一月に繰り上げて実施、原料用優良品種の育成と増殖施設の拡充等をはかってほしいという要望がありました。  第七、豆類生産の施策でありますが、豆類はバレイショに次ぐ重要農産物でありまして、この価格のいかんは農家経済に甚大な影響を及ぼすことは言うまでもありません。しかるに大豆を除くその他豆類については依然として農民の自主的な調整措置のみに放置されており、さらに最近における豆類輸入方式の改訂機運等は一そう不安を増大せしめ、その生産にもきわめて大きな支障を来たしつつあります。よってアズキ、エンドウ、菜豆類に対し農産物価格安定法を適用、外国産豆類の輸入は最小限度に抑制する、輸入方式は自動承認制によらないことにする等の要望がありました。  第八、テンサイ生産の施策でありますが、寒冷地安定作物であるテンサイの生産増強のため、テンサイ耕作の安定と振興をはかるための総合的な措置を要望しておりましたが、北見の芝浦製糖工場は今秋の収獲期までに完成を急いでおる関係上、本年度のビート作付面積は二万七千町歩に達し、昭和三十六年にはさらに約四万町歩に達する計画であるというのであります。さらに三十三年度は網走支所管内に北連製糖工場が建設され、三十四年度は日甜美幌工場建設の動きがあるが、地域的に達観して道南地域内にも建設の必要があるやに感じられました。  第九、ハッカ生産の施策でありますが、北海道におけるハッカ生産は近年新品種の普及以来急激に増反、増収の傾向を示し、昭和三十二年の取り卸油は八十万斤と戦後最高の生産量に達している現状であり、そのうち六十万斤は輸出向に見込まれておりますが、近時ブラジル国産に押されて輸出不振の状況にありますので、ハッカ生産振興を促進するためにはぜひとも輸出振興をはかるための特別なる措置を必要とするとの意見であります。  第十、沿岸漁業及び北洋漁業の施策であります。御承知の通り北海道は水産業の宝庫でありますが、近年春ニシン漁業が年々漁獲が減少し、衰微の一途をたどり、このために北海道の北部沿岸漁場の漁民は疲弊こんぱいをきわめており、他に活路を求めて沖刺し網漁業へ転換を急いでおりますが、漁船の大型化が必要でありますので、これに要する資金の融通が円滑に行われなければ、大幅に転換は望めない現状でありますから、これが資金の融通には十分なる配慮が要望せられておるのであります。またこれにあわせて南部沿岸のイカ漁業地帯の安定対策として行う浅海増殖事業に対しては、国庫助成の増額と助成率現行三分の一を二分の一に引き上げるための資金ワクの増額を行い、浅海増殖事業の振興をはかるとともに沖合い漁業への転換を促進し、あわせて兼業の導入を行うため、農地、未懇地等の取得、小団地開発整備事業の実施を積極的に計画し、兼業所得の確保をはかりたいという要望がありました。  また北海道は目下サンマ漁業の最盛期に向い、これが輸送には万全を期せなければならないため、特にサンマ向け国鉄配車割当の増加を要望いたしております。またスルメ、サンマかすに関し水産物価格安定法を制定し、国で買い上げ、保存を行い、水産物価の安定性を確保する必要があるとの要望がありました。  また漁業協同組合整備促進をはかるための立法措置及び漁業共済制度の本格的な実施を要求し、さらにまた国費助成による水産業改良普及員の設置と、近年不振を続けている民間サケ、マス孵化施設の政府買い上げを行い、全面的に国営化を実施して、資源の保護及び増殖を推進し、もって沿岸漁業の振興をはかる必要があるとの要望がありました。  また沿岸漁業の安定向上と中型機船底びき網漁業の沖合い進出の合理化をはかるため、禁止区域の拡大、禁止期間の延長、底びぎ漁船の大型化の促進、太平洋海区に入会操業する東北底びき漁業の整備低減、ニシン漁獲制限禁止等に関する措置の実現をはかる必要があるとの要望がありました。  また漁業取締りの主たる対象は、太平洋、南千島海域における道外入会操業船九十四隻の中型機船底びき網漁業と流し網サケ、マス漁船二百三十隻、はえなわサケ、マス船三百六十隻等農林大臣許可にかかる漁船が過半を占めている現状にありますので、漁業取締り船の新規建造費並びに臨時漁業取締り船の借り上げ費に対する国庫補助等については特段の配慮を願うことと、なお海区漁業調整委員会の事務費に対する補助金は、本年度のごときは半減されましたが、これなども委員会の運営を円滑ならしめるため、少くとも前年度と同額までに増額する必要があると要望がありました。  さらにまた日ソ国交回復後の今日、なお漁船の拿捕、抑留事件が相次いで発生しているので、領土返還の達成を見るまでの間においても、色丹島、歯舞諸島、千島列島漁場において、完全かつ安全に接岸操業ができるよう外交交渉を開始して、その実現をはかってほしいとの要望がありました。また沿岸漁業の振興をはかるために漁港の整備拡充は不可欠の条件であり、これが北海道の沿岸における漁港の整備促進を早急に実現してほしいと各地において多くの要望がありました。  以上十項目について主として農林漁業に関する地元関係者の切実なる要望を報告した次第でありますが、なおこれに関連して農林漁業の振興のための外部条件を整えますために、道路の整備、鉄道の敷設、河川の改修、海岸堤防の築設、地下資源の開発と工業の振興、中小企業振興対策等々のあわせて要望がありましたことをつけ加えておきます。  今回の調査によって寒冷地農業の営農については早急に解決を要する幾多の諸問題が山積しており、要望のありました御意見を十分に尽し得なかった点がありますが、あまり長時間にわたりましたので、次回の委員会において質疑をもって今日の足りなかった分を補いたいと思います。  最後に、青森県、北海道、北海道開発庁、各地区営林局及び出先関係機関の各位には、御多用中にもかかわらず私ども調査班のために多大の御便宜と御配慮を賜わりましたことに対し、衷心より感謝を申し上げ御報告を終る次第であります。(拍手)     —————————————

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 次に乳価に関する問題について調査を進めます。質疑を行います。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農林大臣が出席しておられませんので、担当の畜産局長にお尋ねいたします。新聞によりますと、農林省は七日の省議で、牛乳、乳製品価格安定策を内定して、昨日の酪農審議会に諮った上で正式にこの対策を決定するということが九月八日の中央紙に出ております。これらに関連しまして特に今月一ぱいで、先般大カン練乳の砂糖免税措置の再延長を行なったわけでありますが、一応この期限が切れることになっておりますので、この期限が切れる大カン練乳の課税が行われるということになるまでに、根本的な乳価安定の対策を政府の責任において策定するということがやはり不可分の関係のうちにこれは進められておると思いますので、この内容等についてなるたけ具体的な御説明を願います。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 ただいま御質問のありました牛乳乳製品の需給問題につきましての施策につきまして、昨日の酪農審議会におきまして諮問をいたしました。私たちの方で一応まとめました案を参考として酪農審議会にお諮りしたわけであります。諮問は牛乳乳製品の需給調整方策についてという諮問でありましたが、私たちの方でまとめました案を審議の参考のために御説明申し上げた次第でございます。ちょっと重複いたしますが、酪農審議会の方ではまだ結論が出てございません。十三日にもう一度酪農審議会を開いて審議をいたす、こういう順序になっております。私たちの方でお諮りいたしました案と申しますのは、まず第一に現在の酪農及びその乳製品、牛乳の需給の問題につきまして、ほぼ順調に生産、消費が均衡しつつ伸びていっておりますけれども、ときといたしまして生産と消費の間に一時的なアンバランスの生じることがあって、しかもそのアンバランスがこういう製品の性格上、生産者に対しましても激しい動揺を与える、こういう性格の商品でありますために、基本的に順調に伸びていき、またこれからも順調に伸びるでありましょうが、そういう一時的なアンバランスの問題を調整する方策を考えなければならない、こういう立場から案を作ったわけであります。また、もちろんこれは消費をうんと拡大いたす必要があるわけでありますが、そのためには生産費の合理的な切り下げでありますとか、あるいは消費流通面におきまする合理的な経費の削減、あるいは加工段階におきまする種々なる経費節約の方法等を行いまして、二面酪農民の経費が安定いたしますと同時に、消費者の方に対しましても、需要を拡大するように努力をいたす必要があるわけでありますけれども、きのうお諮りいたしました当方の案といたしましては、この中で特に流通部面に関しまする問題の諸点に対しての方策を御審議願ったような次第であります。  案の大体を申し上げますると、まず第一に現在の生乳取引というものを合理化する方法を講じたい。これは従来から当委員会等からも御要望の強い附帯決議等によりまして御意見の出ておったものでありますけれども、生産者団体の共販体制あるいは団体協約等を強く推進して参りたいということを主眼に考えております。その方法といたしましていろいろなことが考えられるわけでありますが、たとえば文書契約をもってその契約をいたしますとか、あるいはものの考え方といたしまして、できるだけ期間の長いかつ安定した契約を結ばせる、こういうような方法を講じて参りたい。従いましてそれから関連いたしましてたとえば専属利用契約のごとき、農協法等の条文に対しましてもこの際検討を加える必要が生じて参ることと存じますが、そういうものの考え方でございます。また現在酪振法によりまして、紛争の生じました場合、あっせん委員を任命いたしまして紛争のあっせんに任じさしておるわけでありますが、これをもう少し強化いたしまして、たとえば酪農委員会のごとき委員会制度にでもいたしまして、さらに調停というようなところにまで、そういう生乳取引に関しまする問題を発言し得る態勢をとっていったらどうか、かような考え方が第一点の主体をなしておるわけであります。さようにいたしましてただそういうやり方を強化しまして促進していきます方法といたしまして、いろいろの方法を考える必要がある。  その一つはかりに酪農振興基金と称していいかと思いますが、一つの基金を設けまして、それには政府あるいは乳業者あるいはまた生産者団体等から出資をいたしまして、そうしてただいまの生乳取引の適正な履行あるいは締結を促進させるためにそういう場合の必要な運転資金を金融機関に対しまして債務保証するというような基金を、この際に作っていく必要があるのではないか。その際の運用等につきましては、生乳取引の合理化の促進なり履行なりというところに主眼を置いた運用をする必要がございますので、運営には単に出資の比率とかそういうことによらないで、生産者の意見を代表しあるいはまた乳業者の意見を代表し、あるいはまた学識経験的な立場から発言し得るような、そういう理事機構が運営をする、こういうような基金を考えてみたらどうか。これが第二点でございます。  それから次には何と申しましても消費の拡大をいたす必要がございます。ことにまた一時的でも需給のアンバランスが生じました場合の調整の役割をとらせる意味におきまして、あるいはまた恒久的な意味におきまする需要の拡大の最も有効な方法の一つといたしまして、学校の学童等に対しまする給食について牛乳を飲ませるやり方をとっていうたらどうか、これは学校当局とミルクを供給いたしまする生産者団体あるいはミルクプラント等がお互いに約束をいたすことに相なると思います。ただし大東京というような大きな都市の場合はそういう三者の協約というようなことはできないことになると思いますけれども、とにかくそういうような形におきまして一定の計画が立ちましたならば、それに対して政府の方から補助を与えまして、学校給食の方にそれを回す、こういうような考え方でございます。さらに何と申しましても需要拡大のための宣伝啓蒙が非常に重要だと思いまするが、これも従来ばらばらでやっておりましたような態勢ではなく、でき得べくんば生産者団体も乳業者団体もみなが協力し合った形においてミルクそのものあるいは乳製品そのものの需要を拡大するような方策をとっていただく。それに対して国も一はだ脱いで助成する方法をとったらどうかというような点がございます。  さらに大カン練乳等の設備を市乳あるいはその他の粉乳設備に切りかえていくというふうな設備転換資金につきましても、農協系統でございますれば農林漁業金融公庫、あるいは中小企業の場合でありますれば中小企業の金融公庫等にあっせんをいたしまして転換の資金のお世話をする必要がある。また基本的には従来この酪農面におきまする調査が不整備な状況にございます。生産費の調査にいたしましても、従来続けておりましたけれども、ようやく今年度からそれが相当拡大された形において実施されておりますが、そのほか流通部面におきまする研究なり調査というものにつきましても、はなはだ不整備な現状にございます。あるいは加工費の調査等の資料につきましても両三年来やっておりまするけれども、まだ十分整備をいたしておりません。あるいは在庫量の調査というがごときものにつきましても、はなはだその手だてが十分でない状況でございます。そのような調査の部門につきまして、さらに拡充いたしまして実施をして参る。このような大体のものの考え方を申し述べまして、昨日の酪農審議会の審議に供した、こういう事情に相なっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 問題を具体的に進めたいと思いますが、政府の考えとしては大カン練乳の免税の措置は、もう九月以降は政府としては延ばす意向は全然ないのですね。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 私たちの現在の考え方といたしましては、九月一ぱいで、十月から税金をとるという態勢になっておるわけでありますが、それより前に今のような対策の大要あるいはこの秋から冬にかけましての緊急的な対策というものを決定して参りたい、かように考えます。決定されない場合にどうするかという問題はこれからの問題でありますが、私たちはそれまでに決定をいたしたい、かような考え方で進んでおります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 谷垣さんの説明によると、これは一つの希望的な方向というようなことはわかるのですけれども、ただ直ちにそれでは十月に入って今お述べになった幾つかの施策が一つ一つ取り上げられて実現に移せるかどうかという見通しとか確信はまだないのでしょう。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 ただいま申し上げましたのは、今後におきまする酪農対策の私たちの現在考えております大要でございますが、緊急対策をことしの秋なり冬なりにかけましての状況に即応しまして対策をいたしまする場合に、今のような大体の方針を頭に置きながら対策を立てていきたい、かように考えてみるわけであります。従いまして具体的にはすぐにあるいは予備金支出等の方法によりまして財政当局と交渉を進める問題の中には、ただいま申し上げましたような学三等への給食において、それをもっと早く行なって現在の在庫なり若干の問題がありまする問題を解決していきますとか、あるいは長期の在庫あるいは保管を奨励します意味におきまする措置でありますとか、そういうこと、あるいは金融に対しまする種々なあっせんというようなことを、先ほど来申しましたような対策ができ上りますまでの対策、あるいはまたこの秋冬の具体的な対策として予備金支出等の形において実行をして参りたい、かような考え方で財政当局と折衝をいたしておる状況でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それではたとえば学童給食の場合、具体的に言えば学童にミルクを飲ませるというような計画は、大体それによって年間どのくらいの量の生乳がその方へ吸収されるかというその点が一つと、それからその基金制度の問題でありますが、これはおそらく立法措置を必要とするようなことにもなると思うのですが、この資料等によっても内容がつまびらかでありませんけれども、債務保証等の問題につきましては、主として乳業会社が金融機関から融資を受けた場合、その裏づけとしての債務保証をこの基金がやる、そういう考えですか。特にこの中に生産者団体も加わっておりますけれども、おそらくこの基金制度の今の考え方というものは、生産者団体に対する融資等は考えておらぬのだ。ということになると、生産者団体はただ出資をするというような役割だけが付加されて、経済面の、そういう生産者団体に対する措置というものは放置されておるようにも見られるわけなのですが、その点はどうですか。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 御指摘の振興基金の構想は、現在私たちの考えておりますのは、政府が出資をする、これは問題は財政当局との間の問題だけだと思います。あと乳業者が出資する、これも問題は乳業者がどの程度に出資するかという問題、あとの生産者団体の問題は、これもバターを作るとか、そういう施設を運営いたしておりまする協同組合等の生産者団体につきましては、その中に入りますのにあまり問題はないのだろうと思います。問題は、そういう施設を持っていないで生乳の供給だけをいたしておりまする生産者団体の出資の問題だろうと存じます。この問題は、私たちの方で今考えております点は、それに出資を別に強要するとか、そういうことを実は考えておるわけではございません。ただその運用の場合に出資をした人の債務について金融機関に債務保証をする、こういう格好に相なっておるわけであります。でありますから、たとえば乳業者と生産者団体とが契約をいたしました場合に、その乳代を手形払いをいたしたような際、それに対する裏書等を受け取りますところの生産者団体がいたしました際には、それの債務保証というものは、もしそこに出資しておればやれる、こういうことに相なると思います。しかしそれは必ずしも、生産者団体はそういう場合は乳業者の方に直接かかっていっていいのであるから、おれの方はそういう場合には出資をしないということであれば、それはそれで済むことだ、かように考えております。ただ運営に関しましては、その眼目は、生乳取引等の履行を推進するという形における運営をいたしたいという考え方で基金を考えておるわけでありますので、運営につきましては生産者の意見を代表する、そういう形の人人、もちろん乳業者の融資を受けます諸君の意見もそうでありますが、そういうような方々の出資の率とか、そういうことに拘泥しないで運営をするような形をとって参りたい、こういうような考え方で今考えておる、こういう状況であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に当面した問題としては、先般明治、森永が三円の乳価引き下げを行なった。現在雪印等においても、やはりそれにならって引き下げをしなければならぬというような動きがあるのでありますが、これは全国の酪農民に対して一つの不安と動揺を与えておる。政府は一方においては強い酪農振興の施策を進めて、その成果がようやく上ってきた大事なときに、今度は乳価が不安定の状態に置かれるということになると、一方においては酪農振興に力を入れたようなことになっておるけれども、それに伴う消費の拡大ということに対しては何らの策が今まで行われておらなかったということしか言えない。ですからこの点は非常に政府当局としても手抜かりだったと思うのです。これをやはり挽回するためには、早急に現在の乳価をいかにしたならば安定させるかという強力な手段が必要だと思うのです。それで現在の三円の乳価の引き下げを行われましたが、これが一つの動機となって、さらにまた第二次、第三次の乳価引き下げをやらないとも限らない。ですからその場合政府の立場におかれて、乳価安定をするという場合においては、適正な乳価というものは果してどの水準が最低妥当なものであるということを一応把握して、それから下には絶対くずさないというような強い施策が進められていかないと、ただ単に酪農振興によって豊富低廉な牛乳を国民に提供するということだけを言っても、それは農民の犠牲においてそういうことをするのかどうかということは、これはまだはっきりしてない。ですから生産費の引き下げということを言う場合においても、それは牛乳生産者のコストの引き下げ、いわゆる、生乳価格の引き下げは、コストが下れば値段を下げてもいいということにもなると思うのですが、そういうことを考えているのか。それから乳製品の過程におけるコストの引き下げを行なって、乳価を指示しながら乳製品に対しては適正な引さ下げを行なって、そうして国民に提供するというような考え方をとるのか、この点をもう少し明らかにしておく必要があると思います。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 御指摘のように方々で現在乳価の交渉が行われておるわけでありますが、これは大体夏乳価と冬乳価と申しますか、秋乳価と申しますか、そういう価格の間に差がございますのが通常の状況だと私は考えております。ただ今問題になりますのは、現在の地合いが悪いところへ持ってきまして、そういう改訂の時期が来ておる。従いましてたとえば夏乳価を全国的に二、三円上げたとしますと、これを秋になってある程度下げる、これはまた普通の状況だと思いますが、それに対して過度な値下げというものが行われるのではないかというところに問題の不安な感じがあるのだと存じております。これを幾らがいいかということが次には問題になるかと思うのでありますが、これはたとえば私たちがごく少数の数字で調べました生産費というものをやってみますと五十三円くらい、これはごくわずかな農家でございますが、そういうものでは常識的には、実態とは違った数字のような感じがいたします。どういう生産費というものが妥当であるかということは、相当に広範なまた綿密な調査が私たちは必要だと思っております。そのために本年度から調査の対象を広げまして、約千戸近い農家を選んで調査をやるという態勢をきめまして今進行中でございますが、そういうようなデータがすみやかに整備される必要が一面あるだろうと思うのであります。  それから乳価の問題は、御存じのように各地方々々によりまして非常にバラエティがございます。乳製品の原料価格の場合、市乳の価格の場合それぞれに差異が非常にございまして、一律にどうというきめ方は不可能な状況であろうかと思います。乳価の問題にいたしましても、問題点の一つには何と申しましても、農家と乳業者との契約というものがかなり安定して、しかもそれが確実に履行される、そういう状況のところがございませんとなかなか施策がやれない状況があると思います。従いましてそれらの点につきまする対策を早急に立てていく、法律事項が必要でありますればそういう立法、改正もいたしましてやっていく、こういうような順序を待たざるを得ないのではないか、かように考えておる次第であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 乳価を全国的に統一するということは困難だと思いますけれども、今日においても市乳地帯では一升五十五円から六十円、原料乳地帯では四十五、六円という状態だと思います。それで局長の話によると、夏乳価だったらこの際三円下ってもやむを得ぬということになると、三円下ったくらいが一つの基本乳価としては妥当であるというように考えておるのですか。それともまだ下った方が妥当な価格だと考えておるのでありますか。その点政府の乳価に対する判断がどこにあるかということを一応聞いておかぬと安心がならぬわけです。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 これは価格の形をどういうふうにとるか、ずいぶん問題があると思います。需給均衡価格でいけばかなり下るだろう。それから生産者価格という格好でいけば、ただいまのような状況でそれぞれバラエティが生じてくると思います。現在のところどの価格が適正であるか、あるいはどの価格が妥当であるかということは、実は私どもの方でも確信がございません。両方の話し合いで進めていただくより以外に方法がなかろうと思います。ただたとえば大カン練乳の免税がなくなる。そうしますと大カンは一カン当りにつきまして五百十八円くらいの税金がかかる。それだけのものを原料乳にすぐにひっかけまして、原料乳が一升について十二、三円下るのだ。そういうような形における乳価の問題をいろいろとやるということははなはだ不合理な言い方なんです。そういうことは問題にならない、かように私たちは考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは当然の問題として、十月一日になって今度は大カン練乳に税金がかかるということになれば、当然乳業会社はそれを口実にしてさらに乳価の引き下げをやるんです。ですからそういう場合にやはり第二次、第三次の悪い条件を理由としたところの乳価の引き下げというものが必至な情勢に置かれておると思う。だからそれをどういうふうにして阻止して、乳価の安定をはかるかというところに対策の基本があると思うのです。そこで政府の考え方が最低どのくらいの線で乳価を支持するというようなはっきりした態第があれば、それが中心になって各方面に施策の手を伸ばすことができると思いますし、それからまた酪農民の政府に対する期待とか信頼感もそれによって生じてくると思う。だからそういう点に対してはやはり確固たる政府の態度というものを一日も早く表明する必要があると思う。もちろん学校給食のごときは数年以前から、これは当然やらなければならぬということで、われわれは主張してきたわけなんでありますけれども、これについても政府がやるという決意さえ持てば、大きな消費の道がそれによって開けるのでありますから、ただ単にミルクだけを飲まさなければならぬというわけのものではないのでありまして、あるいは過剰になっておるバター等を学童給食の方に回すということも当然可能なことであるというふうに考えられる。当然来年度の予算編成の時期にもちょうど直面しているのですから、そういうような強力な施策に対しては、はっきりこういうことをこの程度でやるということが明確になれば、われわれとしても決して支援を惜しむわけではないのです。だから局長としても、もう少し具体的な考え方というものを明らかにしていただきたい。たとえばコストの引き下げにしても、飼料なんかはやはりコストの中で重要な面を占めておると思うのですが、ふすま等も去年よりは値上りしているでしょう。昨年は大体七百六十円から八百円以内だったものが、ことしは市場価格は九百円もしておるという状態なのですから、むしろコストが上っているというようなことになっておる中において、乳価の引き下げを行うということは全く当を得ないことなのであります。それらの関係はどういうふうにお考えでありますか。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 学校給食の問題につきましては、先ほどお話のございましたように、学校側が希望いたします場合、ことに乳製品の中で生乳と非常に酷似しております練粉乳のようなもの、こういうものは当然それに入れて考えるべきものだと考えております。バターにしましても、考える余裕があると思うのでありますが、これは少し性格が違ったものになると思いますので、これはやはり個々の状況に応じまして、当事者間の合意が成り立つような形がなければ解決はしにくいのではないか、練粉乳の場合はそういう問題は少いのではないか、そういうふうに考えております。  それから生産費の切り下げ等についての、ことに予算の問題でございますが、これは私たちの方としましても、牧草でありますとか自給飼料の問題でありますとか、あるいは栄養障害等の発見、それに対する防除措置であるとかというふうに経済的な酪農を行い得るような指導を従来ともに今後もやっていかなければ相ならぬと考えております。  御指摘のふすまの問題でございますけれども、これは確かにある程度値上りいたしておりますが、昨年の秋の値上りの状況が大体あれで高台状況をいたしまして、落ちついた状況に現在はなっておるようでございます。基本的にはこの問題はやはり全体的な麦の問題とつながりもあろうかと思いますので、現在私たちのやっておりますような外国からふすまを入れまして市場を冷やしていくという操作を今後も続けていかなければならぬと思いますけれども、高い外国のふすまを入れて冷やすということもある程度限度があろうと思いますので、国内におきまするふすまにかわるような飼料というものを見つけまして、もっとよく推進していくような体制を平行してやって参りたい、かように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 関連して二点ばかりお尋ねしたいのですが、お尋ねするというよりも今の答弁についてどうもふに落ちないのでお尋ねするわけなのでありますが、いろいろ乳価対策、酪農振興の上から手を打つ、こういうわけですが、打った手が実行力を発揮するのはいつだという考え方なのですか。いろいろ新聞紙上に施策が載っておりますが、これらの施策はあるいは国会を待たなければ実現しにくいものも多いであろうと思われます。予備金支出等にいたしましても、そう財政当局がはかばかしく農林省の意向に乗るようでもなさそうに見える現状なのであります。従ってこれらのことが一体乳価安定に役立つのはいつごろだろうか、これの時期をお聞きしたいのです。この時期がはっきりしなければ、これは空論になる、机上論になりますから、そこでこの施設は何月ごろから実行になるのか、これはいつごろから効果が現われると期待しておるのか、それを一つ具体的にお尋ねいたします。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 対策としましてはいろいろあろうかと思いますが、たとえば金融の対策にいたしましてもすでにそれぞれ折衝いたしております。こういう状況でございますが、それ以外に予備金支出の問題だと思います。予備金支出の問題につきましては、現在折衝いたしておる状況でございますので、結論をできるだけ早く出さなければならぬと思っておりますが、結論は現在のところは出ておりません。しかしどちらにいたしましても九月一ぱいにそれらの結論を出して参りたい、かように考えております。その際大蔵当局の方と折衝いたしております私たちの考え方といたしましては、たとえば学校等に乳製品でありますとかあるいは生乳を供給するというようなことは、できれば来年の一月からでも実現したい、あるいは保管料等によります長期の保管というような問題につきましても、これは若干の猶余期間が必要かと思います。やはりそれに見合います、あるいはできればもう一カ月も早い時期、それらの時期にそれを実施して参りたい、こんな考え方で今折衝を進めております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そういたしますと学校給食にいたしましても、考えておられます需要促進、消費拡大等の施策も一月ごろあるいは実行ができる段階である、また酪農振興基金等による滞貨融資と申しますか、促進の準備も着々やっておるので、一カ月か二カ月後には実効があがるような施策でやっておる、こういうふうに理解いたしますと、なぜ一体それまで大カンの砂糖消費税をかけることを延期できないのです。もう一カ月か二カ月で施策が実行できるならばそれまで待てないという理由はないはずです。待てない理由はどこにあるのです。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 酪農振興基金のごときものは、これは法律がいると思います。従いまして酪農振興基金の発足は、これは立法を待ちまして御審議を願いましたあとの問題にならざるを得ないだろうと思います。それは別にいたしまして、そのほかの施策につきましては早くやる必要があると思います。先ほどのようなことで進めて参っていきたいと考えております。  大カン練乳の税金の措置を、なぜそれまで延ばさないかという問題につきましては、これは私の方からはお答えできにくい問題でございまして、大蔵当局なり何なりの、やはり税務当局の方の意向が基本的にあると思いますので、ちょっと私の方からは申し上げられないような次第であります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 農林委員会は先般決議をしまして、全般の施策ができ上るまで大カンの砂糖消費税を延ばすべきだという意味の決議をしておるのです。そのもとに行政措置をとるようにということを要望しておるのです。この点は大蔵省との折衝は、これはあなただって——あなた、一貫しておることなんです。関連のない施策じゃない。無関係の施策じゃないのです。今あなたの述べられた施策は非常に関連の深いものです。これらの施策を講ずるから砂糖消費税をかけてもあまり打撃を与えない、こういう意味において施策をやっておられる、だからその施策が十分立って実行が行われるならばそれはやむを得ないであろうということをあなた方は考えておられるだろうと思うのですけれども、そうでなければならぬと思う、行政当局としては。打撃だけ与えておいて施策はあとだということになれば、これは酪農振興策は何にもないですよ。一体すべてのものに課税するということはある程度需給を制限するという効果をねらって課税するわけでしょう。砂糖消費税をかけるということは、ある程度需要を制限するという本質を持っておるものなんです。それがねらいでもあるわけです。だから一方において酪農製品の——生乳の需要の拡大とか、消費の拡大でなくて、課税をするということは、制限をするということです。一方において制限施策をやるならば、それに何倍かしたところの拡大政策が出てこなければ、消費の拡大施策だとはいわれないはずです。あなた方が、大蔵当局が需要を制限するのだから、それでよろしいのだということになれば、農林省がそういう考えであれば、酪農減退を承認するということです。酪農振興でなく、酪農減退なんです。減退を促進することを容認するならば、もう畜産局はおやめになった方がいい。せっかく今まで酪農振興酪農振興といってずいぶんいろいろな法案を出されておっても、ようやく効果が上ってきてここに拡大生産ができたんです。それを減退させるならば、今までの経費はみなむだではないですか。それなのに大蔵当局、財務当局の意見は制限をしようということでしょう。それはどうにもいたし方ない、これでは酪農振興にならないじゃないですか。その点どうですか。私はそう見るのですが、局長の見解を伺っておきたい。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 それまでに対策を立てたいと思って極力努力をいたしておるわけであります。大いに努力をいたしまして、それまでにそういう対策を立てて参りたいと存じます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それまでにといっても、そちらを延ばしておいて、対策が立ったならばおもむろに制限を加えられることもやむを得ないだろう、こうならなければならぬ。制限の方が先で拡大の方があとだというのでは酪農振興になりませんよ。非常に促進してやるのだから、ある程度制限するということならわかります。制限の方が先で拡大の方があとだというのでは振興じゃないですよ。減退促進法です。そう私は思う。これは常識ですよ。大いにその意をくんでというけれども、減退を先にせしめてそして促進なんという手を打っても、三倍の手を打たなければなりません。今打てば何とかなるものを、そういう減退の傾向が出てきて、車がもう落ちかけてきてから手を打つというのは、よほどの努力を要することになる。そこで、減退の方を先に押えるというわけにはいきませんか。もう一カ月、二カ月、三カ月待てば施策ができる、それまで待ってもらいたいと当然私は主張さるべきだと思う。責任ある地位にあれば当然そう主張すべきじゃないかと思う。先般私北海道へ参りまして、大蔵当局に呼ばれた乳業者の説明によりますと、大カンと小カンとは別々に製造してもらわなければならないといっておる。徴税が非常にしにくい、徴税のことばかり考えて、徴税の上からは工場を別々にすべきだ。別別にするなんというのは容易にできるものではありませんよ。だから準備万端必ずしも整っているとはいわれないのです。  もう一つは、一体学童給食というのは何のためにやるかというと、学童時代における成長率の非常に高いところに、一つのカロリー源を与えて成長せしめることと、もう一つは、酪農振興と相待ってこれらの施策が考えられておると思うのです。これには補助を出そう、こういう計画なんでしょう。学童というような幼児期にあるものは保護していこうという考えである。一方において、これらの幼児あるいは学童、児童に対して——おもに大カンは御承知のように乳菓、いわゆる牛乳によるお菓子なんですね。それには税金をとる。片一方では補助するといっても、これでは意味をなさないでしょう。必要だから補助をする、拡大のためには補助もする、あるいは学童の健康を保持するために、さらに栄養源を供給するために補助までしていくという施策のやり方は、やはり乳価についても同様な考え方が出てこなければならないと思う。砂糖の消費税は公平であるべきだといって、補助しなければならないということを一方において認めながら、それから税金をとるのだという考え方はおかしいんじゃないか。世界中で、学童から税金をとることを公平な徴税方式だ、あるいは課税方法だなんと考えているところはおそらくないと思う。それは大蔵省だけの公平であって、徴税だけの公平であって、国の税金の体制からいう公平じゃないと思う。それくらいのことは畜産局が最も激しく財務当局に迫っていくべき任務を持っていると私は思う。この点どうでしょう。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 だんだんの激励ではなはだ恐縮でございますが、この免税の時期までに大蔵当局とぜひ暫定対策あるいは恒久対策のポイントのところというものを話をきめまして、そうして酪農をやっている人たちに不安な感じをできるだけ少くいたしたい、そうして次の施策に切りかえる、こういうために全力を尽したい、かように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 もう一点だけでそれはやめますが、私のあなたに尋ねようとし、また意見を述べている点は、施策ができたあとで、制限すべきものならしてもよろしい、こう言っているんですよ。あなたのと逆なんです。先に施策を立てましても、実行に移すのは官庁機構ではなかなかおそいのです。その点はお認めになっておられるのだから、どんなにスピーディーにやりましてもおくれがちなんです。それは早くやろうと努めておられるでしょう。すべてやることはけっこうなんだけれども、それよりも、前に待ったをかけてそちらの方を押えておいて促進をするということの方が、乳価安定の唯一の道である、こうあなたに質問もし、そのことを鞭撻しているわけです。もしもほんとうにあなた方ができなかったら、責任はどうするんです。あなたの今説明された通りやりましてもしも乳価に大きな打撃を与えたならば、酪農振興というものはここでストップです。それはやらすべきじゃないというんです。この点が一つ。これは意見ですが、もう一つ、今度は質問に入りますが、あなたの答弁の中に、芳賀君の、一体妥当な乳価というものはどの辺におくのだという質問に対しまして、需給均衡価格であれば下るし、コスト主義をとれば上るようだ、こういうことなんです。一体あなたはどちらをおとりになるつもりなんですか。需給均衡価格ということになりますと、今まで補助をいたしましてそうして酪農振興をしてきたのでありますから、促進しようということなんですね。需給均衡でいこうなんということでは、この二割増産なんというものはとうてい不可能だったと思う。あえてここまで振興させたのは、需給均衡価格をとるのだという方針のもとでこれだけ促進されてきたとは思わない。将来安定してからなら別でしょうけれども、今酪農振興の途上において需給均衡価格というような方向でいくとするならば、自然の伸びにまかせる。減退しようと、促進しようと、自然のままにまかせるというのが需給均衡価格でしょう。経済の大勢にまかせるということです。それではこれは振興対策にはならない。もしも振興対策であれば、コスト主義をとるべきだ、こういうことになる。あなたはどっちをとるかわからぬというのなら、振興対策をとるのか、減退対策をとるのか、自然のままに放任するのか、どちらをとるのですか、これをはっきりしてもらいたい。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 大へんむずかしい質問で答弁に窮するのですが、大体今までの状況から見まして、生産も消費もかなり伸びてきております。昨年の暮れぐらいからの生産の伸びが二割程度の躍進示しておりまして、これは少し異常の躍進を示しておるように考えます。こういう製品でございますので、なまものに類したものであろうと思います。従いましてやはりどうしても消費というものが拡大されませんと生産とのにらみがききません。ですからどうしても消費を拡大する必要があるわけです。逆に申しますと、通例今までの伸びは一割五分ぐらいで大体伸びてきております。この状態であれば通常の消費の伸びと大体見合いができておると思います。昨年来の状況が、生産の刺激が強かったために非常な伸びを示しておる、そこのところをどういうふうに消費を拡大していくか、そうしてまたそのことが直ちに農民の方への手取りの乳価の激落という形になって現われないようにする、そこらのところが問題の点であろうかと思います。もちろん消費者に渡します価格を安くすれば、それだけ伸びるというふうには考えられません。所得の方がむしろ影響が多いというふうに考えられます。そこまではいかぬと思いますが、やはり商品の性格上できるだけ消費と生産のバランスをとらしながら伸ばしていかなければならないと思います。ただ昨年の暮れからの状況がそういう状況になっていないのがはなはだ残念だと思います。そういう状況になっておるわけであります。これで生産を押えるとか、押えないという形であるよりも、そうではないのであって、もっと消費を伸ばしていく方向に全力を尽していきたい、かように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 そこなんです。消費を伸ばすという考えから、今課税すべきではない、こう言っているのです。あなたの言われる通りなんです。従って今課税すべきでなくて、もっと時期を延ばすべきだ。あなた自身がそういう説明をしたことと同じなんです。ですからあなたの説明を了承します。あなたのほんとうの腹は、延ばすのがほんとうだと考えておられるという答弁ですから、消費を押えるのはよろしくない、なるべく安くして需要も拡大していくのだ、こういうことですから、それなら当然課税をするなんていうことはやめろ、こういう意味だと私は理解しますから、私の質問はこの程度にしておきます。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 できるだけ消費を伸ばして参って、有効なる方法を樹立いたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この際問題になるのは、輸入乳製品を全廃するということが必要だと思います。局長にお尋ねしますが、たとえば余剰農産物等を含めて年間牛乳に換算してどのくらいの乳製品が輸入されておるのですか。その数字はどうですか。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 今余剰農産物という形としては入っていないと存じますが、あの契約の条約の中でたしかグランドの条約があったかと思います。その点に関しましてあるいは入っておるといってよいのかもしれませんが、通常私たちの言っております例の日本円をどれだけ使うという形の中には乳製品は入っておりません。ただ贈与でありますとかいろいろなことでだいぶ入っております。大ざっぱに申しまして脱脂粉乳で約二万トンくらい入っております。これは一部の駐留軍等の問題は別ですが、ほとんど全部学校給食の方で入っております。あとチーズがあります。そのような状況であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 たといただのようなものであっても好ましくないような要因をなすものは一切やめた方がよいのじゃないですか。結局これが乳価に対して一つの圧迫をなしておるわけですから、国内で足らぬ場合においてはそれは買付をするとかあるいはくれるという場合はもらうこともやむを得ぬとしても、国内において十分良質のものが供給できるというようなことになったのだから、いやこちらの方に十分ありますということで、これははっきり今後は断わる方がいいと思う。特に現在第四次の余剰農産物受け入れの協定等もまた進める考えでおるわけですが、そういう場合においては厳にこの点は慎しむ必要があると思いますがいかがですか。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 余剰農産物の中には今のような乳製品は含まれておりません。そうでなくて学校給食の方の格好で入っておるものが大部分です。そのほかにたとえば昨年のように、オランダ物を五百トン入れますとかいうような学校給食のために必要なものが入っておる、こういう状況であります。あるいはそのほかにバター等が若干入っております。これらの大部分は駐留軍向けのものであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に牛乳取引の合理化という問題がありますが、これによりますと少くとも一カ年間の長期契約を行うようにさせたいということがこの要綱の中にも出ているのですが、これは別に予算をとらなくてもやれる問題ですが、強力な指導を与えれば文書による長期契約というものが行われるのですから、それが妥当な価格で契約されれば少くとも一年間は基本乳価というものはくずれないことになると思う。この点に対しましてはすぐこのような方針で具体的に指令して実現させるというお考えですか。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 実はこの問題はここで言います以前に、酪農振興法のあとの施行の場合に実はこういうような方式を私の方で指導して参ってきております。それが現状がなかなかそこまでいかぬ、たとえば一年の契約を一応したような格好にはなっておりますが、乳価の決定を一月ごとにするというようなことで、重点がそういうふうにぼけておるというような問題がございます。これは今後も引き続きましてこの点についての指導を強化して参りたいと思います。もしも今私たちの考えておりますようなものをもう少し検討いたしまして立法等の形をとりますればまたそれが促進されるのではないかと思います。ただこれは契約でございますので、おそらく立法いたしましてもそういうことを強制するという形にはこれはなり得ないと思います。やはりこれに対する側面的な一つの要請のものをもってくる、あるいは農民の方の自主的な組織としての共販運動なり団体協約を促進していくような指導をしていく、こういうような形に相なるのではないかと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に、この中に協同組合法の一部を改正して、共販体制の確立のために専属利用契約条項を、おそらく弱体化さすという意味ではなくて、強化さすというような意味の考え方なんでしょうが、これは公取等との問題もある条項があるのですが、そういう点を思い切って改正したいという御意思ですか。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 これはまだ検討を要する問題であろうと思います。ただし現在の状況が専属利用契約というもの自体の締結も現実問題として実はあまり進んでいない状況であります。組合が幾ら乳業者と契約をいたしましても、組合が果して組合員自体のミルクを集め得るかどうか、あるいはそこへ持っていかせるかどうかということは、これは専属利用契約になるわけでありますが、その利用契約の締結自体がなかなか進んでいない状況がまず第一点でございますが、それと十九条の解釈をめぐりましてその問題に対する解釈がかなりあいまいな解釈になっておるように思います。そこらのところを農協の方を担当しております者とも相談をいたしながら検討を進めて参りたい、かように考えております。従いまして、専属利用契約の遂行を強くできるような形において何らかの策を施す必要があるのではないか、こういう考え方でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 まだいろいろ尋ねたい点もありますけれども、委員会はきょう一日ということになっておりまして、理事会の決定によって今月の末にさらに開きますから、先ほど川俣委員も言われたような諸点等につきましても十分検討されて、この次の委員会にはもう少し実のある局長の答弁を期待いたしておきます。  最後に申し上げたい点は、現在農林省が考えておるところの振興対策は、これは需給全体の総合的な需給安定というところまではなかなかほど遠い面がある。この需給安定の面は、たとえば澱粉等の需給安定のああいう困難さよりもまだこれは簡単にできるのじゃないかと思うのです。今の市場の動き等を見ても、大体需給の関係が、たとえば供給の方が五%くらいに伸びればすぐ下りぎみになる、ところが五%くらい供給が減少すればすぐ乳価が上るというようなこのわずかなところの動きが直ちに乳価に影響しておるのですから、その需給間の操作というものはわずかなパーセントの一つの固定化というか、把握によってある程度の効果を収めることはできるだろうと思う。ということになれば、その数量等もそれほど膨大な数字を固定化しなくてもそれはやれる問題じゃないか。しかももしも大カン練乳の課税が復活するとすれば、これは年間少くとも十億以上の国の収入がふえる。これは明らかに財源があるのですから、この点に対しては谷垣さんとしても意を強うして財政当局と折衝はできると思う。それ以上のものをとってくるくらいの考えで一つやる決意はおありかどうか。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 確かにちょっとした増産が収支の方と不均衡を生じてくる状況でございますので、その点が非常に問題だと思います。ただなま乳のままで扱いますと、これは腐りやすい性格上扱いがしにくい、じゃ扱いがまだしいい乳製品の方で扱うということになりますと、今度はそれは農家の手取りの方の関係がまたなかなかはっきりいたさないというような状況がございます。しかしそういう恒久的な対策をいろいろ待っているわけにもいかない緊急事態もございます。従いまして、先ほど来のような対策の中に暫定的なことをやらなければならぬ、かように考えて折衝を進めたいと思っております。確かに大カン練乳の方の税金額が相当の額に上ると思いますが、もっと有効な方向に使うやり方は私たちも強く要求したい、かように考えております。

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 五十嵐君にちょっと申し上げますが、農林大臣が米価問題で後刻出てくると思うのですが、出席されましたらその方へ移らなければなりませんので、そのつもりで御発言願いたいと思います。

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員 乳価の問題が非常にやかましくなって問題になってきておるわけですが、生産、供給の方は順調に伸びてきた、そこで消費の方がこれに追いつかないということのために、ことしの現象は乳価問題が非常に心配をされておるのだと思うのです。ところが今農林省で考えておることは、こういった状況下にあるのに、五年後の長期計画というものは、牛乳を昭和三十一年を基準の年として、三十一年には六百十五万石である、ところが五年後の三十七年には千三百五十万石にしようという計画です。そうすると、それぞれ倍以上になるわけです。   〔委員長退席、吉川(久)委員長代理着席〕 こういうことが発表になると、この上五年後に倍の頭数にする、倍の乳の生産量にする、これで乳価というものは一体どうなるかということをやはり非常に心配すると思うのです。一体こういう数字、こういう御計画はどういう基礎で出てきたわけですか。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 今の計画は審議庁で扱っております国民の所得の増大であまりますとか、あるいはそれが食生活の方に向いますいろいろな需要の見込み数字であるとかいうようなもの、そうして私たちの方の生産の方とを見込みまして、今後の長期の対策としては十分消費はあるという考え方でございます。ただ先ほど来申し上げておきましたように、大体従来ともに対前年比一五%前後の伸びで参ってきておりますが、昨年の秋から今年までの状況は対前年比約二割程度の増加になっておる。生産の伸びがそういうことになっておる。これはしかし一時の現象であろうと思います。これは昨年の夏以来高乳価と申しますか、過度の競争等からくる刺激の強い面もあった、そういうような状況が原因であろうかと思います。もちろん消費が対前年比二割以上に伸びれば問題はございません。ですから、その拡大の努力はする必要があろうと思いますけれども、一応先ほど申し上げました五カ年計画は対前年比一五%増くらいのところの見込みで数字を出しておるわけであります。従いまして、もちろん消費の方の拡大も国民所得の増加率がどうかということによって非常に伸びも縮みもすると思いますが、大体そこらのめどを中心にして進めていきたい。酪農の方に関しましてはまだまだ消費の方の増大の余地はあると思います。また単に農家の方におきますコストの低減だけでなく全流通過程におきまして消費者の方に渡りますまでの間におけるコストの低減というものは実はまだまだ余裕があろうと思います。そこらの努力をお互いに続けていきますればこれは十分やっていける、こういう私たちの考え方でございます。

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員 次に乳価の問題ですが、なまの乳それから乳製品、これは一体幾らが適正な価格であるか、こういうことはさっきから議論があったんですが、これは局長のお話の通り非常にむずかしいと思います。しかし今のきめ方は、さっきあなたもお話になったように、当事者間で協議をして価格をきめている、これが実情なんですが、そうすると、いうまでもないのですが、何といっても力の関係で乳価というものはきまってくる。そうすると、二、三の乳業会社あるいは五大乳業資本というものが一方的にきめても、早い話が、これは何ともいたし方がないというきめ方をやっておる。そこで、いろいろ生産費等を御調査になっておるようですが、近く適正な生産費というものが出るのだと思うのです。そこでなまの乳は幾らが適当であるか、それから乳製品は幾ら幾らが適当であるか、こういう価格は当然出てくると思う。ところがそういう価格が出ても今の状態では何ともやっていきようがないと思う。そういう場合に、そういう適正価格という問題が出ても、これは今の力関係できまっていく以上は、乳業会社の方が圧倒的に強いのですから、何ともやっていきようがない。そこでこういう点は酪農審議会等で十分審議をされることと思うのですが、酪農審議会というものはいかにも間口が広いと思う。問題が多過ぎると思う。私は何と言っても乳価の問題というものが一それだけではもちろんないけれども、これが適正かどうかということ、安定をするかどうかということが、酪農というものを大きく左右するものと思う。そこで特に乳価を決定するために、たとえば乳価安定審議会というようなものを作って、乳価だけをそこで決定するという仕組、そういう考え方で行くべきだと思う。今の酪農審議会があるから、それにまかせればよろしいということでは、何と言っても私は物足らぬと思う。もっとこういう権威あるところの審議会というようなものでやる、これでないと、適正価格が出ても十分にこれを保持する、徹底させるということがむずかしいのではないかと思う。その点はどうですか。私はそういうことがいいと思う。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 どれが適正価格かということ自体が、実は私たちつかまえるのに非常にむずかしくて、つかまえられていないのが現状です。現在の程度の資料その他ではなかなかそれがつかまえられません。またかなり生産費が安くいける農家もございますれば、また高い農家もございまして、その間の差がかなりあります。そういうような事情でございますので、やはり差がございますが、しかしどちらにいたしましても現在のような状況では、価格の契約におきまする価格決定自体が、両方ともに、乳業者に対しましても生産者に対しましてもおもしろくないと思います。しかし先ほど来申し上げましたように共販的な態勢を整え、あるいは団体協約的な態勢を整えて、しかも契約をある程度期間を長く安定させるということで、両方ともに責任を持っていくというやり方がまず大切じゃないかと思います。そういうことが行われませんと、いろいろなことをやりましても実際は実行はなかなかできない状況ではないか。ただ先ほどお話がありましたように、酪農審議会等でかりに価格をきめるといたしましても、それならばその価格を一体どういうふうにして支持するのかという問題に入りますと、これまた現在のところでは、的確な方途というものがなかなか見つからないだろうと思う。順を追わなければなかなかみつからないだろうと思う。それで今考えておりますのは、地方におきまして団体協約等をいたさせました場合に、それに対して若干の意見を申し述べるような機関を作ったらどうか。これは酪農委員会というような仮称で考えておるわけですが、現在のあっ旋委員という態勢よりも一歩出る形にしたらどうか。もちろん契約の内容なり契約そのものを強制するということはできないと思いますけれども、紛争が起きました場合の調停でありますとか、あるいは文書契約等をそこへ届け出させて参りますれば、一つの県におきましてもいろいろな契約ができて参ろうと思います。そこらの彼此勘案はその場の席上でできることになると思います。あるいはまた文書契約等が締結されていないような場合には、それを締結するような勧告も可能かと思います。とにかくそういうような一つの機関を考えていく必要があると思います。それらの問題につきましては、まだ相当検討事項に属しますけれども、これは立法事項に当然相なりますので、もう少し期間をかけて検討いたしたいと思います。ただ現在早々の間に来年度の方針をきめようといたしますれば、やはりその程度のものを考えていって、立法して御審議を願うまでには性格等を固めて参りたい、現在こういう考え方でございます。

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員 乳価という問題は、これからは米価についで重要視されなければならぬ、あるいは同等に考えていかなければならぬことになるかと思うのであります。そこでそういうような一つの権威ある機関を持って、そして乳価、乳製品というものをきめていくという方向に当然向われるだろう、こう思うのですが、この点は一つ十分御研究を願いたいと思います。  それから、最後にもう一点お尋ねをしたいのですが、大体流通過程の問題にもからまってくるのですが、牛乳の値段というものが、過去五、六年をとってみますと、小売値段というものは毎年高くなっていく。毎年小売値段が高くなっていくにもかかわらず、酪農民の手取り、つまり生産者価格ですか、この方は年々下っていっております。昭和二十六年の乳価の平均は六十一円、二十七年が五十五円、二十八年が五十三円、二十九年が五十八円、三十年が四十八円で、昨年三十一年が五十円、こういうふうにだんだん下ってくる。そうすると、最終小売値段に対して農家の手取りというものは、昭和二十六年が四七・六%であったものが昨年は三五%になっている。小売値段は上っていき、生産農民の手取りは下っていく、この開きがますます開いてきているのです。こういう現象が続く限りは、これは消費面においても当然行き詰まりがくるでしょう。幾ら消費の促進運動をやっても、いろいろな施策をやっても、これは行き詰まりがくる。こういう点よほど強力な施策を断行しない限りにおいては、この開きというものは、この傾向をもってすれば大へんなものだと思うのです。こういう傾向に対してどうお考えですか、またどんな手を打っていこうというお考えですか、これをちょっと承わりたい。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 戦前に比しますと、市乳の価格は、物価指数等との動きと比べてみますと、大体半分くらいに下っております。それから農民の手取りの価格の変遷の問題ですが、私ちょっとここで二十六年の数字がわかりませんのであれですが、時によって価格の違いがあろうと思います。というのは、三年ごとに値段のアンバランスがありましたりいろいろなことがあると思いますが、とにかく農家の方におきましても、かなり生産の合理化が行われていることは事実であります。一升々々の価格は別でございますが、農家全体の手取りとしては、むしろ上っている状況になっているのではないかと思います。市乳の生産量その他泌乳の能力等もずいぶん上ってきておりますしコストの逓減もありまして、そういうふうに考えられます。

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員 それから、さっきもいろいろ議論がありましたが、十月一日からは例の大カン練乳に税金がかかる。そうすると、芳賀さんもさっき心配しておられましたが、第二、第三の値下げというものが当然考えられるのです。つい先般も三円の値下げをやられたが、続いて十月一日から税金がいよいよかかってきたという場合に、第二、第三の値下げという問題が予想されるわけですが、その場合どうしますか。これは夏の相場、冬の相場あるいは秋の相場、こういうことで三円程度は仕方がないといたしましても、続いて例の税金の問題等の余波を受けて、それでさらに値下げをするというような事態が起ったらば、これは何としても食いとめなければならぬと思うのです。これに対してどうですか。差し迫った問題として……。

谷垣專一農林事務官(音産局長)

○谷垣説明員 税金をとったこと、そのことが原因ですぐに価格がどう動くかということ、たとえば大カン練乳が、一カン五百十八円の税金がかかるといたしまして、それが原料乳にどのような影響があるか。そのまますぐに原料乳として巷間伝えられておるような十円も下るということは、これは大カンの原料乳というものが全体のミルクの中に占めます地位というものからも考えなければならぬわけであります。と申しますことは、原料乳そのものから考えれば、そのくらいの価格になるといたしましても、農家の方は何もそれだけの乳を出しておるわけではございませんから、それが広げられればかなり薄められるのは当然であります。ですからそのことによって直ちに全体の乳価がきわだった落ち方をするというふうには考えられません。そういうことに藉口したり、あるいは全体の地合いの問題としてどういうふうに影響があるかということに問題があるだろうと思います。   〔吉川(久)委員長代理退席、委員長着席〕 これは先ほど来申し上げておりますようないろんな学校給食等にどの程度関係してくるか、あるいは全体の消費の拡大宣伝というものがどういうふうに行き得るか、あるいはメーカーの保管能力というようなものがどの程度にカバーし得るか、そういうことによってやはりきめられるべき問題だろうと思います。単に大カンものが税金をとられた、とられたからその原料乳にすぐ影響があるというよりも、原料乳のミルクの量が非常に大きいわけでありますから、乳価全体といたしまして薄められるわけです。そういうようなことで、そのものからすぐにそれほどの直接に影響があるかどうか。それよりも、そういうことにいろいろ藉口いたしますような言い方による乳価の取引の関係、あるいは全体の地合いの問題、こういうことが問題だろうと思います。従って全体としての対策をやって参りまして、できるだけその影響を少く吸収していくというほかにはないのではないか、かように考えております。

五十嵐吉藏自由民主党

○五十嵐委員 いろいろ具体的にもっとお尋ねしたい点もありますが、いずれまた適当な機会にお尋ねをすることにいたしまして、これで一応質問を打ち切りますが、いずれにしても、さっきからいろいろお話が出ておりますが、とにかく早いとこやってもらいたい。ということは、何といっても十月一日から税金がかかるということは、いろいろな意味で影響があると思うのです。ですから、一つ取引の合理化の問題であるとか、あるいは需要促進の問題であるとか、学校の給食の問題であるとか、いろいろあると思うのです。あるいは消費増進の宣伝の問題、そういうことはとにもかくにもなるべく早く手をつけてもらいたい。これを要望して質問を終ります。     —————————————

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 次に米価問題に関する調査を進めます。質疑の通告がありますから、これを許します。石山權作君。

石山權作日本社会党

○石山委員 赤城農林大臣に初めてお目にかかりますので、おめでとうと一言申し上げます。というのは、私昭和二十八年に初めて議員になってきたとき、ちょうど大臣は人事委員の与党の理事をやっておられまして、大へんある点では指導を受けたというような経緯もございます。赤城さんはその当時から保守党の方としては大へんものわかりのいい方で、その当時の人事委員長は与党の今の川島幹事長が人事委員長で、私この方も、もっとも回数が十回以上も出ているので、大へんものわかりのいい方だと思っておりましたが、だんだん偉くなると、どうもものがわからなくなるのか体裁がいいのか、わからなくなるというのが真実なのかちょっとわからぬけれども、ここ二、三年のうちで私の敬愛していた赤城大臣も、何だか最近になると向うの方の側に立っている人のように見えてなりません。そうでなければ大臣は、だれが何と言おうとも私の責任において消費者米価を値上げするのだ、こういうひとり言みたいなのか、あるいは大だんびらに掲げてものを言っているのか知りませんけれども、おれひとりでも責任を負うて消費者米価を値上げするのだ、こういうことは私なかなか言えないことだと思う。ものがわからなくなれば言えるかもしれませんけれども、どうもそういう点で私なかなか納得しかねる点がございます。時間がないそうでございますから直截にお聞きいたしますが、あなたが消費者米価をこの場合にあっても自分の責任においてでも値上げしなければならぬというほんとうの中心は何を目ざしているか御説明を願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 私は今御指摘のように大だんびらを掲げて消費者米価を上げようというような気持はないのであります。これはなるべくならば上げない方がいいと考えてはきておるのであります。しかしいろいろ事情を考えまして、やはり今の食糧管理制度といいますか、生産者からはある程度、全部の所得は保障できないでも、相当な価格で買う、こういう価格で生産者米価を決定いたしておるといたしまするならば、そうしてまた消費者にはなるべく安い米を配給する、こういう制度下に現在あるのでありますが、こういう制度を現在の段階においては私は適当な制度だと考えておるのであります。しかしながらその間におきまして政府が非常に損をするといいますか、端的に言いますならば食管会計の赤字というものがある程度あるのは当然でありますが、それが非常に範囲が広くなってくる、こういう形で年額三百億とか二年もたてば六百億になる、こういうような形を進めていくということになりまするならば、食管制度というものも無意味になる、こういうようなことにいくかと考えておるのであります。そういうような点から考えまして、自由経済的なコスト主義からいきますならば、米の消費者価格というものも、現在御承知のように生産者から買い入れておる価格は石一万三百二十二円でありまするから、これに中間経費あるいはまた政府の経費というものも加算していきますと、十キロ当り八百八十六円何がしになるのです。しかし食管制度のもとにおいてはそういう生産者から買い上げた価格に中間経費、政府経費をかけて、そうして消費者に十キロ当り八百八十六円で売るということは好ましくない、やはりその間に差額はあってしかるべきだ、こう考えておるのでありますが、先ほど申し上げましたようにこの食管制度というものが現在の段階においては適当だとは考えておる私といたしまして、政府の損を非常に多額に残していくということになるといたしまするならば、こういう制度よりも今の生産者に経費をかけた自由経済的な制度に持っていった方がいいのじゃないかというような意見も出てくるし、そういうことに追いやられることもあると思うのであります。そういうことは生産者にとりましても農家経営の安定という面から見ましても好ましくない、あるいは消費者につきましても配給制度というものが一月全部あるわけではないといたしましても配給の基礎があるという今の制度がよろしい、こう考えていくといたしまするならば、この食管制度というものを今捨ててしまうというわけには私としては考えられないのであります。そういう点から考えましてやはりこの政府の損というものをあまり捨てておくことなく、ある程度一般会計においてもこれを補填負担し、それからまた消費者といたしましても消費者価格の決定の様式にありまするように米価が家庭経済に大きな影響を与えない限度においては消費者においても負担してもらうのが適当ではないか。ことに価格の改訂もずいぶんしてありませんので、実はこの際一般会計におきましてあるいはまた消費者の一部負担におきまして食管会計を健全化していくということが食糧管理制度を維持していく上において大事なことだ、こういうふうに考えましたので、消費者米価の改訂を進めたいということで操作をしておる次第でございます。

石山權作日本社会党

○石山委員 大臣の説明を聞いていますと非常に常識的なものの割り切り方をしていると思います。これは平時の場合ならそういう常識的な割り切り方でいろいろなことをやっていただく方がむしろ安心感が持たれます。しかし今のような物価が非常に変動しやすいような前提をなしている不安定な経済条件の中におきましては、一番主要な、消費経済のポイントを占める消費者米価を今常識的に取り上げようとするのは、私は半年前の話だと思う。いわゆる神武景気という呼称が声高らかに市中にあったころなら、私はその考え方がある点は納得できると思う。あなたの方で今おやりになっている財政経済の方向を見ますと、すべて非常手段をとっているわけです。その非常手段をとっているときこういうような格好で常識的に帳面のつじつまを合せるというようなやり方でわれわれの家庭生活をながめられては実に迷惑千万だと思う。こういうことを言いたくないのですが、そういう格好でやられますと、結果的には大衆の収奪という形で消費者米価が動いていくということになるわけなんですよ。私は今の場合はそういう常識論よりも、いかにしてこの変動期にある経済を安定に導くか、つまりあなたの方で口にしておる低物価政策と外貨獲得の面、これが今の場合は第一の課題だと思うのです。この低物価政策の中におけるいわゆる米価の値上げということは一体何を意味しておるか、これは私は常識論ではなくしてもし思いをするならば、米というものはすべての人に影響するものでございます、そこに値上げを行なってそして普通のものは低物価でいくというふうになるとすれば、何といっても大衆収奪の形が出てくるのではないか。特に今の財政措置によりまして手形の割引などを見ましても、今までにないような少額でしかも多数の、それこそ神武以来の多数の手形がああいうふうな格好に出ておる、これは中小企業の一番苦しい姿を見せつけておると思うのです。そこに働いておる人たちの姿などを私見てみますと、そう簡単にあなたがおっしゃるように家庭経済に影響を与えないような格好において食管赤字の幅をば少くする、政府国家の損失の幅をば少くしたい、そのことが食管制度の維持にも通ずるものであるというふうな御意見でございますけれども、私は今の場合は先ほど申したように、これは半年前の考え方であってどうしても妥当とは認められません。それではあなたの言ういわゆる家庭生活に影響を与えない——影響を与えないわけには参りませんけれども、大きな打撃を与えない範囲内の米価の値上げは一体どこら辺を考えてあなたはそういうことをおっしゃっておられるのでございましょうか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 米価の改訂につきましては御説の通り相当慎重にやらなくてはなりませんので、どの程度が家庭米価として大きな影響を与えないで済むかという計算をいたしました結果が、実は十キロ当り八百五十円という計算が一応は出ておるのであります。しかしこれも見方によりますから、それが確定的のものとは申し上げられませんけれども、その程度が私どものいろいろな統計あるいは資料等によって出しましたところの値段であります。

石山權作日本社会党

○石山委員 それでは私見方を変えてみますが、たとえば石橋内閣のとき一千億の減税をやったわけでございますが、それと同時に官公庁その他の賃金の引き上げがございまして、約六%程度俸給が上ったわけでございます。民間、官公庁を問わず大体この程度上ったわけでございますが、これは一種のインフレの要素があるということはだれしもわかることでございます。このインフレの傾向をば外貨獲得のいわゆるコストの安いということとからみ合せて、消費者米価によってインフレ米価を吸収せしめようという目的をあなたの方では持っていないでしょうか、私は何かそんなふうな気がいたしてしょうがないのでありますが、そういう点はいかがでございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 現在の経済情勢及び私どもがやっております経済対策につきましてお話がありましたが、その通り進めておるわけでございますが、これは必ずしも一律低物価というわけではなくてやはり安定価格、結果は低物価の方向でありますが、その中にもいろいろ部門別にはあると思います、そういう点で一律低物価というわけではなく、やはり安定価格という線で進めておるようなわけでありますが、そういうことでありますから、現在の情勢をよく勘案すべきだという御意見もっともであります。しかし一応今お話がありましたように、概算的にいって千億の減税と千億のベース・アップといいますか、そういうような形で打ち出したときに実は消費者の米価というものも改訂すべきだったと思うのであります。しかしそれがおくれたから、そのときの状況によってあくまでその状況をそのままでやるということではなくして、やはり現下の経済諸情勢等もいろいろ考えた上におきまして、新たに出直すという考え方の上において、やはりこの消費者米価の解決をはかったがよかろう、こういう考え方から進めてきているのでありまして、これによってインフレを吸収するというふうには考えていないのであります。

石山權作日本社会党

○石山委員 あなた安定という言葉を使われているわけなんでありますが、安定という言葉から考えますと、半年前値上げをするのが正しいなんということを私言った覚えはございません。あなたたちの常識論としては半年前くらいにこういう案をお持ちになるのが一つの常識論だ、あなたたちの御意見なんです。私たちに言わせれば、半年前の神武景気といっても、これはわれわれの考え方からすれば一千億減税などと申されましても、いわゆる民生の安定からすればたった一つの階段を私たちは上った程度だ。これはかっての生産指数やあるいは記録などをお比べになれば、あなたは人事委員会の理事などをやってそれを指導された方だから、そんなことわれわれ言わなくても十分おわかりだと思うのですよ。ですから神武景気というものは何も頂点になるのではなくて、初めて人間らしい生活をば日本国民も目ざしていくことができるんだ、こういうようなところにあるのではなかったかと思うのです。ですから、その場合においても私に言わせれば、ほんの階段を一つ上っただけですから、決してこれは安定したものではないのです。われわれから言えば、二重米価制度というものはまだまだ重要性があるということを私は考えているものでございます。特にこの場合申し上げたい点は、賃金も上ったあるいは減税もしたというふうな美名はあるけれども、今までやられた点を見てみますと、たとえば交通費が上っております。それから電灯代が上りました。こまかいことを言うならばふろ銭も上るし、また米の値段も上るのだ。こういうふうにして何にも形に残らないもののみの値上げというものは一体何を意味しているかということですね。私はこれはほんとうに悪質な保守党のやり方だと思うのですよ。ものをとっても何か形で残るならば、これは収奪の形も私はある点では納得できる。財産として残るのでございますから……。そうではないのだ。われわれの財産として形にちっとも残らないもののみの値上げを強行していくというふうな態勢、しかも最も独占的なものなんだ。交通であろうとも電灯であろうとも。特に米価になるとどうでございます。この春の一千億減税の恩典に浴しない人たちあるいはこのたびの金融の引き締めの政策にひっかかって倒産をする中小企業の従業員、この人たちだって、あなたいくら苦しいといったってやはり一日一合五勺や二合の御飯を食べなければならぬわけなんだ。その人たちにも値上げはくるというのですよ。それに対して何か特別な妙手がおありなんでございますか。私はこういうふうなやり方を見ますと、形に、財産に残らないもののみに集中的にものの値上げをば断行していくような格好を考えているところを見ますと、やはり羊頭を掲げて狗肉を売るのだ、あめをなめさせて骨をしゃぶるのだ、こういう格好を皆さんがおとりになっておるのではないか、これは私のひがみかと思うのですが、ひがみではないようでございます。数字を比較して見まして、それから皆さんがお出しになっている法律を見て、あるいは行政措置を見ますると、どうもそういう印象を受けてならないのでございます。もちろん八百八十六円くらいかかると言われるものをば八百五十円程度で売る、こういうふうなことを言っておられますが、実際に減税の恩典のない、あるいは失業のうき目にあるような人たちに対する米価対策というものはどういうふうに処置される所存でございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 米価を改訂いたしまするならば生活保護費の方も当然これは増されるだろうと思います。それとは別にいたしましても、社会保障費等につきましても、この間閣議の席でも私は発言しておいたのでありますが、私の方の所管ではありませんけれども、社会保障費というものは、この米の改訂に見合って相当上げていくべきものだ、こういうふうに言っておるのであります。それから一面価格というものは上げてはいけないのだ、永久に上げてはいけないのだという考えを私は持っていませんので、生産者米価につきましても、これを上げたのは石山さんなんかも御努力の結果でしょうが、これは上げておるのでありまするし、消費者米価につきましても永久に上げてはいかぬということにはちょっとなりかねると思います。そこで今のように上げたために影響を及ぼすことにつきましては、社会保障費の増額ということも考えております。もう一つは、今度の改訂に当りまして希望配給の面でありますが、資力のある者にまで政府の損において、一般の税金において安い米を——コストからいえば安いのですが、そういう米を売っている手もないので、これはやはりある程度の改訂、値上げはやむを得ないのだ、好んでやっているわけではありませんが、やむを得ないものだと思いますが、しかし生活の程度がよくない人にとってはこれはまことに気の毒な点もありますので、配給につきましてもそういう点を考慮いたしまして、特に安い米を用意しようじゃないか、そういう制度を一つ併用するといいますか、併用してやっていこうじゃないかというので、俗に徳用米という言葉で言っておるのでありますが、これがいいか悪いかは別といたしましても、低廉な米を用意しよう。そこで具体的に申し上げますならば、内地米の五等米及び陸稲、これは現在の価格は十キロ当り七百九十円でありますが、それよりも二十円下げて七百七十円という、米の種類というか質によってのものを一つ用意しようじゃないか。それからもう一つは準内地米でありますが、台湾米、カナダ米その他いろいろありますけれども、これを用意して、これは現在の七百五十円よりも安くして、七百四十円というような米を用意しよう。そのほかに外米がありますが、この外米は現在の価格と同じような価格にしておきまして、三段階において現在の配給価格よりも安い米、七百九十円よりも安い七百七十円、七百四十円、六百三十円程度の米を用意して選択の自由を与えて、そういうものを選択させる余地を設けようではないか、こういうような制度もあわせてやっていこうということで、実は操作を進めておるような次第であります。

石山權作日本社会党

○石山委員 大臣は三十分とかなんとか言っておられるので、私は何だか先を急いじゃって質問しにくいのでありますが、一つこれだけははっきり答えていただきたい。もちろんいろいろな点では政府の責任という言葉は私は必要だろうと思います。しかしあなたは政府の責任というだけでなく、いろいろな世論をお聞きになって、政府の責任のもとで消費者米価を決定されるだろうと私は思います。そのあなたの責任のもとにという言葉の中に——このあと私の先輩たちがいろいろ質問される中にもあると思いますが、たとえば臨時食糧管理調査会の問題と、米価審議会の問題、この二つがたまたま異なったような答申を出しております。そのとき政府としては米価審議会の意見をば尊重するというふうに言明をしている、時日は十月一日と新聞などでは報道されておりますが、消費者米価が値上げをされるというふうな予定を立てているとするならば、広く国民の、農民の諸君、あるいは消費者の諸君の代表の意見をば持っているたとえば当農林委員会の意見をば、きょうのようにたった三十分の時間でこの重大な問題の質疑討論を終らすというふうな格好であなたがお逃げになるとするならば、私ははなはだ無責任な政府の態度であろうと思うのです。もっとわれわれに時間をかして、そしてもっとわれわれの意見、というよりも国民の、生産者の、あるいは消費者の意見を聞くというふうな態度が必要であろうと思う。もちろん当委員会のこの次の日程などにも、かかわってくるだろうと思いますが、あなたはもう一ぺん当委員会の意見をよく聞いて、そして最終の責任をとるというような気持を持っていられるかどうか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 お言葉を返すようでありますが、私はこの委員会から逃げようという考えは持っておりません。午前中も朝から午後にわたりまして参議院の農林委員会に出ておったのであります。先ほどから衆議院の大蔵委員会からも呼び出しを受けておりますので、その都合からあまり長い時間がないということを申し上げたので、石山さんの質問があまり鋭いから逃げ出すとか、責任を免れるとか、そういう意思は毛頭持っておりません。また消費者米価の値上げにつきましては、各方面の意見をずいぶん私も聞いてきております。自分のことを申し上げては失礼でありますが、私は農林大臣に就任してから、私ぐらい今まで人に会っている大臣はないということで、ちょっと笑われているぐらいに人にも会っておりますし、反対の陳情であれ、どういうことであれ、ずいぶん聞いております。でありますので決して世論を無視したり、あるいは世論に耳を傾けないということではありません。いろいろ聞いて、考えに考えて、実はこういう措置をとらざるを得ないところにきておる、こういうことでありますので、決して世論を無視したり何かしているのではありませんので、その点は一つ御了承を願っておきたいと思います。

石山權作日本社会党

○石山委員 私は念を押しておきたい点は、御了承を願いたいと言われても、この非常時事態に大臣がかような非常に常識的な、帳面づらを合わしてこの場面を逃げ出そうというふうなこういう政治のとり方は、今の場合とるべきではないのだ、とっちゃならぬのだ、あなた方のいわれる民生の安定ということはそういうところにあるのではない、逆なのだ、こういうことを私はもっとあなたとお話し合いをしなければ了解はいかぬと思うのです。そういう機会は、たとえばあなたのお出しになっている新農林政策の問題等ともからみ合わして——最近私が農林委員会に来ましてから大臣が三回かわっております。出られる方はそれぞれ農村から出たといわれておりますので一応安心感を持っていたのでございますけれども、日にちがたち次第どうも一貫した政策をお持ちにならないで農民をだんだんジリ貧に落していくような政策をお立てになっているのでございます。あなたはまだ就任されまして日が浅いのでございますけれども、第一にお出しになった経済白書などは私はある意味では新時代にテンポを合せようとする努力だろうと思うのです。あるいは新政策もその通りだと思う。思うのだけれども具体的にやられることは消費者米価の値上げというふうなことになりますと、歴代の大臣と同じような矛盾を犯す、誤まりを犯すのではないか。たとえば余剰農産物の問題などもわれわれ一貫した政策の中で見ますと非常に危険なのではないかということも考えておりますが、これは先のことでございます。消費者米価は十月一日といわれておりますから、私はそういう点ではもう一ぺんお考えになっていただきたいし、もっととっくりわれわれの意見も参照していただきたい。あなたは大臣に就任になられてからたくさんの意見を聞いたといわれておりますけれども、消費者米価の問題に関して当委員会の意見を徴するのは衆議院においては今回が初めてでございます。しかも時間を限られて三、四十分というふうになりますれば、あなたは十分に当委員会の意見を参照してあなたの責任において消費者米価を決定したということにはならぬのではないか。はなはだ惜しいことでございます。私はそういうことを十分に話し合ったあとで問題をきめるべきだというふうに再度あなたに要望しまして私の質問を終ります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 農林大臣にお尋ねしますが、消費者米価値上げの問題は、新聞等によりますと、すでに農林省案というものが固まっておって、ただ与党との間における話し合いをごたごたやっておるというようなことになっておるわけなのですが、農林省案という具体的な案があれば、これは小倉さんからでもけっこうでありますから当委員会にお示しを願いたいと存じます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 価格を改訂するということにはきまってその操作を進めるというときに就任してきまして案を作ったのでありますが、やはり農林省案ですから確定案ではありませんが、一応口頭で申し上げてみたいと思います。具体的に申し上げますならば、食糧管理会計につきましてもいろいろ当委員会等にも御議論がありますので、食糧管理会計を合理化する、従って今までのように俗にどんぶり勘定といいますか、内地の米についてはどれだけの損をしておるのか、麦においてはどれだけの得をしておるのか、外米においてはどうか、外麦においてはどうか、こういうような点もはっきりさせるために食糧管理会計の内部におきましても、部門別にしてこれを明らかにしていこう、こういうことを一つ考えております。  それから消費者価格を改訂して上げるということにいたしますならば、消費者のみに負担してもらうということは筋からいってもどうかと思いますので、いつもならば食糧管理会計の赤字を決算の一年後二年後において補てんしていくということでやっておったのでありますが、この際におきましては一般会計において負担すべきものをきめて、決算上でなくこの改訂と伴って一般会計から食糧管理特別会計へ繰り入れるべき額等をきめていきたい、こういう基本方針を持っておるのであります。そうして消費者米価というものを決定していきたいと考えております。その試案といいますか改訂案につきまして食糧庁長官から説明いたさせます。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 内地米の価格につきましては六大府県が八百七十円、それに準ずる次の消費県ないし中間県——北海道以下鹿児島県までの若干の県でございますが、これが八百五十円、次は一般の生産県が八百三十円、それから東北六県が八百十円ということにいたしております。希望配給価格もこれに準じて調整をするつもりでございます。次は先ほど大臣の御説明にありました徳用米の関係でございますが、陸稲玄米からとれる精米と水稲の五等玄米からとれる精米が十キロ七百七十円、準内地米が七百四十円、普通外米は現行通りでございますから。それから飲食店等に参ります業務用のものが若干ございますが、これは先ほど内地米についての地域別と同じ地域別をもちまして九百十円から八百九十円、八百七十円、八百五十円、かようにいたしたいと存じておるのであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、これは考えようによっては地域別格差等の問題は、政府の生産者米価、いわゆる買い上げ米価というものが全国統一であるという原則をとっている以上、一般の配給米に対する地域差を設定するということは、食糧管理法上からいっても私は重大な疑義が生じてくると思うのです。ですから大臣も慎重を期せられておることと思いますが、少くとも臨時国会当初等においてこの消費者米価等の問題については、国会を通じて国民の前に政府の意のあるところを明らかにするような形をとるのが最も至当ではないかというふうにも考えるものでありますが、お考えはいかがですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 実は前大臣のときに国会を通じてこういうこと表明した跡始末を私がやっているようなわけでありますので、臨時国会が開けるようでありまするならば、そういう点も説明いたしたいと思いますが、今の操作から見ますると臨時国会後になるかどうか、操作のいろいろな関係から今決定しかねる、また判定しかねるような状況であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今大臣が言われましたが、前農林大臣の井出さんの時代には、消費者米価を上げるということは決して明らかにしていない。ただ臨時食管制度調査会の意見を尊重するというようなことは、たまたまいっておりましたけれども、政府の既定方針として消費者米価値上げをやりますということは、国会においてもいっておらぬし、国民の前にも決して明らかにはしていないのです。ですから赤城さんも前大臣の跡始末というような、そういう重荷を背負ったような考えでなくて、そういう関連はあなたにはないのですから、たとえば十月一日から値上げのお考えであっても、十一月当初には臨時国会召集の日がおおよそ明らかになっておるので、その国会を通じて、正々堂々と食管制度全体のあり方とともに、国民のいろいろな疑惑、反感等もある中において、明らかにしていくことは、前例といいますか、そういう道をこの際開くということは非常に望ましいことであるというふうに考えます。今大臣のいわれた御意見の中にも、十月一日から実施というようなことにはなりがたいというお話もありましたので、そういうことであればむしろ農林大臣がイニシアチブをとって、これは臨時国会ではっきりきめた方がいいというような態度をとるわけにはいきませんか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 臨時国会がいつ開かれるかわかりませんが、あるいは臨時国会前にきまることになるかもしれません。しかしいずれにいたしましても、食管会計のあり方とか、あるいは消費者米価の改訂というようなことにつきましては、国会を通じてこれを国民に申し上げるつもりであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は特に私は強調しておきます。  それからただいまの小倉食糧庁長官の説明によると配給価格を甲、乙、丙、丁の地域にわけてきめたという点、それから徳用米制度を用いたという点、あわせて業務用の配給米価も引き上げたこと等がおもなる点でございますが、一般配給の米価に関して四地区に分けなければならぬという根拠は一体どこにあるか伺いたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 現在希望配給におきましてはやはり地域差を設けて配給をしておるわけであります。そこで生産県、消費県という大きな筋からいきますと、生産県におきましてはそのまわりで配給ができますので、運賃その他割合い安くても済む。しかし遠隔地になりますといろいろな費用もかかりますし、また実際の余剰米といいますか、その価格なども高くなっておるような状態でありますので、そういうものを勘案して、希望配給で現在とっておる制度を今度配給の中で採用した、こういう事情であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これに対して消費者は非常に疑惑を持っているのです。これが結局地域ごとの地域米価とか、あるいは銘柄、等級差によるところの米価、そういう制度にだんだん転換していくということになれば、やはり統制撤廃の一つの現われであるということもいえるわけです。そこでお尋ねしたい点は、このような四つの地域に分けた配給米価の決定というものは、その地域におけるいわゆるコスト主義を採用するという考えが根本になって、こういう御決定をしようという意思であるか、いかがですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 ただいまの地域別価格設定の理由等につきましては、簡単に大臣からもお答えがございましたが、その基礎でございますけれども、一つは生産県か消費県かという点が一つであります。次が希望配給の受配率がどの程度かということが一つであります。そういったようなことを過去の実績でもって検討いたしまして地域分けをいたしたのであります。もちろんその地域分けの前提といたしましては、昨年の十月から始めました希望配給価格もございます。そういう点も考慮はいたしております。もちろん開き方につきましては、コストの相違ということもございますけれども、そのほかに主たる基準といたしましては小売物価の中の主食を除く食品の価格、これがやはり地域によって若干の開きがございます。そういうものも参酌いたしたのであります。もちろん現在の希望配給の開きといったようなことも参酌いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 今小倉さんは言われませんでしたけれども、これは多分にやみ米ですね、地域におけるやみ米の価格と歩調を合せるような、そういう考慮が非常に強くとられておるというように私は考えるのですが、その点はいかがです。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 やみの価格がどうなるかということも、もちろん一つの参照の事項になると思います。しかしそれが主たる要素ではございません。むろん先ほど申しました生産県であるか消費県であるか、あるいは希望配給の受配率がどうであるかということは、やみ価格がどうであるかということと非常な関係があるわけでありまするから、そういう意味では間接的でありますけれども、やみ価格を参照したということにもなろうかと思いますが、直接それを主たる要素にしたわけではございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは結局やみ価格に押されて食管制度堅持の自信を失って、やみ価格に妥協したというのが、この四地域に分けた案ではないのですか。それ以外に何も理由がないと思うんですね。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 そういう御見解もあるいは成り立つかと思いますけれども、私どもはむしろ逆に考えております。配給価格が一本であるということを仮定いたしますと、むしろ配給辞退といったようなことが非常に横行いたしまして、単なる配給辞退ばかりでなくて、配給そのものにもいかがわしい事態が生じて参る、そこからさらに大きく申しますれば、管理制度自体にもひびが入って参るということにもなるわけであります。その根本的な理由は、お話のように政府がコントロールしておる米だけでなくて、余剰米といいますかやみ米というものが横行しておるというその現実の事態に相対しておるということは申すまでもないのでありますが、やはり政府がいろいろの価格なりあるいは配給といったことを考えます場合にも、そういう実態をやはり直視しなければならぬといったような状況になっております。むろんやみも今日始まったわけではありませんで、昔からあったわけでございますから、少量のものであれば全く無視して政府は操作できるわけでありますけれども、特に配給の面においてはそれを無視しては操作が困難な実情——困難なと申しますか、それをやはり直視して政府の配給米を考えた方がよろしいという実態になっておるというように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次には四つの地域に住んでおるところの消費者の立場から見た場合に、この八百七十円、八百五十円、八百三十円、八百十円というような、いわゆる米を購入する消費者の経済負担の能力というものは、やはりこの配列の通りなんですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 その点につきましては、遺憾ながら甲乙丙丁あるいは甲乙丙というような地域にマッチをする的確な家計調査というものはございません。全国の家計調査——これは二十何都市でありましたか、その程度の調査しかございませんから、公正でなくても、全国を二つ三つに分けるといった程度の地域別の家計の状況を的確に統計的にある程度の正確さをもって云々できるという資料もないわけでございます。従いまして的確のお答えはできませんが、若干の集計をいたしまして二一三の例をとってみますと、都市の大きさといいますか大都会と中都会、小都会といったようなことで大体家計自体の伸びあるいは大きさも相違がございます。その相違とこの地域差が的確にマッチしているというわけにも参りませんけれども、これは運用自体の不備ということもありますので、実態が必ずしもそうなっておるということもなんですが、実際の操作はむずかしいと思いますが、統計の実情はそうなっておると思います。  たとえて申しますれば、今回の値上げの家計に及ぼす影響は——現在の基本配給の日数は大都会、大消費県では八日、全国平均しますと約九日になります、その九日分の配給を値上げ額にかけますと、全国では約九十九円の家計に対する直接的な影響ということになるわけでございまして、これを家計に対する率で表わしますと〇・三八%になるわけです。それを同じく東京に当てはめてみますと、配給日数が違い、家計も違うということもありまして、値上げ率は平均多いわけでございますが、たまたま同じくやはり〇・三八%という影響になるといったような工合で、この程度の価格の開きは所得水準の違いといいますか、そういうことである程度御了解が願えるのではないかと考えておるのでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 とにかくこの食管制度という一つの制度のもとに生産者も消費者もやはり平等に保護されている立場の中で、今回の消費者米価の改訂というものは、困る人に安く売るという問題は別としても、地域差をことさらに設けるということになれば、その地域にたまたま居住しているということによって非常に高い米を買ったり安い米を買うという事態ができるわけです。もちろん居住とか職業というものは自由だから、勝手に本人が北海道におったり鹿児島におってやっておるということはやむを得ぬとしても、しかし国家公務員のような場合においては、本人の意思によらずして甲乙丙丁のどの地域かに赴任して、そこで仕事をしなければならぬということになる。そういう場合の不平等というものは自然的に起きるわけなんですが、そういうものの調整というものはどういうように考えておられますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 その点はまだ地域給が廃止ということになっておりませんので、地域給の点において相当考慮さるべきものだと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の聞いているのは、こういうことをやること自体に問題があるということを聞いておるわけなんです。別に作ってくれという国民の要求というものは全然どこからもないのです。そういう国民の一人からも要求のないようなことをあえて無理をしてやらなければならぬ、しかも条理が立たないような形でやらなければならぬという根拠が私にはわからないのです。どういう考えを持っているんですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 ちょっと補足的に御説明を申し上げますが、今回私ども、と申しますか農林省として考えておりまする消費者米価の改訂の八百五十円近くの価格水準というものは、家計から見まして相当下回る価格であります。これは全国の平均での話でございますけれども、ちょうどどの程度下回るかということにつきましては、先年現在の消費者価格をきめました以後、配給米のエンゲル係数というような考え方をとりますれば、配給米の価格の低下率といったようなものをそれに織り込んでおるわけであります。しかもこの八百五十円という水準を考えました当時よりはもう相当月日がたっておりまして、当時は、ことしの三月までの半年くらいの家計調査と、昭和二十九年、二月以降の半年くらいの家計調査と比較しての話であったのでありますが、その後月日がたっておりますので、最近といたしましては、この六月までのものをとりますと、家計米価といたしましてはさらに大きな金額に実はなるわけであります。従いまして、家計米価という考え方が許されるならば、消費者としてもこの程度の値上げは十分耐え得る。米価審議会当時に御説明した以上に耐え得るということになるわけです。もっともその後七月以降の家計がどうなっているかということについてはまた問題があろうかと思いますが、若干違った要因が出て参りましても十分耐え得るものではないかと思うのであります。従いまして、その価格を基準にしての価格の上、下を作るわけでありますし、しかも一番上になりました東京都を見ましても、東京だけの家計米価というものを考えましても、相当それを下回る数字でございますので、開くことがいいか悪いかということの問題は別といたしましても、開くことによって家計が耐えられないというふうには考えられないのじゃないかというふうに思っておるのであります。お話のように一本の価格できめるのがよろしい、原則論といたしましては私どももさように思います。また今日までそうでございましたし、希望配給についても昨年以降今日これまではそうであったのであります。いかにもちょっとだらしない話になりますけれども、文字通りの全面的統制になっておらないという現状から見ますと、一本化をやるということは、はなはだ無理な状況で、もちろん非常な二重米価をとりまして、農家から買う価格よりもうんと安く消費者に提供できるということでありますならば、全国一本で妥当するわけだと思いますが、そういうわけには参らない点は先ほど大臣からも御説明いたしたような次第でありますので御了承願いたい、かように存じます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 時間がないという委員長の注意がありますので、それで具体的な問題としてお伺いしたい点は、たとえば乙地が十七道府県になっております。これは大部分が消費県に類する府県と思いますけれども、九州とか北海道とか、こういうような中央から見れば非常に僻遠の地域が消費者物価も東京都に比べれば高いし、生活条件も悪い状態の中において、そういうところにいるから乙地の八百五十円にしなければならぬというようなことは、これは何人も了解に苦しむと思う。これは消費県だからとか、生産県から持ってくるのに輸送費が多くかかるというような、そういうコスト主義で押しつけるお考えかもしれませんけれども、どうもこういう点がすなおに了承できないのです。乙地のごときはやはりコスト主義できめるというお考えですか。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 今回の消費者米価は、もともとコスト主義という考え方ではないので、従いましてこの地域別の価格自体もコストということではありません。ただその開き方には若干コストの差異ということも考えられなくはございませんけれども、コストということでこれを見ておるわけじゃありません。特にお話がありましたが、乙地はちょうど今回の改訂価格の水準である事八百五十円になっておりまするし、しかもこの乙地には、実は甲地にした方がよろしいではないかという県も多数実は含まれておるのであります。それは米だけの事情のことでございますから、米だけでもって論ずるわけに参らないという点もありますし、最近の実態ということも参酌してやっておるのであります。この点は御了察願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は問題点として保留しておきます。  その次にお尋ねしたいのは、徳用米の関係でありますが、先ほど大臣の御答弁もありましたが、現行価格よりも——たとえば五等米は現行七百九十円のものを七百七十円にして、二十円下げるというようなことを言っておりましたが、これは少しもののわかる者に考えさせると、決して安くなっていないのです。それはなぜかというと、現在の買い上げ米価は、二等、三等、四等、五等とそれぞれの等級によって等級格差が設けられておるのです。これは結局政府が買い上げする場合、品質の悪い五等米は特別安く買っておるわけです。悪い米を安く買ったものを、いかにも徳用米というような、恩着せがましいような値段で売りつけるということは、一つの欺瞞であると思うのです。これはどういうことになるのですか。二、三、四、五等の等級格差は果して幾らであって、今度二十円引き下げた場合との対照はどういうことになるのですか、そういう点をもう少し具体的に説明して下さい。

小倉武一食糧庁長官

○小倉説明員 これは今五等米の格差の金額を申し上げますが、五等米の格差以上に当然安くなっておるわけです。もちろんその格差そのものを消費者側に持ってきてそうして開くという考え方ではございません。五等米の価格をこういう価格で売りますれば、普通の米よりはうんと逆ざやになる。今度の値上げの案が実施できますれば、内地米の配給は全体として早場の時期の一部を除きましては逆ざやになるということはございませんけれども、現在では逆ざやになるわけです、基本配給は。ところが五等米なり陸稲をこういう価格にすることは、大幅な逆ざやになるというふうに存じますので、当然安いものだから安くなるというふうには考えておりません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうじゃないのです。五等米を安く買っておることは事実なんです。だから五等米だけ切り離した場合においては、三等米、四等米より安く売るのは当然です。切り離して同じに売るということは、ますます問題が出るのです。決してこれは何ら困窮者とか、困っておる者に対する恩恵の形でないということを率直に認めてもらえばいいのです。これは大臣から……。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 徳用米をあまり恩恵というような考え方で売るんじゃありません。やはり資力に応じて選択の自由を保有する、そういう意味において安い米を用意する。その安い米は生産者から買ったそのものを用意するということではなくして、安い米を用意するといたしまするならば、陸稲とか五等米が適当である、こういうことから安い米としてこれを用意する、こういうことなんです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは困る者に普通の米を特別安く売るというならまだこれは一つの社会政策としてうなずける点があるのです。貧乏人には悪い、安く買い上げた米を、やっぱり安いなりに売るということは当りまえのことであって、これがいかにも徳用米とか廉売米のごとき、何か政府が恩情を加えたような形でこういうことをやられるということは、非常な欺瞞ということになると私は思うのです。こういう点は卒直に、何も徳用米なんということではなくて、低質米を切り離してそれを安く売るということにした方がいいと思うのです。悪い米を買いたい者も買える、自由選択を五等米とか陸稲に対しては認めるという、そういうことの方がむしろ筋が立つのじゃないですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 今のような趣旨であります。徳用米という名前が何か欺瞞性を持っておるように受け取られるかもしれませんが、先ほど申し上げたように資力に応じ、時に応じては安いものを希望して配給を受ける、こういう余地を残しておく。それにはどういうものを選んだらいいかということで選んだものが、陸稲とか五等米とか準内地米、外米ということになっておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうしますと、これは一定限度よりも所得が低いとか、経済能力のない者だけを限定して、それらの人たちが徳用米を買えるということにするのではなくて、あくまでも原則としては一般消費者の自由選択ということの建前の上に立って、金持ちでも貧乏人でも徳用米を買いたい者に対しては売る、こういう考えなんですね。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 金持ちであるから、貧乏人であるからという区別をして徳用米を配給するという制度ではありませんで、選択、希望によってこれらの米の配給を受けるという建前であります。しかし無制限というわけにはいきませんので、希望配給の日数等につきましては制限といいますか、何日間ということにきめていきたいと思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次に早場米地帯で今非常に問題となっているのは、農林省当局が末端の食糧事務所の職員に対して、従来行われておったいわゆる超過勤務の支出を行わないということが決定されたように聞いておるのです。そういうことになると、時期別価格差がことしも行われることになっておるので、やはり十日区切りの時期の最終日には米の検査がどこも殺倒してくるわけです。そういう場合において政府としては全然末端の食糧事務所に対してそういう激務に対する特別配慮をやらないということになると、やはり一定以上の検査を拒否するとか、一定時間以上の勤務を拒否するという事態が直ちに現地に起きてくるわけです。そういうことになると、これは政府の職員であるところの食糧事務所の末端職員も非常に困るし、またそれ以上に出荷する生産者が時期がそれによってはずれるということになると非常に迷惑するわけなんです。そういうみだりに平地に波乱を起すような挑戦的なそういうやり方というものは、米の出荷時期については十分考慮してもらう必要があると思うのですが、その点に対して農林大臣としてはどういうようにお考えですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 米の出荷期に私どもとして超過勤務手当を拒否するというようなことを言ったことはありませんし、いわんや挑戦的に出ているようなことは全然ありません。出さぬということを言っているわけではありません。これは目下検討中であります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 この点は大臣きょう明らかにして下さい。そういう超過勤務に対する従来とられた支出を継続してやるのならやるということがはっきりすればいいわけです。それから従来各地においてそうだと思いますが、地帯によっては米作地帯でないようなところの職員を生産地の混雑する事務所に回すとかなんとかということで調整をとったような事例もあるのですが、最近はとかく忙しくないような事務所の定員が欠員になった場合においてもそのまま放置して補充しないとか、いろいろ現地には問題があるわけですからして、季節的なそういう勘案というものもなかなかことしは行われないということも聞いておるわけです。ですからその人的な配置とか、勘案動員ということも合せて有機的にやるということと、それから最盛期の超過勤務等に対しては、やはりそれに応じた努力は認めてやるという二点だけは農林大臣を通じて明らかにしていただきたいと思うのです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 ただいまお話のありました最盛期の超過勤務手当につきましては昨年通り行なっていきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最後に一点申し上げます。きょうは大臣は米価問題だけで退席されると思いますが、当面の問題としてカンショ、バレイショの澱粉買上価格の決定という問題があるわけです。聞くところによると、政府としては九月中に買い上げ基準価格を決定発表するとかいうような御意思でありますが、これは多年の要望が赤城農林大臣の時代に実現するので非常にけっこうでありますが、これをきめる場合にやはり問題がある。安くても高くても早くさえきまればいいということではないから、価格決定に対しては本年度の作況とか需給関係とか諸般の問題が付随してくるというような今までの価格決定に対する前例を申し上げますと、昨年も一昨年も、これは農林大臣の言明によりまして、澱粉等の価格決定の場合においては当委員会の意見を尊重するという意味におきまして、農林委員会から若干の小委員をあげて、政府と十分検討を加えたり何かしてできるだけ間違いのないように基準価格を決定するというような方法が今日までとられておりますので、赤城大臣におかれてもおそらくその方法は踏襲されるお考えと思いますが、もう時間が切迫しておりますので、この点に対しましても従来通りおやりになる御意思かどうかという点をお尋ねいたします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 価格の決定につきましては九月中にやる方針で進めております。作況等が十八日ごろにわかるので、そういう資料のととのい次第進めていきたいと考えます。なお当委員会における従来の行き方につきましては、今直ちに答弁をいたしませんで、研究させていただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 研究ではだめだ。去年も一昨年も河野さん、井出さんもこの点だけははっきりやりますということが言えた。それによって何も赤字が生じなかった。だからそういう前例もあるのでありますから、別に慎重を期する必要もないと思いますが、そういう経緯は食糧庁長官も知っていると思いますので、今月中にきめるとすれば何日も日がないから、そういうことでやる御意思かどうか。考慮の余地はないと思いますが、ここではっきりしてもらいたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 研究いたします。

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私は、時間がありませんので一点だけにしぼって大臣の考慮を求めたいと思います。それは今農林省の事務局案ができたということで大臣が発表になりましたが、赤城大臣として事務当局に再考を求めてほしいという点です。なぜ再考を求めるかといえば、もっと研究を要する点があるからであります。その一つの例として、大臣は今一万三百二十二円で買って消費者に八百八十数円で売るということからくる赤字があるので云々ということであります。ほんとうに生産者に一万三百二十二円払っておるのかどうか、この点も問題です。それから八百八十何円になるということも、これも問題なんです。なぜかというと、この八百八十何円になるというのは、ありきたりの計算からしてこうなるというだけでありまして、当然検討しなければならぬ問題です。単に中間経費としての計算じゃないのです。基本的に、大正十年に間接統制時代にできた会計法規がそのまま続いておるわけです。一方は、新しい制度に基く食糧管理制度ができましたならば、その管理制度を運用する会計法というものが当然できなければならなかったにかかわらず、従来の間接統制時代の会計法規をただ便宜的に使っておりますために生ずる赤字というものがあるわけなんです。これは新しい管理制度、いわゆる食糧管理法ができましたならば、制度に伴う経費というものが当然一般会計から負担されなければならないものであります。またこういう企業会計というものは、その特別法に応じた、農林省なら農林省の会計法規として、当然食糧管理法に従う会計制度ができてこなければならないはずのものなんです。ところが従来のいきさつからして、この会計法規は大蔵省の所管であり、食糧管理法は農林省の所管であるというふうに分れておる。こういう企業会計はこの制度以外にはないのです。そういうところからくる赤字——というよりも、そういうものからくる計算によれば八百八十何円だというのでありますから、当然基本的に考え直すという立場からしますならば、八百八十何円になるということをうのみにしてはならないのであります。従って一万三百二十二円で買って八百八十何円になる、ここで赤字が出てくるのだ、これは事務当局が忠実に大臣を補助しておるものとは認めがたいのです。もう一ぺん再考させて事務局案を練らす必要があるんじゃないか、これは赤城農政としてぜひともそこまではやらなければならないものであろう。私は友人としてほんとうに親切さからこのことを一言うのだ。これは特別な関係法規なんです。従って、もしもいわゆるパリティ方式によるのだというふうに食糧管理法ができているといたしますれば、大正十年当時、国の予算二十四億のうち一般会計から四億使っておる。そういたしますと、今パリティに直しますと幾らになりますか。食糧管理制度自体は、生産者米価をきめるときにパリティ制度をとっていながら、運用はパリティをちっとも使っていない。今私の資料が十分でありませんが、付則の三項は「政府ハ本会計ノ負担ニ属スル証券ノ内四十五億ヲ限リ一般会計ノ負担ニ移スコトヲ得」大正年間時代の四十五億、今でも四十五億、当時の四十五億というものは大きな負担であったと思うのです。これをスライドしていけば、十分赤字を出さないでもいいんじゃないか、また今日の企業会計からいけば、企業資金というものを当然持って、利子の支払いに多額の金を借りていかなければならないということもないであろう。また管理制度という制度ができたからには、制度に伴う当然の一般会計負担というものがあり得るはずなんです。そういうことも従来通りだということで加算をしていきますから、赤字が出てくるという結果になるし、八百八十何円という結果になる。私はまだまだ例をあげたいけれども、時間がないから申しませんが、こういうふうに検討して、果して八百八十何円になるのが妥当かどうか——赤字が妥当かどうかということでなしに、基本的にこういう八百八十何円といい、また一万三百二十二円というけれども、ほんとうに消費者にかぶせる金は一体幾らなのか、生産者には確かに手取りこれだけ払うけれども、消費者に負担させる金は一体生産者に対して幾ら払っているのか、この検討もしなければならないと思う。それで初めて食糧管理制度というものの運用と結びついた特別会計というものを考え出していかなければならない時期でないか。この面に立ってもう一ぺん再検討するという決意をなされることを私は要望する。これはいろいろな点からまだ言いたいことはありますけれども、時間の関係上省略して、新赤城大臣ですから、私はくどくど言わないで急所だけをはっきり申し上げたのでありますから、御回答を願いたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 非常に貴重な御意見だと思います。実はそういうことも私も少し気がついてきているところに、今の御意見は非常にけっこうな御意見だと思います。ですから、食糧管理会計の中でも当然一般会計で負担すべき筋合いのものがあると思っております。そういう筋合いのものも今事務的に研究させております。そういうことになりますと、川俣さんのお話のように、一万三百二十二円に対して実費八百八十六円という額にはならぬというようなことになると思います。そういう研究をして、一般会計のもとで持つべき筋合いのものがどれだけの額になるか、こういうふうなことを計算をしながら、一般会計から、決算面でなく、現在の予算面においてこの消費者価格の改訂に当って入れさせる、こういうことを考え、その結果において消費者に負担をしてもらうという分をどれくらいにすべきか、こういうふうな考え方で進めております。非常な貴重な御意見だと思いまして、ありがとうございました。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 ただ先ほど、決算後の一般会計から繰り入れることをやめて、年度ごとに繰り入れるという方針だ、こういうことなんです。一歩進歩ではありますけれども、そうでなく、今説明のあったように、一体食管法を運用する上からくる負担はどれだけか、企業の中で負担すべきものはどれだけかというふうに、もう一つ分類する必要があるでしょう。これはただ事務、人件費ばかりでない。買い入れの一万三百二十二円というものについても、一体これの中で消費者の負担させる額はどの程度であるべきものか、管理制度に伴うところの負担はどの程度であるか、従って管理制度に伴うところの消費価格はどの程度であるか、こういうふうに、業種別の分類もさることながら、全体としての分類をも検討させて、その上において消費価格というものを決定されることを要望いたしたい。一つ御回答だけ願いたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 今の方向に進めていきたいと思います。     —————————————

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 次に有明海における水産物の被害対策について調査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 御異議なしと認め質疑を行います。  農林大臣に申し上げますが、先をお急ぎのようでありますけれども、しばらく……。  田口長治郎君。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 大臣がお忙しいようでありますから、私五、六分の時間を借りまして要点だけを申し上げるのでございますが、大臣も御承知の通り、あの有明海は湾が非常に入口が小さく、中が広くて、そうして周囲には筑後平野とか佐賀平野とか、ずっと平野に囲まれている湾でございます。ここで大体漁業で飯を食っている人が八万程度あるのでございますから、家族を寄せますと二十万程度がこの水産で飯を食っている、こういうふうな海でございますが、この海の周囲で二十八年ごろからホリドールの使用を試験的にやって、そうして二十九年、三十年と本式にホリドールを使ってきた、こういうような関係からいたしまして、三十年ごろから著しい魚獲の減退を来たしまして、三十年にもこれが問題になりまして、当時河野農林大臣が事情を聞いて、これは原因のいかんにかかわらず、こういう状態であれば一つ救済方法を講じよう、こういうことで三十一年度には約四千八百万円程度の金を出して、これらの漁業者の救済処置を講じられた次第でございます。このホリドールの害であるかどうかという問題につきましては、漁業者といたしましても、私どもといたしましても、これは一つも疑問はないのでございますが、ただ学者がこれはホリドールの害である、こういう断定を下すのにはまだ資料がないというような状態でございます。これを漁獲状態から見ますと、大体におきまして、アミだとか、エビだとか、カニだとか、こういう種類のものが、非常にホリドールに対して弱いのと、それから魚のうちで底におって底のえさを食べる種類が非常に弱いのでありまして、浮いておる魚は大して被害はない。そうして泥の中にいる貝類は被害がない、ノリは被害がない、こういうような状態でございます。その漁獲統計を、この二十八年からホリドールを使い出したのでございますから、その前の二十五年、二十六年、二十七年三カ年間の平均漁獲高を見ますと、アミで八十三万貫とれておるのでございますが、その八十三万貫が二十八年、二十九年、三十年、三十一年、この四カ年間の漁獲平均高を出してみますと、わずかに八万六千貫と十分の一程度に減っております。それからエビについて見ますと、前三カ年は八十三万貫とれておったものが二十四万貫に減っておる。これが約四分の一になっております。カニが二十三万貫とれておったものが五万三千貫しかとれなくなった。それからタコが三カ年平均で二十一万貫とれておったものが五万貫程度しかとれなくなっておる。ハゼ類が三十四万貫が十二万貫程度しかとれない。ボラが三十九万貫が十二万貫しかとれないようになっておる。グチという魚が十八万貫とれておったものが十二万貫に減退をした。ウナギが九万五千貫とれておったものが三万二千貫しかとれない。こういうようなことで、結局この種の魚及び甲殻類などを見ますと、有明海全体で平年作としては四百四万貫程度とれるものが、この二十八年以降の平均では百五十三万貫で、減産が二百五十万貫、こういうような形になりまして、大体この種類のもので二十億程度の魚獲をあげておったものが、現在におきましては八億程度しか収入がない、こういうことでございます。このほかに浮魚の収入があります。それから浅海増殖のノリだとか貝だとかの収入がありますが、これが有明海の中堅魚種なんでございます。この中堅魚種が、とにかく二十億程度とれなければならないものが八億しかとれない、こういうような実情になっておるのでございます。そこでこの有明海の漁業者が、これでは飯が食えないということで、大部分の人が浅海増殖に転換をしようとしております。それから五分の一は外海に一つ出よう、こういうような計画をしておるのでございますが、陳情の要旨といたしましては、このホリドールの使用を禁止してくれ、こういうことを言っておりますけれども、これは農業の増産という問題もありますし、なかなかむずかしゅうございましょうし、また今まで農薬によって被害をこうむった、この損害については遡及して弁償してもらいたい、こういうような主張もしておりますが、私どもは同じ原始産業であるというような意味もございますし、水産は水産内において何とか問題を解決しよう、こういうような基本方針で進んでおるのでございます。さような意味から申しまして、この三十一年度は農林省として予算を計上されて大蔵省に折衝をされたのでございますが、大蔵省としてはこれを認めないような状態でございましたけれども、農林省の原案にこの問題がありましたから、最後の予算の締めくくりのところで私どもはこの予算をとって三十一年度に支出ができるようにした次第でございます。非常に困った問題でございますし、一方の農業の方の生産のために水産業者が全面的に犠牲をこうむっておる、こういうような実情でございますから、来たるべき予算には農林省としてぜひ一つ強く原案として大蔵省に対して要求していただきたい、この点は特に大臣が御出席になっておりますから強く要請したいのでございます。原案がなければあとで予算を復活するにしても何にしても問題にならないのでありますから、そういう点も御配慮下さいまして、来たるべき来年度の予算要求においては、ぜひこの問題を一つ御配慮を願いたい、こういう点を強く要望申し上げておく次第でございます。大臣のお気持をぜひ聞かしていただきたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 有明海における昭和二十九年ごろの雑魚類の減産が農薬の被害によるものかどうかということにつきまして今御議論もありましたし、私も水害のときに現地で田口さんからもお聞きしたのでありますが、まだ農林省といたしましてはその結果だという結論は得ていないわけであります。しかしその事態は今お話しの通り承知しておりますので、昭和三十一年度予算ではノリとかカキとかモ貝の増殖をはかるために特別措置を講じてきたことは御承知の通りでございまして、その結果私どもといたしましては、相当よい成果をおさめることができたと思っています。このことによりまして今後同地方におけるノリ及び貝類の種苗の需給が軌道に乗って漁家経済の改善の基盤ができたことと考えております。そこで昭和三十二年度以降において特別措置を継続すべきである、こういう強い御要望でありますが、私どももその御要望はよくお聞きいたします。農林省としてこの特別措置事態の継続ということで考えるが、これはなかなか困難じゃないかと思います。一般的に考えて漁業転換、浅海増殖等の各般にわたった総合的の施策の中で、これをやっていくというふうに考えた方がいいのではないか、というふうにも考えておりますが、御要望の点につきましてはとくと考えていきたいと思います。

田口長治郎自由民主党

○田口委員 この施策は一般の浅海増殖あるいは魚礁設置、そういうものと多少趣きを異にいたしまして、現に漁業者が被害をこうむってもうくたびれてしまっておるわけなのです。従って、一般のあの補助率三分の一なんかではとてもできないのでございまして、三十一年度の分も特にこの分だけは三分の二ということで進めて参ったのでございます。もしこの被害について原因がまだはっきりしないということであれば、これは有明海水産振興法か何かでそういうようなことにでもしていただきまして、何かこの補助率の問題は一般と違ったようなそういう処置をしていただけぬものかと私は思うのでございますが、大蔵省との前年来の折衝では被害原因がはっきりしないからと、こういうようなことが最大の原因のようでございましたが、そのためには有明海水産振興というような、あの有明海全体の水産を振興させるのだ、こういうような費目でけっこうだと思うのでありますが、その点だけを一つ含んでおいていただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 御意見のあるところをとくと頭に入れて進みたいと思います。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員 関連して。農林大臣に一言だけ申し上げまして御意向を承わりたいと思うのであります。  有明海の農薬被害の問題はただいま田口委員からいろいろとお話になりましたし、大臣もすでに一応御了承のことでございますが、これは一昨年の国会において当時河野農林大臣にもよく実情を御陳情申し上げたのでございますが、現在農業の被害とおぼしきもので海の魚貝類等に著しい害を及ぼしている実例は有明海だけだろうと思うのです。これはあの海の特殊事情に基くものと私どもは思っております。それが水産当局あるいは農政当局にはっきりと御認識がいってないのじゃないか。他の海にもこういうことがございますればあるいはおわかりになるかと思いますけれども、これは有明海の特殊事情に基くものだろうと思うわけでございます。そういうこともございますし、福岡県から依嘱して九州大学において試験いたしました結果は、やはり明らかに農薬の害だということの報告も出しております。これは農林省にも参っておるはずであります。そこで、有明海沿岸の漁民は明らかに農薬の害だということを確信いたしておる。ホリドールの害だということを確信いたしております。そこで私どもが非常に心配いたしますのは、漁獲高が非常に減ったままの状態、それによる漁民の生活困窮状態が放置されておかれれば、この農楽による害ということを漁民が強く強調するようになりまして、私ども残念でありますが、大臣のお手元にも参っていると思いますが、請願書の中にもその第一に、有害農薬の使用を即時禁止されたいというようなことさえ掲げてくるようになる。私は実はこれを心配いたすのであります。この状態を放置しておけば、漁民対農民の問題が社会問題として起ってくるおそれがないか、これを非常に心配いたすのであります。それは当時の河野農林大臣もそう仰せられたし、現在の農林省御当局もそうお考えになっているようでありますが、農薬の害であるかどうかということは科学的に立証されておらぬから、従ってそれは補償の問題にはならぬかもしれませんけれども、現実に漁獲高が非常に減っておる。漁民はそれを農薬のためであると確信しているということを一つ大臣特にお含み下さいまして、原因がいかようにあろうとも、漁獲高が非常に減っており、生活が困窮しておりますから、その漁民に対する救済策を講ずるということでけっこうでありますから、これらの対策を間違いなしに御実行下さいますように強くこれを申し上げ、またその御処置を御要望申し上げまして、その点について農林大臣の御意向をこの際承わっておきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 実情はよくお聞かせ願っておりますので、再度申し上げますが、よく頭に入れてやっていきたいと思っております。

稲富稜人日本社会党

○稲富委員 ただいまの関連でございますが、これは大臣一応おわかりになっておると思います。頭に入れておくという御答弁でございますが、実は昨年度におきましても、この問題はしばしば陳情、要望いたしたのであります。それでその当時も何とか考えてもらえるものだというふうな御意向のようでございましたので、一般の被害者としましては、何とか予算措置ができるものだというふうに考えておった。ところが、御承知の通り陳情は昨年だったけれども今年は予算は全然なかったという問題になってきているのです。もちろん大臣もかわられたので、決してあなたをわれわれは疑うわけじゃございませんが、その点が非常に痛切な問題でございます。ただいま田口委員もお述べになりましたように、これが原因等の問題でどうも問題があるようでございます。ことに農薬の被害だとすると、農林省と同じ所管であるというような問題もあると思いますので、やはり別個に何とかこれは振興策としてでも当然考えるべき問題じゃないか、もちろんあの地方は農薬のほかに工場に関する被害等のある部分もあると思いますので、総合的な有明海の近海としての影響が非常に大きいのでありますから、こういう大局的な立場からも何とか予算措置をやってもらうことが必要じゃないかと思いますので、これはそういう意味からも十分検討をお願いしまして、来年度の予算にはぜひ一つ実現しますように約束していただきたいと思うわけであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 予算の要求をしていくことに努力をいたします。

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 次回の委員会につきましては、理事会を開きまして、後刻公報をもってお知らせいたします。  本日はこれには散会いたします。    午後五時四十八分散会

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