農林水産委員会 第47号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/06/05
会議録
○小枝委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。明日愛知用水公団の事業運営状況について調査をいたす予定になっておりますが、その際参考人として公団当局の説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小枝委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお参考人の選定につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小枝委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
○小枝委員長 食糧に関する問題について調査を進めます。質疑を続行いたします。川俣清音君。
○川俣委員 この際事務当局にごく事務的なことで意見をただしたいと思うのであります。午後大臣が見えるそうでありまするから、政策的な面についてはいずれ午後に大臣にお尋ねいたしたいと思います。そこで麦価の決定にいたしましても、予約制度を実行いたします米価の決定にいたしましても、時期的には非常におくれていると思うのでございます。このおくれているのは特別調査会なるものを設置いたしました結果おくれているのが主要な原因ではないかと思いますけれども、この点いかがですか。
○小倉説明員 お話のように米価の決定が昨年と比較しまして若干おくれておりますのは、調査会の審議を待っているというような事情もございます。
○川俣委員 そうしますと、これは政府の行政的な欠陥からおくれている、こう見てよろしい、こういう御判断ですか。この委員会は法律に基いて作られた委員会ではありません。政府並びに農林省として米価を決定するための参考のために設けられた委員会である。参考のために設けられた。委員会は行政上必要な措置として設けられた。そのためにおくれている。こういうふうになりますと、行政的な欠陥からおくれた、こう見てよろしいですか。
○小倉説明員 行政的な欠陥からおくれているというお言葉でございますが、あるいはそういうふうに見られるかもしれませんけれども、まあ欠陥といえるかどうか、ちょっと私にもおかりかねますけれども、せっかく政府といたしまして調査会を作って、相当回数も重ねて参ってきておるわけでありまして、近く大よその結論も得られる、こういう見込みでありますので、そういう結論を待って処理した方が、私どもとしても、また関係の方の御納得もいくようなもののきめ方をするにも好都合ではないか、こういうことでやむなくそういうふうに相なっておる、こういうふうなことで御了承願いたいと思います。
○川俣委員 これは参考意見を聞くためだと思うのです。参考意見を聞くために時期がおくれたということは、行政上まずいと思わないですか。この点どうですか。
○小倉説明員 むろん参考意見という条件に大体当ると思いますけれども、参考だから非常に軽くそれを扱ろというのでは必ずしもないと思いますが、制度として、あるいは法制上の問題としては、むろん参考ということでございます。そのためにおくれるということでは、それは十分な言いわけにならぬだろう、こういうお説だろうと思いますが、私どもも、調査会の意見を待っておくれるということが、堂々たる言いわけになるということで申し上げているわけでは必ずしもございません。私どもの事務上の準備が足りなかった点もあろうかと思いますので、何も調査会だけに事づけておくれておるということだけではお話のように十分な申しわけにはなるまい、かように思います。
○川俣委員 次にお尋ねしますが、前国会の場合、政府は食管法を改正する意思があるかどうか、食管法を改正する意思のもとに特別調査会を作ったのかどうかという質問に対しまして、目下のととろ食管法を改正するような意思はないということを明らかにしております。そういたしますと、この特別調査会は食管法を改正しない現状のままにおける参考意見を求めておる、とう見てよろしいですか。
○小倉説明員 お話のように、このたびの調査会におきましては、米の価格等を中心とした問題でございますので、政府の大体のねらいといたしましては、食管法の改正、あるいは制度の改革ということを正面の審議の対象にしているということではなかったのでありますし、また現にそう考えております。しかし米価等の審議の途上におきまして、制度の根本にまで及んで、あるいは制度の成り行きについてある種の考え方をもって、現在の米麦の価格をどうするかということも関連が若干あるということも考えられます。また調査会でもそういう意味での意見の具申も二、三の議員の方からございました。従いまして米麦の価格といったような問題から派生いたしまして、あるいはそれと関連いたしまして、将来の食管法の改正といった問題にあるいは言及ざれるかもしれないと存じております。
○川俣委員 それはちょっとおかしい。三十二年度産米並びに三十二年度における消費者米価の決定について…は、現行食糧管理制度を変えないという前提のもとに設置したということは明らかであります。将来のととは別ですよ。三十二年度産米の今きめようといたしております生産者価格あるいは売り渡し価格は、どうきまろうと、食管法を改正する前提のもとに設けたのではない。もしも改正するならば、との国会に改正案を出してその後に特別調査会を作るなら、これは別問題です。将来のことについてはこれは別問題です。この点はどうなんです。
○小倉説明員 大筋はお説の通りでございまして、食糧管理制度なり食糧管理法の改正についていかなる方針をとるべきか、あるいはいかなる改正の方策をとるべきか、こういうととが審議の主題ではございません。そういう意味ではほぼお説の通りでございます。ただ当面の米の価格その他と関連いたしまして、あるいは麦の価格と関連いたしまして、場合によりましては法律の改正という問題にもなるかと存じます。それは付随的にそういうことになりましても、調査会の当初の設置の趣旨から見まして必ずしも逸脱というわけではないと、とう存じております。
○川俣委員 将来のことは別問題です。三十二年度買い入れ価格について、それまでに臨時国会があれば別ですけれども、通常国会前には法律の改正を前提としない、これは条件であろうと思う。三十三年度産米は別問題。あるいは国会でそれらの意味を含んで改正されたのならば、これは別問題。今の参考意見として求めておられるのは、行政官として、法律を改正するということを前提として意見を求めておられるのはおかしいじゃないか。これは立法府と行政府の区画を明分いたしております現行憲法下におきましては、違憲の問題だ。私はそれは議論はしませんが、国会における答弁としては、法律を改正する前提条件で答弁されるということは不穏当だと思う、特に行政官として、事務当局としてほ不穏当だと思う。小倉さんのような大家が立法府に諮問をせずに法律改正を前提として参考意見を求めているんだということは不穏当だと思う、その点どうです。
○小倉説明員 お話の通りでございます。将来の方針といたしましては、場合によってはそういう問題が付随的に論議されるであろうということを右し上げたのでございまして、本年度米、産麦について法律改正を前提としたことは、これは私どもも考えておりませんし、また調査会としても考えられない、そう存じております。
○川俣委員 そういたしますと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。もし今度答申が出た場合に、法律を改正するような意見が出た場合には、その意見に基いた価格の算定方式なるものは、この三十二年度産米の決定に当っては使えない参考意見である。法律の改正を前提としての答申であれば事務当局の立場からいたしますれば、これは今年度の決定の参考資料にはならない、こう理解してよろしゅうございますか。
○小倉説明員 それはお話の通りでございまして、法律の改正を前提とした範囲において、その趣旨のものにつきましては、本年産米なり産麦の価格決定の決定要素にはなるまい、こう存じております。
○川俣委員 そういたしますと、仄聞するところによりますと、需給均衡価格なる表現が新聞紙上に出ております。ところが、現行食管法は需給均衡価格なんという表現が出てくるような法律にはなっていないことは明瞭だ、これは認められると思う。現行食管法は、価格をきめると同時に需給の調整をするとこと、価格のあんばいをすることによって再生産を確保するという建前でできておる。ことに麦のごときは、生産方式を非常に緻密にと申しますか、具体的に現わしておるわけです。ところが今求められておる答申なるものは、その具体的な法律をそのまま順法することができないような角度で答申されるのではないかと思います。別な角度で答申され、出てくるものが現行法を否定し改正を含んだ答申であれば、せっかくあなた方が待っておったって、それは使えないものじゃないですか。小倉さんの先ほどの説明によりますると、改正を含んだものは参考意見にはならない、こういうわけですから、大体改正を含んだ答申のようでございます。三十三年度からは、参考意見として改正をするということは行政府としてあるいは考えればできるかもしれません。この問題についてはどういうお考えですか。
○小倉説明員 お答えいたします。一つは、調査会の結論の中に需給均衡価格といったような思想があるのではないかという点でございますが、これはお話のようにまだ結論を得ておりませんので、果してそういうことに重点を置いた結論になるかどうか私どもは承知いたしておりません。かりに需給均衡価格といったような思想が出ました場合に、それは現行法のもとで許される価格決定の思想といいますか考え方たり得るかどうか、これが第二段の御質問かと思います。むろんこれを需給均衡という要素だけで決定をするということでございますれば、現行法から見てとかくの議論が出て参ると存じます。しかしながら、価格決定に当りまして需給の関係を見るというととは、当然現行法でも許されるのではないか。それをどの程度見るかというととが判断の別れ目になるととろでございまして、それを絶対に見てはいかぬという趣旨ではないというふうに存じます。 〔委員長退席、笹山委員長代理着席〕
○川俣委員 これ以上やることは法律論争になりますから避けますが、少くとも普通の経済用語で言うととろの需給均衡価格というような表現は、相当の学識経験のある人々の表現そのままと受け取りまするならば、現行食糧管理法をある程度修正をするという考え方から出発しなければならないと思うわけです。そこで事務当局にお尋ねしたいのですが、事務当局としては、三十二年度産米の生産者価格は農業パリティ方式によるつもりですか、それとも従来から米価審議会において大かたの意見として多一年意見の一致を見ております生産費及び所得補償方式による計算で米価審議会に臨もうとするのであるか、どちらの方式をとるのでありますか。
○小倉説明員 本年産米の米価決定方式に関しましては、まだはっきりときめておるわけではございません。お言葉を返すようでございますけれども、今の生産費所得補償方式と、一方パリティ方式という二つに決定方式を分けて考えますれば、政府といたしましては、従来パリティ方式でやっておりまするし、今年もおそらく、どちらかと申しますれば、パリティ方式ということになると存じております。
○川俣委員 そういたしますと、予算米価を決定する場合におきましても、大体パリティ方式を基礎にして予算米価をきめた、これは予算米価でありますから別問題でありますが、今度きめられようとするのは、政府の生産者からの買い入れ価格――買い入れ価格でありましても、おそらく特に米価審議会に諮問されますのは、標準の買い入れれ価格だと思うのですが、標準買い入れ価格ですか、それとも生産者の平均手取額を諮問される予定ですか、どっちですか。
○小倉説明員 それはおそらく標準についてだと存じます。
○川俣委員 そういたしますと、きのうちょっと企画誤長の話によりますと、平均手取価格を諮問するように聞えたのですが、これは私の聞き誤まりでありますかどうか、企画課長、ちょっと御答弁願います。
○中西説明員 あのとき申し上げましたのは、政府の諮問原案ということでなしに、最近新聞紙上などでときどき調査会の意見等として紹介されているものが手取り基準の話になっておりましたので、その趣旨の線でお話申し上げたのです。諮問案の原案という形の私の説明ではなかったわけであります。
○川俣委員 そういたしますと、今世間に流布されておりますのと諮問案の構想とは異なる、こういうふうに理解して、続いて御質問いたします。 そういたしますと、やはり従来通りパリティ方式で大体諮問されることになる、こういうことですか。パリティ方式を採用する場合に、従来から米価審議会では幾多の条件がつけられておるはずであります。不十分であるという条件がついておる。そこでこれらの不十分な条件を是正していかなければならない、こういう意見がついておるわけであります。そこで、これらの条件のうちで一番大きい条件はパリティ方式による場合は、バック・ペイをするということが唯一最大の条件になっておるはずです。パリティ方式を今年もなお続けておやりになるとしますれば、三十一年度産米のバック・ペイは当然支払わなければならない形式のものだ、これは不可分のものだというふうにお考えになりませんかどうか。
○小倉説明員 昨日もその点に関して同趣旨の御質問がございましたけれども、私といたしましてただいまパック・ペイをしなければならないというふうには考えておりません。 〔「そんなばかな話があるか」と呼ぶ者あり〕
○川俣委員 これは現在の特別調査会の会長をいたしておりまする東畑さん、大槻さんにいたしましても共同責任です。米価審議会の今までの審議経過から見まして、学者間における政治的な意見は別にいたしまして、パリティ方式をとるからにはこれらの欠陥がある。従ってこれは当然補正をしなければならないものである。これが条件になっておる。再生産を保障するという法律の建前からいって、なおあえてパリティ方式をとる場合はこれを補正をしていくということがパリティ方式についた必然の条件なんです。これを欠除しますると、パリティ方式をとりました、これからもとるということはいえないはずだ。従来やったのはパリティ方式じゃないというたら別ですよ。これからもまたやろう、こういうのならば、これはこれらの条件を溝たしておかないと、農業パリティ方式によって決定いたしました、これからも諮問いたしますというととはいえないはずだと思う。これは良識としていえないはずだと思う。事務当局としてはいえないはずだと思う。これは政治的む答弁は別です。事務当局にお聞きしているのです。払うか払わないかは政府でしょう。事務当局の意見を聞いている。 〔中村(時)委員「理論的には成り立つか成り立たぬかということを言っておるのだから、はっきり言うたらいいんだよ」と呼ぶ〕
○小倉説明員 お話しのように米価の決定に当りましては、政治的に最終御決定を願おなければならならぬような性質のものだと存じます。従いまして私、そういう趣旨でのお答えでは必ずしもございませんで、バック・ペイについて事務的にどういうふうに考えておるかということについて申し上げたのでございますが、先ほど申し上げましたことについての理由といたしまして、一つはバック・ペイを必要とする経済情勢であるかどうか、こういう問題があろうかと存じます。非常なインフレの高進期でございますれば、いわばいかなる方式をとりましょうとも同じ産米について一年の間に二度三度価格を改定しなければならぬ、こういうようなことが起り得ることでございます。たまたまパリティでやっておりますれば、その改定がパリティの差ということで現われてくるのでございますが、現在の段階でほ以前の段階とは違って経済も安定しておるではないかということが一つでございます。(「詭弁だ」と呼ぶ者あり)それからもう一つはこの食糧管理制度の運営の仕方、制度は同一でございますけれども、予約制度ということが新しく取り入れられまして、政府の買い入れ方式について実質的な大きな変化があった。それからまた第三といたしましては、政府がパリティ方式ではじきました価格は、何と申しますかいわゆる狭義のパリティ価格そのものではございませんで、過去においていろいろの加算金が、あるいは奨励金があったものが漸次基本価格に繰り入れられて今日に至っておるわけでございます。そういう次第もございますので、裸パリティで価格をきめておるわけでもない、こういう実質的な理由もございまして、今日では必ずしも御説のようなことにはなるまい、こう考えておる次第であります。
○川俣委員 それはおかしいパリティ自体には経済情勢の変化が当然入ってきておる、その変化がパリティの上下の趨勢をとっておるわけです。とれをとるからには、との動きをそのまま反映してくるのはパリティ方式ですから、それに付帯して必然な条件としてバック・ペイが考えられる、これはパリティ方式をとる以上の条件なのです。必然的な条件、これがついてなければパリティ方式をとったのだというととは言えないはずなのです。またこれからもとりますということは言えないはずなのです。だから事務的には密接不可分のものである、条件である、こう見るべきじゃないか、こうお尋ねしておる。これを払うか払わないか、これは小倉さんが払うわけでもない。事務当局の意見じゃない。政府が払う意思があるかないかは別問題だ。パリティ方式をとる以上は計算上出てとなければならないということをお認めになるのじゃないですか、こう聞いておるのですよ。 〔中村(時)委員「条件になるかならぬかを聞いておるのだよ、安定しておる、安定していないの問題じゃないよ」と呼ぶ〕
○小倉説明員 条件になるならないという点でございますが、これは条件によって違うわけでございまして……。条件と申しますのは言葉が悪ければ事情といいますか、事情の変化によって変って参る。従いましていわば本質的な条件ということではないと存じております。
○川俣委員 米価審議会はたびたび本質的なものとして考えるがこれを実行するかどうかは政府の意見である、けれども本質的なものとしての意見としては満場一致きまっておる意見なのです。これはきまっておる。もしもこれを本質的なものとして採用しなかった場合には生産費及び所得方式をとるべきだ、こういうことになっておる。それには資料が不十分である場合においてはパリティ方式をとって、本質的にこれらの条件を満たすべきであるというのが、今まで米価審議会満場一致でもって答申されてきた基本方式なのです。従来食糧庁はこの意見を尊重してとられたはずなのです。従来の建前、従来の食糧管理法というものを改善しないという前提のもとに三十二年度産米を検討する場合においては、やはり従来のこれらの考え方を尊重してもらわなければならない。この点どうですか。
○小倉説明員 お話のように従来いろいろ米価審議会あるいは農林委員会等でお示し願いました見解、あるいはそういう見解に基きまして実施して参りましたことは、これは十分尊重しなければならないというふうに存じます。しかしながらバック・ペイの問題につきましては、最近まではそういう必要性が十分あったと思いますし、いわばパリティの一つの条件というふうにも考えられたと存じます。最近の価格決定の状況からみまして、現在そういうことが必要であるかどうかということにつきましては、先ほどお答えした通りでございます。もっともとれはパリティ価格と申しましても、むしろ川俣委員の方が私より詳しいと存じますけれども、また若干の違いを持ったいろいろのものがございます。またどういうパリティ方式によるかということによっても考え方が違って参ると思いますけれども、これまでのパリティ方式に非常な大変革がない限り、先ほどお答えした通りと私どもほ考えております。
○川俣委員 これ以上は政治論になると思いますから控えますが、しかし事務当局としては、やはり公正た米価というものを決定することにならなければ、学者の良識を集めた参考煮見なんというものは無意味ですよ。そういう政治論をやるならば、特別委員会なんかを作らないで、野党と与党の政治の場としての国会を使うべきだと思う。払うか払わないかという政治論争をやる場合は、特別調査会とか事務当局のやる場所とは場が違うと思う。今、小倉君の答弁も政治的な意見が多い。私は政治的な意見を求めているのではないのです。加算であるとか、格差であるとか、いろいろこれから議論が分れてくると思いますが、私は今質問している要点は標準価格を議論しておるわけです。標準価格を題材にしておるわけです。従って標準価格というものは、従来パリティで計算されてきた所得生産費及び所得方式は資料が十分じゃないというところから便法としてとられた。その便法には付帯条件がついておる。付帯条件を満たさないならばこれは採用すべきじゃないということになってきておる。そこであなたは今標準価格を諮問するのだ、こう言われるから、その諮問価格はパリティ方式によるのだこういう説明ですから、それには従来通り付帯しておりますバック・ペイが当然ついてこなければならない。つけないということになりますと、これはこの次の米価審議会においてちょっと問題になると思いますが、それは別の問題としまして、米審等において意見の相違があるものまでも一致した意見としてパリティ方式をとるからには当然付帯条件を満たすべきであるという決定のもとになされてきたのでありますから、少くとも三十一年度はバック・ペイをすべきであるということは事務的には出てこなければならない。 〔笹山委員長代理退席、委員長着席〕 しかしこれは政治的に払うか払わないかは別問題です。こういう答弁があるべきだと思うのですが、事務当局が政治的な意見を言われるならばそれはおかしいと思う。もう一度一つ……。
○小倉説明員 お話のようにそういう趣旨でお答えをしているわけではございません。この二、三年来パリティ価格によりますバック・ペイの問題は、すでにたびたび論議のあったところでございまして、この二、三年は、それ以前とはバック・ペイの問題については考え方が変ってきておるというふうに私どもは存じます。また現在の問題あるいは昨年産米の問題というふうに考えました場合におきましても、先ほど申し述べましたようなわけで、必ずしも当然の条件というふうには考えられないのではないかという趣旨を申し上げたのであります。
○川俣委員 米審の意見とかあるいは農林委員会の意見を大いに尊重する、こういうことですが、今後もやはりそういう御意思で米審に臨むおつもりであるかどうかお尋ねしたいのです。抽象的には農林委員会及び米審の意見を尊重する、この建前は変らないということを前提にして具体的な問題について一つお尋ねいたします。 それは去年米審に諮問されるときに、第一期を十月の五日として三期に分けて諮問されたわけです。それを十月五日を第一期として四期に分けた。これは大臣も尊重するという答弁があり、事務当局もまたこれを尊重するという御意見があったわけです。それはどうも作為的に時期別格差二百十円をなしくずして減らすのではないかというおそれがありましたために、計算をし直しまして四期に分けて答申をしたわけです。価格は別ですけれども、との時期別格差及びその総額については政府は同意をされ、事務的にも同意されたわけですが、いつの間にか米審の議も経ないで九月三十日を第一期に変更されたのはどういうわけか、この点お尋ねいたします。
○小倉説明員 それはお話のように米審でお説のようなことがありまして、政府原案を調整いたしたと私もたしか聞いております。その調整の結果が米審の御決定といいますか、その通りではなかったと考えております。しかしできるだけそれに沿うような調整はいたしたはずだと存じております。
○川俣委員 おかしいです。それは二百十円を下らないように計算をして出したのです。こういう計算をすれば二百十円を下ることがないということを計算をして出したのです。従って十月五日を九月三十日にすると下ることは明らかです。下らないことを前提条件として、しかもこれは予備的な交渉において承認ざれたことなんです。承認されたことを答申しただけなんです。意見の食い違いを食い違いのままに答申したのではないのでず。内部的に事務的にも承認を与えたものなんです。承認を与えられたからあれは答申になったのです。意見の相違のまま答申されたものもありますが、時期別格差だけは事務当局も大臣も責任をもって了解をされて答申に移った問題なんです。それをあなた勝手に尊重する、尊重すると言いながら尊重していない。これは具体的な例なんです。意見の相違があったものは別問題です。全く意見の一致したものまで尊重しないといヶことになりまずと、これは尊重いたしますということは言えないと思う。この点どうです。
○小倉説明員 それはお話のように米審に限らずそういうところでもってお約束をいたしましたことは、これは当然実行するのが本筋でございます。その本来の御趣旨に異論あるわけではございません。
○川俣委員 異論ないならばあの点修正されますか。これは一致した意見ですよ。不一致のままであったのならば、尊重しますと言ったけれども、あとで考えてみたところがというならば別だけれども、完全に意見の一致したものなんです。一致をしたものまで尊重しないというなら、これは尊重する材料がない。あれは意見が不一致であったんだから尊重できなかったというなら、これは別問題です。完全に意見が一致したものまで尊重しないということになると、尊重するものは一つもない。あとはゼロですよ、尊重することは。
○小倉説明員 そういう趣旨で調整を私、加えたはずだと存じておりますが、当時の詳しい事情は存じませんので、中西企画課長からお答えさせます。
○中西説明員 私の記憶違いであれば恐縮なんですけれども、私の記憶では、当時の米価審議会でお話がございましたのは、時期別の単価について、各期ともに百円程度であったと思いますが、加算をすべきではないかというお話がございまして、その点はそのように処理したはずでございます。百円ずつ足して、八百円、六百円、四百円、二百円というふうに結論を得たわけでございます。そのときの計算でございますが、その結果約五十億、あのときは四十九億だったと思いますが、四十九億円の時期別格差の総額が出る、全体の政府買い入れ量が二千三百五十万石という予定で、それであれば大体二百十円になる、そういう計算だったと思います。昨年産米の時期別格差、ちょうど五十億支出になっておるので、結果としてはそのときの御趣旨と合っておるんじゃないかと現在考えております。 ただ遺憾であったと思いますのは、そのとき話が出なかったはずでございますけれども、時期の区切り方について政府が最終的に決定いたしますものについて五日ですか、繰り上げたということがあとで行われております。その点は米価審議会の会議では、当然そういうことはないというふうに委員各位はお考えになっておったかもわかりません。が、これはいずれにして毛米価審議会でその時期の点まではぴしゃっときまっていなかった、(「きまっておったよ」と呼ぶ者あり)単価はきまっておった、そういうふうに記憶しております。
○川俣委員 これは政府原案で、一期十月五日という原案を持ってこられた、原案がそうなんですよ、われわれの方で変更したんじゃないんです、原案なんです。これは三期になっておる、それを四期に分けたということは、今お話の通り。そこで十月五日までに買い入れるのは、八百円で買うのが幾らになるかという計算をしたわけです。九月三十日で一期を計算したんじやありません、十月五日をもって計算をした。従って八百円の計算が非常に大きくなった。これは九月三十日ですと、もっと減るんです。十月五日ですから、買い入れはもっと伸びるという計算でできておる。しかもこれは明瞭にしておきたいのは、当時の買い入れ予定石数、これ以上ふえたものは政府の責任なんだ、米審としては買い入れの目標はこれこれである、たしか二千三百五十万石だったと思いましたが、ちょっとこの点ははっきりしませんが間違いないと思います。これを算定の基礎にいたしたことがある。それで二千三百五十万石で四十九億の限度、こうなっておる。それを今になって五十億だ、二千三百五十万石以上買った分を入れて五十億、こういうのですから、大体そこで錯誤に陥れてごまかしたということになる。これは尊重するということにはならない。こういうことだというと、農林委員会は米審のことを尊重する、尊重すると言いながら、意見の一致を見たものまで勝手に変更するということになりますと、これは意見の尊重ということにはならない、こうお尋ねしておる。
○小倉説明員 今の早場米の時期の区切り方につきまして、米審での御意思と政府のやったことと若干そごがある、米審等の御意思を尊重するということと違うではないかという御指摘でございますが、今後さようなことのないようにいたしたい、かように存じます。
○川俣委員 今後じゃない、尊重すると言うからには、その裏づけとして何らかの措置を講じなければならない、何とか締めくくりをしなければならない。少くとも意見の一致を見たものを尊重するというならば、これはさかのぼって何らかの措置を講じなければ、今後いたしませんなんと言ったって当てになりません。これは明らかに今後そういうことがないようにいたしますというのなら了承いたします。間違ってやったんだから改むるにはばかることはない。
○小倉説明員 ただいま申し上げました通り、今後さようなことができるだけ起らぬように十分注意をいたします。
○小枝委員長 有馬輝武君。
○有馬(輝)委員 私はただいま川俣委員から米麦価についての御質問がありましたが、これに関連いたしまして今年産の麦価の問題についてお伺いいたしたいと存じます。 私、よその事情を知らないのでありますが、今度鹿児島県に帰ってみましたところ、穂が出ましたあとの悪天候のために、雨量が非常に多くて予想収穫高が大体六割以上も減収になるのではないかということが予想されております。平年雨量が二一三・七ミリあるのに対しまして四四八ミリで、雨天が十五日、雲天が十五日、快晴二日ということで、平年の日照率が四六%あるのに対しまして三八・四%しかないというような不良天候でありました。その結果、ただいま申し上げますような非常な減収が予想されておりまして、うちでは飯米予想量が十万石くらいあるわけでありますが、そのうちの八五%が等外麦と見込まれております。 それで、まず第一にお伺いいたしたいと存じますことは、全国的にこの状況がどうなっておるか、この点を概算でよろしゅうございますからお伺いいたしたいと存じます。
○小倉説明員 お話しのように、麦の作柄はよくないように私どもも承知しております。ただいまのところたしか五月一日の作況しかございません。おっつけ六月一日付の作況が出て参りますので、それによって私どもも判断をしたい、かように存じております。また従いましてごく最近の状況は、私どもの方といたしましては承知できない状況であります。 それから等級あるいは品質の問題でございますが、お話のようにいろいろな事情で品質の悪いものが相当多量に出るのではないかという心配を私どもも実は持っております。しかしこれは作況の予想以上にむずかしい問題でございまして、四等なり等外がどの程度出て参るかということは実はにわかに判断しにくいのでございまして、おそらく昨年度に比べましてはもっと多く出るのではないかという想像はいたしておりますが、的確な数字は持ち合せておらないのでございます。
○有馬(輝)委員 少くとも食管法の十三条によりまして、その時期のものについては、それが正確であるかいなかは別といたしまして、その時期々々においてやはり把握しておいていただかなければ、それに対する適当な措置が打たれないのではないかと考えるわけなんです。たとえば日本経済新聞等においてはある程度の数字を発表いたしておりますが、全国平均で九〇%ぐらいになるような数字を発表いたしておりますので、これは非常に迷惑いたすわけであります。そういう数字が出ておるときには、やはり政府としても一応の数字を出していただく、六月のものがまとめていただければそれもお聞かせ願いたいと思いますが、それ以前に当然把握しておいていただかなければならないと思うのですが、その点はどうなんですか。
○小倉説明員 先ほど申し上げましたように、五月一日のものは出ておるのでありますが、その後のものは、六月 一日現在で調査をいたしますので、その集計その他におきまして全国的な作況がわかりますまではなお若干の日数を要する状況でございます。
○有馬(輝)委員 その前のものではどの程度になっておりましたでしょうか、全国的な規模でお聞かせ願いたいと思います。
○小倉説明員 以前のものでありますと五月一日現在でございますが、小麦が九五で大麦が一〇〇、それから裸が九〇、こういうのでございます。たしかそれには注がついておりまして、五月一日直前の凍霜害等の被害は含まない、こうあったと存じております。
○有馬(輝)委員 今おあげになりました小麦が九五、大麦が一〇〇、それは一日の凍霜害を含まないというようなお話でありますが、こういったことでこれを基準にして本年産の麦を見ていただくと、収穫高におきましても、また品質におきましても、相当膨大な狂いが出て参りますので、その点は一つ十分留意していただきたいと存じます。私先ほど申し上げましたように、鹿児島県におきます減収は、それこそ鹿児島の気象台ができて以来二回目の悪天候だそうでございまして、これはよそにはないかもしれませんが、私はやはり関連して全国的な問題として出てくるだろうと思いますから、鹿児島の問題だけでなくして、全国的な立場からお伺いいたしたいと考えておりましたけれども、今おっしゃったような状況でございますから、鹿児島県のこの減収の状況を基礎といたしまして、二、三の点についてお伺いいたしたいと存じます。 それでまず第一番目にお伺いしたいことは、検査規格の基準の程度でありますが、昨年と同様に等外麦の上下というようなものを設けられる意思があるかどうか、この点をお伺いしたいと存じます。
○小倉説明員 これはまだ決定をいたしておりません。ただいま申し上げましたように、あるいはただいまお述べになりましたような事情がありますので、そういう必要性が起るのではないかということで、ごく最近のいろいろな事情を調べておりますので、六月一日の作況、その後の麦のでき工合等も見まして検討を進めたい、かように存じております。
○有馬(輝)委員 これは昨年の澱粉の問題でありますが、買い入れ数量並びに価格の決定が、法律通りではありましたけれども非常におくれましたために、あのようななまカンショの暴落を来たしたことは御承知の通りであります。これで、ただでさえ苦しい農家経済が非常な打撃を受けた、私たちの記憶にあまりにも新し過ぎることでありますが、これと同じようなことで、大体六月末に支持価格を決定すればよいのだというようなことで時日を遷延いたしますと、ただでさえ品質の悪い麦が、価格の面でも農家にとりましては非常な打撃になるととが予想されるのであります。それで本年度におきましても今の等外麦の上下を買い入れということであるならば、その決定をできるだけ急いでいただきたい。もうすでに私のところではとっておるのです。ですから早急にこの点は結論を出していただきまして、もちろん米価審議会その他とも関連いたしましょうが、最大限に早い機会にこの問題の結論を出していただきまして、澱粉におけるような状態に追い込まないようにこの点を特に留意していただきたいと思うのであります。 次にお伺いいたしたいと思いますのは、三十一年は大麦を八十四万四千トン、小麦を二百三十三万八千トン入れておられるわけでありますが、今年の輸入見込みは、これは当初の計画通りなのか、この点をお伺いしておきたいと存じます。と申しますのは、これは大蔵委員会におきまして井出農林大臣並びに池田大蔵大臣に対しまして、岸総理がアメリカに行かれることになりました直後お伺いした問題であります。三次分についてはお断わりになって非常にげっこうでございましたが、つい最近の新聞等を拝見いたしますと、四次の受け入れについて政府部内においてもいろいろと御意見が出ておるという工合に聞いております。私はその大蔵委員会におきまして、井出農林大臣に、アメリカでは膨大な滞貨をかかえて、ただ余剰農産物処理法に基く処理を考えるだけでなくして、耕地封鎖銀行まで作って、邦貨で二千七百億も出して減反に対する保障をしておるような状況の中で、岸総理が向うへ行かれるということになると、かつて吉田さんや池田さんがおみやげとして持って帰られたように、今度も当然MSA小麦の問題が出るに違いない、それに対して井出農林大臣はどのような考えをまとめて岸さんに行かせようとするのか、この点をお伺いしたのであります。ところが、すでに岸訪米ということは確定的になっておりながらも、その問題について構想をまとめていない。これは怠慢だと私はそのときあえて申し上げましたが、そういった経緯もあるのであります。なおさら時日がたちまして岸訪米ということは目前になっておるのでありますので、そこら辺の関連を考えられて、今度のMSA小麦に対する政府の考えをこの際明瞭にしておいていただきたいと存じます。御承知のように内地麦が外麦に圧迫されるということは、価格の面からいたしましても当然なことでありますので、これが農家経済に及ぼす影響ははかり知れないものがあります。そういった観点から、この点について簡単でけっこうでございますから、御意見というよりも政府の考え方をこの際明らかにしておいていただきたいと存じます。
○小倉説明員 麦の輸入の問題でございますが、お話のように内麦の作況が、必ずしも平年作といちわけに参らないような状態がほぼ決定的になって参ったという事情を考えますれば、当初計画いたしました輸入量、輸入計画に若干の修正を施さなくてはならないのではないかという気が実はいたしております。しかしながら、まだその点につきまして十分の検討が進んでおりませんので、ここで当初計画をどのように変えるかというふうなことを申し上げるわけには参らないのでありますけれども、おそらく若干の調整をする必要が起ってくるだろう、こういう見込みであります。しかしながらお話のような、特に米国の小麦を輸入するためにワクを広げるというようなことは私ども考えておりません。内麦の作況の見込みが判明すれば、それとにらみ合せて修正をやっていきたい、かように考えておる次第であります。
○有馬(輝)委員 もちろんこれは検査規格との関連も出て参りますでしょうけれども、今長官がお答えになりましたように、MSA小麦について云々、ふやすというようなことは考えておられないという御答弁でございましたが、私たちはこの予定数量の大麦八十四万四千トン・小麦の二百三十三万八千トンというものをむしろ大幅に滅してもらいたい。もちろん需給状況がありまするので、めちゃなことはできないでしょうけれども、やはりその点を相当考慮してもらわないといけないと思うんです。それと同時に軟質小麦と硬質小麦の使いわけをうまくやらないと、さらに飼料の面その他にも響いて参ります。ですからこの際私たちは慎重にこの問題について検討していただきまして、特に今申し上げましたように、MSA小麦については相当の決意をもって臨んでいただきたいと存じますので、この点事務当局の需給計画に基く考え方でけっこうでございますから、岸さんの向うに行かれる際には、どのような折衝をされようとするのか、基本的な立場をお聞かせおき願いたいと存じます。
○小倉説明員 これはおそらくまだアメリカの小麦の輸入問題、特に余剰農産物の問題等につきましては、関係省とも打ち合せができておりません。従いまして、総理が向うへ行かれるときにその点に触れてどういうことをやっていただくかというようなことについても、まだ何らの結論を得ておりません。おそらく向うに行かれればそういうことも議題の一つになるかもしれないということで、近く内々関係省の打ち合せをするということになっておりますので、その結果を待たないと的確なことは申し上げられません。お話しのように余剰農産物を受け入れるということにつきましては、必ずしも関係省の意見が一致するというわけにも参りませんし、量の問題になりまずと、またいろいろ詰めなければならぬ点もございますので、的確な意見はまだ固まっていない実情でございます。
○有馬(輝)委員 この問題については午後大臣がお見えになるそうでありますから、その際あらためてこれをお伺いしたいと存じます。 引き続いてこれは午後に質問いたしますが、一点だけ午前中にお伺いしておきたいと思いますことは、無制限買上げの措置、これは第四条でいわれております通り、その通り受け取っておいてよろしいのでございますね。
○小倉説明員 お話しのようなことで、そういう趣旨で従来もやって参ったのでございますが、今後もその趣旨にはかわりはないというふうに御了承願いたいと存じます。
○有馬(輝)委員 それでは午後引き続いて質問さしていただきますようにお願いいたしまして、午前中の質問はこれで私は終りたいと存じます。
○小枝委員長 この際お諮りいたします。六月初旬の関東地方における農作物のひょう害状況の調査及びその対策樹立のため、この際委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小枝委員長 御異議なしと認め、派遣地は群馬県、栃木県、派遣委員の員数は二班で、各班二名ずつ、期間は一日間とし、派遣委員は委員長に御一任願うこととし、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小枝委員長 御異議なしと認めざようとりはからいます。 この際暫時休憩いたしまして、午後は一時から大臣が御出席ですから、さよう御了承願います。 午後零時二十七分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十二分開議
○小枝委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 食糧に関する問題について質疑を続行いたします。 なお農林大臣は四時まで出席することになっておりますから、発言の方が多数ございますので、恐縮ですが、一つ時間を制限してお願いいたします。神田大作君。
○神田(大)委員 私は大臣に対しまして、今作付を前にいたしまして、全国の農民の非常に注視の的になっておりますところの生産者米価を、政府といたしましては、一体いつ、どの程度にきめようという考えを持っておるか、お尋ねいたしたいのであります。
○井出国務大臣 御承知のように臨時食糧管理調査会におかれまして、いろいろと価格問題を検討されておられましたが、近く結論が出るような運びに承知をいたしておりますので、その上で取り急いで政府の腹がまえを決定をいたしまして、中旬以降に米価審議会を煩わして御決定をいただく、こういう所存であります。
○神田(大)委員 臨時食糧管理調査会の答申を待って政府としての腹がまえをきめたいというようなことでございますが、生産者米価の決定に対しましては、米価審議会というものがあるのでございますから、政府は臨時食糧管理調査会の結論を待たなくても、この米価審議会にかけて、できるだけ早く、速急に決定すべきであろうと思うのです。臨時食糧管理調査会の答申を待つということになりますと、それだけ時期的にも非常にずれると思う。こういう調査会というのは、法的に何らの根拠もなしに、政府の都合によって設置したのでございまして、われわれが考えてみますると、何か米価審議会の小委員会のような性格も見られることは、米価審議会の本質、性格を弱めることになると思うのでございますが、この点をどう考えますか。
○井出国務大臣 米価審議会が法的な機関として米価決定に当って持っておりまする役割というものは、これは申すまでもなく十分尊重をいたして参るわけでございます。ただ神田委員も御承知のような従来の経緯もございまして、政府としては調査会の結論が非常に手間取るというのでありますならばいざ知らず、近くその答申もいただけるという段階に来ておりますので、それを待った上で急遽取り急いで仕上げにかかる、こういう考えであります。
○神田(大)委員 食糧管理調査会に対しまして、一応政府は食管の赤字を解消するために、生産者米価の引き下げ、あるいは消費者価格の引き上げというような基本的な態度を持って、調査会に臨んでおるようにわれわれは察知するのでございますけれども、現在までの調査会の経緯等を仄聞いたしますると、そういう傾向が如実に現われつつあると考えられますが、この点に対しまして、このように生産者米価を抑制し、消費者米価を上げるというような根本的な考え方を持ってこの調査会に臨んでおられるかどうか、その点を明らかにしてもらいたい。
○井出国務大臣 政府といたしましては、あらかじめ今御指摘になったことを想定をして臨時食糧管理調査会に臨んでおるということは決してございません。お求めになる資料等につきましては、これは十分提示をいたさなければなりませんが、あらかじめそのような意識のもとに臨んでおるというようなことでは決してないのでございます。
○神田(大)委員 生産者米価に対しまして、きのう事務当局より資料が出されたのでありますけれども、これによりますと、去年の米価に対しましてパリティの上昇率を勘案してきめていきたいというような意向の資料であったと思いますけれども、本年度の生産者米価に対しまして大臣はどのような考えを持っておられるか、お聞きいたしたい。
○井出国務大臣 これも先ほど来申し上げておりまするように、調査会の答申を待ってということにいたしておりますが、御案内のように、予算米価を決定いたしました当時から見ますると、パリティの上昇というような現象も事実あるようでございまして、それらをどのように勘案をいたすかというふうな問題は、先ほども申しておりますように調査会の考え方をも伺った上で十分に検討をいたしたいと思います。
○神田(大)委員 農民側からはいわゆる生産費補償方式によるところの米価を強く要望しております。これは近く農民が大挙して大会を開いて、現在の農産物価格がほかの物価が上昇しておるにもかかわらず農産物価格というものは下落しつつある、こういうことは農民の生活を極度に圧迫しておるのでございまして、その農産物価の根幹をなすところの米価に対しまして、政府に対しましてあくまでも生産費を償う米価をきめてもらいたい。これは昨年の米価審議会等におきましても、ほとんどの委員がこれに賛成をいたしまして、いわゆる生産費補償方式によるところの米価の設定を政府に要望しておるのでございますけれども、こういうような生産者の切なる要望、それと関連いたしまして農家の経済的な低賃金しかカバーできないところの農産物の対価に対しまして非常な不満を持っておられます。これを統計に見ましても、鉱工業生産の指数というものは年々上昇いたしておりまして、農林省のこの統計によりましても、賃金指数は製造業が二十六年度を一〇〇といたしまして二十九年度には一四二%、勤労者世帯の収入が一五七%、それに対しまして米作を主体とする農家の収入は一一六・七%、農業全体といたしまして二一一〇%というふうに、鉱工業生産、勤労者世帯と比較いたしましてこのように収入というものは減っておる。これは三十、三十一年度におきまして豊作であったので、この指数は多少変ってきました。三十一年度において製造業が一六五、勤労者世帯がやはり一六五、農業収入が一五二というように、それでも未曽有の豊作に恵まれたときでさえもこのように農業収入というものは低いのです。こういうような状態のときに、政府は米価審議会におきましても大きな批判を受けておるところの去年の米価を基準としてこれをきめておる。パリティ指数によるところの上昇率だけを認めてそれをきめているというこの方針に対しまして、農民は大きな不満を持っておるのでありますけれども、大臣は少くとも農政に対する権威者であります、農業を理解する人でありますので、私らと同じような不満をお持ちになっておるだろうと思いますけれども、この点に対しましてあなたの率直なる御意見を承わりたいと思います。
○井出国務大臣 米価を決定いたしまする方式につきましては、ただいま御指摘のような生産費補償方式というものも確かにございます。あるいは従来のパリティ方式というものもあるわけでございまするが、これはそれぞれに一長ありと思えば一短もあるわけでございまして、これならば決定版であるというふうなところへはなかなか到達しがたいと思うのであります。今他の産業との比較をお示しに相なりました、私も、ここ両三年の鉱工業関係の非常な繁栄というものが相対的に農業を非常な停滞状態に置かしめておる、こういうことかうまあ農業が非常に不利になっておるということは承知をいたしておるつもりでございます。ただ問題は、米価だけでもって解決することができるか、そこには他の方法もあわせ用いるというようなことも考えられまするので、農民の立場に対しては、私どもとしては、できるだけこれに理解を持ち、これが有利になるようにという配慮、努力をいたしておるつもりでございます。これを全部米価だげでカバーをするというわけには参らないのじゃないかと考えます。
○神田(大)委員 非常に大事なことでありますが、私は、今一度大臣がこの問題に対して深い理解のもとに米価の決定に当ってもらいたいと思うのであります。いわゆる鉱工業生産と農業生産とのギャッブは年々幅を広げつつあると思うのであります。それの根本的な問題はやはり農政にあるのじゃなかろうか、予算面から申しましても、あなたは米価だけでそれは決定すべきものじゃないといっておりますけれども、予算面におきましてもいわゆる鉱工業に投資する政府の資金と農業に投資する政府の資金というものは年々格差を生じてきております。そういう状態のときに、鉱工業生産に追いつけるために、いわゆる都市の生活水準に追いつけるためには、米価を少くとも生産を補償され得るような立場に立って決定して、農家の経済をある程度潤していくというような方向がさしあたっての農政に対する一つのはっきりとした立場であると思うのです。そういう意味合いにおきまして、この米価の問題に対しましては、農民の納得し得られるような、農業の生産力を高め得られるような米価の決定に踏み切ってもらいたいと私は思う。これは米審におきましても問題になると思うのでございます。毎年米審等におきましても、生産費補償方式を強く要望しておるのでありますが、政府がいつもこれを尊重せずして、政府の一方的なパリティ指数によるところの米価を押しつけておる。しかもバック・ペイ等につきましてもこれを忠実に守っておらないということは、農民の不信を買っております。この問題等に対しまして、特に農政に理解のある大臣は、今回米価の決定に対しまして生産費補償方式に踏み切られることを強く要望すると同時に、もしどうしてもあなたがこれができないでいわゆるパリティ方式によってやるならば、このバック・ペイに対する考え方をはっきりとここに示してもらいたい、こういうように考えておりますが、その点いかがでございますか。
○井出国務大臣 だんだんとお述べになりました御見解につきましては、十分にこれを参考にいたしたいと考える次第でございます。そこで、バック・ペイの問題についてお触れになりました。御承知のように三十年産米からは予約制を実施しておりまして、政府への売り渡しが予約を履行する、こういう性格に相なったことを考慮いたしまして、その後のパリティの変化というものが当然バック・ペイを前提とするということに対しては議論の余地があろうかと思うのでございます。ことに物価変動の非常に激しいインフレの時期というふうなものに対しましては、これはバック・ペイを考慮することが必要でございましょうけれども、われわれといたしましては、現在におきましてはまずその必要はなかろうという考え方に立っておるわけであります。
○神田(大)委員 非常に重大なことだと思うのです。少くともパリティ方式によるところの米価をきめる以上は、これはその上昇に基いてバック・ペイをするということは基本であると思う。農民に対しまして物価指数に応じて幾らで買い入れるというような、そういう基本線を出しておきながら現在六月にそれがきまるといたしましても買い入れるときは九月、十月であります。その間におけるところの物価の上昇によってそれが変動を来たすのは当然でありますから、変動に応じてそれを保障するということが、これは今度の米価決定に対する大きな要素であると思う。これを政府がバック・ペイに対しまして保障できない、そういうことでありますと、パリティ方式によるところの米価の決定といろものが何ら権威のないものになる、こう思うのでございますけれども、この点いかがですか。
○井出国務大臣 先ほど来お答えをしておりますように、予約制度という建前をとっておるのでございまして、その限りにおいては、パリティ方式が直ちにバック・ペイを当然の前提にするという考え方には、私どもとしては賛意を表しかねている次第であります。
○神田(大)委員 バック・ペイの問題に対しましては、大臣のそろいう言明に対しましてわれわれは納得するわけにはいかぬのです。少くともパリティ指数によるところの、パリティ方式によるところの米価決定に対しましては、それが上昇に対しましてバック・ペイをすべきである、こういうふうに考えるのでありまして、その点についてわれわれは今後この矛盾をついていくつもりであります。 いま一つ、時間がありませんからお尋ね申し上げますが、陸稲の問題であります。巷間伝えるところによりますと、陸稲に対一しましていわゆる価格差をつけるということがいわれておりますけれども、この問題についてはどのような考えを持っておられるかお尋ねしたい。
○井出国務大臣 御承知のように陸稲はその歩どまりにおきましても、あるいは食味上の品質の点におきましても、水稲に比べますると落ちることは明らかでございます。そこで最近品質という問題が相当にやかましくなって参りまして、硬質米、軟質米というものに対する格差を設けるというふうな事態にも相なって参りましたので、われわれとしてはこの問題をも考慮をしなければならない段階にきておる、こういうふうに考えておる次第であります。
○神田(大)委員 従来畑作農業に対しまして、政府はこれの振興をはかって今日まで努力をしてきたと思うのです。にもかかわらずここでもって陸稲に対しまして価格差をつけるということになりますと、せっかく今日まで陸稲栽培に熱意を入れて、そうして日本の食糧事情の緩和のために努力してきたところの農民に対しまして大きな打撃を与えると同時に、日本の食糧全体として自給度を高める、日本国内におけるところの食糧の自給をはかるというような観点に立つと、畑作の改善と同時に陸稲をやはり今までと同じような方法によって、とれを助成していく対策を続けるべきであろうとわれわれは考える。試みに一つの資料を申し上げますと、陸稲の作付は年々増加いたしておりまして、栃木県におけるところの作付は、昭和二十三年に比較いたしますると大体三倍伸びてきております。こういうように陸稲の作付が伸びてきているというのは、少くとも価格が保障されておるということによって陸稲の作付が伸びてきておる。これだけ食糧の緩和に貢献しておる。日本は多くの食糧を外国から輸入しておるのでございますが、これを一日も早く脱却するためにも、この陸稲の価格差を今日の段階においてつけるというのは私は不適当であろうと考えるので、この点について大臣の再考慮を促したいと思いますが、その点どうお考えになりますか。
○井出国務大臣 まだどの程度の格差というようなことに関しましては未決定でございますが、やはり陸稲が伸びて参りましたということは、確かに価格面における有利性というものが予想されておるのではなかろうかと思うのでございます。けれどもこれは、先ほど来申し上げておるような点に関して、今度は水稲と比べまするとやはり一つのアンバランスであろうか、こういうふうに考えまするし、畑作振興は別途の振興施策もあるわけでございますので、価格の面においてはやはりバランスを失わないような適正なものを考究する必要があるのではないだろうかというふうに思っております。
○神田(大)委員 大臣の言うことはわれわれもわかるわけです。わかるわけですけれども、現在急に、去年までとにかく同じ価格で買い入れた、今度ことしになってから急にそれを、品質が違うというようなことを理由にして一挙に格下げするというような、そのようなやり方は畑作農業に対しまして大きな脅威を感ぜしめる。御存じのように営農といろものはほかの産業と違って、そう急転直下に変えるおけにはいかぬ。そういうときにそういうふうに単刀直入に、しかも急速にこれを実施するようなことに対しまして不適当ではないか、こう私は申しておるのであります。この点は大臣もおわかりであろうと思いますが、この点考慮をされるかどうか、お尋ねをいたします。
○井出国務大臣 この問題はすでに昨年あたりからも議論のあった点でございまして、これをどういうふうに踏み切るか。神田委員は非常にドラスティックに行われるというふろにおとりになっていらっしゃるようでありますが、その辺はわれわれの方としても十分に勘案をしつつ適当なところへ落ちつけたい、こういう感じを持っております。
○神田(大)委員 私は特に開拓地の農業に対して、陸稲の格下げをつけて本年度から実施するというようなことになりますと、開拓地農業の経営あるいは畑作だけの農業の経営は危機に瀕すると思う。というのは、もしそのような考え方があるならば、それ以前に畑作農業に対して政府はもっと適切な手を打って、農家が戸惑わないような農政を施して後陸稲の格差に対しまして考慮すべきである。何ら畑作農業に対してそのような考慮をせずに、突如としてこのような価格差をつけ、畑作農業地帯を困窮せしめるということは、農政としてとるべきことではないと思う。なるほど大臣の言うように、品質の点を申されまずればその通りであります。その通りでありますけれども今日まで畑作農業の振興を日本の食糧事情緩和のためにやってきたものを、ことしになって急に転換する、それまでの前提としての農政を施さずしてそれをなすということは、私は国のやるべきことではないと思うのであります。今後やればいいとお答えになるかもしれませんが、やってから後このよろなことは断行すべきことであって、その裏づけをせずしてやるということは畑作農業を困窮に陥れる何ものでもないと思いますから、私はこの点ぜひ再考してもらいたい、とう考えるものであります。
○井出国務大臣 神田委員も陸稲の本質については十分に御認識になっていらつしやるわけでございますが、これを今非常に急激にやっては相ならぬ、それが畑作農業に非常な脅威を与えては相ならぬ、こういう論拠に立っておられるようでございます。従いまして私どもは先ほど申し上げましたような考え方を持っておるのでございますが、できるだけそういった点を避けるということを考慮しつつ、一方はまた畑作振興という別途な施策をもあわせ用いることによりまして、これを合理的な線に落ちつけたい、かように考えておるわけでございます。
○小枝委員長 成田君。
○成田委員 今の最初の御答弁ですが、米価審議会は今月の中旬以降に開くといちお話です。そうしますと米価審議会の答申がありましたあと米価の決定、こういう段取りになると思うのですが、米価審議会が中旬以降ということになると、米価が正式に決定されるのは早くとも今月末あるいは来月の初めにかかると考えるのですが、政府の方針はいかがですか。
○井出国務大臣 米価審議会におかれましても、できるだけ促進をいただきまして、今成田委員が言われますような、それほどおそくなく決定が見られるようにわれわれも努力をいたし、また委員会にもお願いいたしたいと考えております。
○成田委員 米価審議会が協力することはもちろんだと思いますが、現在の情勢からいきましたならば、早くても中旬以降ということになると、米価が正式に決定せられるのは早くて今月末だ、こう判断するのが常識だと思うのでございますが、いかがでございましょう。
○井出国務大臣 中旬以降にお開きを願えますれば、成田委員の言われるように今月一ぱいかかるというふうなことでなく、これは従来の例もございますが、もう少し早目に最終決定が願われるであろう、こういう期待をしております。
○成田委員 それは政府の諮問のいかんにもよりますし、政府の方針というものも影響してくると思います。従って常識的に考えて、米価の決定は今月末だと考えるのがほんとうじゃございませんか。抽象的にお答えにならないで、そうじゃないならそうじゃない、また七月に入るとか、そういうふうに具体的に御答弁願いたいと思う。
○井出国務大臣 私としては、今言われますように今月末というふうなことではなくて、もう少し早目に決定でき得るもの、こう考えております。
○成田委員 これは大臣何と言われましょうと常識的に考えて今月末だと思う。そこで米価の問題については後ほど時間があったらお尋ねすることとして、ここで一つだけお尋ねいたしたいのは、予約申し込みの期間でございます。これは大臣すでに御承知のように、農業団体としては六月、七月の二カ月間を申し込み期間としてもらいたい、どういう強い要望があるわけですが、大体米価の決定が六月末だとすれば、事実上六月の予約申し込みは不可能だと思う。そうすると少くとも七月、八月が予約申し込みの期間になる。これは政府の米価決定がおくれておるのだから当然だと思いますが、政府の方針はいかがですか。
○井出国務大臣 米価の決定を見ますやいなや、直ちに予約申し込みの受付をいたしまして、およそ二月ぐらいの期間をもって受付を行い、所要量を確保したいと考えております。
○成田委員 今二カ月間ということをお話しになりましたが、重ねて確認しておきたいのは、米価については十日から大蔵省、農林省の交渉に入る、十五日に閣議を開いて諮問案を一応きめる、十七日から米価審議会を開く、こういう予定だと私は聞いております。そうしますと、どうしても米価の正式決定は月末になり、そこで今二カ月の予約期間をお認めになったとすれば、七月、八月、そういう結果になると了承してよろしゅうございますか。
○井出国務大臣 成田委員の今お示しになったスケジュールは、必ずしも私どもの考えておる線通りではございませんが、しかし、ともかく取り急ぎまして、大見当を申し上げますと、従来の例もございますので、米価決定後二カ月を予約期間に当てるという考え方に立っておるわけであります。
○成田委員 次にお尋ねしたいと思いますが、今度の三十二年度の予算審議のときに、例の食管の赤字問題が非常に問題になったのですが、そのときの政府の答弁では、臨時食糧管理調査会の答申をもって赤字問題は処理する、こういうことを言っておるわけです。ところがこれはだれが見てもわかるのですが、調査会の構成メンバーは大体政府の息のかかった人、消費者米価の引き上げに賛成の諸君が大部分であります。もともと政府は今度の予算編成に当って、非常な政治的な窮地に追い込まれて、その調査会に逃げたというのが国民一般の感じなのです。そこで必ず消費者米価の引き上げという答申が出ると思う。これは政府の思うつぼというか、もともと計画通りだった。自民党内部においても消費者米価の引き上げという意見があるわけです。そうしますと政府の当然のやり方として、消費者米価の引き上げというものが打ち出されると思いますが、そのときは三十一年度の赤字百六十一億、三十二年度の赤字見込み分の百四十二億、この処置が当然問題になってくると思います。ということは補正予算が現実の問題になってくるわけでありますが、補正予算を組む、こういち結論ですかどうですか。
○井出国務大臣 その点は調査会の結論を待ちました上でないと正確には申し上げがたいと存じます。しかし今言われるように予算を補正しなければならぬという事態がかりにあるにいたしましても、食管会計は御承知のように一つの独立した特別会計でございまするので、それを補正する時期というふうなものにつきましては、今直ちにどうこうという措置をいたさなくても借入金でまかなうというふうなことが可能ではないかと考えております。
○中村(時)委員 議事進行。今成田委員から非常に重要な発言をしている最中なんでありますが、昨年度並びに一昨年度の赤字の問題が出てきたわけなんです。当然この問題は六月において集荷の決定的な問題がはっきりと打ち出されてこなければならぬわけです。以前からそのことはやっていらっしゃる。予算の上においては、昨年の十二月の推定予算をもって予算を編成されていらっしゃる。六月になってくれば集荷のはっきりした数量が出てくるわけですから、当然大蔵大臣の出席の必要性が出てくる。大蔵大臣にも以前からお願いしておったのですが、それはどういう結果になっているか委員長にお尋ねしたい。
○小枝委員長 大蔵大臣の出席を要求しておりますが、ちょうど銀行の大会があって大阪の方へ今旅行しております。大体明日ごろには帰るのではないかと思います。
○中村(時)委員 きのう理事会で決定したのだが、その通知をしましたか。
○小枝委員長 きのう申し出をしておるわけです。
○中村(時)委員 その返事はどうだったのですか。あなたは責任を持って答弁してもらいたい。
○小枝委員長 帰ってこないとこれはどうしようもありませんから、帰ってからもう一度……。
○成田委員 今の大臣の御答弁は、明確なことはわからないのですが、食管特別会計は独立の会計なんだから、赤字が出たからといって必ずしも補正を組む必要はないのだ、こういうことですが、今度の三十二年度予算案を審議するときに、調査会の結論によって赤字問題は処理する、こう言っておられる。百四十二億の赤字が消費者米価の値上げ、これによる修正売買主義による期末在庫量の評価がえだけで解消できるとは思わない。調査会の結論が出れば当然食管会計の補正ということが必要になると思います。従って時期的には一カ月おくれるか二カ月おくれるかという問題はありますが、少くとも近い将来において補正予算をお組みになるということは当然だろうと思いますが、いかがですか。
○井出国務大臣 三十一年度の赤字につきましては、成田委員も御承知の通り決算確定を待ってこれを処理する、こういうことになっておりますので、まだその時期には到達をしておりません。しかるべき時期において一般会計からの繰り入れがなされる、こういうふうに御了承をいただきたいと思います。
○成田委員 決算確定を待ちまして、そうして調査会の結論が出たときには当然赤字問題処理のための補正を組まなければいけない、こう考えるのが常識だと思いますが、いかがですか。
○井出国務大臣 その時期の問題もございます。それから従来御承知のように食管会計は過去三十年度もあるいは三十一年度も赤字のままで持ち越された、こういち例もあるのでございますから、その最終的な結末をつけるのは次の通常国会でも差しつかえないのじゃないかというふうに考えております。
○成田委員 そうすると臨時国会でなくとも通常国会では赤字の処理のための補正をやる、このように了承してよろしゅうございますか。
○井出国務大臣 財政当局の考え方もありましょうけれども、われわれとしてはそのように存じております。
○成田委員 それから次にお尋ねいたしますが、調査会でも米価問題だけじゃなしに、食管特別会計のあり方についても検討していらっしゃると思います。そこで現在の食管特別会計が赤字だ赤字だという形で米価にすべてがしわ寄せされる、こういう感じを受けるのです。現在の食管特別会計にはたとえば飼料需給調整法あるいは天災臨時振興措置法あるいは農産物価格安定法、、こういう輿係で政府がお出しになっておる資料を見ましても、農産物等で三十一年度は約六億、天災等で四億、飼料で六億、こういう赤字があるわけです。これがどんぶり勘定になりまして、この食管会計の赤字を表面に出しまして米価にこの問題を転嫁しよう、こういう印象を受けるわけです。従って当然筋を通すためには、食管特別会計のあり方についての再検討の必要があろう、米価問題とも関連いたしましてこのように考えるのですが、農林当局としてそういう御方針をお持ちなんですか。
○井出国務大臣 臨時調査会におきましてはそういうふうな問題も議論の対象になったように伺っております。そこで今の御質問は、農林省としてはこれは筋を通して、米価にしわ寄せをしないように別途に扱う意思があるかどうか、こういう御質問だと存じますが、これは調査会の答申をちょうだいをいたした上で十分に検討をいたしたいと考えます。
○成田委員 農産物価格安定法関係のものは、これは農業政策に関係するものです。食管特別会計の米麦価と一緒にしてどんぶり勘定で処理するよりも、当然別会計にして一般会計で負担するというのがあり方として正しいのじゃないかと思うのです。農林大臣はその道のエスキパートですから、何も調査会の結論を待たなくても、大臣として一つの経編を持っていらっしゃると思いますから、それについての御意見がございましたらそれを伺いたい。
○井出国務大臣 この点につきましては前国会の予算委員会の際にも私の一つの試案というような意味で、そういう農産物価格支持という一つの農業政策から出発しておる部分については、これを別途の考え方をしてもしかるべきではないかということはお答えを申し上げた記憶がございます。
○成田委員 そこで消費者米価引き上げの問題なんでずが、大体そういう引き上げの答申が出るといろのは予想されているわけなんです。その根拠としては家計米価、これが根拠になっている。結局家計の所得の伸びというものを考えまして消費者米価の引き上げの限度というものをほじき出す、こういう方針のように承わっていますが、大体昭和二十九年以降の所得の伸びというものを、事務当局としてはどの程度に数字をおはじきになっておるか、これをまずお伺いしたい。
○小倉説明員 ちょっと古いかもしれませんが、今の質問でございますが、昭和二十九年一月に現在の消費者米価が決定いたしましたので、その後の約半年をとっておりますが、昭和二十九年の二月から八月でございます。そのちち七月を除いてございますが、これはボーナス時期でございますので、そういう特殊の月を入れることはいかがかということで除きますと、全都市平均で家計支出が二万二千七十四円になっております。それから最近のものといたしまして三十一年の六月から二月まで、これも十二月と一月、これは特殊の月というふうに考えまして除きますと、一月平均といたしまして二万四千三百十円、こうむりまして、上昇率は一一〇%一三ということに相・なっております。これにさらに最近の資料といたしまして三月が出て参っておるようでございますので、これか見ますと、ただいま申しました一一〇というのが一一一くらいになるようでございます。
○成田委員 家計米価の関係から見ましても二%の伸びというものを基準にして消費者米価引き上げの限度というものをお考えになると思うのですが、ただここで一つ大臣にお尋ねしたい。実績は確かに一一%の家計所秤の伸びがあった、こう考えますが、これは三十年、三十一年の自民党のいわゆる神武以来の好景気、こういう情勢のもとにおいて一一%の伸びがあった。ただ消費若米価というものは、将来にも影響するものだから過去の実績だけで、計数だげで消費者米価衣決定なさることは非常に危険なことです。特に最近、私たちは予算委員会でも政府の積極財政政策は危険である、こういうことを指摘して参ったのですが、政府は一向に耳をかさない。そこで私たちが指摘した通り財政事情が非常に悪化してきたのです。そして金融の引き締め、公定歩合の引き上げ、こういう一連のデフレ政策をおとりになって、大きくデフレ政策に転換しようとしておる。そうしますと今後一年問たり二年間の見通しとしましてほ、所得の伸びというものは過去の一一%というものを標準にしてお考えになると非常に危険なのです。伸びは非常に低下すると見たければいけない。従って消費者米価を御決定になるときも一一%の過去の家計所得の伸びか、考えるべきではなくして、一つの参考ではありましょうが、傾向というものをごらんになって、むしろデフレ政策のために所得が減るのだ、これを重要なる要素にしてお考えにならなければ消費者米価の決定というものは大きな誤算をやるのじゃないかと思います。その点で政府が大きく財政政策を転換しようとしておりますが、この将来の所得の伸びというものを十令考慮しておやりにたるのがほんとうだと思いますがいかがでございましょうか。
○井出国務大臣 まあ最近の経済の現実をどう見るかということでございますが、非常に輸入がふえましてそれがために外貨の保有が減りつつあることは事実でございます。そうかといってそれじゃ輸出が減退をしておるかと申しますと、これは私は大体順調だというふうに見ておるのでございまして、経済の全体の基調というものはそれほど御心配をいただくようなものではないのではないか。従いまして、これからの景気の見通しなりあるいは所得水準の問題なり、将来の予測でございますから今明確な計数を把握するわけには参りませんけれども、私どもとしては伸びる率、進度はあるいは今まで通りにはいかないにせよ一種の横ばいの状態が続くのではなかろうかというふうに見通しておるのであります。いずれにいたしましても、今大体御指摘のような点などはやはり注意をしつつ事に当りたい、こう考えております。
○成田委員 ここで経済政策を論議しようと思いませんが、農林大臣の見方は非常に甘いと思うのです。その一例が、今輸出の伸びは順調だ、こういうふうにおっしゃっておりますが、たとえば昨年度と一昨年度を比較いたしますと、ことしは特にそうだと思いますが、工業生産の伸びのうちで占める輸出関係の割合が三十年度は四割、三十一年度は二割になっておるのですよ。そういう意味で輸出の伸びというものは工業生産の伸びほど伸びてないのです。従って輸出の前途というものは、当事者は非常に心配しておる。輸出の伸びも十分じゃない。しかも輸入は大臣の言う通り非常に激増しておる。国際収支は非常な危機をはらんでおる。そのために今まで大蔵大臣が非常に楽観論を唱えておられましたが、公定歩合の引き上げとかあるいはユーザンスの短縮の問題とか、最近では輸出保証金の積立引き上げ、こういうような強硬なデフレ政策をとっていらっしゃるのです。この政策はさらに強化されるということは常識だと思うのです。としますと、先ほど申しましたように過去の一一%の所得の伸びを基準にして消費者米価を決定なさることは非常に実情に相違した結果を生む。ただそういうことを注意されると今言われましたが、注意されるだけではなしに、当然これは考慮の中に入れて消費者米価を御決定になるのがほんとうだと思いますが、いかがでございましょうか。
○井出国務大臣 これは成田さんと経済の見方をここであげつらおうとは思いませんが、最近輸入が非常にふえておる。これが原材料となって次の生産の基盤をなしていくというふうな部分であるならば、これはさほど心配はない。思惑で最近不要不急なものが入るというふうなものに対してはこれを抑える措置に出るというととは当然でございまして、この見方というものはそれぞれの立場で相違があるかもしれませんが、私は国民所得が三十二年度において急激に減るというほどに悪い状態ではない、こういうことを申し上げたかったのであります。従いまして御指摘の点も十分腹に入れながら事に当って参りたいという点を申し上げた次第です。
○成田委員 たとえば在庫数量の問題なんか、もう去年論議済みのはずです。数字がふえておるから安心だと言っておったけれども、事実は裏切られたのです。だから大臣は去年の事実をもって楽観論を唱えておったのではいけない。やはりデフレ政策というものは強化されている、こう見ざるを得ないと思うのです。そういう意味でぜひとも過去の所得の伸びを標準にしまして、消費者米価を決定する、こういうような方針をとらないで、先行きの経済の見通しといろものを十分考慮の中に入れて消費者米価というものを御決定願いたい。その点については異論がないと思いますが、いかがでありますか。
○井出国務大臣 十分に注意をいたします。
○成田委員 そこで一応今言われました農林大臣の楽観論を前提にした場合でも、さらに一つお考え願いたいことは、所得が上昇したといってもこれはやはり一部だと思うのです。そしてきょうの新聞によってみますならば、内閣総理府の就業基本調査、労働力の調査をやっております。この就業構造の調査によりましても、不完全失業者が五百二十七万、それから完全失業者が七十九万、こういう人々は一般の勤労者に比較しまして、所得は大体四割程度なんです。従ってその平均した所得の伸びというものをお考えになって、そうしてこういういわゆる不完全失業者、低額所得者、こういうものの存在を無視された消費者米価の引き上げという毛のほこれまた大きな問題であると思う。こういう人にはほとんど社会保障も行われていない。こういう低額所得者というものはむしろ所得が伸びているのではなくて、家計の支出はふえている。これは運賃の値上りとかあるいは電力料金の値上りとかガス代の値上りとか、こういうことで所得がふえたのではなくて、支出がふえているのです。こういう人々の存在をお考えになったときに、一律の消費者米価の値上げということはこれまた実情に沿わないと思う。こういう低額所得者に対して政府はどういうことをお考えになっているか。消費者米価引き上げの及ぼす影響、これに対してどのようにお考えになるか、これをまず伺いたい。
○井出国務大臣 低額所得層の関係につきましては、これを米価だけで解決をするというわけには参りませんので、これらにつきましては、昭和三十二年度の予算においてあるいは社会保障の拡充もいたしましたし、その他ニコヨンと言いますか、こういった階層の賃金もふやしてあるわけでございますし、一切をカバーするということはなかなか困難ではございますけれども、一方においてはそういうふうな手段も講じておった次第でございまして、さように御了承を願いたいと思います。
○成田委員 社会保障の拡充とか、あるいはニコヨンの賃金の引き上げ、これをお考えになるというのですが、少くとも米価引き上げの前か、おそくとも米価引き上げと同時にこういう政策をやらなければ消費者米価の引き上げというものはできない。これに対してはっきりした方針をお持ちでございますか。
○井出国務大臣 ただいまも申し上げましたように、三十二年度予算の中においてもさような点を相当に考慮いたしたつもりであります。
○成田委員 それも議論になりますから申し上げません。そこで次の問題に移りたいと思います。消費者米価の引き上げは所得が伸びた。一一%といろ数字を出していらっしゃるのですが、これを根拠として消費者米価を引き上げんとする場合生産者米価、これを大蔵省当局は予算米価は一万円に押えておる。こういうような方針をお持ちのようですが、生産者について予算米価は一万円と去年より安い米価で押えるということになりますと、ただでさえ都会と農村の所得の格差というものがあるのにますますその格差を拡大する結果になる。従って米価を決定される井出農林大臣は、大蔵省の考え方いかんにかかわらず、農林当局においても確固たる御方針をお持ちだと思うのですが、現在どのようなお考えであるか伺いたい。
○井出国務大臣 ただいま大蔵省が一万円で押えたいというふうな考え方を持っておると言われましたが、まだ政府としてそれを最終的に決定しておるわけでございませんで、問題をこれから詰めて参らなければならないと思うのであります。その際私どもといたしましては、生産者の実情をも十分に考慮をいたしまして適切な線でこれをおざめたい、かように考えております。
○成田委員 ただいまの御答弁では、生産者の立場も十分考慮して適正な米価を決定したい、こういうふうな御方針だというのですが、ところが先ほどの成田委員の質問なりあるいは昨日来の食糧庁長官の御答弁を聞いておりましても、結果はそういうふうに行きそろにない。たとえば米価の決定でパレティ方式をとるのか、あるいは生産費及び所得補償方式によるのか、こういう質問に対して、政府はやはりパリティ方式をとる御方針のようである。ところが昨年度の米価審議会の答申としては、生産費及び所得補償方式でもって米価を決定しろという答申であった。ところがその答申を尊重になっていない。この点につきまして、ととしも同じような答申が出た場合、去年と同じように答申を無視されるのか、ことしそういう答申が出ましたときには、その答申に従って生産費及び所得補償方式を基礎にして米価を決定するのか、その点を伺っておきたい。
○井出国務大臣 ことし米価審議会がどのように答申をお出しいただきますか、これからの問題でもございますので、その上で考慮いたしたいと思います。
○成田委員 ことしの米価審議会の答申がどう出るかわからないと言われるが、ただ米価審議会の答申は尊重されますか。
○井出国務大臣 これは従来もそうでございましたが、尊重をして参る所存でございます。
○成田委員 従来は尊重をしていないのです。その例として私は一つ申し上げたのです。去年の米価審議会で生産費及び所得補償方式、こういう答申が出ておるにかかわらず、今日のところ川ではパリティ方式でやる。これでは米価審議会の答申は尊重していないではないですか。従って従来は尊重しなかった、これは間違いである。従って今度は米価審議会の答申は、いわゆる良心的な井出さんとして十分尊重する、こういうように一つ御答弁願わなければならぬと思いますが、いかがでしょうか。
○井出国務大臣 米審で御審議をいただき、その結果を見ませんと、私としてこの場合申し上げるのは早計であろうと思います。
○成田委員 結果を見て考慮すると言われるけれども、米価審議会の趣旨からいっても、米価審議会の答申は尊重する、こういうことを今言われた。結果を見て考えるというのでは、結果によっては米価審議会の答申は無視する、こういうことがあり得ると考えてよいのですか。
○井出国務大臣 いや、具体的に生産費ないしは所得補償方式、こういうものをお出しになるかどうかということは、まだ米審が開かれてみませんとこれは未定の問題でございますから、これについては私は言及することを差し控えますが、ともかく米価審議会というこの機関を十分に尊重して参るつもりでございます。
○成田委員 米価審議会の答申は尊重される、これはことしどういう結論が出るか、これはわかりません。そこで、従来も尊重されたというのですが、昨年度の米価審議会の答申として、先ほど申しましたように、生産費及び所得補償方式により、とこういう答申をしておるわけです。ところが政府はパリティ方式を中心としておやりになった、これは米価審議会の答申を尊重していないと思うのです。これでも尊重していると言えますか。
○井出国務大臣 尊重をするという意味でございますが、私は従来ともこれを尊重し、答申をいただけばそれを部内において十分に検討した、こういう意味に理解をするのでございまして、その生産費並びに所得補償方式というものが検討の結果、やはりさっき神田委員にもお答えをしましたように、長所もあれば一方において短所もある、こういうふうな場合にはこれを実施に移すということはなかなかむずかしいのではないか、しかし十分に尊重をしてこれを検討をいたす努力を払った、かように申し上げたいのであります。
○成田委員 そういたしますと、尊重するということは検討するということなんですね、かように理解してよろしゅうございますか。常識からいえば尊重するということは、答申を考慮に入れて、その答申百パーセントにいかなくても、その答申の精神を生かすというのが尊重ということだと思う。ところが米価審議会の生産費及び所得補償方式というものはほとんど無視されておる、これで尊重されたといえますか。井出さんなら一今までは井出さんじゃなかったが、今度は言葉の本来の意味の尊重という言葉に妥当するようなお取扱いがいただけると思うのですが、いかがですか。
○井出国務大臣 答申をちょうだいいたしました上でこれを十分に検討をいたし、実施に移し得る分はこれを実施する、かように尊重という意味をおとりを願いたいと思います。
○成田委員 そこで最後に一つお尋ねいたしますが、先ほど問題になっておりましたバック・ペイの問題であります。今までは内閣がかわるたびに政府側から、鳩山内閣から石橋内閣になりさらに岸内閣になったが、政府の基本政策の基盤は変っていないのだ、政策は踏襲してきておるのだ、こういうお話がありました。この点はそのように確認してよろしゅうございますか。
○井出国務大臣 自民党内閣でございますから、その線をずっと堅持をして参っておるわけであります。
○成田委員 そこでバック・ペイの問題なんですが、どうも食糧庁長官あるいは大臣のお話を伺っておりますと、バック・ペイの問題についてこれを認めようという御意見がないらしいんですね。ところが今自民党内閣だから前内閣の方針を踏襲する、こういう御答弁があったのですが、昨年度の米価審議会で農林大臣、これは河野さんですが、西委員の質問に対してこういうように答弁されておる。西委員はこう言っておる。「パリティー価格は漸増の形にございまするし、かつまた卸単価も上っておるように聞いておるのでございまするが、もし出来秋におきまして物価が上りまして、この御諮問になりました米価がどうも不合理であると、こういうような現実の問題がおこってまいった場合に、政府としての御対策をお考えでありまするかどうか。」こう質問しておる。これに対して農林大臣は、「御尤もなお尋ねでございまして、これは天候不順で凶作の場合であるとか、それからいまお話のような事態がおこりました場合には――すなわちパリティが上昇した場合――当然しかるべき処置をとらなければならないとおもうのでございます。なにぶんこれだけ早く米価を決定して契約するのでございますから、実情にそぐわない事態がおこってまいりますれば、そこで変更することは当然であろう、こう考えております。ただし下げるわけにはまいりません。」こういうことを言っていらっしゃる。 これは理論的にいきましても、パリティ価格を米価決定の基準とされておるならば米価が上ることは当然なんです。食糧庁長官は事務当局でございますので、はっきりした政策の問題は言えないと思うのですが、そこで、従来自民党内閣としてこういう政策をおとりになってきた、理論的にもそうだ、去年の米価審議会でも今言ったように率直に河野農林大臣は御答弁になった。こういういい政策は当然のこととして御踏襲になってしかるべきだと思うのです。この問題についてはっきり御答弁を願いたいと思います。
○井出国務大臣 昨年の米価審議会において河野前大臣がただいまお読みになったような答弁をなされておりましたことは、実は私、よく承知をいたしておらなかったのであります。 私、先ほど来申し上げておりますのは、これは自民党内閣だから一貫性はある、ただこの予約制度というものを実施いたしましたのは一昨年来のことでございまして、この予約制度自体の本質にまつわる問題といたしましては、それ以前にしばしば行われたバック・ペイの問題とだいぶ様相が変ってきておるのではないか、そういう見地に立ちまして、私としましては、これが非常な天災地変であるとか、あるいはインフレの非常な高進期であるとかいうふうな場合は別途考える要があろうと思いますけれども、現在程度のパリティの変動ではまずバック・ペイをいたさなくてもよろしいのではないかというように考えております。
○成田委員 予約制度というものをとったのは一昨年でございますよ、そして農林大臣の河野ざんの御答弁があったのが昨年度の米価審議会です。昨年度とことしでこの予約制度の本質というものについて考え方がそんなに変るはずはないと思うのです。(「その通り」)これは初めて三十年度にとって、供出制度が予約制度になった。このときにバック・ペイの本質というものが変ったのならまだ理解できないことはありませんが、すでに三十年度におとりになって一年おやりになって、三十一年度の米価審議会の答弁で、今あなたはパリティがインフレのように急上昇すると言われましたが、そうではなしに、河野農林大臣は当然のこととして、漸増した場合でもパリティの上昇があればバック・ペイはやるべきだ、こう言っている。従って河野大臣の言われることは理論的にも筋が立っている。あなたが言われるのは、三十年度でその問題を取り上げたのならまだ私たちは理解できる。しかし三十年度に実施して、三十一年度においても河野農林大臣はそういう御答弁になった。先ほどあなたは自民党の政策というものは踏襲するのだということをはっきり言われた。ここでお変えになる事由というものは私にはわからない。その点を一つ明確にお答え願いたい。
○井出国務大臣 私の考え方は、先ほど来申し上げますように、予約制度というものを実施いたし、そこで一つの契約というものが成立をいたしておるのでございますから、バック・ペイといろ問題はパリティが緩慢な上昇をするという程度では、これは考慮のほかにしてよろしいのではないか、こういろ考え方に立っております。
○成田委員 契約の形式と価格の算定方式というものはおのずから別個の問題だと思うのです。今までのような供出制度というものが予約売り渡しになりまして、事前の契約という形になったのです。供出制度にしろ、これは一つの契約なんです。最後には強権はあるにしましても、一つの契約だと思うのです。その契約を履行しなかった場合にいわゆる強権の発動があったわけです。この契約というものは、供出であろうが、あるいは事前の売り渡しであろうが、これは米を売り渡す法律的な形式においては差はないと思うのです。しかもそういう問題と価格の決定方法というものはおのずから性格が別個なんです。切り離して考えなければならぬ。価格の形成についてはあくまでもパリティ方式をとっております。普通の契約でも事情変更の原則というのがあるでしょう。よく御存じの通りです。そういろ契約をしておっても事情が変れば契約内容は変ってくる。ましてや政府が価格の決定でパリティ方式をおとりになっているなう、契約であってもパリティの差額というものはバック・ペイで十分に見るということが当然じゃないか。事前売り渡しになったからバック・ペイの性格は変ったという論議はとうてい納得できない。
○井出国務大臣 いろいろ御議論もございますが、私どもとしては、ずっと紳田委員以来申し上げておりますように、ただいまはこの程度の緩慢な上昇ではバック・ペイを必要としないという考え方に立っております。
○成田委員 あなたがそう思い込んで結論をお出しになっても、その理由づけというものはないと思うのです。河野農林大臣ですら、漸増した場合でもパリティの上昇があれば当然バック・ペイを見るべきだ、こう昨年言っている。事前売り渡しになってからパリティ方式というものを改めたわけでも何でもない。パリティ方式というもので価格を決定し、それによって契約する。その根拠はパリティなんです。従ってそのパリティに変化があれば考慮するのは当りまえじゃないですか。契約になったからパリティ方式を考えないといちのは法律論としてもおかしい。その契約の基礎である価格の決定方法はパリティなんです。その決定の基礎数字が変れば当然契約内容というものは変ってくるのです。その差額はバック・ペイすべきなんです。だから、そうじゃないという議論でございましたら、その論拠を明確にしていただきたい。ただそう思っているというだけでは私たちは納得できむい。
○井出国務大臣 だんだんの御議論でありますが、私どもといたしましては、先ほど来申し上げる通りとお聞き取りを願いたいと思います。
○成田委員 議論じゃない。私たちが納得できるように、予約申し込みになった以上バック・ペイを見なくていいという理論的な根拠を教えていただきたいということなんです。私たちが納得できないのは、予約申し込みの契約にしろ、その契約の基礎というものがパリティだということになれば、パリティに変化があれば当然契約の内容も変ってくるんだから、バック・ペイというものは見るのが当然じゃないか、これは当然の解釈だと思うのです。そうでないと言われるならば、私たちの納得するような説明をお願いしたい。議論をしようとは思っていません。
○井出国務大臣 るる申し上げましたように、一つは、予約制度というものに切りかえまして、それ以前はバック・ペイという問題もございましたが、自来われわれとしては、この予約制の本質といいましょうか、そういう点に一つ論拠を求めておるわけでありますし、それから、非常なインフレというような場合、これは事情変更というものが大きく響くでございましょうが、この程度の緩慢なパリティの上昇ではまずバック・ペイをしないでもよろしかろう。それからまた現在の価格が裸パリティといいますか、そういうものではなくて、その上に他の要素も加わっておるというふうなことからも勘案をいたしまして、ただいまそのような方針を立てておるわけであります。
○成田委員 関連質問があるそうでありますから、私の納得できない点を重ねて申し上げますが、予約申し込みに切りかえたからバック・ペイというものは見なくてもよいというような理論にはならない。予約申し込みの本資は何かということになると、確かにこれは契約ですよ。その契約の基礎をなしておるのはパリティです。生産米価を決定されるのはパリティです。従ってその契約の基礎であるパリティの指数が変ればこれを考慮するのが当りまえです。しかもこれは、そういう理屈じゃなしに、同じ自民党内閣の河野農林大臣も、米価審議会という公けの機関で、そういうことは考慮しなければならぬし、考慮すると言っておる。それを変える理由はどこにも見当らない。政府はたびたび実績々々ということを言われておりますが、その実績の上から言ってもそうです。理屈から言ってもそうです。今の御説明では、私だけでなくだれだって納得ができない。従って私は納得できません。もう少し御説明が願えればけっこうだと思いますが、関連質問があるそうでありますからお譲りいたします。
○川俣委員 今成田委員からせっかく質問された点は、大臣も窮するところがあるだろうと思いますけれども、やむを得ない。この予約制度ができたときは、買い入れ価格というよりもむしろ予約米価といろ考え方があった。なぜかというと、二十五年、二十六年の米価決定の場合は、大体生産された実績の出ます七月までのパリティをとって、収量も出来秋の実収高を見て、大体い近時期に米価の決定があったわけであります。ところが予約制度を実施いたしますと、その生産の年度に要した物価の影響のないパリティ指数をとらざるを得ないわけであります。その年の生産に要した物価ではなくて前年の物価ということになるわけであります。従って買い取り米価というよりもむしろ予約米価、予約に必要な米価であって、作況を見た上で、または物価の変動を見て、さらに訂正を加えるといろのが予約制度の発足なんです。政府が予約制度を実施するに至りました調査会の答申を見ますと、あらかじめ決定をする米価だから当然補正を要するということを前提としてこの予約制度というものが成り立っておるわけであります。河野農林大臣のとき参議院の予算委員会におきまして問題が起きたのもこの点です。出来秋の作況を見ないので減収加算というような問題が起ってくることは当然のことです。作況を予知せざる前に予約するのですから、減収加算であろうと、物価の変動であろうと、あとから訂正はするけれども、今のうちに予約をしてあらかじめ数量を確保していこうというのが予約制度の起りなんです。二十五年、二十六年の基準米価というものは、長い間あなた方が使って参りました基準米価というものは、七月までのパリティ指数ですから、当然七月までの物価の趨勢というものが入っての決定です。今度はそうではないのです。作付前の予約でありますから、その年の物価の趨勢というものが全然理論的に入っていない。そこで物価の趨勢というものは当然パリティの上昇によって是正をしなければならないというのが予約制度の骨子でなければならぬ。もしもパリティを使うとするならば、前年のパリティです。作付以前のパリティなんです。その年のパリティを何も使っていないということになる。そこでそれでは生産費、または所得補償方式を加味したものでなければ理論的に米価の決定は困難だということになる。当然バック・ペイ並びに減収加算を加えるということで、初めて予約制度が成り立つのでありますから、予約制度ができたから、バック・ペイはしないんだ、減収加算をしないというのは、非常に大きな予約制度の本質の問題であると思う。そんなふうに変更された予約制度というものは今までにかつてない。数量確保の集荷方式なんです。この点大臣間違っておられると思いますが、これは重大なことですから関連質問したのですが、これはぜひとも農林大臣に明確に答弁していただきたいと思います。大臣が農林委員長時代にわれわれ承認したものなんで、そういう意味で予約制度というものが成り立ってきたということに思いを想起していただきたい。
○井出国務大臣 予約制度は私の委員長の時代ではございません。その後でございますから、これは申し上げておきます。そこで川俣委員の御意見ではありますが、私どもは予約に際しての価格というものを一つの決定価格、これは仮価格とでも言いますか、そういうものでいずれ出来秋には修正するのだ、今の川俣さんの理論はそういうふうになると思うんですが、われわれの考え方は、予約の際に一つの決定価格を打ち出したんだ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○川俣委員 これはパリティという考え方が違います。前年のパリティということはないのです。これは食管法を変えれば別です。再生産を確保するに足る買入れ価格でなければならない。そういたしますると、予約制度自体が食管法に違反しているということになる。違反しないで運用するとすれば、やはりその年の物価の趨勢というものを当然入れなければ再生産を確保するということにはならない。その年のものを入れても、ほんとうは翌年の再生産ですから翌年のととが入らなければならぬはずだけれども、それではパリティは得られないから、そこでバック・ペイをしていく、こういうことにならなければならぬ。もう一つは、河野農林大臣が参議院で問題になったのは、もしも作況が悪かった場合たまたま豊作であれば別ですけれども、作況が悪かった場合には、減収加算をするということが予約制度実施のときの条件になっていることは御承知の通りなんです。これは委員長時代に――ちょうど調査会ができたのは委員長時代です。予約制度を実施する答申を得たのが確かそうだと思います。実施されたのはやめられてからだと思いますけれども、そういう調査会を設けて答申中のことだったと私は記憶いたします。それは別といたしまして、予約制度は当然前年のパリティをとるのでありますから、これを是正するということがなければ、従来パリティ方式をとってきました農林省の基本方針というものが全くうやむやになったというなら別ですよ。パリティ方式を従来二十五、六年度を基準年次にとりましたのも、これは前年のパリティじゃないのです。ちょうど二十五年、六年は農業所得と都市の所得の均衡がとれた年だということは、いわゆる生産年次を基準にしてでありまして、前年のパリティではない、生産基準年次なんです。従って今度の予約制度、昨年の予約制度にいたしましても、一年間のパリティの変動がなかった場合には別問題です。少くとも大きな変動がありました場合においては、パリティ方式に伴う是正というものが――これはパリティ方式の付帯した条件なんです。この付帯条件というものを実施していかなければ、パリティ方式であるということは言えないと思う。今まで米審においてパリティ方式をまがりなりにもとって参りましたのは、これらの付帯条件が具備するということでパリティ方式はとられてきた。この点ここで答弁することがむずかしければ、もう一度過去の速記録を十分お読みの上で、誤解のない予約制度というものを実施していただきたい。答弁はあえて求めませんから、十分過去の速記録をお調べの上で善処していただきたい。
○足鹿委員 バック・ペイの問題については大体議論が尽きたと思うのですが、私は一点だけ申し上げておきたいと思う。それは予約制度が実施になった昭和三十年のときに、強権供出の方の実態というものはかわっておらない、だから集荷方式をただかえてもいざというときにはやはり強権供出の方式が出てくる。こういう点について制度として改めていくならば、当然食管法自体の改正をなすべきではないか。こういう点を政府に念を押しただしたのでありますが、その必要はないんだ、これはただ単に集荷方式でございます、その集荷方式を変更するにすぎないのだということで、ずいぶん論議をした結末がそういう結末であったことは、大臣も当時この農林委員会の委員として御存じのはずです。ところがすっかり月日が移りかわって、本日向うとこちらとでお話しをするようになると、今述べられたような御答弁をなさるということは、私どもは解せない。私の言うのは、これは制度上の変更ではない。集荷方式をただかえたということで理解しておりますが、政府の理解するところはそうではなくして、制度自体の変更、こういうふうに御解釈になって、その上の結論としてバック・ペイについては取らない、こういう結論をお引き出しになっておるのでありますが、その点を当時の予約制度を作られたこの委員会の審議の経過等を御勘案になって、御答弁を一つ願っておきたいと思うのです。
○井出国務大臣 足鹿委員から予約制度ができました当時の状況について御指摘があったのでありますが、私もその当時当委員会の委員であったことは間違いございません。先ほど来申し上げておりますように、予約方式をとります以上は、今回程度のパリティの変動に対しては、バック・ペイを考慮しないでもよかろう、こういう見解に立っておるわけでございます。先ほど来いろいろ御指摘がありました点は、これは政府も先ほど来申しておりますように、調査会の答申もまだ得ておらないのでありますから、今日こういう御議論のございましたことをあわせ検討をいたしたいと考えます。
○足鹿委員 大体議論し尽されておりますからしつこくは申し上げませんが、大体この算定方式自体が法制の上において明確になっておらない。従ってこういう問題が、おのおの勝手な、そのときの情勢判断によって都合のいいように政府が判断を下して、今農林大臣が言われたような御見解がはしなくも出たと思う。従って私ほ少くとも制度調査会なりあるいは米価審議会なりにおいて算定方式というものが明瞭になる、何人も認めるこれが共通した意見として、そして永続性のあるものとして制度化される。そういう際に今農林大臣が、一つのあなたの所見としてそろいう考えをとりたいということをおっしゃるならばこれはまた一つの議論が分れてもいたし方ないです。しかしながら現在までは少くともそういう慣行によってずっと貫かれておるのです。昭和二十九年の産米に対してもはっきりしたバック・ペイをすべきだということで私は去年の予算委員会において指摘し、河野農林大臣は、それはそうであるけれども今のととろはやむを得ないと肯定しながらもその至らざるととろを述べられた。今の井出農林大臣の御答弁を聞いておりますと、まっこうからこれを否定されるというととは、われわれ黙過することはできないのです。この点についてぜひ先ほどの御言明の行き過ぎについては是正されていただきたい。そういうことは一つの制度上の問題、一つの長い慣行の上に立って今日までやってこられたのを、ただいま述べられたように軽く言われるということについては、これは午前中からも食糧庁長官と各委員との間に応酬があった、たまたま食糧庁長官は、食管制度調査会において食管法自体の改廃の問題についてもあるいは付随的な問題として出るかもしれないということを口をすべらして書っておられる。そちしたことが一連の形になって、今の大臣の御見解は、あなた方が次の、一つの算定方式を打ち立てられ、何人も一応納得することができるときのことであって、現在一方的にあなたの御言明によって、この委員会を通じて全国の農民にそういう言明を与えられるということはわれわれは納得できない。こういう点についてはぜひ再考をしていただきたいと思う。何か御所見があれば伺っておきたいと思うがいかがでしょう。
○井出国務大臣 先ほど来ずっと申し述べておりますように、現在私の所見を述べろと言われまするならば、先ほど来お答えをしておる通りでございます。なお調査会が示される結論もございまするし、本日ここで御開陳になられました御意見も十分検討をいたしまして対処したいと考えております。
○足鹿委員 それ以上は申し上げませんが、少くとも先刻述べられたような御意思を御再考になった一つの現われとしてただいまの御言明があった、そういうふうに私は解釈して、あまり質問が重複しても時間の関係上恐縮ですからこれ以上申し上げませんが、二、三、この機会に、成田委員の御質問に関連してお尋ねしておきたい。 それは先刻成田委員との質疑応答の際に、臨時食糧管理調査会と米価審議会との関係がございましたが、この米価審議会は農林大臣の諮問機関ということになっておる。それからこのたび三月に発足いたしました食糧管理制度調査会は内閣総理大臣が臨時食糧管理調査会長に諮問を発しておりますが、そうしますと、その諮問は食糧管理特別会計の健全化をはかるための基本的方針いかんという諮問を発しておるのであります。ところが今までの長きにわたる臨時調査会の議事を通じて見ますと、基本方針どころか先ほど問題になりました消費家計の伸びと見合う消費者米価の引き上げもいい、可能である、しかし一度に上げることは無理であるから、これは八円五十銭程度をこのたび上げて、あとの残は時期を見てやるがいい、こういうよもなことが、答申にはなっておりませんが、ほとんど各新聞紙の伝えるところによっては確定的な議論として、そういうことにまで入っておる。また先日私どもに示されました「生産者価格検討のための資料」というこの印刷物によりますと、そういった見地から家計米価から逆算をした生産者価格というものを新しく提示され、これを一つの需給均衡米価、こういうふうな私どもがかつて聞いたことのない、全く驚くべき政府の一方的恣意性の強いこういう算定方式を新しく論議し、ほとんどこれを大体一つの大きな議論として調査会が取り上げておるということを聞いておる。そうしますと、この食糧管理特別会計の健全化をはかるための基本的方針いかんという諮問の範囲をもうすでにはるかに越えて、制度そのものの存廃あるいは当然米価審議会が農林大臣の諮問を受けて論議し、答申をすべき範囲内の仕事をすべてこの調査会がやってしまっております。これは今度新しい傾向として一つの現れとなって出てきておりますのは、おそらく米価審議会にも消費者米価と生産者米価とあわせ諮問をせられることは米価審議会始まってのことであります。私はそれ自体としては私どもが長いこと主張してきたことでありますからけっこうだと思いますが、しかし事の経過から見ると、いわゆる家計米価を中心として消費者米価をはじき出ず、その消費者米価からまた引き出して需給均衡米価というものを算出していくという全く生産者ともパリティとも何らの関係のない、そのときの経済事情なりあるいは生産力なりそういうよう、なものが何ら反映しない消費者米価から逆算をして生産者米価をはじき出す、これに若干の色をつけて大体お茶を濁してしまう。こういうような大体の方向にあることはもうこの間からの論調で私どもは察知しておりますが、そうしますと米価審議会の答申が出た上で今後は農林大臣としてもその答申を尊重するということを成田委員の、質問に対してたびたび御言明になりましたが、この制度調査会と米価審議会との関係というものはどういうことになるのでありますか。これは私は大きな政治問題だろうと思う。政府が閥議決定でもって勝手に一方的にこのものを作った。しかもそのものは今述べたような大体の結論を出そうとしておる。ところが米価審議会は、法律に基いて十年に近い長い伝統の上に、少くともいろいろな批評はありますが、今日まで果した役割というものほ私は大きいと思う。この米価審議会が事実上において浮いてしまい、また浮かないとするならば、異なった答申が出たときには農林大臣としてはいずれをおとりになるのでありますか。一方では総理大臣があいさつを臨時食糧調査会に送っております。米価審議会には内閣総理大臣が出て、あいさつをしたことなんか一回もありません。このたびに限ってこの閣議決定の調査会に総理大臣かあいさつを送り、総理大臣みずからの名によって諮問を発しております。こう考えてみますと、米価審議会が主なのか、制度調査会が主なのか、私どもほ両者の関係というものは、本年は非常に大きな問題だろうと思うのですが、農林大臣の御所見はいかがでありますか。
○井出国務大臣 臨時食管調査会が設げられまして以来、非常に広範な問題についてまでも検討を加えておる、これはその使命を逸脱したものではないかというふうにお受け取りでございますが、私は食糧管理制度の健全化という広範なテーマの中には価格の問題も入りましようし、制度の問題も入りましょうし、とこで御議論をしていただくことはあえて差しつかえないものだろうと思うのであります。そうしてその審議の内容についてもお触れになりましたが、まだ私ども結論をちょうだいしておりませんので、それについて申し上げるととは差し控えたいと思いますが、いずれを重んずるかというふうな優劣の問題等はないものであります。形は総理大臣が委嘱をしたということに相なっておりますが、これは御承知のようないきさつもあった次第でありまして、この機関を通して政府の腹がまえをきめる参考材料を提供していただく、こういうことでございまして、それに基いて政府の考え方が決定をされ、それを正式のものとして米価審議会にお諮りをするということでございますから、いずれを優とし、いずれを劣とするというふうな関係のものではございません。従いまして、従来長い伝統のあります米価審議会を尊重して、これによって最終決定をお願いするということについては、少しも変っておらないつもりでございます。
○足鹿委員 ちょっと農林大臣に伺いますが、私は役人をやったこともないし、政府になったこともないのでわかりませんが、総理大臣が調査会に諮問をする、それでそこかう答申が出る、それはあくまでも総理大臣に答申をするのでしょうね。そうですか。林大臣はそのときどういう立場なんですか。
○井出国務大臣 内閣に答申がくるわけでございますが、農林大臣はもとより米価を担当する一員でございますから、当然その答申が出ました場合には、これに参画をいたしまして一最終的には御承知のように政府がきめるわけでございますが、農林大臣も相ともにそれに参画して政府案を決定する、こういうことに相なると思います。
○足鹿委員 そうしますと、大体この制度調査会ができた趣旨というものは、食管会計の赤字を昭和三十二年度予算案のときに補てんせずして、調査会の結論に待つためにできたものでありますことは御存じの通りでありますが、そうしまずと、要するに、政府の予算対策の一環をなすわけでありまして、きょうは当然大蔵大臣等の見解も聞いてみたいのでありますが、やむを得ません。要するに、今調査会が価格の体系であるとか、あるいは中閥経費がどろであるとか、いろいろな問題を検討しておるようでありますが、ただ単にそういうこと自体よりも赤字をどう解決づけるかという一つの政治上の問題にも関連してきておるのです。そうしますと、その答申は、農林大臣としても処理については参画されますが、内閣自体としてその答申に基いて一つの方向がきまる、その後に米価審議会が開かれる、こういうことになりますと、法的には農林大臣としては何らかの拘束を受けられませんが、少くとも政治家としての道義的な拘束、あるいは内閣全体のまとまった意向として農林省が受ける一つの制約というものは、当然出てくると思うのです。従来こういう形はなかったのです。協議会とかいろいろなものはありましたが、それはあくまでも農林大臣が任命をされたのです。この前食糧対策協議会もできたし、食糧懇談会もできましたが、それはあくまでも農林大臣の責任においてあなた方が米価審議会と懇談会なり協議会を使い分けられたのです。今度の場合は違いますよ。内閣総理大臣の責任において閣議決定をし、一つの答申を求められておるのです。従って農林大臣が今まで設けられたいろいろな懇談会なりあるいは協議会というものとこのものは私は性格がよほど違ってきて、農林大臣に対するところの制約あるいは道義的、政治的な拘束というものは非常に強いものが出てくると思う。従ってそれだけ米価審議会における審議の内容あるいはその答申の取扱い方等につきましても、必ずや一つの問題が派生してくることは今から大体予測がつくと思うのです。そういう場合に、農林大臣としてはどういうふうにこれを処理されようとしておるのかということを私は言っておるのであります。これは架空の問題ではないのです。今申しましたように、過去の懇談会や調査会とは意味が違うと思うのです。そういう点において私どもがこの調査会の結論、答申というものは、ある程度政府自身の基本的な態度として農林省を制約し、大蔵省の態度を決定せしめてきたときに、米価審議会を何十回開いても果してその意味がありますか。私はことしの米価審議会の意義はこの一点に尽きると思うのです。そういう点についてこういうものを作られたことが食管特別会計の赤字処理ということにあるならば、それはその限度においてこの調査会が任務を果せばいいのです。ところがえんえん何カ月にわたるその議事録を読むと、その出しておる資料なんかは米価審議会などに今まで出された資料の比ではありません。実に徹底した資料を提出され、そして検討が重ねられておる。従来われわれは、この米価審議会の政府の取扱い方を見まして、また調査会の取扱いを見まして、非常に感なきを得ないのです。これは、私の言うのが誤まりであれば是正いたしますが、決して私はそうではないと思う。米価審議会の任務はどういうふうに果し得るのでありますか。もしこの調査会の答申と真正面から対立するような場合があったときには重大問題でありますが、これをどう処理されるか、だれしもことしの米価審議会に対するところの全国の消費者なりあるいは農民の寄せておる関心というものは、とても従来の比ではありません。非常な関心を持っておると思いますが、そういう場合に米価審議会とこの制度調査会との間の関連、その出てきたものに対する農林大臣のお取扱いというものはどうされますか。かつて麦価のときに、内田信也農林大臣のときでありましたが、あの当時はわずか三円か五円のことでありました。その点について米価審議会の言質を内田ざんが重んじて、そうして遂に大蔵省と衝突をして農林大臣をやめられました。私はあえて井出農林大臣にそのことを要求しておるのではありませんが、少くとも制度調査会で一つの方向が出たものを、米価審議会の答申を尊重すると言われるが、どう尊重されるかということです。これは非常に大きな問題だろうと思うのです。私はその御決意のほどを承わっておきたい。
○井出国務大臣 食管調査会が一つの考え方を提示されます。それは政府の腹がまえをきめます上に重要な参考資料として、おそらくその幾つかは採用されるということになるでございましょう。ともかくとれは政府において一度それをそしゃくをして、しかる後に今度は政府の責任において政府案というものが決定せられる、それが米価審議会に、農林大臣が接触点といいましょうか、政府を代表して政府案を諮問をするということになるのでありますから、調査会との関係は、そこに政府というものが介在をいたしまする以上は一度遮断をされる、ころいうふうに解してよろしいのではなかろうか、こういうように考えますので、政府案ができましてから後の米審に対するあり方というものは従来と何ら変りがない、こういうようにお考えをいただいてよろしかろろと思います。
○足鹿委員 もうこれ以上申し上げませんが、これは井出農林大臣と私は所見を異にいたします。そういう簡単なものではないと私は思うのです。すでに方向がきまってから、いわばこと切れてからお医者を呼ぶような結果にならなければいいがという非常な杞憂を私は持っておりますが、大臣はそういうことがないとおっしゃいますので、これ以上は申し上げません。 それから、先ほど成田委員が追及されました消費者米価の値上げの問題について、一点だけ明らかにしておきたいのですが、消費者の所得が上っただけ、それに応じた割合だけを消費者価格として引き上げてもいいという議論、これが大体今支配しておるようでありますが、ここに私どもがいただいたこの資料は、内閣の資料ですか農林省の資料ですか、全都市の平均、これは平均と申しましても、都市と農村との差もありますし、あるいは大都市と小都市、中都市との差もありましようし、こういったものから一つの家計支出というものの伸びを見る、また家計米価の伸びを見るといいましても、これは平均以上のものについては適用できますが、その平均以下のものにとっては、米価が上れば上るだけ支出増を来たすことになり、それだけ家計を圧迫することになることは申し上げるまでもございません。今度の千億減税が、少くとも三十万円以下の低額所得者に対してはほとんどその減税の影響がない。その低額所得者層に特に、今回の消費者米価がかりに値上ったとするならば、そこにしわが寄ってくることになるのであります。だからここに示されたところの生産者価格検討のための家計支出、家計米価というものの比較というものは、私はこういうものを一つの基準にして逆算して生産者価格というものをはじき出すこと自体が矛盾だろうと思うのです。私の持っておる資料によりますと、これは三十一年度の農林省が最近発表されたものでありますが、粗生産額が一兆四千四百八十八億円で、この生産所得は九三・五%です。ところが生産所得は一兆七十八億円であります。さらに、三十一年度の消費水準指数は、昭和二十六年を基準にして、大体前年比において、農村においては一・九増の程度でありますが、都会においては七・六増の水準指数というものが出ておりまして、従って都市と農村とでは少くとも四倍以上の開きが出ております。従って都市における家計支出や家計米価の伸びから逆算をして、生産者価格の一つの算式をもってくること自体が、私が先ほど述べたように、生産力に承関係がない、また日本全体の経済そのものの実態にも触れることが遠い。また現在農村には七十万ないし八十万の米を純粋に消費しておる配給農家があることは御存じの通りなんです。そういう場合において、こういう家計費から逆算した需給均衡価格などという、全くわれわれの予期していなかったようなこういうものが大っぴらで議論をされ、しかもこのものが一つの方向を決定づけるのではないかというような印象を与えること自体が私どもは理解できないのですが、この点について当局はどの程度の根拠と確信を持っておいでになるのでありますか、それをお尋ねを申し上げて私は、関連でありますからこの程度で終りたいと思います。大臣並びに長官からもこの点御答弁願いたい。
○井出国務大臣 長官から申し上げます。
○小倉説明員 ただいまお尋ねの資料の問題でございますが、家計米価と申しますのは、御承知の通りでございまして、従来消費者米価について論議がございます際に、その最高を押えるという意味で、一つの参考資料として出されておるのでございまして、従来の行き方と同じものをとっておるのであります。すなわち、内閣統計局で作成いたしております家計調査に基きまして、その家計支出の伸びでもって価格を一応はじいておるということでございまして、それ以上のものではございません。それから、家計米価から逆算したものについて特に御論議がございましたが、これもほんの試算と申しますか、一体もし家計米価から発足すればコストとして見てどういう価格になるだろうか、こういう単なる試算でございます。これでもって生産者価格を云々するということ、素材とすみという意味での資料ではなかったと思います。そういう意味で調査会の資料として求められまして提出したもの、かように存じております。
○足鹿委員 私は関連だからこの程度でやめておきます。
○小枝委員長 日野吉夫君。
○日野委員 だいぶ同僚委員からいろいろな点について触れておりますので、簡単に二、三お尋ねをしたいと思います。 米のやみ価格が最近急に暴騰している事実は多分御承知だと思うのでありますが、この原因について、いろいろ経済的な事情もありましょうし、心理的な一つのものもありましょうが、大臣はこれをどう考えておられるのかちょっと伺っておきたい。
○井出国務大臣 最近やみ価格がだいぶ高騰をして参ったことは御指摘の通りでございます。この理由はいろいろあろうかとも思いますが、やはり農家の在庫の品がすれとでも申しましょろか、このあたりが一番大きな原因ではないか、こういうふうに見ておるのでございます。 〔委員長退席、笹山委員長代理着席〕 地域的に非常なアンバランスがあることも事実でございますが、まあ今後さらに非常に高騰するというようなことは大体ないのではなかろうか、こんなふうに観測をいたしております。
○日野委員 品がすれの原因もありましょうが、私はやはり最近のもたついている米価決定が心理的に及ぼした影響が相当あるのではないかと思います。たとえば大臣が五月の半ばごろに、希望配給を減すということを言ったとか、これを幾ら食糧庁がひた隠しに隠しても、そういう需給が窮屈になった関係から、現実には十日を六日に減した、こういうようなことでかなり心理的なものが手伝ってきたのではないか。ことにことしの三月より発足した臨時食管調査会がいろいろな放送をいたしております。従って今いろいろ議論になったように、やはり消費者米価が上る、生産者米価が抑制される、こういうようなことが一つの不安になって現われている結果がやみ米の値上り等の結果を生んでいるのではないか。私は非常に心理的なものが多かったのではないかと思う。そういう関係からも米価を早くきめる必要があるのではないか。ことにきょうなんかも米価審議会を早く開けという要請等も言われているところだ。成田君が言われたように、これがおくれると物理的に間に合わない、こういろ事態に対してやはり早く米価審議会を開いて米価の決定をして、これらの不安を解消するのでなければ、大臣は今後あまり高騰する心配はないと言っているけれども、あるいは今の経済的な変動とともに高騰しないとも限らないと思うので、とにかく米価審議会をいつ開くかということが各同僚から何べんも言われたが、努力するというだけで明確でないが、ぎりぎり切り詰めていつごろ開ける見通しか、ちょっとお伺いしたい。
○井出国務大臣 先ほどもお答えをいたしました通り、本月の中旬以降には開ける見通しでおります。
○日野委員 だいぶおくれているようですが、おくれた原因は臨時食管調査会の答申を待っておくれた、こういうことを言われておるが、きょうあたりも何か小委員会が開かれているというので、大体その結論はできたころだと思うのですが、一応この調査会の審議の経過を簡単に御報告願いたい。
○小倉説明員 調査会は、御承知かと思いまするが、三月中ごろ第一回をやりまして、昨日がたしか第八回目でございます。その間小委員会が五たびほど開かれております。当初調査会は食糧管理の概要の御説明なりあるいは現在私どもで気づいておりまするいろいろな問題点、特に特別会計の健全化あるいは食管制度の合理化という観点から見ればいろいろな問題があることについて御説明をいたしました。自後その問題点を主として御審議願っておったのであります。小委員会は初め中間経費の問題について御審議を願い・それからただいまも問題になりましたような価格の問題も含めて審議を進めておりまして、ただいまの段階ではだんだんと結論を急ぐ、あるいは調査会の各委員の見解を取りまとめる、こういう段階に相なっております。まだそろいった取りまとめが進んでおりませんので、結果については的確に申し上げかねますが、大体さようなことでありますので、今週の末から来週にかけましては、一応の結論が出るのではないかというふうに存じております。
○日野委員 調査会の性格と米審との関係を聞きたいと思ったのでありますが、同僚足鹿委員から詳細な意見が述べられておりますから、私はただ一点だけ米審との関係について、今まで中間報告がいろいろ新聞等に発表されている。われわれが当初理解していたものは、食管会計を中心に調査する、こう思っていたのでありますが、最近の報告等から見ますと、米価決定に対するいろいろな意見等も出されておる。ことに消費者米価は消費者のものでなくて、これは生産者の支持価格になっているというようなことで、これが重大な変更を示唆するようなことまでが報告に出ている。そういたしますと、この委員会で決定したことを金科玉条に農林大臣が諮問するということになると、米価審議会の権限というものは非常に縮小される。そういう心配があるので、この点は特に御留意を願いたいと思うのであります。大体この調査会と米価審議会との関係、しかもこの調査会は先刻成田君が指摘されたように、消費者米価の値上げは取り上げないで、この委員会を作ってそこへ逃げ込んだ、こういうようなことに見られておるのであるが、内閣に設けられた。しかも農林大臣はこの三月十五日の最初の会議に出席して、重大なる一つの諮問案をこの調査会に提出をいたしておるのでありますが、そういたしますと、この調査会の答申というものは、これは重大な意義を持って参る。さっきからいろいろ成田君も論議されたように、尊重するといいながら、米審の決定というものはほとんど尊重されておらない。こういうところに持ってきて、新しい特別調査会ができて、との答申が金科玉条に米審に持ち込まれる、こういうことになりますと、米審のやることがなくなる。これらのことは重大なる問題になってくると思うので、この点も一つ十分に考えておいてもらわなければ困るのじゃないか。今までの状況から言うと、暗に米価審議会を圧迫するような一つの中間報告が次々となされておる現実をわれわれが見ると、一そうその感を深くするので、これらの関係を、一つくどいようですが、もう一度あらためて農林大臣の考えを述べていただきたいと思います。
○井出国務大臣 先ほど来お答えをして参った通りでありますが、これを集約して申し上げますと、臨時食糧管理調査会は、これは臨時という文字がございますように、七月末日までの期限をもって使命が完了するきわめて臨時の性質のものでございます。そこでこの調査会がいろいろと論議をせられますることが権限を逸脱しておるようにおとりになられたようでありますが、これは食管会計の健全化というテーマで検討をいたしますると、赤字の処理から一般価格の問題にわたることは当然でございましょう。これが政府へ結論となって答申をせられまする場合、政府はそれを参照として、本来ならばこれは政府の責任においていたすべきことを、より慎重に念を入れまして政府案を作成するということでございます。だからそれで一応問題は遮断をされるわけでありまして、米価審議会には政府案としてお示しをいたし、そうして御審議をちょうだいする、こういう経過に相なるものと心得ます。
○日野委員 七月末日までで完了する委員会だといいますけれども、重大な米価審議会が今開かれようとしております。この過程においてはいろいろの関係が出てくると思うのであります。足鹿委員からも詳細な意見が述べられておりますから、それらの点を明確にして一つ対処していただきたい。この点はその程度にしておきます。 次に生産者米価の決定に当ってですが、どんな諮問をなされようとするのか。先刻以来いろいろ議論になっておりますパリティ指数で所得補償方式が一昨年の米価審議会以来要望されて参っております。ことに農業団体等は一斉に補償方式でやってほしいという要望を出しているが、どうしてもこれが採用できない一つの理由、もしこれを採用するならばどういう難点があって今採用しがたいのか、それらの点を事務当局でもいいですから、一つ一度その点を明らかにしてもらいたい。
○井出国務大臣 詳しくは事務当局からお答えをいたさせますが、生産費という概念がアバレージ・コストないしマージナル・コストという考え方から、一体どの辺にバルク・ラインの線を引くかというあたりにも実は相当問題点があろうと思いますし、それからこの生産費の中における構成要素として労銀をどういう形で評価するか、あるいは地代をいかように織り込んで参るかというあたりにもまだ相当問題点が残っておるようにも私としては存じておる次第でございます。そのような次第でなかなかこれを唯一最良なるものとして採用するのにはいささか踏み切りがたいものを覚える次第でございます。
○日野委員 困難なことは最初から予想いたしておるのであります。しかし困難といえども不可能じゃないのです。一般の生産農民が所得補償方式が最も望ましいというのであれば、もっとこの具体的な決定方式を研究されて、こういう点において今直ちに適用しがたいという了解のいく説明をする必要があろうかと思うので、私たちはこの望みを捨てずに、さらに一段のこれに対する用意をしてほしかった。これからでも過去二カ年間にわたって所得補償方式の研究がされて積み上げられて参っておるのであります。今直ちにもし米価を安くしよう、安くするのには不適当であるということであればこれは別です。それ以外のことではこれは適用されないという理由はないと思うのであります。頭から今年の生産者米価は去年よりも安く一万円で押える、こういう無理な工作をするからころいろ問題が困難になるので、当然の帰結として、社会情勢、一般労働者との均衡、経済的な関係、これらの点から当然上るべき米価であるならば、これはそうして扱うのが適切な農林省のとるべき態度である、これを故意に拒否して、別の無理な方式を持ってくる。各委員から指摘されたように、家計生産費米価とかいろいろな無理な方式を持ってくるからここに多くの矛盾が出て参るのです。すなおに、米価審議会が二年間も続けてこういう方式を決定し、そうして生産農民がひとしくこれを要望するというのであるならば、所得補償方式と取り組んで米価決定をなされるだけの用意が当局にあってしかるべきであるとわれわれは思うのでありますが、今の指摘された点だけでこの方式を捨てて、新しい都合のよい方式を採用するという態度ではわれわれは賛成いたしかねる、この点だけを申し上げておきたいと思うのであります。そういたしますると、結局パリティの方式によることになるのでありますが、しばしば論議されたように、去年の予算米価を決定したときのパリティは去年の十一月であって、あれ以後のパリティの上昇はすでにきまっておる。それを、その最も都合のよい低いところをとらえて設定する、しかもパリティ方式であるならば、先刻来議論されているように当然バック・ペイの問題を考えなければならぬのに、農林大臣としては依然としてバック・ペイに対するああいう意見を述べられておる。そこで私は、今日本のこの状況から申しますると、労働賃金は上っている、鉄道の運賃も上っている、今問題になっております電気料金が上る、こういうことになりますると、パリティ指数というものはぐんぐん上昇する一つの要素を持っている。政府は今政策の誤まりを是正しなければならぬ時である。輸出の不振によっていろいろの政策をやってはおりますが、この努力にもかかわらずパリティはどんどん上昇していくものと思う。去年はほんのわずかであるからバック・ペイをやらなくてもよろしいといってごまかしはしたが、ことしはそうはいかない。はなはだしく相違が出る。 〔笹山委員長代理退席、委員長着席〕 しかもパリティ指数の米価を算出したということになるならば、米価のバック・ペイの問題は当然これは考えられなければならぬと思うので、これらの面からことしのパリティの上昇に対する農林当局の見解――パリティ指数が上昇する一つの要素が非常に多くて、今押えようとするパリティがぐんぐん上昇していく状況にある、このパリティの上昇に対してどういう見通しを持っておられるか。パリティが政府の緊縮政策、デフレ政策によって下るとお考えになられるか、これらの努力にもかかわらず大きな幅でもって上っていくとお考えになられるか、このパリティに対する見通しを伺いたい。
○井出国務大臣 今後物価がどのような趨勢をたどるか、また農業パリティ指数がこれに伴っていかようの変動をなすかという問題は将来のことに属しまするので、今これを明確にいたすわけには参りませんが、私は先ほども申し上げましたように、政府が目下対処しておりまするような方針によりまして、それほどの上昇を見ることなく今後はこれが防げるであろ6、こういうふうに考えておる次第でございます。
○日野委員 この点については私はだいぶ見解を異にするのでありまするが、見通しの問題でありますから議論は抜きにしておきます。ただ政府が今後デフレ政策をやろうとする、輸入関税の問題とか、手は打ちました。けれどもとれは逆に今の日本の経済の状況からいうとインフレに近い一つの様相を呈してくるであろう、そこに当然大幅な上昇が見られるという考えに立ちまするので、この点については先刻来非常に問題がありましたし、私もここで議論をされましたわが党の同僚諸君と見解を一にいたしますので、農林大臣の先刻のバック・ペィをやりたくないという考えには遺憾ながら賛意を表しかねるのであります。この点はあとの機会の議論に譲りますが、十分考え直してもらわなければならないということを一つ申し上げて、この点は議論になりまするので打り切っておきます。 近ごろ、農林省の発表かどうかわからぬが、生産者米価、消費者米価が発表になっております。生産者価格が石一万百六十六円、消費者価格が十キロ八百六十七円、こういう発表が新聞に出ておりました。とれには消費者も生産者も非常に強い反対の意を示しております。これは非常に強い抵抗を受けるものと私は考える。なぜかと申しますると、これはやっぱり合理性と妥当性がないからであります。どういうところからとういう案が出てきたのか、その事情はよく承知いたしません。いずれこれらの問題は米審等に諮問される問題になろうと思うのでございまするが、もしこの価格が一つの農林省が今考えているようなものであるといたしまするならば、消費者からも生産者からも大きな抵抗を受けるであろう。しかも価格差というものは従来長いことそれぞれの役割を果してきておる。それが今度の発表では格差の廃止とか加算の廃止というようなものは、何らの根拠が示されずにやられておるから非常に強い反撃を受けると私は考えておるのでありますが、こういう発表がどういういきさつでここに出て参ったのか、一応その根拠を明らかにしておいてもらいたい。
○小倉説明員 根拠と申しましても特別あらたまったことはございませんで、調査会といたしましても、食糧管理特別会計の合理化その他を審議する場合に、今後のこういう問題をやはり一応頭に置く必要がある。ついては家計米価といったようなことで、消費者米価を考える場合の一つの参考資料として、最近は一体どういうことになっているだろうかということの試算でございまして、それにつきまして特別の深い根拠のあるなしの問題ではないのでございます。
○日野委員 時間もありませんし、多くを議論しようとは思わないのでありますが、農林大臣も当局もこのととはよく聞いていると思うのです。予約制度を指導し、そのまま存続させていきたい。とれを支持するという声が高いというのは、去年採用された条件をそのまま備えた場合のことであって、予約制度の支持は、去年備えた格差の問題あるいは加算の問題、こういう条件を欠くことになりますと、非常に変って参るのであります。ことしの米価決定に当ってはどうも無理な工作が進められているようなにおいがする。臨時調査会というようなものが設けられたが、それは政府の一つの意図をこの機関を使ってやるような印象が非常に強い。生産者米価を抑制する、消費者米価を引き上げる。そうして今全国民の反撃をかっているのでありますが、どうでしょうか。これはこう無理な工作をせずに、予約制をそのままとってきて、すなおな形で米価審議会に諮問されるというような考え方に変えなければ、今の日本の経済事情からいいまして、どうしても農民諸君が納得できないということ、消費者にいたしましても、消費者米価で家庭の経済がゆとりができたというような説も一面ありますけれども、それはいろいろ議論がありまして、われわれはそれほどいいとは考えておらない。ことに農林大臣は国会の初め予算審議に入る前に、この委員会に委嘱して逃げたような形になったのですが、その当時と日本の経済の事情は全く変ってきているのじゃないかとわれわれは考えるのであります。非常に景気のいい一千億の減税、一千億施策というような宣伝をしたそのとき、すでに今の日本の経済的な危機がしのび寄っていたのである。今ここでいろいろ施策をめぐらして、その試みで果してこの事態を抑制することができるかどうか疑問である。せめて国民の半数に近いところの農民が、今までほんとうに予約制度に協力して参ったというようなこと、日本のこの経済は、いろいろな宣伝をいたしますけれども、これはやはり外国景気に支えられたということと、国内的には何といっても二年間続いた豊作の結果ではないか。それが二年閥の豊作で食糧が豊かである。食糧の余裕が出たところに日本経済の安定があったのであって、これが破れて今農村が一斉に抵抗するような事態が起るならば、いかに政府が努力しようと、われわれはとても日本の経済の再建、建て直しということはできないのではないか、こういう観点から一つ生産者米価、消費者米価ともに自然の姿で、すなおな一つの対策を立てて、そういう諮問案を出されることが、今の農政として、これは国の施策と農政が独立してあるのでないのですから、国の施策の一環としての農政、しかもわれわれの最も尊敬するその道の権威者である井出農相が、こういう観点から無理に作った調査会の義理にからまれて、強硬にここで農村を動揺させるような施策は私は非常にまずいと思う。これを一つすなおな姿で生産者米価、消費者米価の決定をなさる努力を払われることが賢明である、そうして自民党の良心である井出農相のとるべき態度である、今ここに波乱を巻き起して、国をあげて混乱を来たすような態度は避けるべきであると思うが、これに対する井出農相の所見を承わりたい。
○井出国務大臣 米価が、生産者にとりましても、また消費者にとりましても適正であることを期してこれが決定をいたしたいと考えておるのであります。その場合、ただいま日野委員御指摘のすなおな形でこれを示せということでございますが、まだ決して最終的にきまったわけではございませんし、先ほど来申し上げておる調査会の答申等をも勘案し、またきょう承わりましたもろもろの御議論等をも参考にいたして処理をしたいと考えております。
○日野委員 井出農林大臣は、われわれは信頼し切っていたのであるが、最近の井出農林大臣は何ものかの魂が乗り移って、消費者、全国民に挑戦する態度は、われわれの最も遺憾としなければならないところでありまして、この態度のいかんによっては、さらに別の機会に論議して、日本の混乱を農林大臣が阻止するように、農林大臣は安定した一つの抵抗なき農政を実施するという方向に向けるように、今後十分研究願いたい、われわれもこれに向って一つ大いに共同研究をしてこれを達成しよう、こう希望いたしまして、時間がありませんからこれで打ち切っておきます。
○有馬(輝)委員 米価の問題につきましては、先ほどから同僚委員の各位からいろいろ質問がありましたが、今まで指摘されたことと、さらに井出さんはしばしば、農業パリティ指数が上ったのだから、昨年度の米価を下回らない、こういうことを言明しておられる。にもかかわらず今度、先ほども足鹿さんから御指摘がありました家計米価から逆算してかかるようなややこしい算定方式などを出してこられるのは、これは今まで予算審議の前後には食管特別調査会の結論が出たところでというようなことで、その消費者米価についても生産者価格についても、特別調査会を隠れみのにしておられた。まだ隠れみのにするうちはいいのですけれども、最近になっては、むしろこの特別調査会というものをうまく利用しまして、日ごろのむしろ冷酷無比な農業政策の本質をはしなくもこういったところに露呈してきたといっても私は過言ではないと思う。これは井出さんの本意ではなかろうと思う。井出さんまさかこんなものを本気になって出す気持はないはずです。そんな井出農林大臣ではなかったというふうに考えておりますので、この問題については今後機会あるごとに徹底的にただしたい。これは米価の技術の問題ではなくて、私は政治的な問題だと思うのです。それで私は午前中からひっかかりの質問がありますので、それだけをお伺いしておきますが、こんなことを一時間や二時間でやれるはずはないのです。それでお伺いしますが、麦価の問題なんです。しかも先ほど長官にお伺いしましたところが、現在の時点においての被害の状況についてはまだ把握しておられない、五月の当初のものはあったということでありますが、その点については、せっかく統計調査事務所で県単位の被害調査を郡単位までおろしたり、人員なり予算なりというものを、人員はちっとも考えてもらえなかったですが、、かやしておいて正確に把握してもらう努力をしてもらうことになっておったのに、これは人員・予算が足らないのだろうと思いますが、正確に把握しておられない。私のところでは、先ほども長官に申し上げたのですけれども、六割の減収なんです。これはなぜかと申しますと、一月、二月は平年作を上回るのではないかというように見ておったのですけれども、四月になりまして雨が十五日、曇天が十五日、快晴はわずか二日しかなくて、日照時間は非常に少い。おまけに四百四十八ミリというように平年よりも二倍以上雨が降っている。こういうことで、鹿児島の気象台ができましてから二回目の悪天候なんです。その影響を受けまして六割の減収となっているのですが、けさから小倉長官にお伺いしまして、いろいろの制限解除の措置もやっていただけるということも明瞭になりました。その他の点につ いてお伺いしたいのですが、まず第一に農産物検査法に基く検査基準品の決定の時期、そうしてその決定の際に等外上下を設けられる意思があるかどうか、これは昨年設けられたのですから、ぜひ設けてもらわぬといかぬですが、それをやってもらえるあれがあるかどうか、この点をまずお伺いしておきます。
○井出国務大臣 ただいまの御発言の趣旨を含めつつただいま検討いたしております。まだ決定には至っておりません。
○有馬(輝)委員 さっきも私は長官に申し上げたのですけれども、現実の例を引いて、去年農家は現金がないし売り急ぐということで反当り十六、七円まで下ったことは御承知の通りであります。六月末というようなことになると、私のところなんかは全部とんとんになってしまう。そうして品質が非常に悪いですし、百俵検査を受けて四等に入るものがないというのです。そういう状況の中であればあるほど、これは早急に決定していただかないと問題が残ると思いますから、その点を十分含んでおいていただきたいと思います。 次に、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法、これによる指定運用をなさる考え方があるかどちか。これは前の肥料代金の返納どころか、今度の水稲その他の春夏の作物についても完全に困っている。農家経済はとことんまで追い詰められる状況にあります。これは、全国農家はわからぬということでありましたけれども、鹿児島県だげでなくて、成田さんなんかに伺いますと愛媛、香川、あっちこっちそうだそうでありますから、この点についてそういった考え方があるかどうか、この際お伺いしておきたいと思います。
○井出国務大臣 十分に調査の結果数字を把握いたしました上で、天災法の基準に該当するものがございますならばこれは当然発動される、このように考えております。
○有馬(輝)委員 その点はまことにありがとうございます。ぜひしかも時期を失しないでやっていただきたいと存じます。 次にお伺いしたいと思いますのは、これは午前中も長官にお伺いしたのですが、MSA小麦の問題であります。前大蔵委員会で井出ざんにお伺いしたときには、その構想をまだ固めてないというような御答弁で、岸訪米ということが確定していながらこれは農林省の怠慢だと私は申し上げたのですけれども、岸訪米はあとわずかに迫っておりますから構想をまとめられただろうと思いますので、ぜひお聞かせをいただきたいと存じます。
○井出国務大臣 実はまだ構想をまとめておりません。ただいま事務段階においては検討を命じておりますが、おそらく総理渡米というふうな問題ともからみ合せまして急速にこれに対する結論をまとめ上げなければなるまい、こう考えておる段階であります。
○有馬(輝)委員 農林大臣がきめられない前に新聞に出たりして工合が悪いのですけれども、非常にこれは怠慢だと思うのです。アメリカの滞貨の状況についてはこの前詳しくお話申し上げましたが、耕作反別を減らさせるために膨大な資金を出しておる状況、あるいは西欧圏の国々だけでなくして束欧圏の国々にまで売りつけようとしておる状況の中で、岸総理がのこのこと出かけていかれたならば、この問題は必ず出るのです。出ない方がおかしい。 それは井出さんもよく御承知のことだと思う。その際に日本の内地麦との関連をどうするかよほど考えてもらわないと、特にことしみたいに作柄が悪い中で膨大な小麦を――去年が二百三十三万トン小麦を入れていますが、さっき小倉長官にお伺いすると、ことしの計画ではあるいはこれにプラスするかどうかは検討する余地があるなんというような答弁で、私は逆なのでびっくりしたのですけれども、とんでもないことになります。ですから、これについて各省で意見があるだろうと思います。与党の内部でもおありだということを聞いております。たとえば愛知用水公団その他いろいろ関連が出て参りますでしょう、外資に対するいろんな考え方が出て参りますでしょうけれども、少くとも日本の農業という立場から、この問題についてははっきりとした態度をもって臨んでいただくし、岸総理にもよくその旨を含めておいていただかなければ、ほかにおみやげがないからせめてこのくらいということになってしまうととんでもないことになりますので、その点について、これは具体的な数字とかなんとかいう問題ではないことでありますから、井出農相としての御見解をこの際はっきりしておいていただきたいと存じます。
○井出国務大臣 総理も昨晩帰られたばかりでございまして、まだそういった具体問題を協議するというところまでは至っておりません。この春第三次協定を見送った当時に比べますと、若干状況の変化というふうなものもあろうかと思いますので、慎重に検討いたしまして、ただいま御指摘のような点をも勘案しつつ誤まりなきを期したいと考えております。
○有馬(輝)委員 井出さんは、との前もそういった形で、状況も変ってきたしまたほかのいろいろな条件もありますので、有馬委員の言われたことも参酌しつつということなんですが、そこが怠慢なんです。これはとんでもない話なんで、ほかの条件が先に立って日本の農家が経済的にとことんまで追い詰められる状況を作ってもらいたくないというところに私たちの主眼がある。資金を作るならほかで作りなさいよ。七割か八割にかかりついて日本の農家を苦しめむくてもよろしいじゃありませんか。問題はやはりこういった立場を貫いてもらうということが主眼なんでありますから、その点についてもう一度お伺いいたします。
○井出国務大臣 先ほどお答えをいたした通りであります。
○有馬(輝)委員 それではお伺いいたしますが、その態度をいつごろきめられますか。
○井出国務大臣 岸総理出発までには固めたいと考えております。
○有馬(輝)委員 総理出発の一時間前ぐらいにきめられて、こらしてこいということであれば、私たち、ただもらって帰ってきました、はあそうですかというわけに参らないのです。ですからそれを事前にきめてもらってやはり御相談していただきたい、その点どうでございますか。
○井出国務大臣 なるべく取り急いできめたいと思っています。
○有馬(輝)委員 私はそれではきょうはこれで終っておきます。
○小枝委員長 石山権作君。
○石山委員 この二日に井出農林大臣は某新聞社と単独会見してなかなかおもしろいことを発表しております。その中から特に食糧に関することだけを私は引き抜きまして、時節柄あなたが米価に対しあるいは食糧対策に対してどういう構想を持っておるかを一つお聞きしたいと思います。あなたはパリティ計算によって麦や米の価格は上るだろうというふうに言っております。パリティ計算の通りいけば、ここに試算表が出ていますから明確に数字が出てもいいと思うのですが、ただ上るだろうというふうに濁しておきまして、価格の数字が今の倍になっても、たとえば調査会がどうだとか米価審議会がどうだとかいろいろ言っておりますが、このこと自体は、やはり米価というものが、ほんとうの意味の生産費を償うものではなくて、時の政治情勢によって価格を左右するというようなことを容認している態度や言葉ではございませんか。
○井出国務大臣 これは何の新聞でありましょうか、明確でございませんが、一つの方向としてそういう感触であるということを答えたはずであったと思うのであります。
○石山委員 その次には、食管法では生産者価格は農民の再生産を保障し、消費者価格は国民生活を脅かさないものとなっている、こういうふうな大前提をあなたは説明されているわけなんです。私もその通りだと思います。しかし実際この問題を切り詰めていった場合に、あなたが次に言っている消費者価格は需給均衡価格でなければならないのだ、だんだんその方向にいかなければならないだろうということは、外国の安い米を脳裏に浮べながら、米価をばある時期を見て大幅に自由価格に切り下げていくというふうな意図を持った説明でございましょうか。
○井出国務大臣 食管法によりますれば生産者に対しては再生産を保障するといち考え方、消費者に対しては生活を脅威せしめないという考え方、この二つがばらばらの形でなくて、やはり大きく国民経済的に統一されなければならない、こういうような意味のことを申したと記憶をしております。そしてまた需給均衡価格というお話が出ましたが、これは日本の農業が将来国際農業にも十分に対抗し得るような条件を備えた暁は、やはり国際経済の一環としてものを考えなければなるまいというような発言をいたした記憶がございます。
○石山委員 国民経済という言葉をお使いになったのですが、あなたはこういうことを言っているんですよ。消費者米価はなるべく低くしたいが、やはり犠牲を負担していただかなければむらないだろうと言っておられる。生産者米価をば押えながら、消費者に対してもある種の犠姓というから高い米を配給するということだろうと思います。私はここに疑問を持つわけなんです。国民経済というものは国民の半分である農民と、それから米は高くても安くてもどうでもいいという階級が五、六十万おるらしいのですが、あとはほとんど米に対して敏感な影響を持つ人でございます。この国民経済からいえば――私はどうもあなたの言うのは国民経済じゃなくして、いわゆる数字に現われた日本経済というような、あるいはもっと極端にいえば日本資本主義経済といった方が適当じゃないかと思うのですが、そういう点はいかがでございますか。
○井出国務大臣 決して特定な限られた階層に有利であるとかというふうな考え方ではなくして、もう少し広範な意味で、国民全体の経済の均衡の観点から出発をしてものを言ったつもりでございます。
○石山委員 私、政府筋から得た最近の統計を持っておりますが、それの数字の概算を申しますと、労働者側、勤労階級側でも三十年度、三十一年度、三十二年度を推定してもほとんど所得が上らないという数字が出ております。それから二十九年、三十年というふうに米が割合によくて所得が多かったにもかかわらず、低下の傾向をたどっておるのが、三十二年もその通りでございますが農家経済でございます。あと上っておる計数はどこかと見ますと、法人でございますね。特に一億円以上の法人と利子所得者、これは日本に戦後初めて出てきた傾向でございますが、利子所得者が所得の上向線をたどっておる。ですから私に言わせれば、あなたのいう国民経済、たとえば生産者米価を抑制し消費者米価を上げるということは、何か大法人の方と利子所得者の方だけを擁護している政策のように見えてならぬのですが、それは私の間違いでございますか。 〔「いや、その通り」と呼ぶ者あり〕
○井出国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、決して特定の立場を擁護しようというのではなくして、米に関する限り生産者の立場と消費者の立場、こう大ざっぱに二つに分けますならば、両者にへんぱにならないようにという意図を込めたつもりでございます。
○石山委員 私は赤字食管をかかえている農業行政というものにはいろいろ同清をされる点がたくさんあるわけなのですよ。それは了解できると思うのですが、もし農業関係において新しい意図を持って新政策を及ぼするといろならば赤字問題こそ井出農政のほんとうのやり方だと思う。たとえば今度の農地改良法を出すとか、あんなものじゃないはずでしょう。ああいうものは属僚にまかしてもよろしいけれども、大臣の一つのやり方としては、赤字食管をきれいな姿で処理される方向こそほんものであったのだろうと思うのだが、予算編成早々どうも私らから見れば一足、二足くらいも押し方が何だか足らなかったように見えて非常に残念に思っていました。それは過ぎちゃったので私は追及することはよしますが、こういうことをお知りでございますか。たとえば食糧庁ではいろんな試算表なんか、私もここにとして、出しているのを割合に克明に数字を突き合せて見ていますが、結局あなたの部下をあなたが指示しているのだろうと思うのですが、言わんとしておるところはこういうところにあるのです。たとえば基本米価は石当り一万百六十六円くらいに据えつけていきたい、そういうふうな一つの暗示を与えるためのたくさんの資料を出している。こういう点あなたはお知りでございますか。新聞にちゃんと出ておる。一つの新聞だけじゃない。数字まできちんと出ておる。こういう点はいかがでございますか。
○井出国務大臣 その記事がどういうところから取材されているかは存じませんが、食糧庁がさような意図を持って言論を指導したとかいうふうなことはないはずでございます。
○石山委員 新聞の記事に対して云々というふうなことでなくして、こういうふうに前々にいろんな資料を出して、そうして雰囲気を作ってそこに持っていくのは、今まで私たちが見ている各本省の中枢をなす幹部諸公のやり方なのですよ。ですから必ずこれは何ぼか違ってきますよ。違ってきますが、この中心点からそれるものではないというのは今までのわれわれの考え方なのです。たとえば人事の異動でもわれわれが知らないうちに新聞者の方々がみな知っていて、その新聞辞令の方が着実だ、こう言われておる。ここで論議される前夜においてすでに大臣の意思なり食糧庁長官の意思なりが表明されているというふうな事実がたくさんある。たとえばこの前も食糧庁長官に、農業団体とあなたとの方の食い違いのあるのは、つまり農民の労働力だ。労働力の円に換算する場合の態度が大体大きな食い違いになっているんだから、これをあなたはどういうふうに見ているかといったら、まだ調べ中だという。今日聞いてもまだ調べ中だというふうな表現を使うだろう。そうすればもうそれまでにはきまってしまうのです。せっかく私たちはこうした暑い中を閉会中も来ていてしゃべっても、本心を聞かしてもらわないことには、いい政治も行われないし、いい行政も積み重なっていかないと思うのです。ですから私はなるべくほんとうのことを聞きたいのでございます。消費者米価においては現行十キロ当り七百九十円を八百五十九円以内に引き上げる、こういった数字も出ておる。これは食糧庁長官、あなたはお知りでございますか。全然あなたには無関係な、予想だにしない数字でございましょうか。
○小倉説明員 今お話の八百五十九円と申しますのは、おそらく予算編成当時の家計米価の数字でなかったかと思いますが、この前消費者米価が問題になりましたので、そういう数字をはじいたことがあると存じます。
○石山委員 ついででございますから申し上げますが、そのほかに私たち同僚諸君が非常に熱心に論じている加算――あなたと大へん対立したいわゆる加算というものの考え方ですが、この加算に対しては今度はつけない、予約価格差は廃止する、こういうふうに言っておりますし、歩どまり加算承廃止する。ですからその通り計算されていくとすれば私は大へん問題が起きてくるような気がしてなりません。それから陸稲などでも石当り六百八十円程度は差をつける、これも私ら同僚からいろいろと申し上げて、そういうことはいかぬ、だけれどもあなたはあの通り歩どまりが悪い、食味が云々ということを言っておりますが、食味の問題なんかは一体どこで食味などと言っておられますか。一体食味はどこで標準をつけて、金額は加算できるかということが不可思議なんです。歩どまりならついてみて小米が出たらそれはいいけれども、こういうことはあなたの方でも自信を持ってこういう陸稲との差額を六百円以上も差をつけるということはできるでござ・いましようか。 それからもう一つ、ここに記帳されておるものは、時期別格差は前年度より単価を引き下げておる。これは一万一千四百円という全国農民団体の希望、農家の希望のほとんどを占めておる考え方だと思うのですが、この考えの通りいけば大へん井出農林大臣あなたの思っておるよりも食糧庁の方々は一体何を考えておるかしれない。結局今まであったものを全部とる、とって、別のいわゆる試算方式で問題を解決するというならば、先ほど来私の方の各委員から指摘されておる何と言いますか、家計米価とか何とか新しい言葉で呼ばなければならないような逆算方式をあなたの方で採用ざれるという意図のもとで、こういう今までの諸手当ですか、加算をはずすということでございましょうか。
○井出国務大臣 先ほど来申し上げているように、まだ決定をしたというわけではございません。その過程においていろいろな考え方が出てきたもののうち、ある部分がそういうふうにクローズ・アップしたものと思われるのでございまして、今御発言の中にあるいろいろの格差であるとか、もち米あるいはオカボの問題、こういうととは一つの検討の対象としては部内で論議をして一向差しつかえないし、またそういうこともあったろうと思うのであります。そういうことが伝えられたのかと私は考えるのでありまして、最終決定にはまだ至っておらないわけであります。
○石山委員 私大臣初め食糧に従事しておる方々の善意を信じます。そうしてなるべく生産者の補償制度を私はやはり重要視していただきたいと同時に、まだ消費者米価をそんなにいじるというふうな、いわゆる私の言う国民経済というものはそんなにゆとりのあるものではないということは、私は計数をお調べになればわかると思う。ふろ賃から上り初めているときに、また米なんか上ったら大へんな問題でございましょう、そういう点もよろしく考慮していただきたい。私はこういうふうに最後に要望して私の質問を終ります。
○石田(宥)委員 ちょっと関連して端的に一、二伺いますが、米価が公正妥当でなければならないということは申し上げるまでもないのでありますが、その公正妥当な米価を算出するのに一定の方式が問題になる。農業団体、農民団体その他は生産費及び所得補償方式によるべしという主張をしておるのであります。しかし政府はパリティ方式によるのである、こういう主張を昨日来一貫して主張しておられますので明らかであります。そこでそのパリティ米価の基本をなすところのパリティの基本年次をどこへとるか、これが米価を大きく左右する問題であります。まだきのう私の食糧庁長官に対する質問の際にはどうもばく然としておったようでありますが、今日の質疑の中で大臣は食管制度特別調査会の答申もこれを参考にする、それから米審で答申が出ても、それを参考にするというお話でありますが、今、農林省が考えている米価の考え方、算定方式の基準、これはいわゆる一万円の予算米価を作られるときの算定の基準を用いられると理解してよろしゅうございますか。
○井出国務大臣 まだその点は明確にきめておりません。ただあの予算米価をはじいたときのああいう方式の一つの考え方としてあるというふうに存じております。
○石田(宥)委員 すでにさっき成田委員が指摘されたように、八日から大蔵省との折衝に入るという段階にきている今日、まだどういう算定の数字を基礎にして算出するかということがきまっておらないというようなことでは、われわれここで論議をしても意味をなさないと思う。一体パリティの基準を、昨年は昭和二十五、六年を基準にしたのでありますが、一万円の予算米価の際には前年度の実績米価にした。やはりこれを基準にしてお考えになる予定でありますか、腹がまえを一つ承わりたい。
○井出国務大臣 これも一つの考え方でございまして、二十五、六年という相当に古いものを用いるのがよいのか、三十一年というのが一番最近でありますし、これは作柄も安定をしておったし、あるいは農家経済も正常な年だったというふうな考え方に立ちまして、予算の場合は一応これを発足点といたしたわけでございます。従いましてこれを基準に貫いて参りまするか、それとも別個な妥当な方式といろものが見つかるかどうかというふうなあたりを、実は懸命に検討をしておるさなかでございます。
○石田(宥)委員 大体農林大臣は、生産者米価をいかにして下げるかの工夫をなさっておると思うのです。二十五、六年を基準年次にすると相当に上回るはずなんです。これは一つ長官から、二十五、六年を基準年次にした場合に幾らになるか、資料を出してもらいたい。 そこで、そういうことになれば私は水かけ論になると思うから、これ以上議論をしませんが、まだ何もきまっていないということですね。何もきまっておらないということであるたらば、本委員会が一応結論を出した場合に、それはどのようにお取扱いになるお考えですか。
○井出国務大臣 食管調査会の考え方も、おそらく週を越さないとはっきりいたしませんし、そろいう点できわめて慎重にいろいろな考え方を検討しておる、こういうことでございます。もちろん当委員会においてきょう伺いましたことも、これは十分に参照に供して参る、こういう所存であります。
○石田(宥)委員 全くこれは水かけ論のような議論で、そんなあやふやな不見識な答弁はありませんよ。もうあなた幾日たてば腹案ができるんです、腹案がもうできておるんでしょう、発表の段階でないだけでしょう。それを委員会に対してまだ何もきまっていない――委員会を侮辱するものですよ。いまだきまらないはずはないですよ、そうでしょう。日を勘定してごらんなさい、今日いまだ算定の方式も明らかでない、パリティの基準年次も明らかでない、何です、そんなことは委員会を侮辱するものですよ。われわれがきのらから議論したことは何もならない、いいかげんな答弁です。一体そういうようないいかげんな答弁をなさらずに、もっと考えを具体的にちゃんと示されたらどうなんです。ちっともわれわれが議論したことが何もならないということです。右の耳から入って左の耳から筒抜けてしまう、おそらくこういう結果になるでしょう。あなたは米価審議会の意見も食管調査会の意見も参考にすると、こういうお話です。いかなる意見も参考でしょう、いかなる会の答申も参考でしょう、そうなればあなたの意見があるはずなんです。その意見がまだきまらぬということはないでしょう、どうです。
○井出国務大臣 事実を申し上げておるのでありまして、きわめて慎重に扱っております関係から、三十一年度に基準をとるというのも、これは一つの考え方としては、これで算定もいたすように命じております。 なお食管調査会の御意見も数日ならずして出るのでありますから、そうこちらでコンクリートなものにせずにおくということも、これはやはり慎重に対処する行き方であろう、こう思っておりまして、きのう来委員会で御議論をいただきましたことも、これはもうわれわれとしましては非常に教えられるところ多かったのでありまして、決して石田さんおしかりのように、当委員会を侮辱するとかなんとかいうふうなことは毛頭ないのでありまして、この点は一つすなおにおとりを願いたいと思います。
○石田(宥)委員 そういうふうに、大体三十一年度の実績米価を基準にして計算するように事務的に命じてあるという話なら、話はわかるんですよ。ちっともわけのわからない答弁をするから怒るのです。すなおには受け取れない、そうじゃありませんか。 そこで、三十一年度の実績米価というものは、今大臣も言われたように一番低いところ、しかも昨年の時期別格差などは二百十円のものが百七十七円に下っておる、これは農民がいろいろの災害を受けている状況なんです。それを基準にするとは何事です。これはパリティが上昇しておるにもかかわらず生産者米価を下げようという意図のもとにいろいろな試算をやる、いかなる試算をすれば下げることができるかという意図のもとにされておるとしか考えられない、そうとしか受け取れないのです。だからこの点は二十五、六年を基準とした試算を一つ事務当局から出してもらいたい。 それからなおほんの一、二の点だけを伺っておきますが、きょうはバック・ペイの問題がずいぶん議論された、これは三十二年度のバック・ペイの考え方が議論の中心であった。しかし三十一年のバック・ペイについては四月までのパリティが一二四・三五というものが出ておるのだから、これはもう議論の余地がないので、これはお出しになるかならないか、昨年は河野農林大臣は、出すべきであるけれども非常にわずかな額であるからがまんをしてもらう、農民からかんべんしてもらうのだということを再三繰り返し述べておられる、ことしはそんな小さな額ではないはずなんです。今の趨勢からいえば相当な額になる。農民はすでにそういう条件のもとに供出をしておるのだから、これはもう政府の当然の義務であり責任だと思うのですが、この点はっきり答弁してもらいたい。
○井出国務大臣 バック・ペイの問題についでは、先ほど成田委員あるいは足鹿委員からもお尋ねがありました。その際お答えを申し上げた通りと御了承をいただきます。
○石田(宥)委員 それは三十二年度の米価をきめるに当っての問題だから三十二年のバック・ペイの問題でしょう。三十一年度の問題をどうするかということです。これはきまってしまっ’た問題です。政府はそういう条件で買ってしまった、農民はそのつもりで売ってしまったのです。バック・ペイの責任、義務、これは当然政府の負うところなんです。これは今までの米価決定の過程において、河野農林大臣は、この委員会でも米価審議会においても明言しておる、大臣がかわったからといってそれは左右さるべき問題ではないでしょう。米価を決定する際に、農林委員会においても米価審議会においても大臣が言明しておる、それを大臣がかわったからといって左右されるということは、これは農民に対する詐欺行為だ、重大な契約違反だ、これは一つそういう意味で再考をしてもらいたい。 それからもう一点は、きのう長官に実は聞いたのでありますけれども、従来の予約減免税の問題、この一千四百円というものは従来の低米価に対するプラス・アルファとしてずっと取り扱われてきた、大蔵省は昨年も反対の意向を当初示したのであるけれども、後にこれを承認して、ついにこれは議員提出もいたしましたけれども、政府提案でこの法案が成立した。…十二年度に当ってはやはり大蔵省は難色を示しておるようでありますけれども、私はやはり低米価に対するプラス・アルファとして、ぜひこれは実現しなければならない問題であると思うのですが、大臣の所見を承わりたい。
○井出国務大臣 昨日長官からお答えいたしました通りに考えております。
○石田(宥)委員 それから今の基本米価の考え方ですが、せんだって農林大臣は、ここで芳賀委員と石山委員の質問に対して、いろいろな加算金等は手取り総平均、そういう額から引き出すのだ、こういうことを言われたのです。そうなりますと今度はことごとく加算でなくて、たとえば歩どまり加算も加算でない。時期別格差というものは昨年から加算になっておりますけれども、これはかつての早場米奨励金なんです。奨励金というものは基本米価の上に加算されるのが奨励金です。ところがせんだっての大臣の答弁は、そういうものはととごとく手取り総平均的な考え方のもとに米価を決定して、その中から引き出す、こういうことを言われておる。そういうことになりますと、従来長い間使われてきた基本米価というものの考え方をどこへ置くか、長い問これはずっとやってきたところの考え方です。戦争前からやってきた裸三等を華木米価とするというこの長い問の取扱いを、ことしは米価を引き下げるために変える所存なのかどうか。
○井出国務大臣 これはいろいろ考え方はあると思いますが、今の米価体系が、だんだんプラス・アルファが幾つもつきましてすっきりしないという感じがいたすのです。そういう意味から早場であるとかいうものを、一応米価の中へ組み入れて考えることが妥当ではなかろうか、こういう見解を表明いたしたつもりであります。
○石田(宥)委員 予約加算金であるとか、歩どまり加算であるとか、あるいは早場奨励金というようなものは、ことごとく基本米価にプラス・アルファしたものである、それが基本米価であります。この基本米価をむくするのですか。
○井出国務大臣 なくするというのではなくて考え方を整理するわけであります。
○石田(宥)委員 そうなりますと、表面の米価というものの中から、今度は歩どまり加算のつかない地域はそれがマイナスになるし、また早場奨励金と時期別格差というもののつかない地域のものはマイナスになる。そちいうことになるとますますおかしくなってしまう。ますます基本米価を引き下げる方向へ押しやることになる。もう私は議論しませんが、経済の実態というものは昨年以来諸物価がどんどん上ってきて、パリティが今日のように値上りしておる。その中にあらゆる角度から生産者米価を下げようとあなた方は努力しておるのじゃないですか。この基本米価というものの考え方は、これは今後に及ぼす影響が重大でありますから、これはもう基本米価だけでいくのだ、とれならばまた話は別です。それから前年度の実績米価を基準にしてパリティ指数によって価格をきめるというパリティの考え方なら、これほまた一つの考え方でしょう。しかしわれわれはやはりパリティというものは、本来昭和九、十年の二カ年を基準年次として、そうして純粋にパリティ計算でいって基本米価というものを出して、それにいろいろな奨励部分というものをプラス・アルファをして米価というものをずっと考えて参った。それを大臣はくずそう、くずしてもかまわない、それがために低米価が実現してもよろしい、こういう考えなんですか。
○井出国務大臣 それは、決して低米価を強行しようという意図のもとに数字をいじくるというふうな考え方ではございません。そのお受け取りいただくと、これは私としてはいささか心外なのでありまして、その基本米価に対する考え方は、石田委員の言われるようなそういう伝統的な考え方承あるかと思いますし、それから先般も申し述べたように、これを一つ整理してかかるというのも一つの考え方でございます。これほあえて本質的な違いというものではむかろう。決して低米価を強行するためにそろいうふうな方針をとったのではなくて、むしろ実質的な手取りというものを問題にして考えますれば、さような考え方は解消されるものと考えております。
○石田(宥)委員 これは基準年次を昭和二十五、六年に置いても、もっと前年度の実績米価を基準にするよりは高くたるし、九、十年か基準にすればもっと高くたるはずです。昨年の一番大幅に開いておるのは、時期別格差の二百十円が百七十七円に下っておることですが、そういうようなことを、そういう年次をわざわざ基準にするということほ何といってもこれは低米価政策を強行するという意図以外には考えられないのです。どうも農政に涌じておられる農林大臣がそういう考え方では困る。米価というものは、なるほど農民の中でも米を買って食うような人があるから、いろいろ事情はありましょうけれども、これは農政のバロメーターですよ。米価を下げるということは農政の後退を意味するものですよ。それが、井出さんともあろう人がこういう時期に米価を引き下げるということはもってのほかだと思います。一体これは農林大臣の意見、農林省の意見ではなくて、別なところから強制されておるのじゃないですか。私はその点だけ大臣に特にお尋ねしたいのです。大蔵省は、二十五日の省議で、三十二年産米価について検討した結果、生産者米価は石当り一万円の予算米価を引き上げることに反対する、二番目には、消費者米価は臨時食糧管理調査会の答申通りに実施する、麦価については、今年の現行価格決定方式できめるが、明年以後は食管法を改正して買い入れ価格を引き下げる、麦の買い入れ価格に減収加算はつけない、これらの申し入れを農林省に強く示す方針だ、これは大新聞に報じられておる。一体そういうことで農林大臣の意図や農林省の意図でなく、別な方面から強要されてやむを得ずそういう米価を考えられるのであるかどうか。またこういうふうに大蔵省からこういう内容を示されて圧力を受けられた事実があるかどうか。圧力を受けられたとすれば問題です。
○井出国務大臣 今言われますようなととは全然ございません。またその新聞記事等もわれわれの関知しないところでございます。農林省は農林省独自の見解に基きまして、適正なる米価設定をいたしたいと考えるわけであります。
○川俣委員 一点だけ。きのうときょう、本委員会で質疑しておる中で答弁が非常に食い違っておるわけです。それは問題によっては平均手取り米価と表現をいたしました。ときには標準基本米価を論じられたり、このような混乱がありますというと、この混乱の中での作業は困難であろうと思う。この混乱がある限りにおいて計算上の米価というものが出てこない。おそらく一カ月や二カ月じゃ出てこないと思う。まずこの混乱を内部で整理されてからでないというと、一応説明のつくような米価というものは生れてこないと思う。そとで大臣並びに長官、各課長とも非常に混乱があると思う。しいて私はここで詭弁を弄したとは信じない。おそらく詭弁でなく、そのままのことを言っておられるといたしますならば、確かに基本の考え方に食い違いがある。頭の整理がついていないと思う。米価算定の基礎についての構想がまだまとまっていない。そこでこれを整理して、明後日あたりに当委員会が意思を表明いたしたいと思いますから、その間に一つ整理をして答弁できるようにしていただきたい。
○小枝委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十三分散会