農林水産委員会 第43号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/05/16
会議録
○小枝委員長 これより会議を開きます。 食糧に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。石山權作君。
○石山委員 世界の食糧関係などを見ますと、大きな戦争のあった場合など、食糧は戦前より相当ふくれておる傾向がありました。今次太平洋戦争を終って以後の内外の食糧事情は、われわれがかつて経験したよりも非常に早い速度で回復が行われておる。むしろ統計上から見ると、アメリカなどは過剰の傾向にある。しかし日本の食糧事情と人口を比較してみますと、残念ながらその比率は合っておらないという傾向もございます。しかしMSA協定によるアメリカの余剰農産物の輸入等をからみ合せて、食糧は不足しておりながらも何となく食糧が余っておるというふうな印象を消費者が最近持ち始めているということも事実だろうと思います。そうした場合に政府が供出制度から予約買付の方向へ政策を転換したのでございますが、これは私らが外部から統計などで見ると、特に米産県などにおいては、予約買付の数量が政府予定よりも常に上回っておるというのが事実のようでございますが、こういう傾向は政府としては予約買付の制度が非常によくいっている。次の段階において政府は何を求めているか。私ら外部から見ると非常に成功しつつあるように見えるが、当局としては事実成功しているというふうに受け取っているのか。これが成功しているとするならば、現行制度を継続するのを可としているのか。それとも何らかの転換を考えながら事業を進めているのか、こういう点をお伺いしたい。
○小倉政府委員 予約制度につきましては、ただいまお尋ねの中にもございましたように、成功しておると申しますか、大体所期のような成果をあげておるというふうに私どもも考えております。もちろんこれは従来の供出制度の非常に大きな変革でございます。その前途については当事者としてもだいぶん危惧いたしておったのでございます。農民心理に合うと申しますか、そういう面も確かにあったと思います。また幸いにしてちょうど予約制度が発足したときが、あたかも三十、三十一年というふうに作柄も良好であった、こういうこともおそらく仕合せだったと思います。また全般の経済的な諸環境も比較的よかったという関係で成功したと思いますので、いろいろそれについては原因があろうと思いますが、そういう好条件のもとで大体予約制度も軌道に乗りつつあるのではないかと思いますので、私どもとしても、たとえば本年度においても予約制度を継続していきたいと考えておるわけであります。
○石山委員 予約制度を継続したいというその考え方は、もっとこの予約制度の成熟するのを待って次の段階を考えておるのかというふうなことを、私はもう一歩突き進んで聞きたいのでございます。三十三年度のことも、あるいは考えておるのかもしれませんけれども、前の河野農林大臣がさきに新聞談話等で発表しまして、それに関して農業団体、社会党等から鋭くその欠点をためされて、だんだん考え方を変えて、この予約買付制度に転換をしたという経緯があるわけでございます。私の言いたいのは、この予約買付制度が完熟した場合において、あなたは、今、やや政府が意図しておるところをたどっておるように言いますが、ことし、来年というふうにこの制度がそのままうまくいったと仮定すれば——仮定のことはということをおっしゃるかもしらぬけれども、予約制度がうまくいくとすれば、これを永続する考えなのか。それとも、もっと別途のことを今研究しておるのか。こういうことを突き進んだ点でお尋ねしたいのであります。
○小倉政府委員 今後の方針と申しますか、そういうことに関連してのお尋ねでございますが、もちろんこれは食糧管理全般の問題と関連をいたしますので、制度として恒久的なことをここで私ども申し上げるのもいかがかと存じますけれども、お話しのように予約制度を、たとえば本年限り便宜でやるのだ、こういう趣旨ではございませんで、軌道に乗ったと申しますか、私どもそういうふうに考えますので、食糧管理のあり方全体を再検討しなければならぬといったようなことにならない限り予約制度を継続するのが望ましいのではないか。従いまして今後も予約制度を続けていきたい、こういうのが私どもの気持でございます。
○石山委員 そろそろ収穫の時期がだんだん迫ってくると同時に、米価の問題も各団体から試算とか思惑とかあるいは要望というような形で最近それぞれの計数が出てきております。そういう場合に農民の方々はよく再生産に償うところの米価ということを要望しておる。しかし米価そのものであっても、需給関係が価格を生むというのが在来の方式でございましたが、今のように、たとえば供出あるいは予約制度とありましても一種の統制でございます。ですから価格も当然統制価格であるのでございますけれども、ただ最近外国の食糧事情が大へんによくなってきておる。特に日本の国民の一番嗜好しておる米が、東南アジアを含めてアメリカあるいはエジプト、イタリーというふうに、われわれの知らない国々でも米が出ておる。最近外米は非常に安くなっているというふうに言われておりますが、どのくらいの価格で日本へ入っておるか、最近の二、三の例を一つお知らせ願いたいと思います。
○小倉政府委員 最近の例でございますが、台湾米は昨年十万トンの買入れ契約をいたしましたものは、FOBで百四十七ドルでございます。それからその前の中共の米は百四十三ドルでございます。それからビルマだとかタイ関係の普通外米でございますが、タイにつきましては、これは今年の初めでございますが、FOBで百二十五ドル五十セント、これは砕米が五%入っておるのであります。それからビルマはポンドになりますが、一昨年が四十二ポンド、昨年はそれの一二%引きということになっております。
○石山委員 米価を決定するのに、統制価格をわれわれは今保持しておるわけでございますが、今長官から報告されました数字を見てみますと、内地米と比べてかなりの格差がある。それと同時に、今食糧庁として、あるいは農林行政全般から見て、頭痛の種になっている食管赤字の問題とからみ合せて見た場合に、実際に数字設定に当っては、農家の厳密な原価計算をなされるのは当然でありますけれども、最終価格決定においてはこういう数字がよく政治的に割り出されていくという傾向が在来顕著であったと私は思っております。この政治的な見解による傾向が、米が不足であった場合は、国の内外の食糧事情が困難であった場合には、この政治的な傾向が米価の原価計算をば逆に有利に導く傾向があったろうと思います。そういう傾向が今度は逆に、今のように食糧事情が割合に周辺とも見合して豊富な状態になりますと、原価計算がより以上にきつい算定を受ける——というよりも、私は食管会計の赤字数字等とにらみ合して、農家が実際にかかった数字よりも以下に米価が決定される懸念が多分にあると思われてならないのでございますが、それに対して食糧庁では今原価計算をなさっているでしょうが、その概数をここであげるだけ作業が進んでおるかどうか、お聞きしたいのでございます。
○小倉政府委員 生産者の米価につきましての算出の作業についてのお尋ねでございますが、私どもまだ計数を事務的にはっきりはじくという段階に至っておりませんので、そういう作業はまだ十分にいたしておりません。従いまして、ここで申し上げるような数字も、実は本年の産米価格ということで予算米価と申しますか、三十二年度予算編成のときに予算米価としてはじいたものはもちろんございますが、それとは別にこうだというふうな数字は、まだ実は精細な検討をいたしておらないような状況であります。
○石山委員 それでは米価審議会はいつごろ開く考えでありますか。
○小倉政府委員 米価審議会の開催は六月というふうにおおよそ考えております。
○石山委員 私はあまりこまかいことをお聞きしたくないのですけれども、六月にお開きになるとすれば、最終決定の数字はないにしても、今までよく試算において問題になっておる点があるわけです。たとえば労働力の問題でございますが、農家の労働力の算定が都市の普通の職工さん——全国プールにしてもよろしいのですが、いずれにしても、農家以外の労働力との比較において、政府の考え方と農民団体の考え方にだいぶ相違があるわけであります。こういうふうな、在来対立し、ものの考え方が違い、計数も相当違っておる問題に関しては、皆さんの方では相当作業が進んでいなければならないはずでございますし、その点に関しては農民団体あるいは農民の方々を説得するだけの資料も、すでに六月だとすれば用意しておかなければならないはずでございますが、そういう点もまだ作業がそんなに進んでいないというふうにおっしゃるのでございますか。
○小倉政府委員 労賃の問題でございますが、この評価の仕方については、お話のようにいろいろ見解の相違と申しますか意見の分れるところがありますが、従来食糧庁でやりますものについては一応の考え方があるわけでございます。従いましてそういう考え方に基いてことしもおそらく計算することになろうかと思いますが、まだ実は計算をいたしておらないのであります。
○石山委員 六月に審議会をお開きになるのに、今長官がお答えになったように、まだできておりませんというふうには私はいかないと思うのです。私いつも委員会などに出て感ずることは、もちろん責任上の問題もあるかもしれませんけれども、数字の問題になりますと、ぎりぎりの、ほんとうに何ともかんとも仕方がなくて、時日が切迫して外部に発表しなければならないような段階でなければ、委員会で発表しないというような傾向がございます。それでは委員会のわれわれの任務は果されません。もっと強くいえば、皆さんのそういう考え方は委員会を軽視する考え方であるし、代議士諸公を冷笑しておる考え方だと思うのです。それであっては私はまじめに論議もできないし、結局皆さんの鼻づらをなでてただ押し問答するだけだ。数字が設定されて示されてこそ、初めてまじめな討議ができると思うのでございます。私は米価そのものの価格を今言いなさいということを申し上げておるのではない。今までいろいろもんちゃくの種になって、お互いになかなか了解しにくい労働力の問題一つくらいは、この場合あなたの方の算定方式の変更がなければ変更がないでよろしい、変更があったら変更があったように、あるいはデータはここに重点を置かれたというふうな意見があればそれでもいい、大体の格好くらいは示されなければ問題にならぬではありませんか。あなたをせっかくお呼びしたのは、ただぼやっとした話じゃない。今回の米価が決定されるについては、社会党には社会党の審議委員の方もいるのでございますから、私たちは真剣に事前の討議として当委員会に臨んでおるのでございますから、もう少し明らかにしていただきたいのでありますが、その点はいかがでございますか。
○小倉政府委員 お話のように、たとえば賃金のとり方についても 今年はこういうふうなことでとるということをまだ決定いたしておるわけではございませんが、おそらく去年と大幅に変るものはあるまい。大体去年の方式でやることになるだろうと私どもも考えております。これは賃金統計その他物価指数、いろいろなものを参照しないと、農村の都市に比べての賃金がどうであるべきかということが出て参らないことは先刻御承知の通りでございますが、そういう資料はできるだけ米価決定のときに近い時期をとるというふうなこともあります。それからまたその他米価にいたしましても、たとえば六月に米価をきめるにいたしましても、パリティの方でありますれば四月のパリティというようなことでありまして、およそのデータが実はそろわない段階であります。もちろん現在入手し得る資料でどうこうという計算も不可能ではないと存じますが、途中でいろいろ計算をいたしましてもまた誤解を招くというようなこともありますので、実は私どもの方として途中の計算をしていないのであります。従いまして今度の米価決定に使われるような指数あるいは基本的な価格はどうであろうということを申し上げる段階に至っておらない。私ども内部でこそこそやっておるけれども、話をしないというのとは性質が違うので、御了承願いたいと思います。
○石山委員 長官の言われることが、経済界が非常に変動を来たして、農具なり肥料なりあるいは鉄道運賃の変更が著しかった、それも中間において行われるので、そのはね返りの試算がまだできなかったということであれば納得がいくと思うのだが、経済が安定して物価は横ばいである、鉄道運賃はすでに値上りを来たしており、ガソリン税の値上げも決定した、今農家に影響を与える問題は、大体において動きがないという段階にきているだろうと思う。何もできなかったとかなんとかいうが、すでにあなたの手元にはでき上っているはずだ。私たちはきのう全国の組合長さんたちの会議で決定した決議書を受けておりますが、これは農協中央会、信連、経済連等できめたといわれておる。そうしますとお役所の仕事とは違うといえばもちろんそれまでだろうと思いますが、少くともこの人たちが国会なり当局に要望するからには、でたらめな考え方で、たとえば取っただけ得であるというようなエゴイストのような考え方でこういう問題を提出したのではないだろうと思います。内容的にもかなり克明に分析した数字を出しているところを見ますと、そんなに彼らはでたらめに行き当りばったりにやったのではなく、相当な根拠があってなされたのであろう。ということは、そういうこまかい作業ができるほど大体見通しがついているということでございます。そこで審議会が十月に開かれるとか九月に開かれるとかいうならばいざ知らず、六月となればあと幾らですか。きょうは五月十六日でございましょう。そうしますとわれわれの言葉でいえばあすあさってくらいだというふうに申し上げてよろしいのですよ。そうした場合にあなたの手元でまだ検討を加えられていないとするならば、見方によっては職務怠慢だというようなそしりがどこかから出てきてもやむを得ないではありませんか。きっとあるのですよ。あるのをお出しになってわれわれの検討を受けるくらいの余裕がなくては、米価審議会の中でも生まれてこないのではないかと思う。そういう点はいかがでありますか。
○小倉政府委員 お話の趣旨は趣旨として少しも異論を持っているものではありませんが、先ほど申しました通りまだ本格的な作業を進めていませんので、申し上げられるような数字は持ち合せておらないということを御了承願います。
○石山委員 それでは次に供出制度から予約制度に制度が変りました。その当時として制度を変えるからにはただいたずらに変えるという意味でやったのではないだろうと思います。たとえば人件費の節約であるとか、集荷の妙味とか、いろいろな条件がおありになったと思いますが、それらの条件を一々比べてみた場合に、予約制度にはどこに利便があったか、そうして経済的にどのくらいの利益を上げることができたか、あなたの受けている印象からお述べいただきたいと思います。
○小倉政府委員 予約制度によりまして農家が受けました経済的な利便がどの程度あったかということはなかなかむずかしいことでありまして、私どももそういう計算はし得ないのでありますけれども、最も大きな利便と申しますと、供出割当制度でございますると、どうしても地域的あるいは農民の間の公正な割当がなかなかしにくい。上からの割当でございますので、地方なり個々の農家なりの実態に即したような割当が、関係者が幾ら努力してもなかなかむずかしかったというのがおそらく実態だろうと思います。それからその辺のバランスがかりにいいといたしましても、バランスだけの問題でも必ずしもない問題でございまして、米の生産量をどの程度と見、また農家の保有量をどの程度と見、従って供出量が全体としてどの程度であるかということについての算定もなかなかまたむずかしい問題でございます。その供出量全体と、それを個々の農家に割り当てるということについて非常な困難を来たしておったのでございます。予約制度でございますれば、一応最低限と申しますか、非常に比重の低いところで目標を設定をいたしておりまして、それも割当じゃございませんで、一応目標でございますので、個々の地方なり農家の実態に合ったような申し込みがそこにおのずから出てくる。また凶作と申しますか、災害と申しますか、そういうことによって予約が達成できないというような場合にも、でき得るだけそういう場合の予約の改訂を認めていくというようなことによりまして、実態に即した政府に対する売り渡しができるということが、これは食糧買い入れをするという事務に携わるわれわれといたしましてもそうでございますが、同時にまた政府に米を売るという立場の農家からいたしましても、非常に利便がある、またあったのではないかというふうに思われるわけであります。またそれに違いないというふうに存じます。 それからまた予約に伴います概算金の支払い、これにつきましても、経済的に農家を潤すところが相当多かったのではないかというふうに思いますし、そういう点から、計算はちょっとしにくうございますが、農家の立場に立ちましても、従来の供出制度に比べますれば、全体としてはなはだ利便の多いやり方ではないかというふうに考えておる次第であります。
○石山委員 今の御答弁は、生産者の農家自体の受ける利点でございましたが、集荷側の官側の利点はどういうふうに解釈をしておられますか。
○小倉政府委員 私どもといたしまして、従来の供出制度でございますれば、これは観念的と申しますか、抽象的な話になりますけれども、食管法の建前から出発いたしまして、農家が外に出し得るものは全部政府に売っていたという建前でもとの数字をはじきますものですから、その数字が比較的多くなり、全体として多い数字が個々の農家に行くわけでありますので、そこで非常に割当自体について難儀を来たすということが、供出時代の非常な食糧管理制度の難点と申しますか、むずかしさであったわけであります。予約制度になりましてからは、そういう点が実はなくなったのであります。農林省といたしましても、あるいは府県庁といたしましても、市町村といたしましても、いわゆる全体としての行政機関が供出割当するために非常な難儀を来たすということはなくなった。そういう点が第一の利便であったというふうに思います。 第二といたしましては、予約でございますので、農家がみずからこれだけは出そうというふうに、供出とは違ってむしろ考えらるべき性質でありまするし、またそういうように大体農家の方々にも受け取ってもらっておる。従いまして、予約したものは必ず出す、あるいはそれ以上出すといったような気風がおのずから生まれてきておるように思うのであります。割当でありますると、むしろこれは最高限度でありまして、それに対しまして、予約というのはむしろ最低限度といったような感じ方でもって農家が受け取っておるようにも思えるのであります。従いまして、集荷をするという私どもの立場から言いますと、いわば食糧供出の一種の最低限がむしろ確保されておる。その上に各方面の援助、農家の自主的な意欲ということによってプラス・アルファが出てくる。従いまして集荷という面から見ても、供出制度よりはむしろ能率的であるというふうな考え方もおのずからできると思います。そういったようなことからいたしまして、食糧管理をいたしますわれわれからいたしましても、望ましい制度であるというふうに、これまでの経験上感得しておるわけであります。
○石山委員 大へん望ましい制度で、成功しておるというふうに承わるわけですが、その反面、最初きめられた予定米価よりも、実際の三十一年度で手取りになった米価の石当りは下回っていると私は聞いているのでありますが、皆さんの手元に届いている数字ではどのくらい下回っているか、お知らせを願いたい。
○小倉政府委員 昨年政府できめました米価は、御承知の一万とびとび七十円であったわけであります。手取り米価、これは推算でございまするけれども、九千九百七十円というふうに見ております。
○石山委員 昨年これのできた大きな原因はどこにおありですか。
○小倉政府委員 米価決定よりも手取り米価が百円程度減って参りました理由の一つは、米価決定の場合には、早場を石当り二百十円と見ておったのでありますが、実際は百七十六、七円というところであります。それからもう一つの理由は、等級間の格差であります。昨年の作柄が主たる理由であると思いますが、これが米価決定のときの想定よりも減って参ったということが他の原因であります。その金額は八十九円というふうに見ておりましたものが、実績による計算によりますと、二十二円ということに相なったのであります。
○石山委員 私はこの格差の問題について非常に疑問を持つのでございます。たとえば予約制度が非常に成功した、それで政府では手持金がなくなりまして、再三それの増額方を要請した、こういう経緯がございました。そういうふうな予算不足の場合によくある傾向でございますが、そうしますと、皆さんの方のいわゆる行政指導と申しますか、そういう中身のうちに、たとえば等級をつけることを厳格にせよ、こういう措置を講ずるとすれば、二等米が三等米になり、三等米が四等米になるという傾向が出るわけでございます。そういうようなのが、この格差の点で違ってきたのではないか、こういうふうに思われてなりません。これは今回の予算の中でも見られるわけでございます。たとえば自由労働者の賃金を上げた。上げたけれども、それは表向きは上ったのだが、ただし稼働をば厳格に二十一日に押えてしまった。人員が一万七千でしたか、減らしてしまった。表向きはちょっと上ったように見えるけれども、実際の行政措置としては、内容をば低下させた。これと同じようなものでございまして、皆さんの方で一万幾らとおきめになったけれども、実際やらしてみたら九千何がしであったというような結果が現われた。これはあなたの手元で予約制度が効果が上ったという反面に、そういうふうな無慈悲な行政措置がとられていたのではないか、こういう懸念がありますが、この等級鑑定においては、皆さんの方から何か特別な指令が出ていたのではないかという懸念を私は持っているのですが、そういう点ではいかがでございますか。
○小倉政府委員 等級格差の問題につきましてのお尋ねでありますが、予算と申しますか、あるいは損益の関係といったようなことを頭に置きまして、検査をいたずらに厳格にやっていくということの結果そういうことになったというふうな御心配でございますが、私どもといたしましては、等級の検査の問題につきまして、そういう趣旨の指示といいますか、あるいは通達といったようなことをもちろんいたしておるわけではございません。去年の作柄が、豊作といわれました割には、天候その他の関係、あるいは雨の関係というようなことで、必ずしも質的には十分でなかった点が反映されているというのが正当ではないかというふうに考えておる次第であります。
○石田(宥)委員 ちょっと関連して。ただいまの局長のお話ですが、昨年は公定が一万七十円であったのが、実際の手取り総平均は九千九百七十円程度になった。その理由は大体二つある。時期別格差の二百十円が百七十七円になった。それから等級間格差が、八十九円程度見ておったのが二十二円に低下した。これが一番大きな原因であることは明らかなんでありますが、時期別格差は、これは天候その他の関係で、一定の基準で線を引かれておりますから、やむを得ない面もあると思うのです。しかしこの等級間格差の方は、昨年から特に検査等級の改正が行われまして、従来の一、二等を一等にし、三等を二等にし、四等の上は三等に繰り上げる。そういうふうに、平たくいえば四等の上位までは一等級繰り上げをしたということになっておったわけなんです。その関係が若干差になって出てきていることも、事実だと思うのでありますが、私はお尋ねをしたいことは、昨年の検査に当りまして、従来閑却されておったところの水分含有量の問題です。この問題が一番大きな問題になっておる。従来の検査で水分というものをいささか閑却したということは、私も認めます。それはやはり従来と違って、新米に食い継ぐための食いつなぎに相当量の手持ちを持つようになってくれば、どうしても保管年数を長く見なければならぬことはわかるのですけれども、昨年急に水分含有量の問題をしゃくし定木に検査を施行するような指導をやられたのではないか、こういう疑いを持つ。そこで、従来の各地域別にみたところの水分含有量が、一五%なり一五・五%なり、地域別に違いますけれども、あの水分含有量というものが今後厳正に守られなければならないとは、私は考えておらないのですね。そこで、今の標準の水分含有量は、私は少くとも五年ないし六年、あるいはそれよりもっと長期の保管の関係もございましょうけれども、長期の保存に耐えるところの標準ではないかと思う。今の日本の食糧事情から勘案して、果してあれを厳正に実施しなければならないかどうか、この見解を一つ明らかにしておいていただきたい。
○小倉政府委員 お話のように、昨年、水分の点につきまして特に事前指導と申しますか、そういう乾燥米を出してもらうということについてお願いをしたり、あるいはそのために乾燥機を特に貸付をしたりいたしまして、水分の点ができるだけ規格通りになるような指導を、実はいたしたのであります。これは一昨年の豊作のとき、収穫時の天候の関係もございますし、また非常に大量のものを一時に検査しなければならぬ、こういったようなことも原因いたしまして、水分の点は必ずしも十分規格通りの検査ができなかった。そういうようなことも一部の方面から指摘されまして、米の事情が豊かになればなるほどそういう点について留意をしなければならぬと思うのであります。他方の要請も出て参っておりましたので、昨年以来特にそういう点について、実は留意をしてきておるのであります。ただいまのお尋ねは、現在の検査規格にきまっておる水分含量、水分のパーセントが、果して日本の食糧管理の上で適切かどうか、必要かどうか、こういうお尋ねでございます。検査の規格については、これはもちろん全体の米の需給の状況、あるいは実際の農家の供出時における、あるいは地域的ないろいろの生産条件等を勘案してきめなければならぬ点は申すまでもないのでありますが、ただいまの私どもの考え方といたしまして、現在の水分の規格を緩和することが妥当かどうかという点については、いまだそこまで考えは及んでおりません。地方的ないろいろな御要望については、できるだけ沿うようにしなければなりませんけれども、水分の多い米が大量出回りますと、一時にそれを処分しなければならぬといったような問題もありますので、いろいろ操作上困難を来たすというようなこともございますので、ただいまのところ現在の規格を改正するというふうな考え方はいたしておらない次第でございます。
○石田(宥)委員 まだよく検討しておらないということでありますが、私の考えでは、今長官もお話しになったように、地域的気象条件等によって必ずしも全国一律には論ぜられない問題でありますけれども、たとえば一昨年の秋田県地方の産米のごときは、相当程度水分含量の緩和をやって検査を通した、そういう場合にはその米は特別な扱いをして、早く消費する方に回すというような事例もあるわけでありますが、これはやはりその地方々々の一地域ぐらいの問題について緩和することは、これは当然行われなければならない問題だと思うのでありますが、私がお尋ねしておるのは、全国的に見て、従来のような水分のパーセンテージを確保しなければならないとは考えられない。少くとも〇・五%あるいは一%程度のものは含量の増加を認める。そうしておいて検査を規格を厳守するということがむしろ実際的ではないか。今の全国的な情勢を見ますと、この点は地域々々によってかなりいいかげんなというとおかしいのですけれども、いいかげんな検査をやっておるようであります。また乾燥度だけを注意いたしまして、乾燥機によって無理に乾燥することによって米質を低下させる、検査等級をそれによって低下させるということもある、これはやはり程度の問題でありますが、少くとも私は今の規格の水分含量は行われておらないと判断しておる。行われておらないし、行い得ない実情ではないか。むしろその規格があってそれが行われないということで、かえってそこに技術上混乱の状態が起っておる。昨年私は各地方の実情を見て回ったのでありますが、やはり県により、地方によっては、検査員等もあまり残酷な検査も行い得ないので、これは人情のしからしむるところで、相当手かげんをやっておる。その手かげんの仕方によってむしろ食糧庁の期待されたようなものにならないで、かえってジグザグなものが出てきて、保管の上においてむしろ遺憾な点が起るんじゃないか。それよりはその点を緩和して、少くとも〇・五%程度のものを緩和し、そうしてそれを厳重に実施する方がいいのではないか、こう考えるわけです。この点についてはまだ十分調査も行なっておられないようでございますが、少くとも五年、七年保管するにはあの程度でいいかもしれぬが、今の日本の食糧事情からいって、五年も七年も内地米を保管しなければならないという実情にはないと思うので、さらに一つ検討を願っておきたいと思います。
○石山委員 私、もう一つだけお聞きしたいのは、おそらく農林省では、特に食糧庁では前々から米価の試算はやっていられただろうと思います。やっていられただけ計数が、どうも一万台に押えつけようと思っても、これが一万二千円ぐらいまで行ったと思う計数をわれわれ見ているわけなんです。これは消費資材で昭和三十年から三十一年を比較してみますと、これはおおうべくもない上昇傾向をたどっている。労働力もまた、それに即応して賃金が上っておりますから、どこを引き比べてみても、米価が前年度を上回ったということは、私は指数上出たろうと思う。しかし政府で考えているのは、おそらく二千円ぐらいの差をどこで政治的に埋めればよろしいかというような考え方に没頭しているために、そういう政治的な考慮が強くあるために、私はあなたの方では数字を出し得ないのではないか。数字がないのではない、数字はあるけれども、政治的配慮のために数字を出し得ないというのが、これが現実だと思います。この点は私たちは日をかけてもっと追及もいたしたいし、早く数字を求めまして、双方で妥当な数字を使い得まして、米価審議会の会議を円滑にやりたいという願望を持っております。その点は私今言及を避けますが、あなた先ほどの御答弁の中で、予約買付制度は大へん順調に行っておって成功を収めているので、ここしばらくこの制度をやりたい、こう言っておりました。成功した中身の中には、あなたの手足となって働いている全食糧の諸君が非常に難儀をしているということがあります。皆さんの方で最初当初予算を組むときは、予約制度はこの程度しかいかぬだろうというふうに組んだ買付米が、あの通り百何十パーセントもふえまして、うれしいような忙しさを皆さんがなすったわけなんでございますが、その反面に下部の各出張所の職員は非常に難儀をしております。私の県も米産県で、倉庫が私の家のそばにありまして、朝夕そこを通りますと、供出のときはどっと一ぺんに来るものですから、非常に難儀をして、それでも誠心誠意、農民からもそのまじめさを買われるように努力してやっているようで、はなはだ私たちとしてはうれしい情景だと思っておりました。しかしその反面、どうも皆さんの方でうんと働かしたために、去年なんかでも超過勤務の手当なんかで大へんいざこざがある。私はこの春のいざこざを見ていますから、何らかまた、せっかくうんと働かしておいて超勤などを逃げるような態勢をとるような行政であれば、私はこれは必ずしもいい結果を生まないと思う。等級格差の問題あるいは集荷に対する熱意、勧誘、あるいは農民を納得させる熱意、勉強、こういうようなものが私は出てこないだろう。そういう点で、今も私はあなたの言う点を聞きますと、今年度も予約買付は成功するだろうという意見を尊重しまして、今年も非常に職員が難儀をされるだろう、そうするとまた新たに超勤などを要求されるだろうということは見通されるものですから、一つそういう点もあなたの食糧行政の中に含めて万々遺漏ないだろうと思いますけれども、あえてこの場合申し上げまして、来る秋が生産者の農家にも納得のいくような米価であり、それに携わる全食糧の職員も一生懸命やった、やりがいがあったものだというふうな印象の残るようなやり方を強く要望しまして、私の質問を終りたいと思います。
○小枝委員長 芳賀貢君。
○芳賀委員 最初に事務的なことでありますが、三十二年度の予算米価の算定方式が従来と変っているのですが、この点に対して具体的な内容をまず御説明願いたいと思います。
○小倉政府委員 三十二年度の予算米価でありますが、三十一年度の米価につきまして、、農家が現実に受け取ったもの、これを一つのベースにいたしましてパリティで修正する、こういう考え方で一万円という価格ができておるのであります。そこで算式といたしましては、九千六百四十七円に十一月のパリティ——当時十一月までが最近の資料であったわけでございますので、それを基礎にいたしまして、七月から十一月までのパリティを分母にいたしまして、十一月のパリティを分子にするということで計算をいたしたのであります。この九千六百四十七円と申しますのは、三十一年産米の三等の価格が九千四百七十円ということに相なっておりますので、それに先ほどお話に出ました早場の百七十七円をプラスいたしまして九千六百四十七円を得ました。先ほどのパリティ指数を乗じた、 これが九千三百七十六円と相なります。これに等級格差と包装代を加味しましてほぼ一万円ということにいたしたのが予算米価でございます。
○芳賀委員 私の聞いているのは、三十一年度までの予算米価の算定方式と今年度の場合は変ってきているわけですね、従来は基本米価を価格決定のパリティの趨勢に応じてそれを修正して、それにたとえば時期別格差であるとか、等級格差であるとか、包装代、あるいは予約申し込み加算金であるとか、銘柄格差、こういうものを加算して予算米価ができておったのですが、ことしの場合はパリティ指数を乗ずる前に、基本価格に時期別格差の百七十七円を加算してやっている、この思想がよくわからないのです。これでいくと、おそらく農林当局としては、ことしからは時期別格差と銘柄格差を基本価格に吸収したことによってあらためて時期別あるいは銘柄格差をつけないという思想の上に立ってこういう算定方式をとられたと思うのですが、その点はいかがです。 〔委員長退席、笹山委員長代理着席〕
○小倉政府委員 時期別格差は、昨年いたしました硬質米の歩どまり加算みたいな格好では最近はやっておりません。基本米価と申しますか、その中に入っているものを引き出して、それを早場として出すというふうに相なっておるのであります。加算につきましては、御指摘の歩どまり加算、これが昨年の決定米価とは違っております。これは格差として処理するというのが考え方であったのであります。それから昨年の予算米価におきましても、昨年の予算米価と決定米価とは算式が非常に違っておりますが、昨年の予算米価と比較してのお話でございますれば、三十一年度の予算米価は、二十八、九年の産米の基準価格をベースにいたしまして、これにパリティをかけまして、それにさらに包装代と申し込み加算金をかけた九千九百六十円というのが昨年の予算米価であったのであります。
○芳賀委員 その点があいまいですね。じゃことしは実際の買い上げの扱いをどうするのですか。たとえば時期別格差というものを、さらにあるいは歩どまり格差、これをこの一万十三円米価の中から引き出して、従来通り基本価格に加算する、実際の運用面においてはそういう取り扱いをする意向なんですか。
○小倉政府委員 お尋ねの問題に入ります前に、格差をどうするかという基本的な問題がございます。最近一部の地方では、歩どまり格差、あるいは正確には歩どまり加算かもしれませんが、そのほかに銘柄格差等を設定すべしという強い意見もあるのでございますが、従来のような銘柄格差はこの際設定することはなかなか困難であろうかと私ども考えておるのでありますけれども、何らかの意味で品質に着眼いたしました格差は設定した方がいいのではないかというふうな考え方をしております。これはしかしもちろん事務的な考え方でありまして、本年度の米価決定の正式の方針としたものとして申し上げたのではございません。それから早場につきましては、早場をどの程度どうするかということについてなお検討しなければならぬと思いまするし、また私ども事務的な結論をも実は得ておりませんけれども、つけるという前提で考えますれば、昨年のように基本米価から引き出して加算するということに相なろうというように存じます。
○芳賀委員 現段階においてはどう考えておりますか。時期別格差と歩どまり格差を算定米価の中から引き出してやるという考えなんですか。現段階においては、そこら辺ぼつぼつ明らかにしていい時期でしょう。
○小倉政府委員 歩どまり格差、それから時期別格差は、お話のように基本米価から引き出してやるのが相当じゃないかというのがただいままでの考え方であります。
○芳賀委員 もうちょっとそこをはっきり……。やる考えかどうか、現在はやるつもりでおるわけですか。一万十三円米価の中から引き出して、今言ったような時期別あるいは歩どまり加算を明らかにつける、事務当局としては、現段階においてはそういうお考えなんですか。
○小倉政府委員 早場の歩どまり格差につきましては、今いろいろ異論があるわけでございます。格差というのは変じゃないかという御議論もございます。格差というような品質等のものであってはならぬではないか。早場というのは特別の格差とは言いにくいものであるから、それは別のものではないかという議論から、いろいろ違った結論が出て参るかとも存じますけれども、また臨時食管調査会等でも、早場の取扱いについてはまだ大よその結論が出ておりません。従いまして私どもといたしましても、ここでこういうふうにしたいということを申し上げることはちょっと行き過ぎかと存じますけれども、いろいろの必要性もございますので、それをなくするというような考え方は、ことしの米価決定の上では考えておりません。ただ従来の方向と申しますと語弊がございますが、従来の方向といったようなことで考えますれば、削減していいのではないかというふうなのが最近の考え方であったのであります。それは別問題にいたしましても、早場をつけるという必要性もあるわけでございますので、早場と歩どまりの問題については、基本米価から引き出して加算をする、いわば格差として設定する、こういうようなつもりで現在はおるのであります。
○芳賀委員 予算米価は政府当局がみずから算定して、そうして議会の承認を求めて、すでに予算が成立しているのですよ。だからそのときの考え方は、当然時期別格差あるいは歩どまり格差は算定の基礎をなしておるわけです。そういうものが算入されて一万十三円米価というものが出ておるのであるから、そういう場合には、実行に当っては、一万円米価からそれを引き出して現実に移すということは、政府の責任において当然なことだと思うのです。今長官は臨時食管調査会の意向なんということを言われましたが、あの調査会は、政府が勝手にお作りになって、むしろ食管赤字をどうするかというようなところに重点を置いており、もう一つは消費者米価引き上げのねらいで、政府の責任を臨時食管調査会に転嫁さして、国会終了後に調査会の意見をそこから引き出して、そうして消費者米価を上げるという明らかなねらいでやっているのですから、この臨時食管調査会の意見に左右されて、たとえば時期別格差であるとか歩どまり格差をなくさなければならぬとか、その意向を尊重しなければならぬなんということにはならぬと思うのですが、いかがですか。
○小倉政府委員 お話のように、予算米価のことでございますれば、その中に格差に相当するものは入っておるというふうに観念するのが当然でございますし、私どももそういうふうに理解をしておりますし、国会においてもそういうことでお答えを実はして参ったのでございます。その考え方は現在でも変っておりません。米価がどうきまるか、これは別問題にいたしましても、基本米価がきまりますれば、その中から、早場奨励金それから歩どまりの格差を引き出して価格をきめることに相なろうかと存じております。
○芳賀委員 この点は農林大臣が後刻出席されますから、さらに尋ねたいと思いますが、もう一つお伺いしたい点は、本年度の予算米価算定の中には、昨年までありました予約契約の申し込み加算の百円と、それからいわゆる銘柄格差なるもの十三円は落ちていますね。百十三円がことさらに落ちておるわけですが、これはどういうお考えで落したのですか。 〔笹山委員長代理退席、委員長着席〕
○小倉政府委員 これは大臣からすでに当委員会その他の委員会で御質問に応じてお答えしたと存じますが、その通りでございまして、まず歩どまり格差の点につきましては、昨年の考え方を改めて、加算ではなくて格差というふうに考えるということが一点であります。それからもう一つの申し込み加算につきましては、予約制度がほぼ軌道に乗ったということで、従来いわば奨励的な措置として加算されておったものでございますので、今日の状態ではそれは加算をやめるということでできておるものでございます。
○芳賀委員 それは小倉さん違うじゃないですか。予約奨励金の百円と、これには載っておりませんが、所得税の減免の面で、一石当り実質的に百円相当額のものを税の方で考慮する。これは、たとえば昭和三十年度あるいは三十一年度の米価決定に当って一つの政治的な配慮の中で講ぜられた。これはやはり価格形成の中の一つの要素であるということが言えるのです。単に予約制度の奨励とか、そういう意味の単純なる奨励金とは違うと思うのです。従来まで行なった米価形成の中の、やはり一つの要素としてこれは認められてきたものであるから、これを、そういう抽象的な、単純な根拠で削ってしまうということは、非常にけしからぬと思うのです。そういう子供だましのようなことでなくて、結局これは低米価の方向に持っていくためにこれを落したというのであれば、話はまだわかるのですが、単に奨励の時期が過ぎたから、予約奨励金の百円を削ったということでは、これはなかなか承服できないと思うのです。結局一番の根拠はどこにあるのですか。
○小倉政府委員 それは先ほど申し上げた通りでございます。そのほかに特別、今お話のような魂胆といいますか、意図があってした考え方ではございません。
○芳賀委員 いや、米価算定の全体の形成の中から、たとえば百円とか十三円落すということは、やはり米価の引き下げということになるのじゃないですか。農民の場合には、結局一石一万円とか一万三百円ということで考えているのですからね。こまごま分析して、基本米価が幾らで、ことしのパリティ上昇分の値上りが幾ら、それに加算がどれだけなどという、そういうこまいことは考えていない。実際現実に本年度に売り渡す場合の米価は幾らかということが、やはり最も基本になるし、それが重大な関心になっているわけです。ですから、昨年と比較する場合においては明らかに低米価ということになるのです。そうなると、これはやはり政府の施策とも逆行すると思うのです。一千億減税とが一千億施策というような中において、ひとり農産物関係だけが、政治的意図のともに引き下げられていくということになりますと、この米価の中に占める、たとえば自家労家労働の賃金評価の問題の中においても、昨年よりも米価が下るという場合においては、農家の労働費の占める部分というものは、やはり労賃評価を引き下げるということに帰納すると思うのです。そうすると、全く農業関係の面においては逆現象が出てくるように考えられるわけです。やはり最も良心的な、知性の豊かな小倉さんとしては、こういう予約奨励金の百円も切るとか、銘柄の十三円も切るということは、良心に照しても問題があると思うのですが、どうですか。
○小倉政府委員 格差の問題のうち、特に今御指摘の歩どまり加算でございますが、昨年はどちらかと申しますと、倉卒の間のことであったように私どもも承知しているわけであります。本格的に格差ということを考えますれば、これは米価の中で考えるのがむしろ至当であろうというふうに考えております。予算米価は、そういうことで昨年の決定米価と違いまして、特に十三円という加算をしなかったのであります。それから申し込み加算につきましては、先ほど御説明をいたした通りの事情で、そういう考え方で予算米価をきめたのであります。
○芳賀委員 結果的には百十三円安くなっておる。ことしも予約契約の制度でやるということになると、同じ制度のもとにおいて昨年より百円とかあるいは百十三円現実に安くなっておるのですから、何としても説明の方法がないのであります。去年までは奨励時期だから百円つけたけれども、ことしは奨励する必要がないからやめるといっても、これは単なるいろいろな産業振興や何かの奨励と性質が違うと思います。国の食管制度によって縛っておいて、そうして農民に対しては義務をしいておるんだから、それに対しても奨励の時期が過ぎたから百円は要るとか要らぬとかいうことは全然理由にならないと思います。さらに先ほど御説明のあった今年度の米価算定の基礎というものは、昨年産米の推定手取りを基礎にして、それにパリティの推移を勘案してきめたということであれば、単に基本米価に時期別格差だけを加えて、それにパリティの趨勢を乗ずるというやり方でなくて、むしろ予約奨励金とかそういうものもやはり基本米価の中に加算して、そうしてそれにパリティの趨勢値を乗ずることの方が当を得た方法だと思いますがどうですか。
○小倉政府委員 パリティをかけます前に、各種の加算金を加えて、それからパリティをかけるというやり方も、それは考えられないことはないかとも存じますけれども、私どもといたしましては、やはりパリティで乗じてやれるものはあくまでも基本米価でございますので、それはやはりどちらかと申しますれば、基本となるものにかけて、その上にどうしても必要な加算すべきものは加算する、あるいは格差として設定すべきものは加えたり引いたりする、こういうのが至当ではないかと考えておったのであります。
○芳賀委員 今の説明によると、それならば基本米価に時期別格差だけ加えたというのはどういうわけか、またここから引っぱり出すということは変じゃないですか。
○小倉政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、時期別格差というのは、実は格差というのが必ずしも言葉の上からは適当じゃない。格差というのは、単なる価格差ということで考えれば別でございますが、従来も早場米の奨励金というふうに考えておりましたようなこともありまするし、これは本来基本米価に入るものである。それを特別の事由でもって早場のために出すという考え方でございますので、これは中に入れて考えるということに実はいたしておるのであります。
○芳賀委員 こういうやり方をすると、理論的根拠は全然米価算定の方式の中になくなってしまう。毎年々々思いつきでいろいろやってみる。しかもそれは政府の米価引き下げの意図に沿うために新しい算定方式を採用するということになりますと、一貫性もないし、理論的根拠もないですよ。そうなりますと、算定方式というものは要らぬと思いますがどうですか。思いつき米価とか、純然たる政治米価とか、低米価方式とか、そういうことでいった方がいいのではないのですか。
○小倉政府委員 お話のように、米価算定の方式が確立されておりまして、その方式によって算出されたものが政治的にも米価として決定されることが望ましいというふうにも考えられます。しかし経済状態その他がいろいろ変ってくるというようなことを考えますると、そういう変った状態のもとでも、変る前と同じように妥当な決定が出るような算式というものはなかなかむずかしいようでございます。従いまして一定の算式がございましても、そこにいろいろ加算とか奨励金というような問題もおのずから出てくるのが過去の実態であったのでございます。しからばといいまして、それがどうだという批判はそれだけになかなかむずかしいわけでございます。 それからもう一つ、これまでの過程から申しましても、米価はこういう方向で算出するんだという算定方式がまだ決定的なものがございません。それはおそらく今申しましたように、そういうふうになっておるのでございまして、米価算定方式にいろいろ関係された方々の努力なり知識が足りなくてそういう結果になっておるということでもないのではないかというふうな考え方を持っておるのであります。
○芳賀委員 大臣が出席されたので、農林大臣にお尋ねしますが、第一点は、今年度の予約の開始はいつからなさるつもりでありますか。
○井出国務大臣 大体ただいまの予定では、米価審議会の議を経て米価をきめる、その時期が諸般の準備から申しますると、六月十日あるいは中旬にかかるのではないかという感じがいたしますので、それが決定次第取り急ぎ予約を開始するというようなスケジュールになるだろうと考えております。
○芳賀委員 そうしますと、決定米価を諮問するために米価審議会を六月十日から十五日の間に開く予定ですか。それが終ったらということになると、いつごろですか。
○井出国務大臣 それは大よその目安でございまして、できるだけ取り急いで行うつもりでおります。
○芳賀委員 大臣に申し上げますが、ことしは三月一ぱいに本年度の予算が通っているんです。予算が通っておるんだから、ことしの予算米価というものは一応承認されておる。ですからまじめに作業をやっておれば、もうすでに米価の決定を行なって諸般の準備を整えて、開始できるような時期になっておると思うのですが、何のために六月中旬まで決定を延ばさなければならぬか、その理由があればお示し願いたい。
○井出国務大臣 この国会でいろいろ問題が輻輳しておりましたような関係で、少しく準備不足の点はまことに相済みませんが、全体の作業がおくれておる、こういうことに御了解をいただきたいと思います。
○芳賀委員 全体の作業がおくれておるということは、これは当局の怠慢によっておくれておるんですか。それ以外に事情があれば、その点を聞かしていただきたい。
○井出国務大臣 たとえば臨時食糧管理調査会というふうなものもずっと連続開かれて参りましたし、その方面の資料の調整でございますとか、そういった作業などがありましたために、従来に比べますと少しく遅延をいたしておる、こういうことでございます。
○芳賀委員 臨時食管調査会は、先ほども小倉長官に申したのですが、これは消費者米価を値上げするために作った政府部内の調査会であって、生産者米価等を決定する場合においてはこれは何ら無縁の機関なんですよ。食管制度の中においては米価審議会というものが明らかに設けられておって、これに対して正式に諮問をして、その意見を尊重して、たとえば生産者米価等を決定なさればいいのであるが、それを全く敬遠して、政府が一方的な意図で設けられた調査会だけにウエートを置いて、それにたより過ぎているというのは、どうも不思議にたえないと思うのです。それほど政府は自信を失って臨時食管調査会だけにたよっているのですか。この点はいかがですか。
○井出国務大臣 決して臨時食管調査会というものに何か責任を転嫁して政府が自主的には何もしないというのではございません。しかし同じ食糧庁のスタッフをもちまして、臨時食管調査会に対する資料の調製というふうなことも同一の食糧庁でやらなければならぬというふうなことがありまする関係上、例年に比べるといささかおくれて参る、こう御理解をいただきたいと思うのでございます。
○芳賀委員 次にお尋ねいたしたい点は、農民側においてもことしも予約制度が行われるということをもう期待しております。その場合には、今まであった石二千円の概算金は当然出されるというふうにも考えておるわけですが、この概算金の問題に対しては、政府としては昨年通りおやりになる意思かどうか。
○井出国務大臣 その予定でおります。
○芳賀委員 それから今年度の実行米価の問題でありますが、予算米価はわれわれとしても一万十三円米価ということはわきまえておるわけですが、ただいまも長官にただしたわけでありますが、今年度の予算米価の算定方式は、三十一年度産米の推定手取り米価を基礎にいたしまして、それにパリティの変化等を勘案して、そして一万十三円米価というものをいわゆる予算米価としておきめになったわけですね。その内容を検討いたしますと、特に異なっておる点は、ことしの算式の場合には、従来の基本米価に時期別格差の百七十七円を入れてあるわけです。そしてさらに昨年までありました予約奨励金の百円の分と、それから銘柄格差の十三円分というものは昨年の推定手取りとしてのいわゆる前年度の実績米価からこれが除かれて算定されておるわけです。こういう点に対しては、事務当局として良心的にこういうことはできないことなんですが、これは多分に農林大臣の政治的な意図によってこういう低米価の方向に向ったところの算定方式が採用されたと思うのですが、農林大臣のお考えは本年度から、今まで実績として出されておった各種の加算金等を次々に削除して、米価を引き下げるという意図でこういうことが行われておると思うのですが、その点に対する農林大臣としての明確な御答弁をお示し願いたい。
○井出国務大臣 決してことさらに低米価を意図してどうこうということはございません。ただ従来の算式と変ったという点につきましては、先ほど来芳賀委員と食糧庁長官との間に質疑応答がおありになったろうと存じます。長官からも多分その点お答えをいたしたと思いますが、予約制度を発足せしめましてことしが三年目でございますから、この制度に農民諸君もだいぶなれてきておられるし、発足当時の予約奨励的な意味のものは、今日ではむしろ廃してもよろしいのではないかという考え方に立った次第でございまするし、あるいはこの十三円の品質によるところの格差という考え方は、これは従来外ワクで考えましたが、硬質米地帯でプラスになる部分、と同時に品質の軟弱な地帯の分はマイナスになって出てくるという考え方を採用してよろしかろう、こういう見解に立った次第でございます。
○芳賀委員 説明はどうあってもとにかく、ことしの算定方式をとることによって昨年より手取りが減るということはあるでしょう。どうですか。
○井出国務大臣 農家の手取りになりまする絶対額というものを考えますると、昨年は一万円を割っておったというようなことからして、必ずしも今芳賀委員の仰せられるように、去年よりも減るのだというふうには考えておりません。
○芳賀委員 そんなことないですよ。去年まで出しておったのがなくなれば減るにきまっておるじゃないですか。その点はインチキな答弁じゃないですか。去年は予算米価より手取りが減った、その最大の理由は、これは時期別格差というものを二百十円予算米価では設定してあったのが、実際は百七十七円しか出していないのです。もう一つは、これは一番おかしいんですが、等級格差を八十九円予想して設けてあったのがわずか二十二円しか出していないわけです。この二つの差はちょうど百円になるから、去年の手取り米価というものは九千九百七十円に終っている。これが基礎になるのじゃないんですよ。去年の算定方式によって期待された米価というものは、これは一万七十円米価なのですからね。今年度の場合は昨年よりもパリティが上昇しておるということは予算米価をお作りになるときも明らかになっておる。たとえば去年の七月から十一月までのパリティの平均値が一一九・八二、これを分母にして十一月のパリティ指数の一二〇・九二というものを分子にしておるのですから、若干パリティの上昇分というものが加算されておるわけなのです。ですから昨年と同じような算式をとれば、それにパリティの上昇分を加えればおそらく一万百三十円くらいになってもしかるべきなのです。それが一万十三円米価になっておるということで、予約奨励金であるとか銘柄格差というものを除いたらこういうように減ってきておるのです。ですから今まで手取りになったものがなくなった場合には手取りが減ったというふうに通例われわれは言っておるわけなんですが、大臣はそうならぬと言う。その点をもう一ぺん明らかにしてもらわぬと、百円と十三円が去年に比べてなくなっておると思うのだけれども、その分は手取りが減ったということにわれわれは解釈しておる。大臣は必ずしもそうではないと言われるが、その点はどうなんです。
○井出国務大臣 昨年の九千九百七十円という絶対数字、あるいは手取り米価と申してもよろしいでありましょうが、これから見ますと、ことしの一万円という予算米価は減っておらない、こういう考え方の上に立っておるわけであります。そうして予約格差といわれる百円あるいは先ほどの十三円、これは算術的に考えれば確かになくなったということに御解釈になるわけでありますが、われわれの方としましては、先ほど申し述べましたような理由で、まず予約制度にもなれてきていただいておるから、この辺でよろしかろうし、今の硬質、軟質はそとでプラスをするという考え方でなく設定をして参りたいという方式をとっておるわけでございます。
○芳賀委員 予算米価と比較する場合には、前年度の予算米価と比較して見ないと、手取り米価と比較しては論議ができないのです。ことしの予算米価の場合でも等級格差は八十九円と見ておるのです。そういうことにしてやらないと、一万十三円ですから、等級に対する条件というものは、前年度と同じような状態に置かれた場合においては二十二円しか出さないのです。そうなれば七十円これから減ることは明らかです。そうなれば一万円米価を切ってしまうのです。そういう現実の問題が出てくるのですから、これは正直に予約の百円というものは米価引下げのために削ったと言われた方がいいんじゃないですか。その方が農民も納得するのです。今の政府の方針というものは、神武以来の景気の中においても、農民に対しては低米価をあえて強行するのだということを、この時期に明確にしておいた方がいいと思うのです。そこに井出農政の本体があると思うのです。
○井出国務大臣 私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、手取り米価というものを中心に考えますときに、まず一万円米価というものが維持されておるという観点から、農民諸君にも御納得をいただけるかと考えております。
○芳賀委員 農民は絶対に納得いたしません。岸内閣のもとにおいて何のために農民にだけしわ寄せをしなければならぬか、理由がわれわれはわからないのです。たとえば今年度の国会を通じても、国家公務員とかあるいは公共企業体の職員にしても、一般民間産業の労働者諸君にしても、現在の国内の経済的な諸情勢の中から、当然の要求として給与あるいは賃金の引き上げが相当行われておるわけです。ですから今日採用しておる米価の算定方式の基礎をなすものは、完全ではありませんけれどもある程度生産費並びに所得補償の思想が底流した上に立った米価の算定の方式を、まがりなりにも採用しておる。そういたしますと、本年度の米価算定の場合においても、国の責任において米価をきめる場合には、米価の中に占める農民の自家労働に対する賃金評価の場合においても、やはり他産業等との現在の状態に比較した場合、農家の所得が実質的に労働費の部分においても上昇するような配慮が当然必要だと思うのです。それから予約奨励金の百円の場合においても、これは奨励のための百円ではないのですよ。今までも総体の米価を積み上げるためにいろいろ基本米価以外に、苦心してあるいは政治的な配慮の中において、たとえば百円の分は予約奨励金であるとか、あるいは他の百円は所得税の勘案の中において実質的に米価の手取りがふえるようにするというような、そういういろいろ複雑な配慮を用いて、それが全体において一万二百円米価になるとか、そういうことで今日までやってきたのですから、明らかに予約の奨励金も実績だと思うのです。ですから今度の米価の算定をする場合においても、予約奨励という名前が適合しないとすれば、いかにこれを基本価格の中に吸収するか、そういうふうに体系を整えて、実質的に米価が若干なりとも国内経済の中において生活に順応したような形において上昇するとか、あるいは他産業の労働者の賃金水準に、ついていけないまでも少くとも下ってはいけないという線において御決定になるのが当然であると思うのであります。予算米価の場合においては、大体の目標としてきめた数字であるから、さほどわれわれは真剣に論議をしないとしても、いよいよ米価を決定する場合においては、これは重大問題だと思うのです。特に会期もあと二日を残すだけですから、この際農林大臣としては、米価について責任のある所信を御発表になった方がいいのじゃないか、この際大胆率直に見解を披瀝してもらいたい。
○井出国務大臣 予算米価を中心にいたしましていろいろと検討をしておるのでありまして、先ほど来申し上げますように、その間の準備が少しく遅延をしておるというふうなことから、今日まだ決定的なところを申し上げるまでに至っておりませんことを、大へん遺憾に存ずる次第でございます。
○芳賀委員 次に具体的な問題としてお尋ねしておきますが、予算米価をおきめになる場合は、十一月のパリティを分子として採用しているのですが、今日パリティの指数は相当変ってきたと思うのです。ですから、十二月以降のパリティの上昇はどういうような指数をたどってきておるか、これは大臣としても、米価問題ともからんで御勉強になっておると思うので一つお伺いいたします。
○井出国務大臣 三月の数字を申し上げますと、一二三という計数が出ておるわけでございます。
○芳賀委員 これは物価の上昇とかいろいろな政府のインフレ下の政策によって指数はどんどん上るのです。ですから、そうなると今年度の決定米価というものは、パリティ指数の採用の方法とか、そういう点においても非常に重大な影響がくるのです。もちろんこれは米価審議会をお開きになる場合においてはそういう具体的、科学的な根拠を整えて米審に諮問されると思うのでありますが、そういう作業というものは今日まで行われておるのですか、たとえば三月のパリティを採用した場合においてはこの予算米価はどういうふうに変化するか、そういう変化に対する内容をこの際御説明願いたい。
○井出国務大臣 月々変化の趨勢をたどっておりまするので、最終的にはどの数字を採用するかというふうなことをきめまするには、もう少し日時をかしていただきたい、こう存じまするが、諸般の資料は十分整えて、検討の資料に供する予定でおる次第でございます。
○芳賀委員 ですから、三月の一二三の場合においては、今年度の算定方式に準じた試算をすれば米価は幾らになるのですか。
○井出国務大臣 まだそれに準拠しての最終的な数字は出しておらないようであります。
○芳賀委員 それじゃ長官にお尋ねします。これはいろいろ用意してあると言うのですから簡単にわかるでしょう。一二三になった場合にはおおよそどのくらいになるのですか。
○小倉政府委員 これは途中の三月でもってきめるならよろしいのですけれども、三月のパリティできめるわけではないと思うのです。そこで三月のパリティでもってはじきましても架空の数字になるおそれがありますが、予算米価と同じような考え方でかりにパリティだけを三月までのものをとってやりますれば、おそらく九十円見当予算米価よりは上るだろうと思います。
○芳賀委員 これは資料として示して下さい。 最後に大臣にお伺いしたいと思いますのは、今月の十五日全国の農協中央会が中心になって全国の各協同組合関係の団体が会議を開いて、今年度の米価に対する要求を行なったわけであります。大臣の手元にもその要請は出ておると思うのですが、どうですか。
○井出国務大臣 私のもとへも書面をもって御要請は承わりました。
○芳賀委員 この内容は十分検討されておると思うのですが、これはやはり純然たる算定方式は生産費及び所得補償方式によってやってもらいたいということで試算したのが一万一千九百円米価ということになっておるわけです。これらの点に対しても、政府としては十分なる検討を加えて、今日の生産農民の声がどこにあるかということを十分確かめて、本年度の米価決定に当っては最善の努力をすべきであると思いますし、特に予約奨励金とか、そういう百十三円を黙って削ってしまったということは、これは大臣としてあくまで農民から追及されると思う。そういう場合に、申しわけのできるようなはっきりした態度を今から用意して農民の不信を買わぬような正しい米価算定をぜひやるべきだと私は考えておりますので、あえて申し上げておるのですが、それに答える用意はありますか。
○井出国務大臣 農民団体からいただきました資料も十分に検討の資に供したい、こう考えております。
○小枝委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○小枝委員長 速記を始めて。石田宥全君。
○石田(宥)委員 ただいま芳賀委員の質問に対しまする当局の試算の内容がはなはだ要領を得ないのであります。これはやはり三月パリティなら三月パリティは明らかなんでありますから、三月パリティでよろしいのでありますが、それを基礎にして予算米価の算定方式に基く試算表を御提出願います。
○小枝委員長 この際暫時休憩いたします。 午後一時二十分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕