逓信委員会 第33号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/09/16
会議録
○松井委員長 これより逓信委員会を開会いたします。 郵政事業に関する件、郵政監察に関する件、電気通信に関する件、電波監理及び放送に関する件について調査を進めます。 —————————————
○松井委員長 会議に入るに先立ちまして御報告いたします。今回議員として御当選になりました小松信太郎君が本委員に選任せられましたので御紹介をいたします。 〔小松(信)委員起立〕 〔拍手〕 —————————————
○松井委員長 まずお諮りをいたしますが、参考人より意見聴取の件についてお諮りいたします。電波監理及び放送に関する件中、日本放送協会の事業運営等について参考人より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。 なお、参考人は日本放送協会会長永田清君、同副会長小松繁君、同経理局長首藤憲太郎君、同企画局長春日由三君の四名といたしたいと思いますが、この人選について御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。 —————————————
○松井委員長 委員各位より発言の申し出がありますので順次これを許します。上林山榮吉君。
○上林山委員 新大臣が就任されてからまだ一回も発言の機会がございませんので、私は新大臣を非常に信頼しておる立場から二、三の点について質疑を試みたいのであります。 まず第一に郵政省の機構改革の点でありますが、そのうちで一番重要な点は、何といっても電波監理局をどうするかという問題であろうと考えます。この問題についてはすでに他の委員からも発言がございましたが、私もその趣旨において大体同意見であります。他日電波事業というものが国内的に国際的に、あるいは関連事業までこれを拡大して考えるときにおいては、貿易にも非常な密接なる関係を持ってくる事業である、こういう大きな観点に立ってこれを考えますときに、現在の監理局の機構では人的にあるいは組織の上において不十分であるということは、大臣みずからも認めておることであろうと考えます。この前のどなたかの質問に対して大臣は、外局でもよろしい、あるいは内局でもやむを得ない、こういうような発言があったようでございますが、すでに自由民主党の政調の通信部会においては電波省を設置すべきであるという強い意見もございましたが、内閣は機構をあまり拡大しない、あるいは複雑化しない、こういう建前をとっているからということで、現段階におけるやり方としては外局を置いて電波庁のごときものを作ることが一番よかろう、こうゆう意見になりまして、すでに政策審議会において説明が終り、大体了承の方向にあるのではなかろうかというような考えも見られるのでございますが、この前の御答弁にどちらでも場合によってはいいのだ、こういう大臣の発言がありましたので、できるなら率直にこの際明確な表明を願いたい。まずこの一点について私は質問を申し上げます。
○田中国務大臣 電波管理機構の拡充整備が必要だということは、何人もが異論がないところでありますが、ただ現段階におきまして外局として電波庁を設置するかもしくは現行の電波監理機構を内局のまま整備をするかという二つの問題がありますが、将来は当然電波に関しましては一省を設くべきだという考えは御説の通りだと思います。ただ現段階におきまして電波庁というようなものができるかできないかということは、予算の問題もありますし、いろいろな問題もありますので、私の機構整備の考え方からいたしますと、来たる通常国会では内局のまま補正をとることによりまして、機構を整備いたしたいという一応の方針を立てておるわけであります。
○上林山委員 大臣の一応のお考えは従来から承知しております。しかし今私がさらに質問申し上げたように、当委員会において、大臣は一応そう考えるが、場合によっては外局を置いてもいいと思う。たとえば党や当委員会等においてそういうような熱心な意見が出てきた場合には、自分はそれでもいいと思うのだ、こういう発言が記録されておりますが、私はさすがは積極性を持つ大臣が、現段階において謙虚な気持で、できるだけ通りやすい強化策を考えてはおるが、電波庁という外局程度のものならば一歩踏み切ってやろう、こういう熱意のほどがうかがわれたので共鳴をしておったのですが、ただいまの御発言では、やはり最初の方針通り通常国会においてはそういう方針で内局として部局を強化する程度で終りたい、こういうように受け取れて、どちらがほんとうなのかよくわからない。またあなたに最後的にどちらにするかというような言質を得ようとも思わないが、ウエートをどの方向に置くかというぐらいのことは、もう各方面の意見も御聴取になっているだろうし、しかも通信部会等においては反対の意見を持っておるのであるから、むしろあなたの考えをいい方向に強化しようというそうした考えを持って、政策審議会にも答申をしておるという状態にあるので、今最後的な言質は、大臣という立場にあって、いろいろ関係する方面があるから求めようとは思いませんが、もう少しくらいできるだけそういう方向に善処していきたいというくらいのことは言ったって、何も差しつかえないのではないか、こう思うがいかがなものでしょう。
○田中国務大臣 私は先ほども申し上げましたように、電波に関しては非常に重要な問題でありますので、当然単独省として発達すべきものと考えます。ただ私が在来からの考えを率直に申し述べますと、外局としての庁の形式を持つものはたくさんあるようでありますが、これが運営の上から見ますと、必ずしも内局よりも実績を上げておるということも言えない面もあります。外局に対しては、どうも閣議で発言が非常に少いとか、責任が不明確であるとかいうことで、外局を作るならばもう少し別な省に踏み切る。今の防衛庁とかそれから水産庁とか、こういうものも内局かもしくはもう少し機構を整備したものにするかということを、行政管理庁でも考えておるようでございます。党でもそういう議論をしておる段階でありますし、私自身も、この前に貿易庁なるものを作るときも庁にした方がいいのか、省という機構にするのがいいのか、内局として整備をすべきかということに関して、院のうちにおいても議論があったのでありますので、そういう過程にかんがみまして、今電波庁の設置ということを表に打ち出して、必ずしも昭和三十三年度の予算で実現するという見通しもさだかでありません。私といたしましては、郵政省設置法の改正を企図しておりますので、その中で最小限機構を整備いたしたいという考えでございます。ただ院のお考えが電波庁として内局から外局に持っていくことがいいことであり、それが電波省に格上げをする前提として当然であるというお考えになれば、当然それに従うつもりであります。
○上林山委員 この問題についてはこれ以上私はお答えを求めませんが、一言申し上げたいことは、たとえば外局にすることは閣議などにおいて発言の機会が少いとか、あるいは監督その他において不明確な点があるとかいうことは、これは私は当らないと思う。当該大臣がしっかりと担当の責任を果せば十分であるのであって、ただそれとは別に、ただいまお述べになりました一般の機構改革とにらみ合せる点があるのだということになれば、この点はもう少し御研究になってもいいと思うけれども、ただいまの御発言は不明確な点があるようでございますが、私はこれ以上の問題については申し上げません。 次にお尋ねをいたしたいことは、点検闘争の問題について申し上げたいのであります。大臣が就任されてから、点検闘争について一つの明確な線あるいは明確な方針を示されたのに対しては、私は積極的に賛成であります。だが聞くところによりますと、そういう大臣の方針であるにもかかわらず、すでに点検闘争の指令が出ておる、あるいは一部には点検闘争が行われておるとも聞くが、その実情はどういうふうに今なっておるか、これをまず伺って、少しばかり質疑を続けたいのであります。
○田中国務大臣 点検闘争というのは、できるだけ避けたいという考えを私は明確にいたしております。特に点検闘争というやり方は、率直に申し上げますと、部内の下部組織の人々が管理者の非違を部内からあばくという方向に行きやすいのでありますので、秩序と組織を維持したいという平たい考えから申し上げますと、そういうことはできるだけ避くべき行為であります。そういう常識的な意味から、点検闘争なるものをなるべくやってはならない、こういうことを平たく申しておるわけであります。特に全逓の中闘指令として出されましたものは、今行われておるような点検闘争の方向を示唆して、点検闘争をやらしめたものではないようであります。これは労働基準法が完全に適用せられておるかどうかという面だけで、点検闘争を行うということであったようでありますが、労働三法の適用が確実にいっておるということを調査をしたいというものが、だんだん個人的な局長の非違等の追及までに発展をしておるということでありますし、もう一つは点検闘争の次にくる確認交渉というものが、非常におもしろくない行為と認定をいたしておるわけであります。これは一人の局長に対していろいろな非違があばかれて、これを多数の前で確認を行う、こういうことであります。これは私が個人的に考えてみましても、明らかに違法行為であり、特に人民裁判的な色彩が非常に濃厚である、もう一つは二十人か三十人くらいで確認交渉をやっても、つるし上げとは認定しがたいということを全逓の諸君は言うのでありますが、これは一人の人が自分よりも多勢な人の前で非違をあばかれることは、非常につらいことであると思いますし、私の考えでは憲法上から考えても、この行為には重大な疑義があるということを明確に申しておるわけであります。刑事訴追を受ける以外には、個人の秘密は明らかに保障せられておるのでありますが、いわゆる確認交渉の名をもって多数の人の前で個人の非違があばかれるということは、憲法上重大な疑義がある、こういう意味で確認交渉は行ってはならない、こういう通達を出しておるわけであります。中には十人、二十人が穏健に、もちろん確認交渉といえども行うことを指令しておるようでありますが、全国に個々に起るケースを見ますと、非常に多数の人が確認交渉の席に連なっておって、そうして特定な局長の非違をあばいておるということがありますので、私はこういうものは違法行為としてやってはならないという考え方を持っております。全逓の諸君は点検闘争なるものが、法律を順守しておるかどうかという一点にしぼって点検闘争をやっておるのだから、違法ではないという見解をとっております。確認交渉をやるかやらぬかということに対しては、私の通達に対して見解を発表いたしておりません。確認交渉がなぜ今まで行われたかというと、これは局長の非違があばかれて、その問題を監察局等に報告をしても、監察局が現在まで監察権の発動をいたさないので、やむを得ず確認交渉なる形式をとっておるのだという見解しか発表いたしておりませんで、これからもなお確認交渉を続けるのだという意思の発表はございません。これはいずれにしてもよき慣行ではない、点検闘争、特に確認交渉という問題は、法律的にも非常に大きな非違行為であると考えておりますので、厳重に警告を発して、こういうことのないように勧奨をいたしておるのであります。
○上林山委員 点検闘争ないしは点検確認交渉といいますか、点検確認闘争とでもいいましょうか、これに対する大臣の見解は私は大体において賛成であります。ただ今大臣も申された通り、点検闘争を労働三法が行われておるかという点ないしは労働条件の改正というような問題についていろいろと交渉をすることは、これは私はやむを得ないものだと思うけれども、今非違行為があった問題を多数の人の前でお前はこうであったんだろう、こういってこれを確認せしめる、あるいは人の名誉を毀損して、そうしてこれが合法的なりとする考え方は、これはほかに道を与えてないならばいざ知らず、立法国としては、法治国としてはほかにりっぱに道を与えておる。大臣も一言触れられたようであるが、たとえば刑事的な問題であるならば、これは検察庁にその職員は告発し得るのである。あるいは部内的にこれをおさめようとすれば、ちょっとした軽微な問題はこれを話し合いで反省を促し、あるいは重いものはこれは監察官に報告をして、そうして監察官にこれを行わしめる、こういうようなやり方があって、それが行われない場合は、さらにまたやる方法は別に許されているのであって、こういう法律秩序というものを厳に守っていかなければ、私はそれこそ局長などに一部悪いことのある人もおるでしょう。あるいは誤解に基くものもおるでしょうが、いずれにせよ生命を断たなければならぬ、こういうような悲惨事が起ってくる、私は非違があるとないとにかかわらず、こういう重大問題については慎重なる方針をもって進まなければならぬと思いますが、ただいま大臣は筋の通ったお話をしましたが、ただいま出ておる中央の点検闘争の指令は、労働三法の範囲内に限っておるのだという文書をごらんになっておりますかどうか。
○田中国務大臣 組合側から私に対する回答として、点検闘争は労働三法の違法行違を見つける手段でありまして、点検闘争そのものが違法ではないということだけ言って参っておりまして、指令についてその後の事態は見ておりません。
○上林山委員 指令を見ていなければ、一つ御調査の上、大臣の所信を私は筋を立てて貫いていただきたいということを要望をいたしておきますが、これに関連してと申しますか、それとも特定局長制度に関連してと申しますか、少し質疑を試みてみたいのは、特定局長を任命する場合にも、部内者である場合はいざ知らず、あるいは部内者であって、全逓が推薦する者であるか推薦しない者であるかによって、全逓が地方の郵政局あたりに圧力をかけておるやに聞く。圧力のかけ方の内容は、もし部外者を採用するような場合は、この局の配置転換を拓否する、あるいはそういうところに向って点検闘争を強力に集中する、こういうような言い方をしておると聞いております。私は、自分たちの団体の推薦する者でなければこれに対して協力をしないという考え方が、円満な郵政事業の発展、ないしは国民のための郵政事業という観点からいって、果していいものかどうか疑う。またこれについて私は事務当局の報告を願いたいのでありますが、現在昭和三十年、三十一年、三十二年、この三年くらいの間に、大体全逓が推薦する者は何人くらい局長に任命されておるか。あるいは今任命できないでおる者が何人おるか。任命できないでいる者に全逓が関与しておるのが何人になっておるか。これは私は特定局長制度改正の問題の審議会ができておりますが、こういう実情は審議会の方面でもいろいろ御勉強になっておるとは思うけれども、果してこういう問題についてお気がついておられるかどうか非常に疑いますので、この機会にわれわれとして参考に伺っておきたいと考えるのであります。
○田中国務大臣 お答えをいたします。特定郵便局長の任免に対しまして、いろいろな問題があることは御承知の通りであります。私も大臣就任と同時に、特定郵便局制度調査会なるものが閣議によって決定せられ、その発足を前にいたしておりますので、できるだけ特定郵便局長の任免問題が、政治的にまた組合との紛争の種にならないように処置をいたしたいということを、まず第一番目に考えたわけであります。昭和十七年の省令改正によって大臣権限であった特定郵便局長の任免権が、地方郵政局長に移管せられております。地方郵政局長権限で行う特定郵便局長の任免問題の中には三年間というような長い間任免が行われないという例もございます。こういう問題は事務的にもできるだけすみやかに解決をせらるべき問題でありますので、円満に摩擦なくできるだけ早く任免をいたしたい。また任免に対しては一つの大道を明らかに開きたいという方針をとってきておるわけでございます。いずれにしても全逓以外の人を任免する場合に、配置転換に応じないというような問題もあるようでありますが、これがすべてではありません。私は部外で見ているときよりも部内に入ってよく見ますと、特定郵便局長の任免の問題に対しては全逓と省側との間にある程度のルールがしかれているようでありまして、摩擦は考えたほど大きくはないようであります。ただ特定の者に対しては非常に激しく配置転換を拒否しておるという面もございます。この配置転換の問題は、いわゆる特定郵便局長の任免だけにかかわる問題ではなくて、明らかに一つの闘争手段として取り上げられておることでありまして、この問題は、特定郵便局長の任免だけにからみ合せないで、もっとすなおな立合から何とか配置転換の問題は片づけなければならないと考えております。例をあげますと、隣の局は定員のうち三分の一が病気であり、長期欠勤であり、要注意者であるにかかわらず、隣の局は定員をオーバーしておっても、通勤手当の問題とか、一日に電車に乗る時間だけよけい働かなければならないというようないろいろの理由で、配置転換が拒否せられておるという例があります。こういう問題は何とかして片づけなければならないと思いますし、能力的に隣の局に配置転換をすることがより合理的であるという場合もありますので、このような問題は何らか全逓との間にも打開策を講ずるとともに、省としての基本態度をきめ、また定員問題の解決とあわせて、配置転換の問題に対しては明らかなルールを作りたいという構想を持っておるわけであります。なお特定郵便局長の任免は、先ほども申し上げましたように今まで相当長期間解決せられないものもありましたが、そういういろいろな事情によって地方郵政局長の権限だけで解決できないものに対しては、早急に大臣まで書類を上申するようにという通達を出しておりますので、私が就任後は本省の責任で任免を行なっておりますので、今までの状態よりも相当改善せられ、任免も進捗いたしておるような状態であります。
○上林山委員 今の質問の内容についての具体的な数字を参考に承わっておきたいのですが、これは後刻でけっこうですから資料を提供願いたいと思います。 さらに私の申し上げたいことは、なるほど一般の配置転換の問題であれば、これは一つのルールを大臣として行政上おきめになるのがよかろうと思います。しかし特定局長が部外者であるとか、あるいは部内者の中でも全逓が推薦する者ならばということで、部外者の場合は配置転換に応じないというやり方は、私は、秩序がないと思う。また大臣はそれが非常に少いとして楽観をしておられるようでありますので、またそうであれば幸いでありますが、もう少し一皮むいて御検討を願いたい。私は今日はそういうようにお勧めをいたしておく程度にいたしますが、ただ私が大臣に申し上げたいことは、こういうことでいつまでも局長が内命を受けながら正式に発令されないとか、業務が開始されないとか、こういうことになれば——特定局の制度というものがいろいろ論議されておりますけれども、単なる国の財政の都合だけで特定局ができたわけではないのであって、これはその一地方の地方民が郵政事業というものを円滑にしてもらいたいために要望してできたというところも多いわけでありますので、そういう意味から考えますならば、業務の開始を急ぐということは、過去の例から見ても、現段階の実情から見てもそうなければならない。これがもしいわゆる組合闘争に災いされておるとするならば、まことに遺憾しごくである。かりに全国にそれが十件であろうと二十件であろうと、そういう例があるこいうことは、今申し上げるこういう意味ではまことに遺憾しごくである、こういうように私は考えるので、一つ大臣に強く要望しておきたいのであります。 特定局の問題についてまだ二、三お尋ねをしたいのでありますが、時間の関係があるらしいので、最後に一言だけ承わっておきたいのです。さきに大臣からチャンネルの割当や修正に対する基本方針を承わりましたが、私は大体において了承いたします。しかしこの十一のチャンネルを、事務当局やその他の人々が努力をして、国家の重要なる資源であるという立場からいろいろと熱心なる検討を加え、そうしてチャンネル・プランというものができた。これは重要なことであるから、就任早々の大臣の説明を承わりました。それによるといろいろな意味で重要だから急ぐ必要があるのだ、こう言われておりますけれども、私はこの点についてはもう少し慎重にやっても悪くはないのじゃないか。また私は具体的に申し上げたいこともたくさん承知をしております。しかしこれ以上は申し上げないが、少くともそういう意味で慎重にやられていくことが必要ではないかと思います。これに対するお答えは要りません。この前各委員にお答えしておりましたから、大体それと同じだろうと思うから、その意味ならばお答えは要りません。ただここで、私どもは大臣の考えを確認しておきたい点がございます。それは何であるかというと、過去の発展の沿革はいざ知らず、あるいはやむを得ない点もあったかと思いますが、現段階にきて、たとえば新聞、ラジオ、テレビの三者が一体となることは、ことに中央からローカルまでこれが一体となることは言論の統制にならないか、そのおそれがあるのではないか、そこで民放などからの申し出、あるいはその他の方面の有力なる意見で、一歩妥協した程度で、すなわちラジオとテレビの兼営は原則としてやむを得ないだろう、その人的構成やあるいは資本の持ち方等においてあるいはやむを得ないだろう、しかしながら、これを逸脱する場合はよほど慎重なる態度で、特別の例として認めるぐらいの考えで調査をしないと、あとになって非常に災いを残す。たとえば九州のあるラジオ会社でありますが、その内容は、ラジオを増力する場合に、条件として、ローカル線という性質からいって、一流の新聞社等の資本が入らぬように、人的な構成もそういう考えから進めなければならぬ、こう言われておったのでありますけれども、楽屋裏では有力な新聞社が一億円の金の保証をしておる、こういうような考え方、あるいは所によっては、今ある地方で、大臣が予備免許をお考えになっているが、果してその人たちがテレビを経営するだけの能力があるかどうか疑われておる。これにもまた裏で一流新聞社やあるいは大資本が君臨してしまうのではないか、こういうような疑いすら持たれておる。私はこういう考え方は改めてもらわなければならぬと思うのだが、幸いに田中大臣はこの前の当委員会において、年来各方面から要望されておった線に沿って、新聞社等が介入する場合は資本は一〇%にとどめたい、今例外として、外国資本が三〇%持てるようになっておるが、これは修正する、こういうことを言われたので、これは私は一つの見識だと思っている。あなたのおっしゃる資本というのは株のことであるのか、あるいはそれ以外のものも網羅して考えられる資本であるのか、こういう点はよほど慎重にお考えになっておかないと、一方では言論の統制になりがちであり、一方では、許可を受けても内容はほかの勢力にこれを独占される、あるいは主としてほかの勢力がこれを使ってしまうということになれば、一種の利権化と見てよいのです。そういうことはもう少し慎重にやっていくべきではないかという考えを持っておりますが、この点について大臣はどういうようなお考えを持っておるか。もう時間がないからついでに申し上げますが、現在許されておる、たとえば東京とかあるいは大阪方面に許されたテレビ、これなども内輪にいろいろトラブルがある。しかも網羅的にこれを許可したために内輪でいろいろしっくりいかない点があって、許可する場合の条件も、場合によってはもう守らぬでもよいのだ、こういうことが巷間伝えられておる。こういうようなものに対しては、波は国民の貴重な資源であるから、国民の信頼を得るように再検討するくらいの腹がまえを持っておられるかどうか、これはきわめて重要であり複雑な問題であると思いますので、この際あらためて大臣の所信を承わっておきたいのであります。まだたくさんありますが、やりたい方々があとに控えておられて督促しておられますからこの程度で終りたいと思いますが、大臣のお答えは私が再質問をしないで済むようにお願いをいたしたいと思います。
○田中国務大臣 テレビの免許に当って慎重でなければいけないということに対しては、私もたびたび申し上げている通りであります。特にマス・コミの独占という問題に対しては、実際的な問題として慎重に検討を重ねなければならないと同時に、しかるべき法制化の段階もあるということを考えておるわけでございます。独占という問題は、新聞、ラジオ、テレビということが言われております。もちろんこの問題も大きな問題でありますが、外人が独占をしてはならないという問題、それから政党が独占をしてはならないという問題、金融資本が総体的にテレビやラジオを独占してはならない、特に新聞と匹敵して大きく問題になるのに近く映画があります。これはテレビの免許というものに対して、またテレビが普及する度合いについて衝撃を受ける、直接利害関係が非常に明らかになるということが、独占という問題に対して表に浮んでくるのであります。その意味で新聞、外人、政党、金融資本、映画等、独占をしやすいようなものに対して排除の方法をとるということは当然であります。その意味において、免許を与える場合には、新聞、法人、特定の個人たるを問わず、総株数の一割以上を保有してはならないという厳密な附帯条件を付するつもりでございます。なお、現在のもの及びこれから免許を得るものが、よく調べてみたら二カ所にも三カ所にも四カ所にも相当大きな資本を投下しておるという問題もあります。そういう問題に対しては、この基本方針に沿うように資本の排除を行うつもりであります。資本だけではなく、人的な構成においても排除の処置を講ずるつもりであります。新しく免許が行われるものに対しては排除もできるし、厳重な条件もつくが、現在までにすでに免許を与えられておるものに対してはどうかということでありますが、やはりこういうことを顧慮し、電波法及び放送法には、三カ年ごとに免許を更新しなければならないという非常に強い制約規定がありますので、当然三カ年ごとに免許を更新する場合には、附帯条件として同じ条件がつくわけでありますが、三カ年を待たなくとも新しく免許を与えられるテレビ企業に対して強い条件がつくのでありますから、常識的にも現在行われておる免許済みの業者も、その線に沿って排除せらるべき問題だと思いますし、また勧告等も行うという段階が来ると思います。こういうものを将来とも相当はっきり規定をしなければならないということになりますと、放送法及び電波法の改正という問題に逢着するわけでございます。先回の当委員会でも申し述べましたが、現行の電波法に対しましては、外人の取得する株が総数の三分の一をこしてはならないという規定がありますので、当然これも一〇%以下に制限をしなければならないというふうな改正がございますので、こういう改正とあわせて所要な手続をとらなければならないという考えでございます。ただ電波法及び放送法自体が、刑法にも匹敵すべき非常に強い条文がございます。今までは戦後十二年間放送法及び電波法を通読いたしますときに、放送法第三条に規定しておるところの、何人といえども放送の自由を侵すことができないという面だけが非常に大きく表に取り上げられておって、どうも電波法及び放送法に対しては新聞に対して規制が行われない、行なってはならないということと同じように、ラジオ、テレビ等に対しても一切官は規制することができないのだというふうに読まれておったようでありますが、あらためて今日の段階で放送法及び電波法を読んでみると、そうとはとれないのであります。明らかにラジオ及びテレビは新聞とは全然別なものによって運営せられなければならない、しかもラジオやテレビの持つ公共性というものが非常に強く要求せられております。だから免許状記に載した事項が守られなかった場合、法律、命令の定むるところに従わなかった場合は、免許を停止しなければならないと書いてあります。その三カ月の期間を限って免許を停止することができると同時に、もっと強い規定があります。その期間に法律、命令に定むることを行わなかった場合には、放送を停止しなければならない、しかももっと強くしぼっておりますのは、一つの放送局が非違事項があって免許を停止された場合、その放送局を持つ免許業者の他に持つところの放送局の免許も停止することができると書いてあります。こんなに強い罰則規定のあるものは、放送法、電波法以外にはないとさえ思われるくらい、強い規定がありますので、放送法及び電波法は新しい観点から、もう一ぺん読み直さなければいかぬのではないかという考えをしみじみと持っておるわけであります。ただ私がただいま述べましたように、いわゆるマスコミの独占を排除しなければならない将来のテレビの及ぼす国民への影響の重大さを考えるために、官が番組にまで干渉するのじゃないかという国民的な考えに対しては、PR活動を広くやりたい。実際のラジオ、テレビの行政というものをどこに置けばいいのかということは一つよく国民の世論にも耳を傾けて、国民全体の衆知の集まるところによって電波法及び放送法の改正をやりたい、こういうことに落ちつくだろうと思うのであります。いずれにしてもテレビの免許に対しましては、ただいまお話がありましたようなことを十分慎重に考慮をしつつ、万遺憾なき態勢をとって免許を交付させたいという考えでおるわけであります。
○松井委員長 原茂君。
○原(茂)委員 時間の制約がありますので、一つ答弁を簡潔にお願いしたい。今上林山委員の御質問があった中の大臣の御答弁で、二、三先にお伺いしたいと思うのですが、あとNHKの予算に関して質問をしたいと思いますから、そのように承知を願いたい。 最初に大臣にお伺いしておきたいのは、本来点検闘争の問題に関してはまた日を改めて徹底的に論議しなければいけない問題でしょう。おそらくそういう時期が来ると思いますから、そのときでいいと思うのですが、今の答弁の中で三つくらいちょっとお伺いしておきたいのは、第一には点検闘争はなるべくやってはならない、こういうことを二、三回あなたは発言していますけれども、なるべくという言葉がついたやってはならないというのは、これは解釈のしょうによっては、やることができる、こういうふうにも解釈できる。よし原則としてはやらない方針でいるのだが、もし必要があるならば、何かの事情があるならばやってもやむを得ないというふうにも解釈できる。そういう解釈のもとに点検闘争に対する答弁が行われた、こう解してよろしいですか。端的にお答え願いたい。
○田中国務大臣 端的に申し上げれば、点検闘争はやらないようにしていただきたいのです。
○原(茂)委員 非常に簡明でとにかくよろしい。それに対しては、私どもは断然やるべきだと考えていますから、大いにやって、これからはあなた方の仕事の援助をしてあげる。あなた方の目がとても届かない、そういうところをむしろあなた方にかわって、一つ正しい合理化された、しかも労働三法を順奉した行政の行われるように、全逓が援助するという解釈を私どもとるので、当然これはやらなければならない、あなたは感謝すべきだ、私はこう考えておる。これは端的に申し上げる。いずれこの問題に関しては徹底的に論議する時期が来るだろうと思いますから、今の答弁でよろしゅうございます。 第二点にお伺いしたいのは、確認交渉というのは個人の非違をあばくものであって、大ぜいの前でこれをあばくとうことはおもしろくない。憲法上にも疑義がある、こういうことを先ほど盛んに答弁されたわけです。そこで私ども特に気にかけたのは、憲法上疑義がある、こう大臣が答弁されたのを気にかけたのです。少くともあなたの所属している自民党の今日までやってきた憲法に対する態度、こういうものはたくさん例がありますが、とにかく憲法第九条を中心にしまして、今の自衛隊に対しても違憲であるという私どもの主張と、あなた方の主張が今相いれていない。分れたままでとにかく軍隊をでっち上げてしまったわけです。ところがこれに対しては日本の国論からいっても大きく二つに分れて、賛否両論が現にある。あるにもかかわらず自民党のあなた方は、当然差しつかえはないのだ、憲法に抵触しないのだと一方的に割り切って、とにかく自衛隊というものを今日作ってきている。まだたくさん例がございます。違憲であろうと私どもが主張するものがたくさんある。ところがその一つの例をとっても、そういうことをやっておきながら、しかもこういった問題に対しては憲法上の疑義があるというようなことを中心にして、確認交渉に対しては断固これをやってはいけないと指示を出した。かようなことは何かまたぞろ憲法を勝手に自分に都合よく解釈してやっていく傾向がここに出てきている、自民党一流の考え方、傾向、こういうものがここに出てきているのだと私どもには考えられるので、この点は非常に気になるわけです。ですからこの点に関しても大臣の簡潔な答弁をほしいのです。そこで参考に申し上げておきたいのは、たとえば学校の学生あるいは会社における社員の大ぜいが、いろいろの事業を一応計画を立てる、それが実行に移される。そのあとで反省会、検討会あるいはその他の名前をくっつけて、そこで忌憚のない意見の交換をやって、個人々々のやっているやり方に悪さがあるならば、お前こういうことをしたから悪いのだ、お前こういうことを反省しなければうまくいかないぞということを、今日は平気でやっておる。そのやることが一つの事業のやり方、問題というものを掘り下げることになるし、進歩させることになるのだということが、今日もう日本全体の行き方だと思う。こういうようなときに確認交渉、点検闘争ということが、憲法上疑義があっていけないのだというようにするのは、少しくあまりにも狭く狭義に、御都合よく解釈し過ぎた考え方で答弁がなされたのではないかこう思う。特に確認交渉のごときは、いろいろ交渉を行なった、その結果を確認しようというのは当りまえなんです。交渉はしっぱなしで、両方とも確認しないでさよならと別れたら何が残るか。当然今日では交渉したならば、その交渉をあとで確認し合うということが正しい。この確認交渉がいけない、特に憲法上疑義があるなどということは、どうしても従来の自民党の傾向をまた顕著に現わしているものだ、こう私は解釈する。これに対して御答弁を願いたい。
○田中国務大臣 確認交渉は禁止しております。私の方で確認交渉をしてはならないという通達を出しております。この確認交渉が憲法上疑義があるという問題が、憲法九条の問題と一緒にされるとしますと、与党は自衛隊を作っておるので、われわれも良識的には確認交渉はおもしろくないと思うが、自民党がやるならばわれわれもそういう解釈をとるという、五十歩百歩の議論になってこういうものは正さなければならぬと思うのです。私は憲法九条の議論と確認交渉をやってはならないという議論とは、全然別に考えております。少くとも郵政事業を円満にやっていくために、大臣としては排除しなければならないものは当然排除しなければならないわけであります。そういう意味で確認交渉というものはよろしくないという考えで、やってはならないという通達を出しておるにすぎないのであります。 なお、確認交渉が進歩の一つの手段だということが言われましたが、私は必ずしもそう思わないのであります。これはやはりこういうことを続けていると、秩序も組織もみな乱されてしまうということと、明らかに威力業務妨害だ、こういうふうに私は認定をしておるわけであります。これはいやがらせであり、特に自殺が起きておるということを考えますと、こういう厳然たる事実に徴しましても、私はやはり行き過ぎというものは是正しなければいかぬ、だから憲法違反だとか法律違反だとか四角ばってものを言わなくても、長い郵政事業という伝統的な組織の中に、秩序を守ってきておるお互いの立場から考えれば、行き過ぎは是正しなければいけないし、この行為が行き過ぎであると思うならば、お互いがこの行為を正し合うという気持で私は言っておるので、憲法九条の議論と同じような議論を確認交渉においてなそうというのではありません。私の考え方はたった一点であります。郵政事業を円満に秩序を保ち、組織の中で円満な運営をはかるために、確認交渉のごときものはやってはならない、こう言っておるのであります。
○原(茂)委員 そこで今大臣の言っていることは、私の質問しているのをよくすなおにお聞きになっていないものだから、憲法九条とひっからめて何か私が言っておるようにお考えになっておるが、そうじゃない。この確認交渉というものが憲法上疑義がある、これは大臣が先に言ったわけです。記録を見るとわかりますが、三回ぐらい発言をしておる。従ってそういう憲法上の疑義ということを品にするような大臣、自民党の皆さんは、例をとるならば憲法九条の問題もあるじゃないか、こう言っておるわけですから、あえて今の全逓にしてもわれわれにしても、とにかく自民党が憲法違反をやっておるからおれたちもやるのだ、そんなばかな考えは一つも持っていない。どこまでも憲法は正しく守り、運営すべきだと私どもは解釈しておる。自民党のように憲法を曲げているから、われわれもその憲法を曲げて解釈しよう、お互いにやったのだからわれわれもやろうというような、そんなちゃちな考えは持ちませんから、この点は誤解のないように……。 なお参考までにいま一点申し上げるならば、先ほどテレビのチャンネルの割当に関して、大臣は何か資本構成の問題に触れながら、その答弁のあとで人的構成に対しても断固排除する、こういうことをおっしゃった。人的構成に対して排除する、なるほど言葉は勇しくりっぱだが、憲法上の条章に当てはめていうならば、これこそ憲法上疑義がある。一体どこに限界を置いて人的な排除をするか知らないが——私はそれは確かに必要と思います。テレビの今度の割当には、資本的あるいは人的に排除しなければいけないことがあるだろう、必要だろうと思いますけれども、大臣が人的に排除を行う、こういったことを言うと、どこを限界にして人的排除をするか、掘り下げていけばこれだって憲法上疑義がある ないとはわれわれは言わない。あなたが言う点検闘争、それから確認交渉における憲法上の疑義があるということを中心にした考え方には、どうしても私は納得がいかない、こういうことを申し上げているわけです。しかしいずれにしてもこの問題に関しては、別途時間をかけてやらなければいかぬ時期がきまずから、この問題は簡潔なその御答弁でけっこうだと思います。 次に、この問題の最後の問題としてお聞きしたいのですが、部外者の特定局長を任命したときには——これは上林山委員が言ったのですが、特に点検闘争を強化する、こういうようなことを組合の側が言っているやに聞いているが、こう質問したのです。大臣はこれに対して何か的確な答弁をなさらなかった、幸いにもしなかった。しかしながらもしその事実があるとしても、私の解釈は今までの、部外者でなくて部内者その人が局長になった場合よりは、部外者が来て局長になったときの方が、先ほど申し上げた趣旨で、全逓組合があなた方の仕事の協力をする意味で、この局長に対しては特に労働三法を順奉しているか、できるか、その能力があるかどうかをきわめて熱心に、回数も数回ふやしてこれを行う、こういうことは妥当だと解釈していますから、これは上林山委員の質問に対して大臣が言ったわけではないですが、私どもの聞き捨てにならない問題三点だけ申し上げているわけです。 そこで本論に入りたいのですが、きようはNHKの予算、特に建設計画を中心にした費用、こういうものをどんなふうに考えておられるのかを一応お聞きしたいと思うのです。時間は最初から三十分ときょうは約束しましたが、上林山委員は自分でこれを発案しながらみずから五十分ばかりやっておいて、あとにまだたくさんやりたい者がいるからやめると言わんばかりで、これは非常に不見識な態度だと思う。時間を守っていきたいと思うので、答弁をなさる方も一つその趣旨に沿って簡潔にやっていただきたい、こう思います。 まず第一にお伺いしたいのは、毎年毎年年度が変ろうとするときに予算が組まれますが、その予算を組もうとする前の作業があると思うのです。その作業をいつから始めるのか知りませんが、ようやく予算編成時期が来ていますから、NHKにしてもすでにある種の骨格、構想ができていると思うので、来年度の予算に対する今持っている基本構想といいますか、骨格というものを御説明願いたい。 その前に、大臣はすでにそういったものを見せられているのではないかと思うの表すが、示されているかどうか、それをお伺いしたいのと、もう一点、協会の予算がきまって実施に移ると、その予算の執行に関しては協会自体が全責任を負うのは当然です。しかし国会で承認を与えた協会の事業全体が、正しくその計画通りに運営されているかどうか、もし運営上の支障があるとするならば、これに助力、協力を与えて、その運行が進捗できるようにするのが大臣の務めだと思うのですが、こういう意味で——三十二年度の予算が今推進されていますが、推進途上何らの問題がないか、あって大臣として何か協力をしなければいけない問題というものがあるかどうか、この二点を大臣から先にお伺いしたい。
○田中国務大臣 日本放送協会の運営の状況及び予算に対しましては、重大な関心を持っております。三十二年度の予算執行の過程におきましても、このような状態では円満に日本放送協会の持つ事業が運営せられるかどうかという問題に対して、多大の危惧を持っておるわけであります。 三十三年度の予算につきましては、ただいままでには報告を受けておりませんが、きょう私はこちらへ来る前に、NHKに対して三十三年度予算の大綱の説明を早急に行なってほしいという申し入れを行なって参りました。二、三日のうちにはその草稿に対して説明を求め、省側の意見も伝えるつもりであります。私の考えでは、三十三年度の予算はもちろんこれは御審議をわずらわすものでありますが、教育放送の問題とかテレビ塔の問題とか、どうもNHK自身は今までの予算の編成方針を変えて、新しい観点に立った日本放送協会予算を立てなければならないのではないか、そういう段階に立ち至っておるのではないかというふうに省側としては考えておるわけであります。新しい国際放送の問題をどうするか、それから新しい技術の研究を一体どうするのか、それから民放とNHKとの関係をどうするのかというような、非常に新しい問題がたくさん出ておりますので、こういう基本構想をまずまとめまして、これに合う昭和三十三年度の予算大綱をまとめてもらおうという考えでございます。できれば、日本放送協会五カ年計画とか十カ年計画というような計画性のある方針を立てられて、昭和三十三年度の予算はその第一年次の予算であるというふうに、一つはっきりした目標のもとに予算が編成せられることを望んでおるわけでございます。
○原(茂)委員 NHKの答弁を聞く前に、ちょっと大臣に念を押しておきたいのですが、そうすると大臣はけさ協会に対して三十三年度の予算の骨格を示せという要求をしたのですが、それをするときに今の技術研究をどうするのか、あるいは国際放送をどうするのか、あるいは教育放送の問題、テレビ塔の問題もあるが、こういったのも含めてもう新しい段階にきていると思うから、五カ年ないし三カ年でも十カ年でもいいから計画を作って、その第一年度の分として三十三年度の予算の骨格をお出しなさい、こういうことにしたわけですか。
○田中国務大臣 放送協会側に対しては私の考えをまだ伝えておりませんが、当然今予算編成期でありますので、NHKが持っておるところの三十三年度の予算の大綱を一つ提示願いたい、それでいろいろな説明を聞くとともに、省側の意向もそこで伝えますので、新しい観点で三十三年度の予算を組みたい、こういう熱意を持っていることを表明したわけであります。
○原(茂)委員 そうすると、そういう条件的な指示はしないけれども、きょうは協会の責任者も来ておるわけですから、今の答弁を聞いたわけですね。そうすると、テレビ塔に対する考え方、あるいは教育放送に関する考え方、その他大臣の言われたものを構想に盛り込んで、新しい考え方で来年度の予算の骨格を出してくるということは差しつかえないということになりますね。
○田中国務大臣 私が今ここで申し述べましたから、放送協会当局がそういうふうに間に合うかわかりませんが、二、三日中に合議するということになりますが、今までの案をきっとお出しになるわけでしょう。そうすると、そこで私たちの意向もまた申し上げますし、これは省と放送協会だけできまる問題でもありませんので、広く皆さんの御意見も聞きつつ、日本放送協会はどうあるべきだという目標を立てて、予算を編成する方がより合理的である、こういう考え方であります。
○原(茂)委員 そこでもう一点聞きたいのは、そうしますと、テレビ塔の問題ですが、これはどういう構想でどういうふうにやるかということを今暗中模索中なんですね。正直に言うと、まだきまってない。大臣がこれを発言された以上は、テレビ塔にNHKが参加すべきであるという考え方、こう理解してよろしいのですか。
○田中国務大臣 今表に出ておりますテレビ塔とは別個の考えであります。私の申し上げましたのは、これから大阪等も何局かできますが、こういう問題は一体どうするのだ。もう一つは、NHK及び民放で各府県に一カ所ずつやるところがあります。こういうところを一体どうしなければならぬか。放送法に準拠してやっておるNHKが民放に乗るということは、ある意味において不見識であるかもわかりませんし、将来には相当問題があるわけでありますから、こういう問題等も含めてNHKはどうあるべきだ、少くとも民放が波を出すまではNHKの将来の計画、国家的に放送協会がどうあるべきかという基本線は、新しい角度から考えらるべきだということを申し上げたのであります。御承知の通り今の放送法は、ラジオを対象にしての放送法でありまして、民放のテレビが五十社もできるなどということは予想しておらない日本放送協会法でありますので、こういう問題をお互いにオープンに討議して、将来の見通しをつけて、できれば三十三年度の予算が計画の第一年度になることが理想的だという考え方を、今日の段階において申し上げただけであります。
○永田参考人 協会が当面しております具体的な事柄について簡明にお答えいたします。 協会といたしましては、まず老朽設備の改善、機器の整備をはかって、十分その使命を果していきたいと思っております。ただこういう機械設備につきましては、計画的に設備改善をはかって参りますので、五カ年計画に織り込んだ措置を講じて参りたいと思っております。次に放送出演費、作品委嘱費等につきまして、御承知のようにNHKは薄謝協会の汚名をいまだにかぶっておりますので、これを合理化しなければ、編成に差しつかえるような段階に至っておりますので、その改善を盛り込みたいと思います。その次に、協会の職員の待遇問題でありますが、これも他に比較して低位にありますので、特に重要な責任を持っておる立場として合理的な給与体系を確立しないと、実質上責任を果すのに支障を来たすような段階に立ち至っておりますので、これも予算に織り込みたいと思っております。次に積極的な面、といってもこれは当然やるべきことでございますが、FM放送とか、カラー・テレビの実験放送研究機関も、現在各国の放送研究が急速に進展しておりますので、これに応ずるだけのことをいたしませんと、国の経済、貿易にも関係いたしますので、その充実をはかりたいと思っております。重ねて、国際放送についても国会でしばしば附帯要望がついておる通りでございますので、その充実をはかって世界の進展におくれないようにいたしたいと思います。 おもな各項目は以上のごとくでありますが、これらにつきまして詳細に計画を作って、順次にそれを固めつつあるところでありますから、現在の段階につきまして所管者からこの問題についてはお答えいたします。
○首藤参考人 先ほど郵政大臣からお話がござました点で、ただいままだ郵政省当局に対しまして具体的な計画は持って上っておりませんが、今その基礎的な資料を積み上げておるところであります。大体予算の組み立てにつきましては、第一に来年度の収入を一応算定いたしますことはもちろんでありますが、ただいままだ九月でございまして、来年度四月以降に受信者がどのように獲得していけるかというような算定につきましては、ラジオ並びにテレビにつきまして、それぞれの事情もございまして、特にテレビにつきましては、今後の経済情勢、また受信機の生産状況、またテレビ置局の広がり方に即応して、受信者がどのようにふえるかというような算定も必要になって参りますので、それらを今精密に研究しておる段階でございます。 それから一方支出につきましては、ただいま会長が申し上げましたが、この際積極的に取り上げるべき面のほかに、その前の段階といたしまして、たとえば昨年度新たに設置いたしました局に対しまして、当然本年度これが定期化するというふうな面もございまするし、これらをまず第一に算定いたしまして、これと収支とのバランスを考え、そこにただいま会長が御説明いたしましたような積極策を具体的に入れていくというふうな順序でやっていくつもりでございます。ただいまそれらを精密に研究しておる段階でございます。
○田中国務大臣 この際ちょっと私の考えを明らかにいたしておきたいのでありますが、放送法第三十七条によりますと「事業計画及び資金計画を作成し、郵政大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」同三十七条後段には内閣に送付をする場合、郵政大臣の意見をつけることができると書いてありますが、その前の第三十四条、すなわち「郵政大臣は、放送の進歩発展を図るため必要と認めるときは、協会に対し、第九条第一項第四号の範囲内で事項を定めてその研究を命ずることができる。」こういう条文があるわけであります。この第九条一項においては、全国的及び地方放送を行うため云々というものを相当たくさん例をつけてあります。なおこの第三号に「放送番組を編集すること。」これはラジオとしての全国的な基準とかいろいろなものでありますが、テレビが出てきた場合これをどう解釈するのかという問題が、相当問題のあるところであります。NHKと民放との間をどうするかということも、問題点としては当然起ってくる問題であります。この放送法と電波法を見ましたときには、この放送法が作られた当時の状況と今とは相当事情が変っておりますので、民放のテレビがこれだけ普及発達し、将来非常に速度を速めて発展する状況を考えますと、電波法、放送法がうらはらの法律であって別に日本放送協会法があるべきじゃないかというふうにも考えられるわけでありますが、これは国会の意思によっていろいろ発展して参るでありましょう。私はただ現行法の三十四条の規定を発動いたしまして、こういう時期でありますし、特に民放に対して免許を与える寸前でありますので、特に慎重を期するために、昭和三十三年度からNHKのあり方というものを研究すると同時に、この第九条の各項目に関して研究をして参り、できれば三十三年度の予算にそれを組み込めたいという所管大臣としての意図があることを明らかにいたしておきます。
○原(茂)委員 大臣の御意向に私ども賛成ですし、これはぜひそういうふうに進めていただけばいいのですが、今の協会の御答弁をお伺いしまして少し不安になるわけですが、現在までにテレビの置局計画というものがすでにはっきりきまっているわけです。この置局計画は持っていながら、これに対して、どことどこを何年度にやる、最終置局は何年度に終るのだ、せめてこれくらいの骨格は協会側にあって、予算の割当も確保しておるはずだ。もしそれがないとすると、今のテレビの割当に関しては、言論の独占ということを私どもは非常にやかましく言っておるのですが、協会は協会の特権に隠れて、当然おれたちは波をもらうべきだというわけで、ただ波だけは確保する、これはある種の独占だと思う。非常に悪い傾向だと思う。もしそれくらいの具体的な計画がないようだったら、これは大臣としても言論の独占という範疇について、相当厳重な考慮を今後しなければならないのじゃないか、このぐらいに私は思うのです。特に私は最初の質問のときに、建設計画というものに重点を置いて説明を願いたい、こう申し上げたわけです。そのことは今言ったことを意味するわけです。多分何かあるのではないかと思いますが、特に具体的にテレビに集中をして、三十数局が決定になると思いますが、この局を一体いつから始めて、どの程度の予算でいつまでに完成するつもりなのか、このくらいのことは、一つぜひ御答弁願いたいと思います。
○小松参考人 テレビの置局計画に関しましては、昭和三十二年度の予算を当委員会で御審議願いました際に、参考資料といたしまして、昭和三十七年度までの置局すべき局の数を資料として御提出してございます。ただいまの協会側の意向といたしましては、その計画は変えるつもりはございません。その通り実行したいというふうに考えておるわけでございます。ただいま御質問のございましたその局名に関しましては、昭和三十三年度の分までは局名はその資料に書いてございます。と申しますのは、それから先の問題につきましては、御承知の通り先般ようやくチャンネル・プランがきまりまして、その際に初めてチャンネルを与えるべき場所が決定いたしておりますので、それを前提といたしまして、三十七年度までの局を設置すべき場所はただいまいずれから先にやるべきか、研究しておる段階でございます。
○原(茂)委員 三十三年度の置局計画というものはそのままやっていくつもりだ、ですからこれから大臣のところに出そうとする基本的な骨格も、前国会に私どもがいただいたその資料と変らないのだという御答弁だったわけですね。そうしますと、ここで問題になるのは、三十七年度にあれだけの置局が完成するのだ、こういうことを昨年協会はおきめになった、昨年きめた三十七年度にやろうという考え方を今も変えない。ところがこれから割当になる民放は一体どの程度に進捗していくかというと、これは民放の一社が全国五十数社をやるのではない、割り当てられた一社ずつが全国的な背景によってやるのですから、おそくとも三十五年度にはできてしまう、これはだれが考えてもわかる。おそらく三十五年度にはできるでしょう。大臣が今強い決意でやられておる割当が、少くとも十月には行われるだろうと私どもは信ずる。今年の十月にこの割当が行われた暁には、おそくとも三十五年度には民放の場合完成するのではないかと思う。公共放送であるNHKがそれからまる二年もおくれてからやる。依然として今日その計画を変えようという考えがない、変えないままでいくのだ。しかも予算に関してもそのままでいくのなら、三十三年度から三十七年度の間にやるのだという第一年度である来年度の予算というものが出てくるに違いないと思います。これを大臣が承認を与えて国会に提出されれば、おそらくこの第一年度をきっかけにして、あと二年度、三年度には急速に予算をふやしていくということは困難だ、今日のラジオの状況からいうなら困難だ。とすると決定的に言えることは、三十七年度でなければある場所はできないということは、とりもなおさず民放よりもおそらくまる二年もおくれるのだということになる、これでよろしいかどうか、大臣の考えもあわせてお聞きしたい。
○田中国務大臣 私はNHKは放送法に規定しております通り、民放に先行していかなければならないと解釈をいたしております。特にそれよりもなお民間で行わない場合の非常にペイ・ラインに乗らない山間僻地にも、全国あまねく放送しなければならないと書いてありますので、そう解釈するのが正しいと信じております。そういうことを含めまして、今までは協会側から出してくるものを大臣が筆を入れたり意見を付するということを広義解釈をして、いろいろなことを言うことは越権だというふうにとられておったと思いますが、私は先ほどもあらためて意見を明らかにいたしました。三十四条の発動は、こういうことを含んでおると思います。だから私も今度は新しい立場で民放に対して免許を与えるのでありますから、これと放送法上の日本放送協会の計画をどうマッチさせるかということは、免許当事者としては当然関係がある問題でありますので、こういう事項も含めてできるだけ早い期間に予算の問題を合議をいたしまして、三十三年度の予算が五カ年計画ないし三カ年計画の第一年度計画であってほしいということを希望しておるわけでございます。ただ率直に申し上げますと、三十七年度に終ると思って昨年度計画をしたものよりも、今年度は事態が進捗をいたしておりますし、客観的な情勢が変っておりますので、相当計画年次を繰り上げなければならぬという問題も出て参りますでしょう。それだけでなく教育放送の問題をどうするかという問題がありますし、それから国際放送の問題をどうするかという問題、なおその上に新しいFMの問題、それからUHFをどうするかというふうな問題がありますので、こういう問題も合せますと、相当予算のワクが膨張するだろうということは考えられます。その意味から聴取料の値上げという問題も起って参りますでしょうし、それから聴取料だけでは片づかない問題が起きますので、一般会計はどうして補てんをするか。それから、そうでなければそのほかに何か名案があるのかというような問題、一説には電波税という問題もこういうところから起きてくるるわけであります。そういう政治的な問題もありますが、この問題は将来の日本のためには、非常に大きな問題でありますので、特に皆さんの意見や在野の意見も十分聴取をしつつ、万遺憾なきを期したい。それには九月の半ばから始めれば、十月の半ば、十一月の半ばと二カ月ありますので、皆さんの御意見もお聞きをし、値上げなどという問題も政党的な問題としないで、一つ前会一致で応援をしていただくような良識ある結論を可及的すみやかに出したい、こういう考えでございます。
○原(茂)委員 協会の答弁をいただく前に、大臣にもう一度お聞きしておきたいのは、協会がこの状態でもし仕事がずっとおくれていくということになると、大阪で現われたような事例ですね。本来協会の割当であった波を、協会はどうももたもたしてだめだ。民放は熾烈にしているから、これを民放に分けてやろうというようなことが起きますか。大臣の基本的な考えを一つ伺いたい。
○田中国務大臣 これは起きるかもわからないし、起きないかもわかりません。
○原(茂)委員 起きるか起きないかという考え方をなぜお尋ねするかといいますと、こういう公共放送を全国あまねく普及するということは、大臣の責任なんです。その責任の建前からこの置局を計画させたわけでしょう。そうしてこれに認可を与えた。その大臣がことによったら民放に分けてやるかもしれないというのだったら、一体大臣の立場は何だということになる。もう一ぺんはっきり一つ伺いたい。
○田中国務大臣 日本放送協会は、御承知の通り放送法によって律せられております。予算も膨大もない予算を作り、理想的な予算を作っても、国会の議決を経なければできないのであります。大阪の例を引かれましたが、大阪だけではなく、民間でやれば昭和三十五年度までにおそくともできるのが、計画の上で昭和三十七年度であり、実際行なったら四十年度にもなるのだというような社会的な問題、また政治的な問題として、当然NHKに金が出せるか、もしくは出せないというならば、民放をしてやらしめるかという問題は、当然起きてくる問題であります。しかしNHKが今年度及び明年度に波を出すということが確実であるならば、教育放送等の問題は、当然解決ができる問題だと思いますが、東京一局さえもまだ手をつけておらない。民放はもうすでに設立準備中でありますが、もちろん三十三年度の予算には当然計上されることだろうと思いますが、そういう状態でございます。これが免許を与えても免許はもらっておるだけであって、完成をするのは昭和三十七年だというならば、これは時間的な問題として教育放送は別の波も考えられるわけであります。当然三十五年度にUHFの波が日本で実用化されるということならば、民放に与えても一向差しつかえないということであります。そういうものと総合的に判断をいたしまして、この問題の解決をいたしたいと思っておるのでありまして、いずれにしても現在の状態でNHKがやれるという場合には、当然考えなければならぬ問題でありますが、総合的な状況を判断して免許を与えたいという考えであります。
○原(茂)委員 それは大臣の答弁があまりにも客観的過ぎると思う、大臣というものの責任、立場というものを全然逸脱して、自分を抜けてしまって、何かずいぶん冷静に見ていて、どっちでもいいのがあったら、早くできそうなのがあったらそっちにやってもいいのじゃないかというような考え方は、私たちなら成り立つけれども、大臣の立場としてそういう考え方で問題を考えられるということは、基本的に間違いだと思う。どうしてもこういったものに対する監督権を持ち、あるいは承認を与えようという、予算に対しても一応大臣が承認を与えて、国会に出すというようなことになる以上は、あなたは協会の仕事に対する責任は十分に持つべきだと思う。自動的に持っている。その大臣が何か自分の責任というものは全然考えないで、どこかに抜けていって、冷静に見て、どうしても早くできなかったらやむを得ないのじゃないか、こういう考え方になるより、その前に自分の責任においても、今の置局計画というものは完全に、しかも公共放送の建前からいっても時期を失しない範囲でできるようにやるつもりだ、やる決心だということでなければ、大臣の答弁としてはどうもおかしいじゃないか。別にけんかするわけじゃないですから、こだわらないで答えて下さい。
○田中国務大臣 あなたの質問が、そういう答弁を要求するように受け取りましたので、私がそういう答弁をしただけであります。先ほども申し上げました通り三十四条の権限さえも発動いたしまして、事務的に出てくる予算を審議するというような従来の建前を破って、郵政省と一体になって新しい計画のもとに、新しい予算を作りたい。しかも三十七年度というような計画が、一年間でもうすでに相当ずれておると思いますので、こういう問題もあわせて新しい観点から、新しい置局計画を立てなければいかぬじゃないか。しかも昨年度までのチャンネル・プラン時代と違いまして、十一チャンネルになったのでありますし、現在すでに新しい民放に対して免許を与えるという段階でありますので、総合的にお互いが検討して、できるだけ、できるだけというよりも絶対的に放送法の精神が実践できるような処置をとりたい。それは予算の編成に関係ある問題でありまして、その上なお放送法等の改正が必要であるならば、御審議をわずらわしたいというところまで申し上げておるのですから、私がいいかげんに客観的にものを見ておるというよりも、少し干渉し過ぎるのではないかという御意見が出ると思って、非常に回りくどい答弁をしておりましたので遺憾でありますが、私は積極的に放送法の精神を生かして参りたいという考えでございます。
○原(茂)委員 あとの答弁ならいいです。前のはやはり耳が三角であったに違いない、同じことを聞いておるのです。 そこで今の答弁の中で、少し気にかかることがありますからだめ押しをしておきたい。今の聴取料の値上げあるいは電波税の設置、こんなことは基本的には反対します。ですから今後のいろいろな条件に応じて審議をするのだというお話ですから、審議の過程でいろいろそういったディスカッションが行われると思います。それからもう一つ、積極的にこの協会の事業に対して協力をする、一体になってやっていくのだ、この考え方は非常にいいのですが、それが度が過ぎて干渉になったり、指導が強過ぎたりしないように、協会の独自の自主性というものは、どこまでも尊重するということにぜひしていただかなければならない、こういうふうに思います。 そこで本論に入るのですが、どうも能書を言いながら時間が過ぎたようです。まだ肝心なことを聞いてないものですから、委員長に特例をお願いして、あと十分間許してもらいたい。答弁が少し長過ぎる傾向があります。私の質問は非常に短かいのに、答弁が五倍くらいかかっておる。特に大臣は非常に能弁で時間を一番食っておるようですから、一つ大臣の責任で十分間延期していただきたいと思います。 それからもう一つ質問を申し上げたいのは、これはテレビの実際の置局計画における予算ですが、三十二年度の予算で、すでにテレビの建設計画が今進んでいますが、このテレビの最初の計画と現在の進行状態というものが、予定通りに今行っているのかどうかを簡潔な数字で一つ説明を願いたい。三十二年度に決定されているテレビの建設計画というものが、予定通り進行しているのかどうか。この点を簡潔に予算の数字でいいですから示していただきたい。
○首藤参考人 三十二年度で完成として決定をお願いしておりますのは岡山と熊本と鹿児島、金沢、長野となっておりますが、このうち長野だけは多少おくれていますが、そのほかは予定通り進行しております。
○原(茂)委員 あと新潟、福岡、それからサテライトが五局ですか、ありますね。これはどうです。
○首藤参考人 それはいずれも三十三年度完成ということになっておりまして、その目標で進めております。
○原(茂)委員 大体順調に三十二年度のテレビ計画は、当初の計画通り進んでいるということがわかります。 そこでお伺いしたいのは、三十三年度、三十四年度、それから三十七年度までの間——テレビの置局が今申し上げたように三十七年度では、どうしても私どもはこれは相当重大な問題が起きるのじゃないか、こう思いますから、この三十七年度の計画をこのまま先ほど副会長が言われたように変更なしにやっていこうとするのか、あるいはやはり大臣の意思もあるので、ここで思い切った計画変更をしてくるのか、こういったことを一つ基本的なものだけをお答え願っておいて、もう時間がないそうでありますので、次会に一つもう少し詳細なこの面の質疑を行わしていただきたいと思いますから、基本的に、今私のお伺いした点だけを協会の側から御答弁願いたい。
○永田参考人 五カ年計画による置局計画は、総計各年度を通じて四十六局を予定いたしております。先ほど副会長がお答えいたしました計画を変更しないという意味は、三十二年度であって、それ以後については状況によってできるだけ急いでこの計画を完成いたしたいというのが基本方針でございます。
○松井委員長 森本靖君。
○森本委員 協会側にいろいろ来年度の予算等についてもお伺いをしたいし、また料金等の問題についても相当これは突っ込んだ質問をしたいと思いますが、いろいろテレビの計画等、あるいはFMの計画等、あるいは国際放送の問題等についてもお聞きしたいことがございますけれども、これは短期間に質問をいたしますと誤解を生ずる点もあろうと思いますので、次の委員会でそういう点について詳細に質疑応答を行いたいと思いますので、本日はその点私は省略をいたしますが、ただ大臣に、ちょっと気にかかる点でありまして、また今非常に一般が注目しておる点について聞いておきたい点がございます。それはこの前の委員会におきまして、私が質問をしておる途中において懇談会に切りかえられましたけれども、そのときに大臣がテレビの番組の問題について、審議会の設置というふうなことを考えておるというふうな意向が表明をせられて、それがその後私は質疑応答を行なっておりませんのではっきりしないわけでありますが、ところがこの間の新聞紙上を見てみますると、本年度の郵政省の予算要求としての電波監理局の分が三十何億の中で、三千四百万円の予算を番組調査会の設置という名目で要求をした、こういうことが新聞に載っておるわけであります。その間における大臣が当初委員会で申されたところの審議会の設置という点と、調査会の設置という予算の要求ということについては、一体どういう関連があるのか、まず大臣の最初の構想の審議会の点を明らかにしてもらって、次にこの間三千四百万円の予算要求をしたところの調査会の設置、その調査会というものの具体的内容についての説明を願いたい、こう考えるわけです。
○田中国務大臣 法律による番組審議会を官で作りたいという考えは全くありません。これは新聞紙上を通じても発表いたしておりますが、民間放送等で自主的に規制を行なっていただきたいということを明らかにいたしておるわけでございます。法律上から見ましても、俗にいわれる番組審議会なるものを郵政省で作っても、法律的権能が生ずるかいなかという疑義もあります。そういう意味で現行法上は、私といたしましては番組審議会を省に作らないということをはっきり申しておるわけでございます。ただ番組には相当行き過ぎもあるようでありますし、世論もきびしいのでありますから、特に自主的に、これから免許を行うテレビ業者に対しましても、また既存の放送業者に対しましても、世論の動向に注意してもらって、自主的に番組審議会等を作っていただきたいということを慫慂しておるにすぎません。このたび予算要求をいたしました三千数百万円に上るものは、番組審議会とか番組調査会とかいうことでお考えになるといろいろな議論がありますが、そういう意図を持ったものでは全然ないことを明確にいたしておきます。ただ世論が非常にきびしいのであります。特に免許を与える大臣が、また監督の責にある郵政当局として世論に耳をかす機関が全然ない。また当委員会でも、あらゆるところで、聴取率の問題、また番組に対する批判の問題等、統計数字があるかと言われても全然その道がないのでありまして、できれば地方の有識者に委嘱して、国民の声を聞き、それを省において収録をいたしたい。この程度のことは免許の責任省として当然やるべきことであるという考えだけをもって、概算要求をいたしておるわけであります。この三千数百万円の運用につきましては、非常に慎重でなければいかぬと思います。地方のどういう人をどういう基準によって委嘱をするのかという問題もありますし、民放ができますから、民放に分けてこれを委嘱をしたらどうかという議論もありまするし、その一部をNHKをして行なってもらうというようなものもあるでしょうし、いろいろな事務経費等を含めた三千数百万円でありまして、三千数百万円くらいのもので番組審議会や番組調査ができるとは考えておりません。私は少くともこういうものをやるには非常に高い立場でやっていただかなければならぬので、一億二千万円程度の金が要るのではないかと思ったのですが、一応全く事務的な積み上げから出て参りました数字三千数百万円の要求になったわけであります。
○森本委員 そうすると、これは重大な問題ですから端的にお答えを願いたいと思いますが、大臣が当初若干言われておったような番組審議会というようなものについては、一応考えておらない、このラジオ、テレビの番組の審議等については、映倫と同じように民間なりあるいはNHKなりがそれぞれ自主的にこれを管理する、そういうふうなことを考えてもらいたいというのが、大臣の考え方である、それがその通りであるならば、その通りであるという御回答でけっこうです。
○田中国務大臣 重要な問題でありますから、そう簡単に端的にお答えもできないのでありますが、私は初めから官製の番組審議会を作ろうなんということは一ぺんも言っておりません。ただ新しい立場で相当多数の免許を行わなければならないので、最小やむを得ざる限度において、実際免許状に付記せられたものが行われておるかどうかということを、どこで一体調査するのかという責任を追及された場合、最小やむを得ざる機関は必要ではないか、こういう趣旨の発言をしたのでありまして、それも新しく法律を改正しないで、番組審議会のごときものととられるような混乱は避けたいというので、民放との懇談会において、番組に関しては一切官がこれを干渉しないという基本的な考え方を明確にしておりますので、現在の状態において免許前にしながらも、番組審議会を作ろうということに対しては、法律的にも疑義がありますし、作る意思が全くないということを申し上げたのであります。
○森本委員 番組審議会的なものについては作る意思は毛頭ないということは、それではっきりしたわけでありますが、そこで今後のテレビ、ラジオの運営等については、番組の内容等については政府としては干渉がましいことは一切しない、しかし放送業者自体が自主的に現在の映倫のような格好においてやるということについては大臣として望ましい、そう考えておられるのかどうか、この点です。
○田中国務大臣 その通りです。
○森本委員 そうなって参りますと、番組審議会の件についてはおのずからここで明らかになったわけでありますが、そこでそうは言うものの、野放図にこれをすっぱなしにするということについては、相当慎重に考えなければならぬ。そこでその番組その他については調査をするということが必要である、そういうところから今回の三千四百万円の要求をした。そこで三千四百万円の予算の要求をしたということについては、世論のすべてが、何か一つ郵政省における放送番組調査会——これは審議会がだいぶ弱まったような格好になったわけでありますが、調査会というものを設置するということが新聞にいれておるわけであります。ただしかし今の大臣の回答は、そういう調査会というものを設置するということをはっきりきめたのではない、こういうふうな全国番組の内容、あるいはまた特に郵政省が考えておるのは、その番組の中において教養番組がどのくらいあるか、あるいはローカル番組がどのくらいあるかということを大局的に見るためにこしらえよう、こういう考えでおるのではなかろうかという点が察知せられますけれども、この放送番組調査会の三千四百万円の内容については、世上非常に疑義があるわけでありますので、大臣としてもこの際この三千四百万円を要求した積算根拠というものを、一つ明らかにしてもらいたいと思う。
○田中国務大臣 今こまかい資料がありませんので、次回に御答弁申し上げますが、私が率直に御答弁申し上げておりますところは、法律に疑義があるような番組審議会は作らないということは明確にしております。これは一つ信用していただかなければいけません。これは国務大臣が公けの席上でもって申しておるのですから、——一つ国民の皆さんも信用していただきたい、こういう考えであります。私が初めに申し上げました根拠というものは、皆さんも御承知の通り教育テレビ等に対しては条件を付しております。五〇%以上とか五五%とか、総体において教養を含めて八〇%でなければいかぬとか、こういう問題に対して条件はつけたが、守らないでもいいのだという考えには私は納得できないのであります。これは放送法及び電波法第一条の精神がこれを許さない、こういう考えでありまして、いずれにしてもつけられた条件は守るべきだ、こういうことを言っておるのです。だから現行法律の中で官が作れるものとしたならば、放送事項に関する審議会か調査会かです。これはできると思いますが、皆さんが心配しておられる放送番組の事前検閲、戦時中に行われたというがごときものが現行法でできるものではないというぐらいな常識は私も持っておるつもりでありまして、そういうものに対しては作る意思もありませんし、また作らるべきものではない。ただ大臣として免許状に明記してあるものが現に行われているかどうか、しかも三カ年ごとに更新をするのでありますので、更新の時期における参考資料として資料を求めるようなものは当然必要であるということと、もう一つは世論というものがありまして、今の番組に対しても相当きついのでありますから、一体世論はどういうふうに移っているかということを、当然免許の責任者としては把握しなければいかぬということでありまして、皆さんが考えるように、また国民の一部で批判をする全然ないのだということを、重ねて明言をいたしておきます。
○森本委員 私の質問をよく聞いていただきたいと思います。大臣が放送番組審議会というようなものを設置する意思はないということを言われたので、その通りであると正直にとって、そういうことがあってはならないし、またその通り信じておるわけであります。ただ放送番組の調査会というもので三千四百万円を要求したので、その放送番組調査会というものについては、調査をするという点では、場合によってはわれわれも必要であるということを考える面もあるわけなんです。だからその調査をするということについてこれだけの予算を要求したということになると、その目的、その構成、その機構、そういうものについて今放送界、言論界というものは非常に、注目しておる。だから大臣がせっかくそういう予算の要求をしたならば、その目的、それから構成、内容、そういうことについてここで発表できる自由があるならば、一応国民に対してこの内容を発表してもらいたい。それは大臣が何も番組を統制をするという面で考えておるわけではないということを私は信じて質問をしておるわけであります。
○田中国務大臣 三千数百万円の要求予算が実施せられた場合、これをどういう面に使うかという問題は、先ほども申し上げましたようにいわゆる委嘱をするかもしくは民放にやるか、放送連合をしてやらしめるか、NHKにその幾分をやるかという問題に対しては、慎重に世論も聞きつつ考慮いたしますということでありまして、どうも一番初めは安いお手当でありますが、そういうものを支給して全国的に何千人か何万人か、一つ世論の納得する人たちから広く意見を聞きたいということで積算をしたのでありますが、これが運用に対しては、そう考えるだけのことを進めてどうかとも思いますので、もっと世論を聞きつつ、要求だけはしておきましたが、その運用には慎重を期したい、こういうことを申しておるわけであります。
○森本委員 そうすると大体輪郭はわかってきたわけでありますが、いわゆるモニターする人を全国的に知識人とかあるいは文化人とか中立的な人とかいうものから、中央、地方を通じてそれぞれ委嘱をして、その委嘱をした人たちが調査をして、それを郵政省の参考資料とする。要するにこの三千四百万円というものは、そういう委嘱した人に対するところの手当代金として計算をし、さらにそういうところの懇談会なら懇談会、会場費なら会場費、その程度を積算したのであって、これが正式に番組調査会というふうな格好には、三千四百万円くらいではまだできっこないと私は思う。それで三千四百万円の積算の根拠というものは、地方なら地方で、全国的な統一をしたところのモニターしてもらうところのいわゆる知識人を委嘱する、地方は地方で電波監理局ごとにでもあるいは委嘱をする、一つの番組を聞いていただいて調査をして、そういう資料を郵政省に出してもらう、そのくらいのことであって、それに対するところの手当の積算根拠である、こういうことですか。
○田中国務大臣 その通りです。
○森本委員 大体わかりましたが、なおこの問題についてはさらに私は突っ込んで聞きたいと思いますが、時間がもう超過いたしましたので、この問題は次に譲ることにして終ります。 ただ一点最後に、これは事務当局に忠告をしておきたいと思いますが、先ほど上林山委員の質問で、次の委員会に資料を要求せられております。それは特定郵便局長の全逓推薦の局長が何人あって、それから何人任命されておるかという資料を要求されておると思います。この資料はおそらく出っこないと思う。なぜならば、今まで全逓が特定郵便局長を推薦するといって、正式に郵便局長なり郵政大臣にそういう文書を出した局長なんというものはあり得ない。それは推薦をするとかしないとかいっても、局長会と全逓が一緒になって推薦をする場合はあろうし、あるいはまた個々にあの人がいいなといったくらいのこともあろうし、正規に労働組合が推薦するというようなことを言ってやったものは、全国ではほとんど二つか三つしかない。だから、そういうふうなものは局長会が推薦をしたとか組合が推薦をしたとかいうことでなくして、それは一切郵政局長の権限において判断をして任命をしておるのであって、そういうところの資料は私は出し得ないと思うのですが、その点どうですか。
○田中国務大臣 慎重に調査の結果、出せれば出しますし、なければないようなことを御報告申し上げます。
○森本委員 それからもう一点、それは先ほどの特定郵便局長の任免は、全逓が推薦をして、そうしてこの通りならなかったならば配置転換も拒否をするということで、この局長任免は非常にもつれておる、こういうふうな説明がありましたけれども、これは逆でありまして、全国の政治家の諸君があっちからこっちから部外者を頼まれて、そうして郵政大臣なり人事部長なり次官にこの者をやってもらいたい、こういうことを言っていて、そこの部内に二十年も三十年もおる人が立候補しておって、そこでちょうちょうはっしと争っておるというのが実態であります。大臣なり次官なり人事部長のもとには、全国から何十人という名簿が来ておると思う。これはだれれだの推薦の人で、これこれだという名簿は、必ず歴代の大臣、次官、人事部長の人は持っていると思う。だから、そういうことでもめておることが非常に多いわけであって、組合がこの者を絶対どうしてもやらなければならぬというようなことで、争っておるというようなことはあまりない。逆の傾向が非常に多いということを、これは答弁は要りません。大臣、よくあなたは知っておるかと思いますが、しかし一応速記録に載せる意味において私は発言をしておきますので、よく御承知を願っておきたいと考えます。以上質問を終ります。
○松井委員長 時間が参りましたので、本日はこの程度にいたしますが、御報告を申し上げておきます。次会は来月の十一日午前十時より開会をする予定でございますので、あらかじめ御了承願いたいと思います。なお、日本放送協会は参考人として次回もお呼びしてほしいという委員諸君の希望がございますので、十月十一日の委員会にもおいでを願うことになろうと思いますので、あらかじめお知らせをいたしておきます。 本日はこの程度で散会をいたします。 午後一時三分散会