地方行政委員会 第39号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1957/09/17
会議録
○門司委員長 これより会議を開きます。 本日は警察に関する件及び消防に関する件の二件についてまず調査を進めたいと思います。質疑の通告がございますので、これを許します。亀山孝一君。
○亀山委員 最近消防関係の皆様に非常な御努力を願っておるのですが、やはりひんぴんとして火災が起っておる。最近の火災の発生原因その他について一つ概略をお伺いしたい。 それからいま一つお伺いしたいのは、この前の委員会でも私から、公共の建物の火災が非常に多い、よく役所等に行って見ましても、防火担当者という名前が書いてあるけれども、その実どういうことをやっておられるか、われわれは疑問を持っておる、ことに学校の火災についてそういうような方面における十分なる手配がしてあるかどうか疑問だということを申し上げて、消防本部においてしかるべくこれの善処方をお願いした。ところがどうもその結果が私どもには十分現われたとは思えません。特に私が指摘したいと思いますことは、私の郷里であります岡山県において、最近、学校火災が非常に多いのです。ところがその学校火災を見ますと、公立の学校の火災が非常に多くて、私立の学校にはほとんど火災がない。ここに私どもは非常に火災予防の点から考えさせられる点がある。そういうように私ども思いますので、公共建築物、ことに最近非常に多い学校火災についての消防本部の防火の御方針と、これをおやりになりました方法につきましてお伺いしたいと思います。
○鈴木説明員 最初のお尋ねの最近の火災の概況でございますが、御承知のようにことしに入りましてから比較的大きな火災が少くなっておりますが、実は昨年の三十一年度は、割合に火災が多うございまして、件数からいいましても三万三千件という件数で、従来にないレコードを出しております。それから焼失坪数も八十万坪近く処物が焼失しております。とにかく昨年の火災は件数から申しましても、また焼失坪数から申しましても、非常に多かったのであります。また大火と称するものも比較的件数が多かったわけであります。昨年以来相当大火防止について、地方を十分指導しておるのでございます。ことしに入ってから幸いそういった大火がありませんのは、もちろんその指導の効果ということより、むしろ気象条件その他の客観的な条件が多かろうとは思いますが、いろいろなことが原因して、幸いにことしに入ってからは比較的火災、ことに大火と称するものが少くなっておるような状況でございます。 それから第二番日の公共の建物の火災の問題でございますが、これは御説のごとくに、まことに公共地物の火災、ことに学校の火災が多いので、国家消防本部といたしましても、非常にこれが防止については苦慮いたしておるのでございますが、昨年の公共建物全体を申し上げますと、昨三十一年度の公共建物の火災は、件数にいたしまして五百四件ございます。この火災によりまして焼失しました建物の坪数は、ざっと五万六千坪となっております。そのうち学校の火災でございますが、これはお話のありましたごとく、私立学校はほとんどありませんので、官公立学校が大部分でございますが、その公共建物全体の五百四件のうち、学校の火災が三百十三件となっております。それの焼失坪数が四万坪となっております。まことに学校の火災が多いので、文部省とも十分連絡をとりまして、これが防止について対策をいろいろやっておるのでございますが、必ずしも十分な効果が上らないことは、まことに遺憾に存じておる次第でございます。それでしばしば文部省と連絡をとりまして、学校火災の防止につきまして対策を講じておるのでございますが、まあ繰り返し繰り返しということにはなりますけれども、最近も公共建物の火災防止につきまして、各省に対しまして注意を喚起いたしますとともに、特に文部省とは十分な連絡をとりまして、学校火災の防止策は講じておるわけでございます。私どもの、火災防止言の方策としてどういうことが一番適切なものと考えられるかということを申し上げますと、まず第一に私どもが勧めておりますのは、火災探知機をつけてもらいたい、公共建物、ことに学校のような夜間ほとんど人がいないというようなところにつきましては、なかなか当直の人が見回るといいましても思うように効果が上りませんし、またそれだけ数多く巡回するということも、なかなか実際に励行の困難なこともございますので、火災探知機――最近科学の発達によりまして、火災探知機が非常に発達してきております。これは一つの部屋に新聞紙が二枚ぐらい燃えたのでもブザーが鳴るというような、非常に敏感な感度を持った火災探知機ができております。これは値段にいたしますと、われわれの方で技術的に考えて理想的につけるといたしますと、金額に見積りまして、大体建物の建築価格の一%ぐらいを使えば、おおむね完全な火災探知装置ができるという計算になっております。だんだん最近は使われるようにはなってきておりますが、まだまだ十分とはもちろん申せませんので、これを特に公共建物について、また特に学校のような建物につきましては、火災探知機をつけてもらいたいということを慫慂いたしておるのでございますが、まだまだ十分というわけにはいかない状況でございます。それが火災防止の第一の有効的確な措置であると考えておって、それを勧めておるわけでございますが、そのほかに公共建物は、ことに古い建物は非常に腐朽皮がはなはだしい。それを完全に修理するということが、予算その他の関係でなかなかできないということで、腐朽した建物が多い関係上、これが防火改修を努めてやってもらいたいということを勧めております。それからさらに、公共建物の周囲の清掃と申しますか整頓、簡単に火のつくような紙くずを散らかしておくとか、あるいはたきぎの類をその辺に雑然と積んでおくというようなことがありますと、どうしても火を起しやすい。建物の整頓、付近の清掃ということを極力慫慂いたしております。それからさらに漏電の防止についてでございますが、実は漏電の火災というのは、一般に言われているほどたくさんはございませんので、先ほど申し上げました年間の火災件数、昨三十一年度が三万三千件でございますが、このうち漏電と見られるものが約四百五十件ぐらいございます。電気に原因した火災と申しますと、四千件近くございますが、そのうち漏電と見られるものが約四百五十件で、これも全火災の件数から申しますと、一・二%から一・五%程度でございます。学校火災につきましても、先ほど申し上げました三百十三件のうち、電気に原因してると言われておりますのが約三十件となっておりますが、このうちおそらく漏電と見られるもの、完全に漏電火災と見られるものは、せいぜい四、五件のものと思われます。電気に原因するもの全部で三十件でございますから、そのうち完全な漏電と見られるものは、せいぜい四、五件じゃないかと思います。しかし漏電あるいは漏電以外の電気に原因いたしました場合でも、漏電防止機をつけますと、非常に効果がございます。これは引込線のところに一個つけておけば、非常に効果があるわけでございますので、漏電防止機をぜひつけてもらいたいということを極力慫慂いたしておる次第でございます。 以上申し上げましたようないろいろな方策を立てまして、これが実施を極力慫慂いたしておるのでございますが、何分にも予算の伴うものでございますので、なかなか私どもの勧める通りに実施が行われないという状況で、まことに遺憾に存じておるのでございますが、今後ともこういう方面につきましては、関係各省と十分連絡をとりまして、そういった火災防止についての諸施策が行われるように勧奨いたしていきたい、さように考えておる次第でございます。
○亀山委員 今お話のございました公共建物の場合について私ども非常に残念に思いますことは、この前申し上げたように学校宿直の制度という問題ですが、これが十分態勢ができていない。従って先ほど申し上げました私どもの郷里あたりでは、学校火災があまり多いので、結局別個に火災見張人を夜置かなければならぬということまで言っておる。今いろいろ承わりましたが、要するに火災探知機、漏電防止機というような機械も必要でしょう。けれども要はこれを見守る人の力、公立学校に火災が多くして私立学校に火災が少いということ、これは何を物語っておるか、この点を一つ十分お考え願いたいと思う。今その点について御答弁がなかったですが、先ほど申し上げたように、各公共建物に麗々しく部屋の外に張ってある防火責任者というものは、一体何をしておるか、どういうことをするような使命を持っておるのか、その点われわれわかりませんし、学校の宿直の制度というものが、聞くところによると、火災の点まであまり触れていないようなうわさもある。それで消防本部は、機械もさることながら、こういう方面の問題についていま少し注意を払わなければならぬと思う。ついでに、この前も申し上げたのですが、学校等における消防演習が最近はあまりないらしい。ところがこれは子供に学校を守るというだけでなく、将来、消防というものに対するいい心がまえと知識を与えるものなのですから、むしろ年に一向くらいは消防演習としてこれを励行させる。そして幼い低学年の生徒の行進訓練、これは単に火災だけではありません、災害の場合も非常に役立つことなんだから、こういう点に着眼されておやりになるのがいいのではないかと思います。どうも今の御説明の機械にたよられるということは、私どもはなはだ心外です。機械もむろん必要でしょうけれども、今のような問題をどういうようにお考えになるのか、その点をお伺いしたい。 それからいま一つお伺いしたいことは、公共建築物、ことに学校については、御案内のようにいろいろ国の補助もある。ところがどうも木造と防火建築との開きが少いですね。むしろ防火建築を大いに奨励するという見地で、こういうものこそ適当な補助を与えるべきではないかと思うのです。そういうものに対して従来とも努力していられると思いますが、この点も一つ御方針をお伺いしたい。
○鈴木説明員 先ほどは最近とった処置だけ御説明申し上げましたので、片手落ちの答弁になって大へん申しわけないのでありますが、もちろんお話のありましたごとく、学校管理の責任を充実するということは、人的な対策が一番大事であるということは私どもも十分感じておるのでございます。消防法には、学校等の建物につきましては防火責任者を定めて常時訓練することということが一応法律に義務づけられておるのでございます。これが義務づけられているとは申しますものの、いわば訓示規定でございまして、これをやらないからといって、罰則がついているわけではございませんので、結局効果が十分果されていないということになっているわけでございますが、この点につきましては従来もやっておることでございますが、十分文部省とも連絡をとり、また各都道府県とも連絡をとって、管理の責任を十分尽すように進めていきたいと考えております。ただ実際問題として、お話にもありましたごとく、学校等の管理の責任が実際だれにあるのかということが、まことに不明確な点があります。もちろん校長に責任があるには違いないのでございますが、夜間の管理の責任をだれが実際の責任を持ってやっておるのか。当直職員がそこまで責任を持つのかどうかということが、まことにあいまいでございまして、私どもも事あるごとに戸惑っているような状況でございますので、その点も十分文部省と打ち合せて、文部省の指導方針としてもう少しそこを明確にしていただけたらと、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから学校の防火建築の助成の問題でございますが、これは現在建設省で防火帯の築造と防火建築につきましては、一般的に二部の補助があるわけでございますけれども、学校について特に木造や耐火建築をすることに対する補助というものは、現在制度としては設けておられないのでございます。この点につきましても、非常に重要な問題と思われますので、十分文部当局とも打ち合せをいたしたい、さように考えております。
○亀山委員 今学校管理の責任がないというお話でしたが、私どもの知っている限りでは、学校に失火があれば大がいの場合校長が責任を負ってやめる。これはまことにお気の毒だと思う。そういう点を考えますと、いい校長が、かりに今のように責任がないのに、まあいえば社会的な責任を負ってやめられるのはほんとうにお気の毒だと思います。そこではっきりとそういうものこそいち早く責任をきめるということも必要でしょうが、夜の火災についてある程度の何か見張りの責任というようなものをきめられる必要がある。先ほど申し上げたように、やむを得ず見張人というものを置いてやらざるを得ないような地方もだいぶ出てきておりますから、私は学校だけを取り上げるわけではないけれども、最近特に多い感じがしますので、その点、一つ御注意を喚起したい。そういうような問題は、もしも文部当局と話がうまくいかぬというなら、この委員会にも来てもらって、よく実情を申し上げたらいいと思うのだが、そのうち最近における学校火災の大体の統計、それを官公私に分けていただきたい。いかに私立が少くて官公立が多いかということが如実にわかる。今の説明でもほぼ見当がついたけれども、数の問題もありましょうし、そういうのとにらみ合せて一つ十分こういう調査をして――ほんとうに学校が焼けたあとの子供のことを考えますとかわいそうですよ。そういう点もぜひ特に御注意を願いたい。 それからもう一つ私お伺いしたいことは、いわゆる損保協会で各消防施設に対して補助というか援助をしておられるようですが、これに対して消防本部が、どの程度連絡があるのかよくわかりませんけれども、おそらく連絡があると思う。聞くところによると、大体都市でなければほとんどこの補助がいっていないようですが、こういう点は、やはり消防施設という点からいえば、都市に限らず、ホース一本でも水管一本でもけっこうなんですから、なるべく全国の消防施設が潤うような方法で損保協会の補助ができないものかどうか、消防本部として損保協会とどういう連絡があるのか、その点を一つお伺いしたい。
○横山説明員 初めの方の学校火災の内訳につきまして、手元に資料を用意しておりますので御説明申し上げたいと思います。先ほど申し上げました学校火災全体の三百十三件の内訳は、官公立関係が二百五十一件でございまして、それをさらに分けますと、高等学校以上が六十九件、小中学校が百八十二件、合計官公立といたしまして二百五十一件ということになっております。私立の方が四十八件、幼稚園が三件、なお調査の関係でいずれに属するかはっきりしない、統計上不明と処理されておるのが十一件、合計三百十三件でございます。
○門司委員長 北山君。
○北山委員 まず最初に、今国家消防本部には消防審議会が置かれて、消防組織あるいは消防運営についての根本的な改革の案を審議しておられるようであります。その消防審議会の審議状況についてお答え願いたい。
○鈴木説明員 消防審議会は四月に閣議決定をもって設けられたのでございますが、その後四、五、六、七と四カ月の間に八回ばかり全体の会議を開きまして、あらゆる問題を出して、それぞれ意見の交換をいたされたのでございます。いわゆる一般討論を七月までやりまして、八月に入りましてから小委員会を開いて今日まですでに七、八回小委員会で具体的な問題について審議をいたしておるのでございます。まだ結論には到達いたしておりませんが、おそらく小委員会をあと一、二回やればおよそ答申案の骨子ができ上るのじゃないかと思っております。その後再び本委員会にその内容をかけまして決定をいただくことになっておるのでございますが、現在のところまだ具体的なことが全部終了いたしておらないような状況でございます。
○北山委員 私の聞いているところでは消防審議会は、消防機構その他の改革についても相当重要な審議をされておるようであります。その審議会に対しても町村会なり市長会、知事会等からそれぞれ意見が出ておるようでありますが、消防本部としては消防行政の事務の配分といいますか現在は市町村が担当者だ、市町村が消防の責任をもって運営をやっておるというような建前である、この建前をくずすという考え方を持っておるかどうか。これは町村会あるいは全消防連等においてはあくまで市町村消防でいくべきである、こういう意見ですが、知事会等は消防の指揮監督というような権限は県の方へ移すべきだ、あるいは消防署の設置についてもこれは県の事務に移すべきであるというような意見なのであります。これは非常な根本的な問題でありますが、消防本部としては一体どういう考えであるか、これをお伺いしたい。
○鈴木説明員 現在の市町村自治体消防の制度をいかに考えるかという御質問でありますが、国家消防本部といたしましても過去十年間の市町村自治体消防の実績から見まして、さらにまた消防という仕事の本質から見ましてもやはり自分の郷土を守るということが本体でございますので、市町村消防の第一の責任は市町村が行うべきものである、こういうふうに考えております。ですから、すなわち市町村自治体の消防ということを根幹にすべきものであるという考えには変りはないわけでございます。ただ市町村と言いましても大小いろいろでありまして、また財政あるいは行政上の能力もまちまちでございますので、たとえば学校教養の問題とかあるいは危険物の技術的な取締りの問題、そういったようなもので市町村自治体では行われがたいもの、また市町村自治体でやっておっては非常に不経済なものというようなものについては、補完的な意味において県なりあるいは国が補充行政としてこれをやったらどうか、そういう考え方を持っております。
○北山委員 それは当然だと思うのですが、そうしますと少くとも消防の運営管理等については従来の建前で市町村中心でやっていく、ただし教育、訓練、危険物の取締り等については府県がタッチをしていく、こういう建前のようでありますが、消防審議会においても大体そういうふうな線で審議が進められておるかどうか、運営管理等についての府県知事の監督権というものが強化されるような話もあるのですが、そういう問題があるのかどうか、それを審議会の審議状況とあわせてお伺いしておきたいのです。
○鈴木説明員 審議会の現在までの審議の状況を見ますと、審議会の各委員会のお方の御意見も、やはり市町村自治体消防というものを根幹とすべきものであるという意見が大体一致した意見のようでございます。消防全体について運営管理、行政管理等一切含めて消防の責任は第一に市町村に置くべきものである、それで、先ほど申し上げまたしように、補完的意味において県の仕事あるいは指導的な責任――国についても同様でございますが、そういったものをどの程度に持っていくかということが審議会の議論の中心となっておるようでございます。
○北山委員 これはその結果を見なければわかりませんが、補完的な府県の関与の仕方、これなんかも消防の運営管理、行政管理に、とにかく消防というものの運営に、タッチをするというような形が入ってくることは、私は何らプラスにならないと思うので、今の教育であるとかそういうような技術的な部面に府県の仕事は限るべきである。そうでないと、原則として市町村が消防の運営をやっていく、ただしある場合においては府県の知事が統轄の指揮監督権なり指導権を持つということは、現実の火災予防上はほとんど役に立たない、そういう点は十分注意をして、ただ文字の上で何かうまみのあるようなことを書いてあっても、健際の火災というものは短時間における現場の仕事でありますから、そういう際に府県側がタッチするということは、マイナスになってもプラスになることはない。それ以外の特技的な面あるいは財政的な面というような点に府県の関与は限るべきである、私はそういうように思っておるのですが、そういう線でお考えを願いたい。 それから危険物の取締りについては従来の制度が変って、府県の方へ移されるというようなお考えが強いわけですね。
○鈴木説明員 危険物の取締りをどういうふうに持っていくかということは、まだ具体的には話は進んでおりませんが、全部について今までの審議の内容を見ますと、危険物取締りの全部を都道府県に持っていくという考え方ではなしに、その市町村の能力に応じて、能力のあるところはもう全部やらしてもいいのじゃないか、ただ能力のない町村及び非常に財政的行政的能力上から見て無理があるところ、都道府県に持っていった方がいいのじゃないか、こういったような大体審議の内容でございます。
○北山委員 それから消防力の基準の法定といいますか、現在でも内面的には指導の基準があるわけなんですが、そういうものを法定するというか、市町村等の消防力の基準を一律にきめるということは実際上問題がありはしないかと思うのですが、そういうものをきめるような方向にあるのかどうか。それから消防団と消防署の関係いわゆる常設消防と義勇消防、これを一体将来どういうふうに持っていくということなのか。そういう点が審議会でどういうふうに問題になっているか、これを伺っておきたい。
○鈴木説明員 消防力の基準につきましてもいろいろ話は出ておりますが、審議会の今日までの審議の様子を伺いますと、全国一律に一つの基準をはっきりきめることは非常に困難じゃないか、われわれが国家消防本部の立場として見ましても、全国一律の一つの基準を設けることは非常に困難でございまして、いろいろ考えてきますと、結局一つ一つの市町村の防火診断と申しますか、火災危険度を十分きわめた上でないと、なかなか消防力の基準というものはきめられない。そういうことになりますと結局一律の基準というものができないで、各市町村の個々の基準ということに――似たようなものはあるかもしれませんけれども、非常にこまかいことになってしまって、そういうものが基準と言い得るものかどうかということが、今度は逆に疑いを持たれるようなことになるような状況でございまして、現在までの消防審議会の審議の状況では、消防力を、このポンプはこの程度、人間はこの程度と、はっきり基準に盛り込んで、全国共通な一つの基準を設けることは非常に困難じゃないかという意見が強いようでございます。ただ何らか大筋の基準と申しますか、そういうものは求められないだろうかという意見も出ておりますが、まだ具体的にはどうやったらいいという結論には到達しておりません。現在話が出ておりますのは、そういった一般的な基準もさることながら、たとえば消防署を作る場合に、一人か二人しかいないような、看板だけの消防署を作ることが果していいかどうか、消防署という以上はこの程度の人的、物的設備がなければ消防署と言えないというような基準、これならある程度基準としてきめられるのじゃないか、こういう意見が出ておる状況でございます。 それから常備消防と義勇消防との関係でございますが、これもいろいろ議論があるところでございますが、将来の方向としては、連檐地域においてはなるべく常備消防を置くように奨励すべきだ、それの補充と申しますか協力体として義勇消防も設けるべきだというような、おおむねそういう方向の意見が審議会で行われている状況でございます。
○北山委員 消防力の一般的な基準というのはなかなかむずかしいし、困難である、これはわかるのですが、ただ義勇消防団員の問題で、現実の問題として町村合併をやったところ等においてはいろいろと問題を起しているわけです。町村合併をして消防団員が数千名になった。整理しようと思ったけれども、なかなかそれぞれ分団が歴史と伝統を持っているので、承知をしない。相変らず膨大な消防団組織を維持していくために、その自治体としても金は出ないから、相当な寄付金でもろてこれを維持していくというような格好をとっているところが相当あるのではないか、それをそれぞれの自治体の中で自発的に一つの整理基準を設けてやっていくということは、これはやっているところもありますが、なかなか困難じゃないかと思いますので、その町村合併に伴った消防団員等の数、それの一つの整理基準というか、将来持つべき消防団員の基準というようなものは別に考えてもいいのではないか、こういうふうに思うのですが、その点はどうでしょうか。
○横山説明員 町村合併に伴いますところの消防団のあり方というのは、今御指摘のように相当問題点が多角的にあると思うのですが、合併の問題が始まりました当初において、すでにこの消防団の構成自体はどうあるべきだ、すなわち合併前におきましては複数の団であるわけでありますが、それが何ら統合されることなしに、もとのままで教団で存在するのは適当でないので一団にするという方針、従って旧団は分団としてこれを運営すべきだというような方針も示して参っているわけであります。なおそれに伴いまして、その新しい町村合併後における市町村の持つべき団員数というようなものにつきましては、消防団員の設備運営基準というものをすでに示しておりますので、その運営基準によりまして市町村が自生的に市町村の状況を判断して算定し得る基礎は与えてあるのであります。ただ問題はそうしたことよりも、一応数字的に計算は出せても、現実にその線を実施する段階においていろいろ問題点があるわけでありまして、それをどういう形において実施していくか、もちろんこれは市町村が自生的にそうした基準に基いて合理的な線を出すべきだと思うのでありますが、なかなか先ほども御指摘のように伝統的なもの、あるいは消防団の諸般の勢力関係等から、机の上ではじき出した通りに実際問題として参りませんので、これを何らかの形で、今御指摘の通りでありますならば、法制化いたしますか、もう少し基準それ自体をオーソライズした形において十分に執行されるようなものにしたらどうかという点については、現在示しております運営基準等を参酌していろいろ検討して参りたいと思います。ただそれにいたしましても、結局その市町村々々々によっていろいろ実情がありますので、一つの考え方としてはやはり今のような客観的な基準を一方に持ちますとともに、個々の市町村についていかなる形が合理的な形か、あるいはいかに運営されるのが、その市町村の合理的な運営の姿であるかというような問題については、個々の問題として運営上いろいろサゼッションを与えていくというような制度が、今後強化される方がいいのではないかというような感じを、実はこれに関連して持っている次第であります。
○北山委員 これは町村合併の場所ばかりでなしに、一般的にいって日本の消防がいわゆる義勇消防に依存するという形は非近代的であって、大体の方向としては常設消防の方へやっていく、そして数においては減らすが質的にはこれを向上させるという方向へ持っていかなければならぬ。当然そうあるべきだと思うのですが、そうするのには当然相当な金がかかるわけです。常設消防に移す場合に、やはり財政的な援助を与えなければ推進にならないわけですから、消防の近代化のための財源措置という点についてはこの委員会でも再々問題になったわけですが、その際に消防本部としては消防施設公団であるとか、あるいは消防施設税であるとか、そういうふうないろいろな構想を当時からお持ちになっておったはずであります。その点について、来年度においてはどういう構想で消防財源を確保しようとしておるか、その考えがあればここで明らかにしてもらいたい。
○鈴木説明員 常設消防設置の際の経費の財政的な援助という問題でございますが、これは一般の消防費に対する財政措置について、現在審議会でも一つの大きな審議の的になっておるのでございます。市町村自治体消防という根本はくずさないにしても、財政的に国家がもっと援助をする方法、しかもそれが安定した確定財源としての何か国家的な措置を講ずべきではないかという意見が非常に強く出ておりました。われわれもどういう具体的な方法が出てくるか、非常に期待をもってこの審議会の審議を見ておるのでございますが、おそらく今日までの審議の状況から見ますと、相当程度国家が確定財源として市町村の消防費を負担して、あるいは何らか特別な市町村の独自の、消防費の確定財源として税金その他の方法が何かないかということが審議されておりますので、何かこの審議会の審議の中からもいい財源措置についての意見が出てくるんじゃないかということを期待いたしておるような状況でございます。
○北山委員 消防審議会というのは何も法制上の機関でもないし、消防審議会の委員の方々はみなそれぞれ優秀な人でありますけれども、しかし消防に関する限りは消防本部の専門家の方がずっとわかっておられる。ですから、どこをどうしなければならぬのか、そういうふうなプランについては何も審議会の結論が出なければ出せないというものではないので、問題はきょう起ったわけではない、もう数年前からいかにして消防財源を確保するかということで、いろいろ構想も練っておられるのですから、そういうふうに他力本願では私は困ると思う。いつまでたってもできませんよ。たとえば消防施設税にしても一応反対の人もありますが、地方制度調査会等においても答申が出た案でもあり、また自治庁でやろうと思ったこともある。こういうことを一体やろうとするのどうか。こういう強い腹がまず消防本部になければ、この問題はいつまでたっても解決しないんじゃないか。まだ別に案がないようでありますから、これ以上聞いてもしようがないのですが……。 これもこの前問題になった耐火建造物の問題ですが、都市に耐火地帯を設ける、建設省の予算が一億円ですか、それを普通のけ画通りにやれば百年もかかると言われておりますが、少くとも市街地の密集地帯の中にある草ぶき屋根くらいは除去するということが考えられていいんじゃないか。全部の農村の草ぶきの屋根の家を改造しろということは、これはなかなかむずかしいでしょう。しかし東京でも郊外では相当な密集地帯に草ぶきの屋根がいまだにあるのです。それを除去する方策が一体考えられておらないのかどうか。このことくらいはできてもよいのじゃないかと思う。こういうことについての研究なり何かプランを考えておられるならば御説明が願いたい。
○鈴木説明員 防火改修のお話だと思います。これは過般も申し上げたことがあるかと存じますが、防火改修は現在消防法で命ずることができることになっておりますが、既存の建物については必ずしも強制的に改修を命ずることができないような現行法になっております。結局これができないということは財源問題、個人々々にそういう命令をしてもなかなか財政的にその能力がないということに根本の原因があるわけでございます。これはほんとうに国家消防本部として事務的にいろいろ考えておるのでございます。たとえば防火改修のための資金貸付の金庫あるいは基金のようなものを作って、防火改修を勧めたらどうかというようなことも考えておるのでございますが、まだ具体的にその案を申し上げるまでに実は考えが固まっておらない状況でございます。これは何とかして建設省とも協力して、防火改修に相当強力な方策が講ぜられるようにいたしたいという考えは十分持っておるような状況であります。
○受田委員 警察庁長官がすぐ出られるということですから、北山委員の了解を得て一言だけお尋ねと要求をしておきたいと思います。第一は、今回、地方公務員である警察職員に対しましても国家公務員に準じた給与の取り扱いがされておるわけでございます。ところが各都道府県によりますと、この警察職員の給与につきまして国家公務員とはある程度変った俸給表の作成をしておる府県もあるようであります。従ってあなたの配下である地方警務官、いわゆる地力警視正以上の任にある一般職の国家公務員である人々と、一般の地方公務員である警察職員とのつながりは非常に微妙なものがあるわけでございますので、その間の地方公務員である警察職員と、地方警視正以上の地方警務官たる国家公務員の職員との給与の調整にいかなる配慮をされておるか。ここを一つ伺いたい。 第二点は、国家公安委員会という機関があるわけでございますが、その国家公安委員の人々の給与は八万八千円で国務大臣と同じです。ところがこの人々の一年間の勤務は常勤的な性格でなくして、一週間に一ぺんくらいしか委員会をやらないで、ほとんど、出席してない。年間を通じて三十日くらいしか出席しない国家公安委員が月俸八万八千円、国務大臣と同額の金額を取って、国民の税金をいただいておるわけです。こういう非常勤的な勤務しかしていないような者に常勤的な月俸八万八千円というような、常時勤務する人々に比べても最高の給与を与えるというやり方を考えたときに、むしろ非常勤的性格の特別職としてこの国家公安委員を切りかえる方が妥当性を持っておるのではないか。この二点について御答弁を伺い、あとは資料要求で私は質問を終りたいと思います。
○石井説明員 お尋ねの第一点であります都道府県の警察職員中国家公務員たるいわゆる地方警務官、地方公務員たる警視以下の職員との給与の均衡がとれておるかどうかという問題でございますが、これは正直に申しまして今企てられております給与改訂を待つまでもなく、それ以前の状況におきましても各府県によりましてそれぞれ事情が違います。国家公務員たる地方警務官はこれは申すまでもなく国家公務員でございますので、国家公務員の給与表によって一切がまかなわれております。地方公務員たる警視以下の職員につきましては国家公務員たる同階級の、つまり国家公務員たる警視以下の各階級の者に適用になります公安職の給与表が基準となりまして、これに右へならえをするということが法の建前でございます。そのものずばり適用する県もありますし、それより若干上回った有利な給与体系になっておるところもあるわけでございますが、概して申しますと、国家公務員たる同階級の警察官よりも地方公務員たる警察官の方が給与は上回っておるというのが全国的な傾向でございます。御承知のように地方公務員たる警視以下の職員は、当該都道府県の職員の給与との均衡ということが考えられて、それぞれの府県におきまして実価に即した給与が考えられておるわけでございます。富裕府県における場合と財政の恵まれない県における場合とでは府県庁職員の給与がアンバランスであると同様に、警察におきましても同様な傾向が見られるのでございます。これはたとえば警視庁とか、大阪といったようなところは警察官の給与はかなりいいのでございますが、財政再建整備をしなければならぬといったような財政貧弱な県におきましては、警察官の給与は先ほど申しました警視庁、大阪等に比べますとかなりな開きがあるのでございます。しかしながらそうした貧弱府県におきましても国家公務員たる警察官に比べるならばそれより悪いというところはないのが実情でございます。今回給与改訂が国にならいまして、地方におきましてもそれぞれ目下条例の制定等が各都道府県議会において審議をされておる過程にあるように聞いております。大よそ今までのそうした実情に即応して、それぞれの府県において適正な措置がとられるもの、かように考えております。 第二点のお尋ねの国家公安委員の待遇の問題でございます。これは国家公安委員会の管理を受ける私としまして上級機関のことについてかれこれ申し上げるのははなはだ僣越であると思うのでございます。これは従来の警察制度の建前が、国家公安委員というものは警察全体を管理するきわめて重要な職責に当るものでありますがゆえに、これを大臣級の待遇にするということが昭和二十三年の占領下の第一回の警察制度改革以来貫かれておる精神であるように承わっておるのでございます。実際の勤務の状況が週一回というような、常勤とはいいながらまるで非常勤ではないかという御指摘を受けることは、実情まさしくその通りと申さねばならぬかもしれませんが、しかし週一回の定例の公安委員会のほかに、各公安委員さんはそれぞれ、たとえば地方におきまして各管区単位の公安委員会連絡協議会等が開かれます場合には、それぞれ分担されましてこうした会合に出席されまして、地方の府県の公安委員と緊密なる連絡協調を保っておられます。そういう役割も果しておられるのでございますので、形式的な中央における定例の会合は週一回でございますけれども、それ以外にそういったような勤務の形をとられて御活躍をしていただいておるのでございます。いずれも常識あるりっぱな国家公安委員の方々でありますので、私どもきわめて適切な管理をいただいておると思っておるわけでございます。
○受田委員 最初の質問で一つ伺いたいのですが、一国家公務員たる警察官よりも給与の低い地方公務員たる警察官はないというお答えが今あったのです。そうすると地方公務員たる警察官が国家公務員たる地方警務官になるときには、給与が同じか引き下げられるかという以外にはない。つまり地方警務官になって給与が上げられるという実例は絶対にないということになりますね。
○石井説明員 地方公務員たる警視で、比較的高い給与をいただいて、つまり国家公務員の同階級の者に比べて恵まれた給与をいただいておる者が、国家公務員たる警視正になった場合、給与が下るかあるいはそのまま下らないかということですが、端的に申し上げますと、下る場合がかなりあり得るのでございます。先ほど申しましたように地方公務員たる警視で国家公務員たる警視よりも非常に優遇されておる富裕県におきましては、地方警務官たる、つまり国家公務員たる警視正になる場合に給与が下るという現象はあり得るのでございます。しかしながらそうした昇進ということは、警察官は必ずしも物質のみに目がくらむのではございませんので、喜んで昇進をいたしておるのでございます。給与だけが、物質だけが目当てではなく、その重要なる地位については大いに国家社会の治安のために職責を全うしたいという気魄に燃えている人々が多いのでございます。こういう実情でございます。
○受田委員 気魄の問題じゃないのです。つまり国家公務員よりも地方公務員の方が給与が高いという一つの水準をどういう形で見られておるかをお尋ねしたわけなんですが、それはまたこの次の機会にして、今ちょうど地方は切りかえをしておる最中ですから今日お尋ねしないと、この次の委員会では間に合わないからお尋ねするのですが、各府県で地方公務員たる警察職員が国家公務員たる地方警務官になるときに給与がそのままの形でいくかあるいは下るか、どういう実情であるか、大体二百人ばかりしか警務官はいないと聞いておりますので、その人々の実例を一つ統計でお示し願いたい。 第二の問題で、今国家公安委員を批判することは委員会から任命を受けておる長官としては忍びがたいというお話がありました。しかし事務的にはこれをきびしく報告さるべき性質のものでございます。一週間に一ぺんぐらいしか出ない、いや実際統計によったならば――公安委員には大体弁護士であるとか社長をやっている人がなっておる。全部ほかで二十万以上の給与をもらっておる人が八万八千という給与をもらっておる。多くは所得総額からいって大した給与をもらっておる方々がなっておられるわけです。そういう人々が公安委員をやっておられるのであるから、八万八千円という高い給与をもらわなくても、非常勤として一週間に一ぺんとかあるいはその一ぺんすらも出ないような公安委員の方々は、給与を常勤並みにいただくという制度よりもせめて非常勤の諸手当としていただく、ほかにいろいろ行政委員会など類似のものがありますから、それと同じような形で非常勤並みの給与をもらう、これは研究する必要がある。同時にまたあなたは地方に出られるとおっしゃったが、国家公安委員の勤務日数は中央に出席簿があるかないかよく存じないのですが、その勤務日数とそれから地方へ出張されておる日数――今申し上げた会社の社長やら弁護士を抜きにして地方に出られるという方はまれにしかないと思う。地方にどんどん出られてほとんど常動的に出張なさる方はないと思う。従って地方に出張なさっておる日数がどのくらいあるかということも、これは兼職をしておられる公務委員でありますから、すぐわかると思うのです。公安委員の勤務日数の実態を一つ御報告願いまして、公安委員を特別職の公務員としてそのまま存置するか、常勤より非常勤に転換する必要があるかどうか、われわれ国会審議の重要な資料にいたしたいので、この資料を長官として事務当局に命ぜられて、国会の要求に対して公安委員の勤務状況をすぐ調べるようにという命令を出されまして、資料を御提出相なりたいと思います。それが第二の資料の要求。 第三が昔の国警と自治警が一本になって、二十九年の七月一月から都道府県警察ができたのでございますが、そのときに自治体警察の職員の給与は、地方の方が非常に尊重した関係上高かった。従ってこの人々を都道府県警察に切りかえたときに、給与を引き下げなければならぬ実情が起きたので、それに対する調整手当が出されております。この経過措置として出された調整手当がどのような形でその後支給されており、支給されたものが今処理されておるところがあると聞いておるのでありますが、給与をそのままにしておいて、ベース・アップとか昇給の都度本俸に繰り入れる措置をとられておるようでございますが、その進行状況がどうなっているかということを一つお調べいただいて御報告を相願いたいと思うのであります。大へん御多忙な時間と聞きましたので、北山委員の御了解を得てちょっと長官にお尋ねしたわけです。
○石井説明員 ただいま資料要求ということでございましたから、詳細は資料によりまして御了得願うということにいたしまして、簡単に今御指摘になりました三つの問題のうち若干この際申し上げておきたい点だけ申さしていただきます。 国家公安委員の出席簿と申しますか、これはちゃんと整理をいたしておりますから、御要望に従いまして提出できると思っております。給与が非常に高い。他に職業を持っておって相当高給をはんでおる上に、さらにそういう高禄をはむということは、けしからぬ、こういう御意見でございますが、国家公安委員の先生方の実情を私ども仄聞いたすところによりますと、他の職業において相当高額の収入がありますがゆえに、その上にさらに国家公安委員の手当としてこれに加算されるために所得税は莫大なものになるのでございまして、結局国家公安委員の手当と果してこれを比較した場合に、手取りが実質的にいかがであるか、きわめて僅少のものにしかならない、こういうのが実情のようでございます。従いまして御意見のようにそれならいっそのこと非常勤扱いにして出席日数に応じて何がしかの手当を出すということの方が、あるいは本人のためにもいいのではないかという御意見も、一応検討して見る価値があるかとも考えます。この点は私ども事務当局として許される範囲においては一応検討してみたい、かように考えております。 それから国警、自治警の一本になりました後における調整手当の支給の問題でございます。これは当時制度的にきめられた通り、調整手当は支給をいたして今日に至っております。小さい府県におきましてはもうほとんど解決をいたしておるのでございますが、問題は五大都市が一本になりました当該府県、これはまだかなり調整手当受給資格者が残っておるようでございます。今正確な数字は記憶いたしておりませんが、これはいずれ資料によりまして詳細御報告いだしまして御了解をいただきたい、かように存じます。
○受田委員 長官のお言葉によって資料追加を一つ。高額の所得を持ち、さらに八万八千円もらっているので所得税が非常に高くなっているということで、公安委員の方のプライベートの問題にも関しますが、現に会社の社長をしておられる方が所得が幾らあり、そして公安委員として幾らあるか、その所得税額がどれだけあるかというのも参考として出していただくと、高額所得者に対する課税標準をどこに置くかという重大な参考資料にもなります。これはほかの職種でもやっていることでございまして、兼職の場合の給与に対する課税をどこに置くかということは国政上重大な問題でございますので、一つ非常に高い所得税を納めておられるという所得額を公安委員の方についてお調べの上、資料として御提出相なったならば、われわれには国政審議の上に大へん参考になります。一つよろしくお願いいたしたい。
○石井説明員 ただいまの点は、個人の私生活にも関連がございますので、私一存でお引き受けをすることはちょっとどうかと思いますので、一応御希望がありましたことだけを承わっておきます。
○北山委員 今消防の関係で草ぶき屋根の問題をお聞きしておったのですが、消防本部長のお答えですと、現在の法律では草ぶき屋根を危険物として撤去することは、現行法上はできないようなお話ですが、消防法の中でできるんじゃないでしょうか。既設のものであっても、やはり危険だという――草ぶき屋根を危険だと認めるかどうかという問題なんですが、そういう規定があるのではないか。問題はただその際の補償の金がないから実際上むずかしいのであって、現行法上もこれを活用すればできるんじゃないかと思います。ただそれに対する財源措置なり補助なりあるいは補償というようなものの制度ができれば、市町村においてもこれはやり得るんじゃないか、こういうふうに思うのですが、どうでしょう。 もう一つ、先ほど申し上げたような全国的な草ぶき屋根の調査はないとしても、特に市街地、密集地域における草ぶき屋根、これは除去しなければならぬ、そういうものの調査はできているのかどうか。これもあわせてお答えを願いたい。
○鈴木説明員 お話のごとく防火改修は消防法によって一応できることになっておりますが、既設建物については強制して改修を命ずるということができないような緩和規定になっているわけでございます。それができないというのは、結局お話のように財源、基金の問題に帰するわけでございます。それで国家消防本部として今日までいろいろ研究しておりますのは、わらぶき屋根等を含めた意味におきまして、防火改修を要する箇所が果してどれくらいあるか。これは農村に至るまでということにもなかなか参りませんで、お話のような主として密集地帯になるわけでございますが、どれくらい防火改修を要する建物なりあるいは建物の部分なりがあるか。それからそれに要する経費が一体どれくらい要るものか。これは先ほどもちょっと申し上げましたような融資の問題を考えるにしましても、その基礎的な財源は必要でございますので、この二つの問題につきましていろいろと調査を進めておる状況であります。それについての具体的な策は、その基礎調査が済んだらある程度確信のある方策が立つのではないか、さように考えておる次第でございます。
○北山委員 こういう問題はよほど前からの問題で、調査なんかもほんとうはできていなければならないのです。その調査は一体いつできるのですか。調査してその結論が出なければ法律の改正もできないというのでは、いつまでたったらできるかわからぬ。これは大体の見当でもやり得るのではないか。だから私どもの希望から言えば、今度の通常国会あたりは法施行の改正案を出して、それに対する財源措置等も考慮するというような方法をとってもらいたいと思うのです。去年、おととしあたりから私はこういう問題を出しているのです。どうなんですか、そういう準備ができるかどうか。それからあわせて、いろいろ消防財政あるいは消防制度の改革の問題もありましたが、来年度として国家消防本部は一体予算上どういうふうな要求を出して、どういうことを来年度に実現しようと計画をしておるか。おもな点だけでもいいですからこの際お話を願いたいのです。
○鈴木説明員 調査がどの程度に進んでおるかという問題でございますが、この調査はなかなかむずかしい問題でございまして、全国的に調査するのがなかなか困難でございますので、結局およその見当をつけるのに抜き取り検査みたいな形で調査する以外に方法がないのでございます。それともう一つ、私どもざっくばらんに申し上げますと、現在の消防制度下におきましては、一つの調査の結果をまとめようといたしましてもなかなか市町村が――おもに市でありますが、県なり市なりの当局がその調査をすばやく運んでくれないという、われわれにとっては非常に大きな悩みがございます。そういういろいろな関係もございまして思うように調査が進行しないというような実情でございますので、その点を一つごしんしゃく願いたいと思うのでございます。 それから三十三年度の予算でございますが、これはいろいろ私どもも考えております。根本的な日本の消防の強化策あるいは根本的な防火対策ということをいろいろ考えておるのでございますが、これは消防全体の制度にも関係するものでございますので、その制度の改正と並行いたしませんと予算要求もできないような状況でございますので、そういった意味では消防審議会の意見等も参考意見として、制度改正についてはその結論を待っておるのでございます。もちろんわれわれ自身としてもいろいろ考えておるのでございますが、なかなか制度改正となりますとそう簡単には参りませんので、それを直ちに来年度の予算要求に組み入れるということは非常に困難な状況にあるのでございます。ただ現在の制度下においても、その方向に進め得る費目につきましては、できるだけ予算に組み入れて原案を作っておるわけでございますが、そのおもなることは特別変ったことはございませんが、たとえば消防施設の充実のための国庫補助金を増額するとか、あるいは消防の訓練教養の費用を増額するとか、あるいは現在の制度のままでもできる消防講習所を将来大学にしたいと考えておりますが、現在の制度のままでも実質は大学の内容を持った設備機構にいたしたいということで、その方針で予算も要求しておる。 それから地方の消防諸機関の教養についても、今日の制度でもできる範囲で予算を要求しておるというようなことで、あるいはまた研究機関も、もう少し消防の科学的研究機関を充実するための予算を要求しておるとか、そういったことで現在の制度のままでもできることについて、しかも将来制度が改正になればなおさらその必要が強くなる問題につきましては、それぞれ予算要求いたしておるような状況でございまして、不十分と言えば不十分でございますが、将来の制度改革を念頭に置いて予算を編成いたしまして、概算を要求しておるような状況でございます。
○北山委員 大へん御答弁を聞いて失望するのですが、けっこう一番大事な点が進んでおらないということなんです。これ以上この質問をするのはやめようと思うのですけれども、ただ一つ今草ぶき屋根の調査等を市町村などにやってもらっておるが、どうも協力しないというお話だったのですが、一体具体的にどういうふうな調査項目でどういう範囲の市町村に調査を頼んで、そうしてそれがどういう状況になっているのか、協力しないというのはどういうことなんです。いつ一体調査についての協力方を市町村に出したか、あるいは府県に出したか、具体的にお話し願いたいのです。ただ市町村は協力しないから資料が集まらないということだけでは困る。どうなんですか。
○横山説明員 防火改修のための市町村に対する協力要請というのは総括的な問題ではすでに全国の課長会議等を通じまして、こちらの考え方等を示して協力を求めるような措置はいたしておりますが、具体的な調査項目それ自体を示して、日にちを切った調査を求めるというまでの処置は現在までにおいてはいたしておりません。ただ協力云々の問題は、過去における一般の調査統計等につきましては、実は毎たびかなり古い統計しか用い得ない実情にあるのでありまして、そういう点が一般的に見まして、どうもわれわれが思うようにこちらの要求のごとくはかばかしく報告等がなされてこないというような悲哀を感じておりますので、その点からの類推した意見が加わったかと思います。この防火改修の資料につきましては、現在のわれわれの方の内部におきましても、先ほど御指摘のように、大体市街地を中心とした場合の要改修物件というものを目標にいたしまして、それを全国的な調査にしていくということと、従ってその場合には主として屋根を対象とするということに相なるかと思うのでありますが、それ以外に防火改修個所としましては、木造建物における危険な火器を多く使う火器使用個所、あるいは煙突の設置個所の悪い面等、屋根だけ手をつけるということでなくして、防火改修ということに銘打ちますならば、手をつけるべき幾多の問題があるわけであります。なおまた簡易な防火壁と申しますか、そういうようなものも若干各方面で研究されておる事例等もありますので、そういうものを総合的に検討したものでやりたいということで、今秋の方の研究機関で、いろいろどういう角度からどういう個所を要改修個所として取り上げるかというような問題を研究さしておる段階であります。なお、私の方ではそれに付随して調査すべき資料、たとえて申しますと、過去における飛び火火災の状況でありますとか、あるいは建築構造の要素による火災の燃焼速度の問題とか、いろいろ基礎的な問題がありますので、それを今大わらわで資料を整理しておる段階であります。これらを整理しまして、この秋の防火週間においては全国的な一つの調査が進められますように、それを一応の目標として、それまでの間に各県の関係者の講習会なり調査要領の説明会等を開き、県においてはそれぞれに基きまして市町村にそうした要領を流していくというような段取りで進めたいと思って、今準備しておる状況であります。先ほど来御指摘のように、今に始まったことではないのでありまして、おしかりの点は十分存じておるのでありますが、かなり各方面にわたる問題に、実際に手をつけようと思っていろいろ検討して参りますと、端的に申しますと、いささか雲をつかむような作業の性質も多分にあるのでありまして、進行、状況がはなはだ十分でない点は申しわけないのでありますが、ただいま御説明申し上げましたような段階で準備をやっておる状況でございます。
○北山委員 あげ足をとるわけじゃないのですけれども、先ほど私が聞いたのに対しては、調査は始めておるんだが、地方団体が協力してくれないからまだできないんだというようなお答えがあったが、今の話を聞きますと、まだ調査項目に消防本部自体が内部決定をしておらぬというようなことです。だからして市町村等の協力も問題じゃないのですよ。本部の力がまだやっておらぬのですよ。だから、私はこの点については本部長の方からはっきりと先どの言葉を訂正されたいと思うのです。それは調査項目等は技術的にめんどうくさいということはあるかもしれませんが、やはりたとえ不完全にしても、こういう問題に手をつける、防火改修というものについて早く手をつけるということによって地方団体側も防火改修に対する熱意というものは出てくるのです。それをやらないでおいて、ただ内部だけで研究しておる段階なんです。それじゃいつまでたったって調査できませんよ。その調査ができなければまた対策も立たないというようなわけであって、問題はむしろ本部の中にあるんじゃないかと思うのであります。この点は一つ本部長の方からもはっきりとお答え願うと同時に、そういう防火改修というもの、火災に対する基本的な対策ですね、恒久的な対策というものを進める上において、今のようなことをどしどし進行させるように一つ要望しておくわけなんです。一つこの点本部長からお答えを願いたいのです。
○鈴木説明員 私の申し上げましたのは、従来からいろいろ消防対策の材料としての資料を県を通じて市町村に願いをしておるのでございます。防火改修の問題につきましても、従来われわれが都道府県を通じて要求をしておるいろいろな資料が集まっておれば、ある程度の見当はつくのでございます。ところが現在の実情では火災統計すらもなかなか思うように集まってこない現状でございます。消防の仕事があと回しにされておるというきらいがあるのでございます。火災統計すらも一年たってもなかなか満足に全国的に集まらぬというような状況でございます。ですから、そのほかのいろいろな資料を要求し、あるいは課長会議でさらに説明して、いろいろ調査してよこすようにということを言いましても、それがなかなかまとまってこないという実情でございます。そういう意味で、県並びに市町村の協力が十分でない点があるということを申し上げたのでございまして、ただいま総務課長から申し上げました準備中と申しますのは、防火改修の資金計画を立てますのには、よほど精密な調査がなければ資金措置の計画までは立ちませんので、もう少し詳しいことを調査したいということで、ただいま資金計画に結びついた基礎資料としての調査要綱を練って、もう少しこまかく、しかも具体的なものを調べ上げようじゃないかということでやっておるのでございまして、話がいささか食い違ったように感じられたのはまことに恐縮でございますが、私どもの考え方としては別に矛盾したことを申し上げたわけではないのでありますから、御了承願いたいと思います。
○北山委員 まあ了承してけっこうですが、ただしかし問題は、こういう防火改修の問題だけでなしに、今までもいろいろこの委員会で火災季節ごとに消防の問題なり、あるいは防火なり、その対策についていろいろ問題になったわけです。その財源措置についても、消防施設公団の構想を話されたのはたしか一年も前の話です。ところが一向それが進展しない。そうしてまた来年度の予算も大体従来と変りがないというのであれば、これはどうもやはり消防本部の中が少したるんでいるではないか、こう思わざるを得ないので、私は防火改修についても一応了承はいたしますけれども、もう少し勉強していただきたい、こういうことを申し上げまして、私の質問を終ります。 ―――――――――――――
○門司委員長 それでは、次に地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めることにいたします。 なお、本日政府当局から厚生省の社会局施設課長甲賀春一君、防疫課長の田波幸男君、大蔵省主計官相沢英之君、建設省河川局長山本三郎君、住宅総務課長鮎川幸雄君、農林省関係は農地局建設部長清野保君がおいでになっております。さらに自治庁の小林財政局長が見えております。ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○門司委員長 速記を始めて。それでは、質疑の通告がございますので、これを許します。今村等君。
○今村委員 私は今度の災害に関してお尋ねをしたいと思います。今度の長崎県、熊本県における災害は、きわめて悲惨な状況に置かれておるのでありますが、県民一同自失ぼう然というところでありましたが、やや気分を取り返して、これから復興にいそしんでいくという状態に立ち至って参ってきたのであります。そこで、今後の復興対策について、きょうは一つまず自治庁、農林省、建設省、等の対策に対していろいろ御意見を承わりたいと思うのであります。 第一番にお尋ねしたいことは、自治庁では、従前通りの、災害復旧公共事業費の一%を災害特別交付とする方針であるようでありますが、それ以上は個別的に考えるということであるようでありまして、この程度のことでは、この米官有の災害の対策にならないという考えを持っておるのであります。そこで、今度の災害の異常性にかんがみまして、災害分の特別交付は、従前の例にとらわれずに、公共事業費の何%という算定方法によらず、災害対策費の実際の支出を具体的に算定し、その全額を交付するという御意思はないか、こういう点を承わりたいと思うのであります。簡単でありますが、いろいろわずらわしくなってもなりませんから、一点々々区切りしてお伺いして参りたいと思いますから、一つ政府当局の意のあるところ、またこれに対する方針をお示し願いたいと思う次第であります。
○小林説明員 ただいまのお話は、災害府県、市町村に対する特別交付税の交付の問題でございまして、これにつきましては、自治庁といたしましても、現実に災害によって受けました被害、積極的な支出もあれば、税の減収等に伴う消極的な損失もあるわけでございまして、その実態に即するように考えたいと存じております。ただ、従来この算定と申しますか、把握がなかなか困難でありますので、今仰せられましたような大きなめどをつけて経費を算定しておったのは事実でございます。これも結局なるべく実情に即するようにしたいという考え方でございますので、自治庁といたしましては、ほんとうに要る金は、財源の許す限り、これは見るのが至当でございまして、そういう意味で、実情に即するように配分を考えたい、こういうふうに考えております。ただ、御案内の通り、特別交付税には、ワク、限度というものがございまして、既定のワクを配分するよりしようがないのでございます。これは今後どういう災害がどういう形で起るか知りませんが、この程度の災害でとまってくれるものなら、非常にわれわれとしても仕合せだと思っておるのでございます。現在の範囲内なら相当のゆとりもあり得ると思うのでございまして、できるだけ実態に即するようにいたしたい、こういうふうに考えております。
○今村委員 第二点でありますが、この災害分の起債について事業質の地元負担額の全額、それから単独災害事業費の全額を起債で認めて、事業の促進をはかる用意はないかということであります。すなわち災害の調査の終了を待ち、地元負担の決定後、これを他のものと切り離して考慮したい旨を当局は考えておられるようでありますが、その他のものと切り離して考慮したいということは、高率充当を考えていると思われるが、地元市町村は若干の自己負担にも実は耐えないので、全額起債の考えはないかということを聞きたいのと、また単独事業については従来の取り扱いにとらわれず全額を認定し、その起債を許可するお考えはあるのかないのか、この点また何っておきたいと思うのであります。
○小林説明員 災害復旧事業につきまして現地で現実に要る金につきましては、われわれとしてもできるだけ起債は許可したいと考えております。問題は、その災害額の把握という問題がございまして、これはまあ、いろいろ技術的に問題があるために、従来多少めどをつけて実はやっておる、こういうのが実情でございます。公共災害につきましては、主管省はそれぞれ査定をせられますから、その査定の結果に基いて、本年度施行すべき工事分につきましては、これは筋がはっきりしておりますからもちろん出す。問題は、そこにはずれました単独災害の問題でございまして、これにつきましては、率直に申しまして、従来の起債のつけ方には私はやっぱり実は無理があったと思います。起債のワクが少いせいもあったのだろうと思いますが、現実に災害復旧にどうしても要る仕事につきましては、それは実際に即するように差をつけなければ無理でございまして、これにつきましては自治庁の方でも関係者とも協力をいたしまして――問題は、単独災害の把握が従来むずかしかったものでそういうめどをつけておったのでございますが、関係官もそれぞれ現地に派遣いたしまして、実際どうしても要るものにつきましては必要な起債は見なくてはいけない、こういう考えでおります。
○今村委員 第三点は、災害の特別の立法について政府の考えを聞きたいと思いますが、災害によって生じました特別の財政収入額の減少分については、従来の方式によると災害要素の算定では不十分であるので、でき得る限り詳細な要素を定めて実情にのっとった算定が必要でないかと思うのでありますが、これに対してどういうお考えか、承わっておきたい。
○小林説明員 今お尋ねの問題はちょっと問題の中身がよくわからぬのですが、公共災害国庫負担法に関係をする事業の算定の問題なら建設省から御答弁願った方がいいし、そうでなしに災害に付する起債の特別な扱いを従来した先例があるという意味の問題なら、私の方から御答弁申し上げますが、これにつきましては、私は災害に伴う始末は、できるものなら許された正規の起債と、それから必要な特別交付税でまかなうべきでありまして、起債をつけていかぬものに妙な起債をつけてほうっておくということは適当じゃない、むしろ現在の特別交付税と正規の起債のワク内において適正な措置をはかりたい、今日の災害の程度ならばそのワク内において十分措置できるんじゃないかと考えております。
○今村委員 それから災害の経費については特別交付税をもって十分なる処置をする。総額の不足する場合においてはこれは二十八年度の例にならいまして特例債をもって支出される御意思がないのであるかどうであるか、これをひとつ承わっておきたいと思います。
○小林説明員 二十八年度の例の特例債の話が出ましたが、私はああいうやり方は必ずしも健全なるやり方とは考えておりません。現在の程度ならば現在の特別交付税なり正規の起債のワクで始末ができる、こういうふうに考えております。今後非常な大災害が起りまして、どうにも既定のワクで動きがつかぬという場合においては、それは別途申されましたような問題も考慮に値すると思いますが、現在のところはその必要はない、こういう考えでございます。
○今村委員 それから指定補助事業のワクの拡大についてでありますが、今度の水害は多額の緊急治山事業、緊急砂防事業、地すべり防止対策事業、あるいは災害関連事業、助成事業を必要とするのでありますが、これらの事業には、長崎県のごとき財政再建団体の関係では一定のワクを規定せられておるのでありますが、今回の指定補助事業費の増額について、規定の指定補助事業のワクに追加増大の処置をとり、高率補助の適用をなさるようなお考えはないのでありますか、これをひとつ承わっておきたいと思います。
○小林説明員 指定事業のワクは一応政令できまっておりまして、指定事業の範囲内に入ってくるものにつきまして、どうしても要る仕事は、再建計画の変更の問題は、これは私は当然あり得ると思います。どうしても緊急にやらなくてはいけない問題につきましては、再建計画の変更につきまして財源の見通しを立てて、これは認めざるを得ない、そう考えております。もう一つの問題は、そうすると指定事業に伴う補助率の問題になってくるのでございますが、指定事業の補助率につきましては、私はさしあたりのところは現在の制度で支障がないのではないか、こういうように考えております。具体的にどういう仕事はどういう形でできて、動きがつくかつかぬか、こういう問題になってくると思いますが、今年度における指定事業の計画変更については現在の制度のままでまずよかろう、こういう考え方をもっております。
○今村委員 自治庁はあとでまだ二三点ございますが、商工関係見えていますか。
○門司委員長 来ておりません。
○今村委員 それでは厚生関係でちょっとお尋ねします。諫早のあの災害で福祉事務所が流れてしまった。これに対して新築費の国庫補助というものはないのですか。また何とか、あるような方法はないのですか、これをひとつ承わりたい。
○甲賀説明員 福祉事務所の災害について、福祉事務所を建てることについての国庫補助はないか、こういうお尋ねと思います。福祉事務所の建設についての補助というものはございません。
○今村委員 災害補助の第三十六条、この規定するところの国庫負担の割合を改正する意思はないのか、それをお聞きしたいのと、第三は災害補助の運用についてでありますが、たき出し費用を二日四十円を一日六十円に増額してもらいたいということであります。それは健康上から見ましても、一日四十円では非常に安くてまかないができない、相当に地方では負担が重くなるのであるから、これに対して厚生省はどう考えているか、ひとつ承わりたいと思います。
○甲賀説明員 現在たき出しの単価が一日四十円となっておりまして、従来の例で参りますと、九州の災害のような非常に異例の場合、長期のたき出しをやらなければならぬ場合を実は考えておりませんで、ごく短期間自分の家で炊事ができないその期間、一食ないし二食、せいぜい三日ぐらいの程度のことで算定されておるのであります。今回の場合非常に長期にわたりましたために四十円の単価ではどうしても栄養上の問題もあり、あるいはまかない切れないというような要望がございまして、今、米価等の関係もありますし、それから生活保護費の単価の問題等がありまして、あわせて部内で検討いたしております。また決定するまでには至っておりませす。
○今村委員 検討していただけばけっこうだと思いますが、三日、四日という規定だといわれますが、私は別に反駁するわけでございませんが、諫早のあの一帯の水害というものは、三日や四日は水につかっておったという状態ですから、他の単なる床上浸水程度で、夜かあるいはその午後に水が引いてしまった、そういうところとは非常に実情が違うのでありますから、そういうことも相当に考慮してひとつ考えていただきたいと思うのであります。 それから災害の場合、家屋の全壊流出と床上浸水を区分して物資、学用品等の配分をすることとなってわりますが、このたびの水書は、床上浸水といえども軒まで達したというような、きわめて水が大きい関係から、そこでその災害程度は全壊流失と同様に取り扱ってもらわぬと、たとえば児童の教科書のごときでも、家が流失した、あるいは崩壊したという者に対しては、教科書を支給しておられるけれども、軒先まで上ったが家が残っているという者に対しては、その支給がないのであります。それは法的な関係でやむを得ないと言われれば、やむを得ないことでありますが、さような意味からしてでも、これに十分なる救済の方法をとるということであれば、当然これは幾らか法の改正を必要とするものじゃないか、こう思うのでありますが、これに対してどういうお考えか承わっておきたいのと、それから行方不明者の捜査は災害発生の口から法的には三日間という規定があるようでありますが、今度の場合は約二十日を通じて捜査をやっておる。ことに有明海、橘湾、天草あたりの海上自衛隊その他の関係を通じて二十日間にわたって捜査をやっておる。こういう関係でありますから、ただ法一点張りの救援ということでは、はなはだ不公平また不徹底に陥りやすいきらいがありますので、この点について当然法の不備な点は改正をしてもらって、これらに対して何かの救いの手を伸ばしてもらいたい、こういう考えであります。これに対していかようなお考えか、承わっておきたいと思います。
○甲賀説明員 床上浸水で天井まで達した場合、流失あるいは全壊でないので、教科書を全壊流失の場合よりも少い基準で給与される。この点を全壊流失と同様に扱えないかという点と、それから行方不明者の捜査が基準よりも長く日がかかったという場合、いずれも長崎県から実情の詳細な報告がございまして、あとの行方不明者の捜査のことについては認める考えで返事をいたしております。 教科書の問題についても同様のことで今研究をいたしておりますが、御希望に沿えるのではないか、今のところそういう工合に考えております。
○今村委員 第四は、世帯更生資金の増額、母子福祉貸金の特別処置をいかように講ぜられておるか、こういう点も一つ承わっておきたいと思うのであります。 それから死亡者並びに行方不明者に対する弔慰金の問題でありますが、これは団としてどういうふうに見ておられるものか、またどういうお考えであるか、それからまた今後のいろいろな関係がありまして、国としてこういう場合の見舞金制度というようなものを確立されるお考えはないのか、そういうことを承わっておきたいと思います。
○甲賀説明員 母子福祉資金の貸付量の拡大のことでありますが、このことにつきましては、県からの要望があります際には直ちに増額できるように、すでに財源を確保いたしまして通牒を流してございます。県の要望がありますと、さっそく手当ができるようになっております。 それから弔慰金の問題でございますが、今のところ私どもの方で考えておることはございません。
○今村委員 これは文部省との関係もありましょうけれども、今のところで大体欠食児童というものが小学校で二千八百七十名、中学校で一千二百十九名、計四千八十九名おるのです。それから教科書を配付されておるのが、前期の分だけで小学校が二千四日四十四名、中学校が七百三十三名、計三千百七十七名というふうになっておるようでありますが、後期の方も一つそういうふうにできないのであるかどうか、こう考えるわけであります。 それから学用品ですが、小学校二千八百七十四名と中学校の九百六十八名、計三千八百四十二名、これらに対して文部省の方では大体差しつかえなかろうというような意見もあるようでありますが、厚生省の方では少ししぶっておられるということでありますけれども、これに対してどういうようなお考えか。
○甲賀説明員 前期、後期と申しますのは、第一学期、第二学期の意味でございましょうか。
○今村委員 そうです。後期の分も一つ願いたいというのです。これに対してはどういうお考えですか。
○甲賀説明員 後期の分ですでに買ってあった教科書なり学用品が災害によってなくなったという場合は当然考えられます。これから買うというものについては災害救助法では満期にならないわけであります。
○今村委員 次は建設省にお尋ねします。建設省関係は大きいと思いますが、建設省は災害の復旧に対しては現行法による原形復旧をなさるのか、あるいは改良復旧でなされようという考えでありますか。災害復旧は原形復旧でやることになりますと、むしろ国費の乱費になって将来の防災にならぬような感じがするので、この弊害をやめて改良復旧でやっていただくようにできないのであるかというふうに考えますが、これに対して建設省の御意見を承わっておきたい。 第二は本明川であります。本明川が一番大災害をこうむっているように思うのでありますが、これは直轄河川の指定にはならないのであるか。こういう川は直轄河川として指定していただいて、国が将来に対する十分たる復旧方針計画を立ててやっていただくようにしてもらいたいと思いますが、建設省ではこれに対してどういう復旧計画、また方針を立てておられるのであるか、一応御意見を承わっておきたいと思います。
○山本説明員 ただいまのお話は二つあるわけでございまして、一つは災害復旧を原形復旧ではなくて改良を加味してやれというお話でございます。今回の災害は御承知の通り局部的に非常に大きな災害を、受けておりますので、原形復旧では将来非常にだめだという分が多いわけでございますので、災害関連事業あるいは改修費を一緒につけ加えまして、いわゆる改良復旧という観点でやりたいというふうに考えております それから本明川につきましては一番ひどい災害の河川でございまして、これは従来は県の事業でやっておった河川でございますが、今回の災害の直後地方建設局でその調査をいたしまして調査が大体終りまして、ただいまの考えといたしましては、重要な部分につきましては直轄工事で建設省としてはやりたい。今後大蔵省との関係はございますが、建設省としてはそういう考えでおります。
○今村委員 そうすると今の本明川は大蔵省との関係がつけば国の直轄でやるという考えのように聞きましたが、実際にそういうことになりますか。私どもが聞いた範囲では、本明川の諫早駅の裏から下を建設省が直轄でやって、上の方の部分は地元でやるというような建設省の考えだということを陳情に行った人の話で聞きましたが、実際はどういうふうになっておりますか。
○山本説明員 この点は先ほどお話申し上げましたように、大蔵省との折衝が済まないと本ぎまりにはなりませんが、前に中小河川でやっておった区域がございます。これは長崎本線だと思いますが、それから下流は災害の額が比較的少いのでございます。しかし改修費を相当入れないと今度の計画に合わせたようなことができませんものですから、これは直轄改修工事としてやろう、その上におきましては災害額が非常に大きくても、ほんのわずかの災害関連事業を加えるならば改修ができるわけでございますので、この点は事業は建設省が引き受けてやることは必要かもしれませんが、災害がほとんど災害額でできますものですから、実際問題としては県の仕事としてとりましても天際の仕事は建設省でやるように持っていきたいというように考えております。
○亀山委員 関連して。ただいま今村委員からの本明川の問題で河川局長は直轄河川にするということでございまして、非常にわれわれもうれしいのですが、幸いにきょうは大蔵省の主計局の主計官も見えておりますので、これは一つ何とか、この本明川はいわく因縁の河川で、諫早市長の悲願でもございますので、ぜひとも地元の要望通りにできますように、大蔵省当局にお願いするとともに、河川局長にもぜひ実現できるようにお願いいたします。
○山本説明員 ただいまの点はほんの最近そういう話をいたしまして、大蔵省にはきょうあたり課長から話をするところでございますので、大蔵省はまだ御存じないかもしれません。
○今村委員 今建設省の御意見を承わりましたが、私の意見をあまりここで言うことは遠慮したいと思いますけれども、大体長崎県には一つも国の河川というのはないのです。そこでこれはそんなに国の河川とする川がないから、規定上当てはまらないからやむを得ないという立場で、長崎県に国の川というものを指定されないのかもしれませんが、これはちょっと県としては本省の取扱いがきわめて不公平じゃないかという考えを持つ。たとえば去年、おととしから北松の佐々川それから調川、ああいう方面を、県下にも一つくらいは国の河川にしてもらいたいという陳情があったはずです。ところがその当時筑後川、あの福岡県の九州で一審大きいというような川が直轄になったということで、それならばとてもこんなこまかい川は直轄にはならぬだろうということで遠慮した。そこで先般私地元の話を聞いてみたところが、筑後川はこの前の水害があった後に、筑後川の上流の支流が国の川になったということを聞いて、私実はあぜんとしておったようなわけですが、幸い今度は本明川が大被害を受けておるような川でありますから、長崎県にも一つや二つぐらいの河川は、国の直轄に編入されても差しつかえないじゃないかと思うのです。あの川の今度の改修とかあるいは復旧工事とかいうものを、建設省が諫早駅の裏、いわゆる長崎本線の鉄橋の下から建設省がやって、上は地元でということですが、ところがあの鉄橋の下からの被害よりも、むしろ上の方が非常に困難な状態になっておる関係もあるから、この際いっそ建設省はあれを国の河川として編入される御意思はないのか。きょうは建設大臣が見えておられないから責任のある答えはできぬと思うのですが、河川局長は一体どういうふうにお考えになっておるか、その点聞いておきたい。
○山本説明員 長町県を特に直轄工事をやらないように偏見をもってやったというようなことは全然ございません。今回の本明川の災害につきましては、非常に大きな災害を受けておりますので、現在までの計画ではとてもいかぬということで、しかも急いで計画を立てないと都市計画等の問題あるいは家を建てる問題等と関連いたしますので、急いで全体の計画はいかにあるべきかということを、地方建設局が一貫して計画を立てたわけでございます。そこでその中で非常に工事の困難性もありますし、また工事費も非常にかかるというようなところにつきましては、直轄改修工事でやった方がいいだろう。それからほとんど何ものもなかったようなところにつきましては、災害復旧に多少の災害関連をつけますれば、それでできるわけでございますので、工事は要すれば国が委託を受けてやったらどうか、それが一番工事を促進する方法じゃないかというふうに建設省としてはただいま考えておるわけでございます。全部を直轄にいたさなくても計画というものは全部一貫した計画に――砂防から河口まで一貫した計画になっておりますので、その線によって工事ができますれば、本明川の全体の計画においては支障がないというふうに考えております。
○今村委員 理屈を言うことになるかもしれませんが、本明川は国が仕事と計画だけは一貫してやるが、金は地元がある程度出せという結果になるのであります。私の言うところは、国の河川として認めてもらうことになりますと、もちろん計画も国が一貫しておやりになるし、それから費用もその法の規定するところによって国が負担されるので、そこで地元が非常に助かる。この被害をこうむっておる諫早市あたりに負担金などを課することは望めないことである、この点を実は聞いておるわけでありますが、しかし御答弁は要りません。おそらく地元もそうだろうと思っておりますので、なお一層建設省の方においても、十分それらについて検討を加えて、今後また復旧に対しては地方の陳情が猛烈にあることと思います。一つ十分お考えおきを願いたい。 それから次に住宅関係について承わりたいと思います。災害の公営住宅の補助率のワクを引き上げる。災害公営住宅の補助率は今まで三分の二と規定されておるようでありますが、これを災害地帯にだけは四分の三の率ぐらいにする御意思はないか、それから滅失戸数の関係で、三割の家を建てる、それを五制ぐらいに引き上げて、何とか対策を立てられる考えはないか、これを一つ承わっておきたいと思います。
○鮎川説明員 ただいまお尋ねがございました二つの問題のうちの第一点の問題でございますが、現在の公営住宅は災害の際には第二種公営住宅と同じように現行法のもとにおきましては、三分の二の国の補助をいたしまして、あとの三分の一は事業主体、すなわち地方公共団体の負担になっているわけでございます。ただこの負担分につきましては、災害の際にはほとんど全額の起債が認められておりまして、従来の災害におきましても、ほぼこの起債と、この補助によって建設をいたしておりますので、三分の二を四分の三に引き上げるというのは、現在のところ非常に困難であるかと考えておるわけでございます。 それから第二番目の滅失戸数の三割を計算する場場に、公営住宅は現在滅失戸数の三割を目途として建設いたしておるわけでございますが、それを五割にする意思はないかというわけでございます。現在災害の場合には、公営住宅の建設のほかに住宅金融公庫からは災害復興住宅の建設ということを行なっておりますし、また一般の基準によります公庫の融資につきましても、災害の際には特別に融資をするというような制度をとっておるわけでございまして、こういう公営の住宅のほかに公庫住宅等を合せまして、災害の復興に当っておるわけでございます。現在長崎県の申し込みの状況等を見ましても、現在すでに災害復興住宅等につきまして、私どもが承知しました数字でも、六百戸以上も申し込んでおります。特にこの災害復興住宅は九坪以下を建設しようという方に対しましては、約全額の資金が貸し付けられるというような制度になっておりますが、低額所得者の人に対してもこの程度の運用によって、災害による住宅の復興が可能であると考えております。 このような総合約な制度でやっておりますので、現在の公営住宅の建設の割合も、現在の段階ではほぼこの程度でよろしいのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○今村委員 この災害の住宅の特別融資に関して、これに対してどういう方法をとっておられるか、公営住宅という問題以外にも、個人の住宅、これは金融公庫で、家が崩壊したのを建てるという場合の貸付、これが府県でいたしておりますのが一戸当り二十二万円が最高、それに敷地の造設三万円というふうになっておりますが、さてそれだけの金で、その災害で実際一切の家屋並びに家財が流失したところの人に、手持資金がそれだけあるかないかということになりますと、一戸当り二十二万円程度では、今日の物価指数からいってもとうてい困難じゃないか。こういうふうに考えられる。そしてその滅失戸数に対しては二〇%を貸し付けることになっておるようです。これも五〇%くらいにもつと増額して、貸付率も七五%を九五%くらいに引き上げて貸し付けて救済をするという方針並びにそういうお考えはないか、またあるとすれば早急にそういう対策を並行してもらうか、あるいは実際に即するような方法をとってもらいたいということを考えるのでありますが、これに対していかなるお考えを持っておられますか、承わっておきたい。
○鮎川説明員 ただいま公庫の住宅融資に関する御質問がございましたが、一つは災害復興住宅に対する資金の限度が二十二万円になっておるが、それが低いではないかという点でございます。ただいまお話にございましたように災害復興住宅という制度は、前国会におきまして公庫法の改正がございまして、今度の災害で初めてこの制度が適用されたわけでございます。その考え方といたしましては応急に住宅を復興するためには、公庫のような従来の一般の基準は手続等も非常にめんどうになっておりまして、災害のすみやかな復興に即しない、そこでできるだけ手続を簡素にするとともに公営住宅においては解決できないような住宅の復興に充てなければならぬ、こういうような趣旨でこの制度はできておるわけでございますが、まず金額の根拠といたしましては、九坪程度の住宅で応急に必要な住宅としては、その地域によって異なりますが、一体坪当り幾らというふうに計算しまして、九坪分を建てるためにはほぼその全額に当るというような考え方になっております。それ以上の住宅を建てます場合、たとえば十五坪くらいの住宅を建てます場合には、六坪分が自己負担になって、九坪分は貸付金、こういうふうになっておるわけでございます。従いまして応急に小規模の住宅を建てるという方には、ほぼこの程度で十分ではないだろうかという考え方から、このような金額になっておるわけでございます。 それから次に貸付率の一般融資の場合は一般の基準によりまして、特に建設の基準も公庫が定めております基準に合致することと、貸付の割合も七割五分という一般の基準通りで貸付をいたしておるわけでございますが、特にこれは、特別に抽せん等の制度をいたしませんで、特別の融資といたしますとともに、この場合には据置期間を認めておりまして、従来の期間よりも約三カ年程度は据え置くことができるというふうに期間の延長を認めております。こういうようなことをいたしまして、できるだけ災害の実情に合うようにいたしておるわけでございます。
○今村委員 今承わっておりますと、九坪の範囲において、九坪より広げていけば手持ち資金でやる、まことにそれは適切な方法かもしれませんが、一体人間の住宅というものは九坪では住まわれません。どんな狭い家でも、普通一人前の住宅というものは十二坪の家でなければ住まわれない。これは主として都会の家であります。ことにいなかの都市並びに農村あたりでは、九坪や十坪や二十坪くらいの家では農業なんというものはできないということを一つ御配慮願いたい。そういう意味において、たとえば都会の住宅難などで、場末の家を建てるにはあるいは九坪、十坪でもいいけれども、日本家屋の建て方というものはおそらく十二坪くらいの計画を立てなければ、どんなこまい家でも人間らしい住居と私どもは考えられない。その点は専門的な立合からみな御存じのことだと思いますが、その意は規定々々といって、ただ単なる規定だけにとらわれて事を処せられるということになりますと、実際に災害で悲惨な状態に追い込まれておる者の救済は、全く二階から目薬にも及ばないという結果を生むのでありますから、規定があるからと仰せになるならば規定を変えればいい、こういうことにもなりますので、私はあなたの答弁をこれ以上承りませんが、ただそれだけ申し上げて、いずれまた時を得てお話を申し上げたいと存じます。 それから第五に、暴風雨、洪水、高潮、地すべり等の住宅災害の場合の保険制度などを作られる御意思はないかどうか。最近九州が一番台風災害をこうむり、あるいは今度でも水害をこうむり、地すべりも起っておる。これは全国にわたっておるようでありますけれども、まず長崎県から熊本県などが一番ひどいのです。こういうものの対策として、そこにそういう保険制度か何かを今後設けておかなければならぬと思うのでありますが、これに対してどういう考えを持っておられるか、一つ当局のお考えを承わっておきたいと思います。
○鮎川説明員 災害の際の住宅復興の際に、保険制度についてどういう考えを持っておるかというお話でございますが、建設省におきましても、風水害による災害等毎年災害というものはございます。日本においては特に災害復旧ということはいろいろな面から検討しなければならない点がございますので、建設省といたしましては前々から保険制度につきまして、ごく基礎的ではございますが、特に理論的な面、基礎的な研究は続けておるわけでございます。ただここで、まだ研究の内容その他については申し上げる段階に至っておりませんが、保険の料率をどういうようにして定めるか、特に災害の常襲地帯とかあるいは河川の流域とか、いろいろ災害の範囲、内容等も異なっておりますので、その料率等におきまする考え方も非常にむずかしい点がございますし、この制度を実施します場合にはその他いろいろと技術的な困難がございますので、それを本格的な制度といたしますには、相当深い研究が必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。今後も私どもはこういう制度につきましては、できるだけ制度の内容につきましても検討いたしまして、従来の災害対策以外にもできるだけ完備した対策ができるようにいたしたいと考えておるわけでございます。
○今村委員 まだわかったりわからなかったりしますけれども、あとは別に私、追及いたしません。 農林省関係でありますが、今度の災害については農家が自力で負担をして農地の復旧をすることはきわめて困難であります。そこで農地災害、農地及び農業施設の補助対象事業の地元負担について、どういうふうに考えられておりますか、この点を一つ明確にしていただきたいと思います。 それから第三に、小額災害に対する政府の対策はどういうふうに考えられ、また小災害の数量の調査はできておるかどうか、この点一つお答えを願いたいと思います。
○安田説明員 たび重なる災害が起きまして、特に日本の農家は零細な経営をもって保っておりますので、また自然状況に影響を受けることが多いので、いろいろ対策に腐心しておるのでございますが、農地及び農業用施設の災害の復旧につきましては現在の法律がございますので、その法律の運用を適切にいたしまして、その両者に対する災害復旧の考慮はいたして参りたいと思っておるわけでございます。現在の法律によりましては、被害地域におきます被害額を農地及び農業施設に見積りまして、被害農家数でまず平均を出しまして、その一戸当りの平均被害額によりまして農地は五割、農業用施設は六割五分の補助を基礎といたしまして、一戸当りの被害額が十五万円になります場合には、農地と施設が八割、九制の国庫補助、それ以上に出れば施設は十割の補助をするような制度であります。しかし、他方、第二の御質問に関連をいたしますが、一カ所の被害が十万円未満と見積られます分は、補助の対象になっていないのが現行法であります。これについては関係方面と寄り寄り協議をいたしまして、また省内でも大臣の現地視察の結果をも御参考に出していただきまして検討いたしましたが、今回の被害については局地的に相当ひどい被害がございますが、十万円未満のいわゆる小被害に対しては、農地及び農業用施設の災害復旧の国庫補助法を変更することはしない建前で、適切な方法を講じたいということになっております。そこでいろいろ工夫をいたしまして、一方零細な農業経営で累次にわたる被害で何とか手を打たなければならない事情のところもございますので、現行法の建前また他の諸制度の建前等を考えまして、地方事情と国の他の地方財政に対する措置等を勘案いたしまして、次のように取り扱うように関係知事を通じて措置いたしておるのであります。 その第一は、河川には御承知のごとく河川法に基きまして適用河川、準用河川、普通河川とありますが、準用河川以上の大きな河川で河川法の適用を受けるものは、建設省で改良も復旧も関連工事も御担当になることは先ほども申された通りであります。普通河川に至りましては、今回の九州被害あるいは長野の被害等において随所に被害が出ておりますが、私どもは田畑に関係して申し上げますと、普通河川は用排水路の役目をなしておるものが大半でありますので、田畑被害と普通河川の被害と以上申し上げました観点で一括して見ますと、その被害地帯の被害額は相当高額になりまして、さきに申しました一戸当りの被害農家の平均被害額の額になりますので、同時にこれを採択して復旧をし、さらに関連事業をいたしますと、被害額に応じて高率補助の適用ができますとともに、小被害として単独に地元だけでやれという措置が少くなって参りますから、建設省とも打ち合せまして、県知事の判断によって農地及び農業用施設と普通河川と合せて一被害のものとして適用いたしまして、その被害額の査定並びにこれに伴う復旧工事及び災害関連事業を立てていただくこと、それに対して国庫の補助金を現行法を通じて出すことを措置いたしておるのでございます。ただいままでの成績は、九州被害について申し上げますと、西九州被害といわれております被害でありますが、取り急ぎまして措置いたしましたところ、今本省にそれが出て参っておる段階で、不日遠からず予備費の支出をいたすつもりでございます。結果について見ますると、私が申し上げましたことは、長崎県の例で申し上げますと、五十数個の普通河川がございますが、その約九割は農地及び辰業用施設とあわせて、農業関係の災害復旧事業及び災害関連事業として行うことになりました。またそれでもあるいは準用河川が河川としての災害復旧事業あるいは災害関連事業、こうしてだけ行われますところは、田畑被害としては勢い小被害がありますれば、その被害が孤立して残されるわけでありますから、これにつきましては、県と市町村とが中心になりまして、その地元負担力及び地方財政の状況を考えまして、県指導のもとに、市町村におきまして、一つは農林漁業公庫で用意しております政府の資金によります融資の率を確保しまして、復旧事業、関連事業を行なっていただく。なお市町村、県等で可能でありますれば、その市町村の営みまする災害復旧事業といたしまして、あるいは関連事業といたしまして、起債によりまして復旧事業をしていただく。これに対しましては、特別交付金を交付する制度で運用を道切にしていただきたい。これもまた農林省から自治庁に打ち合せました上で県知事に指示をいたしまして、その運用を待っておる次第でございます。 小被害の額はわかっておるかという点でございますが、農地及び農業用施設の災害の復旧に対しまする、国庫補助の現行法による災害の査定をいたしますると、補助するものを一応査定しておるのが例でございますが、今回その査定に伴いまして、あわせまして小被害がどれくらいあるかということについて、農林省も押えておかないといけませんから、県、市町村を中心に、以上申し上げました措置としてやっていただきたいと思いますから、被害の状態を県、市町村において抑えてもらうことを原則としておりますが、あわせまして報告をとっておる次第でございます。
○今村委員 今承わっておりますと、まことにけっこうな御方針のようでありますが、この小災害で補助対象とならないものを市町村営事業としてやる場合、財源の処置はどういうふうになりますか。これを一つ承わっておきたいと思います。
○安田説明員 第一次の財源は先ほど申しましたように市町村また県でもよろしい、起債でございます。その起債額は国で引き受けるように自治庁で用意しておるもののワク外だと思います。あわせまして特別交付金を同様にしてございます。本年は前二年の被害に比しまして全国的には被害がそれほど多くございませんので、相当これに応じ得るものがあることを自治庁から聞いておる次第でございます。
○纐纈委員 関連して。十万円以下の小被害に対する救済方法といたしまして、法律では災害の補助対象にならないということでありますが、私の方も実は六月末の二十七、八日、さらに八月の七日、八日と岐阜県の東美濃の地区でありますが、災害がありましたが、ちょうど諫早と同じ状態で、やはり小河川が非常に荒れて、山くずれが多いという状態だったのですが、ところがそのために山間の非常な谷間に作った小さい水田が流されてしまった。そこでいなかのことでございますから、非常に小災害でありますが、お百姓としましてはほとんど自分の畑を流されてしまって大へんな被害を受けておるのであります。そこで二十八年度の水害におきましては、特別に三万円までの特例法でやられたわけでありますが、先ほども何か適当な方法でおやりになるということでございますが、二十八年と大体同じようなお考えのもとに、これらの小災害に対します対策をお講じいただけるでございましょうか。今起債の問題がありましたが、そのへんのお考え方はどうなんですか。
○安田説明員 お話が出ましたところその通りだと思います。岐阜県は被害額も相当に上っておりますし、被害中に占める小災害の割合は農地、農業用施設に関します限りは全国一かと思っております。私どもが目下つかんでおります被害額も、小被害の額だけで一億を超えております。これに対しどうするかは先ほど申し上げましたが、少しおわかりにくかったかとも思いますが、二十八年の例によって、一カ所の小被害が三万円までの被害額について補助を適用する措置は、今回は政府全体としましては、個別の農地、農業用施設の補助としてはとらないということでございまして、私どもはやむを得ずその措置をとる手続はいたしておりません。しかし最近におきまする豪雨の急激にくることによります被害、それが小河川及び田畑、農業用施設等に随所に小被害をたくさん起しております事態は、ここ数ヵ年続いております。例外的なこととも思われぬ程度になっておりますので、先ほど申しましたような措置は少くともとらなければならぬ、こう申しておるわけでありまして、なお研究の結果抜本的な措置も講じたいと思いますが、ただいまは以上のような普通河川と農地関係の被害をあわせて復旧及び災害関連工事をする。とりあえずは地方公共団体で起債による復旧事業を小河川だけでもけっこうですから取り上げて、特別交付金で市町村を救うという二つの方法について、県から相当強い指導をいたしておりますが、具体案が来ません。来ましたならばそれを見まして自治庁、大蔵省ともよく話して、その事前の態度としてはそれを受け入れて、措置することにいたしておるわけであります。この小災害はちょうど復旧計画を立てる時期の境目かと思います。それ以外のところがちょうど本省に届いたところであります。
○纐纈委員 否定の問題について先ほどまことに意外な話を私は聞いてきたわけなのです。実は最初の六月二十七、八日の災害査定に八月の四日に来られたらしいのでありますが、当時私の方としては大体苗しろも植え付けした直後なのでございます。そこで相当砂が入ったり災害で非常に苦労したわけなのですが、お百姓さんといたしましては、先ほど申しましたようなほんとうの山の中の小さいたんぼでございますから、少しでも早く復旧してそうしてよそから苗を取り寄せたりなんかして手入れをした、こういうことなんですが、さて八月八日に査定に来られますと、大体復旧してしまっているということで、もうこれは復旧してしまったのだから見る必要はないのだというようなお話があった。それから当時、実は私ども二十八日に現地に行きまして、そういうことを心配しておりましたために当時の現場の写真を全部とっておけということで、県事務所がわざわざ来てとったその写真を査定官に見せたところが、一向それを取り上げない。しかもそのかき出した砂が非常にたくさんあった。ところがそんなものはもう近所の川から持ってきて上げたんじゃないか、こういうような暴言を吐かれた。実際はさような植付の直後のことでございますから、被害を受けなかった者もみんな部落の連中が一緒になって参りまして、一日に三十名から百名ぐらい一週間ぐらいかかってようやくやったわけなんです。それをそういうまことに血も涙もないような査定のやり方をされたことは、私は非常に心外に思うわけですが、まさか本省としてはそのような血も涙もないような査定をしろとはおっしゃらなかったと思いますが、そういう事実を私は聞いてきております。私どもの方は非常に山の中で非常に純真な者で、被害に便乗してそういうたちの悪いことをやることはないのですから、やはり地方のそういう民情等お考えになりまして、ぜひともそういう――少し善い方だったらしいのでございますが、とにかくそういう査定の仕方をやられることは、これは非常に私は被害者に同情のないことじゃないかというふうに考えましたので、一応御参考に申し上げました。一つ今後におきましても、そういう点について係官の方にも御注意を願って、そういう血も涙もないような、法律に全然合致しないからといって、規則をたてにとってやられてはまことに困る。私どもは損害額の査定という問題はあれでございますが、写真までとってそうしてやっておりますものに対して、そういうことを言われて査定されたということは、私はまことに心外に思っておるわけですが、一つ御注意を願いたい。
○安田説明員 御指摘のようなことがございましたら、まことに至らない役人がおりましてまことに恐縮でありますが、具体的に人でもけっこうです、場所でもよろしゅうございますが、お教え下さるならば、すぐ本省として措置をとるつもりであります。気持といたしましては、むしろお述べになりました、あるいは御想像になりました、その出先のかみ合った例とは逆でございまして、農民の農業に対しまする、できるだけ早く復旧をして、一作でも作付を早くしたいという熱意にこたえて、それを通じて国に貢献するという気持及び役目に応じまして、農業関係の災害復旧はすべきものだと心得ておりますし、八月十四日には、昭和二十八年の災害のときに災害の査定や復旧の立て方について関係省の意見がまちまちでありまして、弊害も出たし、村の方にも、御関係の方にも迷惑をかけたことの例があったことを参考にいたしまして、本省から、災害復旧に当りましては、田畑の流失埋没等があった場合は、単に原形復旧のみならず、区画整理、農道を作ることもあわせて計画して災害復旧工事をしてもらいたい、そういう考えで査定をしてけっこうである。またつなぎ融資も、災害直後に西九州は六億三千万円でありましたが公庫資金を出しまして、また岐阜、長野等にありました六月下旬の豪雨に対しましても、一億弱でありますが出しておるのであります。というのは、査定が終りまして災害復旧計画が立って、国の補助金である予備費支出をする前でも、ある意味では仕越し工事になる感じでありますが、大きい復旧工事をするのは、人の気持も、事の性質から行きましても当然である。そこでそのためのつなぎ資金も、補助金が出る前でも出す。あわせまして以上申しました通牒の中にも、個別に明らかにして県知事に明瞭にそれを指定しておりますが、応急工事でそういうふうに早く間に合せようとして先へ復旧をされた場合でも、査定額の中に入れて、予備費支出をそれに対してするのである。そのことを明瞭にいたしまして指示いたしておりますので、その指示に違って、古い頭で査定官が査定しておりまして、具体的にそれがわかりましたら、取り調べまして厳に今後を戒しめるようにいたしまして、同時に今回の査定及び復旧計画に対する措置としては是正をいたすつもりでございます。
○纐纈委員 今度の災害につきましては、実は本省の方面からも非常に各方面に速急にやっていただいて、実は地元の方は非常に感謝しておるわけでございます。農林関係でももちろんそうでございますし、非常に感謝をいたしておるわけですが、たまたまそういう事例を一つ伺って参りましたので一応申し上げたのであります。どうぞ御了承願います。
○今村委員 まだわれわれの方は感謝するほどになっておりませんが、次に自作農創設の維持資金でありますが、これは大体長崎県としては農民団体に現に十億ということにいっておるようであります。ところが現在は二億七千百万円がいっておるようでありますが、二億七千百万円ぐらいじゃどうとも手のつけられないくらいの少額の金でありますが、あとの分は一体どういう方法で融資をしていただくか、これを一つ承わっておきたいと思うのであります。
○安田説明員 率直にお答えた申し上げますが、自作農資金の年間に使いまする資金の配賦と申しますか、融通をする措置に関しまして、前国会で、農林委員会を中心としまして、三十一年度のやり方はよくなかったという、御決議ではありませんが、強い法律案に関連しました意思表示がございました。それを今年度は年度当初にそれに応じました是正をいたしました。それは次のようなことでございます。昨年は自作農資金は二十五億のワクでございました。今年度は五十億のワクが国会の御審議を得て通っておるのであります。その年間ワクを前半と後半とに分けまして、半々でもありませんが、前半が多くではありますが、二分して県別に必要量を見積ったワクを出したあと融通措置をとっておりましたのを、事の性質上、資金の目的上年度の初めから需要も多いのだから、もっと早く融通すべきであるという農林委員会を中心にした御意見がございましたので、ことしは五十億のワクのうち四十億を年度当初に実はおろしたのであります。その面においてはその措置はけっこうであったと思いますし、けっこうだと国会の関係委員会でも御批判をいただいておりますが、あわせまして、災害を受けた自作農を維持するための資金が、残は十億以内という結果になっておるのでございます。そのうち開拓者の中の個人債が非常に多いのをいかに措置するか。同様にその資金の措置をすることも国会の決議にございまして、五億円をこれに充てることが附帯決議になっておりますので、五億円をその措置にまた使用しました。それから海外移民の用途に対しまして一億弱でございます。従って、全部災害用の資金として特別ワクを設ければ、使い得るものが四億しか残っておりませんので、その四億を重点的に長野、西九州地帯に対して配付しましたが、長崎県の例で申しますと二億七千四百万円でありまして、その全体のワクは四億円であります。需要はこれに対して、長崎県庁が言っておられるように、一戸当り五万円ずつでも十億要るというお話でございますので、二つないし三つのことを措置するように今努力中であります。その一つは自作農資金そのものでありますが、少くとも私どもは、もう七億円のものを特に災害を受けて困窮された自作農の維持のために使用したいと思って努力中であります。五億のところで実はまだ大蔵省と折衝中であります。七億以上、私は数十億もほんとうはあった方がいいと思いますが、まず七億と思っております意味は、本年度は、国会の御審議を経まして農林漁業公庫に予備費という資金ワクを作っていただきまして、そのワクが七億ございますから、それをまず使いたい、そのあとはまたそのあとだと思っておるわけでございます。これに関連しまして、天災融資法に基きます利子補給による中金資金を原資とします災害営農資金という制度が法律でございますが、この金融はまだ具体的に動いておりません。また農業共済制度に伴います災害作物の特に水害で流失埋没してしまった――それ以上の被害のところは収穫皆無のわけでございますから、今村全部損害を受けたというものに対する措置は早くできるわけでございますので、この農業保険金の支払いと、災害のいわゆる天災融資法と言っておりまするものによる営農資金の融資をあわせまして、やはり営農資金を考えるべきものでありまして、おのずから資金の融通をする制度が違いますから、それに応じまして自作農資金の残部について、また四九州地帯ばかりでなしに、岩手から南九州まで今では解決すべき該当県がございますから、それについて目下は七億で大蔵省と折衝し、これを片づけましたならば、私の個人の考えでありますが、予算と財政投融資の繰り延べ措置がとられておるのがございますので、その分について、他の諸制度との影響等も考慮して、解決つくならばそこから資金を出しまして融資ができるようにお願いしたいと思っておるわけであります。今その努力中でございます。
○今村委員 ちょっと今のお話は耳寄りな話でありまして、そうしますと、大体自作農創設維持資金として現在七億近くのものがあるということになりますね。そうして、長崎県には二億七千百万が出ておるから、その率によってあとの分を配分するというのですか、その点ちょっと……。
○安田説明員 資金配付の基準の点でございますが、私は自作農家が大部分になりました現在では県別に農業関係の被害額を全部見積りまして――全部というのは、作物も農地も施設も、山林で被害を受けておりましたら山林も、全部一応見積りまして――家屋流失の方も今回は相当あると思います。その県別被害額をすらっと比較して、その比例で配るのがいいと思いますが、先ほど申しましたように、そのうちから、農業保険で支払うべき想定額とか、来年度の営農資金で融資を受けるべきだという額をやはり除きませんと、金融制度として重複混淆を来しますので、それによりまして全国を見渡して配付すべきものだと思います。この前の四億は、西九州とか長野、岐阜が急ぐだろう、特に重点的にやるのならそこに限定していいだろう、こう考えて措置しました。追加措置をする際は、四億措置しました分も一級に合せまして、全部をにらみ合せて配付するということを考えております。
○今村委員 その点は大体了承しましたが、そこで小額災害の問題であります。小額の災害は調査が完全にできておるか、まだ十分じゃないだろうと思うのですが、相当の地域において小災害があるので、大きいものについては、国のいろいろな法的な処置により、また国の補助並びに負担ということでできるようでありますが、小災害ということになりますと、現行法においての取扱いが非常に困難である。問題はそこにあると思いますが、たとえば県と市町村が一緒になって小災害の関係の復旧をやるという場合に、何か特別の計画、起債でこれをやるとか、あるいは農林漁業金融公庫とか、こういうようなところから融資をさせるとかいうことになっておるように実情を聞きますが、さて、小災害の関係が十万円以下は切り捨てとなりますと、これが一番重要な問題じゃないか。零細な関係が一番広いので、これの救済が完膚なきまでにならぬと、災害復旧というものは単に大きいところだけの形式に終ってしまう、こういう考えを持っておるのですが、さてこれに対して、どう考えてみても、今までの各省の話を伺ってみると、法の命ずるところ、法の規定によってというだけで、どうも救済という点が不徹底なように思われる。それで結局、これは特別立法を作られる意思があるかないかということを一つ承っておきたいのと、それからどうしても、その特別立法を作るということでなく、現行法でやるということになりますとなかなか複雑、たとえは自作農創設資金のごときでも、借り入れを個々に申し込むとその様式によって出す書類を書くのに、専門家で一日かかる、こういうことを言われておる。そうなると、農家あたりでは大へんな問題になるわけなのです。この点も相当事務の簡素その他を――何だか法律というのは本法ができて施行細則とか政令とかくっつけて、今度地元へ行ってみると、がんじがらめでほとんど閉口つかまつるというようになってしまう、いかに法治国といえどもあまりにも法律で固め過ぎているのではないか。そういう形式にとらわれてやるものだから、農家あたりがそういう金を借り入れることでも大へんな時間がかかるので、書類を書くにしても、一日もかかる。今度の住宅金融公庫あたりへ申し込むということを盛んに言っているけれども、これを借り込れるということになると、なかなか一カ月もあるいは一カ月半もかかる。あるいは書類が間違っておったか書き直せなどということで突っ返される。こういう点ももう少し簡素化したら、ことに農家に至っては事務的にはたんのうでない、わからない、そういう点も十分に一つ考えてもらわなければならぬと思う。 それからもう一つ、ここで聞いておきたいと思いますのは、たとえば県市町村が小災害を復興するについては、何か市町村の決議をもって県がこれをあっせんして、この農林漁業金融公庫、こういうところから借り入れるようにするというような指示をやられておる。これは自治庁との関係があると思いますから、自治庁の方でもこれは何でありますが、農林省の農地局長の名によって小災害に対する融資等について農地等の災害復旧に当り、現行法において補助の対象とならない小災害については、農林漁業金融公庫の融資を受けられるので、この点末端の施工者に徹底し、なお同公庫の被補助の融資処置により復旧の促進をはかるようされたい。これが一つ。それからさらに県単事業、または地方債を財源として市町村営で施工する場合の起債については、自治庁においても考量を払うとのことであるので、この方法も活用上、適切な処置をとられたい、こういうのが知事等にも、農地局長として地方に出されておるが、これは一体どういう意味に解釈したらいいのですか。
○安田説明員 書いてある通りの意味であります。
○今村委員 書いてあるといわれるが、それでは自治庁に承わりますが、そうすると今度は自治庁の方ではこういうことであると市町村に起債を許す、こういう連絡了解ができて、自治庁の方でもそういうように取り扱うことになっておりますか。
○小林説明員 その点の通知につきましてはよく知りませんが、問題は要するに市町村の責任管理に属すべき関係のそういう公共施設につきましては、その復旧については、これは必要な起債は認める必要があろう、こういう考えではおります。
○今村委員 そこが問題なんだ。これはこれだけではないのです。今度の復旧ということになりますと、起債というものはそれぞれにまだたくさんいろいろなものがあるのです。そうすると自治庁の方では、自分らでよくわかっていない、どこで自治庁は了解して農林省の方で出されたものであるか、どうもそこのところが合点がいかないのです、これでは。これは、私は決して追及はしませんが、ちょっとこれはまゆつばものだというような感じがします。そこでこれは農林省が特別立法を作るのがいやなので、政府がいやなので、一応こういうことでお茶をにごして、そこで地方から陳情に来る連中を追っ払おう、こういうような考えで出されたものではなかろうかというふうに私は考えるわけなんです、そういうごまかしの意味ではないでしょうが、どこまで誠意をもって実現ができるか、技術的にこれはできるのかどうか、中央ではそういうことを指令を出されて、末端に参りますと、そんなに法律は広げて現場の役人というものはなかなかできるものじゃない、問題はそこなんです。中央では簡単にそういうことをああする、こうするといわれるけれども、地方に参りますと、地方の役人というものは上司の命に従って仕事を施行しますから、法が許さなければその法をくぐるわけにいかないとか、法を適用してこういうふうにしていかなければならぬとかいうことになりますと、そこに問題が紛糾してくる危険があると思いますから、その点を十分、ここで私はこれ以上申し上げませんが、まだこれでは十分納得しません。しかしきょうは一応これで質問は打ち切りたいと思いますが、ただ政府も農林省、自治庁も一緒においでになるが、大臣が見えておいでにならないから、これを私がここで承わるということは無理でしょうから、これは当然新しい、いわば特別立法式な方法をとられぬと、ほんとうに現行法では方法がないのじゃないか、こう考えますからそれだけ申し上げて、これで私の質問を打ち切ります。
○門司委員長 受田君。
○受田委員 小林局長、きのうあなたに申し上げてある、資料を持ってないというお言葉で保留されておるのを、ちょっとごく短時間でいいからお答え願いたい、ほかの局長さんはけっこうです。 新給与制度につきまして国家公務員に準じた府県条例の公布をそれぞれ今なされつつあるのでございますが、現在のところどのへんまで自治庁としては承認されておる府県があるか、きのうお尋ねしたのでございますが、お答えを願いたいと思います。
○小林説明員 給与条例の制定自体は、これは自治体の条例ですから自治庁の承認と許可という問題はございません。自治庁といたしましては今の再建団体につきましては再建計画の変更が承認を要することになっておりまして、この給与の切りかえ等をやれば、当然の財政的な措置が必要でございますので、そういう意味で再建計画の変更の際に自治庁の方へ承認を求めにくるというものが実はあるのでございます。それで現実に今まで入りました情報によりますと、条例を制定したというのが十五府県あるようでございます。一部はまだ全部の条例でなしにその一部だけを作ったというものがございます。 それから再建団体の再建計画の変更につきましては、給与の切りかえに伴うて承認したものも一部ございますが、大ていは現在準備中でございまして、事前の協議に現在参っておるのが現状でございます。正式には議会の議決を経て承認の手続をとることに法律がなっておりますので、そこまでは参らぬのでございまして、今の段階では事前の協議として自治庁に内協議にきておる県が数県ございます。
○受田委員 財政計画上の給与単価というものは、大体年間の昇給率を四%見込み、また今回の国の昇給率である六・二%を見込んだものを基礎にして自治庁は承認する態度である。この原則は困く守ろうとしておるわけですか。
○小林説明員 今おっしゃいました考えでおります。ただ昇給率につきましては、再建団体が必ずしも従来四%計上しておらない。計上するだけのゆとりのなかった団体の方が多いのでございます。それからこの給与の切りかえにつきましては、国が六・二%と一応基準を示しておりますが、現実の切りかえは、それぞれの団体の職員構成等によって違いまして、六・二%で済まないところが相当あるように認めております。これはしかし現実の切りかえによる切りかえ率は慰め、ざるを得ない。そのかわりに昇給は三月三十一日を基礎にして切りかえをやってしまいますから、昇給期間が御案内の通り新給与法ではみな一年になっておりますから、ことしは昇給経費が非常に少額で済む建前になっておるのでございます。
○受田委員 地方教職員には、義務教育学校教職員とまた府県費でまかなう高専学校職員とがある。そういうものに対する配慮というものはどうされておりますか。
○小林説明員 これは小中学校も高等学校もそれぞれの団体の給与を基礎にいたしまして、昇給率を見込んでおるのでございまして、これにつきましてはいずれも国家公務員と同様な基準で切りかえが行われるという前提の財源だけを承認しようという考えでおります。
○受田委員 義務教育学校職員というものの定員をきめる一つの基準上の問題があると思うのでございます。国家公務員の場合は、これは定員定額制というものがしかれておる。地方公務員の場合は今回の場合でございましたら、三十一年十月の初め現在の定数というものを基準にしておられるということになっておるようでございます。そこで国の方は定員定額制、地方の方は過去の実績を中心にするというところにおいて実態に即する立場から申すならば、国と地方とにずれがあるとお考えじゃございませんか。
○小林説明員 それは地方では、国だって定員定額といいながら実員実額を基礎にしていろいろ各省の予算を組んでおられるのでございまして、地方でも現実の実員を基礎にして、なお計画上の増減というものがございますから、それをしんしゃくいたしまして、その給与を基礎にして現実に必要な切りかえ率をかけて予算を編成する、こういう建前をとっておるわけであります。
○受田委員 きょう非常に時間がかかってしまって、午後の会議としても相当進んだ会議になっているはずです。まだこれは午前中の会議です。それで私ぽんぽん進めるという立場で局長にお尋ねしますが、地方には地方公務員の立場を守るために、地方公務員法にはっきりと書いた給与関係の原則があるし、また公務員を擁護するために府県の権力の支配から守ろうとするために人事委員会があります。そうしてその人事委員会には明瞭に給与水準に関する勧告権が付与されております。その人事委員会が給与水準に関するたとえば生計費並びに民間給与、その他の事情を考慮して当然この給与水準を引き上ぐべきであるという勧告をした場合に、その勧告に基いて条例が作られるという場合に、人事委員会の勧告権を無視するような中央の自治庁の指導が行われた。たとえば再建団体において人事委員会は俸給表の作成に当ってある程度の有利な調整措置をとろうとしたような勧告をした場合に、自治庁は人事委員会の権威を保持するためには、どういう取り扱いをせられようとされますか。
○小林説明員 それぞれの地方に人事委員会があって、給与につきまして勧告権を持っておることは事実でございます。しかしこの人事委員会の給与の勧告に伴いまして、府県自体がどういう態度をとるか、これはまた別問題であろうと思うのであります。それに伴いまして府県自体がどういう態度をとるにせよ、自治庁といたしましてはやはり地方の給与の基本原則というものは、国家公務員に準ずるということが法律の建前でもありますので、その法律の建前に従って行われることを強く希望するとともに、特に再建団体等の計画変更におきましては、それに準じて行われることを一つの条件にいたしたい、こういうふうに自治庁は考えております。
○受田委員 地方公務員の身分関係の、あるいは給与関係の法律的立場における所管事項は、自治庁と見てよろしゅうございますか。
○小林説明員 これは地方公務員一般のは地方公務員法ですから自治庁です。そのほかに警察につきましては警察法、それから教育職員につきましては教育公務員特例法がございまして、これは文部省も責任を持っておるのでございます。
○受田委員 そうしますと、原則的には自治庁が責任を待つということになりますると、自治庁は地方人事委員会の権限というものに対して、これを尊重するという立場をおとりにならないと、人事委員会の存在意義というものも失われると思うのです。人事委員会がその職権に基いた勧告をした。しかしながら自治庁は財政上の理由でこれを承認しないということになると、地方公務員法第二十四条、第二十五条及び第二十六条の規定というものは空文に帰すると私は思うのです。この自治庁のこの地方公務員を擁護するという法律的基礎を破るということになったならば、人事委員会というのはなくてもいいのだ。ただ公平事務を取り扱うとか、そのほかの任免のある程度の原則である競争試験とか、あるいは不利益処分に対する救済措置というような、そういうことをごく簡単に認めるという程度では、これははなはだ人事委員会としては哀れな状態になるのであって、依然としてここに報告権及び勧告権というのが人事委員会にはある。国の人事院に対応する立場の、この地方の人事委員会という機関を持っているがゆえに、地方の府県の独裁的行政などに一つのブレーキがかけられるということを考えるわけであります。地方公務員を擁護する大事な機関であるこの地方人事委員会が、純粋な立場でとった勧告あるいは報告に対して、府県がこれを尊重した措置をとろうとしたら、今度は自治庁がぎゅっと抑える、こういうことになると、はなはだ私はこの自治尊重、特に人事委員会というある程度の独立性を持った機関というものの存在意義が失われると思うのでございますが、人事委員会を尊重するという観点から地方自治庁としてはどういうお考えを持っておられるか、御答弁を願いたいと思います。
○小林説明員 人事委員会が地方公務員法に定むる独立的な権限を行使することにつきましては、これはもうできるだけ尊重すべきものであろうということは当然のことだと思っております。ただそれにつきましては、給与の問題につきましては地方公務員法自体、つまり国家公務員の給与というものとの権衡を考慮して定むべきことを定めておるのでございまして、特に教育職員とか、公安職の職員につきましては、もっときびしく給与の種類及び額まで国家公務員のことを基準にして定むべきことを明定いたしておるのでございます。それでこの人事委員会の権限の方を見ましても「職員の給与がこの法律及びこれに基く条例に適合して行われることを確保するため必要な範囲において云々」。こういうふうな規定もございまして、人事委員会の勧告の実態も当然そういう法律の趣旨に適合して行われ、その範囲内のものであるべきものだと思うのでありまして、まず建前上その問題が一つありますとともに、自治庁といたしましては再建計画の達成という一つの至上命令がございまして、この至上命令の遺憾のない達成につきまして、自治庁といたしましてもこの運転を見守っていく責任がございますので、この問題はそういう両面から考えていく必要があろうと思うのでございます。人事委員会の勧告自体が、こうした地方公務員法その他の諸法律のワク内において、それぞれ自主的にお考え願う分野も相当あるのでございまして、そのワク内においてわれわれといたしましては承知し、尊重していくという建前をとらざるを得ないと考えておるわけでございます。
○受田委員 地方公務員法第二十四条には、給与というものは職員の職務とその責任の度合いに応じてきめなければならないというようなことも書いてある。それから二十四条の第三項でしたか、給与水準の規定もあるのです。だから、そういう点を尊重して人事委員会が勧告をするということになるわけです。ところが府県人事委員会は、国家公務員の基準まで来ていないという府県が国に準じようとする場合、ことに再建団体などにおいて国の水準まではどうしても達しなければならぬのに実質的に達していない府県において、国の水準までの勧告をする。その場合、国の水準に達するために勧告しておるのに、自治庁からは財政再建計画の途上にあるのだから人件費も節約せよという、再建の犠牲を人件費にもおおいかぶせるという意味から、この勧告を無視したお取扱いをなさるということになると、その法律に忠実に人事委員会が勧告をしたのにかかわらず、国はそれを抑えていくという矛盾が起りはしないでしょうか。
○小林説明員 地方の職員の給与が国家公務員にも及ばぬ、それでえらい苦労をしておる、そういう場合に人事委員会が、国家公務員の基準に適合するように少し是正をしよう、こういう勧告に対しましては、自治庁といたしましても財源の許す限り、再建計画に支障のない限りその要望を実現するように協力すべきものだと考えております。
○受田委員 非常にすっきりしたお答えをいただいたわけですが、そうすると局長の御答弁では、国の基準まで来ない府県はみな救われるということになる。再建計画団体につきましても、とにかく国の基準までは高めてやろうという御努力をされておることは、私非常に賢明なお考えだと思うのです。ただ、特に再建団体などというものは非常に苦労をしておる団体だし、またそこにおる職員というものは再建計画に努力するという気力と希望を失っているというまことに悲惨な立場にもあるのですから、職員だけには希望を持たせるという措置をすべきであるということは、きのう申し上げた通りなんです。 ところがもう一つの問題は、自治庁の指導精神が露骨に発揮できるのは再建団体だ、しかも財政計画の変更というときには自治庁としての強力な強権の発動もあるということで、再建団体には非常にきびしく当られる。しかるに一般の非再建団体や、いわゆる富裕府県というところはそうならぬというところに、自治庁としては府県のアンバランス是正に対する非常な苦痛があろうと思います。それをお考えになるときに、再建団体にのみ伝家の宝刀を引き抜き、ほかのところはまあ要望にできるだけこたえるという結果になると、そこに給与の差が一そうはなはだしくなる危険があると私は思うのですが、この際一つ再建団体においても、再建の意欲が隆々と燃えて、その努力のあともまた歴然たるものを発見されたならば、人件費に対する措置については、一つ職員に希望を与える上において、大目に見てやろうという手心というものはないものでしょうか。
○小林説明員 これは先ほどおほめいただいた程度でお許しいただきたいわけでありまして、再建団体の職員が苦労しておることもよくわかっております。それでありますから、全般的に給与もできるだけよい方がわれわれも同じ身分ですから望ましいと思いますが、やはりそれにはおのずから限度がございまして、われわれとしてはともかくも中央、地方の給与、国家公務員の給与というものがあらゆる面から考慮されて、国会の御審議も経てきまっておるわけでありますから、これに準じて措置されるという大原則は守るべきじゃないか。特に再建団体におきましては全体の仕事も抑えつけ、国からもいろいろな面で援助を受けながらやっておるのでありますから、再建の計画をすみやかに達成して一本立ちになるということを基本に考えていただいて、国家公務員並みの給与は保障する建前は厳守して、それ以上のことを望むのは差し控えていただいて、一つ再建に御協力をお願いしたい、こういうふうに存ずるのであります。
○受田委員 時間の関係で私はこれで質問を終りますが、一番しまいに私お尋ね申し上げたいのは、今の地方の財政上のアンバランスをどう是正するかということの解決策としては、第一義的には団が財政的援助を地方の公共団体に大いに与えるということと、次は府県間のいわゆる貧乏県と富裕県との財政上の措置を調整するということ、まず府県の給与差を縮めるという意味で、特に再建団体などの気の毒な立場にある公務員の給与を引き上げるという意味においては、経済の自給能力の高い富裕県から財源を国がある程度吸い上げて、貧乏県に回すという措置、たとえば地方交付税のような措置を今後一そうきびしくやるという線と、国が地方自治の振興のために地方財政に協力するという線と二つあると思いますが、その二つの線のどちらにウエートをかけて地方公務員の給与上の不均衡を是正されようとされますか。
○小林説明員 地方公務員の給与上の不均衡をほんとうになくするということを考えたときには、給与自体を法律でも制限するようにきめるかするよりしようがないと思いますが、これはいろいろ各種各様の府県、市町村がありますので、そこまで行くことはいかがかと思います。現在の教職員とか警察職員のように、中央、地方を通じて変らない職員については、それで割ときびしい制限を入れておるわけであります。それ以外のものについては、われわれはやはりそれぞれの団体の自治的な判断と自治庁自体の一つの指導方針によってあんばいするよりほか仕方がない、今の段階ではそういうふうに考えております。 そこで、いま一つの問題は、そういうことで富裕団体等において給与の高いということは事実であります。特に東京、大阪等はほかの県から見れば相当高いのも事実でありますが、そういう高いのであるからといって、低いのを高く引き上げるべきかということになれば、これは非常に疑問でありまして、そういうわけにも参らぬのでございまして、これはむしろ国家公務員自体の給与のレベルを考えてものを考えざるを得ない。それで今最後に、それに関連して財源の調整の問題が議論せられましたが、これは単に給与だけの問題ではない。要するに団体自体の財政力が全般の仕事をやる上において今の財源では、かりに富裕県は別としても貧乏県は十分かどうかという問題で、これはわれわれといたしましても、現在の措置では十分だとは考えていません。国会におかれましてもそういう論議が強く、地方交付税率の引き上げの問題もそうした問題の一環だと思うのであります。そこでその場合にそうした財源を与えるのに、国から与えるべきか府県の一部のものからとって与えるべきかというお話がありましたが、これは与えるとすれば当然国から与えるべきでございまして、今の東京、大阪のような豊裕なところからちょん切って与えろという意見は、現にここにおられます大蔵省あたりは始終おっしゃいますが、これはわれわれといたしましては筋の違った議論でございまして、与えるとすればもちろん国として交付税を増率して与えることを考えざるを得ない。東京都は月給が高いから、あり余る金があるからといって、必要な仕事を十分にやるだけの財源があるかといえば、やはりまだまだ不十分と言わざるを得ないのでございまして、財源の配分の問題とすれば、国全体と地方全体の関係の問題として、当然考えるべきものだとわれわれとしては考えておるわけでございます。
○受田委員 あなたのお考えには私も共鳴します。つまり地方自治がまだまだ進行過程中にあり、地方財政の確立してない今日、その財源を国から求めるというあなたの考え方には敬意を表します。地方を守る大事な機関は、国の機関としてやはり結局自治庁ですから、一つあなたがしっかり地方を守っていかなければ、これはもうほかの役所はしぼろうしぼろうとしておるのですから、この際大目に見て、国家財政全般の見地というものはちょっと目をつぶってでも、そういうところへ努力されて、こういった措置を一つ適当にやっていかれる方が、国の公務員との調整においても非常にいい結果になると私は思う。特に昨年人事院は、国家公務員は地方公務員より給与が低いと勧告をしたのです。報告書の中にある。従って地方公務員になびくために給与を上げるんだという措置をしたことがあるのであります。国家公務員に準ずる地方公務員でなくて、地方公務員が高いから今度は国家公務員が上るのだという措置を国がとったことがあるのです。そういう意味からいうならば、たとい数字の上で現われた結果であるにしろ――そのやり方が多少疑義があるのでありますが、実態調査の結果が多少向かったということで、地方公務員に近づけるために国家公務員の給与を上げなければならぬという努力を国がするような立場もありますので、いわば国家公務員よりは多少地方公務員の方の給与が高いくらいの方がやはりいいのではないか。むしろ中央においても事務系統の人よりも現場の職員の方の給与と上げるという考えもあったくらいですから、やはりその意においては実質的には末端で苦労される、現業的立場で仕事をされるような、国の中央の企画運営の線よりも第一線の実施機関のような形にある地方公務員を、多少優遇するくらいが、ちょうどその辺で国と地方との公務員の給与の均衡がとれたという結果になるのではないかと思いますが、私の考えが間違っておるとおっしゃいますでしょうか。
○小林説明員 そこまで行きますと、すぐそうですということも自治庁として言いにくいのでございまして、勤務の形態、実態、中央の役所もそれぞれ出先で現業職員もおるわけでありまして、ほとんど全般を考えますと、国の役所の職員の勤務の実態と、地方のそれとは質的にも量的にもそう違っておるわけではあるまいと思うのであります。それでやはり給与の基準は一本で行く。たとい地方が貧乏でもそれくらいのものは確保してやる態勢で行く。こういう基本の原則をあくまでも確保していきたいと存じております。
○門司委員長 それでは本日はこれにて散会いたしまして、次会は公報で御通知申し上げます。 午後二時五十五分散会