逓信委員会 第20号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/04/09
会議録
○松井委員長 これより会議を開きます。 本日は電波監理及び放送に関する件中、特にVHF及びUHFのテレビジョン・チャンネルの問題について、参考人より意見を聴取いたします。 参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多用中にもかかわらず、本委員会のために御出席をいただき、ありがとうございました。どうぞ本委員会のために、皆さんの忌憚のない御意見を十分御開陳願いたいと存じます。なお時間の関係もございますので、御意見をお述べになる時間は大体二十分程度とし、なお足りない点は、後刻委員諸君から御質疑がありました際にお述べになっていただくことになっております。 それでは順次御意見を承わります。まず最初に高柳参考人より御意見をお述べを願いたいと存じます。
○高柳参考人 高柳でございます。最初にお断わり申し上げておきたいと存じますが、私はテレビジョンの研究を多年やっておりますが、電波の伝播とか送信機関係の方は実はエキスパートではないわけであります。ただテレビジョンという観点から、超短波及びVHFというものに関心を持っておりますので、その見方から話を申し上げたい、こう存ずるわけでございます。その点を一応お断わり申し上げておきたいと思います。 今回のテレビ・チャンネルの問題が起きましたときに、今回の議案では、VHFを主眼として考え、UHFについてはその発達の階梯その他を待って考える。まずここに段階を設けて考える。こういうので切り離して御提案になっておられます。私も大体この御方針に対して実は賛成であるということを申しておるわけであります。このテレビジョンのチャンネルの問題につきましては、アメリカにおいて非常にいろいろな問題が戦後起ったわけでございます。私どもはその経過を見守っておりまして、ただいまのような結論を申し上げたいと存じておるわけであります。それは終戦直後におきましては、アメリカでカラー・テレビジョン問題が起きましたときに、今後のテレビジョンはUHFで進むべきだ、VHFは時代おくれであるという御意見が非常に強く、同時にカラーで進んだ方がいいという御意見があったわけでございます。これに対して一方はVHFで一応実用化して、次の段階として考えてほしいという意見がありまして、一九四七年にようやくその意見がセッツルしてきまりまして、アメリカにおける白黒のテレビジョンというものが出発いたしたことは私どものよく知っておる通りであります。その後アメリカにおいてVHFである段階、百十何局という放送局が設けられ、なお出願の方が非常に多かったときに、再びUHFのアロケーション問題が起きまして、電波監理審議会に相当するFCCというところがこれを取り上げ、ずいぶん長い期間——二年くらいかと思いますが慎重な審議をされ、何べんも代案を作られてやっと成案を得られ、一九五一年からでございましたか、この点はっきりいたしませんが、とにかくUHFのことも現在のVHFに加えてアロケーションをやる、置局の配置まで考えたわけでございます。そういたしましてさっそく放送には取りかかって、UHFの放送が始まったのでございますが、それが思ったように、私どもの拝見しておるところでは順調に最初進まなかったようでございます。それは想像したよりも非常に放送のサービス・エリアが小さくて困難をなめた。そのために放送局が経済的に成り立たないというようなことで、せっかく出願してもやめるというような方もあったように承わったのでありますが、非常に遅々としておられた。しかしアメリカにおいても非常に急速にこれに対する改良がなされ、まず送信の方の電力においても非常に大きな電力がだんだんできるようになりました。空中線の利得と申しまして、利得も上げられるようなものもできました。よくなったと同時に受像機の方におきましても、チューナーあるいはコンバーターの改良がなされ、だんだん改善されまして、現在において次第に普及をしてきておる、こういうふうな事態のように思います。昨年の三月に私どもカラー・テレビを視察して参りましたときに、向うでは盛んにUHFの放送についてのいろいろな御説明がございまして、非常に将来を期待されるのでございます。 こういうふうな事態でございますので、日本においてもUHFについては私ども非常に関心を持って、早く日本においても何か開発し、準備をするようなことをいたしたいというふうに考えておるわけでございます。しかしこれは一朝一夕にすぐできるわけではございませんで、日本はアメリカに比べると技術的に相当のおくれもあるのであります。もう一つは、私が非常に心配いたしますのは、今VHFの放送が、四年前と申しながら、どちかといえば緒についたというところではないかと思います。そこでここにさらにUHFという問題を同時に取り上げてやりますと、企業的にいっても少しく混乱を来たすようなことがないか、非常に心配されるわけでございます。もう一つの点は、UHFについては早期に計画が必要でございますので、なるべく早くやっていただきたいとは思いますけれども、これのプランを立てて実際に配局するとなると、ただいま申し上げた送信機の方のパワーとか空中線に対する見通しのようなものが必要でございますし、さらに電波の伝播についての十分な検討をいたすことが必要であります。それから受像機その他について、どのくらいな電波の強さであれば、十分サービスができるかということの検討も十分いたさなければなりません。そういうふうな資料が整ってから、いろいろな地勢に対して配局を考えるということにいたしますと、アメリカの例で申しましても、二年くらいの日子がどうしても要るようになっておる、こういうふうな事態で、この問題をしなければ現在の放送ができないということになると、国民が待望しておるテレビジョンに対して時間的のおくれが出てくる。私の悩みはそこにあるわけであります。 そこで私の結論としては、ぜひ早くUHFに対する御準備が願いたいのであるが、今度のVHFと一応切り離してやっていただいて、あとUHFのアロケーションについては慎重に審議していただいて、この両者がさきのVHFの利用と総合的に考えられるというふうにいたしたらどうか。UHFの利用まで割り切ることになると、時間的の問題で非常にむずかしく、困った事態が出てくる。この点を非常におそれるわけでございます。 ただ最後に申し上げておきたいのは、UHFの問題がしからばなおざりにしてよいかというと、そうではないのでございまして、世界の大勢からいうと、次第にVHFらかUHFに重点が移りつつある。この技術的発達に対して日本も早くフォローしなければならない。ですからその点については十分早く進捗するようにお願いしたいと思うのでありますが、事業発達の階梯としては、今言ったように、アメリカのように二段に組んでいただきたいという気がいたすわけであります。将来UHFがVHFにかわるような利用、発達をするという公算をもって——現在は技術的にトラブルがありますが、今後数年の研究、発達によってこの問題も世界的に解決され、日本においてもその準備が出てくるのではないかと思います。大へん簡単でございますか……。
○松井委員長 次に田口参考人より御意見をお願いいたします。
○田口参考人 私田口でございます。私は二月一日の電波監理審議会に呼ばれまして、教育テレビ推進に非常に賛成をした立場にあるのでございます。しかしきょうは純技術者としていろいろ申し上げたいと思います。テレビに関しましては現在ピクチュア・クォーリティ、それからカラー。テレビのピクチュア・クォーリティ、こういうものを専門としておるのでございます。そのほか実際には自分でテレビに出ましたり、それからシナリオを書いたようなことまでごさいますので、教育関係にも非常に広く関係を持っておる立場としても、つけ加えさせていただきたいと存じます。 テレビの娯楽番組に対する害毒については、アメリカですでに初期から非常に問題になっておりました、また日本でもダイヤルを回しますと、同じような娯楽番組があちこちに出ます。これについては相当論議されております。害毒の証拠もあるようでございますから、きょうはその程度にとどめまして、きょうの主題に対しまして結論を申し上げたいと存じます。 私が考えますと、テレビは新しいマス・コミュニケーションに対する非常に偉大な発明であります、おそらく将来のマス・コミュニケーションの大部分がテレビによってまかなわれると思いますし、アメリカの学者の推定によりますと、遠い将来では新聞、ラジオ、映画、雑誌などに比べましてテレビが最高位を占める、八五%がテレビによって伝えられるという論が出ております。つまり残りの一五%がラジオ、新聞、映画、雑誌によってまかなわれるということであります。この場合に大事なマス・コミュニケーションの技術は、他の新聞や映画の場合と比べますと、チャンネルが有限であるというところが大きく違っておりまして、新聞紙やフィルムは金を出せば幾らでも生産もできますし、買うことができるけれども、チャンネルはそういうものでない、でありますからこの割当については非常に慎重にしなければならない、これをやりそこないますと、永久にわれわれの子孫に対して害毒を流すということになるわけであります。その最終の形のマス・コミュニケーションに対して、どういうものが必要であるかということについて非常に論議があると思いますが、この技術はあるいは現在の学校の教室による教育制度を改革するというくらいに、新しい教育制度の革命を予想できるかもしれない。現在すでに北海道でラジオによるのでありますが、僻地教育として、北海道では学校の先生が教員資格としての単位を持たない方が相当あるので、これを補うために過去二年ラジオによる補習教育をおやりになりまして、今年第三年目でありますが、教員資格の単位を与える制度までやっておられます。それは北海道の教育委員会とNHKのタイアップで行われておりますが、本年度は予算三百万円で二百五十名ないし五百名の人々が、その単位を得られることになっております。これがおそらく放送教育による新しい形の濫觴というようなふうにも考えられるのであります。テレビになります場合には、ラジオに数倍する教育効果がある、これを学童にまで広めることも非常に考えられることでありますが、その場合には現在の教育よりもはるかにエフィシェンシーのいい教育をなすことができる。また大事なところは、今まで優良校というものがおもに都会にあり、また先日の調査でも、少しでも大きい学校が小さい学校よりも生徒の成績がいいということが出ておりますから、優良校の問題がはっきりしておるのでありますが、テレビはその資格差をなくするという、おそらく私考えますに唯一の技術方式ではないかと思います。長くなりますから、詳細はメモにして持って参りましたので、御質疑があればお答えしますが、省きまして、結局はテレビを教育に使うということが相当重要であるということをまず申し上げてみたい。 その前提の上に立ってテレビの波をどう使うかということを考えてみます。今高柳参考人がお話になりましたように、アメリカではVHFを最初に開拓いたしまして、その上にUHFを乗せるという実際の状態になってしまったわけであります。アメリカの電波関係の人は、アメリカでは過去に三つの大きなミスをしている。第一は一九二〇年に三十メートル台をアマチュアの方に譲ったことであるし、その次には現在の放送波長として二百メートルから四百メートルの電波をAM局を自由に許し、乱立を招いておる。そしてその上にFM局を許さなければならなくなってきておる。そして今度はテレビではVHFを先に許したために、UHFとのバランスが悪くなっている。もし二年半前にもう少しよく考えてあったならば、この混乱を避けて、もう少し上手なテレビ政策ができたのだろうということを言っております。しかしきょう申し上げる結論は、現在のVHFの割当に関して大体私が賛成でありまして、そして幾らかの修正程度でいいということを申し上げたいのでありますけれども、まず今のようにプログラムを幾つか考えまして、その中の教育を非常に重要視いたしますと、教育番組を流すという技術が最初に考えられなければならない。これはあるいはきょうの主題でないかもしれませんですが、実は一番のネックは十一チャンネルという電波の割当にはなくて、むしろマイクロウエーブの回線の問題にあるようであります。マイクロウエーブの回線は大体としまして全部で七チャンネルといたしまして、そのうちなるべく四回線を電話に使いたい、そうすると残るもの、テレビに使われるものは三回線となるわけであります。けれどもその一つをテレビに譲りまして、最大限四回線のマイクロウェーブ・チャンネルが使い得るということを仮定いたします。そうすると将来のマス・コミュニケーションの必要な全部のものを、つまりさっき申しました八五%のものをマイクロ回線に乗せなければならないのではないかという問題があります。アメリカではマイクロ回線がサイクリング方式でありますために、いつでも電波はぐるぐる回っておりまして、日本のように上り線、下り線という関係がありませんから、エフィシェンシーを四回線百パーセントに使うことができます。日本でもこれはサイクリング方式をとることができるわけでありますから、そういうふうにはっきりと決断を下していただくといたしまして、四回線を百パーセントに使うことができるといたしまして、その上で、その四回線をかりに、純学校教育放送に一チャンネル、それからNHKの娯楽番組に一チャンネル、それから民放の娯楽番組に一チャンネル、残りの一つがどうなるかという問題でございます。それを民放側の教育番組に当てるということを考えますれば、これが最大限の利用方法ではないか。このマイクロ回線以外に、あと番組を全国に流す方法はキネスコープのフィルムによるものと、ヴィデオ・テープのテープによるものと二種類考えられますが、この形は現在の映画が番線を組んでおりまして、フィルムを全国に輸送しております。これと大同小異の形態をとるわけでありますが、現在の映画番線でも、フィルムの輸送というものは相当膨大なボリュームのものを、また重量のものを全国に輸送しております。大体一週間に一番組としますと、七日に一ぺん送ればよろしいのでありますが、テレビでは毎日送らなければいけないとすると、それの七倍を送らなければならない。その上に映画の場合には一回転が約三時間といたしますと、その三時間に対して、テレビの方は十時間も十何時間も送るとすれば、その輸送力は膨大なものが必要である。こう考えますと、マイクロ回線以外の方法はおそらく最大限にやりましても、ヴィデオ・テープ二〇%、それからキネスコープのフィルム二〇%としまして、四〇%以上は実際上カバーできないのではないか、残りの六〇%をマイク回線に譲るということになります。つまりこれは非常に将来のことを考えているわけでございますが、現在はそれほどまでになっておりません。こういう計画はさっき高柳さんからもお話がありましたように、UHFをもし利用するとすれば、これには早くて一年、普通二年間の準備が計画だけに必要でありまして、またUHFの電波がどういうふうに伝播するか、またそれの放送局がどういうパワ=を必要とするかということは、これはモデル実験ができませんで、推定による計算だけにたよらなければならない。そこで一つの局を許して、その電波が出ますと、これによって実験が進んで、そうして次の必要なデータが出てくるという形になりますので、局を一ぺんに多数許されるよりは、非常に早い期間でありましても、順位を置いて、だんだんに許して実験のデータを得ては次に進む、こういう形が一番私たち技術者としては全体の能率を上げ、費用を省く方法だと存じます。 それから次には、現在のVHFの割当計画というものは、今まで得られました以上のような実験を積み重ねたデータによって計算されたものと存じまして、これは非常にりっぱなものでございます。現在得られる最高のものであります。これにUHFを加えて計算をし直すとなりますと、二年間おくれなければならない。これが非常に不都合なものでありますならば、UHFを入れてあらためて考え直す必要がありますが、それほどまでのものではないように私は考えて、きょう私の確信を申し上げるわけでございます。 そこでUHFをどのように利用するかというと、さっきのように送る番組はほとんどマイクロ回線とフィルム、テープの輸送力にかかってしまう。その番組をどこからどこへ送るかという問題になります。日本の状態では、現在のラジオ、テレビでも、ほとんど全部が東京をプログラム・ソースとしております。アメリカでは劇番組はテレビで、ほとんどハリウッドを出発点としております。これが全米のマイクロ回線に出ておりまして、そのほかの、ことにカラー・テレビでは、東部から出ている番組はもうまるでわずかなものでございまして、ハリウッドが大部分のプログラム・ソースとなっております。アメリカではこのように各地方に特色あるプログラム・ソースがありますが、日本ではほとんど東京が出発点と考えられる。これはちょうど鉄道の駅と考えていただくといいかと思いますが、いなかの駅にはプラットホームが一つしかないのが多いけれども、東京駅にはプラットホームが数十本必要である。テレビの場合にもプログラム・ソースをそこにたくわえておく。つまり発車を待っている汽車というような状況に考えますと、非常にたくさんのプログラム・ソースとなるべき局が必要であります。これはいなかに比べましてまるで格段の違いがあるように思いますので、いなかの場合に比べまして、非常にたくさん東京あるいは大阪に局があっても、これは自然ではないかということを結論したいと思います。ただし最後のネックは今のマイクロウェーブでございますから、ここにどういう番組を乗せるかということは、考えていただかなければいけない。 その次にはUHFとVHFとをどういう番組の種類に使うべきかということを申し上げたいと思います。大体人口が稀薄で面積が大きいところにはVHFがよろしい。それから稠密で集約的なところにはUHFがよろしい。これは技術的に申し上げ得ることであります。すると都会地にはUHFでもVHFでもよろしいが、人口稀薄なところにはUHFは適さない。そこで教育を、すべての人が教育を受ける権利があるということから、なるべく機会均等ということで申しますと、教育テレビこそ、純技術的に申せばVHF帯を与えなければいけないということになるわけでございまして、これをやはりVHF帯に最初に取りのけていただいて、そのほかをいろいろなチャンネルに使うというのが当然であろうということになります。 それからUHFとVHFとの違いは、金をかければUHFが、それは十分に方々に送ることができるのでありまして、アメリカで悔んでおりますのも、二年半前にUHFの受信機が約二〇%高くなることを予想して、減税措置あるいは免税措置あるいはまた奨励金措置、こういう予算措置を早く決定しておけばよかったといっておるのであります。これが実際上二年半遷延されたために、アメリカのUHFは、今高柳さんからもお話がありましたように、実情は伸びていないのであります。 現在アメリカの教育テレビ局は、全局数を千三百二十三地区二千百三十四局にしまして、その中でVHFが八十六局、UHFが七十一局、そのうちアメリカの局にいたしまして純教育だけのチャンネルを許しました局が三十四局ありますが、そのうち実際にできました局は、五七年のテレビ・イヤー・ブックによりますと二十七局しかできておりません。これの配局しました全体を見ますと、一九五〇年が一局、五一年〇、五二年〇、五三年が二、五四年六、五五年一〇、五六年六、五七年二というふうに、五五年が一番多くなっております。そのうちでUHFが特に伸びないということは、受ける方も出す方も金がかかるということでありまして、出す方の局がどのくらいかかるかと申しますと、現在NHKの七〇%カバーリング・エリアに対しましての総予算が、ごく大まかに申しまして六十億くらいになっておりますが、これと比較しまして、有利な条件のところで二、三割の余分の費用がかかります。それから条件の悪いところ、つまり技術的に無方針にUHFをそこに設置させますと、おそらく十割以上の費用が送信側に余分にかかるわけでありまして、これがUHFが伸びない最大原因であります。アメリカではオールウェーブ受信機に対しまして、一〇%を補助か減税するということがちょうどいいのではないかといっておりますから、UHFにもし手をつけるとすれば、先に予算措置が必要ではないか、あるいは何かそういう面のものが先に必要だろうと思いまして、もしUHFに手をつけられるならば、むしろこの席が一番適当だと存じますので、それを技術者の立場からお願いしておきたいと存じます。 このようにUHFは、結論を申しますと幾分費用が余計にかかるが、その費用によって受ける利益はどにあるかというと、学校教育をUHFにいたしますと、その受ける学校数は、ごく大まかに申しまして五万程度、大学まで入れますともう少しふえるかもしれませんが、そこで一学校一台では不足なのでありますが、とりあえず一台としますと、五万台しか要らない。その五万台を一台五万円としますと二十五億円しか要らない。さっきのVHFのNHKの予総算が、ごく大まかに六十億といたしますと、それが十割増しまして百二十億として、学校に対しては二十五億円だけは受益者の方からかかる。これは送信側が非常によけい費用を要して、受信側に費用が少いというアンバランスの状態が出てきますので、そこで、もちろん学校以外に生徒の家庭や公民館などにもふえることを見まして、数倍としましてもようやくコンパラブルにいきますが、これでは実際にはテレビ局は成り立たないではないか、それでありますから、UHFを学校局にもしやるならば、非常に大きな奨励予算措置が必要ではないか、それでさっき申しましたように、VHFが教育テレビとしてチャンネル割当には最も適当である。これは最初に確保していただきたい。アメリカでもそういうふうにすれば、教育テレビがもう少し伸びるのではないかという考え方が多いようであります。 きょうは非常に純技術的な面から、少し余分の希望をしたようであります。なおつけ加えて余分の希望を申しますと、現在の第一から第六までのチャンネルが、第一の最初が九十メガサイクルから九十六メガサイクルになっておりますが、そのために第七チャンネルのところに、第八とのオーバーラップが二メガありまして、それで現在の割当が第七チャンネルが全国で非常にわずかしか許せないということになっております。最初全体を第一から第六までを二メガだけ下へ下げて、八十八メガから上に譲るといたしますと、不便な点は受像機を全部直さなければいけない、送信機も少し直さなければいけないことになりますが、受像機の方は大体ネジ回し一つでどうにか直る程度であります。しかしめんどうさは相当めんどうになりますが、機械はそう余分に要らない、それから送信側も二メガ下げることはそう要らない、これは私ども技術者としての希望から率直に申しますと、下げていたきたい。そうすれば第七チャンネルがフルに使えますので、VHF帯でももう少しエフィシェンシーがよくなることが考えられます。これはめんどうさ以外にはあまり費用がかからないということを申し上げ得るわけです。日本では鉄道を明治初年に狭軌にいたしまして、広軌になかなかできないのでありますが、今ならまだどうにかいきますし、それによってこれは高柳参考人にはだいぶ御迷惑をかけることになるのでございますけれども、御意見を伺って、今のようなところはもしできれば第七チャンネルがもう少し有効に使えるので、VHF帯でももっと割当が楽になる、これらは私のきょう申し上げたいほとんど全部でございまして、これによって手続はごくわずか必要でございますが、現在のVHFの割当に対しては、ほとんど実際上は変更しないでよろしいことになっております。UHFは、その上にある地域を限りまして、たえば山に囲まれた狭い地域で集約的なところとか、あるいは東京、大阪のようなところとかには、UHFを幾らでも今の計画の上に積み重ねて許しても、アメリカのようにミスは繰り返さないでよいだろう、こういう予想を立ててきょう参ったわけであります。御質問の範囲を少し越えたところがあったと思いますが、その点は申しわけないわけでございますが、以上述べましたように、全部のことをまとめて体系を立てませんとお答えができなくなりますので、少し長くなりましたが、全体的な観点から将来の予想を申し上げたわけであります。まだ言い残したところがあるかと存じますが、全文をメモに控えて持って参りましたので、これはいつでもお答えいたしたいと存じます。
○松井委員長 これにて両参考人の意見の発表は終りました。 次に委員諸君より御質疑がありますので、これを許します。橋本登美三郎君。
○橋本(登)委員 最初に高柳先生にお聞きいたしますが、あるいはこちらはしろうとですから見当違いなことをお聞きするようなことになるかもしれませんが、その点お許しを願います。先ほどアメリカがVHFを主体としてチャンネル・プランを作って、そして何年かたってからこれを使った。これは順当な使い方であって、日本の場合においても同様にVHFを主体としての今回のチャンネル・プランはけっこうであろう。将来これらが実際的に使える状態になってからUHFを使った方がよろしいのじゃないか、こういう御意見のようであります。私が心配しておるゆえんのものは、日本のような十分ならざる経済のもとにおいては、一応VHFでもって全国的なある程度まで受像機が普及した暁においてUHFを許可しても、UHFの受像機というものはあまり普及せられないのじゃないだろうか、こういう心配を持っておるのです。もう一つは、日本ではUHFの研究が十分進んでおらないというのはその通りであろうと思います。しかし普通のVHテレビの場合でも、チャンネルが決定してこれを許可することになりますから、せいぜい第一回にわずか数万台をアメリカから輸入して、半年ないし一年のうちには日本のメーカーはそれに劣らないようなものをこしらえて、その後わずか一年か一年半にして量産の適程に入って、現在では一般に普及し得るような品物、また値段になってきたわけです。テレビができてからわずか二ヵ年の間にこれだけのものができた。当初はVHFの受像機にしても日本では一台もできなかった。現在アメリカでUHFの受像機というものは相当に実用化され、大体三、四百万であろう思いますが、そういう状態でありますから日本の現在の技術陣にはその人を得ませんが、UHFで放送するにいたしましても、実際にこれが建設せられて波を出すには一年か二年かかるだろうと思います。現在のVHFにおいても一年半以上かかっておりますから、UHFもそれくらいかからなければならない。その間にメーカーとしては対策というものを立て得るお考えであるか。先生は技術者であると同時に日本ビクター会社に関係しておられますから、メーカーの考えを持っておられると思いますので、これを伺いたい。
○高柳参考人 日本でVHFで出発してUHFをあとでやるということにすれば、UHFが伸び悩んで発達しないのじゃないかという御心配であります。今そういう心配もなきにしもあらずだと思いますが、しかしこれは今後のUHFのあり方というか、発達の仕方による問題が非常に多いと思うのであります。伸びる伸びないということは、UHF自身の使い方でございます。これに非常に問題があるのであります。一番最初の使い方として、現在のVHFの足りないところを補うという使い方をいたしますれ、波長のないところにこれを使うことは非常に有効である。いわゆるブースターとかサテライトというところに使いますれば非常にいいのであって、ここあたりには私は十分使えるのじゃないかと考えております。現在のVHFに置きかわるような強力なものとして、大都市とかいろいろ広いところをカバーする全体のチャンネルをやるという点になると、ここに問題が出てくるわけでありますが、これが階梯として第一番目にそういうものをやってわかってきたらそれに移るようになれば、あまり国民に負担をかけないでも、受像機そのものができるような段階になってきはせぬかというように考えられるわけであります。御心配の点はあるわけでありますが、できるなら同時にいければ非常によろしいのですが、先ほど話したようにUHFのプランを今立てるということになると、VHFをそれまで待ってもらわなければならぬ。そこに私ども考えてみて非常に大きなポイントがあるわけであります。先にVHFで出発しても、これがUHFの発達をとめてしまうというようなことはないのではないか。少しは苦労はあると思いますが、やり方次第で何とかなるというように考えられます。 それからUHFの受像機その他送信機を作ることについて、メーカー側においてそんなに時間はかからないのではないかというお話でありますが、送信機側の方の技術についてはよく知らないものですから私からお答えしてもむだでありますが、受像機の方のチューナーその他については、完全なものを作るのはそれほどむずかしいことではない。ただ今アメリカで使っているたまが、日本では量産されている段階ではありませんので、これを育成するのに時間が要ると思いますが、できますれば、設計技術上においてはそれほど困る問題はないのではないか。だから受像機メーカーの方は、大体どういうふうなチャンネルのところが日本では使われるかということがわかれば、それに対する技術的準備は割合早くできると考えております。ただ送信機の方の送信バルブとかいうものになりますと、私よくは存じておりませんが、日本の技術もだんだんよくなってきつつありますから、そんなに長い時間でなしにできるのではないかと思いますけれども、この点は私の想像であります。
○橋本(登)委員 郵政省側の意見によりますと、現在諮問されているチャンネル・プランで一応限界を押えても、なおかつあのチャンネル・プランでVHFだけでもって七〇%から七五%、それにブースターその他を考えれば少くとも九〇%までできるのではないか。そうなるとUHFの放送局を設置する場所は考えられぬということになる。ですから山間僻地の千戸、二千戸のところまでやるということならば、もちろんUHFのものを考えなければならぬが、一万前後の都市にUHF放送局を作ることは常識的に考えられない。ですから結局UHFを使うということになれば、中都市というところが考えられなければならぬのではないか。ところが今度のチャンネル・プランでは、その中都市まで全部VHFが行っておる。いかに小さなUHF放送局を作るにしても相当な金がかかる。民間もNHKもそういうところにUHF放送局を作る経済的能力はあり得ないと思います。ですから今おっしゃったようなブースターを使う程度のところに放送局を作り得るか、実際の考え方として。私は経済的に見てもその根拠があり得ないと思う。そういうことからして、いわゆる今のチャンネル・プランを使って、そうしてその上にブースターを使うようなところにUHF放送局の設置をする経済的根拠がない、こういうことが一つ。それから従来第一チャンネルから第六チャンネルまで認めてやっておったのですが、六チャンネルで一応主要なるところにVHFとしての受像機の発達、並びに放送局を作っておる。そこで今度十一チャンネルをきめるときには、当然UHFとの総合チャンネルでいくべきじゃなかろうか。何もテレビをやっちゃいけないというのじゃないのです。すでにテレビというものが認められて、六チャンネルまで認めておったのですが、この六チャンネルまでをできるだけ急速に主要都市に普及せしめて、そこでできるだけのテレビのサービスを行なっていく。今度五チャンネルをふやすについては、同時にUHFのチャンネルを考えて、そうして中小都市にはUHFなり、あるいは大都市はどうするかということになれば、すでにVHFができておりますから困難でしょうが、とにかくそこに総合チャンネルを考えなければ、今のチャンネルで九〇%までVHFでもって見られるようになってから、UHFを認めるというのは、全く——山間僻地で使うのではなくて、田口さんの言われるように、並行して使う、ただそれには種目を別にして特殊な放送にUHFをやらしたらどうか、こういう御意見が出るのですが、この意味において先生の御意見を聞きたいのでず。果して経済的に、ブースターを使うようなところにUHFの放送局を設置する必要があるかどうか。もう一つは、私はメーカーさんの方の気持はわかりませんが、せっかくVHFでもって受像機が軌道に乗ってきた、かつまたVHFにおける全国チャンネルをきめれば、これは急速にふえる。せっかく量産に乗ったVHF受像機を途中でとめて——途中でとめるわけじゃありませんが、従来の六チャンネルにおける普及区域に食いとめて、UHFを新しくやらせられるというのは容易じゃないという考え方が、メーカーの方にあるのじゃないだろうかという気持もするのですが、これらの点について御意見をお伺いしたいと思います。
○高柳参考人 ブースター・ステーションのような小さいところにUHFを使うことが非常にむずかしいのじゃないか、こういうお話ですが、アメリカにおける最初のUHFのステーションの使い方というのは、そういうポイントが多かったわけです。やはり御心配のように、それは経済的に成り立つところと成り立たないところとが出ておるようであります。ただ電力とか配置、その町々の状況でございますので、その点私は経済的に成り立つとか成り立たぬということを申し上げるのは大へん何ですが、ブースターの中にも、簡単に非常にいい地域だけ放送できるようにすれば、共同聴取の今の有線でやっているのよりははなはだ楽にできるというのもございます。 それから第二問の六チャンネルで主要のところへ配置ができるのであるから、段階を踏むのに、十一チャンネルの今度の場合において、UHFの方を考える必要があるのではないか、ステップはそれで踏んでおるのだから、ここらあたりではUHFを採用して、そのときに考えたらいいだろう。この点についても私は同感の点もあるのでございます。しかしながら実際問題としまして、では日本のそういうプランを立てることができるかと申しますと、先ほど申しましたようにデータ不足、それでやむを得ずこれは割愛していただいてVHFの方を先にやっていただく、ただし将来UHFをやる場合に支障のないような考え方をしていくということにしていただきたいのです。そこで、どうしてもUHFを一緒にくっつけなければいけないということになって、もしそれについていろいろな全般的な総合プランを立てるとなったら、これはこちらの郵政省の方に非常にエキスパートがそろっておるから、できる限りの短時間に、早くおやりになっていただけると思いますが、私ども想像するのに、かなりの手間がかかる、また材料をこれからお集めになるにもかなり御苦労があるだろう、そこで実は痛しかゆしと、こういうわけなんです。だから、それはそういうことができれば大へんいいのだが、今の実情では非常にむずかしいのではなかろうか、こういうことで御了解願いたいと思います。 それから最後の御質問ですが、メーカーの方からいって今六チャンネルでやっておるのへ、将来UHFをつけるというのがまずい……。
○橋本(登)委員 そうではなくて、今度の諮問案ですが、メーカーとしては、全国普及のVHFの百十何局を作る、こういう案が出ることは非常にいい。しかしその間に別個にチャンネルができて、今度はUHFの研究をやらせられるということになれば、メーカーとして新しい生産技術を覚えなければならぬということで、せっかくのVHFが大量生産に入ってきたのが、途中でとめられるという心配があって、そういうことからUHFの研究及び生産にはあまり熱心になれないのじゃなかろうか、こういう考えを持つわけです。
○高柳参考人 きょうは実は私は個人という考え方で申し上げておりますので、工業界の意見とか、あるいはメーカー側の意見というようなことではないということを御承知願いたいと思うのですが、決してそういうふうな御心配はないと思います。受像機の問題も、十一チャネルでVHFでありましても、もしUHFになればそういう場合は喜んでまたコンバーターなりチューナーを設計する用意はあるのじゃないか。これはそれほどむずかしい問題ではないと思います。そしてそれが一ぺんに要求されるのではなくてある余裕期間がございますれば十分それをやっていけるので、決してその点でどうこうという点はございません。ただ先ほど申し上げましたが、現在のチャンネル・プランで出発していくのに対して、これが非常におくれて——実はこれは私個人として申し上げるのですが、開局の場所など、その他でも今度のプランで引っかかってしまって、受像機などが作れないような状態になっていくという事態がある。今度のUHFが同時に御審議になって御決定が非常におそくまで持ち越されるということになりますと、これは私非常に困った事態が起きはしないかというふうに心配をいたしております。どうか割り切ることができればそういうふうにしていただいて、あとの支障のないように二段にお考えいただくということが望ましいのじゃないかと個人的に考えるわけでございます。
○橋本(登)委員 田口先生に一言お聞きしておきますが、これは高柳先生も関連しているわけでありますが、一つは今度のチャンネル・プランです。われわれの見たところではUHFのゾーン・システムといいますか、そういう小都市にはUHF放送局を認めるという考え方でできておらない、VHFでやっていく、その上で完全にあわせてUHFを将来許可しようという考え方であのプランができておる、こういうふうに思うのですが、その点高柳先生と私と少し見方が違うのですが、私はそういうふうに見ていますが、そういう点あのチャンネル・プランに対してどういうふうにごらんになっておりますか。 もう一つは、先生は先ほど教育放送のようなものをVHFにして、商業放送といいますか、娯楽放送などをUHFにしたらどうかというふうな非常に革新的な御意見ですが、実際上先生のおっしゃるようにUHFというものがサービス・エリアが非常に狭い。そういうことから見て、こういうふうにすでにVHFで娯楽放送といいますか、一般放送が認められておる、それを今度はUHFのチャンネルができたからお前の方は切りかえろ、こう言ってもこれはなかなかできないことではなかろうかと思うのですが、そういう点についての御意見を伺います。
○田口参考人 第一の、UHFのゾーンが現在の案とどうかというお話でございますが、私はさっき申しましたように、ごく特殊の地帯だけをUHFをまとめてきめて、その場所にはVHFを見ないでも受信機を買う人はそう高くない費用で買えるようにすることができると思っております。 それから第二の問題と関連しておりますが、教育テレビを見る人の方は安い費用で見なければなかなか普及しないじゃないか。ところが娯楽番組の方では削合に買う人も資力がありますし、出す方でも十分の資力があると思いますので、UHFの予算面で少し高い費用がかかるにしても普及は十分ではないか。たとえば信州の高い山の地方で開拓いたしますとなかなか開拓できませんが、そこいらが人口が稠密になりますとそこも利用価値があるわけで、そういうふうにある程度時間がたちますと、UHFとVHFとの差はごくわずか——送信側では三割、設計が悪いと十割になりますが、設計を悪くしないで——チャンネル・プランの設計が悪いと十割くらいの余分の経費が出て参りますが、それを十分にうまく割り当てれば、そう余分の費用をかけないで三割程度の費用でUHFが許せる。そうすれば教育の方よりは少し費用がよけいかかるが、これは買う方も設置する方もできるのではないかというような、そこいら辺にバランスをとりましたわけでございます。でございますから全国的にVで考えて、現在の東京と大阪だけにはオール・ウエーブの受像機を買う人には買わせる。そうしてUをこの上に積み立てても、現在のVのプランに対して修正しないでもよろしい。つまりVの上にUを積み重ねることができる。それからごく特殊地帯で、さっきお話がちょっとありましたように、VをやらないでUの地帯に切りかえることがあるいはいいかもしれないけれども、これはごく小さな修正でいいのではないか。そのためにはその前に幾つかの局が出まして、UHFの聴視率範囲、それから電波の伝播範囲がわかって参りますから、それによって考え直す時間があるけれども、それは約二年くらい先の話ではないかというふうに考えます。時間計画全体から考えて、今のプランは後にごくわずかの技術的修正が行われるかもしれませんが、それはほとんど技術的な修正以外のものではないと思いますので、現在のもので差しつかえないと存じたのでございます。
○橋本(登)委員 そうおっしゃいますと、たとえばチャンネル・プランをごらんになっていると思いますが、東京周辺、大阪周辺あるいはその他のせいぜいVHFとしては一局しか設置できない、こういうような地区を修正すれば、現在のチャンネル・プランをもって大体やっていけるというお考えでありましょうか。
○田口参考人 その通りであります。
○橋本(登)委員 教育放送のことはきょうは主題ではありませんでしたが、お話のように教育放送はわれわれも重要視しておるのです。教育放送というものを考えた場合、教育放送の定義は幾つもあると思うのです。いわゆる学校教育を主とした教育放送、あるいは教養等を含めたもの、あるいは産業講座、こういうものが考えられておりますが、いわゆる教育放送とは、主として学校教育の放送を中心として考える、こういう考え方で私はおるのですが、その点先生の御意見はどうですか。
○田口参考人 時間の関係でそれを全部省きましたが、映画教育の方では現在テレビより少し先の経験を持っておると思います。この面では学校教育映画、社会教育映画、教養文化、三種類に分けております。つまり分化発達しておるわけであります。そうするとテレビでも当然でありますが、アメリカのFCCではすでに学校教育の場合にはスポンサーをつけてはいけないということがはっきりしております。しかしそのほかの社会教育、教養文化に対してはスポンサーをつけたものが、日本のラジオでも相当なされておりますし、かなりアイデアのいい番組が民放からも出ておると思いますので、これも含めておると思いますが、さっき申しました国としてしなければならない教育というものは、VHFの方でやるべきだという面できたわけであります。しかしさっきのマイクロウエーブの場合には、それに対して一チャンネルをとりました以外に、もっと広い面の教育に対しても一チャンネルを与えたならば、それに対してプログラム・ソースを考えてもよろしい、こういうことであります。
○松前委員 高柳さんに伺いたいと思います。UHFは相当なかけ足でどうせ日本でも実用化しなければならなくなると確信します。今どうのこうのと議論しておることが、来年くらいになると非常におかしかったくらいになると思います。そうなりますとどこかが引き受けてこのUHFの技術の進歩発達に関する研究並びに実用化をやらなければならぬ、こういうふうに思うのです。外国でできた品物を買ってくるのだということでは、日本の工業の立場からもまことにまずい話だし、外国に先んずるわけにはいきませんでしょうが、少くとも追いかけてある程度国産化によってこれらの問題の実現をはからなければならぬと思うのです。この点について一体どういうところにどういうふうにしてやらせるのが一番よいか、御意見を簡単に伺いたいと思います。
○高柳参考人 確かにUHFの研究は非常に重要でありまして、世界における進展は今後非常に目ざましいものがあるのではないかと思います。日本においてもこれはぜひ早く研究しなければいけないし、日本でUHFを実施する場合には、できれば日本の技術でもって全部できるようにありたいわけであります。この促進に対してはどうすればよいか、こういう御質問でございますが、これはどういうものに使用されるかという目安がつかないといけないわけでございます。そしてデヴェロップするのは各メーカーの方がこの開発をやるべきだと思います。しかしこれに対して電子工学全体が日本において非常におくれておるという点がございますので、国家の方においてもぜひこれを育成、助長する方策をとっていただく。電子工学全体の一つの流れとして御努力していただくように考えるわけであります。それでは具体的にそういう研究機関をどういうふうにしてやっていくかということになりますと、にわかの御質問でありまして端的にお答えすることができないのは遺憾でございますが、とにかくこの研究が非常に重要でありますので、国家の方においてもぜひ電子工学の発達、このUHFの問題ばかりじゃなく、カラー・テレビその他についても、いわゆる電子工学全般の振興に御援助を願いたいと思うわけであります。
○松前委員 総合的な御意見でその通りだと思いますけれども、ただ問題はどこかがこれを具体的に実用化試験局か何かを作るというようなことにしなければ、なかなか物事というものは具体化してこない。ただ総合的に電子工学の進歩という一般的なことから押していっても、なかなか重点性を持ってUHFに集約された技術の発達ということができない。従ってどこかが促進の方法をとっていかなくちゃならぬ、それには少くとも一局くらいはUHFを一応実用化試験くらい許して、そうしてこれの実験のために全力をあげてメーカーばかりでなく、国家全体として努力をするというようなやり方をしなければいかぬのじゃないか、そうせぬと日本はやはり外国の製品を買ってきて、また外貨をうんと払わなくちゃならない、こういう哀れな状態になって、私はやはり東南アジアその他の地域のことも考えながら、放送というものをある程度機械を通じてできるというと語弊がありますが、連絡をとれるようにしておくことが、アジア政策に対しても非常に重要だと思う。そういう広い立場から見てやはり日本の品物を、アメリカから輸入したものでないもので日本で作らなくちゃいかぬ、こういうふうに思うのですが、これに対してどういうふうな御意見をお持ちでしょうか。
○高柳参考人 ただいま実験局を設置して全国的に努力を集中して日本としての開発をやられる、大へん貴重な御意見だと思います。日本でUHFを開発するにしましても、やはり拠点というものが必要であります。私どももぜひそういう実験局のようなものがあることを強く望むわけでございます。そうして十分な資料と工業的なバックが整ったときに実用化する、こういう段階を踏むのが順当ではないか、この点については非常に賛成であります。
○森本委員 きょう参考人の方々に当委員会として来ていただいて、非常に貴重な御意見をお伺いいたしましたが、その趣旨は今日のテレビのチャンネル・プランがVHFの十一チャンネルで、それは田口参考人が言われたように教育テレビの問題で非常に紛糾をしているわけであります。そこで今日この混乱を除去する意味において、UHFとVHFを混合したところの全国的なテレビのチャンネル・プランをこしらえたらどうか、技術的に可能性があるならばそういうふうにしたらどうかという意味で、その権威の方々に来ていただいて御意見をお伺いしたわけであります。そこで最終的に私は今までの御意見で十分わかりましたが、まず高柳参考人にお聞きしたいのは、UHFの実現の問題については、これは今個々のものについて実現をしようというふうに考えるならば、あえて不可能ではないけれども、これはやはり全国的な視野に立って、このUHF帯とVHF帯を今開拓しようということはやはり困難である。こういうような結論づけられた御意見に聞いたわけでありますが、そういうふうなことでございますか。たとえばここに重要な個所二、三ヵ所指定をしてやろうと思えば今日でもできるけれども、しかしこれを全国的な一つのUHF帯、VHF帯の混合的なチャンネル・プランを考えて、さらに全国的にこれを一緒に一挙にやろうということは非常に困難である、そういうふうに聞えたわけでありますが、そういうことでありますか。
○高柳参考人 これは先ほどの御質問に対して私が言いましたのは、UHF局は実は個々はよいのだが全体がどうという意味ではございません。これは一つのUHFというものの使用の例としまして、二つの面があるということを申し上げた。言いかえれば従来VHFで足らないところを補うという意味の使い方が一つと、それから全部VHFに置きかえて、一つの全国チャンネルのような意味の使い方、両方できるわけであります。この二つの意味がある、こういうことを申し上げた。そのうちの個々に使う方については、これは切り離すというと非常に楽にできるところもある、経済的に成り立つところもある、こういうふうに申し上げたわけであります。ただしかしいずれにしてもこれはほかにかかり合いができますので、この方をやるとすれば全国的のチャンネルの使い方を考えてからでなければ、やることはできないのではないかと考えるわけでございます。大体そういう意味であります。
○森本委員 そうするとやはり結論的には、現在の送信機の問題はなかったわけですが、受像機、それから技術的な関係からいたしまして、やはり現在の段階においてはこのVHF帯を使って考えておる、その内容は別として、今回の政府のチャンネル・プランの方を実施することが、当面としてはやはり一番望ましい、そういうことになるわけですか。
○高柳参考人 VHFのこのチャンネル・プランで最初やっていただいて、できるならすぐ追いかけてこのUHFを第二段として取り上げていただきたい、こういうのです。これを一緒にやれば非常に時間的にもドロー・バックがありまして、両方とも共倒れになる心配がございますので、先にきめていただいて、あとすぐ大体どの範囲をやるか、先ほど松前さんから御質問がありましたように実験局のようなものをやって、十分資料を整えて、日本としての次の追いかけた計画を考えるべきではないかというふうに考えるわけであります。決してUHFが必要ないからあとにした方がいいという意味ではないのでございます。できるなら一緒にしていただきたいと思うけれども、これは実際問題として困るじゃないか、こういうふうな考え方であります。
○竹内委員 高柳先生、田口先生、両先生にお聞きしたいのですけれども、両先生の今までお述べになりました貴重なる御意見を拝聴して、私は大体のところはこういうことだと思うのです。UHFは、VHFの波だけではテレビの需要をまかない切れないから、これを使うことはもちろん使わなければならぬが、今日の段階では日本の技術がそれをやり得るまでに安定していないということが一つ、その他これに関連して工業的な条件その他もそろっていない。それを今そういう不安定な状態で電波行政の基本に取り入れて、チャンネル・プラン全部を組むということは、行政自体としても非常に無理だし、実情としても非常に無理だ、これをやろうとすれば、そういう技術が安定していないUHFのためにVHFの方もあおりを食って、その計画だけでも二年くらいかかるだろう。であるから今の場合はVHFのチャンネル・プランをもって実施して、その上に積み重ねていく方法よりほかにないだろう、こういう御意見のように聞いたわけでありますが、私の理解しておる点に間違いがありますかどうか。今田口先生は二年以上の時日を必要とするだろうということをおっしゃられましたので、二年以上の時日を要するという条件についてお聞きしたいのでありますが、われわれは技術屋でないから、長々と御説明されるとかえってわからなくなりますので、それでよろしいかどうか。少くとも二年以上の時日を必要とするだろうというのは、それだけの条件を満たすためには工業的量産の問題、技術的な問題いろいろあって、そのくらいの時日を要するくらいにまだ整っていないのだ、こういう意味に拝聴いたしましたが、その通りでありますか。
○田口参考人 私から先にお答えいたします。結論はその通りでございますが、どういうデータが不足かという点について、実は受信機を作る技術あるいは送信機を作る技術については、日本はそうおくれていないという考え方を持っております。ただし日本の地勢が山と谷が非常に多いので、そこで電波はどう伝わるかという問題が未解決であります。その点で一局がかりに許されますと、そこから電波が出まして、それがどの山にはどういうふうになるということが明らかになって参りますので、新しい知識を取り入れることができる。その知識をだんだん加えることによって全体の計画がはっきりしていくというふうに申し上げたいのであります。それから一つの流れ作業によって受信機を作るとか、あるいは送信機を作る方は、やはり真空管の技術が幾分不安定でございますので、何べんか真空管を作り直す——やりそこなうということもあるので、時間がかかるわけでありますが、それ以外にはかかるところはあまりないのではないかというふうに考えております。なおさっき松前さんからお話がありました問題で、どこに欠点があるかと申しますと、日本のすべての技術が外国から技術提携によりまして教えを受けて作っている点が多々ありますが、受信機の製造はあるいは日本人の特技として、これは外国より技術が優秀だと思っております。場合によったら日本の綿紡績のように年間一億ドルないし五億ドルくらいの輸出産業になり得るところもあったのじゃないかと期待しておったのでありますが、その技術提携のときに、契約によりまして外国の技術を取り入れるかわりに、その受像機は日本以外に売ってはいけないという契約ができている場合が相当あるのであります。そのために日本の受像機を外国に売ることができない場合が多々あります。もし売ることができれば、よけいに売れるのでございますから、製造技術も進む、すなわち技術全体が進むということになるのです。それが現在では日本だけの購買力にたよって日本の技術が進んでおる。ここが最大の欠陥じゃないかというふうに考えております。
○松井委員長 他に御質疑がなければ、本日の審査はこの程度にとどめておきます。 参考人の皆様には、本委員会のために、御多用中にもかかわらず長時間にわたって有益なる御意見をお述べいただきましてありがとうございました。本日の皆様の御意見は、今後の本委員会の審査の上に多大な参考になることと存じます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。 次会は明十日午前十時より理事会、十時三十分委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十五分散会