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26回国会衆議院1957/02/12

農林水産委員会 第2号

発言数
9
登壇者
4
会派数
2
開催日
1957/02/12

会議録

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 これより会議を開きます。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 議事進行について一言与党の方にお願いしたいのですが、本日ここに委員会が初めて開かれるわけなのです。その出席率を見てみますと、ほとんど私たちはこれで会議を進行するということが非常に困難であろうと思う。しかしきょうは農林大臣が忙しい中に来ていらっしゃるから一応これを認めるとしても、今後においては委員長がよく警告を発して、出席が少くとも社会党と同数くらいなものは集めておいていただきたい。このことを厳に私は今申し込んでおきたいと思っています。それに対して委員長の御答弁を得た上でこの問題の解決をはかりたいと思っております。

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 ただいまの中村君の議事進行に関する発言につきましては、委員長といたしまして十分対策を講じるつもりでございます。しかるべく御了承願います。  それでは委員各位の座席はただいま御着席の通りといたしますが、使用委員室の状況、その他委員の異動等、必要に応じて委員長において決定いたしますので御了承を願います。  次に去る二月五日の常任委員長会議において、ニュース・カメラの撮影及び傍聴人の整理等について左記の通り申し合せを行いましたので、申し合せ事項を報告いたします。     申合せ   国会の審議は委員会が中心であるので、その正常化については、まず、委員会の審議の能率を高めるために、各委員長は、左記事項を特に励行すること。  一、ニュース・カメラの撮影は、原則として開会の前後にこれを許可すること。  二、傍聴人の整理を図ってその議事が妨害されることのないようにすること。  三、理事会は、これを非公開とすること。  右の通りでありますので、委員各位もお含みの上、委員長に御協力願います。  次に農林水産業の基本施策について井出農林大臣より発言を求められておりますので、この際これを許します。井出農林大臣。

井出一太郎自由民主党農林大臣

○井出国務大臣 今国会に提出いたします予算案及び法律案につきまして、皆様方の御審議並びに御協力をいただきますに当りまして、予算案の編成及び法律案の制定の基本となりました農林水産行政に対する私の考え方を申し上げ、施策の概要を御説明いたしたいと存じます。  御承知のように、昨年は、北海道の冷害等一部地域におきまして災害をこうむり、また、他の地域におきましても、気象条件は、必ずしも良好な状態であったとはいえないにもかかわらず、全般的には、米麦を初め主要農畜水産物の生産は、おおむね高水準を維持し得たのでありまして、これは農山漁村民諸君の努力のたまものであることは言うまでもないのでありますが、特に戦後における土地改良事業の推進、耕種技術の改善等の成果がようやく結実して参り、農林水産業の生産力の水準を高からしめたものと考えるのでありまして、まことに御同慶にたえないところであります。  しかし、翻って我国経済の基調を観察いたしまするに、すでに御承知の通り、最近における生産、貿易、雇用等各分野にわたる経済発展は、世界的にも類を見ないほど目ざましいものがあるのでありますが、農林水産業が成長を続ける国民経済の中で、その重要な一環として、今後におきましても他産業部門と極力均衡した発展を遂げますためには、従来にまさる努力を積み重ねなければならないことを痛感するのでありまして、この際農林水産行政につきましても再検討を加え、施策の効果的な滲透を期することが、ぜひとも必要であろうと考えているのであります。  申すまでもなく、農林水産行政の基本的目標は、農林水産業の生産力を高めて、農山漁村民の福祉を増進することであります。と同時に、食糧の総合自給力を向上することによって国民経済の安定と発展に寄与することであります。すなわち、食糧等農畜水産物の生産増強のための諸施策を展開するに当りましては、単に量的増産をはかるばかりでなく、生産性の向上を重視しつつ農業所得の増大、農山漁村民の生活水準の向上をはかるとともに、従来どちらかといえば米及麦に片寄りがちであった食糧増産のための努力を一そう拡大して、国民食糧消費構造の高度化に照応し、畜産物、野菜、果実、水産物等を含めた総合的食糧供給力の増強という見地に立って推進する必要があると思うのであります。またこのことは世界的な農産物の過剰及びこれを反映した農産物価格の低落傾向に対処し、我国農業の国際競争力を強化するゆえんであろうと思料するものであります。  かような観点から、明年度における農林予算及び施策につきましては、次の諸点について農林水産行政の基本目標を歩一歩、具体的に実現していくことを目途として実行いたしたいと考える次第であります。  まず、第一に実施して参りたいと考えておりますことは、農林水産業の生産基盤を強化し、資源の有効利用を促進するための諸対策を強力かつ効率的に実施することであります。すなわち土地改良事業につきましては、これが単に農作物増収の基礎をなすばかりでなく、営農形態の近代化を促進する要件ともなるものでありますので、従来通り重点施策として努力を重ねて参りたい所存でありますが、特に国営干拓及び灌漑排水事業を対象といたしまして特定土地改良工事特別会計を創設し、大規模事業の早期完成と施行の効率化を期して参りたいと存ずるものであります。  さらに治山治水事業につきましては、国土保全の観点から、基本的施策として水源林造成を含めた治山事業を強力に推進して参るとともに、最近における林産物に対する需要の増大傾向に対処し、森林資源の急速な開発と拡大をはかるため、森林開発公団による所定計画の実施を初めとし、奥地林開発に鋭意力を注ぐとともに、林種転換及び新伐造林に重点を指向して人工造林地の拡大をはかり、林木の生産力の向上を所期して参りたいと考えております。   次に、水産関係と致しましては、沿岸漁場における水産増殖施設の拡充及び内外における未開発漁場の開発をはかるとともに、遠洋漁場につきましては、国際間の協調のもとに、組織的、計画的な生産資源等の調査を実施する等、漁場の確保に遺憾なきを期したいと考えております。また漁港整備については、漁港整備計画に基づく漁港修築事業及び累年の災害による漁港災害復旧事業の早期完成をはかりますとともに、漁港防災事業を拡充施行いたす所存でございます。なお、老朽漁船の整備対策といたしましては、特に小型漁船に重点を指向して財政金融措置を講じて参りたいと存じます。  第二に重点を指向いたしたい施策は、農業経営の近代化を促進して生産性を向上するとともに、農家所得の上昇をはかりたいと存ずるのであります。  申すまでもなく、わが国農業は、経営規模が零細であり、しかも、資本力が不足しているという条件に制約されまして、従来その経営は極端に集約的な方向に走らざるを得なかったのでありますが、戦後におきましては、農地改革その他の成果により畜力化及び機械化等進んだ経営手段が他の新技術と一体的に急速に採用せられつつある現状でありまして今や経営の質的転換の動きを如実に感ずるのであります。従いまして、この際慎重な研究準備のもとに、新たに農業経営近代化の基本方策を確立すべき段階が到来しつつあるものと信ずるのであります。  まず三十一年度から実施されておりまする新農山漁村建設事業でありますが、本事業は五カ年計画をもちまして全国四千五百農林漁業地域を対象として推進いたす方針でありますので、第二年次である三十二年度におきましては、昨年度に引き続き新たに九百農林漁業地域の指定を行い計画の樹立を促進するとともに、農山漁村振興計画の特別助成については、前年度よりの継続五百三十四地域、新規九百六十六地域合せて一千五百地域を対象として実施することとし、農山漁村民の創意と熱意にこたえたいと存ずるものであります。  なお、この新農山漁村建設事業の一環といたしまして、この事業が青年の自主的活動を基調としております点にかんがみ、青年活動の促進強化、研修事業の拡充及び海外移住等、青年自立方策の援助促進に十分配意いたしたいと存ずるのであります。  次に、昨年の北海道等の冷害をこうむった農業経営の実情にかんがみ、この際寒冷地の特殊気象条件の特異性に適応した経営方式を確立することが焦眉の要請となっております。従いまして、公共事業費によりまして客土、排水等を行い、冷害等に耐え得るよう土地条件の整備を促進することはもちろん、今回新たに国有家畜の貸付制度を設け、輪作方式を取り入れた有畜農家経営への転換を促進するとともに、これら農家に対し、労力の合理的配分を可能にし、あわせて畑地の潜在地方の維持、培養をはかるため、営農用大型機械の導入方策を確立し、これら大型機械の管理運営に当るため、道県に農業機械化センターを新設したいとえております。  次に、開拓農家の経営の実態を勘案し、これが抜本的な振興対策を講ずることであります。すなわちこの際、従来の開拓政策の経験に照らし、終戦直後樹立された緊急開拓政策以来の方針に改善を加え、開拓農家経営の刷新及び振興をはかるため、災害等により累積した負債の整理促進及び家畜導入等営農形態の多角化に必要な営農資金の確保措置を講ずるほか、建設工事の促進、過剰入植者の経営面積の拡大等所要の措置を講ずることとし、これに必要な立法措置を講ずることを検討いたしたいと考えております。  次に、最近における農家階層の経済力の差異に留意いたしまして中小農家の経営安定に資し、創設自作農の維持育成に遺憾なきを期するため、農林漁業金融公庫の自作農維持資金を倍増するとともに、新たに中小農家を対象として、短期間に経済効果を発揮し得る和牛、豚及び綿羊の導入を奨励するため、必要な助成措置を講ずる所存であります。  次に、以上の諸対策を推進して参りますためには、技術水準の向上と、その徹底した普及をはかるための諸対策を強力に推進しなければなりません。特に、最近における内外における急速な技術進歩に対応し、試験研究の重要性は、いよいよ高まりつつあるわけでございまして、昨年設置いたしました農林水産技術会議を強化いたし、試験研究の総合化及び重点化につき一段と工夫を加えますとともに、試験研究経費の大幅な増額をはかり、さらに試験研究と指導普及事業との連繋を強化して参りたい所存であります。  第三の重点事項といたしましては、生産基盤の強化及び農業経営近代化に必要な投資の拡大をはかるため、農業金融を拡大して参ることでございます。すなわちまず農林漁業金融公庫につきましては、三十二年度の国の財政投融資計画の一環といたしまして、政府出資を七十億増加し原資の充実をはかるとともに、貸付計画につきましては、さきに触れましたごとく、自作農維持資金及び新農山漁村建設総合施設を主とし、融資対象事業全般にわたって総額前年比六十億円増の三百五十億円に拡大をはかった次第であります。また、農業改良資金制度につきましては、資金規模並びに債務保証対象事業の範囲を拡大し、また新たに利子補給に必要な補助金を支出することとし、本制度の円滑な運営を所期いたしたいと考えております。また前述いたしました開拓者営農資金の確保につきましては、開拓者資金融通特別会計の貸付の充実をはかるほか、短期の営農資金につきましては、中央開拓融資保証協会に対する出資を増額することにより、融資の円滑化を期することといたしたいと存じます、なお最近緩和状態にある農協系統金融につきましても、その効率的運用について検討を進めて参りたいと存ずるものであります。  次に、農林水産物の輸出の振興につきましては、農林水産物の特殊性にかんがみ、政府の援助と指導をさらに強化する必要があることはもちろんでありますが、これがため、輸出農林水産物の検査制度の充実をはかるとともに、市場調査または海外宣伝を一段と強化するため、これに必要な経費と予算案に計上しておる次第でございますが、特に輸出農林水産物の大宗である生糸につきましては、最近における世界景気の好況にかんがみ、その輸出を促進する絶好の機会でもありますので、この際、米国における宣伝事業をさらに一段と強化拡充することにいたしております。  また、肥料、飼料、農薬、農機具等につきましても、最近における運賃、原材料の値上り等悪条件を克服し、これら生産資材の供給の確保、価格の低廉化に一段と努めるほか、農業協同組合の整備強化等集荷、貯蔵、販売の流通機構全般にわたってその合理化を推進して参る所存であります。なお、製糸業及び製麦業につきましては、過剰設備による種々の弊害を除去いたしますため、その処理を促進する等必要な措置を講ずるよう検討いたしております。  農業団体対策といたしましては、第二十四国会以来前内閣より提出いたしました農業委員会法の一部改正法案が継続審査となっております一方、先国会において議員提出で同法の一部改正法案が提出され継続審査の取扱いとなっております。私といたしましては今国会において右の改正法案がすみやかに通過成立することを切望しておる次第であります。  農業災害補償制度につきましては、数年来鋭意検討中でございましたが、補償内容の合理化をはかり、事業運営を農村の実態に即応させるため、従来の反建制を石建制に改め、料率の個別化、選択制の拡大をはかるとともに、他面監督の強化により補償法施行の厳正を期するなど、遠からず成案を得て今次国会には改正法案を提出いたしたいと存ずるものであります。なお、漁業共済制度につきましては、自然的条件に左右されることの多い漁業の実態にかんがみ、なお慎重に検討すべき事項も残されておりますが、昭和三十二年度におきましては、一部実験的に実施を試みまして、逐次、本制度の確立をはかることといたしたいと存じます。  最後に、食糧管理制度につきましては、まず昭和三十二年産米につきましては、三十年産米以降実施して参りました事前売り渡し申し込み制度を引き続き実施いたしまして集荷を確保するとともに、配給につきましては、従来通り消費者家計の安定をはかることを本旨とする方針でありますが、米穀の需給事情、消費者の家計、国の財政等の関係を慎重に見きわめ措置の適切をはかることといたしまして、食糧管理を合理化するための調査会を設け、十分に有識者の御議論をいただいて善処いたしたいと考えております。麦類につきましても従来の方針を継続実施することといたしますが、御承知の通りいろいろ問題があると考えられますので、先に申し上げました調査会におきまして、十分御検討をしていただくことにいたしたいと思います。  なお、外国産食糧の輸入についてでありますが、国内需給の実情を考慮して良質なものを廉価に購入するという方針のもとに、適正数量の確保に努めることといたします。なお、当面第三次余剰農産物については、その受け入れをいたさないつもりでございますが、愛知用水公団等第二次余剰農産物協定による見返り円融資対象継続事業につきましては、三十二年度財政投融資計画において事業の推進に必要な措置を講ずる所存であります。  簡単ではございますが、以上農林水産施策の概要を御説明申し上げた次第でございます。(拍手)

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 ただいまの農林大臣の説明の裏づけをなす農林水産関係予算についてこの際説明を求めます。清井事務次官。

清井正農林事務官(事務次官)

○清井説明員 昭和三十二年度の農林関係予算案についてその概要を御説明申し上げます。  まず一般会計における農林関係予算案の総体について申し上げます。  農林省所管合計といたしましては、八百十二億一千四百万円となっております。これに総理府所管の農林関係公共事業費七十九億四千九百万円及び原子力平和利用に要する経費九千三百万円、労働省所管の農林関係公共事業費一億六千百万円並びに建設省所管の農林関係営繕費六千七百万円を加えました農林関係予算合計は、八百九十四億八千三百万円となり、前年度に対し十七億二千百万円の増となっております。  次に本予算案編成の重点について申し上げますと、第一は、生産基盤の拡充と生産性の向上であります。第二は、新農山漁村建設の推進と農林漁業経営の安定対策であります。第三は、農林漁業団体関係及び農業災害補償制度等であります。以下、この重点に従いまして主要経費について簡単な説明を申し上げたいと存じます。  第一に生産基盤の拡充と生産性の向上でありますが、そのうち第一は食糧増産対策経費についてであります。土地改良、開拓事業等の農地の拡張改良による食糧増産関係予算としましては二百七十億八千三百万円を計上しております。  土地改良事業に百二十四億四千三百万円を計上いたしておりますが、このうち内地の新規国営灌漑排水事業につきましては、国営及び代行の干拓事業と合せてその国庫負担分を新設の「特定土地改良工事特別会計」(仮称)に繰り入れ、地元負担分は同特別会計において別途財政資金の借り入れによることとして、短期かつ計画的に工事の促進をはかることといたしました。またその他の灌漑排水事業につきましては、相互に関連を持たせて実施するほか、他事業との関連工事については特に重点的に工事を推進することといたしました。  また防災事業につきましても前年より増額いたしまして早期完成に努めております。  開拓事業については七十八億三千二百万円を計上いたしました。このうち国営、代行の干拓事業につきましては、その国庫負担分を前述の特別会計に繰り入れて実施することといたしております。  開墾建設工事等につきましては、入植者の開墾進度に逐次合せるよう工事の進度を考慮いたしました。  次に耕地整備事業につきましては二十二億七百万円を計上いたしており、特に寒冷地対策として暗渠排水、客土等の工事の促進をはかることといたしております。  開拓実施費については、新規に四千戸の入植を予定いたし、二十二億二千六百万円を計上いたしました。  農業機械整備費は、二億九千四百万円を計上いたしております。  以上のほか、外資関係事業としましては、愛知用水事業に四億円、上北、根釧の両地区に六億四千万円、篠津開発のための経費として八億五千万円をそれぞれ計上しております。  災害関係事業費といたしましては、災害復旧事業費七十二億…百万円、災害関連事業費七億六千六百万円及び鉱一害復旧事業費三億五千七百万円を計上いたしました。  なお、公共事業の行われ難い農山村後進地域を対象とする小団地開発整備事業につきましては、引き続き計画的に実施いたすこととし、これに要する経費三億円を計上しております。  次に耕種改善による各種農産物の生産の増強対策について説明申し上げます。  まず主要農作物種子対策につきましては、その種目、事業量等についてはほぼ前年同様でありまして、これがため二億七千六百万円を計上いたしました。  次に耕土生産力増強対策につきましては、低位生産地の調査費として五千九百万円を計上するとともに、大豆作地帯等畑作地帯の耕土改良のため三千二百万円を計上いたしております。  次に植物防疫事業につきましては、農薬備蓄制度とあわせて病害虫発生予察事業及び防除組織の整備特に市町村における防除器具の計画的整備に努めることとし、二億九千六百万円を計上しております。  以上のほか耕種改善事業として特殊農作物及び園芸農作物の生産改善の経費として八百万円を計上しております。  第二に治山治水事業と林業振興に要する経費についてであります。  まず山林公共事業費につきましては、治山事業に四十二億九千六百万円、造林事業に二十九億六千八百万円、林道事業に十九億千五百万円及び災害復旧等に五億九千万円を計上いたしております。特に林道事業につきましては、未開発林の開発とも関連いたしまして、その整備拡充に努めますほか、造林事業については本年より林種転換及び新伐造林に重点を置いて推進することといたしました。  また森林開発公団につきましては、前年実施した林道事業に対する国庫補助一億円を別途計上いたしました。  林業振興に要する経費につきましては、その事業の必要性に応じ、保安林整備計画実施に二千八百万円、森林病害虫等防除に一億九千二百万円、有益鳥獣増殖に七百万円を計上いたしますとともに、森林計画に新たに公有林経営計画を加えて三億三千五百万円を、毬果採取等優良種苗確保のため四千三百万円をそれぞれ計上いたしましたほか、新たに林木品種改良事業に千八百万円を計上いたしました。  第三に水産振興に要する経費についてであります。  新漁場の開発並びに水産生物資源の調査につきましては、沖合い未開発漁場の積極的開発を行うため五百万円及び国際漁場の開発のため三千四百万円、中南米漁業調査のため一千九百万円を計上いたしておりますほか、国際漁業生物調査関係等に六千七百万円を計上しております。  沿岸及び内水面漁場の維持及び増殖につきましては、二億一千五百万円を計上いたし、漁場の維持培養と沿岸漁業の振興に特段の努力をはかりますとともに、漁業調整に一億二千六百万円、漁業取締り指導に八千九百万円を計上いたしました。  なお、国際漁業関係の取締り指導について三億三千七百万円を計上いたしております。  漁港施設の整備拡充につきましては、三十一億二千五百万円と大幅に増額いたしましたほか、災害復旧事業費等に十五億七千万円を計上いたしております。  第四に畜産振興に要する経費についてであります。  家畜の導入及び改良増殖について二億九千二百万円を計上いたし、都道府県に対する種畜購入補助、世界銀行資金によるジャージー種乳牛二千五百頭の導入及び有畜農家創設事業による家畜の導入を実施して参る所存であります。  次に自給飼料対策でありますが、まず牧野改良対策として草地改良に一億七千二百万円、牧野改良センターに一千七百万円を計上いたしましたほか、飼料自給度の向上対策といたしまして三千六百万円を計上し、飼料自給経営施設補助及び飼料作物原採種圃等の事業を実施することといたしております。  第五に蚕糸業の振興に要する経費についてであります。  まず生糸の需要増進につきましては、九千万円を計上し、従前の海外宣伝事業を強化拡充するほか、ニューヨークにシルク・ファッション・センターを設けることを予定しております。  これと相待って、国内における繭の合理的増産と養蚕経営の合理化の措置として、前年に引き続き技術改良対策及び桑園能率増進対策を講ずるとともに、新たに千九百万円を計上して凍霜害対策用の稚蚕共同桑園の設置補助を行うことといたしております。  次に生糸設備の処理に要する経費として新たに五千百万円を計上いたしております。  第六に農林水産関係調査研究並びに技術の向上に要する経費についてであります。  農林水産業発展の基盤となる試験研究につきましては、農林水産技術会議を中心として、中央、地方を通ずる試験研究機関の活動の強化と施設の拡充整備をはかるため、国の試験研究機関の諸経費三十一億七千七百万円、都道府県の補助費二億九千五百万円、民間試験研究の助成九千万円を計上いたしておりますが、特に前年度に引き続き、技術会議に新規研究費一億五千六百万円、施設費二億五千六百万円を一括計上いたしました。なお原子力関係予算につきましては、九千三百万円を別途総理府所管に計上いたしております。  試験研究の成果を急速に浸透するためには、農業、畜産業、養蚕業、林業及び水産業における技術改良普及事業の強化をはかることが緊要でありますので、これがため二十七億三千三百万円を計上いたしております。  農林漁業関係の統計、調査に要する経費といたしましては、四十一億五千三百万円を計上いたしましたが、新たに緊急畜産センサス等を行うことといたしております。  第二の重点として新農山漁村建設の推進と農林漁業経営の安定対策について御説明申上げます。  第一に、新農山漁村建設総合対策に要する経費についてであります。  新農山漁村建設総合対策につきましては、前年度に引き続きその事業を計画的に拡充いたすこととし、計画樹立地域数を新規九百地域、事業実施地域を継続五百三十四地域、新規九百六十六地域、計一千五百地域とするため特別助成費二十七億六千八百万円を計上いたしております。  第二に、農山漁村青年総合対策に要する経費についてであります。農山漁村振興の中核となる青年を対象として、各種の実践活動及び、研修への参加や内外先進農業地域への留学等を行わせるため八千七百万円を計上いたしてあります。  第三に、寒冷地農業振興対策についてであります。北海道、東北等寒冷地帯農業の安定とその振興をはかることが急務でありますので、土地条件の整備と並行いたしまして有畜経営への転換を促進する目的で、展示農家群に対する乳牛及び役肉牛の国有貸付制度を創設するとともに、これら農家群を中心として畑作経営の合理化と畑地土壌の維持培養をはかるため、国有トラクターの貸付を行い、寒冷地道県に農業機械化センターを設置せしめ上るほか、寒冷地特用作物の生産振興及び寒冷地試験研究の強化等の措置を講ずることとし、これに要する経費四億九千万円を計上いたしております。なおこのほか冷害恒久対策として北海道を中心に公共事業費三億円が計上してありますことは先ほど申し述べました通りであります。  第四に、農地制度の維持発展と中小農家の経営安定の経費であります。  まず農地制度については新たに転用基準を設定し、農地壊廃防止の徹底を期するほか、自作農創設維持に要する経費として五億二千六百万円を計上いたしますとともに、農林漁業金融公庫の自作農維持資金を増額して、五十億円といたしたのであります。  なお新たに中小農家の振興対策といたしまして、和牛、豚、めん羊等の家畜の導入を奨励するための経費として二千八百万円を計上しました。  第五に、開拓営農の安定に要する経費であります。  開拓地営農指導等に七千三百万円、開拓融資保証協会の出資増加に三千万円、開拓者資金融通特別会計への繰り入れに九千八百万円等を計上いたしたのでありますが、このうち特に開拓者営農特別振興対策として旧債の借りかえを行うための利子補給の助成として一千五百万円を見込んでいるのであります。  第六に、農林水産物及び生産資材の流通改善と価格安定に要する経費についてであります。  まず化学肥料については、臨時肥料需給安定法に基く需給調整のため七千五百万円を、農薬については中央段階の保管に重点を置いて、所要経費六千七百万円をそれぞれ計上しておりますほか、購入飼料、テンサイ糖及び農産物価格安定法に定める各種農産物につきましては、食糧管理特別会計において価格の安定をはかることといたしております。  乳製品につきましては、国内産脱脂粉乳及びバターの学童給食等特定用途向けの利用を奨励することとし、これに必要な経費一千万円を計上いたしております。  農林水産物の輸出振興に要する経費としては、さきに生糸の需要増進で申しました九千万円のほか、前年度に引続いて通産省に計上された予算をもって、マグロ、ミカン等農林水産物の市場開拓の事業を行うこととしております。  第七として、農林漁業経営のための所要資金の確保に要する経費についてであります。  三十一年度に発足した農業改良資金制度につきましては、技術導入資金の貸付額を十二億八千四百万円、施設資金の融資額を二十二億七千八百万円といたしますため必要な資金の造成に努めますとともに新たに施設資金についての利子補給に対する助成を行うことといたし、これらに必要な経費五億七千五百万円を計上いたしております。  農林漁業金融公庫につきましては、産業投資特別会計よりの出資七十億円、借入金百八十億円、回収金等百億円、合計三百五十億円の原資をもって融資を行う予定にいたしております。  農林水産業における組合系統資金の積極的活用に関する措置といたしましては、中小漁業融資保証保険特別会計において年間巨億の保証を予定しておりますほか、農業改良資金制度により二十二億七千八百万円、開拓融資保証協会出資三千万円より従来の資金量に加えて一億八千百万円、有畜農家創設特別措置により十二億八千三百万円、開拓営農振興特別措置により約四億円が予定されております。  なお、一般会計による利子補給金といたしましては、以上述べましたほか、過年度における各種災害のための営農資金に対する利子補給及び昭和三十一年度北海道冷害による概算金返納措置に伴う利子補給金等合せて十二億六百万円を計上いたしております。  第三の重点として、農林漁業団体関係の経費及び農業災害補償制度等について御説明申し上げます。  第一に、農業委員会関係に要する経費についてであります。全国農業会議所、都道府県農業会議に対する事業活動促進に必要な助成費を前年と同様、  一億一千万円計上しておりますほか、市町村農業委員会費補助につきましては、新制度の発足が予定される昭和三十二年八月以降は、新制度に基く農地関係事務処理等の実情を考慮して従来は職員三分の二人に相当する分を負担していたのに対し、職員一人に相当する分を負担することといたし、他方町村合併による委員会蚊の減少等を考慮して九億八千五百万円を計上いたしております。  第二に、農業協同組合等農林漁業関係組合に要する経費についてであります。農業協同組合中会の事業活動促進補助のため前年同様六千万円、農林漁業組合の検査指導のため一億四千百万円を計上いたしますほか、農林漁業組合連合会整備促進事業費として五億七千七百万円を計上いたしております。また不振農協の整備強化対策といたしまして一億七千一百万円を計上しております。  第三に、農業保険等に要する経費についてであります。農業災害補償制度につきましては、かねてから制度改正につき鋭意検討を続けて参りまして、本国会に農業災害補償法の一部改正法律案を提出いたす予定でありますが、昭和三十二年度予算案におきましては、現行制度に基き、農業災害補償制度に必要な経費百七億二千六百万円を計上いたしております。なお、漁業共済制度につきましては、自然的条件に左右されるところの多い漁業の実態にかんがみまして、なお慎重に検討すべき事項も残されておりますが、昭和三十二年度においては一部試験的に実施いたさせることとし、これに要する経費七百万円を新たに計上いたしております。  次に昭和三十二年度の農林関係特別会計予算案について御説明申し上げます。  第一に、食糧管理特別会計につき申し上げます。この会計の歳入、歳出は、ともに八千六百四十三億二千二百万円となっております。この会計の予算の編成に際しましては、種々議論のあったところでありますが、今後の運営方針、特にその合理化につきまして新たに特別調査会を設け十分に有識者の御論議をいただいた上善処いたすことといたしました。  米及び麦類につきましては、従来の方針を継続して参りますが、三十二年産米の集荷数量は二千七百万石、国内産麦の買入数量は百二十二万トンと予定いたしております。外国食糧の輸入については、需給上必要な限度で、良質廉価なものの確保に努めることといたしました。  食生活の改善につきましては、学童給食用小麦の廉価払い下げに伴う損失補てん金として、十三億円を一般会計より受け入れることといたしております。  米麦以外の農産物等につきましても、前年に引き続き澱粉、テンサイ糖、カンショなま切りぼし、菜種、飼料の買い入れ費を計上しております。  第二に、農業共済再保険特別会計について申し上げます。この会計の各勘定を通じまして、歳入・歳出ともに百七十一億四千四百万円となっております。このうちまず基金勘定につきましては、その歳入、歳出はともに二十九億三千九百万円を計上しております。  次に農業勘定でありますが、歳入、歳出ともに百十四億千九百万円を予定しておりまして七十八億二千五百万円を一般会計から受け入れることとしております。  次に家畜勘定につきましては、歳入、歳出ともに二十七億八百万円でありまして、五億四千四百万円を一般会計より受け入れることとしております。  第三に、森林火災保険特別会計につき申し上げます。この会計の歳入、歳出は、ともに四億六千八百万円でありまして、前年同様の事業を実施することといたしております。  第四に、漁船再保険特別会計につき申し上げます。まず普通勘定につきましては、歳入、歳出ともに十六億四千三百万円と前年に比し増加をいたしております。が、これは加入漁船数の増加によるものでありまして、このため国庫負担分三億七百万円を一般会計より受け入れすることといたしております。特殊保険勘定は歳入、歳出ともに四億二千七百万円を計上いたし、再保険金の支払いに充てることといたしております。また給与保険勘定につきましては、歳入、歳出ともに一億二千百万円を予定いたしております。  第五に、自作農創設特別措置特別会計につき申し上げます。この会計の歳入、歳出は十三億八百万円でありまして、開拓用地等の買収及び売り渡しにつき必要な経費を計上いたしております。  第六に、開拓者資金融通特別会計につき申し上げます。この会計の歳入、歳出は二十五億三千百万円でありまして、新規入植戸数四千戸を予定して、営農資金及び共同施設資金八億八千百万円を貸し付けることといたしております。また開拓者に対する家畜資金として四億九千六百万円を計上いたしております。このほか営農不振の地区に対しましては、その振興対策資金として一億六千百万円、累年の災害を受けた入植者に対しては、長機具購入等の営農改善資金として一億九千六百万円を計上いたしております。  第七に、国有林野事業特別会計につき申し上げます。この会計の歳入、歳出は四百二十九億八千八百万円であります。本会計においては、木材の需給計画に基く国有林よりの必要供給量はこれを確保し得るよう措置することとし、北海道の風倒木については三十二年度をもって処分を完了することといたしました。また従来一般会計で実施していた水源林造成事業を、都道府県における既契約地を除き、官行造林事業として実施するほか、一般造林事業費については北海道風倒木の跡地造林に主力を注ぎ、林道事業については既設林道の改良に重点を置いてそれぞれ実施することといたしました。治山のための民有林買い上げについては、前年同様十億円を予定しております。  なお、林木品種改良事業として一般会計と相応した計画のもとに育種場を設けることといたしました次第であります。  第八に、糸価安定特別会計につき申し上げます。この会計の歳入、歳出は、五十四億九千二百万円でありますが、これにより最低価格による生糸の買い入れ量を一万俵、輸出適格生糸の特別買い入れ量四千俵、及び繭の保管数量百万貫を予定し、これらに要する経費については前年度剰余金のほか糸価安定特別会計法の運用により三十億円を限度とする借入金を活用することといたす方針であります。  第九に、中小漁業融資保証保険特別会計について申し上げます。この会計の歳入、歳出は、七億二千九百万円でありますが、これにより三十二年度は保証旗を百億円、これに伴う保険金支払いは三億三千四百万円を予定しております。  第十、最後に新たに創設いたしました特定土地改良工事特別会計につき御説明申し上げます。この会計は、歳入、歳出四十二伊四千四百万円をもって国営灌漑排水事業のうち内地新規着工分と、国営、代行の干拓事業を経済速度をもって実施いたすこととし、従来は地元負担も含め全額国費でまかなってきたのを改めて一般会計支出け国の負担分相当額にとどめ地元負担額は借入金をもって調達することとし、これにより事業の早期完成と施行の効率化をはかることといたしました。  以上をもちまして農林関係一般会計予算案及び特別会計予算案の概要の御説明を終了いたした次第でございます。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 ただいまの説明に対する質疑は次会に譲ることといたします。

中村時雄日本社会党

○中村(時)委員 一応私どもも了承いたしますけれども、この一般会計の農林予算案に対しては引き続き質疑を明日より行いたいということ、これが第一点。それから農林大臣の関係の御出席を要求する件は、今週中は一応われわれも参議院の方、あるいは予算委員会の方において認めるといたしましても、来週におきましては絶対に出席の要求をいたしたいと思う。ということは、先般も農林大臣の一応のごあいさつを聞いたわけですが、その際においてわれわれは一般施政方針演説を聞きたかった。直ちに質疑を行いたかった。ただし予算委員会の用係においてわれわれもこれを了としたわけです。ところが本日に至りましても時間の差し繰りがなかなかできないという実情になっていらっしゃる。そこで、これも了といたします。だが来週は、一度、二度了といたしましたが、私の顔も三度とやらではないけれども、来週はぜひとも出席していただきたい。このことをわれわれといたしまして要求いたしまして了といたしたいと思います。

小枝一雄自由民主党

○小枝委員長 ただいまの中村委員の御発言はごもっともと考えますので、井出農林大臣におかれましても、さよう一つお繰り合せを願いたいと思います。  それでは本日はこれで散会いたします。     午前十一時三十六分散会

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