逓信委員会 第11号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/03/13
会議録
○松井委員長 これより会議を開きます。 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。 質疑の通告がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 きのうこの予算総則の第十三条の駐留軍放送役務に関する問題で私の方から質問をいたしまして、電波監理当局の方から回答を留保された点がありますので、それについての御回答を願いたいと思います。
○濱田政府委員 この問題は昭和二十七年に作られた日米行政協定等に関するものでありまして、さっそく従来の経緯その他について調査いたしましたけれども、なお分明でない点がございますので、もうしばらく調査を続けさせていただきたいと思います。
○森本委員 実はNHKの予算に関連をして、この項について一つ明らかにしてもらいたい、なおこの際こういう問題については、独立国としての形態をはっきりとった形にしてもらいたい、こういう考え方で質問をいたしましたけれども、今そういう御回答でありますので、この問題についてはいずれ別の機会にまた私の方から質問をすることにいたしまして、本日この問題についての質問はこれで打ち切っておきたいと思います。 ただNHK当局にちょっとお聞きしておきたいと思いますが、昨年もそうであったと思いますが、昨年の場合におけるこの金額はどのくらいになっておりますか。
○池田参考人 三十年度の決算ができておりますので、それを申し上げますと、総額五千四百十七万二千円でございます。
○森本委員 それは三十一年も三十二年も大体それと同じ割合の予定でありますか。
○池田参考人 三十一年は時間が減りましたので、毎月決算しておりますが、多分四千六百万円くらいになるのじやないかと思います。
○森本委員 来年度の場合はどうなりますか。
○池田参考人 これから四月の新しい契約をいたしますので、まだ予算には載っておりません。これは単価を原価計算いたしますので、人件費が入ってきますので、少し違ってくるのじやないかと思います。
○森本委員 それはむろんこの予算総則の項目からして予算には載らないことは明らかでありますが、私が聞いているのは、NHKとしては従来の考え方から将来の見通しというものは大体できているのじやないか。だから三十二年度はこれがふえるものか減るものか。減るものならどのくらいに減るものか。こういうことです。
○池田参考人 三十二年度はことしやっておりましたのと同じような時間の予定でございますので、人件費なんか多少単価が上りますので、役務の提供の時間は同じでございますが、私先ほど申しました四千六百万よりも少し上るのではないかと思います。
○森本委員 それではこの問題については、先ほど申しましたように、日を改めて行いたいと思います。 次に、こまかいことで相当聞きたいこともありますけれども時間がありませんので省略をいたしまして、会長がこの提案のときに最初に説明をいたしました説明の中で、この文書では八枚目の初めの方でありますが、「この点につきまして先般テレビジョンによる第二放送用周波数確保に関する要望書を提出いたしまして、近い将来においてNHKがテレビジョン第二放送を全国的に実施できるよう、必要かつ良好な周波数を確保していただくべく要望いたしましたが、」こういうふうにあるわけであります。それから七枚目にも「テレビジョンによる教育放送の実施に備えまして、」こういうふうなことがあるわけでありまして、本委員会における質疑応答におきましても、教育放送はNHKでやらしてもらいたいという要望をNHK当局の方から答弁があっておりますので、その考え方はよくわかりました。しかしそういう考え方に立つ場合におきましては、たとえば現在東京、大阪等における問題に対して、具体的にそれではNHKとしては、この波をNHKの教育放送として割り当ててもらいたいというテレビジョン放送局開局の申請書を、積極的にお出しにならなかったというのはどういう理由であるか。一般の人は積極的にこの教育放送をやらしてもらいたいということで、相当の開局の申請が出ておる。NHKもそういうふうにやらしてもらいたいという熾烈な要望があるならば、そういう申請を積極的に出したらいいのじゃないか、こう考えますが、その点はどうですか。
○永田参考人 NHKといたしましては民間と同じように申請書を提出いたしたいと思って十分協議もいたしたのでありますが、民間の場合は、申請書については、これは企業の自由の原則で、必ずしもその的確を期せなくてもいいかもしれませんし、また変更があってもいいかもしれませんし、それに関連する経理、施設地その他についてもいろいろと変更があってもいいわけでありますが、NHKとしてはこういった問題は当然きわめて正確を期す必要があるし、また諸般のまだまとまっていない未決定のファクターを入れてしまって計画書を作るということについては慎重を要するこういうふうに考えたのであります。そういう意味で、実際は申請書と同じ意味のものであるという前提のもとに、要望書と、重ねて私会長として、せひNHKにこれをやるべき責任があるように思うし、そうなるのが当然であろうし、またNHKとしても十分その準備をしたいという意思表明を正確に郵政当局にいたしておりました。私どもとしては、それで申請書と全く同一の見解に立つものであるという解釈で進んでおる次第でございます。熱意はそういうことで十分披瀝しております。またかねがね要望書を提出する以前から、おそらく教育放送ということが問題になるし、またNHK自体といたしましてもラジオですでに二十年間以上教育放送の仕事をいたしており、各地の教育委員会とも連絡しまして、教育放送である以上は教育委員会のアンタントがなければできないわけでございますから、そういう処置もとって参っております。重ねてテレビジョンにつきましては、昨年私会長就任後間もなく、視聴覚教育の世界的大家の一人のドクター・エドガー・デール氏を招聘して十分その研究をとり、また各地に講演会も開いて、視聴覚教育の今後の進み方についての十分の編成を整えて責任を果していきたいという趣旨で進んでおります。そういうふうにしまして、実際においてこの問題の処置には尽したつもりでありますが、外見上において、一方は申請書になっておりますし、一方は要望書並びに会長としての責任上これはやらなければならないと思うという意味の意思を明確に表明しておる次第でございます。
○森本委員 NHKが民間放送と比べてそういう申請書を出すということについては、非常に慎重であるということは私どもうなずけるわけでありますが、ただNHKがそういう申請書をはっきりしないから出さないという答弁が今までありました。これは教育放送でなくして、全国各地のテレビジョン放送局の問題についてのそういう質問に対して御回答があったわけでございます。しかしその場合には、マイクロウエーブの問題その他の問題で、三十三年度以降になるやもわからぬので予算とは関係がないから云々ということで、私ども一応その回答には納得をしておったわけであります。しかし今回のこの教育放送の問題については、それほど将来の問題ではないわけであります。これは今の郵政省のチャンネル・プランがそのまま決定されて、四月から実際に免許の段階ということになると、ことしの問題になってくるわけであります。そうなって参りますと、全国各地においてマイクロウエーブを二年か三年先に置くというような、まだ申請を出しておらないようなところとは若干意味が違ってくるわけであります。そこでNHKがそれほど郵政省が出しておるチャンネル・プランによるところの教育放送というものを要望しておる、こういうことになるならば、これはNHK当局としては、現在の波が教育放送に割り当てられる可能性があるところについては、当然積極的に申請書を出していいのじやないか。そういう要望があるならば、積極的に出してNHK当局の意思を明らかにすべきではないか。そうなって参りますと、今回NHKの予算というものが国会に提案をされる場合には、当然郵政大臣の意見書というものが付されて参りますので、今の郵政省が出しておるチャンネル・プランというものが、ああいうふうな行方不明な答弁ができないことになる。NHKがはっきり出してきた場合においては、郵政省としてもそれに対する意見というものをはっきり付さなければならぬ。そうなってくると、そこで初めてあのチャンネル・プランについての郵政省の意見とNHKの意見が、おのずから明確になってこざるを得ないという羽目になるわけであります。そういうことを考えてみますと、今一番テレビジョン放送において論議の的になっておりますところの、この教育放送の問題についての当局の考え方も明らかになってくるということについては、NHKが申請を出すということが一番早い近道になってくるわけであります。それをなぜNHK当局がようやらなかったか。そこに何か郵政省の方から圧力があって出さなかったのかというふうに、私は非常に疑いを持たざるを得ないわけであります。それほどNHK当局が要望するならば、なぜ今言ったような方法をとらなかったのであろう。そういうことをとった場合に、おのずから今の放送界における論議の焦点というものが解明をされるのではないか。その辺がどうも私見ておってふに落ちない点がありますので、今の会長の御回答で——これはたとえば私が前に質問をいたしました青森とかあるいは松江とかいうところの問題と同一ではない、こういうふうに私は考えておるわけであります。その辺は会長としても郵政当局なりとお話もしただろうと思いますし、この予算については、大体大詰めにきており、重要なポイントになっておりますので、一つざっくばらんな御回答を願いたいと思う次第であります。
○永田参考人 私は三十年かけて教壇に立っておって、教育のことはいささか承知もしておるつもりでございます。そして今後教育の分野につきまして、電波による教育効果が次第に展開されていくであろうことも必然だと考える次第であります。その電波による教育、テレビジョン教育がどういうふうに行われているかについては、皆様方良識の方々十分御承知と思いますけれども、これが商業放送として広告をしながら教育をするということが行われる可能性というか、そういう考え方はあり得ないのじやないかというふうに——教育の純粋な意味から申しますと、広告しながら教育をするという世界が考えられないというふうに思っておったのであります。教育は容易ならぬ問題でありますし、来たるべき次代を作る重要な事柄でございますから、これは非常に真剣に考えた次第であります。そういう意味で、一般にもテレビジョンの一般娯楽放送はこれ以上拡大するというよりも、むしろあと波の余裕があれば、当然教育の方に使われるというふうな良識的傾向にあることは当然だと思います。そうしますと、教育放送はむしろ公共放送として、ぜひNHKがその責任を果さねばならないというふうに考えられるものだと承知しております。そういう意味でわれわれとしてはむしろ社会的責任、あるいは御命令があるという前提のもとに問題を進めておったので、準備が整い、同時にチャンネル・プランがきまるときに、おそらくこれは同時決定の問題にするのではなかろうかというふうに考えておった次第で、私どもの方から直接に強く上申書を出すというようなことは考えてなかった次第であります。
○森本委員 そうするとNHK当局としては、あの郵政省のチャンネル・プランが発表されて、かりに教育放送ということが出た場合には、この教育放送というものは、当然教育放送の使命からしてNHK当局が大体常識としてやるべきものである、こう考えておった。だからしいてそれほどあわてて申請を出す必要はないという考え方によって申請書は出しておらなかった、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○永田参考人 この問題は参議院の逓信委員会でもいろいろ御質問があったのですが、教育放送というのはBBCでも非常に長く研究しておりますし、まだ実験的な段階にある。同時にまたこれをやりましてもいろいろと研究もし、御指導も願って、これをどういうふうに進めていくかについては、これは大きな社会的、政治的な問題だというふうに考えておったのであります。そういう意味でNHKとしては教育放送についてむしろチャンネル・プランの中で、あるいはすぐできなければ諸国の例や実例をとりまして、もっと慎重に研究する必要があるという付帯的な意見もつくのではなかろうか、そうあわててやる必要もないから慎重にやれ、そのチャンネルの波はBBCのように確保しておけ、こういうふうな御意見もあるいは出るのではなかろうかという前提を持っておった次第であります。
○松井委員長 上林山榮吉君。
○上林山委員 まずNHK当局にお伺いいたしたいのですが、放送を始めるについては大体一年間にどういう番組を組むかというような、大まかな御計画があるのではないかと思っておるわけでございますが、テレビジョン放送について世間では教育放送に重点を置かないで、民放がやるような娯楽放送に重点があるようにいわれているわけです。これに対してはNHK当局として相当弁明もできるとは思いますが、そういうような状況にあるのです。この最近の国民の世論に対して三十二年度の計画とでも申しましょうか、たとえば教育放送の時間を多くとるようにするというようなお考えが実現されつつあるのかどうか、この点をまずお伺いいたしておきたいのであります。
○永田参考人 NHKのテレビジョンにつきまして——ラジオも同様でございますが、私は今のお説の通りに、公共放送としては教育、教養の方を強化していくべきである、ただやはり国民的基盤に立っておりますので、あまり理想に走って、上から押えつけるようなことをやっても、実際に聞いてくれなければ困るのですから、高い水準へだんだんと進んでいくようにして参りたいというふうに考えております。この三十二年度の計画では、概括的に言いまして一般健全娯楽四〇%、教育教養四〇%、報道二〇%というふうな形をまずとりたいということで進んでおりまして、その計画に従って三十二年度の編成プログラムを作成中でございます。
○上林山委員 ある程度変更の意思のあらわれることに対しては私どもも了とするのでございますが、現在広い意味の教育放送、学校放送はもちろんのこと、産業教育あるいは社会教育あるいは科学教育、そうしたようなものを含めてどれくらいの放送時間を費しておられますか。
○稲葉参考人 ただいまのところ四五%教養関係の番組として組んでおります。
○上林山委員 広い意味の教育放送ということで放送時間の四五%を費しておる、こういうことで相当公共放送の精神に従ってやっておられるし、さらに三十二年度には一段とそういう方向に重点を置かれようとしている御意図はわかったのでありますが、御承知の通りテレビの受像機は相当高いわけでありますし、またラジオ放送の新加入者もどうやら頭打ちの状態にきておる。なおまたテレビをやるについては相当巨額の費用を要する、こういうふうな状態で、ラジオの方が新加入者の見通しもまだ十分である、いわゆる経済的基盤が十分である、こういう見通しの場合には、ここ二、三年はテレビはどうしてもバランス・シートは合わぬのですから、結局ラジオの方の資金を食うのはやむを得ない事情でありますが、今申し上げる通り、新加入者の見通しはもう頭打ちの状態にきておる、あるいはきつつある。そういう状態のところに第二のテレビ放送をやるということになれば、この経営というものはどうやらシートが狂う、こういう状態にあるようでありますが、これに対する御見解はどうかという点と、さらに第二テレビの放送をやるについては、NHKとしてはどれくらいの資金を必要とするとお考えになっておるか。私は予算なり経営という面から、真ちに着手されることは非常に困難な事情を含んでおるのではないかと考えるのでありますが、この方面の説明を願っておきたいと思います。
○永田参考人 これはお説の通りでございまして、今直ちに理想的な第二テレビの編成を組むことは、経営的になかなかむずかしいと思うのでございます。それでかねがねからお願いもしておりますように、内部的な合理化問題の推進、並びに国際放送についての政府側の適当な処置をしていただきたい。その他諸般のことで第二テレビの経費の問題も十分に捻出したいと思いますが、幸いにしてNHKはいろいろ技術的設備を持っておりますので、それを利用する場合に、実際に普通の場合とは違って金をかけずにできるようなことも考えませんと、また聴視者負担ということに進んで参りますので、その点にも十分努力はしたいと思いますが、お説の通りに今直ちに教育体系を確立した形での教育放送の実行はなかなか容易でないというふうに考えております。それで明年度につきましては一応実験的な段階に入っていくわけでありますが、幸いにして一方テレビジョンの設置台数もだんだんふえて参りまして、本年度三月末で大体四十万、明年度に七十五万から八十万まで伸びるだろうというふうに考えております。それに応じて教育を順次にやっていく経営的な基盤は一応計算に立つ、こういう所存でいる次第でございます。
○上林山委員 第二のテレビ放送をやるについて資金に非常に困るのだということをお認めになりましたが、その処置としては政府も何らかの処置を願いたい、こういう御意向のようであります。国際放送等に対しては政府が補助とか、その他の方法でやる道もありましょうが、そうするとNHKの考えているのは、たとえば融資とかそういうような面のことを考えているのか、あるいはどういうようなことを具体的にお考えになっているのかという点が一点。それからそういうものも十分でないとするならば、借入金をもってやっていかなければならないが、それは見通しがあるかどうか、それもできないということになれば、結局は聴視料といいますか、それを値上げしていかなければならぬ、こういうことになってくると思うのでございますが、その見通し、今承わると、急場のことであって、用意がないようにも質疑応答を通じて私は拝聴しておったのでございますが、そういうような場合でありますので、具体的に的確にあるいはお答えできないかもわかりませんが、ぜひとも第二のテレビの放送をやりたいとするならば・そういうような具体的なことをお考えになっておかなければならぬ、これが第三点でございます。第四点としては、テレビは当分資金を要するだけで、シートがあうまでには相当の年月を要する、こういうふうに考えておりますが、NHK当局が企業経営の上からお考えになっておられますシートの収支の合うのは、何年後だという御計画を立てておられますか。三年後であるのか五年後であるのか、この点を明らかにしておかれたいのであります。
○永田参考人 教育テレビにつきましては、実際に今後の展開ということが重要なポイントになりますし、また実際それが三年後における影響は非常に大きいものでありますから、順次に展開して参りたいと思っている次第でございます。なお全体の経営につきましては、総合的にまたいろいろとお知恵も拝借したり、御指示も受けたいと思います。第二テレビをそういう趣旨でやることについては、経営的に一応の成算は持っている次第でございますが、具体的には担当理事からお答えいたします。
○上林山委員 担当理事が説明する前に申し上げておきますが、私は第二のテレビの放送をやるについては、どれだけの資金を要する見込みであるかということを聞いておるのですが、この答えがないようですから、それをお答え願いたいという点と、それから何年後に——そのときどきの経営を展開するというのではなしに、三年計画ではこうなる、五年計画ならば十分にできる、こういうようなしっかりした見通しがやはり必要になってくると思うわけなんです。それから私どもの考えたところでは、政府の援助などということは、これはある程度はできると思うけれども十分にできない、こういう見通しです。そういう見通しに立つと、結局は料金改訂ということにプール計算して考えてみてもなってくるのではないか、こういうことが言えるのでございますが、そういうようにお考えになりませんかどうか。この点をはっきりお答えを願っておけば非常に参考になると思います。
○永田参考人 NHK全体につきまして、しばしばお答え申し上げましたように今後NHKがやらねばならないと考えられますことはたくさんございますし、またそれらについても種々この委員会でもお話がございましたので、ぜひその責任を果して参りたいと考えております。それはやはり五カ年計画を立てまして、長期的に着々進めていく——ラジオにつきましてもテレビにつきましても施設改善やあるいは大電力問題、国際放送問題、技術研究の拡充その他につきましても、今のように計画的に問題を進めて参りたいという所存でおる次第でございます。テレビジョンの第二放送について今申し上げましたのは、政府の補助金というよりもむしろそれではなくて、国際放送その他で聴取者が実際に負担しておるような分もございますので、それらについては政府当局としても十分お考えいただき、それらをあわせて総合的に合理化をはかって参りたいと思っております。 それから第二テレビジョンにつきましての一応技術的な設備計画につきましては、大体五カ年間で建設資金としては十四億くらいを見込んでおる次第でございます。なお一般の資金関係につきましては、別にテレビにつきまして料金値上げをしなくとも、十分第二テレビをやっていけるという計算を立てておる次第でございます。
○上林山委員 その五カ年計画というのはすでにできておられますか。できておられるならば、その資料をいただきたいと思います。 それから今会長のお話を聞きますと、国際放送をやるについて、その費用を一般国民聴取者が負担しておる部分がある、それを政府に何かの形で出してもらおう、こういうふうに聞えたのですが、そうであるのかどうか。そうであるとするならばどういう形でどれくらいの金額、国際放送の分を一般聴取者が負担しておるということになるのか、便宜金額でお示しを願いたい、こういうふうに思います。それから五カ年計画が立つならば、全体として考えてテレビは第一放送も第二放送も収支が償う、こういうふうに受け取っていいのでございますか、この点をお聞きしておきます。
○永田参考人 第一の点につきましては、実ば国際放送の概念規定が必ずしも明確でございません。一応政府としてお考えになっておりますことは、ストレート・ニュースを国際放送というふうにお考えになっておるようでありますが、実際にはどこの国でも国際放送をストレート・ニュースだけでやっているところはありませんで、前後に必ず文化紹介をやる、それを総合して国際放送というふうに言うものだと思います。NHKといたしましては、国際放送をやる以上は各国の慣例にもならいまして、また実際ここでいろいろ御意見が出ましたように、その効果を十分に考えなければなりませんで、ただ波を出したというだけでは責任は終っておりませんので、十分に聴取者の技術的な状況についても考え、内容についても十分聞いてもらえるような方法をとらなければならぬ、こう考えております。従って経理面から申しますと、大体二億ちょっとが国際放送の経費になります。それで政府としては一応ストレート・ニュースという時間で御計算になっているようでございますので、およそその半額ぐらいが国際電電の電波使用料の方に回されるわけでございます。そういう格好になっております。
○上林山委員 政府当局にお伺いいたします。教育放送がどういう形でなされるかは別といたしまして、これはまた慎重に考えなければならぬ問題だと思いますが、たとえば教育放送をNHKにやらせないでほかの民間団体にこれをやらした、こういう場合に、これは政務次官からでけっこうでございますが、経営という面から果して十分に経営ができるであろうか、こういう点でございます。なるほどわれわれは、教育放送をどんな形ででもいいから今までよりも効果的に、もっと広範にやらなければならぬというこの思想には賛成なんです。賛成なんですが、その経営形態というものをよほど慎重に考えていかないと、角をためて牛を殺す結果になってしまう。スタートは非常に高遠な理想を持って出発をしたが、途中で経営が困難になるということになりかねないのであります。そこで私どもが考える点は、経営というものは、教育放送の場合は特に一般民放などとは違って困難になる要素が多いのです。そういう立場から考えますと、郵政当局としてどういう形態でやらした方がいいかはまだ結論が出ていないという段階であるのか、あるいは大体こういう構想を持っておるという時期にもう来ておるのかどうか。チャンネル・プランが御承知のように三月の末か四月の初めにもし決定されるとすれば、これは必然的に右、左を断定しなければならぬ時期に来ておるわけですね。だからそういう点から考えまして、私は経営形態というものが非常に大事である、こういうようにも考えますし、また一般に常識的にいわれている教育放送という構想に対しても、果してそれが純粋の教育放送というだけに重点を置くべきか、七分通りそういうものに重点を置いて、あとの三分通りはいわゆる血の通ったというとおかしいけれども、そうしたようなものも加えた放送というふうにしていった方がいいのか、これは非常に私どもは疑問を持っている点であります。そういうことに対して遠慮せずにお答え願えれば幸いだと思います。
○伊東政府委員 傾聴すべき重大な発言でございますが、放送界におけるただいまの焦点は何といっても教育テレビでございます。教育テレビの必要性についてはこれはちょうちょうを要しません。そこでだんだんお話があるように、この非常に大切な問題を解決するのには慎重の態度をとっていかなければなりませんし、そこで省といたしましてもただいま各方面からこれに検討を加えておるのでありますが、大体基本方針からはっきりいたしておらないのでございます。たとえば教育放送とは何ぞやといったような問題でございます。教育放送あるいは教育的放送あるいは学校教育放送といったような、まだ定義もどうもはっきりせぬようでございます。こういう点もきわめて慎重に考えなければならぬ、これは教育放送の重要性にかんがみて重大な点であろうと思います。同時にただいま御発言の企業経営をどうするか、その形態をどうするかというようなことのごとき、まだいずれに、教育放送をどこに持っていくかということもわかりませんが、その決定する条件の一つとしては、やはり今お話のような企業が完全に推進されていかなければならない、あるいはそれに関連いたしまする資金等のこともやはりこれを考えていく、これも決定する条件の重大なるものだ、こういうふうに考えておるわけでございます。今のところいずれにこれをどうするかということは御承知の通りまだ決定いたしませんが、なお将来相当時間をかけて慎重にすべきがいいのか、あるいはもう大体、あまり長くすれば混乱するからやったらどうかといったような考え方もございましょうが、しかしただいま省といたしましては慎重の上に慎重を重ねて万遺憾なき決定をいたしたい、こう考えております。
○橋本(登)委員 今の上林山委員の質問の中に、ちょっと関連して、言葉の上でもって間違いがありますからあらためてお聞きいたしますが、今政務次官は、教育テレビは非常に必要であるというお言葉を使われましたが、それは教育テレビ局のことを意味せられておるのか、それとも教育番組の拡充を意味しておられるのか、これは問題が根本的に違って参ります。その点をもし言葉が足らずしてそうなりますと、チャンネル・プランの問題にも直接非常な影響がありますので、教育テレビ局の設置が必要なのか、それともテレビの番組の上において教育番組の拡充が必要なのか、その点を少し明らかにせぬと誤解を生みますからして、あらためてその点をお聞きいたします。
○伊東政府委員 御説の通りこれは重大な点でございますが、さっきも私申し上げたように、教育テレビという定義も、はっきりいたしませんので、これに関連いたしまして、今のお話についてはテレビ局と番組の関係は非常に大事な点でございまするので、そういったような問題は慎重の上に慎重を加えて考えなければならぬ、こう考えておるわけでございます。
○竹内委員 ただいまのお答えに関連するわけでありますが、教育テレビの問題は、教育テレビ局にしても番組にしても、今非常に重要な問題になっておりまして、先ほど森本委員からの御発言にあった通り、もうこれはことしの問題であります。今までの質疑応答の大体は、教育テレビをどういう形で始めようかという、企業体の側から見たお話が大部分でありましたが、私はこの問題については非常に大きい条件として、受け入れ態勢側の問題を考えなければならぬと思うのであります。その点についてNHKの永田会長にアイデアだけを伺っておきたいと思うのでありますが、大体において二様に考えられるわけであります。これは今後の教育テレビの発展の上における条件になりますのでお尋ねいたすわけでありますが、今のNHKの番組の中に教育的な、あるいは教育番組を組み入れていくという場合における受入側の問題と、全然別途の教育の目的を持った単一の波によってやるという場合と、受け入れ態勢の場合に非常に違いが出てくるということが一点、つまり教育放送は教育されるべき人間あるいは教育を受けたい人間を対象としてやりますから、一般的なものではないのであります。その場合に、放送教育を受けたい、あるいは受けさせたいという階層は、いわば普通の教育に恵まれざる、今のテレビの受信機の価格からすればなかなかそれを手に入れがたい階層なのであります。そこに一つの大きいギャップがあるわけでありまして、いかに企業側でこれを盛んに放送されましても、受入側で今の大衆値段になっていないテレビを購入してそれを受けるということには相当大きい困難があるわけです。そこで二様に分けてお尋ねしたいのでありますが、今の番組の中に組み入れてやるという場合には比較的簡単だと思う。しかしながら別途に第二テレビ放送というものを始めて、別途の受信機でこれを受けられることを大体予想して始められるのだとするならば、今のあなた方が対象として考えられておる国民層において、その負担能力があると考えられるか。もしないとするならば、これに何らかの政治的な援助を必要とするか。その以降のことはむしろ文教政策になりますが、その事業を始められるNHKとしてはどういうアイデアをもってこれに臨まんとしておるか。その構想だけを伺いたいと思います。
○永田参考人 全く御説の通りでありまして、放送は、放送することよりも、むしろ受入側がどうあるかという状況と相関連してやらなければ、その効果はない次第でございます。NHKといたしまして、われわれはどういう責任があるかということを十分検討いたした次第でございますが、その前に、恐縮でございますけれども今お説にありました非常に重大な点がありますので、それを述べさせていただくとしますれば、先ほど申しましたように、私は三十年間大学の教壇に立っておりましたが、教育というものは、大学に来れる人はけっこうでありますが、来れない人がたくさんありますし、それにこういう電波を通じて学校に来たと同じような教育効果を与えられる社会が今後こなければ、決して日本は文化国家とも言えないし、また福祉国家とも言えないだろうという信念を実は持っている次第でございます。そこでまさに受入側の問題が登場するわけであります。でき得べくんば一日働いて、勤労を終って、なお学校に行けると同じような技術教育、職業教育が施されるようなことを、電波がそれだけ発展して参りますと、ぜひ果さなければ、社会として、世界におくれをとりますし、また日本自体としましても——御承知の通り世界の進歩的な国家は、進んで技術教育に非常に力を注いでおりますが、ただ政治といたしまして学校をお作りになるなり、技術研究所をお作りになるなり、あるいはいろいろな補導機関をお作りになることも非常にけっこうでありますけれども、しかし電波がこれだけ拡大して参りますと、一日の勤労を終った人たちが、なおあとで技術教育を受け、職業教育を受けられるような教育体系を設けなければならぬ。それがまさに受入側の状況を考えた教育の電波によるシステムだ、こういうふうに実は深刻に考えておる次第でございます。そうなりますと、教育については、時間があったらやろうとか、あるときはやめるとかいうことは絶対できません。一定の授業計画ができますと、これは瞬時も休むことはできませんので、その体系に従って毎日毎日規則的にきちんとやってくいということになると思いますので、それを中心にして進んでいきたい。そのためにはどうしても第二の波がなければ、第一の波の中でやりましても、今お話のように受入側がその条件にないということが起って参る次第でございます。もとより第一の波の余った分については、できるだけ教育、教養へ進んで参りたいと思いますが、一方また教育のシステムを確立した意味の体系化をはかりたい。お説の通りこれが買えないような人に対しては一体どうするかという問題が、社会政策的な形で出て参りますが、従来も、たとえばユネスコと協力して日本の農村にテレビを置いております。これはフランスやその他と違って非常に効果を上げて、皆さん非常に喜んでおられる。共同視聴の問題については、公民館や学校に受信機を据え付ける、そういうことを文教政策としてお考え願って、その措置ができるようにお願いしたいと思います。
○竹内委員 お説の通りその以後の問題はむしろ文教政策になると思いますが、具体的にはどういう構想のもとにそういう文教政策を要望されておるか。永田さんは長い間教育者として御経験もありますので、その間の事情はよくわかっておると思いますが、具体的には一体どういうことを文教政策としてお望みになるか。今後われわれがこの問題を審議する上において参考になると思いますから、その点を具体的にお述べ願いたいと思います。
○永田参考人 全体の編成につきましては、午前午後にかけて、大体学校でテレビを使って、従来のチョークと黒板の教育から、もっと実体教育の方へお進みになることが当然起ってくるであろう。そのときに電波を使って進むことになると思いますし、たとえば生物学あるいは社会科の教育その他についても、現状をテレビで映して見ることによって、その視聴覚の世界は非常に明確になるし、教育も的確に行われる。掛軸をかけて、この鳥はこういう色をしておりますと言うこともできますが、その鳥の生態そのものをテレビに映し出して、こういうふうにして成長していき、こういうふうな生態だと言うこともできると思います。これは一例でありますが、その他学校教育については文教政策上、これをお使いにならなければならない場面がきっと起ってくると思います。
○竹内委員 受信者側の設備の方の拡充について、どういうことを望むか。
○永田参考人 これは今申し上げましたように、学校、公民館その他集団視聴の施設をぜひやりたいと思います。現在やっておりますのは、ユネスコの方で文教関係のものと結んでやっておるのであります。しかしテレビ自体もこれからだんだん価格が安くなって参りましょうし、大体五万円くらいになるようにわれわれもぜひ技術指導していきたいと思っております。そうなるとそういう集団的な学校とか特殊施設関係のみならず、一般家庭にもテレビが相当行き渡るものだと思います。およそ三年ないし四年後には二百五十万から三百万のテレビが日本に設置されるのじやなかろうかという見通しをつけておりますが、これは一般経済的な状況によりますし、所得によりますから、NHKとしてそこまで、各家庭にみなテレビがあるようにというところまでNHKがやるというわけに参りませんので、これは一般の政策として、ぜひその普及が行われるように政治的な配慮をお願いしたいと思います。
○竹内委員 ただいまの永田さんの御説明は非常に楽観されているようでありますが、この問題は、今のまあ五万円ぐらいならそう心配せぬでも普及するだろうという考え方は、日本の現在からすれば、私は必ずしも楽観すべき問題でもないと思います。そこで教育放送と受入側とのギャップは、これは相当に政治の上なり、あるいはNHK自体がある程度予算をさいても、これに援助をしなければならぬという事態が私は起ると思う。これはまた別個の問題でありますから、この点についても、NHKとしても十分に御研究されるように望んで、時間がありませんから、この問題はまた別の機会にいたしたいと思います。
○松井委員長 他に御質議はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○松井委員長 他に御質異がなければ、本件に対する質議はこれにて終了するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井委員長 御異議なければ、これにて本件に対する質議は終了いたしました。 これより討論に入ります。討論の申し出がありますので順次これを許します。橋本登美三郎君。
○橋本(登)委員 本案の採決に当りまして、自由民主党を代表して賛成の意見を申し述べたいと存じます。特に次の諸点について申し述べまして、賛成の意を明らかにいたします。 今回の予算審議を通じて特に明らかになったことは、ラジオの増加率が逓減をして、今後国民生活の飛躍的発展がない限りは、ほとんど増収は期待されない状況であるということが一つであります。テレビの増加率については、三十二年度末には大体七十五万台を予想されるということでありますからして、順調なる足取りを続けていることは明らかであります。しかしながらNHKとしては本来の使命であるテレビ網の全国普及化の実現、これに要する建設費の問題、かつまた教育的番組を飛躍的に充実するための経費ということにつきましては、必ずしもこれらの増加分があっても明るい見通しがあるとは言えない状況であるという説明を聞くことができたのであります。 ラジオ関係の予算を見ますと、三十二年度の減価償却は一応規定通りに計上されております。しかしこれが、質疑の内容において聞きますと、三十二年度においては、現状のままでは減価償却を食わなければ一般経費の捻出あるいは給与状況の改善等を行うことがほとんど不可能である、こういう点について今回の予算におきまして、あるいは言葉が強く響くかもしれませんが、ほとんど無方針、無計画であって、単に収支を合せるだけの予算作成になっておるように感ずるのであります。この点はNHKの将来のためにも、私は遺憾であると考えます。 なおテレビ番組の問題につきましては、最近特に教育番組の編成あるいはテレビ教育局の設置、こういう意味で非常に世間の注目を集めておる大問題であります。こういう問題がやかましく言われましたゆえんのものは、NHKのテレビ放送あるいはまた民間のテレビ放送についても同様でありますが、現状のような放送をしているのであっては貴重なる電波、しかもこれは国民の電波である、この貴重なる電波が文化の向上あるいは教育的効果を上げるためであるべきであるにかかわらず、逆におそるべき卑俗化に拍車をかけておるような状況ではないか、こう識者は現状を憂えておるのであります。しかも日本放送協会はいわゆる世間でいうところの公共企業体であり、あるいはまた一面もって公共放送とも称せられておるのでありますから、こういう現状に対しては、他の民間事業者よりも、より鋭敏にこういう問題については考えなければならぬ性質を持っておると思うのであります。われわれは現状のままでなおラジオ、テレビが娯楽の追求あるいは趣味の追求にのみ走る傾向があるということでありまするならば、必要によっては放送法の改正によって番組に対するところの規制をも行わなければならぬというような、これは個人的意見でありますが、そういうような考えすらも持たざるを得ない現状であります。特に日本放送協会の場合は公共放送でもあります。かつまたその財源についても、法律によってある程度保護をせられておるのであります。従って教育的番組のごときは、大幅に質的にも、量的にも、取り上げてしかるべきものであると考えるわけであります。現状テレビの放送の場合を考えましても、午前と午後の使用せられざる時間は数時間に及んでおります。もちろん私は日本放送協会が、教育的番組を中心にして、健全娯楽の番組を無視してよろしいという考えは持っておりません。ことにNHKの場合は国民的基盤に立っておる、すなわち全国民にテレビを見せなければならぬ義務を持っているのでありますから、従って全国民の健全娯楽というものには非常に重要なる責任を持っているわけでありますから、これらの健全娯楽を犠牲にして、そうしてなおかつ教育的番組を多く組まなくちやならぬ、こういうような考えではなく、今申したように午前、午後の時間はなお数時間の使用可能な時間があるのでありますから、この使用せられざる時間を、十分に教育的番組を組むべき可能性があるわけであります。だからこれがためには、少くとも御説明によりますれば、二十分間の一番組の費用が年間一億五千万円くらいを要するということでありますからして、もし三時間の教育的番組を組むということになれば、年間これに要する費用は十億ないし十二、三億という巨額の費用を要することになるわけであります。従って現状の収入をもって直ちにこうした飛躍的な拡充を行えということは不可能でありますし、それは望むべくもないのでありますけれども、少くともこれらの飛躍的な教育的番組を拡充する場合においても、現在の本予算を実行するに当って、これが合理的に運営することによっては、その幾分かでも教育的番組を拡充することが可能であり、かつまたその努力をいたすべきものと考えるものであります。かつNHK当局としてはラジオ、テレビの正々堂々たる政策をこの際明らかにして、いわゆる公共企業体であり、公共放送であるNHKとしては、いかなる政策をとるべきことが妥当であるかという点をより明確にして、これを世論に訴えて、それがために必要な資金あるいは受信料収入等の希望額も世間に訴えて、必要によっては、料金改訂がやむを得ないという点を明らかにするだけの所信と勇気があってしかるべきものと考えるものであります。この点各委員からも十分に論議が尽されておりますので、これ以上触れることはやめにいたしますが、単なる収支を合せて、この収入の範囲内であるからしてこれだけの仕事しかできないのだ、こういう態度は、私は日本放送協会としては卑屈であり、かつまた勇気のない措置であって、これだけの貴重なる電波を与えられている以上は、こういうことをやることが日本の文化の向上、教育の向上のために必要である、それがためにこれだけの建設資金とこれだけの経常収入がなければならぬ、こういう建前に立ってこの貴重なる電波を十分に生かすという所信と勇気があってしかるべきことを強くつけ加えて申し上げる次第でございます。 かつまた、日本放送協会の厚生関係の問題ですが、われわれ各地において放送協会の国政調査に当りましたが、その調査の結果を見ますと、必ずしも厚生施設は十分ではありません。たとえばかくのごとき深夜業を相当に行わなければならぬ特殊の事業体であるにもかかわらず、休憩室とか寝室等の設備もないところもあるし、あるいはまたあっても不十分である。あるいは医務室というようなものに至りましても、本社においてすらも不十分でありまするからして、地方局に至ってはほとんど医務室を持っておらないというのが現状である。かくのごときことは少くとも公共企業体として、かつまた特殊の業務に携わる職員の立場から見てもはなはだ感心せざるところでありますからして、これらの問題については本予算実行上においても、急速に改善の措置をとられんことを希望するわけであります。 以上重要な点を指摘いたしまして、自民党を代表して本予算案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
○松井委員長 森本靖君。
○森本委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件に関し、若干の希望条件を付して、これを承認することに賛成の意を表するものであります。 本議案の内容をなすものは、日本放送協会の昭和三十二年度収支予算、事業計画及び資金計画でありますが、これはわが国の放送事業界において、基幹放送としての役割をになう日本放送協会の明年度の事業方針を決定するものとして、まことに重要な意義を持つものでありますとともに、昨年六月新たに就任されました阿部経営委員長並びに永田会長等、同協会の新役員がその抱負を具現される初めての収支予算、事業計画等であるという点において、きわめて注目すべき点があるものと考えておる次第であります。わが党はかかる観点から、本議案については特に慎重かつ精細な検討を進めて参ったのでありますが、約三旬にわたる審議の結果は、おおむねこれを妥当とするとの結論に達したのであります。しかしながら以下若干申し述べます各項については、政府並びにNHK当局において、その趣意をくみ、善処されるよう特に希望いたすものであります。 まずその第一は、ラジオ、テレビの両放送にわたって、教育的番組の充実をはかられたいということであります。申すまでもなくラジオ、テレビは、マス・コミの媒体として最も新鮮かつ強烈な威力を持つものでありまして、その影響は善悪ともに容易ならざるものがあり、いわば鋭利なる両刃の剣であります。従ってその利用については、きわめて慎重であることを要するとともに、その利用は常に社会文化の向上のために役立つものでなくではなりません。最近テレビジョン・チャンネル・プランの策定にからんでにわかに台頭いたしました教育テレビ論議は、かかる趣旨の反映とも見られるのでありまして、放送の教育的利用についての待望の強さをつくづく思い知らされるのであります。幸いにいたしまして永田会長は委員会における当初説明において、教育テレビジョンに関し、その担当者はNHKでなければならぬとの信念のもとに推進する旨を言明せられ、またラジオについては、BBCのサード・プログラムに相当する第三放送の実施を表明をしておられるのであります。願わくは放送全般にわたってその趣意を貫かれ、教育的番組の充実に格段の努力を払われたいのであります。 第二には、テレビ全国放送網の急速なる完成であります。テレビジョン放送チャンネル・プランは近々決定を見ると思われますし、またその中継回路たるマイクロウェーブ網も着々建設せられつつあります。かくてテレビジョン網全国普及の態勢はようやく整いつつあり、一方テレビジョン待望の声も激しいチャンネル獲得競争の高まりとともに、全国的にほうはいとしてみなぎっておるのであります。申すまでもなく、放送法によって放送の全国普及の使命を負託されたNHKには、その使命に照らし、この強い国民的要望にこたえるべき責務があるのでありまして、財政的に安易な、緩慢な計画をもってしては、とうていその責務を果したものとは言いがたいと存ずるのであります。要すれば特別に予算措置を講ずる等、格段の考慮を願いたいものと考えておる次第であります。 第三には、中波大電力局の配置計画についてであります。わが国が多年悩まされている外国電波の混信の防渇には、大電力局の配置は不可欠の対策であります。NHK当局はこのことを十分考慮して、早急にその配置計画を樹立せられたいのであります。また政府においても大電力用電波についての国際的了解の取得に一そう努力を傾注して、実現をはかられたいのであります。 次に望みたいのは研究機関の充実であります。これについては三十一年度予算討論の際にも要望いたしましたので饒舌を弄しませんが、カラー・テレビ及びFM放送の実用化に臨む時期であり、また電子工業振興の声も高い情勢でもありますので、よろしく視野を広く広げた研究方針を立てるとともに、その内容についても一そうの充実をはかり、NHKの使命の達成に努められるよう念願するものであります。 最後に、職員の給与改善についてであります。本件はわが社会党年来の関心事であり、かつまた昨秋以来日放労が強い要望をもって戦いを続けたことでもありますので、三十二年度予算については、この点特に慎重に検討したのでありますが、その結果は当局の改善意図は了とするも、これをもって改善なれりとするわけには参らないのであります。その他の類似産業従事員との間にはいまだかなりの格差があるようでありますから、今後とも不断に改善の努力を払われたいと、特に強く希望するものであります。さらに自民党の橋本委員から申されましたと同じように、私も特にNHKの従業員における厚生福祉施設の充実を、この際強く要望しておきたいと考えておる次第であります。 以上、若干の希望を付して本議案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
○松井委員長 これにて討論は終局いたしました。 これより放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件について採決いたします。 本件に対して承認を与うべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○松井委員長 起立総員。よって本件は承認を与うべきものと決しました。 この際、本件に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出せられておりますので、この趣旨説明を求めることにいたします。橋本登美三郎君。
○橋本(登)委員 私はただいま議決されました日本放送協会の三十二年度予算承認に対しまして、附帯決議を付する動議を提出いたします。 附帯決議 日本放送協会は左の各項の実現につとむべきである。 一、ラジオ、テレビともに放送番組の編成にあたって教育的番組の充実に努力すること。 二、速かにテレビの全国放送網を完成するため適当の措置を講ずること。 三、中波大電力放送により、外国電波の混信を防止すること。 四、研究諸機関の内容充実を図り、使命達成につとめること。 五、厚生施設の拡充、職員給与の改善に努力すること。 以上各項目についての説明理由は、当委員会において各委員より十分に質疑されておることでありますから、この際説明を省略いたします。各位の全会一致御賛同あらんことをお願いいたします。
○松井委員長 ただいまの橋本君御提案の附帯決議を本件に付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松井委員長 御異議なしと認め、橋本君御提案の附帯決議を本件に付するに決しました。 なお、本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。 この際、日本放送協会永田会長より発言を求められております。これを許可いたします。永田参考人。
○永田参考人 ただいま当協会の三十二年度収支予算、事業計画、資金計画を御承認いだきまして、まことにありがとうございました。また附帯決議の各項につきましては、御趣旨に沿うよう十分努力して参りたいと存じます。今後重ねて御指導、御協力をお願いいたしたいのであります。(拍手)
○松井委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会をいたします。 午後零時二十一分散会 ————◇—————