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26回国会衆議院1957/10/11

逓信委員会 第34号

発言数
68
登壇者
11
会派数
2
開催日
1957/10/11

会議録

松井政吉日本社会党

○松井委員長 これより会議を開きます。  郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。  お諮りいたします。前回に引き続き電波監理及び放送に関する件について、日本放送協会当局の出席を求め、その説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松井政吉日本社会党

○松井委員長 御異議なければさよう取り計らいます。  なお参考人の氏名は、日本放送協会永田会長、同じく小松副会長、溝上理事、稻葉理事、首藤経理局長、春日企画局長、以上六名でございますが、この人選については御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松井政吉日本社会党

○松井委員長 御異議がなければ右の六名に決定いたします。     —————————————

松井政吉日本社会党

○松井委員長 発言の申し出がありますので、順次委員諸君より質疑を承わります。橋本登美三郎君。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 テレビ問題のことについて二、三郵政当局並びにNHK当局にお聞きしたいと思います。一つは最近テレビ問題は非常に転換期に来ておって、従来のテレビ局というものは、ある意味においては実験時代である、こういうような考えを持っておったのでありまするが、最近郵政大臣の考え方等を新聞で拝見いたしますと、これから積極的にテレビなりその他一般放送についても、実質的なあるいは飛躍的な施策を講じようという意図があるようであります。それにつきましてまず第一に郵政当局からして、最近の新聞の伝えるところのように、テレビのチャンネルを決定されておるわけでありますが、これが実施についての御方針、これをお伺いいたしまして、続いて二、三のことをお聞きしたいと思います。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田説明員 テレビジョンが今大きな転換期にあることはお説の通りでございまして、郵政当局といたしましては、このテレビジョンの運用を日本国民の将来のために絶対に誤まりなからしめるように、万全の策を講じたいと思っております。それにつきまして今橋本委員が、局の開設は実験時代なようにも考えられるというお説がありましたが、ある意味ではさようでありまして、私の考えではVHFによるテレビジョンの放送が日本全体に行き渡りましたその時分には、おそらくUHFのテレビジョン放送もだんだん相当そのあとを追うて行われることと存じます。VHFとUHFの割合とか、あるいはこれが最も適当に分布するように、また効果を発揮するようにいろいろ方策を講じたい、きわめてばく然ですけれどもそう考えております。そのあとまた具体的な問題につきましては、御質問によりましてお答えいたします。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 私が画期的な転換期を見つつあるというのは、従来の数都市に対してNHK並びに民間テレビ局が設置せられて、また実施期における実験的な結論をつかむことができた。そういうことからして政府当局はせんだってのチャンネル・プランの策定によって、いよいよ全国的にいわゆるくまなくテレビジョンの施設を行おう、こういう建前で目下それの事務的な折衝を進めておるやに聞いておるわけであります。この方針は従来やっておりましたのとは多少変っておるのじゃないか、というのは、従来はこの考え方として、テレビジョンの設置はマイクロウエーブの進捗に応じて順次これをやっていく、こういう方針であったわけでありましたが、それとは別個にいろいろな事情からして、この際やはり一挙に全国網をしいて、民放なりあるいはNHKなりに全国網的な指示を与えて、そうして無用の摩擦を避けて、いわゆる全国網のテレビの実施期に入っていこう、こういう考え方のようにわれわれは新聞を通じて見るのであります。この方針については私は根本的に賛成であります。じんぜんと許可問題を引き延ばして、これが二年、三年の経過を経て、その間に種々なる問題が起きるということは好ましくない。従ってすでにこのチャンネル・プランが決定した以上は、そのプランに従って実際上の実施が、あるいはマイクロウエーブ等によっておくれることがあっても、これを積極的に進めていくという方針について私は賛成でありますからして、けっこうであろうと思うのであります。ただそれに関連して考えられることは、民間の場合は一応そういう場合においてこれを決定し、これを組織していくことができる。NHKの場合は御承知のように一応法の建前上から考えても、それが予算に計上しない場合は、これが予備免許を与えることができないような考え方で従来まで進んできておった、こういう問題をどういう工合に政府当局としては扱っていくかということが一つの問題であります。必ずしも予算的な措置が行われなくても、何らかの契約条項といいますか、あるいは何らかの形でもってやはりNHKの全国テレビ網に対する措置を認めていくかどうか。そうして民放との間に公正な競争と、公正なる事業の発達を促進させるための措置を講ずる考えであるかどうか。一方、民放においては、今日郵政大臣は一日も早くこれを策定して全国的な決定を見ようとされておりまするが、それに対してNHKの全国網の義務をいかにして行政的に明確化させるか、こういう問題が一つあろうと思います。まずこの点について電波監理局長のお考えを一つ承わりたいと思います。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田説明員 御質問の趣旨がよくわかりました。当局といたしましては、かようなチャンネル・プランをきめました以上、一日も早く免許を実行に移そうという考えは初めから持っておったことでありまして、その目的のために全力を傾注しているわけであります。御説のごとく民間放送が全国的に免許が行われました場合に、このNHKが取り残されはしないかという危惧を持たれる方がございますけれども、私はそうは思わないのでございます。NHKは昭和三十五年度くらいまでの計画がございまして、それは毎年々々の事業計画や収支予算を国会の御承認を得てでないとその実行に移すことができませんけれども、しかしながらその方針でやれるようにいろいろな措置、手配をしなければならないと考えておるのであります。これにつきまして現在のところ第一次のチャンネル・プランを発表いたしました。大きなところ親局みたいなものが全国的に置局をするように、これを配慮する。その次には第二次のチャンネル・プランを発表しまして、そうしてブースター、サテライトとか、そういうものを置くようにしまして、全国あまねくテレビジョンが聴視できるようにしよう、そういう考えでございます。そういうわけでございますから、私の考えではNHKが取り残されてあるいはおくれて、民間放送が先に進むようなことは望ましくない。できますことならば、なにか法律的措置ができますならばそれも一案であろう。何とかいたしまして、NHKの全国放送網が一日も早く完成する。それのあとを追って民間放送局が配置せられるというようなことが、日本の将来のためによいのではないか、こう考えております。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 当局もその点については何らか措置を考えたいというような御意向であって、そういうわれわれの心配しておるような結果が生まれないであろうと大いに意を強うするわけであります。  そこでNHKの会長に聞きたいのでありますが、従来テレビジョン計画というものは、われわれ一応お聞きはしておりますけれども、来年度以降の計画としては、公社が三カ年をもってマイクロウエーブ全国ルートを完成する、それは地方のローカル、マイクロウエーブは大体三ルート、それから大阪−東京間は最小限度五ルートを三十五年までに完成するという事業計画といいますか、せんだっての五カ年計画の策定があったわけであります。そうしますと少くとも今後三カ年の後には、民放、NHKを合せて三本のルートが使用できるようになる。これは場所によっては必ずしもそれで十分でないところもありますけれども、一応公社としては三カ年間のうちに地方のマイクロウエーブが三ルート、東京−大阪は最小限度五ルート、こういうものを完成せしめて、なお残りの二カ年の計画の間に、その間において不足のルートが生じた場合には、追加的にいわゆる施設を増加せしめる方針をとっておるのであります。そうしますと一応最小限度に考えても、三十五年末までには全国的に三ルートの施設ができるということは、いかなるところにおいてもNHK及び民間放送局のテレビが使える、こういう建前になるわけでございます。そこでNHK当局の向う三カ年間における計画内容、その計画によって国民全体が要望しておるいわゆる全国的普及のテレビジョンの設置が可能であるかどうか、またそういう計画を持っておられるかどうか。もちろんこれはやろうとすればできないことではないわけでありますからやれるわけでありますが、しかしそれにはいろいろ財政的な問題があろうと思います。これはテレビジョンについての問題でありますが、同時にまたかねてから当委員会が主張しておりますように、FM放送というものを急速にやるべきである。これは今の日本が、中波放送あるいはテレビジョン放送等においても、比較的困難な少い波長中において、できるだけ多角経営的な高度な文化向上をはかるためには、FM放送というものを併用すべきである、こういう見解からして当委員会ではかねてからこの問題に大きな関心を持っておるわけであって、せんだっての予算を決定する場合においても、これが附帯決議がつけてあるわけであります。このテレビジョンの全国網の急速なる施設とFM放送の急速なる実施、こういうものを中心としてNHK当局の御計画を一つこの機会に、大綱でよろしいのでありますがお示し願いたいと思うわけであります。

永田清日本放送協会会長

○永田参考人 今お話のように放送一般、わけてもテレビジョンの急速な展開に応じまして、文字通りNHKでは公共放送としての重大な任務をになっておるという意味において、特に転換期に立ち向っている次第であります。そこでNHKといたしましては、お手元にも差し上げましたように五カ年計画を立てまして、テレビジョンにつきましては大体五カ年を通じまして、カバレージ八〇%のネットワークを完成したい、局数にいたしまして三十八局を作り上げたいという計画を策定してすでに第一年度に入ろうとしておる状況でございます。ただ今橋本委員からお話がございましたように、マイクロウエーブの完成も当初よりも急速化して参りましたし、これは大へんけっこうなことでございます。それが三十五年に一応の完成を見るということになりますと、当然われわれもこれに即応して計画のスピード・アップをいたさなければならないし、またそれができるような条件になりつつあることは、NHKとしても喜ばしく思っております。重ねて民間放送の免許が、またこれは急速に行われるようでありますし、こうなりますと、前回の委員会でも問題が提起されましたように、NHKとしても放送法規の建前上、当然この五カ年計画を変更しなければならないという第二の要因が加わってきたような次第であります。従ってわれわれは五カ年計画を繰り上げまして、一応三カ年計画に策定を変えたい、そうしてできるだけ急速に公共放送としての責任を果したい、こういうふうに策定を急いでおります。従って三十七年度末に終る五カ年計画を大体三十五年度までに実行していきたい、そのためには総合的に、ラジオについて経営の安定化をはかり、テレビジョンについてもその建設が急がれるような条件を作らなければならないので、その経営につきましては郵政当局と目下熱心に折衝中であります。  次にFM放送の問題でありますが、これは御承知のように今年末までに東京、大阪に放送開始をやりまして、続いてあと各地域にFM放送の開設に入りたい。一応実験的な必要もございますが、従来FMそのものが技術的に相当研究し尽されておりますし、NHKといたしましては、同じ実験といっても実用実験の段階に突入してもよろしいのではなかろうかという見通しがつきましたので、もう実験放送を短期間にして、ある程度までは本放送に移っていくようにいたしたい、そういう計画を進めておる次第であります。  なお、こまかい置局計画その他それに応ずる一応の経営計画については、所管者から報告いたします。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 所管者からの御説明を願う前に、基本的な問題を郵政当局の方に伺いますが、今会長からのお話がありましたように、従来考えておった五カ年計画を短縮して、マイクロウエーブが三カ年間に完成するのに即応して、向う三カ年間にいわゆる全国のテレビジョン網を実現したい、こういう意向のようであります。財政的な問題ですが、これによって影響が出てくるのは——従来の五カ年計画の基本的な考え方は、テレビジョンが始まってからの視聴者の増加というものを考えて、それらのこととにらみ合せて五カ年間にはこれだけのものをやっていける、こういうような考え方から五カ年間なりあるいは六カ年間なりという計画ができてきたろうと思うのであります。ところが先ほど申したような最近のテレビジョンに対する全国民の非常なる要望からして、電電公社当局もマイクロウエーブの完成を三カ年間でやってしまう。かつまた郵政当局もいわゆる民間テレビの設置を今年度中に全部認可して、そうして三カ年間には民間の全国網ができる、こういう建前をとろうとしておるのであります。そこでNHKの場合は、問題は予算的措置でありますから、五カ年間でやる場合においての現在の料金並びに視聴者の増加数からして、五カ年間でこれだけの契約ができる、こういう建前の一応の基本的な考え方だったろうと思うのであります。これを二カ年間短縮して三カ年間でやろうとしますれば、まず第一に建設資金が不足である。第二には、予定以上にテレビジョンの開設が早く、多くなるわけでありますから、それに必要とする番組編成費というものが、従来の計画よりも上回ってくるわけであります。そこでこれは私の意見でもあれば、かつまた郵政当局にお聞きしたいのですが、かつて電電公社が従来の考え方を破って、いわゆる料金収入の一部を建設資金に回すというやり方をこの前に行なったけれども、そういうことから、電電公社の第二次五カ年計画というものは非常にスムーズに、かつまた従来国家関係機関としては見ることのできなかった実績を上げ得た。この五カ年間において、電信電話事業は最近の日本の事業においては全く目ざましい発展を遂げ得た。もちろんその裏には、関係当局の非常なる努力もさることながら、まず第一には、そうしたいわゆる財政資金の調達の面における特殊的な措置が、やはり大きな効果があったろうと思う。NHKの場合は少し事情が違うと思いますけれども、しかしながら一応予算の建前から言えば大体同じようなものでありますから、そこで料金収入の一部が建設資金に回される、いわゆる単なる減価償却ではなしに、積極的に建設資金に一部を回すことができる、こういうような考え方をNHKの場合においてもとることができるものであるかどうか。電波監理局長は経理局長兼務ではありませんから少しめんどうかもしれませんが、そういう考え方が可能なのかどうか。ただ単に建設資金をいわゆる放送債券あるいは借入金等に仰ぐ場合は、その元利償還において必ず近いうちに行き詰まりを来たす。従って電電公社の場合もそうでしたが、財政資金の一部分を料金収入から転換することができるということによりまして、電電公社の経済状態が非常に楽になり、かつまた積極性、弾力性が出てきたわけでありますから、NHKの場合においてもこういう措置が可能であるか。かつまた政府当局が、そういう場合においてどういうような財政、建設の指導をなさるお考えであるか、この点を一つお聞きしておきます。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田説明員 民間放送の免許は、御説のごとく大体今年度一ぱいに終るだろうと思うのであります。この建設が全部完成しまして電波が出るのは、私の考えではやはり昭和三十五年ごろだろうと思うのです。大きな局は一年半くらい、あるいは電波の駐留軍その他からの返還の情勢から考えまして、一年半ないし二年くらいかかりますから、三十五年くらいになりましょう。そういうわけでありますから、私の考えでは、その時分には民間放送が全国にともかく電波を出す趨勢になりますので、それまでにNHKは、やはり全国あまねく電波が出せるように措置が講ぜられてほしいという強い希望を持っておりますので、この建設資金は、橋本委員の御承知のごとく、借入金とか放送債券等で本来まかなうべきものであろうと思いますけれども、とうていそれでは間に合わぬと思うのであります。今サゼスチョンを与えられましたが、料金収入を何らかの形で建設資金に回せるようにできないものか。直接でなくても間接でもかまいませんから、回せないものかというようなことを研究中なんであります。私は料金収入の一部を建設資金の方に回されてその事業計画が進むようにすべきものだろうと考えて、どうしたらそれが可能であるかということにつきまして考えをめぐらしておるという状態であります。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 もう一つそれに関連して。予算の編成方針ですが、お聞きしたいのは、ラジオの予算とテレビの予算というものは別個に組み立てられて、かつまた別個に使用すべきであるという見解が従来は強かったようであります。私は年来必ずしもそういう見解をとらずに、原則としてはプールすべきであるという考え方をもって、委員会にもそのつど申しておるわけであります。しかしながら従来の立て方を見ますと、原則的にはこれを区別して組んでいく。従ってテレビにおける赤字は赤字として積み立てる、ラジオにおける赤字は赤字として積み立てるという考え方が、一応予算の編成方針のようであります。この問題は私はもうすでに考え直さなくてはならぬ時期に来ておるのではなかろうかと思う。というのは、テレビが今日のように全国のおもなる地区で、たとえば北は北海道、だんだんと仙台、東京、名古屋、大阪、福岡、熊本と一応全国的な主要都市に、すでにテレビ局の開設を見るに至ったのでありまするが、テレビの場合においては、テレビ所有者だけがテレビを見ておるのではないのであります。おそらく実際上テレビを見る人は、テレビ所有者の数倍もしくは十数倍にわたる人がテレビを見ておる。これは別な言葉でいえば、すなわちテレビを見ておる人は、ラジオを持っておる人の大部分がこれを見ておる、こういうような現状ではなかろうかと思う。ことに重大ニュースあるいは重要な娯楽、そういう場合においては、おそらく全国の視聴者というものは、一千万前後をこえるような大きな数に現在ではなっておるのではなかろうか。百万台近いテレビの数字に対して、その十倍なり十五倍なりのものが実際にはテレビを見ておるということは、すなわちラジオ所有者もテレビを利用しておるということが言えるのではなかろうか。こういう考え方からすれば、従来のようにラジオ聴取者というものとテレビ所有者というものを区別して、そしてラジオの改善はラジオの費用、テレビの建設並びにテレビの費用はテレビ料金収入で、こういう考え方は現在の実情に対してあまり沿っていないのじゃなかろうか。ただ予算の立て方として、建設予算の面を一応原則的にテレビはテレビ、ラジオはラジオとして考える考え方は、予算の組み立て上は必要であろうと思う。けれども建設以外の番組編成費あるいはスタジオの使用、局舎等、こういうようなものにわたっては、私は完全にプールして予算の編成を行うべきじゃなかろうか、こういうように私は考えるのでありますが、その点に対して郵政当局のお考え方を一つお聞かせ願いたい。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田説明員 テレビジョンはテレビジョン、ラジオはラジオ、勘定は別だ、予算の立て方は別の方がいいという考え方は、私も賛成でありまして、従来もそういう考え方に立っておりますが、確かに橋本委員の御説のごとく、今日ではラジオとテレビジョンを分けて考えることは妥当でない。プールして考えた方がいいということを、今ここではっきりとは申し上げられませんけれども、私は別勘定にして今後やっていかなければならぬという理由は、少しもないと思う。のみか、ただいま仰せられますように、ラジオとテレビジョンの加入者は大がいはダブっておるのでありまして、これを分けて考える意味は少い。そういう意味におきまして、私はなるべく早い機会にプールして、両者の間のかきねを撤廃した方がよかろうというふうに考えております。ラジオとテレビジョンは別ものなりや、私はそうでないと思うのでありまして、国鉄の場合に蒸気機関車と電気機関車ぐらいの差だろう、自動車と電車よりも差が少いものだと考えておりますので、これをあまりかきねを厳重にして不便を忍ぶという理由は何もないだろうと考えております。実際NHKの技術研究所のごときは、ラジオの収益によってまかなっているのでありまして、明瞭にテレビジョンの研究を多年やっておるのであります。これは実際にそのことが行われておるものと私は考えます。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 大体政府当局の考え方も、私の考え方とはあまり相違がないようでありますから、今後新しい観点に立っての予算編成方針が行われるであろうと思うのであります。  そこでNHK当局に具体的にお伺いしておきたいのでありますが、一応従来の五カ年計画を三カ年計画に短縮をする、すなわち二カ年間短縮をする、そういう計画のもとに、今後三年間に全国に対してテレビジョンの開設を可能ならしめるために必要とする予算総額というものはどれくらいになるか、担当官から御説明を願いたい。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○首藤参考人 先ほど会長から御説明申し上げました三カ年でカバレージ八〇%といたしますための建設費といたしましては、直接の建設費と付帯いたしますスタジオその他の設備とを見まして、概算百億円に上ると思います。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 今の御説明は大体カバレージ八〇%、一般テレビジョンのことをおっしゃっておられるのでありますが、一応これが百億円かかる。そこで本年度最も重大になってきた問題は、教育放送局の問題であります。NHKも全国的に将来教育放送網を敷設する考えであることをかねて発表されておられる。この三カ年の間に教育放送局並びに教育放送番組の一般放送局の中への挿入、そういう問題があるわけでありますが、これらの問題についての計画及び概略予算というものはどのくらいになるかを一つお示し願いたい。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○首藤参考人 これにつきましてはまだ細目プランも持っておらないのでございますし、具体的な算定はただいまのところいたしかねておりますけれども、大体考え方といたしまして教育専門放送をいたします場合に、もちろん既設の第一放送の設備が共用できまして、従って共通費を見ますと、この建設のための費用は大体三分の一見当で済むのじゃないかと考えております。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 私は今の策弁のようなNHK当局の態度は、はなはだなまぬるく不誠意であり、かつまた不熱心である こう言わざるを得ないのであります。教育放送網については、すでに前の国会当時から各委員会から問題になってきており、かつまたこの番組問題についても幾多の論議が重ねられておる。しかも教育放送は原則としてNHKがやるべきであるとまで委員の間には極言せられておる。にもかかわらず、今日に至ってもなお教育放送に対するところの計画を持っておらない、こういうような状態であることはまことに遺憾千万であって、私はNHKの当局は果して真剣にこの問題を考えておるかどうかわからぬ。すでに東京においては教育放送局の一つが承認をせられる段取りになっておって、来年度はこれが実行に移り、これは単に東京に教育放送局ができることがよろしいのではなくして、NHKとしては教育放送網は全国的に考えなければならぬ。それにもかかわらず、今なおチャンネル・プランが決定しておらないからということでそういう問題は考えるべきことでなくして、予算書を考えても、ごらんのように予算の承認書並びに事業計画というものは、あわせて国会の承認を受ける段取りになっておる。その事業計画書というものは、もちろん国会の承認を受けるものはその年度限りではありますけれども、その背後をなすべきものが当然なければならぬ。三十二年度の事業計画があって、三十三年度の事業計画がないはずはない。従って、なぜ国会が予算書並びに事業計画書の承認を求めるかというゆえんのものは、かくのごとく継続的に、かつまた全国的な責任を持たせられておる機関としては、当然年次計画というものを持っておらなければならないのが建前でありまして、予算書並びに事業計画書が承認を求められておる。であるからして、これは三カ年計画なり五カ年計画なりあるいは十カ年計画なり、その背後をなすべき事業計画があって、その年度の事業計画の承認を求めるというのが建前でなければならぬ。にもかかわらず、今質問をいたしますと、いわゆる教育放送についてはまだチャンネル・プランがきまっておらぬからして、事業計画を考えておらない、こういうような考え方であっては、いわゆる教育番組、教育放送局というものをNHKがやり得るのかどうか、またやり得るべき熱意を持っておるかどうかという点に疑問を抱かざるを得ないのであります。あるいは答弁の意味が十分でなかったために、私にそういう誤解を与えたのかもしれませんからして、その点については私は強い言葉をもって申し上げましたが、必ずしもそういう意向ではないのであろうと思いますから、あらためて会長から、今後における教育放送局の設置方針あるいは事業計画というものをあわせて御答弁願って、審議に供してもらいたいと思います。

永田清日本放送協会会長

○永田参考人 教育放送問題につきましては、実はきわめて真剣に考えておるような次第であります。現在のようにテレビジョンが急速に発展して参りますと、やはりそれが何らかの意味において社会に役立つことが望ましいことですし、国政から見ましても、当然そういう御結論になることはわれわれの予想するところであります。そういう意味で、純粋の意味の教育放送はNHKにおいてやるべき責任がある、そう考えまして、全国的なテレビ・ネットワークを作りたい、教育ネットワークを完成したいというのが根本的な主眼であります。それでNHKといたしましては、これは三年あるいは五年後にますます重大になりますので、教育放送の完成に全力を上げている次第でありますが、ただ技術的にVHFによる教育放送網を作ることはなかなか困難なようでありますので、従って今日のようにすでに民間放送がたくさんできており、また免許されるような情勢のもとで、現実論としてこれを考えます場合には、少くともNHKは全国のキー・ステーションはVHFによってやって参る。もとよりUHFの研究も急速にいたしますけれども、これは世界の実情その他に応じてまだ研究を要する点であり、いわば一つのクローズド・サーキットによってUHFが利用されることについては相当の実験を経てきまっておりますけれども、こういうネットワークで果して視聴者があるかというようなこと、なければまたこれをやるように設備もしなければなりません。新しい方法も講じなければならぬ。その後まだ確認は十分に得られないといったようなことで、相当複雑な問題を含んでおることは御承知の通りであります。しかし現実論といたしましては、キー・ステーションをVHFにより、あとのいろいろなネットワークは今後相当苦難の道であると思いますけれども、UHFによってネットワークをぜひ完成したい。苦難の道というのは技術的な面のみならず、これはVHFよりもUHFの方が建設費その他の経費もよけいかかりますから、それらのことも含んででありますが、これらは十分専門家の御意見その他を聞いて、その方針でキー・ステーションはVHFで、なおVHFのとれないところはUHFによって急速に教育放送体系というものを確立したいというのが考え方であります。そして大よその教育放送の新設局としては、二十二局を全国に予定しておりますし、さらに小電力局二十局ということで、教育テレビのネットワークをしいていきたいというのが根本的な計画であります。ただ経理的に申しますと、まだ技術的な研究を要する面もありますし、それからできるだけ局舎、機械、鉄塔その他の共用がNHKにはできますので、そういう方針で経費を有効に使う。そういう意味でこまかい経理計画までは入っておりませんのですが、大よその概念的な形は次第に固まりつつあるような次第であります。今教育放送のネットワークをもっと熱心にやるようにというお話でありましたが、これは非常にありがたい御忠言でありまして、私どもむしろそれをやることがNHKとしては今後われわれに課せられる重大な使命と信じ、そういうふうに行動を実は起している次第でありますから、教育放送そのものの研究は十分進めておりますし、またこれが実効あらしめるためには、現在BBCでやっておりますように、これを利用する方の側との共同研究に入らねばなりませんので、現在すでにテレビジョンのいわば第一放送によって、教育放送を午前中に識りまぜながら、その実験効果を着々と上げておるような次第であります。設備完成に応じて教育放送の体系については、万遺憾なきを期すよう十分努力いたしたいと思っております。

粟山博自由民主党

○粟山委員 ちょっと関連して。けさの新聞で、日本経済か何かだろうと思いますが、日本短波放送社長小田嶋君が代表取締役で、そして社長もきまって、教育放送の会社ができたという記事を見たのですが、とすればあなたの方は確かなことがおわかりだろうと思うが、それをお伺いいたします。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田説明員 お答え申し上げます。まだ通告はございませんが、東京教育テレビという教育専門局の創立総会がきのうくらいにあったかのようにうわさを聞いております。その役員の構成等につきましては、まだ何ら通知を受けておりません。

粟山博自由民主党

○粟山委員 今永田さんのお話を承わると、教育放送はおやりになるけれども、御計画のように十分おやりになるのには、まだあなたの御計画に御満足を得る程度に電波の方が解決がついていない、すなわちUHFというものに期待をしておられる、こういうふうに聞いたのだが、その通りですか。UHFが採用になるようになれば、あなたの方の教育放送の目的が十分達成できるのであって、それまではなかなか慎重を要する、従って私の解釈からいえばなかなか思う通り進捗しがたい、こういうふうに私聞いたのだが、それでよろしいですか。

永田清日本放送協会会長

○永田参考人 少しく違います。NHKが言っております教育放送は、根本的にいえば全国にわたってVHFで教育放送をいたしたいというのが念願でございます。これは一番建設費も安くいきますし、現にそういう受信機がもう相当行き渡ってきておりますので、視聴者の側からもそれは便利だというふうに考えますが、しかし現実にすでに民間放送にVHFを許してあるし、またそういう方針のようでありますから、できないことをNHKが主張しても実行が伴いませんので、従って結論といたしましてNHKは少くとも東京、大阪のキー・ステーションはVHFでやらしていただきたい。そうして事実上できないところはやむを得ずUHFの急速な研究をやりまして、そして受信者がコンバーターをつけるとか、そういうことによって負担がある部分は何か一つ国家ででも補助していただいて、受信者の負担にならないように、そういう形でUHFの波が受けられるように、そういう総合政策が望ましい、こういうのがNHKの主張でございます。

粟山博自由民主党

○粟山委員 UHFに御期待なさることは局部的に非常に経費がかかる、設備もVHFよりはかかるというふうに私もしろうととして承わっておるのであるが、そうだとすると、あなたの方はもうすでに設備もあり、経験も深い、そうして陣営もそれぞれの部門において十分行き届いた組織を持っておられるのだから、VHFの電波を使用することを非常に強く御期待になる。しかるに今民間に教育放送というものができた場合、これはけっこうです。そうすると経営採算上からいってなかなか楽でない仕事を、実際にあなた方よりも一足先に行われるようであるが、ここに私の議員としての広い立場から考えますと、教育放送そのものの内容が、ここで論議されたような世上一般の期待、また国会における要望というものに沿うような、ほんとうに意義ある、そして日本の国情に沿うような、そういう取扱いが行われて、いわば番組の組み合せが行われて、ある意味からいえば興味本位にわたって——ほんとうに期待した教育に対するいわばかたいようなものでも多く取り入れて、真に国家のため、教育の精神にかなうというようなことに一体営業上からいって間に合っていくのかどうか、間に合せようと思うならば、ちょっと興味本位にならざるを得ないような憂いがあるのではないか、こういうことになれば、当局としては番組の組み合せ等については十分な御監督が要るのではないか、こういうふうに老婆心ながら考えておる。局長いかがです。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 粟山さんの関連質問はそれているようですから、私の方の質問はこれで最後ですから、それを終りましてから粟山さんの質問にお答え願いたいと思います。  私が今までそういうことをお聞きしましたのは、問題は、先ほど三カ年間に百億円の建設資金を要するというお話でありましたが、それは教育放送局の設置並びに一般放映局——というのはNHKの一般放送局ですが、それに対して教育番組を挿入する費用までも含めて、とにかく教育放送局の建設費を含めての百億円という解釈なのか、それともそれは計画の途上であって、そういうものは考えておらないという意味での百億円であるのか。問題は来年度、要するに三十三年度の予算を編成するに当って、それらを考慮しなければ予算の編成ができるはずはないと私は思うのです。ですからして単に一般放送局、総合放送局の建設だけを考えて、それで来年度の料金制度を考える、こういうことであれば、われわれの考えていることとだいぶ考え方が違う。そこで今後三年間なり五年間——教育放送というものを何年間でやるかは別といたしましても、とにかくある一定の期間に教育放送というものをNHKとしては考えているならば、その第一年度である来年度には当然ある程度の建設資金が必要であります。そういうものを考慮に入れて先ほど三カ年間の必要量は百億円、こう言われているのか、それらを別にして一般放送局、総合放送局だけを考えて三カ年間に百億円の建設資金が必要だ、こう言っておられるのか、ここに非常に根本的な違いがありますので、そこでこの問題に触れて申し上げているわけです。

首藤憲太郎日本放送協会経理局長

○首藤参考人 先ほど申しました百億というのは、主として現在一般放送を考えておるわけでございますが、そのほかにごく近い将来に教育放送をいたします場合には、スタジオとか機械類は当然共通になりますので、その種の共通のものはもちろんこの中に入っておるわけであります。ただ教育放送局の建設費というものは、ただいま百億とは言うておりませんので、これにつきましては先ほどもお答え申し上げましたように、約三十億ないし四十億がこれに追加されるものと考えております。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 今のお答えでありますと、建設資金については、多少の増額があってもそう大した増額はない、ただこれらを総合的に、いわゆる総合放送局、教育放送局の計画を進めていく上においては、なお三、四十億の増加、ということはおそらく番組費の増大だろうと思う。これらの教育放送に対する番組費というものは、聴視料で返ってくるとは原則的に考えられない。いわゆる教育放送局を設置したから、そこでテレビ聴視者がその設置に比例して、テレビ・セットが増加するということは原則的に考えられない。多少は増加すると思いますが、問題にならぬ数字だろうと思います。そうなりますと、根本的な収入であるテレビ・セット——現在一カ月三百円ですが、その台数の増加は、いわゆる総合テレビの普及に伴っての増加であって、教育テレビ局を設置したからといって、その費用があまり増大しないとなれば、一方において経営費というものがふえてくる、いわゆる教育番組というものがふえてくるわけであります。もちろんこれは教育放送局にのみ使わずして、おそらく一般局、たとえば地方局に対しても適当な時間数教育番組を組むということになるだろうと思う。そういうような費用を含めて、そこでどういう計算をしておられるか、それによって来年度に対するあなた方の予算の編成方針がきまってくるだろうと思うのです。そういうことも考えないで、単なるラジオの、いわゆる老朽施設の改善だとかあるいは近代化、こういうことだけを考えての料金の考え方とすれば、根本的に考え方が違っておりはしないか、その点を考えて来年度の予算編成に臨むべきであるという意味で、私は今まででの質問をして参ったわけであります。その点についてのお考えをお聞きいたしたい。——きょう突然の私の質問で、NHK当局においてもまだ計数上の計算ができておらないと思いますので、臨時国会で委員会が開かれますれば、あらためてこの問題をお聞きしてよろしいと思うのですが、あわせてこれは郵政当局にも私としてはお聞きしておきたいと思います。お聞きするというよりも、NHK当局と相談しておいてもらいたいのですが、今申したように、NHKの来年度予算編成方針の根本問題、これは第一年度、第二年度は東京が教育放送局の設置が事実上可能であろうと思いますが、要するにNHKの教育放送局の考え方は、なるほど現実問題としてはVHFのチャンネルがほとんどないところに、UHFを考えなければならぬということでありますが、残念ながらUHFはチャンネル化すべき段階に入っておらない。かつまた技術的にも日本ではここ一両年の間に実用化されるかどうかわかっておらない。そこでものの考え方としてこういうことが考えられるのではないか。なるほどせんだって一応あのチャンネル・プランは決定せられたけれども、あのチャンネル・プランの組み合せいかんによって、あるいはまた他のチャンネル、駐留軍のチャンネルなりそういうものを考慮されると、必ずしもせんだって決定されたチャンネル・プランが最終にして最後のものだ、絶対的なものだとは私は考えておらない。何かそこに将来修正する余地があり得るのではなかろうか。けれどもその修正する余地があるのではなかろうかという前提に立って計画を立てるのは、もちろん危険ではありますけれども、しかしVHFの局にいたしましてもUHFの局にいたしましても、教育放送局をやるという建前はNHKは変っておらない。そこでNHKとしては国民の要望といいますか、日本民族の文化向上のためには急速にこの教育放送局声作っていかなければならぬ、こういう建前から考えるならば、そこにUHFの、あるいはVHFのチャンネル・プランがあろうがあるまいが、一応原則として昭和三十三年度は何局、昭和三十何年度は何局こういうような何カ年計画を作るべきだと私は思う。そこで実際上、いろいろ折衝の結果VHFのチャンネル・プランがない場合においては、UHFのチャンネルが決定せられた場合においてそれに変ればよろしい。NHK当局がUHFがあるとかないとか、VHFがあるとかないとかいうことにとらわれてそこでもって逡巡して今なお教育放送網というものの策定ができておらないということは、私はどう考えても納得ができない。当然これはVHFならVHFの建前でよろしいですから、三十三年度には何局、三十四年度には何局、三十五年度には何局という建前を作って、そこでVHFがとれない場合においてそれをUHFに変更していけばよろしいのであります。場所は変らない。まさか仙台に建てるものを塩釜に建てるはずがない。であるから、そのVHFとUHFの変更というものは単なる予算上の措置であって、たとえば二割増を必要とするならば二割増の修正を行えばよろしいのであります。であるから私は一応教育放送網としての計画はVHFを基本として考えて、そしてVHF自体がいわゆるチャンネル上なかった場合においては、これをUHFに考えていくということでもって教育放送局のプランはできるはずです。それをやらないで、そこでもし来年度に料金改訂の問題なのあるいは予算問題があった場合において、これらを考慮に入れず予算編成をするならば、これはもう片ちんばな予算ができてしまう。私はこういう点を考えるのでありますが、郵政省当局、電波監理局長は、この私の考え方に対してどうお考えになっておられるか、少くとも予算編成方針はそこにあるべきである、こう考えるのですが、これに対する政府当局の御見解を承わっておきたい。

濱田成徳郵政事務官(電波監理局長)

○濱田説明員 日本放送協会が教育放送網を実行すべきであるということは、これは至上命令のようなものだと思うのであります。これは電波がVHFであろうとUHFであろうと関係がないという御見解は、全く同感であります。従いまして電波のあるなしにかかわらず、この事業計画あるいはこの予算収支等の計画は進めらるべきものだろうと私も考えております。同感に思っております。先ほど橋本委員が言われましたが、VHFのチャンネル・プランは先般のものが最終のものに近いのでありますけれども、しかしながら日本において教育放送に対する非常に強い要求があることにかんがみまして、何とかしてもっとチャンネルが得られないかということにつきましては、政府当局はあらゆる努力をいたしまして目下検討中あるいは折衝中であります。  それからもう一つ、橋本委員のお考につきまして申し上げたいと思いますが、UHFの技術は日本は当分は困難だろうというようなことをおっしゃいましたけれども、私はそう思いません。VHFよりは経済的には幾らか高くつきますけれども、しかしながらアメリカにおいてはすでにこれはできている技術であります。日本といえどもこれに追いつくことはさほど困難ではないと私は確信しております。それからこの受像機の費用等につきまして申しますならば、さっき会長も言われましたが、コンバーター等をつければいいのでありまして、たかだか数千円くらいのものでありまして、教育放送の重要なことを考えますれば、そのくらいの費用は何らかの措置をもって捻出ができるものと私は考えておるのでありまして、VHFが非常にやさしいから教育放送に最適であって、その何がないから教育放送の計画が建てられないというならば、それは私はとらない説なんでございます。

橋本登美三郎自由民主党

○橋本(登)委員 最後に、私は濱田局長の意見に全く同感であって、UHFも日本でもやろうと思えば今にもできるということは、私も技術家でありませんが確信しておりますから、政府当局が一日も早くUHFのチャンネル・プランを決定することを希望するわけであります。ただ先ほど申しましたように、NHKが今一つの計画を持つという場合は、一応私はVHFの建前で計画を持つ方がよろしいのじゃないか、そうしてチャンネル・プランもUHFができた場合において、VHFができないところはUHFに変更する、こういう考えでかまわないのでありますから、まだチャンネル・プランがきまらないから教育放送のプランができておらない、こういうことの考え方はいかない、こういう意味で申し上げたのでありましてこれは私も濱田局長と全く同感であって 一刻も早く日本でもUHFのチャンネル・プランを決定して実行すべきである、こう考えておるわけであります。なお、先ほどの質問につきましては、いずれ近い機会においてあらためてもう一度詳しく当局の教育放送局の設置計画について御説明を願い、かつまたそれに関する予算措置及び来年度の予算との関係、こういうことについてあらためてお聞きしたいと思いますから、一応私の質疑は以上をもって終ることといたします。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員 関連して。今の同僚の質問に対するNHKの答弁を聞いておりますと、私非常に残念に思うのです。先般来教育放送の問題は当委員会で非常な論議の的になりまして、委員各位におかれましても熱心な研究を続けられ、また郵政当局の方においてもその考えをたびたびこの委員会に発表しております。委員会の先般来の空気からいうと、日本の教育放送というものは公共放送をやっておるNHKがやるのが最も適当じゃないか、そういう使命を持っておるのじゃないか。ただいま電波監理局長すら教育放送をNHKがやることは至上命令だ、そういう言葉さえ使っておる。現在ですら使っておる。たまたま民間に教育放送局ができることが認可されましたが、われわれ委員会の大部分の意見は、NHKがこれを担当して責任を持って遂行していくということに、大きな期待を持っておったのであります。にもかかわりませず、ただいまの橋本君の質問等に対するNHK側の方々の答弁は、はなはだわれわれの期待を裏切る。当委員会に出席されるに当りましての不用意もはなはだしいものじゃないかと私は思う。そういうことはわれわれ委員会がNHKに寄せた非常な期待も、あるいは満天下の当然NHKはそういう方向に進むべきだという一つの国内的世論にさえも、こたえておらぬというふうに見えて、私ども非常に残念です。今春来の当委員会におけるこの問題に対する研究の経過から見て、もっとNHK側では真剣にこのことと取り組むのでなければ、ほんとうにこの国家的期待といろいろな政府側の援助と、あるいは公共放送と銘を打って料金まで取っておる今までのやり方から見て、はなはだ世論に逆行した、大へん耳ざわりの言葉かもしれぬが、不勉強きわまる態度でなかろうか、私は義憤を感じます。われわれはNHKのために、これはもうほかに許してはならぬものだという極論まで吐いた。当然あなた方の責任においてこれを満足せしめるものと、大きな期待をかけておったにもかかわりませず、はなはだ当を得ない、まるで期待することのできないような答弁の態度というものは、この難事業、この大きな事業をあなた方の力において国家的に将来遂行していくという、ほんとうの意気込みを私どもは感知できないのです。非常に残念に私は思う。これは質問ではありません。ほんとうに私の心境を申し上げ、あなた方に御反省を願いたいと私は思う。

永田清日本放送協会会長

○永田参考人 教育放送につきまして非常に激励の言葉をいただいたわけで、私は非常に感謝いたします。NHKといたしましては純粋の教育放送はNHKでやらねばならないし、また実際テレビジョンの発展に応じてこれから三年、五年後には、この教育放送がいかに重大になるかということ、これは放送側のみでなく教育側につきましても大きな教育革命が起りつつある、つまり電波を通じて教育をしていこうという新しい方向にも進んでおるような次第で、根本的には非常な熱意と御指導のもとに、むしろNHKの主力を教育放送に持っていこうという方針でおります。ただ具体的な問題になりますと、今のようにVHFとUHFの問題とかその他のことが、チャンネル・プランがなかなかはっきりいたしませんので、内部的には十分の研究資料を整えておりますが、十分御説明ができずに御不満をいただいたようなことであります。先ほどの橋本委員への説明につきましても、NHK全体としては、この教育放送をぜひとも完成すべき責任がありますので、そういう意味から申しますと、総合計画としては建設費に約百四十億程度予定される。それを明年度の計画について申しますと、NHK総合予算としまして大体百八十億見当の年間予算にならざるを得ない。これは教育放送のみでなく、この国会で附帯的に決議されましたさまざまな、たとえば番組編成費があまりに低くて、おそらく明年度には編成も困難になりはせぬか——出演者からお断わりを受けるという重大な段階に立ち向っているようなことでもございますし、また厚生施設等もはなはだ不十分でありますし、一般に設備その他が老朽化しまして、全国に同じような放送をやるだけの設備が欠けておりますので、これも急速にやらねばなりませんし、また国際放送についても、御承知のように日本の国際的地位を高からしめるために、これはNHKだけではございませんで、政府自体としてもこの国際放送に積極的に出ていただきたい。国際放送につきましては、御承知のように他国に比して非常に少い金額しか使っておりません。たとえて申しますと、インドの国際放送についての約十何分の一という状況でございます。もとよりイギリス、アメリカその他には比較すべくもない小さな数字で国際放送をやっていることは、日本のために非常に残念でございますので、これも急速に拡充しなければならぬ。そのほか、放送技術は日進月歩でございますので、これも国会の附帯決議にありますように、研究費をもっと使って世の進展におくれないようにしなければ、国の名誉にもかかわる、こういったようなことで、総合的な前進計画を立てておる次第でございます。それを含めて、積極的にNHKは責任を果して参りたいと思っておりますので、いろいろな意味で十分御激励を受けたいと思います。

椎熊三郎自由民主党

○椎熊委員 私はもう言わないつもりでおったのですが、ただいまのお話を聞くと、なお残念なんです。今あなたのおっしゃったようなことは、NHKとしても当然毎年そういうことを御心配になっていかなければならないことなので、それとは別個に、教育放送というものをやっていくという熱意、意欲というものが、ここで現われてこなければいかぬのじゃないでしょうか。今の来年度百八十億かかかるという一般的な予算の問題等も、当然これは国会の承認を得るのですから、近くそれを出してくるのでしょう。その中に、教育放送をこうするのだということが具現していないようなことであるなら、それは実際われわれの期待を裏切ったことであります。今、国際放送であるとか、設備の老朽の改善であるとか、厚生施設であるとか、いろいろなことをおっしゃる。そんなことは毎年当然やることであって、教育放送をこれからやるということと、必ずしも深い関連性があるとは一それは当然関連性がありましょうけれども、それとは別個に、この新たな問題、電波監理局長が至上命令だとさえ言われるくらいに、NHKの使命の中では中心的な問題だろうと私どもは認識しておる。そういう点の認識の相違があるのじゃないかということを、私は心配するのです。どうかそういう意味で、もう少し真剣に教育放送というものに、国民の期待を裏切らないような形で御努力願いたいと思う。こういうことなんです。私はNHKを非難するのでも何でもなくて、あなた方に大きな期待を持っておったればこそ、非常に残念だと思う心境を吐露したので、質問するつもりでなかったのです。しかし重ね重ねそういうような顧みて他を言うようなことを言われたのでは、私どもは長年にわたって期待をかけたNHKにはなはだ残念な気持を持たざるを得ない。そういうことなんですから、どうか私の発言している趣旨を御了解願わなければ私も残念ですから……。

粟山博自由民主党

○粟山委員 関連して濱田局長さんにお伺いいたします。先ほどあなたはプールということを言われた。放送、テレビ、これはできるならプールで行った方がいいというようなお言葉があったが、それに間違いありませんか。——そこであなたがそういうふうにお考えになっておられるならば、それはけっこうだと私も思うのです。たとえばNHKにしても、これは一々議会に諮って議会の協賛を得てやらなければならないで、ずいぶん窮屈なことであろうと思う。それだけに重要性が大きい。それからまたやりようによっては大きな資本の利用、活動というものが期待される機構になっておる。私は、民間の実力のある、名前の知れた、そういう人々の名前によって組み合せられた株式組織のそれよりは、これはだれが見たってNHKのような長い歴史を持つこういうような性格の事業というものに、国民全体からいえば期待が大きいと思う。そこで新店よりは古い店で人がそろって経験がある方が、何をやったってむだがなしに、そして能率のいい計画が進められるはずだと私はこう思っている。でありますから、私はプール計算でいくとするならば、NHKのごときこそプール計算で、そして国策に沿い、国民全体の期待するような御経営をなさることに範を示していただくことがけっこうだと思うのです。教育放送の施設のごときも、むろんそのスケールの中に入れて考えられるべきことである。私はあなた方の事業それ自体のスケールも、やはり時勢に応じた、無形な言葉であるけれども、大きな、そして狂いのないスケールのうちに計画を立てる、政府もまたそういうような信念を持ったスケールにおいてこれを推進していく、監督をして盛り上げていく。そういうことを考えますときに、今テレビの許可が幾つか残っておる。小さな厄介なものが残っているような格好でありますが、これとても捨てておけないでしょう。大臣がかわって何かちょっと少し考え方に違いがあるじゃないかということを言う人もあるが、私はそんなことはないのだと思うのです。いずれにしても、前大臣のときから今の大臣になって、片づけるものが残っておる。目睫に残っておる。そういう残っておるものを控えて、どういうふうに処置するか。しかし今こういうふうに処置するけれども、こういうふうな考え方で指導していこうというようなことは、当局として考えているのか。そういうような幅の広い考え方からいいますと、まあ大きなスケールの中に入れて考えて御許可をする建前をとってもらいたいということからいって、やはり私はプールということをあなたが考えておられることを逆に追っていけば、いろいろ議論はあったけれども、新聞が放送を持つ、テレビを持つ、それがいいかあしいかということは、その運営によるのだから、ですから運営する人の良識とその知力、いろいろな世間一般の人が見て、あれなら安心だということをたくさん織り込んだ太い線で経営するというように指導されるならば、私はプールがよかろうと思う。これを逆に考えて、許可の方針を大きな考えでされて、こまかな議論もありましょうが、こまかな議論はその中に入れて、それがあとでなるほどよかったというようなことに指導なさることがよかろうと思う。それで私は、今椎熊さんからもお話がありましたが、この間郵政大臣と徳川夢声さんとの対談を読んでみて、実に痛快な対談ぶりである。私は大学を出ていろいろな資格を持って、いろいろな経験を持って、そして世の期待を持ってりっぱな政治家になり、大臣になる、けっこうです。しかし田中さんのような経歴を持って、そしてああいう勇敢な大臣のあるのも、私は非常に興味を持って期待しておる。私は今この電波の問題は何としても、——今ソ連の人工衛星で大騒ぎしておる、私は実際問題はこの前もこの席で言うことを許されたのでございますが、原水爆の動力、それから電波というものこそ、今日本の二大支柱だということを申し上げたのです。どうもその後世界の動きを見ても、やはりこの電波というものは大きな問題になっておる。場合によっては、私は電波こそ原爆より非常に重要性をいろいろな面に発揮されるのではないかと思うのです。そこで私は、今いろいろ御質問もありましたが、NHKのごときは、教育というものはむやみに急いでけがしてもいかぬけれども、おくれてはいかぬ、時期を失してはいかぬという場合においては、国としては大胆率直にやはり拙速主義をとるべきであろう。日本の現状から考えて、こういうふうに人工衛星にびっくりして、うわさして、じたばたしておるようなときに、もうこの電波などがおくれてはいかぬ。それだから、幸い変った大臣が、勇気ある大臣が出たのだから、その勇気と識見と実行力をもって予算は思い切った、というと妙な言葉になるけれども、ほんとうにあなた方の抱負経綸と、国を思う信念の上から、これだけの金が要るのだということを思ったら、私は大胆率直に要求すべきだと思う。国民は私は歓迎すると思う。国民の歓迎するものを議会が反対するわけがない。社会党さんでもなかなか計算がこまかいけれども、必ず私は御賛成下さると思う。どうか私は、そういう意味において、教育放送というものは必要なんだ、必要なんだがUHFを利用する時期が来るまで二年待とう、三年待とうということは、教育の必要性、今の教育の実態から考えて、今の教員の実力のまばらな点から考えて、どうもやはり日本国の全知能、全知識、その得たる経験を結集したるもので、幸いにこの電波で僻地の漁村、山村にまでこの文化の恩恵があまねく徹底するようにされることは、大臣、NHKさんに期待するところが大きい。新店にもそれは期待されますよ。私はNHKに期待しているゆえんのものは、その実績、経験、それから百億使おうが二百億使おうが、むだなくいけるだろう、ただもうかる計算にばかりいくのでなくして、実際に公共性を考えて、むだなく計算が行われるであろうと考えるからです。私はこの際にNHKさんが二年先とか三年先とかいうことをおっしゃらずに、どうか思い切ってこの通常国会には、この勇気ある大臣を迎えて、若い、何でもまだ四十にならぬそうですが、その若さと勇気をもって——岸さんなんかも非常に若さとか青年々々と言っている。私ら年とったものはこれからもう一年々々年とるばかりであるけれども、しかし気持からいえば一年たてば二年若くなろう、三年若くなろうと思って努力している。私はそういう精神年令の若さを追いながら、議席のある限りは御奉公申し上げたいと思う。はなはだよけいなことを申し上げましたが、永田さんに一つ御奮発をお願いしたいと思う。大臣にはいずれそのうちにお伺いいたします。テレビ許可のごときはスケールを大きくして、あやまちないように、田中さんだからよくやってくれたというように片づけていただきたい。

森本靖日本社会党

○森本委員 私も一応NHK当局に御忠告を申し上げておきたいと思うのですが、それは橋本委員、それから椎熊委員、今の粟山委員の言われたことも、三人ともこれはいろいろ言われましたけれども、意見は一緒である。その点について社会党としても全く意見は一致しているわけです。この点については、前から当委員会においても論議せられて、あなたたちも参考人として呼んで、そうしてわれわれとしては、この問題については激励してきた。そこでNHK当局としても、この教育放送の問題については、いろいろ積極的に運動をせられてきておったこともあった。しかし現実の問題として、橋本委員なり椎熊委員の方から、そういう問題について質問をするということになると、なるほどこれはチャンネル・プランその他の問題もあったが、NHK当局としても、なかなか郵政当局、それから民間放送、そういう面にはさまれてやりにくいという点は、多々あったと思いますけれども、今日の段階になってそういう計画が一応詳細にすぐ説明ができぬということについては、これはやはりそれだけNHK当局が一生懸命に熱意を持って運動してきたということについても、やはりこれは疑わざるを得ないような印象を一般に受けるということは、私は将来のNHKの教育放送の拡充の問題については、非常に遺憾であると考えているわけです。だからこの次の委員会には、これは一つNHK当局として、この問題についてはっきりした見解とそれから計画というものを発表できるように、ぜひともしておいてもらいたいと思う。きょうの委員会の各委員の意見も、これを単に聞き置くということでなく、真剣に考えて、次の委員会にはそういう準備をして出てこられるように、特に私は要望しておきたいと思う次第であります。  それから一点だけNHK当局に予算編成に関連した質問をしておきますが、それは非常に派手な方面については論議がかわされましたけれども、前から私は昭和三十年の予算のときからこの問題については言っておりますところの、例の委託集金の問題であります。この問題は毎年のごとく紛争を来たして、NHK当局としても郵政省とお話し合いになって、あるいはまた下部の方においては特定局長さんのきげんをとったり、たまには従業員のきげんをとったりして、これは非常に苦心惨たんしておられるということはわかるわけですが、これをしかし毎年こういうようなことで紛争を来たすということでなくして、根本的に一つこの集金方法というものを考えてみる必要がありはしないか。たとえば現在市町村等において市民税等を集める場合においては、一定の集金人を三カ町村くらい区切って、そしてその人を雇い入れてやらしておるというふうな方法も、市町村民税についてはやっておるわけです。現在郵便局に委託しておる場合は三カ月間の猶予があるわけですから、そういう市町村の村民税を徴収するという方法をとると、もっとこの料金の回収率が早くなるという点も考えられるわけです。だから一つこの委託集金の問題については、NHK当局としても従来の方針をそのまま継続していって、やはり予算編成のときには若干の手数料等を出すという考え方を持っておるだろうと思いますが、来年度の予算編成についてそういう根本的な改革が間に合わぬとするならば別でありますが、しかしそういう根本的な方針をNHK当局としては研究してみたらどうか、こう考えるわけです。たとえばNHKの山間部集金というふうなものを、別途のラジオ・サービス・センターみたいなサービス会社にしても、私は十分に採算がとれる事業ではないかというふうにも考えますし、またNHKの各放送支局の専属の集金人を置いて、その専属の集金人が五カ町村程度を持てば、今度町村合併によるところの地勢的な状況からするならば、採算がとれるのではないかという点も考えられると思うわけですが、この点については研究してみる考え方はございませんか。

永田清日本放送協会会長

○永田参考人 今の森本委員のお話の中で、前半のNHKの教育放送についての態度が少し誤解を受けておるようだからという御質問と考えて答弁してよろしゅうございますか。

森本靖日本社会党

○森本委員 はい。

永田清日本放送協会会長

○永田参考人 前半の教育放送の問題について、NHKが何か不熱心であるような印象を与えておることについては、私はきわめて残念に思います。私自身は少くとも情熱を傾けて、この教育放送を完成したいという一念であります。しかしそういうふうに激励の言葉をいただいたことは、私と同じ気持で国会が教育放送を完成しろ、こういう意味にとれますので、全く主義は同一だと思いますが、何が教育放送を妨げておるか、これだけ皆さんが考えておるにもかかわらず、どこに問題点があるかは十分にお考えいただきたいと思います。詳しくは申し上げません。ことに実際に教育放送を効果あらしめるためには、私はどうしてもVHFでなければならぬという信念であります。VHFをやるにはそれだけのいろいろな条件を整えなければ、技術的には可能であっても効果が少いということで、実際にニューヨーク・シティでもVHFに切りかえるという状況に立ち至っておりますので、その点も十分お考え願いたいと思います。従って結論として、われわれが情熱を傾けておりますこの教育放送の完成については、VHFでなければ効果が少いという状況であります。しかしできないところはUHFでネットを完成したいということで全力を上げておりますが、十分の御説明ができずに御不満であったかと思います。何かNHKが教育放送に不熱心であるということでございましたならば、これは誤解でございますので、十分われわれも責任を感じまして、具体的に計画を申し上げたいと思います。  あとの徴収問題につきましては、実際に徴収費がかさんでおりますので、いろいろ研究を続けております。その具体案ができましたらまた御相談申し上げます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それでは時間もありませんので、私は大臣に二、三ちょっとお聞きしたいと思います。大臣は、大臣に就任をせられて矢つぎばやに労働組合弾圧方針と申しますか、そういうふうな方針を次から次へと出されるので、こちらが追いついていくのにふうふう言わなければならぬような情勢で、まことにおそれ入った次第でありますが、それはそれといたしまして、まず第一番目に私がお聞きしておきたいのは、長年の歴史のある郵政省における無料郵便物制度を廃止するということを郵政省の方で発表されておりますが、この内容について御説明願いたいと思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 お答えを申し上げます。第一番目の私が矢つぎばやに労働組合弾圧を行なっているということは、一つお取り消しを願いたいと思います。九十日余にわたる短かい間ではありますが、今までの態度において労働組合に対する弾圧などをやったという考えは毛頭持っておりません。将来もそういう気持はありません。これは例をあげなくてもいいと思いますが、今までも団体交渉の回数は、一番よく団体交渉に応ずるといわれて、中闘の諸君からも感謝をせられておるのであります。もう一つは、まだ三公社五現業の中で解決しないいろいろな問題がありますが、郵政現業としては全部解決しております。そういう意味では非常に速度も速いし、できないと思っておったものをみなやってくれるので、現実的には非常にありがたい、こういうことを言われているのが現実でありますので、弾圧などということは大よそ縁の遠いことをはっきりと申上げます。  第二の問題でありますが、無料郵便物制度は八十年の長い歴史を持っておりまして、これに対しては、私もただ思いつきで廃止をしようというふうに考えているのではありません。新聞等に報道せられた面から見ますと、十月の一日からということが報道せられておりますが、九月の半ばにこの問題が起きて、郵政事務当局としては、できるだけ早く何らかいい方法があるならば、具体的に考えようではないかということを省議で決定をしまして事務当局で現在いろいろなことを考えているわけであります。とにかくその最終の結論が出ない過程におきまして、十月の初めから一応無料郵便制度をやめようではないかという申し合せをやっているだけでありまして、まだ通告、告示等をやっておらないわけであります。これは慎重を期しているということであります。なぜこういう問題が起きたかといいますと、行政管理庁等の指摘もありますし、特に会計検査院から何回か指摘をせられている問題であります。無料郵便物制度を法律でもって認めているのは、郵政事業の円満なる運営をはかるために、最小やむを得ざるものに対しては、事業が事業でありますので、一般官庁には認められない無料郵便物制度を、いわゆる通信事務と認めていいのではないかという精神で法律で設けられたものだと思います。ところがこれも実態を調べてみますと、非常に実態に対する調査のあり方、また実際の結果が区々まちまちであります。表に出ているものだけでも、無料郵便物として取り扱われているものが、小包にして一億に近いものが出ているということになりますと、これは国民の前にやはり明らかにしなければならぬ問題であります。無料郵便物制度があるから無料にしていいのだということは、適当なる行政的行為でないと考えておるのであります。特に全逓の諸君がいろいろな無料郵便物制度をやるから、私が無料郵便物制度を廃止したのだということをいわれますが、これは皮相な見方であります。これは全逓が全逓新聞を無料で配り、闘争指令を無料で出し、選挙中といえどもいろいろなものを出したから、それに気負い立って無料郵便物制度を全廃しようなどと考えておるものではないのであります。これは郵政事業の外郭団体も無料郵便物制度を使っておりますし、特に通信事務というものはほとんど郵政関係ではみな通信事務と封筒に刷っておるのです。そしてそのまま出しておるということでありますので、過去においても無料郵便物制度の円満厳正を期するためにいろいろなことをやったそうでありますが、実際問題としては捕捉しがたいのであります。法律には左の事項に限り郵政大臣は無料郵便物を出すことができる、こういうふうに規定しておるのであって、だれでもが無料郵便物制度を使えると規定したものでは絶対ない、こう考えております。中には厳密な責任者を設けまして、この人たちの認証を得たものに対してだけ無料郵便物を認めればいいじゃないか、議論としてはりっぱでありますが、無料郵便物百通といって一万通出しても、これはなかなかわからないのであります。現実的に、公納郵便制度もそうでありますが、百通公納郵便制度でスタンプを押し、五百通出されてもどうにもならぬ、こういう問題は現実的な問題として、長い歴史の上において何回か廃止しようか、何か的確な捕捉方法があるかということで、先輩も組織の中で真剣に研究せられてきたのであります。ところが現在まで的確な方法が出されないで参ったわけであります。そういう意味で、この無料郵便物というものに対してもっとはっきりさせて、それで無料郵便物が幾らどういう意味で使われているかということが捕捉できれば、これは国民の前にもはっきりできると思いますが、幾ら使われているか捕捉しがたい、こういうことであると、これは当を得た状態ではない、こういう考えであります。無料郵便物が外郭団体で使われなければならなかったならば、またそれを国民が認めるならば、切手を張ってもらう、そのかわりその金額に相当する補助金を出せばいいじゃないですか。国民の前に収支の状況を明らかにすることが、行政責任者としては当然の義務だという考えで、捕捉できる、また現実にマッチする施策があるならば、あえて法律を改正する必要もないが、現在の状態でこのままで放置をすると、必ずや国民に指弾をせられる。特にこのきっかけは、会計検査院が不当な行為であるということを何回か指摘せられておりますので、捕捉できないのであったならば、一切のものを有料にするという手もあるじゃないか、これも私の意見ではなく、長年の経験を持つ事務当局がそれ以外に手はございません、こういう報告でありましたので、ではその線に沿って作業を進めてごらんなさい、こう言っておる段階でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この無料郵便物については、そうすると郵政省の今の方針は、全廃をするという方針ですか、それともこれを規制するという方針ですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 これを全廃する方に現実問題としては行くのじゃないか、こう思いますのは、規制をする方法があればいいのでありますが、規制の方法そのものがなかなかむずかしい、こういう報告でありますので、今事務当局では全廃——全廃にもいろいろな議論がありますが、全廃以外に手はないのじゃないかということが報告せられております。

森本靖日本社会党

○森本委員 規制するということなら、郵便法第二十条の問題については解釈ができますが、もしかりにこれを全廃するということになると、第二十条が空文にひとしいということになるわけです。そうするとこれは郵便法二十条というものについては一応の法改正で削除をするならするということをやらなければ、法的にちょっとおかしいのじゃないですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 法律に死文があるということは、例は間々あります。しかもこれはしなければならないということではなく、することができるでありますから、法律の建前からいうとすることができるというのは、あくまで除外例でありましてしないのが原則であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 どうせそういう答弁をするだろうとこの条文から思っておったわけですが、ただこの第二十条をこしらえたのは、差し出すことができるということはほとんどこれによってやるということで、今までの歴史においては、あなたが言ったような解釈をしてやったことはないわけなんだ。そこでこの第二十条の趣旨によって無料郵便物をあなたが言われるように規制をするということなら、これは法の精神にも合致すると思うのですよ。しかしこの無料郵便物を今日全廃をするということになると、今言ったように解釈もできないことはない、それは法的な解釈をするならば当然できる。しかしこの法律をこしらえたときの趣旨から言うならば、これはやはり第二十条というものは全廃をするということなら、私は除くのがほんとうではないかというふうに考えるわけですが、大臣がそういう答弁をされるならば、大臣の見解はそれで一応それと聞いておきますが、ただここで無料郵便物を全廃するということよりも、この法の精神からいくならば、一項と二項に合致するような方向においてこれを規制するということが、やはり郵政省の方針としては正しいのじゃないか、それができないから全廃をするのだという理屈はとても成り立たない。やはりこれを規制をする方法は事務的にあると思う。事務当局からどういうことを説明されたか知らぬけれども、私も長年このものに携っておるが、そんなことができないなんという事務当局なんかやめてしまったらいい。できないから全廃をするなんということはない、規制をする方法は他にも幾らもあると思う。それを単に全廃をしようということでなしに、あなたが言われるように会計検査院なりその他のいわゆる通牒によって、あるいはそういう趣旨によってこれをやるのだということになるならば、この法の精神からいくならば、無料郵便物については厳重に規制をする、そうして厳重に規制をする方法についてはあらゆる現業、非現業の知恵をしぼって考えたらいい、こういうように私は考えます。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 今の御発言の通りだと思います。私もそういう観念で今まで来たのでありますが、この法律自体を読みますと、今みだりに使われておるということは、法律通りに実際が行われておらないということだと思うのです。二十条の、郵政大臣は無料郵便物を出すことができると書いた趣旨は、郵政省設置法に基く業務上必要な書類はという限定があると思うのです。非常に厳密なワクがはめられておると思うのですが、そのワクの解釈を非常にたくさんしまして、いろいろなものが乱れておる。これも乱れると、乱れておる現状に処して考えれば、その条文を削除して一切のものを全部やめてしまえばもちろん法律的にもきれいでありますし、実際行為もなくなるということで平仄が合って、これは非常に理想的な姿であります。ところが十月の一日からやろうということになりますと、臨時国会は十一月でありますから、法律をされいに削除してからやるということになると、その時期まで待たなければいかぬという問題もあります。ただ平たく申し上げますと、私はほんとうに法律に手をつける、御審議をわずらわして結論を出すということになると——その条文の精神を生かしたいのです。生かすということは、その条文をみな変えてしまって、郵政省設置法に基くこういう業務の書類に限っては郵政大臣が出すことができるとするか、出してよろしいというふうに解釈して、その他一般のものは、外郭団体であろうが組合であろうが一切出すことができない、出したら郵便法違反だというふうに明確に改正をしたいのでありますが、そういう結論にいくまでの現在の過程におきましては、最終的にそういうふうに改正をするか、もしくは削除するだけにするか、もう少し行政的に省令等でもって縛る手があるかというような問題を、今具体的に検討の段階であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 具体的に検討の段階だと言われたので、この問題についてはこれ以上申しませんが、あなたが最初に言われた無料郵便物を廃止するという方針であるならば、私が言うように第二十条の前半の項については、これは郵政省としてははっきり必要な業務ですから、ここに書いてある十幾つかの業務、たとえばこのうちの貯金業務、保険業務なんかの問題について、一々これを有料にするならばこれは非常に煩雑になって、かえって規制した方がずっと煩雑でないという面も出てくるわけです。これらの問題について一々有料にするなんということになると、とてつもない問題になると思う。それよりかかえって逆の方向に規制をするということが、法にも合致することだし、その方が正しいと思って、私はあえて本日委員会を通じてあなたに私の意見を申し上げておるわけですが、検討の中においてもそういうことを十分検討しておいてもらいたいと思うのです。  もう一つ、これはこの前の看板の件ではございませんけれども、何でもないことじゃないわけですが、今度は大臣の名前で二十三万か四万通だと思います。警告書ですか、各従業員の家庭に大臣からの親展書みたいなものが来ておったわけですが、これを一つ御説明願いたい。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 無料郵便制度の問題に対しましては、全廃しなければならないというふうに考えておるわけではないのです。いい手があれば、その法律の精神通りに業務上必要なものに限って出すというような具体策が講じられれば、その条文を生かしたいという考えでありますから、誤解のないようにしていただきたいのです。  簡易保険その他郵政省のそういう別な特別会計の無料郵便の問題でありますが、これは法律からいうと無料郵便で出せるわけでありますが、これは特別会計同士の話し合いによりまして、実際は他の特別会計から郵政特別会計に金が払っておるのです。これは総額十六億ばかりです。事実払っておるのです。これは法律に基いてどんどんと幾らでも簡易保険や貯金が手紙を出されて、それをかつがせられる郵政特別会計はかなわない、こういうことでしょう。それで両者で協議をして十六億というものを実際会計から払っておるのです。ですから法律で明記してある。当然無料郵便制度が出せるようなものは、きれいに特別会計から特別会計に収支を合しておるのですが、そうでなく除外例で何とかそれに近いという解釈でもって、長い間の堕性で無料郵便をやっておるものの方が多いように感ぜられますので、これは実態も調べた上、適切な処置をとりたい。その研究の過程においては、今森本委員が言われたような具体的な問題に対しても十分考慮を払って参りたい、こういう考えでございます。  それから二十何万の従業員に対して私が書簡を出したことに対して、どうもきのうの参議院の委員会でも問題になっておるようでありますが、これは私は問題になるのが少しおかしいのではないかという考えを持っておるのです。これは将来でも無料郵便制度があれば私はちょいちょいと出したい、こういう考えであります。これはどういう意味で出したのかと申しますと、あいさつでもありません。激励というほどのものでもないのです。そうしてまた組合分断じゃないかというような話もありますが、そういうことも絶対ありません。これは郵政大臣が郵政省設置法に基く業務の円滑を期するために、当然行わなければならない文書として出したわけでございます。そういう意味で、今まで大臣が自分の省の人たちに話をしても、これはごく限られた方々にしかできない。もとは省議で決定してこういうものだという法解釈などをやると、そのまま文書課長通達というようなもので非常に末端まで徹底したのですが、一体私がずっと現業の第一線を回ってみて、本省から来る通達はどういう方法でやっておるか、こう言うと、張り出しておくとこう言うのです。どこに張り出しておくのだと言うと、そこには組合のものが一ぱい張ってあって、その中に小さなものが本省通達として張ってある。これではとにかく大臣の考えも省議の決定の線も、末端の第一線の方々にまでは徹底しない、そういう意味で徹底させる手は一体ないのかどうか、こう考えれば、ちょうど法律には無料郵便制度があったし、そういうものこそやるべきだと規定したのでありますので、そういう意味で新しい大臣に任命をせられた私が、長い郵政省の伝統と歴史を生かしつつ、お互いが国民の支持を得て、国民に奉仕をするようにするにはかくあるべきだと思うから、御協力を賜わりたい、こういうことで出したのでありまして、これは出さないのがおかしいので、私は当然出すべきだと考えて出したわけであります。

森本靖日本社会党

○森本委員 大臣は事務当局から上っつらの方だけを聞いておるので、非常に誤解しておると思うのだが、たとえば簡易保険、それから郵便貯金の十何億という金をもらっておるにしても、それは一通々々で全部で何通で、これは何ぼということで会計課へ入れておるのではないのです。それは総体的に年間これくらいだろうということで金を入れておるわけです。だから現実の問題として、郵便貯金の問題としては、それは有料ということになると、一通々々有料にしなければならぬ。そういうことになると、この中では簡易保険と郵便貯金が一番多くなって、それでは今の金では採算が合わぬという格好になる。それからそういうとてつもない、めんどうくさいことは、現実に現場としてはできない。だから私が言ったように、あなたの言ったもっと他のことを規制することを考えればいいのではないか、こういうことを言っているのです。  それから先ほどの警告書の問題についても、その内容について私は意見がありますけれども、これはあえてここで申しません。ただしかし大臣は大臣として従業員に対してそういうことはやってもいいじゃないか。それはけっこうだ、けっこうだけれども、郵政省は郵政省としておのずからやる方法がある。あなたは組合のニュースだけしか見ておらないというけれども、そうじゃない。組合のニュースを張るところはちゃんときまっておる。それから郵政公報なり局報を置くところは、現場の課長なり主事はその公報なり局報は、どこどこに置いてあるからこれは見なければならぬということになっておる。今でも大臣なり郵政局長が一般の職員にいろいろの通達で呼びかけることは、郵政公報をもってやっておる。それから郵政局長が呼びかける場合は郵政局報をもってやっておる。これはあなたは御承知かどうか知らぬけれども、現場の従業員であって公報なり局報を見ておらぬ従業員はない。そんなことがあったらこれは管理者の責任なんです。その公報というもの、郵政局報というものは、必ず見ることになっておるのだから。これは実際に現場へ行って監督をしてもらったらわかることだが、局長なり課長は全部私の方は従業員には見せておるのであります。こういうことを言うはずなのです。だからそういう形式においても、あなたのやり方は非常にとっぴだというのです。こういう郵政公報なり郵政局報というものを通じて、全従業員に通達をするという方法がある。そういうことをやれば全従業員に通達ができないとこういうことをあなたがおっしゃるならば、下の管理者は全部だめだということです。昔からこういうことになっておる。そこで今度の二十七万についても僕が非常に気の毒に思ったのは、僕はちょうど選挙区に帰っておったところが、ある課長がいわく、この封筒を自分で書かなければと汗かいてふうふう言うて書いたと、そのあくる日話をしておったが、これは実際の末端べ行くと、局長と課長とが秘密の会合をして、課長が自分の家へ持って帰って全部書いて出しておるというようなところが相当多い。だからこれは私の選挙区だけというわけではない、よそでもそういうことを聞いたのだが、そういう末端の管理者をまるで過酷な労働に従事さしたといっても過言じゃない。あなたはいい気になっているけれども、下の方ではふうふう言いながら書いたのでは、とてもやり切れないという課長クラスの人もたくさんある。だからこういうとっぴなことをしなくても、郵政省には郵政省として郵政公報なり郵政局報を通じて、全従業員に出すという方法もあるのだから、将来こういうことをあなたがやるという場合には、こういう方法でやったらよかろう。あまりとっぴなことはやらない方がいい。内容についてはいろいろな意見があるけれども、きょうは時間がありませんから触れません。  それからもう一点、これは大事な点でありますが、先ほどの理事会でもこれは与野党の懇談会において話し合いをしようということになっておりますので、ここでは骨格だけしか聞きませんけれども、前の大臣とそれから全逓との間において、普通郵便局に特定郵便局から昇格をするという点については、今まで三年間とまっておったけれども、今日の郵政事業の膨張の点からいうならば、当然ある程度の定員以上になり、業務量の増加したものについては昇格をしていく、こういう方針については村上郵政大臣、それから平井大臣、この二人ともそういう答弁を当委員会において行なって、その具体的な問題については、たしか全逓と大臣との間においても話し合いがあったように聞いております。そうしてその結論において、あなたが大臣になってから事務当局で一つの成案ができた、そうしていよいよこれを実施に移すという段階になると、大臣がしばらく待ったということでとまったということをうわさに聞いておるわけですが、その辺はどうですか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 お答えを申し上げます。第一の書簡については議論になりますから申し上げませんが、一言だけ申し上げておきます。あなたから見ると非常にとっぴと思うかしれないけれども、私は当然の義務であって、なすべきことであって、とっぴなことではない。こういうように考えるのであります。しかし一枚々々の封筒を書いてやることがいいのか、また別の伝達機関を高度に利用するのがいいのか、特に全逓についてはあれほど大きな地方から選出してきておる中闘の諸君がおられるのですから、この諸君に話をして二十五万の人たちに的確に届くように要請する方がいいのか。これは方法は十分考えてみたいと思います。ただこれは大臣が、いわゆる政府の方針が第一線の現業の諸君まで可及的すみやかに届く、そうして万遺憾なきを期すような処置は、これは行政責任者として当然とらなければならない処置でありまして、こういう問題に対しては、具体的に一つもう一ぺん研究してみたいと思います。もう一つは、この手紙を出すときに、管理者の一部がそういうふうに非常に無理をされたということも聞かなくはありません。きっとそういうこともあったでしょう。その意味ではきっとぶつぶつ言っておる方もあるでしょうから、こういうことのないように一つ考えましょう。しかし全逓の組合員の方からも私のところに手紙がたくさん来ておるのです。今までは、大臣というのは何者だかわからなかったけれども、三十年勤めて初めて大臣の手紙をもらった、これで政府の方針が全くはっきりして、われわれの行く道がわかった、こういうのもありますから、念のために申し上げておきます。  それからもう一つ申し上げておきます。今の特定郵便局制度の問題でありますが、これは今組合で十月闘争のスローガンの第一号に掲げておるようでありますが、私はこの問題に対しては、組合の諸君の意見をいれて非常に深刻に、また誠意をもって解決しておるのです。これは前々大臣のときでありますか、前大臣のときでありますか、特定郵便局のうち、左のものを一般局に種別改訂をするように、こういうふうな要求があったようであります。これは管理部門の問題でありますから、団体交渉の範疇に入る問題ではないと思いますけれども、いずれにしても全逓からそういう申し入れがあり、その申し入れに基いていろいろなものを研究したはずであります。御承知の通り、その問題はその年の大会の決議になりまして、全逓の要求を貫徹するようにという決議になったようであります。その決議に中央執行委員の諸君も拘束を受けておったという状態のようであります。特定郵便局制度の問題に対しては、省側及び組合側に対してもいろいろな意見の相違もありますが、いずれにしてもこの特定郵便局制度というものは、抜本的に一つ調査をしなければならない段階であるということは、両方とも認めておったわけであります。その過程において、組合と省側と話し合いをして、そうして申し合せ事項を作ったようであります。この申し合せ事項というものに対しては、いろいろな議論があるのです。どういう状況において申し合せ事項ができても、一応文書になった以上は、これを守らなければならないというのが全逓の言い分であります。省側の言い分として私が調査したときには、これはいろいろなことがありますと、局舎統合の問題もあったし、もう一つは全国大会で決議された事項であるので、何らかの処置を省側がとってくれないと困るというようないろいろな前提条件があって、特にそういう前提で作られた文書でありましょう。だから省議にも決定しておらぬしというようないろいろな議論があるのです。しかし一課長であっても全逓に対して判こを押して、こういうことをいたしましょうと出したものを、あなたは部下がやったものを認めないのですか、こういうような話もありました。私は一応課長が提出をしたものであっても、両者の間にそういう意向があるならば、お互いに円満にものを解決するという建前で、私も真剣にこの問題と取り組みましょう、こういうことでありました。ところが向うはもう三年間ももみにもんだ末に協定したのであって、その協定文書による期限は昭和三十二年六月三十日、しかも百二十三局を種別改訂を行なってもらいたい、こういう申し入れに対して応諾の意思を表明しておるのですから、六月中にどうしてやれないのですか、こういうことであります。私は七月の十日に大臣に任命されたのであって、今まで聞いておらぬのだ、おらないのですが、少くとも六月三十日までに処理すべきものであるというものであるならば、私も早急にやりましょう、こういうことで別れておったわけであります。その内容をよく調べてみますと、百二十三局のうち、本省に申達をされておったものは約五十局であります。その後ふえているかもわかりませんが、私が調査をしたときには約五十局であります。五十局のうち内容を調べてみますと、郵政定員四十名以上のものは九局であります。あとは三十九名から二十五名までのものであります。今特定郵便局の問題に対しては、特定郵便局制度調査会の結論待ちという状況でもありますし、組合の当事者も、平たく申し上げますと、組合の立場や組合の顔を考えてみても当然これは処理すべきものだというので、四十名以上の九局は同日付をもって決裁をいたしました。残余のものに対してはまだいろいろな問題がありますので、これは特定郵便局制度調査会の結論待ちということではなくて、現地郵政局との間にもまだ調査を進めなければならぬ問題がたくさんありますので、早急に調査結果をもう一ぺん持ってくるようにということで、現地郵政局との間に折衝を続けておるのです。郵政局から一ぺん出たものを、どうしてまた再調査するのだという議論もありますが、これは再調査をするということがたくさんあるのです。現地郵政局長から出てきたものにみなめくら判を押せという議論には、なかなか私も賛成できないのであります。これは全逓の組合員としても、全然別な問題でありますが、郵政局長がもうすでに決定をし、内諾を与えたものでも、大臣はこれを再調査して、取りやめろという要求もあるのだから、やはり最終責任者はこれは明らかに円満にそごのないような結論を出すためには、慎重に審議をしなければならぬということは当然のことであります。とにかく組合の意向をいれて、私は即日九局を種別改訂をいたしました。あと四十何局残っておるのであります。その後どのくらい来ておりますか、まだつまびらかにいたしておりませんけれども、きょうも御質問がありましたから、帰ってから早急に調査をいたすつもりであります。ただきのうの参議院でも申された通り、今まで仲裁裁定を実施するまでに非常に新大臣はよくやってくれるのだが、最後のところ九局ばかりやって、あと四十何局やらないのはおかしいじゃないか。あしたあたりやれないかという話でありました。そうすることがますます錦上花を添えるのだというような御発言もあったようでありますが、これは私に対して、九局をもう種別改訂をやっておるのですから、私の誠意も認めてもらわなければいかぬ、こういうことを明確に申し上げておるのであります。しかもこれは組合と私との間に、特定局の問題に対しては今までの問題は別にして、とにかく特定局の制度調査会の発足を急いで、十月の末くらいまで調査会の結論を出してもらうようにお互いが努力をして、その結論に対しては何らか法制措置をとることによって、もう長い間問題になってきた特定局制度の議論に対して、一つの結論を出したいという申し合せのようなことをして今日まで来ているのです。それでその中に大きな問題があるのです。それは私が就任直後に三年も五年ももめてどうにも任命できないでおるところの特定郵便局長の任免問題に対しては、これは昭和十七年当時地方郵政局長に移管をしている権限を、省令改正によってこれを大臣が取り上げて、もっと円満をはかろうとしたときに、そういう問題にあわせて、組合との間を円満にするために十月の末まで待とう、こういう申し入れを私はのんでおりますので、私もそういうことをのんでおるだけに、全逓の諸君もこういう特定局の種別改訂の問題に対しては、もうしばらく慎重に審議ができるまで時間をかしていただきたい、こういうことを言っているのですが、ついにきょうからの闘争スローガンの第一号に掲げられたようでありまして、まことに悲しい現状であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 一つ大臣は誤解のないようにしてもらいたいと思うのですが、この種別改訂の問題については全逓がどうのこうのということで私は言っておるのではない。これはここで私と村上郵政大臣と、それから平井郵政大臣との間において質疑応答の中において、種別改訂の問題についてはやっていくということをはっきり言明している。当時の郵務局長もここで言明しておる。だから私としてはそういう話が全逓との間にあったのだが、どういうことになっておるか。しかし、私としてはこの前のそういう言明もあるので、そういう昇格の問題については国会の中における発言としても、それは一つ十分にやっていってもらいたいという方向における私は質問をしておるわけであって、その点を一つ大臣が今後の答弁においても誤解のないようにしてもらいたいと思う。  それからもとへ戻って、私は大臣に特に要望しておきたいのは、大臣は自分が考えておることは絶対正しいと考えてやっても、人の意見が出てきて、そうしてその意見についてもある程度筋道が立っておると考えるならば、やはり自説については私は相当考えてもらいたいと思う。というのは、先ほど警告書の問題についても、この内容については私もいろいろ議論がありますけれども、ここではやりません。ただあれを出した形式のことを私は言っておるわけです。ところがそういうふうに全従業員に申達しようということが、今の公報、郵政局報をもってそれができないということならば、今までの郵政局報や公報で出したところの全従業員に対する申達は、行っていないということを郵政大臣としては認めて、そうしてその上においてああいうことをやるということになる。私が言っておるのは、従来従業員に対する通達においてすら、あの郵政公報か郵政局報をもって書いていっておるわけです。だからあの郵政公報、郵政局報をもってこの文書を載せても、それが必ずしも下へ行き渡らぬということは言えぬと思う。それが公報とか郵政局報に載せても下へ行き渡らぬということになるならば、今までの郵政大臣の通達というものは一つも行っておらぬ、それから郵政局長の通達も行っておらぬ、こう解釈をして考えておるのかということです。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 少し議論になるようでございますが、申し上げますと、そういうふうな見方から議論をするとそういうことになるのです。私の方から言えば、郵政公報は無力のものであると考えて出したものではない。より的確により早く私の意思が全従業員に伝わって、そうしてお互いが円満に国民の奉仕者としての責任を果せるようにという考えでやったのであります。しかもその当時私もまだ就任日浅いのでありますから、どういうふうな方法手段があり、しかもそれがより的確だということまで調査をしないでやったのでありますから、これからの問題に対してはよりいい方法があればそれをとる、こう言っておるのでありますから、その前の問題を、あなたの見解ではもっといい方法があったのではないかと言われるかもしれないが、私は全従業員に出した当時の状況としては、そういう何も突っかかるような気持で出しておるのではないということを御了解願います。

森本靖日本社会党

○森本委員 それは普通常識で考えて、手紙で出すのが一番効果がよかろうということでやったというなら、その形式上の問題はそれでいいわけですが、内容は別です。ただ郵政省についてもそういう従業員に申達をするということについていろいろ方法もあるので、大臣は大臣としての考え方もあろうと思うけれども、やはりそういうしきたりというか習慣というか、よきしきたり、習慣は残していったらいい。悪いしきたり、習慣はやめてしまったらいいだろう。よい習慣を何もおれが大臣になったからというのでやめる必要はないのだから、その点は十分に大臣としては考えていってもらいたいということを私はあえて言っておるわけです。  それから先ほどのいわゆる種別改訂と昇格の問題については、大臣としても誤解のないようにしてもらいたいと思うのは、今も事務次官が来ておられたけれども、今言った特定局制度調査会と別個に普通局の昇格の問題については、これは考えていきますということで、前の大臣も今の郵務局長もこの委員会において私の質問においてそう答えておる。だからそういう趣旨において私はここで質問をするのであって全逓と大臣の話上合い云々ということについては、私は何もここでそう言っておるわけではないのだから、大臣の方としては普通局の種別改訂については責任があるということによって、私は質問をしておるわけです。たまたまそれが、あなた方が言われた四十名とか二十名とか三十名とかいうことになると、これは政策的な論議になってくる。だからそういう問題についてはこの委員会でやっておると長くなるので、あとで与野党で話し合いをしようということなので、その話し合いについて結論がついていくなら、そういう方向に大臣が賛成をするということになると思う。ただここでわわれれが考えなければならぬ点は、私はこう考えておる。ここで三十名とか二十名とか四十名とかいうことでなしに、いわゆる種別改訂については、やってもよろしいということについてはどんどんやっていくのだ。ただそこであなたが言われるように、摩擦とかあるいは紛争とかいうものが起きないようにする。それにはこれは私の年来の主張でありますが、三十年も二十年も特定局長をやった者をそのまま首を切ってしまうということは、われわれは一つも言っておるわけではない。そういう者については、普通局長をやりたい者であってそれだけの能力がある者なら、普通局長に登用してやってもいい。あるいは無集配局長をしたいという者があるなら、無集配局長に横すべりをする。そしてその人の俸給については何も変りがない。こういうようなところから解決の糸口をほぐしていって与党、野党の話し合いをすれば、解決の道があると思う。そういう方向において私はこの問題については解決をつけたいというふうに考えているので、大臣としても、ただおれはこう考えるから反対だということではなしに、そこはやはり大臣だって政党出身の政治家であるから、そういう問題についてはやはり意見が一致した場合には、敢然としてやるというくらいの腹がまえを持っておってもらわないと、われわれが何ぼ話し合いをしたって何にもならぬわけであって、その点を私は大臣に一つ十分考えてもらいたいということを、この際特に強く要望しておきたいと思います。  それからちょっとお聞きいたしますが、先ほど大臣がちょっと自慢そうに——と言っては言葉は悪いが、大臣がちょっと言ったところでは、特定局長の任用問題について、本省に吸い上げてきて解決をつけたものがあるということを言われておるわけでありますが、大臣になってから特定局長の任用問題で地方でもめて、本省に吸い上げてこい、そうした場合には本省で解決をつけるという文書を出したと思うが、それ以降本省に上ってきて大臣の決裁によって解決をつけたというのはどのくらいありますか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 特定局長の任免に対しまして、大臣が吸い上げようというような通達は出しておりません。これは一番初めに私が就任しましたときに、特定局長の後任者を一体どうして何年も決定しないのか、特にいろいろな問題で百局も特定局を作ろうとしておるのに、三十局か四十局しかできないということはどういうことであるか、こういうことを問いただしましたときに、郵政局長権限ではなかなか現地の紛争が解決できない場合もあるということが、郵政局長会議で出たわけであります。そうであるならば、これは内閣の責任で仕事をするのだから、昭和十七年の省令変更によって、地方郵政局長に移管をした特定郵便局長の任免権を、省令を改正して大臣が法律通りこれを行なってもよろしいか、どうですかというふうな意思を私が出したのです。ところがいろいろな方々とお話し合いをして、これは特定局制度調査会もあるのだから、そういうことをするとなお摩擦が起るので、摩擦を排除するためにも、そういう措置は、あなたは適切と思っても、また特定の意思に基く行為ではなくても、そうとられやすいから待ってもらいたいということで私は了解しておるのです。そして円満に現在までその通りの考えでやっておりました。だから特定郵便局長の任免の問題で、たくさん本省に上ってきたというような問題はないようであります。私が決裁をしたものが何件ありますか、二、三件あるかもしれませんが、大体その程度じゃないかと思います。これは何か必要があれば調査の上資料を提出してもけっこうだと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 時間がありませんので私はあと一つ二つ質問をしてやめますが、この調査会の結論については、この予定の期日通りにつけてもらうという方針に変りありませんか。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 できるならば十月中にということを私は申し入れておるのでありますが、今の状況では十一月くらいまでかかるのじゃないかという見通しでありますが、大体私たちの要請をいれていただけるという考えを持っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それから、ちょっと文書課長がおられますので聞いておきますが、この間上林山委員が質問しておったあの資料については、私が忠告をしたようにできなかったと思いますが、その後どうなったのですか。それは全逓の組合が推薦をした特定局長の候補者は何人で、それが何人任命になって何人拒否されたかということについて資料を要求せられておって、それに私が横から関連発言として、そういう資料はできっこない、特定局長の任用について正式に組合が推薦だとかなんとかいうことはないはずだ。ただそれは当該の支部が推薦をしたり、あるいはまた局長も一緒になって推薦をしたり、あるいは普通局の人も推薦をしたりして、正式に推薦の形式はないのだ。だからそういうものの数字をとるということは非常に困難だ、こういうことを申し上げたら、あなたの方は調査をいたしまして、そしてもしそういうことについては調査が困難であるということならば、資料は提出できません、こういう答弁だったわけです。だからその点を念のために聞いておきたい、こう思って聞いているわけです。

淺野賢澄大臣官房文書課長

○淺野説明員 人事部で調査いたしておると思いますが、現在のところまだ提出しておりません。

松井政吉日本社会党

○松井委員長 松前君。

松前重義日本社会党

○松前委員 私は半分質問で半分意見でありますが、まず第一にテレビの免許に対する前提として、この間いろいろ言い渡しをされたようでありますが、私どもがテレビの免許に対して最も憂えた現象があの中に出てきておる。しかも電波審議会ですか、あそこでいろいろ心配しておった言論の独占という問題に対して、少くともそれを排除する措置が非常になまぬるい措置であるばかりでなく、現実的に私は言論の独占の傾向を持っておるところが非常に多いと見るのであります。この点について一般問題として大臣の御答弁を願いたいと思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 テレビも近く予備免許を与えるべく、電波監理審議会に諮問をいたす予定でございますが、言論の独占という傾向が非常に強く出ているのじゃないかという御発言でありますが、これはラジオに免許をする場合、いままでの地元新聞とラジオとの関係、ラジオとテレビが兼営をする場合には、全くマス・コミの独占になるじゃないかという御趣旨だと思いますが、私を含めた電波監理事務当局もこの問題に対しては非常に真剣に、また深刻に排除するように考えておるわけでございます。おりますが、何分にも現在の電波法そのもので、商法上の株式会社に対して制限をする根拠は非常に乏しいというような問題、もう一つは電波法に基いて競願の免許申請書を調査いたしまして、既存ラジオ業者と、新しくこれから計画を作って発足をしようという新会社の設立目論見書を対比して考えますときにも、いろいろな問題が起きて参りますし、それからラジオというものが郵政省で免許を与えて、ラジオの円満な発達を願わなければならないという責任の地位にある郵政省が、ラジオに対してどういうふうな基本的観念をどういうふうに表わすかという問題がいろいろあるわけでございます。そういう問題を総合的に調査をし、また勘案をして、最終的にはラジオ業者がテレビを兼営として、どうしてもやりたいという意思が明確であり、しかもその実態が経済的にいろいろな面からテレビの兼営ができ得るという状態であるならば、ラジオの兼営として免許を与える。ただし言論の独占になってはならないので、排除規定等は相当厳密に免許を与える既存業者に対しては適用し、特に新しくテレビを企画しておられる方々も、広く資本及び経営陣に参加をしていただいて、できるだけ言論独占の弊害を除去したい、こういう考えで諮問書の作成を急いでおるというような状況でございます。

松前重義日本社会党

○松前委員 テレビの免許に際して、あなたのおとりになった態度は非常に矛盾に満ちておると私は思います。テレビだけの免許を与えたところもあるし、ラジオ会社にまず免許を与えることを基本原則としてやっておられます。あるいはまた大都会等においては、テレビだけに免許を与えておられる。その点はまことに一貫した方針ではないことが一つ。第二は、既設のラジオ会社はだれもテレビがほしいのであります。ところがそれがテレビがほしいならば、これに対して優先的に許すということが、初めから決定されておったというならば、これは非常に大きな問題だと私は思う。とにかく国民はすべて電波の恩恵にあずかり、あるいはまた電波によって事業を経営する権利を持っておるはずなんです。これを本質的に認めないという考え方は、私は憲法違反じゃないかと思う。あなたの政治概念の根底を私は非常に疑う。その点を少し明確に御答弁願いたいと思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 テレビを国民の何人もがこれを要求する権利を持っているということは、あえてテレビだけではなく、ラジオにおいても新聞においても同じものだと思います。テレビに対しては非常に及ぼす影響が大きいので、できるだけ独占を排除しなければならないという強い考慮が必要であるということだと思うのであります。だから私がラジオ業者に兼業として免許をするという方針を打ち出すことによりまして、何人もが受けられる権利を何人にも与えないで一定のものに限ろうというのは憲法違反じゃないかという議論には、いささか承服できないのであります。このラジオとテレビというものが、現在ある法律でどういうふうに規定されているかというと、電波法、放送法等一連の法律においては同じく規定しているわけであります。特に郵政省は御承知の通りラジオの免許権者でありまして、ラジオは長いこと努力をして今日のラジオを築いてきているのでありますから、テレビに対してラジオ会社が兼営としてどうしてもやりたいということであり、その具体的条件が備わっている場合には、どうしてもラジオを除外することはできないという考えがより合理的ではないかと考えております。もう一つは大都会等においてはラジオを除いて免許を与えているというお話がありましたが、ラジオを全然除外して免許を与えているということはないと思います。第一の一波に対してはラジオを中心にし、いわゆる既存の事業主体を中心にして免許を行なっておりますし、二波、三波、四波が出ます場合に、新しい企業者に免許を付与する。その免許を前保持者に対してより優先的に考えておりますものは、NHKに対しての免許を考えている、こういうふうになっておりますので、地方、中央を通じて見て矛盾撞着があるということは考えておらないわけであります。  もう一つ、ラジオに免許をどうして与えるかという議論でありますが、これは事務当局が長いこと積み重ねて参りました結論としては、ラジオ会社に免許を与え、他の申請を拒否する。しかもラジオ会社に対しては免許を与え、新聞、ラジオ等いわゆるマス・コミの独占のおそれのあるものに対しては十分排除の規定を作る、それが守られないような場合には、電波法の改正を行なって整備をせしめるべきである、そういう結論が出ましたが、私はただ単にラジオ会社だけに免許を与えて、新しく参加せんとする国民の声を退けることは、行政上妥当な措置ではないということで、新しく予備免許を与える構想を今練っておるわけであります。

松前重義日本社会党

○松前委員 御説明を承わればどうもわかったようなわからぬような結論になりますが、ただ私が言っているのは、ラジオ会社を免許の対象にしたということであります。その他の者は人格として認めない。ただ増資のおすそ分けにあずかるというだけだ、こういうことは、少くとも既存のラジオ会社のみに偏重して、その他の者はただ資本参加をせしめるというだけにすぎない。それならなぜ初めからそういう基本方針を打ち出しておかなかったか。もしも出願者のすべてが、ラジオ会社を含めて新しい会社を設立する、それは同じ名前になってもよいが、人格としては別な会社を組織するという態勢の免許なら、私はあなたの言われることはある程度妥当だと思う。けれどもラジオ会社に免許するということを初めからきめておいて、そうしてそのほかの者はただ資本参加をあなた方しなさいというだけであります。資本金の配分にすぎません。だからその法人格としては、私はそのラジオ会社だけしか認めていないというところに、あなたのおっしゃることは非常に矛盾しておると思うのです。それはまあ議論になりますからあまり言いませんが、私はそう考えております。  それからもう一つ、これはチャンネル・プランの基本問題にも入りますが、あなたがチャンネル・プランを変更されたのに札幌があります。札幌の聴視者の世帯数は四十二万であります。従ってこれを局の数で割りますと、一局当りちょうど二十一万の世帯数が聴視者になります。大体そういうところでありまして、札幌は二十一万、仙台は一局の許可でありましてこれは二十七万であります。京阪神においては四局だそうでありますが、これは三百万の世帯数ですから七十五万、だいぶ数は違う。関門地区においては二局であって五十三万ですから二十六万五千、大体二十万前後であります。福岡は七十三万の世帯数ですから二局で三十六万、この辺は大体数が合っておりますが、熊本地域では一局であって六十九万の世帯数がある。六十九万と二十一万、札幌の場合はまるで三倍でありますね。これはどういう基準で一体札幌のワン・チャンネルを政治的にふやされた、政策の変更だとおっしゃるけれども、そう言えば何もかも、理由もくそもあったものじゃありませんが、とにかくこういうアンバランスをどうしてわざわざお作りになっていらっしゃるか、これを伺いたいと思います。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 北海道に対しては全然別な観念でものが考えられているのじゃないかということが言われると思います。北海道に対して、太政官時代から北海道において行われる国費の問題に対して、全額国が負担しなければならない。地元負担を要求しておりません。これは北海道の持つ開拓使当時からの思想がそうなっておるのだ、こういう人もあるでありましょうが、私はそうじゃないと思うのであります。日本が人口過剰であり、北海道のような人口まばらなところに対して、一つ大いに人口を移動させなければならない。こういう基本原則が明治の初年から九十年の長きにわたって続けられておるものと解釈しております。特に岸内閣においては北海道開発に対しては膨大な政府資金をつぎ込んで、北海道開発の計画を今進めておるわけであります。そういう意味で文化のものさしを早く入れることによって、非常に早く開発する。鉄道が敷かれると山の中でも町ができるというような考えからいたしましても、北海道に対して三年後、五年後に与える波であったならば、当然現在与えた方がより合理的だということで一波をふやしたわけであります。特にこれは全然別なところにあったものを持ってきたのではなく、当初からチャンネル・プラン決定に対して予想せられておったものを表に出しただけでありますので、この問題に対して、私は基本的に食い違いを認めてはおらないわけであります。ただ、今熊本は六十何万と言われましたのは、これは私もしろうとでありますから、そういうものに対してはうといわけでありまして、研究の余地が十分あると思いますが、いずれにしても熊本等に対しては、前にきめられたチャンネル・プランの状況でずっと現在まで進めておりますので、そういう六十万、七十万という対象で一局しか免許せられておらない、しかも十一チャンネルにおいてはそうであるかもしれませんが、将来十二チャンネルになり十三チャンネルになるという場合には、そういう六十万を対象にせられておるようなところが、非常に高い順位で一波ふやされるというような段階において解決すべき問題じゃないかというふうに考えておるわけであります。ただ現在の十一チャンネルのうちでも、熊本はもう一波出せるという技術的な問題があるならば、これはまた別な角度から考えるべき問題だと思います。

松前重義日本社会党

○松前委員 私は別に熊本に一波ふやしなさいということを言っておるのじゃありません。そんなけちなことを言っておるのじゃありません。ただアンバランスをどういうわけでお作りになったかということを申し上げておる。北海道は、非常に岸内閣は力をお入れになって、ほかの方はお入れにならないのかなるのか存じませんけれども、とにかく重点的に力を入れることはいいでしょう。いいでしょうが、あまりないがしろにするということは、必ずしも政治の公平を保つゆえんではないと私は思うので、そこであなたに質問をしておるわけです。何も熊本だけに一波をふやしてくれ、そんなことを言っておるのじゃありません。あなたのおやりになったことが果して公平な配分であるかどうかということを、あなた自身がいかにお考えになるかということを私は言っておる。これ以上言いません。  最後に私は一言最近のこの逓信委員会の動向に対して、私の非常に直感であるかもしれませんが感じたことを言わしてもらいたいと思うのですが、最近の逓信委員会の動向を見ていますと、かつて逓信委員会は、大体において超党派で非常に円満にやってきた。大臣の言辞にしましても、そう敵対的な、何と申しますか、がむしゃらな主張というようなものが通されるようなことは非常に少かった。それはおとなし過ぎた大臣であってぐうたらだ、そういう解釈なら別問題でありますが、とにかく超党派をもって、われわれは野党の立場におきましても、政党政派にあまりこだわらないでやってきたつもりであります。ところが近ごろの田中さんになってからの動向は、どうも何だか敵本主義的なような感じがする。敵本主義であるとは私は断定はできませんが、どうもそういう気持でもってものを言っておられるような感じがする。郵政事業のような党派を超越しなくちゃならないものを、わざわざこれを二分してそうして何か混乱をその中に引き起していくような、またそういうようにならざるを得ないような仕向け方をしておられるような感じがする。ただいま森本委員に対するあなたの御答弁にしても、私ならもっと怒ったでしょう。森本さんはまだおとなしいからあまりお怒りにならなかったのでしょうけれども、私はとにかくその点において、もう少し逓信委員会というものの運営に対して、やはり円滑な国政のまじめな論議の中に行なってもらう、しかも謙虚な論議の中に行いたい、私はこういうふうな念願を持っておるのであります。私が非常におそれるのは、第一次世界大戦の後におけるイタリアの状態であります。イタリアはいわゆる保守党と当時の社会党との間に非常な確執がめちゃくちゃに起って、保守党が政権の担当において失敗をしたときに、社会党が多数をもって押し切られてそのあとを受け継ぐことができなかった。そこに保守党の弾圧の力と、それに対する抵抗とによって社会的混乱を招いて、大戦後におけるイタリアはほとんど麻痺状態になってしまった。そこにムソリーニが出たのです。そうしてファッショが出て、国民はそのファッショを信頼した。こういうことになったので、私はどうもそういう歴史を日本は今たどりつつあるような感じがして仕方がない。それは石田労働大臣のやっておられることについての批判、あるいは岸内閣の批判ということは私はここであまりしたくない。けれどもせめても全逓という労働組合も、今日まで少くとも私はある程度良心的にやってきたのではないかと思っております。それは当然組合を作ってみずからの権利を主張することは認められたところでありますから、その線に従って行動しておる。でありまして、それをあまりめちゃくちゃに圧迫して、敵本主義的な態度をとるということ、そうしてこれが混乱の道へ導いていくということは、やはり為政の指導者としての立場ではない。それは局部的な政治屋としての立場ならそれでよろしいと思います。党内においてもそれなら評判がよくなるかもしれません。けれども、私はほんとうに国を憂うる人にとってはそうじゃないと思う。そういう意味においてどうも最近の逓信委員会の動向が、何だかおれが一つ何かひっぱたいてやる、あいつらをひっぱたいてやる——それはあなたはお若いから非常にお元気があってけっこうだと思いますけれども、しかしそういうふうな感じがそれとなくするようなことは、どうも私は、今後の逓信委員会の動向がやはり党派的な立場に立って論議をせざるを得ない、こういうような感じがして仕方がないのであります。これは党派が違っても私は同じ考えをお持ちになっておられる方がおいでになると思います。この点について私は少くともきょういろいろ論議を承わって、大臣の反省を実は促したいと思うのです。あなた御自身はそういうつもりでなくても、そういうふうな感じがする。これは決して私のひが目ではないような感じがするのであります。この点に対して御答弁は要りませんけれども、私の感じを申し上げておきます。

田中角榮自由民主党郵政大臣

○田中国務大臣 松前さんから非常に有益な御発言がありましたが、私も郵政大臣として就任をしましてから今日まで、郵政事業というものの持つ特殊性、特に組合と円満な状態において事業を運営していかなければ、国民の奉仕者になれないという考えでありまして特にお互いができるだけ話し合いでいこうという態度をとっており、特に私は就任の当初から、私の就任中には一人の犠牲者も出したくないのだということをるる述べております。その意味においては私自身が組合との間に円満に事を運んで参ろうという思想に立っておりますので、もちろん衆参両院の逓信委員会も、今まで通り超党派的に一つ御運営願えるようにお願いをいたしたい、こう思うわけであります。私自身もどうも自分ではそう思っておらないのでありますが、先入観的に若いから気負い立っておるのじゃないかというふうに見られやすいと思います。特にきのうも参議院の逓信委員会で、郵政弾道弾というやつを見たか、あんたはどう考えておるか知らぬけど、あれを書く人はあんたを弾道弾のような人だと思っておるのだから、やはり思われないようにすることがいいのじゃないかと言われたのでありますが、それはその通りであります。私も確かに自分の真意にあらざることが人にそういうふうに映って、円満にいくべきものまでが円満にいかないということに対しては、大いに自戒をしなければならない、こう考えておるわけであります。  ただ私が申し上げたいのは、国民の奉仕者としてもう戦後十二年もたっておりますから、円満裏にお互いが正すべきは正して、違法性があったり、国民の指弾を受けたりするようなことのないように、お互いが自戒自粛していこうという考えを基底にいたしておりますので、私が全逓に手紙を出したり、また十月闘争をやると違法だなどと新聞に報道せられることだけをもってどうも少しお先走っているのではないか、何か保守党だけが喜ぶような政策だけを掲げているのじゃないかというふうに言っておられるようでありますし、またとられておるようでありますが、そういう気持は全然ないことを一つ明確に御記憶を願いたいと思います。私自身も事業経験がありますから、お互いが権力を持って、また自分の言うことだけを主張して、それを通すことにおいて事業が円満に運営せられるべきものではなく、またせられるものだとも考えておらないのであります。いずれにしても労使双方がほんとうにお互い渾然一体となって、郵政事業の実を上げて参りたいという考えでありますので、松前さんのただいまの御発言も私も十分戒心のもとといたすつもりでありますから、在来の当委員会の運営より以上に私も注意をいたしますので、御先入観をお持ちにならないで、円満に御審議を賜わらんことをお願い申し上げるわけであります。

松井政吉日本社会党

○松井委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。    午後一時三十八分散会

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